第048回国会 本会議 第31号
昭和四十年四月十三日(火曜日)
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 議事日程 第二十九号
  昭和四十年四月十三日
   午後二時開議
 第一 銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、参議院送付)
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○本日の会議に付した案件
 櫻内通商産業大臣の日鉄伊王島炭鉱爆発につい
  ての発言及び質疑
 日程第一 銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 農地開発機械公団法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
   午後二時七分開議
○議長(船田中君) これより会議を開きます。
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 櫻内通商産業大臣の日鉄伊王島炭鉱爆発についての発言
○議長(船田中君) 通商産業大臣から、日鉄伊王島炭鉱爆発について発言を求められております。これを許します。通商産業大臣櫻内義雄君。
  〔国務大臣櫻内義雄君登壇〕
○国務大臣(櫻内義雄君) 伊王島炭鉱災害について御報告を申し上げます。
 初めに、このたび長崎県伊王島炭鉱において発生した災害によって犠牲者となられた方々に対し、深く哀悼の意を表するとともに、負傷された方々の一日も早い御回復を心からお祈りいたします。
 先般の夕張炭鉱の災害後間もない今回の伊王島災害で多数の犠牲者を生ずるような事態に至りましたことにつきましては、まことに遺憾のきわみと存じている次第でございます。私も、現地で事故の惨状をつぶさに拝見いたし、今後このような災害を繰り返さないため、考えられる限りのあらゆる手段を尽くして炭鉱災害を絶滅しなければならないとの決意を新たにしてまいったのであります。
 災害の概況について申し上げます。四月九日午前六時十分ごろ、日鉄鉱業株式会社経営の伊王島炭鉱において爆発事故が発生し、同日三番方として当該区域において作業に従事していた鉱山労働者四十五名中三十二名が坑内に閉じ込められたのであります。災害発生と同時に、救護隊を招集し、救出作業に全力を尽くしたのでありますが、死亡者三十名、重軽傷者十四名の犠牲者を出したのであります。
 政府といたしましては、災害発生と同時に、現地監督署、福岡鉱山保安監督局長及び本省の鉱山保安局長を現地に急派するとともに、関係政府職員で構成する伊王島炭鉱爆発調査団の現地への派遣、臨時伊王島炭鉱災害対策協議会の設置を行ない、各省庁の緊密な連絡のもとに、罹災者に対する医療対策、遺家族対策等につき適切な措置を講ずることといたしました。
 また、本日の閣議の了承を得まして、通産省といたしましては、今後の災害の発生を未然に防ぎ、鉱山の保安状況を抜本的に改善するため、石炭鉱山保安緊急対策を実施することとし、五月一ぱい全国的に一斉総合検査を行ない、それに伴って従来の施策に加えて積極的な諸施策を講じます。
 今回の不幸な災害をきびしい心のむちとし、今後の保安の確立のため、徹底的に原因を究明し、それに伴って十分な対策の確立をはかることを重ねて申し上げる次第であります。(拍手)
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 日鉄伊王島炭鉱爆発についての発言に対する質疑
○議長(船田中君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。倉成正君。
  〔倉成正君登壇〕
○倉成正君 私は、自由民主党を代表いたしまして、去る四月九日早朝発生いたしました日鉄伊王島鉱業所の爆発事故に関して質問を行なわんとするものであります。
 質問に先立ちまして、不幸にしてなくなられました三十名の方々の御冥福を祈るとともに、負傷されました方々の一日も早からん御回復を心から念願するものであります。(拍手)
 最近、石炭鉱山における大災害の頻発は、まさに目をおおわしめるものがありまして、いまや、単なる石炭産業における問題にとどまらず、大きな社会問題とさえなりつつあるのが現状であります。今日、石炭産業の危機が叫ばれ、その立て直した関係各界が懸命の努力を傾倒いたしておりますさなかに、かかる惨事の発生を見たことは、まことに遺憾のきわみであります。一昨年の三池炭鉱の大災害、さらに本年二月の夕張炭鉱の大惨事の記憶消えやらぬ今日、ここに伊王島鉱業所の爆発事故について質問をいたさねばならないことを深く悲しむものであります。
 この事故の推移を、全国十七万の炭鉱従事者が怒りと悲しみをもって注視しており、その取り扱いいかんによっては、石炭産業の根底をゆすぶる重大問題に発展する可能性を持っておることを指摘いたしたいのであります。今日この際、何よりも大切なことは、石炭産業が斜陽であるという観念を一てきして、石炭はエネルギーの国内資源として一定量ぜひとも必要であるということを国の施策の上において明らかにすることが何よりも大切なことであると思うのであります。(拍手)また同時に、人命の尊重ということは近代社会においても何ものにも優先する事柄であるという観念を、関係労使のみならず、政府の関係者が認識することであると信ずるのであります。これらの事柄が明らかにされない限り、いかに当場の対策を講じても、石炭産業に従事する人々は自信と誇りを持つことができません。今日、優良鉱といわれる炭鉱にさえ若い労働力が獲得しにくいという事実は、これらのことを雄弁に物語っておるのであります。
 私は、かかる観点に立って、以下、次の諸点について総理並びに関係大臣の見解をただしたいと思います。
 質問の第一は、今回の事故に処する総理の決意のほどであります。
 私は、事故発生以来、再度にわたり現地に参りましたが、今次災害が、わが国有数の優良炭鉱であり、保安優良炭鉱として名高い伊王島鉱業所において発生したことを指摘したいのであります。かかる優良炭鉱においてさえこのような惨事の発生を見るのであるから、石炭鉱山における事故は避けることができないものであるという観念があるやに聞くのでありますが、一、人命尊重に関する総理の決意いかん、二、さらに、石炭は国内エネルギー資源としてぜひとも必要であり、国はあらゆる施策を講ずる用意がありやいなや、総理の決意のほどをお聞かせいただきたいのであります。
 質問の第二点は、法制上の問題であります。
 坑内は、御承知のごとく地下数百メートルにあって、大きな地圧の中に、あたかも生きものの観を呈しております。採炭現場、切羽におきましては、刻々ガス量も変化し、法定の許容量も、検定前とその後での変化が非常に大きな点が予想されるところであります。したがいまして、坑内には必ずガス計量器を設置し、常時ガス量の測定が可能になるがごとく、また、大手、中小を問わず、ガスマスクの早急なる完備等、鉱山保安全般についての法制上の再検討を加えるべき時期に来ておると思うのであります。この点について、通産大臣並びに労働大臣の御所見を伺いたいと思います。
 質問の第三点は、不幸にして殉職いたされました御遺族の方々や負傷者に対する国の保護についてであります。
 今回の事故により一瞬にして一家の主柱を失い、ただぼう然としてなすすべを失い、慟哭される御遺族の方々の胸中を思うとき、私どもには申し上げることばもないのであります。(拍手)このような御遺族の方々について、国は積極的な手を差し伸べなければなりません。御遺族の方々には、将来の就職のあっせん、住宅の確保、さらに生活の保護等につきまして、手厚い保護をなさねばなりません。また、負傷されました方々の中には、ともすれば一酸化炭素の後遺症や回復後の再就職問題、あるいは生活の困窮等、種々なる困難にさらされることが多いと存じますので、これらの補償も含めましての援護措置についていかなる策を講ずる用意がありや、通産、労働両大臣にお伺いいたしたいと思います。
 最後に、繰り返し申し上げます。この際、国が石炭産業に対する基本的施策を明らかにし、石炭産業に従事する人々に対し自信と誇りを持ち得るようにすること、さらに、人命尊重はあらゆる施策に優先する観念に徹すること、この二つの事柄を天下に明らかにすることこそ、今般の災害の大きな教訓であり、また、不幸にしてなくなられた方々の霊を慰めるゆえんであることを強調して、質問を終わらしていただきます。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 今回、伊王島にまた爆発事故を起こし、多数の犠牲者を出しましたことについて、心から遺憾の意を表し、また、なくなれた方々に対して、衷心より哀悼の意を表するものであります。
 ただいま御意見にありましたごとく、この際政府は、石炭産業の重要性、さらにまた、保安確保の必要性、これらを十分再認識し、そうして誇りと自信を持つ職場にすることがその基本的問題だ、かように私は考えます。第二次石炭調査団の答申におきましてもこれらの点に触れておりますので、十分その答申を尊重し、今後とも安全の確保をはかってまいるとともに、今回の災害についての原因を徹底的に究明いたしまして、これが対策を立て、そうして万全を期してまいりたい、一そうの努力をするつもりでございます。
 申すまでもなく、産業はそれぞれ生産の向上等を云々いたしますけれども、人間の生命の尊重なくして何の生産ぞやと、かように申し上げたいのであります。この意味において、一そう徹底的な究明をし、対策を立てるつもりでございます。(拍手)
  〔国務大臣櫻内義雄君登壇〕
○国務大臣(櫻内義雄君) 私へのお尋ねは二点でございました。
 鉱山保安法令の改正についてでございましたが、昨年、第四十六国会におきまして、三池炭鉱災害の原因究明に伴って鉱山保安法を改正いたしたのでございますが、今回の災害、及び夕張炭鉱の災害の実情にかんがみまして、徹底的な原因究明後に、必要な場合には、さらに法制の改正をいたしたいと思います。
 また、援護の問題についてのお尋ねでございましたが、臨時伊王島災害対策協議会を設けまして、罹災者の救出、原因究明、遺家族の援護措置、罹災者に対する医療対策について万遺憾なきを期しておりますが、御質問の趣旨に沿いまして、細心の注意と、さらに徹底した施策を講じてまいる所存でございます。(拍手)
  〔国務大臣石田博英君登壇〕
○国務大臣(石田博英君) 鉱山保安法の改正の問題につきましては、いま通産大臣がお答え申し上げましたとおりでございまして、直接私の所管ではございませんが、労働大臣の持っておりまする勧告権を行使いたしまして、災害の未然防止に努力いたしたいと存じております。
 遺族に対する補償、及び就職、職業訓練についてでございますが、遺族に対しまする補償額は、総額約五千万円すでに準備をいたしておりまして、四月十七日に支払いを行なうつもりでございます。
 それから、就職される方々の就職の紹介、これは日鉄会社当局とも協力をいたしまして、万遺憾なきを期したいと存じておりますが、特に、職業の訓練を受けられる方につきましては、三井三池の災害のときと同様、訓練中の生活の援護も行ないまして、就職のごあっせんにつとめてまいりたい所存でございます。(拍手)
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○議長(船田中君) 中村重光君。
  〔中村重光君登壇〕
○中村重光君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま通産大臣から報告がありました日鉄伊王島炭鉱の災害に関し、総理並びに通産、労働の両大臣に質問をいたします。
 この二月に北海道の夕張炭鉱で多数の犠牲者を出しました。その痛ましい惨事に私たちの涙もかわかぬうちに、またまた長崎から炭鉱爆発の悲しい知らせを受けたのであります。私は、この痛ましい犠牲者の方々に心から哀悼の意を表しますとともに、その御冥福をお祈りしつつ、まず第一に総理に御質問申し上げます。
 一昨年十一月、三池炭鉱で戦後最大の大災害が起こったとき、国鉄の鶴見事故とも重なる重大災害ということもあって、本院は、人命の尊重と、保安、安全の確保を全国民の前に誓ったのであります。ところが、総理も御承知のとおり、交通災害は日常茶飯事であります。工場災害は増大の一途をたどっております。そして、炭鉱災害は、最も残酷な形で、多くの労働者の命を一瞬のうちに奪っているのであります。しかも、三井三池鉱といい、北炭夕張鉱といい、日鉄伊王島鉱といわれるこれらの炭鉱は、すべて大手炭鉱の優良ビルド鉱であります。それにもかかわらず大災害を発生させたその原因について、私たちは、今度こそ絶対に目をおおってはならないと思うのであります。(拍手)
 総理も御承知のとおり、昭和三十年から始まった本格的な炭鉱合理化はすでに十年の歴史を見ております。この間、炭鉱労働者の数は三分の一に減少し、スクラップ・アンド・ビルド政策の過酷な推進によって炭鉱数は激減いたしました。それにもかかわらず炭鉱災害が減らない原因はどこにあるのでありましょうか。災害の規模が大型化しているこの事実は、一体どこに原因があるのでありましょうか。生産第一主義からくるところの保安軽視ということは、すでに世間の通説になっております。だが、政府も世間もこの表面的な指摘だけにとどまって、その根底を流れるおそるべき人命無視の思想と、利潤追求のあくなき実体に、故意に目をそらしていると私は考えるのであります。
 戦後二十年の統計を見ますと、実に一万四千五百八十一人もの多くの労働者が炭鉱災害の犠牲となっております。鉱山保安法が施行された昭和二十四年から今回の伊王島爆発に至る犠牲者は、九千八百九十八名であります。実に一万名を数えているのであります。三池災害後に、学者、労使の海外保安調査団が派遣されましたが、その報告書によりますと、欧州においては過去十カ年の間に死亡者十人以上の災害件数は、ドイツ三件、フランス六件、イギリス四件と報告されております。しかるに、わが国においては実に二十八件に及んでいるのであります。イギリス、ドイツの出炭量がわが国の三倍ないし四倍であることを考えると、いかにわが国の災害が多いかを立証いたしておるのであります。(拍手)
 また、最近、炭労が調べた調査報告を見ますと、炭鉱の九三%以上が、鉱山保安規則に違反していると警告されております。伊王島炭鉱におきましても、保安改善事項として決定した件数が百件にものぼっておるのに、未処理のまま放置されているのであります。このことは、明らかに生産第一主義、保安無視の資本の論理が、今日もなお労働者を死のとびらの前に立たせていると言っても過言ではないと思うのであります。(拍手)三池の大災害も、北炭の災害も、日鉄伊王島の災害も、その意味では起こるべくして起こった人災として、私は限りない憤りを感ずるのであります。(拍手)
 炭鉱の坑内は高温であります。湿度もきわめて高いのであります。しかも、太陽から完全に隔離された狭隘な坑道で重筋肉労働をしなければならないのが炭鉱労働者の実態であります。このように、極度に条件の悪い労働環境に働きながら、なおかつ、重大災害の不安におびえて働かなければならない職場をこれ以上放置しておくことは、怠慢というよりもむしろ私は犯罪といわなければならないと思うのであります。(拍手)
 佐藤総理は、人間尊重を政治の根底に置くと国民に公約されました。さらにまた、ただいまの倉成議員の質問に対しましても人間尊重を強調されました。しかし、現実には人間無視が横行いたしておるではありませんか。総理は、社会の富をつくる人間の労働の尊厳についてどのような認識を持っておられるのか。炭鉱を、安心して働ける快適な職場とし、人命を尊重する職場とするために、総理はいかなる見解を持っておられるのか、その基本的考え方についてお伺いいたしたいのであります。
 次に、私は、石田労働大臣にお伺いいたします。
 わが社会党は、炭鉱災害が発生するたびに、政府に対して具体的な保安対策の確立を要望してまいりました。そして、鉱山保安は、労働安全の立場から、通産省の所管ではなく、労働省の所管にすべきではないかと一貫して主張していることは、大臣も十分御存じのところであろうと思うのであります。通商産業省は、どう理屈をつけようとも、生産第一に事を処理する行政機構であることは否定できません。その通産省に鉱山保安の責任を負わせることは適当ではないのであります。この際、心機一転して、鉱山保安の所管を労働省に移し、徹底した保安、安全対策をとるべきであると思いますが、石田労相の見解を伺いたいのであります。
 次に、櫻内通産大臣にお尋ねいたします。
 炭鉱労働者の事故は、昭和三十年には六・四人に一人の割合であったのでありますが、三十九年には三・八人に一人の割合と倍増いたしております。このことは、いかに過酷な労働が炭鉱労働者の犠牲の上に進められているかを雄弁に物語っているのであります。と同時に、これまで強行された石炭合理化政策が完全に破綻しているという歴然たる証拠でもあろうと思うのであります。ところが、通産大臣は、伊王島鉱の災害現地視察に際しましても、ビルド鉱が保安を軽視するはずがない、このように記者会見において公言いたしております。この発言を聞いて強い憤りにかられたのはおそらく私だけではないと思うのであります。一体この事実に直面して、通産大臣はほんとうにそのような考え方を持っておられるのか、そうした考えこそが炭鉱災害の頻発の要因であると私は指摘しておきたいのであります。昨十二日、本院の石炭対策特別委員会と石炭大手十七社との懇談会において、業界側は、保安は生産のためにある、保安を完全にすることは山がつぶれることだ、こう述べられたのであります。このような業界側の考え方を大臣はどのように受けとめられるのか、これでもビルド鉱が保安を軽視していないと言い得るのか、私はお伺いいたしたいのであります。
 最後に、私は再度総理にお尋ねいたします。
 私は、もはや今日の炭鉱は、保安監督の強化だとか、保安対策費の増額といった技術的な問題では処理できない、抜本的な対策を要する一大転機に当面していると思うのであります。これ以上利潤追求を第一義に置く私企業経営を続けるならば、炭鉱はおそらく崩壊するでありましょう。私は、もはやわが国の炭鉱は、災害絶滅と唯一のエネルギー資源の確保の立場からも、保安、生産を国の責任において行なうべき階段にきておると思うのであります。すなわち、この際、炭鉱を国有国営とし、労働者が安んじて労働の喜びに浸れるよう、抜本的な石炭政策を確立すべきではないか、このように考えるのでありますが、総理の見解をただしたいのであります。(拍手)
 私は、このことこそが、炭鉱の地下深く眠る多くのとうとい労働者の霊に報いる道であり、政治家としてなすべき責務であることを最後に強調いたしまして、この痛ましい炭鉱災害に対する私の質問を終わる次第であります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) よりよき生活を築く、そのために働く、しこうしてその労働者がその職場において生命を失う、これはたいへん私は矛盾した事柄だと思います。われわれが行政をいたします場合におきましても、この種の災害の絶滅を期するということは、これが行政の主要なる柱の一つである、かような意味におきまして、今日までも災害の防止に格段の努力を払ってまいったのであります。しかし、ただいま中村君の御指摘のごとく、工場災害あるいは炭鉱災害、さらにまた交通災害等、いずれもそのあとを断たないことは、まことに遺憾のきわみであります。今回のこの災害につきましても、これらの点を深く反省いたしまして、そうして災害防除に万全を期すあらゆる面からの検討を加えて、そうして対策を立てていきたい、かように思います。
 ただいま最後に、これを国営に移して、そうして安心のできる職場にしろ、こういう御意見を伺いましたが、この点については、いろいろの意見のあることは中村君も御承知のとおりだと思います。政府は、第二次石炭調査団の報告、これを尊重してまいるつもりでありますが、この調査団の報告では、民営私企業の形態のもとにおいて、経理を改善することにより石炭産業の安定は期せられる、かような意味において、災害の防除につき万全を期していく、かような答申を得ております。われわれは、この答申の線を尊重してまいるつもりであります。ただいま直ちに国営に移す、かような考え方は持っておりません。(拍手)
  〔国務大臣石田博英君登壇〕
○国務大臣(石田博英君) 鉱山保安行政の所管の問題につきましては、現行労働基準法が施行せられるときに問題になりまして以来、鉱山の災害が起こるたびごとに「ただいま中村さんのような御議論を承ってまいりました。基準法施行のときに問題になりながら通産省所管と相なりましたのは、まず第一に、従来この行政が商工省で行なおれておったという経緯、それからいま一つは、その当時、石炭増産が大きな施策の中心であったということによるものでございました。しかし、それだけに、生産を所管する官庁が保安行政を担当するという問題が残ることは、私は、率直に認めなければならないと存じます。この労働者保護の行政を通産省に責任を負わせておるという御発言でございましたが、われわれは、労働者保護の責任を負っておりまする役所といたしまして、決して責任を他に負わせて甘んじているものではないのでございまして、十分責任を負う体制にあることを申し上げまするとともに、御議論の方向に向かって検討する必要があると考えておる次第でございます。それまでの間は、勧告権を行使いたしまして、両省密接な連絡をとりまして、効果をあげてまいりたいと存じております。(拍手)
  〔国務大臣櫻内義雄君登壇〕
○国務大臣(櫻内義雄君) 石炭産業にありまして、ビルド鉱であるとかないとかということにかかわらず、保安を軽視することがもしあっては、それはゆゆしいことである、こう思います。私は、従来しばしば申し上げますように、特に石炭産業の場合には、掘る前に保安というものが確立されなければならない、こういうことをはっきり申し上げておるのでありますが、私の言うことが徹底しないことをまことに遺憾に思います。
 今回、この事故にかんがみまして、札幌、平、宇部、福岡に、石炭鉱山保安緊急対策本部を設置いたしまして、各対策本部より保安調査団を派遣し、五月一ぱいまでに各鉱山の保安状況の総合検査を行ないまして、保安強化を徹底する考えでございます。(拍手)
○議長(船田中君) これにて質疑は終了いたしました。
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 日程第一 銃砲刀剣類等所持取締法の一部を
  改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
○議長(船田中君) 日程第一、銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長中馬辰猪君。
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  〔報告書は本号末尾に掲載〕
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  〔中馬辰猪君登壇〕
○中馬辰猪君 ただいま議題となりました銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 本案の要旨は、最近における暴力団その他による銃砲刀剣類の不法所持及び使用の実情にかんがみ、新たに拳銃等の輸入についての規制を設けるほか、銃砲刀剣類の譲渡等の取り扱いに関する規制を強化するとともに、銃砲刀剣類の不法な所持及び携帯等に対する罰則を整備強化しようとするものであります。
 本案は、参議院先議のため、当委員会に予備付託され、二月二十六日本付託となり、三月二日吉武国務大臣より提案理由の説明を聞き、四月六日参考人を招いて意見を聴取するなど、熱心に審査を進めてまいりましたが、四月九日、質疑を終了し、別に討論の通告もなく、採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案に対し、自民、社会、民社の三党共同提案により、暴力犯罪絶滅のための対策を今後とも強化徹底するとともに、銃砲、火薬類による危害を防止するため、販売その他の取り扱いについても、特に規制を強化すべき旨の附帯決議案が提出されましたが、これまた全会一致をもって可決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(船田中君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 農地開発機械公団法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
○海部俊樹君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、農地開発機械公団法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 農地開発機械公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事谷垣專一君。
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  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔谷垣專一君登壇〕
○谷垣專一君 ただいま議題となりました内閣提出、農地開発機械公団法の一部を改正する法律案について、農林水産委員会における審査の経過及び結果について御報告いたします。
 本案は、酪農等の健全な発展に資するため、農地開発機械公団が農事組合法人等の行なう乳牛等の飼養育成の事業の用に供する草地及び農業用施設の造成または売り渡し等を一体として行ない、もって共同利用模範牧場を設置することができることとし、あわせて同公団の役員及び債券の発行に関する規定を整備しようとするものであります。
 本案は、二月十二日提出され、二月十六日及び三月三十一日に提案理由の説明とその補足説明を聴取し、その後数回にわたり慎重に審査し、本十三日質疑を終了し、採決いたしましたところ、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対しては、共同利用模範牧場については、買い受け者の負担を軽減するようにつとめるとともに、その売り渡し後における維持管理、運営等について十分なる指導を行なうこと等三項目の附帯決議が付されました。
 以上をもって報告を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(船田中君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(船田中君) 起立多数、よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時四十五分散会
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 出席国務大臣
       内閣総理大臣  佐藤 榮作君
       通商産業大臣  櫻内 義雄君
       労 働 大 臣 石田 博英君
       国 務 大 臣 吉武 恵市君
 出席政府委員
       内閣法制局第四
       部長      田中 康民君
       農林政務次官  舘林三喜男君
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