第048回国会 決算委員会 第14号
昭和四十年三月十六日(火曜日)
   午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 堀川 恭平君
   理事 田中 彰治君 理事 田村  元君
   理事 勝澤 芳雄君 理事 田原 春次君
      金子 岩三君    湊  徹郎君
      神近 市子君    栗原 俊夫君
      堂森 芳夫君    高田 富之君
      森本  靖君    山田 長司君
      吉田 賢一君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        通商産業大臣  櫻内 義雄君
 出席政府委員
        検     事
        (刑事局長)  津田  實君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      宮本  惇君
 委員外の出席者
        検     事
        (刑事局刑事課
        長)      伊藤 栄樹君
        会計検査院長  小峰 保榮君
        会計検査院事務
        官
        (第五局長)  宇ノ沢智雄君
        参  考  人
        (前電源開発株
        式会社総裁)  藤井 崇治君
        参  考  人
        (言論時代社主
        幹)      倉地 武雄君
        参  考  人
        (電源開発株式
        会社総裁)   吉田 確太君
        参  考  人
        (電源開発株式
        会社副総裁)  大堀  弘君
        参  考  人
        (電源開発株式
        会社理事)   武居  功君
        参  考  人
        (電源開発株式
        会社理事)   白石 正雄君
        参  考  人
        (電源開発株式
        会社理事)   高橋  貢君
        参  考  人
        (電源開発株式
        会社理事)   石井由太郎君
        参  考  人
        (電源開発株式
        会社理事)   浅尾  格君
        参  考  人
        (電源開発株式
        会社理事)   中神 忠雄君
        参  考  人
        (電源開発株式
        会社理事)   檜垣 順造君
        参  考  人
        (電源開発株式
        会社理事)   藤関 信彦君
        専  門  員 茨木 純一君
    ―――――――――――――
三月十六日
 委員福永健司君及び松原喜之次君辞任につき、
 その補欠として湊徹郎君及び高田富之君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員湊徹郎君及び高田富之君辞任につき、その
 補欠として福永健司君及び松原喜之次君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国が資本金の二分の一以上を出資している法人
 の会計に関する件
 (電源開発株式会社)
    ―――――――――――――
○堀川委員長 これより会議を開きます。
 国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件について調査を行ないます。
 本日は、本件調査のため、関係当局のほか、午前は前電源開発株式会社総裁藤井崇治君、言論時代社主幹倉地武雄君に参考人として御出席を願っております。
 参考人の各位に申し上げます。発言をなさる場合には委員長の許可を得て行なっていただきますようお願いいたします。
 次に、委員各位に申し上げます。参考人よりの意見聴取は委員の質疑によって行ないたいと存じますので、そのように御了承願います。
 これより質疑に入ります。田中委員。
○田中(彰)委員 刑事課長にお尋ねしたいのですが、お尋ねというより、よく聞いていただいて、できたら取り調べていただきたいのですが、この間の尾崎一郎君の投書について、決算委員会で言ったところが、こういう人もない、それから杉本参考人、笠羽参考人も、そういう事実がないということを、あなたもお聞きの前で言ったのです。ところがその後私の事務所へ実はこういう人が尋ねてきたのです。川田岩雄君というのです。本社は福井県大野市神明上町三七番地、電話がE四四二七、事務所が福井県大野市東三番、ここにおるのです。自宅は福井県大野市開発、ここにおる川田岩雄というのです。これは笠羽君の子分でして、実はこれが来て、尾崎一郎という投書は私がしたのだ、これは事実なんだ、しかるにどうしてあの杉本あるいは笠羽がここでそれを否定したかというと、夜明けの二時まで、あらゆる関係の人たちに責められて、とにかく傷つけぬでくれ、これを証書されては困る、証人ならいいけど参考人じゃないか、何とかほかのことを言ってくれてもいいから、君たちは、立ちのきですね、そういうものの条件がよくなればいいのだ、そういう金の授受とか、だめになれば池田に金を返さなければならぬとかいうことを言ったということを言ってくれるな、こういって夜明けの二時ごろきまった。ところが、私は否定できないのは、ある――まあお調べになればわかりますが、公社といいましょうか、そういう部類のところのりっばな理事に、こういうことがあったということを私は言明している。それから某重役その他にやはり私が話しておる。だからああいううそを言われても私は実に気の毒だった。自分の名前でやればよかったけれども、私もやはりいろんなことを考えてこういう名前を使ったんだから、これは事実でございます。だから、あそこに刑事課長――局長と思ったがおられるから、私を呼び出してやっていただければ、そういうことがあったというりっぱな証言をする、こういうことを私のところに言ってきたのです。
 それからもう一つ、この間お聞きになりましたが、福井市の某料理屋で、電源開発の総裁とそれから福田元通産大臣が来られて、県会議員、議長、副議長その他を呼ばれたんだ。その呼ばれたときに、実は笠羽君一人しか行かなかった。その行かない理由は、某課長が、お前たちがきょうそういうところで飲んだり食ったりしていろいろ話をすると、いままでのこういう内容ですね、いろんなものを暴露するという手紙をやったので、その手紙を見て県会議長も副議長も、その他行かないで、笠羽が一人のこのこと行った。こういう事実も全部言っているのです。うそじゃないんだ。ところがあれらがどうしてそういうことを言うか。夜明けの二時まで口説かれた――口説かれたよりも、自由民主党の県会議員だから、やはり党の除名とか、いろいろそういうような圧迫があったんだ。杉本村長のほうはええようじゃないかと言ったんだけれども、これも結論において口説かれてやめたのであって、この証言は私でございますと彼が言っているのです。あなたにこの名刺をおあげしておきますから。私は告発するときに、これを一番先に調べて告発いたしますから。そういうものじゃありません。まず、そういうことを言ってきています。
 それから、これもやはりあなたのほうで告発でもすればお調べになるんだから――こういう目途額では高いところに入札した。あとの小さい工事がある。それはやはり一番最低のところに落としている。こういう点を見ましても、いままでやったことのないことをやっても、まだこれをお調べになればわかりますが、電発の副総裁はある友人のところに行って、今度来た総裁というのはひどいやつだ。われわれがこの入札のこういう点に口を出そうとしたら、おまえたち引っ込んでいろ、これはおれがやるからおまえ火力電気のほうをやっておけといって自分が引っ込めさせられた。藤井さんとも指名とか何かで争った。そこで、おれが一番どろをかぶらなければならぬというそんなばかなことはない。確かにこの温泉場、山梨県の藪鉱泉ですね、ここから持ってきた封印したものを、これを総裁が二日間持って歩いたことだけは事実です。これは副総裁があるところでしゃべっているのです。またここに倉地さんもおられますが、藤井前総裁も、はっきりは言わないけれども、倉地さんに、どうも二日間くらいあれを総裁が抱いておったらしいということを言っておるわけです。そこで、ここへ出ると二人がそういう立場ですから、いろいろなことを言われる。ここにやはり出席する議員が、こういう問題だから――自動車で人一人ひかれて死ぬことも重大でしょう。小学校の金が五千円盗まれることも重大でしょう。しかしそんなものでなく、八億からの国民の血税がむだにされて、そしていろいろな疑惑が起こってきて、しかも世銀から相当に大きな金を借りてやるわけです。これは国民が保証しておるのですよ。だからこういうときには全部出てきてこれをやらなければならぬ。全部出てこない。私は金銭の授受があったとは申しませんが、鹿島社長の出している鹿島政治研究とか何とか広告出ておりますが、あれはこの決算委員会でこれを始めるまでは小さいものだった。あれがここで取り上げられたら大きな広告に変わってきて、聞くところによると数千万の広告代と称するものが出ている。これは普通のところから聞いておるのじゃありません。やはり鹿島の相当なところから聞いている。私は、ここで佐藤総理がおいでになればその前で申してもいいのですが――ぼくは委員長にもお尋ねしたい。堀川委員長という方はりっぱな方で人格高潔な方だということは私、知っております。しかし、委員長さんの子供さんは鹿島さんに出ておられるというのは、それは事実ですか。
○堀川委員長 事実です。
○田中(彰)委員 そうすると、委員長もいろいろ鹿島の相談に乗っておられる。それだから、本来からいえば、やはり委員長、この事件はこのままで済ませませんから小委員会に回して、小委員会で最も公正な立場からこれを私はやっていきたい。これは委員長がそうやっておられると疑われたり、決算委員会の者の権威に関するようなことでいけませんよ。そういうような状態を刑事課長お考えになったときに、これは必ず、これをお調べ下されば小さいところからぼくは手がつくものだと思う。あなたのほうでいえば、そういうものをするには田中、告発状出せとおっしゃれば私は告発人になって出しても、証拠はちゃんとここで申し上げられないことを握っております。どうしてもこういうことを一度は検察当局の手でおやりにならなければ私どもは一どうせ汚職をやったんですが、ああいうふうに指揮権の発動になってああいう犠牲がある程度出ておるのですから、これは相当重大な問題だ、こう私は考えておりますから、どうかひとつお帰りになって上層部と御相談になって、ほんの簡単なところ、どこからやったらいいかということをあなたでなくても、もしだれかお使いの人を――これから手をつければすぐつくんだということを申し上げてけっこうでしょう。ちょっと御返答をひとつ……。
○伊藤説明員 十分な関心を持って、よく承りました。
○田中(彰)委員 藤井前総裁にお尋ねいたしますが、あなたがこの五名の入札の人をおきめになったのは、あなたがおきめになったのだということを副総裁も総裁も言っているのですが、指名されたのはあなたがなさったのですか、どうなのでしょう。
○藤井参考人 指名は私がいたしておりません。もうそのときにはすでに私は退任いたしておりましたから、指名する権限は持っておりません。ただ、こういう五人の方をいろいろ考えた結果、指名をしたらよかろうという社内の決議をすることは私の手でやりました。しかし、これはどこまでも内部の措置でありまして、法律的効果は全然生じないものと考えております。
○田中(彰)委員 これは重大な問題だと思いますがね。副総裁も総裁もこの五名の指名は藤井前総裁が強くこれを主張されたからやったのだということを、速記録に出ておりますが、ここで言っているのです。ところがいまあなたの話を聞くと、もうやめることはわかっておったから自分にはそういう権限もないが、しかし下のほうからこういうぐあいに五名を指名したほうがいいのじゃないかといってあなたが相談を受けられたから、それはけっこうだといまあなたおっしゃったが、それなのですが、あなたが、研究してこの五名を指名したほうがいいのではないかというようなことを発言されて、それに向こうはなびいたのか、向こうから五名の人間を指名しようと思うがどうですかと言われてあなたがよかろうとおっしゃったのですか、それはどっちなのでしょう。
○藤井参考人 それは私の在任中に理事会を招集してやったのでありまして、私がこういう五人の人がよいのではないかということを言って、各理事の同意を得て一応の決議をいたしたのであります。そしてそれはどこまでも社内の、内部の決議でありますから、これが効果を奏するのは、ほんとうの指名行為をまって効果を生ずるのでありますが、指名をするときにはすでに私はその職におりませんので、そこの事情は私は存じません。
○田中(彰)委員 なるほどわかりました。
 そこで副総裁がここで言明しておるのですが、実は指名も五人がいいのではないかと言われたその理事会にかけられた指名も、副総裁があなたに、もうおやめになるのだからこれは新総裁の手でやったほうがいいのだ、あなたが干渉なさらぬほうがいいのだというようなことで、藤井さんと私と議論して、この上いけば自分は身を引くというところまでいかなければならないから、そこで藤井さんの言をいれたというようなことを言っているのですが、そんなことがあったのでしょうか。
○藤井参考人 確かに指名を私の手ですることに対しては穏当を欠くであろうという意見を当時の副総裁が私に言ったことは事実でありますが、私は、私が指名をしたほうが絶対にいいと思っておったのでありますが、指名をしないほうが妥当であろう、こういう意見を述べられたので、私もそれに耳を傾けて指名をすることをやめたのでありますが、やめるのやめないの、責任をとって引くの引かないのと、そういうようなことを議論した覚えは私の記憶ではございません。
○田中(彰)委員 あなたとそういう話をしたときに、副総裁があなたより下の人だから、これ以上あなたとそういうことで議論をすれば自分が身を引かなければならない、あるいは思ったことを言っただけかもしれませんが、そういうことを言っているのです。その上、藤井総裁と議論をすれば自分が身を引かなければならぬようなことをあるから、この五名の指名は藤井さんの意見をいれてきめたのだ、こう言っているのだ。
 そこでどうかひとつ、藤井前総裁、あなたとわれわれはかたきでもなければ何でもないのですが、言えないものは行えないでいいですが、言えることはここで忌憚なく、どうせこれは公の場に出るのだからあなたから言っていただきたい。
 そこで西松、前田、熊谷、間、鹿島と五名指名してあります。片一方の佐藤工業のほうには佐藤工業、大成、熊谷、前田、奥村と指名してありますが、たとえばこの値段で西松建設にこれが落札したとしたなら、西松にはこれを完成さすだけの技術、力、資力というものがあるのでしょうか、いやとても西松あたりでは、この値段で落ちてもできないのだというお考えでしょうか、どうでしょう。これは西松についても、前田についても、熊谷についても、間についても、どこのところでも、この値段で落ちればこの建設会社というものは――これは佐藤工業のほうでもそうですが、仕事を完成することができるのか、いやとてもそれは鹿島のような高い値段で落とさなければできないのだというのか、こういうようなことについて忌憚ないところを本日ここで言っていただきたい。
○藤井参考人 値段のことにつきましては、私はタッチいたしておりませんのでお答えすることは差し控えたいと存じまするが、五業者、これはダムのほうでありましょうとも、また地下発電所の問題でありましょうとも、指名されたところの五つの業者はことごとく仕事を完全にやり遂げる能力があると私は信じております。
○田中(彰)委員 そこでこの五つの業者、あなたが指名に賛成された業者は、ダムであろうと、地下の工事であろうと、入札が落ちればやるだけの力がある、こう見ておるのに、これはあなたのお考えでいいのですが、どうしてそういう業者がはずされて、鹿島建設、佐藤工業の高いところへこれが落ちたのであるか、また安いところに落ちなかったのかという点について、簡単でいいのですが、あなたはいまどんな考えをここで持っていらっしゃるのでしょうか。
○藤井参考人 その問題につきましては、私は指名に直接タッチいたしておりませんし、予定価格の決定にも参加いたしておりませんし、また幾らで落ちたかも承知いたしておりませんし、その問題について説明も聞いたことはございませんので、意見を申し上げることは差し控えさせてもらいたいと思います。
○田中(彰)委員 そこで藤井参考人にお尋ねするのだが、あなたは自分の考え方ではもう一期やれるという考えを持っておられた、またそれがたとえだめになっても、長年あなたが手をかけられたのだからでき得れば自分の手でこれをひとつ指名まで出して、そうしてこれをきめてやめたいというようなお考えを持っておられたということをほかからも聞いておるのですが、それについてはどんなお考えを持っておられたのでしょうか。
○藤井参考人 私は八月の末に任期が満了することはもう前から予定もされておりましたし、私は覚悟をいたしておりました。別に任期を延ばしてもらうための運動がましいことも、希望を述べたこともございません。これはそのときの情勢におまかせする、そういうつもりでございましたので、別に私が引き続いて在任しようということを前提において考えたことはございません。ただ私の考え方といたしましては、指名をいたしますることは、私がわりあいにほかの方よりも事情を詳しく知っておりますので、私の在任中に事務的に事さえ運べば指名をしておいたほうがすべてスムーズにいく、こう考えておったことは事実でありますが、遺憾ながら事務的に十二分に取り運ぶことができませんために、ついに私の手によって指名をすることができなかった次第でございます。
○田中(彰)委員 公益局長にお尋ねしますが、これは櫻内通産大臣、きょう昼から来ますからあなたの前で申し上げてもいいんだが、私は実は春秋会に属しておるので、櫻内代議士は同志みたいなもんだから、通産省に行って、大臣の来るのを待っておって、私は大臣に詰問したことがあるのだが、あなたが、前藤井総裁に、もうおまえやめるのだから九頭竜のことは今度の総裁にやらせろ、おまえそこから手を引け、さわるなというようなことを電話その他でおっしゃったということを聞いたんで、私は通産大臣にそういうことを言ったことがあるのです。そういうことはあるのでしょうか。
○宮本政府委員 ございます。と申しますのは、御承知のように八月四日に後任総裁の諮問閣議が行なわれまして、後任総裁は吉田総裁ということで内定をしたわけでございます。当時九頭竜の入札問題がいろいろ話題にのぼっておりましたし、後任総裁がおきまりになった以上は、もちろん藤井総裁が、そのお気持ちを後任総裁にお伝えいただくことはけっこうでございますけれども、後任がきまった以上は、後任総裁の手でおやりになるべきではないか、これは私個人というよりは、今井次官あるいは大臣とも御相談の上、私が申し上げた、こういうことでございます。
○田中(彰)委員 それはちょっとおかしいじゃないですか。たとえ後任総裁がきまっても、九頭竜という問題については、藤井総裁の手で数年間いろいろ調査したり、いろいろなことを研究しているのだから、何も藤井さんが全部押し切ってやるということを言っているのではないのに、藤井総裁が何も言っておらぬのに、あなたが電話や――あなたは藤井総裁の監督の地位にある人ですよ。それがそんなことをどんどん言って、おまえ関係するなとか、今度の総裁の手でやらせろということを言われることはおかしいじゃないか。それはどうなんです。
○宮本政府委員 私が申し上げたのは、はっきり覚えておりませんが、たしか十六、七日で、まあ当時いろいろ九頭竜問題が重大なことに、非常に問題になっておりましただけにもちろんこれは大臣あるいは事務次官と御相談の上、一応後任総裁の手でおやりいただいたほうが妥当であろう、当時そういうふうに相談の結果まとまりまして、私から藤井総裁にお伝えした、こういういきさつでございます。
○田中(彰)委員 あなたがそうやって、藤井総裁が長くやって、自分の手で何とかしていきたいというやつを、相談した結果おまえは後任総裁にまかして口出すなというなら、後任の総裁はダムとかあるいは九頭竜の問題、特にこの九頭竜の問題等については藤井総裁より卓抜した技術、研究そういうものがあるとあなたが推定されたんですか、どういうわけです。
○宮本政府委員 別に私個人的に、たとえば藤井総裁がお詳しくていらっしゃることは事実でございますが、吉田総裁がそういうことが卓抜であられるかどうか、そういう問題ではなくて、これは組織として、電発自体としての意思決定の問題を議論したわけでございます。したがいまして、非常に端的な理由から申し上げれば、先ほど申し上げましたように、もう総裁の御任期も当時十日ぐらいのところでございますので、むしろこの際は藤井総裁はもちろん御意図を後任総裁にお伝えいただいて、その結果そういうことになったと思いますが、後任総裁の手でおやりになったほうがスムーズであろうと考えたわけでございます。
○田中(彰)委員 あなたそれまで重要にお考えになるなら、あなたと大臣と次官と相談してそういうことをやられるなら、むしろ藤井総裁とあるいは副総裁それから今度の新総裁をあなたの部隊なり大臣の部屋に呼ばれて、藤井君も長らくやっていただいてやめるのだからよくひとつ打ち合わせて、そうしてひとつ力もかり、間違いのないようにやってくれというような忠告をされるのがほんとうであって、ただおまえはもう新総裁がきまったんだからそういうものに口出すな、九頭竜は非常にいろいろなうわさも出ておるし、重大な仕事である、こういうことからやられたなら、私はあなたにお聞きしたい。それじゃなぜ、いままで会計検査院によって一つの入札方法というものが電発にきまっておる。また通産大臣の入札の許可したものがあるはずだ。それをこういういままでやったことのないくじ引きのようなものをやったのに、あなたは公益局長として何らそれに関係しないでおいて、これだけの疑惑を起こさせる、これだけの迷惑をかけて、これだけの国定の金をむだにして、そのような事件を起こして、あなたそれじゃ、この入札に立ち会われたのか。この入札をなぜ注意されなかったのか。
○宮本政府委員 以前からそうでございますが、個々の入札問題に役人がタッチすべきではない、こういうたてまえで参りまして、具体的のたとえばくじ引きの問題その他は実はあとから聞いたわけでございます。と申しますのは、通産省、監督官庁の立場でございますと、御承知のように入札が公平に行なわれることを期待し、もしまたその結果が会計検査院等の御指摘を受けて、いけないということになれば監督責任を負うわけでございますが、個々の入札に一々役所がタッチすべきではない、これはいままでの通産省の方針であり、また私もそれがいいと思います。したがいまして、こういうロワー・リミットの問題その他は、結果としてはこういうふうになりましたけれども、やり方自体従来もやっておりました。たまたま今度はこういう結果になってしまったわけでございますが……。
○田中(彰)委員 くじ引きなんかやっておらないよ。
○宮本政府委員 おっしゃるとおりでございます。抽せんの問題は、私はあとから承知しました。しかしながら、ロワー・リミットを設けるということ自体は、いままでも電発でやっておるわけであります。先般、村上政務次官もおっしゃいましたように、今度の問題は非常に競争が激しくなるだろうということで、あらかじめロワー・リミットを下回ったものについては失格ですよということを通知をした上でやられたわけで、結果としてこういう一つだけ飛び抜けたということになってしまったわけでございますが、そのやり方自体は、先般会計検査院長も違法ではないということをおっしゃいまして、私自身はやり方自体は違法ではないと考えております。
○田中(彰)委員 何を局長つまらないこと言っているんだ。会計検査院長初めは違法じゃないと言ったけれども、私どもがいろいろな法律的なことで責めたら、そのときは研究しておらなかったが、この今度のやった方法は随意契約のなれ合いだということを言明しているんだ。速記録をごらんなさい。それからあなたが入札等に、こういう問題に関係したくない、しない例になっていると言うなら、それでは藤井総裁がやめてから関係するのは別だけれども、まだ藤井総裁がおるんだ。引き継ぎとか何かしておるのに、それをおまえはこの仕事に関係するな、今度の新総裁にやらせろというような、そんな命令権があるのか。入札にさえ関係しないものが、そういう問題で干渉する権利があるのか。
○宮本政府委員 命令したわけではございません。そういうふうになすったらどうですかと申し上げたので、これはもちろん大臣あるいは次官と御相談の上申し上げたので、決して命令権は私にございません。これは総裁の御在任中におやりになるのは総裁の権限でございます。ただ当時の情勢からいって、後任総裁にお譲りしたらどうかということを申し上げた次第でございます。
○田中(彰)委員 それじゃやはり命令じゃないか。上の官庁におって、しかも総裁の任命権を持っている、その大臣や次官と君と三人が相談して、これは新総裁にやらしたらいいじゃないかというような――それはやってもいいですよ。そのくらいだっら、この入札、おまえたちのロワー・リミットでやっていままでうまく行ったことがないんだから、みんなロワー・リミットこわされて結局だめなんだから、三回やってもだめなんだから――くじ引きなんかやったことはないことなんだ。それに対しては私のほうは入札何しようが、こうしようが、何にもそんなことに関係しない例だと言いながら、今度は請負を指名をきめるとか、あるいは体験者がいろいろおって、おれが調査中でこうだ、いままで総裁を二期も三期もやり副総裁も長くやっておって、そうして業者を知っておるからこういう指名をしたいとか、こういうものはいいとかいってやっておるときに、君は関係しないほうがいいということは、ただ言っただけでは済まぬでしょう。そういう親切がありそういうことを言うなら、こういうロワー・リミットの問題に対しても、やはりあなた方が監督権があるんだから干渉するのがほんとうだ。それを干渉しないということが例ならば、なぜ藤井総裁に、君、それは関係しないほうがいいぞとか、今度の新総裁にやらしたほうがいいということを言うのか、あまりおかしいじゃないか。あまり役人のようなつべこべした答弁を言わないで、悪いなら悪かったと言いなさい。何を君言っているんだ。
○宮本政府委員 たとえば五社の指名その他について、どこを指名するということはこれはタッチすべきではございません。当時は私も、先生おしかりを受けるわけでございますけれども、他意はなくて、そういう事態でございますから、御相談の上、後任総裁におまかせになったらどうですかということをおすすめ申し上げただけでございます。
○田中(彰)委員 そのおすすめが、いまになればここでおすすめということになるけれども、藤井総裁がそこにつとめておるときはやはり命令と聞き、やはり干渉されておるとだれも考えるんじゃないですか。あなたはそのくらいの常識がないのですか。いま君はおすすめしただけだなんて言っているが、君は藤井総裁の監督権を持っている、大臣は任命権を持っておる、次官だって任命権を持っておるといっても差しつかえない。そういう相談に乗る人が、いまここでおすすめしたというが、そのときは藤井さんの立場からいえば干渉と受け、やはり新総裁にやらせる気だなということを察知するのがほんとうでしょう。おかしいじゃないですか、何がおすすめだ、どうなんだ。
○宮本政府委員 入札のいろんな問題を決定する権限は、総裁の直接の権限でございまして、藤井総裁がおきめになること自体は、任期中は正当なな行為だと思います。ただ諸般の情勢から何と申しますか、新総裁の手でおやらせになったらどうですかということを申し上げましたので、命令というつもりはございません。
○高田委員 いま田中委員の質問それからあなたの御答弁を聞いておりまして、もう少しそこら辺のところ明確にしてもらいたいと思うので、関連して御質問いたしますが、藤井総裁にそういうことを言おうというふうに考えられたのは、それはあなたの発意によるものですか、それとも次官なり大臣なりほかのほうからそういうふうなお話があって、そういう相談が開かれて、相談の結果そういうふうになったというものですか。
○宮本政府委員 これは御承知のように、八月の四日に諮問閣議がもうすでに行なわれまして、後任に現総裁の吉田さんを推奨するということはきまったわけでございます。したがいましてただ先ほど申し上げましたように、藤井総裁の権限で指名その他入札手続をするということは、これは総裁の権限内に属することでございますけれども、御承知のとおり、当時先ほど申し上げましたように九頭電ダムは最後の大きなダムであるというようなことで、いろいろ問題と申しますか、入札と申しますか、競争も相当激しいというふうな状態でございましたので、これは私の発意と申しますか、はっきり記憶いたしておりませんが、藤井総裁がそういうふうに自分の在任中におやりになりたいということですが、後任総裁もきまったことであるのでというので、何と申しますか御相談の結果ということしか申し上げられないと思います。私が別に申し上げたわけではございません。
  〔委員長退席、田村(元)委員長代理着席〕
○高田委員 藤井さん、それではお伺いしますが、そういうことであなたのほうから相談に行ったのですか、どうなんですか。
○藤井参考人 この問題につきましては、私から相談に行ったことはございません。ただ先ほど来るるお話がございましたが、命令を受けたわけではございません。御注意程度であったのでありまするが、私はそのときたしかこう答えたと思います。私がやめる瞬間まではすべて私自身の責任であるから、良心的にやりたいと思います。ですから事務は流るるがごとくやって、事務的にものが運んでいけばそういうふうにしたいと思いますが、すべて私の良識と良心で取り計らってまいりたいと存じますると、これだけのことをお答えしてお別れしたので、別に高圧的に御命令が下ったわけではございません。なお、ただいま初めて承ったのでありまするが、大臣の御意図があったということを聞いて驚いたのですが、そのときには大臣の意図とか次官の意図とか、そういうことをおっしゃらないで、ただ好意的に、後任総裁にやらしたらどうだ、こういうような意味のおすすめがあったように思います。
○高田委員 いまさっき私がお伺いしましたように、あなたの発意と、はっきりあなたが自分でそういうふうなことを考えて注意したということではなくて、やはり上司との相談があったということなんですね。ですから、やはりそのことの発意は、大臣なり次官のほうから、そういうことであなたのほうにむしろ注意があって、そういうことが御相談があって、そういうことをあなたの口から藤井さんのほうに伝えるということになったのですね。そうですね。
○宮本政府委員 大臣からあった。とにかく九頭竜問題の入札問題を大臣、あるいは次官のところでいろいろ議論はいたしました。その結果そういことになったわけでございます。確かに、先ほど藤井さんは、当時水の流れるがごとくというようなお話をされまして、私も何も絶対にそうしろという権限はございませんから、入札自体は総裁の任期中、任期を終わられるまでの間は、総裁の手でいつもおやりになり、また役所として、むしろ業者の選定その他一切タッチすべきでないという信念を持っておりましたので、これを後任総裁の手にゆだねられたらどうか。ただし、もちろん藤井総裁の御意図があるならば、それはもちろん後任総裁のほうにお伝えいただくのは御自由でございますと、そういうことでお話し申し上げた次第でございます。
○高田委員 いずれにしましても命令する権限はないので、仕事の性質上命令すべきことでもないと思うのです。官庁としての指導という立場から勧告なり何なりをされるのでしょうけれども、しかしそのことば自体は法的に何であろうと、監督官庁のそういうことばというものは相当大きな拘束力を持つわけですからね。また、持たなければ言う価値もないわけです。ですから、それをあなたがおっしゃるというのは、あなたの発意でそれを言ったということになると、これは相当思い切った指導をあなたの独断でやったということになるけれども、いまのあなたの御説明では、そうじゃなしに、独断じゃなしに、相談の結果である。しかも上のほうからのそういうお話があって相談が始まったということなんですね。それはそのときのお話の内容ですね。相談の内容、特にいまあなたのちょっとことばの端に、何か情勢がどうのという話もありましたし、やはりこれをめぐるいろいろのなかなかなかむずかしい政治的な情勢というか、そんなような情勢もあるので、議論もあった。話し合いがあった。大臣や次官あたりのお話と、あなたの考えというものを述べ合ったということになるんだろうと思うのですけれども、その中身について簡潔にお話し願いたいと思います。
○宮本政府委員 政治情勢の問題はわれわれは別でございますが、この間村上政務次官からおっしゃいましたように、九頭竜ダムというのは、何と申しますか、最後の大きなダムでございます。最後と申しますか、二十万キロワット以上のダムというのは、当分は九頭竜をもって最後とすると言われているくらいでございます。しかも今度の場合は非常な競争入札、猛烈な競争になるだろう。したがって、そのやり方をできるだけ公平にすべきではないかということ。それからもう一つは、先ほど申し上げましたように、藤井総裁に申し上げましたのが、たしか二十八日が任期の満了の期限ですが、その十日くらい前ですが、そこまできた以上は、むしろ後任総裁の手でおやりになったほうがいいのではないかということで、私自身は何ら政治的な意図とかそういうものはござまいせん。ただスムーズに、水の流るるがごとくとおっしゃいましたけれども、スムーズに落ちつけていただけばいいのではないかと思います。
○田中(彰)委員 私は、さっきのあなたのお話を聞いていると、いろいろな情勢等があってというが、いろいろな情勢というのはどうなんです。この値段の高い、つまり五億一千二百万円も一方は高い、一方は三億三千三百万円も高いような入札にしなければならぬような情勢なんですか。安いところへ落とすようにしなければならぬ情勢なんですか。さっきあなたの言うのを聞いていると、情勢その他があってと言われるが、これが一つ。もう一つ、四日の閣議で後任総裁はこれにするときまったところで藤井総裁の辞職書が出て、そうしてちゃんと新総裁の辞令が出て、事実上引き継ぎして、初めて藤井総裁というものは、今後の仕事に、法律的においても何においても何ら関係してならないのだけれども、ところが、まだ辞職書も出ておらない。それから総裁の辞令も発令していない。二十八日の十日ぐらい前とおっしゃっているのだが、そんな前にそんな話をされるということが一体おかしいのではないか。この二点についてお答え願いたい。
○宮本政府委員 情勢の問題でございますが、要するに高い安いの問題ではなくて、われわれとしてはいかに公平なやり方でやっていただくかということだけで、結果自体はわれわれのところで見た次第でございまして、当時の気持ちとしては、やり方がいかに公平な競争入札であるかということだけについて頭があったわけでございます。
 それから、二十八日に藤井総裁の任期が当時切れました。もちろん四日に諮問閣議があっても、株主総会の権限を経て再びたしか二十三日の閣議で任命されたと思いますが、藤井総裁の法律に基づく権限というのは、二十八日に任期満了で退任されるまでは当然総裁としての正しい権限をお持ちになっているということは、われわれもそう思っております。
○田中(彰)委員 それでは、二十八日まである、とにかく、その、まだ総裁としての資格のある人に、大臣と事務次官とあなたと、監督する立場にある者がいろいろな点を言われるということは、これは何といっても――昼から大臣と、あるいはこの次に次官に聞きますが、何といってもこれは相当の拘束力があったということだけは否定できない。それから村上政務次官の話など聞くと、たたき合いをするとか――何もたたき合いをしておらぬじゃないですか。この表をごらんなさい。鹿島だけが高くなって、あと、官でも、熊谷でも、前田でも、そうたいして違っておらぬじゃないですか。四十何億に、お互いが違っているのは、一番違っているので一千八百万円、あと六百万から七百八十万、違っておらぬじゃないですか。こっちもそうでしょう。何がこれはたたき合いですか。たたき合いというのは、とにかく一千万の仕事に百万で入ったとか二百万で入ったというのがたたき合いでしょう。ごらんなさい、いかにこの業者が全部りっぱな技術陣とダムに対する長い体験からこれを見積もったかということはわかっている。ただ、鹿島だけが一億二千万ばかりの高いものに入れているだけだ。佐藤も高いものに入れているだけだ。何もたたき合いになっておらぬじゃないですか。そんなしろうとをだますようなことはやめなさい。村上政務次官なんか、決算委員会の者はダムなんか知らないと思ってあんなことを言ったのだ。しかし、言った中でおもしろいことを言っている。四十四億九千万なんて、この目途額というものは、請負業者の体験からいうと千万や千五百万は違うかもしれないけれども、ちゃんとこれはわかるものだということを言っている。目途額がわかって、最低額を押えて、こういうものを引けば、鹿島と佐藤にしか落ちないということはわかっている。それを自白している。あなたのような観念で、さっき言われた会計検査院長は、この入札方法というものは違法ではないということを言った。それから私は会計検査院長にいろいろ法律的なことで責めた。そのときには、これは研究しておらなかった、知らなかった、しかし、これは随意契約のなれ合いだと言う。ここにおられる刑事課長のほうでも、これは公には言えないが、こういうものを調べた体験から見ると、これは紙なり声なりでやはり相当連絡があったように思える、どうもこの入札方法はおかしいと言っておられる。今度証人を呼び出して、夜中の二時までかかって、朝の二時までかかって証人を押えたが、反対派のその分子が名刺を持ってきて、おれがこの投書者なんだ、事実なんだ、知らないのは東京のあんた方が知らぬだけで、地元ではこんな評判を知らぬ者はないんだ。だからごらんなさい。これがきまってから家を買う大臣もあれば、別荘を建てる大臣もあれば、みんなやっぱりやっているんだ。おかしいじゃないですか、あんた。拘束したということは事実だ。諸情勢、諸情勢と言われるなら、その諸情勢とは、この高いところにいかにして入れて、国民の税金に対して八億以上の迷惑をかけるような情勢にどう持っていくかという御相談を、大臣とあんたと次官とやられたんだと言われたってしかたがない。あなたがここへ来て、おすすめしたということも同じことだ。藤井総裁のちゃんと期間中に、君、新総裁にやらせたほうがいい、あまりあんた口を出さぬほうがいいということは、拘束をしたということだ、大きいか小さいか知らないが。諸情勢ということは、その情勢においてうまくいって、こんな問題を起こさなければ、あんた方の諸情勢はよかったのだ。二つもこんな問題を起こしている。一つだけじゃない。あんた方のほうが、これをほんとうに監督する気なら、地元に行って小さい企業をごらんなさい。全部が最低へ落ちている。ほかのものは全部最低へ落ちて、この大工事だけが高いところへ落ちているというのはおかしいじゃないか。それじゃ下のほうも全部高いところへ落としたらいい。小さい、下の下の下請業者はたくさんある。それらはみんな最低へ落ちている。そういうのも最高へ落としたらいいじゃないか。おかしいでしょう。そんなことをあなた方がつべこべつべこべ言われるから、われわれは世銀に手紙で交渉したり金を借りられないようにしたりいろいろするんだ。これはあんたがそんなことを言われると、大臣でも事務次官でも、これから昼から大臣が来るから責めるが、これはりっぱな拘束ですよ。しかも藤井総裁が通産大臣のところへあいさつに行ったときに、もう一回君からやってもらうことに頼むよなんて言われたというようなことを言っているんだ。そういうことがあると、何だかあんた方や事務次官の関係でいろいろ工作されてそこへ持ってこられたと言われても、これはしかたがないでしょう。理屈はありますよ。どろぼうしたって理屈はある。こうやらなけりゃ食えなかったとか、こうやらなけりゃ金が入らなかったとか、理屈はありますよ。しかしこういう大きな事件になっちゃったら、理屈は通らぬじゃないんですか。事実が物語るのですよ。一体、あんた、この入札をいいと思っているんですか、悪いと思っているんですか、どうなんですか。
○宮本政府委員 確かに結果から見ますと、一つだけぽこっと上がっておるということは、御批判を受けることはそのとおりだと思います。ただ、われわれのやり方といたしましては、たびたび申し上げておりますように、あらかじめ見積もりを説明するときに、ロワー・リミットからはずれたものは不適格であるということは、あらかじめ五社に通知をしておるわけでございまして、その結果としてこうなった。もちろんその間に不正とかあるいは変なことがあれば別でございますが、その結果としてこうなったということ自体は、私はやむを得なかったのじゃないか、こういうふうに考えております。
○田中(彰)委員 ばかなことをおっしゃるな。不正があったとかないとか言ったって、これだけ高くだ――安いやつでもやれるんだ。いま総裁が言われたとおり西松がやってもやれるんだ、奥村がやってもやれるんだというと、五億一千二百万円というものが、これは国民の税金なんですよ、あんたの金じゃないんですよ。それをそういうように高くして、片方は三億三千万円高くして、こんな問題を起こしているのに、あんたはこれに対して結果がいいとは何ですか。あんたそれじゃ落としてごらんなさい。あんたの考え方で、鹿島以外に、佐藤以外に入れてごらんなさい。これだけあるんだから、入るはずだ。あんた入れてごらんなさい。八五%やらぬだっていいんだ。八四%でもいい、どこでもいい、入れてごらんなさい。ばかなことを言いなさんな。決算委員はそんな子供ばかしじゃおらない。君なんか頭が悪いから、親が大学まであげて、それで出しているんだ。頭がよければ尋常六年でもそれくらいのことはできるんだ。冗談言うな、君。入れてごらんなさい。
○宮本政府委員 いま申し上げましたように、この表については先生のおっしゃるとおりでございます。ただ初め入札をいたします前に、この電発の資料にも出ておりますが、見積もり制限価格というものを設けますということをはっきり五社に通知をいたしておるわけであります。ただし、その八五%がいいか悪いか、その問題は私は技術的にわかりませんが……。
○田中(彰)委員 高く落ちたということがおかしいじゃないか。制限価格がちゃんとあるじゃないか。制限価格よりも高く落ちたということがおかしいじゃないか。制限価格よりも安く、その下へ落ちるのがほんとうだけれども、高く落ちたということはおかしいじゃないか。一番下に落ちたっていいじゃないか。西松に落ちたっていいじゃないか。そんなに高く落ちて、五億一千三百万という金がむだになる。こちらでもできるのに、西松でもできるのに、それが高く落ちたために、五億一千二百万もむだになり、こっちでは三億三千四百万も余分なものになっている。その入札方法がいいというのはどういうわけか。会計検査院長が言っているじゃないか。知らなかったが、研究したら、これは随意契約のなれあいですということを言っている。あなた、それをここで聞いておったじゃないか。
○宮本政府委員 私の申し上げましたのは、あらかじめ制限価格の中に入ったら適格とする、こういうことを電発は通知をしておるわけでございます。したがいまして、もしこの制限価格の中に二つ入れば、その低いほうを当然取るということになると思いますが……。
○田中(彰)委員 入らないじゃないか。入らぬように仕組んだから入らないんじゃないのか。入れてみたらいいじゃないか。
○宮本政府委員 結果としてそこに入ったのが一つということになった……。
  〔田村(元)委員長代理退席、委員長着席〕
○田中(彰)委員 結果としてなんていい。入れてごらんなさい。結果としてなんて言わなくていい。
○宮本政府委員 結果として……。
○田中(彰)委員 どれでも入れてごらんなさい。八五%でもいいし、九〇%でもいい、入れてごらんなさい、あなた。
○宮本政府委員 結果としてロワー・リミットから上へ出たのが一つでございます。したがいまして、当然この問題は、この範囲内ではほかの組の入札は先生御指摘のとおり入りません。ただ初めからの約束で、ロワー・リミットが幾らになるか、これはあらかじめ通知はいたしておりませんが、ロワー・リミットを下回った場合には失格ですよということをあらかじめ入札の際に通知をいたしております。したがいまして、結果として入ったのが一つである。だからこれが二つ入れば当然その中の低い方を取るべきであったのでありますが、結果から見ますと一つしか入らなかったということで、確かに最高価格、こういうふうな結果になってしまいまして、この入札のやり方自体その他については今後は十分検討はいたしたいと思いますけれども、本件は、そういう意味ではあらかじめそういう約束のもとに行なわれたという点で、私は問題ないと思います。
○田中(彰)委員 あなたはロワー・リミットとか、入札に関係しないとかいろいろなかなかそうやって述べられるが、そうしたら、こっちの七〇から九〇のところを少し下へ下げるとか、何とかすれば入る、それを絶対入らぬものをつくって、そして今度はくじで、ロワー・リミットからはずれたものはしませんよと、しかもくじを五本つくって、一本だけくじをとって八五だと、両方とも八五だといって、それを引いて、あとのくじを見せないで、あとのくじの四本は、八五に引いたら、君たちのくじはこうだと言って見せないで、焼いちゃったというのだ。もう一つふしぎなのは、佐藤も八五%のくじを引いたわけだけれども、五本もつくったのだから、鹿島も八五%だ、どうしてこの二つが十本のくじのうち八五%か。八六になってもこれは落ちる、八七になってもこれは落ちる。それをどうしてこの二つが八五%ということになるのだ。しかもそれを見せないで焼いちゃった。あなたの前で、十本のくじを五本ずつつくって、それを見せて引けと言って引いても、八五と八六とあるのだから、それが間違いなくぴしゃっと二つとも八五になったというのはおかしいじゃないか、どうなんだ。そうしてあとのくじを見せないで焼いちゃったと言うが、あなたはそんなことを聞いてないのか。
○宮本政府委員 その具体的やり方につきましては、私は後ほど報告を受けたわけでございまして、詳細は、この間の報告書で知ったわけでございまして、くじを引いたとか、あるいはそれが八・五になったということは、当時としては私は存じませんでした。
○田中(彰)委員 存じないと言うが、ふしぎに思わないかね。二つが、初めから両方とも引いたくじが八五に入っているのが。冗談じゃないよ、君。それで局長がつとまるのか。何だい。もっと常識的な答弁をしなさい。
○宮本政府委員 くじを引いた結果が八・五になったといったことは先ほど申しましたし、あとから報告を受けましたし、私自身も入札のこまかいやり方自体はいままでは勉強しておりません。ただ要するに、役所の立場からいえば公平に行なわれてほしいということを願っておったわけでございます。ただ結果として、決算委員会でこれだけ問題になっておるということも確かにあるわけでございまして、くじで引くのがいいのか、この問田中先生の御質問のように七から九までかりにつくった場合にくじで引くというやり方は確かに今後の研究問題としては十分検討いたしたい。会計検査院長も、くじなんか引かないでその秘密が漏れないようにするほうがいいとおっしゃいましたし、そういった点は今後は十分に検討いたしたいと思いますが、たまたまこれは結果として八・五というロワー・リミットが出たわけでございまして、それ以下は失格ですよということをあらかじめ業者に十分御通知をした結果としてこうなりましたために、そのやり方自体は、私はやむを得なかったんじゃないか、こう考えております。
○田中(彰)委員 あなたがそこまで言うと、あくまで言わなくちゃならぬ。考えてごらんなさい。ちゃんと通産大臣が認定した入札方法はある。その入札方法をやめてこういうものをやるなら、一応通産大臣に、今度はこの入札方法を変えまして、こういうものでこうやってみるという相談もない。そこで電発がかってにやったんだ。
 もう一つ、あなたはこれ一つ何ともない何ともないと言われるわけれども、ここにそれじゃくじを五本ずつつくりましょうか。二つともぴしゃっと八十五にどうしてくじが当たるのです。それをあなた、常識上何ともないんだ、おかしいじゃないですか。この人に全部聞いてごらんなさい。こっちのくじとこっちのくじが八十五にぴしゃっと合うんだ。こっちが八十五でこっちが七十二か七十五とかいうなら――二つともちゃんとくじをつくった。くじを十本つくった、こっち五本、こっち五本、おかしいじゃないか。
○宮本政府委員 電発の報告によりましても、一工区、二工区ともにロワー・リミットは共通にやるんだということで五本くじをつくって、そのうち一本引いたのが八・五%になったわけでございまして、したがって一工区、二工区のロワー・リミットが八・五%であるという意思決定が電発によってなされたように、それによると聞いておる次第でございます。
○田中(彰)委員 それじゃ五本なら五本で引いた、こう言っている。私が聞いたのは両方とも五本つくった。またそうでしょう。二つのこの入札を、工区が違って、金額も違って、仕事も違っているのに、これを一つにまとめてやるということがおかしいじゃないか。たとえば、まとめてそれじゃ一つでやったとするならば、どうしてこの値段で――こっちの値段とこっちの値段と違うわけだ。違ってもさてこっちが八五%で落ちる、こっちは鹿島で落ちる。値段が違い、目途額が違い、最低額が違っていておかしいじゃありませんか。何と言ったってこれは常識上考えられないことなのです。会計検査院長が、これは随意契約のなれ合いだ、こういう契約方法というものはないのだけれども、こういう変わったことをやったのだ、こう言っておられるのを信じるのか、電発がかってにやったこれを信じるのか、どっちを信じるのです。
○宮本政府委員 会計検査院にいまいろいろ検査をしていただいているわけでございまして、その結果、いけないという結論が出ますれば当然私は監督責任ということは考えたいと思います。
○田中(彰)委員 結果において出ておるじゃないか。あなたは通産省の人だ。通産大臣の認定した入札をやめてこういうことをやった。こういうふかしぎなものが出てきた。ふかしぎなものが出てもいいです。最低制限より下のものだとか、一番下へ落としたというのは安いから落としたのだ、これは言いわけが立つ、入札の目的から。うんと高いところへ二つとも落ちたということじゃ立たないのです。そこで会計検査院長はどう言っているかというと、これは随意契約のなれ合いですとここで言ったことをあなたお聞きになったでしょう。それでもまだあなたは結果が出たら――結果は出ているじゃないか。ほんとうは決算委員会で刑事局長の意見と会計検査院長の意見を聞けばいいのだけれども、あなたのようなそういういろいろもがもがしておって、だんだんやっていくとあやしいというようなものが出てくるからいつまでも長引く。これはまた小委員会に取ってやりますよ。何もわれわれはあなたをいじめているのではないのですよ。これは決算委員会でやらなければならぬ仕事だから、この仕事を質疑しているうちに、あなたの答弁がそういう答弁だから言うわけです。私がもしあなたの立場なら、それは悪いのだ、通産大臣がきめた入札をやめてこんなことをやって、そしてこんな高いものにして、こんな問題を起こした、悪い、とにかく電発の総裁なり副総裁に責任を問うからとおっしゃればそれ一言でこんな決算委員会は一日で済んだ。そんなあなた簡単にいきませんよ。きょう総理大臣が来たら頭を下げて、これでしまおうなんて自由党の幹部やなんか考えているが、そんな甘い考えには田中彰治は乗らぬ。政治生命にかけてもこれはやってやる。私は、委員長、知らなかった。鹿島組では田中と田村元というのは元気ばかりよくてあれはばかだと言う。何でばかだ。委員長の子供は鹿島組に出ておって、委員長は鹿島組の顧問をしているじゃないか、それを委員長にしておって何を調べているのだとこっちは言われたけれども、うちの委員長はそういう人ではないから、私は委員長に対してあなた委員長をかわりなさい、そんなことを言わないが、本来ならば、私が委員長を疑うなら委員長をかえてこれをやるべきだ。けれども小委員会にかけてこれからやるのだから、これで済んだのではないのですよ。ダムという問題について、電発の内容、鹿島建設の内容、その他の内容がようやくわかってきた、話はこれからなのですよ。ここでもって言いのがれをして、一応さようならなんていうようなそんな考え方は持っておらない。徹底的にやってやる。通産省というものは、あらゆる面において、通産省の汚職なんて一番多いじゃないか。建設省と通産省は汚職の源泉じゃないか。
 そこで、会計検査院の方にお尋ねしますが、あなたのほうでもそう古いカビのはえたようなことばかり、それは組織上やるのだが、やらないで、こういう問題が起きたときにはやはりあなた方全部寄られて、この入札方法は一体正しいか正しくないのか、こういう国民の血税をむだにしたようなことで、あなたのほうで出してこられるものは、どこのところでもって幾らで買えばよかったのにむだにしたとか、ここの川に使ったのは水つきしたからそっちへそれを持っていった、それがいけないとか、ほんのわずかなことばかりです。こんな億なんていう金のことはめったにない。そのないものをここで取り上げたときに、やはりあなたのほうでもそういうものは研究しておられないのですか、どうですか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 九頭竜問題が当委員会で取り上げられましたことにつきまして、実はこの前、院長が当委員会に出まして御答弁申し上げましたように、私のほうとしましては、この問題はごく最近こういう事実があるということを知った。それでその後会計検査院といたしましても一応この決算委員会でいろいろ御議論が出たわけでございますが、速記録等によりましてそういった事情で検査上参考に、われわれ普通の、あたりまえの会計検査ではなかなか知り得ないようなことをいろいろ拝聴いたしましたので、そういりようなものを一応整理いたしました上、早急にこの問題を検討したいということで、いまどういうふうにしてこの問題に取っ組んで検査をしていくかということにつきましても目下研究中でございますので、しばらく御猶予をお願いしたいと思います。こういうふうに考えます。
○田中(彰)委員 公益局長に一言言っておきますか、この入札はあなたのほうで関係しないと言われるけれども、こういうようになってくるとあなたのほうもこれを知らぬ、おれのほうには権利はないのだからというようなことではいけませんよ。やはりこれをお調べになって、とにかく二日間総裁が抱いておったことも事実です。しかもあの総裁というのは、あなたも御存じのとおり東京で石炭事件が起きて、石橋という九州の若松の者と大きな汚職問題が起きて検事局がみな調べた人ですよ。それがなってきているのだ。それでこんなものをやって、ただ済みませんでしたではいけませんよ。こういう結果になったのだから、お調べになって、それでこういう結果だということがわかればこういう方法を行なわぬということ、それからもう少し電発の総裁とか副総裁に対する責任というものをやはりあなた方はお持たせにならなければ、これは重大な問題だと思う。あなたのほうではほうっておきますが、私はいままであなたのほうでやられたダムについて全部調べ直します。それはだれが引っかかってもしかたがありません。間違ってうちの河野が引っかかったってしかたがない、やりますよ。だれが引っかかったってしかたがない。私の子供だって引っかかったってしかたがない。やりますよ。それがいやだったら、私は決算委員をやめて、国会議員をやめなければならない、そういう意図のもとに私はやるのだから、あなたのほうももう少し電発のほうに手を入れてやってごらんなさい、よくわかります。あなたが正しい人ならわかります。あなたが仲間じゃわかりませんよ、あなたが正しければわかりますよ。
 そこでもう一点。藤井前総裁、あなたがこれから手を引かれるときに、あなたに大臣からもあるいは事務次官からも、いま局長から言われたような、君、もうやめるのだからそういうことにあまりさわらぬほうがいい、新総裁にまかしたほうがいいんだということを言われたんですか、公益局長だけなんですかどうなんです、正直に言ってください。
○藤井参考人 大臣から言われたことはございません。大臣のところにごあいさつに行ったのは、一つはお喜びと、もう一つは私は八月の末に任期が満了いたしますから、後任のことをお考えおき願いたいというので、それだけの話で、大臣もただそれだけで、聞きおかれただけで、別に取引はございません。
 それからその足で、前の今井通産事務次官のところへあいさつに行って、実はいま大臣にお目にかかってごあいさつを申し上げた、そうして自分は八月の末に任期がくるのだから後任をお考え願いたい、こうお願いしておきましたから、どうかそのお含みでお進め願いたい、こうお話申し上げましたところが、今井事務次官から、ときに九頭竜の問題はどうなさるのですか、これは日は覚えておりませんが、とにかく大臣に御就任になった翌日か翌々日の話であった、九頭竜の問題をどうなさいますか、こういうことを尋ねられましたから、私はこれは自分の時代に、事務的に事が運べばこれを進めていきたいと思います、こう話したら、それはおかしい、あなたはもうやめるのなら、やめる人間がそういうことをきめるのはおかしい、こういう話があって、私はそういう見解を持っておりません、私は就任すると同時に、離任するまでその職にある限りにおいては、私が全責任を負うべきものだと考えております。だが、ことさらに、故意に置きみやげのようなことはいたしませんといって、先ほど公益事業局長さんのお話に出たと同じように、私が、自分は事務的に処理してまいります。水の流れるがごとくこれは処理してまいりたいと思いますから、特に故意に繰り上げてやったり、故意におくらせたりするようなことは避けたいと思いますというので、そこで話は終わったのですが、そのまま私は帰りました。それから後に、先ほど公益事業局長さんからお話のあったように、公益事業局長さんの部屋で御注意がありました。それに対して私は、最後の瞬間まで私は責任をとります、だがすべて事務は水の流れるがごとく処理すべきものだと思うし、私の良識と良心の命ずるところによってすべて計らってまいりたいと思います、こういう簡単な御返事を申し上げて、その問題について承知いたしましたとも、承知いたしませんとも、何も議論をしないでお別れしたような次第でございます。
○田中(彰)委員 もう一点。前総裁、あなたであるかあるいはまたあなたのほうの電発の事業の現場に関係しておる人の話か知りませんが、奥只見のダムができたときに、あのダムのコンクリの打ち方が非常にそそうだったというので鹿島をしかったのか注意したというような点を私聞いているんですが、そういう点あったんですか、なかったですか。
 それからもう一つ。奥只見はあなたの目から見てりっぱにできたと思っていらっしゃるのか、どうもちょっともう少し技術的に考えればよいがというふうに思っていらっしゃるのか、どうなんです。
○藤井参考人 奥只見の工事について別にずさんなことがあったようなことは私は承知いたしておりません。それから奥只見のダムですが、これはわりあいよくできております。もちろんそれよりもよりりっぱにできておるダムも――たとえて言えば池原のダムとかあるいは田子倉のダムだとかいうものは、これは世間で見て非常にりっぱだというので表彰されるくらいですから、非常によくできておるのだと思いますが、そういうなにはあると思いますが、全然欠点があるようには思いません。よくできていると思います。
○田中(彰)委員 池原とか田子倉とかいうのはどこでやったんですか。
○藤井参考人 田子倉は前田建設がやった、池原は熊谷組がやりました。
○堀川委員長 勝澤委員。
○勝澤委員 引き続いて藤井さんにお尋ねいたしますが、前回倉地さんが証人として立たれたときに、今回のこの九頭竜の入札に関しては、総裁選挙で穴があいたので、その穴を埋めるために九頭竜に圧力をかけてきたということを藤井さんが、あなたが倉地さんにお話をされた、こういうことが証人として御出席されている倉地さんが、この場でお述べになったわけであります。ここに議事録がありますから、議事録をちょっと読んでみますと、倉地証人は、「池田さんが言ったというふうに聞いてはおりません。池田さんが言ったというふうに聞いておりませんが、要するに、何といいますか、総裁選挙で穴があいた、あいたから、その穴を埋めるために、この九頭竜に圧力をかけてきたのだということの話をされたわけです。」栗原委員「藤井さんからされた……。」倉地証人「そうです、そのとおりです。」こうここで答弁されているわけでありますが、あなたはそういうお話をされたんですね。
○藤井参考人 これはどこからも圧力のかかった事実はございません。したがって、私はそういう事実のないことに対してそういうことをしゃべったとは記憶いたしておりません。しゃべるはずはないと思っております。
○勝澤委員 倉地さんにお尋ねいたしますが、あなたは証人として、藤井さんがそう話されたと、こう発言されているわけです。あなたの御説明を聞かしていただきたいのですが……。
○倉地参考人 私のこれは記憶違いでも何でもありません。そのとおりであります。もう少し申し上げますと、私が九頭竜に関しては、どなたにも一切あの記事を書くときに、私のほうの新聞記事を書くときに、どこからも資料も話も聞いたことはないのです。私は藤井さんとの会見のときの、あの冨田旅館で会ったときの話だけを材料にして私は記事を書いたのでありまして、全然ほかから聞いたものは一つも入っておりません。以上で御了解願いたいと思います。
○勝澤委員 ここで証人として出られた倉地さんが、証人としての宣誓をされて、こう言われておるわけです。とにかく九頭竜の入札については、総裁選挙で穴があいたために、ある特定の業者に落とさなければならないために圧力をかけたんだということをあなたが話をされた。いまの倉地さんの話でも、あなたから聞く以外に聞く方法はなかったとこう言われておるわけであります。これはひとつ正確にお伝え願いたいと思うのです。いかがですか。
○藤井参考人 先ほども申しましたとおりに、だれからも圧力はかかっておりません。したがいまして、私がそういうことを言ったという記憶はございません。
○勝澤委員 そうしますと、これは倉地さんと藤井さんの受け取り方とはだいぶ違う。あのとき聞いた話とは違う。倉地さんにお聞きしたいのですが、あなたがあのとき聞いた話と、いまここで言っていることと違う、こうあなたはお考えになりますね。いかがですか。
○倉地参考人 御質問のとおりでありまして、私はまるきり違うと思います。それから第一に、私は先ほどからここでいろいろ参考人との問答をお聞きしておりましたが、いまの公益事業局長あるいは通産次官から藤井さんに対して、おまえはもうやめるのだから、おまえの時代にやらないで、あとの総裁にやらせろということをおっしゃった話も、私はそのときに藤井さんから聞いて記事にしております。だから私のその話はぴたっと合うわけですね。しかもそれには、藤井さん非常に遠慮して言っておられるけれども、藤井さんはこういう話があって圧力をかけてきているのだ、だから自分はいろいろまあ――ここでも私の証言と一致するのですが、櫻内通産大臣が就任されたときにあいさつに行っておられるということも、私その記事に書いております。そのときに君を留任させようと思うがという話があったということを書いております。そういうものを全部総合してみて、政治的に自分がいわゆる汚職のようなことに巻き込まれることは困るという自分の考えのもとにやめたのだということをはっきり言っておられます。これは私の書いたものも、私の申すことも、全部一致しておりますから、私の書いたものをお調べになればよくわかります。
 以上であります。
○勝澤委員 藤井前総裁にお尋ねしたいのですが、倉地さんは新聞記者として長い経験を持って、その中であなたとお話をしながら、やはりメモをとられ、そして現実に全然どこからも聞いたことのない新しい話としてあなたを信用されて、その話をここに書かれておるわけです。それは筆の走りもあるでしょう。しかし走りもあるかもしれませんけれども、この問題は証人としてはっきり言われておるわけです。総裁選挙で穴があいたのだから、その穴埋めのために九頭竜に圧力をかけてきたのだ、こういうことをあなたはされたと言っておるわけです。もう一度くどいようですが、私は確認をしたいのですが、あなたはお話をしたことがあるのですか、ないのですか。
○藤井参考人 先ほども申しましたように、事実圧力をかけられたことはございませんし、それから櫻内通産大臣からおまえにやってもらおうと思うということをおっしゃられたこともございません。これは私ははっきりと記憶いたしております。したがいまして、私は倉地さんがどういうふうにお書きになったか、そのお書きになったものを読んでおりません。またそういうものがあることも存じません。どういうふうにお書きになったか知りませんが、私はそういうことをしゃべった覚えはございません。
○勝澤委員 倉地さんは無人としてここで言われました。あなたもそのそばで聞いておられました。あなたもそのとき聞いておられたわけです。その聞いておられたことが、とにかくあなたは事実圧力をかけられたこともない――私は事実圧力をかけられたことがないということを聞いておるのではないのです。圧力をかけられたことがあるとあなたが倉地さんに言われたかどうかということを聞いておるわけです。言ったこともないということですから、それではそのままに、またあとでしっかり確かめたいと存じます。
 それから倉地さんに、あなたは今度の九頭竜はこの五社でやるのだよということで五社のお名前を言われましたね。その点いかがですか。
○藤井参考人 五社の名前は言ったかもしれません。これも記憶はございません。
○勝澤委員 言ったかもしれませんということですから、これは言ったと判断する以外にないわけです。何となれば、倉地さんは全然予備知識なしにあなたから聞いたと、こう言われているわけですから、あなたから言われない限り、倉地さんは五社を知るわけがないのです。そこでこれは言ったかもしれませんということですから、その辺で……。
 次の問題は、鹿島建設から藤井総裁に、在職中に何億という数字を示して誘惑があった、しかし藤井総裁はこれをはねのけた、こういうお話でございますが、こういう話もされましたね。
○藤井参考人 そういう誘惑を受けたことはございません。したがって、そういうことを私が軽率に言った覚えはございません。
○勝澤委員 それでは倉地さんにお尋ねいたしますが、あなたは、誘惑があった、それを藤井総裁がはねのけた、こういう話を聞いたと言われているわけであります。いま藤井総裁は言った覚えがないと言われた。もう一度確認をしたいのですが、そういうお話があったのですか。
○倉地参考人 全く私はふしぎな気がします。ほんとうに私にまっ先に言われた問題は、九頭竜に対して鹿島建設が実は何度もいままで長い間――これは議員さんの名前を出してはおかしいですが、鹿島守之助さんが、鹿島建設の――この問題じゃないですよ。ほかの御入札のときでも頼みに来た。それで藤井さんは鹿島さんに、あなたがそういうバッジをつけて一緒にここへ来られると、あなたのところに落としてやりたいものでも落としてやれなくなるのだということを言ったという前の話もありまして、藤井さんはずっと鹿島建設のやり方というものに対しては批判的でありました。これだけではないのですよ。だから今度会ったときでも、富田で会ったときには、初めの切り出しが、意外な大きな誘惑があったということばで言われまして、私はそれは数億なんてものかと言ったらそうだということで、私はそのとおりに書いたわけです。私は、大体が――これはよけいなことかもしれませんが、宿命的なものだという感じがするのです。ということは、これはひとつよく掘り下げていただきたいと思いますが、電発の入札というものには、前に藤井さんが副総裁のときに小坂総裁と争われたときも、やはり対象は御母衣のロックフィル・ダムでありまして、それが原因で、それに佐久間の問題がからんで、そのときも藤井さんは私に――当時あまり会った覚えがないということを言われましたが、御母衣の問題の請負にからんで、そして佐久間は例の嘆願金の問題を持ち出されたものだということは、詳しく説明をされておりました。そういう宿命的なものであります。
 それからなお電発の入札というものは、非常に私はふしぎなものを感じます。一つの例を御参考までに申しますと、藤井さん方がやめられたあとに内海さんが総裁になられましたときに、私は業者から御母衣とそれから奥只見は――これはまだ入札前ですよ。どこに落札するか、どこが請け負うかという名前を聞いたんです。耳にした。そのときのあれは、奥只見が間で、それからあれは三つの工区に割ったんですが、三つとも並べて、それから御母衣のほうの工区も三つでしたが、これはこっちに鹿島になっていたのですね。それで私はそのときに、理事会の最中に内海さんのところへ行きまして、入札前にそんな名前がぼくらの耳に入ってくるのはおかしいじゃないかということで、理事会の席から抜け出て、総裁室で私に内海さん、お会いになりました。そのときに、私はこの六つを並べた。そうしたら内海さんは、私の記憶では、初めは名前は申しませんでしたが、私は六つとも知っているが、そんなものが初めからきまっているのはおかしいじゃないかという質問を私はしたのです。そんなわけはないと言うのですね。要するに一つならまぐれ当たりでも――向こうではまぐれ当たりかもしれんと言うから、まぐれ当たりも、一つなら当たることもこういう場合あるかもしれませんけれども、六つの工区に――二つの発電所で、これが三つずつで六つですね。六つとも、私が、奥只見がこれとこれとこれ、御母衣はこれとこれとこれというふうに私が当ててみるがどうだい、ここではっきり言うか、言えばあなたは立場に困るだろうということを言ったら、それは聞かぬでもいい、そういうやり取りがありました。そういうように、私は藤井さんの時代になってからは――私は藤井さんは信用しております。藤井先生の人格を非常に信用しています。私は藤井さんの総裁の時代にはそういうことはなかったと信じております。が、どうも電発の中には――皆さんが伺って私が当てるはずがないと思うでしょうが、そういう入札をやる前から六つがきまっておるようです。そこへ持ってきて、藤井さんからやはりそういう鹿島の問題をいきなり、先ほど御質問になりましたように、話がありますと、私はこれを信じるほかない。それを私書いたわけでありますが、繰り返して申しますが、私は藤井さんからはっきりと伺っております。
○勝澤委員 藤井さんにお尋ねいたしますが、九頭竜の入札については圧力があったということをあなたから聞いた、あなたはそうした話をした覚えがない――いまの問題は、鹿島から誘惑があって何億という金を持ってきたということをあなたから聞いた、あなたはそうしたことを話した覚えがない――この違いは、あなたも倉地さんとは長いおつき合いだそうですけれども、どういうところでそういう違いになったのですか。藤井さん、どうお考えになりますか。
○藤井参考人 先ほども申しますように、鹿島からそういう巨額な誘惑を受けた事実はございません。したがって、私はそういうことを言った覚えはないのですが、どうしてそういう違いができたかということになると、これは私にはわからないことであります。倉地さんは倉地さんの受け取り方がありましょうし、また私は私の受け取り方がありましようから、この問題については、結局、顔の違うように意見も違う、こう考えて、私の御答弁はお許し願いたいと思います。
○勝澤委員 五社の名前を言ったかどうか知らないという程度ならいいですよ。言ったかもしれぬ、言わないかもしれぬ。しかし、いまの二つの問題というのははっきりしているわけです。あなたは何のために、この富田旅館で倉地さんとお会いになったのですか。
○藤井参考人 倉地さんから会見の申し入れがございまして、その日はちょうど夕方まで私もひまがございませんし、それから夕方になりますと、私のささやかな事務所は事務員もおりませんので、ここへおいで願うことも話ができにくいので、私がときどき利用いたしております富田旅館においで願うことに――何でも倉地さんの事務所も近くのようでございましたので、それではそこへ御足労願いたいというのでおいで願ったので、別に私のほうから要請してお越し願ったわけではないので、この点は、この間も話が出てきたように、お茶を飲みながら雑談をしたように記憶いたしております。
○勝澤委員 そこの費用は幾らぐらいかかって、だれがお払いになったのですか。
○藤井参考人 それは富田旅館で調べてみないと記憶がございませんが、ほんとのお茶代だけですから、ものの千円もかかっていないと思います。ほんとのお茶とお菓子だけで、多少お茶代を置いたかどうか記憶ありませんが、実にあっさりしたものでした。また倉地さんとは、幸か不幸か酒席をともにしたこともないのですが、そのときも、お茶だけでまことに失礼なんですが、あと、倉地さん、どうです、ビールでも飲みませんかと言ったところが、いや、自分はちょっとほかに用があるからというので、何時ごろでしたか、もう薄暗くなってからお別れして帰ったような次第です。
○勝澤委員 どちらが払ったのですか。
○藤井参考人 私が払いました。
○勝澤委員 そうしますと、倉地さんからお話があって、では、倉地さんの近くで、あなたの都合のいいそこでお会いした。そうして、いま大きな食い違いが二つありました。一体この違いは、あなたはお許し願いたいという話なんですけれども、あまり違いが大き過ぎるのですよ。二回なり三回なり鹿島の誘惑があったという裏づけがされているじゃありませんか。鹿島の誘惑があった、あなたははねのけた、どれくらいの金額でしょうか、何億という金だ――そこで二、三回やり取りをやっている。そんなにはっきりしていることが、言わなかったという話では、今度は、倉地さんがでっち上げたということになる。証人として出られた倉地さんがでっち上げたということで、これは偽証罪になるわけです。どちらがほんとうなんでしょうね。どうですか、藤井さん。
○藤井参考人 いまのお話で、何回も利益を提供したようなお話がございましたが、一回もございませんから、その点はひとつ誤解のないように願いたいと任じます。
 それから、倉地さんと私との話の食い違いですが、これは倉地さんのお考え、私の考え、それが違うのでございますから、これについては、幾ら議論しても私は果てがないものだと考えております。
○勝澤委員 考えが違うということで私は聞いているのじゃないですよ。事実の問題を聞いているわけですよ。事実問題として、とにかく倉地さんが、あなたから聞いたとこう言っているのですから。何億という金であなたに誘惑があったとあなたが言った、と聞いているのですから。それを考えが違うからという答弁では、私はちょっと納得できませんね。考えが違うのではないのです。考えはみな違うのです。十人十色で、みんな、だれも顔、形が違うわけです。そんなことを私は言っているのじゃないですよ。あなたが話をしたのを倉地さんが聞いたと、こう言っているのです。ですから、それは考えの違いではない。あなたがしたとかしないのということをきっちりもらいたいと思う。もししなかったら、しない話がなぜ倉地さんからこういうふうに書かれておるのかということについてあなたはどう思うかということを、考えが違うという言い方でごまかされては困りますね、それは、はっきりしてください。
○藤井参考人 私は先ほども申しましたように、そういう誘惑を受けたことはございませんし、そういうことを倉地さんに申し上げた記憶はございません。
○勝澤委員 そうしますと、私が先ほど言いました、とにかく九頭竜の入札について総裁選挙で穴が明いているから その穴埋めのためだ、そうして圧力がかかっているんだと、あなたが倉地さんに話をされた。あなたはしないとこう言っている。鹿島から誘惑があった、何億という金で、あった――あなたから聞いたと倉地さんが言っている。あなたは、しないと言う。一体その違いは、今度は逆に言うならば、あなたが、それを間違えられるような発言でもしたとしか考えられないじゃないですか。その点いかがですか。そんな話は全然ないのですか。
○藤井参考人 先ほども申しますように、誘惑された事実もございませんし、私はそういうことをしゃべった記憶はございません。
○勝澤委員 ですから、言ったこともないようなことを倉地さんが文にお書きになったということは、あなたから見たらどうなりますか。
○藤井参考人 倉地さんのおっしゃることは、私には私なりによくわかりません。
○勝澤委員 確かにおもしろいことですね。いずれあなたも証人できっちりしてもらいたいと私は思う。それでなかったら、倉地さん、偽証罪としてこれは問題が発展いたしていきます。倉地さん、どうですか。
○倉地参考人 私もわからないことは、いま私、考えてみますと、その富田旅館のときに、藤井さんが私に書かせるために、ここをアピールするためにうそを言われたのか、いまうそを言っておられるか、どっちかだと思うのです。そう申し上げるほかありません。
○勝澤委員 いま倉地さんは、あなたにこの記事を書かせるためにと、こう言われましたね。あなた、そこでお聞きになった。あなたもやっぱりそういう意向があったのですか、藤井さん。
○藤井参考人 倉地さんがどういう新聞をお持ちになっているか、それも知りませんし、そういう記事を書いてくださいということをお願いした記憶はございません。
○勝澤委員 だって、お会いになったのはどういうわけなんですか。
○藤井参考人 先ほども申しましたように、倉地さんとは前から知り合いの中で、倉地さんから電話がかかってきて、会いたいと、こういうお話であったので、私の事務所ではもう時間がおそいので失礼でありまするが、それなら、あなたの事務所のお近くらしいから、富田旅館でお会いしましょうというので、あそこでどのぐらい時間がありましたか、一時間か一時間半ぐらいも雑談したでしょうか、こういう記憶はございます。
○勝澤委員 倉地さんがどういうお仕事をされているか、あなたは御存じですね。
○藤井参考人 正確には存じませんが、文筆をもって立っておられることは承知しております。
○勝澤委員 倉地さんは、新聞なり雑誌なり発行されているということも御存じですね。そういうことに関係されているということもあなたは御存じですね。
○藤井参考人 どういう新聞をお持ちになって、どういう新聞を御発行になっておるか、これは今日まで存じません。かつてのことは多少知っておりますけれども、いまはその雑誌はおやめになっておるのじゃないかと思います。それほど詳しき倉地さんの私生活については存じ上げておりません。
○勝澤委員 倉地さんは、一番最初お会いになったときに、どういう形でこの九頭竜の話というのは出てきたのですか、倉地さんにお尋ねいたします。
○倉地参考人 私は、実はここにおいでになる田中委員から、藤井さんが、私に会いたがっているということを聞いて、それで私は電話をかけて会ったわけです。そして会ったところが、藤井さんは九頭竜の話以外はされませんでした。だから、電話は私がかけたのですが、私は藤井さんの意向で――藤井さんもなかなか会えぬ人なんです。すっと電話をかけてすぐ会えるような人ではない。それを急遽その日に会ってもらいました。そういうようなことから御判断願いたいと思います。
○勝澤委員 倉地さんは九頭竜の話を聞きたくて、あなたのところに連絡した。あなたはそれについてお会いになった、そして話は九頭竜だ、こういう事実だけは間違いありませんね。藤井さん、いかがですか。
○藤井参考人 お電話をいただいて、富田旅館で会ったことは事実ですが、そのときには主として雑談であったように思いまして、その内容については、私は正確に覚えておりません。
○勝澤委員 しかし、九頭竜の話をされたということは事実ですね。
○藤井参考人 事実であるかどうか、おそらく雑談の中にそれが出たかもしれませんが、それも全然記憶いたしておりません。
○勝澤委員 何か、倉地さん、ここのお話は、メモか何かをとられましたか。
○倉地参考人 紙きれを出して、私はメモをとりました。メモをとらなければ、あれだけの固有名詞は――私も若いときは覚えたかもしれませんが、いま私は暗記できません。
○勝澤委員 メモをとられておるのを藤井さんは御存じですね。
○藤井参考人 そのメモをおとりになったことの記憶もございません。
○勝澤委員 しかし、どうもさっきから話を聞いておりますけれども、藤井さん、もう少しほんとうの話をされたらいかがですか。メモをとっているのを知らなんだというのは、私はあまりにも不見識だと思うのですよ。どうですか。不見識ですよ、それは。
○藤井参考人 不見識かもしれませんが、記憶のないことは記憶はないと申し上げる以外には方法はございません。私も相当な年齢ですから、ものはすぐ忘れてしまいます。私が大体メモをとるくせがないものですから、人がメモをとっておるというようなことまで気をつけてお話ししておりませんから、ごく軽い気持ちで、倉地さんとは年来の知り合いであるために、ほんとうの軽い手持ちでお目にかかったと思います。
○田中(彰)委員 一言だけ……。あのね倉地さん、あなたは新聞に二回書いておられるが、その新聞をあなたは藤井さんの事務所か、あるいはそういうところへ送りましたか。藤井さんの家なり、事務所なり、藤井さんのところにその新聞を送りましたか、送らないのですか。どうですか。その書いたのを藤井さんがごらんになったと思いますか、知らなかったと思いますか、どう思いますか。
○倉地参考人 私は、わかりません。電発へは送っておるのです。だから藤井さんは、先ほどから私がどういう新聞を出しているか知らぬとおっしゃっておるが、実は電発から毎年年度の初めに若干の賛助金をちょうだいしておるわけです。それで私のほうは新聞を送っております。だから電発へは送っておりますが、先生の自宅へは私は送っておりませんので、それを見ていらっしゃるか見ていらっしゃらないかは、私にはわかりません。
○藤井参考人 ちょっと一口……。倉地さんとお目にかかったのは、たしか私が電発をやめてから後だと思います。私は、帳面に書いておりませんから、お目にかかった日も時間も書いておりませんから、記憶はありませんが、私がやめてから何日かたって後だと思います。これはあそこの私の事務所を開いてから後の話ですから、確かにやめてから後の話ですから、その点は、ちょっと先ほどのお話ですが、新聞は、私は拝見をいたしておりません。
○山田(長)委員 関連して、倉地参考人にちょっとお伺いしますが、かつて証人として当委員会に出席をせられて、メモを手帳におとりになったと、こういうお話がありましたが、その期日についてメモに日がありますか。
○倉地参考人 私は、この国会の手帳ですね、これに実はメモをとっておったと思っておりましたから、この前の委員会に持ってこようと思って持ってきたのです。そのときにずっと見たのですが、それは紙きれの間違いだったのです。手帳ではないのです。それは、あのときでも私は申し上げるつもりでおりましたが、それは私の思い違いでしたけれども、メモをとったことは――メモをとらなければ書けません、あれだけの事実は。それははっきりと御判断を願いたいと思います。
○山田(長)委員 ただいま倉地参考人からのお話で、やはり固有名詞等については、メモをとっていたことは事実のように解せられますが、話からこっちも想像できます。そこで藤井参考人は、全然メモをとった事態というものを知らずにおったという記憶のようですが、やはりこうしてたびたび当委員会に出てきますと、当時の事情は事新しく、私は、幾らお忙しい中でもよみがえってくるのではないかと思うのですけれども、全然そのときの事情というものは、さっきの答弁のようにメモをとっていた事態というものについては御記憶がないのですか。
○藤井参考人 メモをとられておったという記憶は、私にはよみがえってまいりません。
○山田(長)委員 その雑談の内容ですね、富田旅館での雑談の内容というものは、一時間ないし一時間半と言われるのですが、雑談にしてもその時間はかなりの時間があったと思われますが、これも全然御記憶がないということではないだろうと思うのです。どんな雑談がかわされましたか。
○藤井参考人 これも倉地さんとは、先ほども申しましたように、長いおつき合いでございますので、よもやまのお話をしたと思いますが、どういう内容の話をしたか、これは要件で……(「そんなことじゃだめじゃないか」と呼ぶ者あり)だめでありましても、事実は事実として申し上げるのですから、お聞き取りを願いたいと思います。私は、そういうことに対して別にものごとを取引とかなんとかの話でないものでございますから、よもやまの話に聞いたと思っております。
○山田(長)委員 倉地参考人の過日のお話等から想像いたしまして、どうもただいまの藤井参考人の答弁では満足できないのでございます。前々回のこの委員会の参考人としての御出席になられたときに、廊下でお二人でかなり激論していたのを私は通りがかりに耳にしました。これは廊下のことですから、倉地参考人と藤井さんがどういう激論をされていたか内容はつぶさに伺うことはできなかったけれども、かなりお二人の論争は激論しておったと私は思います。それで倉地さんから、三百代言的なあれはよしなさいというような激高したことばが漏れていたのを、私はこの部屋から出ていきながら伺ったのですが、この内容は少なくとも電発の総裁だった藤井さんに対しては、倉地さんよほど激高してそういうことばを言われたと思いますが、倉地さんがあのとき御立腹なさっていた内容はどういうところにあったのでしたか。
○倉地参考人 私は新聞人として、自分の書いた記事と全然反対の、しかもうそをあの委員会で言われるから、ここで私は傍聴しておりまして、聞きながら実際憤慨したのです。実際あとで、ちょっとことばを言い過ぎたということで私は反省しておりますけれども、しかし実際ここで憤慨しておったのです。ということはあのときの速記録をごらんになればわかりますが、藤井さんは私とはあまり知らぬような証言をしておられました。しかしいまは長いつき合いをしております、そういうことがありますし、それからいま一つは、最近は会ったことがない、こう言っておられますね。ところがこの間の何か書かれたものでは、とにかく事務所で私に最近会ったことがございますということで、そういう自分の前の、参考人のときのことばをくつがえされております。同時にまた、九頭竜の話は、富田で会ったが、その話は一切しなかったというふうにここに参考人としては言っておられますが、その諸点を考えまして、私は自分が書いたものが、そのことによって全然うそだ、私が全く捏造したということになりますから、私は新聞記者としてそういうことには私の新聞記者生命において憤慨せざるを得なかったわけであります。
 以上でございまます。
○山田(長)委員 これは藤井さんにあながお書きになった新聞を一ぺん見せる必要があると思います。見ているだろうと私は想像しますけれども、見ていないと言うのですから、これを見せれば当時のことがよみがえる一つの資料になると思います。見ていないということは想像できませんけれども、これはやはり見せる必要もあるだろうし、それからどうも藤井さんのさっきからの答弁を伺っておりますと、まるで倉地参考人との意見が違っております。その点お気づきの点があったら、倉地さんからひとつもう一ぺん……。
○倉地参考人 それは私は、もう一度藤井先生のところに送って、もし読んでおらなければ、最初の記事を読んでいただきたいのです。これは藤井さんの苦しい立場に同情して私が書いた記事です。ごらんになればわかります。藤井さんの味方を、全面的にその気持ちでしております。今日はこういう非常に苦しい立場に藤井さんを追い込んだような形になりましたけれども、私のそのときの気持ちは、藤井さんがその気持ちを私に訴えられましたものですから、そのときはまだ鹿島組が落札しておらぬときですから、ところが記事になって出るときには落札がきまったのです。だからこれはたとえ鹿島組に落札しても、この問題だけは書かなければいかぬと私は思うのです。この私のものの考え方でトップでごらんのように書きました。それは一切藤井さんのりっぱな態度というものをたたえて書いているつもりであります。その私が言わないことを言ったと捏造して書くはずがないのであります。
 以上であります。
○山田(長)委員 御両所に話を伺っていると、私が感じますことは、実は私はあまり発言しなかったのですが、藤井参考人の過日のこの委員会における倉地参考人に対するものの考え方というものは、全然そういう新聞記者は存じませんという意味の発言がこの委員会であったのです。その後廊下でお二人の激論があったのを耳にした。私はいま話を伺いますと、これは藤井さんは前からのお知り合いだったということはきょうはよくわかりました。同時に、倉地参考人の過日のこの委員会における証人としての答弁の中に、翼賛会があった当時からのお知り合いであったということを言われました。当時は朝日の記者だったということも言われましたが、それを藤井さんが記憶に残っていない答弁を参考人のときにせられたという事態と総合して、これはずいぶん御年配になられたので、おそらく錯覚したのかあるいは御記憶になかったのか知らぬけれども、きょうの答弁では前から知っておったという話を聞くことができたのです、しかも長い間。どうも黙って聞いておりましたけれども、この点はどうもきょうの答弁の中においても理解されないものがあるのですけれども、雑談で一時間半過ごしたということは、どうも納得がいきませんけれども、よみがえって考えますときに、雑談で一時間半も過ごされたものかどうか、もう一ぺんお答え願いたいと思います。
○藤井参考人 この前最初の参考人のときに倉地さんを全然存じ上げないというふうには申し上げなかったつもりでございますが、しかし速記録にそう載っておるとすれば、それは私の言い間違いでございますから、これは訂正しなければなりませんが、翼賛会時代に倉地さんは私を御存じ願っておったようでございますが、これはまことに失礼なことでございますが、翼賛会時代の記憶は、そう言われれば何ぞそういうようなことがあったなあということがわかってきた程度で、もちろんそう懇意じゃございません。むしろ私が比較的しばしばお目にかかるようになったのは、私が前に電源開発会社の副総裁をやめた当時からのことだと思います。それからはときどきお目にかかるし、また私が何もいたしておりません当時、倉地さんとの間に、これは私のことでございますから、ここで申し上げる必要はありませが、いろいろ御相談にも乗り合ったこともありますが、それほど、家庭的にあるいは個人的に懇意であるというほど親しい間ではございません。それから電源開発会社へ参りましてからは、ときどきお目にかかり、先ほども倉地さんが、電源開発会社へ倉地さんの新聞がいっておる、こういうお話で、ああそうだったのかなと思いますが、私のほうへはその新聞は実は回ってまいりませんので、私は今日まで新聞の名前も存じませんし、拝見いたしたこともございません。もちろん富田旅館で会った後の記事については、不幸にして拝見する機会に恵まれなかったことも事実でございます。そういうような次第で、私はものを忘れっぽいくせに帳面に書いたりいろいろするくせがないものですから、私の記憶というものは、現実にあるものに対しては、大切なことは大体覚えておるつもりでございますけれども、そうでない日常茶飯事については、非常に忘れっぽくなっておりますので、その点はひとつ御了承願いたいと思います。
○山田(長)委員 常識的に判断しても、一時間半の長い間を雑談で過ごされたということは、よほどの知己でなければ、幾ら雑談でも一時間半となりますと、話は尽きてしまうものです。まして当時の電源開発の総裁という立場ですから、その立場の人と話をする段になれば、普通の雑談で話し合ったとしても、この話はどう考えても九頭竜の問題やあの新聞の記事を見まして、そういう問題まで話が及んでおったので長かったろうということは想像できるわけですが、どうぞ新聞等を見て記憶を新たにしていただいて御答弁を願いたいと思います。
○勝澤委員 そこであなたの話と倉地さんの話とまるきり食い違っておるのですが、片方は証人という立場でここで証言をされたわけでありまして、あなたは参考人で気が楽なのかどうかよくわかりませんけれども、ことばの食い違いというのはだいぶあるわけであります。これはぜひ私は確かめたいと思います。そうしなければ、一体どっちがほんとうかということで、これは倉地さんの偽証罪ということも出てくるわけでありますから、やはりきっちりしたいと思います。そこで鹿島を指名をしてくれという要請、指名業者に入れてくれということですね、こういうことは、あなたはどんな人たちに頼まれたのですか。
○藤井参考人 だれからも頼まれておりません。
○勝澤委員 八月二十日の理事会の議事録がここにきておりますが、これを見てみますと、あなたが議長になって、議事が取りさばかれておるわけですね。そうしてこの中で、入札の参加者は次のとおりであるということで、第一工区が間、西松、鹿島、熊谷、前田、第二工区が大成、奥村、熊谷、前田、佐藤、こうきめて、入札参加者の指名は、中地域の需給及びその他の理由上工期を絶対確保する要あるにより、新総裁決定後、早急に、おそくとも九月上旬までにこれを行なうものとす。それから、入札は、競争入札の原則のとおり、自由競争によりこれを行なわしめる。それから請負人は入札価格が当社予定価格に対し適正率(役員会においてこれを決定する)以内の者のうち、最低額の者を選ぶ。以上をもって本日の議事を終了したので、議長は正午閉会をし宣た。そうしてあなたも署名捺印をしてある議事録があるわけです。これが八月二十日の理事会です。入札参加者をきめた。このあとの九月三日に吉田総裁のもとで指名業者を決定した。あなたがきめたとおりこれはきめたということになっておるわけでありますが、ここでどういういきさつかわかりませんけれども、いままでの論議の中で、鹿島、間というのが一つの焦点を浴びているわけです。この鹿島というものを、あなたが、どこからか、何からかの圧力で入れたというふうに私たちも聞いておったのです。それは倉地参考人、あるいはそのほかの意見の中から、質問の中から聞いてみるとそう思うわけですが、これがあなたが自然の形でどこからも圧力もなくきめたと言われると、ちょっとそこにまた疑問があるわけでありますが、その辺、どうでしょう。もう少し詳しく、一体この五つの業者をどういう基準で、どういうことを考えて、どういうふうにあなたは、いつごろからこれが大体あなたの中にきまって、あなたが発意をされて、この八月二十日に参加者としてきまったかという点について説明していただきたいのです。
○藤井参考人 業者の決定につきましては、前回も御説明申し上げましたとおり戦前から、高いダム、いわゆる高堰堤と申しておりますが、そういうダムの建設業者は、大体今度指名した五社に慣例上きまっておるのであります。しかも、電源開発会社の大きな一帯につきまして、その五社はそれぞれりっぱにすべて責任を果たしてきております。そういう関係上、戦前からの慣例並びにその実力を勘案いたしまして五社にきめたのであります。五社にきめますにつきましては、いろいろ事前に研究はいたしてみたのでありますけれども、私は役員会の、それが八月二十日となっておれば、八月二十日のことでございましょうが、その日に、私どもの発意で五社を指名しよう、それから第二工区のほうも、これは地下発電所をやった経験のある業者をすべて指名者に入れようじゃないかということで、そういうふうにしたのであります。別にどこからやりたいというような希望も要請も受けておりません。もちろん業者自身もこういう問題について運動がましいことは――私は運動がましいことはきらいなことをよく知っておるものですから、一つも要請を受けておりませんで、ごくフェアな考えでそういうふうにきまったのでございます。
○勝澤委員 福井県は、地元の業者にやらしてくれという意向を持っておった。それから、その後地元の和泉村あるいは県議会は、御母衣をやらした業者、すなわち間にやらしてくれという希望を持っておった。そうしてそういう陳情なり請願なり、そういうものがあなたのところに出された、こういうことはあったわけですね。
○藤井参考人 それは、いまのような陳情書類等があったとすれば、むしろ私がやめたからではないかと思います。私の場合においては、一度私が福井県にあいさつに行ったときには、県会議員の大ぜいの方とお目にかかりましたが、別にどこそこをやってくれという要求は、自分たちはしない、わざわざそう言われた方が、これは名前は記憶しておりません。そういう御注意があったくらいでございまして、別に地元のものにやらせよとかあるいは間組にやらせよとか、こういうことを私には直接要請をしておりません。私がやめてから後の、もしそういうことがあったとすれば後の問題ではないかと思いますが、これは私にお尋ねになっても答える方法はございません。
○勝澤委員 ちょっと待ってくださいよ。それはおかしいですね。私、ここに電源開発にいろいろ要請が来ているわけです。この間、地元の村長もそれから特別委員長もここに呼んだわけです。呼んだわけで、たとえば九頭竜川電源開発に関する要望書、三十九年二月一日に和泉村は、いろいろこういうことを出しておるのですが、あなたは全然なかったんですか。いかがですか。
○藤井参考人 そういうものが九年の二月に出ておるとすれば出ておったかもしれませんが、私はそれは目を通しておりません。私のところへ持っていって、そういう運動をしたらもうだめになるとでも思ったんですかどうか知りませんが、私は、実はそういうことには耳を傾けないことにしている、フェアな選び方で業者を指定することに、そういう方針を貫いてまいっておりますために、そういうふうな要請は私は受けた記憶はございません。
○勝澤委員 ではよく思い出してください。柳瀬を、入札はあなたがやりましたね。
○藤井参考人 はい。
○勝澤委員 柳瀬の入札で、御承知のとおり鹿島と間と清水が入札指名業者になりました。この三者でやりました。このときに電発の目途額は三十五億、入札をした順序は鹿島は四十五億、問が四十七億、清水が四十七億。そこで四十五億の鹿島を第一順位にきめて、そして三十五億まで十億の差を縮めて三十五億にして鹿島にきめましたね。この入札はあなた、御存じですね。
○藤井参考人 それは私は資料を持っておりませんから、正確な記憶は申し上げられませんが、おそらくそのとおりだと思います。そのときには、おそらく三者に指名をして、一番安い業者に一応落札して、あとは予定価格の範囲内におさめなければならないために、いろいろの交渉を業者といたしまして、値段をまけさせる努力をしたと記憶しております。
○勝澤委員 あなたはいつからやられておるかよくわかりませんけれども、三十六年ごろからの入札を見てみますと、おおむね一発で入札を終わったことがないわけです。むろん一割のロワー・リミットはちゃんと設けております。ですから、予算目途額、ロワー・リミットが下にあって入札はいつもこの上、いいですか、予算目途額はいつもここ、ロワー・リミットはこの下、入札額はいつもこの上――私は、業者が談合したと思いますけれども、談合さしたと思いますけれども、そして、これを近づけてここに落ちている。今度の場合は予算目途額がここ、ロワー・リミットがここ、そして業者がこの中へすぽっと入ってきたわけです。この違いなんです。従来と入札方法の違いはないんです。違いがないにかかわらず、あなたは違いがあるといっているんですよ、ここへ来て。入札方法に違いがあると。私はそこに問題があると思うのです。従来の入札と今度の入札の違いというのは入札の違いではないんです。札がどこに入ったかの違いなんです。かつては十億ですよ。十億の違いがあったのをここへ近づけてきておる。今度は、あなたは、おやめになったといっても、かつての総裁でありますから、電発でよく資料を見ていただいて、この次のときに、柳瀬以下あなたがやった入札について、私はここで証人として聞きますから、きょうのような倉地さんと意見の食い違いがあったことについては重大でありますから、あなたがやった入札と、今度の入札をもっとしっかり確かめてみますから、ぜひひとつこの次に来たとき、記憶違いがあるとか、なにがないとかいうことでなく、あなたが前総裁という立場でいまの電発に資料を全部十分用意させて、あなたがわからなければ、あなたがわかるやめた人でもけっこうですから、ひとつわれわれのほうに申し出てください。それを証人として呼んで――とにかくどうなっておるのかということを、いままでと今度の違いがあるということをあなたが言われたようですから、私は、どんな違いか実はよくわかりません。あなたのことばを聞いても、参考人でおる以上、どうも真実がつかめません。ひとつこの次まで勉強してもらいますように要望して質問いたしません。聞いても、もうあれですから。もし不満があったらどうぞ答弁してください。私はあなたの答弁を封ずることはいたしませんから、自由にあなたから聞きますから。
○藤井参考人 一つだけ申し上げておきますが、従来と今度との違いがあるというのは、従来は、一番安い札のところへ落ちたことと違う、今度はそうでないところが違うということを申し上げたのだと思います。
 それから、私は今度の入札の場合につきましては、どこそこを指名したらよかろうという決議までは私が責任を負いまするが、入札行為以後の問題につきましては、私にお尋ね願いましても、私はそれに対しての意見は差し控えさしてもらいたいと思います。
○勝澤委員 いつも安いところに落ちておった。今度は安くなくて、高いところに落ちた、この違いだとこうあなたは言う。ロワー・リミットというものを設けたら、このとおりに落ちるのは間違いですか。あなたもしろうとじゃない。ロワー・リミットというものを設けてこういう方針でやったら、鹿島に落ちた、佐藤工業に落ちたということは、これは間違いですか。
○藤井参考人 これは、こういう特異な例のあることも、私どもは予想はしたことはございませんけれども、今度はこういう結果になったのだと思います。これに対して、これがいいか悪いか、これは私は批評はいたしません。
○勝澤委員 あなたが入札でロワー・リミットをいつも設けてきた、ロワー・リミットを設けてきた以上、ロワー・リミットの中に入ったものが落ちるというのが、これが入札の常識でしょう。そのいい、悪いは別ですよ、私は言いません。ロワー・リミットを設けたことがいいか悪いかは言いませんよ。しかし、予算の目途額をきめて、ロワー・リミットをきめたら、その中に入ったのが、入札の経過としては、これは今日しかたがないけれども、正しいものとせざるを得ないでしょう。それをあなたが否定されておるのです。だから、あなたはロワー・リミットを設けてきて、一体予算の目途額を設けて、ロワー・リミットを設けた――あなたの言うロワー・リミットとは一体何ですか。もっとしっかり解明してください。
○藤井参考人 私の言うロワー・リミットも、今度の場合のロワー・リミットも、私は同じ性質のものだと思いまするが、私の時代の経験では、ロワー・リミット以下に下がって失格した例がなかったということを、この前申し上げたのだと思います。今度の場合においては、それがたまたま一社しかなかったから、問題は、その一社にきまった。それが、たまたますべての入札価格よりも高かった、こういうことだと思うのですが、この問題についての批判は、私は差し控えたいと思います。私の時代においてやったことについて、これはいろいろ意見があるかもしれませんが、私は、間違っていない、こう確信いたしております。
○勝澤委員 ロワー・リミットを設けたら、ロワー・リミットの中に入るというのを予想して入札さしているんでしょう。予想しない入札があるんですか、いまあなたの発言を聞いていると。いままでロワー・リミットというのは何のためにつくっておったんですか。
○藤井参考人 ロワー・リミットは、ことにダムのような将来にわたって非常に危険をはらんでおるような仕事に対しましては手抜かりなことをやられたんでは禍根を残しますので、それで、これは業者といえどもすべて事業としてやっておるのでございますから、この点まではとにかくがまんをしてもよかろう、それ以上の損をしたのではどこかで手を抜く危険があるということを考えまして、それでダムのような危険なものに対してはロワー・リミットをつくるということに、私のときにはいたしておったのでありまして、これにはそれ相当の理由があってやったことでございます。それで私どものときには幸か不幸かロワー・リミット以下に下がって失格した場合は、もしあったとすれば一件くらいあったかもしれません。それは私は記憶いたしておりません。おりませんが、まずロワー・リミットの上のところでみな入札がきまっておったとこう思います。
○勝澤委員 あなたのときには、あなたが中心になって談合をやらしてきたからそうなったんでしょう。談合をやらしたから予算目途額を一ぱい取らしたんでしょう。私は予算目途額が高いとか高くないとか言いません。ロワー・リミットがないから妥当であるとかないとか言ってないですよ。私はそういうことをあなたに聞いているんじゃないのです。入札の形式を聞いているんです。入札の形式が、予算目途額をつくってロワー・リミットをつくった。だから予算目途額が四十四億九千万が水増しがあるとかないとかいう前提でものを考えるなら、あなたのことばはよくわかります。ロワー・リミットというものをつくって四十四億九千万というものが、その中で政治的に工作されたものだと考えるならば、あなたの言うことはよくわかりますよ。しかし純真にものを考えて、予算目途額をきめてロワー・リミットをきめたんだ、ロワー・リミットの中で入札をしたらそれが残念ながら高かろうが安かろうがそれが入るというのがロワー・リミットの性格でしょうと私は言っているんですよ。落ちたのが不正であるとか高かったとか安かったとかいうことじゃないのですよ。だから、いままであなたも同じことをやりました、私どもはとあなたはこう言っているんです。私はそこが気に食わないのだ。じゃ今度やった人が違うのかと私は言うんですよ。やり方が違うのかというのです。やり方が違うならどこが違うかというとやり方の違いではないのです。入札が中へ入ったかいつも上へ飛び出ていたかの違いでしょう。そうなんでしょう。そうあなたは言われる。そこをしっかり解明してください。そこを解明しなければ――私の時代には予算の見積もりはきっちりやりました、いまの吉田さんの時代には予算が甘くいたしました、だからロワー・リミットに入りました――これはその次の話なんですよ。もしあなたがそういうお答えをしたいと思うならば、次の話なんですよ。私の言っているのはいまの話なんです。私どもはいままでこうやってきたけれども、という話ではない。私どもがやってきたことと吉田総裁がやってきたこととロワー・リミットの性格は同じでしょうと私は言っているのです。違うならどこが違うのですか。もう一回答弁してください。
○藤井参考人 私は談合を慫慂したこともさしたこともございません。この点はもう私ははっきりと申し上げておきます。
 それからやり方につきましては、私は正確なことは今度はタッチしておりませんから――業者をきめるところまではタッチしておりますが、その後の問題はタッチしておりませんから批評する資格はございませんが、先ほど来皆さまの御説明を承り、いろいろの情勢を承ると、大体従来と同じような方法をおとりになったのだというような気がいたしております。
○勝澤委員 あなたの発言はけしからぬですよ。これだけ問題になって、これだけ何回も呼ばれていながら、自分のやったことと今度やったことの相違点なり何なりをあまり知らないという、けしからぬですよ。あなたは一体それで電源開発の前総裁としてよくやってこられた。一体よく何年もつとめられて、よくばく大の退職金をもらって、ぬけぬけとしてここへ来て、言った、言わないの――大きなこんな違いですよ。私は、次の証人て出てもらうまで保留いたします。
○田中(彰)委員 最後にもう一点。
 総裁、あなたがやったときのロワー・リミットはやはりくじを引いたとか、それから一社しか落ちないような、こういうものなんですか。あなたのやったのは、二社でも三社でもロワー・リミットの中に入るのですか。それはどうなんです。
 それからもう一つ、あなたのやられたのは、高いところへ落ちるのですか、低いところへ落ちるのですか、どうなのです。
○藤井参考人 私のときにはロワー・リミットをつくるときにくじを引いたことはございません。
 それから、今度のような場合を私は経験したことがないからわかりませんが、私の場合には、私どもがやった場合におきましては――どもというと、またおしかりをこうむるかもしれませんが、私がやった場合におきましてはロワー・リミット以上のところでみな入札をしまして、そうしてそのうちで最低のところへ入札者がきまったというように記憶いたしております。
○吉田(賢)委員 まだ全然発言していないから、二点ばかり質問したいと思います。
 いま藤井さんと倉地さんの関係につきましてお二人に聞きたかったのですが、つきましてはいわゆる「マスコミ」という新聞の「ナゾの政治献金五億円、九頭竜ダム入札に疑惑」、この新聞を中心に相当問題が展開されてきておるのです。それでお尋ねしたいのですが、この新聞はいつ御発行になりましたか。
○倉地参考人 これは発行をしてから、もうすでに約三年近くなっております。途中で旬刊を週刊にいたしました。
○吉田(賢)委員 そういう意味じゃないのです。最初の創刊を聞いたのではなしに、これ自身を印刷、発行されたのはいつでありますか、こう聞くのです。いずれ昨年のことと思いますが……。見出しは「ナゾの政治献金五億円、九頭竜ダム入札に疑惑」、この記事のある新聞です。
○倉地参考人 それはたしか三十九年の十月十日付だと思います。
○吉田(賢)委員 そこで藤井さんとお会いになりました月日はいつでございますか。
○倉地参考人 たしか、速記録にありますように、九月二十七日だったと思います。
○吉田(賢)委員 昨年の九月二十七日ですか。
○倉地参考人 そうです。
○吉田(賢)委員 そこで藤井さんの説明によりますと、電源開発を退任したのは昨年の八月末、それからこの記事では、藤井さんのほうで「僕はその問題で実は窮地におちいっている。だからちょうど任期も終ろうとしているし、今月末で退陣するのだ」、こういうことになると、八月の記事のようにも思うのですが、これはどちらが正確ですか。
○倉地参考人 それは確かに私は藤井さんの――もう電発にあまり関心を持ってなかったのです。急にそういう話でお会いして、先ほど申し上げましたようにすべて藤井さんから聞いたわけなんですが、それがその裏づけにもなるわけですが、私は藤井さんの任期がいつか、いつやめられるかという話、それはあまり記憶しておりません。
○堀川委員長 吉田さん、午後の参考人もみなあそこへおるのですよ。もう一時になっていますから、困るんだ。
○吉田(賢)委員 それでは、午後からはこの参考人はおらないそうですから、藤井さんにちょっと聞いておきますが、いまの記事、これはやはり個人の名前がたくさん出てくるのですね。たとえば池田首相の総裁選挙にからんでの巨億の借金をしておる、これの穴埋めに使ったのじゃないかという記事とか、それから鹿島建設から数億円の金をやるから九頭竜の仕事をさせてくれというようなことが出ておるのですがね。そこであなたのきょうの御発言とそれから倉地さんの御発言を対照しますると、全く相反することになる。倉地さんはこのような事実を聞いたとおっしゃる。あなたは全然言った覚えはないとおっしゃるのです。そこであなたの立場にしましても、言ったことないのにこんな記事を書かれたとするならば、社会的に著名な人であり、また重要な地位にある人に対する大きな名誉を棄損するような発言をあなたがしたということにもなるわけです、倉地さんのおことばによれば。そうしますと、あなたの社会的地位にかんがみまして、この問題はあなたとして相当対決しなければいかぬじゃないか。あなた自身がそのようなことを言ったことがないのに、言ったことがあるというような記事を書かれた、そうして他人に迷惑をかけた、物議をかもした、こういうことになるわけでありますが、それに対して、たとえば名誉棄損等の法的措置でもとるというような御意思はないのですか。
○藤井参考人 その新聞も読んでおりませんし、また先ほど来お話がありましたように、私がやめてから後にお目にかかったことでございまして、その新聞もだいぶん日がたってから後に出たもののようでございますので、いま私がどういうふうな措置をとるというようなことは目下のところ考えておりません。今後よくこれは研究させていただきまして、私は私の進むべき道をとりたいと思います。
○堀川委員長 この辺でひとつ打ち切りたいと思いますが……。
○吉田(賢)委員 一点だけ、二、三分させてください。
○堀川委員長 午前中はこれでおいてください。
 参考人各位には、委員会の調査に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。
 この際、午後一時十五分まで休憩いたします。
   午後一時二分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時二十七分開議
○堀川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午後の参考人は、委員各位のお手元に配付してあります名簿のとおりでございます。
 それでは、質疑を続行いたします。田中委員。
○田中(彰)委員 いま刑事課長にさっき言った名刺をちょっと借りにいったのだけれども、おられませんから、局長がおいでになっておりますから、この前の委員会において金の授受をした――もしこの工事が自紙になれば、鹿島からとった金を返さなければならぬといったような投書がきておるのです。その投書を読み上げてみたところが、証人に出た和泉村の杉本という村長、それから福井県の県会議員で電気特別委員長をしている笠羽という人が来まして、そういう事実はなかった、この投書の人物もおらない、こういうことで、こちらも投書の事実をやっただけですが、そして私も投書なんというものはいいかげんなものだと思って、事務所へ帰りますと、私は面会をしたいという者がある。それはやはり笠羽の子分関係のある人なんだ。いま刑事課長に名刺をやりましたが、川田という男なんです。それがたずねてきまして、この投書は、私がやったのだ、尾崎一郎という名前の投書は私がやったのだ、あれは事実なんだ、だから私を呼び出してくれれば、私は全部しゃべってしまう。できれば証人に呼び出してもらいたい。証人に呼び出してもらえば、偽論罪になるからしゃべったと言えば済むからということを言ってきまして、ここで申し上げられないような事情を聞いたのです。それでは君、杉本村長と出た君の親分にひとしいような笠羽氏がそういうことはないと言ったじゃないかと言ったところが、それは実は申し上げるつもりで来たのですが、あくる朝の二時までいろいろ口説かれて、そして自由民主党の県連から除名するの何のかんのと口説かれて、結論は、きょうは参考人じゃないか、まあ傷つけないでうまくやってくれと言われて、朝の二時ごろにその話がきまった。私が名刺をあなたのところへ置いていくのだから、あの投書も認めるのだから、これは事実です、こういうことを言ってきましたから、先ほども刑事課長にその名刺を渡して取り調べならするのだ。もう一つ私は聞いた。君は名刺を持ってきたって、君はまた出て知らぬと言えばおしまいじゃないか、いやそれは絶対そういうことは言えないことがある、名前だけは言ってもらわれては困るけれども、まず公団あるいは公社というようなところのりっぱな人に私はこういうことだと言って話した、そのほかに会社の重役三人くらいにもその話をしているのだから、その名前はあなたに言っておきますから、これは言わぬでください、しかし私が呼び出されてうそを言ったら、その人が出てくればその人がちゃんとしゃべることになっている、だからこの投書のこの証人というものはうそでもなければ何でもない、こういうことなんです。そのほかに、家を買った、何を買ったとかいろいろなことを言ってきましたが、そういうことは別にいたしまして、電発及びその他の人々が、あの証人は田中に対するミスなことを言ったものだなあと言ったけれども、ミスじゃございません、事実でございますから……。名刺は課長にやってありますから、私のほうで告発したらお取り調べくだされば、そこからイモづるに手をついていく、私はそういう自信を持っている。
 それから通産大臣に一つお尋ねいたします。どうもあなたと私と、春秋会だからなれ合いのように思われますが、私はこういうことについてはなれ合いはいたしませんから、それだけははっきり申し上げております。
 そこで藤井前総裁を参考人に呼びました。そのときに藤井総裁の任期はたしか八月の二十八日まであったわけです。その十日か十五日くらい前に藤井総裁が、この九頭竜のダムを六年も七年もかかって調査したりいろいろ努力したから、その体験である程度をきめて新総裁に引き継ぎたいというのでやっておると、公益局長から、君はもうやめるのだから九頭竜に対しては関係するな、新総裁にやらしたほうがいい、こう言われた。そこで局長に先ほどただすと、それは自分個人の意思で言ったのじゃなくて、大臣とやめられた次官と、あなたと相談して、これはやはり新総裁にやらしたほうがいいんだ、だからおまえが言えということで言われ、実は藤井さんにそれを申し上げた。また事務次官も藤井さんにやはりそれと同じことを言われた。そこで藤井さんは、そう言われたから、それにあまり関係しないで五社の指名だけをやろうじゃないかと理事会できめて――それも法的な効果でありません、新総裁が今度会議を開いてきめるのでしょう。それだけきめて自分がやめちゃったから、そういうものに関係しなかった。大臣、やはりそういうあれですか。公益局長と事務次官とあなたの間で、もう藤井総裁がやめるのだから、九頭竜は新総裁にまかして藤井総裁にそういうことに口出しさしたり、そういうことに携わりをさせないようにしろというような御命令、御相談、内示、そういうものはあったのですか。
○櫻内国務大臣 突然のお尋ねで私はっきり記憶しませんが、この指名をした後であったか前であったのか知りませんが、後任総裁もきまっておるので、これは入札はあとの総裁がやるのがいいんじゃないかというような報告を受けまして、私その報告を受けたときに、常識的にそれはそうだねと、こう言ったことはあります。
○田中(彰)委員 いや入札じゃないのです。入札はもうやめてから行なったことですから、入札に関係ありません。ただ藤井総裁がまだ八月の二十八日まで任期があるわけです。その間に九頭竜のことについていろいろ自分の意見、事務的なことをやっておったわけです。入札なんかずっとあとなのですから、八月二十八日の十日か十五日くらい前に、あなたと事務次官と公益局長と相談されて、おまえもうじきにやめるのだから、そういうことにあまり携わらないほうがいいということを御相談されて、御内示なり御命令なり公益局長にされたのですかということをお聞きしておる。
○櫻内国務大臣 そういうことはございません。
○田中(彰)委員 それでは公益局長に聞きますが、先ほどあなたがみんなの前で、大臣も事務次官も寄って、そういう意向であったから、私はその意向をあれして藤井総裁に言ったということを言われたのですが、違っておるのですか。
○宮本政府委員 この点は大臣にも御報告申し上げまして、大臣も先ほどおっしゃいましたようにつまり私、先ほど来申し上げておるのは、後任総裁のきまった今日、新総裁の手でおややりいただいたほうがよろしい、そのほうが穏当であるという、いわばきわめて常識的な意味で大臣にも御報告申し上げまして、大臣もよろしいというお話がございましたことは事実でございます。
○田中(彰)委員 私は、大臣のは、入札とかなんかは新しい総裁がきまったのだからそういうものでやらしたほうがいい、ところがあなたがさっき――私は入札を聞いておるのではない、入札をやめた人はできません、理事も事務的にきめただけでやめたから。しかし藤井総裁が請負師の指名とかあるいはいろいろな問題を事務的に処理して、自分が二十八日引き継ぐときに、新総裁に事務的に水の流れるように引き継ぎたい、こう考えてやっておったら、あなたが藤井総裁に、事務次官も――さっき藤井参考人があなたの前で言ったから間違いないでしょう。おまえはもうやめるのだからそういうものに関係しないほうがいい、新総裁の間でやるべきだとあなた言われたから、いま大臣に聞いたら、大臣はそんなことを言った覚えがないと言われる、どうなんだ、間違ったら間違ったでいいですよ。
○宮本政府委員 私は、先ほどお答え申し上げましたように、電発総裁は入札の権限は持っておられます。ただ、先ほど来申し上げておるように、後任総裁も八月四日の閣議できまり、しかも十日くらい前になりまして上司と御相談をした結果、藤井総裁も先ほどおっしゃいましたけれども、水の流れるごとく事務的にやりたいというお答えがございましたけれども、私はいままでの例からいいましても、後任総裁がおきまりになった以上は、もちろんさっきも申し上げましたけれども、後任総裁に藤井総裁の御意向をお伝えするのは御自由ですけれども、入札の形式は後任総裁がおきまりになった以上は、後任総裁の手でおやりになったほうがよろしいでしょうと、さっき申し上げましたように……。
○田中(彰)委員 入札なんかは……。
○堀川委員長 山中君、総理は時間がありませんから……。
○田中(彰)委員 君とそんなこと議論してもしようがない。総理がおいでになっているから……。
 突然総理をお呼びして、時間のないときにむずかしいことを申し上げてもなんですが、実は決算委員会でやっていますのは、いままでやったことのない入札方法、そしてここに出ておりますとおり、もうこれは絶対に鹿島なら鹿島、間なら間、前田なら前田にきめたら、それしか落ちないことになっている。いまのどこを引こうが、間にも落ちない、そして一億三千万ばかりの高いところしか落ちない、向こうもどこを引こうが佐藤にしか落ちない。そしてこのくじを五本つくって、さっと五本引いて、四本を今度は見せないなら見せないで焼いちゃって、そして八五%で鹿島に落ちて、八五%でなくて七〇%でもあるいは九〇%でもこれは鹿島にしか落ちない、向こうはあれしか落ちない。これは総理、なかなかむずかしい問題ですから、いま申し上げてもなんですが、そこでこの結果どうなったかと申しますと、一番下の西松より五億一千二百万高い鹿島に落ちている。そこで藤井前総裁も、通産省の政務次官も来てもらった、村上さんだから、そういうことにも体験があるから、また皆さんから聞いても、西松であろうが、前田であろうが、熊谷であろうが、間であろうが、こちらは、大成であろうが、熊谷であろうが、前田であろうが、奥村であろうが、この入札が落ちたところへ、安く落ちても、この人たちは仕上げる能力とりっぱな技術を持っているから指名業者にしたと言っている。そうしたなら、安いところへ落ちるということは、入札の標準なんです。ところが電発は特に通産大臣から――電発の入札方法というのはこの規程の第十四条にきまっているのです。その入札のほんとうの本筋の入札方法をやめて、これでやったわけですね。そしてこういうことをして、片一方は五億一千二百万高いところへ落ちている。片一方は三億三千三百万高いところへ落ちています。これは競争してやったのなら落ちてもいいです。入札というものは、やはり指名業者を技術的に、信用的に、いままでの体験的に、実質的に、いろいろなことを仕事をさして調べた指名業者ですから、安いところへ落ちるのは当然です。国民もみなそれを希望するわけです。ところが高いところへ落ちている。そしてどこへ入れようと思ってもあとは入らない。だからこの入札方法はおかしいのじゃないか。五億一千二百万も高い。片一方は三億三千万も高いということはおかしい。
 そこで、ここでもう一つ疑問があるのは、こちらの間と熊谷とは、四十億からの仕事で、七百八十万しか違っていません。熊谷と前田では六百万しか違っていません。西松と前田で千八百万しか違いません。こちらも、とにかく大成建設と熊谷とは七百万しか違っていません。前田とは八百五十万しか違っていません。奥村とは五千六百万しか違っていません。これはちょっと違いがありますけれども、あとはみんな業者が相当技術と体験があるから、そう違っておりません。片一方は一億、片一方もとにかくこれだけの大きな違いを出して一億三千六百八十万、その高いところへ落ちているわけです。だからだれもふしぎに思う、おかしいじゃないか、いままでやったことのないことをやっておかしいじゃないかというので、実は調べておるのです。あなたも長い問政治生活をして御存じでしょうが、ああでもない、こうでもなくて、へ理屈を並べて、何らのあれもない。それから会計検査院長にも、初め、この入札方法はどうなんだと言ったところが、いやそれは別に違法じゃないと言う。それから私のほうで調べたら、やはり本筋の入札の規定があるにかかわらず、それを用いないで、特別にいままで用いたことがない方法を用いて、どうなんだというので、いろいろ会計検査院長に言ったところが、会計検査院長は、ここで、この入札はよく調べてみました――あのときはわからなかった、調べてみたら、これは随意契約のなれ合いの入札だ、そこで今度は刑事課長が局長のかわりにおいでくださったから、あなたはこれに対してどうお思いになりますかとだいぶ聞いたら、自分はこういう請負師の談合等の事件を調べた体験がある。いまここで公人としてはいろいろ問題もあるからなんだが、個人の意見を申すならば、これは目途額を、声で知らしたか紙で知らしたか、こう思われる点がある。この入札は私の体験から考えても疑惑のある入札であるということを言われておるのです。決算委員会としては何も強制捜査権を持っているわけではないし、そういうことできまれば、あと電発がいろいろなことをやってくれれば、あやまって、きちっとこんなことがないようにすれば、これでいいんです。ところが、ああでもない、こうでもないと言って、聞くたびに話が違ってきて、いまの公益事業局長と大臣の食い違いみたいなものだ。私はどっちを信ずるかというと、あなたも閣議なんかで御存じでしょうが、悪いことをしたりなんかする腕は大臣はないかもしれぬけれども、正直なことにおいては、私は相当保証できると思う。手腕家でなくても間違いのない男だと思っている。
 そこで、そういう点ですから、私のほうはこれを調べて――しかしきょうあなたがおいでくださったから、今後通産大臣を通じて――こればかりじゃありません。建設省のことでずいぶん問題が出ています。ここに刑事局長がおいでになりますが、某人間を調べたら十四億くらいの金が各建設業者からいっています。それを引っぱろうとしたところが、これは民間人ですから、上のほうにつながれば汚職として引っぱれるけれども、いや、取ったって上が知らぬと言えば――それは十何億も金を集めるんだから相当なものだ。なかなか腹のできた、人の一人くらい殺しても監獄に行かぬくらいの勢力のあるものだから、上にいかない。だから引っぱれない。そこで国税庁がぽっと税金でやったら、今度は国税庁のぼろを握って、ここでも争って、どっちが勝つか負けるか知らぬが、手が届かぬからほうってありますが、こういう事態が各省に起こっている。これですから、ひとつあなたからも通産大臣を通じてそういうところの監督をされることと、また決算委員会が何を取り上げても、強制捜査権や何か持っているのではないですから、あなたが御心配になるようなところに、反省してくれれば、いかないと私は思う。だから、ひとつこれに対する監督を強化してもらいたい。あなたにきょう来ていただいたから、私のほうは実はきょうこれで打ち切ろうと思った。ところが電発内部では、総理大臣が出たから、もうこれで打ち切るんだ、鹿島建設、もうこれで仕事終えたんだ、もう済んだと言っている。きょう委員長に非常に申しわけないが、委員長、あなたは人格者でりっぱな方で、私は信じていますけれども、委員長の息子さんが鹿島建設に出ておって、委員長がやはり顧問みたいなことをやっておられる。そこで、これを調べて打ち切りだとなれば、これはなあなあなんだといって流布されたうわさと同じになるから、私のほうは、幸いにして小委員会をつくっておりますから、小委員会でぽつりぽつり調べますけれども、あなたとの約束、出ていただければもうこれで打ち切っていいんじゃないかという点はちょっと変更いたしましたけれども、そこをひとつあれして、総理からこれに対する御見解を承れば、私はそれでもう質問はいいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 決算委員会の各位が九頭竜川電源開発の入札について御審議をいただき、しかも長い御審議でございます。したがってその間、この事情等はすでに明らかにされたことだと思います。ただいまのお話では、まだどうも釈然としないものがある、こういうようなお話ですが、これはいずれにいたしましても、電源開発自身国の財政のもとにおいて行なう工事であります。こういうものが適法でなければならない、適正でなければならない、これはもう申すまでもないことであります。第一、違法であったり、またこういう工事をめぐって不正が行なわれたり、これは国民に対して相すまないことだ、かように思います。したがいまして、過去におきましても、国の行なう工事につきましては、特に厳正であり、また疑惑を持たれないように注意するのは関係者の当然のことであります。ただいま田中委員から、通産大臣は悪いことをするような人でない、かように大きな太鼓判を押されたようでございます。私は通産大臣を信頼しておりますし、同時にまた、電源開発の幹部諸公も、もちろん違法不正なことは許されない。よく承知いたしております。しかしただいまも御議論がありましたように、何かと疑惑を生んでおる、こういう事柄では皆さん方も約得がいかないだろうと思う。私は、不法あるいは不正、そういうものがあるとは思わないのですが、しかしこの種の事柄は疑惑を残さないように一そう厳正の上にも厳正に取り扱うべきことが当然のことだ、かように思います。したがいまして、さらに御指摘になりました点等について、くふうのできる事柄は一そうくふうしたい。問題は片一方で見積もり予算をつくる連中、それが絶対に漏らさないということだ、これはまず第一の問題だ、そういう意味で、今回も特別に山で作業さしたという、そういうことは言われておりますが、その関係にこれが事前に漏れた、こういうことのないように、一そう部下も信頼しなければならないが、そういう意味の注意を怠らないよう、同時にまた競争入札をして、そうしてそれの開票、またいかなる処置をとるかというような事柄は、これはおそらく公開の席でやられることだろうと思いますが、そういうような処置がとられることによりまして、今後とも一そう疑惑を生じないようにつとめていきたい。これは国民に対する政府の当然の責任だ、かように思います。一言、以上申し上げておきます。
○勝澤委員 総理に時間がありませんので簡単に御質問いたしますが、この九頭竜の入札に対して鹿島建設を入れた、そのことは自民党の総裁選挙で穴があいた。総裁選挙の穴埋めをするために圧力を加えて鹿島を指名業者に入れた。こういうことを藤井総裁から倉地という方が聞いたと新聞に報道され、午前中この場で両者に立ち会っていただきまして、片方は証人でそう発言しました。きょうは藤井さんに聞きましたところ、いや、そういうことを話したことはない、いや、記憶がない。片方は話を聞いたから記事になったのだということで、食い違いはいたしておりますが、とかく土建業者から政治献金が上げられるということについての疑惑は、まだあったかなかったかということについて私たちはまだまだ疑惑が解けないわけであります。そのことは、電源開発株式会社が今日まで入札した経過を見てみますと、柳瀬、七色、小森というところの電発の入札経過が資料として出まして、その一つの例をあげてみますと、たとえば柳瀬は予算の見積もり額が電発は三十五億。入札をした鹿島、間、清水は、三十五億の電発の予算について鹿島は四十五億、間は四十七億、清水は四十七億、十億の開きが電発とあったわけであります。それを見積もり合わせの契約で十億業者がまけて三十億で契約を結んだという経過が実は出ておるわけであります。そこで調べてみますと、電源開発株式会社は予算目途額をきめて、ロワー・リミットという制限ワクをきめておきながら、いままでの入札というものはいつもその上でもって行なわれておった。だからいつも落札ができずに五億なり十億なり差があるところで業者と話し合いでもっておろしてきた、こういうことなのです。こういう経路が実は出ている。これはだれかがどこかで入って談合入札だ、私はこう言いますけれども、藤井総裁はそんなことはない、ないけれどもこれは今後またもっと詳細に調べていきますが、いままではそうだ、いままでは予算目途額よりもいつも上回っておって、上回った業者と予算目途額と話し合いをしておった。今度の場合は予算目途額にロワー・リミットを設けてこの間に入ってしまったわけです。ですからいままでと変わった結果が出たわけです。ですから結果から見ますと、先ほど説明されましたように、制限額が四十一億で鹿島が四十一億三千万、だから世間から見るといままではとにかく上からずっとおろしてきて合わしましたけれども、今度はそれより下の安いほうがまだある。安いのがあるにかかわらず高いほうに仕事をさせるということについては、感情としてはなかなかおかしいじゃないか、なぜ高いほうにやらせるのだ、それも高いほうの中間でなくて一番高いものなのです、両方とも。こういうことの疑惑があるわけであります。この点、やはり高いほうにやらせなければならなかったという経過について、もう少し国民にわかりやすい説明をしなければ、われわれも納得できないと思うのですが、その点についての疑惑にこたえるために総理のお考えをお聞かせ願います。
○佐藤内閣総理大臣 まず第一は、鹿島を指名に入れたということでありますが、そのときどういう事情があったか知りませんが、こういうような大きな工事なら日本の建設業界の大きいところがやはり入るのがこれは筋だろうと思います。したがって、私は鹿島がいまのように総裁選挙にからんでこれを入れたというのは、これは牽強付会の説ではないか。これはむしろ大業者であり当然こういう工事には入ってくるのが普通のことだとかように思います。
 それから第二のロワー・リミットのお話ですが、これはかつて非常に安い値段で入った、そういうのはございますから、やはり工事は適当なところということが必要なのでしょう。しかしこれは技術的なことでございますから、私はそれについてのとやかくのお話はできません。私が鉄道で担当した時分は大体予算額に近いもの、これは上だろうが下だろうが予算額に近いもの、こういうので工事を決定していたように、きわめてわずかな経験だが、それを一つ持っております。ただそれだけでございます。ただいまのような点は技術的なことですから、これは他から説明させましょう。
○勝澤委員 そこで総理もおわかりになろうと思うのですけれども、予算目途額とロワー・リミットがあって、そして今度出た鹿島なりあるいは佐藤工業なりというものが高くて指名になったということについては、感情として、こういう入札がかりに正しいとしても、こういう入札のあり方といいますか、ロワー・リミットのきめ方といいますか、こういうものについてはこれから当然専門屋に研究をしてもらって、こういう問題の起こらないように、あるいは起きたときに十分説明がいかれるようなことをすべきだと思うのですが、その点については総理はどうなのでしょうか。
○佐藤内閣総理大臣 今回の問題で、私、横からいろいろ話を聞いていて、このロワー・リミットをきめるのがいろいろあるのだ、たまたまこの線になったのだ、かような説明を聞いておりますが、そういう事柄がやや誤解を受けておるということではないだろうか。先ほどの田中さんのお話にいたしましても、このきめられた予算額なら予算額そういうものに近いものというならこれは非常にわかりいい、ひょっとして予算額が外へ漏れるかもわからない、こういうところで便宜的に今度は、ロワー・リミットをつくってその間において近いほうのもの、こういうのできめるべきではないか。高いとか安いとかいうことではなしにその線に近いところ、そういう意味できめたのではないか、かように私は思います。
○勝澤委員 最後ですが、いままでの電発の入札、それから今度の入札を見て私は総理にぜひ入札のあり力について通産省なりあるいは建設省なりにもう一回予算目途額というものを正しく設定するために研究をするように指示すべきではなかろうかと思うのですが、いかがですか。
○佐藤内閣総理大臣 勝澤さんも鉄道にいらっしてそういうことについては一家言のおありの方だと思います。先ほども田中委員からもその点についてお話がございました。きょうこう問題が議論になり、いかにも不法であり、また不正である、かような印象を持たれることはまことにまずいことだ、かように思います。ただいまのように、きめ方についていろいろの議論が存する、こういうことであるならば、よく電発並びに監督しております通産省におきましても、そういう入札方法についてさらに考究して疑惑を受けないようにすべきだ、かように思いますので、十分研究させたいと思います。
○山田(長)委員 関連して。ちょっと総理にお伺いいたします。実は昨年この委員会に総理と大蔵大臣に出ていただいたときに、ただいまのような問題ばかりでなしに、科学性のある問題についていまの会計検査院の検査の人員をもってしてはなかなか無理ではないかという御質問をしたことがあるのですが、いまの電源開発のような問題につきましても、大工事で、たいへんな経費を要する問題で、これが会計検査の衝に当たる人たちから今日まで不正問題として摘発をされたことが当委員会で見ておりますと、ないのです。同時に、たとえば原子力発電所であるとかあるいはまた近代装備を要する兵器等の問題につきましても、出ていないのです。それで、予算を組まれるまぎわであったためかわかりませんけれども、会計検査の衝に当たる人たちの専門的な人員を要するものについて、ここで発言をしたときに、これは考慮を払われる意思があったようです。それがことしの予算の面から見ますと、ないようなんです。
○堀川委員長 山田委員、本会議のベルが鳴りましたから、早くやってください。
○山田(長)委員 この点はやはり十分ひとつこれから御検討願いたいと思います。一応その点を申し上げておきます。
○佐藤内閣総理大臣 いま、山田委員の御検討を願いますというお話、会計検査院で最近のような科学技術の進歩に即応するような陣容が、はたしてできるかどうか、これはよく検討してみたい、かように私は思います。ただいまの御意見は、十分検討に値する、かように思います。
○田原委員 いろいろと役員の待遇問題等について議論されておるのですが、次のような資料を至急に整理して、われわれ委員に出してもらいたいと思う。
 すなわち、公社、公団、公庫、事業団及び国がその資本の二分の一以上を出資している法人等の総裁、副総裁、理事長、理事の任期満了に伴う退職手当、報酬、謝礼等の一覧表をつくって提出していただきたい。これはずっと古いのは要りませんが、最近四年間くらいのものを……。
○堀川委員長 かしこまりました。
 本日はこれにて散会いたします。
 次会は公報をもってお知らせいたします。
   午後二時二分散会