第043回国会 議院運営委員会 第30号
昭和三十八年六月十四日(金曜日)
   午後五時四十一分開議
 出席委員
   委員長 佐々木秀世君
   理事 福永 健司君 理事 鈴木 正吾君
   理事 小平 久雄君 理事 久野 忠治君
   理事 天野 公義君 理事 柳田 秀一君
   理事 下平 正一君 理事 前田榮之助君
      安倍晋太郎君    宇野 宗佑君
      草野一郎平君    齋藤 邦吉君
      田邉 國男君    細田 吉藏君
      毛利 松平君    安宅 常彦君
      兒玉 末男君    阪上安太郎君
      武藤 山治君    山中 吾郎君
      佐々木良作君
 委員外の出席者
        議     長 清瀬 一郎君
        副  議  長 原 健三郎君
        議     員 谷口善太郎君
        事 務 総 長 山崎  高君
    ―――――――――――――
六月十四日
 委員金丸信君辞任につき、その補欠として安倍
 晋太郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第
 八十七号)の締結について承認を求めるの件等
 の取扱いに関する件
 特別委員会設置の件
 本日の本会議の議事等に関する件
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○佐々木委員長 これより会議を開きます。
 まず、内閣提出にかかる結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第八十七号)の締結について承認を求めるの件、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案、地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律案、国家公務員法の一部を改正する法律案及び地方公務員法の一部を改正する法律案、以上各案の取り扱いについて御協議を願いたいと存じます。
○福永(健)委員 自由民主党といたしましては、すでに本委員会におきましても何回か申し上げましたように、いわゆるILO八十七号条約関連五案件は、この際特別委員会を設置いたしまして、そこで一括して審議を願うことにお願いを申し上げたい、こういう主張であります。
 その趣旨とするところのものは、すでに会期もあまり長く残っておりませんので、できるだけ能率的に審議することを必要とするという点もございまするし、また、過去何年間かいろいろのいわくつきの諸案件ではございますが、今国会におきましては、何とかしてケリをつけたい、こういう意味心おいて、一つの委員会にこの関連の諸案件を一括して付託していただきますことによって、この関連する諸案件についていろいろ話し合いができる、こういうことも大切な一点であろうかと思うのであります。過去久しきにわたって、この五つのうちで三つについては、ある程度の意見の一致をみているいきさつ等もあるのでありまするけれども、私は、どうしてもこの関連の問題を全部解決するということのためには、この際ぜひ一括して五案件を付託する、こういうことに御賛成願いたい。国際的にも、国内的にも、数年前とはやや事情を異にしており、問題を解決するについて事情は前進しておりますので、この前進した事情のもとにおいて、ぜひ五案件一括付託ということに御賛成を願いたいと存ずる次第であります。
○柳田委員 われわれ社会党は、従来、かねて自民党から、このILO八十七号条約の審議にあわせて五つの、言うならば、国内法の、私たちの表現をもってするならば、改正というよりは改悪のような便乗法案を出してこられたことに対しては一貫して反対しておりました。しかも、その趣旨は、八十七号条約はすみやかに批准すべし、と同時に、労働問題懇談会からの答申にありましたように、公労法四条三項、地公労法五条三項削除に限って、公労法と地公労法の改正をやる、こういう主張でありました。そういうことで、自民党のお申し出に対しては、われわれは賛意を表することができなかったのでありますが、その後、自民党、社会党においては、それぞれ党内のILO特別委員会のほうで折衝が行なわれました。何分にもこの議院運営委員会は、その内容にまで入りましてそう論議もできませんので、事前折衝、予備折衝というような形において、内容の細微に入りまして、それぞれ党内の特別委員会を通じて折衝いたしました結果、ここに、従来からみると、かなり前向きの前進をしたことは率直にわれわれは認めます。その結果、両党の幹事長・書記長会談も行なわれまして、そこにおいて合意に達しましたので、ここにわれわれは特別委員会の設置には賛意を表します。
○佐々木(良)委員 特別委員会問題に対しましては、たびたびわが党の立場を主張してまいりましたが、先ほどの理事会におきましても、われわれの主張するような妥結点に至らないままにこの委員会が開かれたわけであります。率直にいって、私は五法案を一括して付託する委員会を設置することには反対であります。これまでの議運の慣例から申しますと、原則的に三党一致でもって特別委員会をつくるということになっておる。したがって、私どもが反対をしておれば、少なくとも形の上では特別委員会をつくりがたいという事情にあるわけであります。しかしながら、特別委員会をつくらなければ、ILO条約批准の案件が正式に国会の議題となって審議が開始されない事情にあることは、皆さんも御存じのとおりであります。私どもは、いま柳田君からお話がありましたように、ILO八十七号条約それ自身の批准はあくまでも促進すべしという立場をとります。したがって、ここで突っぱっておれば、いつまでたっても正式の審議の場にのぼせがたいという事情があるわけでありまするが、しかし、私のほうは、ILO八十七号に直接関係する法案、すなわち、ILO八十七号条約を国会で批准を承認することになれば、当然に国内法に矛盾が出てくる現在の法律の部分の修正のみが必要であるという観点に立ちまして、したがって、一般的な労働政策やあるいは官公労対策のごとき政策上の問題は、本来この問題と一緒に扱うべき筋合いのものではないという観点に立つわけであります。したがって、私は、もし私どもが主張し続けて、特別委員会ができないということであるならば、審議が軌道に乗らないし、特別委員会の五法案一括審議に賛成すれば、われわれのことばでいう便乗改悪の危険が一そう深まるという感じを持つわけであります。したがって、正直な話、ハムレットのような悩みをしておるわけでありますが、ここで私は端的にひとつ皆さんにお願いしたいのは、わが党の主張を――まあ、どうせ私とも小さい党でありますから、大政党二つで話をされれば、結果的には多数決の原理に従って成立するわけでありますから、これは議運の慣例を無視する結果になりまして、まことに恐縮ではありまするが、この議運でもって、本会議において一挙にこの問題を解決されるような、そういう話し合いをお願いいたしたい。端的にいうならば、私どもは、本会議におきまして、はっきりと五法案一括の特別委員会の設置に反対の意思表示をして、そこではっきりとつぶれる。結果からみれば、つぶれるわけでありますから、それで特別委員会をつくっていただきたい、こういうように思うわけであります。ひとつ意のあるところを御了承願って、特例をお認め願いたいと思います。
○下平委員 ILO問題について、いま各党の意見が出たのですが、その中で二つほど意見を出したいと思います。
 その一つは、ILO条約が長い、三年有余にわたっていろいろ問題点があったけれども、少なくとも各党の理解の上に国会の審議が軌道に乗ってきたということは、非常に喜ばしいと思うのです。そこで、私は、いままでもめた問題が軌道に乗るには、それなりの努力なり、それなりの経過があると思うのです。あるいはそれが書記長・幹事長会談であり、あるいはそれが倉石・河野会談であり、いろいろな形の中でものごとが取りきめられ、そのことが理解をされてこういう形になってきたと思いますので、この問題の処理にあたっては、ひとつ大前提として、そのようにもろもろに努力をされたその努力というものは、各党がやはり責任を持って実施をしていくという誠意が第一の大前提にならなければいかぬと思うのです。そのことをやはり皆さん方にも御了解をいただきたい点が一つであります。
 それからもう一点は、いま民社党さんの意見の中に出てまいりました民社党さんのお考え、あるいは民社党のいわゆるハムレットのような苦衷もわからぬことではないのでありますけれども、私は議会がようやく正常化の形になり、かなり正常化の実績を上げてきておると思うわけであります。この正常化の形というものは、くずさないように努力をしていかなければならぬのじゃないか。その一点は、議運でまとまらなければ即本会議でものごとを決するという形は、これは正常化の形じゃないと思うのです。だから、できる限り議運の場を通じて院内のことは処理をする、この慣行だけはどうしても私は守っていきたいと思うのです。
 それから、もう一つ、特別委員会の設置については、従来の慣行、申し合わせ等もあって、満場一致制という形をとっておりますが、私はこのことは議会正常化の根本だと思うのです。と申しますのは、政策の議論について採決で争うということは、これは私は議会主義の立場から当然であろうと思うのですが、審議をずる場所、土俵については、やはり満場一致でいく、そうして政策論の違いについては、採決はこれは当然あることだ。しかし、土俵については、審議の場所については、お互いが納得の上で土俵をつくっていくということが、この議会主義の正常化の上では、私は一つの前提条件のような気がしておるわけです。そういう意味で、前回の科学技術特別委員会の設置につきましても、あるいはその他の案件につきましても、やや時間はかかりましたけれども、満場一致ということをとってきて、そのことが大きく議会の正常化の前進に役立っておると思うのです。そういう点から、この際やはりこの慣行というものは守っていくという立場を私は希望したいと思うのです。できるなら、民社党の皆さん方にも、そういう立場からこの問題を理解をして、ぜひ議運でものごとをきめる従来の慣行、申し合わせ等は、この際十分尊重して、それを育成して、正常化を前進させるような立場で、いま言ったこの特別委員会の設置は満場一致議運できめる、こういう立場をおとり願うことをお願いをしたい、こう思うわけです。
○福永(健)委員 いま社会、民社両党から見解の表明があったのでありますが、いま話題に出ております諸案件を解決するために、私どもは十分の誠意をもって臨みたい、こう存じておるわけでございます。この点は御理解をいただきたいと思います。
 なお、便乗的改悪というような御表現があったのでありますが、私どもは、そういうことで呼ばれた部分は、意図するところのものは、ILO八十七号条約を批准する、ないし承認するということと関連いたしまして、この批准ないし承認を意義あらしめるために、ぜひとらなければならないという幾つかの改正措置、また、さらにこの批准ないし承認の、その趣旨を徹底せしめるためにはぜひ必要であると考える諸点、これを法律改正の形において提出いたしておるのでありますが、しかし、この点につきましては、与野党必ずしも受け取り方が同じであるというわけにまいらないところがあるのはやむを得ないと思うのであります。そこで、そういうような点につきましては、われわれは政府が提出いたしました案がそのままでなければ絶対にいけないんだ、こういう態度ではございません。これから審議をしていただきまする過程においてもよく話し合いまして、われわれは、いま申し上げましたような趣旨において理解いたしておるのでありまするけれども、佐々木君の言われるような改悪というか、柳田君も改悪ということばを使われたのでありますが、よく話し合って、そういう点については皆さまの御意見にも十分耳を傾けて、何とかして解決をしていきたい、こういうように考えておるわけでありますから、したがって、ぜひ一緒に審議をしていただくのでないと話がうまくつけにくい、こういうように考えるわけであります。
 そこで、ただいままで伺いましたところによりますと、民社党のほうでは、いさぎよく本会議でつぶれることを云々という御表現でございましたが、先ほど社会党側からも言われますように、お互いに、この問題をできるだけ早く解決しようという考えにおいては一致をいたしておるのであります。そしてそのことのためには、やはりこの段階においては、特別委員会を設置するということが好都合である、審議の能率化をはかるためでもあり、話をまとめるゆえんでもある、こういうことでございますから、ぜひ特別委員会を設置するということについての見解の統一をこの議運でやっていただくようにしていただいて、社会党からも話のありましたように、せっかくいままでこの種のことについては円満なる話し合いを遂げ来たった慣行等にもかんがみまして、民社のほうでは、趣旨においておおむね一致するところが多くあるのでありますから、その大筋からして、まず委員会を設置するということにぜひ御賛同を願い、そしてこれに付託する諸案件については、ただいま私が申し上げましたような趣旨でありまするから、過去において政府ないし与党がみずからのほうで用意し、ないしは提出した案、それを一歩も退かないという態度でいたときと今日とでは違うのであります。要するに、委員会では、話に応じて、よく皆さんの御意見も伺って、いい結論に持っていこう、こういうことであります。そういう意味から、過去においては反対されたようなところについても、この段階においてはぜひとも御理解をいただきたい、こういうふうにお願いを申し上げたいと思います。
○柳田委員 いまの福永委員のお話を聞いていて、非常に大事な点をひとつ銘記したいと思うのです。それは、末尾に言われました、従来の態度と変わって、法案を出したからといって、何が何でもそれを通すというのじゃなしに、話し合いの場を通じて十分に意見を取り入れるという点です。私はこれは非常に大事だと思う。これはひとりILO及びその関連法案の審議の特別委員会の態度だけではないと思う。およそ議会の態度はすべてそうだと思うのです。国会の混乱というものはいつもそういうところに芽をきざしておる。一応政府が出した、それを与党が受け継いだ、そうすると、メンツ上何が何でもそれを通していこう――一番よい例は国民年金のときです。国民年金のときのごときは、国民年金そのものは社会党が提唱して、そうして法案を提出せしめた。しかし、出てきたものは非常に不満だ。だから、これではどうにも賛成できない。産婆役はむしろ社会党であったけれども、これはどうも取り上げるわけにいかないというので、わが党は苦心の末、討論でわが党の考えを率直にるる述べて、そうして反対しました。ところがどうですか。結局やはりわれわれの正論に耳を傾けずに押し切った自民党は、それを受けて法案を通して、政府はその法案を実施する前に、結局国民世論の前についえて、当時社会党が反対討論をしたとおりのことを修正せざるを得なかった。これなんか最もよい例だと思う。だから、そういう意味におきまして、私はいま福永委員がおっしゃったことは非常に重要だと思う。ひとりILOの特別委員会のみならず、すべてにおいてそうだと思う。一たん出した以上は、メンツを重んじて、是が非でもしゃにむに通すのじゃなしに、やはり審議の過程において話し合いをして、修正すべきところは十分修正していく。やはり国会というものは話し合いが主なんです。そういう意味においてILOの特別委員会の運営がやられることは当然望ましいと同時に、そういう意味においても、民社党におかれても、先ほど下平理事も申しましたように、特別委員会の設置も話し合いによってやっていく、また、審議の過程を通じて民社党の意見も十分自民党においても取り入れて、話し合いを通じて、また改むべきは改めていく、審議の過程にこの慣行を  これは今回非常に難産をいたした末、ようやく各党もだんだん話が共通点に近づきつつある、今日において、ただ単にILO条約の非常にむずかしかった特別委員会ができたというだけじゃなしに、これを一つのエポックとして、すべての国会の運営もかくありたいという意味において、民社党におかれても、特別委員会の設置はこの議院運営委員会で円満に各党が賛成するという形をとられることを、私は友党として申し上げておきたいと思います。
○佐々木(良)委員 社会党、友党からの御忠告、たいへんありがたく承ります。
 そこで、重ねて今度は同じ意味のお願いを申し上げますが、そのような自民党さんの態度であり、しかも、新聞の伝えるところによりますと、自民、社会両党で大体の話し合いがついたという話である。大体の話し合いがついた法案の料理というものは、どこの委員会にかけられるかによってそれほど大きく内容が違ってくるものでなかろうと私は存じます。もし委員会の付託によっていろいろ話が違ってくるということであるならば、そうすると、自民党さんと社会党さんと話ができておるのだか、できておらぬのだかわからぬということに相なるような気がいたします。格別、いま福永さんは非常に弾力性のある運営をしたいという感じでおられるようでありますから、そうであればあるほど、一括して一つの特別委員会に付託せんならぬという理由が私どもにはわからぬわけであります。話し合いができておるものであるならば、特別委員会を設置せぬでも、従来の既存のおのおのの委員会に付託をして審議をしても、自民、社会両党さんで内容の話はある程度できておるのでありますから、そこへ民社が入ってきましたところで、きわめて少数ですから、話し合いの通りやれば、別にたいした支障を来たすこともなかろうと思う。それをなぜ五案件一括の特別委員会でなければならぬとおっしゃるのか。これまでの話し合いの筋によると、条約案件と公労法、地公労法、この三案件ならば一つの委員会で審議してもよろしいというところは、少々ニュアンスの相違はありますけれども、大体各党の一致したところであります。したがって、私は、この段階におきまして特別委員会をしいてつくられるというのならば、各党の一致しているところの三案件を審議する特別委員会にされたいのでありまして、残る案件はほかの委員会、内閣なりあるいは地方行政なりにかけられても、いまの福永さんのお話のようであれば、内閣あるいは自民党としてもちっとも御心配いらないと思うのであります。したがって、私は、特別委員会をどうしてもつくられるというのならば、三案件を付託する委員会にしていただきたい。しかしながら、お前がそう言うてみたところで、いろいろな事情があって困難だというのならば、議運の慣例には反して、私は党の立場よりも議運の立場から非常に申し上げにくいけれども、まずここで、本会議でもって話の結着をつけるというその点の一致をしていただくところで、研辰の討たれではないけれども、私どもの主張を通さしていただきたい。ほんとうは慣例というものは重んじなければなりませんけれども、議員としては、本会議におきまして議案に対する賛否の表明について基本的な権利があるわけであります。破れかぶれみたいで恐縮でありますが、せめていまのような特例をもって、この委員会でまとまらない案件について、本会議で結論はすぐ出るわけでありますから、そのような措置が願えないものであろうか。重ねて、どっちかお願いいたしたいと思います。
○福永(健)委員 佐々木さん、両党で話し合いがついていて、とおっしゃるのでありますが、これは私ここで申し上げるのは、なかなかことばがむずかしいのでございまして、いつだったかも引きました例から申しますと、道の舗装は別途やりますが、レースはこれからというようなことでありますから、これを要するに、正式の委員会の場でいろいろ御審議を願うということが、いずれにしても本物でございます。民社党さんが謙遜して、数も少ないことであるし、と言われますが、われわれも、少数意見にいたしましても、できるだけ耳を傾けて、という気持ちでおるわけであります。したがって、特別委員会に五案件を一括付託することによって、先ほども申し上げましたように、話し合いをつけていただく。先ほど御指摘の三案件については、もうむしろ自明の理、条約を承認する、そして条約を承認すればこれと矛盾するというところ、したがって、これはある意味においてはむしろ当然というところでありますが、その当然ということよりも、多少見解を異にする関連した諸問題を解決するというところにおいて、ぜひ与野党が話し合って結論を出さなければならぬということでございまするから、私どもの見解からいたしますると、これこそぜひ一緒に話していただかなければならない。そうでないとうまくいかない。別に離して――まあ先ほどのお話のように、委員会は別だってかまわぬじゃないかと、こうおっしゃいますけれども、大筋は、もとよりある程度の腹と腹との理解もないとは私はあえて申しませんが、技術的にこれからはっきりものをきめていくということについては、先ほどからるる申し上げておるように、一つの委員会にしていただかないとぐあいが悪い、こう思うわけであります。
 そこで、いずれにしても、いままでの話で三党の一致しておりまするところは、まあ特別委員会をつくろう、そしてある程度の案件はそれに付託しよう、民社のほうでいま一緒にすることが必ずしもいいと考えるというところまでいっていただいていない二案件の問題があるわけでありますが、そういうことになりまするならば、いずれにしても特別委員会をつくっていただくということをきめていただいて、さらにこれに付託する案件の範囲については、やや弾力性を持ったような考え方で、さらに話し合って最終的な結論を出すということにしていただいて、三党の一致しておる案件については、もはや議論はないのであります。そういうことにして、いずれにしても、ここまできたのでございますから、特別委員会を設置するということに民社党さんもぜひ御賛同をいただいて、あとさらに時間をかけて、この議院運営委員会で検討する、こういうことに願えればと思います。
○下平委員 民社党さんの意見の中で、後段、特別委員会の設置については、本会議で反対の態度を公式に表明さして、それで発足してくれ、こういう要望でありましたが、この点については、社会党としてはなかなか困難な事情があるわけです。と申しまするのは、社会党の従来の主張は、ILO条約の特別委員会をつくることは反対だ、各常任委員会に関係法案を回せ、しいてどうしてもつくるならば、先ほど柳田理事が冒頭に言ったように、公労法四条三項、地公労法の五条三項に限って、言うならば、直接抵触事項だけを特別委員会に付託することには賛成だが、それ以外はだめだという立場です。そこで、今回特別委員会の設置賛成に踏み切りましたのは、実際はいままでの主張を変えておるわけです。たとえば、公労法にいたしましても、四条三項のほかに重大な十七条の指令不拘束の点なんかも、そのまま原案として出てきておるわけです。これは今までの主張からはとても特別委員会の一括付託に賛成するわけにいかないのです。しかしながら、われわれがなぜそこを賛成したかといえば、限界点が二つあるというふうに私どもは判断しているわけです。一つは、ILOの問題が、国際条約で、国際の立場で、これ以上日本がいろいろな問題で批准をしないということは、国際的な面からしても限界ではないか。もう一つは、院内の取り扱い方としても、三年有余にわたって、提案はされたが、審議を一ぺんもしないということも、国会審議の立場からも限界ではなかろうか。したがって、幸い自民党のほうで審議の過程で野党の意見を十分入れる、こういう立場が表明されましたので、その審議の過程で十分野党の意見も入れるという与党自民党の皆さん方のおことばがあるならば、そのおことばを信頼して、審議の過程でわれわれの意見を十分入れてもらう、それができるならば、国際的にも、院内の審議の中でも限界点に来たんだから、この際多少従来の主張は曲げても、特別委員会の設置に賛成をしようという立場であります。しかし、民社党さんがどうしても反対だということになると、われわれは、先ほど私が冒頭に申し上げました二つの前提、誠意をもってやるということ、慣行を尊重するという点からも、民社党さんが反対でもわれわれはその特別委員会をやるのだというわけにはまいらないわけであります。かりに民社党さんが反対をされれば、きょう特別委員会の賛否を決することになると、私たちは特別委員会の設置に賛成するわけにはいかないわけです。そこで、いま自民党さんからのいろいろの意見の開陳もありましたし、われわれの立場も申し上げましたので、あえて民社党さんに、この際ひとつ満場一致で賛成をして、そうして民社党さんのその他の立場は、いま福永さんが後段で言われたような立場もあろうと思いますので、そこらでひとつ納得をしていただければいいと思うのです。民社党さんが反対しておる限りは、われわれもこの特別委員会の設置には賛成をするわけにいきませんので、この際、柳田理事が言われたように、友党民社党さんにひとつ大乗的な見地から御考慮をしていただければと、こう思うわけです。
○佐々木(良)委員 本会議で討たれようと思っても封じられる、われわれが関係あると考えている直接の関係法案だけの特別委員会というものにも、またどうも賛成していただけない。そうして福永さんのほうから新たな提案として、この三つのやつはさまっておるのだから、あとの法案については別に相談すればいいじゃないかという新しい提案がいまされたわけであります。私は、正直なところ、党の代表というよりは、議運のメンバーという立場から、これまでずっとこの委員会で審議に参加さしていただいたつもりでおるわけでありますが、事非常に重要と相なりまして、私にいま党から与えられているところの内容は、力一ぱい主張をして、三案件を審議するところの特別委員会をつくれ、でなかったならば、われわれの主張どおり、これまでのところ、三案件でない場合の特別委員会というのは五案件ということに了解しておりますから、五案件の特別委員会には反対をして、そうして本会議でもつぶれてこい、こういう二者択一の権限しか与えられておりません。したがって、いま新たにそのまん中の、三つはきまったけれども、あとのやつはまた別だということになりますと、新たな提案だと私考えますので、もし時間がいただけますならば、私は本国へ帰ってちょっと相談をしてきたいと思いますので、休憩を願うわけにはいきませんか。
○佐々木委員長 それは大事な問題ですから、ここでわずかな時間を惜しんで、意見のまとまらないものをすぐきめるということは、議会の運営上も好ましくないと思いますから、暫時休憩いたしまして、そうして民社党さんのほうの色よい御返事をひとつちょうだいしたいと、こう思っております。
 このままで、しばらく休憩いたします。
   午後六時十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後六時四十三分開議
○佐々木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。佐々木良作君。
○佐々木(良)委員 休憩を願いまして、まことに恐縮でした。私は先ほどの案件を党で相談いたしてまいりました。その結果、先ほど来話がありましたように、特別委員会の設置で私どもがあくまで反対すれば、社会党さんも設置することに反対ということで、いつまでもできない。そのことは条約批准促進という立場からあくまでも避けなければならない。そうすると、限界が出てくるわけでありまして、したがって、いま福永さんから新たに提案をされたところの、公労法、地公労法と条約案件、これは各党異議がないのであるから、これをまずかける委員会をつくって、そして他の法案についてはあとで相談すればいいじゃないかという案ですね。それについて、私のほうからの注文は、そのことを明らかにしていただきたい。議題の処理等、技術的な問題はどうなるかは知りませんけれども、ILO八十七号条約案件と公労法、地公労法、これを明らかにして特別委員会をつくる、その場合はこういう感じが出得る危険性があると思います。他の国家公務員法、地方公務員法という名前はあげないのでありますから、国家公務員法と地方公務員法のこの二つと、公労法と地公労法というものが何か違った格づけが行なわれるような印象を与えるかもしれないと思いますけれども、私のほうは格づけが行なわれるのは当然だと、こういう考え方であります。
○福永(健)委員 ただいまの点は、私の考えでは、たとえば、名前はなるべく簡明にする必要があろうと思いまするから、国際労働条約第八十七号等特別委員会、これはかりの名前であって、皆さんの御意見によってきまることですが、というようなものをつくっていただいて、その目的は、まずこれはどういう方法にするのがよろしいか、たとえば、議長からはかっていただくとしまするならば、国際労働条約第八十七号、それから公労法一部改正、地公労法一部改正等を審査するため――等関連法案というか、関連案件を審査するため、何人なら何人からなる特別委員会を設置することに賛成かどうか、というようなはかり方をしていただく、そうすると、私どものほうからいうと、ほんとうは五つをいうておるのでありますから、そこに名前が出てこないので、まことにハムレットと同じようなさびしさを感ずるわけでありますけれども、そのことについては、何々等という、等の関連の限界をきめるのは、また後刻皆さんとよく相談した上でと、こういうことに、せっかくの何ですし、佐々木さんのほうの党のお悩みもよくわかりますので、われわれもこれを本国からいうと、これは非常に不満な何だと思うのでありますが、その程度のことにしたらいかがかと、こう思います。
○佐々木(良)委員 議長のはかり方の文章等は、またこの委員会から事務局なりあるいは理事会なりに相談してもいいと思います。
 そうすると、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。本日設置される委員会に、設置されると直ちに付託されるものは、ILO八十七号条約と公労法、地公労法である、したがって、その他のものをかけるかかけないかということは別途に相談するのだ、こういうことになりますね。
○福永(健)委員 ええ。それもできるだけすみやかにやりたいと思います。
○佐々木委員長 それでは、特別委員会設置の件についてでありますが、内閣提出にかかる結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第八十七号)の締結について承認を求めるの件、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案、地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律案等関連法律案の審査をなすため、委員三十名よりなる国際労働条約第八十七号等特別委員会を設置することとし、本日の本会議においてその設置を議決すべきものと議長に答申するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
○谷口議員 私は表決権はありませんけれども、その前に、私どもも本会議では賛成するか反対するか態度をきめなければなりません。したがって、事情を聞きませんとわかりませんから、若干の質問をさしてもらいたいと思います。
 これはこの前のときも私は発言いたしましたが、関係法という五つの法律案をつけてILO条約と一緒に特別委員会をつくるという問題につきましては、法案そのものは条約に関係のないもので、むしろ条約の趣旨に反する内容を持っているから、これは撤回すべきだというのが私どもの意見でありますが、これを一歩譲りまして、この法案が出されたといたしましても、これは全く関係のない法案として、一括審議するというような特別委員会の設置は正しくないというのが、今まで論議されておったところだと思うのです。したがって、それが今度一括して特別委員会をつくるということになったのにつきましては、先ほどのどなたかの発言で前向きに前進したというふうな、そういう点で合意に達したというようなお話がございました。本来主張されておったこの五つの法案を一括審議する、特別委員会に一緒にすべきでないという立場が、どういう点で、そういう考え方に変えてもいい、一括の特別委員会をつくってもいいということになったかということは、これは相当のことでありますから、どういう事情があったか、そこのところを明らかにしていただけたらと思います。私ども外におりまして全然わかりませんし、新聞報道などを信ずるわけにいきませんので、ひとつお漏らし願って、態度を決する場合の参考にしたいと思います。
○佐々木委員長 谷口さん、実はこの議運の委員会は普通の各案件の担当常任委員会と違いまして、内容にはわたらぬというのが慣例なものでございますから、その扱いだけでございますから、内容にわたって、いまどの党どの党から御返事願いたいといっても、おそらく御返事がないじゃないかと思いますから、御趣旨はよくわかりますので、あなたはいまオブザーバーでございますから、オブザーバーの立場としての御意見はお聞きいたしますが、これによって意思が変わるとか、いま採決いたしましたことを変更するというわけにもまいりませんので、その程度の発言でひとつお許しをいただきたいと思います。
○谷口議員 先ほど福永さんもおっしゃっておりましたし、それから社会党の皆さんのほうからもお話がございましたが、つまり事情が非常に変わってきたというふうにおっしゃる。私は内容にまで入るつもりはないのです。事情が変わってきたということに。きましては、これはいままでの事情の中では、五つの法律案を含めて特別委員会をつくることは正しくないという意見があって、三年間ももめたわけですが、それが事情が変わってきたということになりますと、私どもも考え直さなければならぬと思う。したがって、どういうふうに事情が変わったかは、実は内容の問題でなくて、そこらはやはりはっきりさしていただくことが、私ども態度をきめる場合に非常に必要じゃないかと思うのです。だから、私はいま自分の意見を述べているのじゃないので、そこを明らかにしていただけるのじゃないかというふうに思うのですが、いかがですか。
○佐々木委員長 やはり事情が変わってきたということは、各党においてこの条約はお互いに早急に批准すべきだというように事情が変わってきたのじゃないかと私は考えますが、それ以上御説明ができないのじゃないかと思います。
  〔「進行、進行」と呼ぶ者あり〕
○谷口議員 進行、進行とおっしゃるけれども、さっき福永さんも少数党の意見を大いに聞かなければならぬとおっしゃるので、私は非常にわが意を得たりと思う。ですから聞くわけでありますが、条約そのものの批准は早くやらなければならぬということは、三年前から与野党一致しておる。共産党もその点は賛成なんです。ただ、五つの法律案を、先ほどから便乗した改悪という言葉が出ておりましたが、私もそう思う。そういう法律案を出してきた。出されたとすれば、これは一括審議するための特別委員会をつくるべきではなくして、関係常任委員会でやるのが正当だという意見でありまして、その意見は、私は非常に正しいと思う。ところが、それが事情が変わって特別委員会でやっていいということになったことには――単にこのILO条約を早く批准しなければならぬ、そういう事情でしたら、これは前からあります。やはり根本的に問題が変わった事情があると思うのです。私はちょっと申しますが、皆さんは、少なくとも社会党や自民党の方々は、折衝をされた当事者の方々でありますから、内容はみな御承知だと思いますが、私どもは全然その点わからぬわけです。したがって、その点を、新聞の記事ではなしに、ここでお漏らし願えるものなら願いたい、こういうふうに思うわけです。
○福永(健)委員 かいつまんで申し上げますと、特別委員会でお話し合いをしていただけば何とかまとまるだろうというように情勢が変わってきた、そして過去何年かの経緯にかんがみて、いまこそケリをつけなければならぬというような状況である、そういうような意味で、ぜひ特別委員会でこういう案件を御審査願えれば、こういうような趣旨であります。
○谷口議員 委員長……。
○佐々木委員長 谷口さん、おそれ入りますが、いま採決が済んだあとですから……。
○谷口議員 それは委員長むちゃくちゃですよ。
○佐々木委員長 オブザーバーがむちゃくちゃに発言されることも……。
○谷口議員 あなたに、この会に入る前に、ILOの問題で若干発言をお願いしたいと言っておいた。
○佐々木委員長 いま、それで許しております。
○谷口議員 いま、ILOの採決が行なわれる前に……。
○佐々木委員長 そういう連絡がなかったものですから……。
○谷口議員 それはまことに委員長らしくない言い方でありまして、一種の詭弁のようなことになりますが、ILOの問題で発言するのでありますから、採決以前に発言させるのが当然だと思います。(「新聞に出ている」と呼ぶ者あり)いま新聞に出ておるじゃないかというお話もございましたが、これはそういう声ありということなんだろうと思うのですが、新聞に出ておりましたところを見ましても、私どもは、たとえば人事局をつくるという問題、あるいは人事院を廃止するという問題、あるいは団交権というような問題は、団交権の問題では何も保証がありませんし、しかも中間機関であり、第三者機関である……。
○佐々木委員長 やはり谷口さん、内容に入ってきますから……。
○谷口議員 そういう点では何ら前と事情が変わってきていないと私は思う。それには何かあるのじゃないかというふうに私どもは思うのです。その点いかがですか。
○佐々木委員長 それでは、おそれ入りますが、その程度にしていただきます。
○谷口議員 私は反対です。
○佐々木委員長 なお、委員三十人の各会派割当数は、自由民主党二十人、日本社会党九人、民主社会党一人と相なっております。
 次に、国家公務員法の一部を改正する法律案、地方公務員法の一部を改正する法律案の取り扱いについては、本日はこの程度にとどめ、次回の委員会においてあらためて御協議を願うことといたします。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 次に、本日委員会の審査を終了いたしました議案で各委員長から緊急上程の申し出のある議案について、事務総長から説明を求めます。
○山崎事務総長 外務委員会で海外移住事業団法案が上がってまいりました。大蔵委員会で公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案が上がってまいっております。商工委員会で金属鉱業等安定臨時措置法案が上がってまいりました。建設委員会では近畿圏整備法案が上がってまいりました。
○佐々木委員長 それでは、ただいま事務総長から説明のありました各案は、本日の本会議に緊急上程するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 次に、本日の本会議の議事の順序について、事務総長から説明を求めます。
○山崎事務総長 まず、最初に、ただいま御決定願いました国際労働条約第八十七号等特別委員会の設置につきまして議長からおはかりいたします。次に、日程第一は、農林水産委員会理事の田口さんの御報告であります。本案は修正であります。共産党が反対でございます。次に、日程第二とともに、ただいま御決定願いました建設委員会から上がってまいりました近畿圏整備法案の緊急上程を願いまして、一括いたしまして建設委員長福永さんの御報告がございます。日程第二も近畿圏整備法案も、いずれも共産党が反対でございます。次に、日程第三は、社会労働委員長の秋田さんが御報告になります。本案は修正でございます。共産党が反対でございます。次に、日程第四は、逓信委員長の本名さんが御報告になります。共産党は棄権でございます。次に、外務委員会の緊急上程を願いまして、野田委員長が御報告になります。共産党が反対でございます。次に、大蔵委員会の分は臼井委員長が御報告になります。これは共産党が棄権でございます。次に、商工委員会から上がってまいりました法律案は、理事の白浜さんが御報告になります。共産党が反対でございます。
○佐々木委員長 それでは、本会議は、午後七時二十分予鈴、午後七時三十分から開会することといたします。
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○佐々木委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、来たる二十日午後二時から開会することといたします。
 また、次回の委員会は、十七日午前十一時理事会、理事会散会後委員会を開会いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後六時五十九分散会