第043回国会 本会議 第45号
昭和三十八年七月一日(月曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第四十二号
  昭和三十八年七月一日
    午前十時開議
 第一 関税及び貿易に関する一般協定の譲許の
  追加に関する第十議定書(日本国及びニュー
  ・ジーランド)の締結について承認を求める
  の件
 第二 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避及び脱税の防止のための日本国とタイとの
  間の条約の締結について承認を求めるの件
 第三 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連
  邦との間の条約の締結について承認を求める
  の件
 第四 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 第五 国立大学総長の任免、給与等の特例に関
  する法律案(内閣提出)
 第六 日本国とビルマ連邦との間の経済及び技
  術協力に関する協定及び千九百五十四年十一
  月五日にラングーンで署名された日本国とビ
  ルマ連邦との間の平和条約第五条1(a)(
  V)の規定に基づくビルマ連邦の要求に
  関する議定書の締結について承認を求めるの
  件
 第七 通商に関する一方日本国と他方オランダ
  王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟
  との間の協定を改正する議定書及び一方日本
  国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセ
  ンブルグ経済同盟との間の貿易関係に関する
  議定書の締結について承認を求めるの件
 第八 通商に関する日本国とフランス共和国と
  の間の協定及び関連議定書の締結について承
  認を求めるの件
 第九 積雪寒冷特別地域における道路交通の確
  保に関する特別措置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 第十 天災による被害農林漁業者等に対する資
  金の融通に関する暫定措置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 第十一 豪雪に際して地方公共団体が行なう公
  共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関
  する特別措置法案(内閣提出)
 第十二 河川法案(内閣提出)
 第十三 所得に対する租税に関する二重課税の
  回避及び脱税の防止のための日本国とタイと
  の間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に
  関する法律案(内閣提出)
 第十四 所得に対する租税に関する二重課税の
  回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ
  連邦との間の条約の実施に伴う所得税法の特
  例等に関する法律案(内閣提出)
 第十五 明治三十二年発行の英貨公債を償還す
  る等のため発行する外貨公債に関する特別措
  置法案(内閣提出)
 第十六 開拓者資金融通法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、参議院送付)
 第十七 昭和三十八年四月から六月までの長雨
  についての天災による被害農林漁業者等に対
  する資金の融通に関する暫定措置法の適用の
  特例に関する法律案(内閣提出)
 第十八 関税暫定措置法及び砂糖消費税法の一
  部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明につい
  ては十五分質疑答弁討論その他については十
  分とするの動議(竹山祐太郎君外二十二名提
  出)
 日程第一 関税及び貿易に関する一般協定の譲
  許の追加に関する第十議定書(日本国及びニ
  ュー・ジーランド)の締結について承認を求
  めるの件
 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税
  の回避及び脱税の防止のための日本国とタイ
  との間の条約の締結について承認を求めるの
  件
 日程第三 所得に対する租税に関する二重課税
  の回避及び脱税の防止のための日本国とマラ
  ヤ連邦との間の条約の締結について承認を求
  めるの件
  討論終局の動議(竹山祐太郎君外二
  十二名提出)
 日程第四 郵便貯金法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
  質疑終局の動議(竹山祐太郎君外二十二名提
   出)
  討論終局の動議(竹山祐太郎君外二十二名提
   出)
 日程第五 国立大学総長の任免、給与等の特例
  に関する法律案(内閣提出)
   午前十一時十八分開議
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 本日の議事における発言時間は趣
  旨弁明については十五分質疑答
  弁討論その他については十分と
  するの動議(竹山祐太郎君外二
  十二名提出)
○議長(清瀬一郎君) 竹山祐太郎君外二十二名から、本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議が提出されております。
 本動議は記名投票をもって採決いたします。
 本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
○議長(清瀬一郎君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
○議長(清瀬一郎君) どうか投票者の通路をふさがないようにしてください。――通路で押さないようにお願いします。
  〔投票継続〕
○議長(清瀬一郎君) どうかすみやかに御投票を願います。――すみやかに御投票を願います。
  〔投票継続〕
○議長(清瀬一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
○議長(清瀬一郎君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
○議長(清瀬一郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 二百七十二
  可とする者(白票) 百七十九
  否とする者(青票)  九十三
○議長(清瀬一郎君) 右の結果、本日の議事における発言時間は、趣旨弁明については十五分、質疑、答弁、討論その他については十分とすることに決しました。
    ―――――――――――――
 竹山祐太郎君外二十二名提出発言時間制限の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    安藤  覺君
      相川 勝六君    逢澤  寛君
      愛知 揆一君    赤城 宗徳君
      秋田 大助君    足立 篤郎君
      天野 公義君    綾部健太郎君
      荒舩清十郎君    有馬 英治君
      井出一太郎君    井原 岸高君
      井村 重雄君    伊藤 五郎君
      伊藤 郷一君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    飯塚 定輔君
      池田正之輔君    稻葉  修君
      今松 治郎君    宇田 國榮君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内海 安吉君    浦野 幸男君
      江崎 真澄君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小川 平二君
      小沢 辰男君    小澤佐重喜君
      小澤 太郎君    尾関 義一君
      大上  司君    大久保武雄君
      大高  康君    大平 正芳君
      大森 玉木君    岡崎 英城君
      岡田 修一君    岡本  茂君
      加藤常太郎君    賀屋 興宣君
      金子 一平君    金子 岩三君
      金丸  信君    亀岡 高夫君
      鴨田 宗一君    唐澤 俊樹君
      仮谷 忠男君    川野 芳滿君
      川村善八郎君    木村 公平君
      木村 守江君    北澤 直吉君
      久野 忠治君    久保田円次君
      久保田藤麿君    草野一郎平君
      倉成  正君    藏内 修治君
      黒金 泰美君    小金 義照君
      小坂善太郎君    小島 徹三君
      小平 久雄君    小山 長規君
      纐纈 彌三君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    齋藤 邦吉君
      坂田 道太君    櫻内 義雄君
      笹本 一雄君    始関 伊平君
      澁谷 直藏君    正示啓次郎君
      周東 英雄君    壽原 正一君
      鈴木 正吾君    鈴木 仙八君
      鈴木 善幸君    瀬戸山三男君
      關谷 勝利君    園田  直君
      田川 誠一君    田口長治郎君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 彰治君
      田中 正巳君    田邉 國男君
      高橋  等君    高見 三郎君
      竹下  登君    竹山祐太郎君
      千葉 三郎君    津雲 國利君
      津島 文治君    塚原 俊郎君
      辻  寛一君    寺島隆太郎君
      渡海元三郎君    徳安 實藏君
      床次 徳二君    中垣 國男君
      中曽根康弘君    中野 四郎君
      中村 幸八君    中村 寅太君
      永田 亮一君    灘尾 弘吉君
      南條 徳男君    二階堂 進君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西村 直己君    野田 卯一君
      野田 武夫君    野原 正勝君
      橋本登美三郎君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    八田 貞義君
      濱田 幸雄君    濱地 文平君
      早川  崇君    林   博君
      原 健三郎君    原田  憲君
      福家 俊一君    福田 赳夫君
      福永 健司君    藤井 勝志君
      藤本 捨助君    古川 丈吉君
      保科善四郎君    保利  茂君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      本名  武君    前尾繁三郎君
      前田 義雄君    増田甲子七君
      松澤 雄藏君    松山千惠子君
      三池  信君    水田三喜男君
      南好  雄君    宮澤 胤勇君
      村上  勇君    毛利 松平君
      森   清君    森下 國雄君
      森田重次郎君    森山 欽司君
      八木 徹雄君    保岡 武久君
      柳谷清三郎君    山手 滿男君
      山中 貞則君    山本 猛夫君
      吉田 重延君    米田 吉盛君
      米山 恒治君    早稻田柳右エ門君
      井堀 繁男君    伊藤卯四郎君
      稲富 稜人君    受田 新吉君
      田中幾三郎君    門司  亮君
      本島百合子君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    赤松  勇君
      足鹿  覺君    有馬 輝武君
      淡谷 悠藏君    猪俣 浩三君
      石川 次夫君    石山 權作君
      板川 正吾君    大柴 滋夫君
      岡田 利春君    加藤 勘十君
      片島  港君    勝澤 芳雄君
      角屋堅次郎君    川俣 清音君
      川村 継義君    河上丈太郎君
      河野  正君    久保 三郎君
      久保田鶴松君    久保田 豊君
      栗原 俊夫君    栗林 三郎君
      黒田 寿男君    小林 信一君
      小林 ちづ君    小松  幹君
      兒玉 末男君    佐藤觀次郎君
      佐野 憲治君    阪上安太郎君
      島上善五郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    東海林 稔君
      杉山元治郎君    鈴木茂三郎君
      田口 誠治君    田中織之進君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      多賀谷真稔君    高津 正道君
      滝井 義高君    楯 兼次郎君
      坪野 米男君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    中村 重光君
      中村 高一君    中村 英男君
      永井勝次郎君    楢崎弥之助君
      成田 知巳君    二宮 武夫君
      西村 力弥君    野口 忠夫君
      野原  覺君    長谷川 保君
      畑   和君    原   彪君
      日野 吉夫君    肥田 次郎君
      広瀬 秀吉君    細迫 兼光君
      堀  昌雄君    前田榮之助君
      松井 政吉君    松平 忠久君
      松原喜之次君    三木 喜夫君
      三宅 正一君    武藤 山治君
      森島 守人君    矢尾喜三郎君
      安平 鹿一君    柳田 秀一君
      山内  広君    山口丈太郎君
      山口 鶴男君    山田 長司君
      山中 吾郎君    山中日露史君
      山花 秀雄君    山本 幸一君
      湯山  勇君    横路 節雄君
      吉村 吉雄君    和田 博雄君
      渡辺 惣蔵君    志賀 義雄君
      谷口善太郎君
     ――――◇―――――
 日程第一 関税及び貿易に関する一般協定の譲許の追加に関する第十議定書(日本国及びニュー・ジーランド)の締結について承認を求めるの件
 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とタイとの間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第三 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間の条約の締結について承認を求めるの件
○議長(清瀬一郎君) 日程第一、関税及び貿易に関する一般協定の譲許の追加に関する第十議定書(日本国及びニュー・ジーランド)の締結について承認を求めるの件、日程第二、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とタイとの間の条約の締結について承認を求めるの件、日程第三、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間の条約の締結について承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。外務委員長野田武夫君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔野田武夫君登壇〕
○野田武夫君 ただいま議題となりました三案件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、ガットの譲許の追加の第十議定書について申し上げます。
 昨年ニュー・ジーランドがわが国に対し、ガット第三十五条の援用を撤回したときの申し合わせにより、ガットの譲許の追加について関税交渉を行なっておりましたが、これが妥結を見ましたので、本年一月二十八日本件議定書が作成されました。本件議定書の付属書により、わが国がニュー・ジーランドに与える譲許は一品目、ニュー・ジーランドがわが国に与える譲許は二十九品目であります。
 次に、租税条約について申し上げます。
 政府は、タイ及びマラヤ連邦との間に、所得に対する二重課税回避のための条約の締結について交渉を行なっておりましたが、合意が成立しましたので、タイとは本年三月一日バンコックにおいて、マラヤ連邦とは本年六月四日クアラ・ランプールにおいて、それぞれ条約に署名を行なったのであります。
 これらの条約の内容は、ほぼ同様でありまして、企業の利得に対する課税基準、航空機または船舶の運用による利得に対する租税の免除または軽減、配当所得等の課税限度、自由職業等の人的役務の報酬に対する課税方式、教授、留学宙等に対する租税の免除について規定し、また、二重課税排除の方法、租税上の内国民待遇の相互供与等について規定しております。
 ガットの譲許の議定書及びタイとの租税条約は三月十二日、マラヤ連邦との租税条約は六月十二日、それぞれ本委員会に付託されましたので、政府から提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細は会議録により御了承を願います。
 かくて、六月二十五日、質疑を終了し、討論を省略して採決を行ないましたところ、いずれも全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。
 右、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 三件につき、討論の通告があります。順次これを許します。正示啓次郎君。
  〔正示啓次郎君登壇〕
○正示啓次郎君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりましたニュー・ジーランドとのガット譲許に関する議定書並びにタイ及びマラヤ連邦との租税条約の合わせて三つの外交案件に対し、賛成の討論を行なわんとするものであります。
 右三件の内容は、いまさら申し上げるまでもなく、いずれも現下わが国経済外交の推進上、まことに適切かつ緊要なものでありまして、外務委員長御報告のとおり、同委員会においてはこの方面に最も詳しい委員により十分御審議を尽くし御賛成を得たものであります。
 よって、ここにあらためて賛成の意思を表示して討論といたします。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 戸叶里子君。
  〔戸叶里子君登壇〕
○戸叶里子君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題になりました関税及び貿易に関する一般協定の譲許の追加に関する第十議定書(日本国及びニュー・ジーランド)の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とタイとの間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間の条約の締結について承認を求めるの件の三案について、賛成の討論を行なわんとするものであります。(拍手)
 まず、第一の、日本国とニュー・ジーランドとの間のガットの譲許の追加に関する第十議定書の締結について賛成の討論を行ない、あわせて政府の貿易政策に対し反省を求めんとするものであります。(拍手)
 政府は、本議定書によって、ニュージーランドに対して羊肉一品目について関税譲許を行ない、ニュー・ジーランドは二十九品目の譲許を行なっておりますが、これを一九六一年の貿易じりで見ますと、羊肉の輸入は五百八十一万ドルであり、これに見合う二十九品目のわが国の輸出は三百三十一万ドルでありまして、わが国の入超となっております。貿易の拡大をわが国の国策としている今日、このような入超の状態はまことに遺憾でありまして、特にこれが原材料でなく消費物資であることを考えますと、輸出の増大に一段の努力を払わなければならないと思われます。(拍手)さらにまた、わが国としては重工業製品等についても貿易を希望しているにかかわらず、今回の譲許表にそれらについて何ら触れておらないことはまことに遺憾であります。(拍手)
 わが国が昭和三十一年にガットに加入いたしましたときには、ニュー・ジーランド政府は、英連邦の一員として、連合王国にならい、わが国に対しガット第三十五条を援用し、わが国の産品に対しては同国の最高の関税率と差別的な輸入制限を適用しておりましたが、昭和三十三年に至り、ガット第三十五条の援用はそのまま続けながら、二国間の関係では相互に最低関税率を適用すること及び差別的輸入制限を撤廃することに同意して、現行の通商協定が成立いたしたのであります。さらに、この通商協定が発効以来三年にわたるわが国との貿易が安定して発展していることにかんがみて、 ニュー・ジーランド政府は、昭和三十七年にわが国の年来の要望であったガット第三十五条の援用撤回に踏み切り、通商協定の改正をいたしたのであります。ニュー・ジーランドは、わが国に対し非常に好意を抱いており、連合王国がEECに加入するため従来とってきていた英連邦特恵関税を撤廃する意向を示し、同国はますますわが国との貿易を盛んにする機構となってきております。したがって、政府は、同国との友好関係を一そう緊密にして、わが国産品の輸出増大に努めるべきであると考える次第であります。
 本議定書の締結にあたり、私は、通商政策について政府に深甚なる注意を喚起して、賛成の討論といたしたいと思います。(拍手)
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とタイとの間の条約及び日本国とマラヤ連邦との間の条約について、賛成討論をいたします。
 貿易を振興するための条件として、二重課税の回避及び脱税の防止は最も大切であることは申すまでもありません。しかし、この条約を締結しても、日本として相変わらず貿易面でたいして効果をあげ得ないということであってはならないと思うのであります。
 まず、タイとの関係を見ますと、大蔵省の日本外国貿易月報によれば、一九六〇年のわが国のタイに対する輸出は四百二十三億円、タイからの輸入は二百六十億円、六一年の輸出は四百八十二億円、輸入は二百八十二億円、六二年は輸出が五百三十五億円、輸入が二百五十八億円とあるように、わが国の非常な出超となっているのであって、これは日タイ間の大きな問題となっているのであります。わが国から見れば入超よりは出超が喜ばしいかもしれませんが、ある程度のバランスがないと、先方からのどんな措置が今後考えられるかもしれないわけであります。現に、池田首相は、タイ特別円の審議において、九十六億円を無償供与することにした理由として、両国間の貿易は最近わが国の大きな出超となっているが、これが輸入制限をやられでもしてはとんでもないことになるわけで、こういう点も考えて、大所高所から判断して、両国の納得する方法は、すなわち九十六億円の無償供与、これよりほかはないと考えたという趣旨の答弁をされたのであります。しかしながら、前にあげた数字から見ても、日タイ両国間の貿易関係は改善されたとは言えず、金額は多少増加しておりますが、輸出入の開きはかえって増大しており、貿易関係はむしろ悪化したと考えられるのであります。池田総理大臣が、かつて国会で、先方から輸入制限をされてはたいへんであるから、貿易のバランスをとるために九十六億円をタイに供与したと答弁されたのは、筋の通らない無償供与に対する国民の強い反対意見を押えるための方便であったのかという疑いを持たれてもしかたがありません。(拍手)この非難をこうむらないためにも、日本とタイとり貿易関係の改善をはかることを強く要望するものであります。次に、マラヤとの関係でありますが、わが国は、東南アジアの開発及び貿易の増大につとめており、特にマラヤ連邦は、日本にとって重要な原材料供給国として、わが国への輸入額も、東南アジア諸国中最高であり、わが国へらの企業進出、船舶寄港等も多かったのでありますが、従来、これらの国々との間に租税条約の締結がなかったので、これらの国に進出した企業会社、貿易会社等はいずれも二重課税に苦しんでいましたが、今般、この条約の締結により二重課税を回避し、この条約を通じて、わが国と対マラヤ連邦との間の経済、学術、文化の面にわたる交流が促進されるわけであります。
 私は、以上述べました点を政府に警告しつつ、これらの条約の承認に賛意を表するとともに、まだこの種条約の締結されていない諸国との間にもすみやかに条約を結び、友好関係をさらに増進することを強く政府に要望して、私の討論を終了する次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
  討論終局の動議(竹山祐太郎君外
   二十二名提出)
○議長(清瀬一郎君) 竹山祐太郎君外二十二名より、討論終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。竹山君外二十二名提出の討論終局の動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されんことを望みます。――閉鎖。
 〔議場閉鎖〕
○議長(清瀬一郎君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
○議長(清瀬一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めすす。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
○議長(清瀬一郎君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
○議長(清瀬一郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 二百九十一
  可とする者(白票)  百九十六
  〔拍手〕
  否とする者(青票)   九十五
  〔拍手〕
○議長(清瀬一郎君) 右の結果、討論は終局するに決しました。
    ―――――――――――――
 竹山祐太郎君外二十二名提出討論終局の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    安藤  覺君
      相川 勝六君    逢澤  寛君
      愛知 揆一君    赤城 宗徳君
      秋田 大助君    足立 篤郎君
      天野 公義君    綾部健太郎君
      有馬 英治君    井出一太郎君
      井原 岸高君    井村 重雄君
      伊藤 五郎君    伊藤 郷一君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      飯塚 定輔君    池田 清志君
      池田正之輔君    石井光次郎君
      石田 博英君    稻葉  修君
      今松 治郎君    宇田 國榮君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内海 安吉君    浦野 幸男君
      江崎 真澄君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小川 平二君
      小沢 辰男君    小澤佐重喜君
      小澤 太郎君    尾関 義一君
      大石 武一君    大上  司君
      大久保武雄君    大高  康君
      大平 正芳君    大森 玉木君
      岡崎 英城君    岡田 修一君
      岡本  茂君    加藤常太郎君
      賀屋 興宣君    金子 一平君
      金子 岩三君    金丸  信君
      上林山榮吉君    亀岡 高夫君
      鴨田 宗一君    唐澤 俊樹君
      仮谷 忠男君    川野 芳滿君
      川村善八郎君    木村 公平君
      木村 俊夫君    木村 守江君
      北澤 直吉君    久野 忠治君
      久保田円次君    久保田藤麿君
      草野一郎平君    倉成  正君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小泉 純也君    小枝 一雄君
      小金 義照君    小坂善太郎君
      小島 徹三君    小平 久雄君
      小山 長規君    纐纈 彌三君
      佐々木秀世君    佐々木義武君
      佐藤洋之助君    齋藤 邦吉君
      坂田 道太君    櫻内 義雄君
      笹本 一雄君    薩摩 雄次君
      始関 伊平君    椎名悦三郎君
      島村 一郎君    正示啓次郎君
      周東 英雄君    壽原 正一君
      鈴木 正吾君    鈴木 善幸君
      瀬戸山三男君    關谷 勝利君
      園田  直君    田川 誠一君
      田口長治郎君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 榮一君
      田中 正巳君    田邉 國男君
      高橋清一郎君    高橋  等君
      高見 三郎君    竹下  登君
      竹山祐太郎君    千葉 三郎君
      津雲 國利君    津島 文治君
      塚原 俊郎君    辻  寛一君
      寺島隆太郎君    渡海元三郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      富田 健治君    中曽根康弘君
      中野 四郎君    中村 幸八君
      中村 寅太君    中村庸一郎君
      中山 マサ君    永田 亮一君
      灘尾 弘吉君    楢橋  渡君
      南條 徳男君    二階堂 進君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西村 直己君    野田 武夫君
      野原 正勝君    羽田武嗣郎君
      橋本登美三郎君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    八田 貞義君
      濱田 幸雄君    濱地 文平君
      早川  崇君    林   博君
      原 健三郎君    原田  憲君
      廣瀬 正雄君    福家 俊一君
      福田 赳夫君    福永 健司君
      藤井 勝志君    藤本 捨助君
      古川 丈吉君    保科善四郎君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    本名  武君
      前尾繁三郎君    前田 正男君
      前田 義雄君    松本 一郎君
      松山千惠子君    三池  信君
      三木 武夫君    水田三喜男君
      南好  雄君    宮澤 胤勇君
      村上  勇君    毛利 松平君
      森   清君    森下 國雄君
      森田重次郎君    森山 欽司君
      八木 徹雄君    保岡 武久君
      柳谷清三郎君    山手 滿男君
      山中 貞則君    山村新治郎君
      山本 猛夫君    吉田 重延君
      米田 吉盛君    米山 恒治君
      早稻田柳右エ門君    伊藤卯四郎君
      稲富 稜人君    受田 新吉君
      春日 一幸君    佐々木良作君
      田中幾三郎君    西尾 末廣君
      門司  亮君    本島百合子君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    足鹿  覺君
      淡谷 悠藏君    井手 以誠君
      猪俣 浩三君    石川 次夫君
      石山 權作君    板川 正吾君
      緒方 孝男君    大柴 滋夫君
      岡田 利春君    加藤 勘十君
      加藤 清二君    片島  港君
      勝澤 芳雄君    角屋堅次郎君
      川俣 清音君    川村 継義君
      河上丈太郎君    河野  正君
      木原津與志君    久保 三郎君
      久保田 豊君    栗林 三郎君
      黒田 寿男君    小林 信一君
      小林 ちづ君    小松  幹君
      兒玉 末男君    河野  密君
      佐々木更三君    佐藤觀次郎君
      佐野 憲治君    阪上安太郎君
      島上善五郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    東海林 稔君
      杉山元治郎君    鈴木茂三郎君
      田口 誠治君    田中織之進君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      田原 春次君    多賀谷真稔君
      高津 正道君    滝井 義高君
      楯 兼次郎君    坪野 米男君
      戸叶 里子君    堂森 芳夫君
      中村 高一君    中村 英男君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      二宮 武夫君    西村 力弥君
      野口 忠夫君    野原  覺君
      長谷川 保君    畑   和君
      原   彪君    日野 吉夫君
      肥田 次郎君    平岡忠次郎君
      広瀬 秀吉君    細迫 兼光君
      前田榮之助君    松井 政吉君
      松平 忠久君    松原喜之次君
      三木 喜夫君    三宅 正一君
      武藤 山治君    村山 喜一君
      森島 守人君    森本  靖君
      矢尾喜三郎君    安井 吉典君
      安平 鹿一君    山内  広君
      山口丈太郎君    山口 鶴男君
      山田 長司君    山中 吾郎君
      山中日露史君    山花 秀雄君
      山本 幸一君    湯山  勇君
      横路 節雄君    吉村 吉雄君
      和田 博雄君    渡辺 惣蔵君
      谷口善太郎君
     ――――◇―――――
○議長(清瀬一郎君) 関税及び貿易に関する一般協定の譲許の追加に関する第十議定書(日本国及びニュー・ジーランド)の締結について承認を求めるの件外二件を一括して採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。三件を委員長の報告のとおり承認するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
○議長(清瀬一郎君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
○議長(清瀬一郎君) お済みの方はすみやかに降壇願います。
  〔投票継続〕
○議長(清瀬一郎君) どうか通路をふさがぬようにしてください。――お済みの方はすみやかに降壇願います。
  〔投票継続〕
○議長(清瀬一郎君) 投票漏れはありませんか。
  〔投票継続〕
○議長(清瀬一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
○議長(清瀬一郎君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
○議長(清瀬一郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 二百九十五
  可とする者(白票) 二百九十四
  否とする者(青票)     一
○議長(清瀬一郎君) 右の結果、関税及び貿易に関する一般協定の譲許の追加に関する第十議定書(日本国及びニュー・ジーランド)の締結について承認を求めるの件外二件は委員長報告のとおり承認するに決しました。(拍手)
    ―――――――――――――
 三件を委員長報告の通り承認するを可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    安藤  覺君
      逢澤  寛君    愛知 揆一君
      赤城 宗徳君    足立 篤郎君
      天野 公義君    綾部健太郎君
      有馬 英治君    井出一太郎君
      井原 岸高君    井村 重雄君
      伊藤 五郎君    伊藤 郷一君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      飯塚 定輔君    池田 清志君
      石井光次郎君    石田 博英君
      稻葉  修君    今松 治郎君
      宇田 國榮君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内海 安吉君
      浦野 幸男君    江崎 真澄君
      小笠 公韶君    小川 半次君
      小川 平二君    小沢 辰男君
      小澤佐重喜君    小澤 太郎君
      尾関 義一君    大石 武一君
      大上  司君    大久保武雄君
      大高  康君    大平 正芳君
      大森 玉木君    岡崎 英城君
      岡田 修一君    岡本  茂君
      加藤常太郎君    賀屋 興宣君
      金子 一平君    金子 岩三君
      金丸  信君    上林山榮吉君
      亀岡 高夫君    鴨田 宗一君
      唐澤 俊樹君    仮谷 忠男君
      川野 芳滿君    川村善八郎君
      木村 公平君    木村 俊夫君
      木村 守江君    北澤 直吉君
      久野 忠治君    久保田円次君
      久保田藤麿君    草野一郎平君
      倉成  正君    藏内 修治君
      黒金 泰美君    小泉 純也君
      小枝 一雄君    小金 義照君
      小坂善太郎君    小島 徹三君
      小平 久雄君    小山 長規君
      纐纈 彌三君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    佐藤洋之助君
      齋藤 邦吉君    坂田 道太君
      櫻内 義雄君    笹本 一雄君
      薩摩 雄次君    始関 伊平君
      椎名悦三郎君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    周東 英雄君
      壽原 正一君    鈴木 正吾君
      鈴木 善幸君    瀬戸山三男君
      關谷 勝利君    園田  直君
      田川 誠一君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 榮一君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田邉 國男君    高橋  等君
      高見 三郎君    竹下  登君
      竹山祐太郎君    中馬 辰猪君
      津雲 國利君    津島 文治君
      塚原 俊郎君    辻  寛一君
      寺島隆太郎君    渡海元三郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      富田 健治君    中垣 國男君
      中曽根康弘君    中野 四郎君
      中村 幸八君    中村 寅太君
      中村庸一郎君    中山 榮一君
      中山 マサ君    永田 亮一君
      灘尾 弘吉君    楢橋  渡君
      南條 徳男君    二階堂 進君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西村 直己君    野田 武夫君
      野原 正勝君    羽田武嗣郎君
      馬場 元治君    橋本登美三郎君
      長谷川四郎君    長谷川 峻君
      八田 貞義君    濱田 幸雄君
      濱地 文平君    濱野 清吾君
      早川  崇君    林   博君
      原 健三郎君    原田  憲君
      廣瀬 正雄君    福家 俊一君
      福田 赳夫君    福永 健司君
      藤井 勝志君    藤本 捨助君
      古川 丈吉君    保科善四郎君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    本名  武君
      前尾繁三郎君    前田 正男君
      前田 義雄君    益谷 秀次君
      松本 一郎君    松山千惠子君
      三池  信君    三木 武夫君
      水田三喜男君    南好  雄君
      村上  勇君    毛利 松平君
      森   清君    森下 國雄君
      森田重次郎君    森山 欽司君
      八木 徹雄君    保岡 武久君
      柳谷清三郎君    山手 滿男君
      山中 貞則君    山村新治郎君
      山本 猛夫君    吉田 重延君
      米田 吉盛君    米山 恒治君
      早稻田柳右エ門君    安宅 常彦君
      足鹿  覺君    淡谷 悠藏君
      井手 以誠君    石川 次夫君
      石山 權作君    板川 正吾君
      緒方 孝男君    大柴 滋夫君
      岡田 利春君    岡本 隆一君
      加藤 勘十君    片島  港君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    川俣 清音君
      川村 継義君    河上丈太郎君
      河野  正君    木原津與志君
      久保 三郎君    久保田 豊君
      栗林 三郎君    黒田 寿男君
      小林 信一君    小林 ちづ君
      小松  幹君    兒玉 末男君
      河野  密君    佐々木更三君
      佐藤觀次郎君    佐野 憲治君
      阪上安太郎君    島上善五郎君
      島本 虎三君    下平 正一君
      東海林 稔君    杉山元治郎君
      鈴木茂三郎君    田口 誠治君
      田中織之進君    田中 武夫君
      田邊  誠君    田原 春次君
      多賀谷真稔君    高津 正道君
      滝井 義高君    楯 兼次郎君
      坪野 米男君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    中村 重光君
      中村 高一君    中村 英男君
      永井勝次郎君    楢崎弥之助君
      成田 知巳君    二宮 武夫君
      西村 力弥君    野口 忠夫君
      野原  覺君    長谷川 保君
      畑   和君    原   彪君
      日野 吉夫君    肥田 次郎君
      平岡忠次郎君    広瀬 秀吉君
      細迫 兼光君    前田榮之助君
      松井 政吉君    松平 忠久君
      松原喜之次君    三木 喜夫君
      三宅 正一君    武藤 山治君
      村山 喜一君    森島 守人君
      森本  靖君    八木 一男君
      矢尾喜三郎君    安井 吉典君
      安平 鹿一君    柳田 秀一君
      山内  広君    山口丈太郎君
      山口 鶴男君    山田 長司君
      山中 吾郎君    山中日露史君
      山花 秀雄君    山本 幸一君
      湯山  勇君    横路 節雄君
      吉村 吉雄君    和田 博雄君
      渡辺 惣蔵君    伊藤卯四郎君
      稲富 稜人君    受田 新吉君
      春日 一幸君    佐々木良作君
      田中幾三郎君    西尾 末廣君
      門司  亮君    本島百合子君
 否とする議員の氏名
      谷口善太郎君
     ――――◇―――――
○議長(清瀬一郎君) この際、一時間休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時三十八分開議
○副議長(原健三郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第四 郵便貯金法の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
○副議長(原健三郎君) 日程第四、郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。逓信委員長本名武君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔本名武君登壇〕
○本名武君 ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案に関し、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案の趣旨は、金利政策の弾力的な運用に資するため、郵便貯金の利率決定の手続等につき改正を行なおうとするものでありまして、具体的な利率は郵政大臣が郵政審議会に諮問した上政令で定めることとし、かつ、利率の決定にあたっては、法律には、郵便貯金の本質にかんがみ、その保護に十分な考慮を払うとともに、一般金融機関の預金利率についても配慮しなければならない旨を規定したものであります。
 なお、これに関し、岡田、森本、受田各委員から、本改正案の実施後は郵便貯金の利子引き下げが行なわれるのではないかとの質疑に対し、大蔵、郵政両大臣より、当分の間利子の変更を行なう考えはない旨の答弁がありました。
 次いで、団体取り扱いとする郵便貯金の種類と貯金総額の制限規定を適用する必要がないと認められる法人等について所要の改正を行ないました。
 本案は、去る六月四日本委員会に付託され、六月二十五日、質疑を終了し、引き続き討論を行ない、次いで、採決の結果、多数をもって本案を可決いたしましたが、採決の後、郵便貯金預金者の保護等につき善処すべきことを内容とする附帯決議を付した次第であります。
 なお、日本社会党森本靖君より少数意見を留保する旨の発言がありました。
 以上をもって、報告を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(原健三郎君) 本案に対しては、森本靖君より、成規の賛成を得て、少数意見報告書が提出されております。
    ―――――――――――――
  〔少数意見報告書は本号末尾に掲
  載〕
    ―――――――――――――
○副議長(原健三郎君) この際、少数意見の報告を求めます。森本靖君。
  〔森本靖君登壇〕
○森本靖君 ただいま逓信委員長が報告いたしました郵便貯金法の一部を改正する法律案について、逓信委員会において留保いたしました少数意見の報告をいたしたいと思います。(拍手)
 去る二十五日、逓信委員会において、郵便貯金法の一部を改正する法律案が原案のとおり可決されたのでございます。本案は、その提案理由として、金利政策の弾力的な運用に支障を来たさないようにするために、郵便貯金の利率を政令で定めることとしたということでございますけれども、その実体は、低金利政策の遂行によって貿易の自由化に伴う国際競争力を強化するため、現在法律できめられている郵便貯金の利率規定を政令にゆだね、これにより金融界の動きに対応する利率決定を行なおうとするものでございます。
 最近の世界における貿易の自由化に対応し、わが国経済の堅実な発展をはかるため、金融政策の中核たる金利調節を必要とすることは論をまたないところであり、私もかかる金利調節を決して拒否するものではございません。しかしながら、問題は、この金利調節を国民の首肯し得る方法で実行することにあるのでございます。しこうして、この金利調節は、わが国経済の現状から見て、低金利政策の実行にあるのでありまして、この実行は必然的に郵便貯金の利子引き下げをもたらすものでございます。零細貯蓄からなる郵便貯金を生計のささえとしている勤労大衆は、その利子の動きについてきわめて重大な関心を持っておるのでございます。ここ数年来における消費者物価高にあえぐ勤労大衆が重大な関心を有している郵便貯金の利子を引き下げるのに、国会の審議を排除し、行政官庁の判断により利子の引き下げを行なうことは、郵便貯金預金者大衆の権利保護につき十分であるとは言い得ないのでございます。また、利子引き上げを行なう場合におきましても、国会の十分な審議を経ることによって、行政行為によるよりも妥当な利率を決定・し得るということは言をまたないのでございます。
 本改正案に対し私どもが反対する最大の理由は、勤労大衆の零細な貯金の利子については、国権の最高機関たる国会に審議権を与えておりましたものを、今回は政令に委譲するという点でございます。政府は、利子を法律できめようが政令できめようが、そんなことは問題でないというような言明をしておるのでございますけれども、まさにこれこそ官僚独善の政治であり、民主政治に対する勤労大衆の信頼感をそぐものといわざるを得ないのでございます。(拍手)
 新憲法の制定に伴い、戦前は命令事項であった利率規定を法律事項としたゆえんのものははたして那辺にあるか。言をまつまでもございません。国民の権利尊重の観念によるのでございます。国民の権利を左右する事柄については、国民の代表者たる国会において十分なる審議を尽くせばこそ、その結果のいかんを問わず国民は納得し得るのでございまして、ここに民主政治の本質があるのでございます。新憲法が戦後郵便貯金利率規定を法律事項としたゆえんのものがここに存するのでございます。(拍手)金融財閥の鼻息をうかがうのあまり、真に国政の庇護を必要とする勤労大衆へのあたたかい配慮を失念した本改正案には反対せざるを得ないのでございます。
 次に反対をする理由は、本改正案には、郵便貯金者を保護するために必要な郵便貯金の貸し付け制度を設けること、さらに、郵便貯金総額の制限額を緩和すること、さらにはまた、郵便貯金資金の運用を認めること等が立案されていないことでございます。本改正案のごとき、預金者に不安心を与え、ひいては貯蓄の低下を生ずるおそれのある法律案を提出する際、なぜ郵便貯金貸し付け制度を提案しなかったのか、まことに遺憾千万でございます。預金者の利便をはかり、かつ、貯蓄の増加を来たし、また、郵便貯金の募集に日夜苦心をしている郵政職員が、その募集を一そう容易にできるようにするため、本制度はきわめて有効適切な制度であるにかかわらず、今回その提案を見なかったことは、郵政官僚が真に事業愛に徹していない証左と称し得るものでございます。
 次に、郵便貯金総額が現在五十万円に制限されているのでございますけれども、伝統的な民業育成という見地から設けられているこの制度は、最近における官業としての郵便貯金事業が市中金融機関と対等の立場で経営しなければならない現実に徴し、その制限は大幅に緩和すべきであると思うのでございますけれども、この点についても今回の改正には何ら触れられておらないのでございます。
 最後に、郵便貯金資金運用の点でございますけれども、郵便貯金事業の増進のため、簡易生命保険及び郵便年金事業が行なう地方公共団体等に対する積み立て金の短期運用のごとき制度を郵便貯金資金にも、一定の限度において認める必要があると思うのでございますけれども、この点についても何ら改正の意図がないのでございます。
 以上のような理由により、強く反対の意を委員会において表明したのでございますけれども、少数のゆえをもって廃棄されたことはまことに残念でございます。私どもは、民主政治の原理に従い、国民の権利尊重という観点から、ただいま申し上げましたような主張を修正案として提出をし、その審議を願いたかったのでございますけれども、委員会運営上の時間的制約を受け、やむなくその提案を断念せざるを得なかったのでございます。
 本改正案は、以上申し上げました理由により、あくまでも否決さるべきものであるという意見が少数意見の大綱でございます。
 以上、少数意見の報告を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(原健三郎君) 質疑の通告があります。順次これを許します。岡田修一君。
  〔岡田修一君登壇〕
○岡田修一君 だたいま逓信委員長より報告がありました郵便貯金法の一部を改正する法律案について、私は、自由民主党を代表し、質問を行なわんとするものであります。
 本改正案を実施すると、政府が任意に政令で郵便貯金の利率をきめることになり、預金者の立場を不利にすると野党の人たちは主張いたしております。私は、零細大衆の保護と利益増進を政治の第一目標にしているわが自民党政府において、断じてかかるおそれなしと確信するものであり、政府また本会議並びに委員会において強く預金者保護に関する考えを明らかにしているのでございますけれども、社会党より少数意見報告もありましたことゆえ、この際、あらためて政府に、預金者保護に関し、いかなる考えをお持ちであるか、所信のほどをお伺いいたしたいと思うのであります。
 なお、私は、郵便貯金は一般大衆の汗の集積であり、かつまた、財政投融資の重要な財源でもありますので、政府は預金者の利益向上と貯金の増強につき、より一そう斬新にして積極的な方策を早急に実施せられんことを要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣小沢久太郎君登壇〕
○国務大臣(小沢久太郎君) 岡田議員の御質問にお答え申し上げます。
 今回郵便貯金の利率を政令で定めるようにいたしましたのは、郵便貯金の利率も、金利体系の一環をなすものでありますから、もっぱら今後の金利政策の弾力的な運用に支障を来たさないようにすると同時に、適時適切に一般金融の情勢に相応することができるようにするためでありまして、決して国民大衆の利益を犠牲にしようなどという考えは毛頭ございません。
 また今後、経済金融情勢に応じて利率を改定するような場合におきましても、その利率の決定にあたっては、預金者の利益を増進するよう十分の考慮を払うとともに、預金者の利益を代表する者を加えた郵政審議会に諮問する等、預金者の利益保護については十分の措置を講じてまいりたいと思う次第でございます。(拍手)
○副議長(原健三郎君) 畑和君。
  〔「総理がいないじゃないか」と呼び、その他発言する者多し〕
○副議長(原健三郎君) このままで、いましばらくお待ちを願います。
  〔発言する者多し〕
○副議長(原健三郎君) 静粛に願います。
 畑和君。
  〔「労働大臣が来ておらぬじゃないか」と呼び、その他発言する者多し〕
○副議長(原健三郎君) 畑和君。
  〔畑和君登壇〕
○畑和君 私は、ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案につき、日本社会党を代表いたしまして、総理、大蔵大臣、郵政大臣、通産大臣、労働大臣、経済企画庁長官等、政府当局に対しまして質問をいたしまして、さらに逓信委員長の報告、少数意見の報告につき、それぞれ委員長及び少数意見報告者森本靖君に対し、順次質疑をいたしたいと存じます。(拍手)
 まず最初に、本案と預金者の権利保護との関係につき、総理にお伺いいたしたいのであります。
 そもそも郵便貯金の利子については、昭和二十二年の十一月までは命令をもってこれを定める旨の規定が郵便貯金法にあったのでありますけれども、新憲法の精神にのっとり、国民の権利の尊重という要請にこたえて、同年十二月から、郵便貯金の利子は法律をもって定めるということに改正されたのであります。このことにより、戦時中のインフレに悩まされながら、郵便貯金制度に大きな不安を抱いておりました国民は、郵便貯金制度に信頼を寄せるようになったといって差しつかえないと存じます。(拍手)このように、行政命令から法律への大衆保護の精神を没却いたしまして、単に金利政策の弾力的運用という、政府にだけ都合のよい金融政策的な理由だけで、郵便貯金の利子規定を逆に政令に委譲することは、絶対に許されないと考えるものであります。
 申すまでもなく、郵便貯金は零細な大衆の汗の結晶ともいうべき貯蓄であり、国民の大部分がこれを利用し、親しんでおるところであり、しかも、総額一兆五千億にも達し、政府の資金運用部資金の約五〇%を占め、財政投融資計画において、重要な役割りをになっておるものであります。それだけに、単に金利政策の弾力的運用のためという政府の一方的な口実をもって、貯金者の権利が踏みにじられてはならないと私は思うのであります。総理は、かつて本会議場におきまして、わが党の安宅議員の質問に答え、次のように言っておられます。「法律で利率をきめるのを政令できめたら預金者の保護にならぬとおっしゃるのですが、これは私は理論に合わないと思う。利子を法律できめようが、法律に基づく政令できめようが、預金者の保護には何ら関係はございません。上げるとか下げるとかということが問題でございます。金融的には問題になりません。」かように答えておるのであります。私は、総理のこの答弁の中にこそ、問題があると思うのであります。なるほど、金融的に申せば、総理の言われるとおりでございましょう。しかし、そのことばの中にこそ、私は、総理の国の金融政策のみあって、貯金者保護についての配慮が等閑視される危険性を見出さないわけにはまいらぬのであります。政府のかってにはならないこと、直接国民によって選ばれたわれわれ国会議員による議決がなければ利子の変更ができないこと、この手続こそが、若干はめんどうでありましても、それこそが国民の権利保護の保障であり、とりでであると私は思うのでありますが、このことを総理は強く銘記すべきだと思う。これがいままでの法律でございますと、われわれが議決をせなければなりませんから、われわれは国民の代表として、国民の権利を守るために、利子を下げるときにはきわめて特に慎重にやる。これが政令でございますと、利子を下げるのは政府のほんとうに金融的な考え方からして下げるのでありますから、きわめて簡単に下げられてしまう。また、市中銀行等の抵抗がありますから、どうしてもそういう傾向に私はなろうと思うのであります。この点につきましても、あわせて総理の御所見を承りたいと思うのであります。
 次に、利率決定を政令にゆだねることにする必要性の緊急度の問題でございます。この点は総理ほか関係各大臣にあわせて一緒に伺います。
 日本の全預金に対しまする郵便貯金の割合は、数年前は一三%でありましたけれども、二、三年後には約一%になり、現在は八%に落ちておるはずでございます。もちろん郵便貯金の総額においては漸増してはおりますが、全預金に対する割合はだんだんと減ってきており、昭和三十八年四月末で全預金総額二十兆千二百七十三億に対し、郵便貯金は一兆五千二百八十五億であり、相互銀行が一兆八千二百四十三億、信用金庫が一兆七千五十四億ということになり、いずれも郵便貯金を凌駕するようになっております。総理は、安宅議員の質問に答えまして、かように述べておられる。「貯蓄の増強が鈍るとか、非常にふえないとか言っておられますが、昭和三十六年、三十七年、また三十八年度において、貯蓄がいかにふえたか、郵便貯金がいかにふえたかという実績をごらんになったら、あなたの理屈は通らぬと思います。」と力み返っておられましたけれども、郵便貯金がふえておるのは何も池田さんの功績でも何でもない。しかも、郵便貯金が全体の国民貯蓄の中に占める割合が漸減しておるところに私は問題があると思うのであります。郵便貯金の利子よりも消費者物価の上昇率のほうが大きいというこの高度経済成長政策の失敗の中において、利率決定を政令に委譲し、低金利政策に奉仕させようということが、郵便貯金を利用する国民貯蓄の心理にいかに影響するでありましょうか。この時点において、金利政策の弾力的運用ということのため利率決定を政令委譲する緊急度がはたしてあるであろうか、はなはだ疑問であると私は思うのであります。(拍手)
 今回の利率改定の政令委譲措置で貯金預金者は近き将来の利子引き下げを予想し、他面、消費者物価は市中金利、郵便貯金利子をはるかに上回る異常な上昇ぶりを示しているため、預金者は貯蓄心をなくし、換物的な傾向に走ることになり、したがって、貯蓄の減少、ひいては財政投融資計画にも影響すると思うが、どうか。さらには、かかる危険をおかしてまで現時点において本件政令委譲措置をやる必要性の緊急度があるかどうか。以上の点につき、総理、経済企画庁長官、大蔵、郵政、通産、労働の各大臣のそれぞれの立場からの意見を承りたいと存じます。(拍手)
 特に、労働大臣に対しましては、財政投融資の原資確保のため、貯金の募集については現在でも割り当て制度に事実上なっておりまして、郵政労働者の労働強化となってあらわれておりますが、さらにこれが強化されるおそれがあると思うけれども、所管大臣としてはこれをどうお考えになられるか。
 次は、郵便貯金の貸し付け制度の問題であります。一方解約を防止し、他方預金者の利便をはかるため、他の金融機関と同様貸し付け制度をとることはきわめて有効適切であり、国民的要望でもあり、多く異論はないものと存じます。第四十回国会におきまして郵便貯金法の改正案が審議せられました際、逓信委員会において貸し付け制度の実施を検討するよう附帯決議がなされたことは、この国民的要望が国会において取り上げられた結果であると考えるものでありますが、今回預金者の権利を不安定ならしめ、貯蓄意欲を低下せしめるおそれのある本法案を提案しながら、附帯決議に沿う貸し付け制度の実施を提案しなかったのはいかなるわけであるか。国家財政に寄与するため、国家の経営する郵便貯金という特殊性にもよるであろうけれども、他の金融機関と異なり、ただ預け入れるだけの一方交通でございまして、資金運用部資金を通じ、財政投融資計画のうちの大きな部分を占めることによって預金者の意思と全く無関係の大資本にのみ奉仕させ、肝心の預金者に少しも還元の道を講じないのは明らかに不当であります。本制度につき、郵政大臣は大蔵大臣と一体いかなる協議をなされたか、利率決定を政令に委譲する本案と引きかえに貸し付け制度を実施させることが郵政省の当初の意気込みであり、案であったけれども、この案はいつ一体どういうところで消えてしまったか、郵政大臣は、この国民的な要望を背景として、現大蔵大臣田中角榮氏をも含めて、歴代郵政大臣が果たそうとして果たせなかった願望を、職を賭してでもなぜかちとることができなかったか、その辺の事情を郵政大臣に承りたいのであります。
 なお、四十回国会での附帯決議の際は、田中蔵相は時の郵政大臣としてこの案の推進者であったのではないかと思うのでありますが、いまでは相手方大臣ということになり、消極論のように承っておりますが、現在の時点においてこの案に賛成か反対か、立場が違うので、前には賛成だったが、いまでは反対だとでもいうのかどうか、その所見を承りたいと思います。
 次に、将来低金利政策を実施するにあたっても、郵便貯金は国民大衆の零細な貯蓄であるから、市中金利が下がっても郵便貯金の利率は下げるべきではない――ずっと下げないという意味ではありませんけれども、にわかに下げるべきではない、かように思うのでありますが、その点、総理、大蔵大臣、郵政大臣はどのように考えておられるか、承りたい。
 次にまた郵政大臣に伺いたい。利率を政令できめる場合、郵政審議会に諮問するとのことでありますけれども、そのメンバーに、預金者の利益を代表する者はいかなる者を選定するか、また人数等はどうであるか。
 次には、委員長に対して簡単に質問いたします。
 第一、委員会における本改正案採決の際、委員会の定足数に不足はなかったかどうか、第二、少数意見者の反対意見発表の際、その発言時間を不当に制限したような事実はあったかなかったか、第三、これは重要な法案であるからというので参考人の意見を徴しようというような議があったと聞いておるが、はたしてそういう議があったかどうか、またそれに対してどう措置をしたか、この点を承りたいのであります。
 次は、少数意見に対する質問といたしまして、森本靖君にお尋ねいたしたい。
 まず、今回の郵便貯金の利率規定の政令委譲については、改正案には法第十二条において、郵便貯金の利率を政令できめる場合は、郵便貯金の特殊性に基づき十分な考慮を払うべき旨の精神的な訓示規定と、さらに利率改定の際、郵政審議会に諮問するという規定を新たに設けたが、この規定でどの程度預金者の権利が保護されると考えられるか、第二、利率規定の政令委譲は預金者保護に何らの影響はないという政府の見解に対し、委員会においてどのように反駁されたか、第三、郵便貯金貸し付け制度、郵便貯金総額の制限額緩和等の点がなぜ本改正案に取り上げられなかったか、その原因について強く政府側を追及したと思うけれども、その点はどうか、第四、郵便貯金資金の運用について郵政省側がどのような計画を持ち、その具体化のためどのように折衝したかを追及したかどうか、第五、利率規定を政令にゆだねることの緊急度について、政府はいかなる見解を示したか。
 以上、各当局者、委員長、あるいは少数意見の報告者に対しまして、質問をいたします。
 以上をもちまして、質問を終わりますが、懇切丁寧にひとつ答弁を承りたい。(拍手)
  〔本名武君登壇〕
○本名武君 本法採決の際は、もちろん逓信委員会におきましては定足数を常に確保いたして開会し、採決を行なったのであります。
 またその審査にあたりまして、少数者の意見は特に尊重申し上げて、十分なお時間をお与えいたしました。
 なお、参考人招致につきましては御意見がございましたが、円満な理事会における話し合いの上、これを取りやめにいたしました。(拍手)
  〔森本靖君登壇〕
○森本靖君 畑議員の御質問にお答えいたします。
 まず最初に、今回の法律改正によって、国会にかわるべき郵政審議会が利率決定における郵政大臣の諮問を受ける、こういうことになるけれども、その間の問題についてどういうふうな質問をし、追及をしたか、こういう御質問でございます。御承知のとおり、今回の法律改正に基づきまして、貯金法の第十二条によりまして、利率改定については、郵政大臣は郵政審議会に諮問しなければならぬ、こういうことになっておるわけでございます。そこで、今回の改正法律案におきましては、郵政大臣もしばしば答弁いたしておりますように、現在の四十名の郵政審議会委員を五名増員いたしまして、そこで慎重に審議をするというのが、郵政大臣並びに大蔵大臣の答弁でございますけれども、試みにいまの四十名の郵政審議会の委員を読み上げてみますると、零細なる郵便貯金の国民大衆諸君の代表であるとは断じて言いがたい委員のメンバーでございます。こういう人々がはたして郵便貯金を平生からしておるかどうか、はなはだ疑問を抱くような人物ばかりでございます。たとえば日本商工会議所会頭、東京放送会長足立正さん、経済団体連合会長、東京芝浦電気会長石坂泰三さん、丸紅飯田社長市川さん、藤倉化成会社社長景山さん、国際電設会社会長中村さん、日本輸出入銀行総裁森永貞一郎さん、日本経営者団体連盟代表常任理事、秩父セメント社長諸井貫一さん、あるいはまた日本銀行総裁山際正道さん、こういうふうな人々でございまして、さらにまた関係各省の次官がこの中に入っておるわけであります。こういうふうな四十人のメンバーに対しまして、わずかに五名の委員を追加いたしまして、これが今日まで国会で審議しておりましたところの利率改定にかわるべき郵政審議会であるとするならば、われわれは今後の利率改定については非常に不安を覚えるものでございます。そういう点については、郵政大臣が口癖のように、郵政審議会の議を経るからだいじょうぶであるということをしばしば答弁いたしておりますけれども、われわれは、この利率決定の際の郵政審議会の審議がおざなりになるのではないかという心配が非常にあるわけでございます。将来この郵政審議会委員のメンバー等については、私は、零細なる郵便貯金をいたしております国民大衆の代表をできる限り出していただきたい。そうしなければ真に郵政審議会としての任務を果たすことはできないというふうに痛感しておるわけでありますけれども、この私の正当なる意見に対しましては、郵政大臣としては耳を傾けながらも、現在の閣僚としてどうにもできないというふうな答弁のように見えたのでございます。以上が、私のいわゆる追及をいたしました内容でございます。
 次の御質問は、郵便貯金貸し付け制度、郵便貯金総額の制限緩和等の点が本改正案に取り上げられなかった原因について・政府をいかように追及したかという問題でございます。先ほど質問者も御指摘になりましたように、もともと郵政省といたしましては、私が質問をした範囲内におきましては、今回の政令委譲に伴いまして、当初から郵便貯金の預金者に対する貸し付け制度というものを考えまして、省議を経てすでにその原案もでき上がっておったのでございます。そういたしまして、大蔵省と数次にわたる折衝をいたしておったようでございますけれども、ついに大蔵大臣のいわゆる政治的な権力と申しますか、大蔵大臣の威に屈したというのが今日の実情ではなかろうかというふうに、委員会の審議を通じて想像されるのでございます。かつて私がこの問題について、逓信委員会におきまして質問いたしましたときに、当時の郵政大臣でありまするところの現大蔵大臣田中角榮君は、こういうふうな貸し付け制度については、郵政大臣としては大いにやらなければならぬということを発言しておるのでございます。今日立場が変わりまして大蔵大臣になったから、一体あなたはこういう点についてどうお考えであるか、こういう私たちの質問に対しまして、大蔵大臣は、当時は郵政大臣として確かに賛成をいたしておりました。しかしながら、郵政省として大蔵省に対し、予算獲得その他の点でかけ引きのためにこういう点を大いに大蔵省に追求をしたのだということを、委員会を通じて答弁せられておるのであります。私は、賢明なる大蔵大臣が郵政大臣当時から考えておりましたこういうふうな問題については、ぜひともこの際に実現を見るのではなかろうかと考えておりましたけれども、残念ながらやはり、大蔵官僚の威に屈したかどうか知りませんけれども、今回は郵便貯金貸し付け制度あるいは郵便貯金総額の制限緩和等の点が全然日の目を見ていない、こういう点については非常に残念でございます。
 特に、今日、郵便貯金の増強については――これは皆さんも御承知のとおり、預金部資金の大半を占めておるわけであります。かりに私たちがこの預金部資金の使い方について反対の意見がございましても、いまの政府にとりましては、至上命令としてこの預金部資金を吸収する必要があるわけであります。しかし、郵便貯金といえども、郵便局の窓口にすわっておって郵便貯金がふえるというわけではございません。その中には定額郵便貯金、積み立て郵便貯金、こういうものが大半を占めておるわけでありまして、定額郵便貯金、積み立て郵便貯金というものは、やはり郵政省の従業員が暑い日にもあるいは寒い日にも、保険募集と同じように各家々を回って募集をしなければならぬというたてまえになっておるわけでございます。(拍手)いたずらに郵政大臣、大蔵大臣がすわっておって命令をしておるから郵便貯金がふえておるという現状ではございません。そういう点からいたしまして、私たちは、今回の郵便貯金法の改正にあたりまして、できる限り郵便貯金がしやすいように、募集がしやすいように、こういうふうな郵便貯金の貸し付け制度、あるいは貯金の総額の制限緩和、――現在簡易生命保険の運用資金については、郵政省が長年の悲願でございましたところの短期運用というものが今日許されておるわけでありまして、郵便局の窓口を通じて、地方公共団体その他に貸し付けを行なっておるのであります。これが今日いかに簡易生命保険の困難な募集を助けておるかということは、郵政大臣が御承知のとおりであります。今回の郵便貯金法の改正にあたりましても、そういう点を十分に考慮いたしまして、われわれといたしましては郵便貯金の貸し付け制度、あるいはまた貯金総額の制限緩和、あるいはまた郵便貯金資金の短期運用について、郵政省にこれを移管せられたい、こういう点を要求したのでありますけれども、残念ながら、大蔵省の威に屈した郵政大臣は、何ごともできないという、ここに哀れなる法律案の改正を上程しておるという状況でございます。
 次に、利率規定を政令にゆだねる緊急度について政府はいかなる見解を示したか、こういう御質問でございますけれども、私が委員会におきまする質問の範囲内におきましては、郵政大臣並びに大蔵大臣の答弁は、全然緊急度の正当なる見解を述べておりません。はなはだ残念でありますけれども、どこにも緊急度の正当なる見解というものが何らないということを申し添えまして、私の答弁にかえる次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) 郵便貯金利子の決定を政令に委任しようとする理由につきましては、さきに本席におきまして申し上げたとおりでございます。それは、金利政策を弾力的に運用するということでございます。およそ金利政策は、一般金融情勢の動向に相応するよう、適時適切に弾力的に行なう制度が、金融の正常化の前提であるのであります。私は、今後金融正常化をはかる上におきまして、この際政令に委任することが適当であると考えたのでございます。
 なお、貸し付け制度につきましてはいろいろ問題がございますので、各方面で研究を願っております。
 また、市中金利との関係について御心配のようでございますが、私の見るところでは、大正、昭和の初めごろから戦争直後までの一般市中銀行の定期預金利子と郵便貯金の利子の差は、いまよりも少なかったと思います。昨年、一年定期六分を五分五厘にいたしました。三分九厘何毛を三分六厘にいたしまして、その差は従来よりもいまのほうが多うございます。したがって、御心配のように、市中銀行の預金利子が下がったから、当然郵便貯金がそれだけ下がるという前提にはなっていないと思います。したがいまして、私は今後郵便貯金の……(発言する者あり)よく聞かないと、わかりません。郵便貯金の増強の必要上、この差を縮めるほうが適当ではないかという気持ちを持っておりますので、定期預金が下がっても郵便貯金が下がらぬようにする場合があるのでございます。こういう点は……(発言する者あり)三十五年に下げたのは、五厘下げて片一方は三厘下げたのでございますから、郵便貯金のほうが有利になったということを示すものでございます。この思想は今後も続けていかなければなりません。(拍手)
  〔国務大臣小沢久太郎君登壇〕
○国務大臣(小沢久太郎君) お答え申し上げます。
 郵便貯金の利率を政令に委任する緊急度の問題でございますけれどもこれは先ほども申し上げましたように、郵便貯金の利率も金利体系の一環をなすものでありまして、今後金利政策の弾力的な運用に支障を来たさないようにするとともに、適時適切に一般金融情勢の動向に相応することができるようにしようとするものでございます。
 次に御質問の貸し付け制度の問題でございますけれども、預金者貸し付け制度につきましては、附帯決議の趣旨にも沿いまして、大蔵省と折衝を続けてきたわけ合いでございます。しかし、いろいろと問題がありましたので、今回は提案する運びに至っていないのでございますが、今後郵政、大蔵両省間におきまして、この問題点を引き続き検討していくことにしている次第でございます。
 次に、郵政審議会における預金者代表についてでございますけれども、郵政審議会には新たに五名を増員することといたしておりますが、預金者の利益を代表する者といたしましては、主として郵便貯金の利用者である勤労者、主婦、中小企業者等の代表者で、郵便貯金に深い理解を有する人を選んで充てることにいたしている次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣田中角榮君登壇〕
○国務大臣(田中角榮君) 私に対する第一の御質問は、ただいま法定である郵便貯金の金利をなぜ政令に委任するのかということでございます。この問題については、いま総理大臣からも御答弁がございましたが、基本的にはそのとおりでございます。しかし郵便貯金というものが、大衆、零細な預金者であるということと、もう一つは、資金運用部の資金として、これが国民生活のために大きく貢献し、特に戦後の日本の経済復興に寄与した力の大きいことを考えますときに、ただ、民間の金利が下がったから郵便貯金の金利も自動的に引き下げるというような考え方を前提にして政令委任をしておるものではないのであります。先ほどから申し上げておりますように、金利体系の一環といたしましてバランスをとり、弾力的運用を基本として政令委任をお願いいたしておるわけでございます。
 第二の問題は、貸し付け制度の問題でございますが、確かに昭和三十二年から三年にかげまして、私は郵政大臣在職中これらの問題に対して検討をいたしたわけでございます。その意味におきまして、皆さんが申されたようないわゆる貸し付け制度の問題に対しても検討いたしましたが、その後あらゆる方面から検討いたしました結果、郵便貯金というものは国民大衆、零細な預金者から預金を集め、しかもそれが資金運用部の資金として、直接国民のためになるように還元をするような仕組みになっておるのであります。郵便貯金の制度は、御承知のとおり、法律をお読みになればおわかりになるとおり、これは国民から資金運用部の資金源を集める法律のたてまえでございまして、政府が干渉する銀行のように、貸し付けを行なうたてまえにはなっておらないのであります。そういうことがございますので、現在この制度の問題については、郵政、大蔵両省間において引き続き検討いたしておるのでございます。
 それから第三点は、非常に重要な問題でありますが、政令委任にいたした結果、民間金融機関の金利が引き下がっても、何とか郵便貯金の金利を引き下げないようにして、大衆の利益を守るすべはないかということでございますが、先ほどから申し上げておるとおり、郵便貯金の金利は自動的に引き下げたりというような考えは持っておりません。しかも過去の事跡に徴して、過去は郵便貯金は政府管掌のものでありますので、信用度が高いということをもって、民間金利よりも確かに自動的に低かるべきであるという議論でございましたが、先ほど申したとおり、政府の信用云々によって差をつけるべきものではなく、資金運用部の原資としていかに裨益をし、貢献をしておるかという政策的効果も十分考えながら、大衆零細の預金者の利益は十分確保してまいるつもりであります。(拍手)
  〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 消費者物価と貯蓄との間に御指摘のような関係がありますことは、そのとおりでありますが、この二、三年現実の問題として貯蓄性向が下がっておりませんのは、思うに消費者物価の値上がりのほとんどが生鮮食料品とサービス料金でありまして、これらのものがいわゆる買いだめ、換物というものに適していない、換物することが可能でないということに理由があると思います。それから鉱工業の生産品、なかんずく耐久消費財などは年を追って価格が下がっておりますし、あるいは価格が下がりません場合には品質が向上しておるというようなことから、むしろ貯蓄心をそそっておる、そういうことであろうと思います。しかし、いずれにしても一般的にそういう関係がございますことは事実でありますから、物価政策には十分留意をいたさなければならないと思います。(拍手)
  〔国務大臣福田一君登壇〕
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 この法律が通ることによって財政投融資の原資が不足しないか、こういうような御質問であると存じますが、この法律は、いわゆる利率を弾力的に運用するということでありまして、その運用にあたっては大衆の利益も十分考慮し、また市中の金利も十分に考えて、そうして郵政審議会で十分審議をされるのでございますから、私はそのために財政投融資のワクに不足を生ずるということはないと考えております。(拍手)
  〔国務大臣大橋武夫君登壇〕
○国務大臣(大橋武夫君) 郵政職員の労働条件に関する御質問でございますが、郵政職員は、公労法の規定により団体交渉権を与えられておりまして、その行使に関しましては、公労委の制度も設けられておりますので、団結権、団体交渉権を通じまして、労働条件の維持改善をはかるに十分な立場にあるのでございますから、今回の法律改正にあたりましても、労働省といたしましては、郵政職員の労働問題に関しましては特別に心配をいたしておりません。(拍手)
    ―――――――――――――
  質疑終局の動議(竹山祐太郎君外
   二十二名提出)
○副議長(原健三郎君) 竹山祐太郎君外二十二名より、質疑終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。竹山君外二十二名提出の質疑終局の動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
○副議長(原健三郎君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
○副議長(原健三郎君) 通路にとどまらないようにお願いします。――急ぎ御投票ください。――通路を妨害しないように。
  〔投票継続〕
○副議長(原健三郎君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
○副議長(原健三郎君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
○副議長(原健三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百一
  可とする者(白票)  百九十
  否とする者(青票)  百十一
○副議長(原健三郎君) 右の結果、質疑は終局するに決しました。
    ―――――――――――――
 竹山祐太郎君外二十二名提出質疑終局の動議を可とする議員の氏名
      安藤  覺君    相川 勝六君
      逢澤  寛君    愛知 揆一君
      青木  正君    赤城 宗徳君
      秋田 大助君    天野 公義君
      綾部健太郎君    荒木萬壽夫君
      有馬 英治君    井出一太郎君
      井原 岸高君    井村 重雄君
      伊藤 五郎君    伊藤 郷一君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      飯塚 定輔君    生田 宏一君
      石井光次郎君    宇田 國榮君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内田 常雄君    内海 安吉君
      浦野 幸男君    江崎 真澄君
      遠藤 三郎君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小川 平二君
      小沢 辰男君    小澤佐重喜君
      小澤 太郎君    尾関 義一君
      大石 武一君    大上  司君
      大高  康君    大橋 武夫君
      大平 正芳君    大森 玉木君
      岡田 修一君    岡本  茂君
      加藤 高藏君    金子 一平君
      金子 岩三君    金丸  信君
      亀岡 高夫君    鴨田 宗一君
      唐澤 俊樹君    仮谷 忠男君
      川野 芳滿君    川村善八郎君
      菅  太郎君    簡牛 凡夫君
      木村 公平君    木村 俊夫君
      木村 守江君    北澤 直吉君
      久野 忠治君    久保田円次君
      久保田藤麿君    草野一郎平君
      倉成  正君    藏内 修治君
      黒金 泰美君    小泉 純也君
      小枝 一雄君    小金 義照君
      小坂善太郎君    小島 徹三君
      小平 久雄君    小山 長規君
      纐纈 彌三君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    佐藤洋之助君
      坂田 英一君    坂田 道太君
      櫻内 義雄君    笹本 一雄君
      椎名悦三郎君    重政 誠之君
      篠田 弘作君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    周東 英雄君
      壽原 正一君    鈴木 正吾君
      鈴木 仙八君    鈴木 善幸君
      砂原  格君    瀬戸山三男君
      關谷 勝利君    園田  直君
      田川 誠一君    田口長治郎君
      田澤 吉郎君    田中 榮一君
      田中 角榮君    田中 龍夫君
      田邉 國男君    高田 富與君
      高橋  等君    竹山祐太郎君
      谷垣 專一君    千葉 三郎君
      津雲 國利君    津島 文治君
      塚原 俊郎君    辻  寛一君
      寺島隆太郎君    渡海元三郎君
      富田 健治君    内藤  隆君
      中垣 國男君    中野 四郎君
      中村 梅吉君    中村 幸八君
      中村 寅太君    中村庸一郎君
      中山 榮一君    永田 亮一君
      灘尾 弘吉君    南條 徳男君
      二階堂 進君    丹羽喬四郎君
      丹羽 兵助君    西村 直己君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    羽田武嗣郎君
      橋本登美三郎君    長谷川四郎君
      八田 貞義君    濱田 幸雄君
      濱野 清吾君    早川  崇君
      廣瀬 正雄君    福田 赳夫君
      福田 篤泰君    福永 健司君
      藤井 勝志君    藤田 義光君
      藤本 捨助君    古井 喜實君
      古川 丈吉君    保利  茂君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      本名  武君    前田 正男君
      前田 義雄君    牧野 寛索君
      益谷 秀次君    松浦周太郎君
      松澤 雄藏君    松村 謙三君
      松山千惠子君    南好  雄君
      村上  勇君    毛利 松平君
      森下 國雄君    森山 欽司君
      保岡 武久君    柳谷清三郎君
      山崎  巖君    山田 彌一君
      山手 滿男君    山村新治郎君
      山本 猛夫君    吉田 重延君
      早稻田柳右エ門君    井堀 繁男君
      伊藤卯四郎君    稲富 稜人君
      受田 新吉君    内海  清君
      春日 一幸君    佐々木良作君
      田中幾三郎君    玉置 一徳君
      西尾 末廣君    西村 榮一君
      門司  亮君    本島百合子君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    赤松  勇君
      足鹿  覺君    有馬 輝武君
      淡谷 悠藏君    猪俣 浩三君
      石川 次夫君    石山 權作君
      板川 正吾君    稻村 隆一君
      緒方 孝男君    大柴 滋夫君
      大原  亨君    太田 一夫君
      岡田 利春君    岡本 隆一君
      加藤 勘十君    加藤 清二君
      片島  港君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      川俣 清音君    川村 継義君
      河上丈太郎君    河野  正君
      木原津與志君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    久保田鶴松君
      久保田 豊君    栗原 俊夫君
      栗林 三郎君    黒田 寿男君
      小林 信一君    小林 ちづ君
      小松  幹君    兒玉 末男君
      五島 虎雄君    河野  密君
      佐々木更三君    阪上安太郎君
      實川 清之君    島上善五郎君
      島本 虎三君    下平 正一君
      東海林 稔君    杉山元治郎君
      鈴木茂三郎君    田口 誠治君
      田中織之進君    田中 武夫君
      田邊  誠君    多賀谷真稔君
      高田 富之君    高津 正道君
      滝井 義高君    楯 兼次郎君
      坪野 米男君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    中澤 茂一君
      中村 重光君    中村 英男君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      二宮 武夫君    西村 力弥君
      野原  覺君    長谷川 保君
      畑   和君    原   茂君
      原   彪君    日野 吉夫君
      肥田 次郎君    平岡忠次郎君
      広瀬 秀吉君    帆足  計君
      穗積 七郎君    細迫 兼光君
      堀  昌雄君    前田榮之助君
      松井 政吉君    松平 忠久君
      松原喜之次君    三木 喜夫君
      三宅 正一君    村山 喜一君
      森島 守人君    森本  靖君
      八木 一男君    矢尾喜三郎君
      安井 吉典君    安平 鹿一君
      柳田 秀一君    山内  広君
      山口丈太郎君    山口 鶴男君
      山崎 始男君    山田 長司君
      山中 吾郎君    山中日露史君
      山花 秀雄君    湯山  勇君
      横路 節雄君    横山 利秋君
      吉村 吉雄君    和田 博雄君
      渡辺 惣蔵君    川上 貫一君
      谷口善太郎君
     ――――◇―――――
○副議長(原健三郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。大柴滋夫君。
  〔大柴滋夫君登壇〕
○大柴滋夫君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案に反対の意見を表明するものであります。(拍手)
 本改正案の主たる目的は、いままで法律によって定められていた郵便貯金の利率を、一般金融界の情勢変化に即応する改定をなすために、国会の審議を除いて、政令にゆだねることであります。
 私どもが本改正案に反対する理由の第一は、郵便貯金利子のごとく、大衆の零細な資金を国家の信用で集め、国の名において操作するものは、国民の代表たる議員が、あらゆる立場からその操作のよしあしの審議をきわめることが必要であります。国民は議会におけるその審議を通じて初めて利率の引き上げや引き下げのよって来たる理由を詳細に理解し納得するのであります。また、この納得を通じて政府の信用も上がり、国民の貯蓄や勤勉の精神も向上するのであります。かかる方法こそ、民主主義下の郵便貯金のあり方というべきでありましょう。(拍手)このことを否定し去って、特定の立場に立つ資本家や役人、あるいはまた時の政府の追随者だけで、かかる重大問題をきめようとすることは、全く民主主義否定の徴候というべきであります。(拍手)東条内閣下の議員ではあるまいし、国会の言論を議員みずから封殺しようとするかかるばかげきった改正案は、お互いが議員である限り、容認でき得ないところであります。(拍手)とりわけ、現憲法の民主主義の精神を立党の基本的立場とする日本社会党の断じて承認し得ざるところであります。(拍手)
 本改正案に反対する第二の理由は、今回の改正は、わが国の独占資本が外国の資本と競争するために、国際金利に比して割り高な日本の金利引き下げを行なうために、その捨て石に国営事業である郵便貯金を無慈悲にも選択したことであります。つまり、一片の行政命令で貯金の利率引き下げを行ない、これをてことして市中金利を引き下げる、このことが本改正案のねらいであろうと判断されるのであります。この改正案には、日本の資本主義の隆盛を願う自由民主党の精神は十分にうかがわれるのでありますが、零細な大衆の貯金や庶民の利益を擁護する政党人が国民に持つべき愛情の一片をも感じ得ないのであります。まさにこの一事を見ても、現政府は国民から離れて、独占資本の番頭となったというべきでありましょう。明治の初年郵便貯金が創設せられて八十年、郵便貯金は国営事業の名に隠れて、陰に陽に日本の資本家階級の資金源の役割りをになわされてまいりました。この日本資本主義によって踏みつけられた庶民の郵便貯金が、いままた残り少ない特典である、利率が法律によって守られておりました点を奪い去られるならば、大衆の郵便貯金は、日本の資本家階級によって踏んだりけったりのうき目にさらされるわけであります。(拍手)
 これを要するに、このたびの改正案は、郵便貯金を戦前のごとく資本主義に全く従属させ、郵便法第一条にうたう、国民の経済生活の安定とその福祉を増進することに背反する反動立法であります。国の事業や経済は国民のためにあるのであって、資本家と政府を構成する人々のためにあるものではないのであります。かかる改正案は、勤労大衆を守る日本社会党の断固排斥するものであります。(拍手)
 以上、反対の意見を明白にし、私の討論を終わります。(拍手)
○副議長(原健三郎君) 安平鹿一君。
  〔安平鹿一君登壇〕
○安平鹿一君 私は、ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対しまして、日本社会党を代表いたしまして反対の討論をいたすものであります。(拍手)
 本改正案は、金利政策の弾力的な運用をするために、現在法律で定められております郵便貯金の利率を政令で改めるようにすることに主たる目的があるのであります。いままでは、御承知のように、法律によって郵便貯金の利率を規定されておったものでありますが、これを政令にゆだねることによりまして、政府が、必要に応じて、行政行為で郵便貯金の利率引き下げを容易に実行し得ることが、本改正案のねらいであります。
 本改正案についてまず第一に私の反対いたしたいことは、郵便貯金の利率規定の政令委譲の点でございます。市中金利の変動に応じまして郵便貯金の利子を改定する場合、国民の代表者が、国会におきまして十分な審議を尽くし、その結果のいかんにかかわらず、国の名において責任を持つからこそ、国民は信頼し、納得するのでございます。これがすなわち、民主政治のあり方でなければならないと思うのであります。だからこそ、戦前におきまして命令で定められました郵便貯金の利率規定を、戦後新憲法のもと、法律事項と改めたことがここにあるのであります。郵便貯金は、勤労大衆はもとより、小学生から家庭の主婦に至るまで、将来の不安や不時の災害に備えたささやかな、しかもたっとい貯金であることを思いまするとき、当然国会が責任を持ち、これら勤労大衆の生計に思いをいたしながら、真摯な審議を尽くさなければならないし、また、国民はこれを期待しておるのであります。しかるに、勤労大衆のこの零細な郵便貯金が政令によって改変されることは、大衆の期待を裏切るものでありまして、私のとうてい許すことのできないところであります。(拍手)政府は、今回の郵便貯金の利率規定の政令委譲につきまして、改正案の中において、郵便貯金の利率規定の政令委譲により、その利率を改変するときには、郵便貯金の特殊性に基づきまして十分な考慮を払うとの精神的な規定があるのでありますが、現在の無法、無責任な現政府のもとにおいては、ややもすれば一片の空文に終わらないとたれが保証することができましょうか。(拍手)
 また、政府は、郵政審議会に諮問をするという規定を新しく設けまして、これによって預金者の保護が完ぺきであるかのごとき論をなしておるのでありますけれども、郵政審議会に、国の最高機関たる国会における審議以上に、権威と実効を期待することは絶対にあり得ないのであります。(拍手)もし政府が、郵政審議会をもって国会の審議以上なりとするならば、政府みずからが議会政治の本質を忘れ、議会を軽視するものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)郵政審議会は、そのメンバーを見ましても、零細預金者の代表とは言いがたいのであります。審議会は、国会審議に比べて及ぶべくもないことは言うをまたないのであります。
 第二に、政令委譲の緊急性ということでありますが、郵便貯金利率規定を法律事項とすることによりまして、わが国金融界の経済活動にはたして実害が生じたであろうかどうかということであります。昭和三十六年四月、郵便貯金法の改正を見ましたが、そのことによりまして、当時の金融界に悪影響があったであろうかと申しますと、決して経済的な動きには何らの悪影響を及ぼさなかったのであります。特に最近における国会は、御承知のように閉会中の期間が非常に短いのでございまして、今後における利子改定が国会を待つことのできないほどの緊急性があるとは思われないのであります。国会の開会を待ち、その審議を経て利子を改定しても、決して金融界の性格を阻害するものではないと信ずるのであります。(拍手)
 第三に、郵便貯金の預金者に対し、貸し付け制度をなぜ同時に提案しなかったかという点であります。預金者貸し付け制度は、零細な預金者の利便をはかるためには当然設けなければならない制度でございます。第四十回国会、郵便貯金法改正の際、政府に対しまして、政府はすみやかに貸し付け制度を検討するように附帯決議を付して通過させたのであります。これを実行せず、政令にゆだねることは、預金者に不安感を与えるばかりでなく、貯蓄の増強にも大きな悪影響があるといわなければならないのであります。(拍手)ことに預金者募集に従事するところの勤労者の苦労は、一そう増加するであろうと思われるのであります。本改正案を提出する際に貸し付け制度の提案を見なかったことは、零細貯蓄者たる勤労大衆への思いやりが欠けた非常に不親切なやり方であるといわざるを得ないのであります。また日夜、しし営々といたしまして預金募集に努力を続け、人知れず辛酸をなめておる郵政職員の実相をほんとうに顧みない立法措置といわざるを得ないのであります。すなわち、資本家階級の意をうかがうのあまり、真に政治の保護を必要とするところの勤労大衆の要求を踏みにじるものであるといわざるを得ません。
 以上申し述べましたように、本改正案は、民主憲法の精神に背反するのみならず、政令委譲の緊急性をも認めることができないのであります。この改正法案は、いたずらに国民大衆の政治不信を買うにすぎないのでありまして、金融界における資本家階級の動向を重視し、勤労階級の権利保護をなおざりにする本法案に対しまして、私は断固反対の意を表するものであります。
 以上で、討論を終わりたいと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
  討論終局の動議(竹山祐太郎君外
   二十二名提出)
○副議長(原健三郎君) 竹山和太郎君外二十二名より、討論終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。竹山君外二十二名提出の討論終局の動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
○副議長(原健三郎君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
○副議長(原健三郎君) 通路をふさがないように願います。
  〔投票継続〕
○副議長(原健三郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣――開鎖。
  〔議場開鎖〕
○副議長(原健三郎君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
○副議長(原健三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 二百九十五
  可とする者(白票) 百九十五
  否とする者(青票)    百
○副議長(原健三郎君) 右の結果、討論は終局するに決しました。
    ―――――――――――――
 竹山祐太郎君外二十二名提出討論終局の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    安藤  覺君
      相川 勝六君    逢澤  寛君
      愛知 揆一君    青木  正君
      赤城 宗徳君    秋田 大助君
      天野 公義君    綾部健太郎君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    有馬 英治君
      井出一太郎君    井原 岸高君
      井村 重雄君    伊藤 五郎君
      伊藤 郷一君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    飯塚 定輔君
      生田 宏一君    池田正之輔君
      石田 博英君    一萬田尚登君
      今松 治郎君    宇田 國榮君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内田 常雄君    内海 安吉君
      浦野 幸男君    江崎 真澄君
      小川 半次君    小川 平二君
      小沢 辰男君    小澤佐重喜君
      小澤 太郎君    尾関 義一君
      大石 武一君    大上  司君
      大高  康君    大平 正芳君
      大森 玉木君    岡田 修一君
      岡本  茂君    加藤 高藏君
      賀屋 興宣君    金子 一平君
      金子 岩三君    金丸  信君
      神田  博君    亀岡 高夫君
      鴨田 宗一君    唐澤 俊樹君
      仮谷 忠男君    川島正次郎君
      川村善八郎君    菅  太郎君
      簡牛 凡夫君    木村 公平君
      木村 守江君    北澤 直吉君
      久野 忠治君    久保田円次君
      久保田藤麿君    草野一郎平君
      倉成  正君    藏内 修治君
      小枝 一雄君    小金 義照君
      小坂善太郎君    小島 徹三君
      小平 久雄君    小山 長規君
      纐纈 彌三君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    佐藤洋之助君
      坂田 英一君    坂田 道太君
      櫻内 義雄君    笹本 一雄君
      椎名悦三郎君    重政 誠之君
      篠田 弘作君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    周東 英雄君
      鈴木 正吾君    鈴木 仙八君
      鈴木 善幸君    瀬戸山三男君
      園田  直君    田川 誠一君
      田口長治郎君    田澤 吉郎君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田邉 國男君    高田 富與君
      高橋 英吉君    竹下  登君
      竹山祐太郎君    谷垣 專一君
      千葉 三郎君    津雲 國利君
      津島 文治君    塚原 俊郎君
      辻  寛一君    寺島隆太郎君
      渡海元三郎君    徳安 實藏君
      床次 徳二君    内藤  隆君
      中垣 國男君    中島 茂喜君
      中曽根康弘君    中野 四郎君
      中村 梅吉君    中村 幸八君
      中村 寅太君    中村庸一郎君
      中山 榮一君    永田 亮一君
      灘尾 弘吉君    楢橋  渡君
      南條 徳男君    二階堂 進君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西村 英一君    西村 直己君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    羽田武嗣郎君
      橋本登美三郎君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    八田 貞義君
      濱田 幸雄君    濱野 清吾君
      早川  崇君    廣瀬 正雄君
      福家 俊一君    福田 赳夫君
      福田 篤泰君    福永 健司君
      藤井 勝志君    藤本 捨助君
      古井 喜實君    古川 丈吉君
      保利  茂君    坊  秀男君
      本名  武君    前田 正男君
      前田 義雄君    益谷 秀次君
      松浦周太郎君    松山千惠子君
      水田三喜男君    宮澤 胤勇君
      村上  勇君    毛利 松平君
      森下 國雄君    森田重次郎君
      森山 欽司君    八木 徹雄君
      保岡 武久君    柳谷清三郎君
      山崎  巖君    山田 彌一君
      山手 滿男君    山中 貞則君
      山村新治郎君    山本 猛夫君
      吉田 重延君    米山 恒治君
      早稻田柳右エ門君    井堀 繁男君
      伊藤卯四郎君    稲富 稜人君
      内海  清君    春日 一幸君
      佐々木良作君    田中幾三郎君
      玉置 一徳君    西尾 末廣君
      西村 榮一君    門司  亮君
      本島百合子君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    足鹿  覺君
      有馬 輝武君    淡谷 悠藏君
      井手 以誠君    猪俣 浩三君
      石川 次夫君    石山 權作君
      板川 正吾君    稻村 隆一君
      緒方 孝男君    大柴 滋夫君
      太田 一夫君    岡田 利春君
      岡本 隆一君    加藤 勘十君
      加藤 清二君    片島  港君
      勝澤 芳雄君    角屋堅次郎君
      川俣 清音君    川村 継義君
      河上丈太郎君    河野  正君
      木原津與志君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    久保田鶴松君
      久保田 豊君    栗原 俊夫君
      栗林 三郎君    黒田 寿男君
      小林 信一君    小林 ちづ君
      小松  幹君    兒玉 末男君
      五島 虎雄君    河野  密君
      實川 清之君    島上善五郎君
      下平 正一君    杉山元治郎君
      鈴木茂三郎君    田口 誠治君
      田中織之進君    田中 武夫君
      田邊  誠君    田原 春次君
      多賀谷真稔君    高田 富之君
      高津 正道君    滝井 義高君
      楯 兼次郎君    坪野 米男君
      戸叶 里子君    堂森 芳夫君
      中澤 茂一君    中村 重光君
      中村 英男君    永井勝次郎君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      二宮 武夫君    西村 力弥君
      野原  覺君    長谷川 保君
      畑   和君    原   茂君
      原   彪君    日野 吉夫君
      肥田 次郎君    平岡忠次郎君
      広瀬 秀吉君    帆足  計君
      細迫 兼光君    堀  昌雄君
      前田榮之助君    松平 忠久君
      松原喜之次君    三木 喜夫君
      村山 喜一君    森島 守人君
      森本  靖君    安井 吉典君
      安平 鹿一君    柳田 秀一君
      山内  広君    山口丈太郎君
      山口 鶴男君    山崎 始男君
      山田 長司君    山中 吾郎君
      山中日露史君    山花 秀雄君
      山本 幸一君    湯山  勇君
      横路 節雄君    吉村 吉雄君
      渡辺 惣蔵君    谷口善太郎君
     ――――◇―――――
○副議長(原健三郎君) 郵便貯金法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
○副議長(原健三郎君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
○副議長(原健三郎君) 通路を妨害しないように。
  〔投票継続〕
○副議長(原健三郎君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
○副議長(原健三郎君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
○副議長(原健三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百七
  可とする者(白票)  百八十五
  〔拍手〕
  否とする者(青票)  百二十二
  〔拍手〕
○副議長(原健三郎君) 右の結果、郵便貯金法の一部を改正する法律案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
 郵便貯金法の一部を改正する法律案を委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    安藤  覺君
      相川 勝六君    逢澤  寛君
      愛知 揆一君    青木  正君
      赤城 宗徳君    秋田 大助君
      天野 公義君    綾部健太郎君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    有馬 英治君
      井原 岸高君    井村 重雄君
      伊藤 五郎君    伊藤 郷一君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      飯塚 定輔君    生田 宏一君
      池田正之輔君    石田 博英君
      一萬田尚登君    今松 治郎君
      宇田 國榮君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内田 常雄君
      内海 安吉君    浦野 幸男君
      江崎 真澄君    小川 半次君
      小川 平二君    小沢 辰男君
      小澤佐重喜君    小澤 太郎君
      尾関 義一君    大石 武一君
      大上  司君    大高  康君
      大平 正芳君    大森 玉木君
      岡田 修一君    岡本  茂君
      加藤 高藏君    賀屋 興宣君
      金子 一平君    金子 岩三君
      金丸  信君    神田  博君
      亀岡 高夫君    鴨田 宗一君
      唐澤 俊樹君    仮谷 忠男君
      川島正次郎君    川村善八郎君
      菅  太郎君    簡牛 凡夫君
      木村 公平君    木村 守江君
      北澤 直吉君    久野 忠治君
      久保田円次君    久保田藤麿君
      草野一郎平君    倉成  正君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小泉 純也君    小枝 一雄君
      小坂善太郎君    小島 徹三君
      小平 久雄君    小山 長規君
      纐纈 彌三君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    佐藤洋之助君
      坂田 英一君    坂田 道太君
      櫻内 義雄君    笹本 一雄君
      椎名悦三郎君    重政 誠之君
      篠田 弘作君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    周東 英雄君
      壽原 正一君    鈴木 正吾君
      鈴木 仙八君    鈴木 善幸君
      瀬戸山三男君    園田  直君
      田川 誠一君    田口長治郎君
      田澤 吉郎君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    田邉 國男君
      高田 富與君    高橋 英吉君
      高橋  等君    竹下  登君
      竹山祐太郎君    谷垣 專一君
      千葉 三郎君    津雲 國利君
      津島 文治君    塚原 俊郎君
      辻  寛一君    寺島隆太郎君
      渡海元三郎君    徳安 實藏君
      床次 徳二君    内藤  隆君
      中垣 國男君    中島 茂喜君
      中曽根康弘君    中野 四郎君
      中村 梅吉君    中村 幸八君
      中村 寅太君    中村庸一郎君
      中山 榮一君    永田 亮一君
      灘尾 弘吉君    楢橋  渡君
      南條 徳男君    二階堂 進君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西村 英一君    西村 直己君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      羽田武嗣郎君    橋本登美三郎君
      長谷川四郎君    長谷川 峻君
      八田 貞義君    濱田 幸雄君
      濱野 清吾君    早川  崇君
      廣瀬 正雄君    福家 俊一君
      福田 赳夫君    福田 篤泰君
      福永 健司君    藤井 勝志君
      藤本 捨助君    古井 喜實君
      古川 丈吉君    保利  茂君
      坊  秀男君    本名  武君
      前田 正男君    前田 義雄君
      益谷 秀次君    松浦周太郎君
      松山千惠子君    水田三喜男君
      南好  雄君    宮澤 胤勇君
      村上  勇君    毛利 松平君
      森下 國雄君    森田重次郎君
      森山 欽司君    八木 徹雄君
      保岡 武久君    柳谷清三郎君
      山崎  巖君    山田 彌一君
      山手 滿男君    山中 貞則君
      山村新治郎君    山本 猛夫君
      吉田 重延君    米山 恒治君
      早稻田柳右エ門君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    足鹿  覺君
      有馬 輝武君    淡谷 悠藏君
      井手 以誠君    猪俣 浩三君
      石川 次夫君    石山 權作君
      板川 正吾君    稻村 隆一君
      緒方 孝男君    大柴 滋夫君
      大原  亨君    太田 一夫君
      岡田 利春君    岡本 隆一君
      加藤 清二君    片島  港君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    川俣 清音君
      川村 継義君    河上丈太郎君
      河野  正君    木原津與志君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      久保田鶴松君    久保田 豊君
      栗原 俊夫君    栗林 三郎君
      黒田 寿男君    小林 信一君
      小林 ちづ君    小松  幹君
      兒玉 末男君    五島 虎雄君
      河野  密君    阪上安太郎君
      實川 清之君    島上善五郎君
      島本 虎三君    東海林 稔君
      杉山元治郎君    鈴木茂三郎君
      田口 誠治君    田中織之進君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      田原 春次君    多賀谷真稔君
      高田 富之君    高津 正道君
      滝井 義高君    楯 兼次郎君
      坪野 米男君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    中澤 茂一君
      中村 重光君    中村 英男君
      永井勝次郎君    楢崎弥之助君
      成田 知巳君    二宮 武夫君
      西村 力弥君    野原  覺君
      長谷川 保君    畑   和君
      原   茂君    原   彪君
      日野 吉夫君    肥田 次郎君
      平岡忠次郎君    広瀬 秀吉君
      藤原豊次郎君    帆足  計君
      細迫 兼光君    堀  昌雄君
      前田榮之助君    松井 政吉君
      松平 忠久君    松原喜之次君
      松前 重義君    三木 喜夫君
      三宅 正一君    武藤 山治君
      村山 喜一君    森島 守人君
      森本  靖君    八木 一男君
      矢尾喜三郎君    安井 吉典君
      安平 鹿一君    柳田 秀一君
      山内  広君    山口丈太郎君
      山口 鶴男君    山崎 始男君
      山田 長司君    山中 吾郎君
      山中日露史君    山花 秀雄君
      湯山  勇君    横路 節雄君
      吉村 吉雄君    渡辺 惣蔵君
      井堀 繁男君    伊藤卯四郎君
      稲富 稜人君    受田 新吉君
      内海  清君    春日 一幸君
      佐々木良作君    田中幾三郎君
      玉置 一徳君    西尾 末廣君
      西村 榮一君    門司  亮君
      本島百合子君    谷口善太郎君
     ――――◇―――――
○副議長(原健三郎君) この際、一時間三十分休憩いたします。
   午後六時二十六分休憩
     ――――◇―――――
   午後九時二十六分開議
○副議長(原健三郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第五 国立大学総長の任免、
  給与等の特例に関する法律案
  (内閣提出)
○副議長(原健三郎君) 日程第五、国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案を議題といたします。
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。文教委員長床次徳二君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔床次徳二君登壇〕
○床次徳二君 ただいま議題となりました内閣の提出にかかる国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案につきまして、文教委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、北海道大学等七国立大学の学長の職務と責任の特に重要であることにかんがみ、これらの学長をいわゆる認証官とし、その地位を高めるとともに、その待遇の改善を行ない、ひいては大学の教育職員、さらに教育者全体の地位の向上をはかり、もってわが国教育の振興に資することをねらいとして、国立大学総長の設置及びその任免、給与等について規定を設けたのであります。また、国立大学総長の任免についての大学管理機関の申し出は、文部大臣が内閣に申達し、その任免は内閣が行ない、天皇がこれを認証するものとしているのであります。
 本案は、去る二月二十二日衆議院本会議において、荒木文部大臣から趣旨の説明を、また、同月二十七日当委員会において提出理由の説明を聴取し、自来、当委員会においてはきわめて慎重に審議いたしたのでありますが、特に、次の点については熱心に検討されたのであります。
 第一は、七大学の学長を認証官としようとするねらいはどこにあるのか、何ゆえ七大学に限定したか、将来七大学以外の大学にも及ぼす可能性があるかどうか、大学管理制度との関係等であります。
 第二は、待遇改善に関する点であります。すなわち、学長を認証官にしなければ、学長の給与面における待遇改善はできないのか、本法案を手がかりにして、大学の教職員、ひいては教育者全体の待遇改善をはかるというが、どの程度に改善されるか、これは一方においては大学間の格差をますます大きくするものではないかというのであります。
 第三は、任命権者のいわゆる拒否権をめぐる問題であります。学長の任免にかかる大学管理機関の申し出に対し、任命権者たる文部大臣はいわゆる拒否権を有するかどうか、拒否権ありとした場合、七大学学長については、文部大臣の任命権が合議制機関たる内閣に移行することによって、拒否権行使の機会が多くなるのではないか、このことは、憲法の保障する学問の自由、さらには大学の自治を狭めるものではないか等の論議が展開されたのであります。
 以上の点に関し、政府側から次のような見解が表明されたのであります。
 第一の点については、大学の学長の職責の重要性にかんがみ、この際これを認証官とすることによって、国家的、社会的評価がえを行ない、その地位を高めようとするものであって、これを七大学に限ったのは、これらの大学が総合大学であること、しかも、すべての学部の上に博士課程を持っている実情に基づいて適当と判断したからである、したがって、将来これらの大学と同一水準に達する大学があれば、その数は増加していくことを当然予定している、大学管理の問題とは全く別個の問題であるとのことであります。第二の点については、認証官と待遇改善とは関係なしとは一がいに断定できないが、一般的に認証官が給与の面において優遇されている実情、並びに高次の判断を要するこの種の問題については、認証官とすることが適当であろうとの判断に基づくものである、なお、教育者全体の待遇改善については、この法案の成立を待って、今後十分検討したい、なお、認証官学長の創成が、大学間にことさら格差を設けることになるとは考えていないとのことであります。第三の、いわゆる拒否権の問題については、政府が国会を通じて国民に責一任を持つという民主憲法のたてまえへら拒否権があると解釈することが、憲法に規定する国民の公務員選定権、罷免権を保障するゆえんであると考えるとのことであります。
 かくて、六月二十四日本案に対する質疑を終了し、次いで六月二十六日、討論を省略して直ちに採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決されました。
 なお、本案に対し、日本社会党三木喜夫君から、同党山中吾郎君、小林信一君、村山喜一君、民主社会党受田新吉君、日本共産党谷口善太郎君の賛同を得て、少数意見を保留する旨の発言がありました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(原健三郎君) 本案に対しては、三木喜夫君より、成規の賛成を得て、少数意見報告書が提出されております。
    ―――――――――――――
  〔少数意見報告書は本号末尾に掲
  載〕
    ―――――――――――――
○副議長(原健三郎君) この際、少数意見の報告を求めます。三木喜夫君。
  〔三木喜夫君登壇〕
○三木喜夫君 私は、ただいま議題となっております国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案につき、審議の際留保された少数意見について、提出者外五名を代表して報告をいたします。
 本法律案は、ただいま報告されましたように、六月二十六日審議は打ち切られましたが、その間、日本社会党、民主社会党、日本共産党からきわめて強い反対の意見が出されたのであります。それは一言にして申しますと、提案の理由に述べてある大学教員や一般教育者の地位の向上、教育振興に資するという表面の理由にも幾多の問題がありますが、内包しておりますところの大学の権力支配という考えが明白になってまいりましたので、野党といたしましては一致してこの法案に反対し、その撤回を求めておるものであれます。(拍手)
 論議されました反対の要旨並びに意見は、時間の制約もございますので、以下数点にしぼって申し上げたいと存じます。
 第一点は、いわゆる認証官として大学総長の制度を新設することについてであります。この制度をつくることにより、従来三種類の大学があったものを、さらに一クラスふやして四クラスになるということです。すなわち、東京大学、京都大学の第一のクラス、旧帝大五大学が第二のクラス、右以外で大学院を持つ大学が第三のクラス、大学院のない大学が第四のクラスと、四つにさい然と分かれ、しかも格差がふえてまいるのでございます。国鉄の列車の等級にいたしましても、清酒の等級にいたしましても、いまや三等が廃止され、格差縮小が身近な思想になりつつあるときに、最高学府における差別感増成のやり方は、一体どうしたものでしょう。(拍手)なるほど、学力テストをして人間に差等をつけ、レッテルを張るという、政府の、人間を人間として尊重しない思想からすれば、これまた当然かもしれません。しかし、このことは、大学の自由な研究意欲や、学問の前には平等であるという、入学の伝統的よさに対してマイナスの作用こそすれ、決してプラスの要素ではありません。なかんずく、国民の、学校差を解消しよう、有名校に集中する試験地獄をなくしようという努力には完全に水をさすことになり、逆行しているといえるのでございます。(拍手)
 第二点は、七十二国立大学の中で七つの旧帝大の国立大学に認証官の大学総長を置くその基準の問題です。金鵄勲章や紀元節や旧地主が飛び出すいまの御時世ゆえに、旧帝大が一つの基準であるとは、さすが政府は言い得ないで、学校規模の大小と伝統、博士課程のある大学院を持つ大学ということをあげておりますが、職責についてはみな同じとしております。しからば、今後七つの大学に匹敵するような大学をどの程度つくるのか、そして認証官総長をどの程度ふやすかの質問に対しては、政府は何も答えられないのです。およそ新制度を確立する場合、現状の認識と将来の計画、さらには最終目標という青写真が必要であり、前向きの姿勢がなくてはなりません。政府はうしろ向きの姿勢だけしか示し得ず、まことに無定見きわまりないといわなければなりません。(拍手)それだからこそ、今次の七大学総長を認証官とする制度は、大学の権力支配の一布石であり、将来大学管理法制定の際、この七有力大学総長の反対をそらすために、城を攻めるにまず外堀を埋める役目を果たしているという悪評さえ出てくるわけで、政治的策謀にこの大学の制度が使用されるといたしますと、わが国文教行政上きわめて遺憾であるといわねばなりません。(拍手)
 第三点は、現行法上、大学学長の任命にあたり文部大臣に拒否権があるかどうかの問題です。このことは、委員会の審議でも中心的な問題となり、本年中教審の答申においても一番の問題で、本法案の認証官制度とも切り離せない重要な問題でございます。文教委員会の審議を通じても荒木文部大臣は何らの根拠も示し得ず、頑強に現行法上も拒否権があると言い張っております。しかし一方、おもしろいことには、かつての文部次官や責任ある文部官僚は、教育法規解説の著書を発行し、その中や談話で一斉に、文部大臣には形式的任命権があるにとどまり、拒否権がないという法的解釈を行なっているのであります。(拍手)なお、法制局の担当官も、委員会の席上同様の解釈に立たざるを得なかったことは、会議録に明らかなところでございます。このように見てまいりますと、文部大臣の主張は明らかに独断による暴論もはなはだしいものといえるものですが、これを一歩譲って拒否権ありといたしましても、との暴論による拒否権をさらに延長して内閣に持たせ、実質的にこれを拒否できるような体制をとっておるのがこの法律のねらいです。
 認証官は、御存じのように、憲法第三条、内閣法第四条の法のたてまえからして、文部大臣の申達、内閣の審議、そしてその助言と承認を経て天皇が認証されるという入念な手続をとることになっております。このような仕組みの中では、荒木文部大臣は拒否権は発動できませんと極力否定しておりますが、十数人の閣僚が一人一人拒否権があると拡大解釈されてもしかたがないようになっております。その運用のいかんでは、大学の自治は極度に狭められ、果ては七大学総長も官僚として内閣に従属させられるようになれば、大学の自治も何もあったものではありません。とりわけ天皇の名において認証がなされるのですから、おそれ多く一切問答無用とする復古調の思想で律し去られて、大学の自治と学問の自由を守るべき第一人者がもし身動きもできないようなことになるならば、これは大学の一大悲劇であり、残酷物語にもなりかねないのでございます。
 しからば、なぜこのような法律を出してきたか、これが私は問題の焦点でなければならぬと考えます。このきっかけは、昭和三十七年五月二十五日、池田首相が参議院選挙に際し、日比谷の自民党の演説会で、大学教育以下、教育が革命の手段に使われる危険があるので、大学管理制度の再検討をすると言明したことから始まっております。この池田総理の発言の背景には、第一には、国立大学を国家統制することにより、小、中、高校と、一貫した教育の権力支配が確立するという、保守党十数年来の文教政策の論理的帰結をはかっていることが一つです。第二は、技術革新下の大学教育を、独占資本の要求に合わせ、高度経済成長政策に見合う人材開発の場とするため、国家統制のきいた国立大学にせねばならないという、この二つから発想しておるわけでございます。それだからこそ、先般申し上げました中央教育審議会が、答申にあたりまして、文部大臣の拒否権を削除し、そして国立大学協会の案に合わせておりますけれども、それをさえ政府は否定してまいりまして、このように文部大臣の拒否権どころか、それ以上の実権を付した内閣責任の大学総長認証官制度の法案を出してきたものでございます。事ここに至りますれば、明らかに大学に対するところの権力支配の完成を目ざす保守党の宿願を果たそうとしておりますことは、はっきりしてまいるのでございます。われわれは、大学の自治、学問の自由を守るという立場で、このような法律案には絶対反対を表明するものでございます。(拍手)
 以上、私は、本案反対の理由を明らかにいたしまして、少数意見の報告を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(原健三郎君) 質疑の通告があります。順次これを許します。田川誠一君。
  〔田川誠一君登壇〕
○田川誠一君 私は、ただいま議題になっております国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案につきまして、自由民主党を代表して、ごく簡潔に質問をいたします。
 この法律案の大きな目的は、国立大学の学長の地位を高めるとともに、その待遇を改善し、ひいては大学の教職員、教育者全般の地位と待遇を上げていこうとするものでありまして、その意味におきましては、わが国教育の振興に大いに資するものであると考えられますが、以下二点につきまして、文部大臣に率直な見解をお尋ねいたします。
 その一つは、いわゆる学長の認証官制度によって、大学の国家管理が強くなったり、あるいは大学の自治がそこなわれるのではないかという懸念が一部にございますが、学長を認証官にすることが将来大学の自治に影響を及ぼすようなことが出てくるのかどうか、まず最初にお伺いをいたします。
 もう一つは、この法律案に示された認証官の学長は、東京大学をはじめ旧帝国大学の七大学に限られておりますが、多数の国立大学の中から、なぜこの七大学を選び出されたのか、また将来も七大学だけに限定されるものであるか、それとも今後七大学以外にも拡大することもあり得るのかどうか、以上の二点につきましてお尋ね申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇〕
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。
 第一点は、この御審議中の法律案によりまして、大学の国家管理の強化を来たすのではないか、そういうおそれはないかという御質問であったと思います。大学の管理運営を適正化することは、当然なさねばならない課題だと思います。ですけれども、この認証官制度によりまする七大学の学長の任命制度の関係とは全然かかわりのない事柄でございます。これは自明のことだと思うのであります。この制度は、七つの大学の学長を認証官とする手続により教育者の国家的、社会的評価を高めますとともに、その待遇の改善をはかり、そのことを通じて大学の教育職員はもちろん、ひいては教育者全体の地位の向上を期するという考え方から構想したものでございます。この制度を大学管理の強化をはかるのだと、もし言われる人ありせば、それは当たらないことを申し上げたいと思います。
 第二点は、七つの大学の学長を認証官とするようになっておるが、それ以外の大学の学長との関係はどうか、こういうお尋ねであったと思います。この認証官制度をとりまするのは、これらの七つの大学が人文、社会、自然の全領域にわたる学部を持っておること、そうしてすべてに博士課程の大学院を置いておるということ、したがって、その学長の職務と責任がきわめて重要であることにかんがみたものでございますから、一般的立論として申し上げますれば、これら七大学と同じような実体を備えた大学ができるに従いまして、その学長については認証官の扱いとすることは当然だと考えておる次第であります。(拍手)
○副議長(原健三郎君) 山中吾郎君。
  〔「要求した大臣がいない」と呼び、その他発言する者、離席する者多し〕
○副議長(原健三郎君) 静粛に願います。――静粛に願います。――山中吾郎君、質疑をお願いいたします。――静粛に願います。――静粛に願います。――静粛に願います。
  〔発言する者多し〕
○副議長(原健三郎君) 山中吾郎君の御質疑をお願いします。
  〔発言する者多し〕
○副議長(原健三郎君) 静粛にして着席願います。
  〔発言する者多し〕
○副議長(原健三郎君) 山中吾郎君、すみやかに登壇願います。質疑を始めてください。――山中吾郎君、登壇して質疑を始めてください。――すみやかに登壇願います。
  〔発言する者多し〕
○副議長(原健三郎君) 質疑はありますか。――山中吾郎君、質疑を始めてください。
  〔発言する者多し〕
○副議長(原健三郎君) 本日は、時間の関係上、この程度にとどめ、明二日午前十時より本会議を開き、本日の議事を継続することといたします。
 本日は、これにて延会いたします。
   午後十時四十二分延会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  池田 勇人君
        外 務 大 臣 大平 正芳君
        大 蔵 大 臣 田中 角榮君
        文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
        通商産業大臣  福田  一君
        郵 政 大 臣 小沢久太郎君
        労 働 大 臣 大橋 武夫君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 林  修三君
        内閣法制局第一
        部長      山内 和夫君
        内閣法制局第四
        部長      關  道雄君
        郵政大臣官房長 武田  功君
        郵政省貯金局長 金澤 平藏君
     ――――◇―――――