第040回国会 決算委員会 第11号
昭和三十七年二月二十六日(月曜日)
   午後一時十四分開議
 出席委員
  委員長 鈴木 仙八君
   理事 荒舩清十郎君 理事 木村 公平君
   理事 田中 彰治君 理事 高橋 英吉君
   理事 小川 豊明君 理事 勝澤 芳雄君
   理事 西村 力弥君
      宇田 國榮君    臼井 莊一君
      鈴木 正吾君    藤井 勝志君
      久保 三郎君    山田 長司君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (行政管理庁行
        政監察局長)  原田  正君
        大蔵事務官
        (管財局長)  山下 武利君
        文部事務官
        (大臣官房会計
        課長)     安嶋  彌君
        通商産業政務次
        官       森   清君
        通商産業事務官
        (大臣官房会計
        課長)     井上  猛君
        通商産業事務官
        (重工業局長) 島田 喜仁君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (行政管理庁行
        政監察局監察審
        議官)     石川 準吉君
        大蔵事務官
        (主計局司計課
        長)      佐々木達夫君
        文部事務官
        (東京大学事務
        局長)     鶴田酒造雄君
        通商産業事務官
        (大臣官房広報
        課長)     琴坂 重幸君
        通商産業事務官
        (通商局次長) 山本 重信君
        通商産業事務官
        (通商局振興部
        長)      生駒  勇君
        通商産業事務官
        (通商局振興部
        検査課長)   中谷 大吉君
        通商産業事務官
        (企業局賠償特
        需室長)    池田 久直君
        通商産業事務官
        (重工業局重工
        業課長)    金井多喜男君
        通商産業事務官
        (重工業局重工
        業品輸出課長) 原田  明君
        通商産業事務官
        (重工業局産業
        機械課長)   橋本 徳男君
        通商産業技官
        (重工業局電機
        通信機課長)  吉開 勝義君
        会計検査院事務
        総長      大澤  賓君
        会計検査院事務
        官
        (第二局長)  樺山 糾夫君
        会計検査院事務
        官
        (第四局長)  宇ノ澤智雄君
        参  考  人
        (財団法人東京
        大学運動会理事
        長)      鈴木 竹雄君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
二月二十三日
 委員久保三郎君及び芳賀貢君辞任に
 つき、その補欠として高田富之君及
 び楯兼次郎君が議長の指名で委員に
 選任された。
同日
 委員高田富之君及び楯兼次郎君辞任
 につき、その補欠として久保三郎君
 及び芳賀貢君が議長の指名で委員に
 選任された。
同月二十四日
 委員久保三郎君、芳賀貢君及び森本
 靖君辞任につき、その補欠として高
 田富之君、木原津與志君及び井手以
 誠君が議長の指名で委員に選任され
 た。
同日
 委員井手以誠君、木原津與志君及び
 高田富之君辞任につき、その補欠とし
 て森本靖君、芳賀貢君及び久保三郎
 君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十六日
 委員久保田藤麿君及び森本靖君辞任
 につき、その補欠として臼井莊一君
 及び山田長司君が議長の指名で委員
 に選任された。
同日
 委員臼井莊一君及び山田長司君辞任
 につき、その補欠として久保田藤麿
 君及び森本靖君が議長の指名で委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和三十五年度一般会計歳入歳出決
 算
 昭和三十五年度特別会計歳入歳出決
 算
 昭和三十五年度国税収納金整理資金
 受払計算書
 昭和三十五年度政府関係機関決算書
 昭和三十五年度国有財産増減及び現
 在額総計算書
 昭和三十五年度国有財産無償貸付状
 況総計算書
 昭和三十五年度物品増減及び現在額
 総計算書
 国有財産の増減及び現況に関する件
     ――――◇―――――
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 国有財産の増減及び現況に関する件、特に東京大学検見川総合運動場の問題について調査を進めます。
 この際お諮りいたします。
 本問題調査のため、東京大学運動会理事長鈴木竹雄君に参考人として本日の委員会に出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
○鈴木委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 これより、関係当局及び参考人に対する質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、これを許します。木村公平君。
○木村(公)委員 私は、前回に引き続きまして、検見川ゴルフ場関係の質疑をいたしたいと存じます。
 本日は、文部省の大学学術局長、大蔵省の主計局長または次長が来ておられるはずですが、来ていらっしゃいますか。――これは委員長にちょっと申し上げますが、この検見川の問題は――ひとり検見川だけではございませんが、この決算委員会における決算の調査ということは、予算の審議と同じように重要な問題でございますので、当面の責任者は、文部省においては会計課長かも存じませんが、これは会計課長という地位の方でもって答弁をなさるということは、私どもとしてはどうも納得しかねる。大臣は、あるいはいろいろの所用もありましょうけれども、もう少し文部省を代表して、そうして責任を持った処置のできるような人が代表としてここへ出席していただくことを、特に私は委員長にお願いして、今後は要求をしていただきたいと思いますし、大蔵省においても、主計局長もだれも来ないで、一主計官あたりが来て、私に対する答弁はできるかもしれませんが、そんなおざなりな答弁でもってこの決算委員会というものを乗り切るというような考え方、そういう考え方自体がおかしいので、やはり予算を審議して、その審議されたる予算が正当に使用されておるかどうか、あるいほ国有財産というものが正しく使用されておるかどうか、管理されておるかどうかというような国の大事を、国民の名において調査しようとしておるのでございますから、今後において、こういう文部省、大蔵省あたりのものの考え方、決算委員会なら主計官でもよろしい、一課長くらいでよろしいという、そういう考え方を抜本的に変えていかないと、この調査もなかなかむずかしいと思うのです。だから、その点を十分お含みの上、一つ委員長から文部、大蔵両省へ要求をしておいていただきたいと思うのです。
 そこで、私は本論に入りますが、去る二月十二日、当決算委員会において、東京大学の検見川総合運動場の問題に関して質疑をいたしまして、東京大学当局並びに関係当局の方々から、この問題に関し御答弁をいただいたのでありますが、その答弁によって判明いたしたことは、一つは、千葉市の畑町にありまする東京大学検見川総合運動場十万二百二十二坪のうち、七万九千九百八十四坪が、現在東京大学の学生、職員並びに卒業生らによってゴルフ場が開設利用されておるというととであります。二つ目は、さらにこのゴルフ場が国有財産であり、財政法第九条、国有財産法第十四条による成規の使用目的に合致せず、またこのゴルフ場からの収益は、国庫に一銭も納入されていないことも明らかになってきたのであります。第三点は、このゴルフ場が、東京大学の学生のゴルフの単位修得のためとはいえ、昭和三十五年度の学生利用者数は千七百五名に対し、学生以外の使用者は、これにまさる一万三千八百七十七名で、約八倍の利用率を示しており、さらに学生の単位修得者に至っては、わずかに八名にすぎないということが、答弁によって明らかにされたのであります。この総合運動場の使用目的に対し、昭和三十年には会計検査院の実地調査による指摘があり、さらに昭和三十四年には大蔵省関東財務局の国有財産監督官の指摘もあり、さらに昨年行政管理庁によって指摘されたところの、いわくつきのものであることも判明いたしました。第五点は、これに対する関係当局の答弁では、昭和十四年同地を入手以来、総合運動場として同地を整備する方針に変わりはなかったが、その間戦争という予想しない事情が発生したため、はからずも所期の目的を達することができず、今日のような状態になったという説明があり、特に大学当局の試案として、今後一万六千六百坪を陸上競技場、サッカー、野球、バスケット及びテニス場等に整備する等の計画が述べられたのでありますが、その後、去る二月十七日当決算委員会において現地視察をいたし、いろいろ調査して参りましたので、それらの結果等を勘案して二、三の質疑を試みたいと存ずるのであります。
 質問の第一点は、まず最初に大学当局にお尋ねいたしたいのでありますが、先日の当委員会の後、大学当局はこの問題に関しいかなる協議をせられ、その結果はどうなったのであるか、まずこの点をお聞かせ願いたいのであります。
○鈴木委員長 ちょっとこの際木村委員にお答えいたします。御発言の趣旨を十分に尊重いたしまして、これからさよう取り計いたいと存じます。ただ、本日は文部省関係でございますが、分科会と重複しておりますので、その点は御了承願いたいと思います。
○鶴田説明員 検見川総合運動場の問題につきましては、管理の面、運営の面におきまして、御指摘のように遺憾の点がございましたことは、まことに申しわけないと存じておる次第でございます。大学におきましても、その後学内関係各方面はもちろん、文部省とも数回にわたりまして協議いたしまして、お手元にお届けしてあるような整備計画案に従いまして、総合運動場を整備させていただきたい、かように希望いたしておるわけでございます。すなわち、先ほど御質問にもございましたが、現在のゴルフ場施設を縮小いたしまして、野球場、陸上競技場、蹴球、テニス・コート等をすみやかに整備するよう、私どもといたしましても努力いたしますとともに、学生の合宿所を緊急に整備いたしまして、適正な国有財産法その他の法律に従いました管理のもとに、総合運動場として使用いたしたいという希望を持っております。
○木村(公)委員 検見川ゴルフ場を東大の総合運動場として名実ともにお使いになるのかどうかという点について、さらにもう一ぺん確実なお考えを承っておきたい。というのは、私どもの中には、今こういうふうに土地が少く、住宅難で国民が困窮しておるときに、国有財産を総合運動場と称して借用して、それをごく小部分の楽しみの対象であるところのゴルフ場とする、そういう国民に対して冷酷無情な考え方、こういう考え方を是正するためにも、一応検見川の現在のゴルフ場は、もとの千葉市に返すか、あるいはその他の方法をもって開放して、あそこに庶民階級のために住宅でも建てることの方が、どれほど政治の上から見ても、あるいはまた国民感情から見ても、美しく正しいかしれないといったような意見も、実は私ども委員内にほうはいとして起こっている次第であります。従いまして、もしもあなた方が、ゴルフ場というようなものをほんとうにおやめになって、そして東大の全学徒のための総合運動場として、ごまかしなくこれを使用するということのほんとうの気持がありますならば、その点をもう一ぺん明確に承っておきたい。単にゴルフ場を縮小するといったような、いかにも消極的な、運動場として払い下げを受けながら、いつの間にやらゴルフ場に模様がえをして、しかも、東大が払い下げを受けておるものを、財団法人東大運動会というようなものを作ってこれに管理させ、これに収益を与え、国には一銭の金も入れておらない、とのような考え方というものは、われわれから見れば不逞であります。国民の側から見れば許すべからざるところの不逞であります。そういう考えの上に立って、まだ平易な打開策――国会がうるさいから、ゴルフ場をある程度縮小するといってごまかしておいて、そして、その余地があれば総合運動場でも作りたいといったような、もしもごまかしであるというようなことになりますれば、これは国会に対して重大なる責任があるはずでございますので、この際ほんとうにゴルフ場をおやめになって、総合運動場一本としていくお考えがあるかないか、その点を一つ伺っておきたいのであります。
 さらにまた、引き続いて、総合運動場に要する経費は一体どのくらいであるのか、また、予算措置を講ずるまでの間はいかなる措置をするつもりであるか。あなた方がいかに青写真をおかきになっても、大蔵省がこれを承認しなかったならば、あるいは文部省が承認しなかったならば、おそらく東大で総合運動場の諸経費というものは、建設経費というものは出るわけのものではないと存じますが、その予算措置ができ上がるまではどういう措置をおとりになるつもりであるか、相変わらずゴルフ場として収益を国庫に納めることなく、積み立てるつもりであるのかどうなのか、その点も一つ伺っておきたいと思います。
○鶴田説明員 ただいまの第一点の御質問でございますけれども、大学といたしましては、ゴルフ場の縮小と単に申し上げましたが、結局これは前回の委員会にも申し上げましたように、ゴルフ場はやはり存置させていただきたい――それは考えておりますが、その点は、ただホール数を減らして、学生の実習あるいは実験に使って、ゴルフ場としては正規のと申しますか、一般のゴルフ場のような規模のものではなく、ただ学生で在学中にゴルフを始めた者の練習のできるような意味合いで存置をさせていただきたい、かように考えております。
 それで、今度のこの計画につきましては、全体の運動施設のバランスを考えて――もちろんこれは文部省とも御相談申し上げて参った案でございます。なお、その整備につきましては、私ども、文部省とも御相談の結果、ぜひこれで整備していくようにという大体の協議が一致いたしておるわけでございます。
 なお、総合運動場の整備費でございますが、これはこの整備計画案に基づきまして、これも金額につきましては、文部省と私どもの間ではいろいろ相談して参りましたが、大体が一億五千万円ほど直接の新しい設備費としてはかかります。しかし、それには、ゴルフ場を縮小いたしますためにコースを変更する経費も要ると思いますし、それからゴルフ場と他の運動場との境界の応急の網さくのようなものが、相当高いものが要ると思いますが、そういう経費は実はまだ積算いたしておりませんので、直接経費といたしまして約一億五千万円を見積もっております。なお、この完成年度でございますが、これは予算の都合もございますことと思いますが、私どもの希望としては、最大限五カ年くらいで何とか完成させていただくように、関係当局の御配慮を願いたい、かように考えております。
○木村(公)委員 私どもが、特にゴルフ場についていろいろくどいほど御忠言を申し上げますことは、あなた方はこのゴルフ場を作った後において、学生にゴルフの科目を正課として、そうしてゴルフの単位を作るために、このゴルフ場というものをこれから利用するんだということを、この当委員会において大いに強弁をされておるのでありますが、しかしながら、あなた方の御答弁でも明らかであるように、単位をとった学生というものは十数名にすぎません。一方、この利用者は年間数万人ありますが、単位をとった学生は十数名にすぎない。その十数名の学生のために――しかももっとこれを抜本的に申せば、ゴルフを正課として、ゴルフの単位をとらせるということが、東京大学としてどれほどの価値があるかないかという点については、またおのずから議論が異なるところでありまして、われわれはこれに対しては一つの別の考え方を持っておりますが、かりに百歩、万歩譲りまして、ゴルフというものを正課として必要なりという当局のお考えを是認するとしても、それを前提にいたしましても、十数名の単位をとる者のために、国有財産を無償で今日まで使って、しかも、これを総合運動場として払い下げを受けながら、実際はゴルフ場に利用しておる。しかも、他の営業ゴルフ場と同じような方法をもってやっておられる。それのみならず、私どもが最も不審に思いますることは、東大が千葉市から総合運動場として、学生の名においてこれの払い下げを受けておきながら、今まで財団法人の東大運動会というものが、このゴルフ場については名実ともに実権を握っておる。しかも、そのゴルフ場の面積は、総合運動場のほとんど七、八割を占めておる。そうすると、総合運動場というものの大部分というものは、東京大学にあらずして、別人格であるところの財団法人東大運動会というものが、活殺の実権を握っておるということになるわけです。
 このようなことは、監督官庁であるところの文部省が、これを知りながら今日まで放置しておくということは、文部省の重大な責任です。それと同時に、文部省は、しばしば行政管理庁の忠告あるいは指摘、会計検査院の指摘、その他の非難を耳にしながらも、これを放置して顧みない。このようなことが今後続きますならば、一体行政官庁であるところの文部省というものは、大学に対してはどの程度の監督権があるかということを疑わざるを得ない。相手が東大でありましょうとも、京大でありましょうとも、おそらくあなた方が管理監督権を持っていらっしゃる。しからば、不正があれば当然是正するという義務があることは、私が申し上げるまでもないと存じますが、文部当局は今日までほとんどほおかむりでもって――この間の御答弁によると、中には文部省の役人までもこのゴルフ場のメンバーに入っておる。それで監督ができますか。官僚の腐敗というものも、ここまでくればほんとうにきわまれりといわざるを得ない。
 そこで、引き続いてお尋ねいたしたいのは、昭和三十五年度の特別会計を見ますると、二千八百五十九万余円が昭和三十六年度へ剰余金として繰り越されておるわけです。財団法人の東大運動会というものの剰余金が三十六年度へ二千八百五十九万余円が繰り越されておるが、この剰余金はどうするおつもりなんですか。さらにまた、昭和二十八年以来この運動場がゴルフ場として使用され、収益が上がって参ったのでありますが、この収益に対する処置をどうするつもりでありますか、この二点について当局の御説明が願いたい。
○鶴田説明員 剰余金の二千八百余万円の問題でございますが、御質問の剰余金の性格でございますけれども、本来この金は、一般剰余金とちょっと異なっております。たとえば、ゴルフの方だけをとって申しますと、今までのいきさつからして、何年目かに芝生の張りかえを、ちょうど畳がえと同じようにする必要があるわけであります。そういうふうなものの積立金とか、それから従業者の退職金の引当金とか、あるいはその金を整理いたしまして、運動施設を作って大学に寄付するというような目的で、年々繰り越して積み立ててきた金でございまして、今後この問題は、あとでもまた申し上げますけれども、先ほどの第二の質問にも関連いたしますが、大学といたしましては、国有財産の使用料を従来にさかのぼって運動会から徴収して国庫に収納する考えでございます。その一部にこのいわゆる剰余金の二千八百万円を充てるという考えでおります。それからなお、その他は、先ほども申しましたように、退職金の引当金あるいは運動場の整備費に悉皆使いましてそれを国に寄付させる、かように考えております。
○木村(公)委員 文部当局からお伺いしたいのですが、会計課長は、当面の責任者かどうか知りませんが、――こういうことは、大臣も出てきて答弁をやるべきだと思う。従って、もしも会計課長が答弁ができないとするならば、必ず次会には大臣みずから出てきて、そうして大臣の責任において答弁をするほどの問題なんです。そんな小さい問題じゃありませんよ。一課長の問題とは違うのです。そこで、あなたに答弁ができなければ、ぜひともお持ち帰りを願って再答弁をお願いするわけでありますが、今聞いておりますと、大学当局では、青写真をやって総合運動場としてこれを手直しをするんだ、それには幾ら要るんだということを言っているが、まず、それは、あなたの方はやる気があるのかないのか、一体文部省はどうです。
○安嶋政府委員 先般来御指摘がございましたように、検見川運動場の現状は適切でないということは、これは私どももそのように承知をいたしております。従いまして、この土地を購入いたしました当初の目的に従って、総合運動場を建設するということに当然しなければならぬと思うわけであります。それにつきましては、先ほど大学から申し上げましたように、直接的な経費だけでも約一億五千万円が必要だと思います。文部省といたしましても、大学当局と相談をいたしまして、必要な予算を確保の上、すみやかに総合運動場を建設したい、このように考えております。
○田中(彰)委員 私は、まず委員長に一つお願いしたいのですが、ちょうどかぜを引いたりいろいろな事故がございまして、あまり出ておらないので、これからいろいろ書類を見ましたり、またいろいろな調査をしたりした結果によって、この問題を当局に対して質問をしたい、こう考えておりますが、まず第一に、これだけの、今一坪一万四、五千円もするような土地を、八万坪もゴルフ場として、いかに東大側としても、東大にそういう科があっても、ゴルフというものがどうしても必要欠くべからざるものだということなら別ですが、今木村委員などの質問を聞いても、また応答を聞いておりましても、そう大した重要性もない、それにこういう土地を非常にむだにしておるということは、私は経済的に見てもおかしいと思う。
 いま一つ、これを総合運動場にするとおっしゃっていますが、これは相当な権利金もとってあるし、いろいろな複雑な金の使途、その点が私は非常に複雑でないかと思うのであります。ゴルフ場はやめるにしても、権利金をどうして返すとか、だれが何だとか、問題が非常に出てくると思う。だから、今後それを取りやめて民間に持っていって、今民間の人たちが家を建てるのに困っているから、そういう点から言いましても、今非常に――はなはだ失礼ですが、ここにおいでになっている方々では、そういう処置はとりにくい。
 そこで、一つ委員長にお願いしたいことは、これはぜひとも大蔵大臣とそれから文部大臣、それから会計検査院長――これはなぜかと申しますと、これだけの不当なものを、会計検査院というものは、私は今まで非常に公平であり、非常に厳粛なものと信じておったのだが、これを今日までこういう工合に放任してあるところを見ますと、会計検査院にも東大出の人がたくさんおるから、まあまあまあというので押えて、こういうところへ持ってきたのじゃないか、こういうように考えるから、これについて会計検査院から、今まで権利金をとったり、いろいろ収入があったりしたのを、ここへ出ていますが、これではわれわれは信頼おけないから、一つ会計検査院から正式にこれを調べて、そうして権利金をとったのをどこへ使ったか、あるいは退職金というものは――一体そこへ入れば退職金をすぐやるというようなことじゃないから、こういう退職金をやったりするのは至当かどうか。また、設備費その他に対しても、いろいろなことを会計検査院からよく調べていただいて、そうしてここへ出していただきたい。また、今日までこれをどうして放任してあったかを私は聞きたい。それから行政管理庁から相当な忠告を受けている。その忠告がどうしていれられないで今日まで放任されておったか。この点について、当時の行政管理庁の長官をしておられた方にも出ていただいて、そうしてここで一つ正しい回答を得て、その上でこれを処置していくということが私は必要ではないかと思う。今ここにおられる方が、これは総合運動場にするとかなんとか言っても、ほかの小学校などの古い校舎さえも建て直す予算がないと騒いでおるときに、この運動場に一億五千万も二億もかける、それだけで済みますか。これを今度は総合運動場にすれば、ゴルフ場からとった権利金あるいはその他いろいろな問題を一体どうやって解決をつけるのか。これも国家が弁償しなければならぬようなことになると大へんなことになる。そういう点をただす上において、今のこの方々のあれではなく、やはり東大からも、これだけのことをして国民に迷惑をかけているんだから、総長に出ていただいて、そうして一つ文部大臣、大蔵大臣、行政管理庁の当時の長官、それから会計検査院の責任の持てる院長、こういう人に出ていただく。特に東大の総長などは、新聞、雑誌その他いろいろ見ても、正しいことを主張されることではなかなか有名な方なんだから、どういう考えを持っておられるか、そういう点も一つ聞いてみたいと思う。こういう工合に考えておりますから、一つ委員長、これは小さい問題じゃございませんから、またこれを民間にやるとか、あるいは住宅公団にやってそういうものを建てさすにいたしましても、なかなかこれは権利が相当人にとられたり、あるいはいろいろなことをしておりますから、そう簡単にいかぬと思う。この点をただす意味においては、今私が申し上げたような責任の持てる、自分がやろうとすればやれる、こういう方を委員会に委員長から呼び出していただいて、そうしてそこで私たちも必ず出てきて質疑してみたい、こういう工合に考えておりますから、その点を一つお取り計らいを願いたいと思います。こういうふうに申し上げておきます。
○鈴木委員長 ただいまの田中委員の発言は、きわめて重要と思いますので、理事会においてこれを協議し、善処したいと思います。
○小川(豊)委員 財団法人東京大学運動会というのですか、ところがここには、もちろんゴルフ場が大部分を占めているが、そこに農学部の園芸実験場というものもある。これを聞いたらば、この園芸実験場は、東大検見川学寮の用地からまた借りしておる、こういう話なんだが、これは私はわからなくなってしまうのですが、あそこは財団法人東京大学運動会というのが管理なすっているのか。そのほかに東大検見川学寮から園芸実験場はまた借りしておるというと、そこにはもう一つ何かこういう学寮という管理権者があるわけですか。これは一体どうなんですか。
○鶴田説明員 先ほどの園芸実験場の点でございますが、これは別に学寮と申しましても――学寮も東京大学のものでございまして、別にそういう団体はございません。ただあそこは、所定計画でいきましても、学寮を建てる予定だった敷地であるために、そこの敷地のところを一部と、それから傾斜地で、これは緑地として残る土地だと思いますが、そういう土地を昭和二十八年と記憶しておりますが、一番当初の計画を立てまして、農学部の農学科の園芸教室の花卉の研究をする場にするということで、これは大学として農学部学内で一応相談して園芸実験場というものの敷地に充てておったわけであります。なお、この園芸実験場につきましては、制度的に申しますと、農学部の付属施設として、これは法律的に設置法で改正すべきものでございますが、ただ何分にも予算の関係で十分な施設もできず、ただやっておりますので、そこまでの段階にはいっておりませんが、いずれも、先ほど御質問の学寮とかというような問題は、これは東京大学の学寮でありまして、もちろんこれは大学として所管しておるので、別に運動会あるいはその他の学寮の団体があるわけではございません。いわゆる園芸実験場といっても、これは東大の農学部に所属するものでございまして、これも大学としてももちろん了承の上で設けられたものでございます。
○木村(公)委員 最後に一点質疑をいたしまして、他の委員とかわりたいと思いますが、きょうは大蔵省の司計課長ではしようがないのです。司計課長あたりでは答弁もできなかろうと思うのですが、これは総合運動場が必要があるというので戦前に払い下げを受けた。しかるに、昭和二十七、八年から今日までおよそ十年間は、ゴルフ場として事実上はその総合運動場の敷地の大部分を使っておるというと、総合運動場は要らないということなんですよ。これは、結局は、総合運動場という美名のもとに千葉市から払い下げを受けたのだけれども、戦後においても、十年前の昭和二十七、八年ころからゴルフ場に模様がえをして使っておるとするならば、ゴルフ場としての価値はあるかもしれぬが――総合運動場としても、価値のあるなしでなく、総合運動場として緊急に必要がないから、ゴルフ場として使っておる。その必要がないような総合運動場を、大蔵省は一体予算をつけますか。文部省よりも大蔵省司計課長の個人的の考えを承ってもしようがないが、必要があればこそ、かりに東大がどうしても必要だといえば――今も田中委員から出ておりましたが、地方へ行くとまだ明治時代の校舎が残っておる。それの建てかえすらもできないというような貧弱な文部省の予算で――大蔵省がなかなか認めようとしないのですけれども、古い危険校舎の改築ですらも予算上むずかしい今日において、必要でもない総合運動場を作ると言っておる。必要であれば、十年前から総合運動場のために計画しなければならぬけれども、必要でないからゴルフ場にしている。そんなものに対して、文部省の考えはとにかくとして、大蔵省はそういうような予算をお認めになるかどうか。私は従来の長年の経験によりますと、そういうような場合にお認めになったようなことはほとんどなかったのです。もっと必要な場合でも、なかなか大蔵省は渋って認めない、まして不必要である場合は……。必要があれば今ごろ作っておるはずだ。不必要だからこそゴルフ場になっておるのだが、そう緊急に必要であるとは思われないような総合運動場のために、国費数億をお出しになる考えがあるのかないのか、承認される考えがあるのかないのか、これによって根本的に違ってくる。ないとすれば大騒動です。このまま放置しておくか、民間に払い下げてどうするとか、あるいは千葉市に返すとかなんとか別の考え方をしなければならぬから、大蔵省の個人の御見解でもよろしいから、伺っておきましょう。
○佐々木説明員 お答え申し上げます。
 この総合運動場の施設につきましては、ただいままで大蔵省当局に対して予算の要求はございません。お話を承りますと、今後検見川の総合運動場について、直接施設費一億五千万かかるので、今後おそらく要求が出てくると思います。ただ、私どもの考えといたしましては、国有地、特に大学当局の国有地というものは非常に減少しておりますが、特に理工系の増員は、今後数万人の増員計画でありまして、これで東大あたりも相当理工系の設備を増強しなければならない。さらに、先ほど地方の小、中学校等のことについても申し上げましたが、老朽施設というのは国立大学ももちろんあります。現に東大あたりでも明治以来という非常に古い校舎がございます。大学としては、校舎の建てかえの場所とか、いろいろな面で用地が非常に狭小なわけでございますので、そこらは、単に総合運動場が優先するかどうかということは、今後予算要求が出て参りましたときに文部当局ともよく相談いたしまして検討して参りたいと存じます。すなわち、使用の優先度合い、そういう点、ただいま各先生から御指摘のありました点を十分尊重いたしまして、予算の際に検討していきたいというふうに大蔵当局は考えております。
○荒舩委員 ただいま木村委員の質問で予算の問題が出ましたが、金を出す出さないじゃない、そうした土地を、必要のないのに、運動場と称して十万坪にも近いものを使わせておくことが、大蔵当局としていいのか悪いのか。今質問にも出ましたが、明治時代の老朽校舎でどうにもならない、うっかりするとその校舎のために全校の生徒がけがをしなくてはならないような校舎が、全国にはたくさんあります。あるいは東京を初めその周辺の土地が非常に逼迫しておりまして、土地の問題についてはいろいろな悲劇も起こっておるのに、要らない運動場を作り、それを残しておく。しかも、学校で利用していないゴルフ場で、十数名の学生しか利用していない。ゴルフというものが運動の正科に取り上げられておると言うが、一体そういうものが日本の現在の国情からして必要であるかいなか。正科に取り上げる問題は別といたしましても、一体そういうことがよいか悪いか、こういうような点も総合的に判断しなければならない。
 なおまた私は、官立、公立の学校で国費などを費やしてゴルフを正科に取り入れておる学校が幾つあるか、私立の学校でどのくらいあるかということを聞いてみたいと思いますが、先ほどの田中委員の質問で、大蔵大臣も、文部大臣も、東大の学長も、また会計検査院長も、次の機会には出られるというのでありますから、そこで重ねて質問をしたいと思います。いずれにいたしましても、角度を変えて少し考え直さなければならない。これはほんとうに考えてみたら不公平な社会悪といいましょうか、非常に大きな問題だと私は考えております。これは質問兼意見ですが、そういう点についてまず文部省の会計課長のお考えを聞きたいと思います。
○安嶋政府委員 先般来申し上げておることになるわけでありますが、私どもは検見川総合運動場の現状が適当なものであるというふうには考えていないのであります。これはもちろん購入いたしました当初の目的に従って総合運動場をすみやかに建設していくよう――これは最初に事務局長から申されました答弁を若干補足することになるわけでありますが、私どもは、ゴルフ場を存置するという前提に立って、そうして残った土地を野球場とかサッカー場とかいうものを作るというふうには考えていないわけでありまして、野球場、陸上競技場のトラック、そういうような必要なものをとって、なおかつゴルフ場にとり得る余地がございますので、せっかく現在整備された芝生等もあるわけでありますから、それを存置したいということは、またゴルフを正科にすることの意味とかいう問題にもつながってくるわけでありますが、とにかく現在正科として取り上げられておるわけでありまして、野球、サッカー等と同じ扱いになっております。従いまして、あの土地で野球場等をとって、なおかつ残余もあるわけでありますから、現状の施設を残していくということが経済的である、こういうふうにも考えておるわけであります。
○鈴木(正)委員 検見川のゴルフ場の問題を扱っておるわれわれ同僚の態度は、国有地を半ば営利的に使うのはけしからぬじゃないかという点にかなりのウェートがあるように思う。そこで、こういう問題がこういうふうに取り上げられた上は、このゴルフ場として使っておるものをどういうふうに持っていこうとするのか。今設備があるからやっていくと言うが、やっていくのはいいが、それは今までのように将来も使っていくのかどうか、その辺の態度をはっきりと示してもらいたいと思います。
○鶴田説明員 今後の方針からいきますと、先ほどちょっと申し上げましたように、もちろん管理の面では、大学が直接管理するようにいたしまして、なお、ゴルフ場につきましては、先ほども申し上げましたように、一応縮小いたしまして、そうしてそれを学生あるいは職員に使わせるように予定いたしておりますが、ただ、先ほど正料のことが取り上げられておりましたけれども、当初総合運動場を作るときには、帝国大学でございまして、体育の正科というものはなかった時代でありますが、それと申しますのは、現在でもそうですが、結局各大学とも、正科の運動ばかりでなくて、学生の保健、体育ということの一つの補導面がございまして、この面では非常に私どもの方でも力を入れておりまして、つまり病気にかからぬよう、一応保健の面でそういう運動施設を持っておるわけであります。
 それで今のゴルフ場の今後のあり方につきましては、一般のビジターは私どもこれから押えていく。つまり営業的に今考えられておるようなものは押えていくつもりでございます。それからなお、学生の利用につきましては、従来はそういうこともしておりませんでしたが、これも器具を買って無償で使わしてやるように、これはゴルフ場の――正課ばかりではございません、一般学生でも休校の時あたりに検見川へ行ってゴルフを楽しむというふうな機会も与えていくように、極力学生の保健上の指導もいたしていきたい、かように考えております。
○鈴木(正)委員 今の御答弁で大体今後の方針はわかった。つまり、ビジターを主としたようなゴルフ場の使い方はしない。けれども、こういうことは、事実上の問題として、きょうやってあすからというわけにいかぬものだ。そこで、今の方針を貫くのは、ほぼいつごろその方針を貫いて、これは以後一切ビジターを入れぬというような方針を実行する見通しがあるのか、その点を聞きたい。
○鶴田説明員 ビジターの制限でありますが、そのビジターの中には、大学の卒業生、つまり先輩も入っておりますが、それらに対して強く押えることは、すぐにはなかなかむずかしい。ただ、実施につきましては、これから私どもこちらの結果、それから大蔵省、文部省の御了承を得て、結論が出ましたら、早速それにかかっていきたいと思っております。
○鈴木(正)委員 それが大体いつごろに見通しをつける見当だかということを聞いておる。
○鶴田説明員 さっそくこれは文部省と――これも年度内とはいえず、私どもの気持としては、つき次第早速変更したいと考えております。
○田中(彰)委員 私、司計課長にちょっとお尋ねいたします。
 今課長の言われるには、予算の要求があってから考えていく、なるべくその趣旨に沿いたいというような御答弁でありましたが、しかし、司計課長としてお考えいただきたいことは、これだけの莫大な坪数の国有地を十年近くもただで使って、国庫に一銭も金を入れていないでその土地を使わして、そして何か研究でも国家のためにやっておったというなら別ですが、一方において権利金を取ったり、たくさんのぜいたくなゴルフ場を作っていろいろ民間人を入れて、そこでもうけていながら、一銭も国に入れておらぬ。そこでまた今度は――総合運動場が必要でないからそういうことをしたのでしょうが、そこへまた総合運動場として要求があれば、いろいろなことをしていい、あるいは考えてみるというお考えだが、これは帝大だから、こうやって司計課長もほうっておかれるが、民間の中で、朝から夜おそくまで一生懸命働いておって、わずかの税金を納めないために、競売されたり、あるいは自分の娘を売ったりしている人もいるんですよ。それを十万坪に近いような、しかも一坪の値段が一万五、六千円しているような土地を、十年間もただ使っておいて、そうしてこれでもうけている。その金はいろいろなことに使っていて、国に一銭も入れていない。こういう悪らつな手段をとっているところに、あなたは予算要求が出たらなんて言われるのは――司計課長として、これはすぐに査察を命じて、これがどれだけどうなっているかということを調べて、あなた方これから土地代とか、あるいは利益金に対するところの税金をお取りになるのがあたりまえでしょう。少なくとも、地代を取るのはあたりまえでしょう。また、たとい国家がやったとしても、そういう民間的な権利金を取ったりいろいろなことをやっているとしたら、これに対する何らかの徴税方法があるはずだ。それをほっておいて、ほかの者は一体どうするんですか。朝から晩まで働いている一百姓とか、一労働者とか、中小企業の困っている人が、みんな税金を払えないので物を売ったりいろいろなことをしていじめられておる。東大だけそれでいいということはないですよ。ここに東大から来ている事務局長もそうだ。あなたもりっぱな東大の事務局長でありながら、十年間も十万坪に近い土地をただで使って、そうして権利金を取って、あらゆることをして、民間営業みたいなことをしておりながら、まだこの上に予算を国に要求して、こういうことをいたしますとかなんとか言われること自体が私はおかしいと思う。まことに済まなかったと言って、すぐに十年間に上るか八年間に上るか知らないが、土地代をすっかり清算して国庫に納める、その上での話が当然じゃないですか。私は、司計課長の考え方、あるいは事務局長の考え方が、あまり国有財産というものを無視している、国民の徴税とか、あるいはそういうものに対するところの考え方が非常に変わっているのじゃないか、考え違いじゃないか、こういう工合に考えますがいかがですか。
○佐々木説明員 御説明申し上げます。
 ただいま田中委員から御質問がありましたように、従来までの管理状況は、まことに遺憾だと思っております。従いまして、従来までの国有財産の使用料は、遡及いたしまして国庫に納めるべきであるというふうに文部当局にもお願いしております。
 それから、今後の活用をどうするか、運動場自体をどうするかという問題につきましては、先ほど、直ちにこれを運動場にするということを申し上げたのではございません。御存じのように、国有財産は経済的に活用していただかなければなりません。ことに大学関係におきましては、ただいまその所要の土地について、土地取得費というような予算まで計上され、土地を購入しているような事情でございます。従いまして、そういう遊休的な土地がありますならば、今後の理工科系の増員とかいろいろな施設、それからいろいろな研究機関、そういうものの施設で、片方で非常に土地を要求しておるところもございますので、そこら辺も総合勘案いたしまして予算措置をとるということを申し上げましたので、直ちに運動場にするかどうかは、今後各方面の、要望をいろいろ検討した上で問題にしたいと考えております。
○田中(彰)委員 今あなたの言われることを聞いておると、なるほどりっぱな筋の通ったようなお話です。ところが、この問題が決算委員会に出されないでこういう調査がなかったとしたら、あなたは今までほっておかれたわけだ。これからもほっておくでしょう。こういう問題が出てきて、しかも十年間近くも土地代も納めない、そしていろいろなことをして利益をあれして、税金も納めないできているような問題が出てきて、その上に加えてあなたがおやりになるというなら、国民の困っておる者に、みな税金を免除してやったらいい。差し押えもする、あるいは査察もする、調査もする、そうしてあらゆる関係者のことをみな調べ上げて、それでも――これも国家のためであるから、国の経済を考えればこれは仕方がないとみな我慢している。それを、東大という日本の最高学府、ここを出た人が、日本の指導者になる。そういう人を養成している学校がこういうことをやっている。しかも国家の学校なんだ。こういう点については、あなた方がもう少しお考えにならぬと、これが国民にでも知られると、問題を起こしますよ。あなたの方はそれに対してお答えを願う。また局長もそうじゃないですか。あなたの学校は、申すまでもなく日本の最高の学府なんだ。そこの学校の事務局長の方や皆さんが、国有地を借りて十年間も税金を納めない、地代も納めない、そうしてもうけた金をどこへ使ったかわからぬ。今度こっちから要求したからこういうものを出された。これも会計検査院の方で調べたものじゃない。不正をした会社の重役が、こうなっているという決算書を出したと同じことだ。これに会計検査院の査察とか、そういうものがみなそろって初めてわれわれは信ずる。十年も八年も国の土地を使って、地代も納めない、いろいろなことをやってこられた人が、こういうものを出したって信じられない。そうして、これが問題となってここで審議されるや、今度は総合運動場にしてとか、あるいは健康上何とかと言う。なぜ今までしなかったか。さっき大村委員が言った通り、必要なかったからしなかった。こういう問題が出たから、その土地をとられるのがいやだから、いろいろと理屈をつけていろいろなことをおっしゃる。第一、地代を払わぬでこういうことをされたことに対して、一体あなたは、あたりまえだと考えておられるのか、あるいはまことに済まなかったと考えておられるのか、どうなんです。
○鶴田説明員 ゴルフ場のできましたことは、この前からも御説明申し上げておりますように……(田中(彰)委員「そんなことを聞いているのじゃない。地代を納めないでいいかどうか聞いているんだ」と呼ぶ)地代の点は、これはさかのぼって運動会から納めさせる予定でございます。(「今までの分はどうしたんだ」と呼ぶ者あり)今までの分も――今までのは、実は金額その他いろいろな点で調整がつきませんで、おくれましてまことに相済まぬことだと思っております。
○田中(彰)委員 そうすると、あれですか、大蔵省は十万坪近くの土地を使わしておいて、地代とかそういうものを幾ら納めるということもきめていなかったし、契約書とかいうようなものもとっていないのですか、どうなんです。
○山下政府委員 この前の委員会でも御説明いたしましたように、大蔵省といたしましては、この運動場の使用状況が行政目的にかなっていないから、これを普通財産に転換すべきであるという指摘を三十四年の十二月にいたしております。そのときの大学当局並びに文部省当局のお話では、これはいろいろ予算の関係でおくれておるけれども、総合運動場として利用する計画であるので、しばらく時をかしてほしいということでありましたので、その善処を期待して今日までおったわけでございます。大蔵省といたしましては、今のお尋ねの地代の点は、行政財産の使用収益ということでありますので、当然これは国庫に帰すべきものであるということで、そのこともあわせて申し上げてあるわけでございます。今日といたしましては、二十八年以来の地代をさかのぼって徴収すべきものであるというふうに考えております。
○田中(彰)委員 そうするとなんですか、地代は一体坪幾らでどういう工合にして徴収されるということに今きまっているのですか。まだそのまま放任していらっしゃるのですか。
○山下政府委員 この件については、まだはっきり計算をいたしておりませんが、行政財産の使用収益につきましては一つの基準を定めてございまして、台帳価格に対しまして、土地につきましては年額百分の三、建物につきましては年額百分の六ということで、これは全国的に同じ基準でもって徴収をいたしておるわけでございます。
○田中(彰)委員 しかし、おかしいですね、今までそういうことがおわかりになっていながら、七年も八年もほっておいて、そのまま放任されて、ここで問題になってからいろいろおっしゃるのですが、七年も八年もほってあったというのはどういうわけなんですか。何か納めろという命令でもお出しになったのですか、そういう通知でもお出しになったのですか。
○山下政府委員 大蔵省がこれをはっきりいたしましたのは、先ほど申しましたように、約二年ぐらい前でございます。そのときに、文部当局並びに大学当局にそういうふうなお話をしたのでございます。ただ、これが行政財産の使用収益であるかどうかということについて、遺憾ながら意見の一致を見ない面がありまして、今日まで話がまとまっておりませんでしたが、私たちとしては、これはあくまで行政財産の使用収益であるという観点に立って指摘をしておったわけでございます。
○田中(彰)委員 そうすると、今のあなたの話を聞くと、七、八年ほってあったが、二年前から気がついてこうだということだが、民間なんかにはなかなか厳重なお取り立てをなさる。国有財産については、いろいろな法律もできておるから、どんどん監督もおやりになるのだろうが、その点、少しぼっておいても、これはあたりまえだというような考え方なのか。これに対してわれわれは、もう少し大蔵大臣がおいでになったらお聞きしなければならぬのです。あなたのそういう考え方がいいのか、あるいは手落ちでもってそうしておられたのか、あるは東大出がたくさん大蔵省におるとかいろいろな関係でそういうことをさせておかれたのか、まずそういう点をお伺いしておきたい。
 それから事務局長は、一体あなたは納めぬでおいて何ともない、これから納めればいいんだというようなお考えなのか。一体東大では、そういう常識あるいは法律的なことに考えていられるのか、どうなんです。その点を一つお聞きしたい。東大では、十年ぐらい国有地を使っても金を納めないでもいい、あとで指摘でもされたりそういうことになったら、納めればいいんだ、こういう工合に、常識的に、法律的に、お考えになっているのか。それはほんとうに間違っておって、国民に申しわけない――私は国有財産が政府のものであれば何も言わない。これは国民の共同の財産であるから、そこでわれわれも、国民の共同財産については、少しぐらいの不利な立場があっても、いろいろなことで押していかなければならない。これは東大のものでもなければ、大蔵省のものでもなければ、池田内閣のものでもございません。これは国民全体が共有した国民の共有財産です。それをあなたの方でそういう工合に考えておられるのは、東大だけがそういうふうに考えておられるのか、それからまた、今後出る学生に、国有財産を十年くらい使っても納めぬでもいいのだ、国会で問題になったら納めればいい、それもあとで目盛りで計算すればいいのだ、そういう工合に教えられるのかどうか。
○安嶋政府委員 少し私から申し上げたいと思いますが、東京大学並びに文部省がこの土地の使用料を――文部省がと申しますか、東京大学が徴収して参らなかったのは、実は当然払うべきものを払わなかったという考え方ではなかったわけでございます。前回の委員会でも私から申し上げましたように、ゴルフは正科でございますから、従って……(「正科になったのはいつなんだ、正科々々と言うけれども、ゴルフ場を作るときは正科じゃないだろう」と呼ぶ者あり)それはあとで申し上げたいと思います。でございますから、従いまして、総合運動場をゴルフ場として使ってきたのは、これは本来の行政目的に使ってきたのである、こういう考え方で、従って使用収益ではない、こういう考え方で使用料を徴収してこなかったわけでございます。こういう考え方が間違っておったということ、並びにその実態が先般来御指摘の通りであったということにつきましては、私どもはなはだ遺憾に存じております。考え方といたしましては、そういう考え方でやってきたわけでございます。払うべきものを故意に払わないというふうなことではないのでございます。
○鶴田説明員 ただいま文部省の会計課長から御説明申し上げました通りでございまして、ただ私どもといたしましては、これを徴収しなかったということに対しましてははなはだ申しわけない、今後払うようにいたしたい、かように考えております。
○田中(彰)委員 私は、文部省が、官立の学校の教授だとかいろいろな人たちからばかにされるということは、ここで初めてわかったのだが、文部省がいかに命令を出しても、どうも言うことを聞かない。官立の先生でも何でも、文部省には監督権がないので言うことを聞かないのだと言うかもしれないが、あなたが今ここでこういう問題が起きてから、それはこうであった、ああであったとおっしゃっても、文部省が監督権を持っているのだからあるいは監督権がなくても、こういう問題に対しては文部省が責任があるのだから、国有地を使って――それも一万坪や二万坪じゃないのですよ。ですから、それを十年間もほっておかれて、それを今になってこうだとかああだとか、しかも、一方においては、庭球場にも使っておったとか、総合運動場に使っておったとか、芝生も――草が生えてぼうぼうとしておって収入が上がらぬとか、こういうようなことならいいですよ。りっぱに権利金をとって、民間のゴルフ場に負けぬようなものをやっている。それを知って知らぬふりをして、そこであなたがそういう答弁をしている。ますます大学の先生になめられるということです。もう少し文部省は文部省らしく、監督する人は監督する人らしく、上に立たれて毅然としてやられたらいい。あなたのところの大臣は少し強引な人なのに、おかしいじゃないですか。あなたはやっぱり東大出ですか、ちょっと聞かして下さい。
○安嶋政府委員 私も東京大学でお世話になったものでありますが、そういう考え方が間違っておったということは、これは御指摘の通り私もはなはだ申しわけないと思います。従来の考え方の事実を申し上げればそういうことであったということでございます。
○田中(彰)委員 それで、私らは別にあなたを疑っておりませんが、これを民間の人に聞かしてごらんなさい。課長初め文部省には東大出がたくさんおるから、いいかげんなことで押しつけられて、いいかげんなことをしたのだ。反対にわれわれがそんなことをしたらうしろに手が回ってしまう。そういう点をよくあなたはお考えになって、これを処理されることを――そんな安易な問題では済みませんよ。それを調査して、これから材料を集めて、一つあなた方のほんとうの核心に触れた質問をこれからしていきますから、あなたは一つ心を入れ直してお考えになっていただきたいということを御忠告申し上げます。
○小川(豊)委員 今までの質問で大体わかったのですが、私はここで問題になるのはこうじゃないかと思うのだが、東大でお使いになるからこれを行政財産になさったわけなんです。ところが、東大で使っているのではなくて、財団法人東京大学運動会というのが使っている。そうして、財団法人だから分配してはいませんけれども、収益を上げているのです。そこに問題がある。そういう状態が続けられていくならば、当然これは普通財産にならなければならない。所管がえされなければならない。行政目的に使われていないというところに問題が出てくるのじゃないかと思います。
 これからいま一つは、この委員会でこの問題を取り上げてどうなさるつもりかということは、先ほど木村委員その他の委員も激しくお聞きになっているのは、この委員会でこのあらしを通り過ぎてしまったならば、またけっこう何とかやっていけるんだというような、安易な考え方があったならばいけない。やはりいけないものはいけないで、筋を通して、もとに返って、行政目的に沿うようにするならする。それができないならば、普通財産にするならする。この点ははっきりここで言明しなければならない。これが過ぎれば、また一年や二年こんなもの取り上げやしないから大丈夫だというような、そういう考え方があったのでは私はいけないと思う。だからそれをはっきりしてもらいたい。
 それからもう一点、これはほかにも関係があるということでお尋ねします。これと直接関係はありませんが、たとえば大学の先生方が、医科でも工科でも同じですけれども、たとえば工科に例をとるならば、工科の教授があるビルディングならビルディングの設計を頼まれ、そうして数千万円、数百万円という設計料が入ります。それは一体その個人の所得になっていい規定になっているのか、それとも、それは一たん国庫に収納されて、また研究費や何かの形で出されるようになっているのか。この点私伺っておきたいのは、今後この問題は、文部省の問題に入ってくるときにたくさん出てくる問題だと思います。大学の教授が、安い給料で学問の仕事に携わっておられて、大へんなことは私もよくわかる。わかるが、そういう何百万あるいは何千万という収入、これは例ですが、設計料なら設計料の形で入ってきた場合、これは一体その人にそのまま帰属するのか、大学か国庫へ一たん納めるのか、これは一体どうなっているのか。と同時に、それは規定としてどういう規定があるのか、この点を伺いたいと思います。
○安嶋政府委員 検見川総合運動場の現在の使用方法が、行政財産の使用方法として適切でないということは御指摘の通りだと思います。従いまして、これを是正していきたいというふうに考えておるわけであります。決して安易な気持から申し上げておるわけではないのでございまして、最初に東大の事務局長から申し上げました通りの措置、すなわら、すみやかに総合運動場を建設する、それから第二は、国有財産の使用料を納めさせる、第三は繰越金等のうち、退職手当の引当金だとか、あるいは国有財産の使用料として国庫に収納されるもの等を除きまして、残余はこれを総合運動場の整備に充当させた上国に寄付させる、こういう方針をきめまして、早急に実現したいというふうに考えておるわけでございます。早急と申しますのは、この件ただいま当委員会で御審議中でもございますので、委員会の御意向を十分伺った上、最終的な結論を出したいというふうに考えております。
 それから最後の、たとえば建築の設計料等に関する御質問でございますが、これは典型的な問題といたしましては、職務上の発明がこれに該当するかと思います。大学の設備なり研究費等を使ってでき上がりました、たとえば特許権等、具体的に申すとそういうものがあるわけでございますが、そういうものの帰属なりあるいはその収入がどうなるかということ、これはその実態は千差万別なようでございますが、私どもといたしましては、職務上の発明と見られるものについては、それに伴う収入は国庫に収納するという取り扱いで、これは歳入予算にも相当額が予定されております。職務上の発明と見られるものにつきましては、そういう扱いをいたしておりますが、それ以外につきましては、これは大学の教官の個人的な問題として取り扱っているわけでございます。
○小川(豊)委員 私は、そのそれ以外が問題だと思う。たとえば、もう少し具体的に言うと、何億という建物ができますね。そうすると、その設計を頼まれた場合に、それは三分というから数千万円の収入があるわけですね。それは個人間の問題として処理するという、個人の問題なら、個人がとっていいということになりますか。何億などという建物を設計するには、一年もかかって設計するわけですから、仕事も何もできるはずはない。学校の教師としての仕事なんかろくにできないはずです。それは大学の教授らはみんなりっぱな方々だから、そういうことはないだろうと思うが、これは学校の方の仕事はおろそかになるのじゃないでしょうか。今あなた、個人間の話し合いみたいな話だが、何千万円という収入がどうして個人間だ。だれとだれが話したら自分のものになるか、国のものになるか、その点をはっきりしてもらいたい。
○安嶋政府委員 先ほども申し上げましたように、実態は千差万別かと思うのでございます。従いまして、その契約の仕方と申しますか、そういったところに判断はかかってくるかと思うのでございますが、大学の教官が職務の余暇において全く個人的な仕事としてそういうものを引き受けられました場合には、その設計料等を国に収納するということは、これはできないんじゃないかと思います。
○小川(豊)委員 その点は、それだけお聞きしておけばいいわけです。
 それから、またもとへ返りますが、ゴルフ場の問題です。使用料を徴収する、こうあなたは御答弁なさいましたね。行政財産である限りは、使用料の徴収はないと思うのです。あるのですか。それを徴収するということは、すでに実態は行政財産でないということを、あなた認めたことになるわけだと思いますが、これはどうです。
○安嶋政府委員 そのようにはならないと思うのでございます。行政財産についての使用ということは、国有財産法上認められておるわけでございます。ですから、使用料をとったということが、行政財産ではないということを認めたことにはならないと思います。
○西村(力)委員 それはそれでいい。いいけれども、そういう使用料をとっていく場合には、大蔵大臣と協議をしなければならないと、法律にちゃんと明記しておりますね。あなた御存じの通りです。それを協議をしないのだから、あなた方はその使用目的を放棄したことになる。当然普通財産に還元をしなければならないものを、好意を持ってあなた方がやっておる、そうだとすれば、事前に協議をして、その協議の合意の上に使用料をとるという、そういう使い方をしなければならぬはずなんですよ。ですから、小川委員の言うようなことにならないのだと言ったって、その前にあなた方は踏むべき手順というものを踏んでいない。そういうところをはっきりしなければいけません。この計画書は文部省と大学当局が話し合いをして出したのですね。
○安嶋政府委員 その通りでございます。
○西村(力)委員 そうしますと、あなたは先ほどから、当分の間、当分の間とおっしゃるけれども、このことをあなた方が認めて出した限りは、これを最短距離何年間で実現できる、こういう一つの見通しを持って出してこなければ、言葉だけの当分の間という工合にわれわれは受け取らざるを得ない。先ほどから、当分の間というのは、この委員会の審議の結果を見て、当分の間の長さがきまるのだというようなことをあなたは言っておる。これははっきり見通しを立てて出してこなければ、文部省としても責任ある立場といえないじゃないですか。
○安嶋政府委員 当分の間と申し上げたかと思いますが、私どもはお手元にお配りしております案による総合運動場の建設はすみやかにやりたい。すみやかにというのはどの程度の期間かと申しますれば、これはできれば五年以内ぐらいにやりたい、そういう考えでございます。
○西村(力)委員 その間は現在の形のまま使用する、こういうことですか。
○安嶋政府委員 結論的には現在の形のままということになるわけでございますが、ただ従来通りということではございません。従来は、これは使用料を払っておりませんでしたが、使用料を払わせる。それから、ゴルフ場の管理につきましては、従来運動会が主体となってこれを管理するような態勢にございましたが、これは東京大学自体が管理する。そういう必要な是正を行ないました上で、この目的でありますところの総合運動場が建設されるまでは現状でいきたい――というよりは、むしろいかざるを得ないということでございます。
○西村(力)委員 次にお聞きしますのは、ゴルフをやるクラブとか何とかは一式どのくらいするものですか。鈴木さんおわかりでございませんか。
○鈴木参考人 私はゴルフというものをやったことがございませんので、そういうものは知りませんが、相当高いものであろうと思います。従って、それを先ほど鶴田事務局長が大学に備えればということを申しましたけれども、それを一体こっちでやれるというふうなものであるかどうか、この点につきましては、やはり篤志家の寄付でももらうというような方法を講ぜざるを得ないのじゃないか、また講ずることが妥当ではなかろうかと、私としては考えております。
○木村(公)委員 大事なことだから一言伺っておきますが、さっきからずっと伺っていると、今のゴルフ場を勝手に総合運動場に変更する。そうして財団法人東大運動会というものを解散せしめて、直接東大でこれを管理するのだ、そうして総合運動場を建てるのだ、それにはこのようなものをやるという青写真までいただいておるわけだが、大蔵省はここにおられるが、文部省はもちろん、予算の大ワクについては、国会の承認が要ることは言うまでもないことです。大ワクと同時に、たとえば学術振興費であるとか、あるいはまた体育費であるとかいうものをも含めて、これは国会の承認を要すると思うのですが、承認も得ない前に、あるいはおそらく大蔵省とも協議をされておらないと思うのですが、勝手に設計してこれをやりますということがここで言えるのですか。やりたい、ついては一つあなた方の御承認が得たいとか、ついては文部当局のごあっせんが願いたいということなら話はわかるが、一課長がこれをやると言っておる、事務局長あたりがこの通りでやりたい、五カ年くらいでやっつけるつもりだ、勝手なことをお言いになるが、そういうことができるのですか。これは司計課長に伺っておきたいが、そういうことができますか。
○佐々木説明員 お答え申し上げます。
 もちろん勝手にできません。これは予算の手続に従いまして、予算の承認を得た上でないと、施設費というのはできませんから、来年度以降の予算の問題になると思います。
○西村(力)委員 先ほど中断されましたが、聞きますと、一番悪いので十万円くらいする。これを自分で備えなければならぬとすれば、東大の学生の中でどれだけそれを備えられるか。東大は優秀な方ばかり行きますけれども、経済的には――それは私にはわかりませんけれども、現在の学生の一般からいいまして、決して楽な学費でやっておる者はそうはいないだろうと思う。日本の学生は、まことに気の毒な状態に放置されております。ですから、そういうようなことに十万円もかけてやるとすれば、ごく一部の人で、そういう人のために、ゴルフを正課にしていくというやり方――これはこの前申し上げましたが、ゴルフ場ができた、格好がつかないから正課にした、どういう順序を踏んでいると言うが、これは正課とした、それで必要ならゴルフ場を作るということが順序じゃないか。そこに順序が逆になっておるということを申し上げましたが、これは大学の自治ということになりますから、ゴルフを正課にしていいとか悪いとかいうことは、これは私たちがここで云々するということはちょっと行き過ぎかもしれません。ですから、これは意見としてただ聞いてもらわなければならぬと思うのですが、こういう状況からいいまして、これは相当検討を要することではないか。今までですと、総合運動場の中の八割近くの区画をごく一部の人々に使わせるということ、それから周辺の住民感情、そういうものを考えまして、根本的にはやはりゴルフを正課にする必要がありやいなやということが私たちの批判したいところなんです。しかし、これは単なる私たちの意見として聞いてもらいたい。大学の自治を侵害してはいけませんから、私はその点はそれ以上申し上げませんけれども、そこは教育的な立場に立って、相当慎重な配慮を望みたい。その点は前回もちょっと申したような記憶がありますけれども、重ねて検討を願わなければならぬじゃなかろうか、こう考える次第であります。
○田中(彰)委員 先ほど文部省から聞きますと、たとえば大学教授が設計するというようなことは、その個人で内職のようにしてやったら納めなくていいということだが、こういう場合はどうなんですか。何千万円という設計料をとった、その設計をするには学生を使い、大学のいろいろな研究室も使い、いろいろな人の知識を集め、そしてその設計を学生に命令してやった。そして、たとえば三千万円とればその学生には一万円しかやらないで、あと二千九百九十九万円はポッケしてそのままにしておる東大の先生もいるだろうが、そういう場合にもそれは差しつかえないのですかどうですか。学生を使ったり、学校の研究室で設計したりしてもいいのですか。その設計図には東大教授の肩書きを入れて名前を入れてある。それを青写真につけて金をとっておる。それで監督等はいいのですか。
○安嶋政府委員 先ほど来申し上げておりますように、やり方につきましては、これは千差万別でございますから、従いまして、やり方によっては当然国庫に納めるべきものだというものも中にはあるかと思いますが、そうでないものもあると思います。ただ、単に学生を使ったり  命令してとおっしゃいますが、命令は何でございますが、学生を使った場合におきましても、普通の雇用契約に基づきまして先生が学生に賃金を払うというような関係でございますれば、これは私的な関係といわざるを得ないと思います。ただ、研究室におきまして、施設なり設備なりを使う云々ということがございますれば、それは問題だというような感じはございます。
○田中(彰)委員 これは使われた学生が投書しているのです。三千万円取って私に一万円しかくれない。しかもその設計はみんな学校でもってやって、私が命令されてやったのだ。それなのに一万円くらいしかくれない。これには知事も入り、業者も入り、どこでどう打ち合わして、どこでやった、その設計費は県から出たようになっておるが、実はこうだ、こういうことになっておる。これは、さっき小川委員にあなたがお答えになった、ただそのまま教授の内職だとみなされない点があると私は思う。これはあなた、そういう点、よく御研究して下さい。学校の研究室の中で生徒に命令してやらしている。命令だからやる。命令でなければ生徒は設計しない。三千万取って、少なくとも一割の三百万くらいやってもいいのに、一万円くらいしかくれない。学生に投書されて、あわ食って、あとでまた……。しかし投書したあとだからだめだ。これは小川さんの質問に対する関連でお聞きしたわけです。
 もう一つ、こういう場合はどうです。総合運動場にできますか。たとえば決算委員会でその人たちを呼び出して、これを総合運動場にすることは不当だ、民間に返せという決議をして、この決議を国会の中で委員長が報告して、国会でもしそれをしないという決議をされたらどうしますか。いや、そんな決算委員会の決議がどうであろうと、国会の決議がどうであろうと、文部省は東大の要求があれば総合運動場を作るんだと言うことができますか。それを一つ。
○安嶋政府委員 決算委員会でさような決議がございました場合の扱いでございますが、ちょっとそれば私からどうこうするということは、今ここで申し上げるのは差し控えたいと思います。
○勝澤委員 関連。
 一つだけ−お尋ねいたしますが、すみやかに問題を進めるというさっきのお話なんですけれども、そのお話の中で伺いますと、結局司計課長の話でもおわかりになりますように、三十七年度ではもう終わった、かりに実際に認めるとしても三十八年度だ、こういうことになるわけですね。そしてなおかつそれは効果の問題で、いろいろな評価をしてみて、どちらが優先をするかということで、優先的に総合運動場に予算がつくかつかないかということになる。そして時期としては、かりに三十八年に予算がついたとしても、五年くらいかかるのだ、こういうことなんですね。そうしますと、結論的には、来年の三月三十一日までは、形を変えた形で今のままやっていく、こういうふうに文部省としてはお考えになっている、こういう理解でよろしゅうございますか。
○安嶋政府委員 現状で不都合な点を是正いたしました上、三十七年度中は現状でいかざるを得ないということでございます。
○勝澤委員 そうしますと、結局この問題は、すみやかな時期といっても実はすみやかでない。一番簡単な話は、やめることが一番簡単であって、これをかりに十年前の使用目的に当てはめていくとするならば、今言うように、一年間今のままで、これからまだ五年といっても、大体文部省の五年ですから、大蔵省が引き延ばしたら、予算的な裏づけは十五、六年にはなるでしょう。そうすると、やっぱり先ほどから言われているように、一時的なのがれをすれば、あとは何とでもなるのじゃないか、こういう見方を私たちがするということも当然なことだと思うのです。しかし、その点はあなたにいろいろ責めてもあれですから、事務的にそうなるということがわかりましたので、私の質問は終わります。
○荒舩委員 関連して。
 ただいま勝澤君から質問があったのと同じことのようですが、総合運動場が必要だということでこういうことになったのですが、それをやらないでゴルフ場にしてしまった。ゴルフ場にしちゃって、さっき言うように金を集めたということなんだが、総合運動場が必要でないからゴルフ場を作ったのでしょう。そのゴルフ場は十数人の学生が利用するだけであって、あとは卒業生だ、やれ何だ、その中には文部省の役人もいたとか、やれ大蔵省の人もいた、こういうことです。不可思議千万で、これはもうすみやかに返してしまうのがいいと思うのです。運動場が必要でないのでゴルフ場にした、ゴルフ場にしたら、今度は学生はわずかに十数人が利用しただけで、あとはみんな卒業生だ何だということで、加入金を取り、莫大な金をまき上げている。これを来年度はどうだとか、五カ年これがどうだとかいうような、そんなことは民間では通用する言葉でないと思うのです。すみやかに返す――まことに申しわけがありませんというので、切腹しないでもいいが、あやまり証文でも書いて、陳謝文でも書いておやめになる方がいい。私の意見としてはそう思っておりますが、これに対する事務局長の御見解いかがですか。
○鶴田説明員 この土地を入手した前後の話を簡単に申し上げますと、結局当時戦争前でありまして、大学の施設が何でも非常にふえていく、本郷にそういうものを置くことはできないだろうということで、当時は、先ほど申したように、学生の正課とかそういうものでなくて、学生の保健、体育ということが目的で始められたことでございますが、結果的に見ますと、戦争で、ゴルフ場の予算も初一年度で、買収した翌年は建物も六百坪くらいできましたし、整地もいたしましたけれども、あとはその計画がとぎれてしまったわけであります。戦争末期あるいは戦争が終わりまして運動場施設を要求しても、戦災復旧とか、先ほど申したようないろいろな予算で、とうていもらえないだろうということで、大学は言うことをあきらめて――あきらめるということがいいか悪いか別問題ですが、あきらめておった。そこに今の先輩が金を出して――これは反面においては使用権を持ったというようなこともございますけれども、整地をした。あの土地は泥地で、草炭ができるほどの土地で、非常に整地費にかかったわけであります。結局今結果的に見ますと、当時、それから以後運動場を設置するというようなこともなかなかできない。結局大学としても、整地して、あいているから、一応ゴルフ場をやってやろうということで、もうけ主義ということは、そこを整地するために一生懸命の余り、先輩がおそらくいろいろの会費をつのったりしたことの結果だろうと思いますけれども、そういうようないきさつがございまして、現在大学としては、ゴルフ場を廃止いたしましても何をしても、整地をされたという一つの点、先輩皆さんの御厚意は私どもも全然無視するというわけには参らぬと思いますが、そういうような事情でございます。
 一方、現在東京大学といたしましては、先ほど大蔵省の司計課長のお話もございましたように、理工科系学生の増募と、新しい研究施設の整備を、全国の大学研究者がおります関係もございまして、いろいろ学術会議とか、そういった方面から持ってこられたものでやらざるを得ないものも研究室としてはございますし、それから学生増募といたしましても、本年百五十名の増募をいたしますと、これが理工科系のために実験実習室を全部作らなければならぬ。その百五十名と申しますのは、結局教養学部へ入りまして、初めは百五十名でも、その翌年は三百名になり、次の年は四百五十名、最終には六百名になるというようなことで、その設備等につきましても、本郷あるいは駒場の方もだんだんそのための建物を作るのに今精一ぱいでございまして、本郷でも四階建ての上に継ぎ足していかなければならぬというような現象も二、三年前から出ておりまして、運動場施設は、今までのいきさつはいろいろ御指摘を受けたようなこともございますけれども、今後の見込みといたしましては、大学としても本郷に運動場施設を置くというようなことは不可能であり、ここ二、三年に狭められていくんじゃないか、その際に今度は新しく土地を求めるといたしましても、もうおそらく不可能であろうというような点から、実は大学といたしましても考慮いたしまして、総合運動場として何とかあれを使わしていただきたい、かように考えてお願いして参っておる次第でございます。
○鈴木(正)委員 関連して。
 先に僕が質問したときには、この委員会に現われている空気は、大体国有財産の使用目的を逸脱して、営利事業としてのゴルフ経営というようなことをやっておるのはけしからぬ、それをやめろという空気が、大体この委員会に列席した人々の空気だと僕は察しておる。それをいつやめるか。すぐというわけにはいくまいから、多少の時日は要するだろうが、それをいつやめるかということを聞いたときに、大学の事務局長ですか、そのお話では、はっきりは言わぬけれども、年度内には大体それをやめるようなふうに僕は聞いたのですが、その後の質問応答を聞いておると、それが大そうぼけてきた。それで四、五年かかるというような話になってきておる。それで僕は、このことだけをはっきりしておいてもらいたい。つまり、現在大学運動会とかいうのが経営しているのでしょう。その経営をさしておくことは間違いだから、大学の直営にするというようなお話があった。そうすると、大学の直営にした場合も、やはりそこへゴルフをやりに来る人からは、普通のゴルフ・クラブでやっておるような莫大なまあ場合によっては二十万、三十万、五十万というような金を取っておるのですが、今まであそこの検見川のゴルフ場の会員となるというか、やっていくにはどれくらい金を取っておるのか、この点を一つですね。それから、もし大学の直接経営に移った後にも、そういうふうにして経営していくのかどうか。それから、今言うた東京大学運動会とかいうものの手を離れて、大学の直属にするという場合においては、別に予算措置の伴うことじゃないのだから、やる気があれば、私はここで、いつごろまでにそれをやるということは言えるはずだと思う。少なくともこの年度内には、その機構改革をやっていくということが答えられるかどうか。つまり、大学直属の経営に移すこの期間はいつごろになるか。それから、大学直属になっても、その経営方法は依然として、営利ゴルフ場と同じように、多額の入会金を取って一般の人を入れるのか、あるいはほんとうの大学の体育としてのゴルフにふさわしいような経営方法をとっていくのかどうか。そうなれば、収入は非常に減ると思いますけれども、一体そのメンバーとしてはどういう者――東大に関係のある人もたくさんおるからということになると、気のきいた役人なんていうものは大てい東大を出ているのですから、そういうものの特権ということになってはけしからぬと僕は思うのですよ。それらの点について明確なお答えをいただきたい。重ねて申し上げますると、今の運動会とかいうものの手から、大学直属の経営にする期間はいつできるか。これは予算を伴わないので、できぬことじゃないのですから、私ははっきり言えることだと思うのだが、その暁においても、その経営の方法は依然として一般の人から多額の入会金を取って経営していくのか。あるいは大学関係者という人は、どういう条件で、どういう状態で入れるのか。その場合に、大学を卒業していない人は一体入りたくても入れないのかどうか。そういう経営方針ですね、それを一つはっきりと示していただきたいと思います。
○鶴田説明員 先ほど申し上げました五カ年というのは、設備関係でございまして、その他の面においては即刻、これは三月、年度末までと私は申し上げましたけれども、これはもっと早く、もう極力速急に、そういうようなことで、大学の管理でいたすようにいたしたいと思っております。それから、経営の面におきましては、従来通り――たとえばこれから会員も何も全然ストップさせるということは、これは廃止することと同じでございまするし、また若干寄付をして、つまりそこの入会金で芝生を作り、あるいはそういう……。
○鈴木(正)委員 入会金は今までどのくらい取っていたのですか。
○鶴田説明員 四万円でございます。当初は、整備委員会のときは三万円でございましたが、今は四万円でございます。その四万円というのが、要するに先ほど申しましたように、設備を作りまして、大学の方へ寄付をいたしておるわけでございます。
○鈴木(正)委員 今までは一般の人は入っていないのですね。
○鶴田説明員 一般の人は入っておりません。(荒舩委員「東大の人だけか」と呼ぶ)そういうわけです。運動会の会員には、東大卒業生だけしかなれないものでございますから……。(「そんなばかなことはない」と呼び、その他発言する者あり)それで、今後の運営方針につきましては、大学が管理運営いたしていくつもりであります。
○鈴木(正)委員 それは大体年度内にできるのですね。
○鶴田説明員 はい。ただ、ちょっと御了解をいただきたいと思いますのは、運動会と申しますのは、今までやっておりますのは、財団法人運動会というのは、明治時分から始まってずっと実体はあったような会でございまして、実は大学の運動施設の運営とか、そういう面を脇におって相当援護していくというような立場で、今まで大学にも相当利益を与えてきておる団体でございます。その中に運営委員会というのがありまして、そこが経営しておったのですが、それは私ども今度は大学の直営にするにしても、ただ問題は、ゴルフをやっておりますと、例の食堂もございます。これは現在でも大学の寮なんかに食堂がございますが、そういうような点は実費で支払うというようなやり方で、運動会がそういうことを従来やって、大学でもやってきておるわけなんです。それから、運動用具は、運動会で買いととのえて、そうして学生に貸すというようなこと、運動会がそういう事業をいたしております。そういうような食堂経営とかいう面も国費でやるという点は、なかなか困難な点もありますので、この点は運動会の方へお願いしてやっていただいて、その会計については、随時あるいは適時に、われわれは、会計検査を大学としていたしまして監督していきたい、かように考えております。
○鈴木委員長 本問題は、国有財産の管理上きわめて重要な問題でもあり、また関係大臣並びに各当局の責任者の出席を求める田中委員を初め各委員からの御要望もありますし、なお継続して調査を行なうこととし、本日はこの程度にとどめます。
     ――――◇―――――
○鈴木委員長 次に、昭和三十五年度決算外三件を一括して議題とし、通商産業省所管について審査を進めます。
 まず、所管決算の概要について、通商産業政務次官より説明を求めます。森政務次官。
○森(清)政府委員 ただいま議題となっております通商産業省所管、昭和三十五年度経費決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳出決算につきまして、御説明いたします。
 昭和三十五年度歳出予算現額は百八十九億二千九百万円でありまして、これを歳出予算額百七十九億四千万円と比較いたしますと、九億八千八百万円の増加となっておりますが、これは総理府所管よりの移管額二億五千九百万円、予備費使用額一千七百万円、前年度より繰越額七億一千百万円による増加であります。
 歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は百七十六億五千三百万円でありまして、翌年度へ繰り越しました金額は八億四千万円、不用となりました金額は四億三千四百万円となっております。
 三十五年度におけるこの経費の執行につきまして、そのおもな事項の大要を御説明いたします。
 第一に、貿易振興及び経済協力費でありますが、三十五年度の予算現額は二十八億六千四百万円でありまして、その支出済み額は二十五億八千八百万円であります。そのおもな支出につきまして御説明いたしますと、まず日本貿易振興会事業運営費でありますが、支出済み額は十三億九千五百万円でありまして、前年度に引き続きまして、海外市場の調査、貿易のあっせん、海外宣伝、国際見本市等、一般事業のほか、農水産物、医薬品等特定のものについて市場調査、海外宣伝等の事業を実施いたしました。
 次に、重機械類輸出振興事業費であります。この経費はプラント等の輸出振興をはかるため、日本プラント協会及び海外建設協力会に対する補助金等でありまして、三十五年度における支出済み額は、一億五千万円でありますが、プラント協会におきましては、前年度に引き続き八カ所の海外事務所維持運営を行なうほか、十六班、六十四名に及ぶコンサルタント派遣、モデル・プラントの設計等を実施いたしました。また海外建設協力会におきましても、ニカ所の海外事務所を維持運営するほか、調査団派遣等による調査を行なって参りました。
 次に、日本輸出雑貨センターに対する補助金でありますが、三十五年度におきましては一億一千五百万円を支出いたしまして、雑貨輸出の振興をはかるため、前年度に引き続き、デザインの登録認証及び生産技術の指導を行なうほか、集合検査場及び保管場を増設し、輸出検査の能率化をはかることといたしました。また新たに常設展示場を設置いたしまして、来訪するバイヤー等に対し適切な紹介宣伝を行なうことといたしました。次に、アジア経済研究所関係費であります。本研究所は、アジア地域等の基礎的な経済事情を調査研究するため設立せられたものでありまして、三十五年度におきましては、これを強化するため、特殊法人に改組して新たに一億円の政府出資を行なうとともに、助成費一億六千七百万円を支出いたしまして、研究員の増加とともに、資料の収集、海外現地調査、広報等の事業を拡大することといたしました。
 このほか、巡航見本船補助一億二千八百万円、印度西ベンガルに設置する技術センター事業費一億三千二百万円、輸出品品質及び意匠向上事業費一億三千五百万円等の支出があります。
 第二に、中小企業対策費でありますが、三十五年度の予算現額は二十四億三千百万円でありまして、その支出済み額は二十二億五千九百万円であります。そのおもな支出につきまして御説明いたしますと、まず、中小企業設備近代化等補助金であります。支出額は十四億四千三百万円となっておりますが、これによりまして、中小企業設備近代化のために、三十三億九千万円の貸付が四千四百六十三企業に対して行なわれましたほか、中小企業等協同組合の共同施設につきましても、四億六千四百万円が三百六十四組合に対して貸し付けられまして、中小企業の近代化合理化に大きく効果を上げたのであります。
 次に、小規模事業対策費であります。この経費は、小規模事業者の特殊性にかんがみ、これに対する指導体制を強化して経営の改善をはかるため、三十五年度において新たに支出されたものでありまして、商工会及び商工会議所に経営改善普及員を二千三百二十八人設置し、小規模事業者の経営改善に資することといたしました。その支出済み額は二億九千百万円であります。
 次に、中小企業指導事業強化費でありますが、これは地方公共団体の行なう中小企業の診断事業及び技術指導に対する補助金、並びに三十五年度に新たに実施することになりました業種別振興対策に支出したものでありまして、その支出済み額は二億四千六百万円であり、診断指導事業におきまして約二万三千件、技術指導事業におきまして約六万件に及ぶ診断指導、技術相談等を行なって参りました。
 このほか、不足鉱物資源の合理的開発をはかるための新鉱床探査費補助九千九百万円、中小企業団体中火会補助六千四百万円、昭和三十四年及び同三十五年に発生いたしました風水害等により被害を受けました中小企業者に対する災害復旧資金利子補給金五千七百万円、煙火関係の災害事故防止のための施設補助二千二百万円等の支出をいたしております。
 第三に、科学技術振興費関係でありますが、三十五年度の予算現額は四十六億四百万円でありまして、その支出済み額は四十四億二千五百万円であります。そのおもな支出につきまして御説明いたしますと、まず、鉱工業技術研究費補助金であります。その支出額は四億六千五百万円でありまして、わが国鉱工業技術の向上に寄与すると認められる民間等の試験研究を助成するため、電子機器等の試作、新金属、合成高分子、産業廃水処理等に関する試験研究に対し、重点的に補助を行ないました。その交付件数は百二十三件であります。
 次に、通商産業省傘下の試験研究所の特別研究費等でありますが、電子技術を初め生産加工技術、エネルギー関係技術等重要な試験研究を推進するための特別研究費として十億一千三百万円、試験研究設備等を更新、近代化するための整備費として四億三百万円、原子力関係試験研究費として二億七千七百万円を支出いたしております。
 〔委員長退席、田中(彰)委員長代
  理着席〕
 第四に、公共事業費であります。三十五年度の予算現額は十六億七百万円でありまして、その支出済み額は十一億九千六百万円であります。この支出につきまして御説明いたしますと、まず、工業用水道事業費であります。この経費は、工業地帯における地下水くみ上げによる地盤沈下の防止と、工業立地条件の整備とを目的として布設される工業用水道事業費の一部を補助するために必要な経費であります。三十五年度の支出済み額は、十億二千五百万円でありまして、仙塩、愛知県営、大阪府営等十一カ所の継続事業を実施するとともに、新たに東京江東地区、大阪臨海地区、北九州及び加古川の四カ所の事業に着手いたしました。
 次に、鉱害復旧事業費でありますが、三十五年度の支出済み額は一億七千百万円であり、これにより一千三百十八戸の家屋と十三件の公用公共用建物を復旧いたしました。
 第五に、石炭鉱業対策関係費であります。三十五年度の予算現額は二十六億四千万円でありまして、その支出済み額は二十四億五千三百万円であります。この経費は石炭鉱業の実情に対処いたしまして、合理化の推進と離職者の援護等の施策を強化するために支出いたしたものでありまして、そのおもなるものにつきまして御説明いたしますと、まず、石炭鉱業合理化事業団の出資金であります。これは石炭鉱業の合理化を推進するため、新たに高能率炭鉱の造成及び中小炭鉱の機械化に必要な資金の貸付を、石炭鉱業合理化事業団に行なわせることとし、二十一億四千万円の政府出資を行なったものでありまして、三十五年度におきましては、大型近代化工事に対し十五億二千七百万円、中小炭鉱機械化に対し八千七百万円、計十六億一千四百万円の貸付を行ないました。
 次に、非能率炭鉱整理費補助金でありますが、これは従来石炭鉄業整備事業団が、炭鉱からの納付金によりまして、非能率炭鉱の買収を行なって参りましたものを、今回石炭鉱業の合理化を一そう強化するため事業補助を行なうことにいたしましたものであります。三十五年度の支出額は二億一千四百万円でありまして、買収炭鉱十二炭鉱、出炭ベースで五十四万一千トンの買収を行ないました
 このほか、財団法人石炭技術研究所が行なう試験研究に対する補助金五千六百万円、未開発炭田の開発を合理的に行なうための炭田総合開発調査費約四千万円等の支出がございます。
 以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計歳出決算に関する御説明を終わりまして、次に当省所管の各特別会計の決算について御説明申し上げます。
 第一に、アルコール専売事業特別会計でございます。この会計は、アルコール専売法に基づいて、アルコールの製造、収納、販売等の事業を運営するために設けられたものでありまして、三十五年度収納済み歳入額は三十九億円、支出済み歳出額は二十九億主千八百万円であります。この会計の損益計算上の利益は十億九千八百万円でありますが、このうち期末資産の増加に一億一千二百万円、運転資金の増加に五億円を充てることといたしまして、残余の四億八千六百万円を一般会計に納付いたしました。
 第二に、輸出保険特別会計でございますが、この会計は、輸出保険法に基づいて政府の行ないます輸出保険事業の経理を明らかにするために設置されたものでありまして、三十五年度の前年度剰余金を含めた収納済み歳入額は八十四億七百万円、支出済み歳出額は四億九百万円であります。三十五年度における保険引き受け件数は二十四万九千件で、その保険金額は三千百三億円でありまして、前年度に対し七九%の増加となっております。
 第三に、特定物資納付金処理特別会計でございますが、この会計は、特定物資輸人臨時措置法に基づいて、国庫に納入されます特別輸入利益金の受け入れ等に関する経理を明らかにするため設けられたものでありまして、三十五年度収納済み歳入額は三十六億七百万円、支出済み歳出額は三十億七千万円でありまして、この支出額のうちから産業投資特別会計へ三十億六千六百万円の繰り入れを行なっております。
 最後に、三十五年度の通商産業省所管の決算につきまして、会計検査院より不当事項として指摘を受けましたものは一件もございません。
 以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計及び特別会計の決算に関する御説明を終わりますが、なお、御質問に応じまして、詳細に御説明申し上げたいと存じます。
 何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
○田中(彰)委員長代理 続いて、会計検査院当局より検査の概要について説明を求めます。宇ノ澤第四局長。
○宇ノ澤会計検査院説明員 ただいま通商産業省から御説明のございました昭和三十五年度の通産省所管の一般会計及び各特別会計の検査の概況について申し上げます。
 ただいま御説明のありました総金額につきましては、書面検査といたしまして、計算書及び証拠、それについて検査を行ないますと同時に、通商産業省本省、それから各通商産業局並びに外局、それに主要な試験研究機関など、合計六十一カ所に対しまして、各十八人をもちまして実地検査を施行いたしました。その施行率は、個所別に見まして三九・四%となっております。御承知のように、通商産業省所管の一般会計経費につきましては、近年いろいろな施策の進展に伴いまして、補助金、委託費、出資金等、政府の予算措置に依存する度合いが高まっていく傾向にございまして、三十五年度におきましては、これら経費の支出済み総額に占めます割合は五一%余に達しておるような状況になっておりますので、特に検査の施行にあたりましては、補助事業などの実施及び経理に重点を置きまして、検査を施行いたしたような次第でございます。
 今そのおもな補助金につきましての実地検査の施行状況を簡単に申し上げますと、貿易振興及び経済協力関係の補助金につきましては、支出額の約八一%、工業用水関係の補助金につきましては七八%、石炭鉱業対策関係の補助金につきましては二〇%、鉱工業技術関係の補助金につきましては八四%、中小企業対策関係の補助金につきましては四七%ということになっております。そういたしまして、補助金総額についてその施行率を見ますと、大体件数において二二%、金額においては六五%と相なっております。
 検査の結果は、前年、前々年に比べまして漸次改善の跡が見られまして、毎年検査報告事項として本院で取り上げて参りました中小企業設備近代化補助金の経理などにつきましても、当局が従来に増して積極的に実地指導等の措置をとられましたことなどにより、特に三十五年度は検査報告に指摘するような不当な事項はございませんでした。その他の人件費、庁費、旅費などの経理につきましても、検査の結果、特に不当として検査院として指摘すべき事項はございません。
 以上、簡単でございますが、検査の概況について御説明申し上げました。
○田中(彰)委員長代理 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。小川豊明君。
○小川(豊)委員 私は、きょうは通商産業省関係で、特にトランジスター、それから望遠鏡、双眼鏡等の前回から引き続いて審議された問題についてお尋ねしたいわけですが、きょうの午後ゴルフ場の問題でかなり時間をとったので、従って、私は今通産省がとっている措置について、法律上の疑義、いろいろの点からの疑義等もただしたいと思いますが、その点はまたあとにして、端的に問題になっている点をあげてお尋ねしたいと思います。
 こういう問題が起こったということは、一つは通産省が価格支持をまずとった、ところがこの価格支持政策というものが失敗に終わった、そこで、その次にとらざるを得なかったのはいわゆる数量の規制措置、この価格支持の線と数量規制の線とがからみ合って、今日トランジスター、双眼鏡、望遠鏡にいろいろ問題が出てきているわけです。
 そこで、いただいた資料によると、輸出双眼鏡の場合だが、三十二年には百十六万六千という出荷数量があった。それが三十四年には百四十四万五千という数字で、ずっと上がってきている。ところが、あなたの方で、こういう数量規制をやるようになったのと同時に、三十五年には百三十六万に落ちて、三十六年には百六万に落ちている。三十四年をピークとすると、ここに四十万も数量が減っている。それから今度は価格にすると、価格支持政策というもので、これはいろいろのあれがあるから、当初一個三千五百五十円という数字をきめた。ところが、今日ではそれがだんだん落ちてきて、三十六年では輸出の値段が二千五百円に下がった。そうすると、輸出の振興をはかろう、同時に輸出秩序の維持改善をはかろうとして作られたところのあなた方のいろいろな規制措置というものは、こういうふうに輸出の絶対量においてすでに百四十四万五千が百六万に減り、価格も一個三千五百五十円というものが二千五百円に落ちているわけです。これは事実なんですね。この事実はあなたの方でお認めになりますか。
○島田政府委員 ただいまお話しの数量が落ちている、価格が下がっておるというのは大体事実だと思います。
○小川(豊)委員 私が先ほど申し上げたのは、こういう措置をとり、こういう規制をしたのは、結局輸出の振興、国内商品の維持改善ということが眼目であった。ところが、そういう措置をとったところが、こういうふうにいろいろな言いわけはあるだろう、言い分もあるだろうが、しかし落ちたという事実は認めなければならぬ。価格が下がったということをお認めになったとするならば、こういう割当制度あるいは価格支持制度というものが必ずしもあなたの方の金科玉条ではないのだということは、これは事実がこれを証明しているわけだから、お認めにならざるを得ないだろうと思う。
 そこで、私はこの前の委員会でもこの点をあげたのですが、さっき検査院の宇ノ澤さんが通産省は幸いにして指摘事項一件もなしと言われた。これはけっこうだ。あなたの指摘する年度においてはなかったことは、そうだろうと思う。これはあとで私やります。ところが、最近になって、去年からことしになって、この検査協会の汚職というのがどんどこどんどこ出てきている。そうして検査協会の人並びに通産省の人までがこれに関係しているということが、新聞等では書かれている。そうして、もうこれで一段落ついたのか、これでもう済んだのかと思ったところが、一昨日の新聞には、輸出顕微鏡などに手心、検査員二人逮捕というので、また大きく出ていますね。私切り抜きを持ってきているが、こういうふうに次から次へ検査協会の汚職というものが出てくる。しかもこの検査協会は国で補助している団体でしょう。この検査協会に国は補助、助成をしているはずです。ここは一方において検査料を取りながら、一方において国から補助を受けている。これは何というか、名前は協会であるけれども、国が国の政策に基づいて輸出品の品質の維持改善等をはかろうとして作ったのがこの検査協会なんです。その検査協会にこういう汚職が出てきている。その汚職は何であるかというと、さっき私が言ったこの割当では輸出ができないから、双眼鏡を作って、これを双眼鏡ではないほかのものに――ここではちょっとその品物が出ておらぬが、双眼鏡を作って双眼鏡を輸出しながら、あるいはトランジスターを作ってトランジスターを輸出しながら、それが双眼鏡やトランジスターでない。たとえばトランジスターの場合には、電気あんま器は検査の対象にはならないから、電気あんま器だといってトランジスターを輸出した。これは税関の手心です。検査の方の手心じゃない。ところが今度は、検査員も、双眼鏡でありながら双眼鏡でないようにして出さしている。それはほかのものというふうに手心を加えたということになっておるのだが、ここで考えなければならぬのは、業者ワクというワクがありますね。業者にはそれぞれ何個作っていいというあなたの方でワクを与えます。一方において輸出する商社にも、あなたの方で何個輸出していいというワクを与えられるわけですから、結局これはメーカー・ワクが即輸出ワクになるのか、輸出ワクが即メーカー・ワクになるのか知らぬが、それはそういう関連がある。ところが、外国からの注文はあるけれども、このワクに縛られて――たとえば私という小さいメーカーがあって、五百個なり六百個しか割当がなかった。ところが五百個なり六百個作っておったのではどうにもならぬから、また外国からバイヤーを通じての注文があるから、そこで千個なり二千個なり作った。作って商社の方へ持っていくとすれば、その持っていった商社は、ワクがないから、そこでせっかくあなたの方へ注文したけれども、あなたの方にはワクがないから、ワクを一つあなたの方で見つけてきて下さい、こう言われる。商社の方は、出せなければ出さなくても別に損得ありませんが、メーカーの方は作ったものを引き取ってもらわぬことにはどうにもならないから、そこでワクを持っているメーカーのところへ行って、トランジスター・ラジオの場合には一台が一ドル五十セントだそうです。四千円かそこらでしょうが、そのうち一ドル五十セントというものをワクを持っている人のところへ持っていって、ワク代を払って、そのワクを買い受けて出荷しなければならないというのが、トランジスター・ラジオの現状であると同時に、双眼鏡の方も、やはり一本について二百円なり三百円なりで、たくさん割り当てられている人からワクを買い取って、辛くも輸出しているのが今日の現状である。であるがゆえに、トランジスター・ラジオの方ではもう数社が倒産しております。それから望遠鏡や双眼鏡の方では、二十社以上がやりきれなくて倒産しているのです。こういう形をこのまま存続しておいても、これは輸出振興にもならなければ、中小企業の育成ということにもほど遠い形になっていってしまうわけです。従ってここであなたの方でこの検査制度を改めることも一つあるでしょう。たとえば検査にも四千円かそこらのトランジスターの場合には検査手数料は十五円、ところが今度それより値段の低い二千五百円くらいに下がってしまった望遠鏡の方は二十何円か検査料を取られている。しかもそのほかに、出張して検査をしてもらう場合には、その出張旅費も払わなければならないという、いろいろな政策の誤謬というものがメーカーにおおいかぶさってきているのが今日の現状であるがゆえに、この検査というものが、義務として検査を受けなければならない――これは私当然だと思う。いいと思うのだが、受けなければならないのならば、出張旅費を取ったり何かすることだけはやめたらどうか。ということは、これはあなたの方への質問でなく私の意見になるが、そういうことを考える。それからこのワク、いわゆるメーカー・ワク、商社ワク、二つののワクを設けておいて、そうして弱いメーカーが非常に痛めつけられているというのはどこからくるかというと、トランジスターでも、望遠鏡、双眼鏡でも、大きな商社は十万本、十五万本という割当がある。ところが、小さい商社には、五百本か六百本しか割り当てない。総ワクでは、さっき言ったように百万そこそこのワクでしょう。こういうふうな割当になると、五万も十万も割当を受けているのは、日本に十社かそこそこなんです。そうしてあとの何百という商社が五十か六十ある。だからこういう問題が起ってくる。ここに商社ワクというものとメーカー・ワクがある。メーカー・ワクは輸出の過当競争というものを防がなければならないから、残してもいいと思うが、商社ワクとメーカー・ワクと二つ作っておくところに、こういう問題が、いわゆる権利のから売りが行なわれているわけだ。これをあなたの方ではどう是正するおつもりなのか。このままでいいとお考えになるのか、それとも、これは何とか方法を変えなければならない、変えるならばどういうふうに変えようとお思いになるのか、この点を私はお聞きしたいわけなんです。
○島田政府委員 実は双眼鏡、トランジスターの輸出振興の問題は、端的に申し上げますと、非常にむずかしいわけでございまして、私どもできるだけ輸出振興のために、生産から輸出まで何とかうまくやろうと思って、いろいろ考えてみておるわけですが、フランクに申し上げまして、これならば輸出振興になり、メーカーもこれなら生産をふやして振興していけるという手が実はなかなかない。一つ私が率直に先生の御理解を得たい点は、双眼鏡について、御存じのようにこれは国内に売るのではございませんので、ほとんど全部と言っていいくらい外国に出すわけなんです。
 そこで、基本的に双眼鏡とトランジスター・ラジオを区別して申し上げますが、まず双眼鏡の方を申し上げますと、これはもう先生御存じのように、全部が中小企業でございます。簡単に申せば、設備等を持っているというよりも、スパナと金づちその他を持てば双眼鏡になるという実態でございます。ところが、生産をいたしまして、国内の市場に売っていくということならば、国内対策としていろいろ対策があると思うのです。ところが、かりに商社を割り当てるという形で輸出しようが、あるいは割当をしないで輸出しようが、最終的には実は外国と競争をし、最後は外国のインポーターにつながって参るわけであります。だから、大きく申しますと、日本が輸出振興をして外国の市場に売っていくためには、結局国内の生産をしたものの価格が過当競争にならずに、国内で値下げ競争をせずに輸出をしていくのが、まず一つの基本のラインであろうと思います。当然日本がもうけるべきものを、外国にたたかれて安く売る方法を、何とか避けたいというのが第一点でございます。
 それからもう一つは、できるだけ数量を多く輸出したいわけであります。ところが、御承知のように、耐久消費財関係は、一時非常に伸びて参りましたけれども、ある程度売って参りますと、外国でもやはりこれに対して規制をするような状況が出て参りますことは、耐久消費財以外のものでも、御存じの通り繊維にいたしましても、雑貨にしても、みんなそういう状況でございます。そこで外国に出していく場合には、できるだけ漸進的に輸出を出していきませんと、生産をしたものをそのまま外国に出しますと、これはもう完全に過当競争になってたたかれる。外国では、御承知のようにもう欧州、東南アジアを見ましても、みな輸入のアロケーションをやっておるわけでございますから、こちらがそのアロケーション以上に生産をしましてそれを出すということになりますと、逆に輸入制限という問題になるわけでございます。この双眼鏡でも、アメリカに対しましては、今までずっと伸びて参りましたけれども、最近アメリカにはなかなか伸び悩んでおります。というのは、一面には日本の双眼鏡が相当出回ったということと、アメリカの景気が御承知のように停滞ぎみだという面もあると私は思います。どの原因であるかは、今申し上げましたように、外国から見た日本の耐久消費財の輸入関係と、こちらの生産者の波打ちぎわまで出て参ります体制から数量の問題と価格の問題とが実はありまして、これをどういうふうにしたらうまく振興するかというのは、率直に申しましてなかなかうまいきめ手がないわけです。
 そこで、今までとって参りました方法は、メーカーだけといいましても、双眼鏡についていえばメーカーだけで二百以上ございます。これは団体法の規制がなかなかできないわけです。御承知のように、団体法は設備を中心に規制をしまして、必要があればアウトサイダー規制をやるわけですが、設備といっても、その基準が実は立ちませんので、そこで特別に法律を作りまして、そうして事業の登録制度ということをやりまして、ある連中が生産をしている企業者のほかにまた族生して参りますと、これはますます過当競争になるもんですから、登録をいたしまして、今二百幾つになっているわけです。ところが、率直に申しまして、外国の力がどんどん自由に入れてくれるならいいわけですが、入れてくれませんし、欧州もまたアロケーションで自由に入れておりませんから、そういう格好になりますと、生産がどんどんふえて参ります。そういう問題で、商社との関係も、最終的には外国からたたかれるという問題になりますので、どうしてもここで輸出規制をある程度しないと、双眼鏡のメーカーの振興にならない。しかも、これはほとんど全部輸出でございます。
 そこで、いろいろな方法をやってみたのですけれども、とりました方法は、双眼鏡については、現在はやはり生産の規制をいたしまして、そうして商社の方は実績五割、その他今度はメーカーが商社を選択する関係のものが五割、大ざっぱにいいましてそういう関係になっております。それから一時、これはメーカーの振興をはかるためには、双眼鏡をある基準につきましては買取機関に買い取らせることによって、今お話しの値くずしをあれしたり、商社にたたかれるというような問題をもあわせて解決しようというのであれしましたが、実は外国の関係もありまして、だんだん手持ちがたまってきた。そのためにその手持ちをはかなければならぬというような問題も出て参りまして、そこで私どもは五割、五割という線で、一手買取機関にたまっておる在庫も、大体はける見通しになりましたので、そういうやり方をせずに、ただいまのような方法で、実績とそれからメーカーが商社を選択していくような方法とを大体併用しておるわけでございます。
 ただ、そこで問題がございますのは、今度はどういう商社が双眼鏡を取り扱っておるかと申しますと、これも大部分と言っていいくらい中小商社でございまして、中には双眼鏡だけを専門に取り扱っておるような商社も実はございます。従って、私どもは、メーカーの立場をまず考えるのが当然でございますけれども、同時に、それらの商社の問題もあわせて考えなければならぬというところに実は問題がございます。しかも、今度はメーカーを半分しかいわゆる実績割当をしなかった結果、商社が二百数十にふえて参りました。さらにこれを、かりにメーカーの自由選択という形であれしますと、商社はもっとふえまして、商社の過当競争から商社で脱落するものが出て参ると思いますが、長期的に考えますと、商社が多くなればなるほど、外国のインポーター、バイヤーとの関係は、向こうがますます有利になりまして、商社は完全にたたかれる格好になるわけです。ところが、商社を通じないと出ませんので、数が多くなればなるほど、こちらで過当競争をやる。そのつながるのがメーカーという問題もございまして、それじゃメーカーが自由に出したらどうかということになると、ただいま申します生産規制の問題言いかえれば、波打ちぎわで出ていく数量のチェックができない。それから、同時に、かりに商社を自由にふやせばメーカーと商社の関係は、あるいはメーカーの方が有利になるかもしれませんが、外国との関係では、数が多くなればなるほど商社がたたかれる。要するに、日本の窓口であります商社がたたかれるということは、結局回り回ってメーカーが不利をこうむって――日本ではいいのですが、外国で輸入制限にぶつかる。それから価格関係は、たたかれて過当競争で不利になるという問題がございますので、私どもは、現段階では大体半々くらいで考えております。しかし、この割当制度が一応三月で終わることになっております。四月以降については、ただいまのメーカーの問題も、この委員会でお話がございますので、正直に申し上げまして名案はございませんが、十分に検討いたしまして、さらに前進する方法でこの問題を解決したい、こういうふうにお答えをさせていただきたいと思います。
○小川(豊)委員 答弁としては弁解がましくなく、率直な答弁であって、私は非常にいいと思う。
 そこで伺うのですが、じゃこうしたらいいだろうという案がわれわれにあるわけではない。現状は、あなたの方でいろいろな規制措置をとったために、全体として輸出は落ちている、値段も下がってきているというならば、それは措置としては失敗なんだというほかはないでしょう。外国の関係と今あなたは言われたけれども、それも一つの条件にはなるでしょう。しかし、何といっても、こういう措置をとるということは、輸出を伸ばすということと、過当競争とかそういうことでなしに、外国の信用を落とさないように輸出の秩序を保つというこの二つが眼目でやられたわけでしょう。輸出の数量は三十二年は百十六万六千、三十三年が百二十九万五千、三十四年は百四十四万五千、こういうふうに伸びてきた。ところが、三十五年ころにあなたの方がこの措置をとったとたんに、三十五年には百三十六万と下がり、三十六年には百六万六千と落ちてきた。値段も、あなたの方が価格支持制度をとって三千五百五十円と一応上がった。ところが、今日ではそれが二千五百円に下がってしまった。価格で下がり、数量で落ちていっている限りにおいて、今とられているこの制度に対して、あなたの方は当然反省をしなければならない段階がきているわけだ。それについて、今の率直な答弁の中にも、外国のいろいろな事情もあると言われた、それもあるでしょう。しかし双眼鏡の場合、下がった上に二百円なり三百円なりのワク代を――商社のワクをあなたの方でもおそらくわからないだろうと思う。僕は調べたからわかっておる。ここのところがポイントになるが、メーカーは、自分が作ったものを商社から買いにきてくれたから売る約束をした、LCを持っておる、出してくれと言うと、出せない、ワクがないんだ、私の方も探しておるが、あなたの方で探してくれないかと言われて、五百なり千なり、輸出割当のワクを持っているところへ行って買わなければならない。トランジスターでは一ドル五十セントであるワク代が、双眼鏡では二百円なり三百円なり出さなければ買えないということになると、値段が下がった上にそれだけさらにまた買いたたかれておるわけでしょう。このことは、この前の委員会でこういう事実があるのじゃないかとお聞きしたところが、そのことについてあなたの方で認めておるのですよ。そういう事実が行なわれておるととは聞いておりました。けれども、そういう問題は、もちろん私の方の承認したことではないということは、この前の委員会で答弁なすっておる。だから、あなたの方では、この事実を認めておるわけだ。答弁なすったのはあなたじゃありませんで、この前来たのは重工業局次長ですか、答弁なさった。どちらでもいい、こういうようになっておるんだから、混乱というかあやまちというか、この問題をどう是正するか。今、三月になると期限がきて割当制度を変えるというのですが、これは何を変えるのですか。
○島田政府委員 実はここで弁解を申し上げるつもりはございませんが、もう一つ重ねて私どもの悩みを申し上げますと、数量を多くして価格が下がらないように売っていくというのが、正直な話、私どものねらいでございますが、実は数量を多くいたしますと、相手国の需要との関係がございまして、価格が下がるわけです。だから、価格面だけを考えれば、もっと輸出ワクを小さくして出ていく数字を小さくすれば、価格は必ず上がります。少なくとも上がるはずであります。ところが、これを縮めれば縮めるほど、今度はメーカーとしての生産が減るものですから、ここに実は率直に申して悩みがございまして、この妥協の上に成り立っておるわけでございます。だから、先生のおっしゃるように、数量は減ったじゃないか、価格も下がったじゃないかということを申されれば、率直にこれを認めざるを得ないわけでございますけれども、この問題は、実は無理に日本が高く売れるものを好んで安く出しておるわけじゃございませんし、結局は過当競争――日本は過剰企業でございますので、かつてほかの物資でございましたように、輸出規制をやらずにダッと出ていけば、外国から問題が起こって値が下がるものですから、やむを得ずそのあとでワクの規制をするという品種がたくさんあるわけでございます。数量も減っておるじゃないか、価格も下がっておるじゃないかという点は、まことに私どもの努力も足りませんし、また力の足りない点がございますが、この数量をふやす問題と価格の下がらぬ問題というのは、全く二律背反でございまして、この両者の調整にならざるを得ないのでございます。
 それから同時に、私が今申しますように、実はただいま検討したわけでございませんので、前から数年かかりまして、双眼鏡の輸出振興、言いかえれば生産者の振興の問題は手がけて参ったのですけれども、なかなかうまくいかない。最近は、国内の景気の問題もございますし、海外の状況等によってますますそういう問題が出て参ったので、そこでいろいろ問題のある点を現在実は検討しておるわけでございます。どういうふうにしたら最終的に双眼鏡のメーカーが成り立っていくかという点を主眼に置きますと、あとはただいま私の申し上げましたようないろいろな問題を総合判断いたしまして、自由に輸出するというわけには参りません。商社割当をやめてしまえば、実は窓口から出ていくと押える方法がございませんので、再検討をいたすつもりでございますが、実は正直の話、今のところ、どうしたらばうまくいくかという名案がまだ出てこないわけであります。ところが、三月にはどうせ割当の時期がきますので、今期は一−三月の方法でございますので、四月までには今お話しのような点をもう一度私としては検討いたしまして、できるだけこの問題の解決のできるような方向で解決したい。率直に申し上げれば、今どういう制度をしたらばうまくいくか、それじゃ全部商社割当をやめたときに、メーカーは要するに団体がございませんので、お互いに生産量を守れないで過当競争で今度は直接。ハイヤーからたたかれるようなことでなしに一体済ませる自信があるかと申しますと、とれまたないわけでございます。結局今申し上げたような中小メーカーが、それじゃちゃんと規制を守っていくかといいますと、これだけのものをちゃんとチェックして、それだけの数量をあるものは出して、あるものは出さぬということで、窓口から出ていったあとチェックする方法が実はないわけであります。全体の輸出規制という問題は、足並みをそろえて、価格が値下がりしないような方法を考えなければならない。その方法として、個々の問題についてはいろいろ技術的にも問題があろうと思いますが、商社割当の制度というものは、実は全体の輸出規制の一つの方法として、特に中小企業がメーカーである場合には、その方法として実はあるわけでございます。
○小川(豊)委員 そこで、こういうことになると思うのです。二つの商社ワク、メーカー・ワク、二つのワクで規制している。これは私はそこが通産省の一つの行政の力の発揮しどころじゃないかと思うのです。こういうふうに商社自身も相当苦しんでおるし、メーカーも苦しんでおるというならば、どっちからも喜ばれないような政策を推し進めていったって、どうにもならない。現にさっき指摘したように減っておるのです。
 そこで、私はこの間こういうことを聞いたのです。一体この商社に対する割当というものはへんぱじゃないのか、しかも実績割当というのがあるのに、実績のないものに割り当てておるのはどういうわけなんだといって、これはちょっと名前は忘れたのですが、質問したのです。そうしたら、これは熊谷という人ですか、この方が答弁しているのですが、ようやく速記録ができてきたから見たら、これは「その後チェック・プライス制度では実情に沿わないということになりましたので、三十五年の七月からだったと思いますが、現在のいわゆる数量規制という制度に踏み切ったわけでございます。」こう答弁しておる。ところがその後原田説明員が西村委員の質問に対して答弁しておるところを見ると、「昭和三十四年一月一日から三十六年六月三十日までの期日における実績でございます。」となっております。ということは、ある商社に対して実績も何もないのにあなたの方でかなりの実績割当をしておるのじゃないか、こういうことに対して、その前のあれとして踏み切ったのは三十五年いつかに踏み切った、こう言っておる。ここでは、実績の検討については、三十四年一月一日から三十六年六月三十日における実績だといって、一年さばを読んでおる。これは一つの答弁の問題だけれども、私の言いたいのは、そういうように実績も何もないところへ実績をつけてやる。それらの人は輸出をしないで、今のトランジスターだったと思うが、割当の権利を取って一台幾らで売っておるというようなことは、これは輸出商社に限らず、メーカーに限らず、中小企業の育成というような点から見ても、また輸出の振興という点から見ても、好ましくないことなんです。こういうことが行なわれておる。だから、こういう点については、もっと考えて是正すべきではないかというわけなんです。これに対する回答はなかったわけです。今日初めてあなたから、それに対して、三月になったら割当の期限も来ることであるから、それに対して是正しようと思っておるが、さてそこで、片方だけをはずしてしまっても、結果からいっても、まずいのではないかということならば、――それはなぜまずいかというと、これは弱小メーカーであって、それが雑然としておる中で割当をしても、それは守れないだろう。いわゆる生産の規制というものはできないであろうということだから、これも私は一応あなたの答弁を了承しますが、ならばどうやるのかということになると、どうしてもあなたの方では通産省という一つの指導のあれを持っておる。それを取り締まる権力があるわけだ。もっとそうした窮状に追い込まれておるメーカーあるいは窮状に追い込まれておる商社の中には、この形がいいのだという商社と、これでは困るという商社とがあるわけですよ。こういうふうな形をもっとすっきりしたものにするのが三月だと言われるならば、三月までにどういう方法をお立てになるつもりか。今あなたの答弁では、まだとれという確たるものはないと言われておるが、しかし日がないのです。だから、あなたの方ではずるずるやっておられても、輸出の商社でもメーカーでも困り切っておるわけです。これはこういうふうに直してみようというお考えがなければならないと思うのですが、どうですか。
○島田政府委員 私、また重ねて申し上げますが、いろいろ検討しておる方法はございますが、ただいまのところ、ここでこういうふうにしたらいいという結論は申し上げられませんが、ただ一つの方法としては、メーカーが要するに生産をふやし、輸出を伸ばしていくという一つの立場に立ちまして、たとえば商社関係の割当面をふやすということにかりにいたしますと、生産と輸出との関係が、輸出の方が大きくなりますから、メーカーの方が商社を拒否するという格好になるという一つのやり方もございます。それから生産と輸出との関係を同じにしておいて、もっとメーカーが商社を選べるような形をとる方法も実はございます。それからこれはなかなかむずかしいことで一朝には参りません。なぜかと申しますと、メーカーが非常に多いわけでございますが、場合によりますと、外国との関係で、メーカー、商社の系列をある程度きめまして、そのパイプを通じてならばダウンもしませんので、それで行くという方法もあるわけでございます。しかしこれはなかなかメーカーも取り扱い商社も多いものですから、簡単にはすぐ参らないという点もございます。ただ問題は、メーカーが数量をふやす場合でも、ただいま申し上げましたように、外国の制限問題がございまして、双眼鏡につきましても、アメリカではすでに民間から提訴されたままになって、いつでも再燃するような状況に実はなっておりますので、そういう面をあわせて、数量をふやすということを考えなければならぬわけです。そういうような問題を、どういうふうにして方法を考えたらいいかという点についても、実は結論がまだ出ないという段階でございまして、今申し上げたようないろいろな方法は、目下検討中でございます。本日ここで、こういう方法にしたらば私どもとして輸出振興上自信が持てると言える段階に立ち至っておりませんので、申し上げることは御猶予願いたい、こういうふうに思います。
○勝澤委員 関連をして少しお尋ねしたいのですが、たしか三十四年だと思ったのですが、軽機械輸出振興法が出たときに、この法案を商工委員会で審議したのですが、そのときに言われたことは、結局過当競争が激しい、ダンピングがされている、だからそれを調整するためにこの法律を作るのだということで、双眼鏡とミシンが話題になったわけでございますね。その結果からいきますと、ここで一手買い取り機関としての輸出振興事業協会というものを作って、それで五億くらいの資金でやってきたわけですね。その実績を見てみますと、やったときはよかった――よかったか悪かったか、よく聞いておりませんけれども、しかし、この法律がもしかりに制定された当時の趣旨に従って行なわれておるならば、そんなに問題は起きてこないのじゃないだろうかと思うのです。今起きてきた原因というのは、一体この法律でやった結果、どこに欠陥が出てきたのかという点について少しく御説明願いたいと思うのです。
○橋本説明員 実はこの法律は一つは品質を上げるという問題、それからメーカー間の過当競争を排除するという考え方で作られております。メーカー間の過当競争の排除は、登録制によって、今日二百十九社にしぼられております。従いまして、その間の新しい事業者がなくなるということで、これで競争は排除されますが、現実の販売面になりますと、実はこの法律よりも別の法律、中小企業等団体法でいろいろ販売数量その他を規制しておるわけでございます。従いましてその辺で、これは組合規約というふうな形になるものですから、この法律ずばりの適用がないという格好で、むしろ団体法による組合間の協定というところにかなり問題が残っておるのじゃないかというふうに考えておるわけであります。
 それから、価格の点につきまして、下がってきたと前に言われておりますが、数量も下がり、それから価格が値上がりした、これは確かにある程度その通りでございます。しかし、やはり価格というものは供給数量を締めますと上がるもので、実は去年の九月ぐらいまでは二千四、五百円まで下がりましたが、去年の十月以降思い切って数量を少なくいたしますると、今日二千八百円ぐらいまで上がっております。従いまして、そういった面から価格と需給関係をある程度通常の経済の形でとらえるわけでございます。従いまして、それまでの段階におきまして価格が非常に下がってきたというふうなことは、――やはり全体としての数量の締め方が、先ほど局長が言いましたように、それを締めればメーカーに非常に端的にこたえるということで十分締められなかった従って価格を維持するためには思い切って数量を締めますれば、最近のように価格は上昇傾向にあるというふうに感じております。従いまして、この法律が悪かったとかよかったとかというふうなことではなしに、やはり協定を守るか守らぬかという問題、それから全体の数量をどの程度に抑えるかというふうな点だろうと思っております。
○勝澤委員 今のお話ですと、数量を少なくしたら価格が上がってきた、こういうお話ですが、この法律なりあるいは現行の中小企業団体法なり、そういうもので数量規制というものがある程度できるようになっていると思うのです。それから輸出についても、輸出の窓口はきっちり一本になっているわけですから、そういう点からいえば、この法律自体においても問題なく数量の規制というものができる。あとは今度はメーカー段階でなくて、商社とバイヤーとの関係に移る、こういうふうに思うのですが、そういうことなのですね。
○島田政府委員 実は、輸出の窓口は、御承知のように商社が輸出をやるわけでございますので、商社の数は、割当したものについてはさまっておりますけれども、そうでない場合にはまた別の商社が出てくる場合があるわけでございます。そこで問題は輸出の数量を規制して、――あまりたくさんわっと出ると外国に問題を起こすというものの規制というのは、国内のメーカーの出荷ワクと、そして輸出する商社の出荷ワクとが合わなければならぬわけです。この合わすことが実はなかなか困難なものですから、一面からいえば商社に割当をし、メーカーの方の出荷規制をやりまして、これとこれを輸出するためには承認という方法を実はとるわけです。そうでありませんと、メーカーの出荷ワクだけかりにきめましても、今度は商社は全然わかりませんから、出してしまってから事後チェックをするような方法にならざるを得ないわけです。そこにメーカーだけの出荷規制をやって、波打ちぎわから外に出ていくときに規制をする問題というのが、実は現在のいろいろな商品について貿管令でやりましたり、あるいは組合規制をやってこれにアウト・サイダー規制をやるというような取引法による方法というのを、実はあわせながらやっておるということになるわけです。輸出するものが、かりに外国に対する一手販売機関のようなのが出ておって、そこを通さなければいかぬということになっていれば問題は簡単なのでございますが、そうでありませんので、メーカーと商社との間の取引によって外国へ売っていく、そこでだれでも自由に出てくるという格好になると、なかなかチェックができなくなる。割当をすると今お話しのようないろいろな、メーカー側から見れば商社が強いじゃないかとか、いろいろな事実があるじゃないかという問題が実は出てくるわけでございます。そこに輸出の商社ワクを全部撤廃してしまうということについての自信がないものですから、そこでとりあえず今いろいろな角度から外国に対して過当競争を起こさずに、しかも生産量をふやし、価格を下げない方法いかに、こういうむずかしい命題に取り組まざるを得ないというのが実は現状でございます。
○勝澤委員 今の答弁ではよくわからないのですが、メーカーはお互いに生産調整をやっているわけです。生産調整をやった数量を一手買い取り機関、協会が買い取るわけですから、商社との関係はそこが一応窓口となるわけですね。そういうふうで問題がない。それからもう一つの問題は、生産調整をやっているのだから、その中でもう一つ今度は商社のワクを作ると二重になるということは、これは前から言われておったわけでありまして、今私ちょっと書類を見てみますと、昭和三十三年九月二十七日、日本輸出ミシン工業組合連合会からも、対米輸出ミシンの商社ワクの設定に関する陳情書というのが出されておるわけでありまして、これは軽機械輸出振興法を作るときに、そういう商社ワクを作ってもらっては困る、業界の調整ワクだけにしてくれ、こういう意見が出されておったわけです。結局ここで問題になるのは、今の通産省から考えると、メーカーがきっちり生産調整をやれば、別にたたかれることはない。しかし、生産調整ができないから、どうしても今度は二重のチェックで商社ワクを設けるということなんですが、メーカー側に言わせると、われわれは何から何まできっちりされて、その中でやられておるのだから、今度は商社は、向こうに向かって強く出なくて、国内に向かって強くて、われわれの方はたたかれる。大きな商社とは違って小さな商社は、そんなものはどうでもいいということになると困るわけです。そこで調整のワクと商社のワクと二重になっておるのだから、商社のワクをやめてくれということが、ミシン業界からも出ておりましたが、当時双眼鏡業界からも出ておりました。法律を作るときに、双眼鏡の大部分が賛成なんだというので、法律を作る段階では一応業界をまとめてこの法律ができたわけなんですが、最近また聞いてみますと、今度は法律以前の問題として、調整ワクと商社ワクとどうも二重だから、商社ワクを取っ払ってくれ、そうすれば、商社にたたかれないで済む、こういう意見が出ておるわけでありまして、また通産省から考えると、そのことが外からたたかれる原因になるのだというふうに言われておるので、いろいろ検討されているようですが、その点、まだ私よくわからないのです。
○島田政府委員 実はただいま申し上げましたような双眼鏡を例にとりますと、双眼鏡の事業協会は、本来は設備というわけに参りませんので、いわゆる登録ということで、新しく小さい・メーカーが続出することを抑えておるわけであります。
 もう一つは、海外に対しましてできるだけPRするために、この協会が実はできておったわけであります。ところが、今お話のように中小メーカーでありますので、一手買い取りをこの事業協会にさせてみたらどうかということで、双眼鏡の一部について実はやったわけであります。ところが、御承知のように、メーカーがみんなそこへ持っていきましても、海外が買いませんと、そこに在庫がたまってくるわけであります。その在庫がたまって参りまして、その処理に困ったから、できるだけ輸出するまでとにかく買い取りをやめまして、これが大体十二月一ぱいで在庫がなくなるわけで、実はもう買い取りはやっておりません。実は本案の買い取り機関ということではなしに、私が申し上げましたような二つの目的のために、事業協会というものができたわけであります。
○田中(彰)委員長代理 ちょっと速記をやめて……。
    〔速記中止〕
○田中(彰)委員長代理 速記を始めて下さい。
○小川(豊)委員 検査課長の方にお尋ねするのだが、この検査にからんで、日本金属検査協会か何か、そういう検査機関がありますね。これはトランジスター、それから双眼鏡なら双眼鏡で、一ぱい検査協会というのがありますね。しかし、いずれにしても、名称は何であれ、こういう検査機関を作るということは、日本の商品の品質の保持ということが前提になって、これが作られているのだと思うわけです。そこでそういう検査機関に、さっき私が指摘したようにいろいろな汚職がどんどん起こってきていますね。しかも、それはどうして起こったかというと、トランジスターの場合等には、輸出のワクがあってできないから、電気あんま器という名前にして、それならトランジスターが輸出できるから、そこで検査協会等へ行って、そういう便宜の供与をしてもらっているのだ。また、税関にもこれとからんで汚職が起こっている。税関にも黙過してもらうような運動をやっている。日本商品の声価を高めるということは、それは利益や経費等もかかるでしょう。できる限りコストを下げていい物を作るというのが目的であらねばならぬ。そういうつまらないところに、問題を起こすようなところに金を使わなければ輸出ができないということは、結局これは品質をよくなくすることでもあるし、問題は、こういう問題が起こってくる原因がどこにあるかというと、割当の問題だとわれわれは聞いているし、理解しているのです。というと、どうしてもこの割当制度というものを改善していかなければ、検査協会の汚職というものがなくならないでしょう、業者はこう言っているのですが、あなたの方では、この検査協会の汚職に対して、どういう措置をおとりになっておりますか。
○生駒説明員 今御指摘ございました点につきましては、私どもも非常に遺憾に存じておるわけであります。実は検査協会というものが財団法人で三十九ありまして、これが自主的な検査をやるというのが、輸出検査法の建前であるわけであります。これは国でやった方がいいとか、あるいは全部民間の会社にやらした方がいい、検査会社というものを作りまして、外国のようにそれにやらした方がいいという両極端の議論がございますが、輸出検査法の建前から申しまして、やはり将来はそれぞれの自主的な検査に移行していくべきであるという考え方が中心になりまして、国営検査というものの幅を漸次狭めて参っているわけでございます。そこで、今御指摘がございましたような三十九の財団法人の検査機関に指定しておるわけでございます。ただ、今お話しのございました二、三の協会に関しまして汚職容疑がございましたということは、重ねて申し上げますが、はなはだ申しわけないことでもあり、私どもの方も、その原因その他につきましては、いろいろ調査をいたしておるわけでございます。ただ、御承知のように、現状におきましては、まだ司法上の処断ということも行なわれておりませんわけでございますので、いましばらく司法上の推移を見まして、しかるべき処置をとりたいということが前提でございます。しかしながら、その司法上の処断まで私どもが手をつかねて見ておるということは、いかにも申しわけないということでございまして、今御指摘のございました二つの検査協会に関しましては、責任者を当局に招致いたしまして、厳重な戒告をいたしますと同時に、文書をもって今後の運営その他に関しまして措置をとらしめるよう指示した次第でございます。
 なお、その際、ある検査協会に関しましては、部下にそういうふうな容疑を起こしたということに対します責任をとるという意味におきまして、たとえば専務理事でありましたものを普通の理事に降格いたしますとか、あるいは検査協会内部におきまして戒告処分に付するとか、そういうことをやるわけでございますが、これのみで私どもの検査協会に対しまする監督が終わったということでは毛頭ございません。むしろ、根本的にはそういう事件がなぜ起きたのかという点に関しまして、部外者の意見を聞くべきであるということでございまして、あの事件が起こりました直後におきまして、検査審議会というものを改組いたしまして、そこの中で総合部会というものを設置いたしまして、ここに検査制度のあり方、検査員の身分の問題、及び検査員の給与の問題、こういう問題を一切付議いたしまして、部外者の意見を聴取いたすなり、処置をして参るつもりで、現在三回開いたわけでございます。しかしながら、御承知のように、検査員の身分その他の問題に関しましてどうするかという点につきましては、業種別に検査協会ができております関係上、同一の基準で、たとえばこれこれかようの職務手当を出せとか、あるいはこれこれかようの交通費を支弁しろということは、できかねるのでございます。この点は、今まで三回の議論の中でも、いろいろ実情が調査されたわけであります。その点につきまして、何か身分というものに関しまして、やはり基金というふうなものを作る必要があるのではないかという議論が出ておるのでありますが、ただ、今申し上げましたような実情、またこれが手数料その他へのはね返りというような問題もありますために、現在まだ審議を継続しております。近いうちに、その結論を待ちまして、根本的な検査制度の、ことに検査員の身分というものに関します制度に関しまして結論を得ました上で、私どもの方でさらに検討善処したい、かように考えておる次第でございます。
○小川(豊)委員 輸出する輸出業者あるいはメーカーでは、検査を受けられないということは重大なことなんで、従って、この検査をする人に業者はのど首を押えられているようなものですが、その検査に当たる人たちが、いろいろな問題を起こして起訴されたり、収監されたりしているわけなんです。今あなたの答弁では、まだ犯罪というものは司直の手にあって確定しないから、私の方はそれから考えようという答弁ですが、この点は、もっとあなたの方で厳密に考えるべきじゃないか。見ていると、この検査協会は、そういう業者ののど首をつかんでいるところなんだから、当然あなたの方の監督権の及ぶところだと思う。同時に、そこにはあなたの方からも何人かの人が行っているのですよ。かつて通産省におった人が行っている。そういう人がこういうことをした場合に、その措置を見ると、やはり今あなたの答弁でわかる通り、専務理事であった人を理事にした、何課長をこっちの課長にしたとか、こっちに落としたとか言っておるけれども、それはいすが変わっただけだ。やはりそこに厳としている。やはり検査の機構に携わっているでしょう。そういうことをやっておって、検査の公正というものは一体期せられるのかどうか。この点は、もっとあなたの方で業者の身にもなって考えるべきである。専務を今度普通の理事にしたから、それでいいのだというようなことではありません。少なくとももっと厳重に、その職から離れさせるというくらいのことがなかったならば、検査の公正というのは期し得られないと同時に、そういう処分だけで全うできるものではなくて、なぜこういう問題が起こるかという、その原因というものをもっと把握して、原因をなくするということが、私は、やはり大切な行き方ではないかと思う。この原因の取り去りを怠って、処分ばかりしたから、あるいは基金を作るから、給与を上げるからと言ったところで、それはなくならない。原因をとらえなければならない。原因というのはどこにあるかというと、この割当の中にいろいろの問題が出てくるということは、一例として私はさっきから何回か申し上げているけれども、トランジスターは割当のワクがないから出ない。それで買うには、一ドル五十セント出さなければそのワクが買えないので、仕方ないから、電気あんまはその検査のあれにならないから、それでいく、そういうことが、検査協会に対しても、税関に対しても行なわれていることが、ずっと新聞に出ているでしょう。ですから、そういう原因を取り去ることを考えなければいかぬ。そこで私は、あなたばかりでなくて、振興部長にも言いたい。考えてもらわなければならぬのは、三月切れるというのは、十二月に何か買い取り制みたいなものがなくなったわけです。だから、これはなくなったのだからいいでしょう。しかしながら、この二つの割当制で縛っていくところにも問題がある。私は、何もメーカーだけの問題を言っているのじゃない。輸出が伸びなければならぬ。いかにメーカーが作ってもどうにもならぬから、従って、伸びるようにしながら価格の維持もしていくために、どうしたら一番いいかということを、あなたの方で率直に考えるべきです。
 そこで、さっきお聞きしている中でおかしいなあと思ったのは、この前委員会が開かれて、この問題が取り上げられた。そうすると、メーカーの方々が私どもの部屋に来られて、いろいろ話した。それはメーカーの話ばかり聞くのではない。そこで輸出というものはどんどん出ていくのだけれども、私も一つの限界があるだろうと思う、一体どうなんだろうと言ったら、まだ伸びます、まだもう少し伸びるのです、けれども、どういう制度があるから伸びないので悩んでいます、こういうことを言われているのですよ。それからさっき申し上げたこの表を見ると、あなたの方でいろいろな規制制度を作っていると同時に、百四十万も出たものが百万台に下がったということになっている。それはその制度のみがそうさせたとは酷評しませんが、輸出を伸ばし、メーカーを安定させていくというのが、このいろいろな制度や規制の根本の趣旨でなければならぬわけだ。同時に、通産省の設置法からいったってそうなっている。だから、そういう点からいって、この割当制度というものを、あなたの方も、おれの方で考えてこれがいいと思ってやったのだから、これを簡単に撤廃するわけにいかないというような、過去の行きがかりにこだわらずに、やはり率直に、こういう問題が起こってきている点を考えておるならば、どうしたらこういう問題が起こらないで済むか、同時に、輸出をもっと伸ばすこと、価格の維持はもちろんですけれども、もう一つは、日本の商品の価値というものを高めるためにはどうしたらいいかということを、もっと率直に、今までにこだわらないでこの点を考えて、三月に幸いこういう時期がきているとすれば、業者が安心して政府の処置にたよってそれに協力し、たよっていくことによって自分らも伸びるのだという実績を示すように努力してもらいたい、こう思うのですが、この点について、もう一度伺います。
○島田政府委員 ただいま小川先生からお話のあった点、ごもっともでございます。私どもは、過去の行きがかりにはとらわれるつもりはございません。ただ、先ほども申しましたように、いろいろむずかしい問題を双眼鏡等々につきまして持っておりますので、できるだけ輸出が振興する、そうしてメーカーがそれによって生産がふえ、拡大していくという見地から、どうすればいいかということを、もう四月一日まで幾らも時間がありませんが、そういう点、また業界の意見もそれぞれ聞きまして、そういう趣旨でできるだけ全力を尽くしてうまく参りますようにいたしたい、こういうふうに考えます。
○小川(豊)委員 それからこの検査ですが、出張して検査をしてもらう場合の出張旅費は業者が払う。それから検査を受ける場合の一品々々について幾ら幾らというあれがあるのだというが、この検査を受けなければ、輸出というものは初めからできないわけですね。従って、自主検査であろうとも、ここには検査というものは義務づけられているわけなんです。いるわけでしょう。そういう点からいって、私はそれほど必要な――これは日本の商品の価値を高めるために必要だと思う。必要ならば、それは国が予算措置を講じてやっても――出張旅費を取るから検査の権威というものも落ちてくることになるし、一方、行ってごちそうになるということにもなって、問題が起こってくる。こういう点で、検査の料金というものは引き下げられるかどうか、これは私にはよくわからぬが、この点についてあなた方は考えるべきだし、それから出張旅費を取るなどということは、検査の権威という点からいったら、少なくともこれは取らないで、たとえば日本機械金属検査協会というものは、自転車振興会から相当な助成金か寄付金かもらっているのでしょう、こういうのをふやしたっていいわけだ。これはあなたの方がやることじゃないかもわからぬが、これは通産省が割り当てているのだから、そういうものをふやしてやってもいいから、そういう出張旅費を取るというようなところから検査の権威というものが失墜してくるのだから、こういうものは改むべきじゃないか、こう思うのですが、これはあなたはやりますとは言えないかもしれませんが、その点はどうなんです。
○西村(力)委員 関連。今の件は、私、この前、注射筒の検査につきまして、その受託旅費をとっているのは疑問だという行政監察局の指摘を中心として質問してあったわけなんです。そうしますと、そのときに出ておられました重工業局の次長でしたか、公平の原則からいうてやはり出張旅費を取らなければいかぬ、こういう論理を展開せられたわけなんです。私は、その公平の原理というものは、これは受け取れない。公平というならば、国が法律で検査を受けべきであるという義務づけをされたならば、その義務を履行する場合は、法のもとには平等であるから、負担も平等でなければならぬじゃないか、こういうこと。それから政策的にいいますと、検査旅費を出して検査を受けなければならぬところはおもに僻遠の地、こういう工合に言えるわけですね。いろいろな条件が悪い。その中でものを作って懸命に技術振興に寄与しよう、こうやっておるわけですよ。そういう条件の悪いところになおかつ出張旅費というものをかぶせるということだったら、ますます条件が悪くなる。それでやはり地方のそういう業者というものは苦しまざるを得ない。法のもとに平等どころか、上積みをして苦しめるということになるのじゃないか、こういうことで、私はそのものの言い一方は受け取れぬ、こういうことを言いました。そのあと調べてみますと、カン詰関係は出張旅費をとりません。カン詰の検査は手数料だけやっておりました。それから、ミシン関係は一個々々の検査をやる。ところがこれは一つの評価が確立したものは抽出調査でもよろしい、こうなっておりますが、これは一個々々検査ですから、何日も滞在して検査しなければいかぬ。そういう検査旅費を全部負担しなければいかぬ。相当高価なミシンで、何十ドルもするのでしょうから、検査旅費くらい大したことはないと言えるかもしれませんけれども、やはりそれだけの重い上積みの負担をかぶって仕事をしなければならぬということになってくるわけなんです。幸いにカン詰なんかは検査旅費をとらぬでやっているという事実もあるのですから、何らかそういう受託旅費をとらないで済む方法はありそうなものだ、こう思うのです。検査においでになった方々は、昼食にどんぶり一つ出すのも断わるぐらいの、そういう折り目正しい立場をとっていらっしゃるということをその業者諸君に聞きまして、これは必要以上に警戒するのじゃないかというようなことも感ぜられましたが、それはまあいいことですからね。業者はその程度しか言わないのかもしれません。そんなことを言うとあれですが、業者ははっきり、決してその人たちは変なことなどはいたしません、さように言っております。ですから何とかそういう工合に、変な公平の原則というものを立てないで、むしろ私が言うような公平論を建前にしてやってもらうことが必要じゃないか、こう思うのですよ。その点ぜひ一つそういう原則を確立していこう、こういう立場をここではっきりしてもらったら幸いである、こう思うわけなんです。
○生駒説明員 実は先般の当委員会におきましてそういう御指摘のございましたことを承知したわけでございまして、私どもあとでいろいろ相談をいたしたわけでございますが、実はここに一つ、ちょっと私ども困っておる問題があるわけでございます。検査のいろいろな事故というものが大むね出張検査から出てきておるという、先ほども御指摘ございました点もございますが、私どもはなるべく出張検査というものは減らして参りたいという考え方が一つあるわけでございます。この点に関しましては、ものにもよるわけでございますので、必ずしも一律にどうということは申し上げかねるわけでございますが、たとえば検査場というものをなるべく拡充いたしまして、そこになるべく持ち込んでもらいまして、そこで検査するということが、やはりいろいろな事故の原因をなくす一つの方法かとも考えられておるわけでございます。従いまして、私どもはできれば出張検査というものをなるべくなくして参りたいということを、一つ原則として考えておるわけでございます。ただしその場合に、ものによりまして、また業界の希望その他によりまして、中央に持って参れとか、あるいは中央とは申しませんが、各検査所のございます地方のそれぞれの拠点に持ってこいということはいささか酷な場合があるわけでございます。そこで私どもといたしましては、出張検査はいろいろな問題を起こす可能性があるものだからやめたい、持ち込み検査にして参りたいというのを一つの原則として考えておりますが、手数料の計算その他におきましては、先ほど御指摘ございましたけれども、持ち込み検査ということが前提になって手数料その他を算定しておるわけでございます。そこで、出張して参ります場合にその費用を検査料の中に含めるかどうかという点も一つございますし、また先ほど御指摘のように、それは国が持つべきであるという御指摘もあると思うわけでございますが、現在の建前から申しまして、手数料というものが、一種の原価主義と申しますか、そういうもので認められておるような情勢でございますために、その原則としての持ち込み検査という線をくずしました手数料ということはなかなかむずかしい。そういたしますと、先生の御指摘ございましたような、国の費用で出張ということをやったらどうかということになるわけでございますが、この点は、いろいろと財政当局との問題もございまして、手数料をとっている限りにおいては、国がそういう出張旅費まで見るということにつきましては、意見が一致しかねておるのでございます。従いまして、私どもといたしましては、先ほど来の御指摘の点は十分考えまして、今後の検査制度審議会その他におきましても問題を提起いたしまして、いろいろな部外者の意見も聞き、ことに業界の方の御意見も伺いながら、処理して参りたいというふうに考える次第でございます。
○西村(力)委員 いろいろ困難な問題があるだろうと思うのですが、それは一つ、私が言う原則、そういう原則を基本とした立場で考慮せられたいということなんです。
 そこでもう一つ関連しての問題は、検査協会の経費の内訳です。検査員とその他の方々――そこにはさまさま、理事長以下たくさんの役職員がおるだろうと思うのですが、この検査協会の経費の内訳がどういう工合になっておるか。検査員の費用というものはどのくらいの比重を占めるものか、こういうことは、私たちは相当疑問なんです。検査協会というものが、あまり上積みのところだけによけいに金をかけて、実際に検査の衝に当たっている人々に対して、分け前が――分け前というか、比率が薄いんではないか、こういうことの疑問を持っておるけれども、これは私は実際に調べていませんからわかりません。わかりませんけれども、願わくは、一つそういう資料を出してもらいたい。しかし、私のこの疑問に思うような点は、相当言えるのではないか、結果はそうなっておるのではなかろうかという工合に思うのですが、その点は意図を持たないで全部とも言えませんから、そういう中の費用はどういう工合に使われておるのか、手数料その他によってまかなわれる検査協会の経理ですね、そういうものを三つ四つ出してもらったらいいと思うのですが、どうでしょう。私の言っているような工合に、検査員という第一線の人々の費用より、別のところに費用がよけいかかっている、こういうことはあなた方は言えませんですか。
○生駒説明員 分け方その他で非常に問題もあるかと思いますが、全部というわけには参らないと思いますが、できるだけ資料をととのえましてお目にかけたいと考えます。
○田中(彰)委員長代理 山田長司君。
○山田(長)委員 前回の委員会で、機械の関係の検査課長さんから答弁を伺ったのですが、検査種目四百品目だと言われましたけれども、その四百品目の中に賠償に関係のある品目は全然なかったというふうなちょっと不明確な答弁だったので、その点どうですか。
○生駒説明員 今御指摘の点でございますが、品目といたしまして賠償というふうな指定をしてございませんために、あるいは答弁の仕方等の不備のために、おわかりにくい点があったかと思うわけでございます。品目の点は、たとえば先生御指摘になりました三輪車でございますが、そういう指定はしてございません。しかしながら、その部品というものに関しましては検査を受けるようになっておるわけでございます。
○山田(長)委員 どうも私には通産省の機構がよくわからないから、よく知っておるあなた方からすると、ちょっとおかしいと思われる点があるかと思いますが、この際一つ丁寧にお答え願いたいと思います。
 東南アジアをたまたま昨年歩いてみたときに、賠償のためにビルマに行っている三輪車――軽三輪車も入っているのですが、それが三十四年度に四百八十七台、三十五年度に千五百七十五台、三十六年度に五台、これが賠償物資のようです。タイに行っている方は、三十四年度に三百三十二台、三十五年度に三千九百十三台、三十六年度に七台、これは賠償じゃなくて普通輸出品として出ているという話です。そうすると、普通輸出品として出ている方の部分は検査をするのですか。
○生駒説明員 今お話ございました点、くどいようでございますが、重ねて申し上げますが、製品としての検査はしておらないわけでございます。これは賠償であるといなとにかかわらず、一切してございません。ただその部品については検査をしておるということでございます。従いまして、今お話のございました輸出されます製品そのものについては、検査をしておらないのでございます。
○山田(長)委員 そうすると、この品物がどういう経路で商品として輸出され、あるいは賠償の実施の対象として出ているかは、通産当局としてはでき上がった製品については全く関係ない。それで一応送られてからのその品物の状態等についても関知しない、こういうことなんですか。
○原田説明員 特に東南アジアを初めといたしまして、ある商品がわが国から輸出されました場合、いかなる商品に限らずその声価を害するようなものでないようにという努力は、私ども心がけているわけでございますが、商品の性質によりまして、たとえば自動車とか、通常その製品を製造する業界が、自分で自主的にりっぱな検査制度を持ち、十分の検査をしておりまして、特に国が費用を出しましてその検査を強制をしたりする必要がないと認められます場合には、特に国の費用で検査をするということはしていないわけでございます。この場合に、御指摘のオート三輪につきましては、オート三輪の制品自体につきましては、メーカーが自分で十分の検査設備を持って検査をやっておりまして、現在までにもそういう意味におけるクレームというものがついて回った例は非常に少のうございます。国の検査を受けなければ出してはいけないというふうに指定はしてないわけでございます。ただし、部品の方はメーカーも小さいところが多うございますし、ややそういう点において心配がございますので、検査を受けるようにということはしてございます。賠償の問題につきましては、特に通常の輸出ルートを通じて出ますような商品に比べました場合に、相手国におきまして、もし品質不良がよく起こるというような製品が参りましたら、単にわが国の輸出の声価を害しますのみならず、賠償というものに付随しましたわが国自体の声価というものにも影響いたしますので、私どもは特に慎重に考えておる次第でございます。現在のところでは、相手国と賠償に関する交渉をいたしました場合に、相手国が納得するような方法で検査をして出すということでよろしいのではないかということであります。ビルマとの場合には、向こうの政府の要望によりまして、通常の場合には、ビルマ政府の指定する検査機関というものの検査を受けた場合には輸出ができるということになっております。従いまして、それ以外の場合には、個々の賠償の輸出契約におきまして、どういうふうに検査をすればよろしい、つまり向こうの賠償物資を引き取るところが、このオート三輪については平生そのメーカーの信用度が十分であるので、メーカーの平素の検査程度で十分であるということを認めました場合には、それでやっているという次第でございます。なお御指摘のオート三輪車につきましては、船積み後三カ月、または一万キロ走りましてその結果問題が起こったという場合には、こちらでそれを直すという意味の品質保証もついているように私どもの方では伺っております。
○山田(長)委員 私がこのことを伺いますのは、実は現場で見てきておりますので、一体こういう品物をどういう経路で輸出してきているのかという疑問を持って帰ってきているのです。私はむしろ今の話を聞くと疑問を持つのであります。日本におけるメーカー品であっても、信用の度合いが日本の国内において高いといっても、南方の場合は暑さが全然違う。これが一つ。もう一つは、道路が非常に整備されておって、速度の制限も大体六十キロ以上走らなければならぬ。日本の国内のように百メートルか二百メートルの先に行ってはとまっているのと話が違う。そういうところの勘案がなされてこれが出されているものとは思わないのですよ。大体日本の国内で長距離を長時間にわたって輸送してエンジンの耐久力というものはどこでテストして出しているのですか。
○原田説明員 御指摘の通り、特に南方向に向けにつきましては非常に多くの問題がございますので、私どもも御指摘のような点を十分に体しまして、今後賠償その他を問わず、そういうものにつきましては、なお特に御指摘になりましたケースなどにつきまして、メーカーを呼びまして調査の上さらに検討いたしたいと考えております。
○山田(長)委員 私の質問にもっと明確に答えて下さいよ。あなたの答弁はさっぱり要領を得ていない。時間的な制限とかすばらしい長距離を走り回る、そういうテストをどこでして製品を出しているか聞いているのです。そういうところがないじゃないですか。
○原田説明員 私どもの理解では、各車両メーカーはその製造工程の段階及び最後の段階におきまして、テスト・ケースをもっておりますが、各社がすべて非常に広いところで長時間走って、温度の高いところでどの程度になるかというような施設がないことははなはだ遺憾でございますので、先般来高速自動車試験場というものを目下建設中と私は承っております。
○山田(長)委員 ただいまの答弁は大体あなた正確に言ってきていると思うのですが、暑さとか時速六十キロ以上の速度で走るということを、残念でありますが、日本の国内に試験しているところはないはずなんです。こういうことが南方に日本商品の不良という形を私は出現してしまっていると思うのです。この点どういう経路で――外国へ日本の製品を出すという場合には、部品の検査なんということではいけないと思うのです。さっきからの話を総合的に伺っておると、部品の検査はしたが、でき上がった製品についての全体の検査というものは、各メーカーをあげて自家検査にまかせちゃったということだと思うのです。ところがこの全体で出る製品は、何万台というものが出ているわけです。とても今の日本の機能で、良心的に考えてみて、おそらく全部は試験がされなかったものと思う。どうなんです。形をなしたら、とにかくどんどん大量に作って出してしまえばいいということで出したのではないのですか。
○原田説明員 確かに先生が御旅行のときに非常に事故を起こしつつあるがごときオート三輪を出したことは、非常に遺憾でございます。私どもの現在までの理解では、各自動車メーカーはおおむね現在のわが国の程度では満足すべき検査制度を、これはもちろん長い時間暑いところで走るというような設備がないのは遺憾でございますが、やっておったわけでございます。オート三輪のみならず、自動車全部につきまして、世界の各地へ現在かなり輸出が行なわれ始めておりまして、新たな土地に出ました場合には、過去におきましても、その土地の風土、道路状況並びに交通のスピードその他の工合というようなものに対する無知のために、若干問題を起こした例もございますが、ただいまのところでは、私どもが受けておりますクレーム率は、自動車についてはさほど高くはなかったと記憶しておりますので、現在まではこれを全部国の検査を受けなければならないというところまでは考えていなかった次第でございますが、特に先生の御指摘もございますので、今後もしそういう意味における研究がなされず、また設備がないために、特に賠償のごとき重要物資につきましてそういう意味のクレームがふえるようなおそれがあるかないかということを調査いたしました上で善処したいと考えております。
○山田(長)委員 大体私の申し上げようとすることを婉曲に了解をして承認をしたと思うのです。私はここで念のために伺っておきたいのは、新しいものを出したのではないのじゃないかという印象があるのですが、この点はどうなのです。私はこれに非常に危惧の念を持つのです。
○原田説明員 残念ながら私どこの業者のどのケースかということをはっきりつかめませんので、もし御存じでございましたらぜひそれを承りまして、早速調査いたしまして、それからまた向こうの方とも、タイの現地、ビルマの現地からも情報を調査いたしました上で、早速調査いたしたいと存じます。
○山田(長)委員 日本の貿易が東南アジアに向けて進出しようとするときに、先べんを承って出された賠償物資及び普通輸出品というものが、前線で非常に悪い印象を受けていることを見たときに、通産当局は一体どういう検査をして出したものかという危惧の念を持って実は帰ってきたんです。それで今伺ってみますと、部品の検査はしているが、製品全体の検査はしていないという話である。まして何万台と出ている製品の全部の検査の衝に当たるものは目を通していないという話を伺った。輸出についての通産当局のやり方というものは無責任きわまるという印象を受けました。これはタイ、ビルマを中心として今話されたところによると、品質保証、キロ数についての保証もあるということでありますが、これらについてメーカーがどういう保証の責任をとろうとしておるのか。これらのものがどこの品物かということでありますが、特に私はいい品物の場合もバスの場合に見てきておる。ここでその会社の名前をあげたりなんかすると誤解を招くから、私は避けますが、とにかく見てきて、日本の商品の海外進出にまことに大きな汚点を残したという印象なんです。これは一つ至急に取り調べをされると同時に、検査をされる今後のあり方についても、一つ一つの部品の検査をしたぐらいで、製品全体の検査をしないで外地に出すなんということは不見識だと思うのです。この点は一つぜひこういうことのないようにお取り計らい願いたいと思います。
○西村(力)委員 先ほど言った受託旅費を取るなということは、全部持ち込み検査にしろというようなことを言うているわけではない。そうしてそういうことは絶対にできないことだと私は思います。絶対に全部一斉に持ち込み検査というようなことはできないと、生駒さん、あなたからはっきりおっしゃって下さい。これだけ記録にしておきたいと思います。
○生駒説明員 持ち込み検査の問題に関しましては、私どものお答えの仕方があるいは非常にまずかったかとも思いますが、手数料は原則として持ち込み検査を前提にして計算をいたしましたということを御説明いたしたわけでございますが、そのあとの問題に関しましては、先ほど申し上げましたように、いろいろな点を考慮いたしまして、いろいろ検査審議会その他にも諮りまして、その上で善処をいたしたいというふうに考えております。
○西村(力)委員 一言できめようと思ったけれども、そういう一斉に全部持ち込み検査なんということになったら、業者をいじめることになりますし、事務能率なんかも非常に停滞しますから、そういうことはできないと、あなたはっきり言えるのではないですか。それを言って下さいと私は言っているのです。
○生駒説明員 その点につきましては、御指摘の通り直ちに全部持ち込み検査に持っていけといわれましても、私どもとしては無理があるというふうに考えております。
○山田(長)委員 もう一点伺っておきます。
 きょうの雪で乾燥の時期を一応多少でも切り抜けた感じですが、ここのところ大へんなかわき切った状態のときに、火事が非常に頻発する。そこで私は数年前に、この消防ポンプの検査の衝に当たっている人たちが、業者から、メモにちょっと書いては、金を取っているのを発見いたしまして、消防庁の検査の衝に当たる人、そのほか消防署の署長に、即時やめなさいという厳重な警告を発してやめてもらったことがある。やめなければ国会で発言するというのでやめてもらったことがあります。これは調査したならば、そのときずらっとやめていますから、だれであるかわかる。そこで、消防ポンプの問題については、今の話を伺いまして、検査はだれがやるんですか。
○生駒説明員 検査は御承知のように私どもの方で取り扱っておりますのは輸出品の検査でございます。そのほかに需要者あるいはその機能によりまして、いろいろな検査制度がございます。今御指摘のございました消防ポンプの検査というような問題は、通産省の輸出検査法に基づく検査ではございませんので、これははっきりしたことを申し上げるととができないのが残念でございますが、私の想定ではおそらく需品検査、納入先つまり購買先の方で検査をいたします。たとえば電電公社でありますとか国鉄でありますとか、そういうものの検査か、そうでなければ消防法に基づきます指定の器具の検査ということで、完全なる国内検査であるというふうに私どもは了解しておるわけでございます。
○山田(長)委員 これは大へんな間違いですよ。今の状態は消防庁でポンプの検査をやっているのです。それで今私が申し上げますことは、この消防庁の検査当局者が年じゅういって業者から金をせしめておったのです。それがためにポンプのにせマークを販売いたしました。一朝有事の場合に、ポンプから水が出ないので、どうしたかと思ったらにせマークが張ってあったのです。これは調べればよくわかります。これはやはり検査をするところはどこであるということが明確化されなければ、買ったものなんかの検査だって、買った方はまるきりしろうとですよ。それでまるでエンジンのまわりにしても自動車の車体にしても、塗りかえたものを平気で地方の消防団などは買わされている、こういう事例がたくさんあるのです。これは当然国民の生命財産に及ぼす消防のポンプのことですから、厳重に取り締まるべきものだと思うのです。こういう点がどこが担当しているかわからぬというようなことでは、これはまことに危険きわまる話ですよ。こういうことは仕事がふえることにはなるけれども、やはり重工業に属するああいう製品ですから、やっぱり厳重に担当するところが明らかになっていなければ、ああいう間違いが起こると思うのです。これはもうどこが監督するかわからぬではちょっと済まぬと思うのですがね。もう少し明確にしてもらいたい。
○生駒説明員 現在では私どもの方ではやっておりませんので、それをどこでやっておるかという点につきましてすぐお答えできないことははなはだ残念でございますが、私が先ほど申し上げましたのは、おそらくということでございまして、通産省でやっておらないということを申し上げたわけでございます。
○山田(長)委員 それじゃどこでやっていると思いますか。
○田中(彰)委員長代理 山田君、こちらは輸出振興の方の係だからちょっとわからないのですよ。島田重工業局長にお願いしておきますから、どこでやっているか調べてあとでここへ通知して下さい。
 この際、小川豊明君より発言を求められておりますので、これを許します。小川君。
○小川(豊)委員 先般来輸出向けトランジスター・ラジオ及び双眼鏡につきましていろいろの問題を審議して参ったのであります。そこでこれらの商品は、特に双眼鏡の場合を見てもわかりますように、大部分が中小企業のメーカーによって作られ、中小企業の商社によって輸出されているのであります。これら中小規模のメーカーによって作られた製品は、世界の市場に進出してどこにもひけをとらないほどの品質を誇っているのでありますが、国内の競争やその他の事情で、その輸出価格は低落を余儀なくされ、中小企業は自分たちの利潤を極度に切り下げられている現状であります。
 また、輸出規制の方法として、政府は、実績割当、実績外割当、特別割当等のワクをもって、商社に輸出数量割当を行なっているのでありますが、メーカーと輸出商社の関係から、必ずしも、これが輸出安定並びに振興に十分に役立っておらない、むしろ輸出商社ワクは撤廃すべきであるという意見が強いのであります。
 これらの点を通商産業省は十分に考慮され、これら輸出関係の中小企業の保護育成に万全の対策を講じらるべきであると存じます。
 また、輸出商品については、輸出検査法によって、指定検査機関が製品検査を実施しておられるのであるが、これらについても、検査手数料の引き下げ、その他検査旅費の撤廃等についても検討をし、輸出貿易の推進にさらに努力されるよう要望して、本日の質疑を打ち切りたいと思います。
○田中(彰)委員長代理 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
    午後五時十七分散会