第040回国会 建設委員会 第11号
昭和三十七年三月十四日(水曜日)
   午前十時四十三分開議
 出席委員
   委員長 二階堂 進君
   理事 加藤 高藏君 理事 薩摩 雄次君
   理事 瀬戸山三男君 理事 松澤 雄藏君
   理事 石川 次夫君 理事 中島  巖君
   理事 山中日露史君
      逢澤  寛君    井原 岸高君
      金丸  信君    木村 公平君
      徳安 實藏君    丹羽喬四郎君
      廣瀬 正雄君    細田 義安君
      前田 義雄君    松田 鐵藏君
      山口 好一君    岡本 隆一君
      佐野 憲治君    坂本 泰良君
      三宅 正一君    田中幾三郎君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 中村 梅吉君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       森   清君
        労働基準監督官
        (労働基準局
        長)      大島  靖君
        建設事務官
        (計画局長)  關盛 吉雄君
        建設事務官
        (都市局長)  前田 光嘉君
        建 設 技 官
        (河川局長)  山内 一郎君
        建 設 技 官
        (道路局長)  河北 正治君
        建設事務官
        (住宅局長)  齋藤 常勝君
        建 設 技 官
        (営繕局長)  川合 貞夫君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (経済企画庁調
        整局参事官)  羽柴 忠雄君
        大蔵事務官
        (主計官)   宮崎  仁君
        通商産業事務官
        (軽工業局窯業
        建材課長)   増田  実君
        建設事務官
        (道路局次長) 高田 賢造君
        参  考  人
        (日本道路公団
        理事)     海内 要道君
        専  門  員 山口 乾治君
    ―――――――――――――
三月八日
 委員徳安實藏君、兒玉末男君及び田中幾三郎君
 辞任につき、その補欠として古井喜實君、中澤
 茂一君及び片山哲君が議長の指名で委員に選任
 された。
同日
 委員古井喜實君及び片山哲君辞任につき、その
 補欠として徳安實藏君及び田中幾三郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
同月九日
 委員中澤茂一君及び田中幾三郎君辞任につき、
 その補欠として兒玉末男君及び玉置一徳君が議
 長の指名で委員に選任された。
同月十三日
 委員玉置一徳君辞任につき、その補欠として片
 山哲君が議長の指名で委員に選任された。
同月十四日
 委員齋藤邦吉君及び片山哲君辞任につき、その
 補欠として細田義安君及び田中幾三郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員細田義安君辞任につき、その補欠として齋
 藤邦吉君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月七日
 道路整備特別措置法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第一一七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 公共工事の前払金保証事業に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九五
 号)
 道路整備特別措置法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第一一七号)
 建設行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○二階堂委員長 これより会議を開きます。
 まず参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 道路整備特別措置法の一部を改正する法律案等審査のため、並びに建設行政の基本施策に関する件調査のため、必要が生じました場合は、適宜、日本道路公団の方々に参考人として御出席を願い、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二階堂委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 なお、人選、出頭の手続等はすべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二階堂委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
     ――――◇―――――
○二階堂委員長 道路に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。順次これを許します。木村公平君。
○木村(公)委員 私は、いわゆる国土開発縦貫自動車道中央自動車道建設に対しまして、若干の質疑を試みたいと存ずるのでございます。
 大臣が問もなくお見えでございましょうけれども、大臣御出席前におきましては、所管局長でありまする道路局長より明確なる御答弁をいただきたいのであります。
 すでに御承知かと思いますが、本建設委員会は、昨年の十月二十七日に、国土開発縦貫自動車道中央自動車道建設促進に関する決議を満場一致でいたした次第でございます。それは、道路局長は当時御出席であったかどうかは存じませんが、おそらく中村建設大臣は十分御承知のはずであります。この決議は、現在建設政務次官をやっておりまする木村守江君が、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して提案したものでありまして、この決議の趣旨は要約すると次の二点であります。
 すなわち第一点は、東京−富士吉田間の基本計画を昭和三十六年度以内に決定するとともに、富士吉田−小牧間の基本計画もすみやかに決定すること。第二点は、東京−富士吉田間の初年度の事業費は前期五カ年計画の趣旨を尊重して百二億四千万円を下らないことという、この二点がこの決議の要点でございます。東京−富士吉田間の基本計画については三月中に決定する模様ではありますが、具体的には国土開発縦貫自動車道建設審議会をいつ開いて、そうして閣議にはおよそいつごろ諮って、四月一日に工事できる措置が講ぜられるかどうかということ、まずその辺の御計画を道路局長にお尋ねいたしたいと存じます。
○河北政府委員 東京−富士吉田間の基本計画につきましては、あす国土開発縦貫自動車道建設審議会を開いていただく予定にしております。それに基本計画を付議する予定でございます。それで同審議会の議を経まして、内閣総理大臣が決定することになっております。これらの手続が順調に参りますれば、三月中に基本計画を決定し、官報公布のための所要日数を経て、できる限り四月一日までに公表いたしたい、かように考えております。
○木村(公)委員 大臣が来られましたので、念のためにもう一度大臣に伺っておきたいのでございますが、昨年の十月二十七日に、本委員会におきまして、国土開発縦貫自動車道中央自動車道建設促進に関する決議を満場一致で採択いたした次第でございます。この決議は、今の政務次官の木村守江君が、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して提案したものでございます。
 この決議の趣旨は、先ほど申しましたように、第一点は、東京−富士吉田間の基本計画は、昭和三十六年度以内に決定するとともに、富士吉田−小牧間の基本計画もすみやかに決定すること。第二点は、東京−富士吉田間の初年度の事業費は、前期五カ年計画の趣旨を尊重して、百二億四千万円を下らない金額を計上すべきである。この二点が要旨でありまして、これは現在の委員長であります二階堂委員長のもとにこの決議が満場一致でなされたことは御承知の通りだと思いますが、念のために大臣の御記憶を一つ呼び戻して、御承知かどうかを伺っておきたい。
○中村国務大臣 この御決議の趣旨は重々承知いたしておりまして、われわれとしましては、その方向に向けて努力を払ってきたのでございますが、結局五カ年計画におきまして、中央道に対する配分が約四百億ということに相なりました。また初年度である三十七年度は十八億ということに落ちつかざるを得ない、いろいろな事情がございまして、御決議の趣旨に十分沿えないことは、まことに残念でございますが、われわれとしましては、この五カ年計画のきまった線だけは活発に進めて参りたい、こう思っております。
○木村(公)委員 次に、東京−富士吉田間の基本計画につきましては、ただいま明快な御答弁を得たのでございますが、中央自動車道の調査費といたしましては御承知の通り――ことに新しい道路局長はこの辺の勉強が足りないと思いますので、十分聞いておいていただきたい。なぜ勉強が足りないかというと、この間予算分科会におけるあなたの答弁はなっておらぬ。少しも勉強の跡が見られない。そこで、これをあなたに知っていただくために申し上げてみたい。中央自動車道の調査費としましては、昭和三十二年に四千三百万円計上された、三十三年は五千万円、昭和三十四年は七千三十万円であります。そうして昭和三十五年は二千九百五十万円、昭和三十六年が四千万円であります。しかるところ昭和三十七年度におきましては、この調査費が当初建設省から大蔵省に要求されたのがわずかに五百万円でありました。五百万円では調査が不備であろうと存じましたので、われわれが大蔵省に働きかけて一千万円にいたしたことは御承知の通りです。しかしながら、この一千万円の意義――昭和三十二年以来四千万、五千万、七千万、三千万と毎年計上しておるけれども、三十七年度は一千万円でよろしいということは、どういうことを意味するかということが大事な問題で、われわれはこの一千万円をもって調査は完了するものと思うわけです。そうでなければ、あなたの方から毎年四千万、五千万と要求しておきながら、三十七年度に限っては五百万円でよろしいんだという思想が出てこないはずですから。五百万円を一千万円にいたしましたけれども、おそらくこの一千万円という金は、あなた方は五百万円でよろしいとおっしゃったものをわれわれが働いて一千万円にしたのですよ。しかも、この一千万円という金は、年来の予算を見てみますと、ほとんど例のないほど低い金額なんです。そこで一千万円あれば調査は完了して、いよいよ多年の懸案であったところの富士吉田−小牧間の基本計画をも樹立できる、われわれはさように考えざるを得ないのでございますが、この点について道路局長、いかがですか。御計画はできますか。
○河北政府委員 中央道の富士吉田−小牧間に関しまする三十七年度の調査費は、御指摘の通り一千万円でございます。一千万円を予定さしていただいております。それでこの経費をもちまして計画線調査を進めていきたいという工合に考えております。御指摘のように、ただいままで中央道に関します調査費は約二億六、七千万になっているかと思います。それで富士吉田−小牧間につきましては、御指摘の通り一千万でございますが、中央道全体の調査費といたしましては、三十七年度も公団の方で約一億の額を予定いたしておりますから、相当な額になっていると思います。それで富士吉田−小牧間の調査につきましては、なお従来の飯田調査事務所のほかに多治見調査事務所も新設し、調査の充実をはかっていきたいという工合に考えております。
○木村(公)委員 調査費が今年、特に建設省要望の調査費というものが従前に比して非常に低い。先ほど読み上げましなように従前は四千万、五千万、七千万、三千万というような数字が毎年計上されてくるのでございますが、ことしに限って特に五百万円要望された。それを一千万円に増額されたのでございますけれども、当初の要求は五百万円だ。ことしに限って五百万要求されたという考え方、それは五百万あれば、ことしはすっかり調査が完了するというおつもりであったのですか。どうですか、その点は。
○河北政府委員 ただいま御指摘のように、中央道の調査費は、毎年数千万円計上さしていただいて参りました。そのおかげでと申しますとあれですが、三十七年度から中央道にも着工できるという事態に相なったかと考えられます。なお一千万で調査が完了するかという御質問でございますが、その点につきましては償還計画等にまだいろいろな問題がございますので、償還計画に見合う路線を見つけたいという工合に、今後そういう点に主力を置きまして、なお調査を進めさしていただきたい、かように考えております。
○木村(公)委員 あなたは今変なことをおっしゃった。これから償還の問題もあるから、それに見合わせて路線を発見すると言っていらっしゃるが、国土開発縦貫自動車道建設法を御存じなんですか。この法律にもうすでに経過地は書いてある。法律できまっておるのですよ。起点が東京、終点が吹田、おもなる経過地は神奈川県津久井郡相模湖町付近、富士吉田市付近、静岡県安倍郡井川村付近、飯田市付近、中津川市付近、小牧市付近、大垣市付近、大津市付近、京都市付近、すでにもう経過地は大体きまっておるのです。これから路線を発見するという考え方は間違っておる。
 それからもう一つ、ここでお間違いのないように願っておきたいのは、明日開かれるといわれる審議会というものは、法律的根拠は薄弱なものです。ただ総理大臣の諮問に答、えるだけです。それ以外に何の権限もない。総理大臣は、その答申通りにやらなければならぬというように、何も拘束されないのです。行政府の長たる総理大臣は、どんな答申が出ようと、それをそのまま採択しなければならぬ、そんなものじゃありません。選挙調査会のあの行き過ぎのようなことがあしたはないようにあなた方も考え方を改めてもらわなければならぬ。答申は、あくまで参考意見です。従って、明日の路線の審議会の決定というものは、われわれは重きを置いておらない。路線というものは、最終的にはここが法律でもってきめるのですから、ここが一番責任がある。ここが決定すべきものなんです。ただ参考意見として、どこを通ったらよろしいとお思いになりますかということを総理大臣が伺って、そうして、ここがよかろうというならば、伺っておけばよろしいのです。そんなものに何も総理大臣は拘束されることはありません。従って路線というものは、あなた方が決定されるものでもない、審議会が決定されるものでもありません。失礼ながらこの中央自動車道におきましては、国会がこれを決定すべきものであるとわれわれは考えておるのでございますが、これに対して、大臣いかがでございましょうか。
○中村国務大臣 御指摘の通り、経過地は法律ですでに決定されておりまするので、私どもは、この法律の定める経過地を通りまして、縦貫自動車道を建設する責任をになっておるわけでございます。従いまして、法律で定めました経過地を順守することは、当然しなければならないわけであります。ただ、ただいま道路局長がお答えを申し上げましたのは、経過地はもう法律できまっておりますので、当然のことでございますが、その間の路線の取り方で工事費の問題等も若干相違があろうかと思いますので、これらの点について、今後なお精密な調査を進めて参りたい、こういう趣旨であったと思います。御指摘の通り、法律のきめたことは、あくまでわれわれ厳守していきたい、こう思っておるわけであります。
○木村(公)委員 さらに先ほど大臣からも御答弁がありましたが、昭和三十七年度の中央自動車道東京−富士吉田の事業費は、短期融資金の二億三千万円を含めると二十億であります。この金額は、この決議では、百二億四千万円を下らないことということになっておる。ところが実際に三十七年度計上されたのは、わずか二十億であります。この二十億ということは、おそらく基本計画ができ、いよいよほんとうに用地買収にかかるのは九月ごろであろうと思いますが、九月から来年三月一ぱいでもって六カ月間に用地を買収するということの可能な範囲、これは二十億以上はとても買えそうがないから、なるほど決議には百何億とあるけれども、実は私どもがこの委員会でいろいろ論議をいたしましたので、一時は大蔵省はそれなら五十億出そうじゃないか、つけようじゃないかということをいっておったのでありますが、とても五十億は使えない、半年間で五十億の用地買収ということは不可能であるから、もう二十億でけっこうだというので、これは建設省と道路公団が協議の結果、五十億出してもよろしいという大蔵省の考えに対してむしろ遠慮して、二十億でけっこうだと言っておるのです。そうすると二十億以上には用地買収が困難であるというふうにわれわれは考えざるを得ないのですが、用地買収というものはどういう方法でおやりになるのか、全区間一度に手をつけられるのか、それともむずかしいところからやっていかれるのか、比較的安い、入手しやすいところからやっていかれるのか。また中央公論に藤森何がしという理事が道路のことについて書いておる、これに対して若干の質疑をしたいが、きょうは道路公団の総裁が御危篤であるというので出席できないそうでございますので、質疑は後日に譲りますが、この藤森君の書いておるものを見ますと、用地買収ができればほとんど建設の大半は終わったようなものだということを明確に言っておる。おそらくそうでしょう。そうすると用地買収が最もむずかしいということになる、用地買収さえ終わればほとんど工事の八割は終わったというくらい用地買収にかかってくるウエートが重いわけですが、その用地買収に五十億出すからやりなさいと大蔵省が言っておるのに、とてもそう買えない、二十億以上は買えませんよ、道路公団のある人は個人的な話ですが、十億か十五億くらいしか買えないと私に申しましたこともありますが、そんなようなことで、あなた方の専門的なお考えからは、とても何十億つけてもらっても事実問題としては半期間では十五億か二十億以上は買えないという思想から二十億というものが計上されたのであるかどうか、それからもしも用地買収をおやりになるとすればどのような方法でおやりになるのか、買えるところを一度に買っていくのか、それともむずかしいところから手をつけるのか、やさしいところからやろうとおっしゃるのか、その点を明確に伺っておきたいと思います。
○河北政府委員 今御指摘の点でございますが、私どもといたしましては工事施行の過程をいろいろ考えまして、必要な予算として十八億というものを計上させていただいております。今御指摘になりましたように、道路公団に対しまして施行命令を下してから用地買収に着手するまでには、やはり建設に要する事業整備を初め実施調査計画等かなりの時日を要するのが実例でございます。
○木村(公)委員 実例、そんなことを私は聞いておるのじゃない。大体私どもの見込みでは、いろいろ手続を踏んで九月ごろには用地買収が始められるようになるのじゃあるまいか、そうすると九月から起算をすれば大体半年、六カ月の間に、金額にしてどの程度の用地買収がほぼ想像できるかということなんです。私どもは五十億くらいできるというので、前の決議もあったことでありますので、この委員会においてもしばしば大臣にもこれを懇請をし、その結果あなた方の方とは別に、大蔵省でも五十億は出すというところまできておる。しかるに、それはとうてい用地買収で五十億は使えない、十五億か二十億でよろしいというあなた方の御希望で、実は二十億ついたんですよ。これは内輪の話を申しますと、結局は半年のうちに用地買収は二十億程度よりできない、最大限十五億か二十億よりできないというお見込みであるかどうかということが一点。それからもしも用地買収をお始めになろうとするならば、道路局長のお考えでは従前の方法も考慮しながら、どのような方法でこれをおやりになるかということも合わせて伺っておきたい。
○河北政府委員 先の点でございますが、用地買収の折衝を始めましても、いよいよ調印いたしまして金を払うということは、大体御指摘の通り九月から十月ごろになるのじゃないかと思います。そういたしますと、十八億の予算で、今年度用地買収ができる範囲のものは、その程度で間に合うのではないかという工合に考えております。
 それから用地買収の進め方でございますが、東京−富士吉田間につきまして、一本として事業の進捗が円滑になるように考えていきたい、こういう工合に考えております。
○木村(公)委員 そんなものは答弁のうちには入っておらぬ、答弁というものはそういうものじゃないのです。質疑者の疑いを解くように、納得のいくように答えるのが答弁なんで、こちらが二度、三度聞いてもいよいよわからない。だから、あなたがお答えにならなければ大臣からでもけっこうですが、この二十億の今度の事業費ですが、これは用地買収が大部分だろうと思うけれども、その他の事業のことも計画しておられるかもしれないが、事業計画はもうできておるはずなんですが、どうですか、二十億の事業計画はできておりますか。昭和三十七年度の二十億の予算に対する中央道の事業計画はできておるかどうか、できておれば一つお漏らしをいただきたい。もう四月から三十七年度です。
○河北政府委員 私どもといたしましては、中央道に十八億今予定いたしておりますが、その内訳につきましては目下公団とも協議中でございます。明確に工事費に幾ら、用地及び補償費に幾ら、その他に幾らというところまでまだ詰めておりません。検討中でございます。
○木村(公)委員 道路公団とおっしゃるが、道路公団はどうです。あなたの方から施行命令を出していらっしゃるのですか。道路公団がやるかやらないかということは今後の問題でしょう。まだあなたの方は道路公団と協議なさる段階に入っておらぬのじゃないか。ことに建設省は監督官庁であり土木建築の宗家なんです。土木行政の最高の地位におられる局長さんが、事前にまだ施行命令も出しておらぬ、道路公団のだれと相談なさっておるのです。権威のない話ですね、ばかげて問題にならない。だれと相談をしているのですか。
○河北政府委員 東京−富士吉田間の実施計画につきまして、すでに道路公団に二月十日付で調査事務所を設け、着工のために必要な予備調査を行なっております。
○木村(公)委員 そこで、予備調査を行なっておるというのは、あなたの方の御命令で道路公団で予備調査をするということになったのでしょうけれども、基本計画を立てるのは、おそらく道路公団だけでは基本的計画は立たないと思うのです。まだ施行命令も出ておらないし、公団だけで基本計画を立てるわけにもいくまいと思うが、そうするとあなた方は、予備調査をさしておいて道路公団に基本計画を立てさせるおつもりなんですか。
○河北政府委員 基本計画は、建設省側で決定いたします。
○木村(公)委員 次にお尋ねをいたしたいのは、いわゆる調整費という金が二十億ありますが、この調整費について、この間予算委員会の分科会において、委員の質疑に答えて建設大臣は、その二十億の調整費というものは東海道の高速道、それから中央道は東京―富士吉田間、この両方の道路のために保留、調整する準備はあるけれども、同じ中央道でも、富士吉田から先の分については、そういうことは考えておらないという御答弁でございましたが、その根拠はどこにあるのですか。大臣からちょっと伺っておきたいと思います。
○中村国務大臣 実は、五カ年計画の配分をいたしまする際に、中央道、東海道双方に、建設省側としましては全額を配分するように計画案を立てたのでありますが、いろいろ関係省との折衝の結果、四百億に八百億ということにいたしまして、二十億を調整のための保留金として配分をしない金額を作ったわけでございます。従いまして、この二十億は今後の実施上の状態を見ましてどこへ使うかということは、まだ決定をいたしておりません。ただ、中央道に使いまする場合には、中央道に投資しまする――中央道の仕事は、まず東京−富士吉田間を優先的にやる、それから先の中央道につきましては、今後の調査も残っておりますしいたしますので、さしあたり東京―富士吉田間を実施するということに相なっております。東京−富士吉田間の経費を概算いたしましても、四百億ではとうていでき上がりませんので、従って、この四百億で足りなくなりまして調整費を二十億のうちから使うといたしますれば、やはり東京−富士吉田間の残された分に投資するというのが、五カ年計画の配分をきめるときのいきさつからしまして当然ではないか、こういうような考えで先般もそのように申し述べたような次第でございます。
○木村(公)委員 同僚ばかりで、ことに中村建設大臣は、私の最も尊敬しておる人ですが、意地の悪いことを言うようですけれども、これは御承知の通り、中央道というのは東京−吹田間を言っておるのだが、それを特に建設省の方では俗称を作りまして、たとえば名古屋から西宮までを名神国道というような俗称をつけてごまかしておるわけです、中央道と言わないで。そうして、たとえば小牧から飯田の方で用地の買収でもしようというような要求をした場合には、それに対しては色よい返事をほとんどしないで、ほおかむりで、実は小牧から今度は名神国道、名古屋を向いての土地の買収はわずかにやってみてもいいような動きがあるわけです。名古屋の名神国道の完成は、これはもうやむを得ないから完成しなければならぬという思想はわかっておる。ところが、同じ小牧でも、一たび北を向いては、全くやるのやら、やらぬのやら、わずかに、ここでいろいろ委員諸君からおしかりを受けて、中津に調査事務所を作るとか、多治見に作るとかいうことはありますけれども、調査費というものは例年よりうんと減らされて、しかもその一千万円で必ず調査の完了ができるかという私の質疑に対しては、道路局長は、それははっきり申し上げかねると言う。一千万円で調査ができないとすると、毎年四、五千万円調査費をやっておってもいまだに調査が完成に至らない。ことしに限って調査費は一千万円になってしまったというのはどういうことであるかと疑わざるを得ないことにもなってきます。
 そこで私は、特に大臣にお願いいたしたいのは、二十億の調整費というものは、これは法律上も、この委員会における問答を振り返ってみましても、決してこれは東京から富士吉田だけに使わなければならぬものでもないし、東海道の高速道路だけに使わなければならぬものではないのでございまして、一に東海道の高速道路と中央道の両方に使い得る金であります、調整費というのは両方に使い得る。もしも中央道に使い得るという前提をあなたがお認めになるならば、富士吉田−東京間であろうと、小牧−富士吉田間であろうと、それは大臣の行政権限において存分にその金は自由に使い得ると思う。二十億の金はあなたに預けたのです。しかもこれは中央道と東海道の両高速道路に使いなさいといってあなたに預けた。しからばあなたはあなたの大臣たる権限によって、建設行政の長たるの権限に基づいて、その二十億はどこへでも使い得る。自由に使えます。だれにも遠慮は要りません。国会にも遠慮は要りません。あなたの胸三寸によって、東京から富士吉田間と、さらに小牧から富士吉田までと、両方に中央道である限りはお使いになってもいささかも法律違反でもございませんし、義務違反でもございませんが、その点の御見解はどうですか。
○中村国務大臣 実は、私どもとしましては、中央道は、御指摘の通り東京から神戸まで貫通するようにいたすべきものであると、基本としてはそう考えております。ただ、実施上の問題としまして、国の投資規模にも限度がございますので、経済効果等を見ながら所要の地域から先に着手し、完成をはかっていくという考え方にならざるを得ませんので、そういう角度から、御承知のように閣議決定も行ない、また国会にも御説明申し上げて御了承をいただいておりまするこの道路整備五カ年計画の配分の計画の前提としまして、この五カ年計画では東京−富士吉田間の完成を期するという前文を明記いたしておるのでございます。かような意味から、四百億円で東京−富士吉田間が余るならば別でありますが、これでは足らないことは、今の数字から言いましても明らかでございますから、保留いたしました分もこの区間につけて使用するのが当然でございまして、かような意味から、今後の基本、腹がまえはきまっておりますが、実施をいつにするかということの決定はまだいたしておりませんところに投資するということは、どうもわれわれの立場としては、この五カ年計画の原則、前文に照らしましてどうか、こう思っておるようなわけでございます。
○木村(公)委員 大臣、それはこういうことなんですよ。二十億の調整費がある。それをかたくなに考えないで――東海道の方には三十七年度に、御承知のように三十八億か何かつけましたね。それから中央道の富士吉田までの分として二十億とにかくつけた。それをやってみて、不用額というようなものが出ることがあるのです。従来の、ことに道路公団の仕事は、私は決算委員会でしばしば指摘しているのですが、工事量が今までは毎年毎年なかなか多くとれなかった。今になってうんと工事量がふえて、今度は金が足らないというようなところが見受けられておるようですが、従来は不用額がどんどん出てきた。従って、今回の場合でもおそらく三十八億つけ――二十億は金額が少ないからあるいは不用額は出てこないかもしれないけれども、三十八億の方は不用額が出るかもしれないということも必ずしも杞憂ではないくらいです。そういう状態でありますので、二十億というものをそうかたく考えないで、もしも向こうが満腹であって、不用額が出るような状態だったら、東海道の方はこの次に調整費をとるということをも考えられることであるから、東海の方には確かに少々不用額が出るような状態であったらこちらへ回してでもというような、もう少しやわらかい気持で中央道全体をお考えになったらどんなものであろうか。なぜ私がこういうことを言うかというと、従来の例はあなたも御承知の通りで、大体建設当局というものは中央道をやりたがらなかった。そこで特に名神国道ができたということも、早く言えば山の中に道路をつけるということは争いがあるのだ、むしろ平坦部に先にやればこれには争いがないからというので、名神国道ができたとわれわれは記憶しておるのです。そこで中央道の一環である名神国道ができた以上は、できれば所期の目的通りあれをほんとうは山の中へ伸ばして、そうして東京へ持ってくるということが、法律からいけば本然の姿であろうかと思うのです。しかし、それが予算の関係やいろいろあって、なかなか行政面においてはむずかしいとおっしゃるならば、せめては富士吉田までと言い切らないで、われわれの勘定では、富士吉田まではやる、ひょっとしたらあの道を東海道へつけてしまえば転車料も相当よけいくるだろうから、それならペイする、その先で難攻不落だと言われるようなところを通すのは技術上困難だから、経費もよけい食うし、はたして有料道路として採算が合うか合わないかというような一まつの不安もあるかのように聞いております。従ってひょっとしたら、下手をすれば富士吉田から西の方は、中央道という建設法律はできておるけれども、建設省はほおかむりして国会をごまかしてやらないのではないだろうがというような疑い心も、実はひがんでみればあるわけです。そこであなたは政治家としての手腕が高い方だから、あなたの政治力を発揮して、将来は望みなきにあらずというところを見せたらどうでしょうか。金額の問題ではありませんよ。二十億を全部使いなさいとか、そんなけちくさいことを言いません。二十億でどうせやれるものではないから言いませんが、せめては少しでも土地でも買ってやるとか、今は金がないけれども将来はやるんだぞ、機至るならば、後期五カ年計画でよろしい、おれがおるうちはやっていくんだというところを見せるためにも、あの辺にちょっとでも手を入れていただきますれば、代議士諸君が喜ぶだけじゃない。(笑声)あなたの政治力というものに対して非常な評価をするだろうと思う。それのみならず、元来これは満場一致で法律ができておるのだから、法律通りやりなさいと言うことが、なぜ笑われなければならぬか。法律通りやりなさいと言っておる。私は理屈を言えば理屈はいろいろある。大体この法律の第一条に何と書いてあるか。「国土の普遍的開発をはかり、画期的な産業の立地振興及び国民生活領域の拡大を期するとともに、産業発展の不可欠の基盤たる高速自動車交通網を新たに形成させるため、国土を縦貫する高速幹線自動車道を開設し、及びこれと関連して新都市及び新農村の建設等を促進することを目的とする。」こういう高邁な、これは国策的道路です。それをやらないことに対してやってくれということに対して、同僚諸君が笑うというのは、笑う方が間違っておる。
 それと同時に、これはちょうどいい機会ですから申し上げたいが、ただこれは私が相手にするにはあまりにも小物かもしれません。それでも何か道路公団の理事とか言っておるのですが、それがこういう誤解を生ずるようなことを書いておる。日本の横断道路を作ろうと思うと、軽く二千メートルもの標高を処理しなければならないことになって、技術的にもきわめてむずかしいということを、この藤森謙一君が書いておりますが、これまた勉強してない。われわれは横断せよなんて言ったことはない。これは縦貫道路です。法律に書いてある。縦に貫けといっておる。横断はできないというておるのです。だからわれわれは法律でも縦貫道路といっておる。それをわざわざ横断というような、混淆しやすいようなことを書いておる。藤森謙一君に対しては、後日またチャンスがあれば尋ねますが、大臣がそういうような技術者なんかにだまされて、標高二千メートルもあるとすると、なるほど富士吉田から西へはいけないぞといったような錯覚に陥ると大へんです。お互い政治家というものは行政官には弱いんですよ。下の官僚には弱い、だまされてしまう。今までこれができなかったのは、大体次官以下の官僚に大臣がだまされておる。あなたは幸いに政治力があるからだまされることなく、やってもらいたい。あれに標高二千メートルというようなことが書いてあるが、結局二千メートルというような標高のところを通らなければならぬというような錯覚に陥ることを私は心配するのです。建設省から出ておる国土開発縦貫自動車道中央自動車道調査報告書というものがありますが、これで東京から小牧までの間で平坦部に至るまでずっと調べて一番高いところはどこですか。二千メートルあるなんというところがどこかにあります。赤石山脈はどれだけですか。しかも調査費というものに、昭和三十二年に四千三百万円、三十三年に五千万円、三十四年が七千三百万円、三十五年が二千九百五十万円、三十六年が四千万円というような調査費を使ってきて、そうしてこの本ができたのです。道路局長さんに伺いたいが、あなたの方から出されたこの調査の結果は信憑性があるのですかどうですか。
○河北政府委員 この調査報告書につきましては、私ども自信を持っております。ただいま御指摘の点につきましては、赤石山脈を越えるところで標高は千九十五メートルになっております。
○木村(公)委員 私が伺いたいのは、これはあなたの方から調査を命ぜられて、これにどのくらいの金がかかっておるのか知らぬけれども、国土開発縦貫自動車中央自動車道調査報告書というものが出ておることは御承知でしょう。これはごらんになっておるはずですね。そうするとこれは信憑性がありますね。あなた方はこれを唯一の調査資料とはなさらないでしょうけれども、これはウエートは重いでしょうね。そうすると、これによると今も御答弁がありましたが、一番高いところで千メートルをわずかに九十メートル出ただけです。中央公論、これも赤い本だけれども相当売れる本です。この本に、これから施主になる人です。道路公団というのは施主です。そこの理事が横断するとすれば標高軽く二千メートルと書いておるしそういうようなことを宣伝されたんじゃたまらない。あなた方は分科会においても答えていらっしゃるようですけれども、顧みて他を言っておる。答弁上手とも言えるが、私は野党じゃないのですから、一つ親切に答弁を願いたい。そこでさらに申し上げたいのは、そのような世間を惑わすような論文が、道路公団であろうと、建設省であろうと、幹部の諸君から軽々になされることは残念でたまりませんが、それは後日の問題にいたしまして最後に一言伺っておきたいのは、建設省は、しばしば大臣から言明をされておるのでございますから、よも間違いはなかろうと思いますけれども、富士吉田だけで中央道は打ち切るというお考えではないと思いますが、その点大臣から一つ伺っておきたいと思います。
○中村国務大臣 これは法律で定めました通り、必ず実現をいたしたいと思っております。先ほど来いろいろ御意見を拝承いたしましたが、時至れば必ず実行する、こういう考え方であります。
 藤森理事の書きました標高二千メートルというのは、私見ましてすぐに事務当局に当たりまして、この今までの調査でできておりまする標高の一覧表も見まして、赤石トンネルのところで約一千九十メートルであるということも確かめております。なお、この標高千九十メートルはこれからの調査によりまして、若干まだ下げる工夫があるのじゃないかということで、今後の調査に託してやっていきたい、こう思っております。われわれは法律できめられましたこの中央道は、ただ現在投資規模というものが国の経済力やその他諸般の情勢から制約を受けておるからいたし方ございませんが、今後経済情勢が許すような時期が参りましたら、それに伴いまして必ず実行するようにいたしたい、こう考えております。
○木村(公)委員 もう一点だけ。これはさっきお話を伺おうと思っておったが、冗談のようになってしまってまぜ返されてしまったのですが、くどいようですが、例の調整費です。調整費というものを富士吉田−東京間と東海道の高速道と、これだけ以外には使えないということは、閣議決定ではないと私は思うのです。あなたにまかされた調整費ですから、あなたのお考えによって、もしも東海道の方の高速道なんかが金が余って繰り越すというような状態、あるいは中央道といえども、富士吉田までは終局的には五百億、六百億かかりましょうけれども、本年は余日がなくて、三十七年度は二十億の金すらも使い得ないというような情勢になったときに、これをいわゆる金が余ったということで繰り越すだけが芸ではございませんので、そのような情勢になった場合には、同じ中央道にあるところの小牧−富士吉田の間の建設に資する何らかの費用にその二十億の調整費を使うことは違法でもないし、義務違反でもないし、越権でもないと存じますので、その点について、そういう将来の仮定には答えられないというような、まあ野党に対してはそれでもいいかもしれませんが、私に対してはそういう水くさいことでなく、大臣どうでしょうか。
○中村国務大臣 年度の未消化が出る場合は、いろいろ用地買収その他の関係であり得ると思いますが、年度の未消化がかりにございましても、これは五カ年計画としての継続事業でございますから、やはりその範囲に投資すべきものであることは当然であると思います。ただ四百億という中央道の投資規模の金が不用額を生ずることは万々ないと私は思いますが、万一あれば、それはお話のような方法にしてもよろしいと思いますが、現在の見通しとしましては四百億では足らない予定なんでございまして、五カ年計画を進める上においては、不用の金額は出てくるはずがない、こういうような実は見通しに立っておる次第でございます。従いまして、御指摘のような趣旨には、まことにどうも沿いかねるわけでございますが、万一さようなことがあれば、それは考慮してよろしい、こう思っております。
○木村(公)委員 それは大臣少しお間違いです。五カ年間で四百億では、今の見込みでは不用額はとてもできそうには思われない。従って、今の二十億の調整費は、不用額でも生ずるような情勢の場合には考えてみるがというお話ですけれども、四百億で足りなくて五百億要った場合の百億というものは、当然調整費で調整すべきものではないのです。それは当然一般予算で消化すべきものであって、二十億の調整費の中から足らない百億の金の幾らかでも出せということは、これはもうやるべきことではありません。やる必要もない。二十億の調整費というものはそういうときに使う金ではないと存じておる。東海道の方でも、きめられた予算額でどうしてもできないような場合は、やむを得ないから追加で予算をとるよりしようがない。それなら五百億の予算も組み方を変えざるを得ないのです。それで調整費というのはそういうような費用でなく、むしろ現在のワクの中において操作をする金だと私は思う。だから、あなたが自由にこの金をお使いになるのは、そんな四百億が五百億になったからというので調整費で出すというようなことをお考えにならないで、そういうことは必要がないのです。東海道の方においても、五百億のものが千億金が要ったら、あとの五百億というものは一般予算からとるよりしようがないのです。二十億というものはそういうようなために留保されておるものではないと思う。留保されておるゆえんのものは、中央道を完成するために付属的のいろいろな仕事があれば使ってもよろしいということにもなりましょうし、付属的でなく、本然のものであろうかもしれぬけれども、政治解決のために必要であれば、あなたのポケット・マネーと言っては失礼だが、二十億の中から私は出せると見ておりますので、五カ年間の工事量の金額ともにらみ合わせて、余れば二十億というものを考えようというような考え方は、少し間違っておると思いますので、もうしばらく御勉強の上で二十億という留保調整費というものが中央道に使えないものか、富士吉田以外に使えないものかどうかということの御研究を一ついただきたいと思うわけです。
○二階堂委員長 関連質問を許します。三宅正一君。
○三宅委員 ただいまの木村君の御質問に関連いたしまして、主として建設大臣に二、三点お伺いいたしたいと思います。
 国土縦貫自動車道を国会を中心にいたしまして発案いたしましたときに、建設省の事務当局と意見の食い違いましたのは、私は、二つあったと思うのであります。一つは、利用価値の問題が、東海道の高速自動車道と中央道との間に比較で出てきた。もう一つは、先ほど木村君が御指摘になりましたように、非常に長いトンネル等ができ、しかも寒い地点を通るので、技術的に困難だという二点であったと思うのでであります。しかし私どもが国土縦貫自動車道というものを発案いたしました根拠というものは、日本の産業、人口、富、文化、あらゆるものの格差を解消いたしまして、日本の均衡ある発展を遂げるための、その大きな骨組みとして、国土縦貫自動車道が必要であるという観点から、ああいう大きな法律が、しかも国会の満場一致をもって通るという経過になったと思うのであります。そういう関係がありまして、そういう事務的な対立点とかいろいろのものにつきましても、すでに国会を通ってしまった大きな法案でありますから、だんだん建設省関係もお考えを下さっておることと思うのでありますが、第一点として、大臣にお伺いいたしたいのは、今日、東海道に高速自動車道を作る、そして東京でオリンピック道路を作る、二兆一千億の公共事業費を計上いたしましても、もう過大都市その他の跡始末のために非常に高い金を使って、公共事業費の七割というものはそっちへ使われてしまう。格差解消のために後進地域を開発するという方向には金が回らない。それでその道ができますと、今度はさらに東京が大きくなる、表日本が大きくなる。その跡始末のためにまた金を使ってしまって、格差は無制限に広がるのみならず、非常に金を作って、その弊害が及ぶところというものは、実に大きなものがあると思うのであります。私どもは二兆一千億の道路五カ年計画のごときものも、これだけ社会資本が立ちおくれになっている日本といたしましては、大企業の設備投資の二重投資やいろいろなことを節約いたさせますることによって、金をそっちの方へ向ける意味においては、もっと大きく再改定しなければならぬと思います。しかし、それを再改定するときには、少なくとも後進地域の開発、国土の総合的発展、格差解消というような見地で、今利用価値が少なくとも、先行手段としての道路政策というものは、その方向に少なくとも半分は回すんだというような大きな筋というものが流れておらなければ、いたずらに金を使って格差を増長させるだけになると私は思うのであります。こういう点からいきまして、利用価値が少ないなんということは、私は理由にはならぬと思うのでありまして、その意味においては中央道の関係などにつきましても、富士吉田だけにとどまるものでなしに、ただいま木村君の言われた通りです。名古屋は日本の過大都市の中におきまして比較的弊害の少ない地帯ですが、あそこにもし中央道が、トンネルの問題はあとにいたしましても、中津までの間に高速道が東京から行ったのと小牧から行ったのと両方で行ってごらんなさい。あの道がもう一本できますと、国道も今改良しておりますし、できましたならば、名古屋の過大都市なんというものは、私は東濃地方が大きく吸収いたしまして、あとになって非常に高い金でまた道を名古屋の市内に作らなければならぬというようなことを防ぐ意味におきましても、私は政治家の見識からいたしましたならば、当然やらなければならぬことであると信ずるのであります。この点について大村君が調整費でもって一つそっちの方にも回したらどうだと言われますのは、私は見識だと思います。一つこの点をお考え願いたいと思いますし、御答弁をいただきたいと存じます。
 もう一つ大きな点は、工事が困難だというようなことが一つの口実にされておりますけれども、最近、大臣も見ておられると思いますが、イタリア、スイス、フランスで、アルプスを突き抜きまして非常に大きな工事が国際的協力で今やられつつある、おそらく私は、高度におきましても寒さにおきましても、赤石山系のあの程度のトンネルなどは問題にならないと思うのであります。従いまして、おそらく建設省の事務当局としては、そこなどの実情を見せにやったりいたしまして参考にされたらいいと思うのでありますが、今赤石山系のトンネルの問題が技術的にむずかしいなんということは、私は日本の技術の恥だと思います。あんなものがやれないなんということは、われわれしろうとでありますけれども、これは問題じゃないと思うのであります。特に私は道路におきまして、トンネル技術というものが――鉄道は非常にトンネル工事の関係は練達しておるようでありますが、日本の道路工事の上におけるトンネルの問題は、実に私はこれから重大だと思うのであります。われわれは格差解消のために縦貫自動車道が日本全体にできることを望んでおりますけれども、格差解消を早くやりまするためには、私ども考えておりますることは、日本は細長いのですから、だからして稚内から鹿児島までの国土縦貫自動車道というものを作ります順序をどう考えるかといいますれば、私はやはり肋骨道として、表日本と裏日本の非常な短いところを早くつなぐということが、やはり格差解消という上からいきますれば非常に必要だと思うのであります。そうしますと、脊梁山脈が細長い日本のまん中に通っておりますから、かりに仙台と秋田をつなぐにしても、東京と新潟をつなぐにしても、あるいは名古屋と金沢をつなぐにいたしましても、こういう最短距離による格差解消を行ないまする上において、トンネル工事というものは非常にこれからあと大きなものが出てくると思うのであります。そういう意味におきましては、私は赤石山系など一つ取り組まれて早くやられますことが、日本の建設省の持っておりまする及び日本の土木工事の連中の持っておりまするトンネル技術、開さく技術等における飛躍的発展を来たさせると思うのでありまして、そういう観点からいきましても、中央道についてはもう少しやはり積極的なる施策をする必要があると思うのであります。まさか木村君が言われたように、法律で制定されておりまするものを、東海道ができたらもう利用度が少ないからといって延ばすというようなことを主観的に意図しておるとは思いませんけれども、そんなことをやっておっては問題にならないのであります。いつも私どもは話すのでありますが、戦前寝覚の床のところに遊びに行ったら、葉山嘉樹君が――中村君も御承知かもしれませんけれどもプロレタリア文章家で、遊びに行ったとき、とても景色がいい所だなあと言ったら、葉山嘉樹君が景色じゃ食えないと言う。そばしかできない地帯であります。けれども最近におきましては、景色が産業であります。そういう観点からいきましてもあの山系における石灰石とかあるいはまた木材だとか風景だとかいうものを考えますというと、東京と名古屋との間を脊梁山脈を横断して通る道ができますということは、いろいろな意味において私は日本の建設工事における一つの進歩の契機にもなると思います。工事がむずかしいなんということを理由にいたしますことは、理由にならないと思うのであります。そういう意味におきましても、だいぶ今度も大臣は骨を折ってくれたようでありますけれども、東海道の方は全線を考える、中央道の方はまだ富士吉田までしか考えない、そういういき方でなしに、一つここでもっと進めるということが、私は今日の格差解消をほんとうに考える際におきまして必要だと存じますので、この点について大局的な御答弁を承りたいと存じます。
 なお、イタリアやいろいろなところに比較して、トンネル工事の日本における建設水準とか技術水準などがどの辺まで行っているかということについては、もし御答弁があれば局長なりあるいは専門の方から承りたいと存じます。
○中村国務大臣 私どもとしましても、技術上不可能であるというようなことは、もう今日全然考えておりません。これは結局投資規模の問題であろうと思います。たとえて申しますと、国道十三号の山形、福島の県境のトンネルは、結局はあまり大き過ぎますので二本に分けることになりましたが、実施調査をいたしました一番長いトンネルとしましては約五千三百メートル、五キロ以上あるトンネルの調査もいたしまして、これも、技術上もまたその他の点から見ても可能であるという結論になりましたが、もっと経済的な線ということで検討いたしましてこの五千三百メートルという長いトンネルは不採択になりまして、二本に分けることになりましたが、この一例から見ましても、たとえば中央道の場合を考えてみても私は技術上不可能であるという事情は、今日は全然ないと思います。問題は投資規模の問題でございます。
 それから、先ほど来いろいろ御議論のございました二十億の保留分というのは、本来全額を東海道、中央道に配分をする案をわれわれ建設省といたしましては立てまして、全額配分計画を立てたのでありますが、いろいろ関係省との協議をいたしました結果、その配分率について若干の議論がございました。そこで議論を調整する一つの方法として、私が提案をしまして、それでは両方から一つ半端の金額を削って二十億ばかりは残すということにしようじゃないかということで保留をいたしましたので、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように中央道としましては東京−富士吉田間をまず第一着手に完成をする。そのための投資規模というものをきめて、きめるときのこれは保留分でございますから、やはり本来の性質としては東京―富士吉田間に必要が起きたときに投資をするのが筋道である、こういう考え方で、どうも御期待に沿うような答弁もできないで遺憾でございますが、さように現在のところは考えておるわけでございます。ただ結論的に申しますと、私どもとしましては東京−富士吉田間のみならず富士吉田市、飯田を通って小牧に参りますこの中央道は、問題は投資規模の、日本の国全体の経済情勢の問題でございまして、経済情勢が許す時期が来ればぜひ実現をして、この夢を現実のものにしたい、こう考えておるわけでございます。
 それから全国的な道路の投資状態でございますが、三宅さんも七割は大都市周辺じゃないかと言われましたが、私どもの考えからいいますと、むしろ全国的に現在の五カ年計画で重要地点を結んでおります一級国道を、全部一次改修及び舗装を完了する計画でございますから、今後のこういった一級国道整備の経費は、すでに整備された区域を残して未整備の区域に投資いたしますので、格差是正のためにも未整備の地域に重点的に投資をする、こういうことになって参りますわけで、われわれとしましては、できるだけ全国の産業開発に資するような道路整備の角度で、今後も極力進めて参りたい、こう思っておる次第でございます。
○二階堂委員長 ちょっと申し上げます。大臣はただいま参議院の本会議で駐車場法の一部改正が上程されて可決されるので出席を要求されております。それが終わりましたら、またすぐ来てもらうことにいたします。
○三宅委員 それでは、一つ技術水準のことについて道路局長から承りましょう。
○河北政府委員 スイスのトンネルの資料をただいま持っておりませんので、どういう工合になっておるかお答えできないのでございますが、ただいま大臣が申されましたように、十三号国道の山形・福島県界の栗子峠を通過する路線につきまして種々検討いたしました中では、トンネルを一本でいこうという場合には五千三百メートル以上になるかと思います。換気等の問題で相当研究して、工事そのものはいけるという自信は持っております。しかし経費等の問題で隧道を二本に分けるということに落着をいたしました。ただトンネルを掘るだけは、幾ら長くても掘れるのでありますが、鉄道と違いまして道路隧道には排気という問題がございます。排気について関門トンネル等で研究いたしましたのによりましても、トンネルが長くなればなるほど、その二乗、三乗に比例した換気装置が要るようになりますので、その点であとの維持費とかいう問題で、道路では簡単に長いトンネルに食いつくわけにはいかないかと考えます。
○中島(巖)委員 ほかの諸君は大臣の出席を求めておりますから、その間だけ質問させていただきます。
 道路局長の答弁で、赤石山系の一番高いところは標高千九十メートルと言われましたが、前の調査は八百何十メートルということを建設省で発表したように覚えておるのですが、いつ標高が変わったのですか。つまり木沢の易老渡へ出るところですね。
○河北政府委員 私どもが調査いたしましたのでは、大井川−木沢間で赤石山脈を横切るところで標高は千九十五メートルになっております。
○中島(巖)委員 たしか最初あなたの方で調査した資料は八百何十メートルで、木沢易老渡へ出ることになって、隧道の延長は七千何百メートル、八キロ足らずという調査を一度発表しているわけです。それに基づいて総工事費三千二百億という数字が出ているわけであります。もしそれが変更になったとすれば、工業費関係も違っておるのじゃないかと思うのですが、それはまたあとでわかってから御答弁願いたい。
 それから、私、中央公論に道路公団の理事が云々という、大村委員から質問した書類をまだ見ていないのでありますけれども、実は、私、二年ほど前に、先ほど三宅委員から質問のありました例のスイスからイタリアへ抜ける隧道を見たのですが、あそこは正確な緯度のことはちょっと忘れましたけれども、おそらく北緯五十度近い地点、日本でいえばちょうど樺太付近の地点じゃないかと思うのです。そして、あの隧道の口には世界的に有名なスキー場のシャモニーという町があるところなのです。そこで、フランス側は標高千二百二十メートルのところから、イタリア側は標高千二百八十メートルのところで同時着工にかかった。そして、隧道の長さも十二キロあるのです。赤石は八キロ足らずでありますけれども、これは十二キロある。それで、私も隧道の中に入ってよく調べてきたのですが、工事にかかるまでの段取りは相当かかったらしいのですが、工事にかかれば、十二キロの隧道を二カ年半で上げる予定で、私の行ったときには千メートルももう掘ってあった。従って、この赤石隧道の標高が八百とか九百とかあるいは千なんていうものは、緯度の上からいってもうんと南であるし、長さからいっても向こうの方が四キロも長いのだし、こんなものは問題じゃないと私は思うのです。わずか二百人ぐらいのものがついておりさえすれば、工事の機械を据えつけてしまいさえすれば、もう二年半でこの長い隧道を上げてしまうのです。従って、先ほども三宅さんから話がありましたけれども、建設省の隧道に対する技術というものは、今後の地域格差の解消という点からも大事ですから、この問題のみならず、非常に練磨していただきたいと思うのです。それについて、私の意を強うしましたことは、その隧道の資料が世界的に集められてありましたけれども、日本の関門海峡の資料なんかも十分そろっていて、この関門隧道によって得るところが非常にあったと主任技師が説明してくれて、私も非常に意を強うしてきたわけであります。その点からもこれらは問題じゃないと私は思うのです。
 それから、これは今議席を持っておりませんけれども、かつて自民党の平野三郎君がこう言っておるのです。戦時中の軍艦「武蔵」を今こしらえようとすれば、今の単価に直して二千八百億円、従って戦艦一隻こしらえる金がありさえすれば、東京から名古屋までの世紀の大事業ができるじゃないか、戦艦一隻こしらえればあと維持費というものがすばらしくかかるのであるけれども、これはその金によって国土が開発ができて、道路そのものでは不採算であるにしても、その他のあらゆる産業関係の開発ということを考えれば、こんなに安くて、こんな世紀の大事業ができることはないのだから、このくらいの金は問題じゃないということをこの委員会で平野三郎君がじゅんじゅんと説いて、与野党といわず拍手を浴びせたことがありますけれども、そういう大きな観点に立って、建設省も前向きの姿勢になっていただかないといかぬと思うのです。これは絶対反対でやっておられましたが、最近は横向きぐらいになったように見受けるのですが、従って先ほど木村委員からもお話がありましたように、これだけ数年にわたって国会で論議され、要望されておることを、この法律成立にも二カ年も要して、機構がどうだとか、経済がどうだとか、あるいは技術がどうだとかいってさんざん論議をして、この法律が成立したのだから、この法律の成立した以上は、法律成立以前の議論を蒸し返したり、しかも建設省にこれまで職を奉じておって、道路公団にいった者が、こういうばかな、不見識なことを中央公論に発表するなんということは、実に役人としてとんでもないと思うのです。役人というものは法的根拠があって初めて役人としての地位を得ているのだから、役人とか大臣というものは、一番先に率先して法律を守らなければならぬ立場にあるものなのです。それが国会で数年にわたって論議して固まったこの法律に対して、今さらそういうような議論を吐いていることはけしからぬと思う。これは役人をやめてもらったり公団をやめてもらったりするよりほか仕方がないと僕は思っている。
 そこで話はだんだんこまかい話に入りますけれども、それで今の調整費の問題ですが、これは私も、閣議で決定し、予算をつけたのは富士吉田、片方の東海道は東京−名古屋間ということになっておる、そのほかに使うことはどうかというように考えておりますけれども、その辺を法的根拠に基づいてはっきり御答弁願いたい。
 もう一つは、かつて中央道が、初めに昭和三十二年に着手したのでありますけれども、このときは、たしか私の記憶では三十三億何千万という予算が通ったわけなんです。ところが二億八千万程度しか使えなんだ、一割使えなんだ。そして三十億の予算の金を翌年に繰り越しまして、昭和三十三年度は新しく八十億計上して、両方で百十何億という予算があったけれども、この年も二十億程度しか使えなんだ、一割少ししか使えなんだ。第一年度は一割も使えなんだ、こういうことなんです。それはどういうわけだというと、結局用地買収の問題が一番の問題だったようであります。そこで現実の問題として、中央道に二十億近い予算、東海道に三十六億という、こういう予算を本年度は組んだわけであります。この場合において、中央道なり東海道なりが難航して、そして一方が一割も金が使えぬ。しかし一方の方は非常に用地の買収もぐんぐん進めて、今用地を買収しないとさらに値上がりのおそれがある、こういうような場合が必ず出てくると思う。その場合においては、この中央道につけた本年度の予算を東海道へ持っていって、東海道の予算を中央道へ持ってくる。この融通はすべきであるし僕はできると思うのですが、それに対して建設省はどういう見解をとっておるか、この点をお伺いしたいと思う。
○河北政府委員 東海道に予定してあった経費と、それから中央道に予定されております経費と流用ができないかということでございますが、法令上は所要の手続を行なえば彼我流用の処置はできないことはございませんが、私どもがただいま積算して計上しております予算の執行の面におきましては、そのような事態は起こらないのではないかと考えております。
○中島(巖)委員 局長の答弁は手続の問題だけで、実際問題として、そういうときにぶつかったときに手続をすればどっちも流用できる、こういうふうに解釈していいですか。
○河北政府委員 その通りでございまして、法令上の手続を行なえば流用の措置はできないことはございません。
○中島(巖)委員 そこで、先ほど局長の木村委員に対する答弁は、用地買収をどこまでやるんだ、こういう質問に対して、東京−富士吉田間を一本でやる、こういうことを御答弁なさったわけでありますが、それで間違いありませんか。
○河北政府委員 私どもといたしましては、八王子−東京間には用地価格がどんどん上がっていくという心配もございますし、それからまた八王子−富士吉田間につきましては用地の交渉に難点はないかと思いますが、そういう場合にどちらにしか使えないという制限された考え方ではなくて、東京−富士吉田全線について用地交渉のまとまるところからどんどん買収さしていただきたい、そういう工合に考えております。
○中島(巖)委員 はっきりわかりました。私もそれに非常に賛成であります。実はこのごろ山梨県知事に出会いまして話をしたのでありますけれども、山梨県知事の話では、八王子付近がごたごた一年も二年もかかって、そのうちに八王子付近は幾らだというような値段が聞こえてくると、非常に山梨県側は用地の買収が困難になるんじゃないかしら、できることなら山梨県側を着工のその年に全部買収してもらうようにしてもらいたい。そうすれば県は全力をあげてその用地折衝をして、公団は判こを持って来て押してくれればいいように、一挙に山梨県側は全部買ってしまうだけの用意がある、こういうことを言っておったのであります。私もこれは非常にいい話でもっともだと思うのですが、名神国道も、私ここに資料は持っておりませんけれども、例の小牧−吹田間の用地交渉で二、三年ごたごたしてわずかしか用地の買収をせなんだ。せなんだというよりできなんだと言った方が適当であろうと思いますが、そのうちに用地はだんだん上がってなおむずかしくなっちゃった。おそらくあの用地費も、ここに資料を持って来ておりませんけれども、最初の予算の三倍半くらいかかったと思うのですが、何か資料があったら、その用地買収費が、最初の用地の買収費の予定金額はこれこれであったけれども、これこれかかってしまったというようなところを見せていただきたいと思うが、おそらく三倍以上かかっておると私は考えておるのです。
○河北政府委員 当初予定いたしました価格で買えなかったことは御指摘の通りでございますが、私どもの予定いたしました価格と実際の買収いたしました価格との差は、ただいま資料がございませんので後刻御返事させていただきたいと考えます。
○中島(巖)委員 それはきょうでなくてもいいが、一つ書類でもって次の委員会にでも御提出願いたいと思う。私のばっとした考えですけれども、おそらく三倍以上かかっておる。こういうような観点から考えて、ただいま言うような名神高速道路は、私が申し上げるまでもありませんけれども、公団の立ち入りにすらも半鐘をたたいて反対しているというような状態であったけれども、山梨県側は、そういう態勢で一挙にことしのうちに全部でも買収するだけの用意がある。また八王子付近も、そういうような態勢を、ここに見える細田委員なんかの手によって作りたい、こういうような、状況下にあるのです。従って、今度公団が発足して用地買収にかかれば、私は一挙にできるんじゃないかと思う。そうすると、前の計画では、こっちが六十何億か七十億くらいの予定でありますから、おそらく今は三、四年前の計画とは違いますので百億、百二十億という金が要るのではないかと思うのですが、そこで質問する第一点は、そういうような場合に、建設省は、本年度予算は仕方ないといたしましても、来年度予算に、全域買収できるということならば買収する予算を計上するところの意思があるかどうかということが一点と、それから本年度すでに八王子に調査事務所をこしらえて、所長が私の方へあいさつに来ております。そこで、この予算が今月末に成立しますと、新しくこの事業に着手しなければならぬ。そうなってくると、この調査事務所を建設事務所に切りかえなければならぬ。四月をもって建設事務所に切りかえる御意思があるかどうか、この点、とりあえず質問いたしたいと思います。
○河北政府委員 第一の三十八年度の予算の問題でございますが、私どもは、許されるなれば、なるべくその線に沿って努力いたしたいという工合に考えております。
 それから第二点の八王子の調査事務所を建設事務所に切りかえる用意があるかということでございますが、単に建設事務所に切りかえるだけではなくて、中央道が円滑に事業が進められるように、目下公団の方の機構についても検討中でございます。
○中島(巖)委員 いろいろこまかい話になりますけれども、先ほど道路局長の大村委員に対する答弁は、明日国土開発縦貫道審議会を開いて基本計画をはかって――明日の審議会は、私も委員でありますので通知をもらっておりますが、たしか審議会の道路部会だと思いましたけれども、道路部会が建設省原案を認めたとなると、続いて審議会をこの月のうちに開催して、そして基本計画を正式に決定して内閣へ送付するわけでありますが、ところが、この基本計画だけでは、用地の買収などに入るわけにはいかぬのでずが、例の整備計画、その整備計画を審議会にかける日程は、大体どんな予定になっておるのでありますか。
○河北政府委員 基本計画が決定いたしましても、整備計画がきまりませんと、公団に施工命令が出せないのでございますが、施工命令は、大体四月の末か五月の初めごろには出せるように検討いたしております。
○中島(巖)委員 今、施工命令は四月下旬か五月初めに出せるように準備するというお話でありました。結局整備計画を審議会にかけるのは、今度一緒に月末までにかけますか。それともさらに整備計画のときには整備計画だけの審議会を開くことになりますか。その点、お伺いしたいと思います。
○河北政府委員 御承知のように、整備計画を出す前に基本計画を決定いたしますと、一カ月の異議申し立て期間というものを置かなければなりませんので、今月中に整備計画をおはかりする審議会はちょっと無理かと考えます。
○中島(巖)委員 そこで、今度は小牧−富士吉田間の件についてお尋ねいたしますけれども、先ほど木村委員と局長、大臣の一問一答を聞いておったわけでありますけれども、結局大村委員の言われる通り、年々数千万円の予算を計上してきて、本年度一千万円の予算を国会に提出した。こういうことは、大体これで調査が完了して基本計画が樹立できるというように私どもは解釈するのでありますけれども、従来の予算を非常に減らしたということは、どういうことで減らしたのか、その点を一つはっきりと納得のできるような御答弁をお願いしたいと思います。
○河北政府委員 先ほども木村先生の御質問にお答えした中で申し上げましたように、今後富士吉田−小牧間について調査させていただきたいことは、気象調査とか経済調査とか、時間をかけなければならない調査が主となって参ります。従いまして、三十七年度調査が済めば、直ちに基本計画がきまるという段階にはいかないかと思います。大体私どもといたしましては、四十年末までにはそれらの検討を終えまして、あとの四十一年度以降の五カ年計画までに基本計画をまとめて準備しておけるというように考えておるのでございます。
○中島(巖)委員 それはおかしいのじゃないですか。もうすでに本年度は調査に入りましてから六年目ですから、五年間で今あなたの言われた調査は全部できておるはずじゃありませんか。私が申し上げるまでもないけれども、基本計画の中には施工主体を入れなければならぬ、従って、予算の関係でもって基本計画は出せないが、調査は大体完了するという答弁ならわかりますけれども、こんなに予算を減らしてしまって、過去五年間もやってまだ経済調査ができぬ、気象観測ができぬ、そういうような答弁ではどうも納得がいかぬのですが、その辺もう少し腹に入るような具体的な御説明をいただきたいと思うのです。
○河北政府委員 先ほど木村先生の御質問にお答えしたときも申し上げましたように、ただいま私どもがやっております調査の範囲内では、償還計画にどうも多少難点が残っております。従いまして、もちろん経過地は法律で定められておりますので、私どもが勝手に変えるわけには参りませんが、定められている経過地の範囲内で償還計画の見込みがつくような路線と申しますか中心線を探していきたい、それらの調査に重点を置いて今後続けていきたい、そういう工合に考えております。
○中島(巖)委員 結局、あなた方が技術調査した結果、この路線はどうも不適当である、これをそれじゃ飯田市付近を伊那市付近に持っていくとか、あるいは甲府でも上流に持っていくというようなことで、いい地点があれば、もうそういう地点はできておるわけなんだから、法律改正を提案するとかなんとか、もう少し前向きの姿勢になって善処すべきものであると思うのですが、あなた方は法律に縛られておるから、法律のことばかり言って逃げておるのはもっともだと思うけれども、しかし、五年にわたってこれだけの予算を使って、まだあれだこれだということは、こういうところにもっといい路線があった、だから一つ法律改正をしてもらいたい、こういうように言ってもらいたいと思うのです。
 それから、今償還がどうこうということがございましたけれども、この問題はあなたたちだけで片づく問題じゃない。だから償還に対してはっきりした筋が出ぬということになれば、それはそれで率直に大臣に意見具申して、大臣から国会へ諮ってもらって、今でもこの一般財源を有料道路につぎ込んでおるのですから、たとえば五〇%を一般財源をつぎ込んで、あとの五〇%を償還するところの金をつぎ込んで工事費にするという手もあるのですから、従って、何のかんの、あっちで理屈をつけ、こっちで理屈をつけて逃げられずに、率直にそういうことが調査の結果出たら、大臣に話して、大臣から国会に諮るようにしてもらったらどうかと思うのですが、その辺一つはっきりしてもらいたいと思います。
○河北政府委員 今の御質問は、一般財源を投入してもやればいいじゃないかというような御趣旨かとも思いますが、現段階におきましては、高速自動車国道以外の一般道路についても財政投融資によって整備しております実情でございますので、国土開発縦貫自動車道建設法によりまして建設線の基本計画の中には、高速自動車交通の需要の充足というような一因子も含まれておりますので、高速自動車国道におきましては、国の財政力の現状にかんがみまして、なおしばらく財政投融資をもって整備することもやむを得ないかという工合に考えております。
○中島(巖)委員 そこで今局長の答弁の中心は、結局法律論だと思う。そこで、有料道路費の中に一般財源を毎年わずかであっても、ことしは九十億かそこらだと思いましたけれども、入れておるでしょう。ところが局長の今言う建前は、財政投融資だけで、一般財源は入らぬ、大ざっぱに見てこういう答弁なんです。そこで私の質問するところは、どういう法律根拠によって現在一般財源を有料道路の中へ入れておるか、これが一点。もう一つの点は、どういう法律根拠によって中央道へは一般財源が入らぬのか、これを一つ明確に、何法の何条によってこうなっておるという御答弁を願いたいと思います。
○高田説明員 お話のごとく、現在やっております有料道路につきましても、一般財源は若干入っております。しかし、ごくわずかでございます。これは道路整備の特別会計法によりまして、これは可能でございます。なお今後高速道路について同様に一般財源を入れる根拠がないかどうかということでございますが、この点は、法律上、これに一般財源を入れましても、もちろんこれをいけないという根拠はございません。現行法上は入れればできるわけでございます。ただ御承知のように、現在一般道路についても有料道路として整備しておるくらいでありまして、一般道路より規格の高い高速道路になりますと、かなりいろいろな点で財源等もよけいかかるわけでございます。高度規格の道路を作ります場合におきまして、ことごとくこれを全部一般財源でやるということがなかなか実際困難でございますために、現に名古屋−神戸の間の有料道路につきましては有料でやっておるわけでございます。将来、そういう今申し上げましたようなことで、法的には一般財源を入れてはいかぬという原則はもちろんございません。十分可能でございます。ただあとは財政的な見地から、どう道路の財源を振り当てるかということでございます。もちろん漸次財政力が出て参りましたときには、ほかの国でやっておりますように、高速道路につきましても一般財源でやるという時期がくることを私どもは望んでいるわけでございます。現状におきましては、なおしばらくの間は有料道路ということで財政投融資から金を持ってくるということもやむを得ない実情でございます。将来漸次そういうふうになりますることを期待いたしておるわけでございます。
○中島(巖)委員 そうすると今の御答弁は、つまり法的には一般財源は幾ら入れても差しつかえないのだけれども、財政的にほかの道路の整備との関係をにらみ合わせて、実際問題として入れることができぬのだ、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
○高田説明員 大体お説の通りでございます。
○中島(巖)委員 そこで例の基本計画の法律的の問題になるのですが、先ほど来、木村委員からもいろいろと質問があったわけでありますけれども、富士吉田−小牧間について何らか建設省がやるんだ、こういう法律に基づいてすでに五カ年間も調査するんだからやるというような意思表示がなければ、こういうような問題をしょっちゅう繰り返さざるを得ぬということになるわけです。そこで問題は、今後進展するということになれば、結局基本計画の策定ということになるのですが、基本計画を策定する上において一番困難な問題は、施工主体を入れることによって困難になるのではないか、こういうようにあなたたちの立場になって私は考えるのでありますけれども、この施工主体をはずしさえすれば、今年中にも基本計画を立てられる。これだけの調査ができていれば差しつかえないと思う。それは法律の一部改正をやりさえすれば、施工主体ははずしてくれるのだから、その点についてその施工主体は法律何条によってあるのか、そして一部改正して、それをはずせば基本計画を策定する上において法律的にどこかに困難な点があるのか、この点を伺いたい。
○高田説明員 お尋ねの点が関係法律のことでございますので、私からお答え申し上げます。
 御趣旨は、建設線の基本計画を策定する段階を早くやれということではないかと思います。現行法では、お示しの通り基本計画を作成いたします内容でございますが、これは現行国土開発縦貫自動車道建設法施行令第一条の規定によりまして、建設主体という言葉が入っております。そのほか御承知のように、区間、主たる経過地、それから標準車線数、設計速度あるいは連結地等、基本計画におきましては詳細な点にまで触れることになるわけでございます。そこで基本計画のその後の実態から申しますと、おおむね通過する路線等、大体かなり明確にきまっておりますことと、全体の事業費、それからお話のごとく、この工事を実行するという場合の諸条件、その中にはお話のように施工主体、道路公団でやるか、あるいは有料でやるかというようなことなども、もちろんこの基本計画の中に入るわけであります。そういうかなり詳細なことがきまりませんと、先ほども読み上げました縦貫自動車道建設法の第五条のそのものの精神からいたしましても、基本計画としては実はぎめかねるのではないかと現行法の解釈として考えております。御参考までに申し上げますと、第五条の規定には、交通需要の充足、それから国土の普遍的開発の地域的な重点指向その他効率的な建設をはかるために必要な事項とございます。これらには先ほど申し上げました施行令に書いてありますことなども当然含まれるわけでございます。現行法の第五条の精神からいたしますと、かなり実施の段階に近い段階でないと基本計画が作れぬのではなかろうかと存じます。なお、関連して申し上げますと、基本計画作成後におきまして直ちに政令により公表をいたします。それからさらに異議申し立ての期間等を置きました上で、さらに整備計画という手続がございます。整備計画が終わりますと施行命令ということになるわけでございます。従いまして、この法律の精神からいたしますと、基本計画というものは実施にかなり結びついた段階であると私どもは実は現行法の解釈といたしまして了解をいたしておるわけでございます。
○中島(巖)委員 そこで建設省としても非常に困難な問題があると思うのだけれども、僕らの方は基本計画だけでも富士吉田−小牧間を早くやってもらいたいと思うのです。それからその第五条の基本計画に対するいろいろな規定が法律でもってあるわけです。たとえばインタチェンジをどうするとか路線をどうするとか勾配をどうするかということはある。これは技術上の問題で基本計画に入れねばいかぬと思う。けれども、施行主体の問題は基本計画からはずして整備計画のときに入れていく、基本計画からはずして何ら差しつかえのないものだと私は考える。従って政令の一部改正をやって基本計画の中から施工主体さえはずせば、調査が全部完了してあるなら基本計画は策定できるし、また基本計画の中に施工主体まで入れるというこれ自体が問題である、こういうように私は考えるわけです。
○高田説明員 条文だけについて形式上見ますと、お説の通り、現行法でございますと、施行令の第一条の六号に「建設主体」という言葉がございます。これを削除すればよろしいわけでございます。またこれは政令でございますから法律手続は要らないわけでございます。その点はまことにお説の通りで、「建設主体」だけをはずせばよろしいわけでございます。問題は、現行の縦貫自動車道建設法の第五条以下に定められております手続規定全体からいたしますと、基本計画というものは施工命令が出ますごく直前、と申しますとはなはだ言葉が足りませんが、少なくとも数カ月以前にきめるべき問題でございます。かりに基本計画というものの中に施工主体ということをはずしましても、そのころには実態といたしましてそういう施工主体がどこであるかということまできまりまして、またその道路は一体、一般の公共的な道路と同じように一般財源でやりますかあるいは財政投融資の金を入れまして有料にするかということ等も当然きまっておりませんとやはり困るわけでございます。お説の通り政令からはずすこと自体は必ずしも不可能ではございませんけれども、実態上基本計画の段階におきましては財政投融資でやるかあるいは一般財源でやるかということ、並びにどこが施工主体になるかという等の事柄は、法律の条文からいたしまして当然実質的にきまっていなければいかぬのではなかろうかと、私ども実は法律から読んで解釈をいたしておるわけでございます。
○中島(巖)委員 法律論をやってもしようがないけれども、僕は実際に工事に着手する前という段階は、整備計画の段階でいいと思うのです。基本計画は大体の見通しさえつけば一年や二年先にやっても差しつかえないというように考えるわけで、きょうその問題で議論していてもしようがないからやめますけれども、そうすると今までの質疑の過程において、次の五カ年計画に入らなければ小牧−富士吉田間の基本計画は策定できぬ、こういう考えでおるということが大体うかがえたのですが、道路局侵そういう考えでおるわけですか。
○河北政府委員 お説の通りだと思います。
○細田(義)委員 中島委員の質疑に関連をしてお尋ねしたいのであります。
 それは、この問答を通じて私ども聞いておりまして、基本的な考え方、腹の置き方、こういうものは今ごろわれわれが申し上げることは、時期としてはもう過ぎていることでありますが、さて聞いておりますと、この中央自動車道というものは国土を縦貫して、開発をされていない地域を格差を解消するために開発をして参る――その他の条件がありますが、ここに大きな重点があって、従来の道路行政とかこういうもので考えました法制下において訓練をされた諸君の頭では、なかなか理解もしにくいあるいは他の各省もこれに共鳴いたしかねるという分野がたくさんあろうと思う。ところが私どもは、国家的な観点からこれを判断する場合におきまして、たとえば私企業でありましても海外の競争に耐えるためには、その船についてのいろいろの利子補給とかあるいは財政の援助とかいうものをしなければならぬ。最近におきましては、本国会に出ておりまするが、地下鉄というものをいろいろの要請でこれをやるべきである。しかし地下鉄という営団につきましても、東京都につきましても名古屋市におきましても、それ自体の力では工事ができない。だから利子を補給してやろう。それは他の面から強い要請がありましてさような措置がとられておるわけであります。従って中心は、道路公団にやらせる場合におきましては、これはいわゆるペイできなければいかぬ、経済効率が現についていなければならぬ、ということは既成観念としては了解できるのでありますが、地域の格差をなくそう――日本は経済力は貧弱だと言われておりましても、海外に対しましても開発の基金を出すとか仕事をやるとかいう配慮もしなければならぬという時世でありまして、国内におきまして何県であるから格差がある、何県であるから非常にうまくいっているというようなことは、わずかの島に仲よく住まなければならぬ日本でありますから、こういう点は国力をあげまして、総体の知恵をしぼりまして対処しなければならぬということであります。こういう点からいたしまして、金が足らない、これではペイできないということは政治の場において解決さるべき事項でありまして、中央道を作るということについては、国会が全会一致をもってきめたのでございますから、この至上命令に従って作業が進められて、われわれが技術的に考えて、工事の施工の難所等を顧みましてもこれが一番よろしいのだという成案をもって行なうならば、経済的にペイできるものは何%、国家の財政力に待たなければならぬところは何%、こういうものが出て参ればわれわれはこれと取っ組んで参るわけです。大蔵省の諸君でもわれわれは説得いたしましてやって参るわけです。こういう点で、従来やりましたあるいは道路公団がいいところだけをやりまして、そろばんじりをそろえたそれだけを金科玉条として、憲法のごとく心得てやりましては、この中央道というものはできないのであります。こういう点で私は建設大臣にもほんとうは聞いてもらいたかった。下僚の諸君もまだそういう従来ありふれた知識と経験を積み重ねて、これでなければならぬ、できぬという考え方に拘束されているのじゃないだろうか。これは大蔵省といういばっている役所がありますからごもっともな点もありますが、これを啓蒙いたしまして国民に奉仕させるということはわれわれの仕事であります。われわれは勇敢にこれに取っ組んで彼らを承服せしめてやって参る決意を持っておるわけであります。こういう点で私はもっと前向きに力強く、しかもわれわれに御相談を下さいまして、この問題に前進をしてもらいたいということが一点。
 いま一点は、いわゆる調整費が問題になっておりますが、これは本来は官庁では都合のいい費目なのです。行政観念あるいは財政の観念からいきまして、調整費とは何ぞやということになりますと非常にむずかしいことになりますが、大所からこれを判断すれば、その事業を推進するに役立つ金に使っていい。他の金は各費目に入れられてどうにもならぬ。しかし、この金はその仕事全体をながめまして、ここに難所がある、ここに金をつぎ込めばうまくいくという場合におきましては、非常に弾力をもって使える金であります。ですから、道路計画が今後五年間持つとは思いません。早晩改定になるでしょう。このような場合においては一つの目的に向かっての調整費をきめまして、この調整費が全体の仕事に奉仕できる、役割が勤まるというような考え方において御折衝願いたいし、またその点について事務当局同士において話がつかぬという場合におきましては、私ども幾らでも予算折衝いたしました経験を持っておりますので、一つわれわれを大いに使ってもらいたい、こういうことを、これはむしろ要請をするわけでありますが、先ほど中村建設大臣のお話を伺いましても、今の段階で私どものような考え方をしても無理のようでありますが、私は中央道を作るということがきまってここに国民に夢を与え、希望を与えておる、これが実現することに向かって国民の総力をあげて協力を仰がなければならぬわけでありますから、全体の目的に調整費などという金は使えるように――これは五年間で二十億ですからそう少ない金ではないのですよ。だから、調査費というものはそれぞれ名目を設けて計上せられておるわけでありますから、この調整費の役割とは何をするんだということも当面問題になるわけであります。私どもは、この法律が特別に背負っている任務というものを高く評価いたしまして、そこでこれは、岐阜も長野もずっと通って参っていかないとこの法律は生きていかない。八王子まで――私どもは八王子の方でありますが、行ったって、こんなものはこの法律としては役に立たないのです。私どものねらっているのは、そういう未開発の地域を開発するというところにこの大きな使命があるわけでありますから、こういう点を経済効率とか従来――岸さんが今病気とかどうとかいわれて、それは非常に御心配でありますが、これは既成観念でおやりになってはできない問題であります。こういう点を十分理解されて、またこれに対する大臣の所見を伺いたいのでありますが、おりませんから、道路局長は道路の最高責任者としてどのような御所見でありますか、伺いたいと思います。
○河北政府委員 道路局長に答弁しろということでありますが、地域格差の是正とかいう問題につきましては、これは直接のお答えにはならぬかと思うのでありますが、一級国道の二兆一千億のこの道路整備五カ年計画におきましても、一級国道の五カ年内における完成、それから二級国道につきましては十カ年で舗装までしてしまいたいというような目標を立てて、私ども道路整備の促進に努力いたしておる次第でございます。と同時に、またそれらのことが地域格差の是正にも役立つというように考えております。従いまして、中央道の小牧−富士吉田問につきましてもお説の通りでございますが、私どもといたしましては、財源的に限られておりますので、次の五カ年計画を立てられる時期までには間に合わせるようにこの調査を進めておきたいという工合に考えております。
 それから、二十億の調整費の問題でございますが、これは先ほど大臣がお答えになりましたように、私どもといたしましては、中央道の東京−富士吉田間、それから東海道というものに事業の進捗を見合わせまして投入するという工合に考えております。
○金丸委員 関連して一つ。あす道路審議会があるようですが、基本計画の案としてお漏らし願えれば非常に幸いだと思うのですが、上野原−大月線ということで中央道は道路審議会に提案なされるのか、その辺を一つ承りたいと思います。
○河北政府委員 私どもがあすの縦貫道審議会にお諮りいたしたいと思っております案は、御指摘のように八王子の北を通りまして、桂川の渓谷に沿って大月を通り、富士吉田に達するという路線を考えております。
○二階堂委員長 前田義雄君。
○前田(義)委員 道路局長にお尋ねしたいのですけれども、大臣がおいでになりませんから蒸し返すようでありますが、一ぺん予算分科会で局長が御答弁になった二十億の調整保留分についての御所見を承りたいのであります。それは大臣が調整費ということで二十億盛り込んだ、こういうことで結末がついておりません。今後この二十億円をどう使うかということは、もう少し今後の推移を見てできるだけ効率的に使用したいと考えておる、こういう答弁があった直後に河北道路局長は、東海道または中央道の東京−富士吉田間のいずれかに使えるという工合に理解しておる。さらにまた楯委員の次の質問に答えて、調整費は今御指摘の通りという工合に考えております。富士吉田−小牧間には予定しておりません、こういうふうな御答弁になっておるのであります。先ほどからの御答弁を聞いてみますと、まさにその通りの御答弁になっておりまするが、また大臣も今申し上げたような前の答弁があるにかかわらず、調整費というものは東海道八百四十四億、それから中央道四百十六億、その半端をとって、一方は十六億取り、一方は四億取って二十億の調整費を作ったのだ、数字的にまことに簡単なお話があったわけであります。しかし、私どもの理解をしておるところによりますると、そう簡単に四百億が生まれ、あるいは八百四十億が生まれたというふうには理解をいたしておらないのであります。なぜかといいますと、大蔵省との折衝過程におきましても、大蔵省は三百数十億しか認めないというような状態が続いておりまして、最終的にはこれは政治的に調整がとられて、そして四百億となりあるいは八百四十億となった、こういうことであります。しかも、この二十億の調整保留分というものは、必ずしも四億をとり十六億をとって、やむを得ないから調整保留分にした、こういう考え方ではなしに、この調整保留分というものは、政治的な配慮によりまして――今後小牧−富士吉田間の調査がどんどん進みますと、従って基本計画も立つであろう、そういう場合に十分な配慮をしなければならぬという政治的な含みを持ってこの問題が調整保留分となったと私は承っております。また、その最高責任者からもそういうふうに私は聞いておるのであります。従って、岐阜県あるいは長野県等におきましては、関係方面はもとより、県民あげてそのように理解をしておるわけです。しかるに、過日の分科会におきまして、簡単に東京−富士吉田間である、その間しか使えないというふうに断定せられたということは、はなはだ私どもは意を解しないわけでございますが、なお一ぺん局長からその御意見を承りたい。
○河北政府委員 調整額の二十億の問題でございますが、先ほど当委員会で大臣からもお答えがありました通り、私どもといたしましては、中央道につきましては東京−富士吉田間、それから東海道、それらの事業の進捗を見まして、そのいずれかに二十億というものは投入されるべきものだという工合に考えております。
○前田(義)委員 大臣にお尋ねしたいのであります。大臣が二月二十四日の予算分科会で御答弁になっておるところによりますと、調整費というものはまだ結論が出ていない、こういうことになっておるのであります。しかるに、先ほどのお話を聞いておりますと、調整保留分というものは東海道の四億と中央道の十六億とをとって二十億にしたのだ、従って、これは東京−富士吉田間あるいは東海道しか使えないのだ、こういう簡単な御答弁であるわけであります。私たちが理解をするところによりますと、そういう簡単な数字操作によってできたということではなしに、この二十億というものが決定されるときには政治的配慮が加わって、少なくともこれは中央道と称する東京−小牧間に使用できるのだ、そういう政治的配慮が加えらるべきだという観点から二十億というものが生まれたということをそのときの最高の責任者からも聞いたわけであります。そういうふうに県民もまた理解しておるわけですが、それはどうでありますか、もう一ぺん大臣から承りたい。
○中村国務大臣 実は率直に申し上げますと、私どもとしましては、五カ年計画の予算配分の際に、中央道については多分四百十何億という予定で他の省と折衝をしましたところが、四百億よりももっと下回るように中央道を押えたいというほかの方の空気がございまして、五カ年計画を早く閣議決定に付議いたしたかったのでありますが、なかなか折り合いがつきませんでしたので、その折衝段階で最後に私が提唱をいたしまして、四百億をさらに切るなどということはひどい、それじゃ四百億ということにして、あとの端数は保留分として残そう。同時に、東海道の方も端教を合算して二十億というものが保留分に相なりましたので、私どもとしましては、東京−富士吉田間をまず中央道の突破口と申しますか、先口として実施することになりました以上は、できるだけこれにも十分の――十分とは申せませんが、できるだけ多くの金をつけまして促進をいたしたいというつもりであったのでありますが、なかなか関係方面との意見が一致を見ませんので、二十億というのは融通性のある金額という意味で保留をいたしましたようなわけでございます。従いまして、先ほども申し上げましたように、東京−富士吉田間を完成するのにも四百億ではとうてい足りませんので、当然この二十億の使途は、今の観念では、また五カ年計画の前文に書いてあります趣旨からいいましても、東京−富士吉田間に使用すべきものになっておるわけでございます。しかしながら、先刻来もいろいろ御議論がございますから、私ども五カ年計画はすでに閣議決定をいたし、国会にも御報告をいたしまして御承認をいただいてきまっておるものでございますので、われわれ一存ではななかかむずかしい問題でございますが、皆さんの御議論をいろいろ拝聴いたしまして、この点につきましては今後とも何か方法があるかどうか研究をして参りたい、かように考えております。
○前田(義)委員 もう一点お伺いをいたしたいと存じます。この二十億の調整保留分についてはここで議論になった線もあるから将来検討したい、こういう御答弁でありますので、そういう点については、東京−富士吉田間だけというふうに定義づけないよう一つ十分な御配慮をお願いいたしたいと存じます。しかもこの小牧あるいは中津さらに飯田、こういう方面には市町村の公有地がたくさんあるのでありまして、わずかの費用で買収ができる。しかも岐阜県など公有地は無償提供も辞さないというくらいの決意を固めつつあるわけであります。そういう点も十分配慮願いまして、二十億の調整保留分は最も有効に活用していただきたい、かようにお願いするわけでございます。
 次に、もう一つ御質問申し上げたい点は、分科会におきまして、大臣は、五カ年計画も今日の道路の需要状態から考えて適当な時期に改定をしなければいけない、さらに、改定になるとか、あるいは経済状態が許すようになれば、東京−富士吉田間に限らず、他の方も直ちに着工する方法をとりたいのだ、こういう意味の御答弁もあるわけであります。私どもといたしましては、もちろんそういうことを期待するのでございますが、現在の五カ年計画というものは、これは中央道に限らず一般府県道にいたしましても非常に伸びがないのであります。従って、そういうことを考えますと、三十八年度においては何としても改定をしていただいて、そうして二兆一千億を大幅に増額していただきたいという大きな希望を持っておるわけでありますが、これに対して大臣のお考えをお聞きするとともに、一千万円でありますけれども、この一千万円を有効に活用して、小牧あるいは富士吉田の間についても早急に基本計画を立てるような方法を講じていただいて、改定になれば直ちに着工するのだというようなお考えについて、さらに大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○中村国務大臣 社会資本の立ちおくれということが一般的にもいわれておりますし、われわれも痛感をいたしております。従いまして、道路事業の規模もでき得るだけ早い機会に、できることならば現在の五カ年計画を改定し、さらに拡張をいたしたいという熱望に燃えておる次第でございます。ただ問題は、道路の財源が特定財源によって充てられておりますので、その特定財源であるガソリン税収入とも見合っていく必要が一面あるわけでございます。五カ年計画の当初でございます三十六年度につきましては、大体見込みました水準のガソリン税収入でございます。しかし、東京だけでも毎月一万台ずつの自動車の増勢を見ておる次第で、全国的にももっと比率は高く伸びていっておると思いますので、これらから見て特定財源がふえる時期が近くくると思います。この特定財源の増加をする時期及び、国の財政状態で今の状態が大蔵省との折衝ではぎりぎりでございますが、将来一般財源に余裕を生じてくるときには、この立ちおくれております社会資本の増強ということに投入をすべきことは当然でございますから、そういう時期を迎えましたら、早く改定、増額するようにすべきものである、かように考えております。
 また中央道につきましては、先ほど木村さんからも御議論がございましたが、実は三十七年度の中央道の残された部分の調査費として、われわれは一千万円を要求いたしました。木村さんは五百万円要求したというお話でございますが、一千万円要求しましたが、査定段階で五百万円に減らされましたけれども、皆さんの御声援もございまして、もとの一千万円に復活をいたしたわけでございます。一千万円も少ないことは確かに少ないのでございまして、早く実施、設計のできるまでに調査を完了しておくのにはもっと必要であることは考えられますが、一面におきまして東北道あるいは中国縦貫道、あるいは九州縦貫道、その他の縦貫道計画が立って参りましたので、この方は全く未着手といっていい状態でございますから、これにできることならば一千万円、二千万円ぐらいずつの調査費を入れて、これらも相当の基礎調査をしておきたい。中央道の方は、もうすでに二億数千万円の調査をいたしまして相当にできておりますから、いざというときがくれば、もう一息でやっていけますので、さようなわけでほかの方に調査費をできるだけ多く計上したいということで、中央道の方は三十七年度少なくなっておりますが、道路投資の規模が改定増額される見通しがつきましたときには、中央道については次の拡大計画の中で実施に移れるように、われわれとしましては万端の調査を完了させるように進めて参りたい、こう思っておる次第でございます。
○前田(義)委員 ただいまの御答弁でいろいろとわかったわけでありますが、この十月二十五日の委員会におきまして、大臣は二十億の問題につきまして、用地の買収その他工事の点につきましても、もう一息ここでやればできるのだというような場合には、この二十億の調整保留分というものを使うのだ、こういうような御答弁もあるわけであります。従って、この御答弁の趣旨からいきましても、一千万円の調査費等も足りなければ調整保留分を使ってもいいんじゃないか。従って、おそらくこの五カ年計画というものは早晩改定されるものだとわれわれ考えるわけでありますから、それまでには必ずこの基本計画はそういうものを利用して立てていただくということを特に念を押しまして、私の質問を終わります。
○二階堂委員長 午前の会議はこの程度にとどめ、午後二時より開会することとし、暫時休憩いたします。
   午後一時五分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時二十二分開議
○二階堂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 道路整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○二階堂委員長 まず、本案の趣旨の説明を聴取いたします。中村建設大臣。
○中村国務大臣 ただいま議題となりました道路整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 御承知の通り、有料道路の建設管理を総合的かつ効率的に行なうことを目的として日本道路公団及び首都高速道路公団が設立されており、また、同様の目的で阪神高速道路公団を設立するため、別途阪神高速道路公団法案を提案いたしておるのでありますが、道路整備特別措置法につきまして、従来の有料道路の建設管理の実際にかんがみ、これをより効率的かつ円滑ならしめるため、三公団の道路管理者の権限の代行、不法に料金を免れた者から割増金を徴収する権限等に関しまして所要の改正を加えることといたした次第であります。
 まず第一に、高速自動車国道に関しまして、日本道路公団に、建設大臣の指定した特別沿道区域及び沿道区域内の制限に関し必要な措置を命ずることができる権限等を代行させることといたしました。
 第二に、高速自動車国道以外の有料道路に関しまして、三公団に、道路管理者の指定した沿道区域内の制限に関し必要な措置をすることを命ずることができる権限を代行させることといたしました。
 第三に、高速自動車国道以外の有料道路に関しましても、三公団に、占用許可権限等を代行させることとし、その権限を三公団が代行するときは道路管理者の意見を聞きまたは同意を得ることといたしました。これに伴い占用料の徴収も三公団が行ない、その収入は三公団に帰属することといたしました。
 第四に、三公団は、不法に料金の徴収を免れた者から所定の料金のほか、その二倍に相当する額の割増金を徴収することができることといたしました。
 第五に、建設大臣は、三公団の管理する道路に関する道路の交通量、道路の構造その他道路に関し必要な調査を三公団またはその命じた職員に行なわせることといたしたのであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願い申し上げます。
○二階堂委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。
     ――――◇―――――
○二階堂委員長 次に、公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 前会に引き続き質疑を続行いたします。岡本隆一君。
○岡本(隆)委員 前の委員会で局長に質疑をいたしまして、この前払金保証事業についてのある程度の姿がわかったのでございますが、そのときには、大臣もおいでになりませんでしたし、私が質疑をいたしておりますときには、自民党では逢澤さんが一人おられただけであります。あと社会党の議員が五人おりました。六人でもって質疑をしておりました。こういうふうなことでございますので、きょうは、この前の委員会において質疑をいたしまして大体明らかになった事項につきまして、大臣のお考えを二、三ただしておきたい、このように思うのであります。
 まず第一に、前払い金保証制度のあり方の問題でございますけれども、この制度というものは、請負業者が事業を請け負う、そして途中で腰折れをした、とまってしまった、そういうふうな場合の損失補償ですね。請負業者にその保証金を積み立てさせておいて、その積み立てさせた保証金でもって公共事業の円満な遂行をはかる、こういうような考え方であると思うのです。しかし、よく考えてみますと、その保証料金は、工事の請負の中に見積もられて見積額の中に入っておるわけです。だから、結局それを発注者が払っておる、こういうことになるわけです。だから、なるほど一見その請負業者に保証料を払わしておいて、しかしながら、実質的には発注者が費用を負担しているということでございますから、実質的には国民が、税金であるとか、あるいは公共料金というような形をもって、その保証料を支払っている、こういうことになっていると思います。ですから、そういう意味合いからいきますと、国民が、保証会社というところのトンネルを通じて工事の完成を保証している、こういうことになるわけであります。従って、そういう事業をやっているというところの保証会社というものは、これは非常に公的な色彩が強い、こういうふうに私は認識するのでございますが、大臣は、その点いかがお考えになりますか、承りたいと思います。
○中村国務大臣 全く御趣旨は同感でございます。
○岡本(隆)委員 そこで保証会社の運営状況について考えてみたいと思います。
 まず、局長にお尋ねしたいのですが、この保証会社の三十五年の弁済した事故件数は一二十一件でございますが、その三十五年の保証契約をした件数は何件ございましたか。
○關盛政府委員 保証会社の三十五年の前払金の保証にかかる契約は二万八千余件になっております。
○岡本(隆)委員 そういたしますと、三十五年度は二万八千の保証契約をやって、そのうち事故が起こって弁済した件数は三十一件、三十四年度は二万三千余りの契約に対して二十件です。それから三十三年度は一万八千に対して十件、非常に事故件数というものは少ないんですね。そこで、一体それじゃどれぐらい弁済をしておるのかというのでもって、保証料の収入と弁済済み額との関係を見ていきますと、三十五年については、保証料の収入というのが九億六千万円です。それに対して、保証弁済費として支出いたしましたのが七千百万円、しかも今度廃止になりますところの保証基金の積立金、あるいはその他の利益の積み立てとか、そういうふうな金から入ってくるところの利息が二億二千万円あるんです。だから、三十五年度には九億六千万円の保証料の収入がある。利息が二億二千万円入ってきて、その中からわずかに七千百万円より弁済しなくてもいい、こういうような経理状態の会社がこの保証会社なんです。三十四年の実績を見ますと、保証料収入は七億二千万円、それからまた利息の収入が一億七千万円、それに対して保証弁済をいたしました金額というのがわずかに三千二百万円、こういうふうな状況になっております。
 そこで、これをもう一つ逆に考えてみますと、こういうことになるのですね。たとえば三十五年度の実績については、国民は、その租税あるいは公共料金の形でもって、保証料を九億六千万円払っておる。そしてその会社が管理費として使っておる経費は、二億八千万円使っております。だから国民は、九億六千万円の保証料を払い、経費として会社に二億八千万円使わしておる。その会社は利益金配当その他として五千九百万円支出しておる。そして支払って保証を受けておる金額は一体何ぼかといえば、七千百万円です。さらに、三十四年の実績を見ましても、国民が負担しておる保証料が七億二千五百万円、それで、会社は二億三千万円の経費を払って、五千六百万円の配当及び役員賞与金を支出して、保証した金額は何ぼかといえば、それよりもはるかに少ない三千二百万円であります。配当金とかそういうふうな利益金処分の金額よりも、はるかに少ない三千二百万円より保証しておらない。こういうことになって参りますと、国民の側になって考えてみますと、はたしてこの保証会社というものが、こんなわずかな危険率よりないものの保証のために、それだけ莫大な経費を使って、しかもそんなにたくさんの保証料を積み立てて、利益金はどんどんふえていく一方だ、こういうふうな保証基金の積み立てば今度なくなりますが、一体その保証会社というのは、これは必要なのかどうかということに疑問を抱かざるを得ない、こういうように私は思うのです。だから、そういう見地から、あまりに利益が――あまりにというと語弊がありますが、利益は相当積み重ねられている。だから、従来のような保証料の半額に相当するような保証金を、三年間も無利息で積み立てさせる、こういうようなことは要らないのだ、こういう考え方に立って今度の改正案が出たものである、こういうように私は思うのでございますけれども、大臣の御所見を承りたいと思います。
○中村国務大臣 この制度は、やはり業界の人たちが、いろいろ経済変動やその他の変化のありましたときの精神的な安定ということの上からも、非常に必要でございますし、また発注者の側から見ましても、公共事業が円滑に故障なく完成のできるようにしていく上からも必要なわけでございますが、ただ問題は、今御指摘がございましたように、保証料とか、あるいは今度下げることになりました基金制度の金とか、こういうものをこれだけ積み立てさせる必要があるかどうかという点が非常に検討すべき点だと思います。
 そこで、まだこの制度が起こりましてから十分の経験を積んでおりませんから、私どもとしては、なるべく自己資本の充実をいたしまして、安定した状態を築きたいという考え方を今日も持ち続けておるわけでございます。しかしながら、さしあたり日歩五厘の積み立ての分だけは、この辺で解除をいたしまして、積み立ての犠牲を少なくした方がいいのじゃないか、こういうことで、今回の改正をお願い申し上げておるわけでございますが、一銭ずつの保証料につきましても、今後の推移を見まして、われわれとしましては、自己資本、自己資金の充実と見合いまして、できるだけ適当の機会に軽減をしていくように努力をいたしていくべき性質のものであると思います。かような角度に向かいまして、今後も行政監督上遺憾なきを期して進んでいきたい、こう思っております。
○岡本(隆)委員 この制度ができますときには、大体どの程度の保証料をとり、どのような形にしていけばやっていけるかどうかわからないというのでもって、相当高率な保証料が定められ、さらにまた、その保証基金の制度というふうな面も振り返ってみますと、これは少し過酷であったのではないか、こういうふうにすら、この業績を通じてみますと思われます。だから、この数年間の運営を通じまして、この保証基金の制度が取りやめになったということは、これは時宜を得た適切な措置である、こういうふうに思うのでございますが、こういうふうにいたしまして、基金の財政的な基盤というものが相当今日まで――十六億という積立金を持っております。相当会社の財政的な基盤というものが安定をいたして参りますと、そうしますと今度は、利益金の処分について、やはりもう少し配当をふやしてもいいじゃないかとか、あるいは役員がもう少し賞与をもらってもいいじゃないか、こういうような考え方がもし出てくると、私は会社というものが非常に公共的なものである、しかもその運営というものは、国から補助金が出る、地方公共団体が発注をする、そういう場合には、行政指導でもって、保証会社で保証を受けなさい、こういうことになって、半ば強制的に業者は保証をかけさせられる。そういたしますと、今度はその保証料というものは、工事費の中に織り込まれているわけでありますから、一応それは、やっぱり業者の手を通じてでありましても、国民が出しておるというふうなことになるわけであります。しかも、普通の保険会社などでありますと、相当募集費といいますか、契約を集めるのに経費がかかるのでございますが、しかしながら、これは半強制的にかけさせられる制度でございますから、ほとんど募集費というものがかかりません。そういうことになって参りますと、これは普通の営利会社とは全く趣を異にする。従って、やはりその運営については、ある程度政府の方では行政指導をやってもいいし、また、当然やらなければならない。だから利益金の配当であるとか、利益金の処分というようなものについても、政府の方から相当厳重に監督していただく必要があるのではないか、こういうふうに思うのでございますが、大臣のお考えを承りたいと思います。
○中村国務大臣 御指摘の通り、配当金等につきましては、私ども行政上できるだけ押えていきたいと思います。たとい今後保証料の蓄積ができましても、これは将来の安定を期するための基金に積み立てさせるのが本質でありまして、配当にむやみに使ってしまっては困るわけであります。ただ問題は、この保証会社の出資者が関係業者から約六割、それから、こういった建設事業に資金の融通をいたしておりますような金融機関から四割の出資をしてもらっておるわけでございますから、これらの出資者の立場から考えても、年一割ないし一割二分くらいの配当は、資金を出す側の立場から考えてもやむを得ないのではないか。しかし、今申し上げましたように、たとい保証料の蓄積ができても、それ以上に配当をするということは適当でないと思いますから、これにつきましては、今後われわれ行政上十分注意をいたしまして、遺憾のないようにしていきたいと思っております。
○岡本(隆)委員 今の大臣のお言葉の中に、六割は業者が出資している。それから四割は、大体において金融機関が出資しておる。そういう関係で、ある程度配当もしてやらなければならぬ。資本主義の世の中でございますから、出資に対する利息ぐらいは出すことは私もあえて異を唱えようとは思いません。しかしながら、これは今言うような公共的な性格のものであり、そして業者が自主的な形で、公共事業の遂行を円滑ならしめるというふうな形でできておる相互扶助機関のような形をとっておりますけれども、しかし、これをまた裏返しにいたして見てみますと、なるほどそういうふうな意味においてできたかもしれない。しかしながら、その後の運営というものを見ていくときに、あまりに事故率が少ない。その事故率が少ないということは、業者にそれぞれランクがつけられる。君の方の資産の内容、事業の規模というものはこの程度のことよりやらせないんだという形でもって、幾つかのランクに業者は段階づけられております。そしてその危険が起こらないように行政指導がきちんと行なわれておる。だから、そういうふうに行政指導が正しく行なわれておれば、今よりも事故率は私は減らすことはできると思う。事故が出てくるということは、ある程度、情実であるとか、あるいはいろいろ頼まれたからとかいうふうなことで、やや業者の程度をこえた規模の事業を発注するところに事故が起こってくるのではないか。もちろん経済変動というものもあるでしょう。しかしながら、発注する場合に、指名入札をやらせる場合に、それだけのことを十分用心してやれば、事故率というものはますます私は減らすことができるのじゃないか。だから、そういう考え方に立っていきますときには、このような事故率の程度であれば、この会社というものは、どうでもこうでもなければならないとは私には思えない。しかし、これは主観の問題でございます。だからこれは、必要があるといえば、今までの功績というものはあったんでしょう。今までの功績もあったし、果たしてきた役割も相当あったと思います。そうしてまた、せっかくできておる事業体でございますから、私は今過去の業績を全く無視して、今になって、もうそんなものは不要だというふうな極論を吐こうとは思いません。しかしながら、今後もやはりこの会社というものが、事業が運営されるについては、良心的に、公共的な性格というものをみずからよく認識しながら、私は運営をしていってもらいたいと思います。たとえば役員の構成なんかを見ましても、東日本会社の会長は荒井さんという、元会計検査院の院長をしておられた人、また社長も、軍事保護院の総裁をしておられた。あるいは常務も、大蔵省の地方の財務局長をしておられたという方で、こういう人たちは、すでにもう恩給もとっている。だから、その給料は――こまかいことを言うわけじゃありませんが、この会社の総裁の給料は十八万だそうでございますが、そこへ九万という恩給がもらえるのです。そうしますと、まるで何か人のための事業じゃないか、こういうふうなことも、皮肉にとれば考えられないこともないわけです。だから、そういうふうな、さらに多くの利益金の処分の場合に、今度は配当を押えられたから役員賞与金をよけいとるのだ、こういうことがあってはならないと思う。だから、そういう点の運営についても、私は相当政府の方も指導をしてもらいたい。むしろそれよりも保証料金を下げていくという方向へ――この保証料金を下げるということは、国民の公共事業に対するところの負担を減らすということなんです。だから、業者の荷を軽くいたします。一時的な金融、金繰りというような点では、業者の肩の荷を軽くいたします。同時にそれは、国民の負担の軽減をはかることです。だから、そういう意味において、できるだけ早く――これは経営基盤が安定した、それはどれだけの蓄積をやれば経営基盤が安定しておるのかということについては、これはなかなか見解が分かれておるところだと思います。私はすでに経営基盤は安定しておるという見解に立っております。しかしながら、政府の方では、まだまだ、もっとより多くの積立金を積み立てさして、それによってもっと安定した事業体にしたいのだ、こういうことでございます。なるほどそう言われますと、北海道あたりの会社は、これはある程度――まだ不安定ということが言えるかもしれません。しかしながら、東日本、西日本については、私は相当安定してきておる、このように思うのでございます。従いまして、その運営をする人、またその監督に当たる者、いずれも、経営基盤が安定した、できるだけ早期にそういうふうに考えられる時期が――私は現在来ておると思うのでございますが、あなた方も、漫然とそういうふうな現在の制度のままを認められるのじゃなしに、絶えず注意しながら、そろそろ経営基盤はこれならよかろうということになれば、思い切った保証料金の引き下げというところに指導をしていってもらいたい、私はこのように思うのです。現在のその料金の立て方というものが、九十日までは百円について一銭なんです。九十日過ぎますと、一年までは三厘五毛、格段にどんと下がるのですね。ところが、短期のこういうふうな九十日までというものは、これは申し込み金というふうな意味のものが多少入っておる。最初の手数料というようなものが入っておるために高いということかもしれませんが、しかしながら、それにいたしましても、小さな事業ほど短期で済むわけでございます。だから中小業者の負担を軽からしめる、また、小さな地方の公共団体、そういうふうなものが発注するところの小事業に対する負担というものは、こういうふうな意味において、この最初の九十日の一銭、これをもう少し下げるというふうな方向へ私は持っていっていただきたい。料金の立て方について、どういうふうな形から減免措置を講じていくべきかというふうな考え方でございますが、私はそういうふうな、まず最初に九十日の方から、たとえば今の一銭を七厘に下げるとか八厘に下げるというふうに、まずそういうところから出発していっていただくべきであろうと思うのでございますが、その辺についてもお考えを承っておきたいと思います。
○中村国務大臣 御指摘のような点につきましては、引き続き今後十分研究をいたしたいと思います。ただ考えますのに、事故の件数などは、一つの経済の動きというものとも関係が大いにあるんじゃないかと思うのです。上り坂のときには割合に事故件数が多くなくて、下り坂になると、日本だけでなく、国際的な経済変動等がありますと、やはりその影響を受けるのじゃないかと思いますが、とにかく実績として前年も三十何件の事故件数があったということでございます。一件の事故が起こってそれを放置されるということになりますと、一波が万波を呼んで、その被害者というものは関係業者及び下請業者等非常な数になりますので、これらが安定した状態で公共事業が進められることが望ましいことでありますから、制度としてはいいわけでございますが、今御指摘のありましたような点については、国あるいは世界的な経済変動等がございましても、ある程度は安心な状態の基盤は築いておく必要があると思います。いずれにいたしましても、御指摘のありましたような点については、今後研究をいたしまして、引き下げ得るものはできるだけ早い機会に引き下げるように進めていきたい、こういうふうに考えております。われわれとしては十分善処していきたいと思います。
○岡本(隆)委員 この制度の中で事業をやっておるものは請負業者ですね。請負業者が途中で棒を折った場合に事業を残します。事業を残すだけでなしに、自分が今まで使っておった下請業者であるとか、その労務者であるとかいうものに対する賃金あるいは請負料、そういうようなものを不払いのままで放置するということがあって、公共団体に迷惑をかけると一緒に、今まで仕事をさせていた人間を非常にかわいそうな目にあわせておるというようなことを私どもは間々見るのです。そういう面についての補償というものがこの事業においては全然ないわけです。だから、もし余裕があるなら、そういうめんどうもこの事業を通じて見てやることができないか、私はこう思うのでございます。しかし、これは労働者との関係、その他の調整、いろいろ変わった問題も出てくると思うのでございますが、こういう面について建設省の方でも一つ検討していただきまして、将来できるならそういう方向へ進んでいく。それでもって棒を折った業者のしわ寄せを受けるさらに零細な、あるいはまた日々働いておる労務者の損害を救ってやる、こういうような点についても御配慮願いたいと思うのでございますけれども、大臣のお考えをあわせて承りたいと思います。
○中村国務大臣 十分検討いたしまして、善処いたしたいと思います。
○二階堂委員長 他に御質疑はございませんか。――他に御質疑はないようでありますので、本案に対する質疑を終局するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二階堂委員長 御異議なしと認め、本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○二階堂委員長 引き続き本案を討論に付するわけでありますが、討論の通告がありませんので、直ちに本案を採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二階堂委員長 御異議なしと認め、本案を採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○二階堂委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
○二階堂委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三派を代表し、岡本隆一君より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 岡本君より趣旨の説明を聴取いたします。岡本隆一君。
○岡本(隆)委員 私は、三党を代表いたしまして、ただいま議決されました公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。
 まず、決議案文を朗読いたします。
   公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、保証事業会社の運営については、その公共性にかんがみ、速やかに、自己資本の充実による経営基盤の安定をはかり、特に保証料の引下げ等中小業者の負担を軽減せしむるよう指導すべきである。
  右決議する。
 提案理由の説明につきましては、先ほど大臣に対する質疑の過程において明らかにされましたので、省略いたします。
 皆さんの御賛成をお願いいたします。
○二階堂委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本動議に対しましては別に発言の申し出がありませんので、本動議を採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者規律〕
○二階堂委員長 起立総員。よって、本動議は可決され、本動議の通り、附帯決議を付するに決しました。
 この際、建設大臣より発言を求められております。これを許します。建設大臣中村梅吉君。
○中村国務大臣 附帯決議の趣旨を体しまして、われわれといたしましては十分善処いたしたいと思います。
    ―――――――――――――
○二階堂委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に対する委員会の報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二階堂委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
     ――――◇―――――
○二階堂委員長 次に、建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 本日は主として建設資材等の単価問題でありますが、本調査のための参考人として日本道路公団理事海内要道君が御出席になっております。
 質疑の通告があります。順次これを許します。松田鐵藏君。
○松田委員 企画庁にお尋ねしますが、現在の鋼材の価格はどれくらいしておりますか。
○羽柴説明員 今私の手元に丸鋼、ブロック等の指数の資料がございますので、これについて御説明いたしますと、丸鋼につきましては三十七年十二月におきまして九七・八、これは九ミリメートルの鋼材でございます。今指数だけ持って参りましたので……。
○松田委員 金額はわからぬのですか。
○羽柴説明員 大体四万円程度でございます。詳細につきましては後ほど申し上げます。
○松田委員 セメントの単価はどれくらいしておりますか。
○羽柴説明員 セメントは大体六千七、八百円程度と思います。
○松田委員 国民生活のために非常に重要なものは、米、みそはもちろんのこと、鋼材やセメントというものも生活の上からいって最も重要なものであろうと思います。それから、われわれの建設行政からいっても、セメントと鋼材は非常に重要なものであります。森政務次官にお伺いしますが、最近のセメントが非常に高くなっておる、こういう点から一つセメント事業を御説明願えれば、大へんけっこうだと思います。
○森(清)政府委員 今松田さんからセメントが非常に高くなったというお話がございましたが、これはメーカーの仕切り値は変わっておりません。依然として六千百七円でございますが、御承知の通り、最近非常にセメントの品不足を来たしております。そのために小売価格が相当高くなっているように聞いております。このセメントが品不足を来たしております理由は、一つには非常に好天気が続きまして、昔から寒のうちはセメントが打てないというふうにいわれておりましたのを、小春びよりのような日が続きましたために、非常に工事が進捗いたしました。それが一つの理由になっております。第二の理由といたしましては、御承知の通り、三月の期末を控えまして、官公庁の工事が非常にはかどってきているということでございます。セメントの生産量は非常にふえているのでありまして、昨年度と比較いたしましても、一月には一七%、二月には二二%程度ふえてきておりますが、そうした先ほど申し上げました好天に恵まれたのと、期末にあって官公庁の仕事が非常にはかどったこと等が理由になっているのでございます。
○松田委員 外国のセメントの価格は、どのような価格をもって輸出されておりますか。世界の相場。
○増田説明員 国内における相場は、ただいま森政務次官から言われました六千七百円前後でございますが、輸出値段につきましては、大体FOBが五千円ないし五千四百円程度、こういうことになっております。
○松田委員 そのセメントの生産というものが順調にいっておる。それから伸びも相当伸びておる。冬期間であってセメントの需要がないものと思っておったところが、好天候のためにセメントの需要がふえたということになっておりますが、これはやはり通産省としますと、一年の需要の計画をお立てになって、そうして業界を指導されておることだろうと思いますが、こういう点はどういうことになっておりますか。
○森(清)政府委員 もちろん通産省といたしましては、一年の需要計画は立てまして、おおむね三十七年度におきましても二千七百万トン程度立てておりますし、三十六年度におきましても、二千五百万トンという計画を立てておるわけでございます。ところが、先ほども申し上げましたように、大体例年一月、二月、三月という月は非常に需要が減る月でありまして、そのために、セメント会社等にいたしましても、一月が年一ぺんのキルンの掃除をする月として、大体一日、二日の休みをとっておるような状況でございます。ことしもまたそうしたことをやったのでありますが、しかし、生産は、先ほど申し上げましたように、非常に伸びつつあります。
○松田委員 現在のような品不足はいつ解消されますか。
○森(清)政府委員 実はこの問題につきましては、非常に重要な問題でございますので、先般私はセメント業界の人たちを役所に招致いたしまして、督促をし、事情も聞いてみたのでありますが、この状態で増産に拍車をかけましても、四月の半ばごろまでには関東地区におけるセメントの不足は解消いたさないということであります。
○松田委員 四月なら出回りになるのですか。
○森(清)政府委員 半ば過ぎには出回るようになります。
○松田委員 これは関東のような雪のないところは工事が進んでおりますが、東北や北海道のように雪のあるところは、工事というものは今やっておらない。こういうところのセメント工場というものは、あそこに二つもあるという状態です。こういうものはこっちに回すことができなかったのですか。
○森(清)政府委員 もちろんあたたかいところ等でのセメント、たとえば九州地区、中国地区というようなところのセメントを機動的に不足している関東地区に回すような手配をやっております。北海道では一工場あります日本セメントの工場は、現在雪のために休業中であります。北陸関係でも一つ二つとまっておりますが、機動的にセメントは融通し合うようにはしておりますけれども、いかんせん貨車回りも思うようにいかず、多少支障を来たしている点も多いのであります。
○松田委員 実は前の委員会で参考人に来てもらって、そしてセメントで中小企業の人々が非常に困っている。それは資材が値上がりしているからだ。そのときのお話では、セメントは一袋三百七十五円だ、それが現在は二百円高の五百七十五円でなかったならば手に入らぬ、こういうことだった。どういう理由かというと、もう東京ではセメントがないために、工場まで取りに行かなければならぬ。取りに行くためには、二百円の運賃がかかる。スピードを少し早くすれば、つかまって罰金を取られるというと、また十円なり二十円なり取られるという。実に困ったもんだというのが、東京、神奈川の地区の中小企業の人々の御意見であったのであります。こういう面は、工場は日本に幾つあるかわかりませんけれども、よそに工場を作るということも今はできないような状態である。品不足だからといって、一ぺんに工場を作ることもできないだろうし、また通産行政からいっても、そうむちゃに工場を許可するということもできないだろうが、こういう面で、極端な例であるが、三百七十五円に対して二百円も二百二十円も高くしなければ今入手されないという状態に対して、どのような考え方を持っておられるのか。こういう点で、もし対策が、四月の半ばまでならばいいけれども、今やめてもらってもいいのだというならば別だけれども、何か工場との関係において御指導を願って、こういう業者に対するできるだけの便宜をはからってやるようなことができ得ないものかどうか、こういうことであります。
○森(清)政府委員 先ほども申し上げましたように、増産計画につきましては、あらゆる努力を傾けまして、目下その増産に努力中でございます。しかし、現状は、ただいま松田さんの言われたように、メーカーが六千七百円で仕切るものが一万数千円というふうなことになって、大きな業者にありましては、あらかじめその工業に対するセメントの獲得はしておりますので、それほどの被害はありませんけれども、中小企業におきましてはこれが非常に深刻化している現状であります。そこで、私どもは、なるべくセメントのいわゆる問屋でございますか、こういうものに、大手を少し省いても、中小にやや潤沢に回るように努力するように指令をしております。しかしそれでもなかなか思うように参らない。そこで、目下セメントの余っておる地区から、鋭意船積みもしくは貨車積みで東京・関東地区にセメントを集めている最中でございます。
○松田委員 企画庁にお尋ねしますが、ただいま通産省においては、今まではこういう事情によって非常にセメントが不足をした、小売業者もそれがために高いものを買わざるを得なかった、できるだけそれに対する善処の方法を講ずるように考えておられる、しかし、大口業者に対しては、相当手持ちも、契約もされて、むだがないように考えられるというお話でありまするが、公共事業に対するセメントの需要というものは、もう計画というものはぴしっと立っておるわけでありますが、こういう点に対して企画庁はどのように善処されておるか。たとえばダム工事だとかいろいろな公共事業関係――よそのものは別だが、こういうものに対して万全な対策を立てておられるのかどうか、この点をお伺いしたい。
○羽柴説明員 経済企画庁といたしましては、きょうはセメントのお話でございまするが、セメントはもちろん値上がりをいたしておりまするが、物価対策全体といたしまして、今度あらゆる角度から値上がりを防止するような措置を講じておるわけでございます。それで、特にこういうようなセメント等の問題につきましては、先ほども政務次官からお話がございましたように、いろいろな隘路があって、これを打開しなければいけないのでございますが、基本的には流通機構の問題等も打開しないと、これが根本的な解決は望めないわけであります。従いまして、今度物価全般について総合対策を十三項目にわたりまして樹立いたしまして、各個別の対策につきましては各省から今月一ぱいに報告していただきまして、それによって今後の具体策を講ずる、こういうことになっております。これは流通機構の隘路というものの円滑化という問題に入るのじゃないかと思うのでございます。
 さらに、先ほどダムの話が出たのでございまするが、これは経済企画庁の総合開発局におきまして、全般の日本の総合開発ということを研究しておるわけでございますが、問題は二重構造というようなところにあるわけでございまして、これは地域間におきましても、また産業間におきましても、また大企業と中小企業との間におきましても、この二重構造の問題が非常に隘路になっております。従いまして、この二重構造の緩和ということが非常に先決問題になって参りまして、特に社会的間接資本、たとえて申し上げますならば、道路であるとかあるいはまた港湾であるとか、こういうような間接資本の増強につきましては、今後とも総力をあげましてこれの進捗に向かって努力をいたしたい、かような基本的な考え方を持っておる次第でございます。
○松田委員 そういたしますと、セメントに対しては、ただいままで通産省の御説明のあったこと、また経済企画庁はただいまの御説明があったので、まあ四月の半ば以降になれば絶対にこれは心配ないと解釈して、了承して差しつかえありませんか。
○森(清)政府委員 今までの計画通りに参りますと、四月の半ばになれば一応関東地区はこの悩みは解消すると思います。
○松田委員 日本全体の話を一つ御説明願いたい。
○森(清)政府委員 日本を全体的に見ましては、関東地区を除いては一応心配のない状態でございまして、関東地区が目下非常に困っている。その困っている関東地区に対して、やや潤沢にある地区から船輸送あるいは列車輸送で持ってきておりますから、多少影響がありますが、問題は関東地区が解消すれば、必然的に全国的にセメントの問題は解消するわけであります。
○逢澤委員 ちょっと関連して、この機会に私……。今セメント事情が非常に不円滑になっておるということは関係各省が御確認になっておる。建設大臣も経済企画庁関係の方々も御確認になっておられるのですが、そこで先般も私ども委員のところに非常に広範な陳情が来ている。それは年度末に際して工事をやる材料が不足した、そこで工期が非常に遅延した、それで年度末に対する工期の遅延に対しては、政府として何らか考慮してもらいたいという陳情が来ておるのですが、これに対して建設大臣、関係当局ではどんな考え方を持っておるか、ちょっと拝承したいと思います。
○森(清)政府委員 私ども通産省といたしましては、こういう事態になりました際、何とか増産計画をして御心配のないようにしたいと思ったのでありますが、実際問題としてなかなかその解消が困難だと見きわめましたので、もう一カ月ぐらい前になるんじゃないかと思いますが、関係各省、たとえば建設省あるいは自治省あるいは会計検査院、こういったところに、工期の迫られている工事が、セメント不足のためにややもすれば工期がおくれるかもわからない、一つ御了承を願いたいという御連絡はしてございます。
○逢澤委員 そこで建設省はどういうようなお考えでありますか。
○中村国務大臣 この点につきまして具体的に検討いたしまして、支障のないようにいたしたいと思います。われわれといたしましては、通産省がセメントの生産関係の所管をされておりますので、できるだけ充足をしていただくようにお願いはいたしておりますが、そのために工期の問題が出て参りますれば、具体的に相談をいたしまして、支障のないようにいたしたいと思っております。
○松田委員 品物は四月の半ばから順調に出るというが、価格は経済企画庁ではどのように考えておりますか。上るようなことはありませんか。
○羽柴説明員 来年度の価格につきましては、私どもの方では、卸売物価は全般的には下がる、かように考えておるわけでございます。消費者物価の方は、若干、二・八%程度上がると見込んでおりますが、卸売物価は大体二・六%程度は全般に下がる。従いまして、かようなセメント等の値上がりに対しましても、まあこれは企画庁の所管でございますが、できるだけ値上がりしないように考慮を払いまして、値上げ抑制に向かっては努力をしていきたい、かような考え方でございます。
○松田委員 卸売価格は下がる、小売価格はできるだけ上がらないように努力するという話はどういうわけですか。話が違うじゃないか。
○羽柴説明員 卸売物価は全般的に下がってくるという傾向に今あるわけでございます。これは主として木材価格が、去年の緊急対策によりまして、緊急輸入とかあるいは緊急増産というようなものとされましたが、木材価格というものが比較的値下がりをしてきた。これが卸売物価値上がりの非常な原因になっておったわけでありますが、これが値下がりしてきたために、割合卸売物価は落ちついて参りました。ところが、それに比較いたしまして、消費者物価というものは、いろいろの高度成長の問題もありましょう。また賃金等との関連もございましょう。消費等もふえた、いろいろな要因から若干ずつ上がってきておるわけであります。従いまして、その消費者物価は若干は上がる予定でございますが、その上がりをできるだけ押えていく、かような施策を来年度についてはとる、こういう意味でございます。
○松田委員 私が冒頭に申し上げたのだが、米やみそと同じように鉄とかセメントというものは生活の必需品です。それが卸売物価が下がるということからいけば、小売物価が上がるというようなことに対して、あなたの方とすれば厳重な監督をしなければならない。実はこのセメントはメーカーが少し上げようということでやったのだから、通産省は、今言われませんでしょうけれども、そういう意図も多分に含まれていると私は推察しておるのだ。また業界の方からも聞いておるのです。セメント業界から、少し苦しめてやったら上がるのだ、こういうとんでもない意図を持ってやったようにも考えられる点もある。経済企画庁はすべての物価を下げよう下げようというのに、一番重要なこういう米と同様なものをよく監督してもらわなければいかぬと私は思うのであります。
 次に、セメントはこの程度にしておきたいと思いますが、大臣にお伺いします。実は私の北海道における函館建設部、ここの建設部長というのが非常にりっぱな役人であった。この役人が、何も事故一つしないのです。実にまじめなりっぱな模範的な尊敬されておる建設部長であった。ところが、北海道の建設部全部が全部、工事をやるのにもすべてが業界に請け負わしてやっておるものですから、直営というものをめったにやらぬものですから、こういう鋼材だとかセメントだとかいうものをみなそのままにして、単価を役所できめて、そうして競争入札をもってやっておった。函館だけは、かつての戦争直後の品物が悪いとかなんとかということから、入手難というようなことから、函館建設部だけが官給品であった。その官給品であったのに対して、これはずっと下の役人だが、まあセメントの係の役人がセメントを販売しておるところから二、三回ごちそうになったのです。それは悪い意味じゃないごちそうだと思うのですよ。それがよそからさされちゃった。それがために、このまじめな建設部長が責任を負わなければならなくなった。そこで、函館の建設部長を責任上やめさせられて、今局へ行っている。実に気の毒な人だと思う。技術も優秀な……。そういうことが昨年の秋に北海道でありました。業界の者だったのだ、それが。さて、私は最近のセメント事業に関する資料というものを建設委員会の調査室から書類をいただいた。これを読んでみますと、実は僕が意外に思っているものは、四割は官公需というのです。六割は民需であるというのです、小売も何もかも全部入れまして。それをこの割合は五対五に変わりつつあるというのです。こういう資料が来ておるのですよ。それから、私は、ただいま申し上げるように、函館の建設部長を気の毒だと思っておるところに、その資料をもらったわけです。これはとんでもないことだ。よって、この前の委員会のとき、参考人に対して――これは大林組かの社長に、あなた方の業界からいったら、こういうような希望を持っておるかということを聞いたのです。できることならば、自分らに、業界に請負をさしてもらいたい、それを全部支給されておるのだ、これには実に困っておるのだということを、委員会で発言されたのです。特にそれは道路公団にはなはだしいということです。それから、道路公団というものをどういうものかなと思いまして、さあそのときにおいて道路公団の横暴だということで、兵庫から大挙して委員会へやって参りまして、まあ声涙ともに下る陳情をされたのですよ。それは道路の変更をするとかしないとかということだから、この資材の問題とは関係ないことであります。またそれから道路公団というものの――道路公団からだれか来ておりますか。
○二階堂委員長 見えています。
○松田委員 しっかり聞いておいてもらいたい。ああ、君か。あなたは一体前歴はどこだ。
○海内参考人 前歴は炭鉱の坑内の石炭掘りです。
○松田委員 ああ、いいところにいたのだな。どこの炭鉱……。
○海内参考人 九州、北海道、樺太。
○松田委員 それでどこの会社……。
○海内参考人 会社は非常に小さい会社で、十何年は石炭統制会から石炭協会におりました。
○松田委員 名前は何というのだい。
○海内参考人 海内。
○松田委員 あまりえらくないのだな。あなたは責任を持った御答弁ができるのですか、理事であって。総裁岸という人は病気でどうにもならぬというのだな。上村という人は副総裁のようですが、この人はいなかったのですか。
○海内参考人 総裁が今病気でございまして、副総裁もいろいろそういうことで……。
○松田委員 副総裁も病気ですか。
○海内参考人 そうじゃございません。病気じゃございません。
○松田委員 どうしておいでにならない。
○二階堂委員長 ちょっと委員長から……。
○松田委員 ちょっと、おれは聞くのだ。
○海内参考人 副総裁には呼び出しが来ていないのじゃないでしょうか。私はその間の事情はよくわかりませんが……。
○松田委員 どういうことだったの。だれを……。この海内という人を呼んだの。
○二階堂委員長 実はけさ理事会において御了承をいただきました通り、岸総裁を呼び出そうと思いましたが、ちょうど非常な危篤の状態にあられるというので、三理事をここに呼ぶことにいたしておったのです。ところが、理事の方々の御了承を得まして、きょうはよかろうということにしていただきましたが、午後から海内理事が特に参考人としておいでになったわけであります。
○松田委員 理事会できまってこの人を呼んだということか。
○二階堂委員長 理事会で御了承をいただきましたので、その点だけは松田委員に御了承を願います。
○松田委員 それならばけっこうだが、ともかく国会に道路公団から参考人として呼んで、ここでもっていろいろな意見を聞くというのに、私は炭鉱におりましたという何もわからないような海内とかいう理事が来て、副総裁というものが――それでもあなた筆頭理事なら別だ。これは国会を軽視するものだ。そういうことで理事会がこの人でいいというなら別だ、そういうことできまったのならば。しかし、総裁が御病気であったならば、国会から呼んで、建設大臣の監督のもとにある道路公団の中から、大臣が御出席されているのに、名前もわからぬような、君、理事が来て何をしゃべれる、ほんとうのことを言ったら。まあ、それはいい、理事会できまったというのだから。大臣、こういうことなんです。そこでもって、セメントは、道路公団においては、全部かどうかわかりませんが、大体全部官給品だ。一体これでもって――そうしてとかくの評判があるんだ。今与党として委員会においてそういうことを一々私はあばくようなことがあってはいかぬと思う。どういうわけでもってこういう工合に官給品として公団が支給するようにしておるかどうか。これは当然業界の力によってやるべきだと私は思うんですがね。つまり公団の仕事をするような人々は――業界というものは一流の人だと思う。参考人の意見を聞くと、私どもは不正なことは絶対いたしません。そうしてわれわれは責任を持った立場において事業を営んでいくものであります、何とか一つ公団から支給されないように、規格はどのようなことでも守ります、監督もあります、また監督をされてもいい、自分の会社の面子にかけても、名誉にかけても誤ったようなことはいたしませんと、こういう先日の御意見であったのであります。これらに対して、一体海内とかいう理事はどういうようにお考えになっておるのか、あとからまたあなたの御答弁によっては御質問をしていかなければならないのだが、こういう点を一つお話しを願いたい。
○海内参考人 道路公団が発足いたしましたのは昭和三十四年でございますが、当時この資材を道路公団の支給にするか請負業者の方の責任にするかというようなことについて、いろいろ研究をしたのでございますけれども、当時はたまたま鉄の非常に不足したときでございまして、鉄材を入手することはほとんど不可能なくらい困難なときでございました。なお、セメントにつきましても、当時はそれほど逼迫しておりませんでしたが、一、二年前などは非常に逼迫しておった状況があったものですから、一応資材は道路公団で支給することにしようということにきめまして、その後その方式で今日まで鋭意やってきておるわけですけれども、幸いにしてさしたる不都合も起こらないできているわけであります。なお、最近に至りましては、セメントの非常な逼迫状態でありますが、私の方の仕事に関しましては、それほど逼迫の影響も及ばずきておる状態でございまして、大体いきさつとしましては、そういうことで、ことしも私の方の支給ということになっているわけでございます。
○松田委員 あなたの方で、セメントを自分の方で支給している。それに対してどれだけの人間を使っておりますか。
○海内参考人 セメントを支給しているために使っている人間は、今ここで私はっきり数字を申し上げられませんので、後刻調べて御報告申し上げたいと思います。
○松田委員 だから君じゃいかぬと言うのだ。国会で質問されるとしたならば、どういうところが質問されるかぐらいのことを考えて来なさいよ。なぜあなたの部下を連れてこないんだ。僕が資料を出せと言って、なぜ出さない。いいですか。あなたの方から何回も電話がきている。わからない者が来たってどうなるんだ、一体。そういうのが道路公団の理事でございますと言うんだ、国会で答弁できない者が。つまり、それは五人や七人じゃないだろうと思う。幾ら使うのですか。去年は幾ら使ったのですか。
○海内参考人 昨年のセメントの使用量は十八万五千トンでございます。
○松田委員 十八万トン使うのに何カ所の事業所があるのですか。
○海内参考人 事業所は六カ所でございます。
○松田委員 そこで、一事業所でどのくらいセメントの係がおるか、これはあとで調べて出して下さい。
 そういうことで一体――あなたの方は役員室にふんぞり返っておるから何もわからぬだろうが、道路公団に対する工事は非常にいいということを聞いておる。それは建設省から聞いておる。実にりっぱな工事をされておるということを聞いておる。しかし、道路公団の経理は、あなたの方でやって、あとは建設省で指導されて、監督官庁に指導されて、やっているのだろう。しかし、今局長さんにあなたの方を指導せいと言ったって、みなボスばかりで先輩ばかりいるのだから、あまりやらぬのだ、ほんとうのことを言うと。いいですか。それをいいことにして、要らない職員を使っているのだ。三人や五人の者じゃないだろう。それが一体どこのだれです。先ほど岡本さんがああいうようなお話をされたことも、君は今聞いておるだろう。建設省は忙しいから、一々あなた方を監督するというたって、そうそうできはしない。この間課長が来て言うておった。そういうものに対してもルーズな仕事をして、外部からは怨嗟の声を向けられておるのだよ。そういう思想が全部大衆に対して影響して、あのように怨嗟の声として国会にきておるのだ。一体セメントは何ぼで買っているのです。
○海内参考人 セメントの値段は六千六百円でございます。これは関東地区のセメントは大体国鉄の価格というものがございまして、私の方はその国鉄の価格で買うということにしておりまして、買いますときは、セメントは手近な工場からなるべく買うものですから、国鉄の価格よりも若干安く分けていただいております。
○松田委員 経済企画庁に聞きますが、あなたの方で、セメントのメーカーから、つまり工場から卸売業者が買う場合、どのくらいの手数料があるのですか、お調べになっておりますか。
○羽柴説明員 企画庁としては、セメントの卸とそれから手数料につきましては調査いたしておりません。
○松田委員 幾ら大量なものでも一%くらいはあるのじゃないでしょうか。これをお調べになったことはありますか、道路公団の方では。
○海内参考人 調べたことはございません。
○松田委員 あなたの方は、メーカーからお買いになるのに、六千六百円で買う。それだけメーカーが、たとい一%でも〇・五%でももうかっている。この日本の国に、九千万の人口があって、乏しい中をお互いが分業でもって生活していかなければならないのであります。こういう点は、国の金でもってやるんだからと言うてみても、それだけ国に利益になるのなら、これはいい。ところが、代理店なら代理店を通じて――あなたの方は、メーカーから買ったところで、同じ価格で買えるんだ。あなたはわからないかもしれないけれども、石炭屋をやったら、石炭はどうだ。石炭はあなたの山から売って、代理店がこれを販売しても、一%なり〇・五%なりの手数料が入る。それが入らぬで。山元に全部金が行くのであったならば、これはいいだろう。それでも、日本国民が乏しい中を分かち合って生活していかなければならぬということからいったならば、まずいことだろう。官給品だから国の予算でやるんだから、それが国に全部入るものならいいんだ。六千六百円で買ったというが、それより安かったんじゃないですか。去年の資料が出ていますよ。
○海内参考人 セメントは、六千六百円という国鉄の価格から、平均して、若干安く買っておるということを今申し上げました。セメントの値段は、地域的に関東地区、中京地区、九州、四国地区という三本建に現在なっておりまして、六千六百円と今申し上げましたのは、関東地区の値段で、それを若干下回ったもので買っておる、こういうふうに申し上げました。
○松田委員 委員長から道路公団に対して、道路公団初まって以来からのセメントの数量と価格を詳細に出すようにお願いします。
○二階堂委員長 承知しました。
○松田委員 これはあなた方をやっつけようというんじゃない。あなた方が間違いを起こしちゃいかぬから言うんだ。誤まりを耳にしているんだから、御注意申し上げるんだ。
 さて、鋼材は何ぼで買っている。
○海内参考人 鋼材は、これは公開販売価格というのがありますので、今買っているのは、丸棒は五万三千円、厚板は約六万円でございます。
○松田委員 経済企画庁、この単価はどういうことですか。これでいいか。
○羽柴説明員 大体私が先ほど言いましたのと同じでございます。
○松田委員 これの購買先はどこからですか。
○海内参考人 現在の購買先は、八幡製鉄、富士鉄、日本鋼管、川崎製鉄、住友金属工業、神戸製鋼、尼崎製鉄、それからロープのようなものがありまして、東京製綱からも買っております。
○松田委員 この調査からいきますと、三十四年度が一万六千六百七トン、三十五年が三万二千七十トン、三十六年が六万七千九百四十トン、それから一二十七年はどのくらいの必要があるのですか。
○海内参考人 三十七年度につきましては、はっきりしたものは出ませんので、大体計画からいいますと、三十七、八年度で四万五千トンくらい、名神高速道路で予想しております。一般道路の方は、今ちょっと予測がつきません。
○松田委員 大体三十六年度より何割くらい多くなりますか。
○海内参考人 鉄の需要は、三十六年よりも減るのではないかと思います。
○松田委員 鉄は高いときもあったのですよ。今経済企画庁でもって五万五千円ということを言っておりますね。何ならもっと安くお世話いたしましょうか。
 これでどのくらいの手数料をやっておりますか。セメントと一緒に直接でしょう。
○海内参考人 直接ではございません。
○松田委員 どこへですか。
○海内参考人 商社の方の名前をここではっきり申し上げる資料がございませんので、後ほど出させてもらいますが、商社は各メーカー専属の商社がございまして、大体メーカーの希望する商社というものをこちらで認めて、その商社から入れておる、こういうふうな事情でございます。商社の名前は、手元にはっきりありませんから……。
○松田委員 そうすると、そこにあるリベートというものは、あなたの方でわからないことになるわけだな。つまり商社の手数料だ。リベートと言うと、君は頭が悪いから、おかしく考えるといかぬが、手数料というものがそこへ含まれておるわけだな。
○海内参考人 そうだと思います。
○松田委員 鉄はそのようにして、セメントだけは値切っておるのだ。なぜそういうものをやらないのだ。そこに誤りがありませんか。今の日本の経済情勢からいって。
○海内参考人 今申し上げましたように、鉄は一般メーカーから買っておりまして、問屋さんというものを一応通ることになっておるようでありまして、そこから買っておるわけでありますが、今おっしゃったことは、鉄は高く買っておるのじゃないかということでございますか。
○松田委員 だれが高く買っておると言ったか……。
○海内参考人 どうも失礼いたしました。
○松田委員 鉄は、代理店を経て、あなたの方は日本の現在の経済機構の通りに買っておられるのだ。高い安いは別として、それは誤りがないのだ。セメントは、日本の現在の経済機構を抜きにして、あなたの方だけでもって買っておるのだ、代理店を経ずに。あなたの方は、国の予算で事業をやっておるのだ。あとは世界銀行だ、国が保証して。あなたの方が六千六百円にかりに買っても、日本の経済の機構というものは、セメントを買うには同じ価格に買えるのだ。だから、あなたの理事なんていう者は、みんな頭がどうかしているんだ。ほんとのこと言ったら、君のところは経済の機構を破壊しようというんだ。どうですか、大臣、私はそう思いますが、それでも代理店を使っていると言うんなら、それはどこのどういう代理店ということを言ってもらえばいいんだ。君のところは、直接買いして、そうして売っているんだから……。
○海内参考人 ちょっとよくわかりませんけれども、セメントはメーカーから直接買っておる。それだから高く買い過ぎているんじゃないかとおっしゃるんでございますか。
○松田委員 そうだよ。人の言うことがわからないか。どういう理由かまだはっきりしないのだが、あなたの方は、指名をして業者にまかしてやったんでは、君のところの何十人かいるセメント関係の職員が遊びになるのだよ。ようござんすか。だから、セメントは道路公団が支給しているんだ。そうでしょう。あなたの方で指名をやっておる。指名をして、仕事をやらせておるのは、どこどこかわりませんけれども、そこでもって、一口に言えば官給品だ。あなたのさっきまでの答弁は、そういうことだった。官給しているんだ。官給品だ。
○海内参考人 セメントは、私の方で買って材料として請負業者に支給しておりますが、鉄の方も同様なんでございますよ。
○松田委員 海内とかいう理事、国会で発言するときは、何回も間違ったことを言われても困るのだ。あなたの方は、鉄は代理店を通じて買っているとさっき言ったじゃないか。今あなたは、それは直接買っていると言う。違うじゃないですか。代理店を通じて買っているんでしょう。
○海内参考人 いや、私が申し上げましたのは、セメントは大部分メーカーから直接買っております。中には、やはりその会社の性格といいますか、組織の上で、幾らか代理店を通じておるものはございますけれども……。それから鉄は、私の方は全部問屋を通じて買っているんです。それで鉄は直接売っているんじゃないのです。
○松田委員 だから、そこに差があるんだ。ありましょう。セメントは、工場から直接買っていると言うんでしょう。それから鉄は、問屋というのは代理店ですよね、そこを経て買っていると、こう言うんでしょう。鉄を買っているのは、今日の日本の経済機構に合致したことであなたの方はやられておる。セメントの点は、そういうことでないというのだ。私どもは、何も高いものを買えと言うんじゃないのだ。しかし、この間の参考人の意見は、何とか自分らで信用も責任も持ちます、だから、これからはどうか直接請負をやってもらいたいということなんだ。そういう陳情があったんです。そうすると、何も区別の点がなくなるわけです。予算があるでしょう。道路やるのに、一メートル幾らなり、一キロ幾らというものがあるでしょう、その予算の範囲内で、指名をして、競争入札やらせてもらえないかというんだ。僕は、何もその業者から頼まれたんじゃないのだ。この間の参考人の意見がそういうことだった。それから困ることには、北海道の建設部の部長が、ひどいばかげた目にあった。いろいろな評判も聞いておるけれども、そういうことは言うのじゃない。こういう点に対して、あなたの方はどうお考えになるか、また建設省としてもどうそれを指導していく考えでおるか、この二つの意見をお聞きします。
○河北政府委員 セメントの鋼材等を官給した方がよろしいか、それとも業者持ちにした方がよろしいかという御質問の趣旨だと思います。それで、需要供給の関係が安定いたしております間は、業者持ちにいたした方が、そのための研修とか試験とかいう手数が、官給者側に省けますのでけっこうかと思いますが、災害等で需要と供給がアンバランスになったときには、むしろ官給した方が資材の円滑な入手には便利ではないか、かように考えます。
○松田委員 先ほどの経済企画庁の御意見をあなたはお聞きになっておりませんか。経済企画庁はどのようなお話をされたか、鉄やセメントはお米に次ぐ重要なものでしょう、これからすべてのものを安くしていくように、卸売価格を安くしていくように努力をしております――私どもはこの国会において経済企画庁がそういう意見を発表した以上は、特別の事情のない限りはそのようになっていくものだろうと私は思う。そんな話を聞いているのか、聞いてないのか、聞いていたらあなたの前段の話と同じでいいじゃないか。
○河北政府委員 御意見の通りでございまして、供給が需要とバランスをとれば官給する必要がない。私は業者持ちで十分じゃないかという工合に考えておりますが、この前の委員会の参考人の申されました通りに、いわゆる供給がアンバランスになりましたときには、先ほど先生の御指摘のように運搬費だけでも一袋当たり二百円も出して買わなければならぬという状態も起こりますので、そういう状態が予測される場合には官給の方が円満に材料が入手できるという場合もあるということであります。
○松田委員 私がさっき企画庁に、道路や建設やダム等の公共事業がこれから大幅になっていく、こういうときにおいてセメントの需要はどういう工合になるかと聞いたら、心配ないということを言っているでしょう。鉄は今日本は世界の三番目の生産国だ。国会でただいいかげんな答弁をしてあなたがそれで引き下がるというのじゃだめだ。経済企画庁はどういうことを言っているか。私の質問に対して答えたでしょう。あなたの方とすれば官給品でやった方がいいか悪いかは今までのことであったわけです。それだから監督もせずにやっておったのでしょう。ところが今こういう事情がはっきりわかった。一番困ったのは北海道の建設部長の立場だ。そういう点からいきましても明朗なあり方をやってもらわなければならぬ。われわれは与党なんだ。だからそこで君おかしなことがあったならば困ることになるのだ。ほんとうのことを言うと岡本さんなんかにかんべんしてくれ、かんべんしてくれと言ってこっちが頼まなければならないようなこともあるのだ。だから御注意を申し上げているのです。それをあなたは今までの考え方ばかりしておる。今明らかになったでしょう。明らかになったら、そういうように御指導願えれば幸いだと私は思うんだ。それから今度は道路公団の方はどうです。
○海内参考人 この支給の問題は、非常にいろいろ問題があるところで、先生の御指摘になった通り、人間も要りますし、また先生のおっしゃるように、そういうふうな間違いの温床というものも持っているのでございますから、私なども当初官給、いわゆる私の方で支給するときには、相当議論の焦点になりました。そういうことを非常に注意して今日まできているわけです。今日までの実情から見まして、幸い大きな間違いがあまり多く出なかったようでもございますし、さっきも申し上げましたように、私たちが支給しているために、業者の方も非常に便宜があり、また仕事の方もそれがためにどじを踏まずに済んだということでございます。しかしながら今後のことにつきましては、やはり先生の御指摘になるようなことは依然として問題がございますから、監督官庁の御意見もありましょうし、またわれわれ同じ公団の仲間のこともありますし、国鉄のこともありますから、いろいろそういう方面とも研究をし合いまして、先生の御意見も十分考慮に入れて、今後のことは研究を進めたいと思います。
○二階堂委員長 松田委員、ちょっとお願いですが、石川先生からも先刻来質疑の通告もありますし、基準局長も待たしておりますので、できましたら一つ簡潔に……。
○松田委員 ではもう一点だけ。道路局長の方で官給しているのはありますか。
○河北政府委員 おそらく県の補助工事の方のセメントも官給してはいないと思います。それから地方建設局関係でも、道路工事の関係は、ほとんど業者持ちにしておると考えております。
○松田委員 どうか一つ、私が今まで申し上げたことを参考にしてもらえばいいんですから、何も今やっているものを、やれるものをやるなというのじゃないのですから……。しかしそういうことが明朗になっていけるのであったならば、大へんけっこうだと私は思うのです。物価対策は企画庁でやるし、一つ大臣、そういうようにして、御指導を願えれば大へんけっこうだと思います。
 他の質問もありますから、私の質問はこれで終わります。
○二階堂委員長 石川君。
○石川委員 大へん時間もおそくなりましたし、労働省の基準局長も重要な会議を控えておるようでありますから、簡単に労賃のことについて御質問したいと思います。先般この委員会で参考人として業界の代表、それから地方公共団体の建設業務担当の代表、あるいは地価の学識経験者というような人を呼んで、いろいろ貴重な意見を徴したわけでございます。その内容についてこまかにしたい点もありますが、きょうは時間がありませんので、省略いたしますが、その中でただ一つの例をあげてみます。例はたくさんありますけれども、たとえば市営住宅簡易耐火第二種というのが、二百坪でもって、坪三万五千円で七百万で落札しているという事実があるわけです。ところがこの見積もり金額は千二百六十五万、との千二百六十五万というのは、われわれの常識からいうと、さほど高い値段ではないと思いますが、その六割くらいの値段で落札している事実、それで私は特に業者の立場を擁護しようとして質問しているのではないのですけれども、こういうような無理な受注を続けますと、非常に工事に手抜きというものができるだろうし、場合によっては公共事業というものが途中で渋滞する、ストップをするということになりかねないという危険がたくさんあるわけです。私の方の地方では、公営住宅というものが立ちぐされになっているという例もいろいろあるような実態でありまして、そういう業者が苦境を切り抜けるためにいろいろと減価償却を一年か二年でしなきゃならぬという実態である。わざとそれを引き延ばす。これは法的ないろいろ制限もあるでございましょうが、そういうようなことをやったり、あるいは無理な受注をやっても、現在の金詰まりを打開していかなければならぬというような例もたくさん聞いているわけです。特に中小企業とか零細企業は公共事業に依存しなければならぬ、たとえば地方の学校だとかあるいは公営住宅というのは、あまり大きな事業をやっておりません。従って、特にこういう公共事業に長年依存しておったし、これからも依存しなければならぬし、また金詰りも打開しなければならぬというような苦境から、非常に無理な受注をしなければならぬというような実例が非常に多いように思うわけです。その原因としましては、今も一つの例としてあげられました資材の関係としては、セメントあるいは昨年は特に木材の値上がりというようなことがあったわけであります。資材のことについては、ここでは触れません。それから特に一つの重要な問題としては、地価の問題があります。しかし地価の問題は、内閣で統合的な強力な対策を一つ講じなければならぬというのが、私のかねてからの持論でありますけれども、これは非常に問題が複雑また困難な問題でありますから、別な機会に質問いたしたいというふうに考えますので、きょうは簡単にその中の一つの要件である労賃のことについてだけ伺いたいと思います。
 この労賃は、言うまでもなく、一般職種別賃金、PWというのが、公共事業あるいは失対事業の一応の基準になっておるということは言うまでもないわけでありますけれども、きょう私はこのPWの資料を実は持っておりませんもんですから、的確な質問ができなくて非常に残念でございますが、とにもかくにもこれが不当に低いということはもう定説になっておるわけです。地方の公共団体としては、これが基準となって一つの単価がきめられると、どうしても工事の引受人がないというようなことで、地方自治団体としては、自分のところで非常な持ち出しをやっておるというようなことも実態のようでございます。そこで、私は労働省の基準局長に伺いたいのでございますけれども、このPWというのは、そういう意味で非常に影響するところ甚大で、一つの基準になっておるという意味で、これをどういうふうに算定をしておるかというその方法、これは私非常にしろうとの質問で恐縮でございますけれども、算定の方法を一つ伺いたい。
 それから、この算定をする場合の一つの考え方は、どこに立っておるのであるかということであります。それは地方によっては、考え方によっては、物価が非常に上がっているというのを抑制をしなければならぬという一つの使命がありますから、これを高くきめることによって物価のつり上げが実現をするというようなことでは困るというような配慮ももちろんあると思います。そういう懸念もないことはありません。しかしながら、とにかくこれが実勢に合わせなければならぬ。少なくとも、非常に低過ぎるものを実勢に合わしたということでないと、私が先ほど言ったように、手抜き工事が出たりあるいは公共事業が渋滞をしたりというようなことになる危険が、実際もう現実にまのあたりに迫っておるわけでございますから、どう考えてもこの実勢に合わせなければならぬという考え方に立って、このPWというものはきめていかなければならぬだろう、こう常識的に考える。あるいはまた労働省としては、一つの指導理念というものを持って、かくあらねばならぬという一つの目標というか、一つの基準というものをきめるためのものとしてこういうPWをきめておるのかどうか、まるっきりしろうとの質問で恐縮でございますけれども、この方法なりあるいは考え方なりの基本というものについて一応伺いたいと思います。
○大島政府委員 ただいま御指摘のPWの問題につきましては、石川先生にかねてから御心配をかけておりまして、私も恐縮に存じております。御承知の通り、このPWの制度は、政府に対する不正手段による支払い請求の防止等に関する法律に基づいておりまして、全国的な国内労働者の標準的な賃金を告示いたすことになっておるわけでございます。この法律によりますと、法律的にはこのPWの制度の適用のありますのは、政府の直轄の公共事業の直用労働者のみでございます。従って補助事業等については、法律的には適用はないわけであります。ただ政府がこういったPWという制度をもって告示をいたしますと、それが事実上の問題といたしまして、補助事業等につきましても工事の執行その他の面でこれが利用される、こういったところで、今先生御指摘のような問題が起こるわけなんでございます。
 そこで、このPWをきめて参りますのは、毎年私どもの方で実施いたしております屋外労働者の賃金調査、これは毎年八月に実施いたしておるのでありますが、この屋外労働者賃金調査に基づきましてPWの標準賃金、すなわち大体十三職種につきまして各府県別の賃金をきめておるのです。このきめ方についての御質問でございますが、これにつきましては、特にこれをどういうふうな形でもってきめようという特殊の意図を持ってきめておるということはございませんので、今申します屋外労働者賃金調査に基づきまして、もちろん月によって非常に変動もございますから、そういった点の調整は行なっていますし、また時間数がいろいろ違っておりますから、これを八時間換算にいたしますとか、そういうことはいたすのでありますが、特定の意図を持ってPWをどうこういたそうということは考えていないのです。八月の賃金調査に基づいてきめておる状況であります。
○石川委員 それで大体わかりましたけれども、ただ今までのPWの表を見ますと、そういう御回答なら、おそらく実勢に合ったような値段が出てくるのは当然じゃないか、こう思うのですけれども、実際は実勢に合っていないのが非常に多いのです。従って、方法として地方の労働基準局あたりを通じて労賃というものを出してくるのでありましょうけれども、その集計の仕方にどこか抜けている点があるのじゃなかろうか、こういう疑問を持たざるを得ない。ところがそれもいろいろ事情があって、全県一律に出そうというからには非常に困難な作業であろうということは、想像にかたくないかもしれませんけれども、私は資料を手元に持っておりませんので、正確な話はできませんが、我田引水で地元の方に例を引いてみますと、たしか最高、最低が七百円、四百円くらいだったというふうに思うのです。そうしますと、私の地区は日立ですから特別な事情があるかと思いますけれども、とても千円以下じゃ大工さんを頼むということは不可能です。千二百円の実態なんです。東京並みの賃金になっておるので、七百円を基準にして公共事業の単価をきめられるということはとてもお引き受けいたしかねるというのが実態になっておるのであります。ところが日立というのは茨城県なら茨城県の中でも特別飛び離れたところで、これを最高として持っていくことに危険があるというような操作上の苦労もわからないことはありません。四百円から七百円と仮定いたしますと、四百円でできるというところがあったと仮定いたしましても、七百円の方に引っぱられるという懸念も逆に出てくるのじゃないかということも言えるのじゃないか。それでこのきめ方、標準の仕方は非常に問題があると思いますけれども、私が希望したいのは、実際はPWというのは今御回答がありましたように、政府の直轄工事だけに適用するということにはなっているけれども、現実の問題としてはこれは基準になってしまっているというような実態を直視していただいて、もっときめのこまかい表示の仕方をしてもらえないだろうか、これがほんとうの親切な指導方針である。大ざっぱに最高最低というふうにきめてしまいますと、高い方に引っぱられるということで、むしろ物価の騰勢を招来するという危険があります。そうでなくて地区別に、茨城県なら茨城県一本ということではなくて、地区別にABCならABCにするとか、こまかい指導をして地域別に賃金というものをきめていくということをやらなければ、現実の問題として実際の問題は打開できないのじゃないかということを痛感するわけであります。一本できめるということはどこの県でも非常に無理じゃなかろうか、こう思うのですけれども……。それで最近の情報では、四月の初めころに何か大幅に引き上げるというふうな操作を進めておられるということを聞いておりますけれども、その場合に私たちの方で希望したいのは、先ほど申し上げたように、屋外労働者賃金調査というものによって、その出たなりにさっと出してしまうということでは、また実態に合わないものが出るのではなかろうかという危険が一つ。それから今言ったように、もっときめのこまかいきめ方をしないというと、物価の引き上げを抑制するという目的に沿わないという結果になる危険もあるので、むしろきめのこまかいきめ方をしてもらいたい。この二つの希望を申し上げたいと思うのですが、最近発表されるという内容はどういうことになっておりますか、この点を伺いたい。
○大島政府委員 本年のPWにつきましては、昨年実施いたしました屋外労働者の賃金調査の集計をただいまいたしておりまして、これが大体四月に入れば完了いたしますので、その後直ちにPWの作業にかかりたいと思っております。ただいま御指摘のような点につきましては、かねて石川先生からも私承っておりますし、また各方面からもそういう点を非常に強く教えられておるわけであります。本年におきましても、昨年の調査に基づきましてできるだけ実情に合うような形に持って参りたい、かように考えております。
 同時にまた、PWの制度の中でもたとえば特殊の技能、経験、能率を持っております者、こういう者については標準の額以上の最高の額をきめますとか、あるいは特別の手当、たとえば特殊の労務につきます者の手当とか、特殊の事情による手当あるいは特殊の技能による技能手当、こういったものはPWから除いていく、こういった形で参りたいと思っております。同時に、そういった形でPWそのものはできるだけ今先生の御指摘のようなきめのこまかい形で参りたいと思いますし、同時にまた、これを御利用いただいております建設省なりあるいは地方公共団体におきましても、そういった利用の面におきまして、できるだけ弾力のある、実情に合った形に持っていっていただく、こういった点を今後建設当局とも打ち合わせまして、できるだけ先生の御指摘のような問題点の解消に幾分でも前進して参りたい、かように考えております。
○石川委員 ぜひきめのこまかい方法でまとめていただくような努力は、していただきたいと思います。
 それから近く大幅な引き上げ措置というふうなことが日本経済新聞に最近出ておりましたけれども、大体どのくらい――ここでどのくらいと言えないかもしれませんけれども、どの程度上がりそうだということになるか、発表のできる範囲で一つ御発表願いたいと思います。
○大島政府委員 今申しましたように、昨年の調査を現在集計いたしておりますので、まだどの程度上がるかは私自身にも予測はつかないのであります。ことにPWはさき申しましたように、各職種、各県別の実額をもって表示いたしておりますので、これを総体的に平均いたしまして何%上がったということは、実はちょっと無意味になるのでありまして、従来もやっておりませんし、理論的にもちょっと無意味になります。ただいまのところ何%程度上がるかということは申し上げかねる実情でございます。
○石川委員 しかし、最近の日本経済に、来月初めに大幅な引き上げが告示されるであろうということが書いてある。その点は大体そう了解してよろしいですか。
○大島政府委員 大ざっぱに申しましてどの程度のものか、私も存じないのでありますが、しかし、全般的な賃金の上昇の趨勢というものは事実ございますので、やはり引き上げになるものと私も了承いたしております。
○石川委員 これで大体質問を終わりたいと思うのですけれども、そこでお願いをしたいのです。建設大臣もいらっしゃいますけれども、今度の予算は、実は昨年のPWに準拠して立てられた公共事業の予算ということになっておりますが、現実の問題としては、この間もいろいろ参考人から苦衷が述べられたように、これではとてもできないという声が大勢のようであります。決して業者の肩を持とうということではなくて、何回も申し上げるように工事が渋滞するのじゃないかという懸念があるからいろいろ申し上げておるわけなんですが、そうなりますと、今度の予算には今直ちにどうこうということは非常に困難でありますけれども、何とか措置をしなければならぬという事態になるのじゃなかろうか。その場合に対して、大蔵省からも見えておりますが、この実態を大蔵省もよく確認をしてもらいたいと思います。それと同時に、その実態の上に立って、建設省も建設工事が絶対渋滞しない程度に何らかの予算措置をしなければならぬという決意の上に立って、大蔵省と折衝するという意思の表示はここでやってもらわなければならぬ。と同時に、これに対して大蔵省はどう考えておるかということを宮崎主計官に伺いたいと思います。
○中村国務大臣 私どもといたしましては、事業の渋滞を来たさないようにきめられた予算を最も有効に使用いたしまして、事業の実施をはかって参りたいと思います。その結果がどうなるかということにつきましては、今の段階でわれわれも予測がつきませんが、できるだけ支障のないようにあらゆる角度から総合的な検討をいたしまして万全を期していきたいと思います。
○宮崎説明員 大蔵省といたしましても、公共事業は非常に重要なものと考えております。事業が適正かつ円滑に進みますように、常に努力しておるわけであります。建設省の方から具体的に御相談がございましたならば、慎重に検討いたしまして、そういった方向で処理して参りたいと思います。
○石川委員 政治的な答弁は伺いましたのですけれども、そういうことでなくて、現実にどうしてもだめだという事態が起こる可能性が多いわけなんですよ。現実に起こった場合にどうするかということを私は建設大臣に伺っておきたい。遅滞なく渋滞しないように努力するという政治的答弁でなくて、起こりそうだ――これは事業の種類によって違うでしょうが、特に建築関係などにそういう事態が出てくる可能性が非常に強いと思っておるわけです。そのために公営住宅ができなくなっちゃったということでは、公営住宅を希望している一般庶民に対してまことに申しわけないと思いますから、そういう事態が出そうだ、仮定の質問には答えられませんということでなくて――これは仮定でなく、おそらく出ているという可能性が強いので、もし出たらどうする、大蔵省と折衝して必ず善処するということは責任ある担当大臣としては言っていただかなければならないと思うのですけれども、この点はいかがですか。
○中村国務大臣 先ほど来いろいろ御指摘がありましたように、実施上非常に困難な面が確かにあるわけでございます。そこでわれわれといたしましては、工法の改良あるいは機械化、あるいは設計上の関係等いろいろ工夫をいたしまして、与えられた予算で支障なく予定の事業量を消化できるように努力いたしていく考えではおります。ただ、今お話のように、建築についてはその幅が非常に狭いわけで、今研究をいたしておりますのは、公営住宅あるいは公団住宅等につきまして、できるだけ規格的な住宅にいたしまして、設計にしても建設にしても作業のやりやすい工夫等も最善を尽くしてやりまして、何とか消化をしていきたいと思っておるわけですが、だんだんやってみましてどうしても消化のできない分ができますれば、年度末になりまして大蔵省ともよく相談をして、事業量に支障を来たさないようにいたしたい、こういう考えではおりますが、今のところあらゆる工夫をこらしてやっていきたい、こう思っておるわけであります。
○二階堂委員長 建設大臣に、大蔵省も見えておりますので大蔵省もちょっとお聞き取りを願いたいと思います。
 先ほど来の議論で資材の対策、労務対策といったような面が、これだけ大きな公共事業の遂行をする上において非常にアンバランスを来たしておる現象が各地に起こってきておるのです。さっきのセメントなども特に地方においては一俵もないというときがあるわけなんです。そこで建設省の出先の機関ですら、小売業者に行きまして無理算段してとっておる。私のいなかの鹿児島県などでは、小売業者のセメント一俵の値段が二割以上も高くなっておるという現象があります。また道路、トンネル等に使う火薬、こういうものも、通産省に言わせますと生産の面から見て決して不足はないというのですが、末端に参りますと事実非常な値上がりを来たしておる。これは事実なんです。また労賃の問題にいたしましても、これはPW等の示された額と現実に業者がいろいろと人を雇っておるその人夫賃とは、非常な開きがある。これは現実なんです。これは理屈じゃないですよ。これだけ大きな公共事業を政府が遂行する上において、そういうものの対策を各省間においてもうまくとっておられないのじゃないか。業者間においてもたとえばセメント関係の業者あるいはいろいろな仕事をする上の協会とかいったようなものの間に調整がとれていない。先般来セメントが不足してきたという声が出てくると、どうしようかということで、建設省と通産省の間で話し合いを始めておられますけれども、なかなかうまくいってない。先ほどの企画庁の話では四月になればうまくいく、こういうことですけれども、末端においては事実それに反した現象が起こってきている。また、宮崎主計官が来ておりますが、高校の急増対策、これなども急いでやらなければならぬが、用地費に非常な金を食っておる。政府の見たような単価ではできない。地方が持ち出さなければならぬということで、とにもかくにも高校の急増対策なんという仕事が順調にいくとは思っていない。上の方で考えておることと末端の実情との間には非常な開きがある。こういうようなアンバランスをどこかでうまく調整していくというようなことがなければならぬ。企画庁は論文ばかり作っておる。価格を下げろというが、実際末端においては、先ほどセメントの例をとって申し上げた通り、下がっていない。こういうような膨大な公共事業を遂行する上において、労務とか資材とかその他これらを遂行するに必要なすべてのものを総合的に行なっていくというような対策が、政府間においてもとられていない。またそういうものを調整する統一した機関が必要になってきておるのじゃないかと私は思う。これを突き詰めていえば、機構の改革を行なわなければならぬ段階にきておると極言してもいいと思いますが、少なくとも今の官庁の機構の上に立ってはばらばらなんです。たとえばオリンピックの仕事を遂行するといって、道路や地下鉄やその他いろいろやっております。ところが地下鉄は東京都あるいはその他の営団でやっておる、あるいは首都高速道路が地下道を作るとか高速道路を作るとか言っておりますが、こういう計画にしてもてんでんばらばらなんです。地下鉄が地下をもぐってくると、また首都高速が考えた計画を変えていかなければならぬ。こういう現象が仕事を急げば急ぐほど出てきておるような現状です。しかも末端においては、政府の意図しておられるような方向とは逆な現象が起こってきておる。末端において仕事をする者は、非常な苦痛を感じておる。私どもはこれだけの大きな公共事業を遂行する上において非常な苦心をしておりますが、これをどうして完全に消化させるかということに非常に懸念を抱いておる。賃金の問題をとってみましても、実情と政府が考えておる予算の基準になる額とは、非常な開きがある。この現実を早急に調整していかなければ、この膨大な公共事業を遂行していくことは不可能なときがくるのじゃないか、これを非常に心配するわけです。政府としては、こういうような末端で起こっておる現象と、政府が予算の単価で見たいろいろな価格とか、あるいは資材とかいうものとのバランスを一体今後どういうふうに調整していかれようとしておるのか、これは大事な問題だと思うのです。私は苦情を申し上げるようですが、大蔵省あたりももう少し実情に即した措置をとっていただきたい。それは労務にしでも絶対人間が足りないのだから、今ここで幾ら上げてもまた三カ月たって上げなければならぬという議論があるでしょう。しかし、それは先のことであって、そういうことを言っておれば、いつまでたってもこういう議論が繰り返されていくだけのことであって、ある程度思い切った措置をとって、そして公共事業を円滑に遂行するということを政府当局が率先して行なっていかなければならないと思うのです。これは末端においては非常に議論があることなんです。輸送の問題もあります。たとえばセメントなんかにしても、北九州から関東地区に運ばれておる。ところが輸送の問題になると貨車が一ぱいだ。船で運べば一ぺんに一ぱいのものを運べるが、聞くところによりますと、セメント会社は船の方に話をつけようとしないで、むしろタンカーが一ぱいだ、あるいはドックに入っておるとかいうことを言って、そして輸送の円滑化を妨げておるというような、裏から見ると、故意にセメントの値段なんかを上げようといったような現象すらうかがわれるようなことが聞かれるのです。私はやはり政府がこれだけの仕事をやるためには、すべてのものを統合して、集めて遂行していくという万全の措置をとるべきだと思っております。その調整が、政府間の連絡が不十分だということを私は痛切に感じておるのですが、こういうことに対して、一体大臣はどういうようにお考えになりますか。
○中村国務大臣 最近のセメントの事情もそうでありますが、特にわれわれ一番苦心をいたしておりますのは、予算の積算の基礎になっております労務費と現実の労務費との開きということは、確かに近来失業がなくなってくるに伴いまして、また経済状態が発展するに伴いまして、差が出てきておりまして、この差をどうして埋めるかということに実は非常な苦心をいたしておるわけでございます。そこで、私ども昨年来労働省にもお願いいたしておるのでありますが、PWの八月を基準とした屋外労働者の全体の賃、金調査というもののほかに、建設関係の職種別の賃金差あるいは技能者の逼迫というものの差もございますから、職種別の具体的な調査を徹底してやっていただくように極力お願いを申し上げておるような次第で、労働省も非常に協力的な気持で御心配をいただいておりますから、私ども次第にこういう点を十分徹底させて、そして職種別の差異というものを数字の上に明らかに出して、今後はこれによって事業の実施を行ない、予算の編成をするというように進めて、関係各省にも御協力をいただいて、そうありたい、こう思っておるわけであります。さしあたりは、とにかく三十七年度予算編成は終わって御審議を願っておる段階でございますから、われわれとしましては、この予算に基づきまして、事業の量等に支障のないように、一つあらゆる工夫をこらして調節をとっていきたい、あるいはやった結果調節のとり切れない分が出る可能性もございます。この場合には、また別途処理をするにいたしましても、さしあたりわれわれとしては、あらゆる工夫をこらして総合的に一つ事業量の未消化の起こらないようにやっていきたい、こう思っておるわけであります。
○二階堂委員長 もう一点だけお聞きしておきますが、一つはたとえば工期を非常に区切って年度内に仕事を消化せよという一つの至上命令があります。そこで業者などは非常に労務者の不足あるいは交通と混雑等がありまして、なかなか思うように仕事ができない、突貫作業をやる。そうすると、非常に工事自体に無理がいく。従ってこの前大きな事故がどこかでありましたね。大へんな電信電話が不通になって困っておるのですが、ああいうことがときどき起こってくるのです。一つのところで予算をとると、これを年度内に消化しよう。そうすると無理算段業者に言いつけて、この期間内で消化しろということがあり得るわけです。そういうことが無理になって、ときたま不慮の災害が起こるということが、私は今後ふえていくのではないか。これは無理からぬことと思いますけれども、しかし、そういうことも私はやはりどこかに欠陥があって、その欠陥によって事故が起こるのですから、行政官庁としては十分一つ指導を徹底していただきたいと思うことと、もう一つは事務上の手続、この前も大臣に申し上げましたが、非常に事務の手続が複雑になっておることもあるのです。いろいろ聞きますと、大蔵省の方で、たとえば概算要求をする場合、設計変更する場合、簡単に済むものを、やはり大蔵省の方でそういう資料を要求をする。青写真を持ってこさせて、その説明を聞いた上で設計変更がよかろうというようなことになっておる、こういうのです。それも国の金ですから必要なことだと思うのです。しかしながら、この金額が一千万もあるいは一億も二億もというような膨大な工事であるならば、これは本省や大蔵省のそれぞれ責任者の認可を得たり、承認を得たりしなければならぬこともあろうかと思いますが、わずか二、三百万の設計変更とか小さな仕事に至るまで、一つ一つ膨大な青写真をつけて、設計の資料をつけて、そうして地方から役人も中央に来て、行ったり帰ったりするような繁雑な手続は、もっと簡素化できないものか。これも私は真剣に検討してもらわなければいかぬ。大蔵省の方でそういう資料が絶対に必要だというなら、私は今日このような膨大な公共事業を遂行する上においては、手続をもっと簡素化することがあったならば、どんどん閣議においてもお諮り下さって、簡素化していく必要があるのではないか、あるいは法律の改正をする必要があったら、法律を改正していけばいいのじゃないか、こういう点ももう少しほんとうにかゆいところに手の届くような、私は思いやりのある気持でこれだけの大きな公共事業を進めていくということがなければ、私は至るところにいろいろな摩擦が起こってきて、事業遂行の上になかなかむずかしい事態が起こってくるのではないかと思うのですが、こういう点については、宮崎主計官も来ておられますけれども、ほんとうに現在小さな百万、二百万の設計変更をするような書類も地方から一つ一つ持ってこさせて、またいなかに持って帰って、また中央に持ってきて承認を得て、初めて設計変更ができるということが、必要かどうか。僕らしろうとから考えますと、そういうことは何とか簡素化できないものかと思うのですが、事実そういうことがあっては困るという声も聞くのです。役所は定員を制限されている。仕事はふえていく。夜間作業をやらなければいかぬ。それは膨大な資料をつけなければならぬ。特に河川関係はそうだという話を聞いておるのです。宮崎さんの担当になるかと思いますが、そういうことは一つ改めることがあったら改めてもらいたいと思いますが、何か御意見があったら聞かして下さい。
○宮崎説明員 まことにごもっともな御指摘だと思いますが、現在公共事業実施について大蔵省が関与いたしますのは、支出負担行為の実施計画の承認について大蔵大臣が協議を受けるという段階でございます。これにつきましては、当初の計画につきましても、あるいは変更の場合につきましても、大蔵省として技術問題について、青写真によって問題を判定するというようなことは、私経験がございません。また実際にそういうことをやっておるようなひまも私の方はございません。従いまして、今のお話はおそらくそれは各省の技術担当官のところで問題になったようなことかと思いますけれども、しかしいずれにいたしましても、相当詳細なものについてとにかく協議を受けておるわけですから、これはそういった手続の問題について非常に時間がかかるようであれば直さなければならぬ、こういうように考えております。実は一昨年ほど前から補助金交付事務の促進ということが非常に政府部内はもちろんのこと、国会方面からも御要望がございました。私の方としては何日に協議を受けて、何日にそれが認可になっておるかということを全部補助金について調査をいたしました。そしてこの促進をはかる。大体窓口は直接私ども予算係のこともございますし、あるいは事務によりましては、法規課あるいは主計官ということになりますけれども、目標としては大体十日くらいでやってしまう。もちろん簡単なものは即日でもよろしいわけでありますが、書類が大臣まで決裁を受けるというような関係もございますので、大体そのくらいを目標にして現在進めておるわけでございます。従いまして、新規事業だとかあるいは非常に特異な設計変更等で、常識的に判断がしかねるという場合に、技術的説明を求めておる場合があるかと思いますけれども、そういった点につきましても、今後十分検討いたしまして、そして改善して参りたいと思います。
○二階堂委員長 次会は明後十六日金曜日、午前十時より理事会、同三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十分散会