第046回国会 決算委員会 第7号
昭和三十九年二月二十七日(木曜日)
   午前十時四十八分開議
 出席委員
   委員長 白浜 仁吉君
   理事 押谷 富三君 理事 福井  勇君
   理事 勝澤 芳雄君 理事 片島  港君
   理事 山田 長司君
      竹山祐太郎君    古井 喜實君
      湊  徹郎君    山本 幸雄君
      田中織之進君    田原 春次君
      吉田 賢一君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 佐藤 榮作君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       鹿島 俊雄君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   島村 武久君
        大蔵政務次官  纐纈 彌三君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (理財局証券部
        長)      加治木俊造君
        大蔵事務官
        (理財局証券部
        証券検査課長) 岸本 好男君
        会計検査院事務
        官
        (第一局長)  保川  遜君
        会計検査院事務
        官
        (第五局長)  白木 康進君
        参  考  人
        (原子燃料公社
        理事長)    高橋幸三郎君
        参  考  人
        (原子燃料公社
        監事)     小林金太郎君
        参  考  人
        (原子燃料公社
        核燃料課長)  塚田  孝君
        参  考  人
        (日本原子力研
        究所理事)   前田 克己君
        参  考  人
        (日本原子力研
        究所監事)   楠瀬 熊彦君
        専  門  員 茨木 純一君
    ―――――――――――――
二月二十一日
 委員神近市子君、栗原俊夫君、田中織之進君、
 田原春次君及び森本靖君辞任につき、その補欠
 として石田宥全君、加藤清二君、岡田春夫君、
 五島虎雄君及び河野密君が議長の指名で委員に
 選任された。
同日
 委員石田宥全君、岡田春夫君、加藤清二君、五
 島虎雄君及び河野密君辞任につき、その補欠と
 して神近市子君、田中織之進君、栗原俊夫君、
 田原春次君及び森本靖君が議長の指名で委員に
 選任された。
同月二十二日
 委員園田直君辞任につき、その補欠として高碕
 達之助君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十四日
 委員高碕達之助君が死去された。
同月二十五日
 委員神近市子君、田中織之進君、田原春次君及
 び森本靖君辞任につき、その補欠として横路節
 雄君、多賀谷真稔君、五島虎雄君及び河野密君
 が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員五島虎雄君、河野密君、多賀谷真稔君及び
 横路節雄君辞任につき、その補欠として田原春
 次君、森本靖君、田中織之進君及び神近市子君
 が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
 委員山本幸雄君及び森本靖君辞任につき、その
 補欠として根本龍太郎君及び横路節雄君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員横路節雄君辞任につき、その補欠として森
 本靖君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十六年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十六年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十六年度政府関係機関決算書
 昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書
 昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十七年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十七年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十七年度政府関係機関決算書
 昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書
 総理府所管(科学技術庁関係)
 国が資本金の二分の一以上を出資している法人
 の会計に関する件(原子燃料公社、日本原子力
 研究所)
     ――――◇―――――
○白浜委員長 これより会議を開きます。昭和三十六年度決算外三件及び昭和三十七年度決算外三件を一括して議題とし、審査に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。山田君。
○山田(長)委員 質疑に入る前に大蔵省の証券検査課長、それから証券部長の二人、お見えになっておりますね。――それではこの二人に最初ちょっと伺いたいのです。実は資料を出していただこうと思いまして、数日前からお願いしておったのですが、昨日証券課長が午後の五時十五分ころ部屋に参りまして、私が資料を要求しておいたことに対しまして、話されたことがあるわけですが、そのことにつきましてそのときの様子をここで明らかにしてもらいたいと思うのです。証券課長に、私の部屋へ入ってきたときの様子から、私がこれでお帰り願いたいと言ったときまでの経過をひとつ間違いないようにお答え願いたいと思います。
○岸本説明員 昨日五時十分か十五分過ぎだったと思いますが、山田先生のお部屋に参りまして、先日来先生から個人資料として提出するように御要求がありました資料につきまして、それらの個別、具体的な資料につきましては国家公務員法上の職務上知り得た秘密という点におきまして御提出できませんというふうにお答え申し上げたわけでございます。
○山田(長)委員 それは私が質問したことに対して答えている。あなたが入ってきてから私に最初にあいさつした態度とはそれは全然違うのです。ただいまのことは質問してからの話だ。それ以前のあなたが入ってきたときの様子からひとつ話してもらいたい。
○岸本説明員 先生のお部屋に入りまして、私ごあいさついたしまして名刺を差し上げたわけでございます。先生からも名刺をちょうだいいたしました。それから話が始まったわけでございます。それでただいま申し上げたように、先日来の御要求のございました資料につきましては、御提出できませんというふうなお答えをいたしたわけでございます。
○山田(長)委員 あなたはいすへかけるやいなや――私は前後の事情が役所の課長としてけしからぬと思ったので、きょう実はここで質問するのですが、資料の提出はできません、こういうことだった。それから次の質問に私は入ったわけでしょう。名刺を出されて、私も名刺を交換し、そうして資料は出せません。こういうこと覚えていますか。
○岸本説明員 先生にごあいさついたしましてから、先日来御要求のございました資料につきましては、きわめて具体的な資料でございますので、出せませんというふうに申し上げたわけでございます。
○山田(長)委員 きわめて具体的な資料であるので、私はあなたにその資料の要求をしたわけなんです。それが資料は出せないということだった。それからそれはどういうわけかと聞いたところが、あなたは、国家公務員として資料の提出はできない、こういうことなんです。それからそれは課長だけの意見ではなくて部長もそういう意見なのか、こういう質問をしたら私は部長の命令で参りました、こういうことを言った。そこできょうは部長のおいでを願ったわけですが、資料の提出は部長も課長に拒否するように命じたのかどうか。
○加治木説明員 検査は証券検査も銀行検査も大蔵省でやっておりますが、具体的な内容は、職務上知り得た機密として、これを外部に公表することは適当でないという考えを持っております。もちろん最終的には、院議等をもって御決定がありますなら、上司の許可を得られるならば、これはわれわれとしてはできますけれども、いままで、同様の御質問がありました場合に同様な態度をわれわれとってまいっておりましたので、この際としては山田先生にその旨よく御説明申し上げてわれわれの事情を納得してもらうように、こういうことを岸本君に言ったのであります。
○山田(長)委員 むろん私は過日の大蔵省の決算の章に入るときに、時の銀行局長とそれから政務次官に質問をしまして、決算でこれが決定した場合には資料の提出をするということだった。これは纐纈政務次官もそのことは了解をして、国会の御要求があれば提出するということだった。今度の場合、国会の議を経ないで私が資料の要求を明細にわたってしたというのは、これは全員に実は資料頒布をさせなくてもよい、こういう考え方のもとに資料の要求をしたわけです。これはやはり私は国会における審議権の問題になってくると思うのですよ。それが部長の命令で、課長が国家公務員法の秘密に属するからということで、このことは資料を出しちゃいかぬ、こういうことであるとすれば、これは課長が来てそれを言うのはやむを得ないとしても、部長は一体それは部長の権限でそういうことを課長に命じたのか、それとも部長はこの間の政務次官の意見等を聞いておれば、大体その資料が全然出せないというのじゃなくて、やはり加味されたものをいろいろな角度で、これが決算の議によるものでないという場合にも、私は資料の要求があった場合に、それが具体的な場合であったら出してもよいものと思うけれども、部長はそれをやはり部長単独で資料の提出をさせなかったのかどうか。どうなんです。
○加治木説明員 私は先例に従って判断いたしたまででございますが、正式な手続になりますと、正式に私は大臣の了承を得なければお答えできないことになっておるわけでございます。
○山田(長)委員 これは国会法の規則にもあり、これから衆議院の規則にもあることでありまして、正式な議を経て私は決算委員会で資料の要求をしたいと思っております。そこできょうは、私の質問の範囲内においては、課長と部長は帰ってもいいです。
 そこでもう一ぺん纐纈政務次官に念を押しておきますが、あなたは国会の御要求があれば資料の提出をいたしますと、こういう御答弁をされたと思います。そこで、いずれ決算の議を経まして資料の要求を正式にいたすつもりでおりますが、この間の決算委員会における御答弁に間違いありませんね。
○纐纈政府委員 ただいま山田委員からのお話のとおり、この前の決算委員会におきまして、実は私は最初出せないだろうということでございましたが、正式に院議において決定されたときはどうだということでございましたので、院議において正式に要求されるならば資料を提出することはやむを得ぬだろうということを御答弁申し上げたと思っております。その点について、私もいまだ考え方は変わっておりませんが、ただ個々別々の秘密に対しましては、国家公務員といたしましては私もその一人でありますが、やはりその職務によって、その権限によりまして知り得た企業の秘密あるいは個人の秘密というものは、現職にある者ばかりでなく、また退職した者でもこれを
 一切漏洩してはいけない、こういう法律がございます。それから先ほど部長からお話がありましたように、もしそういう場合でありましたならば、大臣の承認を得て提出することになる、しなきゃならぬ、こういうことも法律に書いてあるわけでございまして、先ほど山田先生が――部長が独断でやったんではなくて、やはり諸法規の命ずるところによってやったことでございます。さような点、私ども考えてみまして、個々の問題について、業界の事業内容にわたり、あるいはその株主と申しますか、証券会社に投資をした人たちに対する非常な影響をきたすというようなことになりますると、将来非常に影響が多いばかりでなく、大蔵省といたしましても検査をすることができないようなことになりますることは、これは非常に大きな問題でございまするので、個々の問題につきましては、やはり再検討いたして、差しつかえないものにつきましては御要求に応じて提出することができる。一般の問題については、私がこの前答弁しましたとおりに、院議をもって決定されますれば、もちろん出すわけでございますが、そういう途中の手続、法律上の手続を経なければならぬという問題につきましては、大蔵大臣の承認を得れば出すことはできるでありましょう、そういうことでございますので御了承願いたいと思います。
○山田(長)委員 だいぶ過日の大蔵省を決算で調査したときの状態と政務次官の答弁の内容は異なってきた。これはよく前回の速記録をごらんになっていただきたいと思います。だいぶ肉づきが、いまはついてきた。そんな答弁のしかたでは、前回の答弁とはまるで違ってきているのですよ。いいです。これはいま、大蔵省の当局及び政務次官が言いましたように、国家公務員法百条に基づいて秘密を守る義務があるということについての、あなた方の立場はわからぬわけではない。しかし、これは憲法六十二条にも、あるいは国会法の百四条にも書いてありまするように、報告、記録の提出の要求をするわれわれの権利があるはずです。いずれ、これはどっちが優先するかを総理に質問しますけれども、これはあなた方の答弁だけで済まされる筋のものでもないからあらためて聞きます。課長と部長は帰ってもいいです。
 それから、とにかく、ただいま政務次官の答弁にしましても、部課長の答弁にいたしましても、これは国政を調査するわれわれの権能をかなり阻止するものと思う。
 それからもう一つは、秘密という問題は一体どう考えておるのかということは、これから問題になると思う。国政の審議にあたっての秘密という問題につきましては、かなり統計上のことを、あなた方がしゃべられた一つでも、あるいは防衛庁の戦闘機その他の問題についての部品の説明等をさせる場合におきましても、これは秘密と言えば、かなり秘密に属するものがあるわけです。そういう場合に一々秘密であるとか、国家公務員が知り得た知識であるとかいうことで拒否するとするならば、これは審議にならぬような場合が出てくると思う。そういう点で、この二つの問題につきましては、もう少し上司に明らかにするつもりでありますから、この点はこの機会ではっきり申し上げておきまして、私のこの点の質問は終わります。
○田中(織)委員 関連して。山田委員が具体的にどういう資料の提出を求めたかは、私内容はわかりませんが、検査課長なり証券部長のほうは、その内容は御存じと思います。その点から見て、証券部長は答弁するにあたっては、たとえば局長なりあるいは大臣なりとこの資料について相談したのかどうか、その事実があるかどうか、まず伺いたい。
○加治木説明員 私は証券部長ですが、上司とは相談いたしております。
○田中(織)委員 証券部長のほうでは上司と相談しておらないということでは私はいけないと思うのです。問題があると思うのです。私も実は、いずれ月を越したら審議になる問題でいまある省に対して資料の提出を求めています。ところが、実はそれは一般には公表しないものなのでありますが、どういうことかそれが民間に出ておるのが私の手もとにある。したがって、それを出してもらうことによって真否を確かめたい。ところが、やはり一般的なことでそれは外部には一切出さないことになっておる。ところが、私の手もとには外部に出ないはずのものが出ておる。こういういきさつがあって、私がいま折衝をいたしておるのでありますが、これは大臣、局長とも予算分科に関連をして私は申し上げた点などで相談をするということで、まだ最終的な結論が出ておりませんが、私は国政調査の観点から資料要求をいたします。ことに予算委員会等において、証券関係であるとか金融関係で、たとえば貸し出し先、その内容というようなことについて、委員全部に配付することは差し控えたいと思いまするけれども、当該の委員だけならということでいただいた資料は幾たびかございます、私も予算委員を長くやりました関係から。その意味でいま山田委員から指摘をいたしましたように、国家公務員がその職務上知り得た秘密を漏らしてはならないという義務があることは、私ども承知いたしておるのでありますけれども、たとえば、あなたたちがあなたたちの判断で、これは当事者にとって都合が悪いというような観点の問題を秘密だという形で出さない場合も間々あるんではないか。そういう点から見て、あなたが国家公務員の立場において知り得た業務内容であるから、これは資料を出すわけにいかないということで一般的に判断のできる性質のものかどうかということについては、山田委員の提出を求めた資料の内容を私も実は存じませんからわかりませんけれども、過日来、おそらく当決算委員会で山田委員がいま纐纈政務次官との間で質疑応答をしたような観点から求めておるものであるということは想像にかたくないのであります。そういたしまするならば、あなたが、きっばり国家公務員法に基づく国家公務員の義務としてそれは出せないという程度の重大な問題でありまするなら、少なくとも大臣なりあるいは局長との間に相談をして、しかる後に山田議員に回答すべきだと思うのです。先ほどから見れば、特に山田君はそう感情的になる人だとは私どもは考えていないのでありますが、冒頭に、きのう会館を尋ねたときからの状況をここで述べてみろというからには、態度も実は相当礼儀を失する、あるいは不遜であるというような感じを抱かしたこともあるのではないかと私は思うのでありますけれども、証券部長にもう一度伺いますが、あなたは、少なくともそれを国家公務員の立場で知り得た秘密を漏らすわけにはいかないということをはっきり判断できるような案件なのでしょうか、その点どうですか。あなたの立場から見れば、少なくとも国会でも問題になったということは、大蔵省の政府委員である限りにおいては、この問題についての当委員会における応答というものも承知をされておると思うのです。そういう意味から見て、いま纐纈政務次官が言ったように、直接セクションの要求があっても、上司と相談するというようなことを行なった後回答すべきだという政務次官の答弁は私はもっともだと思うのです。それをあなたはやらなかったというところに、私どもはどうも割り切れないものを感ずるのです。内容を知らないままでも、あなたたちは出さないということをきっぱり断わる以上は、内容を十分承知しておると思うのです。それがいわゆる秘密に属する問題であるとあなたたちがお考えになれる根拠があるのかどうか、その点を明確にお答えをいただきたいと思います。
○加治木説明員 私は大臣とも、局長及び内部の上司とも本件については相談いたしておりますが、初め山田先生から、先般の委員会でこういう論議がありまして、正式の国会のお仕事ということじゃなく、個人的に一ぺんどの程度出せるかということで検査課長が御折衝を申し上げたわけでございます。その段階では、私は従来の慣例に従っていかなる内容も公表できないということはできないと思います。概括的な、一般的な資料であれば、差しつかえない限り国会に御提出申し上げることも可能であろうと思います。その可能な範囲において、われわれがこしらえました資料はたぶん山田先生にも御提出申し上げておると思うのでございますが、その程度でなくもっと具体的な案件についての内容をということでありましたので、それは従来の慣例に従えばわれわれとしては出せない、出したこともないので、その旨よく御了解を得るようにということで実は岸本君に行っていただいたのであります。もしその際、たいへん失礼な態度をとったという――私は岸本君の性格からいってそういうふうに考えられませんけれども、もしそういうことがありましたならば十分この際私からも陳謝いたしますけれども、そういうことでなく、本日正式に国会でお取り上げになるということでございましたので、本日は十分上司とは相談して参っております。
○山田(長)委員 前後の事情を話しておかなければならないから、私は帰ってもいいということをさっき言ったのですけれども、もう一ぺん言っておかなければならぬ。私の席には、衆議院の関係の調査の人が一人と、この仕事を調査してくれておる者一人と、私と三人おったのです。その席へ来ての課長の態度です。こういうことを明らかにしておかなければ――私、個人的な憤りみたいな形で、いまここで言っておるのではない。ほかの人たちも、ずいぶんなまいきな態度でものを言っておるということを言われたわけだ。それだから私はきょうここで申し上げるわけではないのだけれども、上司に相談したかと言ったところが、部長には相談したと言う。それからそのほかの人には相談してきたかと聞いたら、そのことについては答えられなかった。部長だけのような印象でもあった。そこで、実は私は過日来纐纈政務次官に調査資料の問題については質問をし、それから銀行局長にも質問をしておる。それからこれは信用上の問題もあると言ったら、それはもちろん信用にも関係があるだろう――しかし当決算委員会におけるところの決算報告書に従う調査をする場合は、当然この信用に関するようなことはたくさん出てきておるのです。こういう問題を調査するところに、残念でありますけれども、これは憎しみを買う場合もあるかもしれませんが、当決算委員会における仕事があるわけだ。これに関連があると見て資料要求をしておるわけだ。しかもこれを要求しておるにもかかわらず、私は全議員に出さなくてもいいと思うから、私一人で、私が調べた資料の範囲と食い違いがあった場合には問題だと思うので、実は資料を要求しておるわけだ。しかも資料要求をするに至りました理由は、あなた方が調べておるところの証券会社の調査というものが実にでたらめだからですよ。調査は一年半でやっておると言ってみたり、二年でやっておると言ってみたり、どのくらいの歳月のうちにやっておるのかと聞いてみたら、いや三年目にやっておるところもありますということを言っておる。どれがほんとうかと聞いたら、三年目にやっておるのも四大証券の場合にはある。こういうわけです。一体答弁するときには、そのくらいなことは明確に答弁すべき筋合いのものではないですか。こういうことが何としても不可解なのでそれは委員会で全部さらけ出して資料の請求をするよりも、一応わかっておる範囲をこまかくしたいのだが、そのわかっておる範囲を全部言ってしまったのでは、あなた方が出してくる資料とこっちの資料とで食い違いがあったのではいかぬから、あなた方に明確な資料を出してもらいたいということを言っておるわけだ。それが出せぬということになったら、一体国会の審議はどこにあると思うのです。これはいずれ総理と対決いたしましてこれらのことを伺うことにいたしますが、とにかくあなた方だけで資料を出せません、こういうことだけでこれは引っ込むわけにはいかない。いずれこれは理事会を開いて明らかにしてもらいたいと思うのです。
     ――――◇―――――
○白浜委員長 次に、総理府所管科学技術庁関係について審査を行ないます。
 まず当局より説明を求めます。佐藤科学技術庁長官。
○佐藤国務大臣 科学技術庁の昭和三十六年度決算について御説明申し上げます。
 まず歳出予算現額は百二十八億三千万円で、これに対する支出済み歳出額は百十六億一千二百万円となっております。その主要な費途について大略を御説明申し上げますと、第一に、科学技術庁一般行政費、科学技術会議、原子力委員会等各種審議会の運営費及び資源の総合的利用方策の調査のための経費と、科学技術者の海外留学のための渡航費、科学技術試験研究の委託費及び補助金、宇宙科学技術開発のための研究委託費、発明実施化の促進をはかるための補助金、日本科学技術情報センターの業務を拡充強化するための出資金及び補助金並びに科学技術に関する普及啓発事業に対する補助金のほか、特別研究促進調整費等として八億八千七百万円を支出いたしました。
 第二に、原子力の研究、開発及び利用の推進をはかるため、民間企業等に対する原子力平和利用試験研究の委託費及び補助金、日本原子力研究所の原子炉等の施設の整備及び同研究所の放射線化学中央研究所の設置準備を行なうための出資金並びに原子燃料公社の探鉱及び精製錬試験のための施設の整備を行なうための出資金のほか、国立機関の原子力試験研究費、放射能対策のための放射能調査費等として七十八億六千三百万円を支出いたしました。
 最後に所管研究所の経費として、航空技術研究所、金属材料技術研究所及び放射線医学総合研究所における研究施設等の整備等を行なうため二十八億六千二百万円を支出いたしました。
  〔委員長退席、押谷委員長代理着
  席〕
 以上簡単でありますが、昭和三十六年度の科学技術庁の決算の大略を申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
 科学技術庁の昭和三十七年度決算について御説明申し上げます。まず歳出予算現額は百十七億九千七百万円で、これに対する支出済み歳出額は百九億七千五百万円となっております。その主要な費途について大略を御説明申し上げますと、第一に、科学技術庁一般行政費、科学技術会議、原子力委員会等各種審議会の運営費及び資源の総合的利用方策の調査のための経費と、科学技術者の海外留学のための渡航費、科学技術試験研究の委託費及び補助金、宇宙科学技術開発のための研究委託費、発明実施化の促進をはかるための補助金並びに日本科学技術情報センターの業務を拡充強化するための出資金及び補助金のほか、特別研究促進調整費等として九億三千二百万円を支出いたしました。
 第二に、原子力の研究、開発及び利用の推進をはかるため、民間企業等に対する原子力平和利用試験研究の委託費及び補助金、日本原子力研究所の研究施設等の整備を行なうための出資金並びに原子燃料公社の探鉱及び精製錬試験のための施設の整備を行なうための出資金のほか、国立機関の原子力試験研究費、放射能対策のための調査費等として六十六億四千五百万円を支出いたしました。
 最後に、所管研究所の経費として、航空技術研究所、金属材料技術研究所及び放射線医学総合研究所の研究施設等の整備等を行なうため三十三億九千八百万円を支出いたしました。
 以上簡単でありますが、昭和三十七年度の科学技術庁の決算の大略を申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○押谷委員長代理 次に、会計検査院当局より検査の概要について説明を求めます。保川第一局長。
○保川会計検査院説明員 科学技術庁所管の昭和三十六、三十七両年度の決算につきまして検査を実施いたしましたが、特に不当として指摘いたしました事項はございません。
○押谷委員長代理 これにて説明の聴取は終わります。
     ――――◇―――――
○押谷委員長代理 次に、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件について調査を行ないます。
 本日は、本件調査のため、関係当局のほか、原子燃料公社より理事長高橋幸三郎君、同監事小林金太郎君、同核燃料課長塚田孝君、日本原子力研究所より理事前田克己君、同監事楠瀬熊彦君、以上五名の方に参考人として御出席を願っております。
 参考人各位には御多用中にもかかわらず委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。
 なお、参考人各位に申し上げますが、発言をなされる場合は、委員長の許可を得て行なっていただきたいと存じますので、そのように御了承を願います。
 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、これを許します。福井勇君。
○福井委員 ただいま大臣より昭和三十六年度と三十七年度の決算の概要を伺いまして、その内部に包含されております原子燃料公社の問題について、特に三十六年度と三十七年度の資金計画等についてお尋ねしたいと思います。本日は高橋理事長さんほか燃料課長また小林さんたちもおいでになっておりますので、私がお尋ね申し上げることは理事長さんという立場で主として願いたいのでありますが、こまかいことは課長等のほうがよく知っておられると思いますから、そういう場合には理事長に遠慮せずに進んで自分の専門のことは、課長の答弁をむしろ期待するほうでありますから、そのつもりでお答えを願いたいと思っております。
 当決算委員会では、国の出資法人の投資効果、経済効果について検討しておりますが、本日の私の質問は特に原子燃料公社についてのみ限ってお尋ねいたします。
 公社の財務諸表を見ますと、昭和三十七年度末で国から六十六億一千万円の出資を受けております。ところがその出資額の半分以上すなわち三十六億余の赤字が計上されておるのであります。これから将来にわたっても従来同様の研究開発業務を継続してまいりますと、毎年約十億近くの赤字が当分続くと思われるのでありますが、当決算委員会といたしまして投資効果の観点からいたしますと、この多額の赤字は一見してきわめて奇異に、かつ相当重大な問題として浮かび上がってまいります。科学技術の面について特に検討を加えておらない一般の国民から見ますと、毎年赤字がどんどん続いていく、原子燃料は何かもうからぬものであるというような印象を国民がただ数字の上から誤って読み取ることが多々あるのではないかと思いますので、こういうことについては、国民の税金を使うのでありますから、公社の人々あるいは科学技術庁の方々は、その真の将来を見通した目的等について、機会あるごとによく説明してもらわなければなりません。国鉄や電電公社がもっぱら事業を主体とする法人で、公益とともに事業収入を伴う、つまり独立採算経営を基本原則としておるのとは異なっております。この原子燃料公社は、わが国の埋蔵ウランの探鉱や製錬等の技術の研究開発をこれまで主たる事業として行なってきておりますが、初めから収益を目的としておらぬことは、これはもう当然でございます。
 かような観点からしますと、日本の核燃料開発の犠牲的、先駆的な必要投資であるということは、大蔵省あたりも――技術のわからない大蔵省の人々は非常に錯覚を起こしやすい投資でありますから、よく理解しておかれたほうがいいと思います。これからの投資を短期的に、しかも単に原子燃料公社の採算だけの角度から見ますと、膨大な年々の血税を使い込む――これまでの世界エネルギーの需給構成をこれと対比して展望しますと、石炭、石油の供給にも限度がありますし、将来は、陸上の原子力発電やあるいは船舶の原子力推進等に移行するということも必然的な運命であることもみんな認めております。これらを考えますと、近い将来においてきわめて実の多い投資であるという考え方にならなければならぬと思います。高橋理事長から、現在の投資が国内技術の開発、外貨の節約、エネルギーの安全な確保という観点から、将来の有効な投資であるとの明確な確信を持って、日々この事業に挺身しておられるその自信ある御説明がありますると、国民も納得すると思いますので、それらの点についてお尋ねしたいと思います。
○高橋参考人 ただいまの御質問に対して、私のただいままでやってまいりましたことについての結果をできるだけ詳細に御報告申し上げたいと思います。
 私どもがこの原子燃料公社を引き受けたのは昭和三十一年でございまするが、それから今日まで八年になっておるわけでございます。ですから、先ほどの決算委員会の対象となる三十七年度だけの問題をいま御説明申し上げても不十分と思いまするので、私は再々科学技術委員会のほうからはいろいろお尋ねを受けたことがございまするけれども、決算委員会からは今度初めてでございまするので、公社が八年の間にどういう業績をやったのかということを一応御説明申し上げたほうが、皆さまの御理解がいいのじゃないか、こう存じます。
 そこで、先ほど三十七年度末の決算六十六億ということについて大臣からもお話がございましたが、三十八年度、今年度に……(「大臣の時間がなくなってしまうから簡単にやってください。理事長のほうはあとでゆっくり聞きますから。」と呼ぶ者あり)それでは、いまのお指図を受けまして、要点を申し上げます。
 つまり、公社が三十八年度末までにどれくらいの投資をしたかと申しますと、約八十九億、九十億になっておるわけでございます。その間にどれだけの効果があったかということを簡単に申し上げます。その間にわれわれの仕事は、御承知のとおり探鉱、つまりウラン鉱を探す探鉱、それからそれを掘る技術、それから今度は掘ったものを製錬する技術、それからそのあと今度は金属ウランをつくる、つまり燃料要素をつくるまでの間のそういう技術の
 一切を今日までわれわれはやっておるわけでございます。前の段階の探す方面、日本にウランがあるのかないのかという問題が一番重要なポイントでありましたが、その八年を経過しまして今日までのところ、人形峠を中心とした埋蔵量約三百万トン、品位は千分の六という数字が一応掲げることができます。そこで、これは一つの国家の大きな財産でありまするが、この値打ちは一体どうかということになりまするが、今日のような世界市場が非常に安いウランを供給できるような場合には、われわれはそれをいま急いで掘る必要はありませんが、しかし、これは国の財産として将来非常に貴重なものであるという観点から、私どもはやっております。
○押谷委員長代理 それでは、いまの福井君の御質問に対する御答弁は、あとから高橋参考人よりゆっくり承ることにいたしまして、大臣がもう十五分しかいらっしゃらぬから、そこで大臣への御質問を優先してお進めを願いたいと思います。
○福井委員 私は、主として、先ほど申しましたとおり、高橋理事長並びに原子燃料公社の方々に集中しておりますが、重大なことは大臣に所見を伺うという構想のもとに、大臣の御出席を要求したわけでありますし、それでは委員長の御指示もありますので、次の委員会にまたたくさんお尋ねすることにいたします。
 質問の第二を申し上げますと、私が調査いたしたところによりますと、三十九年二月現在で、核原料物資の輸入実績は総計約二十九万二千キロになっておるわけです。五十億円をこえております膨大なものであります。さらに、これから昭和五十五年度までの発電用燃料の需要額を推定しますと、まず六、七千億円になろうかと思っております。これを輸入によらないで国産化した場合には、膨大な外貨の節約になるということは当然予想されるのでありますが、この核燃料の加工についても大部分が米国に委託をしておりまして、これまでの支払い金額だけでも五億以上に達しているようであります。以上のようなことを考えますと、これまでの政府の燃料公社に対する出資額は、われわれこういう方面の専門家から見ますと、少々スローモーであって、低調過ぎるというような気がいたします。しかし言うは簡単でありますが、燃料の国産化ということについては、国内の燃料サイクルの完成をはかるためには、なお一そう政府の具体的な技術あるいは資金等にわたっての施策が必要であります。佐藤大臣に、特に核燃料の国産化推進に関する積極的な考えはないかどうかということについてお尋ねいたしまして、また、あわせて、燃料公社当局から、将来の国産化に対する諸問題と、その議会への予算関係に対する要望等がありましたら、詳細にひとつ御披瀝を願いたいと存じます。
○佐藤国務大臣 御指摘のように、外貨節約という観点に立てばこれは国産化すべきものだと思いますし、ことに使用済み燃料の再処理等の問題になれば、どうしても燃料公社において積極的にやらなければならない、かように考えておりますので、できるだけ早くその準備期間、試験期間を通り越したい、かように思っていろいろ燃料公社も指導しておるような次第でございます。
○押谷委員長代理 勝澤芳雄君。
○勝澤委員 大臣、時間がありませんから、大まかな問題については次の機会に来ていただくことにいたしまして、私は一点だけお伺いいたします。
 原子力研究所の問題でいろいろ問題はあるようでありますが、理事長が辞意を漏らしたとかいうようなことを聞いておりますが、いろいろ中に問題はあるでしょうが、どういうような問題があって、そしていま理事長は辞意を漏らしてその取り扱い、それから今後どういうふうにやっていこうとしているのか、この点だけ一点お聞かせ願いたいと思います。
○佐藤国務大臣 原子力研究所の理事長並びに二人の理事が辞表を出したことは、新聞で御承知のとおりでございます。二人の理事につきましては、手続をそれぞれとりました。手続をとったということは辞表を受理したということでございます。理事長につきましては極力ただいま慰留をしておるということで、その手続はとっておりません。ただいまの実情はいま説明するようになっておりますが、この原因は一体どういうことだ。これは、JPDRの引き受けの際に、トラブルを起こしておりますように、労使の問題が円滑にいっておりません。したがいまして、ただいまのような協約のもとにおいては、業務を遂行していくことがたいへん困難であります。したがいまして、その責任をとったということに相なっておるように思います。
○勝澤委員 この原子力の問題というのは、未知の世界といいますか、なかなかわれわれがわからない点があるわけです。一年間の計画を見てみますと、その実績と比べてみましても、いろいろ科学の進み方によって問題があるし、それからまた科学技術には、われわれ政治家は何としても弱いわけでありますから、十年なり二十年なりの計画の中でも相当そごというものが出ておるわけです。そういう点から、入った職員の考え方といいますか、希望といいますか、そういうものから相当かけ離れた計画というものが、いろいろちぐはぐになっていると思うわけです。ですからその希望を持って入った学者あるいは理事連中についてもいろいろとまた御注文なりなんなりあると思うんです。そういう点で、やはり私は、基本的な問題、原子力研究所のあり方、全体的な経営のあり方、これは燃料公社も同じことだと思うんですが、いま政府の方針をしっかり立てないと、原子力燃料公社法自体の問題も再検討しなければならぬ問題になってくるんじゃないか、こういうふうに思うのです。そういうような問題について大臣の御所感はどうでしょうか。
○佐藤国務大臣 御承知のように原子力基本法、また原子力燃料公社法、これらによりましてそれぞれの機関ができたのでございますが、なかなか思うようにいかない点がある。それはどういう点にあるかと申せば、予算に限られるということで、必要な施設もなかなか思うにまかせない、これが今日までたどってきた経過ではないかと思います。しかし原研の場合におきましては、もう大体において必要な基礎的な整備はなろうとしております。今日もうすでに八年たっております。おそらくただいまお話しのように、若い科学者が非常な欲望に燃えて、そうしてここに入ってきた。そこで十分に研究をしたい、なかなか研究の方向にも進まない、こういうことが設備の点からも制約を受けておるだろうと思います。しかし、また一面、今日のように設備がだんだん整備されてきたが、その管理運営の面においても、十分研究者が満足いくような自由な研究ができないような筋もあるのではないかと思う。現に私どもがつくっております原子炉にいたしましても、相当出力を上げ得るようになっておりますが、ただいまゼロ運転ならしておる。しかし出力を上げることは、ただいまの労使の状況ではそれができない。そういうことは研究者の意欲をはばんでおる、こういうことにもなっておろうかと思います。そういう意味で、もう八年も経過した今日でありますので、そろそろ本来の目的を達するように私どもが念願をしておる。たまたま今回のような問題が起きて、その責任をとられた、かように私考えております。
○勝澤委員 特に、佐藤大臣は池田内閣で実力を持っておられる方でありますから、科学技術庁の長官としての経験の中から、科学技術についてのいろいろな問題について十分御研さんされたと思うのであります。その詳細な問題点につきましては、大臣がお帰りになったあと、公社なりあるいは研究所のほうに十分聞いて、問題点につきまして私の意見を申し上げておきますから、あとで十分お聞き取り願うということを要望いたしまして、私の質問は終わっておきます。
○山田(長)委員 時間がないので、五、六点聞きたかったのですけれども、一、二点にとどめざるを得ないわけです。私も原子力研究所のことについては、さっぱり要領を得た知識を持っておりません。そういう関係で、私が伺うことがはたして要を得ておるかどうかわからぬけれども、どうもふに落ちぬことがあるので、伺わざるを得ないわけです。
 動力試験炉についての問題についてお伺いいたしたいわけです。動力試験炉は、聞くところによると、三十八年の二月に完成するはずであったのが、十二月九日におくれてしまった。そこで原研側の受け取りが四千万ほどにのぼると推定されておった。ところが、GE社はこれを棒引きするばかりでなしに、アフターケアの人を七人ほど残しておいて、それで解決をつけようという話だということを聞いたわけです。四千万ほどがとれぬ上に、さらに、今度は一千二百万ほどの金もとれずにしまうのではないか。さらに、そのアフターケアで置かれる人たちをこのまま残すという話である。何のために、現在仕事がないのに残されておるかということについてふに落ちない点があるわけです。一体この点などは科学技術庁としてはどう指示をされるものか、やはりどうも理解ができない点の一つなんです。
○佐藤国務大臣 これは契約の当時において、GE側の責任において遅延したら一日三十万円、その他の場合においてはこちらが一日五十万円を支払う、こういうことになっておるのです。その原因その他は双方に納得のいくような場合もありましょうし、明らかにGE側の責任に帰する場合もありますし、また、当方が責任を負担しなければならないような場合もある。ただいまそういう意味の交渉をしております。したがって、まだはっきり結論は出ておりません。もちろん私どもとしては原子力研究所に有利な方法でこの解決をしたいものだとただいま指導し、交渉をしておる最中でございます。
 それから、そのアフターケアの問題は、どういうことになっておりますか、これは局長のほうからお話をさせたいと思います。
○島村政府委員 契約によりまして、試験運転を完了いたしました場合に、所有権がGE側から原子力研究所に移るという契約をしております。試験運転が終了いたしましたのが十二月九日であります。十二月九日に原子炉の引き渡しを受けたわけであります。試験運転中にさらに手直しをしなければならぬような点につきましては、引き渡した後においてもGEの責任において手直しをやるということで、それがただいま御指摘になりましたアフターケアというようなことばで言われておることかと存じます。しかしながら、それにつきましては、もうすでに全部終わりまして、現在動力試験炉そのものはいつでも動かせるような状況になっておるわけでございます。
○山田(長)委員 どういう契約でこのアフターサービスの人員を置いておるのか、この点が一つ。最初の契約で、試験開始までは向こう側の経費なのか、こちら側の経費なのかということについても、いまの答弁では明確にならぬ点があるような気がします。最初から契約書にそれらのことはうたっておらなかったのですか。
○島村政府委員 試験運転を無事完了いたしますまでの経費はすべてGE側で持つことになっておりまして、したがいまして、試験運転を完了いたしまして引き渡すまではすべて向こう側の責任負担ということでございます。なお、運転にあたりまして運転員は日本側から提供するという条項がございましたけれども、もちろん責任の衝に当たるような者は向こうから来ておったわけでございます。大部分の者は引き揚げましたけれども、その後もなお日本人の手による運転を指導する意味をもちまして、数名の者はまだ残っておるというふうに聞いております。
○山田(長)委員 そうしますと、その経費はGE社側の負担になるものと思われますが、そう解釈していいのですか。
○島村政府委員 試験運転を終わりましたあと数名の者がとどまって指導に当たっておると聞いておりますけれども、その経費は新しくとどまってもらう契約を結んで、そして原子力研究所側が滞在費を持つというふうに聞いております。
○山田(長)委員 GE社というのは世界で第四番目と言われる大会社だという話を説明書などで聞いたのですが、どうもサービスマンを置くことが、それも経費の対象にするなんということは、何となくけちくさい感じをしろうとのわれわれは持つのです。そういう点は、もう少し大会社で運転開始までの間の経費は持つ。期日が延びたということについても問題が一つ残っておるが、さらにそのあとの、日本人が運転するまでの過程においての経費までもサービスせぬというようなことになると、何だか大会社でないところと契約したような印象を、しろうとのわれわれとしては持つわけです。この点はやはり契約書にそういう契約をうたわれたのですか。
○島村政府委員 日本側に渡りましたあとの点までは、当初の契約書にはうたわれておらなかったと思います。引き渡しを受ける段階になりまして、なお向こう側も一部とどまってもいい、こちら側もそのことを希望いたしまして、あらためてそういう契約をして残ってもらったというふうに承知いたしております。
○山田(長)委員 大臣への質問からほかにそれたのですけれども、大臣に、スイミング・プール型原子炉JRR4の問題についてお尋ねいたします。この原子力建造船の中に必要な原子炉の遮蔽研究の問題ですが、この研究は当初契約がなかったようにも聞いているのです。それで運輸省と運輸技術研究所と各種造船会社のグループとで、これを要請して三十五年にやるようになったのだ、こう聞いておりますが、三十六年度に五億八千九百万円の予算が盛られてあるようです。これは当初研究所内においても原子力船の必要なデータ等が得られないというのでこれに反対の声もあったやに聞いておるのでありますが、データがないにもかかわらず進めるに至った経緯は一体どういうことでございますか伺いたい。
○島村政府委員 お尋ねの四号炉は現在建設中でございまして、明年動き出すわけでございます。お尋ねのポイントは、その原子炉は原子力船の遮蔽の研究のために使う炉ではないか。それにもかかわらず原子力船事業団をつくって、第一船の建造にかかっておるというのでは、あの炉が使われないのではないかというお尋ねかと思うのでありますけれども、実は原子力研究所に置きました遮蔽研究用の炉は、第一船ばかりを目標にしたものではございませんし、また第一船の建造にあたりましても、設計をいたしましたものをチェックするという役目に使うという予定もございまして、原子力船事業団側のほうも四号炉の完成の早いことを望んでおるわけでございます。なおその炉が置かれます際に、原子力研究所の一部で疑問を持たれておるというようなお話もございましたが、それはそういう炉をつくるほうがいいかあるいはもっとほかの研究にそれだけの金を回したがいいかというような問題はあったかと思いますけれども、その炉がこれらの研究のために使えないという意味での反対は全然聞いておりません。
○山田(長)委員 反対意見があったのを……。
○押谷委員長代理 山田君、大臣はお忙しいようですので……。
○山田(長)委員 まだ質問したい点があるのですが、大臣に対する質問は次の機会に譲ります。
○押谷委員長代理 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 大臣時間がないようでありますので、簡単に一問だけお尋ねをいたしたいと思います。
 原子燃料公社の性格につきまして、この際根本的に検討なさるべき段階にきておるのではないだろうか。性格を検討するということは、同時に将来の方針にもつながってまいります。もちろん構造にもつながってくると思います。と申しますのは、政府から出しておる決算などを見ましても、過去一年間に、三十七年に一二十六億円余りの累計の欠損がずっと集積されてきております。この燃料公社法によりますと、出た欠損は、それぞれ繰り越していくというようなことが書かれておるのであります。そうしますとこれはそもそも企業としての会計の収入を考えておるのであろうか、相当な利潤も上げるということを予定してこのようなことを考えておるのであろうか、こういうふうに見ますると、現実には、たとえば燃料公社の仕事の実態を考えてみましても、研究、調査、技術の開発、こういったことにほとんど費やしております。それ以外のところは、いまの段階では報告書を数年間のものを目を通しましても見つかりません。また基本になっております原子力基本法の第七条によりましても、「原子力研究所及び原子燃料公社」としまして、原子力の開発に関する研究及び実験、その他原子力の開発促進に必要な事項を行なわしめるために研究所あるいは燃料公社を置くという趣旨の規定になっております。つまり基本法である原子力基本法、それから燃料公社法の法律の本来のたてまえから考えてみましても、業務の実態から見ましても、企業的な面は全然見受けられません。それならば、やはり損益の計算のしかたというものは、これは会計処理の上のそれといえば、そういう方針でおありでしょうけれども、実情といたしまして赤字累積では、やはり福井君も御指摘なさったごとく問題を起こします。また同時に赤字累積、ことしも十億、来年も十億ということになってまいりますれば、・公社の職員の活動の意欲にも直接影響するだろう。結局その目的とするところを逸脱することになりはしないかということを、きわめて好意的な観察をいたしまして、これは根本的に検討すべき段階にきておるのではないであろうか。私はだから、これは企業体に切りかえなさいとか、あるいは研究実体をどんどんと削減しなさいとかいう意見を持っておるのじゃないのであります。しかし、まあ現状はそのようでありますから、この際は相当思い切って根本的にたてまえ、構造、方針などについて法律及び業務の仕様全体に向かって御検討あってしかるべきでないであろうか。こういう段階にきておるものと思うのですが、大臣はいかがにお考えになっておりますか。
○佐藤国務大臣 たいへん御理解のあるお尋ねだと思います。いろいろ赤字を出しておる。それがまた累積するようでは研究も思うようにいかぬだろうし、ことにそこで働く人たちも非常に因るんじゃないか。そういう意味から、その機構などについても考えてはどうだ。これはたいへん私御理解のあることだと思います。しかし私の考えますところでは、この機構の改革などはそう容易に取り上げるべきではない。現状においては、現在の機構を盛り立てていくことをまず考えたらどうだろうか。そのことが本来の目的、公社設立の趣旨にも合うのだろう、かように考えます。そうして、この赤字が累積しておりますことについては同情ある認識をしていかないといけないのじゃないだろうか。と申しますのは、ただいままだ研究の段階でありますし、どうしてもこの種のものは、民間の事業で成り立つならばやるでしょうが、民間ではやり得ない。それで中間の公社にしておる。また政府自身も、今日は赤字が出ておっても将来は必ずりっぱな事業がそろうだろう。それを期待しておる。事業の内容も充実整備されてくれば必ず立っていくだろう。こういうところに希望をつないでおるのでございます。今日までその計画が思うようにいっておらない。それは公社あるいはその経営者自身よりも、その他の理由によっていることが非常に多いのです。どうも研究の段階においてはこういう赤字の期間を経過して初めてこれが整備されるのじゃないだろうか、かように私ども考えております。どららかと申しますならば、やはり赤字がたくさん出てそれでいいというわけのものではございませんから、この衝にあたっておられる方はもちろん冗費を省くようには注意をされますが、今日の段階においては赤字であることはどうもやむを得ないのだ。またそれは政府もそのことを認めて、そしてそれをカバーしていってやる。こういうような性格のものではないだろうか、かように考えます。
○吉田(賢)委員 その点につきましては、たとえば補助金を出す手もありましょうし、あるいは研究ならば当然経費として処理する方法もありましょうし、いたずらに損失として累積さすということは形の上においてもおもしろくないじゃないか。これはたとえば機構をいじくらなくても法律の一部を改めるということによっても処理のしかたが変わってまいるのであります。でありますから、そういうふうにいたしまして、それと同時に、予算を適正に執行するということとはおのずから違います。予算を適正に執行することによって、それがよしんば赤字とか損失とかに扱わずとも、処理のしかたは幾らでもあるのであります。そういう点におきまして、私はやはり将来性を考えまして、その一点からでも公社の性格を明確ならしめる、そうしていまの法律の趣旨に沿うようなほうに持っていくべきではないか、運営をそういうふうにすべきでないか、こういうふうに考えておるのであります。これで終わります。
○佐藤国務大臣 ただいまの御意見はよく伺っておきます。
○押谷委員長代理 勝澤君。
○勝澤委員 局長にお尋ねいたしますが、いま原子燃料公社の性格の問題について吉田委員から再検討すべき時期に来ておるんじゃないだろうか、こういう質問がなされました。私もこの公社法自体からいって、あるいは業務の範囲という点から考えて、少し企業体としてものを考えるよりも研究機関としてものを考えるのが妥当じゃないだろうか、こう思うわけであります。特にわれわれから見ますと、どうしても決算全体の問題を見てみますと、一体どの程度がこの経営の限度になるのかという点についていろいろ疑問を持つわけです。ですから、やはりこの機構そのものの中に、研究機関と、生産企業といいますか、こういうものとやはりある時期が来たら少し分けて計算をしていくといいますか、あるいは運営していくといいますか、こういう点が必要になってくるのじゃないだろうか、こういうように思うのですけれども、そういう点については原子力局としてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○島村政府委員 ただいま御指摘になりました赤字の問題でございますけれども、大臣からもお答え申し上げましたように、同じ公社と申しましても原子燃料公社の場合は非常に違った性格のものと観念せられまして、最初からそのように認識せられてきたものでございます。およそほかに実は類例がないようなものでございまして、当初法律をつくります際にもこの赤字の問題をどのように考えるかということがあったわけであります。私どもといたしましては、当然このような仕事をしていく場合には、望ましいことではございませんけれども、赤字にならざるを得ない。その赤字をどう片づけるかということについても必ずしもはっきりとした方針を法律の中に新しいやり方として織り込むに至りません。原子燃料公社で申しますと、法律の第二十七条で一応繰り越しをするということにきめて今日に及んだわけであります。ただし、吉田委員からも御指摘がありましたように、このことがあるがゆえに、たとえば公社の今後の事業をきめます場合、その赤字のことも頭に置いて事業をやるということにはならないようにしてまいりたい、そう考えておりますけれども、職員全体の士気の問題にも影響するというようなお話でもございますれば、その点につきましては十分検討し、また公社の意見も聞きまして相談をいたしてみたい、かように考えております。ただ、ただいま御指摘になりましたこの燃料公社を試験研究機関ということに観念いたすことにつきましては問題がございまして、もちろん現在までやってまいりました仕事は、試験研究が非常に多かったわけでございます。今後といえどもそのようなものは当然予想されるのでございますけれども、実ははっきりとした事業として予想されております仕事の中には、たとえば再処理事業というようなものがございまして、これがいま工場の設計を公社で行なっております。そのうちにはこれが動き出すというようなことになりますと、もはやこれは試験研究の段階でなくて、まさに法律に書かれましたような、公社だけが認められた再処理事業というものを遂行するという立場に立つわけでございます。公社全体を試験研究機関というふうにみなすのはどのようなものかという気がいたします。いずれにいたしましても、非常に特殊な機関でございます。赤字の処理をどうするかということにつきましては、吉田委員もおっしゃいましたように、企業の形態を変えてしまうということではなくて処理できる面もございます。問題は、原子燃料公社ばかりでなく、似たような機関としての原子力研究所自体についてもございます。あわせて検討いたしたいと思います。
○勝澤委員 そこで、この公社から見ていきますと、今日までの投資、そして実際には繰り越し赤字、そしてこの状態というものは私は当分続いていくと思うのです。やはりその赤字の限度といいますか詳細といいますか、こういうものが私は一番大事だと思う。一つの例をあげますと、決算委員会でよく問題になりました東北開発株式会社、これはやはり国策会社ですから、やはり採算に合わないものについてもやらなければならぬことはあると思う。しかし、だからといって無計画に何でもかんでもやっていくということにもならないと思うのです。そういう面から考えていきますと、やはり純然たる経営の手腕といいますか、あるいはその責任者のやり方によって出てきている赤字というものと、それから企業の持っている特質から出てくるものと、いろいろあると思うのです。ですから、そういう点を明確にしておかないといけないと思いますし、ましてや国家公務員と違った立場で働いている人たちですから、そういう立場から考えてみまして、また技術者や科学者という立場から考えてみて、やはり民間の人たちの働く労働条件との比較の問題もあります。そういう点から、かりに一つ問題が起きる、賃金の値上げが起きる、いやそれは公務員とのつり合いだ、他産業とのつり合いからだ、あるいは経営の支払い能力からだ、こういうようなものの考え方をしていくと、やはり公社の理事長そのものが、実はそういうものについては何も能力がない、原局のいうがままだということになってしまうと思うのです。ですから、そういう点から考えて、やはり位置づけというものをしっかりしておかないといけないじゃないだろうかと思うのです。ですから再処理の問題も出てまいりましたけれども、実際にはあなたがいまお考えになっておる再処理の仕事を行なっていくと、少しは収入がふえていくだろうと考えていると、私は、どうもいまの見通しですと、業界から圧力をくって安くさせるとか何とかして、そんなに採算の合うものにはならぬと思うのです。またそういうようなことになっているわけですから、そうするとやはりこの位置づけというものを早い間に、いま原子力研究所のほうもごたごたしている、また燃料公社もそういう問題でも起きてくるということを考えれば、やはり政府の中においてこの扱いというものはどうすべきかということを、もう少し奥深く検討しておかなければ、問題が起きると思うのです。そういう意味でこれを私は申し上げておるわけであります。そういう意味で私はもう少し、せめて局長のところで進めておかないと、いつも問題が起こったときにはもう局長がかわってしまって、新しい人で新しい角度で何も知らなんだということが出てくると思うんです。ですから私はいい時点に来ているんじゃないだろうか、ましてや国内のウランの探鉱をやるよりも、実際にはもっと品質のいいものが外国から入ってきているのですから、それともまた問題がある。そういう全体的に検討しなければならぬ。そうしないと毎年毎年決算委員会に来て、また赤字が十億出たとか二十億出たとか三十億出たとか、われわれしろうとですからわからない。政治の中でもわからない人が多いと思うんです。科学技術庁長官をやった人ですら、いやあれは夢の世界だよと堂々と国会で言う大臣がおるわけですから、ましてや原子力局長は技術屋だか事務屋だかよく知りませんけれども、よくわからない人ばかりやっておって、みんな科学者の言いなりほうだいにして、もうけて採算がとれそうになったら民間がみなうまいところをとって、どうもわからぬ、わからぬということで、また五年や十年済んでいる、こういうふうに思うのですが、その点どうでしょう。
○島村政府委員 先ほど申し上げましたように、燃料公社は非常に特異な性質を持っておりますので、私どもは赤字が出るということは、これは決して望ましいことではないにいたしましても、当然のことと考えております。また吉田委員が御指摘になりましたような職員自体がその赤字があるということで心理的にも非常におもしろくないというふうな空気があるとは、実は考えておりません。燃料公社の職員自体もそういうものだということはよく承知しておると思いますけれども、しかし、また他面御指摘を受けてみますと、この決算委員会自体でもそういうような赤字の問題ということが、これはどうもこういう処理の方法としておかしいというような認識をお持ちになるということになりますれば、これは世間もまたそのように思うのも当然だと思いますので、したがいまして、その点につきましては十分検討をいたしまして、従来例はないことでございましょうけれども、燃料公社や原子力研究所の場合に特別の処理方法というものを検討してまいりたい、そう申し上げておるわけでございます。
 なお、再処理工場を建てましても、それは非常に事業的な性格のものになるということを申し上げましたので、そこから利潤が生まれて従来赤字に計上したものもぼつぼつでも減らしていくというような予想を持っておるわけでは決してございません。その面でもやはりまだ規模は小さいとかいうような問題もございまして、利益をあげていくというような考え方を持つわけには参らないというふうに思います。ただ赤字があるがゆえに公社の仕事が十分何と申しますか、投資効率というような意味でおもしろくないという考え方には私どもも賛成いたしかねまして、燃料公社のやりました事業は、国家的な事業として、その面で赤字と無関係に評価されるべきものだろう、そういうふうに考えております。
○勝澤委員 探鉱の関係でございますけれども、今日までの経過を見ますと、約十六億ぐらいの投資がされておると思うのです。それに比べて予想埋蔵量を考えてみますと、約三百万トンだといわれておりますが、十六億の探鉱費を使って鉱石が一トン当たり千円といたしますと、今日までの三百万トンの確定鉱量の評価と比較をしてみますと、投下資本について投資効果はあがっていない、こう実は言わざるを得ないわけです。現実に今日人形峠のウラン鉱の品位は、一万分の六ないし七だといわれておりますが、外国では現在千分の二のものがもう出ておるわけでありまして、当然この人形峠の国内ウランでも経済ベースには乗らない低品位のものであるということが言えるわけでありまして、近い将来この人形峠のウラン鉱が生産にかりに原料として使われるというときに、私は投資した問題とそれからこれが製品化されてきた問題との投資効果の問題を、わかりやすくわれわれに説明することができるかどうかという点について、実は疑問を持っておるわけです。やはり十六億の投資をしたら、それの見返りとしてそれぐらいの効果があるようにしなければ、国民感情として、いかに未知の世界だからといって、やはり何か説明できるものが必要じゃないか、こう思うのです。そういう点についてどうお考えですか。
○島村政府委員 御指摘のとおり現在までに判明いたしました埋蔵量と申しますものを、投資いたしました金額と比較いたしますと、確かにそろばんに合うようなものだと申し上げることはできません。しかし、もともと燃料公社が探鉱の仕事を始めました当初から、日本という国にウラン資源がたくさんあるという予想はなかったわけで、いわば探していく。非常に悲観的ではあるけれども、しかし、一生懸命になって探せばあるかもしれないという意味で始めたことでもありますし、やり出してみますと、いまでこそ、燃料公社理事長からさっき申し上げましたように、はっきりとしてこれだけあるというようなことを申し上げるような量でない、三百万トンぐらいだということでございますけれども、従来いわれておりました日本に必ずしもないというようなことではなくて、まだまだありそうだという徴候があらわれておる。また従来、御指摘がありましたように、貧鉱だ貧鉱だといわれておりましたけれども、なおまた有望な、もっと品位の高いものも出そうな傾向もあるというようなことで、この点につきましては、もうしばらく探鉱を継続いたしまして、日本におけるウラン資源の状態というものをつかまえておく必要があるというふうに、私どもでは考えております。ただ、もっともそれをすぐ事業化いたしまして、取り出して日本の資源を使うというようなことを事業として行ないますには、御指摘のように海外のウランの価格等とにらみ合わせまして、いかに国家機関であるからと申しましても、採算を全然度外視するような事業を行なうというわけにはまいらない。したがいまして、先ほど理事長がちょっと言いかけておられましたように、これはいまのところではどのくらいある、どの程度のものがあるかというような調査を進める程度にとどめておく、そういう方針でございます。なお、燃料公社では、そのようなことで大きな期待を持って努力しておられるわけでございますが、日本のウラン鉱石が非常に世界的にも特異なものだそうでございまして、したがいまして、その製錬方法等につきましても、燃料公社では研究せられ、独得の製錬方式を考え出されまして、できるだけ低いコストで製錬し得るように、また採掘方法につきましてもそれぞれ研究も進められておりまして、もし事業化が許されるようなときになりました場合に備える準備はちゃんとやっておられるわけでございます。
○勝澤委員 そこで、いま国産のウラン鉱を探しておる。むろん将来燃料の国産化ということをお考えになっていると思うのです。燃料の国産化をかりに考えた場合、国産化は大体いつごろから可能になってくるか、そのときに国際市場における価格との比較はどういうようになりますか、この点について……。
○島村政府委員 燃料の国産化と申します場合にも、完全に鉱石から原子炉に挿入できるような燃料要素としての完成品まで考えます場合と、部分的に考える国産化と、二つあるわけです。将来に大きな期待も寄せてはおりますものの、私どもが現在想定いたしております段階におきましては、人形峠からさらに発展いたしまして、たとえば奥丹後であるとか、方々にかなり有望なウランが見つかりましても、これはとても、日本の、われわれの考えております、たとえば原子力発電の実現に歩調を合わせるだけのものを国産で期待するということはむずかしいと思います。そういたしますと、結果的に申しますと、ウラン鉱を輸入いたしまして、精製錬以降の段階を日本で行なう。そして燃料を加工いたしまして原子炉に使えるようなところまで持っていく。これが国産化ということで大きな問題になる、そういうように考えるわけです。技術的に申しますと、たとえば現在東海村で建設中の発電炉に使います燃料に仕上げいたしました技術、これは日本でもかなり研究されておりまして、もうほとんど使えるのじゃなかろうかというところまで来ておりますけれども、何ぶんにもこれを事業化いたしますには、まだあの炉一つだけでは需要に合わない、需要量として考えるだけのものにならない。言いかえますと、コストも高くつくということで、まだそのような事業を始める段階にはございません。かりにあの種の炉がもう少しできますれば、その段階では当然国産化されるというように考えております。また、同じような意味におきまして、他の種類の型の炉の燃料につきましても、鉱石を日本のものを使うという意味でなくて、ある段階からの加工という事業、その国産化ということはぜひやりたいと考えておりますし、またそれだけの技術的なレベルも決して悲観的のものではないというように考えております。
○勝澤委員 結局いまの局長のお話では、輸入イエロー・ケーキによる国産化ということを主体にお考えになり、人形峠あるいは奥丹後の国内におけるウラン鉱を製品化するということについては、まだまだ遠いことだ。むしろ、先ほどのお話ですと、原子力発電の国産化を期待すること自体が無理だ、こういうお話をされておる。そうすると、探鉱そのものを私たちしろうとが考えてみますと、新聞で、どこかでウラン鉱が発見されたというと、それがとたんにもう製品化されて、あそこにもウラン鉱があってよかった、国内における探鉱は利益があると、こう実は見るわけです。しかし、いまのお話を聞いていると、ウラン鉱があっただけであって、それが実際には十年だか二十年だか、使えるようになるのはいつだかわからぬ。こういう説明は、国民は何も知らないわけです。ウラン鉱があったということだけなんですね。そこにわれわれとしては大きなギャップがあるわけです。そこで、いま政府は、たとえば石炭の問題に対しましても――いま石炭はあるわけです。掘ればいいけれども、採算が合わないということで、国内における燃料政策というものは変わっているわけですね。こういう中で、今度は、原子力のほうだけは一生懸命ウランの探鉱をしておる。この探鉱については少し検討しなければならぬだろうというようなことも、一方においていわれている。それは、イエロー・ケーキが実際には安く入ってくるわけです。ですから、そういうふうに考えてみますと、国内の探鉱というものについて、われわれしろうとでも納得できるような御説明をもう少しお聞かせ願いたいと思います。
○島村政府委員 私が申しました国産化という問題点から将来を展望いたしますと、国産のものが国産の鉱石を使うという問題を離れまして、基調はイエロー・ケーキを輸入して、それの燃料要素としての国産化にあると思うということを申し上げましたわけでございまして、探鉱はどんどんするけれども、とても採算が合わぬからじっとそこへ寝かしておくということを申し上げたわけではないわけです。これはいまの段階ではまだ事業化いたしますには量も少ないし、したがってコストも高くつく。外国のものに比べると相当まだ差があるので、いますぐ事業化をするということは考えていないけれども、何分にも地下資源のことでございまして、有望な品位のものがもっとたくさん見つかるということになりますれば、これは全部をまかなうことができないにいたしましても、当然そのものを取り上げまして、日本の鉱石によるウラン燃料の製造という方向に持っていきたい、この気持ちはちっとも変わらない、ただ現在の段階ではまだ事業化を進める段階にない、こういうことを申し上げておるわけであります。
○勝澤委員 ですから、それは何年たったら事業化することができるのですか、その見通しはどうなんでしょうか。
○島村政府委員 私のほうでは、あと何年たってから事業化するということは考えておりません。と申しますのは、発見できればということなのでございますから、有望だ、有望だと言いながら、いろいろ探鉱をいたしましても、その結果が出ませんければこれはなかなか事業化になりませんし、ごく最近のお話では非常に有望そうだというお話でございますので、たとえば来年にでも大きな、品位のいい鉱床が見つかったということになりますれば、事業化はきわめて早いということでございまして、計画的に何年たったらおそらく事業化できるであろうということをいま考えておるわけではございません。
○勝澤委員 事業化するについて、いつになるかわからない、地面の中のことですから、いいのが出てきたら来年にでもなるかもしれない、たいへんけっこうなお話です。しかしそのとき、今日輸入しているイエロー・ケーキとの採算が合うのですか。どういう条件になれば、とにかく輸入品を使わなくても国産化で合うのですか、その条件をちょっと教えてください。
○島村政府委員 その点につきましては、私のほうでも勉強いたしておりますし、また燃料公社のほうでも非常な期待を持って勉強をしておられるわけでございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたように、現在のところまで公社がおやりになりました成果によりますと、当初に比べまして非常に安いコストで生産できるようなところまで技術的にもいっておるわけであります。ただそれを東海村の試験機関でやりましただけでなくて、現地についての確証を得たいということで中間パイロット・プラントを人形峠につくってやっている段階でございまして、これは最終的にいっておる段階ではございませんが、私ども考えますに、海外のイエロー・ケーキが安くなっておるからとても手が出ないというものではございませんで、もう少し多くの鉱量を対象にすることになれば、もちろん海外より安くというわけにはいかなくても、日本で、少なくとも公社のような機関で行ないます事業としてならば、やっていけるという見込みを立てておるわけでございます。
○勝澤委員 局長、あなたもあまり詳しくない、私よりは少しは詳しいようですが、いまの状態というのは、科学技術庁でものを考えている考え方の基礎になるものは実はないわけです。燃料公社なり原子力研究所なり、こういうところが中心になってものを考えているわけです。それで新聞にウラン鉱が発見されたというと、実はこれは喜ぶわけですけれども、いまのお話を聞いていると、これはただ単にあったというだけであって、何年たってそのウラン鉱が製品になるのかということはわからない。極端に言えば、いままで発見されたものでは十年後でも製品化されるかどうかわからぬという結論にならざるを得ないわけです。ですから、そういう現実の中を洗いざらいにしておいて、その中からどういうふうになっていくのかということをやらないと、われわれしろうとは言いくるめられただけでおかしいおかしいということになる。やはりある大臣みたいに、おれもわからぬ、わからぬけれどもこのくらいの金があったら何とかなるだろうというようなやり方しか実はできないわけです。
 そこで私が最近奇異に思いましたのは、たとえば東海村に発電会社ができます。そうして燃料について、炉と一緒に十年間にですか、英国から天然ウランを輸入する契約を結んだわけですね。実際に製品を使うときにきて、国内における再処理をやろう、あるいはイエロー・ケーキを入れてやろうというようなものが使われずに、炉と一緒に燃料までひっくるめて契約されてしまうということになると、輸入鉱における国産化も、再処理は当然国内でやる以外にはないわけですから、そういうふうに考えてみますと、この発電会社の燃料については、ある程度やはり国全体として国内の燃料を使うようなことをさせていかなければいけなかったのではないだろうか。それが技術的にもまだそこまで日本の水準がいってないというならばしかたがないのですけれども、やはりそういうものとの見合いを考えていかないと、現実には炉がたくさんできてきたが、実際にはその燃料については国産化の燃料が使われずに、みな外国からのひもつきで相当大きな外貨を使って燃料の購入がされるということになるのではないだろうか。この点いかがでしょう。
○島村政府委員 御指摘のとおり、東海村に建設いたしております発電所用の燃料につきましては、炉の購入と同時にイギリスの原子力公社から燃料の供給を受ける話を進めておりまして、先般その契約も最終的にまとまったと報告を受けたわけでございますが、発電会社といたしましては、せっかく原子炉はつくりましたけれども、燃料の供給に不安があるということでは、事業としてはなはだ困るという観点から、イギリス側に対して、長期にわたり燃料供給の約束をしてもらいたいということにして、御指摘のような結果に立ち至ったものと考えております。私どもといたしましては、先ほど来申し上げておるわけでございますが、ああいうような型の原子炉が日本にできました場合に、できるだけ国産による燃料を使っていくということが望ましいというその考え方は全然変わっておりませんし、どうしたならばそのような燃料がつくれるようになるかというような意味では、国といたしましても、従来燃料公社あるいは民間に対しましても補助金、委託費等を出しまして研究を進めてきたわけでございます。私の聞きますととろでは、もうほとんど技術的には日本でつくり得るという見通しにきておるわけであります。もちろん実際に使ってみた上での試験炉というようなもの、現実の原子炉に入れてみて使ってみるというような点が残されておりますけれども、もうほとんど技術的には日本でもつくり得るというところまできておるわけでございますが、しかしそのような工場を日本でつくるということになりますと、たった一つの発電所だけのためにこれを事業化するということは、いわゆる最低の規模の生産量まで達しないというところに問題があるわけでございます。それらの点につきましても、私自身イギリスの原子力公社の専門家との間に話もしてみましたが、イギリスの原子力公社としては、日本でそのような天然ウラン系統の原子炉ができました場合に、日本がそれを国産化するということに何らの反対も持っておりませんし、大いに協力するということを述べております。ただ現在の段階では、採算的に考えましてあまりにも量が少な過ぎるというところに、これを事業化するに困難な点があるわけでございます。基本的にはできるだけ早く日本で燃料をつくりまして、日本の原子炉には日本でつくった燃料を充てるということを基調として考えておるわけでございます。
○勝澤委員 時間もあれですから簡単に今度は公社の理事長のほうにお開きします。
 いま私がお聞きしたように、これはしろうとの意見として、公社のあり方、探鉱の問題、それから将来の問題、こういうものについていろいろ疑問があるわけであります。そこで理事長としても、いまの公社のあり方について、あるいは将来の問題について希望なり御意見なり、いまの私の点で局長のまだ不十分な補足的なものがありましたら、ひとつ遠慮なくお話を願いたい、こう思うのです。
○高橋参考人 ただいま局長からいろいろ詳しい御説明がありましたが、その補足の意味で私から、担当しておる公社の理事長として、もう少し詳しい数字的な面で御了解が得られるのじゃないかと思いますので、一応御説明申し上げます。
 今日まで八年間われわれが仕事をやってまいりましたが、その間に探鉱、採鉱、選鉱、製錬というふうにいろいろ多岐にわたった工業の重要研究をやってまいったのでありますが、まず最初の探鉱の面で先ほどからお話がありましたとおり、今日までに約三百万トン、品位にしますと万分の六というふうな鉱量を一応われわれは考えております。なるほど外国の例を見ますと、カナダあたりの約半分――カナダは千分の一・二くらいのものです。それからアメリカですと、またその四倍くらいの品位のものをいま実際にやっています。ですから千分の二・四。しかし低いものは、南アのような日本の半分くらいのものでも、やはりいまやっているところもございます。それは条件が違いますから一がいには申されませんけれども、先ほども話が出ましたとおり、日本のウラン鉱が非常にたちがいい。つまり製錬なり照射、技術面で楽だということが非常に取り柄だと思います。
 そこで、そういういろいろのわれわれの研究結果を総合しまして、現在の段階で、かりにこれを事業化したらどういう採算になるかということを試算したものがございます。それによりますと、一日千トンの鉱石を掘って、それを採鉱、選鉱、製錬の工程にかけた場合に、どのくらいのウランができるだろうかということを計算しますと、一カ年に約百トンの原子炉に入れられるようなウラン金属ができるという一応のわれわれの目標がございます。百トンといいますと、これはかなりの金額でございます。現在外国から鉱石を輸入しますと、外国は非常に安いといいますけれども、いろいろ買う場合になりますと、やはり大体そんな見当になりそうです。ということは、一応実績を申し上げたほうがはっきりすると思いますが、今日まで私どもが外国から輸入した鉱石、これはイエロー・ケーキですが、約七十七・五トンくらいのものを輸入して、われわれは実際に金属ウランを東海製錬所でつくった経験を持っております。その輸入する価格は年によって非常に違っておりまして、一番最初に輸入したのは一九五九年ですが、その当時はFOBで十六ドル、ところがその次は十三・九ドル、それから十二・四ドル、十・七ドル、十一ドル、九ドル、九ドル、八ドル、八ドル、最近輸入したものは六ドル、こういう相場にいま変動しておるわけです。そうしますと、われわれがかりにいま千トンつくって、それがどれくらいで仕上がるかといいますと、これは概算ですけれども、われわれの計算では、まずトン一千万円以下でできるという見通しでございます。ということは、外国の相場に換算しますと、ちょうど約八ドルくらいの相場に相当するのです。ですから、八ドルの相場が一いまアメリカが民間から買い上げている標準の価格は八ドルなんですから、もし将来この数字で落ちつくとすれば、われわれが国内で採掘して製錬して金属ウランをつくっても、まずまずとんとんにはいくんじゃないだろうか、こういうふうな一応の予想を持っております。ところがいま六ドル、最近の情報だと五ドルあるいはそれ以下で買えるんじゃないかというふうな国際市場ですから、いますぐこれを手をつけることはきわめて困難な状態であります。そこでそれに関連して、それではいつになったら八ドルという線――アメリカは従来依然として八ドルの線をくずしておりません。これは民間工業に対するいろいろ国内政策の面からもしているんだろうと思いますが、依然として八ドルの線をアメリカは堅持しておりますから、われわれも大体八ドルの線はいつくるだろうかということを――いま輸入するのが五ドルあるいはそれ以下では、われわれの国産ウランを経済的に生産することはとうてい不可能であるということをわれわれは現在考えておるわけです。
 そこで世界の原子力発電の経済性というものはいつか、こういう問題が起こってきます。アメリカは、大体皆さん御承知と思いますけれども、一九六八年、いまより四年後ですが、一九六八年ごろが経済ベースに乗る大体の年ごろになるだろうと思っておりますが、日本の場合を考えてみますと、一九七〇年ごろ、つまり昭和四十五年ごろにウランの市場はかなり上がってくるだろう、世界的にウランの価格が上がってくるだろう、そのころが大体日本で金属ウランを生産し得る経済性の出てくる時期じゃないだろうか、こういうふうに私は考えております。
 そこで、そういう一応の目標を立てまして、私がいまやっておることは、約三百万トンの鉱石、品位が悪いけれども、これをいかにしてそういう経済ベースに乗るような仕上げ価格に持っていけるかということを、実は今日までずっと研究しておりまして、先ほど局長の説明があったとおり、山元に小さいパイロット・プラントをいま建設中であります。これは大体昨年手をつけまして、今年の中ごろには多分完成して運転できると思います。それで、今後さらに三年くらいはどうしてもいろいろな研究問題を解決するためには試験運転の時期がありまするから、まずいまより五年後、四十六年ごろ、一九六八年ごろには、大体アメリカがいっておる八ドルの線がそろそろ出てくるのじゃないだろうか。そうしますと、さらに、それじゃ大いにやろうかというふうな結論になっても、建設には約二年くらいの月日を要しますから、一九七〇年には大体日本のいま持っておる三百万トンあるいはそれ以上のウラン鉱が経済性を持つ時期じゃないだろうか。そこで、初めてわれわれがいままでやった努力が結ぶ時期が近寄るというふうに一応私は自分の立場上見当をつけて、いま諸般の準備をその方向に進めておるわけでございます。
○押谷委員長代理 山田君。
○山田(長)委員 原子力研究所の方に聞きたいと思います。
 高放射性物質研究室の問題です。聞くところによると、四十年四月に運転開始の目途のように伺っておりますが、このホットラボの増設計画というのは建設費が七億一千七百万円、内装の機械類が一億二千八百万円、技術料が千五百万円、こういう経費がかかるようですが、これが当初原研側の計画にはなかったように伺っておるのですが、最初からあったのですか。
○前田参考人 高放射性物質を処理いたしますホットラボの計画は、原研の当初から必要なものとして計画せられておりました。
○山田(長)委員 原子力発電株式会社の社長の安川第五郎さんが目下建設中のコールダーホール型の発電原子炉、この運転が四十年四月に完成する。それで同炉の燃料の燃焼検査を行なうことを申し入れをしたりなどして、それが予算化の問題を申し入れられたのでこれが進めるようになったのだというふうな話を伺っているのですけれども、この点どういうことでその申し入れを伺い、それから燃料研究をあなたのほうでするようになったのか、もしこの燃料の燃焼状態などもあなたのほうの研究所でやるということになると、これは民間企業を――私はそういう規則があるのかどうか知りませんけれども、民間企業を助けるような仕事を国民の血税でやるような印象を持たれるわけですけれども、その点の前後の状態はどうなっておるのですか。
○前田参考人 原子力発電株式会社といたしまして、研究設備ないし必要な設備を持ちますことは、一面におきまして、原子力研究所と同じ場所にありまして、重複をいたす部面もありますので、方針といたしまして、その種のことは原研のほうでお引き受けをいたす、そういう方針で、原子力発電のほうではそういう設備をお持ちにならないということにしてやっております。
 そこで、ただいまお話がありましたところの原子力発電株式会社のほうの使用済み燃料についての必要なる試験を、私のほうのホットラボでお引き受けをするために、ただいま設備を整えておることは事実であります。ただ、これは外部の会社のほうの研究を引き受けるのでございますから、これについては適正な料金をちょうだいいたす、この方針でいま会社のほうと交渉いたしております。
○山田(長)委員 今度は会計検査院にちょっと伺いたいのですが、しろうとのわれわれには、これは会計検査院の検査の衝に当たる人も容易ならない仕事に感ずるわけです。会計検査院のほうでは、原子力のことについて特別に知識をお持ちになっている人がおるのですか。それともだれか、こういう場合には特別に他の専門家等に委嘱をして、仕事内容というものを検査をするものでしょうか、参考に伺っておきます。
○白木会計検査院説明員 私ども、実はこの原子力関係、原研あるいは原子燃料公社の件につきまして、ただいま御指摘のように多分に技術的と申しますか、われわれの理解をはるかに越えるような面が多過ぎまして、業務の内容については十分理解しておるとは申し上げられません。それから、特別のこういった専門の担当者もおりません。また、検査に際しましてそういった特別の専門家の方にいろいろお伺いして、当該の資料に基づいて検討するということも、現在までやったことはございません。ただ、当局あるいは科学技術庁その他からいろいろ御説明を伺いまして、われわれのほうも普通の事務屋でございますけれども、いろいろ勉強いたしまして、経理的な面におきましては大体われわれが判断をするのに特に支障のない程度には、よく勉強はしておるつもりでございます。
○山田(長)委員 これは私の意見ですけれども、ただいまの会計検査院当局の御説明を伺いましても、これはなかなか専門的なことになりますので、やはり会計検査院の内部にも、こういう数字的なことだけではなくて、原子力のことについても研究する機関を設ける、これは考えられることじゃないかと思うのです。そうしないと、やはりかなり大きな金を使っておるわけなのですから、会計検査院としても、数字から得た調査だけではなくて、やはり科学的な知能を持っておる人の顧問みたいなグループをこしらえて、そこからも知識を得る必要があると思うのですが、旧来これらに類する、たとえば戦闘機の2マッハの上昇率、飛行中における状態、それから内部エンジンの構造等、こういう問題についても、私は会計検査院当局ではなかなか苦労されるのではないかと思うのです。こういう場合もどうした形の検査をされるのか、あるいは飛行機に乗ってみるのか、防衛庁で報告してきただけの姿で了承するのか、どうもこういう点が私には理解できないのでありますけれども、技術上における顧問団というようなものをこしらえて、それらの意見を聞いたようなことがいままでにあったか、ないか。
○白木会計検査院説明員 現在私どものほうで、そういった技術的な面につきまして適当な方を顧問に委嘱しまして、専門的な御判断を願うということはできるたてまえになっておりますが、実際には、他の局の関係は私詳細に承知いたしておりませんけれども、ほとんどないように承知しております。ただ先生御指摘のように、原子力関係も今後ますます国費の使用も増加すると思いますし、現に団体としまして原子力船の事業団もできましたし、われわれが検査の責任を全うする上において、今後先生がいま御指摘の点は十分に考慮しなければならぬことと考えております。なおこの点については上司とも相談いたしまして、今後のことにつきまして十分に研究したいと思います。
○押谷委員長代理 吉田君。
○吉田(賢)委員 高橋理事長にお伺いいたします。
 さっきの調査結果なんですが、将来の採算につきまして相当楽観的なお見通しがおありのようでありまして、そういうことになってくるとたいへんしあわせなことと存じますが、実はそういう点につきまして、やはり日本の公社、事業団が過誤を犯してまいっておりますことは、当委員会でも、さっきも他の委員の御質疑があったごとくに、東北開発の問題もそういう点が出発のもとになっております。
 そこで私がはっきりしておきたいことは、ほんとうに将来、事業体として成り立つ見通しを持っておられるのであろうか、一つの国際的な需給価格の状態をお見通しになって、そういうことになればしあわせだがと、こういうことにすぎないのか。もし前者であるとするならば、やはりそういう見通しを前提として業務計画を立てたのであるか。あなたのほうの公社法によりますと、事業を執行する上におきましては第二十条には「原子力委員会の議決を経て内閣総理大臣が定める核原料物質の開発及び核燃料物質の生産並びにこれらの物質の管理に関する基本計画」を立てて、これに基づいて行なわねばならぬというふうに書いてありますが、こういう辺が平仄を合わせて事業を遂行しつつあるという状態なのであるかどうか、この辺を理事長のあなたにしっかりと聞いておかねばならぬと思います。
○高橋参考人 ただいまの御質問、たいへんけっこうなことで、非常に今後進む方向に対しては参考にしなければならぬことだと思いますが、現段階におきまして、探鉱の性質上将来どういうものが何トン出るかというはっきりした見通しはっきかねるのでございます。しかし過去八年間われわれがいろいろな専門家を動員してやった結果から結論しますところは、いまの三百万トンの埋蔵量、しかもその品位は万分の六、そういう非常に低品位な結論に現在はなっておりますけれども、その後各方面の調査、探鉱の結果出てきたことは、品位は万分の六より上回っておるのじゃないだろうか。ということは、新聞その他で御承知と思いますけれども、人形峠の中津河という一部分には非常に品位のいいものが昨年発見されました。それはまだこの計算に入っておりません。それから昨年の暮れから非常に探鉱が活発になっております岡山県と鳥取県の県境地帯、これは神の倉といっておるのですが、その探鉱の結果は非常によろしいので、品位は従来考えたよりもさらに上回るというふうな情報も入っております。ですから、品位の点についてはいまの万分の六というのは少し安全過ぎるのじゃないかというふうにも私は一応考えております。しかし、それをわれわれとしてはまず一番安全サイドをとって計算したのが、先ほどの一日千トン、一カ年につき約三十万トン、そうして三百万トンの鉱量に対して約十カ年、こういう普通の鉱山経営の経営規模における企業計画に合致するような数字がそこに出ておるわけでございます。したがってその数字は、これからそれを確かめる必要がありますので、実は原子力委員会の御承諾を得まして、その予算を昨年計上しまして、本年もさらに通りましたので、今年の中ごろにはそれが実際動き出すだろうということでいませっかく準備努力中でございます。したがって、その結果われわれの考えが正しいか、あるいは修正を要するかどうかということの結論は、三十九年度を過ぎて、つまりその運転以後のいろいろのわれわれの今後の施策によってそれが証明されるような段階になるのじゃないだろうか、こういうふうに一応は私考えております。それからウラン鉱の発見された地域は人形峠だけではございませんので、先ほども大臣から御説明があったと思いますが、奥丹後地域、これは全然新しい地域でございます。それから東濃地区、つまり岐阜県、愛知県にわたる地域、あの方面にも非常に有望だとされるウラン鉱床が発見されております。そういうものは今後の開発によるのでありますから、私のいまの採算には入っておりません。全くわれわれが過去八年間を通して見た探鉱結果によって得られた数字が三百万トン、万分の六、こういうふうな数字でございます。
 それから技術的に申しますと、人形峠の鉱石は世界でも非常に珍しい鉱石でございまして、いろいろ研究してみますと、簡単な洗い鉱、ウォッシングによって品位がすばらしく上がる、濃縮できるというふうな事実もわれわれは知っております。それを織り込んだのがいまの新しい製錬試験所でございます。
 そういうふうなわけで、われわれの計画については万全を期して慎重にいまやっておるのでございますし、またもちろん委員会のほうの御承諾を得て、予算はすべてその意向に沿って組まれておるのでございますから、今後の努力に大いに期待しなければならぬのですけれども、現在の段階はそういうふうな情勢においてわれわれがいま仕事を進めておるということです。
○吉田(賢)委員 前提の条件といたしまして、国内の資源の見通しにつきましては、そうするといま非常に高品位のものが発見されたことは喜ばしいことでありますけれども、国内の資源の将来は、世界的に見ましてそんなに有望でないのか、それとも非常に有望であるというのか、いやこれはまだ将来のことでわからないというのか、その辺についてのお見通しはどういうことになっておりますか。
○高橋参考人 たいへんその問題は私どもが頭を悩ますむずかしい問題でございます。地下資源というものの性質上、地表から探鉱なりボーリングなり、いろいろな方法はありますけれども、それが的確にいく段階にまだ技術の進歩がいっておりませんので、やはりいろいろむずかしい、金のかかる方法をわれわれはやりつつ、また時を相当費やして探鉱していかなければならぬというのですから、いま人形峠に見つかったからそういうものがどこにも見つかるというふうにはどうも考えられませんので、現在の段階では残念ながら日本のウラン資源というものは、とうてい先進国並みのものであるとは考えられません。
○吉田(賢)委員 日本のウラン資源が諸外国に比較して劣っておるもの、こういうふうな見通しがもし真実でありとしますならば、やはり私は、公社のお立場としましては根本的に相当低姿勢をもって進んでいくということが、基本的な態度として望ましいのであります。しかし、あなたは非常に勇壮活発に将来の開発を目ざして進んでおられますが、これはもちろん多とすべきものでございまして、一そうこの努力は望ましいのであります。しかしその前提が、結局日本は貧鉱地帯ということばが適当かどうか存じませんけれども、もしそういうような地位にあるとするならば、やはり相当――たとえばやがて事業体として企業採算が合う時代がくること、これは何年ころにはそうなるであろう、アメリカで八ドルに押えておる。八ドルならば日本においても採算が合うじゃないかとかいうような一つの経済企業的な考え方というものは、私は相当切りかえていくほうが堅実でないかというふうに実は思うのであります。これをはき違えてしまいますと、よく出ますごとくに、幾多のいわゆる国策事業団、国が投資して一向収益が上がってこない、最後の果てには収益を上げようと思ったら、あるいはまた赤字を少なくするという、その償いのために何とかあちらを処分しよう、こちらを手ぎわよくやっていこうというようなことが貧すれば鈍するということになって、だんだんと醜態が大きくなって、結局困るのは国民である。こういうことにもなる例が他にはあるのであります。でありますので、私は、やはりこの種の歴史的なあるいは世界的な日本の大きな一つの使命までも自覚して進んでいっておられる人が多いと思いますので、そうならばそうなるほど、できるだけ経済的には低姿勢でなければ間違いのもとじゃないかと思うのです。私が大臣に伺っておりましたのは、やはりそういう観点に出発するものであります。でありますから、それならばあなたのほうにおきましてもあくまでも一つの事業体なりという考え方じゃなしに、むしろ事業体に幾らか進出し得るのならば、まことにしあわせだというくらいな考え方で、とにかく基本的には開発調査していくのだ、あくまでもそれは経営それ自身が、採算を目的とするようなものがあるべきでないというくらいな考え方で私はいいのではないかと思う。しかし、そうかといって、大切な予算でありまするから、ほしいままにずさんな使い方をしてもいいという意味にはならぬのであります。そこのけじめをつけていくということが、私は大事じゃないかと思いますので、一そうやはりここは採算を無視するというくらいな考え方で、ひたむきに開発研究に努力していくことに重点を置いて、安いウラン金属が生産せられて、そうして燃料要素としてどんどんこれを放出していくということになれば、まことにしあわせなことなんです。そこに考え方を置いてもらいたいと思うが、理事長としまして、根本的な点でありますので、しっかりと述べておいてもらいたい。
○高橋参考人 ごもっともな御意見だと思いまして、われわれとしましては、あくまでも慎重にわれわれの事業を遂行していく決心でおります。しかし、ウランというものの性質上、核燃料というものは、単にウランだけが燃料に――現在はそういう状態ですが、将来いつまでもウランだけにたよらなければならぬかどうかという問題もございます。ということは、いまわれわれが使っておるウランは、まことに微々たる一少部分にしかすぎないのでございます。つまり、ウランの一少部分をわれわれは原子力にいま利用しておるわけなのでございまして、それから出てくる、いま問題になっておるプルトニウムのような派生的なものが、さらに一そう重要な意味を持つ時代は必ずくるだろうと一般に言われております。われわれもそう信じております。ですから、ウランだけにたよるのでなしに、公社の仕事は、いわゆる燃料サイクルということばを使っておりまするが、そのウランをもとにして、それから次々と燃料をつくっていくんだ、つまり、再処理の工程を経て次の段階にさらに一そう有効な燃料をつくっていくんだ、こういうふうな方向に今日の技術は進みつつあるのでございまするので、その方面とまたかね合わせまして、金属ウランの探鉱と同時に、そういう燃料サイクルによるプルトニウムの研究ということが公社の大きな使命の一つだと思っております。そこで、両方の面から公社というものは将来一そう大きく発展する性格のものではないだろうか、こういうふうにいま考えております。
○吉田(賢)委員 さきにもちょっと御説明があったようでありますが、プルトニウムを生産するためにも再処理業務のいろいろな御計画が進められておるようでありますが、ただいまの段階でどの程度まで進捗しておりますか。
○高橋参考人 プルトニウムの問題は、世界的に非常に大きくクローズアップされておりますけれども、現在の段階では、まだこれを燃料にして原子力発電をするという実際的な段階には至っておりません。しかし、これは必ず実現するだろうという予想のもとに、各国が非常な力を入れてやっております。日本もおくればせながら、昨年予算をもらいまして、燃料公社がその研究室を現在建設中でございます。ですから、それでだんだん研究が進みまして、やがてプルトニウム燃料というものが日本でも実現される時期が何年かあとに必ず来るものと私は信じて、現在そういう方向に研究を進めております。
○吉田(賢)委員 局長、ちょっとそれに関連して伺いますが、毎年この基本計画というものは内閣は公社に指示しておるのですか。
○島村政府委員 法律に書いてございますように、内閣総理大臣のところで原子力委員会の議決を経ました計画を決定いたしまして、公社にも伝えてございます。また、公社は、これも公社法にあると思いますけれども、その事業計画を内閣総理大臣に提出いたしまして、認可を得て、その上でその事業を遂行するということになっております。私どものほうで両方突き合わす機会ももちろんございます。最初にまず基本計画を内閣総理大臣の側でつくり、公社はそれを受けて公社の事業計画というものを提出して、あらためてまた内閣総理大臣の認可を得る。こういうことでやっております。
○吉田(賢)委員 情報によりますると、カナダあたりにおきましては相当遊休しておる鉱山があるやに伝わっておるようでありますが、それはほんとうなんですか。そういったようなものは何か国内との関連におきまして利用する手はないのですか。これはまことにしろうとと申しますか初歩的なお尋ねでございますが、その点いかがでございますか。
○島村政府委員 世界的なウランの生産は、ずっと以前におきましては、ウランラッシュということばがありましたように、非常に探鉱、採鉱の関係の事業が発展したわけでございます。カナダもごたぶんに漏れなかったわけでございます。ただ、ウランの需要のほうは、これは軍事の関係との問題もございますけれども、いわゆる平和利用の面について申しましても、なかなか当初考えられたようには進んでおりませんので、そこにウランの需要が余るという現象が出てまいりました。先ほど理事長が毎年公社が買いましたイエロー・ケーキの値段について申し上げたとおりでございまして、どんどんウランの値段が下がっておる。したがいまして、私も伝え聞いておることでございますけれども、カナダあたりでは閉山するというようなところも出ておるということに聞いております。したがいまして、現在長期の契約によって日本が先買いをしてくれるならば、かなり安く供給できるというような話も来ておるようにも聞いております。ただ、世界的に申しますならば、どこの国もそう申しておるわけでございまして、いつまでもこういう状況じゃなくて、原子力の開発が進むある時期に至れば、再びまたウランというものが相当需要される。また、したがって価格も、そのころになればこういうような下落傾向ではなくて、もとのような姿に戻るのではなかろうかという予想もなされておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 理事長に伺いますが、国内におきましてはウラン燃料の需要の面につきまして、新しい需要というものが近い将来には起こらないものなのですか。その辺の見通しはどうなんでしょうか。これもしろうとの質問でございますけれども。
○高橋参考人 現在のところ、原子力委員会が発表しました長期計画によって見ますると、前期約十年間に約百万キロワット、それから後期、次の十年間に約八百ないし七百万キロ、そういうふうな数字が一応あげられておりますので、われわれはいまそれにマッチするような生産計画は持っておりませんが、しかし、先ほど局長の申されたように、かりにウランが入手困難になる、相当暴騰するということが起これば、そのときは国内資源の開発ということが具体化するのではないだろうかということを一応は私ども考えております。しかし現在のところはそういう状態は、現実にありません。
○吉田(賢)委員 最近の石油の燃料界における進出はたいへん盛んなもののように聞いておるのでありまするが、石油に圧倒されてなかなか新しい開発研究などが民間には起こってこない。こういうような事象は全くないものなんでしょうか。
○島村政府委員 世界的に申しまして、数年前までは原子力に対する期待が非常に持たれておったわけでございますが、御指摘のように石油あるいは天然ガスが非常に豊富に発見されるというようなことになりまして、いわゆる原子力のスローダウンという傾向が世界的にも出てきたことは事実でございます。しかし、また最近になりまして、結局、いずれにしても原子力時代というものはエネルギー需給の関係から当然やってくるという認識が新たにまた信じられるようになりまして、したがって、各国もまた原子力を見直すという状況でございます。日本につきましてもその傾向は非常に著しいと考えられておるわけであります。所得倍増計画によりましても、五五年に輸入エネルギー比率が七二・五%になるというふうに考えられておりましたが、これはたいへんなことだと考えます。ところが、最近通商産業省の産業構造調査会の総合エネルギー部会で、あらためて総合エネルギー政策の立場からこの問題を検討いたしました結果が先般発表になりましたが、五五年に七二・五%になると予想されておったものが、その結果では四七年、つまり八年も前にもうそういうような七二・二%も輸入にたよらなければならぬという数字を出しておられるわけであります。こういうようなことになってまいりますと、いわゆる低廉の原則以外、エネルギーの安定の原則というような面からも、どうしても原子力によってまかなっていくことを考えなければいかぬというのが結論になっておるように承知いたしております。私どものほうで総合エネルギーの問題を言うのはおかしいのでございますけれども、私どもの立場からも、以外からも、そのように見られておりまして、したがって御指摘のような民間の研究意欲というものが石油の出現によって衰えておるというふうには決して考えません。民間もまたそのような観測の上に立ってそれぞれ研究を一生懸命に進めておられるというふうに承知いたしております。
○吉田(賢)委員 伝え聞くところの、報告されておりまする原子力船の開発研究は、これは事実相当予備研究でも進捗を見ておるのでございますか。それはどうなんですか。
○島村政府委員 昨三十八年度、ことしの予算と法律によりまして日本原子力船開発事業団というものをつくりまして、第一船の設計に取りかかっておるわけでございますけれども、そのようなことを具体化いたします以前から、実は原子力船に対する研究というものを進めてまいっております。原子力委員会でこの問題を取り上げましたのは、すでに八年も前、昭和三十一年でしたか、二年でしたか、そのころから、原子力船の研究開発をどう進めていったらいいかというような意味におきますところの専門部会もつくりまして研究を進め、ことに民間各社あるいは運輸省の船舶技術研究所その他各方面に予算的な措置も講じまして準備を行なってきたその結論を持っていよいよ実行に取りかかる、こういうことにいたしたわけでございます。
○吉田(賢)委員 理事長に伺いますが、公社としましては、日本のウラン鉱の開発調査について、日本は日本なりの研究もだんだんと進んでおるようでありますが、それだけまた、こんなに激しい技術革新の時代でありますので、世界的にも相当高い水準の技術並びに設備等が研究開発されていきつつあるようにも思われるのでありますが、そういうことにもかんがみまして、広く世界の先進諸国にあなたの公社から派遣をして調査研究をして、これをさらに持ち帰って利用するとか、そういう方法でもおとりになっておるのかどうか。これは基本計画にあるのかないのか存じませんけれども、その辺は必要がないのかどうか、いかがなものでございましょうか。
○高橋参考人 お説のとおり、たいへんそれは必要なことでございます。それで、公社ができるとすぐ私のほうの理事が製錬方法の研究に世界の各国を回りました。ただしかしその当時はまだ軍事利用のほうが非常に強かったために、平和利用の面での研究に対する一般の認識がまだなかったせいもありましょうが、なかなか技術の公開はまだできませんでしたけれども、今日私どもが東海村でやっておる精製技術は、そのときアメリカの国立研究所のオークリッジで研究された技術をわれわれが導入したものでございます。それなどは一つのいい適当な例じゃないかと思います。
 それから一九五八年、第二回平和利用の会議がゼネヴァでありましたときに、実は私それに参加いたしまして、帰りにイギリス、カナダ、アメリカをずっと回ってまいりました。そうしていろいろなカナダ、アメリカにおける事情を視察してまいりまして、その結果、われわれの探鉱技術あるいは製錬技術その他のいろいろな面で非常に参考になったように私は思っております。
 それからその後係員をアメリカの実際の現場を視察しに行かせましたこともございます。
 それから昨年の八月に立ちまして、九月にウイーンの国際会議がございましたときに、今井、三沢理事をその会議に列席させまして、放射能の問題、安全対策についての各国のいろいろな事情を見、また聞いて、そうしてそれが現実われわれのいまの経営に非常に役立っておると思っております。かようにわれわれは機会あるごとにそういう国際会議なりあるいは外国の情報をとることに注意しておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 私の聞こうとしましたのは、公式なそういう会議に御出席になるないしは幹部の方の世界的な御調査もけっこうなんでございますけれども、やはりしんしんとして進みつつあるこの世界の情勢でもありましょうから、どんどんと若手でも世界に派遣して、先進諸国のいろいろな実態を調査研究してくるということでも随時おやりになって、一そう日本の業績をあげるというふうに進む、こういったことをおやりになっておるであろうかどうか。これも基本計画になければ、それぞれ認可を受けたらできることでありましょうから、そこまで積極的な態勢があるのかということを聞いておったのであります。会議に出席なさってついでに調査してくるというようなことは、これはありふれた一般のことでありますけれども、そうではなしにもつと意欲たくましい将来性のある者をどんどんと派遣して持ち帰ってやるというくらいにしなければ、日本の所期の計画を進める上におきましても、万全を期することはできないのではないか、こういう考え方から聞いておるのであります。その点はどうでございますか。
○島村政府委員 全く御指摘になりますとおりでございまして、いわばおくれて始めた日本が、どんどん追いつきさらに技術を向上させるためには、まず向こうに教えてもらうということは必要でもありますし、また向こうのやり方をよく見、自分のやることと比べていくというようなことも非常に大事なことでございます。理事長から申されましたが、そういう幹部の者ばかりでなく、実は私どものほうでお世話しましてごく若手のほうで申しますと、留学生というものをどんどん出しておるわけであります。これはもちんろ燃料公社だけでございませんで、日本全体の技術水準、原子力関係の水準を上げるためでございますが、民間の者も含めまして大体年間八十数名の者を留学生として出しております。そのほか最近ではいわゆる公式の国際会議というような形ではなくして、技術関係の会議が非常に多いわけでございます。研究途上の成果を持ち寄りまして、そうしてお互いに披露し合っていくというような傾向も逐次出てきております。燃料公社の関係で申しましても、昨年はアメリカとの間に会議を持ちましたし、その間に会議だけでなくて、技術情報をそれぞれ交換し合ったというようなこともいたしたわけでございます。
○勝澤委員 関連してちょっと御質問いたしますが、日本原子力発電会社の一号炉はコールダーホール型の原子炉でありますが、二号炉は濃縮ウラン軽水型というのですか、この原子炉を採用しておるようであります。原子炉の採用は将来どういう傾向になっていくのでしょうか。
○島村政府委員 御指摘になりましたとおり日本原子力発電株式会社において建設中のものは天然ウラン、ガス冷却のものでございます。二号炉は濃縮ウランを使用いたしました軽水型のものでございます。これは実は発電会社そのものが生まれました経緯もございまして、各電力企業が自分自分で危険負担をして、導入し、築造し、運転の経験を得るということよりもまず共同でやりたいということ、いわば試験的に入れてみるということでございますので、共同してやりたい。したがってそのときに最も経済性に近いと考えられる対照的な天然ウラン系統のものと濃縮ウラン系統のものをそれぞれやってみたいという最初の、発電会社が生まれましたときの経緯から、二号炉は濃縮ウラン軽水と考えられておりまして、その準備を進めておるわけでございます。あとに続きます各電力企業において計画しておりますものにつきましては、これはまだそうはっきりと話がきまっておるとは承知しておりませんけれども、大体の考え方を聞いてみますと、三号、四号あたりはやはり濃縮ウラン軽水の系統のものになりそうでございます。関西電力、東京電力あたりはそういったものを考えておるようでございます。
○勝澤委員 このコールダーホール型の原子炉と濃縮ウラン型の発電原価というものはどうなっておりますか。
○島村政府委員 発電のコストは、現実には同じ濃縮ウラン軽水型にいたしましても、規模あるいは具体的に設置します場合にはその立地、その他いろいろな角度の問題がございますので、精密なことはなかなか言えないわけでございますが、一号炉につきましては、計画は四円九十九銭ということで始まったわけでございます。その後、日本の独特の事情から耐震構造について特別な措置を講ずるとか、その他安全面の審査の過程におきまして十二分な措置を講じますとか、いろいろな問題がございまして、現在予想されております完成した場合のコストは五円三十何銭というようなところになるのじゃなかろうかということになっております。ただ二号炉以降につきましての計算でございますが、私どもが通商産業省と一緒に昨年、アメリカのボデガ・ベイという発電所の計画がございますが、その資料によりまして、日本に持ってきて建てた場合にどうなるかという計算をこまかくやってみたわけでございます。そういたしますと、その結果では大体二円九十銭ぐらいでいけそうだという結論を得ました。電力各社が一応考えておりますところでも、今後大体三円以内でおさめるような計算をいたしておるようでございますので、およその見当として申し上げることができるのは三円以内、二円八、九十銭ぐらいのところが現状における原子力の発電コストというふうにいえるのじゃなかろうかと思っております。
○勝澤委員 先ほどのお話で、原子力長期計画で前期十年間に百万キロワット、こういうお話がありましたが、それは一、二、三、四号炉、これで大体こういう計画になるのですか。
○島村政府委員 一号炉は十六万六千キロでございますが、今後つくられますものは、やはりそういうコストの面も考えますと大きくなる傾向にございまして、二号炉あたりは二十五万ないし三十万、いまのところそういう見当で仕事を進めておるようでございます。なお、計画としてすでに表に出ております、具体的なものじゃございませんけれども、一応の構想として出ておりますのは関西電力、東京電力、中部電力、いわゆる電力の中央三社というようなところの計画が出ております。この計画を合計いたしますと、長期計画で考えました四十五年までの百万キロに対して百三十万キロぐらいになっております。ただこういうお仕事のことでございますので、若干のずれは当然あると考えますと、百万キロぐらいに落ちつくというぐあいに見たほうがよろしいのじゃなかろうか。いま出ております計画自体としては百三十万キロでありますが、実際は大体百万キロ程度であろう、そう見ておるわけであります。
○勝澤委員 そうしますと、先ほど燃料国産化の問題でお話がありました。むろん国産化は天然ウランである。濃縮ウランはみんな輸入しなければならぬわけですから。そうすると国産化の天然ウラン計画というものは、二号炉、三号炉、四号炉というものは実際には濃縮ウランですから、国産できない、こういうことになるわけですね。そうすると、その計画との問題はどうなりますか。
○島村政府委員 御指摘のとおり、天然ウラン系統の燃料の国産化という点から考えますと、いまおっしゃいましたように、二号、三号、四号あたりまでは少なくとも濃縮を考えておるようでございますから、いまの計画は先ほど御指摘の天然ウランの国産化ということとは結びつかないわけであります。ただ、かりにそれが天然ウラン系のものでございましても、先ほど申し上げましたように燃料公社のほうの人形峠その他で出ます国産の原料を使うとは限らないわけでありまして、イエロー・ケーキで持ってきて天然ウランにする、そうして燃料要素にするという計画がございます。この濃縮系統でありましても、濃縮ウランを買ってきて、そして日本で国産で燃料要素の形にするといういわば燃料加工業というものの存在は考え得るわけであります。なお原子力委員会の長期計画では、後期の十年のしまいまでには、濃縮につきましても、全部でなく一部でも国産化できるようにしたいという考えのもとに、現在からウラン濃縮に関する研究もぽつぽつとやっておるわけでございます。
○勝澤委員 いまから十年後の計画の中では、やはり濃縮ウランが中心であって、天然ウランというものについては発電計画の中では薄いわけですね。ですから、一号炉においてもこれは輸入燃料だということが長期契約で明確になっているのですね。ですから原子力長期計画の百万キロに使われる燃料というものは全部輸入燃料だということがはっきりしている。その後の十年の後期の計画の中で濃縮ウランも考えている、まあいまから十年ぐらいたてばそう秘密ではないでしょうからね。しかし、これは少し私はものの考え方というものを再検討せなければならぬというふうに思うのです。十年後の科学の進歩、それを見越していまからやっておるわけですけれども、必ずや十年後に計画が合うものではないというのが、これは常識的なものだと思う。いまの政府の中で所得倍増計画を見ましても、それからこの十年計画を見ましても、二年か三年で計画をやり直さなければならぬわけですから、ましてや原子力の計画の中で当然言われると思います。そういう点から考えますと、私はこの燃料の国産化という問題――いま国内における探鉱を行なっているという現実、そして実際にはそれを使用する計画があるのかないのかという点から考えますと、原子力長期計画の百万キロ、おおよその百三十万キロの計画に対して国産燃料を使う計画は何もないということが明確になる。その点からも私はこれはもう少し納得のいく計画立案というものをさせるべきではないだろうか、あるいは総合的なものをやるべきではないかというふうに思うのです。その点、どうでしょう。
○島村政府委員 御指摘のとおりだと思います。しかし長期計画におきます十年も、実は後期十年に備えての問題でございまして、ほんとうに燃料国産化が事業として成り立ち得るというような時期は、やはりどうしても後期にならなければ無理だというふうに考えるわけでございます。つまり後期では、これはもう御指摘のとおりなんですが、技術の進歩という問題もございますし、いつまでもいまの長期計画が確固不動のものであるとは決して思いませんけれども、一応の見通しといたしましては後期十年のいわばペイするような時期になった場合には、その間につくられます火力発電所の三〇%ぐらいは原子力でまかなえるだろうという想定のもとに、六百五十万キロないし八百万キロというような数字を予想しておるわけであります。そのときになりますれば、私は当然いろいろな面で燃料に関する国産化の問題も進展していくのじゃないだろうか、それまではやはりどうしても試験的な意味のものになってくると思います。私どもは先ほども申し上げましたように、天然ウラン系統のものについて、たとえていえばコールダーホールの燃料も需要さえあれば日本でちゃんとやっていけるような技術というものがもうできてきておるということを申し上げました。濃縮の系統につきましても、原研にあります炉その他を利用いたしましてウランを濃縮すること自体はまだ先になりましても、濃縮ウランを買ってきてそれを燃料要素に仕上げるというような意味での燃料加工の国産化、この問題につきましては着々手を打っておるわけであります。あの動力試験炉が正常に動くようになりますれば、その炉の中に日本産の、日本で加工いたしました――濃縮ウランはアメリカのものを買って持ってくるわけでございますけれども、日本で加工した燃料を入れてみるというような研究も考えておるわけでございます。
○勝澤委員 局長、需要さえあれば日本でも天然ウランがとにかくできて、燃料に使えるのだとあなたは言っている。ところがその需要の計画はどうかと言えば、原子力発電会社の一号炉は十年間英国から借りるのだ。二号炉以下は全部濃縮ウランだということになると、十年間は可能性がないということであります。これ以上あなたと論争しても、突っ込んでいけば、あなたもあまり詳しくないでしょうし、私はなおさら詳しくないわけですから、詳しくない者同士が聞いてもしようがない。そうかといって公社の理事長に聞いたって長い話ばかりで、おれは専門的なことを言われてもよくわかりませんと言う。よくわからないなりにこの原子力という問題が進められておるところに問題点があるのです。そして科学者がわかっているかというと、実は科学者さえ、来年、さ来年のことがわからないのです。わかればこんなに計画があちらこちらでそごするわけがないのです。
 そういうわけで、私はまだまだ掘り下げていかなければならぬ問題がありますが、大臣が途中からお帰りになりましたから、いまの問題をひとつ大臣におさらいをしていただいて、時期があったらまたこの問題については、私ももう少し勉強してみたいと思います。
○福井委員 だいぶんおそくなりましたので、参考人においで願ってまだ続けるということはどうかと思いますから、この委員会は決算委員会でありますし、科学技術対策委員会のほうでいろいろまたお尋ねすることにいたします。フランスならフランスの状況だとかは、おそらく原子燃料公社は、各委員、私も含めてお尋ねしているよりも詳しく海外の状況も調べておるだろうということを私は予想しておりますし、これらのことについてあらためてお尋ねしますから、日本だけでなく、海外の原子燃料の、燃料公社に関する調査資料をそろえておいていただきたいということをお願いしておいて、私の質問はきょうはこれで閉じることにいたします。
○押谷委員長代理 それでは、参考人各位に一言お礼を申し上げます。
 本日は長時間にわたりまして委員会の調査に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、私より厚くお礼を申し上げます。
 次会は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会をいたします。
   午後一時五十四分散会