第051回国会 内閣委員会 第1号
本国会召集日(昭和四十年十二月二十日)(月曜
日)(午前零時現在)における本委員は、次の通
りである。
   委員長 河本 敏夫君
   理事 井原 岸高君 理事 伊能繁次郎君
   理事 岩動 道行君 理事 辻  寛一君
   理事 八田 貞義君 理事 田口 誠治君
   理事 村山 喜一君 理事 山内  広君
      臼井 莊一君    小笠 公韶君
      大高  康君    岡崎 英城君
      加藤 高藏君    纐纈 彌三君
      佐伯 宗義君    塚田  徹君
      野呂 恭一君    藤尾 正行君
      保科善四郎君    前田 正男君
      湊  徹郎君   茜ケ久保重光君
      稻村 隆一君    大出  俊君
      角屋堅次郎君    中村 高一君
      楢崎弥之助君    伊藤卯四郎君
      受田 新吉君
    ―――――――――――――
昭和四十年十二月二十二日(水曜日)
    午後零時十四分開議
 出席委員
   委員長 河本 敏夫君
   理事 井原 岸高君 理事 伊能繁次郎君
   理事 岩動 道行君 理事 辻  寛一君
   理事 八田 貞義君 理事 田口 誠治君
   理事 村山 喜一君 理事 山内  広君
      臼井 莊一君    小笠 公韶君
      纐纈 彌三君    塚田  徹君
      野呂 恭一君    藤尾 正行君
      保科善四郎君    前田 正男君
      湊  徹郎君   茜ケ久保重光君
      稻村 隆一君    大出  俊君
      角屋堅次郎君    楢崎弥之助君
      伊藤卯四郎君    受田 新吉君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        国 務 大 臣 松野 頼三君
        国 務 大 臣 安井  謙君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 高辻 正巳君
        人事院総裁   佐藤 達夫君
        人事院事務官
        (給与局長)  瀧本 忠男君
        総理府総務副長
        官       細田 吉藏君
        総理府事務官
        (人事局長)  増子 正宏君
        総理府事務官
        (行政管理庁行
        政管理局長)  井原 敏夫君
        防衛庁参事官
        (人事局長)  堀田 政孝君
        自治政務次官  大西 正男君
        自治事務官
        (行政局長)  佐久間 彊君
 委員外の出席者
        専  門  員 茨木 純一君
    ―――――――――――――
十二月二十一日
 委員塚田徹君辞任につき、その補欠として稻葉
 修君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員稻葉修君辞任につき、その補欠として塚田
 徹君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月二十日
 駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正す
 る法律案(藤田藤太郎君外二名提出、参法第一
 号)(予)
同月二十一日
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一号)
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第二号)
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一号)
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第二号)
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第三号)
     ――――◇―――――
○河本委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。
 すなわち、国の行政の改善をはかり、公務員の制度及び給与の適正を期するため、
 一 行政機構並びにその運営に関する事項
 二 恩給及び法制一般に関する事項
 三 国の防衛に関する事項
 四 公務員の制度及び給与に関する事項
 五 栄典及び旧勲章に関する事項
 以上の各事項において国政調査を行なうこととし、議長にその承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
○河本委員長 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上各案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
○河本委員長 まず、趣旨の説明を求めます。安井国務大臣。
○安井国務大臣 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 本年八月十三日、一般職の国家公務員の給与について、指定職俸給表(甲)を除く全俸給表を改定し、期末手当及び通勤手当を改定すること等を内容とする人事院勧告がなされたのでありますが、政府といたしましてその内容を慎重に検討した結果、本年九月一日から人事院勧告どおりこれを実施することが適当であり、また、扶養手当等の支給方法に関する制度の合理化をあわせて行なうことが適当であると認めましたので、この際一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)について所要の改正を行なおうとするものであります。
 まず、同法の一部を改めまして、次のとおり本年八月の給与改定に関する人事院勧告の実施をはかることといたしました。すなわち、第一に、指定職俸給表(甲)を除き全俸給表の俸給月額を引き上げることといたしました。この結果、俸給表全体の改善率は平均六・四%になることとなります。
 第二に、通勤手当について、交通機関等を利用する者に対する現行の支給限度額九百円を千百円に引き上げるとともに、運賃相当額が千百円をこえる部分についてはその二分の一の額(五百円を限度とする。)を支給することとし、自転車等使用者に対する支給月額を五十円増額して四百五十円
 (原動機付のものにあつては五百円)に改めることといたしました。
 第三に、十二月に支給される期末手当を〇・一月分増額することといたしました。
 さらに、同法の一部を改めまして、明年一月一日から、次のとおり扶養手当等の支給方法に関する制度の合理化をはかることといたしました。
 第一に、扶養手当について、月の中途から支給する場合等の日割り計算による現行の支給方法を月単位による月額支給に改めることといたしました。
 第二に、期末手当及び勤勉手当について、現在手当受給の要件となる職員の在職日と手当支払い日とが同日であるものを分離し、受給権確定日を六月一日、十二月一日及び三月一日とし、手当支払い日はそれぞれの日から十五日以内で人事院規則で定める日とすることといたしました。
 なお、本法に附則を設けまして、中位等級の一部の在職者に対する次期昇給期間の三月短縮の措置、俸給の切りかえ方法、切りかえに伴う措置等を規定することといたしました。
 この法律案は、以上申し述べました内容について改正を行なおうとするものであります。
 何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 政府は、本年八月十三日に行なわれました人事院勧告に基づいて、九月一日以降一般職の国家公務員の給与を改定することとし、別途法律案を提出して御審議を願うことといたしておりますが、特別職の職員のうち秘書官の給与につきましても、一般職の職員との均衡を考慮して所要の改定を行なおうとするものであります。
 以上が、この法律案の提案の理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○河本委員長 松野防衛庁長官。
○松野国務大臣 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。
 ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案につきまして、この改正案は、このたび提出されました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の例に準じて、防衛庁職員の俸給月額の改定等を行なおうとするものであります。
 すなわち、第一条においては、参事官等及び自衛官の俸給について、一般職に準じてその額の改定を行なうこととし、あわせて、防衛大学校の学生の学生手当及び自衛官の営外手当について、その額の改定を行なうことといたしております。
 また、一般職の職員に対する期末手当に関する規定の改正に準じて、期末手当に関する規定の改正を行なうこととするほか、自衛官の退職手当の算定についての特例を設けることとしております。
 なお、事務官等の俸給表及び通勤手当については、一般職の給与法を準用しておりますので、同法の改正に伴い、同様に額の改定が行なわれることとなります。
 第二条においては、一般職に準じて、扶養手当、期末手当及び勤勉手当の支給方法に関する制度の合理化をはかることとしております。
 この法律案の第一条の規定は、公布の日から施行し、本年九月一日から適用することとし、第二条の規定は、明年一月一日から施行することといたしております。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○河本委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○河本委員長 これより質疑に入ります。質疑の申し出があります。これを許します。大出俊君。
○大出委員 安井長官がお見えになっておりますので、大筋二つに分けて質問を申し上げたいのであります。
 二つと申しましたのは、まず一つは、公務員給与をめぐりまして、五人委員会から総理決裁の段階に進みました過程で出てまいりましたところの二つの問題、つまり看護婦さんの深夜勤手当の増額実施時期の問題、並びに交通費の増額に関するこれまた実施時期の問題、これが一つであります。それからもう一つは、安井長官の直接の担当ではないのでありますけれども、五人委員会並びに総理決裁、その後の官房長官談話等の一連の関連で出てまいります地方公務員並びに地方公営企業職員に対します給与財源の取り扱い措置の問題であります。
 一番目のほうの問題について、少し経過を申し上げながら御回答をいただきたいのでありますが、十八日に五人委員会の中間報告が行なわれまして、十九日が最終報告、そして閣議決定が二十二日に行なわれたわけでありまして、このちょうど中間で、社会党の成田書記長並びに自民党の田中幹事長の会談が、二十日でございますが、行なわれております。ところで、十九日の最終報告、つまり五人委員会の最終報告は、六項目ばかりありますけれども、この中で、二項目にあげられております通勤手当並びに看護婦手当については、その実情から特に考慮して実施すべきものとする、こういうことになっているわけであります。これが上に上げられまして、総理大臣の段階で決裁と、こういうことになったのでありますけれども、この総理決裁そのものはきわめて簡単な内容でございましたと申しますのは、総理決裁は、第一は、九月実施をするということ、それから第二は、看護婦等の特殊勤務手当についてはこれを特に考慮して実施する、こういうことであります。この五人委員会と総理の決裁とは多少ニュアンスが違っておりまして、五人委員会の結論は、いま読み上げましたように、通勤手当並びに看護婦手当については、その実情から特に考慮して実施すべきもの、つまり通勤手当と看護婦手当が並列してあるわけです。ところが、総理の決裁のほうは「看護婦等の特殊勤務手当については」と、こういうことになっているのでありまして、言うならば、通勤手当が落ちているのであります。これについて、私ども当初は、等というのは日本語で幅が広いのでありますから、もちろん看護人その他の手当等も意味するかもしれませんけれども、何となく通勤手当はこの辺におさまっちゃったんじゃないか、こういうふうに実は理解していたのであります。ところが、その後どうもこれが明確を欠いている、こういうふうに考えられるわけでありますが、この辺についてどういうことだったのかという点をあらためてこの席で、特にこの食い違いについて御説明をいただきたいのであります。
○安井国務大臣 人事院の給与勧告につきましては、政府も非常に慎重な態度で臨みまして、勧告が出まして後、九月十七日以来、いわゆる五人委員会等を通じまして数回の慎重な検討もいたし、また各事務当局、次官会議等でも検討を重ねてまいった次第でございまして、その結果といたしまして、二十一日に御説のとおり総理の決断といいますか、裁決を得まして、二十二日の閣議で確定をした経緯は、お話のとおりでございます。その間いろいろ、重要問題でございますので折衝、いきさつ等がございまして、党同士のお話し合い、あるいは同じ五人委員会内部につきましてもいろいろと意見の相違といったようなものがございまして、なかなかきまるに至らなかったもので、最後にはあげて総理の裁決という段階になりまして、その際、本俸だけでなくして、通勤手当であるとかあるいは期末手当であるとか、あるいはそういった何かそれに類する看護婦等の夜勤手当といったようなものについても、これは考慮されるべきものである、本俸と一応区別した付帯給与についても十分考えられるべきものであるというふうな結論が出たわけでございます。そういうような限りにおきまして、期末手当及び通勤手当まで、あるいは看護婦の夜勤手当等も含めまして、これは人事院勧告どおり内容をひとつ、取り扱うべきものである。ただ、看護婦の夜勤手当につきましては、これは御承知のように法律の改正を要しません。人事院の規則改正によって、あとは予算へ盛るという手続で足りますので、格別うたわなかったわけでありますが、そういったように、これは結論といたしましては、この実施の期日は別としまして、人事院の勧告の内容どおりを取り上げるということに相なったわけでございます。
○大出委員 そこで承りたいのですが、人事院の皆さんがお見えになっておりますから念のため承っておきますが、看護婦さんの手当のほうは、これは給与法の十三条に基づく特殊勤務手当、これを人事院規則で実施をする、こういう手続になるのだろうと思うのでありますが、ということかどうかという点と、あわせて、どのくらいの予算額を必要とするか。つまり月額二千万円程度のものではなかろうかと思うのでありますけれども、その辺のところの大体のところをひとつ御説明を承っておきたいと思うのであります。
 それから、通勤手当のほうは、法的にどうなるかという点と、あわせて予算額はどのくらいのものかという点をお聞きをしておきたいと思います。
○瀧本政府委員 仰せのように、看護婦の夜間特殊の勤務に対しまする手当というものは、特殊勤務手当でやることになっております。これは給与法関係で年間二億三千万円でございます。
 それから通勤手当は、給与法適用者だけについて月間の増加所要額七千万円、特別職は一千万円なので、国といたしましては月間八千万円であります。
○大出委員 ところで、長官にお尋ねをしたいのでありますけれども、少しこれは筋が違いやせぬかと思うのであります。陰の話をしては、五人委員会で、安井長官の御努力の中から通勤手当あるいは看護婦手当についてその実情から特に考慮して実施すべきものとするというようにまとめたことについて、だいぶ異論があったというふうに承っているのでありますけれども、ただしかし、この十九日の最終報告がありましたあとで、私長官にみずから電話しまして、公務員共闘の諸君と一緒にお目にかかって、いろいろ念を押してみたのでありますけれども、長官のあのときのやりとりは、半ば公式的に言われたことでないという面もあろうと思いますけれども、それはそれとして、お話のニュアンスとしては、まあ私どもの手から総理のところへ上がっていくのだから、ここに書いた五つの項目より悪くなることはないであろうというようなお話をされたのであります。課長から部長、部長から局長といえば、だんだん上のほうで悪くなったのではたいへんなことになるので、多少ずつよくなっていくのが世の中の筋道だろうという話をしたわけであります。というふうに考えますと、五人委員会があげているこの六項目の中で何が問題点かといえば、三項目の期末手当〇・一、これについては現下の経済事情に照らして増額は十分に検討を要する、こういう項目があるのであります。平たくいえば、どうも民間の年末手当等に響きそう、だから、この際〇・一は切ってしまえ、人事院はせっかく勧告はしたのだけれども、こういうニュアンスの受け取り方ができます。これが三項目です。ところで、上に上がっていってよくなるとすれば、私の当時の推測は、まあ紆余曲折はあろうけれども、結果的に、これは昨年の分なんだからということで〇・一は復活をしてくるに違いない、それが総理のところで手直しをされてくるくらいのところだろう、こう考えたわけでありまして、まさか第三項目にいうところの通勤手当が切られてくるなどとは思わなかったのであります。したがって、この間の事情を御説明いただきたいと申し上げておるのでありまして、再度御答弁をいただきたいと思います。
○安井国務大臣 給与担当の長官といたしましては、できる限り勧告の実態に沿うようにという努力をいたしてきたわけであります。それが最後の詰めになりまして、この五カ条の五人委員会の結論というものが出たわけであります。これに対しましても、私どもは、こういうものが出たについても、さらにこういう範囲内においてできる限り最高の条件で通るようにという努力と希望を持って、その当時公務員共闘の皆さんとお会いしました際にも、事情を申し上げておったような次第であります。ただしかし、そのときには全体として話がきまらない、いろいろな議論がまだ個人的には出ておる最中でございますから、あげて総理の裁断に御一任をする、こういう結論になっておるわけであります。したがいまして、通勤手当、看護婦と、こう並べて書きましたが、一方である通勤手当と看護婦はちょっとアンバランスがないか。もっと露骨にいえば、通勤手当のほうが看護婦でとられた処置と同じに準じていい、それはそういうふうにできるじゃないかという希望的観測もあったのじゃないかという御意見じゃなかろうかと思います。私どもも、もしそういうふうになればなおけっこうであります。しかし、そういうふうになるというふうな確信をあの当時持っておったわけじゃないのです。しかし、通勤手当も期末手当もやはり本俸と同じようなベースにおいて少なくとも最小限度はきめなければなるまいという趣旨で申し上げておったわけでありまして、看護婦のほうはより若干のアルファがついたといいますが、これはたまたまこの基準も若干違うベースのものであります。扱いの対象もごく限られたもので、特殊のものであり、また規則の改正というようなことでできるというので、これは別の処理にするということでああいう結果になったのでありまして、あと全体は平仄を合わせたという結論に落ちついたと思うのであります。
○大出委員 ここで念のためにもう一つ伺っておきますが、実は看護婦さんの深夜勤手当は、必ずしも看護婦さんは喜んでいないのです。というのは、夜勤手当が増額なんということになると深夜勤、ばかりやらされてしまって、ただでさえつらいつとめがますますつらくなるという面がありますから。にしても、これは特に申し上げておかぬと、これでいいのだ、優遇したのだといわれると困るから申し上げるのですが、それにしても多少色をつけたというのですが、予算的に何月から実施できることになりますか。人事院の皆さんでもけっこうであります。
○安井国務大臣 これは四十年の八月から実施ということになっておるようであります。
○大出委員 看護婦さんの手当についてはいまのお話でわかるのですけれども、ところで、通勤手当というのは、この五人委員会の六項目――いま五項目とおっしゃいましたが、私正確につかんでおりますのは六項目なんですが、それはどちらでもいいです。この二項目にある通勤手当、看護婦手当と、こう並べてお書きになって、「その実情から」という表現、実情から上げざるを得ない、つまりそういう差し迫った実費支給的なものでもありますし、世上の通勤費等の値上がり、それから住居の移転等でだんだん通勤時間が長くなるなどというような問題、いろいろありますが、そういうことで実情を、とにかく何とか優遇というよりも、必要やむを得ざるものとして特に考えなければいかぬものだ、こういう御判断を五人委員会がされたわけなんですね。しかも、さっき私触れましたように、総理決裁の段階に上がるに従って悪くなることはなかろうという判断を当時お持ちになっておられた五人委員会が責任者ということになりますと、総理の決裁の段階にきて、さっき私世の中の例を申し上げたのですが、課長から部長にいって、部長から局長にいって、さあ次官から大臣、こういくと、だんだんよくなる何とやらということで、悪くはならぬ筋合いなんですね。してみると、〇・一なんというのは、非常識な話なんだから戻ってくるに違いない、せめてそのくらいな形でうまくまとまるだろうと思っていたら、こんな通勤手当がすばり落ちたという、ここが私はわからぬと申し上げているわけなんです。そこで、予算はさっき承ったわけなんだけれども、予算的にこの看護婦さんのほうはたかだか月額二千万なんだ、通勤手当のほうはどうも給与法適用者だけをとらえても八千万くらいかかるのだ、だから実情真にやむを得ざるものとして特に考慮すべきであるとなった五人委員会の結論を、どうも月額八千万ばかりよけいかかるからというので総理決裁という段階で切られたとすれば、筋としてはこれくらい筋の通らない話はない、こういうふうに私は考えまして、この辺のところは、やはり総理大臣のところでそれこそ特に考慮しておかなければならなかった筋合いだと思うのでありますが、そこのところを私はお聞きをしているわけでございまして、たまたま総理がお見えになりましたので、これは総理決裁にかかる問題でございますから、そういう意味で御弁答を賜わりたいと思うのであります。
○佐藤内閣総理大臣 この人事院勧告の完全実施というか尊重というか、このことにつきまして、私ども非常に悩んだのであります。というのは、特にことしは経済状態が悪いものですから、そこでどういう処置をとるかということで、何としても昨年並みにはしないと、完全実施を要求しておられる公務員に対してこたえることができないんじゃないかというので、ようやく意見を統一しまして、全部を昨年並みということに決定したわけであります。そこで、通勤手当の問題がそれより先に進んで八月、こういうことになる。この一部部分的に支給期日を変えることが適当なりやいなや。これを考えてみて、どうも九月実施、これはやむを得ないにしても、それより以上乱ることはひとつやめようじゃないか。いま言われる金額が八千万円、あるいはもっと多くなるかもわかりませんが、そういう金額の問題よりも、今回のたてまえとして、なかなか政府は甘くないんだ、こういう問題についてはそれぞれ筋の立つ方向でいこうじゃないか、こういうので、実は通勤手当については処置をしなかった。しかし、看護婦の問題になりますと、これは夜実際に勤務しているし、またほんとうに気の毒じゃないか、こういうので同情した結果がかような処置をとったわけであります。どうかその辺も御了承いただいて、ただいま総理はたいへん人間尊重だから、上にいけば必ずあたたかい処置をとるだろうと思っていたが、だんだん渋くなった、こういうことですが、別にそれで渋くしたというわけじゃございません。ただいま申しますように、たてまえをどういうようにするかということで、私どもがいろいろ議論をした結果、筋を通した、かように御了承願いたいと思います。
○大出委員 というふうな御答弁をおそらくなさると思って、実は先ほど人事院の側に念を押しておいたのでありますが、看護婦さんの手当は、給与法十三条、間違いございませんな。――したがいまして、これも法律にかかわるのですね。ただ特殊勤務手当は数が多うございまして、まあ私が青年部長当時の郵政大臣が佐藤さんですから、よく御存じだと思いますけれども、郵政省なんかにも山ほど特殊勤務がございます。ところで、そういう性格のものでありますから、人事院規則で仕分け云々の形で実施をしていくという形なんでありまして、法律に関係がないわけじゃない。したがって、そのたてまえからするならば、通勤手当も何ら変わるところはないのでありまして、一方の看護婦さんのほうは、給与法十三条にかかわるものを一カ月繰り上げて実施をしておいて、同じ法律関係を持っている通勤手当のほうは、たてまえ上どうもおかしいからというのでこれはやめたということになると、総理が幾らそう言っても、どうも二千万と八千万並べてみたら、六千万助かるからというようなことで切ってしまったのが関の山。それでは看護婦さんのほうは深夜勤の多いことは、私この席で小林厚生大臣に看護婦さんの実情について二時間も質問して、詳しく承知の上なんです。したがいまして、百も承知し過ぎているのです。しかし、しからば通勤ラッシュといわれるものも――私は横浜なんですけれども、とにかくたいへんな人口増加で、うちは帰って寝る場所なんですね。それがだんだん郊外にずれていくものだから、通勤距離が長くなる一方で、とにかく朝の通勤ラッシュなんというものは、人間尊重のたてまえから、見られた図ではないわけですね。そうなると、だからこそ通勤手当を増額をしなければならぬということになったんですから、看護婦さんは夜たいへんなんですが、サラリーマンのほうは、特に公務員のほうは朝たいへんなんですから、したがって、そういうようなところをなぜ一体切ったのかという点が、筋が通らぬじゃないか。筋は君の質問のとおりだが、実は理屈じゃなくて金で切ったのだと言われるなら、まだわかる。その辺のところをひとつはっきりしておいていただきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 佐藤内閣が婦人に特に理解がある、かように御了承いただいてもけっこうだと思いますが、ただいまのお話のように、私はいま言ったとおり、金の問題では実はなかったのです。これはほんとうに申し上げておきます。ただいま言われるとおり、あちらこちらにジレンマがある。いろいろ理屈はつくようですが、その理屈はどれがいいとか悪いとか、私も申し上げません。とにかくもっと皆さん方が要望しておられるように、人事院勧告を実現する方向で努力すべし、これは一言半句の抗弁もいたしません、いわゆる財政上の事情等を勘案してこれはきめておるのでありますから。またしばしば繰り返しておりますように、人事院勧告を尊重する、こういうたてまえでございます。ただいまの今回の処置は、まあとにかくかように処置したと御理解をいただきたい。これは金だけの問題じゃなかったのだ。まああまり議論はしなくて、趣旨そのものはお説のとおり、私どもも尊重していくということでございますから、御了承いただきたいと思います。
○大出委員 ということになりますと、また食い違いがありまして、官房長官が談話を発表されたあとで、日にちを申し上げますが、二十一日に総理の決裁がありまして、さらに官房長官談話が出まして、この談話というのは非常に不完全でわかりにくい談話でございましたので、公務員共闘の諸君が官房長官にお目にかかって、具体的に確かめたわけなんであります。しかも、前々から言われておりましたのは、二十二日の閣議決定をするときには文章化する、こういう話まで実は約束をされていたのでありまして、この官房長官談話のあとの官房長官と公務員共闘のやりとり、これを私申し上げますが、ちょっと聞いておいていただきたいのであります。というのは、なぜ一体通勤手当を落としたのかということの説明がないじゃないかというので、いろいろやりとりをいたしました結果、官房長官のほうのお話によりますと、全額非課税の方針で進めたい、こういうふうに官房長官は説明をされているのであります。これはあとに残る問題でありますから……。私どもはこのときに、看護婦の夜勤手当は八月にさかのぼると、官房長官はこの席上で初めて明確にされたわけであります。それまでは総理の決裁がありましても、あるいは五人委員会の最終決定が上に上がりましても、一体看護婦さんの手当はいつから実施するのだという質問に対しまして、きまっていないと言っておられた。ところが二十一日の官房長官談話があって、つまり総理決裁のあとです。そのあとで公務員共闘の諸君が会ったときに、ようやく内容がはっきりした。つまり看護婦さんの夜勤手当は八月にさかのぼって実施をいたしますと、官房長官が明確に答弁をされて、通勤手当については、これは看護婦さんの夜勤手当と同様に考えなければならぬ問題だ、しかし非課税でいきたいという方針を出されたわけであります。この後、これは新聞にもちょっと出たことがありますけれども、大蔵省との間がどうなったかということを調べてみたところが、大蔵省との間では――大蔵省とそれからそう言われた長官との間かもしれませんけれども、非課税という方針は困難だというふうに進んできたわけであります。そこで、私は先ほど総理府からの、あらかじめどういう御質問をというお話がありましたから、御答弁をいただければけっこうだが、いただけないと総理に御迷惑をかけるから、関係の大蔵省のほうも、よろしければいいんだが、必要ならばお呼びいただきたい、こう言っておいたのでありますけれども、これは私はうそを申し上げているのではなくて、当時の記録を詳細にとったものに基づいて申し上げているのでありますから、その辺がうやむやに消えてしまったということでは困る。この辺を明らかにしていただきたいと思います。
○安井国務大臣 非課税の問題につきましては、御承知のように、通勤手当を所得税の課税の対象にするかどうか、毎回これは問題になっているわけであります。この点で、大蔵省側は課税の対象にしたいという意向が毎年相当強いのも、御承知のとおりであります。これを従来どおり官房長官としては、ここで皆さん側にとっての改悪になっちゃ困るという意味で非課税を突っぱるのだ、そういう意味で話されたんだと思います。
○大出委員 私どもとしては、ああいう差し迫った時期ですから、ものごとはなるべくまとめたいという考え方を持っておりまして、二十二日もできる限りまとめたいという気持ちで進めていたのであります。したがって、あのときに官房長官がこういうふうにお話をされた。つまり通勤手当と看護婦さんの夜勤手当を並列をして、五人委員会が結論を出されて、特に考慮すべきものと言ってあげられた。それを総理が切られた、通勤手当のほうは。してみると、ただ何の理由もなく切れるはずはないじゃないか。だからその間はどうなっているんだということに対して、看護婦さんの深夜勤手当については八月にさかのぼります。通勤手当のほうは非課税という方針でいこうというふうに考えているので、総理のところではあえてこれを見ていない、そういう説明だったから、だとすれば、そういう方針を貫いていただくということで了承して、この際まとめようということで、私どもまとめにがかったわけですよ。しかし、いろいろな組織の事情があってああいう結果にはなりましたが、私どもはまとめることで一生懸命だったことは事実なんです。そうなりますと、この非課税の問題が、いま安井総務長官のおっしゃるようなことだというふうに、私ども長年の経験者ですから、受け取れるか受け取れないかということは、当時のやりとりで明らかなんです。ですから、その後に事情を聞いてみたら、大蔵省との関係で非課税ということは不可能だということなんですね。だから、もしそうだとするならば、これはもとに戻って、やはり五人委員会からあげられた二項目にある通勤手当と看護婦さんの深夜勤手当、こう並列をされていることに戻って、どうしてもこれは所得税法に基づいて全額課税対象にしてやっていくんだという旧来の方針でいくならば、これはやはり総理の当時の御決断は、官房長官の説明によれば、非課税ということが要素なんだから、だとすれば、これは官房長官と連絡がないと言われてみても、官房長官が窓口であることに違いないのですから、そういうことになるとすれば、この際せっかく国会が審議の場所で、国会がきめるべきところを、ああいう差し迫った情勢の中で、政府と公務員共闘あるいは総評というところでおまとめになったんだが、審議の場所はここが正式の場所なんです、ここでやはり通勤手当の問題の手直しくらいのことのお考えがあってしかるべきではないか。筋が通らぬことは一つもない、こういうふうに私は考えます。そこのところを筋を追って総理に御質問したいわけですから、その点を明らかにしていただきたい。
○佐藤内閣総理大臣 大出君はもう組合活動のべテランだから、いろいろ御承知だと思います。ただいま言われるように、組合との話し合いも大事だが、やはり国会が基本的には審議をするところだ。だから、そこで十分審議を尽くしてきめようじゃないか、こういう御提案はしごくごもっともなはずでございます。しかし、先ほど来申すように、九日に人事院勧告を実施するということをきめたのが、実は別に恩に着せるわけではありませんが、非常な努力をした結果なんだ。そういうことで、そのたてまえ自身をそのままひとつ尊重していただきたい。これに他意はないのです。そして、御承知のように通勤手当についての非課税分というか、ただいままで九百円ですか、これをさらに距離を拡大するとかいうような点も、今後の問題として残っておるんじゃないだろうか、かように思います。そういう際に十分御審議をいただき、この際はただいまの看護婦等の特殊勤務手当を八月に繰り上げるということだけにひとつ御了承いただいて、九月でしんぼうしていただきたい。重ねて申し上げますが、いかがでしょうか。ただいま申し上げるような点で、九百円がさらにその後審議されるんだから、そういう際に課税の問題をきめていく、かように御了承いただきたいと思います。
○大出委員 いま総理が言われたのは、いかがでしょうかがついているわけなんです。いかがでしょうかと言われると、何か言わなければならぬことになるのですが、そのいかがでしょうかに対して、こうですということは申し上げません。そのかわり、総理、そこで言い切られてしまったのですが、私は本委員会の理事会で――私は理事でありませんが、伊能さんのほうに申し述べてあることがあり、お調べもいただき、また御相談もいただける。結果がどうなるか、それは別でありますけれども、実はそういう筋道の話を申し上げておりますので、せっかく総理、いかがでしょうかまでお話しいただいたわけでありますから、いま言い切ってしまった点は言い切らなかったことにしていただいて、そちらのほうから、そういう話は理事会でしていただきたいという話もございますので、せっかく本委員会は、永山自治大臣がかって委員でおられたところに、来年はひとつ五月実施でいこうじゃないかという強力なお話がありまして、実はそのことを前提として案文をおつくりいただいて、与野党一致で決議までいたしているわけでありますから、どうかひとつその辺のところはそういうふうに御理解いただいて、事、通勤手当という、公務員の方々が一番身近に感ずる問題ですから、そういう取り扱いをひとつお認めいただけないか、こう思うのです。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの看護婦の問題も、これは相談の結果いたしたのであります。その時分にただいまの二つを合わせてこういう結論を出したのでございますから、その当時の情勢については十分御理解いただけると思います。どうかさように御了承いただきたいと思うのです。
 なお、運営その他について理事同士で何か相談しておるというようなお話は、私どもも委員会の問題は十分委員会の御相談を尊重するというたてまえでございますので、十分お話しください。
○大出委員 それでは、時間が貴重でございますので、いまの問題はその辺にいたしまして、もう一点だけ、先ほど申し上げました地方公営企業職員に対する給与財源等をめぐる措置に関しまして、御質問申し上げておきたいのであります。
 いろいろいまの経過がございますけれども、省略をいたしまして、中心点のみを申し上げますので、お聞き取りいただきたいのでございます。
 その中心点と申しますのは、二十日に社会党成田書記長と自民党田中幹事長との、まとめるための政党間のやりとりがございました。つまり総理決裁をいただく前であります。このときに三項目の提示がございました。この三項目と申しますのは、一つは、九月実施という線、もう一つは、地方公務員、地方公営企業職員の必要財源は責任をもって措置する、これが二番目であります。それから三番目は、看護婦手当等は考慮するというのであります。この二番目の、地方公務員、地方公営企業職員の必要財源は責任をもって措置するということについて、いま提案されております法案の中に、昭和四十年度における財政処理の特別措置に関する法律案というのがございます。この中をながめてみますと、地方公務員につきましては、借り入れ金としてなるほど措置がされております。「三百億円を限り、この会計の負担において、借り入れ金をすることができる」、こういう条項であります。これは先例もございまして、よくわかります。これは三百六十八億円の必要財源に対しまして、三百億を地方公務員に限り借り入れ金で認めて、残る六十八億は各自治体の企業努力、節約財源でいく、こういうことでございます。
 ところが、ここには公営企業に関しては何ら触れられていないのであります。もちろん特別会計、独立採算のたてまえ等はわかりますが、しかし、かといって、将来に向かってどういうことになるかということは、地方公営企業制度調査会の答申もございますから、政府がどうお取り扱いになるかという問題とあわせて考えなければなりませんが、当面の措置としてできないものはできないのでございますから、しかも値上げストップ等も続いていた過去の経緯もございますし、毎年返すものもあります。そうなってまいりますと、何らかの措置がなければ、自治体における、特に大都市の公営企業というものはたいへんなことになってしまう。一つ間違うと、交通あるいは水道ということに限って、その部分の職員に関する限りはベースアップはできないと、これはたいへんな新聞だねになってしまう、こういうふうに私は考えているわけでございます。それをあえて上げてしまえば、今度は自治省からたいへんなクレームがついてくる、こういうかっこうになるわけであります。したがいまして、この措置について田中幹事長の言われている、成田書記長に提示をされました項目等から考えてみまして、どういうふうにお取り扱いくださるかという点を、これは給与法が通る段階でありますから、明らかにしておいていただきたい。これは五人委員会の責任もある、私はこう考えているわけであります。
○佐藤内閣総理大臣 これはただいまのお話のうちにもありましたように、公営企業についての独立採算制というものがある。この独立採算制の立場でその財源を確保していくというのが本来のたてまえでございますから、その点は大出君もすでに御指摘になったとおりで、そういうりっぱな原則を守っていくということで考えておると思います。しかしながら、直ちに給与を上げるために――上げるとは言いませんが、給与も他の面で上がっていけば、公営企業につとめておる人たちも右へならえするというか、このことを人情的には私どもも何とか努力しなければならない。そこで、いま公営企業の料金、運賃等の値上げが問題になっておるわけであります。片一方でこういうことについての協力もやはり考えていかないと、公営企業の独立採算制、そのたてまえから見れば、収入が少なければがまんしろ、こういうことにならざるを得ない。しかし、それはどうも人情的に、給与の平準化と申しますか、そういう点から見ましても、ほってはおけない、かように思うのです。
 そこで言われるのですか、公営企業で賃金を上げることができないような収支なら、政府に頼め、こういうような話もあるやに聞きますけれども、ただいま申すように、地方公共事業を、その始末を国がというわけにもいかない、かように思います。いままでは起債その他でそういう点もまかなっておるのでしょうが、しかし、本来の給与自身を借金でまかなうということは、長く続く筋のものではない、かように思いますので、私は、やはり独立採算のたてまえで処理していくのが当然じゃないか、かように考えます。まあしかし、早急にこの急場をいかにするかという場合には、やはり借金によらざるを得ない、かように私は考えておる次第であります。
○大出委員 お話の趣旨は、これ以上私がいまの総理の御答弁の論点を掘り下げますと、討論になってしまいますので、なるべくその討論は、時間の関係もございますから、差し控えておきたいと思うのでございますけれども、いま最後に言われた借金でまかなわなければならぬ、こういうことなんですが、そこのところを私は実は申し上げたいわけであります。
 実はさっきの地方公務員に限りましても三百億と申し上げましたが、事実そうなっておりますが、これは交付団体だけなんでございまして、不交付団体は対象になっておりません、そういう面の一般会計部門のつらさが、不交付団体の場合あるわけなんです。しかもその種の不交付団体のところが、公営企業のたいへんな赤字をかかえて四苦八苦しておるという実情なんです。しかもその責任の所在というのが――討論をする気はありませんから多くは触れませんけれども、この地方公営企業制度調査会というものを内閣委員会に提案されましたときに、柴田財政局長から詳しい説明がありまして、それによりますと、環境の変化ということが非常に大きなウエートを占めておる制度の検討だったわけです。環境の変化とは何かといいますと、地方公営企業、交通あるいは病院あるいは水道等々を取り巻く環境の変化――公営企業そのものの変化ではないのです。取り巻く環境の変化、たとえば交通がたいへんふくそうしてしまって路面電車が走れない、一例です。どんどん住宅ができてしまって、その市に税金を払っていない方に水道施設を引いてあげなければならぬという面からくる環境の変化、たくさんあります。七つばかり当時あげられました。ところが、答申が出た内容をながめてみましても、残念ながら環境の変化に触れての分析はないのでありまして、企業そのものについてのみ責任を追及している形。だから、一面では料金の値上げ、これは利用者が負担をするということになる。一面では企業の合理化、あるいは賃金に触れて、年功序列賃金はやめてしまって職務給だけに切りかえろ、定年制を検討しろとか、日本の労使間の抜本的な問題にさえも答申が触れるというのは、私は僭越しごくだと思うのでありますけれども、つまりそこで働いている職員と乗る人とにすべてのしわが寄る、こういうかっこうに答申ができているわけなのであります。そこで、私は、やはり将来はそういう私どもの立場、それから政府の側が考えておられる財源等を中心にするものの考え方、こういう形の論争が続こうと思うのでありますけれども、しからば当面はどうするか。人情的に公平の原則を守りたい、総理がおっしゃるまさに人間尊重そのものだということになるわけでありますが、その面では、やむを得なければ借り入れ金、こういうのでありますけれども、そこのところが、何かの措置がなければそう簡単に借りられないというのが今日の実情なんでありまして、最後に総理のおっしゃったそこのところを、もう一ぺん政府がひとつ具体的措置をするというところまでいっていただかなければ、借りようがない。前回の料金ストップに基づく穴埋めの場合には、メリットシステムが出てまいりました。利ざやで埋めていくということで、赤澤大臣のときであります。したがって、何らかの方法がないわけではないのでありますから、その辺のところをもうちょっと、総理に伺っておるのでありますから、これはだめ詰めのようなことは申しませんが、大筋でけっこうでありますけれども、それこそ人情味ある措置を自治体の当面の問題に対してお答えをいただきたい、こう思うのであります。こまかいことはけっこうです。
○佐藤内閣総理大臣 これはもう自治省におきましても、また自治体と十分相談をして、そうして所要の財源に不足を来たさないように、借金その他の起債等の点について中央政府も十分協力するということを申し上げたいと思います。
○大出委員 わかりました。
 それではこれでおしまいでありますが、人事院勧告をめぐりまして、毎年毎年――私も、総理が御存じのとおり、人事院ができるころから官公労の事務局長を長くやっておりますから、知り抜いておるのですが、せっかくドライヤー報告も出まして、この中で、念のために申し上げておきますけれども、ドライヤー報告の二千百四十二項というのがございまして、この二千百四十二項によりますと、「本委員会は、」つまりこれはドライヤー委員会でありますが、本委員会は、ストライキの禁止がどの程度労働条件または苦情の救済に関する等の諸問題の解決に満足な代償措置、この目的のため現行の措置が十分であることについては満足すべき状態からほど遠いという表現であります。代償機関の体をなしていないという。さらに二十四節では、現行制度は徹底的に検討される必要があるものと考えるとまで、実は極言しておるのであります。ほかの項目にもたくさんありますけれども……。したがって、ひとつこの種の紛争をどうもこういうところでやりとりをしなければならぬなどということでないようにしていただかぬと――うしろのほうに人事院総裁がおられますけれども、私は人事院総裁を大いにぜんまいを巻きまして、法律的な不備のところは人事院総裁の権威において、法律的に宣誓をして人事院総裁の職をおつとめになるわけですから、権威においてひとつ総理とやはり対等にものを言っていただいて、この制度を前向きに早く改正していただくということをこの際お願いを申し上げておきたい、こう思うわけでございます。
○河本委員長 田口誠治君。
○田口(誠)委員 いま具体的な今度の給与改定についての問題にまで入ってきましたが、私は、具体的な問題についてはそれぞれの担当大臣にお聞きするといたしまして、総理大臣にのみお聞きする基本的な点をここで明確にしていきたいと思います。
 いまも大出君が言っておりましたように、総理は常に人間尊重、それから責任ある政治、こういうことを強調されておりますが、これはまことにけっこうなことです。だから、私はここでどうしても確認をして、次の問題に入っていきたいと思いますのは、法治国家というものは、これはすべてのものが法律によって律せられ、政治が具体化されていっておりますし、憲法を守ることはもちろんこれは第一義としなければならぬ。したがって、このことを肯定しなければ、責任政治の確立というようなことはできない。したがって、これからの政治の基本にもなることであるし、今度の法案の審議にも関係がありますので、第一にその点をよろしく肯定をしていただかなければ、なかなか問題はむずかしいと思いますので、その点について簡単にお答えをいただきたい。
○佐藤内閣総理大臣 私も、公営企業体に関係したことがございます。ただいま御指摘になりますように、人事院の制度、これはたいへんな意義があり、価値があるものでありますから、これを尊重しなければならない、またこの重要性について十分政府が認識する、これはもちろんまず第一に、根本的にお説のとおりでございます。
○田口(誠)委員 その点については私の申し上げたことを肯定されましたが、そこでお聞きをしておきたいと思いますのは、公務員労働者も一般労働者と同様に労働三権は憲法によって保障されておるという原則は、認められると思うのです。いろいろな方法をとっておりますけれども、この原則は認められると思いますが、その点もひとつ明確にしていただきたい。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま一々お答えしたとおりです。
○田口(誠)委員 次に、そういう原則に立ちますと、ちょっと疑問が出てきますのは、ここ何年間人事院の勧告が完全実施をされておりませんが、この人事院がどういう経緯で設置され、どういう目的であるかということについて、あなたの認識をここで再確認したいと思います。これは簡単に言えると思うのですが。
○佐藤内閣総理大臣 別に試験を受けるわけでもございませんが、先ほど申し上げましたように、私も公営企業体の経営にも当たっておりますから、ただいま申されたことはよく承知しております。
○田口(誠)委員 その内容は承知されておれば、次に続けるわけですが、いま大出君からドライヤー報告の問題についてちょっと触れられたわけで、条文そのものを大出君はちょっと抜粋して読まれましたが、あの内容というものは、公務員労働者にも憲法に保障する労働三権はあるのだ。あるのだが、日本ではスト権、団体交渉権を剥奪して、その代償機関として人事院制度を設けておるのだ。したがって、これによって公務員の生存権を守らせることにしておるのだ。ところが人事院の勧告が、絶対に守らなければならない法的に筋になっておるけれども、守られておらないというのが実態である。そうすると、公務員労働者の労働三権と、それから人事院を設置した目的と、実際に行なわれた勧告の内容に矛盾があるから、この点を十分に今後の検討課題として報告書の中に示されておるわけなのですが、今後この問題をどういうような形で処理をしていかれるつもりであるかということ、この点をひとつお伺いしたい。
○佐藤内閣総理大臣 これはもう人事院を尊重し、人事院勧告を尊重するということに尽きると思います。ドライヤーの報告もさることですが、もちろんドライヤーも内政に干渉するわけにまいりませんし、私どもか皆さんとともどもに国政を担当していく、そういう場合に、その制度のねらいといいますか、目的を十分達するように努力することが必要である、かように私は思います。
○田口(誠)委員 その努力はしていただくのだが、あの報告の問題を中心に公務員制度調査会で検討させるとか、それとも政府でどうするとかこうするとかいうことがなければ、ただ、たてまえだ、たてまえだと言っておっても進まないので、あの報告書の処理をどういう形で受けとめてされるのかということを聞いておるのです。
○佐藤内閣総理大臣 御承知のように、指摘されたことは、まず第一に労使双方の不信、そういう意味で、これをひとつ不信をなくすように努力をしろ、これはしごくもっともだ、かように思って、定期会合その他の会合を持って、そうして外でごらんになるよりもなかなかなごやかにその話ができておる、かように私は思っております。
 また、ただいま指摘されましたことについて、労働省やそれぞれの給与担当方面でも、この公務員を含めての労使関係がいかにすればよくなるか、経済問題にこれが限られるように、いわゆる政治問題に発展しないようにいかにすべきかなど、いろいろくふうされておる。そういう意味で十分御協力を得たい、かように思います。
○田口(誠)委員 いまこういう形でこうするのだというお考えは別にないのですか。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま在来の機関を通じて検討させているということで、別にございません。
○田口(誠)委員 次にお聞きしたいのは、昨年の四十七国会において公務員給与を審議するときに、従来とり来たった人事院勧告の不完全実施を非常に批判をしたわけです。そうして、当然人事院勧告は完全実施をすべきであるという観点から、三党が共同提案で附帯決議を出して、これは両院とも満場一致で可決をしておる。可決した内容は、四十年度は完全実施をすること、政府はこれに必要な予算措置を講ずるために努力すること、これがついておるわけですが、このことは、あとからまた聞きますけれども、御存じでございましょうね。
○佐藤内閣総理大臣 さきに人事院勧告というものが出ておる、勧告には内容の問題もあり、また実施時期等についてもちゃんと勧告がされておるのでありまして、ただいままでのところ、給与改定の中身については人事院勧告がそのまま採用されておる、ただ実施の時期について十分でない、こういうような御批判があると思います。だから、十分ただいまお話しになりましたような点については知っておるわけです。
○田口(誠)委員 順に聞いていきまするが、そうなりますと、原則的に労働三権は公務員労働者にも憲法が保障しているということはお認めになった。そして、人事院制度がスト権、団体交渉権の代償として生まれたものであって、その勧告は完全実施をする義務かあるのだということも、ことばには出なかったけれども、私の言うことを認められたのだから、これもお認めになった。そうすると、ドライヤー報告の指摘している点もこの点に尽きるわけで、今後の公務員というものの取り扱いについては、やはりいろいろ現行の状態を整理しなければならないということになるわけであります。したがって、特にいま御回答のありました四十七国会で四十年度は完全実施をしなさい、そうして政府は予算措置に最大の努力をしなさい、こういうことも知っておいでになって、そして今年の人事院勧告は政府としても相当慎重審議をされて、担当大臣で五人委員会を設けて検討をされた。しかし、これは統一した結論が出なかった。そこで総理大臣が裁断を下されたわけです。裁断を下されたが、先ほど大出君から指摘をいたしましたような看護婦さんの時間外勤務手当の問題とか、通勤手当の問題等は、これはもう大体話のついておるものをそのまま裁断を下されなかったということは、非常に私はいままで確認をしたことから矛盾が出てきておると思うのです。それで、あなたの首を振っておられることは、いまの通勤手当とかどうだとかいう問題について首を振っておられると思うが、それはお預けとしましても、これはいままでの経過から言うて、完全実施をしなければならぬ。完全実施をする中でせめてものものを、昨年院議で議決をしたんだから、院議を尊重するという意味の何か一本か二本は筋を通さなければならぬ。そうすると、なるべく所要資金の要らない看護婦の手当とかあるいは通勤手当というようなものを筋を通す必要があるというようなことも、いろいろと言われておるわけなんです。あなたの耳に入っておるかおらぬか知らないけれども、言われておるわけなんです。それにもかかわらず九月実施をされたということは、単なる財源の不足ということを先ほど言っておられたが、これでは私どもは満足できないんだが、先ほどの答弁と違った答弁はできないものかどうかということなんです。
○佐藤内閣総理大臣 どうも違った答弁をするわけにはまいりません、二枚舌を使うわけにはいかないですから……。ただ、田口君に申し上げたいのは、人事院勧告が、人事院がお説のようなわけで誕生して、そしてこれまでたびたび勧告をしてきた。政府がこれの勧告を尊重すると言いながら、その時期的な問題等において特にこれがうまく実施されておらない。しかし、今日までの年々の経過をずっとごらんになると、だんだん近づいてきている、このことだけはお認めになると思う。
 そうして最後に私が申し上げたいのは、少し先にお尋ねになることだろうと思うが、予算編成と人事院勧告の時期に非常な食い違いがある。これを年度途中において実施する、ここいらに非常に困難がある。特に私どものほうは、中央政府の問題はともかくとして、地方公務員の場合、地方自治体の場合に、しばしば問題がある、かように思いますので、政府の努力にもかかわらず、今日までが歩みのテンポが非常におそい、こういうような結果になっておる。この点は百も御承知のことだと思います。
○田口(誠)委員 その程度はわかっておりますが、結論から言えば、大体大蔵省が反動か無理解か、自民党政府が反動か無理解か、これはどちらもそうだと思いまするが、労働賃金というものに対する認識が足りないと思う。労働賃金というものは第二位、第三位にしてもいいんだという思想が、流れておるんじゃないかと思うのです。したがって、法律をごらんなさい。企業破産のときの財産処分の民法三百六条、三百八条、商法二百九十五条に、一般先取特権として給与の支払いを最優先に処理することが規定されておる。それから破産法三十九条を見ても明確になっておる。もちろん労働者を保護する立法である労働基準法では、賃金の支払い、賃金の問題については事こまかく気を使って保護する立場で完全に規定をしておるわけなんです。したがって、それだけに労働賃金の占める扱いのウエートは、これはきわめて高い評価をされておるわけなんです。したがって、法律でも規定されておるのです。それにもかかわらず、法律できめたところの人事院の勧告を守らぬ。しかも、いままでの例を見ますると、五月を十月にしたのは、ほんとうのふところへ入る分は五〇%です。九月にすると六〇%しか入っていないわけです。だから、そういうようなことをしておるということはおかしいんだが、やはり同じ企業であるところの公共企業体の労働者は、法律に基づいて仲裁裁定を完全に実施を受けておるところが、公務員の労働者は値引きをされて冷やめし扱いをされておる。そこで、公共企業体に働いている郵政省の職員と公務員の扱いをされておる農林省の職員と、国民にサービスをし、そうして責任、公共性というものはどこが違うかということです。何も違ったことはないわけなんです。それで公平の原則でこういうものを取り扱う場合には、政府は当然完全実施をしなければならないのだが、ここに矛盾があるから、私どもはわざわざきょう総理もお忙しいところをおいでを願って確認をしたいというわけなんですが、金がないと言われるけれども、ほんとうに努力されたかどうかということは疑わしいのです。だから、いままでの経過について、おそらく一口二口で答弁できると思うが、私はあと一口で終わりますが、答弁していただきたい。
○佐藤内閣総理大臣 ことしは御承知のように借金をします。公債を発行すると、これは借金です。借金をする際の金の使い方にたいへん悩みがあるわけでございますから、この点は御了承いただきたいと思います。
 もう一つ、ただいまお話がありましたが、公共企業体と公務員との給与改善、これはひとつ人事院勧告――それから労働者は同じですが、一体その給与改定の時期がいかに歩調が合うのか、こういう問題が一つあるのです。公務員は公共企業体の給与の引き上げに大体あとから行っている、かように私ども考えますが、公共企業体の諸君は必ずしもそうは言わない。公務員のほうが先に行って、われわれのほうがあとから行っている。ここに一つの問題があるのです。これは労働組合に特に御理解のある社会党の方にお預けしてはまことに相済みませんが、その辺を私どもが考えるように、公務員がいつも公共企業体の職員の給与改定に追随をしている、かように私ども理解していますが、そういうことの方向に進んで、そうしてなるべく合わすようにしていただきたい、かように思います。
○河本委員長 田口君、簡単に願います。
○田口(誠)委員 それは認識してないわけだ。それはなぜかというと、御承知のとおり、公務員の賃金の人事院勧告というものは、最低の生活をしておる中小企業の労働者の前年度の平均を持ってきて、そうして公務員給与の格差を是正するわけなんです。これを完全実施をしてもらったとて、これでは公務員の労働者は満足ではないわけです。したがって、七千円の要求をしたり、食えないようになれば、これは抵抗権を行使しますよ、好ましくないけれども……。そういうようなことになってはいけませんので、私は、政府はそういう点を特に考えてもらわなくてはいかないが、これで最大の努力をしたと言われるけれども、してないという理由を申し上げますと、最大の努力をしたなら、払えない分は来年度の予算に組み込んで、遡及精算をなぜやらないのか。この問題については、いままで例があるわけなんです。公務員の退職金問題で例があるのだから、だからそういうことをしてでも人事院の勧告は守ることが、あなたの最初言われたところの憲法で保障された労働者、そうして法律を守る、こういうことになるわけでございますので、なぜそういうことをやらなんだということ。そうして公務員賃金の上がることは、毎年毎年のことなんです。だから、毎年毎年のことなら、災害対策費と同じように、来年の予算を組むときにどれだけかの予備費をとっておいてやることが、いま言うように、借金をして云々とかいろいろ言われますけれども、私は非常にやりやすいと思うのですが、そういうような処置をとられておらないということは、先ほど来言った幾つかの法律に労働賃金というもののウエートは非常に高いということの認識が、あなた方は足りないわけなんです。だから、その点を認識を改めてもらって、来年はどういう態度で進むのかということ、そして今年の場合はこれは国会できめまするし、きめることにはあまり抵抗してもらっちゃ困るわけなんですが、その点をひとつじょうずに答弁してもらうと、私はこれで終わります。
○佐藤内閣総理大臣 政府が田口君におしかりを受けました。私は、給与問題はたいへんな問題だ。諸法律等においても、ただいま読み上げられたように、まず第一に給与を確保する、こういうたてまえでできておる。政府におきましてももちろんこの給与を第一に考うべきこと、これは非常に私どもも注意しておるところでございますから、この点では田口君の御指摘になったとおりだ、かように考えます。
 しかし、ただいま予算編成について予備費をふやせとかいうようなお話が出ておりますが、それは一つの方法だと思います。けれども、同時にこのことは予算がどんぶり勘定にもなるというようなおそれが非常にありますので、よほどこの点を考えていかなければならぬと思いますから、ただいましろうとである私が予算編成の基本方針を申すよりも、それはしばらく預からしていただきたい。ただいまのもたいへんいい案かと思いますけれども、そういう意味で検討いたします。
○田口(誠)委員 それでは私はこれで終わります。
 大体私の確認したことは全部御承認されて、前向きの姿勢で来年度は取り組むし、いろいろな予算の問題等についても非常にまじめに検討してもらうということがことばじりからうかがわれましたので、それを大いに期待をして、国会は国会の独自の立場で、この法案では不満だから、この内容を相談して修正をしていきたい、かように考えております。
 時間がございませんので、私の質問はこれで終わります。
○河本委員長 関連質問がありますので、これを許します。村山喜一君。
 簡単に願います。
○村山(喜)委員 佐藤総理にただ一言だけお尋ねをし、考え方をお聞きしたい点があります。
 それは、人事院勧告を実現をしたい、完全に実現をやりたいのだが、内容は人事院勧告のとおりなんだけれども、財源的に時期を九月にせざるを得なかった、こういう説明であります。このときに、内容面において私は考えなければならない点が、佐藤総理の人間尊重という立場から出てくるのではなかろうかと思いますのは、同じ公務員でありましても、上級職の公務員と下級職の特に行(二)の適用を受けます職員――この行(二)の職員の中には、御承知のように八十三歳にならなければ大蔵省説明の五人世帯の給与に達しないという金額になる者があるのです。これはやはりどうしても公務員の給与が低いというところに問題があります。そこで、こういうような理論生計費といいますか、家計費の上から見て赤字が生ずる階層というものに対しては、何らかの時期を設定する場合にも、その層については特に配慮するという考え方がなければならないのではないか。それを一律に、上級職の公務員も、あるいはそういうような単純労務に携わっております行(二)の職員についても、同じように九月からするということは、格差をますます拡大をさせるし、人間の生活を尊重するという態度にはならない。そういうような点について検討をされただろうと思うのですが、そのような方向を今後検討をしていかれる御用意があるかどうか、この点だけお聞かせを願っておきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 なかなかむずかしいお尋ねだと思います。おそらく人事院が給与についての勧告をいたします際に、各階各層また各業種、それらの間に均衡をとった勧告をされた、かように私は思いますが、そういうものでないと、一つだけについて特に考慮を払うとかということになると、全体のたてまえがこわされるのではないだろうか、かように思いますが、ただいま村山君が特に御指摘になりましたようなことについて、人事院はどういうように考えるか。私はむしろ総合的に、そして各業種間、各年令間、またそういう均衡のとれたたてまえが必要なんじゃないか、かように思います。
○村山(喜)委員 時間がありませんので申し上げますが、時期をいつにするかということをきめるのは、政府がきめたのです。ですから人事院の勧告の内容の問題じゃなくて、そういうような下層の公務員というものについて、特に生活の実態の上から見て必要であるというところについては、人間尊重というあたたかい思いやりが必要ではないかということを私は申し上げたわけです。総理の今後の御検討を願っておきたいと思います。
○河本委員長 受田新吉君。
○受田委員 時間は十分を厳守します。
○河本委員長 受田君、予算委員会が始まりましたので、五分くらいでお願いいたします。
○受田委員 それでは私、二点だけ。
 総理は非常に御健康であるから私安心しておるのでございますが、総理の激務というものは、こうして内閣委員会の主管大臣である総理大臣としても、たびたび御苦労願うわけにいかないわけなんです。きょうは非常に差し繰っていただいてうれしく思いますが、この内閣法第九条による総理のあらかじめ指定する臨時代理という制度をぜひおとりになられて、総理にかわってこの内閣委員会などの責任ある答弁をしていただくような形、あなたのお兄さんも御健康でありますが、池田さんはもはやなくなられました。この機会にいわゆる副総理なるものをお置きになるということは、佐藤さんとしてはぜひ必要であると思います。そして、こうした給与に関係する問題などは、その副総理をもって答弁せしめる。お隣に総務長官がおられますが、これは総理大臣にかわったお仕事をされるこの安井先生に副総理をやっていただいても、総務長官が副総理を兼ねるということでも、私は筋が通ると思います。これが一つ。これはあなたの御健康を憂えまた国々には、明らかに第一副首相、第二副首相をまで置いている国が御存じのようにたくさんあるわけで、この機会に総理お一人で国政の全責任を負うということには限界があることを憂え、先輩池田先生の御長逝を悲しむ思い出がまざまざとよみがえりますので、ぜひひとつ副総理を置くという内閣法第九条の規定を、佐藤先生においてこの際断固実行していただきたい。
 もう一つ、この給与に関係する問題を私長く担当させていただいておりますが、総理にどうしても御答弁願わなければならぬ問題があるのです。それは、給与担当国務大臣では解決できない、各省にまたがる給与のアンバランスという問題です。外務省は外務公務員の給与という法律、法務省は検察官の俸給という名称を持っている、裁判官の報酬という名称を持っている。防衛庁は防衛庁で防衛庁職員の給与法というのをお出しになる。こういうふうに給与担当国務大臣である総務長官の所管外のところから、政府提案の給与法案がどんどん出ているわけです。このあたりで総理におかれまして、給与の統一性、一貫性という意味から、一般職、特別職にわたる給与をひとつ総務長官のところで、せっかく人事局ができたこの機会に、統制ある御措置をおとりになるべきではないか。(「賛成」と呼ぶ者あり)御賛成の声がわき起こっております。
 次は、現職の公務員と退職した公務員との間に、非常に待遇の差が起きている。現職の人も、退職後は一向退職者の年金、恩給は上がらないとなれば、これはやめるという気持ちが起こらない。なるべくねばろうという気持ちが起こります。この問題は、現職に対応して退職者の処遇を改善するという点から、スライド制をぜひ実行していただくということ、そうして同時に、この機会に月給を今度でも四カ月差し繰るわけでございますが、そういうところから勤務形態にひびが入る。この五月実施ができない部分は多少出勤をおそくしてもいいというような気持ちになって、官庁などは十時ごろにそろそろと出る。私はよく官庁に行ってみるが、九時にきちっと局長や職員が出ている官庁は、非常に少ない。やはり勤務時間というものは厳正にして、綱紀粛正、人間開発を特に提唱されるいまの佐藤先生の方寸でこの政治がきまる段階で、ひとつ綱紀粛正、勤務の厳正、行政の能率化、臨時行政調査会の答申をりっぱに実行に移されることを希望いたしまして、私の質問を終わることにします。御答弁をお願いします。
○佐藤内閣総理大臣 まず第一が、もし私の健康を心配しての人情論であるならば、これはありがたく拝聴いたしておきます。しかして、実際の事務的な問題でそれが必要だということについては、これは事故がある場合にはいつでもつくり得るようになっておりますので、いまの制度上、私がただ健康だから置いてないだけでございますので、必要があればただいまも置けることになっております。
 それから第二の問題は、やめた者と現職との間に非常に開きがあるというお話です。それでスライド制がしばしば言われておりますが、これについては、機会あるごとにスライド制を研究するということでお答えしておると思います。まだ十分結論が出ておりません。何ぶんにも大きな問題でありますから、したがってこれも検討さしていただきたいと思います。
 また、給与表について、いろいろの特別職がある。確かにこれが単一化されることが望ましいのでありますから、こういう点についても、今後の問題として検討していきたいと思います。しかしながら、全体の給与が少ない結果かもしれませんが、特別職もどうしても設けざるを得ないような実情にあることも、御承知おき願いたい、かように思います。
 また、綱紀粛正、その大事なことは御指摘のとおりであります。ことに勤務時間が厳守されない、かようなことは、非能率の原因でもある、かように考えますので、能率をあげる、こういう意味からも時間を厳守する、かようなことを特に強く言わなければならない。綱紀粛正は、私の内閣の使命でもある。この点を御了承いただきたいと思います。
○河本委員長 次会は、明二十三日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
 午後一時四十二分散会