第048回国会 地方行政委員会 第20号
昭和四十年三月二十三日(火曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 中馬 辰猪君
   理事 亀山 孝一君 理事 久保田円次君
   理事 中島 茂喜君 理事 藤田 義光君
   理事 佐野 憲治君 理事 安井 吉典君
      奥野 誠亮君    亀岡 高夫君
      島村 一郎君    武市 泰信君
      登坂重次郎君    村山 達雄君
      森下 元晴君    森田重次郎君
      山崎  巖君    秋山 徳雄君
      重盛 寿治君    華山 親義君
      細谷 治嘉君    門司  亮君
      吉田 賢一君
 出席政府委員
        自治政務次官  高橋 禎一君
        自治事務官
        (行政局長)  佐久間 彊君
 委員外の出席者
        自治事務官
        (選挙局管理課
        長)      小池 昌雄君
        専  門  員 越村安太郎君
    ―――――――――――――
三月二十二日
 地方交付税の税率引き上げに関する請願(大坪
 保雄君紹介)(第一七九八号)
 同(三池信君紹介)(第一七九九号)
 同外一件(山村新治郎君紹介)(第二〇一七
 号)
 同外三件(渡辺栄一君紹介)(第二〇一八号)
 地方公営企業の確立に関する請願(小林進君紹
 介)(第一八〇七号)
 同(阪上安太郎君紹介)(第一八〇八号)
 同(沢田政治君紹介)(第一八四一号)
 同(田中武夫君紹介)(第一八五七号)
 地方公営企業の財政確立等に関する請願(佐野
 憲治君紹介)(第一八四〇号)
 ろうあ者の自動車運転免許受験資格取得に関す
 る請願(櫻内義雄君紹介)(第一八五六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 市町村の合併の特例に関する法律案(内閣提出
 第四一号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
○中馬委員長 これより会議を開きます。
 市町村の合併の特例に関する法律案を議題とし、質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。奥野誠亮君。
○奥野委員 市町村合併の問題につきましては、合併の時期を失した団体がありましたり、あるいは当初の規模よりももう一回り大きな規模に合併をしておいたほうがよかったのではないかというような団体もあったりいたしたわけでありますけれども、合併をする結果は、地方交付税交付金が減額になってきたり、あるいは議員定数が減ってきたりするので、なかなか踏み切れないというような状態もあった際でありますので、今回のこの政府提案の立法はたいへん時宜を得たものである、かように考えているのでございます。一般的には市町村合併で相当な混乱も経過している際でありますので、再びそのような混乱状態を招くことを好まないと考える向きもあるわけでありますけれども、やはり手直しすべきものは手直しをして行政運営の万全を期し、住民の福祉を積極的にはかっていかなければならないと考えるものでございますので、従来のような大がかりな勧奨は避けるべきでありましょうけれども、必要な手直しはこれを勧奨するにやぶさかであってはならない、かように考えておるのでありますが、その点についての当局の考えをただしておきたいと思います。
○高橋(禎)政府委員 私どものほうで考えておりますところも、いま奥野委員のお話にございました趣旨と一致いたしておるわけでございまして、やはり最近において市町村の広域化ということが新しい事情変化によって起こってまいっておることも事実だと思うのであります。これまでは合併することができなかった財政的な、ないしは気持ちの上での事情があったものが、いろいろ経済的、社会的その他の変化によって合併をしなければならない必要性の起こっておるものがあって、しかも地域住民がその合併を望み、その決意をいたしたというようなときには、やはり政府側としても、その地域住民の意思が円滑に実現してまいるような、いわば便宜と申しましょうか、いろいろの障害を除去していく方策を講じなければならない、このように考えましてこの法案を提出いたしておる、こういう趣旨であります。
○奥野委員 昭和二十八年に町村合併促進法が制定されました当時、町村の適正な規模は人口八千だというような考え方が公にされておったように記憶いたしておるのでございます。自来十二年を経過しているわけでございますけれども、道路の整備でありますとか、自動車の発達でありますとか、ラジオ、テレビの普及でありますとか、そういうようなもろもろの問題は全く当時予想されなかったくらいに大きな変化を示してまいってきている、かように考えておるものでございます。通信でありますとか、交通でありますとか、その他いろいろな発展を顧みますと、かりに人口で規模を示す場合でありましても、八千というのはちょっと小さ過ぎたのじゃないだろうかという考えを持たざるを得ないのでございまして、ある程度大きくなりませんと、現在の科学の発達に相応したもろもろの施設を整えることもかなり困難でございます。やはり町村は、道路工事一つ考えましても、ブルドーザーの一台や二台は持つべきだろうと考えますし、また下水その他の問題を考えますと、相当な都市計画の技術者も持っておるべきではだかろうか、こういうように考えられるわけでございます。もとより人口だけで町村の規模を云々することは妥当ではございませんけれども、昭和二十八年当時人口八千ということが町村の標準規模とされたことは、いまから見ますと適切ではなかった、かように言わざるを得ないと思うのであります。やはり標準的な町村の規模はどれくらいであるかということは、人口だけでないにいたしましても、示されていってしかるべきではなかろうか。もちろん、それによって維持される施設をまず掲げられなければならないと思うわけでございます。しかしながら、その施設を維持するためにはどの程度の規模を必要とするのかということが明らかにされることが、町村合併につきましても一つのめどを与えることになるのではないか、かように考えるものでございます。十二年前に示された規模が適正でないと思いますだけに、私は、やはり新しい感覚のもとでの標準的な規模をお示しになってしかるべきではなかろうか、かように考えているものでございます。そのような研究をされ、そしてまたその成果を示される意思があるかどうか、お伺いしておきたいと思います。
○佐久間政府委員 昭和二十八年に町村合併促進法が制定されましたときには、お話のように人口八千というのを一つの基準といたしまして、それ未満の弱小町村を解消するという目的で三カ年計画を立てて実行をいたしたのでございます。当時人口八千という数字を考えましたのは、御承知のように地方行政調査委員会議の勧告等によるのでございますが、地方行政調査委員会議で人口八千というものを想定いたしました基礎といたしましては、町村であるならば、少なくとも新制中学校一校は能率的に維持管理ができなくてはならぬといったような事柄、そのほか町村の職員の最も経済的な配置をするにはどうしたらいいかとか、あるいは消防団として最小限度の施設を持つにはどの程度の規模がいいか等々いろいろ検討はいたしたわけでありますが、やはり一番中心に念頭に置きましたのは新制中学校であったと記憶をいたしておるのでございます。
 その後、御指摘のように十数年たちまして、今日におきましては町村の担当いたしておりまする仕事の分野もさらに高度化してまいっておりまして、御指摘のように道路整備でございまするとか、あるいは水道、下水等の環境衛生施設の整備でございまするとか、保育所等の新設でございまするとか、いろいろなものが町村として住民のために行なっていかなければならないというふうに期待されることになってまいっておるのでございます。そういたしますると、人口八千という規模では十分でないということは私どもも同感に存じておるのでございます。しからばどのくらいの規模がいいかということでございまするが、これは地形あるいは社会的、経済的な諸条件等から考えまして一律には申せないのじゃなかろうか。もちろん、私ども一つの研究テーマといたしましては、たとえば下水なら下水を持つ場合には、どの程度の規模であるならば近代的な科学的な下水処理施設が持てるかというようなことも検討をしてまいりたいと思っておりまするが、指導といたしまして、人口を基準にいたしましてどの程度の規模がいいかということは画一的に申すわけにはいかないのではなかろうかと考えておるわけでございます。
 町村合併促進法におきましても、第三条では「おおむね八千人以上の住民を有するのを標準とし、地勢、人口密度、経済事情その他の事情に照らし、行政能率を最も高くし、住民の福祉を増進するようにその規模をできる限り増大し、これによってその適正化を図るように相互に協力しなければならない。」こういうふうにうたっておりまするが、この御趣旨は今日におきましてもやはり当てはまるのじゃなかろうか。昭和二十八年から三カ年計画として実施いたしましたのは、その最低規模である八千未満のものは少なくともなくしようということでいたしたわけでございまするので、その他の行政能率を高くして住民の福祉を増進するためにさらに大きくするというこの趣旨に沿うて、しかも地勢、人口密度、経済事情その他の条件に照らして適正な規模を具体的に判断をしていくべきではなかろうか。したがいまして、今回人口どのくらいというようなことを示して指導するつもりはございませんけれども、御指摘のように八千では小さ過ぎるのではなかろうか。どのくらいがいいかは個々具体的にそれぞれ判断をすべきものではなかろうか。もちろん、参考として私どもがいろいろな施設に照らしてどの程度の規模がいいかということの研究はしてまいるべきものと、かように考えておるわけでございます。
○久保田(円)委員 奥野委員の質問に関連しまして御質問を申し上げたいと思うのですが、いま行政局長によって、二十八年に一応町村合併促進法によりまして規模の適正化をはかったというのがはっきりしておるわけですけれども、今度の特例法におきましての趣旨というものは、一応各市町村におきましての自主的な、国のほうはこれに対してあまり関与しない、自主的にひとつやっていく、こういうふうな意味に解釈してよろしいかどうか、この点をひとつ……。
○佐久間政府委員 その点につきましては、先ほど政務次官からお答えがございましたように、先生の御指摘のように私どもも存じております。
○久保田(円)委員 ところが、そうなりますと、今度は実際の運営面を考えたときに、合併したいという市町村においては、やはり市にいたしましても、町村におきましても、力のあるところへ周辺の町村というものが合併したい、これは必然的に住民の考えだろう、こう思います。そのときに、自治省の指導というものが今後は中心的になるのでございますけれども、そうなりますと、適正な規模というものの原則が、二十八年には、適正な規模をひとつ設けてやろうじゃないか、それには人口八千人以下のところはそれ以上のところへ持っていけ。ところが今度の特例法によって、今度はあべこべにこの市町村における格差というものが、いま私が申し上げましたような関係において離れてくるというような心配が私はできると思うのです。この点に対しましての見解はどうですか。
○佐久間政府委員 自主的な合併を助長していくということが趣旨でございますが、その意味は、二十八年の町村合併促進法のもとに行ないましたように、政府が一定の計画を立てて、計画的に合併をやらせるというような指導はいたさないという趣旨でございまして、個々の具体のケースにつきまして、それが県全体から見まして、あるいはその地域全体から見まして、いろいろ問題がありますものにつきまして、助言、指導をしていくということは、これは当然県もいたさなければならないでございましょうし、また自治省といたしましても、ある程度の配慮は当然していかなければならない、かように考えておるわけでございます。それで、先生御指摘のように、ただ成り行きにまかせますと、みな市に周辺の町村が吸収されてしまう。本来農山村におきまして、市に吸収されることがそこの住民の福祉になるかどうかということにつきまして問題のありますところも、ただ市についたほうがいいんだというようなことで、合併、合併ということでいってしまうというような点につきましては、これは慎重にその利害得失を検討をしていくべきであり、また、県といたしましても、そのような点につきましては十分指導をすべきものである、そういう心がまえで指導はしてまいりたいと思っております。
○久保田(円)委員 そういうふうになったときに、一応は交付税というような形で、残されたところの市町村につきましては財政的な面の援助をしていこうという制度があるわけですから、私どもはそこまで心配をしておりませんけれども、一応はそういう形に移行するというぐあいに私は考えます。
 それからいま一つは、二十八年に制定されたところの促進法によりまして残された町村というものが必然的に今度は中心の都市に合併をされていくという形になってくるわけです。そうすると、いま郡というものを私は考えたとき、たとえば一つの郡に現在におきましても二、三ヵ町村ぐらいしか残っておらないというところの町村が全国にはあると思うのです。そのものがまた今度合併していくということになると、残された町村の中で、郡の中に一つぐらいしか町村がないというような形で残されるところの町村ができると思うのです。これはもちろん県のほうで、一応どういうふうにやらせるかということは、県自体の考え方にまつべきものであろうと思いますけれども、ここらの点の配慮につきましては、どんなぐあいに考えておりますか。
○佐久間政府委員 町村合併に伴いまして、郡の区域というものがきわめて不斉一になっていく。したがいまして、この郡を基礎といたしましてきめられておりまする都道府県会議員の選挙区につきましても、飛び地ができるというような不自然な状態ができてまいることは、先生の御指摘のとおりでございます。これにつきましては、郡というものは、地方自治法の規定によりまして、都道府県知事が都道府県議会の議決を経て区域の変更ができるわけでございますから、そういう手続によりまして、県が自主的に郡の区域を合理化する。したがいまして、また、都道府県会議員の選挙区を合理化していくということが望ましいと考えておるわけでございます。しかしながら、いろいろな関係もございまして、なかなか郡の区域の合理化ということは、そう簡単には実際問題としては進まない事情もあることも承知をいたしておりますが、町村合併が今後さらに進んでいくことに関連をいたしまして、その問題につきましては、私どもといたしましても、指導上さらに検討すべきものがあるように存じております。
○奥野委員 人口八千という町村の規模が、今日においては適正な規模ではないと考えるという行政局長のお答えをいただいたわけであります。財政当局では、地方交付税法の基準財政需要額を算定する場合に、市町村については、人口十万の都市を想定して、その標準施設を維持するためにはどれぐらいの財源を必要とするか、そこから人口一人当たりの単位費用を算定したりしているわけであります。さらにそれ以下の市町村についても、一応段階ごとに標準施設を想定して、その場合の人口一人当たりの所要額を相互に比較しながら、段階補正をきめているように承知をしているわけであります。結論としての段階補正は示されているわけでありますけれども、人口十万以下の市町村についてのそれぞれの標準施設というものは、必ずしも明らかにされていないわけであります。人口二万の場合に標準施設がどれぐらいであり、五万の場合の標準施設がどれぐらいであるといったような姿を、私は公にしていくべきではないかと思う。そうすることによって、どの程度の規模を持てばどのような施設を維持することができるのか、逆にまた、どのような施設をみずからやろうとすればどの程度の規模でなければならないのか、こういう一つの判断の材料にもなるわけであります。私は、こういう問題につきましては、行政当局と財政当局とが相互に協調をし合って、一つのめどを市町村に与えていく。強制するわけでありませんので、市町村が行財政の運営を合理的にやっていきたい、あるいは行政規模を合理的に考えていきたい、そういう場合に、何か合理的なめどを得られるように配慮していくことが自治省の任務ではないか、かように考えるものでありますので、あえてこの点についての御意見を伺っておきたいと思うのでございます。
○佐久間政府委員 御指摘の点はまことにごもっともなことと存じておるわけでございます。従来も省内におきまして、財政当局とも協力をいたしまして、さような研究を進めてまいっておるわけでございますが、今後さらに検討を積極的に進めてまいりたい、かように存じます。
○奥野委員 参議院におきまして、二年の間だけは人口四万でも市を名のることができるように修正されたようでございます。人口五万以上から市にするということを地方自治法に規定していながら、半数をこえるものが人口五万を割った市であるという現実から考えますと、私はこの修正に賛意を表しているものでございます。しかしながら、地方自治法に規定されている市の要件を、市の半数以上が欠いているということは、私はナンセンスだと思うわけでございます。同時にまた、保健所を設置している市が三十ばかりあると思うのでございますけれども、それらの市よりはるかに充実した市になっておるところであっても、その後は保健所を設置したくても設置できないというような市が相当数生まれてきているようでございます。あるいは計量行政につきましても、必ずしも市の規模に応じてその行政が市にゆだねられているわけでもないようでございます。こう考えてきますと、いまの市町村という区分をそのままにしておいていいのかどうか、非常な疑問を抱かざるを得ないのであります。いま言いましたように、一つには地方自治法で規定しているところとは現実は食い違っているじゃないかということ、もう一つは事務配分の現状というものが必ずしも器に従って事務配分が行なわれているわけではなくなっているじゃないか。私は、基本的には積極的に市町村に事務をおろしていきたいのであります。しかしながら、いまの体制では必ずしもそのような方向に持っていけないのじゃないか。こういうことから考えてまいりますと、いまの市町村という区分につきましてもう一ぺん考え直されていい時期にきているのじゃなかろうか、かように考えているわけでございます。市と町と村の区分は、戦前は名前を聞きますと、大体こういうところだなということを頭に描くことができたわけでございますけれども、今日では頭に描けないと思うわけでございます。そういうことを考え、事務配分のことを考えていきますと、非常にむずかしい問題でございましょうけれども、やはりここにメスを入れるべき時期にきているのじゃなかろうか、かように考えているわけでございますが、この点についての所見を伺っておきたいと思います。
○高橋(禎)政府委員 奥野委員のお考えは、将来の市町村のあり方ということ等について非常に示唆的なものがあると私は思うのであります。市町村の規模をどの程度のものにするかということもいろいろ研究すべき問題かとも考えますし、また市町村等の標準的なものを行政指導する側の者が考えてまいるということも、地方行政の水準を高めていくということに非常に大きな作用を営むであろうということも考えられるわけでございまして、いま地方制度調査会で府県合併、事務の配分等々について御研究を願っておりますが、やはりそれらとも関連をいたすわけでありまして、お話にございましたような趣旨は十分参考にして、将来真剣に検討をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○奥野委員 この法律は新しく市町村の合併が行なわれる場合のものであるわけでございますけれども、すでに合併の行なわれた市町村におきまして、農業協同組合が従来の町村単位でそのままに残っている、その結果、農業協同組合が必ずしも経営の実績をあげていないという例を私はたくさん承知いたしておるわけでございます。農業協同組合につきましては、国におきましても、課税上その他いろいろな特例措置を設けながら補助してまいってきているわけでございます。しかしながら、昔ながらの小さい規模でありましては、どうしても近代的な経営に持っていくことができませんので、農民の利益を増進していくことが困難でございます。今日農業関係者の所得水準の向上を国としても積極的に進めていかなければならない際でありますのに、農業協同組合が従来の町村単位そのままで、あたかも役員のための農業協同知合の観を呈しているところも相当あるわけでございます。今回の法律につきましても、こういうことをお考えになっているだろうとは思いますが、第十三条の二項に「公共的団体等」という名前のもとに「統合整備を図るように努めなければならない。」、こう規定されておるわけでございます。私は、これから合併する団体内の公共的団体だけじゃなしに、すでに合併されて新しい市町村となっている区域内の農業協同組合等につきしても、積極的にこれをやってもらわなければならないのではないか、かような考え方を深くしておるものでございます。ついては、この法律が成立した暁には、いろいろな指導通達もお書きになると思うのでありますけれども、農林省と十分話し合いをされまして、私の念願しております農業協同組合の積極的な合併が推進されるような措置をくふうしていただけないだろうか、かように考えるものでございますが、これにつきまして御所見を伺っておきたいと思います。
○高橋(禎)政府委員 御趣旨のところは、この法案にもいま御指摘になりましたようにあらわれておるところでございます。政府としての考え方は、まさにいまお話がございましたような趣旨に一致をいたすわけでございます。しかし、農協の問題はやはり農林省側と十分話し合ってまいらなければ、その実績があがり得ないわけでございますから、この法律案に出ておりますような市町村の行政区域というものと、農協その他の公の団体のそれの区域的なものとの調和のとれた姿において、地方自治と農協その他諸団体が発展をしていくというようなぐあいに自治省側といたしましては十分努力をしてまいりたい、かように考えておるわけであります。
○奥野委員 政府提案の法律案は、町村合併の特例法として出されておるわけでございます。同時に十年の時限立法になっているようでございます。しかしながら、この内容の中には、恒久的にそのような措置をとってもいいのではないかと思われるものがあるわけであります。たとえば地方交付税の額の算定の特例に関する部分でございます。合併をすると、とたんに地方交付税交付金が減額になっていくというような現行制度は、私は矛盾していると思うのであります。合併をしたら急に金が要らなくなるわけのものじゃないのでありまして、本来一定期間は従来の額以上のものを維持してあげなければならないのではなかろうか、かように考えるものでございます。そうしますと、そういう部分は地方交付税そのものを手直しすべきだ、かように考えているものでございます。特例とうたわれていますが、特例でなくて恒久法そのものを改める部分もこの中に入っているわけであります。しかしながら、いずれにいたしましても、十年間はこれで保障されるからよろしいわけでありますけれども、将来の方向としては、恒久的な部分と、真に特例的な部分と分けて、恒久的な部分は積極的に地方交付税法なりあるいは地方自治法なりを改めていくという態度がとられるべきではないか、かように考えるものでございますが、これについての御所見を伺っておきたいと思います。
○高橋(禎)政府委員 全く御趣旨のとおりありまして、法案の中には、恒久的なものと臨時特例的なものと、内応的に言いますとそのように分け得るものがあると存じますから、恒久性を持ったものをこの中から抽出して、それを恒久法制化するというような方向に向かって十分検討してまいりたいと思うわけであります。
○奥野委員 市町村の再編成が昭和二十八年以来進められてきたわけであります。市町村の再編成がある程度進んでまいりますと、おのずから府県の再編成と言ってよろしいでしょうか、あるいは府県の区域について是正を必要とするところは是正できるような措置をとると言ってよろしいでしょうか、ことばの使い方にはいろいろあろうかと思うのでありますけれども、いまのように、府県の区域に関する限りは国が法律で定めない限りはどうにもならぬというあり方については、問題があると考えておるわけでございます。さきにも御質問申し上げましたので、重ねて申し上げることは遠慮いたしますが、とにかく市町村の区域の問題について十二年かけて努力をしてきたということは、府県について、次にやはり問題解決に当たらなければならないという時期に来ている、かように言わざるを得ないと思うのでありますが、この点についてお気持ちだけを伺いまして、私の質問を終わることにいたします。
○高橋(禎)政府委員 奥野委員のいまのお話しになりましたような趣旨の御意見というものは、きわめて有力なものであるということを私ども考えておるわけでありますが、御承知のように、都道府県の合併等に関連いたしましては、ただいま地方制度調査会において御審議を願っておるわけでありまして、その結論と答申とを承りまして、御意見等を十分参考にして検討してまいりたいと存じておるわけであります。
○中馬委員長 細谷委員。
○細谷委員 まず第一番にお尋ねをしたい点は、この法律案の審議をきわめて急いでおる理由は一体どこにあるのかお尋ねします。
○佐久間政府委員 本年四月一日に町村合併をいたしたいという希望のところが数カ所ございまして、しかもできるならば立法の適用を受けて合併をいたしたい、かような要望がございますので、もしお願いできるものでございましたならば、地方のそうした御要望に沿い得るようにお願いをしたい、かようなことでやっておるわけでございます。
○細谷委員 四月一日に合併を予定しておるところが数カ所あるということであります。具体的にどこの県のどことどこかということを一つ一つあげてください。
○佐久間政府委員 長野県の伊那市と同県上伊那郡西春近村の合併が一つございます。それから次には、富山県富山市と同県婦負郡呉羽町の合併でございます。次は、宮崎県都城市と同県北諸県郡荘内町の合併でございます。次には、鹿児島県川内市と同県薩摩郡高城町の合併でございます。
○細谷委員 問題の個所は、長野県と富山県と宮崎県と鹿児島県の四カ所、関係市町村が八つのようでございますが、これ以外にございませんか。
○佐久間政府委員 私ども連絡を受けて承知をいたしておりますのは、以上申し上げた四件でございます。
○細谷委員 いろいろな事情があったかと思いますけれども、私はたいへん遺憾に思っておるのです。と申しますのは、町村の合併という問題は、地方自治のやはり根幹に触れる問題なんです。そういうことでありますから、いま政務次官から、府県の合併問題については地方制度調査会が鋭意検討しておる、こういうおことばがございました。端的に申し上げますと、第十次の地方制度調査会が取り組んでいることは事実でございますが、これだけじゃなくて、地方制度調査会ができてから、この地方制度のあり方という問題については終始一貫取り組んでまいった、こういうふうに申してもよろしいかと思うのです。問題は、いま地方自治の一番基盤といわれる町村合併の問題について、確かに、おっしゃるように、いままでの法律等の整理だ、事務的なものだ、こういう面は私も認める。認めますけれども、これほど重要な問題を、わずか一日か二日あるいは二日か三日で国会の審議を済まそうという意図は、私はやはり国会の審議権を軽視した問題である、こういうふうに申さなければならないと思うのです。これについてどうお考えですか。
○高橋(禎)政府委員 政府といたしまして、国会を軽視するなどというような考えは毛頭ございません。ただお話は、あまりにも短時日の間に審議を終わるようにということを政府が希望しておる、そこのところが問題のように考えるわけでございますが、私どもといたしましては、法律案を提出いたしました以上、一刻も早くその結論を出していただきたいということを念願いたしておるわけでございまして、本法律案につきましては、先ほど行政局長から申し上げましたようなまた特別の事情もございますので、国会に対し一刻も早く御審議を願いたいということを、国会を尊重する意味においてお願いをしておるというのが私どもの心情であるということを、御了承願いたいと思うのであります。
○細谷委員 法律案を出された以上は、一刻も早く通したいということ、これは私もよくわかります。わかりますけれども、これは参議院先議で若干の修正がつけられてこちらに送られてきたのでありますけれども、若干の修正された点というのは、私からいきますと、むしろ根本的な問題には触れておらない修正点であったと私は思うのです。そういう点で、地方自治の土台ともいうべきこういう問題について、従来からの法律を整理するということであれば、もっと早くから準備をして、もっと早くから国会の審議を受けていく、こういう態勢が十分とれる条件があったんではないか、こう私は思うのです。もうきょうは二十二日ですか、二十三日ですか、あと一週間、端的に申し上げますと準備に一週間要るのだ、きょうあしたに通してほしい、こういうせっかちな形の審議のしかたというのは、政務次官どうおっしゃろうと、やはり実質的に国会の審議権というものを軽視したものといわざるを得ないのじゃないか、私はこういうふうに思うのです。この点はまことに遺憾に思います。
 次に、お尋ねいたしたい点は、こういうふうにとにかくきょうあした通してくれとこの法律を急ぐのは、この四カ所が対象になっておるのでありますが、もしかりに国会の審議が長引いて、月末になったとか、四月になったとか、こういう場合にはどういうことになるのか、具体的にひとつ御説明をいただきたいと思います。
○佐久間政府委員 ただいま申しました中で、富山県のケースは、現在の新産業都市建設促進法の規定の適用のあるケースでございますので、これは本法案の成立がおくれましても現行法によっていくことが可能であると存じます。そのほかのものにつきましては、どうしても本法の成立が四月一日に間に合いません場合におきましては、合併の期日を延ばすということも考えられます。あるいはまた本法の適用なしに合併をするということになろうかと思います。
 なお、宮崎県のケースにつきましては、議員の任期等の関係がございして、実は地元におきましては、四月一日実施ということで議決等も了しておるというような状況でございますので、このケースは、四月一日に成立いたしませんければ、本法の適用のないという状況でまいることになるわけでございます。
○細谷委員 具体的に富山県の場合と宮崎県の場合が述べられたのですが、富山県の場合は、新産業都市関係の問題で、問題がないということであります。宮崎県の場合には、四月一日実施ということで、合併ということで一切の手はずが整えられておるということでございますが、いま局長のお答えですと、もしこの法律が成立していなかった場合には、たとえば四月一日に議員の選挙をやって、またこの法律が制定後に議員の選挙をやり直すとか、重大な支障が起こってまいりますか。
○佐久間政府委員 議員の点につきましては、すでに現行法の運用によりまして増員選挙をするということが可能かと思います。ただ四月一日に成立いたしませんと、地方交付税その他の財政上の規定の適用は受けられない、こういうふうになるわけでございます。
○細谷委員 地方交付税法の特例が受けられない場合に、具体的にどういうことになりますか。そういうことを保障しているのでしょう。合併前よりも不利にならないようにということを保障しているのでしょう。どういう損失が起こってまいりますか。
○佐久間政府委員 この都城の件につきましては、議員の選挙等の地元の事情がございまして、四月一日実施ということはすでに変更ができないという状況にあるのでございます。したがいまして、四月一日に法律の成立を見ません場合におきましては、この法律の適用のないケースになるわけでございますので、地方交付税法の特例の適用も当然なくなる、こういうことになるわけでございます。
○細谷委員 地方交付税法の特例が受けられないと、どういう具体的な損失が起こってまいりますか。
○佐久間政府委員 これは、五カ年間はばらばらに、従来の合併前の市町村ごとに計算をいたすことになるわけでございますが、この法律の適用が受けられない場合におきましては、それは単純な一市町村として計算をすることになりますので、計算上相当不利になる、こういうことになるわけでございます。
○細谷委員 その問題は、たとえばこの法律に、適用等について若干の手を加えることによってのがれることのできない問題なんですか。
○佐久間政府委員 法律的に申しますと、国会で御修正になられまして、遡及効を認めますればこれは救済は可能でございます。
○細谷委員 遡及の措置を講ずればよろしいということが確認されたわけです。遡及効を適用すれば、それで被害が起こらないから問題はないわけですが、私がお尋ねしたい点は、法律は必ず四月一日までに通す、一日か二日の審議で上げてほしい、こういうことに国会を追い込んだのは一体どこに原因があるのです。国会で法律は必ず三月中には成立させます、それも一週間の準備期間も含めて、こういうことをどなたか約束したんでしょう。ですから、地方課長がそういうことで指導したのでしょう。地方がそういう議決をしたのだというのですから、国会が追い込まれて、そのとおり従うということになりますと、地方の議決によって国会が左右された、こういう重大な問題が起こってまいりますが、一体これはどういうことですか。
○高橋(禎)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、政府といたしましてはどこまでも国会を尊重する、そういう考えであることは申し上げるまでもございません。そこで、本法案は二月六日に提案をいたしまして御承知のように参議院先議となったわけでございます。四月一日までの成立をお願いするという趣旨につきましては、ただいま行政局長から御答弁申し上げたような事情があるところに本法案のいわば特別の事情があるとお考え願えると思うのでございます。
 そこで、審議期間の問題でありますが、これはやはり参議院の審議中においても、いろいろ参議院側での事情もおありになったことと思うのであります。その結論が出ましてからこちらに参りまして、そして四月一日成立というまでには、日時が非常に短くなったということについての強い御意見でございますが、そこに私どもといたしましては、地方行政委員会の委員の皆さん方の、ずっと地方行政の問題について御研究になっておる豊富なる知識、御経験等によって、はなはだ、日は十分だと私ども申し上げる立場にもございませんですけれども、そういう面を御期待申し上げまして、ぜひとも四月一日までには通過するようにということをひたすらお願いしておりますというのが私どもの立場であることを御了承願います。
○細谷委員 いまの政務次官のおことばは、私はそのまま残念ながら受けることはできない。私などは、こういう法律審議について長い経験を持ちませんけれども、長い経験を持たなければまた持たないだけに勉強もしなければならぬ、こういうことでございます。ここにいらっしゃる多数の方々は、ベテランの方であります。ベテランならばまたベテランらしく問題点がわかっておるのです。またそれをほじくり出して、そして地方行財政の完璧をはかっていかなければならぬということでありますから、わずかに先週の金曜日に説明を受けて、そして一日か二日で審議し、結論を出してくれ、――参議院で長くかかった理由は、やはり慎重に審議をしようということからこれだけの時日を要したものと私は信じておる。そういうことになりますと、次官のそういう考え方がこういう問題に対する姿勢の誤りをおかしているのじゃないか、こう私は思うのです。ベテランだから見るだけで、提案したら、もうすぐ翌日あげてくれというようなことでは、これはたいへんなことですひとつ次官の所信を再度聞かせていただきたい。
○高橋(禎)政府委員 大体先ほど申し上げたとおりでございますが、二月六日の提案、そして参議院の結論が出ますまでの間に相当の日時を経過いたしておりますが、それは参議院側の事情であったと考える次第であります。衆議院における御審議の期間の短くなってまいっておるということにつきましては、これはお説のとおりだと考えます。しかし、先ほど申し上げましたような事情で、私どもはどこまでも国会を尊重し、そして慎重御審議の結果、すみやかに結論を出していただくようにということをお願いする次第であります。
○細谷委員 すみやかに結論を出してほしいということだけは、これはもうどなたも同じ考えに立っておると思うのです。ただ拙速ということはいけないことでありますから、十分な審議をした後にすみやかな結論を出すということでなければならぬと思うのです。
 そこで、たいへん大切な問題でありますから、さらにお尋ねしたいのですが、この長野県の問題と鹿児島県の川内市の問題は具体的にどうなりますか。支障ないのでしょう。
○佐久間政府委員 長野県の問題と鹿児島県の問題につきましては、長野県については、すでに関係市町村の議会の議決は了したように聞いておりますが、鹿児島県につきましてはこの法律の成立を待って日にちをきめる、こういうことであります。――なおその点につきましては至急に連絡をとりますが、四月一日にぜひ合併したいという要望はかねて伺っておりまするが、もし成立がおくれますれば、ただいま申し上げましたように合併の期日をおくらせるよりしかたがないのじゃなかろうか、かように存じております。
○細谷委員 私はいまのことばでたいへんけげんに思う。委員長は鹿児島出身で、地元のことでありますから詳しいと思うのです。委員長が正確なことを知っていて、当事者である佐久間局長は一体どうして知らぬのですか。いままでの答弁は正しいのですか。一体どこでこの問題は回転しているんです。エンジンはどこにあるのですか。
○佐久間政府委員 市町村議会で議決をいたしました後に、都道府県知事が都道府県議会の議決を経まして処分をいたまして、その後自治大臣に報告があって、自治大臣が官報に告示をする、それによって効力を生ずる、かような手続になっておるわけでございます。したがいまして、市町村議会におきまして議決がありました場合におきましては、そのつど直ちに私どもが報告を聴取するということにはなっておりませんので、正確に市町村議会の議決がいつあったかということにつきましては承知をいたしていない場合もあるわけでございまするが、本件のような場合につきましては、そのつど正確に状況を聴取すべきであるのが私といたしましても当然であるわけでございますので、その点につきましては至らない点のありましたことはおわびを申し上げます。
○細谷委員 あなたがきょうあしたに通してくれ、こういうことを言うからにおいては、手続の問題でなくて、地方段階においてはどういう段階に進んでおる、県の段階においてはどういう段階に進んでおる、それに対しては自治省はどういうところまで検討されておる、どういう態勢になっておる、こういう前提があったればこそ、確信を持って、――とにかく一週間の準備期間をかしてください、二十二、三日にはあげてほしいということをおっしゃっておるのでしょう。ところが、あなたは御存じない。委員長が承知しておる。しかも委員長のいまのことばを聞きますと、地元である鹿児島県のほかに、長野県もやはり四月一日という大勢なんだというおことばもあったように私は聞いた。――長野県は別ですけれども、かなり地元のことはよく知っているのです。そういうことになりますと、私はたいへんなことだと思う。そうしますと、政務次官が言うとおり、実情は急いでいることは間違いないけれども、どうにもならぬ問題じゃないのだけれどもどうにもならぬ問題のように言うて、国会の法律をあげるのを早くしろ、こういうきわめて明るくない態度、御主張をなさっておるというふうに理解せざるを得ないのであって、こういうことのないように今後ひとつ十分把握してやっていただきたと思います。そこで、長野県もやはり四月一日のようでありますが、これは確認されておりませんが、そうなったといたしましても、長野県の場合も鹿児島県の場合も遡及効を設ければよろしいのでしょう。
○佐久間政府委員 遡及効を設けて救済できます事項と救済できない事項とあると思います。先ほど例にあげました交付税法の特例措置は、これは年度できめてございますので、これは遡及効を設けることによって救済可能でございます。ただ議会の議員の選挙につきましては、これは遡及効ということが事柄の性質上あり得ないわけでございます。先ほどちょっと私の説明が不足いたしておりましたが、宮崎県の都城市の場合におきましては、三月十三日に議員の任期が満了いたしておるわけでございます。そこでかりに四月一日に法律の、本法の成立がございません場合におきましても、都城市ではすでにその線であとやっていくということで、先ほど申し上げましたように、すでに手続を県議会まで了して私どものほうに勧告の申請が出ておるわけでございます。それはただいま申し上げましたような議員の任期の関係でございます。それでその際さらに承りますと、将来本法が成立をいたしました場合には、吸収をいたしました町から、この規定によって町議員が出られますように、減員条例をつくりまして、減員をいたしたもので都城市が選挙をいたす、かような便法を講じたわけであります。
○細谷委員 都城市では減員で選挙しているでしょう。ちゃんと合併するほうの定数が残してある。そういう選挙をやっておりますね。ですから具体的な問題としては、あなたが先ほど結論で言ったように、遡及効を設けてもらえさえすれば実害が起こらないとはっきり都城の場合お答えしたでしょう。速記を見ればはっきりわかります。いま議員の問題があるということでありますが、議員の問題についてはそういうことも配慮して、任期満了になったので三月十三日ですか、選挙を行なったのですから、ほかのほうも、二カ所の長野県、鹿児島県の場合――富山県の場合は問題じゃありませんけれども、ほかのほうも、大体遡及効を設ければよろしいということでしょう。そうでしょう。
○佐久間政府委員 この四月一日は年度の初めでございますので、市町村の行政運営の実情からいたしますと、四月一日という合併の期日が何かと便利な点が多いわけでございます。でございますので、私ども行政指導の上から申しますと、四月一日に合併をいたしたいというところがございますれば、なるべくその四月一日から切りのよいところで実施をさせるということが望ましいという考え方で従来おったわけでございます。
○細谷委員 年度末、年度初めだから望ましいということは私も理解した上で、遡及効を適用すればいいんだ、これを金科玉条のあなたの言質として、しゃにむに引き延ばすという前提でものを申しておるのではないのです。地方団体の条例できめたから、国会は審議はどうであろうとも法律は上げてくれとか、あるいは急ぐのだから、地方団体のことを思って上げてくれなんということになりますと、十分な審議も尽くさないでやるということになりますと、一体国会はどういうところなのか、地方団体の下請機関なのか、こういうことになってまいりますとたいへんな問題になりますから私は申し上げておるわけであります。でありますから、大体において長野と宮崎と鹿児島は遡及効を設ければ実害が起こらないで済む、こういうことばを聞いたかと思いますと、――これはたいへんなことを申したわけで、ひょっとしたら遡及効ということで、しゃにむにまたそういうことで縛るのじゃないかということを私どもは心配して、だんだんことばがあやしくなっておるのは、けしからぬことだと思います。もうとはっきりと実情を認識して言っていただかなければ困ると思います。いずれにいたしましても、私はこの問題については、大体遡及効を設ければよろしい、こういう態勢であると理解いたします。
 そこで、次にお尋ねいたしたいのでありますが昭和二十八年から町村合併促進法等が設けられて、今日まで新産都市の建設等々で町村の合併等が進められてまいりました。そこでそういう町村合併も自治省が指導してから、そこに働く職員の数が年々どういう経過を経て変遷をしていったか、それをひとつ年次を追うてお答え願いたいと思います。
○佐久間政府委員 年次を追うてどのような変遷をたどったかという資料は、私ども持ち合わせておりません。――全体としてどの程度変遷があったかということにつきましては、お手元にお配りしてあります「市町村合併の成果」の中に書いてございます。
○細谷委員 そういう資料はないですね。
○高橋(禎)政府委員 いまの行政局長のお答えいたしました問題については、資料によって御説明申し上げるようにいたしますが、先ほどの細谷委員のおっしゃった遡及効の問題に関連いたしまして、行政局長が交付税の問題についての御質問について、それはどうなるかということに関して、その部分については遡及効を認めれば前にさかのぼって処置できる、こういう趣旨で申しましたわけでありますが、私そういう問題について専門家ではないのでありますが、感じますのに、やはり一つの合併という新しいものが誕生する場合に、私どもとしては、細谷委員のお話しからも、大体私どもと同じような心情でおありになると察するわけでありますが、ともかく一つの確定した、浮動的でない輝かしいスタートを、できるものならさせたいといいましょうか、そういうようなことをいろいろ考えまして、地元住民としては、せっかくここまで合併について努力してきたのだから、いま国会で審議中の法案が成立して安定した姿でスタートしたい、こう思っておることも事実でありますから、どこまでも慎重御審議、すみやかに御審議を願うという立場に、いま申し上げましたような特別な事情も加わっております。したがいまして、法律論的な遡及効問題だけで解決のつきがたい面が多々あるというふうに考えておる点を十分御理解願いたいと思うのでございます。そういうことをこの際つけ加えておきます。
○佐久間政府委員 たいへん失礼申し上げましたが、それらの資料をまだお手元にお届けしてないそうでございますので、次会に関係の資料をお届けすることにいたします。その際、ただいま先生のおっしゃいました関係の資料で、私どもの手元でわかる範囲のものを御提出するようにいたしたいと思います。
○細谷委員 いまのお話を聞いて、大体その資料も出さぬで、きょうあした結論を出せなんという、これまた言語道断だと私は思うのです。思うのですが、大体において、ひとつその正確な詳しい資料を年次追うて――年次を追うてというのは、この年には何カ町村の合併が行なわれた、そしてこういう法律に基づいて行なわれたのだ、その際に職員がどういうふうに減っていったのだということを、ひとつ一覧表をつくっていただきたいと思うのです。私がごく簡単に調査したところによりますと、二十八年の十月には九千八百六十八市町村があったわけですけれども、現在は三千三百九十八市町村になっております。六千四百七十、三分の二の市町村の数というのが減っているわけです。三分の一に市町村の数がなっておるのです。ところで、ちょっとなんですが、三十年には四十二万九千九百二十三人職員がおったのでありますけれども、三十三年には三十一万六千七百十三人と、約十万人程度職員が減っているのです。そういうかっこうになっておりましょうか。
○佐久間政府委員 ただいま手元に正確な資料を持ち合わせませんので、次会にお答えをいたしたいと思いますが、ただいま御指摘のように、三年間で十万人職員が減るというようなことはないことであろうと私は推察をいたしております。
○細谷委員 ないとおっしゃいますけれども、こういう数字をつかんでいるのですよ。この十万人という数字は、そんなに減るはずはないというおことばでありますが、相当数減ったという事実はお認めになりますか。
○佐久間政府委員 総体といたしまして、一般職員の数が減るということはないと思っております。
○細谷委員 総体としては減らないということでありますから、私のつかんでおる数字と根本的に違う。これは次回の問題にする以外にないのでしょう、水かけ論になりますから。減っているのですよ、佐久間さん。減っていないということはないのですよ。ずばりいえば、市町村につとめている職員は、合併というのは人減らしなんだ、これがねらいなんだ、労働条件の低下と職員を減らすために合併するのだ、こういうふうに言っております。自治省もそうです。欠員は補充しなさんな、人件費の比重というのが非常に重くなってきておるから、給与費はふやさないようにしなさい、もっと合理化をしなさいと言っているでしょう。地方制度調査会等でも、今日地方財政がこういう破局的な段階にきた根本的な原因は、地方職員が多過ぎるからだといっている。地方行政のベテランの市長ですらもそう言っているのですよ。おかしいですよ、これは。見て見ぬふりをしているのでしょう、佐久間さん。減っておるのですよ。私は、いま私が申し上げた数字が断固として正しいのだということはここでは申し上げませんけれども減っておらないという理解に立っているなら、これはたいへんなことだ。現実を認識しておらぬ、こういうふうに言わざるを得ませんが、もう一度答弁願いたい。
○佐久間政府委員 町村合併促進法、新市町村建設促進法、両方におきまして、合併市町村の職員の身分の引き継ぎにつきまして規定を置いておりますことは、先生も御承知のとおりでございます。したがいまして、合併の機会に首切りを行なうというようなことはあり得ないと考えておるわけでございます。もちろん、欠員不補充の方針をとって合理化につとめるということは、これはあるわけでございますが、しかし、合併後さらに町村が、住民に対するいろいろなサービスの面におきまして、相当仕事を広げておりますので、職員も配置転換によってそのサービス面に従事させておるというのが一般のようでございますし、さらに公営企業等もその後相当伸びてきておりますので、その関係の面においては相当な増員も行なわれておるわけでございます。したがいまして、個々の市町村について見ますと、あるいは先生の御指摘のように、減っておるというところもあろうかと思いますが、総体といたしましては漸増しておるというふうに、私は理解をいたしておったところでございます。
○細谷委員 まあ、なかなか肯定なさらぬわけです。ある新聞の今年の一月五日号に、「市町村合併に特例法、再開国会に提出、促進へ障害除去」こういう見出しで記事が出ております。その中の一節を見ますと、合併の結果、「経営規模の拡大にともなって職員の質がよくなり、行政事務の機械化などにともなう能力の向上などの利点が現われているほか、地方議員の数をみても二十六年六月の十八万二千七百八十七人から、三十八年十月現在は七万八千六百三十七人に激減、市町村の三役の数も二十八年九月当時の二万九千六百七十八人から、三十六年九月には一万四百十六人とかなりの減少をみせ、それらの人件費や経費も大幅に節約することができた。」これはやはり、職員が減ったということを明確に書いておりませんけれども、裏書きしているのでしょう。議員の数はこの新聞に書いてありますけれども、職員の数もそういうふうになっておる、こういうふうに私は思うのですが、これはひとつ資料を詳細に出していただきたいと思うのです。
 そこで、次にお尋ねしたいのですが、今度の法律案の提案理由の中には、「合併をしようとする市町村は、合併協議会をおくものとし、この協議会において市町村建設計画の作成及び合併に関する協議を行なわせることとしたのであります。」とある。そこでお尋ねいたしたい点は、この合併協議会の権限、能力というのはどういうものなのか、いつまでこの合併協議会は責任を持って合併を推進なさるのか、この点についてお尋ねいたします
○佐久間政府委員 この合併協議会は合併に先立ちまして、合併後の町村の建設計画の作成をするこれが第一でございます。それから合併に関する必要な協議を行なうということが二番目でございます。計画の作成につきましては地方自治法の二百五十二条の二の規定によりまして、その計画が関係市町村にある程度の拘束力を持つということになるわけでございます。それから合併に関する協議につきましては、それぞれ法律の規定によりまして、ここで相談いたしましたことで議会にかけるべき事項は議会にかけて効力を生ずる、こういうことになるわけでございます。いつまでこの協議会が続くかということでございまするが、法律の予想いたしておりまするのは合併まで、その合併の準備手続の段階においてこの協議会の機能を予想をいたしております。もちろん合併後もこの種の協議会を設けて、さらに合併後の建設計画の実施等について相談をするということは、これはかまいませんけれども、法律で予想いたしておりますのは合併までのことでございます。
○細谷委員 合併協議会が建設計画あるいは合併に関する協議というものをするわけでございますが、この合併協議会で、合併後のもろもろの条例案を準備しておるということは御承知ですか。
○佐久間政府委員 それは承知いたしております。
○細谷委員 合併後のあるべき姿というものを描いて、基本計画を推進するための職員定数の条例なり、あるいは財政計画等も含めて、基本計画として策定をしておるということも御承知ですか。
○佐久間政府委員 合併後の新市町村の必要な条例については、ここで準備的な検討をしておることは承知をいたしております。その中に定数条例もあるいはあるかとも思います。それからまたこの合併後の財政計画でございまするが、これも合併後どのような事業をどのような財政計画で実施するかということは、むしろ市町村合併の建設計画の中心になるものでございまするので、当然含まれておるわけでございます。
○細谷委員 今度の法律の第二十四条に、町村合併及び新町村建設計画の実施、(職員の身分取扱)というところに、「合併関係町村は、その協議により、町村合併の際現にその職に在る合併関係町村の一般職の職員が引き続き合併町村の職員としての身分を保有するように措置しなければならない。」これが第一項にうたわれてあります。第二項には、「合併町村は、職員の任免、給与その他の身分取扱に関しては、職員のすべてに通じて公正に処理しなければならない。」第三項には、「合併町村は、その職員が町村合併後一箇年以内に退職を申し出た場合においては、その者に対する退職手当の支給について、特に優遇するように取り扱わなければならない。」こういうふうに書いてございます。きわめて巧妙な条文だと私は思っているのですが、まずお尋ねいたしたい点は、おそらくこれに基づいて基本計画がつくられるわけですから、まともに職員の減員ということは打ち出しておられないかもしれませんけれども基本計画の中に、第三項に基づいて、一年以内の退職者というような形で、現実に働いておる職員の首切りが行なわれようとしておるという事実を御承知かどうか、これをお尋ねいたします。
○佐久間政府委員 ただいま先生がお読みになりましたのは、町村合併促進法の第二十四条の規定かと存じます。今回の法律案におきましては、ただいまお読みになりましたものの第三項は落としております。第三項を落としました理由といたしましては、町村合併促進法が制定されました当時におきましては、地方公務員に関するこの退職手当制度がまだ整備をされておりませんでしたので、このような訓示規定を置くことが実益があったのでございまするが、御承知のようにその後地方公務員の退職手当につきまして、国家公務員に準じて制度が整備されておりまするので、このような規定をことさらに置く必要がないということで今回は落としたのでございます。なお、この三項の規定は、読みようによりますると、合併後一カ年以内に退職を申し出た場合には優遇をするけれども、一カ年をこえた場合には優遇をしないぞということで、一カ年以内の退職を強要するようなふうにも読みとれるというような御趣旨のお話もあったように存ずるわけでございますが、そのような語弊もありまするし、この際実益もないことでございまするので、この三項の規定は削ることにいたしたわけでございます。
 なお、この規定によって合併を前に退職を強要している事実を承知しておるか、こういうお尋ねでございますが、そのような事実は承知をいたしておりません。
○細谷委員 そのような事実は承知しておらないということでありますけれども、この四つの中のどこのどこかということは申し上げませんけれども、現に職員の首切りが起こるということで問題が表面化しておるところがあるということは御承知ですか。
○佐久間政府委員 そのようなことも聞いておりません。
○細谷委員 聞いておらぬということでございますから、どうも何か九重の奥で行政をなさっておるように思うのです。現に問題化しておるところがございますよ。風のたよりにでもお聞きになりませんか。具体的にあげてもよろしいですけれども、風のたよりぐらい聞いたでしょう。もう一ぺんお答え願います。
○佐久間政府委員 風のたよりにも伺っておりません。
○細谷委員 知って知らぬふりかもしれませんけれども、現に起こっております。ここでは何県のどこだというふうには申し上げませんが、現に起こっておる。
 そこでお尋ねいたしたいことは、今度は、一年以内という第三項は訓示規定的なものですから除いた、こういうおことばでございますが、問題はその合併協議会の性格と権限にあるわけなんです。この合併協議会というのは、合併直後その機能を喪失するわけです。そうなった場合にどういうことが起こるかといいますと、合併協議会が基本計画なり条例案としてきめたものでありますから、もう町として、議会としてはいかんともしがたいのだということで逃げてまいります。これをあくまでも推進するんだということで、合併協議会というのがこういう合理化あるいは人員整理の隠れみの、防波堤になっているという事実は御存じないのですか。多くの首切りというのは合併後に起こっているのですよ。そういう計画があるのですから、これを実施する以外にないという名のもとに行なわれておるということなんです。御存じですか。
○佐久間政府委員 合併協議会でつくりましたものでございましても、条例事項は市町村の議会の議決を経て効力を生ずるわけでございますので、協議会でつくりました条例案はあくまでも下案でございます。実際問題といたしまして、合併協議会で関係市町村が協議をしてつくったものでございますから、関係議会がそれを尊重をしていくということは当然かと思うのでございまするが、この協議会のつくったものであるからそれが当然に拘束をするというふうには考えておりません。
○細谷委員 形はそのとおりなんですね。先ほど私が申し上げたように、地方議会がもう条例を制定して四月一日としたから国会もひとつそれに右へならって早く議決しろと、こういう拘束以上のものが合併協議会でできた基本計画で、金科玉条、一寸一分たりともこれを改めることはできないという形で推し進められております。そのときにはもう合併協議会はないのですよ。ないのでございますけれども、それを金科玉条として推し進める。人員の縮小、首切り、こういうものが現実に今日まで行なわれてきたし、今後もそれを土台として行なわれる懸念があるのであります。現実に進められんとして問題化しているというので私は尋ねている。あくまでもないですか。
○佐久間政府委員 従来の町村合併促進法でも、先ほどお読みになられましたような規定がございまするし、今回の法律案におきましても、第六条でその規定を設けておりまするし、私どもは法律が成立いたしましたならば、この規定の趣旨に従って指導をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○細谷委員 お尋ねいたしますが、この合併の趣旨について指導をしていきますというおことば下ありますけれども、もうこの法律案に基づいて自治省の意向を受けて地方課が現実に指算しているじゃありませんか。表面には動いておりませんけれども、現にやっておりますよ。それを御否定なさいますか。肯定なさいますか。法律は通っておりませんよ。しかし、そのとおりこの法律に基づいて、通ったものとして指導しているじゃありませんか。その実態は御存じないですか。
○佐久間政府委員 先ほどあげました四月一日に合併を予定をいたしておりますところにつきましては、地方課も、この法律が成立いたしました場合のことを予想いたしまして、それぞれ指導をしておることと存じます。その中に、第六条で、職員の身分取り扱いにつきましても、引き続き合併市町村として身分を保有するように措置しなければならないということでございますので、この規定の趣旨に従って指導をしておるというふうに存じております。
○細谷委員 指導準備、これはけっこうです。しかし、指導準備の領域を越えて、この法律が制定されるものとしてもう間違いありませんから、四月一日からやりなさい、法律案は必ずそういうことで通るのだからという形で、そういう線の準備、また準備的な指導じゃなくて実施的な指導、そういうものについて条例とかなんとか一切の準備をさせておる。表面は静観しておるように見せて、やっておりますよ。これは少し行き過ぎじゃないかと私は思いますが、政務次官、行き過ぎじゃないとお思いですか。
○高橋(禎)政府委員 いま行政局長からもお答えを申し上げましたが、やはり合併促進法――それはことばが足りないのですが、本法案が提出されるということになりますと、先ほども申し上げましたように、市町村として合併したいという考えを持っておりますところでは、一応今度国会で審議されておる案によるとこういうことになるという見通し等を各自で立てまして、いろいろそれに沿ってのいわば行動というものがあると思うのでありますが、自治省といたしましては、この法案は必ず四月一日までに通るのだから、その方針で合併に関しての準備その他をなすべきものであるといった大それた指導は、決していたしておらぬということを御了承願います。
○細谷委員 もちろん行き過ぎた指導はよろしくないし、国会で法律案の審議中でありますから、準備と、準備的な指導ということでは、こういうことになる見込みだからということの指導はけっこうだと思いますけれども、現実に私の見るところでは、もう法律は既定の事実としてそういうことが行なわれておるというように私は見ておりますので、今後十分にそういう点は注意をしていただきたい、こういうふうに思います。特に私お願いしたいことは、この合併促進協議会というのがたいへんなやはり隠れみのになっております。これは条例でそれぞれの関係団体がきめるのだから――こういうことでございますけれども、そこできまったものはもうしゃにむに取り上げられていく、守られていく、こういう体制になるというところに問題点があるわけでありますから、そういう点も特にひとつ御配慮をいただきたいと思うのです。
 時間もありませんから、最後に私はお尋ねしたいのですが、事務的な整理の問題と、もう一つは、やはり適用されないところの地域もあるので、そういうものも自主的な合併ならばひとつ救ってやろう、こういうことからこの法律案が出たという事務的な点については私は理解するのでありますけれども、お尋ねしたい第一点は、一体自主とはどういうことなのかということであります。きょうの新聞に「教授級の五人を選考、来月早々にも自治省」、こういう見出しで、自治省事務次官の写真入りで、広域行政に専門調査員大学教授級の人を委嘱して、この広域行政の問題、端的に言いますと府県合併の問題なり、あるいは府県制度の問題なり、あるいは市町村制度の問題を根本的に検討するということであります。そういうことになってまいりますと、好いた同士だから合併をするという、そういう自主的なものばかりでなくて、自治省としては、やはり市町村はこうあるべきだというビジョン、府県はこうあるべきだというビジョンを打ち立てようという考えで、大学教授級の五人を選考して専門調査会を設けよう、こういう意図だと私は理解する。地方制度調査会ではやっておりません。しかし自治省としてはもっと専門的に地方団体のあり方、制度、そういうものを検討しようということで出ている。これとどういう関係がありますか、自主という問題と。きょうの新聞に出ておる金丸次官の構想、これは自治省の構想でしょう。一体どういう関係がありますか。
○高橋(禎)政府委員 市町村の合併は、地域住民の世論を背景にいたしまして、それぞれの理事者あるいは議会等の独自の立場での研究、結論が出てまいるわけでありまして、自治省といたしましては、もちろんそれを尊重いたしてまいる、こういう意味で、自主ということを特に強く申し上げておるわけであります。すなわち、いわゆる民主的にと言うても差しつかえないと思うのでありますが、ところが、自治省といたしましてはやはり市町村の合併なり、その他広域行政に関連していろいろ指導いたさなければならないわけでありまして、その際に、先ほど御指摘になりましたような専門員等の知識というものを、十分この指導の面にも参考にしていくというふうな関係をとってまいりますことで、よりりっぱな指導ができる、こういうたてまえに立っておるわけでありまして、自治省で考え出したものを合併等に対して押しつけてまいる、決してそういうふうな意図のものではないわけでございます。
○細谷委員 いま安井理事から注意があったのですか、実はきょうの記事は、東京版には出ていないんだそうですが、これは名古屋版なんです。汽車の中で読んだ新聞でありまして、これは名古屋であろうと東京であろうと、とにかく金丸次官の写真入りで、こういう調査員を設けるということを自治省の方針としてきめたものだと思うのです。それであるからには自主的な合併、これは参議院の附帯決議にも出ておるように、強制はしない、二十八年のようにあなたとあなたは結婚しなさいという形で強制はしない、住民の盛り上がった自主的な合併というのが原則なんだ。それにいたしましても、今後広域行政を進めるにあたって、府県の区域はどうなのか、府県の制度はどうなのか、市町村のあり方はどうなのか、こういう問題を行財政の両面から検討をして、自治省としてはあるべき姿、あるべきビジョン、そういうものを描こうとなさっておると思うのです。私は、今日の自主というのは、遺憾ながら長と議会だけの自主であって、住民不在の自主だ、こういうふうに理解しております。そういう段階において、自治省としてはやはり自主というものをチェックしていく、こういう考えに立ってこういう機関を設けて、専門的に調査して、自治省として考えをまとめ上げよう、こういう考えだと思うのです。そうしますと、私はいまの次官の御答弁ではきわめて不十分でありまして、自治省としては、もっときちんとした方針を描こう、そしてそういう自主合併等をあるべき姿の中において調整していこうというお考えに立っておるのじゃないかと私は思うのですが、たまたま、きょうの東京版じゃありません、名古屋版にこういう記事がありましたから。関連してお尋ねしておきたいと思う。
○佐久間政府委員 御指摘の新聞の記事は、私もまだ承知をいたしておりませんけれども、専門員数名を置くということにつきましては、本年度の予算の中に入っております。これをどういう人選をしてどういうふうに使っていくかということにつきましては、省内でまだ相談をいたしておりません。ただ予算を要求いたします当時の考え方といたしましては、地方制度調査会で、府県合併や府県制度の問題を御審議いただいておりますが、この問題につきましては、自治省の役人だけではない、もっと専門的な知識経験を持った人たちに掘り下げた研究をしてもらう。また、もっと突っ込んだ資料を調査会に御提出をするというようなことにする必要があるのじゃないか。調査会から御方針が示されましたならば、またその御方針に沿うてさらに広域行政の問題について研究をしていくということにもなろうかと思いますが、いずれにしても、自治省の役人だけでは足りないのと、もっと幅の広い専門的な知識を持った専門員を置いて、行政の全きを期していきたい、かような趣旨で考えておったものでございます。これはそのようなことでございますので、ただいま御提案申し上げております市町村合併の問題につきましては、関係がないと申しますか、市町村合併の問題について、それらの専門員の方をわずらわそうというようなことは、いまのところ考えていないわけでございます。
○細谷委員 いま新聞に書いてある程度でありまして、おっしゃるように府県制度のあり方というものを重点に調査する、こういうことのようでございますけれども、市町村が府県制度のあるべき姿というものを描いて、市町村のことを検討しないなんて、そんなばかな片手落ちなことはあり得ないと思う。少なくとも大学教授を専門調査員として雇ってやる以上はそうだろうと思うし、自治省もまた府県だけの制度を検討するんだ、市町村のことはかまわぬのだ、――そんなばかなことはないと思うのです。こういう問題について自治省はどうもすっきりとした態度をお持ちになっておらない。私はこういう感じを非常に強くするわけです。
 そこで、お尋ねしたいのでありますけれども、今度の法律案というものは、これは行政制度という面から検討されたようでございますけれども、広域行政、新産都市の建設、工業整備という形の、そういう問題を目ざしての、市町村合併としての性格というものが、非常にやはり濃く出ておるのじゃないかと思うのです。こういうもっと根本的な制度の問題なり、あるいはもっと大切な財政の問題等について、税制調査会あるいは地方制度調査会その他の答申等に取り上げられておるにもかかわらず、そういう問題は一向取り組もうとせぬで、こういう合併という制度の問題ばかり取り組んでいるというのは一体いかなる理由によるのか、これをお尋ねいたします。
○高橋(禎)政府委員 お話しのように、本法案は市町村合併について積極的な態度を示しておるというところまでに至っていないのでございますが、広域行政という問題に関しましては、自治省としては真剣に考えておるわけでありまして、先ほど来出ました専門員制度ということも、やはりその一つのあらわれでございます。何と申しましても、地方制度調査会において府県合併に関しては御審議中なんでございまして、その府県合併ということは、先ほど細谷委員もお話がございましたように、やはり行政地域の問題でございますから、市町村の問題にもやはり触れてまいる、実質的には影響をしてまいると考えられるのでございまして、その地方制度調査会の府県合併、事務の配分、財政問題等についての結論をいただきまして、それらを基礎にして慎重にいまお話しのような諸問題も検討さるべきものである、してまいりたい、そう思うのでございまして、今度の法案は結局従来促進法その他において漏れた、あの機会に合併をしなかった、しかしながら、その後のいろいろな情勢変化によって現在においては地域住民は合併したい、こういう希望を持っておるものに対して、財政的あるいは行政的、その他地方民の気持ち等々をどこまでも――障害になるものを除去して合併しやすくしていこう、こういうふうな案でございますことは、さきにも御説明申し上げたとおりであることを御了承願いたいと思います。
○細谷委員 時間もありませんから……。広域行政という名の、たとえば新産都市の問題にいたしましても、あの岡山県が、やはり県自体の財政が赤字になって、予算の編成に困難を来たしておる。倉敷市はやみ起債で大赤字ができて、どうにもならぬところにきておる。工場誘致に狂奔した四日市市は、これもやはりやみ起債で市の財政が破綻をしておる。こういう具体的な例をたどって見てまいりますと、やはり現在の地方の行政、財政面を破綻さしておる一つの役割りというものを自治省が演じておるのではないか。一つの柱は広域行政という名の府県合併、あるいは市町村の合併、もう一つの問題は財政問題については触れないで、一切をあげて公共事業に住民の税を投資させよう、こういう二つのやりを地方団体に突きつけておるのじゃないかという感がひしひしとしてしょうがない。そういう点について、自治省としてはどういうふうにお考えになっておるのか、これをこの問題を出した佐久間局長にお尋ねしておきたい。
○佐久間政府委員 新産都市の区域におきます合併の問題については、私どもも先生の御指摘のように従来指導をいたしておるわけでございまして、何でもかんでも新産都市の建設であるからというて、無理な合併を強行するということについては慎重な態度で指導をいたしておるわけでございます。今回の法律を立案いたします場合におきましても、その態度は変わっていないわけでございます。
 なお、ただいまの先生の御説で、こういう合併の法律だけをつくって財政上の配慮をしないことが地方行政の破綻を来たしておる一つの原因ではないかというようなおことばでございますが、私どもも地方団体の行政の裏づけとなる財政措置を、十分並行して考えていかなければならぬという点につきましては同感でございます。ただ、今回の合併が、昭和二十八年の合併促進法のように、全国的な計画を立てて、全国的に実施をしようという趣旨のものではございませんし、かつまた、たびたび申し上げておりますように、自主的な合併をただやりやすくしてやろうというだけのことでございますので、この法律案自体におきましては、町村合併促進法に見られましたような積極的な財政援助をするというような条項は落としてあるわけでございます。
○細谷委員 私は積極的なということをこれに要求しておるわけではないのです。むろん、そうしなければなりませんけれども、いろいろ制度調査会等で出された答申の中で、自分の都合のいいところだけを必要だ、必要だ、しかも短刀を突きつけるような矢つぎばやの形で問題を取り上げていくけれども、もう一つ大切な問題については、一向かまわない、そういう姿勢がよろしくないのではないか。ごく最近のある新聞ですけれども、町村合併騒動記、こういうことも書いてあります。内容は御披露しませんけれども、こういうことなんです。ですから、町村合併の問題にもいろいろな深刻な問題が横たわっておるということを自治省みずから反省し、十分認識していただかなければならぬじゃないか。
 と同時に、どうも自分の都合のいいところだけは自治省というからを守り抜こう、そういういやしいということばではありませんけれども、官僚意識というものが強く働いて、そしてほんとうに自治体を育てるというもう一つの面については全く熱意がない、こういう姿勢がよろしくないので、これを改めていただかなければならぬ、こういうふうに私は強く感じております。これについて次官のおことばを聞きたいと思います。
○高橋(禎)政府委員 自治省といたしましてはどこまでも地方自治の確立、発展ということを念願といたしましていろいろ地方公共団体の行政等を指導いたしてまいっておるわけであります。しかしながら、これで十分だというふうには考えておらないわけであります。したがいまして、たとえば地方制度調査会等によって府県合併であるとか、あるいはまた事務の配分の問題とか、地方公共団体の財政の問題等の御検討を願い、そしてまた税制調査会等では、いつも地方税制の問題等の御検討を願い、その答申を尊重して、そうして地方自治を守っていこうという基本的態度であるわけでございまして、これから足らざるところについては、いまお話のございましたような趣旨をも十分参考といたしまして、真剣に検討して、りっぱな自治制度というものを確立してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○中馬委員長 門司委員。
○門司委員 この法案の通るまでにちょっと資料を出しておいていただきたいと思います。いま細谷君の質問を通じて聞いてみますると、どうもあまり感心した行き方ではない。大体この種の町村といいますか、自治体を育てていこうというような法律案は、やはり実施の時期を相当延ばして、そうしてその間に地方自治体の法律に基づく十分なる準備と検討が行なわれるということが望ましいのであります。拙速主義のこの法案の行き方には、私も賛成しかねるのであります。同時に、いま問答を聞いていると、何かもうすでに条例ができているという話ですが、これはけしからぬ話である。地方の条例ができたから、それに法律を合わせるというなら、一体国会議員の審議は何であるか、私どもその辺は非常にふに落ちないことだと思います。法案自身の精神としては、私は自治省としては、地方の自治体を啓蒙していこうとするには、やはり法案を出す必要があるとするならば、さっき言いましたように、研修する期間を地方に与え、法律をこしらえて、それに基づいて地方の自治体が伸びていくという関係が望ましいのであって、この法案の出し方に私はいささか疑問があります。したがって、要求する資料は、一つは町村合併が行なわれて、さらに新市町村に対します建設促進法が制定をされております。したがって、これに基づいて、当然市としての要件であるべきものを備えなければならないことは、都市計画法の第一条の各項によっても明らかにされておりますように、一体いままで町村合併促進法に基づいて、あるいは新市町村建設促進法に基づいてできた新しい都市において、都市計画がどのくらい制定され、促進されておるかということであります。私の知っておる範囲では、まだ都市計画自身すら立てていないような市があるのではないかと思います。これは町村合併をして、市をたくさんこしらえても、その実質は何も伴わない。ただ単に、町村議員さんが市会議員さんという名刺を持ち、町長さんが市長さんという名刺を持って、そしていたずらに市である、市街地であるというようなことで、多少の土地の値上がりを来たすくらいが関の山であって、住民には何らの貢献がないものと考える。したがって、一体都市計画がどれだけの町村に計画され、またその進捗状況はどうであるかということ、いわゆる市になったために、住民に対してどういう利益を与えようとしておるのか、計画性がどのくらいあるのか、その数字を明らかにしてもらいたい。私の知っておる範囲では、町村合併をして市にはなったけれども、都市計画すらまだ十分にないということがあろうかと思います。しかし、これは市である限りにおいては、いずれの法律のたてまえからいっても、当然都市計画というものがなければならない筋合いだと私は思いますので、その間の事情をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
 それからもう一つの問題は、先ほどの御質問の中から出てきました、たとえば鹿児島県の川内市の条例があるとするならば、その条例を示してもらいたい。国会の議決の行なわれない前に都市で条例ができておったということも、先ほど申し上げましたように、国会議員としてもはなはだ不見識な話である。市町村から教わって法律をそれに合わせるということは、法律の権威からも――したがって、この条例の内容をひとつ明らかにしてもらいたい。
 もう一つ、最後にお願いをいたしておきたいと思いますことは、町村合併促進法とさらに新市町村建設促進法と今度のこの新しい合併法と三つの法律等について、地方自治法の八条との関係の中で私どもがふに落ちないのは、いずれもこれに対しては人口要件だけが合併要件になっておる。ところが地方自治法の八条における市としての性格については、単なる人口だけの要素ではないはずなんだ。いわゆる人口の六割以上が市街地を構成していなければならないというようないろいろな条件がある。この条件との関連性がこの法律案にはちっとも書いてないが、一体それでよろしいかどうか、こういう点について、ひとつこの次の会議なりあるいはこの法案の通る前に、参考の資料を出していただきたいということを要求いたしまして、それが出てきてからさらに質疑を続けていきたいと思います。
○佐久間政府委員 ただいま御要求になりました資料の中で、最初のものと最後のものにつきましては御提出いたすことができると思いますが、二番目の、市の条例の点でございまするが、これは先ほど細谷委員の御質問に対してお答えいたしましたのは、合併の前に、合併協議会におきまして、合併したならばこういう条例をつくろうというような準備的な相談は行なわれるであろうということを申し上げたわけでございまして、条例を合併前につくるということは、これはもう法律上もできないことでございまするので、そのような例はございませんので、その点につきましては御提出いたしかねまするので、御了承いただきたいと思います。
○門司委員 もしそうだといたしますならば――おそらくそんなことに私はなろうと思っておるのだが、もう一つ突っ込んで要求いたしておきます。そういう合併協議会できめられた時期と、この法案を国会に提案されました時期とのずれが必ず私はあると思う。したがって、もしこういう法案が出る、こういう法案が考えられるということを前提にして、条例にはなっていないらしいが、しかし協議会ではきめられておるということになりますと、この法案の国会提出前にすでに一部の人がこれを十分知っておって、そうしてそういうことを協議されたとしか考えられない。このことは、条例ができていてもできていなくても、国会に対する考え方としては私は同じことだ考える。したがって、国会に提案された時期とその申し合わせができた時期と、日にちをひとつ明確にしていただきたい。
○佐久間政府委員 合併協議会と申しまするけれども、この法律による合併協議会は、法律施行前にできるはずはございません。ただ従来御承知のように、合併いたします場合には、実際問題として関係市町村の長や議員の人たちで事実上の協議会をつくりまして、そこで合併後のいろいろな問題を協議をしておるわけでございまして、そういう事実上のものはあるだろうと思うのでございますが、御指摘のように、この法律に基づく協議会というものはもちろんどこにもないわけであります。
○門司委員 それはなくてもいいんだよ。法律に基づくものであってもなくても、かりにあるということでここで言われておるし、それが法律に基づこうと基づくまいと、この法律に基づくものであるか、あるいは基づかないものであるかということを私は問わない。だからその計画、この法律を大体前提としたような条例がすでにできておるということが、いままでのやり取りの中でわかっておる。そうだとすれば、その協議会の行なわれた時期と、この法案の国会に提案された時期ということは、非常に大事なことであります。もしこの法案の提出されない前に、すでにこういうものが出るであろうということを予想されて、かりに協議会がつくられておったとすれば、これはこの法案に基づいたものでないことは明らかである。しかし、いずれにしても、その間の事情を明らかにするために、協議会でいつ協議がされて、どういう協議がされたのかということと、この法案を国会に提案された時期との関係をひとつ報告してもらえばけっこうです。
○佐久間政府委員 先ほど細谷先生の御質問に対してお答えいたしておりましたのは、この法律が施行後、この法律に規定されております合併協議会の機能がどうであるかというようなことを中心にしてお答え申し上げておったわけでありまして、この法律の施行前におきまして、事実上の協議会にいたしましても、その協議会がどのような状況になっており、そこでどのような相談が行なわれておるかということにつきましては、私どもも承知をいたしていないわけでございますが、おそらく事実上のものはあるだろう、かように思いますので、事実上のものがございますれば、そのものにつきまして、お示しになりましたような趣旨を提出させていただくことにいたしたいと存じます
○中馬委員長 華山委員。
○華山委員 この法律の第一条に「当分の間の措置として」、こう書いてありますから、これは当分の措置だと思いますが、どういうところをめどとして当分の間でございますか伺いたいと思います
○佐久間政府委員 「当分の間の措置」といたしましたのは、この法律の中に書かれておりますものがいずれも各関係法律の特例でございますので、特例法は性格上やはりこれは当分の間の措置であるべきだと考えておるわけであります。当分の間はどれくらいかということでございますが、附則の第二条におきまして「十年を経過した時にその効力を失う。」ということにいたしております。なぜ十年にしたかということでございますが、まあそう厳密な思考をいたしました結果十年としたわけでございませんで、このもとになりました、前身ともいうべき市の合併の特例に関する法律が十年間の限時法になっておりましたので、それを参考にいたしまして、およそ十年間くらいの特例法ということで立案をいたしたわけでございます。
○華山委員 次官は前々から、この前の市町村合併の際に合併をしそこねた、合併をしなかった、そういうことでいまになってみればやはり合併をしたほうがいいというところもあるので、そういうところを救済するというふうに言っていらっしゃいますが、そうだとすれば十年もの間にしなくてもいいのじゃないですか。これは二年か三年もやればそういうことはできるのじゃないですか。どういうことですか、よくわからないのですが、この前できなかったから、今度やろうというところがあるから、それを救うためにつくったというのであれば、十年もそんなことをしなくてもいいのだと思いますが、どういうことですか。
○佐久間政府委員 次官のおっしゃいました御趣旨は、この前の合併のときに、大体人口八千程度あるから合併をしなくともよいということで合併をいたしませんでした町村で、やはりその後の行政需要の状況からいたしますると、人口八千くらいではぐあいが悪い、回りの町村と合併をして大きくなっほうがいい、こういうようなところをお考えになってお答えになったものと存じます。
○華山委員 それを十年もの間やらなければいかぬというのはどういうわけですか。十年も余裕を置いてやらなければいかぬというのはどういうことですか。そういうことならば、これは二年もやればできるじゃないですか。
○佐久間政府委員 ただいま例にあげましたのは一つのケースでございまして、それ以外にも前に合併をいたしましたけれども、その後における社会、経済あるいは交通、通信等の状況の変化に対応いたしまして、さらに合併をしたいというところも出てまいっておりまするし、それらのものにつきまして、合併がやりやすいようにということで立案をいたしたわけでございます。
 その場合、なぜ十年――二年、三年でいいじゃないかという御説でございますが、繰り返し申し上げておりますように、今回の法律は促進法ではなくて特例法でございますので、これによって早く合併をやれというような指導をするつもりはございません。これが二年、三年ということに期限が限られますと、その間に合併をやれというような無理なことが起こるようなことになってもいけませんので大体十年、しかもその十年は、市の合併の特例に関する法律が十年でございましたので、それを一応のめどといたしたわけでございます。かような考え方でございます。
○華山委員 私は自治省の考え方が一貫してないと思うのでございます。自治省はなるべく市町村と合併させたい、それにはこういう法律をつくったほうがよろしいというのが本旨なんでしょう。やりたいところがやったらいいというようなことをおっしゃいますけれども、そうでなくて、第一条の「趣旨」に書いてあるところを見ましても、やはり市町村は大きくならなければいけないのだ、合併したほうがいいのだという根本的なものの考えがあるのでこういう法律が出てくるのであって、市町村のほうには合併したいというのもあるから、それをひとつ救ってやろうという趣旨ではないので、むしろ前者に重きが置いてあるのではございませんか。
○佐久間政府委員 合併の規模につきまして、先刻奥野委員から御質問がございましたように、今日人口八千人程度で今日の市町村に期待される行政がやれるかどうかということにつきましては、私どもも疑問に思っておるわけでございます。したがいまして状況に応じましてはさらに大きくなるということがこれは望ましいと考えておりますけれども、しかしそのやり方を国が計画を立ててそれを強行するというようなやり方は、避けていかなければならない、かような考え方をいたしておるわけでございます。
○華山委員 国は強行はしないけれども、やはり市町村合併はあってしるべきだ、こういう基本観念でございますね。
○佐久間政府委員 そのとおりでございます。
○華山委員 そうしますと、これから自治省は基本方針として市町村合併を推進してまいりますか、あるいはただじっと見ておって、自主的に出てきた場合にはこの法律でやるのだ、こういう態度でいきますか、どちらでございますか。
○佐久間政府委員 この町村合併促進法のときには八千未満の弱小町村を解消するということでございましたので、全国的に計画的に合併を遂行いたしたわけでございますが、今後考られる合併におきましては、市町村の行政を能率的にやっていくようにしよう、こういうことになるわけでございまして、ただ大きくしたからそれが能率的にやれるというわけでもございませんので、その点につきましては地域々々の実情をよく検討いたしまして、合併をしてプラスになるところは合併したらよろしい、合併してもプラスにならぬところは、しいて合併をさせるということは避けていかなければならぬ、こういような考え方をいたしておりますので、この際、全国的な一つの方針を持って推進をしていくということは、いたさないつもりでおるわけでございます。
○華山委員 大臣がおられないから、なんでございますが、政務次官からでも明確にしていただきたい。これはほんとうに自主的なものであって、自治省といたしましては将来にわたっても合併のムードを起こしたり、あるいは合併をすすめたりはしない、こういう方針を明確に、そうですとか、そうでありませんとか言っていただきたい。
○高橋(禎)政府委員 やはりこの合併という問題も、地方自治の問題なのでございまして、自治省といたしましてはどこまでも地方自治というものを民主的に育てていきたい、そういう根本的な考えに立ってこの問題とも取っ組んでいくわけでございまして、市町村の合併については、やはり地元市町村の意思というものを、どこまでもその自主性というものを尊重いたしまして、自治省として市町村合併を押しつけていく、そういうことはいたしません。ただ、市町村合併が、先ほど申し上げましたように、地方行政に関するやはり重要な問題でございますから、それが、地元住民のほんとうの考えがりっぱに実を結んでまいりますようにいろいろと助言、指導をしてまいるということはいたすべきものだ、そのように考えておるわけでございます。
○華山委員 次官のこの御発言は、非常に重大だと思います。そうすると、自治省としては、この法律によって便法を与えて市町村合併は推進するというお考えでございますね。
○高橋(禎)政府委員 ことばが、なかなかそこのところむずかしいわけでありますが、この法案は、先ほど来御説明申し上げましたように、地方市町村において合併をしたい、そういう考えのございますときに、その考えがどこまでも実を結ぶように、実現いたしますように、障害となると思えるようなものは除去してまいりたい、地方の意思がどこまでも実を結んでいくようにいたしたいものであるという考え方でもってこの法案を提出いたしておるわけでございます。
○華山委員 くどいようでございますが、なおこの点は、今後党のほうからも聞いていただくつもりでおります。私にはよくわからない。自治省としては、市町村合併のムードをこの法律でもって出すようなことはないのかどうかということをひとつお聞きしたい。
○高橋(禎)政府委員 この特例法を設けまして、市町村合併のムードをつくって、合併をいわば積極的に促進していこう、そういうところがこの法の精神ではないわけでございまして、先ほど申し上げたところもそこにあるわけであることを御了承願います。
○華山委員 法の精神はそうでしょうけれども、そういうことをなさらないかどうかということを聞いているんです。そういうことはなさいませんね。
○高橋(禎)政府委員 この法案の趣旨については、いま申し上げましようなわけでございまして、自治省の精神はやはりいまこの法案の精神、それと同じであるということを御了解願いたいのであります。
○華山委員 私は、しかしどうももう少しはっきり言っていただきたいんですがね。もうこういう法律ができるために、市町村合併熱がもはや市町村に再燃しているといわれている。それで私がこういうことを言うのは、市町村合併などというものは容易にできるものじゃないということなんです。たいへんな、いろいろな波乱を起こすということなんです。私は、自分のことを言って恐縮ですけれども、私の関係していた県では、全国で一番初めに市町村計画合併ができたというので、自治大臣から銀杯をいただいた。こんなこと、おかしいですけれども、そういう経験がある。それで、その苦労というものはたいへんなものですよ。それで、この法律によって、せっかくおさまった市町村を、ほかのことはほっておいて、市町村合併、市町村合併で住民を苦しめたり、そういうことはしてもらいたくないということなんです。市町村合併という以上は、やはり先ほども御質問のあったとおり、市というものはいかにあるべきか、町村というものはいかにあるべきか、そういう一つの目標を立てたならば、それに従って、そして住民がその際にはたとえ多少の苦しみがあっても、それがきちんと国会等でもきまったならば、そのビジョンに従ってまたやるということは、その場合はあると思いますけれども、ときどきこういうふうにマッチをすって歩いたんではかなわないと思う。それですから、先ほどおっしゃるとおり、ただほんとうに合併がしたいところがあるから、そういうところには合併さしたほうがいいだろう、それにはこういう障害があるから、そういうことを除いてやるんだという単なることであるならば、私は了解ができますけれども、これでもってさらに合併町村を進めていくんだという下心でやられるんだとするならば私は困ると思う。その点につきまして、私はむしろ、積極的に何も自治省は合併を推進、推奨するんじゃないんだ、合併の本格的に進むべき時期はさらに来るであろう、それまでは、別に推奨するんじゃないけれども、とにかく今したい、したいというところもあるんだから、そういうところについては障害を除いてやるんだ、この程度にとどめていただきたいと思うのです。いかがでございますか。
○高橋(禎)政府委員 いま華山委員が最後に、これならば賛成するがとおっしゃったあのような趣旨で法案を出しておるわけでありまして、その法律の精神はどこまでも尊重いたしてまいる、そういう考えであります。
○華山委員 そうしますと、お聞きいたしますが、自治省が各地方庁等に対して市町村合併についての推進とかそういうふうな通牒を出すとか、内簡を出すとか、そういうことは絶対にいたしませんな。
○佐久間政府委員 各県に対しまして、合併計画を立ててそれを推進するようにというような趣旨の通達を出すようなことはいたしません。
○華山委員 合併計画なんというのはよけいなことですよ。そういうようなことは絶対にいたしませんということをおっしゃればいい。市町村合併をこの法律によって推進するような、そういうふうに受け取れるような内簡とか、通牒は絶対にいたしませんということをおっしゃっていただきたい。
○佐久間政府委員 そのようなことはいたしませんで、先ほどお話のありましたようなこの法律の趣旨をよく地方に連絡いたすようにいたします。
○華山委員 私が申しますことは、日本人の欠点かもしれません。この市町村合併ということになりますと、住民が非常に夢中になるのですね。それで、自分の村の経済力だってかまわないし、一年間わあわあ騒いで、その村がさびれようと何もかまわない、そういうことばかりに熱をあげて、市町村合併ということはいいことではあるけれども、一面非常な弊害を及ぼす。したがって、私はちょびちょびした市町村合併を、ときどきマッチをつけるようなことはやめてもらいたい、こういうことを申し上げる。将来十年間たったならば、ほんとうに市町村というものはかくあるべきだという方針が立った場合には、そのときには一生懸命おやりになってもいいと思う。
 それから一つ伺いますが。この市、町、村とありますが、これは名前でございますが、何かこれは実益がありますか。
○佐久間政府委員 町村につきましては、法律上格別の取り扱いに違いはございません。社会通念といたしまして、市街地を持っておりますものが町ということでございますが、市につきましては、法律上市であるがゆえにこういう権限を与える、あるいはこういう責任を負わせるというようなことがございますので、その点につきまして実益があるわけでございます。
○華山委員 実は笑うべきことかもしれませんが、村の人は町になりたいのですよ。それで私の経験したところでは、村で、われわれはこれから町になると議決しちゃったのですね。それで村議会で議決をして、何の手続もしないで、役場にはもう町の看板を掲げちゃった。そういうふうなことなんですけれども、町村なんというふうなこと、市なんということはあまり拘泥しないでやめちゃったらどうかと、暴論かもしれませんが考えるのですか、どんなもんですか。全部市にするというのはおかしいかもしれませんが、こんなことで住民がプライドを傷つけられたり、妙な気持ちになるというようなことはいかがなもんですか。何か障害ございますか。
○佐久間政府委員 一つの御意見かとも存じますが、現在私どもといたしましては、町村は別といたしまして、市につきましては、町村と違って相当事務配分の上で考慮をしていくべきだ、かような考え方で地方制度調査会でも御審議をいただいておりますので、その区別は尊重していきたいと現在のところ考えているわけでございます。
○華山委員 われわれは村のほうに権威を持つんだというふうなことで、村という名前でいいというならば、私はそれはとうといことだと思いますから、村を全部町にしろとは言わぬけれども、町になりたいというなら、あまりやかましいことを言わないでどんどん認めていったらどうです。御方針いかがですか。
○佐久間政府委員 町となるべき要件につきましては、関係都道府県の条例で定めておりまするので、その条例の内容によりましては、かなりゆるやかになっておるところもあるわけでございます。ただ現行法上、町と村と区別をしてございまするので、全くその区別をなくすような条例は、現行法の上からはやはりいけないことかと思います。
○華山委員 そうしますと、各府県で条例をもう有名無実にしちゃって、町になりたいというなら町にするということも可能なんですね。
○佐久間政府委員 従来、町というものにつきましては、各府県の条例がかなり厳格な要件を定めておりましたが、その要件を相当弾力的に緩和するということは可能でございますが、ただ現行法上町と村の区別が存置してあります以上、お話しのように有名無実になるような条例を定めるということは法律に抵触することになろうと思います
○華山委員 自治省が原則を定めるのですから、希望して、村の名前が昔からあるんだからそれでいいというならば別としまして、そうでないところは、町になりたいところは町にしたってかまわないと思いますが、何か障害がございますか。
○佐久間政府委員 町村につきまして、法律上の権能の上におきましては、先ほど申しましたように、現行法上差異はございませんが、ただ名称上の区別といたしまして町と村と分けており、そして町となるべき要件は都道府県の条例で定めなければならない、かように法律で規定いたしておりまするので、現行法の上におきましては、町村の区別をなくしてしまうような条例を定めるということは法律に抵触する、かように解釈するわけでございます。
○華山委員 その条例はいろいろな条例と同じように、府県条例は自治省でお手木を示したものじゃございませんか。
○佐久間政府委員 ずっと古いことは承知をいたしておりませんが、最近におきまして、町となるべき条例について準則を示したことはございませんし、現に各県の条例を見てみましても、県によりましてかなり差異があるようでございます。人口につきましても、人口八千以上としておるところもございますし、あるいはまた一万以上としておるところもございまするし、あるいはまた商工業の数を六割としているところもございます、五割としているところもございまするし、その辺のところは私のほうでそう厳密な原則を示して強制するというような指導はいたしておりません。
○華山委員 出発点では、おそらく自治省が何か準則を示されて――ほかの条例は大体そうですけれども、そこから出ているんだと思います。あまり重要な問題じゃないかもしれませんが、あまり町村なんかの名称にこだわらないように、町になりたいというところがあるならば、それでみんなが喜ぶならば、できるだけ町の名称を許してやるように、ひとつ御指導なり法律の改正なり、あるいは条例のやり方の統一なり、お願いしたいと思います。
○高橋(禎)政府委員 いまの華山委員の御意見は、私どもにとりましても非常に興味のある参考にもなる御意見でございます。行政局長から説明いたしましたように、いまの法律のもとではやはり区別をつける、つけていかなければならぬというたてまえになっておりますが、法改正ということになりますと、将来御意見等も参考にして地方自治の確立発展の線に沿うて検討していくべき問題であるというふうに考えておる次第でございます。将来の問題と思います。
○華山委員 それから十一条の衆議院の選挙区関係の問題でありますが、従来からもこういう例があったかもしれませんが、私、よくわからないのでございますけれども、こういうふうなものは公職選挙法のほうを改正すべきであって、この特例法によって公職選挙法のほうが自然的に何か影響を受けて解消されるということでありますか、その法理論を伺いたい。
○佐久間政府委員 この条文に限りませんで、この法律案の中に書いてございます事項につきましては、それぞれ他の関係法律に原則が書いてあるわけでございます。その原則に対しまする特例だけを集めましてこの法律をつくっておるわけでございます。立法技術的に見まするならば、いまの十一条の問題を公職選挙法の附則に書くということももちろん可能でございまするが、この法律の立て方といたしましては、市町村が合併をいたします場合の特例を、各法律のものを全部一まとめにするほうが便宜であろうということで立案をいたしたわけでございますし、なおまた、従来の法律の例も踏襲をいたしたわけでございます。
○華山委員 選挙のしかたを伺いますが、衆議院の場合、AというところにBというところが合併をした。そうしますと、今度の法律によってBというところはA市であるにかかわらず別な選挙区だ、こういうことになりますね。そうしますと、そのBというところの選挙を管理するのは当然A市の選挙管理委員会でございますね。
○佐久間政府委員 そのとおりでございます。
○華山委員 そこで、選挙の際にはすべてのことはA市の選挙管理委員会がやる、こういうことでございますね。そうして、その際に、一つの例をとりますが、たとえば開票という際には、その開票の責任、投票数の数え方の責任は、A市の選挙管理委員会が責任を持つわけでございますか。
○佐久間政府委員 開票区につきましては十一条の第二項によりまして、選挙区の区域によって開票区を設けることにいたしております。事務そのものはA市の選挙管理委員がやることになります。
○華山委員 そうしますと、そこでそのB地区というものについては某候補が何票、某候補が何票ということはわかるわけでございますね。その決定をするのはA市の選挙管理委員会でございますね。
○佐久間政府委員 そのとおりでございます。
○華山委員 そうしますと、従来Bが入っていたCという選挙区があるわけですが、Cの選挙区のほうではそこの管理委員会がB分を合わせて計算する、こういうことになりますか。
○佐久間政府委員 ちょっとお尋ねがなんでございますが、Cと申しますと、前に入っておった村でございますか。そのCのほうは前のところは別な市町村でございますから、そこの市町村の選挙管理委員会が管理をするということになります。
○華山委員 それを合算するときにはどちらが責任でございますか。もちろんCという区域の選挙区でございますね。県になりますか。県で合算しますか。県の選挙管理委員会……。
○佐久間政府委員 開票区が別になりますから、それぞれ各開票区ごとに計算をいたしましたものを、国会議員の場合でございますから県で合算をするということになります。
○華山委員 その際にB地区にいろいろな選挙上の疑義が起きた、あるいは投票の勘定のしかたがおかしかったとか、氏名の判断がおかしかったとか、そういうふうなことのために無効等の訴訟が起きたというふうな場合には、だれに責任があるのですか。
○佐久間政府委員 それは県の選挙管理委員会でございます。
○華山委員 県の選挙管理委員会ですけれども、A地区の選挙管理委員会が実際上はやるのじゃないでか。
○佐久間政府委員 衆議院議員の選挙でございますから、県の選挙管理委員会でございます。
○華山委員 そうしますと、こういう衆議院の選挙につきましては、市町村の選挙管理委員会というものは全く無関係なものですか。
○佐久間政府委員 県の選挙管理委員会が指揮、監督をして、市町村の選挙管理委員会に事務を扱わせるわけでございます。
○華山委員 終局的責任は、県の選挙管理委員会に帰するでしょうけれども、B地区について諸般の問題が起きたときには、B地区というものを扱った選挙管理委員会に責任があるわけじゃないですか。
○佐久間政府委員 衆議院議員の選挙でございますから、法律上は県の選挙管理委員会が責任を持つわけでございまして、争訟がございますれば県の選挙管理委員会が被告になるわけでございます。
○華山委員 しかし、投票を分類したり勘定したりするのは、県の選挙管理委員会の委託を受けてやっているのですか。市町村の選挙管理委員会はどういう立場でやっているのですか。
○佐久間政府委員 県の管理委員会の指揮、監督のもとに、補助執行しておるという形になるわけでございます。
○華山委員 ああそうですが、自主性がないのですか。ただ補助するだけであって何の自主性もなくて、権能なしでやっているのですか。どうなんですか。
○佐久間政府委員 投票につきましては投票管理者、開票につきましては開票管理者がそれぞれ責任を持ってやるわけでございます。
○華山委員 責任を持ってやる。その場合に、何か失態があった場合には、もちろん終局的には旧の選挙管理委員会が責任を負うでしょう。その際に、B地区についてかりに投票の勘定のしかたを間違えた、間違えたのがCという選挙区のほうに通達されて、Cのほうでそれを計算した、間違えたものを基礎にして計算した結果、間違えた、そういうふうな場合には責任の帰趨はどこにいくのですか。
○佐久間政府委員 法律上は県の選挙管理委員会でございます。
○華山委員 法律上はそうでございましても、中際上はどうなるのですか。
○佐久間政府委員 実際と申しますか、県の選挙管理委員会の責任でございます。
○華山委員 そうすると、いいかげんなことをやって、間違えたって知らないということですね、県の選挙管理委員会が責任を負うのだから。そういうふうなものの考え方だったら、実際上は選挙だってうまくいかないじゃないですか。しかし、公職選挙法の中にそういうふうな責任があるのだということはないのですか。
○佐久間政府委員 投票管理者、開票管理者、すべて法律に定められたところに従って職務を執行することは申すまでもございません。しかし、選挙争訟あるいは当選争訟ということで問題になりました場合には、県の選挙管理委員会が責任を持つわけでございます。
○華山委員 いまの投票管理者あるいは開票の管理者、そういう責任のある管理者というものはかれが任命をするものでございますか。市町村の選挙管理委員会が任命するのか、最終責任者である県の管理委員会が任命するのでございますか。
○佐久間政府委員 市町村の選挙管理委員会が任命をいたします。
○華山委員 そうしますと、その市町村の選挙管理委員会というものは、ほかの地区の開票結果について責任があるということでございますね。
○佐久間政府委員 ほかの地区と申しますか、選挙区は従前の選挙区によるわけでございますから、その選挙区の選挙事務について責任を持つということでございます。
○華山委員 しかし、先ほどの、A市の選挙に関係する人がB地区の選挙の事務をやっている、責任を持っている、それが今度は、その結果はC地区にいくわけでしょう。そうしますと、C地区の結果について、全然関係ないところの市町村の選挙管理委員会が責任を負う、こういうことになりますね。
○佐久間政府委員 先生のおっしゃいます意味は、B地区の開票管理者についてもAの選挙管理委員会が任命をする、そこで、A市というのはもともと別な選挙区になっておったので、別な選挙区に属する市の選挙管理委員会が任命をすることがおかしいじゃないか、こういう御趣旨でございますか。――それはそのようなことになるわけでございます。
○華山委員 私はそれで考えるのですが、この問題はなかなかわけのわからないところがあるのです。これはひとつ衆議院の選挙制度特別委員会に一ぺんかけてみたらどうですか。これは重大なことだと思うのです。ここだけではきめられないいろいろな問題が出てくるのではないかと思うのです。この点については……。
○中馬委員長 これは次会に選挙局長を呼んで、統一見解を聞いてみたらどうですか。
○華山委員 ひとつ、もう少しお聞きしたい。どうも自分のところの選挙でないものをやって、その責任が結局自分のところにくるのだ、何かこう責任の帰属がぴんとこないような気持ちもするわけです。その点について、もう少し私も勉強しますが、お聞きしてみたいと思いますが、時間もございませんので……。
○中馬委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十一分散会