第049回国会 科学技術振興対策特別委員会 第3号
昭和四十年八月五日(木曜日)
   午後一時三十分開議
 出席委員
   委員長 岡  良一君
   理事 菅野和太郎君 理事 纐纈 彌三君
   理事 前田 正男君 理事 田中 武夫君
   理事 原   茂君
      大泉 寛三君   小宮山重四郎君
      野呂 恭一君    藤尾 正行君
      三木 喜夫君    山内  広君
      内海  清君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 上原 正吉君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       田川 誠一君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   小林 貞雄君
        総理府技官
        (科学技術庁原
        子力局長)   村田  浩君
 委員外の出席者
        宇宙開発審議会
        会長      兼重寛九郎君
        総理府技官
        (科学技術庁計
        画局長)    梅澤 邦臣君
        総理府技官
        (科学技術庁研
        究調整局長)  高橋 正春君
        総理府事務官
        (科学技術庁振
        興局長)    谷敷  寛君
        総理府技官
        (科学技術庁資
        源局長)    橘  恭一君
        総理府技官
        (宇宙開発推進
        本部長)    高木  昇君
        外務事務官
        (国際連合局科
        学課長)    大塚博比古君
        外務事務官   丹羽 元一君
        文部事務官
        (大学学術局審
        議官)     岡野  澄君
        通商産業事務官
        (重工業局次
        長)      赤沢 璋一君
        通商産業技官
        (重工業局航空
        機武器課長)  広野 信衛君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術振興対策に関する件(宇宙開発に関す
 る問題等)
     ――――◇―――――
○岡委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。
 まず最初に、宇宙開発に関する問題について、高木宇宙開発推進本部長及び兼重宇宙開発審議会会長より、それぞれ説明を聴取した後、質疑に入ることといたします。それでは高木宇宙開発推進本部長よりお願い申し上げます。
○高木説明員 その後、昨年十二月以来、東大を中心とする宇宙科学の研究と、推進本部におきます現状をちょっと申し上げまして、続いて両者の間で一元化を行ないつつある状況の御説明を申し上げたいと思います。
 東大のほうでは、昨年十二月以来、何回か観測ロケットの実験を行ないながら、将来のミューロケットの計画につながる研究を続けておりまして、推進本部のほうでは、主として在来続けてまいりましたロケットの改良研究を続けておりまして、この間六月に実験をしたばかりでございます。
 続いて二、三年先、将来を見て行ないます計画においては、東大を中心といたしましては小さな科学衛星を打ち上げたい。それの諸元並びに観測項目などを研究検討いたしまして、その諸般の準備を進めております。また、これを補うべきミューロケットにつきましては、本年度ブースターが完成いたしますと、さらに二年間続けまして、科学衛星が打ち上げられるようなロケットができる予定になっておりますので、四十三年度以降にはそういう科学衛星をもし許されれば打ち上げられる準備ができるかと考えております。
 本部の科学技術庁のほうといたしましては、それから三年おくれて昭和四十五年度以降に実用人工衛星を打ち上げることを目途といたしまして、このほうのロケット、人工衛星の開発を続けてきておるのでございます。このために、まずロケットにつきましては東大で開発した技術の上に立ちまして、それを科学技術庁がさらに発展させるということを基本にいたしまして、また計画によっては上段部のほうに液体燃料を使用することになるかもわかりませんので、そのほうのシステムデザインなどを一応考えておるわけでございます。
 それから人工衛星として、国としてどういう実用衛星を上げるか、こういうことに相なるわけでございますが、それも現在実用面から研究を進めておりますが、人工衛星そのものは多分に共通部分がございますので、科学衛星のほうがいま主として進んでおりますので、そこの結果をやはり実用衛星に取り入れて、そしてそこの間に計画の競合とか、あるいは時間のおくれがないようにやるつもりでございます。結局そういうことをするためには、まず推進本部とそれから科学技術庁の中の航空宇宙技術研究所、それと東大を中心としております三者が協調して作業をする必要があるわけでございまして、最近までに行ないました具体的な処置は、本部に、東大教授も含めました技術委員会というのをつくりまして、本部の計画をいろいろと御審議いただきまして、それを参考にして実施を進める。
 さらに第二は、推進本部に航空宇宙技術研究所、これは約三百人の研究所でございますが、とりあえずおもな方々十一人を本部に併任にいたしまして、システムデザインあるいは人工衛星、ロケットそのものの詳しい検討を進めてもらいまして、本年度の実施計画にすでに盛り込み、また来年度の予算も東大と協調してやる、こういうことになっております。
 三番目には、東大でもいろいろと観測ロケットの設計会議などをやっておりますが、そういう部分に本部の方、あるいは航技研の方に参加していただきまして、一緒になってこれから両方の設計をやっていこうじゃないか、こういう話し合いになっております。現状では東大のほうが進んでおります技術を、だんだん科学技術庁のほうに重点を移しながら、その間、両者人員的には交流し合いながらお互いの研究に十分理解を持って、できればなるべく早くこういう規格を一元化して、分担をスムーズにやっていきたいというのが私の考えであります。簡単でございますが……。
○岡委員長 次に兼車宇宙開発審議会会長にお願いします。
○兼重説明員 宇宙開発審議会のことにつきましては、すでに御承知のことが多いのでございますけれども、昭和三十七年五月十一日付で、諮問第一号に対する御答申として、宇宙開発推進の基本方策について答申いたしました。それから昨年の二月三日付で、諮問第三号に対する宇宙開発における重点開発目標と、これを達成するための具体方策いかんという諮問に対する答申をいたしたのでございます。ただいま高木宇宙開発推進本部長からお話がありましたように、大筋におきまして、こういう答申の線に沿って動いてきておるとは思うのでございますが、宇宙開発審議会の新しい委員によります最初の会合は、去る六月二十九日に開かれまして、総合部会と技術部会という二つの部会を設けて、今後そこに出てくるでありましょう宇宙開発に関係する問題を審議する態勢を整えたところでございます。
 一方、昨年来、愛知前科学技術庁長官は、たいへん熱心に科学技術庁と東大教授、昔は生産技術研究所、このごろは宇宙航空研究所を中心にしてやっております大学関係の研究との間、これをよく連絡をとり、調整をはかるということに努力されました結果、高木東大教授が宇宙開発推進本部長を兼ねるようなことになりまして、ただいまお聞きのようないろいろ対策を立て、相談を進めておられます。
 したがって、大筋におきまして、かねがねこの科学技術振興対策特別委員会で御意見が出ておりましたような線に動いておりますし、いずれはもっとはっきりした成果が得られることと私は思っておりますが、宇宙開発審議会といたしましては、そういう体制で進む途中におきましてもこれを助けるように、そういう方向で努力をいたしたいと考えておる次第でございます。ただいまのところ私たちのほうから御説明申し上げますことはこれにとどめまして、もしあとで御質問でもございましたら、私のお答えできますことはできるだけお答え申しあげたいと思います。どうもありがとうございました。
○岡委員長 それでは委員長より若干お尋ねをいたします。と申しますのは、本委員会は、昨年の通常国会におきまして、当時の宇宙開発審議会の答申を検討いたしました結果、宇宙開発を実施するためのまず何よりも必要な大前提は、機構の一元的な統一であろうという結論に達しましたので、委員会決議といたしまして、強く政府に要望いたしました。しかし、ただいま兼重会長及び高木部長よりの御報告を聞きまして、まだ実質的にほんとうに一元的な推進機構というものが確立され、そして総合的な形で開発が進められているとは思いがたいので、若干お尋ねをいたしたいと思います。
 まず、兼重会長にお尋ねをいたしますが、すでに各省とも四十一年度予算の概算要求の作業を進めておりまするし、聞くところによると、文部省と科学技術庁とは、全く別個に衛星に関する予算の概算要求をつくり、十一日に開かれる予定の宇宙開発審議会の総合部会にはかることになろうかと言われております。宇宙開発の一元化は、すでに私ども委員会としても、委員会決議として強く政府に要望しているところでありますが、四十年度予算の審議の際には、宇宙開発審議会はほとんど調整の役割りを果たすことができず、各省からばらばらに出された予算をそのまま取りまとめて承認をされたような状況でございます。来年度の予算においても、すでに概算要求の期限が迫っておることでもあり、今年度予算の場合と同じような結果になりはしないかと私どもは憂えておるのでございます。特に、来年度予算では東大が衛星計画の初年度予算を要求するといわれており、ここではっきりした調整をつけるなり、また審議会としての明確な方針を打ち出すことをなされないということになると、悔いを将来に残すことになるわけでございますが、宇宙開発審議会としてはどのような日程で、これらの重要な問題についての審議の実をあげていくつもりであるか、お聞かせを願いたいと存じます。
○兼重説明員 仰せのとおりに、昭和四十年度の予算の場合には、概算要求が出ました八月三十一日以後に技術部会が設けられまして、ここの技術部会で審議をいたしましたけれども、そこで調整というようなことを議論はいたしましたが、ただいま委員長の仰せられましたように、どれだけの実体的なことができたかと申しますと、私もそれはあまりできなかったと申し上げるほうが正直であると思います。
 昭和四十一年度につきましては、こういうことを繰り返さないことが必要であると思っておりましたけれども、宇宙開発審議会が発足いたしましたのは、先ほど申しましたように六月二十九日に初めて集まりまして、二つの部会をつくりましたので、そこで私はできるだけ早い機会に総合部会及び技術部会で将来の日本の宇宙開発計画について、せっかくあれだけのりっぱな委員をととのえたのでありますから、意見をかわしまして、最終的なことを得るまでには相当な時間は必要でございましょうけれども、とりあえずのことは言えるようにいたしたいと個人的には考えておりましたが、今日までの進行状況は、先ほど申したようなことでございますから、この十九日に第一回の技術部会を開くことになっております、そこで、できる限りの努力をいたし、その次の機会をなるべく早くいたしまして、昨年に比べ少し時期が早うございますから、それだけの効果はあげるようにいたしたいと考えております。しかし、私はどうもこういう来年度の予算の編成時期、あるいはその概算要求の締め切りが近づいてからそういう問題をいたしますよりも、もっと前に、将来日本の宇宙開発というものはどういう考えで進むべきかということをもっと議論をする機会を得たいと思うのでございますけれども、会長の微力なことも影響するのでございましょうか、なかなかまだ私の思うとおりにもいっておりません。今後この特別委員会などの御意見をできるだけバックにいたしまして、御希望に沿うような動き方をいたしたいと念願しております。
○岡委員長 御存じのように、私ども委員会が機構の一元化を強く要望いたしましたことは、とりもなおさず、予算の合理的な配分によって、あるいは三年後といわれ、あるいは五年後といわれておる人工衛星の打ち上げについての明確な年次計画と、それを裏づけする予算が合理的に調整される、これが私は審議会の重要な仕事の一つではなかろうかと存じておるわけでございます。
 そこで重ねてお伺いをいたしますが、第三号諮問に対する答申におきまして、これは開発審議会の御答申でございますが、ロケット、人工衛星の試作、打ち上げの実施並びにこれに直結する研究等は宇宙開発推進本部が行なう、東大の宇宙航空研究所は観測ロケットによる宇宙科学研究のみを担当し、人工衛星計画にはタッチしないということになっていると記憶しております。この方針は、申し上げるまでもなく宇宙開発審議会の御決定でございますが、一方、東京大学は、去る六月二十日に日本学術会議宇宙空間研究特別委員会主催の科学衛星計画シンポジウムで、昭和四十二年度までに重さが五十キログラムないし百キログラムの人工衛星を打ち上げるという計画発表をいたしました。兼重会長はこのシンポジウムを主催された宇宙空間研究特別委員会の委員長でもございますが、宇宙開発審議会の答申内容と反するような衛星計画の発表を、御同様の兼重さん御自身の主催で御発表になったのは、私は納得いたしかねるのでございますが、こういう事態が日本の宇宙開発を混乱さしている大きな原因になろうかとも思います。この点についての兼重会長の率直な御心境を承りたいと思います。
○兼重説明員 第三号答申のこれには、私の記憶いたしますところでは、ただいま委員長のお話しになりましたほどはっきりしたことは、出ておりませんし、出すことができなかったように思っております。
 そこでこういうようなことをできるだけ早く次に進めることが必要である、それまでは宇宙開発審議会の総合部会をそういうことの連絡、統一の場にするということが答申されていると思っております。先ほどお話しになりました日本学術会議の宇宙空間研究特別委員会、これの委員長を私はしておりますのでございますが、そこで議論しておりますことは、科学衛星計画と通称しております。それは、大学関係者が主になっていま案を立てておりますが、その案を実行に移すまでにはいろいろなところで検討を経なければならないと思っております。たとえば、日本学術会議からこれをどういう形で政府に申し入れることになりますか、私どもは学術会議から勧告をしてもらうことが――私どもと申しますのは特別委員会――特別委員会では日本学術会議から勧告をしてほしい、こういうふうに希望しているわけでございますが、それには日本学術会議としてやはりそれが適当であるかどうかということの判断もされるでございましょう。そういうような計画を進めております途中で、いろいろな外部の専門家あるいは専門外の人たちの意見も聞きながら、その案を固めていこうとする段階でございまして、いまそういうことの案を立てること自体がこの諮問第三号に対する答申に反することであるとは、実は私感じなかったのでございまして、あそこできめたことがそのまますぐ実行に移されるものであるとは考えておらなかったわけでございますから、そういう検討を、できるだけ広い方面の御意見を伺いながら、進めていくというそのこと自体は悪いことではなかった、こう思っておりましたので、その私の考え方に何か違っているところでもございましたら私も考え直したいと思います。
○岡委員長 それでは重ねて最後にお伺いをいたしますが、宇宙開発審議会の議を経ないで、独自に東大が人工衛星を打ら上げるということについては、賛成なのでございますか。このことについては、兼重会長はいかなるお考えでございましょうか。
○兼重説明員 私はああいうような大計画が実行に移される前には、当然宇宙開発審議会の意見も聞かれるもの、こう思っておりましたし、いまもおるわけでございます。
○岡委員長 重ねて最後に、高木本部長にお尋ねをいたします。
 高木本部長が昨年の十二月に御就任になったときの新聞記者会見で、私の記憶によりますと、こう申されておられました。東大が十年間蓄積してきた成果を科学技術庁に引き渡し、応用面の開発に役立てることには異論がないので、いわば、文部省から科学技術庁へ大きなパイプを引くことになったわけである。東大は、現在開発中の四段式ミュー型ロケットの完成を待って、昭和四十二年度に科学観測用の人工衛星を打ち上げる計画だが、科学技術庁も昭和四十五年度打ち上げを目標に気象観測、通信中継などをかねた多目的衛星の打ち上げを計画している。これらの計画の食い違いを調整、一本化して、昭和四十二年度より早い時期に打ち上げ目標を設定しなければならない。ところが、六月二十七日の朝日新聞によりますと、六月二十日の科学衛星シンポジウムのあとの記者会見で、本部長は、宇宙開発推進本部は、人員もきわめて弱体であり、とても東大の技術は移せないのではなかろうかというふうに私ども受け取れるような御発言があったようであります。昨年十二月からこの六月までの間に、こうして本部長の心境なり、御見解に変更がおありであるとすると、私ども今後の宇宙開発の推進の上において、やはり非常に当惑するのでございますが、この間の事情について、本部長の率直な御心境を承りたいと思います。
○高木説明員 答弁申し上げます。
 シンポジウムのあとで記者会見がございまして、そのときに私の心境、今後の方針についてはかなり長く述べたのでございますが、そのうちの一つのことばだけがそこに引用されたために、多分に誤解を皆さま方に与えたかと思いますので、この点、私の不徳のいたすところと思っておわび申し上げます。
 十二月に就任しましたときのことばは、いまもってそのとおりにしたいと思って確信しております。その句が誤解を受けたことはこういうことでございます。現在本部で、二十人なり三十人の、技官は非常に少のうございますが、その方々にいろいろ計画を立て、かつ先ほど申し上げました航空宇宙技術研究所の何百人かの方と御一緒になって、そうして東大とまた一緒になりまして、そこに相当な数の科学技術者が集まりまして、そこで十分な移し渡しができるように、いま航技研の方々にぜひ全力をあげて、この宇宙開発のほうに飛び込んできてくださいと申しまして、このことが着々といま進行している状況でございますが、そうなりますと、科学技術庁全体で現在持っておる三百人と宇宙研の三百人とで強力に進み得る、こういうことをお話ししたのでございまして、まあ本部の人数が二十人では不十分で、どうしても三者が合体して進めなければならないと申しました。
 それから、先ほど兼重先生がおっしゃいましたように、学術会議では、これからなお四部会、五部会とか、いろいろなところであの計画を御審議いただくわけでありますが、私も宇宙開発審議会の委員といたしまして、当然宇宙開発審議会で十分御検討いただきまして、そして採択になるかならぬかということがきまる。こう考えておるのでございます。
○岡委員長 最後に、大臣もお見えになりましたので、私ども委員会といたしましては、この宇宙開発の事業には非常な関心を寄せまして、昨年の委員会におきましても、人工衛星の打ち上げを完成するには、まず機構の一元化ということが大前提であろうということを委員会で決議をいたしまして、政府に強く要望をいたしました。がしかし、それが今日までの段階では、このテンポはまだまだきわめてスローモーションであって、私ども委員会を満足せしめるに至らない、こう私には感じられるのでございますが、大臣も所信表明の中で、人工衛星の打ち上げをうたっておられますが、そのためには、この大きな国民的行事について指導する立場にある方々も、朝令暮改的な、御都合主義的な態度でなく、き然としてこの目的のために指導性を発揮していただくと同時に、政府もまた、その機構の一元化については、もっと強力に御配慮を願うことをこの機会に強く要望いたします。
 私の質問は、これで終わります。
    ―――――――――――――
○岡委員長 大臣の所信及び宇宙開発に関する問題について質疑の通告がありますので、これを許します。山内広君。
○山内委員 いろいろ宇宙開発について説明があったわけですが、この際、私も若干宇宙開発行政のあり方について再検討する必要があろうというふうな気が実はしておるわけであります。いま委員長から一元化の問題についてたいへん詳しい御意見がありましたが、私も予算の面で宇宙開発というものをながめてみますると、確かにこれはむだに金を使っておる。各省ばらばらに、科学技術庁をはじめ文部省、通産省、運輸省、郵政省、建設省にまで宇宙開発の分野があるわけであります。そしてこれの各省にまたがる予算の配分を見ましても、何といっても東大が大部分、約六割くらいだと思いますが、四十年度一つとっても三十五億五千万のうち東大で二十五億一千万円を使っておるわけであります。この面から見ても、いま委員長の御心配な点がはっきりと出てくるわけであります。それは委員長から詳しくお話がありましたからあまり申し上げませんが、やはりいまの委員長の心配される点は、ぜひこれは促進する必要があると思いますので、私は若干意見を差し加えておきたいと思います。
 それで、私は宇宙開発の行政のあり方について、最近起こった問題からひとつ取り上げて伺っておきたいと思います。
 東大で開発されましたカッパー8型ロケットがインドネシアに、これはたしか七月一日だと思いますが、すでに船積みされて向こうで組み立てられておると思うのですが、この問題は、いろいろな宇宙開発の行政の今後について疑問点をこの中に含んでおる。そういう意味でお尋ねしたいと思いますが、インドネシアにカッパー8型を売るに至った経緯といいますか、その点を若干お聞きしておいて、あと内容について詳しくお尋ねしたいと思います。
○高木説明員 ただいまインドネシアにカッパーロケットを輸出するに至った経緯についての御質問でございますので、お答え申し上げます。
 元来、コスパーという宇宙空間研究委員会という国際委員会がございまして、地球観測年が終わりましてから毎年外国でございまして、各国がナショナルレポートを提出して、一年間にどういうロケットでどういうことをやったかということを、国際的に発表し合う委員会がございます。したがいまして私たちのカッパー6とか8とか9とかいうロケットは、そういうところで世界に周知されております。
 第二に、コスパー加盟国は現在三十カ国ございまして、その格づけがABCと三つに分かれています。Aは人工衛星を上げられる国というので米ソでございます。それからBはロケットを上げて観測できる国というそのBクラスの中に、日本、イギリス、フランスとか、現在は十五カ国がございます。そうすると、地上で観測するCクラスというものは、その残りになります。これは十三カ国あります。コスパーの中では、ロケットを持っている国はなるべくよその国へ貸すなり何なりして、全世界的に観測ロケットで、同時観測をやろう、あるいは世界日をきめてやろう、こういうことになっております。過去数年間はアメリカが全部ロケットを、イギリスから始まりましてコスパー加盟国のうちの十五カ国にわたって、観測ロケットを供与しております。それから自力で観測ロケットができる国は日本とイギリスとフランス、カナダ、この四カ国でございますが、このうちフランスはパキスタンとインドに観測ロケットを輸出しておりまして、その場合にはさらに製造工場まで輸出しておるのでございます。
 そこで、どういう経緯になるかと申しますと、そういうコスパーで各国が成果をあげると、ロケットを持たない国がいろいろと連絡に参ります。インドネシアの場合を例にとりますと、三十九年、四十年が太陽静測年、IQSYなので、三十八年にわれわれのグループにアプローチがございまして、二年前にそのことを私たちは承知しております。その相談のしかたは、インドネシアでIQSYの間に宇宙科学観測をやるとしたら、つまりコスパーの一員としてやるとしたらば、どういう計画がいいだろうというその宇宙科学の計画について、われわれに相談に参りました。それには電離層がいいとか、地球磁気をはかるとかということで、結局あちらの宇宙科学計画に対して助言をし、またそれに必要なロケット、地上施設というようなものについて、こんなものでいいのじゃないかという提案をいたします。それが第一年目でございます。第二年目は、インドネシアがそれをおそらく――よく知りませんが、予算化したり、外貨というようなことで、あとはインドネシアからの商社を通じて現在二十社くらいに――ロケットばかりではございません、いろいろ地上施設も含めて、二十会社くらいにそういう発注を第二年目にいたします。大体一年かかりますので、二年目になります。この第三年目がIQSYの二年目になります。そこでその時期について逐次観測を行なっていく、こういう経過でインドネシアに輸出が進んだのでございます。その前にユーゴスラビアの輸出もございましたが、これも向こうのコスパーあるいは学術会議というような人が、われわれのコスパーのナショナルレポートを見まして、どういう計画でどういう観測をしたいということで、それに対して助言して、この前はカッパー6型を5基出したわけでございます。
 簡単でございますが……。
○山内委員 いまの御説明でそういう学術なり文化というものを文流する、それはけっこうなことですが、これをなぜ伊藤忠商事が商業べースで輸出しているか。これに誤りがないとすれば、どうもこのことは学術研究の成果を交流するというたてまえからいってちょっとふに落ちないのですが、この点はどういうことですか。
○高木説明員 私、コマーシャルベースでそういうことが行なわれる――実はユーゴの場合には、おそらくベオグラードにいるユーゴの商社と、それからベオグラードに滞在している日本の商社とあれして、あのときは三井物産でございます、三井物産にきまったんだろうと思うのでございますけれども、私たちもどういうふうにしてその商社が選ばれて、どういうふうに進んでいるかということについてはノータッチでございまして、それを輸出するしないはやはり日本としては通産あたりの御見解に従うのじゃないかと思うのです。私たちは計画立案に対してのアドバイスをする。それから先は私たちとしては何もできないところでございます。たいへん不満足な答弁で恐縮でございますが……。
○山内委員 私の調査では、ユーゴにいったときには商業ベースに乗せて輸出したのではないのです。ここにもし誤りがないと、今度伊藤忠商事にやったという点について私は疑問がある。これは第一回と第二回には違う、カッパー6型の場合と8型の場合と違っております。どなたか御承知だったらどうぞ。
○赤沢説明員 ただいまお尋ねの三十五年当時の輸出のことでございますが、ちょっと手元に資料がございませんので、至急調べまして……。
○山内委員 委員長、こういうことでは、これから私、もっと突っ込んだ御質問をしたいと思っておったのですが……。新聞にもちゃんと出ておるのですよ。「国産ロケットの輸出は、さる三十八年ユーゴに送られたカッパー6型に次ぐもので、商業べースに乗ったのはこれがはじめて。」である。それで私わかったのです。それはコスパーの加盟国としてお互いに交流するのですから。これは商業ベースに乗せれば税金もかかる、向こうだって高いものを買わなければならぬ。これはほんとうの研究機関として、学術研究用として交流されるのであれば、そういう税金という問題の心配もない、これがほんとうに意味をなすのです。商業会社はただでやってくれるわけはない、必ずこれはマージンは上げる。そういう意味でこういう商業ベースに乗せるのはなぜか。私どもはまだ科学技術のこういう宇宙開発というものは神聖にしておきたい。それがもう業者のそういう利益をはかるような扱いに持っていって、それをここにおる最高幹部がどなたも知らないという手はないと思う。おそらく合議されているでしょう。通産省もある、外務省もある、科学技術庁も知らないというわけは絶対ない。どういうわけですか。――実は私、もっと詳しく現実的にお尋ねしたいと思ったのですが、そういう基本的なものをおわかりにならぬということになると、これ以上質問しても私は出てこないと思う。ひとつ次回へ質問を保留して、十分研究されて答弁のできるようにして、次回にお伺いしたいと思います。
 インドネシアにロケットを出したということは、マレーシアから非常に強い抗議が来ているでしょう。これだって解明しないと、あなた方はこれは武器にならぬという御答弁だろうと思うけれども、外国は、すでに、これは弾頭を取りかえて核兵器にでも改造されたらたいへんだという心配を外国は持っているわけです。そういう点のいきさつなど、宇宙開発行政としては、いまそういう点を明らかにしておかないと、とんでもないことになると私は思う。ぜひひとつ、この次でいいですから、十分研究してきて、質問の機会を持ちたいと思います。
○赤沢説明員 ただいま御質問のインドネシア向けのロケットの輸出でございますが、通産省はこういったものについての輸出承認をする立場にある役所でございます。これにつきましては、先ほど御質問の中にもございましたが、伊藤忠商事から輸出承認の申請があり、それに基づきまして、本件は軍用に転用されるものではないということが確認をされましたので、通産省としては輸出承認をした、こういうことでございます。したがって、あくまでこれは一般の商業ベースの輸出ということで承認をいたしております。
○山内委員 じゃ、質問を続けます。
 その武器にならぬということを確認したというのは、どういう方法で確認されましたか。
○赤沢説明員 これが武器になるかならないかという問題でございますが、K8型のロケットでございますが、これは当初から宇宙観測用ということで設計されたものでございます。第一番には、誘導制御装置がついておりません。またこれに誘導制御装置をつけることはほとんど不可能であるという断定が下されております。第二に初期の加速度の問題でございますが、この点につきましても、普通のミサイルというものは非常に加速度が大きいわけであります。これに対しまして、K8型というものは使用の推薬等を最も効率的に燃焼させる、そして最高の高度に到達させるという目的がございまするので、初期の加速度は非常に小さく設計をされておる。改造は全く不可能であるというふうに承知をいたしております。また、この観測用機器を載せておりますが、いわゆるペイロードにつきましては四十キロないし五十キロ程度のものでございまして、たとえ観測用機器にかえまして火薬類をかりにこれに積めたというふうな想定をいたしましても、この程度では全く軍事的な価値がない、かように断定いたしております。
 以上のような理由から、本件につきましては、軍事用に転用する可能性はほとんどない、あるいは全くないということを確認いたしまして、本件の輸出許可をした、かような次第でございます。
○山内委員 科学技術庁はいまの答弁を認めますか。
○高橋説明員 ただいまの御趣旨につきまして、特に科学技術的には異議がないと思います。
○山内委員 ところがあなた方の計画では、いまこそ私だって、これはしろうとでも、大体小さなものですから、そういうことはそう心配しておらない。ところが、これからこのロケットの将来の計画を見れば、どんどん大型化していく。もう五百キロぐらい搭載のできるロケットまで一応日程にのぼっているわけでしょう。そうなったら、いまのように商業ベースで――通産省は技術的に知らないくせに、この現在のものはなるほどそれでいいかもしらぬ。しかしどんどん新しい大型のものが開拓されていって、これも商業ベースでどんどんあなたのほうだけで承認をして、科学技術庁も知らない、そういうものがどんどん輸出されていったら、今度は弾頭だけ取りかえれば十分りっぱな核兵器になりますよ。それをどこでチェックできますか。どれくらいの搭載の大型になれば積めるようになりますか、通産省おわかりですか。
○赤沢説明員 ただいまの御質問に若干はずれるかとも思いますが、武器の輸出の問題でございますが、武器の輸出につきましては、先般も国会で別の御質問に対して御答弁申し上げているわけでございますが、通産省といたしましては、武器輸出につきましては次のような方針を考えております。
 第一は、ココムの制限がございます。これに従うという点が第一でございます。
 第二は、国連の決議に基づきまして、武器輸出が禁止をされておるこの国には輸出ができません。これが第二であります。
 第三は、国際紛争の助長というようなおそれがある国に対する輸出につきましてはこれを認めない、こういう方針でございます。したがいまして、ただいま御指摘のいわゆる武器としてのロケット、これの輸出問題が将来起こりました場合には、現在はこういう方針で処理をいたしておるということでございますので、御了承願いたいと思います。
○山内委員 いま御答弁がありましたから、それじゃもう一つお聞きします。なるほどココムの取りきめは尊重するでしょう。直接共産圏に対して武器になるようなものは禁止されております。しかしこれが台湾へ行って、台湾からこう行ったらやはり武器が紛争国に行くのです。どうして防ぎますか。三角貿易をやったらいいでしょう。
○赤沢説明員 輸出の契約先が結局問題になるわけでありまして、いま御指摘のように第三国経由で紛争国の一方に行くということも考えようによってはあり得ることと思います。ただ私ども輸出の承認をいたします場合には、可能な限りの手段を用いまして、もちろんいきなりAなる国から、実はこれはBなる国に再輸出をするために行なわれているのだというようなことがあれば、わかる限りの資料判断をいたしまして、そういうことがないようにいたしたい、かように考えております。これは輸出承認のときの資料の許す範囲での判断基準になろうかと思う次第でございます。
○山内委員 どうも通産省ばかり相手にしていると、ばからしくてこういう問題は話にならないのですが、私が申し上げたいのは、そういうことで危険がある。向こうに行って、向こうの手で取りかえるのですから、兵器に直すのですから、それまで通産省がわからぬのは当然なんですよ。ですから、もっと日本の科学技術庁でも、文部省でも、みんな協力体制でもって、こいつを持っていったら武器になる危険があると、こういうもっと学的な調査をやらなければ、あなたのほうは、通産省が書類だけを見てこれは武器にならぬのだといえば、よし、ということで承認になるでしょう。ところが、そういうことがあるからこれは防げないのです。だからマレーシアから厳重な抗議が来て、向こうに対してどういう返事をしたかわかりませんけれども、これは武器にならないんだという答弁でしょうけれども、さっき申しましたとおり、これからどんどんロケットが大型化していって、もう手軽に核兵器もできる。いま御承知のとおり核兵器も非常に小型化されてきて、これはもう簡単にできるのです。こういうときに通産省だけにまかせて、そしてせっかく学術研究のために東大に膨大な国費をつぎ込んで開発されたものが、いかにコスパーの加盟国の義務を果たすんだといっても、先ほどは本部長は供与ということばを確かに使われた。私、供与するならいいと思う。あるいは貸与するならいいと思う。それを商業ベースに乗せて業者の手を経て、そうして輸出するというところに問題がある。これはあなたのほうばかり責めてもしようのないことかもしれませんけれども、これは本部長、特に――もう、きょうは、これでやめますけれども、本部長も御存じのないようなかっこうですけれども、こういうことは改めないと、科学技術の進歩に、いまわれわれ国会あげて何とか日本の水準を高めたいと思って一生懸命に努力しているときに、もうすでに一部にこういう毒されるような形が出てきたらたいへんなことです。
 この次にまたお尋ねします。
○三木(喜)委員 関連。外務省にお尋ねするのですが、いまの問題ですが、外務省ではすでに紛争地域には紛争を助長するような武器または武器の類似品を輸出しない、そういう政策をとっておられるということを聞いておるのですが、武器の定義としましては、対共産圏輸出統制品目表の記載に準ずるということになっております。でありますから、この品目表によりますと、観測用ロケットもこれは武器とみなされておるわけなんです。カッパーロケットのインドネシアへの輸出につきまして、外務省は通産省から事前に相談を受けたかどうか、これはひとつ外務省のほうから御答弁いただきたい。
○大塚説明員 この問題につきましては、通産省から非公式にお話を伺ったと聞いております。
○三木(喜)委員 非公式とは一体どういうことですか。
○大塚説明員 と申しますのは、輸出許可品目の問題については通産省の専管事項であるという解釈で外務省はきておりまして、ただ紛争地域がそれに関連してきますような場合には外務省として見解を伺っている、こういう意味で非公式と申し上げた次第でございます。
○三木(喜)委員 それでは外務省としては、どんな見解を通産省に出されましたか。
○大塚説明員 実はただいま経済局のほうの事務官から答弁をいたします。
○丹羽説明員 この問題は科学課のほうから前もって連絡がございまして、輸出すべきかいなかの内容につきまして、政務局、経済局と国連局、三者で協議しまして、それに基づいて、これは武器じゃない、輸出して差しつかえないだろうという結論が出ましたので、通産には、差しつかえないだろうという回答をしております。
○三木(喜)委員 さきに私のほうから言いましたように、武器であるか武器でないかという基準は、あなた方のほうですでに設定されておる。その設定に合わして、これをその尺度に合わして見れば武器だということになるのです。何を基準にして武器でないということを決定づけられたか、そこに問題があると思う。ただ話し合いだけでそういうことが行なわれるようになると、これは非常に危険です。その場限り、その場限りで事が処していかれるということと、さらに山内委員からも指摘いたしましたように、これが国際紛争になれば、外務省は責任を負わなければならぬ。通産省が一メーカーの申請によって、利益のためにこういうことをやって、平和の美名に隠れて、どんどんとこういうような軍事目的に使用される、武器に使用されるということになれば、あなた方はそれについての責任を負わなければならぬ、そういう立場から私たちはものを言うておるわけです。何を基準にして武器でないと言われますか。
○大塚説明員 先ほども申し上げましたように、これが武器であるか武器でないかという問題につきましては、これは武器禁止品目あるいは許可品目の内容は、これは通産省の専管でやっておるわけでございまして、具体的にどういうものが武器であるかないかということは、第一次的には通産省のほうの御見解できまるわけでございます。外務省といたしましては、国際紛争の助長、そういうような問題で関連が起こる場合に、そのつど具体的なケースについて相談を受けているというのが実情でございますので、一般的にどれが武器であって、どれが武器でないかという判定は、第一次的には通産省のほうで御判断になっているものと了解いたします。
○三木(喜)委員 長く言うのもかえって皆さんに迷惑だろうかと思うのですが、武器であるか武器でないかという判定は人まかせ。そうしたらあなた方は何を相談したのですか。あなた方はそれを相談することが国際紛争への責任を持つということなんです。それが一つ。それは人まかせだということなんです。あなた方のほうでは、すでにいま申しましたように、武器であるか武器でないかということの判定の尺度があるはずです。それによって、外交的な立場に立って、こういうものを輸出したときにはこうなるのだというくらいな見通しを持って答えをしてもらわなければいけない。
 それからもう一つは、いま非公式ということをおっしゃいました。非公式なればそういうようなことも可能かもしれません。三人寄ってごちゃごちゃと相談して、よかろうというような簡単なアグレマンを与えるくらいなことでいいかもしれませんが、通産省としてはそういう簡単なやり方でいいわけなんですか、外務省に対して。これは国際紛争を巻き起こすかもしれない重要な問題ですよ。通産省はそういうやり方でいいわけですか。それをひとつ聞かしてください、非公式という点について……。
○赤沢説明員 従来、武器あるいは武器に類するもの、こういったものの輸出は、先ほど御指摘のように国際紛争の問題がございますので、そのつど外務省に連絡いたしております。ただいま非公式というおことばがございましたが、これは要するに大臣名であるとか、その他の名前でもって、いわゆる公文書をもって照会しておるのではないという意味だと思います。いわゆる事務連絡をもって、内容等をつまびらかにし、説明し、そうして外務省としての見解をただすという意味でございます。したがって、従来こういったものについては、一件一件そういう手続を踏んでおりまするが、本件につきましては、観測用ロケットということでございましたが、相手方がインドネシアでもございまするので、現在マレーシアとの紛争中の国でございますので、外務省にそういう照会をしたということでございます。
○田中(武)委員 私も山内君と三木君の質問を聞いておって変だと思うのです。武器であるかないかという議論があるのですが、私はもう一つその手前の議論をしようと思うのです。カッパ−8型というのは一体どこで開発したのですか。
○高木説明員 東大の生産技術研究所で数年前に開発し、そうして、もちろん大ぜいのメーカーと協力してつくったものでございます。
○田中(武)委員 それがプリンスかどこかでつくられたらしいのですが、それが商品となっているんですね。これは現在まだ商品と言えないのじゃないですか。
○高木説明員 御承知のように、カッパ−8型は十基つくりまして、そうして直ちに9型とかどんどん最新型に型を移して18型というのは一九六〇年でございますから、いまから五年前にできて、それで終わった型でございます。しかし商品ではございませんで、これはやはり研究開発してつくったものでございます。
○田中(武)委員 いまのお話だと、これはまだ商品という概念ではないですね。それを商業ベースで輸出するということは、商品扱いしておるんですね。一体どこで開発したかというと、東大がやったのでしょう。もちろん各メーカーの協力を得たかもしれない。その費用はどこで持ったのか。これは初めからメーカーがつくったものじゃないのでしょう。そうすると開発過程における技術の問題とか、いろいろな問題があるわけですね。それを一つのメーカーが独占するというようなことができるのか。まだ開発過程のものが商品としての範疇に入ってくるのですか。それを伊藤忠で出すということになれば、これは商品でしょう、そうじゃないんですか。通産省はこれを商品として輸出を認可したのじゃないですか。武器であるかどうかは別です。その前提として商品であるのかないのか、何の輸出ですか、カッパ−8型は技術の輸出ですか、商品の輸出ですか。
○赤沢説明員 8型というロケットがあるわけでございますから、これは商品だと思います。
○田中(武)委員 通産省は物があるから商品だというわけですね。これが商品たり得るのですか。これはむしろ科学技術庁の問題だと思うのです。宇宙開発推進本部というものを科学技術庁の付属機関としてつくったのは、宇宙開発ロケットの一元化といいますか、そういうことが目的なんでしょう。科学枝術庁なり大学でつくったものがそのまま商品たり得るのですか。
○高橋説明員 私どもの科学技術庁におきます委託につきましては、開発の成果の利用というようなことでとらえておりますけれども、これは契約条項に基づきまして全部当庁の指示を受けるということになっております。したがいまして、その際には軍事転用ではないかというような疑惑の起こりませんように、十分な留意をするということにいたしております。
○田中(武)委員 私の言っているのは、武器であるかないかということは二人が議論しておるので、それのもう一つ手前の商品であるかどうかということですよ。それは物があるから商品だと言っておるのですが、大学とか科学技術庁で商品をつくるのですか、科学技術庁は商品をつくる役所ですか、開発利用ということは商品をつくるということですか、企業化するということですか、違うでしょう。設置法の問題に戻って論議しなければいけなくなる。
○高橋説明員 田中先生の御説のとおりでございます。
○田中(武)委員 そのとおりだと言うならば、商品でないのでしょう。それがどういう段階を経て商品になったか、そこがわからぬ。
 委員長、これは東大の関係者、プリンス、それから伊藤忠、これを呼んで、その間の事情を聞かなければならないと思います。私は商品でないと思う。武器であるかないかの議論の前の、商品であるのかないのかということが問題だと思います。
○岡委員長 田中君の御要求は追って理事会で協議し善処したいと思います。
○山内委員 話がここまで来ましたから、やめようと思いましたが、通産省の関係で一点だけ。商品としたらこれの評価は幾らになっておりますか。
○赤沢説明員 輸出商品の中に書き込まれております当該輸出契約の金額は、百七十一が四千百二十ドルであります。誤解があるといけませんから申し上げますと、この契約はカッパ−8型ロケット十本と地上観測設備一式、その合計がいま申し上げました百七十一万四千百二十ドルでございます。
○山内委員 さっき五基とおっしゃったのですが、全部で十基ですか、五基ですか。
○赤沢説明員 十基です。
○山内委員 それではもう一点。これはプリンス自動車工業に発注して、設計は東大でおやりになった。この製作費は幾らかかっておりますか。
○高木説明員 カッパー8型は五年前のものでございますのと、もういま東大で採用していないので、五年前の値段が幾らか私よく覚えておりませんが、一千万円前後だったと思っております。その当時でございます。
○山内委員 それは一基ですか。
○高木説明員 一基です。これは中に入れる計測器とかいろいろ違うものですから幅はあると思います。多分そのくらいだったと思います。
 それから、先ほど東大が設計してということはそのとおりでございまして、まずロケットの寸法とか尾翼の大きさとか重心位置とか、そういうものは全部われわれの基礎研究からスタートしてきめるわけでございます。また材料はどういう材料、これはみな周知の材料でございますが、細部の図面はプリンスのほうに書かして、今度は各部を地上試験で何回もやりまして、それが合格すれば今度は打ち上げるというわけでございます。基本設計その他は東大がやりますが、細部は――実情を申し上げますと、われわれネジの設計なんかできないことがありますので、細部は向こうがやることもあり、いいアイデアがあればもちろん向こうで採用してやります。やっている間に基本から細部に至ってはちょうど溶け合ったようなかっこうになりまして、合作じゃないかと思うのでございます。
○原(茂)委員 関連して。いまのお話を聞いているとひとつおかしいと思うのですがね。そうすると東大の設計料といいますか、そういうようなものはただということですね。それをちょっとはっきり……。
○高木説明員 これは実は量産を対象にしているものでございませんで、何号機のカッパー8型をつくろうとなると、いろいろな科学者やなんか寄って、こうしようああしようと言いながらきめていくものでして、実はそういうロケットの直径が幾らで、長さが幾らというのはパテントにもなりません。ロケット8型全体をパテントにとるということはパテントの性質でもありませんし、それから私たちのは一基一基違っているものですから、アンテナをこういうものをつけてまずかったから今度こういうものをつける、そのアンテナそのものはわれわれのアイデアで、その号機に適したものを使うが、次の号機ではもう採用しないことがございまして、研究者としては早くそれを周知発表して、われわれここまでやったのだ、あとやってくれ、こういうように発表の原則で進まざるを得ない。
 それから私たちロケットの研究をやるときに、これは輸出しようということを最初考えてやっておる、あるいは商品化しようと考えているのではもちろんなくて、目的は最終には宇宙の観測にあるわけですから、目的の高さまでロケットを上げてはかるにはどうしたらいいかということをやり、最後にはデータがとれますから、データを解析すれば国費をちょうだいしたものに対して私自身も責任を果たしたような気でおるのでございまして、たまたま御質問が出ましたので私も困惑しておりますけれども、簡単でございますけれどもちょっとお答え申し上げます。
○原(茂)委員 関連して。それでただということはわかりましたけれども、たとえば国家機関がいろいろ研究しまして、それがいやしくも商品という形になって輸出されたわけです。商業ベースに乗って利益をどこかが得たわけですね。そういうような行為が行なわれたときには、国家的な研究機関に対するその研究の何かに相当する部分、金額に直しまして必ず返ってくるようにルールがきまっているはずなんですね。東大の場合は知りませんけれども、たとえば試験所の場合ですね。通産省の場合でも、あるいは電通の研究機関がありますね、ああいうところも純然とこれを提供する形ではない。結果的には何かが金額で評価されまして必ず返ってくるようになっているわけです。東大の場合だけはどんな優秀な研究がありましても、それが商品としてもうけ仕事に使われる場合に全然返ってこないということは、これは少しちょっとほかの機関と比べましておかしいのじゃないかという点もひとつ不思議になるわけですがね。この点研究しなければいけないのじゃないか。金をとれという意味ではないのですが、それが一つと、それからいまの契約をプリンスがインドネシアの商社とやったということになるらしいのですね。これはそうじゃないのですか。(田中(武)委員「契約は伊藤忠だ」と呼ぶ)伊藤忠がインドネシアの商社と契約をしたらしい。伊藤忠はプリンスと契約をしたという順序になる。ただしこの国家機関で基本的なアイデアというものをつくり上げて、これが一商社に取り扱われようとするときには、また二つ目として金の問題になりますが、国家的な機関で研究したそのものをある商社にまかせようといったときには、国の機関としてはどこか――通産省かどこか知りませんが、具体的にこれをまかしていいとか商社にやらしていけないとかいうような、何か検討が正式に行なわれなければいけないのじゃないかと思うのですが、それはどこかやっていませんかね。たとえば、どこでこれをきめるのでしょう、主体的に。どこかがもうけ仕事に、これは東大にいい研究ができた、おれのところでこれをつくりたいと考えたときに、たとえば通産省に申請するのですか、東大にひとつ何とかしてくれないかというプライベートの持ち込み方をするのですか。いずれのそういうルートを通ったとしても、話があったときにそれを最終的に決定する何かはっきりしたよりどころがないというのは、少し問題を残すのじゃないかと思うのですがね。今度のケースでそういうのを振り返ってみまして、どこが一体その東大の貴重な研究の成果を一つの商社にまかしてよろしい――特別の権利を、非常に大きな権益を与えるのと同じことなんです。それをどこで一体与えてよろしいということをきめたんでしょうか、いま振り返ってみて。その二つを……。
○山内委員 一億でできたものを五億で売ったら四億もうかるじゃないですか。
○高木説明員 具体的内容は、通産省が出ておられますから……。
 おそらくロケットは一億円くらいじゃないかと思いますが、あとの四億円が地上施設だとか、電気施設、水道とかいうことになると思うのですが……。
○山内委員 そんなのは入らない。税関の評価、商品そのものの評価でしょう。それをつける間のあれなんか入っていませんよ。
○高木説明員 ロケットばかり五億じゃなくて、地上設備、電気の設備なんかが全部入っております。テレメーターとかレーダーだとか、そういうものがみんな入っております。
○田中(武)委員 もうこれ以上聞きません。聞いたってわかりゃせんのだから。しかしどうも科学技術庁の設置法から見て、科学技術庁の権限、やること、あるいは大学というところの研究所のやること、こういうところから見て、商品をつくるのじゃないと思うのです。少なくとも宇宙観測のためのロケットの開発というのは、商品をつくっておるのじゃないと思うんですよ。それがどこの機関で、どういうかっこうのうちに商品になったか、値段が幾らであったかということは第二の問題ですよ。私は商品になった過程がわからないのです。通産省に行ったときには商品になっておった、その過程を知る必要があると思うのですよ。やっぱり東大とプリンス、それから伊藤忠、これを呼んできて、十分にその間の事情を聞く、同時に科学技術庁のほうにおいては、私はあくまで科学技術庁設置法の上に立って事後質問をいたします。
○原(茂)委員 もう一つ関連。これも委員長に要求しておきますが、いまの三者を参考人として呼ぶことと同時に、あるいはその前に、いま私が疑問を抱いたように、一体東大というこの機関が研究した成果を商品化するときに、その商品にしていいとかいけないとか、どこかが、これを国家的な機関できめなければそういうことはできないという歯どめが必要だと思うのです。それは一体どこでやるのか、今度の場合にはどこでやってきたのかという経過がはっきりするようなものを、次回の委員会ではっきりと説明をしていただいて、それからでないとこの問題の審議はできない、こう思います。
○田中(武)委員 参考人を呼ぶまでにその経過をひとつ資料にして出してください。
○岡委員長 ただいまの問題につきましては、政府側としても統一的な見解をまとめるために、なおまた主要な参考人の召喚も必要と認めますので、この問題は本日はこの程度で打ち切りたいと思います。
    ―――――――――――――
○岡委員長 三木喜夫君。
○三木(喜)委員 科学技術庁長官の所信表明のとき、私文教のほうに出ておりましたのでいませんでした。たいへん失礼しておるわけなのですが、印刷物によって拝見いたしまして感じました点につきまして二、三お伺いいたしたいと思います。
 ちょうど予算編成の前に大臣が新しく就任されまして、これだけの所信を表明された以上、かなり予算的にもがんばろうという決意を持っておられる。従来からこの科学の大臣につきましてはいろいろな要求がございます。要求というのは、これだけ科学技術が長足な進歩をするときに、大臣がここ当分の間に十人もかわられた。こういうことでは科学技術を振興さすのにほんとうに中心になってやれるかどうかということで、非常にみな危惧の念を持っておるわけです。これは行政機構の問題もありますし、大臣お一人の問題ではありませんけれども、そこで今度就任なされた以上、この予算についてはかなりがんばってもらわなければいかぬ。そこで私はこれは科学技術庁の代弁をしておるわけじゃございませんけれども、どういう決意を持っておられるか、最初にこれを聞かしていただきたい。
○上原国務大臣 科学技術庁という役所は新技術を研究開発する役所でございまして、いままでのように予算が限られておって、その年度ごとの増額もパーセンテージに縛られておるというようなことでは、とうてい新しい技術の研究開発などおぼつかない、これが私の考えでございまして、まずこの壁を何とか打ち破らなければならないと覚悟しております。微力でございまして、どれほどのことができるかわかりませんが、きょうの御審議を伺っておりましても皆さまの御熱意がよくわかりますし、長官の私のほうがかえって激励される感激を覚える次第でございますが、どうかひとつこの予算折衝に関しましては、皆さまこぞって科学技術庁を応援してくださるように切にお願いする次第でございます。がんばるだけがんばりますから、どうぞひとつよろしくお願いいたします。
○三木(喜)委員 従来から科学技術庁の長官は自民党でも実力者がなられた。佐藤現総理、それからいまの三木通産大臣、こういう人がなられて、あなたがいま言われました壁を打ち破ろうとなさいましたが、しかし、やはりおざなりになってしまった。全体的な流れに押されてしまった。それでは科学技術のほんとうの進歩のためにある役所としての機能を果さぬことになると思うのです。私は全体の計画の中で科学技術庁については特に重点的にやるくらい内閣が意欲を示さなければいかぬと思うのですが、そういう点はなかなか困難な道だろうと思います。こうした実力者においてすらおざなりなことをやって済ましてしまったのですから、強く望むということに無理があるかもしれませんけれども、その点はひとつがんばっていただきたいと思います。
 それから次に、ここにいろいろお聞きしたいのですけれども、疑問に思った点だけ二、三申し上げたいと思うのですが、そのうちの一つとして日本原子力船開発事業団の手によって進められております原子力第一船の建造計画についてお伺いしたい。
 これはさきに愛知大臣のときには大体予算が切れてしまうということで、三十六億でしたか、これを未執行に終わらしてはいけないということで非常に努力をされたわけなんですけれども、ついにこれはうまく結実しなかった。今回これにも、「事業団から提示された船価の見積額、その内容等に問題があるため、建造着手を若干延期して問題点を慎重に検討の上、できるだけ早く」云々、こう書いてありますけれども、私はこれはこういうぐあいに簡単にいって、産業界のわがまま、わがままかどうか私は中へ入ってもっと調べる必要があると思いますけれども、国民の一人として見、またしろうととして考えましたときに、ほんとうにわがままだと思うのです。このわがままをこのまま許しておいてそれに乗っていくようならば、いまのようないつの間にか商品になってしまっておったというような、こういうかってなことでは、科学技術庁はあるいはなめられたやり方をやられるんじゃないかと思うのです。事業団というのも、業者とそれから政府とが折半で設立しておる事業団なんです。自分たちも入っておるわけなんです。それがいよいよ入札ということになれば、前の理由と今度の理由とは違いますね。前は一社でやることが非常に危険である。値段の上で危険だ、価格の上で危険だというのでなくて原子炉を積むのだ、こういうようなニュアンスがあったわけです。今度は明らかに値段の上でと書いて、価格の見積もり額と違う。そして何ぼまで要求してきてやったかというと、六十億といわれておったのですけれども五十九億九千九百九十万円、こしらえたような値が出ておるわけなんです。こういうようなことはどうも私たちとしては納得がいきませんから、大臣としてはこういうものはもうやめて、そうして私は率直に申し上げますけれども、もっと基礎的な研究をしっかりやっていかれる腹があるかどうか、これをひとつお聞きしておきたいと思います。
○上原国務大臣 私は、就任間もないので前のことがよくわからないのでございますが、三十六億円の予算をとってあるのでございますから、そのときは三十六億円でできると科学技術庁も考え、また原子力船事業団も考えておったに違いないと思うのでございます。そしてそれが競争入札には応募者がない。そして造船工業会の推薦を得てメーカーと随意契約をしようということで、業者の御選定を工業会に願って、話し合って大体話はまとまったが、いつまで待っても見積もり書が出ない。そうして科学技術庁が示唆しまして、原子力開発事業団は期限を切って見積もり書の提出を求めた。ところが期限ぎりぎりに見積もり書が出て、しかもこれはもう法外なというて過言でないと思う値段のものであった。その上に見積もり書についてこういう付言があるのです。この見積もり金額の中には不確定な要素といいますか開発要素といいますか、やってみなければわからないというものが含んでおりますから、実施した上でもしどうしても足りなくなるというものがたくさんあったら、それはそれで見てもらいたいという口頭の付言がついておる、正直に申し上げますと、こういうことなのでございます。それではとうてい予算を要求することはできない、大蔵省を説得することはできない、こういうことで一時発注を留保して、そうして基本計画というのがあるのでございますが、この基本計画を実施する面において、たとえば炉型の問題であるとか擬装の問題であるとかいろいろ問題が、つまり不確定要素がありますものですから、そういう点を再検討して、そうしてその上で積算の根拠も明らかになり、技術的にもそれだけのものがかかるんだ、こういうことになってからでないと予算面の要求ができないということ、したがって発注もできない、こういうことで一時留保してこう相なったわけでございました。ただいまその検討を開始したところでございます。したがいまして、検討した上で基本計画そのものにまで再検討を加えなければならなくなるかもしれません。しばらく時間をかしていただいて十分な検討を遂げて、おしかりをいただかないような計画を立てたい、こう考えておる次第でございます。
○三木(喜)委員 まあ非常に大臣としては正直に不確定な要素までつけ加えて要求しておることはけしからぬという意味合いでお話があったわけだと思うのです。私は、大臣のこの問題に対処されるこういう態度に対しましては非常に賛意を表するわけなんです。しかし国民として非常に疑問に思い、危惧の念を持つことは、いまなるほどあまりにも大きく上回た価格の差があるために、科学技術庁としては難色を示しておる、こういう段階です。それから大蔵省との折衝でもこれでは非常に無理があるだろう、こういう立場から規模を縮小しよう、形を変えるとかあるいは原子炉の型は変えないですけれども、そういうような模様がえを考えておられるのではないか。これでは何のために事業団がいままでかかってこれに対して設計をやってき、あるいは原子力委員会としてこういう計画をいままで持ってきたかということの意味をなさぬと思うんです。それから目的も観測船ということですけれども、これはぜひ原子力船でやらなければならぬという必然性はないように思う。これが第二の問題ですが、こういうように難色を示しておるというそのうちに、財界だとか政府首脳がまあまあということで、また財界や産業界に花を持たしていいかげんなことをせられると、国民のほうは困った立場になると思うのです、これはみな税金ですから……。そういう立場から、いま科学技術庁としては難色を示したようなかっこうでも、やがてはどこかで折り合えるというようなことを考えておられるんじゃないか、あるいはそれとも規模をうんと縮小して、これに折り合うだけのものにしようとしておられるのかどうか。私は、この前この問題を取り扱って、科学技術庁としては、けしからぬ、絶対にそういう値では折り合いませんということを言外にほのめかしておられたからして、ここまできたんだろうと思いますけれども、かなり私はかってなやり方だと思いますので、そういうことを期待されておるのかどうか、あるいはまた規模を縮小されようと思っておられるのかどうか、その辺をひとつ聞かしていただきたい。
○上原国務大臣 私は、規模を縮小してそれで役に立つならいいのですけれども、基本計画なるものはそれぞれの学者が深い学識と経験に基づいて立てられたものですから、大事なものだと思うのです。そこで、金がかかり過ぎるから規模を縮小してくれということは、意味をなさないんじゃないかと考えております。それから、厳重な検討を加えていままでの三十六億円の見積もりは誤りであった、これが確かなのだということが原子力船開発事業団でも当庁でも、それからまた原子力委員会でも承認できるようなものであったら、あらためて必要なだけの予算を要求するという態度でいくのが正しくはないか、こう思っておるわけでございます。
 委員長、ちょっと速記をとめてくれませんか。
○岡委員長 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○岡委員長 速記を始めて。
○三木(喜)委員 長官は御就任になってまだ日も短いことですし、これ以上内容について云々することはかえって失礼かと思いますので、このくらいでおきたいと思います。それとまたきょうの予算委員会の関係もあるだろうと思います。ただ私が申し上げておきたいのは、アメリカの原子力船のサバンナ号でもいまも運航に非常に金がかかり、半分政府が出して、半分は民間で出してくれということで、この間まで日本は原子炉規制法まで改正して、サバンナが入ってくるのかもしらぬと思って待たされたけれども、このごろはしりつぼみですね。さっぱり用をなさぬかっこうなんですね。そういう状況になってきておるのに、あえてつくらなければならぬかということと、もう一つは東海村の発電原子炉の工事が一年おくれて、しかも七十五億も上回ったわけですね。こういうようないままでの苦い経験がありますから、これをうっかり産業界がまじめに要求し、まじめにそれを遂行しようとしましても、やはりこういう客観情勢もありますから、この際考えていただいて、――ある新聞によりますと、「白紙還元か」という文章で書いてありました。朝日新聞には「大幅に手直しか」ということが書いてあります。規模を縮小するか、それとも六十億そのままで押していくかということを書いてあって、これは想像でしょうから責任は皆さんにないと思いますけれども、そういう客観的な情勢の上に立って御検討を願いたいと思います。
 それからもう一つだけ、いろいろ申し上げたいことはありますけれども、時間的な制約があろうと思いますから……。大臣の所信の中にも、今後国際的に協力をしたり、国際的な視野に立って科学技術の推進に当たらなければならない、このようにおっしゃっております。なるほど私たちもそのように思うわけでありまして、国際的な視野に立とうとするならば、一つにはそれだけの機関を外地に持たなければならぬ。昨年私ヨーロッパへ行かしてもらった。前の大臣とかわっておられますから、また同じことを言わなければならぬわけですけれども、科学アタッシェは非常に忙しく外交官の役割りをしておるわけです。科学それ自体の仕事は忙しくてやれないのですね。これでは、外務省からも見えているわけですけれども、外務省の手助け――それは外交的な面も多分にあるのでしょうが、しかしながら科学アタッシェそれ自体の仕事のできるようなそういう立場に置いてもらいたい。それにはやはり人員をふやさなければなりませんし、国際的な視野というものが有名無実になると思うのです。
 これが一つと、もう一つは、国際的な視野に立つならば、先日私は欠席したのですけれども、岡さんのほうから科学技術基本法の問題についても質問をされておりましたが、その中でやはり核兵器を禁止するという、われわれはこういう大きな視野に立たねばならぬと思うのです。これはいままで原水禁運動として社会党の運動にしましても、共産党の運動にしましても、民社党の運動にしましても、三つに分かれてしまって不幸な結果を見ておるわけなんです。さらに自民党のほうは、これについてこのごろ鳴りを静めておるということですけれども、こういう核兵器の時代からいよいよ核平和利用という時代に推移するとするならば、日本は国際的な視野に立ち、あるいは国際協調の上に立ってものを進めていこうとする場合には、この姿勢をやはり打ち出していただくことがいいのではないか。何かあなたのほうの政党ではこういうことを言うのはタブーのようなかっこうに見えるわけなんですけれども、科学技術庁の長官としては、これは日本が一番に原爆の被害を受けた国ですから、私は世界に言っていいときだと思うのです。そういう立場からひとつ所信を表明していただき、またそういう立場で日本の態度を鮮明にしていただきたい、こういうふうに思うのです。
 また次の機会にそれらの詳しい点につきまして私の意見を申し述べたいと思いますけれども、本日はこの程度におきまして、要望の程度にとどめておきたいと思います。
○原(茂)委員 さっきの原子力船の問題について聞いておきたい。
 これもここで気がついたことなんですが、大臣の考えを聞いていますと、業界の動きが中心で、こちらの側とすると何か受け身で待っているという感じですね。業界の動きが中心になっておる。業者の動きの何かの変化を待っているというような受け身の感じが非常に強いわけです。私は原子力船をつくる必要というものは、依然として変わっていないと思うのです。必要性というものは日を追って切実なものがある。使い道が南極探検ですか、何に使うのだか知りませんが、その用途のいかんを問わず、この種の開発というものは早期になされなければいけないということだけは、依然として変わっていないという状況のときに、つくる業者の動きだけが中心で振り回されるというのは、少しどうも能がなさ過ぎる。やはり国家的な見地からいっても、必要があるなら国家的な立場でのアクションを起こしていいんじゃないかというふうに実は感じたわけです。もちろん大臣は業者の動きだけを待っていようというのじゃないと思うのですが、前に違ったところの会合でもちょっと申し上げたのですが、私は逆に三十六億だ、六十億だというので折り合いがつかなければ、実際には概算契約で発注してしまう、注文をする。半年に一ぺんずつ最も公正な技術的な総合された力のある機関が、実際にかかったものを精査して、そうして半年に一ぺんずつ国家機関による検査の結果で支払いを始めていく。結局何十億になるかわかりませんけれども、ある程度、ただ最初に、業者が現在の状況になる前だったものだから、ひとつこれはやろうじゃないかという気持ちがあったのじゃないかと先ほどおっしゃいましたが、確かに私はそういう動きがあったろうと思う。しかし、いまいろいろな変化から業者にその動きがなくなっている。国のほうには、業者の当時持った以上の必要性というものが変わりなくあるとするならば、むしろこちらの側がもうちょっと積極的にやりいいような措置をとっていくことも、このことを推進する大きなやり方の一つじゃないだろうかというふうに思うのです。大蔵省との間でたとえば三年かかる、四年かかるものを、幾らかかるかわからないものを半年に一ぺんずつ検査して、かかっただけのものを払ってやろうということが、現在のシステムで可能だとは思っていません。しかし大臣の決意のいかんによっては、この種のことができないはずはないと私は思うのが一つなんです。したがって、これは一つの参考に申し上げるだけなんですが、そういうこともやはり積極的に大臣の側から提起してもらって、業界にこれならどうだ、あるいはもっといい方法があるなら、これならどうだという案を、もうちょっとこちらの側で積極的に推進をするという姿勢、それを実施するという熱意ですね。こういうものがほしいなというふうに、答弁を聞いていて第一点に感じたわけです。
 それから二つ目には、現在の高いとか安いとかいいましても、これを審査している機関というものが非常に限られた何か片寄ったもので評価しているんじゃないかという気がするわけです。国際的にもある程度のコンサルタントシステムがあるのですから、そういうところに、どういう機関があるのか知りませんが、依頼をする、あるいは国内的にももうちょっと広い分野でもっと突っ込んだ評価というものをさせる、もっと広いフィールドに立って、船価は一体幾らが正しいんだということを検討させるというようなこともおやりになって、これを業者にこういうこともあるんだというふうに見せつけていくということも、側上面からはおやりになる必要があると思いますが、その二つ目の問題も同時にあわせながら、それを必要があるなら参考にしながら、第一の、ある程度思い切って概算契約といいますか、最初から幾ら幾らとこまかく契約しなければこれをやらないというのでは、この種の国家的に必要とする研究を推進することはむずかしいのじゃないか。今日せっかく事業団ができていながら、これまで貴重な時間を非常に浪費したような感じがするわけです。したがってもうこれ以上延ばすことは、その意味ではもったいない。もっと積極的に推進する姿勢、考え方、くふうを当局のほうでもおやりになる必要がある、こういう意味から、二点参考までに申し上げたわけです。御意見を伺いたい。
○上原国務大臣 サバンナの例を引かれてのお話、これはまことにそのとおりだと思います。私もそう思っております。
 それからアタッシェが不足である、これも確かにそのとおりであります。御承知のように、去年も一人ですか、増員することになっておるわけですけれども、そんなことでは私はいかぬから、これも極力増員とそれから配置の場所を広げること等をことしはがんばろうと思っております。これもぜひ御声援をお願いする次第でございます。
 それから基本法に核兵器の製造を禁止するということを盛り込んだらよかろうという御意見だと伺いましたけれども、これは原子力基本法がありますから、これを一緒にするのがいいか、原子力は原子力で特別扱いにするのがいいか検討してみる必要があると思いますし、このことは日本学術会議とそれから科学技術会議とで共同で作業を進めておりますから、ここに御意見を私のほうからお取り次ぎしまして、御検討をいただくことにいたしたいと思います。
 原子力船については、業者の動きばかりを気にしているようじゃないかというお話がありました。そうではないのでございます。そのとおりできませんから待とう、こういうことになったわけでございまして、おっしゃるような厳重な検討を加えてみなければならないと思っております。
 それからまた概算契約で契約ができなければ、ほんとうは新技術の研究開発というものは、原子力船に限らず何でもむずかしいわけなんでございます。できているものを買うのじゃないのですから、これから開発−早く言えばその何割かは発明になるわけですから、いまの財政法では、ほんとうの新技術の開発が困難なことは、骨身にこたえておりますので、この点も私の在任中、私にできるかどうかわかりませんが、おっしゃるような制度の改革に努力をしてみたいと思っております。
 価格審査の機関は、正直に申し上げて、ちゃんとできるだけの学問、技術、設備を持っているものが審査すればできるのですけれども、自分で造船、それから原子炉の設備を持って、製造にかかろうとしているとき、あるいは製造をやっておる人たちが、船に乗っけるとなるとわからないものができてくる、こういうふうなことでは、厳重な価格の審査の機関にはなり得ない。日本には厳重に価格を審査し得るほどの実力を持った機関はつくり得ないのじゃないか。これは私のしろうと考えですけれども、そう思っているわけで、そのために原子力委員会にお願いをして、そうして日本の学問、技術でどれほどのことが厳重に検査できるか、それをひとつ、これから御審議をいただいて、御得心のいくような計画を立て直す必要があれば立て直して発注までこぎつけていきたい。とにかく原子力船を開発するということは非常に大事なことだと思うので、本来ならば五十億や百億なんということを言うべきことじゃないと思うのです。だけれども、これは科学技術庁だけがそう思ってもなかなか通りませんから、皆さま方並びに国民の方々の世論にも訴えなければなりませんけれども、私どもそれを担当する役所の長官としましては、何が何でもつくり上げなければならぬ、こういう覚悟は持っております。
○原(茂)委員 最後に、続いて、若干延期するという、きのう御説明があった。そうでなくても、お役所仕事などと悪口をいわれるくらい無期限で待っていたのではとてもだめだと思うのです。若干というのは、いつごろのめどなんですか。いつごろまでにやろうという……。
○上原国務大臣 この八月一ぱいに概算要求を出せ、それに間に合わなければ、ことしの間に合わぬぞ、こういうことが閣議で申し合わされておるわけなんです。そこで、それには間に合わないから延期をするということで、それから先に延ばそうということは、これが適正な価格であるというしっかりしたものを持っていなければしかたがないが、それを早く持って、それで交渉をやらなければならぬ。そうして少なくとも一年おくらして、だから最初の計画から二年おくれることになりますが、それに間に合うようにはやらなければならぬ、こういうつもりでございます。
○岡委員長 それでは、先ほど来、ミュー8型のロケットのインドネシア輸出の問題について、各委員よりいろいろ御質問がありましたが、十分統一ある、納得のいく御答弁もなかったので、次回はぜひ各委員の御納得のいく説明並びに資料を委員会に出していただきたいと思います。
 なお、その際資料として若干御提出をお願いしたいのでございますが、プリンス自動車は防衛庁からも空対空のロケットの試作を受けておるはずでありますが、その事実の有無。それから文部省、防衛庁、科学技術庁の研究委託費等の年次別の支出金。また、ミュー型にしろ、ラムダ型にしろ、私どもしろうとが見ても科学的なデータが非常に不足いたしておるようでございますが、宇宙開発審議会では公開の原則をうたっておられます。そこで、そのミュー8型等についての燃料の成分比率と設計の詳細、機体の材質、燃料の成型加工の方法あるいは重量比率など、工学的、技術的なデータをこの委員会に御提出を願いたいと思います。なお、同時に、これと空対空ロケットとのこうした工学的な差異等についても、われわれが納得し得るようなデータをあわせて御提出をお願いいたします。
 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる八月十一日水曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開くこととし、これにて散会いたします。
   午後三時二十三分散会