第046回国会 運輸委員会 第12号
昭和三十九年二月二十六日(水曜日)委員長の指
名で次の通り小委員及び小委員長を選任した。
 日本国有鉄道の事故防止対策に関する小委員
      進藤 一馬君    壽原 正一君
      高橋 禎一君    塚原 俊郎君
      西村 直己君    長谷川 峻君
      細田 吉藏君    勝澤 芳雄君
      久保 三郎君    泊谷 裕夫君
      野間千代三君    内海  清君
 日本国有鉄道の事故防止対策に関する小委員長
                細田 吉藏君
―――――――――――――――――――――
昭和三十九年二月二十八日(金曜日)
   午前十時二十九分開議
 出席委員
   委員長 川野芳滿君
   理事 有田 喜一君 理事 關谷 勝利君
   理事 塚原 俊郎君 理事 山田 彌一君
   理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君
      木村 俊夫君    佐々木義武君
      進藤 一馬君    壽原 正一君
      高橋清一郎君    高橋 禎一君
      西村 英一君    細田 吉藏君
      井岡 大治君    勝澤 芳雄君
      田中織之進君    泊谷 裕夫君
      野間千代三君    山口丈太郎君
      内海  清君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 綾部健太郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田邉 國男君
        運 輸 技 官
        (船舶局長)  藤野  淳君
        運 輸 技 官
        (港湾局長)  比田  正君
        運輸事務官
        (航空局長)  栃内 一彦君
 委員外の出席者
        運 輸 技 官
        (航空局技術部
        長)      大沢 信一君
        専  門  員 小西 真一君
    ―――――――――――――
二月二十七日
 委員勝澤芳雄君辞任につき、その補欠として五
 島虎雄君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十八日
 委員五島虎雄君辞任につき、その補欠として勝
 澤芳雄君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
二月二十七日
 小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を
 改正する法律案(内閣提出第一一六号)
 都市高速鉄道建設助成特別措置法案(大倉精一
 君外五名提出、参法第八号)(予)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を
 改正する法律案(内閣提出第一一六号)
 臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第一〇八号)(予)
 港湾に関する件(港湾運送事業に関する問題)
 航空に関する件(富士航空機の事故に関する問
 題)
     ――――◇―――――
○川野委員長 これより会議を開きます。
 港湾に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますのでこれを許します。泊谷裕夫君。
○泊谷委員 現在通産当局において昭和三十九年度上期の硫黄の需給計画の検討が行なわれておるのでありますけれども、これに伴って外国硫黄の大量輸入がきまったようにきいております。上期分として一万二千トンが計画されておるよしでありますが、この問題に関してお尋ねをいたしたいと思っております。
 わが国の硫黄産業がこれまでの相次ぐ合理化による休閉山と、他面における化繊を中心とした需要の活発化に伴いまして、昭和二十七、八年ころからの長い停滞を脱して、かなりの好況を呈しております。しかし世界的に見て、アメリカにおけるフラッシュ硫黄の生産の頭打ちを中心に供給不足の傾向が出ており、このために輸入硫黄の価格は水切り料、諸掛かり費を含めるとかなりの割り高になっております。このような事情と相待って、今回輸入される硫黄はバラ積み輸入を考えているとのことでありますが、そこでまず第一に、このことは事実として考えてみます場合に、通産当局としては、労働者が汗をかかない季節に輸入すれば労働衛生上の問題はないとの考えから、五月までに輸入を急いでおるようでありますけれども、これまた事実であるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○藤野政府委員 私どもは聞いておりません。
○泊谷委員 聞いておりませんというお答えでありますが、担当が違うのでお答えいただけないのでしょうか、その事実を御承知ないということでありましょうか。
○藤野政府委員 その事実を承知していないわけでございます。
○泊谷委員 それでは次に、バラ積みの硫黄が輸入されたという事例は昨年もありまして、港湾労働者の問題で、昭和三十一年には神戸で四十数人がけがをするという事故がありました。昨年六月には、この荷役拒否をめぐって神戸港で半月にわたる紛争が継続されてまいったのでありますが、この際港湾労働者による荷役拒否の問題が起こり、通産省から荷役に協力してもらいたいと再三懇請がありまして、この結果、運輸、労働、通産の三省と全港振、日港労連、全港湾などと関係貿易業者と話し合いが持たれまして、その席上全港振と日港労連との間に確認書を交換したことについて御承知であるかどうか、お尋ねしたいと思います。
○藤野政府委員 承知いたしております。
○泊谷委員 その内容は、当面の荷役問題に関する具体策と根本的な対策とに分けまして、一つは、危険、非衛生貨物の荷役について、関係官庁並びに荷主――この場合貿易商社、場合によっては船主をも含めて――全港振代表と日港労連代表とで話し合いの場を設ける。二つ目としては、第二船以降バラ積み硫黄鉱の輸入は行なわない。もし輸入された場合は荷役作業は行なわない。三つ目として、恒久的安全対策については、港湾労働等対策審議会で決定する、こういうことをとりきめたと聞いておりますが、その事実を御承知であるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
○藤野政府委員 大体そのようなことであると聞いております。
○泊谷委員 ただいまも申し上げましたように、この場合日港労連、全港振が荷役拒否を行なった根拠は、労働者の危険物に対する安全を守るために、人命尊重を主として拒否闘争が行なわれたとのことでありますが、それはそのとおり理解してよいかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
○藤野政府委員 大体そのようなことであろうと思っております。
○川野委員長 本件に関する調査は後に譲ります。
     ――――◇―――――
○川野委員長 この際、小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取することといたします。田邉政務次官。
○田邉政府委員 ただいま、議題となりました小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 内航海運は、国内輸送機関の中で最も重要な役割を果たしている輸送機関の一つでありますが、最近における臨海工業地帯の開発の著しい進展に伴い、その重要性は一そう高まりつつある現状であります。
 しかしながら、内航海運業の現状を見ますと、船腹の過剰傾向による過当競争の結果、長年にわたり運賃市況が低迷し、その企業内容はきわめて憂うべき状態となっているのであります。
 したがいまして、この際、内航海運の輸送秩序の確立と内航船腹の過剰傾向の是正により、内航海運の近代化をばかり、もって内航海運に対する国民経済上の要請にこたえるためこの法律案を提出いたしました次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 まず、小型船海運業法に関する改正でありますが、その要点の第一は、登録制を通じて内航海運業の用に供する全船舶を把握することにより、内航海運業全体に対する規制を行ない得るよう、新たに総トン数五百トン以上の綱船による内航海運業を登録の対象に加えることとしたことであります。
 第二に、内航船腹の適正な規模についての指針を与えるため運輸大臣が、内航海運業の用に供する船舶について毎年度当該年度以降の五年間について各年度の適正な船腹量を定めることとしたことであります。
 第三に、内航船腹が過剰となるのを避けるため、内航船腹量がその適正規模に照らして著しく過大になるおそれがあると認めるときは、運輸大臣がその最高限度を設定し、内航海運業の用に供する船舶の船腹量がこの最高限度をこえることとなるときば、内航海運業の登録または変更登録を拒否することとしたことであります。
 第四に、内航運送の用に供される船舶の確認を容易にし、その船腹量を正確に把握するため、内航船舶に関する表示、事業の休止の届け出及び立ち入り検査に関する規定を新たに設けることとしたことであります。
 次に、小型船海運組合法に関する改正でありますが、その要点の第一は、内航海運業の過当競争の現状にかんがみ、新たに総トシ数五百トン以上の網船による内航海運業を営む者についても、小型船によるものと同様に海運組合を結成することができるようにし、内航海運業者のすべてが、その事業に関して自主的な調整を行ない得るようにしたことであります。
 第二に、組合員たる資格を有する事業者の範囲が、内航海運業者全体に拡大されるため、内航海運組合の行なう調整事業の影響力が従来に比して著しく大きくなるおそれがありますので、不況の場合に限り、その調整事業を行ない得ることとしたことであります。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次に、本委員会に予備審査のため付託されております内閣提出、臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取することといたします。田邉政務次官。
○田邉政府委員 ただいま議題となりました臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、海運業の自立体制の整備を主眼として外航船腹の整備を促進いたしますために、現在昭和四十年三月三十一日までとなっております臨時船舶建造調整法の存続期間を、昭和四十四年三月三十一日まで延長することを内容とするものであります。
 現行の臨時船舶建造調整法は、戦後のわが国外航商船隊を再建するために船舶の建造を調整する必要上、昭和二十八年に制定されたものでありまして、外航船舶の建造を運輸大臣の許可にかからしめることにより、国内向けの船舶につきましては、それが真に国民経済の要請に適合するよう、また、輸出船につきましては当該船舶の建造がわが国の国際海運の健全な発展に支障を及ぼさないよう、調整する機能を発揮してまいったのであります。
 しかして現在、政府は、開放経済体制への移行にかんがみまして、一そうわが国経済の自立と発展をはかっておりますが、その一環として、外航船腹の計画的増強と海運業の再建整備が緊急の課題とされております。そのため、昨年海運業の再建整備に関する臨時措置法が制定されまして、五年間に、集約等の海運業側の合理化努力と日本開発銀行の融資に対する利子の支払い猶予措置によりまして、わが国海運業の自立体制の整備をはかることになっているのであります。
 しかしながら、最近わが国造船業に対する輸出船の注文は飛躍的に増大しておりますので、輸出船と国内向け新造船との間に、建造船台等につきまして競合関係を生ずるおそれが増大してきております。さらに、わが国貿易量の増大に伴いまして、長期積み荷保証のもとにわが国の貿易貨物を輸送しようとする輸出船が、わが国造船業に対して発注され、これら船舶と国内船との間に競合関係を生ずるおそれも増大してきております。
 したがいまして、わが国海運業の自立体制の整備を主眼として外航船腹の整備を促進いたしますためには、国内船と輸出船との競合関係を調整する機能を持っております本法の有効期間を、海運業の再建整備に要します期間に見合いまして、少なくとも四年間延長する必要があるのであります。
 なお、現行法は、昭和四十年三月三十一日まで効力を有するのでありますが、その有効期間延長についてのこの法案を今期通常国会に提出いたしますのは、造船の場合におきましては、着工の相当以前に契約が締結されるのが通例でありますので、昭和四十年四月以後に行なわれます船舶の建造につきまして、混乱を引き起させないためであります。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○川野委員長 法案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
○川野委員長 それでは、湊湾に関する件について調査を行ないます。泊谷裕夫君。
○泊谷委員 私のほうの都合で中断をいたしましたので、少々重複する点があるかと思いますが、お尋ねをいたしたいと思うのです。
 外国硫黄の海上輸送がきめられ、三十八年度の上期分として一万二千トン、しかもこれは水切り料、諸掛かり費を含めると相当割高になるということで、バラ積みで入れるという話を聞いておるのですが、その事実があるかどうかをお尋ねしたい。
 なおこれに関連して、過去に荷役に携わる労働者がかなり大きなけがをした、昨年はまた大きな紛争が生じたということで、汗をかかない五月までに入れたいという話があるというふうに聞いておりますが、その事実があるかどうかをお尋ねしたいと思います。
○比田政府委員 バラ積み硫黄の問題、あるいは硫黄荷役の問題につきまして御説明申し上げます。御質問と逆になるかもしれませんが……。
 この問題が起こりましたのは、昨年の七月でございました。そのときに、カナダから第一回の硫黄輸送がバラ積みで参ったわけでございます。そのときのトン数が六千三百トンでございました。これは横浜で揚げたわけでございます。当時バラ積みで参りましたのか、だいぶ前にかなり古く一回、たしか昭和三十一年ごろということになっておりますが、夏に神戸にバラ積みで参りまして、その際には、明確な記録がございませんけれども、記述されたところによりますと、約四十人くらいが多少身体に異常を感じたという事故が発生した事実があるようでございます。そこで昨年の七月のバラ積みの問題につきましては、荷役側が非常に慎重な態度をとりまして、私ども運輸省といたしましては――これを緊急買い付けいたしましたのは通産省の指示に基づいてやっているのでございますから、荷主関係としては通産省、それからもちろん労働関係の非常に大きな問題でございますから労働省と、三省いろいろと協議いたしましたが、そのときは一応いろいろな準備をいたしまして、たとえば防じんマスクをつけるとか、あるいはその他いろいろ装身具に詳細な注意を払いますとともに、医者、看護婦等を現場に待機させまして、少しでも異常があればやめるということで、ガスの発生した場合にはガスの発生を探知するような装置まで持ち込みまして慎重にいたしましたが、そのときには無事に七月二十四日から三十一日までで横浜港で六千三百トンの荷役が終了をしたわけでございます。
 そこで貨物の取り扱いの業者といたしましては、今後はこういうバラ積みは困る、袋詰めにしてもらいたいということを強く申しました。それからまたこの第一回のバラ積みが参りましたのは、まことに突然に参ったわけでございます。事前に荷役業者に何らの通達もなかったということは、私どもも確かにそれは手落ちだと思っておりますが、荷主さんのほうから何にもお話がなかった。そこで荷主と荷役業者との間に、懇談会というか、協議会というものをぜひ設けてもらいたいということで、八月十五日ごろに第一回のその催しをいたしました。昨年いろいろとその組織を改組いたしまして、ただいまではその協議会もできております。
 そこで第二船以降は非常に大きな計画でございまして、カナダ産のものを袋詰めで、これは三井物産取り扱いでございます。三十五キロずつにポリエチレンの包装をいたしまして、その外側には紙で四層、合計五層の包装で厳重に包装いたしまして、一万五千トンを四回にわたって、ただいままで、一月の上旬までに入れております。またその次には、同じくカナダ産のものといたしまして総計一万二千トン、これは第一船はすでに昨年の暮れに入りました。第二船は三月に神戸に入る予定でございます。また中共から輸入をするものもございまして、これはさらにいままでよりなお万全の措置をとりまして、いろいろ包装もいたしまして、やはり三十五キロ入りのものでございますが、一万トン入れることになっておりまして、その第一船は本年の一月の上旬に神戸港に入って荷役を終了しております。同じく第二船は一月の中旬に神戸港に入りまして、荷役を終了しております。第三船は二月の上旬に入りまして、上旬から中旬にかけて同じく神戸港で荷物をおろしているわけでございます。第四船は横浜に入りまして、これも荷役を二月の中旬に終了いたしております。第五船は三月上旬神戸港に入るという予定でありまして、以上合計いたしますと、去年の夏から三万八千八百トンという硫黄の輸入がございましたけれども、最初の第一船、カナダ産のものが横浜に入りましたものだけがバラで積んでまいった。あとは全部包装いたしまして、包装した後の状況をいろいろ調べてみますと、初めのころはこれは硫黄だけ積んでまいりませんで、若干の積み合わせの荷物がございます。包装の第一回のときには木材の積み合わせがあったようでございます。そのために航海中ゆれまして、多少の荷くずれがあったということが報告されております。
 そこで、荷役をいたした者の今回の被害状況でございますが、第一船のときには、硫黄の粉で多少目が結膜炎的な症状を起こした者が数名ございましたが、これは口を洗うこと、あるいは目薬をさすということで簡単に治癒したということに報告されております。その他は荷役作業期間を通じまして一人の事故もなく、第一船のバラの硫黄は終了いたしております。第二船以降の袋詰めにいたしましたものは、ただいまお話しいたしましたように、最初の袋詰めがいろいろ積み合わせの関係なんかで荷くずれがありまして、そのために結膜炎症状を呈した者が二、三名あったという報告を受けております。袋詰めの第二船以降は次第に荷物の積み方もうまくなりまして、また取り扱いもなれましたので、現在ではほとんど問題を起こしていないということに聞いております。
 以上が大体ただいままでの経過でございまして、私どもの手元まで参っておりますのは、三月までの分につきまして計画がございますので、これは私ども了承いたしまして、取り扱いの業者、荷主さんあるいは荷役業者というところと十分に出前に協議をさせて、慎重に取り扱っていきたいというふうに考えております。
 なお、硫黄をバラで輸送するという方法は、国際的にはこれは認められておるものでございます。したがいまして、船舶局のほうの御所管かもしれませんが、これの船積みのしかたについてはいろいろ運輸省の省令も出ておるようでありまして、それにもバラで積んでも差しつかえないという例外的な措置は書いてあります。ただ、日本の業者は、先ほどお話ししました三十一年、ころにかなり多くの身体異常者が出たということをもちまして、極力バラにしないでくれということを荷主筋に申し出ているようでございます。ただいまの段階では荷主さんもそれをいれまして、いまお話しいたしましたように都合十三の船が入ってまいります、それに対しまして、まだ二はいは着いておりませんけれども、最初の一ぱいを除きましては全部厳重な包装をして、しかも形もたしか一袋百キロまではいいということに規則ではなっておるように承知いたしておりますけれども、さらに念入りに三十五キロ入りの小さなものにいたしまして、取り扱いを簡単にしているというのが、ただいまの現状でございます。
○泊谷委員 それでは港湾局長は、昨年の六月、いまお話がありましたギリシャ船が入った際に、たいへん港湾でもめまして、労務者側から話しますと、バラで来るものをもっこではしけにとる、ですからその粉じんによって、傷口があれば破傷風になる心配がある、それからまた吸えば肺気泡を起こす心配がある、いま言いました結膜炎などもありますけれども、そういうことで大へんもつれて、運輸、労働、通産の三省が世話をいたしまして、そして全港振と日港労連、全港湾との間に七月二十三日に確認書の交換ができたのですが、それによりますと、いまお話のありますように、第二船以降バラ硫黄鉱の輸入は行なわない、もし輸入された場合には荷役作業を行なわない、こういう取りきめをしていることは御承知でありますか。
○比田政府委員 ただいまおっしゃるとおりでございます。第二船以降はバラ積みにしてもらいたくないということを申し入れまして、荷主の方もさように了承しているということになっております。
○泊谷委員 いままで入りましたものについては確かに木材との積み合わせの問題が特に目立つぐらいのもので、港湾局長の御説明どおりだと思うのであります。ところが最近私の聞いたところによりますと、通産省の一部で需要業者及び商社の間で水ぎわ作戦と称して一千二百万トンの硫黄を何はともあれとにかく日本の港まで入れてしまう、そして持ってきてしまってから、既成事実をつくって、すでに船は港に着いている、何とか荷役をしてもらいたい、こういう要請をしようという腹だというふうに聞くのでありますが、これについて運輸省側としては事実関係をどう承知しておるか明らかにしていただきたいと思います。また、こういう事態が現実の問題として出た場合、運輸省としてどういう措置をとられるか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○比田政府委員 さような計画があることは私のほうは聞いておりません。したがいまして、私どもはだだいまの荷主筋と荷役業者関係との申し合わせどおり今後は袋積みでまいるということに判断いたしております。以上でよろしゅうございますか。私のほうはそういうことは全然聞いておりません。
○泊谷委員 いまお尋ねしたのは、私のほうではそう聞いているのです。確かめていただくのが一つでありますし、それからもしそれが、実際問題として発生した場合に、昨年この紛争の音頭とりをいたしました運輸省としてどう対処されるのか、その方針もあわせてお聞かせをいただきたいと思うのです。
○比田政府委員 この硫黄の荷役につきましては、港湾労働組合関係も合わせまして、日本港運協会、それから全港振、荷主、船主というほうの方々が集まりまして、港湾荷役安全衛生協議会というものをただいま設置されてございます。また一方労働組合が入らないほうでも、輸入業者、それから港運協会、全港振というものが集まりまして、港湾荷役協議会というものをこの事件以後つくっておりまして、これらの協議会であらかじめ相談してから荷物を扱うことになっておるというふうに私どもは了解しておりますので、荷主さんたちが突如としてそういう御計画をお持ち込みになることはまずないんじゃないか。こういうことば荷扱い業者のほうと十分了解を得た上で、荷づくり等も考えた上で持ってくるということになるのであろうというふうに解釈しております。
○泊谷委員 実は局長のそこの部分、私ははしょったのですけれども、この確認事項の第一項でいま局長が話されました安全協議会の構成の問題があります。これはいまお話しのような構成でやることになっていますけれども、昨年の八月からその設置をめぐって三カ月も立ち往生したのです。立ち往生したのは、運輸省が特に労働者代表を入れる必要がないという意見を述べて三カ月混乱を生じたというふうに聞かされておるのです。もし事実と相違しておれば、その事情を明らかにしていただきたいと思うのでありますけれども、いまお尋ねしたのは、労働、通産、運輸の三省が入って、昨年の港における紛争の始末で、荷主と当該関係する労働者を代表する者との協定を結ばせてやった。具体的な問題については労働者の代表も入れてやる。安全協議会のほうでは、運輸省でその参加を拒む。そしていまのお尋ねについては、そこできまったものでくるのだからそういう事態は起こらないだろうということは、持って回って逃げたような感じがするのであります。ですから端的なお尋ねとして、バラ積みがきた場合、この協定に基づいて運輸省はどういう方針をとるのか。昨年の八月から十一月までもつれました安全協議会に労働者代表を入れなくてもいいという運輸省の考え方もこの際明らかにしてほしいと思うのです。
○比田政府委員 運輸省といたしましては、労働者側の代表を入れなくていいということは一言も申しません。むしろ逆でございます。これは労働問題の根本問題があるのだから、できるだけ労働関係を入れるべきだというのが私どもの主張でございまして、聞き及ぶところによりますと、他の方面においてそういうことを申された分野があるようでございますが、運輸省としてはむしろ労働関係を入れることは賛成いたしたわけでございます。
 それから今後のバラ積みの問題でございますが、私どもは今後バラ積みが、いまのところは米ないというふうに考えておりますので、来ることになりましたら、どういう条件なら入れられるか、あらためてまた、この協議会もありますことゆえ、検討いたしたい、かように思っております。
○泊谷委員 先ほどの、八月から十一月における協議会に対する運輸当局の発言は、私の調査が不十分であったようでありますから、その点はいま御答弁のように了解いたしまして、私のほうの発言については、これをおわびを申し上げておきたいと思います。
 しかし、そういう筋でこの問題が考えられて、労働者を保護して円滑な荷役業務を遂行しようということを運輸省でお考えだとすれば、バラ積みについてはそういう経緯もありますから、当然完全梱包されたもの、包装されたもの、これを入れなければ、再び港湾労務者との間に紛争が起きるということは予想されるのでありますから、早急に運輸省側として関係個所に御要請をしていただきたいと思うのですが、このことについてのお答えをいただきたいと思います。
○比田政府委員 日本の国内の事情におきましては、ただいまのお話のように、私どももできるだけバラというようなものを避けたいと思っておりますが、先ほども申し上げましたように、国際間ではこれをバラで動かすのが通例になっているようでございます。なぜ日本だけいかぬのかというのは、昭和三十一年ですか、そのころに非常に大きな支障があったから、そういうことを二度と繰り返さないようにということが非常に大きな原因になっているようでございますが、また国際間の慣例でございますので、船舶の積み荷につきましての省令等におきましては、場合によってはバラ積みでもよろしいということになっております。したがいまして、そういうこともあり得るかもしれませんし、また外国船が参りまして、バラで積んでくるというようなケースは皆無であるとは申されません。したがいまして、いまのところは袋積みにして扱うということをきめておりますけれども、もしも諸般の事情でどうしてもそういう問題が起きました際には、関係各省とも十分に協議いたしまして、その取り扱いをきめたいと存ずるわけでございます。と申しますのは、この荷役の安全につきましては主管いたしますところは労働基準局でございまして、昨年の夏にも労働基準局長からこれに対する取り扱いのいろいろな通達が出ているようでありまして、私のほうの立場だけできめることはできませんので、ここでいま先生の御質問に対して運輸省の考え方は申し上げましたけれども、全体としてこういうふうに決定するんだという最終的なことには、三省といろいろと協議いたしませんと、決定いたしかねるわけでございます。ただ運輸省といたしましては、できるだけバラ積みは避けたい。ただいませっかくまとまったような業者同士の方針によりまして今後の荷役を継続していきたいということは切に希望しているわけでございます。
○泊谷委員 これでおしまいにいたしますけれども、私はその決定の返事をいただきたいと申し上げたのではありません。硫黄を買う、買わないという問題と、それから船に積めるか、積めないかという問題とは質が違うと思います。私どもの関係する問題で、港湾荷役が円滑に進められるということに力点をかけてものを考えればいいと思うのです。一般的な商行為について干渉する権限はないと思うのでありますが、すでに全港振もその話を聞いて、この作業については、バラ積みで来た場合には拒否の態度を明らかにして、昨年と同じような紛争が起きる、その実態に立って見れば、昨年三省が入って協定を結んでバラ輸入をしないときめておるのですから、この経緯にかんがみましても、再びその条件まで満たされなければ、この紛争は解決されないと考えるべきだと思うのです。その荷役の主管官庁であります運輸省として、そういううわさがあるならば、すみやかに、昨年の経緯もあり、やはりバラ積み輸入というものは避けて、本来的な、完全な梱包をして受け取るという措置をとってもらうということを関係各省に私は強く要請をしてほしいというお願いをしておるのであります。これに対するすっきりした返事をいただければ、これで質問を終わりたいと思います。
○比田政府委員 さっそく関係各省に伺いまして、はたしてうわさのごときことが近い将来に行なわれるかどうかを確認いたしたいと思います。確認いたしたあかつきにおきましては、従来とってきました運輸省の考え方は、ただいま先生の御指摘と同じ考え方でございますので、その線に沿うて関係各省と折衝いたしたい。まず第一に確認することでございます。ありました場合には、できるだけやめてもらいたいということは強く要望いたします。しかしながら、向こうさんもあることですから、向こうがいろいろ理由を言うならば、とくと協議をいたしまして、できるだけわれわれの主張を最後まで貫きたいというのがただいま考えていることであります。
○久保委員 関連して。港湾局長の答弁はそれで私もよろしいかと思うのですが、そこで、硫黄についてはバラ積みを許すというが、これについては国際間の問題もあることですが、船舶安全というか、人命安全条約というか、そういうものからいって、最近特に労働者の災害というものを非常に軽視するというか、そういう傾向があるわけです。もちろんそういう物資の輸入が多くなったから、特に災害が多くなるということも一つの現象ですね。だからここで特に船舶局長にお尋ねしたいのは、いま問題になったバラ積み硫黄の積載は、安全条約上はどうなっているんですか。それははずしてもいい、バラ積みでよろしい、こうなっているのか、もし日本の特殊な条件とするなら、これは言うまでもなく国際会議にも出して、バラ積みはやめてもらう、こういうかっこうにすべきだと思うのですが、それはどうですか。
○藤野政府委員 硫黄に限りませんけれども、危険物の海上輸送につきましては、船舶安全法に基づいて危険物船舶運送及び貯蔵規則がございまして、硫黄も危険物でございますので、これによりまして積みつけその他についての規制をいたしております。その規制の技術的な基準につきましては、ただいまおっしゃいましたように、非常に国際的な基準でございまして、日本の規則は政府間海事条約機構いわゆるIMCOの承認と申しますか、IMCOの線に沿った基準でございまして、各国とも硫黄のバラ積みは認められておるわけでございます。しかしながら、硫黄の運送じゃございませんで、荷役につきまして、いろいろな災害が続発するというようなことが起こっておりますので、これが積みつけ方法の問題じゃなくて、荷役の合理化改善あるいは防護措置の適正化といったようなことで解決できる問題であれば、そのような方向に努力をしなければなりませんが、いずれにいたしましてもこれが大きな問題になりますならば、この実情をいまの政府間条約機関に報告いたしまして、バラ積みについての何らかの規制につきまして国際間の会議をもって措置いたしたい、こういう方向にやるべき問題である、かように考えます。
○久保委員 大体その御答弁でよろしいのですが、いわゆる安全条約は、言うならばバラ積みによって船舶のいわゆる転覆海難というものを防ごうというので、バラ積みにするかあるいは梱包でやるかというようなことが重点になっているわけですね。最近のものの考え方からすれば、それも一つの安全性の問題でありますが、もっと扱う者のやはり安全性についても研究されて、取り上げるべき時期だと私は思うんですね。そういう意味で、いまの御答弁のとおりに早急に御検討を願いたい、こういうように思います。以上です。
     ――――◇―――――
○川野委員長 次に、航空に関する件について調査を進めます。
 この際、昨二十七日、大分空港における富士航空機の事故になくなられました多数の犠牲者の方々に対し、ここにつつしんで哀悼の意を表します。
 富士航空機の事故に関して説明を聴取することといたします。綾部運輸大臣。
○綾部国務大臣 私は、昨二十七日の富士航空の事故に対しまして、犠牲者になられました方々に対し、つつしんで哀悼の意を表します。同時に負傷された方々等につきましては、深甚のお見舞いを申す次第でございます。
 ここで昨日起こりました富士航空の大分空港における事故の概要を御説明申し上げます。ほぼ新聞紙等で御承知と思いますが、私ども正式に入手いたしました事項その他につきまして御報告申し上げます。
 一、事故の概要。富士航空株式会社所属コンベア式CV240型(双発・四十旅客座席)JA五〇九八は、昭和三十九年二月二十七日、機長三島好美ほか三名が乗り組み、旅客三十七名及び同乗乗組員一名を乗せ、同社の九〇二便(鹿児島−大分−東京)として十四時四十六分鹿児島空港を離陸し、大分空港に向け飛行した。同機は十五時三十二分大分空港滑走路一二から着陸し、接地後の滑走に移ったが、機体が停止せず、滑走路延長上の堤防に激突し、裏川に転落し大破炎上した。この事故で旅客十八名及び客室乗務員二名が死亡し、残りの二十二名が負傷した。負傷者は五カ所の病院に収容されております。
 二、航空機の要目及び経歴。発動機二基、各二千四百馬力、巡航速度四百三十二キロ時、航続距離二千八百八十キロ、耐空証明の有効期間は昭和三十八年五月十四日より昭和三十九年五月十三日に至る、製造年月日は一九四八年(昭和二十三年)三月二十八日、製造後飛行時間は三万一千四百五十時間、前回オーバーホール後の飛行時間は一千五百六十七時間、前回点検後の飛行時間六十八時間であります。
 三、機長及び副操縦士の略歴及び最近の飛行時間。機長三島好美、大正十四年三月十日生まれ、昭和十九年三月米子航空機乗員養成所卒、昭和三十七年二月富士航空株式会社入社、総飛行時間五千五百六十八時間(内旧陸軍、中華航空、航空自衛隊における飛行時間四千四百十六時間)、定期運送用操縦士第四九〇号(昭和三十七年十月十九日)。副操縦士菅野辰雄、昭和三年五月二十四日生、昭和三十七年十月富士航空株式会社入社、総飛行時間二千七百四十八時間、(内旧陸軍、海上自衛隊における飛行時間二千二百六十四時間)。定期運送用操縦士第五五四号(昭和三十八年六月二十八日)であります。
 四、気象。(昭和三十九年二月二十七日十五時現在)。概況快晴。風向北東。風速十二ノット(六メートル)。視程二十マイル(三十六キロメートル)。雲高一万二千フィート(約四千メートル)。雲量十分の一。気温摂氏九度であります。
 五、会社名。富士航空株式会社の概要。創立年月日は昭和二十七年九月十三日。社長名は松嶋喜作。資本金は十億八千万円。事業内容は、路線、東京−高松−大分−鹿児島、鹿児島−種子島−鹿児島−屋久島、種子島−屋久島、新潟−佐渡島、大阪−新潟。免許業種は、定期航空運送事業、不定期航空運送事業及び航空機使用事業。所有機材は、コンベアCV747型三機(内一機が今回の事故機)、DHヘロン一機、ビーチクラフトC18S一機、パイパーアパッチ一機、セスナ172一機、ベル47G四機、シコルスキーS62一機。航空従事者は、操縦士四十三名、整備士二十二名であります。
 六、措置。事故原因調査のため、運輸省航空局は事故の情報を入手した後直ちに係官三名を現地に派遣し、目下調査中。
 以上でございます。
○川野委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
○久保委員 たび重なる事故でありまして、もう言うべきことばもないくらいであります。前回も予算委員会あるいは本委員会でも各委員からお話がありましたとおり、政府は安全輸送に対してもう少し真剣になるべきだという声が強いのであります。
 そこで、今回この事故で大半の人が死傷されましたことに、われわれとしても心からお見舞を申し上げるわけでありますが、さしあたり三つの要点についてお尋ねしたい。
 一つは耐空検査の方式についてでありますが、耐空検査については、航空法の改正によりまして、実は資格者のいる整備会社で検査したものはそのまま耐空証明を出すということになっておる。この航空法改正のときにも本委員会で私から、さようなことでは便宜主義ではないか、いうなれば運輸省の航空検査官の要員が足りない、その足りないための便宜的な改正をここにするんじゃなかろうかということを強く指摘したのであります。ところが、当時の航空局長並びに運輸省の説明では、そうではないというようなことで、しかもその整備会社におるところの検査担当者の資格は十分運輸省で点検というか、審査をしての資格を与えるんだから、そういう心配は毛頭ない、むしろこれによるほうが完全だと言われた。しかし、やはり安全の問題は二重、三重にチェックするというところになければならぬと私はいまでも考えておる。ついてはこの航空法第十条によるところのいわゆる耐空検査、こういうもののあり方について検討する考えがあるかどうか。いかがでしょう。
○栃内政府委員 技術部長に専門的な見地からお答えさしていただきます。
○大沢説明員 お答えいたします。民間の有資格者にある程度整備の確認を認めていることは事実でございます。その趣旨はただいま御指摘がありましたように、検査官の能力が足りないので民間に委譲したというつもりは私たちはございません。日ごろ一緒に整備をやっておる人間が一番よく知っておりますので、この人たちに一応の安全の基準を示しまして、その基準で不適格なものは合格させないということでまかせる。そのかわりわれわれはまかせつばなしではございませんで、その資格を認められた人たちが認められたように忠実に職務を実行しているかということを随時、われわれスポットチェックと申しておりますが、チェックしておるつもりでございます。
○久保委員 それで、この使用機は昨年の五月十四日に耐空証明を出したんだが、これはいずこの個所で耐空証明を出しましたか。
○大沢説明員 これは当局の検査官が検査いたしまして、羽田で出しております。
○久保委員 そうしますと、これは運輸省の航空局の担当官が検査して耐空証明を出したということでありますか。
○大沢説明員 特定の民間の人にある程度の整備の確認を認めておりますが、富士航空の場合、いわゆる一年ごとに起こります耐空証明の検査、これはまかしてございません。したがって、この耐空証明検査は全部当局の検査官が実施したものでございます。
○久保委員 耐空証明の前提となるいわゆる点検というか、修理というか、そういうものは最近どこの会社でしたか。
○大沢説明員 時間点検に七十五時間、二百時間繰り返しでございます。これは富士航空が自分でやっております。
○久保委員 それじゃ、前回のオーバーホールはどこの会社でやったか。
○大沢説明員 この事故機はアメリカのアメリカン・エアラインから購入いたしました。購入いたしますときにアメリカでコンプリート・オーバーホールをさせまして、われわれはオーバーホールニューと申しますが、一応新品同様の状態で購入いたしまして、それ以来千五百六十七時間日本で使っておりますので、まだ日本の国内におけるオーバーホールの時間に達しておりません。
○久保委員 そこで、同じ航空法の第十条の四項でありますが、輸入機については、御案内のとおり簡略にというか、耐空証明のほうはあまり点検しないで耐空証明を出しているのですね。除外例がありますね。これはもうこうなってはこの除外例は改めるべきだと私は思うのだが、どうでしょう。
○大沢説明員 第四項で除外しております趣旨は、大体耐空証明は、製造の場合であれば、設計から製造過程、そうして最後のでき上がりの現状、それを全部通して検査官が検査した上で行なうということになっております。ただし、よそから輸入してまいりますものは、設計あるいは製造過程、もしもそれが中古機であれば中古機の整備過程というものはわれわれが見ることができませんので、物理的に不可能なので一応これを除外するということになっておりますが、ただ、これを野放しで認めるのではなしに、アメリカにはわれわれに相当いたします連邦航空局がございまして、ここで輸出航空機に対しましては輸出耐空証明書というものを出します。この輸出耐空証明書を出します基準をわれわれは知っておりますが、大体日本の基準と同じでございます。したがって、われわれにかわってアメリカの連邦航空局が検査していただいたものという考え方で認めてきております。
○久保委員 そうすると、アメリカの連邦航空局の権威というものを運輸省は認めるというか、継承して、そして飛ばせているということでありますね。しかし、これはアメリカ連邦航空局の権威を私は軽んずるとかいう問題ではなくて、日本の政府として、やはり責任のあり場所からいえば、当然自分で行なう耐空検査を省略すべきじゃない、こう思うのですが、その点はどうですか。
○大沢説明員 私たちもアメリカ連邦航空局にすべてをまかせるのじゃございませんで、事実上できない部分はまかせまして、現状についてはわれわれの手でやっております。したがって、新品の場合、日航がたとえばDC8等をダグラスで買います場合には、でき上がったころ向こうへ行って、でき上がり後の現状飛行試験を含めまして全部やっております。こういう中古機の場合も、向こうへ行くわけにはまいりませんが、東京へ到着いたしましてから、いわゆる外観的にわれわれが検査し得る範囲内で検査はしております。
○久保委員 当該機は、この事故を起こす直前の検査というものはいつですか。いわゆる社内における点検というものは、どういうふうになっているのですか。
○大沢説明員 前回の二百時間点検から六十八時間五十七分飛んでおります。
○久保委員 それは会社自体でやっているのですね。
○大沢説明員 そうです。
○久保委員 この会社自体にはそういう陣容が一応全部整っておりますか。
○大沢説明員 この二百時間点検程度でやります作業、いわゆる整備の範囲とわれわれは考えておりますが、この整備に対しましては、国家試験で整備士という資格を認められた者が責任を持って確認を行なえばいいということにしております。
○久保委員 この点検の方法でありますが、これについては改善する余地はないのですか。
○大沢説明員 二百時間点検項目を私はいま手元に持っておりませんが、一応会社が出してきたものに対しまして審査の上適当と認めて許可していると思います。しかし今回の事故がもしも点検漏れその他のことが原因であったとすれば、点検表の内容を改める必要は当然あると思います。
○久保委員 必要があればというお話ですが、点検の制度をもう一ぺん見直す必要がありはしないか。それはすぐわからぬでしょうから、あとで資料を出していただくが、当該機の最近一カ月におけるところの運航状況はどういうふうになっているか。その中間においての点検はどういうふうになっているか、そのタイムスケジュールを出してほしい。私はここで考えるのに、これは当該機ばかりでなくて、やはり全体的にチェックの方法をもっと厳密にしなければいかぬと思う。最近レジャーブームも激しくなりまして、特にローカル航空の経営からいけば、きのうも団体の輸送だそうでありますが、かせぐということは必要でありましょう。しかしながら、無理な稼働がありはしないかと私は思うのです。この飛行機がどういう状態か、この資料だけではわかりません。少なくともそういうものをもっと安全の面からチェックしていく、見直すという方法が必要だ、こう思うのですが、これは航空局長、どうですか。
○栃内政府委員 私は、ただいまの御質問の点、この機材に過酷な負担をかけておったんじゃないかという点を指摘されて、その点について不十分の点があれば改める、また十分にやっていたかどうかという点の資料を提出せよ、こういう御要求だと思います。私どもとして当然やらねばならぬことでございますので、さっそく調査をいたしまして、この飛行機にふぐあいの点があるかどうか、よく検討いたします。
○久保委員 耐空検査なりあるいは改造、修理の検査がありますね。この飛行機は改造あるいは修理はしていますか。あるいはその証明をしていますか。検査をしていますか。
○大沢説明員 修理、改造、検査というものは航空法で分類しております。大修理あるいは大改造を行なったときに申請して受けるということになっておりますが、詳しい記録を私持っておりませんが、おそらく輸入後はやっていないんじゃないかと思います。
○久保委員 それでは小部分の修理はたくさんやっているかどうか、それからこの航空機の予備品はどういうふうになっているか、これは資料として出していただきます。
○大沢説明員 後ほど調べまして資料をお届けいたします。
○久保委員 いずれにしても、この耐空検査なりあるいは改造、修理の検査なりについて、もう少し法律あるいは省令その他全体を通じて見直す時期にきたと私は思うのです。いままでは残念ながら、日本の航空産業を含めて航空界というのは戦争後中断した形で、最近YS11号機が出たという程度であります。でありますから、今日ほとんど外国機を輸入してやっているわけです。ここにもやはり一つ問題があると思う。たとえば、これはコンベアですが、コンベアは現在アメリカならアメリカで生産をずっと続けておりますか。
○大沢説明員 製造を中止しております。
○久保委員 製造中止は何年前ですか。
○大沢説明員 はっきり覚えておりませんが、事故機はコンベア240といいますが、その後コンベア340、コンベア440という多少大型のものに設計を変えまして、コンベア440をやめましたのが二、三年前だと思います。
○久保委員 製造を中止していると、予備品のことはあとで資料をもらうことになりますが、そういう飛行機を使わねばならぬというところにやはり問題があると私は思いますね。もちろんいま国内の生産がありませんから、外国機を輸入するということも一つの手段ではありましょう。しかし予備品も、私の推測でありますが、製造中止をして不足しているんじゃなかろうかと思うのです。しかも先ほど予算委員会でもお答えになって、飛行機には寿命がないと言われた。寿命がないというのは、生産中止したら寿命がないと私は思うのです。別な意味で寿命はなくなった。あなたが答弁されたのは、これは永久に使えますという意味ですね。こんなのは今日通用できるかというと、一般的には、どうも理解しにくい問題だと思うのです。だから先ほど申し上げたように、少なくともこういう輸入の問題あるいは耐空検査なり修理問題なりを含めて、これはもう一ぺん見直すというふうにすべきだと私は思うのです。特に輸入機について除外例を設けてアメリカ連邦航空局の権威を重んずるというのもけっこうだが、やはり日本政府の責任として、その輸入機について新たに点検すべきだと私は思うのです。これはおやりになることが当然だと思いますが、運輸大臣、どうですか。
○綾部国務大臣 私、航空機の性能その他について知識を持っておりませんので、技術部長をして答弁させます。もしあなたのようであれば当然やるべきだと思います。知識がありませんから……。
○久保委員 いや私も知識はないのでありますが、ものの責任上からいっても、やはり連邦航空局の権威だけで継承するというのは、政治的にいかがかと思う。いかがでしょう。
○栃内政府委員 私は決してアメリカの航空局を盲信するわけでございませんで、詳しいことは技術部長に説明してもらいますが、航空機のこの種の問題につきましては、国際間におきまして特にICAO加盟国間におきましては、相手国の当局の技術に対する権威と申しますか、そういうものを相互に信用し合うというようなことが非常に多いわけでございます。一々具体的な例につきましてはここで私記憶しておりませんが、大沢技術部長は説明できるのじゃないかと思います。かように考えております。
○久保委員 部長の説明の前に申し上げますが、私はICAO加盟国の取りきめというか、それも尊重します。しかしこれは、言うならば、製造して使用してから何年後にこの会社は輸入したのですか。新しい、いわゆる型式認定によるような新造機なら、これはなるほど新しい飛行機でありますから、まあまあ権威を重んじてもいいけれども、何時間飛ばせてやったのかわからぬというような長い時間使用してから輸入されるわけでしょう。これはいかがですか。
○大沢説明員 この飛行機は輸入して二年になります。製造後二十三年たっておりますので、輸入の当時は二十一年目だったと思います。
○久保委員 どうもそれを聞くと、当校は当然だろうというのが一般の見方だと私は思うのです。あなたたちの当局の御説明は御説明として聞くけれども、残念ながら二十三年たった飛行機を輸入するのに、連邦航空局の権威を重んじてそのままだというのでは、どうも政府の責任としてはとりかねる。型式認定ということで、新しい航空機をつくって、そうしてその新しいものを輸入するというならば、これは一つの筋道にもなりますが、航空法第十条の四項、このただし書き、例外事項は、この中古輸入機にも適用はあるのでしょう、そうでしょう。
○大沢説明員 ちょっと先ほどのことを訂正させていただきますが、昭和二十三年製でございますから、できてから十六年たっているわけでございます。輸入して二年たっておりますから、輸入当時は十四年でございます。それでアメリカ航空局の証明をある程度尊重いたしますが、先ほども申し上げましたように、輸入当時の現状については相当厳重な検査をやっております。
○久保委員 それば航空法何条に基づいてそういう厳重な検査をしているのですか。
○大沢説明員 十条で除外しておりますのは、設計なり製造過程については省くことができるというので、現状は除外しておりません。したがって現状についての検査はやっております。
○久保委員 いずれにしてもこの検査の問題、どこの故障でああいう事故を起こしたかわかりませんが、耐空検査を中心にしてやはり器材の検査をもっと厳密にやらなければいかぬ。それから話は違いますが、いわゆる運航中におけるところの検査、定期点検の方法、二百時間でいいのかどうかということ、最近は国鉄なんかでそういう修繕回帰キロというものを延ばしていくために事故はないという答弁が間々あるのですが、これは乗るほうにとってはとんでもない話です。なるほど点検の度数を減らしたり時間を長く延ばせば、それだけ経営にはプラスであります。それはしかし輸送の本質である安全性には相反する問題なんです。これは十分経営の問題ともからみますが、少なくとも経営は安全性の上に成り立たなければやめるべきだと私は思うのです。そういう点の考えが最近は非常に薄くなっている。これは厳重に反省する時期だと思うのです。特に最近、先ほど言ったように航空機の利用が多くなってきておる。あるいはローカルは、言うならば、集団旅行を勧誘していく、そのために稼働が酷になる、あるいは点検も間々おろそかになると言っては語弊があるが、そういうこともあるのじゃないかということは、だれもが考えることです。だから、これをチェックし、これにブレーキをかけるというのが運輸省の任務ではないかと私は思うのです。これはもう一ぺん早急に――単に起きた事故の末梢的な原因だけ追及するのじゃなく、全体的にこれからどんなケースの航空事故が起きるかわからぬのです。毎日違ったケースが出てくる。だからやはり全般的な安全性の問題を追及していく時期だと私は思う。運輸大臣、どうでしょう、私はそう思っています。
○綾部国務大臣 お説のとおりで、注意します。
○久保委員 それからたび重なった事故のたびに、運輸大臣は各運輸業者陸海空全体にわたって注意を喚起しておるようですが、注意を喚起する訓示だけではなく、やはり具体的に指示しなければいかぬと思うのです。それから国のほうの対策も万全でなくてはならぬと思うのです。そこでこの間もちょっと予算分科会で航空局長ですかに申し上げましたが、たとえばきのうの大分の空港に、防災施設であるところの化学消防車なり何なりが適切に配置されてあったならば、この死傷はもう少し減ったのではなかろうかというのがわれわれの見方ですが、どうでしょうか。
○栃内政府委員 大分には私のほうの消防車が一台配置してございます。ただこの消防車がどのような行動をとったかという点につきましては、まだ報告がまいっておりません。
○久保委員 空港整備にしても、路とタワーができただけでは空港整備ではないと思うのです。むしろ防災です。最近の航空機の事故は離着陸時だけに集中しておるのですよ。この問題についてどう思っておるか。離着陸時に事故が多いということはどういうことでしょう。これは何回もあったのですから、いままで御研究なさっておると思うのです。藤田航空の問題も、あれは言うならば離陸直後ですよ。最近の事故もそのとおり。これは技術的に何か点検されましたか、いかがです。
○大沢説明員 御指摘のように、大部分の事故は離着陸時に起こっております。しかしこれは日本だけの状況ではございませんで、世界じゅうほとんど共通でございます。いろいろの原因がございますが、一言で言えば操縦のうちで発着操作が一番むずかしいということじゃないかと思います。
○久保委員 世界の共通事故だといって、最近アメリカでも墜落事故がありましたが、あれは墜落事故ですよ。離着陸時じゃないのです。共通だから、あなたのおっしゃるように乗員の腕の問題だという。腕の問題なら、それではどうしたらいいかということです。
 そこで次に、いわゆる乗員訓練の問題です。きのう操縦されたのは、だれが操縦されておるのですか。機長ですか。
○栃内政府委員 昨日のは、機長三島好美、副操縦士菅野辰雄、この二名が操縦席に着いておったという点ははっきりいたしております。なお、新聞その他で、菅野辰雄がそのときに主として操縦をしておったという記事が出ておるのを私は読んでおります。ただ、現在私のほうの係官が現場に行きまして、きょうの午前中は医者のほうの許しがおりないので、午後から事情を聴取できるであろうということの報告がまいっておりますが、この機長と副操縦士との間の操作が実際上どういうふうに行なわれておったのか、その点は私のほうのそちらの専門の係官において、菅野辰雄が操縦をやっておったという形がどういうことであったのか、この形がどうであったかということは一つの問題にはなると思います。しかし三島好美という機長との関連、すなわち三島好美も操縦をしておったというようなことであるかどうか、この点は非常に詳しく調べないとわかりませんので、新聞報道のみによって菅野辰雄だけがやっておったというふうにはいまにわかに断定できない、かように考えます。
○久保委員 そこで、これはいますぐわからぬと思うので資料として出してほしいのだが、この機長並びに副操縦士が大分空港に離着陸した回数、これを調べてほしい。いずれにしても乗員訓練の問題が一つあると思うのです。ところが、みんな訓練費には相当なものがかかるというので、実はなかなかうまくいかない。そのために、ここにもあるように、旧陸軍なりあるいは海上自衛隊というか、自衛隊のほうから来てもらうということなんですね。しかも宮崎の航空大学も、いうなればこれはプロペラ機の第一期の、ほんとうにヘロン機ぐらいのところでしょう。そういうものぐらいでしか実は養成ができないというような実態をいつか国政調査で行って見てまいりました。ところがことしの予算一つ見ても、乗員訓練費は日航に多少出しておりますが、あとの全体的な乗員訓練に対するところの施策というものはどこを見ても見当たらぬ。航空大学の設備拡充にしても、残念ながらこれはうまくいっておらぬ。運輸大臣、これはいかがですか。飛行機を飛ばせるという仕事をやらせるならば乗員訓練についても多少やっぱり考えていくべきだと思うのです。しかも、直轄の航空大学の整備などは目下一番焦眉の急を告げられておる問題ですが、二、三年実際何もやっておらぬ。いかがですか。
○綾部国務大臣 乗員の訓練というのは非常に重要な問題で、日航には今年たしか三億五千万円の乗員訓練費を出しました。運輸省所管の航空大学におきましては、予算を伴わないでやれる内容の充実を目下やっております。そして逐次予算増加等につきましては考えてみたいと思っております。
○栃内政府委員 ちょっと私から補足して申し上げますが、航空大学校の現在の施設その他すべて、はっきりしたことばで申しますならば貧弱であるということは私も率直に認めます。これにつきまして、私の考えといたしましては、現在におきましては規模の拡大をするというよりも、むしろそれ以前の内容の充実ということがもっと急ぐべき問題ではないか。すなわち訓練用の飛行機の台数が足りないというような問題の解決、そのほか教育上のいろいろな施設、こういうものにまず予算を充当する。これは若干ずつ毎年認められております。今後もこの線で航空大学校の質的充実をまずやる。これがいい操縦士を出す一番重要なことではないか。現在の段階におきましていたずらに規模を拡充するよりも、質的充実をはかったほうがいいのではないか。この線で今後とも努力をいたしたい、かように考えております。
○久保委員 それからもう一つは乗員の訓練費、たとえばこの機長あるいは副操縦士のように旧軍隊から来た者、あるいは自衛隊からこちらの会社へ来た者というものもかなりあるようですね。あるとすればやはり一般の定期運送用の操縦士として、一応の試験過程を通ってこられたとは思うのですが、やはり再訓練の必要があると私は思うのです。戦闘機を操縦するものと旅客を輸送するものとでは私は違うと思うのですが、そういう再訓練についてはどういうことをなさっていますか。
○栃内政府委員 これはまことにごもっともな御質問でございまして、戦闘機乗りがいかに優秀であるといってもそのまま旅客用には使えないということは当然でございます。したがって、現在は、戦闘機乗りからきた者が何人おるか私いま数字を覚えておりませんが、そういう者につきましては旅客機用のために特別の訓練を各会社においてやっております。
 それから、なお御参考に申し上げておきますが、今回事故を起こしました三島好美、菅野辰雄はいずれも戦闘機要員ではございません。三島好美は自衛隊におきまして輸送機のパイロットであった。菅野辰雄もプロペラ機の練習機なりあるいはさらに高度のプロペラ機の飛行機に乗っておりまして、決して戦闘機に乗っておったという経歴は両名についてはございません。
○久保委員 この二人については別にそういうことはないというのでありますが、やはり輸送機に乗っていても、あるいはプロペラ機に乗っていても、プロペラ機といっても二人か三人乗っているものもあるでしょうし、しかも四十人からの定員の飛行機を動かすのでありますから、やはり再訓練の基準をつけてやらせるということが必要だと思うのです。会社は会社なりにやるでしょうが、それでは少しどうかと思う。あなたのほうでちゃんと基準をきめてやはりやらせるべきじゃないか、そういう時期だと思う。もう一ぺん見直すべき時期だと私は思うのです。
 時間がございませんから先にいきますが、さっきの防災の問題であります。この前も質問しましたが、羽田の空港では九台の消防車がある。ところが人員の配置も満足でないということなんですね。三十一人の定員がなければならぬというのに、それ以下で全部やっているというような実態も私は聞いておるわけです。何なら写真がありますよ。たしか二月の初めのころの日でありましたが、その写真をとりますと、九台の配置に対して九人しか配置していない。甲と乙の消防車があれば、甲乙両方の配置になっておるわけです。一人で二台動かすわけにいきませんよ。ところが実際そういう配置になっておる。だから、この間の予算分科会でも、九台のもので三十一名が配置されなければならぬものを、たった九名しか当日は出ていなかったということを申し上げたのです。その常時確保されていなければならぬものが、しかも三十一名の全員は確保されていないのじゃないかと私は思うのです。しかも大分空港の消防車は単なる消防車であったかどうか、そういう点も聞きたい。いかがですか。
○栃内政府委員 大分の消防車が今度いかなる行動をとったかにつきましては、先ほど申しましたように現地からの報告がまいっておりませんので、現在はわかりません。
 それから羽田の消防の問題でございますが、これは私のほうの資料によりますと、消防車は羽田には三台ということになっております。もちろん消防車以外に、給水車あるいは救急車、こういうものは別で、全部ひっくるめて八台ということになっております。これに常時配置しておる者が十一人。そのほか応援者という者によってこれを動かす、こういうふうなやり方になっております。
○久保委員 これは航空局長に申し上げてもどうかと思うのですが、運輸大臣、いまの御説明と私の数字とは多少違いますが、八台に十一人ですよ。そうすると消防車一台に一人ちょっとですね。そんなことで間に合うかどうかということですよ。私は総合的に災害が起きた場合には全部のものが出ていくという場合が相当多いと思うのです。化学消防車もある、給水車も必要だ、私はそう思うのです。救急車も必要です。そういうものが一台一人乗っかっていって操作ができるはずはない。われわれも羽田空港へ行ったときに化学消防車を一台見ましたが、あれはたしか四、五人乗らなければいろいろな操作ができないのですね。そういうことを考えて、常時配備されているものが配置されていないというのでは、これはどうかと思う。こういう点の人員は早急にめんどうを見ておくということではないかと私は思うのです。
 それから、その他のローカル空港については、なるほど消防車も普通の消防車だと私は思うのです。ところが、その消防車に乗る人間は正確に配置されているかどうかというと、私はおそらく一人か二人、せいぜい二人くらいじゃないかと思うのです。私は一人あればいいほうじゃないかと思うのです。それは調べてください。何人あるかわからぬ、そういうことで飛行機を飛ばすことに私は無理があると思うのです。しかも、さっき話が出たように、大体傾向として、世界の航空機事故は離着陸時の際が非常に多いんだ、そのとおりなんですね。そうだとすれば、空港における防災体制というものは完備していなければならない。完備してないままに飛行機をどんどん飛ばすところに私は問題があると思います。そういうこともひとつこの際よく点検してもらいたい、こう思うのです。
 それからもう一つは、コンベア機は、着陸するのにはどの程度の滑走でとまるのですか。
○大沢説明員 重量によって違います。お客さんは満員でございますが、今回の場合燃料はあまり積んでおりません。したがいまして、飛行機の重量としては、許される着陸の最大重量よりは相当軽いわけでございます。きのうちょっと当たりましたら、おそらく三万八千ポンドくらいじゃないかといっておりますが、そのくらいで着陸したといたしますと、六百メートルか六百五十メートル必要だそうでございます。
○久保委員 それで、この大分空港の滑走路は何メートルありますか。
○大沢説明員 千二百メートルでございます。
○久保委員 これはオーバーランも入れてですか。本滑走路だけですか、余裕を見てですか。
○大沢説明員 オーバーランが両端に六十メートルずつございますから、オーバーランを入れますと千三百二十メートルになります。
○久保委員 本滑走路千二百メートルで、大体いまの重量でと仮定して六百メートルから六百五十メートルというのですね、大体半分ないし半分以上になります。まあオーバーランを入れて半分という――しかし、きのうの状態を見ても、これはそういうことではいかぬではなかろうかと私は思うのです。滑走路の延長についての計画は、これはなかったのかどうか。
○栃内政府委員 滑走路の長さ、これは飛行機との関連において重要な問題でございます。現在ローカル空港は、主として大部分千二百メートル、それにオーバーランという基準でつくられております。これは、これではたして十分かどうか、いまの技術部長の答弁にもございましたように、計算上は私は十分であるというふうに確信しております。ただ、滑走路は十分以上に延ばすということはいろいろな面でいいことでございます。したがって、この滑走路の延長ということは、基準が千二百メートルだからそれ以上は要らないのだ、こういう意味ではございません。したがって、ローカル空港によりましては、その付近の事情、いろいろな事情を考慮しまして、滑走路の延長ということはかねてから着手しております。ただ、当該大分空港につきましては、いままでこれの延長をやろうということは、具体的に考えたことはございません。
○久保委員 それじゃいまの重さで、大分空港で滑走して離陸する距離はどの程度ですか。
○大沢説明員 おそれいりますが、ちょっとただいま資料を持っておりません。
○久保委員 大体勘では着陸のほうが短いか長いか、離陸のほうが長いか、どっちです。
○大沢説明員 ほぼ同じくらいじゃないかと思います。
○久保委員 そうしますと、やはり安全性からいって、この飛行機をここで飛ばすことがいいのかどうか。というのは、滑走路との関連で、大体こういうものは、いまのお話だと大体倍あるんだから何とかなるだろうという、倍あると途中でとまりそうになったら――きのうの新聞報道によれば、途中で離陸に入ったというのですね。倍あるんだけれども、事故の際ですから、倍では実際に間に合わぬということですね。だから、滑走路についてももう少しものの考え方を改めて、そこに離着陸する飛行機についてもある程度の制限というか、これに見合ったものに考えていく時期ではないかと私は思う。実際は極端なことになりますがね。そのくらいの思い切ったことをやらぬと、年じゅうこういう事故が絶えないんじゃないかと私は思うのです。どうですか、航空局長。
○栃内政府委員 航空機が大型でも滑走距離が短くなればまことにけっこうでございますが、大体の傾向として大きくなれば滑走距離も長くなる、これに応じて滑走路の長さを延ばしていく、これが一番の筋であろう、かように私は考えます。ただ全国の飛行場につきまして、それを一斉にやるということは、実際問題として困難でございます。したがいまして、現在の千二百メートルの滑走路でコンベア240が着くということを考えますと、やはり滑走路に合わせた燃料なり客なり貨物なりを積む、これはたとえば夏には何ポンド積める、冬には何ポンド積める、それからどこまで飛ぶというような点で、いろいろな計算か出てまいるわけでございますが、むしろ飛行場に合わせて飛行機の使い方をある程度押えるという必要がある場合には、やむを得ずそうせざるを得ない。しかしものの考え方としては、むしろ飛行機のフルな性能に合わせて飛行場を延ばしていくということのほうが、私は前向きの正しいいき方だと思いますが、これをすべての空港についてやるということは、実際問題として非常に困難でございますので、現在におきましても特定のローカル空港につきましては、ここに非常に輸送需要がある、そのほかの条件があるというようなところにつきましては、すでに予算要求も認められまして工事に着手するというようなもの、あるいは調査費を要求するというようなものもございまして、逐次やっておるわけでございます。全国的に全部がそうなるには、相当年月は要すると思いますが、やはり考え方としては前向きでいくというのが正しいのじゃないか、かように考えます。
○久保委員 航空局長の答弁でよろしいかと思うのですが、前向きでやはり滑走路の延長についてもう少し積極的に考えていくということが一つです。さしあたりは、あなたが前段言われたように、滑走路に合わせた飛行機の使用の方法をもう一ぺん点検してみる必要がありはしないかと私は思うんです。これは今後御点検なさいますね。
○栃内政府委員 さらにまた専門の技術者に命じまして、再検討をさせたいと思います。
○久保委員 私は、質問者がありますから以上で終わりますが、いずれにしても運輸大臣、これは逐一もう一ぺん見直すという点検の方法をとるべきだと思うんです。航空の問題ばかりじゃありませんが、きょうは航空の問題ですから、ひとつそれを近いうちに点検の方策をとる。それから運輸省には総合的な事故対策委員会というのをつくっておるそうでありますが、対策委員会をつくっただけでちっとも中身は具体性がなくて抽象的でいつもやっている。しかも壁になるのはいつも予算の問題だ、こうくるわけですね。この辺でもう少し運輸省も安全輸送について、もっと本腰を入れるべきだと思うんですが、これはどう考えておるのですか。
○綾部国務大臣 庁内における対策委員のなにを督励いたしまして、結論のあり次第それを実行し、その実行に伴う予算が必要になれば勇敢に私は要求して、何といってもすべての輸送機関というのは迅速、正確、安全、これが一つ欠けても輸送機関の使命を果たせないのですから、それが果たし得るようにやっていきたい、かように考えております。
○久保委員 大臣の答弁はいつも同じような答弁でございまして、大臣だからその辺の答弁でよろしいのかもしれませんが、われわれ、先ほど申し上げたように、委員会を開くたびに事故の問題を取り上げなければならないということは、何というか、身につまるような話なんです。あなたも同じだと思うのですが、しかし、身が詰まるからといって、このままでいたのでは方法がないのでありますから、大ざっぱなことではなくて、もっと詰めた話として、これは関係の閣僚懇談会を持つなり、あるいは政府部内において安全輸送対策のいわゆる首脳会議を開くなりして、もっと詰めた形でやるべきだ、こう私は思っているんですが、そういうお考えはどうですか、持っておりませんか。
○綾部国務大臣 持っております。
○久保委員 それでは、最近のうちにあなたは――この辺で事故はもう切りをつけたらいいと思うのです。海難にしてもそうですね。陸のほうは毎日ぐらいに人が死んでいくというのですから、この辺で、近い時期に閣議にあなたが中心になって提唱して、何かの形をつくって早急に対策を立ててもらいたい、こういうふうに要望すると同時に、死傷者に対して十分な慰安というか慰問というか、それと補償の問題が当然出てくるでしょう。この間、この飛行機に乗っていたお客さんの大半はみなはきもの関係のお客さんだそうで、言うならば中小企業であります。そうなると、一家の支柱なり何なりを失う、そういう問題も出てくるかと思うのです。政府としては万全の措置を当該の会社にとらせると同時に、やはり政府でやらなくてはならぬものは適切に手を打ってほしいということを要望して、私は質問を終わります。
○川野委員長 泊谷裕夫君。
○泊谷委員 三河島、新鶴見と悲惨な事故が相次いで起きまして、私どもとしては、先日川野委員長を中心に与野党の運輸委員の皆さんが、雪の中で新宿の駅を実地調査をする、こういう、いまの悲惨な事故に真正面から取り組んでみようというやさきだけに、今回のできごとは強い衝撃を受けるのであります。特に今回なくなられました方々、そしてまたその遺族の方々にお悔やみを申し上げておかなければならぬと思いますし、けがされた方々の一日も早く全快されるように祈りたいと思います。
 そこで、この種の問題ができますと、ともすればその衝に当たっております航空局の皆さんを中心に議論がされておるのでありますけれども、まだ調査が十分でないとはいえ、それら苦悩しております役所の皆さんも含めて、予想される問題について、この緊迫した空気の中で方策を立てることこそが、いわゆる政治の基礎である、人がまず平和で生きられるという素地を確立することだと思いますので、その素地に従って質問をしてみたいと思うのであります。
 技術関係の皆さんに聞きますと、純技術的に見ますと、今回の事故は、大別して、滑走路の不備か、気象条件によるものか、あるいは機体の故障か、さらには操縦士の過失か、こういう範疇において考えられるのでありますが、いま久保先生からもお話のありましたように、まず最初に気象関係については、報告書にもありますように、あまり問題がない。滑走路についてのお話もありましたけれども、滑走路は、板付を除いて十分でないという話を聞いておりますが、答弁もあったので省略をいたします。ただ、この機会に一つお尋ねしておきたいのは、昨年の八月二十二日高松空港で、同じコンベア機が着陸の際Uターンをいたしまして、ブレーキの働きが不十分なために滑走路を五メートルはみ出したという報道があります。これが事実とすれば、それと今回の事故の関連をどう考えたらよいのか、航空局長の御答弁をいただきたいと思うのであります。
○栃内政府委員 ただいまの御質問は、高松の事故と今回の事故の関連をお尋ねのようでございますが、今回の事故につきましては、いまおっしゃいましたように、天候がどうであったか、飛行場の整備がどうであったか、あるいは機体に問題がないか、また操縦士に過失はないかというような点を御指摘になりました。現在私どものほうの係官が参りまして、どこに原因があるかを調査中でございます。この場合に、天候はおそらく、先生のおっしゃるように問題にならなかったのじゃないか。また飛行場につきましても、これは先ほどお答えいたしましたように、もちろん、これが非常に広ければあるいは防げたかということは考えないわけでもございませんが、実際問題としてこれが狭過ぎたということではないんじゃないか。そうしますと、尽きるところ、機体上の欠陥かあるいは操縦士の過失か、あるいは両者が競合しておるかということが考えられます。これらの点につきまして、まだ操縦士の容体等の――と申しますのはお医者さんの見る容体でございますが、きょうの午後から調査をするということになっておりますので、いまのところ、どういう原因であるかということはわかっておりません。したがいまして、高松の事故との相互の関連性ということは、現段階においては究明しかねるわけでございます。
○泊谷委員 気象条件は悪くないし、滑走路も、満足すべきではないけれども、使用条件として許容される、こういうことになってまいりますと、残るものは機体の問題か操縦士の問題になってくると思うのであります。それで機体を中心に考えてみたいと思うのですが、その一つは、事故機の操縦系統から見た潜在的な欠陥は考えられなかったか。その二は、いま久保先生も具体的に質問をいたしましたけれども、事故機の整備実績はどうであったんだろうか。総括的にお答えをいただきたいと思うのですが、同機に事故に関連あると思われる整備上の手落ちは考えられなかったのか、こういう点について、いま承知する範囲をお知らせいただきたいと思います。
○大沢説明員 そういう機上の欠陥につきましては、まだつまびらかではございません。過去の整備につきましては、昨晩ただいま手元にございます資料によって調べた範囲内では、特に問題はないと思っております。
○泊谷委員 操縦系統についてお尋ねしたいのですが、それはあとで具体的に尋ねることにいたします。
 航空機そのものについても、いま久保先生も触れられましたけれども、技術担当者の話によりますと、エンジンのボーリングもするし、部品はかえるから寿命は長いという話ですけれども、この事故機は、生産は一九四六年ですから、戦時中なんですね。先ほどの話とちょっと違いますけれども、戦時中の生産で、かりにボーリングをする、部品を取りかえるんで年齢が長いとはいいながら、きょうの報告にも出ておりますが、日東航空のグラマン機の事故原因は、結果的に気化器の凍結と発表されておるわけです。盛んに北極回りなどが常時飛び回る昨今、一般国民の気持ちから考えて、技術論的にそれは成立しても、何か割り切れない気持ちが残ると思うのです。そこで、コンベアも240型から340型となり、440型に進化をしてまいりましたけれども、東南アジアを除いて、イギリスその他西欧陣営でこの飛行機を飛ばしておるかどうか。部品のことについてはあとで資料が出るそうでありますが、承知しておりましたら、西欧諸国で飛ばしておる国があれば、その実態をお知らせいただきたいと思うのです。
○栃内政府委員 技術上の専門的事項につきましては後ほど技術部長に答弁してもらいますが、ただいまのコンベア240がどういうふうに使われておるかという点につきまして、私どもの調査によりますと、生産された台数はいままでで百七十六機であります。これはジェーンの年鑑から得た数字でございます。それから現在使用中の同じ飛行機は百十一機、これはICAOの資料から調べた数字でございます。おもに使われておりますのは、会社としましてはアメリカン・エアライン、これはアメリカの国内航空会社でございますが、これが二十一機を使っておる。これが一番たくさん使っておる例でございます。
○泊谷委員 いまのは220型ですか。
○栃内政府委員 これは私のほうの調査によりますと、240ということで調べた、かように思っております。
○泊谷委員 現地の運輸省の係官の、きのうテレビを通しての話によりますと、北東で風速八ノットで、接地も少々内方に寄ったかもしれないけれども、通常とあまり変わりない。一たん三十二分に着陸連絡を発したというふうに話をされておるのですが、その後逆推進器の機能がどうかというようなことを疑問符として投げかけておりますけれども、またもう一度戻りますが、先ほどの高松との関連において、この類似しておる点についてどうお考えか。先ほど一たんお話がありましたけれども、これとあわせて御答弁をいただきたいと思います。
○大沢説明員 私たちも新聞その他でリバース――逆推力がきかなかったというような報道を耳にはしておりますが、われわれの手元に入っております正式な報告にはまだそういうことを言ってきておりませんので、先ほど局長がお答えしましたように、高松との関連は何とも申し上げられない実情でございます。
○泊谷委員 新聞報道によりますと、機長は五千五百余時間、そしてまた副操縦士は二千七百余時間の滞空時間を持っておる。ローカル線によくある臨時便の運航でありますが、先ほど運航系統のことでお尋ねをしたのですけれども、具体的に勤務体系、この事故機の過去三日間ほどの運航体系と操縦士の疲労関係などについて、監督官庁である運輸省として何か、いまにして思えば、そういう措置をしておけばよかったというような節があればお聞かせいただきたいと思います。
○栃内政府委員 私は昨日事故の報道を、事故後たしか二十分ぐらいたっておったと思いますが、東京の航空交通管制本部からきわめてばく然とした報道を受けまして、それからいろいろ調査を開始いたしました。そして機長あるいはその他の操縦士の名前もわかりましたので、いままで月にどのぐらいの飛行時間をやっておったかというのを調べてみました。これを一番初めにやったくらいでございます。ところが制限時間よりもはるかに下回る飛行時間であるということを発見しました。いわばもっと乗ってもいいんじゃないかという程度の飛行時間でございました。それからきのうは機長、副操縦士のほかにもう一名の予備の操縦士が乗っておったわけでございます。この予備の操縦士はおそらく交代要員として乗っておったんではないか、かように考えております。したがって、操縦士が酷使をされておったということは、私の見ました資料からは出てまいらないわけでございます。
○泊谷委員 今後の勉強のために具体的に参考資料を提示いただきたいと思うのですけれども、次に、私として最も今回の事故で注目しているのは、四月一日に、先日事故を起こしました日東航空、今回の富士航空、それと北日本と合併することになっている。昨年八月に八丈島で十九名の死亡者を出しました藤田航空も十一月に全日空と合併したのですね。この二つの事例を見まして、神のいたずらと言うとあまりにもおかしな話でありますが、昨年八月からの三件の事故がいずれも国内線の合併直前にこの種事故が起きているということであります。この点に、純技術論的な問題ではなく、別な大きな事故の背景がありはしないかということを憂慮しているわけであります。具体的に考えてみますと、経理上その他のことで労務管理が十分に行なわれないとか、あるいは最も重要な整備について欠けるところがある、十分でなかったところがあるのではないかというような感じを持つのです。この質問はたいへんむずかしい問題だと思うのですけれども、前段でも御質問しましたように、数多い人々がなくなったわけでありますから、ここは単に与野党という立場でなくて、この際私どもがこの仕事から離れても、昭和三十九年の二月の末の運輸委員会で、再びああいう事故がないようにと自分が言ったことは間違いないということで、おばあさんと一緒に楽しんで番茶をすすれるように、思い切ってこの問題については話をしてほしいと思うのです。特に航空局長と、できれば運輸大臣からもあわせて御答弁をいただきたいと思います。
○栃内政府委員 ただいま、藤田航空の事故が合併直前に起きた、また今回の事故も、また前回の大阪の事故も合併直前にあったというような点で、合併と事故との間に何か関係はないかというような御質問でございますが、これは、私としましては、合併と事故とが直接因果関係があるというふうにはなかなか断定しがたいのではないか、あるいは常識的に考えまして、何か気持ちが落ちつかないというようなことが、たとえば整備なりパイロットなりに影響するということがあり得るというふうに解すれば、あるいはそこに因果関係がありということも言えるかとも思いますが、これとても私から因果関係ありということはなかなか断言しがたい問題ではないか、かように考えております。
○泊谷委員 事故は、その作業場の環境というものが大事であることは承知しておって、いま航空局長の言われた運輸省という監督官庁の位置から見た場合の関連性というものはむずかしいと思いますが、別なながめ方をしまして、株の投資、資金調達というために本来整備をやるところが手薄になったり、あるいはこれによって合併がきまったという、資力における気のゆるみが、あまり数多い従業員ではないから、その人々に影響をした、こういう問題について、この際少し掘り下げて検討をしてみる必要があると私は思うのでありますが、運輸大臣のお答えをいただきたいと思います。
○綾部国務大臣 航空局長がさきに申しましたように、事故と会社の経営主体の移動ということに関連性がありとは私は考えておりません。と申しますのは、事故があろうがなかろうが、合併は進めるのだという当事者の声明もありますように、私はないと考えておりますが、ちょっとそれ以上お答えのしようがないと思います。
○泊谷委員 大臣のお答えとしては、その領域を出ないのかもしれませんけれども、これは場所を変えても、ほんとうに大事な人の命でありますから、事故のないように、さらに私どもは、具体的に政治の場で人の命を守るという仕事に携っておるのでありますから、特にこの面についての検討をお願いしたいと思うのであります。
 次に、航空会社は、また企業面から見ますと、巨額な資金を必要として、その投資効率はきわめて悪いと言われておる。ですから、企業の安定と国家的な要請と相反して苦悩しておるのが事実だと思いますし、諸外国に見られるような国家的な立場に立つ保護策も検討されなければならぬと思います。だがそれと同時に、監督官庁であります運輸省としても、いま一般的に所得倍増というようなムード的なもので、航空会社そのものがたいへん利潤の少ない企業だということで、一般に行なわれるべき整備その他の検査に、自分では意識しなくても、この際振り返ってみて、人の命を守るためにもう少しテンポをきつくしなければならぬではないかというようなことがいまの時点で考えられるかどうか、このことについて航空局長の答弁をいただきたいと思うのであります。
○栃内政府委員 現在私どものやっております整備方式と申しますか、監督方式というものは、かなり長い間の経験に基づき、また諸外国の例も徴してやっておるわけでございますので、一応十分であろうというふうには考えておりますけれども、しかし十分であるならば整備を原因とする事故は起らぬはずではないか、こういう御意見も出ると思います。したがって、今回の例あるいは前回の例等をよく考えまして、整備面でさらに厳重にすることが適切であるというふうに判断いたしましたならば改良する、かように考えております。
○泊谷委員 最後ですが、私の乏しい経験によりますと、私は病院の研究補手をやりまして眼科に回されたことがあります。初めは、ずいぶん世の中には目くされが多いものだという感じがしましたけれども、一週間もすると麻痺してしまう。そこでぼくが先ほど運輸省の皆さんにお願いしたのは、一般的に景気が好調の中で航空会社の企業が気の毒だというような気持ちが心のすみにあって、整備に手心が、あるいはそれが何の不自然もなしに行なわれているということがありましては結果的に大きなことになりますので、この機会にもう一度鬼になった気持ちで整備関係をながめてもらうことを強く期待をしたいと思うのです。
 最後に、大臣もおいででありますから、久保先生からもお話がございましたけれども、今回の罹災者に対しては、中小の皆さんが多うございますので、特に許される範囲のお力添えをいただきたいと思います。その点を申し上げまして質問を終わりたいと思います。
○肥田委員 私、関連質問で若干聞きたいことがございます。
 今度の航空事故は、二十名の死者で、あとが重軽傷で助かったという、まことに不幸中の幸いであったと、その点では思います。ただ、こういう事故があるたびに、航空局長が言われておったように、新聞の報道を見ると、それぞれ事故の根源になるような事態に触れておるような気がします。たとえば日東航空の昨年の五月の事故でも、これは少々の悪天候でも飛ばしてしまえ、こういう指示で無理に飛ばした、そのために事故が起きた、こういうことも言われております。それから先般の事故についても、新聞でも報じておるように、いろいろ事故が当然起こるようなことが新聞には書かれておる。このたびの事故についても、菅野副操縦士は、私は初めて操縦桿を握ったのだというふうな記事が新聞に載っておる。この真偽はあなたのほうで当然はっきりされることと思うのですが、そういうふうに、いろいろな問題がその事故のたびに新聞に書かれております。そこで新聞が一般問題として取り上げておるのを読んでみて私は感じたことがあります。その一つは、一、二年来、日航においても、従業員の待遇の問題で組合と日航との間にいろいろ紛争が続いておりました。今朝の新聞にも、いわゆるローカルの操縦士は待遇条件が悪いからいい操縦士が来ないのだというふうに書かれておるわけであります。これを必ずしもわれわれは信用するわけではありませんけれども、しかしわれわれがこの委員会を通じて、運輸省の所管であるところの航空管制官の処遇の問題あるいは飛行場勤務者の待遇の問題、こういう点については、確かに何か特殊な姿のままで残っておる面があるのではないかという気がするのです。いま私は、ここで質問の中で、具体的に地方のこの航空会社の操縦士あるいは整備その他の勤務者がどのような待遇をしてもらっておるかということを具体的に聞こうとは思いません。これはまた私のほうでも調べたいと思いますが、こういう点にすでに一つの意見が出ておるということは、これは重要な問題だと思います。これらに対しては、いわゆる地上を走る輸送機関とは違うのですから、一つ間違えば、大臣もこの前言われておったように、もう全部死ぬということを一応覚悟しておらなければならぬ、そういうような状態のものですから、全体が一分のゆるみもあってはならない。そういう条件に置かれておらなければ円満な航空輸送はできないだろうと考えますから、これに対しては適切な指示を与えてもらって、それぞれの労働条件はどういうものか、ひとつ調査をしてもらいたいということが一つであります。
 それからもう一つは、久保委員からもお話のありましたように、いわゆるローカル飛行場の整備問題でありますが、なるほどこれは御指摘のように経費のかかる問題だと思います。しかし今度の事故をわれわれがしろうと的に考えてみても、千二百メートルの滑走路があるが、大体六百四、五十メートルあればコンベアなら着陸できる、こういう条件にあったといたします。そうすると、これがいわゆるオーバーランしたという問題をわれわれがしろうとなりに考えても、あるいは接地点を誤ってオーバーランしたのではないかということも考えられる。これはもうすぐわかることです。そうでなかったならば、機械の故障か、操縦士の誤りか、きわめて限定された事故だということになるわけです。しかしそういう場合でも、滑走路が十分であれば、そういう事故は防げるわけですから、いわゆる滑走路の延長という問題が重大な問題となってまいります。それから新聞の社説でもそういう点に触れておりましたが、いわゆる計器飛行ができるような設備をこの際やるべきだろうというふうにいっておりますが、私たちが地方の飛行場を見たときに、滑走路があるだけという程度の飛行場がまだ地方にはたくさんありますから、これらの航空輸送を遊覧その他をかねて運輸省が認可をしておる以上は、これらの整備についても、やはり早急に手段が講ぜられなければならぬと思うわけです。
 この二点について、これからの対策を伺っておきたいと思います。
○栃内政府委員 いま伺いました御議論は、私も非常に同感でございまして、航空機の事故というものは、最終的には一つの現象によってあらわされるということは事実でございますけれども、しかしいろいろなものがからみ合って事故というものは起こるのではないか。したがって、単にだれそれがこうしたからということだけで、それを直せばいいというのは真の事故対策ではない。この意味で、まことにごもっともな御意見と思います。したがいまして総合的な角度から、たとえばいま御指摘の航空保安施設を充実する、あるいは飛行場もできるだけ整備していく、これはいずれも金を伴う問題でございますので、理想的なものを一挙にやるということは、いかに努力しても事実上は不可能であるということを率直に申し上げねばならないわけでございますが、その理想の方向に毎年毎年前進していくという考え方で、航空行政は常に前進しなければならない、これが事故を克服していく一番積極的な方策ではないか、乗員の養成の問題にしましても、企業基盤の確立の問題にしましても、これすべて事故を防止するというところにつながっていく問題であろう、かように私は考えております。したがって、あらゆる点を総合的に推進していかなければ、今後の事故の現象だけを追うということだけでは、やはり事故というものは防げない、私はこの点で全く同感でございます。
○肥田委員 それからもう一つ、これは当然航空事業者も考えておることだろうと思いますけれども、われわれの経験からいたしますると、事故というものは必ず数回続けて起きるものです。これは鉄道事故であろうと、もう大きな事故というものは、その事業系列に関する限り、どんなに緊張しても必ず数回これは重ねる、こういう一つの型があります。ですから、これをただ単に口で、通達でということでは形式的になりますけれども、それでもなおかっこのように航空事故が発生しておるというときには、なお一そう航空事業者に対して注意を喚起する、こういう措置を講じていただかなければならぬと思います。こういう点を特に措置していただきますようにお願いいたしまして、質問を終わります。
○川野委員長 次会は来たる三月三日火曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十二分散会