第051回国会 本会議 第33号
昭和四十一年三月二十九日(火曜日)
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 議事日程 第二十号
  昭和四十一年三月二十九日
   午後二時開議
 第一 国立学校設置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 第二 文部省設置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 第三 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関す
  る法律等の一部を改正する法律案(議院運営
  委員長提出)
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○本日の会議に付した案件
 日程第一 国立学校設置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 日程第二 文部省設置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 日程第三 国会議員の歳費、旅費及び手当等に
  関する法律等の一部を改正する法律案(議院
  運営委員長提出)
 中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 通商産業省設置法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 農地管理事業団法案(内閣提出)の趣旨説明及び
  質疑
 国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
   午後二時七分開議
○議長(山口喜久一郎君) これより会議を開きます。
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 日程第一 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(山口喜久一郎君) 日程第一、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
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○議長(山口喜久一郎君) 委員長の報告を求めます。文教委員長八田貞義君。
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  〔報告書は本号末尾に掲載〕
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  〔八田貞義君登壇〕
○八田貞義君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過とその結果を御報告申し上げます。
 本案の要旨は、
 第一に、北見工業大学を新設すること。
 第二に、信州大学及び佐賀大学の文理学部を改組して、それぞれ学部を増設すること。
 第三に、宇都宮大学ほか六国立大学に大学院を新設すること。
 第四に、大阪大学に社会経済研究所を附置し、東京医科歯科大学附置の歯科材料研究所の名称及び目的を改めること。
 第五に、北海道学芸大学ほか四学芸大学の名称中、学芸大学を教育大学に、北海道学芸大学ほか二十二国立大学の学芸学部を教育学部に改めること。
 第六に、長岡工業短期大学ほか二国立工業短期大学及び室蘭工業大学短期大学部を廃止すること。
 第七に、この法律は昭和四十一年四月一日から施行すること。
 その他所要の規定を整備すること。であります。
 本案は、去る二月九日当委員会に付託され、二月十八日政府より提案理由の説明を聴取いたしました。以来慎重に審査いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 かくて、三月二十五日、本案に対する質疑を終了し、討論の通告がないため、直ちに採決に入りましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(山口喜久一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 文部省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(山口喜久一郎君) 日程第二、文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
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○議長(山口喜久一郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員会理事岩動道行君。
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  〔報告書は本号末尾に掲載〕
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  〔岩動道行君登壇〕
○岩動道行君 ただいま議題となりました文部省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。本案の要旨は、文部省における文化行政を強力に推進するため、従来社会教育局及び調査局に属していた文化関係事務を一元的、総合的に処理する文化局を新設し、調査局所掌のその他の事務は、それぞれ大臣官房及び大学学術局に移し、調査局を廃止すること、及び国立学校等の定員を三千九百十五人増員することであります。
 本案は、二月二日本委員会に付託され、二月十五日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、三月二十五日、質疑を終了、討論もなく、直ちに採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(山口喜久一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(山口喜久一郎君)起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案
(議院運営委員長提出)
○議長(山口喜久一郎君)日程第三は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議はありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第三、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
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○議長(山口喜久一郎君) 提出者の趣旨弁明を許します。議院運営委員会理事佐々木秀世君。
  〔佐々木秀世君登壇〕
○佐々木秀世君 ただいま議題となりました国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案について、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律外三件の改正を行なうものでありまして、
 その内容の第一は、先般の議員歳費等に関する調査会の答申に基づき、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律について、調査研究費を十万円とする規定を新設し、通信交通費の額を十五万円に改めることとし、なお、期末手当について特別職の職員の例に準じて基準日を設け、これに伴う条文の字句整理等を行なうものであります。
 第二は、四十一年度予算に伴うものでありまして、国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律について、立法事務費の額を五万円に改めることとし、国会議員の秘書の給料等に関する法律について、秘書の給料月額を、一人は秘書官三号俸の額に相当する額に、他の一人は行政職俸給表(一)の七等級三号俸の額に相当する額に改めることとし、なお、秘書の期末、勤勉手当について、政府職員の例に準じて基準日を設け、これらに伴う条文の字句整理等を行なうものであります。
 第三は、昨年の恩給法の改正に準じ、国会議員互助年金法についても、公務関係遺族扶助年金の年額の算定倍率を同様に引き上げようとするものであります。
 なお、附則において、国会閉会中委員会が審査を行う場合の委員の審査雑費に関する法律を廃止し、これに伴い、裁判官弾劾法について、訴追委員及び裁判員の職務雑費に関する規定を削除し、議院に出頭する証人等の旅費及び日当に関する法律についても同趣旨の字句整理を行なうとともに、この法律施行に必要な経過措置を規定して、昭和四十一年四月一日から施行しようとするものであります。
 本法律案は、議院運営委員会において起草、提出したものであります。何とぞ御賛同くださるようお願い申し上げます。(拍手)
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○議長(山口喜久一郎君) 採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。
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 中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○海部俊樹君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 この際、内閣提出、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案、中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案、中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案、右三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(山口喜久一郎君) 海部俊樹君の動議に御異議はありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
 中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案、中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案、中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
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○議長(山口喜久一郎君) 委員長の報告を求めます。商工委員長天野公義君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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  〔天野公義君登壇〕
○天野公義君 ただいま議題となりました中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案外二件につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、名古屋中小企業投資育成株式会社の資本金を増額するため、中小企業金融公庫が引き受ける中小企業投資育成株式会社の優先株式の発行限度額を現行の六億円から一億五千万円増額して七億五千万円に改め、これにより中小企業の自己資金の充実を促進しようとするものであります。
 次に、中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、企業組合を本法の対象に加えて、金融、税制上の優遇措置を受けさせることにより近代化を推進するとともに、減価償却の特例の適用範囲を拡大して自己資本の充実を促進しようとするものであります。
 次に、中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、中小企業の近代化を一そう促進するため、中小企業高度化資金の貸し付け条件等について助成内容の充実をはかるとともに、小売り商業連鎖化、いわゆるボランタリーチェーン事業の助成、中小企業者、特に小規模企業者への施設の譲渡または貸し付け等の物的な貸与制度による助成及び中小企業の組合が構造改善事業を行なうために積み立てる資金に対し税制上の優遇措置を講ずる制度を新設しようとするものであります。
 中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案、及び中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案は去る二月三日、また、中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案は二月二十四日に、それぞれ当委員会に付託され、以来、三法律案を一括議題とし、質疑が行なわれ、きわめて熱心な審議がなされたのでありますが、その詳細は会議録に譲ります。
 本日に至り、質疑を終了し、直ちに採決いたしましたところ、三法律案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案につきましては、後進地域及び産炭地域の中小企業へも広く投資するよう指導する旨の、また、中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案につきましては、事業協同組合も本法に定める税制上の優遇措置が受けられるよう措置すべき旨の、また、中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案につきましては、小売り商業連鎖化事業について適切なる指導を行なうとともに、企業組合が中小企業構造改善事業を行なう場合も、本法による課税の特例と同様の優遇措置が受けられるよう措置すべき旨等の附帯決議がそれぞれ付されました。
 以上で報告を終わります。(拍手)
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○議長(山口喜久一郎君) 三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
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 通商産業省設置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
○海部俊樹君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 この際、内閣提出、通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(山口喜久一郎君) 海部俊樹君の動議に御異議はありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
 通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
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○議長(山口喜久一郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員会理事岩動道行君。
    ―――――――――――――
〔報告書は本号末尾に掲載〕
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  〔岩動道行君登壇〕
○岩動道行君 ただいま議題となりました通商産業省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案の要旨は、軽工業局及び繊維局を化学工業局及び繊維雑貨局に改組すること、公益事業局次長を廃止すること、高圧ガス保安審議会を高圧ガス及び火薬類保安審議会に改組すること、本省の定員を百五十七人減員して、特許庁百四十四人、中小企業庁十人を増員すること等であります。
 本案は、二月二十三日本委員会に付託、同二十四日政府より提案理由の説明を聴取し、本三月二十九日、質疑を終了し、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(山口喜久一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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 農地管理事業団法案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(山口喜久一郎君) 内閣提出、農地管理事業団法案について、議院運営委員会の決定により、趣旨の説明を求めます。農林大臣坂田英一君。
  〔国務大臣坂田英一君登壇〕
○国務大臣(坂田英一君) 農地管理事業団法案について、その趣旨を御説明します。
 農業生産を維持増大して国民食糧の安定的な供給を確保するとともに、農業と他産業との間における所得及び生活水準の格差の是正をはかることが農政の基本であると考えます。そのためには、零細な兼業農家を含め農家全体を対象として農業生産を振興し、その所得を高めることに努力いたすことはもとよりでありますが、最近における農業の動向から見ますと、農業に専念し、農業所得によって生活することができる農家を相当数育成することがきわめて重要であると存じます。このような自立経営農家及びこれに準ずる協業経営が健全に育成されるためには、農業に専念する農家が漸進的に経営規模を拡大し、生産性の高い農業経営の基礎を確立することのできる条件がつくられることが必要であります。
 最近における農家戸数の推移を見ますと、昭和三十五年から四十年までの間に年平均約八万戸の減少を示しました。この間、都府県で一・五ヘクタール以上の農家が多少増加しておりますが、経営規模の拡大の傾向は必ずしも顕著とは言えない状況にあります。また、農地についての権利移動を見ますと、自作地の売買等による有償移動の面積は年々増加し、昭和三十九年には約七万五千ヘクタールとなっておりますが、その内容においては、自立経営を目ざす農家の経営規模の拡大の方向に沿って行なわれているとは必ずしも言いがたいのであります。
 そこで、年々移動している七、八万ヘクタールの農地に着目し、地域の実情に応じ無理なく経営規模の拡大に資するよう方向づけることにより、農業によって自立しようとする農家及びこれに準ずる協業経営の規模拡大を促進することを目途として農地管理事業団を設立し、農地及び未墾地の取得についてのあっせん及び融資、農地の売買その他農地移動の円滑化に必要な業務を行なわせるため、この法律案を提出したのであります。
 政府は、第四十八回通常国会における法案の審議経過等を勘案し、農地管理事業団の業務の範囲に未墾地の取得についてのあっせん及び融資を加えるとともに、事業団の業務は、今後事業の実施状況を見、市町村の希望により農村らしい農村のすべてにおいて実施することを目途として、初年度四百市町村において行なうものとし、また、農家に直接接触する事務は市町村及び系統農協に委託して処理するごととする等、構想を改め、所要の予算を計上するとともに、この法律案を提出した次第であります。
 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、以下、事業実施上特に重要な法律案の内容について御説明申し上げます。
 第一に、農地管理事業団の目的は、「農地等に係る権利の取得が農業経営の規模の拡大、農地の集団化その他農地保有の合理化に資することとなるように適正円滑に行なわれることを促進するため、これに必要な業務を行なうことにより、農業構造の改善に寄与すること」と規定しております。
 第二に、事業団の業務に関する規定であります。
 まず、事業団の業務の範囲といたしましては、農地、採草放牧地、未墾地またはこれらの附帯施設についての売買または交換のあっせん及びその取得に必要な資金の貸し付けと、農地、採算放牧地またはこれらにかかる附帯施設についての買い入れ、交換及び売り渡し、借り受け及び貸し付け並びに信託の引き受けを行なうこととしております。
 次に、事業団は、農林大臣の指定する業務実施地域内にある農地等について業務を行なうものとしております。この指定は、都道府県知事が関係市町村と協議し、都道府県農業会議の意見を聞いて申し出た場合について行なうこととしております。
 さらに、事業団の業務執行の方針といたしましては、自立経営になることを目標として農業経営を改善しようとする農家及びこれに準ずる農業生産法人の農地等の取得または借り受けを促進するようにその業務を行なわなければならないものとしております。
 また、事業団の貸し付け金及び売り渡し対価の償還条件は、年利三分、償還期間三十年以内の元利均等年賦償還とするほか、一定の場合における一時償還及び償還の猶予、売り渡した農地等の買い戻し、農地等の信託にかかる信託法の特例、地方公共団体及び信用農協連合会等に対する業務の委託について規定いたしております。
 以上のほか、農地法の適用につきまして、事業団による農地等の買い入れ、売り渡し及び借り受け、貸し付けについては許可を要しないこととし、また、事業団が農地等を借り受け、これを貸し付けた場合は、小作地の所有制限は適用せず、更新拒否等についての許可を不要とする等の特例を設けることといたしております。
 さらに、税制上の特例といたしましては、本法案において不動産取得税を軽減することとしておりますが、また、別途今国会に政府から提出されております租税特別措置法の一部を改正する法律案におきまして、所得税及び登録税を軽減することとしております。
 以上が農地管理事業団法案の趣旨でございます。(拍手)
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 農地管理事業団法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(山口喜久一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。松浦定義君。
  〔松浦定義君登壇〕
○松浦定義君 私は、日本社会党を代表し、ただいま提案の農地管理事業団法案に対し、佐藤総理並びに大蔵、農林、労働各大臣に、順次質問をいたします。
 まず、政府は、本法案を再提出するにあたり、わが国農業の将来並びに食糧自給対策等、基本的かつ長期見通しのもとに総合的な検討がなされたかどうか。法案の内容を見るに、わずか一部分の修正にすぎない。わが党が主張した基本的な点は何ら考慮されていない。この点をまずお伺いいたします。
 本法案は赤城前農林大臣の構想によるものであり、その内容は、初年度六千町歩、資金百億、十年間で三十三万五千町歩、利子二分、償還期限四十年、特に離農者対策をも考慮されていたものであったのであります。しかるに、大蔵省の農業軽視政策と農民に対する無理解によって後退し、昨年度提出の原案は、わずか全国で百方町村、一千町歩、資金は二十億、十年間で八万町歩、特に金利三分、期限三十年、依然として売りっぱなしで、離農者に対しては何らの対策もないのみならず、二、三年間はテスト方式で、実に自信も確信もない内容であり、廃棄の取り扱いは当然であったのであります。
 しかるに、佐藤総理は、先般三月一日の本会議における湯山議員の質問に対し、次のような答弁をされているのであります。「農地管理事業団は必要であり、もしこれが一年早くできていたら、ことしなどは一年間本格的に働いて実績をあげただろうと思います。」と言明されているのであります。本格的に働いたら何ができているのか、どのような実績があがったとお考えになるのか、具体的にお聞かせ願いたいのであります。
 大蔵大臣に伺いたい点は、本法案が日本農業の将来に絶対必要であるとお考えになるならば、赤城前農林大臣の構想をなぜ無視されたのか。金利二分、償還期限四十年を、三分、三十年に切り下げ、事業費は百億を二十億にする、離農者対策は全然無視する、無謀にもひとしい処置であります。わが国の農政は、農林省ではなく、大蔵省や通産僧の意のままに振り回され、いまや大蔵省農林部的な立場に置かれ、農林省の自主性は全く地に落ちて、関係者の批判とひんしゅくを買っておるのであります。一例を見ても明らかなように、農基法でいう自立農家百五戸育成のためには、九十万町歩の農地の移動が必要であります。それに要する資金は、反当二十万円といたしましても、一兆八千億の資金が必要であり、これは政府の公約であった。農基法審議の焦点であった。基本法の柱である公約を一方的に破棄し、これを今回の農地管理事業団法案で推進するなどと誇大に宣伝し、内容と責任のすりかえを行なわんとしていることは、農民をごまかそうとしているものであり、まことに遺憾であります。金利二分、四十年の資金は最低の要求であると思うが、大蔵大臣の責任ある御答弁を願いたいのであります。
 次に、今回再提出の内容は、四百カ町村、三千町歩、資金四十億、利子は三分、期間三十年、五カ年間に八万町歩、おもな改正は、未墾地を加えたことと、市町村農業委員会を受託事務の処理機関に指定する程度にすぎず、問題の離農者対策には一言半句も触れていないのは、小農切り捨てを裏づけるものであり、反論の余地は全くないのであります。農政関係者、学者グループ、特に与党内部にも多くの反対論のあることも明らかであります。この席から申し上げるのはまことに失礼ではありますけれども、去る九日、全国農業会議所主催の全国農業者大会の席上、本院農林水産委員長は、農林委員会を代表してと発言され、日本の農政には全然中心がない、すなわち、食糧の総合政策がない、このような状態で、構造改善がどうとか、やれ農業近代化がどうとか、農地管理事業団などと言っても問題にならないのではないか、だから、場当たり農政、手探り農政だと野党に批判されるのは当然であると、語気を強めての意見が示され、一同異様の感であったのであります。本法案の内容の不備不当性が全国の農業委員会の会長の前で明らかに示され、社会党の反対の態度が理解されたと思います。(拍手)したがって、慎重なる検討が必要と考えます。これらの意見に対し、総理の御所見を承りたいのであります。
 農林大臣にお尋ねいたしたいことは、この法案は、農地等の権利移動を円滑にして、農業経営規模の拡大等に資することを目的としているのであります。三十九年に自作地の有償移動面積は七万六千町歩、この中には零細兼業農家の取得面積も含まれております。実際に経営規模拡大のための移動は、全耕地面積の一%にすぎないのであります。これは、農家が経営規模を拡大する条件がほとんどなく、その動きがきわめて低いことを示している。この状態の中で、農地管理事業団がわずか一%の農地移動のその何分の一かの移動を促進することで農業構造改善に寄与するということは、全く意味がないと思うのであります。政府は、積極的に経営拡大できるような条件を問題とすべきではないか。
 また、農家が現在経営拡大ができない理由の一つは、農地の価格が商いこと、また基幹労働力が不足していること、資金の蓄積がないこと、特に農畜産物価格が不安なことなとであります。四十年度の農業の動向に関する年次報告は、これまでの高い経済成長は、一面において地価の高騰、兼業農家の増大、農業労働力の質的な低下を招くなど、農業構造の改善を妨げる方向に作用しつつあることを認めているのであります。しかも、今後もこれまでの動きを基本的に変えることはないと見ているのであります。さらに、優良農地の壊廃面積の増加傾向、また不耕作地面積の増加を明らかにしているが、かかる状態を放置したままで全耕地の一%足らずの流動化を進めても、農業構造の改善にはならない。政府は、まず、優良農地の壊廃防止、農用適地の整備拡充等のため、土地利用区分を明確にし、全額国費で土地改良を実施し、農地価格が宅地の高騰に影響されることのないよう対策を確立すべきであると思うが、農林大臣の御所見を承りたいと思います。
 次に、自立経営を目標とする農家の農地取得を促進することを第一に掲げている。ところが、現状は、農業年次報告が兼業農家といえども農地保有の意欲が強いことを指摘しているように、他産業で安定した就業の保証がないために、兼業農家は農地を手放そうとしない。これは当然のことであります。最近の経済不況の影響で、一度離村就職した者が再び離職し帰村する、いわゆる還流人口が増加している傾向から見ても、兼業農家、零細農家が農地を手放す条件はない。しかしながら、北海道の畑作地帯においては、一町村何百町歩という移動が行なわれんとしている実態は、まさに、ここまで追い込んだ政府の責任であり、わが国農政の一大悲劇といわざるを得ないのであります。この現実を総理並びに農林大臣はどうお考えになるのかを承りたいと思います。
 次に、農業年次報告の中で、耕種部門をはじめとして農業生産の停滞傾向が見られることを明らかにし、特に兼業農家の生産力が専業農家より劣ることを指摘している。ところが、全耕地面積のうちで兼業農家の耕作面積は実に七一%に達している。このうちの一%ぐらいを年々自立経営に移動させていくぐらいでは、農業全体の生産を高めていくためには実に数十年の歳月を要することになる。さらに、一方では、兼業農家の生産への意欲を失わせ、国全体の農業生産の低下を促進することになる。全体の生産を高めようとする見地に立つならば、少数の自立経常育成に力を注ぐよりも、兼業農、零細農を含めて生産を高める方策を樹立すべきであると思います。現に、小規模農家の参加した農業生産法人や、兼業農家も加わった水稲の共同作業など、共同化の方向での経営規模拡大の動きは全国各地に数多くの実例があるではないか。政府はこの方向をこそ伸ばすべきではないかと思うが、農林大臣の御所見を承りたい。
 次に、自立経営とはいかなる農家をさすのか。適正規模とはどの程度なのか。かつての所得倍増計画では、二町五反と言い、十年間に百万戸の自立農家の育成をすると政府は言明していたが、現在どうなっているのか。このためには約九十万町歩の農地の移動が必要となるが、政府はこれら農地の移動をどう進めようとされるのか。農地管理事業団がこの事業に当たるとするならば、あまりにも法案の内容が不備であると思いますが、具体的に数字をあげて計画を明らかにしてほしいのであります。
 次に、政府はこの法案を糸口として農地法の改正と小作料の改定を検討していると伝えられているが、事実かどうかを伺いたい。
 現行農地法は、耕作農民の所有権、耕作権の擁護を原則としており、これを改悪して農地を少数の上層農に集中させようとすることは、農地制度上重大な問題である。本法案がその糸口となる危険は多分にある。農地法改正の具体的な内容と、それらと本法案との関係を明らかにされたい。もしそれが明らかにできない段階であるならば、この法案のみを切り離して成立させるべきではないと考えられるので、特にこの点明確にしていただきたいと思います。
 次に、この事業の機構についてであります。
 中央並びに県段階では、役人が一方的に支配する内容になって、役人の古手が大部分で、すでに中央、県段階では人選がうわさされていると聞くが、この点はどうなのか。
 しかして、最も仕事が多くて困難な市町村段階は、わずかの事務費で農業委員会にすべてを押しつける仕組みになっている。市町村段階の困難な仕事をまかせるならば、中央並びに県段階も農民の団体である県農業会議、全国農業会議所にまかせて、この制度の農民的、自主的運営をはかるべきである。政府機関は監督の立場にあってこの適正運営を推進することが農民の協力と理解を得る最善の方法と考えるが、どうか。半官半民的な事業団の性格では責任ある事業の遂行はできないと思うが、御所見を承りたいのであります。
 次に、労働大臣の御意見を伺います。
 この法案の重要な点は、経営の規模の拡大、集団化、農地保有の合理化等、適正円滑に行なうことを目的としているが、これを達成するためには、二つの条件の完全な一致を見なければならないのであります。すなわち、その一つは、土地を取得する側の農家は、低利長期並びに農地の拡大等有利な条件のもとで生活は安定するが、他方、土地を手放す農家は、離農転業をするにあたり好条件は何一つない状態の中で、生活の不安は何ら解消しないのであります。この両者を比較した場合、あまりにも雲泥の差があるではありませんか。先祖代々引き継ぎ永住してきた人たち、また、戦争の犠牲となって強制疎開させられた人、人知れぬ苦労の連続の中で借金に苦しみながら無計画な入植により今日離農を余儀なくされた者等々に対し、責任ある対策の片りんも見られない本法軍は、農民の真の苦しみを知らない為政者ならいざ知らず、みずから農業を体験している者としては、断じて承認できない内容であります。
 労働大臣は、離農者に対する職業安定行政なるものを考えておられるのかどうか、もし考えがあるならば、なぜそれを本法案の中に一項でも加えなかったのか、その理由を明らかにしていただきたいのであります。かつて、石炭政策転換対策として離職者に対してとった実例があるではありませんか。これと同様の取り扱いが必要と考えるが、御所見を承りたいのであります。最近、聞くところによると、農民を対象にした国民年金の付加年金制度の新設、また、離農希望者などに対する職業安定行政を拡充する等の意見があると聞くが、その内容を明らかにするとともに、かかる本法案の内容で目的が達成できると考えるならば、その理由を明らかにしていただきたいのであります。
 最後に、したがって、社会党としては、次の根本的な農業構造政策の実施を考えていることを申し上げておきたいのであります。
 すなわち、国土の高度利用を大胆に計画すべきであります。国土調査、利用区分の策定、農用地造成、農業近代化促進のための国の重点対策を打ち出すべきであります。特に、農民年金制度の確立と、農民を社会保障の面で差別しないことなどであります。
 政府は、農業基本法では西ドイツの例を取り入れ、今回の農地管理事業団構想はフランス、オランダの制度をまねたものといわれているのであります。ここで、諸外国における農地流動化について触れてみたいと思います。
 昨年、私は、社会党の第二次欧州農業調査団長として各国の実情を広く見聞いたしましたが、第一は、農地値上がりについて強力な抑制策を取り入れていることであります。したがって、農民の離農者年金制度など、農民保護の制度が確立しているのであります。イギリスの場合は、農民の自主性を尊重しながら農地の流動化が進められ、その具体策として立法化を進めている重要な点は、五十五歳以下で他の職業につく者には、一時金として千ポンド、日本円で百万円を与える、六十五歳以上の離農者には、毎年百ポンド、十万円と、一エーカー、四反当たり一ポンド、千円、これを離農当時の面積に乗じて与える、また、離農は決して強要せず、共同化を希望する者には共同化に必要な経費の九〇%を国が補助金として支出する等であります。わが国においてもこれに近い政策がとられない限り、国民の食糧不安は絶対に解消できないことを申し上げておきます。総理並びに大蔵、農林両大臣の御決意のほどを承りたいのであります。
 以上の見地に立って、本法案は名実ともに慎重審議を必要とすることが明らかになったと思います。したがって、時間の制約を受ける本会議の質疑では要を尽くすことはできません。本案の重要度にかんがみ、今後当該委員会審議にあたり総理大臣並びに関係大臣の出席方を特に要請いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
 農業問題は、申すまでもなく、国民食糧の確保、同時にまた農家経済の充実、そういう意味におきまして最も重要な問題でございます。わが国におきましても、この観点から農業基本法を制定し、また、その定むるところの諸政策を政府は遂行しておるのでございます。そこから、ただいま自立経営農家を育成強化する、こういうような必要が生じております。昨年も農地管理事業団の法案を提案いたしまして、皆さま方の御審議を得たのでございますが、結局、これは成立を見るに至らなかった。まことに私は残念に思っておる次第であります。もしもこの法律案が成立いたしておりましたならば、これはパイロット的な施策でございますが、百市町村におきまして、そのモデルケースとして、農地管理事業団が事業を開始し、いわゆる自立農家の育成強化に力づけ、また同時に、基本的な体制を整えることができたと思います。私は、このことが一年おくれたことはまことに残念だ、かようなことを過日もお答えいたしたのであります。今回は、所要の改正を加えまして、百でなくて四百市町村においてこのパイロット的な役割りを果たす、かように考えておりますので、今回はぜひとも御協力を得たい、一日も早くこの審議成立を見まして、自立経営農家に対しての政府の態度、また国会の態度というものをお示しをいただきたい、かように思いますし、また農家に対しまして力づけていただきたい、かように思う次第であります。
 次に、この問題について与党内においていろいろ意見も違っておるじゃないか、こういう意味で、農林水産委員長の言などを引用されましたが、実は、私はあまりその委員長のことばを詳細には存じません。しかしながら、今日こうして政府並びに与党が一致してこの法律案を提案いたしておるのでありますから、それらの点には御心配なく、前向きでぜひとも御協力御審議のほどをお願いいたします。
 次に、農業について、開拓農民の実情等に触れられ、ことに北海道等の実情はなかなか心配するものがある、こういう御指摘であります。御承知のように、戦後並びに戦時中に、強制入植さして、そして開拓いたしまして、非常にうまくいっているところもありますが、成績の悪いところもあります。そういう意味で特に北海道等におきましては離農する者もありますが、同時にまた、離農したあとのその土地を買い受け、そして営農しておる、成績をあげておられる方もあるのであります。だから、政策の上で、これらの離農者に対しましては、離農奨励金を出すとか、また、営農される方には、自立経営のできるように、資金並びに経営指導をするとか、それぞれ所要の処置をとってまいるつもりであります。これは一がいに一様に申すわけにはいかない。その実情に即して政策を遂行していく、このことが必要だと思います。
 次に、農業基本法その他農地管理事業団等も諸外国の例を十分参考にしろ、こういうお話であります。確かにそのとおり私どももする考えでおりますが、もちろん、その国の農業の姿、それは、そのときの経済状況や、また社会的な諸条件、それらによりましても、すべて外国と同一だ、かようには申せませんが、参考になるべきものは参考にするつもりでおります。
 最後に、この法律案が農政上最も重要な法案であること、これは御指摘のとおりでありますので、私どもも、政府として、この法律の審議については十分協力するつもりであります。
 その他の点については、関係大臣からお聞き取り願います。(拍手)
  〔国務大臣坂田英一君登壇〕
○国務大臣(坂田英一君) ただいま、いろいろの点について御質問があったわけでございまするが、そのうちで、七、八万町歩の売買が現在行なわれているのであるが、そういうものをどうしてこの線に沿わすかという意味の質問であったのが一点であったと思うのであります。現在、七、八万町歩の売買がございます。これは必ずしもわれわれが考えているような方向には動いておりません。そういう意味合いでございまするから、でき得る限りこれらの経営拡大のほうに、この売買の機会をとらえてその方向に向かわしてまいるということに努力を払ってまいりたい、このように考えているものでございます。
 それから、その場合においては、中央においてはほとんど官僚的であるが、地方においても、農業のいわゆる団体関係の状態が、これらの仕事をうまくやれるかどうかという問題でございます。もちろん、こういう点につきましては、実情に即応させる必要がございまするので、その点は昨年よりもだいぶ考えまして、市町村内にあるところの農業委員会、農業会議、そういう方面の知識をよく吸収する、それからまた、農業協同組合の働きをよくこれに取り入れるということで、その農村の実態に即応するようにやはり考えまして、これらの実態に即応するものと中央との関係を十分息を通わせながらこの目的を達成せしめていきたいという考えから、さようにいたしておるわけでございます。
 それから、いろいろございまするが、自立経営については、百万戸成立せしめるというようなことであるかどうかというような問題でございまするが、現在の情勢から申しまして、やはりどうしても農業を専門に進めるところの自立経営を増強させる必要があることは養うまでもないのでございまして、現在の統計を見ましても、また若干そういう方向に向かって、内地ならば一町五反以上のもの、争ういう農家がふえつつあるということ、しかし、それは非常に微弱なふえ方であるというのでございまするので、そういう方向をも見まして、そしてこの事業団がそういう面に、地方農業団体その他と一緒に協力して、その方向に進めてまいりたいというふうに考えておるようなわけでございます。
 それから農地法の改正と小作料の改定をやらなければならぬじゃないかというお話でございまするが、これらにつきましても、農地法の問題について、小作料その他の、あるいは小作条件についての改正を要する面もあると思います。しかしながら、それらについては、いろいろの点において非常に重要な面でありまするので、それらの面については慎重に検討してまいりたい、こういう考えでおるわけでございます。
 その他、いろいろございましたけれども、なお委員会において十分お話ししたいと存じます。(拍手)
  〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
○国務大臣(福田赳夫君) 赤城構想に比べて、今回の政府案は後退をいたしておるではないかというお話でございますが、まず、融資条件について見ますると、赤城農林大臣の当初の構想は四十年、二分、こういうことであったわけであります。しかし、政府間の話し合い、特に大蔵省との話し合いにおきましては、これが三分、三十年になったわけであります。これは赤城さん自体がよく了承してきめられたことであります。これを現在農林公庫がやっておりますところの融資条件、つまり自作地取得融資、その条件が三分五厘で二十五年であるというのに比べますると、相当の改善であり、今日の状況から見て、まず最大限の考慮を払っておる、かように考えております。
 また、対象市町村を、当初の赤城さんの原案では、初年度四百町村ということを申されておったのであります。これを昨年の政府案では百町村にしたのでございまするが、今回は、当初の赤城構想同様に四百町村に直してあります。御安心を願いたいと存じます。(拍手)
  〔国務大臣小平久雄君登壇〕
○国務大臣(小平久雄君) 私に対する御質問は離農者の職業安定の問題でございますが、離農者の職業安定を極力期しますことの重要でありますことは御指摘のとおりでございます。労働省としましては、一般的に申しまして、離農者が他に職業を求められるという場合には、職業安定協力員あるいは市町村当局、農業委員会等とも十分連絡をとりまして、職業相談あるいは指導、訓練といったようなことをやっておりますが、特に、農地を処分いたしまして他に職をかえようとなされますところの中高年の方々につきましては、特別に訓練その他をやりまして、これが他への転職を容易にいたそう、そういう策をやっておるわけでございます。特に四十一年度におきましては、職業転換給付制度もだいぶ充実されまするし、あるいは労働市場センター等も整備されまして、その情報の提供もより一そう迅速に相なりますので、こういったことになお一そう力をいたしまして、万遺憾なきを期してまいりたいと考えております。したがって、本法案の中に職業転換に関する規定を設けなくとも、従来やっておりまする諸施策をなお一そう推進することによって、差しつかえないもの、かように考えております。(拍手)
  〔国務大臣坂田英一君登壇〕
○国務大臣(坂田英一君) 小作料改定についてどう考えるかという問題でございます。この問題は、きわめて重要でございまするが、なお十分検討を加えておりまするので、この検討を加えつつあるということで御了承を願いたいと思います。(拍手)
○議長(山口喜久一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
 国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(山口喜久一郎君) 内閣提出、国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案について、議院運営委員会の決定により、趣旨の説明を求めます。建設大臣瀬戸山三男君。
  〔国務大臣瀬戸山三男君登壇〕
○国務大臣(瀬戸山三男君) 国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 国民経済の均衡ある発展を期し、国土の普遍的開発をはかるためには、その基盤となる交通輸送施設の整備拡充、とりわけ近代的な高速自動車道路網の全国的な整備が必要であることは多言を要しないところであります。
 政府におきましては、国土開発縦貫自動車道建設法制定以来、鋭意その建設につとめてきたのでありまして、昨年名神高速道路の全線開通を見、引き続き中央自動車道及び東名自動車道の建設を推進いたしているところでありますが、近年急速な発展を遂げつつある自動車交通の実情から見て、さらに飛躍的にその建設を推進すべき段階に至っているものと考えます。
 高速自動車道路の建設は、国土開発の根幹となるものであり、国民経済及び国民生活の各般にわたって重大な影響を与えるものでありますから、その整備にあたっては、長期的な観点のもとに、計画的に進めることが必要であります。
 御承知のように、高速自動車道路の路線につきましては、現在、国土開発縦貫自動車道建設法をはじめとして、六つの法律で定められていますが、わが国国民経済の今後の発展の基盤となるべき高速自動車道路網としては、これら諸法による路線だけでは、全国的に見て必ずしも十分ではなく、また、これら路線相互の有機的な結びつきも十分でないうらみがあります。
 このような観点から、政府といたしましては、かねてから進めてまいりました高速自動車道路網設定のための調査の成果を基礎として、高速自動車道路網の将来像を明らかにし、その建設を計画的に行なうため、ここに国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案を提出することといたした次第であります。
 次に、この法律案の要旨について申し上げます。
 まず、国土開発縦貫自動車道建設法に、東海道幹線自動車国道建設法ほか、これに類する四法を統合し、「国土開発幹線自動車道建設法」に改めることにいたしました。
 次に、高速自動車道路網の整備をはかるため、国土開発縦貫自動車道をはじめとする既定の法定路線約五千キロメートルに、北海道横断自動車道等の必要なる路線約二千六百キロメートルを追加して、約七千六百キロメートルの国土開発幹線自動車道の予定路線を別表で定めることといたしました。
 また、これらに関連して関係規定の整理を行なうことといたしました。
 以上が国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(山口喜久一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。井谷正吉君。
  〔井谷正吉君登壇〕
○井谷正吉君 私は、日本社会党を代表して、ただいま御提案になりました国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案につき、以下、若干の質問を行ない、関係各大臣の御答弁を求める次第であります。
 政府は、本案をお出しになった理由として、国土開発の基盤たる高速自動車交通網の整備をはかるため、新たに国土開発幹線自動車道の予定路線を定める等の必要があるとされ、従来の国土開発縦貫自動車道を、国土開発幹線自動車道という名称に改め、すでに立法されている十四路線に、さらに新しく十八路線を追加して、合計三十二路線、七千六百キロを、向こう十五カ年に完成するという、まことに画期的な御構想を提示されたのであります。
 申すまでもなく、わが国の道路は西欧先進国に比べて非常に立ちおくれております。たとえこの高速幹線自動車道が予定されているごとく十五カ年内に完成いたしましたとしても、なお十年の差があるだろうといわれているのでありますから、いま政府がおそまきながらもこの遠大な計画に踏み切られたことは、私として一応欣快とするところであります。
 しかるところ、ここにはからずも、私どもにとってはなはだ好ましからぬ世評が起こっておるのであります。というのは、新聞等に発表されましたこの高速幹線自動車道三十二路線中には、すこぶる怪しい政治のにおいがするということであります。あれは自民党がその党勢を拡張するための政治路線ではないかというのであります。しかも、この御発表たるや、やがて衆議院の解散、総選挙も近かろうとうわさされている今日、地域住民の関心の最も深いこの時期に、いわゆる総花的な予定路線が公にされるということは、ますますこの疑心を濃厚にいたしているのであります。さらに、仄聞するところによりますると、自民党政調会の建設部会、道路調査会等におきましては、本法が通過後、さらに引き続いて所要路線の追加設定を行なう御意向のようでありますから、そういたしますると、これは少なくとも一万キロ以上にも及びまして、好むと好まざるとにかかわらず、当然いかがわしい政治路線が混入してまいります。
 古来、鉄道、道路等の選定にあたりまして、時の政権が、党勢拡張のために、これを悪用したことは、歴史の証明するところであります。(拍手)後世のきびしい批判と指弾を受けているのであります。したがいまして、近代民主政党及びそれに属するわれわれは、肝に銘じてかかる邪道におちいっては相ならぬと思うのであります。
 ことに本改正案によりますると、総理大臣は、国土開発幹線自動車道の効率的な建設をはかるために、必要な事項を考慮して、その予定路線を立案するという重大な御職責が明らかにされているのでありまして、一たびこれを悪用いたしまするならば、それは直ちに国民の信を失うばかりではなく、将来健全なる政党政治を発展せしめることはできないと考えます。
 私は、これらについて総理大臣の忌憚なき御所信を承りたかったのでありますけれども、御欠席でありますので、後日適当な機会にお答えを願いたいと思います。
 これより建設大臣にお尋ねいたします。
 端的に申し上げまして、従来建設省は、この国土開発縦貫自動車道についてはきわめて熱意がなく、消極的でさえありました。したがいまして、議員立法が多かったわけでありますが、それがいま、なぜ手のひらを返したように積極的になられたのであるか。私のはなはだ不可解とするところであります。伝え聞くところによれば、建設省は、こう次から次へと高速道の議員立法をなされた段には、建設省のメンツはまるつぶれである。ゆえに、いまのうちに何とかして議員立法を阻止しておかねばならぬということから考えつかれた、建設省のいわゆる自衛手段であるというのでありますが、いかがでございますか。
 言うまでもなく、国会は立法の府であります。各議員は、おのおの国民の代表として、立法をなし得る権利を持っているのであります。この権利は何人といえども封殺することはできません。もしうわさのごとく、建設省内にかくのごとき考えが針の穴ほどでもあるといたしますならば、これは断じて許すべきことではないのであります。大臣は、これらに対していかがの考えを持っておられるか、承りたいのであります。(拍手)
 さて、以下、当面する具体的問題を数点に要約して質問をいたします。
 その一つは、建設大臣御提唱の二時間理論帯高速道路網計画でありますが、この構想では、道の総延長は六千七百キロであり、経過地その他の特殊事情を考慮して、多少の変更はあるとしても、七千キロ以内におさまるであろうとされていたのでありますが、それがなぜ一躍七千六百キロに増大いたしたのでありますか。私の承知するところでは、議員立法によるものが約五千キロ、そのうち昭和五十五年までに二時間理論帯高速道路網構成に必要とするもの約三千七百キロ、その他の新路線約三千キロ、これを合わせて六千七百キロでありました。したがいまして、私は、その差の九百キロというものがどうしてもふに落ちないのであります。
 先日、大臣は、NHKの対談放送で、このたびの高速自動車道路線は、政治路線との批評が強いが、大臣としてはどう考えるかという質問に対し、結局は政治がきめるものだというような御答弁にとれましたが、そうすると、このオーバー九百キロは、やはり政治的な御配慮によっておきめになったのでありますか。さきにも申し上げましたように、自民党においては、相当濃厚な政治路線を本法案成立後に追加させる予定に聞き及びますが、しからば、これも最終には政治的配慮によって御決定になるのであるか、お伺いをいたしたいと思います。
 私は、鉄道にしろ、高速自動車道にしろ、すべてこれらは国土開発、輸送効率の増大という、わが国発展のための経済的効率から決定すべきものであると思います。自民党にしても、社会党にしても、その時の政権にある者が、その政治的な効果をねらって、これを謀略の手段に用いるようなことがあっては相ならぬものだと考えるのでありますが、御所信を承りたいと思います。(拍手)
 次に、財源でございます。政府は、本法成立とともに、えんえん実に七千六百キロに及ぶ高速自動車道を十五カ年をもって完成せられるのでありますが、その工費たるや、少なくとも六、七兆円という巨額な費用が必要とされます。政府は、この財源をいかにしておつくりになるお考えでありますか。
 国土開発縦貫自動車道建設の現行法によりますと、高速自動車道はすべて有料であり、その通行料金をもって建設資金を還元する。償却が終わりまするならば、その高速道は無料で開放されるということになっております。しかし、これは首都圏あるいは近畿圏の一部等で、自動車の交流がきわめてひんぱんである特殊地帯であるならば、あるいは数年を待たずして償却が望めるでありましょうけれども、これと事情を異にする未開発地域の長距離路線等におきましては、幾十年の歳月を待ちましても、通行料金による建設費の償還をまかなうことはとうてい不可能でございます。それどころではありません。既設の高速道中最も採算率のよいとされておる名神でさえ、通行料金が高いというので、利用者は金の要らぬ名古屋−天理−大阪のコースを往復する状態であり、このために名神は、四月から料金の値下げをすると聞いております。いずれにいたしましても、実情はかくのごとくでありますから、七千六百キロに及ぶこの高速自動車道の財源を、ただ通行料金のみに期待することはできないと思います。
 次は、ガソリン税であります。御承知のごとく、道路五カ年計画における唯一の財源はガソリン税収入であります。ところが、このガソリン税収入が、昭和三十六年以来だんだんと減ってまいりました。また、これとともにガソリン消費量も漸減し、昭和三十六年度の前年度比は一・一九倍、次には一・一五倍、次は一・一三倍と順次低下を来たしているのであります。その理由はいろいろあるでありましょうが、要するに、ガソリン及びその消費税が非常に商いということから、ガソリンをやめましてプロパン、重油等に燃料の切りかえを行なったり、あるいはガソリンをあまり食わない小型車に切りかえる、こういうような傾向は、今後ますますはなはだしくなると思うのであります。よって、この画期的な大高速道の建設を、ガソリン税のみに依存するという安易な考えは、もはや今日においては通用いたさぬと思うのであります。
 しからば、この財源は一体どこにあるのでありましょうか。かつて名神は、その建設費の一部を世界銀行から借り入れました。しかし、これは電源開発、愛知用水等の例を申し上げまするまでもなく、進んで借り入れを行なうべきものではありません。しかし、政府は、この外資導入等についての何らかのお考えを持っておられるのであるか、あるいはまた、建設公債等を発行しておやりになる考えでありますか、私はこの両案ともに基本的に異論を持つものでありますから、お伺いをいたします。
 第三は、用地問題であります。一口に七千六百キロと申しましても、これに要する敷地は非常に広大なものと考えます。ことにこのたびは、高架式でなく、土盛り平面式を御採用になると承りますが、そうすれば当然、河川、かんがい水路、農道等にまたがる複雑な問題が起こります。世界一物価の高いわが国とはいえ、外国のそれに比べて五倍、六倍の建設費のかかる高速道路であります。しかも、その半分近くあるいはそれ以上のものが用地の買収費であることを考えるならば、この用地問題は資金の問題と並んで、ともに重要な課題であると思います。
 用地提供者の中には、祖先伝来の耕地を公共のために拠出して、明日よりの生活の道に苦慮する人たちも多いのであります。また、中には、ごね得をして暴利をむさぼる者も少なくありません。さらに、一方においては、この道路が敷設されるために、労せずして地価の暴騰を喜ぶ沿道の土地所有者もあるわけであります。しかも、憲法におきましては、人民の私有権が保障されているというこの環境において、この用地を接収することについて、大臣はいかなるお考えを持っておられるのでありますか。
 第四は、作業面であります。しばしば繰り返すように、この計画は有史以来の大事業であり、その実行は実に容易なものではありませんが、大臣、これは一体どこの機関がこれをやろうとするのでありますか。建設省じきじきにおやりになるのでありますか、あるいはまた道路公団がやるのでありますか。私は率直に申し上げまして、現有の道路公団ではこれは荷があまりに重過ぎると思うのでありまするし、公団の機能は限界にきておると思います。ことに、これは建設省がやるにしても、公団がやるにしても、さっそく問題になるのは技術要員、なかんずく優秀なる道路関係技術者が不足していると考えられますが、これについての対策はどうお考えになっておるか、伺いたいと思います。
 最後に、これは基本的な重要な課題でありますから、明快な御答弁を期待いたします。
 大臣、私はつらつら考えますのに、元来、道路というものは、人間の生存生活の上になくてはならぬ公共共有の施設であります。しかるに、国がこれを通行する人間どもから通行料金を徴収するなどということは、これはいかなるものでありましょうか。国道や府県道におきましては、幾ら建設費がかかりましても、通行料金は取っておりません。高速自動車道といえども国道であります。ゆえに、私は、この高速自動車道は、西欧先進国でもそうでありまするように、無料道といたしまして、この建設に要する資金は国が思い切って投入をする、そうして観光道路であるとか、直接産業生産に関係がなく、投資回収もまた容易である任意路線を道路公団が建設すればよいと思います。
 また、新高速幹線自動車道の地方路線は、当分二車道というのでありますから、それでありまするならば、建設省がいまやっておりまする国道整備により一そう力を入れて、これをインターチェンジをもって高速幹線自動車道の大動脈に結合するということをするならば、高速道の建設費も軽減され、また、いわゆる政治路線などといわれるものも整理されまして、一挙両得であると考えまするが、これらに対する大臣の所御見を承りまして、私の質問を終わる次第であります。(拍手)
○議長(山口喜久一郎君) 内閣総理大臣の答弁は適当の機会に願うことといたします。
  〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
○国務大臣(福田赳夫君) 私には、一体財源をどうするんだ、こういうお話でございまするが、これだけの大事業をやろうというのですから、この財源、なかなかたいへんであります。しかし、今日わが国の道路は非常に立ちおくれておる、ことに高速道が非常に少ない、こういう状況を考えますときには、万難を排してこれが実現に当たらなければならぬ、かように考えます。そういう観点から、これを今後どういうふうにやっていくかというと、やはり財政の事情とよくにらみ合わしていかなければならぬ、かように考えています。そういう観点から、まあ近い五カ年くらいを区切って一つの計画見通しを立てる、それを基幹としてこの計画を進めていくということが適切じゃないかというふうに考えておるわけであります。何といたしましても、この財源問題はきわめて重大な問題でありますので、私も極力これが実現に協力するという立場で検討してみたい、かように考えております。(拍手)
  〔国務大臣瀬戸山三男君登壇〕
○国務大臣(瀬戸山三男君) お答えいたします。
 まず第一に、政治路線云々のことがありましたが、これは総理からあらためてお答えいたしますけれども、全国詳細に調べまして、学識経験者等の意見も聞き、なお、各種の資料から決定したものでありまして、いわゆる世間でいう政治路線というものではないということを申し上げておきます。
 次は、一体建設省はこういう道路に熱がなかったのに、いまごろぽかっと出したのは、何か国会の権威と申しますか、そういうものをセーブする考えではないか、そういう考えは全然ございません。なるほど、従来いわゆる縦貫自動車道等については相当長い間調査をいたしております。井谷さん御承知のとおり、まだまだ一級国道が四十一年度、いわゆることしでおおむね終わるという日本の道路事情でございまして、ここまで手が届かなかった。いわゆる東京−小牧、あるいは小牧−大阪、この程度の急に必要なところをやっておることは御承知のとおりでありますが、まだまだいわゆる中央自動車道等に全面的に入るという財政的な段階でなかったということであります。ただこの際、先ほど申し上げましたように、六路線あります国会で決定されました路線を中心にして全国網をきめて、いよいよ本格的な高速道路にかかろうというのは、先ほど申し上げましたように既存の一級国道はおおむね今年で完了いたします。また、いわゆる従来の二級国道も、大体昭和四十七、八年で完了の見通しで進めております。その他の地方道、今年からはいわゆる市町村道にも相当のウエートを置くという段階になりました。今後十年、いわゆる昭和五十年、この時点がこの大動脈でつなぐ時点である。こういうポイントをはかって縦貫自動車道を整備しようというわけであります。この際、将来の日本の国づくりの姿というものをここに国民に明らかにし、国会で決定してもらって、国民の総力をあげてわが国の将来の国土建設に邁進すべき段階に入った、かような判断でございますから、御了承を願います。
 それから、私が先般何かNHKテレビで政治路線云々の発言があったというお話であります。この問題については総理からお答えいたしますが、あのときに、一体政治路線ということばがあるが、というお話がありました。一体政治路線とは何ぞやということであります。道路政策全般から言いますと、先ほど申し上げましたように、これは将来の日本を卜する大きな政治でありますから、そういう意味から道路政策はすべて政治路線である。ただしかし、いわゆる通俗に使われる政治路線という意味では、全然そういうものとはたちが違いますということを申し上げておるわけでございます。
 それから、現行の工事であるのが大体五千五十キロでありますが、五千五十キロに対して七千六百キロはおかしいじゃないか、七千キロというのでなかったか、こういうお話であります。検討の段階ではいろいろ検討いたしております。詳細はここで申し上げませんが、私どもは、あらゆるデータ、将来の日本の農村あるいは山林あるいは都市の配置、こういうものを全部考えまして、一応全国に一万キロの路線を引きまして、それから将来の発展の度合いあるいは財政の事情等を考えて、この程度、七千六百キロあたりがまずまずいまの段階では適当であろう、こういう決定をいたしたことを御了承願います。
 それから、財源の問題については、先ほど大蔵大臣からお答えいたしましたから、これは省略いたします。これは一番の大事な問題であります。もちろん有料制オンリーではいかないと思います。これは今後の重大な問題でありますから検討いたします。けれども、先ほどお話のように、これを現在の国道のように無料にする、いわゆる無料公開の原則に従うということは、いまの日本の国力あるいはいまの日本の財政能力ではでませんから、ある程度の料金を取って、産業経済のコストの問題を考えて、たとえば遠距離逓減とかいろいろな方策を講じて、将来の日本の経済の発展、この道路をつくった意義があるような制度をつくりたい。これはまたいろいろ皆さんのお知恵もかしていただきたいと思います。
 それから用地問題、これはなかなか困難であります。土地収用法の改正等もいたしますが、これはこの道路の性質を御理解してもらって御協力を願いたい、今日の段階ではさように申し上げておきます。もちろん、このために農地を取られて生活に困る人は、別途の方法を講じていきたい、かように考えております。
 それから、事業執行体制の問題であります。もちろん、これはたいへんなことでありますから、私どもは、現在直轄事業をいたしております技術者等をこのほうに振り向けることも研究いたしております。しかし、新たに別に機関をつくることはいま考えておりません。けれども、これも大問題でありますから、あわせて検討をいたしたいと思っております。
 それから、無料にしたらどうか、これはいまの段階ではできませんから、やはり国民の力をかりながらやっていきたい、かように考えておるわけでございます。(拍手)
○議長(山口喜久一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(山口喜久一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時三十九分散会
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  出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
        文 部 大 臣 中村 梅吉君
        農 林 大 臣 坂田 英一君
        通商産業大臣  三木 武夫君
        労 働 大 臣 小平 久雄君
        建 設 大 臣 瀬戸山三男君
  出席政府委員
        内閣法制局第四
        部長      田中 康民君
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