第051回国会 産業公害対策特別委員会 第13号
昭和四十一年四月二十一日(木曜日)
   午前十時四十三分開議
 出席委員
   委員長 井手 以誠君
   理事 奥野 誠亮君 理事 小山 省二君
   理事 丹羽 兵助君 理事 保科善四郎君
   理事 中井徳次郎君 理事 野間千代三君
      鯨岡 兵輔君    堀川 恭平君
      山本 幸雄君    和爾俊二郎君
      久保 三郎君    肥田 次郎君
      吉川 兼光君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  三木 武夫君
        運 輸 大 臣 中村 寅太君
 出席政府委員
        厚生政務次官  佐々木義武君
        厚 生 技 官
        (環境衛生局長)舘林 宣夫君
        通商産業事務官
        (重工業局次長)赤澤 璋一君
        工業技術院長  馬場 有政君
        運輸政務次官  福井  勇君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計官)   荒巻与四郎君
        厚 生 技 官
        (環境衛生局公
        害課長)    橋本 道夫君
        通商産業事務官
        (企業局産業立
        地部長)    中川理一郎君
        通商産業技官
        (公益事業局技
        術長)     藤波 恒雄君
        運 輸 技 官
        (自動車局整備
        部長)     宮田 康久君
        自治事務官
        (大臣官房参事
        官)      岡田 純夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 産業公害対策に関する件(ばい煙及び自動車排
 気ガス対策)
 自動車排気ガス規制に関する件
 亜硫酸ガス排出防止に関する件
     ――――◇―――――
○井手委員長 これより会議を開きます。
 産業公害対策に関する件について調査を進めます。
 ばい煙及び自動車排気ガス対策について質疑の通告がありますので、これを許します。丹羽兵助君。
○丹羽(兵)委員 当委員会におきましては、もちろん名のように産業公害対策に対しては相当熱意を持って審議を進め、これの対策の立てられることを心から期待をしつつ委員会が進められております。
 先日も、油流出による海水の汚濁防止に対しては、すでに調印された条約を国会において批准される手続を至急とられるよう決議までされて、関係者ひとしく喜んでおるところであります。なお、引き続きまして大気汚染等についてその審議を進められ、特に亜硫酸ガス、自動車による排気ガス、また電力によるところの大気汚染、海水汚濁等、それぞれを取り上げて審議をいたしておるのであります。
 そこで先回、そうした関係者の御意見等も参考人として招致せられまして聞きました。もっともな意見も出たし、また業界も、この公害に対してはこれを防止するように、相当前向きに誠意を持って責任を感じつつすべて考えられておることが明白になりまして、心から私どもは喜んでおり、また、その具体的なものが実現されることを期待しておるものである。これを伺ってみますると、もちろん業界も前向きの姿勢をとっておりますし、一日も早くその実現を見なくちゃなりませんが、それについては、国としても、また地方公共団体としても、住民としても、最も理解ある協力を寄せて、一体となって公害の防止をしていかなくちゃならぬ。
 そこで私ども委員会は、委員長の名において、業界の努力は認めるけれども、しかし、業界だけではこの対策の樹立ができない点もあろう、国並びに地方に対して、完ぺきを期するためにどういうことを要請、要望しておるか、それについて資料を出せ、こういうような要求をなされました。業界は、いま私の申し上げましたように、進んでその対策を立てるために自分のほうで最善の努力はする。しかし、この程度だけはひとつ国で考えてほしい、また理解ある協力を寄せていただいて初めてその完ぺきが期せられるのだという要請なるものが委員長のもとに出てまいりました。私はこれに目を通しまして、さっそくこれを具体化することも無理な点もあろうかと思いますけれども、やはりこういうことを国も一体となって考えねば産業公害対策の完ぺきは期せられない。私はこう思いまするし、なお、当委員会に委員長の名において要請したのではありまするけれども、少なくともこれらはそれぞれの企業が政府に対して前々から要望しておったことに違いないと思うので、政府においては当然企業と一体となって考えておられると思いますから、私のほうに出てまいりました要望を、全部にわたりますと時間がかかりまするので、ひとつ重要な面だけお尋ねして、政府としてどういままで考えておられたのか、またこれをどう取り扱っていかれるのか、御検討いただいておる節がございましたら明白にしていただきたい。そういう形が公害対策を真剣に考えるゆえんだと私は思う。業界のほうは前向きに努力をしておる、そのために政府には陳情しておる、政府はその陳情はよく知っておる、こういう点を何か取り持つものがあって、ほんとに企業と国と地方と住民が一体となって考えねば、海水も守られないし、空気汚染も守られていかない。私はこう思いますので、先回委員長から要請のありました中央電力協議会、石油連盟並びに自動車工業会からそれぞれ出ております要望について数点ひとつ承っておきたいと思います。政府はそれぞれのお立場からひとつ明白に、ほんとに空を守る、海水を守る、公害防止を政府も一体になって考えていくというたてまえから、業者の陳情に対する答えだという考えを持たずに、国がこれを責任を持って解決していこうという姿勢において誠意あるお答えを願いたい、こう思うのであります。
 いま申し上げましたように、まず中央電力協議会から出ておる要請について、こうして公害対策は樹立していきたい、こうして公害を防ぎたいという要望について聞きたいと思いますが、冒頭書いてありまするように、「経済の成長、社会の発展に伴って、いわゆる公害問題が大きな社会問題となってきており、その対策は」私がただいまも申し上げたように、「産業界のみならず、」産業界も力を入れておりまするが、「社会全体がひとしく直面している重大問題であります。」こういう意味から「国としても産業の健全な発展と生活環境の保全の調和による社会福祉の増進」こう責任的な観点に立ってものを考えなくてはならないと思うのである。そこで「公害に対する規制と運用について」ということで二点ここに書いております。公害発生源の究明、効果的な対策樹立のために、公害の実情を科学的根拠に基づいて測定を行ない、その結果を適正に分析しなくてはならない。そうしてその分析したものについてこうしてほしい。特に、最近問題となっている大気汚染については、国または地方公共団体がみずから測定網を整備し、測定方法を確立して、公正にその原因を究明することが急務である。その原因を究明して、そしてこれを分析しなくてはならぬと同時に、国においても、地方公共団体でも、わあわあと騒ぐだけでいいものではなくして、もっと科学的にこういうものを調査する測定網を整備したり、あるいは測定方法を確立して、公正にその原因を究明する、こういうことが急務であるからその機関を持ってほしい。こういうことは私どもは適当な要請と思いますが、それについて一体役所側はその手配を検討しておられるかどうかということを、具体的ではなくても姿勢だけでけっこうでございますから、検討してこういう考え方は正しいと思うとか、こういう考えでなくてはならぬから検討しておるとかいうことを私は承りたいのであります。
 次に「公害対策に対する助成措置」といたしまして、いま電気関係を申し上げましたが、電気事業は、電気料金の長期の安定とか、企業体質の改善をはかっていく、そういうことが必要である。公害防除対策に関しては特に次のような経済的助成措置が実現を見なくてはならないというので、一、二点また具体的に言っております。
 その一つは、税法上の特別措置が認められているばい煙処理用固定資産の範囲を拡大してほしい。さらに耐用年数を短縮してほしい。それからまた排水処理、騒音防止関係施設についても、固定資産税の免税並びに耐用年数短縮等の措置を自治省において考えていただきたい。これらも私は前段申し上げましたように、電気事業というものの内容から考え、特にまた電気料金というものの国民に及ぼす物価対策からも考え、電気というものは産業の基幹になっておるという点から考えても、これは当然やるべきことのように思うのですが、自治省においてはいろいろの関係、いろいろの振り合いもありましょうから、端的にすぐ結論を出すことはむずかしいでしょうけれども、こういうことは当然のように思われるので、検討は加えておっていただけるでありましょうが、その検討を加えておるか、その見通しについてお尋ねをしたい、こう考えておるのであります。
 それから第二点として、将来急増する公害対策施設への投資に備えて、自己資本を留保できるよう、公害対策に関する引き当て金制度並びに税法上の特別措置、これは大蔵省の関係かと思いますが、これらもどう考えておいでになるか。そしてまた、こういう公害対策のためには相当多額の投資をしなくてはならないが、もう事業そのもので手一ぱいであるから、開銀等からの低利な融資が願いたい。こういう税法の問題、融資の問題についての陳情が出ておりますが、これらも検討されておるだろうと思いますので、承っておきたいと思います。
 それから、電気関係についての最後の「公害防除技術の研究開発」私はゆうべちょっとこれに目を通したのですが、燃料油の脱硫技術の開発、それから排ガス脱硫技術の開発、これから公害防止のための決議をしようとしておるところには今度は触れてはおりませんが、計測装置、計測技術の開発、こういう点に国ももう少し力を入れてやるべきだ。それには相当の金もかかるので、十分そうしたことを腹に置いて考えてほしい、こういうような点が出てきております。
 その他「公害紛争の処理について」「公害行政について」とか、「立地政策、都市計画等について」というようにたくさん出ておりますが、それらについてはあまりに時間がかかりますので、省略いたします。
 先日来参考人から承りまして、もっともだなと感じた点が、今日ここに、公害防止にはこの努力がしたい、それにはこういうことを国として考えていただきたいという要請として委員長のもとに出ておる。私はこういうことは聞きっぱなしにしておくべきことでないと思う。こういうことはお互いが前向きの姿勢というよりも、公害防止は国民の声として実現さしていかねばならぬというたてまえに立って、どう考えていらっしゃるか、どのように検討を進められておるかということを尋ね、それを促進させる責任が私どもにある。決議をする前に、いま私がお尋ねした数点について検討の過程を明らかにしていただきたいと思います。
○舘林政府委員 まず第一に、大気汚染の現状をよく把握して、その原因を明らかにする必要があるという御意見でございますが、全くそのとおりでございまして、いたずらに公害問題を重大視するだけではなくて、現状がどうなっておるか、どの程度の脅威を与え、何が原因であるかということを究明することがまず第一歩でございます。このために全国的に、気象観測に対して気象台があるがごとく、大気汚染に対して測定網を設置する必要を認めまして、将来とりあえず二十カ所の測定ステーションをつくりたい。かようなことで昨年度からそのような測定点をつくる準備を進めまして、昨年度は三カ所、本年度は二カ所つくる予定で進めております。それらの測定点で測定いたしましたものを中央に集めて、分析いたしまして、その内容を明らかにする意味で、環境衛生センターに分析センターを昨年度つくりまして、本年度からそれが活動することになっております。その実際の測定結果と、それらの人間に対する影響等を調査するために特別委託費を設けまして、三十九年度以来それらの調査を進めてきておりまして、今後もさような調査を続けてまいりたいと思っております。これは中央政府だけでできることではございませんので、各都道府県、各市においてもそのような測定網をつくる必要を認めまして、特別にここ数年来、毎年二千万円前後の補助金をもちまして各都道府県の測定施設に対して補助をいたし、測定網を普及するように指導を続けてまいっておるわけでございます。
○中川説明員 ただいま丹羽先生から中央電力協議会の要請書に基づきまして、公害対策上企業側が行なういろいろな施設につきましての税法上もしくは金融上の助成について政府は十分やっておるか、あるいはいまどういうことを検討しておるか、かような御質問だったと思います。
 御承知のように、公害防止施設につきましては、国税のほうにおきましては耐用年数の短縮を行なっております。地方税のほうにおきましては、一定の公害防止施設につきまして固定資産税の非課税ということをやっております。これは財政関係当局のほうにそれぞれたいへんな御協力をいただきまして、公害防止の施設であるものにつきましては、いま申しましたように、非常にこまかい機械を指定いたしまして措置をいたしておるわけでございます。問題は、おそらく今後いろいろな技術開発が進んでまいりますと、逐年新しい防止に有効な施設がふえてまいる、いままで技術的にできなかったものができてまいるといった場合に、逐次それを、設備指定の形をとっておりますので、追加していくことが問題でございます。制度と申しますよりは、むしろこれの範囲をどこまでとるかということでございます。一例を申しますと、四十一年度の問題といたしましても、電気事業がやっております集合煙突を高煙突化いたしまして、温度を上げ、スピードを上げて、排ガスの拡散希釈をはかるといった高煙突の分につきましての税法上の取り扱い等も、ただいま大体私どもの期待に沿った線で措置がとられつつあるわけでございます。今後出てまいります新しい技術開発に基づきました防止施設につきましては、時を失することなく追加できるように努力いたしておるつもりでございます。
 それから、陳情書の中にございました、公害対策施設への投資に備えて、自己資金を留保できるように引き当て金制度を考えたらどうかというのがございます。実は私ども、このようなことをいままでばく然とは考えておりましたけれども、具体的に検討したことはございません。実はこの要望書の中で非常に関心を持つといいますか、新しい方向としてひとつ検討する必要があるんじゃないかといった感じでおります。
 それから融資の制度につきましては、御承知のように、公害関係融資につきましては、制度がやや複雑な感はございますけれども、開発銀行、中小企業金融公庫、中小企業の高度化資金、それから新しく発足いたしました公害防止事業団も、今年度から一部個別の融資をやるようになっております。しかも今年度につきましては、従来の金利につきまして大企業、中小企業とも〇・五%ずつ貸し付け後三年間軽減するということを政府の政策として決定いたしたわけでございます。今後公害関係の融資につきましては、これが円滑に実施できるように、なおくふうと検討をこらすべきものが多々あるかと存じますので、先生のお話のとおり、企業側が期待しておりますことにつきましては、通産省といたしましても極力努力をいたしたいと存じます。
 なお、技術開発の点でございますが、これは工業技術院の院長がいらっしゃっておりますけれども、国が中核になって公害防止技術の開発に努力するということはお説のとおり必要なことであろうと思います。これは工業技術院の傘下の各試験研究所におきまして、広範囲に有効だと思われる研究アイテムをそれぞれ進めておるわけでございます。ただいまのような状況でもございますので、なお一段と努力することは当然でございますし、また民間が技術開発をいたす面につきまして、しかるべき助成は十分考えなければいかぬと考えております。
 大体さようなことでございます。
○荒巻説明員 公害対策につきましては、総合的に検討してまいる必要があろうかと存じておりますが、たとえば、ただいまお話のございました大気汚染の関係で申しますと、私の担当しております運輸省関係におきましては、たとえば自動車の排気ガスの問題、それから工場の大気汚染対策といたしまして、四十一年度においては百三十万くらいの予算がついておりましたが、四十一年度においてはこれを飛躍的に増大いたしまして、千三百万以上の予算を、調査研究関係でございますけれども計上しておるような次第でございまして、大蔵省といたしましても、総合的にこの公害対策に力を入れてまいりたい、こういう基本的態度でございます。
 また、第二点の御質問の、これに対する税法上の扱い、それから金融上の扱いにつきましては、ただいま通産省の当局から御答弁がございましたとおりでございまして、大蔵省といたしましても関係機関と緊密な連絡をとりまして、慎重に今後ともこの問題に取り組んでまいりたい、そういうふうに存じております。
○岡田説明員 おおむね各省の答弁と一致いたしております。自治省といたしましても、各地方団体が現にばい煙防止のためにいろいろの測定等をいたしておる団体もございます。それらをさらに一般化するように努力いたしたいと思っております。なお、各県なり各市等で公害防止のためにいろいろと財政負担が時にかかっておるような例を見受けますので、年度末の特別交付税の配分にあたりましては、公害防止のためにかかった団体についてできるだけ配慮をいたしております。そういう方向で進めております。
 それから固定資産税の非課税なり、あるいは減免等の措置につきましても、対象範囲の検討、その他なかなかむずかしい問題もございますけれども、耐用年数等も含めまして、極力前向きで考慮検討いたしております。
 全般的に公害対策につきまして自治省としても強く前進させたい、地方団体が関与する範囲等についても考えてまいりたい、こう思っております。
○丹羽(兵)委員 電力関係から出ております点について、もう一点だけきわめて簡単にお尋ねしておきたいと思います。
 公害紛争の処理、これについては今後たいへん問題になってくると私は思うのです。でありますから、ここにもありますように、不幸にして地方と企業者との間にぐあいよく話ができなかったときには、やはり公平な立場に立って、産業も生かし、公害から住民を守るという点から、第三者の仲裁機関をつくって処理してほしいという――これはいろいろと御意見もありましょうが、こういうことも期待しておるようでありますけれども、それについて通産省はどう考えていらっしゃるか、御検討いただいておるかということを承っておきたいと思います。
○中川説明員 ただいまの丹羽先生の御意見、まことにそのとおりだと思います。問題は二つあるのではないかと私どもは考えておりまして、一つは、実際に公害が発生しまして、それによって現実の被害が起こって、その紛争をどうするかという問題であります。それから、御記憶に新しいところであろうかと存じますが、たとえば沼津・三島地区のように、施設をそこへ置くということについて現地の方々と意見が合わないという場合と、二つあるわけでございます。御承知のようにばい煙規制法等におきましては、調停の制度が実際に起こった被害についての紛争処理の制度としてございますけれども、実際上にはなかなかこれが働いたケースがないわけでございます。そういう意味合いにおきまして実は私どもも、これは公害の範囲を少しく越えるかもしれませんけれども、たとえば保険制度のようなものによって簡易な解決ができないだろうかというようなことも考えておりまして、私どものほうの産業公害部会におきましては、保険小委員会を設けまして、そういうことも検討しておるわけでございます。ただ、公害の事象と申しますのはたいへん複雑な形が多うございまして、たとえばこの前当委員会で御意見が出ておりましたように、交通事故の場合の簡易な裁判と申しますか、即決的な措置がとれないかという御意見に対しまして、当委員会の参考人としておいでになっておった東大の加藤先生がお答えになっておりましたように、司法制度上の司法救済の問題といたしましては、定型化していないこの公害問題につきましての処置はたいへんむずかしゅうございます。これは保険につきましても同様でございまして、なかなかむずかしい問題を持っておりますけれども、円満なる解決をはかるという意味合いにおいて、なお検討すべき点は多々あろうかと思います。
 それから沼津・三島の場合におきましては、御承知のように、私のほうと厚生省のほうと共同いたしまして、黒川先生を団長とする通称黒川調査団というのを現地に出しまして、純粋に第三者的あるいは客観的な立場から石油の設備を置いていいかどうかということを調査していただいたこともあります。四日市につきましてもいたしたような状況でございます。こういう機関と申しますか、こういう制度の活用というものを時に応じて考えなければいかぬのじゃないかというふうに考えております。たいへんむずかしい問題でございまして、ただいまのところ、この解決が最もいいのだというような成案は持っておりませんけれども、絶えず今後検討を加えていきたい、かように考えております。
○丹羽(兵)委員 次に、この石油連盟のほうから出ておりますることについてお尋ねしたいと思いますが、先回の参考人の御意見を聞いておりましても、やはり重油の低硫黄化の実施が非常に大切だ、これがまあ先決問題だ。こういう御意見でございまして、それについては一挙にしてこの低硫黄化、大幅に下げるということは困難で、漸進的にいきたい、漸進的にもいろいろあるが、その努力を払う、こういう表現、言い方であります。政府もそうだというようなお考えのようであります。それにつきましても、やはりこの重油の低硫黄化の設備というものは非常な金がかかる。これは大事なことでやらなければならぬが、なすためには非常な金がかかるので、こういう点をひとつ国民のためにも企業のためにも考えていただきたいというので、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)まで出ておるのですね。これは先ほどの自動車、電力に関係したこととも重複しておるようでございまするが、一応せっかくこうしたことを願って、一日も早く低硫黄化していきたい、こういう熱意を持って委員長を通じてわれわれに要請しておるのですから、同じようなことに触れる、同じ関係のものもありましょうが、一応一体になって考えていくという立場からも、この点について低利資金の融資あるいは外資の導入とか、あるいは償却資産の免税等書いてあります。これについてもお手元にありましょうから、ひとつどのように御努力願っておるか承っておきたい。
 そしてなお、先刻も御答弁ございましたが、国産技術の開発もあわせていきたい。これはひとつ国家的な見地に立っても十分御配慮願いたいということを強く要請しておりまするが、こうしたことは、やはり業界が前向きに努力しておる姿勢からいって妥当であるかどうかという点も、ひとつあわせて御答弁を願っておきたいと思います。
○中川説明員 本件につきましても、先ほど電気事業につきまして申し上げたのと同じ考え方、姿勢で、こういう技術開発あるいは実用につきましての進歩ができるように考え、検討いたしたいと思っております。ただ、電気の場合と違いまして、重油の脱硫の問題は、ごく新しくアメリカの方法等がわかってきたという状況でございますので、この要望書に書いてございますようなことは、私ども方向としては正しいことであるし協力しなければいけないと考えておりますが、具体的にどのような問題が出てまいりますか、今後石油連盟等とも連絡をとりまして、それぞれ検討を続けて対処したいと考えております。電気の場合と違いまして、外国技術の導入問題、したがってまた外資導入問題等も出てまいるかと存じますが、同じような気持ちで公害対策という立場に重点を置きまして、金融その他諸般の措置についてくふうをいたしたい、かように考えております。
○丹羽(兵)委員 最後に、自動車工業会のほうから出ておりまする点について、ほとんど同じようでございまするけれども、これらとて非常な努力をしておる「自動車排気ガスの公害防止対策に関する要請」として出ておりまする中の措置について、二番目の「公害の基礎的調査研究に対する要請」、これは現在私は十分研究がなされ、行なっておられると思っておりますし、また私どももその点については努力しておりまするから、お尋ねする要はないと思いまするが、その中の二番目のところに「官庁研究機関の連携強化、政府の研究機関を強化し、緊密な連携をはかられたい。」ということが出ておる。これはもういろいろの行政の中にこういう点が見受けられる。先日来皆さんにお越しをいただいて聞いておりましても、各省の考え方に少々食い違いがある。この委員会の中の食い違いは、これはすぐと調整ができることで、時間を要するようなことではないのでありますけれども、これが一つの企業の中に入ってまいりますると、これはたいへんな問題になってくると思うのです。だから指導する官庁、監督する官庁機関の連携強化というものは今後行政の上においても、産業、企業の上においてもこれは非常な影響を及ぼすのでございますから、これは注意をしていただくと同時に、こういう一つの決議案をつくるについて、われわれが事前にあなた方の意見を聞いたのでも、ちょいちょい食い違いがあるのですから、これは業者としてはもっともな言い分だと思うのですが、その点今後どのように考えていらっしゃるか、この機会に聞いておきたいと思います。そういうことのないようにしていただきたいという要望をしつつ御意見を聞いておきたいと思うのです。
 それから三番目の「排気ガスの公害防止の開発に対する要請」につきましては、先刻来出ておりまするので、御答弁ありましたからお尋ねは省略さしていただきますが、ただ一つ、工業所有権の相互利用、これはたいへんむずかしいことのように思いまするが、これもやはり大きな意味の産業開発から考えますれば、当然今後は考えていかなくちゃならない問題にもなるし、一面また、自分の権利の侵害ということにもなる大きなことで、そう簡単にはケリはつかないだろうが、しかし、これを進めるぐあいによっては、いま申し上げたように日本産業の開発には大きな力になってまいりますので、この点を承っておきたいと思います。
 なおまた四番目の「排気ガスの公害防止に対する総合的対策推進」として、つくるほうの側ばかりでなく、使用する側の立場に立って、道路の拡張とか、交差点を立体化してくれとか、私ども自動車に乗っておりましても、系統的な信号のないがためにとまってばかりおる不愉快な感じ、こういうこともやむを得ないことかと思いますけれども、これらについて、これは一つは建設省であり一つは警察庁の関係になるかもしれませんが、やはりつくったものを最も効果的に使っていくということと、それによって公害が大きく発生するというような面からいって、それぞれお打ち合わせなさったようなことはあるのか。あるいはまた、あるに違いないと思いますが、これらについてもそれぞれ、さきに私が申し上げましたように関係官庁と十分連絡をとって解決しようとする努力をなさりつつあるか、ひとつ承っておきたいと思います。
○佐々木(義)政府委員 お話のように公害対策の問題は、公害を発生する原因も多種多様でありますし、また被害を受けた被害者と申しますか、その側にも態様あるいは範囲、量等いろいろ問題がございまして、一カ所でこれを処理するというにはあまりに複雑多岐でありますので、ただいま各省それぞれ自分の所管事項に関して推し進めておりますけれども、段階といたしましては、総理府に公害対策推進連絡会議というものを設けまして、総理府でこういう問題の総合調整並びに施策の推進にただいま当たっておる段階でございますが、参議院のほうでも、公害対策委員会でこの責任官庁の問題がたいへん問題になりまして、それぞれ総理府長官あるいは通産大臣、厚生大臣、官房長官も呼ばれまして、ずいぶんこの問題を問い詰められました。今後かりに基本法というようなものができますれば、こういう問題もおのずからすっきりすると申しますか、責任分野を明確にし、同時にまた総合調整をやる体制も整ってくるかと思いますが、ぜひ、もう少し総合調整の実のあがるような制度と申しますか、そういうものが必要かと存じます。ただいまの段階では、ただいま申し上げましたように総理府でこれをやっておるというかっこうで進んでおります。新しい問題も次から次に起こってまいりますので、なかなかむずかしい問題でありますが、ひとつできるだけばらばらにならぬように進めたいというふうに考えまして、せっかく努力中でございます。
○中川説明員 公害防止上の有効な装置の工業所有権についての相互利用についての御意見がございました。公害問題というものを解決いたしますために、有効な技術がございましたときに、これを広範に使用させたいということは当然のことでございます。アメリカでもさようなことをやっておったということを、この前参考人のほうから話を聞いたわけでございます。現行の特許法におきましても第九十三条に、公共の利益のための通常実施権の設定の裁定という条項がございまして、特許発明の実施が公共の利益のために特に必要である場合には、その発明を実施しようとする人が、通産大臣の許可を受けて、特許権者または専用実施権者に対して通常実施権の許諾について協議を求めることができる。そうしてその協議が成立しなかったとき、また協議をすることができないときは、その実施をしようとする人が通産大臣の裁定を要求することができるということがございます。法律的には手段はあるわけでございます。実際の運用につきましては、重工業局が中心になりまして、有効な防止技術を広く適用させるようにということにつきましては、業界と連絡をとって十分実施をいたしていきたいと考えております。
○丹羽(兵)委員 私は、先回参考人からいろいろと公害をなくするための方法、また業者としてどのように考えておられるかという意見を徴した上に、どういうことを国としてもまた地方公共団体としても努力すべきかという、こういう資料をちょうだいしたわけでありますが、それについて一々お尋ねして、政府のお考えを聞きましてまことに意を強くしたのでありますけれども、先刻厚生政務次官の言われましたように、もはや産業公害というものは、企業が悪いとか、ああだとかこうだとか言って責任のなすり合いをしているときではない。すでにもう社会問題となって、国民の健康をいかにして守るかという重大な問題になってきたのであります。一面においては産業のもとになる大きな事業があるし、これは育成していかなくちゃならぬ責任がある。こういうことから考えて、検討しておるという部面もありましたが、ただことばの中の検討じゃなくして、企業も育成していくのは当然であるけれども、そのことが特定の者に利益を与えるというような小さな考え方じゃなくして、これこそほんとうに国民の健康を守っていくのだ、これはもう社会問題として国家にも責任がある、地方公共団体にも責任がある、こういう立場に立って私はこの問題の解決に努力をしていただきたい、誠意を示していただきたい、こういうことを要請しておきます。ただいままでのように、その原因がどこにあるか、その負担はどこが持つのだというような、そういう点ももちろん検討はしてもらわなくちゃならぬが、もっとそれよりも高い次元に立って、国民の健康を守っていくのだ、そうしてそのためにはできるだけ公害を防止していくのだ、国民の福祉、国民の健康を守るためからいって大きな国の責任があるという立場に立ってそれぞれお考えをいただきたい。こういうことを強く要請いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○井手委員長 中井徳次郎君。
○中井委員 先ほどから丹羽さんがお尋ねになっておりましたことに関連をいたしまして二、三政府の意見を聞きたいのでありますが、この間の電力協議会、石油連盟その他の陳情書によりますと、まず中央電力協議会は、陳情書の中で「年々巨額な投資と経費を負担してきております」と書いておるが、幾らくらい彼らは負担しておるのですか。これをちょっと、わかっておればお知らせ願います。
○中川説明員 ただいま実は数字を持っておりませんので、後刻集計いたしまして御報告いたします。
○中井委員 この問題につきましては、この前の参考人のときにも、私は、どれぐらい負担されておりますかと聞いたら、東電の常務取締役が答弁をされたが、具体的な数字はあげられなかった。ちっとも巨額じゃないと私は思っておるのです。先ほど丹羽さんからは非常に常識的な、どこがどういうものを負担するということについてもう議論をしている段階よりも、むしろ各機関が率先してやるべきであるという御意見がありました。ごもっともでありますが、それにしても、どうも私要望書を見ましてあまり感じがよくなかった。具体的にそれじゃ何をしているのだということになると、たとえばいま計画されておりますことは、本日ここに見えておる工業技術院の馬場さん等がおやりになっているもの、あるいはそれと関連をして東電あたりでも日立あたりと関連をしてやっておるもの、二つとも政府から相当額の助成金が出ておる。失礼だけれども、出るまでやらない。年間何千億という収支をやっておる電力会社が、一%にしても十億を突破するくらいなことをやってもらわなければならぬが、何もやっておらぬ。何が巨額で何が投資であるか、これははっきりさしてもらいたいと私は思う。
 それからもう一つ、その中で非常にもっともらしい、いいような案があります。それは四ページに、「自己資金を留保でき得るよう公害対策に関する引当金制度並びにその税法上の特別措置を考慮されること」、中川君からもいま答弁があった。近く起こるべき、将来急増する公害対策の投資に備えて、これは非常にいいことです。いいことですが、ここにもそのしっぽを出しておると思うのです。これまで使っていなかったのですから、これから政府が公害基本法をつくって、やれといえばやらなければならぬからということが一つ。もう一つは、公害に金を使うことは経費の乱費のごとく考えておるのではないか。これこそ経費なんです。公害に金を使うことこそ経費なんですが、これは利益金から回そうという考え方、一般の経費として使うのはもったいなさ過ぎる、利益金ができたらそれを保留しておいて、何かおためごかしに使おうという考え方が私はあると思う。どうですか、こういうものの考え方を改めてもらわなければ困ると思う。通産省では公益事業局で監督されておるので、電力についてはかなり具体的なことをやっておられるのですが、考え方は一応もっともらしいけれども、公害に関する出費こそ第一義的な経費だと私は思うので、それは出すべきではないか。雑費みたいなものだ、だから、できれば利益金から回すという、こういうものの考え方を、私はこれこそ政府が改めてもらいたいと思う。ちょっと、いまの話は半分だから、三木さんじゃなくて中川さんから……。
○中川説明員 いま中井先生御質問の点はまことにむずかしいところでございまして、公害の防止施設というものは社会的にいって当然なすべきものであるという考え方、十分理由のあることだと考えております。実は公害融資の場合につきましても、新しく工場をつくり、新しく発電所をつくり、そのとき存在しております公害防止上の施設というものがありましたときに、それを取りつけることはむしろ当然のことであるという考えに立ちまして、政府の開銀その他の融資の面におきましても、特別に公害融資としては措置しておらぬわけであります。したがって、先ほど御説明いたしましたような七分、六分五厘というような特別金利の適用はこの部分にはないわけでございます。ただ、公害問題を先生方御希望のようにできるだけ解決していくという立場に立ちますと、なるべく企業側がそれを装置しやすいように助成をしてやるという考え方もまたあるわけでございます。そこで、既設設備等に新しく追加的に公害防止の設備をつけるというようなことは、企業としてはたいへんに苦しい状況で措置をしなければいかぬわけです。かようなものを特別に金利を設定いたしましてやらしておる、かような状況でございます。
○中井委員 いまの中川君の答弁は、君は株式会社の経理を知らぬから、ややとんちんかんな答弁である。私の言うのは、引き当て金などということをして、金をためておいてその金でやるというのじゃなくて、公害対策なんというものは第一次の経費でやらなければいかぬ。大きな投資についてはこれは改めてまいる、そういう意味のことを言っておる。その考え方の問題を言っておるのです。将来の問題についてひとつ参考にして聞いてください。私は公益事業局長に来てもらって、この問題で議論をしたいと思うが、きょうは時間もありませんからこれ以上いたしません。
 三木さんがおいでになりましたので一、二点。この委員会は公害問題でいろいろと、この間からいわばほんとうに超党派的といいますか、各党の委員とも連携をとって、ほとんど対決的な議論の分かれ目ということもなしに、これは公害の当然の性格だろうと思いますが、議論をしております。結論するところ、何かやはり担当大臣というか、責任の所在というか、その責任を追及する意味じゃなくて、行政を行なう場合に非常に差しさわりになっておるのじゃないか。あれが悪い、これが悪いというのじゃなくして、だれがやるのだということが非常な差しさわりになっておる。厚生省の諸君の議論を聞いておりますと、これから十分調査をして、病人が何人出るからやるというようなことを言っておりますが、やはりわれわれの議論といたしましては、公害の原因を排除するということになってくる。原因を排除するということになると、やはり通産大臣とか運輸大臣とか、そういうことになってくるということが、この三月ばかりの討論の中で大体みんなわかっておる。初めぽっとこの問題に取り組みますと、それは厚生大臣だ、こうなるのですが、いよいよということになると、これは予防措置でありませんと、病気になってから直すのじゃとても追っつかない、こういうことでありまするので、主管大臣をどうしても決定をしなければいかぬ。決定をした場合に、それがやはり直接の手足を持たなければいかぬというふうなことを非常に感じるわけですが、いかがですか。実力大臣としての答弁をひとつ……。
○三木国務大臣 これは実際、公害問題というのは大問題だ、これについて実際やっかいなのは、一つの担当といっても、いま言われたように原因を除去しなければ、ただ抽象的にもいけない場合があるわけですから、どうしてもやはりこれは各省各省いろいろな分野において公害に関連をする。だから各省の立場立場で、公害というものに対してもっと各省間の連絡を緊密にして公害対策を立てるということが実際的でないのでしょうか。たとえば担当大臣に私がなりましても、またほかの厚生省、運輸省もいろいろ関係があるし、やはりこの問題は非常にまたがるわけですね。だから、各省にまたがっておるこの公害対策を進めるについて、またがっておる事実、この事実認識の上に立って、もっとやはり緊密に連絡のできるような仕組みのほうが実際的なんではないかという感じがいたしますが、いずれにしても、これはやはり政府でも大問題だと思う。これは個人ではどうということもなかなかできにくいようでありますから、今後公害の防止あるいは公害対策も含めて、この問題を強力に推進するためには、いまの機構の問題も含めて私は検討することをお約束いたします。
○中井委員 いまのように、各省の連絡を緊密にするという意欲はよくわかりますが、実際それでやってきてできなかったということですから、私はもう公害委員会とか、そういうようなことさえ頭の中に描いておるのです。メンバーは各大臣、それで副総理格の委員長をきめて、一月に一回とか半年に一回じゃだめですよ。この間も安井君が来ましていろいろ問答をしました。問答をしたあくる日、新聞に大きく出て、次官が集まってやる、それじまいだ。それではいかぬ。やっぱりその下にたとえ十人でも二十人でもきまったスタッフを持って、それが各省に公害に関する限りは命令権というわけではないのだけれども、ほとんどそれに似たようなものを持つ。各大臣とつながってやるというのでないと、私はできないような気がします。これは私の意見だが……。
 それから出る結論として、政府はもうはなはだ怠慢ですね。これまで非常に怠慢で、一つの例は、あなたに私、この間廊下でちょっと申したが、油による海水汚濁防止に関する条約ですね、これはだんだん聞いてみると、農林省は一番怠慢だ、被害を受けておりながら知らぬ顔をしておる。各省とも異議がないんだ。そう異議はないが、結局運輸省におきまして技術的にちょっとむずかしいとか、予算が取りにくいとかいうこと、その予算が幾らかといえば、百億にもならないというふうな非常なつまらぬことでひっかかりを持って、実はこれは醜を世界にさらしておる。日本の船が外国へ行ったら、みんなその規制を受けていますから、大きな船は全部その施設はちゃんと持って六十マイル以上で油を流しておる。日本へ帰ってくると、というようなことです。これはほんとうにしっかりしてもらわにゃならぬが、それにつきまして一、二伺いますが、この間から自動車の排気ガスの中に一酸化炭素がたくさん入っておる、これが非常に悪いというので、通産省のあなたの下僚が大いにハッスルしまして、ことしの九月から新型車は三%、けっこうだ。私どももこれはあとで自民、社会、民社共同で決議をさしてもらいますが、それは法律でやるのかといえば、法律じゃない、型の許可、認可手続上のことでそれを押えることができる。そういう形の中から、電力会社のいまの発電所なんか、公益事業局で許可、認可をやっているのですから、そこでもっと公害問題についてきちっとそれをはっきりした条件にしてやるということになれば、いまのような問題はだいぶ行政措置で防げる。私どもは公害基本法というものを考えておる。政府もお考えのようであるが、そこへいかなくてもやれるということがまだ相当ある。どうですか、いまの発電所の設置等につきましての考え方……。
○三木国務大臣 お説のように、実際許可、認可の場合に、こういうものは公害をできるだけ――完ぺきというわけにも事実いかぬでしょうけれども、できる限り公害を防止するための努力は企業の社会的責任だと思います。そういう点で、今後通産省が認可するような事業に対しては、厳重に公害の防止に対して最善の努力をするということを条件にした認可を与えようという考えでございます。
○中井委員 これで最後ですが、いろいろここで討論の結果、日本は御案内のとおり人口はなはだ稠密であるし、地域は狭いし、風光明媚である。これを残しておかにゃならぬという意味で、最近の猛烈な石油産業の発展に関連をしまして、例の硫黄の亜硫酸ガスの問題、いま日本が買うております油は、不幸にしてそういう地勢であるにもかかわらず、日本資本のアラビア石油が一番硫黄分が多い、世界でも一番多い。これはやはり買わにゃならぬという、この二者相反するような非常なジレンマにおちいっておる。したがいまして、脱硫する、原油から硫黄分を取るということが、日本の石油化学の発展のためにも、また、もとより公害防止のためにも、緊急最大の関心事ということになっているわけです。そのための装置としましては、いま煙突の煙から取るというのと、重油そのものから硫黄を取る抜本的なものとある。その重油そのものから硫黄を取ることについては、アメリカで二、三の成功したものが出ておる。出光が山口県でこれをやろう、こういうことになっていますが、採算の問題です。これは通産省として、先ほどの自動車の排気ガスの規制は、通産省と関連があるが、実は運輸省なんかの問題ですが、この脱硫の問題こそ、通産省の緊急の必要事だと私は思うのです。このことにつきましては強力な行政措置、予算措置その他猛烈にやる。私どもが、あなたの下僚の皆さんといろいろ討論いたしておりますと、何としても長年の習慣によりまして、先生それは三年かかる、なぜかかるんだ、予算を取るのはあと二年だと言いますから、すぐ取ったらいいじゃないかという意味における行政力だな、これを今日ほど要請されていることはないのですが、どうですか大臣、これを思い切ってやって、世界でもあまり行なわれておらぬ、しかしこれは日本がやるべきである、こういう意味でひとつあなたの決心を伺って、あなたに対する質問を終わります。
○三木国務大臣 御指摘のように、日本は中近東の原油に八五%ぐらい依存しておる。そういうことで硫黄分が多い。これについては、御承知のように今年度から技術開発で大型プロジェクトの開発ということで、これを第一番に予算を取ったわけです。これはまだ研究段階でもあるわけですから、これは役所としてはある数年の予定を組んでおりますが、各地において石油コンビナートなんかの工場が建設されていく現状にかんがみて、この速度はできるだけ早めて、予算も相当にこれを増加して促進をいたす覚悟でございます。
○中井委員 それにつきましては、もう一つついでになんですが、結局水素による脱硫というわけです。その原料の水素が日本で非常に高いというふうなことも問題になっておる。それから非常な金がかかりますと言いますが、電力会社で使う重油を全部公害を一応排除するという形にまで硫黄の含有量のパーセンテージを落としますためには、ざっと計算して、アメリカのドルを日本の円で換算するような、そんなずさんな計算のしかたなんですが、年間百六十億といわれている。だからたいしたことないんだな、月に十五億、九電力会社に分けてというふうにいろいろ考える。しかもそれをもっと経験に基づいてやれば、これは私は政治家としては驚くべき数字では決してないというふうに思うのです。ですから、各業者からの陳情書を見ますと、それが非常にたいへんなように書いてある。それに対する政府の補助や研究のしかたも、もうそれはそう急にはできないものだということを前提にして、各種のこまかい要望を出しておる。ここに私はこれまでやってきました日本の政治の一つの何か盲点というようなことを感じます。ぜひひとつそういう意味で、私はこれまでの政府のやり方の怠慢をたびたびこの席でも論じましたけれども、それはもう論じたとて返らぬことですから、将来にわたっては大いにやっていただきたい。私はこれを最後に重ねて要望しておきます。
○野間委員 関連。きょう珍しく大臣が当委員会に見えましたので、基本的なことをちょっと聞いておきたいと思うのです。
 実は、いままで自動車の排気ガスあるいは亜硫酸ガス対策で論議を続けてきております。それで、自動車にしても、あるいは火力発電にしても、いま当委員会が希望をしている浄化装置あるいは規制、そういう問題でも、それぞれ技術開発あるいは産業の能力と申しますか、そういう点で問題がある。したがって、直ちに必要なんだけれども、それは無理があるという点から、国の援助が必要ではないかということになってきたわけですね。私も、政府が援助しなければならぬ実態にあるということはもう認めます。それは異存がないのです。異存がないのだけれども、そもそも公害という問題での最終的なと申しますか、第一義的な責任はやはり企業にあると思う。これは原則で、(「わかり切ったことだ」と呼ぶ者あり)いまもわかり切ったというように言われるのですが、当然なんですね。そこで、この第一義的な責任がある企業に対して、公害という問題が起きてきて、政府が援助をしなければならぬ部分がある。私は前提として、政府が出資をするなりあるいは負担をして公害対策に取り組む。つまり援助をする部分は、技術の開発であるとか、たとえば自動車の排気ガス、エンジンをどうするとか、あるいは脱硫装置をどうするとか、そういう技術を開発する部分については、これは国が行政の指導をする部面として必要なんです。したがって、それは国が自分みずから研究所を持ったりしてやる必要がある。それは十分でないけれども、やっております。今度は一歩進んでいって、それをどう取りつけるかという問題になってくると、これはやはり企業のほうでも研究開発が必要だ。それをどう取りつけるかという問題、これは第一義的な責任が企業にあると思うのですね。まあこれが私の前提であります。
 いま問題になっております三つの業界からそれぞれ援助の問題が出ておりまして、丹羽先生から御質問がございまして、政府から答弁がありましたが、その答弁の中で、どうもその辺がまだ明確でないような気がする。ですから、政府の責任はどこにあるのかということをもう一回はっきりしてもらいたい。
 それから、もう少し具体的に、たとえば自動車業界を例にとっていただければ一番わかりやすいのですが、一番問題の――これはちょっと大臣に見てもらいたいのですが、「自動車排気ガスの公害防止対策に関する要請」というのがあります。これの二枚目に「関係部品の生産を担当する部品工業の大部分は中小企業であり、その生産体制、技術開発等の現状よりみて、急激な規制の実施は、種々の混乱が予想されます。」とありますね。これはそうだろうと思う。そこでそれに対する対策はどうするのかという点で、要望として一番具体的なのは三項なんですが、三項に「排気ガスの公害防止の開発に対する要請」として、第一番目に、自動車部品のメーカーに対して特別の融資を考慮してもらいたい、こうあります。それから税制上の優遇措置が第二番目にあげられている。これはもう直ちに金の問題になってくるわけですが、たとえばそういう部面について政府はどの程度まで責任を持って措置しようとするのか、現政府が政府の責任としてどこまで分担をしてきたのか、それをもう一回はっきりしておいていただかないと、あとの決議の内容がはっきりしないのです。
○三木国務大臣 私も、御指摘のとおり、やはり第一義的責任は企業にあると思う。だから企業が工場を新設する場合には、公害の社会的影響というものを考えて、それを処置する責任がある。それだけのやはり社会性というものを今日の企業は自覚せなければならぬと思う。ただ、いま御指摘のような技術開発のような問題は私企業だけではやれないですから、政府が脱硫の研究についても今度取り上げたわけです。これはもう全額国庫の負担でやろうという研究で、いままでの研究体制としては画期的なものであることは御承知のとおりであります。今年度は十億くらいしかついておりませんが、これは将来ふやして相当な金額に、四つばかり選んだのは三百億くらいの金が研究費として要ると考えております。これは概算であります。こういうことで技術開発は政府がやらなければならぬ。ただしかし問題は、いろいろな既設の工場があるのですね。これからの新設の工場というものは公害に対する十分な配慮がなければならぬ。いろいろないままでつくっておる工場は、公害というものがこれだけ社会的な関心、社会的な問題を投げかけないときで、少しずさんであったわけですから、そういう既設の工場に対していま厳重な規制ということになってくると、なかなかやはりやっかいな問題がいろいろ起こってくる。ことに中小企業の場合はそうだと思う。今度機械工業振興臨時措置法の中へやはり公害というものを入れて、そうして中小企業の公害の防止に対する対策に対して便宜を与えようということにしたのでございます。しかし、原則としては、いま言われたことに私は異存はない。ただしかし、そういう中小企業とか、いままでの既成の工場に対しては何らかの措置はやはり必要であるということでございます。
○野間委員 まあ大体そういう答弁だろうと思いますが、そこで先ほど丹羽先生のほうからるる御質問がこの要望書に基づいてありました。これに対して中川さんからお答えになったのですが、きょうのお答えとしてはそうだろうと思うのですが、それでいま大臣が答えられた内容ですね、それをこの要望書に対してどういうふうにあらわしてくるのかという点は、中川さんはお答えになったのだけれども、これにはちゃんと具体的に要望として、税制がどう、そうすると、税金がどのくらいということになりますね。それから融資はどう、融資はどのくらいになるというように金額的に出てくると思うのですね、もう少し具体的に。その点についてはお答えがない。ちょっと無理だと思いますけれども、ですから機会を見て、この三つの要望書に対して政府の責任がどこまであるのかということが具体的に金で出るのですね。そういう具体的な政府のこの要望書に対する対策として、どの程度まで金額的に見れて、税制ではどうするということまで国が見れるという点について、もう少し具体的な数字をあげた資料をつくっていただいて、委員会に提出していただきたいというように思います。
 以上で終わります。
○井手委員長 肥田次郎君。
○肥田委員 私は、大臣の時間の制約もあるようですから、実はそれに協力をして、質問はこの決議が済んだあとにしたい、こう思ったのです。しかし、その内容はこの決議に関係がありますから、簡単に私の考え方だけを申し上げて、大臣にその点についての考え方を承っておきたいと思います。
 それは、簡単に申し上げますと、いま公害の中で亜硫酸ガスに関係する問題で一番大きな関係を持っておるのは重油を使用する火力発電所だと私は思っております。先般も参考人の意見を聞いておりましたら、これに対する認識がいささかわれわれと違うようであります。したがって、この亜硫酸ガスの排出防止に関する問題の中で、火力発電所の発電容量の一カ所に集中する量について何らかの新しい制約が必要であるのではないかと私は考えておるのです。それから、特にそうしたものと関連をして、施設に及ぼす関係ももちろんですが、このことについては専門家がおられるようですからあとで議論をしてみたいと思うのですが、これを抜きにしてこの亜硫酸ガスの排出防止ということが決定せられるとは私は考えませんので、当然そういうものについても及ぼし得るんだという考え方を大臣に承っておきたいと思います。
○三木国務大臣 技術的な点に触れますので、公益事業局のほうからお答えいたさせます。
○藤波説明員 やや技術的な問題に関連いたしますので、私からお答えを申し上げたいと思います。
 先般の参考人の陳述の際にも御質疑があった点に触れられている問題であろうと存じますが、火力発電所の一カ所の規模につきましては、公害防止上の観点のほか、電力系統運営上の観点、あるいは港湾とか用水の問題、敷地面積の問題等の立地条件が勘案されてきまるものであるわけでございますが、電力系統運営上の観点から申しますと、ほかの条件が許せば将来三百万キロワット程度までのものが計画されるものと考えております。公害防止上の観点から申しますと、具体的な環境条件と、それからその発電所が具体的に行ないます公害防止施設とか対策なりというものとの関連におきましてケース・バイ・ケースに慎重に審査検討いたしました上でチェックされるべきものだと思います。必要があればその観点からの規模の制約というものも考えなければならぬ場合も出てくると考えております。
○肥田委員 いまのような答弁になると、ちょっと時間がかかるのです。それで私がそういう意味で重ねてお伺いしたいのは、あなたは一地域の発電容量は三百万キロワットアワーを限度にしたい、こう言われる。この前の東電の何とかという人もそう言っておりました。ここに問題があるから、この点については、この立地条件というものと公害上の対策という関係とをにらみ合わせて、三百万キロワットアワーというのは百万キロワットアワーにも下がり得るんだという考え方を大臣に確認していただきたいと思うのです。現在の一カ所の発電容量というものは百万キロワットアワーをあまりこえていないでしょう。私はいまこれを規制しようとは言わないけれども、しかし、続々継続発電設備をやっておるところが二百万キロワットになり三百万キロワットになるというようなことは大問題だと考えておる。いま公害の亜硫酸ガスの一番大きな問題は発電所の重油使用から出ておるでしょう。それを三百万キロワットアワーも同一個所で発電をするということになると、これはそのままほっておくわけにはいかないのであります。本質的な意見の相違なのです。ですから公害上の問題が考えられて当然規制し得る。私の考えておるのは三百万キロワットアワーでも二百万キロワットアワーでもない。そういう点について大臣のお考え方を聞いておけば、私はこの質問を一時打ち切って、あとで本質的な問題についてその議論を深めていきたいと思うのであります。
○三木国務大臣 脱硫の装置といいますか、その技術が開発されてこうした問題が解決されれば事情は違ってくると思いますが、現状においては、あまり集中的に重油の火力発電ができるということは公害上の大問題を起こしますので、これは立地条件、公害等の問題ともにらみ合わせて今後の火力発電の設置については十分慎重に検討を加えることにいたしたいと思います。
     ――――◇―――――
○井手委員長 この際、奥野誠亮君から自動車排気ガス規制に関する件について、中井徳次郎君から亜硫酸ガス排出防止に関する件について、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。奥野誠亮君。
○奥野委員 私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、自動車排気ガス規制に関する件について決議をされたいとの動議を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
    自動車排気ガス規制に関する件(案)
  自動車の排気有毒ガスによる空気汚染は、国民保健上看過できない重大な問題であり、さらに最近における車輛激増の実情にかんがみ、政府はすみやかに左記の規制措置を講じ、厳重に励行すべきである。
 一、本年九月から販売される新型車(特定の車を除く。以下同じ。)には、エンジンの改造により一酸化炭素の濃度を三%以下とすること。
 二、明年九月から販売される新型車は一酸化炭素の濃度を二・五%以下、その他の新造車(特定の車を除く。以下同じ。)は三%以下とし、その後はさらに二%以下を目途に引下げを図ること。
 三、整備基準を強化し、明年九月以降の定期点検の際、一酸化炭素の濃度を、その新造当時の三〇%増以内とすること。
  なお、右の規制に伴い、技術指導体勢及び測定器の生産、ブローバイガスの再燃焼装置について指導を強化するとともに、自動車部品メーカーの装置開発に特別の融資を行ない、併せて新しい原動機の開発及び道路改良、立体交差等公害防止の総合的対策を推進すべきである。
以上でありますが、この動議を提出するに至った経緯等について一言申し上げておきたいと存じます。
 近年における自動車の激増、排気ガスによる大気汚染、そこから都市における生活環境は急速に著しくそこなわれてきているのであります。厚生省における排気ガスによる大気汚染の定点観測の結果に見ても、人命その他に与える影響は放置できない事態に立ち至っていると認められます。今日の実態は、さらに調査を推し進めて、その上に立って対策というようななまぬるい、緩漫な措置では済まされないというのが偽らざる国民感情でもあります。急速に立法措置を講ずべしという激しい世論が醸成されつつあると言っても過言ではないと考えるものであります。このような状況にもかんがみ、当委員会でも、政府行政当局や工業技術院、公衆衛生院、労働科学研究所等の責任者に事情をただしてきたばかりではなく、言論界、学界、業界等からも二十人に近い参考人の出席を求めて検討を続けてまいったのであります。その結果は、自動車の排気ガスによる大気汚染、その公害の防止は、もはや議論の段階ではなく、実行に移すべき段階にきているということでもありました。幸いにして自動車業界にあっても、排気ガスの公害防止について積極的に体制を整えていきたいということでありましたし、私もまたその誠意を認めるにやぶさかではないものであります。同時にまた、この公害の防止は、自動車の渋滞防止のための道路の立体交差化等々の対策を総合的に進めていくことも必要なことであると思われたのであります。
 このような経過を経て当委員会としてこの決議を行なおうとするに至ったのであり、また、この決議を通じて政府を一そう鞭撻してまいりたいと考えた次第でもあります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○井手委員長 中井徳次郎君。
○中井委員 私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、亜硫酸ガス排出防止に関する件について決議をされたいとの動議を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
    亜硫酸ガス排出防止に関する件(案)
  大気汚染のうち最も顕著な公害を与えている亜硫酸ガスの排出防止には、重油自体から硫黄を除去することが根本策である。すでに技術的に可能であることが明らかにされ、その国民の健康に及ぼす影響は経済性を克服すべき事態である。よつて政府はすみやかに重油脱硫の開発を行ない、四十二年度中に指導体勢を整備すべきである。
 一方排ガス中の亜硫酸ガスを除去するため、政府は
  一、火力発電所に対し、四十三年中に指導体勢を整え、四十四年から脱硫装置の設置に着手させること。
  二、亜硫酸ガスを多量に排出する地域を指定し、すみやかに使用燃料及び工場立地の規制を行なうこと。
  三、亜硫酸ガス等を排出する工場に対し、清浄装置の開発及び取りつけを強力に指導すること。
  四、脱硫装置に対し、特別融資を行なうこと。
以上でありますが、この動議の趣旨につきましては、案文のうちに尽くされておりまするので省略させていただきます。
 委員各位の御賛同をお願いいたして、趣旨説明にかえる次第であります。
○井手委員長 この際、両動議に対し、吉川兼光君より発言の申し出がありますので、これを許します。吉川兼光君。
○吉川委員 私は、両決議に対する発言でございますが、私も提案者の一人でありますから、決議の内容について質疑その他をするものではありません。ただ、この際、一言しておきたいと思いますことは、ただいまの両決議の説明の中にもありましたように、公害問題は、最近特にその緊急性が要求されておると思うのでございます。ところが、公害に対して、これを受けて立つとでもいうべき企業方面において、若干のちゅうちょが見られたということは、決して私それを容認するものではありませんが、また立場上やむを得ないと思われる節もあるわけでありまするが、私はここで声を大にしたいのは、いわゆる行政当局、特に事務関係の方面におきまして、ややともしますると、公害問題に対する熱意が薄いという傾向があるのであります。最近の各省をのぞいてみましても、たとえば通産省のごときは、ここに大臣がおるからちょっと言いにくいことでありますが、三木大臣になってから、かなり通産官僚の公害に対する考え方が積極化してきたように思うのであります。私の情報に間違いがなければ、三木大臣が行くなり、公害問題は一番大事であるから、ひとつこれに対して通産省は積極的にやらなければいかぬということを省内で言ったというふうに伝わっておるのでありまして、日本の官僚組織は、大臣がものを言えば、たいていのことがそれによって動くというのが、現実の姿でもありまするが、通産省においてすら、三木大臣になって初めてこの問題がかなり積極的に活発化してきたという姿であるのでありまして、私は、こういう点から、この決議を取り扱うにあたりまして委員長に特に一言申し上げておきたいと思って、発言を求めたわけであります。
 従来委員会における決議といいますのは、御承知のように決議が行なわれますると、まずこれを議長に報告し、それから関係役所にこれをすみやかに送付するという手続になっておるのであります。私は、この二つの決議に関する限り、このようないわばおざなりといったような従来の取り扱いではどうか。といいますのは、佐藤総理大臣も、公害問題に対して特に発言をしたことが新聞に大きく報道されたのは数日前のことでありまして、非常に関心を持っておるようでありまするから、この決議が行なわれましたならば、やがて関係大臣のここに御出席の通産大臣、運輸大臣等から、政府の御意見をその御責任の範囲内において御発言になると思うのでありまするが、委員長におかれましては、与野党の理事の代表一人ずつぐらいをお伴いになって、三人くらいでひとつ総理大臣にお目にかかって、この決議の内容をこまかく御説明してもらいたいと思うのです。そうしてただいまの趣旨の御説明の中にもありましたように、国民の側から考えまするならば、もはや議論の段階ではない、調査の段階ではないということが、国民一般の世論だと私は思うのでございますが、それらの点等につきまして、ひとつ責任のありまする委員長の立場から、総理大臣に直接御説明をなさるべきである。
 私は、決議が行なわれた後における本委員会のとるべき態度について一言発言をいたしておく次第でございます。
○井手委員長 ただいまの吉川君の発言に対しましては、決議が行なわれまするならば、御趣旨を体してさように取り扱いたいと考えております。
    ―――――――――――――
○井手委員長 これより順次採決いたします。
 まず、奥野誠亮君外六名提出の自動車排気ガス規制に関する件を本委員会の決議とされたいとの動議について採決いたします。
 本動議に御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 次に、中井徳次郎君外六名提出の亜硫酸ガス排出防止に関する件を本委員会の決議とされたいとの動議について採決いたします。
 本動議に御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 ただいまの両決議に対し、三木通産大臣、中村運輸大臣、佐々木厚生政務次官及び大蔵省荒巻主計官から発言を求められておりますので、順次これを許します。三木通商産業大臣。
○三木国務大臣 ただいま御決議になりました自動車排気ガス規制に関する件、亜硫酸ガス排出防止に関する件の決議は、きわめて重大な公害問題に触れている点でございますので、決議の趣旨が今後すみやかに実施されるように全力を尽くしたいと思っております。
○井手委員長 中村運輸大臣。
○中村(寅)国務大臣 自動車の排気ガスに対する規制措置につきましては、先般来申し上げておるとおりでございますが、この委員会の決議の趣旨を体しまして、なお一そう努力する所存でございます。
○井手委員長 佐々木厚生政務次官。
○佐々木(義)政府委員 両決議案の御趣旨を体しまして、所官事項に関しましては、できるだけ一生懸命努力してまいりたいと思います。
○井手委員長 大蔵省荒巻主計官。
○荒巻説明員 大蔵省といたしましても、決議の御趣旨を尊重いたしまして、関係各省庁とも十分連絡をとり、全般的に両案件をよく検討してまいりたいと思います。
○井手委員長 なお、両決議の参考送付等については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員長 御異議なしと認め、さように決しました。
     ――――◇―――――
○井手委員長 引き続き、公害対策について調査を進めます。
 ばい煙対策に関し質疑の通告がありますので、これを許します。肥田次郎君。
○肥田委員 それでは、先ほどの通産大臣への質問に引き続いて、その内容についてさらに若干の質問を続けてみたいと思います。
 まずお伺いしたいのは、先ほどこのばい煙公害の問題の中で、発電所の関係で、いわゆる集中した高煙突によるところの高圧排出、こういう方式をとっておるので、これで大体目的を達しておるような、こういう発言の印象を受けたのです。しからば、これが全域的にそういう方向をとっておられるかというと、必ずしもそうじゃない。このことについて、将来の指導方法として、現存のまだそういう措置をとっておらないものについてはどういう措置をとられるのか、この点をまずお伺いをしておきたいと思うのであります。
○藤波説明員 先ほど私が申し上げた説明、ことばの不十分であった点が多かったと思いますので、若干補足して申し上げたいと思います。
 現在一カ所で一番大規模な発電容量というのは約二百万キロワット程度でございますが、先ほど申し上げましたのは、諸条件が許せば、電力会社としては、電力運営上はそれ以上のものも計画するであろう、こういうことを申し上げたわけであります。公害防止上の観点からは何万キロまでよろしいという一律の基準は実は立ちにくいわけでございまして、その具体的な環境条件、公害対策施設の内容等によりまして、それ以上の規模であっても差しつかえない場所も多少出てきましょうし、また、逆に申しまして、現在の百万、二百万キロよりもっと小さい規模、五十万キロでも問題があるという地点も出てこようかと思いますので、そういう意味におきましてケース・バイ・ケースに、この対策も、また環境条件との関連において考えていかなければならぬ、こう申し上げたつもりでございます。
 いま御指摘の、集合煙突にいたしまして排気ガスの量なりスピードなりを増しまして、あるいは煙突の高さを高くいたしまして、拡散効果をさらに増すといったことにつきましても、その環境条件との関連におきまして実施させておるわけでございます。
○肥田委員 そうすると、こういうふうに理解をすればいいのですか。発電所の容量はその立地条件に基づいてこの施設を認めていく、簡単にいうとこういうふうに解釈してもいいわけですか。
○藤波説明員 かりに敷地の面積が非常に多量な、たとえば三百万キロ置けるような敷地があったといたしましても、公害防止上の観点から、先ほど申した観点からチェックいたしまして、問題があるというところにつきましては、敷地がありましても、その設備容量は制限しなければならぬ、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
○肥田委員 そこで、先般の東電の常務の話ですが、私はあの人とあのとき議論しようという気はないからこの問題はあまり深くやらなかったのですが、これはやはり電力企業家としてのものの考え方が主なんですね。だからそこに食い違いがあるのです。私は、特にこの点について政府当局の認識を深めておいてもらいたいというので、きょうこうして質問を継続さしてもらっているのですが、要するに、一カ所における発電施設というものが二百万キロになろうと三百万キロになろうと、これは確かにその地域にそれだけの需要さえあれば有利なことだ、これは企業として有利なことなんです。ですから、企業として有利なことをまず基礎条件にして、そうして公害対策というものが従になるような場合に、ああいう発言が出てくるのだと私は思うのです。ですから私はこの点を特に警戒をしたのです。たとえば、ここにこういう決議文の内容になっておりますけれども、しかし、企業というものが主になれば当然公害対策というものが従になってきて、そして通産省のお役人ではどうにもこれを制限しがたいような結果になってくる、こういうことを私はおそれるのです。そういう点は、いわゆる公害対策というものは、わかりやすくいうと亜硫酸ガスの発生によるところの影響というものが常に基本条件に考えられて、そうして特に発電所のような場合にはその施設容量の認可をしていく、こういうことになるわけですね。
○藤波説明員 お話のように、火力発電所、特に重油専焼の火力発電所につきまして一番問題になりますのは、煙突から出る亜硫酸ガスの問題でございます。火力発電所の許認可につきましては、その点を最重点に検討しておる次第であります。
○肥田委員 そこで、先般私が資料要求をしたのですが、この資料は、実は私の要求したものの考え方に対して十分でなかったわけです。先般私が要求した資料というのは、今日までの発電所の分類、いわゆる水力、火力、それから火力の中の石炭、重油、こういうふうに分類をしたものと、それから、どの地域にどれだけの容量の発電所があるか、こういう内容のものを要求したのです。それから、さらに今後のいわゆる計画中の発電所の敷地、それから容量、こういうものを合わせたものを実は私は要求したつもりであったのですが、ことばが簡単であったために、総合的な四十五年くらいまでの発電施設の見通し程度のものしか資料はもらえませんでした。
 そこで、あらためてこれはお願いしておきたいのですが、先ほど言ったように、日本の各地域におけるところの――水力はよろしいです、しかしまあせっかく資料があるのですから、ついでにそういうものも書き加えていただければ非常に参考になりますから、各地域におけるところの発電施設と容量、地名を入れてもらって、ひとつごめんどうでもお願いいたしたいと思うのです。特に私がこれは必要だと思うのは、東京湾の周辺に、先般もなお三百万キロワットの発電施設を集中してつくるような話もありました。あとから聞いてみると、一カ所に三百万キロワットアワーじゃありません。こういうことでしたけれども、疑わしいから、そういう点で現在東京湾周辺に何カ所の発電所があって、重油、石炭、これだけの区別で、それぞれの発電容量というものもひとつ加えていただきたい。いわゆる東京湾、伊勢湾、大阪湾、こういうところが特に私は大切だと思うので、資料としてお願いをしておきます。
 それからもう一つは、私は非常に大切だと思うのでお伺いしたいのは、これも先般資料の中の説明を聞きましたら、大体六千万キロワットアワー程度のものの発電は、その五分の三ぐらいですか、これは数字は私も固執いたしませんが、五分の三程度ものがいわゆる火力発電所で、そのうちの三千万キロワットアワーくらいがいわゆる重油発電、こういうふうな数字であったと思うのです。そうしてくると、この推移がやがて原子力発電というものに移行するとしても、四十五年くらいまではまだ原子力発電施設というものは百二、三十万キロワットアワーくらいのものですから、そうすると大部分のものは重油にかわっていくということになるわけです。そうすると、将来の発電施設の推移というものは、原子力になるのはまだまだ十年から先の問題であって、当面はこの重油が中心になった発電施設ということになってくると思うのです。重油が中心になってくる発電施設ということになってくると、この施設というものは容易に転換され得るものじゃないので、これは相当長い期間このまま進んでいくだろう、こういうふうに考えるわけです。そこでこういう本日の決議が必要になるわけですが、そのために私がいまいろいろ調べても、私自身もこの正確な資料ができませんので、これはひとつ厚生省のほうにもお願いしたいのですが、大体一万トン重油を燃焼してどの程度の亜硫酸ガスの発生量があるかということを検討していただきたいと思います。
 それからもう一つ、最後にお伺いしておきたいのですが、私が一番心配なのは、東京だとか、大阪だとか、名古屋だとか、こういう電力が集中して使用されるところにおける発電施設の集中、これはもう当然な結果ですから、そういうことになってまいりますので、これはきょうおわかりならひとつ知らしてもらいたいのですが、一つの例として、たとえば東京湾周辺の昼間におけるところの電力使用量、それからマキシマムの使用量、それから夜間の使用量、こうしたものをお知らせ願いたいと思うのです。いまわかっておれば聞かしていただきたいし、もしいまその資料がないようでしたら、私はその資料をもらった上で、あらためてこの東京湾周辺におけるところの発電所の施設の限度について質問を行ないたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○藤波説明員 ただいまの資料を手元に持ち合わせておりませんので、詳しい数字は後ほど御説明申し上げたいと思いますが、大ざっぱに申し上げまして、東京電力管内でいま消費しております電力は大体六百万キロワット程度ではないかと記憶しております。そのうちの過半量は東京湾周辺というぐあいに記憶しておりますが、数字につきましては、後ほど資料を整えまして御説明申し上げたいと思います。
○肥田委員 東電の常務は先般、東京の一日の電力使用量が四百万キロワットアワーぐらいだ、こう言っておりましたが、そうすると、あなたのいまの六百万ということになると、五〇%違うわけです。それはいいです、あとから資料を見せてもらえば。その資料を見せていただいた上で将来のことも含めて――現在東京湾周辺に四百万キロワット時の発電施設があるわけですね。そうすると、この中の最高といいますか、一番大容量の発電施設というものはどこにありますか、京葉地域のあれですか。
○藤波説明員 現在一番大きな発電所は横須賀にございます横須賀発電所でございまして、現在建造中のものを含めまして約二百万キロワットの規模でございます。
○肥田委員 それは現在もう二百万キロワットの発電をしておるのですか。
○井手委員長 資料が出てからにしたらどうですか。
○藤波説明員 現在発電中の設備は約百三十万キロワット程度でありますが、あとの七十万キロワットについては近く発電をするということになっております。
○肥田委員 それでは、委員長のああいうお話もありますから、資料を見せてもらった上でこの質問を継続していきたいと思います。
 それからもう一つ、確認をしておきたいのですが、堺はいま七十五万キロワット発電をしています。その次の二十五万キロワットが大体でき上がったようです。ところが、これは集中煙突ではありません。そうして百八十メーターで、百五十メーターに三十メーターついで、全部四基ともそれにそろえて高圧噴出をやるのだそうですが、これは集中煙突方式と、同じ百八十メーターの場合の効果というものはどういうふうになりますか。――そうしましたら、その点についてもひとつ後刻……。私は無理なことを言っておるわけじゃないので、いろいろと検討をしたい問題が最終的にありますからお伺いしているのです。ですから誤解のないように。その効果についてお伺いしたいことが一つ。
 それから、それによって、集中方式のほうが利点が多いということなら、こういう問題が出てくるのです。現在そうして単基の煙突になっておるのを集中方式にすることは不可能なんです。だからそれらに対する指導方法というものと、それから現在堺の場合には百万キロの施設がもう大体でき上がった。そうすると、あとに残る問題は、この地域にもうあと百万キロの施設を認めることが是か非かという議論が起こってきます。これは横須賀の現在百三十万キロ、あと七十万キロをどうするかというような問題も起こってくる。私はこういう点について議論をしていきたいと思いますので、ひとつ先ほど言った資料を出していただくようにお願いをしておきます。
○井手委員長 通産省は、次回までにただいま肥田君要望の資料について御用意を願いたいと思います。
 次会は、来たる二十七日水曜日午後一時から理事会、午後一時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十八分散会