第051回国会 内閣委員会 第30号
昭和四十一年四月二十六日(火曜日)
   午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 木村 武雄君
   理事 伊能繁次郎君 理事 岩動 道行君
   理事 辻  寛一君 理事 長谷川四郎君
   理事 藤枝 泉介君 理事 大出  俊君
   理事 田口 誠治君 理事 山内  広君
      臼井 莊一君    加藤 高藏君
      海部 俊樹君    野呂 恭一君
      保科善四郎君    堀内 一雄君
      前田 正男君    村山 喜一君
     米内山義一郎君    受田 新吉君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 松野 頼三君
        国 務 大 臣 安井  謙君
 出席政府委員
        総理府総務副長
        官       細田 吉藏君
        総理府事務官
        (恩給局長)  矢倉 一郎君
 委員外の出席者
        専  門  員 茨木 純一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第三七号)
 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一二六号)(参議院送付)
 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 八〇号)
 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一〇八号)
     ――――◇―――――
○辻委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長の指名により、私が委員長の職務を行ないます。
 内閣提出第三十七号、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。松野防衛庁長官。
○松野国務大臣 今回提出いたしました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の提案理由及び内容の概要について、御説明申し上げます。
 まず、防衛庁設置法の一部改正についてご説明いたします。
 これは、第二次防衛力整備計画にのっとり防衛力を整備するため、昭和四十一年度において防衛庁の定員を改め、防衛庁本庁の職員を六百二十九人増加するための改正であります。この増加分は、自衛官の増員六百三十人と、自衛官以外の職員の減員一人とを相殺した員数であります。
 自衛官の増加は、海上自衛隊及び航空自衛隊の自衛官の増員でありまして、海上自衛隊における増員は三百八十人で、艦艇の増強に伴い必要とされる人員の配置及び後方支援部門等の充実のために充てるものであり、また航空自衛隊の増員は二百五十人で、自動警戒管制組織の設置及び救難、施設等の部門の拡充のため必要な人員であります。
 減員一人は、外務省の定員に振りかえるものであります。
 次に、自衛隊法の一部改正でありますが、これは自衛隊の予備勢力確保のため予備自衛官三千人の増員を行ない、予備自衛官の員数を合計三万人とするための改正であります。
 以上、法律案の内容を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いいたします。
     ――――◇―――――
○辻委員長代理 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。安井総務長官。
○安井国務大臣 ただいま議題となりました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 本年二月二日付けをもって人事院から国家公務員法第二十三条の規定に基づき、国会及び内閣に対して、先般の労働者災害補償保険法の改正と対応して、国家公務員災害補償法の一部を改正する必要がある旨の意見の申し出があったのでありますが、この申し出に基づき、国家公務員災害補償制度について、年金たる補償の範囲を拡大し、その他補償内容の改善を行なう等の必要があるのであります。これが、この法律案を提出する理由であります。
 次に、その内容につきまして概略御説明申し上げます。
 第一に、障害補償の年金の範囲を拡大することといたしました。すなわち、従来は障害等級男手級から第三級までの重度障害者にのみ年金を支給し、その他の第四級から第十四級までの者については一時金を支給していたのでありますが、年金支給の範囲を拡大して第四級から第七級までの中度障害者についても年金を支給することとし、公務によって身体障害を生じた者に対する補償を厚くすることといたしたのであります。
 第二に、従来一時金でありました遺族補償について、現行法に定める遺族のうち、職員との親族関係の深い一定の要件に該当する遺族にかかるものにつきましては、年金とすることとし、年金の支給を受ける権利を有する遺族及びその者と生計を同じくしている遺族の合計数に応じ、当該年金を受けることができる遺族の数が一人の場合には平均給与額の年額の三〇%、遺族一人がふえるごとに五%を増して最高五〇%までの年金を支給することといたしまして、遺族の保護の徹底をはかったのであります。なお、年金を受けることができる遺族がない場合には、遺族補償年金を受けることができる遺族以外の遺族に対し、一時金を支給するものとし、その額は、業務上の死亡にかかる他の法令による給付との均衡を考慮して人事院規則で定めるのでありますが、当分の間は、従前の額の範囲内において人事院規則で定めることといたしております。
 第三に、年金たる補償につきましては、国民の生活水準、国家公務員の給与、物価その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情を総合勘案して、すみやかに改定の措置を講ずるものとする旨の規定を設けることといたしております。
 第四に、公務上の災害を受けた職員の福祉に関する施設として、リハビリテーションに関する施設及びその他必要と認める施設を追加することといたしております。
 第五に、従来、国家公務員災害補償法の適用外とされておりました船員である職員につきましても、同法を適用することとし、当該船員である職員にかかる補償につきましては、人事院規則で特例を設けることができることといたしております。
 なお、この改正案は、昭和四十一年七月一日から施行を予定しております。
 以上のほか、この改正案におきましては、休業補償等の支給制限、年金の支給停止、年金たる補償の支給期間等につき規定いたしますとともに、その附則において、以上の改正に伴う経過措置、補償年金と国家公務員共済組合法、恩給法等の規定による給付との調整、関係諸法律の条文の整備等につき所要の規定を設けているのであります。
 以上、簡単でありますが、この法律案の提案の理由及びその概要につき、御説明申し上げた次第であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
     ――――◇―――――
○辻委員長代理 恩給法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。山内広君。
○山内委員 恩給法の審議に入ります前に、衆議院規則の定めによりまして、たぶんこれは総理府所管になるのではないかと思うのですが、どこの省が担当すべきものか非常に判断に迷って、しかも、現実に各省に行ってどこでも受け付けてくれないという訴えがありますので、その点について、ちょっと明らかにしておきたいと思います。
 と申しますのは、二十年の八月にソ連が参戦いたしまして、当時樺太庁の長官は、老人や子供、婦人というものをいち早く本国に送還しようということになりました。そして長官の命令で、小笠原丸ほか二隻に分乗いたしまして、約五千人のこれらの人たちが、本土を目の前にして、どこの潜水艦かわかりませんけれども、国籍不明の潜水艦によって沈められまして、そして約千七百人の人がなくなっておられるのであります。船は三隻ともまだ海底にありまして、たくさんの死骸もその中にあると思われるのですが、この問題につきまして、遺族あるいは関係の方々が、これらの家族の救済とか、あるいはこういう安定した世の中になってきましたから、いろいろ慰霊祭もやりたい、そういうことで、どこの省が担当するかということで、厚生省に行ってみると、それは外務省の所管だと言う。外務省に行くと、防衛施設庁だと言われる。防衛施設庁に行くと、総理府だと言う。こういうふうにたらい回しになって、この問題の処理がどこの官庁でおやりになるのか、いまもって宙に迷っておる、こういうことで非常に困っておるわけであります。どこにも属さないということになれば、衆議院規則で総理府所管ということになるのではないかと思いますけれども、これについて、所管はどこにやるのが正当なのか、今後どういうふうにして、どこの省が担当して、これらの問題の処理に当たられるのか、ひとつお聞きしておきたい。
○安井国務大臣 留萌沖のこの帰還者の遭難につきましては、私どもたいへんお気の毒だと思っております。ただ、まれに見る例でございまして、一つの考え方からすれば、厚生省援護局等と非常に関係が深いことは事実でございますが、今日になりまして、一体どこの省だということが、いまなかなか扱いかねておるのも実情でございまして、私どもこの問題につきましては、早急に政府部内で相談いたしまして、その扱い方、処置については、早急にきめたいと思っております。
○山内委員 ちょっと誠意のない御答弁でがっかりするわけですが、これはもう二十年も前の事件であり、そしてこのことについては、遺族からは再三いろいろな訴えがあったと思うのです。いまになって国会で取り上げたから急に相談してきめるというのもどうかと思うのですが、もう少し突っ込んで、どの辺にいくのが正当なのか、あるいはいままでの話し合いを進められた経過がどうなって、いまもってまごついておるのか、もう少し明らかにしてもらいたいと思います。
○安井国務大臣 実は総理府が直接陳情を受けましたのは先月だそうでありまして、それ以来、私のほうでもいろいろとこの問題の扱い方について検討いたしておりますが、いま申し上げましたように、厚生省援護局がかなり関係は深いものと見られますが、いまとなって援護局だけにまかせるということも、必ずしも穏当であるかどうかという点等につきまして、厚生省側にもいろいろ意見がございまして、自分のほうだけの専管とする性質のものでもあるまいというような意見もございます。そういったような点から、私ども、もう少し関係各省と十分相談をいたしまして、折衝すべく下相談を進めておるわけですが、まだちょっとはっきりときめかねるということが、遺憾ながら、状況でございます。しかしながら、いまのお話のとおりに、そのまま放置するわけにはむろんまいりませんので、早急に結論を求めたいと思っております。
○山内委員 私のところに届いておる資料によりますと、外務省の管理局の引揚課というのの調査と、北海道民生部社会課の調査もあるわけです。それで、やはりこれは所管としては、これから次の点をお願いしますので、それを含めて、どこで所管するのがそういう問題を扱うのに便宜かということで、御判断いただきたいのです。
 先ほど数字をちょっと申し上げましたけれども、北海道の民生部の調査によりますと、なくなった方は千六百四十五名であります。そのうち、遺族の判明しておるのが千三百六十二名、遺族の不明であるのが二百八十三名ということになっております。だんだん聞いてみますと、この遺族でも、非常に生活に困っておるために、当然援護法の何かの適用を受けて救済を受けたいのだ、しかし、さっき申したとおり、どこで扱ってくれるかわからない、こういうことで、遺家族の援護対策というものをまず考えてやらなければならないだろう、こういうことが一点であります。
 それからもう一つは、小笠原丸、新興丸、泰東丸という三隻の船ですが、このうち一隻は、四十メートルぐらいの深さに沈んでおる。したがって、少し国でめんどうを見る気でサルベージでも頼めば、この船は引き揚げ可能ではないかと私判断するわけであります。遺家族としても、当然そういう浅いところに沈んでいるなら、何とかして引き揚げて、死体の収容――もうすっかり骨になっておると思うのですが、そういう措置も講じていただきたい、これが願いの筋であります。したがって、こういう問題の解決も、一応頭に置いていただきたい。こういうことで、これは八月に起きた事件ですから、いろいろな遺家族の慰霊祭とか、そういうものも、当然国にあるいはお願いするかもしれませんが、できれば間に合うように、早期に決定していただきたい。それだけ希望申し上げておきます。
 次に、恩給法に入ります。これは毎回問題になるのですが、満鉄あるいは満電等の外国の特殊法人との在職年限の通算の問題でありますが、いまのところ満鉄−日本という官吏、公務員といったようなケースは、最短の恩給年限は見ておりますけれども、実際の全期間を通算しておらない。そういうことで、この問題についてはずいぶん長い間要求されておるわけであります。昨年も、参議院の内閣委員会でこれは附帯決議がつけられております。できれば当然この改正案は今回の御提案の中に識り込まれると思っておったのでありますが、いまもって見送られておる。これはどういうわけか、その点を明らかにしていただきたい。
○矢倉政府委員 先生御指摘の参議院の内閣委員会における附帯決議がございまして、いわゆる満日のケースについての措置の問題がかねがね論議になっており、私たちも実は今回の改善措置を考えますときに、この附帯決議の内容をいかに扱うかということにつきまして種々検討いたしたわけでございますが、御承知のようにいわゆる日満目あるいは日満の場合と満日の場合の一応の格差を考えておくことが、恩給的に現在の段階においてはやむを得ないところではなかろうかというふうな考え方で、検討はいたしてみましたけれども、実は今回の改正の中には取り上げることができなかったわけでございます。
○山内委員 その理由はどういうわけでございますか。
○矢倉政府委員 御承知のように、日満あるいは日満目という場合の改善措置を旧来とってきておりますのは、結局当時の実態からいたしまして、いわゆる日本政府の公務員であった人たちが、そういう満鉄あるいは満州国政府等の設立の経緯からいきまして、満鉄なり満州国政府にある程度本人の意思にかかわらず赴任せざるを得なかったような事態もございます。そこでそういう人たちと、最初から満州国政府あるいは満鉄にみずから入られた場合の一応の差というものを考慮いたしまして、これは御承知のように一つの特例措置でございますので、いわゆる満州国政府あるいは満鉄が日本国政府そのものであったという考え方には立ち得ません。そこで当初から満州国政府あるいは満鉄にお入りになった方々については、そこにいわゆる日本政府からそういう要請に基づいて行くのが常態であった人たちとの区分をいたしてまいったわけでございます。したがって、そういう点について、現在の段階においてはそれをもう一歩進めて、いわゆる満目の場合にも同じような措置をすることが適当であるかどうかということについて、十分私どもとしては踏み切ることができなかったわけでございます。
○山内委員 ちょっとその御回答は納得がいかぬのです。公務員から満鉄に行った人と、満鉄で始めた人と差別をつけなければいかぬ、こういう御指摘ですけれども、事実初めから官吏から満鉄に行ったという人は、幾らもないと思うのです。満鉄でほとんど採用された。それから満鉄の性質なんですが、どうも満鉄という何か国の機関でないような御説明で、無理に二つを分けておるようでありますけれども、満鉄というのは、政府が一般会計から出資している会社であります。そして厳重な監督のもとに、もし政府の意に反すればその出資金も取り消される、そういうくらいの厳重な監督をしておった満鉄である。しかも、これは朝鮮総督府と満鉄の関係というのは、業務上も当然ですけれども、人事交流というものは始終行なわれておった。先例によると、二千人くらいの転出をやらせた例もある。そういうことで、満鉄というのは、まだあの当時は他国ですから、政府の下部機関とは言えませんけれども、扱い上としてはりっぱに政府の機関として、監督も厳重であったし、人事交流も行なえば、いろいろな点において、これは政府機関として認めるのがほんとうでないか。私どもは強くそういうことを考えるのですが、この点について、もう少し、長官どういうふうにお考えになっておりますか。
○安井国務大臣 御指摘のとおり、満鉄は特殊会社といたしまして国策に準じた仕事をやっておったことは、御指摘のとおりであろうと思うのであります。しかし、同時に会社自体の性格は、あくまで株式会社の方式をとっておりまして、半額は民間出資、それから政府の出資とで成り立っておるといったようなことから、入社する当時から、最初から国と同じような扱いを恩給等で受けることのない規定がそのまま適用され、それを承知をしておったわけでございます。したがいまして、そういう人が終戦後引き揚げてきて国の公務員となった場合に、何年かその分を加算すれば恩給になるという年限に達するという場合の特殊事情、これはやはり国の国策会社であったというような趣旨を加味しまして、最低年限に達するまでの年数を特別加算をいたしたいというふうにきめたわけでございます。したがいまして、それをまるまるやりますにつきましては、いささか問題があり過ぎるのじゃなかろうかという感じがしておるわけでございます。しかし、再三いろいろと御質問もございます。また、御趣旨の点につきましても、私どもも考えなければならぬ問題はあろうと思っておりまして、検討はいたしております。幸い今度恩給審議会ができますので、そういったことも含めて、ひとつ御審議を願って、それで結論を得たい、こういうふうに考えております。
○山内委員 まあひとつぜひ、これはいままでの政府答弁にこだわらないで、実情に即するように、満鉄の性格というようなものから、やはり再検討していただきたい。
 それからもう一つは、満鉄の当時の職員がシベリアに抑留された場合の通算ですね。これはちょっと不公平だと思うのですよ。文官の場合は、上陸するまで認めておる。軍人であれば、倍以上の加算もある。しかも、満鉄の職員もずいぶん抑留されております。特にこの中には、満鉄のかかえておったいろいろな特殊な技術屋さんだとかお医者さんだとか、そういう技術が必要ですから、特にねらわれて多数の抑留者を出した。そういう点から判断いたしましても、これは公務員と同様の扱いをするのが至当ではないかと思いますので、その点についてどうお考えになっておるか、伺いたいと思います。
○矢倉政府委員 満鉄職員が抑留されて、その間非常に拘束された状態に置かれた、そういった点においては、まことに同情できる状態にあるということは事実でございます。ただ、この抑留をもし見ていきますと、他の一般の当時のいわゆる犠牲者との均衡もございまして、かねがねこの抑留期間についての通算問題もあることは、私たちも承知をいたしておるわけでございますが、現在の時点においては、これを認めることについての問題点があろうかというふうに考えておるわけでございます。
○山内委員 その問題はまた御研究いただくことにして、その次に移ります。
 これは、前に田口委員が質問されたときに私ちょっと気がつきまして、関連質問でお尋ねしたことをひとつ確認しておきたい事項でございます。今回御提案になっています恩給法の二条の二でございますね、調整規定、これは訓示規定というような御答弁があったように思いましたが、これはいかがでございますか。
○安井国務大臣 訓示規定と言い切ってしまいますと、これは多少また誤解も生ずるのじゃないかと私ども考えております。しかし、田口委員からも御質問ありましたように、これがスライド制によってきちっときまっておる、あるいはどういう場合だという具体的なものがきまっていないという点から見ますと、これはまあある程度訓示規定的な性格になるじゃないか、こういう御質問に対しましては、事実上の問題として、どうもそう言われてもやむを得ないという点があることは事実であろうと思います。
○山内委員 そうしますと、今後この増額をはっきりする場合、これは法律によるのですか。どういうことの扱いになりますか。
○矢倉政府委員 恩給の増額の問題は、御承知のように、仮定俸給の是正ということになりますので、したがって、当然に法律の改正ということに相なります。
○山内委員 そこがちょっと私、よくわからないのですよ。訓示規定と言い切ると誤解があると言う、そうして今度は、増額する場合には法規でちゃんとうたって出すのだ、この点が、なぜ訓示規定といわなければならぬのか。法律でどんどんやるのだ、何も訓示規定なんて……。要するに、この二条の二の語句が、この前指摘されたように、あいまいで、それを逃げ切るためにそういうことを言われておるのじゃないですか。
○矢倉政府委員 ただいま大臣のお答え申し上げました点は、実は御承知のように、いわゆる恩給年額を改定してまいりますときの基本的な考え方というものが、旧来の恩給法の中になかったわけでございます。そこで、そういうふうな今後の改定を考えるときの一つの基準になるものが何であろうかというふうに考えられますときに、そこにいわゆる基準的なものというふうな意味合いを考えてまいりますと、単なる訓示規定と称するには、実は法の内容をなす規定でございますので、そこで大臣のお答えとしても、そういった訓示規定よりはやや強く、法的ないわゆる効力を持っていくであろう、かように申されたと考えるわけでございます。
○山内委員 その調整規定の内容なんですが、これはこの前もだいぶ問答をやったのですけれども、結局私はよくのみ込めないで終わりました。もう一ぺんお尋ねしておきますけれども、「国民ノ生活水準」とか、あるいは「国家公務員ノ給与、物価其ノ他ノ諸事情ニ著シキ変動ガ生ジタル場合」、こういうふうに規定してあるわけです。これはもう少し、こういう抽象論でなく、この前も話が出たのですが、きっとお考えがあってこういう提案をされたと思いますから、具体的に御説明いただきたい。
○矢倉政府委員 前回にもたびたび申し上げたわけでございますが、この規定そのものが、御承知のように、厚生年金法の調整規定に一つのよりどころを求めつつ、一般の公務員年金制度の調整規定としての考え方を打ち出したわけでございまして、その意味からいたしますと、いわゆる厚生年金のそれが物価とか国民の生活水準というふうな規定になっておるわけでございますが、公務員の立場で考えてまいりますと、在職者とそれから離職した者との関係というものについての考え方が、当然実はこの運用の場合に基準的なものとして考えていく筋ではなかろうか、かようなところから、いわゆる国家公務員の給与というものを特にこの調整規定の中に設け、一般的に公務員年金制度全体をそういう目でながめていくというふうな規定にされたのでございまして、今回の改正を考えますにつきましては、やはりこの規定の内容自体が、種々今後のいわゆる恩給法あるいは公務員年金制度全体の方向づけをしてまいると考えますので、それだけにこの規定の運用については非常に慎重でなければなるまいというふうなところから、実は再々繰り返して申し上げておりますように、この中身をどういうふうに運用してまいるかという点については、一つの法解釈適用の問題となってあらわれようかと思います。そこで、そのあり方として、このたび設けられます恩給審議会等においても、やはり恩給法全体をかなり強く支配していくものであるだけに、かような点については審議会のお知恵も拝借したい、かように申して、お答えを申し上げてまいったわけでございます。
○山内委員 恩給に対する考え方を局長は少し誤っておられるのじゃないかと私は思うのですよ。というのは、現職で働いておる人は、なるほど働いた賃金ですから、権利は当然にあるでしょう。しかし、まあ平均して三分の一よりもらっておらない、しかもなかなかそれを増額してもらえないということになると、もらっている人は、もう生活線ぎりぎりのものをもらっておるわけです。ですから、人事院勧告が公務員について五%以上の物価の値上がりがあったときは勧告するという場合、恩給法だったら、もう三%も上がったら、この人は困っているのだから、保障という考え方からすれば、むしろ私は恩給をもらっているほうの調整というものをスムーズに、しかも適切に、おくれないで、どんどんやっていくという考え方に立たなければいかぬと思う。それを何か人事院勧告が出て、公務員給与の引き上げも見、あるいは物価の値上がりも見、そうして二年も三年も過ぎてようやく上がっていく、こういうことでは、わずかよりもらっておらない、ぎりぎりの線で暮らしておる年とった恩給受給者というものは、非常にみじめになるのは当然だと私は思うのです。ですから、もう少し具体的にそういう点をきびしくすべきだ、そういう点で、私はこの考え方はおかしいと思うのです。特に、いま恩給審議会にゆだねると言っておりますけれども、これは二カ年間の時限立法でしょう。ぎりぎりにいけば、二年後にこれは回答が出るわけです。そうすると、この二カ年間で、最近のように物価がどんどん上昇しても、審議会がまだ答申しないからと言ってほっておきますか。こういう二条の二を設けた以上、審議会なんというよその人の知恵をかりなくとも、政府みずからが、これだけ必要なんだ、こうしてやるんだという具体案がなければ、二年間の時間かせぎのために審議会を設けて、そっちに責任を転嫁したというふうに言われても、私はしかたがないと思う。その辺はどうですか。
○矢倉政府委員 確かに先生御指摘のごとく、恩給のみによって生活しておられる方々は、この年額がどのように改定されるかということは非常に関心の深い問題であり、あるいは極端なことを申せば、死活の問題に影響するかもしれないという感じがいたすのでございます。その意味において、実は調整規定という、ある意味での進んだ規定を今度改正案として盛り込もうといたしておるわけでございます。この規定のどういうふうな運用のあり方がいいのかという点につきましては、確かに先生お説のごとく、たとえば国家公務員の給与が五%上がれば、即それが恩給に続いていくというふうなことになるということになれば、それはそれなりに一つの意味を持つ規定かと考えますが、ただ、恩給そのものの考え方が、御承知のように、どういうふうな理解をするかということはいろいろ学説も分かれておりますが、私たちは、やはり旧来の国家公務員あるいはその他軍人として国に特別な義務を尽くしたことに対する国の補償としての意味合いを持たせるべきだということが、主であると考えておるわけでございます。そのような意味から、恩給には恩給の特別な性格があるのではなかろうか、かようなところから、実はこの調整規定の持つ意味というものを、私たちは私たちなりに考えておりますけれども、しかし、それが直接的に恩給の受給者に大きな影響を与えると同時に、国の施策としていかにあるべきかというもう一つの課題もございましょうし、また恩給に対する一般国民の受け取り方というものもございますので、さような点から新たに設けられる審議会に、この内容をどういうふうに実現していくかということについての問題点を考えていただこうといたしておるわけでございます。なお、その間に、たとえばいまお話しのごとく物価が急昇いたしましたり、国家公務員の給与がはなはだしく上げられて不均衡の問題が出てきて、恩給についての改正措置を必要とするではないかというふうな事態が起これば、この調整規定の中身の働きであると同時に、私たちは恩給独自の政府の考え方としての発展も、必然的にその中で実現してまいりますので、過般もお答え申し上げましたように、緊急の問題が起これば、中間の考え方も当然に起こり得るであろうということを申し上げてまいったわけでございます。
○山内委員 その点はそれくらいにいたしまして、この審議会のメンバーがすでに発表されました。あの当時は、近日中にきまるというようなお答えはあったのですけれども、まだこの法案が審議中にまさか発表されると思わなかったのですが、その事情と、それからあの人選は間違いがないのか、その点も公表されたものなら、御発表いただきたいと思います。
○矢倉政府委員 本審議会は、御承知のように総理府設置法に基づいてつくられる委員会でございますので、これは三月の末に成立いたしております。それに基づくところの政令も公布されまして、したがって、この審議会はできるだけ早期に発足してまいるということが必要だと考えましたので、委員の人選等は進められたわけでございます。
○山内委員 進められるのはいいのですよ。そこが悪いというのではない、これはきまっているのですから。ただ、こういう人事の問題というものは、あまり早期に、まだ法案ができないうちに、審議会が生まれるのか生まれないのかわからないうちに発令になったら、あと困るでしょう。そういう点を慎重に扱ってもらいたい、こういうことです。
○矢倉政府委員 確かにここに提出しております本年改正の法律案というものは、現在御審議いただいておるわけでございますが、これはしたがって私たちは、政府側としても改善を要する事項として提出いたしましたので、そこでこの案件と別に審議会を設けましたのは、御承知のように、なおこれ以外に先ほど御指摘のような問題もございまして、実は多数の課題が提出されております。したがって、ここに未解決の問題等も山積しておることでもございますので、われわれはできるだけ早い時期に審議会を発足させたい、かように考えたわけでございます。
○山内委員 それじゃ傷病恩給の査定基準をきめる調査会ですか、審査会、あれはどうなっておりますか。
○矢倉政府委員 傷病恩給の査定基準につきまして、かねがね考え直してもらいたいというような、いわゆる関係団体からの御要望もございましたので、これは調査会という御指摘でございましたけれども、私たちは症状等差についてのいろいろな御調査をいただく委員をお願いしまして、その委員の方々にこの症状等差についてもう一回御審査をいただき、基準的に尺度になるものを一度考えていただくということで、この調査の委員の先生方については、目下実はその道の専門の方々にいろいろお願いいたす方々としての下交渉をいたしておる段階でございます。
○山内委員 毎年恩給法に手をつけない年はないくらい、改正が行なわれておるのです。そのつど、継ぎはぎだらけの、だんだん大きくなったり、むずかしくなったり、改正が加えられておるわけですけれども、税法あるいは給与法と一緒に、私どもかなりこういう問題に目が触れる機会が多い者でも、わからない。恩給法は特に難解だ。しかも前例、前例でもって、前例の研究をやらなければならぬということで、非常に骨が折れる。特に恩給法を見ましても、一番基本になる恩給法は、いまもってこれはかたかなを使っておるのですね。次に今度改正案が出ると、それはみんなひらがなになっておる。これも差しつかえないのかもしれませんけれども、これ一つ見ても、恩給法というものは一貫しておらない。もう根本的に基本から立て直さないと、一つの例が善例であればいいのですが、悪例ができると、それに右へならえしていろいろな要求がまたふえていくでしょう。そういう意味でも、恩給法というのは基本的に立て直す必要がある。審議会も設けられますから、そういうスライドの研究もいいでしょう、いろいろなことも必要でしょうけれども、もう全面改正をやるべきじゃないかと思うのですが、長官いかがでございますか。
○安井国務大臣 お話のとおり、非常に複雑な機構、組織内容を持っております恩給制度でございまして、私どもは、今度の審議会におきまして、緊急を要するようなものにつきましては、また緊急な答申もいただきたい、しかし、全体の体系、あり方というものにつきまして、根本的な審議も願う、そういうつもりでやっております。
○山内委員 それから、恩給の額もやはりだんだんとアンバランスになってくるのですね。たとえば軍人恩給は、私も一時だいぶ反対したこともありますけれども、兵隊であれば四万三千二百六十七円ですか、年額です。大将でやめられた人は、四十万から四十五万となる。また、文官なんか二万四千円ですか、非常に格差が出てきております。こういうことの調整も、やはり考える必要があると思います。いかがでしょう。
○矢倉政府委員 確かに御承知のいろいろな問題がございますが、この恩給そのものが実はかつての古い時代からの一つの積み上げになっておりまして、恩給が始まってすでに八十年を経過しておりますが、その八十年間のいろいろな変化のあるものを一応よりどころにいたさないと、既得権というものが大きく侵害を受けたりいたします。そこで、先生御指摘のとおり、その恩給年額というものを彼此考えてみますと、確かに課題となるものがございますのですが、いま申しましたような点があるところに、先ほど申し上げましたような法律的の形式的にもいろいろな課題ができ、また恩給学的にもいろいろな問題が出てまいるわけでございます。しかし、いま先生も御指摘のような問題点につきましても、私たちはこれでいいということが言えないと思いますので、なお、新しい審議会等におきまして、十分御審議をいただきたいと思います。
○山内委員 きょうは、開会が非常におくれましたので、まだ質問者がありますので、これで終わります。
○辻委員長代理 受田新吉君。
○受田委員 私は、この間から二十日ほど東南アジアを皆さんのお許しをいただいて視察して帰ったのでございますが、各国とも日本に寄せる期待というものは非常に大きいものがある。われわれ国のよさというようなものの自覚の上に立って、これらの国々と大いに提携して、共通の目標である国際平和に寄与したいという熱意を持って帰ってきたわけです。その私の印象の上に、各国の政治情勢の中で、社会保障の線が、これらの後進国にもどんどん採用されてくる。
  〔辻委員長代理退席、委員長着席〕
その中でわが国が持つ独特のよさというものは、公務を持った者に対する処遇というものが、非常に重く実施されているという点です。これはわが国の歴史の伝統の上に立つ官僚機構を大事にするという意味の、明治以来の歴史がそうさしたのであると思うのでございますが、しかし、欧米の国国に比べれば、この公務の性格を持つ職員の退職後の処遇という問題についても、なお非常な劣りを見せておるということを考えたときに、この恩給法の改正に関連して、ひとついまから幾つかの問題点を提起して、懸案の解決に政府の熱意のほどを伺いたいと思います。
 最初に、恩給ということばに一つの疑点があることは、国民の各層の中に一応響いていることです。これは恩の字に問題がある。退職者の給与というものを、恩を着せる形のものでなくして、いわゆる退職年金という名称に切りかえてしかるべきではないかと思うのです。すでに、各種の共済組合は、個々に共済組合法の根拠のもとに退職年金制度なるものが生まれてきておるわけです。恩給ということばをそろそろ切りかえて、退職年金制度というものに名称変更をするときが来ているのではないか。伴う問題としては、恩給局を公務員年金局という名称に切りかえて、現職の公務員を通じて、共済組合の適用を受ける者であろうと、恩給法の適用を受ける者であろうと、少なくとも公務員年金局に統一されて、国民年金局というのが厚生省にあるわけでございますから、大蔵省の所管になっている共済組合の各種の法規の適用を受ける人々をもあわせて、恩給局が発展解消した公務員年金局というものに吸収されて、総理府総務長官の指揮のもとに、現職には人事局がある、退職者には公務員年金局がある、こうなれば首尾一貫していますね。長官、これをひとつすかっと切りかえていくと、恩の字に関する印象が抹殺されて、退職者もまた栄誉ある退職年金受給者として共通の喜びを味わうことができるのではないかと思うのですが、そろそろ明治時代の恩給制度は新しい時代の公務員年金制度に改変されたというかっこうに、制度の改正とあわせて関係者に希望を与えることが必要ではないかと思います。長官、御答弁を願います。
○安井国務大臣 恩給ということばが、古いことばであり、多少耳ざわりではないか、もっと新しい制度に、名称等も切りかえて機構も考えられてはどうかという御質問、私どもも非常にごもっともな点もあろうかと存じております。ただ、御承知のとおり、恩給は、いままでの過去にあった制度を復活をし、そして過去の実績に対する国の給与といいますか、報酬といったような形できております。新しいこれからの公務員の恩給に当たるべきものは、これはお説のとおり、年金制度へもうすでに切りかえたわけでございます。いずれは、この恩給そのものは相当な将来には消滅もするという形でございますし、過去の制度を復活したという意味で、一応はいま恩給という別な扱いをそのまま存続さしておいたほうが、扱い上は便宜ではないかと思っております。
○受田委員 私が指摘しているもう一つの問題、共済組合方式による年金受給者と国家管掌方式による恩給受給者とが、別々の屋根のもとで暮らすということは不合理である。国家管掌方式、組合管掌方式、いずれをとるを問わず、公務員がやめた後の栄誉ある在職中の、しろうとに関与できない特別の任務を持って勤務した者に対する退職後の年金受給というものに対しては、恩給法の適用を受ける者も、共済組合法の適用を受ける者も、同じ屋根のもとで一貫した作業で処遇改善等がはかられるようにすべきではないか。そうすれば、今度のスライド制の新設の問題なども、恩給法の部門も共済組合のほうも一括して調整がとりやすくなるわけであります。恩給法の改正でこういう規定を設ける、今度は共済組合のほうへ持ってくる、役所が違うと、そこでニュアンスも違ってくるということになるので、総務長官のもとにすでに公務員の統制ある人事局というものが一応できてきた。今度は公務員年金局をつくって、退職後の公務員を一括してこの制度のもとに守ってあげるというかっこうをとるということが、非常にいい案だと考えておるのですが、これだったら筋が通るわけです。恩給局を公務員年金局に変えて、いままでより仕事がふえるわけですね。国家管掌方式と組合管掌方式というものが別々の屋根のもとで暮しておるというのは、これは公務員の退職者にしては、何だか親類のようであって他人のようであるというようなことになる懸念があるわけです。これは制度上の問題ですから、恩給局長としては御答弁ができないと思いますが、総務長官はその問題はいかがですか。
○安井国務大臣 組織の上から一本化したほうが合理的じゃないかという御質問、私、非常に一理あると存じております。ただ、恩給と共済制度の内容とでは、かなり事務扱いが違いますし、そしていずれも事務量としては相当な量でございますから、これを一本の局がはたしていいかどうかということになりますと、相当問題もあろうかと思いますが、こういった点は、今後の課題としてひとつ検討さしていただきたいと思います。
○受田委員 恩給法の改正に伴う懸案が、一つ今度解決したわけです。それは私、多少世間に批判があろうとも、今度のいわゆる大きな意味でいう現職の公務員の給与の改善、物価高に伴うスライド制の採用ということは、恩給法改正の最も大きな要件を一応満たしたと、私自身も満足するものです。これはいわゆる恩給法の革命的規定であると思います。ところが、この規定については同僚委員の各位からもそれぞれ質問が出たと思いますが、何だかまだあいまいもことしておるという懸念があるわけでございますが、完全スライド制ではないという、そこに「著シキ」というようなことばが出てくるものですから、その著しいというのはどの程度かという疑念もあるわけです。しかし、そのことばがあろうとなかろうと、大体スライド制を実施して、現職の公務員の給与が引き上がるような場合、その他の条件が満ちた場合やるということは、そのことだけは間違いないでしょうね。
○安井国務大臣 おっしゃるとおり、この恩給のベースアップにつきましては、いままでも随時状況に応じてやっておったわけでございますが、それに対する法的な根拠もいままではなかった。これは政府の一方的な任意でやっておった。これをさらにもっと義務づけるという意味で法的な根拠を明らかにしたというのが、今度の趣旨でございます。しかし一方、御指摘のように、それじゃ完全スライドして、具体的に自動的にアップができるかということになりますと、まだここにはかなり問題があると思いまして、これは今後恩給審議会等でさらに具体的な方法については御検討願った上でコンクリートのものにしたいということで、目下のところ、心がまえの問題として相当前進は示しましたが、まだ完全なものにはなり切っていないわけでございます。
○受田委員 いま御指摘になった恩給審議会でございますが、これは委員の構成はすでに発表されて、また途中追加の二名の方があったようでございますが、この審議会というものは、一体いま御指摘になったような問題も含めて、いつ答申を得てやられるのか、目標は一応あるようでございますが、お答え願います。
○安井国務大臣 たとえば来年度の予算編成等に直接関係して検討願わなければならぬというような問題につきましては、早急に間に合うような個々の問題についての答申を願う、さらに引き続き全体の構成に関する体系づけであるとか、あるいは全体のあり方というものにつきましては、任期内に十分御検討、答申を願う、こういうふうに分けて考えております。
○受田委員 そうすると、スライドの問題はいつやることになるわけですか。いまの二条の二の規定の部分はいつまでに……。
○安井国務大臣 スライド制と申しますか、いまのあの規定自身のあり方については、これは諮問をまず最初にする中へ入れたいと思っております。ただ、審議会御自身がこれをどういうふうにお扱いいただくか、いま少しこれは全体の体系の中で見るべきであるという結論になりますか、あるいは早急にこうきめろという答申をいただくことになりますか、その点は、こちらといたしましては答申待ちということにしたいと思っております。
○受田委員 この問題は、非常に急ぐ問題だと思うのです。もうすでに一方、現職は四万円ベースに近い給与になっている。退職者はせいぜい今度改正されて二万四千円ベース、そのあたりを低迷しておるわけです。だから、すでに一万数千円の差ができております。これは第二条の二を適用するのには機が熟し過ぎていると私は思うのです。したがって、この法律の改正が行なわれ、審議会ができる。同時に、来年の予算には、少なくとも第二条の二の規定を生かすような審議会の答申を求めて、そこで来年の予算にはこの二条の二の規定を適用するような措置をする時期としては、熟しておると思いまするが、長官の御判断はいかがでございますか。
○安井国務大臣 いまのような御趣旨も含みまして、これはひとつ審議会の御審議を願う。十分そういう事情にあることはデータも差し出しました上で御審議を願うということで、その答申を待ちたいと思っております。
○受田委員 そうすると、こら了解してよろしゅうございましょうか。すなわち、この第二条の二の規定を設けたことは、退職者の処遇改善に、もう国民的要請、しかもここは党派を越えた熱望もあるわけですから、また内閣委員会の附帯決議にもたびたび出てきたことであるから、できるだけこれは急いで、つまり全体の問題の中では非常に急ぐ一つの問題として、できるだけ次の予算編成期には措置ができるようなはかり方をしたい、こういうお考えと了解してよろしゅうございましょうか。
○安井国務大臣 これは答申の出ぐあいにもよりますが、われわれ判断いたしまして、もし答申が間に合わないがどうしてもやらなければいかぬというような状況なら、これは単独で、規定そのものの根本的改正といいますか、具体づけとは別に、またこの手を入れることもできようかと思っておりますが、しかし、いまの状況でできるだけやはり全体の答申をいただいたほうが正しいと思いますので、できるだけ急いでひとつ答申を願う、こういうふうにやりたいと思っております。
○受田委員 その答申というのは、全体の答申ですか、あるいはこれを抜き出した、この問題あるいは途中で急ぐやつは先へ答申を求めるというお話がございましたが、そういう分類した形で答申を求めるという意味で、急いでやる分の中へこれが入るということでしょうか。
○安井国務大臣 これはやはり次年度の予算にもすぐ関係するものでありますから、なるべくならば急いでほしいという趣旨で、急ぐほうの分で答申を願いたいと思いますが、その結果につきましては、いまちょっとここで――それは全体との関連においてきめるべきものだというふうなもし答申が出るとすれば、その段階でまた処置を考えたいと思います。
○受田委員 これは今度の審議会設置の趣旨の問題にも関係するのでございますが、できるだけこういうことはあまり時間をかけぬほうがいいのですよ。半年で答申ができるのです。もうあまり苦労しなくて、すかっとやれる。それから賢明な委員の皆さんでございますから、もたもたしたことを言わぬで、そうむずかしいことじゃない。前に臨時恩給等調査会というのが、一ぺん岸内閣のときに私も委員の一人で答申を申し上げたのでございますが、あれはもう恩給制度全体の問題に相当手広く手を広げましたが、しかし、その中でもうすでに解決しているものもどんどんあるわけでございますから、これはこの機会にできるだけ来年、四十二年度予算には間に合うようにしていただきたい。何となれば、今度の改正措置は、三年計画であったやつを二年に縮めて、全部四十二年四月一日から完全実施というかっこうに漸次きておるわけです。去年この委員会で、いまの三年計画を途中で二年に縮めることもあり得るかと私が御質問申し上げたら、そういうことも考えるという前の長官の御答弁でございましたが、そのとおりに今度は三年計画を二年に縮めたわけですから、そういう意味では、もう来年の四月一日から今度の改正――三年計画が一ぺんに二年で片、ついてきたということを考えると、昭和四十二年度の予算案の中には新しいスライドを含んだ新制度がりっぱに織り込まれるようなかっこうで、退職者の年金がこの改正法第二条の二によって生かされるように、御処置をされることを希望します。希望の線に沿うて御努力されることをお答え願えるかどうか。
○安井国務大臣 お話の向き、できるだけ承知いたしまして、そういう方向でひとつ諮問は求めたいと思います。
○受田委員 明快な御答弁です。そういう方向で努力されることが明らかにされました。
 しからば今度は、具体的な法案の中身についてお尋ねしますが、恩給局長に主として御答弁願って、大事なポイントを総務長官が答えていただくということにさしていただきます。
 恩給法そのものの中に、社会保障制度的なものがだんだん入ってきたわけです。だから私、基本的にこの法律の文章が、片かなで、古いことばが使ってあって、つまり明治時代の印象があまりにも濃厚な法律であります。これをひとつ新型のひらがな方式――「何々ものとする」といういわゆる文語体方式でなくて、「生じたる」ということではなくて、「生じた」とかいう新時代的感覚の恩給法に、法律の文章を全部切りかえるほうが、共済組合法とのバランスをとるにもいいと思うのでありますが、これは大臣か法制局でないとぐあいが悪いですかね。
○矢倉政府委員 確かに先生の御指摘のように、かたかながあったり、文語体のようなものがあったり、それから先ほどお答え申し上げましたように、恩給法は、実はいろいろな時期における、その時点における解決が一つの積み上げ形式でできておりまして、旧法が、もうそれで死んでしまっていると思われるその法律が、一つの既存の権利の保障の規定になりますので、そこでその規定をまたやはり既得権益の保護として援用してこざるを得ないというふうな状態で、恩給法そのものを形式的にながめてみますと、まことにぎくしゃくしてわかりにくい。私も実は恩給法をながめましたときに、先生がお考えのような感じ方がいたしたわけでございますが、これをいま御指摘のように、全面改正をいたすということになりますと、法技術的にもかなり問題があるようでございまして、したがって、今回の改正法等も、その根っこの法律がどうあるかということが、形式的にその改正法律まで支配的な影響を与えておりますので、お見苦しい点になっておりますが、将来の課題としては、やはりいま先生の御指摘のような行き方が、法を整えるという意味においてもよかろうかと思いますが、ただ、これを直しますのには、相当な技術的な問題がひそんでいるようでございますので、今後の検討にまたしていただきたい、かように考えるわけでございます。
○受田委員 家族加給制度なんというのは一例でございますが、これは社会保障制度的な性格のものだと思うのです。こういう従来の、戦前の恩給であるならば考えられないような幅を広げた規定が、幾つか誕生をしました。そのことと今度の援護法、これは軍人の関係などには特に出てくるのでございますが、その関係というものが、ちょっと法律的にはぼけてくるといいますか、重なってきたわけですね。そこで、これは政策的な問題でございますが、援護法の中に規定する年金額と、恩給法の中に規定する年金額が、同じ条件でありながら違うものがあるのです。たとえば公務扶助料にしましても、現行制度で、一方の兵の場合の公務扶助料が九万二千円で、援護法になると、それよりも一千何百円かの差ができておる。性格は一全く同じです。軍人として、あるいは軍属として、同じ勤務に属しながら、その勤務の形態が恩給法できびしく制約されているためにこれに入らないというので、援護法へ入れてある。こういう問題は、ひとつ国務大臣として、恩給法と援護法と、だれが見ても性格の同じ立場のものが、恩給法に入れられないから援護法に入れた場合でも、やはり援護法の金額と恩給法の公務扶助料の金額を同一にするという方針のほうが、筋が通ると思いますが……。
○安井国務大臣 技術的な面もありますので、一応恩給局長から……。
○矢倉政府委員 確かにいまの先生の問題は、私たちも考えるべき点かと存じますが、御承知のように、一応私たち恩給で対象としておりますのは、いわゆる文官が主体で、文官と軍人とが対象になっているわけでございますが、援護法で処置をされるのは、主として軍人、軍属というふうなところが対象になるところから、一応その点において、援護法は恩給法に対する一つの補完的役割りを果たしているというふうな考え方で立案されております。ただ、運用のしかたとして、いろいろ問題がございますので、実は、私たちのほうは、絶えず厚生省と関連のある点につきましては協議を遂げながら進んでおりますので、できるだけそういった点についての調整をとっていくという考え方でおるわけでございますが、いま申し上げましたように、恩給そのものが、いわゆる対象の問題から、両者の、軍人と文官との関連の問題等がございまして、必然的に援護法と若干の相違が生まれてくる、かようなものが実態であるわけでございます。
○受田委員 それが、もうすでに恩給法がここまで幅を広げて社会保障政策を採用している以上は、補完役を持つ援護法の中に、同じ条件で公務死をした人に対する金額は、恩給法では性格的に救われない立場のものを金額では同等に救うという措置をとることが、政策としては非常に筋が通ると思うのです、だから、遺族年金という名称で幾らかずつ金額を下げる――以前は一緒だった事例があるのです。三万五千二百円時代には一緒だったのです。五万三千円になったときに、一方では五万一千円だった。それから七万の時代から九万と、みんな千何百円ずつ下げていった。スタートは一緒だったのです。金額は一緒にして救ったのですが、恩給法で救えない、しかし、補完役を持つ援護法では、金額としては同額の遺族年金を支給しようというたてまえであった。それが公務扶助料と遺族年金の差が途中から派生して、こういうことになったのでありまして、これは政府として一貫をして措置をとられないと、遺族年金、援護法の補完のほうでは金額は少ないのだ、こういうわずかな金額のために印象的に非常にまずさを与えるわけですね。これは今後ひとつ国務大臣として、特にこういう問題を主管大臣として御処理される安井先生のほうで、援護法の年金も最初の改正のスタートのときと同じような金額にもとへ戻す。このたびの改正の機会にでも、一緒に歩調を合わせるということへ踏み切っていただく。これはちょっと閣議などで――安井先生に先に申し上げておくとよかったのですが、申し上げようがおくれたわけですけれども、ひとつこのあたりで、とのたびは無理であっても、この次からは改正のつど、同じ公務で死亡した軍人軍属の遺族に対しては同額の扶助料と年金、名称は違っても金額は同じだという線を採用したいという言質を、ひとつここで与えていただきたいと思うのです。
○安井国務大臣 お申し出のお話、ごもっともな点もあると存じますが、いまここで一存できめることもいかがかと存じまして、よく検討した上で、でき得るならば御趣旨に沿うように努力したいと思います。
○受田委員 ごもっともな点があるのではなくて、ごもっともなんです。それはなぜかというと、最初の改正三万五千二百円のときには同じだったのです。これは恩給局長御存じのとおりなんです。途中で差をつけたのです。これはなぜ途中で差をつけたかということは、非常に問題がある。公務性からいっても全く同じ、ただ恩給法で救えない大東亜戦争の性格が、やむなく補完法である援護法をつくらしめたのだから、せめて金額では同額で救ってやろう。それから一方は二十歳となるし、一方は十八歳となって、子供さんの場合二歳も差ができているわけですね。それも二十歳で救わるべきだったのです。これは他の援護法の関係を最初のものと比較するなどを議論されなくても、公務の軍人、軍属のお子さんの場合には、すらっと二十歳としてやってよかった問題です。二つあるのですからね。もう二十歳と十八歳を議論する段階を過ぎましたけれども、しかし、この問題は基本問題として大事なことでございますから、ごもっともな点があるではなくて、ごもっともであるということに御理解を願わなければならぬ。恩給局長、その点は、私の主張はごもっともであるわけですね。そして大臣にひとつ言い直していただきたい。
○矢倉政府委員 確かに先生の御指摘のように、公務性というものが、いわゆる片方の救われない点を援護法で救っていくときに、趣旨は同じではないかという点、大臣のいま答えられたとおりでございまして、私たちは、事務的には、実は恩給の公務性というものの度合いによりましていろいろな判断が出てこようかと思いますが、公務扶助料は、御承知のように、一つの一般の普通扶助料の倍率等によって金額を算定いたしておりますので、これはこれなりに数字的な根拠を持って額を算出しておるわけでございます。
○受田委員 その算出を援護法に適用せしめるのが、筋が通るじゃないかということをお尋ねしておるわけです。
○矢倉政府委員 私の立場で申しますならば、恩給そのものの考え方としては、この公務の程度の判断のしかたが、やはり若干それぞれの対象によって考え方を異にするというところから、いまのような金額差が出ておるのではないかと思います。ただ、かつては一緒だったということでございますので、さような面からすれば、政策的な配慮としてはそういうふうな考え方もないわけではございませんが、ただ、援護年金は実は総理府側の所管ではございませんので、したがって、厚生省で御検討いただくときの一つのよりどころを、恩給のこうした基礎算定の数字の持ち方にある程度の配慮を加えていただくということが、今後の解決になるのではなかろうか、かように考えます。
○受田委員 そこはそれでおきます。
 そこで、今度は公務性の問題に触れる大事な問題があるのですが、傷病軍人の場合、現在の傷病恩給の算定基礎というものは、普通公務を基礎にしておる。昭和十三年当時に、戦闘公務と普通公務という制度があったわけです。戦闘公務という場合と普通公務の基準が違っておったわけでございますが、それは、特に軍人の場合は、非常な激戦地でからだをさらして戦うという場合の戦闘公務性というものが、十分考慮されておった。それが、昭和二十八年の八月の改正のときに、たとえばソ連に抑留されていた人々の中で、戦闘公務の公務扶助料の率も、一般の公務扶助料の関係があって、それ以前に戦闘公務として戦地に勤務していた率を大幅に下げて、一・七倍やらに切り下げて、二十八年八月に、戦闘公務の率を四倍やらの率を一・七倍に下げた時期があったわけです。こういうように比率を大幅に下げてきたわけでございますが、傷痍軍人の場合は、三十六年に法律の改正がされて、普通恩給戦地加算というものが一般の軍人にあらわれてきた。四十年に、さらに公務扶助料の算出基礎四三・二%に最低を押えてきた。こういう段階で、傷痍軍人の傷病恩給算定基礎をこのあたりで戦闘公務の額で切りかえてあげるような改正をしてあげられないと、傷病軍人の場合は、その三十六年の法改正、四十年の法改正で取り残されているという現状を考えたときに、一つ不均衡が発生したと思うのですが、この発生した不均衡を是正する措置を傷病軍人の金額算定の基礎の中に織り込む必要はないでしょうか。ちょっと専門的なことでございますが、恩給局長、御答弁願いたいと思います。
○矢倉政府委員 いわゆる傷病軍人に対する恩給の考え方として、戦闘公務か普通公務かという基準の取り方が、確かに過去にあったわけでございます。ところで、私たちは、傷病恩給というものをどのように考えておるかということになりますと、御承知のように、その人の傷病が何によって起こったかということと、それからその傷病によって現在の症状がどのような状態にあるかということが、いわゆる傷病恩給の基本になる尺度でございます。したがって、その尺度からいきますと、戦闘公務によってということ、あるいは普通公務ということによるよりも、現症がどのようになって固定しているか、それがどのような障害になっておるかというふうなところが一つの基準になって、このようにいわゆる増加恩給、傷病年金というふうな制度として、一項から七項あるいは一款から四款へというふうな一つの扱いになっておりますので、現状においての考え方は、いま申し上げましたようなところに基本がございます。ただ、それを公務性の問題の支配的な要因というものを考えて、いわゆる公務による傷病年金の額そのもの、たとえば倍率の形式でいかように考えるかという課題は一応はあるといたしましても、現状におきましては、いま申しました固定された傷病の度合いによって考えていくというふうなことが基本でございますので、したがって、私たちは、現在の段階においては、少なくとも戦闘公務、普通公務の区分による考え方を適当でないというふうに考えておるわけでございます。
○受田委員 それは適当でないということでございますが、しからば、もう一つそれに関連する問題があるのですが、三十三年の法律改正をしたときに、何条でしたか、階級差を廃止したわけです。そのときに、傷病軍人の場合、最下位の兵を基準に改正をした。ところが、実際の軍人の階級の平均は少なくとも、将校もおり兵もおるのですから、大体伍長か軍曹――軍曹あたりのところを基準にして算定をすればよかったのですが、一番下を基準にして算定しておられるために、傷痍軍人全体の階級の問題からいったら、バランスがくずれていくわけです。やはり下士官の軍曹あたりのところを基準に算定をされるのが筋ではないかと思うのですが、その給与を基準にしていくということはいかがでしょうか。いまからでも改正の見込みがあると思うのですが……。
○矢倉政府委員 御承知のように、実はいわゆる階級差というのは普通恩級の中で見ておりまして、傷病恩給の場合は階級差よりも傷病の程度ということが判断の材料になりますので、いま御指摘の点は、あるいは私の誤解かもしれませんけれども、普通恩給における階級差というものが実はそのまま傷病恩給の中に持ち込んであるかということになりますと、おそらく御指摘の点は、いわゆる増加恩給という重症度に対しては普通恩給の併給という考え方がございますので、そこで、普通恩給の併給が階級差という形であらわれてまいりますために、いわゆる増加恩給を受ける者の受給額の差というものが必然的に起こってまいる、この点についての御指摘ではないかと考えますが、ちょっと私の誤解であればお許しをいただきたいと思いますけれども、いまのような点を一応私たちは基本に考えておるわけでございます。
○受田委員 それは違うのです。私が指摘しているのは、増加恩給に普通恩給を併給しているわけですから、制度としては増加恩給が本家になっているわけです。それから普通恩給が新宅のようなかっこうにこの場合はなっているわけですから、その本家の増加恩給というものの金額はその症状によってきめるけれども、しかしながら、その金額の階級差は、増加恩給というものは一応ないことになってきたわけです。ないことになってきたけれども、前にはあったわけなんです。それをないことにしたときに、せめて軍曹の階級程度まで一律に引き上げるべきでなかったかという、増加恩給金額の全体の問題をいま申し上げているわけです。
○矢倉政府委員 私は不敏にしてちょっとその間の経緯を存じませんでしたので、この件について、もしいま先生の御指摘のようなことでございますれば、さらに今後の傷病恩給の年額をどういうふうにするかという問題のときに、十分御意思のほどを検討さしていただきたいと思います。
○受田委員 そういうふうに検討していただくことでございますから、それに譲らしてもらいます。期待をしております。
 同時に、私たちとしてもはなはだけげんに感ずる規定が、一つ恩給法にあるわけです。それは七十五条でしたね。例の増加非公死という規定が一つある。もし戦時中であれば、傷病軍人が病死されても、この家族に対しては公務扶助料が支給された。ところが、この七十五条の一項三号の規定というものは、増加非公死規定で金額が下がっておるわけです。これを第二項の規定に適用せしめてその不合理を救っていけるという計画は、このあたりでそろそろ今度の審議会のほうへもはかって、恩給局として善処されるべきではないかと思うのですが、いかがでしょう。
○矢倉政府委員 いま御指摘のいわゆる増加非公死扶助料、ちょっと妙なことばでございますが、このことばの妙なところにあらわれておりますとおり、実は本質的には公務とその人の死亡との関係が因果関係を持っている場合にはいわゆる公務扶助料という形で認められるのが筋でございますが、ただ、御承知のように、いわゆる増加非公死扶助料というものを設けましたのは、公務扶助料を給し得ない、しかしこの人たちに対する何らかの措置を必要とするということで、いわゆる増加恩給を受給していた人が公務による傷病によって死亡することなく、別の原因によって死亡された場合に、増加非公死扶助料として特別な処遇を考えたものでございますから、それだけにいわゆる公務扶助料とのバランスをとっていくのが筋だと考えられますので、さような意味から、増加非公死扶助料は公務扶助料より若干率を下げて扱うというのが、一応均衡論から当然ではなかろうかというふうに現在では考えております。しかし、これらの点についても、その倍率等の問題につきましていかにするかということは、必然的にその率の考え方でございますので、今後の検討に待たしていただきたいと存じます。
○受田委員 今後の検討に待たしてということで、検討の種にしていただけば、自然に解決の道が開けると思います。
 ここで、社会保障政策的な要素が入っている特別加給制度でございますが、傷病軍人の場合に、特別項症から第二項症までは、特別加給というものがいま二万四千円ほど出ておる。ところが、この特別加給制度は、三十三年の改正のときにできたわけで、それからちょうど八年たってきたわけです。この特別加給制度なるものは、そろそろ金額を増額する時期がきておるのではありませんか、八年ですからね。
○矢倉政府委員 特別加給は、実はいわゆる重症度の人に対する介護手当とわれわれは称しているものでございますが、介護を要するということで、一応そういう重症度の人には特別な加給を考えることが至当であるということでこの金額がきめられておるわけでございますが、現在私たちの考え方からいきますと、この重症度、いわゆる増加恩給受給者のうちの症状の程度の高い人たちに対しては、それなりに御承知のようにいわゆる傷病恩給としての額も一応高い額を見ておりますし、これらのいわゆる加給額も総合的に見て考えていくことが適当ではなかろうかということで、現在までは一応この程度の額がまずまずのところではなかろうかと考えて今日まで経過しておるわけでございますが、この点につきましては、いま御指摘のように八年も経過しておるというふうな点にも十分私たちは関心を払い、今後も検討をしてまいりたいと考えます。
○受田委員 いまの介護者に対する特別加給制度というものの本質からいって、やはり介護する者の待遇もよくするというのが、私は筋として通ると思うのです。別に重症者に対する増加恩給部分が高くなったからって解決する問題ではない、系統が違うわけでございまするから。これをあわせて検討させていただくということでございますから、それに御期待をさせてもらいましょう。
 そこで、三項症以下の者に対して全然介護の必要がないかというと、これもやはり家族、奥さんたちにしてみると、容易ならぬ御苦労をされておるわけでございますから、それに対する措置をあわせて検討していただけますかどうか。
○矢倉政府委員 特項、一項、二項というふうな非常に傷病の程度の高いところには、こういった介護手当――これも介護手当という名前を俗称として私たちはつけておりますけれども、本質的には、実はそういう重症度の人にはやはりそれなりの処遇を考えるということでそういった手当をこれまでつくり上げてまいったわけでございまして、したがって、現在のところでは、三項症以下にその介護手当を拡充していくということにつきましては、やはり全体のそれぞれの症状に応ずる恩給の均衡もございまして、実はそこまで考えを及ぼすという段階には至っていないわけでございます。
○受田委員 やはり介護者というものには、三項症以下にも、精神的に受ける苦痛、それから肉体的な不自由に対する介護という意味――金額の差はあってもけっこうですけれども、精神としてはやはりこういう規定を設けることが、特に公務のためにからだを傷つけられた皆さんに対する国民全体のあたたかい心づかいからいっても、当然であると私は思うのです。いまそういうことは全然考えておらぬということでございますが、制度的に見たときには、やはり二項症ではっきり切るというわけでなくして、二項症と三項症の差というものもデリケートな問題でございますので、それに漸次近づくような制度を創設されたとしても、決して不合理なわけではないと私は思うのです。社会保障政策的な要素をここでもひとつ採用されて、精神的、肉体的に受ける苦痛から見て、三項症以下の人々にも新しいこの制度を追加採用するということも、あわせて御検討いただくべき筋のものだと思います。私は、単なる提案という意味でなくして、本質的な問題として考慮すべき問題だと思いますが、いかがでしょうか。
○矢倉政府委員 今後検討させていただきます。
○受田委員 もう一つ、昨年の法改正のときにちょっと質問申し上げて、釈然とせぬものがあったのですが、普通恩給受給者の中で傷病年金の減額率を二五%に引き上げられている去年の法改正のとき、去年の国会でやったのですが、これは傷病年金受給者の一般の普通恩給と、それから増加恩給に併給される普通恩給とが異質のものであるということを考えていかなければいかぬと思うのです。しかし、一般の普通恩給を受けていることを理由にして傷病年金が四分の一も減額されるということはどうもおかしいじゃないかということを、去年私御質問したのですが、時間の都合で明快な御答弁をいただく余裕がなかったのですが、これはどうでございましょうか。傷病年金の四分の一減額ということは、少しきびし過ぎはしないですか。
○矢倉政府委員 御承知のように、いわゆる七項症と一款症というものは、それぞれに症状の程度の差がございます。それは普通恩給併給のときの金額のバランスをとったにすぎないのでございます。
○受田委員 その金額のバランスをとるということ、七項症と一款症の差をつけるということ、そのために便宜的にこの筋の通らぬ措置がされるということ、これは金額のバランスの問題、項症と款症の差というものは一つあるわけでございますから、筋としては、この四分の一減の措置をされなくとも、金額の上で多少の差が生じても、七項症以上の人々に対する、いわゆる増加恩給受給者に対する措置としては、これは決して款症以下の人がうらむというようなことはないと思うのですが、筋論でひとつお答え願います。
○矢倉政府委員 確かにそういった金額をたとえば一款症の場合に七万五千円ときめれば、それはそれでいいじゃないかという考え方もないわけではございませんが、ただ普通恩給併給の場合の金額バランスとして、一応この程度が一いわゆる恩給は給与でございますので、そういった意味から、金額的なバランスをとる措置としてかようなことをいたしておるわけでございます。
○受田委員 これらを含めてもう一つ検討していただきたい問題点は、かつての恩給法改正のあとで、恩給診断を拒否されたりその他の理由で手続のできなかった時効失権者が相当できておる。そういうものに対する傷病恩給の支給ということ、時効失権者の中でその後における適格者を救済するということは当然だと思うのでございまするが、この点はいかがでしょうか。
○矢倉政府委員 御承知のように、時効は一応法の規定として明文化されておりますので、時効を曲げるわけにまいりませんが、ただ、その人に宥恕理由等があります場合には、運用の問題として救っていく以外に現在の法のたてまえの中では方法がないかと考えておるわけでございます。したがって、ある程度そういった宥恕理由があるかどうかという点が、本人が失権から救われる課題ではなかろうか、かように考えます。
○受田委員 この問題は、具体的な個々の問題としてさらに検討を要するものが出てくると思います。その場合に、これをどう救済するかということも私たちのほうでもひとつ研究させていただきますし、当局としても御研究を願いたいと思います。
 なお、目症者というものが、かつての歴史の上に残ったようなかっこうになってしまっておるのですが、終戦直後の政令六十八号でしたね、あれで第一目症が三百二十円ほど支給しておったわけですが、それが退職後三年という期限がつけられたために、大多数の者はそれを請求しないままで時効にかかっておる。これをある程度の少額でもいいが、目症者に対する年金というものの復活を御計画をされる心要はないか。制度の上に残った犠牲者のような印象を私たちも受けておるのですが……。
○矢倉政府委員 目症者に対しては、一時金支給ということが制度的にこれまで実施されたところでございまして、そのときにそれから漏れた人が事実あるかどうか、私のほうも十分承知をいたしておりませんが、そういう点についても、将来できるだけ調査をしてみたい、かように考えます。
○受田委員 これで一応現時点における傷病軍人に対する恩給の質問を終わらしていただきますが、なお、今度法律の上で新しい追加規定が設けられております。それは、いままで漏れておった人を恩給法で救うことになった規定でございます。この規定の中に、「日本赤十字社救護員期間のある者についての特例」等の規定が入っておるわけでございますが、一応恩給局として、私が一々指摘するとめんどうくさいですが、旧満鉄の職員であった人々に対する恩給措置上の加算年の問題その他の問題で、恩給局がつかんでいて、なお漏れた要望の幾つかを御検討されておると思うのです。一つ一つあげるよりも、一応恩給局で検討して、このたびははずしておるが、次の機会に検討してもらいたいというような問題を一括して御答弁いただくほうが、時間の節約になると思います。
○矢倉政府委員 御承知のように、本年の予算時期に、来年度の改正目標として約九項目ばかりの項目を取り上げたわけでございます。ところが、現在私たちのほうに陳情の形、訴願の形で提出されている問題は、大体これを含めますと四十項目ばかりになったわけでございます。したがって、本年実は新しく予算措置として改正を考えますときに、それらの四十数項目のそれぞれについて必要な検討を遂げたわけでございますが、その中の改善措置を要するものとして、ただいま申しました九項目を取り上げた。残る課題は、先ほど来から問題になっております審議会等にこれらの問題の処理についての御意見を伺うということで、私たちはそのような程度の解決を実は考えているわけでございます。
○受田委員 審議会に懸案として残余の問題を持ち越して、そこでおはかりしよう、こういうことでございますから、それに期待をかけるという形を一応了承しましょう。
 最後に、恩給局の申請処理事務の進捗状況でございますが、公務扶助料の中で、申請したものの中で未処理のものがどれだけあるか。そしてまた、今度戦地加算等を含めた旧軍人の恩給申請等に対して、相当の処理が蓄積していると思います。現に、申請者から、いつになったらわれわれのところへこれがくるのかという疑念もあるわけでありまするが、現在恩給局の職員機構で、出されている書類の案件を処理するのに十分足るのかどうか、定数がいまので間に合うのかどうか、こういう問題をお尋ねしてみたいと思います。
○矢倉政府委員 現在、恩給局に定員その他非常勤職員としておりますのが、約八百であります。この人間で御承知のように、たとえば四十年度からの改正の増額改定等についての処理は、約百九十万件という数字が入ってまいります。これらの処理について、私たちは受給者の立場に立ったできるだけ拙速の仕事をしたいということで、ほぼ予定どおりの仕事を進めておるわけでございます。なお一つの問題として、おそらくいろいろ関係の向きから御指摘を受けますのは、加算恩給による点であろうかと思いますが、この点については、昭和四十一年三月三十一日現在で受け付けておりますのが五十五万五千件でございまして、そのうち処理をいたしましたのが五十一万九千件、残件数は三万六千件というふうな程度で、大体受理しておりますものについては、鋭意その仕事の進捗をはかり、ほぼ予定どおりの仕事を進めている現況でございます。
○受田委員 そうしますと、この三万件ばかりの残余のものを片づけていく、それから次に改定要求のような書類をだんだんと整理するというようなことで、ある程度の事務は残りますけれども、恩給局職員の事務量というものは年次的に減少してくる、こういう形になるわけでございますね。
○矢倉政府委員 確かに現在の段階においては、御承知のような改定作業あるいは本年の改善措置については、これはかなりの事務量になろうかと思いますが、将来を見渡しますと、やはり扶助料等については次第に減少していく傾向にあろうかと考えます。
○受田委員 私は、そこでもう一つ共済組合年金制度を一緒に研究されていくことが、恩給法の適用を受ける人も、共済組合法の適用を受ける人も、一貫した立場で救われるという意味で、恩給局を将来拡大強化する意味の公務員年金局の提唱を、長官、申し上げているわけです。これは十分御研究して、あなたの御在任中に成功させていただきたい。私の念願でありますから、ひとつ入れていただきたい。
 そこで、もう一つ、審議会のことに関係するのでございまするが、傷痍軍人の場合に、症状等差の委員会というのが三十三年にできた。前の臨時恩給等調査会の答申直後に生まれたわけですが、新しくまた症状等差をどうするかという審議会、委員会、どういうかっこうになりまするか、機関を設けられる御用意があると承っているのですが、そうでございますか。
○矢倉政府委員 症状等差の調査につきましてはいろいろな御要望がございますので、これは主として医学的所見という問題が非常な問題になりますので、医学のその道の専門家をわずらわして、症状等差についてもう一ぺん見直してもらうというふうなことが本年度の予算で認められておりますので、その調査を御委嘱申し上げるのを近く発足させて、そしてできるだけ早い時期にこの結論を得たい、かように考えております。
○受田委員 従来の最初のときの委員の構成など、私たちせっかく答申を出した責任者たちにも、どういうかっこうで委員が任命されたか、あとからついぽかんと伺ったようなことなんですが、私希望申し上げておきますが、いま医学的の専門家とおっしゃいましたけれども、たとえば非常に著名な人だと、自分自身が診断書を書くのでもないですから、やはり大きな病院の院長というような、さっぱり実情に通じないようなえらい人じゃなくして、実情に通じた、診断書を書く実務担当者の人がその中に加わるという、そのことのほうが筋が通ると思うのです。たとえば医務の関係の部長クラスというような、直接診断書を作成する人たちが意見を述べるほらが、よほど効果があると思うのですが、委員の任命にあたって、特にそうした実務担当者を何人か含んで、その委員会を活気あらしめるという御配慮が願えるかどうか。
○矢倉政府委員 本調査につきましてお願いを申し上げたいと思っておりますのは、実はその症状等差についての基準に対する信頼度というのが一つございます。それから、いま先生御指摘のいわゆる実務的な面からの実態、それから症状等差も、いわゆる恩給的な立場でも見なければなりませんので、その面の学識者にもお入りいただくというような一つの構想を立てておりまして、先生の御指摘のような趣旨に沿い得るのではないかと考えております。
○受田委員 そういう形でいま御用意されておるというならば、私の要望がある程度満たされておるわけでありますから、しかるべく御配慮願いたい。
 もう一つこの機会に伺いたいのは、今度の改正はよほど大幅な改正をされておると思います。それはまず当委員会における各党共通の目標である、要望であるスライド制の採用、昭和二十三年六月時点の退職者の処遇改善、それから最低受給者の年金額を六万円にまで引き上げた。これは非常な英断であり、また三年越しの計画を二年に切り上げて、四十二年四月から完全実施に持っていかれるという、これらは総務長官、昨年の暮れに一この委員会でお約束されたことが、あまりにも早くできたようなことで、自民党内の有力な方々の御配慮、大蔵省の協力というものが、ある程度実を結んだと思うのです。しかし、ここで私たちがもう一つ不安に思うことは、退職者の待遇がたとえここでこういう美しい規定ができたにせよ、これが生かされないとするならば、現職の公務員がやめた後の不安を念頭に置きながら勤務するということになりますので、退職後の処遇ということは、この第二条の二の規定が現実にスライド的なものになるように、文句は「著シキ」ということばがあっても、実質的には完全なスライド的なものになるように、そして今度審議会においても、いま長官から答弁されたように、毎年ひとつ実施して、そして恩給法適用者、国鉄にしてもその他の共済組合にしても、長く一万五千円ベースから二万円、二万四千円ベース程度に押えられているこれらの人たちに、せめて現職に非常に接近したもの――同じとはなかなかむずかしいですから、手前までいくようなかっこうに早く実現をしていただくように、ひとつ総務長官としてぜひりっぱな、国民を喜ばす――いまや恩給亡国などという国民の声は、もう消えてしまいました。これはほとんどない。かつて三十年ごろは、ばかに恩給亡国論があらわれまして、新聞世論などにもある程度きびしいものがあったのですが、いまや国民は公務のために苦労した人々に退職後の生活保障ということを含めた年金スライド制というものを、だれも反対する者はなくなったと思うのです。勇気をもって公務員にも在職中十分希望を持って、退職後の先輩が報いられるようなしっかりしたものにつくりなしていただいて、退職者、現職者を通じて国民全体の奉仕者としての一貫した処遇がされて、国全体への貢献ができるように、ひとつがんばっていただこうじゃありませんか。そういうことで大臣に最後の決意を表明していただいて、私の質問を終わります。
○安井国務大臣 恩給及び共済制度につきまして、非常に御理解のある御指導、御批判をいただきまして、私どもも今後たいへん有益な参考になることができたと思います。そういう御趣旨をできるだけ実現するようにつとめたいと思います。
○木村委員長 これにて恩給法等の一部を改正する法律案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
   午後零時五十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後零時五十八分開議
○木村委員長 休憩前に引き続き会議を再開いたします。
 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
○木村委員長 まず、趣旨の説明を聴取いたします。安井国務大臣。
○安井国務大臣 ただいま議題となりました国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明いたします。
 国民の祝日に関する法律は、昭和二十三年の第二回国会において制定されたものであります。当時の国会における審議の過程において将来なお祝日の増加が予想されていたところでありますが、国民の間に現行の祝日のほかに幾つか祝日にふさわしい日を加えたいという要望があり、国会におきましても御承知のとおり、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案が、昭和三十二年の第二十六回国会以降昭和三十九年の第四十六回国会までに、議員提案として七回提出されましたほか、継続審査が三回ありましたが、いずれも不成立となっていたのであります。
 政府といたしましては、このような事情にかんがみ、昨年は政府において、新たに国民の祝日を加えることとし、第四十八回国会に国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案を提案いたしたのでありますが、国会会期終了により審査未了となったのであります。よって、ここに再びこの法律案を提出いたした次第であります。
 以下、この法律案の概要につきまして御説明いたします。
 この法律案におきましては、現行の国民の祝日に新たに建国記念の日(二月十一日)、敬老の日(九月十五日)及び体育の日(十月十日)を加えることとしております。
 まず、建国記念の日につきましては建国をしのび、国を愛し、国の発展を期するという国民がひとしく抱いている感情を尊重して、国民の祝日にすることとしたのであります。また、この日を二月十一日といたしましたのは、この日が明治初年以来七十余年にわたり祝日として国民に親しまれてきた伝統を尊重したからであります。
 次に、敬老の日につきましては、多年にわたり社会に尽くしてこられた年寄りの方々に感謝するとともに、老後の精神的な安定を願い、敬老の日を国民の祝日にすることとしたのであります。また、この日を九月十五日といたしましたのは、昭和二十六年以来十数年にわたり、「としよりの日」として全国各地においてその趣旨にふさわしい行事が行なわれており、また、昭和三十八年に制定されました老人福祉法において、「老人の日」として九月十五日が定められていることなど、この日が広く国民の間に浸透しているからであります。
 最後に、体育の日につきましては、国民がスポーツに親しみ、その精神を通じて健康な心身をつちかって、明かるく住みよい社会を建設することを願い、体育の日を国民の祝日にすることとしたのであります。また、この日を十月十日といたしましたのは、昭和三十六年に制定されましたスポーツ振興法において、「スポーツの日」として十月の第一土曜日が定められていることを尊重し、あわせて成功をおさめました一昨年のオリンピック東京大会を記念し、その開会式の日を選んだものであります。
 また、以上の改正に伴い、関連する法律についても所要の規定の整備を行なうこととしております。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由及び概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。(拍手)
○木村委員長 これにて趣旨説明は終わりました。
 次会は明二十七日開会いたします。開会時間は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二分散会