第043回国会 社会労働委員会 第20号
昭和三十八年三月十三日(水曜日)
   午前十一時八分開議
 出席委員
   委員長 秋田 大助君
   理事 小沢 辰男君 理事 齋藤 邦吉君
   理事 澁谷 直藏君 理事 柳谷清三郎君
   理事 大原  亨君 理事 河野  正君
   理事 小林  進君
      井村 重雄君    伊藤宗一郎君
      浦野 幸男君    大高  康君
      岡田 修一君    加藤鐐五郎君
      佐伯 宗義君    田中 正巳君
      中野 四郎君    中山 榮一君
      羽田武嗣郎君    早川  崇君
      松浦周太郎君    渡邊 良夫君
      淺沼 享子君    島本 虎三君
      八木 一男君    吉村 吉雄君
      本島百合子君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 西村 英一君
 出席政府委員
        厚生政務次官  渡海元三郎君
        厚生事務官
        (大臣官房長) 熊崎 正夫君
        厚生事務官
        (児童局長)  黒木 利克君
 委員外の出席者
        厚 生 技 官
        (児童局母子福
        祉課長)    植山 つる君
        専  門  員 川井 章知君
    ―――――――――――――
三月十三日
 委員早川崇君、松山千惠子君、森田重次郎君及
 び米田吉盛君辞任につき、その補欠として羽田
 武嗣郎君、大高康君、中山榮一君及び岡田修一
 君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員大高康君、岡田修一君、中山榮一君及び羽
 田武嗣郎君辞任につき、その補欠として松山千
 惠子君、米田吉盛君、森田重次郎君及び早川崇
 君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月十二日
 生活保護基準の引上げ等に関する請願(山崎厳
 君紹介)(第二〇四七号)
 療術の制度化に関する請願(伊藤卯四郎君紹
 介)(第二〇四八号)
 同(内海清君紹介)(第二〇四九号)
 同(田中幾三郎君紹介)(第二〇五〇号)
 同(西村榮一君紹介)(第二〇五一号)
 同(井手以誠君紹介)(第二一四一号)
 同(宇田國榮君紹介)(第二一四二号)
 同(細迫兼光君紹介)(第二一九七号)
 同(田中彰治君紹介)(第二二七九号)
 同(津島文治君紹介)(第二二八〇号)
 同(正力松太郎君紹介)(第二三六〇号)
 原爆被害者救援に関する請願(受田新吉君紹
 介)(第二〇五二号)
 同(増田甲子七君紹介)(第二〇五三号)
 同(小島徹三君紹介)(第二〇九五号)
 同(河野正君紹介)(第二一四三号)
 同(松浦周太郎君紹介)(第二二二一号)
 原爆被害者援護に関する請願外二十四件(馬場
 元治君紹介)(第二〇五四号)
 業務外の災害によるせき髄障害者援護に関する
 請願(古井喜實君紹介)(第二〇五五号)
 外傷性せき髄障害者の長期傷病給付及び休業補
 償費給付率引上げ等に関する請願(古井喜實君
 紹介)(第二〇五六号)
 都市清掃事業改善に関する請願外二件(田中幾
 三郎君紹介)(第二〇五七号)
 同(西尾末廣君紹介)(第二〇五八号)
 同(西村榮一君紹介)(第二〇五九号)
 同(角屋堅次郎君紹介)(第二〇八六号)
 同外二件(河野正君紹介)(第二〇八七号)
 同外九件(楢崎弥之助君紹介)(第二〇八八
 号)
 同(有馬輝武君紹介)(第二二二二号)
 同(石川次夫君紹介)(第二二二三号)
 同(岡田春夫君紹介)(第二二二四号)
 同(勝澤芳雄君紹介)(第二二二五号)
 同(川俣清音君紹介)(第二二二六号)
 同(河上丈太郎君紹介)(第二二二七号)
 同(木原津與志君紹介)(第二二二八号)
 同(北山愛郎君紹介)(第二二二九号)
 同(栗林三郎君紹介)(第二二三〇号)
 同(島本虎三君紹介)(第二二三一号)
 同(田邊誠君紹介)(第二二三二号)
 同(高田富之君紹介)(第二二三三号)
 同(中澤茂一君紹介)(第二二三四号)
 同(中村重光君紹介)(第二二三五号)
 同(中村英男君紹介)(第二二三六号)
 同(永井勝次郎君紹介)(第二二三七号)
 同(成田知巳君紹介)(第二二三八号)
 同(西村関一君紹介)(第二二三九号)
 同(藤原豊次郎君紹介)(第二二四〇号)
 同(堀昌雄君紹介)(第二二四一号)
 同(松前重義君紹介)(第二二四二号)
 同(三木喜夫君紹介)(第二二四三号)
 同(森島守人君紹介)(第二二四四号)
 同(八木一男君紹介)(第二二四五号)
 同(矢尾喜三郎君紹介)(第二二四六号)
 同(安井吉典君紹介)(第二二四七号)
 同(山中日露史君紹介)(第二二四八号)
 同(横路節雄君紹介)(第二二四九号)
 同(吉村吉雄君紹介)(第二二五〇号)
 清掃事業改善に関する請願(中澤茂一君紹介)
 (第二〇八四号)
 同(河野正君紹介)(第二一四五号)
 同外二件(滝井義高君紹介)(第二一四六号)
 同(横山利秋君紹介)(第二一四七号)
 業務上の災害による外傷性せき髄障害者援護に
 関する請願(野原覺君紹介)(第二〇八五号)
 原爆被害者救援に関する請願外三十七件(竹山
 祐太郎君紹介)(第二〇九六号)
 元南満州鉄道株式会社職員の戦傷病者戦没者遺
 族等援護法適用に関する請願(内海安吉君紹
 介)(第二〇九七号)
 同(田中龍夫君紹介)(第二一四四号)
 同外五件(愛知揆一君紹介)(第二一六二号)
 同(長谷川峻君紹介)(第二一六三号)
 同外一件(佐々木義武君紹介)(第二二二〇
 号)
 同(堀内一雄君紹介)(第二二八一号)
 公衆浴場法の一部改正に関する請願(赤松勇君
 紹介)(第二二二九号)
 同(野原覺君紹介)(第二一四〇号)
 同(鈴木義男紹介)(第二三五八号)
 失業対策事業打切り反対等に関する請願外五件
 (井岡大治君紹介)(第二一四八号)
 同外二件(中村高一君紹介)(第二一四九号)
 同外二十六件(川上貫一君紹介)(第二二〇五
 号)
 同外二十七件(志賀義雄君紹介)(第二二〇六
 号)
 同外二十八件(谷口善太郎君紹介)(第二二〇
 七号)
 同外二件(細迫兼光君紹介)(第二二〇八号)
 同外五件(板川正吾君紹介)(第二三〇二号)
 同(稻村隆一君紹介)(第二三〇三号)
 同外七件(島本虎三君紹介)(第二三〇四号)
 同外二件(田口誠治君紹介)(第二三〇五号)
 同(日野吉夫君紹介)(第二三〇六号)
 同外九件(広瀬秀吉君紹介)(第二三〇七号)
 同外五件(松井政吉君紹介)(第二三〇八号)
 同外四件(武藤山治君紹介)(第二三〇九号)
 同外四件(矢尾喜三郎君紹介)(第二三一〇
 号)
 同外一件(足鹿覺君紹介)(第二三四七号)
 同外三件(石田宥全君紹介)(第二三四八号)
 同(角屋堅次郎君紹介)(第二三四九号)
 同外三件(小林進君紹介)(第二三五〇号)
 同外二百五十六件(杉山元治郎君紹介)(第二
 三五一号)
 同外八件(坪野米男君紹介)(第二三五二号)
 同外四件(松原喜之次君紹介)(第二三五三
 号)
 同外三件(横山利秋君紹介)(第二三五四号)
 戦争犯罪関係者の補償に関する請願(荒舩清十
 郎君紹介)(第二一六四号)
 原爆被害者救援に関する請願外三件(細迫兼光
 君介)(第二一九八号)
 一般職種別賃金の即時廃止等に関する請願(加
 藤勘十君紹介)(第二二一九号)
 人命尊重に関する請願外五十八件(丹羽喬四郎
 君紹介)(第二二八二号)
 同(瀬戸山三男君紹介)(第二三六一号)
 原爆被害者援護に関する請願外八件(前田榮之
 助君紹介)(第二三〇一号)
 医療改善に関する請願外九件(島本虎三君紹
 介)(第二三五九号)
 産業合理化による賃金引下げ及び人員整理反対
 等に関する請願外七件(川上貫一君紹介)(第
 二三六八号)
 同外六件(志賀義雄君紹介)(第二三六九号)
 同外六件(谷口善太郎君紹介)(第二三七〇
 号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出第五〇号)
 国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出第八七号)
     ――――◇―――――
○秋田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案及び国民健康保険法等の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。吉村吉雄君。
○吉村委員 母子福祉資金の貸付等に関する法律の改正案について、今日まで相当質疑が続けられたわけでありますが、それらとの重複をできるだけ避けながら、若干の点について当局の見解をただしておきたいというふうに考えます。
 まず第一にお尋ねを申し上げたいのは、母子家庭というのは、戦後、戦争という特殊な条件下において相当大量にあったわけですけれども、その後十七年余を経た今日の状態の中で、一体母子家庭というものはどういう推移を示しているか、言いかえますとふえる傾向にあるのか、あるいは減少の傾向にあるのか、これは戦争という特殊な条件下のものを除いて、厚生省としてはどのように把握をしておるか、まずそのことをお伺いしておきたいと思います。
○黒木政府委員 母子世帯の戦後から現在に至る推移でございますが、総数におきましてだんだん減少しつつあります。すなわち、昭和三十一年に調査をいたしました資料を見ましても、総数が百十五万世帯でありましたものが、昭和三十六年の調査によりますと、百二万九千世帯に減少をしておるのであります。このうち母子世帯になった原因別を比べてみますと、当然のことでありますが、昭和三十一年当時はいわゆる戦争死というものが二六・一%を占めておりましたものが、昭和三十六年度は一四・一%というふうに、戦争死による母子世帯がだんだん減少して参りました。それに反しまして離婚世帯、これは三十一年の調査によれば一四・六%であったものが、一六。八%というふうに増加を見ておるのでございます。それから母子世帯の経済状態でございますが、昭和三十一年に調べたところによりますと、一万円未満の収入しかない世帯が四八%ありましたものが、昭和三十六年では二一・五%に減少しておる。それから一万五千円以上の収入のある母子世帯が、昭和三十一年には二八・七%であったものが、三十六年には五六・五%というように、経済状態もだんだん向上しておるというような違いがございます。
○吉村委員 今の答弁から考えられますのは、総体的に母子家庭は減少しつつある。しかし、この算出の基礎数字と見られるものは、戦争という特殊な条件下において相当当初多かったはずでありますから、ただいまの答弁からもうかがわれますことは、離婚の母子家庭がふえつつあるということを勘案いたしますと、総体としては減っておるけれども、しかし傾向としては、むしろふえていくという傾向を示しているのではないか、言いかえますと、それは戦争によるところの夫に死別をした母子家庭というものを除いた場合のことを想定してこれを計算するとするならば、そういうふうになるのではないかというふうに私は大体推測をするわけですけれども、この点は一体どういうふうになりますか。
○黒木政府委員 ただいま申しましたように、昭和三十一年と三十六年とを比べまして、戦争死の比率が二六・一から一四・一に激減をいたしております。約一二%減っておるわけでありますが、一力、御指摘の離婚は、昭和三十一年に一四・六であったものが、昭和三十六年に一六・八というふうに二・二%の増加でございます。一二%と二・二%でございますから、絶対数におきましては、母子世帯は、やはりだんだん戦争死というような原因が少なくなるに従いまして減ってくるのではないか。従いまして 戦後なりあるいは現在と比べまして、離婚世帯の増加による母子世帯の絶対数がふえるというふうには、今のところは考えられないのでございます。
○吉村委員 それでは次にお伺いいたしたいのでありますけれども、母子家庭の経済状態については、先ほど一万円以下の母子家庭の比率等についてお話があったわけですけれども、これは、一万円というものを基準にして考えていくことについては相当問題があるのではないかと思うのです。物価の変動、生計費の値上がり、こういうものから考えますと、たとえば昭和三十五年度で一万円であったとしても、今日においては、もっと高い数値で計算をしなければ現われた数値は合致をしない、こういうふうになるだろうと思います。ですから、昭和三十五年度における一万円以下の母子家庭の数に対して、物価指数等を考えた場合に大体どのくらいになっておればいいのかということは、当然厚生省の方として把握をしておるものというふうに考えますけれども、この点は一体どのように把握をし、どう理解をされておるか、お尋ねをしておきたいと思うのです。
○黒木政府委員 御指摘の問題は、実は従来の母子世帯の実態調査におきましては詳細な調査をしておりませんので、単に先ほど申しました程度の数字しかないのでございます。しかし、三十一年度と三十六年度と比べまして、一万五千円以上の収入のある世帯が、昭和三十一年度で二八・七%ありましたものが、昭和三十六年にその約倍の五六・五%になっておるのでございます。三十一年と三十六年と比べまして一般の勤労世帯の収入が倍額にはなっておりませんから、その点では母子世帯の経済状態は、三十一年と三十六年と比べまして、かなりの上昇を見ておるのではないかというふうに考えられるのであります。しかし、御指摘にもありました詳細な調査がございませんので、この間において一体物価がどれだけふえ、国民の低所得者の所得がどれだけふえ、それと比べてどうだというような比較はまだ十分できませんが、時間をお許しいただければ、そういうような調査をいたしまして資料として提出させていただきたいと思います。
○吉村委員 厚生白書を三十五年、六年、七年度という工合に見て参りますと、データの出し方は、今、局長が答弁をされた通りになっておりますので、これでは正しい意味での比較はできないのではないか。三十五年度で一万円がかりに何%とあった場合には、三十七年度の場合には、その一万円は一万四千円なら一万四千円になる、それに対応する家庭数が何万世帯ある、こういうふうに出なければ、正しい意味での母子家庭あるいは一般家庭の生活内容を比較検討するデータとしては使えないのではないかというふうに考えますから、この点は、十分物価の動向などと対応し得る数値が出し得るような統計をつくっていただくように、この際要望をしておきたいと思います。なお、早急にできるようでありますならば、資料としてあとで提示をしていただきたいと思います。
 さらに、厚生白書の統計とも関連いたしますけれども、母子家庭の中の本母子家庭、すなわち十八才以下の子供を持つ家庭というものが、三十五年度、三十六年度の厚生白書には出ておるのでありますが、三十七年度になりまして、この統計の資料が異なっております。母子世帯調査をもとにしておる関係もあるだろうと思いますが、十九才以下の子供を持つ家庭を、本母子家庭ということで調査をしておる。同じ厚生省でございますから、これでは私は正しい意味での比較検討、その比較検討に基づいたところの対応策というものができないのではないかというふうに考えられます。従って、こういうような点についても十分配慮して、資料を使う場合には比較検討ができやすい資料を出していただくように、これもあわせてお願いをしておきたいと思うのでございます。その厚生白書の三十六年度の調査によるところの母子家庭数は、約百三万世帯になっておる。このうち本母子世帯数というものは、六十四万世帯と厚生白書には出ております。私がここで知りたいのは、この木母子世帯の平均の収入というものは一体どのぐらいになっているのか、わかっておりましたら知らせていただきたいと思います。
○黒木政府委員 先ほどの御質問のお答えを敷衍したいと思いますが、実は三十一年と三十六年度の母子世帯の経済状態の変化につきましてのもう一つの資料がございます。それは母子世帯で生活保護を受けておるものがどういう、ふうに変わったかという資料でございますが、昭和三十一年度の母子世帯の生活保護を受けておる比率は一〇・六%でございまして、十二万世帯でございます。これに対して一般家庭で生活保護を受けておる比率は一・四%でございます。それが三十六年度では、この一〇・六%が七・九%に下がっております。世帯数にして八万世帯でございます。なお一般家庭では一・七%、六十一万世帯になっております。従いまして、三十一年と比べまして、生活保護法の適用世帯から更生できた母子世帯はかなりあるわけでありますが、しかし、それでも一般家庭に比べまして約四倍の高率でございまして、この点ではまだ不十分だというように考えております。
 それから第二の御質問でございますが、実は母子世帯調査では従来十八才未満であったものを、今回の調査では十九才未満というふうに改めたのでございますが、御指摘のように、確かに比較をするには非常に不便でございます。しかし、今回改めましたのは、母子世帯のいろいろな施策がどのような行政効果を上げておるかというような調査をいたしたいと思いまして、母子世帯の貸付の制度は、十九才未満の子と母からなる世帯を一応対象にいたしておりますので、十八才未満の世帯ではつかまえにくいというような事情がございまして、今回、三十六年度から、母と十九才未満の子からなる世帯というものを本母子世帯として取り上げた次第でございます。今後は、厚生省のその他の厚生行政基礎調査などもこういうようなやり方で、本母子世帯の定義をして調査をして参りたいと思っております。
 それから御質問の母子世帯の平均の現金収入でございますが、これは一万九千二百十八円であります。一般勤労世帯の平均収入が三万三千九百七十五円、これと対比される額でございます。
○吉村委員 ですから、本母子世帯の平均収入はどうなんですか。
○黒木政府委員 本母子世帯の平均収入というふうには今つかまえておりませんで、これは準母子世帯も含めました全体の母子世帯でございますが、あるいは実態調査からそういうような抽出ができるかもわかりませんから、一つ作業をしてみたいと思います。
○吉村委員 母子家庭の中で一番問題になるのは、やはり本母子世帯だと私は思うのです。母子家庭と言いましても相当年配の子弟を持った母親もおるわけですから、これらの家庭の生活の実態というものは、ややよくなっているというふうに考えられます。しかし、満十八才以下の子供を持ったところの母子家庭というものは一番生活困難なはずでありますから、厚生省でいろいろ資料なりデータなりを出していただくにあたって、全般のものがわかるようにしてもらうのはけっこうでありますけれども、一番問題になっているところを明らかにしてもらわなければ、これを対象とする政策というものができていかない、こういうふうにならざるを得ないと思うのです。今のように、大へん問題になると考えられる本母子世帯の平均収入はどのくらいになっているのかということが明確でないということでは、私は困ると思うのですが、どうですか。
○黒木政府委員 確かに御指摘の通りでございますが、ただいま私の方の実態調査で、この本母子世帯、準母子世帯、複母子世帯別に世帯の平均収入というものが抽出できますれは、その作業を試みて提出したいと思います。
○吉村委員 これは厚生省ばかりでなくて、労働省の諸統計などをながめましても、そういう点、非常に問題が多いところがございます。今の点は大臣も聞いておるようでありますから、政策を遂行するのにあたって、その対象となるものが明確でなければ正しい政策は生まれっこないわけですから、今の問題は小さい問題ではありますけれども、しかし、内容的あるいは性格的には非常に大きな問題であるというふうに私は思いますので、来年度からは、ぜひそういう点を明らかにし得るような資料、そうして国会の論議なりあるいはその他の場所での政策立案の正しい資料というものを出すように、強く要望しておきたいと思うのです。
 それから次にお伺いいたしたいと思いますのは、母子福祉資金の貸付等に関する法律というのは、申し上げるまでもなく、母子家庭の経済的な自立の助成あるいは生活意欲の助長、こういうことを目的として制定されたものでありますが、制度が発足して以来約十年になりますけれども、この間の資金の使途の状況というものを資料によって見て参りますと、だいぶ大きな変動があるというふうに思えます。当初の昭和二十八年当時は、大体生業資金関係について約六〇%以上くらいの金が使われております。修学資金的なものについてはごくわずかであったわけでありますが、これが年とともに変わって参りまして、昭和三十五年度の実績を見てみますと、修学資金と目されるものに約五〇%、それから生業資金的に使われているものが約二六、七%、まあ正しい意味における生業資金というのは二四・一%というように出ておりますが、こういうように変わってきております。こういう変容を来たしておるという原因については、私はある程度了解ができます。なぜならば、子供がだんだん大きくなってくる。従って、子供に対する修学の資金を借りたいという母親の気持がそうさせているということはよくわかります。しかし、この貸付資金の性格等から見た場合に、私はこの状態というものは決して正しいあり方というふうには考えられない。十分な制度の活用という点から考える場合には、生業資金的な面に大部分の金が使われてしかるべきである、こういうふうに考えます。あるいはこの中にもありますけれども、もっと母親の技能習得的な部分にこの資金が使われる、こういう制度でなくてはならないのではないかというふうに思います。そうでなくては、どうも母子家庭の生業の助成というようなことにはなっていかぬのではないか、こういうふうに考えますけれども、これらの点から考えてみまして、まず局長がどういうふうに考えられておるか。それから大臣は、今私が指摘をしましたことについて、この制度から見てどうあるべきが正しいとお考えになっておられるか、この点を大臣からもあわせて答弁をしていただきたいと思います。
○黒木政府委員 先生の御指摘のように、母子福祉貸付資金の種類を各年度別に見てみますと、この制度が始まりました昭和二十八年度におきましては、生業資金が約六〇%、修学資金が約一〇%、六対一というような割合でございました。それが昭和三十年度ごろから、生業資金が三九%、修学資金が約三〇%というようなことになりまして、現在におきましては、むしろ修学資金の方が三五%程度、生業資金と同じような率にだんだんなって参ったのであります。これは、当初は母子世帯に生業資金の貸付をして母子世帯の更生を促進する、自立を促進するというような制度でございましたから、当然生業資金にウエートがあったわけでございますが、三十年度以来、だんだん母親が子供に期待をいたしまして、修学資金の貸付の要望がだんだん多くなって参ったのであります。これは私の方は、どちらが正しいとかいうような問題でなしに、母子世帯の御希望によって順位をきめ、あるいはその資金の計画を立てて参りたいと思っておるのでありますが、現在のところでは、生業資金と修学資金両方がそれぞれ半々のウエートをもって需要がございますから、この資金の計画もそれに応じて立てて参りたい。問題は、資金量が足りないという問題がございまして、修学資金の方がだんだんウエートが高くなっておるのでございますが、これはやはり母子世帯のほんとうの必要に応じて、このウエートはきめるべき問題ではないか。ただ、お説のように、確かに最初は生業資金にウエートがございまして、これが母子福祉資金の貸付の本流とも称すべきものであろうと思いますが、しかしニード修学資金の方にもだんだんウエートが移りつつあるというような現状でございます。従いまして、そういうようなニードに従いまして善処して参りたいという考えでおります。
○西村国務大臣 今、児童局長から今までの経過を申したのでございまして、別に順位を生業資金、教育資金と分けぬでも、需要に応じてやったらいいのじゃないか、こういうことでありましたが、今まではその調子で来たわけであります。しかし、今後非常に資金量をふやして母子家庭を救済するということになりますれば、やはり就学の道を得させるということが最も重要なことでございますから、需要によってやることはもちろんいいけれども、どちらかに指導するということになりますれば、やはり生業資金で母子家庭の財政をちゃんと立て直すようにするということに重点は置きたいとは思います。しかし、母子家庭の需要がどういうふうな移り変わりをするか。御承知の通り、今ちょうど母子家庭では子供の進学の盛りでございますので、ただ比率からだけでは申されぬと思います。比率はやはり教育方面に出す比率が多くなるかと思われますが、生業資金で財政を豊かにするというふうな指導も、一面これはしなければならぬ、かように私は考えます。いずれにいたしましても、これは母子家庭に対しましては非常に有効なようでございますので、資金量の面等につきましても新たな観点をもってやりたい、かように考えておる次第でございます。
○吉村委員 先ほどの児童局長の答弁は、きわめて事務的なものの見方だといわざるを得ないと思うのです。これを母子家庭の母親の立場になって考えた場合にどうなるかということを考えれば、この答えは明らかになると思うのです。たとえば自分の身を削っても子供の学校の問題だけはやってやりたいというのが、母親の偽らざる気持ですよ。ですから、借りる場合といえども、生業資金なり何なりを持っておっても、子供の就学資金が困るということになるならば、そちらにウエートがかかるのは当然なことなんです。それを、希望があるからといってそっちによけい出たのはやむを得ないのだという考え方は、きわめて事務的に過ぎると私は思うのです。そういう母親の気持あるいは子供の置かれている状態、こういうものを考えて、どう運用されていくのが正しいかということを考えるのが、これが行政者に与えられた役割でなくてはならぬと思うのです。私がこの点を問題にするのは、先ほども部分的に局長が認められておりまするように、半々の状態になってしまっておる。確かに子供は就学の時期になった。従って母親の気持からすれば、先ほど申し上げたように、子供のためならばという気持で修学資金に飛びつかざるを得ないというのが実情ではないか。あるいは生業資金というものも非常に額が少ない。従って、こういう競争の激しい状態の中では、十万ぐらいの資金を借りたとしてもとてもやっていけるものではない、こういう実情にもあるだろうと思うのです。その実情はどういうふうに結果されておるかといいますと、先ほど局長が答弁をされましたように、生活保護世帯というものも、一般家庭に比較をしてみて非常に数が多いという、その実績がこれを示しておると思うのです。私はこういう状態の中では、このような制度があるとするならば、教育資金というものについては、このワク外で措置されるべきが正しいだろうと思うのです。本来の意味からするならば、こういうものは文部省の中で運用されてしかるべきだと私は思います。実は育英資金の運営の状態がどうなっているかということを調べようと思ったんですけれども、育英会の方ではこの資料がまだ完備をしていないということで、私の希望は残念ながら満たされなかったわけでありますが、育英会の制度は、もちろんこれは英才教育に充てられるものではありますけれども、こういう制度が厚生省の中にあるために、むしろ育英会の母子家庭に対する貸付資金というものは減っているだろう、こういうふうに私は推測をいたしますが、残念ながら私のこの推測を裏づける資料はできておりませんから、断言はできません。断言はできませんけれども、同じ政府の中で、文部省にもその種の制度があり、厚生省にもその種の制度がある。一方は英才資金制度ではございますけれども、おそらく母子家庭の子供は、この育英資金の貸付を受けている割合というものは、一般家庭に比較して非常に少なくなっているのではないかという気がいたします。このような状態から考えますと、政府としましては、この教育の問題については――義務教育は全部国庫で見ていくというのが建前でもありますから、特に生活が困難な条件のもとに置かれているところの母子家庭については、子供の教育の問題については生活保護的な考え方でなくて、文部省の子供の教育という観点からこれをとらえていくというあり方が、正しいあり方ではないかというふうに思うのです。そう思っている矢先に、この母子貸付資金の運用の状態を見ると、修学資金の部分がどんどんふえてくる、こういうことでは大へん逆な形になっているというふうに私は考えますので、この点を強調するわけですけれども、今私が申し上げたようなことについて、御意見があったら聞かしていただきたいと思います。
○黒木政府委員 確かに、御指摘のように、筋は母子世帯の自立を早めるということですから、事業資金というものに中心があることは当然だと思います。ただ、母子世帯のほんとうの必要というものが、最近の未亡人団体等の御要望等を分析してみますと修学資金にございまして、しかも修学資金の額を高めてもらいたい、あるいは今問題になっております入学支度金を出してもらいたいというようなことで、もつばら子女の教育の方にその必要が叫ばれておるような次第でございます。そこで厚生省としては一種のジレンマに陥っておるのでございますが、入学支度金の問題は残念ながら断念をいたしまして、事業開始資金の方の貸付の限度額を大幅に引き上げる、同時に、修学資金の限度額も引き上げるというような、両方の要望を満たすということで三十八年度の予算は折衝したような次第でございます。しかし、確かにお説のように、他の育英制度あるいは文部省の奨学資金制度、こういうもので母子家庭がカバーできるということになりますならば好ましいことでもありますし、また私の方の資金計画からも、事業資金の方に当初の目的のように重点が置けるわけでございますが、その辺が、文部省は育英ということで、ある程度学力が優秀でなければ対象にしないという建前を堅持しておりますので、やむを得ず私の方では、母子福祉資金の方でそういう子供たちのめんどうを見ておるのであります。しかし運用上、学力のある者はできるだけ文部省系統の奨学資金が借りられるように私の方でお願いをし、どうしても育英資金の対象にならないものを私の方で対象とするというような、両省間の調整も今後いろいろはかって参りたいと思います。確かに、お説のような筋は御意見と全く同じでございますが、ただ残念ながら今のような母子世帯の要望が非常に強いもので、また無理もない要望でございますので、実は事業資金の方も修学資金の方も、両方たくさんの資金源を獲得しまして、御要望にこたえるような運用をして参りたいというのが現在の心境でございます。
○吉村委員 先ほど申し上げたことについて、厚生大臣、どのようにお考えになりますか。私の申し上げていることは、子弟の教育の問題でございますから、そういう問題について、もちろん厚生省で扱って悪いとは私は申し上げません。申し上げませんけれども、文部省の方に育英会、いわゆる英才教育的なものがありますが、これをもっと幅を広げて、そして母子家庭のような特殊な状態に置かれている家庭の子供の教育についてはそこから貸し出しをする、そういう制度をつくっていけば、この資金の運用というものはほんとうの合理性を帯びてくるのではないかというふうに思うのです。こういうふうに考えますけれども、大臣はどうお考えになりますか。
○西村国務大臣 昭和二十七年にできてからこういうような経過で進みましたが、今後母子家庭でやはり教育資金の方がほしいんだということがますます強く叫ばれていく、それの方を希望するというようなことになりますれば、もちろん文部省の育英資金との調整をはかっていかなければならぬ、一ぺん考え直さなければならぬ。あなたの言われるように、もともと母子福祉貸付資金は母子家庭の骨の財政的援助、生業を助けるということでスタートしたと思いますが、今言った通り子供の問題が母親にとっては当面の急なものだから、この需要が非常にふえてきたのだと思います。今後この問題は、大部分が教育問題に向けられるんだというようなことになれば、これはもう一ぺん調節をとって、考え方を変えてかからなければならぬと思います。従いまして、今あなたの言われる点については私も今後十分気をつけて参りたいと思いますが、いずれにいたしましてもこの資金は、やはり母子家庭の、この資金で収入の道を開くという財政的援助ということが主でなければならぬ。しかし、母子家庭が教育問題のみを非常に言うならば、育英資金との関連、調節をもう一ぺん考え直してみなければならぬ、かように私は思っております。
○吉村委員 先ほどの局長の答弁の中にも、母子家庭を主体とする未亡人団体等からのいろいろな要望もこれありというお話がございました。私はそういう未亡人団体の要望というものも首肯できると思うのです。ただ、なぜ一体そうなのかということを考えてみると、先ほど来私が強調しておりますように、自分がかりに苦しい思いをしても、子供の学校だけはというのが母親に共通した気持です。それが先行して、そういう要望になって現われているんだと私は思うのです。収入がよくて家庭の生活がもし安定しておるとするならば、就学の問題等についてはそう心配しなくてもいいはずですから、本来的な意味から言うと、それはどうしても母子家庭の生活をよくするようにしていくことが、一番主要な条件であるはずだと思うのです。こういう点を考えられて各団体の要望等についても考慮されておると思いますけれどもそれらについては十分配慮していただくようにお願いしたいと思うのです。なお、わが党でもその種のことについて修正案も用意しておるのでありますけれども、それは今私が申し上げましたような趣旨で出そうとしておるわけでございますから、その点は一つ誤解のないようにお願いしておきたいと思うのです。
 それからこの資金の貸付の方法といいますか、運用の問題でありますが、先ほど来局長、特に大臣から、今のような状態の中では文部省の育英資金との関連を再検討しなければならないという明確な言明がありましたから、従って、その点については政府部内で十分意見の統一をしてもらうようにお願いしておきたいと思います。ただこの際、だからといって、この資金が現在半々くらいに使われているから、あと生業資金の部分だけ残せばいいのだという考え方をとられては困る。これはわれわれの主張、あるいは厚生省の主張にも一致しないことになろうと思いますから、その点は間違いのないようなことで、政府部内の意見の統一をはかられるように御配慮をお願いしておきたいと思います。
 ただいまの大臣の答弁等から考えてみまして、生業資金的に大部分運用されるべきであろう、こういうお話でございますから、その観点から私は次の質問をしたいと思いますけれども、生業資金といいましても、今度の改正案のように、たとえば十万円の事業開始資金を二十万円にする、こういうあり方がいいのかどうかということでございます。非常に競争の激しい状態の中で母子家庭が資金を借りて何かの事業をやっていくということは、資金をふやしただけで解決し得る問題だというふうに、私はとうてい考えられない。非常に困難な条件下に置かれておるだろうし、これからも置かれていくのではないかと思うのです。この母親たちが望んでおるのは、自分で事業をやるということよりも自分で安定した職業にありつきたい、こういうことではないかと思うのです。そういう点を考えて参りますと、結局は雇用の問題に帰着するわけでございますが、その過程としてこの資金の運用のあり方について、むしろ技能習得の部面、こういうところに思い切って資金を多く使う、あるいはそういう指導を団体なり当事者に行なっていく、そして仕事を身につけて適当なところに就職をしていく。そして生活の安定をしていく。そういう条件というものが備えられるようにしてやるのが、正しいあり方ではないかというふうに考えます。そういう点についてはどうお考えになっておりますか。
○黒木政府委員 ただいまの御質問の前に、実はちょっと言い落としまして、この事業資金と修学資金とが大体同額になると申しましたが、この事業資金の方は開始資金と継続資金がございまして、この開始資金の方が三五%で、大体同額になる。この継続資金が二三・三%で、合わせますと、やはり過半数を事業資金が占めておるのでございます。現在の段階では事業資金が過半数を占めておるということが言えるのでございますが、しかし、ただいま申しましたような入学支度金等の問題が入りますと、この過半数の率が問題になってくるような心配があるわけでございます。
 それから御質問の母子世帯の就職なりあるいは雇用等の問題でございますが、確かに、こういうような生業資金の貸付というよりも、むしろ本格的な雇用政策として考えていただくというのが第一義的であろうと思うのであります。これについては、労働省の方におきましてホーム・ヘルパーとか、いろいろ御婦人向きの職種につきましていろいろな訓練の機関、あるいはいろいろな制度をおつくりになりまして現在やっていただいておりますから、さらに連絡を密にしまして、こういうような未亡人の職場の問題等につきまして労働省の方にお願いをいたしたいと思います。私の方は、こういうような雇用の政策的なものと別に、自立してこういうような職業を始めたいという人たちに対してこういう生業資金の制度があるのでございまして、両々相待って母子世帯の経済の向上をはかって参りたいと思います。
○吉村委員 これはもちろん、最終的には雇用政策になる部面ですから、労働省の仕事の範疇になってくると思います。しかし、そこまで至る過程の問題については、厚生省が十分関与してやっていかなければならない問題でございますが、この技能習得資金の今日までの使用割合というものを見ますと、極端に低いわけです。今回の改正案につきましても、事業開始資金というものが倍額になる、こういうことでございますが、ほんとうの意味では、やはり正しい職場に就職をする、生活が安定をする、こういうことがなくては、いつまでたっても母子家庭の生活というものは改善をされないと思うのです。だからこの資金の運用にあたってもそういう点を十分配慮されて、そして該当者の方々に正しい職場を与えるような方向、そのためにいろいろな技能というものを身につけさせる、こういうようにどんどん資金を使うようにしていくことが正しいのではないかと思いますから、労働省と連携をとってやってもらうことはもちろんでありますけれども、厚生省としてもそういう点を十分配慮して、そしてこの資金の運用に当たっていただきたい。これは本人からの希望に基づいての貸付になっていますから、なかなかむずかしいと思うのです。しかし、本人がなぜ一体こういうものを希望するか、たとえば修学資金をなぜ希望するか、その原因は何かということを十分把握してかからないと、結果としていろいろな問題が出てくると思います。ですから、そういう点では十分民間の団体等と連携を保って、正しい意味での行政指導、こういうものに当たっていただくことが必要ではないか。そこで初めて該当者の方々が、ほんとうに安定した職場を得た方がいいのだという気持になるだろう。そうでないと、何かの事業に手を出すという、それ以外に道がないのだという気持にかり立てられやすい。こういう点は十分配慮をして、そして母子家庭の生活安定に資するように、この制度を活用していただくようにお願いをしておきたいと思うのでです。
 それから次にお伺いを申し上げたいのでありますが、これは母子家庭に対する福祉政策についてでありますけれども、貸付資金のことについてはこの法律でなされて、若干の貢献をしておるわけです。ところが、このほかに児童福祉法によるところの母子寮という制度もある。あるいは法律の根拠はないと思いますけれども、母子福祉センターというものをつくるということになっておる。これらは厚生省というワク内では一つだと思いますけれども、それぞれ担当の局というものは違っておるように私は考えます。対象になるのは母子家庭でございますから、従って、これらについてばらばらにいろいろな施策を行なっていくということは、決してプラスされたものではないと私は思うのです。そういう観点から、母子家庭に対する福祉政策というものについては、もっと総合的に統一された方向で進んでいくということが最も正しいあり方ではないかと思いますけれども、どうも見ておると、これがばらばらに進められておるように考えられます。この点は、母子家庭の福祉政策について、もっと総合的な見地からいろいろな施策を立てるべきであろうというふうに思いますけれども、大臣はどのように考えますか。
○西村国務大臣 総合的にやることは、それは当然やらなければならぬと思います。しかし行政は、やはり継ぎ目がどこでもできるのです。その総合性を持たせるということは必要ですが、行政にはどうしても継ぎ目ができるものでして、従って母子福祉といいましても、厚生省の中では厚生省の各局でやはり取り扱う対象も違いますとともに、また省は省でやはり違う。母子対策の総合といいますと、ただ私の方の厚生省だけでやっていることではありませんし、住宅の問題は建設省、税金の問題は大蔵省というふうに、あらゆる面から母子福祉対策を進めていかなければならぬのであります。従いまして、それを一本にするということは、行政上なかなかできがたいのであります。しかし、お尋ねの厚生省の中においてはどうか、こういうことでありますが、厚生省の中におきましては、私はあまりつまびらかにしませんが、各局にまたがっていることはたくさんあると思います。思いますが、それらは相互連絡をやはりとらなければならぬと思っております。試みに、これは御参考のためですが、母子福祉対策はどういうものが行なわれておるかと申し上げますと、一番には児童福祉法、昭和二十二年の法律、これで母子寮を保護施設から児童福祉法施設とし、母と子を一体としてその福祉をはかっておる。二番には、母子福祉対策要綱を閣議決定しました。昭和二十四年です。それから三番が、市町村民税の非課税措置を昭和二十五年にやりました。四番には、所得税の寡婦控除、昭和二十七年です。五番には、母子福祉資金の貸付等に関する法律、これは昭和二十七年であります。それから六番には、生活保護法による母子加算の新設。七番には、母子家庭の子女の就職促進のための身元保証制度の確立。八番には、第一種公営住宅への母子世帯優先入居及び家賃の減免。九番には、第二種公営住宅のワクを獲得して、住宅対策を促進する。十番には、国民年金法による母子年金。十一番には児童扶養手当法。十二番には母子福祉センターの設置。十三番目には母子休養ホームの設置、昭和三十八年です。こういうふうにいろいろな面から母子対策を進めておるわけであります。厚生省のものにつきましてはもちろんですが、統一してなるべく体系を整えてやりたい、また内閣においてもそれが必要かと考えられまするから、十分留意はいたしまするが、行政的には、やはりどうしても継ぎ目ができるということを一つ御了承願いたいと思います。
○吉村委員 今の事情については説明でわかりますけれども、それを総合的にやることの方が、もっと効果的ではないかというふうに私は考えるのです。もちろん、民間の団体等でも、そういう意見が二、三あるように私は見受けています。たとえば母子寮の問題については児童福祉法で扱っておる。あるいは貸付の問題については貸付金の制度で扱っておる。それぞれの担当部局、施設なり何なりで異なってくるという状態、もちろん厚生省という総ワクでやっているのですから、これは相互の連絡というものが密になっておればそう問題はないだろうとは思いますけれども、いろいろ手続の問題なり何なりということで、そごを来たす状態というものがあるのではないか。こういうものは、総合的な一つの法律によって母子家庭の福祉政策というものを進める、こういうことの方が、より行政効果が上がるはずだというふうに私は思うのです。そういう点については十分検討を加えられて、そうして民間の団体等とも連携を密にして、できるだけ効果が上がるようにしていただかないと、お互いになわ張り根性で妙な争いをやっておったのでは、母子家庭の方が迷惑をするだけですから、そこらを十分排除していただきたいと思うのです。
 ちなみに、そういう点については、厚生省の内部はもちろんでありますけれども、各省が十分連携をとってやるべきであるということについては、大臣も御承知のように、中央児童福祉審議会の方から去年の七月に答申が出ておるはずです。「児童の健全育成と能力開発によってその資質の向上をはかる積極的対策に関する意見書」の中にも、そのことが明確に書かれております。これは大臣も御承知になっておると思いますけれども、こういう関係機関の意見なり答申というものは、十分尊重してやっていかないといけないというふうに私は思うのです。読み上げてみます。これは最後の方になりますが、「児童福祉の仕事は単に厚生省のみでなく、文部省をはじめ他の省庁にいたるまで関与すべき点ならびに協力を求めなければならない点が多くあることを指摘しておきたい。従来の施策をみると、労働、経済、建設など各政策が往々児童と家庭についての考慮なしに行なわれていることが少なくないので遺憾なことと思われるが、今後はそれらの政策が積極的に児童の健全育成に寄与するのみでなく、これを国の基本的政策としてとりあげる必要のあることを強調したいのである。したがって本答申の趣旨を責任あり関係ある機関やひとびとに、じゅうぶんに伝達して、これが達成に努力されるよう特に申し添える次第である。」これは児童福祉についての全般的な施策のあり方の国に対する意見であることは、その通りです。しかし、母子福祉政策についても同じようなことが言えるはずであります。しかもこの母子家庭の中におけるところの児童が、非常に不良化の傾向があるとか、いろいろ社会問題の原因になっていることも御承知の通りのはずでございますから、こういうことを考えてみますると、各省ばらばらにいろいろな政策が行なわれておるというところに問題がある。あるいは省内においても、各部局にまたがって、十分の連携がとられないままに行なわれているきらいなしとしない。こういう点を考えますと、今日雇用の問題なりあるいはその他の問題等、すべてそうでありますけれども、政府が一つの政策を推進するにあたって、全体としてどう取り組むかという姿勢が足りないということに対する指摘だと私は思うのです。ですから、先ほども修学資金との関係で、私は文部省の問題に触れました。それから母親の生活安定のためには、労働省との関係という問題にも触れておいたわけでありますけれども、これらを総合して打って一丸としたところの政策というものは、政府の責任においてなされるのでなければならない。その中心になるものが厚生省である、こういう考え方に立って進んでいくようにお願いしたいと思うのです。そうでなくては、どうもばらばらで、こうやくばりな施策だけに終わってしまう。あとからあとから、またやっていかなければならなくなる。こういうことは、この問題ばかりではありません。いろいろなことに共通して言い得ることでございますから、十分この辺を、考慮して、総合的な母子福祉対策というものをつくり上げるように要望しておきたいと思うのです。
 なお最後に私は申し上げたいと思いますけれども、このような母子家庭の福祉政策というものも、結論的に言い得ることは、母子家庭の生活の安定ということになるわけですから、こういう制度を進めることも過渡的に私は必要だと思いますけれども、もっと考えなければならないのは、国民年金制度という制度もあるわけです。この国民年金制度の中で母子家庭に対するところの福祉政策というものも取り上げられておるが、これが十分ではないから、いろいろなことをやっているというのが今日の姿です。しかし、所得保障をしていくというのが、社会保障政策の一つの中心的な柱である。こういう所得の少ない条件下に置かれる人については、なおこの点は考えていかなければならないという角度から考えてみますと、抜本的な解決策というものは、国民年金法の中におきますところの母子福祉年金、これをもっと大幅に引き上げていくことによって、これはほんとうの意味の抜本的な解決がなされるはずだと思うのです。そういうようなことにも十分配慮をし、さらに雇用の問題等、あるいは賃金等の関係からしましても、生活を保障し得るような条件というものを与え、なおかつ、働きたくても働き得ない、そういう家庭については所得保障を行なっていく、年金制度を充実していく、こういう根幹となるような政策というものも充実していく、それを推進する、それまでの過程としては、この推進にプラスするような補完策としてこれを運営していく、こういう立場で事を進めていただくように強く要望しておきたいと思います。
 以上で私の質問は終わります。
○小林(進)委員 ただいま附帯決議の話し合いを継続中でありますから、附帯決議の原案ができ上がるまで、関連で御質問をいたして参りたいと思いますが、附帯決議の原案ができない限りは、四時間でも五時間でも一つやらしていただきたいと思うのであります。
 修学資金について、従来高校は一千円でございましたが、政府の悪政の結果と申しますか、諸物価値上がりのおりから、これに便乗するがごとく、高校の授業料も政府は値上げなされた。政府と言うよりも県立は各府県でありますけれども、授業料が値上げになった。そういう関係から、三十八年度からの修学資金を一千五百円にされたのではないか、かように考えるのでありまするが、そもそも千円が千五百円に値上げになりました理由を一つ承りたいと思うのであります。
○黒木政府委員 御質問の問題は、文部省の管理局振興課が昭和三十七年の五月三十日現在で高校の授業料調べをやった資料があるのであります。それによりますと、平均授業料が月額、私立におきまして千五百四十三円、公立におきまして六百二十五円というような数字がございます。従いまして、私立は千五百円かかるというような調査がございますから、この数字を採用いたしまして、千円を千五百円にいたしたような次第でございます。
○小林(進)委員 文部省の育英資金も三十八年度から千五百円に改めたのでございますか。
○黒木政府委員 さようでございます。
○小林(進)委員 その問題についてお伺いいたしたいのでありますけれども、従来、育英資金とこの修学資金とは、性格が同じものでないということは先ほどからの同僚の質問でもしばしばあったのであります。片方は秀才教育の一助として授業料を与える、片方は貧困家庭、母子家庭、低所得者家庭の教育を奨励するという社会保障的な立場で修学資金制度というものが行なわれた。それが一体なぜ同一でなければならないのか。数年前から母子家庭で、千円の授業料のころには千五百円に上げてくれ、われわれは秀才教育のために国家の補助を仰ぐのじゃないのだ、ほんとうに苦しい生活の中から、たよりに思う子供を、親は食いたいものを食わないでも教育したいという切実な要望に基づいて、それを進学せしめるためにも千五百円にしてくれという要望があったことは、厚生省も歴代大臣もよく御承知のはずであります。それが来年度心々々というふうに待ったを食わされた形で今日に至ったのでありますが、また今年度になってみると、育英資金とこの修学資金の間には何ら金額の差がない。やはり同じような形で進んでいるのであります。この点、従来の未亡人家庭の切実な要望が少しも政府の行政の中に現われていない。また国会においてもわれわれはしばしば繰り返して政府を督励して参りましたが、その形が少しも現われていない。これは一体どうしたことでございましょうか、諸般の事情をお聞かせ願いたいと思います。
○黒木政府委員 確かに、御指摘のように育英資金制度は、教育政策として文部省でおやりになっておるわけでありますが、私の方の修学資金は、社会福祉の施策として行なっておるのでございます。従いまして性質においては、おのずから異なるわけでございますが、ただ予算の単価の方になりますと、育英制度というものがいわば先にスタートしておりますものですから、私の方の社会福祉の施策としての修学資金が始まりました場合に、育英制度の予算単価というものが基準になって、今日に至っておるというような次第だと考えております。
○小林(進)委員 そういたしますと、向こうの方が先にスタートしたから向こうの方に優先権がある、こちらの方はあとからできたから優先権がない、こういうような御説明でございますが、それぞれ受けなければならぬ客体、いわゆる貧困家庭だとか秀才教育だとかいうような、その金の援助を受けなければならない家庭に対する思いやりは一つもない、こういうような、ただ先だつカラスがまつ黒で、あとから行くカラスも無くあれという、しごく、平凡な理由で同一金額をおきめになった、こういうわけでございますか。
○黒木政府委員 社会福祉施策と教育施策の違いは確かにあるのでございますが、ただ修学資金は、授業料を援助するというような本質を持っております。そこで授業料が、先ほど申しましたように、文部省の調べによりますと私立が千五百円というような額がございますから、必要な授業料を修学資金として貸し付けよう、こういうことでございます。従いまして、その他御説のような入学に必要なことで母子世帯特有の問題がありましたら、こういうような制度を、育英、修学資金とは別に当然要求すべきものだと思います。
○小林(進)委員 まだ附帯決議の方の話もつかないようでありますから質問を続けて参りますが、アメリカ大統領ケネディの年頭教書、そこにございますか――ございませんか、それならば参考までに一つ申し上げておきますけれども、アメリカにおいても、年頭教書の中で、大学進学の希望を有する者で入れない者が十万人、そのほか高校進学の希望者で入れない者が云々というふうに、今ここにはありませんけれどもこまかい数字があげられて、そういう進学の希望者を進学せしめないことは国家にとってこれほどの大きな損失はない、どんな宝があろうとも、その一番大きな宝を失っているのがこの問題である、だから一方には減税で節約をしながらも、この進学の問題、大学なり高等学校なりに進学して社会国家に貢献したいというその希望を満たさない、その損失だけはいかなる犠牲を払ってもこれを満たさなければならないという切々たる言葉が載せられておりますが、こういう思想はやはり日本の保守党にもなくちゃならないと思う。ところが、残念ながら日本の自由民主党などという政党には、そういうものの考え方がない。ないものでございますから、今でも全国的に高校全入などという、よその文化国家で聞いたら恥ずかしいような運動が各地で展開をせられておる。そして今年度も、高校進学者の半分はやはり志を得ずして、せっかくの宝が宝となり得ずして社会の中にはうり出されていくという、こういう悲惨冷酷な政治が行なわれているわけでございます。そういう中でも、夫をなくし、夫と別れた未亡人あたりの生きがいのある道は、ただ一つ自分の手で育てた子弟をどう教育していくかという問題、そこに人生のすべてをかけているのです。そういう人たちが、くる年くる年も切実な希望を持って、何とか一つ修学資金だけでも国家の方でめんどうを見ていただきたいというこの切実な要望を、今あなた方がおっしゃるように、あとのカラスの先のカラスのなどという理由だけでめんどうを見て下さらない、わずか五百円でも三百円でも、あなたの子供は国家が責任を持って教育のめんどうを見てあげましょうという情けある処置ができないのでありますか。私は、あなたの言われるように文部省の育英資、金と修学資金が本質的に違うならば、そういうふうなあたたかい気持で処置をしてもらわなければ、国の行政がうまくいっているというふうには考えられないのであります。それなら、同じ千円ならば育英資金と窓口を一つにした方がいいじゃないですか。先ほどから聞いておりますと、育英資金だって貧困者の家庭のためのものなんです。あり余る家庭では、親が家庭教師なんかつけたりしているから育英資金を借りる必要はないが、その意味においては育英資金も修学資金も同じだから、一本にしたらいいじゃないか。それを一本にしないで、修学資金と銘打って特にこういう母子家庭のめんどうを見るとするならば、金額の面においても差額をつけてこそ、変わった性格の意味が現われてくるのじゃありませんか。一本にしたらどうですか、一本にされますか。性格が違うならば金額は別にしたらいい。育英資金も貧困者であるというならば、両方一本にしたらいいじゃないですか。
○黒木政府委員 先ほどは授業料の関係から、授業料は私立が千五百円かかる。従いまして、文部省の方の奨学資金の方も、私の修学資金の方も、授業料として千五百円というものを予算単価として採用したわけであります。しかし、先生のおっしゃるように、私の方の制度は、学力が優秀でなくても、その母子世帯の自立を促進するために必要という理由でその制度をやっておるわけでございます。従いまして、母子福祉施策としてやっておるわけですから、純粋な教育政策だけではないわけでございます。そこで、先生のおっしゃるように、母子世帯特有な資金の必要があるのではないかというようなことで、実は文部省の方では要求しませんでしたけれども、厚生省としては、例の入学支度金の問題を取り上げたような次第でございます。残念ながら財政上の理由、力足らずして実現ができませんでしたけれども、そういうような小林先生のおっしゃるような福祉施策の必要にかんがみまして、そういう要求をして、この熱意は今も持っておるわけでございますから、できるだけ早い機会にこれが実現をはかりますように努力をいたしたいと存じます。
○小林(進)委員 これは貸付金でございますね。ですから、貸付金でありますから返ってくるわけでありまするけれども、従来の実績で、貸付金と返還をせられた金額等の内容をお聞かせ願いたいと思うのであります。
○黒木政府委員 大体、昭和三十八年度に原資となります償還金額は十一億円でございます。
○小林(進)委員 その原資は一般会計の中に入っておるのか、何か特別会計でもあるのでございますか。この扱い方についてお聞かせを願いたい。
○黒木政府委員 これは地方庁で特別会計を設定いたしておるわけでありますが、三十八年度は、御承知のように四億円国が支出をいたしまして、自治体がその半分の二億円、それと償還金が十一億円予定されますので、三十八年度の原資は十七億円となるわけでございます。
○小林(進)委員 今あなたのおっしゃった四億円というのは、これは三十八年度の母子福祉の貸付金総額でございましょう。十七億というのは全部修学資金ですか。
○黒木政府委員 お手元に配付いたしました表で御推察がつきますように、修学資金をそのうち三四%であります、三十七年度の実績は。それが三十八年度は、率はふえると思います。
○小林(進)委員 そういたしますと、修学資金も事業開始資金も、それから修業資金も一つのワクの中にあって、そこでは画然と予算額は分かれているわけじゃないのであって、その中でいろいろ要望に基づいてやりくりせられておる、こういうことでございますか。
○黒木政府委員 さようでございます。
○小林(進)委員 それでは、その修学資金を借りていられる各府県別の今までの実績の表がおありになりましたら、お聞かせを願いたいと思います。
○黒木政府委員 今県別のは細目がないようでございますから、あとで資料として提出さしていただきたいと思います。
○小林(進)委員 資料はないのでございますか。
○黒木政府委員 資料はございますが……。
○小林(進)委員 それでは、耳がありますから、読み上げてお聞かせ願いたいと思います。
○黒木政府委員 各種類別の県別のものは現在持参しておりませんが、資料としてはございますから、後ほど提出さしていただきたいと思います。
○小林(進)委員 それでは残念ながら後ほど資料をいただくことにしまして、今年度の厚生予算は、前年度に比較いたしまして二一%何がしの比率増を見ておるわけでありますが、その中で母子貸付金だけが、昨年は三億円ですか、今年度は四億円。老人福祉とか社会福祉とか、こういう母子家庭、児童方面に、特に今年度の政治の重点を置くことが厚生行政の大臣の基本政策の中にもうたわれておるのであります。この物価値上がりの、しかも構想の大きいときに、この母子福祉の貸付金だけをわずかに一億円しか見てない。これは厚生行政本来の基本から見て、少し少ないのじゃないかと思います。厚生省で原案をおつくりになりまして、この母子福祉貸付金で大蔵省へ要求された金額は一体幾らになっておりますか、お聞かせを願いたいのでございます。
○黒木政府委員 母子福祉資金の総額は、ただいま資料を持って来ておりませんので、まとめて提出さしていただきたいと思います。
○小林(進)委員 今資料をお持ちにならないのでございますか。それでは、今の三億円が四億という一億の増加の問題、そのほかに、いわゆる支度金として高校一万五千円でございますか、大学が二万五千円でございますか、厚生省がお出しになった原案がありますね。大学については修学資金はございませんですな。
○黒木政府委員 ございます。
○小林(進)委員 ございますか。支度金で一万五千円と二万五千円をお出しになった、その人数は概算どのくらいですか。
○黒木政府委員 高校生がたしか九千六百六十三人、それから大学の方が三千四百九十四人でございます。
○小林(進)委員 それに対する要求の金額がおわかりになりましたら、お聞かせ願いたいと思います。
○黒木政府委員 総額が一億八千一青六十八万円でございます。
○小林(進)委員 これは、厚生省といたしましては、来年度もこの要求をお出しになる意向がありますかどうか。今年度は第一次の原案でお出しになって、大蔵省で削られたのでありますけれども、来年度はこれに対するお考えはどうですか。
○黒木政府委員 児童局としては、ぜひ厚生省の省議に提出して、大蔵省に要求したいと存じております。
○小林(進)委員 それでは一つ、厚生省の原案の中で大いにこれを努力していただくことにいたしまして、なお修学資金の問題については、私はいろいろお尋ねしたいことがあるのでありますけれども、附帯決議もできましたそうでありますし、これで一応質問を打ち切りますけれども、今までの御答弁も勘案いたしまするし、同僚議員が質問いたしました速記録もあるのでありますから、同じことをまた来年繰り返すことのないように、特別の御善処をお願いいたしまして、一応私の質問を終わりたいと思います。
○秋田委員長 ただいま議題となっております両案のうち、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案に対する質疑は、これにて終局いたしました。
    ―――――――――――――
○秋田委員長 次に、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案を討論に付するのでありますが、別に申し出もございませんので直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
 これより母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案を採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○秋田委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○秋田委員長 この際、小沢辰男君、淺沼享子君及び本島百合子君より、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨の説明を求めます。淺沼享子君。
○淺沼委員 私は、ただいま可決されました母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、附帯決議の提案をいたしたいと存じます。
 まず、案文を朗読いたします。
   母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案附帯決議(案)
  政府は、この貸付制度が母子世帯の福祉に寄与するところ大なるものがある現状にかんがみ、次の事項につき速やかに検討しその実現に努力すべきである。
 一、母子家庭の子弟が学校に入学するに際し必要な支度資金貸付については可及的速やかに実施し得るよう必要な措置を講ずること。
 二、母子福祉資金貸付における保証人制度の運用についてはこれが母子家庭に対する貸付を阻害することのないようにつとめること。
 右決議する。
 なお、右の決議案文中、第一項の可及的すみやかに実施するという意味は、おそくとも昭和三十九年度入学に際し実施できるように措置すべきであるという趣旨でございます。
 第二項の保証人については、政府において、政令、通牒などで敏速かつ的確に周知徹底できる措置をとられるよう要望いたす次第でございます。
 何とぞ満場一致御可決あらんことをお願い申し上げまして、提案の説明を終わります。(拍手)
○秋田委員長 本動議について採決いたします。
 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○秋田委員長 起立総員。よって、本案については、小沢辰男君、淺沼享子君及び本島百合子君提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、西村厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。西村厚生大臣。
○西村国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましてはその趣旨な商号重し、第一点につきましては最善の努力をはかり、第二点につきましては、通牒をもってその趣旨の徹底をはかるよう善処いたしたいと思います。(拍手)
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○秋田委員長 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
 午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時四十五分休憩
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  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
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