第046回国会 運輸委員会 第4号
昭和三十九年二月五日(水曜日)
   午前十時二十六分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 有田 喜一君 理事 關谷 勝利君
   理事 西村 直己君 理事 山田 彌一君
   理事 久保 三郎君 理事 田中織之進君
   理事 肥田 次郎君
      木村 俊夫君    佐々木義武君
      進藤 一馬君    壽原 正一君
      高橋清一郎君    高橋 禎一君
      南條 徳男君    西村 英一君
      長谷川 峻君    細田 吉藏君
      増田甲子七君    井岡 大治君
      勝澤 芳雄君    泊谷 裕夫君
      野間千代三君    矢尾喜三郎君
      山口丈太郎君    佐々木良作君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 綾部健太郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田邉 國男君
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      廣瀬 眞一君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道常
        務理事     山田 明吉君
        日本国有鉄道
        参与
        (公安本部長) 向井  潔君
        専  門  員 小西 真一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本鉄道建設公団法案(内閣提出第五号)
 日本国有鉄道の経営に関する件(鉄道公安等に
 関する問題)
     ――――◇―――――
○川野委員長 これより会議を開きます。
 日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。野間千代三君。
○野間委員 国鉄の当局に二つばかりお願いしたいのですが、一つは最近起きた問題で、列車内で強盗殺人というような問題が報道されていますけれども、列車内でお客さんが安心をして――最近事故があったりして、いろいろ問題もございますけれども、とにかく安心をして目的地に着くというのが、国民各位の気持ちだろうと思います。そういう中で、ああいう、いわばたいへんな、予想できないような事故が起きるというのは、国鉄当局として、車内の警備体制は、最近非常に混雑していますからむずかしい問題ではあろうとは思いますけれども、むずかしいからといって、人命に関することでございますから、警備についてどのような体制をとっておられるか。またあの事故にかんがみて、今後どのように対処されようとされておるのか、国民が心配しておるところと思いますので、明らかな対策を出されて、国民の不信を払拭することが必要ではないかと思います。これが一つ。
 もう一つは、きのうの電光ニュースで見てびっくりしたのですが、これはどの程度のものかはぼくらはまだ想像がつきませんけれども、東鉄局内で汚職で職員が逮捕されるという事態が報道されました。いま国鉄は、最近の諸般の情勢から国民が持っている不信感なり不安感なり、そういうものは、いわば非常に大きくなっているように思います。もちろん職員全体の自戒が持たれていると思いますが、特に汚職の問題等についてはある程度権限の問題が背景としてあるところに汚職の問題が起きると思います。したがって、そういう問題について昨日の逮捕の事件がどのように国鉄として把握をされておるか。もちろん司直の調査を待たなければならぬとは思いますけれども、待つまでもなく、主体的な国鉄の立場としてどのように対処されようとしておるか、この点についてとりあえず御説明をいただいて、あと推移を見ながらあらためて御意見を申し上げたいと思います。
○山田説明員 最初の問題でございますが、実は私どもも昨日の列車内の強盗殺人事件の報道を聞きましてびっくりした次第でございます。詳細はすでに新聞等に出ておりますから御承知かと存じますので、くわしくは申し上げませんが、「東海七号」の車中に起こりまして、被害者である方は残念ながらなくなられた事件であります。
 ごく概略を申し上げますと、その被害者の方が友だちと、同じ列車内で、おれは七万円ばかりの金を持って乗っているんだという話をされていたのを加害者が聞きつけて、そうして、被害者の方が便所へ立たれたあとをつけて、その金を出せと言った。そこで、もちろん出されなかったわけでございますが、すぐに刺したということでございまして、犯人は、その刺したあと、すぐまた返すやいばで自分の胸を二回刺して、自殺をはかっております。それで、その前に睡眠薬を飲んでおりまして、うちの公安の調べによりますと、犯人は、女を連れて旅行に出まして、初めから睡眠薬を買い、それからさしみぼうちょうと野菜ぼうちょうと二つ買いまして、何か初めから自殺をはかるつもりであったようなことを申しております。まだ調べの途中でございますが……。そういうわけで、あっという間に起こりました事件でございまして、まことになくなられた被害者にお気の毒であったと思いますが、それに対しまして、鉄道側がそういう犯行についてどういう警戒をやっておるかと申しますと、これには公安官が二名乗っておりまして、事件の起こります直前にも車内をずうっと、最後部から最前部まで、二人連れで警戒をしながら巡視をいたしまして、そのときには、そういう動きは全然なかったと申しております。そうして、その車両を離れました直後にそういう事故が起こりまして、それで、回りの乗客から車掌にたいへんだという知らせがあって、車掌から公安官に連絡いたしまして、すぐかけつけたわけでございます。そのときには、もうその刺されたということが起きたすぐあとでございますので、直ちに列車を川崎に臨時停車させまして、被害者は病院へ収容し、それから犯人はそこで緊急逮捕いたしておるわけでございます。それで、私のほうの調べでも、公安官の措置あるいは車掌の措置としては、一応やるべきことはやっていた。それから事前に警戒すべきような点があったかどうかにつきましては、午前四時のできごとでございますし、普通の乗客は、多数まだ寝ておられることでありまして、一応、表は平穏無事に、車内の乗客はそういう状態で、まだ寝ておられたのでございまして、事前に、そういう下心を抱いていたということが察知できなかったのは、やむを得なかったかと存じます。
 御承知のように、一般的に申しまして、最近、そういう強盗殺人まで起きませんが、すりとかそういうたぐいの事件がたびたびありますので、公安官を手広く列車に警乗させております。そのほかに、以前に夜間のいわゆる鈍行列車に、強盗と申しますか、脅迫めいた事件がたびたび起こりましたので、そういう際に防犯ベルを車両に設置いたしまして、そういう事件があったときに直ちに車掌なりあるいはほかのお客さんに知らせることができるようにやっておるわけでございます。この防犯ベルも全列車には設置されておりませんので、今回の事件に対しては、防犯ベルがあっても、あの事件はどうも残念ながら起きたと考えざるを得ないのでございますけれども、公安官の警乗、それから車掌の車内見回りという人的な警戒体制と同時に、そういう防犯ベルも、ほかの犯罪に対しては効果を発揮できることがあると思いまして、そういう物的な設備もこれから設けてまいりたい、さように考えておるわけでございます。最近非常にとっぴな事件が起こりますので、いささか私どもも、昨日の事件につきまして驚いておる次第でございますが、ただいま申しましたような対策を、さらに今後徹底的にやるように考えてまいりたいと思っております。
 それから、次の御質問の点でございますが、これは東鉄の用地契約課員が収賄の容疑で逮捕されたという事項でございます。これも、昨日私ども知りまして、ただいま詳細を調べておりますが、私、まだ本日まで詳しく内容の報告を受けてまいらなかったものでございますので、内容の詳しい点は後刻に譲らしていただきますが、最近こういう収賄事件がなくてよかったと思っておりましたやさきのことで、はなはだ残念に存じておる次第でございます。一般的に申しまして、この用地問題については絶えずそういう誘惑と申しますか、そういう場にめぐり合わせる機会が多いので、常日ごろ関係者にはよく注意をし、厳戒を与えておったのでございますが、事実があったとすればまことに申しわけないと存じております。一般的に、そういう問題を惹起させないように、ごく軽いものは権限といたしまして局長にまかしておりますが、それ以上のものは本社に上申させますし、またもっと価格あるいは土地等の広いものにつきましては、これは国鉄総裁のみならず、運輸大臣の承認を得て処置するようにいたしておるわけでございます。今回どういうことでどうなったか、ただいま調査中でございますので、調べがはっきりいたしましたらまた報告さしていただきたいと思います。
○野間委員 経過は大体わかりました。それから汚職のほうの問題は、昨日のことですから、まだ明確でないと思うので、後刻あらためてまた機会を見て経過等を伺うことにしますが、私としては一応注意を喚起しておきたいと思います。
 それから、最初の問題ですが、確かに事件そのものが、われわれが見ても突発的な問題で、取り締まりといいますか、警戒といいますか、そういう点では非常にむずかしい問題だったに違いありません。ただ公安官の警乗の計画とか――私は、列車内に公安的な職務の人があまりいかめしいかっこうで乗るということには、多少疑問があると思う、実際の車内の空気なりからすると。やはりゆったりした気持ちで旅行したいのが国民の気持ちでしょうから、そう思うのですが、そうかといって、いまのような、やや人心の不安な状態がある場合にはそうも言っておられません。何か適切な処置が必要ではないかというふうに思うのですが、公安部長が来ていられますので、いろいろ問題があるのですけれども、この問題を契機にして、きょう直ちでなくてもいいんですが、公安官全体の配置といいますか、国鉄の公安官が行なっている、いろいろ職務上扱っているような問題がありますから、それらを含めて、われわれ実は職場におったりして、公安官の膨大な数を見るときが間々あるのですけれども、そういう問題から見て、いま常務の答えられた警乗公安官の配置の強化、そういう問題などについて全体的な配置の計画、現在の状態、そういう問題について、いま直ちには無理でしょうけれども、近いうちに委員会に御提出願いたいと思います。きょうはこれが主たる任務ではございませんので、その程度にして、国民各位の国鉄に対する不信なり不安なり、そういうものは一日も早く払拭をできるように、一そうの御努力を願いたいと思います。それでこの問題を終わります。
     ――――◇―――――
○川野委員長 それでは、次に日本鉄道建設公団法案を議題として審議を行ないます。野間千代三君。
○野間委員 それでは昨日に引き続きまして公団の問題で二、三あと残っていますので、運輸大臣がいらっしゃいませんので、政務次官にひとつ。
 実は昨日までの経過で、鉄監局長なりあるいは大臣から、最初の問題の資金の裏づけの確立といいますか、そういう問題、あるいは公団が発足をする場合のいわば背骨というべき事業計画、きのう田中先生が私の問題に関連して言われた事業計画、つまり公団が発足するのには発足するだけのきちっとした計画があって、それに基づいて公団が発足すれば、従業員、職員全体がバックボーンをはっきりして、確信を持って新線建設に当たれる、そういう材料としてはきわめて不足なので、残念なんですが、とりあえずそれは一応おきまして、現在の材料の中で二、三あと問題がありますので、お答えをいただきたいと思います。
 一つは、この法律案の中で、事務所を東京に置いて、それから従たる事務所を別に置くというふうにいわれておりますが、いまの国鉄の支社的な性格のもの、それから従たる事務所というようなものが置かれるということでありますけれども、一応そういうものの目算みたいなものがあるんじゃないかというふうに思いますので、こまかい問題ですけれども、そういう問題が一つ。
 それからもう一つは、職員は国鉄から行くのだろうと思いますけれども、その職員の計画と人員、それからそれの地域的なあるいは職種別的な配置、そういうものを、事務所と関連をして、その二点をとりあえずお答え願います。
○廣瀬政府委員 従たる事務所としてどの辺を予定しているかというお尋ねかと存じますが、現在国鉄は新線建設に関します地方機関として七つの工事局を持っております。札幌、盛岡、信濃川、東京、岐阜、大阪、下関で、公団は国鉄の新線建設事業そのままを承継することになっておりますので、さしあたりいまの七つを基準といたしまして、信濃川を除きまして六つの地方の事務所を持つ予定にしております。
 それから職員は大体地方的にどういうふうに配置するかということでございますが、ただいまのところ全体の職員、これは役員を含めまして八百九十五名でございますが、本社あるいは地方の局別に申し上げますと、本社のほうが百七十七名、それから地方のほう、これは建設の規模に応じまして支社と地方建設事務所と両方に分けておりますが、支社のほうは、札幌は百四名、東京が八十六名、大阪が八十三名、下関が八十九名、計三百六十二名。それからやや規模の小さいものといたしまして、建設事務所を盛岡と岐阜に設ける予定でございますが、盛岡のほうは六十六名、岐阜が六十六名、計百三十二名。それからその下部機構といたしまして、鉄道建設所というものを設ける予定にしておりますが、これは各支社あるいは建設事務所によって違いますが、札幌の管内では、この鉄道の建設所は五十六名、それから東京支社管内が二十四名、盛岡管内が四十八名、大阪の支社管内が二十四名、岐阜の建設事務所管内が二十四名、それから下関の支社管内は四十八名、合計二百二十四名。地方機関が全部で合計いたしまして七百十八名。大体予定でございますが、以上のようなスケールを考えております。
○野間委員 実は、いま局長のほうから答えられたような問題が、私ども伺いたい問題として相当たくさんあるのです。たくさんあるのですが、この質問を始めたのですけれども、どうも質問をするのに情熱を感じないのです。それはなぜかといいますと、ちょっと初めに言いかけましたが、きのうまで泊谷委員と私、あるいは先輩の方々でいろいろ御質問をしました。最終的にはいま池田内閣が進めている所得倍増計画で経済は伸長している、これは認める。そうしてその中で、交通全般あるいは特にいま問題の国有鉄道、そういうものがになわなければならない公共性、それがいま経済の伸長、経済基盤の発展と地域格差の是正というきわめて重要な問題を公団を設置をして行なおう、その必要がある、そういう問題ですね。その問題について、きのうまで一生懸命論議をしてまいりました。その中で、大かたわれわれも、新しい線を建設をする必要がある、そうしてその建設によって、公団法の目的に書いてある経済の伸長や、あるいは地域格差を是正して、一そう日本の経済力というものを発展させる必要がある、これはだれも認めているわけですね。これは異議がないのです。そのためにどうしても公団というものが必要だということであれば、これはわれわれもそれを認めることにやぶさかでないというところまで論議がいっておったと思います。ただ問題は、政府のほうで出している公団法が一年も論議をされながら出されている公団法なんだけれども、そこに二つの問題がある。一つは資金の裏づけの計画について、もちろん運輸大臣の努力は十分認めておりますし、お力も認めておりますけれども、ときどき国の経済状態という問題があって、必ずしも確定したものでない。具体的にも、実際に運輸大臣と大蔵大臣との間にも四十年以降の問題については手を触れられていないという事実があります。
 それからもう一つは、二百三十一線の予定線の中で、これが現在の経済発展の中で、その裏打ちとして必要な線はどれか、これ以外に必要な線があげられておるけれども、それはただ単に予定されておる、あるいは調査を始めようかという点にあって、法案が目的としている、期待をしている経済の発展ということについては、どうもその辺に多少のそごがあると思う。いまの、現状に即応するだけの新線はこれこれであると確信を持って田中先生あるいは久保先生が言われた事業計画なりそういうものが法案の裏づけにあって、それを検討することのほうがむしろ大臣の言われる早く着工したいということになるのじゃないかといろところになってまいりますと、実は私どもと政府との間に意見の相違が出てくるのですね。きのうまでの論議は、結論としてはそうであったと思います。
 そこで、実は委員長にお伺いしたいのですけれども、私どもの論議も、政府の論議も、気持ちの問題ではたいへん一致点があるのです。同じレールに乗っている場合があると思うのですが、ただ問題は、資金計画の裏打ちがちゃんとあって、そうしてそれが法案として成立したときに直ちにすべり出すという緊急な問題なはずです。その辺で多少の食い違いがある。しかし私は最終的には、鉄監局長ももちろんそういう問題については後日計画をきちんと出して皆さんの協賛を得ますというふうに言われていらっしゃいます。運輸大臣も確かに四十年以降の問題について、少なくとも大蔵大臣との間になお折衝の余地を求めるようにいたしましょう、こう言われていらっしゃいます。私はそういうものはそう時間のかかる問題でもございませんし、一年間の余裕があったのですから、相当程度進んでいる、あとはただ最高の責任者がぐっとボタンを押せばそれは計画として確立のできる問題じゃないかというふうに思われるのであります。実は委員長、私どもはいま新線の問題についてただ単に政治路線とかそういうものではなくて、国民が自分の経済を発展させようという気持ちで新線をどうつくるのかということについては相当深い関心があると思うのです。したがって、せっかくここまで論議が進んだのですから、そういう計画が提示をされて、国民に、確信を持って運輸委員会として結論が出せる、その結論に責任が持てるというふうにしたいと思うのです。これは政府のほうの任務でもありましょうし、われわれこの法案の検討をゆだねられている委員会の任務でもあろうと思うのです。ですから、委員長、ぜひそういうものの基礎の上に立って法案が審議できるというふうにこの委員会の取り扱いをしてもらいたいというふうに私は切望したいと思うのです。私はおせじではないですが、委員長はいつも公平に取り扱っていらっしゃいますので、委員長の良識で何とかしてそういうことを確立をしてもらって、その上にスピーディに審議を進めるというふうにして、私どもが全体として国民の信頼にこたえ、国民の期待にこたえる責任が持てるという結論をいずれにしても出したい、そういうことになってくれば、もっとはっきりと確信を持って御質問申し上げれるというふうに思うのです。ですから、委員長、これは委員長の良識に待ちたいのですけれども、多少の時日がかかる。きのうまでの鉄監局長の言明、運輸大臣の言明は時間がかかるでしょうが、一〇〇%までとはいかないでしょうけれども、私どもが希望しております線に多少でも沿っていただくだけの基礎をつくっていただいて、その上で審議をするというふうにこの委員会の運営はできないものか、そういうふうに委員長の決断を求めたいというようにお願いしたいと私は思います。
○廣瀬政府委員 昨日大臣あるいは私から大体の方向についてお答えしておりますが、いま野間先生のおっしゃること、まことにごもっともな点が多いわけでございます。私どももぜひ全体の計画を早くつくりたいというふうに考えておりますが、昨日来申し上げております諸般の情勢から、なかなかいまのところはそこまで運んでおりません。しかし確かに一応の全体の計画を立てる必要があります。それで昨日一応の運輸省の素案というものをお目にかけました。こういったものをもとにいたしまして、私どもなるべく早い機会にこれを具体化するように政府部内で努力いたします。なおこういった問題につきましては、もちろん鉄道建設審議会というものが審議するたてまえになっておりまして、ここには国会の先生方もお入りになっております。一応のめどがつきましたならば、なるべく早く政府部内の案をこの建設審議会におはかりして十分に御審議をいただき、さらに推進をいただくつもりでございます。
○川野委員長 ちょっと私からもお答え申し上げますが、昨日も運輸大臣から御答弁がございましたように基本計画の調査会ができますので、その調査会の結論を待って資金計画等を出すという大臣の言質もございましたから、いまその十年間の資金面をここですぐ出せと言っても無理ではないかと思います。できるだけ早目に委員長としても出していただくように十分要望はいたしますが、ただいまお説の資金計画を全部出せと言うのは少々無理ではなかろうかと委員長としても思います。
○野間委員 私の意見にそのように答えていただいてたいへんありがたいのですが、そういうお気持ちでやっていただくということはたいへんけっこうなことです。ただもう一言申し上げたいのは、国民に対するそういう責任の問題と、それからたとえば公団が発足した場合の、きのう私が一番問題にしておりました職員全体の気持ちの高揚といいますか、そういうものの取り扱いですね。つまり今後の国鉄全体の方向なり進んでいく道、公団がもしできれば公団そのものの進んでいく道、そういう実はいま議論の中心になっておる問題が非常に重要なんですね。ですから、この二つのものが、あるいは公団がもしできないで国鉄にするとすれば、いずれにしても新線建設という問題も長い将来明らかに明るいといいますか、そういう形でもってやっていく必要があるということから、そういうふうに申し上げておりますので、委員長の言われるように、運輸大臣の言明もわかりますし、鉄監局長の言われることもわかります。わかりますが、十年間全体の資金計画については多少の問題があると思うのです。十年といえば一昔ですから……。ただ、とりあえず出発をするときの三十九年、四十年が基礎ですね。そうすると三十九年、四十年くらいのある程度見通しのついたものが、これは池田内閣が存続していっているのですから、できるのじゃないかというふうに思うので、これはそう時日は必要ないのじゃないかというふうに思えるのです。
 もう一回それを申し上げますが、何か先輩で関連があるそうですから、そっちのほうに譲ります。
○佐々木(良)委員 関連――ただいまこの法案につきましての資料の提出をめぐって慎重審議の要望が強く出ておりますが、わが民社党といたしましても、全然同感でありますし、審議をするのに非常にその意味で資料が不足して困っておりますから、委員長におきましても、十分ひとつただいまの御発言に注意を払われるよう希望いたします。
 同時に、私のほうの内海委員がこの前の委員会におきましてもこの問題について発言を求めても、とうとう一回も発言をさせられなかったそうであります。今度は百五十日間も期間があるのでありますから、わが党にも十分に発言の機会と質問のチャンスを与えられるように、特に希望をいたしておきます。
○川野委員長 民社党にも発言の機会を与えたいと考えております。
○野間委員 では委員長や鉄監局長あるいはきのうの大臣言明などを尊重しまして、できるだけすみやかに具体的に提示していただけるようにお願いをしまして、たいへん不本意なんですけれども、質問に移ることにいたします。
 それで最初の問題ですが、地方のほうの要員が七百十八名ですね。それから本社要員が百七十七名ということでしたが、これはよろしいですね。
○廣瀬政府委員 さようでございます。本社要員が百七十七名、それから地方の支社、そのまた下部機構を含めまして七百十八名でございます。
○野間委員 国鉄のほうにちょっとお尋ねしますが、昭和三十九年の予算で予算定員が四十五万四千九百七十七人ですか、まだ公団ができてないのですから、その中で予定しております建設費支弁の人員は何名になりますか。
○山田説明員 手元に正確な資料がございませんが、約八百人弱だったと思
○野間委員 この前私が見た資料では七百九十三名というふうになっておりましたが、その程度ですね。そうすると七百九十三名と八百九十五名ですか、この差はどういうふうになるのですか。
○廣瀬政府委員 主として大部分の建設線に従事しておった国鉄職員を引き継ぐわけでございますが、その他若干、従来七十五億円ベースでやっておりましたものよりも仕事はふえます。来年度予算で申しますと、政府出資が十億、それから政府の融資が十億、計九十五億、そのほかにかりに公団が早く成立いたしますと、本年度の政府出資分が五億あるいは本年度の政府の融資分が五億ということで工事部分もふえますので、若干ふやす、それに管理職員が若干ふえるということでございます。
○野間委員 そうしますと、国鉄の現在の建設費支弁の七百九十三名以上に予定しておりますと百二名足らないのです。百二名足らないうちの役員はどうなるかわかりませんが、総裁とかそういう偉い人はわかりませんが、そうでない人はやはり国鉄から補充をするという方針ですか。
○廣瀬政府委員 国鉄から職員を移行します場合に、もちろん各個人の意向を十分聞いて移すわけでございますが、先ほど申し上げましたように、工事量が若干ふえます。大部分は国鉄職員をそのまま移行したいと考えておりますが、その他若干の者は、あるいは一部退職者ということもございましょうが、主体は国鉄職員とお考え願って
○野間委員 公団のほうの予定として約一千名ばかり必要な人員は主体を国鉄から求める方針であるというふうに確認してよろしいですね。ただ問題は、職員が、たとえば公団ができた場合に、国鉄から公団にかわるということから派生してくるいろいろな問題がございます。これはあとでまたあらためて御説明を求めたいと思いますけれども、とりあえず人員の主体としてはそういうふうに考えておるということ、それから求め方としてはやはり四十五万の職員が国鉄というところで働こうとしておるのですから、そうそう強制的に首になわをつけて引っぱってというわけにはなかなかいかないので、いまの局長の考え方としては、主として希望で求めるという考えですね。その二つだけ確認しておきます。
 それからもう一つ問題は、法案のほうで、公団が始まった場合に、新線の建設は、国鉄のほうの敷設法のいかんにかかわらず、公団のほうでするというふうになっておりますから、国鉄のほうでは新線建設はしないという方針のようですね。ただ問題は新線建設という、いわば法案の概念として持っている二百三十一ですか、こういう意味の新線でなく、たとえばいまやっております東海道の新幹線なども新線でないかもしれませんが、実際の工事は新線ですね。工事そのものの技術、やり方等は、やはり新線をつくると同じものですね。こういう新線建設的な工事というものが国鉄でも残るでしょうし、法律の上でも国鉄が新線建設を担当するというようなことは残されている、そういう問題で公団とそれから国工事、そういうものの分界というものは非常にむずかしいのじゃないかと思うのですが、それはどういうふうに進めようとしておられるのですか。
○廣瀬政府委員 この問題はごく大ざっぱにわかりやすく申しますと、国鉄には依然として新線建設の能力は残しておる。ただ新しく公団をつくりまして、新線建設の業務に専念させるわけでございますので、第二十条にございますように基本計画を定めて、この基本計画に取り上げられたものにつきましては公団が専念するというかっこうです。もう一回申しますと、能力は国鉄に残しておきますが、さしあたり公団が新線建設に邁進するということで、基本計画に定められたものにつきましては、その間国鉄の能力が停止されるというかっこうになります。
 それから、たとえば東海道新幹線というようなお話がございましたが、これは結局東海道新幹線を新線と心得るか、あるいは線路増設と心得るかということになるわけでございます。きのうも御説明いたしましたが、東海道の場合は、いろいろ議論がございましたが、最終的には東海道の現在線の改良工事というふうにおきめを願って、したがってこれは新線として扱わないというかっこうになっておりますけれども、将来これと同種の問題が起きればまたそのつど議論いたしまして、新線として扱うか、あるいは扱わないかということできまる問題だと思います。
○野間委員 東海道新幹線の扱いはそういうふうになると思いますけれども、私が言っているのは、新線を建設するというととは公団のほうでやる、すけれども、そういう禁治産者にしてしまう、そういう能力は一応使わないというふうにするわけですね。問題は、東海道新幹線など、それは確かに改良なり増設なりには違いありませんけれども、工事のやり方あるいは性質、そういうものはやはり新線建設と同じだと思うのです、新しい線をつくって、基盤からやっているのですから。あれと同じようなことを新線のほうでもやるわけですね。そういうふうに、技術そのものはやはり新線建設的な仕事が国鉄のほうでも相当あるのじゃないかということが言えると思うのです。ですから、きのう提示をされた線、あれは純然たる新線ということではっきりしていまして、それは問題ないのですけれども、将来たとえば、ここへ載っているものじゃないけれども、新線的な工事をするという問題が国鉄に起きてくる可能性は、ぼくはあると思う。いま局長は、両者の間で協議をしてそれがどっちであるかということをきめるとおっしゃっていますから、これはそのときの問題でいいと思うのですけれども、そういうものが残るということは言っていいのじゃないかというふうに思います。これはなぜかというと、国鉄の技術の問題に関係があるので、それだけ確認したかったのですが、そういう問題があるということは局長もお認めになると思うのです。
 それでは次に移ります。今度は政務次官にちょっとお伺いしたいのですが、いまの問題と関連をして国鉄の技術が二分をされることは明らかだと思う。二分というよりも、この建設費支弁七百九十三名がそっくり持っていかれて、それ以上に百何名かをなお鉄監局長は持っていこうというのですから、二分どころじゃなくて、なくなってしまうかもしれない。――そうでもないでしょうが、とにかく土木技術とか建設技術とか、そういうものは国鉄が二分をされるということはあり得ると思う。そうすると、運輸省として、いま私が言いましたように、国鉄のほうにも新線建設的な仕事が残り、しかも国鉄のほうは技術が二分をされていく。そういう問題で国鉄が、ほかに財政上いろいろな圧迫がありますけれども、いま第二次五ヵ年計画を始めようとして進んでいる、何とかして早くしなければならねという時期ですね。そういう時期にこういう事態が起こるということは、ぼくらが見て、国鉄としては少し技術的な圧迫が加えられる可能性があるのではないかというふうに考えられるので、監督をされる運輸省として、どのように国鉄を救済する方法を考えられているかという点について、運輸政務次官としてお答え願いたい。
○廣瀬政府委員 政務次官がお答えになります前に、いわゆる技術的な問題がございますので、こまかい問題から先にちょっと申し上げます。
 御承知のように、国鉄の地方の建設関係の仕事をやっておりますものも、新線に専念しておりますものと、主として改良をやっているものと、おのずから分かれておるわけでございます。それで今度公団に移します職員は建設線に専念しているものを移すわけでございますので、改良関係にあまり影響はないというふうに考えております。なお、この公団と国鉄との相互の連絡、協調という点も、あらゆる段階で緊密にやるようになっておりますし、それから、ことばは俗でございますが、昨日も答弁いたしましたが、国鉄、公団、主体は二つになりますが、一心同体でやるようないろいろの配慮をしておりますので、その辺の御心配は大体いいのではないか。なお、現在工事関係に従事しております職員は、全体で一万一千七百十九名おります。そのうちで、ただいま御答弁申し上げましたように、建設線関係は七百九十三人、こういうことになっております。
○田邉政府委員 公団と国鉄との間に人員的な、技術的な格差と申しますか、技術者が大量に公団にいくために、そのしわ寄せが国鉄にいくのではないかという御質問でございますが、ただいまの鉄監局長の御説明で大体尽きておると思いますが、なお一そうの配慮をいたしまして、さような改良工事その他の点に遺憾のないようにやってまいりたいと思います。
○野間委員 その問題はその程度で終わります。
 それから今度はこまかい問題ですが、法案は、公団が必要な範囲で建物、施設、そういうものを国鉄は貸すことができる、こうなっておるのですが、それはどういうものなんですか。事務所とか倉庫とか詰め所、そういうものをいっておるのかどうか。
○廣瀬政府委員 昨日もお答えいたしましたが、いま野間先生が御例示になったようなことを考えております。主として現場の事務所であるとかあるいは詰め所といったようなものでございます。組織が二つになりますが、地方で改良関係のものと建設関係のものと共用して使うものも事実上だいぶございますので、その辺をスムーズにやるために設けた規定でございます。大体いま先生が御指摘になったようなものでございます。
○野間委員 公団のほうで必要とする、いま言いましたような施設、建物、そういうものは公団が設立をするまでに、あるいは設立と同時にどんどん建っていく、それで不足をする分を国鉄から借りるというふうになるのですか。
○廣瀬政府委員 どんどん建てるかどうかということでございますが、必要なものはあるいはそういうことになると思いますが、双方の経費を節約するために、なるべく既存のものを活用していくという考え方でございまして、あまり積極的に建てるというようなことは私ども考えておりません。なるべく既存のものを両者で共通に使って能率をあげていき、経費の節減をはかるという考え方でございます。なお、ただいま申しましたような施設を使う場合には、もちろん国鉄と十分に協議を遂げさせて、双方合意の上で使わせることにいたしたいと考えております。
○野間委員 結局国鉄のほうの改良工事あるいは線増、そういう問題の工事と公団が行なう新線関係の工事というものが関連をして行なわれているところがあるとすれば、そこでは相当大きな問題といいますか、将来問題になる可能性があるのじゃないか、またそういうものが、先ほど伺いました事務所の配置、全国的な機構の配置というものだけで概観をしても、相当程度起こり得るのじゃないかというふうに思うのです。そういう場合にそれぞれ事務所なりあるいは宿舎なり、詰め所なり見張所なり、そういう現場機関というのは労働条件にも関係をしますし、働く職員としては相当重要な問題で、国鉄がごそっと減った分だけそこでその仕事が行なわれるという部分はわりあいに問題は少ないかもしれませんが、そうでない部分があるとすると、ある程度の問題になるというふうに思います。ですから、基体的な考えとして、長期的な考えとして、やはり公団は公団として設立をして、積極的にはしないのだというふうになってくると、そういう部分は相当問題が残るのじゃないか。しかもそれがやはり公団ができれば一つの性格を持っていますから、性格を持った公団と、一方既存の性格を持っておる国鉄という中で、皆さんのようにおえらい方が頭の中で割り切っていけば問題ないのですけれども、実際の現場のほうでは間々あるのです。同じ国鉄の中でもなしとしません。そのくらいに現場で働く従業員としては、働く拠点ですから、重要な問題です。したがって、そういう問題がないようにするのには、やはり建物はきちっと建てるというようにしていかないと、かえって所期の目的を達しにぐいという事態が起こる可能性があるのじゃないかというふうに思うのですが、それはどう考えていますか。
○廣瀬政府委員 いま野間先生の御質問になった点、ごもっともな点があると存じますが、先ほど申し上げましたように、双方経費を節減してまいりたいというような観点から、なるべく利用できるものは利用してまいるという方針でございます。
 なお、公団が発足しまして、さしあたり行ないます工事は、現在国鉄が手をつけておるものをもとにしてやりますので、大体現在の地方の施設で十分かと思います。昨日も申し上げましたように、もう少し資金計画をきちんといたしまして、将来伸びてまいるということになれば、やはりそれに従いまして新しい事務所等も必要になってまいると思います。そういったものはある程度新設をせざるを得ないと考えます。先生のおっしゃることもよくわかりますが、さしあたり両者なるべく経費を重複させないで、節減という点に主眼を置きまして、発足をしてまいりたいというふうに考えております。
○野間委員 それはその程度で一応終わります。
 それから実は、泊谷委員のほうからあるいは聞いてあったのかもしれませんが、ちょっと聞き漏らしておるようにも思いますので、簡単に一つだけお尋ねしますが、たとえばきのういただいたこの表では、着工線の中に――先ほど選挙区を明らかにしろと言われたので明らかにしたのですが、横浜ですけれども、この根岸線などは、これはもう一回確認しておくのですが、大部分でき上がっているわけですね。開業がたしか間近に迫っているというように伺いましたが、いつごろの予定でしたか。
○山田説明員 いわゆる根岸線としては、まだ先の大船寄りのほうははっきりしておりませんが、磯子までの区間のお話かと存じます。これは大部分できておりまして、三十九年度中には部分開業できるかと存じます。
○野間委員 それから大船までのほうのは、これは相当程度着工をしていらっしゃるのかどうかということについてちょっとお伺いします。
○山田説明員 これはその先の路線の決定ができておらない状態でございますので、まだ着工というところまでまいっておりません。
○野間委員 そういうことで、磯子までの分が三十九年度中に開通する。実は横浜市なり何なりから促進をしてもらいたいという陳情がたしか国鉄に何回か行っておるわけです。そういう事情にありますけれども、自分の選挙区だけ言っても申しわけないのですが、ほかにもそういう例があるのではないかと思います。そういう例があれば、つまり三十九年なり四十年なり、ここしばらくのうちに開通ができる見込みの線がほかにあると思うのですけれども、そういうものを含めてそういう性格のものは公団のほうに移るのかどうか、それはどういうふうにお考えになりますか。
○廣瀬政府委員 現在国鉄が建設中の線は基本計画で定めますが、全部公団に移る。したがって公団が引き継いで工事をいたすことになります。ただいま先生がおあげになりました根岸線その他全国にもたくさん有力な線がございますけれども、こういったものはすべて業務計画に定め、また年々どういう工事をやっていくかということは、鉄道建設審議会におはかりいたしまして、十分御審議を願いますが、私どもの考え方としましては、着工線、調査線、いずれも重要な線でございます。なるべく資金効果等考えまして、重点的に工事をやってまいるという考え方でご、さいます。
○野間委員 ちょっとわかりにくいのですが、私が言っておるのは、それでははっきりしたほうがいいと思うのですが、たとえば根岸線はどうされるのですか。
○廣瀬政府委員 根岸線は公団に移します。
○野間委員 これはたいへんはっきりしておるのですけれども、はっきりしているので実はおかしいのですが、いま常務の言われるように、三十九年度中に開通する、これは私が言うのではなくて、常務がおっしゃるのですから間違いありません。すでに私も実は選挙区ですから状態を見ておりますけれども、あとちょっとですね。もうほんとうに開通ができる。ですから、実は横浜市のほうでも市長が、もし横浜市のほうでしなければならぬことがあれば、それは手伝わなければならぬというふうな考え方を背景にしながら、何とかして早く開通させてもらいたいというふうに国鉄のほうに陳情を何回か繰り返してきています。それで先般の市長選挙が終わった直後、新しい市長が国鉄のほうのいま言ったような考え方を含めて、何とかしてすみやかに開通してもらいたいというふうに陳情されて、たしか国鉄のほうではそういう趣旨に沿って開通を急ぎましょうということを言われているはずです。ですから、これは市長なり市の当局を喚問すればはっきりすると思いますが、山田常務は慎重に来年度じゅうというふうに言われておりますが、それはただ単にいわゆる来年度じゅうというばく然としたものではなくて、ある程度確たる開通の見込みがはっきりしているはずです、そういう内容の線が。別に私は国鉄をひいきにしたりなんかして言っているのじゃないのです、公団というものの持っている性格、そういうものからはっきりしておく必要があると思いますから言っているのです。すでに開業をするとなっておるものは、ほかにもあればあげてもいいのですけれども、とりあえず根岸線をあげますが、部分的に開通するものがほかの線でもあると思います。それをあげていってもよろしいのですが、煩瑣ですからやめますけれども、一番端的な例がいまの根岸線です。そういう根岸線のようなものがなぜ公団に移らなければならないのか、というよりも、公団というものはそういうことなのかということを承りたい。
○廣瀬政府委員 重ねてお答えいたしますが、結局、開業した新線は国鉄に残しますが、未開業のものは公団が引き継ぐというたてまえになっている。これは十九条の第一項でございますが、公団成立のときにおいて国有鉄道が営業を行なっている区間を除くということになっておりますので、かりに公団成立のときに根岸線が開業すればかまいませんが、どこかで切らなければいけませんので、公団成立のときにまだ開業してないというかっこうになっておれば、公団に引き継ぐというかっこうに第十九条でなっております。
○野間委員 私がきのうから力説しておりますのは、せっかく公団ができるのだ、もしできるとすればですが、その公団というものが――実は、私はまだ一年生ですからあまりそういうことを言いたくないので申し上げませんし、申し上げてきませんでしたが、とにかく新線建設というものは非常に国民の監視が強い。しかもその監視が強いという意味は、いい意味でも一面強いのですが、自分の国土を開発したい、経済を発展させたい、そういう熱意から監視が非常に強いという部分もあります。それともう一つは、新線建設というものには間々政治的な線であるとかいわれるものがある。私はそういうものがないとは確信しますけれども、世上ではそういううわさになりがちな性格を持っている。そうすると、そういうものに見られるようなことだけをする公団ができるということにもなるでしょう。国鉄がやっている場合に、国鉄の既設線があって、その中でこれこれは必要だから新設をするという形でいままでやっておったけれども、その中でもそういううわさがある。局長も政務次官も世上にそういううわさがあるということは否定しないと思う。そこへもってきて、今度は公団ができればそういううわさの根っこになるものだけの公団ができるということになるわけです。それだけに私は慎重に取り扱うべきだというのが年来の主張なんです。それをきのう述べたのですけれども、その問題がいま局長や次官、運輸大臣の言明でもっとはっきりすれば、国民の片一方の悪いほうの風評は払拭される、これは何とか払拭するように努力しなければならぬと思いますけれども、そういうものですから、やはり公団が発足するならするときに、きちんとこれこれは新線として工事が始まる、あるいは半分なり三分の一しか着工してないから、ですから新線として鋭意やっていくのだというふうに、けじめをはっきりすることが、いわば政治のえりを正すといわれますけれども、そういうものじゃないかと思うのです。ですから、国鉄で言っているように、根岸線だけとらえて申しわけないのですが、根岸線のようなものはやはり国鉄が従来やっておったところですから、そこで開業をする、そういうふうなけじめのつけ方でないと、確かに十九条にありますけれども、そういうけじめのつけ方のほうが、公団の性格としては正しいのじゃないかと思うのです。
○廣瀬政府委員 従来国鉄がやっておりました新線建設の目的も、やはり何と申しますか、国家目的あるいは経済基盤の強化、あるいは地域格差の是正というようなことが主体となってやっておったものでございまして、それを公団によりましてさらに性格をはっきりしようというもので、国鉄がやっておりました建設線と公団がやります建設線と本質的に性格は違わないものと私は思います。いずれも社会目的あるいは国家目的という見地から行なわれているものと存じております。
 それから、いま十九条の問題でございますが、根岸線は確かに大部分は完成しておりますが、やはりこれは程度の差はございますけれども、現在国鉄が手がけております新線についてもかなりでき上がっているものもございますが、どこかで線を引かなければいかぬということで、開業以外のものは一応公団に引き継ぐというような線の引き方をしております。
 なお、御心配の点だと思いますが、公団に移すことによって工事の遅滞その他がないように、附則の第六条等におきまして、現場の作業が中断されないように配慮はしてございます。
○野間委員 根岸線を例にとったのですが、いま局長の答えられるように、論理としては、あるいは理屈としては、もう少しことばを強めると、形式としてはそういうふうに割り切る方法もございます。それから、もう一つは、私が言いましたのは、交通問題はやはり政治ですから、政治の方向としての意味では、私が言ったような方向でけじめをはっきりしたほうが、公団の設立なりというものからは正しいのではないか、そこに多少の違いがあるのですけれども、もう一つは、いま局長が触れられたので、実は私もそこを言いたかったのですが、技術的な問題があると思うのです。最初局長の言われた理屈なり論理で割り切ってしまうということと、私の言うように政治を背景にしながら、国民感情を背景にしながら考える、そこでけじめをつけるという方法、それからもう一つは技術的に、とにかく公団ができ上がりますね、それで局長さんが言われるように希望を募って公団に職員を配置する、そうして機構をつくり、事務所をつくり、借りるものは借りる、建てるものは建てるというふうにして、それから具体的に仕事が始まるわけでしょう。そうなってまいりますと、たとえばいま根岸線に着工している技術者は国鉄職員ですね。その国鉄職員が、皆さんからいえば不幸にして公団に移ることを希望しない、やはり国鉄でめしを食いたいというふうに希望された場合、これはどうなりますか、まだ見当がつきませんが、私が最初に委員長にああいうふうに強く希望したのは、そういう問題が必ずあるということからです。これは残念ですけれども――残念というか、実際の問題としては、私は、そこに働いている職員を機械的に、ここにおりたい者はここにいらっしゃい、あるいは希望する者はこういうふうにやってくださいというふうに、局長の頭の中で考えたようなぐあいには、極端にいえば一千人の民族の移動ですから、そう私は簡単にはいかないと思うのです。これは事実だと思います。ですから、それだけに、私が最初に言いたかったのは、やはり情熱を持って、バックボーンがはっきりしておって、これはこれこれの目的に即応しているのだという大道がはっきりしていることによって、あるいはわれわれが責任を持って、やはりここに働いてもらうことが職員、労働者としてりっぱなことなんだということがはっきりしておって初めて局長の言う希望を堂々と募れる、そして所期の目的がスムーズに運ぶというふうになるから、そこを将来考えるから、この法案の成立をするときには、私が前に言ったように、はっきりしておいてくれということが、私の考えの基礎だったのです。それを考えますと、たとえば根岸線をとってみた場合に、いま言ったような困難が起きないとは限らない。十分に想定ができる。そうすると、公団が発足をして国鉄との間にそういうやりとりが行なわれる。それは国鉄首脳との間ばかりじゃなくて、現場末端の機構に至るまで行なわれるわけですね。これは否定できないと思うのです。そうなってまいりますと、たとえば根岸線のような問題の場合に、局長さんが言われるようにスムーズに、あとしばらくで、もう少しでもって開通をするもの、あるいはここ一、二年で開通をするもの、そういうものまでが開業がおくれるという危険性が全然ないのかというふうに言えば、局長さん方は、いやそれはちゃんとしますというふうにここで答弁することは簡単です。簡単だけれども、実際の問題として人間が動くのですから、そう簡単にいかないというふうに想定をすることもできる。そうですね。そういうことが三つ目にあるわけです。いま局長さんは確信を持ってやると言っておられますけれども、そういう問題はどういうふうに考えていらっしゃるか。それを考えるから、根岸線の問題をさっきから例にとって質問しているわけです。
○廣瀬政府委員 結局公団に移行する国鉄職員が熱意を持ってやれるかどうかという問題と思いますが、これは先ほど来申し上げておりますように、鉄道網の整備ということで経済基盤の強化、地域格差の是正という非常に大きな社会目的といいますか、国家目的を達成するということで、自分の任務が重大であるということは認識していただけると思いますが、なお先ほど来申し上げておりますように、やはり公団全体の仕事ということももう少しきちんとする必要がある、これは確かに御説のとおり、そういった方向に努力をいたすということは昨日来申し上げておるとおりでございます。
 なお、法律のたてまえとしまして、同じことを申し上げますが、結局どこかの線で切らなくちゃいかぬということで、開業したかしないかということで切るわけでございます。
 それから、国鉄から身分を公団に移すということは、それぞれの職員にとってはもちろん重大なことだと思いますが、その辺のことは私どもはいろいろな方法を講じておりますので、大体御心配なく行っていただけるようなかっこうにしておるつもりでございます。なおこの辺の問題につきましては、近く国鉄当局と、あるいは職員側、いろいろこまかい点について話し合いが進められることと存じますが、おそらく国鉄当局もそういったお見通しをお持ちではないかというふうに考えております。
○久保委員 関連して。――いま根岸線という具体的な建設線についてその見解をただしたのでありますが、根岸線のようなものを引き継ぎをさせて、また譲渡か貸し渡しかわかりませんが、そういう方法をとることがはたして新線建設の理想というか、それにマッチするかどうかということ、これに対して鉄監局長は、第十九条並びに附則のほうか知りませんが、それによって遅滞なく引き継いでもらうのだから心配ない、人間もそのとおりだから支障はない、こういうようなお話がありました。なるほど法律の文言で見ますればそのとおりでありますが、いま野間委員が御質問しているように、しかも前段あなたが答弁したように、関係の従業員の進退については十分希望を取り入れておやりになるという。そうなれば、多少ともここに日にちなり、身辺整理といっては語弊があるが、これは問題が出てくるわけですね。そういうことが予想されるわけです。しかもまた、今度は公団になりますれば機構も一変するわけでありますから、末端は変わらぬといっても、末端まで変わるのが定石だと思うのです。そうしなかったならば、公団としての運営ができないと思うのです。そういうところに多少時間のかかるのは当然であります。さらに経済効果からいっても、いままで手がけたものが、もう残りわずかのものを手がけて完成させるというのが一番理想的ではないかと私は思う。
 そこで言いたいのは、一つの例として根岸線が出ましたが、そういうものはしいてこれを公団に引き継いで煩瑣な手続を踏む必要がどこにあるかというふうに考えます。この公団は大体赤字公団だから、そういうものを引き継いでやらぬと困るというならば別ですよ。あるものの優良な財産は全部無償で引き継ぐということになるならば、いいか悪いかは別として、なるほどそれも一つの理屈です。しかしこれはそういうものではなさそうに思う。なるほど根岸線という線をとれば、これはまだかなり膨大な、いわゆる通過路線についてもはっきりしないものなんですから、実際は根岸線全体の引き継ぎはしなければいけませんね。しかしその部分開業ができることがわかっている寸前のものまでも全体を引き継ぐことについては、私は反対だ。よしんば公団に賛成はしましても、反対だ。そういうことは役人のやることでありまして、実情に合わぬ。だから引き継ぎについては、ケース・バイ・ケースでやるべきだと私は思うのですが、これはどうですか。
○山田説明員 根岸線が具体的に問題になっておりますが、御存じのように約百メートルぐらいの用地買収に手間どりまして、まだ完成を見ていないわけでございます。しかしめどがつきましたので、先ほど申しましたように三十九年度中には開業できるであろうという見通しがただいま立っております。それで運輸省から提出になっておりますこの公団ができました場合に、根岸線もこの法律の条項に従いますと、公団設立のときにおいてまだ開業していないいわゆる未稼働資産は、債務の額を引き去った残りを国鉄として現物出資をするというたてまえになっておりますので、それに当てはめますと根岸線も当然現物出資の中に入ってまいるわけでございます。いままでの投下資本が大体五十数億でございますので、それだけは国鉄の出資分として公団の出資金に入るわけでございます。それで野間先生も御指摘になりましたような地元の御心配という点につきましては、私ども国鉄としましても、それが財産として公団に引き継がれましても、完成した暁には、譲渡になりますか、あるいは私どもは一応公団からの貸し付けと考えておりますが、いずれにいたしましても国鉄の線として国鉄の手で経営するわけでございまして、車両も国鉄の車両が桜木町から直通いたしますし、地元のほうの公団の財産になったから何か不便が生ずるんじゃないかという御懸念は毛頭ないと心得ております。また、そういう差別をいたすような経営はもちろんいたしません。ただ観念的に根岸線という線の財産が国鉄のものでなくて公団のものであるという、観念的な相違だけと私どもは心得ておるわけでございます。
○久保委員 鉄監局長に御答弁願っているので、決して国鉄のほうに聞いているのではありません。その財産がどちらに移動しようが、早くいうならば、国有財産です。実際いってこれはもう問題ありません。しかしそういう煩瑣な手続までしてやる必要がどこにあるかと言うんです。なぜそんな必要があるか。あと百メートルで開業できるものまで引き継がなければならない必要がどこにあるか。大体国鉄も気がいいもので、五十億の投下資本――現物出資が、全国にわたれば大へんな出資になると思います。
 これはついででありますが、資料要求します。公団設立を想定して、未稼働資産というものはどの程度現物出資になるのか。この次の委員会までに出してほしい。そして部分開業の三十九年度までに開業になる予定のものはどの線で、合計何キロあるか、これを出してもらいたい。
 いずれにしても鉄監局長の先ほどの御答弁によりますれば、全部それを引き継ぐそうでありますが、われわれは実際そんなことを想定していないんです。実際は全く新しい構想でさら地から出をつけて公団がこれからやろうというんです。目の前で開業するものを、あっちへやったり、こっちへやったりする必要がどこにあるか。それが本旨じゃないでしょう。政務次官がおられますが、いかがでしょう。どうも事務屋というか、官僚は、そういう煩瑣なことまでやらなければいかぬようでありますが、われわれとしてはどうもふに落ちないんですが、いかがですか。
○田邉政府委員 この根岸線の問題につきましては、あと百メートルというお話でありますし、公団に引き継げば、鉄監局長が答弁をしたとおりでございますけれども、よく実情を調査いたしまして、前向きの姿で善処していきたいと思います。
○久保委員 政務次官、大臣もおられることでありますから、これは政治的なレベルで解決することであると思うのです。実際言って、そういう煩瑣なことまでやる必要はない。万が一通っても、そんなことをやるから、問題が不明朗というか、おかしくなるのです。しかも貸し付けなり譲渡についても、必ずしも明確でないのです。もちろんこれは質疑の過程で明確にしていかなければならぬと思うのです。ケース・バイ・ケースでものごとは考えなくてはうまくいかぬと思う。ひとつ大臣と御相談いただいて、次の機会にお答えをいただきたいと思う。
 先ほど申し上げた資料は早急に出してください。
○野間委員 実はいまの問題とも関連する問題と、あと貸し付け線の災害を受けた際の復旧の問題とか、公共負担の問題とか、多少まだあるのですけれども、午後にしていただいて……。
○川野委員長 いま簡単にやってください。
○野間委員 ちょっとこれは簡単にいかないのです。あとしばらくありますから、一回休憩をお願いして、午後から……。
○川野委員長 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時より再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時三十分開議
○川野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。野間千代三君。
○野間委員 あと二つばかり。一つは先日の資金の問題ですけれども、資金の問題で、十年間の計画が出されました。それでいろいろ伺ってみましたが、鉄道債券があり、建設債券がある、そういうものが出るようになるのじゃないかということを伺っておりましたが、法案にもそういうことが出ております。地方自治体の税制の問題などで、地方自治体が相当圧迫されています。そういう傾向にあると思います。あの大臣の計画で参りますと、資金そのものを国鉄の出資と、それから大蔵省の財投融資でまかなうとされていますので、問題ないと思いますけれども、もう一回、つまり地方自治体なり受益者のほうに、どうしても重点がいくことになると思いますが、そういうことはないのだというふうに理解してよろしいかどうか。
○廣瀬政府委員 お答えいたします。
 資金確保の方法といたしましては、いまおっしゃいましたように、政府の出資あるいは融資、そのほかに法律に書いてございます公団債の発行、この三つの方法が考えられます。それで公団債の発行につきましては、国鉄の一般の鉄道債券と同じような考え方でございまして、特に特定の地方の自治体に引き受けさせるというようなことは考えておりません。
○野間委員 自治体のほうには負担をさせる気持ちはないとしても、新線を建設されることによって利益を受ける――と言ってもおかしいけれども、利益を受けると考えられる方面が、極端にいえば、やはり重点的に買わされる。そういう傾向になる危険性はないのですか。
○廣瀬政府委員 いま私が申し上げましたように、たとえば、国鉄の債券の発行の方法に例をとりますと、一般の鉄道債券、それからいまお尋ねのございましたいわゆる利用債、これは特に地方の自治体であるとか、あるいは特定の利益を受ける会社等に引き受けさせる場合でございますが、公団の利用債的な考え方は私どもは持っていない。ですから、一般の鉄道債券的な考え方である、こういうことでございます。
○野間委員 わかりました。
 それからもう一つは、たいしたものじゃないですが、新線の災害復旧を公団でやるというふうにされておりますが、その場合に、災害復旧の費用は公団で持たれるわけですね。問題はちょっとこまかいですけれども、一つには国鉄が直接やるのでありませんから、公団のほうでやる。そうなりますと、局長とされては、それは遅滞なくすみやかにということになると思うのですけれども、しかし公団のほうも熱心に仕事をされている。借りている国鉄のほうで突然災害が起きる。そういう場合に、なかなか遅滞なくということがなりにくい場合があったりする。その場合に、国鉄の立場とすると、その間実際問題としては収入が減るわけです。赤字線がまた収入が減るのですから、一そうの収入減になるという危険性はないか。それが一つ。その場合にそれを補償するといいますか、そういうことはどうなるのか、こまかい問題であれですが、その点について伺いたい。
○廣瀬政府委員 公団が建設したり、完成をした線を国鉄が譲り受け、あるいは借りまして、営業するわけでございまして、譲り受けた場合は、これは所有権が移るから問題ございません。公団が国鉄に貸し付けて、国鉄が営業しておるという線について災害が起きた場合どうするかということでございますが、これは簡単に申せば、所有権が公団にございますので、災害復旧は公団が責任を持ってやる、経費は公団が負担をしてやるということになります。
 それで災害が起きた場合、営業ができないから、その間収入がなくて、国鉄は困るではないかというお話でございますが、これは一般の営業線がそういうかっこうになっておりますので、災害を受けた間の営業上の損失というのは、これは国鉄に負わせるよりしかたがないというふうに考えております。
 なお、災害復旧の場合には、いまちょっと御質問がございましたが、費用負担はいま申し上げましたとおりでございます。
 それで、その間スムーズに災害復旧ができるかどうかというお話もございましたが、これはたてまえとしましては、公団が責任を持って災害を復旧いたしますが、実際はその線は営業しておるわけでございます。したがって、日常の復旧といいますか、要するに補修は国鉄がやっております。したがいまして、責任の分担ははっきりしておりますが、実際上の問題といたしましては、費用は公団が持ちますが、あるいは災害復旧につきましても、遅滞なくスムーズにやるためには、あるいは日常の保守と関連してくる面もございますので、実際は、あるいは国鉄に委託をする場合も出てくるかと思います。その辺の責任の所在とは別に、すみやかに復旧ができると現在は考えております。
○野間委員 いまの問題はそうぼくも固執するのじゃないのですけれども、災害という概念は、台風とかなんとかが概念ですけれども、そういうはっきりしたものでなくて、いわば営業中に路盤などに故障が起きた、これは使っておるほうでは災害的に考えられる場合があるので、そういう判定が多少やっかいな問題が予想されるような気がするのです。そういうものは、何か両者で協議をしたり調査をしたりして、責任なんかはっきりするということになるのですか。
○廣瀬政府委員 観念的には、日常の補修以外は、これは先ほど申し上げましたように、所有権を持っておる公団が責任を持ってやるということになりますが、これは常識的に、要するに災害によって公団の施設が破壊されたということになるわけでございまして、その辺は基準をはっきりきめてまいる必要があると思いますが、要するに、鉄道の日常の施設の維持あるいは修繕というもの以外は災害というふうにお考えになっていいと思います。
○野間委員 いま私どもに与えられております材料で、まだいろいろございます。労働条件の問題あるいは局長の言われる希望の問題、むしろその問題がたいへんでございます。私のほうではその問題は一応おいておきまして、あとでまた関連の質問があると思いますけれども、その際に正確にお答えを願いたいと思います。
 それで運輸大臣にお願いしたいのですが、きょう私は午前中こまかい問題をいろいろ伺いました。たとえば公団が国鉄から借りる建物であるとか、あるいは主たる事務所、従たる事務所、あるいは現場工事、そういう関係の人的な配置であるとか、あるいは事務所の配置であるとか、そういう具体的なこまかい計画をいまされておるが、その内容について伺いました。局長さんから懇切に御説明もいただきました。その御説明は、それはそれとしてけっこうなんですけれども、私が申し上げたいのは、結局は現在の国鉄がやっておる体制がそのまま公団に変わるという色彩が非常に強いという印象だけをお答えからは受けましたけれども、それは出発のときですからあるいはそうなると思いますが、いまの国鉄が第二次五ヵ年計画をやり、そうして経済基盤の強化と地域格差の是正を目ざして国鉄の陣容を強化をする、あるいは資金的な裏づけをもう少しさせる、運輸大臣がたいへん御苦労された二千八百億の問題にしても積極的に進める、そういう立場で進んでいくならば、いま提案をされているように、国鉄は非常に忙しい、大臣が言われるように金の面でも仕事の面でも忙しい、そういう面もございます。ありますけれども、いま日本の交通政策の根幹である日本国有鉄道企業あるいは皆さんが考えていらっしゃる公団、そういう問題も終局的には何とかして、公共事業として行なう鉄道が持つ任務を完遂をして、経済発展に寄与したいということであろうと思うのです。そのためにいま国鉄が不足している分とすれば、資金の裏づけであるとか、あるいは要員の若干の不足であるとか、そういう面であろうと思うのです。これは私が午前中に質問をしてお答えをいただいた内容から見ても、時間がございませんから、あまりこまかい問題でもう一回局長の言われたことを敷衍しませんけれども、お答えになった内容を見れば、それはそういうことじゃないかというふうに思うのです。そこで現在国鉄は忙しいものですから、企業性とか独立採算制ということで、現在のワク内では企業性に重点を置くことになっている。そのために新線に手が伸ばせないとか、あるいは安全輸送の面が多少進まないとかいう欠陥があらわれてくると思うのです。そういうものは大臣の言明あるいは局長の答えからいっても、それを直すということは、国の政策をもう少しはっきりさせればできることで、またこれはしなければならぬと思う。それから国鉄が担当しにくいという問題では、長期負債が六千億円もあって、これ以上の負債は非常に困難だと対策委員会でも答申をされておる問題がある。これは政府のほうの財政事情によって、補充をするということによって切り抜けることができる。そういうものが新線を増加できない、国鉄が担当できない主たる理由だというふうに法案の説明のときに大臣が言われておりました。しかし、ぼくはこれはそう困難な仕事じゃないと思う。午前中に問題になりました公団がやるべき計画あるいは資金的な裏づけ、そういうものが大臣や局長が説明されるようにはっきりするならば、それをそのまま確立をしていまの国鉄に付与することによって、できないとは限らないと思います。われわれもそういうふうにして新線を建設していかなければならないということは、前々から申し上げているのですから、そういう意味でいけば、国鉄の企業を、そういう性格をもっと強化することによって、皆さんが期待されていることはそう問題なく進めることができるのではないか、これは私がずっとお伺いしている中でもそう無理な話じゃないと思います。というのは、私の申し上げたことが先輩が提案された緊急措置法の骨子です。この緊急措置法の骨子と、いま皆さんが説明されている問題とそう相違はないというふうにぼくは思います。そうなれば、国鉄の企業によって行なっていくことにそう困難な事情であったり、むずかしい問題であったり、公団をつくらなければできないという基本的な問題はそうないのではないかと思うのです。ですから、われわれが提案している緊急措置法、そういうものでなぜ進めようということにできないのか。いままでの質問で、説明を伺っている範囲では、一致している点が非常に多いのですが、なぜそれができないのかという疑問が最後に私は残る。その問題について運輸大臣のお答えをいただきたいと思います。
○綾部国務大臣 私どもといたしましても、どういうようにすれば早く新線ができて、そうして政府の企図し、国民の要望しておる地域格差の是正ができるかということを考えた結果、どうも公団のほうがベターである、こう考えましてこの公団の提案をした次第でございます。しこうして、御承知のように、国鉄には相当な負債があります。六千億とか七千億とかあります。もしここに新たな借り主ができるならば――国鉄がすんなりいくなら国鉄でできぬことはないのですが、鉄道建設審議会の委員の要望もありましたし、どうすれば早く国民の要望している新線ができるかということを考えました場合に、今日の国鉄でやるよりも、この何もわだかまりなく建設に専念できるような組織のほうがよりいいのではないかという観点に立ちまして、われわれはこの案を提案したのです。それで国鉄の赤の他人じゃなくて、国鉄の兄弟会社である、技術陣も大部分の幹部も、金融財政に関する人も――どうしたってよけい金を借りなければいかぬのです。政府もできるだけは出資いたしますが、また資金も新たな観点から借りなければいかぬのですから、金融その他でベテランを入れてやることが早いのではないか、よりいいのではないか、国鉄は国鉄としてもう一万数千キロもあるなにをかかえて、毎日保守、運転の安全の確保その他いろいろな面で非常に多忙のようでございますから、建設に専念する機関が必要なんじゃないか。初め日本の鉄道省においてやったときには、いまほどいろいろな仕事の分野が錯綜しておりませんでしたが、経済の発展等いろいろな事情に伴いまして、今日のような非常な忙しい状態になって、建設に専念することに事欠くんじゃないか。そうして早くやるのにはどうしたらいいか、国鉄と一緒になって早くやるのにはどうしたらいいかという考えの結果、こういうようになったので、あなたのおっしゃるようなとおりで、財政が豊かであって、もう要るだけの金を一本の窓口でできるというような場合であるならば、あなたのおっしゃるようなことも必ずしも私は否定いたしません。そして社会党の諸君が提出している緊急措置法によってやれぬこともないが、よりベターだ、よりいいということで、そこにいきますと、それは悪いというのと、これは意見の相違になりますが、私はよりベターで、これで建設が早くできると考えて本案を提出したような次第でございますから、どうかひとつ御了承願いたいと思います。
○野間委員 別に大臣の熱意にさからうわけじゃありませんが、大臣のいま言っていらっしゃることは私も賛成ですよ、気持ちはですね。新線をすみやかにこしらえて、そうしてそれに専念できるものがあって、そうして国の経済を発展させようという気持ちには賛成です。ですから言っているのですよ、きのうから。それには基礎が必要だ、基本が必要だ。午前中からも繰り返しているのです。われわれが提案している緊急措置法が別に十分に金があるとは言っておりません。ただせっかくいまの国鉄の技術を二分したり、あるいはいま午前中からお聞きしているような、国鉄の内容をそのままそっくり持ってくるというようにも見える内容で進めるということの程度であるならば、もう一ふんばりして財政の配置、要員の配置等に心を配ることによって、われわれが考えている緊急措置法でやったほうが、大臣の言うようにすみやかにいけるんじゃないかというふうに私は考えたわけです。
 先輩の議員のあれもありますから、以上で終わりますが、そういう気持で今日まで御質問申し上げましたり
 最後にまだ要員の問題、あるいは待遇の問題等が出てくれば、そのときにまた関連をしてお伺いしたいこともございますが、私が予定したものは以上で終わりますけれども、何とかして、もし私が力説しておりますように、公団をつくるとするならば、その職員がきちっと目標を持って進めるような措置、これは今日まで申し上げたはずですが、そういうものがすみやかに確立をされるというようにすべきだ。これがあって初めて公団を設立するということであるべきだということだけはもう一回申し上げて、私の質問を終わります。
○川野委員長 次に勝澤芳雄君。
○勝澤委員 この法案は、前回も解散前の国会に出されまして、だいぶ質問をいたしまして、また同僚議員が質問をいたしておりますので、重複するところはできるだけ避け、簡便に質問いたしますので、ひとつ大臣のほうも率直な意見を聞かしていただきたいと思います。
 建設公団をつくる根拠になったのは、三十七年の五月三十一日の鉄道建設審議会の建議が中心だと思うのです。三つの方式があり、公団か特別会計かあるいは国鉄か、この三つの方式の中で、公団方式をとった。われわれ社会党が出しているのは、この三つの方式の中の国鉄方式をとった。この違いだと思うのです。どちらがいいか。どちらがいいかというのは、ものの見方の相違があると思うのですが、実は前回もそうですけれども、いままでの経過の中でも、公団がよりベターだということばで大臣が言っているだけであって、われわれの案について、あるいは政府の案について、どっちのほうが前向きかという点については、実はまだ明確にされてない。意見の相違だ。意見の相違ということは、両方とも促進をしようとする意見だけれども、やる方式の違いだけなのか。社会党も新線建設に熱意がある、与党も、むろん政府もあるのだ、そしてやり方が違うだけだ、こういう意見の違いか。その辺をもう少し解明をしていただきたいと私は思う。
○綾部国務大臣 この前のときも申し上げましたが、私どもといたしましては、いまの国鉄で資金を集めるよりも、新公団で集めるほうが集めやすいということが一つ。それから、国鉄は昔の国有鉄道時代の国鉄と仕事の量が非常に違ってきまして、国鉄としてなさねばならぬ業務があまりにも多い。そこで新線建設に専念できるような組織のほうがいいという考え方に立ってこれをやっておるのであります。
○勝澤委員 二つですね。一つは、公団のほうが資金が集めやすい。これは、出すほうの側が出そうとすれば、公団であろうが国鉄であろうが出るわけです。ですから、私はこれは金を出すほうのかまえの問題だと思う。逆に言いますと、いままでは政府も新線建設に熱意がなかった、だから金を出さなかった、公団なら出すんだということですが、これは私は公団であろうがあるいは国鉄であろうが、そう意見の相違はないと思う。
 それからもう一つ、専念できるようなところがいい、国鉄は本来の仕事が多くなったということですが、これには実は異見があるわけです。しかし、これを追求していっても、また意見の相違なんというところであれじゃあれですから、次の問題で、一体国鉄本来の任務、それから国鉄自体が仕事が多くなった、国鉄の今日の経営の状態からいって、やはり新線建設には別の形がいいではないかということで公団というものが出てきた。そうすると、国鉄本来の任務なり国鉄経営の実情、作業量ということから考えて、それに影響のないように、国鉄本来の仕事が十分できるように考えて公団をつくったというならば、公団をつくることによって国鉄には負担はかけない、こういうふうに理解をしなければならぬと思うのですが、そういうことでよろしいのでしょうか。わかりにくいですか。それだったら、公団ができることによって、公団建設の結果によって、国鉄に経営のしわが寄ったり、国鉄の負担になるようなことがない、こういうように理解していいかどうか。
○廣瀬政府委員 公団が責任をもって建設いたしますが、建設をしたあとの線は国鉄に譲渡し、あるいは貸し付ける。その場合の有償無償の問題は、先ほどから申し上げておりますが、結局経営上の赤字というものはどうなるかということだと思いますが……。
○勝澤委員 それではもうちょっと議論を進めます。私は、公団ができたとたんに国鉄の負担が出てくると思う。一つは、いま言いましたように人の問題です。公団に人がたくさん行く。いま大臣や鉄監局長が言われたように、国鉄自体の本来の仕事は十分なされていない。だから、国鉄本来の仕事をもっと重要視しなければならぬ。それでなければ事故も起きるし、過密である。ですから、国鉄は余裕がないと思うのです。余裕がないところから公団に人を持っていこうと考えているわけです。これが一点。
 それからもう一つは、公団ができることによって、これはきのうも論議があって結論が出たそうですか、新線建設については利子補給なり、あるいは時限立法ですが、将来の問題についても考えている。こういうことから考えると、公団ができたとたんに、人の面で、国鉄自体が養成をした技術屋というものは、相当部分そちらへ取られる。人が取られる。それから今度は、国鉄自体で利子補給なりなんなり、援助してもらってきたものが打ち切られるということになって、公団ができたとたんに、三十九年度、四十年度あるいはそれ以後になるかもしれませんが、相当の金額、十億、二十億という金額というものは国鉄経営にかぶさってくる。そうすると、いま言いましたとおり、国鉄本来の仕事を一生懸命やらなくちゃいかぬということと矛盾をすると思うのですが、ひとつその点についての御解明をいただきたい。
○廣瀬政府委員 まず第一点が人の問題でございますが、確かに、公団ができることによりまして、従来国鉄において新線建設に従事していた職員が約八百名程度公団にまいります。これによりまして、技術陣が減りますが、実は三十九年度の予算定員で、国鉄は従来よりも若干増員されております。したがって、抜けました八百名、そのほかに増員がございまして、国鉄全体としては、業務量が非常に張ってきているという観点から、さらに新規採用ができる余地は残されているのでございまして、職員全体としては三十八年度に比べて、公団に行く分も含めまして若干ふえてまいるというかつこうになっております。それからなお、これは重複いたしますが、公団に行く職員は、主として新線建設に従事しておる職員でございますから、そういった意味で、特にしわ寄せになるということはないと存じます。
 それから、公団側が新線を建設いたしますことによって従来国鉄が負担しておりました利子の関係であるとか、あるいは減価償却費というようなものは、公団のほうで負担いたしますので、その点は国鉄の経理には有利に響くと考えております。
 それから最後に、開業後の経営上の赤字の問題でございますが、これは、従来国鉄がやっておりますときよりも、来年度の予算にしてもふえております。従来よりも新線建設は促進されるということが考えられますので、若干経理上の負担というものはふえてまいると存じます。これは国鉄の性格から申してやむを得ないというふうに考えております。
○勝澤委員 それじゃあ、二つを別々にお話を進めていきますが、公団職員の確保の問題ですね。新線建設に携わっておった人たちだけをやるから国鉄としては影響がない、こういうお話だと思います。しかし、その前提は、新線建設を国鉄にやらせるにはもう無理だ、だから公団をつくるんだということになれば、新線建設をやっておった人たちの相当部分というものは、国鉄に残ってもらって、本来の仕事をやらなければいかぬのじゃないか。それを新しい人で補うというものの考え方は、国鉄本来ということを言いながら、ただ単に国鉄を強化するということよりも、公団に中心が置かれているように思うのです。ですから、私はそこを言うわけです。優秀な技術屋はみんな公団に持っていきます。国鉄は新規採用いたしなさい、こういう議論だと思うのです。いや、それは新線をやっておった人たちなんだから、国鉄には影響はないんだ。しかし公団をつくる本来の目的は何かといえば、国鉄に、もっと本来の仕事を一生懸命やってもらわなければならぬということになれば、新線建設に携わっておる技術屋でも、できるだけ国鉄に吸収をしておかなければならぬという理屈のほうが、国鉄を中心にものを考えて、国鉄のことを考えて公団をつくるという大臣のお話から言えば当然だと私は思います。それもここで論争しても仕方がありませんが、山田常務理事のお話ですと、公団と国鉄とは受け入れが自由なんだ、こういう御答弁をきのう泊谷委員にいたしておりました。鉄監局長のほうは、国鉄から出向させるんだ、こういう言い方をされておったわけですが、公団の職員と国鉄の職員、これはどういう取り扱いをするのですか。あるいはまた、いま建設線に携わっておる人たちというのは、極端な言い方をすると、本人の希望といなとにかかわらず、強制的にこれは公団に移されますか。その辺について……。
○廣瀬政府委員 私ども予定しておりますのは、現在新線建設に携わっておる職員が主体となりまして公団に移ってもらいたいというふうに考えておりますが、これはもちろん職員の身分に関する問題でございますから、十分本人の意見を聞いて、納得の上で行ってもらうというかっこうにしたいと思っております。
 なお、出入り自由と申しますか、これは比較的年齢の高い人と、あるいは弱年といいますかの人と違うと思いますが、年齢の高い人は、あるいは公団に行きっぱなしということは考えられると思いますが、中堅の職員というものは、なるべく自由に出入りができるようにというふうに考えておりまして、たとえば附則の第八条関係で、退職年金の通算措置であるとか、あるいは国家公務員または国鉄職員が公団に転出する場合、また公団より復帰した場合の退職手当の関係というところでいろいろ配慮しておるわけであります。実際上若い職員は出入りが自由になるというかっこうで配慮をしております。
○勝澤委員 その出入りが自由だということは、いま国鉄で施行をしている建設線におる、それが公団ができたために公団に行く、そうしてその建設線の工事が終わったら、本人の希望によって国鉄に帰れる、そのときの労働条件なり給与の問題は一切変わらないということなのですか。どうもその辺がよくわからないのです。
○廣瀬政府委員 給与の関係は、まだもう少し詰めなくてはなりませんが、一般的な観念から申しまして、国鉄の職員よりは若干高い給与というふうなことを考えております。私が申し上げました退職年金の通算措置というものは、国鉄職員が公団に転出している間に、国鉄職員であると同じ長期給付にかかる掛け金を負担し、再び国鉄に復帰した後に国鉄を退職した場合には、公団の職員であった期間を引き続き国鉄職員であったものとみなして、公団に転出しなかった場合と同様な措置がとられるというようなことを考えておるわけであります。いま退職年金の通算措置について例をあげて御説明したわけでございます。
○勝澤委員 山田常務理事にお尋ねしたいのですが、運輸省の考え方は、できるだけ建設線にいる人たちは公団に入っていただきたいという希望を持っておるようであります。国鉄から見た場合は、先ほどの大臣の答弁でも言われておりますように、国鉄本来の仕事の作業量が多くなっておる、建設線は国鉄じゃ無理だということで公団がつくられるわけですから、むろん建設線におる者といえども国鉄本来の仕事にできるだけ残して、公団のほうは公団のほうでものをやってもらう、こういう考え方に立つのが大臣の先ほどの答弁の趣旨からいって当然だと思うわけです。そういう点からいきますと、公団に行くとか行かないとかいうことは、本人の自由な意思によってきめられるものだというふうに思うのですが、どうなんですか。
○山田説明員 先ほどからお話しいたしましたように、人の数で仕事のウエートはきめられませんけれども、数で申し上げますと、工事経費支弁の職員の数が一万一千名有余でございます。そのうちで建設線に従事している者が七百九十三名でございまして、その人の数だけでは仕事の軽重はもちろん判断し得ないのでございますが、したがって、七百九十三名が建設線の仕事と同時に移りましても、これは観念的には、国鉄のその他の改良工事には影響がないと言わざるを得ないと思います。それで、個々の人にとって、公団に行くということは国鉄職員の身分が変わるわけでございますから、仕事と離れまして、その人の一身上の問題としては、一応意向を聞いて処置するつもりでおります。ただ、勝澤先生御承知のように、自分は建設線の仕事がおもしろいという人もおりますし、あるいは同じ技術屋でも、あるいはいままでの人事配置上たまたま建設線の仕事をやらされていた、その人は、あるいは改良工事の仕事をやりたいというような人につきましては、この公団設立のときも、それから将来も――たまたまその建設線が完了してしまえば、その仕事がなくなるわけでございますから、あるいは公団の中のほかの建設線の仕事に移る。ところが、その際、自分はもう建設線の仕事でなくて改良工事の仕事をやりたいということになれば、国鉄へ復帰する、こういうことになると思うのです。
○勝澤委員 私は、国鉄などでよく感じることは、たとえばいま公務員には定年制という制度がない。むろん国鉄にもないのです。ないけれども、国鉄なんかの人的構成を見てみますと、おおむね五十五になりますと、みんな退職をしているか、させられているわけです。公務員ですと、五十七、八から六十、六十過ぎの人もあるわけです。その退職のさせ方というのは強制希望退職ですね、言うならば。ことばで言うなら強制的に、とにかく希望させられて退職させられているというのが現状だと思うのです、公務員から比べたときの国鉄の扱い方というものは。ですからこの場合にも、いまトンネルをやっておる、いま橋をかけている、これをいますぐ、おれはいやだ、鉄道に入ったんだ、公団に入ったんじゃないということからいうならば、――それは常識的には公団に残ってもらいたいということの気持ちはわかる。だから私はそのときには、あくまでも強制的な希望だったということでは困ると言うのです。もし強制的な希望でもそれをやるんだということになれば、これは先ほど大臣が答弁されたこととは違反をするわけです。いま山田常務理事が言っておる中でも、大臣の答弁と食い違っておる点がある。それに、公団をつくる骨子は何かといえば、国鉄の作業量が多くなっている。そして国鉄は国鉄本来の仕事に専念してもらいたいからだ、こう言っているわけです。ですから現場で、かりにそういう建設線におったとしても、あなたは七百九十三名というものを一応考えられているようですが、できるならば、国鉄の側からいうならば、公団ができる骨子からいうならば、できるだけ公団に行くよりも国鉄に残れ、そして国鉄本来の改良なりあるいは新しい仕事なり、そういうものをやってくれと言うのが私は当然だと思うのです。ですから、それからいくと、大臣のこの公団をつくることからいくと、これは食い違っておると思うのです。そういう点で、この問題については、一人一人の職員が強制的な希望で押しつけられたんだというようなことがあるならば、これは公団をかりにつくるというたてまえからいったとしても、国鉄本来の仕事からいけば、技術屋が少しでも減ることでありますから、ひとつそういうやり方というのは改めてもらわにゃならぬと思う。
 それから次に、今度は経営上の問題です。先ほど鉄監局長は、国鉄の不利益にならない、こう言うのですけれども、三十八年ですか、三十九年ですか、四十年、あるいはその後に対しての利子補給は、いままでは建設費についての利子補給があったわけですが、現実に私は利子補給がなくなると思う。そのなくなった分については、運輸省のほうで十分めんどうを見る、こういうことなんでしょうか。
○廣瀬政府委員 これは先ほども申し上げましたように、現在国鉄の建設費に対しまして、利子相当分を予算の範囲内で補助をしておりますが、これはあくまでたてまえとしては国鉄が建設する建設費についての考え方でございますので、考え方としては、公団が建設するという場合には国鉄は七十五億出資いたしますが、これについてはたてまえとしては考えられないということでございます。この問題につきましては、しばしば申し上げておりますように、私どもとしてはさらに前向きの姿勢で検討を重ねていきたいということでございます。
○勝澤委員 大臣、国鉄は一千万節約するために、あるいは二千万節約するために、われわれの反対を押し切りながらも、貨物の駅を減らしたり、輸送方式を変えたり、合理化をやっているわけですね。それほど国鉄自体は、企業内努力で合理化を進めているわけです。この公団ができますと、いままでは建設費であったから利子補給されておった、今度は出資金になったために補給されない、こういうことになるわけですね。ですから、その分だけ国鉄経営が悪くなる。いや、それはめんどうを見ますと言っても、しかしいままでの方式でやっておるならば、建設費ですから、利子補給がなくなる。これは時限立法であっても、基本的なものの考え方は、これは鉄道建設審議会からして、建設を促進するために利子補給をするんだ、こう言われてきておるわけですから、時限立法といえども、将来に向かってこれは生きていくであろうということは、法律をつくったときのものの考え方だと思う。それが今度は出資金になるために、七十五億ずつ国鉄が出していっては、その分を国鉄が自分で調達しなければならぬということになる。ですから、私はその分だけ国鉄の経営が悪くなると思う。ですから、将来に向かって、この十ヵ年計画でも、出していく資金の中でも、やはりその分は何らかの形で考えていく。あるいは国鉄が出していく出資金をやめる。そしてもっと政府からたくさん出していく。こういうことにでも考え直さない限り、現在よりも悪くなっていくのでありますけれども、この辺についてのお考えはどうなんでしょうか。
○廣瀬政府委員 いま勝澤先生のおっしゃいました最後の、全額政府の出資にしてしまったらどうかというお考えですが、これも一つの考え方だと思いますが、やはり国鉄にも相当発言権を持たしておく必要があると思いますので、政府出資と国鉄出資と両建てのほうがいいというふうに私は考えております。いまおっしゃいました考え方も一つの考え方でございます。私どもは、建設後の問題、あるいは建設中もいろいろな段階で、国鉄と緊密な連絡を保ってやらせるようなかっこうにしたいと考えておりますので、やはり何らかのかっこうで国鉄出資とするかっこうを残しておいたほうが、全般的に考えて、国鉄、公団両方の立場からいって有利ではないかというふうに私は考えます。
○勝澤委員 そこでもう一つの問題は、たとえば、いま地下鉄へ国鉄が出資しておるわけです。今度は建設公団にも出資をする国鉄との関連、こういうたてまえから考えたら、私は一応交通の円滑なあれからいえばけっこうだと思います、しかしそれは、国鉄経営のできる範囲内でものを考えるべきだと思うのです。いまの国鉄にそれだけの余裕があるという見方は、私は実はしないわけです。余裕があるときなら、たとえば地下鉄へも出すがいいでしょう。あるいは建設公団に出すのもいいでしょう。しかし余裕のないときには、国鉄本来の企業経営をよりよくすることに中心を置くべきだ。ですから、その中心がよくならなければ、この出資というものは考えるべきじゃないだろうと思う。ですから、いまは、地下鉄は一応出しておるからいいといたしましても、今度の公団に出す場合に、公団に金を出すだけではなくて――いままでは、それについても、政府は財政上の利子補給なりなんなり援助してきたわけです。それが切られるわけです。時限立法で四十年といっても、あの法律のものの考え方からいえば、あるいは相当長い期間続くものだと思う。そういうものの考え方からいえば、公団をつくったときに、利子補給との関連の部分というものを、別のいわゆる利子補給でも何でもいいけれども、別のものの考え方で、たとえば政府が今度は国鉄に出資をしようじゃないか、国鉄にもっと利子のつかない金を出そうじゃないか、こういうふうに変わってこなければいけないはずです。それが金を出すことができなければ、また別の角度からその分として国鉄についてのものの考え方をしてやらなければならない。こう思うのですけれども、それは大臣どうでしょうか。
○廣瀬政府委員 確かにそういう考え方も私は成立すると思いますが、地下鉄、高速度交通営団に対する出資、あるいは今回の建設公団に対する出資、国鉄の経理状態は楽であり、あるいは余裕のあるものの中から出しておるとは私は決して申しませんが、あるいはことばを借りていえば非常に苦しいと存じますが、苦しい中から何とかして、やはり捻出をしてもらおうという考え方でございます。国鉄の経営全体の問題につきまして、いまの問題も含めまして、先般来から大臣が申し上げておりますように、近く発足いたします国鉄基本問題調査会というようなところで、そういったような問題を含めまして真剣な討議を重ねていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
○勝澤委員 裸の国鉄が少しくらいは子会社といいますか、何かそういうものを持つことについても私は別に反対はいたしません。いたしませんけれども、やはり本来の国鉄というものは弔う少ししっかりした経営内容の中でそういうものが考えられるならいいと思うのです。そういうものが本来の国鉄の中で考えられて、こういうふうにやるならいいし、またもうかるところにやるならけっこうだと思うのですけれども、これは赤字建設公団なんですから、配当が戻ってくるようなことはないわけです。地下鉄と似たようなものですね。ですから、そういう点からいくと、これは考えねばならぬと思うのですけれども、まあそれはその程度にしましよう。
 次に、現在新線建設の方式というものがありますね。新線を建設する場合の手続というものがありますね。それから今度は公団が成立したときの新線建設の手続というものがあると思うのです。この現在と公団ができ上がったときの新線建設の手続というものはどういうふうになるのでしょうか。
○廣瀬政府委員 鉄道の建設を実施いたしますまでの手続というものを新旧比較して申し上げますと、従来はまず鉄道建設審議会の答申、建議によりまして、鉄道敷設法の予定鉄道線路に取り上げる、それからその次の段階といたしまして、鉄道建設審議会から調査線とすべき旨の建議をいただく、その次に鉄道建設審議会から着工線とすべき旨の答申、建議を受ける、それからその次が鉄道建設審議会の諮問の上、運輸大臣の建設の許可をとる、それによりまして日本国有鉄道の定める工事方式によって工事を実施するというのが従来の工事のやり方でございます。それから公団に移りました場合には、公団が建設する場合は、まず一番最初の段階の予定線の場合はこれは同じことでございますが、鉄道建設審議会の答申、建議によって鉄道敷設法の予定鉄道線路に取り上げる、それからその次は、基本計画の決定、変更について、鉄道建設審議会に諮問をし、基本計画を公団に指示する、基本計画に基づいて、工事の実施について運輸大臣の認可をとるというのが公団の方式でございます。
○勝澤委員 そうすると、建設公団法ができても、新線建設については二本立てでもって新線が建設されていく、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○廣瀬政府委員 ちょっと質問の意味がわかりませんでしたが……。
○勝澤委員 それじゃ質問し直します。二本立てという意味は、国鉄も新線を建設する、建設公団も新線を建設する、こういう二本立てで新線というものが建設されていくものだ、こう理解してよろしゅうございますか。
○廣瀬政府委員 これは午前中お答えいたしましたが、観念的には日本国有鉄道にも新線建設の能力は残っておりますが、この基本計画によって取り上げましたものにつきましては、建設公団がこれに専念いたしますので、その間国鉄の能力は停止されるというふうにお考え願いたいと思います。もっと具体的に申しますと、現在の調査線あるいは着工線というものは、すべてあげてこの基本計画によりまして公団に建設させるつもりでございますけれども、事実上国鉄が建設をするというものは公団の存続する限りはない、したがいまして、もっとはっきり申しますと二本立てにはならないということでございます。
○勝澤委員 それはいまの局長の答弁ですと、観念的にそうだと、こう言う。観念的にそうだというのは、具体的にいうと一本立てだ、こう言っているのです。一本立てだと言っているのですが、そうですね。どうでしょう。
○廣瀬政府委員 新線建設の能力は国鉄に残しておきますが、事実上の問題といたしまして、基本計画にあげられました新線というものはあげて建設公団にやらせることにしておりますので、実際に国鉄が建設線の工事をするということはなくなると申し上げているわけであります。
○勝澤委員 鉄道敷設法のほうを見ますと、新線建設というものは国鉄と日本鉄道建設公団でやるのだというふうに法律の上では書かれているのですが、違いますかな。
○廣瀬政府委員 鉄道敷設法におきまして、第一条に「本邦ニ必要ナル鉄道ヲ完成スル為日本国有鉄道ノ敷設スヘキ予定鉄道線路ハ別表二掲クル所ニ依ル」というふうにございまして、新線建設は国鉄が行なうというふうに予定しておるわけでございますが、附則の第十二条によりまして、「鉄道敷設法の一部を次のように改正する。第三条中「敷設」の下に「及日本鉄道建設公団ノ鉄道施設ノ建設」を加える。第四条第二項中「日本国有鉄道」の下に「又ハ日本鉄道建設公団」を加える。」というふうに一応二本立てのようなかっこうになっておりますが、実際問題として、私が申し上げましたように、公団法によりまして基本計画を決定いたしまして、これによって建設公団が建設するものについては、その間国鉄は建設しないということになっておりまして、実際問題として建設をするものは公団である。これは、敷設法が残るようなかっこうになっておりますのは、一応考え方としては、公団は未来永劫続くものでないという考え方でございます。考え方としては、公団の業務が一応終了するという時期もあり得るというふうに考えまして、一応二本立てのようなかっこうをとっているわけでございます。
○勝澤委員 鉄道新線を建設するときのルールというものを先ほど聞いたわけでございますが、そのルールの一番中心になるのは鉄道敷設法だ、そういう御答弁がありました。そしてその次に、私の、国鉄がやるのか、公団がやるのかということの質問につきましては、観念的には一本ですよというお話があった。観念的とはどうなのか、観念的にも何も、法律の上で二本立てになっている、それははっきりしている、こう私は質問しているわけですけれども、新線建設が鉄道敷設法でやられるというならば、鉄道敷設法によれば、新線を建設するものは日本国有鉄道と日本鉄道建設公団だと、こう二本立てになっておるわけですけれども、もし法律の上で建設公団だけが新線建設をして、国鉄は新線建設をしないというふうにきまっておるなら、法律のどこでそういうことがきめられておるのかという点をもうちょっとはっきりさせていただきたいと思います。
○廣瀬政府委員 私の御答弁があるいはやや混同しておったかもしれませんが、観念的には日本国有鉄道に建設能力が残してある。しかし、さしあたりと言いますか、当面実際に建設するのは公団だけであるということになります。鉄道敷設法は一応公団も鉄道も両方できるようなかっこうにしておるので、生きておるわけでございます。それから、先ほど申し上げましたとおりに、一応公団の任務が終わるということになりますれば、また国鉄が建設をするという場合も考えているわけでございます。
○勝澤委員 公団の任務が終われば、そのときは国鉄がやるのだと考えている。そうすると、これは暫定的な法律だということになるわけですよ。暫定的な法律でないとすれば、あなたの趣旨に沿うとするならば、これは結局どっちが建設するかということをはっきりしておけばいい。(「半永久的だ」と呼ぶ者あり)その点が、いまの關谷先生の御意見のように、半永久的だということになるならば、これは法律というものは、一年たっても二年たっても、改正しようと思えばできるわけです。その点から考えるならば、新線建設は一、二年公団でやるのだということがはっきりしていればいいのですけれども、鉄道敷設法の上では二本立てだ、こう言っているわけです。それを局長のほうは観念的に、一本だ、こう言う。その点が実によくわからないわけですよ。鉄道敷設法の上では、とにかく国鉄も新線が建設できますよ、あるいは公団も新線建設ができますよ、そして、これからの業務の運営として公団を中心に新線建設をやらせますよ、こういうふうになるわけですけれども、その辺をもう少しひとつ解明してくれませんか。
○廣瀬政府委員 ちょっと違うのですが、観念的には二本立てになっておりますが、実際問題として、基本計画で現在着工線、調査線というものをあげて公団でやらせるつもりでありますので、実際上は一本で行なわれる。なお、公団の目的が終了すれば終わるということを申し上げたわけでございます。これはいま先生は時限立法ではないかとおっしゃいましたが、そういう場合は法律上は時限とは考えておらない。時限立法というものは何年までというのが時限立法でございまして、公団の仕事は相当長期に続くというふうに考えておりますが、この目的は、従来のおくれ、あるいは将来新線を国鉄にかわって急速に実施するというのが目的でございますので、かりにこの目的が終了すれば、これこそ観念的に公団が終了するということはあり得べしということでございます。
○勝澤委員 法律の上では二本立てになっているということは明確ですね。これはいいわけですね。それが観念的であるとかなんとかいうことは……。鉄道敷設法では、とにかく新線建設は国鉄と公団と二つでやりなさい、こうなっている。そこで、公団に仕事をやらせるのか国鉄に仕事をやらせるのか、それは、鉄道建設審議会はどちらにやらせるかという権限があるのですか、ないのですか。
○廣瀬政府委員 これは基本計画でどれどれの線、どれどれの予定線、調査線、着工線を公団にやらせるということでございまして、この基本計画を定める場合には、鉄道建設審議会に審議をお願いいたしますので、そこで国鉄にやらせたらよいという御議論が出るかもしれませんが、私どもは、この公団の設立の目的から考えまして、公団に集中して新線建設の事業をやらせようというように考えているわけであります。
○勝澤委員 局長、局長は公団法の二十条の基本計画を中心に御答弁されているのですが、私は鉄道敷設法のほうを中心に質問をしているわけです。ですから、鉄道建設審議会というのは、運輸大臣が新線建設をさせようとする場合にそれにはかるのだ、こうされているわけですね。ですから、その段階において、その新線は国鉄にやれということ、あるいは公団にやれということ、どちらにやれということも鉄道建設審議会の中身になるのかどうなのかというわけです。ですから、あなたの前提は何でもかんでも公団と考えているわけですが、これは、法律の上から二本立てになっているというたてまえからいくと、どちらにやらせるかということを鉄道建設審議会に諮問するのですか。それは運輸大臣がきめるのですか。その点です。
○廣瀬政府委員 基本計画の前に、第十九条にございますが、「公団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行なう。」ということになっておりまして、その第一項で「鉄道新線(鉄道敷設法)別表に掲げる予定鉄道線路及び同法附則第二項の鉄道線路であって、公団の成立の時において日本国有鉄道が営業を行なっている区間に係るもの以外のものをいう。」要するに、敷設法の別表あるいは附則の第二項、この鉄道線路を建設するのは、これはあげて公団にやらせるということが第十九条に明確に書いてあるわけでございます。私が申し上げますように、実際には公団がすべての鉄道建設をやっていくというふうに考えているわけであります。
○勝澤委員 そうすると、この鉄道敷設法からものを見た場合は、片方から見た場合と違う点がはっきり出てきているわけです。公団法から見れば、新線というものは、鉄道敷設法の別表は全部公団がやるのだ、こうなっておるわけですね。ですから、あなたの議論というのは、観念的に法律の上でも十九条の中ではっきりしていると思うのです。それならば、鉄道敷設法の中で国鉄自体に新線建設を残しておく理由というのがよくわからない。鉄道敷設法の中に国鉄も新線建設ができるのだということを法制上残しておく理由が実はわからない。なぜ残しておかなければならぬのか、この点を一つ。
○廣瀬政府委員 これは、先ほどから申し上げておりますように、観念的と申しますか、能力としては国鉄に置いておいて差しつかえないというふうに考えているわけでございます。
○勝澤委員 そうすると、鉄道敷設法と公団法は法制の上からはどちらが優先するのでしょうか。
○廣瀬政府委員 これは、こういうことを申し上げては非常に恐縮ですが、法律上の常識で、新法は旧法に優先するということになっております。
○勝澤委員 鉄道建設の一番基本になるのは、鉄道敷設法だと思うのですよ。ですから、敷設法に基づいてこの公団法というのは考えられてきたと思うのです。そして敷設法を見ればとにかく国鉄も公団も両方とも新線建設ができるようになっているわけです。公団法の中ではそれができないということになっているわけですね。それだったら、私は敷設法の中で国鉄が建設できるという条項を置くこと自体が問題だと思うのです。なぜ私がこれを問題にするかというと、二十条の基本計画の中で、「運輸大臣は、政令で定めるところにより、」というようになっておって、何か運輸大臣の権限で公団につくらせたり、あるいは国鉄につくらせたりすることができるような法制上のたてまえに私は見えるわけです。これはもう少し検討してみなければわかりませんけれども、運輸大臣によってそのようにできるように思われる。ですから、それで二本立てじゃないだろうかという疑問が出てくるわけです。ですから、その点は私はやはり明確にしていただきたいと思う。いかがでしょうか。
○廣瀬政府委員 はなはだ恐縮でございますが、前国会でもこの議論はだいぶございまして、それで最終的に私どもの答弁では不足だということでございますので、法制局の第四部長が出まして、この間の説明をしておりました。法制局の第四部長からは、新線建設は複数の行為であり、法令上国鉄が独占するものと書いてないから、両者の間に事実上の調整規定――第二十二条を設ければ足りるという法的な見解がございました。
○勝澤委員 私は第三条を言っているわけです。第三条はこういうふうに変わったわけです。「日本国有鉄道ノ鉄道新線ノ敷設」それからあとで「及日本鉄道建設公団ノ鉄道施設ノ建設」に関しても鉄道建設審議会にはかる。こういう形に変わっているわけですね。ですから一条、三条、いろいろと関連があると思うのです。そういう点からいってどうも私は二本立てのように思えるわけです。
○廣瀬政府委員 第三条は建設の許可のことをいっているわけであります。
○勝澤委員 それで今度は公団の経営の問題です。公団経営の問題は収支計算あるいは営業収支を考えてみると、これはあくまでもそう黒字になる公団ではないということが明確になっている。これは大臣、この公団自体が黒字になるという考えはしていないのですね。
○綾部国務大臣 たとえば青函連絡であるとか、非常に黒字になる可能性のところもあります。
○勝澤委員 そういうものが建設されるまでは、たとえば青函とかいうようなものが建設されるまでは、この公団というものは黒字になるものではない、こういう理解でよろしゅうございますか。
○綾部国務大臣 これは非常にいい線であれば黒字になるかもわかりませんが、ここで黒字になるとかならぬとか言うことは、私はやってみなければわからぬと思います。
○勝澤委員 公社とか公団とかあるいは国策会社のあり方という点について私は考えるわけです。一番その中で問題になるのは、公社とか公団とか国策会社に働いている人たちの労働条件はいかにあるべきかということが不明確です。いま国鉄の人たちは給料が安いと言っておる。そろすると国鉄は何を言うかといえば、経営の中における人件費の割合が高い高いと言うわけです。それから考えると、この公団というものは、公団の経営の中で人件費が高いとか安いとかいう論議をすべき性格のものではないわけです。いま地下鉄公団がそうでしょう。これはまる裸に採算をとったらおわかりのとおりです。だからこの公団そのものの基本の考え方というものは、あああの公団は赤字になるのがあたりまえだよ、私はこう考える。大臣も、青函連絡なんかができるまではやむを得ないだろう、こういうふうに御答弁のようですが、そう理解してよろしゅうございますね。
 それから、さっき二本立ての論争をいたしました。先ほど根岸線の話が出ましたね。ですから根岸線というようなもう三十九年度に見通しがあるようなものはわざわざ残しておくために、法律で国鉄もできるようになっておる、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○廣瀬政府委員 わざわざ残すためにと言われますと、明らかにそうだと申すわけに参らないと思います。これは結局どこで線を引くかということになりますと、国鉄が現在改造しておるのは別として、未稼働支線は――根岸線の場合はかなり完成をしておるということもありますが、現在工事中のものはあげて公団に移すというたてまえをとっておるわけであります。
○勝澤委員 ことばじりをとらえるわけではありませんが、たてまえになっておるということと、先ほど午前中に野間委員から質問がありまして、少し検討されるような答弁になっておると私は思いますが、そういうふうに問題を理解しておいてよろしゅうございますか。
○廣瀬政府委員 第十九条に明確に書いてございまして、国鉄が営業を行なっておる区間にかかわるもの以外をいうということになっておりますので、なおこの問題については検討しますが、法律上は明確になっておるわけであります。
○勝澤委員 法律上は明確になっておるけれども検討するということは、実はよくわからないわけです。そこで、これはこの前の国会でいただいた資料ですから、もし間違いならば間違いだと言っていただけばいいのですが、三十八年六月十五日運輸省から出されてきた資料ですが、昭和三十八年事業年度日本鉄道建設公団収入支出予算表というやつです。これによりますと、たとえば鉄道施設貸し付け料の収入があるわけです。これによると、この収入は一応根岸線を国鉄に貸し付けた場合の収入だというふうに説明を受けたような気がするわけですが、これはどうでしょうか。
○廣瀬政府委員 根岸線はいずれ大船まで開通するわけでありますが、開通した場合には、あるいは譲渡ということになりましょうが、そこまでの区分開業の間は、いまのところ私どもは有償で貸し付けるという考え方で一応進めております。
○勝澤委員 根岸線に費やした国鉄の建設費というのは、先ほどのお話ですと、山田常務理事は五十何億ということでしたでしょう。
○廣瀬政府委員 三十八年の十二月二十日現在で根岸線に費やしました工事費は約六十一億でございます。
○勝澤委員 その六十一億は国鉄から建設公団に出資さして、それをあと公団はどれくらいの金をかけて開通になるのですか。その結果公団はどのくらいの金額で貸し付けをするのですか。
○廣瀬政府委員 根岸線桜木町−大船間の全体の所要経費が八十七億でございます。いま申し上げましたように十二月二十日現在で約六十一億工事費をかけておりますので、あと、残り大ざっぱな数で約二十五億程度で完成するということでございます。
○勝澤委員 それで、そのあと貸し付け料は年間幾らの予定ですか。
○廣瀬政府委員 桜木町−磯子間で年間七千八百万円程度を考えておるわけであります。
○勝澤委員 六十億余の現物出資をして、二十五億公団が出しただけで有償の貸し付けということになるわけですね。ですから、これはいままでお話をしてきた運輸大臣なり、あるいは田中大蔵大臣の答弁からいって、当然この程度は無償でなければいかぬようなことになっておるのですが、無償にならないというのはどういう意味ですか。
○廣瀬政府委員 いままでの御答弁で申し上げておりますように、簡単に申しますと赤字線区は無償ということを考えておりますが、この根岸線の場合は営業計数がかなりいいというふうに考えまして、一応有償ということを考えておるわけであります。
○久保委員 関連して。――これは午前中私からも指摘したのでずが、先ほど鉄監局長の答弁は、たてまえは法案の中ではそういうふうになっているが、さらに検討したいという話が一応いまの段階の答弁だと私は聞いているんだが、それ以上に突っ込んだ話になると約束が違うと思うのですが、いかがでしょう。たとえばの話で根岸線を出したのですけれども、いま要求した資料が出ましたから何ですが、いわゆる根岸線一つの例はごらんのとおりあと百メートル程度だ、こういうのでしょう。そういうものをあえて公団に引き継ぐ必要はないだろうとこう言ったら、やはり戦線整理上あなたのおっしゃることはきちっとしなければぐあいが悪いということだけの答弁だと思うのです。ところが、いまの質問からいうと、何かたった百メートルのものを取り上げておいて、そうして今度有償で云々というのでは話が違うじゃないか。何か有償で貸し付けるために取り上げるという格好になっておるが、それではどうも公正ではないのではないかというふうに思うし、それから先ほどのこの敷設法の改正と関連して、新線建設は、二本立てで観念的だという答弁だったが、観念的でも何でもないのですよ、実際は。実際問題は、こういうものに対しての余地を残さなければうまいぐあいに戦線整理ができないと思う。そういう意味でもやはり国鉄の新線建設は、改正条文どおり具体的に残すのがほんとうではないかと私は思うのです。いずれにしても答弁は先ほどの答弁のとおり、これはさらに検討したい、こういう話ですから、私はそれを待っていたわけです。ところが、いまの話だとそうではなくて、そこの先の話をしておるから約束が違う。もしそうだとすれば、話は蒸し返しになるから、具体的に聞かなければならないことになるのですが、いかがですか。
○廣瀬政府委員 おことばでございますが、先ほど私が答弁したとおりでございます。ただ、ただいま勝澤先生がこの前出した資料に基づいて、根岸線の七千七百万円はどうかということをお聞きになりましたから、この計算はこういう計算でやったということでございます。
○久保委員 鉄監局長の答弁がそのとおりなら、前段、まくらことばを使わなければいかぬですよ。その当時の計算は、先ほどの冒頭の説明どおり、公団発足の時点において、どんなものであろうとも未稼働資産の全部を引き継ぐという、そういう前提に立っての計算であればそれでよろしい。そうでないからおかしくなるのです。そうですね。
  〔発言する者多し〕
○川野委員長 静粛に願います。
○廣瀬政府委員 午前中私が答弁したとおりでありまして、いま勝澤先生の御親切に補足していただいたとおりであります。したがいまして、貸し付け料その他は今後十分に検討いたします。
○久保委員 私が申し上げておるのは、先ほどの答弁でも、午前中の私の質問に対して、何か考えるというような意味で御答弁になった。それが一つの新しいお話です、そのあと勝澤委員から御質問の分は、去年の資料の出どころの計算はどうか、こういうことなんです。だから私の質問とは関係はないということですね。――そうですね。
○勝澤委員 実はよくわからないのですよ。もしよければわからないままにしておきますけれども、もう少しわからないので、はっきりしておかなければならないのは、いま具体的に出ておる根岸線です。これは公団で引き継いで、有償で貸し付けると考えておるけれども、公団で引き継ぐかどうかについても検討し、貸し付け料についても検討する、いまの結論を集約すると、こういう意味でしょうか。それならそれで了解しますけれど……。
○廣瀬政府委員 蒸し返すことになりますが、午前中の答弁のとおりで、法律の条文から申しますと、根岸線は公団に引き継ぐと私は申し上げたのでありますが、この問題についてさらに考究をするということもございます。
○田中(織)委員 ちょっと関連して。――午前中野間委員の質問にもこの点は答えられているのですけれども、実際の問題として、建設以後赤字が予想される関係から、有償という原則は貫きにくいという意味のことを認められたのではないかと私は思うのです。
 そこで、いま具体的な根岸線の問題が出ておりますが、あと二十五億公団で金を投じないことには、根岸線は完成をしないわけですけれども、現在まですでに六十一億かけたものを現物出資をして、その上で完成したものを有償で貸し付けるということになると、これは赤字であるか黒字であるかということの議論に戻るわけですけれども、採算上から言うならば、そういうようなものを有償貸し付けをするということであれば、国鉄の会計に対する負担が軽くなるということではなくて、逆な結果になるのではないか、こういう問題が出てくるので、やはり貸し付けは状況によって有償か無償かということについての検討をすることになっているのですけれども、たまたま出てきた具体的な問題として、やはり根岸線の場合のようなものですら有償ということは無理じゃないか、こういう議論が出てくるのじゃないかと思うのです。そういう点検討されたことはあるのでしょうか。
○廣瀬政府委員 有償無償問題は、国鉄に、端的に申しますと、大体赤字経営になりそうなものは無償であるというお話を申し上げておるわけでございます。営業係数が比較的いいものは、これは有償ということで考えておるわけでございます。たまたま例が根岸線にまいりましたので、私どもがいままでいろいろ算定したところによりますと、根岸線は黒字になりそうだということで、一応の計算をしているわけでございます。
○勝澤委員 そこで、有償か無償かきめるのは、法律の上からは運輸大臣だけでできるわけですね。どうでしょう。
○綾部国務大臣 できます。
○勝澤委員 そうすると鉄監局長、赤字のものは無償だ、黒字の毛のは有償だ、その赤字の補てんはどこでするのかと言えば、やはり黒字路線である程度補てんしなければいかぬ。赤字のものは全部赤字でもって無償でいい、黒字のものだけ金をよこせ、その押しつけられた赤字線の負担はだれがするかということです。ですから、その赤字線を無償で貸せるのか、有償で貸せるのかということを運輸大臣の権限とするならば、国鉄経営の上からいって、たとえばいま出ておる根岸線のような毛のは無償で貸し付けるのが当然だと私は思うわけです。しかしそれを、運輸大臣の麾下にある鉄監局長としては有償にすべきが妥当ではないか、かりにこういうならば、有償無償にする限度というものを、もう少し厳密にわれわれに示していただきたい、いかがでしよう。
○廣瀬政府委員 貸し付けのこまかい問題は政令できめるわけでございます。しかしこの前の国会からいろいろ論議がされておりますので、それを要約いたしますと、私が申し上げましたようなかっこうになるということで、こまかい基準等は政令できめることになっております。
○勝澤委員 たとえば根岸線のような場合は、当然無償で貸し付けられるべきだ、こういうふうに私は思うのですけれども、この点はいかがですか。
○廣瀬政府委員 基準は政令できめてまいりますが、これは大蔵大臣とも協議をいたしまして、今後貸し付けの基準等について具体的にきめてまいりたいと思って、ただいま検討中でございます。
○勝澤委員 そうすると根岸線のような場合、有償にするか無償にするかということについては、今日の段階では答弁できない、こういうことですね。
○廣瀬政府委員 そのとおりでございます。
○勝澤委員 そうするとこの前大蔵大臣がここへ来て答弁したのと、いまの鉄監局長の御答弁とは少しニュアンスの違いがある。私は、大蔵大臣の答弁によれば、当然そういうものは無償で貸与せらるべきものだというふうに理解しているわけです。しかしそれを無償か有償かいまの段階で言えないということになると、そうすると大蔵大臣の答弁もちゃらんぽらんのうそじゃないだろうか、こういうことになって、もう少し煮詰めなければならぬと思うのです。なぜ有償無償の限度が大事かというと、それは先ほどから言いましたように、公団をつくる本旨というものは国鉄本来の仕事をもっと一生懸命やってもらおうということなんですが、それがこの公団ができたために国鉄経営が圧迫される、そして本来の仕事である保安対策なりあるいは改良なりが少しでもおくれてはこれは申しわけないわけです。そういう点から私は思うのですが、その点はどうなんでしょうか。
○廣瀬政府委員 先ほどから申し上げておりますように、有償無償の区別は結局当該線区の採算性が国鉄の経営状態ではどうかということでございまして、もう少しわかりやすく言えば、赤字線区のような毛のは無償、それから一応採算に乗るものは有償ということを考えております。先ほどの根岸線の話に戻りますが、私どもが試算いたしましたところによりますと、これは採算ベースに乗りそうだということで有償ということを考えております。この問題はさらにもう少し検討いたします。
○勝澤委員 その新線を全部公団だけでつくったのならば一応いまのものの考え方は私はわかると思う。しかし、その新線の大部分というものは国鉄がいままでかけたわけです。公団はほんのちょっぴりしかかけなくて、そうしてお前に貸すには銭を払え、こういうのはちょっと私は理屈が合わぬように思う。そこでどうなんでしょうか、まだこれはこの次また審議されるようでありますけれども、有償にする無償にするというものの考え方、あるいは政令の原案というか、そういうものは運輸省の中で、この法案審議の過程で資料として出すような用意があるかどうか、いかがでしょうか。
○廣瀬政府委員 政令案につきましてはまだちょっと時間がかかりますが、原則は先般来の国会で大蔵大臣あるいは運輸大臣がかなり明確に伝えられておりますので、それに基づきまして政令をつくってまいりたいという考えでおります。
○勝澤委員 基本的に言えることは、その線が赤字だから無償だ、黒字だから有償だ、この原則的なものの考え方はけっこうですけれども、それじゃその赤字線の補てんはどこでするのか。何も補てんするところがないという点については、少し私は問題があると思います。
 それからもう一つは、根岸線のように、国鉄が大部分のものを建設して、あとちょっぴりしか残っていない。それが移されて、同じものの考え方の中で有償になるということについては、これはやはり再検討をされなければならぬのじゃないだろうかと思う。ひとつその点についてはまた検討をしていただくとして、次に問題を発展させますけれども、この建設公団法とそれから社会党から私が先般提案いたしました鉄道新線建設緊急措置法と二つ出ておるわけです。この二つ出た場合に、二つ出ている法律の中身を見れば、ものの考え方としては、私の一番最初に大臣に御質問いたしましたように、国鉄でやるか公団でやるか、政府直轄の特別会計でやるかというこの三本立ての考え方から言うならば、社会党の案も鉄道建設審議会の建議に沿ったものだと私は思うわけですが、大臣、この社会党の案は鉄道建設審議会の建議に沿ったものであるということは御確認できますか。
○綾部国務大臣 その点においては確認いたします。
○勝澤委員 そうすると、社会党も新線建設について熱心にやっているということについては、これは大臣認めますか。
○綾部国務大臣 非常に熱心にやっていただいていると私は確信いたします。ゆえに、どうかひとつこの法案を早く通していただきたいと思います。
○勝澤委員 それで、大きな相違点は、公団か国鉄かという論議は別として、もう一つの相違点というのは、国で積極的に金を出すようにしていくという点が違っていると思うのです。違っておるという言い方がもし間違いだとするならば、公団については不明確になっているけれども、社会党の案のほうは積極的になっている。われわれのほうは政権を持っている、あなたのほうは野党だ、こういう違いがあるとするならば、これはやむを得ないのですけれども、そういうような違いがある。ですから、そういう点からいくならば、やはり鉄道新線建設については与野党あげて協力をしておるわけでありますから、こういう点については、公団ができれば新線が建設される、促進をされるというものの考え方よりも、新線建設について与野党がとにかく予算をふやせという努力をしているが、こういうふうに理解してもらわないと、いまこれは政府が説明しているわけじゃないですけれども、公団さえできれば新線が建設されるという淡い宣伝が行き渡っている。われわれはそうではない。公団ができるかできないかということと、新線建設に与野党が、あるいは政府がどれだけ金を出すかというのが中心になっている。こういうことでありますが、その点は大臣もとくと御銘記を願いたい。
○綾部国務大臣 たびたび申しますように、社会党の案でもできぬことはないのです。ただしかし、われわれがたびたび申しますように、この建設公団法でやるほうが、よりベターだという考え方を私は持っておる。もちろん新線建設、鉄道建設を否定するような政党はおそらくないと思います。非常に協力していただいておるということは了承しております。
○勝澤委員 これはさっき論議はやめたのですけれども、大臣はよりベターということしか言わない。それでは具体的にどこがどうで、よりベターなのかという質問をしても、これは大臣御答弁に困るだろう。よりベターということばは、ことばでしか答弁ができない。ですからわが党の案をそうけなさないほうがいい。わが党の案がいいというのは、政府の部内にもあるいは与党の中にもたくさんあるわけです。
 そこで、私は次に今度は国鉄敷設法の問題で御質問したい。国鉄敷設法というのは、これは大正年間につくられた法律です。ですから鉄道の新線建設について、鉄道敷設法というものが私は検討すべき段階にきておるのではないだろうかと思う。鉄道建設審議会というものが、総合的なものの考え方というものを十分とっておられるならいいわけでありますけれども、鉄道建設審議会が、いまいろいろ出されておるものを一つ一つの路線について検討してみると、与野党を通じて、ここは鉄道より道路のほうがいいんじゃないだろうかという気持ちを持っておるのがたくさんあるんじゃないかと思う。これはほんとうの話です。新線をつくってくれと言って大臣のところに陳情に行く人の中でも、選挙の関係でいって、道路のほうがいいんじゃないかと思っておる人もなきにしもあらずだと思う。これは与野党を通じてそうです。そうすると新線建設というものは、もう少し科学的にしっかり突き詰めて、今後も道路なりあるいは全体的な交通行政の中で考えていかなければならぬときにいまきておる。そうすると、鉄道敷設法に盛られておるもろもろの問題というものは、この際やはり再検討しなければならぬ。ましてや綾部運輸大臣のような力の強い大臣のおるときでこそ、こういう法律を検討しなければ、ほかの大臣のときにはなかなかできないと思う。ですから私は、鉄道建設についても敷設法についても、再検討すべき時期にきておるというふうに思うわけでありますけれども、その点いかがでしょう。
○廣瀬政府委員 事務的に御説明いたします。鉄道敷設法、これは大正十一年に制定されたものでございますが、その後やはり時代の推移に応じまして、逐次改正が行なわれてきております。そういった意味で、決して時代おくれではないと思います。そのときそのときの状況に応じて改正が行なわれてきております。なおこの鉄道敷設法に基づきまして、調査線を取り上げ、さらに建設線に昇格するという場合に、従来鉄道建設審議会におきましては、勝澤先生の言われましたような、たとえば業者との関連、その他十分審議を尽くされまして、調査線なり、着工線の決定をされておりましたのが従来の経緯でございますので、事務的な面だけ御説明いたします。
○勝澤委員 事務的な御答弁をされれば、事務的な点で意見が食い違っておるわけです。たとえば鉄道建設審議会の委員の中の日本国有鉄道のかつての総裁である十河信二氏は、かつて新線を建設するよりも線路をはずして自動車にしたほうがいいんじゃないだろうかという意見を出しておる。国鉄もその方針に従って線路をはずして、自動車道をくっつけていた政策を行なってきた時期があるわけです。ですからそれといまの予定線なり着工線というものを一つ一つ洗ってみれば、事務的にこれはと思うものがあるはずなんです。もしないとするならば、それは局長が事務的に御答弁しておるのではなくて、政治的に御答弁しておるわけです。ですから私は運輸大臣に御答弁を求めておるわけであります。鉄道敷設法というものの持っておる中身というものについては十分検討しなければならぬ。しかし、検討するといったってたいへんなことです。与野党を通じて、与党の中でも政府の中でもたいへんなことです。たいへんなことですけれども、実力のある大臣でないとできないわけです。ですから、実力のある大臣である綾部運輸大臣がやっておるときに、やはりここらは手をつけておかなければいけないんじゃないだろうかということで、鉄道敷設法という問題について、公団をつくろうとなさるならば、ここら辺についてもある程度の検討をされておかなければいけないんじゃないか、実はこう思って申し上げておるわけであります。大臣、もし御答弁があるならば御答弁願いたいと思います。
○綾部国務大臣 勝澤君の意見よく了承いたしました。
○勝澤委員 あといろいろお聞きしたい点がありますけれども、大蔵大臣が見えるようでありますから、そのときにまた前回の大蔵大臣の答弁と、今回の答弁とを引き合わせながら、私が聞いた中で少し食い違っておるような気持ちがする点について確かめたいと思いますので、私の質問はこれで終わります。
○川野委員長 肥田次郎君。
○肥田委員 私は今度の国会になりまして、この公団法が審議されておりますが、この公団法の審議は、前回も今回もさしてこの審議の焦点というものは変わっておらぬと思うのです。この提案者側のいうところの国鉄新線建設はいままでの状態ではとても政府が考えておるような高度経済成長政策に間に合わない。そこで、国鉄側の資金的な面その他を考えてみると、とてもここにまかしておったのじゃ、これはどうにもならぬから、したがって新しく建設公団をつくって、それで政策にマッチさせていくんだ。こういうことになっておるわけであります。そこで、百歩をかりに譲ったとして、ではこの公団がつくられた暁に真に政府が考えておるようないわゆる新線建設というものが意欲的に資金的な対策も講じられておられるのかどうか、ここに一番の疑念があると思うのです。先般来、だれの質問を聞いておっても、問題の一つはそこへしぼられておるのです。で、私もやはり問題の焦点はそこにしぼらなければ結論は出ないと思うので、私もお尋ねをするわけですが、これは御承知のように、昨年の通常国会で衆議院は社会党反対ということでこれが通りました。採決になりました。参議院では、これはそのままいわゆる時間切れで審議未了という形になっておる。しかし現実にいま急いでおられるように、いろいろと具体的な計画もおありのようですが、これはなんですか。まず問題の一つであるところのこの公団ができたものとして、それらに対するいわゆる上層部の役員、そういうものはもう内定しておるのですか。これはもう当然できておるでしょうね。
○綾部国務大臣 さような僭越なことはいたしません。もちろん、ほんとうにこの公団を通すことそれ自体にこん身の努力をあげまして、私をはじめ運輸省職員はみなそれをやっておりまして、いま実際には何もできておらない。
○肥田委員 昨年これを審議している際には、ちらほらうわさにわれわれの耳にしたこともあるのですが、これは全然ないのですか。
○綾部国務大臣 うわさはありますが、私どもとしては考えたことはありません。
○肥田委員 うわさを聞くということも、これは少し無理なように思うのですが、しかし意中の人はあるのですか。
○綾部国務大臣 なかなかむずかしい問題で、意中の人はあるといえばある、ないといえばないという状態じゃないですか。それは実際にこっちが考えておっても向こうが実際来てくれるかわからないし、ほんとうに白紙です。もうひたすら、ほんとうに公団が設立されまして、社会党の諸君も新線建設に非常な御熱意でございますから、私はやはりこの公団ができて新線建設ができることが非常に新線建設を促進するゆえんであるという確信だけは持ってお願いいたしております。
○肥田委員 なかなか大臣慎重でして、答弁してもらえないのですが、それはそれといたします。ところが大臣も言われるように、社会党が考えておるところの新線建設というものは、これは非常に角度が違うものだと思うのです。先ほどからわがほうの委員がみな言っておるように、社会党が、われわれが考えておるところの新線建設というものは、むだなものはこの際整理してしまって、緊急に地域格差の是正だとか、あるいは真に必要なものについてはすみやかにやらなければいかぬという、こういう意味の新線建設をわれわれは言っておるのです。決してこの四十年間くすぶったままになっておるところのこの予定路線としてあげられた二百三十何線かの、こういうものを逐次やっていこうというような気は毛頭ない、毛頭ありません。ですから、その点では全くわれわれの考えておる新線建設というものは、角度の違ったものだということを理解してもらわなければならぬと思うわけです。
 そこで一番問題になりますのは、私はこの計画の信憑性だということにかかっていると思います。新線建設を公団でやらそうということで、公団と国鉄とのいろいろな技術的な扱いの問題、こういうふうな問題も一応質問に出てまいりましたから、私がなお確認をしておきたいと思うことは、いまここで出していただきましたが、たとえば三十九年度の「開業予定建設線一覧表」というのがいま出てきました。これは結局概算すると、私は短い時間で大ざっぱに計算したのですが、すでに国鉄のほうで出しておるのが百四十六億ぐらいこの六線には出しておるという計算になります、昨日いただいた資料から見ますと。それからこの総工費というものを計算すると二百五十九億九千六百万円、こういうことになるわけです。この差が百十二、三億になりますけれども、これは疑うわけではないのですが、資料や計画というものですから、いままで国鉄がやってきたものをそのままちょいとつまんでもうすぐ来年度中に大体できそうだというやつをわれわれの資料、計画として見せてもらったわけですか、これはどうなんでしょう。えらく手ぎわがいいので、その点ちょっと聞いておきたいと思う。
○廣瀬政府委員 これは午前中に久保先生の御要求によりましてつくったものでございます。これは昨年じゅうから大体この点につきましては国鉄でこういう開業のめどを立てております。これは今後そう変わることはないということで、かねてあった資料をそのまま提出したわけであります。すでにつくってあった資料を出したわけであります。
○肥田委員 そういたしますとなんですか、かりに公団が成立をしたとすれば、こういうふうにやられるということになるこれは間違いないのですか、たとえばこれにはこうなってまいりますと、地域的に三十九年度においては北海道、それから神奈川の根岸、これはだれの目にもできているように思っているくらいですから。それから石川県能登、これだけのものはできるんだという、みなこういう期待を持つことになるのですが、そういうふうに理解してよろしいですか。
○廣瀬政府委員 これは従来の鉄道建設審議会にはかりまして、資金の配分を一応きめておりますので、多少の差はございましても、大体この開業年月日には完成するというふうにお考えになってけっこうだと思います。
○肥田委員 これは現在まで国鉄のほうで現に着工して進んできておったわけですから、急にこれがどうこう変更されるということはなかろうと思いますから、これは信用いたします。
 ところで一番問題になるのは、これから以後の、四十年度以降のいわゆる建設計画というものは、これは当然公団ができるというふうにあなたのほうでは考えておられるのでしょうから、そういう一切の事務は、監督上の問題はともかくとして、そういう具体的な計画というものは運輸省にはないのですか。公団まかせになるわけですか、どうでしょう。
○廣瀬政府委員 昨日お示しいたしましたのは、運輸省部内でつくりました素案でございますが、一応年度的な資金の計画というものは持っている、これを具体化してまいりたいと考えておりますが、今後の問題につきましては、公団ができるということを前提といたしまして、鉄道建設審議会にはかってきめていくわけでございます。
○肥田委員 そこの関係が実はよくわからぬので、これはひとつ教えていただきたいという意味も含めて聞きますが、すでに四十三線の着工線と十五線の調査線というものはもう決定しておるのでしょう。そうすると、鉄道建設審議会のほうでは、今年度何をやりなさいというようなことまで口出しをすることになるのですか。
○廣瀬政府委員 もちろん着工線、調査線というのはすでに御建議をいただいておりますが、従来の例といたしまして、これは全体の資金量にも関係いたしますが、毎年どの程度線別に工事費をつぎ込んでいくかということは、鉄道建設審議会に一応おはかりしているわけでございますが、そういったかっこうになるかと思います。
○肥田委員 鉄道建設審議会の意向というよりも、資金や何かの助力というのですか、そういう形の上でさらにその年その年の具体的な計画を立てていこう、こういうことになりますか。
○廣瀬政府委員 従来の例といたしまして、大体線区別に概略どの程度のウエートをもって金をつぎ込んでまいるかということをおはかりしているわけでございます。それから調査線にいたしましても、どの程度の調査費をつぎ込むかということを建設審議会で重要な問題でございますので、おはかりしておりますので、この形態は公団が成立いたしましてもやはりおはかりするということになろうかと存じます。
○肥田委員 そうすると、鉄道建設審議会の意向というものは、どの程度のいわゆる力を持つものですか。たとえば運輸省の考え方と鉄道建設審議会の考え方とが相異なる場合が出てくると思うのです。そういう際には鉄道建設審議会の建議というものが優先しますか。
○廣瀬政府委員 従来鉄道建設審議会に重要な問題につきましてはいろいろおはかりをし、建議なり答申をいただいておりますが、政府といたしましては、これをつとめて尊重いたしてまいっております。実際問題として政府の考え方と建設審議会の考え方が著しい違いを見せたということは従来ございません。
○肥田委員 鉄道建設審議会の意向を尊重するということですが、これは水かけ論になるように思いますが、私はしかし尊重するというところに問題が生じてくると思うのです。もちろん、鉄道建設審議会の意向を無視せよとは言わないのですが、運輸省として当初われわれがここで審議する際に基本的な議論をやりましょう。そうしていずれかにしても運輸省としての省の意向というものが明らかにされて、それに従ってでき上がっていくわけです。それが大きな開きはないだろうという想定のもとに、ものごとをこれから先の十年間というものを予測していけるかということになると、これは問題があると思う。たとえばここにいま出されているところの、泊谷委員から言われてきのう出たところの資金計画にしても、これは全く、こう言っては失礼ですけれども、国鉄から出さす。十五億というものは、これはもういや応なしにむしり取るということで、十年間七十五億ということでずっと載っている。ところがあとの問題は、これは大臣もきのう言われておったように、これからの折衝という面がある。それからさらに重大なことは、どの線を優先的にやるか、どの線がいわゆるいうところの経済上あるいは格差解消上重要な路線として指定されるかというようなことが、これは鉄道建設審議会の意見を待つことはもちろんでしょうけれども、しかし今日まで専門家である運輸省が、諸条件からしてこれは最も大切なんだという意見が先に出るべきだ。そういう意見が先に出て、そういうもとに立ったところの具体的なものが示されて、それに対応する資金計画というものが出されてくる、こういうことなら、われわれはそれに対して非常な信憑性があると思うのです。それがいまここへお出しになっておるのは、ここに書いてある数字を見ても、本来なら初年度のことし三十九年度、これは三十八年度からの繰り越しがありますから、そういうことで百億になった。実際に意欲的に鉄道建設公団というものが新線建設をやって、真に高度経済成長政策にマッチさせる、一面には著しくなろうとするところの格差を是正しようとする、こういう大方針に基づく計画であるならば、初年度における予算というものは、もっともっと取れるはずであると思っている。ところが国鉄が出すところの七十五億、それに対してたった五億を足して、三十八年度の資金計画というものがなされた。去年のものを繰り越してことし百億という形になっておるんです。これのどこに私は信憑性があるかということなんです。今年度の計画は、これはいままでのいわゆる行きがかりですから、国鉄の計画をそのまま建設公団は申し送りを受けるのですから、これはたいして問題ないのです。ところが今後はそうはいかないでしょう。そういうところが、この国会が始まってこの法案の審議をするについての問題点であったと私は思うのです。
 そこで、この信憑性ということで私はひとつお伺いをいたしたいのですが、これは大臣にお伺いいたします。ことし運輸省の予算要求の中で、特に交通対策として重要な項目であるとわれわれが考えておったいわゆる都市の鉄道の高架公団というようなもの、あるいは自動車のターミナル公団、こういうものが当初においては、高架のほうでは政府の出資が二億円で、財政融資は四十五億円、それから自動車ターミナル公団のほうでは、政府の出資は五億円で、財政融資が七億円、公団債が三十四億円、こういうふうな要求というものを見せてもらったわけです。これに大いに期待をしておったんですが、これが全くはなもひっかけないということで、今度見せてもらったときにはみなゼロになっておるんです。それで都市の鉄道の高架化の問題については、私は昨年大臣にいろいろと意見を言っておりますからこのたびは申し上げませんが、この自動車のターミナルという問題は、これは私は今日の交通事情からして非常に重要な問題だと思っておるのです。御承知のようにもうこれは、たしか去年の春でしたか私が聞いたことなんですが、東京都のラッシュ時の自動車の平均速度はわずか時速八キロだということを聞いたのです。まるで歩いているほうが早いくらいなんです。そういうような事情で昨年から問題になりましたところのいわゆる六大都市のバスの料金の値上げに対して陳情がきておる。これは誤解されちゃ困りますが、バス料金を値上げをしなさいということをわれわれが言っておるのではない。けれども地方公営企業としてやっているところのバスが、とにかく赤字で困る、こういう訴えをしてきていることは事実であります。なぜ赤字になるのかという原因をいろいろ調べてみますと、その原因の一つに交通難という問題が大きく取り上げられておるわけであります。要するに平常のダイヤどおりに車が動きさえすれば大して問題でない。ところが、いま言ったように交通難のために、自動車が思うように動かない。ある程度予定ダイヤというものを組んで、そしてそれによってバスを動かそうとしても思うように動かない、結局平常ダイヤといわれるところの基準の二倍から三倍の、いわゆる車両人員というものを保有しなかったならば、乗客の輸送ができない、こういうことも聞いておるわけなんです。こういう状態になってくると、大きなむだがそこにあるわけですね。御承知のように、本来なら一台あれば足りるところを車が動かないために二台、三台と要る。それに従って人も用意しなければ乗客の輸送ができない。こんな大きなむだがいわゆる交通困難の中から出ておるわけです。そういう重要な交通政策に必要な、いわゆるバス・ターミナルの経費というものが全くはなもひっかけられないで一蹴をされてしまう。こうなってまいりますと、私は運輸省をどうこう言うわけじゃない。政府そのもののものの考え方というものがおよそわれわれと全く別な立場で考えられておるのではないか、こういう気がするのです。ですから、鉄道建設公団というものがつくられたとしても、これは実はわれわれが考えておるような、いわゆる必要な線路をすみやかにつくって、それによって経済の隘路、地域格差の解消ということに役立てようというような、そういうわれわれの基本的な考え方とは全く相反するのではないか、こういう気がするのです。ひとつそのあたりの関係について、なぜ喫緊を要するところの重要ないわゆる地方都市に周縁しておるところの鉄道の高架化の政府出資やその他の財源、バス・ターミナルの考え方というものが一蹴されてしまったのか、この点をひとつ大臣に聞かしていただきたいと思うのであります。
○綾部国務大臣 いま肥田さんのおっしゃったような理由で、私どもとしては予算を折衝いたしましたのでございますが、御承知のように財政はそのときの国の収支、すなわち財政に依存する度が非常に多いのでございまして、国鉄なら国鉄あるいは高架線なら高架線だけにすべてを集中するということはなかなか困難でありますそうしておのおの緩急をあらゆる角度から調査検討いたしまして、これが一番喫緊の要務である、たとえば社会保障の問題をやることがどうしても必要だ、あるいはまた外貨獲得の上から海運対策に力点を置いて、そして外貨の収支をよくするように努力するのがより必要だというような、あらゆる点を勘案しまして予算の配分がきまるのでございまして、本年度におきましては、私どもといたしましては、どうしてもこの建設公団だけはひとつやらなければいかぬという観点に立ちまして、この鉄道建設公団法を昨年同様提案しておるのであります。私ども微力でございまして、その全部のことを満足するような予算を取り得なかったことは、はなはだざんきにたえませんが、そういうような理由で順次あなたのおっしゃるような高架線の問題、高架化の問題、あるいはバス・ターミナルの問題も私は実現していくと思います。あるいは今度はまた大きな問題として、運輸省所管といたしましては、国際空港の問題、あるいは海岸その他で頻発する人命を尊重する意味からいきまして、海難防止に役立ついろいろな救護施設の充実、そういうようなことを順次勘案いたしましてできておるのでございまして、国の三兆何千億円の収入があるのを、それを全部一ぺんにやれば解決しますが、本年はとりあえずオリンピックという非常に金を食う、しかも国家的事業として重要な点におそらくは集中しなければいかぬということで予算の配分がされて、残念ながらいまの三十九年度の予算案につきまして、あなたのいまおっしゃったようなバス・ターミナルであるとか、高架化公団等が成立を見なかったことであると思うのでございます。私も今後努力いたします。またそういう必要性は万般承知いたしておるのでございますが、国の財政の都合上こういうふうになったということは御了解いただけると思うのでございます。
○肥田委員 どうもその点は、残念ながら大臣の言われることに私は大きな矛盾を感ずるのです。バス・ターミナルだとか、あるいは都市にターミナルを持つところの地方鉄道の高架化というような問題は、これはどうしてもやらなければならぬこれからの大きな課題になっている問題なんです。だからこれは一日も早く手をつけてもらわなければならぬ、われわれはこういう考え方を持っているのです。ところが、こうして引き続いて出されたところの鉄道建設公団というものは、これは現在事足りておるのですね。私はそこに問題があると思うのです。ですからいままで国鉄がやっておって、そうして国鉄にまかせておったのでは、間にも拍子にも合わない、こういうある程度のことはあるとしても、その比重を現在の交通難の問題と引き比べてみると、私は要は国鉄の新線建設というものは、大正十一年以来今日まで四十数年続いてきたところの、この積み上げられたところの予定線というこの膨大な二百三十一線というこの数が、今日の障害をなしておると思うのです。これを整備して、重点的にここに新線建設をやろうという方針がきまれば、これはやれるのです。その方向へ少しも手をつけないでおいて、そうして国鉄の現状では国鉄に新線建設をまかしておけない、だから公団をつくってやるのだ、こういうことは公団に一文も金が要らないのなら、これは別ですよ。けれども、そういうことじゃないわけなんです。だからその方向に何もスイッチを切りかえないでも、現在どおりでやれるじゃないか、現在どおりやらしておいたらいいじゃないか、そうしておいて、片一方で必要な施策に手を染めるのが、これが政治ではないか、こういうふうにわれわれは考えるのです。今日の交通事情というものを大臣も御承知のように、要は、いわゆる事業者がそれぞれの自力でやっておるだけなんです。警察は交通が混乱するといえば、交通警官を出して、ただ単に整理をしておるにすぎないのです。これがプラスになっておるというのは、ただ整理するというのをプラスと見れば見られる程度で、これは本質的には交通緩和ということにはならない、そういうものなんです。片一方ではそれぞれの企業はみんな自力で一生懸命やっておる。政治のありがたさというものは、そこいらには及んでおらない面さえある。そういうものにこそ政治の力を発揮して、資金をつぎ込んで、すみやかに解決をしなければならぬ問題は次の年だということになって、われわれがさほど必要じゃない、今日まで十分やれておったのだから、要は内容を整理しさえすればやれるじゃないかと思われるような鉄道建設公団法というものが再び出されてくる。しかもその内容については、われわれが納得できるような条件というものが明確に示されない。こういう実情では、どうも私はこの鉄道建設公団法を審議するという意欲がわかないのです。はたしてこんなものが必要なのかという疑問を私は持っておるのですが、いかがでしょうか。
○綾部国務大臣 たびたび申しますように、ものの見方の相違でございまして、ここでいつまでも議論したって平行線であると思います。私はどうしても長い目で見て、この交通政策、交通緩和の問題でもいまのうちにやっておいてやらないと、格差の是正もできぬし、また経済の発展も望めないから、いまのうちにまず鉄道だけは早くやろう、こういう観点で、私はあなたのおっしゃるのとものの見方の相違だろうと思う。どうしても私としては建設公団を早くやらないと、だんだん格差がはなはだしくなりまして、経済の面に非常に無理が及んで、日本の経済の発展ができぬということは、国民の生活が豊かにならないということになるので、私は必要である、こういうように考えておるのであります。ものの考え方の相違で、これはいつまで議論したって尽きないと思います。
○肥田委員 これは大臣の人柄で、私たちは大臣がそう思われても別にことさらどうこうと言うことはないけれども、ほかの人ならこれは承服できませんね。それはいわゆる見解の相違というような性質のものではないと私は思うのです。そういうものではございません。先ほどから私が一つの事例をあげて言っておるように、鉄道新線建設というものは現に法律があって、国鉄がやっておるじゃないか。国鉄がいまできないのは人が足りないということじゃないのです。金がないからというだけなんです。そうしたら新線建設を、今度は公団をつくって、そうして公団から十分金が出るかということになってくると、いただいた資料にあるように、国鉄が七十五億出して、去年は政府が五億出す、それで八十億、ことしはちょっぴり去年の送り分を足して、それが百億ということになった。来年度はちょっと奮発して、それでもこれで見ると四十年度は二百億です。この二百億というものはどうだろうかということでお聞きしたところが、大臣のおっしゃるのには、大蔵大臣とは大体話をしておるけれどもと、こういうことなんです。そうすると泊谷委員は、そんなことじゃ信用できぬじゃないか、せめて意向というものをもっとはっきりできないのか、こういうふうに言われておるわけなんです。これは見解の相違だと言えましょう。いやおれにまかしておけ、こう言われれば、それは私たちも大臣の力を信頼してということになると思うのです。しかし私の言っておるのはそういうことを言っておるのじゃないのです。鉄道建設公団というものをつくらなくても、国鉄に金さえ出せば、国鉄だってりっぱにやれる仕事なんです。それを新たに建設公団をつくらなければならぬ理由というものは、私はそれはどうも認めがたいというのです。それよりももっとやってもらわなければならぬのは、いわゆるバス・ターミナルだとか私鉄の高架化の助成だとか、こういうものに強力な指導力を発揮していただく、これが今日の問題じゃないか、こう言っておるのです。今日とあすの問題という議論になってくると、これは確かに見解の相違ということもできてくるでしょうけれども、私は、鉄道新線の建設というものを公団に移したからといって、これは国鉄がやっておったからといって、あすの問題に大きな支障を来たさない、こう思っておるのです。金さえ出せばできる。そこで国鉄のほうはどうなんですか。これは愚問になるかと思うのですが、いやそれは国鉄より公団にやってもらうほうがはるかにいい、こういうふうに答えられたら、これはわれわれとしても何をか言わんやですけれども、国鉄のほうはどうも最初から今日までの空気というものを見てみると、だいぶ口説かれて、変わってきておるようですが、国鉄当局は、もう新線建設には手をやいておるのですか。国鉄が新線建設に手をやいておるとするならば、今日まで四十数年間のいわゆる積み上げられたところの経済上、あるいは地域開発上、格差の是正上、さして必要もないと思われるようなそういう赤字路線には手をつける気はないけれども、必要なものについては大いに手をつけようという気魄は国鉄としてはあるのでしょう。どうですか。
○山田説明員 国鉄のいわゆる建設線に関する考え方は、いろいろ変還がございまして、しかし今日の段階におきましてここに提案になっておりますような考え方が一応次善の策であろうということを考えておる次第でございます。
○肥田委員 これは私もよけいなことを聞いたわけですから、それ以上は私は聞きませんが、しかし新線建設というものは、政府が考えておるよりも――実際どうなんですか、われわれはどのように理解をしたらいいのですか。たとえばここにいま出されておる十年間の資金計画というものは、ただ算術的に割って見せていただきましたが、これは大体こういうふうになるというふうに理解をしてもいいのかどうかということです。本来われわれが主張しておるところの、むだなものはやめなさい、必要なものは大いに意欲的に建設をやってもらいたい、こういう伸縮自在なものであるなら、これも百歩を譲ってもう少し中身を聞かしてもらいたいと思うのです。けれども、この建設公団をつくって、先ほど鉄監局長は、赤字になるのか黒字になるのかという気のいいことを言っておりましたが、私たちはそんなことじゃなくして、鉄道建設公団というものは、もっとブレーキのかかるものであって、不必要な線路については、たとえ鉄道敷設法があろうとも、そういうものは、もう永久に墓場に送り込んでしまうのだ、必要なものについては鉄道建設公団、運輸大臣、それから鉄建、そういうところのいわゆる高度な審議過程の中でいい形により取りができるのだ、こういうことになるのならばわれわれの考え方と似たところがないではないのですが、その点はいかがでしょうか。
○廣瀬政府委員 私どもも肥田先生と大体同じような考え方を持っておりますので、御意見に賛成するわけでございますが、従来鉄道建設審議会の審議過程等を見ましても、別表のうちで特に必要なものを厳選いたしまして、調査線なり着工線というものをきめておるわけでございます。したがいまして、私どもはその建設審議会の審議の過程を尊重いたしまして、お手元に提出いたしました素案でございますが、着工線、調査線というものをなるべく早急に実現するというために一応の資金計画を立てておるわけでございまして、今後この素案をもとにいたしまして、政府部内でこれの実現のために最大の努力を傾けてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○肥田委員 そうするとちょっと鉄監局長、いまここにわれわれがいただいた資料の資金計画、これは大体こういう形のもので十年間進められる、こういうふうに理解をしてよろしいですか。
 それからもう一つは、ここにあがっておりますところのいわゆる着工線と調査線、これだけで四十三の十五ですから五十八あるのです。これ以外に、昨年は鉄道建設審議会が一年間開かれておりませんから、これがもし開かれだとすると、いままでの例でいくと毎年幾つかは出てきますが、そういうものがかりに加わってくると、そういう関係はわれわれは将来の見通しとしてどういうふうに考えておいたらいいのか、これは運輸省の基本的な方針として持っておられるものを聞かしてもらいたいと思います。
○廣瀬政府委員 お手元にお配りしてございます資料は、先ほど申し上げましたように取り急いでつくったものでございますが、一応現在手をつけております着工線あるいは調査線というものをなるべく早期に完成するという趣旨からつくったものでございます。今後さらに検討を加えます場合、若干の手直しということはございますが、一応基本的な考え方はそれをもとにいたしまして、これが実現方に最大の努力を傾けてまいりたい。
 なお、後段のお尋ねの、今後鉄道建設審議会が開かれた場合に、さらにそれ以外のものが議題になるかどうかということでございますが、これは建設審議会におかれまして慎重に御検討になる点でございますので、場合によりましてはある程度追加が出てくるかもしれません。いまのところ、私どもは何とも申し上げかねる次第でございます。
○肥田委員 私は、あとの面はそういう意味のことをお伺いしたわけじゃないのです。運輸省としていわゆる基本的な方針としてどういうものを持っておられるかということです。それを聞いたわけです。
 そこで問題になってきますのは、われわれが計画を見せてくれと言ったところが、すぐこうして出していただいた。これは、さほどいわゆる確定的なものじゃないということは当然われわれも考えています。しかし、この基本的な考え方として、新線建設についてわれわれが考えておる点は、これは一致した、こう言われておるわけなんですから、こういう考え方を運輸省あるいは運輸委員会、こういうものが一致した意見とするために、これは失礼な言い分ですけれども、私は、運輸省だけではやはりこれは不安定だと思うのです。そこでこれを安定した運輸省の将来の方針とするためには、先般来それぞれの委員から言っておりましたように、これはどうしても閣議の決定、閣議の了解事項あるいは総理の確認、こういうところまで持っていかなくては不十分だと思うわけです。これに対して、これはどうしてもやってもらわなければならぬというたてまえで大臣にお伺いしますが、そのような処置をこの審議中に講じてもらえますかどうか。
○綾部国務大臣 たびたび申しますように、今次の予算折衝におきまして、国鉄の予算につきまして非常に問題が難航いたしまして、要するに国鉄の要求するとおりの予算をどうしても政府の財政上で認められないという言明がありましたので、そこで国鉄並びに運輸省といたしましては、国鉄の問題について根本的の調査をして、大蔵省当局も入れ、国鉄の問題の審議会のようなものをこしらえまして、そして予算の措置、国鉄のあり方、さらにひいては公共性、企業性の問題、さらにそれをどうするかということについては運賃問題にまで論及いたしまして、その審議会を早急に政府に設置するよう私は閣議に要望いたしまして、それが設置されることになると確信いたしております。それの議に付せなければ、それを審議中にやれといったって、私はそれはむずかしいと思いますが、そういう問題を検討いたしまして、そしてあらためて閣議の了承を得るなり、あるいは根本的な問題につきましての意見に従ってやるより方法がないと考えております。
○肥田委員 これも他の委員が言っておりました点と同じですが、久保三郎君外提案しておるところの鉄道新線建設緊急措置法というものがあります。これの審議を日程にのせていただくということが一つ。それから先ほど言っておりましたところの大蔵大臣、それから総理大臣の確認を取りたい事項もありますから、それぞれの御出席を願う、これは他の委員からもそういう意見が出ると思います。したがいまして、それらを含めてこれはひとつ理事会で御決定をいただくということをお願いして、一応私のきょうの質問を終わります。
○川野委員長 それではただいまの肥田委員の御意見は理事会にはかりまして、できるだけ要望にこたえたいと存じます。
 次会は来たる七日金曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時八分散会