第048回国会 法務委員会 第10号
昭和四十年三月五日(金曜日)
   午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 加藤 精三君
   理事 上村千一郎君 理事 大竹 太郎君
   理事 小金 義照君 理事 小島 徹三君
      賀屋 興宣君    唐澤 俊樹君
      四宮 久吉君    中垣 國男君
      馬場 元治君    濱野 清吾君
      藤枝 泉介君    山手 滿男君
      赤松  勇君    井伊 誠一君
      田中織之進君
 出席政府委員
        法務政務次官  大坪 保雄君
        警  視  監
        (警察庁刑事局
        長)      日原 正雄君
        検     事
        (刑事局長)  津田  實君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (農地局管理部
        長)      石田  朗君
        日本国有鉄道常
        務理事     柴田 元良君
        専  門  員 高橋 勝好君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 法務行政、検察行政及び人権擁護に関する件
     ――――◇―――――
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 法務行政、検察行政及び人権擁護に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。赤松勇君。
○赤松委員 国鉄当局にお尋ねをしたいと思いますが、名古屋市の中村区の日比津というところにございます農地の問題ですが、これが国鉄において所有されたのは太平洋戦争のとき、すなわち昭和十八年、当時戦時輸送力増強のため軍部の圧力によって、事のいかんを問わず、いわゆる国策と称して強制買収されたのであります。ところが、この戦時中における農地の強制買収につきましては、昭和三十三年三月十四日、最高裁の第十一小法廷で判決破棄、差し戻しになっております。それで、この事件は神戸で起きた事件でございますが、これにつきまして、上告人は兵庫県知事、被上告人は日本国有鉄道、原審は大阪高等裁判所で行なわれました。そして国鉄は、農地を農地法第六条によって保有することができないので、耕作者に国が買い上げて売り渡しをすべきである、こういう判決が下っておるのであります。したがって、この判決に基づきまして、農民は直ちに中村区農業委員会に手続をいたしまして、昭和三十二年七月十二日これを議決をして書類を愛知県知事に出したのでございます。ところが国鉄当局は、東海道新幹線の建設計画にあたって、この土地を貨物駅にするという計画であることが知事に対して回答がありました。そこで当時、すなわち昭和三十三年五月に、関係耕作者が協議会を結成しました。三十三年八月に、この協議会によって、この農地を耕作者に返すべきである、すなわち、農地法で解放されるよう国鉄当局に陳情を続けました。これは当時私が立ち会いまして、国鉄の当時の用地課長赤木さん、それから橋本さん、こういう人と、本社で前後四回にわたりまして、いろいろ折衝を重ねたわけであります。その際、国鉄当局のほうでは、この農地買収について、すみやかに返すべきではあるけれども――農林省もわれわれの意見を支持しまして、即時返すべきである、こういう意見を国鉄当局に申しておりましたけれども、国鉄当局は、新幹線建設という国策の線に沿って協力してくれということで、具体的に坪当たり幾らという金額を明示されてきたのであります。
 そうこうするうちに、さらに県当局にその解放を実施されるよう陳情して、そうして県議会は、自民党、社会党を問わず、これを支持しまして、さらに昭和三十四年二月には、農林省の農地課の中島課長、それから三上技官などに陳情して、そうして、農林省も、先ほど申し上げましたように、これら農民の意見を支持して、国鉄と交渉を行なってまいりました。
 そこで、三十五年の五月に、私が勧告しまして、これは国策の線に沿って、農地を国鉄に買収してもらうべきだ、これは必然の大勢であるから、どうしても国鉄は貨物駅をつくりたいというのであるから、この際、土地に対する執着はよくわかるけれども国鉄に協力したらどうかということを勧告しまして、そこで交渉委員十一名を選びました。それから国鉄側から赤木用地部長が名古屋に参りまして、そして用地の変更ができない旨を説明いたしました。越えて三十五年七月、新幹線名古屋工事局の用地第三課長より、貨物駅の計画のため離作、すなわち耕作をやめるようとの交渉を受けました。交渉委員十一名で強く、この農地が戦争遂行上、強制的に軍部の強権で買収されたものであるから、われわれはあくまでも解放してもらいたいという要求をした。その後十回にわたって用地課長、係長らと交渉したが、いずれも用地を貨物駅として使用したいということで、この解放の要求を今日まで、ぜひ解決をしたいということで交渉が続けられてきたのであります。ところが、最近聞くところによれば、これは私は電話で新幹線の局長に聞いたのでありますが、あの用地は、戦争中軍部が強権を発動して強制的に買収した、ところが最高裁の判決もこのようにあり、すみやかに農民に返すべきである、しかし新幹線という国策を遂行する上で協力をするように、私は一貫して指導してきた。ところが採算がとれないのでもう貨物駅をつくることはやめた、そういう計画変更が今度行なわれる。そうすると、貨物駅をつくらないということになるならば、当然農民に湿してやるべきだ。すでに農業委員会の議決もとっているわけです。ところが、どうもこれを用途変更して他に使うというようなうわさが流れている、もしこれが他に使われるということになるならば、私は農民を説得して国鉄に協力してきた、そういう協力の努力が水のあわになるばかりじゃなしに、これは農民から土地を強権で奪い取って、なお戦争中のそういう強権発動の行為が戦後も続いておるということになるならば、しかも貨物駅に使わないで用途変更して他のものに使うということになるならば、私は重大な問題であると思うのでありますが、この際、国鉄当局の責任ある態度を明らかにしてもらいたいと思います。
○柴田説明員 ただいま先生から日比津の用地のいままでの経過につきまして御説明がありましたが、国鉄といたしましては、新幹線を利用いたしまして高速の貨物輸送を行なうということが、国鉄の営業上どうしても必要なことでございまして、またその需要につきましても十分の採算を持っておりますので、なるべく早く新幹線による貨物輸送を行ないたい、こういうふうに考えて計画を進めております。したがいまして、日比津の用地を国鉄において貨物輸送のために使うということは、何ら変更する気持ちもございませんし、なるべく早くお話をまとめていただきまして、貨物駅として、またあそこに計画しております電車の誘致線を設けるという計画も含めまして、すみやかに使うようにいたしたい、こういうふうに考えて、目下計画を進めておる次第でございます。
○赤松委員 そうすると、貨物駅は、着工もしくは完成はいつごろになりますか。
○柴田説明員 ただいま貨物駅に入ります地点までの名古屋からの路線につきましては、約三キロでございますうち二キロはすでに完成をいたして高架線もできております。したがいまして、あと約九百メートルが新たにこれは買収をいたす必要がございますので、ただいまその買収と、先生のお話しの場所におきます問題の解決をできるだけ早く急ぎたい。したがって、工事に着工できますのは、その問題の解決しました早い時点でございまして、いまのところ四十年からでも着工いたしたい、このように考えております。
○赤松委員 四十年着工ですね。国鉄の柴田さん、よく聞いておいていただきたいんですが、農民は返してくれと言ってるんです。国鉄の貨物駅をつくることは、反対だ、つくってもいいからほかでおつくりなさい、農地を買収するのは反対だ、こう言っているんです。それをこれから説得しなければいけない。すでに最高裁の決定によれば、これは農業委員会の議決を経て当然農地を返すべきだ。――農林省の石田管理部長、大河原農地課長、よく聞いておいていただきたい。あなた方来るのおくれたからもう一ぺん説明しますと、私も農林省に参りまして、昭和三十四年二月に、当時の農地課の中島、課長、これは大河原課長もよく御存じだろうと思いますが、その中島課長にもよく事情を話しまして、中島課長も当時私どもの主張を支持してくれた。この農地は戦争中強制的に軍部が強権を発動して買収したのであるから、当然これは最高裁の判決に従って返すべきである。こういう意見なんですが、その後国鉄のほうからはぜひひとつ協力してくれ、私もそういう観点で実は農民を指導してきた。新幹線という国策に沿ってひとつ協力しようじゃないかということでやってきたんですが、なかなか農民は納得しないわけです。ところが、最近貨物駅に使わないということが新聞に発表された。私も局長に電話して確認したら、いや貨物駅は採算がとれませんからもう計画はやめました、こういうことなんですね。いま国鉄の柴田理事にお尋ねすると、いや残った分については四十年に着工する、こういうお話なんですね。この辺のところがどうもあいまいで、当時新幹線局長は廃止の方針であったけれども、その後事情が変更したのかどうか、もし事情が変更してないということになると、局長は私にうそをついたということになるし、あるいは柴田さんはそんな人じゃないけれども、ここでうまくごまかして、そしてずるずる延ばして用途変更をやろうというようなこともうかがわれるわけです。万々そういうことはないと思いましても私もあなたの御答弁を信頼しますけれども、その辺のいきさつはどうなんですか。
○柴田説明員 国鉄が新幹線を開業いたしますまでには、先生も御承知のとおりに予算不足の問題がございまして、昨三十九年の十月に旅客の輸送開始をいたすまでの間に、いろいろとやむを得ない予算上の事情から、計画の変更と申しますか、一部をおくらせざるを得なかったということがございまして、その結果として、貨物輸送は、できれば一番最初は三十九年の十月、昨年の十月同時に開業するという計画でございましたけれども、ただいま申しましたような事情でおくれざるを得ない、ただいまの予定では四十三年の秋、これはどうしてもその時期になるという事情がございますために、とりあえず旅客輸送の増強にただいま力が入っておりますために、先生が多少不明確であるとおっしゃった点があるいは間違って伝えられたかと私は解釈いたしております。
○赤松委員 一月二十九日の朝日新聞が、「超特急貨物を断念、新幹線経済的に引き合わず」という見出しで、結局内容はこまごま申しませんけれども、「河村勝営業担当常務理事も二十八日「貨物の超特急は経済的に引合わない」と断念をほのめかした。」さらに最後に、「貨物列車用基地は、旅客基地として活用することになり、世銀に対しては改めて事業計画の変更を説明し、承認を求めることが必要になる。」、こういうふうに報道している。この報道は誤りですか、どうですか。
○柴田説明員 河村前理事が記者会見のときに新幹線の貨物輸送について触れましたそのときの空気は、私は直接立ち会っておりませんからわかりません。また新聞の報道も、受け取り方によりましていろいろのニュアンスで報道されたように私も考えております。ただ国鉄といたしましては、貨物輸送を実施いたします時期が当初よりおくれておりますことも事実でございますし、またこれをいたしますのに今後相当の投資も必要でございますので、その辺の空気の中で彼個人として御発言になったというふうに私は考えます。
○赤松委員 石田さん、昭和十八年にこれは強制的に買収されておるわけです。ところが終戦になりましてから二十年たって、国鉄は新幹線の問題が起きて初めてひとつ買収をしたいということを言ってきているわけです。その間全然ほったらかしてあったわけですが、しかし、いま柴田理事のお話で、計画は変更しない、用途変更もしないということが明確になったのですが、農林省としてはそういう場合にはどういう指導方針をとられますか。いかがですか。
○石田説明員 お答え申し上げます。まず国鉄と農地法との関係でございますけれども、国鉄については、農地の転用、等につきましては国と同じように例外になっております。ただし、小作地の所有制限につきましては、法律的に必ずしも明確でない点がございまして、裁判上争いがございましたことは先生も御承知のとおりであります。ところが、これにつきましては、最近の判例等はやはり小作地の所有制限は受けるのではないかということになっておりますので、この方向が将来の解釈の基準になってまいるというふうにも思われます。
 そういうことで、本問題につきましても、おそらくかなり経過を経てまいったと思うのであります。今後の扱いといたしましては、やはりこの現実の土地、これがどういう土地であるか、それでただいま申しましたように、国鉄としても小作地所有制限は受けませすけれども、しかし、近く耕地以外のものにすることを適当とするというこ、として指定のされました場合には、これは例外になってまいるわけでございまして、そういうことで、やはり現実問題としては、その指定の有無、小作地の――小作地と申しますか、現実に国鉄と関係者の間の契約手続はどうなっておるかということを見ないとわからないと思います。やはり現地が国鉄のおっしゃるように、近く他のものに使うことを適当とするものでありますとすれば、これはすみやかにそのような措置がとられ、かつ法手続的にもやはり関係諸法規によった手続を国鉄がとっていただくということが必要であるというふうに思います。
○赤松委員 柴田さんにこの点だけ明確にしておいてもらいたいのです。私はできる限り国鉄に協力しましょう。そして現地の農民を染めて説得します。たがいまして、あなたのほうも最大限の誠意を示していただきたいと思うのです。御案内のように大阪あたりでいろんな問題があります。しかし、何か、こね得だというようなことでやっておるわけじゃないのです。この点は純真な農民ですからよくわかっていただけると思うのです。したがって、ごねたやつにはたくさん出す、そういう純真な従順な人にはできる限り値切っていくという態度ではなしに、戦争中強制的に貿収されたんだという事情などもございますから、できる限り最大限の誠意、具体的にいえば、いままで農地を買収されたそれの最高額でもって何とか話し合いをつけるような努力を続けていただく。要するに誠意を示していただくということが一つ。これは国鉄に対する私の希望です。
 それから今度は管理部長に対しましては、この点で私も努力いたしますけれども、やはり政府関係の問題ですから、農林省としてもできる限り農民の立場に立って話をすみやかに、かつ有利にあれするように、たとえば両方の交渉が断絶するという場合には、農林省にも陳情に行くと言っておりますから、その際にはひとつよろしくお願いしたい。この点について双方から御見解を承って、私の質問を終わります。
○加藤委員長 赤松委員にお尋ねしますが、御希望ですか、御質問ですか。
○赤松委員 質問です。
○加藤委員長 御発言の内容が御希望であって、質問になってないように思います。
○赤松委員 買収については極力ぼくは協力して農民を説得するから、その場合は最大限の誠意を示すかどうかという質問です。委員長何を言ってるんだ。よく聞いてください。
○柴田説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。私ども誠意を持って話し合いに応じてまいりたいと思っておる次第でございます。
○石田説明員 農地法の適正な励行と農民の利益保護という点につきましては、私どもも十分努力をいたしてまいりたいと思います。
○赤松委員 どうも御苦労さんでした。
 では次に、刑事局長急いでおられるようでありますから、最近をにおける暴力問題について質問をしたいと思います。
 実は私、次の理事会に決議案を出しまして、ぜひ本委員会の決議として、現在国民運動に発展しつつある暴力犯罪追放の件につきまして国会をあげて協力し、かつそれを鼓舞していくという方向をとっていきたいと考えております。私の考えております決議案の内容を申し上げますと、「暴力犯罪根絶に関する件(案)最近における暴力団の構成員による悪質な犯罪を根絶しようとする捜査機関の活動はようやくその効果をあげている。これらの犯罪に対する言論界等民間諸団体の協力もまた目ざましいものがあり、暴力犯罪追放の国民的連動に発展しつつある。このような犯罪を根絶することは、もとより捜査機関のみでなし得るものではなく、広く国民一般の協力を必要とすることは言を持たない。よって、政府は、関係諸機関相互の連絡を密にするとともに、国民一般の協力を得て暴力犯罪の徹底的検挙を行ない、もって公共の安全と秩序の維持につとめるべきである。右決議する。」こういう案でありますが、そもそもこういう案を私が次の理事会に提案せんとする理由は、先般、すなわち二月十二日の本委員会におきまして、私は中国新聞のキャンペーンの問題を取り上げたことは御承知のとおりであります。これが最近週刊誌に大きく取り上げられております。これはぜひ読んでいただきたいと思うのでありますけれども、「週刊文春」に、たしか今週号だったと思いますが、載っております。それによりますと、いわゆる暴力の町といわれておりました広島におきまして、暴力団の脅迫をおそれず、徹底的なキャンペーンを中国新聞が張りました。この見出しは「兇器の下の中岡新聞社会部」「暴力から広島市民を救った勇気あるペンの記録」というように報道されておるのであります。広島におきましては、山村組とかあるいは打越組とか、こういうような暴力団がピストル乱射などをやりまして、そして殺傷事件が続いたわけであります。これに対しまして、中国新聞がこの暴力団に対するキャンペーンを張った際に、暴力団幹部が新聞社に乗り込んでくる、あるいぼ脅迫電話はしょっちゅうかかってくる、このために妻子を実家に疎開さして、その危険から家族を守ると同時に、この暴力団の脅迫と敢然と戦った。そこで先般も申し上げましたよに、とにかく新聞記者には手を出すな、まさにブンヤはダニのようなものだ、うるさいから手を出すな、という指令を親分が子分に出すというようなことまであったということを、「週刊文春」が報道しております。それからこの中国新聞が共催で催しておりました大和撲の準場所といいますか、その共催も、暴力団が興行団体の中に入っているというので、みずから中国新聞は共催を辞退しまして、そしてこれに対するやはりキャンペーンを張った。これが今日全国各地で行なわれております公共施設を暴力団に貸さないというあの風潮になってあらわれたのであります。言いかえれば、中国新聞がいまの風潮の先鞭をつけたということが報道されております。私は前回も申し上げたのでありますけれども、各新聞もやはりキャンペーンを張っております。しかしながら、中国新聞にははなはだ失礼でございますけれども、ややもすれば地方における新聞が暴力団に対して弱いとは申しませんが、しかしながら、これほど勇気のある行動のとれないという批判が一部にある中で、こういうキャンペーンを張って徹底的に追及した。しかも追及するばかりでなしに、眠った事件、もぐっておる事件をみずからこれを掘り起こして、そして市民に警鐘を乱打して覚醒を促したということなどは、私はまさに暴力団追放の国民連動の範とすべきものである、こういうふうに思うわけであります。
 そういう意味で大坪政務次官には、先般来この種の勇気ある国民運動に対しましては、政府として何らかの協力を示すべきではないかということを私は申し上げました。そこで、この決議を本委員会でぜひしてもらって、そしてさらに勇気をふるってやっていただくようにしたいというように考えておるわけでありますけれども、大坪政務次官、つまり政府の態度はいかがでございますか。
○大坪政府委員 暴力団の及ぼしております社会的な悪影響というものは、もう今日申すまでもないことでございまして、政府は、その点につきましては政府全体の問題としてこれを絶滅することに方策を講じておるわけでございます。特に法務君は泊安担当の当局でございますので、格段の力を入れてこの問題を徹底的に処刑すべきであるという気持ちをもちまして、新年度の予算にほ特別に検事陣容を強化する、その他の方策も講ずるというようなことでございます。しかし、これらのことはただいま赤松委員のお話にもございますように、何としましても良識ある国民が大きく支援をしてくれるということが、効果をあげる上に非常に大切なことでございます。その国民連動を盛り上がらせるについては、新聞等マスコミの諸機関が勇気をふるって、中国新聞のごとくキャンペーンを張るというようなこと等をやってくれるということが、またその前提となって非常に大切なことだと思うのであります。そういう観点からいたしまして、いま赤松先生のお話のように、中国新聞のキャンペーンの張り方に対しては私ども深く敬意を表しておるわけでございます。全国の新聞紙あるいは雑誌社等が同じ気持ちになってくれまして、こういうキャンペーンを張ってくれるということがあれば、国民運動もそれだけに大きく進展をしてまいりましょうし、当局の暴力団取り締まりという措置もさらに一そう効果をあげることができるのではなかろうか、そういうことによって平和な社会をつくっていける、さように考えている次第でございます。
○赤松委員 一部雑誌の中で、特定の人のスキャンダルなどをあばいて、あるいは事実無根のことを報道しては陳謝をして、しかも陳謝しただけではとうていその社会的な信用を回復することができない、まさに筆の暴力が一部においては行なわれている。こういうくだらぬ雑誌がある中で、私は中国新聞の新聞としてのいき方、つまり社会正義を愛して不正に対しては断固として戦うという、こういう新聞社の使命観に徹したものについては、やはり本委員会としても敬意を表さなければならぬと思うのでございます。委員長、いかがですか、委員長のお考えはどうですか。
○加藤委員長 暴力犯罪に関する赤松勇委員の御趣旨につきましては、理事会において十分協議いたしたいと思います。御了承を願います。
○赤松委員 それから、私は昭和二十八年ごろ衆議院の労働委員長をやっておったことがあります。いま港湾労働法を政府が御提案になっておりますが、港湾労働法、これをつくるべく、横浜、それから神戸をしばしば視察をいたしました。その際に発見したことは、例の手配師の問題です。これは職業安定法の立場からもこの問題を追及すると同時、に、暴力犯罪根絶という立場からもこの問題を追及しましたけれども、私、力至らずして、港湾労働法につきましてはようやく日の目を見ましたけれども、手配師の根絶については、とても一人の力ではなし得なかった。きょうの朝日新聞を見ますると「横浜でも港の暴力団、人集めで礼金巻上げる」という見出しで、「組織暴力団が、神戸港の船内荷役のための港湾労働者の手配を一手に引受け、資金獲得の舞台になっていることが二日の神戸市議会で問題になったが、横浜港では暴力団錦政会が、人集めにくる荷役、倉庫業者から二年間に「清掃代」と称して百四十万円を巻上げていることが、神奈川県組織暴力取締本部の調べでこのほどわかった。同本部は、この被害は一部とみているが、業者にも暴力団との腐れ縁を断つよう強く望んでいる。」こういって、以下詳細にこの事実を報道しております。私は、暴力団根絶のための頂上作戦も必要だと思うのでございますけれども、神戸には依然関西の有力な暴力団がそのままなお温存されておるのであります。しかもこれは港湾の荷役事業等と結びつきまして、そしてこういう手配師の横行を許している。職業安定法があるにもかかわらず、職安を通ずるよりも、職安を通じて就労するのがほんとうなんですけれども、暴力団に脅迫されて、そしてトラックでだあっと二十人、三十人もかり集めて船内荷役で使っているというのが現状なんです。ですから、この点について神奈川県警察本部が立ち上がったことはたいへんけっこうだと思うのでありまするわけなんです。ですからこれらの港湾荷役の中に巣くっておる暴力団根絶のために徹底的な検挙をやってもらいたい、こう思いますが、刑事局長いかがでございましょうか。
○日原政府委員 港湾荷役その他港湾関係の労働に関連して暴力団が不法な利益を得ているという状況が考えられるわけでありまして、私どもとしては、港湾荷役等の仕事に関連して不法な行為があればびしびし摘発をしていくつもりでおります。従来もこれに関連しての不法監禁あるいはその他の犯罪で摘発した事例もあります。今後ともそういうような取り締まりの方針で、不法行為があればどしどしやっていくという覚悟でおります。ただ、さらに進んで、これは警察が不法行為を取り締まるばかりじゃなしに、やはり船主側その他いろいろな各方面の協力を得て、正常な港湾労働の姿になるようにお互い協力してやっていかなければならないというふうに考えております。
○赤松委員 本委員会におきましては、数次にわたって兵庫県の暴力犯罪の発生が一番多い神戸、尼崎、姫路、こういうところを調査しました。私はこの委員会で警察庁に対しまして、とてもあの状態では徹底した暴力団の取り締まりはできぬ。私は警察署長と暴力団との腐れ縁があるとは言っておりません。言っておりませんけれども、現地を調査した結果、現地の民衆の声あるいは警察機関の内部からも、あまり長くそのポストにおりますと、その地位を長くやっておりますと、多かれ少なかれいろいろな関係が生まれてくる。だから、尼崎あるいは神戸姫路、これらの暴力団を根絶するためには、この際一ぺん人事異動をやったらどうですかということを前の刑事局長にも私は勧告したことがある。しかし、その当時の刑事局長は、いや徹底的にやるからということだった。どうも姫路や尼崎、神戸においては依然暴力団が横行している。関東におきましては、錦政会その他に対しまして非常な手きびしい検挙をおやりになって、これは国民の支持を受けているわけです。関西においては一向実が上がっていない。これは一体どういうことなんですか。これはここ数ヵ月の間にいろいろ疑惑が持たれたのでなしに、数年前から一体関西の警察は何をやっておる、こういう声がきびしい。特に兵庫県警察に対する非難が非常に強いわけであります。私は故郷が兵庫県でありますから、あまり兵庫県のことは言いたくないですけれども、しかし故郷の兵庫県を浄化するためにも、私は、どうしても姫路、尼崎、神戸、この三つの都市に巣くっておるところの暴力団検挙を徹底的にやらなければならぬと思っておるのですが、これは暴力団がこわくて手をお出しにならぬのか、それともこの暴力団は他の暴力団とその性格が違うのか、それとも暴力団でないのか、ないならば具体的に名前をあげてみます。私よりもあなたのほうが暴力団をよく御存じだと思いますが、毎日の新聞に何々組という名前が出てまいります。一体これはどういうことでしょうか。
○日原政府委員 私どもの最近の暴力団の取り締まりは、昨年一月暴力団取り締まりの強化対策をつくりまして、それで各都道府県一斉に暴力団に強い取り締まり態度で臨むということで今日まで推進してまいったわけでございます。なるほど、結果から見ますと、関西にまだあまり傷のついてない暴力団が多いじゃないか、取り締まりがゆるいじゃないかというようなお話でございましたが、各都道府県一生懸命やっておるわけでございます。たまたまある県に非常に大きな暴力団がそのまま健在でおるという状況になっておりますが、これは人事の関係のお話もありましたけれども、私どもは現在の人事体制で十分にやっていけるというふうに思っております。と申しますのは、暴力団取り締まりに関する限りは、もう警察としてはほんとうに対決していく心がまえでやっておるわけでございまして、これは署長のみならず、末端の刑事に至るまでそういう意気込みで現在は臨んでおるわけでございます。したがって、手ぬるいような状況で取り締まりをやっておる署は一つもないと思うのでございますが、ただ関東と関西の状況で、いろいろ性格のお話もございましたけれども、賭博の検挙というようなことで、いま関東ではいわゆる頂上作戦を強力に推進しておるわけでございますが、関西のほうではわりあいに賭博が検挙できない状況が、これは昔からそういう状況でございます。それからまあ関西では一応正業についておる暴力団が多いという面もあろうかと思います。あるいは港湾関係の荷役の関係にいたしましても、多少従来のいろいろな慣例で金が吸い上げられておって、なかなか金を吸い上げる際の刑事事件になりにくい、すぐに被害届けを出していただければわれわれとして取り締まれる事件でありましても、慣例があったためにあまり被害が出てこないというふうな状況もいろいろ考えられるわけでございますが、いまのような状況を別問題にいたしまして、私どもの立場としては、もう全都道府県一斉に暴力団と対決していく心がまえでおりますし、また関西に対しましても、関東によりまさるとも劣らない対決の姿勢で強力な取り締まりを進めるよういままでも指示して指導してまいっております。今後もそういう指導方針でまいりたいという考え方でおります。
○赤松委員 関西で一番大きな暴力団の名前をちょっとあげてください、一つでいいです。
○日原政府委員 暴力団の個々の名前につきましては、私どもは従来の方針として警察ではその名簿をつくっておりますけれども、公認という形のものはつくっておりませんので、具体的な名前は申し上げにくいのでございます。
○赤松委員 それでは、神戸港の港湾荷役その他の中で、手配師の問題が神戸市の市会で問題になっているわけです。これを牛耳っている何とか組というのがございますね。これは何という組ですか。
○日原政府委員 これは暴力団ということと別問題にしてのお話でございますね。山口組という組です。
○赤松委員 そうすると、先ほどあなたおっしゃった正業についておるからなかなか検挙しにくいという問題と結びついてくるわけですね。私が労働委員長をやっておる当時に、国会の調査室と一緒にやったことは、現地の警察の応接は得ませんでしたが、夜明けの四時ごろから私は荷役の人夫のような服装をしましてあの連中の中におる。そうすると、手配師がやってきて、そこでごろごろ寝ているやつに、おまえこっちへこい、こっちへこいと言って引っぱっていく。そんなものは検法しようと思えばすぐ検挙できるのです。それが何へん警察当局に注意を促しても――たとえば職業安定法違反で検挙できるでしょう。もう一つは、朝日新聞が報道しているように、人集めをして礼金を巻き上げるということだって、現に神奈川県警察本部は検挙しているのです。どうして神戸だけは検挙できないのですか。検挙しようと思えばすぐできるんじゃないですか。正業についているから検挙できないのですか、どうなんですか。
○日原政府委員 私ども、先ほど申し上げましたのは、正業についておるから検挙できないというのじゃなくて、正業についておりましてもそれに不法な行為があればこれは検挙しなければならないと思うのでございます。いまの職業安定法違反の具体的な事実は私も存じませんが、もしそういう安定法違反の事実がありますれば検挙しなければならないと思います。
○赤松委員 職業安定法違反が表に出てくれば検挙する、そうじゃなくて、私は、もう毎日にも違反が行なわれているんだから、そこへ警察官を派遣して、その実態をつかみなさい、調査しなさいと言っている。どうしてそれができないのですか。毎日やっているじゃありませんか。表に出ているじゃありませんか。それがどうしてできないのですか。神戸の市議会ですでに問題になっている。表に出てきている。どうして横浜だけやって神戸ではやれないのですか。
○日原政府委員 いまの職業安定法違反の問題は、表面的にはっきりしておれば検挙しなければならないと思うのですが、調査いたします。
○赤松委員 調査してすみやかにこの委員会に報告してくれますか、いかがですか。
○日原政府委員 調査の結果を報告いたします。
○赤松委員 日原さん、私は当局を責めているんじゃないですよ。当局は頂上作戦で勇気をふるって非常によくやっておられる。従来の警察行政から見れば数段前進しています。こういう点では皆さんを国民あげて支持している。デモの問題ではあなたとぼくと意見が違ってくるけれども、この問題に関しては完全に考え方が一致するし、われわれも警察の勇気ある行動に対しては、もう双手をあげて支持すると同時に、非常に第一線で命を的に活躍されておる警察官諸君に対しては心からお礼を申し上げたい、敬意を表したい、そういう気持ちでおるのです。皆さんのほうでおやりになったことは、確かに国民を自覚さす契機になりました。モメントになったことは事実です。ところが、今度は国民運動がずっとそれで起きてきた。そうすると、当局のほうがむしろ国民運動よりおくれている、少なくとも関西においてはそんな感じがするわけなんです。でありますから、何か兵庫県の警察はおかしいぞというような疑惑を持たれるので、警察庁としても、特に本委員会においてこういう強い発言があったということで、兵威県警察を督励して、いま神戸市議会で問題になっておるのでありますから、私は、直ちに警察庁は調査のための行動に移るべきである、捜査すべきである、こう思いますが、いかがですか。
○日原政府委員 私どもは非常に強い態度をもって暴力団の取り締まりに臨んでおるわけでございまして、幸いにもマスコミその他の空気から非常に暴力追放の世論もわき起こってきております。この機会にさらに、後退するというのじゃなくて、私どもこのムードに乗って徹底的に追い詰めていきたいという気持ちでおるわけでございまして、そういう意味から、お話しのような従来刑法だけのあれが中心で検挙してまいったわけでございますが、最近ではいろいろな特別法も活用してやってまいっておるわけでございまして、この点は御理解いただけると思うのです。ただいま職業安定法のお話もございましたが、非常に従来検挙しにくかった面もありましょうけれども、私どもの力の続く限りできるだけやってまいりたいと思います。それがためには、さらにまた証人、参考人の方々の保護のほうにも私どもは徹底した保護措置を講じてまいりたい。と同時に、これはわれわれのいろいろな立証上の制約でございますので、国民の方々の協力あるいは暴力団の資金源になるようないろいろな面についてこれを断ち切っていくというような国民の側からの強い態度があわせて望まれるわけでございます。そういう意味であらゆる階層の方々の協力を得なければ私どもの仕事も進んでまいらない、そういう気持ちで今後と毛やってまいりたいと思います。
○赤松委員 ひとつあなたから、第一線で暴力団検挙のために働いていらっしゃる警察官に対して、法務委員会でこういう発言があったということをよく伝えていただいて、さらに勇気をふるってやっていただきたい。私が先ほど申し上げた関西は手ぬるいということも、国民運動が先行しているということで、たとえばプロレスの興行にしても、美空ひばりの興行にしても、あれは神戸芸能社という暴力団がやっている興行社であるから、したがって公共施設は貸さないというのがずっとここで関西では出ていますね。そういうことを意味しておるのでありまして、いま申し上げたように神戸市議会で問題になっているこの手配師の問題をきっかけに、特に兵庫県警察の奮起を促しておきます。
 以上であなたに対する質問は終わりますが、必ず委員会にその結果を報告してください。
 次に、津田刑事局長にお尋ねしたいのでありますが、先般私はこの委員会で、いわゆる帝銀事件平沢の動静報告つづりの中で削除されておる部分、すなわち昭和二十三年八月二十三日、四日の部分、さらに第一回自殺未遂直後の昭和二十三年八月二十六日、二十八日、二十九日、第二回の自殺未遂から自供に至る直前の同年九月六日、十八日、十九日、さらに警視庁から小菅に移される直前の十月六日の部分、これらの部分について、これは削除されておりますが、その間の事情を調査して報告をしていただきたいということを申し上げておきましたが、これはどうなっておりますか。
○津田政府委員 先般お尋ねの点につきまして調査いたしました結果を申し上げます。
 この、問題の動静報告書つづりなるものが東京地方裁判所に提出されました経緯とその受け入れの状況をまず申し上げますが、昭和二十五年一月十七日付をもちまして東京地方裁判所から警視庁に対しまして動静報告書つづりの送付嘱託をいたしております。それに対しまして警視庁から直接動静報告書を裁判所に提出いたしたものと思われます。その関係につきましては、東京地方検察庁の保管の領置物原票というものがありますが、それにはその関係で受け入れた形跡がありませんので、直接地方裁判所へ提出されたものというふうに考えております。そのつづりは昭和二十五年二月三日の第五十回公判におきまして、証拠物として裁判所が領置しておりまして、その際動静報告書つづり一冊として領置しており、報告書の日付、枚数等には触れておりません。これが裁判長は、これを領置番号押四一七一二号の二二〇号として受け入れております。
 昭和二十五年七月二十四日第一審判決言い渡しがありまして、これに対して被告人から控訴の申し立てがありました。東京地方裁判所から記録とともにこれが東京地方検察庁に送付されまして、東京地方検察庁では二十三年領、第四一七一二号の二一八号として受け入れている。昭和二十六年一月二十三日東京地検から控訴審対応庁であります東京高等検察庁にこれを送付しておる。同日東京高等検察庁は二十五年第一二〇号領置票によってこれを受け入れておる。昭和三十年五月七日事件が確定いたしました後も、引き続き同高検で保管をいたしております。
 昭和三十九年五月十四日、東京高検から再審請求事件を審理いたしております東京高等裁判所に貸し出しております。昭和三十九年五月二十七日に東京高等裁判所から返還を受けまして、東京高等検察庁が引き続いて保管をいたしております。したがいまして、現在は東京高等検察庁にございまして、この間、昭和三十八年九月二十五日、昭和三十八年十月十五日、昭和三十九年十二月三日、昭和四十年一月二十日、二十一日、二十二日、二十五日、二十六日、二十七日、二十八日、それぞれ弁護人が閲覧をいたしております。
 この動静報告書つづりにつづられていないものはどういうものかということでございますが、表紙には、「八月二十六日、八月二十八日、八月二十九日、九月六日、九月十八日、九月十九日を除くというふうに書いてありまして、一冊のつづりになっておるわけであります。ところが、これかしさいに検討いたしますと、その内容につきましては、いささかその表紙と内容に誤りがありまして、実際に動静報告書としてないものは、と申しますよりも、動静報告書は後に御説明いたしますが、八月三十日から記載を開始しておるということでありまして、八月三十日以降のものについて考えますと、九月一日の日勤の関係――日に二回日勤と当番がありますが、日勤の関係、それから九月六日の日勤及び当番の関係、それから九月十四日の当番の関係、それから九月二十七日の日勤及び当番の関係、これだけがないわけでありまして、表紙に書いてあるのとそこはそごをいたしております。それからなお九月十四日の当番分はこのつづりにはないのでありまするけれども、記録中の第五冊の七百九十七丁に、九月十四日の動静報告書一通が編綴されておりますので、これはこちらのほうに別に編綴されておるという関係だろうと思います。
 そこで八月三十日以後の問題ですが、八月二十九日以前については動静報告書は作成されたかどうかという問題でありますが、すでにつづられておりますものといたしまして、八月二十五日の分と、八月二十七日の分があるわけであります。ところがこの両日の分は、いわゆる動静報告書というものではなく、その間にどういう必要があったかわかりませんが、おそらく必要がありとして作成されたものが編綴されておって、それがあとの係官が全部動静報告書という意味にとって、つづって裁判所に提出したもの、これは想像されるわけです。
 そこで八月二十五日にはなぜつくっておるかということでありますが、これは八月二十四日の夜あるいは八月二十五日の未明に、平沢について自傷事故が起こっておりますので、その間の事情を報告したものとして捜査本部に提出したものであるというふうに考えられまして、八月三十日以降の動静報告書と意味は違う趣旨のものである。それから八月二十七日付のものがまた一つ入っておりますが、これはいま申し上げました二十四日夜あるいは二十五日未明の留置場における事故に関して、留置場に入房当時の状況を別途報告したものでありまして、これまた動静報告書とは別のものであります。警視庁は、現在はよくわかりませんが、八月三十日以降に動静報告書を作成を命じたものというふうに考えられますので、それ以前のものは飛び飛びになっておるというのは、その必要のつど別途報告書の形で出しておる、それが一冊のつづりの中に入っておる、こういうことだと思われるのであります。そのほかの動静報告書の、先ほど申しました欠号になっておるものにつきましては、これはどういう事情で欠号になっておったかわかりませんが、少なくともあのつづりのていさいから見ますと、警視庁から東京地裁に出します際に、すでになかったものというふうに思われますが、その動静報告書が警視庁に残っておるか、あるいは一件記録のほかの部分に編綴されておるか、先ほど申しました九月十四日の分のようなケースがあるかということについて調査いたしましたが、警視庁においてはそれは残っておりませんし、記録の中にもその分はございません。以上です。
○赤松委員 たいへん詳しく調べていただいて感謝いたします。これは帝銀事件のいわば平沢の自供についての非常に重大なかぎになる問題でございまして、意識的に削除されたのか、あるいは意識的に日誌をつけなかったのか、その点は不明確でございますけれども、私も留置場に一年間おりまして、そうしていわゆる重要犯罪人と呼ばれるのが留置されますと、ほとんど毎日その動静については当該看守が詳細に書きまして、そうして上司に報告しておったようであります。かく申す私も、毎日その動静報告を詳しく上司にされておったようでありますが、その中からこういう重要な点が除かれておるということにつきましては、非常に私疑惑を持つわけであります。しかし、あなたにこれ以上お尋ねしましても、警視庁に対しましては当時の資料が残っておるかどうか、残っていないという返事でありますので、これはひとえに賢明な裁判官の裁断を待つ以外にないというように考えるわけでございます。できればさらにこのことを念頭に置いて調査を続けていただきたいということをお願いして、この問題についての質問を終わります。
 最後に、大坪政務次官にお尋ねしたいのは、先般交通違反に関する罰金、科料の国庫収入について、これをたとえば陸橋をつくって児童を保護する、あるいは勤労者の通勤を保護する、あるいは信号機をふやすためにこれを使う、こういう点について大臣とよく相談していただいて、ぜひこの点を政府の行政の中に反映させていただきたいということを私、お願いしましたが、その後どうなっておりますか。
○大坪政府委員 これは当時もお答え申し上げたかと思いますが、罰金その他の犯罪に伴う収入は、そういう収入として取り扱われておりまして、支出はまた別途に支出の必要性によって予算を組んで出すということにいたしております。したがいまして、大臣とも相談いたしましたけれども、まだここでどうする、どうなるというお答えができる程度にまで参っておりません。
○赤松委員 もちろん目的税ではございませんので、私はそういうことを言っておるのではないのであります。先般福岡県議会で、ぜひそういうことに使ってもらいたいという県議会の議決などもございまして、これは国民の非常に強い要望でございます。私は、行政上手続として可能ではないかと思う。もし不可能ならば、それを可能にさせるため障害を取り除くいろいろな手続を変えればいい問題であって、これは相当膨大な数字にのぼっておりますので、今後ともぜひ私の意見を強く政府部内に反映させていただくようにお願いをしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○加藤委員長 本日の議事はこの程度にとどめます。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。
   午前十一時四十二分散会