第040回国会 大蔵委員会 第26号
昭和三十七年三月二十三日(金曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 小川 平二君
   理事 鴨田 宗一君 理事 黒金 泰美君
   理事 細田 義安君 理事 毛利 松平君
   理事 山中 貞則君 理事 有馬 輝武君
   理事 平岡忠次郎君 理事 堀  昌雄君
      足立 篤郎君    伊藤 五郎君
      岡田 修一君    金子 一平君
      久保田藤麿君    田澤 吉郎君
      津雲 國利君    永田 亮一君
      濱田 幸雄君    藤井 勝志君
      坊  秀男君    吉田 重延君
      久保田鶴松君    佐藤觀次郎君
      田原 春次君    広瀬 秀吉君
      藤原豊次郎君    武藤 山治君
      横山 利秋君    春日 一幸君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  天野 公義君
        大蔵事務官
        (主計局法規課
        長)      上林 英男君
        大蔵事務官
        (主税局長)  村山 達雄君
        大蔵事務官
        (理財局長)  宮川新一郎君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (理財局資金課
        長)      鈴木 喜治君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
三月二十二日
 演劇入場税撤廃に関する請願(横山利秋君紹介
 )(第二七四一号)
 同(小川平二君紹介)(第二八〇六号)
 同(佐々木更三君紹介)(第二八〇七号)
 同外五十三件(武藤山治君紹介)(第二八九三
 号)
 財団法人海洋博物館に対する国有財産の譲与に
 関する立法措置の請願(星島二郎君紹介)(第
 二八〇一号)
 国税通則法の制定反対に関する請願(志賀義雄
 君紹介)(第二八〇八号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第二八〇九号)
 同外三件(山中日露史君紹介)(第二八一〇
 号)
 同(川上貫一君紹介)(第二八一一号)
 同(稻村隆一君紹介)(第二八一二号)
 同(兒玉末男君紹介)(第三〇一四号)
 国税通則法の制定反対及び減税に関する請願(
 石川次夫君紹介)(第二八一三号)
 同(稻村隆一君紹介)(第二八一四号)
 同(川俣清音君紹介)(第二八一五号)
 同外二十件(杉山元治郎君紹介)(第二八一六
 号)
 同外一件(山中日露史君紹介)(第二八一七
 号)
 同外二十一件(佐野憲治君紹介)(第二八九〇
 号)
 同外三十七件(永井勝次郎君紹介)(第二八九
 一号)
 同(帆足計君紹介)(第二八九二号)
 同(兒玉末男君紹介)(第三〇一五号)
 共に関する請願(足鹿覺君紹介)(第二八八九
 号)
 旧令による共済組合等からの年金制度に関する
 請願外一件(森田重次郎君紹介)(第二八九四
 号)
 元外地鉄道在職期間のある公務員等の国家公務
 員共済組合法等の特例措置に関する請願(永山
 忠則君紹介)(第三〇一六号)
 合成清酒の名称変更等反対に関する請願(安倍
 晋太郎君紹介)(第三〇一七号)
 同(愛知揆一君紹介)(第三〇一八号)
 同(青木正君紹介)(第三〇一九号)
 同(荒舩清十郎君紹介)(第三〇二〇号)
 同(有田喜一君紹介)(第三〇二一号)
 同(井手以誠君紹介)(第三〇二二号)
 同(井原岸高君紹介)(第三〇二三号)
 同(伊藤宗一郎君紹介)(第三〇二四号)
 同(伊能繁次郎君紹介)(第三〇二五号)
 同(飯塚定輔君紹介)(第三〇二六号)
 同(池田正之輔君紹介)(第三〇二七号)
 同(石田博英君紹介)(第三〇二八号)
 同(石橋湛山君紹介)(第三〇二九号)
 同(石村英雄君紹介)(第三〇三〇号)
 同(板川正吾君紹介)(第三〇三一号)
 同(今松治郎君紹介)(第三〇三二号)
 同(宇野宗佑君紹介)(第三〇三三号)
 同(内海安吉君紹介)(第三〇三四号)
 同(遠藤三郎君紹介)(第三〇三五号)
 同(小澤太郎君紹介)(第三〇三六号)
 同(大石武一君紹介)(第三〇三七号)
 同(大上司君紹介)(第三〇三八号)
 同(大高康君紹介)(第三〇三九号)
 同(大竹作摩君紹介)(第三〇四〇号)
 同(大野市郎君紹介)(第三〇四一号)
 同(大野伴睦君紹介)(第三〇四二号)
 同(大平正芳君紹介)(第三〇四三号)
 同(岡田修一君紹介)(第三〇四四号)
 同(加藤高藏君紹介)(第三〇四五号)
 同(加藤常太郎君紹介)(第三〇四六号)
 同(金子一平君紹介)(第三〇四七号)
 同(川俣清音君紹介)(第三〇四八号)
 同(木村俊夫君紹介)(第三〇四九号)
 同(木村守江君紹介)(第三〇五〇号)
 同(久保田藤麿君紹介)(第三〇五一号)
 同(小島徹三君紹介)(第三〇五二号)
 同(河本敏夫君紹介)(第三〇五三号)
 同(佐々木更三君紹介)(第三〇五四号)
 同(佐野憲治君紹介)(第三〇五五号)
 同(齋藤邦吉君紹介)(第三〇五六号)
 同(齋藤憲三君紹介)(第三〇五七号)
 同(重政誠之君紹介)(第三〇五八号)
 同(澁谷直藏君紹介)(第三〇五九号)
 同(關谷勝利君紹介)(第三〇六〇号)
 同(田澤吉郎君紹介)(第三〇六一号)
 同(田中角榮君紹介)(第三〇六二号)
 同(田中龍夫君紹介)(第三〇六三号)
 同(田邊誠君紹介)(第三〇六四号)
 同(高碕達之助君紹介)(第三〇六五号)
 同(高見三郎君紹介)(第三〇六六
 号)
 同(高橋英吉君紹介)(第三〇六七
 号)
 同(竹内俊吉君紹介)(第三〇六八
 号)
 同(楯兼次郎君紹介)(第三〇六九
 号)
 同(舘林三喜男君紹介)(第三〇七〇
 号)
 同(渡海元三郎君紹介)(第三〇七一
 号)
 同(富田健治君紹介)(第三〇七二
 号)
 同(中曽根康弘君紹介)(第三〇七三
 号)
 同(中村幸八君紹介)(第三〇七四
 号)
 同(中山榮一君紹介)(第三〇七五
 号)
 同(永田亮一君紹介)(第三〇七六
 号)
 同(永山忠則君紹介)(第三〇七七
 号)
 同(灘尾弘吉君紹介)(第三〇七八
 号)
 同(丹羽喬四郎君紹介)(第三〇七九
 号)
 同(西宮弘君紹介)(第三〇八〇号)
 同(野口忠夫君紹介)(第三〇八一
 号)
 同(野田卯一君紹介)(第三〇八二
 号)
 同(橋本登美三郎君紹介)(第三〇八
 三号)
 同(長谷川峻君紹介)(第三〇八四
 号)
 同(八田貞義君紹介)(第三〇八五
 号)
 同(濱田幸雄君紹介)(第三〇八六
 号)
 同(原田憲君紹介)(第三〇八七号)
 同(日野吉夫君紹介)(第三〇八八
 号)
 同(平岡忠次郎君紹介)(第三〇八九
 号)
 同(福家俊一君紹介)(第三〇九〇
 号)
 同(福田赳夫君紹介)(第三〇九一
 号)
 同(藤枝泉介君紹介)(第三〇九二
 号)
 同(藤本捨助君紹介)(第三〇九三
 号)
 同(古川丈吉君紹介)(第三〇九四
 号)
 同(保科善四郎君紹介)(第三〇九五
 号)
 同(保利茂君紹介)(第三〇九六号)
 同(細迫兼光君紹介)(第三〇九七
 号)
 同(松井誠君紹介)(第三〇九八号)
 同(松山千惠子君紹介)(第三〇九九
 号)
 同(三池信君紹介)(第三一〇〇号)
 同(三浦一雄君紹介)(第三一〇一
 号)
 同(三木喜夫君紹介)(第三一〇二
 号)
 同(三和精一君紹介)(第三一〇三
 号)
 同(毛利松平君紹介)(第三一〇四
 号)
 同(森清君紹介)(第三一〇五号)
 同(森田重次郎君紹介)(第三一〇六
 号)
 同(八百板正君紹介)(第三一〇七
 号)
 同(八木徹雄君紹介)(第三一〇八
 号)
 同(柳谷清三郎君紹介)(第三一〇九
 号)
 同(山田彌一君紹介)(第三一一〇
 号)
 同(山本幸一君紹介)(第三一一一
 号)
 同(渡邊良夫君紹介)(第三一一二
 号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 酒税法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出第八二号)
 物品税法案(内閣提出第八八号)
 国税通則法案(内閣提出第一〇三号)
 国税通則法の施行等に伴う関係法令
 の整備等に関する法律案(内閣提出
 第一一四号)
 産業投資特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第五七号)
 財政法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第六三号)
     ――――◇―――――
○小川委員長 これより会議を開きます。
 酒税法等の一部を改正する法律案及び物品税法案の両案を一括して議題といたします。
  質疑の通告がありますので、これを許します。佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 大臣が来られませんから、天野政務次官に物品税のことにつきまして二、三の点をお伺いしたいと思います。
  御承知のように大体五千五百億の自然増収があるにかかわらず、戦時課税であるところのこの物品税をなくすということについて、一体大蔵省はどういうようにお考えになっておるのか、
 あとで村山局長からいろいろ話を伺いますが、最初に政府の方針として物品税をなくすという、そういう考え方があったかどうかということをお伺いしたいと思います。
○天野政府委員 物品税は戦争中にできたわけでございますが、その後ずっと経過して今日まであるわけであります。今日では、戦争中できたからという見方で見ているわけではございませんで、一つの重要な財源とも考えられておりますし、また非常に奢侈的な性向の高いものを買う場合には、買う方が税負担していただくという考え方に立っておると思うわけでございます。しかしながら最近におきましては、物品税の改正がずっと見送られております。従って、この今回の税法改正について、大衆負担をできるだけ軽減する、こういう基本的な考え方に立ちまして、今回物品税の改正を取り上げたわけでございます。特に今回の考え方といたしましては、大衆の負担を軽減するということが一つの大きなねらいでございますが、それを実現する意味におきまして、大衆がふだん使う日用品というようなものについては、できるだけこれを課税対象からはずす、そしてまた零細なものが作っておるような物品については、これはできるだけ課税対象からはずす、こういうような考え方でいろいろ検討いたし、そして合同の改正案を作成した、こういうことでございます。
○佐藤(觀)委員 言葉じりをとらえるわけではありませんが、今の政務次官の答弁の中で、奢侈的な物品につけるというようなお話がございましたが、物品税の原則は、奢侈的なものだからつけられるということが本旨でありますか。
○天野政府委員 必ずしも奢侈品ということではございません。奢侈品はその一部でございます。また娯楽品もございますし、それから相当の値段をしているものもあるわけでございます。
○佐藤(觀)委員 ラムネやジュースにも物品税がついているのですから、奢侈的なものだと考えると非常におかしいと思うのです。そこで御承知のように、税制調査会の答申の中にいろいろあるのでお伺いしたいと思うのですが、この物品税についてはいろいろ経緯もあり、しかも問題のある点がありますが、こういう点について、物品税が今存続するというのには、存続しなければならぬ理由があると思うのです。どういう理由でこの物品税がまだ残っておるかということについて、これも政治的なことになりますので、政務次官にお尋ねをいたします。
○天野政府委員 現在の間接税の体系から見まして、また従来の経緯からいろいろ考えまして、大体残っているものは存置すべきものである、こういうように判断をいたしたわけであります。
○佐藤(觀)委員 村山主税局長にお尋ねしますが、今度の物品税の改正の趣旨は、税体系の整備をやるということがポイントであるということが書いてありまして、整備をするならば、どういう理由で十六品目だけをはずしてあとのを残したかということが問題になるわけでありますが、この点について御意見を承りたいと思います。
○村山政府委員 今度物品税を整備するにあたりまして、実は物品税体系を根本的に再検討いたしました。おっしゃるように戦時中から引き続いたものでございますので、そういう意味では、今までも二、三回にわたりまして改正は行なわれておりますが、ほとんど部分的であるということでございます。そこで根本的にいろいろ検討して参りますと、この物品税体系は、間接諸税の中では、担税力との照応関係が最も高いのでございまして、ほかの間接税はかなり逆進的になっておりますが、この物品税は、所得に対する割合はむしろ比例的でございます。それから最近の情勢を見ておりますと、伸張率は著しく高いということでございます。ですから、そういう意味で結果的に見ますと、課税物品の選択というものは、かなりうまくいっておるということがうかがわれるわけでございます。各国の税制を見ましても、物品税体系は、各国ではむしろ別々でございますが、間接税の大宗をなしております。国によりまして、それが売上税、付加価値税の形をとっております。またアメリカあたりでは製造者消費税、小売消費税、こういう二本建になっておりますが、英国においては仕入税、各国とも間接税の中心をなすものは大体これでございまして、日本のように酒、たばこに非常に重点のかかっている間接税体系という方が、むしろ珍しいという感じがするわけでございます。しかしそれだからといって、この物品税がそのままでいいというわけではございません。最近の消費の動向というものを十分考慮いたしまして、第一に課税物品を整備するという考え方、それから一つには今の税率でいいかどうかという問題でございます。さらに今の課税方法はこのままでいいのか、小売課税と製造課税をそのままにしておいていいかどうか、こういうことと、それからさらに一般的には課税物品とすべきではあるが、その価格であるとか、あるいはその規格のゆえに、通常家庭用の消費として課税するに適さないものもあるわけでございます。いわゆる免税点の問題、あるいは規格などによる非課税の問題でございますが、これについても十分検討する必要がある、こういう観点からいろいろ整備して参ったわけであります。そういう意味で、今度提案いたしましたのは、そのうち十六物品については、この際課税を廃止することが適当である、こう認めまして、その点は出したわけであります。また税率につきましても、小売の一割、二割、これがまず適当であろう、ただし卸のといいますか、製造段階での三%から五〇%という間における八段階の税率、これは非常に沿革的なものでございまして、この際根本的に整備する必要があるということで、ちょうど小売の一割に見合うところが製造段階では二割でございます。ここを一つの基本的な税率と考えまして、その物品は非常に広範にわたっておりますので、上に二段階、下に二段階を置いたわけでございます。上が三十、四十、下を十、五と置きまして、それぞれ消費の性質の分類に応じまして、今度は再編成いたしたわけでございます。そういう意味で、今度は税率の引き下げも三十一品目いたしたわけでございます。全体で七十品目になります。一種、二種、三種を通じまして七十品目でございますが、そのうち十六品目は課税廃止、それから二十一品目については税率の引き下げ、こういうこと、それから課税方法の移行が一品目、その他今度は新規課税が若干ございますが、これもやむを得ざることであるということでありまして、これでおおむね物品税体系は、戦後の形を払拭するのではなかろうか、新しい近代的租税としてこれからスタートできるのではなかろうか、かように考えておるのであります。
○佐藤(觀)委員 ただいま物品税の合理的な意見を主税局長が述べられましたが、アメリカやフランスあたりでは、御承知のように取引高税のようなものがかかっております。しかしかかる率が百分の一とかあるいは二月分の一というような非常に低いもので、あらゆる物品についてかかっておると思います。ところが日本のような、こういうわずか七十品目のものだけがかかるというような例はどこの田にあるのか、その点をあらためて伺っておきたいと思います。
○村山政府委員 アメリカとイギリスの形は、大体日本と同じ形でございます。課税物品を選択していきます。選択いたしまして、それに対して課税するというやり方でございます。それからドイツは売上税の形をとっております。これはしかも多段階売上税でございまして、製造、卸、小売、各段階ごとに課税しておるわけでございます。それからフランスは付加価値税の形をとっております。日本の形は、英国なりあるいはアメリカにかなりよく似ております。ただ課税物昂の選び方、税率においては多少違います。しかし全体として見ますと、日本の物品税が、率におきましても、その税額の中に占めるウエートにおきましても、なお最も少ないものであるということは言えるわけでございます。
 試みに、ついででございますので申し上げておきますと、税率構造を見てみますと、たとえば米国は製造者消費税、小売業者消費税がございますが、製造者消費税の場合は一〇%、一一%、五%というようなもの、それから小売業者消費税は一〇%でございます。それから英国は仕入税でございまして、これは卸売段階で課税しております。これはものによってだいぶ違いますが、たとえば自動車、テレビのようなものは五・五%、電気冷蔵庫、カメラが二七・五%、ちょうど半分でございます。それからそのまた半分がじゅうたんとか庭園用品が一三・七五%、一番低いところで五・五%でございます。フランスにおきましては、付加価値税ではあります。付加価値税ではありますけれども、これまたものによりましてかなりの税率の差は設けておりまして、貴石、テレビ、化粧品のようなものは二五%、それからカン詰のようなものは一〇%、ジャム、食用油のようなものは六%――標準税率は大体二〇%、こういう格好でございます。多段階課税の形をとっております国は西独、イタリア、ベルギー、その他たくさんございます。西独の例をちょっと申し上げます。基本税率だけ申し上げますと、製造で四%、卸で一%、小売で四%それぞれかかっております。大体小売の実効税率は六・八くらいではなかろうか。そのかわり、あらゆる物品に対して課税されるわけでございます。
 一体どのくらいのウエートを占めているかという問題でございます。日本の場合は、対国民所得で〇・七%でございます。米国は一・四、英国は二・七、フランスは付加価値税全部では九%を占めております。しかしながら今言ったように標準税率を上回る部分だけを、それが物品税に相当するものだ、下の方は普通の付加価値税だ、売上税だ、こう観念いたしますと、それは〇・八%、それにしても日本よりは高い。それから国税総額中に占める今の物品税に相当するもののウエートで見ますと、日本は四・七%、米国は五・九、英国は九・三、フランスは付加価値税全体で見ますと三五%を占めております。今の標準税率を上回る部分だけが物品税だ、こういたしますと、三・一ということになります。いずれにいたしましても日本の物品税というものは、その税額の中に占める位置におきましても、あるいは国民所得に対する割合からいいましても、ほかよりもやや低いということでございます。
 これは西独式、フランス式、それから今の日本式、どの形が一番いいかというのは、実は非常に討論のあったところでございますが、結論を申し上げますと、今の日本のやり方で、今の財政事情、今のような事情であれば、この体系で整備し、ていった方がいいという、大体調査会の勧奨がございますので、その方向で問題を進めて参ったわけでございます。
○佐藤(觀)委員 もう一点伺っておきますが、日本の対象品目が、数が少ないと思いますが、フランスやイギリスやアメリカあたりの対象はもっと多くないですか。その点はどういうふうに……。
○村山政府委員 売上税、付加価値税をとっている国は問題なく――むしろはずしているのが例外でございます。ほとんど全部がかかっているということでございます。それから英国や米国の仕入税、製造者消費税に比較して、日本の課税範囲はどうかと申しますと、確かにこちらが範囲が狭いのです。何が狭いかといいますと、向こうは事務用品に平気でかけているということです。どんなものでも、事務用品にどんどん課税しているということでございまして、日本もかつて戦時中はかけておったわけでございます。これが終戦後から事務用品は全部はずしまして、大体家庭用品だけに限定しているわけでございます。これが英国なり米国に比べて、非常に税収のウエートが少ない一つの理由である。率ももちろん向こうは高うございます。日本の場合は、大体メーカーの段階で今平均税率が、実効税率で見ますと、メーカー課税といたしますと純一四・何がしでございます。二〇%までいっておりません。従って、小売価格に対する比率で見ますと七%そこそこだ、こういうことでございます。率も確かに向こうより低い。課税範囲として今の事務用品を大きく抜かしておるものですから、その点が根本的に違うのではないか、かように考えます。
○佐藤(觀)委員 そこで、私たちが非常に疑問に思うのは、今残っておる、物品税の対象になる品目というものは、どこに標準が置いてあるのか。先ほども政務次官から奢侈的なという意見がありましたが、奢侈的という言葉はいろいろ議論もありまして、そういう議論になるかもしれませんが、非常にむずかしい問題が出ております。今残っておる物品税の対象になっておるのは、どういうことを主眼としてこれを課税されておるのか、その根拠を伺いたいと思います。
○村山政府委員 やはり現在における消費の水準あるいはその態様から見て、ある程度の課税はやむを得ないと思われる――中身はそういうものでございます。言葉で言いますと、奢侈といい、あるいは娯楽といい、趣味といい、いろいろございます。これは誤弊もありましょうが、奢侈、ぜいたく品、娯楽用品、趣味観賞用品、嗜好的飲食料品、社交的身のまわり品、この分類が理論的であるかどうか。もう少しありますが、こういうものごとに分類しまして、それでいろいろな統計をとっておるわけでございます。ただこの分類によって税率がきまるとは必ずしもきまっておりません。ただ日常語で言いますと、大体こういう言葉で表わされるようなものを中心にいたしまして、個々の消費の態様を見まして、それぞれ免税点なり税率なりをきめているという次第でございます。
○佐藤(觀)委員 今の村山さんのお話を聞くと、いかにも理論的のように聞こえるけれども、どうも物品税で今残っておるのは、一部を除いて、大部分は弱いもののみが削られていないというような意見が、民間にあるのです。弱い者いじめという感じを受けるのですが、そういう点についてどういう根拠を持っておられるのか、そんなことはないという御趣旨があれば承りたいと思います。
○村山政府委員 物品税は消費税でございますので、消費者の立場から考えているわけでございます。企業対策から見れば別でございますが、そういう面から見ますと、先ほど申しましたように、所得に対する相関関係の最も高い税金でございます。間接税中最も比例的な税金であります。直接税は御案内のように累進的になっております。普通の間接税は非常に逆進的になっております。たばこあたりは一番逆進的だといわれるわけでございます。それに比べまして、ちょうどその中間を走っているのが物品税でございます。ですから、そういう経済的機能から見ますと、ちょうど間接税と直接税の中間を走っているような税でございます。しかも課税物品の選択にもかかりましょうけれども、最近における伸びは最もよろしい。これはおそらく耐久消費財が伸びているということでございましょう。法人税をこえて、最近の幾何平均年率は伸びております。そういう点から見ましても、この物品税体系は捨てるものではない。ただそこに個々の物品について相当考えなければならぬものがあるということでございます。そういう点はある程度、課税の廃止とか、あるいは税率構造の改変とか、あるいは課税の移行とかという問題、あるいは免税点、さらにはいろいろな貿易政策その他を加味いたしましたが、基本的には今言ったような線から、整理して、今後の消費に対応できるものという体系にし直すことが大事だと思っております。ですから間接税の中では、今おっしゃるような憂いの最も少ないものというふうにわれわれは考えております。
○佐藤(觀)委員 観点が違いますからあまり議論いたしませんけれども、ただ物品税のために相当脱税の行為が行なわれておるという問題と、それから最近貴金属などの密輸の問題が――これは関税局が独立しましたから関税局の管轄と思いますけれども、今まで大体主税局に所属しておりましたからお尋ねいたしますが、そういう点の防止、そういうような弊害というのはどんなように考えておられますか、これも承っておきたいと思います。
○村山政府委員 物品税はともすると、その脱税の問題は一番むずかしいのが転嫁困難だ、納税義務者が非常にこまかい業者を抑えているときに、それが転嫁が困難なために、往々にして脱税が行なわれる。消費そのものはかなり商い消費でございまして、これは課税する理由があるものを選択しているつもりでありますが、その課税の方法として、納税義務者をあまりにも小さな、零細業者に置きますと、記帳も十分でなく、また競争場裏においてお云いに不必要な競争をするために、脱税が起きるということは間々あり得ることでございます。そういう意味で今度は今の飾り物、がん兵のようなものを移しましたのも、これはやはり小売にした方が、その方が脱税が少なくなるというような考慮でございます。今度移さなかったものにつきましても、われわれ聞いておりますのは、ゴルフの道具についてはかなり取り締まりが困難である、往々にして脱税違反が見つかるようなことを聞いております。これはこれとして、またそれに適する方法を考えるべきではないかということでございまして、そういう問題については物品税証紙のようなものを有効に活用することによりまして、その方面のことが防止できるのではないか、かように考えております。
○佐藤(觀)委員 それからもう一点は、この物品税が小売課税の場合と製造課税というようなことでいろいろ物議がかもされております。この関係については、これは物品によっていろいろ事情が違うと思うのですが、こういう点については主税局はどんなような御見解を持っておられますか、伺いたいと思います。
○村山政府委員 ほんとうに課税上の難易を考えずに、この消費税ということを考えますと、やはり消費者の負担でございますから、理論的には私は小売課税というのがいいのだろうと思うのでございます。ただ実際問題として、小売課税は非常に困難だということでございます。数がたくさんになりますし、それから零細なものになりますので、やはり脱税が行なわれやすい。執行面まで考えた最後の実質的な公平という問題からいいますと、残念ながら卸売段階あるいは製造段階で課税した方が有効であるということでございます。現在はそういう意味で第一種、第二種、第三種とございまして、第一種は小売従価、第二種は製造従価でございまして、第三種は製造従量でございますが、ほとんど第二種が大部で、九五%までは第二種製造従価になっております。
○佐藤(觀)委員 それから、これは芦田内閣のときに失敗した取引高税ですね。こういう問題は、あの当時は戦争早々のときでもあったし、それから物品税を公平に取り扱うという意味では、やはり少なくとも一つの財源としてわれわれはこれに賛成するとかしないとかいうことではなくて、どうもその方が、むしろ広くいくような方針の方が公平ではないかというように考えておりますが、主税局はどういうようにお考えになっておりますか、この点も関連して伺っておきたいと思います。
○村山政府委員 かつて日本で取引高税が実施されましたが、これが失敗に終わりまして廃止になりましたことは、今先生御指摘の通りでございます。今度の物品税の改正にあたりましても、これらの多段階の売上税、それから日本の今の取引高税の過去の実績をも十分検討の対象にいたしました。それから各国でやっております付加価値税については――これは形では各納税義務著が多段階でございますけれども、付加価値でございますと一段階と同じでございます。そういうものの功罪というものをいろいろ考えてみたわけでございますが、結論においてはやはり今のようなことの方がいいのではないかと思う。日本の取引高税の一つの失敗は、時期が非常に悪かったということが一つあげられると思うのであります。それからもう一つは、多段階であるということが非常に問題になったのだろう。もしあれと同じ方式で起こすとすれば、むしろ、同じような考えにいたしましても、付加価値の方でいくべきではなかろうか、まあそういうことでございますが、しかし現在それならば付加価値のようなもので一般的に広く課税物品に対して課税する方法と、それから今の日本のようなやり方、あるいは英国のようなやり方、課税物品をねらい撃ちにしておいて、それに適当と認める税率を持っていくか、まあこの問題でございます。どうも過去の歴史、付加価値税、売上税のできました歴史を見ますと、各国とも、いわば非常時に際して設けられた税制でございます。第二次大戦中あるいは第二次大戦後の財政整理のとき、こういうときに起こされた税金でございまして、平常時の税制改正として設けられたものではございません。この辺考えてみますと、よほどのときに、ほんとうに金が必要だというときに、思い切って、税制の理論というものはある程度かまわずに、担税力とかなんとかいうよりも、むしろ多収入を上げる、こういう目的が強く動く場合にでき上がった税制であろう、こう考えるわけであります。今日たとえば付加価値税なり、そういったものを起こすといたしますと、これは今の物品税とは負担関係が違って参るわけでございます。言うまでもなく、これはある程度は物品の選択はできますが、むしろどっちかというと排除する方向に働いていくわけであります。しかも税率構造もそれほどきめのこまかいものにはなり得ない、こういうところがございます。そうなりますと、その影響は全物品に及ぶということでございまして、そんな必要があるかどうかという問題なんでございます。やはり担税力、消費関係を中心に考える租税理論としては、今の日本のようなこういう、ややきめがこまかいという感じはいたしますが、この方面を推し進めていくべきでなかろうか。もちろんそのときそのときの必要によることとは思いますが、今のような情勢では、この方向へ進めていった方がよりいい税制ができるのではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
○佐藤(觀)委員 物品税についてはいろいろ不満がありまして、私も長い間大蔵委員をやっておりますから、いろいろと意見も聞いているのですが、その中で私たちがいつも気の毒だと思う物品税は清涼飲料水です。この課税が、これはあとでいろいろと説明があると思いますが、非常に気の毒だという感じがするわけです。清涼飲料水、たしかこれは土田儀一さんが会長をやっていらっしゃると思うのですが、物品税反対の陳情、十年間もああいう運動をしょっちゅうやっておられることを見るたびに、非常に気の毒だという感じがするわけです。そこでわれわれはむろん物品税反対でありますから、これは早く撤廃すべきだと言いますが、前に通産大臣をやっておられました高碕達之助さんもその席へ出席されておりまして、これは非常に気の毒な課税だ、何とか処理しなければならぬ、われわれも与党だけれども十分に皆さんのためにこたえるというように、あの人はまじめな人でありますからほんとうの言葉で言われました。大体ああいう会へ出ると、自民党の諸君はみんな、何とか撤廃してやるというような話をすぐするわけです。これはいろいろ主税局なんかの関連が出て参りますが、私たちは少なくとも清涼飲料水のごときは、これはもう廃止すべきものではないかと思うわけです。そこでずっと前に、今開きましたラムネがついていなかった。ラムネがついておるからジュースもつけようということになって、途中でジュースがつくようになりました。サイダーとかそういうような清涼飲料水などを物品税の対象にするのは、どうも私は弱い者いじめという感じがするのでありますが、それについてどんな考えを持っておりますか、これも承っておきたいと思います。
○村山政府委員 おっしゃるように現在の物品税の体系のうち、今の清涼飲料については、消費の態様から見てかなり低いものだろうと思います。従って、特に高い平均税率を課税するのは無理であろう。現行の税率は、今一万一千円でございます。おっしゃるような節がございますので、思い切って五千円にいたしたわけでございまして、半分以下にいたしたわけでございます。五千円と申しますと、ちょうどメーカーに対して、これは計算はいろいろございますが、平均するとメーカーの価格に対して一割くらいになるだろう、これに対して五%くらい、ジュースも大体一割でございますが、(「従価税じゃないだろう」と呼ぶ者あり)従量課税でございますが、大体その辺のところをねらっておるということでございます。なお清涼飲料は従来は十八億くらい税収がありまして、半分以上の減税でありましたから、残ったのが約九億くらいでございます。何しろ物品は七十物品、それから品目にいたしますと約七百くらいあるわけでございます。それで各種の方面を整理して参ったわけでございますが、サイダーを一挙に廃止するというわけにはいかなかったという事情でございます。
○佐藤(觀)委員 どうも根拠が、数年前に私が質問をしたときに清涼飲料水は、果汁なんかの対象に――酒税をとっている関係もあるという説明がありましたが、そういう根拠は今ないですか。
○村山政府委員 これはものの考え方でございますが、酒税とのバランスという問題も考えて考えられないことはございませんが、かなり遠い比較になると思うのであります。やはり物品税体系の中で、総合物品のバランスというふうにして考えた方が、より適切ではないかと思います。(「総合物品のバランスとは何ですか」と呼ぶ者あり)いわばジュース、コーヒー、こういったものでございますね。
○佐藤(觀)委員 平田君か渡辺君の主税局長のときにそういう答弁がありましたことをまだ記憶しておりますが、どうもこういうようなもので、わずかなところからしぼり取るという感じは私たちも決して感心しないのですが、そういう点についてはいずれだんだんなくなるような傾向でありますからけっこうでありますが、ただ今度釣ざおなんかはずされました。こういうわずかなものをとるのはおかしいのですが、そのほかの品目ではずされた理由と、今度新たに課税される対象になったものの根拠、これをちょっと簡単に御説明願いたいのです。
○村山政府委員 十六品目はずしておりますが、氷冷蔵庫、魔法びん、紙、セロファン、グルタミン酸ソーダを主成分とする調味料、サッカリン及びズルチン等の人工甘味料、果実エッセンス、帽子、つえ、むち、金庫、鉄びん、漆器、陶磁器、ガラス製器具、敷物、アルバム及び観賞用写真類、文具類、化粧用具、釣、スキー、スケート及び登山用具、書画及び骨董、身辺用細貨類、薫物及び線香、まだ若干ございますが、大体こんなもの……
○佐藤(觀)委員 ちょっと待って。どうですか、それをあげられると、今までよくとっておったと思われるでしょう。こんなものをとっておったのはおかしいと思いませんか。今あなたは自由に言えない立場にあるからだけれども、そうやってみると、なるほどこれははずして――今までよくとっていたと思われませんか。
○村山政府委員 今度間接税全般の減税に際しまして、各間接税を通じて洗い直したわけでございます。そういう観点からいいますと、こういう機会があれば早く整理すべきものであったという感じは率直にいたします。
○佐藤(觀)委員 だから私はそういう品目を、主税局長、税金をとる御本尊自体がこれはおかしいということが、あとで振り返って考えられると思う。あと残ったうちにも、おそらくかりに来年物品税が減らされることになれば、私はあなたが今受けられる感じと同じような考えが浮かぶのではないかと思うのですよ。少なくとも現在のような自然増収が五千五百億もあるとき、清涼飲料水なんかとるという観点が、どうも私たち納得がいかないのですが、そういう点について、これは大臣に聞かなければいけませんけれども、主税局長としては言いにくいだろうけれども、個人としてそういう観点はどんなように思っておられるのですか。僕はあなたが今おっしゃられるような今度はずされる対象となったものは、当然はずれていいのだと今思うのですが、あなたはそう思われませんか、その点を伺っておきたい。
○村山政府委員 今までこれはなかなか、一方において歳出の問題がありますし、他方重いといわれる税金もいろいろございます。今まで何といってもやはり所得税が中心であったということは、やむを符なかったと思うわけでございまして、今日までずっと所得税を相次いで減税して参りました。経済の活況によりまして、相当自然増収も出ております。もちろんこの自然増収全部使えるおけではございませんので、そのうち交付税とか、あるいは揮発油税のように道路財源へ機械的に行く部分もございますし、そういう歳出要求もございますので、四千八百七億のうち、最後に政策で歳出に幾ら回せ、それから減税に幾ら回せとかいうのは、非常に少ない数字になるわけでございます。それはそれとして、それとは別に今の負担というものをずっとながめてみますと、間接税全体が重かったということは争えないだろうと思うのでございます。所得税の減税が非常に急であった、また急を要したというわけでございます。従って、今ようやく間接税の番が回ってきた。こういうときに振り返ってよく考えてみますと、酒にしてもそうでございます。それから物品税にしても、今あげたようなものは、まっ先に課税を廃止すべきものである、こういう感じは率直にいたすわけでございます。
○佐藤(觀)委員 それから今度新たに課税される品目について少し御説明願いたい。
○村山政府委員 九品目ございます。パッケージ型ルームクーラー、五馬力以上のもの、 カークーラー、ステレオ装置、脱水乾燥洗たく機、ウォータークーラー、冷風機、アウト・ボート・モーター、庭園用電気芝刈機、円盤式レコーダー、これは物品税がやはり租税法定主義の関係で、一々具体的に品名をあげて課税するということになっております。従って、品名があがっていませんと税課にならない。日進月歩でございますから、同じものがどんどん出てくるわけでございます。ですからこれを見ますと、このうちたとえば冷風機、ウォータークーラー、それから円盤式レコーダー、こういったものは当然もうバランス上課税になるべきものであった。たまたま今言った一々掲名しておる関係で、はずれておったというものだろうと思います。庭園用電気芝刈機、これも最近出て参ったので、これは当然のことであろうと思います。それからアウト・ポート・モーター、モーターボートのエンジンだけを売っている場合がございます。これも当然のことであろうと思います。それからステレオ装置、脱水乾燥洗たく機、これはむしろ現行の課税になっているものをいろいろこまかく書いておりますだけに、こういうものが、蓄音機のようなものを分割して売るというような問題が起きてきたために、こういうことが必要になってきた。むしろ当然のことでございまして、今の掲名の仕方が、あまりにも租税法定主義を貫いているために、こういうものが自動的にはずれてくるということの手当でございます。カークーラー、これは自動車のクーラーでございます。それからパッケージ型ルームクーラー、これも五馬力以上のものでございますが、これも事務用品とは考えられません。ウインドー型だけを課税する理由も乏しいということでございまして、いずれも現在かかっておるものに比べて、当然のことであるというふうに考えられるものだけを掲げたつもりでおります。
○佐藤(觀)委員 村山さん、たとえばルームクーラーなど、これは今ごろになっておかけになるのですけれども、これは一般には数年前から、むしろ大会社とかあるいは高等料理店とか、そういうところにやっておられて、日本のような国では、私はルームクーラーがあったっていいと思う。われわれもこれはようやく安くなるときであるから、やってみたいと思うときに課税されるというような感じを受けるのですが、こういうところは一体大蔵省はどういうふうにお考えになっているのか。むしろ前に、もっとぜいたく品だといわれたときにかけて、楽になったときにやめるべきじゃないかと思うのですが、その観点はどうですか。その時間的な――だいぶルームクーラーなんか一般的に普及されて、みんな何とか一つ今度買おうじゃないかというようなとき税金をかける、こういう結果が出てくると思う。この時間のズレですね。むしろ私たちは初めぜいたく品だと思っておったときにかからずに、一般大衆に普及された今日税がかかるというようなことは、ちょっとその点が矛盾をしているのじゃないかというふうに思うのですが、そういう観点はどういうふうに考えておられますか。
○村山政府委員 パッケージ型はもう先生御案内のことと思いますが、実はルームクーラーを課税するときに、まだウインドー型、パッケージ型の点もよくわからないところで、それでパッケージ型というものの、五馬力以上というものは、全部これは業務用であるということで、通達でもってやっておったわけでございます。だんだん調べてみますと、いやそうでなくて、せいぜい事務用品と認められるのは十馬力以上のものだ、五馬力――十馬力の間は普通のものとちっとも変わらないということで、今度はここでは五馬力以上でございますが、いずれ規格の免税点のところで業務用のものははずすつもりでございます。そういうことでございまして、ルームクーラーは時期、タイミング的にいってどうかということでございますが、たしか日本の今の普及率は〇・四%くらいでございます。あらゆる、いわゆる耐久消費財のうち、最も普及率のまだおくれておる、これからのものだとわれわれは考えております。そういう意味では、われわれもいろいろな耐久消費財の普及率とか、各国のものをずっと見まして、先生おっしゃるようにこれはタイミングがおくれているのじゃないかとか、それから当該消費が、今の日本の消費水準がどんな段階にあるかというようなことも、一応見ております。決してもうはずすべきものだとは考えておりません。ただ今度はこの分は、ルームクーラーは従来の税率構造の改正に伴いまして、四〇%というのを三〇%には、下げております。
○佐藤(觀)委員 それからこの答申案にも出ておりますが、物品税に対する比率、税率の高さの問題です。前にはこれは五〇%のようなひどい課税もありましたが、だんだん下がってきまして、今度もだいぶ下がったようであります。たとえば写真機なんかをとりましても、私は東南アジアへ行ったときに、ドイツの写真機と日本の写真機と競争しておりましたが、こういう点の税率の高さの問題については、これは上がることはないでしょうが、下げるような場合について、一体どういう観点でやっておられるのか、この点も私は非常に疑問な点でありますので、伺っておきたいと思います。
○村山政府委員 率直に言いましてわれわれは、従来の税率が三%から五〇%までの八段階の税率がある、この構造が一体どんなものであろうかということを考えたわけでございます。それでいつでも比較になりますと、下げようというときには、何しろ八段階あるものですから、そのうちの任意のところを持ってきて、あれに比べてどうだ、こうだという話が出るわけでございます。何しろこの物品税の税率は、かなり実際問題としては常識的な問題だろうと思うわけでございます。そういう税率構造を持っておりますと、非常に人の判断もむずかしい。それだけに、ともするとその税率の盛り方等についても、間違ったことも起き得ることだと思います。やはり税率構造というものをある程度明快なものにしていく必要がある、こう考えたわけでございます。それで考え方の基礎といたしまして、製造段階のものは、それは税を課するに位すると思うものの普通のものはまず二〇%で押えましょう。小売で一〇%になります。ですからその辺の税率構造が適当である。それでずっと物品を見まして、従来の経緯もございますが、この辺は物品税の課税物品中では普通品と見られるものは二〇%にいたします。ただ課税物品は非常に広いわけでございますので、その上、下一段階というのでは少しまかなうのに困る。商品の態様は相当違います。それで上に二段階、下に二段階を設けまして、それぞれその物品の消費の性質を考えまして、それから従来の税率も十分にらみ合わせまして、適当のところに入れたということでございます。その結果二十一品目ぐらいのものが、結果的には下がったことになっているわけでございます。ただ、今の二段階、同じ物品でも二段階税率のものがございます。あるいは三段階税率のものが――自動車のようなものは三段階税率になっております。それからテレビ、電気冷蔵庫、これは二段階税率でございますが、こういったもののその二段階の区分をどこにするかという問題は、最近の状況を十分勘案いたしまして改正したわけでございます。たとえば冷蔵庫でございますと、従来百十四リットルのところで切っておったわけでございますが、これを今度は百七十で切るというわけです。それからテレビでございますと十四インチで切っておりましたが、これは将来の輸出のことも十分考えまして、二十インチで切るというようなところ、その辺はこまかいところでは検討はしております。税率そのものの盛り方につきましては、そういったことから割り出しておるわけでございます。
○佐藤(觀)委員 今度の物品税の改正の中で、税制調査会の答申に準拠された、これはこれで非常にいい案であったからとったといったような面がありますか。どういう点ですか、具体的に……。
○村山政府委員 税制調査会はああいう調査会でございますので、個々の課税物品は代表的のものだけあげて御感触を承っております。基本的な問題は、物品税にするか、あるいは付加価価税なり売上税にするかというような問題、それから全体の税率構造をどうするか、それから課税最低限のようなものは、課税廃止はこういう感覚で、代表選手のようなものを出しまして、こういう感覚のものは落とすべきである、こういう大筋のところで大体答申はきまっております。そういう意味でございますので、ほとんど答申に盛られたことは全部その精神は生かされておるというふうに考えております。個々の品目について何をどうするかというようなことを全部はうたっておりません。
○佐藤(觀)委員 先ほど村山さんからも説明を伺いましたが、この物品税というものは、そのもの自体がやはり戦時的な一時的な課税対象である。その後になって恒久化するような形が出ておるのですが、物品税そのものの体系として、私ども社会党は反対しておりますが、理論的根拠としては、これは少し薄いような気がするのです。その点、物品税という名前は別でありますが、物品税をほかの形でとるという関連について、あなたは事務当局としてどういうお考えを持っておられるのか。あなたはおそらく現在立場上、自分の意見をそうういうふうに持っておられるのかもしれませんけれども、物品税そのものが、答申にも書いてありますけれども、政治的な課税であって、それ自体が一時的なものであったが、いろいろなことで沿革的に残っておるということが書いてありますが、その点について、自然増収が多い今日でありますから、何らかの形で今の物品税の体系というものは廃止して、ほかのことを考えることは第二の問題として、そういうことはできないのかどうかということは、政治的な問題がありますが、そういう点についてはどういうふうな考えを持っておりますか、伺いたい。
○村山政府委員 物品税の将来の問題として、たとえば課税範囲の問題とか、こういう技術的な問題、そのときどきの情勢に応ずる問題は当然あると思いますが、物品税体系の問題としては、これを付加価値税に切りかえるときがあるのかないのか、現在では私は不適当だと思いますが、そういう時期があるのかないか、これが一つの問題だと思います。そうでない限り、物品税は、率直に言わしていただきますと、今の日本の内国消費税のうちでは、最も体系的にすぐれたものだというふうに考えております。
○佐藤(觀)委員 初めての質問でありますから、私一人だけでやるのは非常に同僚議員に申しわけないので、これで最後にいたしますが、主税局とすれば、とりやすいという立場から、とるのが商売でありますから、そういうお考えになるのはもっともだと思いますが、どうも不公平な点がいろいろある。たとえば今度廃止になるような品目を見ると、今までとっていたのがおかしいというような反省が生まれ出てくると思う。少なくともそういう点で、私たちは現在の物品税を廃止して、何らかほかの方法で、これにかわるべき財源を見つけて、まずとりあえずこういうような不公平な品目については、廃止すべきじゃないかということを考えておるわけですが、その点について、最後でございますから、御意見だけ伺っておきたいと思います。
○村山政府委員 先生のおっしゃることは、先生の御感触で、まだ課税として残っておるもので、この際廃止すべきものがあるのではないかとか、あるいは税率はもう少し下げてもいいのではないかというお考えがあってかのことと思いますが、そういうことは絶えずあることだろうと思うのでございます。その問題は、やはり今の物品税体系の中で、どうせ消費も非常に動いておる状況でございますので、そのときどきの消費の動向というものを十分見きわめて、そのときどきに、やはり必要な改正を加えていくという配慮は、絶えず怠ってはならぬものだろうと考えております。そういう意味で、われわれも今度は全体のあるワクの中で、できるだけの整備をしたつもりでございますが、そういう点について問題が残っているということは、われわれも否定しないわけであります。そういう意味では、再検討を続けて参りたいと思います。ただこの物品税そのものを廃止するということになりますと、私の個人的の感じでございますが、物品税は今の間接税の中では、最もいいものであるという感じはいたします。
○佐藤(觀)委員 最後に一つ、ぜひ再検討して、こういう不当な課税のないように要望しておきます。終わります。
○堀委員 関連して。ちょっと今の発言に、主税局長から租税法定主義の行き過ぎだと思うという発言があった。そのあとのところはどうだったか知りませんが、その点についてもう一回ちょっと……。
○村山政府委員 行き過ぎだとは申し上げておりません。行き過ぎだとは言っておりませんが、課税物品は、当然のことでございますが、具体的にどういうものが課税物品であるかということを書かざるを得ないわけでございます。従いまして、蓄音機というふうに書いてあるわけでございます。ところがステレオというのが出てきまして、アンサンブルになった装置が出てくるわけであります。私は技術に弱いのですが、それを分割して売りますと、分割されたものだけを見ると、それは蓄音機ではない。それを買った者が、あとで組み合わすと蓄音機になる。それがステレオ装置というものだそうでございます。ですから、そういう意味でいえば、その精神は当然蓄音機であったのでしょう。しかし何分にも具体的に掲名しておりますので、移出の段階では、それ自身は蓄音機でも何でもないということで非課税にならざるを得なかった。それを今度追加いたしました。これは掲名しておるということからくることでありまして、やむを得ないことだと思います。租税法定主義の行き過ぎだとは申しておりません。今後といえども、やはり具体的に掲名の必要はあると思います。同じような事態が起きますれば、残念ながら追いかけてあとから手当するということは、こういう税の性質上やむを得ない、こういうふうに考えておるわけです。
○堀委員 行き過ぎとおっしゃったかどうか、そこはわからない。そこの私の受けた感じは、やはり租税法定主義であるからまずいのだという感じに受け取れたのですが、しかし今のあなたのお話だけ聞くと、政令に書こうと、法定にしようと、そのことは現実には同じじゃないか。出したときの時点と、品物が出てくる時点というものは、常に品物があとになるでしょうからね。それは法定主義であるからという言葉が出たところが、私はちょっとひっかかったものですからね。だから、その点は政令でやってもやはり書くのですから、書き方は、政令の書き方と法律は全然違うかというのに、響き方は日本語ですから、そんなにうまく書けないのではないかと思うのです。だからその点はちょっとひっかかるのですが、結局どういうことであったか、それは速記録を見ないとわからないけれども、法定主義ということとは必ずしも関係はないのだ、こういうふうに理解をしてよろしいわけですか。
○村山政府委員 非常に用語がまずかったのですが、気持は、それは法律に書こうと政令に書こうと、そういうものはひっくるめまして、法定主義という言葉を使ったつもりであります。意味は、やはり税でございますので、具体的に掲名せざるを得ないということ、そのことからくるので、そのことは今後といえども続けざるを得ないのだ。しかしそうなると、物品税の性質といたしまして、当然いろいろなものが出て参ります。ですから、あとで追加せざるを得ないということになります。こういうことを申し上げておるわで、是非の価値判断をいたしておるわけではございません。
○小川委員長 武藤山治君。
○武藤委員 物品税について少しお尋ねしてみたいと思いますが、今主税局長から佐藤先輩に対していろいろ御答弁がございましたので、それほど尋ねる点もないのでございますが、主税局長の御答弁を聞いていると、財源確保が非常にねらいのような答弁をしておりますので、最初に税収の増減についてお尋ねをしてみたいと思います。
 本来なら、政令が規定されるこまかい内容についても、審議の前にわれわれに配付をしてもらえると、非常に親切な態度であり、われわれの審議もやりやすいのでありますが、こまかい内容についての表が出ておりませんから、少しお尋ねをいたしますが、十六品目の廃止による減収額は何んぼになりますか。
○村山政府委員 これは平年度ベースで申し上げます。課税廃止による減収額で六十九億五千百万でございます。
○武藤委員 そこで、この政府の提出いたしました法律案に基づいて順次お尋ねいたしますが、第一種の物品、一類、二類、三類というような分類別の三十七年度の収入見積もりと三十五年度の実績、両方の数字を対比して一つ類別にお示しをいただきたいと思います。
○村山政府委員 類別だけで申し上げます。これはあと収入ベースになりますといろいろなものが入って参りますので、課税額で申し上げます。三十五年度実績、第一種十六億一千九百万、第二種八百二十一億ちょうど、それから第三種は二十億三百万、合計八百五十七億二千二百万。それから三十六年度、これは実績見込みでございますが、第一種二十三億八千九百万、第二種千七十一億八百万、第三種二十二億五千八百万、合計千百十七億五千五百万。それから三十七年度現行法ベース、第一種三十億四千七百万、第二種千百九十九億九千七百万、第三種二十三億四千六百万、改正法平年度第一種十七億五千九百万、第二種九百九十億二千四百万、第三種十三億五千百万、改正後初年度、第一種十八億六千七百万、第二種千三十三億四千七百万、第三種十五億一千七百万、課税額合計千七十五億九千九百万でございます。
○武藤委員 主税局長が最後に御答弁した数字は、この租税及び印紙収入予算説明の数字と合わないようでございますが、どういう関係で合わないのでしょうか。
○村山政府委員 これは収入見積額が出ておりまして、それから戻し入れ控除額、それから収入歩合をかけます。それで本年度収入額ができ、それから過年度収入額がございまして、収入額合計ということになります。それでそれらを差し引き合計いたしますと千三十九億九千七百万でございます。
○武藤委員 ただいまの税収からいきまして、一番多いのが第二種でございますが、第二種の中でもいろいろ類別されておりまして、この類別別の歳入を見ないと、どの部分が一番負担が多いかということがはっきりしないわけなんですが、今まで配られた資料では、そういう内訳のわかる資料が全くないのです。そこでお尋ねするのですが、この第二種物品の中の第一類、第二類、第三類というふうに類別がございますか、類別の税収見込みはどういうふうになっていますか。
○村山政府委員 今現行法の分類で申し上げます。甲、乙、丙、丁、戊、癸、これでございます。先ほど申し上げましたように、千三十三億四千七百万、その内訳でございますが、甲類四十四億六千六百万、乙類百五十六億二千百万、丙類四百六億一千四百万、丁類二百九十七億一千四百万、戊類五十九億六千九百万、癸類六十九億六千二百万。ここでおわかりのように丙と丁、つまり現行三割から二割の税率でございます。この辺にほとんど中心がきておるということは、これでわかるわけでございます。
○武藤委員 そうしますと、今度の改正法でいきますと第三類が非常に多い。三類と四類になろうと思いますが、この三類の中で特に成長する品目というのは大体どんなところですか。
○村山政府委員 物品税は、耐久消費財の中でも特定のものに非常に税収が集中しております。従来七十品目といっておりましたが、このうち上位十品目をとりますと、全体の約七〇%を占めております。いずれも第二種の物品でございまして、一番目がテレビでございます。これの実績は三十五年度の実績でございますが……。
○武藤委員 それはあるのです。それは調査会でちゃんと出しているからいいです。僕が聞いているのは、三十七年度の予想、皆さんの方の収入予定、それを聞きたいわけです。
○村山政府委員 これも上位十品目の順位はそれほどには狂いはございません。おもな物品全部計算しておりますが、大きいものから十位ということになりましたら、これからピック・アップいたします。今全部明細書に載っておりますが……。
○武藤委員 何分にも物品税の場合は非常にこまかい品目にわたるものですから、品目別の税収表というものをわれわれに見せていただかないと、どういうものはもっと減税してもいいとか、これはもうやめてもいいのじゃないかとか、そういう判断がなかなかできないのです。たとえば扇風機の問題であるとか――扇風機というものはどこの家庭でも大ていあるわけです。そういうようなものとか、口紅とか、そういうものがどれだけ具体的に歳入に見積もられておるのか、そういう個々の品目にわたって聞かないと、財源にどうも影響があるからと一口に言われてしまうと、それ以上これはやめようじゃないかという意見も展開できない。もっと資料が豊富にないと、どうも個々の製品にわたって聞けないのですが、たとえば楽器の場合ですね。楽器の場合は、ここに書いてある楽器以外に、「その他の楽器で政令で定めるもの」というのですが、その他の楽器というのはどの程度までの金額の――ハーモニカとか、あるいはどの程度までのものを政令できめようとしているのか。そういう点、従来の政令と全然変わらないのか。そこいらも聞かないと――大衆に非常に行き渡っており、もうすでに奢侈品でもない、それほどの趣味でもない、一般的に子供まで使っておるというものまで、物品税がかかっておるかおらぬかということも、あとの政令にまかされているのでわからないわけですね。そういう点はどうですか。この中身ですね、楽器の場合、「その他政令で定めるもの」というものは、どういうものを予想していらっしゃいますか。
○村山政府委員 楽器は、現行法べースで三十七年度二十三億九千三百万でございます。今度はずそうとするのは、今いろいろ検討しておりますのは、楽器のケースであるとか、弱音器、弓、こういったものをはずそうというので目下検討中でございます。
○武藤委員 扇風機などは大体幾らから課税されることになりますか。
○村山政府委員 扇風機には免税点はございません。三十七年度、現行法ベースで三十七億二千四百万程度見ております。
○武藤委員 それから第三種のマッチですね、千本について一円という物品税をかけておりますが、賦課する趣旨、それを一つ最初に御説明願いたいと思います。
○村山政府委員 マッチについては、従来からいろいろな議論のあるところでございます。ただこれは外国でもほとんどこの体系を持っておるところは、全部不思議にマッチはかかっておるということ、それから一つは五割以上が広告用に使われておる広告用のマッチでございます。家庭用と広告用というのは、課税段階で区別するのはなかなかむずかしゅうございます。税率も千本一円ということでございまして、今度は据え置いたわけでございます。
○武藤委員 そうしますと、これは財源確保ではなくて、広告用が五割を占めておるから少しぜいたく品の部類に入る、これはどうなんですか。
○村山政府委員 先ほどいろいろ申しましたが、ぜいたく品とは言えないと思います。やはり広告用だ……。
○武藤委員 広告用だから物品税をかけるとなると、広告をしておるネオンサインとか、過当競争に使っておる広告用までみな税金をかけるのが公平の原則になると思うのです。どうも広告用だから課税するということは理屈にならぬのですが、どういうことなんです。マッチの税収見込みは大体どのくらい見ているわけですか。
○村山政府委員 二億四千万程度の税収でございます。これは広告税の方はその角度からとらえるわけでございますが、もちろんその角度からとられているわけではございません。ただマッチは広告の用に供されているものが約半分程度というその実態を見て、その程度の課税ということでございます。
○武藤委員 こういうのは広告しておるから税をかけるというのですから、マッチの軸ですね。マッチの火のつく部分なりには税金をかけないで、広告の部分だけに課税する方法を考えて、どうも一般家庭で使うマッチの棒には物品税が、広告という名前のもとに一般家庭にまで全部かかる。しかも千本で一円なんという、税体系の中ではほんのささいなこういうものを、主税局長が抜本的改正をしたと言っていないならいいですよ。ところが過去二、三回物品税の手直しをやったけれども、それは部分的なわずかなものだ。今度は根本的な改正をやるのだ、こういう説明をしておいて、こんなのを残しておくというのは、抜本的物品税法の改正にはならぬような気がするのですが、どうでしょう。
○村山政府委員 物品税のうち、先ほど佐藤先生に申し上げましたが、いろいろのものがなお残っておりましょう。という中では、これもその一つであるということは言い得ると思います。それは承知しておるつもりでございます。外国では不思議にたばことマッチという関係で、マッチには大ていの国はみんな課税しておりますが、そういうところで日本は一般に広告に五割ぐらいあるということで、従来存置されているということになっております。
○武藤委員 それからもう一つ、第二種の第五類の化粧品でございますが、おしろい、口紅、あるいは髪の毛を染める染毛料ですが、こういうようなものにもみんな税金をかけているわけですが、そのおしろい、口紅というものは、これはどういう性質だから課税をするのですか。今度の廃止の品目の中に当然入れてもいいような気がするのですが、趣味ですか、女性がお化粧したり、きれいになろうとしているのは。少しぜいたく過ぎるからはずせないというのか、その辺はどうですか。
○村山政府委員 これはいろいろのものの考え方だと思います。身だしなみといえばそれまでの話でございますが、とにかく必需品からはかなり遠いということでございます。ただこれは不思議に化粧品については、各国いずれも高いのでございまして、米国では製造五〇%課税でございます。米国は小売一割、英国は仕入税五〇%の税率でございます。不思議とわれわれも化粧品は興味を持っていろいろ検討してみましたら、そういうことだということ、それから従来は御案内のように、女性用のものは不思議に一五%、男性用五%というようなことでございまして、男女平等の世の中でございますので、特に香水、それからマニキュアのようなものだけを一五%にいたしまして、あとは一五%を一割にいたしまして、それ以外のものはすべて今度は最低の五%、男女平等の五%ということで、身だしなみをするときには五%ぐらいの負担をしていただきたい、こういうふうに御提案しているわけでございます。
○武藤委員 ここで化粧品の税収ですね、前年は幾ら、見込みは幾ら、その点を一つ明らかにしてもらって、それから身だしなみに対する必要品に課税するというのは、少し度が過ぎているような気がするわけです。特に日本の女性は、世界じゅうどこへ行っても最もきれいだといわれているのですから、さらにそれを世界的な誇りにするためにも、こういう日常品として必要欠くべからざるものですね、必需品なんですよ、女性の。そういうものから五%の税金をとるというのは、少し主税局長、思いやりのないような気がするのですが、大臣がどうしてもはずしてはいかぬということで五%課税だというのか、これはどうですか。
○村山政府委員 これは現行法ベースで出ておりますが、従来の一五%のものが現行法ベースで十五億三千五百万、今度は約十億ぐらいまでは五%の方に組みかえることになります。ですから、残るのは五億程度というふうに御承知願いたいと思います。それから従来からこれは五%のものが現行法ベースで二十六億九千二百万、これに新たに女性用のものが十億ぐらいここにつけ加わるわけであります。しかし従来一五%のときに十億でございますので、それが今度五%に一挙に下がりますから、三億三千万程度加わるということでございます。おしろい、口紅のたぐいでございます。
○武藤委員 税制調査会の資料によりますと、昭和三十五年度の課税額の少ない下位二十品目の課税額が載っておりますが、これでは今の化粧品の税額が全然出ていないのでよくわからないわけですが、化粧品用具とかあるいは帽子、つえ、そういうようなものを総計しても税額で六千八百万円なんですね。それが口紅、化粧品だけで十五億も税収があったのでしょうかね、ただいまの数字は真実の数字でしょうか、どうでしょう。
○村山政府委員 推計でございますが、真実に近いものだと思っております。これはどこでもそうですが、化粧品の税収というものは、相当多額に上っていることは事実でございます。三十五年の実績で申し上げますと、化粧クリームだけで二十億三千五百万、それからおしろい、口紅だけで十億七千四百万、これは実績でございますので、大体化粧品というのは相当金額としてはかさむものでございます。
○武藤委員 しかしこういう化粧品は先ほども申し上げましたように、もうすでにぜいたく品でもなし、趣味でもないのですから、日常女性として必要な最低限の必需物資ですから、一定の金額を置いて免税点をやはり設けて、この程度のものはもうかけなくてもよろしい、そういう免税点をこの四十六項目のものは当然設くべきだと思うのですが、そういう点、なぜ免税点を設けてやろうと考えなかったのですか。
○村山政府委員 これは何分にも単位としてはこまがいものでございます。従って、性質としては免税点を設くへきものではないと私は思うわけでございまして、今のように広くとらえている限りは、その化粧品をどう全体として扱うかというあたりが問題ではないか。また化粧品でございます。顔につけるものでございますから、うかつに免税点などをつけますと、粗悪品などを作って皮膚に影響するということも考えられます。そういったこともございますので、全体としてどういうふうに扱うかという問題ではなかろうかと思うわけでございます。今度はおしろい、口紅に限らず、男子のクリームも五%、全部五%に持っていって、特に香水とかマニキュアだけ一〇%にしたということでございます。
○武藤委員 討論ではありませんから、私どもの意見はあまり述べることも差し控えますが、この化粧品に対して課税するということは、現在の需要の現状、女性の使用状況から見ても、すでに廃止すべきだ。十六品目の廃止した品目と比較しても、廃止しても決しておかしくない、均衡を失しない、さように私どもは考えて、この廃止に踏み切るべきだという意見ですが、将来この問題について検討をするという意思をお持ちであるかどうか、それとも今のまま当分の間押し通していくのだというお考えであるか、御見解をちょっとお知らせ願いたい。
○村山政府委員 率直に申しますと、化粧品だけ今度の課税物品の体系の中でさらに検討すべきだというふうには考えておりません。やはり課税物品全体は、物品税の性質上、消費の推移を絶えず考えていく必要があるという意味では、化粧品も同様に考えていかなければならぬと考えております。しかし今度のような税率であり、各国の事例を見ましても、これだけが特に課税として残したのが不適当であるというふうには考えておりません。
○武藤委員 しかし物品税をなぜかけるかという最初の佐藤さんの質問に対する主税局長の考えは、奢侈品とは限らない、趣味とかいろいろ好みとか、そういうようなことを総合して課税するのだ、そういう先ほどの説明の中から考えると、化粧品はすでに現在の使用状況から見て、主税局長の答弁の範疇に含まれないように思うのです。極度に高い一びん何千円というような香水はともかくも、口紅やおしろいは生活必需品ですよ。そういうようなものにかけても検討の要がないという答弁は、私は少しおかしいと思うのです。そういうような問題についてはもっときめのこまかい検討をして、同じ化粧品といわれる中にもいろいろなものがあるから、十分検討しなければならぬものもある、そういう判断になることが今の状況からいって当然だと思うのです。そういう考えは将来とも全く必要ないですか。
○村山政府委員 おっしゃるようにクリーム、それから口紅といったものが、普遍的に使われているということはよくわかります。ただやはり身だしなみの問題だということでございまして、その人の順位から申しますと、やや身だしなみに属する問題だと考えておりますので、この程度はやむを得ないのではないかというふうに考えております。ただ全体としてこれはもう考慮する必要がないということではございません。もちろんそのときどきの消費の推移に応じまして全体を見直さなければならぬ、そういう意味では化粧品も決してその例外ではないと思います。そういう意味でわれわれは今後とも検討を重ねて参りたいと思いますけれども、特に化粧品だけがほかのものに比べてアンバランスだという感じは、実際のところあまりいたさぬわけでございます。
○武藤委員 次に性質の違う質問ですが、三十七年度の予算の税収見込みを基礎にして国民所得との比率は、今度の物品税の改正によってどのように変わるか、何%になるか、さらに国税総額に対して何%になるのかの二点をお尋ねします。
○村山政府委員 三十六年度予算ベースで――今三十七年のものは出ておりません。数字でありますから大した違いないと思いますが、〇・七%でございます。
○武藤委員 私が聞いておるのは、そういう調査会ですでに発表しておる数字を聞いておるのじゃないのです。はっきり断わって三十七年度の皆さんの見込みでいったらどうなるかと聞いているのです。わかり切った三十六年度の〇・七%と出ておる、それが今度の改正でどうなるかということを聞かぬことには、そのバランスは出てこないじゃですか。そういう答弁ではいかぬですよ。
○村山政府委員 今すぐ計算してあとで申し上げます。
○武藤委員 先ほどの約束で、大臣がお見えになったら堀さんに譲ることになっておりますから、一時中断いたします。
○堀委員 本日酒税、物品税が当委員会で採決をされるにつきまして、大臣に主要なる点を二、三点だけお伺いいたします。時間がないそうですから、一つ簡単にお答えをいただきたいと思います。
 今回の間接税減税の主たる目的は何か、伺います。
○水田国務大臣 主たる目的ですが、国民負担を軽減するということが減税の目的でございますので、その一環として間接税の減税も行なったということでございます。
○堀委員 参議院では低所得者のために間接税の減税をしたというふうにお答えになっておるようでありますが、その点はどうなのでしょうか。
○水田国務大臣 低所得者のためにというわけではございませんで、間接税は物品の消費をするものについての減税ですから、低所得者も高所得者も減ると思います。しかし直接税の減税は少なくとも税金を納められる層の人に恩典があることだし、生活にほんとうに困るという低所得者属は社会保障制度で、生活補助そのほかによっていろいろ政府が見る、政府の政治の対象になる属でございますが、その間の層というものについては、今度の間接税の減税によって負担が軽くされるということはあるが、そのほかの恩典はないのだということを言っただけでございまして、間接税が低所得者のための減税というわけにはいかぬと思います。
○堀委員 今非納税者の問題に触れられましたが、大臣は、今度の間接税減税で、所得税非納税者に対して十分な間接税の減税が行なわれたと思われますか。
○水田国務大臣 私はやはりある程度は負担を軽減するという目的を達したものと思っております。
○堀委員 やはりある程度――声が小さくてはっきりわからぬのですが、問題は、非納税者世帯が、片方の直接税が非常に減税されるに比べて、不十分な減税しか受けていないとわれわれは思います。そこで間接税は、直接税が三年も四年も減税になって、三、四年目に一回しか減税にならないというのが最近の領内ですが、非納税者世帯に対する間接税の減税は非常に不十分でおる。大蔵省に出していただいた資料を見ましても、一人当たり非納税者は千九百円しか減税になっておりませんが、納税者は二千九百円減税になってある。こういう形でありまして、今回の減税が特に非納税者に十分な効果を何ら及ぼしていないというふうに考えますので、今後は、このように何年目かに一ぺんということではなくて、先ほどから物品税でも問題がありましたが、もう少し必要に応じて間接税の減税も、直接税の減税と並べて行なうべきであると考えますが、大蔵省の見解を一つ伺いたいと思います。
○水田国務大臣 今後はむろん直接税そのほか他の諸税との均衡を考慮しながら検討を加え、必要がある場合には間接税の減税もやっていくつもりでございますが、御承知のように間接税というのは、すべての物品にかかっているという性質のものではございませんで、特殊な、必要性によってかけているものでございますから、この減税がすぐに低所得者層にそのまま響くという種類でないものも相当多うございますので、やはり国民の生活水準の推移というものと対応して、その効果が適切であるという場合に減税すべきものだと考えておりますので、この点は各税一般との比較権衡を考えながらやっていくべき仕事だと思っています。
○堀委員 最後に、もちろんそういうことでしょうが、特に間接税の中で所得税の非納税者に一番影響を持っておるのは、私はやはり酒の税金だと思います。今回の酒税、物品税、入場税等の減税の状態を見ましても、比重はもっと酒税が下がれば、非納税者世帯の生活に影響するのではないかというふうに考えますので、諸外国との税制のバランスを見ても、著しく高い酒の税金についは、特に今後とも、たばこの一部の消費税とともに国民生活に直結をしておりますから、何年かに一ぺんというようなことではなくて、必要に応じて毎年度考慮し、必要があれば毎年でもやるべきではないかと思いますが、その点についてはいかがなお考えでしょうか。
○水田国務大臣 これは必要に応じて検討したいと思っております。
○小川委員長 ただいま議題となっておりまする両案中、酒税法等の一部を改正する法律案に対する質疑は、これにて終了いたします。
    ―――――――――――――
○小川委員長 続いて討論に入ります。
 通告がありますのでこれを許します。平岡忠次郎君。
○平岡委員 日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されておりまする酒税法案に対しまして反対の意思表示をいたしたいと思います。
 ここに昭和三十七年度における税制改革の一環として提案せられた酒税法は、政府の喧伝する所得税の軽減に浴さない低所得属のための大衆減税だとは、必ずしも言い切れないことを遺憾といたします。今回の酒税、物品税、入場税等の減税は、大衆消費の観点から考えられた減税ではなく、財政収入の保持を第一義とした見せかけ減税の性格が強いのであります。入場税ではなおさらですが、標準価格の定められている酒税ですら、一部の酒類を除いては、減税に先がけて値段を標準価格よりすでに上げているので、政府が減税分をすべて値下げに回すといい、またこれを受けて酒類八団体もこのことを了承していると言っておるのでありまするが、現実には標準価格等に比べてどれだけ実質減税となるか、はなはだ疑問であります。
 一般に間接税の減税は、入場税にしろ物品税にしろ、あるいは標準価格のある酒税においてすら、はたしてそれが消費者の負掛軽減に回るかどうか、疑わしいものが少なくないのであります。大部分が業者のふところに入るおそれが大きいのでありまするが、たとえばたばこ等につきましては、最も広範な低所得個にも及ぶ日常嗜好品でありまして、またその減税は確実に値下げされて一般大衆の負担減となるのでありますから、このようなものこそ間接税減税の先頭に取り上げらるべきものであります。しかるに最も逆進性の強い大衆収奪のたばこ税は、小売り価の中に六四・二%の高率を占めたまま見送られました、中山税制会長すら、二月七日の大蔵委員会におきまして、たばこ減税の必要性を説いております。同様のことは小売価一キロ当たり百四十五円中五十九円二銭を収奪している世界一高価な砂糖などについても言い得ることでありまして、減税の対象の決定にあたりましては、その減税による利益がいかに広く低所得属に及ぶかどうかを基準にするよう、本来政府は心すべきものと思っております。今回の政府の間接税の引き下げが、揚言いたしておるにもかかわらず、減税対象の決定にあたって優先序列を誤りまして、しかも中途半端に終わったことは真に遺憾しごくでございます。
 ここで酒税の引き下げが行なわれないよりはましだとして、賛成し得るものなしとしないのでありますが、結論として、大衆のための減税に徹しかねた今回の政府の減税意図を非なりとする立場から、酒税法案に対しまして反対の立場をとることを、ここに表明いたす次第であります。
○小川委員長 これにて討論は終局いたしました。
 続いて採決に入ります。
 採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○小川委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
○小川委員長 次に、藤井勝志君より、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、提出者の趣旨説明を求めます。藤井勝志君。
○藤井委員 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま採決になりました酒税法等の一部改正法律に対しまして、附帯決議をつけることを提案いたしたいと思うのでございまして、案文はお手元に配布いたしております。
 大へん簡単でありますから読みあげます。
   酒税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
  政府は、清酒およびしょうちゅう等の製造に当る中小企業者に対し融資のあっせん等につき万全の措置を講じて、その経常の安定をはかるとともに、現在政令に委ねられている酒類の原料米使用割合等については来年度中にこれを法律化するよう措置すべきである。
 このような附帯決議の提案をいたします理由につきまして、いささかお時間を拝借いたしたいと思うのでございます。
 第一点は、清酒、しょうちゅう、みりん等の中小企業者に対する金融措置の問題でありますが、この問題につきましては先般来数次にわたって私は当委員会でもいろいろお話をした通りでありまして、清酒等の業者は中小規模のものが圧倒的多数を占めておるのであります。例を清酒にとってみますと、製造数量二百キロリッター以下のものが全業者の八八%を占めており、その一業者当たり平均生産量は百三十二キロリッターにすぎないことになっておりまして、しかもこの平均量よりも少なく製造しているものが全業者の七四・五%にも上っておるわけでございます。一般には清酒業者というと、いずれも相当の資産を有し、地方でも有力者であって、一般の中小企業者に比較いたしまして困窮の度合いが少ないかに思われておるようでございまして、先般の大蔵大臣の御答弁の中にもそのようなことがちょっとうかがわれて、いささか心外に思うわけでございまして、確かに終戦前はそうであったと思うのでございますが、しかし終戦後は事情は一変して参りまして、財産税の施行、農地解放の実施などによって、清酒業者が先祖から伝承して参りました資産の大半は失われるに至ったのでございまして、いわゆる斜陽族に入る人たちが多いのみならず、清酒等の販売価格は長い間マル公制度のもとにおかれまして、低利潤に押えられていたために、資本の蓄積をする余裕もなく、毎年の生産にあたっての原料米購入等の資金は、そのほとんど大部分を銀行融資に仰いでいることは、お世話をなすっておる大蔵当局自身よく御承知の通りでございます。
 このような次第でありますから、その生産設備、機械の後進性が特に最近目立って参りまして、多くの父祖より受け継いだ機械装備のことごとくは、老朽化がはなはだしくなって参っておるわけでございます。一方業者の労務事情はどうかと申しますと、機械装置の水準の低さは、生産にあたりまして労働力への依存度を大きくし、その熟練度に依存する度合いを大きくいたしておるにもかかわりませず、良質の労働力の確保を困難ならしめておる現状は御承知の通りでございます。同時に清酒醸造工員の大半は、冬期農村からの季節労務者によってまかなわれておるのでありますが、最近諸工業の地方分散に伴い、この季節労働者の求人難がはなはだしく、賃金コストの上昇が年を追って目立って参っておるわけでございます。従いまして、最近の清酒の増産に即応し、コスト・ダウンをはかり、市場における競争にたえていくためには、好むと好まざるとを問わず、設備装置の近代化ないしは合理化に迫られている状態におかれておるわけでございますが、前に述べました通り資本の蓄積がございませんので、これら設備資金等は大部分を他人資本に仰がなければならないわけでございます。
 しかるに大蔵省の融資準則によりますと、酒類製造業に対する融資順位は丙と相なっておるわけでございます。毎年の仕込み原料用資金は特別のはからいで甲並みの取り扱いになっておりますが、設備等の資金は依然丙扱いとなっているわけでございまして、他の基幹産業に比べ、はるかに後順位となっておるわけでございます。このようなことでありまして、酒税一千億の確保ということも、だんだんむずかしい状態になるのではないかと憂慮いたすものでございます。そこで政府は、これらの中小規模の清酒等生産者に対して、中小企業振興資金助成法の融資対象としてすみやかに指定するとともに、開発銀行または中小企業金融公庫に対しても、長期低利の資金を放出するような特別の措置を講じられまして、設備の近代化を促進するとともに、中小企業保護育成の立場からぜひ善処されんことを切望するわけでございまして、特に先般私はおけ取引の話をいたしました。おけ売業者の現在の苦境はきわめて困難な状況に置かれておるわけでございまして、これに対する長期運転資金の早期手当を要望いたす次第でございます。
 第二点は、酒類業界において、大企業と中小企業との関係において、昨年来大問題になっております清酒と合成酒との問題についてでございます。御承知のように、この問題は合成清酒側において、酒税法改正の機会に名称を日本酒と変更するとともに、原料米の使用限度を現行の二十度換算合成清酒の重量の五%以内というのを、一〇%に変更してもらいたいということを政府に陳情したのが、その発端であるわけでございます。これに対し清酒業界においては、名称を日本酒と変更することは、消費者に対して、清酒と合成酒の区別をあいまいにし、その選択を迷わすことになること、また原料米の増量についても両者の区別が容易につかなくなりますのと、合成清酒業界では、これを機会に大資本にものをいわせて大宣伝をなすであろうから、このようなことで資本力、宣伝力の大きな合成清酒業界と、中小企業をもって組織されております清酒業界とが、同じ市場で競争することに相なりますと、おのずからその帰趨は明らかであるとして、猛烈な反対をいたして今日に参っておりますことは、各位の十分御承知の通りでございます。
 そこでこの問題につきまして、私は公平な第三的な立場で冷静に判断を加えなければならないと思うのでございますが、その判断のかぎは、もちろん消費大衆の立場を考えることは当然でございますけれども、同時に中小企業基本法を制定しなければならぬという現在の政治的背景も十分考慮しなければならないわけでございます。合成清酒業界は、百億になんなんとする大資本の業者が十社で、約七〇%の市場を占有いたしておるわけでございますが、しかもこれらの業者は新式しょうちゅう、原料用アルコールの製造をそれぞれ兼業いたしておるわけでございますから、非常に強大な力を有しておるわけでございまして、これを合計いたしますと、合成清酒全業者の一業者当たり平均生産量は、十五度五分換算にいたしまして約三万石に達するのでございます。これに反しまして清酒業界の方は、さきに申しましたごとく十五度五分換算で一業者当たり平均生産量千百石程度でありますから、名称をまぎらわしいものにして、中身を今の倍の米を使って近似させ、両者を競争させるということは、中小企業の保護の立場から考えましてもきわめて重大な問題を含み、慎重に取り扱わなければならぬと考えるものでございます。従いまして、名称はもちろん、原料米の使用限度は現行のままに据え置くことが、総合的政治視野に立って至当かと存ずる次第でございます。
 ところでこの原料米の使用限度をきめたところの規定は、政令である酒税法施行令第三条第二項であります。これを言いかえますと、合成清酒の原料米使用限度のきめ方は、法律で、これを大蔵大臣に委任するという形をとっておるわけでございまして、大蔵当局は、このように中小企業の存立に重大な影響があり、国民の権利義務にも至大な関係のある規定を、いつにても変更し得る建前になっておるわけでございます。大蔵当局の説明によりますと、この原料米使用制限の規定が政令にゆだねられておる理由は、戦後において、米穀事情の窮迫から清酒が極度に不足した際、代用品である合成清酒に若干の米の使用を認めることとし、清酒の不足を補ったのであるが、元来合成清酒は米を使わない建前で出発したものであって、戦後米の使用を認めたのは、いわば臨時的措置であるから、いつまたもとの姿に返るかもしれないという配慮から、政令をもって規定されたという説明があったのでございます。しかしながら、戦後二十年近くなる現在、この規定は合成清酒の定義に関する帯本的規定でありまして、酒税の税率にも関係し、また罰則規定も伴うものであり、いわば国民の権利義務に重大な影響がある規定であり、なお先ほど申し上げましたように、大企業対中小企業の問題として重大な政治的課題でございますから、いつまでも政令のままに置くことは妥当ではないと思うのでございまして、政府はすべからく、政令できめられた現行の制限規定を酒税法に組み入れることを要望するものでございます。こういたしますことによりまして、清酒の定義規定におけるアルコール等の使用制限規定が、酒税法に定められておりますのと初めて肩を並べることになり、法体系といたしましてもすっきりした形になるのでございまして、先ごろ本委員会におきましての私の質問に対する大蔵大臣の御答弁とも和マッチし、これを実行するゆえんでもあると思うのでございます。
 以上が、ただいま朗読いたしました附帯決議を付する提案理由の説明でありまして、金融措置に関しては特に可及的すみやかに対策を講ぜられんことを要望いたしますとともに、以上申し述べました合成清酒に関する政令事項を法律に書き改めることは、次の通常国会までに必ず措置されんことを要請いたす次第でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げる次第でございます。
○小川委員長 お諮りいたします。
 藤井君提出の動議のごとく決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小川委員長 御異議なしと認めます。よって、藤井君提出の動議のごとく附帯決議を付するに決しました。
    ―――――――――――――
○小川委員長 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○小川委員長 ただいまの附帯決議に対し、天野政務次官より発言を求められております。これを許します。天野大蔵政務次官。
○天野政府委員 ただいまの御決議を願いました附帯決議につきましてお答え申し上げます。
 政府は、従来から酒類業界に対する金融措置その他の企業対策の面につきましても、行政上及び立法上において必要な配慮を払っているところでありますが、今後とも、ただいまの御決議の趣旨を尊重いたしまして、適切なる措置を講じて参りたいと存ずる次第であります。
     ――――◇―――――
○小川委員長 物品税法案について質疑を続行いたします。武藤山治君。
○武藤委員 先ほど質問いたしました国民所得に対する率、それと国税総額に対する物品税の率がどうなっておるか、計算つきましたか。
○村山政府委員 租税総額の方は今計算しておりますが、国民所得に対する比率を申し上げます。三十七年度の国民所得十四兆三千五十億、それから減税前の物品税額千二百十二億、〇・八%でございます。減税後千四十億、
〇・七%でございます。
○武藤委員 そういたしますと、減税総額で見ましても、国民所得に対する比率で見ましても、昭和三十五年、三十六年が〇・七、それをもし改正しなかったら〇・八になる。そこで今回の改正案で前年と同じ〇・七%という比率なんですね。決して、国民所得に対する比率から見ても、減税が大幅だとか適切だという数字になってこない、そう私は考えるのです。特に昭和二十六年、七年、八年ころは〇・三%あるいは〇・四%なんです。そのころから比較しても、今日の物品税の負担割合がかなりまだ多いということが言えるのであります。少なくとも昭和三十年あるいは二十八、九年程度の〇・四、五%まで物品税の負担率を下げてもよろしいのではないか。そういう点から考えて、どうも減税幅が少な過ぎると思うのでありますが、こういう計算を先にいたして目安を置いて、一つこの辺までことしの物品税は下げようじゃないか、そういう考慮などを払った減税なんだろうかどうだろうかということを非常に疑うのでありますが、そういう点、どういう方法で、どういう基準で減税幅というものをきめたわけですか。
○村山政府委員 物品税の税収の国民所得に対する割合を一定にするとか、あるいは国税総額に対する割合を一定にする、あるいはある比率にしよう、こういう角度から物品税の税制を考えているわけではございません。先ほども申し述べましたように、物品税の最近五年間における税収の伸びは、各税を通じて最も高い税収でございます。従いましてほうっておきますと、これは相当程度伸びていく。来年は経済の状況がございまして、ただいま言いましたように減税前ですと〇・八%、減税後〇・七%、これは来年の経済の予想される伸びが非常に小さい関係で、そういうふうに見込まれてきたということでございまして、全般的にいいますと、国民所得の伸びをはるかに越えていくわけでございまして、過去五年間の平均伸び率の所得に対する弾性値をとってみますと、二・四%くらいになっております。そういう意味で、われわれは国民所得に対する一定率とかそういうことではございませんので、物品税体系の内容を個々に検討して参りまして、課税を廃止すべきもの、あるいは税率構造をどうするか、免税点の問題はどうするのか、こういう点から積み重ね方式で出しております。そういう意味でございますので、必ずしもそういうことにはならないと思います。
 なお先ほどの件について申し上げますが、国税総額中、減税前では五・六%、減税後四・四%程度でございます。
○武藤委員 積み重ね方式で減税幅をきめていったということは、そういう方法を従来とっておったから一応やむを得ないと思いますが、ただノーマルな二十五年度ごろからの状況を見ますと、大体〇・四%、〇・五%程度がかなり長い期間続いておるわけです。それが〇・七%までいったからこれをダウンさせようという意図的な検討というのを、私は考えてもいいと思うのです。減税した減税したと言うからには、当然これが〇・五くらいまで率が下がっていく、それが前年度と同じ国民所得全体に対して〇・七%であるということは、こういう数字からいったら減税したことにならぬじゃないか。国民所得の伸びはどんどんあるのだから、ただ新規に課税したものがあるから課税対象の層はだいぶ変わってきますけれども、それにしても大幅に大衆負担を軽減するという立場からいくと、先ほど指摘したようなわずか二十億円の化粧品の減税もやらぬ、さらにマッチなどの減税もやらぬということになると、このパーセントをもっとずっとおろしても、そういう大衆負担を軽減する減税というものは、やる気があれば可能であった。そういう点まことに残念に思うわけです。
 これ以上質問してもこちらの主観が入りますから、その点はやめますが、最後にお尋ねしたいのは、免税点をきめるきめ方ですね。これも政令で各品目別にきめるのでよくわかりませんが、たとえばたんすを二万三千から二万一千円に免税点を引き上げる、あるいは腕時計を二千五百七十円から二千五百円に引き上げる、この場合の基準というものは一体何を基準に、どういう機構でだれがきめるのですか、それを最初に聞かしてもらいたい。
○村山政府委員 免税点の問題につきましては、現行においてどういうことになっておるか、従来どういう点が問題になっておるかということはおのずからわかるわけでございます。そういう問題点を一つ一つ確かめて参るわけでございまして、業界の意見も十分聞いて参ります。われわれの方で資料がありますればそれによって調べて参りまして、それがどういう用途に使われておるか、どういう人たちがやっておるかというようなことをしさいに検討いたしまして、その上で政令できめる、こういう運びになるわけでございます。
 それから先ほどの問題でございますが、二十五年くらいでございますと、ちょうどまだ物品税の耐久消費財の伸びが出てこないころでございます。今ちょうど資料がありましたので見てみますと、このときが課税物品は七十七品目くらいだろうと思います。一番多いときが課税品目は百をこえたと思います。現行が七十品目で、今度十六品目廃止いたしますので、五十四品目になるわけでございます。このときも課税物品は多いが、しかし税率も商いわけです。高いにもかかわらず低いということは、一つはその消費の状況でございますので、必ずしも一つの率によれないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○武藤委員 そうしますと、業界等とも話し合って免税点はきめると言いますが、たとえばラジオの免税点は今まで四千五百円、それを七千円――七千円というのは大体どんな層の人が使うとか、あるいは製造の量だとか、あるいは業界がこの程度にしてくれと言ったのか、そういう点一つ各品目を全部出してもらわぬとほんとうはわからぬ、総合的判断ができぬわけですが、今ここに入っておる資料だけでは、どうも初めに免税点をきめるきめ方にもかなり問題があるような気がするのですが、そこらはどうですか。
○村山政府委員 個々の物品の免税点については、ほんとうに申しますと、もっとこまかく非常にニュアンスがありますのでなんですが、たとえば今のラジオの場合でありますと、現在五%と一〇%という税率の差がございますが、免税点についてはその間一率にきまっておるわけであります。今度は五%かかっておるようなものについては全部課税を廃止してしまおうという意図が働いておるわけでありまして、高級ラジオだけ課税しようということでございます。そういうことからくる免税点の移行でありますので、非常に大幅になっておりますが、考え方の推移はその辺にあるわけであります。
○武藤委員 今度の免税点の引き上げによって生ずる減税額はどのくらいになりますか。
○村山政府委員 これはまだ政令を出しておりませんので、確定数字ではございません。大体のところで今の案で見積もりますと、平年度四十九億六千七百万円程度になるであろうかというふうに推定されるわけであります。
○武藤委員 この政令をこれから作るわけですが、ほとんど政令に委任されておるので、私ども審議するのに材料がないわけでありますが、この政令できめる場合の中心になる免税点を協議するには、主税局長や何か入るわけでしょうが、その構成はどの程度の構成、でそういう規則を作るのですか。
○村山政府委員 私の方には、総務課のほかに一課、二課、調査課、臨時税法整備室がございまして、中心になるのは、これは物品税の関係でございますので二課でありますが、大体二課の関係者は全部入ります。そのほかに財務調査官もおりますし、それから過去のこれを扱った人たちもおりますので、それらの人の御意見も聞くわけでございます。もちろんそれまでの間に二課ではあらゆる資料を作りまして、二課でいろいろな意見を一つの案にして、それを局としては検討して参るわけであります。
○武藤委員 先ほど主税局長から業界の意向も十分聞いて免税点をきめておるという言葉があったから、業界の意向を聞く窓口は、課長のところなりあるいは主税局長のところなり、あるいは何か合議体の政令を作る制度を作っておる十人なら十人がきちっとやるのか、そこらの点にいささか不安があるのですが、業界の意向を聞くというのはどういう方法で聞いておるわけですか。
○村山政府委員 これはどういう方法と特に限られた方法はございません。これはそれぞれ担当の課長の方なりあるいは担当課長補佐の方なりに随時参っておるわけでございまして、業界からも始終話はございます。またこちらも進んでその意見を求めたような場合には、どんどん疑点を明らかにする意味で来ていただいて話を聞く、また業界の催しものがありますれば、そこに出て向こうの意見を聞き、こちらの意見も言う、要するにそういうのは一つの原案作成までの過程でございます。そういう意味で、われわれはあらゆる方面の意見あるいはデータというものをできるだけ収集いたしまして、最後の決定をいたすという運びになるわけでございます。
○武藤委員 この免税点政令委任事項の原案作成にあたっては、できるだけ総合判断のできるような形でそういうものをきめてもらわないと、業界によっては非常にアンバランスができたり、不公平になるようなおそれもなしとしませんので、十分一つそういう点は考慮して、免税点というものの検討をしてもらわなければならぬ、そういう強い要望を一つしておきたいと思うわけであります。
 それから最後の質問でありますが、零細企業の製造物品で税の転嫁が困難な事情があると認められる飾りもの、人形及び玩具、そういうようなものについては小売課税の方に移行することになっておる。そうすると小さい製造業者が自分のところで申告できない、あるいはすると不合理がある、そういう今までの経験から見て、どういう欠陥なり不合理なり困難さがあったのか。どうしても今度は小売の方へ移さなければならないという積極的な根拠、理由、それをお聞かせ願いたい。
○村山政府委員 要するにこれらのものの従来の納税義務者は、製造者とはいうものの、実際は職人なんでございます。それだけに記帳が非常に困難だということ。それからやはり取引でございますので、販売業者とこれらの職人の間に取引についての折衝が行なわれるわけでございます。その場合に税金部分は当然消費者に転嫁すべきものとしてわれわれは前提しているわけでございますが、何しろ商売上の折衝でございますので、ともすると物品税は忘れられてしまうということで、あとになってその職人の方々は物品税のやり場に困るということでございます。もちろん物品税込みで全部値段がきまるわけでございます。こういう点を考えますと、これらの記帳も十分できない、それから物品税法の知識も暗い人たち、取引条件においても不利な立場に立っている人たち、これらを納税義務者にするということは、物品税の転嫁の上で非常に問題があるということでございます。そういう意味で、これよりも規模が大きい、むしろ消費段階に近い方でやった方がよろしい、こういう判断に基づいて今度は課税を移行した次第でございます。
○武藤委員 たとえば飾り物という中には、高価なものでは大体どんなものまで含まれておりますか。具体的な職種で申しますれば、どんなものを作っておりますか。
○村山政府委員 おもなものは、今のお節句のひな人形のようなものでございます。これには相当高価なものがありますし、高価なものほど職人の手にかかる、こういう性質のものでございます。
○武藤委員 人形の方はそれでわかるのですが、飾り物の中には貴金属を使った指輪とか、そういうものは全然含まれませんか。竹細工とか布細工とか、そういう限定されたものだけですか。この飾り物の範囲というのは、大体どういうものを含んでおるのですか。
○村山政府委員 貴金属を使いましたものは別になりまして、これは貴金属製品という範疇に入りますので、これは現在小売になっております。
○武藤委員 第二種だけですな。
○村山政府委員 ええ、二種から一種に移すのであります。飾り物――かぶととか、やはりお節句のものが多いわけでございます。あれを人形と呼ぶのか、飾り物と呼ぶのか――かぶとのようなものもございます。そういったものでございます。
○武藤委員 その他あと数項目質問しようと思って用意していたのですが、大へん時間もおそくなって、代議士会も開かれる時間でございますし、関連質問も広瀬さんの方からあるようですから、私の質問はこれで終わります。
○広瀬(秀)委員 関連質問を二、三申し上げたい。
 先ほど化粧品の問題で、下手に免税点なんかを設けると粗悪品が生まれてはという答弁があったわけでありますが、それはやはり私どもとしては納得できない。免税点を適正にきめればそういうことはまずないわけです。それは消費の性質と担税力に対する照合の関係というもので、化粧品を一律一体に――化粧品の中にもクリームだとか、おしろいだとか、紅だとか、いろいろあるわけでありますが、こういうものをおしなべてということでなくて、その中で若干警務的な要素もある。それからむしろこれははだを保護するという薬剤的な意味を持つものもあるだろう。しかもその消費の性質上非常に広範に普及して、ほとんどの女性が使い、あるいは男性でもひげそりあとなんかには大がい使っておる、こういうようなことまで考えれば、これはむしろ健康保持のために必要だというものもあるのじゃないかと思うのです。そういうものなんかをやはり抜き出して、税の対象からはずしていく。たとえばクリームというようなものがそれに当たると思うのですが、それでも相当良質な高価なものという場合、それをどうするかという問題もあるかもしれませんが、いずれにしてもそういう化粧水だとか、クリームだとか、あるいは髪の油というようなものは、これは頭髪の保護なり、あるいははだの保護なり、むしろ薬品的な、健康保持的な面があるわけです。そういうのは化粧品たる性格よりも、そういう要素の強い場合には、課税品目からそれを抜き出すことも可能だろうと考えておるのですが、急に税収の関係でできないというような問題でもあるならば――現在やられておる標準というものをとって免税点を作れば、先ほどおっしゃったようなこともなくなる、そういう点についてきめのこまかい配慮を次の機会になさる気持があるかどうかということを一つ……。
○村山政府委員 通常化粧品という言葉で表わされておる物品でございます。薬品でありますと、課税いたしません。ですから化粧品であるか薬品であるかというのは、これは薬品は薬品として出るわけでございますが、薬品的宣伝を持った化粧品はたくさんございます。それは宣伝が何であるかということは別に問題にはいたしません。ただ用途が一般的化粧品であると見られるところに大きく着目いたしまして、化粧品のうち特に薬的の、宣伝の文句によりますと、いろいろな宣伝もしておりますが、これは一々分類はいたしております。薬品は課税しない、こういう建前をとっております。化粧品のようなものについては、通常五%ぐらいはやむを得ないのじゃないかという感触でございます。
 そこで先ほど免税点の問題で、免税点を設けるとこういうことがあるというようなことを申しましたが、それは第二次、第三次的な理由でございまして、化粧品のようなものにつきましては、五%ぐらいのものはやむを得ないのじゃないか。特にそのうち従来一五%の適用をいたしましたものが香水とか、マニキュアとかあるいはおしろい、口紅があったわけでございますが、おしろい、口紅のようなものは、これは普通の男女の使うクリームと全く同じではなかろうか。香水とかマニキュアになりますと、相当高価なものがございます。その点がありますので、多少税差を設けて、それを一五%から一〇%にいたしたということでございます。もちろんこの化粧品全体の推移というようなものにつきましては、今後検討を要するものだと思います。また化粧品のうちにいろいろなものが出て参りましたら、その情勢に応じて検討するにやぶさかではございませんが、われわれの現在の考え方といたしまして、社会的に化粧品といわれるその用途に着目しておるわけでございます。あまりこまかくやるということは、かえってどんなものであるかという危惧があるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 まああまりそうきめこまかくやり過ぎても、確かにそれは複雑になり過ぎて、問題はあろうかと思うけれども、今私が指摘したような問題については、これは薬品は課税していないわけで、従って、ほとんどその用途がそういうものだということになっておるものを先ほど三つばかりあげましたけれども、そういうものについては、抜いたらどうかという端的な質問を実はいたしておるわけなんです。そういう気持が幾らかでもあるのか。この辺についてピントを合わせてもう一度答えていただきたい。
○村山政府委員 先ほど具体的におあげになったクリームと油、化粧水はやはり化粧品じゃないかと思います。
○広瀬(秀)委員 これ以上ここで議論をする時間はございませんから、それらのところは少なくとも来年あたりにもう一ぺん検討をしていただきたいということを要請いたしまして、その点は終わります。
 もう一つ。今までどなたも触れなかった問題ですが、暫定軽減税率がございます。貿易自由化に対処するものと、新規課税物品で、急激な価格の変動を避けるという配慮でありましょう、軽減税率が設けられておりますが、これも租税特別措置と同じように、新規課税の方は三十九年九月三十日まで、貿易自由化の方はさらに一年延びて四十年三月三十一日、こういうようになっているわけでありますが、これも、何かしら軽減税率を一たんやってしまうと、これが既得権化する、おそらく長期化するんじゃないかということを、租税特別措置における時限法との関連において、私は非常に不安に思うわけなんです。新規課税物価の場合に、二年間暫定税率を設けているわけでありますが、これについて、一体この期限がきたら、必ずこれは基本税率に復するというようなお考えなのか、またそのときの情勢に応じて、消費の伸びとか、税収との関連においてどういう処置をするのか、この点についての見解をこの際はっきりしておいていただきたいわけであります。それから新規課税物品について、軽減税率を設けた理由というのをこの際はっきりしていただき、その上で、この期限到来のときに、大体その通りで基本税率に復するのか、その点についての見解というものを、この際はっきりしておいていただきたいと思うのです。
○村山政府委員 これは、暫定軽減税率を設けておりますのは、新規課税九物品中の七品目と、それからそのほかの四品目でございます。少し考え方は違いますが、この新規課税のものにつきましては、これはやはり激変緩和という、だんだんルートに乗せていく一つの形として考えておるわけでございます。従いまして、われわれはこの二年というものがきたら、原則的には移すべきものであるというふうに考えておりますし、今度の附則を見ましても、その場合のストック課税の規定を設けております。十から二十、三十に上がる場合がございます。そのときは税差について、当然ストック課税の規定が要るわけでございます。その点も附則の中に当然設けてあるわけでございますので、実は二年後の手当をこの税法の中にしてあるわけでございます。ですから、これは原則として、そのままずるずる延びるということは、全然今のところ想定しておりません。一方、四つのものは、それぞれ現状を考えて、小型自動車であるとか、あるいはカラー・テレビ、カラー・フィルム、こういったものであります。それから今の十七センチ以下の蓄音機用レコードですか、こういうものは非常に日本は弱い立場にあるものでございます。あるいは今後大いに伸ばすためにこういう措置をとらなければならぬというものでございます。これにつきましても三年という期限がつけてございます。われわれは、三年内に早く日本の産業が強くなることを望んでおります。
○広瀬(秀)委員 今の問題ですが、原則的にということを言われるわけです。それ以上の答弁はむずかしいかとも思いますけれども、往々にして、というよりも、もうほとんど例外なしに、今まで租税特別措置法の例を見ても、こういうものを一年々々と存続して、長期化と同時に既得権化して、これがそのままになっているというようなことがありますし、特にこの問題では、ほかの耐久消費財と新規のもの、今度の七品目、これは非常に同一の条件にあるものが多いわけです。そういうようなこととの関連においても、この点は原則なんと言って、将来またやらないかもしれない。そのときになって、またもとに戻さないというようなことをやる布石として、原則としてという言葉を使われるのだったら、私はその点全く納得できないのであって、もう少し原則的な立場というものははっきりさせておいていただいて、もうそれ以上は延ばさないつもりだ、こういうようなことを明確にしておいていただきたい、こういうように思います。
○村山政府委員 この新規物品につきましては、ただいまのところ延ばすなどということは毛頭考えておりません。
    ―――――――――――――
○小川委員長 本案に対する質疑は、これにて終了いたします。
 これより討論に入ります。通告がありますのでこれを許します。武藤山治君。
○武藤委員 ただいま議題になりました物品税法案に対しまして、社会党を代表して反対を表明したいと存じます。
 まず政府が、戦時立法廃止の建前で提案しているのではなくて、かえって物品税を強化する方向の改正案である点であります。相当数の物品につき課税の廃止、税率の引き下げを行ない、他方において現行課税物品との税負担の均衡上、自動車用クーラー等について、新たに課税を行なう等、合理化、整備を税改正ではかったことは、むしろ物品税法の存続、恒久化を前提としたものであります。わが党の物品税廃止の主張と根本的に相入れないから、この案に反対をするのであります。
 右は、政府のしつらえる土俵がわれわれと違うので、相撲はごめんだとの趣旨であるが、かりに一歩譲って政府の土俵に上がったとしても、政府が物品税法の全面的改正だとするこの機会においてすら、租税法定主義の大原則を軽視して、免税点設定という租税徴収上決定的影響を持つ事項が、依然として政令に委任せられていることは、法改正としては画龍点睛を欠くうらみなしとしないのであります。また、長年の惰性とはいえ、日常必需品のマッチやあるいは清涼飲料水、おしろい、紅、女性の身だしなみ品が依然として物品税の対象として、その不幸な命脈を保っていることなどは、大衆の税負担軽減、合理化をはかっているものとは言い得ないのではないかと思います。
 従って、わが党は物品税廃止の前向きの姿勢に立って、本案に対しては反対の意を表するものであります。
 以上、反対の討論を終わります。
○小川委員長 これにて討論は終局いたしました。
 続いて採決に入ります。
 採決いたします。本案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○小川委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 午前の会議はこの程度にとどめ、午後四時まで休憩いたします。
   午後一時九分休憩
     ――――◇―――――
   午後四時二十分開議
○小川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 国税通則法案、国税通則法の施行等に伴う関係法令の整備等に関する法律案、虚業投資特別会計法の一部を改正する法律案及び財政法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 質疑の通告があります。これを許します。鴨田宗一君。
○鴨田委員 昨日の質問に引き続きまして続行いたしたいと思います。
 昨日は、国税通則法施行実施によって、税法の一般的な総則が大体決定し、さらにまた直接税、間接税が一体的な法律になる。さらにまた、国税徴収法は、国税の滞納処分の法規になっている。こういうことで、国税は非常に整備されることになるのですけれども、はたして地方税はどうであるかというところで、主税局長から、地方税は現在においては、あるいは延滞金、加算金、賦課金の期間制限等の改正を意図して着々作業しておる、こういう答弁がありました。私がこれからお聞きいたしますることは、しからば地方税に対してのこの住民税あるいは固定資産税、こういうふうな問題と、先ほど申しました通則的なこの地方税法の改正というものをどうからみ合わせているか、これを一つ知っている範囲でけっこうでありますので、お聞きをいたしたいと思います。
○村山政府委員 まだその国税、地方税通則部分に関する改正の規定の具体案を見ておりませんので、詳細なことは申し上げかねますが、直接にはあまり地方税法では関連ないのではないかと思います。住民税の減税につきましては、これは今国会で提案しておりまして、その内容といたすことは、このただし書き地域の税額控除が、現在扶養親族一人当たりおよそ実効で三百三十円になっておりますが、これを六百円程度に上げて、これを三十七年度住民税から適用するということ、それから本文ただし書きを通じまして、税率を、三十六年分の国税の税率に歩調を合わせたところで組み直す、その限度において減税する、ただし、この分は三十八年度住民税から適用するということでございます。それで、ただいま地方税における通則部分の改正は、国税通則法で考えておりますもののうち、ごく一部に限られておりまして、先ほど鴨田委員がお話しになりました加算金の問題あるいは延滞金の問題、あるいは賦課金の期間制限の問題、これだけをさしあたり手を打っていこうということでございますので、この両者の間には直接的な関係はないものと、かように考えております。
○鴨田委員 次は、別な角度から質問いたしたいと思うのですけれども、国税通則法の原案が一応最初に主税局試案として発表されたときに、全国的な反対の運動が起こりまして、そうしていろいろ情勢を判断しながら、国税通則法をほんとへう民主的な合理的な法案にさらに再び研究されまして、ここに新しく提案したわけでございまするけれども、今回の内容については、税務職員の権限を不当に強化したり、あるいはまた租税法定主義の原則を破って納税者の利益を害するというようなところも見当たらないしあるいは質問検査権にいたしましても、この通則法からは認められておらない、こういう筋も出ておりますので、おそらく反対せられました方にも実は納得がいくとは思うのでありますけれども、この国税通則法においてさらに私たちが心配をしておりますのは、隠されておりまする質問検査権がはたして法的に保証づけられておるか。この質問検査権が納税者に対して人権侵害になるおそれが非常に多いのは、過去の歴史の示すところでありまして、細田委員の質問の通りであります。こういう意味からさらに重ねて質問をいたしまするのは、職権乱用防止というこの項目について、特別の項を設ける必要があるかないかという問題でありますけれども、これについては、主税局長が細田委員の質問に対しまして、職権乱用が許されるものでないということはもう言うまでもないことだから、そういう必要はないのだという御答弁を過日の答弁で私見たのでありますけれども、そういうふうな職権乱用の件が絶対に起こらないという保証がわれわれは与えられるかどうか、こういうふうな点について重ねてお聞きをいたしたいと思います。
○村山政府委員 お話の件は、実は立法問題とそれから執行問題と両方あると思うのでございます。立法の問題といたしましては、現行でも職権乱用が許されないことは当然であろうと思うわけでございます。所得税法の質問検査に関する規定を見てみましても、これは所得税法の六十三条で規定してございますが、「収税官吏は、所得税に関する調査について必要があるときは、左に掲げる者に質問し又はその者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査することができる。」こうありまして、「所得税に関する調査について必要があるときは、」とこううたっておるわけでございます。もちろんこの必要があるかないかという問題は、これは法文としては法裁量の問題でございます。従いまして、乱用が許されるはずはないわけでございます。他の条文においてもことごとくさようなことでございます。そういう意味で、今度質問検査権の統合的な規定を設けることはどうかというような調査会の答申がございましたが、これは前会るる申し述べましたような理由によりまして、今度提案いたさなかったわけでございます。従いまして、質問検査権については何も手を触れなかったわけでございます。その場合に、国税通則法で、その一般的規定、当然解釈上出てくると思われる疑問の余地のない乱用防止の規定を設けるということはどんなものであろうか、こういうことでございます。ちょうどいわゆる実質課税の原則の規定、われわれは見送りましたが、これは当然税法においては、その考え方は働いておると思いますし、それから個別的な、特に規定する必要のあるものについては各税法の中で実質課税の原則の規定を設けておるわけでございますが、それを一般的な、宣言的な規定として国税通則法に盛ることはどうかというところに疑問がありまして実は削ったわけでございます。同じようなことは乱用防止の問題につきましても当然言い得ることでございまして、それを一般規定でもって訓示規定であるにしろ、宣言規定であるにしろまた置くことがいかがなものであろうか、これを全部改正しておるなら別でありますが、実質何も改正してないときにそれを設けることはどんなものだろうか、少なくとも、反対とは申しませんが、将来やはり検討する必要があるというような意味で今度は手を触れなかったわけでございます。保証があるかどうかという問題、その問題は法規的には私は保証があるというふうに当然思うわけでございますが、現にそういうことをいかにして防止するかという執行問題はおのずから別でございます。もちろんわれわれはそういうことのないように日夜そういう点について十分なる指導監督を加えておりますし、また今後も加えて参る所存でございます。
○鴨田委員 ただいまの質問検査権の実態でありますけれども、実は刑事手続には拒否権というものがあるように聞いております。しかも憲法三十八条を引用いたしまして、刑事手続にはそういうものがある、しかし行政手続である税務署の権限につきましては、そういうことがあるかないか、一つ局長さんに拒否権というものがあり得るかどうか、よく私たち聞くところによると、どかどかと入ってきて、そうしていろいろ精神的な、あるいはその他恐怖の起こるような行動で調査をするという、それでしゃべらざるを得ないような立場に追い込まれておる。それで拒否すれば、これはまた大へんなことになるぞというので拒否でき得ないような状況に追い込まれることがありますけれども、そのようなときにこの行政手続においての拒否権は税務管理の面においても認められるかどうか、これを一つ御判断をお願いいたしたいと思います。
○村山政府委員 刑事事件につきましては、御室内のように憲法に、何人も自己の不利な供述を強制されないという条項がございます。それとの関連において、もちろん拒否権があるものと思います。これに対しまして一般の税法における質問検査権、これにつきましては、これは刑事事件と違いますので、憲法上のその条項の適用がないものと一般には解釈されております。従いまして、その意味では、ただ一方において質問に答えなかったり、虚偽の答弁をしたり、質問検査を拒むことはできます。できますが、その場合に罰則の適用を受けます。こういう法律構成になっておるわけでございます。従いまして、拒否はできるわけでございます。できますが、これは罰則がついております。こういう形で両方そこの均衡を保っておるわけでございます。同じ税務調査にいたしましても、国税犯則取締法になりますと、これは強制捜査の令状をもらって行くわけであります。この場合には実力行使ができるわけでございます。捜索、臨検のところまでいくわけでございます。その場合、一方においてこれは実力行使ができる、それから税法上の質問検査権では実力行使はできないで、検査拒否犯の罰則規定が裏づけになっている、こういう関係でございます。国犯法の方は実力行使がいきまして、そこで理由なくして妨害いたしますと、検査拒否犯という刑法上の問題につながってくるわけでございます。全体の法律構成はさようなことになっているというふうに考えているわけでございます。
○鴨田委員 今申します通り、拒否権があるということでありますけれども、現実の問題として、私たちは実体的には拒否権がないにひとしい。しかもそこのところにいろいろ人権の侵害という問題が出て参りまして、人権擁護の面から非常に憂うべき問題がよく出てくのじゃないか、こういうふうに誤解されるので、そうして先ほど申しました通り通則法の今回の提案は非常に合理的、民主的にできておりますけれども、そこのところがやはり国民といたしましては非常に心配をしておるところじゃないか、こう考えられますので、先ほど局長の言われました通り、現在の通則法においては、そういう質問検査権の規定を省いておるという理由はわかりまするけれども、私といたしましてはやはりこの納税義務が適当に履行せられるということを慫慂するという意味におきましては、やはりそれは所得等の課税標準が幾らであるかというものを調査するにすぎないのだというくらいの趣旨のことを軽く通則法に盛っていく必要があるのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、いかがですか、一つ局長さんの御意見を拝聴いたしたいと思います。
○村山政府委員 この問題はやはり立法的な問題としては私は足りるのじゃないか。一方におきましてこの質問検査権の範囲をどの程度にするかという問題は一国のやはり民度と申しますか、あるいは納税思想の現段階と密接な関係があるのではないかと実は私ひそかに推測しておるわけでございます。そういうことから申しまして、今の刑事と国犯とそれから普通の質問検査権との法律関係はそういうふうになっておりますので、法律的なバランスとしてはそれくらいでいいのではないかということを実は考えておるわけでございます。残る問題は執行問題のところが問題ではないだろうかと思うわけでございます。これは一国の立法の問題といたしましては一国の民度と非常な関係があると思うのでございますが、たとえばアメリカや西ドイツで税務職員の権限は非常に広範でございます。たとえば日本と違います場合をちょっと例をあげますと、調査に応じない納税義務者に対する喚問状の執行、これはアメリカ内国歳入法でもって認められております。それから宣誓による陳述書の真実性の要求、これもまたアメリカの内国歳入法なり、ドイツ国税通則法で設けられておるわけでございますが、日本の場合そんなことは今の段階ではまだややそれは国の側が強くなり過ぎるのじゃないか、こういうことでそういった点設けられていないわけでございます。そういう意味でどこまで調査権限を与えるかという問題は、それぞれの民度と非常な関係のある問題だと思います。同時にまたこの租税の公平という問題もやはり一国の税制の基本をなしておりますので、公平を実現する範囲での調査、質問検査権というものが加えられねばならぬというふうに考えておるわけでございます。その場合にその乱用の問題というのは、これは先ほども申しましたように当然あってはならぬことでございまして、また現行法もしてはならぬと規定しておることは当然でございます。そういう意味でこれは執行問題としてやはり逐次いくべき問題ではないか。執行問題になりますと、両者ともいろいろ考えていかなければならぬ問題が多々あると思いますが、今後とも執行問題を直しまして、またこれらの民度なり、あるいは税務官庁の実際面の現状に応じまして、今後ともこの規定の改正をそれぞれの段階に応じて考えていくということで、われわれは考えて参りたいと実は考えておる次第でございます。
○鴨田委員 質問を少し変わった角度からいたしたいと思うのでございますけれども、実は国税通則法が本国会に通過をしない場合においてどうなるのでしょう。きょうも私のところへいろいろな方々が電話で実は問い合わせをしております。四月一日から減税になるのかどうか、どういう状況ですかというところまで実は質問されました。私たちもそれを非常に心配しておるわけでありまして、先ほど申しました通り、今までこの国税通則法の成立をなんとか阻止しようという大きな全国的な運動を起こしておりました方々も、先ほど私が申し上げました通り、その理由としては、ただいま私が質問いたしました質問検査権の問題とか、あるいは青色申告が今までと違って不当な取り扱いを受けるとか、あるいは国税の方程式を乱して、そうして納税者に不利益だとか、いろいろな点を取り上げておりましたけれども、それを一応改変いたしまして提案をされて、特に附帯税制度の改正案に見られるごとく、制度の簡素化であるとかあるいは延滞税、加算税の軽減がはかられる、こういうことがはっきりと明文でうたわれておりますので、別に今回の国税通則法は、今までの反対の人もようやく落ちつきまして、何とか早く通していただきたいというような請願、陳情も私たちの手元には実は来ておるわけであります。ここで質問いたしますることは、万一国税通則法が四月一日から施行実施されないで、これが成立できなかったという場合におきましては、私たちの心配しておりまするのは、いろいろな面が出てくると思うんでけれども、一応そのことについては毛利委員からも昨日質問がありましたけれども、一つ重ねてお答えを願いたいと同時に、またこれの成立が遅延いたしました場合、これが四月一日に施行実施でき得べきものが、いろいろな理由によりましてたとえば幾らか延びたという場合においてのこの影響につきまして、主税局長から一つ両面の方をお話し願いたいと思います。
○村山政府委員 お答え申し上げます。国税通則法がもし成立しない場合ということを考えますと、第一に国税通則法のねらっております事柄が全部実現しないということは当然でございます。すなわち、税法の体系的な簡素化という点が全部放棄されることになります。それから基本的な法律関係は全部明らかにしようと思うことがだめになります。それから加算税、附帯税について、納税者の負担を軽減しようとすることもだめになるわけでございます。そのほか税務行政に関する不服救済の手続、これも画期的な民主化をはかろうとしている一わけですが、これもだめになるわけでございます。しかしこれらのこと以上に、もし国税通則法が通りませんと、全体の今度の法律体系の形から出てくるもう一つの欠陥は、間接税の四法、すなわち酒税、入場税、物品税、トランプ類税、これらにつきましては、期限内申告以降の決定手続、すなわち修正申告、更正決定、更正の請求並びに期限内申告たるとそれ以後の賦課決定に基づく納付であるとを問わず、すべて納付に関する手続は、各税法本法から除外されて通則法に譲られておりますし、その手続細目は通則法に基づく政令でまかなわれることになります。従いまして、これらの税につきましては全部ストップしてしまう。従って、減税とか増税とかいう議論以前の問題になりまして、納付そのものがなくなるということでございます。国税通則法なくして、これらの点を動くようにいたすといたしますれば、およそ考えまして、すでに通過したこれらの法律をもう一ぺん呼び一度しまして、約二百四十条の相当条文を入れざるを得ない、こういうことになるわけでございます。
 それ以外におきましても、国税通則法は税額の端数計算の規定を改正しております。実はこれが四月一日から実施になるものとわれわれの方では考えまして、源泉徴収の税額表を全部国税通則法施行後の税額端数計算法に基づいて組んでございます。全国にすでに発送しているわけでございますが、これがもし通らないということになりますと、国税通則法を前提にしておる税額表でございますので、全く税法とは違う税額表によって徴収するということになりまして、これまた大へんな問題を起こすわけでございます。
 なお、国税通則法が通らない場合を一つ考えてみますと、行政不服審査に関する規定でございますが、これは今般は行政不服審査法それから行政事件訴訟法、これを前提にいたしまして、それと平仄を合わせて今度国税通則法部分ですべての不服審査をこの中に取りまとめておる一わけでございます。もし国税通則法が通らないといたしますと、過去のそのままのこれらの規定が適用になるわけでございまして、一方行政不服審査法は現在内閣委員会にかかっておりますし、行政事件訴訟法は法務委員会の力の問題でございますが、これは十月一日から施行になる予定でございまして、これと平仄をとった民主的な救済規定になっておりますが、もし国税通則法が通らないとすると、全くこれと平仄の合わない旧法による救済制度がそのまま適用になりまして、これは大へんなことになるということでございます。
 通らなかった場合の影響を実態的に考えてみますと、大きな事項は以上のようなことでございます。
 従って、もしかりに通るとしてもおくれた場合ということになりますと、その期間そういう問題が起きます、おくれる期間によりますが、そういう法の空白状態が起きてくる、あるいは間違った税額表によって徴収する期間が生ずるということのほかに、技術的に申しますと、今の政令の段階で、現在のところでは各税法も通則法もすべて四月一日から施行になるものと前提しまして、政令は令部今準備を進めておるわけでございますが、おくれた場合を考えてみますと、二段構えでいかざるを得ない。こういうことで、この間相当なる事務上の混乱も生ずるわけでございます。これが一方におきまして成立しなかった場合に比べてどうかということは、おくれた期間だけちょうど成立しないと同じ状態がくるということと、そのほかに、作業といたしまして通るまでの間の政令と通ってからの政令という二段構えの作業が要るということになりまして、これまた国民にとってははなはだ迷惑千万なことであろうというふうに考えておるわけでございます。
○鴨田委員 ただいま局長の説明によりまして、どうしても国税通則法は四月一日から施行実施できるようなことになりませんと、それこそ現政府が盛んに喧伝しております、あるいは物品税、所得税その他の税の減税ということにもそごを来たしますし、また経済政策からいいましても、物価の引き下げどころかかえって時代の要請に沿わないようないろいろなちぐはぐな問題が出てくるのじゃないか、特にそれがこの影響を及ぼすところは一中小企業者ばかりでなくして全国民の階層に影響が生じてくるということが理解できたわけであります。そういう意味から考え、ましても、これはとにかくわれわれといたしましては、でき得る限りこの国税通則法の通過するように、しかも期限内に通過するように、政府自体も先ほども各委員言われました通りあらゆる面からこれを一つ国民にPRしまして、この是非を明確に判断させていただきたいことをお願いし要望をする次第でございます。
 もっと実は質問いたしたいのでありますけれども、同僚の方々がまだ質問の時間を求めておりますので、またの機会にこれからの続きは譲ることにいたしまして、一応ここで私の質問を終わりたいと思います。
○小川委員長 岡田修一君。
○岡田(修)委員 私は産業投資特別会計法の一部改正法律案に関し質問をいたしたいと思います。
 本改正のおもなるねらいは、目下国会で審議中の日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づき、日本政府が合衆国に対して負うこととなる債務、すなわちガリオア、エロアに関する債務を、この産業資金特別会計の負担として、この会計から元利を支払うことを明確に規定することにあります。
 そこで私は、まずガリオア、エロアの債務性についてお尋ねいたしたいと思います。この問題は、すでに外務委員会その他で十分論議されておるところでありますが、非常に重大な問題でありますので、ここでさらに明確にいたしたいと思うのであります。
 私どもは、援助物資が当初引き渡された際に発せられた連合国総司令部の日本政府に対する覚書や、ガリオア予算が米国陸軍省予算として計上され、米議会に提出された際のマッカーサー元帥初め米政府関係者の証言に徴しても、さらに昭和二十四年四月の国会の決議に基づき、阿波丸請求権放棄の協定を米政府との間に取りきめたときの付帯了解事項の中の文言からしましても、さらに政府が国会において、吉田総理以来ずっと今日まで一貫して答弁してきたところによっても、、ガリオア、エロアの債務性については、何ら疑いを差しはさむ余地なしと考えておるのでありますが、一部にはその債務性を否定する向きがあります。この際その債務性の根拠を明らかにせられたいと思います。
○宮川政府委員 御承知のように、米国の援助が提供されました終戦直後のわが国の事態は、きわめて困難なものでございまして、当時わが国の食糧生産は戦前の半分以下に低下いたしまして、国民は未曾有の食糧難に当面しておったのでありますが、わが国は食糧や生活必需物資を輸入する外貨はもちろん、外貨獲得の余力すらなかったのであります。このような時代に米国の援助が提供されたのでありまして、これにつきましては国会でも、しばしば政府といたしましては、従来から一貫して債務と心得てきたのでありまして、いずれ博期がくれば何らかの形で処理を要するものと考えたのであります。
 今岡田委員から御指摘がありましたように、債務と心得る経緯につきましてはいろいろございますが、そのうちおもな点を申し上げますと、一九四七年六月十九日の極東委員会の決定には、日本の輸出代金は、占領に必要な非用事的輸入であって、降伏以来行なわれているものの費用に対して支払うために使用することができる旨が述べられております。第二に、ガリオア予算は、米国陸軍省の予算として計上されておりますが、同予算が米国議会に提出されましたときに、米国政府関係者は、日本及び西独に対するガリオア援助は、後日返済せられるものであると証言いたしておるのであります。このような証言のうち代表的なものといたしましては、一九四七年二月二十日のマッカーサ元帥の米国議会におけるメッセージがございまして、その中に、米国予算からの支出は日本の債務となる、援助は慈善ではなく、また日本国民も慈善を欲していないというふうに述べておるのであります。なおヒルドリング国務次官補、ヴォルヒーズ陸軍次官、ドレーパー陸軍次官なども、米国議会におきまして、同趣旨の証言を行なっておるのであります。第三に、援助物資が引き渡された際に発せられました一九四六年六月二十九日付の日本政府あて総司令部の覚書にも、当該援助物資の支払いについては後日これを決定する旨明記いたしておるのであります。
 なお、このほかに岡田委員御指摘のように、阿波丸事件の際の了解事項にもありますように、債務と心得るべきものと考えておるのであります。
○岡田(修)委員 ただいまの政府答弁で、ガリオア、エロアの債務性が非常に明らかに了解できたと思います。今の御答弁の中にありましたマッカーサー元帥が米議会に発したメッセージで、米国予算からの支出は日本の債務となる、援助は慈善でなく、また日本国民も慈善を欲していない、こう言っておるのでありますが、私はマッカーサー元帥のこの言葉を、われわれ日本人としてよく考えてみなければならぬと思います。マッカーサー元帥は、日本人はあくまで人の慈悲にすがろうとするというようなさもしい国民ではないぞということを、日本人のために米議会に宣明してくれた。日本人を誇り高い民族として高く評価してくれた。それなのに、今ガリオア、エロアを相手のアメリカが贈与ではない、貸したものであると言っておりますのに、それをこちらが、何ら確たる根拠がないのに、いやもらったのだ、借りたのではないのだということは、いかにもさもしい気がするのであります。おそらくこれが個人であったならば、仲間から軽べつされ、ひんしゅくされまして、相手にされなくなるのではないか。国家間であれば、切り取り強盗勝手ほうだいという、相手方を全然考えない態度は、権力主義あるいは独裁国家ならばいざ知らず、日本のような民主主義国、自由愛好国としては決してとらないところであります。戦後日本人の徳性が地に落ち、人をだまそうが、そこなおうが、自分さえよければよいという気風がびまんしております。戦後十七年、これだけ経済繁栄を来たしておりますのに、まだその風が改まりません。今日の日本の急務は、何よりも日本人の道義心の振起であり、徳性の回復である。それにはまず第一に、政治の上において、国のとる態度において、徳性の具現ということが必要だと思います。私が先ほど言いましたように、マッカーサー元帥の言葉というものを日本国民はよく考えてみなければならぬ。日本が将来自由主義国家群の指導的立場に立つにふさわしい態度を、このガリオア、エ口アの返済についてとるべきであると私は考えておるのですが、これを政務次官は政府の代表者としていかようにお考えになるか、一つ御答弁願いたい。
○天野政府委員 まことに岡田委員のおっしゃる通りでございます。戦後の非常に困ったときに巨額の援助を受けたわけでございます。日本は債務と心得て、今答弁がありましたようないろいろな経緯をもちまして支払うということをいたしたわけでありますが、これは日本国民といたしまして、また日本国家として当然のことであろうと思う次第でございます。これを単なる贈与として、何らの支払いもしないでほおかぶりをしていくということは、大国民としての日本人の襟度に合おない考え方である、かように考える次第でございます。おそらくガリオア、エロアの返済をすることによりまして、日本の国際的信用も高まるでありましょうし、また日本人としての気持も満足できるものではないか、かように思う次第でございます。
○岡田(修)委員 次に、この債務の元金は四億九千万ドルとなっておるのでありますが、その算出根拠及び内訳についてお尋ねしたいと思います。
 今回締結しようとしておりますこのガリオア、エロアに対する日本とアメリカ合衆国との協定によりますれば、日本政府は四億九千万ドルの元金及び年二分五厘の利子を十五カ年間に半年ごとの賦払いによって支払うことにたっております。この返済額四億九千万ドルという数字は、日米間の交渉によって政治的に解決されたものでありますが、確たる算出根拠に基づくものと考えられますので、その算出根拠及び内訳の明細を明らかにしていただきたい。簡潔にお願いします。
○宮川政府委員 支払額四億九千万ドルにつきましては、お話のように、外交交渉において援助総額を西独の場合の前例等を総合勘案いたしまして政治的にきめられたものでございますが、四億九千万で妥結するに至りましたわが方の考え方を示しますと、以下述べるようなことになると思います。
 第一に、援助物資総額は、米側が提示いたしました決算ベースの資料によりますと、約十九億五千四百万ドルとなっておりますが、わが方は、通産省が保有いたしております貿易庁あるいは総司令部の資料に基づきまして、各受領一件ごとに関連資料を検討いたしました結果、援助物資と認められるものを集計いたしまして十七億九千五百万ドルの額を算出いたしました。
 第二に、前記の十七億九千五百万ドルの援助物資額から、贈与分、返還分、スクラップ分、琉球転送分、石油運賃減額分並びに英連邦軍物資対米引渡し分、合計四千九百万ドルを実質的援助を構成しないものとして減額いたしまして、十七億四千六百万ドルの額を算出いたしました。
 さらに請求権といたしましては、平和条約第十九条(a)項によりまして放棄されているものでございますが、従来の交渉で、ガリオア処理の際に解決すべきものとして日米間で懸案となっておりました米側諸計画――これは連合国軍の住宅の建設でありますが、米側諸計画への見返り資金からの支出分並びに韓国、琉球向け建設資材費及び船舶運営会による米軍の人員物資輸送費等諸項目の計一億九百ドルを援助の総額から控除いたしまして、十六億三千七百万ドルの額を算出したのであります。
 次に、米国の西ドイツに対する戦後経済援助の処理振りを参考といたしまして、前に述べました控除後の額に三三二七八%を乗ずることによりまして、五億四千三百万ドルの額を算出いたしたわけであります。
 さらに、韓国及び琉球との間の旧清算勘定残高は、ガリオア処理の際に処理されることとされていたわが国の貿易勘定上め債権であって、平和条約第十九条(a)項によって放棄されていない日本の反対請求権であることにかんがみまして、前記の五億四千三百万ドルの額から本残高の合計四千九百万ドルを控除することといたしまして、四億九千四百万ドルの額を算出いたしました。そしてこれをまるくして四億九千万ドルといたした次第でございます。
○岡田(修)委員 ただいまお触れになった西独とアメリカとの債務返済協定でありますが、日本よりも西独の方が有利だとか、あるいは日本の方が有利だとか、いろいろ議論がありますが、この点はいかがでございますか。
○天野政府委員 日本の方が有利でございます。
○岡田(修)委員 なお、今度の返済協定に伴って取りきめられました低開発諸国に対する経済援助に関する交換公文によりますれば、返済金額の大部分を低開発諸国に対する経済援助に関する合衆国の計画を促進するために使用するということになっておりますが、この点についての御説明を順いたいと思います。
 特にけさの新聞でございましたか、ケネディ大統領がこの点に関する法律を国会に出したということが載っておりましたが、その辺の詳細を御説明願います。
○上林政府委員 わが国の場合におきましては、ただいま岡田委員が指摘になりましたように、協定の付楓交換公文において二千五百万ドルに相当するものにつきましては、これを日米交換教育関係に振り向けるほかに、残りの大部分は、これを低開発国に対する経済援助に振り向ける意図を有することを明らかにしておりますし、さらに日米両国は、東アジアの経済開発の援助について今後とも密接に協議をしていくことにしているわけでございまして、政府はこのような協議を通じて米国の開発援助に対しまして、わが国の立場を反映せしめるよう努力して参りたい考えでございます。
 なお昨年の夏米国議会において一九六一年の対外経済援助法が成立しましたが、これによりますと、当初はガリオア返済金をこの米国の開発の援助に充当するという規定が入っておりましたが、国会においてこれが削除になりました。しかしながら実費的には一九六二年から五カ年間にわたって七十二億ドルの開発の援助が与えられることが、これによってオーソライズされたわけでありまして、従来七億ドルでありましたものが一九六二年には十二億ドル、その後四年間は十五億ドルというふうに増加しまして、実質的にはこの構想が達成されているという格好になっているわけでございます。
 なお、ただいま御指摘がありました点については、公電が参っておりまして、アメリカ政府は十四日に提出した一九六二年度の対外経済援助法案においては、ただいま申し上げました一九六一年の対外経済援助法の一部を改正しまして、そのかわりとして日米ガリオア協定に基づくわが国の米国に対する返済金を経済援助に使用する権限を大統領に与えるという新項目を設けているようでございます。
○岡田(修)委員 次に、この返済がいわゆる二毛払いではないかという議論がございます。援助物資に対しましては、国民は無償でこれをもらったのではなくて、すでに払い下げ代金を支払っているので、もしガリオア、エロア援助の支払いが一般会計の追加負担、すなわち国民の税金をもってされるならば、国民の立場から見ると二重払いになっているのではないかと、こういう議論があります。対日援助見返り資金を引き継いだ産業投資特別会計から支払う場合、二重払いと言えないと思うのでございますが、それが二重払いでないということを一つ明らかに御説明願いたいと思います。
○宮川政府委員 二毛払いにつきましては、御指摘のように新たに税金を潔しまして一般会計の負担にいたしますと、国民としては二毛に負担していることになるのじゃないかというような疑念も、あるいは議論も起こりますので、政府といたしましては、ガリオア債務の返済にあたりましては、援助物資に見合う円換算額を積み立てて運用いたしました見返り資金の運用収入をもってこれに充てることにいたしておるのであります。見返り資金会計の資産はその廃止に伴いまして産業投資特別会計に引き継がれたのであります。引き継がれましたときの見返り関係の資産は二千九百十一億円であります。それはその後多額の収益を生みまして、見返り資金以外の分と合わせまして千四三十三億円の利益を生んでおるのでありますが、この利益の中の大部分は見返り関係資産と思われまするので、産投会計に引き継いだ当時の二千九百十一億と合しますと、優に四千億程度の見返り関係資産があるかと考えられます。御承知のように、対米債務の返済額は二千八十五億でございまして、見返り関係資産でもって、優に返済し得るわけでございますが、無理やりに出資金に手をつけましたり、あるいは貸付金の期限前償還などをいたすというような無理をいたしませんで、開銀に対する出資金から出て参ります納付金千七百五十七億円と開銀に対する貸付金三百五十四億円とその利子九十一億円、合計二千二百二億円をもって返済財源にいたしたいと考えておるのでありまして、さような見地から見ますと、決して二重払いにならない、こう確信できるのではないかと考えております。
○岡田(修)委員 次に産投会計からのガリオア、エロア援助の支払いは、昭和三十七年度は七十九億円と了解しておりますが、一方において産投会計は輸出入銀行、農林漁業金融公庫その他に対する投資財源として一般会計から二百三十億円の繰り入れを予定しております。この二百三十億円はガリオア、エロアの援助の支払い七十九億円がなければ百五十一億円で済んだはずだ。すなわち七十九億円に関する限りガリオア、エロアの援助の支払いは国民の税金をもって支払われたものではないか、こういう議論がありますが、この点についての御説明を願いたい。
○宮川政府委員 御指摘のように、七十九億円という対米債務の支払いがございませんならば、その分だけ産投会計で使い得るわけでありますので、それだけ産投会計の出資財源として寄与する程度が低くなっておることは、これは御指摘の通りだと思います。しかしながら、対米債務の支払いは、先ほど御説明いたしましたように、見返り資産の運用収入をもって支払うことにいたしておるのでありまして、新たに国民に税金を課して一般会計から支払うものではございませんので二重払いではない。御指摘の二百三十億円の出資と申しますのは、これは住宅金融公庫あるいは輸出入銀行あるいは農林漁業金融公庫等、政府関係機関の資金需要を勘案いたしまして、新たに別個の政策見地から出すものでございますので、七十九億円の支払いは全然別個のものと考えていいのではないか、かように考えておる次第でございます。
○岡田(修)委員 この見返り資金特別会計が設けられて以来、そこに繰り入れられた金額並びにそれによる運用利益というものはどのくらい出ておりますか。
○鈴木説明員 お答えいたします。
 見返資金特別会計は、昭和二十四年度に設けられたわけでございますが、設けられて瞬時に貿易特別会計の援助物資勘定に物資が入って参りまして、これは二十五年度からは独立しまして米国対日援助物資等処理特別会計に変わったわけでございますが、その援助物資の受け入れ価格に、これはドルで表示されておりますが、それの円換算額がこの見返り資金特別会計に繰り入れられたわけであります。
 それから見返り資金特別会計としましては、昭和二十四年に設立されましてから二十八年の七月末に廃止になったわけでございますが、それまでに三千六十五億円の資金が繰り入れられました。それの運用利益といたしましては二一七十八億でごいざます。従いまして、これを合わせますと三千三百四十三億が見返り資金として使われた当時の残高であります。この三千三百四十三億のうち見返り資金会計の経理上は資産として経理をいたしませんいわゆる使用分でございますが、これが千四十九億、そのほかに見返り資金の資産として経理いたしておりましたいわゆる運用分でございますが、運用分が二十八年の八月に設立されました産投会計に承継されましてそれが二千二百九十四億であります。しかしながら同時に承継されました一般会計の分のうち、見返り資金当時債務償還費として使用いたしました六百二十五億円は、形式としては一般会計から復金に交付公債という格好で支出したわけでございますが、実質的にはそれを見返り資金で現金化して入れました分で、その分が当然実質的な見返り資産というふうに考えられます。従いまして、産投会計に承継されました実質的な見返り資産はその両者を合わせました二千九百十九億、こうなるわけであります。
○岡田(修)委員 ただいま御説明のあった見返り資金で使ってしまった額が千何十億ですか、これはどういう方面にお使いになったのですか。それからこの金は出しっぱなしで、一般会計なりあるいは今度の開銀なりにその元というものは残っていないのでありますか、出しっぱなしのものでありますか、その点お伺いいたします。
○鈴木説明員 ただいま御説明しました使用分千四十九億円でありますが、そのうちの六百二十五億円は実質的な見返りの資産といたしまして、これは開銀の出資に実質的に承継されておる、こういうわけでございます。それ以外の使用分につきましては国鉄その他でございますが、内容といたしましては当時電気通信事業特別会計に百二十億、国有鉄道に四十億、国有林野林業特別会計に三十億、住宅金融公庫に百億、その他公共事業費に百十億程度これが使用されております。これらはいずれも実際には出資というような格好で各機関に残っており、公共事業についてはダムその他の実際の国の財産として残っておるわけであります。その他全く使い切ってしまいましたものが二十五億程度であります。これは御承知のように学校給食に約十八億、特定教育事業に七億、以上であります。
○岡田(修)委員 次に開発銀行からの交付金でございますが、昭和二十八年に開発銀行に見返り資金をお積みになって、その後開銀から毎年納付金をとっておられるのでありますが、これが昭和二十九年以降毎年どの程度の納付金になっておりますか。また開銀への貸付金が毎年幾ら返り、利子収入が幾らになっておるか、これをお知らせ願いたいと思います。
○宮川政府委員 お答え申し上げます。開銀納付金は、先ほど御説明いたしましたように、千七百五十七億円でございます。開銀貸付金の回収が三百五十四億円、利息が九十一億円でございまして、これを年次別に見ますると非常に複雑になって参るのでありますが、三十七年度を申し上げますと、納付金は九十一億円、その後三十八年度以降百十四億円あるいは百十五億円と漸次ふえて参りまして、最終年度の五十二年度におきましては、ずっと減りまして二十四億になっております。その前年の五十一年度までは百二十億程度でございまして、大体九十一億円ベースから百十億円ベース、最後の年を除きました三年あたりは百二十億程度の納付金になりまして、五十二年度におきましては減りまして二十四億と相なっております。貸付金の回収は、三十七年度三十八億八千六百万円でございまして、これは毎年ずっとその数字で参りまして、四十四年度まで三十八億八千六百万円、四十五年度において三十一億ぐらいに下がりまして、その後貸付金の回収は減りまして、四十六年度は八億程度、四十七年度は二億程度、四十八年度は六千二百万円という程度に減小いたしております。なお貸付金の利息につきましては、三十七年度十八億六千七百万円でございまして、その後若干減って参りまして、四十八年度には百万円というふうに推移いたす見込みにいたしております。
○岡田(修)委員 私のお尋ねしましたのは、過去における開銀からの納付金です。昭和二十九年から今日までどのぐらい納付しているか、また開銀から貸付金をどのぐらい返し、また利子の支払いがどのぐらいになっておりますか。今すぐわからなければあとでけっこうです。
○宮川政府委員 ちょっと留保さしていただきます。
○岡田(修)委員 それでは今の点は後ほどお調べ願ってお知らせ願いたいと思います。
 今度の返済財源が開発銀行関係だけから出ておるのです。これから十分まかなえるということで出ておるのでしょうが、この見返り資金の総計を見ますると、産投は開銀以外に輸銀だとか電発その他の政府関係機関に投資をしておる。こういう方面からの納付金だとかあるいは配当金、こういうものはないのでございますか。その点一つ。
○宮川政府委員 見返り資産の運用収入といたしまして、北海道東北開発公庫からの納付金もございます。それから農林公庫への貸付金もございます。しかしながら今回政府といたしましては、見返り資産の相当部分を引き継いでおる産業投資特別会計の中の開銀分のみで返済いたそうというような考え方をとりましたので、あえて北海道東北開発公庫の納付金というようなものに期待いたさなかったわけでありますが、もしかりに、私が先ほど御説明いたしました支払に財源に不足を来たすということは万々ないと思いますけれども、そういう際は、そういう北海道東北開発公庫の納付金に期待いたしてもいいんじゃないかと思っておりますが、政府の支払い計画といたしましては、そこまで期待しないで、産投会計の運用収入の中の開銀分でまかなっていきたい、このように考えておる次第であります。
○岡田(修)委員 私が先ほど二十九年以降の開銀からの納付金が幾らありますかということをお聞きしましたのは、おそらく、私の推定ですが、七、八百億の納付金が開銀から政府の方にいっているのじゃないか。そのうち見返り資金関係は、大蔵省の方の資料によりますと、大体八七%からある。そうすると、かりに七百億としての八七%ですと、約六百億ぐらいが見返り資金の果実だ。これがさらに産投からほかの方へ相当出ておるわけですが、こういうものも、やはりいざという場合の財源になり得るのじゃないか、かように考えるのですが、その点いかがですか。
○鈴木説明員 先ほどの岡田先生の御質問で、資料がございませんので答弁を保留しておりましたが、最近の数字は手元にございます。開銀からの納付金の実績は、三十三年度が百二十四億円でございます。三十四年度が百二十五億円、三十五年度が百三十一億円、これが最近の実績でございます。
 なお、ただいまの岡田先生の御質問、これに直接お答えいたしますのには、開銀の納付金だけではございません。産投会計としては、この以外にも利益は上げておるわけでございまして、これが産投会計の三十六年度末の利益金及びそれの積立金でございますが、これが千四百三十三億になっております。これは、ただいま岡田先生の御指摘になりました開銀の納付金だけではございませんので、八七%をかけるわけには参りませんが、この千四百三十三億のうちの千億以上が見返り関係と推定されるわけでございまして、これがいわば二十八年度以降本年度までの見返りからの収入の総額、こう言えるのではないかと思っております。
○岡田(修)委員 ちょっと本論からそれるわけでございますけれども、これは主計局の方ですか、この前の予算のときに、中小企業庁の方から中小企業投資育成会社案というものが出ておったはずです。これは、中小企業投資育成会社という国策会社をこしらえて、いわゆる中堅の中小企業に投資をしてこれを育てていこう、こういう案でございましたが、これは不幸にして大蔵省のいれるところとならず、つぶれ去りました。私ども、この会社のでき上がることに非常な期待を持っておったのでございますので、非常にがっかりしたのでございますが、かりにこういうものができますると、これは産投会計から投資されるものですか、どうですか。
○上林政府委員 ただいまの中小企業投資会社につきましては、来年度あるいはそういう問題が起こるかもしれませんが、その起こりましたときに、産業投資特別会計から出資をするのか一般会計から出資するのか、こういう問題でございますが、産業投資特別会計は、特別会計法にもございますように、特別会計法で規定されました財源をもちまして、経済の再建その他の投資を行なうわけでございますが、その財源の配分といたしましてどういう投資をやっていくか、それはそのときどきの予算編成の情勢ともにらみ合いまして、決定されて参るわけでございますので、今ここでかりにそういうものが認められるようになった場合におきましても、産業投資特別会計から投資されることになるのか、あるいは一般会計から投資をすることになるのか、その点につきましては、そのときの予算編成の状況、あるいは産業投資特別会計状況というようなものによってきめられるわけでございますので、今ここでどういうことになるか申し上げかねるわけでございます。
○岡田(修)委員 それに関連して、中小企業会社についての大蔵省の考え方をお伺いしたいのですが、時間がございませんので、省略いたします。
 今お答えのあった政府からの出資の場合に、産投から出資する場合と一般会計から出資する場合、どういうふうな区別でやっておられますか。
○上林政府委員 産業投資特別会計は、先ほども御説明いたしましたように、産業投資特別会計法第一条におきまして、こういう財源をもって投資を行なうということが書いてございます。その二項におきまして、その財源はもうすでになくなりましたが、特別減税国債の発行による収入金とか、外債発行によりまする収入金とか、それからただいま問題になっておりまする見返り資金からの承継資産あるいは特定物資納付金処理特別会計からの繰入金、こういうものを財源といたしまして、経済の再建、産業の開発及び貿易の振興のために投資を行う、こう計いてございます。従いまして、財源的にこの産業投資特別会計は限定があるわけでございます。その財源をもちまして、今申し上げましたような投資を行なうわけでございます。この財源をどうするか、あるいは投資会計をどういうふうに持っていくかということにつきましては、そのときどきの予算編成の実情によりまして、きめられるわけでございます。ただ心がまえといたしましては、昔政府投資特別会計というのがございまして、いわば日収自弁の原則と申しまするか、みずから収益を生むような投資は、なるべくその特別会計におきまして、やるということにいたしまして、できるだけ政府特別会計はその自収自弁の財源をもちまして、投資に向けていこうというような思想もあったわけでございます。そういうような思想から考えましても、産業投資特別会計におきまする投資先というものは、できればその投資の配当が期待できる、あるいはそれに類するものが若干でもある、そういうものをこの投資特別会計で取り上げていくというような考えでございます。
○岡田(修)委員 最後に。この法律が成立しなかった場合に、どういうふうに支障が起こりますか。ガリオア、エロアに関する日米間の協定が国会の承認を得られたとしても、この法律が成立しなければ、その支払いの方途がなくて、日本政府として非常に困った事態になるのではないかと考えるのでありますが、さらにまた一般会計から二百三十億をこの会計に繰り入れて、政府の緊要な事業に投資貸付をすることになっておる。それが支障を来たすと考えるのでありますが、それらの及ぼす影響について一つ詳細に御説明をお願いいたしたいと思います。
○天野政府委員 産投会計からの三十七年度出資予定は五百三十二億円でありますが、この大部分は輸銀、農林公庫、住宅二機関及び商工中金等でありまして、これにより資金コストの逓減をはかり、辛うじて収支の均衡を維持しているわけでございますので、いずれも年度内早期に出資を見込んでおるわけでございまして、各機関の出資予定額は、四月に百三十五億円、五月に百二十億円であるのに対し、原資面で使用可能なものは産投資金百五十億円だけでありますので、一般会計からの出資二百三十億円のうち、相当額が五月中に繰り入れなければならない必要があるわけでございます。この改正が成立しないとすれば、三十七年度の住宅公庫、住宅公団、農林公庫、輸銀等に対する財政投融資計画が大幅に実施不可能となることになりますので、各方面に重大な影響を及ぼすわけでございます。
○岡田(修)委員 私の質問はこれで終わります。
○小川委員長 金子一平君。
○金子(一)委員 私は、財政法の一部を改正する法律案について、若干の点について質問したいと思うのであります。
 御承知のように、三十九年度の第二次補正三百五十億を産投会計資金に繰り入れました際に、国会におきまして相当議論が出ましたことは御記憶に新たなところだろうと思うのでありますが、問題になりましたのは、その年度で使うような金ならば別でございまするが、後年度の投資の財源に充てるための資金の繰り入れのようなものは、必要かつ避けることのできない経費という追加予算の要件に該当しないのじゃないか。従って適用件を欠くのじゃないか、あるいは違法とまで言わないでも、妥当と言えないんじゃないかという議論であったと思うのであります。また妥当性ということになりますると、これはむしろ政治の問題として――必ずしも事務的に結論を出せない問題かもしれませんが、こういった問題について、大蔵省にある財政制度審議会の意見、審議の経過はどんなふうになっておりますか、その点をまず第一にお伺いいたします。
○上林政府委員 ただいまの御指摘の点につきましては、前国会におきましていろいろ御議論が、ございました点にもかんがみまして、財政制度審議会におきまして、この御審議願っております法案についての審議をいたしまする前段階といたしまして、前回の産投資金への補正予算による繰り入れにつきまして、それが適法であるかどうかということにつきまして議論が行なおれたわけでございます。その結論といたしましては、この産投資金への繰り入れも、財政法二条の規定によりまして経費であるということに該当するわけでございまして、それが必要避けることのできない経費であるかどうかという判断は、財政上、政治上の判断によるものでございます。しかもその判断は、第一次的には、予算の提案権を有しまする内閣の価値判断に基づいてなされますが、最終的には国会の判断にゆだねられるべきものでございますから、この補正措置は財政法二十九条に違反するということは当たらないという結論でございます。
○金子(一)委員 適法だというな、今回の二十九条の改正は、これは必ずしも必要ないと思うのです。また特に今あなたは経費と言われましたけれども、単なる投資で後年度に使用するようなものが経費であるとするならば、それは財政法の二条ですかに出ておるので、しいてこの二十九条にカッコ書きを持ってくる必要はないわけなのですが、そこら辺は一体どういう理由でこういう改正案を出されたか、伺いたいと思います。
○上林政府委員 審議会の議論の過程におきましても、今金子先生がおっしゃいましたような議論をなされた方がございます。すなわち、適法であるのだから、しいて改正も要らないじゃないかという議論も出たわけでございます。しかしながら、ごく常識的な見方からいたしますると、当該年度におきまして、国軍の外に払い出されないような支出につきましても、必要避くることができない経費であるということについては問題がある、事実再度にわたりまして、国会におきましても紛議を生じましたことでございまするので、今後疑義を生じないように規定を整備した方が適当であろうという意見になったわけでございます。
 なお同時に現行規定におきましては、御案内のように追加予算と修正予算の規定がございまして、それぞれ別個の独立の予算であるかのような規定の仕方になっておる関係もありまするが、運営の実際におきましては、御案内のように、補正予算として一体として編成されている実情でもございまするし、この際こういうような実情に合わせまして補正予算制度の合理化をはかることが適当であろう、こういうことでこういう審議会の結論になったわけでございまするので、この審議会の意見にもかんがみまして、政府といたしましてもいろいろと検討いたしました結果、ただいま御審議願っておりまするような改正案を提案することになったわけでございます。
○金子(一)委員 いろいろ議論が沸騰して困るから、この際疑いを一帰しておこう、まあこういうふうに伺ったのでありまするが、追加予算の要件として現行法では「必要避けることのできない経費」、こうなっているのを、「特に緊要となった」と改正することにしておりますが、一体ゆるめたんですか、どうなんですか。従来からの字句の使い方は客観性があったように思うのだけれども、主観的な判断で相当左右できるようにこれは読み取れないでもないのです。その点はっきり伺っておきたいと思います。
○上林政府委員 従来使われておりました「必要避けることのできない」という表現は、見方によりましては、それがございませんと、国政運営が不可能となる、絶対不可避のもののみが追加の対象になり縛るような語感を与えておるわけでございまして、それがある意味では二度にわたりまする論議のもとになったわけでございます。しかしながら、この「必要避けることのできない」という文言は、この制定の経緯等に、かんがみますると、財政の紊乱を防止しよう、みだりに追加予算を提出することによる財政の紊乱、財政の不統一ということを防止しようという趣旨に基づくものでございまして、その解釈もあるいは従来の運営におきましても、緊要度がきわめて高いという意味に解釈せられ、運営せられて参ったわけでございます。従いまして、この際実態に合わせまして表現を「特に緊要となった」というふうに改めたわけでございまして、特にこれの規定によりまして、補正予算の要件を緩和したという趣旨ではないわけでございます。
○金子(一)委員 さらにもう一つの改正点である従来の追加、修正の予算の部分を補正予算一本に今度改めておられますが、現在実際の慣行に従ってこう改めた方が便利だろうというのですが、もう少し詳細にこの点を伺っておきたい。
○上林政府委員 御存じのように、ただいまの二十九条におきまして、第一項が追加予算の規定になっております。第二項が予算の修正の規定になっておるわけでございまするが、実際の運営におきましては両者が渾然一体として運営されておるわけでございます。ただいま慣行的には補正予算という言葉が用いられておるわけでございますが、補正予算という言葉は財政法の規定にはないわけでございまして、財政法上は追加予算という言葉と予算の修正という言葉があるのみでございます。従いまして、現在の慣行から申しますると、この予算の追加と修正とを一体として運営いたしておるわけでございまして、しかも現実の予算を編成いたしまする多くの場合は、追加と修正が渾然一体となって編成されることが多いわけでございますので、またそれ自体も財政の運営といたしましては合理的な方向であると考えておるわけでございます。従いまして、この両者を一体として運営する従来の慣行及び実際をそのまま財政法に規定いたすことが実態を合わすことでもあり、予算制度の合理化にもなるというふうに考えたわけであります。
○金子(一)委員 予算修正に当たる補正予算の要件を今度は予算の作成後と改めておりまするが、この改めた理由を一応承りたいと思います。
○上林政府委員 ただいま申しましたように、補正予算の制度を一本化いたすことにいたしたわけでございますが、従来の制度によりますと、追加予算の場合には予算作成後に生じた事由に基づく場合に限りまして、追加予算を細めることになっておりますのに対しまして、予算修正の場合には予算成立後の事由に基づく事由によって予算修正をいたすことができることになっております。この規定を設けましたゆえんのものは、論理的に申しますと、追加予算の場合には追加のみが成立いたしましても、その追加にかかわります経費は支出することができるが、そもそも本予算が成立しておりませんのに減額するということは意味がない、こういうような考え方に基づいたものだと思われるのであります。しかしながら、実際の運営におきましては、ただいま申し上げましたように、追加と修正が渾然一体として運営されておりますので、場合によりましては本予算が芸だ成立いたしませんときに、予算の追加を行ない、その財源として今まで御審議を願っていた経費を削減する、いわば修正予算を慰まねばならないという場合があるわけでございます。そういう場合に、予算が成立しておりませんと修正部分が現出できない、こういうことになりまして、運営上不便を生ずることになるわけでございまして、いろいろな議論におきましても、制度的にいかがかという議論があるわけでございますので、この際補正予算制度を一本化するにあたりまして、要件自体も予算作成後の事由に統一することが合理的であるというふうに考えたわけでございます。
○金子(一)委員 今のお話で大体予算の修正は必ず追加を伴っているというお話ですが、渾然一体となっている、こういうことですが、修正のみをやったような例はありませんか、従来の実際問題として。
○上林政府委員 従来の法律によります何が追加予算であり、何が修正予算であるかにつきましては、学説その他において分かれておる点でございます。と申しますのは、ただいまの二十九条の一項の追加予算によりますと、経費及び国庫債務負担行為だけが追加予算であるかの書き方をいたしておるわけでございます。従いまして、そういうような厳密な追加予算の解釈をいたしますと、昭和三十二年度におきまして、日本開発銀行が国際復興開発銀行から外貨債務をいたすにあたりまして、保証債務を政府が負うたことがございます。こういうものは、ただいいま申し上げました二十九条一項の追加予算の解釈を経費及び国庫債務負担行為の追加である、こういうふうに考えました場合には、今申し上げました例は追加予算以外の予算修正、従って予算の修正であるということになりますので、この解釈によりますと予算修正だけを行なった例があるということになるわけでございます。
○金子(一)委員 財政法は制定されましてから相当な時日も経過しておりますし、最近における財政の占める地位などにかんがみますと、この際再検討すべき段階にきているということで、大蔵省に財政制度審議会が設けられたのだと思うのです。この前三十五年度の第二次補正で論議を起こした際にも、たとえば年度の問題であるとか、あるいは会計年度独立の原則の問題であるとか、剰余金の処理の問題であるとか、いろいろこの問題に関連して取り上げられたと思うのであります。特に最近の国債の額などから見ました場合、はたして現在の第六条が妥当であるかどうか、ここらは相当問題だと思うのです。たとこば一般会計から産投に繰り入れるということで、自然増収もどんどん産投の方へ持っていくということにしたならば、実際上六条という規定は死んでしまうことになる。また逆に現在こういう必要があるかどうかという点から見ると、今言ったような措置も是認せざるを得ないと考えられるのだが、そこら辺の審議会の議論はどうなのか、それは一つ聞かせてもらいたい。
○上林政府委員 御指摘の通り、財政法は制定後すでに十数年を経過いたしておりますし、またその内容自体も新憲法が制定されました早々の間に作られた関係もございまして、大正十年の旧会計法の規定を承継しておるような部分も少なくないのでございます。最近におきまして経済情勢の変化あるいは財政の占める地位の高まりましたことにかんがみまして、現在の財政法自体いろいろと議論を起こしておることはただいま御指摘の通りでございます。従って、大蔵省といたしましても、この財政の合理化の運営に資しますように、財政制度につきまして今後慎重に検討していきたいと考えておるわけでございます。もっとも財政法は国政の運営の基本でもございますので、慎重に検討していく必要があるかと考えておるわけでございまして、財政制度審議会におきましても、ただいま御審議をいただいております改正案におきまして、従来会長は大蔵次官でございましたが、これを大蔵大臣に改めるようにお願い申し上げているわけでございます。その財政制度審議会の改組等にもよりまして、さらに財政制度審議会におきましてこういう財政制度につきまして十分検討を加えて参りたい、こう考えておるわけでございます。
○金子(一)委員 なお続いて会計年度の四期の問題、あるいは最近問題になった資金のたな上げの問題等について伺いたいと思ったのですが、時間が参りましたので、質問をこの次に留保いたしまして、きょうはこれで終わらしていただきます。
○小川委員長 次会は来たる二十六日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十五分散会