第046回国会 決算委員会 第10号
昭和三十九年三月十日(火曜日)
   午前十時二十三分開議
 出席委員
  委員長 白浜 仁吉君
  理事 菊池 義郎君 理事 福井  勇君
  理事 勝澤 芳雄君 理事 片島  港君
  理事 山田 長司君 
     鍛冶 良作君   竹山祐太郎君
     根本龍太郎君   湊  徹郎君
     栗原 俊夫君   田中織之進君
     田原 春次君   吉田 賢一君
 出席国務大臣
   通商産業大臣     福田  一君
 出席政府委員
   通商産業政務次
   官          竹下  登君
   通商産業事務官
   (大臣官房会計
   課長)        金井多喜男君
   通商産業事務官
   (繊維局長)     磯野 太郎君
   通商産業事務官
   (公益事業局長)   宮本  惇君
 委員外の出席者
   国税庁次長      喜田村健三君
   通商産業事務官
   (重工業局次長)   熊谷 典文君
   通商産業事務官
   (重工業局自動
   車課長)       成田 寿治君
   通商産業事務官
   (重工業局航空
   機武器課長)     広野 信衛君
   中小企業庁次長    阿部 久一君
   労働事務官
   (職業安定局業
   務指導課長)     佐柳  武君
   会計検査院事務
   官(第四局長)    宇ノ沢智雄君
   会計検査院事務
   官(第五局長)    白木 康進君
   中小企業金融公
   庫総裁        舟山 正吉君
   中小企業金融公
   庫監事        吉本 真二君
   中小企業信用保
   険公庫総裁      山本  茂君
   中小企業信用保
   険公庫監事      椎木 文也君
   日本開発銀行理
   事          市田 禎蔵君
   日本輸出入銀行
   理事         斎藤 正年君
   参  考  人
   (電源開発株式
   会社総裁)      藤井 崇治君
   参  考  人
   (電源開発株式
   会社理事)      白石 正雄君
   参  考  人
   (電源開発株式
   会社理事)      高橋  貢君
   参  考  人
   (電源開発株式
   会社監事)      近藤  勝君
   専  門  員    茨木 純一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件
 昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十六年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十六年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十六年度政府関係機関決算書
 昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算書
 昭和三十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書
 昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十七年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十七年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十七年度政府関係機関決算書
 昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算書
 昭和三十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書
(通商産業省所管、通商産業省関係各政府関
係機関関係)
 国が資本金の二分の一以上を出資している法人の
会計に関する件(電源開発株式会社)
    ――――◇―――――
○白浜委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十六年度決算外三件及び三十七年度決算外三件を一括して議題といたします。
 本日は、通商産業省所管について審査を行ないます。まず、福田通商産業大臣より概要について説明を求めます。
○福田(一)国務大臣 昭和三十六年度及び三十七年度決算外三件の概要につきましては、お手元に印刷物をお配りしてございますので、それによって御承知おきいただきたいと思います。
 何とぞ御審議のほどをお願い申し上げます。
○白浜委員長 委員各位のお手元に配付してあります昭和三十六年度及び昭和三十七年度決算の説明書は、便宜委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。
    ―――――――――――――
 次に会計検査院当局より検査の概要について説明を求めます。宇ノ沢第四局長。
○宇ノ沢会計検査院説明員 まず三十六年度のほうから申し上げますが、検査報告の七五ページに検査の結果の不当事項を掲示してございます。三九八号から四〇七号の案件でございますが、本件は、国から支出をいたしました中小企業近代化貸付費補助金などを財源として県がその中小企業者に対して、これらの者が行ないます設備の近代化のための貸し付け金の運営につきまして検査をいたしましたところ、府県におきます貸し付けの内容につきまして、対象設備を購入していない者に貸し付けたり、あるいは実際の設備を申請額より低額で設置したりしているなど資金の使用が当を得ませんで、ひいては国庫補助金が所期の目的に反して使用されたと認められるものでございます。
 昭和三十六年度は、そのほか特に申し上げることはございません。
 三十七年度については、検査報告の七七ページ以下に掲げてございます。
 まず五二五号の案件でございまするが、本件は、機械類、賦払信用保険金の査定にあたりまして、割賦販売契約の解除に伴って、製造業者等の支払いを要しなくなった費用は、割賦販売代金のうちの回収未済額のうちからこれを控除することに法律のたてまえがなっておりますのに、これをしなかったことによりまして、保険金が過払いを来たしたといいう事案でございます。
 それから次の五二六号から五四五号につきましては、先ほど三十六年度の分について申し上げたと同じような事態でございます。そのほかについては特に御説明を申し上げる点はございません。
 以上でございます。
○白浜委員長 次に、政府関係機関当局である中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫よりの資金計画、事業計画等につきましての説明は、便宜委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。
 これにて説明聴取を終わります。
    ―――――――――――――
○白浜委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。福井委員。
○福井委員 委員長、ちょっと速記をとめてください。
○白浜委員長 速記をとめて。〔速記中止〕
○白浜委員長 速記を始めて。
○福井委員 私はいま報告されました決算の内容について一つ一つ申し上げ、質問したいと思いますが、その前に、これは予算委員会と関連するような重要なことについて一言申し上げておきたいと存じます。
 それは従来からたびたび言われておりますように、予算委員会と決算委員会というものはうらはらの、表裏一体をなすものであって、決算委員会がどうも事務的に流れるということは、過去十数年来どうも言いならされておるようなきらいがあります。現在の決算委員長は非常に勉強されて、決算委員会が非常な勉強されておることを私たちはこれを多とし、これに協力しておるのであります。
 そこでこの際、決算委員会などの答弁について総括的に私は意見を申し上げておきたいと思います。
 それは、国会全体のことにも及びますが、質問の内容がこまかくわたっても、また政府の答弁におきましても、いつも総理大臣、いつも所管の大臣に対する質問ということにこだわるという習慣が近来ますます顕著になってきました。これはとんでもないことであって、私は国会の審議を促進する上におきましてはこの弊害はまず決算委員会から除去してもらっていかなければならぬというふうに考えております。もっと具体的に申しますと、衆議院の質問などにつきましては担当の局長あるいは部長、課長、係長にまで及ぶべきものであって、それぞれの内容にわたった大綱については当然大臣に答弁を願うことになりますが、このごろ決算委員会のごときこまかい項目になりますというと、その所管されておる人でなければわからぬということが当然であります。私はそういう意味から責任を持って今後――きょう、あすからすぐ改めることができないということは百も承知の上で今後一年かかっても十年かかっても責任のある答弁は課長、部長、局長、そういう人たちが進んでできるように名決算委員長におかれて改革に乗り出していただきたい。これが私の予算委員会と並行した大きい希望であります。何も大臣が、あるいは総理大臣がいつも答弁するならば国家の公務員は嘱託になってしまえばそれでいい。また反面からいえば、引例するのには不適当かもしれませんが、公務員がもし職の問題にひっかかったとなると、その所管をしておるところの職務に関してという文字が刑法第百九十七条にある。それで部長や局長や大臣には及ばない。公務員職務に関し収賄したるものはあるいは職務に関し云々したるものは云々という、刑事訴訟法にうたわれておるようにその責任はその職員が負うということになっておって上に及ばぬというような非常に厳重なワクを片方にははめられておる。それで国会の答弁ではすぐ大臣だけが答弁する。もちろんその場合場合によって、大臣は大きい責任を持っておりますから当然でありますけれども、それも百も承知の上でありますけれども、私は決算委員会のごとき内容におきましてはその担当した局部長、課長、係長まで、進んで私が答弁いたしますというふうにしたいと思うのであります。そういう観点から私はきょう通商産業大臣には質問をしないのがたてまえでいこうと思っております。
 まず通商産業大臣並びに中小企業庁長官にお尋ねしたいと思いますが、現在中小企業はいろいろと困難の問題をかかえております。特にいまの経済情勢からいたしまして、非常に深刻な金融状況の逼迫あるいは倒産などの面で憂慮すべき状態が現出しておるようであります。国会においてもすでにいろいろの角度から論議されておりますが、政府においてなおこの上とも中小企業万般の施策に十分な御考慮を特にお願いいたしたいと思います。
 そこで、当委員会は決算の委員会でありますから決算に関する問題を特に限って質問するのは当然でありますが、中小企業関係の経費といたしましては、政府関係の金融機関に対する財政投融資はしばらくおくといたしまして、中小企業庁の中小企業対策費が――中小企業庁の仕事というのは中小企業対策費がおもなものでありますが、三十六年度は四十二億円、三十七年度は六十二億使っております。この経費の内容を見ますと、一番大口なのは中小企業近代化促進費補助金で、三十六年度は約三十億円、三十七年度は四十七億円使っております。各都道府県に交付して中小企業の設備の近代化やあるいは集団化等に無利子の融資をする。目的としては非常にけっこうな状況であります。この実績においても各府県においていろいろ成績も上がっております。また、いろいろの業界の団地が誕生いたしまして、注目すべき通産省としての大きい功績になっております。ところで会計検査院の検査報告を見ますと、この近代化促進費の補助金による貸し付けがほとんど毎年不当事項として指摘を受けておるものがあります。昭和三十六年度は十件、三十七年度に十五件、いずれも対象設備を購入しなかったなどの事例であります。表にあらわれたのはこの件数だけでありますが、もっと詳細に調べたらもう少し増すのではないかという心配があります。全体の貸し付け件数六、七千件から見ればこれは世間一般の現代においては成績はよいというふうに解釈してよいと思いますけれども、かりにも国の予算を使ったという意味においてはやはり不当な結果は一件もあってはいけないということが理想であります。またそういうふうに努力しなければいけないと思います。こういうことが毎年国会に報告される、不当なことがあらわれておるということは、制度の上において十分ではないという疑いがあります。運営の方法がどこか間違っておるのではないかという点も研究しなければならぬと思います。国はその補助金を都道府県に渡した後十分に指導をしていないのではなかろうか。都道府県は中小企業者に近代化資金を貸し付けたあと十分相談に乗っておるかどうか、指導しておるかどうかというようなことについて心配があるのであります。私はそれが徹底しておらぬのではなかろうかと心配しております。従来通産省が足がない。地方の通産局はその与えられたる職務をりっぱに遂行しておりますが、国民の一人一人に通産局の影響力といいますかインフルエンスが及んでおらないというきらいがあるのではなかろうか。たとえば建設省は、あるいはまた農林省は非常に足がある。だから通産省はどうも国民全般に親しみがないというようなことで、私たちはここでは表現できないいろいろな面でもっと地についた考え方をしなければならぬのじゃないかということを考えております。そういう近代化の問題につきましても、親身になって中小企業を育成したり伸ばしていこうという心がまえを、もっともっと現場において強めていただきたい。こういう立場から――福田通産大臣は、きわめてこういう面について苦労もしておられるという現状を私、知っておりますので、参議院に行かれる前にこの点について一言、十分な運営がなされておりますかどうか、あるいは今後この近代化についてどういうふうにされるかということを伺いたいと思います。
○福田(一)国務大臣 ただいま福井委員から、政治の国会運営の問題についても非常に御理解がある御意見を承らしていただいておりまして、恐縮をいたしておるのであります。また同時に、通商産業省所管の問題に関連いたしまして、いわゆる近代化資金の運営について、三十六年、三十七年において数件の不当な使用方法等があったということで御指摘をいただきましたことについては、われわれとして非常に遺憾に存じておる次第であります。
 ただいま御説明がございましたように、国は各都道府県にこれを配分をいたしまして、都道府県が自己資金を加えつつ、これが運営をいたしておるのでありますが、その都道府県との連絡監督等は、地方の通産局がこれに当たっております。ただ、いかんせん非常に通産局の人数が少ないところへ持ってきまして、これを貸し付ける件数が非常に多うございますので、十分な監督が行き届いておらない面があるのでありますが、これはひとつ、今後われわれといたしましては、都道府県と一そう連絡を緊密にいたしまして、このようなあやまちが一件もないように、極力努力をいたさなければならないと考えておる次第でございまして、後刻長官からも、いろいろ事情を御報告申し上げて御了解を願うかと思うのでありますけれども、私としては、委員の国政に対する真摯なるお考えを十分政治に反映するよう今後運営をいたしてまいりた。ここに特に御指摘をいただいたことにつきまして、今後十分な注意と監督をいたすことを申し上げまして、御理解を賜りたいと思います。
○白浜委員長 吉田君。
○吉田(賢)委員 大臣に、主として繊維産業の現状につきまして、御注意をもとにして御意見を伺ってみたいと思うのであります。
 根本的に、たとえば検査院が指摘いたしました中小企業の近代化資金の運営のしかた、あるいはまた工場等の集団地造成についての資金の運営のしかた等、幾多の例が上がっておりますけれども、この種のものは、実は例年あとを断っておりません。そこで、よって来たるところを探求しますると、反復熟読、われわれ検討いたしました結果は、やはり中小企業に対する国の施策が根本的にこのようなものをなくす方向に打ち立っていくということが、一切の問題を片づけるのじゃないか。検査院が指摘しまして、政府がこれに向かって意見を表明せられ、あるいはまた個々の案件につきまして何か適切な方途を講ぜられるといたしましても、これは浜の真砂と同じことになるんではないか、こういうふうに考えるのでありまして、私どもは事それほどに中小企業問題といまの日本の政治の関係が重要なことになっておると思うのであります。
 そこで、具体的に一、二の例を指摘いたしまして、まず大臣の一般的な所見を伺いたいのであります。実は私は数日来、所用がありまして兵庫県、大阪等を少し歩いてまいった。兵庫県の実態につきまして少し詳細な点を申しますと、繊維業の、特にこれを具体的にいうならばギンガムの生産地帯です。ギンガムの生産地帯というのは、御承知と思いますけれども、兵庫県の西脇地方であります。全国のギンガムの総輸出量の八割五分はこの地域で生産をいたしておりまして、年間九千万ヤールであります。ざっと全体千二十ばかりの工場がございまして、一万七千台ほどの織機を持っております。その八割がギンガムを生産いたしております。ところが、四月になりますと、その二分の一は休機するだろう、遊んでしまうだろうという危機に直面しているのです。これはたいへんなことでございまして、実は経営者の中堅の若い方々が大挙しまして、おまえたち、何か方法はないだろうかというような陳情を受けたような次第であります。実情を聞いてみますと、実はアメリカの例のクーリー法案ですか、あれが通過の見通しで、あちらの現地におきまして価格が低くなり、その影響で引き合いがとんとないんだそうです。引き合いがないために、四月はともかく二分の一あいてしまうというような状況に陥っております。そうしますと、どうしたらいいのかということになって、そこで、たとえば十大紡の筋あたりにおきましても、七――九の先物をそこに埋め合わせて見込み生産をやりまして、そうして穴埋めしょうとしているのだそうであります。アメリカにおきましては模様の流行が激変しつつある状況らしい。これと相伴いまして輸出引き合いが差し控えられているということであるので、紡績にいたしましても、そんなに大量の見込み操作ができないそうです。しかし休機すればたいへんだ。名古屋地区でも、一月末でしたか十二月末でありましたか、四十数億の倒産事件の影響も相当受けております。実は若干手形のからも出しまして、十数軒が連鎖の倒産をしたような事実がもうすでに発生しておる。
 そこで、このような事態に対処しますのに、近代化資金というのでは実は二階から目薬、それではとても追っつかない。どうすればいいか、緊急の処置であります。このことは別の機会に公聴会を催しまして、繊維局の方にも来てもらった実情もあるのであります。そういうこともありますけれども、大臣に伺いたいのは、これは現実の報告でありますが、日本の輸出繊維の重大な拠点がこのような状況に直面いたしておりますので、あらゆる施策を急速に投入いたしましてこういったことを救済しなければ、実は従業員は全体で二万七千、そのうち機屋に従事しておりますものが二万四千、染工場その他の加工場を合わしたら二万七千、これらがみな戦々恐々となっている現状であります。こういう事実があるのであります。私は、非常に重大な繊維行政の課題として論じていいんじゃないかと思いますので、詳しいことは大臣御承知ありませんので、一般的なことを――私が現地の模様を報告申しまして、このような事実が真とするならば、一体大臣といたしましてどうなさったらいいのでしょうか。私はやはり資金の問題もあろうが、税の問題もまた重要なことであろうと思います。ことに申し上げておきたいのは、昨年の四月にこの地域は豪雨のために十二億円の損害を実は受けました。そのあと始末すらまだ完全にできていないのです。そこへ持ってきて、去年からことしへかけてのこの不況の襲来ということになりますと、まさに重大な危機に直面しておるというのが現状なんです。大臣の御所見を伺いまして、なおこまかい点はそれぞれの事務当局その他関係の官庁、公団等の御所見も伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○福田(一)国務大臣 ただいまアメリカ向け輸出のギンガムの問題について御質問がございまして、実は私はなはだ申しわけないのですが、ギンガムがそんなに――割り当ての問題が去年綿製品交渉をやりましたときにギンガムの問題が非常に大きなテーマの一つになっておりましたので、これについては極力われわれとしてもがんばってみたつもりであるのでありますが、その後の事情を聞いてみますと、何か新しい品物が向こうにできるようになったということでありまして、それが兵庫県西脇地区のこのギンガムの生産に重大影響を与えておるということは、いま初めて先生から承ったわけでございますが、この対策ということになりますと、これは御案内のように織物類とか衣類とかいうものは、嗜好が急に変わっていくような状況にあります。また機械の合理化あるいは近代化が行なわれると、ずいぶん変わりつつありますので、一般論といたしましては、私はやはりギンガムだけではございません、各業界が輸出仕向け地の状況を的確になるべく早く把握できるように、われわれも役所としても協力いたしますが、ひとつ業界とも連絡をとって、そういう面での協力をしていく必要があるのじゃないかということを実はかねがね考えておるところであります。大体その品物の海外に対する売れ行きの問題、それから今度は海外においても、その地域の売れ行きの問題というようなものが、非常に重要かと思っておるのでありまして、通商局等をしてこういう面をも十分調査をいたさせておるような次第であります。
 後段の御質問でございますが、連鎖反応を起こす倒産でございますが、これはいま通産局にもよく連絡をいたしまして、また大蔵省とも連絡をいたしまして、この間日銀の総裁ともいろいろお話をしたのでありますが、日銀としても連鎖反応による倒産が起きることは非常に遺憾であるので、できるだけそういう連鎖反応を食いとめるように、銀行をして融資をさせるように大体方針はとっておる、こういうことを申しております。また私のほうといたしましても、そういう事態が起きましたときには、各地の通産局が直ちにその連絡に当たりまして、そうして連鎖反応をできるだけ食いとめるように銀行その他とも連絡をするように指示をいたして、これを行なわせておるのでございますが、十分にその目的を達しておるかどうかということになりますと、人手の問題等もございますので、あるいは十分至らぬ点もあるかと思いますが、われわれとしてはそういう間違ったことを――間違ったというのは自分が不当に信用を拡大して仕事をしたためにその会社がつぶれるということ自体は、どうもなかなかそこまでは手が伸びませんが、それによってほかの者が連鎖的に、いわゆる無過失の状態で倒産するというようなことは、できるだけこれを食いとめるように、損害は起きるにしてもその損害に対して金融がつかないからといって、また倒産することのないように、一応その金を貸して、何か立ち直らせるような指導をいたしておる次第であります。
○吉田(賢)委員 実はたとえば四月、五月に仕事がなくなります場合に、七−九月の仕事を紡績等から振り向けてもらって先物の見込み生産をするというような場合に、実は工賃が渡らないのです。どういうわけかといいますと、それは手形で決済するらしいのです。つまり先払いの手形で現金払いをしないのです。としますと、この手形を割り引いて、金利を払って、そうして工賃を払うようにしなくちゃならぬ、こういうことになっておる。ところがときあたかも三月末四月にかけまして若年労働を受け入れなければならぬときに際会しておりまして、これを見ますと、全く労働問題も大きな暗礁にぶち当たっているということが実はあるのであります。そこで通産省の長官としてのあなたにお願い申し上げるよりも、実は閣僚といたしましてやはり根本的に、このような場合には大蔵省との間に横の御連絡をいただきまして、そして何か――たとえば資金面におきましては、開銀等がきょうは見えておりますから、開銀との話し合いもしてみますけれども、開銀の融資方法、融資先についてももっと地方開発につながっていく問題でもありますから、その面からも融資の道をつけることが必要ではないかと見ておるのです。これは政府資金を出す意味におきまして、閣僚といたしましては、そういったことの御相談もしてもらいたいと思うのです。
 それからもう一つ、私は貿易上から検討してみまして、現実の営業の仕事とは若干違いますけれども、たとえば輸銀にしましても、輸銀の法律の規定から見ますと、このような輸出産業に従事しておりますものは、やはり融資の道はないとは言えない。これは商工組合中央金庫等々があるじゃないかとは言いますけれども、何もあったからといって、お互いが協力して融資を全うして、中小企業を育てて振興をさせていくということが大きな国策ですから、ちっともかまわない、お互いに協力したらいいじゃないか。ことにばく大な財投の金が使われていくというような、そういうような国家の金融機関におきまして一そうその点が問題じゃないか。この点はひとつ閣僚といたしまして、閣内におきましてもとくと御相談して道を開いてやってもらいたいと思うのです。
 そこで時間がなくなってきましたので、あるいは別の機会に商工委員会でもお尋ねするかもわかりませんけれども、問題をやはり二つ三つにしぼって、この際急遽解決してもらわなければいかぬと思うのです。実はやはりいまの当面しておりまする資金問題それから税問題があります。それから労力が決定的に不足いたします。労力が不足しまして、あの地方へ参りますと、一人の若年労働力を受け入れようとしますと五万円要ります。最低三万円です。一人五万円要りますが、しかし大企業はそんなに要りません。しかし、これはへたをしますと職安法違反と言われるようなことがありまして、なかなかむずかしいのです。この点は職安の方がきょう見えておりますから少し聞いてみますけれども、その点は求人の問題といたしましては、労働力の対策の問題、それからもう一つは、ほんとうに中小企業の責任官庁としてのあなたに伺うのですけれども、やはり優秀なと申しますか、適切な労働力を受け入れようといたしますと、何らかの魅力がなくちゃいけない。現にあの地域に三木というところがあります。三木は内地金物の産地です。ことに利器工匠具、すなわち大工道具の日本における産地です。新潟の三条よりもよけいつくっております。これは西日本の中心である。そういうような三木におきましても労働力が全く枯渇しておる。三木でこの間聞きましたら、現地の中卒者が現地で就職する者は皆無なんです。おそるべきことなんです。そうしますと、しようがないから中高年齢層の者も雇い入れなければならない。そのために最近聞きましたら十数名の会社の代表者が九州の山奥までどんどん出かけていって宣伝しております。宣伝だけでは来ません。行って何がありますか。魅力が何にもないのです。第一、土地の中卒者が入らぬような、そんな工場に行きません。三木のごときは、事業場の従業員平均は三・五人です。四万の人口のうち二万が従業者です。二万が従業者で最高が六十人です。そして平均しますと三・五人なんです。これが一工場なんです。一人でのこぎりを引いている工場がいまなおあるのです。これが現状です。これは中小企業だけでなく零細企業の実態なんです。零細企業、中小企業をひっくるめて通産省の重大な責任課題であろうと考えております。そこで、いまの環境の問題、福利厚生施設の問題とかないしは工場団地の問題、諸般の問題、住宅対策、たとえば中高年層の労働者を雇い入れようとしますと、家族ぐるみになりますから、住まいも六畳の間に三人も住ますというわけにはいきません。どうしても住宅が要ります。住宅が要りますと、そこにも手を打たなくちゃいけませんから、要するに住みよい環境をつくってやるということが絶対必要です。そういうことをするのでないと解決しない。だから、西脇の繊維産業の場合も、三木の金物も共通した悩みを持っているわけです。これがもし三月危機がほんとうに実現しましたら、至るところでほんとうの悲劇が襲来いたしますということを申し上げておきたいのです。この点について何かひとつ、こまかい具体的なことはやむを得ませんから、大臣といたしましてこの点はひとつ力を入れていこう、ことに、ずいぶんと通商産業行政についてお詳しい大臣ですし、非常に真剣に取り組んでおられることはよく存じておりまするので、特にこれらの点につきましては重大な切実な当面した課題と思いますので、どういうふうにやっていったらいいだろう、アウトラインだけでもよろしゅうございますから御所見を伺っておきたい、これで終わります。
○福田(一)国務大臣 まず金融の問題でございますが、開銀とか中小企業金融公庫とかいろいろあります。あるいは輸出入銀行等もございますが、これをいま先生の言われるように、直接いま利用しようといっても、やはりそれぞれ法制がございまして、はたして十分この問題に当たれるかどうか、非常に困難があると思いますが、これは将来の課題として考えたい。ただ、さしあたりの問題としては、いわゆる金を商工中金を通じて組合に流すというようなやり方ならば、これは私はさしあたりできる方法ではないかと考えております。しかし、それがまた、いままでにどれだけ金を借りていられるかとか、いろいろな問題があるでありましょうから、具体的に当たってみなければわかりませんけれども、いま浮かんだところではそういうことがあるわけであります。
 一方労働力の問題でございますが、これはどうしても近代化していかなければ中小企業の生きる道はないと思うのでありまして、いま仰せになった一工場三・五人というような小規模のものであると、なかなかむずかしい面があると思うのであります。福利厚生施設等々の金融もやっていいのでありますすが、しかしいまの形で三・五人の労働者しか使わない人たちの集まりで、集団的な寄宿舎とかそういうものをつくってみても、はたしてそれが完済できるかどうか、そういう問題もございます。私は、むしろそういうところではできるならば刃物なども近代化資金助成法の指定業種にすでにいたしておりますから、ひとつそういう意味で近代化資金助成法の金を借り入れて、何かもう少し合理化していただくということによって労働力の不足を補う、こういうような方向に進んでいただいてはどうかという感じがいたすのであります。ただ、具体的な問題は、うちの通産局もございますから、ひとつ先生あたりが大阪においでになってよくお話をしていただいて、何かそういう工夫をしていただく、あるいは本省で、係の者もおりますので、ここには繊維局長もおりますし、また中小企業庁長官も、いま次長が来ていると思いますが、そういうほうとよく御連絡を願って、いま非常に困難な、確かに中小企業というのは非常に困難に直面しておりますが、これは日本の産業の一環としてりっぱに育て上げるというふうに、みんなで協力して、お願いをいたしたい、こう考えるところであります。われわれといたしましても、御相談があればできるだけのことはさせていただきたいと考えておるところであります。
○吉田(賢)委員 時間がありませんから、一応終わります。
     ――――◇―――――
○白浜委員長 次に、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件について調査を行ないます。
 本日は、本件調査のため、関係当局のほか、電源開発株式会社より総裁藤井崇治君、理事白石正雄君、理事高橋貢君、監事近藤勝君、以上四名の方に参考人として御出席を願っております。
 参考人各位には、御多用中にもかかわらず本委員会に御出席くださいましてまことにありがとうございます。
 なお、参考人各位に申し上げますが、発言をされる場合には委員長の許可を得て行なっていただきますようお願いしておきます。
 次に、委員各位に申し上げます。参考人よりの意見聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承願います。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを順次許します。勝澤君。
○勝澤委員 私は、特に公益事業局の関係として四国電力の石炭納入権の問題と、電源開発株式会社に対する二つの問題について質疑をさせていただきたいと思います。
 第一に、四国電力の石炭納入権の譲渡という問題につきましては、昨年の二月二十日衆議院の予算委員会第三分科会で田中織之進委員から質問があり、その後当決算委員会でも本問題が取り上げられまして、三月二十二日、五月二十一日、六月二十七日に審議が行なわれました。その間参考人として、四国電力の中川社長、大内常務、梅田資材部長、曽根日本炭礦大阪営業所長、林三井鉱山広島支店長に御出席を願いました。その結果、大宮鉱業が四国電力に納入していた月六千トンの石炭納入ワクは、うち三千トンは日本炭礦が大宮鉱業の四国電力にあった債権三千万円を肩がわりすることによって増しワクを譲り受け、残り三千トンは三井鉱山が大宮鉱業の伊豫銀行にあった債権三千万円を口銭という名目で支払うということで増しワクを譲り受けましたことが明らかになりました。これは四国電力の経営上の失態による赤字を石炭納入権の譲渡という手段で巧妙に石炭業者に肩がわりさせたものであります。しかも、石炭産業は今日多額の国民の資金や血税が使われて再建整備が行なわれておるということを思うと、まことに遺憾にたえません。先ごろ運輸大臣は、海運会社の合併にあたって重役たちに対し不当な高額の退職金の支払いについて善処を要望されましたことは、民間企業といたしましても、金利のたな上げ、利子補給等国民の多額の金が使われていることからいって当然のことだと存じます。私は、四国電力の経営の失敗によるしわ寄せが石炭業者に、そして石炭業者のしわ寄せが国民の犠牲によってまかなわれているということは、まことに黙視できないと存じます。この問題につきましては最近株主から高松地方検察庁に告訴が行なわれているということでございますが、これについての通産省の御見解をまず承りたいと存じます。
○宮本政府委員 お答え申し上げます。
 石炭納入権の問題につきましては、昨年のいま先生御指摘の予算委員会あるいは決算委員会におきましていろいろ御審議があったことは承知しておりますが、その際、通産大臣の御答弁にもございますが、納入権というものはないのだという立場で終始一貫しております。ただ、ただいま先生御指摘のように、昨年の八月に株主から本件に関して高松地方検察庁に特別背任罪をもって告訴が行なわれておりますことも事実でございます。通産省といたしましては、昨年通産大臣が申された見解をそのままそのとおりだと思っておりますけれども、何ぶんにも検察庁に告発が行なわれておりますので、その結果をもうしばらく静観いたしたい、こう考えておる次第でございます。
○勝澤委員 次に大森川ダム工事に伴う不正容疑事件についてお尋ねいたしますが、大森川のダム工事については、当時の工事現場の責任者であります堤土木課長から、不正工事であるとして中川四電社長が特別背任罪として告訴されたという、まことに社員が社長を告訴するという異例な事件が発生いたしました。私は、当時は捜査中の事件でありましたので、この問題につきましては質問を保留いたしておりましたが、その後検察庁としての結論が出されたということでございますが、これについての経過と結果を御説明できる範囲内でお知らせ願いたいと思います。
○宮本政府委員 ただいまお話しのように、この大森川の問題で昭和三十八年の三月に堤氏が四国電力の社長の中川氏を高松地方検察庁に特別背任罪及び公文書偽造罪で告発されたことは承知しております。その後どういう取り調べがあるいはあったか、これはつまびらかにいたしておりませんが、ただ承知しておりますことは、昭和三十八年の十一月二十七日に高松地方検察庁といたしましては、中川氏に対する背任被疑事件は不起訴処分にする、こういうことを決定したようで、私ここに持っておりますのは、中川氏の弁護士の大西氏が、昭和三十八年十一月二十七日午前十一時に地方検察庁におきまして伊尾という検事正の方からいま申し上げましたような通達を受けたという文書をここに持っておる次第でございます。したがいまして、一応結果といたしましては、この三十八年三月の告発は不起訴処分にするという決定がおりたというふうに承知いたしております。
○勝澤委員 なお、この問題に関連して、当時の堤土木課長は、三十八年七月二日に公益事業令の八十九条による通産大臣に対する報告は虚偽であるとして違反事件として告訴いたしておるということでありますが、その経過はどういうようになっておりますか。
○宮本政府委員 これはこの前の国会審議におきまして、まず四国電力が調査をして、しかる後に公益事業局のほうで、もし不十分であれば検討するということを、前の公益事業局長の塚本氏が答弁されておるわけでございます。その結果に基づきまして六月十日に四国電力から公益事業局に対しまして調査事項の報告が一応ございました。したがいまして、ただしその報告が虚偽であるという御見解でございまして、実は先生も御存じのように、当時の七月五日に私のほうの水力課長が田中先生のところに呼ばれまして、そうして堤氏と対決と申しますか、お話し合いをしたことは事実でございます。通産省の見解とすれば、問題は御承知のように掘削量の問題と、高炉セメントの問題がございましたけれども、一応技術的にいろいろ検討した結果、二%程度の誤差がある程度でございまして、この程度の誤差はやむを得ないものと考えます。またすでにダムが埋まってしまいましたので堤氏とのいろいろお話し合いの結果は、会社の報告がぴったり正確とは言えないにしても、大体誤差範囲じゃないかという感じを持っておるわけでございます。ただし、これもただいま御指摘のように、昭和三十八年七月に公益事業令違反で検察庁に告発ということが行なわれておりまして、目下検察庁でいろいろ調べておられるとするならば、その結果が出るまで私どもはしばらく静観をいたしたい、こう考えておる次第でございます。
○勝澤委員 次に、堤土木課長の懲戒処分についてお尋ねいたしますが、堤土木課長は昨年三月四日から出勤禁止の処分を受けておったようですが、ことしの一月十日、経営秩序を維持するためという理由によって懲戒解雇処分になったということを聞きました。私は、堤君の個人の問題というよりも、堤君の昨年三月四日の出勤禁止処分には、本委員会で特に田中織之進委員から、昨年二月二十日の予算委員会第三分科会における質問による報復的な処分で、国政審査権に対する侵害であるとして指摘をされておりました。会社側が、出勤禁止処分は社則によって懲戒委員会にかけるための措置であって、国会における田中発言とは関係ないと答弁がなされておりましたが、会社側はすでに国会の田中発言の前、一月三十日志波常務以下堤君を含めて八名に対して戒告処分が行なわれておったのですから、二月二十日の田中発言、三月四日の出勤禁止処分という取り扱いは、田中委員の見解が当然なことだと私は存じます。私たち国会議員として国会における発言によって善良な国民が不当な処分を受けたということになれば重大な問題であります。私は私の知った範囲内で堤君の行動については個人的な意見は持っております。しかし国政審議権の侵害だと疑問を持たれるような行為については黙視するわけにはまいりません。したがって、特に慎重な取り扱いを当時の上林政務次官にも要望いたしておきました。しかるに、前回は出勤禁止処分でありましたが、今回は解雇であります。せめて私は質問者である田中委員には十分な疑点に対する説明がなされるべきであったと存じますが、何ら努力がなされておらず、国政審議権に対する侵害であるという重大な疑点を残したまま解雇処分が行なわれた。そのため、今日不当解雇であるという訴訟が提起されたということについてはまことに残念だと思うわけでありまして、監督官庁である通産省としての御見解を賜わりたいと存じます。
○宮本政府委員 原則的に申し上げまして、御承知のようにわれわれは電力会社のほうの人事権への介入ということはできないというたてまえになっております。私も参りまして、過去いろいろな記録をずっと読んでみましたけれども、たとえば役所の立場からいって堤氏を直接取り調べる権限もございませんし、一応たてまえといたしましては、やはり会社の人事権の問題でございますので、やむを得ないとは思いますが、しかしただいま先生のお話しのように、堤氏の処分確認、従業員たる地位確認の訴訟というものが出ております。したがいまして、要するにその訴訟の結果を慎重に見守りたいということしか現段階としては申し上げられないわけでございます。
○勝澤委員 この問題は、田中委員から言うならば、国会で質問したことによって処分というものが行なわれた。それが最終的には解雇になったという理解をいたしておるわけであります。こういう理解からするならば、やはり会社側としても十分な――そうでないならそうでないという努力はすべきである、私はこう思うわけであります。
 最後に、この四国電力の問題は、先ほど私が申し上げましたように、いろいろ審議を行なってまいりましたその経過を見ますと、今日、石炭納入権問題については特別背任の容疑で株主から告訴され、あるいは大森川ダム工事の不正容疑については不起訴にはなったが、いまなお公益事業令違反として告訴が行なわれておる。あるいは堤土木課長の解雇については不当解雇であって、国政審議権の侵害であると、またこれも告訴が行なわれておるような状態、まことに残念なことだと思います。その上、昨年本委員会で参考人として述べられました中川社長の、新徳島火力の重油輸送に伴う大宮鉱業所の宮原さんとの関係は、荒唐無稽のことであるという答弁がなされておりますが、その後私の調査した資料によりますと、どうも事実に反するではないかというように思いますし、さらに三井鉱山が伊豫銀行にあった大宮鉱業の三千万円の債務を口銭という名目で引き受けなければ三千トンの四国電力の納入がもらえなかったということは、銀行には貸し倒れ準備金という法定上の債務処理が可能であるにかかわらず、このようなことが行なわれたということから、伊豫銀行それから四国電力あるいは大宮鉱業の一部の幹部が特殊な関係にあったということは明らかであります。この問題につきましては、大内常務は四国電力には何らの関係はなかったという答弁を本委員会でいたしておりますが、最近これは疑義が出ております。したがって、これは委員長にもお願いいたしておきますが、別の機会にまた理事会におはかりいたしまして、中川社長以下関係者においでを願って再調査させていただく機会があると思いますので、そのときには御相談をいたしますので、この問題については以上で質問を終わります。
 続きまして、電源開発株式会社に御質問いたしますが、電源開発株式会社が奈良県の北山川ダム建設に伴って補償金として支払った三億円は、補償の対象の具体的内容が何ら明確でなく、しかも電源開発株式会社としては従来例のないことだったと会計検査院から指摘をされておるようであります。これについてのまず経過を御説明願いたいと思います。
○藤井参考人 ただいま勝澤先生の御質問によりまして、大体本件に関する経過を説明申し上げます。
 電源開発会社といたしましては、北山川筋の開発につきまして、昭和三十一年十二月十九日、第二十一回の電源開発調整審議会におきまして東ノ川に大瀬ダムを設け、竜ノ谷及び尾鷲に発電所を建設する開発計画が承認されたのであります。これによれば、工事用資材運搬道路は尾鷲から入って東ノ川の右岸沿いにダム地点まで建設し、また工事に要しまする骨材運搬道路といたしまして、ダム地点右岸から採取予定地でありまする音枝まで開発する計画であったのであります。この骨材運搬道路につき、奈良県から地方交通、産業開発のためにぜひ北山川本流の右岸沿いの国道百六十九号線につなぐようにしてほしい旨の要望がございました。会社といたしましては、これは工事用資材運搬に資する点もありますので、三十一年十一日一日付の文書をもって実施することをお約束申し上げた次第でございます。そうして会社は中央官庁のあっせん等によりまして、三十一年十一月一日、当初計画に対する水利権の許可を得るまでにこぎつけ、地元は先ほど申しました回答を信頼いたしまして、当初計画のもたらす道路その他の地方的な便宜並びに当社の補償に対する考え方などを相当理解いたしていただきまして、協力の機運が高まってきたのであります。ところがその後、電力需給上の要請とアーチダムの技術的な進歩によりまして、いろいろ経済的、技術的な考慮を払いまして、その結果、開発規模の拡大と、もう一つ負荷能力の増大をはかる必要がありましたので、そのため尾鷲湾の分水量を減らしまして大貯水池式とする計画に変更することによって、より経済的な開発を行なうことができるという見通しができまして、三十四年七月二十三日、第二十七回電源開発調整審議会におきまして池原発電所を中心といたしまする修正計画が承認されたのでございます。しかし、このために工事用道路計画等が根本的に変更され、地方的便益を大幅に削減しなければならないような情勢となったのでございます。すなわち計画全体としては水没する面積が非常に増加いたします。特に北山川本流沿いの水没家屋が非常にふえまして、また上北山村では村の存立にも影響するということを非常に心配いたしまして、そのため地元では、この計画の変更により会社の利益が非常にふえるのだから、会社の計画はそうであるかもしれないが、そのために地元の犠牲が非常に多くなるということは非常に困るというので、最初の計画に対しては御協力をいただきながらも、計画変更に対しましては――いろいろその間には感情問題等もあったかもしれませんが、新しい計画に対しましては一斉に猛烈な反対の態度を表明するに至ったのでございます。会社といたしましては早急に修正計画に着手する必要から一生懸命に地元の説得を試みたのでありまするが、事態は容易に好転しないのみならず、反対の態勢は日増しに強くなり、ついには全面的に直接お目にかかって説得することができないような状態になったのであります。この局面を打開するためには地元の説得を県当局にお願いせざるを得ないと判断いたしまして、奈良県のほうにそのことをお願い申し上げましたが、県当局といたされましても、従来の約束は大瀬ダムをつくって、それによって地元に承認せしめるためにされたその右岸の道路をどうしてもつくらなければならないのだから、当初の計画において予定された程度の地方的便益、すなわちもとの計画でありまする大瀬ダム地点から本流沿いの百六十九号線までの道路をつくる、それだけに相当する費用はひとつ考えたらどうだ、そうすれば私どもも考えてみる余地があるが、そうしてくれないのだったらとうていこの計画は承認できない、こういうような強い御意見がございました。それで、三十年の四月二十七日に申請しました修正計画の尾鷲第一、第二発電所の水利権の変更願い並びに池原発電所の水利権の願書につきまして、地元の了解が得られない限りはどうしても許可するわけにいかない、こういうことを申されましたので、ここに私どもは何とかしてこの問題を打開したいというので非常に苦心したのでございまするか、この問題につきましては、地元はもとより、県の御当局におかれましても非常に強硬な御意見であったのでございます。しかし私どもはしんぼう強く数次にわたりまして折衝申し上げました結果、当初計画の大瀬−音枝間の骨材運搬道路計画、総延長三千六百二十メートル、総工費三億七千八十万円の範囲内での犠牲であるならばやむを得ないであろうということを考えまして、県に対して当地方の開発発展をはかるために三億円程度のものをお支払いいたしましょうということを申し上げまして、前の計画の変更についてひとつお骨折りを願いたいということをお願い申し上げた次第でございます。県当局は会社の意を受けられ、直ちに地元の説得に乗り出されて、地元といろいろ御相談の上、三十五年四月から五月にかけて尾鷲第一、第二発電所関係は漸次解決するようになったのでございます。しかしながら池原発電所関係について、上北山村関係は依然として絶対反対を続けまして、調査するための立ち入りもできないような状態でございました。県当局の非常な御努力によって長いことかかりまして、ようやく解決の見通しがつきまして、三十五年の秋以来池原発電所の開発に曙光が見えてまいったのでありまして、その水利願は三十六年二月十日に、工事実施願は三十七年二月二十日にそれぞれお許しが出たのでございます。
 以上申し述べましたような計画を変えることによりまして生じた問題でございまするが、この計画変更につきまして蛇足ではございまするが、あらましのことを御説明申し上げておくと多少の御参考になるかと存じます。尾鷲、竜ノ谷を中心とする最初の計画は、尾鷲、竜ノ谷、音枝、池原、田戸の五地点に発電所を設けまして、十七万六千キロワットの出力を確保し、六億八千九百万キロワット・アワーの電力を生産するもので、その建設費は二百九十七億円を予定したのでございます。しかしながら、その後調査を進めるにつれまして、発生電力量は六億五千九百万キロワットに減ぜざるを得ないこと、及び工事費は三百八十一億円を要することがはっきりいたしたのでございます。この出力及び発生電力量を当時の火力発電コストをベースとして計算いたしますと、一キロワット当たりの維持費が年額九千三百七十九円になります。一キロワット・アワーの燃料費等の運転費が二円七十二銭五厘という計算になるのでありまして、投下資本三百八十一億に対しましては九%程度の便益となるのであります。これに対しまして変更いたしました新しい計画は、尾鷲第一、第二、川合、池原、七色、奥瀞の六地点において合計三十五万三千キロワットの出力を確保し、発生電力量は九億三千七百万キロワット・アワーに及ぶものでありまして、その建設費は四百七十二億円を要しますけれども、先ほど申しました出力及び電力量の火力ベースの価値額は五十六億三百万円に達しまして、投入建設費に対しまして一三%余りの便益率となるのでありまして、これはどう考えましても計画を変えたほうが非常に有利であるという観点に立ちまして、計画を変えたようなわけでございます。したがって計画変更の当初において予定していなかった本件三億円の支出を建設費を加えてもなおかつ計画全体としては経済性をはるかに高めるものである、こう考えまして先ほど申しましたいろいろの事情を考えあわせて、三億円の支出をいたしたわけでございます。そうしてそれは地元の便益になるように、ことに道路を中心にして便益になるようにやっていただくことを条件といたしましてお願いしたようなわけでございます。
 なお、この種の問題がほかに例があるかとのお尋ねでございまするが、道路に対して、こういう計画変更によって道路をつけないにかかわらず、補償した例はいまのところございません。
○勝澤委員 電源を開発する場合は、どういう順序で開発が行わなれるのですか。電源開発基本計画というのは総理大臣のもとで立案されて、それから調整審議会というものにかけられております。どういうところへかけて審議されて、どういう形で着工されるのか、電源開発でも、公益事業局でもどちらでもいいですけれども、御説明願いたい。
○藤井参考人 これは、筋からいえば通産省のほうからお答え願ったほうがいいかと思いまするが、まず私のほうでは、いろいろ地区地区の電力の需給状態を考えまして、その各電力会社と協調いたしまして、必要性の高い地点から開発を進めることにいたしまして、五カ年計画ぐらいな予想を持ってプランを一応立てて、所管省でありまする通産省の御当局と御相談申し上げまして、そうして計画を出しまして、あとは通産省におきまして、他の電力会社の事情――あるいはその中には火力発電計画もございましょうし、各電力会社で開発される水力問題もございましょう。あるいは公営問題もございましょうが、そういうものを勘案されまして、問題を経済企画庁のほうに御相談なさって――電力調整審議会は企画庁が一応所管庁となっておりますので、必要に応じて随時お開きになるようでございます。私どもの会社といたしましては、まずその電力調整審議会の決定された案に従いまして計画を進めていくことにいたしております。もちろん計画を進める段取りになりますると、先立つものは予算でございますから、予算折衝に入りまして、その年度年度の財政の都合によりまして、あるいは財政投資の形である程度の金をいただくこともございますし、投資が困難で融資でいく場合もございまするが、政府御当局におかれましても、できるだけ電力原価を安くさせようという御配慮から、できるだけ金利の安い金をつけてやろうという御配慮によって進めております。
○勝澤委員 そうしますと、電源を開発する場合には、総合的な立場から電源開発基本計画ですか、法律によりますとこれでやる。基本計画に基づいて電源開発調整審議会にかけて、それからそれに基づいて予算的な裏づけをしてもらって、電源開発会社がそれについての工事にとりかかっていく、こういう経過ですか。
○宮本政府委員 大体そのとおりでございます。電源開発株式会社は、基本計画に基づきまして――その前にいろいろ準備いたしまして、基本計画の際に、電源開発調整審議会で着工ということをきめてもらってから、初めて工事にかかる。それから先に、御承知のように結局ダムをつくりますと、水利権の問題とか、あるいはわれわれのほうの電気工作物の設置の認可、こういうことが始まるわけでございます。
○勝澤委員 三十一年の十二月十九日の第二十一回電源開発調整審議会において開発計画が承認された、こう言われておりますが、その後事業が、今度は三十四年七月二十三日、第二十七回審議会で修正されるまで、約二年半ばかりあるわけですが、この間はどういう経過になっておるのですか。
○藤井参考人 一応開発計画を調整審議会でおきめ願いまして、それから現実に、現場の調査等を本格的に進めることになっておるのでございますが、当時あの付近は、大阪なりあるいは名古屋に近いにかかわらず、きわめて交通が不便でございまして、実情が十分わかっていなかったのでございます。そこで一応そこを着工することに御指定願いましてから調査隊を入れまして、いろいろ方法を考えまして、できるだけ有利な開発の方法をとろうというので調査が進められたのでございまして、最初の御決定から変更の御決定を願うまでの間は、もっぱらその調査が大部分でございました。その調査に基づいて新しい設計をやった次第でございます。
○勝澤委員 そうしますと、二十一回の調整審議会から二十七回調整審議会までの間においてはいろいろ調査を行なった、こういうことですね。その調査に基づいて、これは最初の計画よりも修正したほうがいいというようにきまった、こういうことですか。
○藤井参考人 さようでございます。これは実は計画が決定しまして、中に入るにつきましてまた立ち入りの許可をもらわなければなりません。ところによりましては、立ち入りすらなかなか容易にできない地点がございまして、その交渉のために時日を遷延することもございます。御承知のようにこれは自然を相手の仕事でございますので、地質その他も精細に調べませんと禍根を将来に残すことになりますので、私どもはいよいよ立ち入りができるようになって調査をいたしまして、そのときに、私どもの図上でそれまで調べておった調査が不完全だったということがわかった場合におきましては、勇敢に、過去のいきさつにとらわれないで、計画を変更することをお願いしておるような次第でございます。
○勝澤委員 そうすると、過去の開発についても、おおむね調整審議会で決定した事項が、実際に調査を行なった結果これを変更しなければならなくなったというような経過は、過去にもあったのですか。
○藤井参考人 そういう事例はたびたびございます。たとえて申しますれば只見川筋の問題でございますが、只見川で、私のほうですでに開発した地点が四カ地点ございますが、日本で最大出力といわれております田子倉発電所と――これは三十八万キロでございますが、奥につくりました奥只見発電所――これは三十六万キロでございます。初めは、その間に二つの発電所をつくる予定であったのでございます。ところが、それは降雪事情とか交通事情とかいろいろ勘案いたしまして、奥只見発電所の出力をもっとふやす。そのふやすためには、地下発電所にいたしまして、落差をふやすくふうをいたしました。その結果、田子倉と奥只見の間に二つの発電所をつくる予定であったものを、一つの発電所にいたしまして節約したという例がございます。そういうように、私どもはできるだけのことをして、なるべくむだのないように努力はしておるつもりでございます。
 なお、先ほどちょっと計画変更の一つの理由に申し忘れましたが、一つは当時の電力事情の変更等によりましても計画を変えなければならない場合が生じております。特に最近御承知のように火主水従と言われておりまするが、火力の供給力が非常にふえてまいりました。ところが新しい火力設備は連続して運転しなければ十分なる経済効果も発揮いたしませんし、また機械の保存上も円滑にまいりませんので連続して運転してまいりまするが、電力の需用状況は御承知のように、時間によりましてピークの変動がございます。そのピークに対応するためには水力でやったほうが経済でもあるし、操作も楽でございます。そのためピーク時をよけいとる。それでキロワット・アワーばかりでなしに、キロワットをよけいとるというようなことも考えなければならぬ。だから近ごろ、ときどき揚水発電所ということを言われておりますが、そういうようなことをひとつ考えてくれないか。これは電力全体で相談してきめるのでございまするが、そういう要請がありますと計画をそれに合わせるように若干変更しなければならない。こういう実情がございます。
○勝澤委員 三十一年の十一月の一日に、電源開発総裁と奈良県知事とはどういう約束がなされたのですか。
○高橋参考人 約束といっても、こういうことをつくりますという契約書という形ではございませんで、初めの計画時におきまして、知事としましては、地方開発に非常な御熱心な点がございますので、これをつくったならばどういう道路になって、地方開発にどういうふうに資するかということがありまして、それに対する回答書というようなかっこうで、これだけのものをいたしますということを回答しておるわけでございます。それが事実上、村なり県なりの非常な強い期待となって、これが当時の計画の協力という形になってあらわれたわけでございます。
○勝澤委員 三十一年の十二月十九日、電源開発調整審議会以前の十一月一日に文書でそういう約束がされたということは、どういう意味があるのですか。
 もう少し具体的に言いますと、審議会できめてから着工に入るのだという御答弁が先ほどからなされておるわけです。審議会でまだきまらないうちにこういう約束がされたということは、どういうふうに理解をしたらいいのですか。
○高橋参考人 審議会にかかりますということはほとんど形式的な最後の結末としてかかりますので、その前には、やはり地元との交渉なりいろいろな段階を経て、やり得るという結論がついて初めて審議会にかかる、その形式と実質との差がございますが、そういう意味合いにおきまして、審議会にかけるについては、地元の意向というようなものをすべて役所に申し上げてきまるようなわけでございますので、こういう次第になったのであります。
○勝澤委員 重大な御答弁だと思うんですね。重大な御答弁ですよ。私は先ほどから審議会と基本計画とどういう関連があるかということを御質問いたしました。そうして総裁から明確にされました。審議会にかかってから着工するのだという御答弁だったが、それを今度あなたは、審議会は形式的なものだと言うんです。審議会にかけて変更した例が過去にもあったということで、只見川の例を申されておったわけです。それにもかかわらず審議会は形式的なものだという答弁は納得するわけにはまいりません。審議会にかける前にどういうわけで奈良県知事との約束がされたか、もう一度御答弁願いたいと思います。
○藤井参考人 いま高橋理事が申し上げたのは言い過ぎだと思いますので、これはむしろ私からお取り消し願いたいと思うのでありますが、形式的ということは、確かにこれは審議会を無視したわけでございまして、私はよくないと思います。それは審議会にかけます前には、関係筋にずっと御了解を得まして、最後に仕上げとして審議会にかけるのでございますが、私どもこういう変更の場合特にそうでございますけれども、変更の場合でなくとも、一応その計画が遂行できるという見通しを立てない限りにおきましては、ちょっと計画案としてお進め願うわけにもまいりませんので、相当具体的な見通しをつけますために、いろいろ手段を尽くして、お役所なり審議会のほうへお願いするようにいたしておりますので、その点を説明を申し上げてちょっとことばが過ぎたのだと思います。この点は私のほうからお取り消し申し上げます。どうぞお許し願いたいと思います。
○勝澤委員 審議会が形式的なものだということについては総裁から取り消しがありましたので、これは議事録をもう一回読んでみてからにいたしたいと思いますが、審議会は形式的なものではない、これは実際的なものだ、その前に事前の折衝が行なわれる、こういう点については、いまの総裁の御説明でよくわかりました。その段階において奈良県知事と約束した書面というものはどういう意味のものであるかという点をもう少し――いま総裁はその点についての答弁が欠けておったようでありますが、その点についてはいかがですか。
○藤井参考人 高橋理事から当時の申し合わせの書面を御披露申し上げたいと思います。
○高橋参考人 とじ込んでありますので、まん中がちょっと切れておりますが、こういうことでございます。三十一年十月二十九日付で、奈良県知事奥田良三様から当時の電源開発株式会社総裁内海清温あてに、「竜の谷発電所建設に伴う工事用道路新設計画について」、「仄聞するところによれば、貴社竜の谷発電所建設に伴い工事用骨材を当県吉野郡下北山村音枝附近より採取するため同村大瀬から音枝附近まで輸送用道路を新設する計画であるとの趣でありますが、右道路の終点と国道第一六九号線とを結ぶときは貴社として一般工事用資材の輸送上極めて有利であると存じ且つ又、当県としても地方の交通産業上極めて好都合でありますのでこのことについて特に御配慮を願いたく本件についての貴見御回示願います」これに対して、内海清温総裁から奈良県知事に対して、十一月一日に「かねて弊社の竜の谷発電所建設に関して貴県から、御要望のありました貴県吉野郡下北山村音枝における骨材採取用道路と国道第一六九号線を連絡する件につきましては、種々検討を加えました結果弊社工事用資材の運搬上に資する点をも考慮し貴意に副い実施することと致しましたから御回報申上げます。尚本工事実施については貴県の御意思に副いうるよう十分努力いたします。」こういうものです。
 先ほど申し過ぎましたことをおわび申し上げます。
○勝澤委員 その書面は、まだ調整審議会でやることがきまってない以前に取りかわしをされた。電源開発総裁というのは、その問題についてそういう書面を取りかわす権限があったのですか。
○藤井参考人 御承知のように、電源開発会社の性格といたしまして、できるだけ経済的な開発をやることが一つの使命でございますので、当時私が総裁ではございませんでしたけれども、そういう観点に立って、調整審議会なりあるいは通産省なりにいろいろお願い申し上げるにつきましては、あやふやなことでは困るから、そしてそのほうが終局的においては経済的だという判断をなされて、そういうことをお取りきめになったのだと思いますし、私はそういう程度の弾力的な扱いをさしていただいたほうが開発を進めていきます場合においては好都合ではないかと思います。それが法律上無効であるというようなことになれば、もちろんそれは差し控えなければなりませんけれども、いまのような半ば非公式なような問題につきましては、御容認願ったほうがやりよいのではないかと存じます。
○勝澤委員 総裁、たいへん重要な点ですよ。理屈の立つ、世間が納得する金を三億払ったなら、私は何も言いません。国鉄が御承知のとおり新幹線で近江鉄道との関係で二億五千万円景色補償料というものを払った。景色が悪くなるから補償しようと二億五千万円払ったわけです。これは昨年たいへん問題になりました。だれが考えても二億五千万払う根拠はない。それが問題になりましたために、今度は静岡県の三島で、伊豆箱根鉄道がまだ路線許可がないにかかわらず堤防をつくって、ここでも補償金をどうもせしめようとしたのではないかと思われるのですけれども、国会で問題になったためにとうとうここでは補償金が取れずに、堤防をくずして、そこを新幹線を通した例があるわけです。いま公共補償の問題について、いろいろごね得とかなんとかいう問題が起きている。ましてや、幾ら国策会社としても国民の税金、国民の金です。ですから、最初の計画より今度の計画が安く上がったんだから、三億くらいの補償金を払ってもという言い方をされると、私はたいへん残念です。
 そこで、この問題はあとにいたしまして、三億円という補償金額の補償の対象は具体的に何でですか。
○藤井参考人 三億円は地元の交通整備に充ててもらうつもりで私どもは補償いたしたのでございまして、これは一括して県のほうにお預かり願って、県のほうでそれを有効に使ってもらうことになっておるのでございますが、おそらく県では国道の第百六十九号線の改修――これはまた上北山村の最も大きな要望であろうかと考えますが、それの改修あるいは非常に屈折したところの多い道路でございますから、そういう部分にトンネルをくるとか、あるいは非常な急傾斜の道路を直すとか、あるいは多少橋をかけかえるとかいったようなことに使っておられるのではないかと存じます。
○勝澤委員 国の国策会社の電源開発、相手は奈良県、三億円の金が出された。この三億円がどのように使われたという点については、会計検査院のほうでは把握されておりますか。
○白木会計検査院説明員 ただいまの補償金の使途につきましては、いま総裁から御説明があったとおりの実情ではなかったかと考えております。ただ私どものほうで検査をいたしました際には、この金は奈良県の一般歳入金として入ることになっておりまして、具体的な、地元に対する施設その他の使途についての文書その他のものが全然ございませんので、その点は確認されておりません。その後それがどのように使用されたかも、ただいまのように奈良県の一般経費として受け入れられておりますので、私どもとして確認をいたしておりません。
○勝澤委員 通産省に聞きますが、いまの三億の補償金は公共用地の取得に伴う損失補償基準に適合したものですか、どういうものですか。法的にはどういう見解を持たれますか。
○宮本政府委員 現在は、公共補償につきましては、昭和三十七年の六月二十九日に、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱というものが閣議決定されております。その際に行なわれました閣議了解におきまして、公共施設については、基本的には私人の財産に対する損失補償と同一の原則により補償するものとし、財産的価値の補償をもってしてはその公共目的に照らし必要とされる機能の回復が困難と認められる場合には、公共施設としての機能を合理的な形で回復するために必要な費用、こういうふうになっておりますが、実は具体的な補償基準はまだきまっておりません。そこで三十九年度からは公共用地の審議会の中に公共補償に関する事項を追加いたしましたので、これから検討しょうということになっておるわけでございます。したがいまして、ただいまの三億円というものがこれに合うか合わないかということになりますと、私自身もはたして合うかどうか自信がございません。また実はこれは電発の立場からいいますと、とにかく三億円を納めないと県が水利権をよこしてくれないんだといういわば立場なんでございますが、われわれ自身といたしましては、これは決していいことではないんで、この点については今後電発がそういうことがないように厳重に監督していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○勝澤委員 総裁、あなたの御説明では、この水利権について、三億よこさなければ水利権を許可しない、こういう言い方を奈良県はしておるわけではないですね。地元の了解を得なければ許可をしない、こう言っているわけです。だから、地元の了解さえ得れば水利権はやりますよ。三億よこさなければ水利権をやらない、こういう言い方じゃないわけですから、その奈良県の言い回しをよくお考えいただいて……。
 それから、この問題につきましては、私はこう思うのです。奈良県の知事と電発の総裁と、三億円を支払った覚え書きというのは私の手元にあります。その覚え書きによりますと、従来の約束を破棄することを了解して、三億円の根拠が生まれてきているわけです。破棄する約束とは何か。破棄する約束とは、審議会にかける前に正式なところでまだ決定がされない以前に個人的にあるいは慣習として行なわれているかどうかわかりませんけれども、行なわれた、その先ほどお読みになった書面というものが根拠にされている、こう断定せざるを得ないわけであります。ですから、そこでその書面を審議会できまらない前に出したということについて、一体総裁というものは権限があるのかないのかということをお聞きしたわけです。そこで、この問題につきましては、あとの問題がありますから、まず、このダム建設に伴って当初の計画、それから修正した計画、これについての概況の説明資料、そしてそれがいつ、どういう経過で日にち的にやられてきたかということ、それから補償金の使途について、それからもう一つは、先ほどお読みになった三十一年の十一月一日と私覚えておりますが、十一月二十何日と言いましたその書類、この三つの点について資料を提出願いたい。それによってこの問題について私はもう少し明確にして、その結果によりましては、当時の電発総裁なりあるいは奈良県知事なりに出ていただいて、ひとつ経過をもう少し明らかにし、三億円というものがほんとうに正しく出すべきものであったかどうかという白黒を明確にいたしたいと思います。その資料をお出しいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○藤井参考人 資料は整えてお手元のほうへお届け申し上げます。
○勝澤委員 その次に、昨年の九月ですか、新聞に報ぜられたところによりますと、電源開発に汚職ができた。元課員の資材部購買課の沼田正之助氏というのが、資材の問題について、約三カ所ですか、業者から十数万円の供応を受けたということが新聞に載っておりましたが、これを御存じですか、あるいはその経過について概略わかりましたら、どなたでもいいですけれども……。
○白石参考人 実は詳細につきましていま御答弁するだけ承知いたしていないのでございますが、本人はすでに当会社を退職いたしております。警察並びに検察庁方面でお取り調べを受けまして、最近不起訴処分になったとか聞いております。
 なお、御要望がありますれば、詳細を取り調べました上におきまして御答弁申し上げます。
○勝澤委員 これに出てまいります矢崎電線工業の営業部長、それから大蔵物産会社営業部長、それから旭電機会社営業部長、この三名の名前があがっているわけであります。この三名の人と、いま申し上げました資材部購買課の沼田さんとの間には、いま不起訴と言いましたけれども、このような疑いがあったのですか、なかったのですか、事実無根なものなんですか。
○白石参考人 疑いはあったというように聞いておりますが、その真相につきましては、関係当局においてお取り調べがあったわけでございますので、その結果を待って判明する以外にないかと思います。
○勝澤委員 そこで総裁にお尋ねいたしたいのですが、こういう疑いのある会社、あるいは新聞にも出されてしまったこういう会社について、電源開発では今日お取り引きはどういうふうになっておるのですか。
○藤井参考人 私は、こういう問題につきましては少し神経過敏なほどやかましく言っておるのでございまするが、ただ会社の事務の運営上から申しまして、小さい事案まで全部私の手元でやらないで、一部分はあるいは担当理事あるいは部長の専決で金額いかんによってやっておるのでありまして、実はただいまのお尋ねの問題につきまして、新聞紙上にあらわれましたときに、当時の担当、白石理事ではございません、前の日下部理事の時代でございますが、日下部理事も私も、実は矢崎電線というそういう電線会社のあることを知らない、ほんとうに小さなものだということで、部長決裁にしておったようでございます。ところがそういう問題が出てきて、これはわれわれもやり方をもっと厳格にしなければならないというので、いまそういう面について、新しい白石理事に中心になってもらって、そういうことを厳に取り締まるつもりでおります。
 なお、私のほうでいろいろ業者の指名をいたしますのには、原則として特命はしないことにしておりますが、場合によりましては前のメーカーと同じものを入れなければならないというような特別な場合には、やむを得ず特命随意契約をする場合がありますけれども、大体主たる業者、ことにこれは大きい事業についてはそうでございますが、最小限度三名ぐらいなものを逐次私のほうでマークしておりまして、ちゃんとリストがございます。それで一定の信用、生産力、納期、そういうものを確保されるような工場を持っておる会社を選びまして、三名以上のものを指名いたしまして、それの競争入札で入れるようにいたしております。
○勝澤委員 総裁、私の言っているのは、こういうどちらがいいか悪いかわかりませんけれども、汚職というような問題で問題になった会社についての取り扱いはどうされておるか、こういうのです。
○藤井参考人 もちろん、これはそういうことが私どもの耳に入りますと、その問題についてすぐ調査を進め、そうして解職すべき者は解職するという手続をとっておりますが、いまあげられましたような事態は、いままであまり起こらなかったのでございますが、これがやはり司直の手に渡っておる場合には、その結果を待つまでは会社に身分だけは置かなければならないと思いますけれども、厳重に処分はいたしたいと思います。
○勝澤委員 業者のことです。
○藤井参考人 相手の会社は、そういうことがありますと、もちろん当分は出入りをしていただかないようにしたいと思っております。
○勝澤委員 かって国鉄に新幹線で汚職が出ました、そしてまだ検察が取り調べている段階で、当時の国鉄総裁はその会社について取引停止処分をいたしました。ですから、私は電源開発という国の会社でこういう忌まわしい事件が起きた、かりに真偽は別としても、あるいは不起訴になったとしても、また事件があったかなかったかということから考えてもいろいろ問題があるのでありましょうけれども、やはり国民から批判を受けるようなこういうことがかりにも中から起きた、あるいはそういう業者があったということになるならば、厳重な処置をしなければいかぬと私は思う。いまの総裁の御答弁を聞いておりますとこれについての認識がはなはだ薄い、矢崎電線なんていうのはどんな会社か知らなかったということは、それはあなたが悪いのではなくて、あなたを補佐している理事の諸君がこういうことが起きました、総裁これはたいへんな問題です、これは何とかしなければいけません、こういうようなことをやるような規律体制そのものに私は問題があると思うのです。国鉄はそういう取り扱いをしたわけです、そうしてたしか半年間取引を停止いたしたと思います。その中には全然関係のない業者も実は飛ばっちりを受けました。しかし、電源開発ともあろうものが、この記事に出されているものを見てみますと、これはたいへん重要な問題です。これについていまの御答弁に対し私はたいへん不十分だと思います。その点に対しての認識が足りないのじゃないかと思う。もし御答弁がなければ、私はそのことを特に要望をいたしておきます。
○藤井参考人 これは御注意ごもっともでございまして、矢崎電線は当時の日下部理事はさっそく調べて、そしてそれはいまは取引を差しとめておるはずでございますが、今後ももちろんそういう相手は、少なくともしばらくの間は出入りをしてもらわないようにするつもりでおります。
○勝澤委員 では、いまの問題についても、職員に対する取り扱い、業者に対する取り扱い、事件の経過、そういうものをひとつ資料として御提出を願いたいと思います。
 以上私が申し上げました資料が出ましたら、それによって質問いたします。
 これでやめておきます。
○福井委員 私は電源開発会社に対しては質問をしないつもりでおりましたが、権威者がそろっておいでになりましたので、関連しておりますから、ほんのわずかな点だけお尋ねしておきたいと思います。きょうは参考人の方もほかにたくさんお招きしておるようでありますから、関連しておりますることだけ済みましたら、私が済みますれば交代してもらう都合がありましょうから、特に一、二項目だけ尋ねたいと思います。
 私は藤井総裁が電源開発が担当しておる、いま工事が進められておるいろいろな現場についての発電容量だとかあるいはこれに関連する発電コスト、そういう面についてたいへんこまかく答えられましたので、これは非常な権威者でりっぱな方であると思いましたので思いついたわけです。私は電源開発の方だけにお尋ねして、通産省やあるいはその他の企画庁の方に関係のあることは省略をして一、二だけですから御答弁を願いたいと思います。
 いま電源開発で調査しておられる水利地点で、日本の水力開発余地のある見込み地点の容量というのは、これは実は通産省などで従来調べておりましても、十年目ぐらいに、これは大略な話ですが、調査すると、そのつど開発地点の容量が変わってくる。ちょうど石炭の埋蔵量を発表する場合にも、五年か十年たつごとに変わってくることがありますのと同様に変わってきておりますが、これは当然であります。そのときそのときで調査が進んだり、非常に学術的に開発が飛躍したりするようなこと、ほかの都合が加わってきますから、十年前に調べたのが千古不変であってはならぬのは当然でありますが、いま残っておる水利地点の開発容量はどのくらいに踏んでおられまするか。
○藤井参考人 この水力調査は主としてお役所でやっていただいておるのでありますが、私どもの見込みでは、大体千九百万キロワットくらい残っておるのではないかと思います。
○福井委員 藤井総裁は大事をとって、役所の分担のあることを尊重されて、役所役所と言われますが、電源開発などはりっぱな会社でありますから、そういう調査室というものは当然持っておられますし、役所のことはほっておいて遠慮なしにここでお答えを願いたいと私は希望します。これはあなたにお尋ねするのですから、役所役所と言わずに、火力のほうと比べて水力は――先ほどあなたが言われたことを私はつぶさに聞いておりました。これは火力は水力の補充もしたり、連続運転をしたりいろいろするといたしまして、あるいは、水力にいたしましても、氷のときや、渇水のとき、雪にじゃまされたり、いろいろ変化のあることも一応承知しておるわけですが、現在すでに完成されておる火力の日本全体の容量と、水力のいまの開発容量はどんな比率になっておりますか。いまおっしゃった水力の残りが千数百万もあるし、一千五、六百万もあるし、ちょっとこれは電気の技術者としては承知ができない数字ですから、千数百万というのは、政治の世界ではちょっとどうかと思います。もう少し詳しく――間違ってもけっこうです。
○藤井参考人 先ほど私の発言が不明確であったからかもしれませんが、私は千九百万キロワットと申し上げたのであります。
 それで、水力と火力は、現在の時点では、出力はほぼ半々であります。
○福井委員 ちょっと私聞き違えまして、失礼いたしました。
 いま、電発で手をかけておられる最大容量の発電所で、最も代表的なものを一つ、たくさん聞きたいのですが、なお、質問がたくさん重なっておるようですから、省略いたしますが、一番大きいところの発電所の容量、それからそこの発電機の内容、その場所がどこにあるか、そこからの送電線の状況、特に、送電線は、いまどういう電圧でやっておるか。
○藤井参考人 すでにでき上がっております水力発電所で、一番大きいのは、先ほど申し上げましたように、田子倉発電所でありまして、出力は三十八万キロワットでございます。それから、現在工事中の最大なる地点は、先ほぼ来問題になりました北山川筋の池原地点でありまして、これはさしむきのところ、十四万キロでございますが、さらに十万キロふやしまして、二十四万キロになる見込みでございます。それから次に着工する九頭龍川地点の長野地点は、おおよそ池原とほぼ同じくらいなものになる見込みであります。
○福井委員 大へん詳しいというので、少し余分に聞いたのですが、発電所の最大のものは、三十八万キロの田子倉ということですが、そこの発電機はどんなものを使っておられますか。そこからの送電線の状況をちょっと御説明願いたい。
○藤井参考人 田子倉の発電機は三菱電機が全部つくっております。そこから出した電力は、二十七万五千ボルトの超高圧送電線によりまして、一つは東北電力に、一つは東京電力に供給するために田子倉から奥只見もあわせまして川越の変電所に持ってまいっております。
○福井委員 最近電発で仕事をしておられる中に外国から輸入した事例等はありますか、どうですか。これも一、二最近手がけたものの中に国産でないものがあるかどうか、その点をお答え願いたい。
○藤井参考人 水力発電所の水車、タービン等はことどとく国産品でございます。
○福井委員 まだこんなに権威者の質問者が残っておりますので、私はもう少し専門的に入ってお尋ねしたいと思いますが、他日あらためて火力とのつり合い、それから原子力発電の問題についてのつり合いなども、電発の方々が役所がこういうふうに割り当てたからそのとおりやるということでなくて、日本の電力開発というものについて、水力だけではなくて火力も含め大きい立場で、藤井さんあたりは国の指導者の一人でありますから、いろいろとお尋ねしたいと思います。この席で長時間とるのはたいへん恐縮でございますから他日に譲ってお尋ねしたいと思いますからよろしく願います。
○田中(織)委員 先ほどの勝澤委員の質問に関連して二点伺いたいと思います。できれば資料を出していただくということになっておるので、それに関連してお伺いします。
 三十六年度の検査院の決算検査報告の一五九ページの終わりのほうにある関係から出ておる問題かと思うのでありますが、この「別途補償の提供をダム所在の県から要求されたのに対し、補償対象の具体的内容が明確でないまま補償費を支払うこととしたものであるが、」というケースとして奈良県の例があげられておるのでありますが、奈良県以外にも同様な性質の補償を支払った事例があるようにも聞いているのでわれるのですけれども、この点はいかがお考えになられますか。
○藤井参考人 むしろこの問題こそ私のほうで御答弁申し上げることはいかがかとは存じまするが、私は地域格差がある程度できることは、地況が違っておるのでございまするからやむを得ないと思いまするが、その場合にその格差をなくするために、いまわれわれはない知恵をしぼって九電力と一緒になって広域運営に努力しておるのでございますが、電源開発会社は政府の特別な使命を帯びた機関でございまするから、これを利用していただいて、できるだけその調整ができるようにおはかり願ったほうがいいのではないかと、ひそかに考えておる次第でございます。
○山田(長)委員 せっかくおいで願ったのでありますから、電源開発会社の監事の近藤さんに御質問したいと思いますが、三十六年度以降に会社の経理並びに業務を監査されまして、その監査の結果こうすべきではないかというあなたの見識を伺いたいのです。これは、いま田中委員から御質問もありましたけれども、補償問題等につきましては、当委員会でも過去におきまして何回も論議をされたことがありますし、いまもなお補償問題につきましてはいろいろ伺わなければならないこともたくさんあるわけですが、ややもいたしますると、会社の監事の衝に当たられる重要なお仕事をされておられる方が、捨てぶち的に監事の仕事を仰せつかっておるところが、政府機関の会社には往々にあるのです。最近では、東北開発会社の場合などは赤字がかなり大きく出ておるにかかわらず、国会では黒字であるという報告をしておりまして、当委員会で詰問いたしましたところが、監事さんがさっぱり会社の内容を知らなかったというような事例も出てきておるわけです。これはあなたにそういうことを申し上げるわけではありませんけれども、おもなる経理及び業務上においてこうあるべきではなかったかという、監事の職責におられて監査の内容でお気づきの点がありましたならば、まあ総裁を前にして話すのはちょっとしにくいかもしれませんが、この機会にひとつお話し願いたいと思うのです。
○近藤参考人 私個人のことを申し上げてどうかと思いますが、実は私が就任いたしましたのは昨年の十月でございまして、いまだ決算その他についての監査を実施中でございます。そのために特別な御意見を申し上げる段階にまだなっておりませんが、前任者の意見を聞きますと、随時役員会に出席いたしまして、そのつど役員と同一の問題について監事としての立場で始終意見を申し述べておりますので、私としても将来ともにそういうやり方で電源開発会社の業務の遂行に遺憾なからしめるように努力いたしたいと思っております。
○山田(長)委員 日は非常に浅いようでございますが、やはり重要な職責でございますから、どうか――いろいろ問題を全然持っていないわけじゃないのであって、あなたの努力を切望してやみません。
 どうも、せっかく監事にきていただいて監事になられたばかりの人で、実は私が来ていただきたいと思ってお話ししたのは、そういう監事じゃなかったのです。実はもう少し内容のわかって、一生懸命勉強されていて、ここで私がこれから聞こうと思っていることに答弁のできる人ということで来てもらおうと思ったんです。私はまだこの問題についてはやめません。それは、監事はおそらくこれから私が聞こうと思っていることはわからぬと思うのですが、御母衣ダムのダム工事の隣の村に水が出ているという話があるのです。このわき水はどういう原因によるものであるか――われわれのところにも連絡があるくらいですから、あなた方にもそのことの連絡がないはずはないと思うのです。この点はどうも去年の就任で、まだ勉強中だというようなことでは、これはまだおそらく答えにならぬと思うのですけれども、監事のところへ投書あるいはその他の連絡等で、御母衣の水が隣に出ている実情というものがわかっていたら話してください。
○近藤参考人 いまの御照会の件は、私まだ聞いておりませんが、至急内容を取り調べて御返事申し上げるようにいたしたいと思います。
○山田(長)委員 もう一人の監事も同時に去年なったばかりだという話ですが、その辺監事がちょいちょいかわってしまっては、会社の経理内容、業務内容についても、そんなにわかるものじゃない。古い人にも来てもらわなければならぬことだと思うのですが、私はこの質問についてはこれから続けたいと思いますから、一応お帰りになっていただいても、次の機会に留保しておきます。
○吉田(賢)委員 ちょっといまのに関係いたしまして、やはり監事さんの御答弁は、これは実は最近ほかの公団、公社の監事問題が、当委員会におきましても国会全体の問題になりまして、法律案の改正案が政府から出たのを監事にひっかかって、さらに各党一致の修正案に切りかえになって、これがずっと通っている情勢なんです。これはやはり監事の立場、職責がきわめて重要であって、監事の手腕論というようなことにでも万一なったら、これは全くたいへんなことだという感じもするほどの重要性に関連があります。でありますから、私もいまちょっと聞いておったんですけれども、去年の年末に就任したのでいまさっぱり意見がありませんというのでは、これは電源開発の信用を落とします。やはりどうあるにかかわらず、就任されるときには一切によく目を通して、就任の翌日には一応監事さんとして何らかの意見ぐらいは出し得るような、そうあっていただきたいのです。やはりそう申して、電源開発促進法によってできた電源開発の会社であります。エネルギー問題の将来のことも考えて、電源開発の事業は非常に重要でありまして、それだけ監事の任務は私は重いと思うんです。でありますから、いまの御答弁によりまして、何だかたよりないことだという印象がするのです。まことに失礼ですけれども、山田君が釈然としないと言うのは、私はもっともだと思うのです。でありますから、やはり監事はもっとしゃんとしたところをここで見せていただきたい。そうせぬと私はいかぬと思うので、これだけ申しておきますから、何か御意見があったら聞いておきましょう。
○近藤参考人 御懇切な御意見を承りまして感謝しておりますが、私自身いまの段階でまだ御意見を申し上げる段階でないと申し上げましたので、内々的にはせっかく監査を実施いたしましていろいろ研究もいたしておりますから、私なりに、御意見を申し上げる機会があれば申し上げる所存でございます。
○山田(長)委員 伺わないつもりでいてさらに伺わなければならぬことになりますが、たいへん失礼ですが、監事になられる前は一体どういう立場だったんですか、どういう経歴ですか。
○近藤参考人 私は電源開発会社の海外技術協力部長をいたしておりまして、昨年の十月に監事に就任いたしました。
○山田(長)委員 三十六年度以降の――私は聞こうと思ったが、三十六年度で三百八十九億、三十七年に三百六十一億、三十八年に二百七十三億、三十九年度で三百八十億というふうに、順次国の出資がふえているわけですよ。これがもしむだに、問題になるように――さっきの会計検査の話を伺いましても、補償の問題についてはとにかく問題が幾つもあるのですよ。そういうところへのあなたの仕事は、き然たる態度で臨まなければならぬ。いままでの経歴等を伺いますと――これから監査をされるにあたっても、あなたはなかなかむずかしい立場です。しかし、どうかきぜんたる態度で、国の多額の出資がなされているこの開発会社のお仕事に、全精力を集中しておやりになっていただきたい。あなた方と当委員会とは、本来ならば常に緊密な連絡をとるべき筋合いのものです。ややもしますと政府の御用機関のような監事が――ほんとうに太陽を追い込むような監事がおって監事から問題が指摘されているというようなことでなくて、会計検査院からの指摘事項がもとで、それから決算委員会が資料を得てきて調べるというようなことが多いものですから、ぜひあなたの方針なり指針なりをまた聞く機会をつくりたいと思いますから、どうかひとつ教えていただきたい。あなたはあなたの方針なり指針をお持ちになっていると思うので、この点どうかお含みおき願います。今後はよろしく頼みます。
○白浜委員長 参考人各位に一言御礼申し上げます。本日は委員会の調査に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。
 この際、一時四十分まで休憩いたします。
   午後一時三分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時四十四分開議
○白浜委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 通商産業省所管について質疑を続行いたします。吉田君。
○吉田(賢)委員 午前に引き続きまして、中小企業、とりわけ綿スフ産業の輸出について、いわゆる輸出ギンガムの問題、これは日本の輸出産業のうち相当重要な部分を占めまして、ことに兵庫県におきましてはその輸出量の八割五分まで生産をいたしております。これが今日のいわゆる三月危機に直面いたしまして、まさに危殆に瀕するというのが一般の状況であります。したがいまして、中小企業に対する政府の一切の施策が検査院の指摘するような幾つかの事項にあらわれておる。その根源をなしますのがこの中小企業に対する施策の一番大事な点であって、このようなときにギンガム工業の保護の問題はとりわけ重要でないかと考えておるのであります。そういう観点につきまして二、三お尋ねして、中小企業施策の誤りないことを期していきたい、こう思うのであります。
 具体的に入りますが、国税庁当局にお伺いしたいのであります。
 午前中にもだんだんと事情を解明し、御報告して、政府の所見も承っておりましたが、兵庫県における西脇の地域は、昨年四月に未曽有の豪雨のために十二億円の被害を受けました。だんだんと輸出不況に見舞われまして、最近は、四月にはギンガムの織機が半数とまるだろうとさえいわれておるのであります。一万七千台のうち八割がギンガムをつくっておる、二万四千の半数の従業員がこれに従事しておる、こういう事態に直面いたしております。四月に半数の織機が休むような事態になれば、これはただに機業としての存立が奪われるだけではなしに、従業者の生活も奪うことになり、兵庫経済が大混乱におちいります。そこで、どうすればいいかということで、七―九の先物のギンガムを十大紡が発注いたしまして、これを穴埋めしてはどうか、こういう手がいま打たれようとしておるそうであります。しかし、現実におきましては、報告を聞きますと、これは賃金が入らぬのだそうであります。何で入らぬのかと聞くと、それは先払いの約手で払って、したがってその約手を受け取ってきて銀行で割り引いて、それで賃金を現金で払っていかなければ工場を閉鎖しなければならぬ、こういう事態に直面するそうであります。そういうことと、それからよってきたるところは、アメリカの市場とアメリカの流行の変化あるいはアメリカの政策に由来するのでありまして、地元の機業者自身の過失でも、営業上の見誤りでも、方針の間違いでも何でもないようであります。
 そういうような事態に直面しておりまして、おりから個人には最終の所得申告の時期も迫っておるようでありますし、かたがた税問題が非常に重要な問題として持ち上がっているようであります。詳しいことはいま述べる時間もございませんけれども、概略以上のような事態に直面しておりますので、国の税対策といたしまして、このような事態に何らかのあたたかい手を差し伸べて、一は機業を保持し、一は民生の安定をはかり、そして税の秩序を守っていくということが大切でないか、こういうふうに思われますので、これにつきまして何らかの施策がないであろうかと思いますので、ひとつ御所見を伺いたい。
○喜田村説明員 お答え申し上げます。
 最近経済事情が若干変化いたしまして、中小企業の資金繰りが苦しくなっておる地域であるとか、あるいは業種であるとかいったものが出てまいりました。ことしの二月に通達を出しまして、これらに対する納税緩和の措置につきまして通達をいたしました。その中身は、現在いろいろ通則法であるとかあるいは国税徴収法にきめられております納税の猶予であるとか、あるいは滞納処分の猶予といった制度を十分納税者の方々にPRいたしまして、十分利用していただくと同時に、税務当局も、その取り扱いにあたっては、よく納税者の実情を見まして、実情に即した取り扱いをするようにという中身と、それからさらに、最近は所得税の申告の時期でもありますし、また法人でも十二月決算の申告の時期も二月にありましたので、こうした場合に、先ほどお話のありましたような事情で、たとえばことし赤になったという場合には、欠損の繰り越しであるとか、あるいは予定納税あるいは中間納付税額を還付する、その還付をなるべく早くやって、中小企業のほんとうに困っておられる方に対して、還付の促進によって資金繰りを楽にしてあげるような措置を講じたらどうかといった趣旨の通達が出ております。ただこれはいまお話のありましたギンガム業者だけでなくて、全般的に一般的な通達でありまして、その通達によりまして、各国税局あるいは各税務署で適切な措置をそれぞれとるようにといった趣旨でございます。先ほど申しましたように、現在の経済の資金繰りの逼迫ということが、業種によりまして、また地域によりまして、いろいろあらわれ方が違っておりますので、そうした個々の地域の実情に応じて、また業種の実情に応じて適切な手を打つように、こういった措置を通達したわけであります。
 具体的にただいまお話のありました西脇地区のギンガムの織物につきまして、この通達に基づいてどのような措置がとられるかは、現地でまく実情を見まして、ただいま申しましたような措置を適切にとっていくということになるわけでございます。ただいまお話しのような事態でありますと、昨年水の被害があったという場合には、事業の損失にもなりますし、それによってあるいは赤になった場合には、所得税の還付の申請ができる、あるいはまた非常に先行き不況になりまして事業が休止になる、あるいは休止にならなくても、事業につきまして著しい損失を受けたという場合には、国税通則法によりまして納税の猶予がありますし、またそうでなくても、非常に事業の資金繰りが苦しいというときには、滞納処分の猶予といった措置もございますので、そうした点につきましては、現地で業界の御意見などもよく聞いて、適切な措置をとるように指示してまいりたいと思います。
○吉田(賢)委員 ちょうど三月は次の若年労働者の受け入れの時期に際会いたします。そこで、この地方のこのような事態が、新しき中卒の従業員を得ることはほとんど至難でないかと思われるのであります。そこで、これらの業界の代表者は、職安にたよるだけではとうてい労力を得られませんので、労力を得るために九州あたりへ出張いたしまして、反面そのほうでもかなり時間を食っておるらしいのです。そういうことも反面にしながら、危機に直面しておるということにもなっておりますし、また同時に閉鎖するということに心しなるならば、これは連鎖反応でどういう結果を来たすかわかりません。そこで憂慮すべきことは、中小企業を少し整理される時期が来たなという流言さえも飛んでおります。中小企業を整理されるということは、同時に協同体の崩壊の前兆らしいのです。この地方におきまして、ギンガムを中心にいたしまして、機屋並びに染色加工業者など千二十ありますが、五百しか協同組合に入っておりません。そのあとの残り五百以上が入らず、いわば労働者の争奪、資金の争奪、相手が倒れるならばこちらが残るというような、連鎖反応的に悪い傾向さえ生じるおそれがあります。そんなときでありますので、いわばあらゆる意味におきまして非常事態に直面しておりますから、税当局においてこの三月の申告を猶予するという手はないものであるか。非常事態に対処する時間的余裕を与えるということもどうであろうか。どうせ申告もしなくちゃならぬ、人も頼まなくちゃならぬ、また工場を閉鎖しても困る、ギンガム以外のことをあさり歩くということもたいへんだし、いろいろとこう四苦八苦のさなかにあるというのですから、申告の時期を何かゆとりを持たすという手は合法的にあるのかないのか、これもひとつお示しをいただきたい、こう思うのであります。
○喜田村説明員 ただいまお話のありました所得税の申告期限の延長につきましては、国税通則法に規定がありまして、災害といったような事情、そういった場合には申告期限の延長はできるのであります。ただいまのようなお話でございますと、まず一応申告だけは出していただいて、あるいはそういった事態、条件に該当するかどうか調べてみないとわかりませんが、そうした納税の猶予、あるいは先ほど申し上げました滞納処分の猶予、そういった制度を活用していただくより、いまのところ法律上は道はなかろうかというふうに考えます。
○吉田(賢)委員 そこで、昨年の豪雨による非常災害の結果を受けて今年になっておりますので、まだその辺の整理、清算が未了の方面が多分にあるわけでありますが、ただいまの具体的な輸出が激減する、外注が激減する、こういうようなものが世界経済の動向等による影響でありますので、いわば個人の何かに原因するものではないが、これは広い意味における一種の社会経済の災害というふうに広く解釈して、何らかの恩典を与えて、ある割合免除するとか、免除に類する何かをするとかいう方法はないものでございましょうか。
○喜田村説明員 先ほどの災害による期限の延長というものは、たとえば災害等があって、そのために現実的に申告の手続ができない、そうした場合に延長するという規定でございまして、非常に損失をこうむったというために、申告期限を延ばすという制度はちょっとございません。先ほど申し上げましたような納付、徴収といったような面での猶予しか現在のところ規定にはございませんが、そうした制度を十分活用して、実情に即したような無理のない処置をとるように指導してまいりたいと考えております。
○吉田(賢)委員 そうしますと、申告を延ばすという手は法律上はない、いまのような事態であるから、実情に即したように行政指導をなさるということに尽きるわけなんですね。そこで、私はたとえば厳格に解するものかどうか存じませんけれども、事態に即しない場合は、これは牛の角をためようとして命を取ってしまうことになりますから、一種の災害と見ますので、こういうようなときには、何らかの手を積極的に考慮して相談をするというようなことができぬものであろうか。個々のものが一々というわけにはなかなかまいりませんので、むしろ全体といたしまして、業界の代表者と地方の税務行政当局との間に、隔意なく事態の真相をきわめて、これに基づいて適切な施策を実施するというふうに懇談をする機会を持てばどうかと思うのだが、もっともこの辺になりますと、すでにそんなことはしょっちゅうやっていると言うのかもわかりませんけれども、そういうような方法によって、急場をしのぐというよりも、この危急のときに対処する温情のある税制が行ない得るのではないか、こう私は思うのですが、そんな方法はいかがなもんでしょうか。
○喜田村説明員 ただいまお話のありましたような業界の実情を十分税務署あるいは国税局へお話し願いまして、その実態に即した措置をとるということは非常にけっこうなことだと思います。もちろん個々の課税についてそういった団体交渉ということは法によって禁止されておりますが、全体の事態、業界の実態をよくお話しになる、こういうことは、税務の行政をやっていく上に、ほんとうに納税者の実情に即した適切な措置が打てるという意味で望ましいことと思われますので、現地でよく局なり署なりに業界の実情を聞くように連絡しておきたいと思います。
○吉田(賢)委員 いずれこれは四十年の四月一日以降の問題と思いますけれども、税法の措置法の五十何条かによりまして、輸出繊維の製造業者に該当する――ただいまのギンガムの機屋さんなどには、措置法によりまして、一種の免税の恩典のあるものが今月の末で終了して、新しい立法がいま企画されて法案審議中と私は聞いておりますが、これもざっと八千万円くらいになるんじゃないかという業界の報告であります。こういうようなものも、一つの将来への脅威の何かになるのでないかとさえ考えております。
 そこで、最後に聞いておきますが、いろいろそのような不安な要素がおいおい重なっております際でありまするので、広い災害的な扱いというものはしょせん不可能なものでしょうか。あるいは考えようによりまして、実情に即した行政指導ということになりますると、何かそこに恩典があり得る、損失に計算されるというようなものが相当出るということになるのでしょうか。その辺は事実をここに提示して御意見を聞く方法をとっておらぬから、抽象的なことになって悪いと思いますけれども、かなりそこは弾力的な運用がし得るような通達ないしは趣旨になっておるのでしょうか。それだけ伺っておきたいと思います。
○喜田村説明員 申告期限の延長につきましては、先ほど申しました災害というものに限られておるのでありますが、納税の猶予につきましては、災害以外に、先ほど申しましたように、本人の病気であるとか、あるいは事業を休廃止したとか、事業に著しい損失を受けたとか、またそれに類するような事実があったという場合には適用できるようになっておりますので、具体的な事情をお聞きいたしまして、それによってそれらの措置を適切に適用していきたい、こう考えております。
 なお、いろいろの事業上の問題で損失ができた、たとえば先ほどお話にありましたような災害による損失があったという場合には、もちろん事業上の経費あるいは損金ということになりまして所得は減算されますし、またそれが破産になった場合には、全面的に繰り戻し、還付という措置もとれるようになっております。
○吉田(賢)委員 それでは国税庁はよろしゅうございます。
 次に、労働省にお尋ねいたします。
 ただいま取り上げておる問題は、同時に深刻な労働力の問題と兼ね合っておるのであります。さらに、ギンガムのみならず、繊維産業の中小企業者、特に機屋の場合に、労働力の欠乏というのは、他の一般の中小企業のうちにおいても最も深刻ではないかとさえ考えておるのであります。何しろ綿スフ織物の機屋は斜陽産業の一種ではないか、やがて整理されるのではないかという意見を流布する人さえあるおりから、労働力の不足することは当然と思います。
 そこで伺いたいのですが、お聞き及びと思いますけれども、一人につき三万円ないし五万円ぐらい出して、九州、四国まで雇い入れにいくという若年労働力の獲得については、いわば必死の状況なのであります。そこで、一方におきまして、大企業になりますと、これはそんなに苦労は要らないで、学校の連絡が適切にあるし、職安も十分に活動いたしましょうし、のみならず、家庭訪問員などがそれぞれに配置されて適当に連絡をせられておりますから、何の苦労もなしに、比較的経費もかからずに、優秀な労働力を吸収し得るというのが現状であります。
  〔委員長退席、福井委員長代理着
  席〕
そうしますと、資金面においても税制面においても経営自体においても、あらゆる面で圧迫を受けておる中小企業――中小企業の重要性はいまさら私が申すまでもありません。これは日本経済の根底をなしております。その中小企業が労働力で四苦八苦しておるということは、労働省がある以上は、何とか根本的に打開しなければならぬと思うのです。どうも職安局長にお越しいただいて実は御説明を聞きたいのだが、あなたが全部の御説明をなさるのだろうと思うけれども、一体職業安定所があってどうしてこんななのか。地方にある職業安定所は一体だれのためのものなのか。職業安定所こそ、中小企業にとって、それをパイプとして、よい機関として、よい労働力を吸収し得る最もたよりにすべき官庁でなければならぬ。ところが、現実におきましては、おやじが出かけていって、一人前三万円ないし五万円の金を使わなければ労働力が得られないという日本は、まるで労働行政がないような国の観さえ呈しております。これは一体どうしたものか。一体どこに隘路があって、なぜこれが解決できないのであろうか。これを聞きたいのですが、ちょっとあなたではどうかと思うのですけれども、できましたら答弁をしてもらいたい。
○佐柳説明員 安定局長はただいま別の委員室のほうに行っておりますので、かわりましてお答え申し上げたいと思います。
 最近の学校卒業者の就職状況は、全国的に見まして求職者の数よりも求人者が圧倒的に上回っておりますので、企業の大小にかかわりなく、なかなか求人の全面的充足ということは困難な状況でございます。もちろん、その中にありまして、中小企業の労務充足は非常に困難の度合いが高いわけでございます。これにはいろいろの問題点があろうかと思いますが、職業安定局といたしましては、まず第一に、それら中小企業の事業体の集団求人方式等によりましての事業所の労働条件とか、求人条件の向上、労務管理の改善の面の指導にいろいろと力を差し伸べているわけでございます。あるいはまた、第二には、それら中小企業に対します雇用促進事業団による雇用促進融資等もいたしまして、たとえば住宅がないために労働者を雇い入れることのできないような場合には、そのための施設に要する融資に対しましていろいろ御協力を申し上げるような便宜を持っております。さらにまた、最近のこれらの若年労働者の不足という問題は、いずれの企業におかれましても、でき得る限りその他の労働力、たとえば中高年等の労働者でありまして若年者の職場に取ってかわり得る者につきましては、極力その面についての御指導を申し上げるということも一つでございます。さらにまた、せっかく就業されましても、その後における就職の状況、定着性が好ましくないために、あまっさえわずかな就職者がさらに労働力としてその企業に貢献することが少なくなることのないような、就職後のフォローアップをいろいろとめんどうも見て差し上げておるわけでございます。このような全般的な観点から、一応それぞれの地域の状況によっても異なるわけではございますけれども、中小企業の労務充足の面につきまして、職業安定機関といたしまして御協力を申し上げておるのが現状でございます。
○吉田(賢)委員 実は政府の協力は、中小企業の弱体企業に対しましては、全く二階から目薬ほどの効果しかない。それはおっしゃいますけれども、子れならば具体的に一体何をしておられるのであろうか。いま私が申しましたが、大企業といえども、また中小企業といえども、若年労働力が漸減しつつあるという日本の労働力の指数の趨勢はよくわかります。ことに中卒は次第に進学率が高まっておる圧迫もあります。従来農村に依存しておりました日本の産業、この農村の労働力というものももう枯渇しております。したがって、それは一般的なことでありますが、その中で、それならば四国において、九州において、大企業はこんなに苦しんで労働力を求めておるかというと、そうじゃありませんです。いま言ったように、家庭訪問者もれっきとしてありますし、また職安にいたしましても、大企業ならば、ほんとうにいんぎん丁重にしておられるでしょう。学校にしましてもそうですよ。学校にしましても、学校へ幾ら宣伝しましても、中小企業へは宣伝だけでは来ませんです。それならば、ただいまおっしゃったように、中高年齢層の人を集めると申しましても、家はない。家はないから、家も建てるように御協力申しておりますとおっしゃっても、そんな簡単に実例は見つかりません。さっきも申しておったのですが、三木市いうところがあるのです。ここでは、四万の人口のうち、地元の中卒者は一人も現地で就職する者はないのです。この事実は一体何を語るのでしょう。やはりこれは全部それぞれ大企業に吸収されていくのです。これはもう端的に全体を物語っておるのです。ですから、中小企業が、若年の、つまり賃金の安い者を雇い入れることは容易じゃありません。中高年齢層の者を雇い入れれば、家族がついております。また三十代の人を十七、八の青年のような給与では雇い入れるわけにはまいりません。だから、賃金体系におきましても諸般の問題はありますよ。解決せなければならぬ問題はずいぶんある。ずいぶんあることについて、一体主管庁はどこかと私は言いたい。これはやはり何といっても労働省です。労働省が中核となって各省に呼びかけ、協力を求めて、地方民あるいはまた地方自治体その他にも協力を要請するというように、労働省が積極的に御指導にならなくては、これは解決しない問題です。御協力申し上げているとおっしゃるのは、それはいろいろと予算にも出はいたしておりますけれども、実効があがるほどに協力の実態はないのです。それで言うのです。あなたと長い問答をいたしてもしかたがないですから、これはまた別の機会にさらにお答えをいただこうと思いますけれども、ただ伺っておきますが、職安を通じて地方から若年の労働力を中小企業が入れる場合に、これは大企業の場合には、先ほど申したように家庭訪問とか何かの機関が散在しておるのです。中小企業はへたにそれを動きますと、委託で募集するような形になってしまう危険があるのです。どうしてもそうなるのです。でありますので、学校なり地域なりもっと積極的に中小企業を対象にして動くように、職安の制度を少し検討する必要があるのじゃないだろうか、こう思うのです。職安を一応通りましても、中小企業に来やしませんよ。職安に来ましても、就職の自由を持っておりますから、実態は、十五以上の者はそれぞれ職安を通しても行くところはきまっておるのです。そこに問題があるわけです。それならそんな職安はもうあってもなくてもいいじゃないかとさえ言いたいくらいなんです。何か職安をもっと有効に中小企業に十分にサービスをなし得るような機関にする必要がある。こういう方向に向かって検討をしていただくべき余地はないのだろうか。これはひとつ省内で、まず局の御意見もそういうことを言っておるといって御相談してもらいたいのですよ。何か御意見ありますか。
○佐柳説明員 学校卒業者に限りませず、就職いたします者は、就職します者の意思の尊重をいたさねばならないわけでございまして、問題は、学校卒業者に限って申し上げますと、学校卒業者の就職につきましては、もちろん正しい職業の情報というものを提供してやらねばならないと思います。中小企業に行きたい者が中小企業に行かない、そういうようなことになってはならないと存じます。中小企業に向く者、行きたい者、そういう者の道をはっきりと考えて、それらに対して正しい中小企業に対する認識、情報を与える。これも安定機関の使命であると存じます。大企業に対しまして、より以上に取り扱いが多くなされておるというようなことが現状ではございません。私どもは、学校と連携いたしまして、学校卒業者の就職問題につきましては、極力その本人の意思を尊重し、そして就職する事業所の条件というものをよく見きわめさせた上で就職をさせるということに、あくまでも全力を注いでまいりたいと思っております。
○吉田(賢)委員 それじゃ結論を申しておきますが、私の所見でありません。これは大体において一般に認められて異論のないところでありますが、第一いまの中小企業には若年労働者を吸収し得る魅力はないのです。実態を説明するとおっしゃっても、実態を明らかにするほど、あるいは来ないかもしれない。現に沖繩におきましても、沖繩の労働部長は内地に労働力を送ることをストップした実例があります。これは何を語っておるのであろうか。これは中小企業の実態なるものが、夢をこわしちゃったのじゃないか、こうも思います。
 そこで問題は、やはりそういうことに幾ら宣伝これつとめましても、最終成果はあがりません。やはり吸引策を、魅力を持たせなければならぬ。それは何か。一つは待遇でありましょう。環境でありましょう。あらゆる厚生施設でありましょう。あるいは住宅でもありましょう。狭い部屋に押し込むような、そういう中小企業では、とても今日は少年は来ません。ことに昔の人生観と違いまして、個人的自由だとか実質的な考え方が多いのでありますから、そういう点から見ましても、工場そのものがもっと吸引し得るようなものを持たないといくまい。ただしこれは労働省だけではいけません。厚生省ともあるいは建設省ともあるいは各方面とも御協議を願わなければいけない。ぜひそうしてもらわなければいけません。そういう方面に向かって手を打ってもらわなければ、中小企業の労働問題は解決しないと私は考えるのです。もちろん労働組合とも話し合って、賃金体系のあり方についても考えないといけませんです。ことに中高層の年齢の者につきましては、特にその問題にぶつかっておるのです。簡単でけっこうですから、所見を述べておいてもらいまして、この点はやめます。
○佐柳説明員 その面につきまして、今後とも努力を続けてまいりますが、西脇地区の状況についてでございますが、第一には、本年の四月から定時制高校を西脇地区に設置することにいたしまして、安定機関も教育委員会等と大いに努力をして、そこで働く人たちのための定時制高校が開設される。第二の面は、やはり西脇地区には、県の労政課が主管いたしまして、働く婦人の家というものを設けております。これは従業員の教養娯楽のために使われておるものでありまして、中小企業自体でできないこの種の面は、ささやかながらいままでも努力はしてまいりましたが、今後におきましても、この種の面に労働省といたしましてできる限り努力してまいりたいと思います。
○吉田(賢)委員 ちょっとそれに関連いたしますが、具体的な西脇の実例が出ましたが、やはりあの地方におきましての一つの問題点は、そういう小さな施設はわかりますけれども、何しろさっきも申しておりましたように、二万七千人の従業員をかかえた中小企業なんです。そしてギンガムについて全国の八割五分つくっておるのです。ですからそれでは二階から目薬の施設だ。それはわかるのです。その付近に勤労青年学校ができたのも知っております。あるいはそのほかの小さい施設も持っております。けれどもそれでは足りないのです。もしほんとうになさるならば、もっと大きな婦人ホームもつくらなければいけません。それは厚生省なんかも計画しておりますけれども、もっと大きな婦人ホームをつくり、厚生会館の堂々たるものをつくって、そんな箱だけではなしに、環境の整備をしなければなりませんでしょう。どうしてもそれはしなければいけないので、西脇が幸いお目にとまっておるとすれば、ぜひ局、省の意見をまとめまして、この重要な繊維工業の中小企業の典型的な危機に陥った西脇の地帯に対処するという一つの労働施策を立てるように、省に帰ってやってもらいたいのです。それはお願いしておきます。やるかやらぬか、あなただけでおきまりになりませんけれども、ぜひひとつお頼みしておきたいと思います。よろしゅうございますか、どうですか。
○佐柳説明員 ただいまの御意見、帰りまして、上司にその旨よく伝えたいと思います。
○吉田(賢)委員 それでは、資金の問題について、たいへんお待たせ申しましたが、開発銀行の方に少しお尋ねいたします。これもあとの委員の時間もあることですから、少し省略いたしまして簡単にとどめておきたい、こう思います。
 開発銀行が従来は基幹産業に対して融資をしておられた重要な融資機関であることも存じておりますが、幸いに最近は地方開発に乗り出されまして、最近のあなたのほうの融資の手引きを見ましても、地方開発は相当力を入れておいでになります。そこで、私どもは、中小企業自体、これはその企業並びに一切の従業者の幸福を守り、産業発達をはかりますためには、地方開発の問題と切っても切れない関係にあることもわかるのであります。
 そこで伺いたいのでありまするが、中小企業金融公庫は、本来中小企業者を対象にした融資機関ではございますけれども、この開発銀行の法律によりますと、やはり他の金融機関の補完機関といたしまして、これらの中小企業全体に向かって融資し得る金融機関と思うのですが、まず、根本的にそういうような機関であるのかどうか、この点を明らかにしておいていただきたいのです。
○市田説明員 吉田先生の御質問にお答えいたします。
 開発銀行が中小企業に金は貸せないかという御質問でありますが、開発銀行法では、貸し付け先の資本金の制限とか、従業員の数の制限というものは実はございません。そうして、創立当時は中小企業部というようなものもあったのでありますが、昭和二十八年に中小企業金融公庫が設立されましたときに、両者はそれぞれ別の分野で、おのがじし対象とするところに専念するということになりました。両方競合しないように、調整することになったのであります。したがって、中小公庫のやれるものは、中小公庫がもっぱらやる、私どもはそうでない分野において産業政策に即応してやる、こういうふうになってきております。ただし、と申しましても、中小公庫に非常に近い金融活動も最近はやっております。先ほどおっしゃいました地方開発でありますれば、これは九州、四国、中国、北陸というような開発地域、それからその他も若干の低開発地域を対象としております。これらの地方開発におきましては、大企業の誘致もさることでございますが、地元の中堅資本の努力を援助することが非常に地方開発上必要であるということを十分認識しております。したがって、この限りにおいて、中小企業者が私どもの融資対象になってまいるわけであります。かかる場合には、中小公庫の出先機関あるいは本所ともよく連絡を常時やっております。一つ一つのケースについて、これはあなたのほうにお願いする、これは私のほうでやりましょうというぐあいになっております。そうして競合もなければ空白もないというような状況において実際運用をしております。たとえて申しますれば、そのケースの中で地方開発的効果が非常に大きい、これを中心に考えたらばいいというようなものは私どものほうがお引き受けし、中小企業対策を中心に考えるべきようなものは中小企業金融公庫にお願いする、簡単に言えばこういうようなさばきになっております。実際上は、中小公庫も非常に熱心に地方産業に対して援助しておられまするので、中小公庫のやれるものはできる限りそちらにお願いしてやっておる。しかしながら、決して空白が出ないように、野球で申しますれば、ショートとサードがやや重なりぎみにたまを追いかける、こういうような状況と御判断いただければけっこうかと存じます。
○吉田(賢)委員 相互にお互いの立場を尊重して協力していっていただくという基本体制であれば、たいへんけっこうなんであります。そこで空白がなければなおけっこうなんでありますが、実は空白があるのでこういう問題がいろいろ起こってくるのでありまして、現実にいま私がここで取り上げておりまする西脇地域、三木地域におきまして資金難におちいりまして、個人の高利貸しが相当にばっこしておりますというようなこともあるいは御承知かと存じます。神戸市におきましても同様でございます。こういうこともありますのですが、そこできょうは中小企業の総裁が見えておりますが、中小企業の融資につきましては、中小企業金融公庫と日本開発銀行がいずれもがこれを対象にして、たとえば設備資金のごときものであれば、いずれもがその対象にして融資することができる。この原則はいいのでございましょうね。
○舟山説明員 地方開発におきます中小公庫の役割りは、ただいま開銀の市田理事からお話がありましたとおりでございますが、私のほうは、融資先はあくまで中小企業でなければならぬ。法律で、中小企業等を経営しておるものでなければならぬということであります。もう一つは融資に限度がございます。一般の基準は三千万円でありますが、業種によりましては五千万円とか八千万円とかいう業種があるので、実は資金の需要が多い企業につきましては、上のほうの資金の需要量の多いところになりますと、中小公庫では資金の供給が需要者、事業者の希望どおりまいらぬという事態があるわけであります。それらの点は開銀とよく協調いたしまして、ただいまのお話にありましたように、出先機関で適当に割り振りまして、ごめんどうを見ておるような次第であります。
○吉田(賢)委員 実は私の伺いたい焦点は、中小企業と開発銀行がお互いに協議もされながら、中小企業者のたとえば設備資金のごときはお互いが融資する、いずれもたとえば相手のほうへ振るとか避けるとか、そういうことなしにお互いになさるのである、こういういわば原則的なお立場であるというふうに了解していいのでしょうかというこの点だったのですが、それはそれでいいのでしょうね。
○舟山説明員 御質問の趣旨が若干わかりかねるところもございますが、中小企業者であれば、中小公庫にお見えくだされば、できる限りのごめんどうは見るという立場でございます。
○吉田(賢)委員 そこなんですよ。中小企業者がたとえば開発銀行へ借りに行くとします。あなた中小企業なら中小企業があるじゃありませんかと振られておったのじゃないか。私はそれを聞きたいのです。そこで、実は中小企業である場合には、それはその中小企業者の設備資金か運転資金のようなものでなくして、たとえば近代化のために、たとえば世界的なこういう傾向に対処するために、いろいろと施設が必要である、長期的な資金が必要であるといったような場合には、それは中小公庫へ頼みに行こうと開発銀行へ依頼に行こうと、いずれもこの利用するものはどちらへも行かなければならぬ。むしろ中小企業へ行かなければならぬというふうに制約されないでいいのでしょうねと、こういう意味なのです。質問の趣旨はわかりますか。どちらでも――むしろこれは開発のほうにお尋ねしたほうがよいのかもしれません。あなたのほうは、中小企業だから中小企業に行きなさいというのではなしに、はいこちらでも相談に乗りましょう、さてあなたのほうの分は、こちらが適切か中小企業金融公庫が適切か、これをまず相談しましょうというようなぐあいに、そこは適当に御連絡ができるか、一般的にしてあるか存じませんけれども、どちらでもお互いが協力し合っていただける態勢にあるものというふうにわれわれは理解しておいたらいいのでしょうか、こう言っておるのです。
○市田説明員 開発銀行のほうからお答えいたします。
 ただいまの御質問は、開発銀行は、中小企業者が来るとそんなもの聞く耳を持たぬ、中小公庫へ行ったらいいじゃないかと追い戻すかどうかということでございますが、決してそういうことはいたしません。いろいろきめこまかくお話を伺いまして、おのがじし両者は得意なところがございますから、中小公庫はやはりもちはもち屋でございますから、そこにお願いしたほうがよさそうだということがありますれば、私どもは内部で一件一件連絡することもありますし、あらかじめ一般的にお願いする筋、ルールをきめておくという場合もございます。決して追い返すというようなことはございません。
○吉田(賢)委員 そこでちょっとはっきりしておきたいことは、やはり従来は大きな基幹産業的な方面が主となっておったように社会的な印象を受けております。そこで、中小企業の窓口を広げなさるということは、ちょっと広く民衆化していきなさるのじゃないかと一般に見ます際でありますので、あるいはふなれな面があって、それはなれたほうの中小企業のほうに行きなさいというおそれもないではありますまいから、そこは、そうであるならば、やはり十分にそのように趣旨を徹底いたしまして運営をしていただくことを、強く御希望申し上げておきます。ことに、地方開発との関係になりましたら、大企業というものは、それぞれりっぱな金融機関を御自分で持っておられます。持っておられない大企業はもうありません。ですから、いまたよりにしております中小企業というものは、自体ほんとうにないのです。ありませんので、そこで問題が起こるわけです。そこで、両方にというよりも、中小企業金融公庫のほうにお尋ねしまするが、一つはあなたのほうでは零細企業の場合には――これは中小企業と零細企業をどこで区別するのか知りませんけれども、とにかくさっきも言うておりましたが、三木地区で事業所平均三・五人、人口四万の都市で二万がそのような従業者で満たされておるところ、零細企業一軒一軒は償還能力が不十分であると思いますけれども、これまた協同組合なんかつくる方法もありましょうから、いずれにいたしましても中小企業、零細企業を対象にするということははずしておられないでしょうね。これは国民金融公庫へ行きなさいというようなことはないでしょうね。ここをひとつはっきりしておきたい。
○舟山説明員 中小企業と申しますと、その範囲がなかなか広いのでございますが、私のほうの公庫は、資金需要量の一千万、二千万というような大きいところから、また下のほうは小さいところまで、均てんして資金を利用していただくように進めております。零細企業をどこで境を引くかということはむずかしい問題でございますけれども、零細企業なるがゆえに看過するというようなことは決していたしておりません。
○吉田(賢)委員 そこで、きょうは中小企業金融公庫の監事さん見えておられますね。ちょっと伺っておきたいのですが、この歩積み、両建ての問題、どうもこいつには参っちまうというようなことをしばしば現実の経験者から聞くのですが、そういうことは特に代行機関等につきましてお調べになっておるのでしょうか。その辺はどうなんでしょうか。
○吉本説明員 お答え申し上げます。
 中小企業金融公庫の資金をもってする歩積み、両建ては業務の代行の契約をいたします場合に厳に戒めておりまして、その取り締まりにつきましては、監査部の職員が全国何班かに分かれまして、各代理店の店舗を検査いたしております。発見いたしましたものは、そのつど厳重に戒告をいたしておりまして、業状のはなはだしいものは代理店の業務を一時停止するというような措置もとることになっております。だんだん監査の指導も行き届きまして、最近ではそういう点で指摘を受けました代理店の店舗は非常に少なくなってきておる状態でございます。
○吉田(賢)委員 少なくはなったけれども絶無にはまだならぬというところに、世上問題が残っておるようですね。だから、大蔵省においても、また銀行間におきましても、自粛をやかましく言っておるようですが、これは被害者の立場になったらたいへんなことでありますので、私は御希望申し上げておきますが、一日も早く絶無になりますように、監査を一そう徹底するように、ひとつお願いをしておきたいと思います。
 それから、輸出入銀行につきましてちょっと簡単に聞いておきますが、輸出入銀行の本来のたてまえは、内地の中小企業のほうはあまり振り向けないのかもしれませんけれども、どうも法律によりますと、これも格別にそんなに制限なし。特に輸出を業とします生産業者、輸出すべきものを生産する生産業者が輸出先、たとえばギンガムのアメリカ向け輸出といったようなときに、アメリカの輸出先の経済的地歩を確保しておくような、そういうような目的を持っておるとするならば、そういうふうに理解し得るとするならば、綿スフの輸出産業における末端の生産業者に対しましても融資することは法律の禁ずるところでないと思うのでございますが、その点はいかがなものでございましょうか。
○斎藤説明員 いまのお話は本行の行なっております業務のうちの輸出に関する金融の点だと存じますが、輸出に関する金融につきましては、現在二種類の形がございまして、一つは輸出品を生産する期間における生産に必要な資金、それから一つは品物を輸出いたしましてからその代金を回収するまでの延べ払いの金融でございます。そのどちらかの項目に該当いたします場合には、これは大企業でありますと中小企業でありますと全く関係がございません。
 ただ、その両方の金融をいたします場合に、特に前者の生産金融についてでございますが、これは法律でも原則として本行の融資は六カ月以上の期限のものでなければならないということがきめられてございまして、通常の品物の生産期間は大体六カ月以下でございます。この場合には御存じのように日本銀行で優遇の措置を講じておりますので、市中銀行から十分低利の資金がつくたてまえになっておりますので、そういう意味で市中銀行と競合しないというたてまえもございまして、六カ月以内の短期のものは貸し出ししないというたてまえでございます。それから、本行の業務に関する規定には、設備等、要するに機械類の輸出が本行の輸出金融業務の主体であるということが定められておりまして、もっともそれ以外の品物につきましても、特に必要がある場合には融資をいたしますけれども、原則としてと申しますか、主として機械類の輸出について金融をする、そういう大まかな制限はございますが、そういう制限の範囲内ならば、別に大企業あるいは中小企業というような差別は何らつけておりません。
○吉田(賢)委員 これは輸出入銀行法の十八条の一項の六号ではなかったかと思うのですが、間違っておりましたらあとで訂正しますが、法律では機械類ということは限定しておらぬと思うのです。私がいま具体的に言っておりますのは、主として綿スフ生産産業のことなのであります。輸出綿スフの生産につきましては、いろいろと金融機関もないではありませんけれども、特に商社よりも、紡績よりも、生産の中核をなすものは現場の機屋であって、これに最も多数の人々が従業しておるのであります。でありまするので、ことに財投の金なんかお扱いになるこの種の銀行におきまして、このような末端の従業者のある輸出製品の事業主に対して融資するということは、法律が禁止していない限りはそのように出てもいいのではないか。機械類が主となっておるかもしれませんけれども、それは業務方針といたしまして、私は従来輸銀の融資がそのような方面になされておるということを寡聞にして聞いておりませんが、しかし輸銀こそある意味においては最も身近な貸し付けの相手と見るべきではないだろうか。何となれば、アメリカに輸出するものを一生懸命に朝から晩まで生産している業者なんですから、その業者のために必要な資金となれば、それはできるだけこれを援助するということが筋ではないだろうか、まだ開けていないなら窓口をつくったらいいんじゃないか、こういうふうに思うのでございますが、それはどうでございましょうか。
○斎藤説明員 最初に、機械類に限定されているのではないのではないか、こういう御質問の点でございますが、これは、先ほど申しましたように、機械類を主といたしますが、特に海外市場の開拓その他に必要な場合には、ほかの製品にも及ぼすことができるということになっておりますから、もちろん綿スフ等につきましても融資ができないわけではございません。ただ従来の例では機械類が主体でございますので、特に繊維製品等についてはほとんど例がございませんけれども、しかし法律で禁止されておるわけではございません。
 第二に、したがって綿スフ繊維製造業者にも融資したらよろしいではないかという御質問でございますが、先ほど御説明いたしましたように、本行が融資いたしますのは、非常に限られた形の金融についてでございます。先ほど申しましたように、輸出品の生産期間におきます生産資金の金融と、それから今度は、輸出いたしましたあとで、それがもし延べ払いになっておりました場合には、その代金が回収されるまでの期間の金融と、この二つを輸出金融としていたすことになっておりまして、そのどちらかの形に入りませんと本行法上金融ができないことになっております。前者につきましては、通常繊維の場合には、発注がございましてから生産しまして輸出するまでの期間が六カ月以内の場合がほとんど大部分でございますので、その場合は、通常御存じのように輸出貿易手形という制度がございまして、それで市中銀行から金融を受けまして、その手形はさらに日本銀行から再割引なり担保融資なりという形で資金が出ます。そういう形で大部分が金融されておりますので、本行から出るということがほとんどない。第二の延払い金融でございますが、これは繊維品のたぐいが延べ払い金融の対象になることがほとんどございませんので、そういうことで本行から金融をされるケースが非常に少ない、こういうことでございます。
○吉田(賢)委員 要するに生産者は輸出業者じゃないわけなんです。輸出業者は、別に商社があって、そして原料糸を供給する紡績があって、中間の商社がまたあって、そして末端のほんとの全体を生産している生産業者がある。その生産業者が世界的経済の動向の危機に見舞われている現状であたふたしておるのです。いろんな問題がありますけれども、資金も枯渇しているわけなんです。したがいまして長期低利の資金の融資ができましたら、現状において実際地獄に仏なんです。ですから道を開いてはどうか。ことに最近におきましては相互銀行が非常に発達しております。それから個人の高利貸しは旺盛にばっこしております。こういう中でさいなまれまして、輸出振興なんてあり得ないのです。だから輸出振興というのは根本をうんと培養してやらなきゃならぬ。根本は何かといったら、膨大な分野の富士のすそ野のような中小企業の末端の業者なんです。ですから、そこを保護なさるのがあなた方の銀行の目のつけどころじゃないかと、こう申し上げるのです。ですから、業務仕様におきましてはいろいろあろうけれども、ひとつこの際、やはりそういった方面に広げて、お互いに手をつないで輸出を盛んにするということが、日本の政治経済のために必要なことでないかとこう申し上げるので、実はあなたに御所見を伺った次第なんであります。そういう趣旨でありますから、ひとつ御了解願っておきます。したがいまして、さきに御指摘になりました前者につきましても、あるいは多少違うかもわかりません。多少違うかもわかりませんけれども、私も若干法律の面とあなたの営業案内等々調べた範囲でございますから、詳しいずっと長い経緯は存じません。けれども、法律と業務仕様書などを検討いたしますと、これは十分に余地がある、こういうふうに判断しましたので、お尋ね申し上げましたのです。ですから、これは必ずあるものと私は思いますので、ひとつ業者の代表などがまいりましたら、相談に乗ってやってください。これは別にあなたに陳情するわけではありませんけれども、せっかくのこの機関が国の経済全体のために非常に役立つべき時期であり、最も好個な問題に直面しているときでないかとさえ私は考えますので、お尋ねしたわけです。御意見ありましたら伺いまして、次へ移ります。
○斎藤説明員 先生の御趣旨はよくわかるわけでございますが、ただ現在の本行法上のたてまえといたしましては、輸出品生産業者の一般設備資金とかあるいは一般運転資金とかいうものをまかなってよろしいという形になっておりませんので、立法論としてはそういうこともあるかと思いますが、それは困難である。ただし、輸出前貸し金の場合に、これは必ずしも輸出業者すなわち貿易業者に貸さなければならぬということではございません。それは生産業者に貸してやるケースもございますし、そういうことはできるわけでございます。輸出に必要な資金である限りは、必ずしも直接輸出契約を結んでおるエクスポーターに貸さなければならないということではございませんが、輸出の生産のために必要な資金でなければならない。そういう制約があることも御了承いただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 わかりました。要するに私は立法論をあなたとしておるのではないのです。運用の面で中小企業のために少し門を開いたらどうかというだけのことなんです。ですから、これをよくお考えをいただきまして、ひとつ運用し得るように、できたら改善していただきたい、こう思いますので、御希望申し上げておきます。いずれまた具体的な問題にぶつかりましたら、具体的に御検討をお願いしたいと思います。
 それでは、次の委員が質疑を相当急がれておりますので、通産当局、中小企業庁当局にごく簡単に伺っておきたいと思います。
 要するに、ただいま当委員会におきまして問題になりました予算執行上の各般の論点につきましてこういう問題がここで論議せられなくてもいいようなほどに中小企業の業態も改善され、振興もしていくようにするためには、これは通産省における最大の課題でないかとさえ、私ども実は考えるほどなのであります。
 そこで、私はいま地域を例にとりまして、西脇地方におけるギンガムの一つの危機の問題と、それから三木地区における金物製品の問題二つ取り上げたのでございますが、帰するところは、この現状を打開いたしますためには、一つは資金の問題もあります。労力の問題もあります。差し迫った税の問題もあります。労力の問題の関連といたしましては環境の整備心、福祉厚生の施設もあるいは住宅の整備も、そういう諸般の問題があります。いずれもそれぞれ施策はないとは言いません。ないとは言いませんけれども、現実は次第に深刻化するというのが現実の事実であります。そして内地だけでこれらの人が起こした事実ではなく、世界的な一つの経済の動きが事ここに至らしめたというふうにも、ことにギンガムのごときは考えられますし、そういたしますと、いまあげまして指摘いたしました資金問題とか労力問題とか、ひいてはまた税の問題とかそういう各般の問題を総合的に解決して、初めて近代化いたしましょうし、開放体制に即応し得るような日本の企業体制もそれぞれ整備されていきましょう、零細な企業がだんだんと押しつぶされるようなことになる現状でありますから、そういう問題を全部ひっかかえておる次第なんであります。でありますので、いろいろとこまかい対策の質疑応答のやりとりをしてみたいのですけれども、時間がありませんので、私はこの際は差し控えますが、繊維局長なりあるいは企業庁の阿部次長なりにおきましては、これらの諸般の問題につきまして具体的にどういうふうに対処していけばいいであろうか。それはただし、それぞれ何かいたしておりますというのでは、これは後日に質疑を保留してしまわぬとしかたがありませんので、不足、不備、やらなければならぬことができておらぬこと、非常に重大な問題であるというようなこと、これはひとつ率直に述べていただきまして、私の質疑を終わらせていただきたいと思うのですが、逐次ひとつお願いいたしたいと思います。
○磯野政府委員 お答えいたします。
 いま西脇地区を中心といたしましていろいろ御意見があったわけでございます。非常にむずかしい問題でございますが、一般に見ましてこういうふうに考えております。率直に言えということでございますので率直に申し上げますが、御承知のとおり繊維の原料段階から最末端の身辺細貨等を含めました日本の繊維工業の従業員の数は、大体百四十万名でございます。でございますから、工業従業員が八百二十万名ぐらいでございますので、ちょうど一八%程度が日本の繊維工業を形づくっておるわけでございます。こういうふうに日本の繊維工業をささえますにつきましては、それが単純な機械加工でございますので、非常に多くの人間の数が要るわけでございます。そういうことでございますので、今後繊維工業自体におきましても、いろいろ合理化が進みますと、もちろん人間の数はこれ以下でも済むということがあろうかと思いますけれども、しかし典型的な労働集約産業でございますので、やはり将来におきましても相当の人間が要るということは間違いはないところでございまして、これをどうして確保していくかということが日本の繊維工業の行く手を支配するものというふうに考えております。
 それで、そういうことで考えてまいりまして、特にいまいろいろお話のございましたように、紡績の段階としてでございますけれども、糸から織物にする、あるいは織物からいろいろつくってまいります織布以降の段階、これは主として中小企業でございますので、その中小企業が非常に多くの人間をかかえておりますからこれはやはり本質的に単純な機械加工業であるという意味から、将来におきましても現在の中小企業の形態を保持していくことが必要であるというふうに考えております。
 それでその手段、方法でございます。いろいろございましょうけれども、まず第一は若年労働者、新規労働力が非常に詰まっておりますので、もちろん中小企業におきましても、いろいろと厚生施設等をやりまして新規労働力を確保することが必要でございますが、これは率直に申し上げまして、それをやると同時に、やはりいろいろな関係から中高年齢層に切りかえていくことが必要であるというふうに考えております。
 それから第二番目といたしまして、やはり自動化が必要でございます。ただいま新規労働力で毎年出てまいります女子の中学卒業者が約二十七、八万名ございますけれども、その半分が繊維工業に入っております。しかしこれは将来その趨勢を維持することが非常にむずかしい環境でございますので、なるだけ労働節約上におきまして、人手を借りないで自動化をやっていくことが必要だと考えております。これは先生よく御承知のとおり、西脇地区でもだいぶ織機の自動化が進んでおりますけれども、自動化いたした場合とそうでない場合は五対一ぐらいの開きがございますので、自動化が必要であると考えております。
 それから第三番目に、中小企業を維持していくためにはやはり協業化、共同化が必要でございまして、まあこれはいろんなかっこうがございますが、いま綿・スフ織物業での共同事業は、全事業者の約一五%が共同事業をやっております。これはあまり大きなパーセンテージではございませんので、今後その比重を高めることが必要であろうと考えております。これの一番典型的な形といたしましては、いろんな共同事業をやると同時に、御承知の団地化、一所に固まっていろいろなものを節約しながら共同的にやっていくということがございますので、団地化というような問題につきましては、特に繊維工業の中小企業については必要だというふうに考えております。
 まあ、いまいろいろ申し上げましたことなどを中心にして、繊維工業の中小企業を維持していきたいと考えております。
○吉田(賢)委員 中小企業庁に、同様にひとつお伺いしたいと思います。
○阿部説明員 ただいま繊維局長からお話がございまして、大体そのとおりでございますが、ただいま御指摘のように、私ども中小企業基本法に基づきまして最初の年次報告を国会にこの間提出したわけでございます。その中にも率直に申し述べておりますように、中小企業を取り巻きます諸環境は、先生御指摘のようにまことに容易ならぬ事態でございまして、明年度の施策といたしまして、予算面あるいは金融面あるいは税制面等におきましていままでにない程度の内容が盛られることになりました。しかし、まだ中小企業の現状から見まして、私ども決してこれでは十分でないと考えております。特に先ほど先生のお話の重点でございました中小企業におきます労働力の確保につきましては、非常に容易ならぬ問題でございまして、私ども早急にこれが御期待に沿うように、一挙にはなかなかむずかしい性質の問題だと思いますが、関係するところの労働者、厚生省また建設省も産業労働者住宅の関係がございますが、それに私ども一緒になりまして、労働対策協議会を明年度予算で発足させていただきまして、特に小規模、零細企業に対します労働環境の改善整備、あるいは五人未満の零細企業につきましては各種社会保険の適用等々につきまして、関係各省協力いたしまして、できるだけ前進いたしてまいりたい、こう存じております。
 最後に一言申し上げますが、基本法におきまして、中小企業に対しまして講ずべき重要な施策は政府に義務づけられておりまして、この点につきましては法律にきまりました中小企業政策審議会に各専門家をそろえまして、それぞれ問題事項と取り組みまして、着実に問題点を具体的に解決しながら問題の推進をはかる、こういうことにせっかく努力しております。いろいろ今後も御指示、御協力をお願い申したい、こう存じます。簡単でございますが……。
○吉田(賢)委員 いまの中小企業庁の労働についての各般の協議会ですか、協議会のメンバーの省のことを伺いましたが、文部省とか大蔵省なんかは入らぬですか。
○阿部説明員 これは、ただいま申し上げました現在考えております構成には入りませんが、そこで各省関係局長あるいは部長をもちまして会合を開きまして、問題がそれに当然関連してくると思いますから、その際は随時いま御指摘の関係各省も御出席いただくということがよろしいかと思います。
○吉田(賢)委員 これは、なぜこんなことを言うかと申しますと、やはり文部省におきまして、この間からこの委員会におきましても非行少年の問題が、法務省の決算をやるときからずっと問題で継続しておるのですが、非行少年の問題をずっと続いてやっておりますと文部省と重大な関係があるのです。したがいまして、これは若年労働者の心身ともに健全を保持するということは、これは労働力確保の上から見ても、生産性確保の上から見てもきわめて重要なことであります。ことに政府施策としては当然そうあらねばならぬというようなときに、やはり一般の社会教育的な面、たとえば親元を離れて他地へ行ったとか、工場へ行ったとか、あるいは集団的な生活に新しく入ったというときには、単純な定時制の学校とかあるいはそこいらの勤労青年学校なんかで事足りるものじゃありません。もっと政府の広範な施策といたしまして、やはり次代を皆負っていく未来ある若年労働者の心身ともに健全な発達をはかるということは、これは施策の裏づけとしてきわめて重要なんです。同時にまた、これは大蔵省も一枚加わって、たとえば経済閣僚会議におきまして経済上の諸般の問題を協議するがごとく、このような問題の協議には大蔵省が国の財政的見地から一枚加わっていくということは、これまた必要なことではないかと思うのです。何でもないようなことでありますけれども、この結果が、できた成案に非常な開きが生じてくると思うのです。問題の重要性を考えれば考えるほど、そのような協議会の構成の点につきましても格段の配慮が必要でないかと思います。企業庁に対しましては尋ねたいことがぎょうさんあるのですけれども、時間の関係でこのくらいでおきますけれども、ひとつ中小企業の問題はお題目、看板だけでは解決できませんし、年々いわれてずいぶん古い問題で一番新しい問題で、なお今日の問題として=上にのぼってきまして、中小企業の問題はどこから考えましてもたいへんなことだと思っております。こういう意味におきまして、ひとつさらに諸君もやっていただきたいと思います。御希望だけ申し上げておきます。
○福井委員長代理 山田長司君。
○山田(長)委員 公益事業局長に電気事業についてお尋ねしたいのであります。電気事業につきまして、九電力及び電源開発等も毎年多額の財政投融資、かなされておるわけなんであります。そして開発の事業が行なわれておるわけでありますが、この九電力に対しまして開発銀行から約三千億融資がなされておる、それから電発につきましては政府出資が六百億円にのぼるほか、資金運用部それから皆保険の金からの借り入れが二千四百億円等、大部分が財政投融資からまかなわれておるのであります。われわれはただ消費者の立場というだけではなくて、財政監督の立場からも重大な問題だと思うのであります。そこで通産省当局の資料によって見ますと、財政投融資からの額は三十六年度に九電力百八十億、それから電発に三百八十九億、三十七年度に九電力二百五十七億、電発に三百六十一億、それから三十八年度に九電力二百四億、電発に二百七十三億、三十九年度は九電力に百四十三億、電発に三百八十億を予定されておるのでありまして、電力事業の運営ないしあり方については、ただ公益事業というばかりでなしに、財政の監督上からもこれは重大な問題であると思うのであります。そこで電力事業について三十七年の四月に行政管理庁で通産及び建設両大臣が監察の結果監督をされておるのでありますが、そのうち特に私が重大な問題だと思いまするのは、この九電力会社の料金の算定の問題と、それから九電力会社の経理内容の格差の増大という問題であります。料金の決定は、料金の値上げ申請のときに事業会社から提出された将来二カ年の見積もり原価の算定を通して決定されているところでありますが、この標準経費の算定などはきわめてむずかしいことはわかるのでありますけれども、経済事情等によって変動があって原価が出されたことなどもあるが、それがそのままに料金がなっていると思うのです。これらについて不合理なことがありはせぬかと思うわけでありますけれども、この点について公益事業局長のお考えをただしたいと思います。
○宮本政府委員 お答え申し上げます。
 電気料金をどうやってきめるかという問題でございますが、これは先生御存じのように、現在は公益事業令三十九条の規定によりまして、特に最近は値上げという場合に出てくるわけでございますが、供給規程の変更の申請というものが出まして、それを先ほど先生のおっしゃいましたように、一言で申し上げれば、原価主義に基づいて査定をいたしました上で政府の認可ということできまるわけでございます。このやり方といたしましては、最近では向こう二カ年間の電力の需給というものをにらみました上で、それに必要な開発の経費とかいろいろな経費を全部査定いたしまして、それを総括原価といたしまして、一応総括原価が電気収入と一定であるということで、これを今度は個別原価に割り振ってまいります。そういうことできめるわけでございますが、ただいま先生のお話のように何と申しますか、御承知のように最近電気料金の改定をいたしましたのが九州電力、東京電力、東北電力だけでございまして、残る六つの会社は昭和二十九年当時に定められました料金のままでおるわけでございます。これが実情に合っているかどうかということでございますが、実情に合っているかどうかという御質問の内容が二つあると思います。一つは、相当苦しくてまた値上げしなければならないのじゃないかということと、相当もうかっているのじゃないかという二つの御質問があるかと思いますが、ただ御承知のように、本来の公益事業のたてまえから言いますと、電力会社というものが不当にもうけることは許されないが、同時に私企業でございますから、絶えずつじつまが合っていなければならないというたてまえでございます。しかしながら、実際問題といたしまして、特に最近物価問題がうるさくなってまいりますと、そう簡単に値上げができないということで、実際問題としては、かりに料金の値上げをやるという場合には、いつも相当おくれがちでございます。ただ全般的に申し上げますと、最近は御承知のように景気の安定化というようなことから、需用がわりに安定してまいりまして、一、二の会社を除きましては、わりあいよく安定してきております。と申しますのは、いままでは非常に電力需用の伸びが大きかったために開発を急がなければならなかった。そのために相当開発資金もつぎ込む。その背後には先生のおっしゃいましたような相当な財政資金をつぎ込んでやったわけでございますが、ある程度需用が安定してまいりますれば、開発もそう急ぐ必要はない。需用に見合ったということで最近はだいぶ安定してきております。したがいまして、開銀の資金も九電力に関してはだんだん減ってくる傾向にある。こういうことでございます。したがいまして、実情に合っているかどうかということでございますが、現在の状況からいけば、少なくとも値上げをしなくても大体やっていけるという会社がだいぶ多くなっているということじゃないかと思います。
○福井委員長代理 ただいま質問者の山田委員ほか各委員に連絡いたしました結果、午後の質問は、通商産業省の方に限りますので、本日は他の方々をお招きしてたいへん御苦労をかけました。通商産業省の方以外は何とぞお帰りください。傍聴はもちろん自由でございます。
○山田(長)委員 九電力会社で、東電それから関西電力などは、毎決算期の成績を見てみますと、全事業会社の中でも屈指の収益をあげているように見受けられるのであります。これはけっこうなことですけれども、必ずしも経営合理化によるものばかりとは言い切れないと思います。一部料金が高過ぎるのではないかという声もあるわけですが、公益事業会社として、消費者並びに産業界全般に奉仕するのが第一義的であるにもかかわらず、これらの料金の再検討はされてもよいのではないかと思われますけけれども、料金の再検討というものは、現在のところ、されないのでありますか、どうですか。
○宮本政府委員 東電、関西電力その他、確かに収益がいいという会社がございますことは御指摘のとおりでございます。しかしながら、電気料金というものは、現在ほかの諸般の公共資金との値上がりの比較、その他を比べてみましても、最も値上げ幅の少ない業種でございますのと、確かに関西電力などは、ある意味では電源配分の結果非常に得をしておるということもいえます。で、概して申しますと、昭和二十九年の値上げのときに、西のほうのいわゆる火力地帯というほうの会社と、東のほうの水力地帯の会社というものが、その後のいわゆる火力が重点になってきたという点から、どちらかといえば、火力地帯のほうが経営的には楽になってきております。その点からいうと、西のほうの電力会社の経営内容がやや楽になってきております。ただ、御承知のように一時的にある時期において相当な利益が出たということでございまして、だから高過ぎるんじゃないか、だから下げたらどうかという御意見に対しましては、これは慎重を要することでございます。と申しますのは、かりにあるときがいいからといって至急に下げた、そうすると、また悪くなったときに上げることがすなおにすぐできるかと申しますと、これはなかなかむずかしいということでございますのと、それから現在の、たとえば関西電力の料金は全国に比べましても、むしろ安いほうでございます。そこで、われわれとしてはもちろん相当長期にわたってだいじょうぶだという時期がまいりますれば、それはある程度引き下げるということも考えられるかしれませんが、現在は、それよりもむしろ、まだまだサービスをすべきところがさくさんございます。そういった点にサービスを強化することによりまして、電力料金を上げないでできるだけサービスの強化に重点を置かせることによって消費者に対するサービスをはかるべきでないかという見地から、現在のところ、まだその辺は十分サービスをやれという点を大いに強調しておる次第でございます。
 なお、実は先ほどまだ申し上げてございませんが、現在新しい電気料金制度によってやるところは、先ほど申し上げました九州、東京、東北の三会社でございまして、あとの六社は、実はまだ古い電気料金制度でやっております。なぜかと申しますと、新電気料金制度に移りますと、場合によっては多少値上げになるかもしれないということで、いままでは、結果から言いますと値上げをする際に新しい電気料金制度に移るということをやっておるのでありまして、ただ、今度の国会で、間もなく電気事業法という法律を御提案申し上げまして、この電気事業法がかりに成立したような場合には、たてまえからいえば、なるべくすみやかに新しい電気料金制度に移りたい。そういう場合に、サービスその他も十分勘案いたしましてやらせるようにしていただきたい。それがつまり実質的の値下げと申しますか、そういうことになるし、また、たとえば関西電力のごときは、サービス面がやや欠けるという点もございますので、むしろ大いにサービスを強化すべきであるという方向で、ただいま指導しておる次第でございます。
○山田(長)委員 ただいまの話を伺いまして、私はこの機会に資料の提出を願いたいと思います。
 この五ヵ年間の九電力会社の家庭及び工場向け、それから大口電気料の単価、料金、それから、いまお話を伺いまして、改定の日付を入れたもの、さらにこれに対応して、それぞれ家庭用及び大口電力の販売の量、及び販売収入、各会社の決算損益をあらわした表、委員長からこの資料を提出さしてもらいたいと思います。
○福井委員長 代理資料の提出について、山田委員に答えてください。
○宮本政府委員 ただいまの御指摘の資料はできるだけ早く作成いたしまして、御提出申し上げたいと思います。
○山田(長)委員 この資料をいただいた上で、われわれは電力料金でそれぞれの地域によってかなり差のあることがわかるわけでありますから、すみやかにこの資料の提出をしていただいて、再検討してみたいと思います。
 それから、次に伺いますが、電力会社間の経理の内容にかなりの大きな差があるものと思われますが、現在それぞれの地域によって、いまの話を伺いましても、単価の高いところと、それから家庭用電力の消費が多いところもあれば、その逆に大口消費が割合に多い会社もあるでしょうし、電力供給地域に必ずしも一致してない点があるだろうと思うのです。いまの話を伺いましても、古い設備である地域もあるようでありますし、最近の設備のところもあるだろうと思うのです、そこで、電力単価の高低が察知できるわけですが、これによって経理の内容が芳しくないところもあるだろうと思うのです。こういうことについての成績表とでもいいましょうか、こういうものの資料もひとつお願いしたいと思います。
○宮本政府委員 先生が先ほどおっしゃいました資料からおのずから出てまいりますので、その点の必要の資料はさっそく作成いたします。
○山田(長)委員 電力開発の広域運営の方式がとられておって、各社の差が増大するばかりでなくて、きわめて成果をあげているところもあると思いますが、この問題を解決するのには、どうしたら根本的に九電力の分け方が成績的にバランスがうまくとれていくものか、参考にこれを伺いたいと思います。
○宮本政府委員 ただいま御指摘の点は、実は今度の電気事業法を国会に御提出申し上げる際の一番の問題であろうと思います。今度の電気事業法を出しますにつきまして、先生御承知のように、一年半かかりまして、電気事業審議会というところで十分にこの問題も研究したわけでございます。御承知のように、戦争中の日本発送電という会社、全国一本の会社がございましたのを、終戦直後今度は九つの配電会社がございまして、いわゆる料金のプールをしておったわけでございますが、これは御承知のように戦後いわゆるGHQの命令によりまして九分割いたした次第でございます。いわゆる電気事業再編成令並びに公益事業令によりまして、今日まで至っておるわけでございます。九分割、いわゆる電力再編成の功罪ということになるわけでございますが、とにかく全国一本でやるよりは、終戦後のあの電力不足を九つの電力会社がいわば競争的にやった。さらには昭和二十七年には電源開発促進法に基づく電源開発会社もできたわけでございますが、この十の会社で一生懸命に、競争的に電力を開発した。これがやはり今日の電力が量的には安定をしているということに至った最大の功績である。これはどなたもお認めになると思います。おそらく一社でやっておりましたらこれほど回復は早くなかったのじゃないかと、一般にいわれております。ただ問題は、功はそうでございますが、罪の面からいいますと、自由競争の結果はある程度格差というものが出てくるということも当然でございまして、先生御指摘のように、先ほどの企業格差、料金格差という問題がここに出てきております。しかしながら、いままたこれを全国一社化にしてはたしていいかどうかといった点は、非常に問題もございますので、電力事業審議会の答申からいえば、一応現在の九分割の体制プラス電発ということの体制はとりながらも、先ほどおっしゃいました広域運営ということをもう少し強化することによって何とかいけないか。これはもちろん万能薬ではございません。と申しますのは、いま、先生御承知のように、全国を四つのブロックに分けております。広域運営の面で、北は北海道だけでございますが、東、中、西と――東は東京と東北、中が関西、中部、北陸、西が九州、四国、中国、こういうことでやっておりますが、この広域運営ということは、先生も御承知のように、たとえば西ブロックでいえば、関西電力あるいは中部電力、北陸電力の立場を一応超越して、そのブロックでどこを一番開発したらいいかという立場から開発地点をきめる。あるいは、それと同時に、北陸が苦しいならば、関西電力がかわって電源を開発する。そして安く送ってやる。こういう形によってある程度苦しいところを助けるという効果はある。ただし、現在の体制からいけば、各九電力といえどもやはり私企業でございますから、損をしてまでやれということはできないわけでございます。そこに広域運営の限界はございます。ただその場合には、電源開発が乗り出していって、あるところを開発するというふうなことで、現在までもかなりの成果があがっております。現行法におきますと、広域運営は余った電気の融通だけでございますので、今度は電源開発面まで一歩を進めたい、こういうたてまえでございます。ただ理論的にいえば、広域運営に徹底すれば、当然全国一社化という線は理屈としては出てまいりますが、しかし、とにかく戦後十年、それぞれの地域に密着して、地域と親近性も出ております。あるいはまた、東京電力自体が千二百億の大会社であります。それがかりに東北と合併するということは、実際の経営能率からいってうまくいくかどうかという点もございまして、中途はんぱではあるかもしれませんが、電気事業法の根本の考え方は、とにかくいまの体制を、そういうことで幾らかでも悪いところは直しながらと、こういうことでございます。
 それから料金格差の問題でございますが、御承知のように将来の電力の開発は、どうしても火力が中心になってまいります。そうなりますと、いままでと違いまして、水力地点というものはその地域の特殊性はございますが、火力の場合は、どこに置こうと、大体建設費というものは同じでございます。したがいまして、これは非常に遠い将来になるかもしれませんが、そういうことから考えれば、将来はそれぞれの電力の料金格差というものは、方向としては縮まる方向にはいくだろう、こういうことは考えられます。ただ、先ほどのお話のように、電灯料金にそれぞれ差があるということでございますが、現実問題として、一番高いところと一番低いところとは、十三円何がしから十一円九銭ぐらいでございまして、電力料金を全国一律にしろという御意見も相当ございますが、たとえば配電線を引っぱる場合に、一本の配電線に百個ついておるところと十個というようなところとでは、おのずからそこに収益の上がり方が違ってくる。それともう一つは、根本的に日発時代のプール制度というものはとらないで、一応原価主義で来た。それで電灯料金を安くする、高いところを下げるということは、いまの原価主義のたてまえからいえば、どこかを上げなければいかぬということになりますので、政策としては、確かに御指摘のように、電灯料金というものは、いわば最近の水道とかなんとかと同じように、なるべくは低位に保つということはまさにそのとおりでございますが、現在のたてまえから、いわゆる政策料金というものはなかなかとれないわけでございます。ただわれわれの行政指導といたしましては、たとえば料金値上げが出てくるときに、なるべく電灯のほうは押えるということはしたいと思いますが、それも一応原価主義ではじくということになれば、やはり非常に広いところで、たとえば無点灯の問題その他をやるために電線をずっと引っぱるということになれば、どうしてもそれだけはかかるということで、ある程度の差があるのはやむを得ないんじゃないか。ただし地域開発の面その他の面からいえば、これは電力料金だけではなくて、国全体の施策をそういう方向に向けていただくことによってだんだんと産業が興り、そうすれば電気料金もおのずから将来としては近まってくるのではないか、こんなふうに考えております。
○山田(長)委員 再三申し上げているわけですが、多額の財政資金が導入されております点から考えてみても、これが国民経済の基本的な産業になっていると思うのです。そういう点で、ただいまのお話を伺いましても、将来は火力を利用する面がふえるではないかといわれますると、これは設備の点ではどういう差があるかわかりませんけれども、電力をある一定の地点に持ってくるというふうな場合における経費というものは、今度はかなり違ってくると思われます。そういう点で、これは将来の問題になるかもわかりませんけれども、私はこの点については、やはり差額というものが僅少になる目算は立ってくると思います。この点が、しろうとの私たちが考えていることがはたして差額の点にまで考えられてしかるべきものであるのかどうなのか、この点も伺っておきたいと思います。
○宮本政府委員 差額と申しますのは格差という意味だと解釈いたしますと、先ほど私が申し上げましたように、また、いま先生がおっしゃいましたように、火力発電が将来中心になってまいるということは明らかでございます。そして御承知のように発電コストが重油専焼になりますが、最近非常に安くなってきております。最近大体一キロワット当たりの建設費は通常五万円から四万円台に下がってきておる。水力の建設が十五万円ぐらいということでございます。もちろん水力は一たんつくってしまえば燃料費というものは要りませんから、その点ではあれでございますが、将来は重油火力専焼が最近のように五十キロ、六十キロという非常に高能率になってくれば、発電コストというものは昔よりもだいぶ下がりまして、二円五十銭ぐらいに将来はなってくるということで、電力コストは相当安くなる。その面では御承知のように電力の原価自体が下がるのでございますが、したがいまして、そういうものに関する限りは全国大体みなそうなっていれば、今後差というものはだんだん減ってくる。これは方向としては言えるんじゃないか。ただ、実は最近問題になっておりますのが、発電所はできましたけれども、送電線用地というものがなかなか今度は入手がむずかしくなってくるということで、実は送電、配電費用というものが逆に最近は上がってきております。これを帳消しする意味で新しい発電所のコストダウンでこれをカバーしているというようなことでございます。したがいまして、先ほど先生がお話しのように、確かに今後ますます電気というものが国民の一番大事な産業に――産業と申しますか、エネルギーの源になるわけでございますので、われわれといたしましても、できるだけ豊富に安く、しかも質のいい電気を送るためにどうしたらいいかということでもっぱらいま研究しております。したがいまして、さっき申し上げましたように、最近は一、二の会社を除けば大体安定してまいりますので、ここ当分の間は電力料金の値上げというものはまずないと言っていいのじゃないか、特定の会社を除きましてでございますが、そういうことを申し上げられると思います。お答えになったかどうかわかりませんが、一応そういうことでございます。
○山田(長)委員 次に重工業局長に伺いたいのです。御承知のように通産省は日本の国防会議の重要メンバーに通産大臣が入っているわけで、当然通産省といたしましては防衛庁の戦闘機の選定にあたっては関連があるものと思われるわけです。そこで、戦闘機の購入にあたって、経過やその他生産指導についてどんなふうに通産省は当たるのですか。本来ならばこれは大臣に伺うべきですが、所管のほうの方がよろしいと思いましてあなたに伺うわけです。
○熊谷説明員 購入いたします航空機の関係でございますが、機種の決定、どういう飛行機を使うかという問題は、通産大臣は国防会議のメンバーではございますが、もっぱら防衛庁のほうで原案をつくっていただいて、そこで決定するということになっております。通産省が担当いたしますのは、そういうように決定されました機種を生産に乗せいく、こういう関係でございます。その面は航空機製造事業法という法律がございまして、これに乗せて、この法律に基づいて監督しながら生産をいたしている、こういう関係になっております。
○山田(長)委員 これは防衛庁の意見に従って生産に乗せていくということになりますと、先般千歳で飛行機が墜落いたしましたが、そのときに小川という隊長が傷だらけの飛行機ということでたいへん嘆いて退職されておりますが、この機種の選定にあたって、一番機械類のことに明るいはずの通産省が、もし生産に乗せて、生産だけすればいい指導だということになると、もしこの機種の墜落原因が究明されずに同じようなものをどんどんつくってしまったということになれば、国家的な見地から考えてみてもたいへんな損失だと思うのですけれども、それが原因の調査等には、それでは通産省は防衛庁とどういう協力をしていられますか。
○熊谷説明員 できました飛行機の検査につきましては、防衛庁にも検査官がおりまして、この航空機製造事業法に基づきまして向こうで検査をやっていただいている、こういう関係になっております。したがいまして、墜落原因が生産過程で起きたのかあるいはその他の原因で起きたのかという問題は、通産省と防衛庁と密接な連絡をとりまして究明いたしております。もし生産の面での原因でございますれば、防衛庁にもそういう検査官がおりますし、われわれも生産を担当いたしておりますので、共同いたしましてそのことのないようにやる組織になっているわけでございます。
○山田(長)委員 それでは、小川隊長があげた原因について、通産当局の飛行機の関係の衝に当たる人たちは、どういうところに原因があったと思いになりますか。
○広野説明員 104がときどき墜落いたしたのは事実でありますが、その点につきましては、防衛庁の空幕を中心といたしまして対策委員会を設け、防衛庁内部で十分検討されたように聞いております。こちらのほうにつきましては、主として工場を出てあと訓練中に事故が起こりました関係で、直接生産途上の事故でございませんので、その点の連絡はほとんど受けておりません。
○山田(長)委員 防衛庁のほうにも専門、家がおるだろうと思うが、やはり機械のことについては、どうもしろうとのわれわれが考えてみて、エンジンとか、機体とかについては専門家が通産省のほうにいるのではないかという印象を持ちます。そこで機体の契約あるいはエンジンの契約というものについては防衛庁がじかにやるはずはないと思われるのですけれども、通産省がこういうものに立ち会って、完ぺきを期するまで防衛庁に納める最後まで立ち会って、それから生産工程等も見た上で防衛庁へ納められるのではないかという印象をしろうとのわれわれは持つのですけれども、その点われわれの考えとは違って、何から何まで防衛庁がこの仕事に携わって、防衛庁のほうの機械のわかる人たちが納得して納められるのですか。
○熊谷説明員 考え方としてはいろいろあるかと思いますが、御承知のように重工業局の中に航空機をやっておる課は十名程度でございます。防衛庁のほうでは専門家を相当かかえておられるわけでございまして、御承知のように購入機器につきましては、調達実施本部という部でおやりになっておるわけであります。先方にも専門家がたくさんおられますので、いまお話が出ましたエンジンの調達等につきましては、向こうにおまかせしておるというのが現況でございます。
○山田(長)委員 過日調べた結果を予算委員会で私質問したのですけれども、グラマンの生産完了は日数がかかるというのでロッキードになったわけです。ロッキードは二百機の完成に十四カ月を要し、それからグラマンの場合は三十八カ月を要するというようなことだったと思います。そういう関係で、一機でも余分に必要な、防衛上の飛行機のことだから早く完成させようということからロッキードに変わったと記憶しておりますけれども、今日になってみまするといまだにそのロッキードの完成を見ることができずに、いままた五十機ほど不足しておりますが、納入期日等についてもずいぶん遅延しておると思うのです。こういう場合における通産当局は――いま十人というのでこれは指導をするというところまでとてもいかないと思いますけれども、しかし生産指導には通産省は当たらないものなのか。
○広野説明員 104の生産については、防衛庁の調達実施本部と当該メーカーでありますプライム・コントラクターであります新三菱との間に契約が取りかわされて、二百機の生産を四十年一月ないし三月までに完了する、そういう計画によりまして第二次国防整備計画の間に二百機を完成するという当初からの契約になっておりまして、その契約は大体計画どおり現在進歩しております。そういう状況でございます。
○山田(長)委員 会計検査院もこの生産状況というものを調査しておるはずです。予定どおりに進行してないから私はいま伺っておるわけですが、予定どおり進行しておりますか。
○広野説明員 先ほど先生が五十機不足して五十機追加という御質問がございましたが、これは当初の計画の二百機が大体来年の一月ないし三月で完了する、それに引き続いて五十機をつくるわけでございまして、現在の生産ペースは大体当初の計画どおり進んでおるというぐあいに心得ております。
○宇ノ沢会計検査院説明員 山田先生の御質問ですが、生産がうまくいっておるかどうかという点につきましては、うちの第二局の防衛検査課のほうで検査をしておるはずであります。通商産業省所管のほうではそういう検査はしておりませんので、御了承願います。
○山田(長)委員 会計検査院のほうは担当の人が来てないということですから、これは私のほうから申し上げておきますが、進行状態は予定どおりいってないのです。これは私が調べたことで間違いありませんから、通産当局もそれらは防衛庁のほうを確かめておいてください。これは私は私のほうのルートで調べておりますが、進行しておりません。これは間違いないのです。
 次に、重工業局次長にお尋ねしたいのは、当委員会で、一、二年前に輸出検査について伺ったことがあるのです。輸出検査法に基づいていろいろ指定検査の期間があって、こまかい品目については、ライターから万年筆のようなものからそれぞれ検査期間があって検査しておるというのですが、そのときに双眼鏡とか写真機とか、そういうものまでしておると言ったが、そのときに、私は東南アジアを歩いてきてみて、その結果、賠償物資でやっておる自動車の部品がないばかりに、自動車を道ばたに捨ててしまったということで御質問申し上げたときに、当時検査課は自動車の検査はしないのだという話だった。私は、そのときに、賠償物資である以上、日本の貿易の信用上からいって、これはどうしても会社にまかせておくのではなくて、通産省の検査課が責任を持って検査したものを賠償物資としてやらなければいけないということを申し上げたのですが、その後自動車の検査等についてはどういうふうにやっておられるか、その間二年の歳月がたっておりますけれども、前と変わりない形がなされておるかどうか、参考に伺っておきたいと思います。
○熊谷説明員 当時もお答え申し上げたと思いますが、御承知のように自動車のシャシー・メーカーというのは相当りっぱな企業でございます。特に、自動車といいますのは御案内のように量産に乗せまして相当の品質管理をしながら流していくという業種でございます。それと同時に、国内ではこれは輸出品も含むわけでございますが、運輸省でやっておられます型式承認制がございまして、ある程度の最低の保安上の基準を設けまして、それにパスしないといかない、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、自動車につきまして、最近相当各国に出ておるわけでございますが、検査法に乗せた検査をやるべきかどうかという問題につきましては、現在のところ、その過程においては必要ない、かように考えております。
 ただ、おっしゃいますように、外国に出まして、むしろ使っておる間にいろいろこわれる、補修もなかなかできないという点が、自動車につきましては一番問題であろうかと思います。こういうことはできるだけなくしたい、かように考えまして、先生の御指摘もございましたので、その後東南アジア地区につきましては相当調査をいたしたわけであります。その結論といたしましては、先方が相当無理な使い方をしているというのが一点と、やはりアフターサービスが行き届いていないという点が判明いたしましたので、検査は制度には乗せませんでしたが、そういう面に力を入れることにいたしまして、業界にも話しまして、たとえばタイ等につきましては現在三社程度が出ておりますが、その出ておる各社がアフターサービスの機関をつくるとか、あるいは販売店を強化するとか、あるいは向こうの技術者をこちらに呼んで直し方を指導するとかいうような、いろいろな措置をとっております。最近の実情は、そういうことで、日本自動車に対する不信感というものはほとんどなくなっている、かように聞いております。私どもといたしましては、そういうアフターサービスの面で十分やってまいりたい、それによって、現在の輸出台数は諸外国に比べてまだまだ少のうございますので、今後自動車の輸出を積極的にふやしてまいりたい、かように考えているわけでございます。したがいまして、先生のおっしゃることと方向は同じでございます。ただ方法論といたしまして、現在のところ検査までする必要はないのではなかろうか、その他の点で十分補っていける、かように考えている次第でございます。
○山田(長)委員 無理な使い方ということではなくて、私が受けた印象は条件が違うという点なんです。道路が日本の国内のように悪くなくて、すばらしく道路がいいということと、もう一つは、たとえば東京などでは二十メートルか三十メートル走って、信号でなくともとまらなければならないほど自動車が多いが、こういう地点ではなくて、場所によっては一時間も二時間もノンストップで走る。このことによってエンジンが焼けたりその他の事故が起こってきているので、この点はやはりアフターサービスが特にこれからの日本の産業を発展させていく上において東南アジアに必要だろうという印象を持ってきているわけです。そういう点で、アフターサービスの充実がなされておるということであれば、それはたいへんけっこうなことだと思います。
 そこで、そのときも私は申し上げたのでしたが、調べてみますと、テスト道路の問題が進められておるようでありますが、茨城県のテスト道路の進行の状態はどんなふうですか。
○熊谷説明員 御案内のように、茨城県の谷田部を候補地に選びまして、高速道路の建設を進めておるわけでございます。予定より多少おくれておりますが、現在の状況を申し上げますと、昨年の五月一日に地鎮祭を行ないまして、その後工期約一カ年間ということで仕事を進めてまいりましたが、昨年の秋、例年にない雨がございまして、その間二、三カ月工事がストップいたしましたので、それだけおくれているわけでございます。現在の進行状況は約七〇%程度はできておる、かように聞いております。今後の見込みがございますが、七月末か八月の初めごろまでには完成するのではなかろうか、かような見込みを持っているわけでございます。
○山田(長)委員 資料の要求で私の質問を終わらせたいと思うのです。
 自転車振興会の経理についてお尋ねしたいのですが、振興会及び競輪の施行者団体から財源を受けて、機械産業の育成に収益が振り向けられておると思うのです。この補助がどんなぐあいに分けられているか、これを資料として御提出願いたいと思います。
○熊谷説明員 日自振の関係では機械関係の助成費と公益関係の助成費、二つ取り扱っております。御要求の資料を整えまして提出いたしたいと思います。
○福井委員長代理 なお委員長代理より一言申し上げます。
 先ほど山田委員の質問中に航空機の特に発動機の故障が多かったという問題がございました。その際防衛庁の調達本部のほうにまかせておるという内容のお答えがありましたが、この問題は山田委員と同様私たちも非常に心配しております問題で、結局現在のところ、防衛庁の採用しておる発動機等は外国から持ってきたりしておって、オーバーホールや保守等について十分いっていないために、操縦上の故障でなくて機械の故障などがそのうちに含まれておると思います。戦時中はマシンツールの品質が非常に低下したが、今日においては相当上回って、日本の精密機械というものも通産省の指導よろしきを得て今日になっておりますので、その監督下に置かれる各官庁ともよく相談されて、それぞれの機種に従って発動機はわかっておるわけでありますから、たとえばプラット・アンド・ホイットニーなどでも、ほかのどんなエンジンでも点検、修理、加工等はできるはずで、今日においては精密工作機械もジクボーラーなども相当整備されているであろうし、通産省や航空会社に属する整備工場も設備を完ぺきならしめて、人命に関することでありますので、機械故障の絶無となるよう十分御注意願いたいと思います。
 以上が私の希望であります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十分散会
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