第041回国会 商工委員会 第9号
昭和三十七年九月三日(月曜日)
    午前十時十八分開議
 出席委員
   委員長 逢澤  寛君
   理事 首藤 新八君 理事 白浜 仁吉君
   理事 中村 幸八君 理事 板川 正吾君
   理事 田中 武夫君 理事 松平 忠久君
      神田  博君    亀岡 高夫君
      藏内 修治君    田中 龍夫君
      中川 俊思君    南  好雄君
    早稻田柳右エ門君    岡田 利春君
      北山 愛郎君    久保田 豊君
      小林 ちづ君    多賀谷真稔君
      中嶋 英夫君    中村 重光君
      山花 秀雄君    伊藤卯四郎君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  福田  一君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
 委員外の出席者
        警  視  監
        (警察庁保安局
        長)      野田  章君
        農 林 技 官
        (林野庁指導部
        造林保護課長) 手束 羔一君
        通商産業事務官
        (重工業局次
        長)      熊谷 典文君
        参  考  人
        (東京電力株式
        会社副社長)  吉田 確太君
        参  考  人
        (中国電力株式
        会社社長)   桜内 乾雄君
    ―――――――――――――
九月三日
 委員海部俊樹君、岡田利春君、西村力弥君及び
 山口シヅエ君辞任につき、その補欠として亀岡
 高夫君、緒方孝男君、和田博雄君及び山花秀雄
 君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員亀岡高夫君、緒方孝男君、和田博雄君及び
 山花秀雄君辞任につき、その補欠として海部俊
 樹君、岡田利春君、西村力弥君及び山口シヅエ
 君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
九月二日
  一、金属鉱産物価安定臨時措置法案(多賀谷
   真稔君外二十四名提出、第三十九回国会
   衆法第三一号)
  二、金属鉱物資源開発助成法案(多賀谷真稔
   君外二十四名提出、第三十九回国会衆法第
   三二号)
  三、有明海開発促進法案(井手以誠君外二十
   一名提出、第四十回国会衆法第四号)
  四、中小企業基本法案(松平忠久君外二十六
   名提出、第四十回国会衆法第二四号)
  五、中小企業組織法案(松平忠久君外二十六
   名提出、第四十回国会衆法第二五号)
  六、中小企業基本法案(宮澤胤勇君外二百三
   十五名提出、第四十回国会衆法第四二号)
  七、通商産業の基本施策に関する
  八、経済総合計画に関する件
  九、公益事業に関する件
 一〇、鉱工業に関する件
 一一、商業に関する件
 一二、通商に関する件
 一三、中小企業に関する件
 一四、特許に関する件
 一五、私的独占の禁止及び公正取引に関する件
 一六、鉱業と一般公益との調整等に関する件
 の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公益事業に関する件(電力に関する問題)
 工業に関する件(自転車競技等に関する問題及
 び空気銃製造等に関する問題)
     ――――◇―――――
○逢澤委員長 これより会議を開きます。
 公益事業に関する件について調査を進めます。
 本日は、電力に関する問題についての御意見を承りますために、参考人として東京電力株式会社副社長の吉田確太君、中国電力株式会社社長の桜内乾雄君の両君が御出席になっておられます。電力問題につきまして賃電力料金の問題あるいは電力再々編成問題とか、それぞれの立場、見解等から種々論議されているようでございますが、参考人におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べ下さるようにお願い申し上げます。
 それでは、まず吉田参考人から御意見をお聞きすることといたします。吉田参考人。
○吉田参考人 御紹介にあずかりました東京電力副社長の吉田でございます。
 申し上げるまでもなく、電気事業は公益事業でありまして、また基幹産業でありますので、この観点から事業の果たすべき使命ということを考えてみますと、次の四点に集約されるのではないかと思います。
 第一は、需用に対しまして供給を完全に行なう、つまり需給の安定ということであります。
 第二につきましては、電気料金その他のサービスについて万全を尽くすということであります。
 第三は、電気料金とその他のサービスに直接の関係のあります電力コストの上昇を極力押えるように企業努力をするということであります。
  〔委員長退席、首藤委員長代理着席〕
 最後の第四といたしましては、個々の電力会社だけでなく、九電力会社全体として国民経済の高い立場に立ちまして、合理的、経済的な経営を行なう。
 以上申し述べた四点は、電気事業の経営にあたりまして最も根本的な問題だと思うのでありますが、この点はまた二十六年の五月に行なわれました電気事業の再編成の際の目的であったと思うのであります。自来十一年余を経過いたしましたが、この間に九電力会社が歩んで参りました過去の実績を振り返ってみますと、上記の諸点にかりに
 万全であるといえない点がありましても、おおむね所期の成果を達成できたのではないかと存じておるのであります。特に第一の需給の安定の点につきましては、関係当局を初めとしまして、各方面の御理解のある御支援によりましてきわめて膨大な電源開発資金を要しましたにもかかわらず、今回の景気後退の前の旺勢な電力需用時期に対しまして、おおむね所期の成果をあげ得たと思っておるのであります。反面、現在私どもが日夜苦慮いたしております点と申しますと、二十九年十月に改定されました電気料金のもとで、その後の非常な高度の経済成長に伴う需用増加その他情勢変動によります電力コストの上昇を次第に吸収し得なくなっている実情についてであります。この点につきましては、去る三十三年の十二月の電気料金制度調査会の答申にもありましたように、電気事業は大規模な電源開発を続行することを要請されておりまして、このためには巨額の資金調達を必要としているのであります。それにもかかわらず、現行制度のもとにおきましては、内部留保も少なく、借入金の返済の財源も確保されないために、資本構成が非常に悪化いたしまして、これがまた金利負担の増大となりまして、原価の高騰を招来しておるのであります。つまり電気料金というものは、国民の日常生活、経済の成長発展に密接な関係がありますために、二十九年の十月改定の電気料金は極力これを低位に押えるために、電気事業においては内部留保の余力が少なくなりました。膨大な電源開発資金は、大半これを外部資金に依存せざるを得ない。これがその後のコストの上昇の原因と思うのであります。
 以上、申し上げました実情にありますが、このコストの上昇をどうして最小限度に押えるかということは、私どもがこれまで懸命の努力を傾注して参ったところでありますが、企業内部の努力では、どうしても吸収し得ない部分につきまして、やむを得ず料金の改定をお願いして今日に至っているような状況であります。
 次に、最近電力再々編成という議論が出ておりますが、過去にしばしばこの議論は行なわれたのでありまして、今回もまた東北電力の料金値上げの問題に関連いたしまして出ておるようでございますが、しかしながら、もしこの再々編成が現在の九電力会社の態勢を全部廃しまして、いわゆるブロック別に数社の合併をするものと仮定しますと、これによって当面の問題であります電力コストの上昇を押えることはほとんど期待しがたいのじゃないかと思うのであります。このことは、前に申し上げたことから明らかだろうと存ぜられます。むしろ、現在の数社をかりに合併いたしますと、幾多のマイナス面が考えられますので、御参考までに簡単にその辺に触れてみたいと思います。
 ブロック別に数社を合併いたしますとすると、企業規模は膨大なものになりまして、自然経営の能率の低下ということが考えられるのであります。御承知のように、かりに数字で申し上げますと、今の東ブロックで申し上げましてもおわかりのように固定資産はおそらくきょう現在東地域で七千三百億くらいになり、またいわゆる中地域におきましても六千八百億を越すような膨大なものになりまして、事業設備また事業所の数というようなものは非常な膨大な数となりますので、電気事業の特質から見まして、各地域に事業所並びに発電供給設備というものがきわめて分散しているという点で管理の徹底を欠くきらいがありますし、また企業の合理的な運営という点に支障を来たすのじゃないかと思うのであります。
 次に、かりにそういうふうなブロックをつくるといたしますと、従業員の諸給与またサービス事業というような点から考えましても、これらの画一化は避けられませず、自然人件費、配電費が大きくなりまして、総体的なコスト高になるということが考えられるのじゃないかと思います。料金につきましては、一緒にすることによって、一地域の料金収入の不足分を他の地域の料金収入によって補てんするということとはある程度は当座できましょうが、これが他地域の需用家の犠牲において行なわれると考えられますし、またこのような方法によって料金の安定をはかるということは、当座はともかくといたしまして、決して長続きしないのじゃないかと思うのであります。
 次に設備の建設並びに運用について申し上げますと、合併による設備の利益は、通常設備の建設運用面と考えられておるのでありますが、きょう現在各地域の建設運用という面につきましては、広域運営の面につきましてほぼ達成されておるのじゃないかと思います。従いまして、合併によります設備面での利益の増加は多くを期待し得ないのじゃないかと思います。既設設備の有効利用並びに開発地点、規模の決定等につきましては、ただいまのところ、広域運営によりまして、電源開発、九電力会社、一緒になりまして効果を上げておると存じておるのであります。また、今後の電源開発の期待は、自然量を要求されておりますので、火力に依存するということが多いのでありまして、この点につきましては事業所の付近に火力を建設することが経済的に有利であることが考えられますので、合併によります火力の開発の大規模集中は、この経済性をよく考えなければならないのじゃないかと存ずるのであります。
 以上、申し上げました通り、電気事業は公益事業でありますとともに、基幹産業でありまして、国民生活の安定向上、日本経済の成長発展にきわめて重要な役割をになっておる事業であると存じておるのであります。私どもといたしましては、電気事業のこの重要な社会的な責務によく思いをいたしまして、事業経営に最善の努力を払って参ったつもりでおりますが、九電力全体といたましても、広域運用についてさらに研究を重ね、電気事業の使命達成に一そう精進したいと思っております。しかしながら、外部からごらんになりまして、私ども気づかぬ点があるかと存じますので、広く識者の御意見を十分お聞きいたしまして、今後電気事業に精進し、善処していきたいと存じております。以上。
○首藤委員長代理 次に、桜内参考人から御意見をお聞きすることといたします。
○桜内参考人 お呼び出しいただきました桜内でございます。私は、中国電力、すなわち鳥取、島根、岡山、広島、山口の五県を供給区域といたしまする会社をお預かりしている立場でございます。従って、いわば電力業界におきましては地方業者でございまして、またいうなれば中小企業というてもよろしい立場にあるわけでございますが、本日お呼び出しをいただきました立場を御説明申し上げておきます。
 実は先般逢澤委員長にお目にかかりました際に、従来の電力行政というものが、吉田さんも若干おっしゃられましたが、ともすれば中央三者のみを対象にされていろいろ御研究が進んでおる、地方には地方の特殊事情もあるので、ときははそういった意見もお聞き取りいただける機会があるまいかということを雑談で申し上げたのであります。その後こういった委員会御招集の議が起こりまして、ああいう意見があったが、出てこぬかというようなお言葉をいただいたりして、いわば志願兵であります。しかし、地方の実情をお聞き取りいただく機会をお与えいただきましたことは、まことにありがたく存ずる次第でございます。
 電気事業といたしまして、豊富低廉、上質なる電気を供給する、しかもそれは国民経済の面に立ちまして最も経済的にミニマムのコストで供給するように各社強調して進んでいかなければならないということは、ただいま吉田副社長が申されたことと全く同感でございます。ただ、中央と地方におきまして若干違う面がある数点だけを申し上げておきたいと思います。
 いろいろと電気問題が論議されまするさなかにおきまして、一番私ども関心を引きますことは、ただいま吉田参考人もおっしゃいましたけれども、大規模な電源開発を集中的に行なって、そして経済性を高めていくという問題につきまして、私ども中国といたしましては、非常に具体的に苦しんだ例があるわけでございまして、この点をよく御説明申し上げてみたいと思うのであります。
 なぜ大規模な火力発電がよろしいか。これは能率がよろしい。それからいま一つは、キロワット当たりの建設費が安い。これは大規模になりますと比較的には安くなるということは、当然のことであります。従って、発電コスト自体で考えましたときには、これはその通りに考えられる問題であると思うのであります。ところが電気は発電所の出口でお客にお売りするものではないのでございまして、少なくとも大工場の変電所までお送りしなければならない。さらに家庭におきましては、一次送電線、二次送電線あるいは配電線を通じまして、御承知のポール・トランスからお宅の軒下までお送りするのがわれわれの勤めでございます。ところが、大火力をつくりますと、どうしてもその電気を送りますためには大送電線を必要とするのでございます。この大送電線は、われわれの言葉で申しますと、超高圧の送電線と申しますが、これは大体われわれの常識では二十二万ボルト以上の非常に高い電圧の送電線を称しております。もっとも、十七万ボルトを入れる場合もございますが、大体二十七万ボルト、これは現在日本で行なわれているシステムでございます。さらに四十万ボルトというような大送電線をつくったらよかろう、こういう御意見があるのでございます。ところが現在日本の需用家におきまして、この超高圧の送電線で電気を買っていただけるお客様は、私は寡聞にして知らないのであります。これは変電所を通しまして、高くても十五万ボルト、われわれの地区では十一万ボルトというところまで下げて電気を送らなければならない。そうしますと、この費用がなかなかばかにならないのでございます。大体いろいろと立地条件によっても違いますが、大火力一台四十万キロワット、五十万キロワットというような程度の大火力の機械をすえつけました際に、一キロワット当たりの建設費がどのくらいで済むであろうか、これは大体四万円程度じゃあるまいかと思うのであります。ところが送電線と変電所、それは一時変電所でございますが、一番大きい工場に御供給申し上げることができるところの電気に変えますまでに約一万円かかる。そうしますと、キロワット当たり五万円になります。五万円でありますと、大体一台二十万キロワット程度の発電所ができるのであります。そうしますと、その面ではあまり甲乙がない。それから能率はどうかと申しますと、能率の方は、大体熱効率におきまして、二十万キロワット程度の電気でございましても、大体熱効率が三八%くらいのものが予定できます。四十万キロワット以上になりましても、それが三九%、四十%までにはならない。若干メリットはございますが、あまり変わらない。一方大きな機械が一台故障した場合にはどうするかという問題がついて参りまして、私の地域では特にそういった火力発電所の集中化というものは必要としない。むしろ瀬戸内海ベルト地帯においては、長さ四百キロメートルにわたり、しかも奥行わずか二、三百メートルのところに工場が転々とできるわけでございます。その中心に適正規模な火力発電所をつくっていくというのが最も経済的であるという結論に達したわけでございます。従って、これは火力発電所を建設する適地が比較的少ない。すなわち東京湾とか大阪湾の周辺にしか発電所をおつくりになりにくい。大手の会社におかれましては、内陸はるかに電気を送らなければならない。あるいは宇都宮方面とか高崎方面というところで、大工場ができる会社におかれましては、私は大送電線、大火力も必要じゃないかと思っておったのでありますが、ただいま吉田参考人のお話を聞きますと、こういう中央会社におかれても、必ずしも集中化は経済ではないという御意見、が出ておりまして、それでは私はよけいなことを申し上げる必要はなかったとも考えるのでありますが、そういった実情をよく御研究をいただきたいと思うのであります。
 ところで、これは私がただ抽象的に申し上げただけでありますが、実例でもってこの送電経費というものを御参考に供したいのであります。これはまだこの十八日の社長会議のあとで、西地区すなわち九州、中国、四国の三社と電源開発が集まりまして最終決定をいたす問題でありますけれども、それは、おかげさまで中国−四国の連絡線ができ上がった、これは二十二万ボルトであります。ところがこの送電線の費用をどうするかという問題に逢着いたしました。大体年に六億円くらいの費用が要るのであります。ところが電気の行き来というものはそう期待できない。従って、これは定額でもって各社が負担せねばならぬじゃないか。電源開発さんは国策会社でありまして、そういう不経済な面は相当御負担願える立場におありになると思います。しかし、お申し出によりますと、そうそう損ばかり覚悟して建設するわけにいかない。各社でもって賛成してつくった送電線であるから、これは各社が負担せい。通った電気を割ったのでは大へん高いものにつく、おそらく建設当初は三億キロワット・アワーの電気は通りません。そうすると、キロワット・アワー当たりに割り込みますと、一キロワット当たり二円についてしまう。火力は山元でこのごろは三円足らずでできるものを二円かけて送電線を通して持ってくるばかはない。でありますから、これは定額負担にしてもらいたいということであります。私どもも広域運営の大乗的立場から、これは覚悟しておりますが、最終的の電気の配分はまだきまっておらぬのであります。
 また、同じく送電線問題でありますが、同じ日に問題が出ております。四国の奈半利発電所から伊予変電所まで百十二キロありますが、この間の送電経費が幾らかかるかという問題のお申し出があったわけであります。これは山元で三円十二銭くらいで電気が出るそうであります。今の四国−中国連絡線は、今度はただになってしまいますが、その線路の向こう側のところでちょうだいする電気の値段をきめますと、ロスと一緒にいたしまして三円六十五銭くらいほしいというお答え、しかも電源開発の方が相当損をしておるんだというお話であります。われわれの計算でも妥当であるように思うのであります。そうしますと、三円でできたものが三円六十銭以上になる、二割も高くつくという問題があるわけであります。これはこういった実際の問題に逢着いたしませんと、なかなか御認識願えないのであります。そば屋だって二里も三里も出前すればただでは持ってこぬのであります。なるべく近いところで勝負してしまう、これが一番有効である。ただし、故障のときだとか、あるいは不足のときとかの融通の線だけはつくっておく。そして建設は小さいところでまずメリットを生む、そしてできるだけ広く運用するのが一番理想であろうと考えております。私どもの会社は、十一年前には、建設当時この会社はどうなるであろうか、日本銀行の強制あっせんによりまして、十二億円の赤字融資までつけてもらった会社でありますが、しかるに今日におきましては、まず九電力では大体業績が安定いたしまして、私昨年社長に就任いたしたのでありますが、今後はできるだけの合理化を行ないまして、まず料金の値上げなんということは考えるな、考えたら合理化できない。私の夢から言えば、かっては日本で一番高い料金でお客様にごしんぼう願ったのでありますが、今後は二分でも三分でも下げてサービスするという覚悟を持たなければ、公益事業としての使命は果たせないということで職員を引っぱっておるのであります。
 どうぞこの間に立ちまして、こういった問題で苦慮いたしておるということを御認識いただきまして、今後の電力問題の解決に何分の御心配、御協力を願いたいということを補足いたしまして、私の陳述を終わりたいと思います。
○首藤委員長代理 以上で参考人の方方の意見の陳述は終わりました。
    ―――――――――――――
○首藤委員長代理 次に、参考人並びに政府に対しての質疑の通告がありますので、これを許可いたします。田中武夫君。
○田中(武)委員 実はきょうの委員会にはお二人の参考人のほかに、松永さんあるいは有澤さん、こういう方も来ていただいて、いわゆる再々編成について一つの意見を持っておられる方、あるいは純中立的な意見を持っておる人、それから反対であろうと思われる皆さん方、こういう三方の御意見を伺いたい、このように思っておりましたが、実は参考人の御都合とかでお二人になってしまったわけです。従って、きょうおいでになっておるお二人は、電力会社の社長ないし副社長として再再編成の問題に反対である、こういうように言われることは当然だと思うのです。しかし、私は松永さんなり有澤さんがどういう御事情があったかは知りませんが、こうしてこの委員会で賛否を戦わすことを避けられるということそれ自体が、今日に持つ電力会社の大きな力だと思うのであります。常に再々編成の必要がある、こういうことを言っておられる人でも、皆さん方と同席をして、その意見を吐くことを避けられたわけであります。従って、あなた方お二人ですから、反対という御意見が出るのは当然だと思うのですが、この電力再々編成の問題は、電力料金の値上げごとに問題になりましては立ち消えてきたわけであります。これはそれをやり通そうという勇気に富む内閣がなかったということと、皆さん方九つの電力会社の社長さんの力というか、この力が強かったと思うのです。御承知のように、去る八月二十四日の閣議での河野さんの発言を契機として、再び三たび、この再々編成が話題に上がっておるわけです。あなた方は今の状態の方がいい、これでやっていけるのだ、こういうふうに言われるのは当然だと思うのですが、しかし、あなた方は東京だけ、あるいは中国だけよければ、東北なり九州なりその他はどうでもいい、こういうお考えの上に立っておられるのでありましょうか、どうでありましょうか。先ほど公益事業であり、かつ基幹産業だというように言われておる。公益事業であるという観点に立つ限り広域運営をやっております。こういうことでありますが、これは限界がございます。もっと全部が有無相通ずる方法によってやらねばならないと思っておりますが、この再々編成の問題について、自分のところだけを考えずに日本全体の電力のあり方、あるいは将来の電力需用にこたえる道としてどういう方法がいいのか、もう一度お伺いいたします。
○吉田参考人 お答えいたします。先ほど私が申し上げましたのは、ただ単に東京電力というのではなくて、電気事業全体としてのお話を申し上げたつもりなのでありまして、われわれとしては三十三年以来広域運営をやりまして、この広域運営の成果は、非常に長くなりますので、きょうは時間がございませんから省略いたしますが、要は各電力会社それぞれ需用の増加に対して電源を増強していかなければならぬことは当然なのであります。そしてまた、ただいまのところは、何といいましても、需用の増加にマッチするための電源の開発、これが電気事業として、資本費の高騰を来たしているのであります。われわれとしては、お互いの間で、やはり先ほど申し上げましたように、電源の開発地点並びに規模、並びに水火力の組み合わせ、これらを九社並びに電源会社とともに共同体制をとりまして、地点の選定並びに需用の形その他を考慮いたしまして、それに最も適するような、たとえばあるブロックの中で協議会を設け、またこれを中央に上げて、中央協議会でよく話し合いの場を持ちまして、そうして一社だけでなく、全体のブロック、また中央としまして、電気事業といたしましても、また地域々々としましても、これが電源開発、需用に対する供給に最も最適であり、ミニマム・コストが得られる、こういうところにみんなは毎年の需用の増加に対応して協議を重ねております。それによって電源の開発をきめ、お互いの間の融通をしていく、ちょうどそのブロックの中はあたかも一人でやっておると同じような形、ただし、ただいまの電力会社としては、やはり会社の自主経営ということはありますが、運営につきましては、豊水期の電力のあるところはこれを他へ融通するとか、また渇水期で足らないところは他で補う、かようにして総合的に判断しますると、お互いが持つ予備力もかなり減るのであります。数量的にきょうは申し上げませんが、事故時に要する予備力がうんと減るということは、お互いにその運営全体として建設費の節約になる、そうしてお互いのコストが下がってくる。こういう運営をやっているので、今後もこういう点について、なおさらに積極的に研究を重ね、また皆さんの御意見も聞いて、これが改善をし、ただいままでのところで相当成果は上がっておるとわれわれは思っておりますが、さらに成果を上げるために皆さんからも御意見を聞き、一般社会の識者の御意見を聞いて、御参考にして、われわれは一そうこの広域運営を徹底化していきたい、かように考えておるのであります。
○桜内参考人 私からもお答え申し上げます。ただいま吉田参考人からお答え申した通りでありまして、特に私は事業の運用は人にあるということを強調いたしたいのであります。それで人というものはどうしてつくられるかということは、その社の指導理念というものを末端まで浸透させなきゃならない。実は私はまことに申しわけないと思っております。私の会社ごときはもっと早く料金が安定いたしまして、そうしてもう今日あたり、いつ時分にはあるいは値下げでもできるんだという覚悟の発表ができるはずなんであります。しかるにそれができなかったということは、結局私もとの会社から役員生活をもう十五年やっておりますけれども、その間に電力国家管理、配電統制、そして再々編成、三回人間が移動しているのであります。それで今日の電気事業の経営基本でありまするが、まあ私どもまことに非力ではございますが、末端までなかなかバックボーンの通った指導が通りにくいのでございます。やっと最近そういった気分が盛り上がって参りましたので、私おこがましい発言をいたしたわけであります。従って私は再々編成というものが具体的に非常な効果が上がるという結論が出ますならば、決して反対するものではございません。しかしながら、そこに至りますまでにいろいろと問題がある。まず料金の問題でございますが、現在は各社が違う料金をとっておる。もし全国一社あるいはブロック別一社になりました場合に、これを一つの料金にするか違った料金にするか。違った料金にするとしましたならば、これはどういう計算で違った料金にするか。私は、違った料金にいたしましたならば、とうていその煩にたえないと思うのであります。なぜならば、われわれの会社が設立されました十一年前に、同じ会社の中でも、電源県としからざる県とでは料金を変えたらどうかという意見が出たわけであります。しかしながら、それはいろいろの計算をやってみましても算出困難であります。またかつては水力が有利である、このごろは火力が有利である、また石炭火力よりも重油火力が有利である、そのつどそのつど変わるのでありますそれを毎回料金を変えた場合にはある県におきましては今度は値下がりになったが、この次は値上がりになった、決して安定したものができないような結果になる。それならば、一ブロック同じ料金にするということになりますと、現在より下がるところはよろしいが、上がるところはいかように考えるであろうということで、非常にここに大きな問題が私は惹起されるのじゃないかというふうに考えるのであります。
 それからもう一つ考究的な問題がございます。それは、先ほど申しましたように、あまり大きな仕事になりますと、いわゆる総合的経営の能力限界をこえるというふうに私は考えます。もしかりに私どもの会社が今の形でまことに気に入らぬというおぼしめしであれば、私はこれを分割されるのであるならば、かえってよろしいと思います。なぜならば、そこに今までのものの考え方を新たにつくり直す必要はありません。また給与も変える必要もありません。料金も変える必要もありません。そしてなおかつ大事な問題といたしましては、この諸規程、われわれの方も大きくなるほどやはり規程が多くなりまして、こんなにございます。これを全部変えなければならない伝票も全部変えなければならない。そうしてしかも、今度集まった場合には、分割した場合にはそのまま使えますが、集まった場合にはそれを直さなければならない。それから集まってきた人を適材適所に使うためにどういう人事考課をするかということで非常に苦慮するのであります。実は私の会社は、現在でもまだ旧日本発送電規程と旧配電規程というものを一部使わなければならぬところがある。これは給与問題でありまして、組合と話がつかぬために、もとのままの規程をほんの一部でありますが使っております。諸規程が新会社として統一できましたのが大体五年かかっております。いろいろな帳面、伝票、これが一万五千種類ございます。これを全部統一いたしまして、簡素化して五千種類に今減しておりますけれども、これが七年ほどかかっております。非常に過渡的いろいろな問題が起きますので、私は、慎重に御考慮をいただきたいと思うのであります。もちろんわれわれといたしましては、自分の会社だけがいいということで事足れりというわけではございません。でありますから、私の会社といたしましても、具体的な例から申しまして、九州の電気を大阪に送りますがために、私の方といたしましては、中国を縦断いたしまする超高圧の送電線は必要でございません。大体現在でしたら二十万キロワットぐらいな電気が通ればいいのであります。でありますから、十一万ボルトの従来の線路がありましたが、もう一つ十一万ボルトの線路を入れればそれで十分足りるのでありますが、これを二十二万ボルトの線路に変えたのであります。そのためにどれだけ費用がよけいかかっているか、これは大体十一万ボルトの線路でありましたならば、六十億円くらい、それが二十二万ボルトの場合は百三十億円かかっております。その負担は私どもは資金調達をしますには、ある程度の資金に対しましては内部保留がありますから、総合金利は安い。しかし、ある程度を越しますと、増資と借入金でありますと、総合金利は税金がつきますから、一割三分につくのです。その六十億円と百三十億円の違いを負担してまで私ども協力しております。決して自分だけがいいという観念で運用しておるわけではないということを御理解願いたいのであります。
○田中(武)委員 質問事項も多いし、他に質問者もおりますから、御答弁は質問の要点だけにしぼっていただきたいと思います。
 今、吉田参考人は広域運営によってやっておる、こういうふうに言われたのですが、私たちから見れば、やがて電力の再々編成、しかもそれは一本化の方向へ、今、松永さんは四ブロックと言っていますが、そういう方向にともかく動くであろう、それを見越してやられたのがこの広域運営ではないかと思うのです。ところが、この広域運営がうまくいっておる。なるほどないよりましかもしれませんが、私はそううまくいっておるとは思わないのです。なぜかならば、あなた方はそれぞれ地域独占なんです。この上に立っておられるわけです。この地域独占の観念の上に物事を考える。従って、その地域における送電線あるいは従来の既得権、これはお互いに固執しておる、これが実情であります。従いまして、たとえばお宅には直接関係はございませんが、中部電力と関西電力が共同で使用するという御母衣幹線、これは電源開発が入りまして三社が使っておりますが、これにつきましても三社が所有権を持っておる。しかもその呼び方もその三社それぞれ違った名称を持っておるということなんです。このこと自体は現在の態勢が、なるほど四つに分かれた、あるいは電発を入れると十に分かれたそれぞれの個人、法人の上に立っておる、こういうことだろうと思うのですが、ほんとうに広域運営をやるならば、まずこういった地域独占の考え方、あるいは今までの既得権というものを捨てなくてはならないと思いますが、いかがでございますか。
  〔首藤委員長代理退席、委員長着
  席〕
○吉田参考人 地域独占のお話が出ましたが、きょう現在の九電力会社は法的な地域独占になっておりますが、この点につきましてはわれわれの方にも意見がありまして、ただいま電気事業審議会でこの点を十分審議していただいておりますので、この結果を待ってわれわれは善処していきたい。法的な地域独占がきょう現在でありますので、それに従っておりますが、今後は電気事業審議会からもある程度の答申がなされて、それによって処理されていくのじゃないか。われわれその場におきまして十分意見を述べ、各委員の意見も総合されて結論が出るのじゃないか、かように考えております。
 次に、ただいまの、私十分存じ上げませんが、中の地域における設備の所有の問題のようでありますが、われわれはたとい設備が――それぞれきょう現在の電力会社並びに電源開発とは運用面において互いに協調態勢をとり、予備力の節約、従って、資本費、年間建設費のお互いの節約、また事故時の応援、こういう点において十分協調を保って、自分の開発と同時に他との協調によりまして、先ほど来申し上げますように、コストの切り下げということをねらっておりますが、御注意の点がおありでございますれば、冒頭に申し上げましたように、皆さんからの御意見も聞いて、さらにわれわれとしても広域運営を、欧州大陸でやっておりますのを参考にして、ここに進歩して参ったのでありますが、一そう研究を重ねてサービスに努めたい、かように考えます。
○田中(武)委員 私は広域運営というものはやがて起こるであろう、もうすでに起こっております電力再々編成を逃げる隠れみのとしてあなた方がやっておる、私はその程度しか考えません。今、吉田参考人はそうおっしゃいましたが、ほんとに地域独占と既得権を投げ捨てて手を組んでやっていこう、こういうことであるならば、当然再々編成に反対するという必要はないと思う。ほんとうの意味において広域運営を徹底してやられるならば、これはもうすでに一元化せられたと同じような状態が起きる。そこまで現在の状態では絶対やれない。今日九つの電力会社に分かれて、この広域運営をほんとうに徹底してやるという気持があるならば、一人で済む社長が九人おるにすぎない、私はそう思います。そこでほんとうに一本のような形になって広域運営をやるということであるならば、一元化も変わりないのじゃないか、こういうように思いますが、それに対する御所見と、それから池田総理はいわゆる高度成長計画、所得倍増計画は堅持する、こういうように言われておるのです。それが十年より早くなる、こういうことですが、その初年度において要求せられるところのエネルギー需要は、石炭換算で三億三百万トンでございます。そのうち電力が占める割合は二千三百五十億キロワット時と予定せられておる。それは三十四年の二、三倍であって、しかも年々平均九・七%の増ということです。こういうものに対するいわゆる必要資金、これが幾らであるかということは物価変動等で変わりましょうが、大体四千億ないし五千億は年々要る、こういうことです。私は各会社ごとの統計は持っておりませんが、九電力全部を見た場合に、過去十年間に要したところの工事資金は一兆五千七百八十億円です。そのうち減価償却を中心とする内部留保、これが二九・五%、増資が一一%、合わせて四〇・五%、これが自己資本というか、自分の力によるところの資金調達であり、あとの金はどうなっておるかというと、社債が二〇・一%、一開銀、世銀、外貨が一六・八%、その他が二二・五%という工合に、いわゆる自己資本でない外部資本といいますか、それにその過半をたよっておるわけです。しかもこの状態で見た場合に、年四千億ないし五千億という工事資金は、これは会社によって違うが、平均をいたしまして収入、電力料金で入ってくる金の六割ないし七割をここにつぎ込んでいるという状態なのです。しかも九電力会社の資本の合計の二倍に当たるわけです。現在すでにこういう状態であるのに、これは電力界全体として必要経費が今後自分たちの力で調達できるという見通しをお持ちなのですか。同時に各会社それぞれの立場において、おれの方はやれるのだ、こういうお考えなのかどうか。おれの方はやれる、こういう結論が出ても、広域運営という観点、それは一緒に広く運営するだけであって、資金のことまでは別なのだ、こうかもしれませんが、他の格差の低い地域の電力会社についてはどうだ、私はこういう面から見ても、資金調達の面から見ても、もう失礼ながら行き詰まりに来ているのではないか。そうすると、何にたよるか、政府資金にたよるか、あるいは外国資金にたよるよりほか仕方がないわけなのです。外国資本を入れる場合には、これはいろいろとひもがつくことは明らかです。電力のごとき公益性の強いものに、そういうひものつくことは好みません。従って、今後十年間のいわゆる所得倍増計画に言われるエネルギー、ことに電力需用に対する皆さん方の責任を果たす上における工事あるいは投資、こういうものに対する資金調達の見通し、これを両参考人にお伺いいたします。
○吉田参考人 先ほど広域運営は先行きは一社が、こういうお話のように承りましたが、世界の文明国全体を私ながめておりますが、欧洲大陸におきまして、それぞれフランスは国営になっておりますが、ドイツその他は民営各会社がいずれも一緒になって、これが一社ではなくて、それぞれ自主を重んじながら、お互いの間の設備投資また融通、これを徹底化することによって、お互いのコストを下げる、こういう行き方が長くすでに続き、やはりわれわれの言う広域運営、向こうでもそういうふうな態勢のもとにそれぞれ自主はありながら、お互いの協調によりまして、お互いが利益を得る、そしてお互いがコストを下げる、こういう方向がヨーロッパ大陸において行なわれておるのであります。米国はあれほど資本が蓄積されておる国でありながら、それぞれ広い地域について連携を保ちまして運営されておりますので、われわれは必ずしもあなたのおっしゃるように将来一本化ということでなくてやっていける、広域運営の徹底化ということがまず第一にわれわれとしては今後考えていって差しつかえないのではないか、こういう考え方を持っております。
 それから次の今後の拡充に対してどう考えるか、またその資金調達についてどう考えるかというお話でございますが、ここ数年来の需用増加は、世界に比を見ない。電気事業の需用増加は、一八、一九、こういう数字で、年間の完成された設備も水火合わせて二百五十万キロワットであり、最近の六年、七年を見ましても、おっしゃる通り収入に対して六割というような建設工事資金を使っておるのでありますが、今後需用の増加が経済成長に対して、九・七、こういう数字になりますと、従来よりもゆるやかな、――ゆるやかといいましても分母になるベースは大きいのでありますが、大体九・七といいますと、まず一割の需用増加に対応する供給設備といたしますと、従来のように二〇%もふえる、四年で倍になるとか、五年で倍になるというような姿でなくて、順調な過程をたどり、従って、日本経済としましも、自然増所得が年々順序を追ってゆるやかに拡充され、所得が増加して参りまして、その中におきましてわれわれはやはり基幹産業である、しかも設備投資の産業ではありますが、おっしゃったような数字は、われわれの今後の企業努力によって内部留保には努めますが、先ほど来申しますようにやはり増資、内部の蓄積、これをきょう現在で見ますと、約六年、七年で半分に達しておりまして、あとは社債借り入れ、こういう形になっておりますので、自然動く過渡期におきましては政府の臨時的な融資が必要かと思いますが、先行きを考えますと、今後皆さんの御意見によって内部蓄積をわれわれの努力と同時に蓄積できる姿になりますれば、われわれは将来資金調達についてメーカーズ・クレジット、こういったものは利用いたしますが、大体見通しとしては、全体的に一部に欠ける面が出るところがあるかもしれませんが、電気事業全体としてはスムーズに動くのではないか、かように考えております。
○桜内参考人 私からもお答え申し上げます。
 ただいまのお説のように、当座の設備資金というものに対しましては、あるいは若干政府にお世話にならなければならないという事態が出るかもしれません。もちろん私どもの会社あるいは西の三社に関しましては、そういう心配はないと考えておりますけれども、全電気事業といたしましては、あるいは出ることがあり得るかもしれません。しかし、私はこの政府資金を出していただきますがために、現在の九電力では出すことができないというようなお考えがもしかりにありとすれば、どうもちょっと私はわけがわからないと実は考えておるわけであります。結局、今、電力業界全体といたしましては、お説のように病気にかかっておるわけであります。ただ、右の手を切って左の手へつけかえるというようなことでは意味がない。われわれが反省せにゃならないことは、結局、電力業界に対する皆さん方の御信頼というものが足らないからこういう問題が起きてくるのだろう。これは将来に対しまする確固たる見通しを立てまして、その年度計画を忠実に実行していく、もし達成できない場合には、こうこういう事情でありました、うまくいった場合にはこうこういう事情でありましたというように発表できるようになることが一番大切である、私はこう考えております。でありますから、資金問題と再々編成の問題、これは私は別個の問題ではないかと思うのでございます。
 右、御答弁といたします。
○田中(武)委員 今後の膨大な需用に応ずるための資金は何とかなるのだ、一口に言えばこういう御答弁なんです。しかし、やはりその裏には政府にめんどうを見てもらわねばならないであろう、こういうことを言っておる。それから桜内さんは、われわれ電力界に対する信頼の度が薄いからこうなるのだと言っておりますが、まさにその通りであります。今、かりにあなたは先ほど、なるほど中国電力としては企業努力をしておる、また、どこの会社もしておるが、こう言うでしょうが、あなた方のほんとうの腹の底を割れば、電力会社というものは政府が倒さないのだ、こういう考え方があります。たとえば松下といえ東芝といえども、これは少し安易になれば必ず市場は取られます。企業努力を怠れば必ず衰退します。ところが、あなた方の方は地域独占、しかも公益基幹産業として政府がうしろに控えておる。あるいは日本の政府よりももう一つうしろにアメリカがあるとまで考えておるかもわからぬ。そういう上に立って安易な考え方をしておられることは事実です。ここでいかにあなた方がそうではないと言われても、競争の激甚なそういう業界のメーカーと違って、あなた方がそういう安易な上に立たれていることは言うまでもありません。先ほどあなた方は徹底した広域運営と言っているが、徹底した広域運営ならば当然一本の姿にあるべきです。それをやはり九つの上に立って広域運営ということは、地域の独占と、自分たちの会社はつぶさないのだ、つぶれないのだ、こういうことの上に立っておる。
 吉田参考人にお伺いいたしますが、先ほど桜内参考人の意見の中にもありましたが、各地で電力料金が違うのがいいのか、同一にするのがいいのか、こういう話も出ました。あなたの方も去年上げました。ここ十年間に電力料金は絶対に上げません、こういう確約ができますか。それから宮澤長官が見えましたが、宮澤長官はそういうはっきりしたことを言わなかったと言うかもしれませんが、東北電力と東京電力は合併すべきことを考える時期が来ておる、こういう意味のことなんです。東北電力が今値上げをしておる。そういった中にあって、全国の電力料金が地域によって違う。恵まれた地区、たとえば関西電力だとかなんとかいったところは恵まれた地区であるから、これはいいとしても――あなた方の方は大体恵まれた地区なんです。恵まれない九州とか東北は、特に東北が値上げを申請した、今度また九州が出てくるでしょう。去年はあなたの方がやった。この前は九州がやった。そこでそういうようにあなたが言われるなら、ここ十年間絶対に電気料金は上げません、そういうことが確約できるか。それが一つ。
 広域運営を徹底さすならば一あなた方の地域には産炭地があるかどうか知りません。しかし、今問題になっておる石炭対策の上からいっても、石炭を電線で送るという言葉があります。すなわち産炭地発電であります。この産炭地発電を産炭地域を持っておる電力会社のみにやらすということはやれない。広域運営という上に立って徹底してやられるならば、あなた方はこの産炭地域を持っておるところと提携して産炭地発電を考えていく考え方がおありかどうか、お伺いいたします。
○吉田参考人 ただいまお前の方はこの十年間電気料金を上げないのかというような非常にはっきりした御質問でございますが、きょう現在のわれわれは、電気料金の算定基礎はたとい二年間であったにいたしましても、内部の蓄積に努力いたしまして、今後私の方の地域、きょう現在の東京電力地域の需用の増加に対処して、できるだけ内部の合理化をはかり、設備の効率化、資金の効率化をはかりまして、きょう現在の需要の動きが日本経済のすなおな成長のもとで大きな変化のない場合は、われわれは当分の間料金を上げないでやっていける、こういう確信のもとに従業員と努力いたしまして、すでに御承知かと思いますが、会社の体質の改善と資金並びに設備の効率化に重点を置いて、そのために相当の建設費の節約、経費の節約に努めまして、ここではっきり十年というようなことを将来に向かって確約はできませんが、われわれとしては、きめられた二年間の算定であっても、これは相当の期間続ける努力を、社長以下われわれは従業員を督励して、会社のある目的をつくりまして、これを末端まで透徹させて進んでおることを御報告申し上げます。
○桜内参考人 産炭地は、私の方からお答えいたします。
 産炭地発電の問題につきましては、私の会社に非常に関係の深い問題であります。私の管内にも宇部地区という産炭地がございます。また、ただいまの田中先生のお話のように、九州から電線で石炭を送るということになりますと、必ず私の区域を通るのであります。でありますから、十分関心を持っておりますが、私は、率直に申しまして、産炭地発電は反対であります。ただし揚地発電の方はまだよろしい。なぜならば、先ほど申しましたように、送電線というものを世の中の方は全然おわかりになっておらない。一キロメートル当たり、二十七万ボルトくらいになりますと、これは大体五千万円くらいになる。しかも二十七万ボルトの電気はそのままお客に送れない。変電所を通しておろせない。大阪まで送電線をつくったらどうかというお話がたしか二年くらい前に出て、お役所の方で計算されたはずであります。たしか四百億円くらいかかりまして、通し得る電気は百万キロか二百万キロか、その辺のところだっだと思いますが、とにかくもう送電経費が、どんなに有効に利用いたしましても一キロワット・アワー一円五十銭くらいはかかるというような結論になってしまうのであります。
 現に、私の方の実例を申し上げます。私の方は若松から宇部まで、海路にいたしまして約七、八十キロでございますが、しょっちゅう低品位炭を入れております。その運賃は幾らか。これは特別計算で、ピストン輸送でありますから非常に安いのでありますが、百二十四円であります。そんな安い運賃は出ない。大体機帆船建値の六割くらいでありますればピストン輸送はできるのであります。そうしますと、二百五十円くらいが建値でありますから、六割とすれば百五十円、かりに二百円かかったと勘定してみます。一キロワット・アワーの電気を、高品位炭ならば〇・五キログラムぐらいで発電できますけれども、私どもが使っております低品位炭では〇・七キログラムぐらいでございます。〇・七キログラムで一キロワット・アワーの電気が出るとするならば、石炭を持ってくる費用は、電気に直したら何ぼになるか。トンがかりに二百円といたしますと、キログラム二十銭であります。すなわち〇・七キログラムの電気が十四銭。しかるに産炭地発電は、われわれの方で産炭地発電をいたしますと、山元単価というものは三円程度であります。五%にならない。変電所を通しますと、ロスが大体三%以上になります。あと一%も差がない。しかるに今度はその設備費がどれくらいかかるか。これは私が先ほど申し上げました通り、電源開発の計算によりましても、ロス、設備費両方で約六十銭かかる。その中から十五銭のロスをのけましても四十五銭かかる。ですから産炭地発電というふうな問題は、これは電線で石炭を送るという見地からいたしますと、遠くなればなるほど不利であります。わずか七十キロや八十キロでもまだそれだけ不利であるということをよく御認識をいただきたい。決して私は、エネルギー問題に対しまして無関心なものではありません。先ほど申しましたように、損得を超越いたしまして、年に七億も八億も負担をよけいかけましても送電線もつくっております。また、九州から石炭をもらって石炭をたいております。また、今後石炭火力もつくるつもりでおりますから、どうぞ、前提条件につきまして十分なる御検討をお願い申し上げたいと思います。
○田中(武)委員 産炭地発電は反対である、その理由は、今いろいろと申されましたが、一口で言うならば、まず一番問題は、高圧送電線に費用がかかる……。
○桜内参考人 変電所であります。
○田中(武)委員 変電所ですね、これにかかる、まあこういうことのようでありますが、これが私は、やはり企業意識に立っておるからそういう発言になると思う。そうでなく、われわれが主張する一元化、公営という上に立てば、これは一応金が要ってもぶち込むべきだ。そのことによって日本の総合エネルギーということ、ことに社会問題化しておる石炭問題も解決できる。今日、なるほど斜陽といわれているかもしれませんが、石炭がこのような状態になり、社会問題化しておることの一つは、やはり電力会社のエゴイムズムがそこに働いている結果である、そのように考えるわけなんです。
 そこで、先ほど私は、それじゃあなた方は電力料金は上げずにいけると思うかどうか、こういうことを聞いたら、遠い将来はともかく、努力すると吉田さんは言われました。あなたも上げないように努力する、こう言っております。お二人の東京あるいは中国、こういう電力会社の地域にあるところはいいとして、上げなければならないという地区があるということは、御承知の通りなんです。自分のところは上げなくてもやっていける、このこと自体が、やはり私企業というエゴイストの上に立っているということが明らかである。そうである限り、いかにあなた方が強調せられましょうとも、広域運営には限界がある、そのように考えております。
 宮澤企画庁長官も見えておりますので、この際同時に伺っておきますが、経済企画庁が立案している、まだこれは閣議を通っていないから案ということになろうと思いますが、全国総合開発計画の案の中に、電力については、すでにあなた方企画庁としては、四ブロックということを想定して全国総合計画を立てておられるのです。こういう問題について、宮澤企画庁長官と参考人お二人方は、今までの主張の上に立って、この国土総合開発計画の四ブロックの制に対してどういうお考えをお持ちですか。その点を大臣と参考人お二人にお伺いいたします。
○宮澤国務大臣 各電力会社は、御指摘の通り私企業でありますから、従って、その私企業の経営者に対して、石炭の問題がこれは大きな国の問題であるから、私企業の負担においてそれを解決せよということをお考え願うことは、私は無理であろうと思います。それは政府が考えるべきことだと考えております。
 それから、今四ブロック云々ということでございますが、全国総合開発計画において、電力を四ブロックに再編成するというようなことを前提に置いておる事実はございません。
○桜内参考人 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げますが、その前に、私が先ほど申し上げましたことを何か違っておとりになったのじゃないでしょうか。なぜならば、私は、産炭地発電は、揚地発電するよりも輸送費で一二倍も四倍も費用がかかる。公営であろうと国の金であろうとあるいは民間の金であろうと、その効率の高い方をとるのがわれわれ経済人の責任である。でありますから、あえて私申し上げたのでありまして、よくこれは御勉強いただきたいと申し上げたのであります。
 それから、ただいまの料金の問題につきましては、私は、私が在任中は上げないということをはっきり申し上げます。
○田中(武)委員 揚地発電の方がいかなる場合においても経済的である、従って、非経済的な産炭地発電には反対だ、こういう御意見ですか。
○桜内参考人 そうです。
○田中(武)委員 これはいかなる方法によろうともというその計算ということは、あなたは中国電力という上に立って考えておられるからそういうことになるのだ。全国一本は、なるほど最初は相当の金が要るかもしれません。しかし、現在では、四十万ボルトの超高圧線で結ぶことは技術的に可能です。そういうことを前提として考えた場合に、私は、やはり石炭問題あるいは総合開発、こういう関係から見ても、産炭地発電は石炭問題の解決から見てもいいんじゃないか、こう考える。九電力に分かれているために、国土の総合開発の上においてもいろいろと支障があるのじゃなかろうか。それを一口にいえば、やはり皆さん方の固有の既得権としての考え方、これがいつまでもあるからです。
 それから、宮澤長官に言いたいことは、あなたは頭から現在は私企業と言われる。なるほど私企業、だからそれはできない、こういうことなんです。しかし、私の言っておるのは、だから、だめなんだから一元化、公営にすべきだ、こういう観点なんです。だから、それは政府で考える、こういうこと、そこにすでにあなたは、東北電力と東京電力の合併を示唆せられた。松永さんはすでに四ブロック制を早くから唱えられておる。しかもあなた方の計画の国土総合開発計画には、四ブロック制としての案がもう出ておるわけなんです。そうすると、経済企画庁は少なくとも四ブロックということで考えておると理解してよろしいのか。
 それから、話が飛び飛びのようになりますが、あなた方は、一応、自分たちの企業が独占である、先ほど言ったように、電気会社はどんなことをしても倒れないのだ、こういう考えを捨ててもらいたいのです。もっと言うならば、私がここに一元化、公営を言ったとしても不思議ではない。何とならば、電力会社は、たとえば他の私企業と同じように、その企業努力で今日を来たしたのではありません。国の保護、血税による援助、そうして地域独占、こういう上に今日の大をなしたのであります。従いまして、あなた方社長といえども、ほかの社長とは若干違う。そういうぬれ手でアワをつかんだものを、四十年、五十年営々として経営を続け努力をしてきて今日をなした社長と同じような頭を持ってもらっては困る、そういう考え方を捨ててもらいたいということが一点。
 それから、わざと問題を避けられたようですが、吉田さんには、東北電力との関係をどう考えるのか。従って、あなた方に批判せいというのは無理かもしれませんが、今、東北電力の値上げ問題でごてごてしておる。そういう九電力の中で上げねばならないところと上げずにやっていけるところ、こういうところをどうやって調整していくか。これは政治問題になるかもわかりません。しかし、あなた方自体同じ仲間としてどう考えておるのか、そういう点をお伺いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 公企業と私企業との利害得失についての私どもの考え方は、すでに何回かこの委員会で申し上げておりますので、田中委員にもお聞き取り願っておりますから、ただいま重ねて申し上げません。
 それから、東北電力と東京電力の合併を私が適当であると示唆したというようなことも、事実と違うという点は、前回申し上げましたので、御承知の通りであります。
 それから、四ブロック云々ということは、先ほど申し上げました通り、そういうことはございません。
 先ほど産炭地発電が有利であるか、揚地発電が有利であるかということについて参考人の言われましたことは、そういう経理上の計算ということになれば、私企業でありましょうと、あるいは公企業でありましょうと、私は同じことだと考えます。ただ、いわゆる石炭問題というのが国としての非常に大きな問題でございますので、それは電力という限られた分野においてでなく、また電力会社という私企業との関連においてでなく、国として全体の問題として考えるべきことだ、こういう点は残っておると思います。
○吉田参考人 私から桜内さんの産炭地のお話について言いますと、これは田中先生がおっしゃった中に四十万ボルトはいつでもできるのだということですが、実は四十万ボルトについて私全国の技術者を集めまして今研究し、かつヨーロッパ、アメリカも調べて参っておりますが、不幸にしてわが国は非常に細長い島国であります。台風に襲われ、潮風にさらされているところでありまして、五百キロメートルの四十万ボルト送電線を、まず第一に中国地域でつくり得るやいなやという構造問題、碍子連結の問題これは世界に比を見ないのであります。英国において英国電気庁が研究をしましたが、英国電気庁は霧に対して問題を起こしております。フランス、ドイツ、アメリカは日本と条件は全然反対でございます。かような中国送電線の四十万ボルト、これはまず技術を解決することが大事でありまして、これを目下中央電研をして研究させ、実際試験をした上でなければ、四十万ボルトが中国地区において経過地として通っていいかどうか、この点は疑義がありますので、われわれはこの春でございましたか、通産省のお話もありまして、二千万トンを四十二年に使う。さらに三百万トンを使ってくれないかというお話で、われわれは大局的立場に立ちまして、先ほど来申し上げましたように、東京、中部、関西でこれをある種の条件のもとにわれわれは開発をやろうじゃないか、従って石炭火力を増強して三百万トンに置いておるのであります。また一方私のところとしましては、常磐地域に比較的カロリーの低い、しかも燃えやすい炭があって、これが東京に送り出されておるのを、いわゆる産炭地火力として皆さんがお話しする前に、もうすでに現在で三十万キロワット持っておる常磐共同火力というものを建設して、茨城地区の需用に応ずるようにする、こういうことを進めておりますことを申し上げます。
○田中(武)委員 電力料金のことに触れられなかったけれども、これはよそのことですからいいです。
 時間もだいぶたちましたから結論に入りたいのですが、私が特に申し上げたいことは、何回でも言っておるように、地域独占という上で国の法律による、たとえば租税特別措置法とか何かいろいろな保護があります。財政投融資という保護もあります。あるいは税金による保護もある。そういうことで今日の大をなした皆さんです。大をなしたというよりは、でき上がった上にすわった。もちろん最近開発されておるが、これは四十年、五十年、営々として積み重ねてきた私企業、いわゆる一般の企業とは違うのだということです。それから一応あなたの方の話を聞いておりますと、ともかく電力料金は、少なくともあなた方に関する限り上げない、国の援助も時によればお願いするかもわかりませんが、ということですが、大して望まぬ、自分たちの力でやっていく、こういうように言われたと理解いたします。従って、今後これから先は政治問題でありますから、あなた方にお伺いするのは適当でないのでやめますが、そういう観点に立って電力再々編成の問題を、われわれは公営、一元化の上に立って進めて参ります。
○伊藤(卯)委員 委員長にちょっと申し上げます。先ほど桜内参考人から、産炭地発電は反対である、揚地発電が有利であるという理由について、かなり大ざっぱでありましたけれどもその理由の数字をあげられました。そうして政府の方は、従来、産炭地に発電をすることが有利であるということについて本委員会でもしばしば発表いたしております。そういたしますと、政府側の発表と、今の直接の経営者である桜内社長との間に、かなり根本的な点において相違があるようでありますから、従って、政府の方から、揚地発電が有利であるのか、産炭地発電が有利であるのか、そういう点について、きわめて具体的な数字の資料を本委員会に提出されることを委員長に要請いたします。
○逢澤委員長 承知いたしました。そういうふうにいたします。
○田中(武)委員 私は技術の専門家でもありませんから、専門家の吉田さんがその四十万ボルトが問題なのだと言われることについては反論を持ちませんが、少なくとも技術の上で四十万ボルト超高圧線送電は可能である、こういう結論が技術の上から出ておるということを理解しておるということを申し上げておきます。
○逢澤委員長 板川正吾君。
○板川委員 田中委員から質問いたしましたので、私は一、二点について参考人に伺います。
 電力関係で非常な権威者といわれておる松永安左衛門氏が、いわゆる電力四ブロック統一の構想を発表しておることは御承知と思います。これは、国民の側からいえば、料金値上げが起こるたびにどうも納得しがたいものがある、特に公共料金、こういったすべての国民生活あるいは産業に影響がある電力料金の値上げをされると、非常に経済的な圧迫を受けるということで、とにかく合理化をして、経費が安くつくならば一歩でも二歩でもその方向に進むべきだ、そういう国民の強い要望があるために相当な支持を受けておると思います。
 そこでまず御両人に伺いたいのでありますが、この松永構想に対してもちろん反対をされておると思いますから、反対の御意見を承っておきたい。ここで全部の意見を発表するというわけにはいかないと思いますから、大体の考え方を説明していただいて、あとは一つ文書なりにして松永構想に対する御意見を当委員会に出していただきたいということをお願いしつつ、まずその点について意見を承りたい。
○吉田参考人 先ほども申し上げましたように、東ブロックの設備が、きょう現在で見まして、固定資産がたしか七千三百億、中地域の固定資産が六千八百億、こういう数字であります。そこで東地域が持っておるきょう現在の電源は幾らあるかといいますと、約三百八十万キロワットあります。中地域が持っておるのが七百五十万キロワット、世界の会社の中で見ますと、きょう現在の東京電力はアメリカで二番目くらいに相当いたします。こういうように規模が大きくなった場合に、どうしてこの業務をうまく執行していくか、企業能率をどうして上げるか、日本にもいろいろな例がありますので、そういう点を私ははなはだ憂慮しておると申し上げておきます。
○桜内参考人 私からも一日だけ申し上げておきます。先ほども申し上げました通り、松永先生の御意見の根幹をなすものは、大火力、大送電主義であります。しかし、私は、これはお客様に着きますときのコストといたしましては差がない、むしろ故障があった場合には被害が多い、この点でもう根本の考え方が違っておる、こう考えるのでありまして、その他いろいろございますけれども、この点だけ発言いたしておきます。
○板川委員 そうすると、松永構想は規模を大きくして大火力、大送電主義ですか、こういった大規模な電力経営をしていこうという構想に立っておる。これはさっき言ったように、技術的な問題が全部解決をされておらないから一万が一その故障等が生じたような場合には十分に行き渡らないおそれもある、そういった構想から松永構想に対して反対の意見というのが大体の柱なんですか。
○桜内参考人 先ほどお話し申し上げたと思いますが、四十万キロワット五十万キロワットという大火力を一台つくった場合と、あるいは二十万キロワット、十五万キロワット程度の中規模の火力をつくった場合の優劣というものは、もちろんこれは資本費を考えない場合は別でありますが、国の費用をつぎ込むのだから、利子は要らないんだから、とにかく出しっぱなしである、それに対する経済効果というものを考えなくてもよいのだ、これならば問題全然別でありますけれども、少なくともわれわれが現在事業を扱っております以上は、この金利問題、償却問題等を頭に置いていかなければいけない。また能率も、二十万キロワット一台と四十万キロワット一台使うということで、能率にはあまり差がないのであります。せいぜいありまして一%、熱効率三八%が三九%になるかという程度のところでありまして、大きなメリットは、一キロワット当たりのお値段が大きい方が安いということなのでありますが、それはその通りなんです。ところがかりに五十万キロワット四台置きますれば、そこで二百万キロワットの発電所ができる。そころから引き出す送電線は、四十万ボルトでも回線では趣らぬと思います。非常にその費用が高い。それからもう一つ落としておられますことは、そういう四十万ボルトの電気でもって買ってくれるお客さんはないということなんです。これを十五万ボルトまで落とさなければいけない。その両方の費用を入れますと、一キロワット当たり大体一万円くらいかかる。ですから同じことじゃないか。そうなると、なるべく事故の少ない、故障の少ない方がよろしい、こう考えるのであります。そのほかにもいろいろございますが、仮定的な問題でもありますけれども、この考え方が一番実情にそぐわぬのじゃないか。要するに送電線、変電所の御苦労がないというふうに申し上げたいのであります。
○板川委員 吉田さんの考えも大体桜内さんと同じですか。
○吉田参考人 どういう意味なのか、よくわからないのですが……。
○板川委員 松永構想に対して、反対の意見の大まかな柱を言ってもらいたい、こういうことでした。先ほどあなたのおっしゃった意見と、また桜内さんの意見が別々の角度から言われておりますが、考え方として、御意見は同じようですか。この問題はいずれ文書で正確に反対の意見を出してもらいたいと思うのですが、この点についてお返事を承りたい。
○吉田参考人 松永さんの御意見は新聞紙上でのみ拝見しておりますが、われわれは電気事業研究委員会というもののもとにやはり今の電気事業をさらに進歩改善させる諸策はどうかという立場で従来議論して参りましたが、そのときのお話では、やはり広域運営の協調をもう少し徹底する面が見つからぬか、こういうふうに私は聞いておるのでありまして、そういう意味において完全に事務的に、機械的に、ブロックということになりますと、企業態率の低下がおそろしいと感じております。
○板川委員 もっと文書でまとめて、社内の意見なり業界の意見なりを出してもらいたいということを要望いたします。
 それから、桜内参考人にお伺いしますが、在任中とにかく料金は値上げをせずにいく、こういう決意を表明されましたか、電力業務を担当している者としては率直な、またいい決意だと思うのです。ただ在任中というのが、上げるときになって前にやめるということでは困るのだが、とにかく言ったからには、長く在任される決意だと思う。それだけの自信を持っていると思うのですが、しかし、今後要求される電力の需用をまかなうために、現在の経営形態をそのままにしておいて、そういう公約が実現ができるかどうか、もう一回確認しておきたい。
 それから、中国電力としては、コストが日本全体の電力の平均から見れば一円十銭か二十銭高い。そういうように非常に高いから、その上に値上げをされたのでは需用者としてはたまったものではない。そういう意味で圧迫がありますから、中国電力のように高いところの値上げに対しては非常に抵抗がありますから、値上げをしないという決意は経営者としては当然だと思いますが、別に料金値上げをしろというのではございませんけれども、しかしここで約束し、言明されたことですから、そういうことで将来の需用をまかなっていけるという自信があるかどうか、その点をお伺いいたします。
○桜内参考人 もちろん電力会社の責任は供給の安定、そしてサービスの確保、それからできれば料金の低廉化、この三つの柱に集約されるのであります。需用には必ずついていくということ、またサービスも低下しないということが前提であって、私はできると確信をいたしておるのであります。ただ、それはなぜできるかといいますと、私どもはまことに申しわけないことですが、中国の電気は一昨年九州電力が値上げされますまでは一番高かったのであります。しかし、高かった金を私ははばかりながら幾らかでも努力してためたつもりでございます。そうしますと、ただの金を注ぎ込みまして建設した設備から出てくる電気は、安く出て参ります。ちょうどそろそろそれができ上がる時分でありまして、その電気を活用するならば、特別なコスト・インフレならば別問題でありますが、しからざる限り、私の在任中上げないということを断言してはばからないのであります。できれば下げたいと思いますが、これはなかなかお約束ができないわけであります。
○吉田参考人 先ほどの書類で出せということでありますが、今のところ各社の社長もおりませず、また一方において、これをまとめていきますのには時間もかかりますので、時間的には相当の猶予を願いませんと、私がきょう参考人として申し上げる点でございますと、先ほどのような点が主眼になっておりますが、ブロックという考え方が即松永さんの御意見なのかどうか、新聞だけなので私もよくわかりませんので、そういう何か仮定に基づいた答えはちょっと申し上げかねるのではないか、こう思っておるのです。
○逢澤委員長 以上で本件についての本日の調査を終わるのでございまするが、参考人の方々には、御多忙の中にもかかわらず、長時間にわたり御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。資するところ大なるものがありましたことと存じます。委員を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
○逢澤委員長 次に、工業に関する件について調査を進めます。
 自転車競技等に関する問題について質疑の通告がありますので、これを許可いたします。田中武夫君。
○田中(武)委員 時間の関係もございますので、きわめて簡単にお伺いいたしたいと思うのです。きょうは、大臣、局長がお見えにならなくて、次長がお見えになっておりますが、次長の方がこの問題は実はよくわかっていると思うので、次長にお伺いいたします。
 前国会で自転車競技法の一部を改正いたしまして、そしてブロック別に自転車競技会というのをつくる、こういうことになりましたが、その後この法改正の趣旨に沿ってどれほど作業が進んでおるのかということが一点。
 それから、あのときも問題にいたしましたが、現在まであった府県の自転車振興会、これをどうするか。これは民法による一つの法人であります。従って、強制命令で解散さすというようにはいかない。しかし、従来行なっておったところの府県自転車振興会のやっておったことを競技会がやるんだ、こういうことになると、その目的の大半が失われる。従って、自然解散するものもあろうし、あるいは残るものもあるかもわからぬ、そういうことであったが、そういう状態はどうなっておるのかということ。
 さらに、従来の自転車振興会が持っておる財産といいますか、こういうようなものは、民法による公益法人の所有ではあるけれども、これはいわば公的な財産であるから、その処分等については一体どういうように考えておるのかということも、これは前にも聞きましたが、それは一体今ではどういうような方向で動いておるのか。そういう点をまずお伺いいたしたいと思います。
○熊谷説明員 改正後どの程度作業が進んでおるかという御質問でございますが、御承知のように、法改正によりまして六カ月間の猶予期間が与えられまして、最終的にはこの十月二十日というようなことになっております。私どもといたしましては、十月二十日を待たずにできるだけ改正の趣旨を実行いたしたいというように考えまして、今の目途といたしましては十月一日に改正法が実施できるような考えで、準備を進めておるわけであります。
 どういう段階かという問題でございますが、ブロックの問題につきましては、御質問もございますので、後ほど申し上げますが、大体九月中旬までに準備が完了できるように話を進めております。
 それから、もう一つ大きな問題は、開催日取りとか投票方法の問題でございますが、これは省令事項でございます。すでに業界に通産省の考え方を示しまして、業界の意見を聞いておる段階でございます。これも九月中旬までには業界と通産省の意見をまとめたい、かように考えております。
 それから、もう一つは、施設基準の問題が大きい問題としてあるわけであります。できるだけ施設をよくするという問題でございます。これは相当膨大な作業になりますので、鋭意やってはおりますが、九月下旬ごろになる見通しでございます。従いまして、この作業は多少ほかの問題よりおくれるのではなかろうか、かように考えるわけであります。
 今申し上げましたのが大体の作業の程度でございますが、具体的に競技会の問題についての御質問でございますが、おっしゃいますように民法法人でございますので、強制的に解散さすということは、法律的に困難性がございます。従いまして、競技会の設立にあたりましては、従来の振興会が競技会を快く一緒になってつくるような指導をやっておるわけであります。大体今の空気は、ほとんどの振興会が解散するということになっております。ただ、一、二、自分のところはやはり相当財産がある、競輪に必要なもの以外の財産を持っておるので、それを残して振興会を存続したいという御意向も二、三ございます。具体的に申し上げますと、これは大阪とか名古屋とか京都とか、比較的従来大きいところの振興会でございます。そういうところは、そういう御希望がございますが、われわれといたしましては、できるだけ全面的に競技会に入っていただくように折衝を進めている段階であります。
 それから、財産の問題でございますが、そういう指導方針で話を進めておりますので、財産も原則としてこの際一応全部お出し願いたいということを申し上げておるわけであります。ただ、この点は、先ほど申し上げましたように、ほかの振興会とは違いまして、この三つの振興会は相当財産を持っておりますので、最終的にはもう少し話し合いと結論は出ない、こういう段階でございます。
○田中(武)委員 こちらは具体的な名前をあげるつもりじゃなかったが、あなたの方であげられたのですが、というようなことで、府県の自転車振興会、これの解散ということと、それの持つ財産、これの問題をめぐって、まだいろいろと問題もあるかに聞いておりますので、そういうものに対する通産省として法改正の上に立っての、法改正を運用するという上に立って、あまり事を起こさないようにやってもらいたいと思います。
 それから、この改正のもとをなしたのは、御承知のように公営競技調査会ですか、公営競技調査会の答申によってなされたわけなんです。これは何も自転車、いわゆる競輪だけでなくて、オートバイ、モーターボート、それから競馬に至るまであります。オートバイを除くほかは通産省の管轄でないから、あなたに質問することはどうかと思いますが、同じような速度といいますか、同じような各種の考え方で、他のギャンブルにもやはりそういう改革が行なわれているかどうか、お伺いいたします。
○熊谷説明員 この点は、御指摘のように、内閣に調査会が設けられまして、一本の答申が出ております。競輪と競馬とモーターボート、いろいろな特殊事情はあろうと思います。しかし、調査会の答申が公営競技ということで考えられたわけでございますので、私どもは、各省とも、大体特殊事情は別といたしまして、方向はそろえなくてはならぬ、こういうように考えております。従いまして、それぞれ各省が案を持ち寄りまして、現在調整をはかっておる段階でございます。
○田中(武)委員 従来の府県振興会を今度はブロック別の競技会に改組していく、こういう法律が通った。そこで、その方向に従って通産省としては行政指導なりあるいは法実施の上に必要な措置をとっていかれることは当然だと思うわけですが、先ほど申しました、まずものの面において今一つの問題があるということです。従ってこれをうまく解決するような努力をしてもらわなければいけない。同時に、既得権といいますか、そういうものにあまり固執することもどうかと思いますが、かといって、またあまり法改正だからといって無理やりに押しつけるということもどうかと思うので、あくまで民主的な方法によって話し合いを進めて解決をしてもらいたい。それには、通産省ももちろんのこと、関係者も、自粛という法改正、こういうことも十分のみ込んでもらいたい、こう思うわけなんです。
 次に、物と同時に人の問題が出て参ります。この人の問題でありますが、これもまず競技会の人事ということで、そういうのを当時も申し上げたと思うが、何かそういったいわゆる公的なものができる。今までの府県の自転車振興会は、これは法律的には民法法人なんです。しかし、今度できるのは、自転車競技法という法律による法人なんです。そこに性格が違っている。そうすると、往々にして、役人の、官僚の天下り人事という、こういうことが行なわれがちなんですが、まだブロックの競技会も発足をしていない。そこで、こういうことはどうかと思うが、しかしもうすでにある程度の人事等も考えておられると思うのですが、この役員等の選考にあたっては、私は、いわゆる通産省その他の役人の古手の姥捨山になるようなことじゃいけないのだ。しょっちゅう言ってきたことですが、そういうことについて一つあなたの考え方をただすとともに、私の考え方を十分に要望しておきたいと思います。
 それから、もう一つは、今度はそこに働く人たちの問題です。これは法改正のときに附帯決議をつけたかと記憶しておりますが、これは自粛開催ということで今まで連続六日間やっておったのを三日、三日に分けてやるというような結果になります。その結果、それに働く従業員といいますか、この人に相当なやはり影響が起きてきておる。これは自粛という上に立っておるのだからやむを得ないのだ、こういうことでありますけれども、一面そういうような労働者、従業員の観点をどう考えておるのか。さらに、今まで人事という関係で臨時従業員としておったのが、こういう人たちを含めた労働問題が出てきます。これをどう考えておるのか。きょうは労働者も見えておるはずなんですが、労働省の方からも、どういう考え方か、一つお伺いいたします。
○熊谷説明員 競技会の役員人事の問題でございますが、現在発起人等がブロックによりましては選定されまして、通産局もこれを指導いたしまして設立準備を進めておるわけでありますが、役員の人事、だれがなるかという問題につきましては、私どもは十分慎重に、いい人が、しかも経験のあるいい人がなってもらうように十分考えてもらいたいと考えております。従いまして、特殊法人をつくったからということで、役人が天下りするようなことは毛頭考えておりませんし、絶対にこれは避けるということでございます。
 それから、競技会に働かれる方々の問題でございますが、御承知のように、この競技会をつくりましたゆえんのものも、できるだけむだな経費を省く、そういう意味でブロック化をはかったり、そういうことによりまして浮きました金をできるだけやはり喜んで働いていただく面に投入する、こういう趣旨もあったわけでございます。従いまして、現在振興会の職員の給与は、全国的に見て非常にばらばらでございます。従いまして、ある面では多少自粛願わなくてはならぬ面もあろうかと思いますが、非常に小さな振興会の給与は、ブロック化によって相当改善されてくる、かようにわれわれは考えておるわけでございます。そこの辺は、改正の趣旨がそうでございますので、十分われわれは配慮して参りたい、かように考えております。
 それから、臨時従業員の問題でございますが、御指摘のように、できるだけ競輪の自粛をはかるという意味におきまして、三・三制を実施いたしたい、かように考えております。しかし、この競輪の改正法の趣旨は、あのギャンブル性を少なくするとか、あるいはその他いろいろ非難を受けておる面を改善していくということにあるわけでありまして、当然それによって臨時従業員等は、勤務時間等につきまして、多少の問題は出てくるわけでございます。それが趣旨ではございません。従いまして、私どもといたしましては、三・三制をやります場合も、これは臨時従業員の救済策ではございませんが、たとえばすべての競輪場が三・三制をやるために、弱小競輪場といいますか、小さな競輪場がそれによって非常に影響を受けるというような場合におきましては、やむを得ませんので、連続六日制を連続五日制にいたしまして、そういうことによりまして急激な変化をあまり起こさないように配慮して参りたい、かように考えております。そういう意味合いにおきまして、臨時従業員の問題も急激な影響がないように、われわれとして万全の考え方をもって進めて参りたい、かように考えております。
○田中(武)雲量 われわれとしても、競輪は自粛せよ、むしろ僕らは廃止を唱えてきたわけです。それが廃止までいかずに一応自粛――どの程度の自粛か知りませんが、自粛の上に立って存続、そういうことによって法案が改正せられた。そうすると、そこに働く人たちの問題が出てくる。ことに臨時雇といいますか、臨時雇用という関係の人たちには、おそらくいろいろ家庭的な事情等もあって、振興会の事務をやっている人とは生活面等でも違った問題があります。しかも、聞いておると、いろいろな雇用形態も、封建的なといいますか、そういった前近代的な格好もあるかに聞いております。そういう問題を通産省の重工業局次長に全部解決しろと言っても無理なんだが、しかし、事はやはり自粛という法改正の上に立って起こってきた労働問題であるので、一方は一方、一方はまたそれ相当の配慮がなされなければならないと思うわけです。ともかく労働省とも十分連絡をとってもらって、一面自粛する、その反面において犠牲になるという人が出ないような配慮、これを何らかの方法で考えてもらいたい、こういうことを希望いたしておきます。
○山花委員 関連して。
 田中委員からお話がございましたが、もうちょっと具体的に申し上げますと、六日連続開催が三・三というように聞いておるのですが、一例をとって申し上げますと、神奈川県の場合には花月園、小田原、川崎等ですが、東京の場合には後楽園、立川、京王閣、六日制と日取りがかち合わずに十八日間働けるわけです。ところが、三・三制になりますと、どこかがかち合って十八日間は働けない事情が起こってくる。そうなりますと、御承知のように、失業保険の問題に関連いたしまして、一定期間切って納めないと失業保険はもらえないわけです。そうすると、働く日にちが少なくなって失業保険がもらえないという実情が、従業員の中に現われてくるわけです。こういう問題は労働省の所管ともよく御相談をなさって、さような不備を来たさないように特別の御配慮を願いたい。
 それから、もう一点お尋ねしたい点は、配当の問題がせんだっていろいろ論議の対象になった。これは、聞くところによりますと、今までは単連勝だったものを複連勝にするという。そうなりますと、仕事の量がうんとふえてくるわけです。特にこれは穴場の関係ですが、その穴場関係の従業員がそういう労働強化にならないようなお考えは十分当局の方からお示しを願って、言いかえれば増員が当然要求される。単連勝を複連勝にどの程度やられるのか、これは大体腹がきまっておるのじゃないかと思いますが、もしおわかりになってお示し願えればけっこうだと思います。
○熊谷説明員 御指摘の三・三制を実施したため競合によって臨時従業員の働く場所が少なくなるのではないかという問題につきましては、先ほど田中先生にもお答えいたしましたように、自粛は自粛としてやらなくてはなりませんが、そういう場合は五日連続制等の措置をとりまして、できるだけこの影響が過渡的には少ないように配慮して参りたい、かように考えております。
 それから、もう一つ、御指摘の点の投票方法をどうするかという問題でございますが、調査会の答申でも連勝単式はできるだけこれを制限するようにという一つの答申が出ておりますので、私どもといたしましては、これをできるだけなくするような方向に持って参りたい、かように考えております。ただ一気になくしますと、いろいろな混乱もあるようでございますので、私どもの今の考え方は、猶予期間を置きましてなくしていく、こういう考え方をとっております。また、これをそういうように改正をいたしました場合には、御指摘のように窓口事務がふえるような結果になろうかと思います。従いまして、先ほどの臨時従業員の働く場所が少しでも減るのじゃないかという問題は、そういう面でさらに使っていただくようなことで、私どもは全体的に見れば解決できるのではなかろうかと考えております。この問題は何と申しましても施行者の問題でございますので、私どもも重要な関心を持っております。従いまして、施行者の方にそういう問題を含めて研究していただくように申し上げておるわけでございまして、十月ごろまでにはこの問題についても大体の報告が出る、かように考えておるわけでございます。
○山花委員 もう一点だけ関連して質問したいと思いますが、今大体これを強要、強制というわけにはなかなか参らないだろうと思いますが、多分従業員の方は身分の切りかえが行なわれるのじゃないかと思うのです。先ほどの御答弁によりますと、相当財産もあるが、この財産をあげて従業員の福祉の方向へ回すように努力したい、こういう御説明でございましたが、身分の切りかえが行なわれましたときに、俗にいう解散手当とか、一応そういう手当の問題が、これは振興会と従業員の間に起きると思うのであります。その場合でも一つ特別のあたたかい配慮を与えるように御進言を願えれば大へんけっこうだと思いますので、これは具体的に各地でいろいろ問題が起きておりますから、十分調査をされまして、万遺漏ないような対策を特に従事者のために立てていただきたいことを申しまして、関連質問を終わります。
○田中(武)委員 それで今、改組するときに身分も変わるということが出たのですが、臨時雇といっても結局は定期的に働いておるでしょう。これを何か普通の雇用関係というところへは持っていけないのか、こういう疑問もあるわけです。今の六日制が三・三になりあるいは五日というような配慮もする、しかし、競合のために働く日が少なくなれば、日雇い労働の失業保険ももらえない、こういうふうないろいろな問題が起きるから、そういう雇用形態を変えていく、こういうことも考えるべき一つの課題じゃないか、こう思うわけです。そういう点も、あなたをつかまえて労働問題をやってみてもしようがないから、労働省とも十分連絡を密にして、またあらためてお伺いしますから、研究をしていただきたい、こう思います。
○逢澤委員長 首藤委員。
○首藤委員 同僚の田中委員が若干質問したから、私はあまり深くは質問しなくてもいいかと思いますが、二、三お尋ねしておきたい。
 それは財産の移譲問題です。私はしばしば意見を申し述べたのですが、旧振興会の財産を新しい法人が強制的にこれを引き継ぐということは、一体どういう根拠に立ってそういうことをやっておるのかということです。ただ民主的に話し合って双方が納得するならば、これはそれ以上私たちは干渉する必要はないと思います。ただし、理論的に考えても、向こうが納得しないものを強制的にこれを没収するような態度をとるということは、越権もはなはだしい措置であると私は考えるのであります。特に過去十三、四年中小業者である自転車業あるいは卸、小売、こういう業者が業をなげうってこれに専念してきた。そして相当の成果を上げ、しかも経営にあたっても常に冗費を省いて、そして政府の方針をよく守って、そして若干の財産ができた。だから、ある財産を取るということはむしろこれは常識を逸した非常な残酷な行為であると私は考えざるを得ない。特にこういう者が一応失職するのであるから、あたたかい気持で、そして今日まで業務に携わっていた者が一人残らず満足するという状態まで持っていくのが、諸君の責任だと私は考えておる。ただ私は、今民主的に解決する努力をしておるというから、きょうはこの程度にとどめておくが、その精神をあくまで貫いて円満に解決するという方針を貫くように、特に私はここで申し上げておきたいと思います。
 もう一つは、人事の問題ですが、今熊谷次長はいやしくも役人の先輩を送り込むということは考えていないということであったが、私はきのう聞いたのです。ところが、それに対しては、近畿の方にやる局長級の先輩がもう予定されておる。あるいは九州はどうだ。あるいは東京はどうだ。九州の候補者は日自振におった古い人といううわさが上っておったということで、いずれも確かではないけれども、しかし、この前も申し上げた通り、自転車振興会そのものに、法改正以来今日まであまりにも役人がたくさん入り過ぎておる。結果的に見れば、役人を送り込むためにああいう制度をつくったのだと言わざるを得ないような結果になっておることを、私は非常に遺憾とする。そういう一方においてあの日自振をつくったことによって、競輪が非常に軌道に乗った、あるいは競輪の自粛の精神にのっとるような方向に向いてきたということになれば、多少納得のいく点があるが、そういう点はあまり変化がなくて、ただ目立つのはやはり役人の日自振に対する就職率が非常にふえたということが目立っておるのであります。その上また新しい今度の技競会ができて、それにもまた入るということになってくれば、いよいよ通産省は役人の先輩を送り込むためにわざわざ法改正をして新しい制度をつくったのだというそしりを免れないようなことになってくると思うから、今次長の言われた通り、絶対にさようなことのないように必ずこれを実行してもらいたいということを私は特に申し上げて、これで私の質問は終わります。
    ―――――――――――――
○逢澤委員長 次に、空気銃製造等に関して質疑の通告がありますので、これを許可いたします。亀岡高夫君。
○亀岡委員 時間がありませんので要点だけを質問いたしますので、政府の考え方をはっきりと一つ示していただきたいと思います。
 実は五月の初めだったと思うのですが、農林省の一担当官の心ない新聞発表といいますか、もう少し配慮をした発表をしなければいけなかったのではないかと思うようなことから、中小企業者、特に銃砲等の関連業者、小売商から御売商、メーカー、あるいは関連産業に至るまで非常な打撃を受けて、現在その対策に苦慮しておる。空気銃を使っちゃいかぬというような新聞発表があったわけですが、そのことのために非常な混乱を起こし、融資も中止をされ、新しい契約も取り消され、それから契約しておったものまでも契約破棄をされる。また小売業者にすら、空気銃を買っていったものが、これを買い取ってくれといって申し込んでくるというようなことで非常な動揺を来たしておるわけなんです。通産省の担当課長はこの実態をよく把握しておられるかどうか、まずそれを一つ先に伺いたいと思います。
○熊谷説明員 御指摘の点は、御意見のようにこの空気銃製造業者にいたしましても、販売業者にいたしましても、非常に数がたくさんある中小企業の方たちでございます。私どもといたしましては、空気銃は相当輸出産業としても将来は育っていくのではなかろうかというような観点から、いろいろ今後対策を講じて参りたいと考えておる段階でございます。そういう意味合いにおきまして、いろいろ御指摘のように空気銃の所持あるいは鳥をとること、いろいろな問題があるようなわけでございますが、非常な関心を持って現在各省に交渉をいたしておる段階でございます。
○亀岡委員 そこで通産省にお伺いしたいのですがただいまは非常に有望な輸出産業だ、こういう見方をしておられるようですが、従来まで、この業界に対して、それでは特別の措置をとってこられたかどうか、その点も一つ聞いておきたいと思います。
○熊谷説明員 従来はむしろ御承知のように空気銃は銃砲という観念に入っておりまして、武器製造法の感覚から申しますと、どちらかといいますと押える方の行政をやっていたわけであります。ところが先ほど申しましたように空気銃は輸出産業としても成り立つのではないかという御議論もございますので、今度は感覚を変えまして、むしろ中小企業塩時振興法という法律がございまして、そこの一つの業種として取り上げまして振興策を立ててみたい、こういうように考えております。従いまして、従来遺憾ながらあまり対策らしきものは立っていなかったというのが実情でございます。
○亀岡委員 まあ、非常に有望な輸出産業だということは、アメリカのオリン社というウィンチェスターという鉄砲をつくっておる会社が日本に進出して来まして、日本の晃電社ですか、それと資本提携をして生産を始めておる。しかもそのつくったものにウィンチェスターのマークをつけて、どんどん外国に輸出がされておる。こういうような実態からしますと、私は非常に有望な産業だと思うわけです。しかも、この事態に刺激をされて、ほかのメーカーも非常に積極的に設備を拡充し、内容を整えて、そうして生産を伸ばそうといって、輸出も伸び内需も伸びてきておった段階にああいう事態になったということが業界を非常に困らせて、もう倒産寸前のメーカー業者が各所に続出しておる。私の地方にも空気銃の散弾をつくって終戦後非常に伸びてきた業者があるわけでありますけれども、これなんかも青息吐息で、今後どうしていいかわからぬ。また銃砲等の製造は非常に特殊技能を要し、特に猟銃なんかは一丁々々昔の日本刀のような格好で手先を最高度に活用して、そして名品をつくるというようなことのために特殊の職人が要る。そういう職人もほかに転職しなければならない、こういう職人を引きとめておくためにも非常な苦労をしておるという段階まで陥っているわけです。林野庁の方が見えていないようですが、このような業種に対して、ただいま通産省が、今後空気銃に対しては特に輸出の面から相当積極的に取り上げていきたいということは、私は非常に時宜に適した施策であると思うのです。
 そこでこれは保安局長にお伺いしたいのですが、空気銃というものは、諸外国ではもうほとんど玩具程度にしか取り扱ってないようです。アメリカのある州のごときは、狩猟具の中にも入っておらない。銃砲等の取扱いの範疇外にあって、ほとんど一つのファミリー・シューティングというのですか、家庭用の道具というようなことで取り扱われておるようであります。私もよく研究しておりませんけれども、外国の空気銃に対する取扱いの実態を一つ御説明願いたい。
○野田説明員 空気銃についての諸外国の取扱いの例につきましては、私もまだ詳しく調査をいたしておりませんが、猟具としてよりは、今お話の遊具用の扱いをしておるというところもあるように聞いてはおります。
○亀岡委員 日本では空気銃の事故が非常に多いというようなことで、警察庁の方ではなるべくこれを取り締まりたい、また農林省の方としては、愛鳥精神というような点から乱獲を防止するために空気銃を使わせないようにしたいという気持はわかるけれども、しかし、諸外国ではほとんど野放しというような状態であるにもかかわらず、日本においてはこのような強い規制をとっておられる。けがの防止、事故の防止というような面については的確な対策さえ立てれば、都会の中ではもっときつい規制を加えるとか、あるいは人家の密集地帯では取扱いをより厳重にするとかして、山野を跋渉しながらこれを使うというような面に持っていけば、むしろ現在パチンコだとかマージャンだとか、あるいはツイストであるとかいって、若い諸君がうつつを抜かしておるのから比べれば非常に健全な精神を養える一つの道具じゃないか、こういうふうにも考えるわけなんですが、先般の農林省の新聞発表に対して警察庁は非常に賛意を表しておられるようですが、その点はいかがですか。
○野田説明員 農林省の林野庁が空気銃を猟具からはずせという鳥獣審議会の答申を発表したことに関しまして、警察庁の意見はどうかというお話でございますが、鳥獣審議会の答申の内容は、空気銃は猟具として効用も乏しい。それによる密猟も多い。また空気銃による危害事故の発生も少なくないので、密猟や危害事故を防止するという観点から空気銃を猟具からはずすという意味のものでありますから、今後における狩猟行政の基本的な方向としては当を得たものではないかというふうに考えておるのであります。ただ、空気銃は、これまで長い期間猟具として取り扱われてきたものでありますので、今にわかに猟具からはずす措置を講ずるということは、社会的に影響するところも多い。そこでそういう面で一考を要するものがあろうというふうに考えておるのであります。もとより空気銃による危害事故や密猟の防止ということにつきましては、今後とても努力を要することと思っております。警察といたしましては、先般の国会におきまして、銃砲刀剣類等所持取締法の一部改正を行ないまして、銃砲刀剣類の所持許可年令を十四才から十八才まで引き上げますと同時に銃砲刀剣類の譲渡について一定の制限を設け、また都道府県公安委員会の行なう射撃場の指定に関する規定を整備いたしました。これらの措置を講じましたのも、銃砲刀剣類等による犯罪あるいは危害の防止という点を考慮したものであります。この法律が十月一日から施行されることになっておりますので、これらの面から危害防止あるいは事故防止等の成果が期待される。かように考えております。
○手束説明員 林野庁といたしましてかような答申をお受けいたしたということについて協議いたしたわけでありますが、これにつきましては対策をいかに講じて参るかということにつきましては、まだ検討中でございます。御指摘の空気銃の問題につきましては、これはただいま警察の方から御答弁、のありました通りのことであります。鳥獣審議会の意図は、猟具として適当でない、それに伴う違反も多い、人を傷つける、外国では実際的には狩猟に使われておらないというようないろいろな見解があるようでございます。これももっともな見解であろうかと思われるのでありますが、これにおきましても、なお、従来長く猟具として現に使われてきておる、あるいはそういった産業奨励上の問題もありますので、一がいには論じられないことでございますから、この問題につきましては、関係庁ともよく御協議の上研究いたしたい、かように考えておる次第であります。
○亀岡委員 鳥獣審議会の前の日、あなたはまだ保護課長になっておられなかったはずですが、各新聞に一斉に空気銃は禁止するのだという大きな見出しで発表になったわけですね。その発表が業界にどのような動揺と混乱を巻き起こしたか、また現にそのために、数千百社あるメーカー、関連産業の方方がどれほど苦しんでおるかという実態を御存じですか。
○手束説明員 農林省といたしまして発表……。
○亀岡委員 いや、知っているか、知っていないか。
○手束説明員 想像はつきます。
○亀岡委員 想像がつくということは、大体そういう状態になっているだろう。こう考えているわけですね。しからば、この新聞発表になった事態に対して、審議会の答申をよく読んでみますと、空気銃は将来禁止するんだというようなはっきりした答申はなされておらないわけですね。それで、行政的に考えていることと全く反した報道がなされたということに対して、自後の対策として何か行政的に手を打たれましたか。
○手束説明員 特別に手ということはございませんが、業界紙等に、別に今度の法律改正でもって丙種免許を廃止するんだという意図はないのだということにつきましては、発表してございます。
○亀岡委員 この審議会においてすら、今直ちに廃止することは種々の問題を生ずるおそれがあるので、暫定措置を検討しろという、きわめて慎重な答申をしているわけですね。これはもう数万の人を養っておるこの業界があるということを頭の中に入れておるから、答申自体もこのように慎重になってくるわけです。それがたまたま新聞発表において、このような心もとない発表のために、業界が四苦八苦の窮地に追い込まれておるということは、これはもう事簡単な問題じゃないのですよ。一つ林野庁として、今からでもおそくないから、はっきりと、その今言われたような点を世間にここを通じて公表をやっていただきたい。
○手束説明員 かような少し先走ったような報道がなされたことにつきましては、林野庁としましては遺憾に存じておるわけでございますが、林野庁がさような発表をしたのでないということも、これまた確かでございまして、そこは答申を読んだ方々の受け取り方というものがあるのではなかろうか、かように存じておるわけでございます。ただ、結果的には、さようなことが原因になって混乱を起こしているということにつきましては、遺憾に考えております。すでに「日本ハンター新聞」等におきまして、担当調査官談といたしまして、丙種免許廃止の意向なしということにつきましては、業界紙につきましてもすでに発表してございます。今後の対策につきましては、いろいろ関係方面とも御協議の上で善処したい、かように考えておるわけであります。
○亀岡委員 この機会に林野庁にただしておきたいのですが、空気銃で密猟をするとか、空気銃で小鳥をたくさんとるとかいうことを言っておりますけれども、私も子供のころ空気銃をやりましたけれども、なかなかそう鳥なんかとれるものじゃないですよ。ただ、空気銃を持って野山をかけ回るという面で、非常に質実剛健の気性とでも申しますかね、そういう精神の統一というような面で、これは非常に効果があるわけです。そこで、諸外国でも、これはほとんど禁止というようなことをやらないで法でもってこれを規制しているというような例はほんどないわけなんです。日本だけが、愛鳥精神が外国以上にあるせいかどうかわかりませんけれども、非常にこの空気銃を目のかたきにする。鳥がいなくなったのも空気銃のせいだ、こういう論法がしばしば展開されるわけですが、私は、鳥がいなくなったのは、農薬が非常に発達しまして、そうして鳥の食うえさが平野部になくなった。これが何といっても小鳥が少なくなった原因。また、渡り鳥が非常に来方が少なくなったというのも、ある説によると、原爆実験があった年には非常に渡り鳥が少ないといわれるようなことで、いろいろな理由で鳥が少なくなっているわけです。また、どんどん文化が進歩して、都会が広がっていくというようなことで、鳥の生息する場がだんだん少なくなっていくといったようなことで、小鳥の少なくなった点を空気銃のせいだけにするという考え方は、私は妥当じゃないんじゃないか、こう思うわけです。と同時に、減ったのなら、もっともっと林野庁は、愛鳥家のために、鳥をどんどんふやす、そうしてそれを狩猟させるというような方向をとるべきじゃないかと思うのですが、林野庁はそういう対策をとっておりますか。
○手束説明員 第一点の、将来の猟具としての空気銃の考えでございます。私、説明員でございますので、意見にわたることは委員長のお許しがあれば多少申し上げてもいいかと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○逢澤委員長 どうぞ。
○手束説明員 外国では空気銃は自由になっておる、これを持って山野の跋渉することによって非常に質実剛健になっていく、これはさような段階になりますれば非常にけっこうなことであります。日本ではやや今直ちにそれを考えるということは、少し無理があるだろうというふうにも考えます。これは外国では実情として、空気銃で鳥がとられておらないという。基盤があるわけでございます。それだけ保護政策が行き渡っておる。それから、所得のレベルその他の関係もございましょうが、ともかく空気銃みたいなものでは鳥をとらないのだ、ハンターとしては当然銃でやるというような常識的なことがあるようであります。さような中でそういう実情になっておる。日本は今のところ現に空気銃で鳥をとるというのが非常に多い。これも事実であります。狩猟の免許を受けている者は何万人かいる。所持取り締まりの許可を受けた者は三十三万人おります。この間というのが一体どうもよくわからないというような実情もあるわけであります。直ちにその方向には行けない。何かもう少し筋を通した形で持っていかなければならないのじゃないか、かように考えられるわけであります。
 第二点としまして、そんなに鳥が減ったということは農薬のせいではないか。確かに農薬その他のせいもあると思います。別にまた森林につきましても、天然の林相が減ってきて、人工造林地がふえているというような問題もあろうかと思います。しかしながら、そういうような乱獲が行なわれておるから減っておるという面も確かにあるわけであります。その面も規制をしていかなければならぬ。それで、そんなに減ったなら何かふやすべきじゃないか、ふやす対策というものを考えていくべきじゃないか、これもごもっともなことであります。この対策の面について林野庁は十分措置しているかという点になりますと、これは必ずしもまだ十分にやっておるとは申せない段階にあるということにつきましては遺憾でございまするが、今度答申を受けましたこの狩猟法改正によりまして、何か鳥獣保護計画というような一連の適正な計画を立てて、それに基づいて措置をしていくというような体系を立てていかねばならぬのじゃないか。現在まで非常に鳥獣保護についての予算措置が困難である。その実情は何かと申しますると、地方税による収入が一つはある、その中でやればいいではないかというふうに考えられる点でございますが、地方財政計画としては、それを優先的に鳥獣保護に当てるというふうにもなかなか考えられないという点があるわけであります。その面では何かもう少し前向きの対策といのものを今度の法律改正と同時に講じていかなければならぬ、かように考えておるわけであります。
○亀岡委員 水産庁関係では魚の養殖が非常に進んでいるのですよ。ところが、林野庁は特別会計の中では珍しいほど黒字を持っている裕福な会計なんですね。その中でこういう対策をなぜ今まで積極的に講じなかったか。予算がとれなかったからというのじゃ、これはもうしようがないので、だれも納得できない。国有林野の内情に最も詳しいあなたが今度新しい課長になったわけですから、一つこういう面を積極的に施策として推進するように希望をいたしておきたいのです。
 それから、先ほどあなたがお見えになる前に通産省の意向を聞いたわけですが、これは非常に有望な輸出産業というふうに見られるわけなんです。外国からもどんどん注文の照会が来ているわけです。それがたまたまああいう五月の初めの事態があったものですから、この輸出関係も非常に困難な状態に逢着している。やっぱり輸出を伸ばすには、どうしても国内需要をある程度確保してやりませんと輸出も伸びないわけですから、その点を林野庁も十二分に考えて、愛鳥と狩猟との調整をどういう点ではかっていくか。両者が完全に平行して両立するように適切なる施策を立ててもらいたい。近く狩猟法の改正も表面化してくると思いますが、そのときにも私どもは十二分に審議したいと思いますけれども、あなた方専門家が各省よく連携をとって、お役人がもっと慎重な態度をとって新聞発表さえしてくれば、何事も起こさずに済んだ問題なんですから、今後二度とこのようなことのないようにしてもらいたいと同時に、速急に林野庁は林野庁としての対策を打ち出してもらいたい。また通産省としても、最後に次長からこの業界の今後に対する対策を一つはっきりとしていただきたい。
○熊谷説明員 おっしゃる御趣旨はわれわれも全く同感でありまして、先般の審議会におきましても、生産担当者といたしまして、将来の見通しなり現在の業者の実情をるる話しまして、ああいう答申をいただいたわけでございます。私どもといたしましては、取り締まりの立場あるいは愛鳥問題、いろいろあろうかと思いますが、おっしゃるようにやはり両業界が両立するようにすることが、いわゆる行政の妙味だろうと考えます。従いまして、生産担当省といたしましては、将来輸出がうまく伸びるように、それがためには、暫定的にでもいいから、やっぱり国内需要がある程度確保できるように、できるだけ今後農林省と話を進めまして、できるだけ早く対策を打ち出したい、これが今の業界の混乱を救う道でもある、かように考えておる次第であります。
○手束説明員 御趣旨の通り十分検討いたしまして、法律改正、その他予算措置等につきまして十分努力いたしたいと思います。
○山花委員 関連して。――ただいま亀岡委員の方から農林当局にいろいろ質疑がありました例の新聞発表の件につきまして、実は私もあの当時旅行しておりまして、旅先で朝日新聞、毎日新聞を購入して読んでおりますと、空気銃はもうだめだ、禁止だ、こういう記事が出ております。朝日、毎日といえば全国で有力なる商業新聞であります。帰っていろいろ聞いてみますと、俗に東京でいう五大新聞全部同様の記事が掲載されていたそうでありますが、あとで業界の人にいろいろ伺って参りますと、全く致命的な打撃をこうむった、業界は御承知のように二、三十人からせいぜい大きくても二、三百――二、三百というのはもうごく少数だと思うのです。それと関連して販売店、それらを含む従業員全部が致命傷を受けたということであります。ただいまの御答弁によりますと、農林当局ではそういう記事を提供していない、こうはっきり答弁されておるのでありますが、農林当局から記事の発表の原因を提供していないということになりますと、これは有力新聞紙がおのれの主観、想像で書いた、こういうことになるのでありましょうか。この点、事の所在をはっきりさせるために、もう一回お伺いしたいと思います。
○手束説明員 林野庁といたしましては、鳥獣審議会からかような答申があったということを発表いたしたわけでございます。それ以上のことは発表いたしておりません。
○山花委員 もし当該新聞記者に発表した者が農林当局内にいたとすれば、あなたは責任をとりますか。
○手束説明員 とります。
○山花委員 そのことだけを伺っておけばけっこうです。
○板川委員 関連して。――話を伺ってみますと、農林省の方からいえば、野鳥保護という建前で、どうも空気銃の弊害があるということで取り締まろうという気持はわかる。警察の方からいえば、間々事故もございますから、一つ空気銃を持たせないように、撃つならば射的場へ行って撃て、こういう方式の方が賛成だ、それはおのおのの立場でそういうことに賛成の気持はわかる。また通産省の方の立場からいえば、取り締まる方からいえばそうでしょうけれども、とにかく七百企業四万五千人近い労働者がここで働いておる、しかも輸出産業として将来非常に有望になる、こういう点もある通産省としては、これがつぶれたならば中小企業の救済の問題にもなろうし、同時に輸出産業に大きな影響を与えるということにもなる、とにかくこれは一面だけで考えられてはやはり問題があるので――まあ今農林当局からいえば改正はしない、こう言明しておるのですから、問題は一応杞憂にすぎなかったといわれるかもしれません。しかし、新聞でそういうふうに報道されるところを見ると、火のないところに煙立たずで、全然ないでもないのじゃないかと思うので、この点は一つおのおの三者で協力し合って、良識ある解決の道を進んでもらいたい、こう思います。要望します。
○山花委員 ただいま農林当局の御答弁によりますと、部内からさような発表者はいない、こうはっきり言明されて、もしいたら責任をとるとまで言明をされたのでありますが、そういたしますと、審議会の発表を曲げて新聞紙上に掲載いたしましたあの記事というものは、これは誤報であった、こう農林当局では言い切る所存でございますか、その点をもう一度伺いたい。
○手束説明員 まあ新聞界の批評につきましては差し控えたいと思います。
○山花委員 部内では発表者がいないと、こうはっきり言い、そして責任をとるということまで言明されておるのであります。ところが、新聞紙ではもう禁止、だめだというように、これは業界に致命的な影響を及ぼしておるのです。そこで私はお尋ねしておるのですが、新聞紙に関しては批評の限りではないと言う。そうなりますと、あなたのただいまの言明からすると、ペンの横暴に屈したというような感じを受けるのでありますが、これは誤ったことを伝えられて、農林当局自体も大なる迷惑をこうむっておるのじゃないかと私は思うのですが、なおそれでもペンの横暴に屈するような態度をあなたはとられるのですか、そういうことだけ答弁を承りたい。
○手束説明員 かような報道がなされましたことにつきましては、最初に申し上げましたごとく、林野庁としましてははなはだ遺憾である、それが業界に無用な混乱を及ぼしておるということについては遺憾である、かように認識をいたしております。
○逢澤委員長 次会は公報をもって御通知することといたし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十二分散会