第048回国会 体育振興に関する特別委員会 第4号
昭和四十年二月九日(火曜日)
   午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 大石 武一君
   理事 田中 榮一君 理事 田中 正巳君
   理事 田邉 國男君 理事 前田榮之助君
      伊能繁次郎君    海部 俊樹君
      川崎 秀二君    砂田 重民君
      橋本龍太郎君    古井 喜實君
      下平 正一君    只松 祐治君
      栗山 礼行君
 出席政府委員
        文部事務官
        (体育局長)  前田 充明君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (明治神宮権宮
        司)      伊達  巽君
        参  考  人
        (明治神宮外苑
        苑長代理)   伊丹 安広君
        参  考  人
        (日本学生野球
        協会会長)   武田  孟君
        参  考  人
        (東京六大学野
        球連盟理事)  片桐 勝司君
        参  考  人
        (東都大学野球
        連盟理事)   金子 文六君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 体育振興に関する件(明治神宮野球場に関する
 問題)
     ――――◇―――――
○大石委員長 これより会議を開きます。
 体育振興に関する件について調査を行ないます。
 本日は、理事会の協議に基づき、明治神宮外苑野球場に関する問題について、明治神宮並びに学生野球協会側からそれぞれ御意見を承ることにいたしました。
 この際、参考人出席要求の件についておはかりいたします。
 日本学生野球協会会長の武田孟さん、東京六大学野球連盟理事の片桐勝司さん、東都大学野球連盟理事の金子文六さん、並びに明治神宮権宮司伊達巽さん、同外苑苑長代理の伊丹安広さん、以上の五名の方々を参考人として本日御意見を承りたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大石委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これより参考人より御意見を承ることにいたしますが、この際委員長より参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は天候もあしく御多用中のところわざわざ御出席を賜わりまして恐縮に存じます。きょうおいでいただきましたことは、別に余の儀でもございません。数口前のジャーナリズムに、神宮外苑球場のプロ化というような記事が出てまいりまして、われわれも非常に心配いたしておるわけでございます。この委員会は御承知のように国民の体育振興に関する特別委員会でございます。その任務のうち、やはりスポーツの振興ということも重要な一つの仕事でございます。したがいまして、われわれは日本のスポーツが明朗に、健全に発達することを心から願って、そのような方面で働いてまいる所存でございます。このような場合にやはり学生野球というものとプロ野球、要するにアマチュアリズムとプロフェッショナリズムとが混同されるようなことがあっては、ほんとうに国民のスポーツ振興に大きな障害になると思います。ことに明治神宮外苑の神宮球場は学生野球のメッカでございます。したがいましてこの神宮球場がプロフェッショナリズムによってかりにも汚されるようなことがあったならば、やはりこれはスポーツ振興上の重大な障害になると存じます。そのような意味におきまして、国民にそのような誤解を解いて、ほんとうに国民が明治神宮外苑球場に対して正しい理解を持つことが大事ではなかろうか、こう考えまして、その真相を明らかにいたしたいと念願しましてきょうはおいでをいただいたわけでございます。
 そのようなわけでございますので、この委員会は別に皆さま方に詰問したり査問したりするような委員会ではございません。皆さんの御意見を率直に承りたいと思いますので、ひとつおおらかな気持ちで、何のこだわりもなく御意見の御発表を願いたいと思います。
 また、委員諸君におかれましても、恐縮ですが、この委員会はそのような趣旨でございますから、国会にあまりおなれでない方々がおいででございますので、ひとつできるだけ穏やかなもの腰で、穏やかな態度で御質問ありたいことを念願いたします。
 それでは、この委員会の運び方として、委員長の私から総括的に二、三の点についてお伺いをいたして、次いで委員の各位から御質疑を願うという順序で進んでまいりたいと思います。
 では私から、恐縮ですが、明治神宮側と学生野球協会側の方々から、この問題についての率直な御意見をひとつ承りたいと思います。恐縮でございますが、ひとつ簡単にこれに対する弁明でもございませんが、御説明なり御意見がございましたならば、ひとつ御開陳願いたいと思います。
○伊達参考人 私、権宮司の伊達でございまして、外苑の苑長を兼ねておりまする者でございます。
 明治神宮と外苑との関係につきましては、後ほどあらためまして御説明を申し上げる機会があるように存じますから、端的に、ただいま委員長さんの劈頭のごあいさつにございましたアマチュアとプロとの主として野球の関係でございますが、このことについて簡単に御説明を申し上げます。
 学生野球と明治神宮の外苑とは、設立の当初からの緊密な関係がございます。またその後の沿革の途上におきましても、学生野球協会とは深い関係を持っておるのでありますから、この関係はあくまで外苑といたしまして、特に明治神宮として尊重をすることのたてまえでございます。したがいまして学生野球を優先いたしまする方針には変わりはございません。従来また将来に対しましてもかような方針をとっておるのでございまして、今回ある新聞に書かれましたように、外苑のプロ化というようなことはゆめさらないのでございます。あくまで学生その他のアマチュア野球を尊重いたします。ただその一部分をプロに使用させますことに相なったのでありまして、これは学生野球協会の御関係の野球場専門委員あるいはその上にありまする運営委員の会議におきましても十分御相談を申して取りきめてまいっておるのでございます。
 使用の限度から申しますると、八〇%はアマチュアでございまして、二〇%弱がプロの野球に使用いたします。しかもこのプロの野球団に対しましてはあの野球場を専用させることにはいたしておりません。使用権、管理権、その他一切これは明治神宮がすべて掌握いたしておるのでありまして、ただ使いまする約束をいたしまして、使用の間に契約を取り結んで進んでおるような次第であります。
 また、プロがあそこで今日まで試合をしてまいりましたが、このことに関しまして、一部にはいろいろのこともございましたか知りませんが、多くのこれを観賞といいますか、愛好いたしまする人々の間には決して不都合とか不平の声は出ておりませんように私どもは存じております。むしろプロの選手たちもあの球場で試合をすることは非常に心引き締まる思いがして、いろいろな思わしくない問題はいまだかつて起こっておらない実情でございます。
 結論的に申しまして、あくまでアマチュア、特に学生野球を優先的にいたしまして、その余剰の時間をばプロに利用させることにいたしておりますので、この点につきましては外苑がプロ化するというようなことは絶対にございませんから御安心願いたいと存じます。
 はなはだ不十分かもわかりませんが、大体の御説明を申し上げました。
○大石委員長 それでは別に学生野球協会のほうからの御意見がありましたならば……。
○武田参考人 学生野球協会の会長をいたしております武田でございます。
 学生野球協会は、昨年――一昨年の暮れからでございますが、昨年第二球場ができる際に衆議院のほうの文教委員会の方々のごあっせんもありまして、そうして第二球場が国鉄の使用球場になるということでありましたので、これはいかぬからどこまでも学生専用の球場にしてほしいというような、そういう立場からいろいろ各方面からもそれに対して御同情いただきまして、特に神宮側のほうでもそれをいれられて、第二球場は学生専用球場にするというはっきりした御回答をいただいて、その際に文教委員会のほうのお示しになった案に、いままでそういう問題が起こってくるもとに、神宮側のほうでおきめになったあそこの運営並びに管理と申しますか、その最初にできました規約を改正せられたことにあったという私どものほうの主張を取り入れられまして、実際問題として球場使用に関しては球場専門委員というものがおられて、専門委員会でおとりきめになるのが、規約改正がせられて、決議機関から諮問機関へと弱められたことにどうもこの問題があるから、そこで文教委員の方々もこれはいかぬ、もとのように決議機関にせよということで、神宮側もそれを了承されましたので、昨年夏以来、球場専門委員がそういう問題に対して決定せられることに相なりました。なおその委員のメンバーも、前のメンバーでは足りないということから、御指摘になりました各委員の数を補充せられまして、現在の球場専門委員会が成り立っておるわけでございます。
 そこで今度の問題に対しましても、協会側は直接には神宮側からそういう問題を交渉を受ける筋でないので、まだ正式に交渉を受けておりません。球場専門委員会にかかったので、その球場専門委員になっておられる方々が、あるいは東京六大学野球連盟におられる人、東都大学野球連盟におられる人というような方々がおいでになりますから、そこでいまの話が議案として出たのだろうと思いますが、その御相談のときに、関係する所属団体でいろいろ御相談になっておるということを私どもは聞いておりますけれども、直接学生野球協会としてはまだそういう問題に正式にタッチしておりませんので、聞くところによれば、なおそういうことは専門委員会で最終的に決定しておるのではなくていろいろそれらについて検討しておられる。言いかえますると、もし学生野球優先のそういうことが侵されるならば、それはどういうふうにしたらいいかというようなことを皆さんで寄り寄り御検討になって、そしてよい結果が生まれるように努力しておられるということを承っております。そういう段階でありますので、協会自体といたしましてはまだこの問題について正式に申し上げることはちょっとむずかしいということ、それが現状でございますので、そのことだけ申し上げさせていただきます。
○大石委員長 それでは前に戻りましてひとつ御質問申し上げたいと思います。
 明治神宮の伊達さんにお伺いいたしますが、明治神宮と外苑との関連についてひとつ簡単に御説明をお願いします。
○伊達参考人 お答えいたします。
 明治神宮と外苑との御説明を申し上げるわけでございますが、戦後におきまするオール明治神宮の立場と申しましょうか、性格と申しましょうか、このことをまず直接外苑との関係を御説明申し上げまする前提といたしまして御説明申し上げたほうがよかろうか、はなはだ失礼でありますけれども、すでに御承知でございましょうけれども、まだ御承知ない方もお顔ぶれが多くの皆さんの中にはあるやに存じますのでお聞き取りを願いたいと存じます。
 御承知のごとく敗戦の結果、一般神社界に対しましてはアメリカの神道指令が公示せられまして、従来国家との関係、政治との関係をさい然と分離せられることに相なりましたことはっとに御承知でございます。そこで昭和二十年の十二月二十八日に宗教法人令なるものが公示せられまして、この十二月十五日の神道指令の精神に基づきまして法人令が公示せられたわけでございます。さらにその後昭和二十六年の四月三日にこの法人令が宗教法人法にかわりまして、法律によってこれが公布されたわけであります。
 その際に従来の神社の境内、これは宗教一般にわたることでございますけれども、この際は神社、ことに明治神宮と申しておきますから、その辺を御了承願いたいと思うのでありますが、神社の境内地は明治以前の所有にかかりますものは無償でその神社に国から譲渡する、明治以後に国費もしくは公費をもって支弁せられました境内地につきましては時価の半額で譲渡優先を認める、こういうあらましのおきてでございました。明治神宮は御承知のごとく大正四年から九年までかかりましてでき上がりました最近の神社でございます。そこで明治神宮の境内地は法律五十二号によりまして処分せられることでありますので、外苑につきましては、いまの内苑のほうの境内地もそうでありますが、時価の半額で譲渡するということになりましたが、内苑のほうは明治天皇御在世中にあそこは宮内庁の御料地でありまして、明治天皇の御内帯金でまかなわれておるものでありまして、永久に明治神宮に貸与するというお約束になっておりましたから、これは大部分、一部はそうでありませんが、二十二万坪の大部分をば無償で譲渡する、それから境内の一部と外苑は時価の半額で明治神宮に譲渡する、こういうことに相なりまして、これが決定をいたしましたのは昭和二十七年の十二月十六日でございます。そこで私のほうといたしましては約五億五千万円、これは半額に相当いたすのでございますが、これで明治神宮に買い取ることにいたしまして、これはそれぞれの、御承知の陸上競技場は国にお返しいたしましたし、その地上の建物は補償をいただきましたしいろいろいたしましたから差し引き操作はございましたけれども、ともかくも五億五千万円をもって明治神宮に買い取ることにいたしたのであります。しこうして十年賦でもってこれを支払うことにいたしまして、本年で六年、あと四年ございますが、これで完了いたすことに相なっておるのでございます。かような次第でございます。しかしこれが今度明治神宮の直接の管理になりまして、国の管理からは離れてまいりました。国もしくは公共団体から一文も御援助をいただくわけにはまいらない立場になりまして、すべて明治神宮の自力でもって運営管理してまいらなければならない事態に立ち至ったのであります。しかし御承知のように、明治神宮を設立いたしまする当時の事情は、明治天皇の偉大なる御聖徳に対しまして、国民はひとしく尊敬敬慕の念を持って設立いたしまして、内苑と外苑はいずれも一つの境内である、内苑は静かにおしずまりになる静的な境内、外苑はあの絵画館を中心といたしまして、明治天皇の御聖徳を仰ぎつつ、運動ないしは市民いこいの場所、同時に精神、宗教的情操涵養の場として運営することに当初からなっておりますから、いかに明治神宮という宗教法人の所有地、境内地となりまして自足自給のたてまえで管理いたしますにいたしましても、この精神をあくまで守り通していくというのが根本の精神でございます。
 そこで外苑の管理につきましては、非常に苦しいのでございましたけれども、ともかくもこれを守り抜くことがわれわれ当局の責務でございます。したがいまして、なるべく当初の精神を貫いてまいりたいと考えてまいっておるのでありますが、御承知のように、戦時中は非常に荒らされておりまするし、戦後はアメリカ軍の接収するところとなっておりまして、非常に荒廃をいたしてまいったのであります。そこでこれが改修あるいは破損のところを修理いたしますには非常に多額の経費を要するのであります。そこで外苑といたしましては、これが収支のバランスに苦心をいたしてまいりました。なおまた学生野球協会のほうからもこの難局に対しまして同情せられまして協力を惜しまれなかったのでありまするが、ともかくも、今日までかようにまいっておりまして、オリンピックの際も全面的にこれに協力することができたのであります。その他アマチュア野球にいたしましても、相当の度数を提供いたしておりまするし、その他のスポーツ関係におきましても、私のほうはできるだけ社会公共のために寄与貢献をいたしておるのでありまして、一宗教法人といたしまして、スポーツ界に貢献をいたしておりまするのは、はなはだ潜越なことばでありまするけれども、一番大きな寄与をしておるのではなかろうかと自信を持っておるような次第であります。はなはだ僭越なことでありますけれども、この点は十分社会からもまた認められていただくべきでありまして、先般いろいろな点に誤解を生じまして、巷間明治神宮がいかにも不都合を働いているやに考えられ、あるいは商魂たくましく利益を追求して、おるような誤解を招きましたことは、まことに遺憾千万に存じておる次第であります。しかしながら詳しくは数字で……。
○大石委員長 伊達さん、恐縮でございますが、神宮と外苑との関連だけでけっこうであります。
○伊達参考人 そういうようなわけでございまして、神宮とは切っても切れない、内、外制度両面のこれは一環のものでございます。
○大石委員長 次にお伺いいたしますが、はなはだ恐縮なんでありますが、明治神宮の設立、存在の意義等について簡単にお考えをお聞きいたしたいと思います。
○伊達参考人 明治神宮の設立は、これは御承知のごとく、明治天皇さまの偉大なる御聖徳を追慕景仰いたします全国民の熱烈な希望から、あの地に明治神宮が創立せられたものでございます。したがいまして、明治神宮の使命は、広く国民の幸福、平和たる国原の繁栄、さらには世界の親善を期せられました明治天皇の大御心を体しまして、私どもがこれを運営してまいることが最も肝要なことだと存じておりまするし、現にそのように考えて微力ながら努力をいたしております。
○大石委員長 それでは次にもう一つ伺いたいのでありますが、プロ野球に使わせたということは、外苑球場のいろいろな費用の一端をまかなうという御意義かと思いますが、その使用料は球場のみにお使いにたっておりますか、あるいは外苑全体のことにお使いになって、おりますか。
○伊達参考人 簡単に申し上げますと、プロの使用いたしました使用料は、外苑全体の経費――もちろん球場の修理整備にも使用いたしますが、これは外苑の全面的な管理運営に使用いたしております。なお、その他の機関から生じますものも同様でございます。
○大石委員長 それではこれで委員長の質問を終わりまして、次に皆さまの質問に入りたいと思います。前田榮之助君。
○前田(榮)委員 お尋ねいたしますが、外苑の球場使用料、これは六大学野球等学生団体の使用する場合とプロ野球の使用する場合との使用料の関係はどうなっておるのでしょうか。
○伊達参考人 実際のこまかい数字を扱っておりますほうから説明していただきます。
○伊丹参考人 お答えいたします。
 学生の使用料は、三十八年度までは二割でありましたが、昨年から一割に減額いたしております。これは六大学ばかりでなく、東都大学、高等学校すべて学生に関するものは全部一割であります。プロ野球は二割五分であります。
○前田(榮)委員 二割五分と一割ということになりますから、実際の金の額については入場者の関係によるのだと思うので、正確でないと思うのですが、この前文教委員会で、私もいたのでございますが、参りまして、いろいろの事情もお聞かせ願ったわけでございますが、現在、文教委員会で皆さんにお示し申し上げました意向に基づいて運営をされておりますか。何かその点では文教委員会のほうの意向は、どうもいろいろなこれこれの事情があって、そういうわけにいかないということになっておりますか。その点お聞かせ願いたいと思います。
○伊達参考人 一昨年の文教委員会の御助言に基づきまして――この御助言は第二球場設立云々が問題点となっておりましたのでありますけれども、結局その内容は学生野球協会のほうからも委員を出す。それから政府は直接には宗教法人の活動に御関与できない理由もございますけれども、そういう意味でなくして、スポーツに対する御指導を仰ぐというような意味におきまして、体育局長を委員にお加わりを願い、東京都もいろいろな施設に対しまする機構、その他の関係もございまするから、直接私のほうの運営にタッチするという意味ではなくして、御指導の意味におきまして、東京都の副知事を運営委員にお加えいただきました。学生野球協会のほうから四名の委員を増加、そのほかにただいま申しました文部省と東京都からおのおの一名、六名を差し加えまして、そこで十分に話し合いを円満に遂げて遂行するようにということでございましたから、そういうふうに実行いたしてまいりまして、御勧告につきましては忠実にこれを守っておるつもりでございます。
○前田(榮)委員 当時いろいろ問題点もございましたが、私もほとんど忘れておるような状態なんですが、第二球場を増改築する際に産経新聞、フジテレビ、国鉄球団等の代表者のほうからの要求等、あるいはまた金銭上のいろいろな御相談があったのか存じませんが、それらのお話に基づいて、第二球場の増改築を行なわれたと私は思っておるのです。その点新聞社、テレビのほうに条件はつけられておったかどうか、無条件で、ただ費用の関係でいわば純然たる奉仕的な寄付とかいうようなこと等なのか、その点の内容が知りたいのですが、お聞かせ願いたいと思います。
○伊達参考人 第二球場を増改築いたしまする動機は、私のほうがかねて考えておりましたところでございます。ところが経費の問題が相当多額を要しまする関係もございまして、実施に移すことはできなかったのでございますが、ただいまお話のように、産経のほうから資金の肩がわりをしようじゃないかというお話がございました。これは十分契約の面でかたく――私のほうはあくまで公明正大にいたさなければなりませんから、その点につきましては契約を厳重にいたしまして、そうして肩がわりをいたしてもらいましたその利子は払いませんけれども、元金については、収入の一部分をもって返済していく、この年次については一応十年といたしましたけれども、十年で済まないときにはさらに年次を延ばしまして返還をする、こういう約束で、要するに借り入れたことになりますけれども、肩がわりをしていただきました。これが四億五千万でございます。さような次第でただいまの第二球場ができ上がりましたわけでございます。
○前田(榮)委員 当時ブロ野球に関係されておる表面、裏面は別といたしまして、いま申し上げました団体といいますか、それらの援助、意向に基づいてされることが学生側の一つの刺激になったと思うのです。当時その話もありまして、学生側のほうでは第一球場を完全に使わしてくれるなら、第二球場の改修等は必要ない。第二球場へ学生野球をある意味では押し込めるようなことになるからという反対意見が濃厚であったのであります。しかしそういうことの結果になったので、文教委員会のほうでは仲裁案というようなかっこうで四項目にわたる希望を加えて善処方をお願いしたわけであります。いろいろその内容については学生側その他のアマチュア関係の方々から現状に対する不満等は聞かなければなりませんから、このくらいにいたしておきます。
 もう一つお尋ね申し上げたいのは、これはわれわれがこういうことに立ち入って適当であるかどうかということについては、私どもも一つの危惧の念を持っておるのですが、明治神宮は、いまお述べになったとおりの、明治天皇の御聖徳をしのび奉る国民の幸福のためにという、全国民からの奉仕的な行為に基づいてでき上がったのでありますが、戦争のためにに日本のすべての制度が変わりまして、国費を明治神宮という宗教法人の関係で支出できなくなった。したがって荒れ果てた日本の状態の中で、明治神宮は独立採算的に運営することが困難になった。こういうこと等で、外苑の運営についても何らかの収入増加をはからなければいかないという情勢であったと思うのであります。そこで、終戦直後の状態は明治神宮も非常にやりにくかったと思うのですが、最近国民の生活状態もだんだんよくなりまして、参拝者等も非常に増加いたしまして、神宮側もどちらかというとやりよくなったんじゃないかと思うのですが、明治神宮と外苑は一つのものかわかりませんが、明治神宮としての独立採算の上から、外苑がもし独立採算ということになった場合には、外苑は外苑、神社の運営は運営と、かりに二つに分けたといたしますと、どうなんですか。外苑は独立採算はできませんか、その点事情がわかりませんから……。
○伊達参考人 終戦後はまことにみじめな状態になりましたのでありますが、逐次国民の常識を取り戻してまいりまして、だんだんそれに伴いまして明治神官のほうも今日の盛況と申しましょうか、多少よくなってまいりましたことは御同慶に存じます。ただ財政面におきましては、内苑のほうから外苑のほうへみつぐ余裕がございません。したがって特別会計にいたしまして、外苑は外苑の自給自足を一応モットーにいたしております。ところが御承知のように、いかに尊貴な明治神宮でも、たくさんなお参りがあり、たくさんな人が使用すればするほど、これには経費が伴います。清掃その他、それから建物はだんだん腐朽いたししてまいります。その他の施設も、社会一般の文化の度合いが高まりますにつれまして、やはりこれに即応いたしますように保ってまいりませんと明治神宮の体面、御神威にかかわることにもひいてはなりますから、十分これが管理には心を用いますわけであります。したがって、どんなに尊貴なお宮柄でも、資金の道が断たれましては運営ができません。ですから多額に、余分にこれは追求する必要もございませんけれども、ある程度の採算をとっていき、やはりバランスのとれるようには努力をいたすのがわれわれの責任だと思っております。
 そこで外苑のほうにおきましても、いろいろと苦慮いたしまして考えましたけれども、いまの施設を利用いたしますこと、第二球場は実は初めはプロ野球に使うつもりで始めたのでありますけれども、ああいったいきさつもございまして、今日はあの第二球場はプロ野球場には使いませんで、むしろ学生その他の球場に提供することにいたしてはおります。いずれにしても、ほかの方法がどうもございませんので、さしずめあの施設を利用して、そうして学生野球の分量を縮小する。というようなことなしに、スムーズに皆さんが話し合ってうまくやってくださるならば、学生アマチュアのほうの使用にも支障を来たさない、特に夜分でありますと、学生などのほうは多く昼でございます。しかし将来は学生もだんだん使うようになると思いますから、これは十分また必要に応じて便宜をはかりたいと考えておりますし、いまもはかっておます。そういうわけで、学生野球には支障を来たさない範囲の最小限度をプロに使用させまして、そこで財源のカバーをある程度いたすことになっておるのであります。
○前田(榮)委員 ほかの方も御質問があろうと思いますから、私はもう一言お尋ね申し上げたいと思います。
 外苑と神社、つまり神社の内苑と申しますか、その運営を大体において独立採算的に運営されておるようでございますが、外苑のような設備、性格を持っておるものを神社と結びつけて運営されることは、明治神宮設置の経緯から、歴史から見たことでありますから、そのこと自体には反対するものではありませんけれども、外苑のあの広い、国民のレクリエーションの場合にも相当使われるようなものは、私は公園だと思うのです。つまり、公園の性格の非常に強い施設だと私は思うので、これに公費を使うのは当然だと思うのです。そこで、そういうようなことをして、しかし管理その他のほうは、設立された精神もありますから、神宮側の代表者、あるいは都の代表者とか、あるいは文部省の代表者とか、こういうものによって、費用も都も出そうし、文部省も出そうしというようなことで運営するのが私は至当だと思うのです。したがって、ここで経費の点で無理な、時代に即応しないようなことをしなければならぬということがあってはならぬと私は思う。それこそがむしろ明治天皇の御聖徳に反する結果になるので、そういうことをやられるべきではないかと私は思うのです。これはあなた方にすぐ即答せよということは無理かもわかりませんが、ひとつお考えになったらどうかと思うのですが、いかがですか。
○伊達参考人 ただいまのお説に関しましては、私の考えとして、私はすぐにお答えができるのでございます。
 ただいまのおことばの中に、時代に即応しないというお話がございましたが、これは別といたしまして、御承知のようにあの外苑は明治神宮と一体のもとに、明治天皇の聖徳をバックとして、広く社会のために運用していくという初めのスタートでございます。しかも御承知のように日本の神社は、特に神社とスポーツ――いまのことばでスポーツでございますが、運動は古くからつきものでございます。たとえば相撲のごときは、これは今日のような盛大な国技と相なりましたが、これは神社とともに発祥いたしたのであります。また舟こぎ競争あるいは水泳競争、その他マラソンあるいは重量あげ、そういうものは古く神社の祭礼等に行ないまして、そして神社にこれを奉納する、そして若い人たちがたくましい、りっぱな青年になっていくということ、これが氏神さま方々の祈りでございます。祝福でございます。ですから、そういうふうにいたしておりまして、今度のオリンピックのごときは、世界的なギリシアのいにしえに端を発する、これも祭典の産物であります。そういうわけでありますから、神社がスポーツをやるということは、これは日本の神社発展の歴史にかんがみましても、私どもは不自然でないと思うのであります。ただ近代的な形態を持ったというところに往々にして皆さまが不似合いじゃないかというようなお話もございましょうと思いますけれども、明治神宮は、あくまで設立の趣旨を尊重する、御献納の趣旨を尊重いたしまして、あそこはいかようにもして守り抜く決心を持っておりますから、どうぞひとつ……。
○前田(榮)委員 その神社が体育関係と全然関係ないなんということを私は言ったわけじゃないのです。あの近代的な設備を国民に全体的に使わせるには、費用がかかるということです。そこから、独立採算が合うようなやり方ではだめだ、やはり国民が楽にあそこで聖徳を仰ぐようなことができるようにしなければならない。そうするのには、球場だって入場料を取るのであるが、入場料も何も取らぬでやれるものはやらしたらいいじゃないか、こういうことになると、それを神社が負担するわけにはいかぬ。負担することは無理だ。そうすると、やはり国なりあるいは地方自治体なり、こういうものも出して、普通の公園と同じような経営の考え方を実質的にはやるべきじゃないか。そうかといって、設立の最初の経緯があるから、明治神宮と離すわけにはいかない。そこで運営等については、明治神宮も参加をし、都なりあるいは国も合議の上でやるべきじゃないか、そういうように進められるのが至当じゃないか、こういうことなんですよ。その点だけです。
○大石委員長 ちょっと参考人に申し上げますが、答弁が少し長過ぎます。簡潔に要点だけおっしゃってください。
○伊達参考人 そうなると、明治神宮外苑の性格が変わりますし、ただいまのところ私はあそこを、苦しうはございましても、管理していく見通しもございますから、別に変わった制度に切りかえる意向はございません。
○只松委員 関連してお尋ねしますが、いまいろいろお話しになっておりますが、帰するところは財源のようでございます。いま神宮、外苑、それぞれ予算総額は幾らくらいになっておるのか、それからいまの話も今後幾らか増収したいということで話が出ておるわけですが、当初フジテレビその他で予定されたときの増収予定は幾らで――それが一応くずれたわけですが、現在構想されておる増収額というのはどのくらいに見込まれておるか、参考までに聞いておきたいと思います。
○伊丹参考人 お答えいたします。
 三十七年からプロが入りましたので、収入は増加しております。総額は三十七年が、プロの使用料の収入が四千三百万円、三十八年が五千二百万円、それから三十九年が四千二百万円であります。アマチュアは大体一千万円であります。これは使用料、売店すべて入れてでございます。
○只松委員 神宮それから外苑全体の使用料、運営費をお伺いしたいと思います。それからさっき言いましたように、あなたたちの希望どおりになればどの程度増収になるか、そういう見積もりですね。
○伊丹参考人 一年に外苑全体の使用料としまして大体一億九千万円であります。
○只松委員 どうも答弁が要領を得ないようでございますから、いまでなくてもけっこうですから、いま私の質問した範囲で資料を提出していただきたいと思います。
○大石委員長 川崎秀二君。
○川崎(秀)委員 本日は財政の問題を伺おうと思ったのですが、只松君から資料要求で出たわけですけれども、本来ならばおそらく全議員の関心は、神宮、外苑の年間総経費、それから外苑の野球場の収入並びにプロ野球の使用料ということに重点があったと思うのです。それがないとなかなか審議が進まないと思います。次会までにぜひ出していただきたいと思うわけです。
 そこで本日お伺いしたい点は、前田文部省体育局長も見えておるわけですが、これは神宮のことですからあなたもおわかりになると思いますが、いま土地の所有権が国に移っておるのは、外苑の中ではどことどこですか。
○伊達参考人 これは大まかな数字でありますが、今度のオリンピックのありました国立競技場は国に譲りました。これが二万五千坪。それから道路敷は国に返還いたしました、二万五千。これだけは国のほうに返還いたしました。あと十万坪ちょっと切れますが、明治神宮の所有でございます。
○川崎(秀)委員 秩父宮ラグビー場は初めから国のものですか。
○伊達参考人 あれは終戦の当時でございまして、明治神宮の目的使用の外であるから譲渡の範囲から省くということになりまして、あれはずっと国が持ち続けてまいりました。
○川崎(秀)委員 実はこの間、私ども超党派で結成しておるスポーツ議員連盟三十人ほど集まりまして、深刻にこの問題を外部からながめてみた。そこで極端というよりは非常に傾聴すべき意見として、神宮の第一球場を国に譲渡してもらって、この際国立野球場として経営をしていくことが抜本的な解決措置ではないかという、きわめて勇敢な意見が出たわけです。そのことに前田委員の御発言もやや関連があるように、先ほど来拝聴しておったのです。私もでき得るならば、それも一つの根本的な措置だと思っておりますが、事実上は今日までの歴史的沿革からして、これは困難である。現に昭和二十七年に米軍の手から接収をしたときのいきさつからして、われわれも非常に努力をしたわけですけれども、その関係から見まして、いま直ちにそこまでいくのは困難だと思います。しかし、かなり有力な意見として台頭してきておるので、先ほど来お話しのとおり、緑地を整備する。あなたはこの前の文教委員会懇談会、昭和三十八年六月十一日の文教委員との懇談会で、オリンピックが済んだら、緑地にして手を入れたい、しかし、それには費用が五千万円かかるので困っておる、都や国から援助の手もないので、非常に苦しいことを告白されておりまして、私も同情しております。しかし、五千万や一億は国が責任を持てば何でもないことだ。したがって、将来そういうような方向に行く場合もあり得るということをむしろ申し上げておいたほうがよくはないか、こう思っておるわけです。しかし、今日の質問はそういう点ではない。問題の核心は、第一には明治神宮の財政の問題だとは言いながら、プロ野球の援助がなければ野球場というものは成り立っていかないという、今日の悲しむべき状態をいかにして救うかということです。
 そこで、私は事実に即して申し上げますけれども、第二球場を建設する由来からしても、第二球場は学生専門である。しかし、第一球場というものは、元来学生野球のメッカである。これが本拠地であるということは、歴史に徴して明らかであり、われわれが守らなければならないのはその点なので、国鉄に七十試合も貸すということになれば、これがはたしてプロとアマとどちらの本拠地であるかということの感覚は非常に薄れると思います。そういう点について、専門委員会では十分な御議論があったものかどうか、七十試合をもう貸して、そしてこれはアマチュア野球の本拠だということは言い切れるかどうか、明確にお答えを願いたいと思います。
○伊達参考人 先ほどのラグビー場の問題でちょっと申し落としたことがございます。あれは学習院の敷地になっております。
 ただいまの御質問、私のほうは学生野球の春秋のシーズンは、全部完全にとっております。とっておりまして、ということは、シーズンには学生野球のリーグ戦には支障を来たさないように、ちゃんと日にちはカットしてあります。そして、その差しつかえのない範囲内で、シーズンオフとシーズンのときに多少入ってまいりますけれども、これは主としてナイターでございます。ですから、依然として、学生その他アマチュアの野球にはたいした支障――全然ないとは申しません、それはいささかあるかもしれませんけれども、これは微々たるものである。そういう点から、依然として学生のメッカであることの面目は保持してあるということをお答えします。
○川崎(秀)委員 日本には雨も降るのですね。それから天候不良のためにやらないときもある。屋根つき野球場というわけではないですから……。したがって、まず六大学の野球が十分に消化されて、そして東都大学にも一部を貸して、さらに余れば高校野球にも貸してやるというのが学生野球のメッカではないですか。私が言っておるのは、差しつかえがないから貸すという、その精神がむしろ間違いだ。まず、学生野球の日程を豊富にとって、そして夏場くらい、夏は学生野球のシーズンではないですから、そういうときに、夕方からナイターを見せるというのもいいでしょう。しかし、シーズン中にプロ野球の日程が入ってくる。そうして、雨が降れば、そのことによって支障があるというのでは、決してあなたがいまいばって言われたように、学生野球のメッカとしての体面を保持しておるとは言い切れないのです。
 そこで、問題は、雨が降ったり、あるいはいろいろな支障があったときに、余裕のあるやり方をしておるか。新聞紙上を見れば、金曜日だけあけておる。これは非常に危険ですね。これらのスケジュールについてもう少し詳しくお話を願いたい。
○伊丹参考人 いま川崎先生からお話がありましたが、神宮の第一球場の使用日は三月から十一月まであります。このシーズンはその間にきまっておりますが、それと六大学と東都のシーズンはきまっております。第一球場では六大学、東都が優先をしております。これはどこまでも堅持されていくべきものだと私は信じております。大学リーグの春秋の二シーズンを合わせますと、春秋総日数は百二十九日であります。これは十年間の実績であります。このシーズンの中で国鉄の試合は、いま川崎先生おっしゃったように二十四回、昼学生に使い、夜プロが使うということが出ております。昼を学生、夜を国鉄で使用し、その使用するときには六大学連盟なり東都なり、連盟と神宮野球場で使用要領というものができておって、これはかたく守って、ここには少しもトラブルの起こらないような使用要領ができております。残余の五十六試合はシーズン外の使用であります。いまシーズン外にやらしたらいいだろうとおっしゃいますけれども、それが五十六試合であります。なお東映がこのほかに、まだ決定をしておりませんが、十試合が予想されております。プロのシーズン外の使用が六十六日、シーズン中の使用が大体二十四日となっておるわけであります。そうして第一球場の年間の使用は、いまも高等学校ということをおっしゃいましたが、大学のリーグはいま申し上げましたように百二十九日、これは完全に全部とってございます。それから大学選手権がこれ以外に七日、高等学校野球の試合が二十四日、それから大学準公式が二十二日、計百八十二日というものがとれております。そうして大学、高等学校は――プロは一日一試合でありますが、大学衛等学校は二試合もしくは三試合をここで実施するわけであります。そのほかにもアマチュアの社会人野球協会の連盟試合が、これは都市対抗ではありませんが、予選とか全国選抜の大会が三十二日、プロはそのほかに八十二日、合計しまして学生は百八十二日、社会人は三十二日、プロは八十日となっております。
 それからなお第二球場ができまして、先刻来お話がありましたように、これは学生の専用球場であります。ここで大学野球、高等学校野球その他の学生チームが約百八十八日を使うことになっておりますが、このほかにもまだ五十日という余分があります。先刻も第一球場が雨のためとかいろいろおっしゃいますが、これは十分にとれております。六大学の春秋のリーグ戦は、いままでの実績によりますと、大体五十日あれば終了いたします。それが百二十九日とれておるのであります。だから学生野球の優先というものは少しも侵されておらない。また、この御相談をしますときには、各学生の東京六大学、東都大学、高等学校、社会人野球の代表者がみな出られて、満場一致でここで御了解を得たわけであります。
○橋本(龍)委員 関連して。まず第一点、先ほど権宮司の最初の御説明にありました中で、一部の新聞だけが何かプロ化を云々ということを書いておったようだがという御発言がありましたが、あれは御訂正を願いたい。私は大半の新聞に目を通しましたが、大半の新聞が神宮球場のプロ化として新聞記事を書いております。代表としてとりあえず朝日、読売を持ってまいりましたが、それにも書いております。この点はもしそのように御認識になっておるようでありましたら、これは明治神宮側の認識不足だと思いますから御訂正を願いたい。
 第二点は、私は伊丹参考人にお尋ねをしたいと思います。どの新聞にも同じような趣旨のことが載っておりましたが、これは朝日新聞の二月四日の朝刊に載っておる。伊丹神宮外苑長代理の談話として記載されておるものですけれども、いまの御説明とはだいぶ食い違いがあるように思いますので、これを読んでみます。「第二球場を増改築した際、四億五千万円かかった。現在その借財が残っている。だから第一球場を国鉄に貸し、七十試合を消化させ、その収益金で返済する。それに、専門委員会で金曜日は球場手入れ日と決り、アマ、プロにもこの日は球場を使用させないことになった。したがって土、日曜日を使用している六大学と、国鉄のゲームは重なることになり、当然六大学の試合開始時間にしわ寄せが来る。これはやむを得ない。」このようにこの記事は書いております。これがはたして正確かどうか私は存じませんけれども、このような御発言が他の新聞にも記載をされておるところを見れば、少なくとも問題発生のこの三日の日の時点においてはこのような説明をされたものと私は思う。ところがいまここで御説明があった内容からいきますと、全然アマチュア野球には影響がない、六大学、東都六大学には影響がない、学生優先のたてまえは守り抜いておるという御発言ですが、どうも三日の専門委員会の終了後新聞社の方々にお話しになったここと内容に非常に食い違いがあるように思います。また各団体、東都大学あるいは六大学、こうしたところに対して了解を求めて満場一致でという御発言がございましたが、この点は同じく朝日の四日のこの記事に、武田日本学生野球協会会長の談話が出ております。本日参考人として御出席を願っておりますので、この点にも触れてみたいと思います。「私が聞いていたのは土、日曜の使用は一回だけで、延長戦の出来ない場合はあるが、従来と大差ないということだった。こうなるとしわ寄せで東都大学側は日程編成で大変だろう。困ったことだ。」こういう談話が出ております。これは事実か。また、東都大学野球連盟の青木会長の談話としては、「東都大学としては、いままで以上にプロ野球に貸すことは賛成できないということで意見が一致していた。東都側から出た委員は一人だが、六大学側からは五人が出ているし、同じ側と見られる島田前早大総長、鹿野連代表の島岡さんもいる。それなのになぜ反対できなかったのだろうか。」決して東都大学は納得をされておらぬという談話が出ております。なお、これは責任を持って執筆者の名前まで記載されておる記事の中に、同じく朝日の四日付です。この辺に書いてあります。「東都大学は前日の理事会で「これ以上プロの試合を認めるな」と決議し、金子委員がこれを伝えたはず、反映しないところをみると問題にされなかったのだろう。」というふうに記載をされております。その他の新聞、ここにもう一つ参考として持ってきております読売新聞等にも同様の趣旨が載っております。東都大学側がプロ野球の神宮進出絶対反対だと強く主張しておる。また現実に第二球場は東都大学の二、三部リーグ、あるいは高校大会などで一ぱいなので、これ以上六大学のゲームがずれ、プロのためにあるいはまた降雨で日程が延びてずれた場合には東都はますます圧迫される、このような趣旨で各新聞の論調は、私が読んだ限りはまとまっておるように思います。そして日本で国民から少なくともりっぱな新聞だと信頼されておるような新聞がすべてこのような論調なんです。これに対して神宮側の御認識及び先ほどお尋ねしました連盟側の御意見、これと異なっておるかどうか、これとあるいは同趣旨であるか、この一点だけ私はお伺いしたいと思います。
○伊丹参考人 いま、一つの誤解をこうむっておるのは、私は発表するときに専門委員会の意見を全部まとめたのを三ヵ条そのときに御説明したので、ほかの二つは触れませんが、一つの、第一に触れたのは、これは中間発表であるということを私は申し上げております。ただ、これは大学リーグ全体の試合とプロ二十四日の試合と接触するからどうだろうという意見を言ったのですが、これは実施要綱によってやれば何ら支障なくやれる、それは一つはことしからシングルゲームになったということが非常に大きいと思うのです。一日一試合ということ、昼学生がやり、夜プロが一つだけやる。去年までは日曜日はダブルヘッダー、あるいは日曜日でなくてもウィークデーにダブルヘッダーのときがありましたが、ことしからダブルヘッダーでなくシングルになったから非常にしやすくなった、こういう原因が一つあろうと思います。そして学生に支障を来たさないということをお話しいたしまして、実際のスケジュールを先刻申し上げました年間大学リーグの百二十九日というものを申し上げ、その中で実績は大体五十日が六大学、四十五日が東都、これは長い間の、十年間の実績であります。この中にはもちろんアマも否んでおります。そして金曜日を定例日としていただきたいということを申し上げたのは、いままで従業員がほとんど休めないのです。非常に気の毒な思いをしてるので、また夏になりますと高等学校の試合が八時、九時から始まりますので、その前の手入れがたいへんだから何か休養日がほしいというのはことし申し上げたばかりでなくて、三年来あるいはもっと前からいつも専門委員会のときにそのお話をしておったのであって、できましたら金曜日というものを二日休ませていただきたいということを申し上げておったのであります。
 それから、いま申し上げましたが、六大学は大体五十日、東都は四十五日、九十五日、そうしますと余りが三十四日出まして、その中にもし球場整備日をとりましても十八日というものが余ってくるわけでございます。それでありますから、これは長い間のグラウンドの実績、雨天その他の実績から見ましてこれは十分やれると私は信じます。
 それから新聞、これはさきに申し上げましたように新聞の中間発表であったということであります。これは私初めにお断わりしたつもりであります。
 それから、東都のその専門委員会に出られました金子先生が、その前に東都大学の連盟理事会でこれ以上――これ以上というのは去年だと思います。三十九年度以上にプロをこの中に入れてもらいたくないということを決議されたと言われましたが、私たち専門委員の者はそういうことを金子先生から全く伺っておりません。そのことをお断わりしておきます。
○大石委員長 ほかに御返事がありますか。――橋本さん、ほかの方にもお聞きになったようですが、御答弁は……。
○橋本(龍)委員 私は武田日本学生野球協会会長の談話についてもこれが真実であるかどうかをお伺いします。
○武田参考人 その前の晩に電話で朝旧新聞からなにがありましたけれども、そのとき答えました前半は、私どもの承っておった……
○橋本(龍)委員 ちょっと失礼します。新聞記載の記事はあやまちかどうか。
○武田参考人 そのあとの分を説明したい。電話で話をしたときの私の申し上げたことが非常に簡単にお書きになっているから、ちょっとニュアンスが、あれだけ見た瞬間には、私のことばが強過ぎておるのですが、もしそういうことがあれば、それは困ったことだということ、それだけなのです。初めのほうの……。
○橋本(龍)委員 困ったことだという点には変わりないわけなんですね。
○武田参考人 そういうわけです。もしそういう場合が起こればですよ。初め一回だけは聞いているのですから、このことだけはいいのです。あとでまたそういうふうなしわ寄せが来たら、いろいろなことは聞いておりませんから、もしそういうことがあれば、これは困ったことだ、そういう意味です。まだあの段階では、私どもは事実を全然知らないときのお話です。
○橋本(龍)委員 もう一点だけお尋ねします。
 ただいま中間発表というお話がありました。中間発表だと言われる意味は、今後プロ野球側と折衝されて、七十試合全部を了承されたとして、その後に学生野球側、東都なりあるいは六大学なり、あるいは学生野球協会なりと打ち合わせをされた際に、これでは学生野球として困るという御意見が出たならば、国鉄との七十試合の契約は破棄されるのですか、あるいは変更できる余地が残っておりますか。残っておらないなら中間報告ではなしに、これが最終報告であります。最終報告でなしに中間報告だと言われるのなら、今後にもなお国鉄の持ち試合数を減らして、学生野球に譲る余地があるということなのか。その点をお尋ねして、私はこれで終わりにします。
○伊丹参考人 その百二十九日という根本の時期を、とにかく学生に優先をするという線で話し合っただけであって、その中で六大学が何日とるとか、東都が何日とるとか、プロがどうするというような話し合いではありません。
○橋本(龍)委員 私はそういうお尋ねをしておりません。中間報告というお答えを私はいただきました。中間報告ならば、いろいろな状況をこれから調査して、学生野球のほうで、デーゲームあるいはナイトゲームにしろ、七十試合国鉄にとられるのは学生野球として困る――学生野球優先というたてまえからは、学生野球の意見を尊重していただくのが当然でしょうし、学生野球側がなお慎重にこれから相談をされた結果、困るという御意見が出た場合に、国鉄との間の七十試合という試合数を削減することができるのか。
○伊丹参考人 これは学生野球が優先でありますから、学生野球が絶対にこれでは困る、学生野球をするために支障を来たすから、七十試合を減してくれと専門委員から出るのでしたら、これは学生を尊重すべきであって、七十試合というものは減じると思います。それがまた神宮のたてまえでなくちゃならないと思うのです。
○川崎(秀)委員 橋本君の質問にあなたは正直に答えられたので、私がいま質問しようと思ったことと合致するわけですけれども、われわれも伊丹君とは三年ほど違って早稲田の後輩ですから、あなたの顔を見ていろいろきつい質問をするのはいやなのです。けれども、やはり尋ねるべきは尋ねなければならぬ。これは神宮の伊達さんにもお伺いしたいし、それから伊丹さんにもお伺いしたいのですが、やはり神宮球場のあり方ということが一番問題なのです。これは文教委員会の先年の示唆にもあった、またあなた方も同意しておられるように、わが国アマチュア野球の殿堂である、メッカであるということがはっきりした方針として堅持されておれば、プロ野球の都合というものを受け入れて、学生野球に支障がないのだからある程度貸す、こういう考え方はなかなか出てこないと思うのです。まず六大学野球隆盛、さらにはあとに起こった東都大学、最近には首都大学連盟なんというものもできて、大学制の改革のために全国に多数の大学ができておる。そこで私は二つ質問するのですが、日本学生野球の関係者の中に、今日以降もっと神宮を多く利用したい、そしてたとえば従来のしきたりだけではなしに、日本学生野球選手権大会、これはいま各大学のリーグの優勝者だけでやっておるのです。そうでなしに、相撲だってこのごろは部屋別総当たりをやっているのです。大改革をやっているのですよ。それだから日本学生野球選手権大会は各リーグとは別個に、ある時期にトーナメント式で全国から盛り上げて人気をあおるということも考えたらどうだ。アマチュア野球というものは自分らだけがやるので、観客は第二だ、それはその精神です。伊丹さん、私がこれから聞くのは素朴な質問です。いま戦前と比べて六大学野球は他の野球、たとえば高校野球は甲子園で夏はなかなか人気をあおっておる、プロ野球は論外なほど日本の野球ファンの注目の的になっておる、それに比していま六大学は人気ありますか。
○伊丹参考人 私あのグラウンドのできる前から早稲田におりましたし、ずっとあそこに関係をしておりますが、非常に残念ながら観衆は減っております。しかし観衆が減ったから六大学が衰微したとは私は考えておりません。六大学は六大学として学生野球の真髄を貫いていけば、ほんとうにそれに感銘を受ける人さえ来ればそれでかまわないと私は思います。私は現在六大学に関係ありませんけれども、六大学の先輩でもあります。プロ野球は年間セ・パ両リーグを通じますと二千万の人を集めておりますが、これは私は集まる人は大いに集まってけっこうだ、また学生には学生の一つの特色があると思います。ただそうかといって、観衆が全然来なくなっては私は非常にまずいと思います。これは六大学の関係者あるいは学生、野球の関係者皆さんが、どうしてこれが魅力を持つか、また学生が学生の魅力を持てばたとえ技術はまずくても、またそこに非常な魅力を持ってくると考えられておることと思います。またそうしていただきたいと念願しております。
○川崎(秀)委員 その精神には全く賛成であります。われわれも常にアマチュア精神の高揚を唱えておるものですから、観客の多少によってそのリーグが衰微したとかあるいは隆盛に向かったとかいうような判断はできないと思う。しかしでき得るならば学業と並行する範囲内において多くの試合を持ち、人気も獲得するということは、これは非常にいいことじゃないか、そこで国鉄とかあるいはプロ野球からいろいろなことを注文つけられる前に、まず大学野球の隆盛策についてもっと積極的にいまの野球関係者は考えていいと思うのです。旧態依然なのが今日の六大学野球あるいはアマ野球界ではないか。そこにやはり斬新な企画をもって前進をし、同時にあくまでも神宮球場はアマチュアの殿堂として守る、差しつかえのない限りプロに貸すという精神であってもらいたいと思うのです。この考え方はどうですか、一言でいいです。
○伊丹参考人 私はそれは同感で、けっこうなことだと思いまして、皆さん、ここにいらっしゃる国会議員の方、大いに学生野球のために御尽瘁いただくことを、私は野球界の先輩としてもお願いいたします。ただ、私ここで申し上げたいのは、今度のスケジュールを見ましても、学生野球に支障がない、学生優先は少しもぐずれておらないということをこの委員会できめていただいて発表していただきたいと思います。そうしませんと神宮が非常にそれで迷惑しておりますから。
○川崎(秀)委員 考え方が同じであるからここで認めろというわけにはまだいかない。それはプロ野球にかなり侵害されておるからです。あなたはいまいろいろな経緯を通じて学生野球と神宮とプロ野球と三者の関係に腐心していることも私はよく知っている。しかし毎日会っているとだんだん情にほだされて、産経から四億五千万円の球場改築費をもらったから、したがって去年よりもふやして、やろうというような情が移るのは、毎日会っていると――そこに問題点があったので、私はやはり五十六試合のシーズンオフ以外のものは、夜といえども認めないのがアマチュア野球の神聖を厳守する第一の道だと思っている。そこでいま非常に肝心な質問があった。世論がもし抗議して、シーズン中のプロ野球のナイターは、ナイターといえども好ましくない。現にいま、神宮だからやらないだろうけれども、ときにはルールの解釈、あるいは審判の判定からして、あそこで非常なもんちゃくが起こるかもわからぬ。翌日は神聖なる早慶野球戦、早明戦というのをやっているのに、前の日は紙に火をつけて燃やしたというようなことが、神宮球場でそういうことが起こらないとははかり知れない。そういうようなことも考えて、やはりシーズン中はプロ野球には貸さないのだというような考え方を持つのが今後のあなた方の立場ではないか。そして財政上苦しいところは他に財源を求める。これは前田君などもよく聞いていただきたいのだが、スポーツ振興財団にとにかくオリンピックの金が十一億ほど残って、そして日本武道館などに二億円もやっておる。こんなに学生野球が困っているということを知っているなら、一億くらいあなたのほうにやりたかったですよ、ほんとうの話。われわれは裏幕を知っているし、現に相当進言もし、そういうふうになっておったのですが、他にも財源があります。国も場合によっては、それは宗教法人に金を出すというわけにはいかぬでしょうけれども、何らかの方法において責任を持つように政界の空気も高めたいと私は思っておりますから、そういう考え方に私は徹底してもらいたいと思うのですが、スケジュールはまだ変更する余地はありますか。間違いありませんか。
○伊丹参考人 それは専門委員会で決定したことであって、プロは年間を通じてのスケジュール発表であります。そのときに学生優先は少しもくずれておらないというたてまえのもとで、シーズン中の二十四試合も全部認めたのでありますから……。
○川崎(秀)委員 先ほどの橋本君のあれは、そういう専門委員会の気持ちが変わればスケジュールは変更する余地があるのだ、それは中間報告だとあなたはさっき答弁した。
○大石委員長 伊丹参考人、委員長の許可を得てから……。
○伊丹参考人 非常にそれはむずかしいことだと思います。専門委員が一ぺんちゃんと満場一致できめたことを……
○川崎(秀)委員 せっかくこれは先ほど橋本君が言質らしいところまでいったことが、逆戻りし始めたので橋本君に譲ります。
○橋本(龍)委員 先ほど私がお尋ねしたときには変更の余地があるというお話だった。いまは何かなさそうなお話でした。それでは私はもう一度あらためて新聞記事を参考にしてお尋ねをいたします。
 この記事によれば、私が持ってきたのは、これは朝日と読売二つですが、そのほかの新聞にも必ず掲載をされておった御意見として、一つの例をあげれば東都大学の野球連盟会長である青木先生の談話は、われわれはこれ以上職業野球に神宮球場を使わせたくないということで一致している、反対をしているという御意見がどこにおいても全部出ております。その取り扱いの大小こそあれ、どの御意見にもそれはあった。あらためて私はもう一度、これは朝日の分を読み直します。「東都大学としては、いままで以上にプロ野球に貸すことは賛成できないということで意見が一致していた。」と明瞭にここに書かれております。「東都側から出た委員は一人だが、六大学側からは五人が出ているし、同じ側と見られる島田前早大総長、高野連代表の島岡さんもいる。それなのになぜ反対できなかったのだろうか」と。明瞭に新聞には書かれています。その他の新聞にも同じような趣旨のことが書かれています。各紙の取り扱いを見ていただいても反対があることは明瞭なんです。私は第三者として見させていただきましたが、私どもも運動部に籍を置いて学生生活を送ってきた一員です。競技こそ異なれ、同じ学生運動の一つである学生野球というものに対して関心は当然持っております。そしてその学生野球の関係者の、しかも重要な一員である東都大学野球連盟の会長さんからこうした御発言が現実に出ている。そうしてそれを土台にして先ほど私はあなたにお尋ねをし、あなたはこれは中間報告なのだからいまでもなおかつ取り消しはできるというお答えを私にされたのです。いま川崎先生に対してのお答えはどうやらそうではないという。聞く者にとってこれはたいへん奇異な感じを与えます。どちらがほんとうなのか。もしこれが中間報告ではなしに専門委員会で一たん決定をしたのだからむずかしい、変更はできないという御返事ならば、私は日をあらためてもっと詳しくお尋ねをいたします。しかし先ほど私に賜わった御答弁がほんとうだということなら私はそれでけっこうです。もう一回いまの川崎先生のお尋ねに対するお答えと、私に対するお答えとの食い違いの点をはっきりさせていただきたい。
○伊丹参考人 私、ことばの使い方が非常にあいまいだった点をおわびいたします。橋本さんからいまお話がありたのですが、橋本さんは一ぺん決定した、一ぺん言ったんだからというふうにお話がありますが、私は川崎先生にお話ししたのは、非常にむずかしい問題だ、一ぺん専門委員会できまって、きめてしまった、しかもそのとき全員が全部賛成されて、これならけっこうだといってきめたことを、いまさら変えるのは非常にむずかしいと言われます。しかしまたきょうの国会でのこのお話がありましたので、専門委員がどうしてもこれでは困ると言われるのだったら、やはりこれはもし学生優先の考え方がくずれるのでしたら、私はこれは変更せざるを得ないと思います。
 それからいま金子先生――でなく東都大学野球連盟の青木会長が前日に云々とこう言われましたが、東都大学のことはお話になく、金子先生もその翌日の委員会で全部お認めになったのであります。それを申し添えておきます。
○橋本(龍)委員 その点、いまの金子委員に対する御発言は私も納得をいたします。同じ朝日新聞の二月五日には金子委員の御発言として、「私がどうして賛成したかということをいまいうと、いろいろと誤解を生ずる恐れがある。したがってその件についてはいえない。しかし、いずれ機会が出来れば、どうして賛成したかということ、その他のことは全部話すつもりだ。」と記載をされております。ですから私もいまあらためて質問をいたしました際には、金子委員の御発言ということは何も申しておりません。私が問題として取り上げたのは、東都大学野球連盟の会長としての青木先生が、各新聞社の質問に対して答えられておることについて問題にしたのです。この点は明確にしていただきます。
 それと同時にこれは私、関連で質問させていただいておりますのですから、これに対してお答えはいただかなくてけっこうですが、一つだけ申し添えておきたい。専門委員会はどれほど権威がある委員会か、私は残念ながら関係はございませんから存じません。しかし新聞は、またマスコミは、国民の世論と背景にその記事を書いております。また新聞社としてあるいはマスコミ関係者としておのおのの良心に基づいて意見を述べております。その意見に基づいて書かれた記事、あるいは発表されたものは、あなた方の御決定に対してたいへん不満であり、同時に相当強い不信感を持ち、できるものならばいまからでも改めて、明治神宮の野球揚というものを学生スポーツの殿堂として残してもらいたいという気持ちを非常に明確にあらわしています。あなたは先ほどから神宮球場の学生優先の原則はくつがえされておらないという御発言をたびたびされました。しかもなお、専門委員としてお出になった方の御意見はいざ知らず、連盟会長としての責任で発言をしておられる青木先生の談話は、専門委員会の御決定に対して不満の意を表しております。私は、おそらくこの御意見が東都大学の方々の真意をあらわしておるものだろうと思いますし、先ほど日本学生野球協会の会長としての武田先生の御発言も、困ったことだという表現を使っておられました。私は、関係者の方々がこうしたマスコミが代表してあらわしておる国民の声をよく参考にし、今後の御方針をおきめ願いたいと思います。
○川崎(秀)委員 それではもう一、二問だけ伺って私も終わります。
 きょうは最初の日でもあり、また今度は文部省も呼んでいろいろお話があるそうでございます。きょう御列席の金子文六さんにちょっとお尋ねをいたしますが、今度のスケジュールの問題について、東都大学の野球連盟の理事をされておるわけですが、東都大学側としては全然不満はないのでありますか。
○金子参考人 ただいまの御質問でございますが、この点につきましては、東都大学としては不満であるということはいなめない事実でございます。と申しますのは、国鉄が七十試合全試合を第一球場で消化することになりますと、現在六大学と協議中でございますので、その詳しいことを申し上げることは、協会の武田会長と話し合いがしてございますので、申しかねるのでございますが、いずれにいたしましても、東都大学としては従来どおり第一球場において試合を運営することができないであろうということになってまいっております。この点のみをとらえますと、確かに国鉄プロの進出によりまして学生野球がある程度の圧迫を受けるという結果になることは否定できないのでございます。しかし、六大学を私どもは兄貴だと申しております。兄貴が弟のことをこの際心配してくれるということで、目下協議中でございます。
○川崎(秀)委員 伊丹さんじゃなしに、片桐勝司さん、東京大大学野球連盟の理事をされておりますし、ただいま非常に穏やかな話ではございましたが、金子さんから、東都大学としては不満である、しかしまあ六大学は兄貴分なので、いま折衝しておるのだ、いろいろ導いてくれて感謝しておるという、非常に穏やかな表現ではありますが、内容はきわめて重要なお話であります。そこで六大学としては、この東都大学の立場をも十分考慮してこれから折衝されるつもりであるか。実は伊丹君は、もう、一ぺん決定したのだからなかなか変えるのはむずかしい、けれども、全員一致ではあるけれども、東都大学との関係もあっていろいろ折衝するというなら、まだ余地は残されておるように思う――なかなかこの委員会、タイミングのいい日にやったわけです。そこで片桐さん、どうですか。十分お話を聞いて、その意をもくみつつ解決しようと考えておるのかどうか、これだけ伺って、私の質問を終わります。
○片桐参考人 私は六大学の理事であり、それから球場専門委員もやっております。まず申し上げたいのは、さきに伊丹さんが言ったブロの七十試合ないし八十試合というのは、専門委員会では決定しておりません。専門委員会でもって決定しておるのは春のシーズンだけで、われわれの学生野球のほうのシーズンに五回、十五日、これをどうするか、それはナイターでもってやるのだからまあいいだろうということだけだったと思います。ですから、新聞記事を見て、われわれはちょっと伊丹さんの勇み足じゃないかと思いました。
 それからもう一つ申し上げますと、六大学は、あの球場は歴史的にいろいろな関係がありまして、皆さん御存じのように優先しておるのですが、第二球場をプロ専用球場にするというのを学生野球専用球場にするということに変更になりましたので、もし少しぐらいの不便ならば一緒の日にやることも認めても、これで円満におさまるならばと言って、六大学の犠牲において――まあ犠牲といいましても、これは時間を三十分繰り上げるとかということでもって円満にできるならばということによって解決したのであります。ですから、全日程はまだわれわれ専門委員のところに出ておりませんから、また川崎先生のおっしゃるようなことも――まあわかりませんが。
○川崎(秀)委員 うんと聞きたいけれども、なかなかいい話も出てきたので、これ以上またつついてやぶへびでも困る。大体今度はいい方向に行きつつあると思いますので、当委員会としては別に学生野球の内部にわたってそう干渉するわけではない。ただ世論が非常に学生野球の殿堂を守れというほうはいたる機運になってきておるので、これは国民世論として見のがすことはできない。これは衆議院の文教委員会で前にやっておったのですが、幸い名委員長のもとに体育振興に関する特別委員会ができたわけですから、この委員会が引き続き六大学側あるいは東都大学側との折衝、専門委員会の最終に至る経緯をながめつつ御審議をいただくことにして、私はこれで質問を終わります。
○大石委員長 では、他に御発言もないようでございますから、ただいまの川崎委員の発言を了として、本日の質疑はこれで終了いたしたいと思います。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 参考人各位には、御多用のところわざわざ御出席を賜わりまして、委員会の審議を進めさしていただきましたことを感謝いたします。いろいろと問題もまだ解決したわけではございませんので、さらに今後ともこの問題について委員会を開くこともあると思います。恐縮でございますが、その際にはまたお出ましを願うことと思いますので、その点御了承をお願いする次第でございます。
 なお、発言の途中で多少きついことばもありましたかもしれませんが、それは他意ないのでございますから、その点は十分に御了承願いたいと思います。
 本日はまことに御苦労さまでございました。
 次会は十一日午後二時より委員会を開き、河野国務大臣並びに文部省、厚生省当局から体育に関する重点施策の説明を聴取することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十八分散分