第040回国会 本会議 第23号
昭和三十七年三月十三日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十号
  昭和三十七年三月十三日
   午後二時開議
 第一 建設省設置法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 第二 入場税法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 第三 通行税法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 石油業法案(内閣提出)の趣旨説明
  及び質疑
 日程第一 建設省設置法の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 入場税法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 日程第三 通行税法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
   午後二時十分開議
○副議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 石油業法案(内閣提出)の趣旨説明
○副議長(原健三郎君) 議院運営委員会の決定により、内閣提出、石油業法案の趣旨の説明を求めます。通商産業大臣佐藤榮作君。
  〔国務大臣佐藤榮作君登壇〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 石油業法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 石油は、国民経済上必要欠くべからざる基礎物資であり、今後ますますわが国のエネルギー源としての地位を高めていくものと考えられます。このように重要な意義を有する石油につきましては、総合エネルギー政策の見地に立って安定的にして低廉な供給をはかることが国民経済上最も強く要請されるところであります。
 わが国石油供給の現状を見まするに、石油資源は国内に乏しく、原油の大部分はあげて輸入に依存しなければならないという事情にありますので、石油産業につきましては、国際的な協調関係を維持しつつその健全な発展をはかるべきことは申すまでもないところであります。
 石油をめぐる内外の経済環境は、近年著しく変わりつつありますので、今後新しい角度から考えなければならない面が出て参ったのであります。すなわち、国内におきましては、石油需要は急速に増大しており、また、近く輸入の自由化が行なわれることとなっておりますので、石油設備の拡張意欲が旺盛となっております。また、海外におきましては、新油田の開発などにより、世界的な原油の供給過剰傾向が生じ、原油の販売競争が激しくなってきております。
 このような内外の情勢から、今後国民経済的に見て問題が生ずることが考えられます。たとえば、石油供給上における過当競争の問題であります。これまで申し上げましたように、国内における石油設備の拡張競争と海外からの原油売り込み競争とが結びつきまして、石油製品の行き過ぎた販売競争がさらに一段と激化するものと思われます。これは石油業の性格から見まして、いわゆる業界内部の自主的な調整のみによって解決することは困難な事情にあります。
 もちろん、自由な競争による低廉な石油の供給は歓迎すべきことではございますが、事態をこのままに放置しておきますと、かえって石油需給の混乱を招き、石油産業の健全な発展が阻害されるのみならず、国内のエネルギー産業を初めその他の関連産業に対し悪影響を及ぼすとともに、消費者の利益をも害するなど、国民経済上望ましくない結果を招来するおそれがあると考えられます。
 政府といたしましては、これまで貿易・為替面の調整措置によりまして、石油供給上の諸問題に対処して参ったのでありますが、輸入の自由化によりまして石油業は新局面を迎えることとなるのであります。自由化後におきましては、わが国石油業が自主的な創意を一そう発揮し、自由公正な競争を通じて石油の円滑な供給をはかることが基本的なあり方であることは申すまでもありません。しかしながら、これまで申し上げましたような問題につきましては、国によるある程度の法律上の調整はやむを得ないと考えるのであります。現に欧米各国におきましても、石油業の健全な発展のため、それぞれの国情に応じて法律上その他の措置を講じているのであります。
 この法律案は、以上のような考え方をもととし、石油業の事業活動を必要な最小限度において調整するための規定を定めたのであります。
 この法律案のおもな点につきまして大略を申し述べます。
 第一に、石油の供給数量、設備能力等石油の供給に関する重要事項を内容とする石油供給計画を作成公表し、この法律の運用の基本といたすこととしております。
 第二に、石油精製業を行なう者は、その事業計画が適当であり、かつ、適確な事業の遂行能力を有する者とし、石油設備が石油供給計画に即応するようにするため、石油精製業の事業及び設備について許可を要することとしております。また、石油輸入業及び石油販売業につきましては、事業者の実情を的確に把握し、輸入及び販売の秩序を確立するための基礎とするため、事業の届出を要することとしております。
 第三に、石油精製業者及び石油輸入業者は、その生産計画及び輸入計画について届出を要することとし、当該事業者が提出をした計画に基づいて自由公正な競争を行なうことを期待しております。国はその計画の内容が全体の石油供給計画の実施に重大な支障を生じ、または生ずるおそれのある場合に限り、勧告を行ない、企業の社会的責任の自覚に訴えることによって石油供給計画の実施の確保をはかることとしております。
 第四に、石油の価格につきましては、石油業が正常な競争を行なうことによって形成される価格を基本とする建前をとっておりますが、特に異常な事態によりまして、価格が不当に高騰したり下落したりする場合には、標準価格を定めて公表し、石油業が自発的にこの価格を尊重することを期待いたすこととしております。
 最後に、この法律案では、各方面の学識経験者で構成する石油審議会を設け、石油供給計画の作成等の基本的な事項はもちろん、その他の事項につきましても諮問することといたしており、いやしくも行き過ぎた規制が行なわれることのないようにいたしております。
 また、再検討の規定を設け、内外の石油事情その他の経済事情の推移に応じまして、緩和または廃止の方向で再検討する旨を明文をもって定めることとしております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 石油業法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○副議長(原健三郎君) ただいまの趣旨の説明に対して、質疑の通告があります。これを許します。板川正吾君。
  〔板川正吾君登壇〕
○板川正吾君 私は、ただいま提案されました石油業法案に関し、日本社会党を代表して、池田総理以下関係大臣に、主としてエネルギーの基本政策という観点から、若干の質疑をいたしたいと存ずるのであります。(拍手)
 まず第一に、私は、政府はなぜ総合エネルギーの基本計画を確立しないかという理由を池田総理大臣に伺いたいのであります。
 申し上げるまでもなく、エネルギーは、すべての経済活動につながる基礎物資であり、安いエネルギーの安定的供給を確保することは、わが国の経済発展に重要不可欠の要件であります。しかも、現在はエネルギーの革命時代といわれ、エネルギー消費構造は、石炭を中心とする固体エネルギーから、石油、ガスを中心とする流一体エネルギーに変わりつつあり、また、第一次より第二次エネルギーに転換しつつあるのであります。さらにまた、近い将来、原子エネルギーの登場が予想されているのであります。従って、消費エネルギーの大宗である石油行政は、ただ単に石油の面からのみ考えるべきでなく、将来予想されるエネルギーの消費構造の変化、産業構造の動向、需給の見通し、国内産と輸入の趨勢等を予測し、石油、石炭、電力、ガス、さらに原子力の開発等を総合するエネルギーの基本計画を確立し、その基本計画の立場から石炭対策なり石油政策なりを打ち出すべきであると思うのであります。今日、石炭行政の行き詰まりや石油業法の制定をめぐっての混乱は、政府に確固たる総合エネルギーの基本計画がないことに基因するものであって、まことに遺憾というべきであります。(拍手)
 本院は、さきの第三十九回国会で、全会一致をもって石炭危機打開に関する決議をいたしましたが、その際、政府に総合エネルギー対策をすみやかに樹立せよと要望したのであります。従って、政府は、この本院の議決を尊重し、この際、総合エネルギーの基本計画を明らかにし、計画性あるエネルギー行政を行なうべきだと思うが、これに対する池田総理の所信を伺いたいのであります。
 第二は、わが国石油消費の八五%を支配している国際石油資本の独占化を防止するため、欧米諸国のように、石油消費の一定割合を国の影響下に置くべきだと思うが、通産大臣及び経済企画庁長官の所見を伺いたいと存じます。
 今回の石油業法をめぐって国際石油資本は強硬に反対して参りました。その理由は、石油業法は戦時統制の復活であり、自由化の方向に逆行するというのであります。しからば、私は、一国産業の重要な基礎物資である石油を完全に自由化している国が一体どこにあるか知りたいのであります。御承知のように、米国では、石油の輸入は厳重に制限されておりますし、フランスでは、石炭、石油、ガス、すべて国家管理のもとに徹底した規制を行なっております。また、イギリス、西ドイツ、イタリア等でも、それぞれ国情に応じた方法で制限または調整をいたしておるのであります。
 石油業法に対し、戦時統制の復活だと非難する国際石油資本は、実は、自由化に名をかりて、その優越せる資本力をもって民族石油資本を食いつぶし、わが国における石油市場の独占化をねらい、カルテルの統制によって独占利潤をむさぼろうとする以外の何ものでもないと思うのであります。(拍手)今日、国際石油資本は、米国と共産圏を除くと、七社で実に世界市場の九二%を支配し、強大な資本力で全世界にカルテルの網を張り、その横暴なる独占支配は、米国の国会においてすらしばしば問題とされておることは御承知の通りであります。政府の所得倍増計画によると、十年後にはわが国石油消費量の九九%を輸入に依存する需給事情を考えるならば、わが国石油市場をこれら少数の外国石油資本の独占にまかせることは、経済的植民地化をますます深めることであり、危険千万といわねばなりません。
 政府は、この際、石油の安定的供給を確保するため、石油市場の一定割合を国の影響下に置き得るよう、石油行政を確立すべきであると思うが、両大臣の見解はどうか、伺いたいのであります。
 第三は、海外経済協力として計画され、成功しつつあるアラビア、スマトラ石油等の準国際油を政府は今後いかに取り扱おうとするのか、通産大臣の所見を伺いたいのであります。
 政府の所得倍増計画によると、経済の発展に見合って逐年輸入エネルギーが増加し、昭和四十五年度においては、わが国エネルギー消費の六〇%を輸入に依存し、特に石油の輸入は一億キロリットルに及び、輸入エネルギーの外貨支払いは実に総額の二〇%、二十億ドルと予想されておるのであります。国際収支の逆調が再三わが国経済の発展を阻害してきた経験にかんがみ、これら海外開発石油の果たす役割は、外貨負担を軽減するばかりではなく、エネルギー供給の安定性を確保し、さらに、後進国との経済協力を強化するという一石三鳥の役割を果たすものでありますから、政府としてこれを援助することは当然ではないかと思うのであります。
 アラビア石油は今年の秋には年率一千万キロリットル、わが国の現在の石油消費量の二五%に匹敵する生産量が可能となり、スマトラ石油もようやく開発が軌道に乗りつつあるというやさき、もし現行のままで石油の自由化が強行されれば、精製設備も販売組織も持たないこれら海外開発石油は国際石油資本のボイコットにあい、カルテルの軍門に下るか、原油の引き取りが中断されて破産するか、それ以外に道がないといわれているのであります。従って、政府はこの際、欧米諸国のごとく石油の自由化を見送るべきであります。また、どうしても自由化を強行するならば、事前に国産石油を含めた海外開発石油の買取機関を作り、その円滑な国内供給を確保する対策が必要だと思うが、通産大臣の見解を伺いたいのであります。
 第四は、国内石油資本が国際石油資本との資本提携の際の契約について、外務大臣及び公正取引委員長にお伺いいたしたいと存じます。
 国際石油資本と提携している国内石油会社が、アラビア石油等の国内取引を拒否する理由は、資本提携の際の契約によって、原油供給はその提携会社のものに限るという制限、いわゆるひもがついているからであります。私は、そのようなひもつき契約は明らかに独占禁止法第六条第一項が示す「事業者は、不当な取引制限又は不公正な取引方法に該当する事項を内容とする国際的協定又は国際的契約をしてはならない。」という禁止条項に違反し、その協定または契約は無効であると思うが、公取の見解はどうか、伺いたいのであります。(拍手)
 外国資本が、出資または融資等によりわが国資本と提携することによって受ける利益は、出資または融資元本の保証と、金利または出資配当の限界内にとどまるべきであって、出資または融資を条件としてその経済的優越的地位を乱用し、国内企業に拘束条件付の契約を押しつけ、それによって競争の制限が行なわれることは、明らかに公正取引委員会が不公正な取引方法として規定している告示第十一号の第七号、第八号、第十号に該当する違反行為であり、われわれとしては、かくのごとき経済的植民地化を断じて容認することができないのであります。一体、外務大臣は外国資本のこのような横暴をどう考えているのか。私は、これは日米通商航海条約第十八条の第一項に規定している、両締約国は、競争を制限し、市場への参加を制限しないという条項に違反しており、従って、外務大臣は直ちにその排除措置を米国側に申し入れるべきだと思うが、外務大臣の見解はどうか、伺いたいのであります。(拍手)また、公正取引委員会は直ちに所要の手続をとり、わが国石油資本が国際石油資本から受けている不当な拘束を排除すべきだと思うが、公正取引委員長の決意を伺いたいのであります。
 第五は、わが国エネルギーの安定的供給の確保という観点から、石炭政策をいかに評価するか、通産大臣の所見を伺いたいのであります。
 エネルギー政策の基本原則には、安定的供給の確保と安いエネルギーの供給という二つの面があげられております。もちろん私は、エネルギーの経済性を軽視するものではありませんが、それにも増して供給の安定的確保ということが重要であると思うのであります。なぜならば、石油の九九%を海外より輸入しなければならないわが国では、万が一輸入が途絶した事態をも考慮する必要があるからであります。今日世界の石油市場を圧倒的に支配している米国ですら石油の輸入を制限し、西欧諸国が経済性の低い国内石炭を今なおエネルギーの基本としており、また、石油業者には二カ月ないし三カ月の貯蔵義務を課していることによっても、各国がいかにエネルギー供給の安定的確保のために犠牲を払っておるか、理解されると思うのであります。
 わが国においてエネルギー供給の安定的確保ということは、私は、国内石炭の一定限の生産を保障して、石炭産業を維持し、さらに国内エネルギー資源を開発することにあると思うのであります。従って、そのために、相当な国家財政を投ずることは、私は当然であると思うのであります。従来政府の石炭政策は、エネルギーの経済性のみを追求して石炭産業を破滅に追いやり、最近は社会的考慮からわずかにこうやくばりの対策を出しておりますが、これは、石炭の一定限の生産を確保し、石炭産業を維持することが、わが国エネルギー供給の安定性を確保するという重要な国家目的を理解しないからであって、われわれのまことに不満とするところであります。
 わが国の石炭政策は、エネルギー供給の安定的確保という観点から再評価をし、抜本的な対策を立てるべきではないかと思うが、通産大臣の所見を伺いたいと存じます。(拍手)
 第六は、石油関税収入をあけてエネルギー対策に充当すべきではないかと思うが、大蔵大臣の見解々伺いたいと存じます。
 国内エネルギーの開発は、国際収支の改善に役立つばかりではなく、雇用の機会を拡大し、民生の安定をはかるという効果を持つことは言うまでもありません。しかし、エネルギーの開発は、不確定の要素と膨大な資金を必要とするため、営利を目的とした民営では困難な事業であります。さればこそ、諸外国でも、資金上その他で国家が多くの援助を与えていることは通例であります。たとえば、イタリアでは、国策会社としてのエニイが、膨大な国家財政の援助のもとに、全イタリア石油市場の三〇%を支配し、さらに、国外開発にまで乗り出しておりますし、またフランスでは、サハラ油田の開発に八億ドル余に及ぶ国家資金を投入し、ついに成功をおさめておるのであります。
 しかるに、わが国は、国内エネルギー開発をほとんど民間企業にゆだね、国家の援助はまことに微々たるものであります。今回、石油関税率の改定によって、三十七年度の石油関税収入は二百四十億円が予定されておりますが、そのうち石炭対策に使われる百十億円を除き、残余の金額は国内エネルギーの開発を主とするエネルギー対策費に充当すべきではないかと思うが、この際、大蔵大臣の見解を伺っておきたいと思うのであります。
 最後に、ソ連原油について政府の所見を通産大臣に伺いたいと存じます。ソ連原油のわが国輸入石油の中に占める割合は、現在八%程度であるといわれております。良質で割安なソ連原油の輸入は、東西貿易の拡大という面から大いに歓迎するところであり、他面これが国際石油資本の独占化を牽制し、公正な競争を確保するという効果も評価しなければなりません。ソ連原油に対して、巷間種々な悪宣伝が行なわれておりますが、政府は、さらに日ソ貿易協定を拡大し、今後も一そう計画的にソ連原油を輸入し、また同時に、対ソ輸出貿易の促進をはかる必要があると思うが、通産大臣はいかなる見解を持つか、伺いたいのであります。
 以上、私は法案に対する具体的質疑は委員会に譲ることといたしまして、本質疑を終わる次第であります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。
 政府といたしましては、各種エネルギー対策の立案に際しましては、所得倍増計画等を基礎といたしまして、長期的観点に立って各種エネルギー間の関連を吟味しながら、総合的にこれを行なっておるのであります。石油の今後の自由化問題等、情勢の変化に即応いたしまして、今後とも総合的に考えていきたいと思っております。(拍手)
  〔国務大臣佐藤榮作君登壇〕
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
 第一は、国内石油市場の一定割合を国の影響下に置く必要があると思うが、どう考えるかというお尋ねでございます。
 御承知のように、石油は、わが国産業及び民生に必要な基礎的物資でございますが、同時に、その大部分を輸入によってまかなっておるような次第でございます。この点から考えますると、どうしても国際的な協調関係、これに立脚して石油の安定的な確保、同時に低廉な供給ということをはかっていくことが必要だと思います。この意味から申しまして、第一は、国際的な協調関係、とれに立脚するという、また、第二の問題といたしましては、かくして国内石油市場が石油の安定供給を確保し得る態勢にあることは、もちろん望ましいことでございますので、今後の石油政策の実施にあたりましては、御指摘の点等をも検討いたしまして、配慮して参るつもりでございます。第二は、アラビア石油等、国産原油等の扱い方をいかにするかというお尋ねでございます。
 国産原油及び海外開発原油は、外貨の節約及び石油の安定供給という点に寄与するところが、まことに大きいのでございまするから、積極的にその育成をはかることが必要であります。お説の通りであります。自由化実施後におきまして、これらの原油に対する対策としては、ただいま御審議をいただきます石油業法が成立いたしました暁は、その運用と相待ちまして、買取機関の設立等につきましても関係業界の意見を徴し、今後慎重に検討を進めていく考えでございます。
 第三点は、石炭についてのお尋ねであります。
 石炭は、国産エネルギー源として、安定供給、外貨節約、雇用効果、こういう点から、単にその経済性だけではなぐ、ただいま申すような見地から、これが対策を講じていかなければならないのでございます。今後も合理化を進めることを前提にいたしまして、長期引取契約などによりまして需給を確保し、当面は現在程度の生産規模を維持していく考えでございます。
 第四は、ソ連原油についてのお尋ねでございます。
 ソ連原油の輸入につきましては、国家間の取りきめによりまして、両国間の収支バランスに留意しつつその数量をきめておるのでありまして、三十七年につきましては、原油、重油を含めて三百四十万トンの協定量となっております。このように、現在わが国は、自由諸国の中でソ連原油の主要輸入国の一つでございます。また、毎年その輸入量も増加していくことだ、かように考えます。(拍手)
  〔国務大臣小坂善太郎君登壇〕
○国務大臣(小坂善太郎君) 二つの点でお答えを申し上げます。
 まず、米英系の石油会社とわが石油会社との契約の問題でありまするが、これは申すまでもなく私契約でございまして、これが独禁法との関連における運用の適否というものは、公取委員会の判断によるものと思われます。また、その契約も、市場の独占のための協定を結んだものではないと思われます。現に昨年度に比較いたしまして、今年度は米英系の石油原油輸入のシェアはずっと減っておりまして、逆にアラビア系石油の分がふえております。
 第二の点でございますが、日米通商航海条約第十八条一項は、特定の産業分野におきまする少数企業による独占その他競争制限的な慣行の結果、通商の発展が阻害されることを防ごうとする趣旨であります。日米間の業者が五〇%ずつ共同出資をしているというケースはございまするが、これは一企業内における資本の比率でございまして、このことと日米通商航海条約十八条一項の違反ということを結びつけるわけにいかないと存じます。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
  〔国務大臣藤山愛一郎君登壇〕
○国務大臣(藤山愛一郎君) エネルギーの総合計画が必要であることは申すまでもございません。従いまして、所得倍増計画におきましても、昭和四十五年度を目途としてエネルギーの計画が策定されておるのでございます。なお、参考としては、付属資料ではございますけれども、エネルギー小委員会におきまして五十五年度までの数字をある程度参考に算出をいたしております。こまかい点は委員会等で申し上げたいと思います。
 こういうことで、水力あるいは石炭、石油という関係におきますエネルギーの数的な分野におきます総合的なある程度の予想はされておりますが、同時に、それらのものがそういう変化をしていきます過程におきまする石炭の位置でありますとか、あるいは石油を輸入するための外貨の支払いでありますとか、そういうような点に対しては、今後の経過に応じまして、十分総合的にこれらのものを考えて参らなければならぬのではないかと私としては考えておるのでございまして、そういう方向に向かって努力をして参りたい、こう考えております。
 なお、国際石油資本に対して国内の石油資源というものがまことに少ないわけでございますから、これを保護することは必要でありますが、同時に、先ほどお話の準国産と言われましたアラビアでありますとか、スマトラでありますとか、東南アジア方面、経済協力によりまして開発できるようなものについては、十分これらの開発を日本も協力いたしまして、そうして日本の石油資源の確保に協力することが必要であろう、こう考えております。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
○国務大臣(水田三喜男君) エネルギーに関する総合対策の観点から、今年度の予算編成におきましては、石油関税の引き上げ分に見合った額を、石炭対策の経費として強化するという方法をとりました。特定の関税収入を直ちに特定施策の目的税とするということはできないと思いますが、総合対策の観点から、今後もこの関税収入に見合ったものを、エネルギー全般の対策としてこれを強化するめどにするという方法は、今後もやっていきたいと考えております。(拍手)
  〔政府委員佐藤基君登壇〕
○政府委員(佐藤基君) 国内石油資本と国際石油資本との間の国際契約が独占禁止法上問題とならないかという点につきましてお答えいたします。
 外資系の石油会社が、アラビア石油会社等の原油引き取りを拒否している理由は、外資系会社が、提携先である外国会社の原油に限りこれを引き取るというひもつき契約を結んでいるからではないかという御質問でありますが、現在のところは、外資系会社がアラビア石油会社等の原油引き取りを拒否している事実はないように見受けられます。もし今後外資系会社がアラビア石油会社等の原油引き取りを拒否する場合には、その引き取り拒否が独占禁止法上不当であるかどうかを十分検討の上、独禁法第六条第一項の違反の事実があれば、同法に照らし必要な措置をとる考えであります。
 次に、外国資本が出資または融資を条件として、経済上優越せる地位を乱用するごとき国際契約は独禁法違反ではないかという御質疑でありますが、現在のところは、出資または融資を受けている事実はあっても、原油の引取契約はいわゆるコマーシャル・べースで行なわれており、別段引取契約に不当な販路協定等の拘束条件が付与されているものとは見受けられません。今後拘束条件がしいられる等の事実が明らかになれば、前の場合と同様、その拘束条件が不当であるかどうかを検討いたしまして、独禁法違反の事実がありますれば、同法に照らして必要な措置をとる考えでございます。(拍手)
○副議長(原健三郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第一 建設省設置法の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
○副議長(原健三郎君) 日程第一、建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長中島茂喜君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔中島茂喜君登壇〕
○中島茂喜君 ただいま議題となりました建設省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、本案の要旨を申し上げますと、第一は、河川局に砂防部を設置すること、第二は、建設大臣の諮問機関として宅地制度審議会を設置すること、第三は、東北及び九州地方建設局に用地部を設置すること、第四は、建設省職員の定員を四千五百九十人増員して、三万五千七百二十人に改めるものであります。
 本案は、一月二十三日本委員会に付託され、二月一日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、三月九日、質疑を終了し、討論もなく、全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告の通り決するに御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 入場税法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 日程第三 通行税法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
○副議長(原健三郎君) 日程第二、入場税法の一部を改正する法律案、日程第三、通行税法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
  〔小川平二君登壇〕
○小川平二君 ただいま議題となりました入場税法の一部を改正する法律案外一法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、入場税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案のおもな改正は、次の通りであります。
 第一は、税率の軽減であります。現行税率は入場料金により一〇%から三〇%まで三段階に分かれておりますが、これをすべて一律一〇%に改めようとするものであります。
 次に、現在臨時開催の催しもの等の特定の場合に限り、二十円または三十円の免税点が認められておりますが、これを廃止して、すべての催しものに対して、一律三十円の免税点を設けようとするものであります。
 次に、現在一〇%の税率で課税されております博覧会場及び遊園地等につきましては、これが課税を廃止しようとするものであります。
 その他、納税方法を申告納税制度に改める等、他の間接税に準じて規定の整備を行なおうとするものであります。
 なお、本案は、本年四月一日施行となっておりますが、課税範囲、税率、免税点及び非課税に関する改正は、入場券の前売りとの関連において、五月一日から施行することとしております。
 本案につきましては、審議の結果、去る九日三派共同提案による修正案が提出されました。
 その修正案の内容について申し上げますと、教員の引率による生徒、児童等の入場の場合、五十円の免税点を設けることと、課税範囲、税率等に関する改正規定の施行日は五月一日となっておりますのを、四月一日とすることであります。
 この修正案につきましては、国会法第五十七条の三の規定により、内閣に対して意見を求めましたところ、政府においては、にわかに賛成しがたい旨の意見が開陳せられました。
 次いで、修正案並びに修正部分を除く原案についてそれぞれ採決いたしましたところ、いずれも全会一致をもって可決され、本案は修正議決いたしました。
 なお、本案に対しましては、全会一致をもって附帯決議を付すべきものと決しました。附帯決議の内容は次の通りであります。すなわち、
  入場税の大幅減税に伴い、政府は、すべての興行界に対し、減税相当額を入場料金から引き下げるよう適切な措置を講ずべきである。というものであります。
 次に、通行税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、今回の税制改正で間接税の税率を一般的に小売段階で課税するものについては、一〇%程度の税率を基準として体系を整備することといたした関係から、現在通行税を課しております国鉄の一等、汽船の特等等の乗客の支払う運賃に対する税率についても、現行の二〇%から一〇%に引き下げることといたしております。
 本案については、審議の結果、去る九日、質疑を終了し、直ちに採決を行ないましたところ、全会一致をもって原案の通り可決となりました。
 なお、本案に対しましては、全会一致をもって附帯決議を付すべきものと決しました。附帯決議の内容は次の通りであります。すなわち、
  通行税については、現在の旅行目的その他諸般の状勢にかんがみ、政府において近い将来にこれが存廃について検討すべきである。というものであります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(原健三郎君) 両案を一括して採決いたします。
 日程第二の委員長の報告は修正、第三の委員長の報告は可決であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
○副議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時五十四分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  池田 勇人君
        外 務 大 臣 小坂善太郎君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        通商産業大臣  佐藤 榮作君
        建 設 大 臣 中村 梅吉君
        国 務 大 臣 藤山愛一郎君
 出席政府委員
        法制局長官   林  修三君
        公正取引委
        員会委員長   佐藤  基君
        通商産業省
        鉱山局長    川出 千速君
     ――――◇―――――