第049回国会 大蔵委員会 第8号
昭和四十年九月三十日(木曜日)
   午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長代理理事 天野 公義君
   理事 金子 一平君 理事 原田  憲君
   理事 坊  秀男君 理事 有馬 輝武君
   理事 堀  昌雄君
      大泉 寛三君    奥野 誠亮君
      押谷 富三君    木村 剛輔君
      木村武千代君    小山 省二君
      齋藤 邦吉君    西岡 武夫君
      福田 繁芳君    渡辺美智雄君
      佐藤觀次郎君    只松 祐治君
      日野 吉夫君    平岡忠次郎君
     米内山義一郎君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        委員長     北島 武雄君
        総理府事務官
        (公正取引委員
        会事務局長)  竹中喜満太君
        総理府事務官
        (経済企画庁国
        民生活局物価政
        策課長)    丸山 英人君
        大蔵政務次官  竹中 恒夫君
        大蔵事務官
        (主税局長)  泉 美之松君
        国税庁長官   吉岡 英一君
        大蔵事務官
        (国税庁間税部
        長)      松本  茂君
        農 林 技 官 須賀  博君
        農林事務官
        (食糧庁総務部
        参事官)    中野 和仁君
        農 林 技 官
        (食糧庁業務第
        一部長)    馬場 二葉君
        専  門  員 拔井 光三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 税制に関する件
     ――――◇―――――
○坊委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は委員長が所用のため出席できませんので、御指名により、私が委員長の職務を行ないます。
 本委員会におきましては、先般各地に委員を派遣し、税制及び金融等の実情を調査いたしたのでありますが、その報告書が各派遣委員より提出せられております。これを本日の会議録に参照として掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坊委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。
     ――――◇―――――
○坊委員長代理 税制に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。平岡忠次郎君。
○平岡委員 最初の私の質問はビール価格についてであります。
 ビールの生産者側から、原料高、人件費増高等の理由で、大びん一本当たり五円程度の値上げを要望しているようであるが、仄聞するところによると、吉岡国税庁長官及び担当の松本間税部長は、いまは値上げをしないでほしいと、八月二十七日と二十八日の両日にわたって要望したとのことでありますが、その理由は何であるか、お答えをいただきたい。大蔵大臣ではないのだから、政治的答弁は不用でありまして、科学的な根拠に即しての答弁を賜われば幸いです。
○吉岡説明員 お答えを申し上げます。
 ビールの値上げの問題につきましては、御指摘のとおりに、八月の末に、九月の初めからビールの値上げがあるらしいといううわさがありまして、株価が動くとか、あるいは卸、小売りの段階で買いだめ的な傾向が起こるというような現象が起こりました。国税庁はかねてからビール業界にそういう要望のあることは承知をいたしておりましたので、部内でビールの原価の動向あるいは会社経理の状況等を調査をいたしておりましたが、その段階の調査では、相当原価の値上がりと申しますか、原価高の要素があることは事実でありますが、業界の希望しておられるような値上げが絶対に必要であるかどうかという確信を得るに至るまでの数字をつかんでおりません。
  〔坊委員長代理退席、天野(公)委員長代理着席〕
したがって、私どもは、業界に対しまして、われわれとしては値上げが絶対に必要だと思うまでには至っていない状況であるから、ビールの価格は、もちろん基準価格をはずしまして自由価格にいたしました経緯もありますし、われわれとして干渉する権限も理由もない問題でありますけれども、何分にも一般大衆に相当の影響を及ぼす問題でもありますので、値上げの問題は慎重に検討してほしいという申し入れをいたしました。その結果、業界ではいろいろ御相談があったと思いますが、ともかく九月に値上げをするというようなことはしないという旨の報告を得ておるわけであります。
○平岡委員 お答えでは、ともかくも原料費、人件費等の値上がりは認めておる。そこで客観的に認められる原価の値上がりというものと、政府の唱えている低物価政策との矛盾を解決しなければならぬということになろうと思うのでありますけれども、直截に申しますと、これは値上がり分を減税で吸収していくということの必要があるのではないかと考えます。もともと小売り価格の百十五円のうちに占める酒税は六十円十三銭、すなわち、税負担割合が五二・三%となっておることは御承知のとおりです。およそ商品価格の半分以上が税金であるということは異常なことであると考えなければなりません。外国ではソフトドリンクとして、酒の扱いをしていないビールに対しましては、そのため低率の課税が行なわれております。アメリカで一〇・一%、西ドイツで八・七%、イタリアで一九・五%、フランスではこれはどういう理由か該当事項がありません。最高率の英国におきましてすら税率は三一・一%であります。一ころ六四%前後で高税率のトップにあったたばこの税金ですが、この税金もこの数年間原料高、人件費増高等をすなおに受け入れ、かつ小売り値段をそのまま据え置いていますので、税率は相対的に四〇%前後に低下しておるわけであります。原価の増高を減税で吸収しているということであります。原料、人件費等の値上がりは、政府経営の専売公社であっても、民間経営のビール生産会社であっても、そのいずれを問わず、事態それ自体には関係がございません。インフレ化の現在、事情に何ら変わりはないと考えます。しかるに、ビールの場合に課税率が五二・三%と依然高率のままであり、一方に値段が据え置かれたままであることは、製販三層の全部にか、あるいはそのいずれかに無理がしいられていることを意味しておると思います。
 さらに注目すべきことは、生産会社の手取り額が、ここ十年間、正確には十一カ年間、一本につき約二十八円に据え置かれたままでいるということであります。これはわれわれにとってむしろ非常に奇異な感を抱かせるのであります。むろんこの二十八円は生産者の利益ではございません。二十八円の中から原料費、人件費、販売管理費等、すべて支出をし、さらに借入金の利払い、株主の配当を行なっているわけであります。
 約十年間据え置きの事情をもっと具体的に振り返ってみますと、いまから十一年六カ月前、昭和二十九年四月の手取りが二十八円十銭、それからいままでほぼ据え置かれたままで現在二十八円三十六銭であります。その間国税庁の慫慂により、販売業者のマージン増額のため、三十一年に四十銭、三十五年に八十銭と、それから別な補助的な支出として六十銭、この三つの合計一円八十銭を、右に述べた決して多からざる手取り額の中から削減いたしまして、卸、小売り業者のために支出してきておりますが、生産会社自体については、右の支払いこそしいられておるけれども、原料高も人件費増高も何ら見てもらえなかった。ただ、三十八年七月に至って、従来の空びんの引き取り価格十二円であったものを十円に引き下げることで、当初の二十八円台に回復して、いま申したような二十八円三十六銭となっているのがいままでの歴史的な経過であります。二十九年四月以来物価高騰の十一カ年の長期間を、手取り額二十八円のまま据え置かれたということは、所管国税庁及び主税局として反省的検討があってしかるべきではないかと私は思うのであります。原価高騰と採算の現況をどのように庁は把握しているかをお答えいただきたいと思います。
○吉岡説明員 お答え申し上げます。
 前段にお話のありましたコスト高による値上がり分を減税で吸収すべきかどうかにつきましては、主税局長から御答弁を申し上げますが、ここ十年間非常に原価が高くなっており、いろいろなコストが高くなっておるにかかわらず、一本当たりの製造者の手取りが据え置かれたままになっておっておかしいではないかという趣旨の御質問だったと思いますが、その点は、数字のこまかい点は別といたしまして、お話の筋はそのとおりだと思います。どうしてそういうことができたかと申しますと、御承知のとおりだと思いますが、その間にビールの生産量と申しますか、移出高が非常に増加してまいったわけであります。毎年十数%あるいは二十何%というような勢いで増加をいたしておりました。たとえば、三十五年に九十三万キロリットルの移出量でありましたものが、昨年は百九十九万キロリットルの移出量になっております。つまり、五年間に倍増をいたしておるわけであります。したがって、一本当たりのものが据え置かれておりましても、会社全体と申しますか、全体としては生産量の増加によってそのコスト高をカバーしてきたという状況にあったわけであります。
○泉説明員 先ほどお話のございました外国のビールに対する酒税率に比較して、日本の場合小売り価格に占める酒税の税負担が五二・三%と非常に高いではないかというお話、お話のとおりでございまして、イギリスの三一・三%以外はイタリアが一九・五%、アメリカが一〇・一%、西ドイツが八・五%といった程度でありまして、フランスではビールをアルコール飲料として扱っておりませんので、したがって酒税は課せられておりませんが、付加価値税が課せられまして、取引の段階で課税されております。それだけでございます。
 日本のビールに対する酒税率がなぜこのように高いかという点につきましては、これは歴史的な経過がいろいろあるわけでございますが、日本のビールがいわば大会社の寡占状態において製造、販売された、そういう過程におきましては、合理化によってコストが下がった分はできるだけ酒税で徴収するという方針がとられまして、そのために、コストを低下するように会社が努力された分については、かなり酒税のほうでいただいておるという関係になっておるわけでございます。これについて、最近までは、先ほど国税庁長官からお話し申し上げましたように、ビールの消費の伸びが一五、六%、多いときは二〇%をこえたときはございますが、そういった勢いで伸びてまいりましたので、お話のように、製造会社あるいは販売業者のコストの増高というのは、そういった数量の伸びによってある程度カバーされてまいったわけでございます。ところが、昨年から御承知のような景気沈滞の傾向に入りまして、ことに今年は異常低温が続きました関係でビールの消費が伸びておりません。そういった場合にコスト高の影響が非常に強く影響してまいるわけでございます。そこで、先ほどお話のように、値上げを認めてほしいといった話もございますれば、あるいはこの際減税してもらいたいという要望も出ているわけでございます。ただ、酒税の減税ということになりますと、税制全体につきまして、現在最も必要な減税はどこかということ、それから酒税の中でも各酒類間にいろいろバランスのある問題でございますので、一つの酒類の消費を進めようとして減税をいたしましたり、あるいはそのコストをカバーしようとして減税をいたしますと、他の酒類にやはりいろいろ影響が出ますので、そういった点を考えなければならないわけでございますが、わが国の場合には、なるほどビールの税金は諸外国の場合に比べて高いのでございますけれども、やはり酒類の間におきましては、清酒あるいはウイスキー、ビール、合成清酒、しょうちゅう、こういった各種類の間に一定のバランスができ上がっておりますので、いまにわかにそのバランスをくずすのはいかがであろうかというふうに考えております。いずれにいたしましても、消費が伸びないというのは最近の顕著な傾向でございます。しかし、従来の実績からすればまだまだ――日本の国民一人当たりのビール生産量はわずか年間二十八本でございまして、諸外国におきましては、多いところでは日本の六倍以上も生産しているようなところもあるわけでございます。そういった点から考えますと、わが国のビール消費もなお今後伸びるというふうに見通されますので、本年伸びておらないのは全く異常低温と現下の不況のせいであろうかと存じます。そういった点を考え合わせながら、今後そういった広範な問題の検討をしてまいりたい、このように考えておるのであります。
○平岡委員 たまたま専売公社におきまして、従来六四%くらいの高率であったものが相対的に税金のほうが低下しまして、四〇%くらいに現在なっております。これは独占です。片方は寡占なんです。同じような状態なんですよ。ですから、コスト高を、これは公社の場合だったら、減税で吸収しているわけです。普通の企業のほうには企業努力を極度にまでしりをたたいてやらしておる。この二つを対比して考えますと、泉さんの所論は必ずしもいただけない、そういうふうに私思います。
 それから、長官にお尋ねしますが、私が、物価高騰と採算の問題につきまして、現況はどのようであるかということを申したら、既往五カ年間でこれは生産のほうが倍になっておるから、そういうことでカバーしていたというお答えがあったわけです。ところが、資料をとってみますと、これは四十年度の予算石数の前年度との対比の数字でありますが、四十年度におきましては千二百八十七万七千石、それから前年の予算におきましては千六十四万石、差し引き増が二百二十三万七千石を期待しまして、増加率は二〇・九%とはじき出しておったわけです。現況はどうなっておるか、お答えをいただきたい。
○吉岡説明員 お答えを申し上げます。
 ただいまのビールの生産量の対前年比の問題は、上半期非常に悪い状況でありましたが、八月以降多少持ち直したというような状況でございまして、九月現在までの大体のところは九九%余り、大体昨年と横ばいという状況であります。
 それから、経理の状況につきましても、過去の話だけだったという御指摘でございますが、過去の点は、申し上げましたように、非常な生産量の増加によってコスト高をカバーしてまいったわけでありますが、本年に入りまして、生産量が従来に比べて伸びない、そのほかに人件費の増加等は依然としてあるというような状況から、四十年の上半期をとってみますと、会社の経理状況がここ一、二年よりも悪化していることは確かでございます。総資本に対する利益率等を見てみましても、先ほど先生の御指摘のありました三十八年の空びん操作によりまして実質値上げ三円五十銭をいたしまして、それによって経理状況がよくなったわけでありますが、その当時よくなりました状況に比べますとかなり低下をしてきております。ただ、数字的に上期だけをとりますと、三円五十銭を空びん操作をせざるを得なかったときの経理状況まではまだ落ち込んでおらないという状況であります。
○平岡委員 私が聞いたのは、予算で増加率を二〇・九%と見ていた。ところが、あなたからお答えがないから私のほうから言いますと、実績石数の対比を四十年九月十日現在の累計で計算しますと、八百四十九万二千石、昨年の同日現在が八百四十万九千石で、結局八万三千石きり伸びていない、増加率は一%なんです。政府予算が二〇・九%の増加を見込んでおるのが、九月十日現在でわずか一%ですよ。これは泉さんのえらい見込み違いであったのか、主計局の見込み違いであったのか知りませんけれども、こういうことになりますと、既往五カ年間にプロダクションが倍にもなったから、物価増高、原価高というものはそれによって吸収できたというお答えだけでは答えにならぬということです。私が言うのは現在の議論ですが、要するに、過去を振り返っての現在ではなしに、将来を踏まえての現在ということで、あなた方のかまえは当然違ってこなければならぬと思うのです。その点を特に申し上げたいわけであります。
○吉岡説明員 お答え申し上げたつもりでありましたが、お聞き取り願えなかったようでありますので、もう一度繰り返して申し上げます。
 先生のおっしゃいました数字は一%増というお話でありますが、私どもの数字では九九%余り、ほぼ横ばいと申し上げたわけでございます。
○平岡委員 それは去年のベースでしょう。予算じゃないでしょう。
○吉岡説明員 予算の数字は、なお申し上げますと、一六%の増を見込んだわけであります。それに対して実績はほぼ横ばいという状況であります。
○平岡委員 ぼくの言うた二〇・九%とあなたの言う一六・六%というのは、初めからデータが違うわけなんです。そのどっちでもいいですが、実はあなたのおっしゃるのは、予算石数と実績石数との対比なんだ。要するに、四十年度予算は千二百八十七万七千石、三十九年度の実績が千百四万五千石だ。したがって差引増が百八十三万二千石になりますから、増加率は一六・六%、そうでしょう。私が言った二〇・九%というのは当初予算同士を比較して言ったわけです。あなたのは、ことしのはむろん予算ですが、昨年のは実績なんですよ。それで一六・六%、いずれにしましても、現況におきまして、実績の石数対比でも一六・六%の伸びどころか、一%しか伸びていないということです。これは厳たる事実だ。ですから、インフレ化した人件費の高騰とか、原料費、管理費の全般の高騰、そういうものを吸収し得たのは、あなたは、生産の異常な伸びがあったからだというお答えでありましたが、それは過去においてはそうです。しかし、今後を見通した場合、将来を展望しての現時点で見た場合は、この事態は違っているのですから、あなたのほうの対応のしかたもおのずから違ってこなければならぬだろうと私は思います。それが客観的な事実だと思うのです。その点を、お答えは別に要りませんが、ひとつよくお考えを願いたいと思うのであります。
 次にただしたいことは、そういたしますと、たばこにおけるがごとく減税によって値上がり分を吸収するのか、あるいは減税を不可能として値上げを認めんとするのか、このいずれの場合としても、是正の時期はいつごろかをお聞きしたいと思います。
○吉岡説明員 値上げの問題につきましては、先ほど申し上げましたように、八月の末に問題が表面化すると申しますか、はっきりいたしましたので、従来は国税庁も部内の資料でいろいろ経理の検討をいたしておりましたが、八月の末から直接会社――製造業者あるいは卸、小売りの段階も含めまして実態調査を始めております。おそらくこの調査が十月中くらいには完結するのじゃないかと思いますが、その数字等が出ますと、われわれの判断をいたす時期に来るかという感じがいたしております。会社としては、九月値上げは一応見送ったという感じで、まだ値上げの要望を捨てたわけではございません。私どもの事務的な検討の時期的なめどは、そういうめどでおります。
○泉説明員 ちょっとお答え申し上げておきます。先ほどのたばこの専売益金、これは経済的に見れば消費税に相当するものでございますが、これが以前は六四、五%でございましたけれども、その後葉たばこの収納価格の値上がりと人件費の高騰によりまして、だんだんとそれが低下してまいっております。現在では高級品で六〇%程度、下級品になりますと五五、六%まで低下してまいっております。ただ、先生のおっしゃるように四〇%までにはまだなっておりません。これは、御承知のとおり、昭和二十九年以降たばこの価格を据え置いておりますために、その後新製品ができたものがございますけれども、原則として据え置いてまいっておるために、意識的というよりは、原価の高騰によって専売益金の計算が減ってこざるを得ないということで、実際には定価を上げないことが減税の効果をもたらしておる、こういうことになっております。ところが、ビールにつきましては、お話がございましたように、原価が高騰してまいっておりましても、消費量の伸びが、たばこのほうは年間六%くらいでございますが、ビールのほうは、先ほど申し上げましたように伸びが多かったわけでございまして、ただ本年に入りまして異常低温と景気があまり芳しくないといったことを反映したと思いますが、伸びがふえておらない、こういう状況であるわけでございます。したがって、私どもはそれは一時的な原因ではないかというふうに考えておりますが、それをビールの減税によって吸収すべきかどうかということになりますと、先ほど申し上げましたように、ほかの酒類とのバランスなどいろいろ考慮しなければならない点が多うございます。また、減税の優先順位からいたしますと、他に所得税など減税を優先して行なわなければならない点もございますので、減税のほうでいま早急に解決をはかるということはなかなか困難ではなかろうか、このように考えております。
○平岡委員 泉さん、頭がいいから論理をすりかえておるわけですね。減税の順位というのは社会的な判断からやるべきだ、そうすると、こっちはあと回しになる、そのことは百も承知です。社会党の議員ですから。しかし、現状は資本主義でやっているわけですからね。税制上金の卵を生む鶏それ自体がつぶれる、そういう過酷なことをやることはいかぬということです。専売は官業だ。官業には結局甘いということですね。こまかいことは言わぬが、なたでぶった切ったような話をすれば、そのことを私は申し上げておるのですから、あなたの反駁も反駁でけっこうですが、やはり虚心に耳を傾けていただきたい。そのことをお願いしたい。それで、いま長官のほうから言われたことは、時期については九月は立ち消えになっておる、しかしその要望はいまだに続いておる、したがって、それに対応するのには、庁側における原価計算等が完了するということを当然の要素として、それより早くやることはあり得ない、こういうふうに理解します。
 ところで、ちょっと気になるのですけれども、酒の業界の新聞に「政治の空白なし」という見出しがありましたので、何のことかと思って読んでみたわけであります。そうしますと、値上げは議会の空白時をねらうのが常道という前提で、九月値上げがさたやみとなった今日、展望するに、十月からは臨時国会、その終了は十二月、終了後に引き続き通常国会となるので、政治的につけ入る空白は来春まではないとの官側の御託宣であるのに私は驚きました。国会は理非曲直を明らかにして、是々非々でいきます。したがって、政治的空白は、国民の要望と期待の前に、議員にとってないと考えております。主税局長の泉さん、私は貴殿に特に注意を喚起したいと思います。あなたは、大蔵省傘下の業界の十年越しの真摯な企業努力にこたえるのに、椎名外務大臣も顔負けするようなすっとぼけた所論を開陳いたしております。趣旨にいわく、政治的空白のないおかげで、値上げを来年まで繰り越せば、借上げと抱き合わせでさらに増税されるのではないかという不安は、特に心配はない、ビールの増税は考えていないから云々と言っています。まことに人を食った所論であります。良識派の泉さんがよもこんな議論をしているとは考えられませんが、新聞の誤報かどうか、もし誤報でないとしたら、貴殿の真意は、値上げ要因はこれを是認する、そのはねっ返りが減税による吸収となっては職掌柄たまらないということで、予防線を張ったものかどうか、そのいずれでもない場合は不謹慎のそしりを免れ得まいと思うが、どうですか。
○泉説明員 どうもその新聞は、私の発言として記憶にあまりないのでございますが、おそらくいろいろな雑談をしておりました際のことかと思います。私どもとしては、最近、お話し申し上げましたように、ビールの売れ行きが停滞いたしておりますために、ビール会社のコストが高まり、また卸、小売り業者としても人件費の増加に悩んでおるという状況はわかります。しかし、それを減税によってカバーしてくれということについては、減税には、先ほど申し上げましたように、優先順位もあるし、ビールをすぐ減税することによってそのコスト増をカバーするというわけにはなかなかまいりかねます。こう言った覚えはございます。しかし、その政治の空白云々は、どうも私理解いたしがたいのでありまして、そのようなことを申した覚えは毛頭ございません。
○平岡委員 まあ泉さんいじめはこのくらいにいたしまして、当課題に対しまして公平にして合理的な処理のためには、私はおか目八目の立場にある第三官庁、公正取引委員会の見解に注目する必要があると思うが、どうですか。実は、公取は八月二十七日の国税庁のビール値上げ自粛要請問題について、一、行政指導には法的根拠がないから、値上げする、しないは業者の自由である、二、配当率がいいということは、値上げ抑制の理由にはならない、三、リベートの多い、少ないも抑制の理由とはなりがたいこと、以上を指摘しています。右が公取の見解であります。私が補足的に申し上げますと、二番目の配当率についてですが、朝日、サッポロの配当率は当年一割三分、麒麟で一割六分、来年増資の場合は、麒麟におきましての当然一割四分以下に下がります。ですから、現在の株式市場の価格からしまして、いずれもが利回り四分程度です。そういうことからいいまして、これは不当だと論難されるような高率配当ではありません。私はそういうように理解します。
 それからもう一つ、第三のリベートの項について私見を加えますに、リベートの問題は、同僚の堀君によりましてこの三月に指摘されたところであります。生産者から卸へ一円十銭、卸から小売りへ一円九十銭、おのおののリベートがあり、さらに小売りから料飲店へは三円八十銭という大幅な値引きないしリベートが現存する、流通段階の合理化を行なわずしての値上げを不当ではないかとする質問でありまして、松本間税部長はこれに対し、製販三層間の流通の合理化ということと、メーカーの生産コスト高に見合う合理的対処ということをさい然と区別せずに、中途はんぱな答弁をしております。堀君の所論はその限りにおいて合理的見解であります。私はそう思います。一方十余カ年の手取り額据え置きを非として、これが是正を求めるメーカーの主張も、また公取の指摘するごとく妥当たるを失ないません。両者はまさに次元の違いであって、二律背反でありません。それはそれ、これはこれとして区別して処理されてしかるべき事案であると考えます。前者の流通機構の合理化については、生きた商売の現実でありますから、その短兵急には事は運び得ないということも事実でありましょう。堀軍医大尉の命令一下、即時右へならえというわけにはいくまいし、その流通合理化の完結を条件にして云々ということでは無理があります。したがって、値上げを認めるか、あるいは値上がり分を減税で吸収するかについて、メーカーに対する合理的回答を、むろん国会中で差しつかえございませんから、政府の責任において早々に与え、一方製販三層にまたがる流通合理化はこれと並行的に努力をさせ、成果のあらしめるように国税当局において指導するという並行方式でやるべきではないかと私は思います。この点につきましての所見はいかがなものであるか、長官並びに間税部長から答弁を求めます。
○吉岡説明員 公正取引委員会でどういうことを言っておられるか、私十分に承知をいたしておりませんが、先ほど申し上げましたように、ビールは昨年の六月に基準価格をはずしまして自由価格になっております。したがいまして、私どもが価格に干渉したりする権限あるいは義務はないと思います。ただ、酒の基準価格をはずしました直後の値上げ等については、ある程度の指導をいたしましたように、免許企業の価格のことでもございますので、われわれとしても重大な関心を持っておるわけであります。そういう意味で、八月の末には、私どものいろいろ検討した結果は、絶対に値上げは必要だというほどの確信を得るまでには至っておらないから、慎重に検討してほしいということを申し上げたわけであります。
 なお、メーカーと卸、小売りの段階のリベートの問題でありますが、やはりリベートが相当乱に流れておるということは、正常な取引上も問題でありますし、非常に意地の悪い見方をいたしますと、三十八年度の空びん操作で実質的に三円五十銭の値上げをいたしたわけであります。その後のリベートの推移を見ておりますと、ほぼそれに近いほどの金額のリベートの拡大が見られるわけであります。非常に意地の悪い見方をしますと、一般大衆の負担において値上げをして、リベートを拡大して過当競争をしているという見方もできないことはないような状況であります。したがいまして、このリベートの問題は、やはり業界の正常取引のために姿勢を正していただかなければならないと考えております。
 なお、この値上げの問題につきましてのわれわれの事務的な検討は、私ども事務官僚でありますので、国会の開会中であるとか、開会中でないというようなことでなしに、事務的に進めてまいりたいと思っております。
○平岡委員 最後に、特に国税庁長官にただしておきたいことがあります。
 いまあなたもおっしゃったように、業界の要望に対して、業界にあなたから自粛を求められた。自粛とは自粛であって、他律的にこれを強要すべき筋合いのものではないと私は考えます。御所見はどうであるかをお伺いします。官の言うことはすなおに聞け、聞かざる上においては伝家の宝刀ということであっては、それこそ主権者たる国民に向かっての職権の乱用として非難は免れないと思います。殿鑑遠からざるところにあり、自重を祈ってやまないものであります。延納に関する規定は酒税法第三十条の六で明記された法律事項であります。この条項のうたっている三つの要件がありますが、その要件がそろっていても、長官による延納停止という行政的恣意が働き得るのかどうか、念のためにお伺いしておきたいと思います。あまりかみしもを着た話じゃないのですけれども、そうでなくても、法権力を背後に背負った人と業界が話をするときには初めから分が悪いので、あなたのほうが二くらいの態度で、業界が八くらいの態度でちょうど調整がとれるわけですから、この点はひとつ今後もあなたのそれこそ自粛自重をお願いしておきたいと思います。
○吉岡説明員 お話のように、業界に対して検討、自重を要望いたした結果、一応九月の値上がりの見送りという業界の意向になったわけであります。われわれ行政をやります際に、法律権限に基づかないで行き過ぎたことがあってはならないと考えますので、御指摘のとおり慎重に運んでいきたいと思います。
○平岡委員 次に、当面清酒業界の要望の焦点であります二級酒の不振対策について、庁はいかなる考えであるか、お伺いしたい。
 業界の要望は、具体的に言いますと、一級と二級との価格差の拡大のための税率の引き下げがその一であります。二級という呼称の変更要望がその二であります。右につきまして、具体的に庁の考えをこの際お答えいただきたいのであります。
○泉説明員 お話のように、日本酒造組合におきましては清酒販売増進対策に関する報告書というのを最近つくっております。これによって明らかにされておりますように、昭和三十七年の減税以後、清酒一級と清酒二級との間の値幅が少なくなったということ、それから、最近御承知のとおり国民所得が増加いたしました関係から、国民が高級品に嗜好を持ってくる、こういったことからいたしまして、清酒一級の伸びは非常にいいのでございますが、清酒二級の伸び率はそれに比べてあまり芳しくない。ところが、御承知のとおり、全国の三千七百軒の清酒製造業者の大半は二級酒を製造しておるわけでございますから、したがって、清酒製造業者の重大問題であるということはよくわかるわけでございます。そこで、それではその清酒の販売増進対策としてどういうことをやったらいいかということになるわけでございます。これにつきましては、私どももいろいろ検討をいたしております。一級と二級との価格差があまりない、ということは、税差が少ないではないかといったような意見もございます。また、お話のように、二級酒ということが、消費者に及ぼすイメージが悪い。したがって、二級という名前をやめるべきだというようないろいろの御意見もございます。それらにつきまして私どもいろいろ検討をいたしておるのでございますが、何分にも事は、国民の所得がふえまして、国民全体が高級品に対してあこがれるということになってまいっております関係上、税差を若干広げる、あるいは名前を変更するといっても、そこに値段において高い品物と安い品物とがあれば、日本人のみえもあると思いますけれども、どうしても高い品物を買う、それが品質において必ずしもすぐれていないにもかかわらず、高ければよかろうというようなイメージが非常についておるということは事実だと思います。したがって、清酒二級の問題につきましては、単に税差を開き、名前を変えさえすればそれでうまくいくのだというわけにはまいりませんので、清酒業の近代化を進めることになっておりますが、それによって三千七百の業者自体の企業体制を強固にするということと、それからいま申し上げましたようないろいろな対策とがからみ合っていかなければならない、このように考えております。ただ、酒税の減税の機会でないとそういうことはなかなかできないわけでございますが、酒税減税がいつできるかというようなことになりますと、先ほど来申し上げておりますように、いろいろ広範な問題を考えなければなりませんので、いまにわかにそれによって解決ができるというわけにまいりかねております。いずれにいたしましても、この問題は広範な見地から検討しなければならない問題だと考えておりまして、私どもといたしましても慎重に検討いたしております。
○平岡委員 最後に、これは質問ではございませんが、申し上げておきたいことがあります。
 昨年二月から五月にかけまして、当委員会、特に税制小委員会で審議を尽くし、ある意味では各位をお騒がせしました例の飯塚税理士事件の結末についての中間報告であります。
 飯塚毅君の脱税指導容疑は、前関信局長の広瀬君が原告となりまして宇都宮地検に告発中であったわけでありますが、当人飯塚君の疎明の機会が、八月の初め、事件発生以来二年有余を経て初めて宇都宮地検から与えられました。その結果、彼に一片の非違もないことが確認されたわけであります。証拠不十分であるから起訴猶予というがごときあいまいなものではありません。容疑の事実不存在という決定を見たわけであります。飯塚毅君に関しては、事件は庁側の黒星としてケリがついたことを厳粛に報告いたします。本日は場所柄が違うので詳細は省きますが、いずれ機会を見まして、庁側関係者でこの事件に関与された現役諸君のおも立った各位には、公式的にか非公式的にかおいでいただいて、賠償等の処置をも含めて御協議をしたいと考えるものであります。この際、委員長並びに与野党の理事諸君にあらかじめ御念頭に置いていただきたいと存じます。
 以上で終わります。
○天野(公)委員長代理 只松祐治君。
○只松委員 最初に、前回から関連します事項について、二、三お尋ねをいたしたいと思います。
 まず最初に、酒類の小売り販売店の新設許可、こういう問題について、私並びにほかの委員からもいろいろ質問なり御意見が出されておったわけですが、そのときに、いろいろ調査し、検討いたしますというようなお答えもあった。そのときに私が引例を出しましたのは、旧市街地のような問題もあるけれども、新しい東京近郊の地帯、こういうところには非常に人口が急増をいたしておりますが、こういうところには必ずしもいままでの基準に適合するような形での小売り店開店希望者というのは少ないわけです。にもかかわらず、住民というのは非常に急増をいたしておりまして、そういう小売り店の開設を求めております。これはたばこの場合でも同じでございまして、専売のほうにもそういう意見を私はたびたび言っておるわけでございます。そういう点について御検討なり何なりいただきましたら、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○松本説明員 酒類の小売り業の免許につきましては、さきに只松委員から御質問もございまして、検討しておるということを御返事申し上げたわけでありますが、その後いろいろ検討いたしまして、特に問題になっております高層住宅あるいは団地等ができまして著しく世帯数が増加した地域、こういった地域につきましては、現行の距離基準にかかわりませず免許することができるというふうに取り扱いを改正いたしました。現在距離基準といたしましては、市街地につきましては、大都市では百メートル、それがいなかへ参りますと百五十メートル、さらにいなかへ参りますと二百メートル、こういうことになっておるわけでございますが、東京都内等におきまして新しく超高層ビルが建ち並んだ、住宅が建ち並んだ、あるいはまた郊外におきまして非常に大きな団地ができまして非常に人口がふえた、こういうふうな場合には、この距離基準にかかわらず免許することができる、こういうふうにいたしました。また新開地につきまして、初めてそこに一つ申請がありまして、そこに一つ免許するという場合には、世帯数とか、そういった一つの条件が必要でございますが、そういった点も例外といたしまして、たとえば、地域によりましては、三百世帯、二百世帯というふうに世帯数が一つの免許の基準になっておるわけでございますが、そういったことにかかわらず、新開地について最初に一つ免許することには差しつかえない、こういうふうに取り扱いを改正いたしまして、この夏各国税局に通達いたしました。
○只松委員 形式的と申しますか、外からの場合にはいまおっしゃったようなことで大体基準がゆるむわけですから間に合うと思うのですが、そのほかに資産内容あるいはいままで酒類を取り扱った経験の有無、いろいろなものが許可基準の条件になっているわけです。これも酒税確保の面があるわけですからそうむちゃくちゃにゆるめるというわけにもまいりますまいが、やはりそういう新しく移動していったところに、そういう経験もあまりないから、初め乾物屋を開いた、あるいはしょうゆを置いた、何を置いたということで、そういういままできめられた五年、十年というような長い経験は持たないけれども、多少短い経験があるとか、あるいはほとんどそういうものはないけれども、そこいらに酒屋、しょうゆ屋を開いてもらいたい、こういう希望が出たとか、新しく発展してくるところにはいろいろなそういう問題があると思うのです。それから新しくつくった店ですから、たとえば青色申告をいままでしてなかったとか、あるいは帳簿の記入もそれほど既存の許可条件に見合うような正確なものがない、こういうこともあり得るわけです。事実、私が知っておるところにもそういうことはあるわけです。したがって、いま申しますように、すべてノーズロースというわけにもいかないけれども、許可基準その他とにらみ合わせて、そういう点等についても十分なる御配慮といいますか、御考慮といいますか、そういうことをしないと、三年たったり五年たったり、相当たって経験も積みということでないと、なかなか許可がおりない。二キロも三キロも離れた遠い町の店に買いに行かなければならない。こういう状態が依然として三年、五年、許可基準に合うまで住民は困ってしまう。家は三百戸も五百戸も建ってきたけれども、許可基準に合わないという状態が出てきておるわけです。そういう点についても、特に地元の税務署の方に御指導をいただいて、重ねて言いますが、ノーズロースとは申しませんけれども、適格なものがあれば、信用するに足るものがあれば許可する、こういうふうにすべきではないかと思いますが、いかがですか。
○松本説明員 前段の点でございますが、免許の要件といたしまして、年間の取り扱い数量見込みでございますとか、資本、それから投下資金、そういったことも一つの条件にいたしております。この点につきましては、小売り業界からの意見といたしまして、現在のこの基準がゆる過ぎる、もっと高い基準にしてもらいたいという要望もございました。しかしながら、現在の時点におきましては、現行のこの程度の条件でいい、こういうふうに判断いたしておりますので、そういう引き上げはいたさない方針でおります。
 なお、先ほど申し落としましたが、人的要件の点でございます。この点につきましても、この夏出しました通達において一部改正いたしまして、いままではみそ、しょうゆというふうなことを例記いたしまして、そういった調味食品を販売しておることにつきまして五年、そういった経験のある人については差しつかえないというふうにはっきり書いておるわけであります。もう少し範囲を拡張いたしまして、みそ、しょうゆだけでなしに、ソースでありますとか、砂糖でありますとか、塩でありますとか、化学的な調味料でありますとか、そういった品物を扱っておるような経験のある方についても免許して差しつかえないということを明らかにいたしまして、若干その範囲を拡張することにいたしました。
○只松委員 もう一つ、こまかいことをついでに聞いておきたいと思うのですが、その人が過去に酒類の販売に従事しておったか、それがわりと大きなウエートを占めるようでございますけれども、これも昔のように水割りをしたりなにしたり、いろいろな技術的なものを要すれば、そういうことが一つの大きなウエートにもあるいはなったと思うのですが、いまのようにほとんどびん詰めだけで――酒もビールもそうですか、結局みそ、しょうゆと同じような形で販売方法がなされておる。徴税は違いますが、そういうことになれば、それに従事しておったかどうか、酒屋の小僧か何かをそこで長年やっていたかどうかということは、あまりぼくは大きな基準にならないと思う。いろいろ時代が進んで、ものが変わってくるみたいに、やはりこういうびん詰め時代になって、たる売りその他がないとすれば、そういう点も、昔どおりの何か水商売の水のそういう取り扱い経験がないと酒が売れないのだという概念は私は古くさいのではないかと思う。そういう点についても、許可基準というものは、小売り業者の仲間なり税務署はそういうことをわりと末端においては大きなウエートを置いて考えておられる人が多いわけです。そういう点で、この販売方法が違ってくるに従って基準の内容というものも違うべきだ、そういうことも含めてひとつお考えをいただきたいと思います。
○松本説明員 ただいまお話ございましたような点も考慮いたしまして、先ほど申しましたように、若干人的要件の範囲を広げたわけでございます。ただ、現在の酒類の小売り業、そういう店には新しく就職してくるという人がなかなか求めがたい状況でございます。いずれも店員になる人の募集に苦労していらっしゃる、こういう状況であります。そういった意味から、かなりの期間そういう店に勤務された人については、将来店を一軒独立して持つといったような際には、やはりある程度優遇的な措置と申しますか、そういった配慮も必要ではないか、こういうことも考えまして、酒類業の従業員につきましては、五年間そういった経験があれば、そういう人については免許しても差しつかえない、こういうことにいたしておるわけでございます。
○只松委員 次に、これも私この前からお聞きしておる問題として、ビールや酒等、そういうものの醸造から始まって卸売りまでいくその過程における石数や製造数の調査、把握方法あるいは徴税方法というものについていろいろ聞いてきたわけなんですが、前回あたりも多少具体的に、こういうふうに改善したいというような御希望等を述べられたわけです。その後さらに何か具体的にそういう方法を確立したり、検討されたかどうか、あるいはその後進展しておらないか、そのままのとおりであるかどうか、お聞きしておきたいと思います。
○松本説明員 この春以降、御指摘の点につきまして内部でいろいろ検討いたしまして、過般税の執行に関する小委員会でございましたか、そこで国税庁長官からも、四十年度の各ビール工場を所官しております署におきましては、ビール工場の経常検査に投入する事務量は、四十年度の計画は三十九年度の実績に比べて、全国ならしてみると約二割方増加することになっておる、こういうふうにお答えになっております。
 さらに、今後の検査のやり方といたしましては、個別検査も非常に大切でございますが、同時に集中検査と申しますか、ある一部分につきまして、人数もまた従事日数もややふやしまして、そういった部分についてさらに徹底した検査を年に一、二回行なったほうがいいのではないかということで、これにつきましては、国税局の担当職員が長になりまして、所轄税務署の担当職員のほか、近辺の署の関係の職員あるいは間税調査官、こういった者を数名動員いたしまして集中検査をやる、そういう態勢を整える、それが一つでございます。
 そのほか、たとえば本数自動計数機というふうな、びんが流れていく過程におきまして自動的に本数を計算する、そういった計器をある程度税務署におきましても設置する、そして工場の側の本数と対比するというふうなこともできましょうし、またわれわれのほうで計算したものによりまして、前後の関係が矛盾ないかということをチェックしてみる、そういったことをやる。さらにまた、検査の中で一番大切な点は、やはり歳出しに結びついたところであると思います。そういった点について、各部門において経常検査あるいは集中検査におきましても力を注いで検査をやる。そういったふうなことを具体的に考えておるわけでございます。来月には間税部長会議もございますので、それにわれわれの考えも示して、よく議論した上、成案を得て早く実行に移したい、こういうふうに考えております。
○只松委員 話は少しそれますが、いま御説明の中に自動計数機、こういうもので調査をするとか、あるいは設けたいというふうな話でございましたけれども、私がビール工場なりその他のことを引き合いに出したのは、要するに、マスプロ化しておりますし、オートメ化しておる。したがって、昔ながらの醸造の仕込みや石数検査だけではなかなか完全に把握できないのではないか。私の考え方はいろいろ足りない点があったかと思いますが、そういう点を主としてこの前から申し上げておるわけであります。いまたまたまそういう機械を使っての検査という話がありましたけれども、この前週刊誌か何かに、アメリカの税務当局は、一番みみっちい話は、錠前をこわして中に忍び込んで検査するとか、望遠レンズを持つカメラを使うとか、あるいは双眼鏡を使うとか、Gメン以上に機械化し、武装した形で調査、徴税を行なっておる。ただ人的だけでない。勤労者の所得税あるいは中小企業者の申告所得税のような、いわゆる人的に捕捉できる、こういう段階のものはいままでの国税庁が行なっておられた調査方法で十分だと思う。しかし、森脇の場合は、たまたま検察庁という手が動いて大きな摘発が行なわれたのですけれども、これもしいて言えば、個人の問題です。しかし、大会社なり、電子計算機を使って収支決算を行なっておるような会社の徴税を同じく昔ながらの人を使って――帰するところは人ですけれども、多少人数を数的に多くしたとかいうようなことで完全な徴税ができると思ったら、これは大きな誤りだろうと思う。この点については、いずれ他日そういう問題について私も勉強し、論議したいと思うのです。
 この機会に、私は、長官からでもけっこうですが、ただ人間を少しふやすとか、人間を少し訓練する、こういう形でいわゆる大会社や大きなところの徴税機能を果たすというのでなく、もっと税務署それ自体が近代化あるいは機械化されるということが当然に必要になってくるのじゃないか、それがないと完全な徴税事務というものはなかなか容易でないのじゃないか、人間だけであれほど膨大な工場を全部把握する、生産品を全部把握するということは、いまやとうていできない相談じゃないか、こういうふうに思うわけですが、いかなるお考えか、逆言すれば、繰り返しになりますが、労働者や中小企業者や農民は、税務職員が一人や二人、三人で調査できる、こういうものは昔どおり一〇〇%捕捉される、しかし、マスプロ化した、あるいはオートメ化した工場設備を持ったもの、しかもその出てきた製品を電子計算機で計算しておる、こういうところの完全な徴税ということは、いまや困難である、それが依然として昔ながらの人間対人問でそういう機械に対処していくということは、事実上そういうところに対する徴税が怠られている、こういうことを言っても私は過言でないと思う。たまたまビール工場の機械化という問題が出ましたけれども、こういう問題について国税庁は機械化していく、近代化していくという御意思あるいは努力をなされるかどうか、ひとつこの際承っておきたいと思う。
○吉岡説明員 お話の点、全体として私どもまことにごもっともなお話だと思います。御承知のように、税務職員、全国で五万の職員がおりますが、累年非常に事務量が激増を続けておる状況であります。この中で適正な課税をいたしますために人手が足りないという話がしょっちゅうあるわけでありますが、お話のように、五万の職員をそう増加することは国全体として必ずしも適当ではありませんし、人手だけをふやしても済むものではないわけであります。したがって、国税庁全体として、税務行政の近代化、機械化と申しますか、そういう意味の努力が必要なことは御指摘のとおりだと思います。そういう意味で、前々長官の原長官時代からそういう意味の準備に取りかかっておりまして、国税庁の中に企画室という特別な機構を設けまして、国税庁内部の事務の機械化、合理化の努力をいたしますとともに、検査、調査方法についても近代化、機械化の準備と申しますか、努力をいたしてまいっております。御指摘のとおり、大きな会社で電子計算機を使う会社が急激にふえてまいっております。従来の調査方法では調査できない状況になりつつあるわけであります。アメリカですらすでに税務調査についてそういう意味の困難性を感じてきておるというような話でありますが、遠からず日本もそうい状況になってくると思われますので、われわれといたしましては、そういう電子計算機関係の――東京国税局等にはすでに専担者等を置きまして、そういう意味の検討を続けている実情であります。
○只松委員 次に、ちょっとおくれて来ましたので、平岡さんがお聞きになったかと思いますし、あるいは重複する点があるかと思いますが、近ごろビールの値上げが盛んに云々されております。これは税率その他ともいろいろ関係してまいります。堀委員のほうからもあとでいろいろ御質問があるようでありますが、私はここでビール値上げを国税庁がお認めになるようなお考えがあるかないかという点をまず一点お聞きしておきたいと思います。
○吉岡説明員 ビール価格につきましては、十分御承知のように、昨年の六月に基準価格をはずしまして自由価格となっておるわけであります。したがって、ビール価格につきましては国税庁が認可する、あるいは認めるという立場にはないわけであります。ただ、昨年まで基準価格がありましたものでありますし、非常に一般大衆の負担というようなことで大きな影響のある問題でもあります。また、ビールの正常な取引というようなことにも関連のある問題でありますので、われわれとしては非常な関心を持っておるわけであります。したがって、認める認めないという立場にはないわけでありますが、先般の値上げの問題が起こりました際にわれわれが申しましたことは、われわれの資料の検討の結果は、どうしてもビールの値上げが必要だというほどの数字的なものをつかんでおらない、したがって、あるいは国会その他で質問が起こって、ビールの値上げをやったそうだが、一体国税庁はビールの値上げは必要だと思っておるのかという御質問を受ければ、われわれとしては、必要であるというお答えはできませんよという話をしたわけであります。そういう立場にあることを御了解願いたいと思います。
○只松委員 値上げを認めるか認めないか、たいへんあれですが、いまのお答えでは、妥当かいなかということに対して、しいて言うならば、妥当ではないのではないか、こういうお考えのようでございます。これは国税庁というよりも、むしろ泉さんのほうに大きな関係もあるいはあるかと思うのですが、泉さんのほうの主税局のほうも同じようなお考えでございますか。
○泉説明員 私のほうば、御承知のとおり、酒税をどうするかということを検討すべき立場にございますので、値上げ云々の問題はもっぱら国税庁で処理されるわけでございまして、私のほうは値上げを必要とするようなコスト増高の要因があった場合、それを減税でカバーする必要があるかどうか、こういった問題になったときに私のほうで検討するのでございます。まだそこまでの段階には至っておらないわけでございます。
○只松委員 そういうことも含んでお聞きしておるわけです。単に値上げでなくて、この前私が泉さんにお聞きしたときも、値上げしなくて、税率を下げたらいいじゃないか。まあ、あとで少し聞いていこうと思うのですが、諸外国より非常に高いようですから……。
 そこで、そういうことも含んで、いまそこまで考えていないと思いますけれども、国税庁側でいまみたいな明快なお話が出たわけですから、とどのつまりになって、今度泉さんのほうで税率がどうの、こうの、いや違う、そういうことになったのではあれだと思いますから、大体そういうことになってきたら、そういう国税庁側のお考えを御支持になるかどうか、こういうことです。
○泉説明員 仮定の問題でございまして、なかなかお答えしにくいのでありますが、ただ、先ほど平岡委員にお答え申し上げましたように、ビールの酒税率は、諸外国に比べまして日本の場合、小売り価格に対してかなり高いものであることはおっしゃるとおりでございまして、イギリスが三一%程度であるのに比較いたしまして、日本では小売り価格の五二・三%が酒税になっておるということ、これは諸外国に比べますと異常に高い負担率になっております。こうした原因は、日本のビール産業というものが寡占資本のもとに経営されてまいりまして、その巨大企業による合理化が非常に進行してきたわけでありますが、そういう合理化の部分を酒税のほうで相当いただいて酒税額の増額に寄与してもらったという点が大きく響きまして、諸外国と違って、小売り価格に対する負担は高いのでありますが、しかし、それによって、そのほかの清酒とか、合成清酒とか、しょうちゅうとか、ウイスキー、こういったものとの間にバランスができ上がっておるわけでございます。そこでビールの原価が上がっておるので、かりにこれを値上げするか、あるいは値上げしないでそれを減税によってカバーするかという問題が起きてまいりましたときに、ビールについてだけ酒税の問題を論ずるわけにはまいりません。やはり酒類全般について検討を加えなければいけない問題になってくると思います。そういうことになりますと、酒税を、所得税、法人税その他相続税、物品税といったいろいろな税目との対比におきまして、酒税の減税がどの程度優先度を持つかという問題になってまいります。そういった広範な見地から検討しなければなりませんので、コストが上がったから、すぐそのコスト増を減税でカバーするというわけになかなかまいりかねるという状況でございます。
○只松委員 答弁になったか、ならなかったか。私は、国税庁長官が答えられたように、妥当ではない、こういうようにお思いになるかどうかという御質問をしたわけです。その質問に対する答弁は得られなかったようです。
 私は、同じような考えだと認識しまして、いまお答えになりました税率の問題をもう少し聞きたいと思うのですが、いまお話もありましたように、これも常に言われておりますように、一番高いであろう税率はイギリスのビールで、三一・一%、こういうことになっておりますし、そうすると、これは二一・二%高いわけですね。それは、国によって、物品に課する税率あるいはいろいろな税金というのは、第一間税が中心でいいか、直接税が中心でいいか、そういう論議も大いに分かれておるくらいですからいたし方ないとしても、ただ、同一のものがこれほど顕著に違う。一番高いイギリスでそうですね。ほかのところは、諸外国では大体一〇%前後というのが多いわけです。これは日本におけるビールの大衆に親しまれている限度とか、諸外国における親しまれ、発達した問題とか、いろいろあると思うのですが、しかし、日本も今度は別な面から考えたらどうか、ビールの石数の増大がいままで値上げを抑制してきた一つの原因になっておるということは、非常に国民に親しまれ、愛用されてきておる証左だが、にもかかわらず依然として税率がこういう高いままに残されていいかどうか、根本的な税率の問題がここに検討さるべきだと思うのに、こういう業界が、表面でははででないようですけれども、裏面ではかつてなく値上げを強く要望されてきておる。こういうときに、税率やそういうことはほうりっぱなしといいますか、検討も何もしないで、値上げのほうだけ一生懸命でいいとか悪いとか論議するというのは、私は多少本末転倒だろうと思う。これだけ業界が一生懸命で値上げの問題を言うなら、当然にこの際、それはほかの酒税の税率も関連してくるか知れませんけれども、少なくともビールの税率についてはここで論議をすべきではないかと思う。どういうふうにお考えになりますか。
○泉説明員 先ほども申し上げましたように、わが国のビールに対する酒税率が諸外国に比較して高いということは確かに事実でございます。ただ、そういうふうになった原因につきましては、先ほど申し上げましたように、わが国のビール産業というのが少数の寡占資本によって経営されてきた、ここに巨大産業による合理化が行なわれまして、そのコスト減を酒税でいただく、こういうことになってきておったと思うのでございます。したがって、値段の点で見ますと、大びん一本百十五円がほかの酒類と比べてはたして高いかどうか、それは人によって違うと思いますし、安ければ安いほど好ましいことは確かでございましょうけれども、ほかの、たとえばジュースとかサイダーと比べてみた場合に、はたしてそれほど高いという負担感があるかどうかという問題であろうかと存じます。しかし、いずれにいたしましても、ビールの五二・三%という負担率が高いことは確かでございます。したがって、その機会がございますれば、それを引き下げる方向へ努力すべきものだと私ども思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、ビールだけを取り上げて減税するというわけにまいりません。酒全体を取り上げざるを得ないことになります。そうなってきますと、所得税だとか相続税だとかいったような、ほかの税とのバランスからいきまして、すぐ酒税に高い優先度を与えることはなかなかできないのではないか、このような気持ちがいたしておることを申し上げたのでございます。私ども決して検討を怠っているということはございません。十分検討をいたしております。
○只松委員 これはもう質問も前々からされておるわけですから、検討は十分されておるだろうと思いますが、いまくらいビール業界が近ごろの事態の中で本格的に値上げを要望してきておるときはないわけでしょう。相当根強いわけですよ。そうして、税率に手を触れないで、値上げ案が強いとするならば、これは結局値上げせざるを得ない、こういうことになる。きょうは大臣が来ていませんから、物価の問題全般を論議することも不可能かと思いますけれども、そうなってくると、今度は物価の問題、特にビールというのがいまこれだけ製造石数がふえているように、ほとんど大衆のものになって、一ぱい飲み屋なり何なりでもずいぶん飲まれておる、もう日常生活に密着をしてきておるわけですね。これはある面では米、麦と同じように、ある人によってはそれ以上に密接不可分な生活必需品になっておると思うのです。そうすると、ビールの値上げというのは、上がったとしても五円か十円か、わずかなものでしょう。しかし、これがそういうある人々にとっては、夕方になれば、米、麦以上に生活必需品である、ぼくはもう嗜好の段階を越している人も多いと思うのです。こういうときに上げていく、それを認めるということになることは、たいへんに生活を圧迫してくる。元で十円上げれば小売りを十円だけ上げるかというと、そういうことじゃないことは御承知のとおりで、元値を十円上げれば、小売りはすぐそれに便乗して二十円、三十円上がってくる。そうすると、一般の勤労者なり何なり、働いて、夕方ちょいとぐいっと一ぱいと思っている人が非常に生活の圧迫を受けて、これは勤労意欲にも関係をしてくる。こういうことになると思うのです。したがって、ビールの値上げというのは、わずかの金額で非常に簡単のように考えておられるけれども、単に嗜好品として見るならばそういう考えもいいかもしれないけれども、嗜好品じゃなくて、ある面では勤労者の生活必需品だというふうにとらえて考えてくるならば、これの値上げというものは、私が言うように、主食以上に必需物資になっておる人にとってはたいへんな生活の圧迫になっていくわけですから、あまり簡単に考えないでいただきたいと思います。あまり簡単に考えないとするならば、これだけの根強い動きがあるときには、当然に税率の問題が検討さるべきではないか。時間がございませんので、さきに平岡さんがおやりになりましたので、私は説明抜きにして問題点を聞いていっておるわけなのですが、ひとつそういうこともお考えになって、税率という問題を真剣に検討すべきではないか。さもなければ、国税庁長官が言われたように、もう少し泉さんのほうも歯切れよく、いや妥当ではない、こういうふうに明確におっしゃるならば、これはまた別でございますけれども、そこらのかね合いを聞いておきます。
○泉説明員 ビール会社のコストが、原料であります麦の購入代あるいは賃金の値上がり等によってだんだんと上がってきておることは確かでございましょうが、従来は、年によって違いございますけれども、多い年は二十数%、少なくとも最近数年間は一五%程度の数量の増加が続いてまいりました。そのために、そういったコストの増を数量の増加で補うことができまして今日に至っておるわけでございます。ただ、本年になりまして、御承知のように、春から夏にかけまして異常低温が続きまして、天候のぐあいがよくございませんでしたためにビールの売れ行きが伸び悩みまして、前年に比べまして、九月二十日現在におきまして前年同期の数量より少し下回っておるといったような状況でございます。そのために、従来なら数量が伸びることによってコストの増を切り抜けることができましたのを、数量がふえないためにコストの増の圧迫を強く受けておる、したがって、ビール会社及びそれに関連する業界としては値上げをしてもらいたいという要望が強く出てきておることと思います。しかし、それは本年のそういった一時的な状況もあることを考えなければなりません。したがってそれだからすぐにこの際何が何でも税率引き下げというわけにはなかなかまいりかねることだと思うのでございます。もちろん、ビールの値上げということが、国民にとりまして非常に大きな問題である、お話のように、メーカーが五円上げて末端が十円も二十円も上げるといったような問題ではございませんで、いまの百十五円という小売り価格をおそらく五円上げるかどうかといった問題だと私は思いますけれども、それにしましても、かりに五円でも国民に及ぼす影響があることは十分考えなければなりません。したがって、その点は決しておろそかに考えているわけじゃございませんけれども、しかし、そういった諸般の情勢からいたしますと、いまにわかにビールの税率をすぐ下げていくというわけにまいりかねるのでございます。しかし、事が重大でございますので、国税庁のほうにおきますコストアップの状況等の調査をもまちまして、慎重に検討すべきものかと考えております。
○只松委員 いまお答えの中で、メーカーが五円、十円上げたから下で十円、二十円上がるというのではなくて、それは販売店じゃなくて、いわゆる飲食店やなんかですぐ便乗して上げてくる、こういうことを私たちは懸念するわけです。この税率とともにビールのコストの一つの問題点は、これも指摘されてきておりますように、卸売り価格、小売り価格が表面上はきまっておりますけれども、実際いま商慣行上行なわれております卸売り価格あるいは小売り価格というものが酒類の場合には別にあるわけです。ビールでもある。これが適正に、きめられるようになされておれば、メーカーのほうもそれほど値上げをしなくても済むのではないか、こういう意見も非常に強いわけなんです。国税庁なり大蔵省のほうで実際上取引されておる卸売り価格あるいは小売り価格あるいはそういうことに伴って一箱幾らというようにバックペイされておる問題等をお調べになって、御存じになっておればひとつお教えをいただきたい。
○松本説明員 ビールにつきまして申し上げますと、三十八年の二、三月ごろは卸は小売りに対しまして大びん一本につきまして八十七銭リベートを支払っておりました。これが三十九年の国月になりますと一円十四銭に上がっております。またことしの四十年四月になりますと一円四十四銭、四十年の八月の調査によりますと、やや下回りまして一円二十七銭という数字が出ております。
 次に、小売りのほうが消費者に対する支払いのリベートあるいは値引きの状況でございますが、三十八年の二、三月ごろは、料飲店に対しましては一円三十七銭、三十九年の四月は三円九十五銭、四十年四月は四円十八銭、この八月は四円二十一銭、こういう状況でございます。
○只松委員 小売り価格が百十五円ですね。卸売り価格が百四円、結局これは百十五円から前は消費者にこれだけ差っ引いている、あるいは百四円からそれだけを差っ引いている、こういう意味ですか。
○松本説明員 卸は、百四円という価格で小売りに売り渡しておるわけでございますが、そのうちから先ほど申しました金額がリベートということになっておるわけでございます。それから小売りの場合は、末端価格は百十五円ということになっておるわけでございますが、料飲店に対しましては、先ほど申しました金額があとで値引きなりリベートで支払われておる、こういうことであります。
○只松委員 これはこれといたしまして、そのほかにびんの損代とかあるいは箱代とかいろいろなものがごちゃごちゃ払われたり、一番通常的に支払われておるのは、一箱、キリンビールで十五円、それからほかのビールで三十円前後バックペイしているのを御存じですか。
○松本説明員 先ほど申し上げましたのは、われわれのほうでサンプル調査いたしましたその平均でございます。したがいまして、それぞれのケースによりましていろいろなものがあります。料飲店に対して小売り業者が販売いたしております場合にも、場合によってはもちろん値引きをしないで販売しておるという場合も、調査の際にそういうものもあらわれておりますが、中には十円あるいは十円をこえているものもある、こういうケースもあらわれてきております。
○只松委員 中には十円以上あるいは十円という話がありましたが、いま平均数値をとってみましても、百十五円から卸売り、小売り両方ともに差っ引いた、こういたしましても、五円六十二銭ですね。そうすると、あとたとえば百九円くらいで料飲店に売っておる、こういうことになるわけですが、そうじゃなくて、料飲店にはもっとずっと下回って、大きなキャバレー等には百円を割った金で納入をされているものがある、こういうところも、きょうは私もう時間もございませんからそう突っ込んだりしませんが、そういうこともあるわけですね。こういうことを御存じですか。
○有馬委員 関連。いま只松委員から質問のありました点については、これを全国的に実態を調査しておられると思います。ですから、たとえば札幌において御承知のようなパーセンテージにいたしますと五〇%をこえるような販売形態がとられた事例がある。ですから、全国的に国税庁としてつかんでおられる値引きの実態というものを、いまの只松委員の質問につけ加えてお知らせを願いたいと思います。
○松本説明員 先ほど申しましたように、小売り業者が料飲店に対して行なっておりますリベートの状況は、はなはだしいものは十円をこえているものもあるわけでありまして、特に私どもの調査では十五円という数字も一部あらわれております。
○有馬委員 その数量を言ってください。
○松本説明員 小売り業者の数全体で二百七十九調べておるわけでありますが、そのうち十五円という例が出ておりますのは三業者であります。この程度であります。小売りのほうといたしますと、これも平均でございますが、卸から何がしかのリベートを受けまして、それから自分のマージンとして十一円ということが考えられておりますので、そういうものの一部を犠牲にするということにしたりいたしますと、かなり安いものもあらわれてくる可能性があるわけであります。その点につきましては、私どものほうといたしましては非常に遺憾なことだと思っております。小売り業界個々の方々が十分よく自粛されまして、ある程度応量リベートと申しますか、非常に販売数量が多くなれば、若干リベートがあるというのは取引の常識であろうかと思いますが、そういう常識で考えられる線にまでこれを圧縮するように御尽力願いたいということを要望いたしておるわけでございます。
○有馬委員 お答えは非常に抽象的でわからぬわけです。といいますのは、二百七十九店調べて、十五円のものが三店というようなことでありましたけれども、私たちがお尋ねしておるのは、それが何キロリットルくらいになるのか、その全体に占めるパーセンテージを知りたいわけですよ。ただ三店というようなことでは数量は全然わからぬわけです。そういう点についてお聞かせを願いたいということです。
 それからいま一つは、いま小売り店の自粛自戒を願うというようなことでありましたけれども、行政指導として一番眼目としなければならぬのは、その間に暴力団その他が介在する。ただでさえ弱い小売り店を、そういうものが介在することによってさらに追い詰めていくという形は、国税庁として当然まっ先に配慮しなければならぬ問題だと思うのです。ですから、そういう点について、どのような行政指導を行なっておるのか、この点もあわせお聞かせをいただきたいと思います。
○松本説明員 数量の点につきましては、遺憾ながら私どものほうでは何キロリットルであるかということは調べておりません、卸、小売り、それぞれの業者につきまして、どの程度の値引き、リベートで売っているのが何軒くらいあるのか、こういうことを調べておるわけでございます。
 それから、その取引につきまして、できるだけ取引の常識として考えられますようなそういった範囲のリベート、あるいは値引きの範囲内にとどめるように、機会あるごとに私どもから注意いたしまして、また著しく低い価格で売り出そうとされるというような場合がございましたら、時によりましては、税務署あるいは国税局のほうで、そういった方については自粛を要望する、注意をする、そういったことをやっておるわけでございます。
○有馬委員 あなた方が調べなければならぬのはその点なんですよ。それを私たちのほうではつかんでおりませんということでは、少なくとも行政指導として私は少し足りないんじゃないかと思うのですが、吉岡さんどうですか。
○吉岡説明員 お話のとおり、リベートの問題は、ビールの正常取引に関連をいたす問題、過当競争にも関連をいたしますし、ひいては酒税の保全に関連のある問題ですから、われわれとしても関心の深い問題であります。お説のように、十分把握しておらなければならない問題であると考えます。ただ、先生御承知のように、卸の業者がビールで約二千あります。小売りは十二万四千軒あるわけです。したがって、その全業者を調べて全体の数量的なものを出すというのは非常に事務的にむずかしい、特に、どの程度リベートを出しているかということはよほど詳しく調べないと、隠すようなこともありますし、簡単に出てこない、したがってどうしてもサンプル調査にならざるを得ない、したがって、国税庁としては各局に標準的なものを選んでサンプル調査をさせておるという状況であることを御了承願いたいと思います。
○有馬委員 長官の言明でありますが、徴税の場合には、あなた方はそれこそあらゆる機能を動員して徹底的にやる。こういった問題についてはいまのお答えのような程度だ。どうも常識論としてわからぬわけですよ。ですからお尋ねをしておるわけです。
○吉岡説明員 お話のとおり、全体の調査をいたしかねておるわけでありますが、このリベートの問題、正常取引の問題は、まず第一義的にはその業界自体の問題、業界が自分で姿勢を正すべき問題であると思うのです。十分御承知のように、ビールの価格自体を昨年基準価格から自由価格に移して、行く行くは全くの自由な価格にすべきだという方向に向かっておる問題でもあります。したがって、われわれとしてはできるだけのサンプル調査で常時どういうふうな変化をしておるかというようなことを調査しておるということで御了承願いたいと思います。
  〔天野(公)委員長代理退席、金子(一)委員長代理着席〕
○有馬委員 いま言いますように、どうも長官の答弁は、ぼくの尋ねておることからちょっとずれておるのじゃないかと思います。北海道のことについて、九州の南の端の鹿児島のぼくが知っておるのにあなた方が知らないはずがない。そういう点について、やはりしろうと目に見てもわかりそうな実態をあなた方がつかみ得ないはずはないのであって、これはつかもうとしていないのじゃないかとさえ思われるわけです。ですから私はお尋ねしたわけです。私、これは質問検査権の問題ともからみまして、いずれ機会を改めて――関連質問ですから只松委員に申しわけないので以上でとどめておきますが、この点については明瞭にしておいていただきたいと思います。
○只松委員 いま御論議がありましたみたいに、いわゆる卸売り価格、小売り価格、あるいは実際上あえて私は商慣習ということばを使ったのですが、それは特異な現象ではなくて、ビール取引の場合には一種の商慣習としてそういうことが認められており、公然と行なわれておる、こういう状態でいわゆる値引きというものが行なわれておる。特に二、三年前から新しい社ができてビールの売れ行き不振で競争が激しくなってから、その傾向は弱まるどころか、一そう強められておる、こういう状態なんです。一方、そういう状態でありながら今度は値上げをする、こういうことでは、これは税率の引き下げもさることながら、それ以上に大きな問題をここに残しておるわけです。だから、こういう問題も、いま有馬委員からも要望がありましたけれども、ぜひひとつもう少し調べていただきたい。非常に腕のよい料飲店の経営者であるとか、あるいはたくさんの取引をしておる料飲店というようなものは、百円を割った額で東京都内では取引が行なわれておる、こういうことがもう明らかなんです。われわれ一般国民には百十五円で売り、あるいはもっと値上げしよう、こういうことを言いながら、大口取引者には非常に安い値段で売っておる。これはたいへんに不見識なことです。これはちょっとそれますけれども、これはメーカー、卸、それから小売り、小売りを通して大きな料飲店、こういうことにも多少の問題がやはりそこにあるのじゃないかと思うのです。われわれ一般消費者が一本か二本買っていく小売りの値段、それと料飲店が何十箱、何百箱と買う小売りの値段、こういうものが同じであるという、そこいらにもある面から見れば若干の問題があろうかと思います。そういう点がやはり合理的にされてないから、片一方では百十五円で売って、片一方では百円を割った値段で売られておる。そういう矛盾を解決しないまま、今度は値上げだ、こういうことになってきておる。したがって、こういう値上げの動きがある時期に、とかくすると水商売のヒールとか酒とか一いまビールの問題をやっていますが、酒にも似たり寄ったりの問題があるわけでありますから、そういう問題については、やはり自由価格になって、全部を大蔵省、国税庁が締め上げてやるというわけにはまいりますまいが、しかも酒税の確保と密接な関連がある問題でありますから、大蔵省なり国税庁の行政指導というものはやはり何よりも大きな力を持っておりますし、ひとつぜひこういう機会にそういうものをよく調査されて、現状に適応するような形にしていく、これは販売方法も値段もそういうふうにさるべきだと思うのですが、長官どうです。
○吉岡説明員 お話のように、この卸、小売り、いわゆる流通段階におけるリベートの問題、正常取引の問題は非常に大事な問題だと考えます。先ほど平岡委員から、メーカーの手取りが十数年間据え置きになっておる、原価高にかかわらず据え置きになっており、数量の増加でカバーしてきたのだが、ことしのように数量が増加しないことになれば、メーカーの問題はほっておけないではないかという御趣旨の御質問がございました。流通段階のリベートの問題はそれとは別問題なので、別に切り離して並行的に考えるべきだというお話がございました。一つの御意見だと思って拝聴いたしたのでありますが、私どもといたしましては、やはりビール価格の問題は、両方並行というよりも総合的に考えるべきだと考えます。したがって、リベートの問題も重要な問題として慎重に検討してまいりたいと考えます。
○只松委員 そういう一般的な問題とともに、業界の値上げの一つの要因になっておるのは、生産の増大に伴う設備投資、設備投資資金その他とこのビールの値段、こういう問題がまた問題にもなってきておるわけです。時間もございませんから、ひとつこの生産の増大、それから、したがってそれによって出てくる総合収入あるいは支出、それから投資額、そういうもの全般をあわせてこの際当局において調査し、検討して、今後の問題に処していくべきではないかと思うのです。そう一いうことが明らかになれば、これは問題点というのは、私はビールの問題だけいま言ってきたのですが、これは酒の問題にしろ何にしろ、こういう酒税関係の問題点が明らかになってくると思うのです。そして、私たち社会党の立場というのは、これはもう明らかなように、大衆に最も密着した、あるいは主食以上に密着したこういうものを軽々しく値上げしてはならないという立場にあるわけでありますから、そういう意図をくんで、ひとつぜひ御調査をいただきたいと思います。
 以上、要望をいたしまして、質問を終わります。
○金子(一)委員長代理 佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 まず泉さんに伺うのですが、私は、この大衆のための酒の問題と、いま倒れかけておる中小酒屋さんのために、一番問題になっておる二級酒の問題について、当然もっと税金を下げるべきじゃないか、そういう観点に立って質問したいと思います。
 泉さんは国税庁の間税部長を一年くらいやっておられたのですが、先ほどの答弁を聞いておると、何かおざなりの、ほかのほうの税金の関係でぐあいが悪いというようなことを言っておられますけれども、物価値上げをやらぬという立場からいえば、当然税金を下げるべきじゃないか、こう思うのですが、その点は一体どのように泉さん考えておられますか、伺いたいと思います。
○泉説明員 先ほど申し上げましたように、特に三十七年の酒税の減税が行なわれましたあと、一級酒の売れ行きが非常にいいのに比べまして、二級酒の売れ行きがあまりよくない。ところが、全国の三千七百軒の清酒製造業者のうち二級酒をつくっておる業者が圧倒的に多いわけでございますので、したがって、二級酒のそういった売れ行き不振ということを何とかカバーしてそういった清酒業者の経営の安定化をはかるべきではないかということで、いろいろ意見が出ております。私どももそれらの点につきましていろいろ検討いたしておるのでございますが、二級酒の売れ行きがなぜ伸び悩んでおるかという問題について考えますと、やはり何といっても国民のふところぐあいがよくなってきて、だんだんと高級品にあこがれる性格を人間は持っておりますので、収入がふえてまいりますとやはり高い品物に嗜好を持っていく、こういうことになりがちであります。もっとも、清酒の一級と二級の場合には、昔からの一級を売り出している業者とそうでない業者という差でございまして、品質的にそれほど大きな差があるわけではないのでございますけれども、しかし、国民の心理として、高いものはいいだろうといったような感じからいたしまして、高い値段の酒を買うようになってきておるのではないかというふうに考えられます。そういった点からいたしますと、やはり一級と二級との間に差があります限りは、一級は伸びていくが二級は伸び悩むといった状況を解消することはなかなかむずかしいのではないかというふうに感じておるのでございます。しかし、いまの場合には、一級と二級との価格差が少ないではないか、もっとこの価格差を設けたらどうかという点でいろいろ検討をいたしておるわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、ビールの問題にしろあるいは清酒二級の問題にしろ、そういった単純な税率の公正といったことよりも、かなり業者対策といった面が含まれております。したがって、こういった酒税の問題を考える際におきまして、他の所得税だとか相続税だとかいったような問題との比較におきましては、どうしても優先順位が落ちざるを得ないのではないかというふうに感じまして、そういった点から、いろいろ考えなければならぬ点があるのではありますけれども、苦慮をいたしておる、こういう状況でございます。
○佐藤(觀)委員 なるべく前に言ったことは言わぬようにしてもらいたいと思うのです。時間がむだですし、私は初めから全部聞いていますから。
 それから、先ほどあなた、酒造業者の近代化という問題を言っておられましたが、近代化といったって、一体その資金はどうするかという問題が起きてくると思うのです。だから、中小の酒屋さんのために一体政府はどういう施策をやっておるのか。それからもう一つは、一級酒がよく売れて二級酒がよく売れないという現状の中で、それなら二級酒を下げるかという問題が起きてくる。そうすると、あとでまた食糧庁長官にお伺いしたいのですが、酒をつくる米の値段を現実にこの間上げました。そういう矛盾は、当然これは減税でもして、いま政府としても物価を上げるという姿勢じゃないでしょう。なるべくこれより物を上げないという姿勢のときにおいて、その上に二級酒が売れない、売れなければ下げるよりしようがない。下げるときには税金を下げるより方法がないのじゃないか。何かいい妙案がありますか。近代化の問題について、その問題との関連で率直に伺いたいと思います。これは長官に聞きます。
○吉岡説明員 お答え申し上げます。
 御承知のように、近代化を促進するために、政府といたしましても近代化計画のいわゆる資金融資の制度があるわけであります。設備近代化資金あるいは企業合同資金として、国からも補助し、あるいは都道府県の予算も計上いたしましてこれを融資する制度があるわけでございます。その資金のワクの中で清酒、しょうちゅう類というような問題について、実際にそう大きな金額ではありませんが、現実に資金が出ておるわけであります。
○佐藤(觀)委員 そこで、この間私が東北に行ったら、密造酒が非常に盛んに行なわれておる。かつて私が九州に行ったときにも、島原付近では非常に密造酒が多い。これは密造酒のほうが二級酒より安いですからね。その問題は一体どういうような考えを持っておられるのか。先ほど只松君からもいわゆる税金の取られる方法について科学的にやれと言われたが、一体密造酒に対してどういう政策をとっておるのか、それから二級酒が高いために密造酒ができるのかというようなことについて、どのような考えで、どのような対策を国税庁はやっておられるのか、それもひとつお伺いいたしたい。
○松本説明員 密造酒につきましては、大体二つの類型がございまして、一つは、集団的に販売することを目的といたしまして、都市の近郊等でつくっておるという例でございます。もう一つは、農村におきまして比較的小規模に、自分あるいは家族の飲み分をつくっておる、こういう形態のものと二種類あるわけでございます。その数量は一時は非常に多うございましたが、しかし、最近はいろいろな方策を講じてまいりました結果だんだん減少してまいりまして、三十九年度大体どの程度かという推定を国税庁で出しておるわけでございますが、それによりますと、集団密造にかかわるものが一万三千キロリットル、農村密造と申しますほうが十万六千キロリットル、合計いたしまして十一万九千キロリットル程度、こういうふうに大体推測いたしておるわけでございます。それで、これの対策といたしましては、こういうところでつくった酒というのは衛生的にも非常に悪いという点がございます。密造を飲まないような、そういう風習を是正していくような会、これは主として農村についての問題でございますが、部落あるいは村ごとにつくりまして、そういった会の方々がお互いに申し合わせて、あるいはまた機会がございましたら、税務署の職員も参ります。あるいは有識者と言われる方も講演等に参ります。そういったことをいたしまして啓蒙連動を行ないまして、できるだけこういったお酒は飲まないようにということを推進しておるわけでございます。がしかし、それだけでは不十分な点もございますので、税務署のほうも、全般の事務の状況を考慮しながらそれの違反を検挙するという措置を講じておるわけでございます。なお、集団密造のほうにつきましては、そういう販売の目的でやっておるということでございます。悪質でございます。これにつきましては、警察等、関係の機関ともよく御連絡いたしまして、できるだけ強力に取り締まりを反復繰り返しまして、その絶滅を期するというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤(觀)委員 戦後に第三国人がそういう密造をやったということがございますが、最近はその傾向はどうですか。それに対してどういう対策を講じておられるのですか、それも伺っておきたいと思います。
○松本説明員 この集団密造の経過を見てまいりますと、昭和三十年ころは四万七千キロリットル程度というふうに推定いたしております。その後おいおい減ってまいりまして、最近では、先ほど申しましたように一万三千キロリットル程度まで減少してまいったわけでございます。これにつきましては、先ほど申しましたように、販売を目的としておるということでございまして、非常に悪質でございますので、われわれのほうとしても特に力を注ぎまして、その検挙につとめておる。また、非常に危険な状況でもございますので、税務職員だけでは身辺の危険を感ずる場合も非常に多うございます。したがいまして、特に大規模な取り締まりをいたしますときには、警察等にもあらかじめ連絡いたしまして、その協力を得るという態勢を整えてやっておるわけでございます。
○佐藤(觀)委員 あまり追及しても、どうせ何もやっていないだろうという感じがしますからこれ以上言いませんけれども、つとめてそういう問題も考えてもらいたいと思います。
 それから吉岡長官に、先ほど酒造業者の設備の近代化という問題が出されましたが、私は前から言っているのです。いま中小の酒屋さんが旧式のいろいろな設備でやっているということがあるので、これは新しい酒をつくる方法を考えることが必要であるのだけれども、資金がない、そこで、業者の言うことを全部真に受けて聞くわけではありませんけれども、中小の酒屋さんは、われわれは国家に間接的に税金を納めるような非常に大きな役割りをやっているにかかわらず、金を貸してくれという場合になると全然大蔵省はめんどうを見てくれぬ。そこで私は、かつて酒造業者の酒造金融公庫ぐらいをつくって、昔の酒屋といまの酒屋とはずいぶん違いますから、そういう点で何か特別な方法で救済をする道はないのか、金を貸す方法がないのかということを前から言っておるのですが、そういう考え方は長官は持っておられるかどうか、また、何らかの方法でこれができるかどうかということを伺いたいと思います。
○吉岡説明員 中小の酒造業者が近代化、合理化をいたしますことは非常に望ましいことであります。したがって、その際に資金が隘路になるということがありますれば、できるだけのお世話と申しますか、措置をとるべきだと考えております。先ほどの設備近代化資金あるいは企業合同資金等もその一種であるわけであります。ここ一、二年始まったことでありますので、ぼつぼつ出ておるという感じで、これからおそらくそういう資金需要が強くなってくるのではないかと考えておりますが、ただ、私どもその手続が非常にめんどうだというような話を方々で聞きますので、その辺の改善はぜひ十分検討してやりたいと考えておるわけであります。酒屋さんのために特殊な金融機関をつくるかどうかの問題は、またその金融機関全般のいろいろな問題にもなろうかと思います。私どもとしてはやや守備範囲外の問題になりますが、やはり特殊なそういう金融機関をつくるということはかなり困難なことではないかと思います。それより前にもっと資金のあっせんをする、あるいはいまのこういうせっかくある制度の手続を簡素化するというような、やるべきことがまだ相当あるのではないかというふうに考えております。
○佐藤(觀)委員 それは資金を借りられればいいが、借りられないからそういう問題が起きると思うのです。だから、ひとつその点を至急考えてもらいたいと思います。
 それから、食糧庁に伺いますが、今度の酒米に対する割り当てはどの程度の石数になるのか、昨年とどれぐらい違うのか、それをまず最初に伺いたいと思います。
○馬場説明員 新年度の酒造原料米の所要量につきましては、先般国税庁のほうから要請を受けまして、ただいまその数字に基づいて国税庁と協議しながら所要量を検討いたしておるわけでございます。大体昨年がやはり基準になると思いますが、昨年に対して若干増加要請がございますので、十分検討の上、数量なりあるいは種類別なりあるいは売り渡しの時期等について検討いたしておるわけであります。
○佐藤(觀)委員 それから、酒米の値上げの問題が起きておる。最近きまったらしいのですが、しかし酒米が上がれば酒を上げざるを得ないという情勢でありますから、先ほど泉主税局長には税金でまかなえと言っておるのですが、一体上げられる点、これは相当の量、相当の値上げになるような形でございますが、そうすれば結局酒が上がるということになるのですから、この点について私は前から、食糧庁長官はときどきかわりますからあれでございますけれども、少なくとも酒から税金をとるのだから、やはり農家からの買い値段に近いぐらいの値段で酒米を売ったらどうか、そうすると酒を値上げせぬでもいいような形になってくるのではないかということを言ったことがありますが、この点についてはどのように食糧庁は考えておられるのか。これは重大な問題でございますから、ひとつはっきりとした返事をいただきたいと思います。
○中野説明員 お答え申し上げます。
 酒米の売り渡し価格につきましては、昭和三十七年からコスト価格でやろう、こういう原則を農林省、大蔵省と御相談しまして、そういうことにいたしたわけであります。それまではむしろ、あるいはこういうことを言っていいかどうかわかりませんけれども、一般の消費者価格との関係におきまして、酒米で多少もうけたというとおかしいのですけれども、そういうことをやっておったわけでありますが、すっきりしたほうがいいんじゃないかということで、コスト価格で本年までやってきたわけであります。したがいまして、本年も原則をコスト価格できめたわけであります。ただ、コストの見方につきましては、毎年のように業界なり国税庁あるいはわれわれのほうにも意見がございまして、詳細な点につきまして一致しない点もございます。その点につきまして年々相談をしながら酒米らしいコストということでやってまいっております。たとえば、本年におきましても、いろいろ御意見のございました包装代の問題であるとか、あるいは運賃、保管料、金利の見方等につきまして、去年以上に酒米らしいといいますか、そういう実態に合わせましたコストということにいたしまして計算をしております。そういうことでございますので、コスト価格でやるという原則でやっていきたい、こういうふうに考えております。
○佐藤(觀)委員 それからもう一つ、私たちは、できるだけ安い酒を飲ませるためには安い原料が必要だという立場から安い米を提供せよということを言うのですが、一つは、いつも酒をつくる時期に需給関係が非常にうまくいかない。よく調べてみたら、農業倉庫が困っておるからちっと倉庫に入れておかないと全然困るからということの結果か――私愛知県ですけれども、そういうことがあったわけです。そういう需給関係はことしはうまくいっているのかどうか、これも関連して伺いたい。
○馬場説明員 本年度の需給につきましては、昨年の端境期より政府の手持ちも若干ふえまして、数量的には余裕が出ておる現状でございます。産地から消費地への出庫の問題、いま御指摘になったわけでございますけれども、現在農業倉庫から生産地への出庫につきましては、そういった農協倉庫の保管料の減収という問題がありますが、これは別途予算措置をもって昨年度より補てんの道を講じておりますので、特に農業倉庫側から出庫をひどく渋るというために消費地への輸送がおくれているということは現在ございません。したがって、酒米につきましても、国税庁とよく相談いたしながら、適期、時期に合うように売り渡しをいたしたい、こういうように考えております。
○佐藤(觀)委員 食糧庁はこの辺でいいのですが、吉岡さんにもう一つ伺いたい。
 実はこの間東北、特に秋田の酒屋をよく調べてきたのですが、酒屋さんの大メーカーでは中小の酒の割り当てを買って、そのレッテルで売り出すというようなことが行なわれておるということを聞いたのですが、こういうようなことは、りっぱなメーカーの立場からすれば適当かもしれないけれども、しかし、大衆にはどうもだまして酒を飲ましているような感じがするのですが、こういう問題があったのかどうか、またどういうようにこれを国税庁は指導されているのか。これは吉岡さんでも間税部長からでもいいのですけれども、具体的にどういうような処置をとっておるのか、これは黙って見過ごしておるのかどうか、この点をひとつ伺いたいと思います。
○松本説明員 清酒製造業界におきましては昔から慣習がございまして、Aの酒造家がつくりました酒をBの酒造業者が買い取りまして、自分の家でつくりました酒と混合調和いたしまして、一種独得の風味、味のものにしまして、それを自分の名前で売るという制度もございます。普通これをおけ売り、おけ買いと称しております。
  〔金子(一)委員長代理退席、天野(公)委員長代理着席〕
これは昔から業界において行なわれておりますところでございます。また、清酒製造業界の近代化、合理化ということを考えてまいります場合には、銘柄の通ったところと提携いたしまして、そしてAの業者がつくりました酒をその提携先の酒造家へ売るということも、合理化を進めていく一つの方法である、こういうふうに考えております。
○佐藤(觀)委員 どうも何か割り当てをごまかして要領よくやっているのではないか。どうせメーカーの悪いのは、このごろ競争がひどいですし、酒が余っていますからなかなか売れない。ですから、いいメーカーへ――名前は言いませんけれども、あるところでは十五万石もつくっているという話もありますけれども、そういうようなところにしわ寄せして、大衆は知らぬから、メーカーだけを見て、こういういい名前だからうまいものだと思って飲んでいるというところに問題があるのじゃないかと思うのですが、そういう問題については、国税庁はいままでの習慣上おけ売りというあれがあるからやむを得ない、そういうふうに見ていかれるのかどうか。私はこれは大衆をごまかすものだというように感ずるのですが、その点はどうですか。
○松本説明員 昔から業界にそういうおけ取引という制度があったわけでございます。そして、最近におきましてもかなり活発にそういったことが行なわれているわけでございますが、近年業界の合理化、近代化を進めるにつきまして、提携おけ取引ということを近代化基本計画におきましても推奨いたしておるわけでございます。と申しますのは、行き当たりばったりに、そのときの状況によって売るということは、そのときの状況によりまして価格にいろいろ変動が生じましたり、あるいはまた売る時期を失したりということで、経営も非常に不安定になってまいります。それからまた一つは、提携いたしましておけ買いをしまして、そのマークで売るという、そこから技術指導を受けまして、そこの名前で売るに適したようなつくりを当初からやる、こういうふうにいたしますれば、売るほう、買うほう、双方にとって便利でございます。また品質の向上も期待できるわけでございます。そういうふうに提携をいたしまして、技術的にもそういう指導を受ける、指導をする、そういったことを今後進めてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○佐藤(觀)委員 もう一点伺いたいのですが、大体いま酒がだぶっているじゃないですか。二級酒なんかどうですか。いまの傾向はそういうようなことを聞いているのですが、実際はだぶつかないで――先ほど食糧庁の第一部長に聞くと、またふやすと言われておりますが、あまり名前の通っていない二級酒はあまり売れないのじゃないですか。どうですか、いまの情勢では。
○松本説明員 二級酒の売れ行きの状況でございますが、昭和三十九年三月から昭和四十年二月まで、この三十九会計年度をとってみますと、前年の三十八会計年度に対しまして二級酒は六・五%ふえております。これに対しまして、特、一級のほうはこの期間に四〇・八%ふえておる、こういう状況でございます。特、一級、特に一級が非常によく伸びておるわけでございますが、それに比べて二級がわりあい停滞ぎみである、こういう状況は、先ほど先生御指摘になったとおりでございます。そういうわけで、私どもその清酒の売れ行きの状況、これは本酒造年度の酒造量をどの程度に見込んだらいいかということも関連いたしますので、最近の小売りの状況、あるいはまた卸、小売りの流通段階における手持ちの状況、またメーカーにおける在庫の状況、そういうこともよく検討いたしまして、本年度の酒造の見込みを立てたいと思っております。
○佐藤(觀)委員 泉さんにみりんのことでちょっと伺いたいと思うのです。愛知県は非常にみりんが多いのですが、みりんは調味料だ、もう昔のように酒と同じ待遇では困るという意見をずっと聞いております。私どものほうでは旧式のみりんをやっておるのですが、きのうは新式の宝みりんの代表者たちが二、三名来まして、みりんなんというものはいまはほとんど、九割五分くらいは調味料として使っているのだから、酒とのつき合いは困るということをるる述べられたのです。私は地元にたくさんみりん屋があるので、なるほど聞いてみると、そういうような調味料になれば、当然税金もやめるべきだ、あるいは取ったってたいした税金じゃないと思うのです。いまみりんから取っている税金と、それを何らかの意味で減税をするというような方法はあるものかないものか、そこのところを一ぺん伺いたいと思います。
○泉説明員 お話のように、みりんに本みりんと本直しとあるわけでございますが、このうち本みりんのほうは従来から主として調味料に使われておりますことはお話のとおりでございます。したがいまして、三十四年のときにみりんの税率を三七・六%引き下げました。それからまた三十七年のときにおきましても、他の酒類より以上に五一・六%も引き下げるということにいたしまして、現在小売り価格に占めるみりんの税負担は二〇・八%ということになっております。したがって、しょうちゅう甲類の二十五度のものが二五・四%の小売り価格に対する負担率になっておりますから、それよりは低い税負担ということにいたしておるわけでございます。もっとも、業者に言わせますと、かつて物品税が課税になっておりました化学調味料が現在は課税しないことになっておりますので、そういった点からいたしますと、軽いといってもまだまだ負担が重いのだからこれを減税してほしいといったような要望、あるいは全く廃止してしまってほしい、こういった要望があるわけでございます。しかし、本みりんの税額は、お話のように、全体で年間七億余りでございますから、そうたいした税額というわけではございませんけれども、やはりアルコール分からいいますと致酔飲料でございます。調味料に使うという点が多いわけでありますけれども、お正月にはやはりこれを飲む場合が相当あるわけでございます。そういった点、それからまた本直しとの関係などからいたしますと、酒税を全廃することは必ずしも適当じゃないのではないか、しかし、化学調味料の物品税が三十七年に課税廃止になっておるといった点からいたしますと、これはバランスからは税率引き下げを検討すべきではないかということが要望されておりまして、私どももそれらの点につきましていろいろ検討いたしておるのでございます。
○佐藤(觀)委員 本直しのことはやむを得ないと思うのですが、調味料になっておると認められれば――大体九割五分くらいはどうも調味料に使っておると言われている。私が調べたわけではなくて、向こうの言うことなんですが、あなたのほうではどういうように見ておられるのか。これはおとそで飲む場合は、関西、名古屋から西だけで、関東あたりはほとんどおとそは飲まぬ、大体酒を飲むらしいのですが、そういうような現状を調べておられるのかどうか、もう一ぺんこの点伺いたいと思います。
○泉説明員 従前の調査でございますけれども、料理用に使われておりますのは本みりんの八五%くらいであったという数字は私どもつかんでおりますが、お話のように九五%までに達しておるかどうかは、まだそこまでの調査資料はございません。それらの点につきましては、調査はいたしたいと存じます。
 なお、私先ほど正月に飲むと申し上げましたのは、まあどちらかというと名古屋以西の西のほうで飲んでおることは、おっしゃるとおりであります。東京ではあまりみりんなんかは飲まないといったお話は、おっしゃるとおりでございます。ただ、やはり致酔飲料でございますので、本直しと本みりんと全然区別して考えるわけにもまいりかねます。そういった点から、単純にすぐ本みりんの酒税を廃止してしまうというわけにはなかなかまいりかねるのではないかと思っております。
○佐藤(觀)委員 ひとつぜひ泉さんそれは検討してもらいたいと思います。
 それから吉岡さん、これは大事な問題で、ちょっと酒の問題からそれるのですが、密造酒の問題と関連して、最近脱税の問題が森脇某のことで問題になっておるのです。そこで、私は銀行の無記名定期、無記名預金というものが非常に罪悪の対象になるということを前々から考えておったのですが、こういう問題についてもあなたのほうで非常にきついお達しを出されるようでありますが、片方で無記名定期や無記名預金を許しながら、一方においては銀行員が悪いと言うようなことはどうも片手落ちのように思うのです。その点はいつも問題になって、森脇の問題と関連して、われわれのように弱い者からはたくさん税金を取って、ああいう大きな脱税を平気で認めているじゃないかということで、だいぶん各方面の非難もあるし、同時に、税務署あたりも、森脇のようなことがあっては困るからというので、またこのごろ苛斂誅求に似た非常にきついあれをやるような傾向が出てきたのですが、この点は一体長官はどういうふうに把握しておられるのか、どういう方法をやっていかれるのか、これもひとつ関連して伺いたいと思います。
○吉岡説明員 お答え申し上げます。
 銀行の無記名預金制度につきましては、十分御承知だと思いますが、無記名預金自体は全体の預金の数%にすぎないものであります。しかしながら、この無記名預金という制度があることが、架空名義、他人名義その他税務調査上非常に支障になります際の言いわけと申しますか、一つの根拠に使われますことは、われわれが税務調査上非常に困る問題でございます。そういう意味で、今回の事件の事情等にもかんがみまして、銀行局のほうに、無記名預金制度ができたときの経済環境と情勢も違っておるし、こういう税務調査上の不便もあるので、できれば廃止してほしいということを申し入れをいたしておるわけであります。銀行局といたしましても、銀行の運営が税務調査上非常に支障になるということは、銀行の公共性からいいましても問題でありますので、前向きと申しますか、無記名預金についても検討いたしておる段階であります。ただ、銀行局としては、一方無記名の債券と申しますか、証券と申しますか、同じ貯蓄手段として無記名の制度があるわけであります。その辺とのバランスをどう考えるかというようなことでいま検討を続けておる段階でございます。
○佐藤(觀)委員 そこで、そういう制度がありながら、今度、きのうですか、全国国税局長会議に銀行員が協力しなければ告発するというような、おどかしか何か知りませんが、けさ朝日新聞を見たらそういうことが出ているわけです。どうもこれはかってじゃないか。あなたが無記名定期や無記名預金を許可したわけじゃないのだけれども、自分たちの税金がうまく納まらぬために銀行員のような弱い者をいじめる、銀行員にしてみれば、やはり税金を納めることが好きな人はだれもいませんし、税務署の署員というのは一番きらわれている。警察よりももっときらわれている。私らは個人的に知っている人がありますから気の毒だけれども、先ほど只松君からも意見がありましたが、どうも大きいものには寛大で、弱い、小さいものには非常にひどい。銀行員なんかにも、そういうような協力しないやつは告発するぞということをやられるのは、ちょっと上から圧力を加えるような形があるのではないかと思うのですが、何かそういう具体的な実例が頻発してこういうふうにしなければならぬような例がこのごろ出てきたのですか。この点を伺いたいと思います。
○吉岡説明員 銀行の税務調査の協力の問題、私率直に申し上げまして、着任をして実は驚いたのでありますが、全国各地の国税局、税務署等で税務調査に十分な協力が得られないという意味の意見を非常に聞くわけであります。現実的にもかなり実例があるようであります。お話のように、悪質大口のものを見のがして、小さなものについて弱い者いじめと申しますか、そういうことをするつもりはございません。銀行調査についても、大口悪質な脱税をなくする意味で、大きなもの、悪質なものについての銀行調査の協力をお願いをしたいと考えておるわけであります。いろいろな具体的な事例はございますが、中には目に余ると申しますか、銀行員がむしろ脱税の幇助、教唆をしておるとさえ見られるような実例がかなりあがってきております。そういうものは、銀行の公共性にかんがみて姿勢を正していきたいと考えております。
○佐藤(觀)委員 その点は、ひとつあまり非難の起きないような程度でぜひやってもらいたいと思います。
 それから、実は私は初めて東北六県へ大蔵委員として視察に行ったわけです。私は昨年は北海道に行きまして、ことし東北へ行ったのですが、長い間見なかった東北がいろいろ非常によくなってきたというのは事実だし、それから税金の問題でも、今年度は私の愛知県あたりでは法人税あたりは三五%くらい少ないだろうと言われておりますが、東北では全体としては去年の例を割らぬ、去年よりも三%くらいふえるのじゃないかと言われておって、非常に力強く思ったんです。そこでいろいろな注文がありました。その中で、これだけはやってやらなければならぬような切実な問題があります。それは、やはり東北なんか便の悪いところでは公務員の宿舎をぜひある程度つくってほしい、これは非常にもっともだと思われます。寒いところでもありますし、北海道に次いで不便なところでありますから、ぜひこの公務員の宿舎をもっと補充してやってほしいということ、もう一つは、税務署が、青森は非常によかったのですが、非常にきたない。昔のあれを使っておるのですが、そういう点の庁舎の増設を願いたいということが強く要望されました。それから宿泊施設ですが、仙台では非常に会議が多くても宿屋に泊まれないということがありまして、それもやってほしい。たくさんこまかい項目がありますが、私はこのくらいのことはやってやらなければならぬなと思ったことを申し上げたいと思うのです。それからもう一つは、私は軍隊で主計をやっておったのですが、最近出張すると赤字が出る。これは公務員は非常に気の毒で、だれも行きたがらないような状態があるのですが、赴任旅費の定額なんかをもう少しふやしてやる必要があるのじゃないか、そういうことと、先ほどの話の密造酒に対する危険な状態があると思うのですが、そういうような危険なことの手当をやるべきじゃないか、こういうように考えますが、これらの諸点について長官はどのように考えておられるか。私は向こうの意見をいろいろ聞いて、たくさんの中でこれだけは最小限やってやらなければならぬように思っておりますが、どういうような見解をお持ちになっておるかをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○吉岡説明員 お話のように、税務職員にとりまして、宿舎の問題、赴任旅費の問題は非常に重要な問題でございます。御承知のように、税務行政という特殊な仕事の関係上、普通の官庁に見られない大きな幅の異動を毎年行なっております。そのために転居を要するものが毎年約五千人くらい出てくるわけであります。したがいまして、現在の赴任旅費では足りない、赤字が出るという話がここ数年来非常に強くなってきております。国税庁としても全体の実態を調査いたしますと、結果的に見ますと、やはり四割ないし五割の赤字が出ておるようであります。したがいまして、本年は主税局に強く要望いたしまして、少なくとも、一般旅費まではいかないまでも、赴任旅費は赤字の出ない程度のものに単価を値上げをしてもらうよう要望をいたしておるわけであります。
 宿舎の問題は、いま申し上げましたように、転居を要するものが非常に多いにもかかわらず公務員宿舎が十分でないために、どうしても民間の借家に住まわなければならない実情にあるわけであります。民間の借家は相当な家賃になりまして、税務職員の月給からいたしますと非常に大きな負担になります。これはまた逆にあまり低いということは、税務行政の特殊性からいって非常に問題があるわけであります。ともかく民間の借家におりますことは非常に問題がありますので、できるだけ公務員宿舎の増設をいたしまして、何とか宿舎に住まえるような措置をとりたいということでここ数年努力をいたしております。
 また、庁舎の問題もお話のとおりでありまして、先般大蔵委員の方に確定申告時期に事務の進行状況をごらん願ったのでありますが、昨年に比べてことしは非常によくなっておるというお話を伺って、われわれとしてはたいへんありがたかったのでありますが、そのうちの何割かは、昨年庁舎が非常にきたなかったが、ことしごらんに入れたように、庁舎が非常に新しくて能率的な運営ができたということが多分に影響があったではないかというように推測をいたしております。そういう意味におきまして、多数の一般納税者を相手にする庁舎でありますので、これもできるだけ直していきたいと考えておりますが、宿舎、庁舎いずれも金額的に相当なものになるわけであります。したがって、急に解決はなかなかできないと思いますが、私どもとしても全力を尽くしてこれの改善に努力をいたしてまいりたいと考えております。
○天野(公)委員長代理 有馬輝武君。
○有馬委員 最初に主税局長にお伺いします。今回ビールの価格について検討される際に、やはり設備投資の問題が一つのファクターとして論議されておりますが、各社別に最近十年間における設備投資額がどの程度になっておるか、大まかでけっこうでありますから、間税部長からでもけっこうですが、お聞かせ願いたいと思います。
○吉岡説明員 ただいま御質問の、最近の各社の新規設備投資額をいま調べておりますので、その間に、多少方角が変わってお答えにならないかと思いますが、恐縮でありますが、こういう数字で申し上げますと、売り上げ高百万円に対します償却額の調べがございます。これで見ますと、三十六年の上期の数字と三十九年の下期の四年間の数字を比べてみますと、売り上げ高百万円当たりの償却額がパーセントにしまして五六%伸びております。つまり、新規投資をいたしました結果、それの償却額が五割余りふえておるということでございます。したがって、相当な新規の設備投資をやってきておるということは事実のようでございます。
○松本説明員 これはビール協会の調べでございますが、要償却固定資産は昭和三十九年末におきまして大体八百億円に達しております。償却額も昭和三十六年当時は三十三億円でございましたが、三十九年は八十四億円になっておる状況でございます。
○有馬委員 各社別の大体の比率はわかりませんか。
○松本説明員 トータルだけでございます。
○有馬委員 それでは、いま調べておいていただいて、主税局長にお伺いします。
 これは午前中平岡委員も尋ねられたところでありますが、ことしはビールの需要の低滞、横ばいということは、異常天候その他の問題があったでしょうけれども、今後の需要見込みというもの、年間どの程度伸びていくと見ておられるのか。一千百万石、これがどの程度に年々ふえていくのか。その見通しについてお聞かせをいただきたいと思います。
○泉説明員 ビールは、御承知のとおり、昔から比較的夏場に消費量の多い商品になっております。もちろん近年は夏場と限らず寒い間でも暖房等がきくようになりましたために、冬場でも消費量がふえておりますけれども、何といっても夏場の消費量が圧倒的に多いわけでございます。六、七、八月の三カ月間の消費数量が非常に大きなウエートを占めておるわけでございます。そこで、そういう期間における天候によって消費量がかなり支配されるわけでございます。大局的に見ますと、お話のように日本ではまだビールが千二百万石程度でございまして、国民一人当たりにいたしますと大びん二十八本程度でございます。諸外国ではほかの酒類との関係がございますので、必ずしもビールだけで判断するわけにはまいりませんけれども、国民一人当たりの生産量で百五十本とか、あるいは二百本とか言われておる状況でございます。そういった点からいたしますと、まだまだ日本のビールの消費量は伸びていくのではないか。ただ、その伸び率は過去におきましては、先刻お答え申し上げましたように、二〇%以上伸びた年もございます。ここ昭和三十七年以降は一五%程度で伸びてまいっておりまして、ことしはきわめて異常でございます。しかし、今後天候と景気がどのように回復していくかに左右されるわけでございますけれども、やはり一〇%を若干こえる程度の消費の伸びはここ当分まだ続くのではないか、ただ、従来のように一五%も伸びるということはなかなか期待しがたいので、一一、二%程度の伸びが続くのではなかろうか、このように予測いたしております。
○有馬委員 そこでお伺いしたいと思いますが、先ほど平岡委員に各国のビールの税率についてのお答えがあったわけでありますが、日本に比べまして、アメリカが一〇・一%、イギリスが三一・一%、西ドイツ八・七%、イタリアでも一九・五%、これらの税率に対して日本が高率であるということについて、均衡上、また現在までのいろいろな行きがかりがあってこういうことになっておるというような御説明で、この税率が各国のものに比べてどうかという点について、主税局長としての判断といいますか、そういった点にはあえて触れられなかったのでありますが、この点について主税局長としての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○泉説明員 その点は、各国との比較からいたしますと、確かに日本のビールに対する酒税率は高いということは申し上げたのでございます。ただ、そういう高くなっておることにつきましては、先ほど申し上げましたような過去の歴史的な因縁などもございます。そして、それによって各酒類間のいまの価格バランスというものが一応でき上がっております。そこでいまにわかにビールだけの酒税率を検討して、それだけを引き下げるというわけにはまいりませんので、ほかの酒税とのバランスを考えていかなければならないということを申し上げたのでございます。ほかの国との比較においてビールに対する税率が高いということは、私は事実として認識いたしております。ただ、それだからといってすぐに諸外国並みにどうするというわけにまいりかねるということを申し上げたのでございます。
○有馬委員 認識するにしてもしないにしても、高いのは事実なんで、私が聞きたいのは、主税局長がビールというものに対する嗜好の移り変わりの中でその税率をどのように把握しておるかということを聞きたかったわけです。もし主税局長からお答えを得なければ、政務次官のほうからこの点について、現在のビールに対する嗜好というものを見られてこの税率をどう見られるか、お答えをいただいて、一時半から何か大臣のあれだそうですから、御退席になってもけっこうだと思います。
○泉説明員 ビールはかつては高級飲料であるというふうに扱われまして、たしか昭和二十九年だったと思いますが、たばこにおきましてピースを値上げすると同時に、ビールにつきましても増税を行なったことがあったわけであります。しかしながら、今日におきましてはビールは大衆の飲料になっておりますことは、もう有馬委員御承知のとおりでございます。私どももかつてピースと同じ扱いをしたというときは今日のビールは違ってきておる、大衆の飲料であるということは、それを事実として認めなければならないと思っております。したがって、そういう意味で検討しなければならぬとということは確かでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、各酒類間には
 一定の価格バランスがあって今日の消費が行なわれておりますので、そこで取り立ててビールだけを減税するというわけにはなかなかまいりかねるということを申し上げておるだけでございます。
○竹中(恒)説明員 ただいま局長が専門的な立場から御答弁申し上げたわけでございますが、いま有馬先生の御質問の御趣旨のように、今日におけるビールは国民に親しまれております。嗜好度というものは従来とは非常に変わってきておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましても、このビールの税率に関しましては、そういう意味合いから相当慎重に検討しなければならぬ段階にはきておる、かように存じておりますが、何ぶん税率の問題は各般に及ぼす影響も多いことでございますので、いましばらく検討の余裕をお与え願いたい、これが私の可能な範囲の答弁でございます。御了承願いたいと思います。
○有馬委員 政務次官のお答えの御趣旨はわかりますが、私はやはり毎年減税ということが、一千億減税あるいは千五百億減税だということで一つの大ワクがきめられまして、その中で所得税をどうするか、法人税をどうするかという論議がされるわけでありますが、その点について、先ほど平岡委員に対する主税局長の答弁の中では、検討するに一番ランクが下だというような意味合いの――もし聞き違いであれば別ですが、そういうふうに私は伺ったのでありますけれども、いまの政務次官の御答弁からすれば、ランクをそう下にすべきものではないではないか、特にその酒税の負担というものが逆進的であることは御承知のとおりであります。そうなってまいりますと、たとえば所得階層別に見ますと、四万円あるいは五万円以下の層に一番負担がかかってきておるわけです。ですから私は、その酒税を検討する場合にはそういった角度から、しかも先ほど申し上げ、また政務次官からも御答弁があったように、やはりどの階層が負担をしておるかという点等から十分な配慮が必要ではなかろうかと思うのであります。この点について、これ以上の御答弁を政務次官に求めることも現時点では無理かもしれませんけれども、しかし、現在予算編成が行なわれ、与党の税制調査会では坊さんを中心にして税体系全般についての検討が加えられつつあるおりから、やはり大蔵省としてのものの考え方というもの、政府のものの考え方というものは与党の税制調査会にも反映さるべきであり、また本委員会の論議の過程においてもあなた方の考え方というものが反映されてしかるべきであると思うのであります。そういった意味合いにおきまして、今後の検討に待ちたいということでありましたけれども、少なくとも来年度の税制改正の中でどのようにこの問題について対処するのかという大蔵省の考え方は早急にまとめ上げていただきたいと思うのであります。この点についての見通しを政務次官からお聞かせを願いたいと思います。
○竹中(恒)説明員 税制の問題は非常に国民生活に影響を及ぼすことが甚大でございます。特に減税をするにあたりましても、所得減税を主とすべきか、あるいは企業減税であるべきか、あるいはまた直接税、間接税、いろいろな分類と申しますか、考え方によって議論が分かれてこようかと思いまするが、要は、ただいま仰せのように、税負担が下の方面に非常に過重になるということは、これは政治のあり方としては下の下の行き方だろうと思うわけでございます。そういうことにつきまして逆行するようなことがあるというようなことは、私は考えられませんけれども、もしいまお説のように、ビール税率に関連いたしまして、ビール嗜好階級の立場から、中等じゃない、下級の人方に対しては一向にあまり影響がないんじゃないかというような御意見であるといたしまするならば、そういう点をも十二分に考え合わせまして、減税全般の方法としての一つのテーマとして十二分に検討いたしたい。ただ、明年度の予算編成を前にいたしまして、調査会の答申もいただいておるわけでもございませんし、またわれわれの考え方も、いまここで決定的なことを申し上げるわけに実は私自身としてはいきかねる。御趣旨の点は十二分によく承知いたしておりますので、許される範囲内におきまする当局の考え方が御答弁できますごく近い時期をお待ち願いたい、かように存ずるわけであります。
○有馬委員 主税局長、先ほど消費量についてばく然としたお話がありましたが、各国の消費量を数字としてお聞かせ願いたい。アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス、イタリア、それだけでけっこうです。
○泉説明員 ちょっといまその資料を持ってまいりませんでしたので、私記憶で申しておりますので、もし誤りがございますれば、あとで訂正さしていただきたいと思います。国連統計によりますと、世界で一人当たりビールの生産量の一番多いのはアイルランドでございまして、国民一人当たり大びんに直しますと二百本くらい年間に生産しております。二日に一本以上ということであります。それからフランスでは六十本くらい、アメリカが約百本だったと思います。イギリス、西ドイツは百四、五十本だったと思います。そういった程度でございます。
○有馬委員 この数字から見まして、先ほどの一〇%をこえる程度の伸びというもの、これはアイルランド並みにいかないにしても、フランス、アメリカに追いつくのは、私はそう遠い期間ではないではないかというような気がするわけです。これは感じであります。たとえば、私いなかへ帰りまして農家に立ち寄りましても、私が行ったからというわけじゃあるまいと思うのですが、ビールを出す、普通ならばしょうちゅうを出すのが私のくにのならわしなんですが、それがいつの間にか最近はビールにかわっておるのです。ですから、しょうちゅうの需要がむしろ減っておるのじゃないかと思うのでありますが、の傾向というものは全国的に顕著ではないかと思うのであります。ことしは特別のケースで、伸び率というものは、私はさっきの一〇%をもっとこしていくのではないかと思うのでありますが、これは見通しでありますから議論の存するところでありますけれども、それほど普遍的になっていくものについて、やはり価格というものを念頭に置きながら対処していかなければならぬと思うのです。先ほど階層別の負担について申し上げたのでありますが、そういう意味から私は経済企画庁にお伺いをいたしたいと思うのでありますが、藤山経済企画庁長官は、たびたび公共料金の値上げについてはケース・バイ・ケースで対処するということを言っておられるのでありますが、そのケース・バイ・ケースといいますか、判断の基準を経済企画庁としてはどこに置いておるのか、これをお聞かせ願いたいと思うのであります。
○丸山説明員 公共料金につきましては、それが国民生活に密接な関係がございますものですから、極力これを低位に仰制するという方針を数年来取り続けてまいっておるわけでございます。ただ、昨年のように一切値上げを認めないといたしますことは、はなはだ問題でございまして、一がいに公共料金と申しましても、私企業の経営にかかる料金、それから国鉄とか政府部門の経営にかかるものと、両方あるわけでございまして、私企業にかかるようなものにつきましていつまでもこれを押えておくというわけにはいかないわけでございます。そこで、本年に入りましてから、公共料金につきましては、極力低位に仰制するのではあるけれども、経営の実態等を見まして、どうしても現行料金ではやっていけないというようなものにつきましては、ケース・バイ・ケースで値上げを認めていこうという方針にいたしたわけでございます。その場合にどういう点に着目して判断するかといいましたならば、やはり能率的な経営をやっているかどうか、能率的な経営のもとにおいて、適正な原価と適正な利潤というものが保障されるかどうかという点が判断の基準になるものというふうに私は考えております。
○有馬委員 非常に抽象的なことばで、それはまた抽象的なことばを使うことによって経済企画庁あるいは政府の一つの隠れみのになっておるのですけれども、私はそういったゆるふん的な政府の態度というものが――これは池田内閣の高度成長政策の誤りもあったでしょう、あったにしても、やはり現在の物価問題を惹起した政府の一番大きな原因だと思うのです。そこら辺について、あなた方はどうふんどしを締めてかかるのか、そこら辺の決意についてお聞かせ願いたい。
○丸山説明員 先ほど申し上げましたように、能率的な経営のもとにおきまして適正な原価を償い、適正な利潤ということは、たとえば道路運送法とかあるいは地方鉄道法及び軌道法等にそういう料金をきめます一つの基準といたしまして、能率的な経営、適正な原価、適正な利潤ということがうたわれておるわけでございます。問題は、何が能率的な経営であるか、何が適正な原価であるか、あるいは適正な利潤とは何であるかという点につきましてはいろいろ見方があるわけでございますが、私たちは、ただそれを押えるというてもなかなかむずかしい問題がございますものですから、極力経営の合理化をはからせる、そのためには、政府の関係行政機関の業界に対するいろいろの指導というものを徹底して行なうという方針でお願いいたしておるわけでございますし、同時にまた、業界自体に対しましても、料金が認可されれば、それによって料金が上がるわけでございますから、能率的な経営でないものにおける原価というものを消費者に転嫁するということはまずい、したがって、業界自体としても経営の合理化には徹底した努力をしていただきたいということをいろいろの機会にお願いいたしておるわけでございます。あくまでもそういう能率的な経営という観点につきまして、政府、業界ともにこの問題と取っ組んでいかなければならないということでいたしておるわけでございます。
○有馬説明員 それ以上の問題については、藤山さんに一ぺん予算委員会でお伺いをしたいと思いますので、経済企画庁、それでけっこうです。
 次に、食糧庁にお伺いをいたしますが、酒造米の価格の決定が毎年おくれる、それはどういうわけなんですか。
○中野説明員 酒造米の価格の決定の時期の問題でございますか。――実は政府の買い入れ価格は大体七月の米価審議会を通りまして、七月半ばごろにきめておるのが例でございます。政府の売り渡し価格につきましては、とれる米が秋でございますし、また消費者米価の問題もございますけれども、原材料価格につきましては、いままで酒米のコストの見方等についてかなりおくれて、かつては暫定価格でいきまして、本価格はあとできめるというような時期もあったわけでございますが、一方、酒米の需要といいますか、酒造時期が早くなった、早くきめろという御要請があったわけでございます。ここ一、二年非常に早くしてまいりまして、大体九月中にはきめられる、話もその間大体つくというようなところまできてまいりまして、ずいぶん早くなったわけでございます。
○有馬委員 早くなっても、早場で酒米に適するものが出回る時期をやはり越しておるでしょう。
○中野説明員 あるいは一番早いところで多少そういう問題があったかと思いますけれども、大体この間きめました時期以後部分的に売り渡しを開始いたしておりますけれども、それほどの相違はなかったのではないかと思っております。
○有馬委員 ぼくがお伺いしておるのは、早くきめるのに何か障害があるかということです。そういった立場からお伺いしているのですが、何か障害があるのですか。
○中野説明員 先ほど御答弁申し上げましたように、原則的にはコスト価格でいくということでございますが、そのコストの見方につきまして、業界の御要望あるいは国税庁の御見解、食糧庁の考え方、あるいはまた主計局の考え方がございまして、その辺の調整に多少時間を要することもございますけれども、原則ではそういうことになっておりますので、それほど障害はないと思っております。
○有馬委員 それから、本年度の酒米の全体の石数、そうして、その中で外国の砕米がどの程度あるか。その数量を区分してお聞かせ願いたいと思います。
○馬場説明員 本年度の酒米の原料につきましては、先ほど申し上げましたように、国税庁の御要請の数字に基づきまして、その後の国内米の買い入れその他の需給と関連いたしますので、目下検討いたしておりますが、従来酒米には国内米のほかに準内地米を若干使っておりました。砕米は原則として酒米には使用いたしておりません。
○有馬委員 その準内地米の割合は。
○馬場説明員 昨年の実績で申し上げますと、約三%程度でございます。数量は清酒用に四十万九千トンの中で一万二千トンが準内地米でございます。
○有馬委員 それから、しょうちゅうに砕米を使っておりますか。それはどこからどの程度入れているか、お聞かせを願いたいと思います。それから売り渡し価格も。
○馬場説明員 砕米は現在主としてタイ国から輸入しております。その全体の数量はおおむね年間九万トンに相なっております。その中でしょうちゅう用に一年間に配給いたしております数字が約九千トンでございまして、価格はおおむねトン当たり五万一千円、こういうふうに相なっております。
○有馬委員 先ほど私は主税局長にしょうちゅうの伸びというよりも、むしろ少なくなってきているということで、ホワイトリカーとかなんとかいうことで業者も企業努力をしているということでありますが、それにもかかわらず非常に伸び率が悪い。私は価格の問題もあると思うのです。しかし、ただ大蔵省とか農林省とかということだけでなく、各省連絡して、小企業の育成という点についてはそれぞれの分野から配慮すべきでなかろうかと思うのでありますが、この砕米等について配慮の余地はないのかどうか、お聞かせを願いたいと思います。
○中野説明員 いまの先生のお話は、価格の点について配慮がないかということでございますか。
○有馬委員 そういうことでございます。
○中野説明員 その点につきまして先ほど業務第一部長がお話し申し上げまして、現在食糧庁が輸入しました砕米を売っておりますのは、品質によって多少相違がございますが、五万円ないし五万二千円悪いものは四万八千円、こういうことになっております。一方、輸入価格は大体四万円程度でございます。そうしますと、いまは食糧庁で全面管理をいたしておりますので、関税というようなものはかけてございませんが、大体関税は本来米は一五%というようなことになっております。それからなお、輸入しましたものを経費をかけまして売り渡すということになりますと、コストということを見ますと、現段階におきまして、砕米につきましては、それによって食糧庁が相当利益を得ておるというようなことが考えられるような値段ではないというふうに考えております。
○有馬委員 私も検査も売却もやってきたものですから、だからお尋ねしておるのですが、配慮の余地があるかないかということを端的にお伺いしておるわけです。というのは、先ほど申し上げますように、やはり各省努力をして小企業の育成には力をかさなければならぬ、これは政府の態度だろうと思うのです。そういった面で、企業の実態から見て、配慮の余地がないかどうか、端的にお聞かせをいただきたい。
○中野説明員 いま申し上げましたようなことでございますので、きょう私がこの場で配慮いたします。少し値引きしましょうというのは、なかなか申し上げかねることでございます。
○有馬委員 きょうしますとか、しませんとかということじゃなくて、余地があるかどうか、お伺いしておるわけです。
○中野説明員 これはもうそういうふうに個別の企業というようなものにつきまして、この場合はこうする、この場合はこうするというふうに考えてまいりますと、なかなか価格をきめるということも困難でありますので、全体の原材料の輸入価格をどう扱うかという問題の一環として考えるということでなければ、なかなか困難ではないかというふうに思います。
○有馬委員 そこまで言わせるのも罪だし、私はそれ以上もう申し上げませんが、こういう質問があったということを念頭に入れておいていただきたいと思うわけです。
 次に、ホップの輸入数量、それから輸入先、価格、これについてお聞かせを願いたいと思います。
○須賀説明員 三十九年度から申し上げます。三十九年度の輸入数量が九百七十三トン、国別に申し上げますと、西ドイツ四百八十三トン、キログラム当たりの単価が九百七十九円、それからチェコスロヴァキア二百七十四トン、単価が九百四十五円、それからユーゴスラビア百五トン、単価が九百二十三円、それからアメリカ百十一トン、単価が五百八十六円という数字になってございます。三十八年も申し上げましょうか。よろしゅうございますか。
○有馬委員 言わなくてもけっこうです。
 私、国別にお尋ねしたのは、このホップの輸入先について価格の面から検討する余地があるかどうかということをお伺いしたいためにいまお尋ねしたのですけれども、その点はどうなんですか。
○須賀説明員 私から申し上げていいかどうかよくわかりませんが、ビールの醸造については、いろいろなホップを使ったほうがいいビールができる、味のいいビールができるということもございまして、しかもまた、各国別に見ますと、品質的にも変わっておりますし、価格も変わっておるということで、企業の面から方々の国から買っているというようなことで、価格の面もありましょうし、またそのビールの品質の面等も考えて輸入されておるというふうに考えられております。
○有馬委員 この各国別のトン数は、いまおっしゃったような角度からきめられておるということですか。食糧庁自体がきめられる――まあ最終的には食糧庁がきめるのですけれども……。
○須賀説明員 これはすでにAAになっておりますので、会社は独自の立場で購入するというようなかっこうになっております。食糧庁がきめられるというわけではないのでございます。
○有馬委員 次に、これはお二人でおわかりかどうかわかりませんが、ビール麦の育成について農林省としてはどのような手を打たれておるか、もしおわかりであればお聞かせをいただきたいと思います。わからなければそれでけっこうですが……。
○中野説明員 私ども食糧庁のほうでビール麦の栽培のほうの関係を所管いたしておりませんので、的確なお答えはできないかと思いますが、このビール麦につきましては、食糧庁の買い上げ制度の中に入れまぜず、農業団体とビール会社とが契約栽培をするということでやってきておるわけであります。したがいまして、その間の指導に農林省農政局なりあるいは県庁というものがタッチいたしまして、その契約栽培が円滑にいくような指導をするというふうにわれわれは承知しております。
○有馬委員 この伸びが思わしくないことが一つの隘路になっておることは御承知のとおりであります。その点をどのようにして打開しようとしておられるか、そこまでわかりませんか。
○中野説明員 ビール麦につきましては、先生も御承知のように、ほかの三麦が大体年に五%あるいは一割というふうに減反の様相を示しております。ビール麦はその間にありまして、多少のフレはございますが、一時伸びましたあと停滞をしておりますけれども、まだ減産というところまではいっていない。やはりその点は契約栽培なり指導の効果ではないかと思っておりますが、増産に向いていくというところまでは現在まだいっていないように思います。
○有馬委員 次に、また主税局長にお伺いをいたしますが、この前――この前といってもずっと昔、四十三国会における本委員会におきまして堀委員のほうから統一ぴんというようなことが論議されまして、そのときには谷川間税部長ですかが大蔵省の考え方を答えておられますが、私は、そのとき谷川間税部長が答えましたように、なかなか短期間に統一ぴんというようなことはでき得ない事情もわかるのでありますが、問題は、現在のあれは集びん料というのですか、四円ですか、間税部長、この点について若干の疑問を持っておるわけです。いつかも私は本委員会において話をしたことがあるかと思うのでありますが、とにかく十本のうち一本はレッテルと透かし彫り、浮き彫りが違っておるわけです。泉さんだってビールを飲むだろうが、注意してみれば必ずほかのレッテルが張ってある。そういう点について、これは国税庁としてどう考えておられるのですか。
○松本説明員 なるべくむだを省くと申しますか、そういった点から申しますと、どこの会社がどこのびんを使っても差しつかえない、そういうふうにいくのがいいかと思います。しかし、やはり非常に嗜好品でありまして、デリケートなお客の好みというものがございます。したがいまして、やはりこの名前のビールについてはこの姿のぴんという、そういうイメージがある場合もあると思います。一般的に全体として見ますならば、なるべく全体としてのコストがかからないようにということが望ましいことではございますが、やはり個々の企業の顧客に対するサービスと申しますか、販売策といたしましては、ある程度そのメーカーの考え方というものがやはり尊重されていかなくてはならぬのではないか、こういうふうに思っております。
○有馬委員 何を答えられたのか、ぼくはちょっとわからぬのですが、もう少し端的に答えていただきたい。というのは、とにかくそのためにああいった配慮がなされておるのですが、そのレッテルが違っておるものが十本に一本あるがどうかということをお伺いしておるわけです。私はよく飲みに行く。これは余談になって、堀委員の時間を食ってしまって申しわけないのですけれども、女の子たちに、私はマッチ一本でビールびんを上げられるかということをよくやらせるわけです。そのとき何をかけるかというようなことはここでは言うべきではないけれども、上げさせるわけです。たいがいできないからぼくが上げてみせるのだけれども、その上げるときに私はちゃんとレッテルと浮き彫りが一致しておるかどうかというのを見ているわけです。いま言うように、十本に一本は違っております。これについて国税庁としてはどう考えておるかということをお伺いしておるわけです。
○堀委員 ちょっと一言関連して言いますと、いま有馬委員が指摘をしたようにレッテルがちゃんと張ってあれば実はまだいいのです。レッテルがAビール、びんはBビールということであればいいんですが、要するに消費者の側はAのビールがほしいと思って注文をすると、ビールびんのレッテルというのは、ビールを大量に冷やすときには氷水で冷やすのですが、冷蔵庫では間に合わないから、大きなオスタップの中に氷と水を入れて冷やすとレッテルがはがれて出てくる。そうすると、このビールは何のビールかというと、びんの名前しかわからない。これは外国人に言わせると、だましてビールを飲ませるじゃないかということになるわけです。日本人はそこまで銘柄についてやかましく言う人がないかもしれませんが、これはやはり品質表示としては当然レッテルがはげるならば、はげた残りの残ったビールのびんが中身の品質を表示していなければ本来おかしい。だから、そういう意味で、もうだいぶ前のことで、いま長官も間税部長も、おそらく課長も補佐も、だいぶ昔の話だから経緯がおわかりにならぬと思うから、その意味を含めて、実はそういうのは逆に統一びんにして、びんのほうは何もないということになっていれば、表示のほうをもっときちんとしなければならぬことになるから、そういう形で統一びんにしたほうが、合理化も前進するし、びんを分けるのに、御承知のように、いまはキリンビールが首の長いびんで、アサヒ、サッポロは首のところがまるくなったびんになっているわけですね。これをまたより分けて集びんをする操作等はたいへんだから、合理化を考えれば、統一びんにしたほうがいい。少なくとも年間三十億本回転している――びんの数はそのときの会議録に出ていますよ。それだけ回転しているびんの合理化ができるのではないか。そういう指導もやはりビールの価格をできるだけ上がらないようにするための方法としては努力をする必要があるのではないか、こういう問題提起がそのときにしてあるのですが、それっぱなしになっているので、それも有馬委員から質問をしているわけです。その点を含めてひとつ御答弁をしていただきたい。
○松本説明員 ただいま堀委員から御指摘のとおり、現在キリンビールのびんのかっこう、これは独特でございます。それからアサヒとサッポロは同様でございますけれども、しかしそれぞれマークが入っている場合がある。サントリーはまた別でございます。こういうふうに、御指摘のとおりいろいろ差異があるということは、それぞれのメーカーが自分のうちのびんを集めるということに、何といいますか、手数と申しますか、したがってまたそれだけ経費もかかるわけであります。ことに後発会社の場合にはまだ出回っているびんも少ないという事情でございますので、自社のびんを集めてくるということがなかなか一つの負担になっておる、こういう状況でございます。そういうことでありますので、先ほど申しましたように、統一して一つのびんにいたしますが、あるいはまた、各社それぞれ自分のうちのびんを必ずしも使わないで、他社のビンを使うということも一つの行き方とは思います。しかし、やはりある会社のビールについて非常に特別な好みを持っていられるという方につきましては、やはりそのビールのびんの形ということも一つの商品としてのイメージの中に入っているわけであります。そういったことを考えてみますと、業界全体といたしましては、コストを下げるという点から、統一なり、あるいは共通に使うということも一つの方法とは思いますが、やはり企業の商品に対する売れ行き、そういった点を考慮いたしますと、やはり各社独特のびんの形、したがってそれに応じた商品のイメージということもございまして、これを一つに統一させるとかいうふうなことは現在のところまだ考えておりません。
○有馬委員 どうもここら辺がむずむずしてきちゃう。ぼくの尋ね方が悪いのか、あなたの答弁が悪いのかどうもわからぬけれども、端的に言って、さっき言ったように、社の名前を言うことは、これは語弊があるから言いませんが、Aビールの透かし彫りのびんにBビールのレッテルが張ってある、これをどういうぐあいに考えておられるかということをお伺いしたわけです。何も考えていないということであれば、それでけっこうでありますが、とにかく私がホップの輸入価格の問題なり、あるいは各国の税率なり、いろいろな点をお伺いしておりますことは、現在ビールの値上げの問題が論議されております際に、それをどのような角度から検討するか、検討する角度は多彩にわたらなければならぬと思うわけです。私は、一般消費者に負担をかけるような方向は避けなければならぬし、現在、政府の態度でもあろうと思う。特にわが党からここ三年来、いわゆる百円ビールを目途としてビールの税金を下げる法案を出しておるのもそこにあるわけであります。ですから、吉岡長官の先ほどの平岡委員、只松委員、佐藤委員に対する答弁、主税局長の答弁でも、まだ資料を整備中だという話でありましたけれども、やはりわれわれが意図する方向においてこの問題は検討してもらいたい。政府としても企業をつぶすことがねらいではないと思いますし、われわれもそのねらいとするところは、物価を押える、そうして消費者の負担を軽くしていくという方向であらゆる角度から検討を続けておるわけであります。そういった点で、これは与党の諸君にも文句を言いたいのだけれども、三年間わが党の酒税の法律改正案についてたなざらしにしておる態度もまことに遺憾でありますが、とにかくあらゆる角度から検討をすべきだということを、この際特に要望をいたしておきたいと思います。
 次に、相当時間がたっておりますけれどもお伺いいたしますが、これは酒の問題であります。佐藤さんからも触れられておりましたが、中小企業振興資金助成法に基づく三十九年度の融資額がどの程度になっておるか、お聞かせをいただきたいと思います。さらに、中小企業金融公庫の貸し出し利率等について検討が加えられておるかどうか。さらに、第三点として、さきの中小企業振興資金助成法によるところの融資の対象というものが、合併あるいは協業の分野に限られておるけれども、これはやはり一企業に対しても考慮さるべきではないかと思いますが、その点についてそのような配慮をする考え方があるかどうか、あわせてお答えを願いたいと思います。
○松本説明員 清酒製造業並びにしょうちゅう乙種に対しましては、中小企業近代化資金助成法によりまして設備近代化資金が貸し付けられることになっております。その実績は、これが開始になりました年が、清酒につきましては三十七年でございますが、その年の実績が四十一件で、金額は三千六百八十六万一千円でございます。次の三十八年度は、清酒は二十七件で、三千四百六十三万円、しょうちゅう乙は四件で、四百三十三万円、次の三十九年度におきましては、清酒は二十五件で、三千六百三十万一千円、しょうちゅう乙は六百五十七万円という実績になっております。これの融資対象といたしましては、たとえば清酒をとってみますと、企業合同、そういったことをしたもの、それで三百キロリットル以下のそういったものが少なくとも一つ入って企業合間等をしたもの、しかも全体の能力が八百キロリットルというふうに押えられておるわけであります。しかしながら、三十八年度から中小企業近代化促進法によりまして指定業種に清酒製造業は指定されまして、近代化計画も進んできております。そして、その基本計画の中におきまして、企業の形態に応じまして適正規模ということも定められておりますので、大体適正規模に近いところまで行っておるもの以上のものにつきましては、そういった、合同というふうな条件をつけなくともこの資金が借りられるようにしてもらいたいという業界からも希望がございまして、国税庁といたしましても、もっともと考えております。したがって、そういった方向で中小企業庁と現在いろいろ相談も進めておる、そういう状況でございます。
○有馬委員 ただいまの答弁は、本日の答弁の中で一番味があるのですが、ただ見通しに終わって、おるので、その三十七年で清酒四十一件、三千六百八十六万円、三十八年度で三千四百六十三万円、しょうちゅうは四件で、わずかに四百三十三万円、こういう実態では、私は現在の淘汰されつつある企業に対する歯どめにならないんじゃないかと思うのです。そう思いませんか。これは融資希望はどの程度あったのですか。割合でけっこうです。
○松本説明員 この資金は、国からの資金の補助とそれから都道府県からの金、両方合わせまして、それに回収金、償還金額を加えて都道府県が貸し付けるということになっております。したがいまして、どの程度申請があったかということは、いつも最後の融資を受けた結果だけを組合等を通じて知っておるわけでありますが、どれだけの申請があったかということは、いまのところ具体的に存じておりません。
○有馬委員 この実態を見られれば、方向はどうすべきかということは、もう数字の上から明らかなところでありますから、やはりそういった点にまで長官のほうで十二分に配慮をして、いま間税部長から御答弁があったように、中小企業庁と早急に連携をとって、とにかく中小の零細企業を育成していくという点についての格段の配慮をこの際要望いたしておきたいと存じます。
 あっち飛びこっち飛びの質問であなた方も答弁しにくかったろうと思いますが、その点は非常にすまなく思っておりますけれども、意のあるところは、先ほど申し上げましたように、ただ単に企業努力をしいる、それにもおのずから限界があると思いますし、しかも、この物価問題について国民世論のあるところはあなた方が十分御承知のところであります。そういう点を総合的に勘案して、泉主税局長の言うように、均衡論なり、歴史的な成り行きなりということに重点を置くことだけではなくして、いかにして酒税全体を考慮するかという立場から均衡論を言うならば、清酒も下げればいい、しょうちゅうも下げればいい、そういう面から配慮を加えていくことを特に要望をいたしておきたいと思います。これは大蔵省の通弊として、都合の悪いときには均衡論を言う、歴史的な成り行きを言う。これじゃ一つも税体系というものについての進歩がないわけです。国民に対する愛情というものがない。ただ徴税者としての権威だけが光り輝いて、国民に対する愛情などは一かけらもない。春日一幸委員に言わせるならば、苛斂誅求の典型的なものの考え方というものが根強く流れておるのでありまして、そういう点について再度酒税全体として再検討することを強く要望いたしまして、私の本日の質問は終わりたいと思います。
 なお、先ほどの資料はいつ出してもらえますか。
○松本説明員 その点は、ただいま手元に資料がございませんので現在まだわかっておりません。大至急取り調べます。
○天野(公)委員長代理 堀昌雄君。
○堀委員 本日は非常にビールの問題が各委員からこもごも取り上げられておりますし、また、与党のほうの諸君の御都合もあるようで、私はきょうは二時間くらいかかる予定でありましたけれども、これを五十五分に短縮するのでありますから、清酒関係の問題は次回に少しずらすことにして、ビールの問題と、それに関連する部分だけをやります。そこで、せっかくお入りをいただいておりますけれども、中小企業庁のほうはけっこうです。きょうは近代化資金はあとへ回します。それから主計局もけっこうです。それから農林省もけっこうです。次回に回します。
 平岡委員の御質問の中で、何か私のあれがちょっと出たのでありますけれども、ビールの問題について私の真意をちょっと最初に申し上げておきたいのは、先ほど有馬委員からも御指摘がありましたように、私どもは、まず現在の物価がどんどん上がる中では、国民生活に直接の関係のあるものの物価というものはなるべく上がらないことが望ましい。これは野党であるわれわれだけではなく、政府も与党も、少なくとも政治を担当しておる者の側としては非常に私重要な問題点だ、こう考えておるわけであります。そこで、重要ではありますけれども、しかし資本主義社会でありますから、欠損を続けながらでも、ある価格を維持しなければならないかというと、それもやはりおのずから限度のあることでありましょう。ただ、私が前回もここで論議をいたしましたのは、いろいろなことが値上げ関係について国会の問題になっております。非常に重要なことは、私どもは国民を代表してこの場に立っておるわけでありますから、私どもが納得のできる条件、妥当な条件というものが満たされる段階になればわれわれも値上げはやむを得ないと考えますけれども、私どもが納得ができないような問題が残されておる限りは、国民が納得のしない値上げというものはひとつ待ってもらいたい、こういう角度で議論をしておるわけでありますから、何かビールの値上げを私が特に押えにかかっておるというようなことが業界紙等にもちらちら出ているのを見たことがありますが、私はそういう意味ではないということを最初にはっきり申し上げておきたいと思います。
 そこで、ビールの問題の中で、この前はビール三社を中心にして、企業の内容分析という問題を通じての議論をいたしました。その点については本朝来長官のほうから御答弁がありましたし、正確なそれらの調査については十月の中旬にはまとまるであろう、こういうお話でもありましたから、それらの資料の正確なものについては、十月五日からは臨時国会が開かれますから、そういう調査が完了いたしましたら、直ちにひとつ当委員会に調査に関する資料を御提出を願いたい。その資料をもとにして、私どもが納得できるかどうかの最終的な論議はさせていただきたいと考えます。また、私どももしろうとでありますから、各製販三層のいろいろな立場について、必ずしも私どもの知識が十分正確であるというわけにもいかない場合もあり得ると思います。ですから、その調査資料のできる前またはあと、どこかそこらでビールに関係のある業界の方をここへおいでをいただいて、生産者、卸、小売り、そういう方もおいでをいただいて、その人たちのお話も聞き、私たちの考えも申し述べる機会をひとつつくってもらいたいということを本朝理事会において要望いたしておるわけであります。要するに、そういう手だては、すべて国民が納得をした上でひとつ値上げをしてもらいたいということにほかならないわけであります。
 そこで、本朝来の問題の中で、私もいまやはり非常に重要視いたしておりますのは、ビールの値引き、リベートの問題であります。このビールの値引き、リベートは、この前の三月十七日の委員会におきましても一応の御報告をいただきましたけれども、もう一回、最近の経過について、まず国税庁のほうから少し詳しい御説明をいただきたいと思います。このビールのリベートの調査はおそらくサンプルによる調査であろう、こういうふうに思いますので、ただ単に平均値だけをもってお答えをいただくのではなく、平均値はもちろん伺いますけれども、一体どの程度のサンプルの数であるのか、地域的な分布はこのサンプルの中ではどのように取り扱われているのか、その分布が、これはもちろんリベートについて低いところから高いところとあるわけでありますから、その上限は大体どのくらいで、下限は一体どのくらいにあるのか。モードは大体どこらにあるのか、こういうことを含めて、ひとつビールのリベートに関する少し詳しい御報告をいただきたいと思います。
○松本説明員 卸につきましては、全国で六十一の業者について調べております。小売りは全国で百二十六でございます。
 それで、卸を地域的に申しますと、京浜が二十五、京阪神が十九、中京、名古屋近辺でございますが、これが八、北九州が五、北海道が四、合計六十一でございます。
 それから小売りのほうは、京浜が四十、京阪神が三十、中京が二十五、北九州が十五、それから北海道が十六、合計いたしまして百二十六でございます。
 それで、卸業者の支払いでございますが、これはこの調査によりまして、リベートを全然出していない、ゼロというのが三十五ございます。それから一円というのが四十七、二円というのが三十九、三円というのが二十八、四円というのが四、こういうことになっております。なお、これは一つの業者でもいろいろな銘柄を取り扱っております関係で、この業者の数は百五十三ということになりまして、先ほどの数字よりは広い数字になっております。
 次は、小売り業者の料飲店に対する支払いの状況でございますが、これはこの調査ではゼロから十五円まで範囲がございます。ゼロが五十三、それから一円が五、二円が七、三円が十五、四円が十四、五円が四十八、六円が十五、七円が二十六、八円が三十一、九円が十二、十円が三十二、十一円が六、十二円が五、十三円が六、十四円が一、十五円が三、こういうことになっております。この小売りの数は二百七十九でございます。
 それから、小売り業者が一般の消費者に出しております分、これは零円が三百四十一、一円が四、二円が十八、五円が八、合計して三百七十一という数字になっております。
 こういう状況でございまして、これを平均いたしますと、先ほど申しました卸の支払いが、四十年八月の調査の結果一円二十七銭、小売りの料飲店に対する支払いが四円二十一銭、先ほど申さなかったかと思いますが、一般消費者に対する分が十七銭という数字になるわけでございます。
○堀委員 実はこのリベートの変化の問題があるのですが、三十八年四月、三十九年四月、四十年四月と、こういうふうにそちらでは調査をしておられると思うのですが、このサンプルは、前回との比較ができるように同じサンプルなんでしょうか。その点はどうなっておりましょうか。
○松本説明員 同じ業者でございます。
○堀委員 時間がありませんから、少し私のほうからも申しますと、実はこの前のビールの値上げは――値上げというよりは、三十八年の七月に空びん操作をして、ともかく一応値上げをいたしました。三円五十銭の値上げをいたしました。当時三十八年の調査では、皆さんのほうの資料でいきますと、卸の支払いのリベートの平均値は八十七銭、小売りのリベートは一円三十七銭、これが三十八年の四月、空びんの値上げをする前の状態であったわけです。それが翌年の三十九年の四月になりますと、空びん操作で三円五十銭要するに消費者は負担をすることになった、ところが、卸のほうは一円十四銭に卸のリベートはふえ、料飲店向けは三円九十五銭にふえているんですね。要するに、末端だけで見ますと、このときに三円五十銭ふやしたのですが、二円五十八銭というものはリベートに消えてしまって、実質的な値上がりというものになっていなかったということになっているのではないかと思うのです。その後だんだんとビールの関係は、最近特にそうでありますけれども、生産者のほうも非常に窮屈であるという話でありますし、流通のほうは卸、小売りとも、ビールの問題はマージンが少なくて非常にやりにくいという話になっておるにもかかわらず、この四十年八月は一円二十七銭、四円二十一銭と、その当時よりさらにリベートがふえてきている。苦しくなってリベートがふえるということになっているわけですが、私はいまこの資料についての卸、小売りの内部の分布をここで伺って、これはおそらく私だけではなくて、お聞きになった皆さんも驚いておられると思うのですが、平均四円二十一銭ということならまだしもでありますが、五円をこえて、ともかくも十五円ものリベートが出せるという状態は、これは一体どういうことなのだろうか。なるほど大量に、一度に何百箱も取り扱いをすれば、それは幾らもマージンがなくてもいいのかもしれませんけれども、十円以上のリベートなんていうことがあるというのは、私はどうも理解に苦しむのでありますけれども、庁の側ではこの資料をどういう感じでごらんになったのか、承りたい。
○松本説明員 卸のほうには手数料といたしまして三円十銭メーカーからもらうということになっております。また小売りのほうは、小売りのマージンといたしまして十一円というものが見てございます。それから卸のほうにつきましては、空びん操作によりまして五十銭というものが三十八年七月のときに認められたわけでございますが、小売りのほうは、そのとき同様に一円というのが認められております。それから、さらにもともと空びんの取り扱いといたしまして、卸は一円というもの――これはビールを販売したからというのではなしに、空びんを回収するということでありますから、販売と離れたことではございますが、一応一円というもの、それから小売りのほうは、同様な趣旨で、空びんを回収するということで、販売とは離れておりますが、三円というもの、そういうことでございまして、結局卸、小売りそれぞれ自分のほうで取れる手数料なりマージン、それにいろいろなほかの名目、事項によります収入、それから他方から受け入れるリベート、そういったものを財源にいたしまして、それを一方で考えながら、他方で販売の増進ということでリベートを出していく、そういうことになっていっているもののように思われるわけでございます。大料飲店につきましてこういうふうに非常に多額のリベートを出し、あるいは値引きをしているところが一部にあるということにつきましては非常に遺憾なことだと思っております。
○堀委員 大体いま概数の議論をしますと、いま一年にビールの消費は約三十億本だと思います。業務用と家庭消費とは大体フィフティー・フィフティーくらいではないか、まあ概数でありますが、そうすると、これはサンプルが小さいですからそれをすぐかけ合わすのはいかがかと思いますけれども、一応国税庁の資料を信頼をすると四円二十一銭、まあ四円として十五億本をかけると六十億円ですね。年間六十億円というものが本来なら小売り業者間の収入になるわけです。ですから、それは自分たちのほうから収入は遠慮しているかっこうになるわけです。片方の十五億本のほうはいま少しリベートのある点もありましたから、全部が百十五円ではないのかもしれませんけれども、おおむね一般の消費者の十五億本というのは百十五円で買っている。私は今度の値上げの問題の中で、実は小売りの皆さんにたいへん迷惑をかけておる感じもありますのは、そういう料飲店向けのウエートのある小売り業者と、あまり料飲店に売ってない業者があると思います。料飲店に片方で売りながら片方で一般消費をやっている人は、極端な言い方ですが、もうからないのは自業自得と見ていいと思うのですが、料飲店に入れていない人にとっては、これはやはり多少問題のある点になると思うのです。そこで、いま酒類の小売り免許は約十一万くらいになっておるのじゃないかと思うのです。十万八千幾らというのが三十八年か九年の資料のようですから十一万くらいじゃないかと思いますが、その中でごく小さな、隣の食堂とか、うどん屋さんへ出すとかいうのは、これは一般の、多少大口の家庭消費と変わらない程度だと思うのですが、少なくともかなりのビールを料飲店に出しておるというものの全体に占めるウェートというのは大体どのくらいでしょう。
○松本説明員 全酒類卸でございますが、これは三十九年度末におきまして、全国で千九百八十四ございます。それからビール卸でありますが、これは同じく三十九年度末におきまして一千三十一でございます。それから全酒類小売りにつきましては、同じく三十九年度末におきまして十万七千三十、こういう数字になっております。さて、このうちで大口料理店専門にやっておるという店の数が幾らかという点でございますが、全国で幾らかということはちょっとわかりかねますが、東京でわりあい業務用の扱いの大きいそういう小売り業者の数は大体七百くらいか、こういうふうに考えております。
○堀委員 東京の小売りは全体で幾らですか。ラウンドナンバーでいいですよ。
○松本説明員 はっきりいたしませんが、大体のところ一万三千くらい、こういうふうな見当かと思います。
○堀委員 一万三千で七百といいますと、まあ大体五%くらいですね。一〇%に足りないのではないかと思います。ここに非常に大量のビールが売れて、そういうことになっておるということで、まあ小売り全体の議論をするのは適当ではありませんけれども、しかし、やはり私どもは片面で――さっきの部長のお話では小売りは全部手取りを入れても十五円、そうすると十五円出しているのが三軒あるなんということは、これはどこかから何かまた取ってきていなければ、全然ゼロで商売ができるはずはないと思うのです。これはおそらく今度は卸から少し取るか、どこかから少し取らなければ、ただで商売をする人間はあり得ませんから、おそらく何かそういうことが次にはあるんじゃないかと思います。そこで、この問題について、私はおそらく小売りの組合のほうでもできるだけそういうことをやめてほしいということだろうと思うけれども、まあなかなかコントロールがきかないのではないだろうか。そこでこういうかなり異常なリベートというものが行なわれておる事実が私わかりましたが、一つの制度上の問題点としては、これらの一部のものは小売りといいながらほとんど卸売り業務のようなかっこうをやっておるわけですね。小売り免許で卸をやっておる。そうすると、そういうところが大体小売りの利益をとっているというのが制度上おかしいのではないのか。そうすると、これはちょっと伺いますけれども、いまの十円以上引いているようなところ、ここは大体どのくらいのビールの販売量があるのでしょうか。月間でも年間でもいい、ラウンドナンバーでいいですが、相当多額の取引をやらないと、こんなことをやっていて引き合うはずはないわけですから。そういうのは、これはこの調査のサンプルについてはいま資料はないのかもしれませんが、わかるわけですね。そこで制度上の問題をやはりひとつ考えてみなければならぬのではないか。ある程度以上のビールのそういう大量販売をやるところは、ある意味で、もう小売り免許をひとつやめてもらうということですね。そうして、今後の問題として考えなければならないのは、値引きをするというのは、それもある程度わかりますけれども、大量によって値引きが起こるということは、一ダースなら安くなるという原則があるわけですから私もわからぬではありませんけれども、それが過当競争の手段になっておるところに実は問題があるわけですから、ある程度の応量リベートといいますか、千箱なら幾らとかいうようなものが、これはルールになるかどうかは別として、ルールになっているとすれば、料飲店であろうと一般の消費者であろうと、大口で買えるところはそういう形で買えるということになるのではないか、合理的な考え方からするとそのほうが筋が通っているのではないかという感じがするのです。
 ちょっとここで公正取引委員会のほうに伺いたいと思うけれども、こういうような非常な乱売をやっておるときに、特にやはりビールの消費者の立場から言いますと、これは目に余る行為だと思うのです。一般の消費者大衆は疎外をされて、そうして料飲店はこういう安いビールを買って、安く大衆に飲ませているのなら私はまた何をかいわんやでありますが、このビールはたいてい百五十円から二百円で売られるビールなんです。安く買って高く消費者は買わされておる、こういうことになっているのは、私は非常に不合理ではないかと思うのです。そこで、そういう応量値引きといいますか、そういうようなもののルールができるというのは、これは公正取引の問題としては問題があるでしょうか。
○北島説明員 お答えいたします前にちょっとごあいさつ申し上げます。
 実は、先般突然渡辺委員長がなくなり、私、渡辺委員長のあとを引き継ぎました。いまから五年前まで政府委員をいたしておりまして、当大蔵委員会にはたいへんごやっかいになっており、また今後ずっとごやっかいになると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 独禁法はなかなかむずかしい法律でございまして、私も着任早々で、目下大わらわで勉強いたしておりますが、まだなかなか自分のものになっておりません。いわば借り着を着てやっておるような感じでございますので、へたにお答えしましても、なかなか感じが出ないわけであります。ただいま事務局長がおりますので、事務局長からひとつお答えいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○竹中(喜)説明員 リベートにつきまして、応量できめる場合、これを画一的にきめるというようなことになりますと独禁法で問題になると思いますが、それぞれの業者が自分の判断でおきめになることは一向差しつかえないと思います。
○堀委員 そこになかなかむずかしい問題があるので、これは今後いろいろわれわれも検討をしてみたいと思っておるところなんですが、ちょっと公取のほうにお話を持ってまいりましたから、あわせて伺いたいのですが、独禁法はその第一条の目的のところにいろいろ書いてあるのですが、「公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。」と、こうあるわけですね。ところが、私はこのビールの問題を見ておりますと、おそらく今後いつの時期か値上げという問題が具体化をするだろうと思います。時間はわかりませんが、いつかはするでしょう。そのときに、一体公正な競争というのならば、いまビール三社を洗って申しますと、麒麟麦酒はシェアも非常に大きくなりましたから、いろいろな経理内容を見ましても、配当ですでに表示されておりますように、一割六分配当と一割三分配当というふうに、配当では画然と区別されておる。いろいろな内容を見ましても差があるわけです。そうすると、公正な競争をやってくれるということになると、要するに、ほかのビールがもしかりに五円上がったときに麒麟麦酒が四円しか上げないというのなら、これは私は独占禁止法にいうところの「公正な競争があると思うのです。ところが、きめ方は、次に「この法律において不当な取引制限とは、事業者が、契約、協定その他何らの名義を以てするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、」と、こうあるわけですね。これは非常に抽象的な表現で、「共同して対価を決定し、」ということは、事前に協議または話し合いをするということも、それはそのとおりでしょうが、どこかが値上げをしたら、それに全部が右へならえするということも、私はどうも独禁法の読み方からすると、共同してという――共同してということばは非常に問題がありますが、拡大解釈をすれば、要するに余力のあるところもないところも同じ価格――いま現状でもう一つ申し上げれば、サントリーと宝という後発各社がございますね。これは一説によると、大体コストの上で一本当たり二十円の差があるだろうといわれておるわけです。コストで二十円も差があるものを同じ価格で売っている。同じ価格でないのは、サントリーは、あとでちょっと触れますけれども、何かビールを飲むとコップがくる、どうして、なぜ、という有名なキャッチフレーズで、われわれ同一価格ではないと理解をしておりますけれども、しかし、そういうように競争が特にビールについて公正に行なわれていない。それで、逆にリベートのかっこうで競争を行なっておるというふうになっているんじゃないだろうか。だから、今後の値上げの問題を含めて――基準価格が廃止をされ、現在は自由価格ですから、基準価格があるときはまだ多少問題は別だと思う。政府が、あるときに基準価格をきめて、これの上限、下限はあっても、これを基準としてやれといえば、一種の指示価格のようなかっこうになりますからある程度やむを得ないのですが、自由価格になって、依然として消費者の分はおおむね同一の価格だ。私は、きょうはもう時間がありませんから次回にもうちょっとやりたいと思うのは、さっきの小売りリベートの問題は、実際の対象数は百二十六、ところが銘柄別で二百七十九になっておる。その銘柄別でなっておるということば、リベートの問題についても銘柄別に差がかなりあるのだということなんですね。そうすると、実際の公正な競争というのは、リベートの面で争われておって、価格の面で争われていない。言うなれば、消費者の側からいえば不公正な取引というふうに私は理解をしたいのです。そこで、できるだけこれを公正な取引に戻すということが、流通の整備の問題でもあるし、業者の問題でもあろうかと、こう私は思うのでありますけれども、今後の値上げのときに、自由価格である商品が、特に三社寡占というような状態で同一の価格で上がる。日にちだけはあるいは変わるかもしれません。何月一日、何月十五日、何月二十日というように、日にちは変わるかもしれません。しかし、その消費者価格が同じ価格できまってくるというときに、共同の問題というのは一体どうなるか、竹中事務局長でけっこうですが、ひとつお聞きしたいのです。
○竹中(喜)説明員 従来の公正取引委員会の解釈では、わかりやすく言いますれば、話し合いをして一斉に値上げをする、これは違反でございます。話し合いがあったかなかったかという事実認定の問題が非常にむずかしいのでございまして、先ほど堀委員が言われましたように、甲が幾ら幾らに上げた、ほかのものが意思の連絡なしにそれをまねして上げたという場合に、現在の独禁法ではこれは処理できないというたてまえになっております。
○堀委員 そうすると、大体独禁法というのは、目的は書いてあるけれども、あまり目的にこだわらないという方針なんですね。
○竹中(喜)説明員 別にそういう方針ではございませんけれども、それは事実認定の問題でございまして、堀委員が言われたような場合に、そこに意思の連絡があったという認定ができれば、これは違反になります。認定ができない場合には、これは違反にできないということでございます。
○堀委員 まあ事実関係の認定というのはたいへんむずかしいので、あってもわからないかもしれないし、ないかもしれないし、三社ぐらいなら、なくてもやれるでしょうね。大体いまのあれで今度値上げになるのは五円だということになっていれば、それはどっかが五円上げれば、同一に一斉にいかぬから、日にちだけずらせばいいということになるのでしょからあれですが、どうも私は、せっかく自由価格に私どもがした趣旨がちっとも生きてこない、こんなことならもう一ぺん基準価格にしたほうがいいのじゃないかと思う。せっかく自由価格にして、自由価格のメリットがないのなら、もう一ぺんこういうものについては基準価格を置いたらどうかという気持ちもするくらいです。実は私は、いろいろな資本主義社会の問題については、何といってもここに書かれておるところの公正なる競争があるということが資本主義のメリットであって、公正な競争のないところに資本主義のメリットなんてないと思うのです。それなら計画経済にして、価格をきめてやればいいということになると思うのでありまして、その点については、自由価格になったメリットというものが大衆に均てんしない、メリットだけはそういう企業者の側にだけ及ぶなんというようなことでは、私はどうも自由価格にした意味があまりないのじゃないかというふうに思うのですが、時間がありませんから……。
 そこで、ちょっと私申し上げておきたいことは、今後のリベートの取り扱いなんですけれども、国税庁はどういうふうな措置でこういうリベートの問題を改善しようとしておられますか、その考え方、方針をひとつ伺いたい。
○松本説明員 どういうふうに商売をするかということは、やはりその企業企業の独自の判断でございます。したがいまして、私どもといたしまして、もちろん業界の会合、組合の総会とか、あるいは理事会でありますとか、あるいはまた適当な機会に業界の方々に対して注意をを促す、あるいはまた、特に著しいような多額のリベートを出しておるような小売り業者が出てまいりましたような場合には、われわれのほうとして注意を与えるということはもちろんいたすわけでございますが、しかし、それ以上に及んで何か措置をするということは非常に困難な状況でございます。まず第一段といたしましては、いま申しましたようなことで業界に強く注意をする、反省を促すということが一つのやり方であると思っております。
 それから、先ほど堀委員から御指摘もありましたように、非常に大きなスケールの店になっておって、しかもほとんど料飲店専門にやっておるといったような場合に、そういった人が小売りであるということの矛盾が、先生御指摘のとおりあるのではないかというふうにも考えられるわけでございます。そこで、そういった点につきましては、卸免許あるいは小売り免許というものにつきまして、そのあり方についてひとつよく再検討を加える必要もあるのではないか、こういうふうに思っております。六大都市以外におきましては、卸をやると同時にまた小売りもやりたい、小売りをやると同時にまた卸もやりたい、こういうふうに希望をされる業者がございます。要件に合致しております場合には両方ができるという免許をおろしておりますが、しかし、六大都市におきましては、卸は卸、小売りは小売り、こういうふうに区別いたしまして、両方同時にできるというふうにはいたしておりません。そういった点につきましても、業界からいろいろ御意見もございますので、よく検討してみる必要があるのではないか、こういうふうに思っております。ただその場合に、両方できるというようなことにかりになったといたしますと、今度卸同士が競争するというようなことになりまして、小売りという資格を同時に持っておりますので、ますます競争が激甚になってきやせぬだろうか、あるいはまた従来料飲店に小売り店として売っておりまして、わりあい行儀よく適正にやっておりました人が、そういったことをいたしましたために方々から非常に圧迫を受けるということになっても、はなはだ所期の目的と異ったことになってまいりますので、そういった、どういう影響が出てくるかといったことを十分よく考えて処置した、こういうふうに思っております。
○堀委員 時間がありませんから少しはしょってあれしますけれども、私はいまのこの問題について、間税部長が、言うなれば、どうにもならぬということだと思うのです。いまの指導といったって、あなた方、何もうしろだてがないわけですね。長官、私はこの際少し検討してもらいたいと思うのは、たばこの小売り免許は、御承知のように免許更新制になっておりますね。時間があれば私少しこれらの免許制度の基本問題に触れたいのですが、時間がありませんから……。いまの酒税法は、認可の要件のところには、酒税法の第十条の十一項に「酒税の保全上酒類の需給の均衡を維持する必要があるため酒類の製造免許又は酒類の販売業免許を与えることが適当でないと認められる場合」には免許をおろさないということが要件として出ているのですね。だけれども、これは免許の要件ですから、一回出しちゃったらそれっきりで、もうどうにもならない。あとはよほど大きな反則でもなければ免許を取り消せないというのが現在の酒税法のたてまえですね。そこで私は、やはりそういう全体のバランスを考えるためには、まず第一点は、酒類免許についての取り扱いを少し考えたらどうか。それは第一は、やはり酒類免許の更新制の問題です。第二点は、酒類免許の停止その他の行政処分を行ない得る条件をひとつつくったらどうか。実は、私は本来何も統制を強化するほうの論者じゃないのです。基準価格廃止も、実は私当委員会で論議をして基準価格が廃止になる方向にきまりましたし、資本主義社会ではできるだけ自由化することによって消費者の利益を守りたいというのが、私のこれまでの念願できたわけです。しかし残念ながら、たとえばそういう流通の自由化というようなことには非常に限界があって必ずしも消費者の利益は守られない。今度一部の改正が行なわれましたけれども、この改正などは免許制度の改正というに足りるものではありません。ですからこの際は、私は考え方を百八十度転換するようになりましたけれども、現状の段階でどうにもならないのならば、やはり消費者の利益を守るためには、ある程度そういう免許という一種の保護を受けておる者がそれに伴う責任を明らかにするような部分をやはり法令上設ける必要があるのではないか。ですから、非常に過当競争を誘発をして、片や、ともかく消費者が高いビールを飲んでいるときに、片方では高いビールを飲ますところに安いビールを出すなどという実に倒錯したようなことが行なわれることは、どうもおかしいのではないかということで、この値引きその他の問題について行政指導の能力があなた方に具体的にできるような条件を考えてみたらどうか、こういうふうに私は感ずるのです。いますぐしますとか、しませんということは言えない問題でしょうが、これはこの段階では少し真剣に考慮をする必要があるのではないか。酒類流通――それは流通だけではありません。生産でも同じであります。臨時行政調査会でも、一回免許を受けたらそれが世襲的なものだというような考え方になっておる点は問題がある、自由化をしろというのが臨時行政調査会の答申であります。実は私も前にはそういう考えであった。それではいかぬ、いまの酒類界はそう簡単にはいかない、自由化だけでは解決のつかない問題があるということに気がついたわけでありますから、その点ではやや反対になるのでありますけれども、そういう酒類免許の更新については、私は五年くらいでいいと思うのです。更新するということは、何もやめさせるとかなんとかいうことが目的ではなくて、要するに、皆さん責任のある保護を受けているのですから、ひとつ責任を感じてやってくださいということを明らかにする意味における更新です。というのは、皆さんのほうの免許のルールの中には、最初おろすときにはABCとかの規格があって、そこは戸数が幾らで、販売量が幾らというようなルールがつくってあるが、しかしおろしちゃったあとはどうなろうと、もうおろしっぱなしというのは、私は免許制度としてはやや問題があるのではないか。そういう点を考えてみますと、免許の更新問題などということは、ここで一ぺん検討してみる必要がある重大な問題ではないか。それと同時に、そこまでいかなくても、途中で問題のあるものについては、免許の停止その他の処分が行なえるような方法をひとつ考えてみたらどうか、こう思いますけれども、長官どうでしょうか。
○吉岡説明員 お話の点は私どももかねがねそういう趣旨のことを考えております。御承知のように、小売りについては免許になっておりますが、行政管理庁の監察報告等によりますと、もう小売りは全然自由にしたらどうかというような趣旨の自由化のほうの監察報告もあるわけでありますが、私各地の税務署長その他現場の事情をいろいろ聞いて回っておりました際に堀委員のおっしゃるのと全く同じような意見を実は方々で聞いてまいったわけであります。免許をしてしまうと、あと免許基準に合ったような――一つの例でありますが、もう全然商売をしない、あたりの人が非常に迷惑をしておる、それじゃ免許を取り消してやろうかということになると、急に何かをちょっと売ってみるという妙なことが何か方々に起こっておるようであります。といって、取り消しまで踏み切ることは、これはたいへんな問題であります。そういう意味で、何かおっしゃるような免許期間の更新とか、あるいは営業停止とか、行儀を直すという意味の措置をわれわれができれば、もう少し取引の正常化そのほかに役に立つのじゃないかということを現場の者が申しております。一方、いまの全体を自由化したらどうかというような御意見もありますので、その辺十分に今後検討してまいりたいと思います。今回のビール値上げの問題に関連いたしまして、御指摘のようなビールに関するリベートの行儀の悪さがどうもはなはだしいということで、われわれも注意をいたしましたし、業界自身の問題でもありますし、業界でも問題にしておりまして、最近急激にこのリベートの問題について行儀を正そうという空気が出ておるようであります。この結果がどういうふうになりますかが、一つの判断の材料になろうかと考えます。
○堀委員 行政管理庁なり臨時行政調査会なりがちょうど私の前段の時代をいま歩いておられるのだと思うのです。私もそういう時代を通ったのです。通ったけれども、どうもそれではいかぬというところにきたわけですから、それは現場の方が一番痛切に感じておられることでもありましょうから、何も私はそれによって統制を強化しようという意思ではありませんけれども、しかし、一部の者のために非常に多数の者が迷惑するということは、これは適当でないと思うのです。私がビールのリベート問題というのをきょうは少しこまかく伺ってみたのも、いろいろ関係者がおいでになって、十万小売り店みんながやっているようにとられては困る、それは全くそうだという気持ちにもなりましたので、そういう点を特に申し上げておいたわけです。
 時間がありませんから終わりますけれども、ビールの値上げの問題は、今後ひとつ皆さんのほうの調査資料が整いましたならば、当委員会に御提出を願って、その資料に基づいて私どもも議論をさしていただいて、納得ができるかどうかという問題が私は値上げのキーポイントだというふうに考えていただきたいということを要望いたしまして、本日の私の質問を終わります。
○天野(公)委員長代理 次会は、来たる十月四日午後一時より理事会、一時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後三時十二分散会
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