第046回国会 決算委員会 第17号
昭和三十九年四月十日(金曜日)
   午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 白浜 仁吉君
   理事 押谷 富三君 理事 鈴木 善幸君
   理事 福井  勇君 理事 片島  港君
   理事 勝澤 芳雄君 理事 山田 長司君
      菊池 義郎君    田川 誠一君
      中馬 辰猪君    栗原 俊夫君
      田原 春次君    吉田 賢一君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 綾部健太郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田邉 國男君
        運輸事務官
        (大臣官房長) 佐藤 光夫君
        運輸事務官
        (大臣官房会計
        課長)     上原  啓君
        運輸事務官
        (自動車局長) 木村 睦男君
        運輸事務官
        (航空局長)  栃内 一彦君
 委員外の出席者
        運輸事務官
        (航空局監理部
        飛行場課長)  丸居 幹一君
        会計検査院事務
        官
        (第三局長)  小原  剛君
        会計検査院事務
        官
        (第五局長)  宇ノ沢智雄君
        参  考  人
        (日本航空株式
        会社社長)   松尾 静磨君
        参  考  人
        (全日本空輸株
        式会社副社長) 福本 柳一君
        参  考  人
        (航空審議会委
        員長)     平山  孝君
        専  門  員 茨木 純一君
    ―――――――――――――
四月七日
 委員福田赳夫君辞任につき、その補欠として木
 村守江君が議長の指名で委員に選任された。
同月八日
 委員鍛冶良作君、湊徹郎君、栗原俊夫君、田中
 織之進君及び森本靖君辞任につき、その補欠と
 して河本敏夫君、千葉三郎君、山崎始男君、米
 内山義一郎君及び久保田鶴松君が議長の指名で
 委員に選任された。
同日
 委員久保田鶴松君、山崎始男君及び米内山義一
 郎君辞任につき、その補欠として森本靖君、栗
 原俊夫君及び田中織之進君が議長の指名で委員
 に選任された。
同月十日
 委員一萬田尚登君辞任につき、その補欠として
 中馬辰猪君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員中馬辰猪君辞任につき、その補欠として一
 萬田尚登君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十六年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十六年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十六年度政府関係機関決算書
 昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書
 昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十七年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十七年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十七年度政府関係機関決算書
 昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書
 (運輸省所管、運輸省関係政府関係機関関係)
 国が資本金の二分の一以上を出資している法人
 の会計に関する件(日本航空株式会社)
     ――――◇―――――
○福井委員長代理 これより会議を開きます。
 白浜委員長所用のため出席できませんので、その指名によりまして私が委員長の職務を行ないます。
 昭和三十六年度決算外三件及び昭和三十七年度決算外三件を一括して議題といたします。
 本日は、運輸省所管及び日本国有鉄道関係決算について審査を行ないます。
 まず、綾部運輸大臣より概要について説明を求めます。綾部運輸大臣。
○綾部国務大臣 昭和三十六年度決算及び昭和三十七年度決算の概要につきましては、お手元に印刷物をお配りしてございますので、それによって御承知をいただきたいと存じます。何とぞ御審議のほどをお願い申し上げます。
○福井委員長代理 委員各位のお手元に配付してあります昭和三十六年度及び昭和三十七年度決算の説明書は、便宜委員会会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。
 次に、会計検査院当局より、決算の概要について説明を求めます。小原会計検査院第三局長。
○小原会計検査院説明員 運輸省所管事項につきまして、三十六、三十七両年度の決算検査の結果、検査報告に掲記いたしました事項につきまして、簡単に御説明申し上げます。
 検査報告書の、三十六年度分は七七ページ、三十七年度分は八一ページでございます。
 同省の決算についての検査は、両年度とも、一般会計及び港湾整備特別会計を中心といたしまして、直轄及び補助として施行されましたものについて検査を実施いたしました。港湾関係工事等につきまして検査の結果、検査報告に掲げましたものは、補助事業にかかわるものでございまして、三十六年度三件、三十七年度四件、それから職員の不正行為により国に損害を与えたもの一件を三十七年度に掲げておりまして、補助事業にかかわるものはいずれも港湾関係工事における施行不良、出来高不足等でございます。また、三十七年度決算報告に掲げましたところの職員の不正行為は、第二港湾建設局で、支出官の補助者として、小切手の作成、交付等の事務に従事しておりました職員が、小切手を債権者に交付することなく、これを現金化いたしまして四百十三万円余を領得した事案でございます。
 以上、決算検査にかかわるもののほか、三十六、三十七両年発生災害復旧事業に対する事業査定額について、早期検査を実施いたしました。その結果、当局に注意し、査定額を減額是正いたしましたものは、三十六年災分で十八工事二千万円余、三十七年災分で三工事五十四万円余でございまして、その内容は、大部分工事費の積算が過大と認められたものでございます。
 なお、補助事業にかかわる指摘事項につきましては、当局においてその後是正の処理を終わっております。
 簡単でございますが、以上で説明を終わります。
○福井委員長代理 次に宇ノ沢会計検査院第五局長。
○宇ノ沢会計検査院説明員 日本国有鉄道の三十六、三十七両年度の検査の結果について御説明申し上げます。
 三十六年度は決算報告の一二三ページ以下に掲記してございまして、不当として指摘いたしました事項は一二四ページ以下に掲記してございます。
 不当事項について簡単に申し上げます。五六九号から五七一号までの案件は、いずれも工事の施行にあたりまして、機械の損料などを過大に積算いたしましたために工事費が高価と認められるものでございまして、五六九号は、真鶴駅構内に別途隧道工事で発生したずりを集積しまして、これを同駅で工事用列車に積み込みますにあたりまして、積み込みのために、常時ブルドーザー一台でこのずりをかき寄せ作業をする必要があるとしまして、損料計算をしておりますが、実際は常時かき寄せる必要はございませんので、結局ブルドーザーの稼働時間を過大に見込みましたため工事費が高価になっているという案件でございます。
 それから五七〇号は、路盤の構築工事にあたりまして、盛土工事に使用いたします六トン積みのダンプトラックの損料を計算いたします際に、六トン積みダンプトラックの評価額を過大に見込みましたことと、その積載土量を過小に見込みましたために、工事費の積算が過大となっていると認められます点と、転圧作業に使用いたしますブルドーザーの一台一時間当たりの転圧作業量の計算にあたりまして、本件運搬土砂の土質から見まして、また同一現場におきましての東京操機工事事務所が施行しました一時間当たりの作業量から見ましても、ブルドーザーの能力を過小に見込んでいることなどのため、全体として工事費が高価となっていると認められるものでございます。
 五七一号も路盤の造成工事に関するものでございますが、工事に使用されますトラクターショベルの一時間当たりの作業能力を過小に見込んでおりますことと、またダンプトラックの損料の計算にあたりまして、本件工事のような場合には、通常の機械損料計算によるのが通例でございますのに、これによらないで、割高な借り上げ料金を採用していることと、なお、一部工事では、二トン積みダンプトラックを使用するものとして工事費を積算していますが、現場の条件からしまして、損料の割安な五トン積みを使用するのが適当と認められますことなどによりまして、これも全体として工事費が高価と認められるものでございます。
 それから五七二号は、駅のホームの木造上屋を鉄骨スレートぶきにいたします改良工事の施行に際しまして、鉄骨に使用いたします鋼材の所要量の算定にあたりまして、製作ロスを過大に見込みましたことと、鋼材のトン当たり単価を大口取引価格で積算するのが妥当と認められますのに、小口取引価格で積算しておりますことと、鋼材の工場における加工費の積算にあたりまして歩掛かりが甘過ぎたことなどにより、工事費が高価となっていると認められるものでございます。
 それから五七三号は、通信設備を改良するために、既設の架空通信線を撤去いたしまして、新たに地下埋設の市外ケーブルを施設するなどの工事でありますが、本件工事区間は三十五年十一月に直流電化を行なうことに決定していたのでありまして、従来から直流電化区間には、日本国有鉄道仕様書によりますと、B型のケーブルを使用するということになっておりますのに、高価なA型を使用したために工事費が不経済になっていると認められるものでございます。
 それから五七四号は、携帯電話機の購入価額が高価と認められるものであります。本件の携帯電話機の購入にあたりましては、本品製作会社であります沖電気株式会社提出の原価計算表と、電電公社が本品と類似のものを購入した際の原価計算の資料を参考にいたしまして予定価格を決定しましたが、本件購入品と電電公社購入品とを比較しますと、部品の規格等が若干相違していることを除きまして、主要構造、使用部品などほとんど同一でありまして、これらの相違に基づきます材料等の価格差を考慮しましても、本件購入価額は公社のそれと比べまして割高となっていると認められるものでございます。
 それから、五七五号は不正行為でございますが、本件は、後藤寺駅で出納員が貨物運賃収入を少額に報告して、これを領得したものでありますが、その発生原因について見ますと、結局責任者の関係書類の照合確認が不十分であったことなどによるものでございます。
 以上で三十六年度を終わります。
 次に、三十七年度検査の結果について申し上げます。
 検査報告の一三三ページ以下に掲記してございますが、来年度は特に概要の中で東海道新幹線工事につきましての検査の結果注意を要すると認められました点を概括的に記述してございますので、その点につきまして簡単に御説明申し上げます。
 まず工事の実施について見ますと、工期が限定されております関係もございますが、現地の調査が十分でないばかりでなく、設計協議も用地の取得も終わっていないままに工事を発注いたしましたことなどによりまして不経済な結果を来たしていると認められるものがございました。それからまた、その予算の執行状況につきましても、その配慮が十分でなかったために、工事と予算との調整が十分に行なわれないままに工事が施行されておる状況が見受けられましたし、用地の取得にあたりましても、限定されました期間内に膨大な用地を取得する必要があることは工事の当初から予想されておりましたのに、これに対する要員などにつきましての措置が必ずしも十分であったとは認められない点が見受けられますし、特に用地の取得にあたりましてはいま少しく積極的に関係法令による解決について適切な配慮が払われてしかるべきではなかったかという感じがいたします。
 不当事項について申し上げます。
 六三九号は、新幹線のモデル線区の一部に道床砕石を運搬、敷きならす工事でございまして、本件運搬は別途契約によりまして本件モデル線工事を施行しました同一業者に請け負わせるのでありますから、その運搬費の積算については専属制運賃によらないで自家用トラックを使用することとして積算するのが通例でありますが、他の工事局の例によりましてもこの方法で積算しております。その結果運搬費が高価となっていると認められるものでございます。
 それから六四〇号は、駅ホームの舗装等を施行するにあたりまして、仕様書で定めております単位当たりのアスファルトなどの所要材料の積算が過大であること、舗装及び笠石の据えつけ労務費の計算によりまして歩掛けを過大に見込みましたことなどによりまして工事費が高価となっていると認められるものでございます。
 それから六四一号は、高架橋新設工事の一部といたしまして、鉄筋コンクリート基礎ぐいをベノト掘削機を使って施行する際の予定価格の積算にあたりまして、ベノトぐい打ち込みの一本当たり平均所要時間を過大に見込んだことと、ベノト掘削機の損料計算の計算方法が適当でなかったことなどによりまして、工事費が高価と認められるものでございます。
 六四二号は、海岸線護岸の改良工事にあたりまして、現地の海浜に仮り置きしましたテトラポットを陸上及び海上から据えつける工事でございますが、テトラポットの平均運搬距離を過大に計算しましたこと、据えつけに使用いたします潜水船を引っぱる引き船の使用料を積算していますが、本件潜水船は自分で走ることが可能でございますので、引き船使用料の積算は必要がなかったこと、さらにテトラポットの積み込み機、運搬用の台船、引き船、据えつけ船などについても、他の同種工事の例にならった方法によって設計積算すればより経済的に施行が可能であったと認められるものでございます。
 六四三号は、送電線七万ボルト用特別高圧ケーブル二条を収容いたしますためのトラフ管路を新設するにあたりまして、路盤のうち、切り取り区間では基礎コンクリートの上に五十センチ間隔で長さ二十五センチのコンクリートブロックを置いて、その上に等辺の山形鋼を取りつけているが、この区間の土質及びトラフの重量などから見まして、長さ二十センチメートルのブロックを一メートル間隔に施行し、また基礎コンクリートは施行しないでブロックの高さを十五センチメートル程度高くして土に埋め込めて安定させればよかったし、また路盤のうち盛り土区間につきましてもブロックの高さを二十五センチメートルのものを一・五メートル間隔に置くよりは高さ十センチメートルのものを一メートル間隔に詰めて施行するなどすれば工事費が節減できたと認められるものでございます。
 六四四号は、新幹線の電車線の支柱に取りつけます腕金と電柱バンドの購入につきまして、予定価格の算定にあたりまして、直接労務費のうち、溶接工の溶接時間を過大に見積もりましたために購入価格が高価となっておると認められるものでございます。
 六四五号は、重油の購入にあたりまして、石油荷役会社に別途に卸荷役作業を請負わしておりますが、受け渡し条件を日本国有鉄道所有のタンク注入渡しとして指定すれば本件荷役作業を請け負わせる要はなかったと認められるものでございます。
 六四六号は、岡山鉄道管理局管内の津山駅で、関係職員によりまして、切符の発売枚数あるいは収入金等を過小に報告することなどによって収入金を領得されたものでございます。
 次に、その他の分について申し上げます。
 六四七号は、大阪幹線工事局で、東海道幹線を近江鉄道株式会社線と一部並行して敷設するに際しまして、必要な同会社線用地の買収費として一億五千万円、旅客収入減等に対する損失補償として一億円を支払っておりますが、このうち、旅客収入減に対する補償の理由といたしましては、当局者の説明によりますと、その査定は困難ではあるが、これを支払わないときには、同会社との設計協議等におきまして協力が得られませんし、工事に支障を来たすということで、観光旅客収入と普通一般旅客収入の予想減少率をそれぞれ五〇%及び二五%とするなどして、並行区間の向こう十三カ年間の収入減を見込んで算定したものであるとのことでございますけれども、現地の実情などから見まして、同幹線を敷設することによりまして会社線の観光客が減少するものとは認められませんし、その減少率も全く根拠がないものと認められますし、一方同会社との設計協議等に関しましては、地方鉄道法によりましてその促進をはかり得る余地があったのではないかというようなことで、本件補償につきましては、そうした点の配慮が十分でなかったのではないかと認められる次第でございます。
 それから六四八号は、同じく新幹線工事に伴いまして京都府大山崎所在の福田某所有の宅地、建物等の買収費及び移転補償費といたしまして二億一千五百余万円が支払われていますが、本件の内容を見ますと、土地、建物、付帯設備等一億二千余万円、建物移転補償費として四千五百余万円、総額一億六千五百余万円と算定して、これにさらに約三〇%の増額をいたして、結局二億一千五百余万円が支払われたのでありますが、幹線用地として必要な土地は宅地のごく一部の、しかも道路に面しております片すみでございますので、残存宅地だけでも邸宅として従来どおり使用いたしますのにはそれほど困難とは認められませんし、日本国有鉄道でも、従来こうした場合必要な土地及び支障物件だけの買収にとどめておりますのが通例でございますが、かりに本件のような措置がやむを得ないといたしましても、これに至るまでの間に、公共用地の取得に関します関係法令による解決手段を講ずるなど適切なる考慮をしてみる必要があったのではないかという点で、本件は必ずしも妥当な処置であったとは認められません。
 あと改善事項でございまするが、改善事項は一九五ページ以下に掲記してございまするので、ひとつそれをお読み願いたいと思います。
    ―――――――――――――
○福井委員長代理 これにて説明聴取を終わります。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。押谷富三君。
○押谷委員 せっかく大臣の御出席をいただいたのでありますが、十七日に国鉄ストを控えて大臣はたいへん御多用でございます。時間が参りましたら随時御退席をいただきましてもけっこうです。あらかじめ私は了承をいたしておきますから、そのつもりで御行動をいただきたいと思います。
 お尋ねいたしたいことはいろいろありますが、まず、御承知の交通基本問題調査会の答申の中に、交通関係のいろいろな問題を処理するためにバス・センター、トラック・センターその他の自動車センターの建設の意見が述べられているのでありますが、これに関連をしてお尋ねをいたしたいと思いますことは、都内の交通麻痺の状況であります。今秋のオリンピックを控えまして、交通麻痺解消のために建設省は道路建設に非常な努力をいたしており、目下高速道路その他の道路工事が進められておりますが、道路工事をいかに促進いたしましても、それを上回る自動車の数の増加というものが今日のアンバランスを解消することができなければ、やはりオリンピックにあたって交通麻痺は免れないと思います。私はちょうど先週の日曜日でありましたが、大阪の豊中のインターチェンジから名神国道を大津まで行ったのですが、あれくらいりっぱな道路の施設があり、利用者も大した多くはないと思っておったのですが、大津のインターチェンジを出るだけで十分かかったのです。それくらい自動車がずっと並んでしまって、二つのゲージで計算をしているのですが、何ぼ計算を急いでも十分くらいかかるくらいの麻痺を起こしておったのです。このことを考えますと、東京に何ぼりっぱなハイウエイができましても、やはり交通麻痺というものはオリンピックにあたって相当考慮しなければならぬ状態に置かれているのではないかと思います。
 そこでお尋ねするのは、自動車の数の激増の状況について、何といってもマイ・カー族の激増、白ナンバーの激増というものが一番大きなものだと思いますが、今日普通自動車の免許証は一日に何ぼくらい交付されているかということをお尋ねいたしたいと思うのであります。
○綾部国務大臣 数字に関することでございますから、事務当局からお答えをいたさせます。
○木村(睦)政府委員 運転免許の件数でございますが、これは公安委員会の所管になっておりますので、私のほうはつまびらかにしておりません。公安委員会のほうからしかるべく御説明をいただきたいと存じます。
○押谷委員 運転免許は公安委員会から出ていることは承知をいたしております。そこに尋ねればわかるということも知っておりますが、交通の状況についての本家本元は運輸省であります。こういうことをつかまずに交通の緩和を計画をし実行をするということは困難じゃないかと思う。これは常にそういうことの実績はつかんでおられるべきである。これは公安委員会だから公安委員会に聞いてくれというような無責任なことばでもって、交通麻痺の解消などはできるものではありません。あなたのほうは交通運輸の本家本元であるという立場において、自動車のマイ・カー族がどのくらいふえるのであるか、オリンピックを前にしてどれくらい東京に自家用の車が入ってくるかというようなことは、常に把握しておられて初めて交通行政というものは完全になし得るものだと思う。御存じないということであれば、これはたいへん大きなミスではないか、そんなことで大都市の交通行政を責任者としてつかむということは考えものだと思います。おわかりなければおわかりなくてもよろしいが、しかしそういう無責任なことばでこの問題は処理されることはできないと思いますから、ひとつお調べを願いたい、そしてしっかり把握を願いたい。
 またそこでお願いをしたいと思うのは、これは私の聞いているところでは、東京あたりではおそらく一日に普通免許証は五百とか七百とか交付されているはずです。大阪でもたしか五百くらい一日に交付されているように聞いているのですが、全国から見ればたいへんなものなんです。それがあぶなつかしい運転で自家用車を運転して、オリンピックに都内に入ってくるのですから、こういうものを前にして交通の状況をどうするかという立案をせられるのですから、そこで私が当初申し上げましたように、交通基本問題調査会の答申のバス・センター、自動車センターの問題とくっつけて、こういうようなものを都内に入れるということについて御考慮になるべきではないかという案を進言をいたしたいと思っておったのです。都内の入り口の外にバス・センターを持ち、また自動車の大きなターミナルを持ち、そしてそこまで来たならば、そこで全部白ナンバーはおろしてしまう、マイ・カー族はそこから都内に入れないというくらいの大英断をもってしなければ、これからの大都市の交通の麻痺状況の緩和はできないと思う。そういうことを考えますと、実際にどれくらいの自動車の数が増加をするのであるか、道路の進行状況と自動車の増加数と、今日のアンバランスよりさらに大きなアンバランスが出てくるということが考えられます。そこでお尋ねするのですから、どうかそういう数字は御研究になりまして、ひとつオリンピックを控えて交通運輸の元締めである運輸省におかれましては、格別の配慮を願いたい。それにつきまして何か東京都内の交通麻痺についてのあなたのほうの対策としてお考えになっていることがありますか。
○木村(睦)政府委員 先ほど運転免許の件数につきましては公安委員会の所管でございますので、そう申し上げたのでございますが、自動車の両数のふえ方については私のほうで把握しております。東京で申しますと、毎月約一万両の車が増加しております。東京全体から言いますと、全国の約二割強が東京都内で使用されておるようであります。大体そういう見当になっております。しかも、いまも申し上げましたように毎月一万両ずつふえてまいっておりますので、この交通量の大きさというものは相当なものであります。これに対しまして、自動車の通ります道路の面積あるいは長さというものは、東京都におきましても、ここ終戦後、パーセントで言いましてもたしか一割前後の増加しか見ていないと私は思っております。最近高速道路等相当整備されておりますけれども、全体の道路の面積から言いますと微々たるものであります。そういう中にありまして、ふえてくる自動車の交通の円滑をはかるという意味から、すでに二、三年前から警察、建設、運輸省、一緒になりましていろいろ策を講じております。御承知と思いますけれども、路上の駐車の禁止あるいは一方交通、あるいはバス等におきまして狭い道路の路線のつけかえ、あるいは車を持つ者につきましては道路上に車を放置しないように車庫を必ず持つというふうなことも、一昨年の通常国会で御協賛いただきまして法律もつくって実施に移しています。しかし、特に東京都の都民の経済活動の伸びが非常に強い。それに比例いたしまして輸送機関である自動車がふえてまいっておりますので、今後さらにこの対策を強化してまいりたいということで、逐次そういった具体策もさらに検討いたしております。
 それからいまお尋ねのバスやトラックのターミナル、これを都心に設けるということはさらに交通量を増加、激化するものではないか、おっしゃるとおりでございます。そこで、特にトラックにつきましては、自動車の車種別の制限等も実施されております関係上、都の中心部を離れまして都の周辺地区にトラック・ターミナルを建設いたしまして、大型のトラック等はそこで一応積みかえをいたしまして、都内に小さい車で集配できるように、したがいまして、トラック・ターミナルは都の周辺にこれを設置することに行政指導してまいっておりますし、現在計画いたしておりますのも、そういう地域に計画をいたしております。それからバス・ターミナルにつきましても大体同じような方法をとっております。しかし、バスというものがどうしても旅客を乗せましてその旅客が都心に用を足しに来るということでございますので、都心部にどうしてもバスを排除することができませんので、できるだけバス・ターミナルはやはり都の周辺につくりますけれども、都心部にもサブ・ターミナルと申しておりますが副ターミナル的なものが、交通混雑整理のために必要かとも思いますけれども、方向といたしましては、いま御指摘のような考え方で指導してまいっております。
○押谷委員 なかなか英断を要することでありますが、ほとんど不必要な観光的なマイ・カー族の都内に入ってくるということ、都内を飛ばして歩くということについての制限、これは時間の制限とかあるいは車両の制限とかいろいろありましょうけれども、相当思い切った制限をせられる、そして都内においてはバス、電車、地下鉄あるいはタクシー、こういうようなものを利用することによって補うということになりますと、都内の流れが非常にスムーズになりますから能率もあがる、そして自己満足的な白ナンバーの乗り入れというものが少なくなるというような感じがいたしまするので、マイ・カー族の都内を飛び歩くということについて特に御配慮を願っておきたいと思います。これはなかなか大きな問題ですから困難な点もあろうかと思いますけれども、たしかニューヨークにおいてはそういうことをやった例もあり、現在やっているのじゃないかと思います。ひとつ運輸省におかれて、大都市の交通麻痺と白ナンバーの都内乗り入れということについての御配慮を願いたいと思います。
 これはこのくらいにして、次に公営交通事業についての料金の問題でありますが、これはいろいろな問題がありましょうけれども、ただいまも申し上げました交通基本問題調査会の答申の中には、この交通の料金の定め方については自立採算運営を原則とするという答申になっておることは、もう御承知のとおりだと思います。この事業について需要するお客様がその費用を負担するのだ、そうして自立採算ができるのだ、これが交通に対する料金の定め方の原則でなければならぬというように答申をされているように私は解釈をいたしておるのでありますが、この原則は、まず第一に運輸省としては、正しい答申であり、この自立採算運営の方針については支持せられ尊重せられる御意見でありますか。
○木村(睦)政府委員 公営交通事業と言わず、交通事業におきましては、一般的に、交通基本問題調査会の答申の中にありますように、自立採算ということが原則で、自動車運送事業につきましても適正な原価に適正な利潤をまかなう運賃でなければならないということも明示しております。全くその答申どおりに考えております。
○押谷委員 そこで東京都、大阪市等の公営バスにつきましての料金の問題についてお尋ねをいたすのでありますが、東京も大阪も長らく料金を上げられておりません。大阪の例によりますと、昭和二十七年、いまから十二年前に定められた料金が今日まで上がっておりません。市はたびたび料金の改定をお願いしているが、いまだお許しになっておりません。この十二年間の物価の上昇指数というものは、なかなかたいしたものでありまして、十二年間公営バスだけがストップされているということはきわめて不合理であります。これを国鉄の運賃に比べてみますと、大阪のバスは二十七年にきめられましたキロ当たり二円六十銭が、今日なお二円六十銭で経営を余儀なくされているのであります。ところが国鉄の場合におきまして、鉄道運賃が昭和二十七年においてはキロ当たり一円八十五銭であったものが、二十八年に値上げされて、キロ当たり二円十銭になり、三十二年に再び値上げされて二円四十銭になり、三十六年に三たび値上げされましてキロ当たり二円七十五銭となっております。これは間違いないと思うのであります。大阪のバスはキロ当たり二円六十銭、国鉄は一円八十五銭から三回の値上げ、あるいは四回かもわかりませんが、ただいまではキロ当たり二円七十五銭になっておると思います。また、大阪の近くにおいて、大阪市内も乗り入れておる私鉄経営のバスですが、阪神、阪急、南海、京阪、近鉄、この五社のバスが走っておりますが、これの料金は当初からキロ当たり三円であります。これが三十四年に値上げをされて、キロ当たり三円五十六銭になった。再び値上げをされたのが去年でありまして、キロ当たり四円となっております。私鉄の経営にかかるバスは、この間に二度値上げをされて、キロ当たり三円から四円まで上がっている。また大阪の衛星都市ですが、高槻あるいは神戸の衛星都市にもあたります尼崎、伊丹、姫路、明石等が公営バスを経営いたしております。これらも二度か三度上がりまして、ただいまではキロ当たり四円になっているのではないかと考えます。こうしてこの大阪のバスを中心とし、東京の場合も同様なことが言えるのです。東京都内の都営のバス、会社バスあるいは衛星都市のバスとの間における値段の開きというものは、たいへんな開きが出てきているのでありますが、これは非常に不公平、不均衡なものであると考えますが、この点についてどういうようなお考えを持っていますか。
○木村(睦)政府委員 大阪の私営バスにつきましては、ただいまお話がありましたとおりに収支はよくございません。三十六年でもすでに約五億の赤字を出しております。三十七年度はさらに倍加いたしまして、十億の赤字を出しております。三十八年度の決算はまだでございますが、おそらく三十七年をさらに上回るものと思っております。すでに運賃改定の申請も昭和三十六年でございましたか、当局に出ております。当局はそういう実情、さらに適正な原価等の査定につきまして検討してまいったわけでございますが、御承知と思いますけれども、政府といたしまして、物価抑制策といたしまして、こういった公共料金につきましてはしばらく改定を見合わせたい、そういう意味におきまして公営の協力を要請しようというふうになっておりまして、現在まだ運輸省といたしましても処理をいたしておらない実情でございます。ただしかしこのように毎年の収入の悪いことは十分知っております。これは運賃改定をしなければこれに見合う何かの対策を講じなければいかぬのじゃないかということで、自治省あるいは経済企画庁等と目下いろいろ相談をいたしておりますが、まだ成案を得るに至っておりません。非常に遺憾でございますが、政府も物価抑制の一つの政策といたしまして、現在まだ許可していないというのが実情でございます。
○押谷委員 この大阪の、ハスの損益の計算についてただいまお話がありましたが、これは運輸省から私の手元にいただいた資料によりますれば、大阪のバス経営による赤字が、三十六年から計算をされておりますが、三十五年度は黒字なんです。それが三十六年度に至って突如四億九千四百九十五万八千円という大きな赤字が出ました。続いて三十七年度はその倍の十億九千万円の赤字となっております。東京都におきましても三十五年度は赤字ながらごく少なかったものが、三十六年度から八億三千三百九十余万円という大きなものになっておる。三十七年度は十億を越しているという赤字であります。この赤字はだんだん続いてまいりまして、大阪の場合は、三十七年度となりますと、またぐっとこの赤字の量が多くなってまいります。おそらく十五億くらいになるであろうと考えられておりますが、三十八年度においては十三億八千二百万円ということが大体予定されておるようです。これは予算の上からもそういう計算になっておりますが、ベースアップのものを加えれば、これはさらに大きな赤字が考えられると言っておりますけれども、こういう赤字を出しているのは、経営の合理化ができておらぬからであるか、あるいはその他の理由があるかということを考えなければならぬと思うのであります。
 そこでただいま局長の御答弁の中にありました、公共料金の値上げ抑制の処置の今後の運営につきまして政府間に閣議了承のこと赤あって、それがいまおっしゃった公共料金の値上げについてバス料金にはストップがかけられている理由だと思うのでありますが、これはこう伺っていいですね。
○木村(睦)政府委員 さようでございます。
○押谷委員 その閣議了解事項というのは、なるほど公共料金は物価値上がり抑制のためにこういう申し合わせがあったことはわかります。その中に「しかしながら」というのがあるのです。「収支状況の悪化がきわめて顕著となり、これ以上値上げを抑制することが困難と認められるものに限り、今後は例外的に閣議に報告して了承を求めた上、合理的な範囲においてその料金改訂を認めるものとする。」こういう一項目があるのですが、この「しかしながら」の一項目につきましては、広く適用される例外の申し合わせでありますか。この点について伺いたいと思います。
○木村(睦)政府委員 いまお読み上げになりました閣議了解のその部分につきまして、その前に中小企業であって経営が著しく困難というふうになっておるはずでございます。したがいまして、この一年間に特に閣僚懇談会の議にはかって例外として認めるというのは、中小企業である、それから経営が著しく困難である、大体この二つの要件に該当しないと、閣僚懇談会の議にはかって例外として認めるということになっていないのでありまして、特に東京とか大阪といったところの公営事業につきましては、公営でもありますし、また規模から申し上げまして中小企業的なものでもございませんので、その例外の範囲にどうしても入らないというところに、運輸行政をあずかる者といたしましては悩みがあるわけでございますが、その例外的措置はそういうふうになっております。
○押谷委員 これは私の誤解であるかもわかりませんが、中小企業でありますとか、あるいは影響がきわめて地域的に小部分であるとか、あるいはその上げる料金の額が軽微であるとかというような場合の取り扱いは、別に申し合わされているように思うのであります。この原則、「しかしながら」のものは前文に続いてきているのでありまして、前文は公共料金の値上げについては全面的に抑制したことにより、こういうようなことばがずっと書かれている。中小企業とはちっとも出ておりません。「全面的に抑制」こういうようなことばであらわれて、そしてそれは物価安定に相当の効果を上げたと認められる、政府としては引き続き公共料金の値上げ抑制の方針は厳に堅持をしたい、こういうことが前文に書かれているのです。しかしながら、その前文を受けているのでありますから、いま局長の言われたように、中小企業とか、あるいは地域が少ないとかいうようなことに当たらないように思われるのです。なお書きがその次についているのですが、「なお、その値上げの影響が一地方一都市の範囲」とかいうようなことで書かれているのでありますから、これは、中小企業という問題ではなくて、公営企業の関係が中心になされたやに思われますが、「一地方一都市の範囲に局限されるもの及び消費者物価にはほとんど無関係であるもの」こういうようなものは云々と、なお書きがついております。したがって、これは私の誤解かもわかりませんが、閣議に列席しておらぬからこういうことはわ承りませんけれども、閣議了解事項として取りかわされた文書からいくと、どうも中小企業ということに限局されているようには思われません。したがって、この指定都市の公営事業のバスの料金は、これに該当するというようなことは思われぬのです。私は「しかしながら」に配慮が得られるものだと考えられますが、その点について重ねてお尋ねをします。
○木村(睦)政府委員 物価抑制に関します措置は、三十六年以来数度にわたって閣議了解が行なわれておりまして、最も最近のはことしのたしか一月の二十日の閣議了解だと思いますが、いまお読み上げになりましたのは、おそらくそれ以前の閣議了解ではないかと思いますが、ことしの一月二十日の閣議了解につきましては、私が申し上げましたようなことになっております。
○押谷委員 ことしの一月二十日の閣議了解事項につきましては資料を持っておりませんが、しかし、私が申し上げているのは、この十二年間料金をストップされているんです。三十七年に、おととしに、上げてくれといっているのであります。そのおととしの状況においては、私がいま読み上げた三十六年の七月二十五日の閣議了解の「しかしながら」の事項に当てはまるんだ。しからばそのときに処置されるべきなんです。ことしの一月には、いまおっしゃったような閣議の了解事項があるかもわかりません。それは一月からこっちのことなんです。私の申し上げているのは、今日はやむを得ぬかもわかりません。けれども、その前に、三十七年に、こうした不合理があるにかかわらず、「しかしながら」に該当するにかかわらず、なぜ処置がされておらなかったかを聞こうとしておるのです。したがって、三十六年の七月二十五日の閣議了解事項、その後ことしの一月までの間に閣議了解事項として尊重されました申し合わせば、この「しかしながら」というのは、一般のバス営業者に該当するものか、これを適用されるものか、こうお尋ねしているんです。
○木村(睦)政府委員 ことしの一月二十日の閣議了解が出ます前までは、いま先生のお読みになったような閣議了解で参っておったのであります。そこで、しからば一月二十日前においてすでに申請が出ておるのになぜ処理しなかったかという点でございますが、申請が出ましたのが、たしか三十六年の初めでしたか、終わりでしたか、とにかく三十六年度に申請をいたしますと、その申請の理由を証明する資料といたしましては、どうしてもそれ以前の三十五年あるいは三十四年の資料に基づく申請、三十六年を含めまして――それ以前におきましては、大阪の交通局の収支も悪くなかったという状況でございます。したがいまして、申請を受け付けましても、その後の、三十六年、三十七年等の決算を資料として要求もいたし、これを検討し、さらに先ほどもちょっとお触れになりましたように、どういう運賃がよろしいかという点は、ただ実績だけで、一割の赤があるから一割改定すべしというものではございませんので、経営の合理化、あるいは経営の不能率の点はないかというふうなことで原価を査定をいたしまして、適正な値上げというものの賃率をはじくわけでございます。そういう観点から、公営につきまして一般的に言えますことは、民営に比べまして経営の能率はちょっと劣る。いろいろの点において不合理の点もある。こういう点をどういうふうに改善したならば合理化ができるかというようなことも、あわせて検討してまいったわけであります。そうしておりますうちに――閣議了解はいまお読みのとおりでございますが、だんだん物価が上がってまいりまして、物価も抑制しなければならぬという要請が非常に強くなってまいりましたので、ことしの一月二十日にはそのような閣議の申し合わせがあったのでございますが、すでに昨年の夏ごろから、申し合わせはございませんでしたが、政府としても、公共料金の値上げにつきましては相当厳しい態度で臨むということに、徐々になってまいった。そういうふうな理由で、昨年までに、大阪市営のバスにつきましても明確な結論を出し得なかった。そのうちに、ことしの一月二十日にあらためて閣議の了解がありまして、特に公営の交通事業につきましては、一般会計、特別会計もございますが、まず率先して政府の物価抑制策に協力してもらおうじゃないか。何しろ世帯が大きいわけでございますので、その中で何とかやりくりして、ことし一年だけは物価抑制の政府の方針に協力してもらおうというふうな趣旨で、政府の方針がきまったような次第でございます。
○押谷委員 ことしの一月の閣議了解事項の抜粋を持っておりますが、全部ではありませんから、局長の御答弁のごときものであるかどうかについては、私はまだ了承はできません。しかし、いま御答弁の中にあった大阪市から値上げの申請をいたしているその時期でありますが、これは昭和三十六年の八月に、市会の議決を経て料金改定を申請いたしておる。その申請は、十五円から二十円に申請をしておるのでありますが、その御決定がことしまでないのですが、ことしの一月までとして、三十八年までのことを考えますと、少なくとも三十七年度の収支の実績は明らかになっているのです、すでに決算ができているくらいでありますから。大阪市の場合におきましては、三十六年度に五億一千六百万円の赤字になり、三十七年度には十億の赤字を出しているということが明らかになっている。問題は、この五億なり十億なりの赤字を出している現実が不合理なものであるかどうか――経営に不合理があり、経営に何か穴があってこういう赤字が出ているかもわからぬというがごとき御答弁のようでありますが、これはとんでもないことでありまして、なるほど東京の交通局におきましては、バス運営その他について合理化をしようとして、労働組合のたいへんな抵抗のために、ただいま因っているようでありますが、これは東京の場合でありまして、大阪の場合においては、いま東京で問題になっている従業員の定年制についても、すでに厳格に行なっているのでありまして、少しも不合理ではありません。また、バスについても、ワンマンカーを走らして、ときにラッシュ時にはツーマンカーにしても、ワンマンカーを多く使っている。あるいは従業員の配置の転換をやるとか、合理化のために非常に努力をしている。そこで赤字の原因は、不合理があるから赤字になっているというのではなくて、無理からぬ事情で、年間、ことしだったら十七、八億から二十億の赤字になっているかもしれません。昨年は十三億から十五億の赤字でありますから、こういう赤字を出すということがどこに原因があるかということは御調査をいただいておると思いますけれども、念のために私から申し上げれば、何としても政府のベースアップという事実が直ちに従業員のベースアップに影響をしている、これが一つです。
 いま一つは、東京都も大阪市も言えますが、都会の交通麻痺のために、公営の事業として機能を十分に発揮することができない。大体一年間に七%くらい乗客が増加をしているのです。一割近く乗客の増加があると考えておりますが、これは正確な数字でいきますと、三十九年度は一割くらいの増加十万七百人を予定しているようであります。三十八年度は十一万三千七百人を予定している。それから三十七年度の乗客のふえ方が十万七千八百人、三十六年度の乗客のふえ方が十万七千七百人、大体七、八分から一割程度乗客がふえてくる。これに対してバスの時間当たりの走行距離を見ますと、東京は大体一時間十四キロくらい走っているようでありますが、大阪はかろうじて十二キロくらい走っている。そうすると十二キロくらいに低下をして乗員数がふえてまいりますと、公益事業の性質から、これらに完全なサービスをしようと思うと増車という方法しかないのです。もちろん自動車の代金も要ります、またそれに対する消耗費も全部ついて回ります、そして乗務員がふえてくる、こういうようなやむを得ない事情のために赤字が出ているということは実績上明らかになっている。実績のデータはお調べいただいていると思いますが、こうした乗員の増加、走行距離の低下、そしてガソリン税が上がってくる、ベースアップがある、これはいやおうなしに政府の方針によって負担はぐんぐん増してくるのです。こういうような不合理で一年間にバス企業で十億も十五億も、あるいはこれからほっておけば二十億も赤字が出るというような状況は、地方財政に大きなひびを入れるものである。地方財政は危殆に瀕します。この点についてどうお考えになっておりますか。
○木村(睦)政府委員 経営全体の姿から考えますと、大阪市の場合と東京都の場合とでは格段の開きがあることは私も認めております。ただ具体的に賃率はどれほどが妥当であるかということをはじきますために、原価の各項目につきまして当局で一応検討しております標準的なものがございます。たとえば一両の車が一キロ走るのに、普通のやり方でいけば燃料が幾ら、修繕費が幾ら、タイヤ、チューブ費が幾らかかるというような標準的なものをはじいております。実績がこれを上回っておるかあるいは下回っておるかによりまして、経営が合理的に行なわれておるか、むだがあるかないかというような判断をするわけであります。したがいまして、そういう観点から申しまして実績につきまして検討を加えるわけであります。その結果、たとえば大阪の場合でいいますと、大阪市の申請によりますと、運賃改定によりまして現在の収入よりも二五・七%の増収になるように運賃を改定してもらえば収支が償って健全経営ができますという申請になっておるわけでございますが、いま申し上げましたような原価その他を検討いたし、さらに今度は収入増加の見通し等もこちらで検討いたしまして、当局といたしましては、二四・一%程度の増収がはかれるような運賃であればやっていけるのではないかというふうな判断を現段階ではいたしております。二五・七%程度の増収が必要だという申請と、当局の査定は二四・一%程度の増収でよかろうという、ここに申請と査定の差が出てくるわけであります。この程度の増収をはかるためには、はたして一キロ幾らという申請でよろしいか、あるいはそれを若干下回ったものが妥当かという判断をして運賃を認可することになりますので、これは公営といわず私営といわずあらゆる申請についてそういう判断をいたしますので、この差が出てくるから、出てくるまでは全部経営の不合理であるというわけにはまいらないわけであります。項目では標準的なものを下回るものも上回るものもございまして、それらを総合的に収支計算いたしましてそういうような査定をするわけであります。
○押谷委員 大阪のバス料金の値上げ要求について二四・一%値上げが相当であるという値上げの一つの見通しを立てられて、その金額のみについての異議があるような御意見でありますが、まず値上げの理由があるということをお認めになったことは、一つの前進でありますからたいへんけっこうであります。この大阪市の予算から見まして、三十九年度の予算においてバス事業に対してどのような予算を見積もっておるかといいますと、収益が七十億、費用が八十四億、損は十三億六千万円、補てんの予算は十四億九千万円で、これを補てんしておるというような予算になっておるのでありまして、これが現実なんです。現実にこうして十四億九千万円の補てんをしなければ三十九年度のバス運営はできない。しかもその上にガソリン税の値上げがついてきますし、またベースアップが若干政府のほうから出てくれば、それにスライドしてベースアップもありますから、当然これにプラスアルファがあるわけであります。そういうようなことになってまいりますと、いよいよもって公営企業のバス運営というものは地方財政に圧迫を加えるのみであるという関係になります。しかもこれは公の奉仕でありますから、この事業についてはたとえ損をしてもどうしてもやらなければならぬ関係に置かれておる。しかもここに御考慮を願いたいと思いますことは、一体このバスの運営について利用者はだれかということです。これは非常に大きな問題で、国鉄の値上げがあり、あるいは地方の電気軌道会社、私鉄のバスに値上げが認められる場合において、大阪や東京都が値上げを認められておらない。そのバスの利用者は一体だれであるか、どこの何人が乗るかということについて判断をしてみますと、これは詳細に調査をされたものであり、また現在定期、バスによって乗っておる人たちの住居から大阪のつとめ先等を参考にいたしまして、推算された数字でありますが、それによりますと、バスの場合においては大体六六%程度が大阪市民であり、三四%程度が市外の居住者、地方の人である。これは路面電車においても、地下鉄でもトロリーバスでも、大体似た数字が出ておるのでありますが、六対四あるいは七対三、それに近い数字をもって利用者がよその人、地方の人であるということも、当然交通料金を定められるのには御考慮を願わなければならぬことじゃないかと考えます。大阪市は大阪市民のサービスのためにのみこれだけ大きな借金をしておるのではなくて、地方の人たちの利用にもやはり大きく奉仕をしておる、大阪市、東京都の財政がそれがためにひびが入りつつあるということを考えてもらわなければならぬのですが、この利用者と赤字という関係について運輸省はどういうお考えを持っていますか。
○木村(睦)政府委員 それぞれの公営のバス事業につきましては、その都市に住んでおる人、市外に住んでおる人、いろいろ運んでおると思いますけれども、割合もまた都市によって違うと思います。大阪市についてはいまお示しのようなことになっておると思います。公営といたしまして運賃改定の議を決定いたします場合には、都議会なり市議会の議決を経て、その上で当局に申請をすることになっておりますので、大阪の場合もすでに市議会の承認をとって出しておるという意味におきましては、六、七割の利用者である市民の一応の賛成を得ておるというふうにわれわれはこれを解するわけであります。そういう意味におきましては、公営の運賃改定の申請につきましてはわれわれも十分考慮するわけであります。先ほど申し上げましたように、当局といたしましても改定の必要は十分、数字の上でもはっきり認識をいたしております。ただこれはむしろ運輸行政以前の問題であると思いますが、運輸大臣も政府の一員でございますので、政府の物価抑制という政策の方針に従って、やむを得ず一年間ストップという方針に従って公営にも御協力をしてもらうということになっておるわけでございまして、純粋の運輸行政からいたしますと、ただいま御指摘にありましたような交通基本問題調査会の答申のあの趣旨で運賃はきめるべきである、かように考えます。
○押谷委員 大阪市が二五・七%の要求をし、運輸省においては二四・一%くらいの値上げが相当ではないかというような御意見をお漏らしいただいたのでありますが、この二四・一%というのは、これをお考えになりました時点は今日との間において相当のずれがあります。ただいまでは諸物価はもちろん上昇しておりますし、また賃金ベースも今日はこの時点よりはさらにベースアップされている状況にも置かれているでありましょうし、またガソリン税その他の負担におきましても高くなっているということを考えますと、二四・一%というのは、今日の時点においては再検討をせられなければならぬと思うのでありますが、この点についてはどうですか。
○木村(睦)政府委員 この計算は三十七年までの実績を基礎にして考えた数字でございますので、御指摘のように、三十八年度の実績が出ますと、三十八年度の実績に従ってもう一度再検討する必要がある。ことにガソリン税あるいは自動車損害賠償保険とかあるいはベースアップ等の要因もございますので、推定でありますが、三十八年度の実績で検討いたしますと、さらにこれは多少上回るのではないか、かように推定いたしております。
○押谷委員 これは参考のためでありますが、三十六年に値上げの要請をいたしまして、もしも大阪市の言っているようにお許しをいただきますと、三十七年度の収支関係は、十億六百万円の赤字が、この収入見込み額で補い得るものが、利益が十二億九千五百万円となりますから、二億八千九百万円くらいの黒字になるという計算になります。また三十八年度におきまして、実際に出ました赤字は十三億八千二百万円でありますから、もしもお許しをいただきました申請料金で乗客数をかけますと、十四億三千万円ばかり増収になりますので、そこで四千八百万円くらいの黒字が生まれてくる、こう考えますと、大体大阪市が望んでおりますこと、三十八年度まで――三十九年度はまた新しいガソリン税の増額であるとかその他出費の増加によりまして計算は変わってまいります。悪くなってもよくはならない状況でありますから、これを御参考のために申し上げた次第であります。
 そこで政府が物価対策として悩んでおられることは、与党の立場から私はよく了承しているのです。したがって、物価対策の一環として公共料金の据え置きという方針を堅持せられることも了承できるのです。しかし、それがために不合理な押え方をすることは政治ではありません。大阪市や東京がいろいろと合理化をはかって、あらゆる努力を尽くしてもなおかっこういう大きな赤字が出ている。これは政府の考え方からしても、二四%くらいは三十七年度にすでに上げてやらなければならないとお考えになっているにかかわらず、これを押えているということは、政府の物価対策の前に大阪や東京の公営企業を犠牲にしているということは、局長のおことば自体からも考えられるのです。こういう犠牲をほっておく筋ではありませんから、物価対策のために公共料金を押えるということになれば、地方財政を危機に陥れるについて何かの処置をしなければならぬ、補うてやるという道を開いてもらわなければ政治にならないと思います。物価対策はたいせつだから、おまえは犠牲になれでほっておかれたならば、大都市は参ってしまう。そこでおまえのほうの赤字はどういう処置でこれを補うてやる、起債でもよろしい、その他何らかの方法によって補う道を講じていただくというのが政府の責任であり、政治のあり方でなければならぬと思うのですが、今日までそういう方法は講じられておりますか。また今後においても、この赤字に対しては、政府は犠牲者を出さないように、一つの都市の犠牲において政府の物価対策を押し進めようということは許されません。何ごとも犠牲があってはなりません。その陰に泣く者があってはなりません。こういう大きな赤字に苦しんでおる地方財政があれば、その地方財政についてそれを償う道を考えるというのが政治だと思います。これはあなたのほうの責任のみとは言いません。ほかの経済企画庁その他の官署において適当になさるべきものであるとは思いますけれども、まず運輸当局として、すでに値上げが相当であるという数字までお出しになって、しかもなされておらぬ。大きな閣議了解事項という一つの線に沿って犠牲を払わしているということであってはならぬのですが、これに対して善後の処置はどうせられるか、これをひとつお伺いをしたいと思います。
○木村(睦)政府委員 政府の物価対策の結果、運輸行政といたしましてこういった変則的な措置になっておるわけでございます。したがいまして、これによって不公平が生じ、また赤字が克服できないというものに対して救済策をとる方法にいたしましても、運輸行政担当のものだけではとうていできがたいと思います。特に公営企業全般を監督いたしております自治省としても非常に大きな悩みとなっております。したがいまして、まず第一には、合理化も極力さらにやっていただいて、赤字の幅を極力せばめるということを一方において要請すると同時に、やむを得ず出る赤字に対する救済策につきましては、閣議の申し合わせ以来、これらの関係官庁の事務次官会議等を持ちまして検討をいたしてまいっておるわけでございますが、遺憾ながら今日までこうすべきであるという具体策がまだ固まっておりません。国会方面でも関係委員会等でこれについていろいろ検討してもらっておりますけれども、何らかいい方策を政府としても考えたい、かように考えまして目下検討中というのが実情でございます。
○押谷委員 経済企画庁からお見えになっておりますか。――これは経済企画庁のほうへもぜひ要請をしたいと思っております。自治省関係におきましても御考慮願いたいと思う問題でありますが、お見えになっておりませんからやむを得ません。運輸当局におかれましても、ぜひともひとつこの点を御考慮いただきまして、政務次官におかれましても、政府の物価政策の陰に泣く地方自治体がある、しかもそれが十億とか二十億とかいうような大きな赤字を出して奉仕をしているものがある、政府としては値上げはもっともだという線が出ているにかかわらずそれを押えているのですから、何らかの処置をとってやらなければ、政治は成り立たないということが言い得ますから、ひとつこの点について他の省とよく御交渉いただきまして、この犠牲者に対する補償の方法をお考えいただきたい。強く要望をいたしておきます。また運輸省におきましても、何と申しましても交通基本問題調査会の答申にありましたように、交通の料金は、すべて自立採算運営ができるように、利用者がすべての費用を負担するという形の運営が望ましいのであり、そうすることによって初めて経営も合理化されるのであり、すべてが順序よくまいるのでありますから、自立採算運営というこの交通基本問題調査会の答申の線に基づいて料金は御決定をいただくように、今後の御配慮を特にお願いを申し上げておきます。
 まだ申し上げたいのでありますが、たしか十四日に国鉄の関係について調査があることになっております。いま会計検査院の御報告等によりましても、国鉄の関係はなかなか重大な問題が多いのでありますから、そこで十四日の調査に資するために、資料の提出要求をいたしておきます。これは運輸省のほうでひとつ御協力をお願いいたします。
 東海道新幹線の建設工事に関する要求資料でありますが、まず新幹線の年度別工事費、これは用地、路盤、軌道、電気等の種別を明らかにしてもらって、この工事費並びに支出済み額、決算の終了しない年度は予算額でよろしいのでありますが、この資料をひとつおまとめ願いたいと思います。
 第二に、土地収用法によって収用認定をなしたがまだ解決していないものがあれば、その経過、それから収用対象物件名、交渉の相手方、補償要求額、協議事項に関する資料を全部そろえていただきたいと思います。これは四工事局についてであります。
 第三に、国鉄が新幹線の着工以前に所有をしていた買収地を再度買収した際の買収面積、単価、補償金についての資料であります。
 それから第四に、大阪幹線工事局内の大山崎地区における新幹線と京阪神急行京都線との並行区間の国鉄並びに阪急線との工事負担に関する協定書と、その付属資料がありましたら用意をしていただきたいと思います。
 第五に、新幹線の新大阪駅付近における中地新吾という者が相当たくさん買収した土地を売りつけているのですが、中地新吾氏より買収した土地の面積、単価、金額、買い入れ条件等に関する資料であります。これは相当たくさんあると聞いております。
 それから国鉄の経営に関連する資料といたしまして、公共負担に関する資料、これは定期運賃の割引、通勤、通学の定期運賃の割引、貨物運賃割引、等級別の細目、割引率、割引総額について、昭和三十五年度より三十九年度の予想分を含めましての年度別の資料をいただきたい。
 それから国鉄が負担をしている公租公課の種類別、金額、支払い相手先別の資料をいただきたいと思います。
 それから国鉄が終戦後占領軍との関係において特別調達庁より引き継いだ財産、これは相当重要な問題に関連がありますから、お願いをしたいと思います。もう一度言います。国鉄が終戦後占領軍との関係において調達庁から引き継いだ財産の内訳と総金額、並びに現在までのその財産の経過に関する資料でございます。これだけの資料を要求しておきます。
○福井委員長代理 関係当局で押谷委員の要求資料について、いつまでに出ますか……。
○押谷委員 私は十四日の国鉄の質問に間に合うように、できましたらなるべく早いほうがけっこうです。
○福井委員長代理 それでは早急に用意してもらうように願います。
○押谷委員 終わります。
○福井委員長代理 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 航空行政について質問をしたいのですが、航空行政当局は一人も見えておりません。当委員会において十時以後この質疑があることは事前にわかっておったのでありますから、委員長におかれましても強く要請をしてもらいたいのであります。
○福井委員長代理 間もなく航空局長が参ります。
○吉田(賢)委員 やむを得ませんから、さまつな点から少し聞いていきたいと思うのであります。
 新東京空港の調査費といたしまして、昨年千万円の予算を組んで可決いたしておりますが、四百数十万円残っております。これはどういうわけですか。
  〔福井委員長代理退席、押谷委員長代理着席〕
 それから三十九年度は一億円の予算が通過いたしておりますが、これの配分はあったんでしょうか。大体どういうような積算によっておるのでしょうか、御説明願いたいと思います。
○上原政府委員 ただいまの御質問は、航空局長よりお答えするのが適当かと思いますので、航空局長参りましたらお答、えいたします。
○吉田(賢)委員 政務次官に伺いますが、この新東京空港の問題は、政治問題としても、行政問題としても非常に重要な課題であることは、御承知のとおりであります。そこで調査費といたしまして本省関係の予算が一億円も国会を通過しておるのです。この内容の説明ができないというのは、一体どういう次第ですか。
○田邉政府委員 ただいま航空局長が参りましたら御説明申し上げますが、その使途の内容及び残額につきまして、私、数字的なことをよく存じません。そこで正確を期するためには、やはり航空局長が見えてから答弁するのがよろしいかと思っております。
○吉田(賢)委員 きょうは大臣も見えぬらしいですね。決算委員会は運輸省関係を何回もやるわけではございません。ことに国鉄もやらなければなりませんし、本省関係におきましては、その何回もやれるわけではないのですから、もう少し国会と平仄が合うような態度になってもらいませんと、審議がスムーズにいかぬのでございますが、どうでありますか。
○押谷委員長代理 きょうは運輸委員会を開いておりますものですから、おりあしく両方になりましたので、了承願います。
○吉田(賢)委員 それではお尋ねいたしますが、三十六年の秋でありましたか、アメリカに対しまして日本機のニューヨークへの乗り入れの交渉があったのが中絶して今日になっておると聞き及んでおります。これは最近の北極回りあるいはまた南方回りでロンドンへ行くというような、ああいう国際空路から考えてみましても、非常に重要な線でないかと思うのであります。ニューヨークからロンドンへということになれば、おそらく世界一周できるのではないかと思うのですが、これの交渉はすみやかにされねばなるまいと思います。ことに最近国際空路につきましても、あちらこちらで相当猛烈な競争があるさなかと聞いておりますが、これの交渉は開始する用意があるのかないのか。するならいつするのだろう、どういう用意をもってやるのだろう、そこらを聞きたいのですが、これはどうですか。
○田邉政府委員 この航路の問題につきましては、実はアメリカと日本では折衝を現在続けておるわけであります。特に今年はオリンピックの年でもございますし、オリンピックまでには何とかアメリカの首都へ乗り入れをしたい、こういうことで現在折衝いたしておりまして、でき得るならばその時期までに何とかめどをつけたいという日本政府側の考え方でもございますし、現在のところそれを目標に、何とか開通の見込みを立てようという考え方で交渉を進めております。
○吉田(賢)委員 この問題は影響するところ非常に重要でございまして、やはり国際旅客を獲得する上におきましても、また日本人の国際旅行の立場から考えてみましても、あるいはまた外貨の貿易外収支の好転の一助となるというような経済上の角度から考えても重要と思います。これは一月の末でしたか、日米経済懇談のあった際にも、経済閣僚の発言があったと私は聞いておりますので、そういったことにヒントを得まして御質問するわけであります。だからもしあなたが詳細おわかりでしたら御答弁いただいて、外務省の関係もあることですから、もし詳細な御答弁がいただけないようでしたら、ちょっと待ちますから、ぜひそこはおまとめいただきまして、あるいは航空局長にも御用意を命じていただきまして御答弁をお願いしたい、こう思うのでありますが、いかがでしょうか。
○田邉政府委員 御質問の趣旨に沿いまして、御答弁するにつきましては私正確な資料も持っておりません。そこで詳細につきましては、間もなく航空局長が参りますから答弁させていただきます。
○吉田(賢)委員 その点了承いたします。
 それから、ローカル線のほとんど全部の合併問題というものは、これも御答弁願えますか、どうですか。
○田邉政府委員 航空のローカル線の問題でございますが、実は先般の相次ぐ事故を考えまして、できるだけ国内線、いわゆるローカル線の問題につきましては整備をいたす、特に先般の事故にかんがみまして、今月の十五日には、日東、富士、それから北日本航空との合併がいよいよできるわけでございますが、ただ、合併したから直ちに航空は安全な運航ができるんだとは考えておりません。これにつきましては、今後会社の内容を充実させまして、そして、安全なる運航、生命を安全に守るということが第一でございますから、そういう意味で、今後の航空行政につきましては、機種の選定の問題、それからパイロットの再訓練の問題等を考慮しまして、できるだけ内容の充実した会社に統合していこう。さらにまだローカル線の航空会社が多々ございます。この問題につきましては、順次その方向に沿いましてやってまいる、こういう考え方でございます。
○吉田(賢)委員 幾つかのローカル線の航空会社合併問題は、後刻全日空の責任者も見えることですから、そのほうによって明らかにしていくことにいたします。
 航空局長が見えましたので、局長にお尋ねしたいんですけれども、ごく簡単でよろしゅうございますから、最近の国際航空の競争、あるいは技術革新等がだんだんと激しくなってまいる現状にかんがみまして、日本の立場から見まして、国際空港の問題点をどこに最も重点を置いてお考えになっておりますか、その点だけでよろしゅうございますから、御説明願いたいと思います。
○栃内政府委員 国際航空の問題につきまして私どもが一番考えておりますことは、国際航空を振興することによりまして、日本を中心とした旅客、さらには世界的な規模でできるだけの旅客を運びまして、国際収支の改善に寄与するという点が大事だと思います。ただ実際問題としまして、日本といたしましては、戦後における民間航空の空白時代がございましたので、現在はまだ理想にはほど遠い段階でございます。私どもといたしましては、鋭意これを振興いたしまして、そしてそれに近づきたい、かように考えております。
○吉田(賢)委員 航空局の発表いたしました「民間航空の現況」なる文書によりまして、超音速旅客機SSTの問題がかなり大きく浮かび上がって報告をされております。この出現を前にいたしまして、日本の空港の能力との関係、これはどういうふうに御判断になって、どういうふうに行政しょうというお考えが省としておありなんでしょうか。
○栃内政府委員 SSTにつきましては、現在ヨーロッパとアメリカとで開発中でございまして、ヨーロッパにつきましては、イギリスとフランスの共同開発ということになっております。それからアメリカにつきましては、アメリカの単独開発でございますが、現在三つの会社が検討を続けておりますが、最終的には、おそらくアメリカの連邦航空庁がいずれかの型を採用するということになるんではないか、かように考えます。
 それから、いつごろこの飛行機が完成するかという点につきましては、一九七〇年に完成するという情報もございましたが、その後、あるいは七一年になるんじゃないかという話もございます。これにつきましては、今後どういうふうになるか、まだ私どもとしては予測がつかないわけでございますけれども、いずれにしましても、SSTが開発されて大陸間を飛ぶということになりますと、おそらく世界の有力航空会社は競ってこの機種を使うんではないか、その場合に日本としましても、これに伍して競争をやっていくためには、やはりこのSSTを日本航空が使用しなければならぬ。と申しますことは、かつて太平洋におきまして、プロペラ機からジェット機にかわる過程において、日本航空がジェット機の導入がおそかったということで、非常な悲惨な競争に追い込まれたという点もございますので、今後同じような事態がさらに大きな規模で行なわれるという場合に対処して、私どもとしては決しておくれをとらないような手を打たなければならぬ。この意味におきまして、日本航空はアメリカのほうに現在五機を注文しております。そして、これにつきましては、一応引き渡しの第一番機は七一年の春に来るということになっております。これはもちろん、そのときに、それ以前に完成しておればということでございまして、また早く来ることを切望するものでございますが、何ぶんにも、まだいかなる型にするかというところも検討中の段階でございますので、いまここではっきり申し上げることはできないわけでございます。いずれにしても七〇年、七一年、おそくとも七二年というときにはこれが実用化され、しかも、世界における航空上の重要な要衝を占める東京にこの飛行機が来る。また日本航空もそれにおくれないように、みずからこの飛行機を取得して、堂々と競争をやるというように持っていきたい、かように考えております。
○吉田(賢)委員 ジェット機の切りかえのときの手おくれの反省があるようでありますが、さらにまた、七一年になると実用化するということが言われ、東京にこの飛行機が来るようになるという感じで、もう間近になっておる問題でありますので、これは事務的に相当用意を持ってするのでなければなかなかにできないじゃないだろうか。これは最終的なものがまだはっきりしないようにも承りますが、事務上お困りの点のあることも全部推察、織り込み済みの御質問でありますので、そのつもりで答えてもらっていいのですが、いずれにいたしましても、これは非常に間近く迫っておるように、われわれ、しろうとながら感じます。一体、七一年に一番機の引き渡しを受ける――引き渡しを受けるということは、すぐに使うということを意味するのであろうと思います。しまっておいて、何年か後にというべきではないでしょう。何となれば、これはやはり商業であります。
 そういたしますと、これの受け入れの用意は一体何をどうすればいいのか。たとえば空港にいたしましてもあるいは滑走路にいたしましても、昨日も羽田で見せていただきましたが、非常に手狭と敷地の行き詰まりさえ感じるおりからであります。日航は五機分発注して、ある金額を支払ったようにも聞いております。これに対処する受け入れの用意は一体何をどうすればいいのでしょうか、どこでどうするかはまた別の問題といたしまして。この点について事務当局が立案せられ、また事務当局において一切の用意をせられ、そしてこれが実施の段階に遺憾なきを期するというふうにせられるべきじゃないかと思うのです。ことに空港が国の施設として発足するというたてまえであるならば、もちろんそうであります。きわめて大きな予算につながるということであるならば、なおさら重要性のある問題であります。またその超音速の航空機が実用化し、飛んで回るという段階によりましたならば、これは人類の生活、交通の上に革命的な現象が生じるということでありますから、その他のあらゆる交通の諸問題よりも一そう高度な、一そう広い視野を持った対策が用意されていなければなりません。これは行政的にはもちろん運輸省であるし、さらにまた事務的には航空局であるし、あるいはまた諮問機関もあることですから、何をどう用意することをねらっておるか。七一年といったところが、これはすぐくるのでありますから、そういう受け入れの用意は即座にできるものでないということは三歳の児童でも明らかだ。聞けば六年も七年もかかるという説明さえ聞くのです。この際に、どういう用意をしようとせられておるのか、その用意の眼目とするところをひとつ述べておいてもらいたい。
○栃内政府委員 ただいま、前の御質問でSSTがいつ実用化されるかという点につきまして多少あいまいな御説明をいたしましたが、これは繰り返すようでございますが、最近いろいろな情報がありますので、その辺を申し上げたわけでございます。
 それからこれを受け入れるために何が必要かという点におきましては、やはり飛行場の問題が第一ではないかと考えます。SSTそのものを受け入れまして、これを安全にかつ能率的に飛ばすというような技術的な準備ももちろん重要でございますけれども、これはいわば当該日本航空株式会社において第一義的に努力されることでありまして、運輸省としてはこれを指導監督するという立場でございますので、むしろ運輸省として第一義的に関心を払わなければならないことは飛行場の整備であろう、かように考えております。
 そこで飛行場の整備でございますが、との点につきましては、SSTというものを日本航空が発注する、あるいは諸外国の航空会社が発注したという以前におきまして、航空局といたしましては、現在の羽田の状況がどうも心配である、すなわちいわば数量的にこの消化の限界にくることが予想される、しかもこれがかなり近く予想されるという点でいろいろ検討いたしまして、その検討を続けております間に、SSTの実用化ということがかなり具体的になってきた。したがってその際考えましたことは、もちろん数量的に行き詰まるという問題があるが、また質的にこれが行き詰まる、両方の面から行き詰まるというような非常に苦しい立場に追い込まれたわけでございます。
 そこで経過的に申しますと、昨年の春あたりから、関係各省とも連絡をとり、この問題を事務的、技術的にいろいろ検討を続けておりました。昨年の夏に、この問題は非常に重要な問題であるので、航空審議会に諮問するのが適当ではないかというような御意向が上のほうにもございましたので、まことにそのとおりである、ただ事務当局間で検討するというにとどまらず、審議会に大臣から諮問していただく、そして審議会を構成する、またその当時の方々以外にもこの特殊な問題についての専門の方々に広く御参加願って、そしてこれを検討していただく、すなわち運輸省一事務当局である航空局のみ、あるいは航空局が関係各省の事務当局だけと相談してやるのでなく、いわばあらゆる意味の専門家の知識経験を拝借しようということで諮問が出されました。これは昨年の八月でございます。その後航空審議会におきまして小委員会を持たれまして、専門の方々に数回にわたりいろいろ御検討いただきました。その結果、十二月に答申が運輸大臣に提出されました。その内容は、あるいはすでに資料として差し上げておったかとも存じます。そういう経過で答申が運輸大臣に出されたわけでございます。したがいまして現在の答申に述べられておりますことは、審議会の、非常に時間をかけ、また多くの専門家の方々の御意見によってできたものでございます。もちろん事務当局としまして、この御審議を補助申し上げる意味でいろいろなデータは私のほうでつくりまして提供し、またこれだけのデータでは足りないから、こういう点のデータを出してくれ、あるいはこの点の専門的な説明をしてくれというような点につきまして、技術的にいろいろな点の御説明はいたしました。それから大体こういうような趣旨でひとつ文書を書いてくれというような点で、お手伝いした点はございます。しかしこれはあくまでお手伝いでございまして、審議会の答申を大臣が受理された、こういうことでございます。
 以上がいままでの大体の経過でございます。
○吉田(賢)委員 さきの御発表の「民間航空の現況」の百六ページと七ページによりますと、やはり昭和四十四年度には現空港の能力が限界に達する、こういうような判断をせられて、なおその説明といたしましては、搭乗旅客数の推定は国際線が二百七十万、国内線が八百六十万、こういうふうにあげられ、なお年間の推定の発着回数は十七万三千回、こういうふうになって、能力その他も、十七万三千回ということになると、ほとんどすれすれの限界点である、こういう御判断が前提に立っているようでございます。
 そこでいまの専門家の知識を求めるというこの手続はしごくもっともなことでございますが、そこで問題は展開いたしまして、そうすると専門家といいますか、航空審議会にまかして、航空審議会の意見によるというのが大体の運輸省の――あなたら御自身が実は国内の行政当局の専門家の中心であり、先端の方なんですね、そこで政治的にどう扱うかはちょっと別におきまして、やはりあなたらの事務当局ではその重要さに見ても判断しにくい、また専門家に十分に慎重な検討を求めることが適切である、こういうことで航空審議会の諮問にかけた、こういうことになるのでございましたね。それで間違いないのでございますね。
○栃内政府委員 空港の建設につきましては、私は、運輸省が主管官庁である、また運輸省の中で航空局がその部分を担当しておる、かように考えます。もちろん空港というものは、空港がぽつんと一つできるわけでございませんので、周囲との関係あるいは空港と都心間の交通、そのほかいろいろな問題が発生いたします。したがって、航空局だけあるいは運輸省だけでやるということではないと思います。しかし、いずれにしましても、運輸省また航空局が中心になってこれを事務的、技術的に立案いたしまして、そして大臣の御決裁を得ていく、また大臣がその場合に、この問題は関係各省とも関係がある、あるいはかりに関係がなくても、非常に国として重要な問題だから閣議でもって話をしようというような点は、もちろんあり得ることと思います。しかし運輸大臣が御決裁になるところの立案というものは、やはり航空局が中心になってこれを補佐するというのが順序ではないか、かように考えております。
 それから先ほど申しました審議会への諮問という点は、大臣が事務当局から、立案されたものをごらんになって、そして事務当局の立案というものについて十分御確信が得られる場合もございましょうし、また外部の専門家の意見を聞いてみる、しかもこれが制度的に、法律的に確立されたそういう諮問機関がある場合には、これにお聞きになるということもまた当然なことと思います。そこで形式的にはそういうことになると思いますが、私ども審議会の御審議をいただく場合に、これを事務的にまたお手伝いをいたします。それから私どもとして、実は事務局に審議会に諮問になる前に検討しておったことは事実でございます。しかし検討しておった場合に、われわれだけで考えておった一応の案というものはございますけれども、その後審議会の小委員会でいろいろ専門家の御意見を承りますと、これは実に私どもとしても気がつかなかったところを御指摘になっておる、あるいは御質問になっておるというようなことで、私ども事務当局としても非常に参考になる点がございます。したがって、その意味におきまして私は、諮問されたことは、大臣が答申を得られてわれわれの立案したものの御決裁になる場合の御参考になると同時に、私どもも非常に啓発された点がお手伝いしている間にあった、かように考えております。
     ――――◇―――――
○押谷委員長代理 次に、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件につきまして調査を行ないます。
 本日は、本件調査のため、関係当局のほかに、日本航空株式会社社長松尾静磨君、全日本空輸株式会社副社長福本柳一君、航空審議会委員長平山孝君の以上三名の方々に、参考人として御出席を願っております。
 参考人各位に申し上げます。発言をされる場合には、委員長の許可を得て行なっていただきますようお願いいたします。
 次に、委員各位に申し上げます。参考人よりの意見聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますので、そのように御了承を願います。
 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますから、これを許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 それでは、航空審議会の委員長平山さんにお尋ねしたいのであります。
 先ほど航空局長から、最近の国際的な航空情勢にかんがみまして、国内におきましてもこの情勢に対処するために非常に重要な問題がたくさんにあるようで、したがって運輸省事務当局も、事の重要性にかんがみて専門家の知識を得、意見を徴するという必要から、航空審議会に諮問をされたことをお述べになりました。つまり昨年の八月諮問になりましたのは、新東京空港の候補地及びその規模について、こういうふうに私は理解しておるのです。そのような諮問に対しまして、また同年の十二月十一日付で運輸大臣に対して御答申をせられましたが、それについて少し伺ってみたいと思います。
 そこで第一にこの構成についてでありますが、この諮問委員会はかなり専門的な知識を持った方、あるいは航空事業についての経験のある方、その他学識がある方、大体こういう方がおそろいのように思うのですが、その辺はいかがなものでございましょうか。
○平山参考人 新空港の問題は、日本にとりましても相当重要な問題でございます。したがいまして、航空審議会に運輸大臣から諮問のありました際に、航空審議会の委員のほかに各専門の方々、たとえば気象関係、それから管制関係あるいは土木関係その他ただいま日本におきましての最も権威のある方々を専門委員にお願いをいたしまして、それらの方々の御意見か伺いながら案をつくったわけでございます。
○吉田(賢)委員 そうすると、この委員会は運営といたしましてはそれぞれの特殊な知識を持った専門委員を御委嘱になる。それから空港のことでありますから、現地調査とか、あるいはまた空中の関係の諸条件の調査とか、そういう実際調査にもそれぞれ実際にあたって御検討になり、あるいはまた審議する、こういう方式をおとりになっておったのですか。
○平山参考人 現地調査等は、審議会としてはいたしませんでございました。ただそっちのほうがどういう条件であるかということにつきましては、各専門家の方々が十分に御存じと思いますので、審議会の小委員会としては現地調査等はいたしませんでございました。
○吉田(賢)委員 そういたしますと、候補地の場所等については、専門の委員の方が実際の知識を持っておられるので、あえて現地に臨まなくてもよくわかる、こういう趣旨になりますか。
○平山参考人 そのとおりでございます。
○吉田(賢)委員 それからこの審議会の答申は、これは全会一致、満場一致ということになっておるのだろうか、相当反対意見もあって多数決ということになっておるのだろうか。その点はいかがですか。
○平山参考人 これはなかなか重要な問題でございまするので、たとえば多数決というようなことでは将来も案じられますので、皆さんの意見を十分伺いまして、満場一致で決定いたしたものでございます。
○吉田(賢)委員 日数を要することどれほど、人数はどれほど、おかかりになったのですか。
○栃内政府委員 若干数字その他がありますので、よろしかったら私からお答え申し上げます。
○吉田(賢)委員 どうぞ。
○栃内政府委員 審議会は三十八年八月二十八日に開かれました。その後小委員会を五回、九月に二回、十一月に一回、十二月に二回、それから答申をいただきました最終の審議会のいわば総会というようなものを十二月十一日に開催しております。
 それから委員は、ここに出ておりますが、三十人でございますが、委員のほかに専門委員として委嘱しました方は八人でございます。
○吉田(賢)委員 そこで第一点の新東京空港の候補地なる事項につきましては、これは直ちに結論が出されておるようでございます。
 その前に伺いたいのでございますが、審議会といたしましては、まず現在の羽田の東京国際空港、これをもってしては、この新しい答申の文章によっていうならば、航空機の進歩発達に伴い、世界はいまや交通革命の様相を呈しておる。そこでわが国の航空交通もめざましい発展を示してきた、こういう御認識でありますので、これに基づいて、日本の表玄関ともいうべき東京国際空港はいまの羽田の国際空港をもってしては事足りない、こういう前提に立っておるようでございますが、それはまた何ゆえでございましょうか。簡単でよろしゅうございますから、ひとつ要旨だけ述べてください。
○平山参考人 超音速機時代になりますと、羽田ではもう滑走路の長さも足りませんし、それからまた世界各国の飛行場等を見ましても大体七百万坪から千万坪というような規模でございますが、羽田はわずか百万坪というようなことでございますので、国内関係の空港としてはよろしゅうございましょうが、超音速機時代の空港としては、とても羽田では使用ができない、かように考えたわけでございます。
○吉田(賢)委員 そこでこれはしろうとの問いとしてお聞き取りを願いたいのでありますが、いまの羽田をさらに埋め立てをするとかあるいは東京湾に埋め立てをして拡張をするとかいうような方法をもってこれが受け入れ体制を用意する、そうして面積においてもあるいは滑走路においてもその他の設備においても完成する、こういうことには困難もしくは大きな障害があるわけですか。
○平山参考人 私ども委員会でいろいろと御意見を伺ったのでございますが、その際に考えましたのは要するに東京、首都におきましていわゆる国際空港のほかに国内航空というものもまたこれからますます盛んになってまいりますので、国内関係の空港とそれから国際空港、この二つを備えておりますのは、各国の例に徴しましても、普通になっておるようでございますので、羽田とそれから国際空港、この二つのものを考えるというようなことになったわけでございます。
○栃内政府委員 私からちょっと補足して申し上げたいと思います。
 羽田を拡張してはどうかというような御質問でございます。この点は私どもも当初におきましては、羽田を拡張するということを考えたわけでございます。これはいまから言えばもうおととしになると思います。当時羽田にまいりまして――運輸省には港湾局もございますが、港湾局の専門の技術者と私が羽田に行きまして、ここを拡張してひとつ能力をうんとふやそうじゃないかということで検討したことがございます。そのときの経緯を申しますと、相当広く埋め立てしなければとてもだめである。と申しますのは、飛行場は、滑走路の数がふえるということだけでは、必ずしも飛行機をさばく能力はふえないわけでございます。したがって、いまのところに少し埋め立てをして、もう一本滑走路をつくるというようなことでは、既存滑走路と新設滑走路が十分な能力を発揮しない。両者の能力を発揮させるためには、どうしても相当の間隔を持って、すなわち沖合い遠く埋め立てまして、新たな滑走路をつくらなければならない。こういうことになるわけでございますが、その場合に、現在の羽田の状況を考えますと、あの沖合いを埋め立てをするということは、海の深さの点、これが非常に問題になります。これはもちろん金さえかければ可能ではございましょうけれども、非常に巨額の金がかかるということと、またそこまで埋め立てしますと、東京湾の現在の船の航行に相当の支障があるのではないかという点、あるいはそれだけ埋め立てをしまして、滑走路をつくることによって、ほかの埋め立て地というものに、たとえば工場をつくるというような場合に、そこの煙突なりあるいは石油タンクなどというものが障害になるのではないかという点もございまして、羽田の沖の埋め立てということは一番先に考えた案でございますが、これはどうも現実性がないということで、羽田の埋め立てという考えは、すでにいまから数えますと一昨年ごろ、一応あきらめた、こういう経緯になっております。
○吉田(賢)委員 そうしますと、審議会におきましても、羽田拡張ということは想定しないで他に候補地を物色する、こういう方向で発足になった次第ですか。
○平山参考人 そのとおりでございます。
○吉田(賢)委員 そこで一体どういう角度からどういうような条件のものを求めるということが、あなたの審議会として専門知識もすべて総合した結論になったわけですか。
○平山参考人 私はどうも飛行機のほうの専門家ではないのでございまして、どっちかと申しますとまとめ役のほうでございます。各方面の専門家の方々から御意見を伺って、それからまた航空局等でお集めをいただいた各国の飛行場の規模その他等も十分に伺いまして、そしてまとめ上げたわけであります。
  〔福井委員長代理退席、委員長着席〕
○吉田(賢)委員 順次こういうふうに伺っていきましょう。
 第一は、羽田を存置させるという前提に立つのですか。それとも新候補地を物色して羽田をつぶすということになるのか。その点はどういう判断を結論として審議会はされたのでございましょうか。
○平山参考人 いろいろと検討をいたしました結果、羽田はやはり残しておかなければならない、かような結論に達したわけでございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、羽田を残しておいて、さらに新東京空港をつくる、こういう方向に進んだのでありますか。その理由はどこにあるのですか。
○平山参考人 いろいろの候補地を検討をいたしましたが、その中で特に重要視しましたのは管制上の問題でございます。今後の日本の航空需要というようなものを考えますと、結局羽田は残すということで新しい空港を、その他の点も考えまして、それに支障のない新しい空港を物色したわけでございます。
○吉田(賢)委員 産業計画会議という会議が運輸省にまず勧告書を出しております。三十九年三月四日付、新東京国際空港建設に関する勧告、これによりますと、これは新聞の伝うるところによりますと、松永安左ヱ門氏がこれの会長とかいうふうなことが伝わっておりますので、それならば相当経済界の達人でありますからいろいろな角度から検討されたように思うんですが、この文章はもうひとつ明瞭ではありませんけれども、羽田を存置するというようなことには大して意味を感じていないような文章の書き方と私は理解しておるのです。新空港の性格と選定の基準から見て、東京湾内の中北部の海域、つまり木更津とかあるいは幕張沖あるいは東部あるいは西部というふうに幾つかあげておりますけれども、しかし国際空港としては価値なし、何か陳腐化して議論の余地がないというようなことばさえ使っておりますが、しかし、そうかといって実は国内線の空港としてこれを存置するというふうな積極的なものも見られない。結局どうもこの文章は、羽田をつぶしてしまってどこか一本つくったらどうかというふうにも考えられるのですが、これは事さほどに簡単に、存置することが必要でありまた当然であるという結論になるのでしょうか。かなりこれは問題であるのでしょうか。その辺はどんなものでございますか。
○栃内政府委員 この産業計画会議から出されました勧告と申しますのは、御指摘のとおり三月四日に出ておる書類でございます。したがって、これは審議会で御審議になり、答申を運輸大臣に出されてから以後出たものでございますので、あるいは審議会の委員長としてまだ十分御検討になってないかとも思います。あるいは御検討になっておるか、この点はよく存じませんが、いわば時間的には最近出たものでございます。それで、この点につきまして、これは審議会を離れましてこの勧告というものにつきまして若干申し上げるならば、基本的な考え方において私ども事務当局の考え方とかなり共通点がございますけれども、羽田を存続するか、あるいは羽田をやめてしまうかというような点につきまして意見が異なっておるわけでございます。私ども航空行政をやっているというような見地で申し上げるならば、羽田というものはやはり存続すべきである。その理由といたしましては、東京からきわめて近い場所にある、しかも近く高速道路もできますし、またモノレールもできるということで、都心との距離が非常に近いというような点から申しましても、羽田は航空行政の見地からはぜひこれを残しておくというふうにするのがいいのではないか。むしろ羽田を存置し、そしてその他の地点にいろいろな条件を考えて新空港をつくる、とれが適当ではないか、かように考えております。
○吉田(賢)委員 これは少し所見になりますけれども、やはりずいぶんとばく大な投資が羽田にせられて、現にようやく最近ある程度整備なった、こういうことも聞いております。まあ時価千数百億円に達するか、あるいは現実の投資はもっと少ないかとも思いますけれども、しかし、いずれにしましてもばく大な投資がせられたということ、それが一挙にやめてしまってもいい、廃止してもいい、廃止してほかへ工場の敷地に売ればもうかるじゃないかという議論はともかくとしまして、廃止してもいいというようなことはちょっと私らにも想像がつきかねている。事さほどに新東京空港というものが簡単にむぞうさにできるものと思いませんので、したがいまして、廃止するかいなやはきわめて慎重であるべき重要な問題と私ども思っておりますが、やはり廃止論というようなものがあちらこちらでも意見として相当あったのですか。たとえば新聞雑誌とか、その他の業界とか関係方面にでも、他にでもあるのでありますか、いかがでございますか、局長。
○栃内政府委員 羽田につきまして、これを廃止したらどうかという議論は、実は去年のいまごろ、あるいは秋、そのころを振り返ってみますと、羽田を廃止するという議論は私はほとんど承らなかった。いわば当時むしろ耳に入った議論としましては、先ほど先生から御質問のありましたように、むしろ羽田を拡張してはどうかというような意見のほうが、当時としてはいろいろ耳に入る機会が多かったように考えます。そこで、最近におきまして、特に産業計画会議の勧告というものが出される前後におきましてかなり強くなってまいりました。それから、私の記憶では昨年の十二月、この答申が出るという前後にも、やはり羽田をつぶしたほうがいいんじゃないか、そしてもっと白紙の立場で理想的なものをつくったほうがいいんじゃないか、こういう御議論もございました。これはもちろんこういう新聞記事が出ておった、雑誌に出ておった、ある人がこういうことをどこかで言ったというような程度でございます。ただ活字になってはっきり私のほうに参りましたのは、三月四日付の産業計画会議の勧告という形で出てまいった。それから先ほど羽田の重要性につきましては、都心との距離ということを重点に申し上げました。羽田にどれだけの投資が行なわれたか、この点につきましては、いまいろいろな計算のしかたもございますが、私は数百億という程度のオーダーではないか、かように考えております。したがってこの数百億という程度のオーダーであるならば、あるいはこれをやめてもっと別な考えをするというような点も、あるいは金の問題なら引き受けたということなら、金としては大きな金でございますけれども、非常に長い将来を考えてそのほうがいいんだという考え方もあるいはとり得るかとも思いますが、私は羽田というものは金にかえられない場所を占めておる、かように考えます。もちろん金も非常に重要な問題でございます。
○吉田(賢)委員 羽田の重要なことは金にかえられないというのは、さて何をさすのでございますか。
○栃内政府委員 これは、先ほど申しましたように都心との関係、特に今後国内線を考えた場合には、非常に国内各都市間の時間が短縮されます。その場合に、やはり中心から羽田までの距離というものを極力切り詰めるということが、国内航空のためには絶対に必要である、かように考えるからでございます。
○吉田(賢)委員 全日空の福本副社長に伺いますが、あなたのほうは主として国内線をお扱いになっておるようでありますが、国内線をお扱いになる全日空などのお立場からいたしまして、羽田空港の価値いかん、これについての存廃問題についてはどういうような御意見をお持ちになっておるでしょうか。
○福本参考人 全日空のみの立場から申し上げましても、ただいま拝聴いたしておりました航空局長の御意見とほとんど全部同じでございます。さらにそれに民間国内航空会社の立場から考えますと、経営の基盤がまだ確立していない、採算が非常に悪い、いろいろの要件がまだ欠けておる、施設におきましてもあらゆる点に欠けておるという現状におきましては、これは民間航空会社の経営面に大きな重圧を加えるような結果を招来するものと思いまして、非常に現在の羽田の存置ということは貴重なもの、さらに一歩貴重な問題になると思います。その上に最近非常に各方面で憂慮されておりますところの事故の防止、危険防止という点については、さらにこれこそ金にかえられない大きな問題が潜在しておるように考えます。
○吉田(賢)委員 国際路線をもっぱらお扱いになっております日航の松尾社長さんは、羽田問題につきましては、つまりその存続の必要性あるいは今後の国際空路における羽田の空港のあり方、どういうふうにごらんになっておりましょうか。
○松尾参考人 先ほどから羽田空港の存置問題でいろいろ御意見がありました。私も航空局長が御説明になったのと全く同感でございます。特にこの東京の国内、国際合わせた空港が一カ所でいいということにつきましては、いろいろ私は議論があると思います。現在の羽田にいたしましても、たとえ羽田がもう少し広くございましても、大きなジェットから小さいプロペラ機まで一緒に飛んでおる、これは私たち人命を預かった交通事業をやっておる者といたしまして、非常に危険を感ずるわけであります。そういう点からいきましても、将来スーパーソニックも確実に出てくる、こういう時代になりますと、どうしても東京周辺には国内航空専用のやはり羽田、それから国際を専用にする国際空港、これは二つあることが非常に望ましい、こういうぐあいに考えております。
○吉田(賢)委員 羽田の現状とそれから過去の旅客等の趨勢にかんがみまして、全日空の福本副社長さんに伺ってみますが、国内旅客は大体どのくらいの趨勢で伸びていくというような、人間の数ですね、ごらんになっておられましょうか。
○福本参考人 詳しい数字はわかりませんが、大見当を申し上げますと、羽田で扱うのだけを特別に取り上げて数字を検討したことはございませんけれども、私のほうの運航の非常に大きな部分を占めておるという点から、その大勢は、羽田に発着する人に相当大きな部面がかかっておるというので、全般的を申し上げますと大体それと一致するんじゃないかと思うのですが、子、ういう意味合いにおいて申し上げますと、過去三カ年ほどの間に人の伸びは約四倍ほどになっております。これは急激に伸びた実績でありますが、今後の問題といたしましては、見通しといたしましては大体最低三〇%程度ぐらいずつ人間が伸びていくんじゃなかろうか、かように考えておりますが、三〇%から多ければ五〇%……。(吉田(賢)委員「年間ですね」と呼ぶ)さようでございます。伸び率であります。そういうふうに大体見ております。
○吉田(賢)委員 なおちょっと念を押したいと思うのですが、航空審議会の審議過程におきまして、この羽田問題について、いっそ羽田をやめてしまったら、廃止してはというような意見は内部ではなかったのでございますか。
○平山参考人 航空審議会でも、たとえば羽田を廃止しちゃったならばどういうことになるだろうかというようなことは、やはり議論の対象になりまして、その点につきましても議論をいたしました。
○吉田(賢)委員 議論はせられたが、結論は、廃止すべきにあらず、こういうことになったという意味ですか、もしくは、廃止してはどうかというような強い意見でもございましたか、そこを聞きたかったわけです。
○平山参考人 廃止したならば一体どういう結果になるだろうかということで、その点も議論に出ましたが、結局は、廃止するということはとうてい不可能だ。ことに国内航空関係は非常な率で伸びておりまするし、それはとうてい不可能であるということになったわけでございます。
○吉田(賢)委員 東京の西のほうには、アメリカの空軍基地が四つほどあるようでございますが、これは、現在日米協定もやっておるときではございますので、日本の事情から、即刻どこかへ行ってくれ、やめてくれということはできないものと思いますが、その辺はどうなんですか。
○栃内政府委員 御指摘のとおり東京の西に飛行場が四つございますが、従来、米軍が四つとも所管しております。あるいは、最近において、一つにつきましては防衛庁のほうで所管しているかもしれませんけれども、この点は確認しておりませんのでわかりませんが、いずれにしましても、米軍用機あるいは自衛隊の飛行機がこれを使っております。米軍用機の基地につきましては、これは航空局の所管と申しますよりも、外務省なりあるいは防衛施設庁の関係でございます。それからまた、米軍の基地を現在廃止することが可能であるかどうかという点につきましては、これは私の全く専門外の事項でございますので、何とも申し上げかねます。私のほうから米軍の基地を返してくれというようなことは、いままで全然発言したことはございません。
○吉田(賢)委員 そこで、日航さん及び全日空さんのほうにも伺ってみたいんですが、あなたらの経営のお立場から見まして、特に日本航空におきましてはSSTの発注をアメリカになさったと聞くんでございますが、この内容を差しつかえなければお述べ願いたいと思うのですが……。
○松尾参考人 SSTは、いま欧州で試作をやっておるものと、それからアメリカでやっておるものと二通りございまして、欧州ではフランスでやっておると思います。これは、マッハ二・二、音速の二・二倍、こういうことでございます。それから、アメリカでは音速の二・六倍ぐらいから三倍、マッハ・スリー、こういう目標で両国で試作をやっておるわけでございます。いろいろ両者の飛行機を検討いたしまして、日本航空は、政府の了解を得まして、一機十万ドル、五機で五十万ドル、これの手付といたしましてアメリカの政府に申し込んでおる、こういうことでございます。
 これを非常に急ぎました理由は、大体発注の順序によりまして受け取る順序がきまってくる。御存じのとおりいまのジェット機の二倍半ないし三倍の速力でございますので、国際線で競争会社が一年なりあるいは二年なり先に取りますと、非常に営業に支障を来たしますので、できるだけ発注を早くした、それでも十九番目、こういうことでございます。SSTの発注を受けております数は、たしかアメリカのものが全体で七十五機ぐらい、それから欧州のSSTが四十五、六機の注文を受けておる、こういう実情でございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、それは代金は一機について幾らですか。
○松尾参考人 これはまた試作の時期でございまして、代金ははっきりいたしません。おそらく、いまのジェット機の稼働率の二倍ないし三倍でございますから、代金もそういうところに落ちつくのではなかろうか、まあ大体五十億から百億の間、こういうものに予想しております。
○吉田(賢)委員 それは、聞きますと、大体七一年ごろに受け取るといういまの御約束でございますか。
○松尾参考人 大体の情報その他集めまして、私どもの注文しておるアメリカのSSTは昭和四十七年からつくられるのではなかろうか、こういうぐあいに情報を得ております。
○吉田(賢)委員 そこで、転じまして、羽田空港を廃止すべしというような有力な意見はとんと見つからず、関係行政当局、審議会、あるいは業界等におきましても、羽田は金銭にもかえがたい形もあるというような、羽田を存置する必要性が強調せられるようであります。そこで、新東京空港をさらに設置するという問題に転ずるようでありますが、これにつきまして審議会の答申は、千葉県の富里村付近ということになっておるようであります。あげられました候補地として、千葉県の浦安沖、茨城県霞ケ浦周辺と、ほかに二つあがって、さらに千葉県の木更津付近というものが文書の中には書かれておりますけれども、これは東京湾の中部上空であって、羽田の東京国際空港の出入経路の要衝地となっておるので、羽田を放棄しない限りは考慮の余地がないという断定になっておるようであります。ところが最近は、さきの産業計画会議の意見は、ややあいまいであるけれども、どうも木更津を強調しておるように思われる。この点について、木更津という問題が一体どうなのであるか、気象の条件とか管制の条件とか、その他都心との関係、あるいは建設工事の諸般の関係等々から見まして、木更津というものはどれほどの価値があるのかないのか、その点について平山委員長の御所見を伺いたい。
○平山参考人 木更津の問題につきましては、御承知のように羽田というものがありますと、ほとんど検討する価値がないくらい羽田とかち合ってまいりますので、委員会といたしましては、羽田を残すか残さぬかというような点につきましても、いろいろ皆さんの御意見は伺ったのでございますが、これはどうしても残さなければならないというようなことになりますと、木更津はほとんど問題にならない、こういうことでございます。また、その隣の浦安等につきましては、埋め立てがどうとかこうとかいうふうな問題、これもいろいろと議論をされましたが、木更津のほうにつきましては、どういうふうにして木更津を使うかというような問題は、あまり議論の対象にならないのでございます。
○吉田(賢)委員 そういたしますと、羽田をつぶしてしまうときに木更津は議論の対象になり得る、羽田を存置せしめるという前提に立つならば両立し得ないということに理解してよろしいのですか。
○栃内政府委員 ただいま委員長がおっしゃいましたように、木更津につきましては、羽田を前提とすると主として管制上の見地から全く羽田と両立しないということでございましたので、木更津につきましてはそういう点の検討はございましたが、非常に掘り下げてやるというところまではやられなかったわけでございます。
 そこで現在もう一度考えてみたらどうかという問題もあると思いますが、私は羽田をなくしてしまうという前提に立てば、木更津はあるいは検討の対象にはなるかと思います。ただその場合に、やはり木更津というものの立地条件から考えまして非常にいい候補地であるかどうか、この点はまたおのずから別個の問題であろう。いずれにしましても羽田をやめるという前提に立って初めて木更津の検討というものが行なわれる、かように考えております。
○吉田(賢)委員 すでに当委員会におきまして、それぞれその道の権威者、重要な関係者、政府の唯一の行政担当者の御意見がやはり羽田存置が必要であるということになると、木更津問題というのは産業計画の会議の御意見もあるようですけれども、現実的にはあまり論議がされないほどのものであるというふうにわれわれは理解するのですが、どうでございましょうか。
○栃内政府委員 ただいま申し上げましたとおり、羽田を存置するということであるならば木更津というものは検討しがたいということでございます。羽田をやめてしまうという前提に立ちますれば、木更津はまた検討の対象にはなる、かように考えております。
○吉田(賢)委員 それから日航の松尾社長さんに伺ってみますが、われわれが飛行機に乗ってみましても、空を飛んでおるときにどこかわからぬ大きな空間を飛んでおるように感じますけれども、いろいろ空の航路図なんかを拝見いたしますと、かなり精密に厳重に航路がきめられておるようにも思うのですが、やはり羽田に進入しあるいは出ていくときの一つの要路になっておれば、それは目で見えないけれども一つの侵しがたい区画をなしておるというふうに理解すべきものなんでありましょうか。そこらが一般のしろうとにおきましては、空は無限に拡大されておるものであるから、陸上のごとくあの地この地に障壁を設けておるという関係でなしに、あけっぱなしのところをいくというような感じもせぬではありませんけれども、一歩入って聞いてみるとさにあらずして、道は縦横に予定されて、厳重に守られているようにも感じるのです。やはり空の道の秩序というものはそれほど厳重なものでございましょうか、これはどういう点からくるのでしょうか、やはり衝突事故その他からくるのでしょうか。
○松尾参考人 ごもっともな御質問だと私どもも思うのですが、空の交通は、運輸省航空局なり、あるいは国際的にも軍航空との兼ね合いという点で非常に厳重に規定されておりまして、特に東京周辺の空は非常にふくそうしております。御存じのとおり、東京周辺には米軍のたくさんの戦闘機その他の飛行機が毎日飛んでおり、その他自衛隊の練習の飛行機、それに東西南北から国際航空路の各国飛行機が入ってきており、また国内航空等、特に東京の周辺はふくそうしておって厳重に規定されております。たとえば簡単に申しまして、羽田を一つ例にとってみましても、羽田の空域が完全に一〇〇%使われておるかというと一〇〇%使われていないのでありまして、羽田の西側の伊豆半島は、先ほど航空局長からも御説明がありましたように、あの辺には飛行場が四つありまして、南北に軍の航空路が通っております。民間航空は伊豆半島を横切って関西方面に飛ぶということではなく、大島を回って名古屋に行く。この大島を回るだけでも、伊豆半島の上を自由に通れる場合と比較して、ガソリン代でも、わが社だけでもおそらく年間五億円よけい食い、全日空を合わせるとおそらく十億使う、こういうぐあいに考えております。したがいまして、この空港周辺の航空上の安全でありますが、これは非常に慎重に考えて、この空域の問題を飛行場選定の上にも非常に重要なファクターとしてぜひお考え願って進展していただきたい、こういうぐあいに考えております。
○吉田(賢)委員 この付近の浦安という沖地を埋め立ててはという一つの案が一応想定されておるようでございます。浦安というのは、富里に比較いたしましてどういう点が難点でありましょうか。これは委員長が一番適切かと思いますけれども、どなたからでもよろしゅうございます。
○栃内政府委員 浦安の問題につきまして御説明いたしますが、浦安につきましても、私ども一応の候補地として考えたことは事実でございます。ただこの点につきましては、やはり空域の関係でなかなか問題があるということに突き当たったわけでございます。具体的に申しますと、かりに浦安につくりまして、ここにいわば理想に近い新空港をつくり、これを一〇〇%に利用を進めなければならぬといたします。その場合に、浦安をめぐる空域を考えますと、羽田との距離が近過ぎますので、浦安を一〇〇%使えば羽田の能力というものは非常に落ちる、かように考えます。さらに具体的に申しますと、羽田の西のほうは、先生の御指摘のように軍用機の基地がございまして、いま松尾参考人からも御説明がございましたように、米軍の飛行機の非常に激しい流れがございます。したがって羽田は、西のほうは非常に使いにくいということになっております。したがって羽田につきましては、大ざっぱに申しまして、現在のところ、東側、すなわち東京湾の湾内上空というものを主として使っておる。しかもその場合に木更津から進入するというのが非常に多いわけでございます。東京湾の湾内上空を利用して使うということになりますと、浦安との間でどうしても空中において両飛行場の使用する空域が重なるということになります。したがって、その場合に浦安を一〇〇%に使えば羽田というものは東京湾上空をほとんど使えなくなる――絶対に使えなくなるということではございませんが、非常に制限された使い方をしなければならぬ。また安全と能率という関係はいわば相関関係でございまして、非常に安全をとうとぶならば、能率をある程度犠牲にしなければならぬということになりますが、私どもとしてはこれが両立するように持っていっておるわけでございまして、無理な使い方をして能率をあげるということは厳に戒むべきことでございますので、慎重な配慮をいたせばいたすほど羽田が非常に能率が低下してくる、いわば地面の上に飛行場がありましても、これはただ飛行場の形をしたものがあるということになりまして、飛行場としての機能は果たせなくなる、あるいは果たすことが非常に不便になる、かように思います。主として管制上の見地から両者は両立しがたい、かりに両立するとすれば、羽田には相当な無理がかかる、かように考えられたわけでございます。
○吉田(賢)委員 審議会におきましてもやはり浦安問題はいまお述べになったような難点がだんだんと出たわけでございますか、あるいは別の意見でもあったわけでしょうか。
○平山参考人 ただいま局長が述べられましたとおりでございまして、浦安は羽田のほうに非常に支障を及ぼす、管制上の問題が一番大きな問題でございます。
○吉田(賢)委員 そういたしますと、羽田を存置するという前提に立つ限りは、浦安も不可能であり、木更津もなおさら不可能である、両者いずれもこれは論ずることはできないということになるようでありますが、かりに浦安、それから木更津などを埋め立てするということになりますと、経済的に見まして工費というものが、浦安の場合はかりに七百万坪を埋め立てるということになるとどのくらいの経費がかかるのでしょうか、あるいはまた木更津についてはその辺はどうでございますか。
○栃内政府委員 いかなる埋め立てをするか、これはかりの話でございますけれども、陸岸から離れます場合には非常に金がかかってくる、加速度的にかかる、それから陸岸につければそれほどかからないというような点もございます。それから地盤の点もございますので、いろいろな計算の方法がございます。一応試算したものは持っておりますので、担当課長から数字についてお答えいたさせます。
○丸居説明員 二千億くらいかかります。
○吉田(賢)委員 それは浦安の場合ですか。
○丸居説明員 浦安の場合です。
○吉田(賢)委員 木更津はそういう計算をしてみましたか。
○丸居説明員 木更津は計算しておりません。
○吉田(賢)委員 次に霞ケ浦周辺ということでありますが、これは自衛隊の百里飛行場があるようでありまして、われわれしろうとながらこの付近にはどうかと思うのでありますが、この点は深く論議の対象になった地域ですか、どうですか。
○平山参考人 霞ケ浦も対象になりましたけれども、先ほど松尾参考人が述べられましたように、百里の基地がございますと、やはり空域がそれに重なって危険が出るということで、その点をどう調整するかというような点も議論に出たわけでございます。
○吉田(賢)委員 議論には出ましたけれども、結局これは落第したという意味ですね。
○平山参考人 調整可能ならば霞ケ浦でもいい――調整可能ならばということは、要するに百里基地をどこかに持っていくということができますならば、候補地としては適当であるという結論に達したわけであります。
○吉田(賢)委員 そこで最終的に審議会は千葉県の富里村付近という結論を出しておいでになるようでありますが、私もちょっとお尋ねしたいので、責任もありますから、けさ五時ころに富里村に行ってきたのです。それで歩き回ってみたのですが、見るところ全く麦畑が大部分でございまして、若干の林があるようであります。これは何の林ですか、防風林ですか、ああいう習慣か存じませんけれども、あまり起伏のない平坦地のようでございました。そこでこの富里村については、何か内部に富里村ではいかがかというような反対説あるいは難点、ほかと比較いたしまして多少どうかというような懸念される点があったのでしょうか、富里村についてひとつずばっと明快に理由を述べてもらいたい。
○平山参考人 浦安、それから霞ケ浦、富里、こう比較をいたしてみますと、たとえば気象条件でございますとかあるいは地質でございますとか、それから一番重要な問題は、先ほどからもお話がありましたように、とにかく飛行機は安全でなければならぬものでございますので、管制上の問題というふうな点をいろいろ比較対照いたしますと、結局この三つの中で富里村が一番適当しているのではなかろうかという結論に達したわけでございます。
○吉田(賢)委員 航空局長に伺いますが、管制上の関係は、何かそこには影響ございませんですか、いかがですか。
○栃内政府委員 富里につきましては、管制上はほとんど他に影響がない、こういうふうに判断しております。多少問題があるとすれば、自衛隊の下総基地との関係がございますが、これは両者の距離から申しましても、下総基地の使っておる状況から考えましても、ほとんど問題がないと考えております。
○吉田(賢)委員 富里村は特に地域的に反対であるとか、あるいは土地買収が困難であるとか、何かそういったような実施段階に至って困るような問題は伏在しないのでございます。
○栃内政府委員 富里村付近につきましては、いまおっしゃいましたように、農地あるいは林が大部分でございます。ここは人口はそれほど稠密ではないというような点で、他の人口稠密地帯に比べれば比較的容易ではないかと私どもは考えております。ただいずれにしましても、現在農業なりあるいは畜産なりというものを営んでおる方がおられるわけでございますから、これらの方が先祖の代から農業をやっておるというような点で、やはり飛行場になるのは困るという方ももちろんおいでのことは承知しております。ただあの付近に新しい空港ができることによってむしろその付近が発展するのである、いわば富里村付近が非常に新しい形で生まれ変わる、またそこで相当な就業人口も確保されるし、また新たな事業に何らかの形で参加する道もあるのだから、ぜひ飛行場を富里村付近に持ってきてくれというような非常に熱心な誘致をされる方もございます。したがって、反対の方も誘致の方もあるということに私ども認識しておりますが、ほかの、いわゆる飛行場をつくろうという場合の、いわば何でも反対というような非常に強い反対があるということではなく、いわば適当な方途を講ずるならばこれを誘致しようというような意向がかなり強い、かように私どもは考えております。
○吉田(賢)委員 なおちょっと伺っておきますが、これは浦安にしましてもあるいは霞ケ浦付近あるいは木更津等に比較いたしまして、候補地といたしましては条件は一番そろっておるようでございますが、さてこれは建設費はどのくらい要する計算になるわけですか。
○丸居説明員 富里の地面だけでございますか。
○吉田(賢)委員 新東京国際空港を設置する場合、国としてどのくらい経費を負担すべきでありましょうか。
○丸居説明員 国の経費は、用地造成費だけを国費で支出いただきまして、あとは公団をつくっていただいて、公団で滑走路の敷設その他をやるということにいたしておりますので、用地造成費だけは、富里にできますれば、約七百億ぐらい国の支出を仰げばそれでできるのじゃないか、こう思います。
○吉田(賢)委員 そこでちょっと結論的に聞いておきますが、いま公団のお話が出たのですが、これは公団といいますか、政府の直営でなしに、あるいはある株式会社ではなしに、一種の半官半民というのですか、最近行なわれる独立採算制というのですか、公団方式ということにつきましても審議会におきまして参考にお出しになっておるようでございますが、これについては何か御意見ございませんでしょうか。公団方式について、審議会並びに日航、全日空さんにおかれましてもいかがでございましょうか。公団方式の運営につきまして何かありませんか。
○栃内政府委員 公団方式が望ましいという建議をいただいております。私もやはり公団方式が一番いいのではないか、かように考えております。と申しますのは、空港というものは非常に公共性のあるものでございまして、ここに施設をするいろいろなものが、やはり公共的な使命を帯びて運営されるということが基本的に正しいのじゃないか。現在必ずしもこの理想は実現しておりませんが、やはり過去のいろいろな経緯を考えまして、新空港こそは理想的な運営形態としたい、それには国が直接やるという方法もございますけれども、能率的な面でなかなかうまくいかないという点がございます。それから純粋な民間会社にしますと、公共性というものが非常に薄れる懸念がございます。したがって、私は公団方式がいいのでないか。しかも公団方式をなす前提であるところの、いわば短期には困難でございますが、長期に見てこれが収益が相償い得るということは、長期の資金を必要とし、しかもこれは確実に償還されるというような点から見まして、私は、政府が出資し、あるいは民間がこれに参加するというような形、これは参加の方法はいろいろございましょうが、公団債を引き受けるとか、そういうようなことで資金を集めるということによって、長い目で見れば元利ともこれを返せるというような点で、公団方式が一番適当ではないか、かように考えております。
○吉田(賢)委員 大臣が見えておりませんが、政務次官に伺います。
 以上のような質疑をいろいろ重ねてまいりますと、非常に重要性と緊要性が感ぜられますので、やはり今国会中にでも場所を決定するというところまでいって、実施は引き続いて行なう、来年にはおそくともある段階まで着工されていかなければならぬ、こういうふうにも考えるのですが、これは大臣にぜひお伺いしなければいかぬ点でありますけれども、どういうふうにお考えになりましょうか。
○田邉政府委員 この新国際空港は非常に重大な問題でございまして、私どももなるべく早期にこの国際空港の場所を決定したいと実は考えておりまして、できるだけこの国会の間にできれば幸いであると、かようにわれわれ考えております。また政府に対しても早く決定するように実は話を進めておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 それで、ちょっと局長がおいでにならなかったので十分御答弁がいただけなかったのですが、実はニューヨークへの乗り入れの問題であります。これはロンドンへの乗り入れにつながって世界一周というような関係にもなり、いろいろな角度から、経済的にもまた客の利便の関係からも内外重要な問題でございますので、過般の日米経済懇談会でありましたか、あの席でも話題になったらしいのですが、これもやはり急いで解決しなければならぬことと存じます。外務省の関係もあると思いますけれども、三十六年でしたか、前の局長の今井さんのときにこれは交渉を開始せられた、それで中絶して今日に至っておるようにも聞いております。あるいはいま若干また交渉の緒についておるかと聞くのですけれども、これは非常に重要な課題でありますが、いまの段階はどうなっておりましょうか、少し進んでおるのでしょうか、あなたの省として、あるいは外務省で多少はやっておるのでしょうか、その辺はどんなものですか、これも早くきめるべき重要課題と思いますので、伺っておきたいのです。
○栃内政府委員 ニューヨークからさらにその以遠に日本航空の飛行機を飛ばせるということは、かねての念願でございます。三年前に交渉をやりまして、その後中絶しておりますが、本年はぜひ交渉を再開いたしまして、こちらの主張を貫徹いたしたい、かように考えております。時期につきましてはまだ最終的にきまっておりませんけれども、現在のところワシントンの武内大使も先方と接触されておるようでございますし、私どももできるだけ早くこの会談、交渉を持ちたい、かように考えております。時期の点につきましてはまだ決定しておりませんが、おそらくできるだけ早い機会に先方に対して交渉の申し入れをする、かようになると考えております。
○吉田(賢)委員 終わります。
○白浜委員長 参考人各位には、委員会の調査に長時間御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。
 次会は十四日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十八分散会