第058回国会 本会議 第10号
昭和四十三年三月十二日(火曜日)
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  昭和四十三年三月十二日
   午後二時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 行政機構の簡素化等のための総理府設置法等の
  一部を改正する法律案(内閣提出)及び行政
  機関の職員の定員に関する法律案(内閣提
  出)の趣旨説明及び質疑
   午後二時七分開議
○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。
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 行政機構の簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び行政機関の職員の定員に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(石井光次郎君) 内閣提出、行政機構の簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案、及び行政機関の職員の定員に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣木村武雄君。
  〔国務大臣木村武雄君登壇〕
○国務大臣(木村武雄君) 行政機構の簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 先般、政府は、行政の簡素化と能率化をはかるため、総理府本府ほか十七省庁について、それぞれ内部部局一局を整理削減することを決定し、また、これよりさき、各行政機関に置かれている審議会等のうち設置目的が類似するもの等について、その整理統合を行なうことといたしておりますが、この法律案は、これらの具体的措置を講ずるためのものであります。
 法律案の内容について御説明申し上げます。
 第一に、局の整理等についてであります。
 総理府本府につきましては、青少年局を廃止し、総理府の機関として青少年対策本部を置くことといたしました。
 警察庁につきましては、刑事局と保安局を統合して刑事局とし、同局に保安部を置くことといたしました。
 行政管理庁につきましては、行政管理局と統計基準局を統合して行政管理局とし、同局に統計主幹一人を置くことといたしました。
 防衛庁につきましては、教育局と人事局を統合して人事教育局といたしました。ただし、従来の教育局の所掌事務のうち、部隊訓練の基本に関する事務は、防衛局につかさどらせることとしております。
 経済企画庁につきましては、総合開発局と水資源局を統合して総合開発局といたしました。ただし、従来の水資源局の所掌事務のうち、公共用水域の水質保全に関する法律の施行に関する事務は、国民生活局につかさどらせることとしております。
 科学技術庁につきましては、資源局を廃止し、従来の同局の所掌事務のうち、資源の総合的利用のための方策一般に関する事務などは、計画局につかさどらせることとするとともに、同庁の附属機関として資源調査所を置くことといたしました。
 法務省につきましては、訟務局及び大臣官房経理部を廃止し、大臣官房に官房長及び訟務部を置くことといたしました。
 外務省につきましては、北米局と中南米・移住局を統合してアメリカ局とし、従来の中南米・移住局の所掌事務のうち、中南米諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整に関する事務などは、アメリカ局につかさどらせることとするとともに、大臣官房に領事移住部を置くことといたしました。
 大蔵省につきましては、理財局と国有財産局を統合して理財局とし、同局に次長一人を増置することといたしました。
 文部省につきましては、文化局と外局である文化財保護委員会を統合して文化庁とし、同庁に、次長一人のほか、長官官房、文化部及び文化財保護部を置くことといたしました。また、文化庁に附属機関として文化財保護審議会を置くとともに、従来の文化財専門審議会を廃止することといたしました。
 厚生省につきましては、国立公園局を廃止し、大臣官房に国立公園部を置くことといたしました。
 農林省につきましては、蚕糸局と園芸局を統合して蚕糸園芸局とし、これに伴いまして、食糧庁の業務第一部と業務第二部を統合して業務部とし、農林経済局に企業流通部及び国際部を置くことといたしました。
 通商産業省につきましては、鉱山局と石炭局を統合して鉱山石炭局とし、同局に石炭部を置くことといたしました。
 運輸省につきましては、観光局を廃止し、大臣官房に観光部を置くことといたしました。
 郵政省につきましては、監察局を廃止し、大臣官房に首席監察官一人を置くことといたしました。
 労働省につきましては、労働基準局と安全衛生局を統合して労働基準局とし、同局に安全衛生部を置くことといたしました。
 建設省につきましては、営繕局を廃止し、大臣官房に官庁営繕部を置くことといたしました。
 自治省につきましては、行政局と選挙局を統合して行政局とし、同局に選挙部を置くことといたしました。
 なお、以上のほか、大蔵省の財務参事官を財務官に改称し、通商産業省化学工業局の化学肥料部を廃止することといたしております。
 第二に、審議会の整理統合について申し上げます。
 審議会等につきましては、すでに一昨年、審議会等の整理に関する法律により、各府省を通じて三十四を整理いたしましたが、今回は、これに引き続きまして、大蔵省につきましては、金融機関資金審議会及び外国為替審議会を廃止し、農林省につきましては、中央作況決定審議会と農林漁業用固定資産評価審議会を統合して農林統計審議会とし、建設省につきましては、住宅対策審議会と宅地審議会を統合して住宅宅地審議会とすることといたしました。
 このほか、以上の措置に伴いまして、関係法律の規定の整備を行なうことといたしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することといたしておりますが、自治省行政局と選挙局の統合に関する規定は、本年八月一日から施行することといたしております。
 以上が、行政機構の簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 次に、行政機関の職員の定員に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 行政の簡素化、能率化を推進し、必要最小限度の人員で行政を遂行するためには、行政需要の消長に伴う定員の配置転換を、各省庁内はもとより、各省庁間を通じて強力に行なう必要がありますが、このためには各省庁別に定員を法定している現行の法制を改め、弾力的、合理的な定員管理制度を実現することがぜひとも必要でありますので、この法律案を提出した次第であります。
 法律案の概要につきまして御説明申し上げますと、まず、公務員数の抑制をはかるため、内閣の機関並びに総理府及び各省を通ずる定員の総数の最高限度を法定いたしますとともに、これらの機関別の定員は政令で定めることとし、定員配置を合理的、弾力的に行なおうとするものであります。なお、大臣、政務次官等及び自衛官の定員は、現行どおり別途法律で明らかにすることとし、また、五現業の定員は現行どおり政令で定めることとして、いずれも定員の総数の最高限度の対象には含めないこととしております。
 以上の制度改正に伴い、各省庁設置法等につき所要の改正を行なうことといたしております。
 以上が行政機関の職員の定員に関する法律案の趣旨でございます。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。(拍手)
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 行政機構の簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び行政機関の職員の定員に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(石井光次郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。武部文君。
  〔武部文君登壇〕
○武部文君 私は、ただいま趣旨説明のありました行政機構の簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案に対しまして、日本社会党を代表して、総理並びに関係閣僚に若干の質問を行なわんとするものであります。
 私がいまさら指摘するまでもなく、行政機構の改革は、戦後二十三年間における行政改革の変遷の歴史を見ただけでも、きわめて大きな政治課題であると考えるのであります。本来、行政改革の必要性は、行政に要求されている国民への奉仕が、最も民主的に、最も能率的に行なわれるということでなくてはなりません。しかるに、各省庁間のセクショナリズムと官僚主義のばっこによってこのことが忘却され、行政本来の機能が喪失されており、その回復をはかることこそが目的でなければなりません。それはまた、時代の進歩に沿って、それが要求する行政機構の確立をどのように進めていくかという問題であります。
 戦争直後の行政改革を見ますと、平和憲法の精神と平和日本の再建に向かって、きわめて大胆に方向づけがなされ、決断をもって実行された例を知るのであります。それは、第一に、大東亜省、陸軍省、海軍省、特高警察制度など、反民主主義的な制度が廃止され、第二には、終戦処理のすみやかな収束のために、終戦連絡事務局、戦災復興院などが新設され、第三には、戦後体制の民主化の推進と、経済の再建を目ざして、中央集権的な内務省は廃止され、他方、経済の民主化と、国民の生活を守るため、公正取引委員会、経済安定本部、物価庁などが新設されたのであります。
 これら一連の根本的な行政改革の断行は、敗戦というドラスチックな情勢があって初めて可能であったと考えられるかもしれませんけれども、行政改革とは、本来そのように、歴史の流れと、国民の輿望に沿ったものでなければならないと考えるのであります。
 しかるに、その後繰り返された行政改革は、官僚主義の復活と中央集権化であり、民主主義の空洞化でありました。第二次吉田内閣時代における行政機関定員法が典型的に示しているように、行政改革とはまさに行政整理の別名であったと断言できるのであります。第三次吉田内閣における行政簡素化委員会しかり、第五次吉田内閣における臨時行政改革本部またしかりであります。
 このように政府・自民党が、行政改革本来の使命を放棄し、いたずらに公務員労働者に対する行政整理を積み重ねてきた結果、今日の行政の硬直化を招来したのも理の当然であります。このように硬直化した行政機構を抜本的に改革し、国民に奉仕する行政体制をつくり上げるべく、その方向を明示したのが臨時行政調査会の答申であります。私は、もちろん臨調答申は多くの問題点を内包していると考えるのでありますけれども、国民に奉仕する行政の本旨からそれを見れば、その基本方向につきましては、勇断をもって推進すべきであると確信するものであります。しかるに政府は、昭和三十九年に臨時行政調査会答申が出された以降、これが実施についてはきわめて消極的であり、調査会委員をして政府の不決断をそしらせしめるという状態であります。
 ところが総理は、昨年十一月、日米首脳会談に出発するに先立って、突如として一省一局削減の宿題を各大臣に課したのであります。総理の行政改革あるいは臨調答申に対する受けとめ方が、本質的にこのような無原則なものであるとするならば、きわめて遺憾千万であると思うのであります。なぜならば、今日当面している行政改革は、そのような形式的、画一的、一時的な考えによって、望まれるべき行政の実現ができようなどとは、よもや総理自身も考えておられないと考えるからであります。それにもかかわらず、政府は、昨年来財政制度審議会をして、政府の無策によって生じた財政の硬直化を理由に、行政簡素化の答申を行なわしめ、さらに、去る二月二日の閣議におきましては、「今後における行政改革の推進について」を決定し、この思いつきの一省一局削減をあくまで断行しようとして、本法案の提出に踏み切ったものであります。本法案の内容を見ますと、臨調答申を無視し、国民が待望している行政改革についての声を逆用し、実効皆無の人気取りにすぎないと断定せざるを得ないのであります。(拍手)
 すなわち、本法案による行政簡素化の方向は、第一に、国民の輿望をになって新しく設置されたばかりの部局が削減されていることであります。第二には、各省庁において規模が小さく、したがって、省庁内において力のない部局が削減されていることであり、第三には、部局の少ない省庁においては総理のツルの一声に抗しかねて、苦しまぎれの統廃合をはかっていることでございます。これは臨調が指摘する行政改革の方向に逆行することはなはだしいといわざるを得ないと思うのでございます。(拍手)
 したがいまして、まず私は、行政改革の基本方針について、総理並びに行政管理庁長官にお尋ねいたします。
 総理の一省庁一局削減の指示以後において、行政監理委員会の民間委員六氏は、行政改革についての意見書を提出しております。その内容は、特殊法人の整理統合を中心に、四十三年度予算編成における機構、定員増加の抑制、各省庁の機構と事務の簡素化、国と地方の行政事務の再配分、中央省庁の出先機関の統廃合などを指摘しているのであります。しかるに総理は、意見書が指摘している基本的な行政改革については目をつぶり、弱小省庁と公務員労働者へのしわ寄せという形で現状を糊塗しようとしているのであります。この際、総理は、臨時行政調査会の答申並びに行政監理委員による意見書をどのように受けとめ、これを実現しようとするのかを明らかにされたいのであります。
 次に、日本国憲法の精神に沿って、今後推進さるべき行政改革の方向は、何よりも平和的行政制度の確立を目ざし、その民主化を断行することが今日の最大の必要事であると考えるのであります。しかるに、総理が昨年来強調されている行政改革の方向は、全く場当たり的であり、かつ、行政の民主化に逆行し、そのしわ寄せを働く国民に押しつけようとするものと断ぜざるを得ません。総理並びに行政管理庁長官は、臨調答申でも指摘している行政の民主化をどのような方針をもって具体化するのか、明らかにされたいのであります。
 私がこの際申し上げたいのは、臨調答申でも明らかにしているように、行政の民主化とは、地方自治を強化する方向で行政事務の地方への大幅な委譲をはかることであり、また、公務員制度についても、いたずらに定員削減をはかることではなく、公務員にも原則として団結権、団体行動権、罷業権の労働三権を認め、さらには、高級官僚の民間企業並びに政府関係機関への天下り人事を全面的に規制し、かつ、選挙への立候補制限を強化することであると考えるのであります。このことによって、初めて官僚のばっこによるセクショナリズムとマンネリズムを排除することが可能であると考えるのでありますが、総理並びに行政管理庁長官の英断を求めたいのであります。明確な見解を示していただきたいのであります。(拍手)
 次に、本法案につきまして関係閣僚に具体的に質問いたしたいと思うのでありますが、その前に、一般的な問題として、部局の整理のしかたについて若干お伺いをいたします。すなわち、法務省の訟務局、郵政省の監察局、経済企画庁の水資源局、科学技術庁の資源局、防衛庁の教育局などについて、これらの共通していることは、各省庁内において規模が小さく、いわゆる力の弱い部局に一省庁一局削減がしわ寄せされていることであります。言うまでもなく、行政組織の各部局は、規模の大小を問わず、国民生活への奉仕と行政需要に沿って設置されるべきものであり、その削減もこの観点から合理的になされるべきであるにもかかわらず、これを画一的に行なおうとすることこそ、官僚主義の端的なあらわれであります。(拍手)この点について総理はどのように考えておられるのか、明確な答弁を賜わりたいのであります。
 厚生省におきましては、三十九年七月に部から昇格した国立公園局が削減の対象になっているのであります。これは厚生省におきましては、同省の十局中で最も新しい局でありますが、申すまでもなく、この局が設置ざれたのは、わが国の天然資源の保護と、山や海へのレジャー人口の増大に伴う対策を中心とする国民生活に密着した部局であり、国民の健全な情操の育成のためにも欠かせないものでありますが、またまた官房の一部とすることは、新設の際の提案の理由はそんないいかげんなものであったのか。厚生大臣よりこの点を明確にしていただきたいのであります。
 次に、労働省の労働安全衛生局は、三十八年の三池炭鉱の大爆発事故を機として、何ものにもかえがたい、とうとい人命を守るため、また災害による社会的財産の膨大な損失を防ぐため、昨年の八月、総理裁断によって、ようやく設置されたばかりのものであります。にもかかわらず、これを一省一局削減の対象とするなどは、人間尊重を説く佐藤内閣のもとで、まさに犯罪的行為といっても過言ではないのであります。(拍手)労働大臣は、わが国の労働災害絶滅のために、その決意を明らかにされたいのであります。
 次に、自治省における選挙局あるいは警察庁における保安局などの統廃合についてであります。言うまでもなく、自治省選挙局は主権在民の憲法が保障する国民の参政権の正しい行使に携わっているのであり、現在、一昨年来の黒い霧と呼ばれる一連の事件の反省から、政治資金規正法や選挙法の改正の必要が叫ばれているのであります。このようなときに選挙局を削減することは、国民の期待する清潔な政治を裏切り、国民の基本的権利の保障に何ら考慮を払っていないことのあらわれであります。
 さらにまた、警察庁保安局は、三十三年に刑事局から分離独立したものであり、特に風俗営業、麻薬や火薬類の取り締まりなど、社会生活の病巣を断ち、国民の安全確保に深いものでありますが、これらの諸点について、自治大臣、国家公安委員長はどのような所見を持っているのか、明らかにされたいのであります。
 最後に、一省庁一局削減のもとに、文部省においてはきわめて反動的な方向がとられようとしていることであります。従来の文化財保護委員会を廃止し、直接に文部大臣の指揮命令を受ける文化庁に改めようとしています。正しい日本の民族文化の保護はもとより当然のことであり、その保護は一大臣によって左右さるべきものではありません。それゆえに、文化財保護委員会は、今日まで行政委員会として、その独善を排し、民主的な運営によって文化財の保護につとめてきたのであります。それを思いつきの一省庁一局削減に名をかりて、民族文化の保護までも政府の思いのままの統制に服させようとする中央集権的な姿勢にきわめて大きな危惧の念を抱くものでありますが、文部大臣の明確な答弁を要望して、私の質問を終わるものでございます。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 武部君にお答えいたします。
 お説のように、臨調の答申というものは行政各般にわたっておりますし、またその中身はずいぶん基本的な問題も含んでおります。したがいまして、この答申の趣旨には政府はもちろん異存はございませんけれども、これを実現いたしますためには、相当の時日を要することは当然でございますので、いましばらく時間をかしていただきたい、かように思います。今後の行政諸施策の上に十分答申の線を取り入れまして、これの実現をはかっていく考えでございます。また、行政監理委員会の意見も答申の内容と一致しておりますので、ただいま行政管理庁におきまして、行政改革三年計画の作成に当たっておりますが、その過程におきまして、十分尊重していく考えであります。
 なおまた、お話にありました昨年十一月の行政監理委員会のいわゆる六人委員による意見の提出でありますが、この趣旨の実現につきましても同様であります。定員の縮減であるとか、あるいは一省庁一局の廃止、あるいは行政改革計画の作成であるとか、あるいは特殊法人の整理であるとか、これらにつきまして、すでにその線に沿って種々作業をしておる次第でございます。
 こういうようないわゆる行政機構の改革と取り組みますその態度、これは申すまでもなく、行政の需要に応じての、また行政のその需要の消長に応じての弾力的な機構であるべきだという、その考え方であります。したがいまして、御指摘になりましたように、行政機構の改革にあたっては、民主化の方向でなければならない、これがわが国の基本的国是でもある、かように私も理解しております。
 そこで考えられますことは、まず第一が国と地方の事務の再配分の検討の問題であります。第二におきましては、公務員制度の改革、これは同時に定員の削減の問題も含んでおります。第三が民間の協力を得るいわゆる行政委員会及び審議会制度の活用だ、かように私は考えておりまして、この点を、答申をいただいておりますので、その線に従って成果をあげるように努力するつもりであります。
 その際におきまして、まず、労働基本権の確立をすべきだ、こういう武部君の主張でございます。しかし、御承知のように、公務員、いわゆる地方公務員を含めまして公務員の職分には特殊なものがございます。いわゆる全体の奉仕者という立場におきまして、職務を誠実に行なうという責務があります。そういうような意味から、団体交渉権であるとかあるいはストライキ権、いわゆる労働基本権といわれるようなものにつきまして、ある程度の一定の制約を受ける、これは当然のことだと私は思います。そうしてこのことは、過去の判例においても示すように、いわゆる憲法違反ではございません。なおまた、公務員の労働関係基本に関する事項は公務員制度審議会に諮問いたしておりますので、この委員会から答申があれば、答申を尊重してこれを実施に移す考えでございます。
 次に、いわゆる天下り人事、これは民主化と逆行するという御指摘であります。これらについての御批判は、もうすでに私どもの耳にも達しております。しかし、この際に、公務の公正をそこなうおそれのあるような天下りは絶対に防止するという政府のはっきりした態度を申し上げておきます。
 また、高級公務員の立候補制限につきまして、すでに御承知のように、三十一年の法改正にあたりましては、公務員の地位利用の禁止であるとか、あるいは地盤培養行為の禁止、あるいは連座制の強化などによりまして、これらの制約を加えております。これは、高級公務員というものだけを制限することが、憲法上あるいは立法技術上いろいろ問題のある結果でありまして、ただいまのような三点で制限が加えられていることはすでに御承知でございます。
 次に、一省庁一局削減の問題でありますが、これにつきましては、ただいま御批判をいただきました。私はこれをもっていわゆる足れりとするものではございません。申すまでもなく、政府が行政改革に対する基本的態度として、これと真剣に取り組むのだ、こういう意味で一省庁一局削減という困難な事柄を命じたのでありまして、いわゆる政府の積極的姿勢、かように御理解をいただきたいと思います。そうして、これがどうも弱いところをいじめたのではないか、あるいは小さい局だけを整理したのではないか、かような御批判をいただいておりますが、この一省庁一局削減、まず手始めにこれにかかりました際に、いわゆる小さいところのもの、比較的行政需要が現在小さなもの、そういうところに手をかけるのは当然だ、かように思いますので、ぜひともこれを実施したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
  〔国務大臣灘尾弘吉君登壇〕
○国務大臣(灘尾弘吉君) 文化庁設置の趣旨についてまず申し上げたいと存じます。
 御承知のように、文化財保護行政は、従来御指摘のとおりに、行政委員会制度によって行なわれてきたのであります。しかし、この伝統文化財の保護に関する行政と、主として内局である文化局で行なわれてまいりました新しい芸術文化の振興に関する行政とは、きわめて密接な関係にありますので、両者の調和をはかりまして、一体的な行政を進めることがより適切であろうと考えたのであります。また、最近の国土開発事業の活発化に伴いまして、文化財保護の立場から、開発行政との調整をはかる必要が強まってきております。この問題につきまして、適切かつ迅速な措置が必要とされてきた、このような事情から、文化財行政の専門性を確保しながら、責任体制をより一そう明確にする必要があると判断いたしまして、今回文部省の外局として文化庁を設置することにいたしたのであります。
 なお、文化財保護行政の専門的、技術的な面につきましては、文化庁に新たに内閣の承認を得て、文部大臣が任命する五人の委員で組織する文化財保護審議会を設け、文化財の指定、解除、その他文化財保護行政上重要な事項につきましては、必ずこの審議会に諮問することといたしております。今後は、この審議会の調査、審議を尊重いたしまして、慎重な配慮を加えつつ、施策を進めてまいるつもりでおります。(拍手)
  〔国務大臣赤澤正道君登壇〕
○国務大臣(赤澤正道君) 私の所管について申し上げます。
 自治省は、事務の内容だとかその分量などを考えまして、結局選挙局を行政局に統合することにいたしました。御指摘のとおりに、いま政治資金規正法の改正、参議院議員の選挙の執行など、重要な事務が予定されておる段階でございますので、特に他の省庁と区別して、期日について八月一日から施行することといたしました。選挙局が当面しておりますそれらの事務の円滑な執行に支障がないように、十分配慮をいたしてあります。
 次に、警察庁でございますが、警察庁は、いまの国内の治安情勢、また各局の業務量などを検討した結果、保安局をやめまして、これを刑事局に統合することといたしました。御質問のような事務につきましては、実際は都道府県警察が処理しておりますので、御質問のような懸念がないように、刑事局に保安部を置きまして、都道府県警察を十分督励してまいりたい、かように考えております。(拍手)
  〔国務大臣小川平二君登壇〕
○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。
 安全衛生局は、労働災害防止対策の重要性にかんがみまして、昨年設置を見たのでございますが、行政の簡素化という高度の政治的要請にこたえるための政府の方針に従いまして、これを労働基準局に統合いたしまするとともに、同局に安全衛生部を設けることといたしたのでございます。労働省の各部局がそれぞれ労働行政の重要な分野を担当いたしておりまするが、この際、局の廃止後においても、所管行政の継承が円滑に行なわれるような方法を選ぶほかない、かような観点から、今回の措置をとったのでございます。今後産業安全ないし労働衛生の問題の重要性はますます高まってまいりまするから、人命尊重の見地から、安全衛生行政の強力な推進につとめ、新機構のもとにおきましても、一そう行政内容の充実をはかってまいりたいと存じます。(拍手)
  〔国務大臣園田直君登壇〕
○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおり、新しく設置されました国立公園行政は、開発が急速に進み、公害が大きく出てまいました今日、国民の保健と休養のために、自然の温存、保護のために、きわめて重要な行政ではありますが、課の定数及び事務量が少ないため、いろいろ苦慮しました結果、政府の一局削減の方針に従い、公園部といたしました。(拍手)
  〔国務大臣木村武雄君登壇〕
○国務大臣(木村武雄君) 武部君の御意見どおり、占領政治の時代には、行政改革の見るべきものはあったが、占領政治がなくなってから見るべきものはないという歴史的な考察は、非常に卓見であります。それについても、思い切って行政改革はやってみたい、こういう考えでいま取り組んでおります。
 臨調答申は、行政改革の一種のバイブルのようなものでありまして、その内容は十六項目に分かれておりまして、いずれもりっぱなものであります。これは、これから行なわれまする三年間の行政改革の中に、その大半を織り込んでいくつもりであります。その端緒となりましたのが一省庁一局削減でありますが、この問題は、各省庁の自主的におまかせいたしまして、管理庁は何らの行政干渉はやっておりませんです。したがって、各省庁の良識のもとに行なわれたものでありまして、さすがに判断は聡明であったと感服いたしております。しかし、足らざる点は、これから行なわれまする行政改革の中で補正してまいりたいと考えております。
 十一月九日の行政監理委員会の答申でありまするが、この四つの項目のすべては、四十三年度の予算の中に織り込みまして解決いたしておりまするが、行政改革は、いろいろな点でなかなかむずかしい問題であります。困難な問題でありまするから、どうかお気づきの点がありましたならば、遠慮なく御指導くださるようにお願いを申し上げます。(拍手)
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○議長(石井光次郎君) 浜田光人君。
  〔浜田光人君登壇〕
○浜田光人君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案されました行政機関の職員の定員に関する法律案に対して、質問を行ないます。
 本法案は、表面のみを見ますと、各省定員の設置法上の規定を解除し、各省の定員をプールすることによって、国家公務員の定員総数を一本にくくり、各省定員を政令定員として、人事の弾力的、機動的、合理的運用をはかるという、一見すこぶる単純な法案のように見えるのでありますが、しかし、現在、政府・与党の進める諸政策、特に憲法を否定するかのごとき発言、さらに軍備拡張をほのめかす発言等々、あるいは核に関する政策に見られるごとく、きわめて反動的で、本音とたてまえが全く相反し、その中に包含するものはきわめて陰険で、巧妙にして悪質な深いたくらみのあることがうかがえるのであります。(拍手)
 その第一は、財政硬直化の名のもとに、三カ年間に五%の人員削減を行なうという、いわゆる二万五千二百余名の首切りであります。
 現在、国家公務員の総定員は、政府統計によっても明らかなとおり、世界の主要資本主義国と比べても最も少なく、そのため、公務員一人当たりの人口比は、フランスが四十六人、イギリスが五十三人、アメリカが七十八人、日本が百十人となっているのであります。最近六カ年間における国家公務員全体の定員増加十万八千百三十九名の五三%は自衛隊と五現業の職員で占めており、立法、司法、行政公務員の増加は、国立学校の増員を除けば、二万人にすぎないのであります。それにもかかわらず、政府は、その点については一言も触れておりません。財政硬直化の主たる原因は人件費にありとしているのでありますが、自衛隊と五現業を含んでも、人件費は、一般会計と特別会計の支出総額の一〇%程度にすぎず、自衛隊と五現業を除けば、その四ないし五%にすぎないと見られることから、財政硬直化の真の原因は、長年にわたる政府・自民党の放漫にして乱雑きわまりなき財政、公債政策の行き詰まり、物価政策の失敗にあることは周知の事実であります。(拍手)これは、みずからの政策の失敗の結果を、何の罪もない公務員に、ひいては国民に転嫁せんとするものにほかなりません。
 このような状況にもかかわらず、本法案を提案するそのねらいは、国家公務員法第七十八条に、「官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」は、本人の意に反する降任及び免職ができるとなっていることから、法によらず政令によって、いとも簡単に公務員の首切りを行なおうとするところにあるに相違ないといわなければなりません。(拍手)
 第二には、反動政策並びに反動行政を推進しようとするたくらみをうちに秘めているということであります。
 政府資料によると、三年間五%削減の中身を見ますと、各省別の増減に著しいアンバランスがあり、また省によっては五%近い削減を受ける部門と、逆に四%近い増員が行なわれる部門とがあります。特に全体として総定員の削減をはかりながら、自衛官〇・三五%、検察官一・六%、公安職員〇・四%、局長以上の高級官僚などの指定職八%などに見られるごとく、政府・自民党の反動行政が必要とする部門が著しく増強されているのであります。他方、国民への行政サービスの中心となる技能労務職員については、四千名に及ぶ削減を行なおうとしているところから見ても、政府のいう定員削減がどのような意味を持つかは、おのずから明らかであります。
 加えて、これまで各省の定員は、各省設置法によって、国の最高機関である国会の場で決定してきたのでありますが、それを政令によってきめようとするのは、このような国民への行政サービスの切り捨て、反動行政部門の強化に拍車をかけるものであります。(拍手)たとえば、国防教育を推進しようとするならば、それに必要な文部定員の増員を自由に行ない、さらにまた、自主防衛云々等について情宣活動を行なおうとすれば、内閣広報室員あるいは自衛隊における、いわゆるせびろ組等をいとも簡単に増加させることができるようにするのが最大のねらいであります。(拍手)
 第三には、さらに重大であるのは、内閣が国の最高機関としての国会の審議権を冒涜し、国会の権限を縮小し、逆に内閣の権限の拡大をねらっていることであります。
 由来、行政は、公共性をその本質とするものでありますから、政府は、国民に対し、行政の現状を常に明らかにする義務があるのであり、また、主権者たる国民の意向が行政の具体的方向となって実現するためにも、立法や予算と同様、行政組織の規模ないし機構、機能について、国民がこれを客観的に把握できる制度にしておく義務があるのであります。これは、行政費用が国民の税金によってまかなわれていることの当然の帰結であり、国家公務員の定員を法律によって規制すべしとする根本的理由でありまして、これらは国家行政組織法が明確に規定するところであります。
 しかるに、本法案がねらいとする国家行政組織法第十九条の定員に関する条項の削減は、単に定員についてのみの改正にとどまらず、国会の審議の及ばぬ行政権力の場において、行政の機構、規模、機能全般について、一方的に改悪することができるという結果をもたらすのであります。なぜならば、行政の機構、規模、機能を具体的に保障しているのは、国家公務員の人員、質、配置であるからであります。行政に対し、国会の審議を無用とするこのような政府の意図は、ひいては問答無用の行政を国民に押しつけるものにほかならないと断言せざるを得ないのであります。(拍手)
 第四に、国家公務員の基本的権利の侵害であります。
 本法案が国家公務員本人の意に反する免職、配置転換を、法律によってではなく、閣議決定による政令によって行なうことを定めていることは、これまで述べたとおりであります。ところで、本法案の対象となる一般職の国家公務員は、政府のたび重なる労働法改悪によって、労働者でありながら、労働基本権たる団体交渉権を剥奪されているのでありますが、そのような状態の中で、一方的な免職、配置転換命令に対し、これら公務員はどのような手段によって憲法二十八条、ひいては二十五条に保障される労働者の権利、国民の権利を主張することを許されるのでありましょうか。吉田内閣以来今日に至るまで、政府・自民党によって労働者としてのその権利を奪われてきた国家公務員に対し、国民としての権利、生存権までも放棄せよというのが本法案のねらいであります。
 以上述べましたとおり、本法案は、国民が求め、さらに臨時行政調査会が答申した行政改革の方向とは似ても似つかぬ方向にゆがめられていることが明らかであります。真に国民の立場に立った行政改革とは、何より平和、民主主義、国民福祉のための行政改革、憲法擁護とその積極的実践のための行政改革でなければならないのは申すまでもありません。(拍手)政府の言う行政改革、すなわち一省一局削減と五%削減、総定員制の中身がこれに全く逆行するものであることもまた明らかであります。
 以上のごとき観点から、総理大臣並びに関係閣僚に対して、次の点につき質問いたします。
 第一に、総理にお尋ねいたします。三十九年十一月の臨時行政調査会の答申以来三年余りの間、政府は、答申は尊重すると繰り返すのみで、答申に沿った何らの具体策も講じなかったではないか。しかるに、今回にわかに一局削減と人員整理を伴う総定員制を規制づけているが、真の行政改革の基本的なあり方をどのように考えておられるのか。また、昭和二十四年に、第二次吉田内閣は行政改革を唱えておきながら大規模な人員整理のみを行なったのであるが、今回もこれと同様、強制的配置転換に伴う合法的行政整理が目的ではないのか、お伺いいたします。
 第二に、大蔵大臣にお尋ねいたします。このたびの政府の行政改革の方針は、財政硬直化を理由とする大蔵当局の強い要請によると聞き及んでいるのでありますが、一般職国家公務員の五%、二万数千人を三年にわたって削減したところで、これに相当する人件費はジェット戦闘機数機分の費用程度にすぎないと思われるのでありますが、経済の専門家たる大蔵大臣は、これにより財政硬直化が打開できると本気で考えているのかどうかをお伺いいたします。(拍手)
 第三に、労働大臣にお尋ねいたしますが、団体交渉権のない国家公務員の免職、配置転換が政令で行なわれようとするときに、これら公務員の憲法に保障された労働基本権、生存権を労働行政の観点からどのように保障するのであるか。もしこの法案を制定するとするならば、まず争議権、団体交渉権を国家公務員に認め、彼らにみずからを守る体制を与えてから制定すべきではないかと思うが、所信のほどをお伺いいたします。
 第四に、行政管理庁長官にお尋ねいたします。第三十八回国会における国家行政組織法等の一部を改正する法律案の提案理由の説明において、当時の小沢国務大臣は「定員というものは、本来組織の規模を示す尺度であり、行政機関の規模は、機構と職員の定員により規制されるべきものでありますから、従来のように定員のみを切り離して規定することは適当でないと思われますので、各省庁等の必要とする具体的な定員については、従来規制の対象としていなかった特別職の職員をあわせて、それぞれ当該省庁等の設置法に規定するようにいたしますとともに、行政機関職員定員法を廃止し、これに伴い関連法律に所要の改正を行なうものであります。」と述べておりますが、わずか七年の間に政府の政策が百八十度転換するのはいかなる理由によるものであるのか、お伺いし、さらに、今回の総定員制が行政サービスの改善を実現するという理由はいかにお考えになっておるのか、お尋ねいたします。(拍手)
 最後に、総理にお尋ねいたします。一方では行政改革と称した権力政治、片やネコの目のように変わる政策、さらに本音とたてまえの違う今日の政治のもとで、汚職、腐敗はますます増加し、それに基因した政治全体への国民の不信感は、ぬぐい去るどころか、ますます拡大するのではないかと思うが、これに対して佐藤総理はいかに考えているのか。
 さらにもう一点、十九世紀以前の国家は、国民に対しその自由を制約する警察国家たる性格を持っており、国民は常に安上がり政府を望んでいたのであります。しかるに、今日の国家の使命は国民の福祉の向上にあり、自民党自身も福祉国家の建設を口にしておるほどであります。二十世紀後半の今日において、単にかつての安上がり政府のみを考えることは、世界の大勢を知らず、福祉行政を放棄したものと断定して、私の質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 浜田君にお答えいたします。
 行政改革についての基本的な政府の考え方は、先ほど武部君に詳細にお話をいたしましたから、これでひとつ御了承いただきたいと思います。
 そうして、お尋ねになりましたように、今回のこの行政の改革は整理が目的ではないか、かようなお尋ねでございますが、私どもはさような考え方をいたしておりません。出血整理は考えておらない、これをはっきり明言し、大きい声で申し上げておきます。
 さらに第三の問題で、綱紀粛正についてお尋ねがございました。御承知のように、私はしばしばこの点について触れてまいりました。政府自身は、綱紀粛正、これを十分厳正に保たなければいけない。真に国民に奉仕する行政、公務員であってほしい、かように思います。そのためには、まず行政についての規律を厳格にしなければならない。職務規律を厳正にし、内部監査も厳格にいたしまして、国民から信頼を受ける政府にするという考え方でございます。いわゆる安上がりの考え方で、私どもは安上がりの政府をつくる、かような考えは毛頭持っておりません。申すまでもなく、行政の需要というものは、そのときどきによりまして消長がございますから、この消長に応じて定員の適正なる配置をすること、これが政府の責任であります。私どもはさような意味で、ただ安いからそのほうがいいというような安易な考えではございません。
 なお、いろいろお尋ねございましたし、また、御意見を述べられましたが、その多くは、政府の考え方とずいぶん違う方向でございます。どうか委員会の審議を通じまして、その点を明確にしていただきたいと思います。(拍手)
  〔国務大臣小川平二君登壇〕
○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。
 この法律は、各省庁を通じての定員の総数の最高限度を定めております。これによって、従来よりも弾力的な運営が可能になることは事実でございますが、各省庁別の定員は政令で定められることになっておるのでございまして、決して恣意的な、ほしいままな配置転換が行なわれるわけのものではございません。もとより、いわゆる出血人員整理を行なおうとするものでもなく、これによって公務員の基本的権利が制約を受けるわけでもないのでございます。この法案の代償として、スト権、団体交渉権等を認めよという御要求に対しましては、したがいまして御賛同申し上げかねるのでございます。(拍手)
  〔国務大臣木村武雄君登壇〕
○国務大臣(木村武雄君) お答え申し上げます。
 行政は国民のものであって、個人のものでも特定団体のものでもありません。したがって、今度の行政改革にあたりましては、いささかでも反動化、非民主化などという大それた考えは持っておりませんです。ただ、考えておりまするのは、現在の複雑な官僚の行政を簡素、能率化して、国民の行政として国民に対するサービスを第一義として考えております。したがって、そのための配置転換などもまたあり得ると思いまするが、行き過ぎがありましたならばお教えくださるようにお願いを申し上げます。
 三十六年度まで実施されておりました定員法でありまするが、小沢大臣のときに今日まで行なわれておりまする設置法にかわったのでありまするが、やはり両方を実施してみますると、そこには一長一短があるものであります。それを採長補短いたしまして今度の法律案にしたのでありまするから、御賛成くださったならば非常に幸いであります。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇〕
○国務大臣(水田三喜男君) 国の必要な財政需要に対処できるためには、何よりも行政費の効率化が必要であるというふうに考えております。したがって、今回の措置は、やはり財政弾力化への第一歩を踏み出したものというふうに考えます。(拍手)
○議長(石井光次郎君) これにて質疑は終了いたしました。
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○議長(石井光次郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時十四分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
        厚 生 大 臣 園田  直君
        労 働 大 臣 小川 平二君
        自 治 大 臣 赤澤 正道君
        国 務 大 臣 木村 武雄君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 高辻 正巳君
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