第046回国会 予算委員会第四分科会 第2号
昭和三十九年二月十八日(火曜日)
   午前十時十三分開議
 出席分科員
   主査 稻葉  修君
      井村 重雄君    今松 治郎君
      松澤 雄藏君    山本 勝市君
      稻村 隆一君    五島 虎雄君
      田口 誠治君    只松 祐治君
      中井徳次郎君    二宮 武夫君
      原   茂君    加藤  進君
   兼務 川俣 清音君 兼務 栗山 礼行君
   兼務 玉置 一徳君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 早川  崇君
 出席政府委員
        警  視  監
        (警察庁刑事局
        長)      日原 正雄君
        厚 生 技 官
        (環境衛生局
        長)      舘林 宣夫君
        建 設 技 官
        (道路局長) 尾之内由紀夫君
        自治事務官
        (大臣官房長) 松島 五郎君
        自治事務官
        (大臣官房参事
        官)      宮澤  弘君
        自治事務官
        (大臣官房会計
        課長)     宮崎  剛君
        自治事務官
        (行政局長)  佐久間 彊君
        自治事務官
        (財政局長)  柴田  護君
        自治事務官
        (税務局長)  細郷 道一君
        消防庁次長   川合  武君
 分科員外の出席者
        警  視  長
        (警察庁警備局
        警備第一課長) 山口 広司君
        自治事務官
        (財政局財政課
        長)      岡田 純夫君
    ―――――――――――――
二月十八日
 分科員堂森芳夫君及び中井徳次郎君委員辞任に
 つき、その補欠として二宮武夫君及び田口誠治
 君が委員長の指名で分科員に選任された。
同日
 分科員田口誠治君及び二宮武夫君委員辞任につ
 き、その補欠として稻村隆一君及び原茂君が委
 員長の指名で分科員に選任された。
同日
 分科員稻村隆一君及び原茂君委員辞任につき、
 その補欠として中井徳次郎君及び只松祐治君が
 委員長の指名で分科員に選任された。
同日
 分科員只松祐治君委員辞任につき、その補欠と
 して堂森芳夫君が委員長の指名で分科員に選任
 された。
同日
 第二分科員玉置一徳君、第三分科員川俣清音君
 及び栗山礼行君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十九年度一般会計予算中自治省所管
 昭和三十九年度特別会計予算中自治省所管
     ――――◇―――――
○稻葉主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。
 昭和三十九年度一般会計予算及び昭和三十九年度特別会計予算中、自治省所管を議題といたします。前会に引き続き質疑を行ないます。田口誠治君。
○田口(誠)分科員 まだ大臣がお見えになりませんので、その間、局長でお答えいただく面を最初に御質問申し上げたいと思います。
 いま各市町村で問題になっておりまする清掃問題でございます。これにはごみの処理とし尿処理の問題があるわけでございまするが、この点について、各市町村ともまちまちな行政がとられておりまするので、自治省としてはどのように把握されて、今後どう指導をされていくかという点についてお伺いをいたしたいと思います。
 ごみの処理につきましてもし尿処理につきましても、これは直轄事業と民営と両方あるわけでありまするが、自治省の把握されておるところでは、その分布状態がどういう分布状態にあるかということから、まずお伺いいたしたいと思います。
○佐久間政府委員 自治省といたしまして特別な調査はいたしておりませんが、厚生省でなさいました資料を私どもいただいておるわけでございます。それによりますと、昭和三十六年度におきまして、し尿につきましては直営が一四・三%になっております。それからごみにつきましては八二%ということになっております。
○田口(誠)分科員 直営と民営との開きはどうですか。
○佐久間政府委員 し尿につきましては、ただいま申しました直営一四・三%、それから民営と申しますか許可を受けてやっておりますものが五九・二%、それから直営と許可と両方を併用しておりますものが、二六・五%、ごみにつきましては、直営が先ほど申しましたように八二%、許可が一〇%、直営と許可を併用いたしておりますものが七・九%ということでございます。
○田口(誠)分科員 そこで、直営と民営の場合、住民の負担が非常に違っておるわけなんです。一例を申し上げますると、私の住んでおりまする岐阜市の場合、し尿処理は、一カ月直営は五十円でございますけれども、これを民営に託してやらしておるのは三百五十円とっておる。それでこういうように非常に処理料金が違っておるというので、結局住民のほうとしては二重課税になるというような考え方から、非常に大きな不満が出て、それから主婦連の層から非常な抗議が各地方自治体へ出ておりまするし、また私どもにも強い陳情が来ておるわけなんです。したがってただいま申し上げましたのは、私の住んでおる岐阜市を例にとって申し上げたのですが、他の都市では無料でやっておるところもあろうと思いまするし、またそれ以上料金をとっておるところもあろうと思いまするが、そういう内容について把握されておる範囲内で、ひとつお答えを願いたいと思います。
○岡田説明員 手数料につきましては、三十八年度は総額で三十六億、それからし尿では十二億、大体四十八億程度でございますが、実際の単価につきましては、団体によりましてその事情事情により若干の出入りと申しますか、開きがあるようでございます。
○田口(誠)分科員 各自治体ごとの手数料の把握なんかはされておられませんか。
○岡田説明員 一応とったものはございますけれども、ただいまのところ、平均いたしまして集計したものは手持ちをしてございません。若干まちまちな点もございますので、平均してこうということははたして実情に合っているかどうか疑問でございますので、平均したものは押えておりません。ただ個々の団体について調査したものはございますが、ただいま手元にございませんので、必要でございましたら、またあらためて御説明いたします。
○田口(誠)分科員 資料がなくてお答えできなければやむを得ませんけれども、わかりましたら、ただいま私のほうから一例を申し上げましたように、一カ月直営なら幾ら、それから民営の場合はどの程度手数料を取っておるか、こういうことは、おそらく完全な資料としては集約されておらないかもわかりませんけれども、当局としては、そういう点の把握が全然ないということはないと思いまするので、把握されておる範囲内でひとつお答えを願いたい。
○岡田説明員 把握はいたしておりますけれども、ただ、手元にございません。厚生省のものでございますから、厚生省のほうから……。
○田口(誠)分科員 それでは、その点はあとから伺いたいと思います。
 そこで、これは大臣がおいでになってからお伺いしなくてはならない内容にもなろうかと思いまするけれども、この清掃の予算は、厚生省で取られるのですけれども、実際に行政の面で指導されたり行政をされるのは自治省であるわけです。したがって、いまの清掃法によるところの管理監督、そうした一切の行政指導の責任は、これは厚生省にあるのか自治省にあるのか、この点をやはりはっきりしておいてもらわなければ、将来こういう問題と取り組んで予算要求をするときなんかにも支障があると思いまするので、その点の責任の所在をはっきりしてもらいたいと思います。
○佐久間政府委員 清掃法の所管の役所は厚生省でございます。ただ、清掃も地方公共団体のやっております事務の一つでございますので、地方公共団体の行政、財政の全般の問題につきましては自治省が所管いたしておりますので、自治省も関係をいたしておるわけです。
○田口(誠)分科員 その辺のところがちょっと明確でないわけなんですが、私の考え方としては、こういう行政は自治省に責任義務があるということです。いまの予算の取り方の上においては、厚生省で予算を取るということになっておりますけれども、実際にこれを行政の上に上げて実施をするということは、また管理監督をするということは、自治省にあるわけです。各市町村にあるわけなんだから、地方公共団体にそういう責任があるというように私は思うわけなんですが、ただいまのお答えは、どちらにも責任があって、半々の責任のような感じがするわけなんですが、この点を明確にしておかないと、将来、こういう大衆から強く要望されておる問題を処理する上において支障があると思いまするので、もう少し考えて御答弁をいただきたいと思います。
○佐久間政府委員 法律の上におきまして、主務省、主務大臣というものがございますが、これは厚生省、厚生大臣でございます。ただ市町村が責任を持って実施をいたしておりますことはお説のとおりでございますが、市町村の行政、財政の全般の制度なり運営につきましては、自治省といたしまして関係をいたしておるわけでございますが、清掃の事務そのものの直接の指導監督をなさいますのは厚生省でございます。それはちょうど市町村で学校をやっておりますが、教育そのものにつきましては文部省が主務省である、しかし教育も地方公共団体の仕事の一つといたしまして、地方公共団体の行政、財政全般の制度なり運営という見地から関係いたしますのは、その意味におきましては、自治省も関係いたしておる、それと同じように考えておるわけでございます。
○田口(誠)分科員 そうしますと、清掃のいわゆる事務処理ですね、行政を含む事務処理の責任だけ、地方公共団体が責任を持つんだというように解釈してよろしいですか。
○佐久間政府委員 お尋ねの意味が必ずしもはっきりと御理解申し上げておるかどうか疑問でございますが、清掃法で市町村が清掃の責任を持つように書いてございます。この法律の定めておりますワクの中で、市町村が清掃の事務につきましては責任を持っておるわけでございます。しかしその市町村のやります清掃の事務につきまして、中央の官庁の中で、その事務につきましての指導の責任を持っておられるのは、これは厚生省である。しかしそれが市町村の、というより、地方公共団体の行なっております事務の一つでございますので、市町村の行政、財政の制度なり運営なり全般につきましては、これは自治省の所管でございますので、その意味におきましては、自治省も関係をいたしておることになる、そういう意味で申し上げておるわけでございます。
○田口(誠)分科員 国のほうではそういう言い方もできると思いますが、実際に地方公共団体に行きますと、これはやはり厚生課が主管でやるとか、そういうことで、いずれにしても地方公共団体の中でやらなくてはならないわけです。それで、予算要求はどこがとってくれようが、国からどういう補助率で来ましても、これは地方公共団体の責任でやらなければならないので、そういう点から、私はただいまの御答弁は、やや厚生省にウェートを置かれておるというように考えておりますが、実際に地方公共団体の実態を見ますれば、これは自治省のほうでもう少し積極的に責任を持って取り組んでもらわなければならない問題であろうと思うのですが、そういう点のお考えはどうなんですか。
○佐久間政府委員 市町村の行なっております事務の中で、清掃は住民の日常生活に一番関係の深い仕事の一つでございますので、かつまた、最近における特に都市におきまして、この清掃問題が重要性を増してきておるわけでございますので、自治省といたしましても、市町村の行政、財政全体の上で清掃の占めるウェートが非常に大きなものになってきておるということにつきましては、十分認識もいたし、理解もいたしておるわけであります。したがいまして、地方財政全体の中で財政措置をいたします場合にも、清掃の財源につきまして、両三年来特に重点を置いて配慮をいたしてきておるというような考え方をしておるわけでございます。
○田口(誠)分科員 具体的に御質問申し上げますが、予算要求の場合、こうした清掃関係の予算の要求には、自治省としてどの程度タッチされるのか、これは厚生省におまかせなんですか。
○岡田説明員 補助金の問題は別問題といたしまして、交付税におきましては、本年度、三十九年度から清掃費の新たな費目を立てまして、したがってそういうふうな体系においても、清掃関係については十分力を入れてまいりたいと思っております。
 それからなお、自治省としては、交付税の算定におきまして、三十八年度は約二百四十億ばかり清掃に入れておりますけれども、それの約四割程度を増加いたしまして、百億前後を強化いたしたい。その他、内容といたしましては、職員の配置でありますとか、清掃車の台数であるとか、そういうふうなものについても、具体的に強化する内容を盛り込んでおります。
○田口(誠)分科員 ただいまのお答えはちょっと専門的なお答えで、受け取りにくかったんですが、厚生省のほうが責任を持って予算獲得は行なうということ、そのほうの予算は、どれだけか大蔵省で認められれば予算化されるわけなんです。そのほかに、ただいまあなたの答弁された数字を、自治省としての予算の中から、清掃関係へやはり交付金として出しておる、こういうことなんでございますか。
○岡田説明員 そうでございます。
○田口(誠)分科員 そこで、ちょうど去年、これは島本委員が質問したと思いまするけれども、やはりこうした問題でいろいろ質問する過程において、自治省としても、これは非常に重要な問題であり、また地域住民から非常な隘路として突き上げられてきておる問題であるから、予算要求等のときには、厚生省と連携をとって、自治省としても努力をいたします、もし予算獲得がしにくいような場合には、積極的な努力をするんだというような内容の答弁があったように思っております。三十九年度の予算要求の場合に、自治省としては、厚生省とどういうような連携をとってこの問題に取り組まれたか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○岡田説明員 自治省といたしましては、先ほど触れましたように、交付税の項目の中に新たに清掃費を設けるということを考えております点につきましても、また交付税等におきまして、これは厚生省とも、事務的に、また学識経験者の段階でいろいろと研究をいたしまして、研究の結果、全体の交付税等の総ワクと勘案いたしまして、極力盛り込んだつもりでございます。なお厚生省のほうで、生活環境施設等についての御計画もあるようでございまして、まだ十分に伺っていない点もございますけれども、概略の構想等はお聞きしながら、ただいま申し上げたような姿で、百億前後の強化を交付税の中でも加える。これは伸びから参りますと、四割前後になります。全体の交付税の伸び率が非常に低いこと、それから財政計画もいずれおはかりいたしますけれども、全体としては二割程度しか――しかと申しますか、二割程度の伸びになっているのに対して、四割というような充当を考えております。そういう点から見ましても、相当力を入れておるつもりではございますので、さよう御了解願いたいと思います。
○田口(誠)分科員 関心を持って努力していただいておる点は御答弁の中で受け取れますが、私は、昨年の予算分科会で御答弁のあった経過からいきまして、従来と違って、昭和三十九年度の予算編成のときには、厚生省との連絡会議を持つなり、あるいはそうした担当者の会議を持つなり、共同で予算要求に努力されるというようなことが今年はなされておらなければならないと思うので、それで伺っておるわけなんです。それで、いまの交付税の問題云々の点についてはよくわかりまするけれども、格別今年予算要求のときに努力された経過というものが、まだはっきり御答弁の中で、私のほうでは納得できないので、その点を具体的にひとつお聞かせをいただきたいと思います。たとえて言うなれば、厚生省と自治省の連絡会議を持って、こういう問題をこう協議をして、そうしてこういう程度の要求をすべきであるというので、厚生省からはこういう要求を出してもらう、自治省はこういう態度で臨んだ、いろいろそういうようなことがこの三十九年度の予算編成のときにはなされなければならなかったと思うのです。それをなされているかどうかということなんです。なされておらないということになると、ちょっと怠慢であるということです。怠慢であると同時に、議会で答弁したことは答弁のしっぱなしで、何ら実行に移さないということになります。せっかく国会で審議をいたしましても、それが実にならなければなりませんので、そういう点をひとつ明確に御答弁をいただきたい。
○岡田説明員 厚生省とは、先ほどもちょっと申し上げたつもりでございましたが、市長会を中心にいたしまして、こういう清掃問題についての研究会を持っております。まだそれの最終的結論は聞いておりませんし、まだ出ておらないと思っておりますけれども、それの協議には、自治、厚生ともに参加いたして、いろいろ研究をいたしておるところでございます。なお、その中では、モデル的な地区、モデル的な団体についての清掃のあり方等を研究いたしております。したがいまして、先ほど申し上げましたような交付税のほうにおきましては、モデル的な団体、これと、交付税の計算では標準団体というものを想定いたしておりますので、それをにらみ合わせまして、交付税措置をしたのが、先ほど申し上げた措置の状況でございます。一方、厚生省のほうにおかれては、いまの研究会の、過渡的なものといいながら、研究等も勘案されて、補助折衝をなされたわけでありますけれども、それに対する地方負担については、自治省としては、厚生省から連絡を受けまして、起債の措置をいたしております。起債におきましては、まだこれも今回おはかりする段階でありますけれども、昨年度五十五億の清掃事業に対しまして、今度の地方財政計画におきましては九十三億ということで、三十八億の増加ということになっております。この起債の関係は、厚生省の補助事業とタイアップいたして考えております。それと先ほどの交付税の措置、かれこれ見合って努力しているつもりでございます。
○田口分科員 昨年は、清掃業務に従事している従業員の待遇を改善するために、公務員の賃金のベースアップのときに、その中へ含めて、清掃の職員に対しては二百円多く交付税として地方へ回されていると思うのですが、それは日額二百円でございましたか。
○岡田説明員 ちょっと手元にございませんので、厚生省のほうからお願いしたいと思います。あるいはあとから……。
○田口(誠)分科員 時間の関係で、その金額がわからなければ、あとから答弁していただけばよろしゅうございます。
 いずれにいたしましても、清掃業務に従事しておる労働者は、特殊なああいうよごれものの仕事をしておるのだから、普通の公務員の給料だけでは雇えないというのが実態です。したがって、それを地方自治体で地方公務員並みの給与を支払っておく、そうすると、それぞれ仕事の出先でマージンを強要するのかしないのか知りませんけれども、マージンをとることになるわけで、そういう点を勘案して、どれだけかそういう労働者には国としても見てやらなければならないというので、金額的に増してもらってあるはずなんです。その点まではわかりますか。いまわからなければわからないと答弁してもらって、次へ進みますから……。
○岡田説明員 御指摘の点は特殊勤務手当のことかと思いますけれども、その点は厚生省にお願いするといたしまして、自治省といたしましては、単位費用の改正におきまして、人口一人当たり従来二百円であったものを三百四十五円に、七割引き上げになっております。これはもちろん給与ばかりではございませんで、もろもろの事業費等を含んでおります。なおそれらの点につきましては、先ほどの研究会の研究の結果を見て、さらに検討してまいりたいというふうに、自治省としては考えております。
○田口(誠)分科員 いまの三百五十円というそれは、こちらから交付金として出される金額かどうか知りませんけれども、一昨年までは日額五百五十円という基準になっておりましたけれども、二百円増して、七百五十円という基準で交付されておるはずです。わからなければ調べてあとから答弁してください。
 そこで、いずれにいたしましても、二百円増して七百五十円にしても、これはやはりそうした清掃業務に従事する労働者をなかなか雇うに雇えないというのが実態です。それで私の住んでおります岐阜市を例にとってみますると、普通初任給の場合には一万三千円でございまするけれども、それを五千円にして、なおマージンをどれだけかもらうようにしなければやはり採用ができないというのが実態であるのでございますから、私はこういう問題は当然地方自治体で解決しなければならないとは思いまするけれども、やはり地方財政の関係からいって、国のほうでめんどうを見てもらわなければ、なかなか清掃業務に従事しておる労働者の待遇改善はできないし、またそれをやらなければ採用することもできないということで、採用することができないということになったら、この事業自体が行なえないということになるわけでございますから、こういう点に対して、将来を含めて、どうするのかということについてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○舘林政府委員 先ほど来いろいろお話のございました清掃事業を円滑に運営し、しかもお話のございましたような、作業員の待遇を改善して作業意欲を向上し、あるいはこの事業が作業員不足あるいは作業意欲が足りないということのないような配慮をいたしてまいりますためには、もちろんこの事業に対する市町村当局の熱意をさらに高揚していく必要があるわけでございますが、具体的には、お話のございましたように、今後ともにこれらの職員の待遇の改善ということを十分配慮していく必要があると思います。そのためには、ただいま御指摘のございましたような基本財政需要等の際に、十分私どものほうと自治省のほうとお打ち合わせをいたしまして、市町村が給与等の面においてもできるだけ配慮するように、将来改善してまいる必要があるわけでございまして、先ほど来自治省から申し上げましたように、この問題の飛躍的な改善を考えて、相当長期にわたって市町村側を交えて研究をいたしておるわけであります。相当その成果はあがっておるものと私どもは考えておりまして、最近相当理想的な改善案ができ上がりつつあるわけであります。ただそのような理想的な改善案にいま直ちに到達することは容易でございませんので、漸次その方向に改善してまいるということで、その第一ステップとして、自治省としては、思い切って明年度相当の基本財政需要の強化といいますか、増額、あるいは清掃施設に対する起債額の増額ということを配慮していただいておる、かように私どもも考えておるわけでございまして、今後ともに一そう努力してまいりたい、かように思う次第でございます。
○田口(誠)分科員 先ほども申しましたように、直営と民営の場合は、手数料が一カ月五十円、片方は三百五十円というように大きな差があるわけです。したがって、これは地方自治体の責任において完全清掃のできるような直営一本に将来移行していく必要があろうと思うのですが、こういう点についてはどうお考えになっておりますか。
○舘林政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもが相寄りまして検討いたしております基礎内容も、市町村自体がこの事業を遂行する基礎で、基本額の算定が行なわれておるわけでございます。もちろん市町村自体が責任を持ってこの事業を遂行する形にはいろいろございましょうが、少なくとも、この事業に対して市町村当局が十分な責任を持つ体制ということを私ども目標にいたしておるわけでございまして、したがって、その線に沿いまして、基本財政需要額も算定されるというのが今日の姿でございます。御指摘のような方向に努力してまいりたい、かように考えております。
○田口(誠)分科員 お考え方としては了解できますが、いままで検討されておる結論として、大体計画的に何年度までに直営にするとか、あるいは現在の補助率を何年度を目標にどれだけ国の補助率を引き上げるか、こういうような点についての具体的なものについては、まだ結論が出ておりませんか。それとも、結論が出ておらないとすれば、大体話題にのって、審議されておる内容は、こういうような点が審議されておるんだという点を明確にしていただきたいと思います。
○舘林政府委員 ただいまの段階では、まだ案が固まったという状態にはなっておらないのでございます。ただ、いろいろ話題となっております目標は、かなり高いところに置いて案がつくられる方向でございまして、その意味では、かりにその案ができ上がりましても、いま直ちにその案を実施するということにはかなりな困難があるかもしれないと私ども考えておるわけでございます。しかし、そのような目標に向かって、しかもそのような目標を短期間に達成するような努力は、私どもとして続けてまいりたい、かように思うわけでございます。その案の内容で、特に将来大いに改善をはかっていきたいという点が盛り込まれております。その点の一つとして、先ほど御指摘のございましたような従業員の給与の問題がございます。相当これは高いところを目標としてつくられるという傾向にございますし、また施設も耐用年数に対する償却というようなものも十分見込むということで考えられております。
○田口(誠)分科員 大臣がお見えになりましたので、この辺でこの問題はけりをつけたいと思います。
 そこで、ただいま御答弁のありましたように、この問題は、考え方によっては小さな問題のように考えられますけれども、地域住民としては切実な問題でありますから、ただいま検討されておるその目標を早く達成するように、ひとつ努力をお願いいたしたいと思います。
 それで、私は参考に例を申し上げておきたいと思いますが、いま地方自治体のほうでは、やはり住民の要求にこたえて何とかしたいというので、努力はいたしておりますけれども、地方財政の関係から、それが十分になされておらないというのが実態でございます。そこで岐阜市の場合を申し上げますと、一週間のごみの総排出量は、約八百五トンでございます。それで一日当たりの処理量は、百四十六トン三、こういうことでございます。現有収集能力というのは、大型車三台と小型車十六台、手車十二台で、九十七トン六、これだけ消化しておるわけです。したがって差額の四十八トン七というのは、これは未処理ということになります。それで、これを完全に処理しようとすると、二トン車なら十三台、人員がそれには三十九人必要だということなんです。これが未処理になっておるのですけれども、しかし未処理になっておるからといって、道路のまん中に山のように積まれておるのでなしに、何かの形でこれは処理されておるんですけれども、この何かの形で処理されておるという、このことは、あまりこういう速記録に残るようなところでは申し上げられませんけれども、あまりよくない処理のしかたがなされておる。岐阜市のような財政状態のところでも、やはり誠心誠意努力いたしましても、ただいま申しましたような実態でございます。それで、何といっても現在安い賃金では清掃関係に従事する職員というのは採用できないということです。それから職員というのは、実際一日やらしてみると、とても普通の人ではついていけないような労働強化がなされておって、その労働量から賃金をはじき出してみますと、非常に低賃金ということになっておりますので、労働者の待遇改善を含めて、こういう環境衛生関係の、特に、地域住民としていま熱望されておるこの問題を、自治省としても厚生省とよく連携を密にされまして、地域住民の要望にこたえるように努力をしていただきたい、この点をお願いをいたしたいと思います。
 そこで、大臣がお見えになりましたが、ただいま清掃関係の問題を、局長さん、課長さんに質問をしておったわけなんですが、昨年も篠田自治大臣が、非常に重要な問題であるから、予算という面については主として厚生省でやっておりまするけれども、これは厚生省にまかしておくのでなしに、自治省としても予算要求のときに大いに努力するという確約をされておるわけなんです。ところが、事実は、私が期待をしておったようなことにはなっておらないと思いまするので、自治大臣としても一言この問題に対しての態度を表明していただいて、この問題の質問は終わりたいと思います。
○早川国務大臣 清掃事業に対しましては、交付税並びに起債の面につきまして、従来にも増して、三十九年度も、予算におきましてはこれを増額いたし、御要望に沿うべくやっておるわけでございまして、決して厚生省の補助金だけにまかしておるわけではございません。今後とも交付税あるいは起債の面におきまして、一そうの増額を続けてまいりたいと思います。
○田口(誠)分科員 大臣の言われるように、関心を持って大いに努力されておるというその点はわかりまするけれども、実際に地域住民が要望されておることに、地方公共団体がこたえようとすると、現在の補助率では足りないということなんです。したがって、そういうことから現在の状態で満足するということでなしに、これには大いに、地域住民として要求されておることを地方公共団体で実施する場合には、国の補助率の引き上げというようなことを大きく要請しておるわけなんですから、その点をよく心得ておいていただきたいと思います。
 それから、ちょっと先ほど申し落としましたが、先ほど申しましたように、清掃関係に従事する従業員に対する公務員のベースアップのときに、それを交付税交付金として出す場合に、二百円増して出したということを私は申し上げたのですが、事実二百円増して出しておりましても、その二百円というものが、清掃に従事しておる従業員のベースアップのほうには入っておらないという自治体が多いわけなんです。したがって、私は、せっかく国のほうでそういう配慮を払われておっても、実際にその効果が得られぬというようなことではだめだと思うのです。
 そこで、具体的に申し上げますならば、日額二百円がほかの公務員より多く交付されておっても、それを地方自治体に持っていって、一般公務員の金額の中へ含めてベースアップをしておるのであって、こういうほんとうにきたない、だれしも取っつきにくい清掃業務に従事する人たちのベースアップが、政府が配慮しているだけ地方自治体にはなされておらぬということが事実としてはっきりしております。これは私は一つや二つの市を調査したのではございませんが、そういうような処理のしかたをしておりますので、せっかく国のほうで配慮されたものが完全になされておるかどうかという点については、これから政府としても十分に監督をしていただきたい。この点をお願い申し上げまして、この項に対しましての質問を終わりたいと思います。
 それでは、大臣がお見えにならなかったので、この質問が長くなり過ぎて、ほかのほうの質問をしようと思ったことができぬことになりましたが、ここで大臣にお伺いをいたしたいと思いますことは、現在広域行政ということが非常にムード的に出ておりまして、そして都道府県の合併というようなことが具体的に出されて、そうして地方議会なんかではこの問題を取り上げていろいろと検討されておるというのが実態であるわけなんです。したがって、この広域行政に対する自治省の考え方をひとつ承りたいと思うわけであります。
○早川国務大臣 経済の高度発展に伴いまして、八十年来の府県制度という府県の区域を越えて、経済、社会あらゆる面において広域化の必要が時代の要請となっております。これにこたえるためにはわれわれといたしましては府県連合、市町村連合というような立法をいたしまして、府県を越えた問題については、その府県連合のような組織の中で処理していくということが好ましいと考えて、目下立案中でございます。しかしその場合にも、あくまでも、そういう立法ができましても、これに乗っていくか乗っていかないか――いわば広域行政という水はあふれ出ておるのです。それに水路をつけてやらなきゃならぬ。その水路をつけるのが府県連合なり市町村連合の法律でありますが、この水路に乗って水を流していくということは、あくまで自治体の御自由で、強制する考えは毛頭ないわけであります。なおまた合併促進法を出せという要望も一部にはございますけれども、現在のところは考えておりません。
○田口(誠)分科員 ただいまの広域行政に伴う府県の合併、この合併という面については考えておらないという御答弁でございますが、実際にこれを具体的に実施するというような段階に府県がなった場合には、自治省としてはどういうような取り計らいをされるのか。もうやる気がないのなら、そういうような検討をして地方議会なんかでけんけんがくがくと討論するようなことはむだであるから、そういうようなことはさせない指導をする必要があろうと思うので、その点がどうも明確でないと思います。
○早川国務大臣 自治省が指導するということは、これはなかなかむずかしい問題でありまして、たとえば合併の機運が起こってきますと、特例法を設けて住民投票という道も考えられるわけでありますが、まだそこの段階まできておりません。したがってわれわれとしては県議会の独立性はあくまで残しながら、理事者すなわち知事さんなりあるいは市町村長さんあたりが理事会をつくって、市町村連合、府県連合というところで処理していく。しかしそれはあくまで府県の議会なり市町村議会というものの承認を受けなければならぬ。いわば漸進的な考え方を持っているわけであります。
○田口(誠)分科員 高度経済成長計画の推移に伴って、新産都市とか低開発地域とか、こういうようなものが法律化されて推進されることになっております。それは今度の広域行政との直接の関係を持っておるという点をいま答弁されたのですが、そのことと府県の合併するということは関連があるといえば関連があるわけなんですが、自治省のほうでは、こういう点は全然切り離して立案されておるのか、その点も承っておきたいと思います。
○早川国務大臣 合併を予定して立案しておるわけでもございません。合併したい府県の方は、これは合併のワン・ステップとお考えになりましょう。合併を好まない県、たとえば中京地区では岐阜県がそうですか、そういったところでは、これは府県の独立性というものを残しておるわけですから、合併のためのステップではないとお考えになられる。これは自由でございまして、われわれはそうではなくて、広域行政の時代的要請にこたえるための筋道、水路をつけるというための立法を検討中でございます。これを合併と直ちに結びつけることはいかがなことかと私は思っております。
○田口(誠)分科員 いまの広域行政の問題を検討される場合に、府県の合併まで検討するということになるとなかなか問題が出てきて、自治省としても検討しにくいということもあろうと思いますし、そういうような配慮もあって、府県の合併は、これは自主性にまかすというようなお考え方を答弁されておるのですが、しかしこれは自治省として行政指導をする具体的な決定の面について、やはり行政管区の範囲というようなものはおのずから限界があろうと思うのです。したがって、こういうようなことも考えに入れて検討をされないと、府県の合併というものはその府県の自主性にまかすんだということだけでは、私はどうかと思うのです。これは中央からの行政指導が十分徹底できるかできないかということの行政範囲というものはおのずから限定されるものであろうと思うので、こういう点についてはどういうようにお考えなんですか。
○早川国務大臣 広域行政という時代的要請を処理するのに、合併以外に方法がないという段階がもしきたといたします。たとえばある三県の住民があげて合併を望むという時代がきた場合には、これはやはり住民投票をするにいたしましても、特例法を設けなければならないわけであります。そういう時代が来れば、そういう措置も考えますけれども、現在のところは、府県連合という温和な方法で、そういう広域行政の要請に応じ得る道をつくろう、こういう段階でございます。将来のことはまた別個の問題でありますけれども、われわれとしては、こういうものを通じながら、広域行政というものは自治体みずからが処理する方向に進んでもらいたい、こう期待しておるわけでございまして、いま直ちに合併に府県を指導していくという考えは、現在は持っておらないわけでございます。
○田口(誠)分科員 その点はわかりました。そこで、いま検討されておるという広域行政の面については、これは自治省の省内だけで検討されておるのか、それとも、第三者、いわゆるその道の学者等の意見をも聴取して検討されておるのか、また将来そういう問題を検討する宿議会等を設けるような意思があるのかどうか、この点も伺っておきたいと思います。
○早川国務大臣 すでに権威ある地方制度調査会というものがございまして、その答申に、府県連合の相当具体的な御提案がございました。この要綱に沿いまして、自治省は現在政府部内で意見調整をいたしまして、今国会に提案する準備を進めておる、こういう段階でございます。
○田口(誠)分科員 そうしますると、調査会の答申に基づいて実施をするということなんですが、並行して審議されておるのか。
○早川国務大臣 答申があったのです。
○田口(誠)分科員 ところが、それはいまの地方行政に対する部分のなには一部ありましたけれども、関連的なものはまだ検討をされておりますね。抽象的な関連的なものは別に考慮に入れる必要はないから、答申のあったものについてのみ、こういうお考えなんですか。
○早川国務大臣 地方制度調査会では、権限の委譲の問題の答申も出ておるわけでありますが、これはあくまで原則論でございまして、一体どういう事務を地方の自治体に委譲するかという点は、まだ決定しておらないわけであります。
○田口(誠)分科員 まだちょっと、突き詰めてお聞きしたいのですけれども、もう時間がきっちりきましたので一応終わります。
○稻葉主査 稻村隆一君
○稻村分科員 公安委員長に、実は暴力団対策について聞きたいのですが、その前に事務当局から、おいでになっておるようでありますから、河野邸焼き打ち事件、あの真相と経過、それから力道山の刺殺事件、それから田中清玄氏の狙撃事件につきまして、できるだけその原因や社会的背景、それから捜査の経過等をお聞きしたいと思います。
○山口説明員 私から河野邸の放火事件につきまして概要を申し上げます。
 昨年の七月の十五日午前六時五十分ごろでございますが、神奈川県の平塚市にありますところの河野大臣の私邸に、憂国道志会の会長をいたしておりまする野村秋介、二十八歳、それから同じく憂国道志会の会員でありますところの松野卓夫、二十五歳、この両名が共謀の上で、ガソリン十八リットル入り二かんを携えて自動車で乗りつけまして、そのうちの中に侵入をいたしまして、野村が河野大臣の秘書の紫藤研一らに対し拳銃を突きつけまして脅迫をして、それから松野が、その応接間の中にガソリンをまきまして、これに野村が点火をいたしました。そうしてその木造平屋建ての建物を全焼さした、こういうことでございます。
 事件が発生いたしますとともに、神奈川県の警察では、特別捜査本部を平塚警察署に設けまして捜査に当たったのでございますが、すでに右翼関係について持っておりますところの既存の資料、あるいはガソリンの入手先、それから自動車の運転手の取り調べ等によりまして、容疑者を割り出しまして、野村を七月の十七日、神奈川県の警察本部、共犯の松野を同じく横浜市内の旅館でそれぞれ逮捕いたしました。
 それから関係者の取り調べ、裏づけ捜査によりまして、野村が脅迫のために使用いたしました拳銃の受授所持関係が判明いたしまして、七月の二十日に川端寅三郎、それから同じく二十二日に土屋泰策、それから熊本昭平、これらの三名を銃砲等不法所持の疑いで逮捕をいたしたのであります。
 被疑者の野村は、犯行の動機につきまして、かねてから河野大臣が自民党内の派閥抗争を激化さしておる、その反省を求めるためにやったんだというふうに述べております。また行動にあたりましては、自分が一人で計画して行なったものであるとして、共犯、それから背後関係等の存在を否定いたしております。神奈川県警では事件の重要性にかんがみまして、その背後関係の糾明につとめました。また野村が平素から右翼運動について指導あるいは助言を受けておりました三上卓、これは御承知の五・一五事件の関係者でございますが、それら数名につきまして取り調べを行ないました。また野村と常時連携して行動をともにいたしておりました関係者らにつきましても、それぞれ捜査をいたしたのであります。
 その結果、この事件の前にばく然と野村から河野邸焼き打ち構想を直接聞いたという者、あるいはそのときに一種の斬奸状的なものも持っていったわけでありますが、それを見たという者、それからそれに記載した全愛会議――これは全日本愛国者団体会議の略ですが、この全愛会議の名前が掲げてあるのでございますが、それを掲げることについて、全愛会議の責任者でありますところの佐郷尾氏などに承認を求めたいということも判明いたしたわけであります。それからいろいろと若干の関連事実のあることも認められたわけでございます。ただ背後関係者としてはっきりと刑事責任を追及し得るという事実はついに発見されなかったのであります。
 また若干の金が使われておるわけでございますが、その資金関係につきましても、いろいろと背後関係追及の一環として捜査を行なってまいったのでありますが、いずれも野村の自分の会社あるいは取引関係、あるいは父が鉄工所を経営いたしておりますが、その父からの借金というようなことで、直接この犯罪に結びつくような資金関係というものも出てまいらなかったのであります。
 なお、この野村等につきましては、去年の八月八日に起訴されまして、十一月の二十日に第一回の公判が開かれました。その後私の聞いておりますところでは、四回ほど公判が開かれておるということでございます。
 以上、概要を申し上げました。
○日原政府委員 あと二つの事件についてその概要を申し上げます。
 一つは田中清玄氏の狙撃事件でございます。これは去年の十一月九日、午後六時九分ごろに東京会館の前の路上で発生いたしたわりでございますが、被疑者は前科一犯の木下陸男――これは当日の午後四時から六時の間に東京会館で立大総長の松下さんその他の人が発起人となって、評論家の高谷さんの出版記念祝賀会が開催されたが、その会に出席した田中清玄氏が、会の終了後、東京会館の玄関前に出て自動車に乗ろうと待っていた際に、被害者の田中清玄氏の約一メートルぐらいの地点まで近寄った被疑者が、田中と叫びながら被害者目がけて挙銃を二発発射し、逃げようとする背後からさらに二発を発射した。そしてそのうち三発が腹部、右腕などに命中して重傷を与えたという事件であります。そばに居合わせておりました根本氏が被疑者を取り押えようとしてもつれ合っておるときに、たまたま近くで両陛下の警備配置についていた丸の内警察署の柴崎巡査が、銃声を聞いてかけつけて現行犯で逮捕いたしたということでございます。
 そこで、捜査の状況でございますが、被疑者の供述から申しますと、木下は殺人未遂の事実については一応認めた。ところが動機につきましては、当初、本年の十月ごろ田中清玄氏が関西の親分をあおって東京をかき回そうとしておるといううわさを聞いて、自分の所属しておる東声会は関東派に属する団体でございますけれども、最近会長が田岡の舎弟になっておるので、田岡の計画によって関東、関西の団体が争った場合に親分の立場が困るので、そこで田中氏を倒そうと決意した、こういうふうにしか供述いたしません。共犯、背後関係の有無などにつきましては、一切供述しないということでございます。ただ最近になって、木下は、十月三十日に東声会の事務所に行った際に、幹部が田中をやらなければならないという意味のことを話しておったのを耳にしたということを言っておるわけでございますが、東声会の幹部からの指示によって犯行を行なったと推定できる程度のことを述べております。ただ、具体的にだれの指示かという点などにつきましては、明らかにしていないわけでございます。被疑者から十分な供述を得られないものですから、この犯行の動機、共謀の事実というような証拠を収集するために、事件発生の翌日の十日からでございますが、町井氏の自宅ほか東声会事務所など七カ所の捜索を実施いたしまして、日本刀、短刀などの凶器のほか証拠書類などを押収いたしております。ただこの押収によりましても、共謀、背後関係等を裏づける証拠を発見することはできませんでした。
 それから、町井方の捜索によりまして、日本刀が発見されましたので、銃砲刀剣類等所持取締法違反といたしまして町井を自宅で逮捕いたしました。そうして木下、町井の取り調べを進めると同時に、さらに東声会の新宿支部長の渡辺その他東声会員をそれぞれ逮捕して取り調べを進めたわけでございますが、やはり共犯、背後関係の有無、その他事件の核心をつくような捜査の進展を得ることができませんで、現在なお捜査を続行中でございます。田中清玄氏の狙撃事件については、以上のようなことになっております。
 それから力道山の事件でございますが、これは昨年十二月八日の午後十時三十分に、ニュー・ラテンクォーターで、被疑者住吉一家の村田が、遊興中の力道山とけんかをして、登山ナイフで腹部を刺して逃走をし、力道山が入院して十五日に死亡した。その直後、翌九月の午前零時四十分にリキアパート前の路上で、東声会幹部の野口外四、五人の者が村田をなぐったり、登山ナイフで切りつけたりして傷を与えたという事件で、これも被疑者として住吉側を二人、東声会側を四人、計六人を逮捕いたしておるわけでございます。この原因でございますが、それにつきましては、現在の段階では単純なけんかという結論になっております。
 以上でございます。
○稻村(隆)分科員 河野邸の焼き打ち事件は、本人は自分一人の意思でやったということを言い切っておるのですか。全然背後関係は言わないわけですか。
○山口説明員 野村個人単独の犯行であるということを何度も言っております。
○稻村(隆)分科員 なお田中清玄氏の問題ですけれども、これはいろいろうわさも――ある暴力団と申しますか、右翼の大物が背後にあるのだというふうなことを新聞社の方等から聞いておりますが、東声会の最高幹部というのはだれで、顧問というふうな人はどなたですか、お伺いします。
○日原政府委員 東声会は町井が会長であります。顧問はないと思います。
○稻村(隆)分科員 最近、新聞によりますと、警視庁は徹底的な暴力団の取り締まり対策を立てるように出ておりますが、警察庁はどういうふうな具体的な暴力団に対する取り締まり方針を樹立しているかということをお伺いしたいのです。
○日原政府委員 警察庁といたしましては、本年は交通と暴力を中心にやってまいりたいということで、先般国家公安委員会に暴力取締対策要綱というのを出しまして――本年度に限りません、今後ずっと続けていくわけでありますが、暴力取り締まりについて特に重点的に強力な取り締まりを実施していきたいということで、私どものねらいとしては、一つは、暴力の中でも暴力組織、これの実態解明あるいは内偵強化ということで、実態をできるだけ解明していきたい、それから暴力犯罪に対する取り締まり体制、初動捜査体制というものを充実強化していきたい、それから暴力犯罪の温床と申しますか、資金源と申しますか、そういう方面に対する取り締まりを強化徹底してまいりたい、それから凶器類、拳銃その他銃砲刀剣類の取り締まりの徹底を期していきたいというような方針でもってやっておるわけでございますが、それがためには、ただいまお話もありましたように、警視庁などでも機構面から整備をしていって、警察全体が打って一丸となった体制でもって暴力犯罪、特に組織暴力に対決をしていくということで、要綱を定めて、これを各都道府県警察に指示しておるような次第でございます。
○稻村(隆)分科員 従来もやはりそのくらいのことはやっていたでしょう。やっていなかったのですか。
○日原政府委員 お話のように、従来もそういうような面について取り締まりの体制をしいておったわけでございますが、さらにそれを細部にわたって検討して強く推し進めていく、特に警察全体が打って一丸となってこの暴力犯罪に対決していこうという点が違うだけでございます。
○稻村(隆)分科員 実は私の住んでいる町でもだいぶ暴力団、やくざが力を持っているのです。それで大体最初は警察もまじめにやっていたようですけれども、だんだんルーズになりまして、たとえば警察官といろいろな腐れ縁ができるわけです。現に警察官としょっちゅう飲んだりしている。暴力団が悪いことをすると、必ず権力に近寄る、権力をまず麻痺させることを考えるのですが、それで署長に飲ませるとか、あるいは警察の幹部にしょっちゅういろいろな物を贈るとかいううわさもあるし、全く事実のような実情なんですが、そういうことが非常に取り締まりをルーズにして、ついに暴力団が警察をおそれないでやるというふうなことになるわけなんですね。そういう点に対して、あなた方のほうでは、よく部下の警察官に対して、やくざなんかと飲んではいかぬ、関係を結んではいかぬということを、 しょっちゅう指令したり監督したりしておりますか。
○日原政府委員 これは私どものほうのもちろん指示を待つまでもなく、各都道府県の警察本部が当然そういう点に十分な留意を払って、徹底した取り締まりをしなければならないのでございます。私どものほうも、機会のあるごとにそういう点については注意してまいりたいと思います。
○稻村(隆)分科員 そういう事実があることをあなた御存じでしょう。そういう事実にぶつかったことがあるでしょう。あとで二宮委員から申し上げると思いますけれども、そういう事実にぶつかったことがあるでしょう。
○日原政府委員 過去の事例もありますことですから、当然われわれとして気をつけなければならぬと思います。
○稻村(隆)分科員 警察官と暴力団の関係を絶対に遮断しなければならぬ。そうしなければ、取り締まり対策をやって、あなた方上のほうが幾らそうだと言ったところで、兵隊のほうがそういうふうにいろいろな関係を結んでたのでは、取り締まりなんかできませんよ。これが私は一番重大な問題だと思います。法の不備とかなんとか言いますけれども、私は現在の刑法でけっこうだと思うのです。これをほんとうに峻厳に適用すれば、いまの暴力団というようなものは、実際上徹底的に壊滅することができると思うのです。そういうふうな下部における下部警察官と暴力団のいろいろな因縁関係というものが、私は暴力取り締まりが竜頭蛇尾に終わって、事実上、上のほうで幾らかけ声をかけても、下のほうへいきますと、そういう状態であるから取り締まりができない、ますますひどくなってくる、こういうふうなことになるのではないかと思うのです。重ねて言いますけれども、暴力団が悪をなすときは、必ず権力機構に近づいて、それを麻痺させてやるというような方法をとるのですから、その点十分にひとつ注意をしていただかなければ、私は暴力団の取り締まりも何にもならないと思います。だんだん全国的に根を張りまして、全国的にいろいろな統合ができて、組織ができたんでしょう。そういう事実はないですか。
○日原政府委員 お話のように、暴力団がだんだん系列化と申しますか、組織化と申しますか、弱小団体をだんだん糾合して全国的な組織になってきておる状況にございます。なお、お話の点は、十分注意してやってまいりたいと思います。
○稻村(隆)分科員 あなた方は当局として暴力団をほんとうに徹底的に壊滅せしめるだけの自信がいまの情勢においてありますか。
○日原政府委員 できるかできないかは別問題といたしまして、暴力団を壊滅させるという方針で強い取り締まりの対策を継続的に恒常的にやってまいるつもりでおるわけでございます。
○稻村(隆)分科員 それでけっこうです。あとは大臣が来てから……。
○稻葉主査 二宮武夫君。
○二宮分科員 いま稻村委員からの御質疑がございましたけれども、私は前もって要綱を申し上げておきます。こういう点について御答弁いただきたいという問題でございます。
 第一は、暴力排除の条例というものが、去年東京並びに大阪にできた。そのとき私は指摘をしたんですが、これらの状況が全国的にどのような波及の仕方をしておるか、こういう条例やあるいは法律をもって、ただいま刑事局長も言われておったが、頭から非常に強く押えようとすることはわかるんですけれども、それだけでは私は暴力の絶滅というものは期しがたいと思う。こういう情勢についてまず第一にお尋ねをしておきたいと思うんですが、要綱として申し上げておきます。
 第二は、まことに残念な問題でございますけれども、私は、この委員会でやむを得ずお尋ねをしなければならぬ問題がございます。三十七年の二月の十一日に別府市におきまして制服の警察官が拉致をされて、一週間後に絞殺をされた死体が発見をされた。そしてそれは、拳銃も制服も警察手帳も全部奪われておったという状況です。それが二年たちまして、なお今日何らの曙光が見出されないというところに、私は、非常な問題がある、警察の威信に関する問題があると思います。したがって、暴力に対する問題として、警察がまず姿勢を正すという問題が、私は大事な問題ではないかと思う。したがって、この警察の姿勢を正すという問題に対する考え方、これは公安委員長がお見えになってから、ひとつぜひ警察庁の長官ないし早川国家公安委員長からその体制をお示しをいただきたいと思います。これはなお具体的に、やや詳細にわたりますけれども、いま捜査が打ち切られるのではないかという心配もある状況でございますから、この問題については、やや細部にわたってお尋ねをいたしたいと思います。
 なお、先ほど刑事局長は、警察当局の全国的な非常に強い姿勢を打ち出されておりましたけれども、私がお尋ねしたい第三点は、民間が非常に強い協力体制をしておるという、この民間の協力体制に対して、警察庁並びに国家公安委員会として今後どのようにこれを支援をし、バックアップをし、財政的にも行政的にもこれを考えていこうとするか。こういう体制なくしては、この暴力の問題は私は非常に困難ではないかと思う。先ほど申されましたような系列化され、非常に巧妙化されて、むしろ警察官よりも先を行くような知能の者が集団を組んでおる、こういう情勢の中に、民間の協力というものなくしては、私はなかなか困難ではないかと思うんです。したがって、報道関係そのほか含めて、こういう民間協力の体制というものに対してどのような態度をお持ちになっておられるか、こういう三点を主としてお尋ねをいたしたいと思うのです。要点だけ先に申し上げておきますから、御準備をいただいて御答弁をいただきたい。明快な御答弁であれば、私の質問はごく簡単な質問でいいと思うのです。ぼやぼやしたような答弁であれば、私もやむを得ずなお追及しなければならぬと思うのです。
○稻村(隆)分科員 いま、私は警察庁の事務当局の方から河野邸の焼き打ち事件、力道山の刺殺事件、田中清玄氏の狙撃事件等についてお聞きしたわけです。最近も暴力団のばっこは、中央だけでなくて、全国的な現象で、ますますひどくなってくるわけです。そうして毎日国民の基本的人権が脅かされておる状態なんです。一部の暴力団のごときは、政治にまで介入して、国会審議にまで圧力をかけるというような形跡があるわけです。こういうふうな状態を放置しておきますと、私は日本の民主主義というものは根底から崩壊することになって、まことに憂慮にたえない状態であると思うのです。先ほど事務当局から取り締まり方針につきましていろいろ聞きましたけれども、いつでもかけ声に終わりまして、実効がないような状態でございます。これは、しかし、官民とも力を合わせて日本の民主主義と憲法政治を守るために――暴力団は必ず政治的なものに発展していく可能性がありますから、日本の民主主義を擁護するために私はこれを撲滅しなければならぬと思うのですが、公安委員長は、新聞で拝見いたしますと、暴力団に対するきびしい対策を語っておられるようでありますけれども、これに対する公安委員長の決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたい、こう思っておるわけであります。
 あとは二宮さんに譲って、いろいろ具体的な問題について二宮さんからお話があると思います。
○早川国務大臣 新憲法では、国外の暴力に対しては、平和主義憲法で暴力を使わない、紛争解決には、戦争、すなわち暴力を使わないと明記されておる。私は、国内にもこの新憲法の精神を生かすべきだという信念であります。したがって、ものごとを解決するに、人を殺したり、暴力をふるったりということを、日本の新憲法下における社会においては絶滅するということを年来の私の信念にいたしております。それにはあらゆる方法からこれに取り組まなければなりません。ただいまの暴力団の問題でありますが、ドイツでは、犯罪者が非常に多い団体は団体解散という法律があります。ところが、日本におきましては、そういう法律は、憲法上、いろいろ証拠があがらない以上できない状態であります。そこでどうするかということは、暴力をふるった人は引き合わない、きびしい処罰を受けるんだということが第一であります。ところが、残念ながら終戦後日本の裁判、法律は、いわゆる教育刑主義といいますか、恩情主義でありまして、単なる暴力団殺人における判決を見ますと、大体平均七年であります。そうして仮釈放、恩赦によりますと、三年刑期を終えますと出てまいりまして、むしろまた箔がつくという状態であります。傷害、暴行に例をとりましたら、体刑になるのは、暴行では〇・六%、傷害がせいぜい四・五%であります。イギリスに比べますと格段に刑罰が軽い。イギリスは暴力殺人でも死刑または無期である。傷害は三〇%近く体刑になる。これでは暴力が引き合う。そこでわれわれといたしましては、立法の面で暴力行為処罰法の改正をいたしまして、銃砲刀剣を持つ殺傷に対しましては、普通の刑法以上に特別法で重くする。常習的暴力者に対します刑罰も、下限を引き上げまして権利保釈の道を閉ざす。こういった常習暴力、銃砲刀剣所持の暴力犯罪は、その大部分は暴力団である。したがって、その法案を二度にわたりまして出しましたが、残念ながら社会党の御協力を得られませんでしたために、いまだに成立をいたしておりません。今国会でこれを法務委員会に提案いたしまして御審議を願っておるわけでありますから、ぜひともこれはひとつ成立させていただかなきゃなりません。そうして暴力というものは引き合わないのだ、きびしい処罰を受けるのだということを私は考えざるを得ないのでありまして、現在のように、善良なる市民の人権が犠牲になって、悪人の人権が尊重されるという風潮を根絶しなきゃならぬと私は思うわけであります。
 さて警察庁といたしましては、現在の法律のもとで――そういうものは立法の問題であります。取り締まりの面におきましても、本年度は組織暴力の根絶、交通事故半減という大きい目標を掲げまして、ただ刑事だけではいかないから、政治結社にそうしたものもありますから、警備、刑事、保安三部局を統一いたしまして、各県警本部に組織暴力取締本部を設けまして、従来と違った内偵も行ないますし、また機動的な捜査もいたしますし、本格的にこの問題と取り組みまして、これを根絶するというかたい決意で、警視庁以下各県本部がすでに行動を開始いたしておることは、皆さん御承知のとおりであろうかと思うわけであります。したがって、これにはまた民間の協力も必要でございます。民間の協力者が、協力したためにお礼参りを受けないように、そういうものに対しては特別の保護もし、また激励もしていくということが必要かと思っておるわけでございます。
 なお、現在暴力団取り締まりで有力な武器は、銃砲刀剣類等所持取締法であります。この法律が暴力団の手入れをいたしましたときに非常に有効な法律として働いております。こういった法律もさらに効果を発揮するように検討をいたしておるわけでありますが、そういったことで――資金源を断つ面では麻薬取締法の改正、これは成立いたしました。非常に有効な効果を発揮いたしておるわけでありまして、立法の面、さらにはまた取り締まりの面、さらには三十九年度刑事警察五千人の増員をいたしまして、一年後になりますけれども、そういった警察力の充実の面、あげて日本の社会からそういう組織暴力というものを根絶するようにいたしたい。これは国家公安委員長としての私の決意でありまして、また実行に移っておるわれわれの体制の概要でございますが、そういう意味から皆様方からも御協力を賜わりたい、かように思っております。
○稻村(隆)分科員 早川委員長の決意は、私は非常に多とするのであります。その趣旨は賛成でありますが、ただ、暴力取締法の改正に対して社会党が反対しておる。これは社会党は反対するのは当然なんです。というのは、私は二十代から日本の社会運動に関係しております。四十年以上関係しておりますが、これは私どもの体験によっても、たとえば治安警察法とかああいうものは政治に適用すべきものでなかったのです。それを、われわれはあれでひどい目にあってきた。それがためにずいぶんひどい目にあって、何度も監獄に入った。治安維持法もそうですよ。ですからこれは、権力者が暴力を取り締まるために善意でやったものでも、結局政治的にこれを逆用するということは、過去の歴史がこれを証明しているわけです。ですからあの法律を改正するといって、結局は労働運動、社会運動を取り締まるのじゃないか。また事実上そうなるわけです。それで反対しておるわけです。だから私は、あのような法律の改正をしなくても、現在の刑法で十分やれると思うし、また、その刑法だけの改正でもって暴力団を徹底的に取り締まることは可能だと思っているのですが、その点公安委員長の考えはどうなのですか。何も暴力取締法を無理に改正しなくてもいいと思うのです。
○早川国務大臣 稻村委員はこういう処罰法の内容を御存じないのであって、あの第一条の「多衆ノ威力ヲ示シ」というのは、小作争議で悩まされたという苦い昔の経験から言っておられるのでありましょうが、今度の改正はそうでなくて、個人として銃砲刀剣という禁止されたものを使用して殺傷する者、傷害する者、それから常習として暴力行為をやる者でありまして、終戦後あの項目で労働運動や小作運動なんかにかかった例は一人もありません。ですから条文が、暴力行為処罰法というものの中の改正になりますから、そういう誤解がありますけれども――まあそれは法務委員会の問題ですが、労働運動、そういったものには全然無関係の項目でございます。これは論議はいたしませんが、そういう法律という手だてもやはり必要じゃないか。そうしなければ、いま申し上げましたように、権利保釈ですぐ出てくる。人を殺してもわずかな刑罰だ。どんなに取り締まりましても、警察官が暴力団あるいは傷害者をひっくくってきましても、いまいったような軽い処罰でありますから、刑罰がいわゆる抑制的効果を発揮しないのが現状である。だからあの暴力処罰法につきましては、よくひとつ御検討いただきまして、真意とするところを了解してぜひ通していただきたい。これはやはり暴力団取り締まりにはきわめて有効な効果を発揮するものと思っております。しかし、それだけでどうこうというのではもちろんないのでありまして、私といたしましては、現行のもとにおける警察官の取り締まりの強化ということに全力をあげておるわけでありまして、そういう意味では、日本からほんとうにすべての紛争の解決を暴力によらないで解決する。国の外と内と相ともに暴力排除の社会をつくりたい、こういう信念で警察官諸君も大いにやっていただいておるわけであります。どうかそういう点の誤解もひとつ解いていただきまして、法律の面あるいは行政の面、取り締まりの面で明るい社会ができ上がるように御協力賜わりたい、かように私はお願いをいたしたいと思うのであります。
○稻村(隆)分科員 もう一点だけ。それでは、法律問題は私は非常に暗いですから、なおその点、暴力取締法案に対する検討をしたいと思っておりますが、しかし現刑法でも、私はかなり十分に効果をあげ得ると思うのですよ。というのは、私は先ほど刑事局長に申し上げたのですけれども、最初、警察は、私どものいなかでも、暴力団に対する取り締まりに対して熱意を持ってやっていた。ところが、それがだんだんルーズになってきた。その原因というのは、悪いことをするやつはすぐ権力に近寄るわけであります。権力を利用しようとする。そこで警察署長と飲んだり、できるだけ交際を求める。あるいは警察官に対し、いろんなつてを求めていく。人間ですから、結局そういうふうなところで仲よくなる。こういうふうなことが、現在暴力団の取り締まりに対して、いつでも竜頭蛇尾に終わる原因になっているわけです。その点、あなたは、公安委員長に最近なられたので、そうした地方の実情までお知りになったかどうかしらぬけれども、これは民間でもどこでも知っていることです、警察官と暴力団の関係は。これはそうでないと否定されるでしょうけれども、事実あるのです。具体的な例は、私どもの地方でも幾らでもあるわけです。そういうふうな暴力団と警察官が交際したり、あるいは飲んだり、そういうことが絶対にないように、あなたからひとつ厳重に訓令を出していただいて、そしてなお監察等もしていただきまして、ないようにしていただかないと、暴力団の取り締まりというのは、全くこれは効果がないと申し上げまして、その点を公安委員長に強く私は期待するわけであります。私のお願いはこれだけであります。
○稻葉主査 二宮武夫君。
○二宮分科員 ただいま早川自治大臣の発言の中で、社会党がこれに反対をしておるからこの問題がスムーズに進まないのだと、これは稻村委員がいま指摘をいたしましたように、そういう態度では、暴力の問題等について十分な効果をあげることができぬと思うのです。あなたは自民党の治安対策の責任者をやったこともあると私は承知しておるのですけれども、そういう問題については、心配になる点を事前に指摘をして、そしてお互いに論議をしながら、そしてよりよい法律をつくろうという努力をしておる。その社会党に対して、社会党が反対をしておるからいけないんだ、こういうきめつけ方というのは、私は心外だと思うのです。国家公安委員長としては発言をすべきことばではないと思う。一つの党に責任を持たせて、それができないから、したがって暴力の追放ということはむずかしいのである、こういうようなものの言い方というのは慎むべきであると思うのです。
 先ほど要綱だけを申し上げましたが、国家公安委員長にお尋ねをいたします。従来問題になっておりました資金源という問題については、自民党の皆さん方にも全然責任がないとは私は必ずしも言えないと思うのです。そこで、あなたがいままで調査をされ、あるいは部下からお聞きになられた資金源について、一体どのような状態を把捉されておるのか。これはやはり生活をしなければなりません。生活をするためにはどこかに資金を求める。この資金を求めるところへ何とか資金を与えたほうが都合のいい業者がある。そういうところにいつまでたっても暴力団の根絶やしができないような問題があろうかと私は考えます。一つは資金源を一体どのように把握をし、どのようにこれを根絶やしする努力をしたかということが問題になろうかと思うのですが、その点いかがですか。
○早川国務大臣 具体的なことは実施当局におまかせいたしますが、私たちが提案いたしました麻薬取締法の改正――麻薬面からの資金源は非常に大きい。これは二宮先生におしかりをこうむりましたが、幸い社会党も御賛成いただきまして、国会で成立いたしまして、非常に有効な警察の活動として麻薬の密売その他がどんどん取り締まられつつあるわけであります。そのほか、あるいは恐喝、あるいは総会破り、興業権にからむ利権、賭博のあれとか、たくさんあろうかと思うわけであります。われわれとしては非合法な、法律に触れる資金集めに対しましては、今度の暴力取締対策要綱にも明記いたしておりますように、どしどし法に照らして処罰、検挙していくという方針をとっておるわけでありまして、それ以外の合法的なあれは、個々の例は、どこまでが法に触れるかというようなことは、そのケース、ケースで判断せざるを得ないのでありまして、全般的に申し上げられることは、いま言ったような点を中心に、資金源も、法に触れるものは洗っていっている、こういう段階でございます。
○二宮分科員 資金源の一つに麻薬の問題を取り上げになりましたけれども、これは実は昨年の国会で通過をいたしました。しかし、実数は麻薬専門の警察官を十名増員をするという案です。そのうちの一名を外務省に出向させるということであって、バンコクに駐在させるという問題。あと九名が専属をするという程度のものであって、やはり私は、資金源の中における麻薬というような問題については、もうすでに早くから手を打たれておらなければならない問題であって、いまそういう法律が通ったから非常にりっぱになったんだというようなものの考え方では十分じゃないと思う。
 それから銃砲刀剣類の取り締まりの問題が昨年改正になりましたけれども、これもわずかに五・五センチの飛び出しナイフが凶器であるという決定をした。考えてみますと、まことに神経質な法律なのです。一方では、どこから入ったかわからない潜在ピストルが民間にたくさん出回わっておる。一体どこから来たかというと、その件数はわからない。しかしながらピストルそのものは実在をしておる。やはりこういうところに十分な目を詰めた警察の諸君の活動というものがないと、ただ単に法律を少々いじった程度の問題で解決はできないと思うのです。あなたは人員を千五百名ふやして交通警察の専門を置いて、その分を治安警察、刑事警察のほうに向けておると言うけれども、これでもなお足りないと思うのです。問題は、現組織で十分にやり得る問題があるけれども、なおそれができておらないというところにガンがあると思うのです。したがって、一番初め要綱としてお尋ねをいたしました――大臣はおられませんでしたけれども、昨年東京や大阪でつくりました暴力の取り締まり条例というものは、一体どういう程度に全国的にできたのか。私はそのときに指摘をしましたけれども、あるいは大阪や東京で条例をつくって暴力団を締め出すと、ダフヤやショバやその他はそこでは生活できなくなる。そうすると、その近郊の県に向かってそれが移動していく。ときを見てまたもとの位置に帰ってくる。これはさいの川原の石積みと同じであって、これではとうてい徹底を期することはできないというふうに指摘をいたしました。千葉県ですでに条例の問題でいろいろ拡大解釈されるおそれがあるということで問題になっておりまするけれども、当時、柏村警察庁長官は、こういう問題をどんどんやっておいて、それから法改正に持ち込むということは考えませんというふうに言明した。この条例の条件については御承知であろうと思うのですが、国家公安委員長、もしあなたができなければほかの方でもけっこうですが、どうです。
○早川国務大臣 あれは、いわゆる小暴力追放ということで二十数県にすでに条例ができておるわけであります。これによって、いわゆる小暴力というものが相当程度世論の支持を受けながら、これの追放については、あの条例は大きい力を発揮しておると考えます。
○二宮分科員 治安維持法が決定をされます際に、やはりこれらが拡大適用されないということは、はっきり当時の立法者なり提出をされた政府も言明をされた。しかし実際問題としては、あれが非常に大きな問題として戦時中活躍をした法律であったのでございますが、やはりいまの国家公安委員長の立場に立って――ただ法さえつくればいいのだ、こうはおっしゃらぬのですけれども、そういうような立場では十分ではないと私は思うのです。
 そこで、そういうような凶悪犯あるいは粗暴犯につきましても、警察が姿勢を正すという一つの問題が次の問題として出てくるのでございます。これは先ほど稻村分科員が申されましたので、これについては特別に私のほうから触れることは時間の関係もございますからいたしませんが、ただ私は最近になりまして、大分県の別府市という一つの特定な観光都市を例にとって考えて、いろいろと調査をしてみました。これはおそらく他の熱海やそのほかの観光都市にも当てはまる問題ではないかと考えるのですけれども、昭和三十二年の四月ぐらいに別府博覧会というのが行なわれまして、当時ある組長がピストルで撃たれ、市会議員が刺殺をされ、あるいは猟銃をもって一方の家に襲撃をかけた、こういうような非常に複雑な暴力ざたが行なわれたことがございます。これらの問題は、事前に警察そのものがほんとうに姿勢を正して大事な問題として取り組んだかどうかということについては、はなはだ残念ながら私は確信を持って申し上げることはできないわけでございます。それで調査をいたしてみますと、いわゆる凶悪、粗暴の犯罪というものは一つのカーブを描きながらやってきておる。そのカーブというのは、逆に申し上げると民間協力と同時に警察の姿勢の正し方、あるいはあなた方自身の警察行政の指導体制というものがやはり裏づけとなって、そのカーブを描いているように思う。
 その一つのあらわれとして、次に移りますけれども、実は昭和三十七年の二月に起こりました制服、制帽の警察官が拉致をされて殺されたという事件でございます。これは刑事局長にお尋ねいたしますけれども、明らかに初動捜査にミスがあったというふうに私は考えます。ちょうど二月十一日の七時ごろに行なわれた凶行が、それから後四時間たって初めて警察署長に報告をされるというようななまぬるい捜査をやっておる。一週間後に防空壕の中から半裸体の死体が発見をされた。それから初めて、その派出所の近くを一体どういう車が通ったか、どういう人が出入りをしたかと言って、現場の聞き込みを始めるという状態であったわけでございます。これは九州管区の公安部長も初動のミスというものを認めておる。これは刑事局長どうですか。明らかに初動のミスというものが認められますが、ただいまあなたの報告を受けておる範囲ではどうですか。
○日原政府委員 御質問をあらかじめ聞いておりませんでしたので、当時の状況を詳しく調査してまいってきておりません。ただしこの事件につきましては、いまもって犯人がわからないということでございまして、また同時に犯罪捜査につきまして、やはり初動の捜査体制というものが従来強調されておりながらも、まだまだの感がある。これは、犯人検挙にはまず何よりも第一に私どもとして一番力を入れなければならぬ点ということで、初動捜査体制を強化するということが、われわれの昨年からずっと刑事警察強化対策の中心になっておるわけでございます。またそれがためには、機動力その他のことも、必要な予算上の面もございます。そういう面では、今後の初動捜査体制をうんと強化していきたいというふうに考えております。
 具体的な点につきましては資料を持ち合わせておりませんので、御了承願いたいと思います。
○二宮分科員 これは一人の人の生命が奪われたという事件でございますけれども、少なくとも勤務についておる警察官が何者かに拉致されて、一週間後に、警察手帳もピストルも制服も全部剥奪せられて死体として発見をされた、こういう状況について、資料がないから初動捜査についてのミスのあるなしという判定がいまできないというような刑事局長の答弁では困る。もうすでにまる二年たっておるのですが、いまだに警察庁として――この初動捜査に対してミスがあるということは、九州管区の寺田公安部長は、公安部長としての立場で、明らかに初動捜査にミスがあるということを認めて新聞発表をしておるわけです。材料がなければその問題はお答えになれませんか。材料があなたのほうにはないのですか。
○日原政府委員 いずれまた後ほど調べましてお答えいたします。
○二宮分科員 全国の警察行政の頂点に立っていろいろな指導をしようという刑事局長が、いま申し上げましたような事情の中で、二年たってなお初動捜査のミスがあったかどうかを資料を持たなければお答えができないというような、そういう体制では、これはあなた方が初動捜査をいかに指導しようと思っても、あなた方自身の態度そのものが行政指導の体制になっていないじゃないですか。はっきりとこの際は認めていいのだ。初動捜査の体制に明らかにミスがあった。一週間後になって、その現場に行って聞き込みをやっておる。自動車はどうだったか、どんな人が通ったかという聞き込みをやっておる。この状況がなお調査できなくて、これで警察官が姿勢を正し、警察官が一般地域住民から信頼を得ようと思っても、私はなかなか困難であろうと思うのです。いまそこでできませんか。できなければ私は質問を打ち切ります。そういうなまぬるい答弁では、質問したって意味がない。
○日原政府委員 ここでお答えするには、やはり当時の資料、関係者――当時私関係しておりませんので、関係者の言動その他全部一応調査いたしましてからお答えいたしたいということでお答えいたさなかったわけでございます。もちろんこの事件そのものにつきましては、私どもも十分力を入れてやってまいっておるわけでございます。
○二宮分科員 まことに遺憾な答弁ですけれども、なかなか慎重を期しておるようでございますから、いずれ調査の上で御答弁を承ることといたしますが、そのような情勢から警察に対する信頼度というものは非常に薄らいできておる。したがって、先ほど申し上げました波といいますか、カーブといいますか、それががぜん三十七年になって非常な問題を起こしてまいったという状況になっておると私は考えるのです。警察官でさえも殺されて、その死因がわからない、どこへいったか、警察手帳の所在もわからない。皆さんが非常に苦心をして捜査しておること自体は十分認めますけれども、それは一週間後から始めた初動捜査であって、第一七時二十分に事件が起こって十時に報告をするという体制そのものにゆるみがあると私は思うのです。その次の十二日の五時に特捜本部を設けたというなまぬるい態度をとっておるから、警察に対する信頼度が非常に薄らいでくるのではないかというように私は考える。それはたいへん慎重でありますから慎重に御調査ください。そういうことでもって初動捜査の行政指導をやろうというのですから、もう見通しはほぼわかりますけれども……。
○稻葉主査 ちょっと待ってください。午後本会議の終了後また自治省関係の分科会をやるわけですから、午後までに調べて答弁できますね。
○二宮分科員 そこでその問題が契機になり、一つの原因となったと思いますけれども、昨年になって非常にいろいろな暴力問題が起こってまいりました。御承知のように、暴力によってけがをした人の診断毒をお医者さんが書かないという問題が起こった。ということは、もし診断書を書いてこれがだれだれが書いたということが明瞭になりますと、お礼参りが来るということを心配しておる。そういう問題が起こってきておるのです。これは明らかに警察の信頼度というものが、市民に対して一つの強い悪い影響、印象を与えておるというように私は考えるのです。そういう点については、やはり警察庁の警察行政の指導体制の中に十分に考えなければ、ただ条例をつくったり法律をつくったり、いろいろするけれども、具体的に生かして使うという段階においては、そういう問題が十分生きておらないという体制では、私は警察に対する信頼度というものは起こってこないと思うのです。幸いにいろいろ報道関係や民間の人々から協力がございまして、診断書を書かないということはよくないじゃないかということで、診断書は書くことに医師会は一応決定をいたしました。そして進んで民間からひとつ協力しうよという体制に現在なってまいりました。私はむしろ警察が引きずられておるようなかっこうではないかというように思うのです。それは引きずられても私はいいと思うのですけれども、一応医師を診断書を書かないというところまで追い込んだり、あるいは情報を提供したところが、情報を提供したところのバーが襲われた、しかもそれは本部長もその土地の警察署長もパトロールをやっておるその時期に、そのバーが襲われて、めちゃくちゃに破壊されたという事件が起こっておる。そういう状況では、いかに情報を提供して暴力を追放しようと思っても、警察の指導そのものに信頼が置けないのだから、民間の人がどうしてもそれを提供するわけにまいらない、やはり自分の身がかわいいというかっこうになってくると私は思うのです。ここまではいかに刑事局長が言を左右にされましても、私は警察行政の指導の体制に誤りがあると思うのです。これは是正しなければならぬと思うのです。どういう答弁をされるかわかりませんけれども、私はそういうように解釈いたします。
 そこで国家公安委員長にお尋ねいたしますが、そういうようないきさつがございまして、現在のところ、各種団体がひとつこの際立ち上がろうじゃないか、警察も一緒に含めて民間団体が立ち上がって、暴力を観光都市からなくそうじゃないかということで、非常に強い民間協力の芽がいま出そろっておる状況でございます。そこで私は民間の協力体制に対して、一歩誤りますと、指導性を持っておるところの民間協力者の個人に対してあるいはどのような暴力が出てくるかもわからない、これは非常に慎重を期さなければならない問題と思いますけれども、もしその人に暴力が加えられるというような段階になりますと、この民間協力体制は一時にくずれてしまうおそれがあろうかと思うのです。そこで、国家公安委員長は幸いに暴力取締要綱を決定いたしまして、閣議でも了承を求てめ、それぞれ地方にも情報を流しておるようでございますけれども、一体民間の協力体制というものに対してどのような考え方を持っておるのか。先ほどの話では、法律法律、条例条例ばかりを先頭に立てていく体制のようでございます。これは一つの行き方でございますけれども、いま申しましたように、警察が姿勢を正さなければ、 いかに法律、条例ができましても、それを生かして使えないという段階です。そういう段階では、初めてこの別府市あるいは大分県というようなところで、いなかの県ながらそういうものを乗り越えて、ひとつ民間の協力体制をつくろうということに踏み切って、こういう状況が出てまいったわけでございますけれども、私は楽観を許さないと思うのです。英雄主義というものを標榜しますと、むしろ暴力団の系列化されたものはそれ以上の英雄主義を持っているかもしれない。そうすると、あいつをやればやがておれたちの息を吹き返すことができるのだということになるかもしれません。こういう状況になることが私は一番おそろしいのであって、暴力団は全部死滅させるべきではなくて、正業に転業させるという方向にいかなければならないと思うのです。したがって、私はいまの民間協力体制ができ上がっておる段階で、これは財政的にも行政的にも、自治大臣として、あるいは国家公安委員長として、大蔵省あるいは警察庁等と十分横の連絡をとりながら、いま出そろったりっぱな芽というものをどのように育てていくかという考え方を持っておるのか、これをひとつこの際明確にお聞きしておきたいと思うのです。いろいろな問題はわかっておるのですから、ずばりはっきり言っていただけば、時間の節約になります。
○早川国務大臣 どう育てるかということは、そういう民間協力の指導者に対して、常時、われわれとしても、保護的な警察が、生命財産を守って、安心してそういうりっぱな協力のできるようにすることは、暴力取締要綱の中に書いているとおりであります。その点は、そういう危険があるかどうかは別にいたしまして、身辺の保護については万全を期したいと思います。なおそれ以外の協力は、自治体の中のいろいろな援助の問題だと思うのです。別府市でそういうことの民間協力に御活躍いただく方に対しまして、いろいろな方面で財政的な援助をしろとかそういう御要望がございましたら、地方自治の大きい仕事はやはり治安の確保ということでありますので、その具体的な御提案については十分配慮いたしたいと思います。
○二宮分科員 交通暴力は非常に心配される段階でございますが、これに対して、地方の都市やそのほかは、行政官庁の指導で、交通安全宣言都市というような標柱を立てる。これでおれのところは交通安全はりっぱにできるのだというような錯覚を起こしている自治体も地方にあるのではないかと思うのです。私がいま申し上げておるのは、切実な問題として民間がこれほど自分の権利を守り、暴力団をひとつ締め出そう、そして正業につかせようじゃないかという善意の集まりである趨勢に対しましては、相当にこれは高く評価をして、そしてこれらに対して、ひとつ交通安全宣言都市の標柱を立てればそれで終わるのだというような形式的なものにならないように、十分指導しなければならぬと思うのです。もちろんきのうもその指導者が出てまいりまして、警察庁そのほかには状況の報告をしたわけでありますが、別府の警察署の署員が一人、身辺擁護のために、ボディガードについてくる。これはやはり非常に全国的にこういう問題が出てまいりますと、どこの暴力団と連絡をとって、どういうふうな措置がこれに行なわれるかという心配、見通しはなかなかむずかしい問題ではないかと思うのです。くずれかけたら一挙に坂を下ってしまう情勢になるのではないかというように考えます。
 そこで自治大臣に要望しておきますが、こういう問題につきましては、ひとつ大蔵大臣も説得をしまして、地方自治体で、たとえば防犯ベルをつくるとか、あるいは防犯街灯をつけるとか、いろいろな自主的な問題をやるようなことで、協力をするような段階になりましたときには、財政的にも見てやらなければいかぬのです。そういうことは早くやらなければいかぬ、ぐずぐずしておってはだめだ、せっかく芽が出てきたものが枯れないように、その芽をひとつ育てていくという体制が大事であろうというように私は考えます。そういう方向に、ひとつ大蔵大臣にあまりかぶとを脱がぬようにして、自治大臣は、財政的にもそういう面で十分強力な措置をしていただきたい。警察庁のほうもひとつがんばっていただきたいと思う。同時に警察行政の中でも、あまりぐずぐずしておらぬで、そして石橋をたたいておらずに、いい芽は明敏に察知して進めていくような方向でお願いしたいと申し上げたいと思います。
 後藤巡査の問題につきましては、先ほど御答弁がございませんので、それから先の発展ができませんけれども、なお二、三の問題がございます。ございますが、きょう私は主としてお願いをし、皆さん方にぜひ今後とも指導をお願いしたいのは、こうした民間協力体制ができた芽をひとつ十分に伸ばしていく。ただ法的に規制をすればそれで済むのだというのではない。暴力団も同時に暴力行為をやめさして、正業につかせるという方向に行く、こういう方向に行くのがやはり福祉国家であり、社会保障のできた国家であるという関係になるのですから、ひとつそういう方向に行かれるような指導体制を強化していく方向に進んでもらいたいというように考えます。
 後藤巡査の問題につきましては、答弁があったら、それに関連してなお二、三の質問をしたいと思います。
○早川国務大臣 御指摘の別府市の暴力追放民間運動というのは、これは非常に勇気の要る行動であって、私はそういう人は町の英雄だと思うので、真剣に大分県の警察本部とも連絡をとりまして、いま御指摘のように、そういういい芽、英雄的な勇気のある芽に対しましては、身辺の護衛はもちろんのこと、暴力追放で、警察としてはできる限りの検討を命じて、いま御指摘のような不安のないようにやりたいと思っていますので、御了承願いたいと思います。
○二宮分科員 終わります。
○稻葉主査 本会議散会後再開することとし、この際暫時休憩いたします。
  午後零時三十二分休憩
     ――――◇―――――
  午後四時七分開議
○井村主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 主査は所用のため、おくれてまいりますので、主査の指名により私が主査の職務を行ないます。
 それでは自治省所管に対する質疑を続行いたします。加藤進君。
○加藤(進)分科員 私は、早川自治大臣に二、三の質問をいたしたいと思います。簡潔にお答えを願いたいと思います。
 最初に、昨年来自治省は府県連合という構想を進めておられるわけであります。またこの国会にも法案を提出される用意があると聞いておりますが、一体この府県連合というのはどういう権限を持つものでありますか。
○早川国務大臣 まだ法律ができておりませんが、広域的に処理すべき総合計画とかあるいはその他の問題につきまして、構成団体におきまして規約をつくって、そこできめることになっておるわけでありまして、具体的にどれどれと法律で書くつもりはございません。
○加藤(進)分科員 聞くところによりますと、この府県連合は、条例の制定権、地方債の起債権を持ち、さらに府県の負担金のほか、補助金、分担金、使用料、手数料など、こういうものの制定権を持っておるように私は承っておりますけれども、その点はいかがでございますか。
○早川国務大臣 すべてそれは構成団体の議会の議決を必要とするわけでございます。
○加藤(進)分科員 たとえ構成団体の議会の議決を必要とするにしても、このようなきわめて大幅な権限を持っているということは、府県の上にさらに一つの公共団体をつくるものであると考えますが、その点はいかがでございましょうか。
○早川国務大臣 府県の独立性、県議会の議決というものを前提にいたしておりますから、府県の上にさらに府県連合議会をつくるわけではございません。したがって、われわれとしては、特別地方公共団体という性格づけにとどめておるわけであります。
○加藤(進)分科員 しかしこのような権限を持つとすれば、これは明らかに公共団体であることははっきりしております。したがって、地方自治体の上にさらに屋上屋を積み重ねるものでありまして、一体これで何をやろうとするのでありましょうか。特に早川自治大臣は、この構想をしばしば政治的には独立、経済的には統合、こういうことばであらわされておることを私はたびたび聞いております。経済を統合しておいて自治体から取り上げる、こういうことになった場合に、自治体の政治的独立などということがはたしてあり得るものでありましょうか。私はこのほんとうのねらいは、実質的に地方自治体の権限を大幅に取り上げて地方自治を骨抜きにしようとしておるものである、こう私は断言したいわけであります。
 そこで、次にお尋ねを申し上げます。愛知、岐阜、三重の三県の統合とか府県連合とかいうものが問題になっております。この場合に木曽川の水の管理は一体どうなるでありましょうか。これは従来どおりなのか、それとも府県連合が直接これを握るのであるか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○早川国務大臣 具体的にどういう仕事をするかということはまだ決定いたしておりませんし、それは自治体連合の規約で定めることでありまして、構成員の決定に待つわけであります。木曽川のような直轄河川は河川法で国が今度管理することになっておりますから、府県連合でこれを管理するということはもちろん決定をいたしておりません。
○加藤(進)分科員 新河川法もそのような方向で国にその権限を持たせるようになっておりますけれども、同時に府県連合の広域計画の中にも、この水の管理という問題について当然その内容が含まれていると私は考えております。またあなた自身のおつくりになった案によりますと、広域計画の政策執行などで連合体が大幅な権限を持つことになっているではありませんか。この大ワクが一たんきまったならば、これに参加した府県が当然それに縛られることになると思いますが、その点はどうでございましょうか。
○早川国務大臣 いかなる仕事をするかどうかも規約できめるわけで、規約はだれがきめるかというと、それに参加する自治体が寄ってきめるわけであります。
○加藤(進)分科員 私はあなたの案について質問をしておるわけでありますから、あなたの案が私の言っていることと違っているかどうかということをはっきりお答えを願えればいいと思うわけであります。
 ただいまでさえ地方自治体というのは三割自治ということばで言われているように、中央政府のひもつきの補助金、起債などで事実縛られておるわけです。その上に府県連合ができるとなれば、もしある地方自治体が政府と府県連合のいうことを聞かなかったというような場合が起こったときに、このような財政措置を打ち切るぞというおどかしを持ち、また府県や市町村をこれによって政府の思うように動かすことができる、こういうように私たちは判断をせざるを得ないわけであります。こういう府県連合のもとで、府県にはたとえ議決権があってもほとんどなきがごとく、また政府と独占資本の利益に奉仕させられるという結果に陥ることは、これははっきりしておるわけであります。こういう地方自治体自身の連合によって地方自治権に違反し、また憲法違反という疑いも生ずるようなこの公共団体連合の立案とかまた国会提出については、私は即時この提出中止を要求するものであります。
 第二の質問をさせていただきます。自治大臣は、池田内閣のもとでその経済成長政策に基づく地域開発がいまどのような結果を地方自治体とその地域住民にもたらしておるかということをおそらく御存じだと考えております。自治大臣は新産業都市計画が地方の繁栄をもたらすものである、また地方財政を豊かにするものであるということを本気で考えておられるかどうか、そのことをお尋ねしたいと思います。
○早川国務大臣 御承知のように東京あるいは大阪というようなところでは都市集中がなされておるわけです。これではいけない。十三の地区に新産都市をつくりまして産業の分散をはかろうと考えましたのが新産都市でございまして、私はそういう意味では日本の多元化という面から申しまして、地域格差を是正する一つの方法だと考えます。
○加藤(進)分科員 それではお尋ねいたしますが、岡山県の県南広域都市、これは百万都市と呼ばれております。この都市計画が県民の激しい反対にあいまして、ついにつぶれたということは周知の事実であります。このことは御存じのはずであります。岡山県は倉敷市水島地区の開発に着手したのが昭和二十八年。これ以来十年間、水島港の開発を中心といたしまして県費実に四百億がこれに投ぜられたのであります。今日水島地区周辺に誘致されている企業は約三十社。三菱石油、川崎製鉄、中国電力を中心といたしまして、重化学、鉄鋼、電力の総合コンビナートがほぼ陣容を整えるに至っております。岡山県政はこのコンビナートをつくるために湯水のように県費をつぎ込み、工場を誘致し、誘致した工場に対してはさらに協定を結んでこの独占企業に対して奉仕をしております。川崎製鉄との協定によりますと、県と倉敷市は日々三十万トンの工業用水をトン当たりたった五円で提供すること、工場までの鉄道引き込み線をつくること、運賃に特別な配慮を加えること、操業後も、三年間、固定資産税、事業税を免除するということが義務づけられています。しかも新産都市法によりまして、十七条、施設の整備、十九条、財政上の特別措置等々は、このような岡山県政の独占奉仕の政策を国の法律によって保証して、県民に強制しているという事実であります。そればかりか、岡山県の計画では、水島につぎ込む県費は今後五年間に実に一千五百四十八億になろうとしている事実であります。しかもこの中で国庫補助はたった八%です。他はあげて県民の血税、県費四七%、市町村費四四・五%という計画であります。この独占の水島コンビナートのためにいかに地方自治体がひどい犠牲を受けておるかということは、この事実において明らかであります。これはもちろん岡山県だけの特殊な例ではありません。私の郷里においても同じ事態が起こっております。全国にわたって地域開発が強行されることによって、地方自治体とその住民の置かれておる姿というものはまさにこのようであります。こういう百万都市計画が、緑と太陽と空間の町づくりというようなキャッチフレーズによりましていま進められておるのが現状であります。ところが、いまや倉敷市、玉野市、新見市等々において、あるいは工場排水、メタンガス、または粉じんによりまして公害が相次いで発生しております。住民の健康はこれによってむしばまれておりますので、新産都市とは言うけれども、それは辛いすっぱいという辛酸都市だという世評が起こっておるということを私はここに言いたいのであります。
 次に、私はこういう現状に照らしまして、自治大臣に質問を申し上げます。大臣は、いかにも得意げに府県連合というものはEECの日本版である、こういうことをよく言っておられます。一体EECの日本版というのはどういう趣旨でありましょうか、お答え願いたい。
○早川国務大臣 加藤分科員の御意見に対しまして、私は根本的に見解を異にいたします。なぜなれば、時代の要請は広域行政を望んでおり、それには合併かあるいはそういった府県連合方式とかいう水路をつけなければなりません。八十年来の区域をそのままにして処理できない水があふれておる。それに水路をつけようというのでございまして、御指摘のように独占資本に奉仕するとか、法案を見られたらもう一目にしてそういうことはないことは御存じのとおりであります。また水島地区その他につきましての御見解も、私と意見を異にするのであって、産業を興すということはいいことなんです。どんどん事業を興して、そうして雇用がふえ、その地域の住民の所得がふえるという希望があればこそ、その地元はこれを望んでおるわけであります。もちろん自治体のそれに伴う負担につきましては、われわれといたしましては、交付税あるいは起債、あるいはまた今後公共事業のかさ上げ等格段の措置を講じながら、日本の産業の地方分散ということを考え、これが住民の福祉に役立つと考えるからでありまして、あなたのように役立たないという見解とは根本的に異なるのであります。
○加藤(進)分科員 なるほど地域経済に水路をつくるということは、あなたのお考えでありましょう。しかしその水路の導くところ、これは地域住民の福祉や、その地域における自主的な経済の発展に役立つかどうか、まことに私は疑問だと考えます。その水路は、おそらく私が先ほどここで発言いたしましたように、大独占に役立てるような水路になるということを私は警告したいと思います。
 私は、このEECの日本版の問題について早川自治大臣にお尋ねしたわけでありますけれども、それについては残念ながら一言のお答えもございませんでした。EECについてどのような御見解を持っておられるかを私は聞きたかったわけであります。私は、このEECというのは、国家権力を使って人民を収奪し、低開発の民族を抑圧するヨーロッパにおける独占体の連合だというふうに考えております。ですから、このEECの日本版である府県連合の構想というものは、まさにそのことばのとおり、独占体が国家ばかりか地方自治体まで使って、地域住民を圧迫し、自治体を破壊するものであるという実体は明らかであると私は考えます。これを憲法に違反し、また地方自治体法に違反してまでやろうとしておりますけれども、こういうことに対して私たち日本人民は決して甘くないということだけは御警告申し上げたいと思います。岡山のあの都市計画も、実は失敗ということのその根底に、どのような地域住民の反発、抵抗があったかということをよくお考え願わなくてはならぬと考えるわけであります。
 続きまして、私は特に地方財政の最も主要な財源である固定資産税について質問申し上げたいと思います。御承知のように、今回の改正ほど大幅な改正はいままでございません。昭和二十五年にシャウプ勧告によって現在の固定資産税がつくられて以来の大幅な改正であります。しかも、ことしから新たにこの評価に基づいて課税が実施されるという段階にまいってきております。固定資産の再評価の結果として、土地、家屋が大幅に増税になるというので、いま国民の間に大きな反対の運動が起こっておるということも御承知のとおりであります。それで私は自治大臣に対しまして、政府がたびたび申しておるように、増税が目的ではない、増税はしない、こういうことを申しておりますけれども、それははたしてそのとおりであるかどうか、こういう点をまずお聞きしたいのであります。
○早川国務大臣 本会議でもたびたび申し上げましたように、土地につきましては、三年間、次の評価まで三十八年度の固定資産税で据え置く法律を提案いたすわけであります。また宅地、山林等、その他償却資産につきましても、最高一・二倍に押えて、大幅な増税を避ける、こういう立法をいたすことにいたしておるわけであります。
○加藤(進)分科員 しかし土地、特に都市の宅地については、これははっきりとした増税になるのではありませんか。
○早川国務大臣 御承知のように、都市は固定資産の価格が六倍、七倍という実際に値上がりをいたしておることは加藤分科員も御承知のとおりであります。それをそのまま五倍、六倍にするということは、物価政策あるいは政治全体として好ましくございませんので、最高二割程度はやむを得ないという線で押える、こういうことにいたしておるわけであります。
○加藤(進)分科員 増税は確かですね。しかし一部においては減税になる
 であろうといわれておりますけれども、その減税になる部分というのはどういう部分でありましょうか。
○早川国務大臣 住宅なんかは減税になる面も出てくるかと思います。さらに御承知のように、新築住宅につきましては、五年間あるいはさらに十年間と、三階以下は三年間という区分で五割の減税をやる法案を提案いたしたいと思っております。
○加藤(進)分科員 私が特に聞きたいのは、大企業の償却資産についてであります。これについてはどうでありましょうか。
○早川国務大臣 大体現状並みであります。
○加藤(進)分科員 私の資料や計算におきましては、これが相当大幅な減税になるという事実が出てきております。私は、この固定資産税の改正案が大資本のために減税を行なうのでなしに、勤労人民に少しでも役立つような減税を断行してもらうような、そういう案を自治大臣に要求したいのであります。しかもこの償却資産において減税の措置をとられる大企業は、さらに府県における工場誘致条例などによって、固定資産税額相当を奨励金として各会社に返すのがいま常識になってまいっております。こういうことによって、大独占は、大きければ大きいほど、大幅減税になっておることは明瞭ではないでしょうか。私はいま実例を申し上げますけれども、千葉県の川崎製鉄は十年間にわたりまして何と十五億三千三百万円の固定資産税を事実上ただにしているということは、これはもう明らかであります。そこで私は大臣にお尋ねをいたします。いま全国に二百カ所に及ぶ米軍の基地があります。この基地からは、固定資産税を取られるのかどうかという問題であります。
○早川国務大臣 基地交付金を取っております。
○加藤(進)分科員 全国の働く人たち、農民を含めまして、いま固定資産税の脅威にさらされておりますが、私は米軍の施設に対して固定資産税はどうかと聞いておるのであります。
○早川国務大臣 固定資産税は取っておりません。そのかわり基地交付金を市町村に納める。こういうことになっております。
○加藤(進)分科員 そういう区別をなぜわざわざされるのかということを私は聞きたいのであります。米軍基地は、その基地が存在するということだけで非常なさまざまな苦しみを味わっております。しかも危険な戦争準備がそこで進められております。しかもその上に税金についての負担まで免除されて、しかもその税負担が人民にまで押しつけられてくる、これが現在の政治ではないかと考えます。私はあえて数字を簡単に申し上げますけれども、神奈川県には全国の三分の一に及ぶ米軍の施設があります。もしここから固定資産税を取るとするならば、少なくとも基地交付金を算定する場合の評価額といたしまして、約四百七十三億二千万円が取られることになります。また佐世保の基地にもし固定資産税を課税するならば、四億六千万円の固定資産税が収入として入ることは事実であります。
 そこでもう一つお聞きします。この固定資産の再評価に基づいて、都市計画税、不動産税、登録税、相続税、贈与税については、自治大臣といえども増税にはなりませんとお答え願えるかどうか、この点がお聞きしたいのであります。
○早川国務大臣 都市計画税は現状と同じでございます。
○加藤(進)分科員 そういう答弁では私は満足できないのでありまして、固定資産の再評価の上で新たに都市計画税、不動産税その他が国税として増税になるということは、正直に言えば、私は決して否定できない問題だと思っております。これは今後この自治大臣のおことばにつきまして、十分に私も注意をしておくつもりであります。
 次に、選挙制度の民主化について、二、三お尋ねをしたいと思います。私は昨日のこの分科会にも出席いたしました。はっきりお聞きしたいのは、定数是正ということはほんとうにやられるかどうかということをお答え願いたいのであります。
○早川国務大臣 選挙制度の答申にもありますので、定数是正をやるつもりで立法を急いでおるわけであります。
○加藤(進)分科員 この前予算委員会において、社会党の議員の質問に答えられて、早川自治大臣自身が、定数是正は二月中にやります、こういうことを非常に力強く言明をされたわけであります。ところが、きのうの私たちの分科会において、そういう明確な期日は一言も申されませんでした。今国会に出すつもりであります、こういうふうに言われたわけであります。その点の自治大臣の所見はどうでございましょうか。
○早川国務大臣 今国会に出して成立さすというのが正確な答弁であります。
○加藤(進)分科員 そうすると二月中に出すということは、これはお取り消しになるのでしょうか。
○早川国務大臣 なるべく早く出したいと思っておりますが、御承知のように、法案につきましては、政党内閣でもありますから、いろいろ与党との調整も必要でありましょうし、なるべく早く提案したいという点で御了承願いたいと思います。
○加藤(進)分科員 重ねて聞きますけれども、それでは二月中ということは一応取り消す、その点を了承願いたいということでありますか。
○早川国務大臣 二月中に出せるかもしれません、これは予算委員会の当時の状況においてはそういう見当でございましたけれども、現在においては、必ず二月中に出せるというお答えは私としては申し上げられないわけであります。
○加藤(進)分科員 それでは次に、この国会に提出される予定のこの選挙制度の改正はどういう内容のものでしょうか。
○早川国務大臣 その内容については目下検討中でございます。
○加藤(進)分科員 新聞その他ではさまざまなうわさが飛んでおります。特に区割りとからみ合わせて選挙制度の是正は当然やらなくてはならぬ問題だけれども、区割りのほうで十分に自民党内部の意見が一致できないためにこれが延びている、こういうことを聞くわけでありますが、その点は一体どうでございましょうか。
○早川国務大臣 民主主義の時代でありますので、最終的に政府案がきまりますまでにいろいろな意見の曲折があるわけでございまして、最終的な成案がきまり次第皆さま方に御審議を願う、こういうことになります。
○加藤(進)分科員 すでに昨年の臨時国会において政府案なるものが提出されておるわけであります。しかもこれは、池田内閣と自民党のほうの党略の立場からこの法案は提出しておきながら、しかもあのような冒頭解散が行なわれました。この法案にはいわばそういう因縁がついております。区画の問題がきまらないならば、定数の是正もやらない、こういう気持ちでしょうか。
○早川国務大臣 たびたびお答えしておりますように、定数是正は今国会でぜひやりたいという気持ちに変わりはありません。
○加藤(進)分科員 なぜ分区にこだわらなければならないかということを私は率直にお聞きしたいのでありまして、自民党の内部事情はどうあろうと、分区問題についての意見の不統一があろうと、そういうことは私たちは問題にならないと考えております。定数是正ということはもうすでにいまは国民の強い世論になっております。したがって、この分区の問題にからませて、定数是正を中心とする法案の準備やその提出がおくれるということは、これは世間から、自民党の党利党略のゲリマンダーを用意しているのだろう、こういうふうに手きびしい批判を加えられても私はしようがないだろうと考えております。その点いかがでしょうか。
○早川国務大臣 新聞等でも報じられております区割りという問題は、必ずしもゲリマンダーというのではなくて、長い歴史として、中選挙区というものは三名ないし五名という、これは別に法律的な定義ではございませんが、そういう長い歴史がございますので、できたらこれを分割したい、こういう与党の意向が新聞に出ただけでございまして、ゲリマンダーをやるというようなことは、いまから予期しておりません。
○加藤(進)分科員 私は、現在の選挙制度そのものでは国民の意思を正確に議会に反映するものではない、こういう点は私も認めます。全国の一選挙区制による比例代表制、これ以外には、私は、公正にしてかつ合理的に有権者の投票結果をこの国会に反映することはできない、こういうふうに考えております。この制度によって初めて死票などというものが生まれる根拠そのものが完全になくなるわけでございまして、わが党は一貫してこの制度の実現のために戦ってまいっております。しかし現在差し迫まって重要なことは、さしあたって現行の選挙制度のままで、分区とは全く切り離して、有権者数に比例する議員定数の是正を直ちに行なうということであると考えます。現在の議員定数の不合理なことは、これはもはや申し上げるまでもなく、常識のらちを越えております。だから、最高裁でさえこの不平等は違憲の疑いがあるとして、東京都の越山氏の上告を取り上げるまでになってまいっております。ましてや選挙制度審議会の答申の中では、このような不均衡は明らかに参政権のはなはだしい不平等を如実に暴露している、一日もすみやかに是正すべきが当然である、こういう警告を政府に与えております。私は自治大臣に対して、このような答申の趣旨を直ちに忠実に実行に移すべきであると警告を申し上げておきます。
 次に、きのうのこの分科会におきまして、自治大臣は社会党の島上議員の質問に答えられまして、来年に迫った参議院地方区の定数是正に対してはこれを見送るというような答弁をなされましたが、それはそのように理解していいものでございましょうか。
○早川国務大臣 選挙制度審議会の答申も出ておりませんし、参議院は衆議院と違いまして全国区というものがございます。そういう関係で慎重に検討したい、こう答えただけでございます。
○加藤(進)分科員 私は、全国区ということに関係させなくても、参議院の地方区の定数是正は火急を要する問題だと考えております。参議院の定数の不均衡に至りましては、これはもう衆議院以上である、こう言っても言い過ぎではありません。こういう不公正をあえて見過ごしながら是正の努力を怠られるということは、国民の与えられた参政権を大臣みずからが侵害すると言われても、これは言い過ぎではないと私は考えております。きょうからでもおそくはありません。すぐこの是正の実施のために大臣みずからが踏み切られることを強くお願いをしておきます。
 次に、私は定数是正の問題に関しまして、沖縄の問題をお尋ねしたいと思います。きのう自治大臣は、沖縄に潜在議席を与えるのは、たとえば出征した夫に陰ぜんを据えるような心境だ、こういうようなことばをおっしゃいました。これはまことにとんでもないことでございまして、この沖縄に議席を与えるという問題は、ただ選挙制度をあれこれいじくるような技術的な問題ではございません。日本の主権に関する問題であり、日本の独立に直接関係する重要な問題です。沖縄九十万の同胞は、いま政治的にも経済的にも軍事的にもアメリカに押えられて、民族的な迫害を受けていることは御承知のとおりであります。あなたはこのことに一言も文句を言えないばかりか、答申の言っておるような潜在議席を与えることさえアメリカの圧力で定数是正から削っているということは事実ではなかったでしょうか、この点御答弁願いたいと思います。
○早川国務大臣 陰ぜんを据えるというのは、いま加藤委員の言われた意味とは全く逆であって、戦地に行っている夫に妻が陰ぜんをして一日も早く無事に帰ってもらいたいというほんとうの気持ちを表明する日本のよき伝統であったわけです。そういう意味で、一日も早く施政権が返還されて、ほんとうの意味の議席を持ってもらいたい、しかし現在は御承知のような施政権下でありますから、そういう意味で法律で書くということは別に考えておりませんけれども、実際議席を増加するというときには、議場にそれだけの席をつくって、施政権返還の日まで待つということは私の微衷でありまして、その真意を私は沖縄の人もくんでいただけるのではなかろうか、そういう意味でございます。
○加藤(進)分科員 私が言うのは、陰ぜんではいけないということでございます。本ぜんを提供すべきだと主張しておるわけであります。沖縄の立法院はすでに一九六一年また六二年の二度にわたりまして、沖縄に参政権を与えよということを決議しております。さらに今年二月一日、アメリカのキャラウェーを初めとするCIC、米軍が十数名包囲した中においても、なおかつ沖縄立法院は三たびそのような決議をやったのであります。しかもこれは沖縄自民党も含めて満場一致で、これが決議されておるわけであります。しかも沖縄県民が力を合わせて沖縄に参政権を与えよという署名が展開されております。すでに六万五千の署名が集まりまして、日本の政府並びに国会にこれを要請する運動がいま発展しつつあります。すでにこの署名は国会に届いていると思いますけれども、この点大臣いかがでありますか。
○早川国務大臣 署名を見ておりませんが、そういう運動があることは聞いております。
○加藤(進)分科員 見ておられなければ、直ちに見て、その声と要請にこたえられるように努力をされたいと考えております。サンフランシスコ条約で沖繩の占領を許した国恥記念日といわれてもいい四月二十八日を中心にいたしまして、沖縄の参政権の獲得、祖国復帰、民族独立の戦いがいまや大きく展開されようとしております。こういう中で潜在議席というようなわけのわからないものではなく、当然与えられるべき正当な議席をこれに分け与えらるべきであります。このことはわれわれ日本人民の当然の民主的な権利であるばかりでなく、日本の国家主権にかかわる問題であります。潜在主権とか言っておられますけれども、参政権を認めないような主権なるものが一体どこにあるのでございましょうか。このことについて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○早川国務大臣 これは外務大臣からお答えするのがいいかと思いますが、潜在主権は認めておるわけであります。ただ施政権はアメリカにございますから、直ちに議会に沖縄の代議士を迎えることはできないのが現状でございます。
○加藤(進)分科員 私は最後に、日本の民族の立場に立って、政府が沖縄県民に対して直ちに当然な議席を与えるように積極的な努力を払うように、重ねて要求いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○井村主査代理 午前中、二宮武夫君の質問に対し、警察庁日、原刑事局長から御答弁を願います。
○日原政府委員 昭和三十七年二月十一日の午後七時二十分というのが、私どもの推定した後藤巡査の殺害された時刻と考えられるのでございます。お話のように、監督者への報告は四時間後の午後十一時二十分ということになっております。当日は外勤者が午後六時に派出所を出まして、交通取り締まりをいたしながら、乙線警らをやって、直接午後八時に勤務場所である駅前派出所に行った。そこで、午後八時に外勤勤務員が六人集まらなければならないのに後藤巡査が来ないということで、各方面の捜索をしたということでございます。したがいまして、午後八時に後藤巡査が来ないということで、この時点で直ちに外勤監督者に報告をすべきであったというふうに考えますので、やはり三時間二十分というものは報告がおくれておった。これがために事後の調査に支障があったということが言えると思います。
○二宮分科員 これは、きめ手のない二年間という後藤巡査殺しの問題について、毎日新聞社が福岡の警察局の公安部長から質疑の形で聞いた話によりますと、いま刑事局長の言われるように、初動のミスがあることは認めざるを得ない。しかも死体が発見されて後、現場の聞き込みを始めたというようなことは、これは捜査の技術の面からいってたいへん禍根を残す問題である、こういう意味の発言をしておるわけでございます。その点は、ひとつ警察が姿勢を正すべきであるという意味からお尋ねをしておるのでございますから、自分のとってまいりました態度、あるいは行政指導の面について欠けるところがあれば、それは謙虚に自己批判をして反省をして、二度と再びあやまちを犯さないという方向にいくのが正しいいき方であろうというふうに考えておるのでありまして、あえてあなたの責任を追及するという意味ではございませんので、そういう意味で建設的に今後に生かしていく、こういう立場をお聞きしたかったわけでございます。そこで、問題になりますことは一、二ございますが、時間がございませんので簡単にお尋ねいたします。
 これに要した捜査の費用総計一千八百万円でございます。ことしの一月三十一日現在で、これに動員された警察官の総動員数は、二万四千五百名という人員であります。広域捜査をとらざるを得ない状況でございますから、福岡、山口、大分というようなところで特別に広域捜査の体制をとっておる。地元には特別捜査本部として十九名の専門の者が詰めておる。福岡には、これまた特別捜査合同本部として、十六名の者が詰めておる。こういう状況で、いまのところ将来の見通しとしては、まことに暗い見通しでございますが、聞くところによると、これでもう見通しがないから捜査を打ち切る。捜査を打ち切るということよりも、特捜本部を解散するという声が非常に強いわけでございますけれども、やはり制服の警察官が、拉致をされて、強殺をされて、そうして拳銃、警察手帳、制服のすべてが奪われるという不祥事件でございますから、これはそのまま何らかの形で継続をしなければ、警察に対する信頼はなくなるんじゃないか、いまだにその自動車の捜査なり、あるいは人物的な線をたどって捜査を進められておる状況でございますので、今後の見通しについてどうですか、そのような本部解散という意思があるのでございますか。
○日原政府委員 地元の新聞等で、捜査本部は解散するんじゃないかというような記事が出たこともございましたようでございますが、ただその趣旨は、決していま解散するということじゃなしに、とにかく二月、三月と最後の追い込みをかけて徹底的に洗って、それでどうしても出なければというような趣旨での発言が誤り伝えられたやに聞いております。私どものほうにも話がありまして、それは二月、三月にとにかく最後の追い込みをかけるという意味で徹底した捜査をやるということには大賛成である。しかし、たとえその三月までやってもなおかつ手がかりがつかめないということでありましても、現在の情報からいたしますと、いまもって新しい情報がときどき入ってくる状況にあるわけでございます。そういう面からいたしますのと、また相手方のほうが多少口が軽くなってくる傾向もありはしないかというような、いろいろな点を考え合わせまして、また従来の殺人事件でも五年、六年継続捜査して検挙した実例もあるわけでありますから、お話のとおり制服の警察官が殺害されたという事件は、やはり警察の威信にかかわる問題でもありますので解散してはいけない。やはり継続して、とにかく二月、三月、とにかく徹底的にやるのはいいが、その後においてもやるという決意でもって、捜査本部をそのままにして継続してやってほしいということをはっきり申し入れております。
○井村主査代理 原茂君。
○原(茂)分科員 問題をいまの消防体制といいますか、消防行政だけにしぼって自治大臣と川合次長もおいでになっておるそうですから、補足の意味で川合次長からも御答弁をお願いしたい。
 お伺いしようとするたてまえを先に申し上げておきたいと思います。現在私どものまわりにたくさん、特に地方における消防団員がいるわけであります。この消防団員の現在の置かれている立場というものを考えますと、何とかもう少し国の立場で配慮をしてやらないと、これは本人自身も非常な苦痛のもとに団員としてのていさいを保っていますし、その任務遂行の気持ちだけはあるのですが、現実の問題としては、いまのような置かれている立場では、なかなかに奉仕の精神も十分に出てこない。そういう点がよくわかりますので、前向きの姿勢で、一にかかってこの人々の純真な、いわゆる地域社会に奉仕するという情勢を必要なときに十二分に発揮してもらいたいということだけを前提としてお伺いをこれからしたいと思いますので、そのつもりでお受け取りを願い、特にまた必要な数字を二、三お伺いしたいと思いますので、できるだけ簡潔に、時間もないようですから御答弁をお願いしたい、こう思います。
 最初に大臣にお伺いしたいのですが、いま消防の機関誌に大臣のあいさつが載っておりましたものを見ますと、消防団員の確保も必要だ、あるいは処遇の改善もなさねばならぬ。次には、市町村のいわゆる常備消防の促進、これはもう当然のことで、今回法律も提案されているようでありますが、それを言い、四つ目には救急業務の実施というようなことを、四点強くうたった年頭のあいさつが、日本消防協会かなんかの機関誌に載っておりました。
 そこで最初に、消防団員の確保ということばを特に使わざるを得ないいまの現状、どういうところから確保したいとお考えになっているのかお伺したいと思うのであります。おそらく趨勢からいいますと、だんだんに消防団員というものが数が減ってきている。地域における団員の確保が非常に困難になっているというような現状をやはり御存じないものですから、団員の確保ということを口に出したと思うのですが、確保に必要な措置をどういうふうにしようと考えておられるか、そういう点をひとつ……。
○早川国務大臣 おそらく義勇消防団のお尋ねだと思うのでございますが、現在十五万人やめて十万人新たに入っておりまするので、差し引き五万人程度不足しておるわけであります。現在百五十万人といわれておりまするが、これはあくまで義勇消防団でございますので、非常に人手が不足になってくるとか、大都市へどんどん流れていくとかということで、なかなか苦労いたしておりまするが、同時に、処遇の面も、十五年以上勤務いたしました場合は三万ないし五万の退職補助金を出そうという制度に踏み切りましたのも、そういう対策の一環をなすわけでございます。これだけじゃございません。今後世の中がだんだん功利的に流れていく風潮のもとにおいて、義勇消防団をどう補助していくかということにつきましては、なかなかむずかしい問題ですので、実は頭を悩ましておる次第でございます。
○原(茂)分科員 よくわかりますが、いまおっしゃったように、十五年以上勤続に三万から七万の退職金を新たに出すということだけが、確保するための新しい考え方であるというのでは、少しく乏し過ぎる。やはりここまでお考えいただくならば、思い切って――現在、年間で、大体非常勤消防団職員というのはたしか千円程度ぐらい手当を出しているようですが、あるいは一回の出動、いろんな種類があるようですが、五十円から百円程度しか出していない。現実の問題として、一体大臣にしても私たちにしても――一年間、非常に大きな義務を与えられていながら、それが千円という――出さないならいいんですが、金を出すのに千円という金が出されていること自体が、やはりものの考え方によると、相当大きな問題じゃないか。むしろほんとうの意味の名誉職みたいに全然出さないならばともかくですが、千円というものが出されるに至った一番最初のときがいつか知りませんが、そのときには、おそらくこの千円がある程度の価値を持っていた時期ではないだろうかと思いますが、あるいは全然持っていなかったのにこの千円を設定しておるのかもしれませんが、その時期は、調べて、おりませんので私わかりませんが、現在のわれわれの感覚からいいますと、千円というものがそのままにされたままで、退職金で三万とか、しかも十五年以上の勤続に対して手を加えるのにこの程度の手の加え方をするのは、何か非常勤消防団員のほんとうの意味の奉仕、地域に対する奉仕というものを軽く見ているというとられ方をされる心配があるんじゃないか。いまこの予算の審議の途中で、おそらく変更もできないでしょうし、増額もできないのじゃないかと思うのですが、こまかい予算を知りませんが、二十億足らずの何か消防庁関係全体の予算があるんじゃないかと思うのですが、予備費等というようなものがあるのかどうか、あるなら、そういう面に振り向け得るかどうか。まあ不可能だと思いますが、そういうことになるなら、その点もお答え願いますが、ひとつこの点は引き続き研究をしていただいて――こんなばかげた処遇の仕方で、いま国の立場で消防団員を考えているというふうにとられないと思うのです。いまの問題は、非常勤消防団員をより確保するための必要な唯一最大の要件だと考えますが、どうでしょうか。
○早川国務大臣 これはなかなかむずかしい問題でござしまして、義勇消防団というものはほんとうに報いを求めないで奉仕していく――消防精神からずっと多年の伝統でできておるわけでございまして、実は退職補助金をお出しするということになったときにも、そういうことをいろいろ考えたわけでございます。現在出動手当は、交付税では、訓練その他含めて一回では二百円と、いわばまことに微々たるものでございますが、これを普通の契約による労賃のところまで出すということは、これはまたいかがかと思いますが、いま原分科員の御指摘のように、財政が許しましたならばもう少し増額して――むろん義勇消防団員はそれを好まぬでしょうが、国、地方団体として、その御労苦にふさわしい手当を出すということも当然考えなければならぬと思いますので、今後の検討の資料といたしたいと思います。
○原(茂)分科員 そういう回答でけっこうでございますから、ついでに私の意見をこの点に関して申し上げておきたいのです。
 実は団員白目が、増額することを好むか好まないかは、ちょっと私にもわかりません。しかし、現実の問題としては、消防のために一日事業場を休む。ただ、自分の収入が減るということを、いままではがまんしていましたが、現在の生活の状況の中からではがまんができないということから、職場においては団体交渉の一項に加えて、消防出動をしたときには無給無事故扱いにしろ――つい先ごろまではそう言っておりましたのに、最近は有給無事故にしろ。休んで消防に出るということは、地域社会に奉仕するんだ。個人が負担すべきじゃない。国は一年間わずか千円しか出してくれない。一回の出動に五十円、百円だ。会社は個人よりは財政負担能力があるはずだ。したがって、会社のほうで有給無事故扱いをしろ、こういうことを、私たちの関連をいたしております労働組合関係が、団体交渉の大きな項目の一つにいまあげ始めているわけですね。したがって、大臣のその考えで前向きにお考えいただければよろしいのですが、このままに放置していきますと、不当に消防の義務を金銭的に事業場が負うという傾向にこれからなっていきます。そういう趨勢にすでになっていますから、こういう点は、やはりそういうところで負担をするということが正しいとはおっしゃれないと思いますから、そういう意味も含めた御検討を至急にやっていただく必要があるんじゃないかと思うのが一つ。
 もう一つの意見は、やはりもう少し積極的な形でいまの消防団員の奉仕――額の多少によって仕事をするんではないんだ、こういうことを一応も二応もいままで考えてきたと思うのですが、現実に団員諸君とほんとうに腹を割って話してみますと、やはり額があまりにも少ないということから、いわゆる奉仕の精神だけに中心を置かずに、自分の働きがこれだけか、いかにもばかにしているが、しかたがない。その地域に住み、一定の年齢に来ながら、万が一団員をおれはいやだというと、村八分ではないけれども、あいつはずいぶんエゴイストだ、こういう非難を受けるから、しかたなしに消防団員になっているんだ。そういう気持ちのほうが、実はいまの団員の心を決定的に支配しているのです。こういう人間に、緊急事態が起きるというときに――水あるいは火その他地震とか、いろいろありますけれども、こういう方々に一体危険な、しかも命をある意味では投げ出すような仕事についていただこう。そういうことを通じて地域社会の安寧秩序というものを保ちたい。国の立場でいうなら、当然大きな不時の災害なんかが起きたときに、これをどこかで手を出して救うものがなければ困るわけですから、そういう点からいいますなら、それにもっと積極的に一あまり奉仕精神ということにたよらないで、思い切ったいわゆる処遇、待遇の改善というものを考えていく必要がある。最小限度一年間こういうような重要な義務を負っていただくわけですから、これは私の意見なのですが、年間に最低一万二千円という金額はお出しする。一回の出動に対しては少なくとも五百円を出す。これは当然のことだと思うのです。そのくらいの前向きな積極的な姿勢でこの問題の御検討をお願いしたいということ、二つ意見を添えて、先ほど今後検討していただくということにあわせてお願いをしておきたい、こう思います。
 二つ目にお伺いしたいのは、現在消防活動が行なわれているわけなのですが、特に都市における消防について、これはしろうとでよくわかりませんけれども、私どもが考えますと、どうもこういう点が隘路になって、いまの消防自体が満足にいっていないのじゃないだろうか。こういうようなことも実は考えるわけです。たとえば、これは機具の問題で私はよくわかりませんけれども、現在消防活動をしようとするときに、何が隘路になるかという問題、毎日通ってくるのに私たちも経験しているわけですが、道路の狭隘といいますか、混雑というものも消防活動にとっては重要な一つの障害になっているのじゃないか、こういうふうに考えたわけです。したがって、この消防活動というものを中心にして考えたときには、やはりある程度道路に――特別消防道路をつくれとは言いませんけれども、現在の道路行政というものの中に消防の立場を取り入れた道路行政、いま新たに五カ年計画ができていろいろ審議をしているようでございますが、この道路の策定なりあるいは実施するという計画をつくるときに消防活動というものも念頭に置いた上で道路行政というものが国の立場で組まれているのか、ひとつ聞きたいわけです。こういう問題はいまの問題でございますし、将来火災その他もだんだん大型化する――大型化するというのはおかしいですが、どういう表現をすればいいかわかりませんが、ちゃちな火災ではなくて、いよいよ燃えたというときには、デパートその他を考えた場合に相当大きな規模になるように思います。そういうことを考えますと、道路行政というものの中に自治大臣の立場で消防活動というものもやはり考慮に入れたいわゆる計画の策定が必要ではないか。そういう点をお考えになっているかどうか。
○川合政府委員 私どもが現在非常に困っております立場につきましての御理解あるお尋ねでございますが、率直に申しまして、現在道路そのものにつきまして、私どもの消防のいろいろな状況、立場というものを、発言はいたしておりませんが都市計画全体につきましては、防火上、すなわち消防活動上いろいろな問題についての私どもの意見を発言いたしております。
○尾之内政府委員 ただいまのお話でございますが、主として都市内の消防道路ということになりますと問題になりますのはやはり区画街路であろうと思います。これはいまお話がございましたように都市計画あるいは建築基準等、そういった種類の問題だろうと思いますが、私どもで所管いたしております道路行政におきましては、一般的に区画街路を除きましたものに主として助成が行なわれておりますので、基本的にはただいま御質問の点につきましては都市計画あるいは建築基準法、そういった面で解決されるべき問題ではなかろうかと思います。
○原(茂)分科員 少ししろうとのものだからそういうことがよくわからないのでもの笑いになるかもしれませんが、やはり大型化すということを申し上げたのですが、これから起こる何か大きな事故があった場合には隣接地域という小さな考え――東京、横浜はもちろんでありますが、埼玉県と東京、あるいは栃木県と東京といったようなところにまで思い切った消防活動――消防とは火を消すばかりではありませんが、こういう活動の行なわれることをも当然考慮すべきではないか。ということはいま高速道路なりあるいは新たに中央道なりその他大きな道路がしかも長いものができ上がろうとしておりますが、こういう道路の中に消防活動が行なわれようとしたときの何か道路行政上の措置といいますか、こういことも一緒に配慮をしておかないと、あまり小さく東京だけ、あるいは埼玉だけ、千葉だけというような考え方で、都市計画のみにそれを依存していくような考え方でいいのかどうか。そういう点をただ考えただけですから、この点は私のようなしろうとにはよくわかりませんから、もし参考になるなら、そういう点も将来のこととしては考えていただいたほうがいいのではないかというふうに考えるのが一点。
 それから交通量が非常に増大してくるということ自体がいわゆる消防活動の障害になるというふうに考えるわけですが、一たび何か大型の事故が起きたとき、消防活動の立場から道路交通規制を、あるいは路上における人員の緊急整理の、しかも強制的な権限といいますか、こういうようなものまで常時計画的に、東京のあるところにこれだけの大きなものが起きたときには――戦争のときと同じでありますが、いやな言い方ですが、この街路あるいはこの道路に関しては、 ここでA、B、Cの関門をつくり、直ちに流れをどこへ持っていくというような計画が常時準備されていなければいけないのでないかというふうに、交通量の増大というものを中心に考えたときにその必要性を一いつ必要になるか、ないほうがいいのですが、あるかもしれませんので、この点も考えておるか、こういう点のひとつ十分なブループリントを持つべきではないか、こういうふうに思います。
○川合政府委員 大災害におきまして、あるいは大事件におきましての交通規制の問題は、警察関係の法規にもございますが、より大事故の場合、大災害の場合を想定いたしました場合には、災害対策基本法にも規定されております。この災害対策基本法の防災計画という中で十分に検討を加えていきたいと思っております。現在のところ正直まだ進行中で、計画の作成その他について御指摘のようにうまくいっておるというほどうぬぼれて申せませんが、さような点につきまして十分注意して今後計画を練っていきたいと思っております。
○原(茂)分科員 私はいまのような少し大規模な考え方だけ申し上げているわけですが、災害防止法その他いろんな非常事態の突発に対しては、確かに法律的な措置が講ぜられるようになっているわけです。日本の場合、いつでも緊急事態が起こると、そのときにどたばたとああすればよかったという、あとで悔やんで新聞などによく政府が非難を受けてみたりするわけですが、常時ひとつブループリントをいろいろなことを設定してつくっておくというようなことを考えたらどうか、こういう意見ですから、そのつもりでお聞き取りをいただきたい。
 その次に、いま布設してあります飲料水のパイプですが、この同じパイプが消火活動のときに使われているのではないかと思いますが、そうでしょう。
○川合政府委員 そのとおりでございます。
○原(茂)分科員 これもいつごろどこの地域のパイプが布設されたか知りませんが、寿命というものは一定の計算で物理的にきまっているわけなんですが、現実にはこのパイプというものは相当老朽化して、いよいよ消火活動に使ってみるとその老朽化されているのが原因で思っただけの放水量が出てこないというようなことにぶつかることが多いわけですね。したがって、もうすでにある程度、どこが所管でこの水道のパイプを管理しているか知りませが、消防の立場からいっても、現在の消防のために使われているあるいは飲料水に使われているパイプというものの布設した時期というものがわかっているんじゃないかと思うので、歴史的にわかっていれば、五十年もつはずだと、設定したときに耐用年数を考えていたものなら、一応四十年くらいに設定するか、あるいは古いものから順次一応も二応も点検をして、そういう事態に必要量全部放水ができるという不断の準備が必要じゃないか、そういう活動をしているかどうかですね。私はやはりある程度古いものがそのままになりますと、ついやってみたら、そのパイプの老朽化が原因で思ったほど放水ができなかった、ためにこれだけ大きくなった、人死にも出たというようなことになった経験があるかどうか知りませんが、ありそうな気がするので、そういうことにならないような配慮を常時するために、いまの水道の布設管というものに対しては徹底的な点検をもうすべきじゃないか、古いものから順次――こういう必要がないかどうか、こういう点どうでしょうか。
○川合政府委員 お話のとおりでございまして、私ども消防機関も水利の問題につきましては水道担当の機関と十分連絡をいたしまして、お話のような点については心をいたしておるつもりでございますが、さらにそれが十分かどうかという点もあろうかと思います。ちょっと敷衍さしていただきますが、消防水利の問題につきましては水道あるいは工業用水、さらには自然水、これを総合いたしまして、もつも申しますならば海水の利用もさらに進むべきだと思いまして、従来古い水利の基準がございましたが、本年――近々、新しい水利の基準をつくりまして各市町村ごとにその基準を示しまして再検討をいたしたいと思っておりますので、その際にはただいまのいろいろな御指摘の点、御注意を十分に加えていきたいと思っております。
○原(茂)分科員 そういう点のあれをやっていこうとするための予算措置はできているんですか。多少でも本年度の出された予算で、そういう仕事を進めようという予算というものはこの中にあるのですか。
○川合政府委員 消防水利そのものをつくりますときの補助はございますが、ただいま申されましたようなその維持点検という問題につきましては国のお話のような予算にはございません。
○原(茂)分科員 できるだけ早く次回――いまこの予算の変更はもちろんできないのでしょうが、次の予算措置を講ずるときにはそういうことも事前に織り込んでいく必要があるのじゃないか、そのくらいにしないと、どうしてもこの災害から国民というものを無事に守ることは不可能だというふうに思いますので、そういう点も意見としてお聞き取りいただきたい。
 それからいまの水利の問題なんですが、どうしても現実にはパイプの老朽等による支障というものはあるわけです。一例しか私は知りませんが、そういうことはあるということを聞いたことがあります。そういうための措置としては、たとえば水槽車というのですか、タンク車というか何か知りませんが、こういうものもやはりある程度準備をされておかないといけないというふうに聞いているのですが、そういうものを、この予算では別に、特にこまかいことがわかりませんが、やはりだんだんにはふやしていく、水槽車というものを準備していくというような予算が計上されているのかどうか。この点ひとつ……。
○川合政府委員 お話のとおりでございまして、現在の国の予算補助の中でも水槽つきのポンプ車に対しまして補助はできることになっております。今後さらにさような点について十分に心をいたしていきたいと思っております。
○原(茂)分科員 それから例の化学車みたいなものはやはり同じですね。
○川合政府委員 同じでございます。
○原(茂)分科員 そこで先ほどの消防団の問題にまた返るのですが、いまのたとえば東京都の消防職員というもの、これは地方公務員だと思うのですが、この待遇はどのくらいになっているのか。私はよくわからないのですが、多分一般の地方公務員よりは危険な仕事をするというのでちょっとくらいいいことになっているのではないか、こう思うのです。それと比較したときの先ほどのいわゆる非常勤消防ですか、非常勤消防職員の待遇というものがはなはだしく違い過ぎてきておる。こういう点でどの程度一体――国の立場でいままで非常勤消防に対して県単位といいますか、県別に補助金を一体どのくらい出しているのだろうか。消防活動全体に対してですね。職員の待遇も含めて国の補助をすることができて、たしか補助をしているだろうと思うのですが、この予算の中ではそういうこともわかりませんが、説明の中ではわからないのですが、一体県別のそういう意味の消防活動、職員の待遇も含めたそういう助成というもの、機具や何かの助成じゃないのですが、助成というものが国からどの程度なされているのか、それをちょっとお伺いしておきたい。
○川合政府委員 人件費その他の問題につきましては、市町村消防のたてまえでございますので、地方交付税によりまして、財源措置をいたしておる次第でございます。
○原(茂)分科員 大体機具とか設備、そういうものを抜かした分で、国が交付税を通じて非常勤消防団の活動全体にどの程度出しているかわかりますか。
○川合政府委員 機具を除きましてということになりますと、ちょっと私もあれでございますが、現在基準財政需要額で全体の額としましては四百四十億くらいというふうに記憶いたしております。
○原(茂)分科員 それは機具を入れてですね。機械設備を入れてですね。
○川合政府委員 そうでございます。
○原(茂)分科員 分けてはわからないですね、それを抜かした額というのは。
○川合政府委員 ただいま申しました機具の補助は国のほうでいたしておりますが、機具そのものをたとえばわかりやすく申しますと、老朽になりましたものを更新するような場合というものは交付税でございます。それ以外にただいま申されましたような人件費等が交付税のいわゆる基準財政需要額に算定されているわけでございますが、ちょっと計算しますればわかりますのですが、時間がかかりますのでございますが……。
○原(茂)分科員 それをじゃあとでまた……。これはちょっと必要があるものだから、委員会でまたあとでお伺いしますけれども、基本的な問題をひとつそれにからめてお伺いしてみたいと思うのです。いまここで出されました法律案にも報償費というのが出されてきている。あるいは退職消防団員の報償費とか、ここに内訳があるようですけれども、この全体の額が九億四千八百万円になるように計算できるのですが、前年度と比べて、三十八年度それから三十七年度、三年を比べてみて、ふえているのですか減っているのですか。
○川合政府委員 退職消防団員報償費は、本年の要求は六千六百五十万でございます。昨年と一昨年とほぼ同額でございます。なお、この報償費は、十五年以上つとめてやめました消防団員に、造幣局でつくったちょっとりっぱな銀杯、これを国からお贈りしておる費用でございます。
○原(茂)分科員 それは三十七年度、三十八年度がそれなんでしょう。三十九年度の予算は、今度は三万円以上のものを出そうというわけですね。
○川合政府委員 ここに出ております報償費は、ただいま申しました銀杯の費用でございます。十五年以上の人がやめますときにこの銀杯をお贈りしますが、それと一緒に三万円以上七万円までの退職報償金を今度新たな制度としてお贈りしたい、こういうことでございます。このお金のほうは、事務費は国で見ていただくつもりですが、お贈りしますお金そのものは交付税による財源措置で行なう、こういうことでございます。
○原(茂)分科員 そういうものを含めて、ここに出ております消防庁予算の概要が説明されましたね。その説明された総額が、消防大学の校舎の一億円を含めて、消防庁関係全体で九億四千八百万円になりますかということです。
○川合政府委員 消防大学の新営費を加えますと十億をこします。消防大学校の新営費は、建設の営繕費のほうに計上されておりますので、お手元にある資料にはちょっと見えないのですが、おそらくお手元の資料は九億八千九百万という数字であろうかと存じます。営繕費のほうの別のところに出ておりますので、新営費が一億ですから、それを加えますと十億以上でございます。なお重ねて申しますが、ただいまの退職報償金制度の事務費は、消防団員の公務災害補償等共済基金の事務費の中に加わって出ておるわけでございます。
○原(茂)分科員 消防研究所に対して毎年助成か何かしていますか、委託費か何か出しておりますか。
○川合政府委員 消防研究所は私どもの付属機関でございますので、人件費、研究費、全部国費でございます。
○原(茂)分科員 それの三十七、八、九年の予算金額の比較は……。
○川合政府委員 消防研究所の費用は、総額の計算をここにちょっと持っておりませんが、これは正直のところ申しまして、自慢ではございませんが漸次上昇しておりまして、ことに今年は新しい予算といたしまして約二千万円、正確に申しますと千八百万円の非常火災対策の費用、それからそのやぐらなどを組みます費用として二百三十万ほど大体二千万円ほどの新しい特殊研究の費用が本年度の予算に加わっております。非常火災対策研究費というような形で、先生のところの資料に出ておるのじゃないかと存じます。なお研究所につきましては、昨年実は国費一億円で消火技術センターという大きな研究施設をつくりまして、これは去年限りの臨時の予算でございますので、額から申しますと今年の研究所の予算は減っておるようなかっこうになっております。と申しますのは、くどくなりますが、去年は一億円特別なものがございますから。しかし漸次向上しておりまして、今年はさらにそれにプラスして二千万円の非常火災対策費が研究費として加わっております。
○原(茂)分科員 わかりました。去年より減ったのじゃないのですね。
○川合政府委員 実質的には減っておりません。
○原(茂)分科員 わかりました。いまの消防施設強化促進法というものは、昭和二十八年に八十七号で出たわけですね。その五条の規定に基づいて補助金の交付申請書の提出に関する総理府令というものが三十三年に出ておる。それから国の補助の対象となる消防施設を定める政令が二十八年に第百二十四号か何かで出ておる。それから国が行なう補助の対象となる消防施設の基準額というものが二十九年の総理府告示の第四百八十七号で出ておる。これはわかりますね。
○川合政府委員 当時三年ほど前までは、私のほうは国家消防本部といいまして総理府の中にありまして、現在、自治庁が自治省に昇格になりますときにその外局になった次第でございますが、それ以後は全部直りまして自治省令でやっておるはずであります。
○原(茂)分科員 補助金の交付申請書の提出に関する総理府令、三十三年の総理府令三十九号というものは、いまの法律の何号になっておりますか。――それでは先に聞きますが、いま言われたように、自治省に変わったけれども、法律の内容はそのまま変わらずにおるのでしょうね。
○川合政府委員 そのとおりでございます。内容は、そういう役所のあれが変わったから政令の名前が変わっただけで、三十三年の総理府令で補助金の交付申請書の提出に関する総理府令というものをつくっておるわけであります。
○原(茂)分科員 そうしますと、現在、消防署あるいは消防団が使っております機具、これは非常に大きな寄付行為が地域で行なわれておるわけです。その寄付行為がないと、ほとんど消防ポンプも買えないというような状況です。要するに補助が少ないものですから、多額の寄付というものがないと、実は消防ポンプその他消防施設というものが十分に充足できない状況にある。これはいまつくられた法律、二十八年、二十九年の総理府令の告示というものがきめたいわゆる基準額、これが非常に低いんですよ。現在の施設、機具、こういうものをあがなおうとするときの基準額にこれが適用されますと、ここから実は問題が出ると思います。きょうは大臣もそろそろ来ると思いますが、ここから問題が起こるのですね。したがって買いもしない、金のない状態の市町村が、これは当然消防活動を重視する立場で、どこの村でも町でも、何とかして消防ポンプがほしい、施設がほしいという非常に大きな要求が出てきておる。その要求が出れば出るほど地域社会に対する寄付行為というものが半強制的に行なわれるんです。名誉税みたいに取られる。これを全然出しませんと、同じ村に住んでいながら、実に冷たい。うちを見てみろ、電気洗たく機は入っているし、テレビは入っている、土曜日、日曜といえば女房子供を連れて遊びに行きやがるくせに――こういうことになると、あいつはちっとも協力しないということが平気で地方では言われるんですよ。次長なんかきっと都会のどまん中に住んでいるからわからないと思うのですが、これは相当大きく地域の住民の中に、精神の和を欠くような原因というものが、消防施設を拡充しようということになったときに、それを契機に起きてくるんですね。そうして変な反目、変な非難というものが、和を欠くような状況が生まれてくる。したがって、やはり当然国の立場で、こういう災害が起きたときにはこれをおさめていこうというのがたてまえですから、地方自治体にまかしてあるからといって、地方自治体の貧弱な財政の中でまかせたはずだと言いっぱなしで、火災その他が起きたときに、一体どうなるかといいますと、全くわれわれが想像できない大きな災いを人畜に及ぼすわけです。本来やはりこういうものはもう少し国が思い切って助成の措置を講ずべきなんだ。現在非常に貧弱過ぎる。そのもとはどこにあるかといいますと、とにかく三十九年でしたか、十何年前の総理府令の告示でございますとか、十一年前の何とかの法律で基準をきめたとか、額をきめたなんというのを平気でいま守られているところに問題があるんです。こういうところが基本的に改正されないと困ると思うので、この法律そのものを、あるいは総理府令なり政令なりというものを再吟味をし、もう一度検討をして、ここら辺から直していかないと、実は、いまの地方におけるあなた方の知らないような、みじめな不愉快な、和を欠くような状況というものが、そういう中から生まれてくる。極端な例ですが、あそこは寄付が少なかった、しなかったというので、火事になったときに、そこをわざわざ素通りはしませんが、ほんとうに真剣に消さなかった例もあるんですよ。こういうばかなことはあり得ないということなんですが、現実にはあり得るんですね。そういうこともあるわけですから、したがって、ここのところをもう一度検討する必要があると思うので、大臣が来たら知恵をつけて何とか答えをさしてもらいたい。この再検討もやはりする必要がある、こういうふうに考えるのですが、次長の知っておるところがあったら伺いたい。
○川合政府委員 基準額の問題につきましては、やはり十分検討を加えて、合理的なものにするように努力いたしたいと思っております。
○原(茂)分科員 それでは大臣が来たら、この法律あるいは政令、いま新しく自治省の法律になっているんだそうですか、この法律というものに対する再吟味をやはりしてもらうというふうに、大臣からちょっとお答えをいただきたいと思います。
 その前に、今度新しく基金ができて、基金と市町村の間に契約を締結するわけですね。共済制度ですよ。その市町村と基金との間で定款をつくるわけですね。この定款をつくるのは各市町村、地域の状況によっておのおの内容が違うのでしょうか、あるいは全部全国一定のものに指導をしてきめられるものなんでしょうか。たとえば大阪府と川崎市と、それからどこがいいですか、青森市でいいですか、というようなものが、この基金との間に定款を締結しようというときには、内容は全部同じになるのですか。何か少し変わってくるのですか。その市町村自治体の大中小によって変わるのでしょうか。この点ひとつ。
○川合政府委員 基金と市町村との間を結びます契約につきましては、全国同じの予定でございます。
○原(茂)分科員 そうすると掛け金などが変わってくるということもないわけですか。掛け金は全部統一されるわけですか。
○川合政府委員 掛け金も全部同じでございます。
○原(茂)分科員 何か、人口とかあるいは世帯数とかいうようなものが基準になって掛け金の算定をするのではなくて、掛け金というものはきまっていて、人口の多少とか世帯数の多い少ないというものとは無関係に掛け金がきまるというような、そういう順序になりますか。
○川合政府委員 私、ちょっと失礼いたした。今度新しくできた退職報償金の制度の問題かと思いましたのですが、それにつきましては、これは同じでございます。
 なお現在までございます公務災害の基金につきましては、人口割りというようなことを加味いたしておりますが、考え方としては、この場合におきましても同じ考え方で市町村はやっているわけでございます。
○原(茂)分科員 そうすると、新しいいまの責任共済ではなくて、等共済のほうですね。責任の言葉が取れて等共済になっているのでしょう。等共済のほうも、人口とか世帯数というものは一切関係なしに掛け金はきまる、こう見ていいわけですね。
○川合政府委員 そのとおりでございます。
○原(茂)分科員 そうすると、たとえば市町村の掛け金というのが基金に対して全部一定になるわけですね。川崎市の掛け金も、それから小さな五万都市の掛け金も基金に対しては額が同じだ、こういうことになるのですね。
○川合政府委員 私のあれが足りませんでしたが、条例定員数に、具体的に申しますと一人九百円の予定で考えておりますが、まだこれは案でございませんが、団員一人当たり九百円に消防団員の条例の定員数をかけますので、絶対金額としましては各市町村全部ばらばらになるわけでございます。
○原(茂)分科員 そうするとやはり絶対額は変わってくる。かける率、基本というものは九百円ですね。これはもう九百円にきめてあるのですね。
○川合政府委員 まだ案でございます。退職報償金に関する法律、消防組織並びに基金等改正法をいま審議をお願いしておりまして、それがきまりましたらその次のことになるわけでございまして、まだいま――実は大体の見当をつけておきませんといけないのでございますので、大体その考えでおるわけでございます。
○原(茂)分科員 最後に、この場合の国の補助というものはありますか。
○川合政府委員 各市町村から掛け金をいたしまして共済制度をつくりまして、その基金を運営いたします事務費、これは全額国の補助でございます。
○原(茂)分科員 一人九百円という、これは案ですが、案を中心にして恐縮ですが、その案なんですが、それに対する補助というようなものは考えていない、今後も考えない、こういうことですね。
○川合政府委員 いまお話しの掛け金につきましては、基準財政需要額に算定いたしまして財源措置をいたす、こういうことになります。地方交付税の問題になります。
○井村主査代理 関連質問として川俣清音君。
○川俣分科員 消防長官にちょっとお尋ねしておきたいのですが、いまお聞きしておりますと、消防士に対する報償制度を設置するそうですか、この場合の「ほうしょう」というのはどういう文学で表現されるのですか。「ほうしょう」というのは二つありますね。「むくいる」の報、「つぐなう」の償、それから「ほうしょう」の「しょう」は、奨励の奨とありますが、これはどっちで制度化されるつもりでありますか。
○川合政府委員 「償う」、にんべんのほうでございます。
○川俣分科員 これは大臣もお聞き願いたいのですが、法律用語は非常にでたらめなんです。昭和二十九年十一月六日か、閣議決定をいたしまして法令用語の統一をはかっておりますね。これは閣議決定をして、法制局から通達が出ておるはずです。いわゆる両方の報償、報奨がまぎれやすいので、今度は奨励というふうに統一をするという通達が出ております。
 そこで、この間も長官が農地について非常に誤解のある表現をされるので、自治省に対して、用語については私は非常に警戒して見ている。このごろの学生は、報償という場合には奨励と理解するように教育されておりますよ。現代人に通じない用語を自治省がお使いになりましても、一般の若い者から言うと、こんな字があるのかということになる。これはもう制限されているのですよ。各省に通達をしているのですから、自治省も通達に入っておるし、自治省はこれを受けて町村にも通達をしておるわけですね。みずからあいまいなことばを使われておるということになると思うのです。「ほうしょう」というのは日本の法令でも非常に少ないのです。旧憲法時代にあるだけでございまして、最近は報奨物資等の報奨という字は奨励の奨を使っておる。かつての「ほうしょう」は、旧憲法下の褒賞に関する法律というのがありましたが、そのときに使われている以外はあまり使われていない。このことばが非常に多いので整理することになっておるわけであります。それであえてお聞きするわけです。あまり現代的に使われない用語で報償するといったって、何の報償であるかわからないということになってはいかぬと思います。消防は近代化と言っておるのですけれども、やはりことばも近代的でなければならないと思うのです。消防の施設だけが近代化しても、報償が近代化しなければ意味をなさないと思うのですが、そういうことをお尋ねしたいと思います。
○川合政府委員 先ほどちょっと申し上げました消防団員報償という銀杯を前からお贈りしております。それに報償ということばを使っておりました関係もあり、今回人べんのやつを、同じような意味で、銀杯とあわせてお贈りするものですから、使っておるわけでございますが、私どもうんと消防の近代化をするつもりでございまして、いまの御指摘では申しわけございませんが、前からのことばと関連があるわけでございますので、そういうことばを使っておるわけであります。
○川俣分科員 旧憲法の報償に関する行政上の手数料及びその他の収納金という場合に、報償という字を用いられた。これは適例であると思う。その意味の報償は報酬と類似した意味を有するが、報償はもっぱら個人の役務の提供に対する反対給付として受ける対価に限って用いられる、こういうのが法令解釈になっておるわけであります。これは御承知のとおり、昭和二十九年十一月二十六日に法制局総発第八十九号で、内閣の委託を受けまして法制局が各省に通達をした法令用語集によるものであります。これによりますと、第一の同音語については、解任が解くの解任と改める改任があるが、これは改めて任ずるというように言いかえるとなっております。それと同じようなところに報償と報奨があるが、これは奨励と言いかえる、こういうふうになっております。自治省は少しことばが乱暴過ぎるというのか、自己解釈でやられますと、せっかくの報償が何の報償かわからない。一体自分の労務提供に対する対価としてなのか反対給付としてなのかわからないということになってまいりますと、報償制度が意味をなさなくなるのではないかと思いますので、あえて御意見をお伺いしたわけですが、法令用語改善の実施要領というのがございますね。法令用語改善の実施要領という通達、いかに消防庁でも、おれのところは独立していて別だというわけにはいかないと思います。そればかりではなく、やはり一般に了解される通用語として理解されるものでなければならぬ。従来使っておったと言いましても、そのことばが何にも通じないことばであれば、せっかくの報償が意味をなさない、一体何の報償かわからないというふうになってまいりますならば、もらった人はいいけれども、あとを継いだ人が、一体おやじは報償金をもらったが何の報償だろう、何か働いてその反対給付としてもらったのだろうか、こういうようになりまして、あなた方の報償の意味と違って受け取られるのではないかというふうに私は理解をするのですが、そういう意味で、用語については、せっかく法令用語改善の実施要領というのが出ておりますので、その用語によられたらいかがと思いますが、大臣いかがですか。
○早川国務大臣 よく検討さしていただきたいと思います。
○井村主査代理 もう時間が五分超過です。
○原(茂)分科員 自治省にさっきの続きをもう一つお伺いしておきます。
 施設に対する助成があるわけですね。国の補助があります。その施設というのは何か政令できまっておるようなんですが、時間がありませんからこっちから聞きますが、たとえばはしご車なんかありますね。それからこれはだんだん大きなものになってくるのでありますが、ヘリコプターが必要になってまいります。ヘリなんかも入れるような施設、それから無線機、こういう無線施設なんか相当なければいけなくなっておる。無線設備とかヘリコプターとか、空気呼吸器といいますか、これも持っております。政令で定める器具の中にそういうものは全部入っていますか。
○川合政府委員 無線機は、消防車と消防署あるいは消防署と消防本部の間、こういう無線機は補助の対象になっておりますが、そのほかの呼吸器、防煙具等につきましては補助の対象になっておりません。
○原(茂)分科員 これは大臣いまお聞きのとおりなんですが、当然補助の対象にしなければいかぬと思います。しかしいまの空気呼吸器ですとか、ヘリコプターなんかも必要になってくると思いますが、こういうものも再検討する必要がある。それから無線機も簡潔な無線機が一ぱいあるわけでありますから、やはり市の消防団本部と消防署、この間の連絡がとれるように当然無線機は置いていいのではないか。ただ消防車自体の間に無線機を置くのではなくて、村別の消防団本部に一つくらいいつでも連絡がとれるように無線機か何かないといけないと思います。FMでもいいと思います。簡単ですから、そういう無線機なりヘリコプターなり必要だと思うし、いま私が言ったものも補助の対象になるというふうに、なるべく早い機会に大臣にひとつ考えていただきたい。それが一つ。それはあとでそうするかどうかお答え願いたい。
 最後に締めくくり的に大臣にお願いをし、意見を聞いておきたいと思いますが、先ほどの退職金の金額、これは三万円なんていうばかなものではなく、どうせやるならもっとふやさなければいけないというふうに私は考えます。それから消防団の給与の問題は、先ほど申し上げたとおり、最小限度月千円、年一万二千円、先ほどちょっと困難だが考えるとおっしいましたが、これもぜひ考えなければいけない、それから施設の問題で根本的な問題として先ほど言ったのですが、いままで古い、二十八年だとか二十九年に政令が出たり、あるいは総理府の告示が出たり一これはいま自治省の法律に変わっているようですが、そういうことで補助の対象になるものとか金額、基準というものがきめられているから、十年十一年前の補助のいわゆる基準額というようなものがきまって、それが根本になっているところに、いま消防活動をやるために非常に必要なポンプを買う、何を買うという場合に、寄付金が地域住民に強制的に要請されている。したがってここも根本的にこれを改めませんと、どうもいけないという大きな問題だと思いますから、この点も至急に変えていただくように、大臣から御答弁をいただきたい。
 以上四点御答弁をいただけばよろしいと思います。
○早川国務大臣 原委員の消防に対するあたたかい御熱意に心から感激をいたす次第でございます。いまの御指摘の点は財政全般ともにらみ合わせなければなりませんが、今後よく検討してできるだけ御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。
○井村主査代理 只松祐治君。
○只松分科員 交通戦争ということばが用いられておりますように、現在交通機関による被害はきわめて大きいわけでございます。特に自動車による被害は非常に大きいのですが、経済構造の変化あるいは地域開発の状況、こういうことに伴いまして、この被害というのが、地域――端的に各県、あるいは県内でも市町村、そういうものによって非常に異なってきております。たとえば、私の埼玉県というところの状況を見ますと、東京を除いて、この交通の被害は、関東第一でございます。この交通事故の発生件数は、埼玉県内で昨年度一万七千九百五十七件、負傷が一万一千六百八十五人、死亡が五百五十八人、被害総額が八億二千万円、毎日一人半が死亡し、百四十六万円という損害額を毎日埼玉県は出しております。その中で一番被害の発生率の高いのは、四号あるいは十七号という国道が通っておりますけれども、国道筋が一番多いわけでございます。その害を加える内訳の状況というようなものを見ますと、警察でお調べになればわかりますけれども、埼玉県の県警が調べたデータもここにありますから、必要ならばあとでひとつ御参考にしていただきたいと思いますが、たとえば昭和三十八年九月十二日、四号国道を通過したダンプ三千八十九台の内訳を見ると、埼玉県内が一五%、埼玉県外が八五%、こういうデータが出ております。また三十八年度砂利トラが起こした事故を見ますと、県内で千十四件、県外で千百九十八件、こういうふうに県外のほうが多いわけです。全部の一般乗用車その他を見ましても、県外のものが非常に多い。いわば、県別に見ますと、加害県と被害県、こういうふうに見られますし、埼玉県なんかは大きな被害県になっておるわけであります。こういう状況は、関東で見ますと、埼玉、神奈川、静岡、こういうふうに国道の非常に長いところ、あるいは他府県への通過路に当たるところが非常に被害が多いわけです。ところが、一方被害を受ける側はそういう害を受けるだけでございまして、いま申しましたように、こういう目に見えるものだけではなくて、県道あるいは市道がございますが、お互いの国道から通っていく間において、県道、市道が損壊される。その補修費や何かはばく大なものにのぼります。あるいはそういうために信号機をつけなければなりません。あるいは県警がパトロールをしなければなりません。埼玉県では交通部というのが関東に先がけて設けられております。さらにまた、各市町村では救急車を設けなければならない。草加のような小さい市でも、救急車を二百万から出して買わなければならない。非常な財政上の負担の増大を来たしておる。ところが、ほかのものにはいろいろ交付税や何かがありますけれども、この近代的な社会構造の変化に伴って起こってきておる交通問題に対して、自治省はほとんど対処しておらない。警察も取り締まるだけで、そういうものに対する具体的な救済方法その他に対処をしておらない。そういうことについてお考えがあるかどうか、まず大臣にお伺いいたします。
○早川国務大臣 御指摘の救急車等につきましては、三十九年度から対象にいたしたいと考えております。
○柴田政府委員 私から、こまかいことでございますが、補足的に申し上げます。
 道路等の維持費等につきましては、御承知のように、基準財政需要額の算定を通じて、普通交付税とそれから目的財源によって措置されることになっておりますが、お話のように、交通の非常に激しいところは、いたみ方も激しいわけでございます。そういうところにつきましては、通常の算定方法では需要額が出てまいりませんので、交通量補正という補正係数を使いまして、いたみ方の度合いの激しさに応じまして基準財政需要領を算定する、こういう方法をとっております。お話のように、交通事故等に要する出費、そういったものにつきましては、現在のところでは、特別交付税の算定を通じまして、ひどいところは特別に財政措置をしていく、こういうようなやり方をとっておるわけでございます。しかしながら、お話のように、漸次そういう方面に配慮を加えていかなければならぬとも考えております。したがいまして、救急車等の配置を消防法制上明確にいたしまする機会に、基準財政需要額の算定等につきましても、一そうの合理化をはかるということで、今回単位費用の改定等をいたしたいと考えております。
○只松分科員 いまちょっと大臣の発言がはっきり聞こえなかったのですが、救急車等を国で配置するということですか。
○早川国務大臣 交付税の算定の基準財政需要の中に織り込んでいこう、こういう意味でございます。
○只松分科員 いこうということですか。
○早川国務大臣 三十九年度から…。
○只松分科員 いま救急車の問題で若干の意思表示がございましたけれども、先ほど申しましたように、そこを通過するために単に国道だけが被害を受けるということじゃなくて、国道から国道へ通過する――私の家のところもそういう道路の一つに当たるわけですが、そういうところもありますし、あるいは年がら年じゅう、多いところは一つのうちに五回あるいは十回も飛び込まれる。新聞でよくにぎわしておりますように、こういう目に見えない被害というものはたくさんあるわけです。したがいまして、そういうものに対して特別の救済方法と申しますか、これは基準としては県内を走っておる国道のキロ数とか、あるいは各警察を通じてお調べになりますと、その県内に起こった――埼玉にもありますから各県にもあると思いますが、事故の発生数あるいは県内、県外の自動車が加えた被害、加害の状況は全部わかっておりますから、こういうデータに基づけば、その算定の基礎というものは明らかになると思う。こういう傾向というものはますます激しくなるわけですし、ほかのものには、たとえば基地交付税というものがきわめてあいまいな算定に基づいて十三億五千万円出されておるわけです。ところが、こういう明確なものに対して、ほとんどそういうものがないわけです。今後一そうそういうものが顕著になろうという段階において、特別立法なりあるいは特別交付税を設ける、こういうお考えがありますか。
○柴田政府委員 お話の問題につきましては、非常に大きな問題かと思います。従来から二つ問題がございまして、従来主として問題になっておりましたのは、国道の地元負担金について、よその車ばかり走るのに地元が負担金を出すのはおかしいじゃないか、こういう議論がよくありました。さような議論から――しかし、要するに財政的な措置が問題であるということでもって、根本問題はまだ解決いたしておりませんけれども、当面の問題としては、さような地元負担金でございますとか、あるいは維持費、補充費でございますとかいうものは、先ほど申し上げましたような方法によって、ある程度救済をしていく。しかしながら、交通事故に伴いますいろいろな被害、こういう問題につきましては、現在のところは、算定方法といたしましては、特別交付税の配分の際に、そういった特殊事情を考えていくという以外にはございません。しかしながらお話のような案も一案かと思います。将来の問題として研究させていただきたい、かように考えます。
○川合政府委員 私どもも、消防法を改正いたしまして、本年の四月十日から一定規模の市につきましては救急の制度を法制化いたしまして、さような面について対処する準備をいたしておる次第であります。
○只松分科員 将来にわたってということでございますが、ただいま私が埼玉県内の一例を申しましたように、現実に起こっているのですね。これは各年度別の被害状況も出ておりますから、ごらんになればわかりますが、年年急速に上がっていっているのです。だから、将来も――一年先も時来、十年先も将来ですが、もう少し具体的に、この問題にどう対処するか、あるいは来年度予算に繰り込む意思があるとかないとか、あるいは特別立法をやるとか、そういう点についてお伺いしたい。将来に対処するのに、そういうことではおそらく地元民は納得しませんし、それならそれで、地元県としては対処の方法を考えないと、被告は受けっぱなしで、どうすることもできない、こういうことになるわけです。
○柴田政府委員 私が申し上げましたのは、普通交付税の中に織り込みますには技術上の問題がある。したがって、交通事故によって受けます市町村の財政需要というものを的確にあらわす資料があるか、また交通事故によって実際にどれくらい被害を市町村がこうむっておるかといったような問題につきまして検討する必要があるから、いまお話のあった、たとえば被害者とか、そういうものをつかまえますのも一つの方法だと思いますので、検討さしていただきたいということを申し上げたのでございます。
○只松分科員 それから、建設省と関連するわけでございますけれども、そういう将来の問題あるいは根本的な問題とともに、そういう激しい交通量のあるところに、たとえば跨線橋をつくる、あるいはガードレールも部分的にはいま行なわれておりますけれども、ガードレールをもっと強化する、あるいは交通の一番激しいところには照明灯をつくる、こういうことはそれほどの費用を伴なわなくてもできるわけなんですね。そういう点について、建設省お見えになっておれば、あるいは自治省のほうでもけっこうですが、どういう対策があるか。
○尾之内政府委員 ただいまお話しのガードレール、照明灯あるいは立体歩道、こういったものはすべて交通安全に関する道路の施設でございます。できるだけこういうものを整備いたしていくように、建設省といたしましても考えておりまして、来年度から新しい道路整備五カ年計画をつくりまして、それによって実施いたしていく方針でありますが、どの程度そういうものを織り込むかということにつきましては、今後検討いたしてまいりたいと思います。国道につきましては、たとえば四号、十七号という国道は、これは国が直轄で維持管理しておりますので、国の事業としてそういうものを設備していきたい。その他の国道以外の県道につきましては、やはり県の道路管理者がやるというたてまえになっておりまして、そういう道路施設につきましてはまだ助成の道は開かれておりません。私どもといたしましては、道路を改築しあるいは修繕する際には、そういうものを同時にやるように助成、指導いたしておりますが、単独の助成の道はまだ開かれておりません。したがいまして県当局その他の努力に期待いたしておるわけでございます。
○只松分科員 いま将来は検討するとか五カ年計画とかおっしゃいました。それから具体的には単独の助成の道がない、こういうふうにおっしゃいましたが、先ほど申しましたように、国道でも、たとえば大宮から鴻ノ巣まで行っておりますバイパスの国道、これは事故が何倍かに急増しております。お調べになればすぐわかります。ここにも跨線橋をつくってもらいたいという相当の陳情が埼玉県関係市町村から来ておると思います。御存じだと思います。それとともに、さっきから申しますように、国道から国道へ砂利トラやなんかが非常に運行するわけです。そういたしますと、ただ国道だけの問題では解決できないし、埼玉県全体としてそれだけの被害が起きるわけですから、国道の跨線橋の設置あるいは照明灯その他はもちろんでございますけれども、こういう近代的な産業構造が変化してきて、埼玉県とか神奈川県とか静岡県とかは、農業県から急速に工業県へ転化して、交通量が非常に多くなってきた。こういうことは一県だけでは処理し得ない。あるいは一国道だけでは解決されない問題ですね。いわば総合的な道路行政が必要になってくるのです。
 そういう観点から申しておるわけでございまして、補助金その他についても、単に道路を建設省が直接管理しておる、こういうことじゃなくて、全体的なそういう問題について建設省としてはもっと意を尽くすべきであるし、あるいはそういう観点から自治省はもっとそういう交通量の激しいところに――ぼくは被害の一端を言って、こういうふうな被害県に対してどうするか、こういうお話をしておるわけですが、全体としての産業構造に見合う道路行政というものに対するその県内の補助金その他をどうするか、こういうふうに言っておるわけです。ぜひそういう点についてひとつ一そうの御勉強をしていただくと同時に、そういうものに対してすみやかに対処していただきたい。
○柴田政府委員 お話の道路行政関係の経費につきましては、逐年基準財政需要額の算定を通じまして増額し、かつ合理化してまいっております。昭和三十九年度の地方財政計画におきましても大幅に増額いたしまして、増高する道路の財政需要に遺憾なきを期しておりますけれども、なおお話の方向で十分検討してまいりたい、かように考えます。
○只松分科員 それから、直接の警察関係者はお帰りになったようでございますが、自治大臣にひとつ要望いたしておきますが、本県内のこういう被害に対して、他府県の自動車を、いわゆるひき逃げなりいろいろなことを捜査することがきわめて困難である。広域捜査についてもう少し徹底した各府県の協力体制をとってもらいたい。
 それから、こまかいことになりますが、いまナンバーをそのままで売買できるわけなんですが、ナンバーがそのままで、移動したナンバーと申しますか、所有者はわかっておっても、軍籍その他がわからないまま、砂利トラその他で運行されているのがたくさんあるわけです。したがって、これに対する対策というものを十分立てないと、先ほど申しまする群馬県なり栃木県なり他府県の所有者はつかまえても、転々として現在のほんとうの所有者がわからない、したがって加害者がだれであるかわからない、こういうことが非常に多いわけです。ひとつこの点について十分警察行政とにらみ合わせて取り締まりの徹底を期し、このナンバーの売買について一考をわずらわしたいと思います。
○早川国務大臣 御趣旨の線に沿って十分御意見に沿うように検討いたしたいと思っております。
○井村主査代理 川俣清音君。
○川俣分科員 自治庁長官に一点だけお尋ねをしたいと思います。
 国有財産所在町村交付金について本委員会においてお尋ねしたのでありますが、十分な回答を得られなかったので、あらためてお尋ねしたいと思います。国有財産――昔は国有財産、いまは国有資産所在町村交付金が、物価の値上がりまたは地価の値上がりによって、交付金額をふやしてほしいという要望が地方自治団体にあることは、すでに御承知だと思いますが、どうしてこの実現が不可能なのでありましょうか。この点をお尋ねいたしたいと思うのでございます。そして、どういうふうに各国有財産、行政財産について自治省は指示をなさるつもりか、その具体的対策をもお尋ねいたしたいと思うのであります。従来自治省が強く主張されなかった理由は、私の仄聞するところによりますると、いたずらに地価を引き上げるような措置は好ましくない、地価を安定的にさしておくことが望ましい、物価に与える影響の多い地価を引き上げるようなことは好ましくないというところから、消極的な態度をとっておられたと理解をいたしておるのでございますが、そういう理解でなお強力に推し進められないでおるのか、その進められない根拠はどこにあるのか、お尋ねいたしたいと存じます。
○早川国務大臣 お答えいたしますが、川俣委員、予算委員会でも自治庁長官とおっしゃいましたが、自治大臣と変わっていますので……。
 第一点は国有財産の評価と一般の固定資産の評価と食い違うのではないか、こういう御質問でございます。御承知のように、一般の固定資産は三年ごとに評価がえせられるのでありますが、国有財産は五年ごととなっておりますので、その間価格が据え置かれましてアンバランスになるところもあろうかと思うのでございます。しかし、ひどい不均衡が出てまいりましたならば、市町村長は自治大臣に対してその価格の修正を申し立てることができることになっておりますので、現行制度におきましても、その運用に遺憾なきよう自治省も指導いたしておるわけでございます。
○川俣分科員 ところが、自治大臣にお尋ねしたいのですが、三十七年度決算検査報告が会計検査院から出ております。この五五ページに「土地の貸付料が低廉と認められるもの」として、国有林野事業特別会計、国有林野事業勘定、国有林野事業収入、雑収入の指摘事項に、貸し付け料金の算出の基礎になる土地価格の認定にあたり、現地の状況を考慮して、近傍類地の売買実例価格、固定資産税評価標準価格等十分参酌して、最近の土地の価格の値上がりに即応するような貸し付け料をとるべきだ、こういう指摘をいたしておるわけであります。「昭和三十六年度決算検査報告に掲記したところであるが、昭和三十八年においても引続き実地に検査したところ、」云々ということで、安過ぎるという指摘を受けまして、国有林野事業会計におきましては、今年度から、この指摘に基づきまして、貸し付け料金を引き上げたわけです。そうすると国有財産の貸し付け料金を上げなければならぬ。地価が上がったのだ、したがって不当に安いという指摘を受けておるわけですね。貸し付け料金が安いということになると、地価の評価が安いのだ、こういうことなんです。そうすると国有財産もまた評価が上がらなければならないということになると思う。それを従来どおりだということは、何らかの根拠がなければならぬと思う。あえて地価の値上がり等を来たすことは、今後の公共施設の上に障害がきてはならぬであろうというような考慮とか、あるいはこれが物価にはね返るおそれがあるからとか、そういう考慮があって評価を上げないのだというなら、これは一つの根拠があると思うのです。そうでなければおかしい。自分の持っている土地の評価は高くして、借りたいという場合には上げなければならぬ。評価が上がっているのだ。売買価格から見ても上がっているのだ。したがって、上げなければならないと指摘するならば、自分の持っている財産もまた価値があるという判断なんですね。価値があるならば、所在町村に対して当然な交付金がこなければならぬ。価値があるという指摘を受けている。従来よりも価格が上がったのだ。上がった土地を持っているなら、当然所在町村交付金も上げなければならぬということになるのじゃないでしょうか。私はそう理解をするのですが、自治省はどのような理解を示しますか。今度は大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
○早川国務大臣 まことに論理的にはそのとおりでございまして、われわれが土地の売買をする場合にも、固定資産の評価よりも高く土地を売買しているのが現状であると同じような意味で、国のほうも財政はなるべく有利にという配慮から、そういう指摘があったんだろうと思います。しかし、国有の同定資産があまりにも一般の固定資産と差ができますと、片っ方は五年、三年とクロスするわけですから、その場合には、先ほど申しましたように、市町村長は、あまりに不当な安い評価で交付金を市町村の自治体に納めるとなれば、自治大臣に異議を申し述べる道がございますので、そういった具体的なケースはどこの土地か存じませんけれども、そういう道が開けておりますから、その運用をひとつはかっていただいて、現実に合わすようにするように指導してまいりたいと思っております。
○川俣分科員 大臣もう一つこの点だけにとどめますが、国有林野特別会計からは、所在市町村交付金をたしかことしから引き上げたと思うのです。こういう指摘を受けましたために非常に貸し付け料を上げた結果、自己矛盾を感じまして、ほかの行政財産あるいは事業財産では上げておりませんようですが、林野特別会計だけはたしか引き上げたはずだと思います。これはやっぱり自己矛盾を感じてやらざるを得なくなった。こうなると、国有財産所在市町村について、国有林野特別会計のほうは上げられたけれども、一般行政財産は上げられないという結果になって、不統一になり不均衡になると思うのです。そこであらためてなお自治省の態度をお聞きしなければならないということになると思うのですね。
○早川国務大臣 そういう問題はございますので、三十九年度は、市町村に対する交付金は、四億七千九百万円であったものを五億八千五百万円に現実に引き上げました。
○川俣分科員 そこで、同じ国有財産でありながら、林野だけは上げた。なぜかといえば、たびたび指摘を受けて貸し付け料を上げた結果、自己矛盾を感じて引き上げるということになったのですね。これはたびたび指摘した結果、林野庁も自己矛盾を感じて引き上げた。これは林野庁だけでは意味をなさないのではないか。自治省としてはほかの国有財産も全部そうしなければ、不均衡になると思うのです。そこでどう処置なさいますか、こうお聞きしているのです。
○早川国務大臣 五年ごとにやりますから、次は四十一年に評価がえをするわけでありまして、そのときに根本的に台帳価格を変えたいと思っておるわけでございます。ただし、その評価は、これは林野庁なりそれぞれの国がやるわけでありますから、民間の固定資産評価とちょっと違いますけれども、一般の固定資産と十分均衡をとった台帳ができ上がると思うわけであります。それまでの期間、じゃどうするか、もし非常な不均衡なり現実に合わない固定資産評価でありましたら、先ほど申しましたように、所在市町村長は、自治大臣に改定の要望、異議を申し述べることができるようになっておるわけでありますから、その方法を運用していただきたいと思います。
○川俣分科員 林野庁の事業会計というものは、山林地内、奥地林にばかりあるものではない。営林局は市にございますし、営林署は地力の郡の比較的中心地にある。これが他の官庁の所在地と軌を一にしておるわけです。したがって、林野の特別会計だけが引き上げて、他の官庁が引き上げないということは、不均衡、不公平だというそしりを免れないと思いますので、自治省はどういう態度をおとりになりますか、こうお尋ねしているわけです、改正まで待つということは、林野はあまり出過ぎたということになるのではないかと思うのです。
○細郷政府委員 固定資産のほうは、御承知のように三年おきで、本年度が評価がえをやる時期でございます。国有資産のほうのうち国有財産に関するものにつきましては、台帳を五年ごとに評価しております。したがいまして前回は三十六年の台帳価格改定町のものによってやっておるわけであります。五年後でございますから、この次は四十一年に次の台帳価格改定の時期がまいるわけであります。その点につきましては若干の時期的なずれがございます。そのずれにつきましては、先ほど来出ておりますような、そこに非常に大きな不均衡があれば、所在市町村長が意見を申し入れることができるということになっておるわけであります。ただ林野等の特別会計につきましては、それぞれの特別会計所管庁でこれをいたすことになっております。現在林野庁の関係の林野につきましては、わりに長く据え置きであったのでございます。しかし、今回先ほど大臣から御説明申し上げたようなことで、評価額が一億ほど増になったわけでございます。私どもとしましても、これではまだ十分な姿ではないと、実は内心考えておるわけでございます。しかし、今後そういう点につきましては努力してまいりたい、かように考えております。
○川俣分科員 なお説明が不十分なんですね。林野庁は、貸し付け料についてこういう指摘を受けたために、自己反省をしなければならぬために、ほんとうは五年後の改定期を前にして改定をしたわけですね。これは御存じのとおりです。改定期を待たずに所在町村交付金の引き上げを行なわざるを得なくなってきた。こういう情勢があると思うのです。そういう情勢の中で、これは林野会計だけが行政財産でなくて、同じ事業財産だということになると、国鉄なども事業財産です。あるいは専売公社なども事業財産です。こういうものを一様にやらなければならぬということになると思うのですね。そこでどう指導されますか。林野庁は少し早まって行き過ぎをしたという判断なのか、これに学ぶべきだという判断をなされるのか、その判断をお聞きしているのです。改定期を前にして実施されたわけです。どう指導されるつもりなんですか。
○細郷政府委員 林野につきましては御承知のように長いこと据え置きの状態であったのです。他と比べますと林野自体におくれがあるというような状態でございまして、今回先ほど申し上げたようなことになったわけでございます。なお、その結果につきましても、林野については検討すべきものがあろうと考えております。バランスをとるといった場合には、やはり低いものを他に近づけていくというような方向で、私どもも努力をしてまいるべきだと考えております。
○川俣分科員 その点はどうも要領を得ませんけれども、林野も規則に基づきまして五年ごとに改定することになっておりますが、五年を待たずに実施したということですね。したがってほかの国有財産も同様な考え方にならなければならない。改定期はほとんど同じなんですね。おくれだというけれども、おくれならばもっと前にやらなければならない。改定期を前にしてあえてしたということは、それなりに最近の動向というものについて無視できなくなったということであろうと思います。それはそれでいいです。
 そこで、大臣にお尋ねをしたいのですが、固定資産の再評価にあたりまして、売買価格――元来農業用地というようなものは、あるいは土地というようなものは収益価格でいくべきだと思うのです。収益価格というのはその土地の利用による価格というものであろう。土地本来に価格が発生する余地はないのですね。それによって生産する収穫がどのくらいあるかということによって、所得がどのくらい生ずるかということによって、土地の価格が生まれるのが、地代論の本質だと思うのですね。最近の経済学ではそうだと思う。したがって、売買価格ということになりますと、他の要素が非常に入ってくるということになると思う。御承知のように、山間僻地におきましては、宅地よりも農耕地のほうが高い評価の場合がたくさんあります。何か山間僻地では平たん地が非常に少ない。希有価値を持っておる。むしろ宅地のほうは、幾ら不便であっても、水とかあるいは日光とか、そういうものを考えて丘の上のほうに上がる。ところが農業用地はむしろ生産の上がる低いところにある。こういうことになってきて、宅地よりも農業用地のほうが希有価値を生じまして売買価格が高いということ、どうも自治省は宅地というならば高いというふうにお考えになっておるようですが、これは実態を調査なさるとわかると思いますが、そういう利用価値によって、固定資産価格が宅地よりも農地のほうが高い場合が、山間地に行きますとたくさんあります。宅地は経済的に利用価値は少ないけれども、むしろ農業用地として相当収穫を上げているんだ、収入を上げているんだというところから、収益価格を標準にいたしますと、いままでの固定資産は、山間地の農用地の非常に不足なところは、農用地のほうが高くなっておる。あなた方の考えと逆な点が出てきておるのです。売買価格ということになると、宅地よりも農用地のほうが高い。
 ここに私資料を持っておりますが、農林省農地局の統計です。農地局が所管がえまたは所属がえをなした価格の変動を、私ここで資料としてとりましたが――ちょっといま時間がないので見失っておるのですが、宅地と農地と、これはもちろん農業用所属地と見た宅地という条件があろうと思いますが、宅地と農用地では、山間地においてはそれほどの隔たりがございません。平たん地におきましては非常に開きがある。民間から買収したのじゃなくて、所属がえしたものでありましても、農地と宅地との開きはほとんどない。三十一年から三十七年までの平均ですが、農地は一反歩当たり四千百円くらいの価格になっております。農林省の自作農用地に所属がえしたもの、宅地であっても農地という観念が入ったものです。したがって、宅地であろうと農業用地であろうと、ほとんど開きがない。片っ方は四千百円、片っ方は四千四百円です。
 大臣お急ぎのようですからもうやめますが、したがいまして、あなた方の宅地だけ値上がりしたという観念は、山村に行きますと非常な違いがあるということなんです。そこで、宅地だけが値上がりしたというような観念ですが、売買価格をとる場合には、山村は異常な価格をしておる場合がある。山村における平たん地というのは希有的存在である。したがって非常に希有価格を生じたのが売買価格になっている。従来の固定資産は収益価格であるからして価格が押えられておるが、売買価格になると、利用価格でなくて希有価格が生じてくる。その売買価格を将来とるということになると、非常に問題が出てきやしないかということをあえて指摘したいのですが、時間がないから、資料を持ってほんとは大臣の見解を尋ねたいと思うのですが、だんだん材料を出しますと、大臣はお困りになるだろうと思いますから、もういいかげんにやめてもいいのですけれども、これだけはひとつ結論的に申し上げて売買価格というものは山村においては非常に危険がある。平たん地におきましてはそう危険はないけれども、山間地におきましては非常な危険があるということを指摘をいたしたいのであります。売買価格をおとりになるという方針が、そういう危険をはらんでおるのだということを理解して指導されなけなればらぬと思うが、大臣の御見解を承りたい。
○井村主査代理 川俣委員にお願いを申し上げます。御発言を制限する気持ちはいささかもございませんが、きょうは大臣も急用で時間も非常におくれておるようでございます。もうお一方御質問なさりたいと熱望しておられるので、またの機会にごゆっくり御発言をいただいて、ひとつきょうは御協力をお願い申し上げます。はなはだ恐縮でございます。
○早川国務大臣 たいへん含蓄のある御意見でございまして、われわれとしては、収益換算でいきますと、資本の回収率の問題とか、投下資本をどうとか、いろいろむずかしい問題がございますので、売買価格に純生産額に対する限界収益率五五%をかけまして、あの答申どおりの線で実は評価をしておるわけでありまして、御指摘のように、ものごとには関連ということがございますから、いま山間部でそういう問題が出ることもあり得るかと思いますが、なおよく検討さしていただきたいと思います。
○川俣分科員 この一問で終わりますが、これは質問でない。質問すると長くなりますから、結論的に申し上げたいと思います。
 そういうこともあるかしらぬから検討すると言うが、私は検討されなくてもいいつもりで材料を出すつもりだったのですが、それでは時間を食いますから、あらためて検討でなくて、すでに検討されていなければならぬであろう実態というものは、すでに理解されていなければならぬであろうという前提に立ってお話し申し上げたので、それでも幾らかの刺激をひとつ自治省に与えておこう、刺激を与えておかなければぼんやりされるのじゃないか、実情に合わない結果を招来するのじゃないかということを指摘するという、その指摘となると時間がかかりますから、この程度にとどめますが、大臣十分配慮を願わなければならないと思います。このことがひいては今後の農業生産の上に非常に影響をもたらすものでございまして、農業生産物の価格決定には地価というものが重要な要素であることは御存じのとおりです。地方自治体の財政的な基礎を見出されることも非常に必要でございますが、そういう地方町村の財政収入の、個人所得の要件となっております農業生産について、やはり一つの理解を持たなければ、固定資産税だけでは町村財政というものがまかない切れない事態が起こるであろうということを憂慮いたしまして、この質問になったわけですから、十分ひとつ御理解の上御検討願いたいと思います。
 大臣並びに局長の御意見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○早川国務大臣 御説十分拝聴いたしまして、今後の施策の参考にいたしたいと思います。
○細郷政府委員 ただいま大臣の申し上げたとおりでございます。
○井村主査代理 玉置一徳君。
○玉置分科員 大臣お忙しいところまことに恐縮ですが、二、三質問をさしていただきたいと思います。
 ここ数年の経済成長がどんどん伸びてまいりますにつきましては、広域行政の要求が非常に大きくなってまいります。特に東京、名古屋、大阪方面の大都市の周辺には、府県合併というような声すら出ておるわけであります。そこで、近畿圏整備促進法あるいは各地のブロックごとの開発促進法、あるいは新産都市、水資源法、河川法、一連の法律の改正があるわけであります。あるいはまた、昨年から農林省の地方出先機関の整備強化、あるいは本年は建設省の出先機関の強化、それぞれ見てまいりますと、提案の理由としてはもっともなところがたくさんございますが、このような措置が一連してとられてまいりますと、一体府県という公共団体はどうなっていくのだと考えれば、一まつの不安を私たちは感ぜざるを得ないわけであります。こういうように種々な法案なり種々な行政的な措置がとられるということは、近時の経済の発展に伴う広域行政の必要に基づいてそれぞれ出ておることは、よく理解できるわけであります。そこで、まず第一に、町村におきまして義務教育の学校施設すら十分でございませんところに、その上に社会福祉とか、社会保障とか、環境整備、農業構造改善事業、幾多の行政需要が山積してまいったわけであります。このことがますます市と町村との行政水準の格差をつくっていくと思います。これらの行政水準の高度化あるいは広域化ということに伴います財政の窮迫というような点から、あるいはものによりましては広域的にやらなければ効率的な運営ができないというので、町村のほうも町村連合という思想を強く前面に押し出してきたわけであります。これは一挙に合併に進めることのほうがあるいはいいのかもわかりませんが、住民感情その他でなかなかむずかいことがあるだろうというので、実現可能な問題から取り入れていこうというので、自治省が今度地方連合法案というものをおつくりになったのじゃないかと思うのです。
 そこで、この地方連合法案につきましてひとつ大臣に御質問申し上げたい。一つは、従来からある一部事務組合あるいは協議会方式といった問題と、本質的にどういうことが違うようにお考えなすっておいでになるのですか。
○早川国務大臣 一部事務組合は非常に限られた具体的な問題で組合をつくっておるわけであります。府県連合、市町村連合は、もう少し総合的な開発、幅広い広域行政をやりたい、こういう考えで連合法案をつくったわけでございます。
○玉置分科員 この連合法案なるものを見てみますと、条例制定権と起債の権限というようなものが新しくつけ加えられてあるにとどまっているのじゃないか。このように財源の裏打ちのないようなことでは、実際の効果を思い切ってあげていくということがいささかむずかしいような感じがするのであります。このことはとりあえず実行可能なことからやり出してみて、将来徐々にその運営の適否を見ながら内容を充実していこうというお考えから出発しておるのじゃないかと思うのですが、どうでありますか。
○早川国務大臣 お説のとおりでございます。
○玉置分科員 連合の議決は各自治体の長で組織される理事会の全員一致を必要とする、こういうようになっております。それに加えて各地方自治体の議会の議決が要ることでありますが、これではよほど全部の利害が一致するような問題でないと、非常に困難である。自治大臣もおっしゃっております日本版のEECとしては、この程度から出発することがいいのかもわかりませんが、先ほども申しますような財源の裏打ちと同じような意味で、やっておる間にそういうことにも地方自治体の方々が習熟されて、なお一そう強い、高い程度に進めていくだろうというお考えのものから、この程度に手がたく出発されたと思うのですが、いかがでありますか。
○早川国務大臣 私の政治哲学は、過激な、革命的なことをやらない、あくまでも現実に――熟柿主義という哲学を持っておるわけであります。そういう意味から申しますと、あるいは合併のほうが能率的じゃないかという一部の財界人なんかの意見がございますが、私は、府県連合という一見弱いようでございますけれども、各理事者が現在ではある県の知事さんは隣の県の領域には行ったこともない。全然知らない。東京とだけはつながっておるわけでございます。そういう状況でございますから、この理事会の数人の知事さんなら知事さん、市町村長さんあたりが総合計画を立てるときに、ほかの連合中の自治体までずっと視察に行く。そうすることによってこの広域行政の推進になっていく。この過程を私は高く評価するわけでごいまして、ただ単に能率という点では、あるいはもの足らない点があると思いますが、私は、いま言ったような立場から、府県連合が現実に妥当ではないか、かく考えておる次第であります。
○玉置分科員 そこで、ついでで恐縮ですが、局長にお伺いしたいのは、町村の連合体、府県の連合体、それぞれどういう町村にはどういう仕事、府県はどういう仕事がこういうことに適合するというふうに想定されておるのか、お伺いしたいと思います。
○佐久間政府委員 これは地域の必要によりまして一がいには申されないと思いますが、一般的に考えられますのは、府県の場合でございますと、まず総合的な計画を立てる。総合的な計画というものはなかなか一県だけでは立ちにくいわけでございますから、そういう計画をつくること自体が非常に仕事として意味があると思います。それから、その計画に基づきましてやる事業といたしましては、両県を通ずる道路網の問題、道路の建設の問題でございますとか、あるいは宅地開発、資源開発等の問題でございますとか、ところによりますと、水の利用につきまして考えるということも考えられようと思います。市町村の場合におきましては、都市計画を一緒にやる、それに関連いたしまして、し尿処理施設でございますとか、水道あるいは宅地等の仕事を共同でやるというようなことが考えられると思います。
○玉置分科員 局長に重ねてお伺いしたいのは、この連合は市町村同士あるいは府県間だけにとどまるのですか。府県と市町村との連合も考えられておるわけですか。
○佐久間政府委員 現在まだ政府部内では検討中でございますので、いずれともはっきりきめておりませんけれども、原則的には、府県は府県同士、市町村は市町村同士でいいのじゃなかろうかと、いまの段階では考えております。
○玉置分科員 ただいまの大臣の御答弁を承りますと、漸進的に熟していくのを持って、無理のない形でもってその効果をあげていく、こういうお話だったと思うのですが、これにつきまして、やがてこの連合方式に習熟してまいりますと、熟柿が落ちるような時期がくると思うのです。そのときには当然統合が考えられるのか。
 それから、もう一つ大臣にお伺いしたいのは、従来町村合併をやってまいりまして、人口八千を基準にしてやってまいったわけでありますが、産業の発展に伴いまして、この規模では少し少ないのじゃないか。ましていわんや産業行政をやるのにつきましては、いわゆる一部あるいは一市ぐらいを一つに考えなければいかないようになってきたのじゃないか。こういう点から考えても、先ほどのお話はごもっともで、よくわかりますが、合併をやるような場合には、こういう形で恩典を付与するというようなものも同時にやるというお気持ちはないかどうか、ちょっとお伺いしたい。
○早川国務大臣 現在のところは考えておりません。
○栗山分科員 ちょっと関連して早川自治大臣にお伺いいたしたいと思います。
 新聞の伝えるところによりますと、いわゆる早川方式について、議決機関を持たなければその肉づけが不十分ではないか、こういうふうな意見が出ておりますが、こういう意見について自治大臣はどのようにお考えになっておるのかということを、非常に重要な問題であろうかと思いますので、一点承りたいのであります。
 それから、早川大臣の方式によりますと、条例を定めることができる、こういう御意見を伺ったと思うのでありますが、法律のワク内で条例を定めるという規定づけをされておるのでありますけれども、やはり条例というものは法律に見合う一つの内容を持っておる、こういうことであります。そういたしますと、地方自治体の住民の監視の及ばざる、一つの弱体化の方向という危惧も多分に考えられるのじゃないか、こういうような疑問を強く持つわけでありますが、これについて一応明確に早川さんのお考えのほどを承りたいと思うのであります。
○早川国務大臣 最初の点でございますが、私は、EEC方式といわれるのは、あくまで議決機関は単位自治体だけ、連合には議決機関は置かない。トロント方式とか、あるいは失敗しましたが、西宮とどこかの、屋上屋を重ねる議会を置かない。これは一見弱いようですけれども、私はそのほうがうまくいけるであろうと思います。しかしながら、府県連合なり町村連合は、諮問機関といたしまして、各府県なら各府県会議員を若干名ずつ出し合う、これに有識者が入って審議会をつくりまして、そしてこなしていきますから、県会のほうに出たときには、一応審議会で理事者がこなしたものがいくわけであります。したがって、それのほうが能率的であり、かえって私は実効があがるかと思うわけでございます。
 それから、二番目の条例でございますが、府県連合なり市町村連合で連合に共通さしたほうがいい問題がたくさん出ていると思うのであります。そういうものは、やっぱりこっちのあれがこうであって、こっちと非常にアンバランスの場合困る事例がございますから、そういうものは共同条例として、しかしそれはあくまで所属の府県議会あるいは市町村議会での議決を経て制定する、こういうことになろうかと思うわけでございます。
○栗山分科員 もう一点だけお伺いいたしたいのでありますが、条例がそのように共同の場で各機関の議決を経て条例制定として進んでまいる、こういうことになりますと、問題は、憲法に定める地方自治法との関連、地方自治体との関連について、自治大臣はこれをどのように理解と解釈をなさっておるか、それをもう一点……。
○早川国務大臣 あくまで有権者の選ばれました議会の議決を経るわけでございますから、憲法上の問題は起こらないと確信いたしております。
○玉置分科員 地方税の減収補てんにつきましては、おそらくいろいろな委員の皆さんからお話があったと思いますので、私は、違った角度から、一、二点簡単に聞いてみたいと思います。
 最近の地方財政が、行政水準の急激な向上のために、その規模が著しい膨張をしましたのは御承知のとおりでありまして、ただ収入の大宗を法人関係の税収増と交付税でまかなっております関係上、市町村の収入は全く国に依存しておる度合いが多いわけでありまして、このために町村財政は非常に窮屈になっておるわけであります。このような事態の中で今般の住民税の減税が行なわれるのでありますが、これのただし書き方式の採用の町村は実に全体の九割、これが減収補てんにつきまして自治大臣に非常に御奮闘いただいておりますことについては、敬意を表する次第でございます。
 そこで、お伺いを申し上げたいのは、減税は地方住民の希望するところでございますが、地方税の課税権は地方団体にございます。具体的に言いますと、これを条例で地方議会がきめておるわけでございます。しかしながら、減税という形で地方団体の課税権に一般的制約を加えるのに、地方団体の公的発言をどういうような形でお認めになったか、公式に地方住民の意思の参画の機会があり得たかということであります。これと同じことでありますが、減収による恩典は公共団体の住民がこれにあずかる。行政サービスとして同時にその被害を受けるのもまたこの地域住民である。一面利益を受け一面被害を受ける。このいずれを選ぶかにつきまして、こういう機会には住民の意思を十分に聞いてあげる公的な場所があってもいいんじゃないだろうか。この問題だけではなしに、将来、こうした地方自治体の固有の権限を、いかに法律で規制するとはいえ、その利害関係者である地方自治体の意見を正式に聞くように、自治省の問題だけではなしに、あらゆる各省の問題にわたってこういう機会を与えるような方向に持っていく御検討をしていただくお気持ちがあるかどうかお伺いをしたい、こう思います。
○早川国務大臣 きめのこまかい御質問でございまして、われわれは、住民税減税につきましては、六団体、市長会、町村長会、議長会というものの意見も徴しまして、なお今後自治体の問題で法律によってきまっておる問題につきましても、そういった自治体代表の方々と十分相談しながら――相談もなしに強圧的に国会で立法するというような行き方は、今後もとらないようにいたしたいと思っております。
○玉置分科員 このことは、たとえば河川法におきましても、なるほど知事会の意見もお聞きになったことにはなっておりますが、力の関係もありますから、公式に聞いてあげるような形を将来自治大臣としてお考えいただきますと非常に私はありがたい、かように思うからであります。
 もう二、三点簡単にお伺いしたいと思います。
 いま町村長会でも申しておりますように、将来の地方自治体のあり方、ビジョン、十年後の地方自治体というものは、ことに町村の姿はどういう姿であるか、こういうことを想定せなければ、いまのような交付税その他の税財源のあり方ですと、富めるものはますます充実し、貧しいものはそこまで行き切らないという形になっております。傾斜配分方式その他に御努力をいただいておることはよくわかりますけれども、根本的にひとつ早川自治大臣の御在任の間に、地方自治体の行政水準はこの程度に行き渡ることが理想である、これを十年間に持っていくのには、どれだけの財源補てんをしてあげなければならないか。いまのような分け方で自由にやるんじゃなしにやっていただかなければ、各省がそれぞれ二分の一市町村負担という形でいろんな施策を講じてまいりますが、そいつを全部おんぶして歩いていくのは市町村であります。しょい切れないくらいの、したがって、行政需要を持っておるわけであります。よその市町村が、財源の豊かなところがやるのでありますから、うちのほうもやれということを要求されるのは当然であります。したがって、いまの財源付与のあり方を根本的にひとつそういう観点から考えていっていただくような時期にもうきたんじゃないか。もう財源のないところは全くなくなっておりますし、かなり伸びているところは伸びていくんじゃないか。こういう機会にひとつ将来にわたる町村行政の推進というビジョンをかいていただきまして、それに対して、十カ年でどういうような配分方式を持っていかなければ十分にこれを満たしてやることができないというような観点から、各省がいろいろなことを――地元市町村の負担が十割、二分の一補助というようなことをやるにつきましても、一応自治省でこれをまとめて、これだったらいけるというところで、よいということを言うていただくくらいな行政のあり方でやっていただかなければ、各省が国民の要求にこたえてやっていただくのはありがたいけれども、それを背負っておるのはほとんど市町村であります。こういう観点で、ひとつ将来の市町村のあり方というビジョンをかいていただいて、それについて流していただくような形にしていただくわけには参らぬかどうか、ひとつ早川自治大臣の御所見を承りたいと思います。
○早川国務大臣 非常にむずかしい御質問でございますが、大まかなことより申し上げられませんが、自治体間の社会保障というのが交付税方式であります。それから、社会保障だけではいかないんで、個人の場合と同じですが、それ自身が経済力を持つという政治をやらなきゃなりません。これは地域開発であり、工場誘致であり、新産都市の産業再配分であり、両々相まちまして、自治体が成長するわけであります。したがって、今後の十年後所得がさらに倍として、予算も倍になるでしょう。そういう場合に、最初の社会保障、自治体の社会保障、いわゆる交付税その他一そう充実さし、傾斜配分していくという方法がとられると思います。
 産業を興す面については、私は、ビジョンを言わしていただくならば、新しい田園町村の構想を持って検討いたしておるわけでございまして、非常に豊かじゃないけれども、そこに行けば人生が楽しい。そうして社会施設、学校、道路。御婦人も合理化された生活環境。それには中小企業もある程度あって、富の生産もある。農業も構造改善で自立できる農家がある。そういうモデル田園町村を少なくとも各県に一つか二つ、国が大いに援助をしてつくってみたらどうだろう。そうしてここにほんとうの人生がある。都会のように非常に所得が追いつかぬかもしれぬけれども、ばい煙がない。武者小路さんが新しい村という構想でやりましだが、そういう意味で、二、三万の、あるいは五万くらいのモデル田園町村というものを考えてみたい。それには、農業構造改善では農林省も協力する、厚生施設では厚生省、産業誘致では通産省、そういう政府のあらゆる官庁の力をそこへ注ぎ込んで、農村なりそういういなかでも、若いお嬢さんが都会に逃げたりしないようなものをぜひつくってみたい。もし私が二年三年自治大臣をやっておればですよ。来年度の予算の課題にはなりませんが、そういう構想でいま自治省の企画室に検討を命じて、諸外国の資料も集めて研究中でございまして、そういう意味のビジョンがあるといえば、こういうビジョンを持っているということをお答えするわけであります。
○玉置分科員 この問題はまたゆっくりひとついろいろと御意見を承り、私からもお願いをしてみたいと思うのですが、時間がありませんので、次に移らしていただきます。
 農業構造改善事業が、御承知のとおり、あたかも市町村長の責任においてやっているごとくやらされておるわけであります。御承知のとおり、農業構造改善事業をやるのには、市町村にはそれだけの職員とか、技術たんのうな、有能な、なれた職員を持っておりません。こういう意味では、私は、自治大臣から見ていただかなければ少し無理じゃないか、こういうような感じがするのです。したがって、構造改善事業でも、どこまでは府県がやりなさい、どこから下は町村がやってくれということでなければ、初めからそれだけの人員をかかえなさいということと同じことだと思うのです。こういう点について、ひとつ局長にお伺いしたいと思います。
○佐久間政府委員 御指摘の点は一つの問題だと思いますが、現在農業構造改善事業として行なっておりますのは、市町村が中心になりまして、その地域におきまする農業構造改善のための各種事業の計画を作成をする、こういうたてまえになっておるわけでございます。私どもは、市町村が農業行政の中心になって計画を立てるというたてまえは、たいへんいいんじゃなかろうか。ただ、御指摘のように、そのやっております仕事の中では、一つの町村だけの視野では合理的な計画が立てられないというようなものもございますし、またその事業も数カ町村にわたって広域的にやったほうがいいというものもございますので、それらにつきましては県が適切な指導をするし、また市町村同士も連合とか組合とかあるいは協議会というものをつくりまして、できるだけ協同をしてやっていくというようなことが望ましいというふうに考えております。
○玉置分科員 最後に、自治大臣に御質問申し上げたいのでありますが、最近町村の財政のうちでかなり問題になっておりますのは、義務教育の通学費の楠町であります。御承知のとおり、町村合併あるいは中学校統合というものを国の方針として打ち出しまして、町村はこれに従って統合をやっていったわけでありますが、統合の条件として、へんぴなところには通学費の補助をやったわけであります。当時はそれがあまりばく大な金額にのぼらなかったのでありますが、物価の高騰もしくはいろいろな汽車、バス運賃等の値上がりによりまして、相当大きなあれになりまして、私ども京都府の一例をとりましても、船井郡の日吉町でありますが、昨年の三割値上がりによりまして、町村が補助しておりますのが、人口一万段階の町村で五百八十六万円にまでなってしまいまして、全く町村の財政を窮迫のどん底にまでおとしいれております。私ども京都府だけで、五百万以上の町村が二つ、三百万以上の町村が三つ、そういうところまで追い込まれてしまったわけです。
 そこで、問題は、二十二名の教員が統合のおかげで減少されましたので、これの算定が、一人当たり年七十万円といたしまして千五百四十万円。地方交付税の減少によりまして財減の助かったものが、国及び府が四百十三万円。合計で千九百五十三万円。統合によりまして国及び府がそれだけの財政支出が少なくなっておるわけであります。逆に町村は五百八十六万円の持ち出しをしておるという現状であります。昨年度自治省にもずっとお願いを申し上げまして、僻地に値するところだけは特別交付税でかなり見ていただいたような感じがするのでありますが、本年度はひとつ思い切ってこれの補充をしてあげていただきたい。国策に沿いまして教育目的を達成するために、ある程度の規模以上の学校にせなければならないというので、それはそうだということでやったわけであります。教育上の目的は達成できたけれども、それで国と府県は千九百五十三万円の、その町村によりまして財政の支出はなくなったけれども、町村が実に五百八十六万円の負担に悩んでおるというのが現状でございます。これは文部当局の仕事でもございますが、ひとっことしは特別交付税でかなり思い切って見ていただくと同時に、この一年間で来年度からボートあるいはバスあるいは寄宿舎、同じような制度がございます。あるいは、いま申しますように、そういうものに乗れずに、御承知のとおりバス、ボートは一カ所だけを運行するんだったらできますが、中学校が大体中央部にございますので、同じ時間に人を集めようと思うと、町村営のバスは十台も一緒に要るということになりますので、在来の交通機関をみな利用しておるわけであります。こういうものはどの程度あって、どういうようにしてやると全部これを補てんしてあげられるのかどうかという御検討をいただいて、来年度はひとつみんなが満足するようにやってあげていただければ、非常にしあわせだと思います。今年度はひとつ特別交付税で思い切ってこれの補てんをしてあげていただきたい、こう思うのですが、大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○早川国務大臣 いま言ったような通学に要する経費につきましては、僻地振興法の適用を受ける僻地の学校に対しましては、通学用バス、ボート、寄宿舎等の財政需要に対しまして、従来は特別交付税で見ておったわけであります。さらに本年もう近くきまりまする特別交付税に対しましては、僻地教育振興法の適用を受けない学校をも新たに適用の対象といたしまして、積算上の単価も増額をはかってまいりたいと存ずる次第でございます。しかしながら、特別交付税というのは、これこれのためというようにイヤマークをして町村に与えるわけではありませんので、全体として諸種の条件を勘案しながらいきますので、その点はひとつ御了解賜わりたいと思うのですが、あくまでそういうものは十分配賦の基準のルールの中へ入れてまいりたいと思っております。御了解願いたいと思います。
○玉置分科員 まだまだ質問申し上げたいのですが、大臣お急ぎでございますので、まことに失礼いたしました。
○井村主査代理 ほかに質疑はございませんか。――御質疑がないようでありますから、これにて自治省所管に対する質疑は一応終了いたしました。
 明十九日は午前十時より開会し、運輸省所管について審査を行ないます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時二十四分散会