第048回国会 運輸委員会 第9号
昭和四十年三月五日(金曜日)
    午前十時二十二分開議
 出席委員
   委員長 長谷川 峻君
   理事 大西 正男君 理事 進藤 一馬君
   理事 關谷 勝利君 理事 田邉 國男君
   理事 山田 彌一君 理事 久保 三郎君
   理事 矢尾喜三郎君
      有田 喜一君    浦野 幸男君
      小渕 恵三君    川野 芳滿君
      木村 俊夫君    佐々木義武君
      壽原 正一君    田澤 吉郎君
      塚原 俊郎君    西村 英一君
      増田甲子七君    小川 三男君
      勝澤 芳雄君    島上善五郎君
      泊谷 裕夫君    野間千代三君
      山口丈太郎君    竹谷源太郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  大久保武雄君
        運輸事務官
        (航空局長)  栃内 一彦君
 委員外の出席者
        運 輸 技 官
        (航空局技術部
        長)      大澤 信一君
        参  考  人
        (日本航空株式
        会社社長)   松尾 静麿君
        専  門  員 小西 真一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第二六号)
 航空に関する件(航空事故等に関する問題)
     ――――◇―――――
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。
 本案につきましては、すでに質疑を終局いたしております。
    ―――――――――――――
○長谷川委員長 これより討論に入りますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに採決いたします。
 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○長谷川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
  〔報告書は附録に掲載〕
○大久保政府委員 ただいまはありがとうございました。
     ――――◇―――――
○長谷川委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 本日、航空に関する件について、日本航空株式会社社長松尾静麿君から参考人として実情を聴取したいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
○長谷川委員長 次に、航空に関する件について調査を進めます。
 この際、政府当局より、先般の航空機の事故等について発言を求められておりますので、これを許します。栃内航空局長。
○栃内政府委員 先般、全日空の事故が起こりまして、その機体がまだ発見されないまま、非常に申しわけない状態のまま経過しておりましたところ、日本航空のコンベアにつきまして事故が起きました。また事故には至りませんでしたが、一般に非常に御心配をかけるようなことが相次いで起こりまして、まことに申しわけないと存じております。
 日本航空の関係の事故その他につきまして、お手元に資料を配付しておりますので、これにつきまして、概略、私から御説明いたします。
 これにございますように、三つに分かれておりますが、第一のコンベア880型JA八〇二七号機につきまして申し上げますと、この飛行機は、乗員は三名でございますが、旅客百二十四名を乗せまして、二月二十六日十三時二十六分東京国際空港を離陸いたしまして、千歳飛行場に向け飛行いたしました。この飛行機は、十四時二十五分千歳飛行場上空で前脚が出ませんので、やむを得ず東京国際空港に引き返しました。そうして羽田の上空あるいはその付近におきまして、地上からの指示に従いましていろいろの操作を行ないましたところ、幸いにも十六時十分前脚が出ました。そこで、なお慎重な配慮をいたしまして同三十九分無事着陸したわけでございます。
 この件につきましての処置でございますが、直ちに日航の整備工場でもって航空局係官立ち会いのもとに、前脚の作動試験を実施いたしました。次いで地上操向機構を機体からはずしまして台上試験を行なった結果、操向制御弁内のピストンの中立位置が正規でないことが判明いたしました。
 次に、同じくコンベアP八〇二三号機につきまして申し上げます。
 この飛行機には、操縦教官一名、操縦訓練生二名、航空機関士教官一名、機関士訓練生二名、計六名が乗り組みまして、二月二十七日七時四十分訓練飛行の目的で板付飛行場を離陸し、板付飛行場北西方海上上空で訓練飛行を行なった後、目下建設中であります壱岐の飛行場でもって進入復行訓練を行ないました。そのために同空港の北のほうから降下進入を行ないましたが、事故を起こしました。
 降下進入後、事故発生までの経過について操縦者の供述を聴取しましたところ、次のように述べております。
 すなわち、高度三百フィートを維持しながらローパスに移行しようとしたとき、急激な下降気流を感じ、飛行機の沈下を防止しようとしてエンジン出力を最大にし、機首上げの操作を行なったが、飛行機は浮揚せず、滑走路北端の斜面に主車輪及び尾部をひっかけ、横滑りしながら滑走路上を約四百メートル滑り、滑走路横に積んであった砂利山に横向けに衝突、停止炎上焼失したということでございます。また、乗り組み員は、機体停止と同時に火災ということを知りまして、機内にあるエンジンの消火装置を操作した後、全員脱出しましたが、不幸にして衝撃により二名が重傷を負いました。
 以上のように、当時飛行機に乗っておりました搭乗者が供述しております。
 処置としまして、当局は、直ちに現地に係官を派遣して、現地調査及び乗り組み員等の供述の収集をさせております。現在も調査中でございまして、目下資料を検討中でございますが、いろいろな供述あるいは資料によって今後事故の原因を調査していきたい、かように考えております。
 三番目としまして、同じく日本航空の八〇二八号機、これもやはり乗り組み員は三名でございますが、お客六十六名を乗せまして、二月二十八日七時四十分千歳飛行場に向かって定時に羽田を出発しようとしましたが、滑走路上まで出たときに、方向舵機力操縦装置故障指示燈が点灯しておりますので、また、一部計器の作動不良を認めましたので、引き返しまして、代替機の八〇二六号にお客を移し、定時よりおくれまして出発いたしました。処置としまして、この飛行機につきまして直ちに点検を実施しましたところ、油圧系統中の圧力スイッチの不良を発見いたしまして、不良部品を交換して正常に戻りました。最後の分は事故と申すには入らない、いわばいろいろないままでトラブルがありましたので、慎重な配慮から、飛行機のふぐあいを発見して飛行機をかえたということで、時間はおくれましたけれども、いわば慎重な配慮をしたというふうに考えるべきものと存じております。
 しかし、いずれにしましても、日を相次ぎまして事故あるいは世間を騒がせるというようなことが続発しましたことはまことに遺憾でございまして、監督官庁としても責任を感じております。
 以上のような三点、これが最近におきます事故の概要でございます。
○長谷川委員長 次に、本日御出席の松尾参考人より実情を聴取することといたします。松尾参考人。
○松尾参考人 ただいま航空局長から御報告がありましたとおり、相次ぎまして事故を起こしまして、皆さんに御心配をかけ、社会に非常に御迷惑をかけましたことを、心からおわび申し上げたいと思います。
 事故の状況は、ただいま局長からお話がありましたとおりでございます。何といいましても、われわれの仕事は安全が基本でございまして、常日ごろ安全については相当に力を入れたつもりでありますが、こういう非常に御迷惑をかけ、まことに相すまないと存じております。
 二十六日の脚の出なかった問題でございます。これは、札幌から東京に機長の判断で引っ返しまして、松島上空から羽田の地上の技術陣と連絡を密接にとりまして、脚の出ない状況を綿密に機上から地上の技術陣に報告があり、それを検討いたしまして、いろいろの地上からの指示を与えた。機長は非常にフランクにその指示を受け入れまして、そのとおりに操作した。その操作の結果事なきを得た。地上と搭乗員との密接な連絡のたまもので一応事なきを得た、こういう実情でございます。飛行機を整備するほうと飛行機を操縦するほうとの密接な連絡ということは、常日ごろから私は非常に大事な問題だ、こういうぐあいに考えておりましたが、幸いにして、この問題につきましては空地連絡が非常に密接にいきまして、事なきを得た。なお、その際乗客として乗っておられたいろいろな方に非常に御協力を願ったということを心から感謝しております。
 それから、この訓練機の事故でございますが、御存じのとおり、乗員が非常に不足しておりますので、乗員の訓練には非常な多額な費用をかけまして、しかもそういった三億五千万の補助金をいただきまして、鋭意乗員の訓練に努力しておるわけでございますが、何といいましても、日本の飛行場が数多くありませんのと、飛行機の発着が非常に多いこと等もございまして、訓練専用に使います飛行場もなかなかない。当日は福岡の板付を飛行訓練に使う許可を得まして、あそこを中心に飛行訓練をやる、こういう計画で実施しておったわけでございます。
 その当時ローパスと申しますか、着陸はしないけれども、進入方向の訓練、それから滑走路上に何かあった場合コースをやり直すという訓練を、騒音その他の問題で、福岡でやることもなかなか困難でありますので、未完成の壱岐の飛行場でやった、その祭事故が起こった、こういう実情でございまして、これは、ことにそういう未完成な飛行場ではそういうことをやらないというように、計画の変更を命じてございます。この乗員の訓練には私たち非常に苦慮いたしておるのでございまして、三十九年度も、ジェットの訓練だけで二千六百時間を費すわけでございますが、大部分は、その七六%に相当する程度は、大体アメリカあるいは沖縄、こういうところで実施しております。こういう事故もありましたので、これからはできるだけそういう事故を起こさぬような場所、天候その他の点もございますので、もっと外地で、アメリカなりああいうところでやるパーセンテイジをふやしていきたい。できるだけ内地での訓練を少なくしていきたい。結局は、そのほうが長い目で見ますと、集中訓練ができますので、金はかかりますけれども、長い目で見ますとそのほうが合理的だ、こういうぐあいに考えます。こういう事故を起こしましてはなはだ申しわけございませんので、できるだけこういう危険性のないところで、金がかかっても訓練をしたい、こういうぐあいに方針を変更したいと考えております。
 御参考までに、乗員の二つの例をとりまして、どういう訓練を何年ぐらいやっているかということをちょっと申し上げたいと存じます。航空大学を出ましてわが社に入社するわけでございますが、それからの状況を概略申し上げたいと思います。
 航空大学で約二ヵ年近く訓練を受けまして、飛行時間が約二百時間程度だと考えております。そのうちから、入社試験をやりまして採用するわけでございますが、採用してから約一ヵ年、基礎訓練、学科の訓練、いろいろな飛行の訓練あるいは語学の訓練、こういうものをやるわけでございます。その一ヵ年の間に双発のB1、こういうものの訓練をやり、あるいはシュミレーターの訓練をやるわけでございます。一ヵ年たちまして、ピストン機の6Bの副操縦士になすために、運輸省の事業用操縦士、技能証明、計器飛行証明、三等航空無線通信士、航空級無線通信士、こういう五種類の免許を運輸省からとりまして、そうしてピストン機のダクラスの6Bの副操縦士に乗務するわけでございます。この副操縦士として約一年八ヵ月ピストン機に乗りまして、その間にこのジェットの操縦士になる訓練をやるわけでございまして、これが通りますと、今度はジェットの副操縦士としての勤務をする。この期間が約三年ばかり。三年半くらいジェット機の副操縦士としてやる。その間に、今度はキャプテンとしての昇格訓練なりあるいは定期運送用操縦士の免許をとるというような訓練をやりまして、それからジェットの機長になるわけでございますが、この間、航空大学を出ましてから七年から八年大体かかるわけでございます。
 航空大学の第一期生が現在キャプテンになっておりますが、これがちょうど十年かかってDC8のキャプテンになっておる。こういう経過の訓練のやり方をやっておるわけでございます。
 したがいまして、私のところの訓練の大体の計画は三年計画を立てておりますが、申し上げますと、三十九年には訓練費が十八億、四十年度には二十四億、四十一年度には二十七億の経費をつぎ込む、こういう計画をいたしております。三十九年度並びに四十年度には、皆さんの御尽力をいただきまして、三億五千万ずつの補助金をいただいておるわけでございます。そして、この期間の訓練時間でございますが、三十九年度にはジェットだけで総計二千六百八十時間の訓練をやっております。それから四十年度には四千四百時間の訓練をやらなきゃならぬ、四十一年度には五千時間近いジェットだけの訓練をやらなきゃならぬ、こういう計画でおりまして、養成人員は、ジェットのキャプテン並びにパイロット、三十九年には九十八名、四十年度には百三名、四十一年度には百八十七名、ジェットのキャプテン並びに副操縦士を養成をしていく、こういう計画で実施しておるわけでございます。特にジェットの機長としての訓練はシビアーにいくという方針を私の会社ではとっておるのでございます。それはやはり訓練中に相当シビアな訓練をやっておきませんと、いざお客を乗せた場合に的確の措置ができないという考えもございまして、このキャプテンの訓練につきましては、相当のシビアーな訓練をやっておるという実情でございまして、これはやはり先ほど申しましたとおり、それだけの訓練をやっておきませんと定期におきまして紙一重の場合、適切な処置ができない、こういう考えからそういうシビアーな訓練をやる方針でおるわけであります。以上、この訓練をやっております概況を申し上げました次第でございます。
    ―――――――――――――
○長谷川委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。山口丈太郎君。
○山口(丈)委員 ただいまの報告に関連して二、三質問を申し上げたいと思います。まず、第一に、日航の飛行機事故は幸いにして旅客には大きな影響を与えずに済んだことは不幸中の幸いであると思います。特に、二十六日の機脚の出なかった飛行機の事故については、多数の旅客があったにもかかわらず、ただいま報告のありましたように、地上と航空機乗務員の連絡の適切というようなこと、並びに的確な指示に従って処置を行なったために大事故を未然に防いだということは、まことに平素の訓練のたまものだと思って感謝をしております。しかし、私は、こういう事故がたびたび頻発するということは、何か整備の点に欠けるところがあるのじゃないか、あるいは整備の未熟さにあるのではないかという気がいたすのでありますけれども、平素の乗務員の訓練と同時に、航空機の整備の訓練に対してはどういう指導をしておられるか、また、現在の航空機の整備の機構というものはどういうふうになっているか、これをひとつお聞かせ願いたい。
○松尾参考人 ごもっともな御質問でございます。安全は、やはり、整備と、これを運用するパイロット、こういう両面が非常に大きなファクターになると存じます。御存じのとおり、日航が発足しますときこの整備が非常に大事だということで、これが戦後七ヵ年間のブランクがございましたので、私も技術屋である関係上、整備をどうしてほんとうに軌道に乗せていくかという問題があったわけでございまして、結局整備会社を別会社にして、そうして外国から直接資本を入れて、技術屋も指導を受ける、技術提携をやっていく、整備を一番早く日本人の手に戻すためにはそれが一番効果的である、こういうわけで、御存じのとおり日航が昭和二十六年にできまして、昭和二十七年に日本航空整備株式会社というものができたわけでございます。その当時、アメリカ人十四名整備の指導者を入れまして、あるいはアメリカのトランスオーシャンからも、ノースウエストからも資本金を若干入れてもらいまして、人間も派遣してもらった、こういうことで整備会社が発足したわけでございます。その後一年半か二年外人がおりまして、あと大体帰しましたが、整備会社は独立の会社としてそれから十何年、一昨年までまいったわけでございます。しかし、どうしても、この整備と運航というものは非常に密接な関係がございますので、別会社ではどうもいけないという私は考えを持っておりましたので、いろいろ合併には問題もございましたけれども、思い切って整備会社と日本航空と合併した、これは一昨年の十月合併をいたしまして、今日に至っておるわけでございます。
 この整備の教育でございますが、大学出それから技術の高校卒とそれから中学と三種類採用しておるわけでございまして、入りましたら、それぞれ教育をやっております。特にこの高校出身それから中学出身――中学出身は三ヵ年間訓練所がございます。そこで中学出身は三ヵ年間専門の技術を会社で教育をやる。それから高校出も訓練所がございまして、そこへ入れて訓練をやっていく、こういう形をやっておりまして、私はこの技術面におきましては、だんだん向上してきている、こういうぐあいに存じます。
 なおまた新しい機種がまいりました場合、これは機種によって整備その他のやり力が非常に違いますので、新しい機種がまいりました場合は、これについて専門の教育をやる、こういうやり方で技術向上をはかっておる次第でございます。
○山口(丈)委員 そこでお尋ねしますが、新しい機種を購入した場合、これは国内において生産された飛行機でありますならば、飛行機の性能等について習得した技術者を、その整備員が新しい機種になれるまで整備指導を、いわゆるサービス部門で呼ぶことができると思いますけれども、主として外国から買い入れる新しい飛行機の場合には、その飛行機の製造過程において、技術的に重要な部分について習得した技術員がおらぬ。これは航空機整備上非常な支障を来たすわけであります。そういう場合に、どういう処置をしておられるか。
 それからただいま整備の機構の問題については承知をいたしましたが、整備員個々の資格については、これは運輸省でしょうが、どういう指導をしておられるか、この二点について。
○松尾参考人 新しい機種につきましては、新しい機種をいつ採用するかということは、もう一年、一年半も前に大体決定するわけでございますので、仰せのとおり日本製じゃございませんので、アメリカに技術駐在員というものを私のところは置いております。たとえばコンベア脚を注文いたしますと、この技術駐在員が製作途上つきっ切りで工場に行っておるわけであります。そのほかに新しい機種については、もう一年も一年半も前から大体日本で教育をする教官要員をずっと派遣しまして、向こうで訓練を受けまして、各部門ごとに、たとえばエンジンならエンジン、あるいは機械なら機械、電気系統なら電気系統、計器なら計器、油圧なら油圧、すべて専門家をやりまして、そうして向こうで長期間訓練を受けました教官要員が帰ってきまして、社内の技術者を教育する、こういうことを機種ごとにやっております。
 それからもう一つの資格問題でございますが、これは国家の資格試験がございまして、一等整備士、二等整備士と、こういう整備士の国家試験の免許を取らせる、これは相当多数おります。
 それからもう一つは、日常整備いたしますとき、これが完全に整備ができておるかどうかという最後の責任者として判定を下す者、これはコンプリーターと申しておりますが、このコンプリーターは、社内で資格試験を実施いたしまして、これは各飛行場ごと、各ブロックごとに持っておる。この資格を持ったコンプリーターが最後に点検をして、これでよろしいということの認容をしている、こういう制度を持っております。
○山口(丈)委員 そこで運輸省にお伺いをしますが、この整備士は、いまの答弁だと会社で実地に指導して、つまり日航を通じて整備員は整備教習等をして、それから国家試験をして、そうしてその試験の基準に合格すれば整備士としての免状を与える、こういうシステムになっておるのですか。それとも特殊に国家が整備士の訓練あるいは教育をする機関を設けて、その整備士に資格を与えるということをやっておられるのか、どうなんですか。
○栃内政府委員 国といたしましては、乗員養成につきましては、国の機関を設置しておりますが、整備士につきましては現在のところ設置しておりません。
○山口(丈)委員 そこに私は問題があるのじゃないかと思う。ただ通り一ぺんの学校教育でもってこういうものができるとは思いませんが、少なくとも基礎教育というものは、やはり国の力において養成すべきであって、ただ会社だけにこれをやらせておくということは、経済上からいっても私は限度があると思う。しかも整備ということは飛行機の生命だと思う。もちろん優秀な操縦士の的確な判断も必要であります。けれども、航空の安全を確保していくということは、整備が第一の急務だと思う。その肝心の基準であるべき整備士、むしろ操縦士よりも重大な任務を持っておる整備士の資格を認定する場合に、あるいはそれを養成する場合に、国家機関がこれに何ら関与していない、民間まかせで、ある程度習熟した者を国家試験によってやるということは、あまりにも無責任過ぎはしないかと思うのですが、これはいかがです。
○栃内政府委員 ただいま松尾参考人からお話がございましたように、日本航空機の整備士につきましてもいろいろな段階があると思います。おそらく日本航空に入っておる整備士のうちには専門の工科系統の大学を卒業した人、あるいはその他の官公私立の学校を卒業した人、こういう方が多いのではないか。そこで官立等の学校につきましては航空機整備士養成のための専門の学校というものは、あるいは官立ではないかもわかりません。およそ技術教育という意味で工科系統の学校はたくさんあるのじゃないか。また都立の学校としましては、専門に航空整備専攻させる学校はございます。したがいまして、先ほど私が申し上げましたのは、国として何ら整備について配慮していないということではございませんので、運輸省の直轄機関としてはパイロットの養成機関だけを持っておって、整備関係については持っておらないということを申しましたので、国全体の施策としましては整備の技能者の養成ということには多額の国費を費やしてやっておるのではないか、かように考えます。
○山口(丈)委員 概括的にはそれはいえることですけれども、少なくとも各大学のたとえば航空学科なりあるいは一般工業学校においても航空学の専攻をやっておるという部面もあるでしょう。しかしそれが必ずしも私はいきなり航空機整備の適性な性格を持っておるとは思いませんし、またその学科の関係が、なるほど基本的には習熟しておるといたしましても、具体的に航空機を扱って、その部分を扱うのに役立つというものではないと私は思う。ですから学科は学科としてそれはよろしいけれども、現実に現場要員を養成するためには、やはり運輸省において、再度実務的な教育を施す機関というものを持つべきではないかと思うのですけれども、これは政務次官いかがですか。将来、これだけ航空機が発達してくれば、機種も多種多様になる。したがってそういうものをお持ちになる考えがあるかないか。
 それからもう一つついでに、時間を省略する意味で政務次官にお伺いをしますが、壱岐の飛行機事故は、これは訓練飛行中に起きた事故である。ところが新聞などの報道するところによりますと、この壱岐の飛行場はまだ未完成の飛行場である。少なくとも訓練をやる場合に――着陸訓練をやっていたようでありますけれども、たとえ訓練であるといえども、こういう未完成なところで、実際にはこれは着陸不能に近い飛行場なんです、舗装もできていない、そういうところで訓練をやらなければならないような実態というものは、これはやはり行政官庁として責任があると私は思う。したがって、なぜこういうような飛行場を操縦士の訓練飛行場として許可しておるのか、非常に危険な話ではないか。したがってこういう訓練をやるにしても、たとえそれが訓練であるにしても、完成された飛行場において、どういうような事態になっても直ちにそこで完全着陸ができる、こういうものを目標にしてやるべきではないか。それをお許しになったのはどういう関係か、あるいはその許可が必要でないとするならば、これは会社側ではどういう考えでそういう冒険な――私らにいわせれば非常に冒険な話ですが、冒険な訓練をさせたか。
 もう一点は、したがって、少なくとも操縦士の着陸その他のすべての訓練をやる場合、新しくそういう訓練用の指定飛行場をつくる考えはないか。この三点についてお伺いしたい。
○大久保政府委員 ただいま御質問がございました三点のうちの第一点は、政府機関の養成組織の中に整備技術者の養成をやったらどうか、こういうお尋ねであったと思います。ただいまパイロット養成はいたしております。これをそういう整備士の養成まで拡張するかどうかという問題だと存じますが、運輸省の関係で、いわゆる船員の養成をやっております。御承知のように、商船系統の教育機関には機関科がございます。しかし船の整備という、機関科以外のいわゆる技術というところまでは及んでおりません。そこで航空のほうにさような組織を新たに設定したほうがいいかどうかということは、今後ひとつ御説を参考といたしまして、さらに検討いたしまして、各方面から善処してみたいと考えておる次第であります。
 第二点の、壱岐の飛行場を、しかも未完成の飛行場をなぜそういったような高級の飛行機の訓練に使ったか、こういうお尋ねでございます。詳細は局長から答弁させますけれども、あの飛行場は御指摘のように未整備の飛行場でございますので、これに最初から着陸する予定で訓練をいたしておったわけではなかったようでございまして、いわゆる着陸を想定した着陸態勢の訓練をいたしておりました趣でございます。
 なお、専用の訓練飛行場を持つかどうかということは、ただいま実用飛行場が非常に不足いたしておりますさなかでございますので、先ほど松尾社長からも申し上げましたように、今後内外を入れまして最も効率のいい、しかも安全度の高い、将来に備えた訓練の組織を確立していきたい、かように考えております。
 残りました点は局長並びに社長から答弁させることにいたします。
○栃内政府委員 ただいまの政務次官の答弁に補足いたしますが、壱岐の訓練につきましては、いま政務次官が答弁しましたように、決して880の離着陸訓練をやるということでやっておったわけではございませんで、いわば進入飛行訓練と申しますか、飛行機は着陸しないが、着陸態勢に入ったあと、何らかの事情、すなわち主として滑走路上における事情その他によりまして着陸を思いとどまって、もう一度新たな着陸をするために飛行するという訓練をやっておったというふうに私は考えております。この訓練は非常に重要な科目でございまして、着陸態勢をとったならば何が何でも着陸するということは非常に危険でございます。すなわち着陸をしないでもう一度やり直すという決心をし、またこれを敏速に実行していくということは、航空の安全上非常に重要な科目でございます。これは理論的には洋上でもあるいは人のいない草原でもできるかもしれませんが、やはり目標というものが必要ではないか。その場合に、夫整備の飛行場であっても、一応目標としては使えるというような意味で、この壱岐の空港を使おうということにしたのではないか。しかしこの場合の壱岐の空港は、使用すると申しましても、供用を開始した飛行場ではございませんので、いわゆる飛行場そのものを使用するということは当初から考えておらなかった。ただ手続といたしましては、低空で飛ぶ場合には、人家の密集地帯であればなおさらのことでございますが、人家が密集しておらなくても、安全上の見地から許可を要することになっております。日本航空は、この壱岐の飛行場、これは建設中でございますが、これを利用しまして――利用というほうが正確だと思いますが、利用しまして、進入飛行訓練をやる、その場合に低空飛行をやるというので、所要の手続はきちんととっております。したがって、手続上の瑕疵ということは、私のほうでは何もないというふうに考えております。
 ただ結果的に見ますと、理由、原因は調査中でございますが、事故が起こった、これがかりに完全な飛行場でやっておった、離発着訓練もできるような完全な飛行場でもって進入飛行訓練をやっておって、何らかの事情でこういうような事態に立ち至ったという場合を想定して考えますと、これほどの事故にならなかったのではないか、あるいは多少の問題は起こったかもしれないし、あるいは起こらなかったかもしれない。少なくとも被害はこれほどにならなかったのでないかというふうに考えられます。
 そうしますと、壱岐の飛行場を利用したということは、決して私は手続上もあるいは考え方においても、当初はもちろんいろいろな調査をした上やったことと思いますが、結果的にこういうことになったということで、非常におくればせながら反省して考えますと、やはりこういう未完成の飛行場を目標として利用することも好ましくない。すなわち、こういう事例にかんがみまして、今後はこういうことはやらないように当局としても指導していきたい、また日本航空自体も反省しておるというふうに聞いておりますので、やはり今後は何らかの問題が起こったときでも、なおかつ安全性が保たれるというような二重の措置を考えていくべきじゃないか、かように考えております。そういう意味で、御指摘の点はまことにごもっともだと思います。
 それから訓練飛行場の問題でございますが、これは残念ながらいま適当なものがございません。日本のいまの実情として、訓練専用の飛行場をつくることは理想的ではございますが、なかなかいろいろな問題がございます。したがって、今後日本航空その他の会社の訓練につきましては、安全上の見地その他の見地を考慮しまして、できる限り国内でやることは適当でございますが、できないものを無理をして国内でやるということよりも、むしろ外国でやるというような方法を考えていかなければならない。また現に日本航空も外国における訓練を主としてやっておる、今後さらにそれを強化していくという参考人の説明がいまございました。私もけっこうな方向ではないかと思います。しかし理想としましてはいろいろなくふうを今後こらすことによって、国内における訓練が可能であるように航空局としては努力すべきものだというふうには考えております。
○山口(丈)委員 そこでもう私は質問を終わりますが、この整備の問題にいたしましても、日航、全日空あるいは国内航空、すべての航空会社が、主として外国産の輸入航空機を使用しており、ますますひんぴんになる。そこでどうしても、たとえ大学なり高等学校なりあるいは技術専門学校等において航空機に関する学術を身につけてきたといたしましても、やはり実務的にさらに完成させる意味においては、会社だけにまかしておくということはいけないと思う。たとえば電車にしましても、汽車にしましても、全然しろうとであるものを会社が採用しても、六ヵ月ないし七ヵ月の訓練を、たとえ学校を出ておっても同じようにしてやっておりますが、しかしそれはそれなりに一応の技術を取得して運転することはできると思います。けれども、事、航空機というのは、そういう地上とは同じ観念で律するわけにはまいらない。今度の事故等によって、非常に不安を与えておる。そこで航空機の整備等について、もしこれ欠陥がありとすれば、その整備の機構もしくは人的訓練の状態、要員の養成の過程等においてもさかのぼって完ぺきを期さなければ、この不安を解消することはできなくなる。したがって、私はもっと国家的責任において整備要員の内容の充実をはかってやることは当然だと思う。
 それから第二に、ただいま言われました答弁で、私は現況において政務次官あるいは航空局長の答弁で満足しますけれども、しかし、やはりこういう未完成の飛行場に着陸を想定した訓練をやるというようなことは危険千万だと思う。これは一番危険な訓練だと思う。普通に着陸するというよりもなお危険だと思う。私は航空機のことは知りませんが、一たん着陸姿勢に入って、思いとどまって、また上がって、これを繰り返す。しかし、そこで気圧の突然変異などによります浮力の喪失等を起こせば、たちまちそこに着陸する以外にないのですから、私はそう思うのです。操縦の経験はありませんけれども、常識的に考えてもそう思う。その場合に、こういう未完成の飛行場に着陸を仮想した訓練を行なわしめるということは、やはり事前に通告をして会社側がその手続をとっておるとすれば、会社の責任はない。しかし、そういうものの監督行政に携わっている運輸省航空局としては、やはり責任は重大だと思うのです。ですからこういうものはよほど慎重にやるということでありますから、それ以上私は追及はいたしませんけれども、適切でなかったということだけは、将来にわたって反省してもらいたい。
 それから第三に私の申し上げた訓練用の特殊飛行場をつくらないかという問題でありますけれども、これもなかなか無理であることは承知しております。けれども今日、使用の閑散な飛行場もあるわけでありますから、したがって、そういったような飛行場を選択して、そこにあらゆるものを整備して、着陸用の訓練用の飛行場を併設するということはできると思う。これはできるだろうと思います。飛行場なんていうものは簡単にはできませんけれども、使用の閑散な飛行場はあるわけでありますから、したがって、それを整備いたしまして、それを併用して訓練用飛行場にすることは可能だと私は思うのです。ですからそういう点を今後は十分に検討をして、近代化する航空機に対処するようにしていただきたい、これを希望して私の質問を終わります。
○大久保政府委員 ただいま御質問がございました第一点の乗員並びに整備士の養成について、国がもっと考えるべきじゃないか、かような御意見でございました。これは原則的に申しますと、まことに御意見のとおりでございます。私も、乗員関係の養成の経費を株式会社である航空会社にしょわせておるということはおかしいと思うのです。利子のつく金で乗員の養成をやっていくということは、ちょっと外国にもあまり例を見ない。完成されたジェット・パイロットを航空会社に供給しておる国も相当ある。ところが、日本はそれを会社が養成して、現在でも累積赤字が三十億をこえておるように私は承知しておる。そういうことは今後できるだけ避けていきたい、こういう観点から先年来、航空会社に対する乗員養成費に対する助成もいたしておるわけでございますが、さらにそれを整備の方面まで発展することがいいかどうかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、新しい問題でもございますし、また船の方面でもそこまではまだいっておりませんので、今後の問題といたしまして十分検討させていただきたい、かように申し上げておきたいと思います。
 それから第二の未整備の飛行場を訓練用の飛行場として選んだことは不適当ではなかったか、着陸しないにしても技術的に非常に問題があったではないかという御指摘に対しましては、先ほど局長からも申しましたように、今後私どもも反省いたしまして、さような危険の起こらないように万全の措置を講じたい、かように考えておるような次第でございます。
 また訓練用飛行場を国内につくるべきではないか、こういうお話につきましては、飛行場の拡張ということはいろいろ問題も含んでおりまするし、国内でどうしても早急に困難な場合には、先ほど局長、社長がお答え申し上げましたような、内外にわたり最も安全なる体制における訓練を継続していきたい、かような答弁で御了承いただきたいと存ずる次第でございます。
○長谷川委員長 竹谷源太郎君。
○竹谷委員 松尾さんにちょっとお伺いしますが、先ほどの御説明によれば、三十九年度には九十八人の乗員を養成する、四十年度は百三人、四十一年度は百八十七人、これに対する各年度の経費もおっしゃいました。一人当たりこれは二千万円から二千五百万円、こういう計算になりますが、一人のジェット乗員を養成するのに八年もかかるというのですが、年度ごとの人員は新しくこれだけ毎年養成、新乗員を入社させて訓練するのか、それとも前から、八年かかるので一年には――したがって三十九年度には九十八人、四十年度には百三人というのですから、五人だけ新しい乗員を入社させる。それから四十年度は百三人で四十一年度は百八十七人であるから八十四人新規乗員を採用する、こういうことになるのですか、それをまずお尋ねいたしたい。
○松尾参考人 毎年、いわゆるステューデントと申しますか、これは三種類でございますが、航空大学を出た者、それから自衛隊からすでに航空の経験のある者を毎年幾らかずつ推選してもらう、それからこれでもなかなか足りませんので、あれは二年ぐらい前でございましょうか、国会でいろいろ審議していただきまして、航空会社が大学出を採用いたしまして、これを自衛隊に委託訓練をやる、この自衛隊から委託訓練で出てきた者、この三種類あるわけでございます。それが大体二十名ずつで五、六十名ずつ、毎年スチューデントが出てくるわけでございまして、これを採用いたしまして、まず双発ぐらいからやりまして四発のピストン機をやりまして、そしてジェットの要員として訓練をしていく、こういう順序でございます。現在ジェット機のキャプテンが九十一名おります。それでジェットとピストン機のキャプテン、コーパイロット合わせまして日本人で二百六十九名おるわけでございます。そのほかにいわゆるスチューデント、先ほど申しました三種類の訓練生が現在でも七十五名おる、こういうのを順次グレードアップしていく、こういう計画になっております。
○竹谷委員 そうしますと先ほどの御説明の各年度の人員というのはその年度中に現実に養成しているスチューデントの数ということになりますね。そうすると一人当たりの一ヵ年の経費は約二千万から二千五百万かかる、こういう計算になるのですか。
○松尾参考人 入社いたしましてからジェットのキャプテンになりますまでいろいろなグレードアップその他訓練をやりますので、大体三千万円程度かかる、こういうことになりなります。これは一人一人にかかります。
○竹谷委員 航空大学という大学は多分高等学校を出てから四ヵ年やるのだろうと思いますが、普通のエンジニアその他ならば、それぞれの大学を卒業して会社に入社をしてから二、三年ぐらいで相当の使える人になれるというのが普通だろうと思うのです。それを飛行機会社は八年も十年もかからないと一人前の乗員をつくれないということになると、航空会社として非常に大きな負担になるわけでございますが、航空大学は基礎学科あるいは機体の科学的構造なり基礎的な操縦方法等を教えるだけで、乗員としての操縦の訓練は全然受けてないのかどうか。これを航空大学である程度操縦の訓練を受けるまでにできないものかどうか、これを松尾さんと航空局長にお尋ねしたい。
○栃内政府委員 航空大学校は短期大学を卒業しました者から採用いたしまして二ヵ年で教育をする、あるいは短期大学を出ない場合には普通の大学の二年を終了して受験資格を得るということで、年限としては普通の大学と結果的には同じになるわけでございます。この二年間に学科あるいは実科、いわゆる操縦の実科を訓練いたします。初め単発の飛行機から入りまして、空を飛ぶことから習い始めまして、双発の訓練をやります。いずれもピストン機でございます。双発につきましても、小さな飛行機でやる。そのほか地上のいわゆるシミュレーターでやるということでございまして、いわば航空大学校を出たということは双発の小さな飛行機でともかく空を安全に飛べるという程度でございまして、いわゆるGCAのキャプテンというようなものから比べますと、非常に低い段階のものでございます。現在のところはこの段階までがやっとでございますが、これをさらにグレードアップして、もっと進んだところまでやったらどうかというようなお尋ねであると存じますが、さらに年限をふやして航空大学校でさらに高度の飛行練習をするということも可能ではございましょう。これはもちろん予算の問題でございます。ただ問題は、実用機にいきます場合に実用機の訓練というものを、こういう航大というような学校組織でやるのが能率的であるかあるいは実際に実用機を持っておる航空会社でもってやるのが能率的であるかという問題が出てまいります。現在のところ、いろいろ議論はあると思いますが、これはあるいはまだ私の私見の域を出ないかとも思いますが、やはり実用機を持っておるところで実用の飛行に習熟した教官のおる日本航空においてやったほうが私は能率的であろうというふうに考えております。
 ただ一人あたり二千数百万円より三千万円の費用がかかるという点は、企業としましては大きな負担でございます。したがって、この負担を軽減する、特に国際競争に耐えていく日本航空を助成するという立場からは、少なくとも国際線の乗員の訓練費用というものについては、補助金によって助成していくべきであるという考え方のもとに今年度の予算にも計上いたしまして、ただいま国会の御審議を得ておるわけでございますが、私見といたしましては、能率的には、日本航空で国際線のDC8のパイロットの養成をやる。そして、企業負担あるいは国際競争力をつけるためには補助金によってこれをカバーしていくということが現段階においては最もいい方法ではないか、かように考えております。
○竹谷委員 航空大学を卒業して、一応、基礎的な双発のピストン機が操縦ができる、こういうことになる御説明でございますが、この卒業生が実用機のプロペラ機を安全に操縦し得るようにするためには、航空会社としては何年くらい訓練しているのか。またそれが、ターボプロップのようなちょっと高級なものになったら何年くらいかかるか、これをちょっとお聞きしたいと思います。
○松尾参考人 先ほどもちょっと申し上げましたが、航大なりあるいは先ほど申しました自衛隊からきた者、それから自衛隊に委託訓練した者、こういうものを入社いたさせまして、実用機で――これは双発でございますが、約一ヵ年間双発で訓練をやるわけで、そして、実用機の6Bの四発のピストン機の副操縦士としての昇格訓練をやりまして、いろいろな政府の免状を取らせまして、大体、入りましてから一年ないし一年半の間に副操縦士として勤務するわけでございます。
○竹谷委員 ターボプロップのような場合は……。
○松尾参考人 ターボプロップは大体、ピストン機と同じでございますので、大体その程度でいいかと思います。
○竹谷委員 航空局長にお尋ねしますが、日本航空が、以上のような方法で乗員を養成しておりますが、全日空とか国内航空とか、その他の民間航空会社はどういうように養成をしており、また国家としてはどのような助成指導をやっておるかそれを伺いたいと思います。
○栃内政府委員 ただいまお尋ねの、全日空あるいは国内航空につきましては、航空大学校卒業生あるいは自衛隊委託の者、あるいは自衛隊出身者、それから各会社が自家養成をしているというような、やはり日本航空と似たようなところから新人が入ってまいります。そして、基礎教育はいずれも受けておりますので、それらを、実用機の訓練を各会社においてやる、こういうことになっております。実用機の訓練につきましては、現在のところ、特別の助成措置ということはやっておりません。したがいまして、日本航空に対する乗員の助成措置も国際線に限って助成をするというのが現在のたてまえでございまして、国内線の乗員訓練につきましては、航空大学校における基礎訓練についての国の施策、また自衛隊への委託というような意味の国の施策というのみでございまして、実用機の訓練につきましては、特別の助成措置を、現在のところはやっておりません。
○竹谷委員 政府出資の日航は、むろん国際線を扱っておるのでありますから、非常に膨大な経費を要するジェット機の乗員訓練、養成をしなければならぬのでありまするが、費用もかかるし、また国庫補助も必要でありますが、民間航空の仕事はなかなか容易じゃない。日航さえも国家から助成がなければ乗員訓練もできない。その他の純民間資本の航空会社が自費で乗員の養成を全部負担するということになると、容易じゃない。先ほど山口委員からもお話しがありましたが、どうしてもこのような非常な乗員養成の膨大な経費を民間会社自体に負わすことは非常に無理がある。日本の航空事業の発展のために障害になると思うのです。航空局長の話では、現実に会社自身が訓練するのが非常に便宜が多いというお話でありますが、これは、国家が総合的な乗員養成の機関でも設けて、それらの会社の実用機をチャーターするなりなんなりして総合的に養成をして、もう少し航空会社の負担を軽減さしていくような、そうしてりっぱな操縦士を送って事故のないようにするために、どうですか、将来国家としては総合的な乗員養成の機関を設けるような御意思はありませんか。そういう問題を検討しておりませんかどうか、大久保政務次官からでも御答弁を願いたい。
○大久保政府委員 先ほど山口委員の御質問にお答えいたしましたように、国際競争場裏に立っておる日本航空が乗員の養成を利子のつく金でやっていく、しかも、累積赤字が三十数億に達する。これは、ただいま局長も申し上げましたように、国際競争力を低下することでもございまするし、国の助成をやっていくべきものである、かように存じまして、数年来御審議をいただいておりますような次第でございます。そこで、それを国内線まで拡大していくかどうかということにつきましては、これはただいままでそういう方法ではやってきておりませんので、今後国内問題といたしましては、さらに検討をいたしてみたいと存じております。
○竹谷委員 国鉄が東海道新幹線をつくる。むろんスピードが非常に要求される時代でございますけれども、国内線で無理をしてジェット機を飛ばして――飛行場のよい設備のないところで、しかもジェット飛行機の乗員にも事を欠く時代に無理をしてジェット機を飛ばすよりも――この点ターボプロップもプロペラ機と同じでいいのだということなのだが、しかも東京から福岡に行きます場合、大阪にとまって行くということならば、ジェット機のスピードも非常に能率が半減される。むしろスピードの速い、操縦しやすい安全なターボプロップの飛行機でやるように御指導になったほうが、航空事業経営の点からも、また安全の点からも、またいまの乗員の問題の解決の点からも、そういうふうに指導したらいいのじゃないかという気がします。むろんスピードが速いに越したことはないのですけれども、そういうようないろいろな観点から、無理に背伸びをするということを国内線でやることはどうか。そういうことに関する運輸省の見解はいかがでございましょうか。
○栃内政府委員 ただいまのターボプロップでもって国内線をやる、そうしてジェット機は国際線だけ、というようなお考えを承りました。これは確かに一つの考え方であると思いますし、また、従来、そういう考え方を伺ったこともございます。
 ただ、例を日本航空にとりますと、日本航空におきましては、国際線はすべてジェット化しておりまして、国内線幹線につきましても、やはりいまはかつての国際線で使っておりましたピストン機を使っております。国際線の飛行機を国内に使うというような彼此相融通するというような運用の業務をやっております。
 それから全日空につきましては、やはりいろいろ鉄道との関係もございますし、またその他の事情もございまして、ジェット機を幹線に導入したいということで、前から相談を受けております。航空局といたしましては、幹線用の機材というものは統一すべきである、すなわち、いろいろな機材を幹線に就航させることはむしろ不経済であろうということで、ボーイング727という飛行機に幹線の機材を統一するということで、すでに昨年の春決定いたしました。現在日本航空も全日空も727を発注いたしまして、すでに外国銀行の借款も成立しておりまして、全日空の飛行機は近く日本に到着いたしまして、現在はチャーターしておりますが、今度は全日空自身の飛行機として入ってくるということになっております。これが実用化されるのはもう目前に迫っております。したがって現在国内幹線を727で統一していこうということでやっと各社の足並みがそろいました場合に、再びターボプロップというようなことに変わるということは非常な摩擦を起こしまして、むしろ行政としてはぐあいが悪いんじゃないか。むしろ私の考え方によりますと、ローカル線につきましては、いま仰せのターボプロップ、しかも国産のYS11というものに機材を統一して、今後は輸入のローカル線用の機材は特別の例外の場合を除きまして認めない、むしろYS11を大いに国内で使うということで、これも機材の統一をやっていくと同時に、国産愛用という方向でいきたいというふうに考えております。
 以上のような方法で現在すでに進んでおりますし、また適切な措置ではないかというふうに考えております。
○長谷川委員長 關谷君。
○關谷委員 時間もあまりありませんので、項目だけを並べて航空局長と松尾さんとにお尋ねいたしますので、ひとつメモをして一ぺんに御答弁を願いたいと思います。一度にお尋ねいたします。
 第一番目にお尋ねをいたしたいのは、これは航空局長のほうへお尋ねいたします。足の出ないというコンベア880型のJA八〇二七機、これは千歳には不時着しないで羽田へ不時着するために帰ってきた。そうしますると、千歳では不時着をするだけの施設とか、あるいは技術者がいないからということになるのか、それとも着陸するのに羽田のほうが便利だということで帰ってきたのか、その点よくわかるように御説明を願いたいと思いますことが第一点であります。
 それから次には、航空大学がありますが、聞くところによりますと、基礎訓練が非常に不十分だ、そのために卒業してから会社に配属して後の訓練期間が非常に長くかかる、航空大学を出た卒業生が非常に未熟であるということが言われておるようでありまするが、航空大学の内容を変更して向上せしめるというふうなお考えはないのかどうか。たとえば年限を延長して十分に訓練をして、出して、会社に配属してからの訓練の年限を短くするというふうなお考えがあるかどうか、これは航空局長のほうからお答えを願います。
 それから胴体着陸をするというふうな腹をきめておったということを私はこの間のJA八〇二七機の事故の場合のところを新聞で見たのでありますが、これは胴体着陸をしてやりますと、何かうしろの足だけを出して前のほうを胴体で着陸するために摩擦が起きてそのために発火することがある、したがって油というようなものを全部抜いてしまうのだというようなことも聞いたのでありますが、そういうようなことをしないで、羽田あたりになりますと、水の上へおりればもう少し安全ではないかと思います。地上へ胴体着陸するということは、着陸して後の航空機の立場から考えて、水の中へやったのでは航空機が使えなくなる、あるいはまたその引き揚げに困るとか、いろいろそういうふうな面から考えておるのではないかというふうに考えますが、そういう場合には人命をまず第一番に考えなければならないので、これは水際に着水さすことが一番安全なのではないかと思います。これはどういうふうになるか、松尾社長さんのほうから専門的な御意見を、私はしろうとでありますので、しろうとにわかるように御説明願いたいと思います。
 それから先ほど訓練飛行場をつくる必要はないかということを山口、竹谷両委員からお尋ねをしておったようでありまするが、訓練費の七六%まで外国に払うことになっておるというのですが、国際収支の改善とか、またいろいろな面から考えまして、国内へ訓練飛行場をつくることが理想的でありますが、諸種の問題がと言いましたが、その諸種の問題とは、どのような問題であるのか、これを航空局長から承りたい。
 それから私はちょっと小耳にはさんだことがあるのでありまするが、利根川の流域に訓練飛行場をつくればまことに便利な国有地のようなものがあるということをちょっと聞いたわけでありますが、こういうようなものがあるのかないのか。あるのならそういうものを活用して訓練用の飛行場をつくれば、わざわざ外国へ行って訓練を受ける必要もなくなるのではないか。そういうふうなことが私たちの耳に入るくらいであるなら、あなた方のほうではすでに十分御調査が済んでおられるのではないかと思いますが、この点については航空局長から伺いたい。また、そういうふうな話を聞いたことがあるのかないのか、松尾社長さんのほうからもお答えを願いたいと思います。
 それからこれはむしろ松尾さんのほうにお尋ねするほうがよくわかるのではないかと思いますが、今度の事故が起きているこの三件とも、ことごとくコンベア880型であります。昔私たちが聞いておりましたのには、マーチンが一番事故が多いのだということで、機種を選ぶ場合にはよほど事故のないものを選ばなければならないということを言われておったのでありまするが、このコンベア880機が他の機種に比較して事故が多い機種であるのか、事故が少ない機種であるのか、この点を松尾社長さんのほうから伺いたいと思います。
 それから先ほど航空局長の御答弁の中に、YS11を国内で使いたいということでありましたが、YS11は、あれをつくります際に機数が幾らでありましたか、相当、百以上の機数をつくって、それへ試作費を負担さす、分担さすということで採算がとれるのだということを聞いておりましたが、聞くところによると、その製作機数というものが非常に減ったということを聞きます。そうなると、その試作費というようなものを考えに入れると、国産を使えといいましても使えなくなる、したがって、みんなが格安で、また便利な外国の飛行機を使うということになりはしないかと私たちは考えますが、これはやはり航空会社はそれぞれ経済の面から考えますので、試作費というものは、これは国が負担しなければ、YS11は売れないのではないかという気もいたしますが、それに対しての航空局のお考えはどうであるのか。また買い手であるところの日本航空――日本航空はお買いになりませんが、全日空の意見はあとでまた機会を見て聞くことにいたしますけれども、全日空のほうの意見も、できれば向こうの回答を書面でとってもらって、この委員会に示してもらってもけっこうであります。これだけのことを一括してお尋ねいたします。航空局長の答弁は少し長過ぎるから、よくわかるように簡単に御答弁願います。
○栃内政府委員 千歳の問題でございますが、これは日本航空から聞いたところによりますと、千歳よりも羽田のほうが地上における技術者がそろっておるということ、また羽田におきましては、消火装置その他の手当ても行き届くというようなことで帰ってきたというふうに聞いております。私はそれは適切な措置であると思います。
 それから二の航大の問題でございます。未熟であるという点は、確かに見方によっては未熟でございますし、また現在飛行機が足りないというようなことあるいは教官が不足ぎみであるというようなことでなかなか技量が上がっておらない、むしろ、航大につきましては年限延長よりもいまの教育を充実するということのほうが先決であろうということで、今度の予算ではかなり経費の充実を見ております。
 それから訓練飛行場の問題でございまして、諸種の問題と申し上げましたのは、一番大きな問題は用地取得の問題、次は金の問題でございますが、金の問題よりもむしろ用地取得の問題のほうが大きいと思います。
 それから利根川云々というお話でございますが、これにつきましては渡良瀬川の遊水池というものを新空港の候補地としてどうかという話がございましたが、新空港の候補地としては問題がいろいろありまして落としました。訓練飛行場としてどうかという問題がございますが、これはいわゆるブルー・フォーティーンの下にありますので、そういう点はやはり問題が残りはせぬかと思います。そのほか、利根川付近であるいは川筋等でグライダーの練習をしようという話は聞いておりますが、訓練飛行場をつくるにはやはり三千メートル級の滑走路が必要と思いますので、実際問題としてはなかなか得がたいのじゃないかと思います。
 それから最後にYS11の問題でございますが、この点につきまして私も試作費をどういうふうにしておるか詳細存じませんが、現在全日空、日本国内航空あるいは東亜航空との間で商談が成立しておりまして、今年度生産される飛行機につきましてはほぼきまったというふうに聞いております。値段その他の点につきましては、仮の値段で契約しまして、実際に使ってみてまた値段をさらに検討するというようなことで話は進んでいるやに聞いております。いまの試作費をどういうふうにするかということについては、私は承知しておりません。
○松尾参考人 胴体着陸よりも水上着陸のほうが安全ではないかという御質問でございますが、この間の問題は前車輪一つだけの故障でございまして、後車輪の二つの車輪ははっきり出ておりますので、これは前に香港でもあるいはアメリカでも他の航空会社の経験がございまして、後車輪でうまく持ってきてノーズをつければ火災が起こらない、こういう関係からかりに出なくても、羽田でやったほうが乗客に支障がない、こういう観点からでございます。
 それから水上着陸のほうが安全ではないかという御質問でありますが、水上着陸はなかなか問題でございまして、水上には、水上飛行場として指定されておりませんから、いろいろな浮遊物がある、こういうものに衝突をするとかいろいろな問題で、かえって私は水上着陸のほうが人命に支障が多いのではないか、こういう考えでございます。
 それから訓練飛行場の問題でありますが、先ほど局長からも説明がありましたが完全とはいきませんけれども、地元の要望もあることだし、宮崎とかああいうところを少し考えたらどうだろうかという気もするわけであります。
 それからもう一つは、福岡の板付の空港でありますが、あれが将来の日本政府に返還にでもなるならば、あそこは滑走路もございますし、完全でございます。それから盲着のいろいろな設備がないとほんとうの訓練ができませんが、そういう点も完備しております。あるいは将来そういうことができますれば非常にけっこうである、こういうぐあいに考えております。
 それからコンベアでありますが、いま世界で使われておるジェットは六種類くらい、たくさん使われておるのがございます。一番多く生産されておるのがボーイング707、これは二百九十機ほど生産されておりまして、これの損失機数、事故の機数が十二機でありまして、これが操縦士、お客さん合わせまして約七百人くらい死亡者を出しております。それからその次が、これは私のところで使っておりますがDC8、二百十七機生産されておりまして、事故を起こした飛行機が八機あります。これは乗客、クルー合わせまして四百五十人死亡しておる。その次がフランスのカラベル、これは双発の六、七十人乗りの飛行機でありますが、百五十機生産されておりまして、事故を起こした飛行機が五機、乗客、クルー合わせまして約二百五十人の死者を出しておる。その次がイギリスのコメット4でありますが、六十機生産されておりまして、損失機数が七機、それで乗員、お客合わせまして百八十名くらい死者を出しておる。その次がボーイング720、これが百十機生産されおりまして、三回事故を起こして、約五十名ほど死者を出しておる。その次がコンベア880並びに990、合計いたしまして百二機生産されておりまして、損失機数は、日航のこの間訓練でやりましたのを合わせまして二機でありまして、その一機の損失は、デルタというアメリカの航空会社が訓練中に事故を起こしまして、乗員の死者を出したのが四名、こういうふうな統計になっております。お客を乗せた事故は、コンベアは一回もない、こういう記録になっております。
○長谷川委員長 航空局長にちょっと私も御質問申し上げます。
 ということは、きょうの委員会は、航空の安全について、みんな国民全体が心配しているのがこの委員会で取り上げた原因だと思うのです。ただいま松尾参考人から、従来私たちが使っているジェット機の事故並びにその死傷者も報告されたが、ここ二、三回引き続いてこうした事故があった。そして航空の安全ということに、委員会として非常な関心を持っている。そこで、いまから先、どうして安全を確保するかという、重大な問題について皆さんから意見が吐露されたと思うのです。
 いまジェット機の事故と死傷者の数が出ましたが、日本の民間航空の事故とその死傷者、私たちが聞いているのでは、昭和二十七年に日航のマーチンが大島で三十七名、三鬼さんはじめ、大辻司郎という漫談家、あるいはその次には下田で三十三名、全日空、あるいはごく最近、私たちの耳に新しいのは、藤田航空が八丈島で十九名というふうにしまして、トータルで百二十九名、民間航空が日本に生まれて以来十四年、それだけの死傷者が出ているのです。そしていろいろここで御議論があるが、その意見を取り入れられて、幸いに日航の松尾参考人もおられることでありますし、こうした事故が将来どういう手配でか、考え方でか、施設でか、あり得ないのだという所信を運輸省としてお出しいただきたい。ここで御意見をはっきり政務次官あたりから解明してもらわぬと、国民はせっかく伸びつつある航空事業に不安を持つことはたいへんなことだ、こう思うのです。技術的にまず航空局長、その次に政務次官の決意のほどを承りたい。
○栃内政府委員 この事故につきましては、昨年一月、二月にかけまして大きな事故が出まして、それを契機としまして、事故調査団というものを編成しまして、昨年の夏、各会社また各飛行場につきまして専門家が調査に参りました。それをもとにしまして、いろいろ対策を講じておりまして、昨年のいまごろからその後、事故というようなものがなくて、ほっとした気持ちでございましたが、たまたま最近におきまして全日空、日航と、いろいろな事故が起きております。現在、この前の調査団の調査報告によりましていろいろな面で予算要求もいたしまして御審議を願っておるわけでございます。
 こういうような問題は、やはりいろいろな施設なりその他に十分に国として金をつぎ込んでいくということが私は根本ではないか。これは各年度ごとの積み重ねた努力によって安全対策をやっていくべきである。いまここでもってこの日本航空の事故が起きたということで、とりあえず壱岐のような未完成の飛行場で訓練をすることはやめるというようなこと、あるいはその他脚の出なかった問題につきましては、その原因を十分究明するというようなことで措置はいたさなければなりませんが、何といたしましても基本的には航空の安全についての所要の施設、人員というものを充実していくということが私は根本ではないか、かように考えております。現在まではそういう方向で調査団の編成その他で対処してまいりましたが、今後もその報告を聞きまして予算措置あるいは日常の業務を通じて事故対策を続けていくべきである、かように考えております。
○大久保政府委員 ただいま局長からも御答弁申し上げましたが、今回の事故につきましても、直ちに航空会社三社の社長及びその代理人を招致いたしまして、今後の事故に備える万全の注意を喚起しておる次第でございます。
 また諸般の対策につきましては、局長が申し上げましたように、何といたしましても航空は安全が第一でございますから、この点、遺憾なきを期したいと考えておる次第でございます。本日御質問をいただきました、飛行機の乗員並びに整備の問題、機種の問題、飛行場の問題、いずれも安全に最も重大な問題でございますから、今後一々これらを検討いたしまして、将来に備えるつもりでございます。
○長谷川委員長 松尾参考人には、御多忙のところありがとうございました。
 次会は、来たる九日、火曜日、午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時六分散会