第046回国会 災害対策特別委員会 第8号
昭和三十九年六月九日(火曜日)
   午前十時二十九分開議
 出席委員
   委員長 中山 榮一君
   理事 大久保武雄君 理事 古川 丈吉君
   理事 細田 吉藏君 理事 稻村 隆一君
   理事 岡本 隆一君 理事 村山 喜一君
      天野 光晴君    池田 清志君
      亀岡 高夫君    仮谷 忠男君
      田澤 吉郎君    谷垣 專一君
      保科善四郎君    湊  徹郎君
      井谷 正吉君    大村 邦夫君
      泊谷 裕夫君    中村 重光君
      西宮  弘君    原   茂君
      稲富 稜人君    竹谷源太郎君
      林  百郎君
 出席政府委員
        農林政務次官  丹羽 兵助君
        農林事務官
        (大臣官房長) 中西 一郎君
        農林事務官
        (園芸局長)  酒折 武弘君
        気象庁長官   畠山 久尚君
        労働事務官
        (職業安定局失
        業対策部長)  住  榮作君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計官)   宮崎  仁君
        大蔵事務官
        (国税庁直税部
        所得税課長)  大島 隆夫君
        農林事務官
        (農林経済局金
        融課長)    中沢 三郎君
        農林事務官
        (農林経済局農
        業保険課長)  岡安  誠君
        農 林 技 官
        (農林経済局作
        物統計課長)  富樫 覚悟君
        自治事務官
        (財政局財政課
        長)      岡田 純夫君
    ―――――――――――――
六月九日
 委員卜部政巳君及び山口丈太郎君辞任につき、
 その補欠として大村邦夫君及び原茂君が議長の
 指名で委員に選任された。
同日
 委員大村邦夫君及び原茂君辞任につき、その補
 欠として卜部政巳君及び山口丈太郎君が議長の
 指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
六月六日
 災害防除対策の強化に関する陳情書(福岡市薬
 院堀端七丁目百二十三番地福岡県町村議会議長
 会長内山正盛)(第六〇一号)
 豪雪地帯における税の軽減に関する陳情書(山
 梨県議会議長降矢敬雄)(第六〇二号)
 同(福井県議会議長揚原新十郎)(第六九四
 号)
 福島県の凍霜害対策に関する陳情書(福島県副
 知事佐久間敏)(第七三七号)
 同(福島県議会議長佐川幸一外一名)(第七三
 八号)
 福島県の凍霜害による被害養蚕農家救済に関す
 る陳情書(福島市上町六番二十五号福島県養蚕
 農業協同組合連合会長作田善枝)(第七三九
 号)
 福島県の凍霜害による被害農業者等に経営資金
 の融通措置に関する陳情書(福島県副知事佐久
 間敏)(第七四〇号)
 福島県保原町の凍霜害対策に関する陳情書(福
 島県伊達郡保原町議会議長仁志田昇)(第七四
 一号)
 宮城県の凍霜害対策に関する陳情書(仙台市勾
 当台通二十七番地宮城県町村議会議長会長大村
 庄三郎)(第七四二号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 災害対策に関する件(東北地方等における凍霜
 並びに九州地方等における長雨による災害対
 策)
     ――――◇―――――
○中山委員長 これより会議を開きます。
 災害対策に関する件について調査を進めます。
 この際、おはかりいたします。
 先ほど理事各位と協議いたしました結果、長野県における凍霜による被害状況の調査のため、現地に委員を派遣し、実情を調査いたすことに決定いたしたのでありますが、理事会の決定のとおり委員派遣承認申請を行なうに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました
 つきましては、派遣地、派遣期間、期日、派遣委員の員数及びその人選、並びに議長に対する承認申請手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
     ――――◇―――――
○中山委員長 これより災害対策に関する件について質疑に入りますが、先ほどの理事会の申し合わせにより、質疑時間はおおむね二十分程度にお願いいたしたいと存じます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。大久保武雄君。
○大久保委員 私は、長雨災害を中心にいたしまして政府に質疑をいたしたいと考えておりますが、四月以降五月にわたりまして、九州全域並びに四国、中国の一部地域において、長雨、濃霧、高温多湿など異常気象の継続によって日照時間がきわめて不足いたしました。たとえば熊本県で申しますと、四月のうちで日が照りました日はたった二日、こういったような実にはなはだしい異常気象でございました。これがため病害虫の発生が著しく、麦類をはじめ、なたね、水陸稲、果樹あるいはしいたけ、蔬菜など、農作物に雨腐れ、不稔現象、不時出穂、落果、枯死等の被害が続出し、また、鹿児島県等におきましては干ばつの被害を見たところもございます。その被害総額は、先日農林省官房長からの発表によりますと、五月十五日現在で百五十億円ということでございますが、一方、現地の災害県の陳情の報告を聞きますと、二百二十億円、こういうことに相なっております。昨年の長雨災害のときもそうでございましたが、第一回目に農林大臣がここで発表されました被害額は約三百九十億程度であったと思っております。ところが、実際の被害の最終結果におきましては 昨年の被害は一千億を突破する被害にのし上がってまいったのでございますが、ことしの農林省発表はきわめて低額でございます。この総計というものは、昨年と同じように、今後さらに拡大するのではなかろうかと考えるのでございますが、最終的に農林省はどういうふうにこの被害額を見ておられますか、御答弁を願いたいと思っております。
○中西政府委員 お話にございました百五十億円と申しますのは、五月十五日現在の被害の応急調査結果でございまして、その調査を継続しております。それで、近日中に最終的な取りまとめをいたしたい、かように考えております。
○大久保委員 農林省の災害の数字が非常に微々として出てまいりますと、われわれ災害対策を立てる上におきましても非常に困るのであります。一千億の災害が、たった三百億からそろばんが始まる、対策が始まる、そういうことではきわめて遺憾でございまして、少なくとも災害の全貌に対しての掌握というものを農林省はいち早くとっておかなければ、災害に対処するかまえができないと思うのでございます。
 重ねて私は質問いたしますが、一体災害の全貌をどのくらいに見ておられるのか、農林省として御発表を願いたいと思います。
○中西政府委員 災害の全貌についてのお話でございますが、実はこのような被害が起こりますと、経常的な、真にやむを得ない業務を別といたしまして、当該県の統計調査事務所、その出張所の全能力を動員して被害調査に当たっておる次第でございます。それで、若干の時日を要しますけれども、それは相手が作物であるという関係もありまして、それを見定めるのに時日を要するというわけでございます。最終的なものは、近い将来と申し上げましたけれども、六月一日現在で、六月十五日ごろには最終的な数字が明らかになるという予定でございます。当然だと思いますが、百五十億程度よりは増加するのではないかという見通しを持っております。
○大久保委員 これらの今回被害を受けました地域は、昨年、農業史始まって以来の長雨被害を受けました地域でございまして、昨年も農作物にほとんど壊滅的な被害を受けました農家でございます。連年災害を受けました打撃はきわめて深刻なものがあり、今後の営農に与える影響はきわめて深刻かつ重大であるといわなければなりません。被害各県はそれぞれ応急の対策を講じておるわけでございますが、政府は、被害農家の救済のため、すみやかに万全の措置を講ずべきでございますが、まず第一に、天災融資法はいつこれを適用決定されるのですか、お伺いいたしたいと考えております。
○中西政府委員 天災融資法の発動につきましては、当然発動すべきであるということで準備を進めております。いつごろになるかという点でございますが、これにからめまして、特別被害地域あるいは特別被害農家等を確定しまして、三分五厘の融資の対象を明確にする必要があります。そのためには、先ほど申し上げました六月十五日の数字をもとにして、都道府県と地域別の被害額等について打ち合わせをいたすことになります。したがいまして、六月十五日以降若干の時日を要するものと思います。
○大久保委員 そこで、三分五厘の適用農家についてでございますが、天災融資法第二条第二項の特別被害農業者の算定基準の特例につきまして、連年災の被害農家を救済しますために特段の措置を講じ、特別立法を制定してもらいたいと考えておるわけであります。すなわち、昨年激甚の被害を受け特例に該当した農家で、本年度さらに麦その他政令で定める農作物の減収による損失を生じたため、その者の二年間における麦その他政令で定める農作物の減収による損失の合計額が二百分の百三十以上に達した農家については、特別被害農業者として三分五厘の利子を適用してもらいたいと考えておるわけであります。なぜ二百分の百三十以上としたかと申しますと、昨年ほとんど全滅の被害を受けた農家があったといたします。その被害率が九〇%であった、そういう場合に、ことしの長雨による被害がかりに四〇%の被害であったとした場合に、ことしの四〇%では特別被害農業者には足りないのではないか、こういうことでは済まされない状況ではないかと考えておるわけであります。昨年ほとんど命にかかわるような深手を受けて、その上にさらにまたひどい傷を受けるということは、これは本人にとって非常な痛さ、あるいは生命に対する脅威というものになってくるのでございます。こういったように、二年連続して災害を受けて、昨年は壊滅的な九〇%の被害、ことしはさらに続いて四〇%の被害、こういったような農家を救済いたしますためには、そこに今年だけとらないで、二年の連年災という数字をとって二百分の百三十、開拓者に対しては二百分の百十、こういったような数字をもってことしの罹災者の連年災の上に特別の救済措置を講ずべきである、かように考えるのでございますが、これに対して政府側の考え方を承りたいと考えております。
○中西政府委員 これはまだ事務的な検討段階でございますので、そういうものとしてお受け取り願いたいのでございますが、いま御質問のありました裏作だけについて二年間を加えました二百分の百三十という話は承っております。いろいろ検討いたしておるのでございますが、天災融資法のたてまえから申しますと、年間の農業収入の百分の百十、すなわち一割以上の被害の場合は、通常六分五厘の対象ということになって、被害農業者という定義の中に入っておるわけでございます。ところで、今回被害のありました九州等の裏作のウエートを調べてみますと、大体年間総収入の中でのウエートが一二、三%のようです。一二、三%をもとにしましてお話の二百分の百三十というのをかけますと、七、八%という数字になるわけです。年間の表作を含めました収入に対する七、八%の被害ということになるわけです。七、八%の被害に対して三分五厘の利率を適用するという特例法をつくるとしますと、天災融資法の本法のほうがきついということになるわけです。一割以上の被害で六分五厘、ところが特例法は一割以内でも三分五厘になるのだということになるわけです。そこで、法律の体系としていかがか、天災融資法の本法を改正すべきことにつながる、といって、天災融資法の本法をこの際抜本的に改正するということも容易でないと実は考えております。そういう点で苦慮いたしておるのですが、お話ございましたように、連年の災害でもございますし、全体としては昨年よりも少ないとは思われますけれども、そういう事情を考慮しまして、何らか裏作についての特例措置を考えざるを得ないとは思っておるわけですが、まだ結論に至っておりません。
○大久保委員 世の中に、古傷にさわるなということをよくいわれます。それは痛いときに人間が言うことば、ところが今回は、まことに古傷にさわられた連年災でございますから、農家の痛さかげん、深刻さかげんというのは、私は言語に絶すると考えなければならぬと考えております。さようなわけでございますから、そういったような連年災という特別の事情があるということによって、かりに七、八%でありましても、今回の特例法を制定するのに決して不都合はない、かように私は考えておる次第でございまして、政府におきましてはこの点今後十分検討をせられまして、われわれの意思をくんで特別立法に踏み切られるように希望する次第であります。
 次に、さらに連年深刻な被害を受けました状況にかんがみまして、激甚災法の第八条を適用しまして融資額の引き上げを行なうべきであると考えておりますが、政府側の所見を伺いたいと考えております。
○中西政府委員 連年災についてのお話でございましたが、天災融資法につきましては、借りかえの措置あるいは融資ワクがふえるというようなこともございます。先ほど来古傷というお話もございましたが、それについての配慮は、いままでの一般法でもできておると考えております。そういう意味で、そのほかに特別の措置を考えるかどうかという点については、なお検討を続けたいと思っております。
○大久保委員 激甚災法第八条の適用、融資額の引き上げにつきましては、政府委員は御答弁がなかったようですが……。
○中西政府委員 一般的な体制としては行なうべきであると考えております。
○大久保委員 これは凍霜害のほうでも出た意見でございましたが、自作農維持資金につきまして、農家の経営の安定をはかるために災害融資ワクの拡大をすべきであると思いますが、政府は具体的にどういう用意をしておられますか、御答弁を願います。
○中西政府委員 自創資金の問題につきましては、一般的な問題としまして融資ワクを個人的にもふやしたいと考えておりまして、財政当局と目下折衝中であります。できますれば、天災融資法を発動する前後には自創資金の貸し付けの点についても結論を得たい、かように考えております。
○大久保委員 なお、引き続く災害のために符に被害の大きい農家に対しまして、各種の制度資金の旧債の償還延期をすべきであると考えております。これに対する政府の所見を承りたいと考えております。
○中西政府委員 償還延期につきましては、あらためて特段の措置を講ずる必要はないと実は思っております。連年いろんな災害がございますけれども、その際に講じていきました個々の農家の実情に応じて、公庫の業務方法書などに準拠いたしまして、それぞれ適切に措置してまいる用意をいたしております。そういう一般的な体制の中で要望に沿えるものだと確信いたしております。
○大久保委員 次に、麦の共済金の支払いでありますが、農業災害補償法に基づきまして、麦類の農業共済金の概算払いを早急に行なってもらいたい、特にこれは盆前に農家の手元に入るようにしていただきたい、かように考えるわけであります。
 なお、連年災によりまして組合の手持ち資金が逼迫しておりますので、共済組合の負担部分を削減して支払っておる向きもあるとのことであります。そこで、支払い共済金の組合責任分についても国庫負担の特別措置を行なってもらいたいと考えておりますが、この点に対して政府の意見を伺いたいと考えております。
○中西政府委員 概算払いの問題につきましては、凍霜害の場合を含めまして、できるだけ早く措置できるように準備を進めております。
 それから組合責任分の削減払いの件ですが、これは制度の根幹に触れる問題でございますので、非常に困難だと思っております。ただ、融資その他について特別の配慮をいたしまして、現実に支払いに支障ないようにするということをあわせ考えたいと思っていますが、制度の根幹に触れて改正するということは考えていない次第であります。
○大久保委員 なるべく早く概算払いということでございますが、昨年もこれをお願いして盆前に仮払いをしてもらったと思っておりますが、盆前にできるかどうか、ひとつそこのところを明確にしていただきたいと考えております。
○中西政府委員 努力いたします。政府の体制としては万全の措置をとりたいと思っております。
○大久保委員 これはぜひとも盆前に農家の手元に入るようにしてもらいたいと考えております。
 次に、水稲の不時出穂に対しまして、これを共済事故に認定してもらいたいのですが、政府の所見を伺いたいと思っております。とにかく水稲の不時出穂は、これは言ってみれば赤ん坊がはらんだようなもので、農家も気がついていないものがある。技術者に注意されて初めて驚いておるような始末であるということを聞いております。助かるのか助からぬのか、抜くか抜かないか、かわりに普通水稲を植えるか植えないか、早期水稲への不安が非常に満ちておるということでございます。これは急ぎ技術指導も行なうべきであると考えておりますが、これらに対する措置をどうしておられるのか、水稲の不時出穂に対する政府の見解を伺いたいと考えております。
○中西政府委員 お話しの不時出穂の問題につきましては、先月の中旬から下旬にかけまして伺っておりまして、私どもの農政局の農産課長等が専門的に現地で調べてきておるわけでございますが、共済事故としましては、その不時出穂のために、年間といいますか、当該作の収入がなかったという場合には、当然共済事故として認定いたします。もう一つの場合は、不時出穂であるということで、それを苗しろからしかえまして再び田植えをしたというような場合、その場合には、その収穫がございますと、前の不時出穂の分についての事故は共済事故とはならないわけでございます。そこで、経費の増高分について何らかの援助をする必要があるのじゃないかという気がいたしております。そこで共済事故ということでなしに、何らかの助成措置がし得れば、予備費等の要求もいたしてみたい、目下県当局とその点について打ち合わせをいたしておるわけでございます。
○大久保委員 なお、三十九年産米の予約概算払いでございますが、これは昨年当委員会におきましても政府に強く要請をいたしまして、二千五百円の予約概算払いが行なわれたわけでございますが、ことしもぜひこれを実行してもらいたい。昨年は六月二十五日から予約受け付けを開始したと記憶いたしておりますが、ことしはこれを繰り上げて六月十五日ごろから受け付けの開始をやってもらって、田植え資金に間に合うようにしてもらいたい、かように考えておりますが、政府の見解を承りたいと思っております。
○中西政府委員 相当大きな被害でもありますし、われわれ事務当局といたしましても、予約概算金をできるだけ早い時期に農家の手元に届くようにいたすべきであるというふうに考えております。そういう準備をいたしておるのでございますが、お話のように昨年は六月二十五日からでございました。まあできるだけ急ぐとしましても、やはり出荷する農民の気持ちなり、あるいはそれを取り次ぎます集荷団体の体制なりが整いませんと、十分な活動ができないと思います。たまたまことしは予約制度の十周年にあたりまして、力を入れて予約集荷をしたいと言っておるようでございますが、その辺よく相談いたしまして、できるだけ早目に概算払いができるような体制をとってまいりたいと考えて準備をいたしております。
○大久保委員 いま答弁がございましたが、三十九年産米の予約概算払いを田植え資金として、それから共済金の概算払いを盆資金、続いて天災融資法の融資等が農家にまいりますならば、幾ぶんとも被害農家の営農に対する資金的な援助ができるかと考えております。ぜひとも政府はこれらの措置を緊急に、せっかくやっていただくならば時期をはずしては何にもなりませんから、その出してもらう金が生きるような措置をとっていただきたい、かように考えております。
 なお、昭和三十九年産麦の政府買い上げ及び払い下げについてでございますが、本年産麦は著しく品質が低下して、相当量の等外麦が出るものと予想されます。等外麦について、昨年度、等外上は無制限に買い上げていただきましたが、等外下についても同様の措置がとれるか。また、とれない場合は、いかような等外下に対する特別の措置ができるか。何らか、標本その他について政府のあたたかみのある実際上の措置をやってもらいたいと考えておりますが、政府の見解を伺いたいと考えております。
○中西政府委員 等外上麦につきましては、御承知のように常設等級が設定されまして、政府買い上げの対象と当然なるわけでございますけれども、等外下につきましては、その中でも仕分けをしますれば、用途によって高く売れるという場合も予想されます。したがって、農業協同組合あるいは食糧庁の検査官等を動員いたしまして、そういう点についての援助なり、あるいはあっせんなりは十分つとめていきたいと考えております。
○大久保委員 食糧麦にさえ困った農民に対しまして政府は食糧用麦の払い下げを行なうべきでございますが、これは値段を安くできるのであるか、あるいは延納を認められるか、あるいは別途の助成措置をどういうふうにしてとられるものであるか。
 なお、飼料不足の事態に対処して、政府手持ちの飼料の払い下げは考えておられるかどうか、これらの点について答弁をいただきたいと考えております。
○中西政府委員 食糧用麦の払い下げにつきましては、政府の売り渡し価格で県段階に直接払い下げるというような形で中間経費を節約することにしまして、安値払い下げの実効をあげたい。毎年行なっておることでございますが、その方法によりたいと考えております。
 なお、飼料不足の問題につきましては、政府手持ちのふすま等ございます。それによって各県別に需給の必要に応じまして十分手当てをしてまいる所存でございます。
○大久保委員 次に、再生産一月の種子についてでございますが、早期水陸稲の植えかえ用の種子、麦類、なたね、イモ、その他園芸農作物及び飼料作物等の再生産用の種子の確保につきまして、あっせん、購入費、輸送費等に対して助成措置を講じてもらいたいと考えております。これは昨年もたしかやってもらったと考えておりますが、今回はどういう措置をなさいますか、答弁をいただきたいと考えております。
○中西政府委員 再生産用の種子につきましては、昨年は被害が非常に大きゅうございましたので、全国的な移動等についても配慮をいたしたわけでございます。ことしはそう大量な配慮は要らないかと思っておりますが、場合によっては関東にあるものを輸送し一まして手当てをするというようなことも必要になろうかと思います。十分に配慮してまいりたいと思っております。
○大久保委員 次に、今次災害に伴う早期水稲、果樹等の病虫害がたくさん発生しました。被害を防除いたしますために農薬及び防除器具についていかなる助成措置を講ずるつもりであるか。もうすでに肥料、農薬等を公共団体が出して防除活動をいたしたり、実際上の活動に入っておるわけでございますから、この点についての政府の見解を承りたいと考えております。
○中西政府委員 農薬、肥料等につきましては、かねて相当強い要望がございます。お話のありましたように、公共団体等によって支出もされておる模様でございます。凍霜害等の場合も含めまして、補助という取り扱いは非常に困難な点もありますので、現段階では、自治省と相談いたしまして、特別交付税で地方公共団体の穴埋めをしていくという所存でございます。
○大久保委員 いま特交で見ていくということでございましたが、総合防除の器具等について助成の措置はどうお考えでございますか、さらに質問いたします。
○中西政府委員 長雨対策独自としてはなお検討しておるわけでございますが、凍霜害等の場合には、本年度の予備費でスピードスプレヤーあるいは重油燃焼器等についても配慮してまいりたいと思っております。ただ、長雨につきましては、昨年三百台でございましたか、スピードスプレヤーの手当てをした経過もございます。本年度は、さらに実情をよく調べまして、その上で対処いたしたいと考えます。
○大久保委員 昨年は麦の全滅的裏作被害を米の増産で取り返そうということで、この病虫害に対する農民の防除の取り組み方というものは実に真剣なものがございました。ことしも、連年災でございまして、農家はおそらくそういったような決意をもってかかると考えておりますが、またこの長雨によりまして病害虫の発生は稲作その他に関しましても相当懸念されるわけでございますし、また現在でもキクイムシその他の発生があるわけでございますから、この点につきましてはさらに農林省としては特段の考慮をわずらわしたいと考えております。
 なお、それに関連いたしまして、クリキクイムシの発生について政府の所見をただしたいと考えております。南九州の熊本、大分、宮崎の三県でございますが、果樹の長期生産計画の中で、クリは柑橘類の栽培が困難な内陸山間地帯の唯一の果樹として、昭和四十五年度まで九千六百ヘクタールに増植する計画で普及推進をはかっておりましたが、現在三千八百三十七ヘクタールの栽培面績となっております。しかしながら、本年四月上旬から各県下の全域にわたりましてクリキクイムシが異常発生をいたしております。これは昭和三十八年冬季の大寒雪害に加えて、本年の暖冬、そして三月末から四月にかけての高温と断続的な降雨による異常な気象現象が主因ではないかと考えておるわけであります。被害の調査といたしますと、栽培面積の六三形に当たる二千五百二十四ヘクタールがその被害を受けておることがわかりました。すでに枯死したものが五百七十五ヘクタール、次いで六百五十三ヘクタールが枯死寸前の状態となっており、さらにはなはだしい被害と目されるものは六百ヘクタールに及んでおるわけであります。その被害額は、枯死及び枯死寸前の千二百二十八ヘクタールの育成に要した六億五千二百万円と、減収による一億九千三百万円、合わせて八億四千五百万円に達しておる次第であります。かようなクリの生産地帯は、一般に山間または非常な山間に近い地帯の比較的農業所得の低い地帯でございまして、クリをもってこれらの低所得層地帯が立ち上がろうとしておりました際でありましただけに、農家の受ける経済的並びに精神的打撃ははかり知れないものがあるわけであります。これが復旧並びに今後の振興に特段の措置をいたしていかなければならぬと考えておりますが、クリの緊急防除費国庫助成措置について、植物防疫法第十七条による緊急防除に指定をいたしまして、今後の被害の再発及び拡大を防止するとともに、健全樹の保護のために一斉防除用農薬代の国庫助成について政府はどういう考えを持っておられますか、意見をお聞きしたいと考えております。
○中西政府委員 お話のとおり、キクイムシの被害が九州その他−で発生しております。九州以外のところを含めますと五千町歩に近い被害があるのではないかと考えられております。そこで、とりあえず、地方の農政局を動員しまして、五月二十日に被害の調査あるいは防除につきましての指導通達を出しております。その後、植物防疫法第十七条の緊急防除の規定の適用につきまして各方面から御要望がございまして検討いたしておるのでございます。この害虫が全国的に普遍的に生息する種類のものでございまして、同法第十七条の規定に基づく緊急防除という要件には当たらないという点がございますので、そういうような点にかんがみまして、これからの対策をどうしていくか検討いたしております。とりあえずは、三十九年度予算の中で各府県に配賦しました防除の予算の保留分がございます。そういうものを活用しまして、さらに将来の問題としましては、発生予察等についても必要な配慮をするという方向で検討を進めておるわけでございます。
○大久保委員 ただいま政府委員からちょっと発言がございました植物防疫法第二十二条の規定する指定有害動植物としてクリの病害虫を指定して、発生予察事業の実施はぜひともお願いしたい、かように考えております。これに対して政府の確たる御意見を伺いたいのでございますが、さらに、枯死しました千二百二十八ヘクタールに対して、植えかえ用苗木の助成措置並びに補助残融資措置をお願いしたいと思っております。また、クリキクイムシの被害農家に対する既成借り入れ資金の返済延期並びに利子の減免措置等についても特段の措置を願いたいわけでありますが、これに対する政府の所見を承りたいと思います。
○中西政府委員 植物防疫法二十二条の有害動物についての発生予察等についてお話し申し上げたのですが、ただいま御質問のありました趣旨で、恒久対策としても重要でございますので、十分に配慮してまいりたいと思います。
 なお、被害の実態によりまして、当該果樹園の返済能力を越えるあるいは借り入れをして、さらに立ち直って前向きにやっていけないというような実情がございましたら、十分配慮をいたしたいと思います。なお調査中のことでもございますので、的確には申し上げかねます。
○大久保委員 苗木につきましては、昨年もこういったような助成措置をやったと記憶しておりますから、特に政府は十分な検討をはかっていただきたいと考えております。
 なお、最近の報告によりますと、九州各県のシイタケは、熊本県だけでも約九千八百万円の被害が出てまいったそうでございまして、ほとんどシイタケが全滅に近い被害を受けておるといわれております。もちろん、このシイタケにつきましても、先ほど申しましたような天災融資法の政令で指定をしていただきたいと思っておりますが、いままでシイタケ被害につきましてはあまり話が出ておりません。これは最近の調査の結果発見されましたようでございまして、この点については政府はどういう他の地帯におけるシイタケの被害状況を把握しておられるか、御答弁を願いたいと思います。
○中西政府委員 お話のシイタケの被害でございますが、目下林野庁で被害を各地域にわたって調査中でございます。いずれはっきりいたしましたら当委員会に御報告申し上げます。
○大久保委員 関係職員が行ないました災害復旧促進指導等に要する事務費の確保につき、必要な助成措置を講じてもらいたいのでございますが、政府はいかなるこれに対する対策を考えておられるか、御答弁を願います。
○中西政府委員 長雨に関連しました指導的な経費あるいは防除活動の経費等につきましては、目下関係都道府県とその実態を詰め合っております。現段階で助成すべきであるという結論には至っておりませんけれども、調査しまして、必要がございましたならばそういう措置も十分考慮してまいりたいと思います。
○大久保委員 なお次の問題は、昨年の長雨災害後におきましても引き続いて当委員会で取り上げておりましたけれども、いまだに解決をしておらない問題のようでございます。すなわち、被災地における農業団体に対しては、その資金繰りの実情にかんがみまして、系統融資による融資等のあっせんを行なうとともに、災害による農業倉庫の収入減に対しまして特別の助成措置を講じてもらいたいと考えておる次第でございます。これは昨年来未解決の問題のように記憶しておりますが、政府はいかなる対策を持っておられるか、見解を承りたいと思っております。
○中西政府委員 お話の点、昨年度非常に強い要望がございましたが、政府としましてはそれに対する措置を講じないで、今日に至っております。ただ、別途の措置としまして、米についての保管料の調整措置というようなことを講じておりますので、経営という観点から見ますと、総合的な収支の改善という点では役立っておる措置もとられたわけでございます。ただ、裏作自体について見ますと、何と申しましても保管料という体系でいきますと、荷物が入らないものに保管料を払うというわけにも参らないもので、そこで農協の経営の現状といいますか、経営が悪化したということについて必要な場合に、融資その他で援助をしていくということの、いわゆる一般対策でそれを助けていくより方法がないと考えております。なおそのほかに、農協の経営といいますか、業務の合理化ということを目ざした農協対策一般の施策がございます。たとえば合併促進のようなことをやっておりますけれども、そういうふうな大きなワクの中で解決をいたしてまいりたい。個々のケースについて、農協の保管料が少なかったらどうだというようなことについては、これは行政の技術としても非常に困難な点がございます。以上のようなことでことしも対処せざるを得ないと考えております。
○大久保委員 最後にお尋ねしたいのは、きょう大蔵省は来ていませんようですから農林省から御発言を願いたいと思いますが、被害農家に対しましての国税及び地方税の減免でございます。これは昨年もやってまいりましたが、この点について、ことしも連年災の深刻なる被害につきましてぜひとも特別の措置を講じてもらいたいと思っております。また、この災害関係の地方公共団体の財政負担に対しまして、特交につきましては特に考慮を払う必要があると考えますが、これらの点につきましても、農林省の政府委員から御発言を願いたいと考えております。
○中西政府委員 大蔵省から担当の課長さんが見えておりますから……。
○大島説明員 被害農家に対する国税の減免につきましては、これは税法の命ずるところによりまして、当然に措置を講じつつあるところでございますが、まず第一に、被害農家が前年よりも所得が減少いたしておりますので、この減少しました分は予定納税額に十分反映いたしまして減額の措置を講ずるように、また、これによりまして年間を通じまして所得が赤字になりました場合には、その赤字は来年度に繰り越すように、それから現に租税の未納分がある農家に対しましては、徴収猶予の措置を講ずるようにというような点につきまして、すでに国税局から税務署のほうに通達済みでございまして、万全の措置を講じておるつもりでございますので、御了承願います。
○岡田説明員 特別交付税につきましては、凍霜害の場合と同様に一定の基準がございますので、基準を考えながら、なるべく実情に合うように考慮いたしてまいりたいと思っております。
 地方税の減免につきましても、国税等と同様一定の減免基準等もございますので、それを頭に置きながら十分指導もいたし、地方団体をして所要の措置を講ずるようにいたさせたい、かように考えております。
○大久保委員 終わります。
○中山委員長 西宮弘君。
○西宮委員 できるだけ簡単にお尋ねをいたしたいと思います。ただいま大久保委員の御質問にもありましたが、天災融資法の関係、これは厳密にいつ発動されますか。
○中西政府委員 現段階でいつということを明確には申し上げにくいのでございますが、長雨につきましては、先ほど申し上げました調査の確定が大体六月十五日でございます。その上で早急に措置をしたいと思います。につきましては、五月下旬の凍霜害の締めくくりができますのがおおむね来週に入ってからと思います。その上で措置をいたしたい、かように考えております。
○西宮委員 この前の凍霜害については、一番初めは、大体五月二十日ごろを目途にという話で、それが長野のその次の災害のために延びたということはこの間説明があったわけですが、そのときは、六月の中旬、こういう答弁であったはずであります。そうすると、まさにその中旬になっているわけですけれども、もう少し正確な見通しを、お聞きしたいと思います。
○中西政府委員 五月下旬の凍霜害の締めくくりは、できますれば今週十三日までには締めくくりたいということで、関係の統計調査事務所をいわば総動員してやっております。一両日ずれるということは、これは御了承願いたいと思います。
○西宮委員 それでは、長野方面に発生いたしました五月の災害、それと抱き合わせで今度の措置をするということになるわけですから、そういう点から推すと、当然に五月の災害も一緒にして激甚災の適用ということも考えられると思うのですが、その点、丹羽政務次官でもどちらでもけっこうですがお願いいたします。
○中西政府委員 お話しの点でございますが、何よりも前提になりますのは、同じ気象条件の天災ということでございます。その点について気象上の公式な見解を得なければなりません。部分的な見解はあるのですが、まだ明確になっておりませんので、結論的に申し上げにくいのですが、いわば両説あるわけです。四月だけで一つの体系をなす、あるいは五月も含めるという両説があるわけです。われわれ常識的にはそれを一本というふうにも考えるのですが、何ぶんにも専門的な裏づけも必要といたします。その点を御了承願いたいと思います。
○西宮委員 もし四月の災害だけを対象にするということであれば、最初の予定の五月二十日、大体その見当に融資法の発動ができたはずでありますが、それを今日まで延ばしてきた理由は、前から説明のあるとおり、五月の災害も加えてということだったので、いま両説あるというお話だったが、それでは五月の災害を検討した上でということで引き延ばしてきた理由が全くなくなってしまう。これは私どもそういう点から推しても、当然に五月の災害も一緒にして考えられるべきだと思いますが、次官いががですか。
○丹羽(兵)政府委員 御発言の御趣旨ごもっとものように思いますので、十分検討して事を進めてまいりたい、かように存じております。
○西宮委員 さっきの官房長のことばをかりると、いわゆる両説あるという話だったが、これはいわば方法論の問題だと思うのです。それで、その五月災害も加えるということになれば、激甚災の指定はおそらく間違いはないと思うのですが、その点についての見解をお願いしたい。
○中西政府委員 激甚災の問題につきましては、かように考えております。四月の分だけ取り離して――これは対象がしぼられることも予想されるのでありますが、激甚災の適用ということは可能であると思っております。それから五月の中下旬これも一本であるか二本であるかという問題がございますけれども、中下旬を一括して考えますと、やはり二十数億、相当大きな被害になりそうでございます。締めくくっておるわけではございませんけれども、相当多額になると思われます。そこで、激甚災については、御承知のようにA基準、B基準と二つございます。その辺の尺度等についても適正化する必要があると思うのですが、ともかくアンバランスが生じないようにということを一つの柱にしまして制度の運用を考えていく必要があるということが一つでございます。もう一つは、先ほど申し上げた気象の関係で客観的にどう判断するかという問題、その二つを目下検討いたしておるわけです。いずれにしても、大きな筋からいえば激しい被害を受けられましたし、激甚法の適用をしなければならない、大筋はそのように考えております。
○西宮委員 その天災融資法の発動が今月の大体中旬、あるいはお話のように一両日ずれることがあるにしても、先の大体のめどでやるということになると、激甚災害の指定も同じ時期になりますね。
○中西政府委員 これはできるだけ時期を合わしてやりたいと思うのですけれども、関係都道府県と資料のつき合わせ等に若干の時日を要します。特別被害地域の認定も必要でございます。そういう点を一並行して行ないまして、できれば同時にやろうというたてまえでまいりたいと思います。
○西宮委員 さっき官房長の答弁の中にあった、アンバランスをできるだけ避けたいというのは、何の意味ですか。たとえば四月災害だけを取り上げた場合、あるいはそれに五月災害も一緒に抱き合わせにした場合、その際のバランスを失しないようにという意味なのか、それとも、かりに四月の災害にしても相当広範囲にわたっているわけですが、その各地域間のアンバランスを生じないようにという配慮なのか、どっちなんでしょうか。
○中西政府委員 凍霜害による被害の場合に、農民の受けた打撃というものを主体として考えまして、四月、五月にかけての地域間のアンバランスをできるだけ少なくしたい、かように考えております。
○西宮委員 その点について、激甚災の指定を受けるか受けないかで貸し付けの限度額が違ってくるわけであります。これはこの前の前の委員会の際にも特に丹羽次官にも申し上げて答弁をいただいておるのですが、官房長は、激甚災の指定と、それから現在の法律、天災融資法で貸し付ける限度額の十五万という金額が必ずしもいまの時勢に合わない、こういう点で、その法の抜本的な改正をするか、あるいは激甚災の指定をするか、この二つをからみ合わせて考えているのだ、こういう答弁があったので、特に次官にもその点念を押しまして、少なくともその二つのうちどっちかはぜひ実行してほしい、こういうことを申し上げて、善処をする旨の答弁をいただいておるのでありますが、その点をもう一ぺん確認をしておきたいと思います。
○丹羽(兵)政府委員 私がこの委員会で先生の御質問、特に御要望に対してお答えを申し上げましたその精神で実現させるように盛んに努力しております。まだ結論には至っておりませんが、その精神で進めておることを御了承願いたいと思います。
○西宮委員 その精神で進めているというお話でありますから、もっぱら私どもそれに期待をいたしたいと思うのです。これはいまさら繰り、返すまでもないのでありますが、実は天災融資法の十五万というのは、昭和三十年にきまった金額であります。したがって、いまの時勢から見ると全く常識外の数字になってしまったので、どうしてもこれを根本的に改正しなくちゃならぬと思うのですが、先ほど大久保委員の御質問に対する官房長の答弁を聞いておりますと、抜本的な改正はなかなか容易ではない、こういう答弁をしておるので、もしいま法の根本的な改正ということが望み薄であるとすれば、これはぜひとも激甚災の指定をしてもらいたいということを私は強くお願いしたいと思います。ただいまの次官の答弁が、あくまでもその精神でいくのだ、こういうことでありますから、私どもはもっぱら期待をいたすことにいたします。
 それでは、同じ天災融資法の問題についてもう一つ、償還期限のことをお尋ねしたい。激甚災があった場合には五年以内ということになっていますが、一般の被害農業者並びに特別被害農業者の場合、それぞれその、五年以内というのはどういう扱いになるか、お聞きしたい。
○中沢説明員 お答え申し上げます。
 五年以内の法律上の償還期限内で、新規の被害農業者につきましては二年といたしまして、それに対しまして重複の場合は一年、それから蚕とか畜産とか特殊の場合に一年プラスしまして四年、その他、もっぱら果樹を営むものにつきましては五年というふうに、従来から中身を定めて運用しております。
○西宮委員 従来の例を調べてみると、特別被害農業者は五年、そうでない被害農業者の場合は、一般について二年、開拓について三年、あるいは連続災の場合には四年というふうな扱いをしているように私は見たわけですが、いまの説明だと、もっぱら果樹を営む場合は五年というのですか。
○中沢説明員 御説明を簡単に申し上げてしまいましたが、二年という新規の被害農業者に対する償還期限がございまして、それに対しまして、特別の果樹とか家畜経営とか水産関係の場合が三年、その三年が、さらに重複災害地になりますと一年プラスになっております。それから激甚地災害の適用を受けることによりまして、それがさらにそれぞれ一年ずつ延びていく次第でございます。
○西宮委員 法律では、普通の被害農業者の場合も、あるいは特別被害農業者の場合も一括して五年以内という規定になっていますね。もちろん、それは激甚災を発動しない場合です。ですから、私は特に言いたいのは、いわゆる特別被害農業者でない被害農業者は二年とか、一般の場合は二年というのだが、それでは少し短過ぎるのじゃないか。せっかく法律では五年以内という許容された最高限度があるのですから、ぜひその程度、あるいは特別被害農業者と多少差をつける必要がもしあるとするならば、一年程度差をつけるとか、そういうことで措置をすることにして、その特別でない場合の二年という償還期限はあまりにも短過ぎるというように考えますが、その点の見解を承りたい。
○中沢説明員 この二年という数字は、先ほども御質問ございました貸し付け限度を新規の場合十万円に対応する二年というように従来考えてきたわけでございます。したがいまして、十万円という限度内で金を借りた場合、二年がどうしても短過ぎるというふうには一般的には現在考えられておりませんが、ただ、先ほど御質問にございました十万円を上げるという場合には、それとの関連で検討すべき事項ではないか、こういうふうに考えております。ただ、基本的には、いわば単年度といいますか、経営資金でございますから、もちろん農家の方の実態に応じた償還期限をつけるべきだと思いますが、基本的な経営資金という観点から、二年が特に短いというふうには現在のところ考えておりません。なお、そういう実情が多いということであれば、御趣旨にのっとってもう一度検討してみたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○西宮委員 そもそも最高限の十五万というのが小さ過ぎる。これは繰り返して言うようですが、昭和三十年にこの法律が初めてできたときに設けられた金額なので、したがって、それがそもそも小さ過ぎるということを指摘して、それを救済するために、あるいは法の改正なり、あるいは激甚災の指定なりということをいま強く主張しているのですから、その際に、十五万以内というワクの中で新規分を十万程度に切る、こういうことでは、それこそあまりにも実情に沿わないと思う。とにかく法律では十五万までは現に許されているのですから、これはもう満度一ぱい――満度一ぱいでも少ないということを繰り返し言っているのですから、これをさらに内輪に切るというようなことでは、とても実態に沿わないとわれわれは痛切に感ずるわけです。借りる金ですから、よけい借りて得をするというわけのものではない。借りる金だから、なるべく少ない程度にとどめたいのはやまやまだと思うのであります。しかし、現に経営資金、特に果樹などの場合はとうていそれでは間に合わないと思うのです。だから、ぜひ十年で切るというようなそういうやり方をやめて、したがって償還期限もそれに見合って延長するということをぜひやってもらいたいと思うのですが、もう一ぺん聞かしてください。
○中沢説明員 確かに御指摘の十万という新規の限度は、現在の段階では小さいという感じがいたします。これを具体的に申し上げてみますと、現在の農家の、平均経営費のうちに占める現金支出分をとりますと、現在の段階でも十万円ちょっとこえておるわけでございます。ただ、平均の経営費のうちの現金支出分ということでいいかということに現在問題があろうかと存じます。したがいまして、先ほど官房長からお話がありましたように、天災融資法の根本的な再検討の場合に、御趣旨の点を十分取り入れてみたい、こういうように考える次第であります。
○西宮委員 さっき私の聞きそこないかどうか、もう一ぺんお尋ねしたいと思うのですが、果樹をもっぱら営む農業者ですね、それについては、たとえ、は償還期限も五年までというふうにさっき説明があったと思うのですが、そういう区別がありますか。
○中沢説明員 たいへん失礼しました。五年と先ほど申し上げましたのは激甚法の場合に関連いたしてきまして、天災融資法の関係では最長四年というふうに運用している次第でございます。
○西宮委員 それでは、天災融資法関係についての質問をこれで終わりますが、私どもはいま繰り返して質疑をしまして、その中で金融課長からも、当面この限度が低過ぎる、再検討を要するという点で答弁があり、また、この点は先般来繰り返しこの問題を論議してきたわけでありますが、これを救う方法としては、法の改正ということがいまにわかにできないとするならば、これは激甚災の指定をする以外にないと思う。ですから、その点について、ぜひともこれはこの機会にやってもらうということを特に繰り返してお願いしておきたいと思います。
 その次に補助のことでお尋ねをしたいのですが、この前の委員会のときに、今月二日の委員会の際にも、この災害に対してやろうとしておる政府の施策について若干お聞きをしたわけですが、当時は農林省の構想をもって大蔵省と折衝中だ、こういう話であったのですが、その後どういうふうに固まってきたか、あるいは固まりつつあるか、お聞きしたい。
○中西政府委員 現状について申し上げますと、天災融資法等については先ほど来申し上げたとおりでございますが、特に問題になりました点を拾って申し上げますと、一つは、蚕糸関係の技術員とか、あるいは農業改良普及円貝農協の営農指導関係の職員、協同組合の関係でございますが、そのほか、共済組合の職員等の事務費についての助成措置については、ある程度話し合いが煮詰まりまして、目下金額の整理をいたしております。ただ、繭の手数料につきまして収入が少ない、あるいは皆無であるというようなことで、それに見合う人件費が出せないというような話もございますが、この点につきましては、夏秋蚕なり晩秋蚕なりの手当てについての配慮とあわせて措置する必要がある、現段階では結論は早いのじゃないかというふうに考えて整理をいたしております。
 それから被害農作物につきましての樹勢回復とか、あるいは病害虫の多発というような場合についての農一楽とか、あるいは肥料につきましていろいろな要望があったわけでございますが、これは先ほど長雨に関連して申し上げましたが、すでに地方公共団体で支出しているものもあると聞いております。それらの穴埋めという趣旨で特別交付税において手当てをしていくという方針で、自治省と折衝をしておるわけでございます。大筋については了解を得ておるわけでございます。
 それから同じく病害虫の対策ですが、特に被害の異常に発生した地域につきまして、スピードスプレヤー等を国が二分の一補助で県に持たせ、将来対策としても十分活動を期待したいということで、約十八台程度、現在のお話し合いではその程度になっておりますが、購入費の補助をいたしたい。
 さらに重油燃焼器、これは先ほどもちょっと触れたのでございますが、共同桑園等を対象にしまして、共同事業であるということに主体を置いて重油燃焼器の購入の補助をいたしたい。これも補助率については一応二分の一と考えておるのでございますけれども、むしろ、補助率の問題よりは個所数というか、台数をふやすということに重点を置いていま復活要求をいたしておるわけでございます。
 そのほか、被害農作物の再生産用種子の確保についても要望があったのでございますけれども、その後地元等と連絡しておる限りでは、具体的な予算なり予備費になるほどのものではなさそうだということで、これは現在のところでは事務的な項目からは重点的なものとして扱わない、むしろ削除するというふうな考え方で進んでおります。
 また、似たようなものですが、予備的に蚕種の催青を行なう、それによって生じました蚕種業者等の損害について助成措置を講じてほしい、当初そういう話があったのですが、現段階ではそういう話もなくなってまいりました。これも重点項目なりあるいは当面の措置という観点からは必要はないのではないかと考えております。
 救農土木等についての要望もあったのですけれども、これについては、現地のほうで繰り上げ施行するような工事について、地元の就労状況等を勘案しまして適切に事業計画を組んできてくだされば、受けて立つ用意をしておりますけれども、まだ具体的な話としてはあまり進んでいないのが現状であります。
 そのほか、共済金の仮払いの問題とか、いろいろ現状で解決した問題もございますが、総じて大体話が煮詰まってきておるわけでございます。といって、まだ結論的に閣議の段取りで予備費を決定していただくというわけにもいっておりませんが、できるだけ急いでそのような措置に持ってまいりたいと思っております。
○中山委員長 西宮委員に申し上げます。お約束の時間が参っておりますから、なるべく簡単にお願いいたします。
○西宮委員 いまのスピードスプレヤーなり、あるいは重油燃焼器の問題これはこの前の委員会で説明のあった、あのときから一歩も出てないわけですけれども、われわれもう少し具体的なことを聞きたかった。たとえばスピードスプレヤーについていえば、この間は、十八台ないし二十台というような話があった。そのとき私は質問の機会がなかったので私の意見は申し上げかねたのですが、私は、それではあまりにも数が少ないんじゃないか、対象に選ぶ農家があまりにも少な過ぎるのじゃないかという点が重大な問題だと思う。したがって、これはぜひもう少しふやして、もう少し広く均てんをさせる必要が絶対にあると思うのですが、そういう点について前進してないかと考えていたのですが……。それから重油燃焼器の問題についても、二分の一補助にはこだわらないで台数をふやす、こういう考えだという一話もこの前聞いたのだけれども、その辺ももう少し具体化しているのではないかと思ったのですが、いまお聞きすると、この前の委員会のときと全然変わっておらない。どうでしょうか。たとえ、は第一のスピードスプレヤーにしても、私は、それでは今度の災害に二階から目薬に終わってしまうのじゃないかと思う。何とかもう少しこれはがんばってもらわなくてはならぬ。この点、次官に御意見を伺いたいと思います。
○丹羽(兵)政府委員 なるほど、御指摘のように、私が聞いておりましてももの足らぬものを感じます。さきの日にお答えしたところから前進してないことを認ねばならぬのであります。ところで、幸いまだ閣議了承を得ておりませんので、できるだけもう少し何とかならぬものか。たとえて申しまするなら、台数をふやせ、は補助金の率を下げるとかというようなことにしても、予算等の関係もございますので、現実に即したように、いわゆるお話にありましたように前進した姿でもう少し検討できぬものか、努力をいたしてまいりたい、かように思っております。
○西宮委員 もう少し私のほうの被害の実態なり農奴の実情なり、そういう点を詳しくお話をしたいと思ったのだが、制約された時間でお話することができない。幸い次官は、閣議決定までの間にもっと根本的に考えていきたい、こういうお話ですから、これまた次官のそういう今後の方針に大きな期待を寄せる以外に手はないと思う。私どもそれを大いに期待し、また十分関心を払って見守っておりますから、これはぜひとも実情に即するようにもう少し広げてもらいたい。しかも台数をふやす、補助金をふやす、そういうやり方はある場合によってはやむを得ないかもしれませんが、そうではなしに、もう少し災害の実態にあるいは農家の実情に合うようにぜひ御配慮を願いたいと思います。
 それから樹勢回復等の肥料、農薬などに今度は補助を出さない、それは特別交付税で穴埋めをするのだ、こういう官房長の説明があったわけですが、それでは各自治体に、県なり市町村なりにそういうことをやらして、あとは特別交付税がしりぬぐいをしてくれる、こういうことになるわけですか。
○中西政府委員 大きな筋道はそれでいいと思うのですけれども、特別交付税の性質上、幾ら使ったから必ず幾らというふうに、補助金の場合のように金額の計算が的確に反映するものではございません。しかし、例年の地方財政の実情あるいは経験等からいいますれば、およそ地方公共団体の責任者の頭の中ではそれの考えがつく性質のものだと思っております。若干の出入りがあるにしましても、政府としてはそのほうが行政手段としては巧妙ではないか、補助金の取り扱いの場合よりは巧妙ではないかと考えておる次第でございます。
○西宮委員 いわゆる樹勢回復等の肥料なり農薬なりを補給しなければならない、こういう必要性については農林省は認めておるわけですね。これはこの前の昭和三十三年の災害のときにも現に実施をしたことなんだから、それは当然に認めておる。ただそれを特別交付税でカバーしていくというやり方では、いまも官房長が言ったように、特別交付税の性質は、やったからそれを補てんするということにはならぬと思うのですよ。だから、その点は十分いまのうちに自治省と打ち合わせをして、それではこれこれこれだけのものに対しては特別交付税でカバーする――特別交付税というのは非常に実際の扱いが不明確になる、これはだれもが経験をしているとおりなんだけれども、それにしても、この程度までならば交付税でカバーできそうだという程度のものを自治省と相談の上に自治体を指導する、こういうやり方をされないと、あとで非常に困る問題が出ると思う。そういうことができるかできないか、聞かせてもらいたい。
○中西政府委員 その点検討さしていただきたいと思いますけれども、市町村によりまして、同じ肥料、農薬を使うにしましても、ある市町村では非常に多い、ある市町村では非常に少ない、いろんな特殊性があろうと思います。一律に指算するということも非常に困難だと思うのですが、被害の程度なり被害の時期、態様に応じました施用の方法等についての指導はできるわけでございます。そういう点について指導していきます。それを受けて地方公共団体のほうで適切に措置して、それをあとで埋めてもらうというような仕組みでいいのではないかと考えるわけですが、そういう意味での事前の予防対策といいますか、あとでの防除対策といいますか、そういうことについての技術的な点に重点を置きました指導は、特に重点を置いてやってまいりたい、かように考えております。
○西宮委員 私は、特別交付税なるものがそのやったのに対してそれに直ちに補てんの作用を果たさない、そういうことはすでにだれも経験済みだし、かつ制度の上で明らかなのだ、しかし、そういうことでやらざるを得ないとすれば、そういう点を明確にしてかからないと、あとで自治体が非常に迷惑をする、そういうことを感ずるので特にその点を強調したいのですが、しかし、それよりも根本的には、やはり明確に樹勢回復等の目的に役立つようないろいろな施策を農林省として講ずる。特別交付税の場合は、これはいまさら申し上げるまでもないけれども、結局その分だけは交付税全体のワクの中で操作をしているのですから、何もそれだけ交付税がふえるわけでも何でもないので、ワクの中で甲の町村にいくやつが乙の町村にいくというだけの話で、そういう点からいくと、実は自治体全体としてはちっともありがたいわけではない。ですから、そうではなしに、農林省としてはやはり根本的な筋を通して、そういう樹勢回復等が必要であるというならば、農薬なり、そういうものに重点を置くべきだ。現に昨年なども、やり方は違うけれども、若干麦あるいは野菜、なたねなどの種子の確保の対策費であるとか、あるいは飼料作物の対策費であるとか、いもちの防除対策費であるとか、そういうものを昨年の暮れに出しておるのですから、それと同じ性格のものが今回も昭和三十三年当時と同じように実施をされて差しつかえない、あるいは実施をされるのが当然だというふうに私は痛感するのです。その点、繰り返しになりますが、もう一ぺん聞かしてもらいたいと思います。
○中西政府委員 いもち等についての昨年の例のお話がございましたが、将来非常ないもちが発生しそうだ、これを緊急的にいまから防除しておく必要があるというような事態であり、いもちの防除についての液剤が昨年は出たものと思います。ことしの場合は、何といいますか、被害が起こりまして、もうすでに施用されてしまった農薬あるいは肥料についてのいわばうしろ向きのものだと思うのです。いわば決算補助のようなことになると思うけれども、その決算補助をするという場合に、その補助を的確に把握してやるシステムというものがなかなかうまく仕組めない。国、県あるいは市町村の段階にいっても、市町村からさらに下の段階にいくと、肥料でいいますと、反当たり何貫、こうきめましても、それだけ要るところもあるし、要らないところもあるというようなことで、補助金適正化法の使途どおりに行なわれているかどうかということについての確認に耐え得るような運用がされがたい、そういう実態にありますので、できるだけ円滑な措置として取り行なうためには、特交のほうがベターではないかというのが趣旨であります。
 それから、特交の場合に、特交団体相互間の所得といいますか、その配分の移転だけではないかというお話もございますが、場合によって特交自身も余るような年もなくはない、そういう意味で、何といいますか、全く助成的色彩がないかと言われれば、やはりそれは制度としてはあり得るんじゃないかとも思うわけです。そういう意味で、技術的に処理しがたい農薬、肥料というような面については特交ということで、当該市町村の支出についてのあとでの配慮さえできればそれでいいんじゃないかと考えております。
○中山委員長 西宮君、あとの質疑者もおりますので……。
○西宮委員 さっきの方がずいぶん長く、一時間ばかりやられたので……。
○中山委員長 そんなにはやってないけれども、そんなわけで……。
○西宮委員 わかりました。では簡単にいたします。
 いまの点は私は非常に重大だと思う。自治省の方が見えているのでちょっとお聞きしたいと思うのだけれども、たとえば去年現にいもちなどの対策として農薬代を補助している。特に昭和三十三年などは広範に冷害対策をやったわけです。それはいろいろ技術的に実態を調べたりすることが困難だ、したがって、それよりは特交で措置するほうがベターだというので、特交で措置することにした、つまり自治体にやらして、それをあとから政府が財源補てんをする、そういうやり方で、そのほうがベターであるから、そうするようにした、こういうお話でありますが、それならば、その分だけ新しい財源を国全体として獲付して、農林省でも自治省でもどこでもいいが、その分だけ新たな財源を獲得して、それを特別交付税のワクの中にプラスするというのであれば、いまの説明は確かにそのとおりであると私も承服するのだけれども、特別交付税なり、いわゆる交付税のワクはすでにきまっておる。だから、それに災害用の財源というものをプラスして、ただその実施のしかたを町村にやらせる、自治体にやらせる、こういうやり方なら、確かにいまの説明は通ると思うのだけれども、私は、交付税は決してそういう特殊な財源を持っておらないと思う。いまの説明は全く事実に合わないと思います。これは自治省のほうからひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○岡田説明員 西宮先生よく御承知のように、地方団体にはあくまでも一般財源を交付せしめますので、配分にあたりましては、災害等がございました場合には、災害に着目いたしまして、地方団体が、その創意くふうと申しますか、最も必要なものに使い得るようにある程度のワクをいわば前渡しをしておく。考え方といたしましては、一般財源を包括的に付与いたしまして、その中からその当該自治団体が最も必要であると認めたものに使われるように自由に渡しておる。ただ、たとえば農林省から言われましたように、付与した財源が最も効果的に使われるように指導するということは別の問題として十分考えられることだと思いますけれども、過去のものの穴埋めといったようなことは制度上は考えられていない、あくまでも一般財源の包括的な付与という考え方に立っております。
○西宮委員 私の質問の要点は、従来、たとえば昭和三十三年、あるいは昨年でもそうだけれども、そのときには農林省が大蔵省から予算を獲得してそれを補助金としてばらまいたわけです。ところが、今度は、それは技術的にまずいのでやめた、特別交付税に回すほうがよりベターだというのでそういうことをしたということだけれども、それならば、それと同じ程度の、あるいは同じ性格の財源を政府全体として獲得してそれを交付税にプラスするならば、いまの説明はそれで通る。しかし、特別交付税のワクを取ったとしても、それは要するに交付税の中のいわばワクの食い合いにすぎない。だから、かって昭和三十三年等にあったそういう財源を新たに獲得して云々というのとは全然違うじゃないですか。私はその点を質問している。
○岡田説明員 過去の場合におきましては、また本年度等の支出におきましても、特別交付税はいま申し上げたとおりの考え方に立っておりまして、変える考えも持っておりませんし、また変えないと思っております。また国のほうで――国のほうと申しますか、農林省ないし財政当局の間で話し合いをされまして、いろいろと前向きの施策をなされるということであれば、もちろん、特別交付税の一般財源として付与されたものの使い道の幅といいますか、弾力性もふえてまいりますので、それは望ましいことでありますけれども、これはあくまでも関係各省間の措置の問題でありまして、自治省としてはいわばそれを受けて、あるいはまたお聞きして、使途上の問題としては別に考えていくということであります。御質問に答えがぴったり合っているかどうかわかりませんが……。
○西宮委員 簡単にお尋ねします。その分だけ新たに財源が交付税にプラスになる、そういうことはあり得るのですか。
○岡田説明員 それはございません。
○西宮委員 ないでしょう。要するに、特別交付税なるものは、交付税の総額の中でそういうワクを設定したにすぎないのだから、農林省がかってやったようなのは今度はやらないで、それを特別交付税でやらせる、こういうことは財源的には何もそれにかわった施策にはならぬじゃないですか。
○岡田説明員 だから、おっしゃいますように特別交付税は総額がきまっておりまして、それのいわば配分問題でございますから、そういう点におきましてはおっしゃるとおりだと思います。
○西宮委員 だから、そのことは、要するに交付税のワクがきまっているのだから、たとえば災害のために今度そちらのほうに回せば、その分だけほかの自治体はマイナスになっていくわけです。ただ自治体の全体のワクの中で、甲の県が使うものを乙の県が使う、甲の町村の分を削って乙の町村に回すというだけの性質のものなんだ。それをいま官房長などは、誤解か正解か知らないけれども、前の施策をやめてそういうやり方でやるほうがベターだという考え方は、私は根本的に違うと思う。その認識をもう少し改めていただきたいと思います。
○中西政府委員 こういうふうに思っているわけです。それは補助金というものを――農林省の農薬なりあるいは肥料その他もろもろの資材がございますけれども、そういうものをいわばひっくるめて、第二特別交付税ですか、そういうようなことをするということも考えられなくはないのですけれども、国の財政全体から考えますと、それは農林省からしようと自治省からしようと、同じことだと思うのです。交付税、特別交付税がそれぞれワクが一定であって、その中のやりくりじゃないかということになると、農林省と自治省、各省、それぞれやりくりの問題であろうかと思います。その全体の中で行政的に支障のない方法をとるという意味で特別交付税をとったほうがベターであるということです。したがって、御質問にございます地方公共団体の財源としてどうだという観点に立って、しかもその当該年度だけをお考えになりますと、確かに、弾力的であるけれども一定のものである。その中のやりくりにすぎないではないかというお感じをお持ちになるのは当然ではないかと思います。しかし、累年絶対金額としてはふえていくことですし、国全体のやりくりからいいますと、そこに当面問題になっておる肥料や農薬の位置づけをしてもそれはそれでいいのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○西宮委員 これは今後にも関係する問題だから、少しくどいようだけれども、もう一ぺん申しあげておきたいと思うのです。
 農林省から出ても自治省から出ても、どっちから出ても同じじゃないか、こういうお話だけれども、農林省から出る場合は、新たに大蔵省から財源をもらってきてその財源を農民に交付するわけですよ。ところが自治省から出るワクは、どっちへころんでも結局自治体にいく金なんですよ。ただ、それを特定の地域に災害があったというので、そこに新しく回すならば、それはほかの地方のを削ってそこに回している。あるいはまた、災害のために甲の町村にたくさんの金を回すというならば、そのかわりに別な項目で減らされているかもしれない。たとえばPTAの負担金がどうとか、いろいろ項目がたくさんあるの、だから、そのほかの項目は当然に国全体として何とか手を加えなければ、そういう凍霜害用の特別交付税というものを生み出せないのだから、どこかを縮めて凍霜害の経費を生み出しているにすぎない。それとこれとは根本的に違うので、これは将来とも関係がある問題です。あまり時間がかかるから質問はこの程度にしておきますけれども、そういう点を混同されないようにくれぐれもお願いしておきたいと思う。
 そこで、第一回の委員会のときに、この前の補助金のやり方は技術的にまずかったので、それはやめて他に名案を考えるという政府当局の答弁だった、そうしてその名案なるものが、いわゆるスピードスプレヤーあるいは重油燃焼器の問題だと思うのですよ。ただ、残念ながら全体の金が少ないので、それではとてもわれわれ満足できない。したがって、これはさっき丹羽次官が言われたように、閣議決定までに何とかするということでぜひ何とかしてもらいたいと思う。従来やっておった補助金のやり方が、技術的にうまくいかない、会計検査院などから指摘されてうまくないというならば、それにかわるやり方をとらなければ、農民としてはどうしてもあきらめ切れないと思うのです。あるいは、やり方がうまくなかったのだから別のやり方をとるならば、官房長の言われる他に名案を考えるというならば、その他の名案で、前と同じ程度のものをやっていかなければ、農民としてはまことに困ると思うので、ぜひそういうふうにしてもらいたいと思う。
 時間がおそくなりましたから、これで私は終わりますが、いまの点は大事な問題だと思うし、また将来も起こり得る問題ですから、どうか十分検討していただきたいということと、丹羽次官が言明されました第一の激甚災の指定の問題と、さらに、スピードスプレヤーなり重油燃焼器の問題等ももっと実態に即するやり方をする、こういう点についてぜひその約束を守って実施していただくようにお願いいたします。
 これで終わります。
○中山委員長 大村邦夫君。――大村君、質問時間は二十分程度になっておりますので……。
○大村委員 委員長からおっしゃられるまでもなく、簡潔に質問なり意見を申し上げます。
 御承知のように、本年一月に入りましてから、高温多照、長雨、凍霜、いわゆる異常天候が続きまして各地で被害が激発しております。特に九州、東北等ではその被害もはなはだしく、政府のほう、あるいは当災害対策特別委員会、関係出身議員等では、これが救助対策に配慮しておられますが、この被害は九州、東北だけでなしに、規模の大小はありますが、中国、四国等におきましてもかなりの被害が出ておると思います。したがいまして、中国、四国等について農作物の被害に対する救助策を政府はどのように考えておられるか、この点をまずお尋ねしたいと思います。
○中西政府委員 中国、四国あるいは九州の一部等においても被害がございますが、先ほど百五十数億と申し上げましたのは、大体近畿から以西全体を含めての被害でございます。それを頭に置き、各地区の実情に即して、それぞれ対策を講じていくということを考えておるわけでございます。
○大村委員 ただいまの御答弁で、実情に即してということがございました。私もしろうとでございますから、あまり詳しい法律は知りませんが、大体被害が起きましたら、それぞれ路線を引かれたその法律に照らして救助策が講じられるということは承知いたしておりますが、実情に応じてというのが非常に心配になるわけであります。と申しますのは、たとえば中国の中で山口県に例をとりますと、私の把握しておる限りでは、被害額は約三億円程度でございます。これは総額が三億ということでありますが、個々の農家にとりますとかなり集中的に被害を受けておるのでありまして、九州の鹿児島では一県で二十八億、山口県では一県で三億、一けた違うじゃないか、こういうことにとかくなりがちであります。私は実は調査団の要請をしたのでありますが、いろいな状況から被害額が僅少である、総額が少ないということから調査の対象に漏れました。そこで、やむを得ず私自身が現地に行っていろいろ調べたのでありますが、特に山口県のビール麦につきましては、県が奨励をし、農家の立場でいえば、いわゆる国策に沿ったということになろうと思いますが、県の奨励に基づいてかなり積極的にビール麦の耕作をやっておりました。ところが、県の言うとおりを聞いてやってみると、ことしは不稔現象が起きまして、被害率は約四六・一%、そういう被害の状況でありました。しかも、これは他県と例外でなしに昨年に続く被害でありますから、個々の農家にとっては、総額は少ないけれども被害としてはかなり大きいといわざるを得ません。そういう点について私の聞きたいのは、実情に応じてということはわかりますが、東北や九州等に対する救助策と同じように措置を講じられるのかどうかという点です。
○中西政府委員 原則の適用については例外にいたすつもりはございません。ただ、天災融資法にしましても、その原則の中で、被害農家の数が全県の農業者の中の三%を占めるかどうかというようなことによりまして、その適用のしかたが変わってまいります。そういう点については公平に考えていかざるを得ないと思います。
 それから第二の問題は、地方の公共団体あるいは農業団体、それぞれ実力に応じていろいろな援助措置を講じ得るわけでございます。そういう意味で、被害が特に僅少である、あるいは大きな被害のある農家がございましても、その数は非常に少ないというような場合には、一般的な大きな援助措置はなくても、通常のケースで国としては対処し得るのではないか。それで、特別なケースについてはそれぞれの公共団体等で適切に措置しているというような形で、結果としてはアンバランスがないようにおさまり得るのではないかという考えでおるわけでございます。
○大村委員 大きな被害については国家的な立場から、小さな被害については県自体でということです。そして総括的にはそうアンバランスが生じないというお話ですが、これとて、県にあなたのほうが行政指導されるということで、絶対的なものではないと思います。また、県のほうでいま御答弁になるような救済措置が万全にとれるならば、別に被害に関する要望書なり陳情はないと思うのですが、実は私のほうにも、あるいはその関係の議員を通じても運動があったと思います。
  〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
したがって、これは単に農業被害だけの問題でなしに、国全体の政治の姿勢の問題になるわけでありますが、私はここで商工委員会のお話をしようとは思いませんけれども、とかく、全体的な被害が少ないとそれが置き去りになる、ところが、個々の問題をとると非常にそれが大きい、これは私は明らかに矛盾じゃないかと思うのであります。たとえば、ここに農家が百万戸ある、そのうちで五十万戸が被害を受けた、その被害率を見てみると、二割程度である、しかし総額はかなり大きい。ところが、百万戸のうちで五万戸なり一万戸が被害を受けて、それが壊滅的な状態であった、しかし総額は少ない。ここに私は政治の矛盾があると思うのです。こういう点については、なるほど、天災融資法等が成立した今日、それはそれなりに受け入れられて法律がつくられておるのですから、それ以上のことはいま直ちにやれないにしても、こういう点についてはひとつ十分耳を傾けてもらいたい、そして救助策を講じてもらいたい。笑い話じゃありませんが、政府の言うとおりを聞いておるといつでも損をする。果樹をつくれ。果樹をやるとさっぱりだめだ、反対の方向をやっておったほうがいいじゃないか、特に農政についてはそういう声が高いのでありまして、私は、ビール麦についても山口県で積極的に推奨されたことはけっこうだと思いますが、つくったあとの対策が不十分であるということになると、これからの農業生産意欲を大きく左右しますから、この点については特にお願いをしておきたいと思います。
 さらに、いままで各委員がいろいろおっしゃったので、あるいは私の言うことがダブるかもしれませんが、自創資金の貸し付けについてであります。これは私は山口県に行ってみましたら、山口県では、先ほど御答弁にありましたように、県自体の措置としてかなり積極的に、意欲的にやられたようであります。ところが、その実績を見ておりますと、青空でやったところが、実は借りない人もかなりあった、こういうことであります。だから必要がないじゃないか、こういうことに通じやすいのでありますが、しかし、御承知のように、今日の農業は兼業農家が非常に多いのでありまして、借りないで済む人はなるほど借りない。ところが、借りなければならないというのは兼業農家以外でありまして、かなり財政が逼迫をしておる。だから、その実績を見て評価をすることは危険である。内容をいま少し検討して、資金がどっさりあればいいんだ、青空であればいいんだということでなしに、もう少しその中身を検討し、それに対する十分な措置を講じなければならない。というのは、これまた委員からいろいろ意見のあったことと思いますが、ワクの拡大と、同時に、償還期間なり据え置き期間等の延長という措置を講じられないと、短期間で返す能力のあるところは借りない、ところが、短期間で返せないような人は、これまた借りようと思っても借りられない。それが結果的にあらわれておるのでありまして、この点については十分な措置を講じていただきたい。あるいは他の委員から質問が出、御回答があったと思いますが、私はいろいろな救助対策の中で特にこの点は重要だと思いますから、政府のほうでは、在来ある償還期間なりあるいは据え置き期間をそのまま実施されようとするのか、あるいはこれについて緩和策を考えておられるのか、その点についてお伺いしたいのであります。
○中西政府委員 従来考えております償還期限等について、この際変更するということは考えておりません。ただ、重複被害者の場合、あるいは激甚法の指定になった場合についてはそれぞれ特例がございます。その範囲内での授助ということになるのですが、先ほど来訪がありましたように、経営資金の融資でございます。それの収穫は半年後あるいは一年後には当然予想される。万一それが被害を受けるというような場合にも、主として共済金の支払いもございますし、またそれが累積するようなことだと、償還期限の延長ということも個別のケースについて配慮し得るのであります。初めから一般的に例をあげて措置をとる必要はない、個々のケースについてやっていけばいいのではないかと考えておる次第であります。
○大村委員 時間の制約もありますし、同じことを言いたくありませんから私はやめますが、先ほどから申し上げましたように、被害総額が少ないからということで、山口県あるいは四国、あるいは中国等について置き去りにならないように、その内容を十分検討されて、実情に即した――というのは、個々の農家にとってはかなりの大きな被害がありますし、昨年に続いてでありますから、そういう点も勘案されて十分なる対策を講じられるよう要望いたしまして、私の質問を終わります。
○中山委員長 稲富稜人君。
○稲富委員 運輸省は見えてないのであと回しにしまして、農林省にお伺いいたします。
 先刻、大久保委員の質問に対しまして官房長の答弁があったのでありますが、本年度の災害等を見まして、また例年の災害等を見まして、現在の天災融資法というものがこのままでいかないということは農林省も考えていらっしゃるようです。しかも、これに対しては、先刻官房長は、天災融資法の改正も政府としては当然ではないかというような御発言があったように私聞いておりますが、この天災融資法の改正に対してどういうような考え方を持っていらっしゃるか、この機会に冒頭にお伺いしたいと思います。
○中西政府委員 具体的にはなお検討を続けたいと思いますが、詳しく申し上げることを差し控えたいのですけれども、先ほどからお話がありました、通常の場合一件当たり十万円で、重複があって十五万円、こういうことも十年近くそのままになっておるというようなことを柱にしまして、その後の農家経済における収入支出の状況、あるいは保険の改正等もございました、そういうものとからみ合わせて全体を見直してみる必要があるのじゃないか、営農の体制も変わってきておるといえば大きく変わってきておるというような点で、何らか新しい方向に即したようなものに持ってまいるということが必要ではないかと考えておる次第であります。
○稲富委員 時間がありませんので結論だけお尋ねをしますから、御答弁も結論だけでけっこうでございます。成り行きは要りません。
 幸い次官が見えておりますが、天災融資法の改正ということは、いまも官房長の御意見で、やむを得ないんじゃないかというような観察も事務的には考えておられるようでございますが、政府としましては、本年度のこの災雲に対して、天災融資法を改正しても間に合わないということになると思いますが、その場合には、昨年の長雨対策にもありましたように、天災融資法の改正ができない場合は、特例法でも本国会に提出して何とか災害対策に処したいという心づもりがあるかどうか、お伺いしたいと思うのであります。
○丹羽(兵)政府委員 ただいまお話にありましたように、直ちに天災融資法を改正したものがこの災害に間に合うとは考えておりません。そこで私どもも、救うためには特例法と考えまして、大蔵省と折衝しております。しかし、なかなかもって大蔵省了承いたしませんが、ほんとうに農民を救うためには、また災害に対処していくにはそうしたことがいいと思いますので、今後も努力して実現するようにしたいと思っております。鋭意努力いたします。
○稲富委員 幸いに大蔵省見えておりますが、主計官、これは昨年も問題になったことで、主計官御承知のとおり、昨年度の長雨対策に対しましては、いろいろ検討した結果、政府は特例法に踏み切られたと思うのでございます。ただいま次官の話を聞きますと、本年度は、大蔵省と折衝しておるけれども、何だか大蔵省に難色があるようなことでございますが、どの点が大蔵省の納得のいかない点であるか、大蔵省の御意見をこの機会にお聞かせ願えるならば、ひとつ承りたいと思います。
○宮崎説明員 御承知のとおり、長雨災害に関しまする被害の状況は、六月一日現在の詳細な報告がまだ出ておりません。したがいまして、県別の状況とか、あるいはさらにその内容につきましての詳細な点がまだわからないわけでございますので、議論はもっぱら抽象的な議論になっておるわけでございます。問題として一応出ておりますのは、御承知のとおり、現在の天災融資法のたてまえと、去年やりました特例法のたてまえというものは、ある程度矛盾――と申しますと語弊がございますが、考え方の違った点がございます。と申しますのは、現在の天災融資法は、一つの災害を取り上げまして、その災害だけについて、その大きさが農家の年間収入の五側以上というようなところに特別に手厚い措置をする、こういうようなたてまえをとっております。一般的な六分五厘の融資にいたしましても、やはり年間収入の一割以上というような制限をつけております。ところが、今回問題になります麦とか、なたねの裏作収入というものは、平均的に申しますと、やはり年間収入に対して見ますと、そう大きな部分を占めるわけではございません。昨年の数字を記憶しておりますが、大体九州方面あたりで年間収入の一三%程度というふうに伺ったと思っております。そういうことでございまするから、年間収入に対する割合という点に着目して議論をいたしますと、なかなか特例法をやるということの限界がむずかしゅうございます。昨年は、何ぶんにも神武以来の大災害ということでございまして、ほとんど全村全滅であるというような状況でございましたので、特別に特例法という問題が行なわれたわけでございまするが、ことしの被害の深度はどうであるかというようなことも十分比較検討を行なったところで判断すべき問題ではないか、こういうふうに考えまして、慎重な態度で臨みたい、こういうことを申し上げておる次第でございます。
○稲富委員 いま昨年の麦の長雨の話がありましたが、本年度の凍霜害にも関係があることだと思うのでございます。あるいは凍霜害の場合でも、専業果樹農家というものは百分の五十に当てはまるかもしれませんけれども、ほかに、水田をやっているというのは、果樹が全滅しておっても、あるいは百分の五十に当てはまらないのではないかという問題がございます。しかも、天災融資法が制定されました当時は、政府は、農業に対して災害等があった場合にはいろいろな助成措置もとられておった。ところが、最近は助成措置もとられておらない、こういうことになりますと、農家町得の百分の、五十になった場合に、いわゆる激甚地といいますか、特別被害者としての三分五厘の恩恵に浴する、こういうこと自体に非常に問題があるのではないか。しかも、先刻私が申し上げましたように、現在いろいろな物価の価値等から申しましても、現在の天災融資法は農家経営に対して非常に無理があるのではないか。こういう点から考えますと、やはり各般の情勢を見て、当然これは被害をこうむった農民が次の再生産を確保するためには何らかの措置をとらなければいけない、こういった場合にはやはり天災融資法の融資の恩恵に浴させるということが必要ではないか、私はここに政治の妙味があるのではないかと思うのです。それで、こういう場合には、ただ形式的な問題ではなくて、農業経営の実態等から考えて、私たちは、天災融資法の改正をやることができないとするならば、特例法をもって農家が次期生産に対処し得るような方策を講ずることが、政府としての重大な義務ではないかと考えるのです。この点をひとつ十分勘案されて、これは天災融資法の特例をもって農家の次期生産に対応しなければいけないという、農林行政を預かるものの立場から、当然そういう主張が農林省からなされた場合には、大蔵省も十分農村の実態を見きわめて、実情に即してこれに対応するだけの用意は大蔵省としても一体となって考えなければならないと思うのでありますが、これに対する主計官の――ほんとうはこれは大臣に聞きたいのですけれども、そういう意味で主計官からも大臣に進言していただきたいと思いますが、主計官が出席されておりますので、主計官の考えのあるところを承りたいと思います。
○宮崎説明員 出る前に実は大臣のほうからお話がございまして、きょう閣議のあとで農林大臣からそういった趣旨のお話もあったそうであります。事務的に十分慎重に検討するようにという訓令もいただいておりますので、ただいまお話ございましたように、いろいろ理屈はあるわけでございますが、被害の実態が近く判明するそうでありますので、その内容を十分慎重に検討した上で、ひとつ御趣旨の点も十分に含んでやりたいと考えております。
○稲富委員 それでは、天災融資法の特例の問題は、農林省から――もちろん長雨の問題だけではございません。凍霜害の果樹の問題もあると思いますので、あわせて大蔵省で実情を見きわめて十分検討していただくことをお願い申し上げて、またそうするという主計官の御答弁でございますので、その御答弁に期待をいたしまして、本日のところはその質問はこの程度にいたします。
 その次にお尋ねいたしたいと思いますことは、これは先刻言及した問題でございますが、従来、樹勢回復とか、あるいは病虫害防除に対するいろいろな助成措置というものがなされておりました。最近どうも政府はこういう農村の助成措置というものはできるだけとらないようにして、融資一本でいこうというような傾向をとられておるように思うのであります。ところが、実際に農家経営をやる者から申し上げますと、融資というものは返さなくてはいけないので、何とか早急に回復するためには助成措置ということも必要でございます。これは先刻大久保委員から御質問がありましたのに対して、農林省は自治省と話して特別交付税等の問題でこれを解決したい、公共団体等が支出したものに対して考えたい、こういうようなことを言っていらっしゃったのですが、そういうような特別交付税もけっこうでございますけれども、基本的に、こういうような災害があった場合は政府が助成措置をやって、そうしてそれが次の生産意欲を増すというようなことをやることが非常に妥当であると私は思うのです。大蔵省は聞かないから大蔵省のほうはそっちにしておいて、今度は自治省のほうへ持っていって、自治省のほうで交付税か何かでまかなってもらおうという農林当局の弱さに私は実に驚かざるを得ないわけでございます。これに対して農林省も、そういうような助成措置とかいうことは必要じゃない、こういうようなお考えであるかどうか、これは農林当局にお尋ねしたいと思います。
○中西政府委員 何といいますか、一般的に農林省の補助金体系を金融に切りかえるのではないかという御指摘もございましたしするのですけれども、また、今度の肥料なり農薬なりを特別交付税に持っていくというのは、いわばそれと似た考え方ではないかという御指摘だと思うのです。その点につきましては、農林省に補助金というのはうんとたくさんございます。そこで、それらについて一般的に申し上げますと、補助金として適正に運用し得るもので、また必要なものは、これは農林省として遠慮をするつもりはございません。まあ年々ふえておりますけれども、将来にわたっても必要な補助というものには十分力を入れてまいりたいと思うのです。ただ問題になっております災害の場合の樹勢回復とかあるいは作物についての支出済みの――支出済みのといいますのは、地方公共団体が支出済みの経費の裏づけ、こういうものは、補助金ではなくて特別交付税でいいのではないかということを申し上げておるわけです。何といいますか、植物防疫法等にも見られますように、大きな災害を未然に防止したいということで、発生予察を行なって、農薬を配付していく、その場合の器具とか農薬を補助するということは、これは当然もっと力強くやっていくつもりでおります。ただ非常に困難な部分に属する農薬、肥料というのは、これはいかにも取り扱いがむずかしいから、行政技術的に賢明な方策のほうに切りかえたらどうかということだけを考えておるのでありまして、すべての農林省の補助金を、それに準じで融資、特別交付税に持っていくのだというふうなことは毛頭考えておりませんので、申し添えておきます。
○稲富委員 その経過はこうなんですよ。今年度のような、ことに果樹であるとか桑であるとかいうような問題は、直ちにこれは樹勢回復なんかの手を打たなくちゃいけない、あるいは病虫害防除に対する手を打たなくちゃいけないとか、こういう問題に対しては非常に急を要するがゆえに、罹災者としては、国の助成等が間に合わないから、やむなく各市町村等がこれを出しかえたという形でやったという結果になっておるわけです。そういうような形になっておるから、公共団体等が出しかえたものに対しては特別交付金の形で何とかやらなくちゃいけないという、こういうような考え方であろうと思うのでございますが、私は、少なくともこういう災害等に対しましては、積極的にこれの回復をはかるためには、やはり積極的に助成措置をやって、やる、だから早く防除対策をやるべきである、早く樹勢回復をやるべきであるという、こういう最も積極的な前進の形で指導すべきであると思う。従来はこういう問題に対しては助成措置が行なわれておりました。ところが、最近はどうも政府の考え方というものは、こういうものに対してなるたけ金を出さないようにして、金を貸してやったからそれでいいじゃないかという主義に変えてしまったというのが、今日の災害に対する政府の態度なんです。この点私は非常に遺憾に思います。ほんとうに積極的に樹勢回復等をやるならば、従来やっておった樹勢回復とか、あるいは病阻害防除の助成というものは、当然政府が積極的にやるべきじゃないか、もう出しておるから、やむを得ないから、あとから交付税でまかなおうというようなことじゃなくして、そこに農民の生産意欲を非常に持たせる、希望を持たせる条件があると私は思うのです。この点、そういう樹勢回復あるいは病虫害防除に対する助成措置はやらないでいいという考え方を農林省自体が持っていらっしゃるのであるか、あるいは、農林省は何とかしなくちゃいけないと思っておるけれども、財政の都合上大蔵省がこれを踏み切らないでおるのか、この点の原因はどちらにあるのか私はわからないのですが、これはどちらにあるのですか。
○中西政府委員 こういうふうに考えておるわけです。補助金の手段によります場合に、補助金適正化法の適用を当然受けるわけでございます。補助金適正化法の適用を受けまして、適正に補助の目的を達成し得るもので、的確にそういうふうにその補助金が使われるものであります場合には、十分に補助金として、財政当局に折衝もし、技術的な指導もして、それを支出するということにやぶさかなものではございません。ただ特定のケース、特に農薬あるいは肥料の場合につきましては、それが事後になって、目的どおりに使われていない、あるいは全然使われていないというようなこともあるわけです。それがないようにいろいろな努力をして数年農林省としてはやってきたわけですけれども、しかしそれがなかなかあとを断たない。そこで、ほかのことでいろいろ穴埋めはできるのですから、共済の概算払いその他の措置もございますし、天災融資法もございます。あるいは前向きにスピードスプレヤーだとか、あるいは重油燃焼器とかいう配慮もし得るわけでございます。そちらのほうでできるだけ配慮をして、そうして肥料、農薬の分だけははなはだ残念だけれども、やれればやりたいのだけれども、そこにおのずから限度がある、そういう意味で特別交付税でお願いする、そうしておけば市町村等その他の公共団体でできるだけの援助をし得るよすがにはなるわけですから、例年何かの災害の場合に、事大小を問わずとはいきませんけれども、一定の災害がありますと、やはり地方公共団体の長はおのずから自分の特別交付税の計算をいたしまして、適当な支出をしておる経過もございます。そういうことで解決するのが、この点については適切ではないかということを考えておるわけでございます。
○稲富委員 官房長、非常に苦しい答弁をしていらっしゃるが、あなた方の指導が足らないのではないか。適正に使われないとか、そういうことはあなた方の指導が足りないのであって、行政的指導をして、これが適正に使われるようにして、当然適正なる助成措置としてやるべきだ、これが私は筋道じゃないかと思うのです。過去においていろいろ指導したけれども、これは十分納得のいかないような使い方等があるから、それはやめてしまった、こういうようなお考えのようでございますが、これは非常に農林省自体の考え方が弱いのじゃないかと私は思う。もっとこういう問題に対しては、こういう災害があった場合には、積極的にこれを指導して、そういう適正な使い方をしないという場合は、あなた方の指導力によって十分これを戒めて、そういう不都合のないように、そうすることによってひとつ助成措置というものを国がやる、こういうような方法をとることが私は筋道であらなければいけないと思うのです。自分はやらないでおいて、町村にやらせておいて、最後にしりぬぐいを特別交付税でやっていくのだ、こういうようなやり方というものは、農林省が非常にやり方に対して自信がなさ過ぎると私は思うのです。これに対してはいろいろ聞きたいのですけれども、時間がありませんので、この問題に対して十分今後やっていただきたいと思います。大蔵省はこれに対する財政措置をやりたくないといりような意向でございますが、ただ、いまお話を聞くと、農林省は何も言わないけれども、農林省だけが遠慮して、不都合があったから、もう交付税でまかなっていったほうが妥当であるというように農林省自体が考えていらっしゃるような御答弁であったのですが、次官、そうなんですか。助成したいけれども、大蔵省が財政的措置をやってくれないから、やむを得ないから交付。祝でやっていくのだ、こういう意味ではないのですか。それはどうです。
○丹羽(兵)政府委員 過去におきましては、官房長が苦しいお答えをしておりますように、いろいろと適正に使われなかったために、返納しろという問題があったことは事実であります。しかし、それだとて、ただいま稲富先生の御指摘のように、営農という立場から考えますれば、直接営農に関係のある農楽とかあるいは肥料というものは、むずかしかろうが、御指摘の方向でいくのが私は筋だと思うのです。かりにそれが農協を対象にしようが、あるいは町村自治体を対象にして交付金を出す、補助金を出すことにいたしましても、これは明らかに農林省が大蔵省当局と折衝して、そうした直接営農に関係するものはいただくべきだ、そうでなかったら真の営農というものは意味ない、こう考えております。しかし、話はもとに戻りますが、事務当局は苦しいお話をしておりますが、そういうことも遠慮いたし、なおまた、特別交付金の中に、災害と、いま申し上げたような面と、あるいは行政的な部類に属する面とを勘案されておるというようなことから、なかなかもって大蔵省が私どもが考えておるような気持ちになってくれない、やむを得ませんから、そうした特別交付金の中に計算上含まれておる、そういうたてまえになっておりますから、今日はそれで承知をしておるわけでありますが、これは非常にむずかしいと申しますか、難儀なことでございますけれども、今後私どもも、私自身がそういう考えを持っておりますから、大いにひとつ検討して、立て直しをするように、財政当局とも、また関係方面とも、今日直ちにというわけにはいきませんが、将来の問題として大いに折衝をするようにいたしたい、こう思っております。
○稲富委員 大蔵省に非常にお尋ねしたいことがありますけれども、幸いに大蔵省も特例措置等に対しては御理解のあるような先刻お話がありましたので、この際これ以上大蔵省に文句を言いませんが、大蔵省も、農林省のいま言われた営農のための対策の一環として、将来もしも不都合な点があるならば、不都合なものは改めて、そうして適正な農村対策の一環として考えていただきたい。宮崎主計官は農村の問題には十分理解があると思っておりますので、そういうことで将来措置していただくようひとつ希望を申し上げまして、この問題はこの程度にいたしまして、将来ひとつ助成策等を考えていただきたいと思うのであります。
 さらに、この機会にいま一つお尋ねしたいと思いますことは、今回の凍霜害等を見ましても、あるいは果樹なんかの剪定その他に対して従来より以上の指導が必要であると思うのです。従来の果樹剪定の方法等におきましても、今回のような凍霜守になりますと、当然おのずから考えなければならぬという特別な技術上の問題があります。こういう問題に対して農林省として十分指導はやっていらっしゃると思うのでありますが、この点が一つ。さらに、こういう点に対する特別な指導をやるとすると、当然経費も要ると思うのでありますが、こういう経費等に対して特別な考えがあるかどうか、この点を承りたい。
○酒折政府委員 凍霜害の事後対策等につきましての、技術指導等につきましては、すでに地方農政局を通じまして各県に通達しております。
 なお、その技術指導に伴います経費につきましては、目下財政当局と折衝を進めているわけでございます。
○稲富委員 その財政当局と折衝中だというのは、望みがあるのかどうですか。
○酒折政府委員 これはやはり災害対策の全般的に結論を出す段階できめることであろうかと思います。
○稲富委員 それでは、時間がありませんので、先にいきますが、大蔵省の所得税課長が見えているそうでありますので、お聞きしたいと思います。
 これは私はかつても農林委員会で質問したけれども、そのままになっておりますが、災害が生じますと、御承知のとおり、当然農業共済の保険になってくるわけでございますが、農業災害補償法によりますと、これは一つの社会保障的な事業であるがために、税金等は取らないようにするという便宜をはかっていらっしゃるようであります。ただ問題は、現在農業災害をこうむりますと、農民の受ける保険金というものは実に零細なのですが、これが収入として課税の対象になる。これはこういう災害のために起こった保険金でございますから、これを課税の対象にしてこれに課税するということは、農業災害補償法の性格から申し上げましても、私は間違っていると思うのでありますが、これに対して大蔵省はどう考えていらっしゃいますか。
○大島説明員 御質問は、むしろ立法論の範囲に属する問題かと思います。ただいまの税法の上からは、共済金たりともこれは課税するということは明文の規定がございまして、行政上動かすわけにはまいらないかと思います。ただ、共済金に課税すると申しますよりは、むしろ、たなおろし資産の損害によりまして収入がそれだけ減ります。その減った分をまるまる落とすのではなしに、減った分から共済金によって補てんされた分を引いた残りを落とす、こういう運用をいたしているわけでございます。現行税法下ではやむを得ない措置かと考えております。
○稲富委員 そうすると、現在ではしようがないとおっしゃるならば、どうすれば課税対象からはずせることになるのですか。
○大島説明員 ただいまの所得税法では、保険金等につきましては、その保険金がたなおろし資産の損害を補てんするものとして、つまり、収入のかわりになるものとして受け取った保険金、これは本来収入のかわりでございますから、収入にかわるものとして課税するということが、所得税法の六条に規定がございます。この辺の改正を要する問題かと思います。
○稲富委員 この点は、しばしば私たちも委員会で議論をした問題でございますが、これは共済金が十分くるならいいが、非常に不十分なのです。その不十分なものにまた課税されると、農民がただでさえ現在の共済に対する恩恵というものが不備だという考えを持っている中でまたそれに対する不満が生じてくる、こういうことになるわけです。これはいまおっしゃるような行政的な問題、立法上の問題があると思いますけれども、これは当然将来とも何とか考えてもらわなければいけないと思います。幸いにいま大蔵省の課長の意見のようなことでございますが、これに対して課税対象から省くように農林省としては考えがないものでございましょうか。
○岡安説明員 おっしゃるとおり、災害があった場合、もし農家所得が課税対象になり得るだけの所得に達した場合には、現在のところ課税されることになっておりますが、この問題につきましては、災害対策の一環としまして私どもとしては考えたいと思いますし、また、大蔵省としましてもおそらく課税のバランスの問題もあると思います。その辺よく相談をしまして、なるべく御期待に沿うように努力いたしたいと思います。
○稲富委員 時間がありませんから、いろいろ聞きたいことがありますけれども、いずれ別の機会に譲ることといたしまして、一点だけ、気象庁長官にお尋ねいたしたいと思います。
 気象業務法を見ますと、その第一条に「この法律は、気象業務に関する基本的制度を定めることによって、気象業務の健全な発達を図り、もって災害の予防、交通の安全の確保、産業の興隆等」と書いてあります。この「災害の予防」ということは農業災害も含んでおるかどうかということをひとつ承りたい。
○畠山(久)政府委員 農業災害も含んでおると思います。
○稲富委員 農業災害も含んでおるとおっしゃいますが、この業務法を見ますと、長官の任務とかいうことになりますと、農業に対する問題は一つもうたっていないですね。やはりこれをつくられた時分は農業問題は入っていなかったんじゃないですか。あとからいろいろ出てきたから、これには農業も災害のうちに入っているんだと言うけれども、これを立法した時分はどういうふうに考えられたのですか。しかもこの法令なんかを見ましても、この署名者は通商産業大臣と運輸大臣と電気通信大臣になって、農業災害というものが入っておったのなら、当然農林大臣も加わっておらなければならないのに、農林大臣が入っていない。こういう点から見ると、その時分には農業というものに対する考えはあまりなかったのじゃないですか。
○畠山(久)政府委員 農業災害といいますか、農業気象、農業と気象との関係というと、これは非常に古くから調べられており、そしてどういう気象状態のときに農業にどういう関係を持ってくるのだろうかということは、これはずいぶん古くから歴史のある問題なんです。それで、ちょうど気象業務法がつくられましたときに、農業関係との間に法律的な取りきめをするということが一つもなかったものですから、それには入っていない、名も連ねていないということなんだと思いますけれども、現在としては、業務法にははっきりそういうふうに書き上げてはないけれども、農業災害を予防することもわれわれの仕事の一つだ、そういうつもりでわれわれはやっております。
○稲富委員 私これをお尋ねしますのは、災害もいろいろあります。ところが 凍霜害のごときは、気象予報のいかんによっては相当防げるというような問題が起こってくると私は思うのです。ところが、この農業災害に対する機構というものが不十分なために、十分これに応じ切れないというのがあります。今回の東北地方の凍霜害等はこれを明らかに物語っておるわけです。農業災害というものが気象庁の仕事の中に入っておるとするならば、農業気象というものに対してもっと力を注ぐべきじゃないか、かように考えます。長官は、いま、農業との関係があるから、農業気象に対しても頭の中にあるとおっしゃいますけれども、事実は農業気象に対しての十分なる連絡というものが少ないのではないか。たとえば委託されていろいろな気象観測をされておる観測所といいますか、そういうようなところがありますけれども、これに対する経費等はほとんど見られていない。わずかな経費でやっておるという点から見ますると、これに対して農業気象というものを大きく考えておられないのじゃないかという考えを持つわけなんです。気象庁として、それほど農業気象というものは大切である、大きな役割を占めるものであるというふうに考えていらっしゃるならば、農林省もこの気象通報等に対してはもっと関心を持ってやるべきであると思うのでございますが、これに対して農林省は気象通報というものを農林災害にどのくらい活用されておるか、この点を承りたいと思います。
○畠山(久)政府委員 農林省のほうからお答えになる前にちょっと言わせていただきたいと思います。
 農業気象業務と申しまして、農業気象を目的とした気象観測をして、県の中心になる県庁所在地にある地方気象台が、それによって全般的な気象状況を、たとえばいま言いましたそういう県内の観測ネットによって判断しました結果を県庁のしかるべき課に連絡をしまして、農業関係の末端までそれを伝達してもらうという仕事が、現在では東北六県と北海道の一部と、この年度には九州では宮崎県の一部に予算を認めてもらえましたので、それの準備をやっておるところなんです。そういうような仕事が始まっております。
 それで、いまの凍霜害の問題にしましても、ある程度以上の低温が長い時間続いたとなると、これは人為的にはどうすることもできないというように思いますけれども、そうでない限りにおいては、煙を出すとか、いろいろな対策がありまして、それによってかなりのところまで被害を防ぐことができる、そういうことによりまして、ことしの凍霜害におきましても、たしか山形県だと聞いておりますが、山形県はそういう組織が非常によくできておりまして、その対策もそれに応じてとられて、山形県はたいへん被害が少なくて済んだということで、そういう組織があったということを非常に感謝されておるわけでございます。近いうちにその山形県で、東北六県の関係の人々が集まりまして、気象台のほうからそういう通報が出たときに、どういうようにして末端までそれを周知させるかということについての具体的な相談を、山形県の例なんかをいい例として、そこで大いに議論をしようじゃないかということになっておるそうです。近いうちにそういう会合があるということを聞いております。実情はそういうことであります。
○稲富委員 農林省にお尋ねしたいのですが、気象庁のほうでは、これは農林災害にも十分活用しなくちゃいけないというたてまえである、こういうようなことでございます。そうなりますと、農業気象にこれを活用するためには、農林省が熱意がないのじゃないかと思う。これについていままでどんなことをやられたか、これを今後どういうように活用しょうと思っていらっしゃるのか。現に災害地を見ましても、同じ地方でも、気象通報を早くキャッチしましていろいろ対策をとったところは、部分的でありますけれども、ある程度霜の害を防いだというような事例もあるわけなんです。この点はやはり活用いかんによっては相当の効果があると思うので、今後こういうような気象庁なんかの機構を十分農林省が活用することによって対策を考えられるのじゃないかと思いますので、この際、これに対する農林省のお考え方があるならば承りたい。
○中西政府委員 お話の点でございますが、たとえば農作物の大宗であります水稲について、やはり相当長期の予報等を含めて、当面の気象をも含めまして、農林省としては大きな関心を持っておることでございます。そういう意味で、毎年五月から六月にかけまして、気象庁と農林省の関係の部局との連絡会議等を定例的に行なっておるわけです。そういうものをもとにいたしまして対策等の一助にしておるわけでございます。本年についても、せんだって公表された長期予報がございますが、そういうことに応じて農林省も各部局で対応策を講じておるわけでございます。
 凍霜害に関連しましては、だいぶお話が出ましたから、詳しく申し上げる必要はないと思いますけれども、確かに、その予報なり警報が末端によく届いておった地域においては被害が軽微で済んでいる例が多うございます。県の試験場あるいは国の試験場あたりでは、特にそういうことでございます。ただ、ある程度の準備はしておったけれども、低温の時間が非常に長かったために重油が足りなかったというようなケースもございます。あれやこれや今後反省すべき点が多いのでございますが、特に警報の伝達、それの末端への浸透、それを受けての予防活動というようなことには十分配慮してまいりたいと思っております。
○稲富委員 この問題については、将来農業気象を活用することにもう少し内容を充実していただきたい。いま気象庁長官おっしゃったのですが、やはり観測所なんかの委託をやられておりますね。この委託に対する費用等も非常に軽微のようにわれわれ聞いております。やはりこれに対して十分実績をあげるというためには、こういうような観測所の委託等に対しましても十分な経費を見てやる、こういうような方策をとってやる、そうして内容を充実させる、設備のごときものに対しても、観測所をふやすとか、いろいろな方法が、充実する面においてもると思いますので、こういう面に対しては十分考えていただくことによって、こういうような天災に対してできるだけ被害を少なくするようにしていただきたいということをお願いしたいと思うのであります。
 最後にひとつ希望として申し上げたいと思います。今回の災害、ことに東北の凍霜害、あるいは九州地方におきまする、西日本の長雨災害等も、当然、天災融資法の特例法等をもってしなければ、十分なる対策をやることは困難ではないかと思うのでございます。幸いに大蔵省もこれに対しては何とか御理解のあるような御意見でございますので、私は今回の災害に対する特例法が提出されることを期待するわけでございます。従来は、事務が非常に複雑化している、こういうような不満をよく聞きましたので、これが実施にあたりましては、融資その他に対する簡素化をひとつ考えていただきたい。農民というのは、御承知のとおり、あまりめんどうくさいことはきらいでございますので、簡素化によってその法の精神がほんとうに活用されますように、特段の措置を政府として考えていただきたいということを申し上げ、ことに九州の長雨の問題は、昨年の例もあることでございますので、十分対策等も考えていただきたいということを申し述べまして、これに対する農林省の決意をひとつ承っておきたいと思います。
○中西政府委員 お話の点につきましては、先ほど来の答弁でも出ておりますが、六月一日現在で被告の実情を明確にさせることになっております。現在までの中間的な連絡等を見ましても、相当ひどいようでございます。大きな筋としては、ただいま御質問にありましたような方向でやっていく決意でございます。
○稲富委員 いま一つ忘れておりました。米の予約金の早期支払いの問題でございますが、本年度は幾ら払うつもりでおられますか。これはできるだけたくさん早期に払うことが必要であると思いますが、農林省の方針はきまっておりますか。
○中西政府委員 まだそこまで話はいっておりませんが、昨年のような壊滅的な打撃ということでもないようなので、通年の概算払い石当たり二千円でございますか、それをできるだけ早期に支払うということで対処したいと考えております。
○細田委員長代理 原茂君。
  〔細田委員長代理退席、委員長着席〕
○原(茂)委員 すでに時間もないことでございますし、いままで各委員から相当、私どももぜひお伺いしたいという個条に対しての質問がございました。したがって、それとダブらないように気をつけながら、最小限度の具体的な質問だけを申し上げておきたいと思うのであります。
 基本的に、きょう質疑のありました中でも、たとえば特交による手当ての問題でありますとか、あるいは天災融資法そのものに非常に大きな地域的な不備のある問題でありますとか、激甚地の指定なり、その他適用しようとするときの条件が非常に現実には合っていない問題でありますとか、こういう点等は非常に大きな問題がございます。したがって、やがて、災害の対策を通じましても、基本的問題としてこれに取り組まなければいけないと思うわけですが、きょうはその時間はないようですから、しかも幸いに、特に長野県の場合には、先ほど決定になりましたように、十三、十四、十五日と視察が行なわれるそうでございますので、視察を行なっていただきましたあと、具体的に実例をあげながら、これらの基本的な問題に関して、特に大臣にも出席を願った上でるるお伺いをしなければいけない問題がきょうの委員会でもたくさん出たと考えますし、これは時間の都合できょうは譲らしていただくわけでございます。
 ただ、私ども党の立場から言いますと、一応申し上げておきたいと思いますのは、いま御答弁になりましたすべてに不満足でございます。少なくとも現在の法の運用あるいは適用そのものに関して、基本的な精神が第一私どもの立場とは非常に違っております。農業基本法に関しましても、根本的に私たちが違う立場をとっておりますのと全く同じでございまして、それら違った立場から、現在出ております農業政策そのものに対して、あるいは農業を今後どうするか、今回のような災害等のありましたときに、どういうふうにこれを救うべきなのか、国としての立場が、あるいはその立場で考えること自体がわれわれとは基本的に違っておりますので、こういう点は将来長い問題として十二分に当局との間にも、われわれの意のあるところをもう少しくみ取っていただくように後刻討議を重ねてまいりたいというふうに前提をいたしまして、具体的に相当数多くの問題について、いままでの質問とダブらないように気をつけながらお伺いいたしたいと思います。時間がございませんので、聞くほうも簡潔に聞きますから、お答えになるほうもひとつ簡潔に答えていただくようにお願いしたい。
 先ほど御注意もありましたので申し上げておきましたが、次官と官房長あるいは主計官、関係する方々だけおいでいただきましたら、私で終わりだそうでございますから、気象庁長官その他は、よろしかったら御退場願ってけっこうでございます。
 第一にお伺いしたいと思いますのは、開拓農民の場合でございますが、今回長野県下におきましては甚大な被害を受けております。これに対して、いままでの御答弁のような、天災融資法の適用とか、激甚地の指定があるにいたしましても、開拓者には問題があるわけで、特に数多くの開拓者が開拓に必要な資金の借り入れを行なってまいりまして、いままでは何とか利息を払おうという努力で済んできたわけですが、ちょうど悪いことにことしその元金返済にいよいよ入ります。こういう場合に、ほとんど九〇から一〇〇%程度の災害を受けた開拓民であります。元金支払いがことしから始まろうというような場合に、具体的にお伺いしたいのですが、私どもの考えから言いますと、少なくとも元金、あるいは利息も含めまして、最小限度三カ年はこの開拓資金の融資のいわゆる返済を延ばしていただきたいというふうに考えますが、そのようなことで御討議になり、あるいはそれをやっていただけるような準備がおありになるかどうかをお伺いしたい。
○中西政府委員 長野県の開拓農民の実情等につきましてはそれぞれ調査を進めてまいります。同じ開拓地におきましても、返済期限がきて、返済できるような基盤のできているところもあり、そうでない農家もあり、種々様々であろうと思います。そういう点、個個のケースについて、判断をしてまいりたいと思います。全体としましては、被害の激甚な地域というものにつきまして、特に開拓者で経営が不振であるというような人につきましては、開拓営農振興臨時措置法によりまして資金の融通措置を講じたい。災害のワクも一億円ございます。そういうことをいたしますと、場合によっては借りかえということが事実上できるかと思います。個々の農家について処理したいと思います。
○原(茂)委員 いまの件でもう一つお尋ねしますが、要するに、激甚法の指定を受けない場合でもいまおっしゃったような適用を受けることができる、こう解釈してよろしゅうございますか。
○中西政府委員 これは激甚法とは一応制度的には別でございます。
○原(茂)委員 二つ目にお伺いしたのは、今回、特に長野県の場合凍霜害は桑園に非常に大きな被害があったわけです。この桑で生活をしようという農民のそれが一番大きな打撃を受けたわけですが、そこで必要なのはやはり救農土木事業、かってやってまいりましたが、これがどうしてもこれからの現金収入の唯一のものになるわけです。特にこの救農土木事業といわれます中に、この災害を契機に、あるいはいままであったのかどうか知りませんが、いわゆる道路でございますとか、河川ですとかいうもののほかに、ため池ですか、特にいま長町県は干ばつが、後刻申し上げますが、非常に拡大されつつあります。非常にひどい被害が干天によって生じていますが、これらの対策ともあわせて、ため池をつくるというようなことを救農土木事業の中に加えていきたい。ぜひこれをやりますと一石二鳥でございますし、非常に大きく農民に希望を与えることができると思います。これがひとつ入り得るものかどうか。もう一つは、先ほどスピードスプレヤーの話がありましたが、これとは別に、深層井戸というものをつくるということも、特に現地を見ていただきますとわかりますが、非常にこれが必要だということを痛感しておるわけですが、もし百メートル、二百メートル程度の深層井戸ができますと、そこから大体千石くらいの水を吸い上げることが可能になるという非常にいい場所がたくさんありますが、こういうところに深層井戸をつくることをぜひ考えたい。これを救農土木の一つに加えることができるか、この二点を向いたいと思います。
○中西政府委員 ため池あるいは井戸の舌でございますが、これは上木をやるにしましても、その調査をしてみまして、その上で可能かどうかということになるわけでございますが、とりあえず調査はさしてみたいと思います。
○原(茂)委員 くどいようですが、調査の結果、なるほどということになれば、それを救農土木事業に加えることが可能だ、こう解釈してよろしゅうございますね。
○中西政府委員 技術的な調査はもちろんしなければなりませんが、そのほかに予算的な措置等もあわせ考える必要がありますので、あわせて考えさせていただきたいと思います。
○原(茂)委員 第三に、実はいま申し上げました桑なんですが、春蚕のほうはある程度、度合いによって違いますけれども、三割から七割程度どうやら桑が間に合うということがあり得るのですが、今回受けた被害の特徴というのは、少なくとも夏の蚕に関する限りはほとんど全滅でございます。なお、さらに秋にいくと、これが芽ばえて、あるいは追肥も適当にやる、防除も行なうというようなことで十分間に合うかどうかというと、その判定が非常にむずかしい。秋はいいだろうという見方もあります。秋もこれはだめだろうという見方もある。もう一つは、いまどんなにあせって追肥を行ない、いろいろめんどうを見ても、これから秋に出てくる桑というのは栄養失調だ、いわゆる軟弱徒長だ、これを蚕に食わしたのではいい蚕はできっこない、したがって収量は非常に減るという、この三つの見解があります。実は現地の技術員の皆さんもいろいろと検討したり、統計のほうでもいろいろ調査をしておるわけなんですが、大体仕事をしておる農民自体が考えますと、まずよく見て秋に半分間に合えばいいだろうといったようなことが言われておるわけなんですが、先ほどから質問の中で聞いていますと、六月十五日から二十日ごろまでにはいわゆる天災融資法の適用を発動するというような前段の作業をやっておられるようですが、この時分になってもまだその疑問が残ります。そういうときに、その判定をだれがどこでどういうふうにするようになるのか、非常に現地では不安を持っておるわけです。あまり乱暴に、たぶん秋にはいいだろう、こう判定をし、その対策を立てられたのでは、実際には秋にいって農民自身はとてもこれで仕事にならないと考えておるのですが、どうしてもよく見ようとするのが、いわゆる当局並びに皆さんの側でたよっておる調査をする諸君の考え方になりやすい。したがって、よく見られると、秋へいって、そのときには、いまの天災融資法その他による手当てをしてもらおうとしても、できない時期でもある。その時期に、実は蚕だけをたよって生活をしておる農民が、春はとうとう三割で、しょうがなかった、夏はだめだった、全滅だ、秋にせめてと思った、その秋がだめだったということに半分以上必ずなるのだと農民は考えておるのですが、それに対していま判定は、どういうところで、だれがどういうふうにしてやっていただけるのか、この点は、官房長のいわゆる農林省の立場でひとつお伺いしたい。
○中西政府委員 お話は、夏秋蚕なり晩秋蚕なりについての被害の見通しのことのようでございますが、やはり現段階の被害としては、春蚕でどうだということにわれわれとしては限定をいたしております。といいますのは、やはり当面の現象から被害を判断するという、いわば現実に即した見方、将来の見通しまで入れますと、これは非常に幅がある、誤差が大きいことになるのではないかという心配があるからでございます。ただ、天災融資法を発動する、あるいは激甚災の法律を適用するというような場合に、それぞれの都道府県におきまして、被害地域あるいは被告農業者というものを認定します場合には、それぞれの州におきますいろんな過去の経験等から、農林省が見た見方に限らず、それぞれの事情に即した見方をしていくということは、これは当然許されることです。御質問にありましたような点についての配慮も、そういう部面ではできることだと思っております。
○原(茂)委員 そのことでもう一度重ねて。
 そこで、現在の見通しを立てていただくことはわかったのですが、万が一いま立てた見通し以上に、秋蚕を飼おうとしたときにその桑が全然だめになったといったときに、一体どういう農民に対する救済方法があるのですか。
○中西政府委員 例を晩秋蚕にとりますと、そのときに平年の収量よりも一定の率だけ収量が少なかったという場合には、共済の事項としてそれについての共済金の支払い、あるいは災害共済金の支払いということは当然考えられるわけであります。
○原(茂)委員 いまの御答弁でよく聞けなかったのですが、共済は当然なんですが、現在の災害に原因を発しているということがはっきりしている、そして晩秋でその被害が明瞭になったというときには、これから手当てをしようとする天災融資法なり、あるいは緊急災害指定をする手当てなりと同じものが得られるのかどうかを聞いておるのです。
○中西政府委員 天災融資法を発動いたします場合には、自創資金等のワクも用意いたしますが、それはやはり四月の下旬、あるいは五月の中旬、あるいは五月の下旬の災害をよりどころにしての融資であります。それ以降の、たとえば秋蚕を目標にした経営資金がそこで融資されるわけです。それで、秋になりまして減収があるというような場合に、これは金融機関のやりくりの問題として、その部分を、現在この春の段階でやります融資のワクの中で秋に現実の融資が行なわれるということも当然考えられますけれども、また、通常の場合といいますか、おそい場合には、そのころに春の被害についての融資が行なわれるというケースもございます。具体的な農家にとっては、融資の措置はそういうやりくりでやり得ると思いますけれども、秋に収入の減少があって、それが春の、原因である、あらためて秋に天災融資法を発動するかというお尋ねだとすれば、そういう用意はございません。
○原(茂)委員 ないでしょうと思ったからお伺いしたのですが、果樹なんかも実は同じなんです。現在のところは被害がほとんどわからない果樹があるのです。その他の作物にしても、雌しべ等が実はやられているということが原因で、相当科度あとになってから出てくるものがあるのです。桑もまた同じなんです。桑の最も顕著な――いま言った晩秋にそういうことが起きるとすれば顕著な例なんですが、あらためて天災融資法の適用ということはあり得ない。あり得ないから、何をやるのかということなんです。さっき、天災融資法はどうもいろいろ改正の必要があるというような御意向もありました。われわれも改正しなければいけない点が多々あると思うのですが、現在の天災融資法の適用では救済の方法がないのか。それが全然ないとするなら、何かを考えるということをいまおっしゃっていただきたい。何かとにかくこれに準ずるものを考えるということをおっしゃっていただかないと、現実の問題として、いまの長野における凍霜害による一番大きな、被害の長たるものは桑ですが、その桑の晩秋に対する大きな不安を農民が持っている。これに何かやはり回答を与えて、安心感を与えなければいけないという段階でございますから、それにかわるものを、ではこうするというようなことを何かお答え願いたい。
○中西政府委員 ただいま果樹のお話がございましたが、果樹につきましては、現段階で秋の収穫がどのくらい減るかという見通しを立てることは可能でございます。その点を含めて被害額を算定しまして、激甚法を適用するかどうかということの措置を講ずるわけでございます。したがって、問題は桑でございます。桑は秋になってどうかということを現段階で判断するのには、これはいまの科学の方法をもってしては非常に困難であるということで、先ほどのような答弁を申し上げたわけでございます。果樹については心配はございません。
○原(茂)委員 だから、その場合、桑はどうしてやる。
○中西政府委員 桑につきましては、当面考えられますことは、先ほど申し上げました保険制度によるカバーはございます。融資につきましては、あらためての天災融資法の発動ということは考えられませんけれども、天災融資法の融資のワクなり、あるいは自創資金の維持資金のワクなりでそういう場合の金融の道も開かれておるわけです。そういう意味で、現実の問題としては処理されていくものと考えます。特に、自創資金等におきましてワクが足りないということであれば、そのことを明らかにした上でそのワクの追加をするということも考えられます。
○原(茂)委員 その三つの手段によって何とか手当てをする道がある。それだけではまだ不十分だと思いますし、根本的には、現地へ行くとわかりますが、いまの自民党政府の、最近変わってまいりました融資という方向、これは何としても借りれば返さなければいけないし、利息は払うんだ、三分五厘もいやだ、とにかく補助、助成ということがほんとうではないだろうかと、農民は悲鳴をあげている。正しいと思うのですが、いまの政府がそういう方針をとっていない。したがって、いま三つ言われたような、そういう手段があるにしても、現実には今回の天災融資法なりその他の適用による救済と同じ結果になるように、いまから検討して何とか考えておいていただきたいということを要望しておきます。これは必ず起きます。もうすでにこれは明瞭な問題でございます。
 次に、四番目にお伺いしたいのは、先ほど申し上げました干ばつなんですが、特に今回、長野県の諏訪あるいは上伊那郡というところでは、干ばつがいまも口に継いで拡大をしているわけです。特に水稲の場合は相当被害が拡大をしております。おそらくその資料がお手元にきているかと思いますが、きているかどうか。きておりましたら、現在その干ばつによる被害をどの程度に金額的に把握されているのかをお聞きいたしたい。
○中西政府委員 ただいま統計のほうを通じまして調査中でございまして、まだ確たる数字までになっておりませんが、作物統計課長のほうで情報としてはある程度手に入れておるようでございますが、統計課長のほうから御説明申し上げます。
○富樫説明員 干害につきましては、ただいま私のほうへ入っておりますのは、事務所のほうから速報として情報的な程度のものが入ってきております。それもいまのところ、億を単位として数億程度というふうに出ております。なお、これは今後の気象の推移によりまして増加する見込みという報告が入っております。私どものほうも、一応被害が確定するような段階になってまいりますと、あらためて作業をいたしたい、かように考えております。
○原(茂)委員 いまの干ばつの被害の調査なんですが、これは凍霜害の起きる前から実は干ばつはすでにあらわれていたわけなんです。それで、この調査を始めると言われるのは、凍霜害の調査が大体終わった後なんですか。いま現に凍霜害の手当てが行なわれるときに、干ばつの調査も終わり、手当ても一緒に行なう。もっと端的に最後の質問をしますと、今回の天災融資法なりあるいはその他の適用を受けようとするときに、干ばつによる被害というものも同時にこれを加味するという方針でおられるか。ぜひそうしていただきたいのですが、これを別途に扱われますと、いろいろ数字を中心に計算をしますから、まあ現地にとっては不利益な手当てしかできない場合もあり得るという意味から、やはり干ばつに対する調査も同時に行なってもらって、いわゆる凍霜害と同じような、今回いろいろ手当てをするときの手当ての対象にしていただくようにぜひこれはお願いしたい、こういう気持ちで質問しているわけです。
○中西政府委員 いつごろに締めくくれますか、凍霜害のほうは、農作物の被害状況を見て調べるわけであります。干ばつのほうは水の状況等にわたって調べるわけですが、調べる対象はやや違っております。そういう意味で、並行してやってはおりますけれども、同時に締めくくれるかどうかという点については、いましばらく調査をさしていただきたいと思います。といいますのは、干ばつのほうは、いわば時期的な点で継続的な要素がございますから、どこで区切れるというものでもございません。しばらく時間がかかるかもわかりません。
○原(茂)委員 いま干ばつの一番ひどい被害を受ける原因になっているのは、水不足のためにまだ本田に移せない苗しろのままでいる。ところが、この苗しろに置くにも、御承知のように幼穂形成期というものがあるので、限界があるのです。もう二、三日でその限界がくる、まだ雨が降っていない、したがって本田に移せない、これが大きな被害をなしているわけです。そうすると、いわゆる水稲の被害に関して、干ばつといっても相当部分の被害が、この本田に移せないというところを限界にしてある程度はつかめるのですが、こういうものはもうちょっと具体的に期限的に何かおっしゃっていただいて、そうして少なくとも今回の凍霜害とは別個だというのでなくて、入れられるものは同時にやる、あとから拡大してくるものはまた別途に、われわれもお願いをしますし、調査をしていただけばよろしいので、現にわかっているものに関しては、やはり凍霜害という原因が違う、そういうものでなければ、たとえば前線の影響によるものでなければ云々というようなことだけにあまり機械的に片寄らず、何かそこで道を開いて、同時に考えていただくことができないか。
○中西政府委員 確かに水稲については、お話のように本田に植えかえの時期等に関連して被害も締めくくりができると思います。被害は水稲だけでなしに一畑作物、特に野菜あるいは園芸作物に及んでおるようでございます。そういう意味で、そちらのほうとこれをばらばらにしますと対策が講ぜられませんので、水稲のほかの作物、果樹等も含めまして全体を締めくくっていくことになります。いっとは申し上げかねるのですけれども、これは長野県を中心に統計調査部の職員ほとんど全部を動員して調査をやっておりますので、できるだけ早くやりたいと思います。
○原(茂)委員 最小限度、今回の凍霜害と全く軌を一にして農家にとっては干ばつによる同じ被害を受けているわけです。したがって、この凍霜害に対する対策をいまから立てていただくわけですが、これと同じような手当てが干ばつに適用できるようにお願いをしたいと思いますが、この点はどうでしょう。
○中西政府委員 先ほどもちょっとそのような問題が出たのでありますけれども、われわれとしては、気象条件の同一性、あるいは同一性でなくて異種性といいますか、同じであるか、違っておるかということについての確認もまだやっておりません。その場合に、別であるといたしましても、被害が相当に及びますれば、それなりの対策を講ずるつもりでございますが、それが同一の気象条件であるということになりますれば、お話のようにあわせて考えるということになるわけでございます。
○原(茂)委員 同一の原因でない場合でもあわせて考えるという方向だけはいまお示しいただいたように思うのですが、そうとってよろしゅうございすすか。前段の言い方がどうもあとでぼやけてしまった。
○中西政府委員 違っております場合と申し上げたのですが、凍霜害と干ばつとが違っております場合におきまして、干ばつ自体の被害が大きければ、それ自体に対して天災融資法その他の措置をとるということは、その用意をいたしております。霜害と同一の気象条件であるということになりましたならば、それで措置するということになるわけであります。
○原(茂)委員 たぶんそうおっしゃるだろうと思ったのですが、違っている場合でも、干ばつだけを取り上げて、その被害額あるいは被害が及んだ状況等による天災融資法の適用ができるのかどうかの判断を新たにされますと、いろいろな不利益が生じるんじゃないだろうかという心配を多々したわけでありますが、現地視察も幸いにあるようでありますから、具体的な例についてこの問題はペンディングにしておいて、あとでお願いをしたいと思います。
 次にお伺いしたいのは、被害農家に対して制度金融の償還期限の猶予措置と据え置き期間中の利子免除の措置をぜひ講じろ、先ほどこの半分の質問がございましたが、こういう要望があるのですが、これに対してお答えをいただきたいと思います。
 時間がもったいのうございますから、全部言っておきます。
 次に、いわゆる夏秋蚕の掃き立てに要する例の蚕種の購入、これは一度購入しましたものは、桑がだめで全部だめになった、あるいは、予定したのだが、ついに桑が間に合わない、購入ができないということから、これをむだにしたというようなことが、今回は非常に大きく農家の経済に影響を及ぼしているわけですが、これに対して、できれば助成でございます。格別に考えるお気持ちがあるかどうか。
 それから、今度は桑の葉っぱを外部から買ってこないと実際には養蚕ができない。春蚕の場合でも相当量外部に仰がなければいけないわけですが、外部から買うときに桑の値段が非常に高いのが一つと、もう一つは輸送費ですが、こういうものに対する助成をやっていただきたいが、できるかどうか。
 それから、これも助成の問題なんですが、被害農作物の再生産用の種苗、そういうものを確保したい。そう言っても、たとえばトマトのごときは、全然これは処置なし、手がない。これは御承知のように時期的にいっても不可能だというようなものもございます。しかし、植えるものの種類を変えて何とか少しでもやっていきたいというものがあります。こういうようなときの問題も含めて、種苗の確保に助成か、あるいはあっせんも当然やっていかなければいけないかもしれませんが、そういうことをやっていただける道があるかどうか。
 それから、今回の災害全般の問題でございますが、こういう実情を見たときに、農家所得の安定向上をはかるために、果樹だとか、あるいは蔬菜、こういう園芸作物共助制度に対して大幅な助成を、ぜひしてもらいたい、こういう考え方を特に強い要望として持っているわけですが、これについてお答えをいただければ、質問を終わりたいと思います。
○中西政府委員 災害金融その他の債務についての利子免除のことをお答えしなかったのですけれども、これはなかなか困難だと思います。特に災害という不利な条件を考えた上での金融制度でございます。そのほかに利子を免除するというようなことをつけ加えるということは、体系として非常に困難だと思います。
 それから、夏秋蚕等の掃き立ての蚕種の購入助成でございますが、これはそういうふうな仕組みが考えられれば考えてみたいということで、農林省の中では検討いたしております。まだ結論に逃しておりませんが、全体の災害対策とのからみ合いで、必要があれば強く財政当局に要請してみたいと思っておるわけであります。
 その次に、桑の購入費の助成あるいは輸送費の助成のお話がございました。これはなお検討を続けさせていただきますが、現段階では、御要望としては承っておるのですけれども、そういう必要のある地域といいますか農家といいますか、非常に局部的ではなかろうかと思っております。国でと申しますよりは、むしろ現地でそれぞれの事情に即して措置していただくということで解決がつくのではないかと思っております。なお調査をいたします。
 それから、園芸作物あるいは果樹等を含めまして種苗の確保の対策でございますが、これらについても検討はいたしておりますけれども、去年のようなあの長雨の異常な大災害の場合には、非常に大きな地域にわたって肥料を移動するというようなことが必要になりまして、国でも相当力を入れたのでございますけれども、そういう大がかりなことでないのではないか。現段階ではそれ、それ現地で適切に措置し得るのではないかということを考えておりますが、これもなお引き続いて調査をいたします。
 それから園芸、蔬菜等についての共助制度というお話でございましたが、果樹につきましては、果樹共済の制度化について、昭和三十五年以来基礎的資料を整備することにいたしまして、財政的な裏づけをして進めてきておりますけれども、昨年からは、その実施可能性の検討をするということで、一応の目標を四十一年ということに置いてとり進めております。そういう意味合いで、前向きに全精力をあげて検討していきたいと思っております。蔬菜等につきましては、これはなかなか保険設計は果樹以上にむずかしいのではないかと思います。そういう点、保険数理の問題もございますので、なお慎重に検討をいたしたいと思っております。
○原(茂)委員 いまのお答えの中で再度お伺いしておきたいのですが、いままで利子免除があったように記憶するんですがね。
○中沢説明員 制度金融の利子免除の問題でございますが、約定利子そのものにつきましては、先ほど官房長がお答えしたとおりでございますが、なお延滞利子につきましては、実情によりまして免除する用意があります。
○原(茂)委員 わかりました。延滞利子に関してそんなものはあってはいけないのですが、これは適用可能になりますね。生じた場合には、前例がありますから……。
○中沢説明員 現在すでにある利子が延滞しておりまして、延滞額について払うつもりでおられた農家が、災害によってとても見込みが立たなくなったという場合には、応ずる体制がございます
○中山委員長 本会議散会後再開することとし、これにて休憩いたします。
   午後一時四十三分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時五十六分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 災害対策に関する件について質疑を続行します。中村重光君。
○中村(重)委員 先月の十四日の委員会で、相次ぐ災害について農林省なりその他関係団体の指導上の問題についてお尋ねしたわけですが、その際、官房長もいろいろ指導的欠陥のあることを認められたのでありますが、今度の長雨あるいは凍霜害の災害に対してまだ集約ができておるとは思いませんけれども、各地に派遣されたそれぞれの派遣委員からいろいろと災害の問題点についての報告もあったようであります。今度の災害に対して指導上反省をしなければならない点があるのじゃないかと思うのですが、問題点として集約されていないにいたしましても、一応上がっておる点について明らかにしていただければけっこうだと思います。
○中西政府委員 お話しの点、まだこれからいろいろ検討しなければならない段階でございますので、断片的になるのをお許し願いたいのですが、一つは、凍霜害に関連しまして実は相当前広に予報もあり警報もあったわけです。その点、地方のそれぞれの気象台等から県庁まで連絡があり、県庁から関係市町村には連絡がいくのですけれども、それが、何といいますか、予防的な活動にうまく結びついていないうらみがございます。そういう点を今後もう少し体系化して、予報がありましたときは、必ず一定の体制でもってそれに臨み得るというふうな仕組みにいたしたいということが第一点でございます。
 それから、その場合に、ある程度重油その他の資材の準備をいたしておるのでございますが、それがこの間のように長時間にわたるような被害の場合には、油が切れてしまいましてあとで被害を受けるというようなことにもなっております。その辺の資材の量についても今後配慮いたしていく必要があろうかと思います。
 それから、これは非常に大きな点になると思うのでありますが、凍霜害というような場合に、重油燃焼とか、煙を出すとか、あるいは空気を攪拌するとか、いろいろなことがございますが、もう少し根本的に、長期的ではございますが、やはり品種改良というような点について十分配慮していく必要があるのではないかということを痛感いたしております。
 それから長雨に関連しましては、これは非常に複雑な、要素があるようです。特に麦の赤カビ病、あるいはなたね等につきましては、だんだん作付面積は減っておるのですけれども、いわば捨てづくり的な要素もなきにしもあらずで、そういう点から病気が蔓延しやすい状況もあります。被害を受けた農家の中には、たまたまそういう捨てづくり的な畑の隣に位置するということで被害を受けるようなことで、気の毒な点もあります。今後の大きな営農体系の問題に関連するのですけれども、裏作についての、何といいますか、営農の音心臓をもっと高める、このことは、価格の引き上げだけで実現できるとは思っておりません。相当高い価格での支持等をしておりましても、やはりほかとの収入のバランス、労働時間のやりくり等で、手を抜くというようなことがございます。水が張ってきた場合に、明渠をつくって水をはくというようなことも十分に行なわれていないというような例もございます。そういうことで水を十分はかしておれば病気にも強かったというような反省もあるのですけれども、そういう営農上の問題、あるいは営農主体の問題といいますか、裏作放棄というようなことを克服していく手段を前向きに十分考えなければならない。これは、災害対策といいますよりは、むしろ裏作の根本問題に通ずると思うのですけれども、そういうことも考えております。
 それから救農土木についての要望その他いろいろな要望が出ておりますけれども、現実の救農土木にふさわしい事業等の把握を十分にいたしませんと、これはかけ声だけに終わります。そういう意味で、いろんな残事業のある中での繰り上げ施行というようなことについても、もっと早く計画が立ち得るようにいたしたい。といいますのは、おそらく、事業を始めまして現金収入を必要とするのは農閉期であるわけです。その時期までに十分な体制をとって、過剰な労働力が吸収できるような、何といいますか、災害があったらどこでやるんだという程度の見通しを各地方でつけ狩るようにいたしておきたい。ことしあたりは、災害が起こりましてから、さてということでさがし回っておるような事態ですが、あらかじめやったらどうかというようなことを痛感いたしております。
○中村(重)委員 私も調査団の一人として九州各地を回ったのです。その中で懇談会等をいたしましていろいろな問題点を聞くことができましたし、また、直接農家の人たちとお会いいたしましていろいろな経験をすることができたわけであります。ただいま明らかにされた点、確かに問題点でありますし、その点も詰めてみたいと思いますが、きょうは時間の制約がありますので、いずれ適当な機会にまたお尋ねしてみたいと思います。
 いま問題点としてあげられた中の麦の問題でありますが、これは確かに官房長がおっしゃったように、麦に対する捨てづくり的な面があると私は思う。政府の麦作に対する方針は、いま減反政策をとっている。年間十万町歩くらいの減反をやっておるよりであります。ところが、これに対しまして、飼料用その他の関係によって四十万石くらいの輸入をことしはやっておる。こういうことに対しましても農家その他の率直な政府の施策に対する批判というものも出ておりますが、同時に、農家の人たちは、麦は取り入れてみなければ価格もわからないのである、また非常に検査値厳格で、ほとんど等外に落とされている、そういう不安から、麦作に対する魅力というものを失っている。そのことが、官房長がいみじくも明らかにされたような、結局希望がない、魅力がないから、捨てづくり的になるということだと私は思うのです。具体的には、いろいろ排水の問題もあげられましたが、確かにそういう点もあるようであります。さらにまた、病害虫加除の問題等、いろいろあるでございましょう。そういうような点についてもっと政府の施策が明らかになっていき、農家に対しては、つくったものに対しては国が責任を負うのだ、こういう態度を示されることにおいて災害等も最小限度に食いとめることができるのではないか、私はこう思います。それらの点に対して、これから先どのような態度をもって臨もうとしておられるのか、まずその点を明らかにしていただきたいと思います。
○中西政府委員 お話の点は、これからの裏作全般を通じます農業をどういうふうに持っていくかということに通ずる実は大問題だと思うのです。災害でそれがたまたま発現しておりますけれども、根っこには非常に大きい問題がある事柄だと思います。そういう取り組み方をしまして、短期的にすぐ結論が出得るものとは思いませんけれども、一つは、現在各地に見られております請負耕作のようなやり方での裏作の振興ということも考えられると思います。その場合に、賃耕して回るというようなことが主体になるのでございますけれども、何といいましても、こういう、ふうに非農業のほうの労働力の不足が激しく続きますと、農家のほうでも労働多投型の農業をきらうようになり、おそらく、麦の値段を相当値上げしても、労働多投型である限りは、なかなか麦に魅力を感じてくれないというふうな見方もあるわけです。そこで、できるだけ労働を省略して機械化のほうに持っていくというようなことが望ましいのですけれども、現在の畑の状況あるいは水田の裏作の状況からいいますと、そう単純に省力機械が入るような状況でもない、請負耕作をやりましても、その圃場が飛び飛びにあるというようなことで、そういう請負耕作等の営農方式が裏作全般に導入されるだろうとも言いかねる点があります。やや長期を要しますけれども、農業用労働人口が他産業へ移動する、あるいは農家が減っていく、その過程で圃場の集団化も行なわれ、あるいは農道もよくしていくというようなことを通じまして、いわば粗放的な農業がそこに導入されるということになりますと、今度は生産性の高い裏作ということも確立できるわけです。それが一挙にいかない。むしろ、現在はいわばその問題の一合目か二合目にあるというところに大きな悩みがあるというふうに私は了解しているわけですが、そういう観点から、年末来大臣のほうから宿題が出ておりまして、農地法をどうするか、あるいは土地の基盤整備のあり方をどういうふうにしていくか、特に集団化とか、圃場整備にウエートを置いた仕組みをどう打ち立てるかというようなことが実は大きな農林省の課題になっております。そういうことの解決が緒につきますならば、裏作についての災害並びに病虫害の予防という仕組みもおのずからいまとは非常に違った形で生まれてくると思うのです。何しろ過渡期にありますから非常にむず
 かしいのですけれども、しかし大事な国民食糧であるわけです。現状としてできる限りの施策の裏づけをして、災害ができるだけ少なくなるように、また、起こりましたならば、その被害ができるだけ少ないようにという努力は続けてまいりますけれども、大きな展望としては、ただいま申し上げたようなことであろうかと思います。
○中村(重)委員 まず災害防止という点から問題を取り上げてみましても十分議論の余地はありますけれども、確かに農業政策上の重要な問題点でありますから、この点もまたいずれ適当な機会に御意見を伺ってみたいと思います。
 そこで、具体的な問題点について三、四点お尋ねをいたしますが、先ほど来同僚各委員から御質問がなされたわけでありますけれども、どうも御答弁を伺っておりますと、現在の法体系の中においてはどうすることもできないんだ、これが最大限度だというように受け取られる御答弁であったのであります。たとえば等外麦の買い上げの問題にいたしましても、等外麦の上は買い上げをする、等外麦の下あるいは規格外の麦に対しましては、経済価値があるかどうかということを選別をして、経済価値のあるものは、あっせんをやるとか、適当な措置を講じたい、こういうことであったわけです。その経済価値、商品価値がどういう形できまっていくのか、その価値をだれがどういう方法で認めるか。いまやっているのは、統計事務所等で実はやっておるようであります。私は十四日の委員会におきましても、昨年の長雨の際に政府がとった措置に対して問題点として指摘をしておるわけです。農林大臣が方針として、等外麦の上は買い上げをやるけれども、下については、無収穫であったという取り扱いにしたいということを明らかにされたことを記憶しております。ところが、現実には、焼き払ったものは無収穫であるとして取り扱ったけれども、経済価値のあるなしにかかわらず、収穫したものは無収穫としての、取り扱いをしなかったということが、これは各県まちまちでありましょうけれども、確かにそれがあるわけです。今度私どもが九州各県を回りまして、農林省からも私どもと一緒においでになりましたし、また現地では統計事務所あるいは県その他関係方面の方々も一緒に回ったわけですが、ある農家に立ち寄りまして、むしろに乾燥しておる麦をとりますと、赤カビ病で、全然経済価値はないわけです。どうだろうか、これは経済価値がないということで無収穫扱いをするだろうかということを、昨年の経験からいろいろ尋ねてみますと、これは収穫いたしておりますから、無収穫扱いはしないのです、昨年は確かにそうだった、こういうわけですね。おじいさんとおばあさんがおられた。おばあさんに、どうですか、これは食べられると思っておりますか、こうお尋ねをすると、食べられるか食べられぬかわかりません。そうすると家畜のえさにこれを使えると思いますか。それもわからないのです、若い人たちは焼き払っておるけれども、私たちは焼き払う勇気はありません、若い人たちはほんとうに元気があると思います、ともかくそのまま焼き払ったりほったらかしておくということはできないのです、そういうことをそのおじいさん、おばあさんはこもごも語っておりました。私はそれが農家の方々のほんとうの気持ちだろうと思います。さんざん苦労してようやく収穫する時期になったが、災害にやられた、しかし、それをそのままそこへ放置できない、役に立っても立たぬでも、やはりその取り入れをしたいでしょう。ところが、役に立たないのにもかかわらず、収穫をしておったのだから、経済価値があるのだ。経済価値があるのだではなくて、経済価値ありとして、取り扱うことは全然できないのにもかかわらず、収穫をしておったからといって、共済の対象にもしない、また買い上げはしない、こういうことになってくると、あまりにも農家の方々はみじめではないか、こう私は思います。具体的なそれらの点に対して、昨年の経験もいろいろと把握しておられましょうから、ことしはそうした問題に対してどのような態度で臨もうとお考えになっておられるのか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○中西政府委員 等外上につきましては、午前中申し上げましたように、政府で常設等級をつくりまして買い入れることになっております。等外下につきましては、経済的価値があるもの、それから全くないものと、大きく分けまして二種類あると思います。買い手がつくようなものにつきましては、食糧検査官が立ち合いまして、需要者のほうといわば品定めをする、そのときの格づけ等についてもあっせんをしまして、農協等の納得のいく取引価格でそれを引き取らせるというふうに指導しておったわけですが、ことしもそういうふうにやりたいと思っております。ただ、買い手のほうでえさとしてもだめだ、また食糧としても全く見込みがないというようなものについては、これは幾らあっせんしても買い手がつかないわけで、無価値であります。そういう無価値なものについては、当然保険のほうの取り扱いとしても、たとえ刈り取りはしても、結果として無価値ならば、やはり経済的な意味での収穫はなかったものというふうに扱ってしかるべきものだと考えております。
○中村(重)委員 昨年、等外麦で経済価値ありとしてあっせんをされた数量は大体どの程度になっておりますか。比率でけっこうです。経済価値あるものとしてあっせんをやった、また、ないものとして共済の対象にした、その比率ですね。
○中西政府委員 手元に実は共済関係だけの資料はございますが、保険課長から答弁させます。
○岡安説明員 昨年もやはり大被害がございまして、私どもは、一応坪刈りをいたしまして、その結果、政府の買い入れ対象になるもの、等外上まででございますが、これは当然経済的価値ありと見ました。等外下以下のものにつきましては、昨年の災害の実態によりましてそれぞれ現地において調査をいたしましたのでございますが、その結果の数字を申し上げますと、大麦につきましては、九州各県は等外上以外で経済価値があるものはほとんどなしということで、全部これは損害に見ております。裸麦につきましては、これは多少あったようでございまして、結果の数字を見ますと、等外上を除きまして、等外下以下では大体二%くらいは経済的価値がある、あとはすべて経済的価値なしというふうに判定いたしました。小麦は非常に少量でございます。
 以上でございます。
○中村(重)委員 いまお答えのとおりだと、等外下については大体経済価値がないものだと思う、一%だけあっせんをした、こう言っておりますが、これはほとんど共済の対象にした、こういうことですね。農林省のほうで吸い上げた数字というのはそういうことになっているのでしょうが、現地ではなかなか事情が違っているんじゃないかということなんです。私どもはよく農村地区なんかに入るのでありますが、収穫をした、買い上げの対象には、等外下であるから一応ならなかった、かといって、共済の対象にもならなかったというのが、これは相当の量に達しておると私は思うのです。二%というようなことじゃない。まさか農家の方々が、私どもがいろいろ農村なんかに行って懇談会を開いたりして、事実でないことを言うはずがないと思う。私、数字をつかんでないから、具体的な数字をもって、こういうことをやっているじゃないかということを申し上げる準備がないことは残念でございますけれども、私どもが率直に聞くところでは、そうではない。今度九州各県を回りましたのは私だけではございません。五名の調査団員、しかも現地からそれぞれ地元出身の国会議員も参加をして、一緒に聞いておるのです。だから、あなた方がここで吸い上げられそして把握しておられることと、現実というものは相当違っているのではなかろうかと私は思います。そういう点についてどうですか。そういう現実は違う点があるのだということを、ある程度そう思っておられても、こうした委員会の席上等ではなかなかそういうことは言えないとは思いますけれども、これは官房長からはなかなか言えないと思いますが、政務次官はわれわれと同じように国会議員ですから、いろいろそういったなまの声を聞いておられると思います。やはり施策上検討を要するという問題があるのではないかと思いますが、その点どうでしょうか。
○丹羽(兵)政府委員 ただいま事務当局から数字は申し上げたようなわけでありますが、現実はやはり先生の御指摘のようなことがあらわれてきておる、それは私もよく承知しておるところですが、農林当局が調べて持っておりますのは、共済の対象になっておる面積、共済対象のものをやりますれば、九八%というものがだめだということになっておって、わずか経済価値のあったものが等外下として二%そこそこだ、これは共済というものを対象にして考えておるから、そういう数字が出てくると思います。しかし、御指摘のように、現実問題としては、何にもならないものでも僕民はうちに持ち帰りまして、何とかならないだろうかということを考える。それだけにやはり作物に対する愛情を抱いておる証左だと私は考えております。また、そうしたことがあってはなりませんので、ただいま官房長が申し上げましたように、今後実態をよく調査いたしまして検討を加えてまいって、農民の気持ちを少しでもいたわるような態度にしていきたい、できるだけ詳細に検討を加えていきたい、かように考えております。
○中村(重)委員 問題は、農林省がどういう態度をもって臨むかということ
 でたいへん違ってくると思います。いま政務次官が御答弁なさったように、そういう態度で臨まれて、できるだけ農家の苦しい状態を救済していかなければならぬ、こういうことになってくる一と、むずかしい理屈というものを離れて、これはやはり現実に十分マッチするやり方をしようということになってくる。しかし、そうでなくて、大蔵省も、それはいろいろ財政上の立場から締めつけもあるだろうと思うのでありますけれども、非常に窮屈なやり方をしないで、できるだけ――むずかしい条件に当てはめて、そして買い上げもやらないし、共済の対象にもならない、こういうことになってくると、非常に開きが起こってくる。
 今度私どもが参りまして、率直な農家の声としてこういうことがあった。牛には麦わらを敷かせなければならぬ、だから、これらは全然役に立たないと思っておっても、やはり牛にわらを敷きかえするために刈り取ります。穂がついたまま敷かせると、牛がそれを食べますから、のどに穂がかかる、やむを得ず脱穀をする、脱穀をすると、収穫があったという破り扱いを受けまして、共済の対象からはずされる、こういうことがあった。これが私は現実だと思います。ですから、ことしだけは、いま政務次官がお答えになったような態度を堅持していただきたい。ほんとうに農家の窮状に対し同情と理解をもって対処する、こういうことでひとつ、やっていただきたいということを強く望みたいと思います。いま政務次官の考え方を明らかにされましたから、事務当局として官房長からいま一度、今後に臨む態度について考え方を明らかにしていただきたいと思います。
○中西政府委員 ただいま政務次官からの御答弁がありましたような趣旨、先生の御質問の趣旨、よく理解できました。心がけてまいりたいと思います。
○中村(重)委員 それから共済の問題ですが、これは私からいろいろ多く申し上げなくとも、先ほどの委員も言っておりますが、組合の責任部分の問題です。これは私も先日の委員会で取り上げたのでございますが、先ほどの官房長の御答弁は、国から補助をするということは問題があって、融資をするというようなことを言っておられます。しかし、連年災ということになってくると、事実上農家の異常災害と認定する。昨年のあの災害に対して、保険会計は非常に苦しい、借金をして共済金の支払いをしておるというのが現実だ。さらにまた、ことしのこの災害に対しては、また共済金の支払いというものがふえてくる。昨年の支払いもできないようなところへ、またことしは借金をして支払ってまいらなければならぬということになってまいります。融資だけでは、借金の積み重ねということになってまいりますから、やはりできるだけ国庫補助の道を開くとか、あるいは元利補給を行なうというような取り扱いをする必要があるのではないか。農家が非常に困っているなら、天災融資法等の特例措置ということも考えなければならぬ。やはり共済組合のそうした会計というものも、農家の困っている状態を救済するという立場からそういう結果が生ずるわけでありますから、そういうことに対しては特例措置と同じような何らかの措置を講じていく必要があるのではないかと思いますが、重ねて考え方を聞かしていただきたいと思います。
○中西政府委員 お話しの一割の責任部分の支払いの問題ですが、これはやはり制度の根幹に関係することでございますし、いまここでそれを根本的に直すというのはとても熟さないと思うわけです。そういう意味で融資ということを申し上げたわけでありますが、融資等の措置によりまして、それでもいけないのだというようなことがもしございますとすれば、制度全般について考え直さなければならない。当面、調査を進めまして、損害の実態等の把握につとめておる最中でございます。その過程で、融資等であるいは多くの場合円滑に措置し得るかとも思います。さらに調査を進めてみまして判断いたしたい、かように考えます。
○中山委員長 中村委員に申し上げます。理事会の申し合わせが二十分でございます。なるべく簡単に願います。
○中村(重)委員 早期水稲の不時出穂の問題でございます。これも先ほどの委員からお尋ねいたしておりましたが、これに対しては、全然収穫がなかったという場合には共済の対象にするのだけれども、これを植え直した、こういう場合は、これは共済の対象にはならない。いまの制度からは確かにそうなっておるようであります。しかし、このことは、おそらく農林省も予想していなかったんじゃないか、一つの盲点じゃないかというように、私どもは実は現地を回りまして判断された。この早期水稲は昨年も実は不時出穂があったのではないか、それが気づかなかったのではないかというように思われる。いろいろ農家の方々と話をしてみますと、確かに昨年よりも収穫が少なかった、しかしそれは気づきませんでした、こう言っておられる。その点について技術的にいろいろ研究しておられるのかどうか、そのことをお聞かせ願いたいということです。
 いま一つは、どうも制度は、確かに先ほどの同僚委員の質問に対してお答えになったとおりではございましょうけれども、これはもう不時出穂である。私は農業のことはしろうとでありまして、何もわからないのですが、普通ならば百五十粒とかいうのが実るのです。それが実は二十五ないし五十粒しか笑っていない。全然実っていなければ、そのまま抜いてしまうのです。しかし、分けつをするというような楽しみもあるでありましょうし、それをなかなか抜かない、植えかえをしない、こういうようなことが一つあります。それから、いま言うとおり、植えかえをすると、これは共済の対象に全然ならないのだからというので、それで植えかえをしない。それからいま一つの問題点として、これは一つの矛盾と私どもは思うのですが、全然これを抜いてしまってほかの農作物に切りかえると、共済の対象になるというのです。どうもここらあたりは、制度としてはこうなっているのだという説明を聞かしていただくと、なるほどなと思うのですけれども、どうしても何かここで救済措置というものが考えられなければならないのじゃないか。先ほどは、いろいろ肥料であるとか、農薬であるとか、そういったかかった経費に対しては、県当局とも話をして何らかの措置を講じなければならないのじゃないかという意味合いのお話がありましたが、そういうことだけでは足りないのじゃないか。盲点であったというならば、法律も直していかなければならぬし、やはり何びとが考えてみても農林省のやった措置は正しかったというように納得してもらうようなやり方をすべきではないか。先ほどの官房長の御答弁では、私どもが回ってみました感じといたしましては、割り切れないものが大きな不満として残るであろうと思いますが、そういう点については、いま一度先ほどの答弁から前進した形のお答えをひとつ聞かしていただきたいと思います。
○中西政府委員 先ほどの答弁から前進することは非常に実はむずかしいわけですが、さらに補足的に申し上げますと、苗しろを再仕立ててしましてまた植えかえたというような事態は、今度の不時出穂で非常に大きな現象としてとらえられたわけでございますけれども、一般的に、そういうことは早期水稲だけでなしに、局所的には相当数あり得ることだと思うのです。それを一々確認するということによって保険制度を維持していくということは、非常にむずかしい話ではないか。そこで、不時出穂の今回の場合にたまたま植えかえた、それに被害がなければ、前の分についても被害がなかったものと見なされるということについての不満は若干残ろうかと思います。けれども、それを制度として救いますと、中晩稲等について似たようなケースがありました場合に、さほど大きな被害あるいは災害でなしにそういうことがありました場合に、そのこともやはりバランス上保険の対象に繰り入れていかざるを得ないかと思うのです。そういうことの保険業務としての取り扱いがはたして可能かどうかという大きな心配も実はあわせていたしておるわけでございます。そこで、他の作物をつくった、あるいはそのまま植えかえしないでほうっておいたというときには、保険が実は支払われるわけです。そこで、植えかえた場合については、苗しろの再仕立て等に要する経費について一体どのくらいかかるものか、それの援助を別途助成措置として仕組めないかということを目下検討しておるわけです。ただ、例の不時出穂は、その後聞くところによりますと、相当分けつもあって、安定してきたところもあるようです。そこで、当該県、特に鹿児島県あたりと打ち合わせしまして、どの程度についてそういう苗しろ再仕立てを助成すべきであろうかということについて目下問い合わせをしております。それらの調査を待ちまして今後の根本対策を考えたい、このように考えております。
○中村(重)委員 この早期不時出穂は、その原因は何かというのは非常にむずかしいようです。長雨が主たる原因であったのかというと、必ずしもそうではない。土壌にも原因があるのだろうか、それもないとは言えない。いろいろ原因があるようでありますから、十分研究はしておりましょうが、ひとつ続いてこの点については積極的な取り組みをやっていただきたい。また、ただいま私が指摘した問題についてもなお研究して、今後改めるところは改めていく、こういう措置が望ましいと思います。
 時間の関係がありますので、あと一点だけでやめますが、救農土木事業の問題です。先ほど官房長からもお答えがありましたが、救農土木事業を昨年の上長雨でもやっているところとやっていないところがある。その実施していないところが多いわけですね。どうしてだろうかというと、土地改良事業のみが対象になったというわけです。これを繰り上げ実施をする希望があれば農林省は受けて立つのだ、こういう態度を明らかにされたのでありますけれども、土地改良事業は、やはりきまった一つの計画によってやっておるということになってまいりますと、財政上の問題等もありまして、そうにわかにこれを繰り上げ実施をするということも簡単にいかない面もあるかと思う。農林省だけでお考えになるので土地改良事業というようなことに限定をすることになるのではないかと思う。これを一般土木事業という形にまで広げていくということはどうであろうか。また、農道は純粋な私道でもないし、また公道でもない、こういうことになろうと思うので、これを対象にすることについては問題もありましょうけれども、これもまた、先ほどの等外麦の買い上げの問題ではありませんけれども、非常に農家が困っている現状においては、現金収入の道を開いていかなければならぬ。窮乏している農村が災害でまたさらに収入が減っているということになると、さしあたり現金を入手するということは、そうした救農土木事業に従事する以外にないと思う。それを土地改良事業のみに限定していくということになると、そうした困っている農民を救済するという形にならないと思う。それだから対象事業を拡大していく必要があるのではないか。労働省がおられますとお答えを願いたいと思うのでありますが、農村地区等においても失業者が多い、そういう際に、労働省はやはり労働省という立場からそれらの問題に対しては取り組む必要があるのではないかと思います。また大蔵省としましては、あなたのほうに抽象的にお尋ねするのは無理かと思いますけれども、農民がそういう災害で現金収入が減った、こういう場合に、特に県あるいは市町村で一般土木事業をやるという場合には、救農事業という形で何らか特別の措置というものが考えられないか。私ども今度回りますと、各地で、救農土木事業は昨年度のようなことでは困る、何とかしてもらいたいという主張が強いのであります。また府県によりましては、県単で実はやった、ところが、それがどうも交付税の対象にならない、したがって、県単でやるのにも限度がある、これは何とかそういう点についても考えてもらいたい、ことしだけは昨年のようなことでないようにしてもらいたいという要望が強いわけですから、それらの点に対して、時間の関係上総まくりで実はお尋ねしましたが、関係各省において救農土木事業に対するお考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○中西政府委員 救農土木について、先ほど来お答えしておることでございますが、さらに労働省あるいは建設省等にも連絡いたし、失対事業あるいは一般土木等について適切な事業があれば配慮願いたいという手はずを整えております。それにいたしても、やはり関係府県のほうで、具体的な案といいますか、地元の就労の状況等との関連で適切な計画なりを提出していただきませんと、ちょっと判断しかねる点もございます。それで、そういう点をさらに煮詰めまして交渉していく必要がある、かように考えておるわけであります。
○宮崎説明員 ただいま農林省のお答えがあったようなことでございますが、救農土木事業といたしましては、冷害などについて相当大規模にやった事例は従来もございます。こういう原には、農林省の事業ということでなくして、運輸省あるいは建設省、公共事業実施の各省の予算をこれに振り向けてやっていくということをやっております。今回の長雨災害等につきましては、時期が春から夏場に向かうわけでございますから、冷害とはだいぶ事情が違うと思います。その必要な程度といいますか、あるいはその実態というものにつきましては、なおよく検討を必要とすると思いますが、もしそういうことをする必要ありという判断に立ってやるとすれば、建設省の予算などについてもこれは導入することはできると思います。
○住政府委員 災害地の就職対策でございますが、私どものほうでは、単に安定所による職業紹介ばかりでなくて、災害の激しい地域につきましては、巡回相談所を設けまして、あるいは地元の農業委員に職業安定協力員を御委嘱申し上げまして、いろいろ農家の実情等をお聞きいたしまして、民間のほうとか、あるいは公共事業のほうの就職あっせんについていろいろ積極的な努力をいたしておるのでございます。ただいま御指摘の、特別な事業をつくり出しまして、そこに就労をはかるということにつきましては、関係各省とも御相談申し上げまして、いろいろ対策を考えていきたい、こういうふうに考えております。
○岡田説明員 おっしゃいますように、全国的一般的な問題ではございませんので、普通交付税において考えることは困難であると思います。その意義なりやり方なりについて関係各省のほうの態度がはっきりして、地方財政負担問題が相当のものになってくるということが認められます場合には、今年度末における特別交付税の配分にあたりまして、その団体ごとの財政状況等ももちろん勘案いたしながら検討いたしたいと考えております。
○中村(重)委員 これで終わります。いまの特別交付金の問題ですが、現実に災害が起こっているのですね。そこで、いままでは救農土木事業は農林省だけがやる、要するに土地改良などを団体営の振りかえという形でやっておりますけれども、それじゃどうにもならないからというので、県なり市町村なりが、とにかく農民には現金収入がないというので、実は県単でやっておる。ですから、災害地であるという点を特に配慮して、やはり特別交付税の対象にするということで積極的にやる、こういう態度が望ましいのではないかと私は思います。特に今回の場合はそういう点を配慮願うように強く望みまして、時間の関係がありますから、これで終わります。
○中山委員長 林百郎君。
○林委員 時間の制限がございますので、ごく簡単に答えていただきたいと思います。私のほうの質問も事務的なことに限りたいと思います。
 まず、農林省の官房長にお聞きしたいのですが、長野県の天災融資法の適用の期日は、大体いつごろそのような指示がある予定ですか。先ほど聞きますと、六月十五日ころまでには指示をする予定だということですが、そうですか。
○中西政府委員 努力目標として、一番早くてそのころだと思います。県当局といろいろ詰め合わせが要ります。特に旧市町村別の被害状況等の詰め合わせが要ります。これには通例一週間から十日くらいかかります。そういう意味で、先ほど、来週にかけて被害を確定すると申し上げましたが、その数字が確定した上で旧市町村別に割りつけるわけです。それが一週間から十日くらいかかるのですが、四、五日のことならば、がっちり固めたほうがいいという気もいたします。十五日と明確に申し上げたわけじゃないのですが、中旬には確定したい、こういうように考えております。
○林委員 自治省にお聞きしたいのですが、特別交付金の範囲のことです。これが全くきまらないので、市町村としてもどの程度のものを急場に出していいのか、国会の答弁も、全被害額に対するある一定のパーセントというだけで、それが何%なのか、どういう費目の支出については特別交付金として認めるのかわからぬので、市町村としては及び腰なんです。それにはいろいろの事情もあると思うのですが、たとえば、いま肥料が非常に必要だということで、とりあえず肥料の資金を出してやっておるというような場合、そういうようなものも対象になるのか、それから農林漁業金融公庫からの資金に対して市町村が利子補給をした場合に、これはやはり特別交付金の対象として考えるといっていいのかどうか、さらに、従来災害として出費したもののどのくらいが特別交付金として認められたのか、市町村の報告あるいは自治省に対する申請に対して、その辺の大体めどがないと、われわれも行って責任ある市町村との話し合いができないので、ひとつその辺を教えてもらいたいと思います。
○岡田説明員 御承知と思いますけれども、これは、法律問題そのものと申しますよりも、財政運営の問題だと思います。財政運営の進め方といたしましては、毎年自治省から当該年度の運営方針を流していく、その場合に、たてまえといたしましては、どういう団体にも共通的に必要であり経常的なものを、一部の投資的なものも含めまして交付税――この交付税も、普通交付税をもって補償できることになっておると思うのです。したがいまして、たてまえとしては、よくよくの事由のない限り、特別交付税は年度当初には算入してほしくない、算入しないことが適当である。と申しますのは、当初予算のみならず、その後に、災害を含めまして、当初見込みがたいところのいろいろの経費も出てまいります。そういうふうな弾力性を保持する意味において、特別交付税は、当初はおろか、できれば年度の前半においては計上しないことが好ましいというふうな指導をいたしております。しかしながら、特別交付税そのものも例外的な財源というわけではございませんし、午前中も申しましたように、ある程度は私ども地方団体の固有の財源であるというふうに考えております。したがいまして、不交付団体は例外としましても、交付団体については何がしかの特別交付税は配分されるということは予想されます。したがいまして、当初等には、たとえば県でまいりますと、非常に人口急増とか、客観的にも普通交付税の分として捕捉しがたい、しかもその団体にとっては恒久的な要因を持っているようなもの、そういうふうなものにつきましてある程度の額を計上することは差しつかえない――と申しますか、やむを得ないものというふうな指導をいたしております。しかしながら、いま先生の言われましたような各金融公庫からの融資に対する分であるとか、そういうふうな対策費、それらは少なくとも当初予算において組むことは差し控えられたい、こういうふうな指導をいたしております。しかし、現実に災害が起こった場合には、そういうものも一切組んではならぬということではないのでありますけれども、あくまでも、ある経費に対する特別交付税ではありませんので、できることならば、その団体の普通交付税以上の――それも税上には、ある程度余裕を見ておりますので、その余裕をもってまず充ててもらうのが望ましいのでありますけれども、全体を勘案いたしまして考える場合もあろうかと思います。しかしながら、あくまでも、それはある経費に対するところの財源ではない、その団体の過去の状況とか、あるいはどの程度当初に組まなかったかというふうなことを総合的に勘案して判断すべきものである、かように考えております。
○林委員 結局、出したくない出したくないというような口ぶりで、なるべく出さない出さないという答弁のようだし、また現地の災害に対する市町村としては、目の前に窮乏した農民の姿を見ておりますから、とりあえず肥料を買ってもらいたいとか、あるいは金を借りる、利子のついた金はごめんだと言っておるのに対して、利子補給はとりあえず市町村がするから、金を借りたらどうかということで、末端の市町村は地元の農民との間に血を通わせた行政をしようとしているときに、中央が特別交付金のことについて、そのような特定の費用に対しては特別交付金の対象として考えられないというようなことを言われますと、市町村もちょっと手が出なくなっちゃうんじゃないかと思うのです。ですから、そういうものも計上すれば、そういう要素も加味して特別交付金としては考慮されるというふうなことでも言っておいてもらわないと、あなたの答弁そのまま市町村に持っていったのでは、手も足も出ないというようなことになると思うのですけれども、どうでしょう。
○岡田説明員 ただいま申し上げたのは、一般的な指導の考え方、心がまえでございまして、災害につきましては、その年度の特別交付税の総ワクの許す範囲内で、もちろん総合的に考えていかなければなりませんけれども、災害分についてはできるだけ配慮することにいたしております。ある程度基準等もございますけれども、基準を尊重しながら、災害につきましては、地元の財政に与える影響、あるいはまた、その対策について目に見えない経費も要るものと判断いたしまして、できるだけ早く出すというふうな考え方は、これは従来からも変わっておりませんし、今後とも持ち続けてまいりたい、かように思います。
○林委員 次に、大蔵省と自治省と両方にお聞きしたいのですが、先ほどから救農土木事業というのがよく出てきたのですけれども、長野県なども三億五千万円くらいの農道、林道の建設の計画を持っているのですが、こういう事業の場合に、特別に救農土木事業というような性格を持たせて起債を認めてもらえるかどうか、その点についての考えをひとつ知らしてもらいたい。
○宮崎説明員 救農土木事業といいますのは、御承知のとおり、冷害等で特別に実施いたしましたものでございまして、大体冬季に向かうということで適当な公共事業がないという前提で議論になるわけでございます。したがいまして、翌年度繰り上げとか、そういうことになりますので、特別の財源措置も必要になる、そういう場合が多いのですが、先ほどから議論になっておりますように、今回の災害に対する問題といたしましては、ちょうどこれから公共事業は最盛期でございますので、それを地域的、時期的に若干調整すればいいんじゃないか、こういう考え方で進んでおると思います。したがいまして、財源的な問題といたしましても、通常の起債の取り扱いというようなことで見られるものは見ていく、こういうことで措置し得るのではないか、こういうように私どもは考えております。なお、特別な財政上の事情があって、どうしてもさらに手厚く見なければならぬというような問題が具体的にございますれば、そういう事業も検討してみたいと思います。大体ただいまのところとしては、現在までの一般的なやり方で時期的な調整なり地域的な調整をやればやれるんじゃないか、こういうふうに考えております。
○岡田説明員 単独で行ないました場合の起債については、いまのところそこまでは予定されておりませんけれども、補助で行ないますものにつきましては、それが従来の詮議方針に乗っかってまいります限りは、補助事業債として対象にし得るものというふうに考えております。なお、そこら辺の事業のために相当の財政負担がふえてまいります場合には、先ほどから議論になっておりますように、特別交付税の場合にも検討はいたしたいと思います。
○林委員 ちょっと労働省に先ほどの答弁でお聞きしたいのですが、こういうような収穫皆無で、たとえば開拓地などでもトマトやバレイショが収穫皆無で、全然この十月まで収入の見込みがない、したがって、生活をするためには、とりあえず何か現金収入の道を求めなければならないというようなことで、いま労働省で答弁されたような仕事に携わる場合には、失対の登録か何かしてなくても、そういう仕事に就労のあっせんがしてもらえるのですか。それとも、とりあえず失対の登録をして、登録手帳を持って紹介を受けるようになるのですか。
○住政府委員 現在のたてまえは、御承知のように、中高年の失業者に対しまして特別の就職促進の措置を講じまして、できるだけ民間の安定した雇用に就職していただく、こういうたてまえになっております。しかしながら、それでもなお就職できない、そういう場合にやはり就労の機会をつくるということが失業対策でございますので、そういう就職促進の措置を講じてもなお就職できない方は、失業対策事業に就労していただく、こういうようなたてまえになっております。
○林委員 そうすると、失業対策に就労する場合は、特別な登録をして失対手帳を持って毎日紹介所に行く、そういうふうな手続をとるわけですか。
○住政府委員 いま申し上げましたように、現在の体制ではそのような手続をとります。
○林委員 わかりました。
 あと二点ほど農林省にお聞きしたいのですけれども、天災融資法の三条の国庫補助のことなんですが、これは一体いままで実際運用されておるのかどうか。どうも農協あたりで、こういう制度があっても出し渋っておるというのですけれども、いままでどのように実際に運用されておるのか。一方では、借りるほうは、利子がつくので心配しておるのですが、しかし、これによると、利子補給をして、国庫補助があるわけですが、実際どの程度運用されておるのか。せっかく制度があるのですから、その説明をしていただきたい。
○中沢説明員 ちょっと予算がすぐ頭に浮かんでこないで恐縮でございますが、実際運用されております。たとえば全国で過去損失補償は七億ほどいたしております。実際に運用されております。
○林委員 積極的にこういう制度があるから農協で直ちに金を出してくれ、政府でも利子の補給については保証するし、損失の補償という制度があるからと、農協のしりをたたいて金を出させてもいいですか。あとになって私が責任を負わなければならないということになるとたいへんですから、だいじょうぶでしょうか。あなたの責任ある答弁を聞いておきたい。
○中西政府委員 定められた手続に従って正確にやってくださる限り、絶対にだいじょうぶでございます。
○林委員 気象庁の方にお聞きしたいのですが、先ほど気象庁の答弁でいろいろわかったのですけれども、例年凍霜害を受けるところが大体きまっておるわけなんです。きまっておるところが、毎年、ことしも凍霜害、またことしも凍霜害ということで、これに対する気象庁のもう少し農業気象に対する配慮と、気象に対する農民の知識を向上させて、それに対する対策を何とか指導してもらったら、大きなものは別としても、もう少し農民が科学的な処置がとれると思うのですけれども、そのことについてどうお考えになるのですか。たとえば霜道というものがあって、毎年この畑は霜にあたるということがきまっておるというのですね。ですから、それに警告を与えていただいたり、そういう畑についてはどういう心がけをしておけばいいかというような指導が全然気象庁からないので、農民はただ自分の従来の知識で自然と戦っておるという形なんですけれども、何かその辺について考慮はされておらないでしょうか。
○畠山(久)政府委員 いわゆる凍霜害を受ける地域がきまっておるということは、お話のとおりだと思います。大体一般的にいって、朝の温度が低くなる、といいましても、特に低くなるというところは、いま言われましたところの霜道というのは、冷たい空気が流れ下がってくるというところなんですが、そういうところでありまして、それからまた、一般的にいえば、わりあいに高度の高いところということになりますが、全般的にいって、朝の温度が下がる、そういうときに特に凍害霜害を受けやすいところがきまってくるというのが一般的な傾向だと思います。そういうときにどういう対策を立てたらよろしいか、これは気象庁だけではできませんので、先ほどこの席でも申し上げましたが、農林省及び県のそういうところの方たちと共同で、ただいまは、地方農業気象協議会といいますか、そういう組織、それから東北全般につきましては、地域農業気象協議会、そういう組織で、どういうように末端の農民に指導し、情報を漏れなく流すことができるかということを、その協議会を通じてやるというやり方でやっております。それから平生にも、農民に対しての啓蒙といいますか、そういうことについては、できる限り気象台の職員を派遣するようにしまして、そういうことにはつとめております。いずれにしましても、この問題は、個々の実際農業をやっておる農民の方たちが自覚して、こういう天気になってきたということでやられることが一番大事なんだろうと思います。そういう注意を喚起するようなことは、私どものやれる範囲でできるだけはやってまいりたいと思います。
○林委員 気象庁にお願いしたいのですけれども、私たち長野県へ行って今度の凍霜害の農民と接してみて、気象庁が気象についてあらかじめの注意とそれに対する適切な指道守、そういうものがとうてい考えられないわけなんですけれども、たとえば風のあるところは霜が案外当たっておらないというようなこと、これは長い間の苦しい経験で農民が言っているのですが、同じ並んでいる畑でも、ある畑は凍霜害を受け、ある畑では凍霜害を受けておらないという実情があるわけなんです。予算の関係もあると思いますが、そういうことならばわれわれも予算に協力いたしますので、もう少し農業気象の点で、たとえば、きょうは凍霜害がありそうだという警報があったら、同時にそのテレビ版に、何度から何度の地域のどういう作物にはこういう処置をされたらどうだとか、何度から何度以上のものはこういう処置をされたらどうだということを、あのテレビ版に一ただ凍霜があるというだけではどうにもしようがないわけですね。それはあなた方学者ですし、長い間の歴史的な経験の蓄積があるわけなんですから、それをやはり農民に分けてやるという意味で、もう少し親切な、事前の、自然の災害に対する気象庁としての指導が必要ではないか、こういうように思いますので、先ほどの御答弁でいろいろおっしゃっているようですけれども、科学的な知識に恵まれていない農民のために、農業気象の指導をもっとおやりくださったらどうかというようにわれわれ痛切に思いますので、ぜひ今後強力にそういう指導をしていただきたい。また、そのために予算が必要なようでしたら、国会も全面的に御援助申し上げたいと思いますので、その点を、意見を申し上げながらあなたの御答弁を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○畠山(久)政府委員 ただいまのお話御趣旨はよくわかりました。われわれの手で直接できますことはやりますし、それから関係のところと協力してやることは、そういうようにしてやるようにいたしまして十分考えたいと思います。
○中山委員長 保科善四郎君。
○保科委員 私、気象庁長官に、いまの問題と同じ種類の問題ですが、お伺いしたい。
 ことしはたいへん異常な気象で、冬、非常に春のようなあたたかい日があった、そうして今度の凍霜害になったわけであります。私もかって海軍におりまして、気象問題は相当深刻に取り組んでおったわけでありますが、いまのお話があったとおり、確かに船に乗って航海をしておるとか、そういう者には、命にかかわるのですから非常に気象に対する関心が強いわけですが、一年に一回しか収穫を見ないような重要なる仕事を持っておる農民が、気象に対する関心というものが非常に薄い。近ごろはたいへんに気象通報等もよくできて、予報等はよくやられますが、今度の災害の場合も、大事な点になると、関心を起こさせるような気象の通報がなかったということが、非常に大きいこういう災害を起こした一つの原因になっていると思う。ただいまも長官からお話がありましたが、これはやはりわれわれ国会も十分に協力をいたしますが、やはり農民が災害を未然に防止し得るような気象に対する関心をもっと持たすようにすると同時に、農林省等においてもやはりそういう指導が必要だろうと思う。この問題に関連しまして、今度の災害で激甚災害地の指定に関連して、四月末と五月初旬のこの凍霜害が独立しているものかどうかということについて議論があるようであります。私の常識をもってすれば、これは大きい日本に今度襲来した天候異変の中の一つの事象であって、当然私は関連を持っているものと思うのですが、この点に対して長官の御意見を伺っておきたい。
○畠山(久)政府委員 四月の下旬と五月中旬の低温が同じ現象であるか、関連した現象であるかということになるのだろうと思いますけれども、それは、移動性の高気圧が日本の上にきたということで両方とも起こっているのでありまして、その移動性の高気圧は、四月下旬のものと五月中旬のものとは違う移動性の高気圧なのですけれども、そういう移動性高気圧は毎年毎年何回もくるものでありまして、それがきたときに低温を起こすかどうかというのが問題なわけなんです。それで、ことしはそういうことが四月の下旬、それから五月の中旬、五月の下旬になりましてまた局部的にあったわけですけれども、かなりの災害を起こすものが三回もきたということは、やはりことしの気象状態が異常であるということの一つのあらわれだろうと思います。
○保科委員 いま長官の見解の発表があったとおりでございまして、私も常識的に見て、ことしの天候が一連のそういう異常天候の結果だと思うのです。したがって、先ほどから、それぞれ関係当局が親切に御返答をして、その見解を述べておられますが、いずれにしても、こういう異常天候の影響を受けて農民がたいへん困っておられます。したがって。当局のこれに対する心がまえは、ほんとうに農民の味方になって、できるだけお見舞いの気持ちをもってこういう問題を処理していただかぬと、せっかく総理が、農業なり中小企業に対して革命的な政策を実行するのだと言うても、実際の問題はさっぱりそれに伴わないということになるわけです。これはやはり大蔵省も農林省もそういう気持ちで、できるだけこの罹災民にあたたかい見舞いの気持ちで処理してもらうというようなぐあいにやっていただきたいと思うのです。ただいまの気象庁長官の御意見によりますと、はっきりしてきたようでありますが、どうですか、農林省と大蔵省当局に伺いたい。
○中西政府委員 まあはっきりしてきたように受け取るのです。全くはっきりしたかどうかということになると、なお検討もしなければいかぬと思いますが、しかし、お気持ちを吐露していただいて、私どももそういう心がけでいろいろ法律の運用等もやらなければいかぬわけですが、何ぶん、具体的な問題につきましては微妙な段階にあるわけです。上司、特に大臣等ともよく相談いたしまして善処いたしたいと思います。
○宮崎説明員 ただいまの御意見拝聴しておったわけでございますが、基本的には十分尊重して私どもも対処したいと思います。具体的な、五月中下旬の災害を四月下旬の災害と一緒にするかどうかという問題は、ただいま気象庁のお話もありましたように、従来の取り扱いとの関係でなかなかどうもむずかしい点もございます。なおよく農林省のほう、気象庁のほうと御相談をして善処したい、こういうふうに思います。
○保科委員 従来の考え方ではいままでのワクを出ないだろうと思うのです。農業基本法に従って革命的な政策をとるというのですから、そういう意味合いで、農民に希望を持たせ、離農するような青少年が少なくなるように、政策を実行する人も協力していただかぬと、幾ら農業基本法をつくってみたところが、実際の問題はさっぱりそれに伴わないのでは何もならないのですから、そういう気持ちで、大蔵省当局も、さいふのひもを締めるのは全く同感ですけれども、そういう気持ちでひとつやっていただきたいと思います。
 やはりこれに関連する問題ですが、樹勢回復と病虫害の予防に関する助成措置の問題です。これは非常に零細であって、会計検査院から何か指摘されたとかいうようなことで、非常に消極的になっておられるようでありますが、一括して県に渡すとかいうような措置をとるとか、あるいは法律の改正をするとか、いずれにしても、もう農民は、特に東北地方あたりは貧乏で非常に困っているわけです。そういうのに勢いをつけてそうして意欲を持たせるためには、こういう場合にはお見舞いをしてあげるという気持ちが非常に大事でありますので、こういう点についても、消極的にならずに、少し積極的な気持ちで処理してもらいたい、こう思うのですが、この点に対する農林省と大蔵省当局の御意見を伺っておきたい。
○中西政府委員 いろんな機会にその話が出るのでございますけれども、補助金といいますと、これは見舞い金的な、つかみで勢いをつけるというふうな運用には実はできないわけです。補助金ということになりますと、この金で何を幾ら買っていただきたい、たとえばそれの二分の一の補助である、あと二分の一の分は当該市町村なり、あるいは地元の農業団体なり 農民なりに負担をしていただいて、的確にその物件が消費されるということを追及していくことを含めて全体が補助金の体系になっておるわけです。ところで、農薬と肥料の問題は、単に零細だからどうだということではなしに、過去の例を見ますと、率直に申し上げて、その目的どおり使われておる市町村もございますけれども、目的どおりに使用されてない市町村が相当数に上るわけです。過去において使用してしまった肥料あるいは農薬についての補助金であるということで、帳面づけとかあるいは実態とのつき合わせ等において、どうも真実でない場合が多い。むしろ極端な場合には、肥料にもならなかったし、農薬にもならなくてその金が使われてしまうということもあるわけです。そのことは、われわれ行政を担当しておる者として、末端でそういうような事件が起こる原因になるような考え方をあえてとるということは、とても勇気が出ないわけです。そこで、そういうふうな非違なり不当事件が起こらないようなことを考えざるを得ない。前向きに、スピードスプレヤーがどうだとか重油燃焼器がどうだということをるる申し上げておるのですけれども、これは的確にいくものでございます。そこで、そういうことに力を入れて、行政上の末端での不当あるいは不正事件が起こりがちなものは、そういう制度からはずすのがやはり本筋ではないか。そのかわり、必要なものはつけていく、むずかしいものはつけないという、項目別の振り分けが必要でないかということを考えまして、申し上げておりましたような特別交付税で措置するのがこの際一番いいのではないかというふうに現在では判断いたしておるわけです。そのことは、何もかも全部金融でいくのだとか、農林省は補助金をきらっておるのだということは全く別の問題で、そういうような配慮とは別に、行政テクニックとしてやむを得ないのではないかということを考えておるということを申し添えておきます。
○宮崎説明員 ただいまの農林省の意見と大体同様でございますが、三十三年までそういった補助をいたしましたけれども、非常にいろいろ問題があったということで、ただいま農林省のほうからお話しの方向に大体切りかえられてきておるわけでございます。一昨年の豪雪の際なども、やはりそういった問題が起こりましたけれども、特別交付税で処置をしていただいた例もございます。結果的には、地方公共団体の災害に伴う地方負担については、これは国の補助金、それから地方財政上の措置という車の両輪のようなものでありますが、こういうことで大体円滑に実現ができておる、こういうふうに考えております。
○保科委員 両当局の御意見を承りまして、これは方法はどうでもけっこうですから、とにかく困っておる農民が、国家の法律で受け得るようになっておるものを適当にやれるように、ひとつぜひお願いをいたしたいと思う。
 私の質問はこれで終わりますが、実は今度の災害対策はたいへん早くやっていただいて、災害民も非常に喜んでおったところが、最終的な段階になると、実行はたいへんおくれているわけです。ぜひこれを促進していただいて、早く罹災民が喜んで災害に打ち勝って働いていけるように、格別なる当局の御努力を要請しておきたいと思います。どうもたいへん長い間御配慮をいただいて、罹災民にかわって厚くお礼を申し上げておきたいと思います。
○中山委員長 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時二十二分散会