第046回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号
昭和三十九年二月二十六日(水曜日)
   午後一時三十四分開議
 出席委員
   委員長 前田 正男君
   理事 菅野和太郎君 理事 佐々木義武君
   理事 中曽根康弘君 理事 西村 英一君
   理事 福井  勇君 理事 岡  良一君
   理事 山内  広君
     小宮山重四郎君    保科善四郎君
      細田 吉藏君    渡辺美智雄君
      田中 武夫君    三木 喜夫君
      鈴木  一君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 佐藤 榮作君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       鹿島 俊雄君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   江上 竜彦君
        総理府技官
        (科学技術庁計
        画局長)    村田  浩君
        総理府技官
        (科学技術庁研
        究調整局長)  芥川 輝孝君
        総理府事務官
        (科学技術庁振
        興局長)    杠  文吉君
        外務事務官
        (国際連合局
        長)      斎藤 鎮男君
        文部政務次官  八木 徹雄君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      宮川 岸雄君
 委員外の出席者
        防衛庁技官
        (技術研究本部
        技術開発官)  岡本 英男君
        大蔵事務官
        (管財局管理課
        長)      吉川 昌二君
        文部事務官
        (大学学術局審
        議官)     岡野  澄君
        運 輸 技 官
        (気象庁予報部
        長)      日下部文雄君
        参  考  人
        (日本科学技術
        情報センター理
        事長)     丹羽保次郎君
        参  考  人
        (日本科学技術
        情報センター常
        務理事)    三輪 大作君
        参  考  人
        (宇宙開発審議
        会委員)    大屋  敦君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 日本科学技術情報センター法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第六九号)
 科学技術振興対策に関する件(宇宙開発に関す
 る問題等)
     ――――◇―――――
○前田委員長 これより会議を開きます。
 参考人出頭要求の件についておはかりいたします。
 本日、日本科学技術情報センター法の一部を改正する法律案について、日本科学技術情報センター理事長丹羽保次郎君及び同常務理事三輪大作君より、また、科学技術振興対策に関する件、すなわち宇宙開発に関する問題について、宇宙開発審議会委員大屋敦君より、それぞれ参考人として意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席くださいましてまことにありがとうございました。どうか忌憚のない御意見をそれぞれの立場においてお述べくださるようお願いいたします。
    ―――――――――――――
○前田委員長 次に、本日の議事の順序について申し上げます。
 最初に、日本科学技術情報センター法の一部を改正する法律案を議題として審査を進め、次いで科学技術振興対策に関する件について調査を進めることといたします。
 なお、参考人からの意見聴取は質疑応答の形式で行ないますので、さよう御了承ください。
     ――――◇―――――
○前田委員長 それでは、まず、日本科学技術情報センター法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。福井勇君。
○福井委員 科学技術庁ができまして、その後私も情報センターをつくる当時、いろいろな関係の立場において若干つながりを持ってお手伝いしましたが、その後こんなに発展した状況については私十分承知しておりませんので、これから現在の情報センターの状況についてお尋ねしたいと思います。
 所管の大臣もお見えになっておりますし、特に詳しい鹿島政務次官がおいでになっておりますが、センターの理事長さんは、これは日勤でございますか。
○丹羽参考人 さようでございます。
○福井委員 常務理事の三輪さんは、これまた日勤でいらっしゃいますか。
○三輪参考人 常勤であります。
○福井委員 それでは大綱として、組織の上からいくと、常務理事という立場が一番世間の常識としては詳しいはずであろうと想像しますし、相当責任がある立場だと思いますので、まず三輪常務理事にお尋ねしたいと思います。
 貿易の自由化、技術革新に伴いまして、わが国の企業というものは、もはや外国の技術導入ばかりではぐあいが悪くなっておる。いままで明治、大正、昭和を通じて、外国依存ばかりではぐあいが悪くなってきたことは、これは万人認めるところでございます。今日日本独自の技術を開発しなければならないときに到達しておりますこのときにあたって、情報の入手を一そう重要視し、かつ速度を上げなければならない。情報センターはわが国の中枢的機関としての使命も重く、かつ開設当時からその重要性を私たちは国民とともに認めておったのでありますが、責任も非常に重大でございますので、その運営方針を承りたい。
○三輪参考人 情報センターができましてからことしで七年になろうとしております。その間、わが国の科学技術の発展は非常に急速でございまして、当初私どもが情報センターをつくろうとしたときに想像した以上に急激な発展を来たしておりまして、そのためにわれわれ役員といたしましても、情報センターの運営については日夜努力しておりますが、その根本方針といたしましては、これは国会で御承認を得る場合に、公益性に徹せよという附帯決議もついておりますので、われわれといたしましては公益性を尊重いたして、あわせて企業性を発揮するように、調和のとれた運営をまず第一にやらなければならぬと考えております。それに基づきまして、能率のいい、またサービスの徹底した仕事をやっていきたい。われわれのほうは図書館と違いまして、情報センター自身が積極的に産業界に情報を提供してやる、流してやる、それを研究所あるいは工場で実際面に活用していただくというのがセンター設立の趣旨だろうとわれわれは解釈しております。ために、迅速かつ適確な情報を流しまして、研究開発、あるいは企業の発展に寄与いたしたい、かように考えている次第でございます。
○福井委員 公益性と企業性とを調和をとっておるということを三輪君は言われましたが、それではどういうふうに調和をとっておるか。その運営というものについて国から出資金をどのくらいもらっておるとか、あるいは補助金の分とまた自己収入――情報センターは相当自分でかせいでおるということを私たちは他から聞いておりますが、その収入等の関係はどんなふうになっておりますか。
○三輪参考人 昭和三十八年度におきまして、政府からいただいております出資金は二億一千三百万円、補助金が七千万円、合計二億八千三百万円でございます。ただし、この中には新しいビルを建てるための建築費――工事費として九千百七十五万六千円、土地の借料といたしまして一千十七万六千円、合計一億百九十三万二千円というのが建築関係の費用でございます。したがいまして、事業費といたしましては、建築費を差し引いた一億八千百六万八千円に相なります。これに対しまして、三十八年度の自己収入の予定といたしましては二億九千百六十八万四千円を見込んでおります。したがいまして、三十八年度におきましては事業の総規模に対しまして、自己収入の占める比率は約六〇%に相なっております。
 三十九年度の目下大蔵省から内示をいただいております予算を申し上げますと、政府の出資金が二億三千万、補助金が七千七百万円、合計三億七百万円。そのうちビル建設費といたしまして工事費並びに土地代を合わせまして一億百四十四万五千円と相なります。建築費を差し引きますと、事業費といたしましては二億五百五十五万五千円。これに対しまして、自己収入の予定といたしまして三億三千百七十四万三千円、こういうことになりまして、予定しております自己収入に対します事業全体の規模の比率は大体六〇%内外になります。
 ただし、事業費の政府からいただいております三十八年度と三十九年度の増加額は二千四百万円でございまして、これは昨年の一億八千万に対しますと一三%の増加になっております。われわれといたしましては自己収入をはかるということも大事ではございますが、先ほど申しました公益という面にも力を注ぎまして、センターの運営にあたりましては公益性と企業性とをうまく調和してやっていこうということで、現在のこの予算に対して何とかわれわれは努力して、予定の収入もあげ、また公益性も発揮したいと考えております。
○福井委員 三輪常務理事は、これは決算委員会でありませんから、そんなはんぱな詳しい数字まであげてもらわぬでもけっこうでございます。私はこまかな点を決算委員会で別にお尋ねいたしますから、あまりに詳しいはんぱな数字はけっこうでございます。
 公益性を尊重せよということは、この法律を衆議院で通すときの附帯決議として、条件として入れているのでございますが、いまの答弁では若干まだ公益性ということの十分な認識がどうも心配なのであります。もう少し詳しく公益性についての説明を常務理事にお願いいたします。
○三輪参考人 公益性というのは、いわばセンター自身が考えますと、自己収入だけを考えました場合に、たとえば売れない速報、出版物がある場合に、そういうものはやめまして、たとえば電気、機械、化学というようなものについてのみ速報を出しておれば、これは非常に率がいいわけであります。自己収入をあげるためには、出費が少なくてよけい自己収入があがるということになりますが、センターはそういう偏した情報活動をやってはいかぬ、やはり原子力も土建も物理も建築もやらにゃいかぬということで、国全体の科学技術のあらゆる分野を網羅的に、どの分野が合わないとか損だとかいうことを無視いたしまして、全体にわたって落ちのない収集もしなければなりませんし、また提供もしなければならぬという意味で、いわば公益性という意味はこれは国家がやるべきことをわれわれが代行してやる。したがって、そのために国から多額の出資金、補助金をいただいているわけでありまして、日本の科学技術の発展に必要な分野に対しては、漏れなく公平に幅広い収集を行ない、また適切な提供をやっていくということが私は公益性の本意ではないかと考えております。
○福井委員 国から多額の予算をもらっているという答弁でありましたが、あたかもこれで十分だと言わぬばかりの印象を私は受けましたが、これは間違っております。私は科学技術情報センターの予算が足らぬと思う。これは最も科学技術庁に関係してくるわけです。また、大蔵省に関係してくるのでありますが、この予算編成について、科学技術情報センターの予算はこれではいけないのだということを、私は大蔵省にも、科学技術庁当局にも、常に強く希望してきました。そういう事実がありますので、国から多額の予算をもらっておってこれで足りるというような印象を受けるような答弁をしてもらっては困ると思う。事実足らぬのですから。公益性について私はもっともっと考えるべきだと思います。国の予算をもっと大幅につけて、もちろん情報センター自体の丹羽理事長や三輪さんだけではこれはできないことでありますので、科学技術庁当局に、もっと遠慮なしに連絡されて、私は情報センターの使命を達成するために大幅につけるべきだと思います。
 さらに、それだけの収入をもうあげてきたという説明でありますが、他の特殊法人と違った運営をやっていかなければ、自主性と機動性と、それから、情報センターでありますからサービス精神に徹してやらなければなりません。これは監督官庁としてセンターとよく話し合って、監督官庁のほうは、センターに自主性を他の法人よりも特に大きく持たせて、機動性とサービス精神とを発揮させるように努力すべきであると私は科学技術庁当局に希望するわけです。それとうらはらに、当事者自体としてもその精神をより一そう発揮してやっていただきたい、こう思います。
 次に、情報提供のサービスというものは、実際どうなっておりますか。
 もう一つ、私はこの情報提供について相当りっぱになってきたということは認めるにやぶさかではありませんが、この際、台湾だとか、朝鮮だとか、東南アジアだとかいう方面と、いろいろ関連が深くなってきておりますので、これらの方面にまで日本の情報センターはこれほどりっぱに役に立つものがあるということを示して、そして利用してもらうということが、科学技術の飛躍にももちろん寄与するところでありますが、友好関係を増すというふうな気がいたしますが、いまの情報提供のサービスの点については具体的にどうなっておるか。
 それから、これは自民党としてのなにではありませんが、自民党の福井委員としての希望であります。これは米国やドイツや英国に持っていっても、向こうからもらった資料が多かったりすればどうかと思いますから、特に後進国という方面にはどういう考えを持っておられますか。
○三輪参考人 提供業務、すなわちサービス業務といたしましては、定期刊行物を発行いたしております。これは四十四カ国から約四千種の雑誌を航空貨物便あるいは船便でとりまして、その論文を抄録をいたします。二百字あるいは三百字ぐらいにその抄録を分類いたしまして、月に二回、八シリーズありまして、電気、機械、その他ございますが、それを発行いたしまして、研究者あるいは技術者が自分の必要な分野を読みまして、関係のあるものは原典を見たいという必要がございますと、それを申し込めば複写をして差し上げる、これは約二週間ないし三週間で複写をしてお届けいたしております。なお、その際、ソビエト語だとか、あるいはその他特殊外国語については、希望があれば翻訳もして差し上げる、そういう刊行物を出してのサービスと、次に、いま申しました原典の複写をするという複写サービス、それから翻訳をいたすサービス、もう一つはいろいろな特許の問題だとかあるいは新技術の問題だとか、こういうものを調査をしてほしいという依頼調査もやっております。以上が提供業務の内容でございます。
 それから、東南アジアに対する関係でございますが、特に台湾、韓国、中共に対しましては、私どもで編集しておりまする「文献速報」が、日本のナウカ社だとか極東書店を通じまして二百から三百部出ております。それから、そちらから調査の依頼あるいは抄録の依頼というのもきておりまして、年間にいたしまして金では約三、四百万程度の注文がございます。
 なお、韓国からは、昨年新しい情報センターが韓国にもできましたので、私のほうにいろいろな技術の面、運営の面を調査をしたい、あるいは教えてもらいたいということで、一人、約一カ月間研修にまいっております。
 その他、しばしば韓国あるいはフィリピンその他東南アジアの諸国から、日本に来るたびに情報センターに立ち寄りまして、われわれのやっている仕事を参考として帰っていきます。なお、韓国からは、今後そういう情報活動に対するセミナーとか講習会があったらば知らせてほしい、参画をお願いしたいという依頼もきております。
 以上でございます。
○福井委員 予算のときに私たちはいろいろ詳しく見ましたが、この科学技術情報センターのビルの建設ということの問題が起こっております。いま情報センターのあるところを調べてみますと、私は何べん行ってもあそこは迷ってしまう。日本の代表的な情報センターが、質屋をさがすようなことで、そこらじゅう尋ねなければわからぬような、へんぴなところにいまございます。これは東京の人でも困り抜いているだろうと思いますが、あんなところに総理府の科学技術庁の情報センターがあるなんということは、恥ずかしいことだと私は常々思っております。今度は、どんなところに、どんな構想で、またどんな速度でこれができ上がるか、具体的なものができ上がっておったら、ここでひとつ説明していただきたい思います。
○三輪参考人 現在のところが非常に不便でわかりにくいということで、しばしばおしかりを受けております。また非常に狭いということから、われわれは三、四年前から新しいビルを建ててもらうように関係方面にお願いをしておりましたところが、幸いに電気試験所の裏、いまできましたヒルトン・ホテルの前に一トン爆弾をよける防空壕がございますが、あれが国有地であり、また建物が防衛庁の所管であるということから、場所的にもまた交通の便利のいいところでございますので、あそこを、それぞれの関係官庁にお願いいたしまして、情報センターの新しいビルが建つ予定地と決定をお願いいたしまして、三十八年度から予算がつきました。これは土地の借り上げ料とあの防空壕を断ち切る撤去料を合わせまして、約一億程度の予算がつきました。現在あそこの所管がえが進行中でございまして、近く情報センターに移管になるかと思っております。ただ、このビルは、新技術開発事業団と一緒に入るということで、われわれは合同ビルと称しております。そういう関係で、四十一年の三月に竣工するということで、統計六億円程度の予算で、延べの坪数は大体二千九百五十五坪、地下二階、地上四階という構想で、もちろんこれは冷暖房がつく予定になっておりますが、坪当たり約十七万円ということになっております。以上が概要でございます。
○福井委員 ことばのはしをとるようで恐縮ですが、私たち予算委員会などで、こういう国に準ずる建物あるいは国の建物などを問題にするときに比べて、十七万円とはどうも少しみみっちいような気もいたします。たとえば国会図書館などは、蔵書その他の貴重な資料を保管するということもありましょうが、大体二十数万円だと記憶いたしております。情報センターも同様であろうと思うし、今度はこれが永久的な建物となると覚悟しなければなりませんから、建物のこういうことについてなぜもっと一生懸命にやらないのですか。もっともそういうことになると、科学技術庁のことにもなりますが、あなたたちも、もっとりっぱなものを建てるために、大蔵省当局のほうにも努力してもらいたいと私は希望をしておきます。
 最後に、情報センターは特許に関係するいろいろの技術資料というものが山積しておるわけでありますが、特許庁との関係についてサービスなどの重複関連するようなことはないかということ、並びに、双方いざこざが起きるようなことはなかったかということについて説明を願いたい。
○三輪参考人 情報センターの特許に関するサービスといたしましては、特許速報というのを毎週発行いたしております。これは米国、英国、西ドイツの三カ国の化学のみに関しての特許公報をエアメールでとりまして、それをすぐに日本語に直しまして、これは表題だけですが、将来は簡単な説明、抄録のようなものをつける予定です。現在では表題だけを印刷いたしまして、毎週これは発行しております。これは化学だけに関してやっております。
 そのほか特許明細書は、いまの三カ国のほかにオランダ、スイス、オーストリアほか十一カ国、十九種の資料を収集しております。刊行物としてはそのほか特許分類表が出ておりますが、各国の特許分類表を翻訳いたしまして、これを発行しております。そのほかに日本の特許の人名のリストを出しております。
 なお、先ほど申しました依頼調査といたしまして、最近特許関係の依頼が非常にふえまして、こういう特許は外国にあるかないか、すでに特許になっておるか、あるいはまた関連特許を調べてほしいというような調査をしております。
 また、特許庁との関連におきましては、しばしば特許庁の資料館と定期的に連絡をとっております。たとえばいまの特許明細書の収集についての打ち合わせであるとか、あるいは原子力レポート購入の問題に関してとか、あるいはそのほか複写あるいは抄録であるとかそういう問題について、特に最近ではコンピューターを使った機械化の問題、自動検索機の問題、そういう問題も特許庁長官がお見えになったりいたしまして、きわめて緊密に連絡をとっております関係上、現在では重複した点はないと信じております。
○福井委員 丁寧な答弁を得ましたので、最後に大臣にお尋ねします。
 大臣は技術系統の御出身ではないけれども、運輸省という技術を尊重するところにおいでになったからよもやそうではないと思いますが、科学技術のこういう情報センターを重視しておられるかどうかについて特にお尋ねして、私の最後の質問にいたします。
○佐藤国務大臣 先ほど来、福井さんのお尋ねを通じて私もたいへん勉強になったのでございまするが、科学技術の発展発達、それにはどうしても迅速な正しい情報の収集交換、これが最も大事なことだと思います。わが国の科学技術の非常に飛躍的な進歩というものには、ただいまお尋ねになっておる情報センターも大役をいま果たしつつある、かように考えておるのでありまして、その意味でぜひ情報センターを一そう強力なものにしたい、そしてこれが適切にして迅速にたよりになる情報を集める機能を十分に発揮し得るようにいたしたいものだ、また、そうすれば必ずこれの利用も高まってくるだろう、かように考えております。
○前田委員長 次に、山内広君。
○山内委員 実は私、この委員会に席を持ってからまだ日が浅いのであります。あるいはずいぶんやぼったい質問を申し上げるかもしれませんが、そのときは十分御指摘いただいて、勉強の資にしたいと思っております。
 わざわざ参考人に来ていただきましたので、最初に参考人の方にお聞きいたしたいと思います。
 三十二年に、政府出資四千万円と民間の四千万円の八千万円で発足いたしましたが、情報センター法によりますと、政府の予算の範囲内で毎年どんどん資本の膨脹をいたしておりますので、いただいた資料の範囲では現在の資本金がわからぬわけであります。これについては意見もありますが、現在の資本金はどうなっておりますか。
○三輪参考人 資本金は、政府と民間と二つになっておりますが、民間のほうは三十二年に最初できるときに一回限りという条件で四千万出資し、これは相当たくさんの企業体から出しております。三十二年度には同額の四千万が国から出ております。次に三十三年度は……。
○山内委員 現在でけっこうです。
○三輪参考人 合計いたしまして、政府は三十八年度末になりますと五億八千万、先ほど申しましたように民間は四千万で同じでございます。これは三十二年から三十八年の合計額でございます。
○山内委員 最初のときのお話し合いがどういうのであるか、よく聞いておりませんからわからぬのですが、民間が四千万、政府が四千万、そのうちわずか七年間に政府出資が五億八千万までいっておる。これで、最高の資本金はどこにめどを置いておるのか。どの程度で一応、さっきお話のありました公共性と企業性とが合致して、この現在の資本金ならばあとは自立して独立採算でやれるんだという、一つのめどをお聞かせ願いたい。
○三輪参考人 非常にむずかしい御質問で、的確な答弁にならぬかと思いまするが、これは私自身の考えておるところで、センターできめたことでもないので、公のあれにもならぬわけでありますが、われわれのほうで長期計画というものがございまして、将来昭和四十五年を目途といたしまして、雑誌を八千種くらいは取りたい。事業規模といたしましては約十億程度にしたい。そういうことになりますと、ただいま事業規模は五、六億程度ですから、約倍にいたしたい、こう考えております。そういうことで、資本金は毎年雑誌を買うお金が相当たくさん要りますので、そういうことがかさんできますから、いまちょっと推計はできませんけれども、事業規模としては十億程度でやっていきたいというふううに考えております。
○山内委員 先ほどのお話では、自己収入というのは大体の経費の六〇%である。そうしますと、大まかにいって四〇%が赤字になると思うのです。現在まで政府がどれだけ補助をしたか。総額でけっこうでございますが、補助金の総額を……。
○三輪参考人 三十二年から三十八年の累計といたしまして、補助金は三億五千二百五十万でございます。
○山内委員 そうしますと、設立当初民間から四千万出資していただいて、あとは民間の出資ということは考えられないものか。取りきめがどうなっておるのか、計画があるのか、その点をお聞かせ願いたい。
○三輪参考人 私、たまたまセンター設立当初担当局長をやっておりました関係上、センター設立について経団連のほうに話しまして、どうしても民間が必要性を言わないと情報センターはできにくいだろう、また民間としても非常に必要を感じておるから、ある程度の寄付金並びに出資金は出してよろしい、ただこれは両方合わせて八千万以上は出せないのだ、しかもこれは一回限りで、毎年出すということにはいきませんが、こういうメモをされまして、そういうことを大蔵省当局にもお話しいたしまして、当初民間の寄付金、出資金に相当する金を初年度はつけようということになりまして、三十二年に七千万の政府出資金並びに補助金が出たわけです。
○山内委員 そうしますと、いまのこれ以上できませんよというのは、民間のほうですか、政府のほうですか、ちょっと聞きもらしたのですが……。
○三輪参考人 民間のほうであります。
○山内委員 政府との取りきめはどうなっていますか。
○三輪参考人 政府のほうは、民間から毎年引き続いて出してもらうというような話は当時出ませんでした。
○山内委員 いままでに政府から赤字補てんのために補助金として三億五千二百五十万円出ておるわけですが、四十五年度までにそれでは政府の補助金はどれくらい考えればよろしいのでしょうか。
○三輪参考人 ただいま資料を持っておりませんので、明快な御答弁はできませんけれども、三十九年度には七千七百万円の寄付金をいただいておりますので、六年間にわたって、三十九年度の七千七百万以上の補助金をいただきたいと考えております。
○山内委員 毎年ですね。
○三輪参考人 はい。
○山内委員 私、なぜこう詳しく――詳しくといって、別にあなたのほうを責めておるわけではないのですが――聞くかと申しますと、先ほど長官も御説明のありましたとおり、おくれておる日本の科学技術を急速に進歩させるような、その一翼をになって誕生されておるこの情報センターでありますから、いろいろわが国の科学の発展に寄与されておる点は私もわかります。また、創業日が浅いのですから、御苦労なさっておる点も私よくわかると思うのです。ただ、行政の分野からこれを考えますというと、私もちょっと考えたところ、非常にこれはどこかにむだがあるのではないかという疑義を実は持っておるわけなんです。というのは、この科学の情報というものは、政府機関でもたくさん取っておるところがある。学校でもたくさん取っておるところがある。はたしてこういう情報センターを、長官もお聞きのとおり、非常に税金――税金といいますか、予算を食うものを、このままにしていくことがはたしていいのか、それともまた、何かでこういうむだを省くために措置を講ずる必要があるのではないかという、実はしろうとなりのばくとした考え方を持つわけです。そこで、いろいろ考えようによっては統合という問題も考えられ、向こうには金がなくて困っておる。あなたのほうも、どうしても政府にたよって、将来六年間にわたって七千八百万円ずつ、大体八千万ですから四億八千万、十億以上の赤字をつぎ込まなければ成り立たないお仕事になっておるわけです。そういう意味で、それらも勘案する時期にいま到達しておるのではないか、こういう判断からお聞きしておるわけです。そういうことで、ひとついろいろこれからまた質問を重ねてまいりますが、御答弁をいただきたい。
 次に、お尋ねしたいことは、いろいろいただきました業務の概要を読みましたし、また先ほど福井委員の御質問に御答弁もありましてわかりましたが、いろいろ情報を収集する、それをまたあらゆる機関が活用する。そう大きく二つに分けられると思うのです。
 この活用の問題ですけれども、件数もあげておられますけれども、外国からたくさんの金をかけて集めた情報を活用しているのは、政府機関がどれだけなのか、民間の機関はどれだけ活用しておるのか。特に民間機関のいわゆる大企業といわれている人たち、あるいは中小企業といわれている人たち、もしこれらの比率がおわかりでしたら、ちょっとお知らせいただきたい。
○三輪参考人 政府機関――大学を含めて政府の研究所、国立の大学が主でございますが、われわれのほうの「文献速報」を利用しておるのは約二割弱だと思います。
○山内委員 二割弱ですね。
○三輪参考人 そうです。したがって、企業体、いわゆる民間が八〇%内外だと考えております。そのうち中小企業関係の利用は約二割程度でございます。
○山内委員 いまの御答弁からいたしますと、私ちょっと疑義を持つわけです。というのは、せっかく皆さんが苦労して集められた情報が、いわゆる大企業、民間には八〇%利用されておる。政府機関は二〇%も利用しておらない。しかも、大企業といわれる人が民間の八〇%。そうしますと、最初のお取りきめは四千万より出資しないというお話であったかもしらぬけれども、政府のほうでは出資がもう六億近くもなっておる、五億八千万ですね。そうしますと、活用されている民間の大企業の方々に、もっと協力してもらって、そうしてこれだけ困っている赤字なりあるいは資本金なりを出させればいいのではないか。これは無理なのかもしれません。その間の事情は前にお聞きすると、約束だから、こういうことなんですが、こういうせっかくのいい情報を集めて使っているのですから。これは長官もよく御存じのとおり、政府が金を使えば、受益者負担といって、道路一本直しても、下水をやっても、みんな税金の形で、受益者が負担するのはあたりまえなんです。これは長官にも御意見を聞きたいと思うのですが、いかがでしょう。民間も、もう少し協力体制をつくらせる必要があるのではないでしょうか。ちょっとお考えを聞きたいと思います。
○三輪参考人 民間から寄付だとか資金をさらに仰いだらどうかという御質問でございますが、設立当初にそういう話があったら、それをたてにとってそれ以上集めることは無理だというけれども、もう七年もたっておるのだから、もっと大企業から金を拠出させたらどうか、という御意見のように伺います。私どもといたしましては、ただいまの段階におきまして民間からそういう寄付あるいは出資金を仰ぐということは考えておりません。
○佐藤国務大臣 この種のものは、政府が持って、どこがそれの利用が多いとか、そういうあまりけちなことを言わないで、まんべんなく利用されることが望ましいし、ことに民間側でも特殊な会社と因縁ができること、これはなるべく避けたほうがいいだろう、かように思います。しかし、政府の補助金が非常に多額になる、こういう事態になりまして、政府自身も困るのだ、こういうことになれば、そういう際にまた考えますが、私は科学技術庁の立場からは、政府も積極的にこういうものは惜しみなく金を投じてもいいんじゃないか。そして、ただいま言われるように、もっとこの機関をりっぱに利用し、活用していただけるよう、この目的を達成するのに御協力願う、そういうことをいたしたいものだと思います。
○山内委員 長官のお考えは、それだけを考えればそれで非常にけっこうだと思うのです。しかし、同じあなたの行政の中にも非常にアンバランスがある。この間ここで討議された原子力研究所、長官はおられなかったと思いますけれども、非常に深刻な討議をしておる。そして、理事長さん以下おやめにならなければいかぬという事態まで引き起こしておる。いま長官のおっしゃったような、そういう気持ちが研究所に反映しておれば、私はそういうことは起こらなかった思う。同じところの機関の中で、片一方は赤字はどんどん出すし、しかもやってやる。それが片一方のほうに及ばないということを考えながら、行政のバランスという考え方でお尋ねしておるわけです。原子力研究所のほうにもいまのような御回答があれば、私、これほど強く追及いたしません。もう一ぺんどうぞ。
○佐藤国務大臣 話が原子力研究所のほうにまいりました。原子力研究所といたしましては、その研究の成果が十分あがっていないと思います。これは各方面でいろいろそういう批判があるだろうと思います。そういう意味で、最近役員等につきましても、その責任の所在を明らかにしております。別に予算的にやかましく言っておるわけではないのであります。
 情報センターそのものは、先ほど来の説明でもわかりますように、これは情報の収集、そしてそれを利用する。これは確かにわが国の科学技術の水準を上げることに役立っておる。そういう意味で、ことに会社の場合でも、大企業の場合でも、非常に熱心なところはこういうものの利用が多いだろう。また、比較的事業になれておる、こういう立場だとどうしてもその点は利用をしない、こういうことになるだろうと思います。
 それから、原子力研究所のほうも、政府の出資は非常に多いと思いますが、これは民間の出資との割合の問題ではなくて、私は、本来原子力研究というその名前にふさわしいような研究がどうしてできないだろうか、これが一番の悩みでございます。基礎的な学問、同時にまた、さらに研究、さらにその開発、さらにその利用、こういうようなことになりますと、本来の目的を達してくれれば、幾ら多額の金をかけても決して惜しいとは思いません。しかしながら、ただいまの原子力研究所の姿は、これはさらに研究、あるいは開発、さらにまたその活用、こういう面にいきますとまだまだ大いに欠陥があるようであります。そういう点がどこらからきておるか。これが今日私に課せられた課題だ、かように思って、いろいろ苦心しておるような状況でございます。
○山内委員 センターの行き方に単刀直入にお聞きしたいと思いますが、このセンターでなければできないんだ、こういう組織とこれだけの規模を持っておって、私のところだけでなされる仕事とは、どういう仕事ですか。要するに、さっきもおっしゃった、たくさん情報をとっておるところがあるわけです。その特色を御説明願いたい。
○三輪参考人 私のところには、英米独、あるいは英米伊とか、外国語三カ国語できる人で、しかも理工科系出身、技術のわかる人を、われわれは情報員といっておりますが、そういう情報員が現在八十名以上おります。専門技術者は九十何名おりますが、特に語学ができるというのは八十名くらいです。これが各機械、電気その他の分野の専門家を集めておるというのは、日本では他に機関がないと思います。いかに雑誌を何万と集めましても、これを整理しまして読みやすいようにこなして提供しないと、実は価値がないわけです。研究者が研究するために、五〇%も文献の調査に費やしておる。そういうむだなことを省くために、われわれのほうで、研究者に直接すぐ役に立つように情報を整理して、必要なものを差し上げるということから考えますと、非常に、研究能率が上がる。しかも、日本の研究投資は二千数百億に達しておる。それだけの研究費を投じながら、情報に費やしておる経費というものは非常に日本はわずかであります。民間自体で四十四カ国の雑誌をこなすことは、いかなる大規模の民間といえどもできないことであります。また、それだけの語学のできる人、技術のできる人を集めることは非常にむだでございます。しかも、最近の情報は、技術の面で非常に細分化してきておる。したがって、関係領域というものは非常に広がってきております。たとえば米国のMITで電気に関する千の論文を百種の雑誌から集めるときに、電気専門の雑誌十種から五百の必要な論文はとれますけれども、残りの五百の論文は九十種の電気専門以外の雑誌からとらなければいけない、そういう比率に必要な論文がばらついておるわけであります。ところが、各企業でそういうばらついておるところの重要な論文を集めるためには非常に大きな経費が要るのであります。そういうことはむだですから、私どものセンターの手で四千種集めまして、関係領域の漏れやすい論文をうちでは全部キャッチしておりまして、それぞれの専門分野にやっていくということになりますと、企業あるいは試験所自体の手で必要な論文を全部集めるよりも五分の一の経費で同じ論文が集まるというところに情報センターの、使命がありますし、そのために諸外国では国家がやっております。イギリスでも、フランスでも、情報センターというものは国の機関がやっておるわけで、全部国の費用でまかなっておるわけであります。日本だけが特殊法人といって、収益をあげながらやっておる、こういうところはまれでございます。
 そういう意味で、赤字と申されますが、実はこれは赤字じゃなくて、当然国が科学技術発展のためには投資すべき重要な情報収集費だと考えております。
○山内委員 あまり突っ込んでお聞きしたので、あるいは気持ちを悪くされたかもしれませんが、実は公庫とか、公団という制度であれば、私どもには予算書など十分に配付されておりまして、お尋ねするまでもなく、資料があるわけです。ところが、特殊法人であるおたくのほうには何もない。あとから大蔵省のほうにもお尋ねしたいと思っておりますが、質問以外に方法がないことになる。そういうことで、立ち入った質問をいたしました。
 ただ、いま外国は国のほうでやって、こういう法人組織はないとおっしゃっていますけれども、私もそうだと思う。こういう必要があったら国でやったらいい。ところが、国でやればいろいろ予算の制約やその使途について問題があるから、運営のしやすいように特殊法人という形で幅の広い活躍をひとつやらしてみよう、そういうことできめたというお話であります。これは原子力研究所も同じ。ですから、そういう意味では、特殊法人にされたのが悪いのでなくて、これはあなた方の活用の問題だと思うのです。私はやはり、これは特殊法人で、政府の親心を考えながら運営されるほうが賢明じゃないかと思うわけです。
 最後にお聞きしておきたいのですが、理事さんが四人おられるようですが、これは労務担当の理事というのは、はっきり責任者をおきめになっておるのですか。それをちょっと一言……。
○三輪参考人 現在理事は、理事長と常務理事と理事と三名おりますが、労務担当は、私が総務部長を兼務しておりますので、私が担当しております。
○山内委員 別にこれは働く人たちとの間にいざこざがなく、うまく労務管理をやっておられるわけですか。
○三輪参考人 私どもは仕事が非常にじみでございまして、朝から晩まで資料と首っ引きでやっておるということと、先ほど来お話がありましたように、事務所が非常に狭くて環境がよくないということから、厚生施設もあまり完備しておりません関係上、組合活動は活発でございます。しかし、過去におきましていろいろな要求が出てはきましたが、それぞれ話し合いをいたしまして、交渉を重ねて解決をはかっております。また、今後も極力労使間は話し合いで解決したいと考えております。
○山内委員 けっこうだと思います。
 ただ、私ちょっと、これは別に、せっかくうまくおやりになっているのにけちつけるわけじゃありませんけれども、書類をちょっと見ましたところが、役員の給与は、これは三十七年度ですから、また変わっておるとは思いますけれども、約一千百三十万になっておる。これは四人ですか。ところが三十八年度の職員の数は二百二十七名になっておる。そうすると、二百二十七名は役員数の約五十倍ですから、それで九千三百九十五万円。そうなりますと、四人の方でおとりになる俸給は幾らか、お一人の方のはわかりませんけれども、それで一千万。約二百人ですから、五十倍の人が約九倍だけの収入ということになっておるのです。ちょっとここに差があり過ぎるように思うのですが、この配分はどういうことになるのですか。
○三輪参考人 役員と一般職員との格差が多過ぎやしないかというお話ですが、私どもの職員の年齢層、あるいは学校の卒業年次から申しますと、設立してようやく七年になりかかっております関係上、大体卒業してから三、四年というところが一番厚い層になっております。そこで、平均の給与は大体三万円程度でございます。これは他の特殊法人、特に科学技術関係の特殊法人との横の均衡もございまして、うちが特にひどい、悪いというわけではございません。また、役員の給与が、他の法人との均衡から考えてセンターの役員が特に高いということにもなっておりません。これは全体の特殊法人という性格からきておるかと考えております。
○山内委員 大蔵省のほうにちょっとお尋ねしたい。これは今度は御提案の改正の部分に直接触れるわけですが、こういう提案のしかたが妥当なのかどうかわかりませんけれども、国有財産を一つの特殊法人に出資する。いままでは予算の範囲で、現物出資はできなかった。ところが、この御説明の中にも、資料にも、説明では、ただ永田町何番地の土地というだけであって、坪数もなければ評価がどうなっているのかもわからない。これは国の財産をそういう特殊なほうに売るならわかるんですよ。しかし、出資といえども財産をそれだけ減らすのですから、これはもう少し親切に、あえて質問を受けなくとも、これくらいで、将来こうなりますと――その出資はそれだけ情報センターの出資になって資本金がふえるのですから、その金額も何も明らかにしないで、その土地を今度出資というのは、提案のしかたがこれで一体いいものかどうか。慣行とか法令上からどうなっているか。まずその点を大蔵省は明らかにしてもらいたい。
○吉川説明員 ただいまの御質問は、評価がきまっていないのに出資するというのはどうかというような御質問でございますが、大体現物出資を政府が特殊法人にいたす場合におきましては、出資した日をもって評価するというのが従来のやり方でございます。と申しますのは、土地の値段や、そのほか建物や何かにつきましても、最近は土地の値段がよく動くものでございますから、その日をもって評価しないとほんとうの値段がきまらない、こういうような考えに立っておるわけであります。
 それから、なお、坪数や何かにつきましては、この永田町の地番を記入して、あとは政令になっておるわけでございますが、この準備といたしましては、先ほども三輪常務理事からお話のありました電気試験所の隣の土地ということで、従来防衛庁の所管になっておりました口座の財産をということで、大体見当がついておるわけでございます。
 大体これで御質問の趣旨に答えたかと思いますが……。
○山内委員 答えてないのです。私は法規上それくらいのことは知っています。ただ、こういう提案のしかたをされますと、これはどこにも出てこないのですよ。予算書を見ましても、この情報センターのくだりは一行書いてあるだけで、そして出資される。これが決定になったときの評価ということですけれども、一体財産がどれだけで資本金がどれだけふえるかということが、私どもしろうとにはわからぬでしょう。かりにあなたのほうで評価する場合、話し合いの過程というものは、必ず、隣の土地は何ぼしているとか、大体はあると思うのです。
 その前に一つお聞きしておきますが、では、財産台帳の登記されている価格は幾らになっておりますか、ちょっとお聞きします。
○吉川説明員 防衝庁の口座の財産でございますが、これは一応現在あがっておる台帳面では七百八十二坪、台帳価格としては六千六百六十九万円ばかりになっております。ただし、これは台帳の値段でございますので、先ほども申しましたとおりに、出資日によりまして近傍類地の売買実例を参考にいたしまして、評価いたし直すわけであります。このほかに工作物、建物なんかにつきましても、出資する場合には出資日の現況によりましていたすわけでございます。そういうわけでございますから、あの辺の土地は世評いろいろうわさされておるわけでございますが、大体その値段でこの坪数のうちから必要坪数をということで出資する、こういうことになっております。
○山内委員 そうしますと、これは防衛庁の行政財産になっているのですか、あなたのほうの普通財産ですか。私は普通財産と聞いていたのですが……。
○吉川説明員 これは防衛庁のほうの行政財産であったわけでございますが、防衛庁のほうで公用財産の用途廃止という手続をいたして普通財産にするということで、現在その手続中であります。
○山内委員 そうしますと、これは私の心配すること、将来を戒めることなんですが、七百八十二坪で六千六百万というと十万円にならぬわけですね。ですから、同じこういう性格の公共性というものを考えてあるいはこの帳簿価格でやるのか、あるいはお隣の売買価格を考えて適正な、ほんとうにもう一銭もまけない価格でやるのか。そうやぼなことを私はつつこうとしているわけではないわけです。ところが、相手方が学校とか、こういう公共性を帯びた政府機関といってもいいくらいなものですか、そういうものには私はとやかくは言いませんけれども、もしこういう提案のしかたが許されることになると、いろいろ今後は売買の問題とか民間会社とか  現にこの前の国会でも一つ問題が起きたこともあるわけです。そういう点で、こういう点は明らかにして、疑惑の起こらないような提案のしかたをやはり考えなければいかぬと思うのです。そういう点を明らかにしておきたいと私は思います。
 それから、現在何か三カ所に分散して事業をやっておられるそうですか、その財産関係は、借家なんですか。それともどういうことになるのですか。
○三輪参考人 全部借家でございます。
○山内委員 そうしますと、先ほどの御説明の中で、一億何千万古い年度でもう予算を組んで建設に使ったという御説明があったようにも思うのですが、それは何かお買いになった不動産でもあるのですか。そうでなく、これを買うための貯蓄ということなんですか。
○三輪参考人 先ほど申しましたビル建設の一千万というのは、あそこの防空壕を取りこわす費用とか、あるいは測量調査とかいう費用で、実際には一部使って、まだ全部使っていない経費でございます。
○山内委員 大蔵省の方に。この防空壕というのは、収入はいま一銭もないのですか。何か倉庫にでも使っておるのですか。どういうことになっておるのですか。
○吉川説明員 私どもは、従来そこを使っておった実情というのを直接防衛庁から正式なお話を聞いたわけではございませんが、一応倉庫か何かの用に使っていたように思っております。
○山内委員 これ以上申し上げませんけれども、大蔵省の国有財産の管理とか譲渡とか、こういうものについては、いろいろ実例もあるのですが、ひとつ慎重に、誤解を招かないように御配慮いただきたい。
 それからなお、これは情報センターのほうにお願いを申し上げておくのですが、いろいろ出された質疑の中からは、理事長さんとしてお考えになれば、赤字を少なくできるような、政府の補助金を減らせるような処置が私考えられるように思うわけです。
 もっと質問を詳しくすれば、大阪、名古屋の事業所をお持ちのようですが、それもどういうふうに活用されておるか。おそらく情報収集というよりも、販売のほうだと思うのですが、これも何人かの職員を置き事業所を持てば、赤字の相当の因子ではないかと思う。そういう点や、いろいろなことを配慮されて、せっかく国をあげて堅実な成長を期待しているあなた方の仕事がもっと国民の負担にならないようないろいろな創意くふうをこらさないと、赤字の補助を毎年八千万ももらわなければならぬようでは、特殊法人にして情報モンターをつくった意味というものは死んでくると私は思うのです。そういう点で、十分の研究と御配慮を私はお願いしておきたいと思います。
 なお、科学技術庁、政府に対しては、一応いろいろいままでの事業の財務諸表なども提出されておるはずでありますから、そういう点もこの際、毎年とは申しませんけれども、こういう大きな新しい建築というときですから、そういうものの写しなどもこの委員会に一応出ていただいて、われわれの協力体制をつくるということも必要かと思いますので、長官にお願いしておきます。
○前田委員長 日本科学技術情報センター法の一部を改正する法律案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめることといたします。
 丹羽参考人、三輪参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、貴重な御意見をお述べいただき、本案審査のため非常に参考になりました。委員会を代表いたしまして私から厚くお礼を申し上げます。
     ――――◇―――――
○前田委員長 次に、科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。
 宇宙開発に関する問題及び科学技術政策に関する問題等について質疑の通告がありますので、これを許します。岡良一君。
○岡委員 私は、宇宙開発推進本部の設置に関連をいたしまして、宇宙開発の基本的な方針をどうお立てになるかという点を、佐藤長官をはじめ関係の方々にお尋ねをいたしたいと思います。ただ、皆さん非常にお多用でございましょうから、科学技術庁では佐藤大臣にお残りを願いたいし、文部省では八木さんと岡野さん、防衛庁では岡本さん、郵政省では宮川さん。大蔵省の方はお帰りください。外務省では斎藤国際連合局長、気象庁は長官が御出張のようでございますが、できるだけ御手配を願ってこれを代理される方に御出席願いたい。
 それでは、大屋さんにお尋ねをいたしたいと思います。
 大屋さんは、お聞きしておりますところでは、宇宙開発審議会のいわば小委員会の委員長というような立場で、昨年の一月の三十日に内閣総理大臣が審議会に諮問されたこの御答申を作業された。いわば起草される仕事を責任をとってやられた。そこで、この小委員会と申しますか、この部会の御答申は昨年六月に私ども拝見をいたしました。ところが、これがいよいよ審議会の正規な方針として答申されたのがことしの二月です。いわば予算にも間に合わないような時期に審議会の答申が出た。一体八カ月間ほど審議会は何をしておられたか。私は、この間の事情については、おそらく大屋さんもたいへん御苦労あそばされたとは存じますが、この間の経緯を承りたい。
○大屋参考人 私はいまお話のありましたとおり、宇宙開発審議会の第一部会の部会長という役をやっております。御承知のとおり、宇宙開発審議会というのは、昨年の初めにだいぶ委員の改組がありまして、従来は学者が主であったのでありますが、民間の有力な人を交えまして、なるべく各方面の意見を聞いて事を進めていこう、こういうふうに変えたわけでございます。総理大臣からの諮問事項につきましては、御承知のとおり、宇宙開発の基本の考え方と申しますか、方針、それを達成するのにどういう方策がいいか、こういうことが諮問事項であったのであります。自然それが第一部会で審議することになりまして、第一部会はさらにその他に専門の人を集めましたり、幹事会というようなものを数回開きまして、いろいろ相談をしたのであります。
 お話のように、私どもが委員になりましてから、諮問を受けて一年もかかって答申をしたのでありますから、その間に何をしておったんだ、こういうことは当然の御質問と思うのであります。ところが、この宇宙開発というものは日本は全く初期でありまして、どういうふうに進めたらいいかということにつきまして、委員諸君の考えが区々まちまちでありまして、ほとんどまとめることができぬというふうな状態であったのであります。特に御承知のとおり、日本では宇宙開発と名のつくものをやっておりますのは、東京大学の生産技術研究所が、いま鹿児島県の内之浦でもって観測用のロケットを打ち上げておるというようなことがほとんど全部でありまして、これはいわば宇宙開発というより、宇宙開発に関係した学問をきわめる、こういうのでありますが、それだけがやや具体性を帯びております。そのほかは全くこれからという状態であったものですから、なかなか皆さんの意見がまとまりませんで、お話のように六月に一応案を出したのでありますけれども、その案に対する意見が区々でありまして、そうしてことしの二月に最後の答申をいたしますときにも、なかなかこれなら賛成だというところまでいかぬのであります。
 しかし、宇宙開発というものは、御承知のとおり時々刻々情勢が変わってまいりますので、ただこの際こういう方針をきめ、対策をきめれば、それでもうずっと通せるものでもありませんし、そういう関係で大体の意見を取りまとめまして、この二月に答申したのでありますから、その間に非常に時間がかかりました。ということは、それぞれの立場の御意見がなかなか一致しなかったということがおもな原因であります。
○岡委員 原子力の場合にも、大屋さんが積極的な意欲をもって事に当られました。また今度の宇宙開発のことに進んでお世話を願っておることは、私は、大屋さんの若々しい情熱には敬服しておるわけです。しかし、それにいたしましても、とにかくやはりこの二月の答申を見ると、宇宙開発の重要性というものは強くうたっておる。ところが、それが予算の間に合わない二月になってから、しかも、あなた方のところでまとめられたものが八カ月もじんぜん日を過ごして、予算に間に合わぬ二月になってから出した。こういうことは、私は審議会の権威のためにも非常に不見識なやり方だと思うのです。こういう点、大屋さんの率直な御意見はいかがでしょうか。
○大屋参考人 御指摘の点はごもっともであります。予算がきまってから最後の答申を出すなんということは、私は望ましい形ではないということは十分承知しておったのでありまして、その予算のきまる前に最後の総会を開きまして、そこで答申をきめるべく最善の努力をしたのでありますが、どうしても調整ができませんので、はなはだみっともないことになったのであります。政府予算のきまったあとで答申をするというようなことになりましたことは、私の力の足りぬことだと思っておりまして、反省をしておる次第であります。
○岡委員 これは決して大屋さんの責任ではないと思うのです。
 特に、官庁のいろいろな従来の慣行というものが、統一した、まとまった答申を出すのを非常にチェックしているのではないかと心配しておるのです。しかも、これは長官にも率直に御意見を承りたいのだが、この答申で、宇宙開発に対してどういう体制で取り組むかということ、いわゆる宇宙開発推進本部を設けることがうたわれている。ところが、宇宙開発推進本部の予算というものが、十二月に予算が決定したときに三億計上されておる。予算が計上されてから、開発審議会が今度はこの予算のあとを追いかけて、この推進本部を設くべしというようなことになっている。宇宙開発審議会は、私どもは与野党一致で賛成をした、非常な期待を持った審議会です。これがこういうふていさいな、不見識な権威のない運営をされるということであっては、私どもはまことに幻滅を感じておるわけなんです。これはやはり審議会をもっと権威あるものにするということが、私は今後の宇宙開発のためにも非常に大事なことだと思うのです。この点、長官の御所見をあわせて、ひとつ重ねての御決意を伺いたいと思います。
○佐藤国務大臣 これはお話のように、宇宙開発審議会ができておりますから、せっかくできておるこの審議会を権威あらしめようと、権威あらしめることについては超党派に協力してやる、こういうお話も伺って、私はたいへん将来の活動に明かるさを感じておるような次第でございます。もちろん、過去におきまして予算編成と前後いたしましたことは、これはまことに残念なことだと思います。ただ、審議会といたしましては、予算編成、それにとらわれることなしに本来の答申を出してこられたのだと思いますが、できるならば予算に間に合うにこしたことはございませんので、ただいま御注意がありましたような点はとくと将来注意してまいりたい、かように思います。
 いずれにいたしましても、審議会が権威あるものであるということにつきましては、私どもも十分将来とも尊重してまいる考えでございます。
○大屋参考人 予算がきまってから答申が出たという形になりましたけれども、審議しておりました答申案というものは、別に予算によって変わったのではありませんでした。ただ不幸にして答申がおくれたことは相済まぬと思っておりますけれども、大体内容は並行的にやっておりました。
 それからいま一つは、審議会を権威あるものにしたいということを皆さん方に言っていただくことは、日本の宇宙開発にとって非常に力強いお話でありまして、いまお話ししましたような問題が複雑でありますだけに、一致した協力を、支援をしていただかなければ宇宙開発は進まぬと思っているのであります。
 それでも、宇宙開発審議会は権威のない、ただ専門家の集まりであるというふうに軽視されたのでは決してないのでありまして、一番の基本の問題は、従来は宇宙開発というものが東京大学をはじめとしまして、いわばてんでばらばらにやっておったのであります。それを何とかもう少し一本化したいということがかねて、ことに産業界の要望であったのでありますけれども、それをこれからは大学であろうがどこであろうが、審議会の場にすべての開発の計画なりその実施結果を持ち寄って、共同の話し合いの場所にしようじゃないかということになったのでありまして、これは表立っておりませんけれども、実質的には非常に大きなえものであったと思っているのであります。ことに、従来は大学は、御承知のとおり、学問の自由という立場で全く別個の研究に走りがちであった。原子力のようなものでも、相当その点はうらみを感じておったのでありますけれども、今度はそれでも相当の進歩であったと思っているのであります。大体一応御返事申し上げます。
○岡委員 この点、私も御苦心はよくわかっておるつもりですから、これ以上どうこうとは申し上げたくないのですが、やはり私どもも宇宙開発というものに大きな関心を持っているだけに、審議会の構成なりあるいは運営なりについても、権威あるものたらしめるような御配慮を、今後とも長官にも、大屋さんにもお願いをいたしたい。
 そこで、答申の内容についても、いろいろ新聞紙などでは批判があるようでございます。しかし、それを一々取り上げて私は申し上げようとは思いません。ただ、この答申を拝見いたしまして私が感じたことは、宇宙空間の基礎研究という方向、問題を非常に過小に評価されようとするのではないかという、私の思い過ごしかもしれませんが、懸念を感じたのでございます。この点、審議会におけるお取り扱いについて、どうでございましたでしょうか。
○大屋参考人 決してそういうことはございませんでした。御承知のとおり、委員には関係学界方面からもみんな委員に顔を出しておりまして、また、答申の要綱のうちにも基礎的の研究をするということをちゃんと書いてあります。それから、いままでは大学でやっておりますロケットの打ち上げによる基礎的の研究でも、あれだけでは不十分であります。あれをもっともっと深く研究を進めるためには、現在東大でやっているあれでは基礎的研究としては不十分であります。ですから、そういうものをひっくるめまして、もっと日本の宇宙開発についての基礎的の研究を進めるべきものであるという御意見は同感でもありますし、また審議会にも十分その考えは反映しておった、こう申し上げていいと思います。
○岡委員 こういうことを特に私、上屋さんに申し上げますのは、かつて原子力の問題で大屋さんと放送討論をしたことがございます。そのとき私は、原子力政策の推進においては基礎研究を幾ら過大に評価しても過大に失することはないということを申し上げて、大屋さんと若干討論したことがあった。ところが、私は原子力政策の今日までの推移を見ますと、基礎研究の分野における努力が足りなかったのではないか。原子力産業界にいたしましても、いま相当な赤字をかかえておられるようであるが、どうも基礎研究を飛び越えて実用化に急がれるというようなことが、新しい科学の分野においてそういう傾向が起こってくると、ともすればそういうような打撃が起こってくるわけなので、原子力政策の経験を苦い経験としてかみしめながら、ぜひひとつ基礎研究には力こぶを入れてもらわなければならぬと私は思うわけです。
 これは、お役所から若干の資料をいただきまして調べてみましても、NASAの三十八年度の予算が大体一兆三千四百、このうち月旅行等のための有人飛行のための予算が六〇%であります。実用的な宇宙開発の研究というものは大体三・六%、そして宇宙科学のための研究施設が一四・六%、二千一億。やはりアメリカにおいてさえ、この基礎礎研究の努力をますます励んでおるようです。こういうことは、イギリスにおいてもそうでございましょうし、フランスのロケットの開発状況を見ましても、三十七年の七月までに大体十四個打ち上げたうち、十二個は完全に宇宙空間の科学的な研究に使われておる。こういうような状態でございまするし、国連に登録されておる一昨年の未までの米ソの人工衛星の目標にいたしましても、ほとんどがやはり宇宙空間の科学的な研究というものに重点を置いておる。
 そういうようなことで、私ども日本の国も、おくれて発足したのでございますれば、やはり基礎研究には徹底的にひとつ御努力を願いたい、こう私は思っておるわけです。
 そういうことで、この答申を見ますると、審議会が何か統一の場となって、話し合いの場となって、統一的な政策を進めよう、一方、各省にまたがる宇宙開発の共通部面は宇宙開発推進本部が受け持とうというような形になっておりますが、宇宙開発審議会がこのことをどの程度までおやりになれるかという点については、私は非常に心配をしておるわけです。大学のほうでも宇宙開発の共同研究に対して何か御構想を持っておられるように聞いておりまするが、具体的にどういう構想を持っておられますか。特に本年度は……。
○八木政府委員 今年度、三十九年度予算で、東大に宇宙航空研究所を設置いたしまして、共同利用施設としてそれを活用するという構想で、いま予算審議を願っておるところでございます。
○岡委員 昔の研究開発というものは、大学の研究室で研究され、その研究の成果のうち適当なものをいただいて、さてゆっくりとしたテンポで、応用化、実用化の試験をやり、研究をやり、実用化に持っていく、こういう運びになる。ところが、御存じのように、この原子力問題とか宇宙開発というものは、もう実に日進月歩で研究が進んでおる。同時に、進歩のテンポが早いだけでなく、この科学自体が非常にあらゆる分野にまたがっているものである。したがって、このあらゆる分野における基礎研究、それとこの開発研究というものが、常に足並みをそろえて総合的に進められなければ完全な成果が得られないというのが、新しい科学分野の特徴である、こういうふうに私は見ておるし、人も申しておられる。
 ところが、科学技術庁は設置法で大学の研究にはノータッチだ、こういうことになっておる。これが実は原子力なり宇宙科学開発なりの問題については非常に大きな一つの隘路になろうとしておるし、現実にも突き当たっておる。
 こういう点を宇宙開発審議会としては、ほんとうに統一ある姿で進めていく重要な仲人役をやってもらわなければならぬ。そういうような形でひとつやってもらうとすれば、一体いまの宇宙開発審議会でいいのだろうか。もっと次元の高い、もっと内閣レベルのような――審議会は審議会としておいて――そういうレベルの機構が中核として必要なのではないか。これには科学技術庁長官も、あるいは文部大臣も参加をしていただいて、ここで総合的な開発も企画する、こういうような体制がすみやかにとらるべきじゃないかと思う。答申には、経過的措置としては一応こういう形でいくが、十分検討したいということをいっておられますが、これは別にそう検討するまでもなく、そういう方向に向かって、長官も審議会も、また文部省の側も御協力を願うべきじゃないか。こう私は思っておるわけですが、その点について長官なり、また大屋君のお考えを承りたい。
○佐藤国務大臣 審議会が、現状の中間的なあり方としてはまず困難なことではあるが、これを思想統一の場にする、こういう意味においてその機能を発揮されておる、その辺でやむを得ないことだと思います。
 いまお話しのごとく、科学技術庁がせっかくできておりますが、これは学校の関係においては一切触れないということになっておる。しかし、さらに文部省と私のほうがもっと話し合いをするならば、いわゆるセクショナリズムというようなことに関係なしに協同してできることじゃないだろうか。実は灘尾文部大臣と私も話をしまして、所管はいかようにあろうとも、大学の施設なども一緒に行って見ようじゃないか、こういう提案をいたしておるのです。
 将来の問題で、さらに皆さま方の御意見もございますから、十分この審議会のあり方等も考え、これがただ単に諮問を待って答申するだけじゃなしに、もっと積極性を持つものも必要になってまいりましょう。あるいは内閣総理大臣の権限の一部を持ち得るような役所の行政機構の整備も必要になってくるのではないかと思いますが、将来の一つの研究の問題として、ただいまのところではこの審議会の今日のあり方で一応了承していただきたい。しかしながら、なお将来につきましての研究は、もっと高度な、そういう考え方で調査を進めるようにいたしたいものだ、かように考えます。
○岡委員 御趣旨はよくわかります。ぜひひとつそういう方向で御努力を願いたいと私思うのです。
 御存じのように、技術革新ということが叫ばれだしましてから、各国の科学技術行政に対する力の入れ方というものは、格段な強いものになっている。同時に、相当思い切った機構改革をやって、そうして近代科学の分野における研究開発というものは、政府も思い切った資金を出し、また行政的にもきわめて総合した姿でこれを進めようという点、また、計画を立てて計画的にこれをやろうという点に、私は近代国家の科学技術行政の特色があると思う。
 ところが、残念なことには、日本では、予算の関係においても、諸外国は民間の研究投資に比べて政府の研究投資はその倍額であるが、日本はその逆である。また、機構としても、まだまだ古い官庁のセクショナリズムというものが災いしておる傾向もありはしないか。こういうような点、佐藤長官は行く行くは総理大臣になられる方、ぜひこの宇宙開発の問題においては、しっかりと中核となっていける実施的な機構を高いレベルにおいてお考えを願いたいということを、私は強くお願いをいたしておきたいと思うのです。
 それから、文部省の方にお伺いいたしたいのです。東大の生産研の問題です。生産研がカッパからラムダへ着々として成果をあげられておる。これについては私面心から敬意を表しているわけです。ただしかし、大学の研究というものには限度があるのではないかと思う。そういう点、このままでラムダ二号を上げる、やがてはさらに大きな三号も上げる、いわゆる生産研なりの今後の御構想、宇宙航空研究所も、そういう方向へどんどんいくことをそのままに放任をしていくというような方針でございますか。
○八木政府委員 私がお答えするよりも、政府委員のほうから答えたほうがいいのではないと思いますけれども、基本的な考え方として、学問研究の範囲に関する限りにおいてはこれは大学でやってよろしいのではないか、こういうふうに見ているわけでございます。ただ、その上に立って、利用ということになればもちろん大学の範囲ではございませんから、この点が審議会でも一番意見の多いところだと思います。現在われわれは、決してなわ張りとかなんとかいうようなこそくなことを考えて言っておるのではなくて、学問研究の分野に関する限りにおいては、これはやはり大学の中でやるべきことではないか。そうして、その利用の面について積極的に協力するということにおいては、これはもちろんやらなければならないことで、現在もやっておるつもりでありますが、そういう考え方でおるわけであります。岡先生のおっしゃる、宇宙科学の研究のために大きな構想をひとつ持つべきだという基本的な考え方に決して反対するものではございませんけれども、われわれ現在のところそういう考え方で対処しておるところでございます。
○岡委員 岡野審議官おられますが、もっと具体的な御意見があったらお聞かせいただきたい。
○岡野説明員 御承知のように、大学がロケットの研究を進めております原因は、ロケットを主体に使いまして超高層の物理現象を直接観測いたしたいということに端を発したわけでございます。これは御承知のようにIGY、昭和三十一年から始まりました国際地球観測年におきまして、そういう観測が重要だということで始めたことでございまして、以来観測計器を載せるロケットの開発を必然的に進めねばならないということで、営々八年やりまして、ようやくここまできたというのが現在のところでございます。大学でやります問題は、あくまでも宇宙科学の研究をするというのが主体でございまして、ロケットを使ってテレビの中継をしたりというようなことは、大学としては考えておらぬわけでございます。
 ただ、次第にロケットの性能がよくなりますと予算も膨大になることは免れないことでございますが、しかし、予算がある限度以上を越えれば大学ではやってはいかぬというふうにはわれわれは思っておらぬわけであります。われわれといたしましては、今後大学としてどこまでやるかというようなことを、率直に宇宙開発審議会の場におきましてよく各方面とも御連絡して事を進めたいと考えておる次第でございます。
○岡委員 審議会の答申の中にも、やはり資金なり人なり技術なり設備なりを、集中的に動員するというのが最終の願いだということを強く繰り返しうたってあるわけです。そこで、いま岡野さんが言われたとおり、ロケットの打ち上げは、これは手段である、その見解ははっきり文部省として立てておいてもらいたい。いまの日本の現状のように、鹿児島県にも打ち上げ基地をつくる、新島のも借用する。狭い日本で、何もそんな無理なことをする必要はないと思う。こういうところに、わずかでも二重投資ができてきている。
 だから、生産研のほうでは大型のものを打ち上げられるような推力なりエンジンなりの研究はどんどん進めてもらいたい。さてしかし、そのためにはやはり冶金の問題もございましょうし、いろいろ研究していただかなければならない問題があるから、これはどんどん進めてもらうのだが、打ち上げということ自体には一つの限度がある。いま岡野さんがおっしゃったように、宇宙観測のための観測衛星を上げられるとするならば、その衛星の、言ってみればデザインと申しましょうか、いわばロケットのペーロードについて、あるいは観測機は目的によっては何を入れるか、計測器はどういうものを使うか、あるいはそれに関連したいろいろな内部の設備も必要でしょう。またテレメーターも必要でしょう。そういうようなものは、やはり研究者のアイデアというものを尊重したロケットをつくって打ち上げる。そしてそれを受信して、そのデータというものはすぐ宇宙航空研究所のほうへお伝えして、宇宙の研究のお役に立てる、というような合理的な体系というものを十分考えていただきたい。
 どうも、いまのような状態を野放しにしておくと、ますます大きなものがどんどん打ち上げられてくる。今度は芥川君のほうでは、負けちゃおれぬということでまたやったのでは、この一年間のうちにかえって宇宙開発というこの大きな業務の一元化を妨げるような条件、実績がつくられたのでは、これは百年の悔いを残すかと思いますので、老婆心ではありまするが、長官の特に御善処、また文部大臣との御協議をお願いしたいと思うが、重ねてこの点についての御所見を伺っておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 わが国の宇宙開発、これにつきましては私しろうとでございますが、しろうとの批評をいたしますと、どうも打ち上げることばかりにみんな関心を持っているのではないか。おれのほうはどこまで上がったとか、こういうことばかりやっておるが、いま言われるように、実はそれに搭載するもの、あるいは映像のものにしてもその時間を少し長くするとか、その他測定器等のいろいろの問題があると思います。燃料にいたしましても、固体と液体の相違がある。こういうことですが、どうも今日まで見るところでは、打ち上げることに非常な関心を持っているのではないか。おれのほうはもっと高く上がったとか、おれのほうは低いとか、これではどうも本来の姿ではないだろう。しかも、先ほど来いわれるように、非常に総合的な科学なんだから、お互いに資料を提供し合うことによってたいへんに啓蒙される、こういう点もあるから、この連絡を密にする。それで、先ほど来ここでお尋ねがありました審議会が、そういうところでまず意見の調整をはかってみよう、こういうことを言っておるのでございます。
 私は、ただいままでのところ、別に科学技術庁の長官だからといって、科学技術庁のやっていることばかりを推進するつもりもございません。いいもの、すでにある程度まで進んできておるものならば、それも科学技術庁で取り上げていいのではないだろうか、そういうことも考える。ことに東大の糸川博士とは個人的に私もよく連絡がとれますので、これがただ自分のところの研究だということで、小さく型にはまったような形で進めないで、科学技術をもっと開放あるいは公表し合い、そうして公明な形において推進したらどうか。ことにただいままでのところは、先ほど申しますように、燃料なども違っておるようでございますから、その固形あるいは液体等の燃料の長所もそれぞれありますので、お互いが相談し合うことによって、もっと目的を達しやすくなるのではないか。そういう意味で、もうすでに下請の関係、協力会社の関係等におきましては、お互いに知識を披露し合い、提携を緊密にするような形になりつつあります。
 したがって、今日の発展の途上において、いま文部省から説明のありましたように、東大の研究所をもう少し進めていきたいと言われる、これもけっこうだろう。ただ、東大のほうで、ラムダからさらに次に進んでミューの計画を持っておられるようでありますが、そうなってきますと、これは多額の予算を必要とするようになりますから、はたしてそれを東大だけでやることがいいのかどうか、そういう問題があるだろう。かように考えるものですから、お互いの計画も相互に交換し合い、また、協力関係の工場等も相互に提携し合うことによって、ともすれば二つのものが競争の立場にあるように考えられるものを、いい意味の競争に持ち込みたい、これが私の仕事ではないだろうか、かように思っております。ただいま言われますように、どこまでもそれぞれの道を行く、こういうものじゃなしに、内面的に十分連携のあるものなら、また内面的に双方で調整がとれておるものなら、いま言われますようなことも、批判もさることですが、おそらく目的を達するには有意義じゃないだろうか、効果があるのじゃないだろうか、かように思いまして、ただいまはその総合調整のほうに力を入れておるような次第でございます。
○岡委員 岡野審議官が言われたように、やはり手段であるという点は、はっきりわきまえて、そのような考え方から相互協力というものが具体的に進められると思うので、今後とも、できるだけ宇宙開発については総合的な施策をいろいろのお役所の協力のもとにおやり願いたいと思うわけです。
 それから、防衛庁のほうの技術、特にミサイル技術に関する予算の総額は、三十九年度の要求予算額を含めてどれくらいでございますか。
 それから郵政省、科学技術庁、文部省、大体どれくらいでございますか。
○岡本説明員 三十九年度の防衛庁におけるミサイル研究開発予算の総額は四億一千九百十万七千円でございます。なお、別に国庫債務負担行為といたしまして一億四千八百六十万でございます。内訳は……
○岡委員 それはいいのです。これは三十一年度から始まっているかと思いますが、三十九年度までの全額。
○岡本説明員 ただいまちょっと集計しましてお答え申し上げます。
○宮川政府委員 郵政省におきましては、宇宙通信関係の研究施設を建設いたしておりまして、その建設予算を申し上げます。総額は、三十九年度予算の予定額を含めまして、昭和三十五年度以来で七億九千六百万円でございます。
○芥川政府委員 科学技術庁におきましては、三十五年度以降三十九年度予算案まで含めまして、十三億三千九百万円でございます。
○岡野説明員 昭和三十年度から昭和三十九年度予定しております金額を合わせまして、二十九億六千三百万円でございます。
○岡委員 これは大臣の率直な御意見を聞かしてもらいたいのですけれども、防衛庁は別でございましょうけれども、平和利用の宇宙開発に関する予算の一括計上というようなことにしまして、そうして政府レベルの実施に責任を持つ機関が配分をする、何かそういうような形をとることが、やはりこの総合的な開発政策の推進のためにも大事なスタートになる起点だと思うのですが、どういうものでしょうか。
○佐藤国務大臣 これはお説まことにけっこうなことだと思いますが、いまの予算書を見ますと、科学技術振興としての全体の予算を計上しておりますけれども、これはわれわれに配賦される概算予算、それにはそういうものがあるのです。しかしながら、各省でそれぞれが自分のところの要求をいたしておりますから、それを一括して見るという方法は、ただいまのところございません。ことに各省にそれを分けてみると、その辺は均衡がなかなかとれにくい、こういうものもあるようです。
 したがいまして、率直な意見を申せば、いま北海道開発庁というものがございますが、北海道に関する限りは、農林予算も建設予算も、北海道開発庁において一応計上し、そうしてそれぞれの原局からも同一のものを要求し、そうしてまたでき上がった予算を建設省に返したりあるいは農林省に返したりしておりますが、少なくとも北海道開発庁としては全体の予算が見られる。こういう意味で、たいへん有意義であるように思います。
 私、別に科学技術庁がどうあるべきだとは申しませんけれども、いまの予算概算に盛られておる程度ではその中身が非常に不明確で、一カ所で見るというそれには事欠くのではないか、かように思います。ただいま御意見として述べられたのがどういう意味であるか、ちょっと把握しにくいのですけれども、むしろ一カ所で見て、そうして要求する原局、文部省あるいは厚生省、あるいは通産省等とも調整がとれるような仕組みだと、どうもそのほうがいいんじゃないか、かようにも思います。これは率直な意見でございます。
○岡委員 私が申し上げたいのは、たとえば各省庁の原子力関係予算というものは、原子力委員会が一応取りまとめて配分をしておる。やはり宇宙開発というふうな新しい分野の仕事でもございますので、先ほど申しましたようにやはりひとつの計画が必要である。そうして、あらゆる分野がそれぞれ総合された体制で年次年次進めていくというような計画、そうなると、予算というものの配分というものはやはりこの計画に応じたような形において配分さるべきだと思う。ところが、各省庁が思い思いに予算を計上されておるということになると、この宇宙開発の計画性、ひいてはその総合的な推進というものに、やはりそこに困難な事態が起こってきやしないか、こういうことを実は私は案じますので、予算の一括計上というようなことが考えられていいのじゃないか、こういうつもりなんです。
○佐藤国務大臣 そういう仕事は、いままでのところでは予算を持っております大蔵省が見ておるようです。大蔵省がそれぞれの省の宇宙開発に対する計画を進めて、そしてその間の調整をはかっておるようです。大蔵省が適当であるかどうか、これはおのずからわかることだ、かように思いますが、ただいままではそういう機能は大蔵省が果たしておる、こういうことでございます。
 先ほど来申しますように、今度は審議会がより権威あるものになれば、そういう点においても調整をはかっていただけるだろう、かように思います。
○岡本説明員 先刻御質問いただきました三十一年度から三十九年度までの技術研究本部におきます試作品費、技術調査委託費、これは部外のほうに出す経費でありますが、三十四億一千七十一万二千円でございます。それから、なお別に人件費、防衛庁のその他研究用機械器具施設等、一切がっさい全部で五十三億八千九百九十二万二千円でございます。
○岡委員 実は大蔵省におまかせをするということは、いま伺ったような数字を見ても、どうも私どもはまかせにくいのです。平和利用関係の予算総額が、文部省をトップにして合わせても防衛庁のミサイル予算にも劣るというような、いわば予算措置と申しますか、お金の使い方ではならぬ。だから、やはり宇宙開発の平和利用というような観点から、この予算の効率的運用ということで一括計上される必要があると思います。
 それはそれとして、防衛庁のほうにお伺いしますが、エンジンあるいはロケット本体についてどの会社へ試作を命ぜられたり、あるいは調査研究を委託されておりますか。
○岡本説明員 ただいまの御質問についてお答え申し上げます。
 三十八年度の現状でございますが、AM関係は総合的に新三菱にお願いしておりまして、この下で日本油脂が、ロケット・エンジンでございますが、協力いたしております。そのほか、頭部の赤外線ホーミング装置につきましては日本電気がつくっております。そのほかに電波関係といたしましては東芝、三菱電機等にお願いいたしております。なお、固体ロケットのエンジンに関しましては旭化成、大セル、液体ロケットについては三菱造船にお願いしております。
○岡委員 三十八年度だけですか。
○岡本説明員 三十八年度だけでございます。
○岡委員 富士精密はございませんか。
○岡本説明員 現在のところございません。
○岡委員 それまでにはどうですか。
○岡本説明員 それまではありました。
○岡委員 何を……。
○岡本説明員 AAM、それから対戦車誘導弾ATMをお願いしておりました。
○岡委員 機体や推薬ですか。
○岡本説明員 ATMは推薬のほうでございます。エンジンのほうでございまして、機体ではございません。これは大セル、プリンスにお願いしております。
○岡委員 科学技術庁のほうでは、燃料や推薬やエンジンはどこに委託研究されておりますか。
○芥川政府委員 燃料と申しますか、推薬、これは同じものだと思いますが、それにつきましては、ただいま科学技術庁が委託研究をしておる分と、それから試作に使いました分と、両方を一緒に申し上げますと、燃料につきましては旭化成、大日本セルロイド、日本油脂、その三社でございます。
○岡委員 ロケット本体は……。
○芥川政府委員 ロケット本体につきましては、新三菱重工と三菱造船でございます。
○岡委員 きょう資料をいろいろいただきましたから、また一ぺんよく研究させてもらってお尋ねいたします。
 そこで、最後に、宇宙開発に関する国際協力を強調されておるわけですが、私はこれは特に力こぶを入れていただかなければならない分野だと思っておるわけであります。国際協力についての基本的な考え方を私は長官から承っておきたいと思うのです。と申しますのは、長官は日本独自に人工衛星を打ち上げたいというふうなこともおっしゃっておられます。私は、政治的な発言としては十分わかりますし、また、それができればそれにこしたことはない。そういう分野もあろうと思います。しかし、いずれにいたしましても、たとえば通信衛星のシンコムなら、空に三つ飛んでおれば世界中のテレビやラジオの受信ができる。そういうことで、そうあまり独自に打ち上げるよりも、もっと国際的な分業と申しますか、そういう形における国際協力というものを推進される。おれも負けないでとにかく人工衛星を打ち上げるのだという意気込みは非常にさかんでありますが、そうでなく、国連の総会でも続けて繰り返し繰り返し国際協力ということをうたっておるし、またアメリカとソビエトも協力協定を結んでおるような今日の段階においては、やはり国際協力というものの考え方が私は一つ問題だと思うのです。こういう点、長官どう思われますか。
○佐藤国務大臣 国際協定の大事なことは御指摘のとおりだと思います。本来、宇宙開発をいたします私どもの態度は、第一回の審議会の答申にもありますように、やはり公開であること、同時にまた国際協力であること、また自分のもの、というものをやはりやっておられるようであります。そういう意味の三点を特に強調しておるのでありますが、ただいままでのところ、東大にいたしましても、また私のほうといたしましても――まだ私どものほうは外国へ輸出しておりませんが、東大のほうのカッパ・ロケットならば、これはもうユーゴスラビアに行ったとか、あるいはパキスタンというように、各国にも出ております。また、国際協力という立場で、欧州における国際協力機構にも機会があればぜひ参加したい、こういう気持ちを持っております。ことに、アメリカがすでに進んでおりますので、宇宙通信あるいはテレビの中継等につきましては、アメリカの協力といいますか、アメリカ側の援助によりまして、ことし開催されるオリンピックなどもこれを中継用に使えるようにしてくれ、こういうことも申し上げておるのであります。
 そういう具体的なものもございますが、本来の学問自体はお互いに提携し合うように、ものごとを積極的に進めるべきだ、かように思っておる次第でございます。現に東大の先生などは、そういう意味で積極的に各国との提携協力をみずからやっておられるようですが、私ども科学技術庁としてもその態度を是認し、これを推進しておるというような現状でございます。
○岡委員 特に答申の中では、資金、人、技術、設備を一元的に宇宙開発の事業に投入していこうということが強く言われているわけです。私は、こういう方針というものが、日本の国内の体制という問題でなく、世界的規模においていく段階にもう来ていると思うわけなんです。ソ連はどれだけのお金を使っているかわかりませんが、本年度のNASAの予算もたしか一兆四千億、やがて二兆に近いと私は思う。そういうことで、これからのそれだけ深い、高度な分野において一国独自でやろうなんということは考えられないし、また考える必要はない。そういう段階に来つつあると私は思うので、そういう点も十分把握する必要がありましょう。もう一つは、科学技術というものの国際的な協力を推進することが世界の平和を維持する非常に大きなかぎになりつつあるというような観点からいたしましても、ただ他の国と競合してというような考え方じゃなくて、ほんとうの意味の国際協力で、互いがそれぞれの力に応じて、地球上の人類が一体となって宇宙開発に取り組んでいこうというような体制の考え方でお進めを願いたいと私は思うのです。この間、ちょっとアメリカへ旅行したら、アメリカでは坂本九という方の「上を向いて歩こう」というレコードがはやっておる。アメリカへ行くと、全く宇宙時代到来という感じがしたわけです。いずれにしましても、科学技術の国際協力は平和のための非常に大きなてこである、そういう考え方から御推進を願いたいと思うのです。
 ただ、この際、私は特に長官にお願いもし、また強く要請をいたしたいことは、宇宙法の制定という問題です。国連局長がおられますが、これはたしか昨年の国連総会でも勧告が決議されたかと思います。また、その前の秋の列国議会同盟でも強く各国政府に勧告しようと決議されたと思いますが、その間の事情を少し御説明願いたい。
○斎藤(鎮)政府委員 列国議会同盟の会合で世界法の制定をしようという試みがなされまして、国連総会では別に決議というぐあいにはなっておりませんが、そういう発言がございました。たしか草案はまだできてないのではないかと思いますが、そういうことがございました。
○岡委員 特に列国議会同盟の場合は、おそらく日本の代表がかなりイニシアチブをとって進められてきたいきさつもありますので、この問題も審議会としては具体的にお取り上げ願いたい。
 それからいま一つ、利用面のことでございます。この間もリレー衛星でテレビが若干の時間成功したということもありますが、よくオリンピックに間に合うかという質問が世上出るわけであります。局長のお見通しは大体どうなんでしょうか。
○宮川政府委員 衛星を使いまして日本のテレビを外国に送る技術そのものは、まだ実際にはやっておりませんけれども、可能な段階に達しておると思います。したがいまして、問題は、オリンピックのときにアメリカそのほかの国に送り得る衛星があるかどうかという問題と、それを受けました側の国がその受ける設備あるいはそれを国内に流す設備があるかどうか、こういうような問題になってくるかと思うのでございます。
 しかしながら、残念なことには、現在上がっております衛星では、十月というオリンピックの時期に利用し得る星がございません。それより前には、たとえばこの間打ち上げましたリレー1号Bという星などは、四月から七月ごろの間におきましては最高三、四十分送れるということはわかっておりますけれども、遺憾ながら十月には送れない。また、現在上がっおりますテレスターにおきましても、そのころには時期ではございません。
 そういうようなことから、郵政省といたしましても、アメリカのNASAとの覚え書き等もございまして、ぜひオリンピックのときに送れる星を上げてもらうように、外交ルートを通じまして向こうに申し込みをしております。これにつきまして、アメリカ側といたしましても、よくその趣旨はわかって、できるだけそのように努力したい、こういうようなことは言っておりまするけれども、なおはっきりとこの時期に適当な星を打ち上げるというところまで至っておりません。われわれといたしましては、なおアメリカ側ともよく連絡をいたしまして、そのときにテレビ中継のできる星を打ち上げてもらうように期待もしておりまするし、また、よい返事がくることを大いに望んでおる次第でございます。
○岡委員 それから、気象衛星の問題です。答申等を拝見いたしましても、また科学技術庁としても、この気象観測に先般の打ち上げでは努力をしておられる。ロケットをある高度に打ち上げての気象観測というものは、おそらく気象予報上のデータを得るという意味で、これは気象庁の平生業務というような形になってもいいと思うのです。
 たとえばタイフーンがなぜ起こるか、私も専門家ではありませんが、専門家の意見を聞いてみると、どうも地球の上から上を向いて風向きを見ておってもわからない。気象衛星を打ち上げて、上から星の送ってくるデータを解析して、タイフーンならタイフーン、ハリケーンとかモンスーンというものの発生機転がどうやらつかめそうな期待が持てる。この間もアメリカで専門家の方に会って話を聞くと、タイフーンというものは、私どもが考えておったように赤道あたりのどっかの島あたりで起こるものではない。むしろ南半球から出るというような話を漏らしておりました。いずれにいたしましても、気象衛星を通じてどうやらタイフーンの発生機転、あるいはハリケーンなりモンスーンがなぜ起こるかという原因がつかめそうな気がいたします。そこで、私の会った方々は、これからはタイフーンのメカニスムスをつかんだ上でこれをどう予防するか、これが科学の手によって実現し得ると思うが、根本的には全世界的な専門家の協力、政府の努力が必要だろうということを申しております。
 御存じのように、日本はタイフーンだけでもおそらく年に二千億前後、しかもこれが川原の石を積むような形での血税のむだづかいをしておるわけです。こういう問題は、私は特にこの審議会としても、あるいはまた気象庁としても真剣に取り上げてもらいたいと思います。たとえば気象衛星のタイロスでございますか、ニンバスでございますか、自由にこちらのほうでアンテナを立てて写真が受信できるというふうなものも向こうでは私に示して、お安いものだから買ってくれないかなということも申しておりました。そういうことは別といたしましても、これはやはり国際協力の中心の課題として、ぜひわがほうでも、政府においても、審議会においても、真剣に取っ組んでいただきたいと思う。もしこれがかりに実現可能だという状態になれば、人間の福祉にとってこれほど大きなことはないとさえ私は申し上げたい。実験的には昨年の八月でしたか、カリブ海で三百十五マイルの一日の風速のハリケーンが、やはりある操作によって四十八時間ほどで十五マイルの風速になった。私はこの新聞記事を向こうのウエザー・リサーチ・センターの責任者の方に、これは事実確実なのかと言ったら、これはまだなぜ起こるかという原因がはっきりつかめないときに、たまたま思いつきでやった仕事だから、科学的にこれでやればやれるということを申し上げかねるけども、まああわせて実験を進めておるのだと、いうようなことも申しておりました。そういうこともありますので、ぜひひとつこの問題については真剣に取っ組んでいただきたい。
 それから最後に、実は長官にちょっと食いつきたいのです。さっき山内君の質問に対する御答弁で、原子力研究所の研究成果があがっておらぬというようなことを言われた。事実あがっておらないかと私は思いますが、実は私ども先般打ち連れて東海村へ行ってまいりました。そして理事者の方に、組合の方々、また原研はえ抜きとでも申しましょうか、若い情熱を燃やして五年、六年苦労してくれた中堅の諸君、私どもそれぞれに会って、いろいろ意見を率直に聞かしてもらったわけです。ところが、きのう、おとといの新聞を見ると、何でも炉が運転を停止した。それから、菊池さんをはじめ理事の方が辞表を出した。これは、この六年間三百五十億ばかりの金を投入した原研としてはたいへんなことだと思う。これは、そのこと自体、やはり監督の責任にある方の政治的な責任は免れないと思う。しかし、私はそういうことはさておきましても、なぜこんな事態になったかという点、私どもは東海村へ行って、いま申しました諸君から率直な意見を聞きました。できるだけそれらを公正に判断をいたしました結論としては、この原研というものの今日のあの混乱というものの責任は、むしろ日本の原子力政策そのものにあるのではないか、したがって、責任は原子力委員会にあるのじゃないか、私は実はそういう判断になったわけであります。この点、長官はどう思われますか。
○佐藤国務大臣 これは私、たびたびここでお話をしておりますように、もう八年も経過してまいりました。そして、その間においていろいろ予算等に制約され、そのために必要な施設もなかなかぼつぼつにしかできておらない。今日になりますと八年の経過、それから設備等もまずまずのところへきたのじゃないか、かように思います。そうして、昨年JPDR、これをGEから引き継ぎましたその経緯から見ますと、結局労働不安、その結果がGEからの引き継ぎをおくらすようになった。今日なお全部の炉をとめて、ゼロ運転はしているが、これをさらに上げていくような運転はしておらない。こういうことを考えますと、どこかに欠陥があるだろう。いま言われますように、原因をたどればそれは原子力委員会という説もあるかもわかりませんが、ただいままでの経過を私、見ますると、この特殊法人である原研内部においてこれはやはり処理すべきことじゃないか、かように私は考えておるのでございます。事柄が労使の問題でありますだけに、私どもとしてはそれに関与することはなるべく避けたい、かように思っておりますが、理事者側において、多額の投資をしたにかかわらず今日その炉が十分に動いておらないこの現状、その原因を尋ねてみれば、それは労使双方の対立だ。かようなことを思いますときに、一日も早く安心のできるような協約を結ぶことだ、かように考えております。しかる上では、おそらく炉も動くようになるだろう。現状において動かすことはまだまだ国民全般から見まして納得のいかない処置のように思います。この点はまことに遺憾でございます。残念に思っておるような次第でございます。
○岡委員 具体的な事例を、私は時間もなにですし、これまでにも申し上げておりますから、一々申し上げて長官の御所見に反駁をしようと思いません。御存じのとおり、原子力基本法は、原子力の研究開発利用は民主的にやろう、自主的に進めるということをはっきりうたっているわけです。ところが、はたして原研の運営が民主的に行なわれているかどうか、あるいは研究者の自主的な創意というものが尊重されておるか。私は一々の事例を引き合いに出すまでもなく、この原子力基本法にうたわれた民主、自主というものが原研の管理運営の面において、ない。ここに私は紛争の一番基本があると思うのです。
 だから、そうなればやはりこの問題は、単に労使というふうな表にあらわれた事態に幻惑されないで、やはり日本の原子力政策の推進の中核である原研の運営が民主的でない、自主性が失なわれておるというここにまで原子力委員会が反省をされる、そこから原研というものの新しい本格的な立て直しができるのじゃないか。労働組合が自分のつとめておる職場の研究体制についてそのつど要求を出しておるようですが、そういういじらしい組合というものはおそらくそうないものだ。それほど切実に原研の民主的な運営、自主的な運営というものに対して彼らは大きな意欲を燃やしておる。これが押えられておるというこの背景の中で、いろいろな紛争が起こってきておる、もうこう判断せざるを得ない。それが証拠には、もう五年六年たって、大学へいけば教授、助教授級の諸君が、一人ならず二人ならず四人も五人も、もう原研にはおりたくないということを率直に言うておる。これは私は非常に惜しいことだと思う。この諸君は、原研が始まったときにほんとうに開拓者的精神をもって取っ組んできておるわけです。この諸君が、自分はおりたくない、かわるつもりだ。なぜか。いろいろ事例を申しますが、結論を申しますると、原研の運営というものが基本法の民主性、自主性というものに欠けておるというところが、彼らが入ったときの情熱をさまされてしまっておる大きな原因である。だから、ここを考えられたときに、私はこれは要望として申し上げるのだが、単に表にあらわれた事象だけでなく、もっと底を流れるこの原研そのものの長い運営の来し方というものを、同時にもっとやはり委員長としてもこういうまじめな研究者の声を取り入れてもらわなければならぬ。決して理事者の人をもてあそんだということだけでは、私は原研というものの立て直しはできないと思う。もうそこまできていると思う。だから、この点はぜひ、むしろ長官自身が向こうへ行って、みんなの声を聞こうじゃないかというような胸襟を開いた形で、それが民主的運営の第一歩だと思うので、そういう御決意で善処されたいと思う。
 このことを最後に心からお願いをして、私の質問を終わります。
○前田委員長 大屋参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、長時間にわたり宇宙開発に関する問題について貴重な御意見を承り、本問題調査のためたいへん参考になりました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 次会は来たる三月四日水曜日午前十時より理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十一分散会