第046回国会 地方行政委員会 第55号
昭和三十九年六月十一日(木曜日)
   午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 森田重次郎君
   理事 田川 誠一君 理事 渡海元三郎君
   理事 中島 茂喜君 理事 永田 亮一君
   理事 藤田 義光君 理事 川村 継義君
   理事 佐野 憲治君 理事 安井 吉典君
      大石 八治君    奧野 誠亮君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      久保田円次君    武市 恭信君
      登坂重次郎君    村山 達雄君
      山崎  巖君    和爾俊二郎君
      秋山 徳雄君    阪上安太郎君
      千葉 七郎君    華山 親義君
      細谷 治嘉君    湯山  勇君
      栗山 礼行君    門司  亮君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 赤澤 正道君
 出席政府委員
        警察庁長官   江口 俊男君
 委員外の出席者
        警  視  長
        (警察庁刑事局
        捜査第二課長) 関根 広文君
        警  視  長
        (警察庁保安局
        保安課長)   海江田鶴造君
        検     事
        (刑事局刑事課
        長)      羽山 忠弘君
        専  門  員 越村安太郎君
    ―――――――――――――
六月十一日
 委員重盛寿治君辞任につき、その補欠として湯
 山勇君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員湯山勇君辞任につき、その補欠として重盛
 寿治君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 警察に関する件(松山市における暴力団事件に
 関する問題)
     ――――◇―――――
○森田委員長 これより会議を開きます。
 警察に関する件について調査を進めます。
 松山市における暴力団事件に関する問題について質疑の通告がありますが、順次これを許します。湯山勇君。
○湯山委員 私は、ちょうどこの事件のあった当日、松山におりましたし、この与件のあった場所は、私の家から大体五百メートルばかり離れたところでございます。で、現地の事情も大体わかっておるのですが、この前のときには、警察庁側のほうで十分な報告を受けていなかったということで、御説明に欠けていた点もあるんじゃないかと思います。つきましては、最初に、その後前川に追加して委員会に御報告願うことがあれば、まずそれからしでいただきたいと存じます。
○関根説明員 お手元に「松山市における郷田会と矢嶋組の猟銃、けん銃使用による対立抗争事件」というのを資料で配付しておきましたが、さらに若干こまかい点につきまして、報告を受けておりますことで印刷に間に合いませんでしたことをつけ加えまして御報告申し上げます。
 まず、事前に警察が情勢を把握しておった状況についてどうか、こういう点でございますが、矢嶋組が松山市に進出しておったというふうなことを警察はいつ、どの程度に知っておったか、こういう問題につきまして報告を受けておりますことは、矢嶋組――組長矢嶋長次――という団体でありますが、松山市の大手町二丁目二十二番地の大陸ビル、経営者古川という人のビルでありますが、その一部屋をことしの四月二日、八木保、これは矢嶋組の関係が現在あるようには聞いておりませんが、八木保という人の名義で敷金二十五万円、家賃五万五千円で借り受けまして、電通局の下請業者として認可をとり、事業を行なうべく協同電設株式会社という看板を掲げて、この矢嶋組の幹部の片岡正市たちが出入りを始めておったのであります。しかし電通局の下請業者としての認可をとるべく奔走しておりましたが、下がむずかしいというような事実を四月の十日ころ松山の東警察署において探知をいたしまして、その探知した状況に基づいて内偵しておりました。かような実情であったのであります。それから六月一日に東雲ビル、この前申し上げましたが、このビルを借り受けておったことについて警察はどうかということでありましたが、これは六月一日に入居契約をいたしまして、実際には六月三日に入居したということが判明いたしましたが、この点につきましては事件発生の当時には警察は承知しておりませんでした。また六月五日、この事件の前々日の夜に第一事件とおぼしき事件があったのでございますが、警察がこの事件を知っておればもっと的確な手を打てたのではないかということもございましたが、この点につきましては、その状況は事件発生後取り調べによりまして承知したのでございます。その事件と申しますのは、松山市内のバー「村はずれ」というところの前で矢嶋組員と郷田員にがいさかいをした、こういう事件でございましたが、たまたまバー「村はずれ」というのは郷田会長の関係のある女性が経営しておるところでありまして、ちょうどそこで下作が起きて、また逆行した場所が郊外の右手川の堤切に連行した、こういうことで、比較的目に触れにくい、また情報が入りにくい、こういうことで第一のいさかいがあったことについては警察は承知することができなかった、かような実情でございます。
 それから矢嶋、郷田の両組が、かような矢嶋組の進出をめぐりまして、若干不穏な形勢があるということを承知しておりながら、警察はどういうふうな手を打ったか、こういう点につきましては、矢嶋組が松山市の大手町の大陸ビルを借り受けまして進出してきたことを四月十日ごろに探知をしたのでございますから、この矢嶋組が県外の団体と関係があるというふうに警察ではかねて見ておりました関係上、こういう県外団体との関係などを排除する必要がありまして、そういう方面とも連絡し、あるいは動きの内偵ということについてつとめておったのでありますが、さらに郷田会のほうにおきましても、悪い感情を持っておるということがわかり、視察を継続しておりました。しかしながら、いま申し上げましたような対立抗争の具体的な事件が起きるという点について、十分な情報というものは承知しておらなかった、かような状況でございます。
 次に、抗争の事件の状況でございますが、現在まだ取り調べ中でありまして、その取り調べを通じて関係者の自供も若干食い違う点もあり、真相を全部完全に把握しておるという状況ではございませんが、現在まで取り調べの結果、一応こういう状況だろうというふうに承知しておりますのは、まず、矢嶋組側におきまして、阿部という人間を拉致したのでございますが、拉致をすることについて、いつごろ計画を立てておったかというふうな点につきましては、現在までの調べでは、先ほど申したような六月五日の事件がありまして、その翌朝東雲ビルで矢嶋組の組員数名が、前の事件について協議をした末、矢嶋組がやられたのも同様だ――こういうことはよくあることであります 、相手方に対してほうっておけない――通常ほうっておけないということは、こういう団体の者にとりましては、不法な実力行動を起こすことになりますが、そういうことで、ほうっておけないということに意見が一致して、そうして矢嶋組の片岡という人物が郷田側に掛け合うということで、六月六日、事件前日の昼前ごろに、市内の喫茶店で郷田側の幹部と話し合いをしたということがわかりました。現在のところ、その話し合いは物別れとなったというように聞いております。
 そういう状況で、事件の当日、六月七日の朝を迎えたのでありますが、六月一七日の朝、東雲ビルで矢島組の関係者数名が謀議をいたしまして、人質をとって郷田の会長を呼び出してやっつけようというふうな話し合いをした。こういうふうなことで、この事件のかたき討ちをとってやろうということになったように聞いております。
 現在までの調べでは、その関係者の武器はどこから入手して準備したのであろうかという点につきましては、現存のところ自供をいたしておりません。なお追及をしておる次第でございます。
 なお、郷田会から押収した猟銃は、前回も申し上げましたが、いずれも無許可、不法の所持でございます。
 それから、郷田会の側におきまして、阿部という人間が拉致されたという状況を詳しく聞いてみますと、六月七日の十一時半ごろに、郷田会の事務所に矢嶋組側から電話がかかりまして、阿部を人質にとっているから東雲ビルまで連れにこいというふうな電話がかかった。この電話を受けました、一々名前は申し上げませんが、郷田会の組員の一人が、他の三名とともに、猟銃二丁、拳銃一丁を持って、平素郷田会が使用している乗用車二台に二人ずつ分けて乗りまして、その一人ずつが運転して現場に行った。現場に行く、こういうことについて、計画、準備あるいは指令を受けていないか、どうかというふうな点につきましては、現在なお捜査、取り調べ中でございます。
 車は、いずれも詳細申し上げませんが、郷田会の幹部の所有名義になっております。
 事件の現場でございますが、湯山先生は私どもより現場の地名、それから状況を詳しく御存じでございましょうが、私は報告を受けた点に基づいて申し上げるので非常に何でございますが、この撃ち合った事件の経過につきましては、午前十一時五十分ごろ、東雲ビルの西側の通りを北に向かって四名を乗せた二台の車が、歩いておりました矢嶋組員の二名と遭遇をした。矢嶋組の組員の二名がそれから北のほうへ逃げて行くのを、郷田会の華がこれを追っかけて行って、丁字路と書いてありますが、そこで互いに数発撃ち合った。それからなお、その付近で、逃げて行く矢嶋側の人間を郷田側のほうが追跡して行き、さらに三十メートルくらい行った現場で猟銃、拳銃を双方で撃ち合い、そのあとこの二名の者は東雲ビルの中に逃げて入った。郷田会の会のほうの乗用車二台が東雲ビルの路上に来たときに、ビルの三階の窓から矢嶋組側の数名の者が、郷田会の会員の車めがけて拳銃、猟銃を数発撃ち込んだ。どちらが先に発射したとか、どうだこうだということにつきましては、現在詳細取り調べ中でございます。
 なお、ビルに立てこもっておった矢嶋組側が、阿部を人質として郷田会に対してどういうふうな働きかけをするつもりであったかというふうな点につきましても、現在のところは、矢嶋組の松山市に出てきた組員の大部分は、市内の地理にうとい。郷町会にやられてはいけないということで、そのビルの三階に立てこもっておった。人質をとってありますので、郷田会のほうから組長が受け取りに来たときにやってやろうというふうなつもりで立てこもっておった、とこういうふうな状況でございます。
 さらに、その後の時間的経過につきましては、先般簡単に申し上げましたが、十三時三十分ぐらいから十四時ぐらいまでの間に、矢嶋組の立てこもっておった組員がお互いに拳銃、猟銃数発を、人のいない路面に威嚇をして発射をした。警察が出頭を要求したことは前にも申し上げましたが、警察の出頭要求には応じないという状況が続いたのであります。
 そのほか現場におきまして警察官が集合し、相手方と対峠をし、現場の指揮官の判断でいろいろな準備をしながら警察側の態勢の整うのを待ち、負傷者を出さないように逮捕の目的を達することを考慮して、かなりの時間がたちまして、四時ごろに至りまして逮捕を完了した。逮捕の際、警察側に軽い負傷者も出た。かような状況につきましては、若干時間的経過も聞いておりますが、前回申し上げましたことにたいして追加することはございません。事件の現場の指揮の判断と問題点、これは警察側におきまして現場の判断をするにつきまして、矢嶋組員が狭いビルの一室に立てこもっておるとか、あるいは銃器を持っているのではないかということから、説得をして逮捕するのが最良の方法だ。かように判断をいたしまして、パトカーの広報マイクによって説得するとか、たび重なる説得にも応じない者につきましては、催涙弾を発射してこれを逮捕した。時間がかかり過ぎたかどうか、この点につきましては確かに一般の方々が不安を覚える状況というのは察知できるのでありますが、慎重にものごとを行なうということの、慎重さの加減が、こういう現場の判断の場合には非常にむずかしい、こういうことで、一般の方々に不安を与えたというような点につきましては、私どもも、もっといい方法がなかったか、どうかということを総合的に調査をしたいと思っておりますが、現在のところ報告を受けております状況では、私どもが慎重にやるということについて成功した。この点と、それから時間がかかり過ぎたということについてのかね合いというものは非常にむずかしいと判断をしているところでございます。
 以上が前回申し上げました事件報告の追加でございます。
○湯山委員 その後これに関連して、県外のそういう団体が動いたということが伝えられておりますが、それについての情報は御把握になっておられるかどうか。
○関根説明員 いま申し上げましたように、矢嶋組というのは県外の団体とかねて友誼関係があり、郷田会員につきましても多少の縁故関係があるやに見受けられるのでありまして、関係府県、または近畿、中国、四国の各府県で情報を連絡し合いまして、当日の愛媛県内の友誼団体が若干、それから香川県から若干が松山市内へおもむいたということを把握いたしましたので、いずれも県外の団体についてはまもなくこれを県外に去ってもらうという方法、あるいは県外団体の動き等に応じて松山市及びその周辺の警戒体制を厳にするということ、そういった繰り返しをいたしまして、逐一申し上げませんが、現在までのところそう多くはございませんが、兵庫あるいは香川あたりから若干の友誼団体とおぼしきものが愛媛のほうにまいったという状況を把握しております。またそのうちの一つに、大阪から多数の暴力団員が、松山の事件の応援とおぼしく、るり丸という船に乗って松山に向かったという状況がございまして、これに基づいてかなり大がかりな警戒を愛媛県警におきましてはとったのでございますが、この点につきましては情報の把握が若干的確でございませんでして、結果的には幸いでございましたが、そういう暴力団大ぜいが乗っておったということではなく、他の非常に似たような名前の会社の社長が松山にまいるのを誤認した、こういう事件もございました。なお、その際に、兵庫県から友誼団体の団体員とおぼしき者数名が乗っておるということを確認し、これはその場でいろいろ説得し、間もなく平穏に退去した、こういうふうな事案もございます。そういうことで若干の動きはございましたが、おそれられるような人員が、現存も松山市内に向かいつつ集合しておる、こういう状況はわれわれ報告は受けておりません。
○湯山委員 なお、いまの問題に関連しまして、高松からそういう情報として何名かの人が船で着いたので、任意同行を求めて、説得によって引き取ってもらったというようなことも伝えられておりますが、これも事実でございますか。
○関根説明員 いろいろございましたと思うのですが、事実そういうようなことはあったように記憶しております。
○湯山委員 それでは、まずお尋ねしたいのは、現地の事件そのものについて最初お尋ねいたしたいと思います。東雲ビルというところの前には、非常に大きな道路がございます。中に緑地帯もございますし、向かいの家までの距離は相当あるというような状態のところであったし、ちょうど日曜のお昼ごろで、私も近くで会議をしておったのですけれども、サイレンが鳴りましたので火事じゃないか、自分のうちのほうもそちらの方角ですから、火脚かどうか確かめてみますと、一向煙も出ていないから、何かほかのことだったんだろうと思って、会議を続けたようなことでございましたが、非常に広い道路が前にある。それから東雲ビルの近所は、その隣というのはそう密集しておるところではないと思います。ちょうど日曜日のお昼ごろで、子供もたくさんいますし、人もたくさん出ている、そういうようなことからいま御報告にありました当時警察のとった態度、これはあくまでもけがをさせないようにする。それから説得によって逮捕するということで、慎重にやったということについては、それは当時の状況から判断して、当然そうあるべきだろうということを私ども考えます。ことに近所の人は、相当心配もしておりましたけれども、通りがかりの人の中には、ロケでもあるのじゃないかというような錯覚を起こしたり、一つには、一方がそういうことをすれば、警察のほうはすぐ犯人といいますか、当事者を撃ち殺してもいいから、早くつかまえろというような気分もあったと思います。これもいなめないとして、ともかくも全体として当時近くにおった人からの話を聞きましても、あのときはああいうことでいいんじゃないかというようなことが言われておりまして、全体としては警察のとった措置については、私はそれをどうこうお尋ねする必要もないし、おおむね適切であった、このように思います。ただ、いまの御報告等を通じてわかりますことはいろいろなところへ相当大きなつながりを持っておる。それらの問題を、これは単に松山署でやるとかどうとかでなくて、警察庁としてしっかり御把握になる、そういう必要があるんじゃないかということを思いますが、そういう点についてはいかがなものでしょうか。
○関根説明員 ただいま実は松山市内の事件につきまして、警察の措置が非常に悪かったとおしかりを受けるのではないかという気がしたのでありしますが、その点につきまして非常に御理解のある御発言がございましたことは私ども感謝しております。
 根本的な問題といたしまして、暴力団が、友誼団体、関係団体の間のそういう対立関係が非常に多い、こういう実情、これに対して連続的な警察庁における基本的な対策、こういうことについてのお尋ねでございますが、実は対立抗争事件というのはもっぱら暴力団関係者同士のいさかいでありまして、これがなわ張り争い、その他資金源等の争いにつながることは当然でございます。昨年はこれが非常に多く、しかもそれが、いま松山の事例で申し上げましたよりも、はるかに広域的な組織間の連絡を持つ抗争事件が多かった。それで、そういうことは非常に問題でございまして、警察庁といたしましても、昨年は九州、近畿等を中心とする大きな系統団体の間の抗争事件が多いということに対処いたしまして、各府県間の連絡会議あるいは係員の連絡協調の体制、そういったようなものを強化する方向に実は努力をしてまいったのであります。本年におきましてもこの傾向が続く、さらに激しくなるという見通しのもとに、警察庁のほうにおきましても、全国的にそういう大規模な団体を特に重点的に把握するという方向で関係者一同は作業を行ない、あるいは連絡協調の体制をとるというふうにつとめてまいりまして、幸いに松山事件が起きますまでは、前年に比較いたしますと、広域的な対立抗争事件の発生の度合い、発生の規模というものははるかに少ないというふうに判断してきたわけであります。それと申しますのも、一がいに暴力団体が力を弱めたということではなく、私どものそういう協調連絡、情報の交換、それから暴力団体の動静に対する把握のしかたということにつきましても、若干は改善されつつあるんだなというふうなことを感じておったわけでございますが、そこで松山事件が起きたということでございます。
 松山の両団体の対外的な、県外の友誼関係あるいは県内の友誼関係につきましては、いまばく然と申し上げましたので、個々の団体の氏名は避けましたので申し上げませんでしたが、ある程度何県の何団体と矢嶋組が友誼を通じておる。それから下部の組の発展と申しますか、組の歴史の中で他の暴力団との関係はどうであったかということは把握してきておるのでございますが、その把握した状況に基づいて各府県間の関係団体の情勢を把握するということを、今度の場合においても行なったわけであります。さらに把握しておった点が、今度の動きを通じてもまたよくその流れがわかる、こういう結果も生じましたので、事件が起きなくても、そういう広域的な団体のつながりの状況につきましては把握する体制を強めますが、事件を通じてわかったことなどによって、さらにまた各府県等の連絡協調を密にする体制を私のほうにおきましても進めて、将来一そうこういう団体の友誼、対立関係というものについての査察関係を強化してまいりたい、かように考えております。
  〔委員長退席、永田委員長代理着席〕
○湯山委員 いま松山市民の不安は、むしろそういうところにあるわけです。と申しますのは、いま御報告にありましたように、小さな飲み屋の中で起こったできごと、それが今度はこのままではほうっておけないということで、川の土手まで引っぱっていってやる。それが今度はいまのアパートへ立てこもって撃ち合いになる。その背後に、またいまのように、この事件があった直後に県外からそういう団体がやってくる。伝えられたのは、いま御報告にもありましたけれど、大阪から何か六十名ばかり船で押しかけてくるのだというような情報で、これは後に同じような名前の会社の観光団か何かだとわかりましたけれども、ともかくもそういうふうに、これではほうっておけない、ほうっておけないということが、そういう大きなつながりを持っている関係上だんだん大きくなって、いまのような規模ではなくてもっと大きい規模のものがどんどん発生していく。そうなったらたいへんだ。そういうことについての警察の態度については、これは相当批判がございます。それをどうして防止できないのか、どうして取り締まりできないのか。むしろそこにあるのであって、今度のようにアパートの中で逃げおくれている人もあるし、それから日曜日で人がたくさん集まってきておるというようなときに、無理をしてけが人を出すということは避けるべきだ、この点についてはもちろん納得できますけれども、いまのようなことが繰り返されてだんだん規模が大きくなっていく、そういうことになったらたいへんだというその心配、これについては私は徹底的な根本的な対策が必要ではないかというように考えます。
 つきましては、それについてお尋ねしたい点は、いまの松山事件のような場合にはどういうふうにやっていったらいいという教範と申しますか、それのやり方のようなことの指導があるのかどうか。つまりそういう場合には多少警察側に犠牲が出てもやむを得ない、それから暴力団の側に犠牲が出てもやむを得ない、ともかくも早くそういう事態を終わらせるのだという指導をしておられるのか、徹底的に説得によって市民にも危害を加えさせない、けが人も出さないというような方針でやっておられるのか、そういうことについての基本的な指導がなされておるかどうか。
 それからいま一つは、いまのようなこと、ほうっておけないということが拡大していくとこれはたいへんなことになると思います。全国的な規模にも発展しかねない、そういう予想は警察庁として立つのか立たないのか、立つとすればそれに対する対策はどうなんだろう、こういう点について、むしろあとのほうが市民の心配事項でございますから、ひとつそれについて明らかにしていただきたいと思います。
○関根説明員 御質疑の第一点の、現場の被疑者の逮捕についてすみやかに警察官あるいは相手方両方にけがが生じても急速に逮捕するか、あるいはもう少し、いまのように負傷者を生じさせないような配慮をして逮捕させるか、どういう方針でやっておるか、こういうことでございますが、この点につきましては、暴力団事件の場合のみに限りませんで、一般的に犯罪被疑者の逮捕の原則は、たとえば拳銃の使用の際等にも示されておりますように、必要やむを得ざる場合でなければ拳銃を発射して相手を逮捕するということはしない。すなわち、他に方法がないかどうか、他に方法がある限りはそういうふうな一番強い、相手を倒してもいいというような方法で逮捕せよということは、根本的に言っておりません。できるだけ慎重、被害者を免じない――そういう状況に放置することが警察官あるいは一般市民その他の人に重大な影響を与えて、そのまま放置することができないというふうな差し迫った場合とか、あるいは拳銃を用いなければ、強行踏み込みをしなければできないというように判断をしない限りは、できるだけ負傷者を生じないようにして逮捕する方向に努力しておるのでございます。今度の場合でも、若干そういう配慮をしながら時間を経過しましたが、最後には相手方を制圧して、警察官が負傷を生じてもやむを得ないということで踏み込んだのだろうと思いますが、負傷者を生じないために催涙弾の併用というふうなことを考慮してやった、かように考えておるわけでございますが、一般的な被疑者逮捕の原則というのは、そういうものであるということを申し述べて、お答えにかえたいと思うのでございます。
 それから事後において、広域的な暴力団組織の現在の状況から、多数のそういう関係者が集まってくる、それから第二、第三の不穏な事件が発生するというふうな危険がある場合に、警察はどういう姿勢をするのかということでございます。これは過去において例がございましたように、そういうふうな一地域の一つの団体の抗争事件が、さらに県外、全国的な団体の応援派遣を求めて、大規模な形において繰り返されるということが従来なきにしもあらずであったということでございますので、当該の対立抗争事件を起こした関係者をすみやかに逮捕し、まず当該事件の解決を見るという方向に努力することは当然でありますが、それと同時に当該関係者の周辺において、第二、第三の事件が勃発することのないように、できるだけの警察側の疎明資料をもちまして、広範囲な捜索を行なうということも通例として行ないまして、そういう方針のもとに、最近はある事件が発生いたしました際に、銃砲刀剣類の押収をする数が非常にふえております。暴力川関係者が銃砲刀剣を用いる、あるいは持っておるその数がふえておるということもございますが、こういうふうな対立抗争が起きました際に、広範にできるだけの警察力を使って、法の許す限りにおきまして捜索の手を広げるというふうな結果から、銃砲が剣類を極力押収いたしまして、その周辺部における銃砲刀剣数使用の犯罪の防止につとめることが一つ。それから多数のそういう関係者が来る場合に、やはり気をつけなければならないことは、銃砲刀剣類等を所持して集まる――別府事件なども凶器準備集合罪などが成立されたいきさつもございますが、警察といたしましては松山市におきまして御経験されましたように、厳重な警戒体制をしき、そういう人間の出入りの際に、凶器を所持していないかというふうな点、あるいは出入りする人間のみならず、その人間と接触する範囲の者が武器の運搬をしておるというふうな状況が最近多いので、当該関係者が自分で持ってくるという場合はほとんどございませんので、武器運搬係というものが他におるというのが通例でございますので、そういったような方向につきましても口を広げて警戒を行ない、彼らの武器の所持をなくするというふうな警戒体制をしくということで、法律に基づき許されました限りで、警察力を最大限に行使して事犯の次の勃発を防ぐ。さらに、これは事実行為でございますが、関係者が集合しておるということから第二、第三の不祥事件を勃発することが多いので、極力解散をするようにというふうに、これは事実説得、指導するというようなことも加えまして、――ある事件が起きますと、最近松山に行った関係者の話では、平素友誼関係があるのでやはり顔を出さなくてはぐあいが悪いというようなことで来ておる、それはほんとうのことかどうかわかりませんが、そういうふうに言っておる向きもありまして、ある事件が起きますと、必ず若干の人が集まってくるということに対しましては、そういう実情でございますが、いま申し上げましたような措置を極力とりまして、その事件のすみやかな解決と自後の事犯の防止ということにつとめておる、かような次第でございます。
○湯山委員 特に警察庁として、松山あるいは愛媛県警に対して、具体的に、この事件のこれ以上の拡大といいますか、あるいはこれの終息――以外から入ってきておるという情報は、かなり市民の間には行きわたっております。そこで、それを拡大させないというために具体的にどういう方法、対策を講じておられるか。ただいま一般的なことについては承りました。ただ、特に松山の場合、具体的にどういう対策、どういう指導をしておられるか、あれば伺いたいと思います。
○関根説明員 ただいま申し上げました一般的なことは、常々各府県の警察の責任者あるいは暴力犯罪捜査の責任者に徹底さしておることでございますが、松山事件につきましては、具体的にどこの団体からどういう人間が何名くらい松山に来ておるということが、各府県の連絡協調で、たとえば氏名がわかれば写真まで電送装置等によって直ちに送り、こういう人間が松山に入り込んでおる、あるいは大きな府県、たとえば大阪、兵庫のような府県におきましては、許す限りにおいて、そういう状況を把握できる関係者の松山に対する派遣というようなことも考慮しながら、愛媛県警察がそういう動静を十分に把握できるような措置を一面講じておりますとともに、そういうふうな団体の関係者の県外退去ということにつきまして、関係府県とできるだけ連絡をとりながら、関係府県においてなるべくそういうことをさせないように状況を把握し、説得するという、そういう広い網を張りながらやっております。具体的には私どもも直接愛媛県の本部長あるいは当該の所管部長、課長と電話等によりまして、こうしたらいいのじゃないかということを話し合っております。そういうこまかい点は別といたしまして、広い範囲から松山事件のすみやかな解決という、市民に安心を与えるということにつきましては、努力しておる次第であります。
○湯山委員 次にお尋ねいたしたいのは、松山事件のあと、横浜その他でも似たような事作が起こっておるようでありますが、伝えられるところによりますと、そういう団体は、武器特に銃砲をたくさん持ったのが勢力が大きくなるというようなことが伝えられております。刀剣にいたしましても、銃砲にいたしましても、そう簡単に人手できないはずなんですよ。一体どうしてそんなに簡単に手に入るのか。ことにピストルの場合には、外国からの密輸が相当あると聞いております。それらについては、一体どのように把握されておるか、あるいはそれに対してどういう対策を立てておられるか。にもかかわらず、やはりだんだんふえてきているという状態というのは、一体どこにその原因があるのか、それらの点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○関根説明員 暴力団体の拳銃の所持する数あるいは資金の最あるいは団長の数というもので、この大小がいろいろとできてまいるのでございますが、拳銃一丁が暴力団員の何人かにあたるくらいの価値があるということで、かねて暴力団員が拳銃を所持する努力をしていることは疑いのないところであります。従前からそういうことで、暴力団の事件が発生いたしますと必ずそういうものが使用されて、警察が押収する、その入手先を追及し、どういう経路で流れているかということを把握して、武器の不法な国内における流通をとめたいということで、みな関係者は考えているのでございますが、この対策といたしまして、それにつきましても事件発生の際に暴力団の関係者がどこから入手したかということは、これはここで申すのもおかしいのでありますが、死んでも口を割らないというふうなことで、暴力団の使用した関係者が持っておる拳銃がどこからきたかということは、その関係者から突き上げていくということは従来非常に困離としておったのであります。その点につきまして、どういう取り調べをすればいいかということは、被疑者取り調べの原則でございますから、いろいろな方策を考えていかなければなりませんが、それと同時に、平素から暴力団の中で、最近は拳銃等を特に保管するような責任者がある場合もある。要するに全員個々に持っておると警察の手入れなどの際に非常に発見される危険性があるということで、隠匿あるいは保管については非常に苦労しておる、そういうことについて極力いろいろな方法を滝じまして、彼らの隠匿の状況を把握し、これを検挙して事情を明らかにしたという事例もございます。そういうように暴力団体が拳銃を持っている状況を極力いろいろな方法で把握する方法を講じておりますと同時に、そういうふうな検挙の過程を通じて、拳銃のいろいろな種類がわかってまいる。そういう努力の新米、密輸が多いということも最近になってわかってまいりました。密輸が多くなってまいったということになりますと、これに対する対策というものが考えられるわけであります。そういう方向で、密輸の面は現存御承知のとおり相当の事案が明らかになっておりますが、それ以外の流通の過税は非常に潜行化しておりまして、非常に把握が困難でありますけれども、警察の中でそういう方面のみを常時専従して視察していくという係をつくり、これが発見あるいは彼らが使用する以前、所持の段階において検挙するというような方向を研究しておる次第でございます。
○湯山委員 この拳銃対策については、いまの御説明では私は非常に心細いと思います。現に警官が、拳銃ほしさに襲撃を受けるというような事例さえある。それからその川どころが口を割らないからわからないというのですけれども、今日の科学的な調査をもってすればどこでできたものかというようなことは案外簡単にわかるのじゃないでしょうか。国内産の拳銃がどれくらい使われておる、それから外国からきた拳銃であればどこの国のものがどれくらい使われている、こういうことは御調査になれば簡単にわかることだと思います。それは一体どうなっているか、伝えられるところによりますと、日本の暴力団専門の無銃、つまり猟銃弾、散弾が撃てるような拳銃までつくって、ことさらに日本へ送り込んでいる、そういうことさえも伝えられておるのですが、いまの点もう少し詳しく御説明願いたいと思います。
○海江田説明員 私のほうで銃砲の全般的な捜査その他をやっておりますので、かわりましてお答えいたします。
 大体暴力団等から拳銃が押収されますと、それがどういう拳銃であるかということを一応調査いたしますが、もしそれが米国製あるいは英国製ということがわかりますれば、その製造会社に国際刑事警察機構を通じまして調査を委託しておるわけであります。古い拳銃になりますと、それが売られた国で調査をいたしましても不明なものがかなりございます。ただ最近の事例といたしましては、フィリピンの船員が米国に行ったときに約五十丁ほどを一年ぐらいの間に買っておりまして、それが名古屋を中心にあの辺の暴力団にずいぶん売られておって、それが実際に犯罪にも使われておったということなどもわかっておりまして、本年に入りましてから私どものほうで押収しました拳銃が約三百丁近くございます。そのうち約七割から八割ぐらいはいわば密輸品でございます。
 なお、ただいま御質問のありましたいわゆる二十二口径の猟銃のたまを使える拳銃という問題でございますが、これは一昨年の暮れあたりから押収され始めまして、本年に入りましてそれがやや増加を見ましたので、私どもといたしましてその拳銃体を精密に調査いたしました結果、密造品である、しかも主として一本向けにつくられたのではないかということから、この捜査を全国的に徹底して行ないました結果、現在これがフィリピンで密造されて日本に入っておるということがわかり、その入手経路、フィリピンにおける売り渡し人、日本に持ってきた船長、それと結びついた暴力団、これを全部解明いたしまして、いまフィリピン警察当局と協力捜査をやっている段階でありますが、全体としては、密輸のうちの八割程度はフィリピンからである、あるいはフィリピンの船員であるということが言えるかと思います。
○湯山委員 国内でつくられたものはありませんか。
○海江田説明員 国内でつくられたのではないかと思うものも若干ございますが、大量のそういう密造は、私どものほうでは現在把握しておりません。情報として若干ございますけれども、押収はいたしておりません。なお、国内の密造は主として手製と申しますか、銃砲店に働いておったような前歴を持つ者が、自分で猟銃を短く切ったりあるいはおもちゃの拳銃をつくり直したり、そういう手製はかなりございますが、いわゆる密造というものはいまのところ把握されておりません。
○湯山委員 外国からくるとすれば、もし本気になって押える気になれば押えられるのではないでしょうか。国内でどんどんつくられていくということであれば、それはむずかしい点があるかもしれません。しかし、とにかくまわりが海ですから、かってにやってくるというわけじゃないのです。これが押えられないという原因はどこにあるのですか。
○海江田説明員 おっしゃるとおりでございますが、私ども密輸取り締まり、密貿の取り締まりということについては、税関と協力しまして非常に力を入れてやっておるのでございますが、何分にも船というもの、特に船員の上陸というものは、これは非常に数が多いのでございまして、ちょっと普通の警察力でやっておるだけではとてもむずかしいぐらいに船はたくさん入る、しかも船員の一時上陸が非常に多いわけでございます。したがいましてこれをシラミつぶしに警戒をするということは、事実上不可能ではないか。私どもとしましては、情報活動を活発にしまして、事前にそういう情報をつかんでそれによって捜索その他をやり、警戒をしてこれを防ぐという体制を現在強化いたしておりますが、最近の傾向としましては、そういう体制のきびしい、たとえば神戸とか横浜とかいうところから、どちらかといいますと四国の坂出であるとか北海道の函館であるとか岩手県の釜石であるとかというような、警察力の手薄なところへこういう拳銃を上げておるということがはっきりしてきております。
○湯山委員 それじゃ結論的に言えば、いまの御答弁は、もし警察の人の数がふえればそういうものは徹底的に上陸地点において防ぐことができる、現在の警察の力をもってはとても人が足りなくてそこまで手が回らない、そこでやむを得ずいまのような状態になっているんだ、こういうことですか。
○海江田説明員 人をふやしたからできるということは、ちょっと私も自信はございません。といいますのは、ここにこまかい統計を持っておりませんが、私どもこういう密貿、これは拳銃のみならず、それ以外の密輸というものを防ぐために、年間どれくらい飛行機、船それから一般のお客さんあるいは船員が日本に来るのかということを調査いたしたのでございます。これは不確定な数字でございますけれども、たしか三十七年一年間に日本に一時上陸する船員が約九十万くらいある、現在では百万くらいの数になるであろうと思います。そのうち約二十万程度というものが主として密輸をやるおそれがある人たちでございます。こういう者が、たとえば五日間停泊しておりますと、のべつまくなしに埠頭から上陸をするわけでございまして、これを常時張っておるということは、事実上は幾らふやしても不可能じゃなかろうか。むしろ私どもが現在やっておりますのは、そういう者が立ち寄るバーだとかキャバレーだとか、あるいはそういう者に接触する商人だとか、ブローカーというものの中に情報活動を活発化しまして、そういう者の中から拳銃とかそういう密輸といもうのがあがりますれば情報がキャッチできる、そういう方向に努力をいたしておるのでございます。
○湯山委員 議論になるかもしれませんけれども、それでは私はピストルの密輸は防げないと思います。中で広がっていけばいくほど実際はつかみにくくなってくるわけなんで、せっかくそういうふうにして、いまのように大体どこの国から、どういう連中が持ってくる、その数はこれくらいということがつかめておるのであれば、その上陸する以前にこれをつかまえるということに力を入れなければ、持ってくるほうは平気で持ってきます。これは私は非常にやり方が間違っているのじゃないかと思いますが、長官いかがですか。重要な問題ですから長官のほうから、それでいいかどうかです。
○江口(俊)政府委員 ただいま保安課長が申し述べましたのは、ある程度警察力があって、上がったあとそういうものを売り飛ばす、人に手渡すというところをつかまえるというようなことができればある程度防げるということを申したのでありますが、徹底的にやろうとすれば、一時上陸をする船員について、何を持っているかということを身体検査といいますか、持ちものの検査をしなければ上陸させないというようなことにすれば、水ぎわから陸に上げることを相当防げる、相当というよりもほとんど残りなく防げると思いまするけれども、現在の仕組みは、何らか犯罪に関係があるという立証をして、捜索令状を持たなければ強制的にその人間について調べるというわけにいきませんので、それが現実に犯罪を行なうところまで確認してそれを検挙するという以外にはないのでございます。それで私は船員の一時上陸といえどもそういう仕組みをしたら非常にありがたいと思いまするが、これはおそらく各国間の国際的な慣習といいますか、法令というようなものは相互的に一致していると思いますので、日本でだけそういうことをやれば、日本の船員が今度またどこかで同じことをやられるというようなことで、これは非常にむずかしい。そのことをやれば非常に効果はあると思いまするけれども、その点むずかしい。そうなるといまのやり方を一そう強化して、一網打尽とはいかないけれども、実際上の取引をしようという場合には、必ず警察の手につかまるということになれ日本に持ってまいりましてももうけになりませんので、自然にやんでいくのじゃなかろうか、こう考えまするが、残念ながら現在まであげておりますピストルの押収量は、私たちが想像して、国内で持たれておるであろうと思われる分量のごく一部にしか当たらないというようなことを考えますると、さらにいままでのやり方を強化すると同時に、他の方法等も考究しなければならぬということで、一そう力を入れているわけであります。そういう意味から、毎年よけいに入ってきているかどうかということは別でございますけれども、毎年よけいに押収しているという数字は出てまいっておる次第であります。
○湯山委員 実は今度の松山事件で阪神方面からたくさん入ってくるというのについては、身体検査でなくて外から探知する機械を使ったと伝えられておりますが、そういう機械があるのですか。
○関根説明員 警察の持っております装備の中に、そういう鉄類を隠匿しております場合に、当てれば鉄類を感ずるという、通常、凶器捜検器というふうに言っております機械があります。これは大型と小型がございまして、大型のものは池の中に犯人が凶器を捨てたというようなものをさがし出す場合に使うものでございます。小さいものはこの本より大きい程度でございまして、携帯しておって、当てればそこに該当の刃物があれば反応する、こういう機械でございます。
○湯山委員 これは科学的な捜査というのですから、そのくらいなものは改良していいものがすぐできるのじゃないかと思うのです。
 これからあと、いまの問題を踏まえて非常に基本的なことを大臣にお尋ねしたいと思います。
 その前に、実は資金源の問題についてもきょうお尋ねしようと思ったのですけれども、時間がありませんから割愛しようと思ったのですが、資金源の問題。今回の松山事件もそういうこともからんでいるというふうにも考えられるのですけれども、一般論としてどういうところから資金を得ておる、またその資金源のほうからこれの対策というものは立てられないかどうか、その点についていかがですか。
○関根説明員 暴力団がなわ張りを拡張して、それに伴いまして対立抗争の事件が激しく起こるという傾向の中に、これは私どものほうから申し上げますと、取り締まりを強化しておることもあって、資金源が次第に少なくなる。そういうことから新しい資金源を確保しようということから、対立抗争事件が起きておる場合もございます。また暴力団と申しましても、正業に従事しておるものも多いわけでありますが、正業と申しましても露店とかその他いろいろな仕事をする際の、いわゆるなわ張り式なものが潜在化しておるということも事実のようでございます。そういったようなある仕事をする勢力範囲の奪い合いということが、対立抗争事件の大きな原因になっておりますので、警察といたしましては、こういうふうな暴力団の資金源を断つ。要するに不法な資金源を断てば、いわゆる合法な正業に返らざるを得ないということ、あるいは不法な資金源のみによっております暴力組織は壊滅する。こういう観点から資金源の取り締まり強化ということは、私ども暴力団取り締まり方針の非常に大きな項目を占めるところであります。
  〔永田委員長代理退席、委員長着席〕
 不法な資金源といたしましては、御承知のとおり賭博事犯、これはかなり潜在化しておりますが、最近は一件の価額が多い。そういうような賭博、ほとんどが賭場を開いてお客を集めてテラ銭を徴収するというふうな方法で資金源を求めておる。こういう面に取り締まりの重点を置きまして、賭博事犯の取り締まりということについては、警察も非常に、重点を置いて取り締まりをしております。
 それから最近は非常に取り締まりの効果があがってまいったのでありますが、麻薬密売を通じて資金源を集めるという方法につきましては、麻薬密売事件の検挙。それから関西の暴力団の中には正業でありますが、興行を行なって、興行を資金源にしておるのが非常に多いのでありますが、この興行利権というのは、どういう点で収益が多いかと申しますと、単なる入場者の入場料だけではなくて、その入場料につきましても脱税行為、あるいは入場券の売りさばきあるいは入場券でなくて後援の費用を求めるというふうな恐喝等の事件、こういうふうな不法な事件も関連しておりますので、こういった面の取り締まりの強化、あるいは競輪、競馬等に関係するノミ不法行為、そういったようなものは直ちに不法行為としてあげられる資金源でございます。
 また刑法犯でいいますならば、恐喝いわゆる第三者の、他人の弱みにつけ込みまして、これを種に金をゆするということも、被害額が案外多額にのぼっておるという場合もございます。
 その他債権取り立て等いろいろな不法行為がありまして、資金源と申しますのは、ある暴力組織一つに必ずしも一つと限っておりません。いろいろなことをやっておる。先ほど資料を差し上げましたが、暴力団体の沿革からばく徒、テキヤあるいは青少年不良行為団あるいは麻薬暴力団、売春暴力団、こういうふうな把握のしかたをしておりますが、ばく徒必ずしも賭博のみが資金源ではございませんし、テキヤ必ずしも露天営業のショバ代その他が資金源ではございません。そういった面もありますが、最近は暴力団の組織が、別な意味で言うと近代化と申しますか、いろいろな方面に手を伸ばしてきておる。ばく徒、テキヤの過去の色分けが、現在は混淆いたしまして、どちらが主だかわからないというふうな実態をとる場合がございます。
 そういうようなことで、不法行為が非常に多数存在する。その面を警察はいろいろな情報、いろいろな毎度から極力追及して検挙する、こういう方向で資金源の取り締まりをやっておる、こういうような実情でございます。
○湯山委員 いまの御説明はよくわかりましたが、その資金源というものはそれとして、年間資金の総額はどれくらいになっておりますか。そういう資料はございませんか。
○関根説明員 全国的にこれを把握することは非常に困難でございますが、特定の府県、特定の地域において、検挙を通じてそういうものを把握しておる例はございますけれども、ただいまその具体的なことにつきまして、ちょっと資料を持ち合わしておりませんので……。
○湯山委員 いま長官や担当課長にいろいろお尋ねいたしましたが、総括的な点を三つ大臣に御質問申し上げたいと思います。
 その一つは、松山事件そのものについてでございます。質問を通じて明らかになりましたことは、当初の出会いといいますか、これはきわめて簡単な事柄から出発しておる。それがそのままじゃほうっておけないというので、だんだん拡大していった。こういう事件は拡大をしていく要素を持っておるのと同時に、今度はまたその組とその組との下のほうの連中が何かのはずみでやり始める。それがまた拡大する。そういうことが、松山においてもそうですけれども、他の地域へもこれが移っていくといいますか、続発のおそれがある。したがって、松山の事件を拡大させない、こういう事件を起こさないように万全の体制をとっていただく。同時に全国的にこれが波及しないように、これは長官として、公安委員長として、大臣として、絶対そういうことを起こさないようにするのだというひとつ確約をここでしていただきたい。万全の対策を立てていただきたいと思います。その点いかがですか。
○赤澤国務大臣 まことに皮肉なことには、暴力処罰法を国会で審議している段階で、まことにかっこうな例をつくって見せられたような状態でございまして、まさか先にいってやったら罰が重くなるからと思っていまやったというわけではありますまいけれども、私どもはこういう事態が起こるということを、やはりいろいろな方法で絶滅を期さなければならぬと考えます。
 そこで、いろいろ事務当局から説明いたしたと思いまするけれども、暴力が組織化されておるのは事実でございまして、何組、何会と申しますものも、何々系という系列まで明記してこういういさかいが起こっておるわけでございます。ですから、根本的にこういったものの資金源その他を調べまして、暴力団的なものを根絶することについてはあらゆる努力をいたすつもりでございますし、また御指摘になっております問題は、私一番おそろしいと思うのでして、やはりその恨みがまたどこかで爆発するなどということが起こりがちでございます。そこで今度の件も、私すぐ調べてみましたところ、当局のほうではずっと内偵はしておりまして、こういうことが起こらないかという懸念は持っておったようでございまするけれども、不幸にしてああいう事態が起こってしまいました。ただいま湯山委員から御指摘もありましたことでありますし、さらにこの問題については鋭意注意をいたしまして、将来こういったことが連鎖反応を起こさないようにということにつきましては格段の努力をいたさなけれ、ばならない、かように考えております。
○湯山委員 大臣、いまの暴力行為等処罰法との関係は、私はそういう見解を持っておりませんから、ひとつ念のためにはっきりしておきたいと思います。むしろああいうあいまいな規定の暴力行為等処罰法が、一そう取り締まりを困難にする。明確なものにしなければいけないので、その点は大臣と考えが違いますから、これはひとつ大臣もそう御了解願いたい。
 第二にお尋ねいたしたいことは、ずっと以前にヒロポンが広がったことがございました。このヒロポンについてはずいぶん国会でも取り上げましたし、結局最終的には何年間でこれをなくするということを政府は約束をして、大体ヒロポンに関する問題だけは撲滅に成功した例がございます。ヒロポンも原料は外国から来る、だからやれるのではないかということを私どももずいぶん申しまして、当時草葉大臣でしたか、やりますということで年限を切って成果をあげたことがございます。今回の場合も、いま担当政府委員から承りますと、ピストルは大部分は密輸品である、そうであれば、政府全体がその気になればこの密輸は防止できる。できないことではない。事務的ないろいろな問題もありましょう。人の足りない、多くの問題もありましょう。しかし、その気になってやればやれない問題ではない。そこで、これは単に自治大臣だけでは困難だと思いますけれども、閣議か何かでしっかり申し合わせをしていただいて、政府が全力をあげて密輸を防止する、そして二年なり三年なりのうちには、ピストルの密輸は一切なくするのだ、こういう約束がここでしていただけるかどうか。そしてさらに、いまのような暴力団に対しては、将来社会的にもいろいろな施策が必要です。職業対策その他ありますけれども、そういう社会政策とあわせて、何年か後には暴力団というものをなくするのだ、こういう御決意をお持ちになっておられるか、お伺いします。
○赤澤国務大臣 もちろん重大な決意をしてこの問題にも当たっておるわけでありまして、喜ばしいことをひとつ御報告ができるのを、私はしあわせとするわけです。実は前回か前々回かの国家公安委員会の席上で、ピストルの密輸が行なわれておる、そういうピストルの提供をおそらくしておるであろうという外国に対して、私たちは注意を喚起した。そして、こういう危険な品物が日本に流入するということについて、向こうで取り押えてもらわなければなかなか防ぎ切らぬわけでございますので、外務省を通じまして、実はフィリピンに要求いたしました。ところがフィリピンの当局では、意外にもすぐに手配をしてくれました。密造所がセブ島にあったそうでございますが、これをすぐに急襲をいたしまして、日本に密輸されると想像されるピストル工場などは全部手を入れておるようでございます。そこでさっそくけさ、フィリピンの当該大臣あてに私の名前で、すぐこの問題を扱ってもらったことに対して感謝の電報を打っておくように言ったわけでありますが、いま湯山委員の御指摘の点は非常に大切なことでございますので、今後ともやはり国際刑事警察に協力を願いましてこの根絶を期さなければならぬ、かように考えております。
○湯山委員 いまの点はよくわかります。もちろん国際的に協力を求めるということはそうなんですけれども、それよりもっと大事なのは国内なんです。そこで、いまのピストルの密輸入ということは、これは自治大臣だけでなしに、大蔵省も関係がございましょうし、いろいろありましょうから、政府が全力をあげてこれに当たる、そして三年なら三年以内にはピストルは一丁も入ってこないようにする、こういう御決意がなければ、相手国が好意的にそういうことをしてくれましても、何といっても、いま政府委員も言っておられましたように、密輸入でやってくるのですから容易でないと思います。政府全体としてそういう取り組みをなさる御用点がありますかどうか、もう一度お尋ねします。
○赤澤国務大臣 私そのつもりでお答えしたわけでございます。
○湯山委員 何年ぐらいでピストルの密輸をなくするのですか。
○赤澤国務大臣 何年と言われるのは残念でして、何月か何日以内ということでしたら少しむずかしいかと思いますけれども、そういう決意で当たっておるわけでございます。三年、五年、十年といったようなことでなくて、真剣にあとう限りの努力をいたしたい、かように考えております。
○湯山委員 おっしゃることは御答弁としてはよくわかります。しかし、ヒロポンの場合も、いまのような御答弁がしょっちゅう繰り返されましたが、なかなかなくならない。そこでしまいには、三年以内というような期限をつけて、結局それで成功した例があります。大臣の御答弁は御答弁として了解できないことはありませんけれども、とにかくそれについては思い切って、総理大臣以下総力をあげて当たるというような御決意でぜひやっていただきたいと思います。
 最後に、今回のことを通して見ましても、いまの密輸の取り締承り等にいたしましても、警察そのものの人手も足りない。それから、ピストルを持っているかどうかを探知するなどということは、今日の科学をもってすれば案外早くできると思うのですが、そういうものも十分でない。これは子算の面もありましょう、人の面もありましょうけれども、何といってもそういう点についての最高の責任者は国務大臣でございますから、ぜひそういう点に重点を置いた予算、人員の編成をやっていただきたい。国民の協力も、交通の、取り締まりその他にも人がたくさん要るじゃないかということはおありでしょうけれども、もし長官が国民に対してこういう約束をなさったならば、私は不可能ではないと思います。暴力をなくするためにそのほうへ警官をうんと入れる、そのかわりあと数年のうち、五年なり三年以内には暴力ざたをなくする、そちらへ全力をかけるから、ひとつ交通のほうは国民の皆さん自粛して協力してくださいというような訴えは、民主政治としてはあっていいと思うのです。それにはみんな協力すると思います。ことになまなましい状態を見た松山市民なんかは、交通のほうへは警官はもう回さなくても、私たちは私たちで自粛してやる、そのかわりこういう暴力をなくしてくれ、こういう声も現実に出ています。こういう声にこたえて、ひとつそういう添えを大臣からするというようなことはお考えになりませんか。あるいはお考えになってはいかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 俗に警察官は十五万と言っておりますが、今日の実情では足りないわけでございます。しかし警察官の定員を増しますということは、いろいろな面で抵抗もありましてむずかしいわけであります。にもかかわらず、やはりこういう社会不安を起こしおるような状態を放置しておくわけにはまいりしませんから、私どもといたしましてはさらに強くこの問題も要求しなければなりませんし、また科学警察の拡充と申しますか、ただいま凶器などは探知できるじゃないか、――なるほどいま鉄分に対して反応のある凶器の探知器というものもございます。こんなことは簡単な科学装置でございまして、これも十分な目的を達成する域に逃しておりませんけれども、しかし、何がしか効果があるわけでございますので、こういった研究もさらに警察は警察として進めていきましょうし、また、そういった面が効果があるというなら予算血でも十分な措置をしなければならない、かように考えております。あらゆる知恵をしぼってこの問題に対処いたしたいと考えております。
○森田委員長 門司亮君。
○門司委員 私は最初に、事件の取り扱いと考え方について一応聞いておきたいと思います。
 この前の委員会でもちょっと私、冒頭に申し上げましたように、この事件に対する警察当局の態度というものが、最初はかなり緩慢でなかったかと考えるのですが、現地に警察庁はどなたかおいでになりましたか。
○江口(俊)政府委員 警察庁に暴力対策委員会というのがございまして、その事務的な責任者に当てておりまする刑事局参事官中原英典をさっそく現地に派遣しまして、もちろん地方の警察のことでございますから指揮はとれませんけれども、よく専門の立場からアドバイスをする、あるいは中火に対する連絡をするという意味で派遣をいたしております。
○門司委員 その時期はいつですか。私がこういうことを聞いておりますのは、検察庁は行っております。事件の起こったのは七日でありまして、法務賞の刑事局の午後六時二十分に松山の飛行情についた、こういう報告になっております。これとの打ち合わせはございましたか。単独で行ったわけですか。それとも法務省との連絡のもとに行かれたのか、そういう点を確かめておきたい。
○江口(俊)政府委員 特別に打ち合わせをして行ったわけではございません。
○門司委員 そうすると、この事件はこういうふうに解釈してよろしゅうございますか。法務省は法務省として、刑事局で原因その他を捜査されておった。それから警察庁は警察庁としての、いわゆる警察は警察としての立場から捜査をされておる。その間に連絡はないものだと解釈してよろしゅうございますか。
○江口(俊)政府委員 現地における捜査関係については、もちろん連絡しつつやっておるわけでございますが、中央から派遣をいたしました者については、一人で共同して調査をするというような打ち合わせをして行ったわけではございません。
○門司委員 念のために聞いておきたいと思うのですが、警察の本部から派遣された時間と、それから人の名前はさっきお話がありましたが、人の名前をこの機会に明らかにしておいていただきたいと思います。それは、私どもがこの事件をさらに今後見てまいります場合に参考にしなければならないことが必ずできると思うからでございまして、このあとで一括して御答弁願えればけっこうだと思います。
 それで、まずこの問題でひとつ大臣にほんとうに聞いておきたいと思いますことは、これらの犯罪の資金源についての取り締まりをするというか、捜査をするということに本腰を入れておられるかどうかということは疑わしいのです。たとえばこの事件を見てみましても、あの付近にある十のパチンコ店からいままで景品買い等をしておったが、しかし暴力団の数がふえてきていろいろいざこざがふえるということで、これは暴力団の共存共栄だと思いますが、話し合いをして、そうして一ヶ月に何か八十万円くらいの金を献血させる。それをお互いに分けていく。それが昨年の末までに約四千万円までに推定されるというようなことが報道されておる。私は、こういう点についても、何か私どものいままで聞き及んだ範囲では、この種のものについても警察も多少タッチしたような形がある。あるいは業者のほうが弱腰でそれを断ち切れなかったというような問題もあるかと思います。これはこの事件に対する直接の一つの資金源であったかとも考えられる。しかし全国的に資金源が非常に云々されます。財界あるいは政界からの資金源ということが新聞に始終書かれておる。だとすれば、これは架空のものではないと考える。そこで警察側でどの範囲まで一体この資金源について調弁ができておるのか。そういうリストはなかなか公表しにくかろうと思いますけれども、しかしそれがあるというならあるという返事をしておいてもらいたい。またそういうものがないならないでよろしい。同時にあれば、それに対してどういう注意とどういう、付ということばを使いますか、取り締まりとも監督とも言えないでしょうが、対処をしておるかということを、ひとつこの機会に明らかにしておいていただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 暴力団の資金源のことにつきましては、これが一番大事でございますので、私もこの職につきました当初から正大関心を持ちまして、いろいろ調査の結果を聞いたり、また助言をしたりしてまいったわけでございます。ややともすると政界からの資金が流れておるというふうなうわさが何か流れますけれども、私も気にいたしまして、このことも私調べる権限はありませんが、いろいろ聞いてみました。ところがまとまった金を渡しておる事実はないようでございます。ただ、個々の方々のところへいろんな団体や何組というものがお金をねだりにいく。うるさいから幾らかやって帰ってもらえというふうな、わずかな何千円とか一万円とか、そういった金は私はかなり出ておるのじゃないかと想像するわけですが、これとて綿密に調査をいたした形跡はございません。しかしながら、そういうものの累積だって決して無視はできないわけですが、しかしこういう金で、いまの暴力団がまかなわれておるとは考えられませんし、また財界ということばがありましたが、やはりそれに類することがあって、もうやっかいだから幾らか金をやれといったようなことが、案外ばかにならない金額になっておるのじゃないか。かといって、これは申告してもらえるならいいのですが、一々こっちから行って、あらゆる会社に当たって帳簿を調べてみるというわけにもまいりませんし、実態はなかなか努力いたしましてもっかみがたいのが事実だと思います。ただ新聞面を始終にぎわしておりますように、賭博易を開く、そこのテラ銭のあがりであるとか、あるいはどういうことをするのか知りませんが、総会屋、パクリ屋、いろんなことばがありますが、またパチンコの景品買いということもあるでしょう。それからまたよくなわ張り、なわ張りと言いまして、この間このことで参議院でおでん屋ということを言ったら、こういう席でおでん屋のことを言わぬでもいいだろうということでしたが、一おでん屋でなくて、ああいう盛り場等にはなわ張りというものがあるようでございます。なわ張りというものを何のためにつくっておるかというと、やはり一つの利権というものをそこでつくり出して、そういうものもまた収入源になっておるのではないか。いろんなことが考えられるわけです。それを当局といたしましては一応シラミつぶしに、そういった資金源のまとまったものはどこにあるかということで、鋭意捜査をいたしております。しかしながら、まあ暴力団でもいろいろあるわけですが、思想暴力もあれば何暴力、かりに暴力、ぐれん隊もあれば、何というのか、いろいろ種類があるようでございます。しかしながら、実際日常の三面記事をにぎわしておるものが、それが暴力団のまとまった資金源になっておるというよりは、むしろその暴力団を構成しておる木端の者が、小づかいかせぎというふうなことでやっておる面のほうが多いのではないかとも想像されるわけですけれども、そういうことで放置しておけるわけではないのでして、しかし、こういうふうに暴力団そのものが系列化されたと申しますか、組織化されたと申しますか、御案内のような実情になっておりまするので、どこかまとまった資金源というものがあって、それが相当巨額なものによってまかなわれておるということは、容易に想像がつくわけでございまして、その源がどうなっておるかということは、いま実は懸命に調査をしておる最中でございますので、いましばらく結果を見ていただきたいと思います。
○門司委員 大臣の答弁は一応聞きましたが、警察側にこれらについての何らかの――私ここで確証とは申し上げませんが、今日までこの種のものについて捜査され、あるいは検討された結果がこの機会に発表できるなら、ひとつ、ぜひ発表していただきたい。
○関根説明員 先ほども申し上げましたが、特定の暴力団が事件を起こし、それを検挙した際に、その検挙したことを通じまして、暴力団組織の実態を究明するということで当該暴力団の資金関係を明らかにしておるというふうな資料は、府県にはございますが、現在まで、大臣からお話がございました情報、内偵を通じていろいろな角度から資金がこういうふうに出ているんじゃないかというふうなことを調べておる現在の段階で、全国的にここで集計して持っておる、こういうものはございません。
○門司委員 私はそこに問題があるのじゃないかと思う。事件の起こったものについて調べてまいりましても、必ずしも私は的確なものは出てこないと思う。むしろこうした問題については、日常これらの問題が起こっているのである。ちょっときょういただいた報告書によると、団体が幾つぐらいあって、人間が幾らくらいかおわかりになっておるとすれば、それらの諸君の日常行動、あるいは日常の生活というものが、どういう形で流れてきておるというくらいのことは、これは何も半作が起こってからあわててそれを調べる必要はないんじゃないか。ほんとうに警察が暴力団に真正面から対処しようとするなら、私はそれくらいの配慮はあっていいはずである。また今日の刑法あるいはその他の法律によってもそれを阻害するものは私はないと思う。一人一人の人間に対する過酷な取り調べをしたり、あるいは人権侵害をされるというようなことは問題になるかもしれない。あるいは暴力団といえども現行の事態から申し上げますと、犯罪を犯すまでは犯人でないことは間違いがない。したがって、これらについてむやみな尾行をしたり、あるいは検束するということはできないでありましょう。しかし少なくとも、世間でこれだけ話をされ、さらに新聞紙上でこれだけにぎやかになっておる、この根源といわれておる資金源に対して、いまのような警察の態度であったら、これは百年河清を待っても、問題の解決は私はつかぬと思う。それは政界であり、財界であるというようなことで警察はなかなか手が入れにくいかもしれない。しかし、そこは少なくとも警察の職務として、一般の国民に安心感を与え、社会の秩序を維持することのためには、私は勇気を持ってやるべきだと考える。同時にこのことは、さっき大臣の答弁にもございましたので、大臣にもひとつ申し上げておきたいと思いますが、私は大臣の言われるようなことはあろうと思います。しかし、それはお互いに政界にいる者、あるいは財界にいる者の自粛あるいは財界にいる者の反省、あるいは政界にいる者の、自分たちの社会の秩序を保持しなければならないという立場から考えてくれば、当然それは阻止できる問題ではないか。もし、これを犯罪ではないんだ、道義上の問題だというなら、そのくらいの道義上の問題はお互いに解決できるんじゃないかということです。これは何も院議でお中元や、お歳暮をやることを少し控えようなんということを、議長名で出されたというようなことだけでは済まされない、私はそんなことじゃないと思う。したがって、日本の政界では何といっても自民党さんが大多数であり、政権を現在お握りになっておる自民党として、政界としての一応の責任上、政界人に対して自粛を望むというような処置はとれないものですか。これはあなたに聞くのは少し言い過ぎかもしれません。あるいは総裁の池田さんに聞くべきものかもしれぬと思いますが、一応所管大臣としてひとつ承っておきたいと思います。
○赤澤国務大臣 政界に関しましては、累次にわたって総理が、こういつたことは絶対に行なわないようにということは、自民党にとっては、それぞれ呼びかけてありますので、最近個々の方がどういうことをしておりますか私は存じませんけれども、少なくともこのことはわれわれのほうでは行き渡っておると考えております。財界などもやはりやっかいだからこのくらいはくれてやれということが、累積するとそれが大きな資金源になりますので、戒めなければならぬと考えますが、ただ、資金源は、何も悪いことばかりして金を集めるに限っておりませんので、合法的にやっておる部分もあるし、またこういう非合法の部分もある。そのけじめが調べてみるとなかなかむずかしいわけでございます。しかしながら、むずかしくても非合法の部分があることははっきりしておるわけでありますから、そういった源になるところ、たとえば財界と申しましても、昔は御案内のとおりに、こういう人の職業を聞きますと、土木請負業と右から左に言った時代があった。これはやはりいろいろな工事の入札なんかの際に談合というようなことが行なわれておった時代には、いわゆる談合屋の仲間入りをいたしまして何がしかごりやくにあずかった、こういうようなことが常識的に行なわれておった時代もかつてあったわけであります。だから起こりそうなところはすべてわれわれも綿密に調べて、将来とも財界の金がそういった面に流れていくことも防がなければなりませんし、またこういった人たちでも、実は犯罪を起こしてから追っかけるというよりは、おそらく質疑の間であったと思いますが、私はすぐつかまった人たちの前歴を調べてみましたところ、ほとんど全部前科があるわけでございます。ですからやはりこういった人たちは、このままほうっておいたらろくなことにならぬわけでございますので、資金源でも、正業と判断される部分はそのほうに向けていったらいいじゃないか、やはりこの人たちの更生のことも考えてやらなければなかなか抑え切れぬと思いますので、万般のことを協議いたしまして、やはり私どもこういった事態の起こらないように、絶滅を期して努力をいたしたいと考えております。
○門司委員 法務省見えていますか。
○森田委員長 法務省から羽山刑事課長さんが見えております。
○門司委員 それでは一緒に御答弁を願うようになるかもしれないと思いますが、実はこの種の犯罪についての捜査の関係でありますが、かりにこれらの諸君が大ぜいでやる、ことに密輸入などにはそういう関係が深いのでありますが、ごく最近に起こった密輸入でも、私の知っている範囲内でも、フィリピンから来た六十丁のピストルが密輸入された事実がある。そしてそれの捜査が完全にされておらない。これらの問題を見てみますと、警察当局では非常にやりにくい面が一つあるようである。それを警察のほうでは私はよく御任じだと思いますが、何人かが検挙されて、そうしてそれの一応の取り調べが終わって検察庁に送る。そうすると事犯の全貌はまだ片づいておらぬ。警察はその残余のものを検挙しなければならない。ところが検察庁に送ったのが保釈で出てくるということで、結局その後の犯罪捜査、その後の核心に触れた捜査というものについては非常に困難ができてきております。私はこれは事実だと思います。それに対する警察側の意見とあわせて、検察庁側の意見をこの際お聞かせ願いたいと思います。
○羽山説明員 このたびの松山の事件の関係者の中にも、保釈中の者が二名ございます。一人は殺人未遂でございますか、の非を犯しまして、現在一番実刑の言い渡しがございまして、控訴中でございます。もう一人は、やはり恐喝その他の罪名でございまして、これも一審実刑の判決がございまして、控訴中でございます。この前のほうの人間の保釈に際しましては、これは昨年の十一月でございましたか、勾留中に病気になりまして、病気になりましたために勾留執行を停止いたしまして、その後に保釈になったわけでございまして、そのときは検察官といたしましては、保釈もやむを得ないという意見を付したのでございますが、二度目の案件につきましては、検察官といたしましては極力意見を述べまして、保釈不相当の意見を申し立てたのでございますが、結局裁判の結果は保釈に相なった、こういうふうな実情になっておるのでございます。
 ただいまお尋ねのように、保釈になりますると、保釈というものは、御承知のように有罪判決を受けるまでは無罪の推定ということが原則でございます。原則としては出すというたてまえになっておりますが、一審有罪の判決がありました場合には、今度は原則としては保釈しないというたてまえになっておるのでございますが、それがただいまのような結果になっておるわけでございます。保釈がございますると、お尋ねのようにあとの捜査にいろいろ差しつかえることもございますし、それから検事といたしましては、いわゆるお礼参りその他被害者の家へ行く、あるいは、最近は新しいやり力でございまして、被害者の知人の家へ行って今度はあいつをどうするというような、ワンクッション入れたような行動をとりまして牽制をする。その結果、今度被害者が証人に出てまいりますときに、公判の立証上まことにやりにくいことになるのでありまして、検察官の立場といたしましては、できる限り保釈してもらいたくない。特にただいま申し上げましたように、関係者に悪い働きかけをするようなおそれのある極数の人々につきましては、そのような人々であるということの立証に全力を注ぎまして、なるべく保釈にならないようにということに努力をいたしておるのでございますが、何ぶんにも裁判のことでございますので、具体的案件につきまして、とやかく申し上げますことは差し控えたいと思うのでございますが、いままでのところ検察官の努力が足りないと申しますか、あるいはいろいろ創意くふうが足りないと出しますか、ときおり遺憾な結果を見ておるというのが現状でございます。
○関根説明員 保釈が多くて捜査に支障があるようなことについてどうか、こういうお尋ねでございますが、具体的にはただいま法務省の刑事課長のほうからお答えがございましたように、中にはそういう事例もあると思いますし、中にはそうでない事例もあるということで、直接お答えでなくなるかもわかりませんが、できるだけ保釈にならないように、警察が立証中である際に、悪性であるという理由をつけて出すということで、被疑者が従来どういう性癖を持っておったか、どういう組織の人間であるかということをできるだけつけてやるという方向で警察内部としては努力をするように努めておるということが一つでございます。
 もう一つは、いま申されましたように、保釈は検察官、裁判官の関係になります。保釈の取り消しは検察官の請求によって裁判官がやることが多いのでありますが、保釈条件に反するというようなことを警察が現地で把握いたしました際に、たとえば住居条件に反するというふうなことをできるだけ調査して、そして検察官にその資料を提出して、検察官から裁判官に保釈の取り消しを申請していただく、そういうことで、最近もいわゆる暴力団の幹部の者に保釈の取り消しがあったというふうなことも数例あります。こういうふうなことで、保釈は実際は非常に困るのでありますが、制度上やむを得ませんので、できるだけ保釈にならないように警察側が努力するということ。保釈になった場合でも、条件に反したものについては取り消されるように連絡がとれるようにする。そういうことができた場合に保釈にすることができるわけであります。
○門司委員 私は、実はそういうことを聞いたわけではございませんで、そういう事実がどうも外から見てありそうだ、この種の連中はすぐずっと連絡をとってしまいますから、非常にあとの捜査がやりにくいのではないかということで、警察、検察庁がどういう態度をとっているかということをお聞きしているのではありませんので、もしそういうようなことがあるとすると、私どもの立場としては法律の改正をする必要があるのではないかということでお尋ねしたわけであります。警察がどういうことをやっているかということをお聞きしても、私も警察の動きは自分自身でもある程度わかっているということで実はお聞きしておりますので、率直にこの種の事件に対する保釈と取り調べが困難であるというなら――先ほどちょっとそういうことも言われましたから、これ以上は追及をいたしませんが、そういう問題は必ずしもないことではないということが考えられます。
 それからこの機会にもう一つ聞いておきたいと思いますことは、この事件につきましても家宅捜索をされていますが、何ら押収しておるものはないのですね。この種の事件に関することで、ただ踏み込んでいったら、鉄砲や刀は幾らか押収したかもしれないが、これは警察の取り扱い、処置の上に問題があるのではないかと考えられます。事件の起こったのは七日の午前十一時過ぎであります。それからごたごたして、大体七日の夕刻には終わっている。捜査をされたのは、その翌朝の五時であります。この種の諸君はあと、ガサがくるくらいのことは百も承知なんですからね。やはり事件が起こったら、時を移さず一方は事件の処理をすると同時に、一方は関係のあるような場所を捜査するというようなことはできませんか。こういう手ぬるいことをやっておったのでは、いつまでたっても満足なことはできません。この種の連中はさっきも申し上げましたように、百も承知でやっておることでありますから、こことここくらいにガサがくるだろうということは、ちゃんと考えていて、その間に関係者も逃がしておりますし、関係したものは全部なくしていることはわかり切ったことだ、こういうことで警察がなめられると言うと語弊があるかもしれませんが、案外取り締まりの手から逃がれられることを彼らが十分承知してやっていること、その手に乗ったということばは悪いかもしれませんが、事実はそういう結果になっておる。この松山の事件を見ましてもそのとおりであります。十ヵ所捜索しても、何ら事件に関係したものを、一品も押収することができておらない。私はこういうことではいけないと思うのだが、これに対する警察側の御意見はどうですか。なるほど法律でやるのだから、日没というような制約があるかもしれない。しかし考え方によってはすでに事件が発生しておるのですから、この種の事件に関係があるとみなされるときには、翌日にならなくてもやれるのではないか。同時にまた一方においてはこういう現行犯だから、何も捜査することに多少の制約はあっても、踏み切ってやれるのではないか、もし踏み切ってやれないものなら、これまた何とか法の改正をしなければならないのではないだろうかというようなことも考えられるのでありますが、その点に対する警察側の意向はどうですか。
○関根説明員 愛媛県の捜索が翌朝行なわれたという事情については、一応事情を聞いたのであります。ただいま手元の資料がちょっと出ませんのですが、令状の請求をすること、あるいは御指摘のあった夜間の捜索とか、それから警察官の捜査する体制とか、そういうふうなことで――あるいは理由にならないかもわかりませんが、そういったようなことを整えて、愛媛県の場合には、たまたま時間的に翌朝になったということで、もう一つは、通常の場合と違いまして、通常はああいう事件が起きた場合には、事件が発生して後被疑者が逃走してしまって、逃走した被疑者を追っかけるということが多いのでありますけれども、今度の場合は、少なくとも片方側は事件発生後そのままそこの現場におったということで、事件の被疑者検挙と同時に、事件に用いられた凶器を比較的多数押収することができたということなどがあった点は、いつものこういう場合の捜索とは違ったと思うのでありますけれども、今度の場合はもっと早くできなかったかどうかということの御指摘がありましたけれども、極力早くということと、しかもそれができる限り広範に、たとえば関係者の、被疑者の住居のみならず少しでも関係があると思われるような場所についても、できるだけ広く捜索をやるというような方向で努力してまいりまして、先ほど申しましたように、少なくとも従前よりは多少押収、捜索の状況、やり方はよくなってきておる。まだ不十分ではないかという点については確かにそうだと思いますが、一般的に申しまして、最近、事件関係の凶器の押収がふえたということは、私どもとしては少なくとも若干は変わりつつある、かように考えております。
○門司委員 どうも、何かことさらに言いわけのようなものを聞くような気がいたします。私は率直に、さっきも申し上げましたように、私どもは私どもの立場から、この事件自体について警察をいじめるとか、警察を追及するとかいう考え方でこの事件が解決するとは考えておりません。したがって、そういう血にかりに抜け穴があるとするならば、これを何らかの形で抑えなければならぬ。このことはわれわれの責任でもあり、取り締まりのほうの意見というものも、こういう機会に聞く必要があるから聞いておるのであって、今度の事件で押収されたものがどうだこうだというようなことは、報告された中に書いてあるわけでよく知っておる。そういうような点、警察側も率直にひとつ意見を言ってもらいたい。ここは何も裁判所でもなければ検察庁でもありませんし、あなた方に対して取り調べをしているわけでも何でもないのだから、お互いに事件を中心として、今後そういう事件の起こらぬようにどう対処されるか、検討されているかという考えで私はお聞きしておるのでありまして、そのつもりでひとつ答弁を願いませんと、われわれの今後のこの積の問題に対する責任の上から申しましても、一向らちがあかないので、そのつもりでさらに答弁を願いたいと思いますことは、この前の委員会でちょっと私は当局側に聞いたのでありますけれども、銃砲刀剣等の所持に対しまする法律はございます。しかしこの問題について、銃砲はなるほど届け出をして、そうして所持者がきまるということになっております。ところが刀剣のほうは、御承知のように文化財委員会か何かにこれを登録さえしておけばそれでよろしいということで、所持者のほうははっきりいたしておりません。したがって、それが点々としてどこをどう歩いておっても、これは登録さえされておれば刀剣自身は何もない。ただ、不法所持という形が銃砲のほうははっきり出てまいりますが、刀剣のほうには不法所持が当たるかどうかということはいささか疑問がある。同時に、したがって入手するほうもわりあいに気楽にこれが入手できる。この点について、何かもう少しきついワクをはめる必要があると私は思うのだが、大臣の、公安委員長としてのお考えをひとつこの際聞いておきたいと思います。
○赤澤国務大臣 御指摘の御懸念は、私たちもこの立場におりますと当然感じるわけでございまして、たとえば銃砲刀剣類と書いてありますが、類とは一体何をいうかというふうなことですから、やはり詰めていって、これこれが類に入ります、では出刃ぼうちょうはどうだ、さしみぼうちょうはどうだ、これは類に入りません。それは凶器として使われている例が多いとか、いろいろ実際面になりますとむずかしいことがあります。
 いまの捜査がおくれました件につきましても、私はしろうとなりに考えたわけです。私も最初報告を受けたときに、 これはおかしい、事件が前日起こっているのにあくる日になってのこのこ家宅捜査に行くなんていかに間が抜けているかということをすぐ感じたわけでありますけれども、しさいに聞いて入れば、また令状ももらわなければ捜索もできませんし、では令状はいつもらったんだ、時間的な追い込みで聞いてみましても、やはり若干時間がかかる。これもいま直接眼前でだれかの生命が脅かされるという場合は、これは家七内に踏み入ることもできるようでございますが、しかしそうでない場合には、やはり裁判所に捜査令状というものを要求しなければならぬ。こういうものが手かぜ足かせとなって、肝心なものを取り逃がすことがあり得ますけれども、じゃこれに対して緊急措置の範囲を拡大するということになれば、またわれわれが提案いたしましてもそれがなかなか通るような状態ではありませんので、私どもそれに対応する手段はいろいろ検討をしておるわけでございます。
 いま御指摘になりました点はたいへん大事なことでございますので、銃砲刀剣の類の問題、またそれを所持する――銃砲の場合は明確だが、刀剣類となるとはなは、だ不明確だ。文化財云々といろいろ別の法律もあって、なかなか明確じゃない、そういった点も突っ込んで検討したらどうかということでございますが、もちろん御指摘の点等も十分勘案をいたしまして、将来こういう事故の絶滅を期しまして、私どももただいま御提案になりました問題等は十分検討しなければならぬ、かように考えております。
○門司委員 あとの委員会の関係もあるようですから長くは申し上げませんが、最後に私は聞いておきたいと思いますことは、先ほどピストルその他の外国から流れてくるものについては湯山君から聞かれて、当局側の答弁もあったようでございますが、問題になりますのは、この種の事件が、実際は長い間ずっと取り締まりを厳重にやってきながら数が減らない。人間も非常にふえておる。ことにきょうの報告書を見てみますと十八万四千人と書いてありますが、これらの諸君の生活費というようなものは私はばく大なものだと思う。私はこれらは生産にほとんど従事しない諸君だと思いますが、生産に従事しないで今日生活をしていこうとするには、たいへんな資金源がなければ、私は十八万四千人という人間を養っていくわけにはいかないと思います。これに家族を含めると、かなり多数の人間になろうかと思います。それらの問題についてもまだきょうの段階で、大臣はいろいろ御答弁は願いましたが、もっとこの問題の根を断たなければならない。資金源の問題で私も満足するだけのことを実は聞くことができなかったのでありますが、当局は、さっきも申し上げましたように、資金源について財界、政界ということで、あれだけ大きく新聞にも書かれ、みながそう言って歩いているのですから、私は必ずしもないとはいえないと思います。どう対処することがこれらの問題を断ち切る一つの策だというようなことが、私は必ずあると思うのですけれども、それをひとつここで遠慮なく言ってもらいたいと思うのです。どうも政界に関係があり、財界に関係があるようなことをへたに言っていると、あとでそれこそお礼参りがあっては困るという心配が警察にあってはならないと思うのですが、私は警察として当然、これにどう対処すればいいかということを部内でも相談され、また検討されていると思う。ただ今日の政治情勢の中で、なかなか立場上言いにくいというようなことが私はありはしないかと思う。先ほど大臣は大臣としての立場からお話がありましたが、実際問題としてどういうふうにすればよろしいのかというようなことを、警察当局からこの際ぜひ聞いておきたいと思う。そうでなければこの種の問題について安心ができない。どうもいろいろ尋ねてみたのだけれどもしまいには政治的な話におちいってしまって、一向実効がなかったというようなことがあってはならないと私は思う。だから、遠慮なく警察当局の態度なり、あるいは警察当局に御意見があるならこの際聞かしておいていただきたいと思います。特に資金源に限ってもう少しはっきりした御答弁をお願いしたいと思います。
○江口(俊)政府委員 まず前提として申し上げますが、政界なり財界なりに関係があるから私たちが言いにくいということは一切ございません。具体的な関係というものがどうあるかということを知りたいということで、事件に直結した線から解明していっている事例は従来もあるわけでございます。
 それから十八万何千の暴力団と私たち出しておりますが、それは構成員が団体の威力あるいは自分たちの習性として、暴力行為をしばしば行なうというものが多数入っているといういろいろな団体を総合して計算したものでございまして、そのうちには港湾荷役だとか、あるいはほんとうの意味の土建業だとか、あるいは興行とかというような正業収入というのがやはり大きな団体ではおもなものだと思います。ただ同じ正業をやるにしても、暴力的な団体の力というものは、なわ張りその他というようなことで、背後に威力として存在しているということはありましょうけれども、収入を得ているそのことの仕事は、正業であるというものが私の知っている限りにおきましても相当数だと思いますから、その正業以外に資金が入ってきている面が、どういう面からどれだけあるかということを切り離して探求いたしませんと、これらの十八万何千が食っていっているその資金の全部について、これが違法なものあるいは取り締まりの対象になるものだとは青い切れないと思います。ことに関西等における大きな団体におきまする大部分の生活費というものは、私はやはりそういう面にあると思いまするが、ただ何も正業に従事しないで、しかも普通人よりもよけいな収入を得ているというような者が間々あります。これらについてはやはり恐喝だとか、あるいは恐喝に至らなくても、普通の方法ではなかなか取り立てられない債権を取り立てるとか、あるいは先ほど御指摘になったように、犯罪までには至らなくても、相手のほうがうるさいから少し出しておけというような面等が私は多いのじゃなかろうか、こう思いまするので、これを撲滅しまするためには、理由のない金は政界においても財界においてもお出しにならない、しかもどうしても取られるという場合は、これは犯罪行為によって取られるというようなところまで各自がしっかりしていただくということが肝要であって、だんだん調べていくと、やはり裁判ざたとかあるいは証人になるということがうるさいですから、多少その場では恐怖を覚えて出されたような場合でも、いままでほとんどといっていいほど、いやあれは任意に出したのだということになってしまいまして、違法な金の取り方じゃないということになることが多いのでございまするが、その点が残念でございます。しかし最近新聞等でもときどきごらんになりまするように、最近におきましては、これは全体の数から言うと一部分であろうとは思いまするけれども、そういう際にき然とした態度で出られて、あとは警察の保護とマッチしてそういう金を出さない。いままでは出しておったけれども、出さないというような態度に出られる財界というか事業会社等もときどき出てまいるというのは、私はいい傾向で、これが全般に行き渡ってきますと、収入源の、しかも違法なものについては断つことができる、あるいは少なくとも減少させることができる、こういうふうに考えております。
○門司委員 それでは最後に、これを総括しての意見でありますが、暴力団のあることは事実だし、これをあなた方もお認めになっていることも事実だし、それから資金源がどこにかあるであろうということもこれは事実であります。ことに生活費だけではありませんで、これらの諸君の行動費というものはたいへんな費用でありまして、生活費だけを考えていると大きな間違いであります。行動費は私は大体そういうところから得ておると思います。
 それからもう一つの問題は、先ほど申し上げました凶器は容易に手に入るということについて何らかの法的処置をする必要が私はあると思うのだが、最後に当局側から、そういう点があるならあるということをこの際明確にしておいていただきたいと思います。先ほどからそれに対する質問をずっと続けてまいりましたので、大体おわかりだと思いますが、銃砲刀剣等に対するもの、あるいは密輸に対するもの等についても、厳重にやるのはいまの法律だけでは私はなかなか困難ではないかと考えられる。その点をひとつ特に考えて御答弁を願いたいと思います。
 それからもう一つの問題は、実はピストルの問題でありますが、これはいまの大臣のお話では、御承知のようにCRSですか、と称されておるフィリピンの密造工場でこしらえられたものだ。こういうものがこちらへ大量に来ておると思う。これについてはかなり実は凶器として持ってきてはいないが、こちらへ持ってくれば凶器になっております。これらは非常に利益が伴っているわけでありまして、現地で買えば大体四千円くらいの日本金で買えるはずであります。これが内地に来ますと、一万円から、高いのは五万円くらいで売れておるというところに問題があろうと思います。したがって密輸のものは、これは麻薬と同じことでありまして、これは犯罪の手助けをするのだといって持ってきているわけではない。要するにもうかるからということで持ってきておるのだと考えられる。ですから、その面等については特に何かこの際法律で取り締まることができはしないかというようなことをもしお考えなら、この際ひとつはっきりしておいていただきたいと思います。
○江口(俊)政府委員 銃砲刀剣類等所持取締法におきまして、銃砲刀剣というものが一律に規定されているという点にいささか実情に合わない点があるということで、主として凶器として使用されるピストル及びこれに準ずるライフルというようなものについては、ほかの空気銃等とは区別して、相当重い罰則をつけたらいいのじゃないか、こういう点と、それから先ほど門司委員からもおっしゃいましたように、刀剣についての現在の取り扱いが保安上必ずしも十分じゃないという実情にありまするので、この面についてもいま少し文化財保護委員会等とも連絡をいたしまして、少なくとも現在どういう刀剣はだれが持っている、どこの手にあるということくらいは、合法的に持っている場合におきましてはわれわれが知っているという状態にしたいという点や、及び銃砲刀剣の許可にかかわるものにつきましては、現在も規定はございますけれども、その使途によっては、いまの暴力団の組織員等については現在の規定もございまするが、もう少しはっきり、所持させない、許可をしないというような人的な区別が、現在も多少ございますが、それをはっきりした形に書けないかどうかというような、こういう三点を主といたしまして昨年来事務当局におきまして検討中でございまして、できれば今国会にお願いしたいというつもりで作業をやっておりましたが、なお、一、二の解決すべき問題点が残っておったものですから、お出しいたさなかったわけでございまするが、できるだけ近い機会において成案を得て、いま申し上げたようなことを骨子とした改正案を出したいということで準備をしてきておる次第であります。
○森田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十九分散会