第046回国会 決算委員会 第8号
昭和三十九年三月三日(火曜日)
   午前十時五十九分開議
 出席委員
   委員長 白浜 仁吉君
   理事 押谷 富三君 理事 福井  勇君
   理事 勝澤 芳雄君 理事 片島  港君
   理事 山田 長司君
      鍛冶 良作君    竹山祐太郎君
      田村 良平君    西岡 武夫君
      神近 市子君    栗原 俊夫君
      森本  靖君    吉田 賢一君
 出席政府委員
        法務政務次官  天埜 良吉君
        検     事
        (大臣官房経理
        部長)     新谷 正夫君
        検     事
        (刑事局長)  竹内 壽平君
        法務事務官
        (矯正局長)  大澤 一郎君
 委員外の出席者
        検     事
        (大臣官房経理
        部主計課長)  安田 道夫君
        検     事
        (民事局第一課
        長)      池川 良正君
        検     事
        (刑事局総務課
        長)      辻 辰三郎君
        大蔵事務官
        (管財局国有財
        産第二課長)  村田  博君
        会計検査院事務
        官
        (第二局長)  樺山 糾夫君
        専  門  員 茨木 純一君
    ―――――――――――――
二月二十八日
 委員田中織之進君及び森本靖君辞任につき、そ
 の補欠として原茂君及び横路節雄君が議長の指
 名で委員に選任された。
同日
 委員原茂君及び横路節雄君辞任につき、その補
 欠として田中織之進君及び森本靖君が議長の指
 名で委員に選任された。
同月二十九日
 委員古井喜實君辞任につき、その補欠として一
 萬田尚登君が議長の指名で委員に選任された。
三月三日
 委員原健三郎君及び福田赳夫君辞任につき、そ
 の補欠として西岡武夫君及び田村良平君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員田村良平君及び西岡武夫君辞任につき、そ
 の補欠として福田赳夫君及び原健三郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十六年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十六年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十六年度政府関係機関決算書
 昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書
 昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十七年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十七年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十七年度政府関係機関決算書
 昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書
 (法務省所管)
     ――――◇―――――
○白浜委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十六年度決算外三件及び昭和三十七年度決算外三件を一括して議題といたします。
 本日は、法務省所管について審査を行ないます。
 まず天埜政務次官より概要について説明を求めます。天埜法務政務次官。
○天埜政府委員 昭和三十六年度法務省所管一般会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。
 一、法務省主管の歳入につきましては、予算額七十六億八千六十六万三千円に対しまして、収納済み額百十九億一千百十三万七千四百四十五円であり、差し引き四十二億三千四十七万四千四百四十五円の増加となっております。収納済み額の増加のおもなものは、罰金及び科料の三十六億六千百五十四万八千円、刑務所作業収入の四億九千八百七十八万六千円であります。
 二、次に法務省所管の歳出につきましては、当初予算額三百三十一億八千六百七十八万一千円に、前年度からの繰り越し額一億四千三百九十六万一千円、大蔵省所管の予算移しかえ増加額二億三千四百十万一千円、予備費使用額五億七千九十八万六千円、給与改善に伴う補正予算額六億三千九百五十八万五千円を加えました予算現額三百四十七億七千五百四十一万四千円に対しまして、支出済み額は三百三十八億七千七百二十一万三千五百四十二円であり、その差額は、八億九千八百二十万四百五十八円となっております。この差額のうち翌年度に繰り越した額は、四億二千二百八十八万四千円であり、不用額は四億七千五百三十一万六千円であります。
 支出済み額のうち、おもなものは、外国人登録事務処理経費として一億五百十二万三千円、登記及び土地家屋台帳事務等処理経費として五億九千二十三万円、検察事務処理経費として五億七千六百四十九万四千円、矯正施設における収容者の収容経費として三十五億三千八百三十四万円、補導援護経費として四億五千八百八十六万三千円、出入国関係に伴う審査及び被退去強制者の収容送還等の経費として、六千七百五十七万八千円、公安調査庁における破壊活動防止のための調査活動費として六億一千三百十四万二千円、施設費として十二億五千三百四十六万三百三十六円となっております。
 不用額となったおもな経費は、人件費及び収容者の食糧費であります。
 詳細につきましては、お手元に提出しております昭和三十六年度決算についてに記述してありますので、御了承願いたいと存じます。
 三、最後に、昭和三十六年度決算検査の結果、会計検査院より不正行為として批難を受けた事項がありますことは、まことに遺憾とするところであります。この事故に対しましては、その発生原因を究明いたしまして、是正の方途を講じましたことはもちろんでありますが、今後一そう監督を厳重にするとともに、内部監査の励行等により、この種事故の根絶を期したい所存であります。
 何とぞよろしく御審議を賜わりますようお願い申し上げます。
 次に、昭和三十七年度法務省所管一般会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。
 一、法務省主管の歳入につきましては、予算額七十九億二千二百五十九万九千円に対しまして、収納済み額百六十六億五千六百十四万二千九十九円であり、差し引き八十七億三千三百五十四万三千九十九円の増加となっております。収納済み額の増加のおもなものは、罰金及び科料の八十億四千七百十一万九千円、刑務所作業収入の六億三千九十万五千円であります。
 二、次に、法務省所管の歳出につきましては、当初予算額三百六十九億六千九百八万七千円に、前年度からの繰り越し額四億二千二百八十八万四千二百円、予備費使用額六億二千七百三十七万四千円、給与改善に伴う補正予算額八億八百四十七万八千円を加えました予算現額三百八十八億二千七百八十二万三千二百円に対しまして、支出済み額は三百七十九億五千七百九十四万一千六十一円であり、その差額は、八億六千九百八十八万二千百三十九円となっております。この差額のうち翌年度に繰り越した額は、二億八千二十万三千五百円であり、不用額は五億八千九百六十七万八千六百三十九円であります。
 支出済み額のうち、おもなものは、外国人登録事務処理経費として一億九千六百三十八万一千円、登記及び土地家屋台帳事務等処理経費として、五億九千四百六十一万円、検察事務処理経費として五億八千四百三十五万七千円、矯正施設における収容者の収容経費として三十六億四百五十八万六千円、刑務所における収容者の作業実施経費として十五億千五百三十五万八千円、補導援護経費として五億五百四十五万三千円、出入国関係に伴う審査及び被退去強制者の収容送還等の経費として、六千四百三万四千円、公安調査庁における破壊活動防止のための調査活動経費として、六億六千三百九十九万一千円、施設費として十四億三千七百十八万四千円となっております。
 不用額となったおもな経費は、人件費及び収容者の食糧費であります。
 詳細につきましては、お手元に提出しております昭和三十七年度決算についてに記述してありますので、御了承願いたいと存じます。
 以上で説明を終わりますが、何とぞよろしく御審議を賜わりますようお願い申し上げます。
○白浜委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要について説明を求めます。樺山第二局長。
○樺山会計検査院説明員 法務省所管の昭和三十六、昭和三十七年度決算について、検査の結果、検査報告に掲げましたものは、三十六年度では職員の不正行為一件でございます。
 これは、刑務所などの職員が、現金及び証拠品を領得したものでありますが、この原因は、担当部局における内部牽制が不十分で、事務のすべてを同一人に処理さしていたことなどによるものでございます。
 三十七年度につきましては、不当事項はございませんが、刑務作業の件について、法務大臣に対し是正改善の処置を要求したものが一件ございます。これは、刑務所で収容者に物品の製作や労務提供などを内容とする作業をやらせておりますが、これについて、商社等と契約する際の契約賃金が、売却価格が世間一般の賃金や価格と比べて著しく低いので、これを適正な金額まで引き上げる必要があるというものであります。もちろん収容者の作業は、作業時間や労務の性質が一般とは違っておりますが、その点を考慮に入れましても、現行のものは低過ぎるのではないかというのが本院の見解でございます。その原因は、賃金を決定する際の部内の基準が必ずしも明確でなかったり、物品製作における生産原価が低いことにあると思われますので、規定を整備したり、趣旨の徹底をはかる必要があるというものでございます。
 以上でございます。
○白浜委員長 これにて説明聴取を終わります。
    ―――――――――――――
○白浜委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。押谷君。
○押谷委員 法務関係の決算につきまして二、三の質疑をいたしたいと思います。
 法務省は、お仕事の性格、役所の性格からいたしまして、いま会計検査院からの御報告の中の批難の一点を除きましては、非常にまじめに予算は執行されているということは、われわれも認めているところでありますが、その中で疑問に存じます二、三の点についてお尋ねをいたしたいと思います。
 この歳入の関係におきまして、三十七年度の歳入予算は、七十九億二千二百五十九万円になっているのでありますが、それが決算にあらわれたところでは、百六十六億六千二百三十万円という、非常な率をもって増額になっているのであります。どういう関係でこの歳入がふえてきているかと調べてみますと、罰金とか科料の増額が非常に多い、たいへんな率をもってふえているということでありますが、これは交通違反による罰金あるいは科料の増額等が考えられるのであります。ところが、そのほかに刑務所の作業収入が六億三千九十万円ばかりふえていると思います。この刑務所の作業収入が六億以上もふえているということは、どういう理由に基づくものであるか、収容者がふえているとかあるいは仕事が非常に能率が上がったとか、単価が上がったとか、何か原因があると思いますが、刑務所の収入が六億以上ふえているということにつきまして、増収になっているという、その原因についてお伺いをいたしたいと思います。
○大澤政府委員 歳入予算額と決算額が著しく三十七年度で相違を来たしました。御指摘のように約四億の増収を来たしたわけでございますが、まず歳入の立て方の問題が第一に問題になると思うのでございます。大体刑務作業の歳入の立て方は、過去数年の実績に徴しまして、歳出額に見合う歳入額という実績に応じて、歳入予算を立てるわけでございますが、三十三年、三十四年、三十五年という数字を見ますと、大体歳入予算が三十三年度では二十一億八千万、決算額が二十二億二千万、三十四年が二十四億に対しまして二十四億、三十五年が二十五億一千万に対しまして二十八億四千万、このころから徐々に増加の傾向を示してきたわけでございます。大体前年度予算に比べまして、約一〇%の経済の自然上昇に伴いまして、刑務所収入も増加してきたわけでございます。ところが、そのころから刑務所におきまして従来の作業の内容をいろいろわれわれが――受刑者が刑務所で作業に従事しまして社会に復帰いたします場合に、刑務所作業の内容というものがあまりにもいわゆる低額と申しますか、非能率であり、またその職業で身を立てるということがきわめて困難な、いわゆるわら工でありますとか、紙張り、封筒張りというような作業が非常に多うございます。かようなことでは社会に復帰いたしまして、直ちに現在の工場等に就職等もできないというようなことでは困りますので、その作業内容を、さような紙張りとかいうようなものを漸次近代的な作業に切りかえを行なったわけでございます。それが三十六年度、三十七年度というふうに漸次切りかえが行なわれましたために、作業能率あるいはまた業種による収入も増加いたしまして、四億という増加を来たしたわけでございます。さような趨勢がさらに三十七年、三十八年と続きまして、三十九年度予算では大体実際の決算に合うような数に近づけた歳入予算を立てたわけでございます。いま申しましたように、刑務作業の内容が漸次改善せられまして、いわゆる木工でありますとか、あるいは印刷、金属工業というような一般社会におきまする生産事業を中に取り入れましたために、その収入が増加した。それに加えて、一般の経済上昇率がプラスしてさような差が生じたという結果になったわけでございます。
○押谷委員 刑務所の収容人員は変わっておらぬのですか。
○大澤政府委員 収容人員は毎年若干ずつ減少しておりまして、ここ数年の間に約千名から五千名、漸次収容人員が減ってまいっております。
○押谷委員 収容人員が変わっておず、作業において能率化をし、その結果こういう増収になったというお話でありますが、そうしてみると、いま会計検査院からのお話で、是正改善の処置要求の事項があったのです。それは刑務所作業における契約賃金の決定について、もっと考えろ、これは高くせよという意味だと思います。こうやって増収になり、そして改善をしているのに、さらに会計検査院からそういう処置要求があったということにつきまして、当局としてはどうお考えでございますか。
○大澤政府委員 検査院から御指摘を受けました物品価格あるいは労務賃金の問題でございますが、労務賃金そのものにつきましては、特に、われわれといたしまして一般の市場におきまする労務賃金を標準といたしまして定めておるわけであります。物品製作につきまして、検査院から特に御指摘を受けたわけでございますが、われわれのほうで問題になりますのは、かように刑務作業というものは、あまりにも非生産的な、非能率的なものでございましたので、一応民間経済におきますと同様な原価計算方式と申しますか、さようなものを刑務所作業に取り入れまして、刑務作業というものが能率化されるように、どこに刑務作業の非能率の点があるのか、その原因を追及いたしましたために、一応原価計算方式を取り入れて、部内の作業能率の改善をはかったわけであります。その中で、通常われわれが原価計算いたします場合に考えられますのは、原材料費及びそれに対する付属の副資材費と申しますか、電力料その他の副資材費と人件費でございます。ところが刑務所におきます人件費の算定ということが非常に困難でございまして、大体受刑者というものは、入ってまいります者の五〇%ないし七〇%というものは無職者でございます。定職を持っておる者が少ないのでございます。これがまた再犯の原因にもなりますので、われわれといたしましては、できるだけ手に職をつけてやろうというような考え方から、その者の適性に応じて、またその者の復帰した場合の社会的な環境に応じた職種を選びまして職業につける。そうして訓練しながら作業をせしめるという方式をとっておるわけでございますので、一般市場におきまする労働賃金を直ちにもってこの原価計算に入れるわけにまいりません。刑務所作業にはきわめて大きなさような負因がございまして、未熟練者であるというような点、それからまた相当程度熟練してまいりますときにはちょうど刑期満了、またさようなまじめに勉強しております者には仮釈放もございますので、大体一人前近くになりますと釈放されていくというようなことで、常に低賃金、非常に低い生産性しかないわけでございます。その点で、われわれとしましては、営利事業でもございませんので、一応原価計算の際に、少なくとも自分らで働いて自分らで食うのだという考え方に立ちまして、いわゆる収容費――刑務所の受刑者に給付します衣服食料費、それに付随する経費及び作業に要する経費というものを収容人員で割りまして、一人どうしてもこれだけかかるのだという数字、従来はそれすらも働けなかったのでございます。いまでもまだ数額的には収容費のほうが作業収入より上回っているわけでございます。それまでは何とか働けるだけの能率をはからなければならぬというところで、一応の原価計算の計算賃金といたしまして一人当たり幾らという数額を出したわけであります。その数額を一応めどにしまして、原価計算の賃金として人件費として入れました。ところがこれは実際の社会における労働者の賃金というものとは格段の隔たりがあるわけでございます。生活給でも何でもございません。ただ刑務所の中で食って着るという経費だけでございますので、きわめて低い金額、それを刑務所作業の内容を改善していくために一応人件費という形で入れて計算して、内容のどこに欠陥があるかというような点をはかろうと思いましてやったのが、さような原価計算の方式でございます。したがいまして、会計検査院から御指摘を受けました場合に、ある物品の価格をわれわれが決定いたします場合に、原材料費及び副資材費プラスその計算賃金と申しますか、これだけは働かなければいかぬという金額を足したものが、一応の原価のような形で出てきたわけでございます。しかし当初はその金額ですら一般には働けていなかったわけでございます。最近どうやらその線に近づいてきたわけでございます。しかし一般価格を決定します場合に、刑務所賃金というものは、これはただ刑務所のあの中の食べる、着るだけの問題でございますので、一般の人件費とは違うわけでございますので、一般の価格にそのまま採用することが不合理であることは申すまでもないわけでございます。もちろんわれわれとしまして、規則上は、われわれが生産したものを他に販売する場合の価格としまして、同等のものの市価を基準としてきめろということを第一におきまして、第二に、われわれとしましての意図としまして、少なくともこれだけはかせがなければいかぬぞという最底線を出したもの、これをしんしゃくしてきめろという規定になっておりますので、その点漸次われわれの生産能率があがってまいりましたにかかわらず、いまだにその数額が変わっておりません。それが基準になったような観を呈しまして、検査院からその点で人件費の入れ方が非常に低いではないかという御指摘を受けたわけでございます。われわれとしまして決してその人件費そのものが生産原価とは考えておりませんで、やはり市価を基準として行なう。ただ啓蒙的な意味で、そこに原価計算として一応の衣食の経費というものを人件費のごとく計算に入れましたのが、現場でやや誤解を生じまして、それが一つの大きな基準になっているような観を呈して、価格決定をされる危険がありますので、この点さような誤解のないように、物品製作価格の決定にあたっては、その条項を取り去ろう、そうしまして別途にさような刑務所作業全体の経理を知るための計算規定にそれを入れていくという方途を講じて、検査院から御指摘のありました点の誤解を解いていきたい、かように考えておるわけでございます。
○押谷委員 もちろん刑務所の作業は営利事業でもなければ収益を大きくするのでもありませんから、お説はよくわかるのです。したがって、そういう趣旨でお説のごとき方針をもって臨んでおられることもわかりますが、それに対して会計検査院から是正、改善の処置要求があったことも間違いない。それに対して誤解を解くとおっしゃっているのですから、そこで処置要求に従って改善をするというよりも、会計検査院のほうにおかれて誤解があるのだ、こういう御主張ですか。そう承ってよろしゅうございますか。
○大澤政府委員 会計検査院の側に誤解があるというわけではむしろございませんで、現場のわれわれの刑務所の作業のほうで、さような物品販売価格の査定をいたすわけでございます。そのときの計算に、市価を基準としろ、そうしてその計算賃金と申しますか、これをしんしゃくしろという点を現場のほうでしんしゃくに重きを置き過ぎまして、安い原価計算でいいんじゃないかというような考え方から、それに近寄り過ぎる。したがいまして、われわれとしましては、価格の計算をする場合、市価を基準にしろという一本に規定したい、かように存じておる次第でございます。
○押谷委員 この歳入決算明細書に、収納未済歳入額というものがございます。これは必ずしも大きな金額ではありませんが、三十六年度において、当該年度七百八十一万円、過年度のものを加えまして四千六百六十六万円になっております。また三十七年度の収納未済の歳入額は、当該年度六百十六万円でありまして、過年度分の繰り越しを加えますと四千五百二十三万円となっております。こうした収納未済の歳入額というものは、これはどんな内容の債権関係、歳入の減でありますか、またどんな理由で収納未済になっておるのか、それをお伺いいたしたいと思います。
  〔委員長退席、福井委員長代理着
  席〕
○新谷政府委員 昭和三十六年度及び三十七年度におきまする収納未済額、繰り越し額、これがお説のような金額になっておることは御指摘のとおりでございます。その内容につきましてごく大別して申し上げますと、おもなるものは、約その五七%にあたるのでありますが、二千六百万八千円が弁償金と違約金にかかるものでございます。三四%にあたります一千五百四十七万九千円が刑務所の作業収入にかかるものでございます。主としていま申し上げましたように弁償金、作業収入、この二つになるわけでございます。
○押谷委員 弁償金等の関係は別にいたしまして、刑務所の作業についての未収というのはどういう関係でありますか。まだ取っておらないというだけのことですか。支払いを受けておらないというだけの関係ですか。あるいは支払いを受けることのできない状況にある債権額なんですか。
○大澤政府委員 ちょっと私、総金額を持ってくるのを忘れまして申しわけございませんが、現在未収金の中には戦後の古い未収もあるわけでございます。しかしその固定いたしましたと申しますか、その金額を除きまして、過去三年間ぐらいは、大体年間に調定いたしましたものは全額収納になっておるわけでございます。非常に古い時代のものが未収で残っておるというので未収額が相当ふえておりますが、最近の三年間は大体全額収納済みでございます。
○押谷委員 全体から見て、この収納の未済の分と、それから徴収停止という債権がありますが、それはどんな関係なんですか。収納未済は納めておらぬというもの。それから徴収を停止するというものは、これは金額はもうひとつ少ないのですけれども、徴収停止ということばからちょっとわかりかねるからお尋ねするのですが、停止されたものは三十六年度末に二百七十万円、三十七年度末に四百五十万円で金額は少ないのです。しかしいまお尋ねいたしました未収の歳入額と徴収停止というこの二つに分かれているのですが、この関係がはっきりいたしませんが、おわかりでありましたら……。
○新谷政府委員 収納未済と徴収停止の区分でございますが、収納未済と申しますのは、国のほうの債権額を調定いたしまして徴収にかかっておりますけれども、債務者の都合によってなおそれだけの収入が国庫に入らない。つまりまだ債務を履行されておらないという状況にあるわけでございます。それから徴収停止のほうは、これは債権管理法の規定に基づきまして、一定の事由がある場合にこれは徴収をやめてよろしいというふうな法律の規定になっております。それに基づきまして徴収することを取りやめたものが徴収停止でございます。
○押谷委員 そうすると、徴収停止というものは、おおむねこれは取り立て不能になっているというもの、未収の歳入というものは、これはまだ取り立て得るものである、こういうように承っていいわけですか。
○新谷政府委員 そのとおりでございます。
○押谷委員 この徴収停止の債権の内容はおわかりですか。
○新谷政府委員 ただいま申し上げましたように、債権管理法の規定によりまして徴収停止をいたしたわけでございますが、その徴収停止の相手方の数とかあるいは停止いたした金額、その事由といったものについて、概要御説明申し上げます。
 ただいま御指摘ありましたように、昭和三十七年度末におきまする本省所管の徴収停止済み額の累計額は四百五十万八千円余りになっております。これを停止いたしました会計年度別に分けてみますと、昭和三十四年度におきまして四件ございまして、百三十七万五千円余りになっております。また昭和三十五年度におきましては一件ございます。金額が七万五千円余りでございます。昭和三十六年度におきましては三件ございまして、金額が百二十五万七千円余り、昭和三十七年度におきまして四件ございまして、その金額は百八十万円余りとなっておるのであります。したがいまして、この停止の件数を合計いたしますと、合計で十二件ございまして、そのうち昭和三十七年度の四件のうち二件は昭和三十六年度において停止したものの計上漏れでございまして、これを追加停止の処置をとったわけであります。それから差し引きますと、徴収停止となりましたものの数は、実質は十件ということになるわけでございます。このような徴収停止にかかります債権は、いずれも刑務所の製品売り払い代金債権あるいは労務賃金債権、これに伴いまする延滞金の債権などでございまして、債務者になっておりますものはいずれも法人でございます。
 停止いたしました理由は、いずれも法人であります債務者が経営不振などのために事業を全面的に休止しまして、数カ年を経過し、事実上解散状態になっておるとか、あるいはまたすでに解散の法律上の手続を経まして解散登記も終わっておるというふうな状態にありまして、将来その事業を再開する見込みが全くなくなっておるというふうなものでございます。またこれらの債権を取り立てますために財産の差し押えをするということも考えられるのでございますけれども、財産の価格が非常に僅少でございまして、強制執行いたしましてもその執行費用にも満たないというふうな状況にございまするので、そういったものを徴収停止の対象にいたしておるわけでございます。
○押谷委員 刑務所においてつくったものの販売先の法人が破綻をするとか、そういうことで停止の処置をしたということに受け取れるのですが、刑務所でつくられるものは、ただいまもお話しのように非常にコストが安いのであります。また品質はどうかわかりませんが、おおむねこれは使えるものをつくっておると思うのです。そこで刑務所でつくったものを売る先――先年官庁において使われるものは刑務所にある程度優先的に発注してもらいたいというような処置の話があったのですが、今日の刑務所の製品について国または地方団体あるいは公社、公団等にこれを売る、受注をするというような事柄はどうなっておりますか。
○大澤政府委員 官庁需要品をなるべく刑務所製品を利用するようにという点につきましては、古く大正十四年に次官会議の決定がございます。また下がりましてその問題が起こりまして、昭和二十四年、第七国会にあたりまして、矯正作業の運営及び利用に関する法律案というもので、刑務所製品及び労務は優先的に国の機関等の需要に供することを原則とする、いわゆる官用主義の法案が提出されたのでありますが、これが結局廃案になりまして、自来今日に及んでいるわけでございます。その後も、われわれといたしまして官用主義という点が刑務所作業の本質に合いますので、その点についていろいろ研究はいたしておるわけでございますが、やはり一般官庁等には一般の業者もそれぞれの指定があり、民業が官需に依存している程度が非常に高いのであります。その点で、あまりにその点を強く押しますと、いわゆる民業を不当に圧迫するというそしりも免れ得ませんので、現在では、その点も民間を圧迫しないという原則に立ちまして、もちろん官需も受けてはおりますが、現在では部内の需要と官公需を合わせまして全体の二〇%に及んでいるわけでありまして、あとの八〇%は一般民需においているわけでございます。
○押谷委員 この国及びその他の機関において優先的に刑務所の製品を使うという制度についての法律を二十七年にこしらえようとして廃案になった経過は知っております。これは民業圧迫だというので相当騒がれた問題でありまして、廃案の経過もわかっておるのでありますが、しかしその精神というものはやはり法律をつくろうとしたくらいでありますから、刑務所当局におかれても当然心の中にそれを置いて、そして官需を優先的に扱ってもらうような方向に持っていくと、ただいまのような民間会社がつぶれてしまって取り立てができなくなったというような事態も少なくなりますし、また国としても安い優良なものを豊富に使えるということにもなるのですから、いわゆる持ちつ持たれつという関係がそこにでき上がってまいりますから、二〇%くらいの公の仕事をしておるのでは私は足りないと思う。もう少しそのほうで御勉強が願いたいということを希望しておきます。
 それからお尋ねしたいのですが、この収納未済というものでいまお尋ねをしたのですが、ここに数字は、その中には入っておりませんが、未収入で非常に大きなものがあります。それは罰金、科料の未納者のことであります。最近交通事情が非常に複雑になってき、交通違反もたいへん多いのであって、罰金、科料はどんどんふえてきて、この法務省の関係における増収の一番大きなものがこれでありますが、その罰金を言い渡された運転手、自動車の従業員は、罰金を完納する人は、これはもちろんあるでしょう、相当たくさんありましょうが、しかし横着者で、刑は確定をしているけれども罰金は納めないという人が非常に多いということを聞いておりましたので、実はその資料をちょうだいをいたしたのでありますが、三十七年度の例をとってみますと、件数におきまして二十七万九千二百五十九件にも及んでおります。これを二年前の三十五年に比較いたしますと十二万二千四百三件であったものが、二十八万件に近いものが罰金未納という形であり、その金額におきましても十六億円というような大きな罰金が未納になっている、これは三十七年度です。三十七年度で十六億円という大きな罰金が未納になっており、件数において二十七万件ですから、おそらく二十七万人に近い人あるいはそれ以上の人が罰金を納めないで横着をきめこんでいるということになると思います。国の裁判の最も大切なものは、裁判の結果に対するその刑の執行であります。言い渡されただけで横着者が免れているという形は、まことに好ましからざる形であります。罰金は必ずこれは取ってもらわなければならぬはずのものです。罰金を納まらない者は労役留置場に留置するという処置もあるのです。それにかかわらず、こうして大ぜいの人が、罰金は言い渡されたけれども払わないで知らぬ顔の半兵衛ということは、これは感心しないと思いますが、これに対してどういう処置をなすっていらっしゃいますか。
○竹内(壽)政府委員 お答えを申し上げます。ただいま仰せのように、裁判の結果が適正に執行されないということになりますと、刑罰の目的を果たさないということになるのでございます。特に罰金刑の場合に未納の状態が多いということは、これはゆゆしい問題でございます。御指摘のように昭和三十七年の徴収率を見ますと、全体の九〇・七%が徴収済みでございまして、未済が九・三%でございます。しかし罰金の総額が大きいものでございますので、九・三%の未納でございましても御指摘のように十六億という数字になるのでございます。この点遺憾に存じておりますが、仰せのとおり罰金が支払えない場合は、換刑処分と申しまして労役場に留置をして、からだで罰金を納める、こういうことになるのでございますが、この処置をとるのが相当な者もありますし、刑事政策的な観点から申しまして、そうしないほうがいい者もあるわけでございまして、その点は慎重に処理をいたしておりますが、三十七年の労役場留置の割合を見てまいりますと、全体の徴収額の中で約〇・三%のものを労役場留置ということで処理をいたしております。金額にいたしますと四千五十四万一千円という数字になっておりますが、十六億のうちで約四千万円はそういう形で処理をいたしております。つきましては、この罰金刑の執行につきまして、いろいろ各庁でくふうをいたしております。全国的にならした数字をいま申し上げておるのでございますが、庁によりましてはほとんど全部を徴収しておるという庁もございますし、また大都市の庁になりますと、どうしても所在不明になってしまって、そのあとを追っかけてさがしていくのに相当時間がかかり、さがし当て得ないで終わってしまっているというのも相当ございまして、各庁におきましてこのような罰金徴収のための検務課という課がございますが、その検務課につとめております職員といたしましては、いろいろなくふうをいたしまして、遁刑者の減少をはかっておる現状でございます。
○押谷委員 刑事政策も加味して換刑処分についていろいろ考慮をしているというお話もございましたが、罰金の取り立てについてはたいへん御苦労をかけていることはよくわかるのです。しかし私の聞いている範囲では、この十六億円の罰金未納者は、ほとんど全部に近い者が自動車の運転手である、こう聞いているのですが、未納者のこの罰金の種類あるいはその職業についてはおわかりございませんか。
○竹内(壽)政府委員 歳入に表われております罰科金という、罰金でございますが、これがどういう罪の種類のものが幾らで、自動車の違反からくる、道交法違反の罰金が幾ら、こういう区分はただいまの統計のとり方では出ないのでございます。しかしながら、処理しました事件の数等から見たり、あるいはまた刑法犯の罰金と道交法の罰金とが、刑法犯のほうが常に必ず多額であるとも言えませんけれども、多少そういう点を勘案をいたしまして見ますると、全罰金の歳入の中の七〇%ないし八〇%が道交法違反だと思います。そういたしますと、昭和三十七年が百二十九億となっておりますので、その七〇%が大体道交法違反のもの、こういうことになるわけであります。そうすると、直ちに十六億の未納をそういう比率で計算することが適当であるかどうかわかりませんか、道交法のものが相当多数未納になっておるということは、否定しがたい事実と思います。
○押谷委員 御承知のように、最近の交通事情は日に日に複雑になり、秩序も日に日に乱れており、交通事故も毎日ふえているという好ましからざる現状にあるのでありますが、これは何としても交通に携わっておる運転手、従業員の自覚にまたなければならぬのでありまして、その違反者が、大ぜいのものが罰金を言い渡されながら、罰金を納めておらない横着者が横行しているという形があることは、これは何としても好ましからざる形であります。刑事政策等のお話もありましたが、私はこういう事態を考えますと、この罰金未納者に対して措置をせられることは、国の収入を上げるというけちなものよりは一歩進んで、今日の交通地獄に対処するのには、やはり違反者に対しては厳密に処置をせられるということが、当局としてなさるべきであると考えますから、これは希望として申し上げておく次第であります。
 もう一点お尋ねをしたいのですが、これは刑務所関係なんでして、歳出の関係で、今日刑務所、少年院、あるいはそういう施設において収容されている人々の食費給与はどうなっておりますか。最近物価高でありまして、特に生鮮食料品の物価高といわれているのでありますが、この物価高に応じて、予算の執行に不自由を感じていらっしゃらぬかどうか、また予算の組み方についても、この二、三年の間においてそういう配慮がなされているか。やはり刑務所の収容者といえども、健康管理はしてやらなければなりません。栄養管理も十分に尽くされているとは思いますが、物価高の関係でありますから、この点をお尋ねをしておきます。
○大澤政府委員 刑務所内あるいは少年院その他矯正施設におきまする処遇のうちで、健康管理ということはきわめて重要な部分を占めるのでございます。食料費の効率的な執行ということにつきましては、われわれは常に留意しているわけでございます。いま御指摘がございましたように、生鮮食料品等の値上がりというものが、直ちにわれわれ矯正施設内部にもはね返ってくるのでございまして、その点、われわれとしましても常に必要な栄養の確保という点を念頭に置きまして、その献立等にも留意して、健康の確保という点に留意しているわけでございますが、三十六年度から三十九年度――本年度要求しております予算との間におきまして、毎年、三十七年度には五円五十八銭――これは成人の受刑者についてでございますが、三十八年度では二円三十六銭、また本年度は二円の増額を要求しておるわけでございまして、年々、きわめて低額ではございますが、必要な栄養の確保のためには予算の増額を要求し、ある程度の承認を得まして、特にひどい食事というようなことのないように努力しておるわけでございます。現在金額的に見ますと、一般国民の平均あるいはまた生活保護の基準と申しますか、それより下回っておるのでございますが、御案内のとおりに刑務所等は数百人から数千人というような大量の給与をいたしますので、大量購入によります仕入れ原価が安いという点、また栄養士を必要な施設に入ってもらいまして、その付近の施設の栄養の指導をいたしております。その他調理器具等を整備いたしまして、その食費の使用の効率をはかっておりますので、その給与カロリーにつきましては、一般国民よりも上回るだけのものを確保しておるわけでございます。またその他、栄養の面につきましても、いわゆる動物性たん白質であるとかあるいはビタミンでございますとか、さような栄養素につきましても基準を設けまして、その必要のものの確保に当たっておるわけでございまして、大体健康状態等も一般国民とほとんど変わりない、むしろ凌駕しておるというような状況でございます。ただ、われわれといたしましては、必要な動物性たん白質あるいは脂肪の質並びに量という点におきまして、一般の国民との比較上やや劣っておりますので、この点、本年度――毎年の増額がございますが、それを主としてそのほうに充当いたしまして、改善をはかってきておるわけでございます。この点につきましては、われわれとしては、ただ、必要なカロリーがある、必要な栄養素があるというだけでは、やはり食事のことでございますので、そこに色つやと申しますか、さような点がなければ、長く入っておる人には何の楽しみもないわけでありまして、この点につきましてはそういう点までも考慮いたしまして、さらに改善に努めていきたいと存ずる次第であります。
○押谷委員 御説明はたいへんけっこうな御説明であったのですが、一般国民のカロリー水準よりは上であるかもわからぬというような安心したおことばでありましたが、金額にいたしますと、成人で一日七十円八十一銭、少年で七十八円三十二銭、また少年院では七十六円七十六銭、鑑別所が七十六円三十三銭、婦人の補導院では七十三円四十一銭、一日が大体七十円そこそこです。これは主食と副食と合わしたものだと思いますが、この物価高で、七十円そこそこで安心したカロリーがとれるものとも考えられないし、また二円ぐらいの増額を要求されて、最近の物価高といわれているこの食料物価の値上がりに刑務所として対処できているというお考えですか。
○大澤政府委員 金額的にはきわめて低いのでございますが、刑務所等につきましては、自家菜園を経営いたしておりまして、一般よりも相当安く買えるという点で、金額よりも割りのいい食事ができるということでございまして、またカロリー計算も、一般国民の平均が二千五百カロリーでございますが、大体三千カロリー前後支給しているわけでございます。また栄養の量につきましても、一般国民の基準と合わせましてとり得るようにしております。ただ動物たん白等につきましては、やや粗悪であるという質の点でわれわれはどこまでも改善をやっていきたいと考えております。ただいまのところは、特に栄養上、健康上、一般国民と常に比較しておりますが、たいして差がないところまで確保されておるわけでございます。決してこれで十分だというふうに考えておるわけではございません。
○押谷委員 三千カロリー以上を確保しておるようにおっしゃるが、一番下は二千四百カロリー、その上が二千六百カロリー、その上が三千カロリーというようなところであると思います。私の知っている範囲ではそういうことになっているのです。しかもそのカロリーのとり方は、主食、でん粉が中心でありまして、動物性のたん白質等におきましては非常に欠けておる。また一般の社会人は間食もいたしますし、適当にいろいろの方法があるのですが、受刑者だけは全然与えられたこれだけなのですから、これはそう安心をせられずに、また受刑者の人権もやはり十分尊重してやって、遠慮なしに、この物価高に対して受刑者の食糧というものについてもあたたかい考慮をされてほしいと思うのです。特に受刑者が自分の労力でつくっている畑の蔬菜があります。少年院あたりもこれをずいぶんつくっていることを見てまいったのでありますが、このつくったものを刑務所で使う、少年院で使うというときにはどんな手続をなさっていらっしゃるのですか。
○大澤政府委員 一応作業として種子あるいは肥料等を入れておりますので、そのものを計算いたしまして、賃金も先ほど申しましたやや安うございますが、それも認定いたしまして、作業製品として調整して買い入れるという形をとっておるわけであります。
○押谷委員 これは先ほど言いましたように非常に人権上重要な問題でありますから、予算獲得にあたっては御遠慮なさらずに、一円や二円ということを言わずに、実際に世間の生活費が上がっているのであるから、そういうことも考慮せられていいと思います。また少年院あたりが、自分のつくった野菜――キャベツとかイモをとって食べるという形はいい形なんですから、これもどしどし奨励されて、カロリー確保にしっかり勉強されたいと思います。
○吉田(賢)委員 関連して。いま押谷議員から、受刑者の給食の問題でだんだん御質問があったのでありますが、非常に大事な点に触れておると思いますので、若干私も関連してお尋ねしてみたいと思うのであります。
 第一にそれをお尋ねする前提としましては、行刑の目的あるいはまだ受刑に至らぬ被告人として拘置所におります者、その他鑑別所とか少年院など、他の類似の場所に拘禁されております者、一括して申し上げてみたいと思うのですが、受刑者なり被拘禁者なりの健康を適当に保持するということは、受刑の重要な積極的な目的にすべきでないかということを思うのです。と申しますのは、やはり特別な犯罪の類型的な体質とか、その他の傾向のある人は別といたしまして、そうでない者は誤って刑余の人になるというものが相当な割合を占めておると思うのであります。そういうことを思いますと、心身の健全ということは、過誤を起こさしめない基本的な条件として国民は強く要求すべきもので、また守られねばならぬ国の責任だろうと思うのです。そういう観点からいたしまして、行刑の目的の根本として、受刑者並びに被拘禁者の健康を保持することは国の責任ではないか。この点について、はっきりとした御答弁をいただきたいと思います。
○天埜政府委員 お話のとおり、健康を保持することはきわめて重要なことであって、国の責任をもってやらなければならぬことだというふうに考えます。
○吉田(賢)委員 日本人の体質改善の面におきまして、とかく米食偏重は不可であるということは常識化しております。特に最近の傾向といたしまして、動物性たん白などの摂取が強く要請せられまして、その方面から食料の改善とかあるいは栄養の検討とかいうものがだんだんせられまして、そこで米食というものがだんだんと日本人の実生活から遠ざかりつつあり、含水炭素が多過ぎて日本人の体力がだんだん悪くなってきているということも、これは栄養学者たらずとも常識になっております。そこで一体、この栄養の給源を確保することについて、そういったような各種の栄養の要素を広く検討して給食の基礎を固めるということの配慮をするのかどうか、この点はひとつ矯正局長に御答弁を願いたいと思います。
○大澤政府委員 同じ栄養、カロリーをとるにしましても、米食偏重からバラエティーのある副食に一般国民の食生活が向上しておる点はお説のとおりでありまして、われわれといたしましても、受刑者なり収容少年の体位の向上あるいは健康の保持という点につきましては常に留意しておるわけでございます。昨年の八月に、全国的に刑務所在監あるいは保護少年の栄養状況の調査を行なったのであります。その結果は、幸い体位は一般国民に劣らず、また身体の異常症状の発現率も大体一般国民と同じで、一般国民に比べて悪いとはいえないというような状況にあるわけでございます。しかもその上また矯正局には、集団給食の日本有数の中に入ります職員もおりまして、常にさような点の研究を積んでおるのでございまして、給食の改善ということについてはますますつとめてまいりたいと存じておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 全国的な健康の診断をせられたかどうか知りませんけれども、やはり受刑者とか被拘禁者の健康状態を一般的に知るということは、われわれ常識から考えましても、そうたやすくそんな作業はできるものじゃございません。限られた人で限られた場所で、実情はまた限られた条件のもとに拘禁されておるのですから、実態から見ましてそんなにたやすく厳格、精密な統計をつくり上げるということは、これは不可能であります。もしそれをほんとうにおやりになったとするならば、われわれは厚生省とも十分話し合って、その経過、成果いかんを検討しなければいけません。もしそうでないとするならば、重要なことでありまするから、軽率に結論を出すということは、お慎みあってしかるべきではないかと思うのであります。われわれの常識から見ましても、どれもこれも健康体で普通以上だというようなことを考えましたら、これはまことにナンセンスですが、なかなか健康につきまして治療を受けるということも簡単にできないのです。これが実情なんでありますから、そのものを一括して健康状態が非常に上であるというととは、そう簡単に結論づけられないと思います。しかしこれは少し横へいきますからそれでおきます。
 そこでまたもとに戻りまして、たとえばカルシウムにいたしましても脂肪にいたしましても、あるいはその他の各種のビタミン等におきましても、そういうような角度から食糧を用意するということであるのか。七十円という値段でなるべく安いものをあさって回るということになるわけなんです。私が戦時中におきまして、日本人の栄養に少しでも足したらと思って、イモのつるに相当栄養価があるというのでイモのつるを粉砕して、そうして少し社会のためにと思ってしたことがありましたけれども、とてもそういうものは人間の食糧といたしましては適当な条件が満たされておらぬという結論になって、取りやめたことが実はあるのです。でありまするので、馬か牛か人間、何でもいいが、とにかくこれだったら何ぼカロリーがあるというふうになさるのか、そうでなくて、やはり最近の栄養学的な各種の栄養要素をそれぞれ検討して、食糧を用意するという配慮があるのか、どちらを主にするのかということを聞きたい。七十円という金で一日分のカロリーをたっぷりまかなっておりますというような御説明では、もう納得できないのです。
○大澤政府委員 矯正局医療分類課におきまして、米麦のカロリーその他はもうきまっておりますので、副食の中でいわゆるとるべき栄養素としまして、たん白質――動物性たん白質、脂肪、カルシウムビタミンA、B1、B2、Cというふうに斤量を定めまして、これだけのものをとるにはどういうものをとればこれに幾ら含んでおるかというようなことを計算しまして、それに基づいて献立表等も作成いたしまして、それを各施設に流して指導いたして、その確保に努めておるわけでございます。したがって七十円だからこれにおさめろというのでなくして、これらのものを計算いたしまして、毎年各地で購入したそれらのジャガイモでございますとか野菜でございますとか、それらのものを数量と価格を各地から報告させまして、それを計算いたしまして、毎年予算要求の増額をいたしておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 それではなお引き続いて私はこのことを伺うことにしまして、なおもう一点だけ聞いておきますが、三十九年度には成人で七十円八十一銭というようなことですが、三十七年度、八年度はどのくらいの数字であったのか、どのくらいの割合で上がってきたのかということを確かめておきたい。
○大澤政府委員 三十七年度は六十六円四十五銭、三十八年度が六十八円八十一銭、三十九年度がただいま予算要求をしておりますのが――いま予算の審議中でございますが、それが七十円八十一銭の積算をいたしております。
○福井委員長代理 片島港君。
○片島委員 私はこの説明のあった問題について一言お尋ねをしたいと思うのですが、法務省の歳入予算額をきめる場合には大体どういう費目のものが主になっておるのでありますか。これは経理部長から……。
○新谷政府委員 法務省の主管歳入のおもなものと申し上げますと、ただいま御質問のございました罰金、科料収入、それと刑務所作業収入、これがほとんど大部分でございます。
○片島委員 政務次官にお尋ねします。
 この歳入予算額をきめる場合には、その年の収納見込み額というものを見込んで、それを歳入予算額として計上するというのが予算の立て方ではないかと思うのですが、どうですか。
○天埜政府委員 お話のとおりでございます。
○片島委員 昭和三十七年度の説明書を見ますと、予算額は七十九億何がし、それに対して収納額は百六十六億、差し引き八十七億の自然増収であります。予算を立てる場合には、その年の収納見込み額を見積もって予算を立てるというならば、三十六年度においては予算額が七十六億、それに対して収納済み額が百十九億、差し引き四十二億で、これも約六割ほどの自然増収なんです、昭和三十六年度の実際収納額が百十九億であるならば、三十七年度の歳入予算額は、前年度の収納済み額というものが基礎となって予算額をきめるのが常識ではないかと思うのであります。ところが三十六年度は七十六億、そして百十九億の実際収納があったのに、三十七年度においてもわずか三億ふやして七十九億、こういうことにしたために膨大なる一〇〇%以上の自然増加ということになるが、こういう予算の立て方は、政務次官、ほかのところにはこういう見込み違いの予算を立てる省がありますか。あなたは運輸省におられたはずですが、ほかの省でもあなたはお役人としておわかりだと思いますが……。
○天埜政府委員 私お話のように運輸省におりましたが、その間のことをよく存じません。しかしいまのお話のとおり、はなはだおかしな予算になっておったという感じがいたします。
○片島委員 三十六年度七十六億、それに対して百十九億の収納があった。それならばもっとふえるのではないか。特に道交法の改正によって、先ほど刑事局長の話によると相当道交法違反の罰金がふえておるウエートが大きい、こういうことになれば、ますます警察の取り締まりもきびしくなってくるから、百十九億を上回る、たとえば百三十億としても、百六十六億ですから、それでもなお三十何億の自然増収になるのに、前年度の実際収納額の七割にも満たないような予算額を三十七年度においてきめる、こういう予算の立て方というのは実におかしいと思うのですが、一体どうしてこういうことをやられるのですか。
○天埜政府委員 この間の事情につきまして、政府委員からお答えしたいと思います。
○新谷政府委員 確かに御指摘のございましたように、予定いたしました歳入予算額をはるかに上回る歳入の実績があがっておるわけであります。もちろん歳入予算を立てます際には、できるだけ確実なところを押えていこうという基本的な考え方が一つにはございます。それと、予算編成の時期がちょうど前年度の第一四半期が終わったころから始まるわけであります。これは前年度の実績をとるということが事実上不可能でございまして、たかだか年末の大蔵省の内示がございますまでの間に、ある程度の実績がつかめるというのが実情でございます。そういたしますと、私どもといたしましては、当該予算年度の前年度、たとえば昭和三十九年度の予算を編成いたします際には、昭和三十八年の上半期くらいのところしかわからないわけであります。それが下半期までにどのような増減を示すかということが一つの問題になるわけでございます。これの資料といたしましては、その年度のさらに前の年度、三十九年度の場合で申し上げますと、昭和三十七年度の年間の実績と、それから上半期なら上半期の実績、そういったものの比較をいたしまして、その伸びを考えるわけでございます。これもただ単純に昭和三十七年度だけの伸び率を考えるのがいいか、あるいはもう少し慎重に過去三年くらいの伸び率を検討して、これを基礎にして積算するのがいいかという問題もあるわけでございます。しかし最近の収入の実績がだんだんよくなっておることは、これはおおうべくもない事実でございますので、私どもとしましては、できるだけ近いところの資料に基づきまして、当該年度の予算を編成しよう、こういう考えでやっておるわけでございます。ただ見込みでございますので、どうしてもこれは見込み違いということも絶無ではございません。まして最近の交通事情が非常に激しくなっておりまして、件数もふえております上に、さらに個々の事件の罰金の額も非常に高くなっておるのが実情でございまして、そういった私どもの予測しない要素もそれに加わりまして、ただいま御指摘のような歳入の非常に大きな収入実績があがったということになるわけでございます。私どもできるだけ実績に近いと申しますか、確実なところを押えて歳入予算を組んでいきたい、かように考えております。
○片島委員 いまの経理部長の仰せられたのは、それは法務省だけじゃないのですよ。ほかの省もみんな同じことなんです。予算編成期、案をつくるころは大体時期が同じなんです。大蔵省が査定するのも同じじゃないですか。それと、いろいろな情勢を判断して予算を編成するのは法務省だけじゃない。しかしこんな見込み違いをしておる省の予算を私はいまだかつて見たことがないわけなんです。それもあなたのところだけでわからないというならば、刑事局のほうも関係がありましょう、あるいはほかの陸運局関係で道交法という法律が出た、こういう法律、こういう制度ができれば、大体どれくらいの収納があるかということを見込んで予算額をきめるというのが、あなたの仕事でしょう。わずかの違いならば別として、三十六年度の百十九億に対して七十九億、わずか三億くらいしか――もちろんそのときには百十九億はきまっておらなかったかもしれない。しかし大体の伸びというものは、諸般の情勢、法制、法令の改正、そういうものによって見込むのを、見込みが倍以上も違う。わずか一千万円のやつが二千万円になったというのと、これは違う。七十九億が百六十六億で一一〇何%もふえた。一体どうしてこういう予算の立て方ができるのか、これが問題だと思う。あなたは予算編成期がどうだこうだと言うが、これはほかの各省もみんな同じことです。法務省ばかりでなく、みんな前年度の、またその前年度も勘案しながら、予算の計上をやるわけです。そのことを私は聞いておる。
○新谷政府委員 昭和三十七年度の歳入実績が極端に伸びたということにつきましては、私どもも実は驚いておるのでございます。通常でございますと、過去の実績を調べてみますと、大体その年度の予算額が従来は前々年度の実績くらいのところできているのが事実でございます。どういういきさつでそういうふうになったか、私どもよくわかりませんが、過去の例を調べてみますと、大体一年おいて前くらいのところをかたく押えて予算を計上しておるというのが数字の上での実情でございます。そういう形で三十七年度あたりも予算の計上をいたしたわけであります。ところが先ほど申し上げましたように、その後の交通事情の非常な変化あるいは裁判所のこれに対する科刑の方針、そういったものも変わってまいりまして、そういった私どもの予測しません要素が加わってその罰金の額が上がった、こういうふうに見ざるを得ないのであります。御指摘のようなこともございますので、できるだけそういった食い違いの少なくなるようにと思いまして、来年度からは、ただいま申し上げましたように、できるだけ近いところの資料をとって、見込み違いの少ないような方向へ持っていこうという努力をいたしておるわけでございます。
○片島委員 三十八年度の歳入予算額と今年計上せられておる歳入予算額はわかると思うのですが、幾らになりますか。
○新谷政府委員 三十八年度の予算額は七十九億七千九百万円でございます。三十九年度の予算額は百四十六億、このようにいたしております。
○片島委員 それはおかしい。それはでたらめじゃないですか。三十六年度の収納実績は、三十八年度には大体わかっておるでしょう。一年前とあなたは先ほどおっしゃったじゃないですか。
○新谷政府委員 一年置いて前と申しました。
○片島委員 三十八年度のときには三十七年はわからないが、三十六年は大体見通しがついておるでしょう。なお、いま三十九年度は百四十何億と言われましたね。それから見ても――これは三十七年度で百六十六億になっておる。三十七年度の決算が出ておるではありませんか。三十七年度の決算が出ておって、三十九年度の予算がこれよりもずっと下回っておるというのはどうですか。しかも罰金や科料は急カーブをもっていまどんどん伸びておる、こういうじゃないですか。
○新谷政府委員 三十七年度の決算額が百二十三億でございます。それに対しまして、来年度の予算額が百四十六億でございますので、約二十三億くらい多くなっておるわけであります。これもただ単純に、三十七年度がそうだったから、三十九年度をこうしょうというのではございませんで、先ほど申し上げましたように、事件の伸び率を勘案いたしまして、その比率をかけて私ども計算いたしておるわけであります。
○森本委員 関連。会計検査院にこの際ちょっとお尋ねしておきますが、刑務所の作業収入を予算として組むというような点については一応うなずけるわけでありますが、元来罰金、科料というようなものについては、これはないのが一番いいわけであります。ところがそれがそのときの世情あるいは政治のやり方、社会不安というものからこういう増減が非常に出てくるわけです。もともとこういう罰金及び科料というふうなものをこういう形の歳入予算として組むという点について、大体会計検査院あたりはどういう見解を持っておられるのか、これを会計検査院のほうに聞いておきたいと思います。
○樺山会計検査院説明員 歳入予算の見積もりにつきまして、一般にかたく見積もるといいましょうか、そういった傾向が一般にございます点は御承知のとおりであろうと思いますが、特に罰金、科料につきましては三十七年度伸び率が非常に大きかったという結果になっておりますので、若干その辺のところが見込み違いと申しますか、その点があるだろうと思います。
○森本委員 私の言っておるのはそうじゃない。これは会計法その他にも関連がありますけれども、こういうふうな科目のものを歳入予算として組むということが妥当であるかどうであるか。たとえば刑務所の作業収入なんというものは一とおりの見込みができるにいたしましても、罰金、科料というようなものについては、そのときの世情あるいは社会情勢あるいは著しく政治のやり方が悪いというようなことにも影響があるわけであって、こういうふうなものを一応こういうふうに予算額として組んでやるということが、今日の予算の組み方からいってちょっと疑念がありはしないか。そういう点について法律は別として、会計検査院としてのこういう予算の組み方についての見解を基本的に聞いておきたい。別にどうこう言うわけではございません。ただ会計検査院としてはこういう問題についてどういうふうにあるべきであるかという見解を持っておられるのか、このことを聞いておきたいと思っておるわけです。だから予算が多かったとか少なかったとか見込み違いということを私は聞いておるわけではありません。片島さんはいま見込み違いを追及せられておるわけでありますが、私が言っておるのは、こういう問題について基本的な問題としてこういうふうに予算に組んでいくのが妥当であるかどうであるかという点についてかなり疑問がありますので、その辺について法律上の問題は別として、会計検査院としては、こういう問題は改めたほうがいいのかあるいは現状のままの予算の組み方のほうがいいのか、御見解を一応聞いておきたいというわけであります。
○樺山会計検査院説明員 歳出予算と違いまして歳入予算は、予算によって徴収するというものではございませんで、結局法令とか契約とかいうものによって歳入をとるということになります。したがいまして、歳入予算は単なる見積もりということになるわけでございますが、歳出予算を組みます上に歳入をどのくらい見積もるかという関係上、一応従来の実績によって大体の金額を見積もるということはやむを得ないかと思います。どうも御質問の趣旨がよくわかりませんが……。
○森本委員 私が言っておるのは、たとえば税の収入とか、鉄道の公共料金の収入とか、電話料金の収入とか、専売益金の収入とか、そういうものは一とおりの収入予算として組むことができる。税収についてもそれぞれの経験によって組むことができる。しかし罰金、科料という問題については、これはゼロが一番望ましい完全な政治になってくるわけであります。これが少なくなればなるほど政治がいいということになるわけであります。要するにそういうものをこういう形において予算として組む性格のものであるかどうかという一つの基本的な問題について、法律上はいまこうやって組まなければならぬということになっておりますけれども、会計検査院としての、こういうものを歳入予算として組むことがはたして妥当であるかどうであるかということについての御見解を、もしできるなら聞いておきたい。あなたがむずかしいということなら、会計検査院長あたりから一応会計検査院としての見解を聞いておきたい。これは他の歳入見込み予算とだいぶ性格が違うし、そういう点についての基本的な予算の編成についてどういうお考えか聞いておるわけです。質問の趣旨ははっきりしておるわけです。
○樺山会計検査院説明員 罰金、科料の徴収というのは刑罰の執行でございますので、普通の歳入とはもちろん違うわけでございます。したがいまして、基本的にこれをどう組まなければならないということはあるいはないかと思いますが……。(森本委員「検討してからでもいいですよ」と呼ぶ)なお検討いたしまして、お答え申し上げます。
○片島委員 一問だけ刑事局長に聞いておきます。
 こういうふうに予算を編成される場合には、おそらく省議を開いて、局長もおいでになって組まれると思うのであるが、このような見込み違いが出てくるのには、罰金なり科料というものについて、この二カ年間において経理部が予想し得なかったようなきびしい罰金科刑が行なわれたのではないかとわれわれは想像するのですが、これだけ省議で想定をして組んだ金額を倍以上も上回るということについては、何かそこに罰金、科料が非常に過酷に行なわれておるのではないかとわれわれは数字の上から想定するのですが、いかがでしょう。
○竹内(壽)政府委員 罰金刑が過酷であるかどうかということにつきましては、私どもも刑事政策の観点から絶えず検討しておるのでございますが、道交法の事件について大体この罰金でまかなうのがいいのか、体刑に持っていくのがいいのか、これはなかなか問題のあるところでございまして、罰金額がふえておるのは、道交法の規定の改正等によりまして、全体として法定刑の罰金の額が高くなってきておる、それと何とかして事故の増大にストップをかけようという考え方もありまして、こういう結果になったのであろうと思いますが、私どもとしてはこれが過酷な扱いであるというふうには考えておりません。もちろん検討の余地はございます。
○福井委員長代理 山田長司君。
○山田(長)委員 いまの問題について、これは私の知り得た知識で参考までにひとつお話ししておきたいと思うのです。
 犯罪というものはやはり大きな政治の影響によるものであって、実は昨年ソ連に調査に行きました。それでちょうどモスクワの市役所に調査に行きましたときに、日本でいういわゆる課長クラスと目されるところで何か話し合いが行なわれておった。これはどういう事情で話し合いが行なわれておるのかと思って調査したところが、交通事故だったのです。それで交通事故は運転手が処罰の対象になっていないのです。だれが処罰の対象になっているかというと、運転手を使う上司が処罰の対象にさせられるのです。どうして上司が処罰の対象にさせられるのかと思って調べてみたら、数日前からの勤務状態、労働条件に過酷な条件があったかなかったかということが処罰の対象になっているのです。これは日本のように非常に道路の狭い国において不慮の災害が起こっている場合に、これを勘案してみたときに、これは道路が五十メートルも百メートルも広いところで事故が起こってさえも、かくのごとく働く人たちの勤務の状態を調べた上において、使い方が問題になって上司が処罰の対象になる、こういう状態を私は見て、実に意外に思ったのですけれども、これは社会主義の国でありますから、日本の状態にこれがすぐ適用になるとは思いませんけれども、今日の道路がもし政治の力によってもっともっと整備されたならば、私は交通事故などは半減どころか、かなり減少するのじゃないかと思われる点があるわけです。こういう点で、いまの問題に関しまして一言申し上げたわけでありますが、これは参考にしていただければと思います。
 次に私が伺いたいことは、説明のあった事項ではないことでちょっと伺いたいのです。それはどういうことかと申しますと、刑務所にやっかいになっている囚人の数が相当にのぼると思うのです。この囚人たちで、幾らかの金を持って刑務所に入ってくる人がいると思うのです。全国的にこれを通算しますと、相当の額になると思うのでありますが、一体その持って入った人のお金というものはどんなふうに処理され、それらの預金はどういうふうにされておるものか、あるいはまたこれに対する利息などは囚人に対して支払いをするものか、しないものか、参考までに伺っておきます。
○新谷政府委員 携帯してまいりました現金は領置金として預かりまして、刑務所で帳簿に記入して、それを銀行にいわゆる保管金として預金しておるわけでございます。金利はついておりません。
○山田(長)委員 私はこれは相当な額になると思いますが、それでは経理上からいって、この報告書の中にいまの交通事故の罰金が出ているくらいならば、この金額は何百万、何千万円となっておると思うのですが、その金はどこへ行って、金額はどのくらいあるのですか、金額をちょっと言ってみてください。
○新谷政府委員 ただいま手元に資料を持ち合わせませんので、調査の上お答え申し上げたいと思います。
○山田(長)委員 第三者のわれわれには、その金額が何百万になっているのか、何千万になっているのかわかりません。そうすると、その金額の利息はこれまた相当の額になっているに相違ないと思うのです。そうすると、銀行預金である以上は、当然その決算が出てなければならぬ、会計検査院はこれをどう調べておりますか。
○樺山会計検査院説明員 領置金とかいろいろな現金を預かっている場合は、歳入歳出外現金でございますので、そういうものは計算書が検査院に提出されておりまして、また実地検査の際、現金の受け払いについては検査をいたしております。
○森本委員 銀行に保管金として納めるということは、何か法律できまっておりますか。政府がやっております貯金関係は郵便貯金でありますが、銀行の保管金として無利子でやるということだとするならば、少なくとも政府のやっておりまする郵便貯金に納入して、三分五厘の金利でありましても、それだけの金利をつけて、出所するときにはその金利と一緒に郵便貯金通帳を返してやるのがほんとうのやり方ではないか、こう思うわけでありまして、それをかりにたとえ小額でありましても、銀行の保管金としてやるということは、それは無利子になるわけでありまして、預かったほうの銀行は、これは若干でも、集積されますとかなりの金額になりますが、そういう場合には、政府がやっておりまする郵便貯金があるわけであって、ほとんどそういうものは郵便貯金を利用しておるというのが今日の通例でありますが、その点どうですか、法律か規則か、何かあるのですか。
○新谷政府委員 ただいまちょっとわかりかねますので、調査の上お答えいたします。
○山田(長)委員 これは矯正局長、重大な問題だと思うのです。そこで、あなたの管轄下において、刑務所内部でこの金を何百万円か横領していった事件があるはずだ、これをもう少し詳しく話してください。
○大澤政府委員 はなはだ手違いで三十六年度関係の資料を持ってまいりませんので、詳細は取り寄せて御回答申し上げます。
○山田(長)委員 囚人の間にかなり大きな騒ぎが起こっていることがあるはずだ。私は、あなた方は明確に答えないけれども、いまここに資料を持っております。一体、中に入っている人は、自分に幾ら持ってきた金があるから、出たときには一応泊まる宿屋にも心配ない、何とかこれによって再起しようと考えている人が、もし勤務者によってその金か消費されてしまったということであるならば、これは中で騒ぎが起こるのは無理ないですよ。あなたの立場でそのことを知らないはずはないです。私は知っておるけれども、あなた方が正直に言われることを待っているからここで言わないでおるのだけれども、それが未然に防がれて、あなた方の耳に入らなかったとするならば、これは監督上不行き届きの点があったわけだ、どうですか。
○大澤政府委員 三十六年度の決算に指摘せられている府中刑務所における不正事項というものは承知しております。ただいまその詳細の資料を持ってまいりませんでしたので、その詳細は取り寄せて後刻御報告申し上げたいと存じます。
○山田(長)委員 場所だけはあなたはいま申されましたから、これはいずれ資料として提出願いたいと思うのです。
 これは府中の刑務所に限られたことではないと思うのです。全国の刑務所にやはり犯罪者が収容されておって、これは犯罪を犯した人たちですから、あなた方がその金を預かるということについては無理がないと思うのです。しかし、この人たちの金について、どういう規則があるのか、いまあなた方のほうで調べて報告すると言ったが、持っていった金の利息は一文もつけないで、そのまま金を返すということはどうも私は理解できない。そこで、全国の金額がどのくらいになっているか、銀行預金として預けられた額はどのくらいになっているか、その預けられた金額はどこにどう処理しているのか、これは会計検査院が処理をしていない、処理ができない、検査ができないと言っておるけれども、やはり囚人の立場に立って、さっきの食糧と同じように、持っていった金に対する利息は――連中としては中にいてそれをたよりにしながら、実は出てきてからの再起を考えているのではないかと思うのですが、そういう点で、このことをまず資料として御提出を願いたいということ。
 次に伺いたいことは、池田内閣の所得倍増政策によって大きく変化しているのは、土地代金と家屋の代金だと思います。ところが、この仕事の一番の大番頭であるところの登記官吏、私有財産を大もとにおいて守っておる登記官吏というものはまことに薄給です。もしこの登記官吏が不正を働くということがありとすれば、これは日本の私有財産史上において非常に大きな支障を来たしてくることになるのでありますが、この登記官吏によるところの調査が、私は売買上においてはなくてはならぬと思うのです。ところが今日の登記官吏というものは、土地台帳を見たり、家屋の常識的な判断によってだけ登記価格をきめて処理をしているようでありますけれども、これはやはり登記官吏に担当地域というものがあって、あまり遠いところがあるわけじゃないのですから、見て、もっと適正化をはかったならば、かなり金額上における相違点が生まれてこないんじゃないかと思うのです。私が知っているので一つ申し上げますと、山の売買等においては地味の肥えているところ、日陰のところ、山の傾斜のぐあい、いろいろ行ってみなければ判断できないようなことが机の上で見積もり価格を出されるものですから、これはたいへん売買をするほうの側にとってみても、あるいはその他の価格決定においても支障があるわけですけれども、登記官吏というものはさっぱり優遇されておらない。この点について私は、法務省としては登記官吏に対する優遇措置というものが講じられなければならぬと思うのです。この決算等を見ましても、非常に人件費が登記官吏の場合少ないのじゃないかと思われますけれども、この点どうなんですか。
○新谷政府委員 法務局の登記官吏の待遇が必ずしも十分ではないのじゃないかというふうな御質問でございますが、現在の法務局の行政の運用としましては、特に法務局の登記官吏だけを一般並みに扱わないというふうなことは毛頭考えてもいませんし、いたしてもいないのでございます。これは法務省では民事局の所管になっておりますので、民事局のほうで従来から登記所の待遇改善ということに非常な関心を寄せまして、あらゆる方面から執務条件が向上するようにというふうな努力を払っておるわけでございます。給与につきましても、これは職員の給与一般の基準に従いまして登記官吏につきましても格づけをし、昇給さしておるのでございまして、特別に劣位の体系に基づいて待遇をいたしておるという事実はございません。なお待遇全般の問題になりますと、ただし給与だけの問題ではございません。かれこれ二千カ所ぐらい法務局の出張所まで含めますと役所がございますが、これが非常に施設が明治時代の古いものもございますので、そういった環境の是正ということ、あるいはさらに事務能率をあげて少しでも事務負担を軽減しよう、こういうふうな努力もあわせて考えておるわけでありまして、そういったことを総合いたしまして法務省としましてもいろいろと研究もいたし、また努力もいたしておるのが実情でございます。
○山田(長)委員 事務能率の問題が話に出ましたが、現在の登記官吏の仕事というのは机の上の立案事項が多くて、事務能率はなかなかあがらぬと私は思うのです。それよりも、できるだけ現場を見てきて、明治時代の価格による台帳、こういうものを基準として甲乙丙をつけるなんというようなものではなくて、もっと最近の農業の近代化の推進があったり、それから植林計画を農林省が進めたりしているときでもあったりするので、これらをやはり勘案した形の価格がきめられ、促進の度合いが進められなくちゃならぬことだと思うのです。しかも登記官吏というものは一年や二年で事務を習得しているのじゃなくて、何十年もかかってこの事務を推進する才能を得るのであって、この点やはり固定化さして、そして熟達の士をつくっていかなければならぬ筋合いのものだと思うのです。学歴を持った人たちは場合によれば転々として各地へ転勤をさせられるが、この登記官吏というものは全く県内にとどめられて事務をつかさどるという人が多いわけなんです。そういう点で、当然これは旧来の状態から一変して、やはり待遇をよくしていかなければ、私は、これは私有財産を扱っている一番の大もとの人たちだけに、事が起こったときはたいへんだと思うのです。そういう点で、旧来にまさる御一考を願いたいと私は思います。
  〔福井委員長代理退席、委員長着席〕
○新谷政府委員 確かに御説のとおりでございまして、私どもも全く同じ意見を持っておるのでございます。たとえば実地見聞にいたしましても、これは台帳関係と登記関係というふうに分かれておりますので、できるだけ実地に見て、実地に即した評価をし、また実態を把握するというふうな仕事をやるように、予算面におきましてもできるだけのことをいたしたいという努力をいたしております。また登記官吏の転任につきましては、これは昔からの伝統もございまして、実はなかなかむずかしい事情もあったのでございます。おおむねその土地の出身の人が多いものですから、他県に移る、あるいは九州から東京に出てくるということは、家庭の都合等もありまして非常に困難な事実もございましたし、また登記所の職員もそういうものだというふうな観念にとらわれて従来はやってきたわけであります。しかし終戦後制度が改まりましてから後は、登記官吏も一般の行政官と同じじゃないか、それならばやはりいまお話のような面でいろいろ待遇の面あるいは地位を向上させるという面も考えると同時に、転任も十分させ、しかるべき適当なポストにそれぞれつけていくというふうな大規模な異動計画もむろんあわせ考えまして、お話のような全般にわたる地位の向上ということをはかって、いまもなおそういう努力を続けておるわけでございます。
○山田(長)委員 次に、公安調査庁の六億六千三百九十九万一千円という支出について、破壊活動防止法の規定によって、暴力主義的破壊活動を行なう団体等、こういうものの調査をやるというのですが、具体的にどんな団体を中心としてこれは考えているのですか。
○白浜委員長 公安調査庁は要求がなかったので、見えておりません。
○山田(長)委員 それではこれはいずれまた公安調査庁が来たときに聞きたいと思うのです。きょうは終わらないでおいて下さい。
 さっきの保管金の問題ですが、保管金額はわかりましたか。
○安田説明員 領置金を全国で幾ら領置しておるかという金額につきましては、ただいま調査しておりますけれども、まだその返事がありませんので、ただいまここでお答えすることはできませんが、後ほどわかりましたら御報告いたします。
 なお、受刑者が刑務所へ入所してまいります際に、持ってまいります金を保管金として扱いますことについての根拠について御説明申し上げます。監獄法の五十一条に「在監者ノ携有スル物ハ点検シテ之ヲ領置ス」という規定がございまして、これがもとになりまして、監獄法の施行規則の百四十条で、領置物はその品目及び数量を領置金品台帳に記載するということになっておりまして、領置金品台帳に領置した物と金はいずれも記載されますが、金の出し入ればその金品台帳によって明らかになるわけでございます。片方大蔵省令で保管金取扱規程というのがございまして、その第一条に、「政府ノ保管二係ル現金ハ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外本令ノ定ムル所二依リ之カ受払保管ヲ為スヘシ」というのがございまして、受刑者が携有してまいりまして領置しました金は、やはり領置しておる間「政府ノ保管ニ係ル現金」ということになりますので、この保管金取扱規程によって受け払いをすることになるわけでございます。そしてその規程の第三条に、「取扱官庁ハ所在地日本銀行ヲ以テ其ノ保管金取扱店ト為スヘシ」という規程がございます。「取扱官庁」すなわち刑務所といたしましては、その所在地の日本銀行にこの領置金を保管金として預け入れることになるわけでございます。さらにまた別の法律でございますが、保管金規則というのがございまして、この保管金規則の第二条に、「保管金ハ法律勅令又ハ従来ノ規則若クハ契約二依ルノ外利子ヲ付セス」ということになっております。したがいまして、この領置金は日本銀行に保管金として預け入れられ、その預け入れられた保管金には利子がつかないということに相なっておるわけでございます。以上が法的な規則上の保管金扱いの根拠でございます。
○森本委員 関連して。いまの五十一条の関連とそれからさらに百四十条の関連、それから保管金規則、それから保管金取扱規程と、この四つによってやっておる、こういうことであります。そこで、この保管金の利子を付さないというふうな保管金規則というのは、何か調べてみると最終改正が明治三十三年の改正です。それからいまの保管金取扱規程が昭和三十年になっておるわけですね。これはやはり新しい時代にマッチをするという意味において、やはりある程度考えてみなければならぬ点があるのじゃないか。たとえばそういう金品の――物の場合はそういうふうに物品台帳をつけてやるのもいいけれども、金銭の場合は、これは個々別々に郵便貯金通帳をこしらえ得るわけであります。そういたしましてその貯金通帳を刑務所のほうにおいて保管をしておって、出所する場合にそれを一緒につけてやるというのが一番公明正大な、実にきれいなやり方になるわけでありまして、こういうふうな保管金規則、保管金取扱規程によってやるとかなりややこしいし、また囚人そのものの利益にもならぬわけでありまして、そういう点で、やはり明治何十何年なんというものについてはある程度考慮する余地があるんではないか。それから日本銀行というふうに大蔵省令の場合には出ておりますけれども、これは普通公金その他の問題についても、日本銀行もしくは郵便貯金というふうに少額の場合はたいがいの法律はなっておるわけであります。そういう点から考えてみますと、これはやはりある程度法的にも検討してみる余地があるのではないか、こういう考え方を持っております。現行の法律、規程については、いまの御説明でよくわかります。わかりましたが、やはりそういうふうに一つ一つ金品台帳にこれをつけて、それを一括して日本銀行に無利子で保管をするというやり方よりかは、個人別によるところの郵便貯金通帳によってやるというほうが、私はもっと簡明にして、しかも一番いいやり方ではないかというふうに考えるわけでありまして、特に、明治三十三年なんていうふうな保管金規則を後生大事にやるということについては、はなはだ疑問を感ずるわけであります。もっとも監獄法にも関係があるわけでありますけれども、そういう点を考えてみると、この問題については、たとえ三分五厘でありましても利子がつくわけでありまして、かりに懲役二十年になる人が、五十万円――そんなに持っていた人はないにしても、いまの経済価値からいって、実際問題として出るときは、ほとんど価値がない、こういう形になるわけでありますので、そういう点についてはやはり再検討を要するのではないかというように考えるわけでありますが、政務次官、これはどうですか。
○天埜政府委員 お話しの点、非常にごもっともな点があると思います。これはよく再検討をしてみたいというふうに考えます。
○安田説明員 先ほどの、刑務所で領置しております領置金の金額について申し上げます。これは全国でございます。
 本年一月十日現在で、総額一億九千九百八十六万三千八百十四円ということになります。受刑者、被告両方の保有しておる金額でございますので、受刑者、被告合わせまして約六万人在監しておりますので、一人当たり三千五百円か六百円くらいの平均になるかと思います。
○山田(長)委員 ただいまの報告で金額はわかりました。
 そこで、いま森本委員の発言がありましたように、やはり在監者に出所後の希望を持たせるためにも、こういう明治三十三年なんていう古い法律は一応改正して、ささやかでも利息はついているというふうなことであれば、希望も持てるし、刑事政策上からいってもいいことじゃないかと思うのです。もしそれがなされれば、出てからの希望がこれによってつなげる一つの材料になるだろうと思うのです。どうか、そういう点で、すみやかに明治三十三年の法律改正をやっていただくことを希望して、私の質問を終わります。
○勝澤委員 在監者の問題が出てまいりましたので、ついでにそれに関連して、作業収入の問題ですね。この作業収入の問題につきましては、一応市場価格に合わせてやはり検討すべきじゃないかということが会計検査院から言われました。それについては検討されているようでありますが、作業賞与金の問題も私は二回ほど質問をいたしました。少しずつ是正されたように聞いております。三十九年度の予算の中では、この作業賞与金というものはどういうふうな単価に変更いたしましたか、御説明願いたいと思います。
○大澤政府委員 目下御審議中の三十九年度の金額では、予算要求額が、二億六千万円……。
○勝澤委員 一人の単価でいいです。
○大澤政府委員 一人の単価は、一カ月当たり三十八年度、四百二十円が一五%増の四百八十円、大体、釈放時、十五カ月平均にいたしまして、三千九百円を四千五百円というように増額する予定で、目下予算要求をしております。
○勝澤委員 一時間当たりの単価はどうなりますか。
○大澤政府委員 一時間当たり、最低五十銭から三円二十銭の間でございます。
○勝澤委員 そうすると、一番最低は一時間五十銭で、一日幾らで、月に幾らになるのですか。
○大澤政府委員 最低が一日四円、月間百円、最高が一日二十五円六十銭、一カ月六百四十円ということになります。
○勝澤委員 その最低の人の作業時間と、どういう作業をさせるのか。それから最高になる人の作業時間と、作業内容はどういうものですか。
○大澤政府委員 受刑者の作業時間は一週四十八時間でございます。それで今の最低は、いわゆる習熟し始めた見習い工でございまして、順次習熟状況によりまして四等、三等、二等、一等と上がるわけで、最高が一等でございますが、木工、洋裁等が最高額を受けておるわけでございます。
○勝澤委員 そうすると一番最初入ったばかりはむろん見習い工でしょうから一日八時間働いて四円、月に計算して百円、その見習い工があげる作業収入はどういう見合いになりますか。
○大澤政府委員 全体の計算はいたしておりますが、その人個人個人の計算はただいま資料がございませんし、おそらく個人的な時間数等はいろいろとっておると思いますが、その製品が幾らになるかまではとってないだろうと思います。
○勝澤委員 それでは全体の作業収入とそれから賞与金を、予算、決算で、三十六年度からわかる年度だけ大まかでいいですからちょっと教えてください。
○大澤政府委員 三十七年度決算で収入額が三十六億五千万円、作業賞与金の予算が一億七千七百四十万円。これは三十七年度予算額でございます。
○勝澤委員 三十六年度は。
○大澤政府委員 三十六年度は、収入額が三十二億七千六百万円、賞与金が一億五千五百万円でございます。
○勝澤委員 三十八年度はわかりますか。
○大澤政府委員 三十八年度は予定でございますが、収入額が三十九億、作業賞与金が二億五千万円でございます。
○勝澤委員 三十九年度はわかりますか。
○大澤政府委員 歳入予算が四十一億、作業賞与金が二億六千万円でございます。
○勝澤委員 そうしますと会計検査院から指摘された事項に基づくこの作業収入の変更というのは、いつからおやりになるのですか。あるいは収入としてはどの年度に影響してくるのですか。
○大澤政府委員 会計検査院から指摘されました販売物品の価格につきましては、過日御指摘を受けましたので、本年度、三十九年度から変更があらわれるものと考えております。
○勝澤委員 そのおおむねの見積もりはどれくらいの見込みになりますか。もし局長のほうでおわかりにならないなら、会計検査院のほうは幾らぐらいこれで増収になる見込みかということをひとつ答えていただきたい。
○大澤政府委員 会計検査院から御指摘を受けましたのは、ほぼ四千万円という御指摘の金額になっております。それにつきましてはわれわれいまいろいろ検討いたしたいと思いますが、目下のところ幾らということは予定が立ちかねる次第でございます。
○勝澤委員 四千万円という数字はちょっと間違いじゃないかと思う。全体的な作業の単価というものについて再検討せよといわれているわけですから、この比率を見ればそんな数字じゃないと思う。それが十億か、二十億か、三十億か知りませんけれども、そういった単位の数字になるのではないかと思いますがどうですか。
○大澤政府委員 検査院の御指摘の中に書いてある数字が約四千万円ということでございますが、全般に及ぼしましてわれわれ検討いたしていきたいと思っておりますが、目下のところ金額の予定がちょっと立ちかねる次第でございます。
○勝澤委員 先ほどからの質問の中で、在監者の食糧の問題で話が出まして、食糧の問題についてもいろいろ意見が出ました。その次に、今度は、領置金の問題について話が出ました。さらに保管金規則が明治三十三年のままだという話が出てまいりました。それから作業賞与金の問題は、私特にここ二年ばかりこういう問題を――これは推理小説の水上勉の「飢餓海峡」からヒントを得て出た問題です。これは少しずつ上げているようです。しかし基本になる作業収入というものについてこの際世間並みにせよということになってくると、やはりある程度作業賞与金についても、これは私が申し上げるまでもなく是正をしなければならぬと思うのです。この際刑務所にも世の中とそう変わらないような形というものをやっていかなければならないのではないかと思うのです。そういう点できょうはいい問題が出ておるわけですから、ひとつ全体的にもう少し検討していただきたいと思うのです。そうしないと、刑務所の中はまさに別世界――別世界には別世界なんですけれども、一日働いて四円です。そして一月に百円です。時間はどうかといえば、世間並みに仕事をさせているということです。ですから、労働に対する報酬というものとは私は言いません。言いませんけれども、これはやはり出たときに、「飢餓海峡」の小説じゃないけれども、やはりくにに帰るのに、くにには別に子供にみやげを持っていくわけじゃないでしょうけれども、やはり更生の道を講ずるようなものの考え方をしてやらなければ、幾ら何だかんだいっても、制度そのものがなっていないわけですから、ひとつ政務次官、きょうは大臣は見えませんけれども、やはりこういう問題が起きたときが一番いいわけですから、この際、いまいいましたようなもろもろの問題を検討していただきまして、三十九年度予算では無理としても四十年度の予算か、あるいは三十九年度の中で是正すべきものについてはやはり大幅な是正をしていく。これは池田さんじゃないけれども、倍増どころじゃない、取るほうだけ罰金倍増で取り過ぎて、しまって収入が多過ぎたとさっきおこられたわけですけれども、出すほうについてもう少し検討していただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。
○天埜政府委員 お話の点よく検討したいと思います。お話があったように、やはり普通の労働と同じように考えることのできないことはもちろんだと思いますけれども、やはり非常な隔たりがあり過ぎるじゃないかという点で、これはやはりよく検討したいと思います。
○勝澤委員 それから次に川崎の入国管理事務所というのですか収容所というのですか、この問題がまだ解決していないようですけれども、その後どうなりましたか。
○新谷政府委員 御質問の点は川崎入国者収容所でございまして、いろいろ経緯はございましたけれども、本年一月横浜の本牧に庁舎が完成いたしまして、すでにそちらのほうに引き移って執務を開始しております。
○勝澤委員 そうすると交換はどういうふうに行なわれましたか。
○新谷政府委員 土地の交換が一部行なわれまして、これが川崎の敷地が約一万坪ございましたが、このうちの約四千坪と横浜市の本牧にあります土地約六千坪を等価交換いたしました。あとの残りの川崎の国有財産は、これは用途廃止いたしまして大蔵省に引き継いでございます。
○勝澤委員 それで大蔵省に引き継いだあとはどういうふうな処理になっておるのですか。そこを使わしておるのか貸しておるのか、あるいはそのままになっておるのか。
○新谷政府委員 それはちょっと私どものほうではわかりませんです。財務局の管理のほうに移っておると思います。
○勝澤委員 これはだいぶ計画からおくれたようですけれども、いつごろ計画されて実際には完成されたのですか。
○新谷政府委員 これは長いいきさつになるのでございますが、時期的に申し上げますと、川崎に入国者収容所ができましたのが昭和三十一年であります。その当時あの周辺にはほとんど工場らしい工場も多くはございませんで、川崎化成株式会社と神奈川県の水産指導所、そんなものがあった状況でございまして、設置しました当時は収容所の設置場所としても適当だということでやったわけでございますが、その後の急速な工場地帯の発展によりまして必ずしも適当でない、むしろ有害だということになりまして、人道上の見地からも、法務省としましてもこれを早急によそへ移さなければならないということになったわけであります。そういたしまして昭和三十五年ごろからその移転の検討を始めたわけでございます。いろいろと候補地なんかも提示を受けたのでございますけれども思わしくございませんで、三十五年に至りましてようやく本牧の土地が神奈川県のあっせんによりまして提示されたといういきさつになったのでございます。その後、ただいま申し上げましたように六千坪と四千坪の敷地を交換いたしたのでございますが、その後地元の人たちの反対運動がございまして――これはむろん私どもも事情をよく説明いたしまして、十分に納得していただきましてさらに次の段取りにかかったわけでございますが、その間にすでにもう五、六カ月を経過しているというふうなことがございます。さらにまたこのあと地につきましては、現在川崎に残っております約六千坪の敷地とそれから建物でございますが、これにつきましては川崎化成株式会社が幹線道路に出るためにあの土地が非常に適当なんでぜひこれを譲ってもらいたい――これは入国者収容所の移転問題が起きます以前といいますよりは、むしろ昭和三十一年に収容所をあそこへ持っていきます以前からそういう希望があったようでございまして、財務局のほうにもそういう申請が出たというふうに承知をいたしておるのでございますが、たまたま収容所が移転をするということになりましたために川崎化成株式会社におきましてぜひその土地を譲ってもらいたいということになったわけであります。そこでそのあと地を譲るというかわりに本牧にそのかわりの建物をつくって、それと交換したらどうかというふうなお話になりまして、そういう方向で進めておりました矢先に、ただいま申し上げましたように地元の方々の反対があったわけでございます。これもようやく終わったと思いまして、やれやれと思って次の契約にとりかかろうといたしましたところが、今度は川崎化成のほうで資金ぐりがちょっとむずかしくなったからちょっと待ってくれというような申し出もございました。しかしこれも見通しがついたので、さらに今度正式に契約をいたそうといたしましたところが、すでに一年以上経過しておることでございますし、川崎の土地、建物の評価の問題もあらためてしなければならないというふうな事態になりまして、財務局に評価を依頼いたしましたところが、これがまた地価の値上がりによりまして相当大幅な値上がりの結果が出たわけでございます。そういたしましたために、川崎化成といたしましても当時の金融引き締め、その他の事情によりまして、ちょっと会社としてこれを引き受けることが困難になった、これは辞退さしていただきたい、こういうふうな申し出があったわけでございます。私どももそういう状況下にありますのに、無理に川崎化成に、約束は約束だからということでお願いするわけにもまいりませんので、財務当局あるいは検査院等ともよく相談いたしまして、これは事情やむを得ないということでその辞退を受け入れたわけであります。
 その間、昭和三十六年度に新しい施設を買収いたしますための予算といたしまして、これは庁舎等特別取得費ということで大蔵省に一億八千万円余りの予算が計上されておりました。これをだんだん手続が進行するに従いまして法務省のほうに移しかえを受けまして、法務省のほうでこの予算の執行に当たろうとしておったのでございますが、いま申し上げましたようないきさつがありましたために、これはまことに残念なことでございましたけれども、年度の途中その執行が不可能だという見通しが立ちましたので、不用額に立てることにいたしました。一方、あらためて、会社を相手にしないで、国だけの立場で予算を計上して新しく施設をつくろう、こういう方針に切りかえたわけでございます。その結果、昭和三十八年度に約一億五千万の予算によりまして工事に着手いたしまして、ことしの一月無事に竣功した、こういう経過になっております。
○勝澤委員 私はよく法務省あるいは裁判所、こういうところの予算を見ますと、せっかく建物の計画をされたのに相手側との関係で不用額に載っている例を見るわけです。この方法について私はどうだろうかと思うのです。相手と話がうまくきまっても、実際にはそれが実施される段階ということになると相当時期が狂うわけです。いま起きている、たとえば刑務所の問題でも等価交換という方式でやられているわけですね。また一方、不用の土地については、今度は大蔵省は民間人でも随契で払い下げをしているわけですね。そういう点を考えますと、やはり売るものはある程度売る、片方必要なものは取る、こういう方式でやったほうが案外スムーズにいくように思うのですけれども、そういう点について、これは予算の関係でそうなるのでしょうけれども、実際において片方売って、片方買えばうまくいくわけですね。それをなぜ等価交換の方式が行なわれるのかという点について少し――いい面もあります。しかしやはり歳入歳出というものをはっきりするためには何か別に考えたほうがいいじゃないだろうか、こう思うのですけれども、あなたのほうのお考えはいかがでしょうか。
○新谷政府委員 施設の建設につきまして国の立場でどんどん予算を計上して建設していくという方法が一つございます。これは申すまでもございません。そのほかに実質的な交換方式をとっていくということも可能なわけであります。現在法務省所管の刑務所におきましてこの刑務所の移転問題が随所に発生いたしております。お話のように実質上の交換方式をとりましてその作業を進めておるわけであります。これはどちらがいいかということになりますと、一利一害があろうかと思うのでございます。予算で計上してあるといたしますと、これは従来刑務作業といたしまして国の直営工事の形で予算を計上いたしまして、可能な範囲で逐次整備していくという形になるわけでございます。そういたしますと、勢いどうしても建設に要する期間が長くなるわけでございまして、過去の例で申し上げますと、長いところは十年ぐらいかかることも事実上あったわけでございます。そういうことはつとめて避けるべきだろうと私ども思っておりまして、国でかりにやるといたしましても、できるだけ期間を短縮してやるほうがすべての面において有効なやり方ではあるまいかという考えはあるわけでございます。しかしこれは先ほど申し上げましたように、直営工事としてやりますという関係もございますし、またしいて直ちに移らなければならないという問題でもありませんので、どうしてもその期間が延びるということは、これはやむを得ないことになるわけでございます。
 一方、最近交換方式といいますか、国庫債務負担行為の御承認をいただきまして実施いたしております刑務所の移転につきまして、これは私ども法務省のほうから公共団体にこうしてくれということを申したことはいまだかつて一回もございません。むしろ市の都市計画上刑務所の現在の所在地がぜひ必要なんだ、早急に立ちのいてもらいたい、ついてはこういうことでどうだろうというふうな話から、いまの交換方式に移っていっておるのでございます。この方式によりますと、国会の承認を得まして五年以内に決済をいたさねばなりません。それに要する予算を計上する場合もございましょうし、あるいは公共団体でその工事をやって、それを最終年度に国が全部一括して買い上げるとかというふうなこともございます。ただその場合、期間が限られているということと、市の都市計画上現在の刑務所の施設のございます場所をたとえば公園にするとかあるいは幹線道路にするとか、あるいは公民館を建てるとか博物館をつくるとか、こういうふうな公共用にそのあと地を利用するということが一つの条件になってまいるわけでございます。そういった条件に合致します場合には、ただいま申し上げますような方式で五年という短期間にやってしまう、こういう方式がとられるわけでございます。これは市町村の都合もございますし、私のほうからしますれば、施設の朽廃の度合いあるいは刑務所の現在する場所の立地条件、そういったものを現在の社会情勢とにらみ合わせて検討いたしました上で、双方の意思が一致するところでそういう交換方式に踏み切りたい、こういうような経過になっておるのでございます。
○勝澤委員 国の考え方というものは、これは法務省だけじゃないのですけれども、責任というか、全体のものの考え方というのがずるいように思うのですよ。ここはおれが昔から線路をつくったのだ、線路をつくって駅があって、そして町ができたのだ、線路がじゃまになるなら、踏切は自分たちで金を出してつくればいいじゃないか、鉄道は何も関係はない、こういう言い方をする。線路があったのだ、道路はあとからできたのだ、うちはあとからできたのだ、地元で出せ、こういう言い方をするわけです。しかしこのごろはようやくちっとは鉄道も出しましょう、こういうことになってきたわけですね。いまの法務省の刑務所の考え方もそうなんです。昔はここにあったのだ、別にじゃまにならなかったのだ、町が発展してしまってじゃまになるのだったら、私のほうは越します、どうぞこれと同じいいやつを建ててください、こう言っているわけですね。この考え方というものは、これは局長にいろいろお話してもいけないと思うんですけれども、全体的なものの考え方としては、もう少し国としては考えるべきことじゃないだろうかと思うのです。そして地元から要請があったから、君らが要請するのだから、やれと言う。いまの税外負担の問題だってまさにそうなんです。県立の工業高校をつくってくれと市が運動するのです。市が運動すると、市で約一億から二億の金で土地を買わなければ、そこへ学校をつくってくれないのです。それで何を言うかというと、県知事、施政者は、いや、地元の人が熱意があって地所を一億も二億も寄付したのです、だから学校を建ててあげましょう、こう言う。ものの考え方がみなそうなんです。ですからそういう考え方というものは、やはり国あるいは地方自治団体、みな国民からいえば同じ税金なんです。ですから同じ税金のものの考え方がどうも私はすっきりしないと思う。そこでもう一つ疑問になるのは、直営工事なら十年だ、交換なら五年だ、ここが私にはどうしても理解できないわけです。それはどこに問題があるかというと、予算の問題だけだと思うのです。二年でつくれ、予算がくれば二年でつくれると思うのです。予算を出さないからちびちび十年になるんだ。ですから法務省の予算全体の問題になってくる。それは河川改修にいたしましても土地改良にいたしましても、みなそうです。議員がみな、おれのところに一つくらいつくらなければ次の選挙に出られないからといって、結局予算が総花的になっています。私は予算委員会で河野建設大臣に言ったことがあるのです。あなたの選挙区の小田原の港を見なさい、いまの計画ですと二十五年たたなければ小田原漁港はできませんよ、しかしいま五億金をかけたけれども、まだ中途はんぱだから、波が大きければ隣の港に行くのです、実力を持っている大臣の選挙区でさえそうなんだから、推して知るべし、とにかく四十年後、五十年後ぐらい、港のできるところはみんなちょびちょび金を出してやっているのです。できたときには、もはやその漁港なんというものは何も役に立たないということなんですね。そういうところから考えてみますと、法務省が、いや私のほうは越したい、そんな町の中で御迷惑をかけるのはいやです、ですからできれば国で土地を買って国でしっかりしたものを建てるべきだけれども、予算関係で予算を見てくれないから、それで等価交換という方式を考え出した、こういうふうに言っていただくと、それは大蔵省としてものの考え方を変えてみたらどうだと言えるわけですけれども、法務省が、それでいい、こういう言い方をされているのは、どうも私は心外に思うのですよ。
 そこで大蔵省のほうにちょっと聞きたいのですけれども、やはり等価交換方式というもの――これは一つの方式としてはいい方式ですよ。だけれども、そのときの予算の見積もりと、時代がたってからの見積もりというのはいろいろあると思うのです。あるいはその土地の利用の問題もあると思うのです。うまくいけばいいですけれども、まあうまくいっていますよ、どこもかしこもうまくいっていますけれども、やはり方式として少し検討してみたらどうかなと私は思うのですが、いかがですか。
○村田説明員 ただいまのようなケースも、中には非常に長期にわたるような場合にはあろうかと思います。そういった場合には、国有財産特別措置法の九十四条でございますか、その規定によりまして、たとえば長期の建設期間を要する刑務所のような場合には、国庫債務負担行為によりまして長期間の見積もりを立ててやる。そういう場合には、評価時点のずれによりまして最近のように土地が非常に上がるといったようなときには、先の見通しがなかなかつけにくいということもございますので、場合によりましては契約時点の評価を採用してそれでやるという行き方をすでにとっておるわけであります。しかし一般的にはそういう方法をとっておりません。お尋ねのようなケースもあろうかと思いますので、全般的な問題といたしましてはこの交換の方式につきましてさらに改善の余地はないか、目下検討いたしております。
○勝澤委員 それで交換された土地の問題ですけれども、評価がある程度高くてやれなければ、結局市民の税金を使えないということになれば、やはり条件をゆるめてもらって、ある程度税金を減らしてやるという方式もどうしても考えざるを得ないわけですね。まあ民間なら楽にこの間みたいにやればうまくいきますけれども、やはり自治体ではなかなかそうはいきません。いきませんけれども、やはり準公共的なものに考えるということもどうしても考えざるを得ないわけですけれども、そういう点について、やはり十分考慮してあげなければこれは無理じゃないだろうかと思うですが、いかがですか。
○村田説明員 御承知のことと存じますか、交換の場合にいたしましてもあるいは国有財産を売り払う場合にいたしましても、部内通達の売り払い評価基準というものがありまして、これに従いましてやっております。したがいまして、評価につきましては全国的に同一歩調でやっておりますので、どうしても算出いたします方式といたしましては、画一的規定といいますか比較的弾力性のない結果が出るということになっております。いろいろ事情がございまして、特に評価上いろいろな考慮を払わなければならないという場合もあるわけでございますね。そういった方式をとっております関係上、弾力性が少ない。しかしながら本件のような場合、できるだけそういった客観情勢あるいは過去の経緯そういったものを織り込みまして、われわれとして許される範囲のものはできるだけ考慮してやっていきたい、このように考えております。
○勝澤委員 随契の場合、あなたのほうの契約ひな型ですか、これが先般の春日井市の東洋プライウッドの問題から見ますと、やはり契約書のひな型そのものを検討すべきだったのだというふうに言われておるわけです。そういたしますと、やはりいままでは何年間となくずっと行なわれてきたけれどもなかった。しかしいまから考えてみると、それはあり得べきことだったことを、できないようにしてなかったのが一つの問題だということも言えるわけですから、ひとつそういう点につきまして私は十分検討すべきだと思いますし、したがってこの等価交換、こうしう方式につきましては、やはり売るものは売る、それから買うものは買う、こういうことですっきりやってもらうことも法務省としてもやはり積極的に考えるべきだと思うのです。最高裁の何かの研修所ですか、あの問題なんか考えてみますと、それをどこかへやらなければならないから等価交換の場所をつくろうということで、一生懸命苦労して会社までつくってやったけれどもだめになったわけですね。そのために予算が何回も流れているわけです。実際には必要なものだと言うのです。必要なものならもう少し別な考え方をやったらどうかと言うのですけれども、どうも裁判所とか法務省というのは予算でいじめられて、あまり予算をとれない。そして経理上の問題についてはあまり詳しくない。調べるほうは詳しいけれども、そっちのほうはということで、とかくそういうところにしわが寄っているのじゃないだろうかと思うのです。そういう点で十分検討していただくことにいたしまして、時間がありませんから、この辺で終わっておきます。
○吉田(賢)委員 だんだん時間がたちましたから、できるだけ簡単にひとつお尋ねをして、さっきの問題について結末をつけておきたいと思います。
 そこで伺いたいのですが、結局行刑の目的がかなり教育刑的な面にも重点を置かれていくべき必要が一そう切実にあるのじゃないか、こう考えるのです。そういう点から考えまして、精神的な面におきましても、できるだけ改善した状態を導いてほしいし、他面において肉体の面におきましても、できるだけからだをつくっていくことが必要じゃないか、こういう点から見ますときに、何としても理解できないのは、最近の給食の実態なのであります。そこで国の給食する他の方面との比較を考えてみなければいかぬと思うのだが、それらの点についてはいろいろと御検討になっているのでしょうか。
○大澤政府委員 われわれといたしまして、矯正施設の栄養の問題につきまして、金額等はわれわれの大体基準といたしますのが、いわゆる養護施設あるいは生活保護の基準というものを、やはりその比較対象といたしまして検討しているわけであります。
○吉田(賢)委員 国立病院の入院患者などについてみますると、病院の給食は男女ともに大体一日百七十円でございますね。それから生活保護法によりますと、これは四人世帯の標準でありますが、これのいわゆる生活扶助に属するものは一人当たり月四千円余りであります。したがって百三十円強になると思うのでありますが、これらはいずれもやはり健康を保つという点に重点が置かれて、この数字がはじかれるべきでそうなっておると思うのでありますが、はるかに劣るわけですね。拘置所、監獄、刑務所だけがそうではありませんけれども、もしそうするなら他の方面も当然そうなさるべきだと思います。こういう点から見て、受刑者を戒めるために、これらは昔の監獄意識的なものじゃない観点に立って抜本的に検討し直すべきじゃないだろうか、こうも思うのです。最近の刑務所の実態を実は知らぬのですが、だいぶ前のことでありましたけれども、数年前に私はサンフランシスコのアメリカで有名な刑務所を見せてもらったことがあるのです。中において二、三時間もぐるぐる回って歩いておりますと、刑務所の印象がなくなってくるのです。あるいはいろいろな作業をしておるところを見ましても、全くそれがありません。かなり高度なものを使わせている。それだけ許しておる。信頼しておる。そういったところに社会的な印象の何かがはぐくまれていくような気がいたします。日本の一般の印象だと、あいつは受刑者である、刑務所に行ってきたんだ、そんなことを言うことは全く恥じで、外聞が悪くて親戚でも言えないというのが日本の実態でありますが、あれこれ考えまして、これらの面はやはり憲法によりましても国民の保健のことが規定されておるときですから、大所高所からひとつ遠慮なしに考えていくということの検討をすべき段階ではないであろうか。すでに監獄法は明治四十一年の法律でありますし、そんな古くさい法律が基本法になっておるのでございますから、ともかくいま経済的じゃなしに、いろいろな角度から再検討すべき段階に来ておるのではないかと思うのです。これは法務大臣に伺いたかったのですけれども、次官、この点は何とか内部で御検討になって、それぞれ新しい角度からもう一度検討してみようというふうになさってはいかがかと思うのですが、どうでございましょう。
○天埜政府委員 お話のようによく検討いたしましょう。
○吉田(賢)委員 矯正局におかれましても、積極的にこれらに向かって進んでいってもらいたいと思うのですが、あなたのほうのお考えはどうでございましょう。
○大澤政府委員 行刑のあり方につきましてただいま御意見拝聴いたしまして、全く私も同感でございまして、またそのつもりで努力してまいったものでございます。ただいま御指摘の点につきまして、さらに積極的にその矯正の実をあげ得るように、いわゆる生活環境その他について努力を進めていきたいと思います。
○吉田(賢)委員 一転いたしまして、私最近の少年非行の問題につきましては、これは問題が広範な分野にわたりますので、短時間に尽くせないのでありますけれども、この機会にちょっと一、二点聞いておきたい、こう思うのであります。法務省が作成いたしております統計によりますと、最近の少年犯罪の傾向は実に驚くべき趨勢をたどっております。これはたとえば刑法犯として検挙せられたものが三十七年におきましては二十二万にのぼっております。また犯罪のおそれありというのはどの程度のものを規定しているのかはっきりいたしませんが、これは三十七年には少年九十三万二千余名にのぼっております。まさに百万に近づこうといたしております。しかも小学校、中学校、高等学校などの、こういう、いわばいたいけな少年に至りますまでその中へずっと入り込んでおります。中学生だけでも二十二万人をこえております。高等学校だけでも十五万人をこえております。大学におきましても九千二百、こういうような数字が上がっております。さらにまた犯罪の種類を見ますと、強姦あるいは暴行、脅迫、恐喝、強盗、わいせつ、殺人、窃盗、放火、賭博、ことに窃盗と粗暴犯が断然多いのでございます。こういうような数字が実は出ておるのでありますが、これは刑政の全体から考えましても、また国民の将来から考えましても、社会秩序、道徳の現在、将来から考えましても実にゆゆしい根本問題がひそんでおると思うのであります。これにつきましてはいろいろな施策があるものと思いますが、一番端的に言うて、何がこれをしているのか、これをひとつ教えてもらいたいです。
○竹内(壽)政府委員 仰せのような少年犯罪、非行少年、非行青年を含めましての暴行でございますとか、私どもも日夜憂慮いたしておるのであります。これに対する対策としましてどうしたら……(吉田(賢)委員「なぜ起こったかという原因です」と呼ぶ)原因のほうからでございますか、この原因につきましては、論者いろいろな見方をするのでございますけれども、私ども事件を通して見ております、つまり非行青少年を扱っております側からの意見としまして、申し上げたいと思うのでございますが、この少年非行の温床となるような社会悪と申しますか、そういうものの除去がまず何よりも喫緊の課題であるというふうに思うのでございます。と申しますのは、少年というのはやはり成人、おとなの行動が少年の行動の上に鏡のように写るものだというふうに論ずる学者もあるくらいでありまして、したがってこの少年の非行ということはすなわちおとなの社会の非行ということを、私どもは反省していかなければならぬというふうに思うのでございます。そういう意味においての社会悪ということの除去が喫緊の課題ではないかというように考えております。
○吉田(賢)委員 成年、つまりおとなですな。おとなの社会が少年の犯罪を生む、そして少年の犯罪は驚くべき趨勢で激増の一途をたどっておる。その少年を抱きかかえておるのはまたおとなである。おとながおとなの世界の犯罪をなくするということ、もしくは犯罪に至らない、少年にこれを犯さしめないようにするということは、これは政治の最高の目的でなければならぬと思うのであります。そういたしますると、その原因は相当明確につかんでその対策を立てるのでなければ、原因をはっきりさせないで、具体化しないで対策なんて立つものじゃない。これは修身の教科書をどんなにたくさんつくりましても、それはだめである。それならばやはり仏教にもヤソ教にも、その他りっぱな人間の暮らしの教えというものはあるのですから、だから結局原因をどう認識するか、われわれの世界に埋まっている原因をどういうふうにつかむかということが根本で、あるいはこれが終局になるのかわからぬが、法務省といたしましてこの重大な問題をかかえておられるので、いたずらにできてしまった者を監獄にぶち込むということだけが法務省の仕事でなかろうと思うので、どういうふうに一体つかんでおられるのだろうか、そこをひとつ端的に、明快におっしゃっておいてもらいたい。
○竹内(壽)政府委員 新しい刑事学と申しますか刑事政策学というのは、ことばをかえていえば犯罪原因論だといわれているくらいでございまして、犯罪の原因さえ明確につかみ得ますならば、その犯罪原因に対処する策がすなわち犯罪対策である、そういうふうに私どもも理解しております。その点吉田先生の御意見と全く同じでございます。そこで法務省といたしましては、先ほど申しました社会悪の除去ということ、その社会悪とは一体何であるかという点につきまして、最も少年に影響を及ぼすような成人、おとなの暴力的な犯罪、こういうものの厳重な取り締まり、特に暴力団とか暴力事犯の温床となるような社会悪を根絶するための施策、そういうものを推進する必要がある。これは私どもだけではできないことでありまして、政治全般の問題につながる問題と思いますが、少なくとも検察をあずかっております法務省の側といたしましては、この種の犯罪に対しましては厳重な態度で環境を浄化していく、こういうことを考えております。他方におきまして、少年の非行を助長誘発するような不良文化財、マスメディアの問題があろうかと思いますが、この取り締まりの強化、法律の許されております限りの取り締まりの強化、特にこれは表現の自由との関係もありまして、なかなかむずかしいのでございますけれども、関係者の自粛措置の要望をいたすことはもちろんでございますし、また婦人団体とかその他子供を親身になって心配しております諸団体が、これらを監視するといったような態勢を助長していくような施策が必要であろうと思うのであります。これが第一であります。
 第二といたしまして、これらの非行青少年の中には、近ごろのことばで申しましていわゆる精神障害者、こういうものが非常に多くの比率を占めておるということが明らかにされつつあるのでございます。こういう点につきましての特別な施設を設けて、処罰でなく治療を施す、こういう施策の充実強化が望まれると思うのでございます。
 それから第三には、非行を犯してしまった青少年特に少年、この少年たちをどう善導していくかということ、この仕事が大部分が法務省の所管に属する仕事でございますが、これの自立更正をはかるためにも矯正局長もここにおいででございますが、少年院における職業訓練の強化あるいは保護観察の充実強化、こういうような点を推進してまいりたいのでございます。先ほどおことばにもございましたように、非行青少年の問題は、要するに国の政治とつながっておる、いわば政府の責任でやるべき仕事でございますけれども、これを審判をします機関は裁判所の機関であり、裁判所が大部分の処置をきめておるのが現行法のたてまえでございまして、このような少年法のもとで、はたして政府が責任を持ってこの幾つかの措置を総合的に、効率的に進めていくことができるかどうかということが、これも多年にわたり議論の存するところでございまして、このことは、ことばをかえて申しますれば、少年法の改正の問題ということになるわけでございますが、この点につきましても、私どもとしましては、いろんな角度から検討を加えておるのが現状でございます。
○吉田(賢)委員 幾多の原因はあるようでありまするが、ただに御指摘になりましたおとなの暴力とか、あるいはまた不良文化財、精神障害者の問題等等、具体的なものもありはいたしましようけれども、しかしそういったことの原因は、もう少し深く掘り下げまして、法務省だけじゃなしに、政府が全体といたしまして、少年のこのような傾向を予防すべき、根絶すべき、防遏すべき、また矯正すべき、その根になっておる原因をすっかり洗ってつかみ上げるということの施策が、政府としてせられなければなるまいと思うのであります。なかなか法務省だけでは、おそらく手がとどぐまいと思うのです。いろんな委員などの委嘱、任命などもできておるようでありますけれども、こういったものによりましても、それぞれひろい上げてくることは容易でないと思うのでありますが、ひとつ、これは非常に広範にわたりますので、あなただけと議論するようなことになっても結局結論を得ることはできませんから、多く言いませんけれども、しかし、いずれにしましても単純じゃないということと、それからいま御指摘になりましたけれども、たとえば暴行は、暴力的なものは、粗暴な各種のものにつながっていきましょうけれども、しかし最近の強盗にしましても、殺人にしましても、かなり凶悪なものさえどんどんと出てまいりまして、このようなことによりまして、少年によりましては、われわれ接触いたしまして、あまりわれわれほど感傷的に感じないというような傾向すら実は見えるのであります。公開いたしましても平気であるというようなことは一体どこからくるのか。そうすると、おとなのやっている現象をそれだけしりを追っかけていくということ以前のことも考えなければいかぬのじゃないか、そこまでやるんでないと、これは、たいへんなことになって、将来は法務省などは、青少年問題でおまいりになるんじゃないかとすら心配するのであります。これはひとつあとの課題といたしまして、私はこの際は述べないことにいたしておきます。いずれにしましても、その原因の深さと広さはあまりに大きいのでありまするので、容易なことでないと考えております。
 そこで、次に具体的な対策の面に入るのでありまするが、これは各局にお分かちで、対策を立てるなり施策をし、行政をやっておいでになるようですが、一本にまとめてぐっと締めていくという法務省の機構はないのでございますか。その点はどなたに聞けばいいのですか。政務次官ですか。
○竹内(壽)政府委員 僣越でございますが、私が古くから法務省におります関係からその点私からお答え申し上げたいと思います。
 法務省のたてまえとしましては、仰せのように各局に分かれまして、同じ少年の問題をいたしておることは事実でございますが、法務大臣はこれらの行政を統一的にすべきことが設置法できめられておるのでございまして、そのために現大臣はもちろんのこと、前大臣、その前の大臣、各歴代の大臣が関係部局に命じまして、法務省、少なくとも法務省としての総合的な非行青少年対策というようなものを考えるべきであるということで、法務省におきましてはすでに総合的な対策というものをつくり、その要綱に基づきまして、各局がそれぞれ与えられた任務に向かって邁進をしておる、これが現状でございます。
○吉田(賢)委員 これは一ぺん大臣に来てもらってお尋ねしますけれども、次官に申し上げますが、たとえば、厚生省や労働省におきましても、やはり青少年につきましては特に注意をせられまして局も設けておるくらいなのであります。これは法務省だけじゃなしに、日本の社会の問題として、また子を持つ母の立場といたしましても、青少年をあずかる小中学校の立場といたしましても、あるいは被害を受ける社会全体から見ましても、犯罪の趨勢を憂慮する、そういった面から見ましてまことに大きな問題です。百万の少年が犯罪に問われ、もしくはその一歩寸前にあって警察へ引かれるというような事実が日本にあるのです。この問題は、何よりも大声叱呼して、日本のそれこそ社会秩序を立て直すための根本問題として扱っていかなければならぬと思いまするので、あるいはですが、これは内閣に一つの審議会とか調査会とかいうようなものをこさえて、各方面の人に委嘱をして、現実具体的な一切の資料を持ち寄って、そうして具体的な対策を立てるというふうにしなければなるまいと思うのです。これは御承知かどうか存じませんけれども、少年の非行につきまして隠されて表に出ないものがずいぶんあるのです。でありまするので、おそらくは統計となって出てくる数倍おるんじゃないかと思うのです。たとえば、小中学校におきましても、不就学児童、あるいはまた長期欠席の児童、そういったものが非行を行ないましても、これは父兄の集団においてもよく知られない。こっそりと学校の当局はそれを何かの機会に漏らす。そうして出ることを恥とする。これが一般の趨勢であります。こういうことを思いますると、これはやはり大きな施策といたしまして審議会か調査会か、何か有力な機関を設けまして、抜本的な原因と終局の対策を立てる。アメリカにおきましても、ニューヨークあたりにおきましてずいぶんと少年問題には悩んでおることも私ども聞いております。あるいは妙な見方をするならば、戦後の一つの悪い傾向のあらわれかもわかりません。ことにわが国においては一そう顕著です。だから、そういうようなこともぜひやらなければならないかと思うのですが、これはひとつ御相談を願いたい。まず省議として一ぺんかけてもらいたい。そうしてやはり閣議でもおかけになって、この問題の重要性と扱い方を何らかの形で別の角度から統一的にまず基本的なものをつかんでいくという方向に持っていかなければなるまいと思うのですが、ひとつ次官どうです。
○天埜政府委員 青少年の問題は、次代をになう者のことでもございますので、きわめて重要であるというふうにわれわれも考えております。御意見のほどはよく大臣に伝えまして、これが対策その他について研究をしたいというふうに思います。
○吉田(賢)委員 別の機会でよろしゅうございますから、おそらくこの問題は他の委員の方におきましても、やはり出せば相当重要視されまして、ことに、これはつながりまするいろいろな他の施策なり、ないしは予算執行の面の関連も重要でございますから、一ぺん大臣の意見もよく聞いてみたいと思いますので、適当にお計らい方をお願いいたします。
○白浜委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時九分散会