第055回国会 商工委員会 第3号
昭和四十二年三月二十四日(金曜日)
   午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 島村 一郎君
   理事 天野 公義君 理事 小川 平二君
   理事 鴨田 宗一君 理事 河本 敏夫君
   理事 中川 俊思君 理事 田中 武夫君
   理事 中村 重光君 理事 麻生 良方君
     稻村左近四郎君    小笠 公韶君
      岡本  茂君    黒金 泰美君
      齋藤 憲三君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    田中 六助君
      丹羽 久章君    武藤 嘉文君
      山手 滿男君    石野 久男君
      佐野  進君    千葉 佳男君
      中谷 鉄也君    平岡忠次郎君
      古川 喜一君    塚本 三郎君
      吉田 泰造君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  菅野和太郎君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       宇野 宗佑君
        通商産業大臣官
        房長      大慈彌嘉久君
        通商産業省通商
        局長      山崎 隆造君
        通商産業省貿易
        振興局長    今村  昇君
        通商産業省重工
        業局長     高島 節男君
        中小企業庁長官 影山 衛司君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 プラント類輸出促進臨時措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第五号)
 中小企業信用保険臨時措置法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第六号)
     ――――◇―――――
○島村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、プラント類輸出促進臨時措置法の一部を改正する法律案及び中小企業信用保険臨時措置法の一部を改正する法律案を議題として、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。石野久男君。
○石野委員 この際、大臣にお伺いします。今度の法案の改正といいますか、プラント類の輸出促進臨時措置法についてまずお伺いしますが、このたびのこの法案提出について、期限延長ということをやる前に、まずプラント輸出の実績について、この数年来の実情をひとつ御説明願いたいと思います。
○菅野国務大臣 政府委員から答弁させます。
○石野委員 簡単でいいですから、国別、件数、金額というようなことを、この数年来の……。
○高島政府委員 プラント類の輸出実績についてでございますが、昭和三十八年くらいから申し上げてみます。この辺からが多額になっております。プラント類としまして、定義がむずかしゅうございますが、一応こういった重機械を中心にしましたものを統計上整理いたしましたものでございまして、たとえば船とか、そういうものは入れておりません。三十八年が二億六千三百万ドル、三十九年が三億四千七百万ドル、四十年が三億三千二百万ドル、四十一年が、十二月までの実績でございますが、二億五千三百万ドルという傾向でありまして、概略して申しますと、大体三億から三億五千万というラインで通関ベースになっております。
 それから国別に一言申し上げますと、国別は非常にこまかになってまいりますが、その中で特に最近注目を浴びております共産圏向けのプラント輸出は、四十一年の二億五千三百万というベースにあわせてみますと、三千六百万ドルになっております。
○石野委員 このプラント輸出というものが輸出増強の上で占める位置というものは非常に重大だと思いますが、通産当局ではこのプラントの日本の全輸出の中で占める今後の重要度というものをどういうふうに見ておられるか、その点について。
○高島政府委員 プラント類の輸出は、普通の商品の輸出と違いまして、売り切りで渡してしまうというわけにいかない。結局動いてくれねばいかぬというところに相手方も重大な関心がございます。技術水準について欧米に一歩を譲っております。日本としては、非常に出し方のむずかしい分野ではございますが、この効果を考えてみますと、一つとれれば額が非常に大きいということ、同時に、それに伴いましていろいろと部品等が出てまいりますから、息の長い輸出になっている。それから、金は直ちには入らないものが多うございます。延べ払いになってまいるものが多うございますが、しかし、長期的な国際収支の安定に資する。さらに申しますと、商品のように消えてなくなるものでなく、後進国等に日本からまいったプラントがあるということは、当該国に対しての外交関係あるいは経済協力関係という点からいいましても良好な効果がございますので、非常にむずかしい分野ではございますが、ここに重点を相当に置いていっていいところではないかと考えております。
○石野委員 先ほど、四十一年度の二億五千三百万ドルでございますか、そのうちで共産圏の占めるウエートは三千六百万ドル、こういうお話でございましたね。プラント類の、特に自由主義諸国に対しての輸出で大宗を占めるものは大体どういうところでございましょう。
○高島政府委員 国別、年によって非常に違いますが、これは経済協力関係等もございますので、インドあるいはブラジル、南米のほう、それから韓国、それに続いてソ連、これは共産圏でございます。それから、過去においてはインドネシア等もございましたが、最近はこの辺はちょっと停滞いたしておるというところでございまして、インドと並びまして、なおパキスタン等もよく出ている。年によって、これは案件が少のうございまして金額が多いせいか、波が非常にございますが、そういうところが大体おもなプラント輸出先と考えております。
○石野委員 プラント類の出ていくこういう国別の関係等を見ながら、今度提案になっております臨時措置法の延長等に関連して、いままで大体この臨時措置法の適用を受けた率というのは、どの程度のものが適用を受けておるのですか。
○高島政府委員 これはプラント類の範囲、観念というものが非常にちぐはぐでございまして、必ずしもぴしゃりと合わせて言えないところがございますが、およその見当を申し上げてまいりますと、先ほど申し上げました四十一年は年度がまだ途中でございますから、適当でないかもしれませんが、四十年で三億三千ぐらいの輸出の中で、これを件数で見てみますと、こまかいところまで全部入れまして百五十件見当でございます。これは非常に小さいものも入っております。その中で、四十年でプラント輸出でこの法律の適用を受けましたものが六件ほどでございます。その傾向を一言で申しますと、やはり相当リスクがあるといいますか、日本として新市場であって、相手もなじみがないし、こちらもいささかおっかなびっくり出しますのに、全部の機械が動くところまで責任を持ってだいじょうぶかなという気持ちがある。そういうところにやはりこの保証を求めてきておる感じでございます。そうして共産圏もわりあいに多いということもこの辺からきているということでございます。
○石野委員 いまのような話を聞いておりますと、このプラントの出ていく先、いわゆる需要のある国というのは主として自由主義諸国においては未開発の国、それから共産圏、大体こういうふうになるように見受けられます。大体そういう傾向でございますか。
○高島政府委員 先進国に対してのプラント輸出というのはむしろ非常にまれでございます。ごくわずかな例としてカナダあるいはオーストラリア、さらにヨーロッパ諸国にも組み立て工場というようなもので出ておりますが、プラントがセットになって出ていく、しかもそれが重機械中心であるというものは後進国及び共産圏という傾向が非常に強うございます。
○石野委員 プラントの輸出については、いままでそういう傾向でありますが、今後もやはりそういうような傾向で推移すると見るのがいいのだろうか、それともやはりもっと先進国のほうへプラントを輸出するということに努力すべきなのだろうか、これは貿易政策上政府の考え方をひとつこの際聞かしてもらいたいと思う。
○菅野国務大臣 ただいまのお尋ねでありますが、もちろん先進国へも、あるいは共産圏その他東南アジア諸国へもできるだけ多くプラント輸出をしたいというわれわれの希望を持っておりますが、やはりこれは技術の問題が主となると思うのでありまして、先進諸国には技術的な関係上わりあい少ない、こう考えております。
○石野委員 そういたしますと、大体後進的な国ないしは共産圏にプラントというのは、今後貿易を増強するという意味からいっても、主として力を注いでいく、政府の考え方をこういうふうに見ていいわけですね。
○菅野国務大臣 仰せのとおりです。
○石野委員 このプラント輸出で共産圏へ出ているいままでの実情を見ておりますと、特に政府からいただいた資料などを見ておりますと、やはりユーゴ、ソ連、中共などが主としてその率を占めているようですが、特に一昨年来の状況を見ると、額においてはやはり中共かユーゴかというようなふうになっておるようでございます。
 中国のプラント輸出についての位置づけというものを今後の輸出増強の観点からしてどう見るか、これはわれわれとしても非常に重要な点だと思っておるのですが、そういう点で政府はどういうふうにごらんになっておるか。
○菅野国務大臣 将来においては共産圏全体を含めてやはりプラント輸出というものをふやさなければならぬということは政府の方針ですが、中国については、御承知のとおり吉田書簡に関連して、いまストップしておるという状態でございます。しかし、問題は輸出入銀行の資金を使うか使わぬかというところにあると思うのでございまして、この問題については自主的な判断によって今後きめていきたい、こう考えておりますが、しかし御存じのとおり、あの当時吉田書簡が出たということについては、これは両国間の取りきめでもないのでありますから、何かそこに当時の事情があったと思うのでありまして、これを今後自主的にきめる場合の一つの判断の材料にしなければならぬか、こう考えておりますが、しかし共産圏全体としてはプラント輸出を奨励する、盛んにするということを、実は今後ともこれは政府の方針として進めていきたい、こう考えております。
○石野委員 中国の貿易上に占める位置づけというのは、われわれは非常に重大だと思っておるのです。いま大臣から、中国における貿易で、特にプラントものについては輸銀の融資を適用することがなかなか困難だという実情のもとにこれが伸び悩みをしておるという御答弁があったわけです。われわれもそのとおりと思っている。ことに私、聞こうと思っておりまして大臣から先に御説明あったのですが、吉田書簡というのが非常にじゃまをしておることは事実なんです。吉田書簡というのは両国の取りきめではないけれども、その当時の事情によってという御説明でございました。貿易の総額も、日本の取引量というものはずいぶん違ってきておりまするし、特に中国におけるところの量は相当伸びてきておるというのが実情です。昨年来、業界の諸君の言い方を聞いておりますと、たとえば去年、自民党さんのほうでAA研究会がいろいろと研究会をやった席上で、国際貿促の関西本部の専務理事をやっております木村さんなどの発言を聞いておりますと、わが国が自主的な外交を展開する勇気をもってすれば、政府がLT貿易と友好貿易を伸ばす最低の配慮をしただけで十億ドルはやすいものだ、簡単なものだという言い方を業界はしておるわけです。私は、この臨時措置法の期限延長という問題が輸出増強をねらっておるものだという本意であるとするならば、こういう輸出促進のために損失を補償する制度なんというものは、基本的にいえば、これは末梢的なものなんです。もっと本質的にいえば、輸出そのものを伸ばすことのほうが大事なんだろうと思うのです。そうなると、輸出そのものを伸ばすところで融資問題に引っかかって伸び悩みをしているという実情は、全くくだらないことだと私は思うわけです。ですからこの際、逆説的に言えば、きょうこういった臨時措置法の期限をまた四年間延ばすということをやるくらいなら、むしろ輸銀の問題をもう少し早く片づけたらどうだ、こう言いたいところなんです。だから輸銀の問題についての政府の見解というものは、ただいま大臣からも話があったけれども、もっと前進的に取り扱うべきじゃなかろうか。ことに業界ではそれをやはり渇望しておると思うのです。そういう点で、菅野通産大臣の勇断をこの際ひとつ願いたいところなんです。先ほどのお話は、事務当局で書かれたものを読まれたようでございますけれども、それじゃ大臣の答弁としてはちょっともの足りない気がするので、大臣の積極的な御意見をこの際ひとつ聞かしておいてもらいたい。
○菅野国務大臣 私は、根本的には共産圏との貿易というものは拡大するということは、これはもう必然の運命だと思っております。また、日本の経済の発展のためにも、共産圏との貿易はだんだんと拡張していかなければならないという考えでおりますから、その意味において、中国も含めて共産圏の貿易の拡張ということには今後できるだけ努力したい、こう考えておるのでございます。ただ、いまお話しのとおり、中国に対してストップしておるということはまことに遺憾だと思っておりますから、これはいま私のほうで直ちに吉田書簡を無視するということはここで断言できませんけれども、しかし中国との将来の貿易の発展ということにおいてはできるだけ努力したい、こう考えております。
○石野委員 吉田書簡はもうすでに過去のもので、大臣がいま非常に巧妙な言い方をした当時の事情によってということで、両国の取りきめでも何でもないんだというお話がありましたから、私はやはりそういう意図によって前進の方向をとってもらうものと考えます。また、それをひとつ努力してもらいたいと思います。
 そこでもう一つ聞いておきたいことは、今度臨時措置法の延長を四年間するのですが、前に四年間やって、また四年間やっているわけです。これはもうこういう時限立法のような形にしないで、むしろ恒久法にしたほうがよくはないのかと思ったりするのですが、そういう点はどうですか。
○高島政府委員 先ほど御指摘がありましたように、この問題の一番本質はやはり日本の技術競争力の劣位というところにずっとあったんじゃないかと思います。それがこういった結果を招き、政府の援助を仰がなければできないという段階になったのではないか。最初の四年、また次の四年延長いたしてまいりました結果、先ほど御説明いたしましたように、四十年、四十一年にかけてこれにたよってくる件数もふえてまいっております。したがって、これからの四年間には相当新市場に向かってこれの要請が強くなり、その間に日本の技術競争力も相当についてくるのではないか。国民所得に対していま一・七%でございますが、それを今度の中期計画では二・五、六%に引き上げ、小さなパーセンテージに見えますが、その間の幅は非常に広いものでございますから、あらゆる施策をそこに注いでやっていくべきものだと思います。ただ、こういうものは、日限を限ってある目標を置いてそこまで努力してやってみて、それでできなかったら次の段階をまた考えていく、こういうステップがどうも必要のように思います。日本の技術は、先生の御質問のように一歩おくれてスタートしており、今後もなかなか欧米に肩を並べるということはむずかしいという客観的な感じはいたしますけれども、性格的には、やはりある年限を置いて、そこまでに努力を結集するということが必要ではなかろうか、それが時限立法としてまた今度延長したゆえんではなかろうかと思います。
○石野委員 私が先ほど質問したのは、期限立法として四年、四年とこういうふうに持ってくるということは、施策としても非常にだらだらしているようなことで、立法した意味というものはなくなっているようにも思われるわけですね。こういう形でやっていくなら、いっそのこと恒久化するほうがいいんじゃないか。しかし決して私はそれを望んでいるわけじゃないんですよ。いまのようなお話でしますと、結局やはりわが国の産業は、先ほどのお話でも、プラント問題はもう先進国にはとても出ませんよ、後進国だけにやりますよというような形に実質的にはなっているわけですね。これでは産業立国とか工業立国とかいう趣旨も十分に届きませんし、それからまた輸出増強という意味からいいましても、いつでも、逆説的にいうと、悪いものを何もわからないところに押しつけるのですよということにもなってくるわけだ。これでは政策としてはちっとも意味をなさないと思う。だから、もう少しこういう補助政策だけじゃなくして、企業家自身なりあるいは産業自身に力量を持たすというような方法を考えなければいけないという点がこの点から出てくると思います。そういう意味では政府はどういうような施策を考えているか、その点をひとつこの際聞かしていただきたい。
○高島政府委員 まず第一の、先ほど大臣の御答弁のありました後進国と先進国との将来の関係でございます。先進国と申しましても、中南米あたりは低開発国と言えるかどうか、オーストラリア等中間的な国も相当ございます。そういった分野にはかなり日本のプラント輸出も比較的有望に考えられていくのではないか、そういった分野に進出していくことがある意味でこれからの一つのねらいどころではなかろうか、こういうなかなか困難なところでございます。したがって、二つにきれいに分けきれない点もあると思います。
 第二に、いかなる政策を基本的にとっていくか、こういった補償ということは、ある意味ではしりぬぐいでございますから、事後措置なんで、実体が強くならなければいけないとおっしゃいますことは、まことに同感でございます。私、直接の所管ではございませんけれども、通産省の政策といたしましても、先般大臣から御説明がありましたように、技術振興施策というものを今度の予算、財投、税制を通じて一本の非常に大きな柱にいたしてございます。ざっとその制度を見てみますと、一つは、御承知のように鉱工業の試験研究に対しまして、民間ベースのものに対して政府から援助をいたしております。この予算はすでに九億円に達しております。さらに税の面では、今般非常に注目に値します研究投資に対しましての税額控除制度を設けまして、長年の懸案を一歩前進させております。そのほか重機械の開発制度とか、新技術の企業化促進とかいうような開発銀行を使いました制度を中心にいたしまして民間自身が研究投資をやっているというものに対して、相当の援助を与える姿勢を今年度の予算でとろうというのが一つでございます。
 こういった研究開発については、政府自身がやっていかなければならぬ分野が非常に多いわけでございます。通産省の所管いたします国立試験研究所の特別研究も、たしか十六億以上の予算になっております。そのほか大型プロジェクトの予算も、今回二十七億程度まで増額いたすようにいたしております。政府みずからも試験研究に力を入れていくという、こういう方向でいま進んでおりますが、その辺で中の体質まで充実していくということが今後の政策の一番大事なところになってくるということはまことにごもっともな点だと思います。
○石野委員 最後に一つだけ言っておきますが、今後四年間延長するのですが、この次も四年たったら延ばすつもりでやっていくのですか。その点政府の考え方をはっきりしていただきたい。
○高島政府委員 われわれの気持ちといたしましては、非常にこれはむずかしい問題であると思いますが、あくまでも臨時立法という性格でいえば、四年の間に力をつけて、行くところまでいきたい、こういう気持ちでございます。しかし、技術の点というものは、単なる企業の経営力とかコストとかいうものと違って、ポテンシャルに大きな格差があるのではないか、それが現在資本導入問題その他でもいろいろ論議を招いているゆえんでございます。自信があるかとおっしゃられますと、非常にむずかしいと思いますが、しかし、やる当路の責任者としては、四年の間にあるメドをつけたいという意味でいま申し上げた政策を通していきたい、そういう立場にあるものではないか、そう考えます。
○島村委員長 中谷鉄也君。
○中谷委員 一、二点だけお尋ねいたしたいと思うのですけれども、この法律は昭和三十四年に臨時措置法として制定されましてから、昭和三十八年に一部改正されている。そのときの会議録を拝見いたしますと、一件しかこの問題になったのはないじゃないか、契約ケースはないじゃないかということで、当時の速記録を私はずいぶん拝見しましたけれども、利用度が少ない、要するに法律としてよく動いてないのではないか、こういうふうな論議がなされているようです。その後、今度の提案理由の説明で、かなり利用度がふえてきているのだ、こういうふうな御説明なんですけれども、それにいたしましても、補償契約締結の限度額が六十億でございましたか、そういう点から見ますと、まだまだ利用度が少ない。そういうことは、一体業界の方々がこの臨時措置法の継続を望んでおられるということなんですけれども、制度といいますか、法律の内容の中に利用しにくいものがあるのではないか。要するに、さらにこの制度の面で考慮すべきものがあるのではないか、こういうような点についてひとつお答えをいただきたいと思うのです。
○高島政府委員 御指摘のように、第一回のときは一件でございましたが、今般は四年間に約十件のものがこの制度にたよってまいっております。ただ先ほど申し上げましたように、この制度でカバーをいたしますのは、本来なら自分の責任といいますか、輸出を担当した者としての果たすべき責任であって、相手方の責任で起こった事故ということではございません分野でありますから、これが何が何でも全部政府にたよってくるという形になりますことは、これは民間に対しての刺激といいますか、技術を向上しようという努力に対してもあまりいいことではない。したがって、制度には制度としての一つの制約があるのではないだろうかというふうに考えられます。民間のほうで本件が、特に利用の手続、実態において運用上困るという感じはあまりございません。しかし補償料率等は、これはゼロで政府がやってくれるなら、やる人間としてはそれは一番ありがたい。しかしそういった思い切った措置をとっていくことは、いま申し上げましたような点において問題がございます。出てくる損失の七割は政府がかぶる、三割を自分でやっていくという点の補償の限界についての制度は、現在の段階において合理的ではなかろうかと思われます。民間のこの制度の利用といいますか、これからの動きぐあいを見ないとわかりませんが、やはり一番プラント輸出が、新市場に、比較的なじみの薄い場所にかなり出ていくという動きを現在いたしております。その意味で現在四、五件ほど輸出の契約をしようとしているけれども、うまくいけばこの制度を利用することになるかもしれないという形でのアプローチを受けつつある状況でございまして、今後の利用度は現在のペース、あるいは若干それよりは上回って上向きになってくるのではなかろうかというふうに推定をいたしております。
○中谷委員 いまのお答えなんですけれども、プラント輸出損失補償契約締結一覧表という資料をいただいておりますが、たとえば昭和四十年度などはユーゴスラビア関係へのいわゆる輸出契約というのはかなりあるわけなんです。ただ先ほど私が申し上げましたように、補償契約締結の限度額というのが六十億ということになっている。そうすると、全然いままでに事故がなくてけっこうなことだと思いますけれども、六十億というところまで、とにかく補償契約限度額を政府のほうでは心配して、そこまで持ってきている。ところが補償金額は全然事故がなくていいのですけれども、そこまで締結されているものはない。これは利用が非常に少ないのではないか。これは一体どういうことなんだろう。それから、今後利用度が、利用されるのが若干上向いてくるだろうということなんですが、どの程度この法律を利用するか、この法律が活発に動いてくるかということ、その点の見通しについていま少し詳しく御説明をいただけませんでしょうか。
○高島政府委員 非常にごもっともな御質問でございますが、契約の可能性とからみますので、非常に私どもも推定はむずかしいかと思います。
 御指摘のございました六十億という補償額は、大体のプラント輸出の元金に直してみますと四百億円見当のものになりますから、約一億ドル見当に近い額を持っております。それは本年度で契約が行なわれた際、将来生ずるであろう損失について政府がそこまで責任を持つ、こういう計算になってくる額でございますから、現在の状況よりは若干上向いてくることを数字上は期待いたしておるわけでございます。しかし、それが確かにそうなるのか、こうおっしゃられますと、全体のプラントが、はたして諸外国との競争を押しのけて、日本にテンダーが落ちてくるとか、いろいろの条件がからんでまいりますので、推定がむずかしく、われわれもちょっと見当がつきませんが、件数で見ますと、目下四件ないし五件程度の、この制度にたよろうという輸出があるという状況の把握をいたしておりますので、上向きの可能性があるのではないか、六十億というものも元金に換算をしてみれば、そう少ない額ではないのではないか、こういうように将来を見通しております。
○中谷委員 いま提案をされておりますのは、限時法としての臨時措置法の効力を四年間延長するというだけのことでございまして、内容にわたっての改正がないのですけれども、業界の一部には、補償料率の問題につきましては若干むずかしい問題といいますか、計算のしかたもあるようですけれども、補償料を納めた、そうして事故がなかった、そういうような場合には補償料の一部は返還してもらっていいのじゃないか、こういうような要望もあるように聞いておりますが、こういうような点については、もしそういうことにこの法が改められるということになれば、利用度などもかなりふえてくるのではないだろうかと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○高島政府委員 非常に具体的な鋭いお話で、答弁に苦しむわけですが、そういうことをしますことが制度的にどうであろうかということの議論が一つと、それから利用度がどうなっていくかという実際の見通しの点と二つあるわけでございますが、制度的に考えてみますと、やはりこれはリスクをとっていく問題でございまして、契約いたしました補償金の金額に対して、大体において七、三、政府が七見る、三は見てやらない。それで補償料を納めていく。その補償料を事故が起こらなかったら返せ、こういうことでございますが、これは政府に七割までのリスクをとってもらうわけでありますから、やはり男らしく一たん納めたものは納めていくべきものではないだろうか。それでないと、先ほど申し上げましたように、自分でやはり責任を負っている体制でございますから、自分の責任であることを政府が補償してやっていく、こういうたてまえの制度であるだけに、民間側のほうに非常に依存心を強めていってもいかがであろうか。これは必ずしも大蔵省の言うことだけではございませんで、われわれもかなりそういう感じを制度として持つわけでございます。
 それから、これに限らず、一般的にもう少し甘い制度になったら利用度がふえないかという点でございますが、これはあるかと思いますが、どうも実際の動きを見ておりますと、まだ件数が十一件程度でございますから、どういう心理状態で民間が掛けているかということの最大公約数がつかめない段階でございます。もう一息これからふえそうな気配がございますけれども、状況をにらんでみまして、特に何かそこに調整を要する点があれば、その段階で考えていくべきものも出てくるかと思いますが、いまの段階においては、特にここで民間側のほうの経済的な負担を何か調整してやればふえるという感じではなくして、新しくそういう特殊の技術、いままで日本があまり手がけていなかったようなものを、あまりなじんでいない地域に出すという傾向が見えてくるかこないか、うまくやりくりがいくかどうかで大きく左右されていくかと思います。したがって、先ほど石野先生の御質問にもありましたように、最も大事なことは、やはり国内での技術水準を上げていくという方向のところに基本があるのでありまして、これはある意味でのしりぬぐいであることは事実でございます。
○中谷委員 お急ぎのようでございますので、一点だけお尋ねしたいと存じます。
 先ほど局長のほうから、この法律の適用を受ける業者の人の心がまえとして、要するにそういうふうな依存心というか、そういうようなものがあってはいけないのだ、こういうようなお話だった。実は、この法律の制定された当時の会議録を拝見してみますと、こんな法律は、とにかくベルギーにもない、西ドイツにもない、フランスにもない、もちろんアメリカにもないのだ、要するにコンサルティング体制というのが非常に日本は立ちおくれているのだということが前提となってという御答弁といいますか政府の御説明が昭和三十四年ごろあった。それで昭和三十八年の一部改正のときの会議録を拝見いたしましても、やはりことばは、同じようなことばではありませんけれども、立ちおくれがあるのだというところの御答弁があるわけなのです。そうして今度は、提案理由の説明を拝見いたしますと、やはり欧米諸国に比べて著しい立ちおくれがある。ですから、私、今度初めてこの国会に出てまいったのですけれども、昭和三十四年、昭和三十八年、昭和四十二年と、足かけ九年にわたって、コンサルティング体制というのが著しい立ちおくれなのだ。そして先ほど局長がおっしゃったようなかっこうの話で、依存する法律といいますか、しりぬぐいをする法律がつくられている。いつになったら、こういうコンサルティング体制というものが確立するのか、少なくとも欧米に追っつくのかという問題が前提だと思います。ところが、この問題について、たとえば私はこのことが直ちに一つの例になるかどうかわかりませんけれども、コンサルティングをやっているところの会社の数なんというものも、別に昭和三十四年ごろと昭和四十二年現在ではそう数もふえていないと思う。だから、これは一体いつまでたっても立ちおくれというふうな状況が打開できないのかどうか。こうなってまいりますと、こういうふうに、局長がおっしゃったような依存心というようなものが業者の中にあるというような状態のもとで、この法律の適用を受けていくという状態が続いていくということは、これはいけないことだと思う。この点について、いつの御説明のときにも、コンサルティング体制というものが著しく立ちおくれているということでは情けない。この点についてのひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○菅野国務大臣 このコンサルタント制度というものは、日本では戦後に起こってきた問題です。アメリカなどは、もうすでに前から発達しておった国であって、コンサルタントと、それから事業家というものはみな別々であったものです。そういう点において日本は立ちおくれておったということであって、また日本ではこれを利用するというほうも少ないと思います。そういう点において、日本が立ちおくれておるために、諸外国でないようなものでも日本ではつくらなければならぬということになったと思うのでありまして、今後事業がだんだん大きくなっていきますと、どうしてもこのコンサルタント制度というものが発展せざるを得ない、こう思うのであります。そういう意味で、また同時にプラント輸出などを盛んにしなければならぬというようなことで、このコンサルタント体制というものを、今後やはり日本においても奨励しなければならぬ、こう考えておるのであります。そういう意味において、この法律というものは、多少なりとも役立つのじゃないか、こういうようにわれわれは考えておるのです。
○中谷委員 大臣の御答弁、私がお尋ねしたこととちょっと食い違いといいますか、あると思うのです。私も、コンサルティング体制というものがおくれている理由というものは、従来の審議の過程の中でよくわかるわけなのです。戦後できた制度だ、アメリカはずっと戦前からある。田中委員などもずっと前からそのことを強調されておるので、わかるのです。では、どうしてそのコンサルティング体制というものを強化するか。とにかくこれは八年前から著しい立ちおくれ、著しい立ちおくれという御答弁ばかりなのです。少しは何か前向きのような御説明の部分も今度拝見したいと思うのですが、八年前よりは少しはよくなっているのだとか、また今後はこういう施策をすることによってコンサルティング体制というものを強化していくのだ、このお話をやはりお聞きしたい、このことなんです。
○高島政府委員 若干事実に即して私から申し上げますと、確かに御指摘のように、最初の四年、次の四年、今度の四年ともに劣勢にあることは事実でございます。ただコンサルタントの企業の数がふえているかどうかという点でございますが、二十程度三十四年にあったのに対して、最近の企業数は相当ふえております。四十台に団体等を入れまして達しているようでございます。しかし、これは数がふえることが決していいことではない、むしろ強い技術力を持った企業というものが育っていくということが大事だと思いますが、最近、ごく常識的な話で恐縮でございますけれども、東洋エンジニアリングとかあるいは千代田化工とか、科学機械関係では世界に相当名前が知れ出した企業も出てきている。そして先ほど御説明のありましたプラント輸出それ自体が輸出実績として全般的に伸びている。全般としてやはり三十四年あたりの実績に比べますと、最近の実績というものは高いレベルにきております。三十五年あるいは三十六年あたりは、いずれも一億ドル台のプラント輸出だったのが、最近は三億五千万見当の数字に達してきている、こういうふうに一つの進歩は、ごく一面ではありますが、あると指摘してもいいのだろうかと思います。ただ最近弱っておりますのは、このプラント輸出と申しましても、後進国のふところぐあい、低開発国のふところぐあいが悪いので、そちらに比較的なじみを持っている日本としてはわりあいに売りにくいというコンディションに立っております。共産圏のほうはかなり伸びておりますが、そういった情勢がございまして、輸出面におきまして最近著しく伸びているとは言えませんが、前四年の最初の時期と比べてみますと、相当に違ってきております。また国内的にも、これは技術でございますから、測定を量的に見ることは非常にむずかしいのでございますが、だいぶ会社自身も充実しつつあるのではないか。しかし大臣もおっしゃいますように、やはりアメリカ、ヨーロッパに比べては非常に立ちおくれているという感じだけはぬぐい得ないわけでございますが、日本自身の進歩というものは、この年数の間に相当あると見ていいのではないだろうか、こういうふうに感じております。
○中谷委員 社会経済発展計画の中では四十年代の挑戦ということを特に強調しているわけなんで、この問題については、ぜひともまた別の機会にお尋ねいたしますが、コンサルティング体制をどうして強化するかということについてもう少し具体的な御答弁をいただきたいと思います。
 その次に私一つだけお聞きしておきたいと思いますが、これはコンサルティング体制の強化とつながるかどうかは別といたしまして、日本プラント協会の海外事務所というのは現在全部で十六あるそうでございますが、その中で先ほどお話に出ました共産圏の貿易、ことに昭和四十年度にはユーゴスラビアとの本件適用を受けましたところの損失補償契約というものがかなりあるようなんですけれども、ユーゴスラビアの場合は、何か本部直轄ということになっている。要するに、海外事務所というようなものがある方面にはないわけですね。今後プラント輸出が伸びていくと思われる、たとえばシベリア開発が行なわれているというときに、海外事務所が設けられていないのは、これは設けられないのか、それともまた現在そういうところまでいっていないということなのか、この点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
○高島政府委員 東欧圏に事務所を置きますということは、あるいは共産圏一般に置きますことは、いろいろ通商上、外交上の一般的な問題がございまして、ジェトロ等におきましてもそれぞれ相当の折衝を要するのが実情でございます。
 プラント協会につきましては、四十二年度の予算に、東欧圏を対象として考えまして、こういうふうに東欧圏のうちにはかなりございますから、東欧圏を一つの対象として一カ所事務所を置きたいという気持ちで、その調査費を計上しておるわけでございます。ただ、これはいろいろと外交方面との相談をしてみませんと、うまくいくかどうか非常に問題が残ります。貿易、外交方面での一般的な姿勢とも調整をして、できれば置きたいという気持ちで進めておるわけでございます。
○中谷委員 じゃ、いまの点について通産省の御見解としては――地図を見ましても、ずいぶん広いところにとにかく全然海外事務所がない、見てみたら共産圏だ、という感じがするわけです。通産省としては、たとえばユーゴスラビアあるいはソビエトとずいぶん、ことにプラントの関係では明らかに、できるというふうな状態の中で、海外事務所を、日本プラント協会については業務を委託しておるわけですから、海外事務所を置かせるという方向で指導されるのかどうか、この点はいかがでございましょうか。
○高島政府委員 調査費の計上をいただいたことでもございますし、今後関係各方面といろいろ折衝いたしましてその方向に行きたいと思っております。
○中谷委員 私はけっこうです。
○田中(武)委員 ちょっとぼくは関連して質問する。
 石野、中谷両委員の質問に関連して質問いたしますが、まず第一に、大臣、石野委員が、これは時限立法を続けるのじゃなしに恒久立法をしてはどうかという質問をした。あなたは先日の提案説明のときに、政府といたしましてはわが国のコンサルティング体制が十分に確立せられるまでの間必要だという。そうすると、四年もたてば体制が確立するというお見通しなんですか。
○菅野国務大臣 四年の間に確立するかどうかということでいえば、まだ私自身は自信がありません。しかし、幸い日本のコンサルト制度というものがだんだんと利用されるようになってきたから、まあ四年の間にはこの制度はだんだんと確立するというつもりで、こっちへ行きたいと考えております。
○田中(武)委員 四年たってみないとわからぬ、まあそういうことだと思うのです。四年たったときには大臣も局長もその職におられない。
 次に、ガットに抵触しない輸出保護政策というものは、法律的に言うなら現在輸出保険法と本法なんです。したがって、私はむしろ恒久立法で相当期間続いていくのがいいのじゃないか、このように考えるのです。たとえば輸出保険法では目的のところに危険の保険ということをうたっている。一方本法では保証損失の補償だ、こういうようにしておるわけですね。しかしたとえばこれを輸出保険法に持っていったってかまわない。輸出保険法の中に入れてしまっても、輸出保険でやるのはこれこれ、手形でどうだこうだと書いてある中に、このプラントのことに対する危険の保証だ、そういうことで持っていけば恒久に入るのですね。ガットとの関係でどう考えておられるか。
 それからもう一つ。輸銀法十八条の第一号の設備、これと本法のいわゆるプラント類の指定種類ですか機種というか、これとの間には相当の違いがあります。したがって私は、輸出入銀行のいわゆる設備、これはプラントをさしておるわけです、これと本法の指定を同じように拡大していく必要があるのじゃないか。一方において、こういう場合にプラントの場合には融資をいたしましょうと輸銀のほうではきめておるわけですね。ところがこっちのほうでは狭めておる。それはどういうわけです。――いや、大臣に聞こう。
○高島政府委員 大臣のお答えの前に、事実関係を整理いたす意味で御答弁をお許しいただきたいと思います。
 まず、この臨時性といいますか、この法律を臨時立法にして、保険との関係で考えてみると、これは恒久化して一つの保険にしていいではないか、こういうお感じだと思います。私も新米で、着任早々で、そういうこともいろいろと考えてみたのでございますが、本件は責任はだれにあるかということになりますと、やはりこっちが力が弱いということになる。まあ外で不可抗力の事故にぶつかったという感じよりは、自分自身が力が足りない。この力が足りないのを応援してやるのだ。したがって、先ほど大臣の御答弁のとおり、なかなか、これは四年たったらどうか、こう言われまして、もし私どもここにもう一回出てまいりましたら、四年たってどうなっているのかという点についての自信も十分に持つということはできない。これは非常な格差のある問題ではありますが、しかし政策というものは、やはりある一定のところまで上がっていこうという努力は常に持たなければいかぬので、そういう意味において、一定の目標時を置いて、そのときまでに、こちらで、むしろ体制の不備、力の弱さでございますから、なかなかこれはかなわぬだろうと思いながらも、それに向かって成長していくということが一番適切ではないだろうか。したがって、こういう制度でいくのが、現在のところ合理的ではなかろうかという気持ちでございます。
 それから、輸出入銀行の設備の範囲まで本法の適用範囲を広げていったらどうか、こういう御質問でございます。私ちょっと正確に記憶いたしておりませんが、輸出入銀行は、その範囲は、一番大きいのは船が入ってくる点があるだろうと思います。船舶、車両といったようなものが輸銀の対象に入っておりまして、三千億からの金が要るのはそういったものが相当大きなシェアを占めておるように記憶いたします。輸銀はやはり金融機関でありますから、これは借りた金は返していくというところまでのことで、それに伴う金利の問題は、確かに一般市中で借りるよりはいいわけでございますが、とにかく金繰りをつけてやるというところだけであって、あとのリスクを輸銀がとるというたてまえではない。片方は、こういう補償の状態だから、臨時にリスクを七割だけ政府がとってやろう、こういう気持ちの制度でございますから、こちらはその範囲はやはり相当狭いプラントといいますか、非常に出にくい性質の機械類に限った形が穏当ではなかろうか、こういうように私としては制度を考えておるわけでございます。
○田中(武)委員 輸銀法十八条の一号ですか、あれは、「設備(船舶及び車両を含む。)」になっている。じゃあ、そのカッコだけ除いたら、どうなる。あなたの言っている、船舶、車両というのが大きいから云々なら、カッコの中だけ除くと、輸銀法十八条の設備とイコールするのですかプラント類とは。
○高島政府委員 法律の条文をちょっと正確に見てみませんと……。
○田中(武)委員 見てみなさいよ。十八条一号「設備(船舶及び車両を含む。)」となっているのだよ。それじゃ、カッコだけ除いたら……。あなたは船舶、車両のことで言うたんだろう。
○高島政府委員 お答え申し上げます。輸銀のほうは、「設備(船舶及び車両を含む。)並びにその部分品」云々ということになっておりまして、機械それぞれバラに考えております。船舶、車両だけの問題ではございません。
○田中(武)委員 いや、十八条一号の「設備」だけですよ。「並びに」は要らない。
○高島政府委員 設備と、その中では船舶、車両を含んだという形になっておりますが、こちらのプラント促進法のほうの定義は二条にございまして、その中に「一の機能を営むために配置され又は組み合された機械、装置又は工作物の総合体をいう。」というので、何と申しますか、工場ワンセットという観念がプラント側にございます。
○田中(武)委員 もう一つぼくの言っていることがわからないようですね。輸銀法の十八条一号「設備(船舶及び車両を含む。)」ですよ。あなたが答えたのは、それからあとへ続くのですよ。しかもあなたの答弁は、船舶、車両というような膨大な大きなものまでもと、こう言ったのですね。だから本法の定義、これは結局一つのセットになったものだという。それならば、設備というのと、セットになったのとどう違う。だからぼくが言っているのは、要は適用範囲を広げなさいということ、輸銀の考えているようなところに広げなさいということです。
 それから、これは私は必ずしも恒久立法を長らく続けろという意見ではないが、これは貿易振興局長がおればなおいいと思うのですが、輸出貿易に対して、できるだけ保護政策をとろうと思っても、ガットでじゃまになるでしょう。これはいけない、あれはいけないと言われる。ガットに触れない程度でやるのは何かというと、この保険とこのプラントの輸出振興法ですよ。ならば、輸出振興の立場からも、もっとプラント輸出について考えるべきじゃないか。しかも大臣は、提案説明の中で、コンサルティング体制が十分できるまで必要だから、こう言っているのですよ。それならば、四年なら体制ができる自信があるのか。答弁は提案説明と関連して答えてもらいたい。提案説明ではかってなことを言って、答弁では違うことを言うのでは困る、こういうことなのです。
 それからもう一つは、この中小プラント、俗に五十万ドル以下を大体中小プラントと言っておる。これは東南アジア等の後進国へおもに出ている。ところが、それらの該当諸国は外貨不足に悩んでいる。そこで、これらの国々に外貨が持てるような援助をする必要がある。これが後進国援助だと思うのです。そういうようなことも関連して――もう答弁はいいですよ、どうせろくな答弁はできないのですから。希望だけ申しておきますが、もし何かあったら言ってください。たとえば、後進諸国の外貨保有について、日本はどのような政策を持って臨もうとしているのか、そのことが中小プラント、すなわち五十万ドル以下のプラントの輸出ということに直接関係があるのですからね。どういう政策を持っておるか、この三つを答えられますか。
○菅野国務大臣 東南アジア諸国などから、あちらの産物をできるだけ多く買ってあげるということです。そのことについて、一次産品の輸入促進については、また皆さん方にいろいろ御審議をお願いしたい、こう思っておるわけです。
○島村委員長 塚本三郎君。
○塚本委員 委員長及び大臣にお尋ねいたしますけれども、実はしろうとでございますから、最初に運営のことでお聞きするのでございますけれども、私、案内がありましたこの委員会はすべて出席をしておったつもりです。ところが、どういうふうに運営していくのか、あるいは内容がどういうものかということを――全く商工委員会として、私一年生でございますから、わからぬままに法案の中身まで審議して、二十八日に採決するというようなことを聞いて、何か内心大憤慨しておるのです。というのは、一年生の者は夢中で勉強して委員会の走っていくのについていけというようなやり方で運営をなさっておるのかどうかということ、私はかつて三十二年に建設委員会におりましたけれども、一年生で入ったときには、各局長さんたちが大体担当のことについて詳しく説明をしてくれまして、そして一年生でも大体、いわゆる法案の審議の中身からいろいろ説明していただいた覚えがあるわけです。ですから、一年生ですっと入ってもわかったのです。今度は委員長の御招待もいただいたし、大臣からの御招待もいただいたけれども、担当局長がどなたなのかということもわからないし、先輩の麻生さんに、一体答弁しているのは何局長だと言ったら、あれは貿易振興局長、ああ違っておった、あれは重工業局長だというようなことなんですね。そういうふうな状態で、いわゆる各法案の担当の局長さんぐらいは私どもも知っておらなければならぬと思うのです。それがあいさつもなければ、きのうあたり大臣からきっとそういうふうなことの紹介でもあると思っておりましたら、何かお酒をいただいたらすっと帰ってしまったようなことで、詳しくそういうこともわかっておりません。したがいまして、これは一年生の私だけでなしに、おそらくうしろにおいでになる方も、同じような気持ちじゃないかと思うのです。ですから委員会の中で、特にお見受けしたところ半分くらいは新しい者がおる委員会だと思うわけでございますが、それが置いてきぼりを食ったような形で、こまかい一番ポイントだけを質疑応答なさっておられても、われわれはそこまでついていくだけでたいへんだ。しかも、この調査資料をいただいたのは、いまここでいただいたようなわけでございますから、あわててそれを読んで追っかけようと思っても、なかなか追っかけられないというような状態でございます。この点に対して、これから次々と出てきます法律案に対しましても、このままいかれてしまったら、われわれは、もう少し内容を一つ一つ前へ戻って、先輩には申しわけないけれども、前に戻って質問しながらでないと、これは進んでいかないと思うのです。私どもは、プラントならプラントそのものも、全貌をもう少し先に説明しておいていただければそれはポイントだけの質疑応答で採決に持ち込めると思うのでございますけれども、このままでいきますと、初めから、そのもとからやり直しをして聞いていかないと、不勉強だとしかられても、それでなければ責任が果たせないと思うのです。そういう点で、この問題については、私あとで二、三点だけお伺いしていきたいと思いますが、これからの法律案につきましても、先輩の方は前から引き続いて大体わかっておるようでありますけれども、一年生の者が一々ここで初めからやり直しをして、聞き直しをしてやるようなことになったら、かえって御迷惑だと思いますので、この点だけ何とか御配慮をいただきたいと思いますが、この点委員長と大臣のほうからちょっと見解をお聞きしたいと思います。
○島村委員長 それでは私から先に申し上げます。
 委員会の運営は、まず理事会でどういうふうに持っていこうかということを各党の皆さんにおはかりしまして、それでこういうふうに持っていこうじゃないかということがきまってから委員会を開くという段取りになっております。
 役人のほうの問題につきましては、どこの委員会でも、出席している政府委員を一々これはどうだ、これはどうだというような紹介はしていないんですがね。
○塚本委員 最近はそういうことをやらなくなったんですね。以前は、私が建設委員会におったときには、相当一年生でも理解するほどのそういうことをやってくれた覚えがあるわけです。ですけれども、この商工へ来ましたら、時代が変わったものだからそういうふうになってきたのか知りませんけれども、もう少しやはり全貌からしていただかないと、私だけじゃないと思うのです。同じ同僚の新しい人たちも、いきなりこまかいところだけ言われても、全貌がわからないままに来てしまっておるのじゃないかというふうに思うのでございますけれども、この点大臣どうでしょうか。
○田中(武)委員 議事進行。
 いまの塚本君の発言は、委員会の運営ですから、大臣に答弁を求めるのは不穏当です。したがって、塚本君の御希望に合うように委員長のほうから答弁していただき、そして政府委員等はそれを聞いておるのだから、今後そういうことのないようにあらかじめよく説明しておく、そういうことにしてください。これは、院の運営に対して大臣に答弁を求めるということは不賛成です。
○島村委員長 これはできるだけ御趣旨に沿うようにいたしますから、どうぞ御了承願いたいと思います。
○麻生委員 関連して。委員長招待や通産大臣招待のときに、それぞれ局長さんいらっしゃるのですが、われわれが一人ずつ逆にあいさつ回りせねばならぬような状況でもあるわけです。それはやはり、委員長のほうからそれぞれの局長はきちんと委員のほうに紹介をしていただくような、そういうことも含めてひとつ委員長のほうで……。
○島村委員長 了承いたしました。それでよろしゅうございますね。
○塚本委員 それでは、そういうことでございますから、きょうは申しわけないけれどももう少し概略について、実態がわかりませんので、ちょっとお聞きしたいと思うわけでございます。プラント輸出の補償の問題ですけれども、輸出をされた金額、大体いままでどのくらいの額になっておるか、それからお聞きしたいと思います。
○高島政府委員 プラント類といいますものの範囲が一つ問題でございますが、先ほどから御指摘がありましたように、総合的な機械として動き得る重機械を中心にしたもので拾ってみます。三十八年くらいから金額が多くなってまいっております。そこいらを境にお考えいただきますが、三十五年当時は一億六千八百万ドルという辺の数字でございまして、それが三十八年になりまして二億六千三百万ドル、ここでかなり大きく上がってきている感じがしているわけでございます。続いて三十九年三億四千七百万ドル、それから四十年が三億三千二百万ドルというところで、三億から三億五千の数字に上がってまいります。四十一年度はまだ正確に資料がとらえられませんが、四月から十二月までのところで二億五千三百万ドルという程度のところにいっておりまして、これから年度末にかけての実績がそれについてくる、こういう状態でございます。
○塚本委員 よその国の比較をちょっと聞かしていただきたいと思うのですけれども、大体おもなプラント輸出を多くしておる国、たとえば三十九年、四十年あたりまで、どのくらいの程度、よけい輸出している国の金額が上っておるのか、その点、わが国との輸出の比較をちょっと聞かしていただけませんか。
○高島政府委員 お答え申し上げます。諸外国のほうは、いまの狭い意味でのプラントにしぼった資料がございません。船が入りましたり、車両が入りましたり、非常に広い範囲になったものでの比較がございますので、それで相対関係をごらんいただければと思います。日本はそういうベースに直しますと、六四年すなわち三十九年が九億一千七百万ドル、したがってぐっと数字がふえるわけで、船あたりが大きなウェートを占めるのじゃないかと思います。それに対しまして、アメリカは四十四億ドルという額に達しております。西ドイツでは三十九億ドル、イギリスが二十四億ドル、そのほかフランス、イタリアあたりは九億ドルあるいは八億ドルといったところでございます。したがって、日本の三十九年の状態で比べてみますと、船が入っておりますから、かなり日本に有利になっているわけでございますが、フランスとは肩を並べ、イタリアは抜いておる、しかししにせでありますドイツ、イギリスにはかなり劣っておる、そしてアメリカに対してはその四分の一程度であるというのがプラント輸出の実績であるかと思います。これは年度によって若干変化がございますが、一つの類型的な年をとってみればそういうことかと思います。
○塚本委員 これからの見通しでございますけれども、その比率というものはどんな形に、あるいはほかの鉱工業生産と同じように、わが国がその輸出の額においても、その大きな国々と比べて、それが追いついていくような傾向にあるのかどうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○高島政府委員 その点、先ほども御議論がございましたように、日本の輸出力というものは非常に劣っておるわけでございます。確かにここ十年ばかりで、相当にアメリカの技術を導入したことを中心といたしまして、かなりレベルアップはいたしましたが、相手は何ぶんにも巨大な技術ポテンシャルを持っているということでございますから、その間格差が若干詰まりましても、まだまだ非常に大幅の努力の余地が残っているように感じられます。したがいまして、これから先日本のプラント輸出がどうなっていくかというと、その実力の程度とにらみ合わせてみますと、非常に予断がむずかしくなってまいりますが、現在われわれのところにきておりますプラント輸出の商談は比較的多うございます。ふえていってくれるのではないかという感じにとれます。ただ、これはあくまでも、入札をいたしましたり、そのほかこれから勝負をきめる材料でございますが、日本に目をつけてまいっておる注文というものは決して少なくないように感じられますので、これから技術の力を強くするための諸施策を懸命にやってまいりますと、それによって相当のところへ伸びていくことはできるだろう。しかし、アメリカを抜くとかいうことまで申し上げるのは、これはまた非常にけた違いの話、背伸びを考えていることでもありますし、一歩なり二歩なりの前進は目下しつつある途上にあるのじゃないかというように推測をいたしております。
○塚本委員 そうしますと、追いつくとかいうことは無理にしても、逐年徐々にその幅を縮めるという傾向にはなっていきつつあるのですか。
○高島政府委員 これは正確に統計に基づいて御証明申し上げるわけにいきませんが、私どもの窓口で感じておりますところでは、最近、東南アジア諸国は外貨事情がよくございません。南米にもいろいろ問題がございますが、それにしてはわりあいと注文が多いという感触を持っております。これは経済協力等を日本が相当やりましたことの反映もあるかと思いますけれども、全体の情勢があまりよくないのに比べて、日本の伸びは比較的ありそうだという期待感を持っております。
○塚本委員 この場合、後進国への輸出が多いようでありますけれども、先進国に対しては全くこういう点は絶無になっていく状態でございますか。それとも、あるいは先進国でも、ものによってはこれから伸びていかれる、こういう見通しなんかどうでございましょうか。
○高島政府委員 一般的に申しまして、先ほど大臣のお話もございましたように、先進国、すなわち狭い意味でのヨーロッパ、アメリカ、これに入っていくということはなかなかむずかしいことであろうと思います。むしろ、向こうのほうが技術の本家である地域でございますから、これはなかなか至難のわざでございましょう。ただ問題は中南米あるいは豪州、ニュージーランドというような、中間的な農業国で相当に所得が高い、あるいはカナダというような分野、これは日本に比較的機械その他でなじみが薄いところではございますが、オーストラリアをはじめとして、かなりプラント類の輸出の可能性はあり得るのじゃないか、そういう分野は新しく市場として重く見ていく努力は続けるべきものではないかという感じがいたしております。
○塚本委員 日本では大体それに対応できるような実力がある会社といったら何社ぐらいありますか。
○高島政府委員 これは先ほども御議論がございましたように、いわゆるコンサルタントとしては四十程度の企業があると思います。全部がこのコンサルタントの力で勝負がきまるわけではございません。その背景におります機械メーカー、あるいはむしろ製品の技術を持っておる日本の企業、たとえば肥料プラントでありますと、東洋高圧とか三菱化成、そういうような企業の技術力というものが反映して出ていくわけでございますから、そこの測定のしかたは非常にむずかしゅうございます。しかし先ほどちょっと申し上げましたように、こういった企業がだんだんと世界的にも一つの評価を得つつあるように見えます。日本の尿素プラントの建設技術というものは、これは一例でございますが、かなり世界的にも評価されだしているように見えますし、そういうものがあとに続いて次々と出てくるならば、かなりの水準を維持できる希望がないわけではない、努力を結集していけば、そういうことはある程度できていくという感じがするわけであります。
○塚本委員 プラント輸出の場合に、政府関係の金融機関が相当協力しておると思うのですけれども、この点、外国の場合の協力の度合いとわが国の協力の度合いと、大ざっぱでいいのですけれども、ひとつどんな程度になっておるか、教えていただきたい。
○高島政府委員 ちょっと正確に各国の例を承知いたしておりませんが、アメリカでございますと輸出入銀行、日本の輸銀に相当する機関がございまして、これが相当の援助をいたしておりますほかに、経済協力と申しますかいろいろな意味での後進国、低開発国への援助は、あるいは政治的な目的もございましょうが、ひっからめて相当大幅にございます。日本の場合はそれに対して輸出入銀行がありまして、これは低利の金を融資をしていくという体制で、融資ベースでの応援をいたしております。そのほかに、間接にプラント需要を導き出すものとしまして、アメリカの大きな援助とは格差がございますが、経済協力基金によるところの、これも融資ベースあるいは投資のベースの援助でございますが、機関がございまして、これが相当に活動をいたしておりますほかに、円借款の供与等、経済協力面で相当の財政上の負担をいたしまして、日本は応援をしている、こういう比較になっております。ヨーロッパ筋でも、あるいは金融のベースで、あるいは場合によっては保険という形において、輸出に対して相当の援助をいたしております。ただ、よくいわれますことは、私も正確ではございませんが、長期のプラントになると、日本はほとんど輸銀にたよっております。諸外国はめいめいの企業が力を持っておりますから、そういった政府機関にたよらないでオウン・ファイナンスといいますか、自分自身の力で五年あるいは十年という延べ払いをやっておるのが非常に多うございます。したがって、向こうから出てくる延べ払いあるいは援助的な技資というものの背後に政府がついているかについていないかということは、ケースによってわからぬことが非常に多いように感ぜられますが、いずれにしても日本の制度は、量的にはとにかく、諸外国の制度をいろいろと模して、それに右へならっているという感じが強うございます。
○塚本委員 最後に、そうしますと、日本の政府は、やはり諸外国に比べてみて、比較的強い協力の体制を金融機関としてはとっておるという判断が立てられるわけですね。
○高島政府委員 これはやはり各国の国力に応じまして、日本でいえば輸銀の出資、融資をどのくらい財政上応援していくかということともからんでまいりますが、日本の現在の経済力からすれば、非常に力を入れているというように感ぜられます。それにさらにちょうどこの法律がございます。この補償法という形は、これはヨーロッパ、アメリカに日本の技術水準が劣っていることをある意味で補てんする立場に立ちます。したがって、他の諸国にはこういった例はございません。日本のこの法律だけは独自の制度でございます。
○島村委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 先ほどからいろいろな質問があったわけでございますが、わが国のプラント輸出の状況、件数から見まして、本法の適用というものが契約件数が非常に少ないわけです。これにおきまして、法律はあるけれども利用されてないという先ほど答弁があったわけでございますが、どういう点が契約締結に引っかかっているか、もう少し具体的に御説明願いたいと思うわけです。
○高島政府委員 本件の利用度が、最近になりまして、四十年、四十一年にわたってはかなり多くなってまいりましたことは先ほど申し上げたとおりでございますが、事の性質としまして、プラント輸出の全部がこの制度にかかってくるということは、これはある意味においてむしろ結果的には非常に行き過ぎになってくるかと思います。日本の技術が劣っておると申しましても、最近は相当に追いついてきておるわけでありまして、こいねがわくは日本の独自の技術で世界にひとり歩きをしてもらいたい。ただひとり歩きができない分野、たとえば肥料プラントで申しますと、非常に容量の大きいものを希望してまいった、それは国内でまだつくったことがないとか、あるいは日本の市場としていままでつき合ったことのないような場所との間に建設計画を責任を持ってやっていくということになったために、日本側のほうがそこにリスクを感ずる、そういう場合にこの補償契約を締結してもらうということが一番制度のねらいでございますので、多少この制度によってまた依存度が強くなりそうな気配がいま見えてまいっておりますが、その辺も勘案いたしますと、そう少ないという感じではないのじゃなかろうか。しかしこの制度に依存してまいることは、同時に、新市場の開拓と申しますか、日本の出にくいところに出ていくという感触の問題になってまいりますので、それとのにらみ合わせで、やはりこれがふえていくことが新しい分野への育ちだ、こういう感じもいたすわけであります。したがって、一々の原因というものは非常に追及困難でございますが、具体的に申しまして、そう少ないという感触は持ち得ないのではなかろうかという気持ちでございます。これもしかし絶対的なものではございません。
○近江委員 いま具体的な点について、こちらの質問することについての明快な答えは得られなかったわけでございますが、内容的に少しお聞きしたいと思うのですが、サブコントラクターの問題であります。これは要するに補償契約当事者の扱いをされるかどうかという問題であります。このサブコントラクターの場合は、中小企業の場合も非常に多いわけでございますけれども、その当事者になれるかどうか、この点を御質問したいと思います。
○高島政府委員 サブコントラクターは、ひとつの協力者という形で。輸出契約の当事者になってまいります。サブコントラクターとしての資格を十分にとりますためには、当該輸出契約の一環として責任を持っているという体制が必要でございます。これはコンサルタントであります場合もありましょうし、あるいは下請的なメーカーの場合もありましょうし、商社がメインコントラクターで、一切のメーカーがサブコントラクターである場合もございます。いずれもこの運用にあたりましては、その関係がメーカーである限り、輸出者としまして、その概念の中に契約当事者として扱ってやるたてまえになっております。
○近江委員 それは要するに契約のときに明記するわけですか、あるいはまたその当事者とサブコントラクターとの間に締結があれば、本契約に明記しておらなくてもそれが適用されるのか、これをお聞きしたいと思います。
○高島政府委員 補償金の交付の一つの契約でございますから、あくまでも契約の当事者になるたてまえでなくてはいけない。したがって、輸出契約の中で、メインコントラクターと同時にサブコントクラターと同じようにサインをいたしまして、その中で当事者という資格になっておるということが要件であります。
○近江委員 そのサインをしない場合というのは、やはり多くの企業があらゆる要素が含まれておるわけです。その人についての適用はどうなっていますか。
○高島政府委員 制度といたしましては、サインをして契約当事者になるということがあくまで要件でございます。ただ、われわれのほうの希望及び指導といたしましては、プラント輸出の当事者というものはいろいろな面でおるわけであります。そういう人は、あとで問題が起こった場合、こういった制度があるから、その中にちゃんと乗っかって極力こういう形でやっていく。通常商社が輸出者になるのが非常にケースとして多うございます。その場合に、商社だけでなく、メーカーも中に入っていく。そうすると、本法の適用のごりやくがある、あるいはコンサルタントの点で補償するという場合がございます。それはむしろコンサルタントのほうがメインみたいなものでございますが、契約の形は輸出者という方式をとる場合が多うございますから、そういう場合にはコントラクターの中にサブコントラクターとしてコンサルタント的な人が入るという形に指導をいたしておるわけであります。
○近江委員 要するに、中小企業のサブコントラクターの保護政策です。それがサインをしていなければそういった商社なりそこの責任にまかすのだ、こういう感じなんですが、要するに、輸出を振興しなければならない。そういう点においてほんとうにみんなが協力をして、いいものをどんどん輸出していく、こういった安心して取っ組めるという制度を今後考えていらっしゃるかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○高島政府委員 本法の適用といたしましては、やはり国費を使っていく契約でございますから、適用者は補償料を負担してもらって、そしてやっていくという制度でもございますので、当事者になるという観念だけははっきりいたしてもらう。ただ、当事者になります場合に、輸出者ということばを非常に狭く解釈いたしまして、単なるエキスパートであるという形の運用はむしろしないで、コンサルタントでも、あるいは他のメーカーでもこの中に入ってきてもらえば対象になります、こういう扱い方をして締めくくりをいたしておる次第であります。
○近江委員 それから、この当該補償契約の締結から要するにその保険金を払い込みするわけでありますが、全額納付するまでの段階に期間があるわけですが、その間に中途において何らかの形で損害がはっきりした、こういう場合において、全額払ってない場合もこれは支払いするわけですか。
○高島政府委員 プラント類でございますから、まず工場ができ上がりまして、動かすというまでの間の補償期間というものをまずきめるわけです。これがたとえば建設期間も入れて、試運転期間まで入れると五年とかそこらの年数になってくる。そこまではいずれにしても補償金を納めて、そこまでいきまして、そしてそこで事故というものを最終的に認定して払ってまいる、こういう体制に相なっております。中途のところで起こりましたごたごたは補償期間の満了を待ってすべて総合的に判断して支払いをさせていく、こういう形になります。
○近江委員 わかりました。満了期間ですね。
 それから、先ほどのてん補率の問題とか、それから保険料の払い込みの問題とか、そういう点について、これは今回の期限延長におきまして全然何ら処置がなされていないわけですが、積極的にこういう制度を輸出振興の上からもっと推進しなければならない。こういう点から非常に考えなければならない問題が相当あると思うのです。こういう点について業界からもいろいろな声があると思いますけれども、積極的にそれを採用していく意思があられるかどうか、それをお聞きしたいと思います。全然これにあらわれてないわけですが……。
○高島政府委員 本件の制度は三回目の延長となっておりますが、過去の実績が、最初のときは一件しかなかったというので、これは全くどういう動きをしておるか実態はつかめていない段階でございます。今度の段階でも十件ほど出てまいっておりますが、いずれも四十年、四十一年という最近になってから出て契約をした形になっておりますので、制度自身の運用に即してのある実績と歴史がまだ残念ながらないような状態でございます。これは民間側からいいますと、むしろ経済負担がないことを極力こいねがうという気持ちが徹底してあると思います。ほんとうを言えば、補償料もゼロで、てん補を一〇〇%やってもらって、国が全部しょい込んでくれればいいのだという気持ちは当然最大限度としてあるかと思います。それに即しまして、三十八年には一度料率を一割から七%まで下げて模様を見たわけであります。それと今回十件ほどふえてきたということは必ずしも結びつかないと思います。これは時勢がプラント輸出が相当日本も軌道に乗り出したという現在の証明であろうと思いまして、料率とはあまり結びついていないように現在のところは判断しておりますが、料率の問題につきましては、これは政令事項でもございますので、来年度あたりにかけまして、いろいろ業界の意見も聞いて、前向きに検討もしてみたいと思っておりますが、ただ、本制度自身があくまでも自分の責任といいますか、本来ならば自分の力が強ければ事故にならない、自分にリスクがきておる責任の問題がどうなるかの問題もありますから、企業自身に、自分の技術を上げて、自分でそういうことのないようにするという努力の気持ちは残していかなければならない。したがって、まるがかえがいいのか、きびしいのがいいのかという中間に問題を持っていかなければなりませんが、それが現在のところ、この制度でいいかどうかは、これは具体的に事態の進展に応じつつ考えてまいりたいと思っております。
○近江委員 ほんとうは会社がそれをなにしていくのが本来である、このように言われたわけでありますが、先ほどからしばしば、わが国のコンサルティング体制が非常に弱体であるようなこともおっしゃったわけでありますけれども、これに対して今後の輸出振興の面から考えまして、どうしてもその体制を強化しなければならない。これの明快なる政府の対策というものはあまり聞かれなかったわけでありますが、この点につきまして、私も、次の機会に皆さんのほうから具体的なそういう体制強化の方法をお聞きしたいと思うのです。きょうは用意なさっておらないようでありますから、次の機会に譲りたいと思いますので、その点ひとつよろしくお願いしたいと思う。
○高島政府委員 対策項目としまして、先ほどお答え申し上げた輸出それ自身に即しての制度と申しますよりは、国内でからだが強くなってくればということが一番大切だという気持ちでございます。それで、私どもの現在やっております対策といたしましては、民間企業の技術開発力を強めるということ、政府みずからがやる技術開発というものを強力なものにしていくということ、この二つになってまいると思います。先般大臣から、来年度の予算と関連いたしまして、通産省としてどういう施策をとっていくかということを御説明になりました内容に尽きると思いますが、まず民間に対しましては、一つは、税制上の問題として画期的な制度でございますが、所得控除制度、長年税務当局からの反対を受けておりましたが、それを思い切ってとりまして、開発費の相当部分を所得控除できるということをいたしまして、それはある意味での補助金に通ずる思想でございますが、それを思い切って踏み切りましたことが目新しい点でございます。従来からございました鉱工業の試験研究の補助金等は、相当画期的に増額をされておる。あるいは電子計算機等の非常な高度の技術を要する部面においては、大型プロジェクトと申しまして、全額まるがかえで政府が民間の研究開発を応援するというたてまえをとっているわけであります。そのほか開発のための融資でも、技術革新につきまして特別に配慮をしているといったあたりが、いずれにしても国内的に民間企業の技術的な強さを推進していく政策としてとられる、これがひいては日本の技術水準を上げ、コンサルティング体制を強固にしていくという内容になるかと思います。そのほか政府みずからやります分野としましては、私のほうで申しますと、工業技術院の各試験所でございます。ここでやっております特別研究費を相当大幅に増額いたしまして、これに備えるということでございます。計数上の資料を持っておりませんでしたので、項目だけを申し上げて恐縮でございますが、大体ことしの新政策の最重点は、技術振興にあるというところから、そういう施策を考えておる次第であります。
○近江委員 海外の調査活動のことをおっしゃっておられたわけでございますけれども、海外コンサルティング企業協会の活動状況ですね。これは政府も補助なさっているわけでありますが、この点についてもう少し詳しく説明をお願いしたいと思います。
○高島政府委員 こまかい事業活動の実績等を手元に持っておりませんが、コンサルティング企業は、先ほどもちょっと申し上げましたように、民間ベースの純粋のものと、それとプラント協会その他の公的団体のベースのものと二通りございます。政府からはコンサルティング活動の振興につきまして補助金を出しまして、これを正式にいえば海外コンサルティング企業協会という名前になっておりますが、御指摘はその協会であろうと思いますが、それに対して四千四百万円ほどの補助金を交付いたしまして、概略やっておりますのは、海外において、こういったプラント輸出に伴うコンサルティング契約が締結されそうな状態になると、予備交渉と申しますか、そういう事態に立ち至りましたときに、現地で予備調査をやったり、ある程度向こうと折衝をしてみるということをやったりいたしまして、実態を把握し情報を早くつかむ、と同時に、日本の技術が、先ほどから申しておりましたように、劣っておる劣っておると申しますが、やや海外の企業が日本にはなれてないという面もございますので、それを打開するためのPR事業をやっていくという活動をやっておりまして、ただいま申し上げましたような補助金を出して、その運営としましては、東南アジアあるいは中近東等々の地域に調査団を出しまして、その実態把握につとめておる、こういう状態にあります。
○近江委員 どうもありがとうございました。これでけっこうです。
○島村委員長 この際古川喜一君から発言の申し出がありますので、これを許します。古川喜一君。
○古川(喜)委員 ちょっとお願いがあるのですが、これからの委員会の運営のことについてお願いしたいと思うのです。
 各委員の質問によって、あるいは答弁によって、その他の委員もいろいろ理解を深めておると思うのです。であるが、委員の質問もそうでありますが、答弁も非常に聞き取りにくい。だからもっと他の委員にもはっきり聞こえるような音響装置を講じてもらいたいということ。さらにまた、非常に空席も目立っておりますが、われわれうしろにおると、なかなか聞こえにくい。であるから、これは、席順はきめられておるのでしょうけれども、理事の方が前に並ぶなら並んで、あとから来た委員はその札を出席したときにもらって、適当なところにその札を置き、すわるということにしたほうが、もっと前へ詰めてよく聞けるのではないか。それを、ここへくると、われわれは常にうしろにおる。ずっと前に空席があっても、なかなか聞こえにくいというふうにも感ぜられるので、各委員の質問答弁がその他の委員にももっとはっきり徹底するように、理解できるような音響装置を講じてもらいたい。席順のほうもそのようにひとつ考慮してもらいたい。このことを委員長にお願いを申し上げておきます。以上。
○島村委員長 ひとつこちらでも考えますし、あるいはまた理事の方ともよく相談いたしまして善処いたしたいと思います。
 中村重光君。
○中村(重)委員 今度の再延長には反対をしない。だがしかし、四年間期間延長をやったのだけれども、当初の四年間と比較すると、それは確かに十一件になったのだから伸びてはいる。しかしないよりましだという雨降り用心的な感じがしてならぬ。やはりこれは機構上にも問題があるのではないか。やはり貿易振興という立場からすると、担当局は貿易振興局である。あなたの重工業局のほうは、まあこの補償契約というのが担当である。どうしても焦げつきを出さないようにしようという安全第一主義というのが先行するのじゃないかという気がするのです。私は事故が起こることを別に希望はしない。だがしかし、輸出振興という立場からは、ある程度の出血というものはあり得る。そのくらいなかまえでやらぬと、貿易振興というのはなかなか成功するものじゃない。いろいろそういう機構上の問題、あるいは審査が非常に厳格に過ぎるといったような点もあるのではないかと思う。それらの点に対しての考え方を大臣からもお示し願いたい。
 同時に、時間の節約の点から続いてお尋ねするのですが、この契約希望というものが出たけれども審査基準にはずれて契約が成立しなかったということもあるのだろうと思う。そういった件数が大体どの程度になっているか、一応お答えを願いたいと思います。
○高島政府委員 機構の点でございますが、私ついこの間までちょうど貿易振興局長をやっておりまして、両またかけて、先ほどそちらでお考えでございましたが、かねて貿易と重工業というものとの接点は十分に心してやっているつもりでございます。ただ、この制度は野方図にやりますと、国費の負担も一つ事故が起これば非常に多い。いままでは事故が起こらなかったので、非常に円滑といいますか無風で済んでおりました。一つ起こるとプラントであるから大きいという点もございまして、一応このスクリーンの体制はプラント協会等も使いまして十分にとっておるわけでございますが、申し入れがありましたときの私どもの心境といたしましては、率直に申しまして、むしろ祝福をするといいますか、この制度にたよってきてもらったということを喜ぶというような気持ちのほうがむしろ強かった。これにたよってまいりますのは、どこか新市場であるとか、機械が非常にむずかしい、いままで経験がないとかなんとかございますが、そこを踏み切ってあえてやるようなプラント輸出も日本に出てきたなという気持ちで、大いに積極的に推進し、重箱のすみをつつくような態度は極力とらせないようにいたしてまいりますし、また、今後一致してやってまいりたいという気持ちでおります。それから、機構としては、これは通産省全体の問題になってまいりますけれども、物資担当のほうで輸出をいま扱っておる形になっております。たとえば繊維でありますと、一般的な政策は通商、貿易両局でやっておりますが、繊維の輸出に関連しては繊維雑貨局でやっておる。重機械につきましても同様の例にならっております。ただ、この法律をどっちに置いておいたほうがいいのかということは、私自身も先生の御指摘のように問題はあろうと思います。一つの政策的なものであり、補償ということでございますから、個別の審査案件とからんでくるので、輸出の許可をやっているところで扱っているということでございます。これは考え方は両方それぞれあるようでございますという感じがいたします。ただ、プラント輸出というものは、かなり一般商品とは異なった特性を持っていますので、プラント協会の監督あるいはプラント輸出の延べ払いの許可の窓口をやっておる現在の私どものほうの重工業品輸出課が制度として比較的似た仕事を一カ所でやっている、こういう感じが強いので、現在の制度に相なっております。それが機構の関係でございますが、あとは大臣への御質問でございますから、大臣からお願いいたします。
 それから、申し忘れまして恐縮でございますが、申し込みがあってそれがこなかった例があるかという点でございますが、この実体の押え方は非常にむずかしいのでございますけれども、一度若干調査をいたしてみましたことがございます。といいますのは、申し込みをして、そしてあと話が煮えないということ、これはあり得ないことじゃないわけでございますが、いずれもその場合は何かの形で相手方との契約がいかない。その保証リスクをとるかとらぬかの問題じゃなくて、話しに参りますのは、こういうことがあるから、こういうプラント輸出の可能性があるからあらかじめお話をいたしておきます。こういう形で政府側へ報告がございます。われわれのほうでは相当期待を持っておりますと、今度はほかの国にとられてテンダーがうまくいかなかったとか、あるいは延べ払い条件において折り合いがつかなかったというような事例で消えるということはありますが、この保証自体に関連してそこまで左右されるというウエートを持った形では実際上上がってまいりません。むしろ本体のほうがどうなるかということに左右されていると思います。
○中村(重)委員 大臣、先ほど来質疑がかわされて、前向きの姿でみんな取り組んでいるわけであります。ですから、私どもも当初の四年間、さらに四年間の期間を延長して、ある程度の効果があらわれたということは認める。したがって、再延長には先ほど申し上げたように賛成をいたします。ですけれども、各委員から質疑が行なわれましたように、やはりもっと積極的な取り組みが必要ではないか、期間を延ばすということだけではなくて、内容的にももっと前向でこれを改善をしていくということが必要だと感じるわけです。そういう点では、通産当局のむしろ消極的な態度というものがあるような気がしてならない。なかんずく貿易振興の中でも、中小企業貿易というものがきわめて大きな役割りを果たすのであります。また、このプラント輸出の面において、そのことを大きく前進させなければならないと思う。まあ法律案の改正が期間だけでありますから、これは内容的には従来どおりということになります。ですけれども、運用いかんによっては大きな効果を発揮することができるであろうと思う。ですからひとつ菅野大臣の、法律運用に対してどのような姿勢をもってこれから進もうとされるのか、それらの点に対するお考えをお話し願って、この法律の改正案に対しての質問は打ち切りたいと思います。
○菅野国務大臣 先ほどから申し上げましたとおり、コンサルトの制度自体が日本人にふなれなものであるし、日本の制度としては最近発達したものでありますから、したがってこれの利用、これの活用ということは諸外国のようにはいかないと思っております。したがいまして、この運営についても、やはりその点でふなれな点があるかと思うのでありますけれども、今後はこのコンサルトの制度の発達に応じて、また内容もあるいは変えなければならぬことも起こり得るかとも考えております。とにかく今後の運営によって考慮したい、こう考えております。
○中村(重)委員 それでは次の質問に移ります。
 大臣も退席されたことでありますから、中小企業プロパーの問題に対してはあらためてまた一般質問その他法律案の審議にあたって質問をいたします。きょうは中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対して問題点だけを質問したいと思います。
 その前に、この法律案も倒産関連という形においてこれを適用されるわけでありますが、したがって、この中小企業の倒産の状況というものがどういうことになっているのか、倒産は増加の一途をたどっておる、なかんずく最近は小口化しているということでありますから、まずそれらの点について、倒産状況をお聞かせ願いたいと思います。
○影山政府委員 お答え申し上げます。
 最近における企業倒産の動向でございますが、まず第一番目に、四十一年度は景気回復の途上にあるわけでございますけれども、倒産の数は依然として高水準にあるということでございます。四十一年度は六千百八十七件でございまして前年比七・五%増加ということになっております。四十二年に入りましてもそういう水準で続いているわけでございまして、二月におきましては七百三十四件と非常に高水準で推移しているわけでございます。それから、最近の特徴といたしまして、小規模企業の倒産が多く、規模が小口化しているということが一つの特徴でございます。それから業種別に見ますと、建設業と商業の倒産が高水準で続いておりますが、製造業は四十一年はかえって減少いたしているぐらいでございまして、また最近多少増加をいたしておるというような状況でございます。件数につきましては、四十一年の計が六千百八十七件で、負債金額が三千九百九十億でございます。これは東京商工興信所の調査でございます。
○中村(重)委員 いまの倒産件数並びに負債金額は、これは一件当たりの負債金額は幾ら以上ですか。
○影山政府委員 一件当たりの負債金額は一千万円以上でございます。
○中村(重)委員 あなたのほうは中小企業庁だから、一千万円以上というだけの調査でなくて、あなたのほう自身が通産局を通じ、あるいはその他の機関を通じて調査をしておられるであろうと思うので一千万円以下の倒産の動向というものは、どういうことになっておりますか。
○影山政府委員 その点につきましては、正直に申し上げまして十分な調査ができていないわけでございますが、政府関係の三金融機関の取引先におきますところの倒産状況等を見てみますと、これは規模でございますけれども、個人及び資本金の百万円未満のもの、これが大体四十年で五三・九%、百万円から三百万円未満のものが大体二四・三%でございます。三百万円以下のもの及び個人企業で、合計七八%ぐらいの数字が出ております。
○中村(重)委員 いつも興信所等でやる調査というものに依存するということだけでなくて、あなたのほう自身がいわゆる一千万円以下の企業の倒産状況を把握する必要があるのであります。そうしなければ小規模企業の対策というものはなかなか出てこない。むずかしいということはよくわかるのです。わかるのだけれども、やはりこれはぜひやらなければいけない。そうしなければ零細企業というものをどうして強くしていくか。また協業化政策等もきめこまかい対策が立てられなければならぬと思うのですが、そういった点が、いつも委員会等においてもっときめこまかい調査をやる必要があるのではないかということを要求されながら、いまお答えのような形で、単に政府金融三機関の貸し付け状況の中から調査をしておるにすぎない、こういうことなんですが、何か方法はありませんか。
○影山政府委員 興信所と同じような調査をいたすにつきましては、数千名の人員も要るわけでございます。そこで私どもがやっております倒産の調査は、先ほど申し上げましたように、政府関係三機関の取引先の倒産状況を通じて類推をする、特に小規模事業者につきましては国民金融公庫の取引先あたりを通じまして調査をいたしておる。それからまた通産局を通ずる調査におきましては、最近もこれを行なったわけでございますが、全部をカバーする調査というものは非常にむずかしゅうございますので、少し深く掘り下げまして、先般も十二月末に倒産企業二百八企業を取り上げて、それを診断的に、もう倒産いたしました企業ではございますけれども、それを追跡いたしまして深い解剖をいたしたわけであります。そういうふうな調査のやり方をいたしております。
○中村(重)委員 政府三機関を通じての小規模企業の倒産の動向というものはお答えのように把握しておられるわけですが、その倒産の原因というものは、一千万円以上の負債を持って倒産をしている企業と違っている点はどういう点ですか。
○影山政府委員 特に小規模事業者につきましては、日本の中小企業は過当競争を行なっておる、規模が小さくて数が多いという点が一つの原因でございます。それからもう一つは、小規模企業者におきましては、私どものところへ東京都内あたりの小規模の零細層の人たちもかけ込んでくるわけでございますけれども、そういう人たちの話を聞いてみますと、どうも帳簿すらつけていない、あるいはコスト計算もしていないという人たちが多いわけでございます。そういう点で自分たちの経営の指針というものがあまりはっきりしないというようなことで、そういう状況でございますと、金融機関からも金融の借り入れが非常にむずかしいというような点もございます。そういう点は今後とも指導をしていきます。私どものほうへかけ込んできた零細層の人たちもいろいろ指導をいたしました結果、簡易帳簿をつけて、コスト計算を簡単にでもしておれば倒産をすることはないという自信がつきましたということを私どものところにも申してくるような事情もあるわけでございまして、そういうふうに経営管理というものについてのおくれというところが小規模事業者には目立つということではないかと思います。
○中村(重)委員 経営管理という点がきわめてずさんであるという形で経営不振に陥り、ついには倒産する、そういうことも私は相当あると思う。同時に金融がどうしてもうまくつかない、人手不足という関係等もあるわけですけれども、そうした中小企業の、特に小規模企業が高い税金、高い金利、高利貸しの金融に依存しておる面もあるわけですが、そういうこと、人手不足、それから金融がなめらかにいかない、それらの点が小規模企業が倒産する最大の原因であると思いますので、もちろん過当競争ということはあり得るわけですけれども、そういった点をもう少しあなたのほうは把握するということが必要になってくるんじゃないかと私は思う。一段の研究、くふうをやっていただきたいと思います。
 なお、産炭地の中小企業の動向ですが、御承知のとおり、今度はまた一千万トン程度の閉山をすることになる。三万人以上の炭鉱の労働者の首切りが予定されておりますね。したがって産炭地の荒廃ということは明らかでありますが、そうなってまいりますと、この産炭地の中小企業というものはさらに深刻な状況に追い込まれるであろうと思いますけれども、最近の産炭地における中小企業の動向はどういうことなんですか。
○影山政府委員 主として北九州の産炭地の中小企業者を対象にいたしまして、産炭地の中小企業者のための保証保険の特例を認めておることは御承知のとおりでございます。その運用状況等につきましても、最近におきましては、福岡県が月中、一月におきまして大体千八百六十万円くらいの保証があるような状況でございます。そういう状況でございまして、従来から見ますと多少落ちついておる。それから従来北九州の商工会議所等を通じまして私どものほうへ特別金融等についての話が持ち込まれておったわけでございますけれども、そういう点も最近は多少下火になっておりまして、産炭地の炭鉱の閉鎖ということがございましても、労働者等もいろいろと現在の労務者不足ということで引き取り手もあるということで問題が私どものほうへ入ってくるのは従来よりも多少下火になっておるというふうなことかとも思いますけれども、まだこれは具体的に問題を取り上げて処理をしなければならないということもございますので、具体的に問題が起こるに従いまして、私どももそれの手当てをしていくということを考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 いろいろお尋ねしたいことがあるのですけれども、時間の関係もありますから、また別の機会にお尋ねいたします。
 この臨時措置法を今度内容的に若干改正されておるようでございますが、臨時措置法は恒久法にしなければならないという点とか、あるいはそれだけでなくて、通産大臣の指定基準とか、それから中小企業の認定基準というようなものを緩和していかなければならぬという点がこの前の附帯決議という形になっておる。ところが、内容的にはそこまでいっていない。ただ、第一種保険とか、第二種保険とかいうようなものを普通保険に一本化するという程度である。これでは私は不十分であると思うのですが、委員会の附帯決議を尊重するという立場からいたしますならば、もう少し内容的に前向きで改めていくということが必要ではなかったかと思うのでありますが、その点が小規模な改正にとどまったのはどういう理由によるのか。委員会の附帯決議というものが適当でないとお考えになったのか、ひとつその点をお答え願いたいと思います。
○影山政府委員 商工委員会の附帯決議におきますところの運用の緩和は、主として倒産関連保証保険の運用についての緩和の附帯決議でございまして、これは指定基準等は通産大臣がきめるということになっております。その指定基準等につきましては、附帯決議を受けまして、当初はこの倒産企業の指定基準が、対象になります企業の負債総額が、金融機関からの借り入れ金を除きまして十億円以上の企業の倒産でなければならないということになっておったわけでございますけれども、これを緩和いたしまして、十億円未満五億円以上の企業の倒産であって、当該企業の倒産が地域経済に著しい影響を及ぼすと認められる場合ということに運用を緩和いたしたわけでございます。
 それからもう一つは、親企業と密接な関係のある一次下請というものを指定をいたすことにいたしまして、その指定基準といたしまして、当初指定された倒産企業と相当の取引のある関連企業、または資本的もしくは人的結合の関係の強い系列企業が倒産した場合についても、この第一次下請を指定するということに緩和をいたしたわけでございます。そういう点で運用の面におきまして附帯決議を十分尊重して運用いたしておるような次第でございます。
○中村(重)委員 この第一種保険を今度はなくするわけですね。これを廃止して第二種保険と一緒にして普通保険ということに改めようとしている。ところが保証料率とかの問題で矛盾を感じるのですが、第一種保険というのは保険の限度というものが百万円ということになっておった。今度は普通保険という形にこれを改めてまいりますと、二百万円が三百万円になるということになる。ところが第一種保険の場合は保険料率というものが一厘五毛である。災害、産炭地とか倒産防止という形ではこれが一厘。ところが今度は普通保険ということになってまいりますと、一般が二厘二毛である。それからそうした特例によるものが一厘四毛があるという形になってまいりますと、この第一種保険の保証料というものが上がってくるという形になるのではないかと思うのですが、その点はそうではございませんか。
○影山政府委員 第一種保険を廃止いたしまして、それが普通保険に移行するという形をとるわけではございませんで、第一種保険は今度恒久化いたします無担保保険に包含されるということになりまして、従来の無担保保険の限度額二百万円を三百万円に上げるということになりまするので、第一種保険の保険料率でありますところの一厘五毛はそのまま無担保保険の一厘五毛に移行するということでございますので、影響はないわけでございます。
○中村(重)委員 その点はわかりました。
 それから特別小口保険というものは、これは当然今度は改正案をお出しになるであろうと思っておった。ところが、これはお出しにならないわけでありますが、これまた商工委員会の附帯決議というものは数項目にわたって、ぜひ近い機会にこれを改正しなければならぬという強い要望がなされておったわけですが、これに対して改正案をお出しになる予定がないということですか。
○影山政府委員 商工委員会の附帯決議におきまして、特別小口保険の限度を引き上げるという附帯決議がされておることは御指摘のとおりでございますが、先生の御承知のように、特別小口保険は従業員が五人以下、商業、サービス業につきましては二人以下でございますが、そういう小規模の中でも零細層に対しまして納税証明書というような形式審査だけで簡単に審査をして保証をしていくという制度でございますので、保証協会にとりましては非常に危険の多い制度であるわけでございます。そこで、この特別小口保険の限度を引き上げるという要請と同時に、まず特別小口保険の保証の実績を上げていかなければならないという要請がその前にあるわけでございまして、これは国会でも、当商工委員会等におきましても強く指摘されたところでございますが、まずその点に力をいたしまして、数次にわたりまして保証協会を指導いたしました結果、特別小口保険の意義というものにつきまして保証協会が相当努力をいたしてくれまして、最近におきましては相当程度実績が上がりまして、四十一年四月から四十二年一月までの実績は百二十六億円ということで、大体三月末までに四十一年度に予定しておりました計画をほぼ達成するのではないかというようなことでございますが、ただこれをさらに百万円あるいは二百万円に上げていくことにつきましては、まだ保証協会自体の基礎というようなものも考えあわせなければいけませんので、今回の改正にはこれは盛り込まない、引き続きこの特別小口保険の実績をさらに上げていくという方向で保証協会を指導いたして、商工委員会の附帯決議の御期待に沿いたいと考えております。
 それと同時に、もう一つは無担保保険を従来の二百万円を三百万円に上げるということで、また緩和をはかったわけでございます。この点御了承を願いたいと思います。
○中村(重)委員 これは実績を上げていくということになりますと、無担保保険の場合でもそうなんですが、また特別小口保険もそうなんです。ですから、もちろん実績というものは上げていかなければならぬ。いわゆる信用力のない中小企業、なかんずく小規模企業に対して信用補完というものを強化していくということは当然であるわけです。ですから無担保保険を、二百万円を三百万円にしたということも、その趣旨によっておやりになったということはわかるわけです。それならば、この特別小口保険も同様な考え方の上に立って改正をされる必要があったと私は思う。
 そこで実績についていろいろとお答えがあり、あなたはいま非常に危険があるとおっしゃったわけですが、特別小口保険あるいはこの無担保保険の代位弁済というものはどういう状況になっておるのか、一応その点を明らかにしてもらいたいと思います。
○影山政府委員 特別小口保険の代弁率につきましては、まだ実施して一年ばかりでございますので、すぐ実績は手元に資料はございますので申し上げますけれども、そうたいしたいまのところ代弁率にはなっていない。今後代弁率が増加するということは予想されるわけでございます。
○中村(重)委員 お尋ねした特別小口保険はどうですか。
○影山政府委員 ただいま御答弁申し上げましたのは特別小口保険についての実情でございます。
○中村(重)委員 この無担保保険もそれから特別小口保険も三十万円から五十万に引き上げたというのは同じ時期であったわけですが、ですから特別小口保険というものの調査がされておるならば、私はそのどちらも調査ができないはずはないと思う。したがって、いろいろな調査の結果、やはり改正の必要があるということで改正案をお出しになったはずなんだから、だから質問に対して、まだ実施してから期間があまり長くたっていないから調査をしてないのだ、答えられないのだということは適当でないと思う。
○影山政府委員 ただいま数字が出てまいりましたのでお答え申し上げます。
 特別小口保険につきましての代位弁済は百二十九件、三千六十六万四千円。
○中村(重)委員 特別小口保険についてあなたのほうでは、実績をあげることに重点を置きたい、そして商工委員会の附帯決議の趣旨を生かしていきたい、そうおっしゃった。ところが、私はこの前も御質問をいたしましたとおり、ともかく特別小口保険の金額を百万円程度まで上げていく必要があるということ、それから納税要件であるとか、まだいろいろときびしい条件がついておるわけでありますから、これを緩和していく必要があるのだということ、納税要件の中で住民税の所得割りというものがついておる。これは均等割りというのでいいのではないかということに対しては、保証協会のいわゆる能力といった点からそこまではまだ踏み切れない、そういうことであった。したがって、これを修正することなく、次の機会にこれの改正を期待して附帯決議がつけてあったわけです。ところが御承知のとおりに、税制の面におきましても、免税点を引き上げるという形が出てきておる、そうですね。課税最低限というものが非常に高くなってきたわけです。だからそうなってまいりますと、この所得割りというものがやはり納税要件としてそのままでありますと、超零細企業というものはこの特別小口保険の対象になり得ないことになる。この点やはり問題だと思うのです。あなたのほうで調査をしていらっしゃると思うのでありますが、今度の税制の改正に伴い、さらにこの免税点が高くなってきたわけですから、所得割りというものによってどの程度の収入以下のものはこの特別小口保険の対象になり得ないのか、それらの点は十分調査をしておられると私は思う。当委員会におきましても、その点が中心的に議論されるわけでありますから、だからあなたのほうとしては、改正しなくてもいいのだ、ただ実績をあげるということによって委員会の趣旨に沿っていきたいというようなことにはならないと私は思う。やはりそういう特別小口保険というのは、あえて私は特殊部落ということばを前回も使ったのでありますが、そういう特殊部落のこの特別小口保険というものに対しましては、もっときめこまかい調査をし、対策を立てていくということでなければならぬと思いますから、それらの点に対して一応お答えを願いたいと思います。
○影山政府委員 先生御指摘の点につきましては、この附帯決議等を受けまして今度の保険制度を改正いたしますにつきましては、中小企業政策審議会の金融小委員会におきまして、特に保険関係は去年の五月以来十回近く会合を開きまして検討いたしたわけでございまして、その際、先生御指摘の点は十分議題にあげまして検討いたしたわけでございます。その際に、所得割りの納税要件を廃止いたしまして均等割りにするということになりますと、まずおそらく実質的にはそういう形式要件がなくなるということに近いのではないか。そうなりますと、納税証明によるところの形式要件で審査をしないで、形式的に簡易な手続で小規模零細層のために保証をしてあげるという特色がなくなるのではないかというような点もございますし、また審査をいたしますと、とかく保証協会は小規模零細層につきましてはきびしい審査をするという点も顧慮されますので、この点につきましては、形式審査のままでいくのがベターであるという結論を出したわけでございます。そのかわり無担保保険につきましては、これは身内保証だけでもいいのだというような条件のやり方もあるわけでございます。小規模事業者のそちらの形式要件に該当しない人は無担保保険、しかもこれは身内保証というようなものを利用して、こちらのほうを活用していただきたい、こういうふうに私どもは考えた次第でございます。
○中村(重)委員 あなたのお答えは現実的ではないのです。いわゆる所得割りをはずす、均等割りだけだということになってくると、この審査というものが全般的に厳重になってくる、それは適当でないのだ、こうおっしゃる。現在どうしているのか。現在は所得割りを納めておるという納税証明だけでもって保証をしておるわけです。だからそれはそれでいいわけです。私はそれをするなとは言わない。それは従来のとおりおやりになればよろしい。そうしてその所得割りを納めていないそれ以下のもの、いわゆる均等割りだけを納めておる納税者に対する保証をする場合、やはりそれなりの調査をおやりになっていいじゃないか。何もやらなくて、ただ所得割りを納めてないから、こういうことだけで特別小口保険の対象からはずすということは、私は零細企業対策にならない、こういうわけです。課税最低限というものがずっと下がってきておる方向であるならば私は言いません。しかし、その課税最低限というものを引き上げて、できるだけ所得税を納めさせないようにしよう、そういう態度であるわけでしょう。一方においてはそういう善政が行なわれてきておる。だがしかし、所得割りを納めてないより零細性の強いところのそうした企業に対して、特別小口保険の対象からはずすということは矛盾があるのではないかというのです。だから、あまりにも形式にとらわれて実態を無視するという行き方は適当でないと思う。そういう人はどこへたよればいいのか。零細性の強い企業者というものは、これは企業といっても生業なんですが、ほんとうに朝暗いうちから夜暗くなるまでみずから経営に当たる。そして筋肉労働的な働きをしておる。そういう人たちを金融から見放してしまったらどうしたらよろしいのです。少なくともそういうものは社会保障によって救済すればよろしいのだという形では片づけるべきではないと私は思う。そういうものをできるだけ育成をしていくという配慮というものがなさるべきではありませんか。前回の法改正の場合にも、私はその点を強く申し上げた。だから、それに伴って与党の諸君ももっともだということで附帯決議というものがつけられたのですよ。ところが、あなたの答弁は、依然として前回の改正案のときの答弁と変わりないじゃありませんか。せめて今度改正案をお出しにならないなら、その趣旨に沿って調査をいたします、ところが実態はこういうことなのです、こういうことでもって、もっと納得のいくようなお答えがあれば別です。だがしかし、あなたのお答えは、納税要件なんというような、そういうものをくずすことになるのだ、あるいは全体の対象となるところのそういう業者の調査をしていかなければ、きびしい調査をしていかなければだめなのだというようなことで、前回と一つも違わない。議事録をお読みになってごらんなさい。あなたのお答えは少しも発展がありません。改正案もお出しにならない。どうも前回と少しも変わらない、少しも発展がないということで、委員会を納得させようという考え方は、私は甘過ぎると思う。それでは中小企業庁長官としてのあなたの任務はつとまらないのじゃありませんか。
○影山政府委員 先生の御主張、お話は、前回からもよく承っておるわけでございまして、その点も考慮いたしまして、中小企業政策審議会等におきましてもいろいろと審議をいたしたわけでございます。率直に申しまして、先ほど冒頭に申し上げましたように、保証協会自体にとりましては非常にリスキーな制度でございますのを、しりをたたきながらここまで実績をあげてきたということで、まず形式審査のものだけでも実績をあげていきたいということに重点を置いておるわけでございます。そういう点で、まだこの点についての改正というものがなされなかった点につきましては、おわび申し上げなければいけませんけれども、これは、対象中小企業者の資格要件は省令できめることになっておりますので、今後の運営状況を見ながら、先生の御趣旨に沿って、改正すべき点は改正したい、こう考えております。
○中村(重)委員 あらためて質問することがあります。だから、あなたのいまの答弁は、まあ前向きの答弁である、少なくとも委員会の附帯決議を十分尊重して、前向きで処理していくというような考え方であるということでありましょう、いまのあなたの答弁は。ですから、またあらためてお尋ねをいたしますが、特別小口保険の問題については一応私のほうも時間をあなたにかします。だから十分納得のいくひとつ措置をしていただきたいと思います。
 なお、これも附帯決議の中にあるわけでありますが、「中小企業信用保険公庫への出資の増額に努めること。」というのがあるわけです。これは、より具体的には、準備基金というものがもっと多く出資されなければならないということが、三十九年に七十九億円であった準備基金が、四十年になりましても八十一億四千万円というにすぎない。ところが先ほど来、あなたは保証協会の保証能力というものを高めていかなければならないのだということ。そのことのため、特に信用補完というものを強化していくというためには、どうしてもこの準備基金というものが相当増額されていかなければならないわけなのです。それでなければいわゆる資金量に食い込むということから、どうしても優良な企業にのみ保証していこう、こういう形になる。そしてほんとうに保証してもらわなければならないようなそうした超零細企業というものがはずされる。危険度が高いということではずすという形になってまいりますから、この準備基金をもっと増額をするということに対しましては、相当な取り組みをしておられるだろうと思いますが、この点はどうなのですか。
○影山政府委員 信用保険公庫に対します出資の中には、準備基金と融資基金の二つあるわけでございまして、準備基金のほうは中小企業信用保険公庫に損失が起こるという場合を予想して、国から信用保険公庫のほうへ出資をいたすということになっておりまして、現在八十一億四千万円ほど準備基金があるわけでございます。そこで、これだけあれば信用保険公庫自体の損失準備基金としては十分でございますので、本年度はこれの追加をいたしておりません。そのかわり融資基金、これは保証協会のほうで低利で貸し付けて、その信用保証協会自体の基盤強化にも寄与させたいという趣旨の基金でございますが、これは四十一年度は七十五億を、融資をいたす予算が取れたわけでございますが、四十二年度は九十五億円と二十億ほど増加をいたしております。これを活用いたしまして、信用保証協会のてこ入れをしていきたいということでございます。
○中村(重)委員 いまのあなたのお答えの現在八十一億四千万円あります、これで十分でございますというお答え、そのことが、あなたの考え方はきわめてうしろ向きですよ。八十一億四千万円というのが幾年間も全然変わっていない。ということは、この準備基金というものは運用益というものを期待しているということです。これでは準備基金というものの意味をなさない。ある程度はこれは危険だって伴うんですよ、保証というものは。したがって、これを食いつぶすことだってあるんですよ。しかし非常にきびしくして、この準備基金というものをそのまま据え置いて、その運用益ということによって保証協会の運営をはかっていこうという、そういう消極的なことでは小規模企業に対する信用補完というものを強化していくことにはならない。いかにあなたのほうの指導というものがうしろ向きであるかということがここではっきりする。どだいあなたの考え方が、八十一億四千万円あるから、これでだいじょうぶですという答弁です。これは動いていないでしょう。私どもが言っているのは、信用補完制度というものをほんとうに生かしていくためには、準備基金というものをもっと増額して、ある程度これを食いつぶすというようなことがあってもやむを得ないのではないか。あまりにも独立採算制を強化していって、そして安全第一主義という形でこれを運用するということになってまいりますと、この信用補完制度というものがほんとうに働かない。それではいけないのじゃないかというのが、この準備基金を増額しろという附帯決議の形となってあらわれているわけです。大蔵省はおそらくこの点に対しては相当きびしいのであろうと思う。ところが、あなたのほうがいまのような消極的な考え方を持っておりましては、そういうきびしい大蔵省に対して準備基金を増額させるということに私は成功しないと思う。いつまでたっても附帯決議は同じようなことを繰り返す、いわゆるマンネリ化してしまう、こういう形に私はなろうと思う。それではいけないと思うのですが、その点はどうなんですか。
○影山政府委員 「中小企業信用保険公庫への出資の増額に努めること。」という附帯決議の内容でございますが、先ほど先生御指摘の、準備基金をふやすという場合と融資基金をふやす場合と両方あるわけでございまして、この準備基金につきましては、先生御指摘のように、積極的な保証を保証協会がやるということによりまして、この損失が信用保険公庫のほうへかかってくる場合の準備基金でございます。これは私どもといたしましては、たとえば倒産関係につきましては、近畿地方の各県の信用保証協会あたりは損失覚悟で保証を積極的に行なっているというような状況もあるわけでございまして、そういう積極的な保証の指導は私ども従来からもやっておりますが、今後ともやっていくつもりでございまして、もしもそういう結果、八十一億四千万円が食いつぶされるということがあっても私どもはやむを得ない。これがもしも食いつぶされましたならば、原資と申しますかが減少いたしましたならば、それを補てんするという大蔵省への要求をするのにはやぶさかではないという考えを持っておるわけでございます。
○中村(重)委員 保険公庫への出資を増額しろというのが、融資基金と準備基金と二つあることはわかっている。ところが、この準備基金をもっと増額をしなさいということをいつも強くあなたのほうには要求しておるわけです。まあしかし後段のあなたのお答えというものによって、積極的に損失覚悟で取り組んでいこうというわけですから、そういうことでやってもらいたいと思います。八十一億四千万円あるんだからだいじょうぶだというような、運用益でこれを運用するというようなことが当然であるかのごとき消極的な先ほどの答弁というものは改めていかなければならない。後段にお答えになったようなことで取り組んでもらいたいと思うのです。
 なお、この保証協会の保証料率ということがいつも問題になるのでありますが、この点はどのように改善されましたか。
○影山政府委員 保証料率の引き下げにつきましては、その前提となりますところの保険料の引き下げをまず行なう必要があるわけでございますが、その保険料の引き下げにつきましては、去る四十年の十二月一日に三毛ないし四毛という大幅な引き下げを行ないまして、その引き下げに伴いまして各保証協会の保証料の引き下げを強力に指導いたしましたわけでございますが、その結果、現在の状況におきましては、五厘以上の保証料率を持っておる保証協会は皆無となりました。四厘五毛から四厘九毛の間が二十四協会、それから四厘から四厘四毛の間が十七協会、三厘九毛以下が十協会というようなことになっているわけでございまして、さらにこの四厘五毛以上の二十四協会等につきましても積極的に引き下げをさせるということを努力いたしているわけでございまして、たとえば長崎県あたりは高いほうから四番目くらいでございますけれども、この保証協会につきましては融資基金を四千万円ほど出しまして、それによりまして近く二毛の引き下げを行なうというような指導をいたしておるわけでございます。それと今度の保険制度の改正に伴いまして、普通保険を一毛ほど保険料を引き下げるということにいたしましたので、さらに一毛の引き下げを今後指導いたしていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○中村(重)委員 この保証協会のあり方というものにつきましては、また適当な機会にもっと掘り下げてお尋ねもしたい、また提言もしたいと思っておるわけです。もう保証協会というものは、これほど保証、信用補完制度を強めていくというようなことが最も重要視されておる現段階においては、やはりもっと保証協会の現在のあり方というものがこれでいいのかどうかという点については十分検討しなければならぬと思います。ですから、この保証料率の問題は、できるだけ一元化するような方向ということが望ましいわけです。そういうことでさらに研究をしておいていただきたいと思います。
 なお、この保証協会に対して出捐金というものがあることは御承知のとおりであります。この出捐金が、いまのところ各企業体等が出捐金を出します場合に課税の対象になっている。損失扱いにならない。これはいけない。したがって、当然保証協会に対するところの出捐金ということで企業等が協力をする場合、当然これを負債勘定に入れていくというようなことにしなければならない。これに対してはどうなんだということを私は当時三木通産大臣にお尋ねをしました。三木通産大臣はきっぱりと、これは税金をかけません、課税の対象にいたしません、免税をいたしますということをお答えになっております。その後どういうことに大蔵省との折衝はなっておりますか。今度は当然免税扱いに四十二年度からなるのでございましょうね。
○影山政府委員 先生御指摘の趣旨に沿いまして大蔵省とただいま折衝いたしておる次第でございますが、出捐金につきまして何らかの減免の措置をとるという方針は、私どもと大蔵省と一致いたしておるわけでございますが、その方法につきましてまだ一致しておりません。その方法論といたしましては、一つは、出捐金を指定寄付ということにいたしまして、これを全額損金扱いにするという方法と、もう一つは、これが出資について配当がないというところをとらえまして、出資の評価減を行なうというやり方があるわけでございますが、こちらの方法によりますと、石油資源開発株式会社に対する出資等の例を見ましても、二分の一の評価減ということになるわけでございます。これでは不十分であるということで、なお大蔵省と折衝の段階でございます。
○中村(重)委員 この法律案は三カ月期間を延長するということにすぎないわけでありますから、あらためてまた十分質疑をする機会があるので、きょうはこの程度で終ります。
○島村委員長 近江君。
○近江委員 時間の関係もございますので、こまかい点についてはまた一般総括的な質問の機会にさせていただきたいと思いますが、特に本制度の実際の利用面におきまして一、二の点についてお聞きしたいと思います。
 四十年の十二月にこの委員会で山本政府委員が、零細企業の数が非常に多く行き届いたサービスができない、そのときに信用保証協会が五十一、支所が百六十七、出張所が八、連絡所が六十八あり、今後ますますふやさなければならない、サービス網の拡充に力を尽くす、このように言われておるわけでございます。現在一年三カ月経過しておりますが、どのくらい拡充され、またサービスが行き届いているか、現状をひとつお聞きしたいと思うのです。
○影山政府委員 協会の数は県単位が四十六、市が五、合計五十一でございますが、この数はふえておりません。あまり数をふやしますと、たとえば県の出捐あるいは各銀行その他の団体の出捐ということにつきまして勢力が分散されますので、数はふやさないほうがいいというふうに考えておるわけでございます。
○近江委員 それから支所はどうですか、出張所、連絡所ですね。
○影山政府委員 支所、出張所につきましては、支所が百二十一カ所、出張所が九カ所でございます。
○近江委員 そこで、これは一人の中小企業者がこの制度を利用いたしまして実際にどのような現状であるか、この点をひとつここで申し述べてみたいと思うのです。この人はプラスチックの仕事をやっておる人なんです。ずっと経過を述べますと、四十一年の十二月五日に保証協会へ申し込みに行ったというんですね。そうしますとそのときに、銀行取引がないからだめだ、このように断わられました。知人の紹介で再び保証協会へ行ったわけです。そのときにある金庫を紹介されたわけでございます。その人の要するに紹介がありまして、十二月二十日にこの信用金庫から調査に来たわけです。それで一月七日に保証書が金庫に来まして、十五日に支店決裁、一月二十日に本店決裁を受けるという話がありました。二月八日に本店決裁になりまして、ちょうど二カ月目に三十万円の金を借りることができたわけなんです。ところが、御承知のとおり零細業者、中小企業者というのは、のどから手が出るほど金がほしいときに、申し込んで借りられない。この人はこの点において非常に悩んだわけなんです。だけれどもまあどうにか二カ月目に借りられまして、そしていざ借りる段になりますと、金庫の株を五千円買ってもらいたい、それからさらに定期をしてもらいたい、こういうようなわけで定期もさせられまして、そのときに公正料として千四百四十円あるいは利子等を引かれまして、八千四百九十一円引かれているわけなんですね。要するに、株を買わなければ貸さない、あるいは定期をしなければ貸さない、こういったことが現状なのです。確かに制度はりっぱにこのようにあるけれども、仏つくって魂入れずということがございますけれども、こういうような点におきましてほんとうに困っているこういった零細業者の立場を今後どのように保護なさっていくのか、この制度をどのように実際に生かされていくおつもりか、こういった現状の点からひとつ今後の処置、対策をお聞きしたいと思うのですが。
○影山政府委員 御指摘のような具体的な例は、私どもとしても非常に遺憾な例でございます。私どもといたしましては、信用保証協会あたりは、小規模零細層の人たちが保証に来た場合には、むしろ自分のところで保証をしてあげて銀行のほうをあっせんをしてあげるというふうなやり方をやるべきだという指導もいたしておるわけでございます。そういう点につきまして、私どもの指導が末端まで浸透いたしませんで、そういう実情があるということにつきましては、今後とも一そうそういう方向で指導を強化していきたいということを考えております。
 それから、先ほどの株を払い込めという問題は、おそらく、信用金庫あたりは会員制なものでございますので、その会員になれということを要求されたのではないかというふうに考えるわけでございます。それから、定期預金をしろというようなこと、これは歩積み両建ての悪例でございます。これは大蔵省とも一緒になって取り締まりをいたしておるような次第でございます。
 そういう点もございまして、私どもといたしましては、小規模零細層につきましては、国民金融公庫等の資金量あるいは支店網等も充実しまして、国民金融公庫あたりの借り入れという方向でそういう点の足らないところは補っていくということもいたしたいと考えておるわけでございます。
○近江委員 私はまだまだいろいろな具体的な問題があるわけでございますが、次の機会に譲ることといたします。要するに、本制度の活用におきまして、いま政府委員が答弁なさったように、ひとつあくまでもそういった業者を守るという立場におきまして、さらにこういった監督強化を特にここで要望しておきたいと思います。
 以上で終わらしていただきます。
     ――――◇―――――
○島村委員長 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。
 すなわち、公益事業に関する件調査のため、来たる二十八日、参考人として東京瓦斯関係者から意見を聴取することとし、その人選、手続等に関しましては、委員長に御一任願うことに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○島村委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。
 次会は来たる二十八日火曜日午前十時十五分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十五分散会