第045回国会 地方行政委員会 第3号
昭和三十八年十二月十三日(金曜日)
   午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 森田重次郎君
   理事 田川 誠一君 理事 渡海元三郎君
   理事 中島 茂喜君 理事 藤田 義光君
   理事 阪上安太郎君 理事 二宮 武夫君
   理事 松井  誠君
      大石 八治君    大西 正男君
      亀山 孝一君    久保田円次君
      武市 恭信君    登坂重次郎君
      村山 達雄君    森下 元晴君
      山崎  巖君   茜ケ久保重光君
      秋山 徳雄君    井谷 正吉君
      伊藤よし子君    栗山 礼行君
      門司  亮君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 早川  崇君
 出席政府委員
        自治政務次官  金子 岩三君
        自治事務官
        (大臣官房長) 松島 五郎君
        自治事務官
        (行政局長)  佐久間 彊君
        自治事務官
        (財政局長)  柴田  護君
 委員外の出席者
        自治事務官
        (財政局交付税
        課長)     山本  悟君
        専  門  員 越村安太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十八年度分の地方交付税の単位費用の特
 例に関する法律案(内閣提出第六号)
     ――――◇―――――
○森田委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十八年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。二宮武夫君。
○二宮委員 大臣にお尋ねいたしますが、実は昨日政務次官にお尋ねいたしましたけれども、政務次官ではどうしても代行のできない内容でございますので、この際、大臣の所信を承りたい。
 それは、今回の人事院の勧告は八月十日ですか、に出されまして、それを具体化するために、閣議においては、相当慎重に審議をされたと思うのですけれども、教育公務員を含む地方公務員の相当数の人々が、給与のアップの問題で、非常な関心のある問題でございますけれども、警察職員をも含めて、自治大臣として閣議の中で、人事院の勧告というものは尊重されなければならぬという態度で、一体どのような主張をなされたのか。新聞で見るところによりますと、大橋給与担当大臣だけが、九月にさかのぼって実施をすべきであるということで、最後まで粘ったようでございますけれども、百万以上に及ぶ教育公務員あるいは地方公務員の給与に対しては、相当に責任のある立場にある自治大臣、あるいは国家公安委員長といたしましても、これらが五月という勧告が出ておりながら、十月に実施をされるということについては、相当な不満があるはずだと私は考えるわけです。したがって、大臣が閣議の中において、やはり何としても労働基本権を奪った公務員の立場に立って、それは勧告どおりに実施をすべきであるという、強い主張をされなければならぬというように私は考えるのですけれども、一体、そのような立場に立って、どのような主張を閣議の中でなさったかということは、実はきのう政務次官にお尋ねをした中では、答えられなかったわけでございます。これは大臣でなければできない問題だと思いますので、幸い大臣が出席でございますから、大臣の一つの実績のほどを承っておきたいと思います。その点いかがですか。
○早川国務大臣 閣議の議事の内容は、秘密になっておりますから申し上げられませんが、私といたしましては、公務員のベースアップをやりたいという念願においては、人後に落ちないものであります。同時に、自治大臣は自治体の運営、財政をあずかっております。そういう関係で、大蔵大臣、自治大臣及び全閣僚が、十月実施やむを得ないというように、全般的な配慮からそうなったような次第でございます。
○二宮委員 そういう、全閣僚がそのような主張をなさった結果の結論が出ていることは、承知しているのですが、自治大臣という立場で地方公務員の立場を勘案した場合に、いま少し強い態度で、この人事院の勧告というものは尊重するという立場で発言をなさらなければならぬと私は考えておるのですが、それはやらなかったということですか、いまの答弁を聞きますと。
○早川国務大臣 先ほど申しましたように、大蔵大臣と自治大臣は共通の面も持っておるわけでありまして、お金を出すほうの側でありますので、結局十月実施ときまったようなわけであります。しかし、私はその閣議の席で一つ申したのですが、八月は勧告の時期が悪いじゃないか、予算は、自治体がみな会計年度の初めから立てているのに、中途から出してくる、これは自治体としては、財政上非常に弾力性がございませんので、人事院総裁は、少なくとも予算編成期前くらいに出せという意見は申しました。しかし、いままでのしきたりで、八月とか年度中途に出すというしきたりになっておりますので、こういった点を改めたらどうかということは、強く自治体の側から要望しておきました。
○二宮委員 財政的な措置をし、あるいは行政を進めてまいります立場から言われている気持ちというのはわかるのです。ただ、もう一つ私は考えてもらいたいことは、百万にも及ぶところの地方自治体の公務員あるいは教育公務員というような人々のために、やはり人事院の勧告というものが出た以上、それを批判するというだけじゃなくて、池田総理も尊重すると言っておるのだから、尊重するというのであれば、やはり出ました五月一日実施というこの実施の時期を、何もほかの人に遠慮することなく、あなたはやはり先頭に立って、五月一日実施すべきであるということを主張するという、こういう強い態度をとってもらいたいという希望を私は持っておるわけなんです。それで、あなたはおそらくそういうことでがんばっただろうと思うけれども、ほかの人がそういうことを聞いてくれぬから、やはり閣僚の多数決に最後は自分も納得したのだ、こういうことなら一応了承できるのですけれども、そういう立場にある自治大臣が、初めから財源を出すほうの立場にだけ立ったり、あるいは行政指導する立場だけに立って、たくさんの人々の、何にもそういうことについて公言もできないような立場になっている人の、そういう擁護の立場というものを捨ててしまうということは、私はよくないと思うのです。そういう弱腰ではよくないと思うのです。出す時期が悪いなどということについては、私も実は昨日はその点については了承したけれども、大臣の立場というものから考えたら私はその辺くらいは強く主張してもらいたい。こう考えているわけなんです。特に大臣きのういらっしゃらないうちに、政務次官は今後勧告が出ましたらば、それを完全に実施していきたい、こういう意思の表明があったわけなんですが、大臣どうですか、今後の問題についてはどうお考えですか。いつも悪例を残して、五月にさかのぼってやれというと十月になる。何かいつも少しばかりけち切って、それで尊重したいというようなことばでもって濁すというのが従来のベースアップの実態ではないかと思うのですが、今後もしいい時期に妥当な勧告が出ましたならば、それに対してはどうお考えになりますか。私は今回の態度はやや弱いのではないか。早川自治大臣ともあろう者が少し弱いのではなかろうかというようにも考えるわけですけれども、今後はどうです。
○早川国務大臣 その年度の予算を編成する前に人事院が出してくれましたら、二宮先生の御指摘のようなことが、かなりできると思いますが、予算の中途で人事院勧告が出されましたものですから、一〇〇%御要望のとおりできるかどうか、地方財政計画というものはその年度の初めにできておるわけなんです。ですから、そういう点で改定が出されることを強く私は要望しておきましたし、人事院の勧告は尊重すべきであるという基本原則におきましては、お説のとおりでございますから、できるだけ努力いたしたいと思っております。(「明快」と呼ぶ者あり)
○二宮委員 明快かどうかは質問している人が考えたらわかるのだよ。
 関連をしてお尋ねをいたしますが、局等学校の増設の問題等につきましても、これはいま非常に問題が全国的に高まってきておる状況でございますか、これらについておそらくいまの中学校の生徒の実員の状況と、それを収容する能力と、それに対する財政的な措置、こういうものについて一応の年次計画なり、あるいは今年度計画というものができておるのではないかというように考えるのですが、そういう計画的な財政措置をするという態度であれば、いつでもそういうものに対しては尊重し、応じていくという態度でございますので、関連をしてお尋ねいたしますが、高校急増対策というものに対する今年度の計画に対しましては、大臣どのようにいま進めておられますか、実情をお伺いしたい。
○早川国務大臣 事務当局の調べでは、進学率が六三%になっております。この水準は、戦争前はもちろんのこと、先進諸国に比べましても、決して進学率が低いというものではございません。
○茜ケ久保委員 関連して。自治大臣は、国家公安委員長として一言聞いてください。
 それは、私は従来警察官の待遇改善について所見を持っておりますが、日本の警察官が非常に昔の軍隊式の訓練を受けて、上級者の命令その他には非常に従順に服してまいりますが、その反面、いわゆる戦後二十年近い今日、民主警察ということばは多分にありながら、なおかつ一般の国民大衆との関連においてはかなり昔型の性格があらわれておる。これにはいろいろ原因がありましょうが、私はやはりその一面としては非常に給与が悪いと思う。これはいわゆる国家公務員とか、地方公務員との関係でいろいろな制約もありましょうが、私は警察官は特別な給与規定を設けてかなり優遇措置をする、でなければ幾ら民主警察を言っても、食うや食わずの状態で、しかし従来拳銃と警棒の服装について、拳銃なんというものは絶対持っていてはいかぬ、あれは百害あって一利なし、私は数年前に議員であった時代に、これは警察庁長官に主張してまいったのでありますが、一向にそれが実現しない。あのみっともない姿、拳銃は御承知のようにあれがあって捜査上有効かというと、ただ暴発とか、盗難とか、あのために警官自体が非常に不遇にあっておるし、また民衆も非常に困っている場合がある。したがって、特殊任務以外は拳銃ははずせる、警棒ももっと持ち方をかえろというのだが、なかなか現在の警察の首脳部諸君は聞かない。この服装の改善と同時に給与の改定を行なって、ある程度余裕のある生活態勢の中で、いわゆる民主警察の実現をはからなければならぬ、こう思うのです。あとまだいろいろありますが、この二点、いわゆる服装の改善についての所見と、それから何らか特別な措置を講じて、警察官の処遇をもっとよくして、そうしてほんとうに民衆に奉仕する警察の実態をつくり上げる意思があるかどうか、この点について国家公安委員長の御所見を向いたい。
○早川国務大臣 茜ケ久保委員から、たいへん警官に対するあたたかい御理解のおことばをいただきまして、非常にありがとうございます。実は警官は、特に刑事に例をとりますと、週六十二時間も働いておるわけであります。一般公務員は四十二時間が大体平均でございますが、これに対しまして超過勤務手当は、御承知のように地方自治体におきまして九%で頭が切られておるわけであります。勤務六十二時間に応ずる超勤手当を出すとすると、約三〇%出さなければなりません。そこで私といたしましては来年度からは少なくとも九%の頭打ちというのは、――一般公務員は超勤の時間とおりそれで大体まかなえるわけであります。警察官の場合には、三〇%もらわなければならないのですが、一挙にそこまでいきませんので、せめて一五%できれば超勤手当の額を引き上げたいということが一つ。それから、一般の給与は、一般の公務員に比べまして、ああいう特殊勤務でありますから、若干高くなっております。しかし、特に私が警官の処遇で憂慮するのは、警官の住宅であります。全警官の中の二割程度の人たちは、畳二畳敷きの居住をしいられておるわけでありまして、このために、せっかく結婚話などがまとまったのが、親が来て破談になったというような悲劇もございます。そういう面で、来年度からは従来の警官住宅の計画を本年度の四倍、大体八千戸近くをつくってやりたい。そういう処遇を通じまして、警官の待遇を改善していきたい。
 もう一つは、凶悪犯罪をとらえるために死亡した人に対して特別報償金制度を設けました。昨年は六名につきまして、一人当たり八十万円ぐらい総理から特別に報償の措置をとりまして、警官諸君の士気高揚に非常に貢献をいたしております。そういう処遇をやりながら、同時にいまの御指摘のように、おいこら警察ではなくて、犯罪者にはきびしくなければなりませんが、善良な市民の人権擁護については常にやさしく、しかもやさしいことばで――どうしても警官はことばは荒い。そういう面で、局長会議その他では、機会あるごとにそのことを要望いたしております。そういう面でも改善をしていきたいと思います。
○茜ケ久保委員 もう一点、服装の点で、特殊勤務以外の拳銃は撤去したほうがいいと思うのです。実にみっともない。大きなものをぶら下げている姿は、民衆との関連で非常に不愉快だし、本人自体も、私はずいぶん調査しましたが、警官自体もできれば拳銃は特殊勤務以外ははずしてもらいたいという要望が非常に多いものです。と同時に、警棒もあんな状態で腰にぶら下げて歩くのではなくて、もし持たせるならば、もっとほかの手段をとるべきだ。服装の改善というものは私は数年来主張したのですが、一向警察庁の幹部諸君はそれに意を用いない。私は、給与改善とともに、民主警察の実現には、服装は非常に大きな役割があると思うのです。したがって、もっとスマートな、本人自身の気持ちがすっきりするような姿、第三者、国民も民衆ももっと近づきやすい姿がやっぱり必要だと思うのです。私が先ほど指摘したように、後ほど調査してみればわかるのですが、拳銃があったために、有効だったというよりも、拳銃のために暴発とか盗難とか非帯に害悪を流している。したがって、どう考えても、私はあの服装は思い切って改善すべきだと思う。その点について自治大臣は、いま所見がなければ、さらに検討して、給与改善とともに服装の改善にも意を用いてもらいたいと思うのですがいかがでしょう。
○早川国務大臣 よく検討いたします。
○森田委員長 門司亮君。
○門司委員 この機会に大臣に二つだけ聞いておきたいと思います。
 一つは、地方公務員に対しましての御配慮、こういうことが主になって今度の法改正が行なわれるように書いてあります。そこで、地方の自治体に対しましては、何かそれに基づくような指示がされておりますか。地方自治体における人事委員会の当該自治体に対する勧告に対して、自治省は何か指示しておりますか。
○早川国務大臣 昨日予算委員会でもそういう御質問がございましたが、この交付税法の改正その他の法律が通過次第、すみやかに順次国家公務員に準じてベースアップの措置をやるようにということを通達いたしたいと思います。それから国家公務員よりも低い地方公務員のところがございます。これは来年の十月までに学校の経歴とかあるいは勤務時間とかを総合的に検討を命じております。そういうものにつきまして、できるだけアンバランスがありましたら、国家公務員に近づけていく指導もやりたい。ただ、東京都のように国家公務員よりも地方公務員のほうが二五%も給与が高いところがございます。これは下げろとも言えないし、これは自治体の問題でありますから、国家公務員よりも低いところは、結果が出ましたら上げていくように指導いたしたいと思います。
○門司委員 私の手元に、実は地方の公共団体の人事委員会の報告書が二つあるのです。この二つを読んでみますと、政府の意思と違うんですね。ただ、実施の時期は国家公務員に準ずるということが書いてあるけれども、それぞれの自治体の立っておる立場で当然ベースアップの率も違ってこなければならない。これを自治省は抑制するような通達を出しておるかどうかということがこの際問題になろうかと思います。大臣忙しいそうですから端的に聞いておきますが、地方自治体のベースアップの率は、国家公務員の率によらないでよろしいということに解釈しておいてよろしゅうございますか。
○早川国務大臣 そのとおりです。
○門司委員 それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、御承知のように選挙の公約で池田さんは、住民税を本文方式に改めるということを言われております。そうすると、当然そこに特に貧弱な財政規模を持っておる自治体に大きな穴があくことになろうかと思います。それに対する補てんは交付税法でやられるおつもりですか。それとも他の財源でおやりになるのですか。
○早川国務大臣 交付税によってやるつもりはございません。これは一般的な法律の方式によりますから、非帯に不適当であります。したがって、それ以外の財源措置を講じまして、住民税のただし書きを本文に二カ年間で統一することによって生ずる財源の穴埋めをいたしたいと思います。
○門司委員 いまの大臣の答弁、ほんとうですか。そういうことがやれますか。いまの実際の自治体の状況、税制の関係から、私は非帯に困難ではないかと思います。だから地方税法、交付税法の改正に関連してお聞きしたのでありますが、これ以上私はここで討論することは避けたいと思います。しかし少なくとも今日の地方財政の状況を見ますと、だんだん自主性が失われていっている。その時期にもう一つの大きな問題は、補助金についての勧告が出ております。この案については、自治省は必ずしも賛成はされないと思います。が、しかしその内容を議論する時間も私はなかろうと思います。こういうふうになってまいりますと、地方財政に対しては根本的に考え直す必要が出てきはしないかということが考えられます。その際に、交付税の問題について、いまの大臣のような御答弁では、もし穴埋めができないということになると他に財源を求めなければならない。他に財源を求めようとすればどこに求めるかということは、一つは新しい税種目を起こすかどうかということ。しかしこれは今日の貧弱な町村では、税負担の関係で非常に困難だと思う。一方、また例の補助金のほうでこれをまかなおうとすれば、やはり特別な何かの口実をこしらえて、そういう町村に対する手当をするようにしなければ、これまためんどうな問題が起きることも考えられる。こういう時期に、交付税法に対してはこの際かなりめんどうな問題が起こるのが来年度の予算編成を中心にした問題ではないかと私は思いますが、それに対する一つのあらわれとしても住民税、交付税の問題があります。それからもう一つ大きな問題は、きょうおそらく国会を通るでありましょう例の環境衛生法の問題がある。そうなってまいりますと、これまた地方自治体に義務づけられる。そうなりますと、どのくらいの予算になるかわかりませんが、かなり大きな予算が必要になってくる。こういう問題を考えてまいりますると、この際ひとつ交付税法に対しては考え方を変える必要がありはしないかということと、こういうスライド式なものでなくて、もう少しはっきりした態度をとる必要がありはしないかというように考えられるのですけれども、その点の大臣の所見をこの際伺っておきたいと思います。
○早川国務大臣 いまの交付税法は、相当年月もたっておりますし、五千億をこえる財源でございまして、この根本的な再検討ということは今後の研究課題だと思います。さしあたっては、われわれといたしましてはこの交付税をできるだけ弱い自治体に厚くいけるまうに傾斜配分したい。そのために通常国会では、われわれいま検討いたしておるのは基準税収入の算定を改めまして、弱い自治体に有利になるような法律改正を考えております。それ以外に、住宅を自治体でつくるためには、土地造成その他でいろんな費用が要るわけであります。従来これは交付税の算定の基準の中に入っておりませんでした。こういったものは部分的に改正して入れていきたい。その程度のことは考えております。しかし根本的に、門司さんの御指摘のように、あの五千億近い財源をどうするかという問題は、まだ次の通常国会までにはとても検討できない大きい問題だと思います。今後十分研究していきたいと思います。
○門司委員 多少の片りんは出てきたような気もするのですが、私の聞かんとするところは、そういう問題もありますが、いままでの地方交付税法というものがほとんど財源補てんのためにのみ使われて配分されておるのが実情であります。しかし今日の地方自治体の情勢というものは、いま申し上げましたように、一方には環境衛生法の改正が通る――あの法律が完ぺきだとは申し上げませんが、とにかく通ってくれば、そこに財源を要求する素地ができてきて、地方自治体は当然責任を負われなければならぬ。かたがた補助金の問題もいま出てきておる。こういう問題は、いずれも直接地方の住民に関係した事業自体に関係を持ってくるのでありまして、いままでのように財源補てんだけにこれが向けられておるということでは、地方の自治体は非常に困るのではないか。したがってもう一つ進んで、新しい土地造成であるかあるいはその他の地方自治体の要求にこたえるようなものにこれを変えていく必要があるのではないかということが考えられるわけであります。この財源をどの辺まで伸ばして、ほかにどういう財源を求めるかということについてはいろいろ議論もあろうかと思います。また検討も必要かと思いますが、とりあえず現在の交付税法の性格を変える必要がぼつぼつ出てきている時期ではないかというふうに考えられます。そういう点等が考えられないと、地方の自治体の今後の動きに非常に大きな迷惑が出てきはしないか。これらの問題は、大臣はいま検討するということでございますので、そのままにしておきたいと思います。
 もう一つ聞きたいと思いますが、新産都市建設促進法による指定の地域が出ております。その指定の地域におけるこの問題を一体どう処理されるおつもりであるか、その辺をひとつ伺っておきたいと思います。
○早川国務大臣 交付税法の改正は先ほどお答えしたとおりでありますが、新産都市に伴う地方、特に市町村――府県も関係いたしますが、その公共事業がいまの計画ではたいへんふえてくるわけであります。これに対しましては、われわれといたしましては新産都市に伴う公共事業の国庫負担率の引き上げに関する法律というものを用意いたしております。これはまだ大蔵当局と折衝がついておりません。できるだけ新産都市による地方自治体の公共事業の負担割合を軽減していくように、目下努力中であります。まだ結論を得ておりません。
○阪上委員 ちょっと関連して。今回のこの法律案を見ますと、不交付団体に対する配慮がどういうふうに出てきておるか、こういうことなんです。その点大臣でなくて、財政局長にひとつお答えいただきたい。
○柴田政府委員 不交付団体につきましては、大体従来から財源をその税収入の自然増に求める、こういう形でやってきたわけであります。今回も同じ措置になるわけでございます。もちろん年度の途中からのことでございますので、あらかじめ不交付団体にそういう財源留保の必要性を強調しておく必要がございます。人事院勧告が出ました直後におきまして、私どもといたしましてはこういう方向だから、その辺のところの財政運営については十分考えるようにということを会議の席上その他で十分伝えてございます。したがいまして、大体どの不交付団体におきましても、今回政府が予定いたしております程度の給与改定の財源につきましては、それぞれ確保できると考えております。
○阪上委員 これは毎年のことですが、たいへん無理があると思うのですね。年度途中でもって、そういう心がまえでこれから少しく配慮しておかなければいけない、蓄積しておけというようなことでは、地方自治体の不交付団体におけるところの財政計画というものはくずれていくおそれが十二分に出てくる。場合によっては、その財源がなければ、給与財源を優先的に出していこうということになりますれば、結局事業等について大きな削減をしなければならぬような問題が出てくるのではないか。そうでなくても、不交付団体必ずしも富裕団体とは言えないのです。そういう点から考えるといった方式によるところの給与財源の確保ということについては、相当問題点があるのじゃないか。この点について、今回はやむを得ないといたしましても、何か特別交付税その他において配慮していくという考え方を当然出していくべきじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点どうでしょうか。大臣からでなくてもけっこうですが……。
○早川国務大臣 不交付団体に対する財政措置でありますが、大阪のような不交付団体の場合に、起債の率が私は現在低過ぎると思う。大体財政規模の九%ですからね。戦争前は二五%認められておりました。だからああいう大都会の不交付団体が、どんどん地下鉄をつくり、道路をやり、住宅をやるというのは、十分起債能力があるわけです。いままで、戦前に比べまして非常にその点が締め過ぎまして、都市の不交付団体の兆展を阻害している面があります。ですからむしろ私は不交付団体の大都会、特に大阪あたりの例は、むしろ起債ワクを相当ふやしていったらいいのではないか。そうして現在の住民が、五年十年後の住民の幸福になるようなスケールの大きい計画をどんどんやられるように指導していきたい、かように思っておるわけでありまして、直接の財源につきましては、不交付団体というのは、財源があるから不交付団体になっておるわけでありますし、公務員ベースの問題は、一にも二にも勧告の時期が年度中途にくるものですから、非常に自治体に御迷惑がかかるわけであります。来年度からは、大体人事院が八月に出すとなれば、それに見合って財政計画を立てるように指導してまいりたいと考えております。
○阪上委員 抜本的な対策としてはそういうことは考えていかなければいけないと思います。けれどもいまおっしゃったように、年度途中からぶっつけられた新たな財政需要額ですから、これに対してはやはり特別の手段を講じてやらないと、たとえば起債のワクにしても、特別の起債のワクを認めてやるかという方法を講じてやらなければいけないと思う。やはり年度途中という問題については、ちょっといまの大臣の答弁でも解決できない問題がある、こういうように思うのですが、どうですか。
○柴田政府委員 給与改定そのものの財源措置といたしましては、従来から今日まで御指摘のような欠点はございますけれども、やむを得ずこういう措置をとってまいりました。しかし、お話のように、不交付団体といいましてもピンからキリまであります。ほんのわずかなところで不交付団体になっておるのもございます。そういうものにつきまして特別交付税の交付を一切拒否はしておりません。したがいまして特別交付税を配付いたしますのは、交付団体と言わず不交付団体と言わず、その団体の財政事情を十分精査して、そして財政に無理があるような団体につきましてはそれに応じて考えていくという態度を従来からとっております。しかし給与改定の財源として特別交付税をどうこうということはいたしておりません。またいままでのようなやり方をとっていくことがいいんじゃないか、かように考えております。
○阪上委員 この不交付団体の百四億の財政需要、これをいま言われたような考え方で簡単に処理せいと言ってもできっこないのじゃないですか。それは事業繰り越しとかなんとかいう形に変えられていくおそれがある。また高校急増対策その他もどんどん進めていかなければならぬ、ことに府県の場合なんか困るのじゃないかと私は思う。何かいい方法はないですか。
○早川国務大臣 ただいまの御質問の点は、従来は国家公務員のベースアップに伴う財源を、自然増収でまかなっておったと同じような意味で、大都市の不交付団体の場合は自然増収がやはり人事院ベースアップを上回るというような数字が出てくるものですから、不交付、交付合わせまして全体で八百七億くらいになりますか、そこで吸収できるということで従来やってきたわけでありますが、いま少しきめこまかく不交付団体の実情を検討いたしまして、そのために非常なアンフェアな負担になるようなケースが出てまいりましたなら、特別交付税とかあるいは特別起債とかいうことで支障のないように配慮いたしたいと思います。従来はそういうことでやっております。
○森田委員長 他に御質疑はありませんか。――なければ本案についての質疑はこれにて終了することに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 御異議なしと認めます。よって、本案についての質疑は終了いたしました。
○森田委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 昭和三十八年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○森田委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十三分散会
     ――――◇―――――