第040回国会 本会議 第28号
昭和三十七年三月二十七日(火曜日)
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 議事日程 第二十五号
  昭和三十七年三月二十七日
   午後二時開議
 第一 道路整備特別措置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 第二 産炭地域振興事業団法案(内閣提出)
 第三 酒税法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 第四 物品税法案(内閣提出)
 第五 国税通則法案(内閣提出)
 第六 国税通則法の施行等に伴う関係法令の整
  備等に関する法律案(内閣提出)
 第七 総理府設置法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 日程第一 道路整備特別措置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 日程第二 産炭地域振興事業団法案(内閣提
  出)
 日程第三 酒税法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出)
 日程第四 物品税法案(内閣提出)
 日程第五 国税通則法案(内閣提出)
 日程第六 国税通則法の施行等に伴う関係法令
  の整備等に関する法律案(内閣提出)
 日程第七 総理府設置法等の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
   午後二時八分開議
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。
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 日程第一 道路整備特別措置法の
  一部を改正する法律案(内閣提
  出)
○議長(清瀬一郎君) 日程第一、道路整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。建設委員長二階堂進君。
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  〔報告書は本号末尾に掲載〕
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  〔二階堂進君登壇〕
○二階堂進君 ただいま議題となりました道路整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 すでに、有料道路の建設、管理を総合かつ効率的に行なうことを目的として、日本道路公団及び首都高速道路公団が設立されており、さらに同様の目的にて阪神高速道路公団の設立が予定される等、最近における有料道路事業は飛躍的に拡大されて参ったのであります。従いまして、これが管理の効率化をさらに促進するため、これら三公団に、建設大臣その他の道路管理者の権限のうち、特別沿道区域及び沿道区域内の制限等に関し必要な措置を命ずること、及び占用の許可の権限を代行せしめるとともに、不法に料金を免れた者から割増金を徴収することができるように現行法の一部を改正しようとするものであります。
 本案は、去る三月七日本委員会に付託されたのでありますが、質疑の詳細は会議録に譲ることにいたします。
 かくて、三月二十三日、討論を省略して直ちに採決の結果、本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定した次第であります。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 産炭地域振興事業団法案(内閣提出)
○議長(清瀬一郎君) 日程第二、産炭地域振興事業団法案を議題といたします。
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。石炭対策特別委員長有田喜一君。
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  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔有田喜一君登壇〕
○有田喜一君 ただいま議題となりました産炭地域振興事業団法案につき、石炭対策特別委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 最近のエネルギー消費革命の進行に対応して、現在、石炭鉱業は、スクラップ・アンド・ビルド政策を根幹とする合理化対策が着々として進められておるのでありまするか、合理化計画の進行に伴い、相続く炭鉱の終閉山、雇用の減少等により関連産業も衰退し、離職者の発生、滞留、鉱害量の増大、地方財政の窮迫等、産炭地域はいよいよ疲弊し、実に深刻な社会問題の様相を呈しておるのであります。かかる実情に対処して、産炭地域をその疲弊より救い、これが振興をはかるため、去る第三十九回国会において産炭地域振興臨時措置法の成立を見たことは御承知の通りであります。
 本案は、との産炭地域振興臨時措置法の趣旨にのっとり、特に疲弊度の著しい産炭地域の振興を促進するための中核的実施機関として産炭地域振興事業団を設立し、必要な業務を行なわせることを目的として提出されたものでありまして、そのおもなる内容は、資本金五億円の特殊法人を設立し、産炭地域の振興に必要な工業用地の造成及びこれに関連する工作物の建設、または、これらの管理もしくは譲渡並びに同地域の振興に必要な鉱工業を営む者に対する資金の貸付及びこれらに付帯する業務を行なうこととなっておるのであります。なお、本事業団は、通商産業大臣の認可を受けて金融機関その他の者に業務の一部を委託することができること、その他業務方法書の認可、借入金等に関する規定が設けられておるのであります。
 本案は、去る二月八日当委員会に付託され、同月十三日佐藤通商産業大臣より提案理由の説明を聴取し、自来数次にわたり慎重な審議を重ねたのであります。
 かくして、三月二十三日に至り質疑を終了し、日本社会党中村重光君より、本事業団の目的及び業務範囲を拡大するよう修正すべきであるとの修正案が提出され、引き続き修正案並びに原案について採決いたしましたところ、修正案は起立少数で否決されましたが、原案は全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党並びに民主社会党を代表して始関伊平君より、政府は、さらに事業団の資金を大幅に増額するとともに、業務範囲の拡充をはかる等積極的な措置を講じ、産炭地域における新規産業の誘致、育成に一段と努力し、雇用の増大と石炭需要の確保をはかるべきであるとの附帯決議案が提出され、これまた全会一致をもって附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 酒税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 物品税法案(内閣提出)
 日程第五 国税通則法案(内閣提出)
 日程第六 国税通則法の施行等に伴う関係法令の整備等に関する法律案(内閣提出)
○議長(清瀬一郎君) 日程第三、酒税法等の一部を改正する法律案、日程第四、物品税法案、日程第五、国税通則法案、日程第六、国税通則法の施行等に伴う関係法令の整備等に関する法律案、右四案を一括して議題といたします。
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長小川平二君。
  〔議長退席、副議長着席〕
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  〔報告書は本号(その二)に掲載〕
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  〔小川平二君登壇〕
○小川平二君 ただいま議題となりました四法案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、酒税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案のおもな改正の内容は次の諸点であります。すなわち、
 まず第一に、酒類の各種類について、大衆酒の現行小売価格をおおむね一割程度引き下げることを目途として、税率を引き下げるとともに、特に価格の高い酒類につきましては、現行の従量税にかえて新たに従価税を採用することといたしております。
 第二に、最近における酒類の消費及び取引の実態にかんがみ、酒類の種類を九種類から十種類に改めるとともに、現行の清酒特級及び一級を特級とし、現行の準一級を一級に改めることといたしております。
 第三に、産業用等のいわゆる特殊用途酒類につきましては、今日ではその消費数量も全酒類の一%程度にすぎませんので、今回の減税を機会に、この際この制度を廃止することといたしております。
 第四に、以上のほか、納税方法を現行の賦課課税制度から申告納税制度に改めることとする等、所要の規定の整備をはかることといたしております。
 第五に、以上のような酒税法の改正等に伴いまして、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の規定につきまして、所要の改正を行なうことといたしております。
 本案につきましては、慎重審議の結果、去る二十三日、質疑を終了し、討論に入り、日本社会党を代表して平岡委員より反対討論のあった後、直ちに採決を行ないましたところ、起立多数をもって原案の通り可決となりました。
 なお、本案に対しましては、全会一致をもって附帯決議を付すべきものと決しました。附帯決議の内容は次の通りであります。すなわち、
  政府は、清酒およびしょうちゅう等の製造に当たる中小企業者に対し、融資のあっせん等につき万全の措置を講じて、その経営の安定をはかるとともに、現在政令に委ねられている酒類の原料米使用割合等については、来年夏中にこれを法律化するよう措置すべきである。
というものであります。
 次に、物品税法案について申し上げます。
 本案のおもな改正の内容は次の諸点であります。
 まず第一に、現行課税物品のうち、最近における消費の態様や企業規模の零細性等から見て、課税することが必ずしも適当でないと認められるもの、すなわち、氷冷蔵庫等十六の品目について、課税を廃止しようとするものであります。
 なお、飾り物及び玩具については、これを製造課税から小売課税に移行することといたしております。
 次に、現在、製造従価課税の税率が三%から五〇%までの八段階に区分されておりますが、これを二〇%を基本税率とし、その上下に四〇%及び三〇%の加重税率と一〇%及び五%の軽減税率を設けて、税率構造の整備をはかるとともに、電気冷蔵庫等二十一の品目について軽減を行なうことといたしております。
 次に、他の同種の課税物品との負担の均衡をはかる、パッケージ型ルームクーラー等若干の物品につきまして、新たに課税対象としようとするものであります。
 その他、納税方法を他の間接税の改正と同様申告納税制度に改める等のほか、物品税法の全文を書き改め、税法の簡易平明化をはかろうとするものであります。
 以上、本案については、審議の結果、去る二一三日、質疑を終了し、直ちに討論に入りましたところ、日本社会党を代表して武藤委員より反対の旨の意見が述べられました。次いで、採決いたしましたところ、起立多数をもって原案の通り可決となりました。
 次に、国税通則法案について申し上げます。
 国税通則法案は、各税法を通ずる基本的な法律関係及び共通的な事項を統一的に定め、納税者の理解を容易にするとともに、納税者の利益に着目しつつ各種制度の改善、合理化をはかろうとするものでありまして、本案のおもな内容は次の通りであります。
 まず第一に、現行の利子税額及び延滞加算税額については、この両者を統合して一本の延滞税とするとともに、その割合を、現行の日歩三銭及び六銭から日歩二銭及び四銭に引き下げようとするものであります。また、無申告加算税及び源泉徴収加算税については、現行の一〇%から二五%となっているものを一律に一〇%に、重加算税については五〇%を三〇%に、それぞれ引き下げることといたしております。
 次に、納税者が不服申し立てをすることができる事項の範囲を拡張する等、課税処分等に対する不服申し立て制度について改善を行なうほか、協議団制度につきましても、協議団の議決を一そう尊重するよう規定の整備をはかり、その運用の改善に努めることとしております。
 次に、租税債権の成立、確定等の法律関係及び納税方式を明確にするとともに、申告手続に関する規定の整備改善をはかろうとするものであります。
 次に国税の賦課権の期間制限について合理化をはかり、その他各税に共通する事項として、税法上の期間計算及び書類の送達方法、人格のない社団等に対する税法の適用、災害等の場合における納税の猶予等につきましての規定を整備の上統一的に定め、租税制度の仕組みを明らかにすることといたしております。
 最後に、国税通則法の施行等に伴う関係法令の整備等に関する法律案について申し上げます。
 本案は、国税通則法案において、各税法を通ずる基本的な法律関係及び共通的な事項が統一的に規定されることとなりましたので、これに伴い直接税法、間接税法並びに国税徴収法の該当規定を削除する等の整理をはかろうとするものであります。
 以上二法律案につきまして、それぞれ毛利松平君外二十五名提案による修正案が提出されました。その修正案の主たる内容について申し上げます。
 まず、国税通則法案についてであります。
 政府原案では、人格のない社団等は、国税に関する法律の規定の適用については、法人とみなすとしてありますが、これを国税通則法の規定の適用については法人とみなすことと改めようとするものであります。
 次に、国税通則法の施行等に伴う関係法令の整備等に関する法律案についてであります。
 現在国会において審議中の酒税法改正案等の間接税法改正案並びにすでに国会を通過した通行税法改正法及び印紙税法改正法の規定のうちから、人格のない社団等に対する両罰規定を削除しようとするものであります。
 以上二法律案並びにそれぞれの修正案については、慎重審議の結果、昨二十六日、質疑を終了し、直ちに討論に入りましたところ、自由民主党を代表して細田委員より賛成の旨、日本社会党を代表して広瀬委員、民主社会党を代表して春日委員より、それぞれ反対の旨の意見が述べられました。次いで、修正案並びに修正部分を除く原案についてそれぞれ採決いたしましたところ、いずれも起立多数をもって可決され、二法律案は修正議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(原健三郎君) これより討論に入ります。
 まず、日程第三及び第四の両案につき討論を行ないます。堀昌雄君。
  〔堀昌雄君登壇〕
○堀昌雄君 私は、ただいま議題になりました酒税法等の一部を改正する法律案、物品税法案について、日本社会党を代表して反対の討論をいたします。
 皆さんも御承知のように、最近の物価の値上がりはまことに目ざましいものがございます。昨年一年間を通じまして一番値上がりをいたしましたのは野菜でございますが、統計で見ましても一年間に二割三分の値上がりをいたしております。大根一本が五十円も六十円もするというのが現在の姿でございます。さらに魚介類におきましても一割二分も上がっておるのでありまして、これらの物価騰貴が一体今の政界に対してどのような反応を示しておるかということは、毎日新聞の世論調査によってもきわめて明らかでございます。
 物価が値上がりをするにつれて池田内閣の人気がだんだん下がってくる、これはきわめて顕著な事実でございまして、一体生活が苦しくなったと感ずる者がどれだけあるかといいますと、四割が現在生活が苦しくなったと言っておるのであります。その中の八割二分は物価が上がったと言っておるし、一割四分は収入がふえないと言っておるわけであります。国民の四割に及ぶ者が非常に苦しい暮らしをしておるときに、はたしてそれで政治がまともに行なわれておると言えるでございましょうか。その結果として池田内閣の支持率は顕著に下がって参りました。そうして、この池田内閣に要望をいたしております国民の声というのは、物価の値上がりをやめてもらいたいというのが約六割に達しておるということを、政府・与党は心に銘じていただきたいと思うのであります。(拍手)
 そこで、これまでの減税の問題につきましては、政府は、もっぱら所得税の減税に中心を置いて参りました。過般の予算委員会において私が大蔵大臣に尋ねたところによりますと、これまでに一兆円の減税を直接税ではやったというのであります。しかし、間接税では一体どれだけの減税をしたでありましょうか。本年度ようやく全体の間接税に手を触れましたけれども、その間接税における減税というものはわずかに五百五十二億にしかすぎません。
 そこで、現在わが国民の中では一体どういう状態で所得税を納めておる者と非納税者があるかを調べてみますと、納税者世帯が一千五百万に対して非納税世帯は二千万なのでございます。この過半数を占める所得税の非納税世帯に対してはこれまでは何ら手を触れることなく、ようやく今度間接税全体として五百億余りを減税することになったのでありますけれども、一体その減税の割合はどういう形になっておるかと調べてみますと、一人当たりで計算をいたしますと、酒税においては、税金を納めておる人たちは千八百五十円の減税になります。ところが、税金を納めていない者、生活の苦しい者は、千三百四十円しか減税にならないのであります。物品税につきましては、一人当たり納税者の方は八百三十六円で、税金を納めていない人たちはわずか三百六十二円しか減税にならない。合計してみるならば、所得税を納めておる者は一人当たり二千九百円も減税してもらっておるのに対して、所得税を納めてない、この二千万世帯に上る収入の少ない人たちは、わずか千九百円しか減税が行なわれないのであります。われわれは、このような不公平な取り扱いが、今の物価値上がりの中でどれほど庶民階級に大きな影響を与えておるかということを、あなた方自由民主党の人たちはもっと真剣に考えてみる必要があると思うのであります。(拍手)
 そこで、試みに一万円の収入のある人と十万円の収入のある者が、間接税においてどのような負担をしておるかを一人当たりで調べてみますと、一万円の収入の者は、酒税で五百十二円の負担をしております。所得が十倍もある十万円の所得のある人は、千六百三十四円しか負担をしておりません。片方の所得の比率では一対十であるのに、税金の負担額は一対三しか負担をしていないということは、いかに低所得の者が大きな負担になっておるかということが明らかなのであります。(拍手)このことは、日本の酒税が著しく高いということに大きな原因があるのであります。日本の国民酒といわれております清酒、これの二級に例をとってみますと、減税後におきましては小売価格の中に占める税額は三五・二%に達しております。ところが、フランスの国民酒であるブドウ酒はわずかに四・一%しか税金がとられておりませんし、西ドイツのビールに至っても八・七%でありまして、わが国の酒税がいかに多くの負担を国民に与えておるかということはきわめて明らかなのであります。(拍手)さらに、現在国民の消費の状態を見ますと、日本の酒類の消費が一に対してフランスは約十倍が消費され、西ドイツは二・五倍くらいの消費でありますから、この消費の割合から見ましても、諸外国の国民の酒税負担が非常に軽減されておることは明らかであります。こういうように酒税の負担が大きいということが、とりもなおさず勤労者の多数を占めております農民と労働者に大きな負担となっておるということを、あなた方は心に銘記すべきであると考えるのであります。(拍手)
 次に、今回の税制改正の中の一つの問題点として特殊用免税の酒類の配給をやめることになりました。この特殊用免税の酒類というのは、すでに本日配付した案にも書いてございますけれども、非常に高かったときの税制のなごりである、かように申しております。しかし、現実にはどのように配られておったかというならば、特に所得水準の低い農民に対しては刈り入れのときに対して一升、田植えのときに対して二升を専業農家及び第一種兼業農家に配給しておったわけであります。今回はこれを廃止することになるわけでありますけれども、私は、現在の日本の農家の所得水準の低さ、そうして田植えや刈り入れにおいてこれらの人たちが額に汗し、朝から夜まで働いておる過激な労働をいたわる意味において、少なくともこの程度の免税の酒はこの諸君に与えてもよいのではないか、かように考えるわけでございます。一年にわずか三本の酒を免税で与えるという親心があなた方政府及び与党にはないのかということを、私は農民諸君に声を大にして訴えたいと思うのであります。(拍手)これによる減税額は、私が計算をいたしますと、わずかに十八億にしかすぎないのであります。われわれは、政府がこれら農民に対してもっと親心のある態度をとることが必要ではないかということを特に強調しておきたいと考えるわけでございます。
 その次に問題になりますのは、現在密造酒が依然として東北地方にきわめて多いということであります。仙台国税局管内におきましては、全国における八十万石余りの密造酒の約四分の一が生産をされておるように国税庁は報告をいたしておりますけれども、なぜこのような密造が行なわれるのでありましょうか。これはやはりこの地域における農民の所得の低さと、酒税の高いことによって起きておるのであります。われわれはすべからく、特に東北出身の諸君は、一致団結して酒税をもっと下げることによって、農民がこのようなことをしなくても、十分酒を飲んで働けるように配慮をすべきではないか。われわれはそういう点で現在の酒税がいかに過当であるかということの一つの例証として、この問題の中に具体的な事実を見るわけでございます。
 次に、物品税でございますけれども、本来物品税というものはわれわれ党の態度といたしましては反対でございます。特に、私は皆さんに声を大にして申し上げておきたいのは、大体物品税を扱っておりますのはお役人のみな男性でございます。これを審議しておる議員もおおむね男性でございます。現在婦人が使っておりますところのクリームあるいはおしろい、口紅等の課税の問題でございますけれども、これまでクリームは五%の課税が行なわれておりました。ところが、このクリームなどというものは決してぜいたく品ではなくて、身だしなみのための当然の婦人にとっての必要品であります。(拍手)この必要品に対して、あなた方は男性であるという立場であるかどうかは別として、依然として五%の税額を物品税として残しておるというようなことは、私は日本の有権者の過半数の婦人に対して、まことに政府の思いやりのなさを痛感をするわけでございます。(拍手)われわれ日本社会党は、この過半数の婦人に対して、これらの生活必需品であるところの化粧品の免税を一日も早く行なうことを要求する次第でございます。(拍手)
 以上申して参りましたのは、私どもがこの二法案に対して反対をする主たる理由でございますが、おわかりになったと思いますけれども、この二法案の減税に反対をしておるわけではありません。減税がきわめて不十分で、納税していない二千万世帯の生活に苦しんでおる国民のために、もっと間接税を減税することが必要だということをわれわれは反対の第一の理由にしておるわけでございます。どうか一つ政府におかれましても、来年度さらに間接税の大幅減税を考えて、これら声なき庶民の声にこたえていただきたいということを申し添えて、反対討論を終わります。(拍手)
○副議長(原健三郎君) 次に、日程第五及び第六の両案につき、討論を行ないます。横山利秋君。
  〔横山利秋君登壇〕
○横山利秋君 私は、日本社会党を代表しまして、ただいま上程されました国税通則法案並びに国税通則法の施行等に伴う関係法令の整備等に関する法律案及び毛利松平君提出の修正案に対し、すべて反対をいたすものであります。(拍手)
 由来、徴税行政の根本につきましては、国民各層の中に根強い不満と不信があるにかかわらず、なかなかそれが具体的な形にはなっておりません。しかるに、今回全く皮肉にも、納税者のために改善すると称して提案されたこの通則法の答申と法案によって国民の不満が爆発をしてきたのであります。昨年九月、審議会から通則法の答申が発表されるや、全く燎原の草を焼くような勢いで、中小企業団体、労働団体、一般団体のすべてに急角度に反対運動が起こりまして、その雰囲気は、審議会はもとより大蔵省のお役人まで驚愕せしめるに至りました。このことは、いかに答申や政府がうまいことを言うておられても、口と腹とは大違いで、明年度四千五百億以上の自然増収を強行し、徴税攻勢をかけようとする政府の意図を大衆が鋭敏に見抜いたかちだと私は思うのであります。(拍手)
 終戦以来、税において国民各層の不満は数限りなくあります。しかし、それを要約いたしますと、第一は税金が高いということであり、第二番目は税金が不公平だということであり、第三番目は税金の法律はむずかしくてわからないということであります。今日までお互い多くの減税に努力してきました。しかし、いかに目先の減税をしましようとも、この不満が一向に絶えな、理由の第一は、何としても、国税、地方税を通じて二千億以上に余る租税特別措置が、大企業と中小企業、金持ちと貧乏人に対し、あらゆる面で極端な不公平をもたらし、納税者の不信感を買っているからだと私は思うのであります。(拍手)政府がいかに小手先の公平を論じましょうとも、このような特別措置の根本にメスを入れずして、公平を論ずる資格はないといわなければならぬのであります。
 理由の第二は、法律と行政との関係でありましょう。われわれが法律をきめる、しかし、実際徴税をされるしかけというものは、法律のもとに通達があり、その下に内規があり、秘扱いの文書があり、幾千幾百の税法の通達があって、法律が税務行政の第一線に届くまでに曲解され、官僚の自由裁量が許され、実質課税の原則が悪用され、さじかげんが行なわれ、汚職が行なわれるということになるのであります。憲法は、その第八十四条で「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」と租税法定主義を厳として定めておるのであります。昔、お百姓がお年貢米を出すについては、御領主様が勝手にきめて、それで百姓一揆を起こしました封建時代と違って、世界じゅうで租税法定主義が確立されるまでの歴史をしばらく振り返ってみますと、わが国の明治時代、あるいはこの敗戦による革命、英国のマグナカルタ、米国の独立戦争からフランスの大革命に至るまで、人民の多くの血潮が流されて、人民こそが自分たちで税金をきめるという、この租税法定主義は、まさに人民が時の権力者から血潮で戦いとったとうとい主義なのであります。(拍手)このような貴重な歴史を顧みますときに、今日の税務行政がともすれば法律を逸脱して、質問検査権を乱用したり、法律の趣旨を犯して自由裁量にゆだねたりする傾向は、断じて是正されなければならぬのであります。
 去年の七月に答申がありまして、わが党初めごうごうたる非難におびえた政府は、まず第一に実質課税の原則、記帳義務、質問検査権、資料提出義務、無申告犯など、五項目をたな上げして反対運動をそらそうとし、きのうは毛利君以下自由民主党の皆さんは、私どもの反対する人格なき社団に関して、その条項を修正されました。ある意味においては答申がずたずたになってしまったのであります。それにもかかわらず、このすべての納税者が反対する通則法案を、あくまで政府・与党が強行通過させようすることこそ、この法案を通じて政府が抱いている野望、すなわち徴税の強化と、軍事大型予算の確保を如実に物語っているのだと私は思わざるを得ないのであります。(拍手)
 先般、ある県でこんなことがありました。その納税者は養子で気の小さい人ではありましたが、税務署が来て調査をし、その結果帳簿を持ってきてくれと強要され、税務署で夜の十一時まで調査を受け、書類に判こをつかなければ帰さないと言われ、やむを得ず捺印して帰ったが、眠られない、朝になって首つり自殺をはかったのであります。これは明らかに質問検査権の乱用です。令状なく強要することは許されませんし、夜間調査の権利もございませんし、首つり未遂をはかるまでのきびしい調査をすることは断じて許されないことであります。この点について税務署はこう言っています。調査の中途で国税犯則取締法違反の疑いが生じたと言っておりますが、それならば、政府の解釈によっても、当然憲法上の黙秘権があるのですが、その旨告知しなかったというのであります。どろぼうや人殺しには黙秘権があるけれども、納税者への一般調査の段階には黙秘権がないと言うています。質問に答えなかったら処分されるのであります。しかもきのうの大蔵委員会で、驚くべきことは、国税庁長官は、制限列挙されております質問検査権すら、法律の制限以上に質問検査権を発動することはやむを得ないという、重大な発言を明らかにいたしました。税務行政でかくのごとき人権のじゅうりん、法律の違反、憲法違反の疑いある事実が、各所に納税者を侵していることを、私どもは痛烈に非難せざるを得ないのであります。(拍手)
 次に重要なことは、五項目と、人格なき社団は一応削除されましたが、しかし政府の考えの中に、現行法の運用を強化して、その目的を達しようとする考えがひそんでいることであります。町内会や婦人会、労働組合など、収益を目的としない、個人でもない、法人でもない、一般の社会団体の人格なき社団に対し、政府は三十二年以来、重箱のすみっこをつつくような気持で徴税攻勢をかけて参りました。本来、税金というものは個人ないし法人が支払い義務を持つものでありまして、個人でも法人でもない、社会的な目的を持つこれらに対して、法を乱用して徴税しようとすることは、明らかに大衆団体を抑圧しようとするものであります。政府の野望が、税金を何かほかの目的に利用しようとしているような気がしてなりません。もしもそうでないなら――失礼な言い方をしますが、もしもそうでないなら、隗より始めよということがあります。自由民主党も人格なき社団であろうと思いますから、国税庁はまず与党の帳簿、財政状態から税金調査を始めて、納税者に範をたれたらいかがなものでありましょう。(拍手)
 また、通則法案は納税者に対し、税務行政に文句があったら詳細な証拠書類を出せと強要しながら、他方、税務当局の決定書には決定理由を書く必要はないという立場を固執しているのであります。いわゆる挙証責任というやつであります。これは昔からの、お上のやることには間違いがない、こういう思想の現われであります。納税者というものは大体脱税しているものときめてかかっている独善思想が根を張っているからであります。はなはだしきに至っては訴願前置主義と称し、国民の権利である訴訟の自由を制限し、税務への不服については、不服申し立て機構を経なければ裁判へ持っていってはならないというがごとき条項が法案の中にあります。また裁判官の判断に当然ゆだねるべき証拠書類の提出、申し出の順序に至るまでこの通則法案に規定するに至っては、税法優先、税法独善、その権力主義を露骨にしていることは、私は何としても承服のいたしかねるところであります。(拍手)
 うどん屋さんがある程度もうかってきた、そこで会社組織にした方がいいと思って法人になります。すると税務当局は、これは所得税より法人税の方が安いから、税金対策だけで法人にしたんだろうと言って、なかなかこれを全面的には認めません。同族会社には行為計算の否認から留保全課税に至るまで、ありとあらゆる制限がある。近ごろは求人難で、年少の小僧が来ない。そこで女房や子供が店で働く。小僧のときは給料は損金になるが、家族の自家労賃はなかなか認めない。中小企業についてはかくのごとしでありまして、財政投融資とか租税特別措置によって至れり尽くせりの大企業と比べて、まことに政府の中小企業対策はなっておらぬと私どもはいわざるを得ないのであります。(拍手)しかも、との通則法が動き出すのは、幾十万の中小企業こそがその焦点であると考えられるだけに、私はふんまんのきびしいものがございます。
 日本税法学会は、昨年秋、この通則法案の動きに対して総会を開きまして、痛烈な批判を議決して政府に申し入れました。その一節を引用しますと、「国民主権のもとにおける税法は、主権者たる国民のための税法でなければならないのであって、税務行政権力のための税法であってはならない。真の国民のための税法としての租税基本法は、課税の領域における国民の財産権を保障するという税法の民主主義的な目的に適合するものであり、租税正義を実現し、かつ、租税法定主義に徹したものでなければならない。租税の法治国家形成として、税法に関する学説及び判例が積み重ねられた上で、世界に誇る租税基本法の制定を希望する。」と言っておるのであります。まさに、至言、政府が中小企業や大衆団体を上から下に見下して、徴税強化をするよりも、もっとそれこそ上を向いて特別措置の問題や、数億の脱税が発見されるというような、大企業や大金持ちを追及していくことによってこそ、初めてすべての納税者に公平と信頼の観念を植えつけ、その協力を得る最も健全な近道であることを断言してはばからないのであります。(拍手)
 かくて、すべての納税者に徴税強化をもたらすこの通則法案は、ますます深刻になろうとする経済不安を前にして、今、衆議院を通過しようとしております。しかも、これほどの重要法案が、わずかたった一日の委員会の審議で、数々の問題を残しながら強行して、本会議に送られてきたことは、まことに遺憾でございまして、おそらくや与党の皆さんも、今後地元の納税者から具体的にさまざまな問題で、その軽卒を責められるでありましょうし、近く迫る参議院選挙は、中小企業基本法案の不手ぎわ、金融の引き締めによるしわ寄せ、そうしてこの徴税の強化法案と三本並んで、民主政治の審判は、政府・与党諸君のこうべに下るであろうことを国民とともに信じて疑わないのであります。(拍手)
 私ども日本社会党は、この法案を通じて急激に高まって参りました国民の税に対する目ざめに、正しい方向を与えることこそわれわれの責任であると信じ、民主主義国家としてふさわしい徴税行政の民主化と、税法の所得に応じた大改正と、生活費には課税せずという大原則のもとに、第一に大幅減税を、第二に真に公平を、第三にそれによってわかりやすい納税者のための税法と行政を実現せんとするものであります。この立場と全く異なり、時代に逆行し、大衆に襲いかかろうとする通則法案、整備法案並びに修正案のいずれにも、断固たる反対をし、私どもの旗じるしを明らかにいたしまして、反対討論を終わることにいたします。(拍手)
○副議長(原健三郎君) 鴨田宗一君。
  〔鴨田宗一君登壇〕
○鴨田宗一君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております国税通則法案及び国税通則法の施行等に伴う関係法令の整備等に関する法律案に対し、賛成の意を表明せんとするものであります。(拍手)
 国税通則法は、わが国においては、税法の分野において全く新時代を画するものでありまして、これを制定する趣旨の第一は、税務の民主化をはかる見地から、税法の簡素、明瞭化を行ない、税法を納税者にわかりやすいものにしようとする点にあるのであります。(拍手)
 御承知の通り、現行の税法は複雑多岐に分かれており、納税者、国民にとり、なかなか理解しがたいものであります。ここにおいて国税通則法の制定は、右のような現行税法の欠点を是正し、抜本的匡正をはからんとするものであり、これによって各税に共通する事項を取りまとめまして規定することにより、まず税法の条文だけでも、何と二百八十条程度圧縮されているのであります。これが税法の簡素化、民主化に及ぼす効果はきわめて大きいことはもちろんでありますが、さらに共通の事項は、各税がばらばらではなく、単独の国税通則法に一本に規定されるゆえ、現行法に見られるような不統一は全く解消せられ、税法の体系は、国税通則法、課税実体法としての各税法及び滞納処分手続を中心とする国税徴収法という三本の柱が打ち立てられ、その体系はすっきりと、また納税者に理解しやすくなり、また税法の仕組みに対する納税者の批判を容易にすることになり、今後の時勢の進展に伴い、税制をより一そう合理的、民主的に改善していくための基盤として貢献すること大なるものありと確信するのであります。(拍手)
 次に、本法を制定する第二の趣旨は、租税の基本的法律関係を明らかにし、これに関する規定の整備、合理化をはかることにあります。
 すなわち、租税債権がいつ成立し、どのようにして確定するのか、また、その確定の方式として、申告納税方式等の各課税方式はどのようなものであり、どのような意義を持つかの点、並びに租税の賦課徴収に関する租税債権の行使の限界はどこにあるかの問題は、租税における基本的な事項であります。しかもこれは、法律理論上基本重要事項にとどまらず、政府と納税者間における権利義務のあり方に関し、納税者の権利、利益に直接影響を及ぼすところきわめて大なるものがあります。国税通則法は、この問題について深く探究し、民主的観点に立って規定の整備をはかっており、一言にして言えば、わが国税法の進歩の歴史に一転機を画するものといわなければならないのであります。(拍手)
 次に、国税通則法制定の第三の趣旨は、各税に共通する諸般の制度について、納税者の利益に着眼しつつ種々の改善合理化をはかることであります。
 まず改正の第一点は、延滞税、加算税等について、改善合理化をはかったことであります。納税者の負担の軽減をはかりつつ制度の簡素化を行なうこととしており、現行の利子税額、延滞加算税額について、この両者を一本にいたしまして、延滞税とするとともに、その課税割合を引き下げるとともに、また各種の加算税についても、その課税率の軽減をはかり、しかも、それぞれ引き下げすることにいたしたのであります。
 次に、改正の第二点は、課税処分等に対する不服申し立ての制度について改善を加え、納税者が不服申し立てをすることができる事項の範囲を拡張したことであり、納税者の利益を守る等の処置を講じたことであります。
 さらに改正の第三点として、申告手続に関する規定の整備改善をはかり、第四点としては、国税の課税権の期間制限について合理化をはかったことでございます。
 次に、国会通則法の施行等に伴う関係法令の整備等に関する法律案におきましては、国税通則法の施行に関連して、所得税法等の国税に関する法律、その他関係諸法律について、その整備をはかるため、所要の改正を行なっており、それにより各税法の規定は大幅に整理せられ、納税者の税法に関する理解に資することになるのであります。
 以上申し述べました通り、国税通則法の制定及び関係法令の改正は、税法の民主化をはかりつつ、あわせて納税者の権利、利益に着眼しての諸制度の改善を行なうものであって、徴税権強化であるとか、あるいは租税法定主義を乱すとか、納税者の権利を侵害するとかの、無責任きわまる理論を展開し、反対のための反対を唱える徒輩は、真に法律の真意を知らざるものであり、やせオオカミの遠ぼえであるといわざるを得ないのであります。(拍手)
 次に、この際、特に本法案の制定の経緯について触れておきたいと思うのであります。
 租税法の基本法たる国税通則法の制定については、この法案の直接の母体となりましたのは、御承知の通り税制調査会の答申であります。調査会においては、過去三年近くの日時をかけ、きわめて綿密かつ慎重な検討を加えたのであります。この調査会で決定した答申は、いち早く世の中に公表せられ、広く国民の批判を仰いでおりました。しかし、本法案においては、これらの批判の聞くべきものについては、深く耳を傾け、周到なる配慮が行なわれておるのであります。本法案提出されるや、従来反対を唱えておりました全国の中小企業者団体初め、全国津々浦々から、この法案について懸念されたるところの質問検査権が条項からはずされており、また、租税法定主義も貫かれておるという点から、反対の理由は全然なくなった、早く国会を通過させてくれと全国の中小企業者から要望されておる事実があるのであります。(拍手)
 本法案は、以上申し述べました趣旨と改正内容を持っているものであり、良識ある国民からひとしく賛同されることを確信を持っておる次第でございます。
 さて、さきに発表された国税通則法案中、徴税の強化あるいは納税者に心理的圧力をもたらすと議論を生んだいわゆる五項目については、その具体化を将来の検討にゆだねるとともに、なお、社会党の諸君を中心として強く懇願のありました原案の十三条、人格なき社団の問題を中心とした諸規定についても、私たちは大政党たる自民党の立場から、少数党たる社会党の声にも謙虚に耳を傾け、愛情と低姿勢で現時限においてはわが党の修正案により、これを将来に譲り、各階層を通じてこの法案についての不安を除き得たことと深く信ずるものでございます。(拍手)われわれも国民の一人であります。納税者であります。従って、国民にとり、納税者にとり、この法律案は不利益なしとの確信を、各般の事項につき質疑を通じて確認しておるがゆえに賛成の意を表明するものであります。
 税法の基本法たる本法律案につきましては、先ほど申し述べました通り、本法制定の経緯並びに趣旨にかんがみ、政府における適切なる運用と慎重なる配慮を特に要望しつつ、私の賛成討論を終わりたいと思います。(拍手)
○副議長(原健三郎君) ただいまの鴨田君の発言中、もし不穏当の言辞があれば、速記録を取り調べの上、適当の処置をとることといたします。
 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、日程第三及び第四の両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
 次に、日程第五及び第六の両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
 日程第七 総理府設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○副議長(原健三郎君) 日程第七、総理府設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員会理事草野一郎平君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔草野一郎平君登壇〕
○草野一郎平君 ただいま議題となりました総理府設置法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、本案の要旨について申し上げますと、第一は、総理府の付属機関である訴願制度調査会等四調査会並びに一審議会を廃止して、新たに税制調査会、港湾労働等対策審議会、交通基本問題調査会、補助金等合理化審議会及び輸出会議を設置するほか、総理府本府の定員を五百四十九人増員すること、第二は、五大市の青少年問題協議会に対しても運営費の一部を補助することができるものとすること、第三は、同和対策審議会の存続期限を二年間延長すること、第四は、宮内庁の定員を九十八人増員すること、第五は、内閣官房の定員を一人増員すること、第六は、法制局を内閣法制局と改称し、一部を増設して四部制に改めるほか、定員を四人増員することであります。
 本案は、二月十日本委員会に付託され、二月十三日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、三月二十三日、質疑を終了し、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時十一分散会
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 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        建 設 大 臣 中村 梅吉君
 出席政府委員
        総理府総務長官 小平 久雄君
        通商産業政務次
        官       森   清君