第043回国会 災害対策特別委員会 第28号
昭和三十八年七月六日(土曜日)
   午後一時四十七分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 秋山 利恭君
   理事 大久保武雄君 理事 加藤常太郎君
   理事 福家 俊一君 理事 岡本 隆一君
   理事 角屋堅次郎君
      井村 重雄君    大野 市郎君
      倉成  正君    小島 徹三君
      笹本 一雄君    砂原  格君
      谷垣 專一君    中島 茂喜君
      前田 義雄君    毛利 松平君
      米山 恒治君    足鹿  覺君
      田口 誠治君    高田 富之君
      稲富 稜人君    玉置 一徳君
 出席政府委員
        総理府総務長官 徳安 實藏君
        大蔵事務官
        (主計局次長) 澄田  智君
        文部事務官
        (管理局長)  杉江  清君
        農林政務次官  津島 文治君
        農林事務官
        (大臣官房長) 桧垣徳太郎君
        農林事務官
        (農政局長)  齋藤  誠君
        運輸政務次官  大石 武一君
        建 設 技 官
        (河川局長)  山内 一郎君
        建設事務官
        (住宅局長)  前田 光嘉君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計官)   宮崎  仁君
        農林事務官
        (農林経済局金
        融課長)    中沢 三郎君
        農 林 技 官
        (農地局参事
        官)      永田 正董君
        農林事務官
        (畜産局参事
        官)      吉岡  茂君
        農 林 技 官
        (林野庁指導部
        長)      森田  進君
        運 輸 技 官
        (気象庁予報部
        長)      日下部文雄君
        建 設 技 官
        (河川局防災課
        長)      安芸 元清君
        自治事務官
        (財政局財政課
        長)      茨木  広君
        自治事務官
        (財政局交付税
        課長)     山本  悟君
        日本専売公社生
        産部長     黒田  実君
    ―――――――――――――
七月六日
 委員足鹿覺君、稻村隆一君、川村継義君、高田
 富之君、堂森芳夫君、三宅正一君及び玉置一徳
 君辞任につき、その補欠として島本虎三君、松
 前重義君、広瀬秀吉君、石山權作君、中島巖君、
 吉村吉雄君及び稲富稜人君が議長の指名で委員
 に選任された。
同日
 委員稲富稜人君辞任につき、その補欠として玉
 置一徳君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 災害対策に関する件(長雨等による災害対策
 等)
 派遣委員より報告聴取
     ――――◇―――――
○秋山委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が所用のため、理事の私が委員長の職務を行ないます。
 災害対策に関する件について調査を進めます。
 まず、九州北部における集中豪雨による被害の状況等調査のため現地に派遣されました委員から、報告を聴取することといたします。倉成正君。
○倉成委員 九州北部における集中豪雨による被害状況等調査のため、角屋委員、玉置委員と私が派遣され、松尾衆議院参事、湯川農林技官、安芸建設省防災課長が同行し、七月四日及び五日の両日、福岡県及び佐賀県下をつぶさに視察いたしてまいりましたので、調査の概要について私から御報告いたします。
 今回の災害は、六月二十九日夜より七月二日にかけ、梅雨前線の停滞により、福岡、佐賀両県の県境、背振山系を中心として、九州中北部に雷雨を伴った集中豪雨があり、河川のはんらん、山津波、山くずれ等が随所に起こり、各地に、局部的に激甚な被害が発生いたしたのであります。
 私ども一行は、まず第一日目は、福岡県庁において、県当局並びに九州農政局長、九州地方建設局長等から、被害状況及び当面の災害対策について説明を聴取した後、福岡市内の被災状況を視察いたしました。
 さらに福岡市役所において、福岡、大牟田、甘木及び三井、早良、筑紫、糸島等、四郷下、三市十ヵ町村の代表から、被害の状況、要望等を聴取した後、特に被害のはなはだしかった早良町、小郡町、大野町等の被災個所を視察いたしました。
 同日、福岡県より佐賀県に入り、直ちに基山町、鳥栖町の被害個所を視察いたしたのであります。
 佐賀県庁において、県側から被害の状況等について説明を聴取し、翌五日宿舎にて、さらに国の各出先機関、被害町長等から、被害状況等について説明を聴取した後、特に被害の大きかった大和町、富士村、三瀬村、背振村等の被告個所を視察いたしました。
 以下、被害状況について申し述べます。
 福岡、佐賀町県下における六月二十九日から七月一日にかけての集中豪雨は、近年まれな降雨量を記録し、福岡市においては連続降雨最三百六十八ミリ、最大時間降雨量五十三・八ミリに達したのであります。佐賀県においては、六月二十九日から七月二日までの最高降雨量は、三瀬地区にて六百五十六・七ミリに達し、この集中豪雨は、四月以来の長雨により地盤がゆるみ、がけくずれ、山津波等の危機を招きやすい危険な状態にあったため、両県下に甚大な被害をもたらし、各所において中小河川のはんらん、堤防の決壊、橋梁の流失等が起こり、これにより道路は寸断され、交通は途絶し、家屋の浸水、流失等により被災者が続出し、田畑の冠水、流没等の被害が続発いたしているのであります。
 福岡県下におきましては、特に福岡市及び同市周辺の町村並びに小郡町、大牟田市などにおける被害は激甚をきわめ、福岡市、大牟田市、早良町及び小郡町に対しては災害救助法が発動されたのであります。
 次に、視察いたしました福岡県下の被害の概要を申し述べますと、福岡市では、市の中心部を流れる那珂川、御笠川の溢水、決壊により市内は濁流に洗われ、柳橋、みのしま橋の流失をはじめ、死者一名、建物全壊、流失三十三戸、浸水家屋二万余戸、農地、公共施設、商業関係を中心に、二十八年災をしのぐ大災害をこうむったのでありまして、野間町では自衛隊による防疫が行なわれておりました。市郊外の花畑地区では、柏原川の決壊等により家屋の流失、道路、橋梁の流失、損壊をはじめ、田畑の流失、埋没の被害が甚大であります。
 早良郡早良町では、背振山系から流れ込んだ山津波で多くの田畑が埋没し、また、この土砂のため内野小学校の木造校舎はくの字に曲がり、全壊同様の惨状でありまして、校舎の復旧については、改良復旧が強く要望されたのであります。また、同町内では、室見川上流の各河川の溢水、決壊等により、同町内の道路、田畑の流失、埋没等の被害が随所に起こり、その被害は甚大であります。
 三井郡小郡町では、本県でも最も被害の大きなところであり、宝満川、秋光川の決壊で、死者九名、家屋の流失、全壊十五戸をはじめ、田畑の流失、埋没の被害も大きく、端間地区では、自衛隊、地元民が一体となり、決壊した遊水池の堤防の応急復旧工事に懸命の努力が続けられておりました。また、東福童地区では、家を流され、家族も一瞬のうちになくした遺族より、一日も早く家を、また何とか働けるようにと、切々たる陳情を受けたのであります。地元からは、宝満川の早急完全なる改修工事と西鉄線今朝丸の鉄橋を広くし、高くすることを強く要望されました。また、この地区では、国鉄甘木線、西鉄小郡−久留米間が不通で、バスによるピストン輸送が続けられてわりますが、一日も早く開通するよう関係方面の努力が望まれます。
 筑紫郡大野町は、御笠川、牛頸川合流地点において堤防が決壊し、特に田畑流失、埋没二十四町歩、冠水二百十三町歩の被害を受けておりますが、田植えに間に合うよう早急なる復旧が強く望まれます。
 佐賀児下におきましては、背振山系の山間、山麓、特に富士村、基山町、三瀬村、厳木町等被害は激甚をきわめ、一時完全に孤立状態になったのでありまして、特に被害の激しかった富士村、三瀬村には災害救助法が発動されたのであります。
 次に視察した佐賀県下の被害の概要を申し述べますと、基山町では、数多くの山津波と秋光川の決壊による被害が大きく、特に山手にある小松部落では、三十日だけで六百ミリの雨が降ったとのことであり、いまなお濁流が音を立てて流れており、大木の根、また石がごろごろと田畑にころがり、ほとんどの家屋は流失、損壊し、復旧の見込みも立たない惨状であります。
 鳥栖市は、秋光川の堤防決壊による水田の被害が大きく、植えたばかりの水稲苗もいもち病にやられ、植えかえた直後のことだけに、農民の打撃は大きいものがあります。
 佐賀県下で特に被害の大きかったといわれる富士村、三瀬村、背振村等の各村は、いずれも県北部に位置する山間の僻村でありますが、今回の豪雨で、背振山系に源を発する嘉瀬川上流の小河川のほとんどが滝のごとき奔流となり、また至るところに山津波が発生し、橋は流され、道路は寸断し、狭い谷間の水田と、苦心してつくり上げた段々畑は、山から吐き出された山のような石と土で埋め尽くされ、その惨状は目をおおうありさまでありました。私ども一行の調査中も雨はなお降り続いており、沿線の道路には、路肩危険の立札が方々に立てられ、なまなましいがけくずれのあとは、渓谷の濁流とともにいまなお不気味な様相を呈しておりました。特に多数の死傷者と未曽有の災害をこうむった富士村の西畑瀬、小間川地区等では、地元民はぼう然自失、なすところを知らずといった状態であります。この地区ではいまなお交通は遮断され、孤立した部落もあり、児童は学校にも通えず、民生の安定のためにも早急なる道路交通の確保と応急復旧工事が強く要望されたところであります。また、これら被害各村は、いずれもその財政規模一億円余りという僻地の寒村であり、今回の被害の失態からして、国の強力な財政援助がなくしてはその復旧工事も全くできない実情でありまして、激甚法の適用をはじめ各種の国の援助が強く要望されたところであります。
 福岡県における被害額は、三日現在、県当局の説明によれば、死者十六名、行くえ不明二名、負傷者二十四名、住宅の被害は、全壊二十七戸、流失三十七戸、半壊百四十二戸の多きにのぼり、被害総額は約四十七億八千万円余に達しておるのであります。そのおもなものは、道路河川等公共施設約十八億三千万円、農地並びに農業用施設約十五億五千万円、農作物並びに畜産物約五億五千万円、林道、流山施設等約五億七千万円、中小企業関係約二億八千方円余、教育関係施設約一千六百万円余となっております。
 佐賀県における被害額は、二日現在、県当局の説明によれば、死者十三名、行くえ不明二名、重軽傷者二十名、住宅の被害は、流失十戸、全壊三十三戸、半壊百二十六戸の多きに達し、特に公共土木、農林施設等の被害が大きく、総額四十三億七千万円余となっております。そのおもなものは、厚生部門で約九千万円余、経済公益部門約三千二百万円余、農林部門約二十三億円、土木部門約十九億一五千万円余、教育部門約四百万円となっております。
 両県の被害額総計は約九十一億五千万円余に達するのでありますが、今後さらに増大するものと予想されるのであります。
 福岡、佐賀両県ともに、累年災害に悩まされる災害常襲地帯でありますが、昨年七月の豪雨による災害、さらに本年は豪雪に続いて五月、六月の長雨と相次いで起こり、狩にこの長雨により麦類等の裏作物に壊滅的な打撃を受けました。今回の災害はそのやさきに起こったことだけに、被災地の農家は、ぼう然自失、全くその生産意欲を失っている現状でありまして、両県並びに被災各市町村より、今次被害の実態にかんがみ、その被害に対策について強い要望がなされたのであります。
 以下、その主要な項目について簡単に申し述べますと、
 一般事項として、一、激甚法の指定、二、小災害の基準引き下げ、三、応急復旧工事の基準緩和と早期査定、四、危険家屋の立ちのきに対する助成措置、五、技術職員の派遣、六、救農土木事業の施行、七、国庫支出金の早期支出、八、地方交付税の繰り上げ交付、九、被災町村と被災者に対する財政援助。
 さらに建設関係として、一、治山治水十ヵ年計画の大幅改定と繰り上げ施行、二、災害助成及び関連事業の基準緩和、三、罹災住宅に対する災害復興住宅建設等及び補修等資金貸付制度の適用。
 第三に、農林関係といたしまして、一、被害田畑等についての天災融資法の適用、二、自作農維持資金の貸し付けワクの増額、三、被害水稲、蔬菜等に対する助成措置、四、畜産関係施設の助成措置、五、農地、農業用施設の応急工事費の全額補助、六、災害復旧のための治山事業の採択基準の引き下げ、七、林道災害復旧事業費補助率の引き上げ、八、国有林の復活資材のための払い下げ。
 第四に、商工関係といたしまして、一、被害中小企業者に対する政府関係金融機関の長期低利の早急なる融資と災害別ワクの設定、また既貸付金の償還延期の措置、二、被害中小企業者に対する復興資金の保証融資の円滑化等でありますが、時間等の関係もありますので、その詳細なる要望事項については県の要望書をもってかえさせていただきます。
 両県とも、災害発生とともにいち早く災害対策本部を設置し、官民一致してその復旧工事に全力を尽くしておられるところでありますが、たび重なる災害を克服するためには、政府の強力にしてかつ早急なる財政援助が必要であり、また、これから台風期を控え、一日も早い復旧が必要でありまして、ただいまの要望の各項についての実現方を強く要望いたすものであります。
 なおこの際、両県を視察して痛感いたしました諸点について申し述べますと、第一に、被災農民に対する現金収入を与えるため、現地側の要請に基づき救農土木事業の実施と生業資金についても早急なる長期低利の融資措置が必要と考えます。
 第二に、いま稲の植えつけ期に当面している現況にかんがみ、これが失期とならないため、埋没水田及び用水確保のための早急なる応急復旧工事が必要であり、苗の確保とともに、農林省の適切なる指導と特段の助成措置が必要と思われます。
 第三に、今次水害地帯は、県並びに市町村工事となる中小河川の上流の溢水、決壊による被害がはなはだしく、しかも災害常地帯であり、これが復旧費に対する補助については特段の措置が必要と思われます。特に佐賀県富士村のごときは、村財政規模一億七千万円に対し、被害総額二十億円をこえるという悲惨な状態であります。また、かかる被災地の現況にかんがみても、激甚法の指定はもちろん、小災害に対する国の手厚い助成が各地において強く要請されたのであります。さらに、佐賀県等の被害の実態から見て、治水計画の再検討が必要であり、特に今回被害を受けた地区には、上流に砂防を設ける等、特別な配慮に基づく治水工事が必要と思われます。
 第四に、背振山系は風化した花こう岩質で、今回も至るところに山津波による山くずれが起こり、とうとい人命の損失、家屋の流失等、甚大な被害を与えておりますが、いまなお危険な個所は随所にあり、地すべりまたはがけくずれ等により危険のある家屋について、県または市町村が勧告して立ちのかせた場合には、立ちのきに要する経費について国の助成措置が特に必要であると考えます。
 第五に、水没、流失した中小企業に対しては、生業資金として政府関係金融機関による長期低利の迅速な融資が必要であります。
 第六に、農地、農業用施設、道路等の応急復旧工事の査定には、設計等技術職員の確保が必要でありますが、県、市町村ともに技術職員が不足しており、技術職員の確保について特段の考慮が必要であります。
 今次の災害についても、災害発生以来多くの自衛隊員の出動が要請されておるのでありますが、人命の救助、防疫対策、護岸、道路等の緊急復旧工事に目ざましい活躍がなされており、また地元警察、消防団等におきましても非常に適切な措置がなされておることを付記しておきます。
 なお、今回の日程の関係で調査にまいりませんでした熊本県につきましては、昨日佐賀県鳥栖公民館において、県当局より、県北部及び熊本市西方一帯を中心に六月三十日夜半より断続的な集中豪雨に見舞われ、公共土木、農地、農業用施設その他に発生した総額約十億二千万円の被害状況とその対策について陳情を受けました。
 一行は昨夜半そろって帰京いたしまして、本日はとりあえず調査のほんの概要について述べたにすぎませんが、その具体策につきましては、今後の委員会を通じて同僚委員とともにその実現に努力いたしたいと存じます。
 以上で簡単ながら報告を終わります。(拍手)
○秋山委員長代理 派遣委員各位には、早朝から深夜にかけて現地を調査され、貴重な報告を賜わり、まことに御苦労さまでございました。
     ――――◇―――――
○秋山委員長代理 次に、災害対策に関し質疑の通告がありますので、順次これを許します。倉成正君。
○倉成委員 徳安総務長官に端的にお尋ね申し上げたいと思います。
 私ども角屋、玉置両委員とともに北九州の福岡、佐賀の集中豪雨の視察に行ってまいりまして、ただいま報告を申し上げたのでありますが、この災害の現地の実情にかんがみまして現地の希望も一ございまして、激甚法の適用をぜひしてほしいという希望は切実なものがございます。私どもも委員の仲間でいろいろと研究をいたしまして、この激甚法の適用についてはいろいろな基準があることもよく承知しておるのでありますけれども、今次の災害はぜひとも激甚法の指定をしていただきたい。特にこのいろいろな事務的な検討の中において、農林関係の農地、農業用施設等についての激甚法の適用につきましては、やろうと思えばやれるのではないかと、私どもの研究の結果では出ておるわけでありますが、総務長官から被災地の住民の立場に立って御返事をいただきたいと思います。
○徳安政府委員 委員の各位が現地においで願いましていろいろ御視察を願ったそうでありまして、まことにありがとうございました。現地のほうからも報告を承っておりまするし、また、農地災害に対しましては農林省のほうから報告を受けております。その報告によりますと、ただいまお話しになりましたように、やや激甚災害として指定し得る損害があるやに見受けられるのであります。しかし、まだ査定見込み額というものが公式に出てまいりませんので、はっきりと申し上げられませんけれども、大体従来の基準から申し上げますならば適用を受ける範囲に入るのではなかろうか、かように考えておりますので、農林省のほうに早く査定額見込みの通知をしていただくようにこちらのほうからも督促いたしまして、できるだけ早く指定をいたしたいと思います。
○倉成委員 総務長官からたいへん適切な御答弁をいただきましたが、激甚法の適用は、少なくとも農地、農業用施設関係の部門についてはする方針であるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○徳安政府委員 先ほど申し上げましたように、ほとんどいまの報告では基準にすれすれのような数字が出てまいっておるようであります。しかし、災害というものは大体あとからあとからと額がふえるものでありますから、過去の実績から考えましても、おそらくはいま報告を受けておるものよりも上回ったものが出るのが常識でございますので、この情勢であれば、適用する範囲の額に速することは間違いなかろうというふうには考えておりますが、しかし、いま申し上げましたように、まだはっきりした数字ではございませんので、必ずかかるとは申し上げられませんけれども、過去の常識から考えますれば、当然入るのではないか、かように考えております。
○倉成委員 「しかし」のあとがちょっとよくないと思うのでありますが、総務長官のいまの御答弁で、現地の被災民の立場で考えますと、これは当然少なくとも農業関係については激甚法の適用があるというふうにわれわれ理解いたしたいと思いまして、質問を終わらせていただきます。
○秋山委員長代理 足鹿覺君。
○足鹿委員 私は、長雨等による農作物の災害対策に関しましてお尋ねを申し上げたいのでありますが、重要な点でまだ政府の態度のはっきりしておらない問題は、農林大臣の出席を待ちまして同僚議員とともにお尋ねをいたす所存であります。つきましては、先日来の当委員会の決議、この決議内容につきまして、昨日、私ども小委員会の懇談会におきまして、長時間にわたって政府関係当局と具体的な対策をお互いに研究、懇談をいたしたのであります。それに基づきまして順次お尋ねを申し上げたいと思います。大臣がおいでになりましてからお尋ねいたす点は、重複いたしますので、その点については省略いたしておきますが、事務当局において答えられる範囲内における答弁をお願いいたしたいと思います。
 そのまず第一点は、今回の災害の特殊性からいたしまして、政府は天災融資法の特別法案を提出し、低利資金の融通を行なわんといたしました。本院を通過し、本日参議院で成立が予定されておるのでありまして、この点はまことにお互いに御同慶に存ずる次第でありますが、しかしながら、この天災資金の貸し付けをめぐりまして問題が相当出ておるのであります。これを最初にお尋ねをいたしますが、第一点は、既貸し付け分に対する償還延期措置、特に借りかえについてどのように措置をされる御所存でありますか、事務当局において御検討になっておれば、この点を最初に御答弁願いたいと思います。
○中沢説明員 御質問にございました農家の借り入れ金の借りかえ措置の問題でありますが、天災融資法におきましては、天災融資法に基づきまして農家に融通をはかりますところの経営資金の内容といたしまして、借りかえに要する資金を見ておりますので、天災融資法に基づく重複被害者の場合は、十分農家の借りかえに必要な資金につきまして困らないような措置ができるというふうに考えております。それから、ほかの各種の制度資金につきましては、借りかえ資金という方法をとってはございませんが、近代化資金につきましては、ちょうど据え置き期間の二年が終わる資金、つまり、三十八年度中に第一回目の償還年度が参ります資金がございます。これは農家の支払い能力を、そういうものに該当する資金がどのくらいあるか、現在地方農政局を通じまして調査中でございますが、その数字をはっきりいたしました上で、御決議にあるような趣旨に沿いまして償還猶予を措置したいというふうに考えております。なお、政令を改正しないとできない場合が想定されますので、その場合には、政令を改正いたしまして、三十八年度中に返済すべきものの猶予を一年間行ないたい、こういうように考えております。
 それから公庫資金一般についてでございますが、公庫資金につきましては、従来からも、業務方法書におきまして、災害があった場合におきますところの償還猶予の措置がとれることになっておりますし、従来もとってきておりますので、今回も同様に償還猶予の措置をとってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○足鹿委員 次にお尋ねをしておきたい点は、天災融資法の適用はけっこうでありますが、実際の貸し付け条件と申しますか、これの緩和措置についてであります。経営資金に対して貸し付けるということはけっこうでありますが、経営資金以外のものに使わせない、こういう方針によって使途にまでわたって詳細に調べをする。万一経営費以外に使っていた場合は、目的以外の流用として厳重に追及する仕組みになっております。しかし、今回の未曽有の災害に遭遇いたしました農家といたしましては、経営資金即生活資金であります。要するに、生活を維持していくことが経営を維持していくことと表裏一体をなしておるのでありまして、これを限界を付して、経営費である、あるいは生活費であるというように厳重に追及していくということは、いわゆる天災に苦しんでおる農民に金を貸して救済をするという――いわば補助金をやるわけではありませんが、金を貸すわけでありますから、いずれは返していかなければならぬにもかかわらず、従来の事例はそういう仕組みになっておりますために、特に今回の特例措置はどういう事態があらわれるか存じませんが、一般天災資金の場合におきましては、意外に貸し付け金額が少ないという事例が従来見受けられるのであります。その点についてはどういうふうに今回措置をされて、いま私が指摘したような点については、条件め緩和といいますか、あまりにも厳重過ぎるような貸し付け方法をとられないほうがよろしいのではないか、かように考えるのでありますが、御検討になり御善処になる御用意がございますかどうか。
○中沢説明員 経営資金の使途につきまして、これが生活資金に使えるかどうかという趣旨の御質問だと思いますが、天災融資法のたてまえからいいますと、経営資金ということになっております。ただ、私が申し上げるまでもなく、別に金には区別はございませんし、ただ最終的に、経営資金は借りたけれども、経営費目に、いわば肥料とか、あるいは農薬等を全然買った痕跡がないというような事態にいかがかと思いますが、災害の実態が御承知のような状況でございますので、農家ができるだけ円滑に金繰りができるような気持ちで運用していきたい、こういうふうに考えております。
 それから第二番目は、いわば経営資金の貸し付け金額をあまり縛るなというような趣旨の御質問かと思います。今回の特例法が出ました趣旨から申しましても、できるだけ御質問の趣旨、御指摘の趣旨に合うような運営をしたいということで検討する用意をいたしておる次第でございます。
○足鹿委員 先ほど、天災法その他の融資関係について、政令の改正を必要とする分については改正を用意するということでありますが、冬作物は政令の定むるところによるとなっておりますけれども、その範囲は政令内容にどのように規定する御所存でありますか。政令内容がございましたら一応御提示を願いたいと思います。
○桧垣政府委員 今回の天災融資法の適用に関する特例の法律におきまして特例対象となります作物は、法律上は、ごらんのとおり麦をあげているわけでございますが、そのほか、政令で作物を指定することになっているわけでございまして、その政令では、少なくともなたねは必ず指定の作物にいたしたいと考えておりますが、あと、蔬菜をどうするかという問題が、目下われわれ事務当局で検討中でございます。
  〔秋山委員長代理退席、大久保委員長代理着席〕
検討と申しますわけは、ごらんのとおり、法律では、麦その他の政令で定める作物の総合計の被告額が当該作物の総合計の平年収入の八割以上の被害という規定をいたしております関係上、蔬菜の被害の実態が六月十日現在の被害調査では必ずしも分明でない点もございますし、蔬菜を指定いたしますために法律がそもそも低利の融資を受け得る農家の範囲を拡大しようという趣旨に出るものでございますために、蔬菜を入れることが場合によって適用農家の範囲を縮小するというようなことになりましては、かえって適切でないというふうに考えられますので、その点も考慮いたしておるわけであります。しかしながら、蔬菜専業農家のような経営の形態で、当該蔬菜が壊滅に近いような被害をこうむりながら、麦、なたねの栽培はやっておらないというような場合に、この特例法の適用対象にならないというおそれもございますので、これは私の私見の程度を出ませんが、そういう場合を考えますると、場合によりましては、主として蔬菜を栽培する農家にあっては、蔬菜というような規定を入れるようなことによって、主作物として蔬菜をつくっていない農家はこれは総合計に入れない、主としてやっておりますところは蔬菜を加えて被害率を算定するというようなことを考えてみたらどうかというふうに考えておる次第でございまして、今後、その後の被害状況の調査がまとまり次第、その点を判断いたしまして政令で指定したいというふうに考えております。
○足鹿委員 その点、大事な点が落ちておるのじゃないですか。あなた方が選択的拡大を奨励されまして、酪農を中心とする畜産の奨励をなさっておる。したがいまして、近年、麦、なたねの作付が著しく減少し、紫雲英その他の飼料作物が水田裏作用に相当入っておるのであります。ところが、昨年末から今春にかけての豪雪、引き続く長雨等によりましてこれらの飼料作物も全く壊滅的な打撃を受けておることは、御承知のとおりであります。特に酪農家にとりましては、飼料作物がないために購入飼料にさらに依存をしていかなければならないという実情にあるのでございまして、これらの点も、政令内容に、麦、なたね、並びに蔬菜専業の場合は蔬菜というふうにお考えになっておりますが、飼料等の取り扱いはどのようになさる御所存でありますか、この点も御所見のほどをお聞きしておきたいと思います。
○桧垣政府委員 飼料作物につきましても相当の被害が出ておるというふうに承知をいたしておりますが、今回の特例法の適用につきましての大前提としまして、麦その他政令で定める作物について八割以上の壊滅的被害がございました農家につきましては、特別被害農家としての低利資金を借り得る資格を与えるわけでございまして、当該農家が他の作物について被害を受けております場合には、融資を必要とする被害金額の中には法定農作物以外の被害額も算入して差しつかえがないわけでございます。したがいまして、飼料作物等につきまして、飼料作物専業の農家というのはむしろ少ない、ないしはないのではないだろうか、麦、なたね等についての被害は、おそらく飼料作物の壊滅的打撃を受けたところではより以上に壊滅的な被害を受けておるのではないかと考えられるのでございますから、目下のところは飼料作物について特に政令上の指定の必要があるかどうかということについて、若干の疑問を持っておるといいますか、それまでの必要はないのではないだろうというふうに考えておるのでございますが、なお、先ほども申し上げましたとおり、できる限り広く低利の資金供与ができるような考え方で作物の指定についても検討をいたしてまいりたいと思っております。
○足鹿委員 小委員会の決定に関連する重要な点でありますので以上申し上げましたが、この際、先ほどの天災資金の経営費以外への使用禁止の問題について強く要請をしておきますが、幾らあなた方が経営費に限定をされましても、これは実際のたてわけはつきません。また、事実そうあるべきであると思うのであります。たとえば、労賃の支払いを経営費として認めておきながら、自家労賃ともいうべき生計費を除いていくということは、矛盾であり納得ができません。特にこの点については経営費中の最大部分を占めておるわけでありますから、今回のような異常な災害の場合におきましては、災害資金の使用の範囲というものは消極的でなくて、積極的な考え方によって効果を大きく上げさせなければ意味をなさないのでありまして、そういう点については、政務次官もおいでになっておりますので、締めくくり的にこの点だけは念を押しておきますが、そういう趣旨の実現のために、地方農政同等を通じ、当該都道府県、市町村、被害農家と、支障なくその方針が貫かれますように適当な御措置を願えますかどうか、この点、大臣にかわって明確にしておいていただきたいと思います。
○津島政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの御意見、まことにごもっともなところでございます。十分に余裕を持った取り扱いをするように、地方の農政局にも指示をしたい、かように考える次第であります。
○足鹿委員 農業共済制度関係については他の同僚委員からお尋ねがあるはずでありますし、また、自創資金の問題についてもそういうふうに打ち合わせをいたしておりますので、飛ばしまして、政府の手持ち飼料の災害農家への売り渡しの問題でありますが、昨日の懇談会の際におきまして明らかになりましたのは、七千六百三十トンを、知事あてに、特価に比し三十キロ一袋八十円程度安いようにしてれる、こういうことでありますが、私は実際に当たってみまして、一袋当たりの数量が五、六キロも多い袋と、五、六キロも少ないような袋があるというような点からも、八十円安くて農家はほしいのでありますが、一ぺん取ってみて、多い農家は、喜んで黙っておる、少ない農家は、これはたいへんだといって辞退をするというので、現地では困っておる実情があるのであります。一袋当たり八十円程度の値引きもさることながら、これはもっと下げるべきであるとは存じますが、七月以降十七万トンの保有があって、放出は幾らでもある程度需要に応ずることができるという御趣旨でありましたが、そのような点につきましても、もっと値引きについて検討をし、また農協等を通じてこれは実需者へ手波っていくわけでありますが、その際実キロ数に応じてこれを農協等で計量せしめて、そして実数量によって農家にこれが引き渡し可能になるような強力な指導をこの際強く指摘し、要望しておきたいと思いますが、その点についてのあなた方のお考え方を明らかにしておいていただきたいと思います。
○吉岡説明員 お答えいたします。
 ふすまにつきましては、去る七月三日農政局長並びに知事に通達を出しまして、各県の御要望どおり、数量にいたしまして七千六百三十トンのふすまの売り渡しの手続を進めております。なお、在庫は、七月一日現在に見ますと、五万一千トンほどございます。さらに、七月以降の売り渡しの予定といたしましては、十七万トンくらいの売り渡しを予定しております。また、値段につきましても、現在むしろ弱含みというような状況でありまして、値段と数量という点につきましてはいまのところ心配はないのじゃないかと思っております。さらに、実際の末端の農家に、できるだけ安い値段で、そして均質の実量で入手できるように、県知事並びに農政局長を通じまして強力に行政指導を進めてまいりまして、特に被災農家につきましては、えさの問題について心配がないようにいたしたいと思っております。
○足鹿委員 私が指摘いたしました計量取引の点については、特に遺憾なきを期していただきたい。ささいなことのようではございますが、実際に私は現地でそういう姿を見てまいっておりますので、十分その点は御留意の上、今後の指導に万全を期していただきたいと存じます。
 次に、麦類、なたね、いもその他園芸農作物及び飼料作物等の再生用の種子及び山林種苗の確保につき、あっせん並びに特別助成措置を、当委員会においては重大事項として議決いたしておるのであります。しかるところ、食糧事務所あるいは地方農政局等を通じて、政府は麦の種子の確保については困難の中にも懸命の対策を講じておることは、われわれもよく了承いたしておりますが、麦の種子対策のみならず、病害の発生等によりまして再仕立ての苗しろの問題等もございますし、また九州、四国及び中国方面で耕作をしております麦類というものは、地方によって独特の品種があるわけでありまして、その地方の希望する品種等の調達に遺憾の点はないかどうか、この点を、再仕立ての苗しろの助成との関係においてお尋ねを申し上げておきたいと思うのであります。
 なお第三は、発芽率の問題でありますが、私どもの承知しておるところによりますと、平均五割を割るのじゃないかと心配をしておるのであります。このように発芽の悪い種子を使った場合におきましては、農家の経費は、農作物が皆無の上に倍額の種子対策費が必要となるわけでありまして、これらの重圧を緩和する意味におきましても、国の助成があってしかるべきではなかろうか、かように考えておるのであります。昨日の小委員会におきましてもこの点はずいぶん論議、検討いたされましたが、特別の助成措置という問題についてまだ具体的な農林省の方針が明らかになっておらないようであります。この点について、大蔵省等と病虫害防除助成の問題とからんで折衝段階にあるように昨日も承ったのでありますが、この点についてはどのような結論になりましたか。たとえば、私どもとしましては、麦類等につきましては二分の一以上の助成措置が必要ではないかというふうに、これは与野党の意見の一致したところであります。政府において、この趣旨をくみ具体的に助成措置をはかっていく用意があるかどうか。運賃助成等は考えておるけれども、運賃の程度で農民負担を軽減するという農林省の態度は、私は弱いと思う。ただ単に当面の被害から農民を救済するということのみではなくて、今回の措置というものは、未曽有の災害でありますから、再生産を確保していく、今後の営農に支障なからしめるという、今後に重点が相当強くかかってしかるべきだと考えておるのであります。しかるに、運賃程度の種子助成を考えておるという程度では、私は、農林省の態度がきわめて微温的だと申し上げて差しつかえないと思うのであります。少なくとも二分の一以上、でき得れば無償または三分の二以上の種子補助を出すべきことを、昨日も小委員会において強く各委員の意見が一致をし、さらに農林省は、大蔵省にこの趣旨に沿って折衝すべきことが申し合わされました。これに対する農林省の御所見、対策等はいかがでありますか、明らかにしておいていただきたいと思います。
○齋藤(誠)政府委員 お答えいたします。
 ただいま御質問になりました第一の、大麦、裸麦につきましては地域的な特性があるので、したがって、種子のあっせんといっても、いろいろ制約を受けておるが、その点どうであるか、こういう御質問でございます。われわれも、今回の麦の種子対策につきましては、小麦につきましては、ある程度相当広範囲の共通な性格を持った品種もありますので、これは当委員会におきましても申し上げましたように、関東地方から西日本にあっせんするということでほぼ見通しを得ておるわけであります。大麦、裸麦につきましては、なかなかさようなわけにまいらない。特に地域的にいろいろの品種が従来使用されておるという経緯もございまして、他県間における調整ということがむずかしいわけでございますが、これも数量はそう多くの希望もないわけでございますが、しかし、どうしても必要にして、かっこの程度の品種であればまかなえるのではなかろうかという品種につきましては、長野あるいは山梨等の大麦につきまして、西のほうにあっせんするという措置をとっておるわけでございまして、それをやりますれば、自県内における自給のものと、それから政府所有の小麦を種子に充てるということによって大体まかなえるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
 第二点の、そうしますと、つまり、政府の小麦についての発芽の状況が必ずしも十分な状況にないのではなかろうかという御質問でございます。これは確かに、いま各府県でやっております発芽状況を見ますと、相当低いものもあり、また九〇%以上のものもあるわけでございます。方向といたしましては、やはり厳重な発芽の調査をいたしまして、六〇ないし七〇%以上の発芽率のあるものにつきまして種子に充てるというふうに、具体的に毎俵について行ないましたものを手配するということにいたしておるわけでございますので、持っているものをどんどん種子用としてやるというふうな考え方ではないわけでございます。そういう意味で、持っておるもの自身につきましても、いま申し上げたような一定の発芽率以上のものについて回すということにいたしておりますが、いまの各府県の希望量から見れば、政府のもっております小麦の中から一定以上の発芽率を持っているものの供給も大体まかなえるのではなかろうかというふうに考えております。なお、これらの点につきましては、いま各県とも鋭意当たっておる状況でございますので、それらを待ちまして最終的には明らかになろうかと考えております。
 それから第三の、種子についての助成でございますが、お話のとおり、今回は異常な災害でありますと同時に、この災害に伴いまして再生産用の種子が確保されないということになっては相ならないわけであります。同時に、これらの種子の確保につきましては、いま申し上げましたように、相当長距離から輸送するというふうな事態もありますので、また、再生産の種子ばかりでなしに、一般の食用を転用して麦についても種子に充てざるを得ないというような状況にもありますので、これらの間に処しまして、できるだけ農家に公正な負担になるように種子に関する助成につきましても、いま農林省内部におきまして検討いたしておるわけでございます。検討いたすという意味は、助成するという考えで、各府県別の種子がどのような手配状況になり、どのような種子配付計画になるかを、いま具体的に数量を集めておるわけでございます。概数としては出ておりますけれども、県によりまして、そういう品種ならばやめるとか、あるいはほかの種子に変えるとかいうふうなこともございますので、そういうものの集まり次第助成するという方向で対処してまいりたい、その上で大蔵とも具体的な折衝に入っていきたい、こう考えておるわけでございます。
○足鹿委員 ただいまの御答弁によりますと、まだ明確でないようでありますが、大臣がいつおいでになるかわかりませんから、一応この点は政務次官に政府としての御所見をただしておきたいと思いますが、麦の場合に例をとってみますと、採種圃のものについては、価格を協定して、大体二〇%程度を加算するような方針であるように昨日伺いました。そして政府手持ちのものにつきましては、三等麦までを使用して、ただいまの齋藤局長のお話のように、発芽試験をして、できるだけ発芽率のよいものを回す、この御措置は、それ自体としてはけっこうだと思います。しかしながら、食うものもなく、種子そのものもないわけでありまして、これに運賃程度の助成、あるいは政府手持ち麦以外の、団体その他のものの保有しておる麦種子いうものにつきましては、相当共通の対策が必要であろうと思います。なかんずく、政府手持ちの払い下げ価格につきましては、無償交付が私は当然だと思います。しかし、これは言うべくしてなかなか問題がありますから、少なくとも二分の一以上、三分の二程度が大体のところ妥当な線ではなかろうか。大体所要量二万七千トン程度と踏みますと、トン当たり三万円と見て、七億円程度の支出にすぎないのであります。この程度によって、被災農民に種を国が無償に近い価格で払い下げてくれた、県もまたこれに自分の上積みをしてただでやるということになれば、どれくらい勇気づけられるかわからぬと思うのであります。従来の例によりますと、二分の一の補助は事例があるのであり、今回は明治三十五年以来の大被害といわれる未曽有の災害でありまするから、当然再生産の一番もとになる種子に対する政府の格段の措置を私どもとしては強く要請しておる次第でありますが、これは決して無理な要求ではないと思うのであります。この点について政府の強い御所信を承りますと同時に、今後飼料作物等が相当採種に困難をきわめておる、これは年により、その作況によって非常に高低のあるものでありまして、これらの今秋まきつけを予定されておる紫雲英その他の飼料作物等の種子の暴騰対策等も含めて、特段の措置を強く小委員会としては要請することに意見が一致しております。この点につて、大臣がおいでになれば大臣から承りますが、先ほども申し述べたような事情でございますので、政務次から、しかと腹を据えた御答弁を承っておきたいと思います。
○津島政府委員 お答え申し上げます。
 種子に対する高率の補助の問題につきましては、昨日小委員会において非常に強く要請をせられたのでございまして、私どもといたしましても、まことに小委員会の御主張はごもっともであると思うのでございます。したがいまして、この助成に関しましては、絶対に前例を上回るようにということは、私どもはどこまでも確保しなければならない線である、かように考えるのであります。しかし、小委員会での御主張のとおり、三分の二という点は、大いに私どもも努力をいたしますが、はたしてこの線まではどうかということに関しましては、いまはっきりとは申し上げかねる次第でございます。十分御趣旨に沿いまして努力をいたしたいと存ずる次第であります。
○足鹿委員 これは大臣答弁によって、もっと政府の腹を据えた御答弁を期待しておったわけでありますが、二分の一は過去において事例があるのであります。ですから、これ以上にするのだ――前例を上回るということは、二分の一以上ということになるのでありまして、だから三分の二程度は期待してよろしいのじゃないか、こういうことを聞いておるのであります。先ほど述べましたように、これは数十億、数百億の金に達するという金額じゃありません。七億円前後のものでありまするし、また、都道府県なり市町村等においても上積みのめんどうを見るわけでありますから、めんどうが見やすいように――地方自治体の財政も必ずしも楽ではないが、凶作対策として上積みをすることは、これはどこでも考えておるところでありますから、これで勇気づけ、その基盤を中央政府において考えてやる、こういうことでもって初めて全額無償で種子は措置する、こういうことで農民も非常に期待をしておるのでありますから、くどいようでありますが、前例を上回るということは、三分の二以上、あるいは三分の二という程度に理解してよろしゅうございますか。その点は、きのうの審議の経過もありますし、しかと御答弁を願いたいと思います。
○津島政府委員 ただいま重ねてのお尋ねでございますが、現在の段階では、前例以上という線で御了承を仰ぎたいと思うのであります。もとより、ただいまの御主張の三分の二ということは十分腹に置きまして折衝に当たりたい、かように考える次第であります。
○足鹿委員 政務次官の御答弁をこれ以上追求することはお気の毒に思いますので、農林大臣がおいでになりましてから、この点は重要な点でありますから、さらにお尋ねをいたしたいと思います。
 これに関連をいたしまして、水稲、果樹、桑、たばこ等の病虫害多発に対する防除のため、助成その他の特別措置を帯ずることと、当委員会は決議をいたしておるのであります。しかるところ、昨日の小委員懇談会におきまして、大蔵当局も御出席になっておりましたが、その際、農薬の点について難点があるやの御答弁でございました。そして昨日のことばで、今夜農林省とこの点について検討するのだというお話でありましたが、結論はいかようにつきましたか、これを承りたい。農林省の今月五日の発表によります第三回の病虫害発生予報がございます。それによりますと、日照不足を中心にした異常な空模様が影響いたしまして、稲の体質が弱っておる、特にいもちの多発が目立っており、五日別布、北陸、東海以西三十二府県に葉いもち警報が発令されておるやに聞いておるのであります。このように政府みずから警報を発しておきながら、種代もない、食う麦もない、役に立たない麦を刈らねばならないというような窮境にある農家が、麦その他の雨害による減収を水稲によって補おうという非常な熱意を持って対処しておるのでありますから、これについては病虫害多発警報もしばしば発せられておることであり、当然、当面を救済するのみならず、本年秋の米の実りによって少しでも被害農家の被告を軽減し、進んで米の増産によって取り戻していく、そういう意欲的な農家の気持ちにこたえるには、病虫害が現に起き、また多発の地域が拡大しつつあるということは政府も認めておるわけでありますから、当然二回分程度の農薬の補助を一斉防除を対象として交付すべきである、こういうことが昨日もお互い委員の間で完全に意見が一致いたしておるのであります。これに対しまして、昨夜来の大蔵省との折衝、交渉の経過及び結果はどういうふうに相なりましたか、その点を明らかにしていただきたい。
○齋藤(誠)政府委員 御指摘のとおり、本年は長雨に伴いまして、日照の寡少、多湿というような条件で、稲の成育が必ずしも順調でない上に、そういう状態で病虫害の発生が例年に比べまして非常に早期に多発の傾向が出ておりまして、われわれといたしましては、本年度の麦作の非常な被害のあとに、稲作についての再生産が十分いきますようにということで、技術指導についてのいろいろな対策を講じて、また指導についても万全を期する覚悟で対処しておる次第でございます。
 そこで、お尋ねの、このような事態に対して、病虫害発生の防除に対する助成についてどのような措置を講じておるのかということでございます。いま申し上げました状況でございますので、防除についてはとにかくこれに対して早く必要な対策を講じてまいることが何よりも必要である、そのために必要な防除手段を早く講ずることが必要であるわけでございますので、防除の指導、あるいは防除手段につきまして、農林省としては何らかの特別の助成措置を講ずる必要があろうという考え方に基づきまして、お話のように数日来大蔵省といろいろ協議いたしておるわけでございます。昨夜もお話のように主計局といろいろ相談をいたしておるわけであります。大蔵省におきましても何らかの助成措置の必要は認められておるわけでありますが、最終的にどういう対象に対して助成をするかという結論までは、昨夜の段階においては得られなかったわけでございます。時間を要する問題でもあろうと考えておりますので、なお引き続き本問題につきまして協議を重ねて、できるだけ早い機会に結論を得たい、こう考えておる次第でございます。
○足鹿委員 ただいまの御答弁ではまことに不満であります。昨日あれだけの時間をかけ、あれだけの論議をいたした問題でありまして、昨夜のあなた方の話し合いの結果に期待をいたしておったのであります。これは事務的な折衝で解決がつかぬということになりますならば、本委員会が重要な点として議決をし、さらに昨日もその具体的な措置にわたって意見の一致を見た点でありますので、農林省としては、当然最大の重点をここに置き、今後麦作の被害は水稲によって挽回をする、その挽回の最大の阻害要因となっておる病虫害の多発に対しては、特に器具機材等、一斉防除を強力に指導し、これに対しても国が大きく助成の措置を講ずる、また都道府県もとれに呼応し、農家もまた熱心にこれに当たるという形においてこそ、この災害を災いを転じて福とすることに近いところまでにこぎつけられるのではないかと思うのであります。いまこのままの姿で推移いたしますと、これは米の問題とも関連をいたしまして非常に大きな問題に発展するおそれなしとしないのでありまして、その点につきましては、さらに他の同僚委員等からもお尋ねがあろうかと思います。農林大臣に特に御答弁を願いたいと思っておりましたが、ただいまの農政局長の答弁によっては、事務段階においてすらもこれは難航をきわめておると推定して差しつかえないと私は思いますが、政務次官として、ただいまの私のお尋ねの趣旨を体し今後いかように対処されますか、その点を明らかにしていただきたい。
○津島政府委員 お答えいたします。
 麦作がこういう状態になりまして、お話のごとく、農民の期待は一に水稲にかかっておるわけでございます。ところが、この水稲は、国内各方面を見ましても、まことに憂慮にたえない状況にあるように私は思うのであります。日照時間が不足でございまして、非常に軟弱でございます。また、あるところにおいては分けつも少なく、非常に心配な状態でございます。したがいまして、これを救うためには、やはり何といたしましても共同防除によりまして病虫害を防ぐ以外にはないのでございます。しかしながら、これにつきまして助成をする場合におきましては、費用が決して少なくないのでございます。これらのことにつきましていろいろと精密な、正確な検討を加えまして、そして善処してまいらなければならないと思うのであります。決してこれを放置しておいてよろしいというふうには考えていないのでございます。
○足鹿委員 時間がありませんから、結論を申し上げますが、去る六月二十一日衆議院本会議におきまして、長雨等による農作物等の被官に対する緊急措置に関する決議案が、三党の共同提案によって満場一致採択されておるのであります。その中に、「被害農宏に対し、種苗等の生産資材の購入につき適切な助成据置を講ずるとともに」云々となっておるので着ります。このように衆議院本会議における三党共同提案が満場一致の議決を経、農林大臣も、その趣旨を尊重して対処すると答弁をしておる以上、大蔵省の事務当局がこの問題に対してとやかく言う必要はない。院議をもってきめ、さらに、当委員会においてその線によってわれわれは与野党一致の体制でこの問題に対処しておるのであります。この点が実現できないというようなことになりますならば、今回の長雨対策は、金を貸しただけである。借りたものは当然戻さなければなるまい。どこに長雨の異常対策として条件を整えておると言えますか。種子と病虫害のこの二つの問題を抜きにして、今後の再生産確保、農民の救済、この二つをあわせかねる問題は他にないのでありまして、この問題をまずあなた方は全力をあげて解決されることをわれわれも期待し、被害農家はそれのみを期待しておるのであります。そういう点におきまして、この点はきわめて重要でありますので、どうしても本日は大蔵大臣、農林大臣の御出席を求めて、この院議のてまえ、この点がうやむやになるようなことでありますならば、私どもは断じて引くことはまかりできません。その点をとくとお考えになりまして、後ほど農林、大蔵両大臣の御出席を得まして、さらにこの問題について具体的に政府の施策をただしたいと思います。
 最後に、昨日、専売当局は、いろいろ葉たばこに対する当委員会の決議に対して、一面理解ある御答弁をなさいましたが、その際一点だけ、廃作指導の点については、八〇%以上のものは無条件で認めるが、以下のものはなるべく廃止をしないように指導する、しかし、耕作者の意思は尊重して、廃作を希望するものを阻止するような指導はやらない方針であるということを言われましたが、八〇%以上のものは無条件で認めるということでは困るのであります。そういう点に線を引かれますと、現地の第一線の指導者は、やはり八〇%に押える傾向になるのであります。葉たばこは国が完全国家管理をしておるものでありまして、政府がいわゆる耕作を許可しておるのであります。そして賠償価格と称して、特別な算定方式によって収納価格が決定をされておるのであります。普通の商品と違うのであります。全面的な国の管理下にあるものはこれのみと言ってよいでありましょう。したがって、この点についても、昨日も二十万件に達する被害の申請が出ておるということを仰せられ、補償金の支払い等についても、参考標本の設定についても、万全の措置を講ずると言われましたが、廃作指導の点については、なるべくこれを避けようというような意図もあるやに考えられますが、この点について昨日の御答弁はきわめて不十分であります。この際、あらためて葉たばこ対策に対する各般の措置を一括して御答弁を願いたいと思います。
○黒田説明員 お答え申し上げます。
 昨日廃作の処置につきまして御説明申し上げました八割という数字でございまするが、一応の目安ということでああいう数字を申し上げたわけでありまして、廃作するかどうかということになりますると、やはり耕作者の方は非常に重大なことでございますので、公社側の専門職員の助言を必要とするという場合がやはりあるわけであります。そういうことで、本質的には耕作者の方の自発的な決意で廃作されるかどうかということにおゆだねしておるわけですが、公社の職員が助言いたします場合の目安といたしまして、大体八割以上程度の非常にひどいものであれば、これはやむを得ないのではないか、ただそれ以下の、まだまだその後の回復措置をいたしまするならば作柄の良変が認められるのではないかというようなものにつきましては、できれば公社としても生産の確保をいたしたいわけでありますので、耕作者の方に御異存がなければ、廃作をしないで続けてつくっていただきたい、こういうようなことでございます。したがいまして、耕作者の方がやめたいとおっしゃるのを無理にお引きとめいたしまして、どうしてもつくってもらいたいというような指導は決してやっていないつもりでございます。
 それから、昨日申しましたことにつきまして、もう一回全体についての説明をという御要求でございましたが、病虫害の問題でございまするが、本年は、現在のところ、特に病虫害が平年に比して非常に多いということはないわけでありまして、集団的な発生とか、そういう報告は受けておりません。もちろん、散発的にいろんな病虫害の発生はございまするが、いずれも平年に比べて著しく多いという程度ではないわけでございます。しかしながら、こういうような長雨によります異常な気象条件を受けたあとでございますので、今後もあるいはこの病害の多発がないこともないわけでございまして、そういう点につきまして、現在この予防につきまして積極的な指導を行なっておるわけでございます。もちろん、御承知のように、もう葉たばこの収穫時期はあと一月というところに迫っておりますので、現在の段階で農薬を散布するというようなことは一般にはやっていないわけでございまして、むしろ土地の排水をはかるとか、あるいはカリ肥料を増施するとか、こういうようないわゆる樹勢回復をはかりまして、あわせて病害の予防もはかっていくというのが現在の具体的なやり方でございます。こういうことで公社の第一線の指導員もこれらの指導を十分徹底するようにやっておりますが、同時に、各地区の耕作団体におかれましても、公社と協力しましてこういうような指導につきまして御活動願っておるわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、この各耕作団体のこういうような長雨のあとの対策につきましての御活動の実情に応じまして、適当にそのかかりました経費の一部を考慮したいというふうに考えておるわけでございます。
 それから災害補償の件でございまするが、これも現在、昨日も御報告申し上げましたように、西日本の長雨地帯におきましてはかなりの件数の申請が出ておるわけでございまして、本年はそういうようなことで平年よりかなり申請の件数が多い、したがいまして、これの調査に遺漏がありまして、もしこの長雨の被害を受けながら災害補償に漏れるというような方があっては困りますので、現在調査旅費等も十分増配しまして、各地区とも総力をあげましてこの災害補償の申請の実施調査を現在行なっておるわけでございます。また災害補償金の支払いにつきましても、従来は収納が済みましてから一括してお払いするというようなことでやってまいったわけでございますが、本年としましては、事務能力の許す限りなるべくすみやかにお払いするというようなことでやっていきたいというふうに考えております。
 本年八月につくります葉たばこの参考標本につきましては、当然のことでございますが、本年の長雨によります異常な気象条件下でできましたタイプのもので、こういうタイプを代表するようなものでつくりまして、十分に適切な収納ができるようにしておきたい、こういうふうに考えております。
 以上でございます。
○足鹿委員 他の同僚委員もお待ちになっておりますから、大体この程度で、特に専売公社当局に強く要請して私の質疑を終わりますが、長期生産計画が樹立をされておるさなかであり、かつての減産方針を増産方針に切りかえられ、しかもその増産対策というものは計画どおり進んでおりません。これを今後拍車を加え増産目的を達成していく上におきましても、本年の災害等の対策に万遺憾なきを期してもらいたいと思います。でない限り、今後、せっかく増産意欲に燃え、専売公社の長期生産計画に即応して、耕作団体も耕作者もともに一体となってこれの推進に当たろうというやさきの災害でありまするので、従来の例等にこだわらず、これを大きく上回る、そして少なくとも農林省が一般的に講じつつある、また今後講ぜんとする対策に見劣りするがごときことがないように、先日も申しましたように、あなた方の所管は分かれておりますが、耕作しておる農民は、農林省所管の農民でもなければ、大蔵省所管の農民でもありません。農民自体でありますから、そういう点につきましては、総合的な施策に欠くることのないよう全力をあげられんことを強くこの機会にさらに要望いたしまして、私の質問を終わります。
○大久保委員長代理 高田富之君。
○高田(富之)委員 農林大臣、大蔵大臣がお見えになりましたら、質問したいことがございますので、その点は留保しておきたいと思います。
 昨日の小委員会におきまして、自作農維持資金の追加配分につきましていろいろ事務当局から伺ったのでありますが、実は今回の長雨災害並びに先般の突風、ひょう害災害等におきましても、おそらく自創資金にたよるものが非常に多いということが予想されるわけでございます。現に私どもの埼玉、群馬、栃木県下における状況を見ますと、自創資金の申し込みが予想外に実は多いわけでございます。そのために、先般来一応割り当ての内示がございまして、突風、降ひょうにつきましては二十二億の損害の評価に対しまして、三億一千万のワクの内示があったというわけでありますが、これが一昨日でしたか、一昨々日あたり県のほうへ参りまして、関係市町村にその旨を伝えましたところ、たちどころに、そんなことではとてもどうにもならぬという声が市町村側から上がりましたために、昨日は各市町村の代表者が国会に参りまして、そうして実情をつぶさに陳情してまいられ、私と鴨田宗一議員が農林省にもおじゃまをいたしまして、実情をお話しいたし、お願いも申し上げたわけでありますが、なお本日も当局からは強くその点についての要請が参っておるわけであります。いままでの例から申しますれば、昨日いろいろお話を伺ったのですが、必ずしも少ない額ではないわけでありまして、従来いろいろ算定方式のようなものが行政的につくられており、それらによりまして積算をいたしましてはじかれたものと思うわけであります。しかしながら、今度の災害は、ここ一、二ヵ月間に起こりました異常気象に基づきまして全国的にこのように大きな災害が起こっているのですが、状況は非常に違うと私は考えるのであります。従来の災害とは、置かれている農家の立場、現在の社会経済情勢全般も非常に変わっておりまして、農家自体が相当農業経営には経費もかけておりますし、同時に、経営の前途に対しましては必ずしも安心感を持たない、他産業との格差も非常に広がっておる、そういう不安感にもおちいっているときでもありますし、これはよほどのてこ入れをしませんと、再起復興の熱意というものはわいてこないという特殊な状況下にあります。そういうことでありますので、私は、従来の算定方式とか、いろいろ積算の方法とか、前例とか、そういうようなことは、この際一応の参考にはなるかもしれませんが、それにこだわっていたのでは、著しく実情と離れた施策になってしまうというふうに考えますので、今回の長雨災害に対しましても、また先般の突風、降ひょう災害に対しましても、資金ワク等の考え方は、実情をもとにして新しい角度から思い切った措置を講じていただかなければ、とうていおさまりはつかぬと考えるのであります。本日県からやってまいりましたのも、とてもこれでは話もできない、何としてもこれは考え直していただかなければならぬので、本日は事務当局としても農林省へ参上してよく下部の市町村側の実情等をお話し申し上げて再検討をお願いする、こういうふうなことでございました。
 そこで、はっきりと御言明いただきたいのでありますが、ただいま自創資金として保有しているのは二十億、公庫のこちらへ利用できる紙が三十億、合計五十億の金を用意しているから、これで何とかいくだろうというお考えのようでございますが、この五十億のワクを前提としての施策であってはならぬと思うのです。実情を前提といたしまして、その結果が百億になろうとも、あるいは幾らになるか、これはわかりませんが、この五十億以上に出ましても、適切な処置を必ずとるんだということを御言明いただきたい。特に先般はその中からすでに埼玉、栃木、群馬その他に対しまして二億一千万というような内示があったのでありますが、とてもとてもそんなものでは問題にならないのでありまして、埼玉県内の激甚地の一地域だけでもすでに五億円からの申し込みがありまして、この五億円近い申し込みはいずれもこれにたよらざれば再起できないという状況であります。私はすでに知っておりますが、土地ブローカーが飛んで歩きまして、もはやとても望みなし、土地を売って食いつなぐ以外にない、こういう状況になっておるのでありますから、なまやさしいことではございません。半年以上無収入なんでありまして、生活費だって毎月三万円からかかるんです。食う物すらないのですから、六カ月で二十万円の金が食うだけでかかってしまう。そういうような状況でありますので、この自創資金を申し込んだ諸君に対して、半分にしろ、三分の一にしろ、おまえはよせというようなことはとてもやれるものではございません。不必要なものを申し込んだ者は一人もないのでありまして、農家の場合、そうでなくても今度は肥料代やなんかみんな借金しているので、この上借金するということはよくよくのことなんでありまして、この申し込んだ者については原則的には全部貸すというくらいの腹で、もちろん多少の査定はありましょうが、そのくらいの余裕のあるワクを与えて、必要がなければワクは余りますから、農民はそんなに借りないでいいものは借りっこないのでありますから、、ぜひそういう事情を勘案されまして、この二億一千万円は少なくとも五億以上という大幅な増大をしてもらわなければ、おさまりはつかぬ、私はそう考えております。事実そうでございます。ですから、どうかただいままでに内示された分についても、大幅にさらに実情に基づいて広げるということ、それから長雨につきましても、五十億というワクに必ずしもこだわっていないで、必要に応じてさらに方法を講じまして、大蔵省と相談しまして大幅に広げる考えであるということをはっきり御言明を願いまして、被災地の罹災者農民諸君に安心感を持って農業の復興に再起してもらえるように次官から御言明を願いたいと思うわけであります。
○津島政府委員 昨日もこの点に関しましては非常な御議論があったのでございますが、一応農林省といたしますれば、ただいまお話しのとおり、五十億程度で間に合うのではないかというふうに見ておるのでございますが、これはただいまお話しのとおり、今回の災害による農民の打撃というものが非常に大きいのでございます。したがいまして、五十億にとらわれることなく、その実情にあくまでも沿うてこれを実施したい、かように考える次第であります。
○高田(富之)委員 すでに内示のあった二億一千万についてもひとつ御言明願いたいと思います。
○津島政府委員 二億一千万内示をいたしたのでありますが、さらに検討をいたしまして、実情に沿うようにいたしたいと思う次第であります。
○高田(富之)委員 それでは次に、この自創資金の申し込みを受け付けますときに、実は私大ぜいの農民の諸君から相談を受けたのでありますが、たまたま係の役場の書記、農協の職員が、いままでどおりのような形式を出したものですから、たいへんな問題になってしまいました。たとえば、相保証ではいけないとか、反当三万円の評価で土地を担保にとるとか、いろいろな話をしたものですから、そうなりますと、蔬菜の地帯におきましては、農業経営自体が平均三反歩でございますから、一町歩なければ三十万円借りられないということになってしまいまして、上を下への大騒ぎになってしまった。それから、相保証ではいけないといわれたものですから、そこらじゅう飛んで回ったのですけれども、そこら辺一帯は全部借りたい者ばかりですから、だれも保証人になり手がないということになりまして、私も実はこまかいことは知らなかったのですが、いずれにしても、相保証ででも何でも出すものは出しておけ、とにかく受け付けておいたらどうかというので話しまして、なお、非常に心配だったので、農林省の農地局長さんに電話をして問い合わせましたところ、まあやむを得ぬでしょう、相保証でもよろしいという御返事をいただいたものですから、そういうふうにいたしまして、とりあえず受け付けをしてもらっておるわけであります。昨日承りますと、三反歩以下であっても、必ずしもそれをぎりぎりに機械的にやるわけではない、実情によっては三反歩以下でありましても貸し付けの対象にする、また、担保の評価については、時価の五割ということで評価をして、したがって平均大体いままでの二倍半くらいのものになるから、これによって相当程度担保力が高まるというような事務当局からの話がありました。そこで、その点をもう一ぺん明確に整理をしてお答えをいただいておきたいと思いますが、第一に、三反歩以下でも場合によってはよいかどうか、相保証でもよいのかどうか、担保の評価がえは、ただいま私が了解しているようなことですでに通牒が出されておるのかどうか、以上の点についてあらためて御言明願いたいと思います。
○桧垣政府委員 お答え申しあげます。
 自作農資金の貸し付け対象農家は、三反歩以下は貸さないというようなことがいわれておるが、その点はどうかということで、昨日も御質問があったわけでございますが、農業の経営の中にはいろいろな形がございまして、必ずしも耕作面積だけで線を引くことには無理があるわけでございまして、集約的な農業で、面積は少ないが相当の農業収入を得、それが当該農業者の収入の相当の部分を占めておるというような実態の場合には、必ずしも三反歩で切るというようなふうには考えていないわけでございます。これは高田先生の御指摘のとおり私どもも考えて指導してまいるつもりでございます。
 それから自作農資金についての担保の問題でございますが、従前からも自作農資金借り受けの担保は、人的な担保の場合、物的な担保の場合、人的担保と物的担保の細み合わせという通りの方法を認めてまいっておるのでございまして、相保証でございましょうとも、人的担保として十分に信用のできるものならば何ら差しつかえないというふうに考えておるのであります。
 なお、昨日の懇談会で私がお答えしました部分に若干間違っておった点がございますので、訂正をかねてお答えを申し上げますが、農地の担保評価引き上げの問題は、農林漁業金融公庫の内規の問題でございまして、農林省が行政的な通達としてそれに従わせるというような性質のものではございません点を訂正さしていただきたいと思うのであります。すでに公庫につきましては、湘保評価の引き上げの問題について内視を定めまして、それぞれ支店あるいは委託金融機関等へ周知をいたしておりますので、さように御了承をいただきたいと思います。
○高田(富之)委員 次に、これも昨日いろいろ話の出た問題でございますが、麦作農家の飯用麦の特配の問題でございます。実はこれは本会議におきまして、私が、できるならば、収穫皆無になりました麦作農家に対しましては、飯用麦の無償配給をやってもらいたい、こういう御質問を申し上げましたところ、無償というのは無理だ、こういう御答弁があったわけでございます。しかしながら、これはやはり先ほども申し上げましたように、売るべき物が全くなく、六カ月間無収入、しかもいままでかけましたすべての営農関係の諸経費は借金、こういう窮状におちいっております農家に対しまして、再起復興の熱意を持たせるということのためには、相当思い切った措置を政府がとるということがなければ、普通のままでいったのでは、みな意欲を喪失してしまう、こういうことになろうと思うのです。農業委員の諸君に聞いてみますと、何とか元気をつけて借金をさせて再起させようとするのだけども、この上借金をして百姓をやる気になかなかなれません、こういう答えをしている人が圧倒的に多いという実情であります。そういうようなことでありますので、この際、麦をつくっている農民が麦を食えない、買って食うというようなことでは、そこにそういう心理的打撃の一番大きいところがあろうと思いますので、そこの思いやりですね。そういう意味では、どうしてもこの際飯用の麦について特別に無償で農家に配給する措置を考える必要がある、こう考えるわけであります。これはもちろん、いままでの制度や何かからいくとむずかしいかもしれませんけれども、実はこの間も他の委員からも質問があったそうでありますが、韓国あたりへ米麦の無償供与をする、これなどは、ただいま無償配給を要求している農家の諸君が新聞を見て、これは相当憤慨しているだろうと思うのです。事柄は違うとおっしゃるかもしれませんが、私はあまり違わないと思うのでありまして、やはりこれはある意味では社会政策的なものなんです。ですから、外国の困っているのに同情するくらいなら、なぜ日本の百姓がこれほど困っているのに同情してくれぬかというのは、人情の自然じゃないか、こう思います。ですから、場合によっては、韓国に送ったのと同じような方法で、赤十字あたりを通じまして特別に配給をするという方法もなきにしもあらずじゃないか、かりにそういうことでなくても、特別立法をするなら、これは半値で渡す、あるいは三分の一くらいの価格で渡すというようなことは決して不可能ではないわけでございますので、昨日もいろいろ議論をいたしました結果、小委員の皆さんの御意向としましては、とりあえず延納、県知事に国が売り渡すという形式をとりまして、そうして代金の延納を認める、こういうことでやってもらいたいということに意見の一致を見、また事務当局においても、必ずしもそれは不可能ではない、従来の例もあるという説明があったわけでございます。ですから、この際ぜひこれだけはやっていただきたいと思うのです。県知事に対して売り渡すという形をとりまして延納にするこういうふうにしておいていただきますれば、次の機会に立法措置を講じまして、適当に値段を下げるというようなこともできるわけでありますので、ぜひこの際はそういう方法による代金延納措置をとるということをひとつ御言明を願っておきたい、こう思うわけであります。
○津島政府委員 被災農家の食糧麦のことでございますが、これは御承知のとおり十円ほど下がっておるのでありますが、それでは不十分であるという仰せが非常に強いのでございます。しかし、これを下げるということにつきましては、いろいろそこに問題が多いようでございます。今後検討をいたさなければならないと思うのでございますが、ただいまお話の延納の措置をとるということは、私も決して困難なことではないと思うのであります。せめてこの程度のことでもいたしまして被災農家を幾ぶんなりとも元気づけさせたい、かように考える次第であります。
○高田(富之)委員 それでは、ただいまのところは、ぜひ延納措置をとっていただきたいことを重ねて強くお願いをしておきます。
 もう一点だけで質問を終わりたいと思いますが、麦類の検査につきまして、被害の実情に即しましてこれを実行していく、それで等外の上については買い上げをする、等外の下につきましては、見本品を掲示しまして、そうして販売のあっせんをするというふうなお話が昨日の懇談会でも出ておるわけでありますが、このたびの麦の被害は非常に広範にわたりまして、規格に入らない麦も非常に多いわけでありますが、これらの指導について遺憾なきを期していただきませんと、相当これは問題になろうと思いますので、どういう方法でできるだけ最大限度政府としては買い上げの対象にしていく、買い上げの対象にどうしてもならぬものについてはあっせんの措置をとるというような点につきましての具体的な措置の方法につきまして、あらためてひとつはっきりとしたお約束をしていただきたい、こう思います。
○桧垣政府委員 食糧庁の担当者がきょうほかの会合へ出まして、参っておりませんために、私から、十分でないと思いますが、お答えを申し上げます。
 昨日も一食糧庁の担当官からお答えを申し上げましたように、麦類の等級規格というものは固定したものであるべきでございますから、その規格を変更するというようなことはこの際考えておらないのでございますが、本年の麦の作柄という実情にかんがみまして、本年の作柄に沿うような標準品の配付等については、念入りに末端の農林省の出先検査機関及び農業団体等へ周知をいたさせまして、たとえば、例年でございますと、色沢でございますとか、そういうものは、本年の作柄では普通の年の標準品ではとうてい等外の上あるいは四等以上というふうなことにならないかと思われますので、本年の作柄に応じたような標準品の配付、それの周知によって、受検の資料にもし、また検査をする際の現実的な親切な取り扱いの指針にも一するというようなことをただいまやっておるのでございます。
 それから等外の下の中でも、赤カビ病等の混入率のそれほど著しくないもの、食糧庁の基準としては、おおむね赤カビの混入率が一〇%以下のものはえさ用としての適格性があるということで、食糧検査員を指導いたしまして、それらの職員に、えさ用適、えさ用不適というような仕分けをしまして、農家の利用なりあるいは共同販売の際の集荷の便宜に供させるというふうに協力をさせるようにいたしておるのでございます。農協の集荷しましたえさ用の下麦等につきましては、畜産局、食糧庁等とも協力いたしまして、それの販売のあっせんにはできる限り行政的な指導なり、あっせんを加えてまいりたいというふうに措置しておるのでございます。
○大久保委員長代理 稻富君。
○稲富委員 実は農林大臣の出席を求めましてお尋ねしたいと思ったのでございますけれども、大臣が来られませんので、まず次官から御答弁願いたいと思います。
 私は、日本の農業の基本的なあり方につきましてこの際お尋ねしたいと思うのでございますが、御承知のごとく、政府は、近年、農村対策といたしまして、従来やっておりました助成措置あるいは補助対策というものをできるだけ削減いたしまして、融資にこれを切りかえていくというのが現在の状態でございます。私たちは、日本の農業が他の産業と比較いたしまして非常に伸びがのろいというような点から見ますときに、こういうような農業政策の基本的な考え方に非常に無理がある、かように考えておるのでございます。しかし、この問題は日本の農業対策の基本的な問題でございますので、本日はこの問題をあらためて論議しようとするわけではございませんが、こういうように農民に特別の災害があった場合に、従来と同じような、ただ融資対策でこの農業を立て直していこうというような考え方には非常に無理があるのじゃないか、やはりこういうときこそ、政府は日本の農業を立て直すためには思い切った助成措置等をやって、そうして農村の立て直しに大いに努力をすべきである、こういうような考え方を私たちは持っておるわけでございますが、これに対し、日本の農林行政をあずかっておられます農林大臣の代理として、ひとつ次官から御答弁願いたいと思うのでございます。
○津島政府委員 たいへん大きな問題の御質問でございます。日本の農業は今日までとにかく発達をしてまいったのであります。しかし、その根底には、何といたしましても、明治からごく最近まで、補助によりまして農家の生産意欲を刺激してまいったということは、大きな事実でございます。しかるに最近に至りまして、ただいまお話のとおり、確かに補助というものを打ち切りまして融資の面に変えてまいったのであります。この融資に変えてから相当の年がたったのでありますが、これに対する批判もおのずからまた生まれてくることと思うのであります。しこうして今回の災害でございますが、これに対しましては、ほんとうに融資一本でいってはたして復興ができるのであるかということに対しましては、私も疑問を持っておるのであります。どうしても、これほど痛めつけられた農民に対しましては、精神面、物質面を考えます場合におきましては、やはりでき得る限りの補助、助成が必要ではないか、かように考えるのであります。ただ、こう言いましても、実際これを行ないます場合におきましては、その金額はおのずから非常に高額になるのでございます。これをいかにして解決していくかということは、今後の大きな政治的な折衝に相なることと私は思う次第でございます。
○稲富委員 それで私は、今回の災害に対する基本的な政府の考え方というものが、ただいまも次官がお述べになりましたように、ただ、従来のような融資に主体を置いてまかなっていくということが、経済面におきましても農村の現在の状態が非常に困難な事実にあるということ、さらにまた、今日の農業が決して発展したというような満足な状態に置かれていないのでございまして、経済上の各般の圧迫下に日本の農民は農業経営に当たっているというのが実情でございます。そういうような経済の圧迫下に働いている農民に、さらに今回のような天災という不慮の圧迫というものが加わってまいっておるのでございますので、これに対する農民の精神的な打撃というものもまた非常に大きいと思うのでございます。そういう経済的、精神的両面から、ただいま次官も言われましたように、今回の災害に対してはやはりこの融資だけではいかないんだ、もっと思い切った助成対策というものをやって、物心両面に農民が希望を持つような方向にいかなくちゃいけないと思うのでありまして、これに対しましては、農林行政を担当される農林省といたしましても天体同じような御意見のように承るのでございます。ただ私は今日最も遺憾に思いますことは、農林当局がこういうことを考えていかれましても、何といいましてもやはり財源の支出に非常に圧迫を受けるのでございまして、これは私たちのひがみかわかりませんが、そういう方向で農林省がいこうといたしましても、大蔵省が財源を理由にいたしましてなかなかこういう方向に持っていかないというのが、現在の日本の農政の姿じゃないかと思うのであります。これに対しまして、私は、ただいま農林大臣代理としての次官の御答弁にありましたごとく、閣内が統一された関係において日本の池田内閣の政治が行なわれますならば、これはこれによって大蔵省がいろいろ意見を言うべきものではないのでございますけれども、事実はなかなかそうではないように思います。私はこのことに対しましても、実は大蔵大臣に御出席を求めまして、大蔵大臣からこういうことに対する考え方を承りたいと思っておったのでございますけれども、大蔵大臣がお見えになっておりませんで、主計局次長がお見えになっておるようでございますので、ただいま農林次官が申しましたような考え方に対して大蔵当局はどういうような考え方で予算措置をなされようとするのであるか、これについてひとつ大蔵省の所見を承りたいと思うのでございます。
○澄田政府委員 私からで恐縮でございますが、ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。
 先ほど農林政務次官からお話がありましたように、融資を重点にして農業政策を行なっていくということにつきましては、いろいろ御意見もありましょうが、一つの新しい段階としてそれはそれとしての成果を見ていくべきであろうかと思っておりますが、今回の、長雨の災害が非常に広範であって異常であるということにつきまして、融資だけでは無理であるというようなことは、私どもとしてもそういう事情も十分了解いたしているわけでございまして、昨日来いろいろお話がありました、たとえば種子に対する対策であるとか、あるいは病虫害の多発に対する防除につきましても、その範囲等について、あるいはその程度等についてはまだいろいろ検討いたさなければなりませんが、融資だけでなくて、そういう面について財政支出でもって必要な措置は検討する、こういう態度でおりますので、そういうことで御了承いただきたいと思います。
○稲富委員 いま主計局次長から御答弁を承りまして、大蔵省も、たぶん農民の今日困窮している実情等十分御承知の上で今回の災害対策に遺憾なきを期するような御措置を願うものだという、こういう考えで、非常に意を強ういたしました。そういう意味から、二、三の問題をお尋ね申し上げたいと思うのでございます。
 まず最初にお尋ねいたしたいと思いますことは、これは官房長でけっこうでございますが、私たち一昨日本委員会で決議いたしました一項の中に、「農業災害補償法にもとづき」という問題がありまして、「農業共済団体に対する事務費補助の措置を講ずる」という一句があるのであります。今日、農業者が被害をこうむりまして、その救いの手というものは、農業共済の事業が存在しているくらいのもので、これが災害対策としての非常に大きな役割をつとめておるわけでございます。ところが、御承知のごとく、最近農業共済事業に対しまする農民の不満というものは非常に大きいので、その結果、われわれもしばしば農民がもっとこれを活用し得るような農業災害補償法の抜本的改正を要望してまいったのでありますけれども、これは多年国会におきましてもなかなかその法の改正を見ることができなかった。私最も遺憾に思いますのは、昨年の国会におきまして、農業災害補償法の、これは抜本的改正でなくて一部改正でありますけれども、せめてこの一部改正でもできるならば、いささかなりとも農民が農業共済を利用するという信頼感を持てるものだという期待を持っておったのでございますけれども、昨年の国会におきましては、この農民の期待に反しまして農業災害補償法の一部改正案はとうとう成立しなかったというのが実情でございます。その結果、農民も期待を裏切られたということで農業共済事業に対する不信の念が起こりまして、各地に農業共済に対する休止とか、そういうようなこともあらわれてまいっております。ただ、休止しなくて、もっと好意的にこれに入っている農民といたしましても、申し込みに対しましては最低の申し込みをやったというような状態であります。私は、もしも農業共済事業というものがもっと農民の信頼を得ており、昨年の国会において災害補償法の一部改正案が通過いたしておりましたならば、おそらく農民は農業共済に対しましては最高の申し込みをやっておっただろうと思うのであります。最高の申し込みをやったといたしますならば、今回の災害の場合におきましては相当額の保険金を得られることになったけれども、そういうことから不信の結果やむなく入ったのであって、最低を申し込んでおる。その保険金は、最高の場合の三分の一にすぎないというような状態でございまして、これは非常に私たちは気の毒に思うのであります。こういう意味から、この際私たちは、でき得るならば、この農業共済の運営にあたりましても、できるだけの便宜措置をやらなくちゃいけないじゃないかということも考えるのでございます。これも法等の制約があると思いますが、これに対しましては、やはり事務費その他におきましても各町村等は非常に困っておると思うのであります。しかも今回のような災害は、次々に被害状態というものがふえてまいります。初めのうちはそれほどではなかったと思ったのが、だんだんだんだん、長南のために被害がふえてくる、これのためには何回も損害評価もやらなきゃいけないというような状態、こういう点から、各組合の経営におきましても非常に経費がかさむ問題が起こってまいると思うのでございます。こういう点から、私たちはこれは非常に不満でありますけれども、せめてこれに対する事務費の補助等でも十分のことをやらなくちゃいけないじゃないか、こういう考えを持っておるわけでございますが、これに対してはどのくらいの補助を見てやろう、あるいはそういう費用が要ったものに対し全額補助をふやしてやるか、こういう点に対する政府の御所見を承りたいと思うのでございます。
○桧垣政府委員 ただいま農業共済制度について御質問がございましたが、農林経済局長が所用がございまして出席いたしておりませんので、便宜私からお答えを申し上げたいと思います。
 稲富先生御指摘のように、農業災害補償制度の法律改正が、私どもが期待をいたしましたよりも一年おくれまして、そのために、もし前年度法改正が行なわれていたならば、よって受ける農民の援護の措置はもっと厚かったであろうということは、まことに私どもも同様に存じておるのでありまして、その点は、制度上の問題で、いかんともなしがたいことではございますが、残念なことだと思っております。御指摘のように、本年の長雨災害につきましては、麦の作況の事情が日一日と悪くなってまいりましたために、共済の損害額の評価等のために、回数もおそらく末端においては数多くやらざるを得なかった、また取り扱いの件数についても、予想いたしておりましたよりもはるかに多いというような事情もございましょうから、現在補助いたしまして配付いたしております事務費の中でどの程度実際の支出が上回るかは、これは結果を見ませんとわからないのでございますが、御指摘のような事情は確かにあるだろうと思います。いまここでどのくらいの額の補助をするつもりかというお話でございますが、現在は年間の事務費の補助を配付し終わっておるわけでございまして、水稲に関する事務費等もすでに配付済みでありますために、当面、共済組合あるいは連合会等で事務費の困窮を来たすことはないと思いますが、今後の成り行きによりましては、事務費の不足の状態を生ずるかと思われるのでございます。いずれにいたしましても、今後の推移によりまして、事務費の予想外の支出増大ということのために末端の共済組合、連合会等が困窮を来たすことのないように、適当な予算措置の機会を見まして事務費補助の増額をはかるということで、財政当局ともよく協議をいたしまして、そういう線で進めてまいりたいというふうに考えております。
○稲富委員 なお、この農業災害の問題につきましては、概算払い等の処置をやるということは政府の方針がきまっておるようでございますが、今後やはり最後の保険金の支払いに対する期間の問題でございます。こういう機会でございますので、早く決定して、全額早期支払いの問題も早く考えていただくというような事務的な取り扱いが非常に必要じゃないかと思うのでございますが、こういうことに対する政府の心がまえはどうであるか、承りたい。
○桧垣政府委員 概算払いということになりますと、各県の共済組合連合会から国の特別会計に対します保険金の事前の概算の金額の支払いを意味しておると承知をいたすのでございますが、これにつきましては、御承知のように、農災法に基づきます省令による手続がございまして、その手続にしたがって出てまいりますれば、いつでも概算払いをするという用意を早くから整えておったのでございますが、現在まで数県の共済組合から申請が出てまいりまして、熊本県一県はすでに支払い完了いたしております。順次申請済みの県に対しましては概算払いを進めていく予定で仕事を進めておるのでございます。
○稲富委員 次にお尋ねいたしたいのは、これは先刻足鹿委員からもお尋ねしておった問題でございますが、この病虫害の防除に対する対策の問題でございます。これは御承知のごとく、先刻御答弁を承りましても、何らかの防除手段は訓じなくちゃいけない、大蔵省と農林省との間でただいま折衝中であるということを承ったのでございますが、御承知のとおり、この問題は、従来病血書の防除費というのは多年国庫の助成を受けておったのでございまして、昭和二十八年は当初予算が二十三億くらい、それに異常災害が発生いたしまして約三十億くらいの病虫害防除費の国庫補助があったかと記憶いたします。二十九年は十億くらいじゃなかったかと思うのでございますが、三十年以来この病虫害防除費の国庫補助というのが削減されております。その後、異常発生等に対しましてもしばしば農林省から大蔵省との間に予算折衝されておるということは承っておりますけれども、なかなか大蔵省はこれに対してはかたくて応ぜられないというような状態にあるということを、事実かどうか知りませんけれども、われわれはそういうことを聞いておるのでございまして、どうもこの病虫害防除に対しましては、大蔵省の考え方と農林省の考え方というものが、基本的な考え方に非常に違いがあるのじゃないかと私は思うのでございます。それで、私はこの際特に申し上げたいと思いますのは、現在大蔵省と農林省は、病虫害防除に対する助成の問題をどの点に基本的な考え方を置いてやっていらっしゃるか。私たちの考え方というものは、ことしのような大災害にあいますと、農民はほんとうに金に困っているわけでございまして、金がなかったら病虫害防除すらほっとくというような状態になって、そういうことになると次の生産がができないことになるから、せめて病虫害防除費のごときは全額国庫負担してでも来年度はひとつ十分生産してもらいたい、こういう意味で支出をすべき災害対策であらなくちゃいけない、こういうふうに考えます。こういう点から、私たちの考え方と、農林省の考え方あるいは大蔵省の考え方に非常に違いがあるような気がいたしますので、現在大蔵省と農林省との間にはどういう点を基本に置いて病虫害防除に対する交渉を進められておるのか、承ることができますなら、この機会にその基本的な考え方を承りたいと思うのでございます。
○齋藤(誠)政府委員 お答えいたします。
 病虫害防除一般に対しまする考え方はさておきまして、現在大蔵省と交渉いたしておりまする防除の考え方につきましては、ともかくも今年の災害は過去に見ない異常な災害であります上に、その後におきまする稲の状況から見まして、また天候の影響で非常な病虫害が発生しておるという顕著なきざしが見えておるわけでございます。これらの事象につきましては、通常の状態では必ずしも見られない異常な事態であるというふうに考えておるわけでございます。そこで、われわれといたしましては、通常の場合におきまするいろいろの災害もあるわけでございますけれども、しかしそれは別にいたしまして、この事態におきましては従来と異なる措置をとる必要があるのではなかろうか、つまり、異常の部分につきましては異常の対策が必要ではなかろうか、こういうふうな考え方を基本にいたしておるわけでございます。
 そこで、具体的な防除の内容になるわけでございますが、だんだん防除組織も整備されてまいりましたけれども、なお最近における多発の状況に対応するような防除計画の徹底的な指導が必要であろうという見地に立ちまして、この防除の指導、また指導に必要な防除手段、これの整備ということも第一に考えなければならない。第二には、これを受けて立つ農家につきましては、やはり農家みずからがこの異常事態に対応して元気をもってこれに立ち向かうような防除の指導が必要であろう、こういう考え方から、末端の農協なり、あるいは市町村なりが農民と一緒になって共同防除をやるとか、あるいは一斉防除をやるとか、こういう防除計画を円滑に遂行できるような防除措置を必要とするのではなかろうか、それに対して国が何らかの助成措置をとるべきではなかろうか、こういうようなことにつきまして、いろいろと大蔵省と交渉いたしておるわけでございます。
○稲富委員 いまの御答弁を聞きますと、この病虫害の防除に対しては、異常の部分に対してのみ助成をしようという考えでございますか。もちろん共同防除その他によって――当然そういうことを考えなくちゃいけないので、共同防除を通じてやろう、こういうことはけっこうでございます。ただ、いま局長の御答弁を聞いておりますと、異常部分に。いてのみ助成をしょう、こういう意味のように聞こえたのですが、そうでございますか。
○齋藤(誠)政府委員 防除の徹底をはかるためには、もちろん全防除につきましていろいろの指導を加えておるわけでございます。これは異常の部分に限らず、防除計画を当初から立てて指導に万全を期するようなことをやっておるわけでございますが、先ほどの御質問の要旨は、つまり、異常部分についての、たとえば農薬の助成をするというような場合に、もとから助成をするのか、あるいは特別の部分についてのみやるのか、こういうふうな御質問かと考えるわけでございますが、御承知のように、防除実施につきましては、年々病虫害の発生面積なり防除面積が、農薬の進歩と同時にふえておるわけでございます。しかし、同時にまた、防除効果もだんだん上がってまいりまして、これに伴う被害量、減収量も減ってきておることも事実でございます。そこで、一般的な防除につきましては、これは従来ともいろいろの農家の資金措置によってやっておったわけでありますが、災害等におきましては、御承知のように、天災資金であるとか、あるいはその他の資金の特別の措置を講じておるわけでございます。しかし、今回のような異常に発生しておるという場合におきましては、つまり、通常の防除面積よりもはるかに越えて多発し、激発しておるような状況に相なっておると思うのでございまして、これらの経費につきましては、これは従来の災害措置以上のものではなかろうか、こういうものに対しては国としても援助の措置を講ずべきではなかろうか、こういう考え方を申し上げたわけでございます。
○稲富委員 こういう異常災害のときでございますから、異常発生もあるだろうということで、指導その他に対して万全を期することは当然でなければならない。私の聞いておるのは、特にさらに突き進んで、助成をどの程度にするかという問題でございます。さらに具体的に言うならば、農薬をやるというならば、その農薬の助成をどれだけするかという、もっと具体的な問題になるわけでありますが、どうもいまの局長の話を承っておりますと、従来は一般防除をやっておるのだから、こういう問題は融資その他でまかなえばいいじゃないか、異常の分だけを国は助成しようという考えだというふうにうかがわれるのでありますが、これは、私がさっきも申しましたように、基本的な考え方が違うのです。今回の場合はほんとうに収穫皆無なんです。農民は麦その他を収穫することによって次の稲作の生産、収穫に当たるわけです。それで、農薬を買おうという農薬費用というものも、結局麦の生産によって次の農薬が買えるわけであります。ただ、あなた方は融資を天災融資法でやったのだとおっしゃいますが、これは返さなければいけないんですよ。永久に農民の経済には禍根が残っていくわけで、その融資というものは、現在の農村経済の実情から見て、簡単に返せるものではございません。こういう点をわれわれが考えるとき、今年のような災害のあった場合においては、かつて政府が試みたような思い切った防除に対する助成をやるべきではないか、ただ本年度は天候その他から見て異常発生をした、だから異常発生分だけの防除費用の助成をひとつしようというようなことでは、災害をこうむっておる農民の心情から申しますならば、納得できないのじゃないか。また、そういうことでは、思い切って政府が助成措置をやるのだというようなことは言えないだろうと私は思います。この点を私は明らかにして、政府に対して、今年のようなほんとうに経済的な圧迫を受けておる農民に対しては、異常分だけでなくて、もとに迫ってできるだけの助成措置をやる、こういうような考え方になれないのか、この点を重ねて承りたいと思うのであります。
○齋藤(誠)政府委員 お話しのとおり、災害時におきまして、農薬といわず、種子といわず、あるいはそれ以外の生産手段等につきましても、万般の援助措置を講ずることが必要であることは、御指摘のとおりであろうと思います。したがいまして、いまお話しになりましたような点につきましても、異常と通常とを問わず、根っこから助成をすべきであるという考え方自身については、御意見のようなお考えもあろうと思います。私も何もそれに対してそうではないということを申し上げておるわけではございません。ただ、現実に災害対策として考えてきた場合におきましては、融資についても特別の措置を考え、あるいは金利とか据え置き期間とかいうような措置をあわせて講じて災害の特別の融資にするということもございますので、従来とも農林省がこれらの災害に対しました場合の現実的な処理といたしまして、いわば災害に伴うかかり増し経費というようなものについて助成をするというようなことをやっておったわけでございます。二十八年におきましても、根っこからではなしに、たしか通常の散布量を越えるような場合におきまして助成をするというふうにいたしたように記憶いたしておりますが、考え方自身について、先生の御意見に反対であるということを申し上げておるのではございませんが、現実的ないろいろの事情も考えあわせまして、少なくともかかり増しになるようなものに対しては国としても何らかの助成をとるべきではないだろうか、こういうような考え方で従来処理してまいりましたということを申し上げたわけでございます。
○稲富委員 ただいま二十八年災の例をおとりになりましたが、その以前は、異常災害が発生しようと、なかろうと、病虫害防除費というものが一般予算にあったのですよ。ところが、異常災害が発生したからということでその後追加されたのです。それで、局長のお話を承っておりますと、二十八災にもしこれを置きかえますならば、その追加分だけ出そうということじゃないかと思うのですが、私の言っていますのは、こういうような全然収穫がなかったという異常事態なんだから、しかも農村経済というのは至るところ逼迫しているのだから、これをほっておいたら十分な防除対策もできないと私は思う。防除対策ができないと、おのら来年度の生産に大きな影響を来たすということになりますので、こういう場合は異常の場合として根っこから考えるべきではないか、そうすることによって次の生産を伸ばすことができ、農民の生産意欲をふるい立たせる効果があるんじゃないか、こういう点を私は申し上げているのであって、なぜこういうことがやれないのか、異常災害分だけやろうというのは、これはもうあたりまえのことですよ。ですから、こういうような災害だからこの点を十分考えたらどうかということです。どうも病虫害の防除に対しては、何か大蔵省は、農業も企業だから、そういうことになったらあたりまえじゃないかという感じを持っていらっしゃるように私は思うのですよ。ところが、現在の農業というものが日本の経済事情の中に置かれている特殊な不利なケースというものをわれわれ考えていかなければならないと思う。その不利なケースの中で農業経営をやっているのです。これに対しては何とか国として方法をとらなくちゃいけないということになりまするので、考えなければいけないと思う。そういうやさきにあって今度のような異常災害にあっているのだから、ここに何とかひとつ手厚い方法をやらなければならないんじゃないか。もちろん、これは融資をやったとおっしゃいますけれども、融資は返さなければいけません。私が冒頭にお尋ねしましたのはその点です。融資では決して完全じゃないと私は思う。そういうような融資に切りかえることに対してもいろいろ意見はあるけれども、その問題は今日は別といたしまして、こういうような災害に対しては、融資をやっておるからがまんしてもらってもいいんじゃないかではなしに、融資は融資、と同時にひとつ思い切ったこれに対する助成措置をやらなければ、農業経営というものはほんとうにふるい立つような情勢に置かれていない、こういう点から私はお聞きしておるわけなんです。大蔵省は金のことばかり考えていらっしゃるけれども、せめて農村の実態を知られている農林省ぐらいは、ひとつその気になって考えてもらいたいと思うわけなんです。農林省みずからが、それは無理ということでは、もう日本の農政はございませんよ。この点、そういうような考え方でやれないのかどうか、どういう事情でやれないのか、くどいようでございますけれども、私納得いきませんので、ひとつ承りたいと思うのです。
○齋藤(誠)政府委員 ただいまお話しになりました稻富先生の農村救済のお考えに対しましては、私もまことに傾聴いたしておるわけでございますが、農民の災害時における救済につきましては、いろいろの方法があろうと思うのです。融資融資というお話がありますが、融資につきましても相当の需要量が現に農村から出ておりますので、そういうものに対応する特別の措置ということも考えられましょうし、あるいは今回のような場合におきましては、何としても再生産用の種子が必要であるといえば、種子についての助成ということも必要であろうと思います。しかし、災害時について、肥料も農薬も、あるいは種子も、その他の生産資材も、すべて助成するというふうなことについては、他の一般的な対策ともあわせてやはり考えるべきではなかろうかというふうに私は考えるわけでありまして、状態によりましては、その農家自身について、場合によっては他の移住地に移るというような場合における抜本的な救済対策もまたありましょうし、今回の災害の事態におきまする措置といたしましては、ともかく一番農村で心配されておりますのは、この長雨に伴いまして通常の防除をこえたような異常な、多発を来たしており、その面積が通常の面積よりも相当拡大しつつあるということに、農家としては再生席上一番不安を持っておられるのではないだろうかというように思うわけであります。われわれとしては、その点で農家の意欲をくじかないように、あるいはまた、従来の面積よりもはるかに拡大しつつあるその事態に対しまして、救済なり防除の援護措置の手を伸ばしていくということが一番緊急なことではないだろうかというように考えて、先ほど来申し上げたわけでございます。全部について、農薬から肥料から、種子から、あるいは購入すべき飼料、農機具等について助成しろということにつきましては、そういう考え方もあろうと思いますけれども、これは現実的ないろいろな問題を考えまして、どの程度にやるかは、やはり他の災害対策ともあわせて勘案すべきではないだろうか、こういうことを申し上げた次第であります。
○稲富委員 もちろん、融資対策について、やってもらうことに対してはけっこうでございます。今回天災融資法による特例法を出してもらったことも非常にけっこうでございます。そのときも私はお尋ねいたしましたが、天災融資法の特例はけっこうであるが、これによって今回の災害に対する十分の救済策と考えておられるかと言ったところが、そのときに政府はこういう答弁をなさっております。これははなはだ官房長に気の議でありますが、官房長が政府委員で答弁なさっておりますのには、今回の災害の実態に即しまして行政的措置あるいは必要かつ有効な財政的措置についても、今後政府部内において十分検討の上対処いたしたい、こう言われております。私は、この親心があってこそ、農民がほんとうに勇気を出して次の農業生産に携わられると思う。ところが、こういう点から考えまして十分のことができないから、いま言うように種子代において少し補ってもらい、あるいは病虫害防除費において補ってもらい、いろいろなものを集めましてプラス一にして、これでどうやらこうやら農業経営も希望を持たれるのだ、こういう農民の意欲をつくることが私は非常に必要じゃないかと思う。思い切ってほかの方法で出せる措置がありますれば、あえて農薬なんかどうでもいいということになってくる。ところが、何かそういうような名目があらねば、おそらく、政府も出そうと思う場合も出しにくいだろうと思いますので、こういう農薬に対する助成のごときは、従来やっておったのだから、これはやれると私は思うのです。だから、こういう点についてもう少し熱意を持って、できるだけ負担を少なくするためには、プラス一になるものを思い切って出すような方法等を考えることも一つの救済策ではないか、こういう点から私はお尋ねいたしておるわけであります。それで、これに対しても大蔵省といま折衝中のようでございますが、これは前も出しておったのでありますから、思い切って――病虫害防除というものは次の生産に非常に影響があります。繰り返して申し上げますけれども、この病虫害防除に対する国の補助がないようなことになりますならば、おそらく農民は今日農薬を買うというような経済措置に困るんじゃないか。それは金を貸したからとおっしゃるかもわかりませんけれども、元来農民というものはあまり借金することはきらいでございます。しかも、そういうことによってこの農薬を買わなくてはいけないということになってくると、また農民感情というものは、生産意欲も非常にふるい立たないと思うのでございますので、この点は、大蔵省との折衝にあたっては、これは一つの社会政策的な考え方も勘案して、ひとつ十分考慮してもらいたいと思うのでございます。どうか農林省のこれに対する特段の御努力をお願い申し上げますると同時に、大蔵省におきましてもこれに対しては十分御理解のもとに処理していただきますように、この際ひとつ主計局次長にくれぐれもお願い申し上げたいと思うのでございますが、主計局次長のこれに対する御所見を承りたいと思うのでございます。
○澄田政府委員 ただいまお話のございました点につきましては、いままでも農林省とも種々協議をいたしております。現在の防除の重要性ということはもちろんでございますし、それが十分成果のあがるようにというふうに私どもも考えております。ただ、ただいまの農薬の点につきましては、二十八年当時に例がある――二十八年以降出しておることは事実でありまして、それは、その当時の農薬の普及、そして防除思想の徹底というような意味におきましては非常に効果があがったと思いますが、その当時以後情勢も変わっております。農薬の値段等も非常に下がってまいりまして、当時の農薬の普及ということがあずかって力があったかとも思います。現在の段階におきましては、農薬の補助ということについて私どもとしてはまだにわかに賛成できないわけであります。農林省と協議しておるのもそういうことでございます。
 もう一つ申し上げたいのは、補助金といたしまして、農薬の補助が二十八年、二十九年、その当時に毎年会計検査院から非常な注意を受けまして、件数にしても半ばに近いような、百何十団体というようなものの補助金について注意を受けました。これは補助金の目的どおりに支出されなかったり、農薬がその年の防除に使われなかったり、農薬が買われなかったり、いろいろな例がございます。そういう意味におきまして、補助金管理上も非常に問題がございます。私どもどうもその点で農薬の補助につきましてはまだ踏み切れないわけでございます。もちろん、先ほど申し上げましたように、防除それ自体につきましては、その緊急性も必要性も農林省とも意見が一致しておりまして、
  〔大久保委員長代理退席、加藤(常)委員長代理着席〕
防除に必要な基幹的な器具とか、あるいは防除の指導に要する経費、そういうようなものにつきましては、十分相談に応じていきたいと思っております。
○稲富委員 いま次長のお話を承りますと、農薬の必要性は認められておるが、どうも会計検査院から指摘されたので、おっかなびっくり、またそんなことになるのじゃないかというような御心配があるようでございますが、これは十分管理できます。しかも、何も農家個人に渡すのではございません。共同防除によってやるのですから、何も金を農家に一軒一軒渡すわけではございませんので、こういうような費用を出すからといって――それは前にどういうことを会計検査院から指摘されたかわかりませんけれども、これは管理のやり方あるいはその助成のしかたによって、この点はそういう批難のないような方法で十分やっていけると私は思う。こういう点から、私は会計検査院がどういう点を指摘されたか知りませんけれども、この点に対しては、会計検査院から指摘されたからもうそういうことはやりたくない、こういうような考えでは私はいかぬと思うのです。会計検査院から指摘があったら、会計検査院に対して、どの点が悪かったか、助成したことがいいことであるなら、会計検査院から指摘されたら、会計検査院にこういう理由だということを明らかにすればいいことなんで、どうも私たちがふに落ちないことは、お役所には、会計検査院から言われると何でもかんでもびっくりしちゃって、うるさいからそういうことには関係しないようにしようというような、非常に消極的になられるような傾向があることをわれわれ最も遺憾に思うのでございます。そういう点で、管理面においては十分心配のないような助成のしかたをしていただいて、次期生産に必要な経費は十分ひとつ見てもらうということで考えていただきたいと思うのであります。これ以上聞きますとくどくなりますので、どうかこの問題は、農林省も大蔵省もただいま私の申し上げましたような親心で善処していただきたいということを特に重ねてこの機会に希望申し上げたいと思うのでございます。
 さらにもう一つお尋ねいたしたいと思いますことは、私たちが一昨日本委員会で決議いたしました中に、地力保全に必要な助成措置を講ずるという問題がございます。これも非常に問題があるかと思うのでございますが、何といいましても、次期生産に対する意欲を持たせるよう万全を期することが最も必要でございます。その次期水稲生産に対し万全を期するためにはやはりこの地力保全が必要なんで、長雨によって地力が衰えるとか衰えないとかいうことはいろいろ論議されますけれども、あれだけの長雨になりますと、地力の衰えるのは当然のことでございます。さらに、この決議の項に、地力保全に必要な助成措置を講ずることという文句があります。私個人の意見から申し上げますと、この文句の表現のしかたには反対だ。地力保全並びに農作物の障害物を除去する費用に対する助成措置を講じてもらいたいというのが私の考えなんです。なぜそういうことを申し上げるかというと、本年度の麦作は、御承知のとおり、全然収穫皆無でございます。それで、とっても何にもならないというのが麦わらでございますので、次の生産をやらなければ、ほっておいてもいいんですよ。農民というのは、収穫したものが金になるから収穫するのであって、金にならないものは収穫せぬでもいいわけです。それで、次の水稲生産をせぬでいいなら、あえて麦わらをとる必要はないわけだ。ところが、立っておってはじゃまになりますから、費用をかけてこの麦わらを除去しておるわけだ。この除去の費用はばく大なものでございます。ガソリンで焼いたりいろいろしておりますが、油代も必要である。また焼いたところで、根っこがあります。この根っこはかたいので、これをのけなければ次の生産ができないから、こういうような特殊な費用が要っておるわけであります。こういう次期生産に必要な障害物を除去するためには、これは農民が負担するのが当然だとおっしゃいましょう。ところが、農民もこれを負担する資力がない。そういうような資力がないとするならば、そういうような費用は、その一部分は国が助成してやってその努力に報いるということも必要なことではないか、こういう点から私は申し上げるのであって、地力保全並びに障害物除去に対する必要な助成措置を講じてもらいたいというのが私の考えでございますが、これに対して政府はどういう考えを持っていらっしゃるか承りたい。
○齋藤(誠)政府委員 今回の災害で、あとに稲作を控えて、あたら立ち毛のままの麦を焼き捨てるというようなことにつきましては、農民としてはまことに忍びがたいものがあることにつきましては、私も十分御推察できるわけでございます。ただ、これに対する助成をどうするかというお話でございますが、前々そういうふうなお話もありまして、いろいろ私のほうでも検討してみたわけでございますが、確かに次の稲作のための障害の除去というふうな観点もありますけれども、同時にまた、ある意味においては、毎年農家のやっておることでもありますし、何よりもこの処理の仕方におきまして、東のほうを除きまして、静岡以西の各地におきまする減収のはなはだしい地帯におきましては、おそらくいろいろの措置がとられておると思うのであります。ある場合におきましては、お話のように焼き捨てる場合もありますけれども、また、ある場合においては、ほとんどないと思われるような麦わらにつきましても、これを刈り取ってまた堆肥にし、あるいは敷きわらにし、あるいは園芸用にこれを利用するというふうな農家もありまして、焼き捨てた農家だけについてそのような措置をとるというようなことが、かえって他の農家に対する不公正というふうなことに相なることにもなるのではなかろうか。つまり、その事態自身について考える以外に、他のいろいろのやり方においてこれを処理した農家に対しまして、これをガソリンで焼却したものだけに対する助成というようなことは、われわれ事務をやっておるものとしては、技術的に予算としては最も対象にしにくい性質のものであり、また、それをやることによってどのような反作用があるかということについては、全く自信がない性質のもののように考えられますので、いろいろの御事情もあると思いますが、災害のために再生産に支障を来たさないようなことにつきましては、できるだけの援助措置を講ずるという考え方に立っておりますが、いまお話しになりました、できた農産物の処理費等につきまする助成につきましては、いま申し上げたようなことで、私のほうとしては今回の扱い上非常に困難なものである、こう考えておるわけでございます。
○稲富委員 いま局長は、刈り取るということは農民が毎年やっておるのだから、それを刈り取ることは当然のことだとおっしゃいますけれども、それは、毎年やっております。毎年やっておりますが、それは麦をとるためにやっているのでございまして、ことしは麦がとれないのですよ。毎年農民が麦をつくるというのは、麦をとるためにつくるのでございまして、わらをとるためではないのでございます。毎年やっておることが、ことしは異常で麦がとれないので、本来ならとらぬでもいいわけです。麦をとってもしようがないから、刈っているのです。ところが、麦わらというものは、直ちには肥料になりません。置きどころがないので、しようがないから、あるいは果樹園に持っていって置いたり何かしているのであって、これは焼いた人に対して焼き賃を払えというのじゃなくして、次の水稲生産に対してこれを除去しなければならないから、やむを得ず除去しているのであって、その除去した品物の置きどころがないから、果樹園に持っていったり、ほかのところに持っていっているのですから、これを焼き捨てたものだけにやれというのじゃなくして、こういうような除去費としての対策を考えていいのじゃないかというのが、私どもの考え方なんです。農村経済が裕福であって、それによっても農村が困らないというような状態であるならば、何も申しません。ところが、先刻から私が何回も申し上げますように、農村経済というものは豊かなものではございません。特に今回の災害によって農民の困難してむる実態は、言語に絶しているものと思います。私ども現地に参りましても、ことしの麦というものは、御存じのように、穂はきれいなんです。飛行機から見たら、豊作だと思われます。色もきれいについております。それで若い者は、この麦は全然刈らぬで焼いてしまおうではないか、こう言うのです。ところが年寄りは、こんに麦の穂がきれいに出ておるのだから、もったいないじゃないか、何とか少しくらい実が残っておりそうなものだということで、脱穀機に入れてかいてみると、少しも実は入っていない、これは焼かなければしようがないということになるこういう状態なんです。こういうために農民はほんとうに自失の状態であり、立っておる麦をどうするか立っておるものは、焼いても焼けません。やはり切らなければ焼けないのです。切って、そこで焼いてもじゃまになるから、ほかに持っていくものもあるわけなんです。これはいま申し上げますように、次の生産をしなかったならば、ほっておいてよいのです。何年ほっておいてもよいのですが、次の水稲をつくらなければいけないから、刈っておるので、これは次の生産に必要なために農民がやっておる一つの行為なんですから、この行為に対して、次の生産をやるための行為として助成措置をとることは、私はむちゃな話ではないと思うのです。これに対して皆さん方にほかの方法で救済策が十分あるというなら別ですけれども、やはりこういうことによって手を離し伸べて救済する、こういうことが農民が次期生産にふるい立つ一つの原因になると私は思う。これは常識から考えましても無理だとおっしゃるかもしれませんけれども、私たちは無理だと思いません。しかし、出すほうからいえば、非常に無理なことを言っているなと思うかもしれません。が、これは考え方の違いでありましょうが、少々無理だとお思いになっても、こうすることが次期生産を非常に励ますことになり、生産意欲を増すものであるとするならば、私はお考えになってもけっこうではないかと思う。何とかこれに対して考える方法はないものであるか、私は当然考えていいと思うのでありますが、これは事務的な関係の方からは答弁しにくいかもしれませんので、ひとつ次官から農林大臣の代理としてこれに対するお考え方を承りたい。
○津島政府委員 この問題に関しましては先般もお答えを申し上げたのでありますが、いかにも事務的に考えますと、そこに非常な困難があることと思うのであります。しかしながら、先般来この災害対策委員会におきまして最も大きく、かつまた最も強く取り上げられた問題は、これだと思うのであります。したがいまして、これに関しましては単に事務的な一つの尺度をもって片づけるわけにはまいらないのではないか、やはり何らかの方法によりまして委員各位の御趣旨に沿うような方法を考えなければならない段階にあるのではないかというふうに考える次第でございます。しこうして、この問題に関連する問題がほかに三点ございます。一つは、食糧麦の払い下げの値段の問題でございます。もう一つは、主として水稲に対する薬剤の問題でございます。もう一つは、種子に対する助成の問題であります。ただいまの問題をくるめまして四つでございますが、これら四つの問題をひっくるめまして、そこに何らかのまた御趣旨に沿うような道がないかというようなことは、これは政治的な一つの配慮をもって検討してまいらなければならないのではないか、こういうふうに考えておる次第であります。
○稲富委員 ただいま政務次官より政務次官の意のあるところを承りましたので、私はただいまの政務次官の御答弁に期待をいたしまして、被災農民が実際困っているというこの実情に即しまして、ただいま御答弁のありましたような趣旨で私たちの切実なる希望の実現方を重ねて要望いたしまして、私の質問を終わることにいたします。
○加藤(常)委員長代理 倉成君。
○倉成委員 それでは、集中豪雨について一、二点ごく簡単に御質問申し上げたいと思います。順序が不同になりますが、たいへん関係方面にお待たせをいたしましたので、まず建設省関係で一、二お尋ねを申し上げたいと思います。
 後ほど同僚委員からいろいろ詳しい御質疑があろうかと思いますので、現地を回ってまいりました際の差し迫った要望として、第一は、今度の集中豪雨によりまして、がけがくずれ、山地が崩壊しまして、相当の死者が出ました。幸いにして助かりました地域の家屋でも、非常な危険を感じておるのがありまして、これを早急に移転させることが必要じゃないかと思うわけでありますが、こういった危険家屋の移転についての処置はどういうふうに考えられておるか、建設省からお答えいただきたいと思います。
○前田(光)政府委員 最近、がけくずれその他によりまして危険に瀕しておる家屋があります。また、それによりまして被害を受けた例もございますが、現在そういう方々に対しましては、住宅金融公庫の資金によりまして、その危険な地域から他に移転をしたいという方々に対しましては、特別の融資をいたしまして、住宅の復興、移転の促進ということに御協力を申し上げておるわけでございます。その条件は、木造の場合には、貸し付け額の七割五分に対しまして、金利が五分五厘、期間は十五年の、長期によりまして貸し付けをすることにしております。
○倉成委員 現在の制度では、地すべり等とのバランスもございますし、補助の制度がないのは非常に遺憾でありますが、ただいまの住宅のワクは、これは災害の危険な住宅について、県や市町村から申請があれば、無条件にというか、うるさいことなく割り当てると理解してよろしゅうございますか。
○前田(光)政府委員 ただいまのような場合におきましては特別の事情でございますので、現在の住宅金融公庫の資金のワクの中に一定の分量を保留しておりますので、そういう危険の場合には、一般の抽せんその他の例によらず、申し込みに応じまして個別に審査しまして、順次貸していくことにしております。
○倉成委員 ただいま住宅局長からお話がございましたから、現在の制度の中で取り扱われるのはその程度のことであろうかと思いますが、将来の問題としては、これは地すべりを含めまして、こういう危険な家屋についての予防的な対策について、もう少し何か厚い対策ができないものか、いろいろ技術的な問題があろうかと思いますが、ひとつ御研究をいただきたいと思います。
 そこで、今度の問題と関連しまして出てまいりますのは、自治省に、ほかの問題と含めて、いまの住宅の問題をお伺いしたいと思うのですが、資力のない農家その他の住民が、ただいま住宅局長がお答えになりましたような制度でこれだけの住宅資金を借りようといたしますと、なかなか償還の問題もむずかしいし、また借り受けする場合にもむずかしい問題がある。そうなりますと、当然これは市町村等が、金利の問題あるいは償還の問題等について、現実の問題としていろいろめんどうを見ていかなければならないということになってくるかと思うのです。そういった場合に、自治省といたしましては、いろいろ特別交付税その他の面で考慮される用意があるかどうかということをひとつ伺いたいと思います。
○茨木説明員 住宅の問題についてでございますが、御質問のような場合が往々あるのじゃないかというふうには考えております。ただ、従来とも各種の災害の場合に、それぞれの個人住宅についての対策といたしまして、直接市町村のほうから、こういうふうなものをするというような意味で制度化したものといたしましては、庶民住宅等の応急住宅をつくるという点でやるというふうになっておったわけでございます。したがって、いまここで直ちにそういうものについてこういたしますという案は持っておりません。ただ、従来とも台風災害等の場合については、公共団体でいろいろなことをおやりになるわけでございますので、それらの諸経費に充てる財源という考え方でもって、公共事業の査定額の約二%内外でございますが、これを特別交付税でもって付与いたしまして、それでもって諸対策に公共団体のそれぞれの考えによっておやりになる、こういうふうになっておるわけでございます。したがって、団体によりましては、お話のようにそれを充てるというところがあるいは出てくるかと思いますが、ただ、一般的に各個人個人の住宅の関係についてそこまで手を伸ばすということは非常にむずかしいのではないかという感じがいたします。
○倉成委員 いまのお答えに少し誤解があるのではないかと思うのですが、ただ災害を受けて家がこわれたから家をつくるというのではなくて、現実に死者が出たり何かして、たまたまその近くで助かった、こういう住宅です。ですから、理屈を申しますと、これから先、百年先に被害が起こるかもしれない、あす起こるかもしれないという問題、しかし常識的に考えてどうも危険な住宅、死者が出るかもしれないというようなところをめんどうを見てやるということになると残念ながら、いまの制度では、やはりただいま住宅局長のお答えになったような制度しかないということになれば、どうしても現地の住民の福祉をはかる市町村としては、ある程度資力のない者についてめんどうを見なければいけない。そのあと始末をどうするかという問題です。ですから、もちろん公共事業費のワクの二%の中でめんどうを見ていく、その範囲でそれをやれというのがいまの制度かもしれませんけれども、しかし、こういった財政的なめんどうについては十分な配慮をしていただきたいということを申し上げているのです。ですから、この点はここでこまかい議論を詰めるつもりはございませんが、やはり現地のなまなましい実感に基づいて申し上げておりますから、この点は十分御配慮をいただきたいと思います。
 それから、交付税課長がお見えになっておりますから、お尋ねしますが、たとえば、佐賀県の富士村という村がございますが、ここでは財政規模が約一億七千万、標準税収が三千が前後、ところが、被害総額が大体二十四億と称しております。もちろん、厳密に申しますと、いろいろこれは査定のしかたがあろうかと思いますが、十数年分の財政規模に匹敵する被害を受けた、こういうところでありますから、いろいろ今後の対策は講ぜられると思いますが、さしずめどうしても歳計現金に不足するということで、交付税の繰り上げ支給をしてほしいという要望がこういった町村において非常に強いわけであります。九月の交付税を七月に繰り上げてほしいという要望がございますが、こういう要望にこたえられる用意があるかどうか、伺いたいと思います。
○山本説明員 ただいまの、災害地に対します交付税の繰り上げをする用意があるかどうかという御質問でございますが、今回の集中豪雨によりまして、福岡あるいは佐賀町県下にわたりましては相当の被害額が報告をされているようでございます。従来から、相当地域にわたりまして公共施設の被害の発生いたしましたような災害の場合におきましては、次期の交付税の交付を一部繰り上げるという措置をいたしていた例もあるわけでございまして、ほぼその団体の財政規模と被害額というようなものを対比いたしまして、相当程度の規模になるという判定をいたしました物合にはそういうような措置をいたしたい、かようにも思うわけでございます。被害額につきまして、目下私どものほうでもいろいろ各省の資料等を調べているような段階でもございますし、なるべくただいまの御質問の御趣旨に沿いますように努力をしてまいりたい、かように存じております。
○倉成委員 ただいまの御答弁で大体けっこうだと思いますが、ひとつ早急に資料等お集めいただきまして、せっかくやれるものでありますなら、現地の希望を達成していただくように格段の御努力をお願い申し上げたいと思います。
 その他いろいろ細部の点ございますが、角屋委員その他一緒に参りました先生から御質疑いただきたいと思います。
○加藤(常)委員長代理 角屋君。
○角屋委員 六月末から七月の一日にかけての福岡、佐賀あるいは熊本を中心にした集中豪雨の被告の実態につきましては、先ほど倉成団長から詳細に御報告申し上げたわけでございますが、私はこの報告に基づいて、重点的な事項について若干お尋ねをいたしたいと思います。
 まず第一に、災害地の惨状あるいはそれに基づくいろいろな対策という現地側の強い要請からいたしましても、きょうは農林大臣、さらに建設大臣、大蔵大臣等の御出席を願って、措置すべきものについては迅速に措置する御方針を伺いたい、こういうのが私どもの基本的な気持ちでありますけれども、きょうは会期末の最終日でありますので、これはある程度やむを得ません。
 ただ、この機会に津島政務次官に冒頭にお伺いしたいのでございますが、御承知のとおり、ことしは一月早々からの豪雪、さらに四、五月以降の長雨、さらに、いま申し上げました地域においては六月の下句から七月の初めにかけての集中豪雨、こういうことで、特に農山村の地帯においては税金収入の方途もないという非常に惨たんたる状況にあるわけであります。もちろん、現地側の要請からすれば、法制的にすみやかに法改正をしなければならぬ問題も含んでおりますけれども、これは今回の会期の状況から見て、直ちに要請にこたえることはできませんが、可能な範囲で行政的、財政的に措置するものについては的確に処置していかなければならぬ、こういう段階だろうと思います。そこで、私は特に現地側を見た立場の一人として希望したいのは、きょうで通常国会も終わるわけですが、でき得べくんば、農林省、建設省を中心にいたしまして、大臣もしくは政務次官、さらに関係の局長その他の限定された諸君を同行いたしまして、すでに私どもと一諸に現地を視察いたしました無地局関係あるいは建設省の防災課長等から事前にいろいろな状況についての実態を聴取して、それらに対する対策等の腹案も持って、現地のなまなましい惨状に基づいての対策というものをすみやかに講ずる、こういうことが一つの方途として必要ではなかろうか。私どもも災害対策特別委員会に足かけ六年籍を置いておるわけですが、大災害の場合には、現地に直接災害対策本部を置いて、適時適切に手の打てるものには打っていくということは、伊勢湾台風その他でもやってきておるわけであります。今回の場合、北九州の数県の問題でありますけれども、一見当たり数日ということで行かれれば、そのことによってすぐに手の打てるものには方針を示し、そうして手を打っていく、こういうことによって現地価の要請の幾ぶんでも解決することができるというふうに思います。特に言うまでもなく、これからまださらに台風期を控えておるという状況下の集中豪雨等の災害でありますので、国会が終わったならば、今申しましたような形――人数その他については、いろいろ忙しい時期でありますが、そういう気持ちですみやかに津島政務次官等も現地側に関係者を連れて行かれる、建設省の諸君も行かれる、同行が一瞬いいと思うのでありますが、そういうことをやられる用意があるかどうか、まず冒頭にお伺いしたいと思います。
○津島政府委員 報告を受けましても、耳で聞くのより日で実際見るというのが非常に判然として、訴えるに痛切なものがあることは、申し上げるまでもないのであります。したがいまして、災害等が起きました場合におきましては、必ず現地に急遽出張するのが当然のことでございます。しかるに、ちょうどこの国会の会期末に今回の集中豪雨等が当たりまして、意のごとくなりませんことは、まことに残念な次第でございます。きょうでもって国会が終わるのでございまして、各部局とも幾らかそこに余裕が生ずることと思うのでございます。したがいまして、速急に、計画を立てまして御趣旨に沿うようにいたしたい、かように考える次第であります。
○角屋委員 政務次官から非常に誠意あるお考えを承りましたので、この点は、人数その他の問題は別として、緊急に手を打つべき問題については、やはり現地に直接臨んでてきぱきと手を打っていく、これが政治をやる者の一つの立場として必要だと思います。私ども現地を見てきた立場からいたしまして、さらにこれから台風期を控え、あるいは稲作の問題についても緊急に措置すべきことについて現地で直接に責任者が措置する、こういうことが災害の場合には必要だというふうに痛感をしておるわけであります。
 具体的な問題に入りまして、まず第一に、気象庁のほうにお伺いしたいのですけれども、私ども福岡、佐賀に参りましたときに、今度の集中豪雨についての気象庁の予報というのがおくれておる。もちろん、これは観測網の全体的な体制ということがあるならば、あるということで私どもはこの機会に率直にお話を願いたいと思うのですけれども、台風シーズンの場合の台風の予測という問題については、これは南の方からずっと北上してくるわけでありまして、比較的的確に予報がなされる。もちろん、ときにはずれることもありまするけれども、何しろこれは自然を相手でありますから、そういうことも起こり得ると思いますが、今回の集中豪雨の場合において、事前に的確な予報ができたならば、人命その他についてもっと損害を減少する方途があったであろう、こういうふうなことが現地側に参りまして感ぜられたわけであります。今度の六月下旬から七月の早早にかけての集中豪雨の予測問題について、気象庁のほうからお話を願いたいと思います。
○日下部説明員 ただいまお話のございました、今回の集中豪雨に関します予測の問題について御答弁申し上げます。
 集中豪雨がこの梅雨末期にありそうであるということにつきましては、二十四日ごろから気圧配置が夏になって、東京あたりはもう夏、梅雨は明けたのではないかということでございましたが、いろいろ資料を調べますと、集中豪雨の危険性があるということにつきましては、かなりはっきりした予測がございましたので、気象庁におきましても、それから福岡の管区気象台におきましても、六月の末から七月にかけて集中豪雨の危険性が残っておるということは予測いたし、長期予報としても発表いたしておったわけでございます。
 そこで、このたびの集中豪雨の二十九日、三十日における状況でございますが、あのときの状況を調べますと、福岡管区におきましては、二十九日の二十一時に高層の観測の資料を調べましたところが、上層に非常に冷たい空気が入ってきて、下があったかい、これは大きな雷雲を発生し豪雨を起こす懸念があるということを発見し、同時に、レーダー等もございますので、雨の危険性があるということを認めて、そうして注意報を出しましたのが、二時五十分ころと思っております。
 そこで、集中豪雨の予報がどのくらい前にできるかという技術的な問題でございますが、レーダーを使いましても、レーダーに映りますのは、結局、雨が降り出して、雨粒をレーダーの電波がとらえるという状態でありますので、どこの地域に集中豪雨が起こるかというのは、そのレーダーのエコーが出たときにはすでに降り始まっている状態であるということで、レーダーによって集中豪雨を発見し、その後の趨勢を予測し、通報して被害を防ぐというたてまえになりますと、時間的に余裕が非常に少ないということ、これはもうやむを得ないものと考えております。台風の場合あるいは低気圧が移動してまいりますような場合ですと、レーダーの有効範囲三百キロないし四百キロと申しますから、その範囲でレーダーのエコーをつかまえて、それからそれの推移を予測し、警報を出すというようなことでございますと、まず数時間以上の余裕が出る。不幸にして今度の場合は、ちょうど福岡あるいは佐賀の上で雷雲が形成されるような気象状況が起こって、そこで降り始まったという事態でございますので、現在の予報の技術から申しますと、これ以上すみやかに予測する、どこの勘所にということの的確な予測は非常にむずかしい。全般的には、集中豪雨といいますか、そういう危険性があるという予測は、かなり前から見当はつきますけれども、これがどこでいつ始まるかということをつかまえることは非常にむずかしいんじゃないか、私どもは技術的にそう考えておるわけです。今度ことに非常に被害の方々にお気の毒に思いますのは、ちょうど真夜中くらいが降り始まりであり、レーダーで見つけて注意報が出たという状態で、これが昼間でラジオがありテレビのある時間であったら、かなりの程度に皆さま方にもわかっていただけたのではないかと思うのですが、管区気象台におきましても、その他地方気象台でも、注意報あるいは警報が出ましたのもたしか五時ころでございました。いかんせん、ちょうど曜日も悪いし、夜中であったということで、残念ながら非常に周知がおくれて、寝耳に水のような状態で被害にあわれた方もあったのではないかと、非常に残念に思っております。技術的には、現在の方法で集中豪雨の地域あるいは時間というものを一日前あるいは半日前というので的確にやれるという技術は、非常にむずかしいのではないかというふうに考えております。
○角屋委員 いま気象庁のほうから正直なお話がございました。私は何も今回の集中豪雨の予測について気象庁の責任を追及するという気持ちで申し上げておるのではございません。かねて私どもは災害問題を取り扱う場合に、気象観測の重要性については十分認識しておるつもりでありまして、しかも今日気象庁が運輸省の中にあるわけですけれども、本来これは各省にまたがる重要な部門でありますので、総理府の中に置いではどうかというふうな議論をかってしたこともございます。しかもまた、こういう気象観測の業務というのはきわめてじみでありまして、何ら政治的背景を持たないというふうなことから、予算折衝等の場合も、ややもすれば軽視される可能性がございます。しかし、日本のような災害国の場合においては、気象庁では、十分自信のある気象観測のためには、全国各地にこういうレーダー網を整備し、あるいはその他の観測諸施設を整備してやらなければならぬというプランを利達さんあたりのときも立てられたわけですけれども、残念ながら、それが必ずしも予定どおり進まないという実情等についても承知しております。しかし、いずれにしても、今回の観測の経験というのは、技術的にいろいろ困難はあろうと思いますけれども、これはやはり一つの経験とし教訓として、さらに、なるべくすみやかな機会に、集中豪雨の時間あるいは場所というものが予想できるための研究、あるいはそれに必要な観測体制の整備ということについて積極的な努力をしてもらいたいということを申し上げておきます。
 さらに、先ほど倉成団長から、特に激甚災害の指定の問題について総務上長官にお尋ねがありました。いまは総務上長官もおりませんが、農地、農業用施設についての激甚災害については、これは十分可能性がある、またそういう方向で努力したいということでありますが、実際問題として、昨年でしたか議論いたしました激甚災害の法律について、全面的な適用が今回の福岡、佐賀等についてできるかどうかという問題は、現地側の強い要請もあり、われわれもいろいろ検討したわけでありまするけれども、厳密にいえばむずかしい問題もあろうかと思います。むずかしければむずかしいだけに、やはり各般の総合的な施策をもってその要請に匹敵するような消化をはかることが当然必要だろうと思います。きょうはこの方面の責任者もおいででありませんが、この点については別地側に特に強い要請がある、その方向で適用がダイレクトにできるものならば積極的にそういう方向で処理する、それが非常に困難である場合においては、総合的施策によってそれに、匹敵するような対策を講ずる、こういう態度で政府としてはぜひやってもらいたいと思います。
 そこで、具体的な建設部門から入りたいと思うわけでありますが、河川局長は先ほどおられましたけれども、例の河川法の関係で参議院に行っておられるということで、いまおいでになっておりませんが、今回の福岡、佐賀等の災害、特に佐賀方面の災害の現地調査をしてまいりますと、山間部における災害が非常にひどいわけであります。もちろん、平地における河川のはんらん、あるいはまた提防の決壊、橋梁の流失等の事態も出ておりまするけれども、福岡にいたしましても佐賀にいたしましても共通して言えることは、中小河川の整備というものが非常におくれておる、あるいはほとんど放置されておる、そのことによって今回の集中豪雨による災害の被害を非常に大きくしたということが具体的に出ております。これは何も今回の集中豪雨に限らず、今日までの災害の中でも常に中小河川の整備ということが強調されておるわけですが、特に今回の集中豪雨の災害の状況を見ますと、もちろん、直轄河川その他の、重要河川に対する整備も重要でありまするけれども、同時並行的に中小河用に対するところの対策がなされなければならぬ。御承知のとおり、治山泊水問題については、いわゆる国の治山十カ年計画あるいは治水十カ年計画ということで予算も計画的に組まれ、実施をされておるわけですけれども、今回の災害等から見てまいりますると、国の流水十カ年計画の中で、該当児である福岡、佐賀で実施すべき予算量をもってしては、やはり今回の災害の再度災害を防止するという万全の対策を講ずることはできない、こういうふうなことを特に痛感したわけでありまして、本来、集中豪雨によって五百ミリあるいは六百ミリという雨が数日間に降るような事態のもとにおいては、全国どこにそういう条件を当てはめましても、災害は相当量のものが出てくるという条件にありますが、やはりこの種事業を推進する場合には、特にひどい災害の出たところについてその面から解決をしていくという以外に方法論としてはなかろうと思う。現実に防災課長も現地に行かれたわけでありますので、河川局長が来られれば、直接河川局長に聞くのが本筋でありますけれども、防災課長ではちょっと無理かもしれませんが、現地を見られた立場から、福岡、佐賀における中小河川の対策というものに対する認識と、今後のこの問題に対する前進のためにどういう方途を講じようとされる考え方であるか、この点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○安芸説明員 お答え申し上げます。
 今度の豪雨は非常に局部的に集中的に降りましたために、小河川がはんらんをいたしましたことは、御指摘のとおりでございまして、とりあえずの処置といたしましては、応急対策を立てて民生の安定をはかりますことはもちろんでございますが、現地の準備ができ次第、できるだけすみやかに査定を実施いたしまして改良的な復旧をやっていきたい。ああいうふうに全面的な被害を受けましたところにつきましては、災害復旧費をもって一定計画のもとで災害復旧ができるような組織になっておりますし、また、関連事業、助成事業等の制度もございますので、これらをあわせ用いまして積極的に改良的に復旧をいたしたい、かように考えておる次第でございます。その他の一般的な中小河川の対策につきましては、これは河川局長が御答弁なさることだと思いますけれども、新しい治山治水計画も計画されておりますし、その面に大いに取り組んで積極的に推進をはからなければならない、かように考えておる次第でございます。
○角屋委員 防災課長はわれわれと緒に、たとえば小郡の端間地区にも行ったわけでありますけれども、あそこは遊水池の決壊等も並行いたしまして、一瞬にして八名の方々がなくなられた、そういうなまなましい惨状のところに参りまして、家内をなくされた、あるいは家族をなくされたという方々の切々たる陳情も承ったわけであります。現地でいろいろお聞きしますと、たとえば西鉄の鉄橋をさらに一メートルぐらい高くしなければならぬ、あるいはあの周辺地区の河川改修が非常におくれておる。そのことのゆえに、本堤の決壊、あるいはまた、それに伴う遊水池等の決壊が並行してああいう大惨事を生じたというふうな形になっておるわけですけれども、あそこについて今後の復旧というものは、これは専門的な立場でありますので、現地を見られた立場からどういうふうに具体的に建設省のほうに報告をし、また措置されようとするのか。
○安芸説明員 宝満川の端間地区の破堤個所につきましては、現在の被害堤が宝満川の本堤より若干低くなっております。そのためにあそこに遊水が集まりまして、秋光川の堤防もあわせまして溢水破堤したものと考えられるわけでありまして、そのために、現在宝満川におきましては、中小河川で二千数百万の予算をもちまして毎年改良工事をやっておりますが、それと合わせまして、災害を受けた個所につきましては、関連事業等と合わせて堤防のかさ上げを行ないたい。まだ現地から詳しい設計の内容につきましては話がございませんので、確定的なことは申し上げられませんけれども、おそらくはあそこの堤防は上げなければならぬのではないか、そのために西鉄のかさ上げという問題も起こってくると思いますが、これは付帯工事というような形で取り上げざるを得ないのではないか、かように考えておりますが、いずれにいたしましても、詳しい計画が県から出てまいりました場合には、下流等の直轄の改修計画もございますので、それらもにらみ合わせまして検討を加えてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○角屋委員 基本的な問題はついては、やはり河川局長がおいでになりましてからお伺いをいたしたいと思います。
 文部省の関係を呼んでおりますので、順序不同になりますが、一点だけでありますので、文部省のほうにお伺いをいたしたいと思います。
 私ども現地に参りました際に、福岡の早良町の内野小学校の被災地に行ったのですが、これは上流部からの山津浪をまつ正面から校舎が受けまして、校舎そのものはひどくこわれましたけれども、それによってその下のほうの耕地あるいは部落の家屋等が相当に被害を免れたという形になっております。学校関係の被害というのは、今回の集中豪雨の県別の資料等を見てまいりますと、必ずしも多くないように判断をしておりますが、しかし、現地にわれわれが参りましたときにも、中に泥土の入りましたものの除去等をやっておりました。その後、佐賀等に参ります際に、新聞を見ますと、校舎のそういう惨状の中で、授業ができないということで、PTAの方々まで総動員をして、授業再開の一日も早いような手を打って、積極的にやっておられるという報道等も見ました。これは伊勢湾等の災害のときにも、長期湛水地帯において、実際水が引いてしまうと、いわゆる全壊とか、あるいは相当な被害だという形でなしに校舎そのものはすんぼり、残っている。しかし、デルタ地帯における校合の再建の問題については、避難校的な性格もあわせ考えて、思い切った鉄筋化ということをわれわれは強調いたしましたし、また文部省もその線に沿うて相当現地側の要請を受け入れられたという経緯がございます。ややもしますと、災害のあの校舎を見られても、何かてこ入れをすればあの校舎を生かせるのではないかという感じが、おそらく査定に行った場合には浮かぶだろうと私は思う。しかし、あの地形から見て、いかに山間部に相当な砂防その他の工事をやりましても、再度災害が絶無かということになりますと、そうは、言い切れないと私は思う。そういう通常の校舎の災害復旧等をやって再度災害を受けるというようなことがあってはならぬというふうな気持ちもありまして、この際、内野小学校のあの惨たんたる校舎の復旧の問題については、デルタ地帯における校舎の復旧と別の角度から、いわゆる山津浪に対するところの考え方も考慮の中に入れて、現地側の要請というのはなまに詳細にお伺いする機会はなかったのですけれども、現地側の要請もおそらくそういうことであろうと思いますし、そういう点を十分配慮して対策を講ぜらるべきではないかと思いますが、この種問題の取り扱いについて、文部省の担当の方からお話を願いたいと思います。
○杉江政府委員 ただいまお話しの学校につきましては、私どものただいま報告を受けた限りにおきましては、これは半壊として当然建て直すべきものだと考えております。で、施設者のほうにおきましてこれを鉄筋化したいという御要望があれば、先般法律改正もしていただいたところでありますので、その御要望に即したいと考えております。ただ、この学校は、基準坪数等において多少問題があるようでございますが、それらは、なお現地調査の結果、できるだけ御要望に即して復旧をはかりたいと考えております。
○角屋委員 さらにもう一点、簡単なことですけれども、お伺いしたいのですが、あれは校舎内に相当な泥土が入っておるのですけれども、ああいう泥土の排除等の問題については、これは文部省として、経費のかかった分については十分見ていくという考えで処理されるわけですか。
○杉江政府委員 土砂排除の経費については復旧費の対象といたします。
○角屋委員 こういうあわただしい会期末でありますので、陣容が全部整備してお尋ねするというわけにもまいりませんが、農林省関係の問題に入りまして、農地、農業用施設の応急復旧工事の問題、これは現地査定に行かれる査定官等の手持ちにしておるハンドブック、いわゆる指導要項等にきめられておるところでは、こういう応急工事の場合には、一カ所五万円以上、全体の本工事費の二〇%以内というふうな一応の基準があることは、私どもも承知しておるわけですけれども、ただ、とり秋時分の災害ということであれば、これはある意味では本格的な農地、農業用施設の復旧というも一のを、緊急のものについては三カ年とか、あるいはその他のものについてはさらに一年なり二年なりプラスしたところでやるという形になるわけですけれども、もちろん、この問題についての工事年限の短縮ということはかねてから問題になっておりますが、そういうことは別にいたしまして、今回の場合は、御承知のとおり、これから頼みの綱の米をとって、何とかして豪雪あるいは長雨等の被害のカバーを一歩でも二歩でもしたいという真剣な現地側の要請の中で、農地、農業用施設等の応急復旧工事がなされるという特殊事情があるわけであります。佐賀県の山間部にまいりました場合にも、井堰その他いわゆる用水関係の施設というものは破壊されておる、稲は厳然として、水さえあれば米はある程度とれるだろうという条件にあるけれども、水路がこわれてしまって、水を持ってくる方途がないという個所が非常にあちこちに出ておるわけであります。これは福岡の場合も同様な条件がありまして、県あるいは関係市町村といたしましては、やはり本年度の当初からの災害の実態から見て、生きておる米については、とり秋まで生かしたいということで必死になっておるわけであります。そういう点から見て、一律に従来の既成概念で応急復旧工事というものを律してしまうということになっては、これは政治ではなくなる、こういうことでありまして、これは農地局からも湯川さんが行かれて、現地の強い要請等についても、県当局あるいは関係市町村で何度となく受けておる問題の一つであります。今回のような災害の実態から見て、またこれから頼みの綱の米をとらなければならぬという条件から見て、この種応急復旧工事については、やはり弾力的な運営、政治的な配慮というものが当然考えられなければならぬ、また、こういう考え方に基づくところの適切な現地指導というものはすみやかになされなければならぬという情勢だと思いますが、これらについてお考えを承りたいと思います。
○永田説明員 お答えをいたします。
 今度の災害につきましての態度といたしましては、ちょうどまだ稲を植えつけても間に会うというような時期でありますので、いまから田植えをしてもできそうだというところについては、できるだけ応急復旧工事をやるようにということを、六月の十八日付の通牒でもうたっておるわけであります。そこで、応急復旧の際に、五万円以上でなければならぬとか、本工事の二〇%以下でなければならぬとかいうことにつきましても、そういう通達を出しておるわけでありますが、ここで考えなければならぬことは、一カ所の観念が、五十メートル以内の長さでじゅずつなぎになっておるものはこれは一カ所である、なお、そうでない場合でも、上流、たとえば七十メートルなり百メートルのところを直さなければ水がこないのだというように、関連上ぜひともこれは一地区とみなさなければならぬという場合には一カ所として扱う、こういうことにいたしておるわけであります。したがいまして、一つの地区の中で一万円のものが五カ所以上あれば、これは五万円以上というものに該当する、こういうぐあいに解釈をいたしております。したがいまして、この一カ所といいますか、一地区といいますか、そういうものの中でのトータルが五万円以上、こういうことをいっておりますので、そういうことでもなおかつ読めないというようなものにつきましては、これはある程度限度もありましょうけれども、今回の災害の特殊性にかんがみて検討すべき点は十分検討して処置いたしていきたい、かように思っておりますし、なお、先ほど申し上げたような事情から、特に農地の査定につきましては、農地局としましては七月の二十日までに緊急査定を終えてしまうという予定をいたしております。したがいまして、本省の査定官も現地にまいることでありますから、取り扱いにつきましては、地方農政局、それから本省、県、地元の方々とよく相談して納得のいくものにしていきたい、かように存じておるわけであります。
○角屋委員 大蔵省の主計局次長も先ほどまでおいででしたが、この方面の直接担当しておられる宮崎さんがおいででありますので伺いますが、先ほど申し上げておりますように、本年の場合は、言うまでもなく豪雪、長雨、さらに今回の集中豪雨というように、福岡、佐賀等の場合には三つの災害が今日まで重なって、これからまださらに台風期を迎えなければならぬ、しかも今回の集中豪雨の被害の場合は、先ほどもお話しましたように、現地側の農民は、頼みの綱の米で何とか息をつなぎたいという必死の姿でおる。本格的な農地、農業用施設等の復旧をまつまでもなく、応急復旧工事で水の確保をしなければならぬという場合に、先ほど来農地局参事官からお話のように、二〇%以内とか、あるいは五万円以上というのは、一つのやはり全般的指導の基準でありまし上うけれども、政治の処理としては――政治的な処理というものは、悪い意味でなくて、実際の現地側の災害の実態、あるいは今日の農村の非常に悲惨な財政状況というものから見て、当然考えなければならぬいま言ったような問題の取り扱いについて、ややもすれば大蔵省が大きな壁になってはいけない。御承知の現地査定の場合には、農林省に大蔵省のほうからも同行して査定に行かれるわけでありますけれども、その際、ことしのこういう集中豪雨等の場合の応急復旧工事等については、現地側で当然これはやらなければならぬ必須事項の問題だという場合には、弾力的配慮というものが当然考えられておると思いますが、いかがでございますか。
○宮崎説明員 お答え申し上げます。
 御承知のとおり、災害復旧事業にあたりまして、大蔵省の係官が農林省あるいは建設省の査定官に同道いたしまして現地の査定に立ち会うという制度が、昭和二十七年以来できております。これは災害復旧事業の本質にかんがみまして、できるだけ対策を急速に実施する必要があるということで、現地においてそういった査定確定をいたす、こういう方式になりまするので、大蔵省のほうといたしましても、一々これを本省まで上げてそしてお打ち合わせをするということでなくて、現地に直接係官が出て、そこできめていただく、こういう方針でやっておるわけであります。大体数年の経過を経まして、円滑にいっておると思いまするが、なおまずい点がありますれば、御指摘を願えれば改めてまいりたいと思います。
 ただいま具体的な御指摘でありまする応急工事費の範囲の問題であります。農林省のほうからお答えがございましたけれども、これはあくまで二〇%とか五万円というのは目安でございまして、本工事を実施する前提といたしまして、有効に、しかもその現地の対策として効果があるような応急対策を実施していくということが本質でございます。今回の災害について特別の事情がありますれば、実情に合うようにやっていくということでございますから、この点は、農林省のほうの御相談がありますれば、十分善処してまいりたいと考えております。
○角屋委員 林野庁指導部長、おいでですね。――私ども参りました福岡の場合も、佐賀の場合も、相当な国有林があるわけでありますが、今回の集中豪雨の被害はもちろんでありますけれども、その前の長雨等の関係ももちろん希望としては含まれておると思いますが、国有林の災害復旧資材の問題での協力、あるいはまた、国有林野の災害復旧事業の労力というものを災露地の現金収入という要請にこたえるという配慮、さらにまた、木炭その他の要請の問題も含めて、国有林の現地協力という問題についてそれぞれ両県とも強い要請がございました。またさらに佐賀の山間部のほうに入りますと、それぞれの地域においても同様な要請がございました。この機会に、今回の集中豪雨の福岡、佐賀あるいは熊本等の第一線のこの種要望に対する指道守を本省としてどういうふうにやっておられるか、お伺いをいたしておきたいと思います。
○森田説明員 お答えいたします。
 今回の集中豪雨をこうむりました福岡、佐賀、熊木の各県に対しまして、国有林側は全面的な御協力を申し上げるという覚悟でございます。本日の正午までに現地の国有林当局から入りました報告によりますと、佐賀県の三瀬村に対しましては、橋梁の復旧用材といたしまして約一千石を売り払うという約束ができたようでございます。また、ただいまお話のございました地元の方々のかせぎ用の木炭の資材といたしまして、これも一年分の用意ができておるそうでございます。なお御要望がございましたならば、その後引き続いて処分いたしたいということでございます。
 なお、富士村につきましては、まだ村当局におきまして具体的な復旧計画ができておらないようでございますけれども、計画ができ次第、国有林として協力ができますことにつきましては十分御援助できますように準備を進めておるようでございます。
 なお、この両村に対しまして佐賀県当局のほうから応急住宅資材の要請がございましたが、現地の熊本営林局におきましては、福岡に応急住宅用の資材を確保してございますので、そのうちから御要望にこたえる、そういうことになっておるようでございます。
○角屋委員 現地でいただきました北九州の集中豪雨の営林署別、県別、事業別被害状況調べ、これは総額で二億二千三百七十二万九千円ということで、私ども現地視察をいたしました福岡の場合、一億四千六百二十三万九千円、佐賀の場合、六千六百八十五万円、こういうことで、先ほど現地側の現金収入の方途ということで若干触れたわけですけれども、そういう立場から考えてみますと、福岡の場合には、治山の関係の被害が一億三千八百九十万、こういうふうに数字として出ておりますけれども、佐賀の場合には五千七十五万、したがって、治山関係の事業は相当にあるのではないかというような感じがするわけです。これはもちろん山でありますから、詳細な現地調査に基づいての資料かどうかわかりませんけれども、救農土木事業ということは、いつの災害でも、特に現金収入の方途のきわめて困難な場合に、強く現地側から出てくる重要な問題の一つであります。私ども、佐賀なら佐賀の山間部に参りますと、あそこから町場のほうに現金収入の方途を講ずるために出かけてくるということは、なかなか至難なことであると思う。そうすると、やはり山間部においては山間部で現金収入の方途を講じなければならぬ。それには、もちろん災害復旧事業にできるだけ現地の方々を使う、これは国有林たると、あるいは一般の災害復旧の場合たるとを問わず、十分配慮していかなければならぬということが、救農土木の場合の一つの重要な部門だと思うのですが、そういう点については、先ほどの答弁では必ずしも触れられなかったのでありますけれども、福岡、佐賀等の今後の災害復旧、これは単に治山関係ばかりではなく、林道その他を含めましての災害復旧について、現地側の強い要請がある場合には、積極的にそれを受け入れていくということが可能であるかどうか、さらにお伺いしたいと思います。
○森田説明員 そういうことにいたしたいと考えております。
○角屋委員 政務次官にこの機会にお伺いしたいのでありますが、救農土木事業の問題は、先ほど山間部の問題で若干指導部長にお伺いしたわけですけれども、ことしのように、豪雪、長雨、さらに集中豪雨、しかも、たとえば福岡の大野町は、きのう夜おそく私ども現地に行ったわけですけれども、あそこは堤防の決壊によって、約二百町歩近くの水田が土砂で埋まる、あるいはほとんど収穫がないのであろうという条件のところになっているわけであります。当初私ども災害の視察予定でなかったわけでありますけれども、現地側から特に、私どものところに出かけてきて、ぜひ現地の惨状を見てもらいたいということでありましたので、私どもも時間を差し繰りいたしまして現地側に参りました。なるほど、行って見ると、やはり現地の要請のあるとおり、ひどい災害の状況でございました。多数の罹災者の方々も集まってまいりまして、倉成団長がごあいさつをされたときには、農家の奥さん方がハンカチを押えるというふうな惨状でありまして、とにかくそれぞれの地域によって私は違うと思いますけれども、山間部にいたしましても、平たん部にいたしましても、ことしは年度当初からほとんど収入らしい収入はない、そしてまたこれからも農家収入というものは農業部門では見込めないという条件のところも相当にある。こういうところについて、やはり衆あるいは市町村の要請に基づく積極的な救農土木専業を起こしていく必要がある。これは私は場所場所によって違うだろうと思うのです。農林省がやはりそういう方針を出して――私がさっき冒頭に、農林政務次官なり、あるいは建設省の政務次官なり、関係者の諸君が行って、現地で行政的に予算的にできることをてきぱきとやっていけという私どもの気持ちの一つは、こういう問題についてもやはり現地側で直接手を打っていくということが必要だと考えたからでありますけれども、従来伊勢湾台風その他大きな災害の場合にも救農土木事業というものを起こしたことがございます。今回の場合においても現地側からもとの種要請が強く出ておりますけれども、従来からの災害の重要な項目の一つとして出ているのだという受け取り方ではなしに、ことしの災害の状況から見て、積極的に現地に乗り込んで、そういうプランなり要請のあるところについては、それを謙虚に受け入れて消化していく、こういう姿勢が必要かと思うのでありますが、これらの点について政務次官のお考えを承りたいと思うのです。
○津島政府委員 お答えを申し上げます。
 救農土木事業のことでございますが、被災地の人々を救うためには、これ以外にはないのであります。したがいまして、すでに何か計画のある事業がありますならば、それをなるべく繰り上げて施行することは第一でございます。また、その土地土地によりまして適当な事業がありますならば、ただいまもお話がございましたとおり、それを謙虚に受け入れまして実施に移していく。ことに山間地帯におきまして特に配慮すべきことは、やはり林道などの建設につきましては特段の配慮をもって実施してまいるということは、非常に私は必要であろうと思うのであります。現地の事情を的確に把握いたしまして、それらの事業を早く実施に移しまして困っておる方々をお救いするのがほんとうである、かように考える次第であります。
○角屋委員 現地に参りますと、種々さまざまな要請と問題にぶつかるわけですけれども、その問題の一つに、農林省が構造改善事業を進めているパイロットあるいは一般地区、こういうふうな地域において、これは私ども福岡県でそういう関係市町村にお話がございましたが、現地側には行く機会がなかったのですけれども、やはり災害を受けておる。こういう問題にぶつかることもありますし、たしか佐賀県の背振村だったかと思いますが、集約酪農地帯の指定を受けて、乳牛を四、五百頭飼って、そして酪農で農村の振興をひとつ積極的にやっていこうということで数年来取り組んでおる。ところが、山間部でありますので、道路があちこちで寸断をされる、お乳を運ぶにも運びようがない、こういう条件で数日間は乳が腐ってしまい、なおかつ今日でもなかなか思うような道路復旧がなされておらぬということで、すみやかな道路整備の強い要請等もございました。これらの問題は、それぞれ地域地域でケース・バイ・ケースで、しかもそれは時期を失せずやらなければならない問題が各州にございます。こうなると、これは先ほどの緊急査定なり応急復旧工事でありませんけれども、しゃくし定木でいかぬという問題が私はあろうと思うのです。この機会に農林省、建設省のほうから、先ほどもちょっと話が出ましたけれども、今回の集中豪雨を受けた福岡、佐賀、あるいは熊本、これの緊急査定に出かける時期等についてそれぞれお話しを願いたいと思います。
○安芸説明員 お答え申し上げます。
 緊急査定はできるだけ早く出かけたいと思いますが、何にいたしましても、現地を測量いたしまして設計書をつくらないと査定ができない関係で、現地に参りましたときにも土木部長に御相談申し上げまして、できるだけ早い機会に緊急査定ができるように準備してほしいということをお伝え申し上げまして、大体七月の末には査定が受けられる体制になるのではないか、かようなお話しを伺っております。応急工事につきましては、査定を待たずにどんどんやって民生の安定をはかっていただくようにお願い申し上げておるわけであります。
○永田説明員 お答えいたします。
 農地の緊急査定は、先ほども申しましたとおり、七月二十日までに終えるようにという予定を組んでいるわけでありますが、この際に、その農地に水がこないというような直接関連した農業用の施設、そういうものはできるだけ合わせて見る、こういうことにいたしておりますが、一般的な農業用の施設につきましては、その後にできるだけすみやかにやりたいということで、期日についてはまだ予定を組んでおりませんが、できるだけすみやかに行ないたいと思っておる次第であります。
○角屋委員 現地側の要請に基づいて、きょうの団長の報告の中でも重要な項目の一つとして触れた中に、技術職員の派遣の問題があります。これは従来の災害でも、県間の応援、あるいは農林省の第一線の農地局なりあるいは本省からの配慮、農林省でいえばそういうことになりますし、建設省でいっても、県間その他の配慮でやるということであろうと思いますが、特に今回の集中豪雨の災害の設計その他の問題については、稲作を生かしていくということを控えての緊急にやらなければならぬプランだということになるわけでして、この辺の技術職員の派遣問題について、これはもう面接われわれと一緒に農林省、建設省の担当の方方も行っておられるわけですが、どういうふうに具体的にやられる予定であるか、お伺いをいたしたいと思います。
○安芸説明員 お答えいたします。
 符にその問題につきまして問題の多いのは佐賀県であろうと思いますが、佐賀県につきましては、昨年も大きな被害を受けておりました関係で、非常に技術職員の不足を感じておるところでございますけれども、幸いなことには、昨年災害を受けました場所と、ことしの災害の個所とが違います関係で、人員のやりくりもかなりできるというふうなお話を土木部長から承っております。それで、どうしてもできない場合には、応援派遣という要請を本省のほうにいたしたい。そういたしますれば、私たちのほうで各州に呼びかけまして応援隊を組織いたしまして現地に派遣いたしたい。伊勢湾台風と、それから、二十六年の災害、それから去年の北海道の災害につきましても、いままで各応援隊を派遣いたしておりますが、そのように取り計らいたいと思っております。
○永田説明員 お答えいたします。
 国の役人のてこ入れということにつきましては、九州なら九州の農政局管内に相当事業所を持っておりますので、ひまというわけでもありませんけれども、比較的あいておるというところから応援を求める、それで足りないときには、ほかの地方農政局から応援をやるということもあり得ると存じますし、過去においてやったこともあるのであります。しかし、大多数の災害は県関係でありますので、県に突発的な大きな災害が起きますと、多くの場合人員、が不足するということになりますので、災害の発生しておらない県から応援を求めるというあっせんを従来やっております。激甚な場合には多くやってわりますので、そういう措置をとりたいと考えておる次第であります。
○角屋委員 自治省の関係はおられますか。――先ほど倉成委員からの地方交付税の繰り上げ支給の問題については、それぞれ被害の実態から見て特に必要なところについては七月中にも実施したいという、非常に誠意のある御答弁があったわけですけれども、つなぎ資金その他の問題は、やはりこの種災害の場合には当然な問題であります。第一線の財務部を通じていろいろ手配をしておられると思いますが、これらの点についてもあわせお答えを願いたいと思います。
○茨木説明員 つなぎ資金の問題につきましては、私のほうの理財課のほうから大蔵省の理財局のほうへ連絡をいたしまして、手配をしてございます。
○角屋委員 あと、基本的な問題は、関係大臣、さらに、建設省の関係は河川局長等が参らないと質疑を進めるわけにいきませんので、この際暫時休憩していただきまして、もしそういう方方が出席できるということであれば、大臣の出席も得て再開していただいたらどうかという気持ちがあるのですが………。
○加藤(常)委員長代理 ちょっときょうは無理みたいな気がしますね。
○角屋委員 それでは、きょうは、私ども現地側に参りました者といたしましては、団長からの報告に基づいて、それぞれ責任者の出席を求めて、現地側の要請の重点的な問題については、国会の会期末のきょうに一つの方針を出していただくという気持ちでおったのでありますけれども、何せ国会会期末でありますし、それぞれ大詰めの各委員会がありまして、必ずしもそういうふうな形にはまいりません。しかし、閉会中、十日前後にさらに委員会を開くことになっておりますので、この種問題についてはずっとやっていかなければならぬ問題も含んでおりますから、本日は、この委員会の状況からいたしましても、この程度でとどめ、あとの質問は閉会中の審査の際に譲りたいと思います。
○加藤(常)委員長代理 残余の重要な問題は後日に譲ることにして、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十五分散会