第058回国会 社会労働委員会 第14号
昭和四十三年四月九日(火曜日)
   午前十時五分開議
 出席委員
   委員長 八田 貞義君
   理事 小沢 辰男君 理事 佐々木義武君
   理事 田川 誠一君 理事 橋本龍太郎君
   理事 河野  正君 理事 田邊  誠君
   理事 田畑 金光君
      大坪 保雄君    大村 襄治君
      海部 俊樹君    齋藤 邦吉君
      世耕 政隆君    田中 正巳君
      竹内 黎一君    中山 マサ君
     三ツ林弥太郎君    箕輪  登君
      粟山  秀君    渡辺  肇君
      枝村 要作君    加藤 万吉君
      後藤 俊男君    島本 虎三君
      西風  勲君    平等 文成君
      八木 一男君    八木  昇君
      山本 政弘君    本島百合子君
      大橋 敏雄君    伏木 和雄君
      關谷 勝利君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 園田  直君
        労 働 大 臣 小川 平二君
 出席政府委員
        内閣官房副長官 亀岡 高夫君
        防衛施設庁長官 山上 信重君
        防衛施設庁施設
        部長      鐘江 士郎君
        防衛施設庁労務
        部長      江藤 淳雄君
        厚生大臣官房長 戸澤 政方君
        厚生省医務局長 若松 栄一君
        郵政政務次官  高橋清一郎君
        郵政省郵務局長 曾山 克巳君
        郵政省貯金局長 鶴岡  寛君
        郵政省簡易保険
        局長      竹下 一記君
        郵政省人事局長 山本  博君
        労働政務次官  井村 重雄君
        労働大臣官房長 石黒 拓爾君
        労働省労政局長 松永 正男君
        労働省労働基準
        局長      村上 茂利君
        労働省職業安定
        局長      有馬 元治君
 委員外の出席者
        郵政省電波監理
        局法規課長   福守 博一君
        参  考  人
        (雇用促進事業
        団理事)    竹内 外之君
        専  門  員 安中 忠雄君
    ―――――――――――――
四月五日
 委員枝村要作君辞任につき、その補欠として岡
 田春夫君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員岡田春夫君辞任につき、その補欠として枝
 村要作君が議長の指名で委員に選任された。
同月九日
 委員福永一臣君及び増岡博之君辞任につき、そ
 の補欠として三ツ林弥太郎君及び大村襄治君が
 議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員大村襄治君及び三ツ林弥太郎君辞任につ
 き、その補欠として増岡博之君及び福永一臣君
 が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月二日
 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
 案(内閣提出第六三号)
同月一日
 戦争犯罪裁判関係者に見舞金支給に関する請願
 (荒木萬壽夫君紹介)(第三二五一号)
 医師、看護婦の増員に関する請願(板川正吾君
 紹介)(第三二五二号)
 同(川崎寛治君紹介)(第三二五三号)
 同外二件(河野正君紹介)(第三二五四号)
 同(久保三郎君紹介)(第三二五五号)
 同外一件(神門至馬夫君紹介)(第三二五六
 号)
 同(武藤山治君紹介)(第三二五七号)
 同(山本政弘君紹介)(第三二五八号)
 同(川上貫一君紹介)(第三三一八号)
 同(神門至馬夫君紹介)(第三三一九号)
 同(田代文久君紹介)(第三三二〇号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第三三二一号)
 同(林百郎君紹介)(第三三二二号)
 同(松本善明君紹介)(第三三二三号)
 同(森本靖君紹介)(第三三二四号)
 同(山本幸一君紹介)(第三三九五号)
 同外六件(八木一男君紹介)(第三四二一号)
 クリーニング所の適正配置に関する請願(木部
 佳昭君紹介)(第三二五九号)
 ソ連長期抑留者の処遇に関する請願外一件(古
 屋亨君紹介)(第三二六〇号)
 同外六件(松野頼三君紹介)(第三二六一号)
 同外三件(毛利松平君紹介)(第三二六二号)
 衛生検査技師法の一部改正に関する請願(内藤
 良平君紹介)(第三二六三号)
 医療保険制度改悪反対等に関する請願(松本善
 明君紹介)(第三二八六号)
 原爆被害者援護法制定に関する請願(谷口善太
 郎君紹介)(第三三二五号)
 同(岡本隆一君紹介)(第三三九〇号)
 同外一件(河野正君紹介)(第三三九一号)
 同外一件(楢崎弥之助君紹介)(第三三九二
 号)
 同(柳田秀一君紹介)(第三三九三号)
 管理栄養士養成施設卒業者の国家試験制度確立
 等に関する請願(折小野良一君紹介)(第三三
 七〇号)
 外傷性せき髄損傷障害者の援護に関する請願
 (田畑金光君紹介)(第三三七二号)
 せき髄損傷障害者の援護に関する請願(田畑金
 光君紹介)(第三三七三号)
 原水爆被害者援護法制定に等関する請願(岡本
 隆一君紹介)(第三三九四号)
 登録医制度反対等に関する請願(河野正君紹
 介)(第三三九六号)
 各種福祉年金の併給限度撤廃に関する請願外六
 件(中曽根康弘君紹介)(第三四二〇号)
同月八日
 原爆被害者援護法制定に関する請願(原茂君紹
 介)(第三四五五号)
 同(渡辺芳男君紹介)(第三四五六号)
 医師、看護婦の増員に関する請願外二件(山本
 弥之助君紹介)(第三四五七号)
 同(板川正吾君紹介)(第三五〇一号)
 同(稻村隆一君紹介)(第三五〇二号)
 同外一件(河野正君紹介)(第三五〇三号)
 同(栗林三郎君紹介)(第三五〇四号)
 同(田中武夫君紹介)(第三五〇五号)
 同外六件(川上貫一君紹介)(第三五六三号)
 同(河野正君紹介)(第三五六四号)
 同(柴田健治君紹介)(第三五六五号)
 同外五件(田代文久君紹介)(第三五六六号)
 同外六件(谷口善太郎君紹介)(第三五六七
 号)
 同外三件(林百郎君紹介)(第三五六八号)
 同外九件(松本善明君紹介)(第三五六九号)
 同外一件(佐藤觀次郎君紹介)(第三六七三
 号)
 同(千葉佳男君紹介)(第三六七四号)
 同(村山喜一君紹介)(第三六七五号)
 同(米内山義一郎君紹介)(第三六七六号)
 医療保険制度改悪反対等に関する請願(板川正
 吾君紹介)(第三四九九号)
 同(平林剛君紹介)(第三五〇〇号)
 同(井上泉君紹介)(第三五七〇号)
 同(大出俊君紹介)(第三五七一号)
 同(河野正君紹介)(第三五七二号)
 同(小林信一君紹介)(第三五七三号)
 同外二件(田中武夫君紹介)(第三五七四号)
 同(只松祐治君紹介)(第三五七五号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第三五七六号)
 同(成田知巳君紹介)(第三五七七号)
 同(山口鶴男君紹介)(第三五七八号)
 同(山本政弘君紹介)(第三五七九号)
 同(米田東吾君紹介)(第三五八〇号)
 同(野間千代三君紹介)(第三六七八号)
 同外一件(門司亮君紹介)(第三六七九号)
 引揚医師の免許及び試験の特例に関する請願
 (河本敏夫君紹介)(第三五六一号)
 各種福祉年金の併給限度緩和に関する請願(佐
 藤洋之助君紹介)(第三五六二号)
 ソ連長期抑留者の処遇に関する請願外一件(進
 藤一馬君紹介)(第三六七二号)
 原水爆被害者援護法制定等に関する請願(玉置
 一徳君紹介)(第三六七七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 駐留軍関係離職者等臨時措置法等の一部を改正
 する法律案(内閣提出第四二号)
 労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○八田委員長 これより会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 駐留軍関係離職者等臨時措置法等の一部を改正する法律案審査のため、本星雇用促進事業団理事竹内外之君に参考人として御出席願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
     ――――◇―――――
○八田委員長 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。河野正君。
○河野(正)委員 先般来、北九州市の病院に関します給食施設を民間に委託をする、この問題をめぐっていろいろ御見解を承ったのでございます。やはりこの病院給食というものは治療の一環でございますので、したがって、そういう給食業務というものが民間に委託されますと、医療の質が低下をする、そういうことで私どもはいろいろ御見解を承ったのでございますが、不幸にして北九州におきます給食業務というものが、四月一日から民間に移行をされました。私ども当初心配いたしておりましたように、四月一日、民間業者が業務を開始いたしました初日でございますが、この初日の夕食の給食におきましては、三名の自家中毒患者が実は出てまいったわけであります。私どもも新聞社の報告を受けまして、やはり私どもの主張というものがいかに正しかったかということを実は立証し得た、残念でございますけれども、そういう感じを強く持ったわけでございます。
 そういうことで、残念ながら民間に委託をいたしました、しかし、厚生大臣の御見解としては、少なくとも三月二十六日の当委員会におきます御見解としては、やはり給食業務というものは治療の一環であるので、直営であることが望ましい、こういう意味での御見解があったというふうに私どもは理解をいたしております。しかしながら、残念ながら、四月一日からは大臣の意思に反して、民間に委託が実施をされた。しかも、その第一日に、私どもが心配いたしておりましたように、まことに不幸なことでございますけれども、三名の自家中毒患者を出した。そういうことで、私どもは、やはり私どもの主張というものがいかに正しかったかということを感じますと同時に、今後におきます厚生省の姿勢というものを強く正していただかなければならぬ、こういうように感ずるのでございます。したがって、厚生省のこのような事態に対します反省と今後の対策についても、ひとつこの際明確にお示しをいただきたい、かように考えます。
○園田国務大臣 北九州市における病院給食委託の問題については、いまほど発言があったとおり、河野委員の質問に対し、病院給食は治療の一環であるので、病院の直営でやることが望ましいが、万やむを得ない事情により外部に委託する場合には、公益法人が適当であると考えて、この線に沿って指導すると申し上げました。しかしながら、その後指導上適当を欠く点がありましたことはまことに遺憾でございます。
 したがって私は、この方針に基づき努力する考えのもとに、過日戸澤官房長を現地に派遣をし、亀井福岡県知事並びに谷北九州市長に対し、私の意のあるところを伝え、協力方をお願いいたしましたところ、亀井福岡県知事は、給食委託の方針については、厚生大臣の方針に協力する旨の意向を表明され、所信をちょうだいをいたしました。
 谷北九州市長は、公益法人に切りかえることについては、厚生大臣の方針に沿って善処すること。本問題に関しては、市長のもとに委員会または協議会を設け、具体的な検討に入りたい。いやしくも公益法人にする以上は、りっぱなものにいたしたいと考えている旨の意向の表明があり、これも書信をちょうだいいたしました。
 私は、右のような知事並びに市長の協力意向の表明に深く感謝するとともに、今後県、市と十分緊密な連絡をとりながら、公益法人実現のために努力する考えでございます。
○八田委員長 田邊誠君。
○田邊委員 今年の賃金引き上げを中心とする労働組合の春季闘争が、だんだんと山場に差しかかってきておるわけでございまするが、御案内のとおり、ここ数年間の異常な物価の値上げによりまして、労働者の実質的な生活水準が低下をしているという現状でございまするから、この賃金引き上げの要求というのが、きわめて熾烈でありますると同時に、また切実なものがあろうと考えるわけであります。こういう中でこの春闘がどういうふうに結末をつけるかということを、われわれは非常に注目をいたしておるわけでございます。
 まずもって労働省にお伺いをいたしまするが、現在民間企業を中心とするこの賃金引き上げの要求に対して、いまだ妥結をしておらないのが大部分でありまするけれども、回答がいずれも出つつある現状でございます。おわかりの範囲でけっこうでございまするから、どのような回答が出ておるか、企業別等について、その代表的なものがおわかりでございましたらお示しをいただきたいと思います。
○松永政府委員 ただいまの御質問でございますが、御指摘にもございましたように、ことしの春の賃上げの問題に関しましては、ただいま回答が出始めておる状況でございます。まだそのような状況でございますので、これをもちまして今後どういうふうになっていくかというような点につきましては、予測ははなはだ困難な段階でございますが、私どものほうで把握をいたしておりますごく概略の状況を申し上げますというと、業種別に見まして、いままで回答が出ましたもの、大手の状況でございますが、食品関係につきましては一部回答が出ております。大体額にして三千二百円から四千三百円くらいのところが食品の関係で出ております。それから印刷関係でございますが、これも一部でございますが、三千五百円から四千百円くらいの回答が出ておるようでございます。それからゴム関係でございますが、これも一部でございますが、三千二百円程度の回答が出ております。それから機械金属関係の一部でございますが、三千八百円から四千八百円くらいの回答のようでございます。それから造船関係、これもごく一部でございますが、まだこれから回答が出ることと思われますが、三千五百円から四千六百円くらいの間の回答が出ております。それから電線関係でございますが、これも一部でございますが、約四千円ぐらいの回答が出ております。
 業種別に見ました、いままで出ております回答の大手関係の状況、概況でございますが、そんな状況でございます。
○田邊委員 まあ回答はまだ出尽くしたわけでございませんからいまの労政局長の答弁が間違いだとは言いません。が、私が集約をいたしておる範囲におきましても、金属関係で八千円台の回答を出しているところが七社、七千円台の回答を出しているところが七社、六千円台が三十二社、五千円台が百十三社、化学共闘関係では八千円台が二社、七千円台が二社、六千円台が六社、五千円台が三十六社、マスコミ関係すなわち新聞、民放、出版、八千円台二社、七千円台五社、六千円台二十六社、五千円台四十社、こういう状態でありまして、これはもちろん必ずしも大手とは限りませんけれども、八千円台を出しているところが現在金属、化学、マスコミ、交運、一般を含めてだけで十七企業、七千円台が二十五、六千円台が八十、五千円台が二百十一、こういうのが四月四日現在における回答の集約状況であります。名前をあげて説明をしてもよろしゅうございまするけれども、かなり高額の回答が出つつあるという状況であります。労働省は、一般的な傾向として、いまあなたの報告も含めて、ことしの春闘における回答の状態というのは昨年までに引き比べてかなり高額のものである、こういう認識に立っておるのじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
○松永政府委員 ただいま申し上げましたような状況でございまして、昨年の額に比べまして高いものもございますし、現在まだ安い状況のものもございますが、一般的に申しましてある程度高い回答が出始めておるというふうに私どもも見ております。
○田邊委員 経済的には、上昇期であった昨年に比べて、ことしは政府の財政硬直化あり、あるいは金融引き締めあり、いろいろいわば経営者側からする不況ムードというものも幾らかあるわけでございまするが、しかし、いずれにいたしましても私どもが現在把握しておる段階では、かなり高額のものが出つつあるという状態をいま御回答があったのですが、この主要な原因は、一体どこにあるとにらんでおいでですか。
○松永政府委員 ただいままでの回答状況によりまして、高いか低いかということの大勢判断は非常にむずかしいと思います。どちらかと申しますれば、賃金交渉の常といたしまして、支払い能力のある、比較的支払えるところでは早く回答が出、そしてたとえば産業全般が非常に悪いようなところでは、どうしてもこの妥結がおくれる、回答もおくれるというような一般的な傾向がございますので、ただいま先生御指摘になりましたような経済界の全体の先行き見通しとの関連でこの現在の回答状況を判断をするということは、非常に困難ではないかと思うのでございますが、やはり産業といたしまして、従来の、たとえば一般的にいいまして最近の決算期が連続黒字であったということも、支払い能力の面から見まして、賃金のアップについての回答が出せる状態というものがあったかと思うのであります。
 なお御指摘のごとく、日本の経済の特に外的環境が非常にに先行き波乱含みでございますので、今後この回答をめぐりましてどのような妥結になるかということは、相当慎重に見定めていかないといけないというふうに私ども見ております。
○田邊委員 いまお話のありましたような経済全般に対する現在の状態、今後の見通し、それからよくいわれる支払い能力の問題は、これは企業の利潤力、いわば剰余率というものをどのように見るかということとも関連をして一つの問題でありますけれども、これは別といたしまして、そういった全体的な問題があるにもかかわらず、今度はかなり強気の春闘だといわれておるわけですが、その最大の要因は、さっき私が指摘をいたしましたとおり、企業自体の問題がいかようにありましょうとも、現在の物価の値上がり、もう一つは何といっても若年労働力の不足、こういういわば売り手市場から買い手市場に変わりつつあるという状態、これらが今度の賃金引き上げに、労働者側がどうしても一面強固な要求を掲げておる最大の要因ではないかと私は思うのであります。したがって、これに対処する企業側も、いま言ったようないろいろなファクターはあるにいたしましても、いまの労働者のこの切実な要求に対して誠意をもってこたえなきゃならぬ、こういう状態にあるのではないかと思うわけであります。民間企業を含めての話でありますから、すぐさま労働大臣としての権能なり、あるいは指導力なりというものを発揮しろとは言いませんけれども、しかし、いずれにいたしましても、そういった周囲の条件の中で行なわれている春闘であることを御認識いただきますならば、いたずらに経営者側が景気の抑制等を理由にいたしまして、この春闘の賃金引き上げ要求に対して、これを押えるような言動というのは必ずしも好ましくない、こういうように私は考えるわけでございまして、やはり最大限の努力をして、誠意ある回答をこの際示すべきことしの春闘ではないか、こういうふうに考えておるわけであります。大臣としてはこれに対してひとつ十分な指導をしていただかなきゃならぬ、こういうふうに思っておるわけでありますが、ひとつ御決意のほどを承っておきたいと思います。
○小川国務大臣 回答の状況について労政局長から答弁を申し上げ、またそれに関連して御意見もただいま拝聴いたしたわけでございます。確かに、一部に相当高い回答もなされておると存じますが、まだこの段階では賃金の動向を全体として把握できる段階ではない、このように考えております。いまおことばにございます労働力の需給逼迫、特に若年労働者を中心とする需給の不均衡、あるいは物価の上昇が明確に見込まれるというようなことは、これは賃金を押し上げる要素であるに違いないと存じます。同時にまた、かような非常に深刻なまた流動的な国際情勢でございますし、多数の企業が三月期の決算において、依然として増収、増益でありますけれども、先行きは非常にきびしいものであるということは、これまたはっきり見通される状況ではなかろうか、こう考えております。かような時期でございますから、願わくば労使双方ともこの問題が国民経済全般に及ぼす影響ということをよく考えてもらい、国民経済的な視野から互譲の精神で問題を解決してもらうように切望いたしておるわけでございます。私は決して、このような国際情勢ないし景気の先行きというようなことに籍口して、健全な労働組合運動を抑圧しようというようなことをいたすつもりはございません。
○田邊委員 大臣の話は、いわばきわめて当たりさわりのない、どちらにもよくとれるような話であります。一番最後に余分なことも言われましたけれども、労働運動を抑圧しないというようなことはもちろん余分な話でございましょうが、そういうことは別といたしまして、ややもするといま先行きの見通しが非常に波乱含みだ、こういうことを一つの口実にいたしまして、実績はかなりのものになっておるにかかわらず、その企業が賃金引き上げに対してこれを抑制するような立場をとりがちでございまして、労働者の権益を守る立場に立つ労働大臣としては、現在の生活の実態というもの、それからいま言った雇用の状態というもの、これらから見て、この春闘に対して労働者の要求をかなり受け入れる、こういう立場というものが当然とられなければならぬと私は思っておるわけでございます。そういった点に対して大臣の考え方をお聞きをしたわけでございますから、何か、私の再度の質問に対してお話があれば承っておきたいと思います。
○小川国務大臣 ただいま申し上げましたことで尽きておるわけでございまして、労使双方がお互いに信頼し合って、自主的に問題を解決していただきたい、かように考えておるわけでございます。
○田邊委員 そこで、公務員の賃金に対しては人事院がまた勧告をすることに、政府も大体例年のとおり同意をいたしておるわけでございますから、これは一応おくといたしまして、政府機関並びに三公社、いわゆる公労傘下の三公社五現業の賃金交渉について、これは春闘の中における一つの大きな要素を持っておるわけでございますが、この賃金交渉は、一体現在どのようになっておるか、総括的でけっこうでございますから、ひとつお話しいただきたいと思います。
○小川国務大臣 ただいま全電通を除いて公労協並びに全官公傘下の全部の組合がすでに調停を申請いたしまして、ただいま事情聴取が行なわれておる、こういう段階でございます。
○田邊委員 調停委員会が発足をいたしまして、現在事情の聴取を行なっておるわけでございますが、十一日ごろから合議に入るという段階まで大体きておるようでございまして、いわば一つの峠にかかっておるのだろうと思うわけであります。
 そこで、お聞きしたいのは、公労法が施行されました昭和二十四年から今日まで、この公労傘下の労働組合の賃金問題は、常に労使の団体交渉でもってこれが解決することができずして、調停から仲裁へと実は移っておるわけでございます。私は、この公労法適用下の――賃金ばかりではございませんけれども、特にその中心である賃金の交渉が、いま言った自主的な解決を見ておらないことは、法のたてまえからいってもきわめて遺憾なことではないかと思っているわけであります。本来的にいいますならば、労使でもって交渉いたしまして、これに基づくところの協約、協定を結ぶ、これが基本であろうと考えるわけでございまして、今日まで約二十年になんなんとする日月を経ながら、その法の基本原則というものが遂行されておらないということは重大なことであろうと思うわけでありますが、これができ得なかった最大の要因は一体どこにあるか、ひとつお考え方をお示しいただきたいと思います。
○小川国務大臣 これは、しばしば御指摘をいただきますように、現行の制度とも関連のある問題だと存じております。公共企業体におきましては、その高度の公共性ということからいたしまして、給与を含む全体の予算が国会できめられる。そこで、原則的には当事者能力を持っておるわけでございますが、これが制約を受けるということはやむを得ない、そういう事態にあるわけでございますが、根本問題につきましては、これまた政府の方針はしばしばお耳に入れておりますように、公務員制度審議会で御審議を願うという方針になっておるわけです。それまでは現行制度のワク内で、現行制度をあとう限り活用をして問題の解決をはかっていこう、これが政府の方針でございます。
○田邊委員 しかし大臣は、公労法の基本的な原則というのは、争議権を別として、他の団結権、団体交渉権を認め、協約締結権を認めるという前提に立てば、この労使の団体交渉によって労働条件の改善がはかられることが公労法のたてまえからいっても基本である、これはお認めになりますね。
○小川国務大臣 そうあるべきだと考えております。
○田邊委員 そうあるべきことが実際に実証されておらないのは、法律的にも制度的にもあるいはまたそれを運用する政府の側においても誤りがあるのではないかと私は思うわけであります。これを端的にいえば、いままで労使の団体交渉で解決できておらない最大の要因は何かといえば、事、賃金問題に限っていえば、これは政府が一貫してとってきたところの低賃金政策、これによることが何といっても明らかだろうと私は思うのです。
 さらに第二番目は、この自主的な交渉によって解決する道を妨げておるのは、いま大臣もいみじくもおっしゃいましたが、予算上資金上の支出を必要とする場合において、公労法十六条を政府がたてにとって、三公社五現業に対してこの当事者能力を十分発揮させる立場をとっておらない、ここに最大の理由があるのではないか、こういうふうに私は思っておるわけでございますが、いかがでございますか。
○小川国務大臣 政府が法律をたてにとって自主的な解決を妨げておる事実はないと存じております。申し上げるまでもなく、問題が両当事者の自主的な交渉で解決をすることが望ましいのでございますから、特に前大臣はその点にかんがみまして、昨年はいろいろと努力をいたしました。幸いにして、調停の段階で実質的に事が解決したわけでございます。これは確かに一歩の前進であり、望ましいことだと考えますので、私も同じ気持ちでことしは努力をしてみたい、かように考えておる次第でございます。
○田邊委員 これは労政局長にお伺いしますが、いわば仲裁裁定が労使を拘束するという形にはなりますけれども、自主団交によって労使がこれに了解をし、協定、協約を結んだ場合は、これはそれ自体においては仲裁裁定と同じだろうと思うのですが、法的には同じですね。
○松永政府委員 公労法の規定によりますと、仲裁裁定は労働協約と同一の効力を有するということになっておりますので、労使の両当事者にとりましては、労働協約を結んだ場合と仲裁裁定が出た場合との法律関係は同じでございます。ただ、公労法上違います点は、予算との関係におきまして仲裁裁定と協約との取り扱いを異にしておる、それから各公社法、予算総則等におきまして取り扱いを異にしておるということでございます。
○田邊委員 したがって、協定なり協約なりを結んだ場合においても、これは有効であります。それから仲裁裁定が下った場合においても、その裁定は有効であります。ただ国会の承認を得るまでその執行が一時停止をされる、こういうたてまえだろうと私は考えるわけであります。もちろんいまの予算総則の問題は、私はあとで御質問いたしますけれども、その効力の点からいえばやはり有効である。しかし、その執行は一時停止される、留保される、こういう形であろうと私は思うわけであります。その点は間違いございませんね。
○松永政府委員 御指摘のごとく公労法の十六条におきましては、予算上資金上不可能な支出を内容とする協定を結んだ場合に、それは政府を拘束しない、そうしてそれに基づいていかなる支出もしてはならない、こういう書き方がしてございますが、そのあとに持ってまいりまして、その協定を国会にかけて、国会において承認を得た場合には、その日付にさかのぼって効力を発するという規定がございますので、御指摘のごとく停止条件をつけてあるということだと思います。
○田邊委員 したがって大臣、私は、この公労法傘下の労働問題は、さっき大臣から御指摘のありましたとおり、何といっても基本はやはり自主的な団体交渉による解決だろうと思うのであります。いままでのように約二十年間、交渉から調停、仲裁、その間にあっせんがある場合もあるでありましょうけれども、いずれにいたしましてもそういう順序を経なければ解決にならぬことは、私は必ずしも法の精神を全的に活用しているというふうには思わないのでありまして、仲裁裁定が唯一の道である、こういう考え方に立つことは、基本的に誤りだろうと思うのであります。いままでややもすれば団体交渉は形式であります。調停なり仲裁へ持っていくための、いわゆる前提としての形式に終わりがちである。これは公労法の適用組合にとっても決していいことじゃない、こういうふうに私は考えておるわけでございます。協約を結ぼうと裁定が下ろうと、当事者がやはりそれに対して服従するということは当然のことであろうと思うわけでございまして、政府はこれに沿って、協約、協定を結んだ場合でも、裁定が下った場合でも、これに対する最大限の解決のための努力をする、こういうことが政府の責任であろうと考えるわけでございます。
 それで、さっき労政局長からもちょっと話がありましたけれども、現行法では何か自主団交による解決は非常にむずかしいという話があるのですが、私は公労法の全体を流れる精神からいいますならば、いわば自主団交でものごとが解決するような方向に政府はだんだんに持っていかなければいけないのじゃないか、私はこういうふうに思うのです。その最大の隘路は何かといえば、これは何といっても給与総額制であります。いわゆる予算総則における給与総額が一つの一定のワクをきめられておるということだろうと思うのであります。これがいわば日鉄法にしても、電電公社法にしても、あるいは専売公社法にいたしましても、その当事者においてこれを解決することができない、どうしても主務大臣なり大蔵大臣の承認を求めることが必要である、こういうところに問題があるわけでございますから、したがって、労働者の権益を守る立場からいえば、これらのいわば三公社の事業法なりというものを改正することによって、自主的な団交によって一つの結論が出て、協約、協定を結ぶとすれば、それによって予算の移流用なりあるいは予備費からの使用というものができる状態に運ぶことが望ましい姿じゃないか、私は実はこういうふうに思っておるわけでございますけれども、これは昭和三十一年二月八日の臨時公労法審議会の答申によっても、いわばその改善方を答申をされておるわけでございますから、長い間の実は宿題であろうと思う。この際ひとつ労働大臣、あなたのいわば誠実さと、あなたの公正な判断というものを生かされて、公労法を前提に、これが活用できるような道というものを開いていくことを私はぜひ望みたいわけでございますけれども、このお考え方、ありますればお示しをいただきたいと思うのであります。
○小川国務大臣 確かに一つの問題点であろうと考えております。先ほどから質疑応答がございましたように、仲裁裁定がなされた場合と、調停に基づいて協定が結ばれた場合と、この点は法律が扱いを異にしておる問題ではありませんけれども、いま御指摘のあった給与総額制との関連で問題が出てくるわけでございます。このことは、これまた申すまでもないことでございますけれども、国会の審議権との調整の問題であろうと存じます。現行法は、さまざまの手段を尽くした後の最後の手段として裁定が下された場合に限って、経費の移流用等によって給与総額をこえることを認めておるわけですが、これをさらに、一歩進めよというただいまの御議論であろうと思います。確かにこれが問題点であることは私も御同感でございますが、これは制度全般の改正につながる非常に大きな問題でありますので、政府の方針としては、公務員制度審議会で御研究を願ってその結論を待って考えたい、これが政府の方針になっておるわけでございます。
○田邊委員 この点は、私はかなり時間をかけて法的な見解についても確めたいと思っておるわけでございますが、きょうは時間がございませんので、いずれ機会を見てあらためて論議をいたしますけれども、現在の状態の中でも能率の向上や、あるいは事業量の増加による収入の増加、いろいろな要素がありますけれども、その要素の中では移流用を認め、ある程度弾力的な立場をとらしておるわけでございますから、今度は労使関係という立場に基本を置きますならば、やはり自主団交によって解決いたしますことが望ましいという立場でもって、この予算総則の給与総額制に対して、私はもうちょっと一歩突っ込んだ検討をすることが望ましいと思うのであります。もちろん審議会のいろいろな論議もございましょうけれども、政府自体もこれに対しては前進的な立場をとることが――もう戦後二十数年間を経、公労法ができてからすでに十八年余を経ております今日でありますから、そういった点から私は十分な検討をしてもらわなければならぬ段階であろうと思います。ぜひ大臣の前向きの研究をお願いしたい、このように思うのです。しかし、今年のこの春闘に直ちにこれが間に合うわけではございません。すでに大方の組合が調停に入っている段階でございます。とするならば、大臣もさっきちょっとお触れになりましたけれども、私は昨年の春闘に際しても前大臣に質問をいたしたのでございますけれども、ことしはこれは前年を受けて、ぜひひとつ調停段階でもって問題が解決をすることが、私は最も現在緊急にして望ましい姿である、こういうふうに思っているわけでございますが、これに対して労働大臣としてはいかようにお考えであるかひとつお考えを御披瀝願いたいと思います。
○小川国務大臣 調停の段階で実質的にものごとが片づくということは、確かに望ましいことだと存じます。これは申すまでもなく、公務員の給与あるいは生計費、民間賃金というものを考慮してきめられなければならないことでございますし、昨年は大体民間賃金の動向がはっきり把握できるようになっておりました五月の末に調停がなされたというような事情も手伝ったかと思っております。また三公五現それぞれ事情が異なっており、中にはむずかしい問題をかかえた企業体もあると存じます。私といたしましては、まず何より両方の当事者が互譲の精神で、調停段階で極力問題を煮詰めていただく気持ちになっていただくことが肝要だと思います。私自身もいまおことばにありましたような趣旨で、昨年と同じように願わくば解決をするべく及ばずながら一生懸命努力したいと考えております。
○田邊委員 官房長官おいででございませんで、副長官おいででございますが、各省の取りまとめをやられる立場で、いま労働大臣からそういうお話がありましたけれども、やはり何といっても当事者能力――当事者に解決するようないわば決断を下す自主性というものを発揮させなければこれは解決にならぬわけでありまして、いままでは逆に政府がこれを拘束するという立場なんです。そうでないというような顔をされているけれども、実際にはそうなんです。この際ひとつその手綱を幾らかゆるめて、調停段階において三公社五現業の当局がオーケーを与える、具体的な回答を与える、こういういわば口を開けるような状態をつくらなければならぬと思うが、ひとつ官房副長官、この際あなたは各省の連絡係として、取りまとめ役として、そういう立場でもってこの春闘を終息させるような意気と決断のあるような回答を与えてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○亀岡政府委員 田邊委員仰せのとおり、副長官は各省の取りまとめ役でございます。特別の権限があるわけでございません。しかしながら、昨年の人事院勧告に伴う公務員のベース、公務員の給与の問題に対しまして、私は私なりに取り組んだ経緯を持っております。したがいまして、三公社五現業の問題につきましては、いままでいろいろ御論議のありましたとおり、理想としては自主的にきめられる体制が望ましいわけでございますけれども、現在の制度の上においてはそこまでまだ改善されておらないという現実があるわけでございます。したがいまして、当面今年度の給与問題等につきましては、政府としては現在の制度の中で、最大限に弾力的に前向きで考えまして、昨年初めて一応一歩前進という形をとったわけでございます。そういう方向に向かって、取りまとめ役としての私としてはそういう心がまえで取り組んでいきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○田邊委員 大臣と官房副長官から、それぞれの御回答がございました。私は、本委員会におけるきょうの御答弁としては、あるいはそれ以上の域を出ることができ得ないかと思います。思いますけれども、私は、その裏に含んでおる御両者のいわば誠意を、ぜひひとつ実行してもらいたいと思っておるわけでございまして、きょうは私の質問に対してその程度答えておけばこれで済むというお考えかと思いますけれども、ややもすると、いままでは委員会では最大限の御答弁がありますが、これがなかなか実施ができない。これが当委員会における最近のいわば混乱といいましょうか、停滞をもたらした一つの要因でもございますので、労働大臣、官房副長官はそういうことはないと思っておるわけでございますが、この調停委員会の今後の推移を見受けながら、さらに、政府がこれに対して具体的に対処をされることを――動向を見ましてあるいはまた質問を続行しなければならぬかと私は思うのでございますが、そういった点で、私は、昨年以上に早くこの問題が解決することは、いわば春闘ばかりではございません、何といっても政府関係の三公社五現業でございますから、今後の労働問題や、労使関係全体に及ぼす影響は、非常に大きいというように思いますので、ぜひひとつ大臣に最大の御努力をお願いいたしたいと思うのです。
 そこで、時間もございませんので、最後に取りまとめましてお伺いします。
 これは労政局長でけっこうでございますが、いままで公労委が、調停なり仲裁でもっていろいろな案を出されて裁定を下しておるわけでございます。特に仲裁裁定の場合は、いわば労使を拘束し、政府もこれに対して当然協力しなきゃならぬという状態になるわけでございますけれども、何か公労委は、人事院勧告と違いまして、その出された根拠なり、その基準なりというものを、明らかにしておらないそうですね。概念的な主文は出されるけれども、それに対するところの解説なりというものを明らかにしていない、こういう状態であることをお聞きしているわけですが、事実そうですか。
○松永政府委員 仲裁裁定におきましては、裁定の主文と理由と分けてございまして、その理由の中に、どういう理由、どういう考え方でこれを出したかということの説明がついてございまして、公労委、中労委等を通じて同じような形になっております。人事院勧告に比べて理由の説明等が足りないという御意見は、いままであまり聞いたことはないのでございますが、もちろん、独立機関でございますので、公労委等に対してこうせい、ああせいと言うべき筋合いではございません。しかし、客観的に見まして説明が足りないというような批判は、私どもの耳には入っておりません。
○田邊委員 問題は、これは賃金に対する考え方を出すわけでありますから、当然それに対する具体的な数字上の根拠なり基準が示されなければ意味がないのであります。抽象的にことばを羅列しただけでは、その目的を十分達成したということにはならないわけでございます。
 そこで、お伺いいたしますけれども、私は簡単にお聞きをしますからお答えをいただきたいのであります。民間企業と公企体との関係でありますが、一体民間企業と公企体との勤続年数、年齢等の開きに対して、どういうふうに勘案をされてきたか、この仲裁裁定なりが具体的にその中身を示しておりますか。
 それから民間企業の規模に対して、どういったものを対象にしてこれを考えてこられたか。
 それから三十九年には各企業別にいわば判定を下しておるわけでございまするが、四十年以降は、公企体を総合的に判定しているわけですが、この違いは一体どういうわけですか。そういうふうに、逐年判定というものが違ってくるのは一体どういう理由でございますか。それを正しいとお考えであるかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
 さらに、この裁定の中における賃金引き上げの中には、定期昇給を含んでいると見ておるわけでございますけれども、これは実は毎年どの程度見込んでおるのか。たとえば、昨年定期昇給を見込んでおるわけでございますけれども、この昨年度の定期昇給は予算上の定期昇給の率でありますか。いわゆる実行定期昇給――理論定昇といっているそうでございますけれども、そういったものでございまするか。理論定昇であるとすれば、一体その根拠はどこにございますか。
 それから公務員賃金との問題でございますけれども、昭和三十九年までは、前年度の人事院勧告に基づく公務員の賃金引き上げと比較をいたしまして、そのために公企体の職員に対しても相当程度の賃金引き上げが必要であるというふうにいっておるわけでありますけれども、三十九年、四十年は留意をした、点検をしたということでございますが、四十一年、四十二年は公務員賃金との比較をしたけれども、四十一年は、特に考慮すべきものは認められなかった、四十二年は特に配慮すべき問題は認められなかった、こういうふうに変わってきておるのですけれども、過去ここ数年間、人事院勧告が出、あるいは公労法が適用になってから、仲裁裁定なり、あるいは調停委員会なり、あるいは一方において人事院勧告なり以外でもって、公務員の賃金と公企体の賃金がきめられた事実はないのであります。とすれば、この人事院勧告と仲裁裁定なりとの関連は、四十一年から逆転をする要素というものはなかったはずであります。これがこういうふうに変わってきたのは、一体どういう理由ですか。労働省としてはどのようにお考えでございますか、その点をお伺いいたします。
 さらに、消費者物価の上昇分を一体文字どおり考慮に入れてきたのかどうか、この点に対してもお伺いをいたしたいと思います。
 最後に、これは昨年だけでもけっこうでありますから、民間企業の賃金引き上げについて、一体どの程度考慮されたのか、具体的な数字の点で民間企業の賃金引き上げを一体幾らと把握されて、それとの比較においてこの公企体の賃金をきめられたのか。
  〔委員長退席、小沢(辰)委員長代理着席〕
 きょうは公労委が来ておりませんけれども、大体労政局長から御答弁願えるということでありますから、ひとつ以上御答弁いただきたいと思います。
○松永政府委員 ただいまの御質問、非常にたくさんの項目にわたっての御質問でございますが、基本的な立場といたしましては、公労委の機能は公企体等の労使関係につきましてあっせん、調停、仲裁という三段階の調整機能を持っておるわけでございます。したがいまして、あっせん、調停等の段階におきまして、労使がそれぞれ自分の資料に基づき自分の主張をいたしまして、これはたとえば使用者側委員を通じ、あるいは労働者側委員を通じという形になるわけでございますが、その結果におきまして、調整のめどがたつという形をとっておるわけでございます。したがいまして、人事院が人事院としてその独自の権限に基づきまして民間の企業の賃金を調査し、そして勧告をするというのとは違いまして、労使両当事者の主張を聞きつつ調整を行なう。そしてその最終形態が仲裁であるということでございます。その点は、中労委とかあるいは船員中労委の機能と似ておる、同質であるというふうに考えられるわけでございます。
 それからもう一つの点は、もちろん言うまでもなく、政府からの独立機関でございますので、たとえば政府から公労委に対しまして、ああせい、こうせいということを言うことはできないということでございまして、われわれといたしましては、公労委が発表をいたしましたものについてのこれの解釈というものはいたしますけれども、それについて当、不当というようなことを言うべき筋合いではない。これが政府と公労委との関係の基本的な立場だと思います。
 ただいまの御質問につきましても、具体的には、たとえば昨年の場合は調停段階で相当労使の間――これは合議の段階でございますので、労働側委員と使用者側委員の間だと思いますが、相当激しい議論が展開された。そうしてその議論の間におきまして、公益委員であります調停委員長が、その両者の主張をよく吟味しつつ最後に調停委員長意見というものを出したといういきさつでございます。したがいまして、私どもといたしまして聞いておりますところは、このような理解をしておるということは申し上げられますけれども、それが妥当であるかどうかということにつきましては、一切批評はいたさないという方針であり、またそうあるべきだと思います。御指摘の点につきまして、三公五現ございまして、組合はさらに十一ですかございますから、その間に交渉が行なわれ、そして調停段階で主張が行なわれる。したがって、各公社それから各組合とも主張が違うわけでございまして、たとえば勤続年数とか、前歴とか、それから学歴別、年齢別の賃金比較というようなことを自主段階で主張された組合もございますし、主張しなかった組合もあるわけでございます。それらの全体を通じてどうかということになりますと、統一して全体共通の問題点はこうだということにはならないのでありますが、そういう主張なり論議が行なわれたということも承知をいたしております。
  〔小沢(辰)委員長代理退席、委員長着席〕
 それから昭和三十九年におきましては、企業体ごとに裁定のアップ率において格差がつけられました。これは賃金格差があるという主張が非常に強くなされました結果、公労委におきましてそれらの意見や資料を参酌して、格差是正ということをやったんだというふうに聞いておりますので、たてまえといたしましては、おそらく公労委としては、三十九年に格差是正が行なわれた結果、その後においては格差というものはないのだというたてまえで考えておられるのではないかというふうに推測をいたすのであります。
 それから定期昇給でございますが、公労委の裁定は賃金の、基準内賃金に対しましてどの程度アップ――たとえば昨年の場合は六・五%プラス三百円というような調停委員長意見であり仲裁裁定であったわけでございますが、定昇につきましては、裁定の中に入っておりません。発表された中に定昇に触れておりますけれども、これは裁定の内容ではなくして、それに定昇が大体これぐらいあるという数字であるというふうに考えております。そうしてこの定昇値は予算定昇値ではなくして、理論定昇値といいますか、現実定昇値といいますか、そういうものであるというふうに承知をいたしております。それで各公企体それぞれ違うわけでございますが、平均いたしまして理論定昇値が昨年の場合は四・三%であるというふうに承知をいたしております。
○田邊委員 公務員賃金との問題もありますし、御答弁十分意を尽くしていませんが、しかし、労政局長そういうふうに言われましたけれども、私はそれはあなたの答弁としては承りました。それならば、公労委にひとつ来ていただいてあらためて質問いたします。なぜならば、現実に仲裁裁定でもって労使を拘束するという状態になっておるのであります。足して二で割る、そういうだけのものではないはずであります。もし足して二で割るにいたしましても、公労委は公労委としてのやはり独自の判断でもって、一つの根拠基準を持たれて裁定を下され、あるいは調停案を出される、こういうことだろうと思うのであります。いま申し上げたように、重要なことはそれによって労使を拘束する最終決定であるという点であります。しかもたとえば仲裁裁定が一%違いますと、国の予算でいきますならば約七十億の予算が違ってまいる試算であります。さじかげん一つによっては、いわば国家予算なり公社予算を含めて、かなりの実は変動があるという要素があることは、これは御案内のとおりであります。そういった重要な仲裁であり調停案でありまするから、当然それに至るところの論拠というのを労使双方に明らかにしなければならぬと私は思うのであります。
 以上私が申し上げたようなことからいきましても、それはきわめて抽象的な中身であります。一体公務員賃金との比較は、どのようになされたのか、民間企業の賃金引き上げ率は、一体どの程度なされたのか、あるいは民間の比較をされた企業は、一体どの程度の規模のものであるか。特に、公務員賃金との間における比較は、昭和三十九年までと、あるいは正確に言いまするならば四十年の点検したというところと四十一年以降の特別に考慮すべきものはなかったという表現による、何か公務員賃金との関係が逆転をしたような印象を与えておる、いわばこの判定理由というものを、私どもとしては重大な関心を持っておるわけでございまして、何かしら仲裁裁定が権威あるものと見るには、この論拠はきわめて薄弱である。薄弱であるということが言い過ぎであるとすれば、きわめて不十分である、不親切である、こういうように私は考えざるを得ないと思うのでありまして、当然、労使双方を納得させるためには、この論拠に対しても正鵠な数字的なものを公表すべきではないかと私は考えるわけであります。そういう点に対しては一体どういうようなお考えをお持ちですか。公労委の独自性を失なわせる、失なわせないということではなくて、労働省としてはいまの質問に対してどういうふうにお考えになりますか。
○松永政府委員 ただいまおっしゃいましたような具体的な問題について、どの角度から、どういう資料を使った場合に、最も労使の当事者並びに一般国民が納得されるであろうかという角度だと思うわけでございます。おっしゃいましたように、いろいろな数字のとり方があると思いますので、公労委として、やはり最終拘束力のある仲裁裁定を出す場合に、もちろんおっしゃったような観点で検討をされておるというふうに考えるのでございます。したがいまして、そのような、できるだけ労使、一般国民が納得をするようなやり方ということが、一般方針として望ましいということは申し上げることができるかと思うのでございますが、個々具体的な、それぞれの指標につきまして、それでは公労委の仲裁裁定の段階においてどのような議論がなされ、そうしてその結果こういうことになったといういきさつにつきましては、これは私どもも詳細は知悉していないのでありますが、もちろんおっしゃったような線の努力は、今後とも公労委は当然のこととしてされるというふうに、私どもも期待をいたしております。
○田邊委員 私は、ひとつあらためて公労委の会長なり事務局長を呼んで、今年の調停に対していろいろなことを言おうというのではありませんが、いままでの仲裁裁定なりが出されてきたところの論拠に対しては、私は国民の立場からもこれは明らかにすべきであろうと思うのであります。公労協のほうから四十二年六月三十日に、昨年の四月以降の仲裁裁定に対する具体的な質問状を公労委に出しておりますけれども、何らの回答がなかったようでございますが、私は、あまりにも親切さを欠くと考えるのでございます。明らかにすべき点は当然明らかにする、これは公労委の権威を高める上からいっても、また国民を納得させる上からいっても必要だろうと思うのです。いままでの給与総額の中でまかなえれば別でありますけれども、国会の承認を求めるとすれば、当然われわれもその論拠を知らなければならぬと思うのであります。そういう点からいっても、ひとつ、労働大臣から公労委に対して、その自主性を侵さない範囲で、これらの意見があったことをお伝えいただいて、今年以降の調停なり仲裁に当たる場合における心がまえをつくってもらうように、私は強く要請をいたしたいと思うのであります。
 最後に一つ。大臣、いま申し上げたように、私は調停なり仲裁の中身に対してもいろいろな意見があるわけでございますけれども、要は自主的な解決を前提とし、そのために、その当局に対する当事者能力を与えて、本年はとりあえず自主団交というわけにいきませんから、調停委員会でもってひとつ最終決定を見るような努力を、今日ただいまから精力的に起こしていただきたい、こういうふうに思っているわけでございますが、最後にひとつ大臣の御決意を承っておきたいと思います。
○小川国務大臣 御発言の前段の御趣旨は、公労委に伝達をいたします。
 後段の問題につきましては、先ほど来御答弁を申し上げたような気持ちで、あとう限りの努力をしたい、かように思います。
○田邊委員 それでは労政局長お聞きでしたから、私先ほど言いましたようないろいろな具体的な中身に対しては、ひとつそういう論議が当委員会にもあったことを公労委にお伝えをいただきたいと思うのです。これをとる、とらないは別でありますけれども、それに対する公労委の考え方をぜひひとつ私どもにお示しいただきたい。あらためて私は、それに対してまた質問をいたしたいとも思っているわけでございますが、いかがでございますか。
○小川国務大臣 承知いたしました。
○田邊委員 終わります。
     ――――◇―――――
○八田委員長 内閣提出の駐留軍関係離職者等臨時措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。加藤万吉君。
○加藤(万)委員 前回、本法案が国会で論議になった際に、いろいろ状況を聞きました。そこで第一に、昭和四十一年、昭和四十二年の駐留軍関係の就労状態をひとつお示しを願いたいと思うのです。一体総数で、四十一年、四十二年の離職者がどのくらいか。現人員がどういう現況であるか。
○有馬政府委員 四十年の駐留軍関係労務者の総数は、五万八百四十六人、四十一年度が五万六百四十八人、それから離職者の数は、四十年が六千九百八十四名、四十一年が七千六百五十五名でございます。
○加藤(万)委員 四十二年度はわかりませんか。
○有馬政府委員 四十二年は、四月から四十三年の一月末までの数字でございますが、五千七百九十三名でございます。
○加藤(万)委員 いまの数字で若干問題があると思われるのは、四十年、四十一年に比べて、四十二年度は離職者が少ないですね。この少ない理由はどういうところにあるでしょうか。
○山上(信)政府委員 四十二年度の退職者の数のうちおもなものは、自己都合によるところの離職者が多うございまして、いわゆる整理退職者が比較的少ないということが数の減ってきた原因だと思います。
○加藤(万)委員 自己退職は、おそらく年齢の面からいっても従来の傾向値だろうと思うのです。いわゆる整理による退職が少ないというのは、ベトナム戦争のエスカレーションの問題と関係あるでしょうか。
  〔委員長退席、小沢(辰)委員長代理着席〕
○山上(信)政府委員 ベトナム戦争と直接の関係は、私ども必ずしも感じておりません。ただ最近におきましては、大体日本に駐留する米軍の施設及び従業員数というのは、やや安定してきたかっこうの数ではないか、したがって、特段と大きな整理というものが少なくなってきた、かように考えております。
○加藤(万)委員 在日米軍の戦略配備の変更、それから予算の削減、今度の場合にはドル防衛問題が、退職金交渉でもたいへん問題になったようですけれども、在日米軍側の予算の削減、それから施設の変更、行政機構の変革といいましょうか、こういうことによって駐留軍のいわゆる整理による離職者、これがふえるということはありますね。最近の例で、いま問題になっておりますたとえばジョンソン基地から王子に病院が移動しましたね。この場合には整理がありましたですか。
○山上(信)政府委員 米軍の病院の移転に伴いましては、従業員をジョンソンから王子のほうへ移転したいということで計画がございますが、整理ということはございませんです。
○加藤(万)委員 相模原に兵器廠が統合になりましたですね、相模原の陸軍の兵器廠というのですか、その際にはそういう状況は起きませんでしたか。
○江藤政府委員 所沢から相模のほうへ移動する場合におきましては、米軍としましては、全員所沢の従業員を相模のほうに移動していただきたいということでスタートしたのでございますけれども、通勤事情の関係等ございまして、必ずしも全員相模へ移動できなかったという事情にございます。
○加藤(万)委員 その場合には、整理の対象者になるわけですか。
○江藤政府委員 現在MLCの規定がございまして、通勤困難な地区に移動しなければならない場合、その通勤が非常に困難であって、自分はいやだという場合は、整理の該当者として取り扱っております。
○加藤(万)委員 先ほどお聞きした際に、自己退職は従来の傾向値とさほど変更がない、しかし整理による退職というのはきわめて安定をしたと言われておるわけですが、私が当初申し上げました米軍の戦略配備の変更、あるいは施策の変更、行政機構の改革による変更等による整理が、所沢から相模原へ移った場合にはあったわけですから、これからも起きると思うのです。そこで一番起きるであろうという条件は、ベトナム戦争がエスカレーションからデスカレーションの段階に入ったときに、日本の各施設にどういう状況が起きてくるのであろうか、同時にそれに伴って駐留軍に働いておる労働者が、どういう整理の対象になるのであろうか、これはこれからの段階で一番問題じゃなかろうか、こう思うのです。そこでいま北爆の停止という条件が起きた以後、在日米軍からいま言いましたような施設の変更あるいは戦略配備に伴う何らかの変更の措置を日本政府に求められておりますか。
○山上(信)政府委員 まださような事実はございません。まあわれわれの考えでは、直ちにはそういったような影響は起きてこないのではなかろうかというふうに考えております。
○加藤(万)委員 どうでしょう、直ちにはとは言いませんけれども、予想される事態としてはそういう現象が起きることが予想されますか。
○山上(信)政府委員 きわめて長期的に考えますと、そういうこともあるいは考えられるかと思いますけれども、何ぶんまだああいう事態が起きたばかりでございますので、直ちにどうこうという想定が非常に困難でございますけれども、いま直ちには影響はないだろう。きわめて長期的な考えからいたしますと、米軍の配置その他についても若干の変動ということも予想されるのではないかと思っておりますが、ただいまのところでは、それがどのくらいになるかということを想定することは困難ではないかと思います。
○加藤(万)委員 私は予想される事態というのを、実は逆説的に考えているんですよ。いわゆるベトナム戦争がエスカレーションをされた段階に拡大された施設ですね、あるいは人の移動、米軍側の戦略配置の変更ですね、それがベトナム戦争が今度はデスカレーションになるわけですから、逆説的に拡大されたところは縮小してくるだろう、したがって、その時点がいつかということは、おっしゃるとおりいまの場合想定はできませんけれども、いずれ近いうちにデスカレーションされる段階で在日米軍の基地は縮小傾向にいくのではないか。したがって、それに伴うその地域の労働者のいわゆる人員整理という問題が、当然のこととして起きてくるのではないかというふうに想定されるわけです。
 そこで、これはお聞きしておきたいのですが、基本労務契約の十一章四項というのがありますね。いわゆる人員整理の事前調整という問題です。このことはどうでしょう。いまのようなことが早晩予想されるとするならば、駐留軍の離職問題について、米軍側の戦略配備の変更に伴う課題を、駐留軍の労働組合である全駐労ないしはそれぞれの各施設の当該労働組合と、事前に話し合われる気持ちはありますでしょうか。
○山上(信)政府委員 整理の問題が起きる前に、調整という段階があるのでありまして、そういうような軍からの要望がございました際には、その段階において調整という措置をいたすのでございますから、いまのたてまえとしては、そういう方式でやっていくということで組合側も了解しておると承知いたしております。
○加藤(万)委員 そうしますと、在日米軍の戦略あるいはいま言ったような幾つかの変更の措置に基づいて、それぞれの基地に働く条件が変わったときには、全駐労は、もちろん本部関係はありましょう、あるいは支部関係の段階でも、事前に協議を行なう、こういうふうに理解してよろしいのですか。たとえばいろいろな問題が起きるんですね。降格の問題も起きるでしょうし、あるいは整理の問題も起きるでしょうし、いろいろな問題が起きるのです。先ほど言いましたように、エスカレーションした段階に拡大した基地は、デスカレーションの段階で当然縮小ということが予想されるわけですね。したがって、その段階では事前に、組合と整理について、あるいは降格とか職場の変更その他について、話し合うことを確認してもよろしいわけですね。
  〔小沢(辰)委員長代理退席、委員長着席〕
○江藤政府委員 ベトナム戦争によりまして、特に基地が拡大されたり、あるいは従業員をそれだけ大量に採用したということもございませんでしたけれども、確かにベトナムの関係で業務量がふえておるということははっきり言えると思います。したがって、ベトナムの問題が漸次縮小した場合に、現在の基地の業務量が減っていくことによって、従業員の整理ということがあるいは起こるのではなかろうかというふうに考えております。その場合におきましては、なるべく整理が少なくなるように事前に十分米側と調整いたしておるわけでありますが、今後ともそういうような措置をとっていきたい。その際に、具体的な個々の人事その他につきまして、一々組合と話し合いをいたすことはできませんけれども、大きな整理問題等が起きました場合には、これはその基地におきましては相当大きな労働問題でございますので、そのようなことにつきましては概括的に組合と十分打ち合わせしまして、極力強制整理の該当者が少ないような措置をとるようにいたしたいと思います。
○加藤(万)委員 そういうことが将来予想されることもあったでしょう。全駐労側から退職金の交渉要求がありまして、先般交渉がやや煮詰まったという話を聞いているわけです。そこで退職金の交渉状況、それから労使の間ではどの程度まで話が進んでいるのか、この辺を概要でけっこうですからお聞かせ願いたいと思います。
○山上(信)政府委員 駐留軍労務者の整理に伴う整理退職手当を増額してほしいということが中心になりまして、昨年来米側と折衝いたしております。これにつきましてはいわゆる検討委員会というのを昨年の十二月に設けまして、自乗ことしの三月に至るまで十数回この委員会を開催し、その間にまた、われわれはもちろんのことでございますが、防衛庁長官にも米軍首脳と折衝してもらいまして、現在この検討委員会の検討を一応終了いたしまして、整理退職手当については、当方が当初に要求しました二〇%アップという要求の全部を認めることはできませんで、段階的にアップをする。それから、しかしながらそれに見合う自己退について、やや有利と思われました点については若干是正をはかっていく。さらに老年といいますか、多年勤務いたしました人であって、かつ老年である者に対しては、これまた退職手当について従来よりも優遇するというような内容で、管理者間同士では一応検討委員会の案ができまして、それをただいま組合のほうに提示いたしまして回答を待っておるような実情でございます。
○加藤(万)委員 では、管理者側では意思統一ができましたけれども、組合との妥結といいましょうか、これはまだですね。
○山上(信)政府委員 まだ正式な御返事をいただくに至っておりません。
○加藤(万)委員 そうしますと、組合の要求と、いまの管理者側で意思統一をされた回答内容とは、まだ相当の差がありますね。事実上の差がありますね。これ以上の米軍側と日本政府の間の話し合いというのは、やはりいま意思統一をされた以上には発展をしないわけですか。
○山上(信)政府委員 基本的にはこれ以上の改定ということは困難かと考えております。
○加藤(万)委員 これは大臣にあとでお聞きをしますから、とめておいていただきたいのですが、いま言いましたように、組合側のいわゆる整理による退職、その場合の退職手当と、それから管理者側が意思統一をされた金額とは、実は差があるわけです。いわゆる要求と回答との間に実は差があるわけでして、かりにこのまま労使間で話し合いがまとまるといたしますと、組合側の要求は、在日米軍に対する問題ではなくして、その後起きるであろう整理後の離職者、それに対する政府側の措置に今度はかかってくるわけです。退職金で生活が安定できない、その分をいわゆる離職者法によってプラスアルファでカバーをしていく、こういう形になるわけなので、これは後ほど措置法の問題について御質問を申し上げる際にひとつお聞きをいたしますので、とめておいていただきたいというふうに思います。
 そこで、少し論点がはずれて申しわけありませんが、在日米軍から電波基地の拡大について、いわゆる制限地域の拡大について要求がありました。私ども、参議院ないしは衆議院のそれぞれの担当委員会でいろいろ話を聞いておるわけです。またそれぞれの先輩からも、政府側の制限地域の問題に対する回答なり、あるいは質問内容を承知いたしております。全国十二カ所ということであります。そしてそれについて日本政府側がいま検討中であるという、大まかにいえばそういう話を聞いているわけです。そこで、在日米軍側が日本政府に要望している点は、きょうは質問から省きますが、その後の経過について長官にお聞きをしたいと思うわけです。
 先般、自由民主党の政調会の基地対策特別委員会で、長官が、電波障害の制限地域を拡大する基地の提供については、安保条約に基づく施設の提供の絶対的義務はない、こういう発言をされておることを実は二月十五日の新聞で承知をしておるのですが、この点についてはどういうお考えでしょうか。
○山上(信)政府委員 施設提供の問題並びに電波制限等の問題につきましては安保条約がありまして、施設の提供については第二条により、また電波施設の障害の問題につきましては第三条の第二項がそれぞれございまして、基本的には安保条約による施設提供という義務が政府にはございます。しかしながら、個々の施設、個々のそういった制限というものにつきましては、それぞれの問題ごとに日米問で協議して決定するということでございますので、一方的に米側が要求したからそれをやらなければならないのだということにはなっておりません。したがって、日米間で協議をいたし、そうして当方が提供しようということに相なるまでは、それが直ちに義務として発生するというようなものではないということを申し上げた次第であります。
○加藤(万)委員 当方が提供する条件が整わなければ、こういうことでありますが、たとえばいまの電波障害の制限地域の問題で一番問題になっておりますのは淵野辺のキャンプ、都市周辺の基地で一番問題になっておると思いますが、この淵野辺のキャンプについては、いま施設庁では、いま言われました絶対的義務か義務でないかという問題を含めて、提供する可能性といいましょうか、あるいは提供する条件といいましょうか、そういうものは整っておると見られますか。
○山上(信)政府委員 これにつきましては電波障害特別委員会というのを昨年来設けまして、その委員会で十分検討いたしたい、技術的あるいはその他各方面から検討をいたしまして、その上でこれが必要であるということになりますれば、それはまたそれぞれの方面と了解を得ましてお話を申し上げたいというふうに考えておりまするが、現在のところこの委員会の検討の結論が出ておりませんので、ただいまどうであるということを申し上げる段階には至っていないというふうに考えております。
○加藤(万)委員 検討委員会のいまの進行状況はどの辺まで進んでおるのでしょうか。たとえば電波制限について電波の管理上技術的問題あるいは電波障害のために有害物があるとかないとか、そういう調査が進められているというふうに聞いておるのですけれども、いまの進行状況はどの地点くらいにあるでしょうか。
○鐘江政府委員 この調査の件でございますが、ただいま施設庁長官からお答えいたしましたとおり、合同委員会の下部機構に電波障害に関する特別委員会を設けまして、日本側といたしましては、郵政省をはじめ関係各省の皆さまが委員になっておられます。今後施設庁の計画といたしましては、現在予算審議が行なわれておるわけでございますが、四十三年度の予算で約五百万円程度の調査費を御要求申し上げております。これによりまして全国の十二の施設のうち約七カ所程度、これを具体的に電波雑音測定器を用いまして調査いたしたい。その個所につきましては、この特別委員会の日本側のメンバーとも御相談しなければなりませんし、アメリカ側とも協議いたしまして、どこをどういうふうに調査するかということをこれから取りきめたい、かように存じております。いままでに郵政省のお力をかりまして、昨年埼玉県の大和田、それから柏の通信施設二カ所を一応調査をいたしましたが、現在私どもが考えておりますのは、もっと技術的に深く突っ込んだ調査をいたしまして、十二の施設の米側が要求しておりますところの内容の必要性、これをまず検討いたしまして、逐次掘り下げていきたい、かように考えております。
○加藤(万)委員 米軍側は、もうだいぶ前から本問題を日米委員会に出しておるわけですね。そうしますと、日本政府としては、当然のこととしてその要求に対する一定のめどをつけて調査をする、ないしはいまの特別委員会の作業を進行させる、こういうことになろうかと思うのですが、一体いま日本政府は、この要求に対する一定のめどといいましょうか、あるいは調査段階をいつ終了させ、日米合同委員会では、どの地点を提供する、こういうスケジュール的なものはありますか。
○山上(信)政府委員 ただいまのところでは、いつまでに終了させるというスケジュールは立てておりません。四十三年度の予算によりまして調査費を計上いたしておりますが、これによっても全部を調査するわけでございませんので、さらに引き続き自余のものについても調査をいたさなければなりませんし、したがいまして、当方といたしましては、いつまでに終えるというところまではいまきめておりません。
○加藤(万)委員 それでは、当面はめどがないわけですね。したがって、めどがないから、先ほど言いましたように、基地提供の絶対的義務があるのかないのかという判断をする材料もない、こういうように理解してよろしいんでしょうか。
○山上(信)政府委員 検討委員会で調査しまして、個々の施設についてでも結論を得れば、これはそのときにどうするということをきめたいというふうに考えております。
○加藤(万)委員 郵政省の電波監理局の方、見えておりますか。――いまもちょっと答弁がありましたが、大和田あるいは柏について電波障害の有無及び障害物排除の技術的問題を調査されているというのでありますが、その他の地域に対しては監理局としては調査を進めておられませんか。またいま進められておる柏なり大和田について、そういう電波障害の有無とか障害物排除の技術的問題とかいうものの結論が出るのはいつごろになりますか。
○福守説明員 お答え申し上げます。
 ただいまお話のありました柏、大和田につきまして調査に参りましたという御説明がございましたけれども、まだ、いわゆるこの問題の調査、検討という意味の技術的な調査はいたしておりませんで、問題の施設が一体どういうようなところか、将来の実態の検討の必要等も考えまして、参考に一応現地を見ておく必要もあろうということで、参っただけでございます。したがいまして、いまの二カ所につきましても、まだ調査はこれからということでございまして、それ以外の施設についても、まだ何も手をつけておるわけではございません。
○加藤(万)委員 おかしいですね。昨年の参議院のわが党の代表質問に対しては、とりあえず電波障害の技術的な問題を早急に調査をして進めます、こういうお話でしたが、アンテナを見たり、基地の周辺から高さをながめたりということしかやっていないのですか。米軍側の受信か、送信か、あるいは超短波か、そしてその機能はどれくらいなのか、制限地域の上瀬谷にひとしいのかひとしくないのか、そういうことは調査していないのですか。
○福守説明員 そのとおりでございます。
○加藤(万)委員 それでは施設庁が言われているように、その資料が出てこなければまず技術的問題は解決しないでしょう。米軍がもう四十一年から要求しているのですよ。先ほどめどが立たないとこう言いましたけれども、米軍側が要求していることと、その技術的に解決をすべき問題とが、本来は時間的には並行的になされなければならぬのですね。いまのような形ですと、電波監理局として技術的な問題の結論を出す日は見当がつかぬというわけですか。
○福守説明員 お答え申し上げます。
 ただいま防衛施設庁のほうからも御説明がございましたけれども、今後どのように技術的な点について調査するかということは、これからの問題でございます。郵政省といたしましては、この問題の検討につきましてはあくまでも技術的な面から、日本側の対策について必要な協力を申し上げるということでございまして、まだ先生のおっしゃいましたような調査はいたしておりません。
○加藤(万)委員 これ以上そこを追及してもお答えがないと思いますから言いませんが、少なくとも昨年十一月の参議院の逓信委員会あるいは衆議院の内閣委員会等で本問題が提起をされて、そしてとりあえず電波障害の技術的問題の解明を政府側としては与える、行なう、こう言っているのですからね。もしいまの回答が事実とすればえらい怠慢なわけですね。またもし隠しておられるとすれば、国会審議権の軽視ではないかと遺憾に思うのですよ。これ以上本問題は言いません。
 そこで、もしこれが技術的に結論が出て、日米合同委員会で制限地域を確定した、この場合には、従来長官も述べられておりますように、いわゆる土地収用法であるとか、あるいは強制的な収用条件を考えていない、民事によって上瀬谷のように処置をしていく、こういうことを再三述べられておりますが、今日でもそのことは変わりはないでしょうか。
○山上(信)政府委員 変わりございません。
○加藤(万)委員 施設庁が出しておられる広報がありますね。「防衛施設広報」これはちょっとずいぶん古いのですが、上瀬谷の海軍通信施設の収用にからんで、最終的にはこの民事の契約によっては、幾つかの条件をあげていますが、不可能な条件がしばしばある。したがって、最終的には法律の面で考えなくてはなるまい、こういうふうに書いてあるのです。以上のようなことなどから、行政措置としての限界があるような感もあり、何らかの立法措置を望む声もある。これは施設庁が出しておられる広報ですけれども、立法問題については考えていませんか。
○山上(信)政府委員 その広報に載っておるのは、そういった意見があり、そういうことについて問題があるということを指摘したものでありまして、政府がそういう考えを持っておるということとは全然別だと私考えております。したがいまして、私どもといたしましては、非常にむずかしい問題ではありまするけれども、これを直ちに強制力を用いるということにはならないというふうに考えておるような次第でございます。
○加藤(万)委員 神奈川県議会で、本問題に対して超党派的に、神奈川県の電波制限地域に対する意見書を政府側に提出しています。御存じでしょうが、これはほとんどがいわゆる制限地域になることの反対を内容としたものです。県は本問題については調査に協力をしない、こういうことを県議会では明らかにしています。また、淵野辺キャンプを持つ相模原市は、本問題に対して絶対反対という態度をきめて、民事契約にも応じない、そういうのが住民の意思として表明をされています。神奈川県議会のこの反対意見書に対して、施設庁長官はどのようにお考えになるでしょうか。また、地元の民事契約がそういう形で進行しない。この場合にはアメリカ側の要求する淵野辺キャンプの拡張、いわゆる制限地域の拡張について、どういう処置をとろうとされますか。
○山上(信)政府委員 地元の県から、そういったような御意見がありますことについては、いろいろな現地の実情を反映しているものだと思います。私どもは、今後この検討委員会におきましては、単に技術的な問題ばかりでなく、各方面からのそういった現地における問題その他も十分検討していただいて、そして地元が相当、そういうことについて受け入れがたいというのにかかわらず、直ちに合同委員会できめてしまうというような考えは、必ずしも持っておりません。そういった実情を十分考慮しながら、この委員会が適正な結論を出してもらうことを私どもは期待をし、かつ今後もしこれをやらなければならぬという結論になりますれば、これはそういった地元の方々の御理解、御協力を十分得た上で、やってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○加藤(万)委員 本法案と直接関係はありませんけれども、基地の拡大、縮小という問題が、当初申し上げましたように一つは雇用問題、同時に、基地の縮小ないしはいわゆる米軍が開放する場合は別でしょうけれども、拡大という問題については、いま申しましたように、特に相模原淵野辺の場合については、地元住民との関係が生活権との関係から、きわめて重要な問題があるわけですから、十分な配慮と地元側との協力、協議を進めてもらいたいというふうに私は思います。
 さてそこで、先ほど、当初質問いたしましたように、米軍側の基地の縮小に伴って整理が起こる可能性があるわけです。そこで、退職金の問題が出て交渉しましたけれども、結果的には、最終的に組合の要求に近い満足の形では妥結をしておりません。長官の説明がありましたように、自己退職の場合には勤続年数の少ない者は、国家公務員の一つの例を引きながら少し引き下げられる。その分を整理対象者ないしは勤続が長くて定年に近い人についてプラスアルファを加える。いわば退職金の総支出額では米軍側はそれほど負担増にならない、そういう結果になるように私は思うのです。これは計数をはじいてみなければわかりませんけれども、したがって、そういう関係から見て、これから起きる駐留軍労働者の生活の安定という面を、日本政府として今度は考えていかなくちゃいけないわけです。
 そこで問題になりますのは、今日法案が提出されておる臨時措置法、これをいかに充実するかということに政府側としては努力をしなければならないわけです。今度の改正は、一つは期間の延長、これは五カ年ですね。それからいま一つは、再就職奨励金の支給。三つ目には雇用促進事業団の事業の拡大。こういう内容になっておるわけですが、いまの退職金の条件、あるいはベトナム戦争のデスカレーション等々の関係から見て、この処置で駐留軍労働者のこれからの生活の安定が求められる、ないしは十分である、こういうようにお考えでしょうか。ひとつ大臣に所信をお聞きしたいと思います。
○小川国務大臣 おことばにございましたように、将来基地の縮小等のこともあり得ると考えられまするし、それに対処して十分に対応できるような措置を考えておく必要があるという御趣旨には同感でございます。私どもといたしましては、今度この法律を改正していただきますことによって、少なくとも当面はさような事態に対処できるものと考えております。
○加藤(万)委員 前回、本法案が本委員会で問題になった際に、駐留軍の労働者の離職後の雇用について政府側は特別な配慮を払うべきではないか、ややもすれば、いわゆる整理はすべて金の面で始末をする。そうではなくして、整理者が出たら政府機関の中に雇用する、そういうこともやや計画的に考えるべきではないか、こういう意見を私は実は申し上げたのです。特に今度のように自己都合ではなしに、整理対象者がたくさん出るということが想定されますと、当然雇用計画というものを政府側の措置として行なう必要がある、こういうように私は思うのですが、いかがでしょうか。
○有馬政府委員 駐留軍労務者の離職の経緯につきましては、十年ほど前からの経緯がございますが、かつては二万、三万と人員整理者が出たわけでございます。最近は、昨年の実績あるいはごく最近の実績から言いましても、人員整理者は千人前後に落ちておる。したがいまして、今後の発生状況にもよりますが、御指摘のような事情から大量に人員整理が出るというふうな事態に立ち至りましたならば、かつて官公庁に計画的に再就職をはかっていった事実がございますが、これに準じまして、そういった大量の解雇者が出た場合には、そういった措置も検討し実際に計画を立ててまいりたい、かように考えます。
○加藤(万)委員 駐留軍労務者は年齢が高いだけに、私は、再就職の機会というのは、御案内のような社会情勢ですからなかなかむずかしいと思うのです。そういう意味では、まず優先的に政府側がその雇用計画ないしは再就職の処置を講ずる、このことが第一だと思いますので、いまの局長の、前、一時期ありましたような処置を、この際あらためて再検討と再計画をされるようにまず第一に希望しておきたいというふうに思います。
 そこで、今度の法案は期間が五カ年間延長になりましたね。その関係で、従来この措置法に基づいてつくられた幾つかの政令の点で、私は、手直しを加えなければならない面があるのではないか、こういうふうに実は思うわけです。たとえば駐留軍関係臨時措置の施行令がありますね。施行令は、当時、法案ができてから十年間を見込んで、駐留軍労働者の勤続年数はおおむねその時点でということで、この施行令の中の第十条に特別給付金の制限があります。十九年までとして、十九年以上は、いわゆる勤続年数の想定年数がないわけです。今度これが通りますと、どうでしょう。十九年以上の駐留軍勤務者、これは何人くらいになるでしょうか。
○江藤政府委員 現在駐留軍従業員約五万一千人おりますが、その中で十九年以上勤務いたしておる従業員は約六千名程度でございます。しかしながら、御承知のように駐留軍の場合におきましては、先任権、逆順位で整理をいたしてまいりますので、勢い勤務年数の少ない人が先に整理されるという結果、十九年以上の者の整理というものは比較的少ないわけでございまして、したがって、ある程度整理がふえた場合におきましても、十九年以上の整理対象者というものは非常に少ないのではないかというふうに考えております。
○加藤(万)委員 確かにそういう処置が講ぜられてはおりますけれども、六千人いると、先ほどのように基地の縮小が行なわれれば、当然該当者が出てくるというように想定されるわけですね。さすれば、いまの施行令、これは三十五年から四十五年までのいわゆる十年間を想定してつくった施行令と私は一応見ているのですけれども、この面で、たとえばいま言った十条の十九年以上という問題については改正をされる必要があるのじゃないでしょうか。実際その該当者が出てきますし、対象者もあるわけですから、その条件を引き上げる、改正する必要が私はあるのじゃないかというふうに思うのですが、これは、職安局長、いかがでしょうか。
○山上(信)政府委員 十九年以上の年数というのは、今日の段階におきまして考えますと、いろいろ問題があるように思っております。ただこの施行令に十九年をきめました際には、昭和三十九年のいろいろな基本的な改定をいたしたわけでございまして、したがいまして、いま直ちにこれを改正するということは非常にむずかしい実情にもございますが、十九年という年数は、現在ではすでに相当長くなっております。先の見通しを考えますと、相当多いということも事実でございますので、これらについては十分また検討してまいりたい、かように考えておる次第であります。
○加藤(万)委員 いまの御回答、必ずしも満足ではございませんが、ぜひそういういわゆる前向きの姿勢で――実際に対象者が六千人おり、また整理の対象になる者が起きるということがおおむね想定されるわけですから、そういう意味では、いまの回答に沿って前向きに、特に第十条、十九年以上の問題の改定について御配慮を願いたい、ひとつ前向きに検討していただくように要請を申し上げておきたいというふうに思います。
 それから雇用促進事業団の関係を少し聞いておきたいというふうに思います。
 今年度の予算では、債務保証の総額は四千五百万、それに対する政府側の弁済は百七十五万、これは間違いないですね。
○有馬政府委員 債務保証の見込み額は四千五百万、債務保証相当額といいますか、これは、四千五百万といっておりますが、正確には四千三百五十万でございます。
○加藤(万)委員 政府側の事業団に、何というのですか、保証に対する、債務最低弁済というのですか、額というのですか、それは百七十五万、これは間違いございませんか。
○有馬政府委員 債務保証の必要経費として計上しております額は百七十三万でございます。
○加藤(万)委員 そうしますと、これは私とやりとりをあのときにしましたけれども、前回は三千五百万に対して五%で、たしか百七十五万だったですね。私は、少しパーセントが、率直に言っていいかげんではないか、むしろ今日の信用金庫等の債務保証等から見れば、当時私は、もう少し安くていいのではないかという話を申し上げたのですが、百七十三万ですから五%から四%弱になりましょうか、これに下げた理由は何ですか。
○有馬政府委員 昨年は危険率を五%というふうに見込んだのですが、御指摘のように信用保証協会その他の実績等見ますと、もう少し危険率は低いわけであります。大体今回の四%で十分であるというふうに判断いたしまして、今回は四%の危険率で百七十三万の必要経費を計上いたしたわけであります。
○加藤(万)委員 私は逆だと思うのですよ。保証の問題は昨年できたばかりですから、そういう意味では利用者が非常に少なくて、その危険率もきわめて少ないのではないか、今年四十三年、四十四年にかけて、今度はこのことが相当駐留軍従業員の中にも浸透しますから、利用度が高くなるわけですね。利用度が高くなるということは、逆にいえば危険率もそれに比例して高くなる可能性があるわけでしょう。そうしますと、去年五%で、ことし四%に下げたというのは、どうも私納得がいかないのです。どうでしょう。実際の利用面でそういう傾向値を持つのではないでしょうか。
○有馬政府委員 これは御承知のように、弁済不能が生じた場合の代位弁済に充当する必要経費でございますので、一応算定の基礎といたしましては四%を見込んでおりますが、御指摘のような事情も考えられますので、実際危険率がもっと高く出る場合も想定できるわけでございます。しかし、これは予算でございますから、実際にそういう高い危険率が出た場合には、百七十三万に拘束されずに、必要な経費として弁済に充当するということになりますから、そしてさらにこの実績の上に来年、再来年というふうに危険率の算定をいたしていきたいということで、この百七十三万の予算額に、必ずしもこだわらなくてもいいのではないかというふうに考えております。
○加藤(万)委員 去年信用保証によって借り出した金は、実績はどのくらいでしょうか。
○有馬政府委員 昨年は、この債務保証制度が始まったのがたしか十一月ころからだったと思いますが、今日まで十三件ほどの申請がございます。これに対しまして保証を決定をしたのは、今日までのところ一件、そして保証額が五十万円というふうになっております。
○加藤(万)委員 そうしますと、四十二年度はきわめて少なかったというわけですね。したがって、四十三年度は増大する可能性傾向というのは非常に強くあるわけですが、先ほどの局長の答弁で百七十三万に対する問題は解消をしましたので、ぜひそういう措置をとっていただくようにお願いをしておきたいというふうに思います。
 それから、今度の改正の三点目の、事業団の業務内容の拡大の中に、心身障害者の問題が提案されておりますが、これはどういうことなのですか。内容的にはどういうことをやろうとされておるわけですか。
○有馬政府委員 身体障害者の場合におきましても、雇用労働者となりがたい、あるいは自営を特に希望するというケースが相当ございますので、この場合に、開業資金を金融機関から借り入れる際に、借り入れがたやすくなるように、同じような債務保証制度をこれに裏づけていきたいということで、事業団法の改正をいたしまして、それを法律的に可能な制度に改めるというふうにいたすわけでございます。
○加藤(万)委員 いまの債務保証の額その他については、駐留軍関係の債務保証の額ないしは炭鉱離職者措置法に基づく額、それと同列、同額というふうに理解してよろしゅうございますか。
○有馬政府委員 同じでございます。
○加藤(万)委員 身障者の場合は、社会復帰するためのいろいろな保護法あるいは政府の行政措置があります。あるいは個人企業を開業する場合についても、地方自治体は自治体なりに、たとえば社会復帰の生業資金であるとかなんとかという資金を貸し付け、ないしはある自治体においては、無利子で相当の長期間の年月貸し出しをする等々の措置が講ぜられておるわけです。そこで、この債務保証をした場合に、他のそういう地方自治体あるいは身障者法に基づく特別の優遇措置、それとダブって支給される場合があると思うのですが、そのダブる部面についてはこの債務保証とは関係がありませんか。
○有馬政府委員 生業資金の貸し付け制度あるいは県によっては施設に対する助成金制度をいろいろ設けておるところもあるようでございますが、私どもが今回債務保証制度を新たに設けたのは、これらの諸制度と関連は持ちますけれども、大体ダブらないようにやっていこう。私どものほうは金融機関の貸し出しをスムーズにするというふうなねらいでできておりますので、大体生業資金の貸し付け制度とは競合しないのではないか。またわれわれの窓口の指導も、こういった各種の援助措置を最も有効に発揮できるような形で身体障害者の自営業の開業を援助してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○加藤(万)委員 駐留軍関係の債務保証についてもそうでありますが、いわゆる資金の貸し出しについて、信用金庫あるいは市中銀行から借りる場合、いろいろな制限があるわけですね。たとえば歩積みであるとか、両建てであるとか、いろいろな措置があります。この際、身障者についてもできる限りそういう制限の緩和であるとかあるいは資金を借りる上の手続の簡素化であるとか、あるいはかりにダブつたような面が多少あっても、それを優先的に、そういう心身障害者ないしは駐留軍の離職者に対する債務保証の面で考慮し、それらの人々が正常に社会復帰ができる、あるいは自営業を営むのに資金の面で制約を受けない、こういう行政措置をぜひ強めていただきたいというように私は思うのです。この問題は、ひとつ大臣からお答えをいただきたいと思います。
○小川国務大臣 十分研究をいたしまして、御趣旨に沿いたいと考えます。
○加藤(万)委員 最後に、本法案の実際の中身は、たとえば奨励金にいたしましてもあるいはその他の措置法に基づくいろいろな資金の交付にいたしましても、もう相当時間的には経過してきておるわけですね。したがって、たとえば奨励金は三十日分から四十五日分でしょうか、そういうこと等々も含めて資金の面でもう少し増額する必要があろうかと私は思うのです。三十五年の施行当時のものもありますし、そのあと炭鉱離職者法の改正によって変わった面もあります、たとえば就職促進手当にいたしましても。しかしそれでもなお四、五年を経ておるわけですから、額的には今日の物価の上昇あるいは社会発展の状態からいって、きわめてまだ低額だというふうに私は思うのです。したがって、この法案の改正を機会に、抜本的にいままでの各手当に対する額を増額するということについて御検討願いたいと思うのですが、いかがでございましょう。
○小川国務大臣 ごもっともの御指摘であると存じます。離職後の実態を十分研究いたしまして対処してまいりたいと思います。
○加藤(万)委員 質問を終わります。
○八田委員長 河野正君。
○河野(正)委員 時間もございませんので、簡潔にお尋ねをいたしますから、お答えのほうもひとつ簡潔に、しかも的確にお答えをいただきたい、こういう前提を申し上げて二、三の質疑に入りたいと思います。
 基地労働に従事いたします駐留軍労働者は、すでに二十数年間の長きにわたっており、しかもその間米軍の一方的な政策変更等によりまして、今日まできわめて不安定な雇用をしいられてきたことは御案内のとおりであります。したがって、そういった情勢を背景として、駐留軍離職者臨時措置法が制定をされたという歴史的な経過を持っておるわけでございます。ところが実際には、政府の再就労計画の不完全あるいはその他の問題のために、なお数多くの労働者が失業状態に置かれておるというのがその現況であります。特にベトナム情勢等から見てまいりましても、一そう雇用、生活の不安というものがつのりつつある、こういう状態でもございます。したがって、今後前向きで解決をしなければならぬ問題が多々あるわけでございますけれども、そのいろいろを申し上げますと時間もございませんから、二、三の点にしぼってお尋ねを申し上げたいと思います。
 その第一は、いま加藤委員からもいろいろ御指摘があったわけでございますが、給付金について段階的な区分がございますことは御承知のとおりでございます。ところが、昨年の時点と本年の時点とでは、若干次元が異なっておると私は思うのです。というのは、御承知のように、昨年の時点におきましては、ことしの五月に有効期限が切れるわけですから、そういう時点と、今日さらに五カ年間を延長しようという時点とにおいては、おのずから考え方というものが違っていかなきゃならぬ。そういう意味で、いまの加藤委員の質問の中にもございましたが、十九年以上の在職者、今度五年間延長になりますというと、当然二十何年ということになるわけですから、したがって、現在頭打ちになっております十九年というこの段階というものは当然延長して、具体的に申し上げますと、上限を廃して、区分の改善というものが行なわれなきゃならぬ。これについては、先ほど前向きでというお答えもございました。しかし、昨年とことしの次元とは違うわけですから、したがって、これらの点については、さらに具体的にお答えをいただきたいというふうに考えております。
○山上(信)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたが、本処置が大改正をいたしました昭和三十九年におきまして、金額、年限等について大きな修正をいたしたわけでございます。したがいまして、いま直ちにこれを訂正するということにはいろいろむずかしい問題も多うございますが、先ほどもお話のございましたように、今日はそれからもたいへん年数もたっておりますし、また今後のことを考えますと、そういった十九年という制限で妥当であろうかどうかということについて、ただいまおっしゃったような御意見もございますので、私どもといたしましては、今後これらについて、非常にむずかしい面もございまするが、検討してまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
○河野(正)委員 年数を経てまいっておりますから――そういうことも一つございます。それから、むずかしいむずかしいというお答えがあるわけでございますが、そのむずかしいというのを、どこにむずかしいという理由を置いておられるかどうかわかりませんが、先ほど申し上げましたように、やはりこの問題は、臨時措置法の有効期限が切れる以前の問題と、さらに五カ年間延長しようという今日の時点におきましては、おのずから考え方が変わってこなきゃならぬと思うのです。そういう意味で、昨年度においては非常にむずかしい問題でも、ことしいよいよ五カ年間延長しようという今日においては、かなり客観的情勢というものが変わっておりますから、ある程度のことは改善されると思うのです。そういう意味で、ひとつこの問題については、実施できるような最善の努力をしてもらいたい。どうかそういう意味でお答えをいただきたいと思います。
○山上(信)政府委員 御趣旨よく承知いたしました。できるだけ努力をいたしたいと思います。
○河野(正)委員 そこでいま一つは、特別給付金の額の問題でございます。これは社会情勢がだんだん変わってまいりますし、経済情勢も変わってまいります。そこで私はやはり特別給付金の額の問題についても、それぞれ諸情勢に対応する額というものがきめられなければならぬ、こういうふうに考えております。特に全駐労の組合のごときは、倍増しろという要求等もあるようでございますが、やはり今日の経済情勢その他の情勢というものが、だんだんに変わってきておるわけですから、そういう意味で、諸情勢に対応する額の決定というものが当然必要になってくるのではなかろうか、こういうことを考えますので、それらの点について、ひとつこれまた前向きでお答えをいただきたいと思います。
○山上(信)政府委員 先ほどお答え申し上げました中のむずかしいという点につきましては、特に金額の増額ということにつきましては、何べんも申し上げるようでございますが、三十九年に大改正をいたした次第でございまするので、いま直ちにこれを増額ということも非常にむずかしいことだと存じます。ただ、おっしゃるような点はもちろんございましょう。したがいまして、これらについてもわれわれいろいろ関係各省の御意見も伺いたいと思いまするが、いま言ったような実情でございまするので、ひとつ御了承願いたいと思います。
○河野(正)委員 三十九年の大改革を鬼の首をとったような表現で言われておりますけれども、三十九年以来経済情勢は違っておりますし、御承知のように公務員のベースアップも毎年毎年行なわれているわけです。そこでやはり四年後の今日ですから、したがって、それらの経済情勢に対応する額の決定というものは、改善というものは当然のことだと思うのです。そういう意味で、むずかしい点もこれまたございましょうが、すでに三十九年の大改革より四年も経過した今日ですから、そういう点も踏まえて、さらに格段の努力をしてほしいと思いますが、それらについてもひとつ前向きでお答えをいただきたいと思います。
○山上(信)政府委員 御意見よく拝聴いたしました。われわれもできるだけの努力はいたしたいと存ずる次第でございます。
○河野(正)委員 そこで第三点は、これまた加藤委員のいろいろな質問の中にございましたが、債務保証についてでございます。これは御承知のように、三十九年の一月以降の離職者に対して適用されるのであって、それ以前については適用が除外されるという経緯がございます。与えられた時間が刻々と参っておりますが、もう一つは、離職後一たん安定雇用についた者については適用しない。ところが、安定雇用とは一体どういうものだということについては、これまたものさしがないわけです。ですから私は、この債務保証についての運用の妙といいますか、それらについては、やはりそれぞれ離職者に対して救済していこうというのが、事業団法あるいはまた臨時措置法の法の趣旨でもございますので、この問題については弾力ある運用というものがきわめて望ましい。機械的にやるべきでない。ものさしではかったような運営では、結局法の趣旨にもそぐわぬことになるわけですから、そういう意味で、この債務保証についても弾力ある処置というものが望ましいというふうに考えるわけですが、この点はひとつ労働省のほうにお答えをいただきたい。
○小川国務大臣 債務保証、要するに融資でございますから、もちろんこれが放漫に流れてはいけないのでございますが、制度の趣旨にかんがみまして、実態に即してできる限り弾力的に運用するようにしたい、かように考えております。
○河野(正)委員 いまも大臣からも御答弁ございましたから、弾力的に今後運用されるというのに私ども期待をいたします。ただ、一応のものさしがあるわけですから、それらについて、たとえば三十九年の一月以降の離職者とか、あるいはまた一たん安定雇用についた者については適用除外だとか、こういう点について弾力ある処置が行なわれるというように私どもは理解をいたしたいと思います。大臣、そういうことでよろしゅうございますね。
○小川国務大臣 けっこうであります。
○八田委員長 田畑金光君。
○田畑委員 まず、労働省にお尋ねしますが、いまの債務保証に関連しまして、先ほどの加藤委員に対する答弁によりますと、昨一年間で十三件の申請に対し、実際貸し出したのは一件であった、こういうことです。同じ制度というものが炭鉱離職者についてもあるわけで、昨年から債務保証制度が発足しておるわけですが、炭鉱離職者については、この一年間幾らの申請で、実際貸し出しが決定したのは何件なのか。
○有馬政府委員 石炭は、三十件で債務保証額が二千五百三十三万円でございます。
○田畑委員 三十件の申請に対して決定が何件でしょう。あるいはいまの御答弁は、三十件貸し出し決定をしたということですか。
○有馬政府委員 実績でございます。
○田畑委員 石炭の例を見ますると、実績が三十件、駐留軍離職者については、実績が一件、こういうことです。私は大臣にお尋ねしたいのですが、せっかく債務保証制度というものが発足しましても、援護業務の充実強化というふれ込みで、この制度が発足しているわけですが、たった一年間で一件しか貸し出しが実現していないということですね。炭鉱離職者については、ようやく三十件というわけです。今日までの炭鉱離職者の数を考えたときに、もちろん自営業を意図したものについてこの制度は実施されるわけですが、あまりにも、件数から見ても、金額を見ても、少なすぎると大臣はお考えにならぬかどうか。現に私は、この問題について、過去、末端における運用の状況をながめてみますと、まことに、ただ制度を設けたというだけで、制度の運用について一体職業安定所であるとか、雇用促進事業団とかいう機関が、十分この制度の趣旨を理解して協力しておるかどうかということを強く疑問に思うわけです。駐留軍離職者関係などを見ますと、わずか一件でしょう。ただ法律をつくれば、これで制度ができて、政府の施策が充実したのだというような官僚的な考え方で行政が運営されておるから、私はこういう結果を招いておると思うので、この点は大臣、ひとつどういうふうにお考えになるか承りたいと思います。
○小川国務大臣 はなはだうかつなことで恐縮でございますが、ただいま御指摘を受けて、私も初めてこの数字を承知いたしたようなわけでございます。これがもちろん、運営面において担当者が熱意を欠いておるというようなことでは、はなはだ遺憾なことだと存じますが、この審査中の十二件につきましては審査が進んでおりまして、十二件ことごとくについて債務の保証ができる、そういう、いま判断になっておると聞いておるわけでございます。
 なお、この点につきましては、これから先もせっかくこういう制度があるのでございますから、十分の熱意を持ってこれが運営されますように、所期の目的を達成できますようにつとめていきたいと存じます。
○田畑委員 私は労働省に希望しますが、先ほどとにかく炭鉱については三十件決定を見たと言いますが、それをひとつ各安定所ごとに後ほど資料を出していただきたい、こう思います。
 それから特に私は大臣に希望いたしますが、これは本省の局長なども一生懸命に誠意を持って事に当たっていることは、万々承知いたしておりますが、下部末端にまいりますと、実際こういう制度ができても、炭鉱離職者なり、駐留軍離職者の諸君が、自営資金を銀行から借り入れをするについては、なかなか容易でないのです。私の知る限りにおいては、炭鉱離職者などについても相当の資力があるにもかかわらず、なかなか銀行でストップして、一カ月も二カ月も時間をかけておる。その間、一体公共職業安定所なり、あるいは雇用促進事業団の下部機関が、そういうようなケースに対してどれだけの熱意を持って協力しておるか、非常に疑問な点を私は現に見ているわけです。こういう点については、ひとつ十分今後労働行政の面において監督し、激励をしていただきたい。このことを強く要望しておきます。
 次に、駐留軍離職者臨時措置法と炭鉱離職者臨時措置法という法律は、大体内容が似たり寄ったりになっているわけです。すでに炭鉱離職者については、再就職奨励金制度が発足しておるわけであります。今回、駐留軍離職者について、あらためて再就職奨励金を制度化されたわけでありますが、大体似たり寄ったりの背景から出てきた立法措置であるとすれば、炭鉱離職者にこのような制度をつくるときには同時に駐留軍離職者にも適用する、こういうような法改正などがとられて当然じゃないか、こういう感じを受けるわけでありますが、相前後するのは、どういう事情に基づくものであるのか、この点を御説明いただきたいと同時に、また特別給付金制度を見ますると、いまの質問の中にもあったように、将来の改善が要望されておりますが、特別給付金というものは、今度また炭鉱離職者についてはないわけですね。これは一体どういう事情に基づく違いなのか、その辺の事情を明らかにしていただきたいと思うのです。
○有馬政府委員 石炭と駐留軍の場合は、いろいろな点で事情が違いますのと、それから離職者措置法のできた経緯がございます。いま御指摘のような違いが今日までもございまして、大体同じような援護措置になってまいったのでございますが、なおかつ両者の違い、特殊性によって相違が残っております。これはまあ両者の相違といいますか、事情が違いますので、やむを得ない問題ではないかと思います。その一つに御指摘のような特別給付金制度がございます。それからまた、石炭のほうには移住資金という、いわゆる下山料といわれる移住資金がございます。こういった点はやはり両者の違いから出てきておる問題でございまして、やむを得ないではないかというふうに考えております。
○田畑委員 いま移住資金のお話がありましたが、なるほど炭鉱離職者には移住資金というのがあるし、駐留軍離職者には移転資金というのがあるのですね。移住と移転と、ただことばが違っているだけで、両方にあるわけです。私の申したいのは、いずれ内容が似たり寄ったりの環境にあるし、また、離職した場合の困難性から見ても、共通の環境にある両者でありますので、できるだけ一年おくれというようなやり方でなくして、相前後して改正を必要とするなら改正をする、こういうようなことが望ましいんじゃないかと私は考えておるわけです。この再就職奨励金を今度設けたことによってどの程度の効果が期待されるのか。先ほどのような、債務保証によって年間一件しか効果が期待できないということになりますると、およそ制度の目的自体を疑問に感じさせるわけでありますが、どの程度の効果を再就職奨励金によって労働省としては期待しておられるのか、これを伺いたいと思う。
○有馬政府委員 予算上の対象人員は一応八百五十一人と見込んでおります。しかし、まあ実際上は、先生御指摘のように、これを若干下回るんではないかと思いますが、私どもも、下部を督励いたしまして、この制度の趣旨を徹底させて、早期に再就職をはかってまいりたいと思います。
○田畑委員 防衛施設庁長官にお尋ねいたしますが、駐留軍関係の労務者の推移ですね、どういう状況で動いておるか、御説明をいただきたいと思います。まず、ひとつ御説明をいただきましょう。
 それから、その駐留軍労務者について、陸海空各軍別にどのような状況になっているのか、これをひとつ簡潔に御説明願いたい。
○山上(信)政府委員 詳細な数字でございますので、労務部長から御説明いたします。
○江藤政府委員 現在、駐留軍従業員は約五万一千人おりますが、過去三年間におきましては、ほとんど増減がありません。四年前に板付の大量解雇がございまして、その時点に相当の整理がございましたが、その以後におきましては、年々数百名程度でございます。特に四十二年度におきましては、三百人未満の整理退職であろうというふうに見込んでおります。大体において、むしろ現在は、米軍要求の充足数が完全に達成されていないという状況にございまして、比較的整理が――比較的と申しますか、たいへん整理が少ないというのが実情でございます。
 それから、陸海空別の駐留軍従業員の数でございますが、大体概数を申し上げますと、一般のMLCと申しますか、軍雇用の従業員が、陸で一万四千名、海で一万二千名、空が一万四千五百名でございます。
 それから、諸機関関係の従業員が、陸で千三百四十名、海が三千六百名、空が五千百名というような数字になっております。
○田畑委員 これは昨年の五十五国会でございましたが、その節、防衛施設庁からもらった資料によれば、四十年度の駐留軍関係労務者が五万八百四十六名、四十一年が五万六百四十八名、いまの御答弁によると――私のもらっている資料によれば四十二年の九月三十日現在五万一千四十五名、むしろふえているんですね。ある程度ふえているんですね。これはどういうことを意味するのか、それが一つ。
 それから、第二に、私、これは施設庁長官にお尋ねしたいのですが、日米地位協定の第二条の第三項によれば「合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも、日本国に返還しなければならない。合衆国は、施設及び区域の必要性を前記の返還を目的としてたえず検討することに同意する。」この第二条第三項に基づいて日米両政府はどういう話し合いを進めてきておるのか、それによって施設、区域の増減については、今日どのような状況になっておるのか、これを御説明願いたいと思う。
○山上(信)政府委員 最初の、駐留軍従業員の数が、若干ではございまするが、四十二年の九月現在では、昨年の末より四百人ばかりふえておるわけでございますが、先ほどもお答え申し上げましたように、大体において、あまり大きな整理がないということが減員が少なくなってきている状態でございます。そしてまた、現在におきましては、米軍のいろいろな施設そのものはあまり減っておりませんし、従業員は比較的前から若干足らないぎみでございまして、むしろ要望があるということでございます。したがいまして、全体としては数が少しふえているということでございます。
 もう一つ、第二のお尋ねの、不用施設の返還の問題でございますが、これにつきましては、絶えず米側が検討するということになっておるばかりでなく、当方からもこれらの点については絶えず米側に要望をいたしておるところでございまして、現在までに、御承知のように、講和発効後当時、約四億坪でございましたが、一億坪、四分の一に減少しておるような状況でございます。したがいまして、全体としてはきわめて減っておるわけであります。
 なお、今日におきましては、大体安定的な状態にございますので、最近におきましては、比較的少のうございます。返還の数はだんだん減っておるような状況でございます。
○田畑委員 この間来問題になっております王子陸軍病院、あの施設あるいは区域については、日米合同委員会の下部機関である施設特別委員会で話し合いの上、あの王子陸軍病院の施設ということになったのかどうか、この点はどうですか。
○山上(信)政府委員 米軍提供施設につきましては、御承知のように、施設の内部をどういうふうにするかということについては、地位協定の第三条によりまして、米軍に管理権というものがございまして、この施設をいろいろ変更する等については米側に権限があるわけでございます。したがいまして、双方で協議して内容を云々するということには必ずしもなっておりません。米軍のこの王子のキャンプが、過去におきましては他の施設でございましたのを病院に変更するにつきましては、四十年の末ごろに米側からこういうふうにするつもりであるという通告がなされております。それにつきまして、わがほうとして若干の意見は申しましたが、米側といたしましてはこれがぜひ必要であるということで、こういう施設にしたいということを知らせ、かつ、そういうような点につきまして米側としてはぜひやりたいということで、今日内部を整備し、そうして実施してきた、こういう関係になっております。
○田畑委員 そうしますと、四十年の何月か私は聞き漏らしましたが、もうすでにその時期に王子のキャンプについてはこういう施設にしたいという申し入れがあったということであれば、降ってわいたように米軍が埼玉のジョンソン基地でしたかの野戦病院を、王子に急に変更したというのではなくして、あらかじめ防衛庁並びに政府は承知の上で王子の病院開設に至った、こういうように理解されるわけですが、そういう経過をたどっているわけですね。
○山上(信)政府委員 そのとおりでございます。
○田畑委員 長官は、私、新聞で拝見したわけですが、三月十九日に施設特別委員会においていろいろ米側に注文をつけられましたね。世論がやかましくなったから、しからば注文をつけたということになるわけですが、あなたのお話によれば、四十年すでにそのような申し入れがあった。そうすると、隠密に日米両政府間では承知の上で病院開設が進められていたわけですね。あの場所が適当でないとするならば、その間において、特に施設庁長官は施設の提供その他について日米両政府の窓口になっているわけですから、なぜあなたのところで、もっと日本国民の立場に立って話し合いなどをなされていなかったのか、これは怠慢という結果になると思いますが、国民が騒ぎ始めたからあわてて政府が動き出す、そうしてあなたもまた特別委員会では注文をつけられる、こういうことになっておるわけですね。この辺はどのようにわれわれとして理解すればよろしいのか、いま一度その辺の事情を説明願いたいと思う。
○山上(信)政府委員 三月の十九日に申し入れをいたしましたのは、実は従来はさような予定と承っておったのでございまするが、三月の十五日に具体的にこれを四月一ぱいで完成するという通告がございました。ございましたので、私のほうとしては、これは直ちに運営についていろいろ要望しておく必要があると考えて申し入れたような次第でございます。
 それから、過去の間にどうしてそういう点について言わないのかということでございますが、運営の問題につきましては、いろいろ施設をつくってそういうふうにするという予定があった状態でございまするので、そのときに言うのが妥当だとは必ずしも考えなかったので、いたさなかったのであろうと、過去においての状況判断をいたしておる次第であります。
○田畑委員 私は、長官にお願いするわけですが、特にまたこのことは長官だけでなく、閣僚としての労働大臣にも希望するわけですが、もうすでに防衛庁のほうでは、昭和四十年の段階でそのような申し入れがアメリカ軍からきておる。こういう施設をやるということの申し入れがなされていたわけです。したがって、最近あらためて王子野戦病院の設置について国民的な不安なり、国民感情、都民の感情等が反対運動にきびしく転化したわけで、ようやくそれで政府もみこしを上げて、ひとつやめてもらいたい、あるいは適当な場所があれば移転してもらいたい、こういうような態度に変わったわけです。しかし、聞いてみますると、四十年にすでにこういう施設を設けるということはアメリカ側から申し入れがあったとするならば、その段階において、政府は政府なりに熟慮協議し、アメリカに変更を要求するなら変更を要求すべきであった。りっぱに病院ができたあと騒ぎ立てても、もはやおそきに失する、外部から見れば、何人もおそ過ぎるという感じを受けるわけで、こういう問題等については、もっと厳正な態度でもって政府は臨んでもらいたい、こう思うわけですが、この点、大臣の見解を伺っておきたいと思うのです。
○小川国務大臣 御趣旨を体して、政府として十分慎重に対処すべきものと考えます。
○田畑委員 そうすると、施設庁長官にお尋ねしますが、今後のベトナム戦争のいろいろな動きその他の推移によっては、あなたが窓口となって、先ほど読み上げた地位協定の第二条第三項に基づいて再検討することも当然あり得る、こう予測してよろしいわけですね。
○山上(信)政府委員 ベトナム戦の影響がどういうふうにあらわれるかということは、私ども承知いたさないのでございますが、この施設が必要性がなくなった場合には、返還について米側が当然検討するほかに、われわれとしてもそういうような状態が発生しました場合には、絶えずさようなことについて、米側と十分に話し合いをして返還を求めるようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○田畑委員 私は時間の関係がありますから、あと一、二点、沖繩の駐留軍労働者問題について、これは労働大臣と長官にお尋ねをするわけですが、御承知のように、沖繩の労働者は、大体日本の駐留軍労働者と同じ五万前後の数字だと見ております。しかし、沖繩の軍労働者についてはいろいろな問題があるわけですが、その第一は、沖繩の軍労働者についても本土と同じように間接雇用に切りかえてもらいたい、またその労働条件などについても本土並みに引き上げてもらいたい、こういう強い要求を持っておることは御承知のとおりであります。またもう一つ、沖繩の軍労働者の要望としては、いずれ沖繩の軍労働者についても、本土の駐留軍離職者がたどってきたような傾向になるだろうことは必至の情勢である、したがって、沖繩についても本土並みの、いま審議されておる駐留軍離職者臨時措置法のような立法措置などもひとつ考えてもらいたい、こういう強い希望があることは、大臣もよく御存じだと考えておりまするが、間接雇用に切りかえること、あるいは内地と同じような立法措置をするということは、施政権が別でありまするので、いま直ちにこれがどうなる、こういうことは答えにくいかもしれません。しかし、せっかく日米琉諮問委員会ができて、その中で高等弁務官に対する勧告権というものもあるとするならば、当然こういう問題については、たとえば間接雇用の問題等については、施設庁長官のほうでも現地の担当者と相談するなり、指導するなり、あるいは相談にあずかるなり、こういうことが今日まであったと思いますが、この点についてはどうなっておるのか。
 さらに労働大臣には、同じような立法措置を現地が希望しておるが、こういう問題等について、政府としてはどのような方針をもって臨まれるのか、これを承っておきたいと思います。
○山上(信)政府委員 沖繩の労務者の問題につきましては、ただいま御質問にもございましたが、施政権が別でございますので、私のほうから直ちにどうするということはできないと思いますが、いまの問題等について沖繩のほうからいろいろ御照会もあり、そういったような御相談に見える機会も間々ございます。そのような状況のもとにおきまして、当方の実情等をよく御説明申し上げまして、それらについての施策に役立てるように御援助申し上げておるというのが実情でございます。なお、今後の方針については大臣から……。
○有馬政府委員 本土並みの離職者措置法を早急に沖繩についても実施しろというお話でございますが、この点につきましては、目下琉球政府側において軍関係労務者の実態を調査把握いたしまして、本土並みの措置を一刻も早く実施できるように検討中でございますので、琉球政府側とも緊密な連絡をとりつつ、できるだけ早い機会に本土並みの措置を講ぜられるように持っていきたい、かように考えております。
○小川国務大臣 沖繩における軍関係労働者につきましてもその地位を向上させ、労働条件を改善していくことに努力すべきものだと考えております。その観点から見ましたときに、現状は改善のために検討する余地を残しておるものと私は考えております。また、現地の希望につきましても、今日までに数回にわたって直接聞いております。何ぶんにも、今日までわがほうの施政権が及んでおりませんので、なかなか手が及びかねたのでございますが、これから先は公式にも非公式にも、双方の意思を疎通する機会がふえてくると存じますので、前向きの方向で努力していきたいと考えております。さしあたりましては、日米琉諮問委員会においてこれが取り上げられて検討されることを期待いたしております。
○田畑委員 私は、これで質問は終わるわけですが、日米琉諮問委員会に期待するという労働大臣の態度では不満なんです。むしろ、労働大臣が積極的に動いて、日本政府の態度として、日米琉諮問委員会の重要なテーマとしてこれが実現を迫るということが、私は日本政府並びに労働大臣のとるべき態度だと思うのです。特に最近の新聞の伝うるところによれば、沖繩県労働組合協議会、その中には軍労働組合も入っておりますが、ゼネストということがいわれておるわけです。この一番大きな問題は、布令二六号の撤廃の問題であるわけです。御承知のごとく軍労働者については布令一二八号によって団体行動権、またその前提である団体交渉権も認められていない、こういう問題です。また基地で働く労働者の賃金の決定についても、私も昨年現地へ行っていろいろ話を聞いてみましたが、三軍並びに海兵隊別々で賃金がきめられる、しかも現地の機関には交渉の権限が与えられない。賃金の最終決定はワシントン政府である。あるいは、特に外国人軍労働者の賃金最終決定は、アメリカ議会の承認がなければ決定できぬ、こういうような非常に複雑な問題をかかえておるわけです。労働基本権は、いま申し上げたように、軍労働者については全然認められていない。労働条件の、賃金という一番大事な問題の決定権もワシントンであって、現地には与えられてない、これが沖繩の実情であるわけです。
 そういうような背景を考えたとき、幸いにここに日米琉諮問委員会が持たれて、しかも政府は、日琉一体化政策というものを掲げて、そうしてこの政策によって沖繩のもろもろの矛盾を本土並みに是正していきたい、これが政府、内閣の一体の政策だとわれわれは承知しているわけです。民主主義の一番大事な人権の問題、あるいは労働組合における労働運動の自由の確保の問題、労働者の基本権の保障の問題、こういう問題の解決ないということは、民主主義の名を恥ずかしめるものだ、こう考えるわけでありますが、そういうことを考えたとき、私はこの駐留軍関係離職者等臨時措置法の改正に際して、沖繩県における駐留軍労務者の今後の問題、起こるであろう離職対策の問題、あるいは現に辛苦をなめておるこの人々の労働基本権の保障の問題、こういう問題については、労働大臣は内閣の一員として、政府全体の姿勢として、この問題の早期解決のために乗り出すべきであると考えますが、労働大臣、そのような決意と準備があるのかどうか、この際あらためてひとつ所信を承っておきたいと思います。
○小川国務大臣 私といたしましては、友好国の軍隊と、われわれ同胞の間に存在しておる労使の関係でございますから、これが平和な近代的なものであることを望んでおるわけでございます。したがいまして、最近の事態については私もいろいろ心配をいたしておるような次第でございます。これからもいろいろなルートを通じて努力してまいりたいと考えておるわけでございます。
 日米琉諮問委員会のことを先ほど申し上げたのですが、高瀬代表が出発されるに先立って、沖繩の事態についても十分説明をいたしました。代表は十分な予備知識を持って出発されて、さしあたりましてはこの委員会の議題とすべく努力をしておられる段階でございます。さようなわけで、これから先もあとう限り沖繩の軍関係労働者の賃金の向上のためにつとめてまいりたい、かように考えております。
○田畑委員 私はこれで質問を終わりますが、大臣にひとついま申し上げた点については最大限の努力を払われんことを強く要請いたしまして、質問を終わります。
○八田委員長 大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 まず労働大臣にお尋ねしたいと思いますが、過日アメリカのジョンソン大統領が北爆停止を声明しまして、そのことが全世界にいろいろな波紋を及ぼしていることは御承知のとおりだと思います。私がここでお尋ねしたいことは、特にわが国はアメリカ軍の基地を百数十カ所も持っておるという関係で、この北爆停止の声明がどのようにわが国の駐留軍関係に働いている人に影響してくるか、労働大臣としてこれをどうとらえられているか、まず所見をお伺いしたいと思います。
○小川国務大臣 これは非常にむずかしいお尋ねでございまして、この場でお答えを一言にして申し上げることは非常にむずかしい。ただ、私どもの所管の事項に関係のないことではございませんから、これからも関心を持って研究をいたしたいと思います。
○大橋(敏)委員 少なくとも北爆停止というのは、和平の方向にあることは間違いありません。したがいまして、基地の増強ということは、まず考えられないことであり、したがって、少なくとも基地の縮小という方向が考えられると私は思うのです。そういう意味から尋ねたものでありまして、これは防衛施設庁長官にお尋ねしたいと思うのですが、大体この縮小等のお話があっているのかどうかという問題ですね。
○山上(信)政府委員 私の先ほど申し上げましたベトナム関係の関連性等から、直ちに減るとかどうとかというようなことにつきましては、従来、このベトナム戦争が起きました当時から今日まで、特にそのために施設がふえたり、従業員が特にふえたということもございませんので、いま大臣がおっしゃったように非常にむずかしい質問でございますが、当面直ちにどうという影響があらわれるものではないのではないだろうかというふうに考えております。そしてまた米側からこれによって縮小するというような話も全然承っておりません。
○大橋(敏)委員 では北爆停止以降、何ら状態には変化はない、一応こう理解してよろしいでしょうか。
○山上(信)政府委員 現在までのところ、そういうような実情は全然ございません。
○大橋(敏)委員 むしろ、このような和平方向が出てきた機会をとらえまして、基地の返還等に強力に働きかけるべきではないか、私はこう思うのですけれども、どうでしょうか。
○山上(信)政府委員 従業員の問題につきましては、実は米側にも一応聞いたのでございますが、現在においては、その点については一切不明であるということでございます。
 なお、こういう事態であるからというので基地の返還ということでございますが、ただいまも申し上げましたように、在日の基地の動向というものにつきましては、それがどういうふうに影響をするのかいまのところ不明でございますので、直ちにそういうようなことを申すということもいかがか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○大橋(敏)委員 いまの私の要望は、こういう機会をとらえて基地の返還に力強く働きかけていくべきではないかということが一つだったんです。
 それからいまのお話では、いまのところ人員整理等の内容は不明だということでありますが、もちろんアメリカあっての雇用でございますので、こちらが推測する以外にないと思いますけれども、一方的にアメリカのほうから人員整理を行なってきた過去の実例から見ていきますと、あるいはこういう事柄から、急にそういう人員整理が行なわれるのではないかという推測もされないわけではないわけです。したがいまして、私はもしそうなった場合、うろたえないように、要するにそうした人員整理などに対応する用意が必要ではないか、これを聞きたいわけです。用意はあるかどうかということですね。
○山上(信)政府委員 従業員の整理に対します考え方といたしましては、駐留軍関係離職者等臨時措置法を初めといたしまして、離職対策ということにつきましては、労働省並びに防衛施設庁協力いたしまして各種の施策を講じておるのでございますが、今後ともこの施策をさらにさらに強めて、そういったような問題が起きましたときに遺漏のないようにいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○大橋(敏)委員 大臣にお尋ねしますが、駐留軍関係に働いている皆さんは、今度の北爆停止の声明に関しまして、職場という立場から少なからず不安を感じていると思います。したがいまして、特に再就職援護対策を一段と強化されるように要望いたします。それに対して大臣としてどういうお気持ちなのか。
○小川国務大臣 ただいまの事態がなお流動的であるわけでございますし、かりに最終的に平和が戻ってきましても、それに伴って直ちに基地の縮小、人員整理というふうに進んでいくのかどうか、ただいまではさような見通しをつけ得るような事実はないようであります。ただ働いておられる方々が、今回のことに関連をして不安を感じておられるかもしれない、これは想像ができるわけでございます。私といたしましては今後起こり得る事態に備えまして、さような場合には現行の法律に基づく諸制度を十分に活用して対処いたしていきたい。なおまた、さような場合には、事前に就職の相談に応じますとか、求人の開拓をいたしますとか、あらゆる努力をいたしまして対処していきたい、こう考えております。
○大橋(敏)委員 それでは、現在駐留軍労務者は一体何人いるのかということと、それからその平均年齢は何歳になっているかということをお尋ねいたします。
○江藤政府委員 先ほども申し上げましたが、現在約五万一千人でございます。この平均年齢は軍雇用の労務者は約四十四歳でございます。それから諸機関関係の従業員は三十七歳でございます。
○大橋(敏)委員 軍雇用関係が平均四十四歳ということは、非常に平均年齢が高い、こういうふうに感じますけれども、これは一体どうしてこういうふうに中高年齢者が多いのでしょうか。
○江藤政府委員 駐留軍従業員は、御承知のように整理の段階におきまして、先任権逆順位によって整理をいたしております。したがって、勤務年数の短い者から先に整理されるということの結果、非常に勤務年数の長い、年齢の多い人が残っているということになりますので、逐次平均年齢が増加していくというふうになっております。
○大橋(敏)委員 そうしますと、今後駐留軍関係が急にふえるということは予想されませんか。そういう立場から考えた場合、駐留軍関係の離職者のほとんどが中高年齢層になる、こう私は理解します。したがいまして、中高年齢者の雇用対策はどうなっているのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○有馬政府委員 中高年齢者の雇用対策は、政府として一番力を入れておるところでございまして、これは、雇用対策基本計画にもその考え方は明示いたしておるところでございます。各種の援護措置をこれに加えてございますが、このほかに、さらに中央地方を通じまして雇用対策協議会をつくりまして、中高年の雇用の促進について民間側の協力を得ておる次第でございます。このほかに、さらに雇用率の設定、これはすでに官公庁等の場合には具体化いたしておりますが、さらに民間等についてもこういった考え方をできるだけ早い機会にとりたいという見地から、現在検討を進めておる段階でございます。
○大橋(敏)委員 少し話は変わりますけれども、ベトナム戦争が激化するにつれまして、アメリカの陸軍病院だけでは負傷者を収容し切れないということから、日本の特に文教地域ですか、その一番中央に野戦病院が地元の反対を押し切ってできた、こういうことですけれども、実は三月の三十一日には、突然王子野戦病院には二十八名の負傷者が運び込まれた。しかも、医療活動が開始されたということでございますが、これに対する移転問題は別としまして、現在どのような状態のもとに、求人がなされて運営されているのか、これをお願いします。
○有馬政府委員 王子の野戦病院につきましては、入間川にあった医療機関の一部が移動した関係がございまして、従業員も現在のところそこの医療機関から配置転換をしておるのでございます。
○大橋(敏)委員 それでは、配置転換と同時に、身分も駐留軍関係に移されたわけでしょうか。
○山上(信)政府委員 王子関係の従業員については現在までのところ、移転の計画があるわけでございまして、したがいまして、現在完全な移転はいたしておりません。長期出張の形でこちらへ日本人の従業員が来ておるというような実情でございます。
○大橋(敏)委員 大体何人ぐらいなんですか。
○山上(信)政府委員 正確な数字ははっきりいたしませんが、四、五十人程度であると思います。
○大橋(敏)委員 それでは、次に駐留軍の労務者に対する退職手当の問題ですけれども、アメリカ側と交渉が続けられているようでございますけれども、先月の末に示されました改定案によれば、自己退職者は現在の支給率よりも低下するように私は見たのでございますが、この点はどうですか。
○山上(信)政府委員 今回の退職手当の問題につきましては、整理退職を従来よりも増額してほしいということの要求に基づきまして折衝をいたした結果、整理退職につきましては必ずしも目的どおりではございませんが、最高二〇%から段階的に増額ということになりまして、一方自己退職につきましては、若干国家公務員等に比べまして有利な面もございましたので、これらについて若干率を切り下げまして、そして今回の管理者間の案ができた、こういうことになっております。
○大橋(敏)委員 昭和四十三年三月三十日付のものですけれども、施設庁長官から全駐留軍労働組合の中央闘争委員長市川誠さんに対して、退職手当増額要求についての回答がなされております。その文章の中に、「自己都合の場合、改定支給百分率、勤続一年未満については支給しない。勤続七年以上――十五年未満は通常支給額の七五%とする。」こうありますが、これは間違いありませんね。
○山上(信)政府委員 そのとおりでございます。
○大橋(敏)委員 従来は何%だったのですか。
○山上(信)政府委員 従来は一〇〇%でございます。
○大橋(敏)委員 一〇〇%の現行を七五%に低下させるというのは、これはどうですかね。駐留軍労務者に対する臨時措置法の精神からいって、私は後退ではないかと思うのですが、これはもっと交渉の余地はないのでしょうか。
○山上(信)政府委員 先ほども申し上げましたように、整理退職につきまして訂正を要するということで管理者間で交渉をいたしておったわけでございますが、この間、自己退職につきましては、ただいまのそういった年齢、勤続年数の部分につきましては、国家公務員等に比べまして有利な面もございますので、この間の整理退職と見合うというと語弊がございますが、そういったような関係から、自己退職のほうにつきましては少し是正をはかるというような結果になったわけでございまして、現在までの折衝の結果を組合に提示いたしておるわけでございますが、これの修正ということは今日の段階ではむずかしいと考えております。
○大橋(敏)委員 少なくとも現行の支給率まで向上させる。向上というよりも現行どおりです。そういうふうに努力できないものかどうか。これで私の質問終わりたいと思うのですが、どうですか。
○山上(信)政府委員 いまの段階では困難だと思います。
○大橋(敏)委員 将来において大いに努力されることを要望して、終わります。
○八田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○八田委員長 次に、討論に入るのでありますが、別に申し出もありませんので直ちに採決いたします。
 内閣提出の駐留軍関係離職者等臨時措置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○八田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○八田委員長 この際、佐々木義武君、河野正君、田畑金光君及び大橋敏雄君から、駐留軍関係離職者等臨時措置法等の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。その趣旨の説明を求めます。河野正君。
○河野(正)委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
   駐留軍関係離職者等臨時措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
  本法の施行に際し、政府は次の諸事項について速やかに実現をみるよう努力すること。
 一、駐留軍関係離職者等臨時措置法の有効期間の延長にともない、同法施行令第一〇条に基づく特別給付金の支給区分については、その上限を廃し、駐留軍労務者としての在職期間に応じた支給区分の拡大を図ること。
 二、同法施行令第一〇条に基づく特別給付金の金額については、諸般の事情を考慮し速やかに適切な増額に努めること。
 三、臨時措置法の趣旨に基づき債務保証の運用についても弾力ある措置をとるものとすること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○八田委員長 本動議について採決いたします。
 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○八田委員長 起立総員。よって、本案については佐々木義武君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。労働大臣小川平二君。
○小川国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、御趣旨を尊重し、関係各省とも協議の上措置いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
○八田委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○八田委員長 午後三時三十分まで休憩いたします。
   午後一時三十分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時五十五分開議
○八田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 労働関係の基本施策に関する件について質疑を続けます。島本虎三君。
○島本委員 時間もございませんから、私は、質問をなるべくまとめて個条書きにして、これを質問する形式をとりたいと思いますので、ひとつ答弁のほうも、そこを考えながら簡明率直に願いたいと思います。
 まず第一番に私が質問したいのは、最近、郵政省と全逓との間に全国的に発生し、集中的にはいま北海道に発生しておりますところの、いわゆる不当労働行為に関する問題であります。私は、まず前提条件として三つの点だけを――労働大臣、郵政大臣は……。
○八田委員長 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○八田委員長 速記を始めて。
○島本委員 じゃ別室で審議しておる間、基本的な問題だけで質問いたします。
 郵政省の考え方をまず先に伺っておきたいと思います。それはストということについてなんです。まず、いまいわゆる官側では、違法ストということでそれに対する対抗措置を、いわゆる組織破壊の点まで及ぼしておるようであります。これに対する考え方が下部末端まで浸透しているということは重大な問題です。労働省もこの問題を黙って見ていることは不見識だと思うのです。きょうは労働大臣とじっくりと思っていたのですが、見えませんし、万やむを得ない事情で、優秀なる政務次官来ておりますから、この際ですから、なおさらこれに対する見解をはっきりしておきます。もしこれが違法性があるストである、こういうふうに当局、いわゆる官側が思うならば、それに対する見解を明らかにする、もしこういうようなことであるならば何人も異議ない。しかし、それをやるのが全逓だから、全逓の体質を改善しなければならない、すなわち別な組合に入ることを慫慂し組織破壊を行なったとすると、これは完全なる不当労働行為になるわけであります。この見解がいまはっきりしてないのじゃないか。労働省ではこの問題に対してどういうように考えておるのか、この問題をまずはっきりしておいてもらいたいと思うのです。これはどういうようなことになりますか。
○松永政府委員 郵政省関係の労使関係につきましても、労働組合法の七条の不当労働行為に関する規定は適用になるわけでございますので、この七条に掲げてございます各号に違反するような行為は、郵政省関係におきましても許されないというように考えます。
○島本委員 したがって、こういうような点については郵政省では行なっておらないのかどうか、郵政省の見解を聞いておきたいと思います。
○山本(博)政府委員 ただいま労働省から御説明がありましたとおり、第七条に規定いたしております不当労働行為は当然のことでありますが、省としては、そういうような指導をするはずもございませんし、事実しておらないと思っております。ただし公労法の十七条には「職員及び組合は、公共企業体等に対して同盟罷業、怠業、その他業務の正常な運営を阻害する一切の行為をすることができない。」という規定は、これは明文としてございますので、こういう行為をしないようにということは、これは郵政省としてはいたしております。
○島本委員 しないようにという、そういうような一つの説得は、われわれも認めるところです。しかしいかに公労法といえども、国家公務員法じゃございませんし、まず憲法と労働組合法、労働基準法、この三つの上に立って組織されておるものであり、今後の運営もそれを下回るような規定はないはずだ、私はそう思っておるのですが、労働省、これはどういうことになります。
○松永政府委員 労働組合法のこの部分が適用になりますことと、それから公労法の十七条で争議行為を禁止していることと、このことは両方とも生かさるべきことであろうと思います。したがいまして、具体的個々の行為が第七条の各号に該当するということになりました場合には、たとえば労働委員会に提訴をされる、あるいは裁判所に提訴をされるというような場合に、七条に基づきまして黒白の判定が出されるということになろうと思いますし、それからまた十七条違反の行為が行なわれました場合には、それぞれの法律に基づきまして処分等の行為も行なわれることもやむを得ないというふうに考えます。
○島本委員 したがって、この際当局側は、ストについては、違法ストであるからということで、それを説得するまでは認めるが、全逓が悪いのであるから脱退せよとか、または第二組合を指向するような方向をとるのは、これは間違いである、これをはっきりして次へ移りたいと思いますが、この見解は、両者ともよろしゅうございますか。
○松永政府委員 七条にも明記してございますように、使用者が、「労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、」その他ございますが、これが不当労働行為とされておりますので、これに該当するような行為は違法行為であります。
○島本委員 もっとも、第七条に書いてある四項目、これらのものは、すべてその中心になるのは、公正な団体交渉権を阻害する行為に対する部分規定になるわけですから、こういうような背景になるのが団結権ですから、この点は労働省、郵政省ともに十分おわかりのとおりだと思います。
 そこでお伺いいたします。郵政省当局では、全逓であるとか、または全逓を批判するグループであるとか、こういうようなことによって、差別人事、差別任用、こういうものは断じて行なってはならないと思いますけれども、こういうようなことを行なっている事実はございませんか。
○山本(博)政府委員 個別の具体的な人事につきましては、そのポストに最も適材を任用するというのが、これが人事の基本でございます。したがいまして、どの組合に属しておるかということで人事上の差別をつけるというようなことはいたしておりません。
○島本委員 これは当然あってはならないはずでございます。私はあくまでもないことを心から期待しておるわけです。しかしながら、この点、だけは私は遺憾の意を表さなければなりません。以下あとからこの問題を証明させてもらいます。
 次に、旅費を支給してやることによって、全逓を批判または破壊する行為につながるようなことは、当然不当労働行為とみなされるのみならず、これは綱紀紊乱のそしりを免れないと思いますが、もしこういうような行為があるといたしました場合には、これは重大だと思います。こういうようなことは、郵政省ございませんか。
○山本(博)政府委員 いま具体的におあげになった事例につきまして、私のほうとしては、内容について十分承知いたしておりませんから、一般的に御質問にお答えいたしますれば、そういうことはあり得ないと思っております。
○島本委員 郵人管九〇号、これは出されたのが四十一年五月二十四日でありますが、残念ながらこれは三郵政局しか実施されなかった。しかしながら、最近札幌では、あらためてこれを人管二七六二号というふうにして通牒を出しております。これを握りつぶしておったという事態は重大だと思います。これは大臣が来ておりませんから、政務次官、またお相手を願いたいと思うのですけれども、これは四月の五日の衆議院の逓信委員会で、大臣はこの問題にはっきり答弁をしております。これは趣旨は、徹底させることが大事である、したがって各種の会合でこれは徹底させます、こういうふうにはっきり言っているのです。山本局長も、不当労働行為をしないように毎回会合のつど言っております。憲法には忠実であり、違反しているような事実はございません、これも四月五日の衆議院の逓信委員会ではっきりこの問題を言っているのですね。これを確認しておきたいと思います。指導方針として、郵人管第九〇号の精神、これは変更ないものである、こういうふうに了解して進めたいと思いますが、そのとおりでよろしゅうございますか。
○山本(博)政府委員 変更すべき理由は全くございませんし、今後もこの精神でやっていきたいと思います。
○島本委員 あらためて高橋政務次官にお伺いいたします。
 いま、そういうような筋道の立った、まことにきれいな答弁でございます。いままでの答弁に私は何ら異議のはさむ点はございません。しかし何でもないところに質問はないのです。ないからという質問もあるかもしれませんけれども。私は明らかにしておく前提として、大臣や山本人事局長、ここでりっぱな答弁をして、これが下部において、その意思が伝えられないで逆なことを行なわれた場合、つまり行政権を無視された場合、指示違反の事実に対して、上司として大臣、政務次官、山本人事局長、皆さんはどういうような処置をとり、責任をとらんとするものでございましょうか。
○高橋(清)政府委員 たびたびこれらの問題につきましては、いわゆる郵政事業の国民から負託されておりまする重要性のことにつきましては、この委員会ばかりではございません、あらゆる会合に出まして、大臣あるいは私の立場からも申し上げたことがあるかと思うのでありますが、いやしくも円滑な運行を期するというたてまえからいたしまして、どうしてもその基本的な条件になりますことは、労使関係の妥当合理的な運行というものが期待されるわけでございます。したがいまして、いまお示しのありました郵人管第九〇号の問題にいたしましても、人事局長の立場におきまして、その当時、四十一年の五月二十四日でございますが、各郵政局長あてに、いまお示しのありましたような内容に基づいて、通達文書が出された次第でございます。もちろんお話のありましたような、きまり文句ではないかということもございましょうけれども、しかし少なくも表に出まする文言その他につきましては、私どものいわゆる信頼のある相互関係をどこまでも持続しなければならぬという立場におきまして、そのつど注意換起を怠ることなくしてというたてまえで推し進めました内容のものでございます。この徹底を欠いておるではないかというおしかりのようでございますけれども、なるほど所属いたします何十万名の職員等に対し、一人一人に印刷文書配付の形をとりませんけれども、しかし各出先局長等におきましては、あらゆる会合を利しまして、末端浸透をはかるという努力だけはとってまいった次第でございます。したがいまして、この内容はどこまでも郵政省の基幹といたしまするものであり、これを順守し墨守してまいらなければならぬということは、これはかれこれ言うべき筋合いのものではございません。今日までこの精神を根幹といたしましてまいったようなわけでございますので、いやしくもこれに背反いたしますような問題につきましては、その事象事象をとりまして応分の、場合によりましては、違反者につきましては処断をとるということもあり得るかとも思います。
○島本委員 場合によりましてではなくて、処断をとるつもりだと明確に言ってくれればいいのです。調査をしないでやることは、ファッショですからできません。場合によってはとあいまいなことを言うからおかしくなる。答弁は注意してください。
 そうなると、私ひとつ今度は山本人事局長にお伺いしなければなりません。以前、大船渡のあの不当労働行為の問題に関して当委員会で質疑し、高橋政務次官が答弁をなさいましたが、その件に端を発して、これは参議院の逓信委員会でも同じような問題に対して質問があり、全員が賛意を表しながらもこれが行なわれなかった例の一つとして、三月五日、これは山本人事局長が人事課考査係長に指示して電話をさせ、そして電話を受けた相手は、仙台の郵政局人事課課長補佐であった。そして指示の内容は、処分の内容に誤りがなかったかどうかを十分調査をせよということが一つ。被処分者本人もしくは家族から処分理由の説明の要請があった場合にはその理由を説明せよ、これが第二点。これをそれぞれ指示したはずであります。しかしながら、電話の指示を受けた仙台郵政局の人事課課長補佐は、大船渡郵便局はまだ混乱状態にあると判断して、大船渡局には全然連絡しておらなかった、こういうような事態が五日現在で明らかになっておるのです。これは大臣の目の前で政務次官が言ったその愛情あることば、それを山本人事局長が電話で指示した。指示した下部の人が、今度はその意に沿わないで、ただ混乱な状態であったという自分の判断によって全然それを示達しておらなかった、この事態が明確になったわけであります。五日の日です。現に五日の日に人事局長が自分からしてこれを言ってやっても、そういうような状態になってしまう。大臣や政務次官や山本人事局長が当然の行政的な措置をしても、下部末端のほうではそのように全然届かないか曲げられちゃう。これでは重大な変更ではございませんか。私はこういうような状態ではだめだと思います。したがって、こういうような状態になったことについての責任は、これは単に人事局長が、私の責任でございますということだけでは済まないと思います。きょうはそれで大臣が来るのを待っていたんですが、まだ来ない、残念ですけれども。こういうような場合には一つの命令に対する疎外です。こういうようなことを一つの行政機関としてやるべきじゃございません。これは人事局長が、私の責任です、これだけでは済みません。これは具体的な責任のとり方、その措置について示してもらいたいと思います。
○高橋(清)政府委員 いまお示しになりました問題は、過般の当委員会において御質問ありましたまま、大船渡の事件について、その間におきまする、私のその場における感情そのものを露骨に出しましてお答えした問題から発生したものの内容でございます。したがいまして、私は率直にこの際申し上げますが、過般申し上げました私の答弁の意味からは、大船渡事件に関しこういう事象があった、いかなる理由で馘首されたのでありますか、懲戒はどういう理由であるかということについて、せめて直接の親等者等からの強い要請があった場合には、家族に思いをいたし、あとう限り親切丁寧にその間の事情を説明してしかるべきものであろうということを申し上げたのでありまして、それが即もうすべての不文律としてでも、郵政省管内のすべてに通達し、これを墨守、順守しなければならぬのであるというような命令的な内容を含みますところの意味で、私は申し上げたのでは決してないのであります。一つの大船渡事件が出ましたものでありますから、この事象をとらえて、こういう場合には、いわゆる人道、感情的な意味からいたしましても、あとう限り留守宅の方々については懇切丁寧にということを申し上げたのでありまして、本来の筋合いからいたしますならば、あなたも御存じのように、大臣本日は出席要求されておりますが、私は大臣ではございませんし、単なる政務次官、と申しましても、それぞれポスト等から来ます責任感も義務もございますけれども、過般のこの場におきまする、社労におきまする私の答弁の真意は、そこに実はあったのでございます。でございますが、ただいまお示しのありました、人事局長が私の責任であるというような意味のことについては、私は私なりの感覚を率直にこの際申し上げますが、それはすなわち私が局長に対して、こういう問題についてはあとう限り懇切丁寧にというものについて、また大船渡事件等についても、この事象に入るであろうということを想定いたしました場合、やはり家族等から要請があった場合においては何とかしてあげていいじゃないかというような私の連絡等に対し、さっそくその日のうちに末端浸透するだけの――いろいろな事情があったわけでございまするけれども、熱意を持つまでに至らなかった、すなわち徹底さを欠いたということに対しての私は責任を感ずるという意味のことに解釈をいたすのであります。過般の、お示しになりました参議院におきまする逓信委員会におきまして私も率直に申し上げました。これは単に人事局長だけの責任ではございません。答弁いたしました私の責任でもあろうと思いますということで、はっきり明言いたしておるような次第でございまして、本来でございまするならば、いまお示しになりました四月五日と申されるのでありますけれども、すでに今日まで、きょうは九日でございますが、この間すでにおそまきとはいいながら、申しわけないと思いますけれども、あとう限りひとつ徹底さをとってほしいということだけはよく願っておる次第でございます。
○島本委員 五日の話であります。これは具体的に指示した本人もおるわけであります。それで現在どうなっておりますか。その点山本人事局長、御答弁願いたいと思います。
○山本(博)政府委員 先ほどの私の責任という問題でございますが、確かに、国会でこういう問題が取り上げられました日に、直ちに地方には連絡をいたしました。連絡をいたしましたけれども、連絡の内容が正規の業務上の問題でございましたら、これはほんとうに命令、それに対する忠実な執行、こういう形になります。ただ家族の人にできるだけ親切に説明をしてあげたらいいではないか。そういう平穏な状態において話し合いができるという状態なら、これは当然話をしてあげたらいいではないかということは、いわゆる業務上の命令という形のものと少し趣が違いまして、いわば強い意味での指導という形になります。したがいまして、現地のほうがこれに対して状況判断をしまして、これはまだそういう時期ではないと考えてこういう連絡をしなかった、この点につきましては、確かにもっと早く命令をする機会をつくるように現地に指導すべきだったと思います。郵政局ではそういう判断をした。これはそういう条件がまだ整っていないと判断をしたということでございます。私のほうではこれを命令という形で出したわけではございません。したがって、直ちに命令違反だという形でこれをどうこうということではなくて、むしろこういうものの周知ということにより強く指導をしなかった、あるいはそれの結果につきましてあとまで追跡をしなかったということで、私の責任ということでございます。
 それから、その後の措置、模様は、先週参議院の逓信委員会がありました当日、直ちに現地に連絡をいたしました。平穏な状態において処分を受けた人たちに説明をするようにということで、今度は強い意味での指導以上に、非常に強いこれは本省の考えであるということで連絡をいたしました。それで現地に郵政局を通じて十分その意思を徹底したつもりでございます。したがいまして、郵政局では現地の局長を仙台まで呼び寄せまして、こういうことについて十分話をして、そういう方向に努力させるように申し伝えてあるはずでございます。
○島本委員 そういうような点については、二度、三度時を経ないで、一回にやる態勢が一つの完全な行政措置ではございませんか。言われてそれを反省し、また言われてそれを行なう、こういうようなことじゃ、ほんとうに管理者の態勢こそ、もっともっときびしくなおかつ処断されなければならない要素があるのじゃないか、こう思われるほどです。私はこの点なんかも十分考えなければならないと思います。
 それで、札幌郵政局の全逓に対する分裂策動、この問題に具体的に入りまするけれども、私どもは資料を持ってここに質問するわけであります。
 それは人事権の乱用があります。不当労働行為、こういうもののいわば悪質なものが見られます。それは、中堅幹部打ち合わせ会または他局見学、こういうような名のもとに全逓の誹謗、また国費を使ってそれが年度末旅行、視察、こういうことの中で行なわれる、こういうようなことはちょっと考えられないし、行なってはならないことであります。また、出張先で全逓を誹謗し、第二組合礼賛、入会強要、こういうようなことが行なわれるとすると、これは不当労働行為のみでなく、綱紀紊乱につながるものであり、これは許される行為ではございません。私は、そういうような点からして、ここにはっきり資料要求し、あわせてこれに対する答弁を求めます。
 それは、昨年の二月、同じく十月、それから本年の二月、それぞれ人員は変わっておりまするけれども、約百名くらい各普通局からこれを集めまして、そして特別訓練、特別会合を催しておる模様であります。行ってきた人員などすべて調べてあります。その人たちのそのあとの行動は、全部反全逓、全逓切りくずしのために狂奔しておる実態であります。また、こういうようなことが官のいわば旅費をもって行なわれる、こういうことになります場合には、これはちょっと許される問題ではございません。一回、二回、三回、四回、去年から本年にかけて定山渓の大虚荘で行なわれておりますけれども、これはどういう目的で行なった会合なのか、そして旅費、費用はどうなっておるのか。個人負担なのか、または旅費として郵政省が負担したものなのか、こういうような点を明らかにしなければなりません。私どもとしては、こういうような点がすべて不当労働行為につながる原動力となっておりますので、この模様について十分調べてあると思いますけれども、とりあえず報告願いたいと思います。
○山本(博)政府委員 ただいま御指摘になりました定山渓の逓信保養所におきます打ち合わせ会の模様について御説明を申し上げます。
 これは札幌郵政局だけではございませんで、全国の郵政局が現業の中堅幹部につきましての再訓練というのを相当広範囲にやっております。これは札幌に限ったわけではございません。と申しますのは、現在の郵政省の訓練の中では、これは研修所の訓練もございますし、こういう打ち合わせ会、講習会、こういうものも含めましてでございますが、いわば中堅管理者という人たちに、その機能なり役割りなり、そういう点十分発揮をしてもらいたい。とかくいままではこういう人たちの機能の発揮というものが十分でなかったといういろいろの反省がございまして、こういう点の充実ということはかねがね郵政省として訓練の重点に置いております。札幌以外にもほとんど全郵政局で実施しております。それと同じ催しといたしまして、札幌管内で四十二年度に四回、昨年の十月以降本年の二月まで約二百名の中堅幹部を集めまして、郵便局の課長代理、主事、主任、こういう人たちを集めまして、これは官の出張旅費を支給しておりますが、内容は、中堅幹部のあり方、あるいは目標管理というものの考え方、あるいは中堅幹部の役割り、こういうようなことにつきまして、部外者あるいは部内者、こういう人を講師にいたしまして打ち合わせ会を催した。したがいまして、内容におきまして、いまお話がございましたような、全逓を誹謗するとか全逓を脱退させるとかいうようなことについては、全く触れておりません。
○島本委員 事偶然に、そのいろいろ訓練を受けた人たちが、いわゆる同志会とか、一葉会とか、はまなす会とか、それらのグループをつくって全逓批判勢力になっている事実は、期せずして一致しているわけです。そういうようなことを全然やっていないけれども、期せずして一致する。昭和の七ふしぎの一つであります。私はこういうような点は望ましくありません。具体的にそういう内容に入ってやった調査は、いま私どもの手元にはない。したがって、いまあなたがおっしゃったようなことを信ずるよりしようがない。私は、後日当委員会に対して、その当時講師として招いた人並びにどういうような協議をしたのであるか、これを参考として提出してもらいたいと思います。委員長、これを要求しておきたいと思います。よろしゅうございますか。
○山本(博)政府委員 承知いたしました。
○島本委員 そういうようなことからして、おそらくは、官側が全然タッチしておらない、こういうようなことでございますが、昭和四十三年二月十八日九時三十分、国鉄バスをもちまして小樽から六名の人が札幌駅に着きました。その着いた際に、いわゆる人管といわれる池田隆徳、佐藤何がし、こういうような人が待っておりました。そしてそのまま車で白石町のレクリエーションセンターへ参りました。そして労務担当主事、これらを入れて、郵政事業の正常化と事業運営確保をはかるために、全逓の唱えるストには反対すること、一つ。そして全逓の体質改善をはかること、二つ。そのためには同志を集めよう、これが三つ。以上のことを決定し、そのあとで酒、ビールが出されております。官と一緒になってやったというこの会合、これはあなた否定できません。直接行った人と面談し、その名前を一つずつ確かめてあるわけであります。こういうようなことがなされるということ、いままでの幹部訓練と違います。レクリエーションハウスでこれがなされておるわけであります。小樽側から六名、札幌中郵から四名、それに労務担当主事二名が入っております。そしていまのようなことがなされたのです。一体これはどういうことですか。これを知っておりますか。こういうようなことが行なわれたとしたらどういたしますか。この態度を聞いておきたいと思います。
○山本(博)政府委員 私のほうは、いま御指摘になりました事実、これは組合のほうからも私のほうに申し出がございまして、調査をいたしました。調査をいたしました結果、ただいまの事情とやや内容が違った報告になっております。それは、特にこれは官側がどうこうといった会合ではございませんで、主事、主任の人たちが自主的につくりました勉強会あるいは親睦を目的にした会合、こういうようなものをやっておりましたそのうちの一つの会合に、労務連絡官が講師としての出席を求められた。したがいまして、そういう自主的な会合の席に労務連絡官が講師として出席をしたということでございまして、官のほうは、いわゆる官という形で何らこれには関与いたしておりません。労務連絡官が講師としてそこへ出席をしたということでございまして、それも自分から出ていったのではなくて、そういう会合のほうに出席を求められて、話をしてくれという要請があって、それにこたえたというふうになっておりますし、そこで話をした内容も、いまお話しがありましたような不当労働行為にわたるような内容というものは話をしておらない、そういうことに触れてはおらないという報告でございます。
○島本委員 これは当時出席した某氏からの調書です。当時出席した労務担当主事からの調書です。二人の調書とあなたのところに来ている調書がなぜ違うのです。これは重大なことです。私は現に行った人に参考に来てもらって聞いたのです。それも小樽の局長室です。庶務主事、庶務課長も一緒です。そこで私はいまのような事態をはっきり調べ上げ、これでいいかと言ったら、そうですと言っているのに、あなたのところに来ているのがまた違うという、これはちょっと許されません。同じように行った人が、言うことがどうして違うのです。これはどうなんですか。政務次官、こんなことがあるのですよ。行った本人、労務担当主事、出席した人から聞いているのです。それも小樽の局長室です。主事、課長、ちゃんとそこにおるのです。私の調べた内容と、いまそっちに来ているのと、なぜこれは違うのです。なぜそれを信じなければならないのです。これをはっきりしなければなりません。これはどういうことですか。
○山本(博)政府委員 私のほうは調べ方が違ったのかもしれませんけれども、私のほうが現地から報告を求めた内容では、いまおっしゃった内容と違った内容になっております。これは決して作為的に違えたというようなことではございません。私は現地からとった報告をそのまま申し上げたのでございます。
○島本委員 その場所で酒、ビールが出され、食事がともにされ、そして、いま講師に頼まれたとおっしゃいましたが、労担主事の佐藤一男さんと大岩豊一さん、人管といわれる池田隆徳さん、それぞれ駅まで迎えに行っているじゃありませんか。講師に頼まれた人が駅まで迎えに行っている。そしてその人たちが酒、ビールを出している。これではどうも私どもとしてはわからないが、もう一回それは調べておいてもらいたい、私がいま言った内容と合わして。これは議事録もはっきり出るでしょう。これをもとにして、間違いであるかどうか、はっきりさしてください。そして、酒、ビールを出した。これはどのような意図で出したのか。これは聞いておりますか。
○山本(博)政府委員 酒とビールの点は聞いておりません。たぶん、推測でございますが、それは自主的な会合でございますので、参加した人たちの負担において処理したのではないかと思いますが、いま申し出もありますので調べてみます。
○島本委員 それを調べてもらいます。行った人はごちそうになったと言っておりますから。自分が出して、ごちそうになったということは言わぬと思います。
 そういうふうにして、ちゃんとこれは仕組まれて運営されているようなことが現存するとしたら、あなたの責任どういたします。現にやられているこういうようなことが事実だとしたら、これ、あなたどういたします。
○山本(博)政府委員 私は、不当労働行為を省として指導いたしておりませんし、そういうことがあり得るとは思いません。たまたま、不当労働行為というのは非常に判定がむずかしい点がございまして、これが不当労働行為であるかどうかというのは、従来もそういう例がたくさんございまして、公労委にかかりますと、これは不当労働行為である、不当労働行為でないとかいう裁定が下されますけれども、非常に微妙な、デリケートなケースが非常に多いわけでございまして、一がいに私たちが、あるいは組合側が、これが不当労働行為であると断定するというのは、非常にむずかしいケースが多いわけであります。したがいまして、私たちは管理者が、ストに参加しないようにとか、あるいは管理者が自分の事業を守るためにいろいろな努力をする、その意味での管理者側の立場、こういうものも尊重していかなければならない。そこで、不当労働行為との境界線、そういうものは起こってくるケース、ケースで非常に千差万別でございます。したがいまして、もし不当労働行為を省が組織的に指導したという事例がありましたら、これはまことにいけないことでございます。そういうことはあり得ないと思います。また、外のケースとしてそういうことが起こった――先ほど政務次官が申しましたように、はっきり明確にこれは不当労働行為であるということを判定いたしましたならば、その関係者について適切な処置をしなければならぬと思います。
○島本委員 これは、そういうようなことが少なくとも言の葉にのぼり、そういうようなことが事例として出され、あらためてその認定だけがされるような状態になっているということ、その行為、こういうようなことは反省しなければならないじゃありませんか。それを、調べてからあらためてこれをやる、反省の色がないということになったら、これは困る。こういうようなことがある以上、労働省もいるわけですから、よく見てやって、そういうようなことがないように、ふだんからつとめるのがサービスですよ。労働省もぽかんとしておってはいけませんよ。こういうことがないように今後十分気をつけてもらわなければいけないと思います。いま、十分調べた上でこれに対処したいと言いますけれども、進んでこういうようなことがないようにつとめるのが、私は行政の実態だと思うのです。次官、どうです。
○高橋(清)政府委員 お説のとおりです。
○島本委員 余市という普通局がございます。そこに、昭和四十三年二月二十一日から二十三日、二十七日、三月四日、三月八日、三月十一日、三月十三日、すべてこれは年度末出張であります。そしてこの人たちは全部行き先が郵政局または札幌中央郵便局です。そして行くコースは全部人管の部屋であります。そして二回にわたって人管の部屋で食事をともにしているのです。そして必ずそこで二時間あるいは一時間半懇談しているのです。そしてその懇談の内容は全部全逓批判です。私はこれは全部個々に会って調べました。出張させる場合に、保険、郵便、貯金、年金、それぞれ業務がある。その業務先に行くのか行かないのか知らぬけれども、食事は必ずその人管の部屋でとったという事実。それから、他でとっても人管の部屋へ行って、必ず一時間半から二時間、全逓批判の話をいろいろここで承ってきている。それだけではなく、そのまま郵政局に行って、郵政局の課長補佐のもとでまた一時間からそれ以上話を聞かされ、ある場合には場所がなくて監察官の取り調べ室へ入れられてこういうことをされているのです。そういう実態が明らかです。これを出張旅費を使ってやっているのです。現にやっているのです。望ましいことですか。
○山本(博)政府委員 これも札幌だけの例ではございませんで、ほとんど全国の郵政局が、年末の業務が終わりますと、各郵便局の責任者に郵政局あるいはその管内のモデル――モデルといいますか、最も大きな局、こういうようなものを見学して勉強してくるために出張をさせます。これは札幌だけではございません。その際に確かに、おっしゃったような、人管に行った人間もございます。しかし、人管に行ったから直ちに不当労働行為をしたのだろう、あるいはそういう内容があったのだろうとは私どもは思いません。やはり勉強するのは業務上の勉強で、各郵務部なり保険部なり貯金部に行っても勉強するでしょうし、あわせて人管に行っていろいろ話を聞いてくるということは、これはあり得ることだと思います。したがいまして、そこで食事をともにしたとかいうケースもございましょうし、全部が全部それと同じコースということではなくて、いろいろ千差万別のコースをたどって見学ということをしておると思います。一般的にはこういうことはどこでもやっております。そういうことがあったからといって特に責めるべきものではないと思います。
○島本委員 私は責めるべきものだと思います。人事部管理課課長補佐、こういうような人たちは、局長やそういうような人たちに対するアドバイス機関であり、個々の組合員に対してはいろいろ接触しないと、現地の浅見局長も言っているのです。これに対しては、前回のあの参議院の逓信委員会でも、それははっきり言っているではありませんか。個々の人に今度は御飯を出してまでも、全逓のこの分裂工作を使嗾する、こういうふうなことを話し合いの中でしても、これは望ましいことだとするならば、これは重大なことなんです。人管の職掌は、個々に会って説得する機関ですか。局長に対するアドバイス機関だと言ったのはどういうことなんですか。私の間違いですか、あなたの聞き間違いですか、どっちです。
○山本(博)政府委員 出張者が郵政局へ参りますと、関係の部門を回ると同時に、自分が個人的に知っている人、そういう人たちといろいろ顔を合わせて個人的な話もするという時間、これは一般的にそういたしております。したがいまして、人管に行った人間がおって、人管で話をして、人管の人間が――食事を食べさしてもらったこともあり、あるいは食べさせることもある、こういうのは出張をし合ったときにお互いによくやることでございまして、組織的に、来た人間一人一人をとっつかまえて、全部食事をさせて、そのときに不当労働行為にわたるような話をするというようなことをやっているとは思いません。人管に参った人間もおると思います。そこで食事をした人間もいるかもしれません。それを、組織的に不当労働行為のためにやっているのだというふうには、考えておりません。
○島本委員 二月二十七日に七名参りました。枝村という労担主事が連絡員となっていきました。これはかってな行動をされては困る、行き帰り団体行動をとっていただきたい、こういうようなことを言っているのです。そうしてそのまま人管の部屋です。食事です。これは団体行動じゃありませんか。個々の発意によって行なっていると言えますか。私はこういうようなことは望ましいことであると思われないのです。望ましいのか、望ましくないのか。こういうようなことを今後もやらせるのか、やらせないのか。人管というものが配置されておって、それが個々に組合員に対してそういうことをするのがほんとうの分掌上正しいのか。局長に対するアドバイス機関であるということは間違いなのか。この辺をはっきりさしてもらいたいし、今後、行政機構としてそういうことであったならば私は困るのですが、大臣がいない間は、政務次官、あなたは大臣にかわっておるのですから、確信ある答弁をしてもらわないと困るのです。こういうようにして、年度末に旅費が余ったからという、そうして大挙して団体行動をとらして、必ず人管の部屋へ行って、あるいはめしを食べる、あるいは二時間にわたって説教を食らってくる、人によっては取り調べ室に入れられる、こういうようなことが望ましいことですか。今後もこれをやらせようとするのですか、政務次官。
○高橋(清)政府委員 御説のとおりだとしますと問題だと思います。私、政務次官就任以来すでに半歳近うなりました。でありますが、いわゆる労使関係の協調をはかり、いろいろな場面につきまして、与えられた任務の良識に基づいた遂行をするについては、先ほどるる申し上げたのでありますが、協調協調ということで、いやしくも、お説るるございました不当介入、いわゆる第七条に違反するがごとき不当労働行為を、あえて当局で、それと感じてとはいいながら――あるいは、そういうようなことがゆめゆめあってはならないのであるということについては、時あるごとに私どもも、側面でございますけれども、注意喚起し合っていることも事実でございます。それだけに、お説のようなことをお聞きいたしますと、正直に申し上げましてふしぎにたえません。またそういうことがあっては相ならぬと思います。今後も……。(島本委員「もっとひどいことがあるんですよ、このあと出ますよ。」と呼ぶ)いずれにいたしましても、ざっくばらんに申し上げますが、不当労働行為介入と思われるような状況は受け取れないとはっきり申し上げることができると思います。今後もそういうことがあってはならないということで指導しなければならぬと思っております。(島本委員「あった場合に、今後やらせないようにしないといけないというのです。」と呼ぶ)当然であります。当然やらせてはいけませんし、そういうことが行なわれないようにあらゆるこまかい注意をとるべきだと思います。
○島本委員 私に与えられた時間になってしまいました。ただ個条的にあと二つ、三つやらせてもらいたいので、このあとにある西風さん、田邊さんの友愛と信義に御期待いたしまして、若干ここでがまんしてもらいたい。そのためには、質問することは全部ここに省略さしてもらって、結論だけここでイエスかノーかだけでけっこうでございますので、わが同僚の愛情を期待してひとつよろしく願いたいと思います。
 人事局長、私はここであなたに対してイエスかノーかだけ聞きますので、答えてもらいたいと思うのです。それは業務命令のことです。この業務命令は、私は経営に必要な規律の伝達が業務命令だと思っております。したがって、これが労働者、人間の持っている人権まで拘束することはいけないものだと思っております。そして、食うとか排せつするとか、いわば生存権、生存上必須な行為、こういうものはあらゆる法に優先するたてまえを認めなければならないと思います。それで、業務命令という法律でもない権限で、人権、自然権といわれる法に優先する行為までを拘束することは妥当ではないと思います。こういうようなことからして、便所へ行くにも許可を得なさい、それから食事をするにも上司の言うとおりにしなさい、こういうようなことがありますけれども、これはもう法に違反するどころじゃなく、こういうような業務命令は行なうべきじゃないと思います。あったとすれば、今後こういうようなものは廃止しなければなりません。これはもうはっきりここで答弁を願いたいと思います。
○山本(博)政府委員 一般論としてお答えいたしますと、おっしゃるとおり、こういう人権に関するようなことに業務命令を用うべきでないということは申し上げておきます。
○島本委員 したがって、そういうようなことがあります場合には、これは取り消させ、こういうようなことがないようにしていただきたいと思うのです。この点はよろしゅうございますか。
○山本(博)政府委員 極端なことを申し上げて恐縮でございますが、平穏な平常の状態においてはこういうことをしてはいけないと思いますので、これは私のほうから十分指導いたします。
○島本委員 十分指導してこういうことのないようにしないといけません。まあ期待いたします。それを同時に、いろいろ申しましたその中で、いま皆さんのほうではっきりこれはそうではないと言いましたけれども、私には確証がございます。ここに黒白を争ってもしようがございません。それで私は結論として、この点はどう思うか、これを聞いておきたいと思います。
 官費をもって行なっておったとするならば、全逓の誹謗や全逓批判者の組織、こういうようなものに対する行動を停止させなければならない。それと、管理者の手で官費を支給してつくったような組織がある。たとえば小樽の一葉会のようなものです。こういうようなものは解散させるのが妥当である。それから、郵政局が招集した会議、管理者の出張先、こういうようなところでは、全逓誹謗、こういうようなものは停止しなければならないし、やるべきじゃない。主事、主任などの昇給や昇格、こういうような利益誘導による組織介入はすべきでない。これらの行動を行なうような者があるならば、これは処分すべきである。この五つの点をあげましたが、これは当然なことであり過ぎるほど当然です。これを実施する決意がございますか。
○山本(博)政府委員 組織が自発的にできたものでありましたら、官の力でこれを解散させるということはむしろ行き過ぎだと思いますので、これはいたしかねると思います。
 それから、官の旅費を使っていろいろな会合の際全逓を誹謗するというようなことをすべきでないということをおっしゃったことと思います。ただ、これは先ほどもちょっと触れましたが、むずかしい問題でございまして、ストに参加しないようにということを強く指導するというようなことはございますが、そういうような点どういう表現になるかということ、いろいろ問題があると思いますが、これを具体的な事例によって判断したいと思います。いろいろな事例がございましたときに、これは組合のほうも、そういう問題については私のほうに申し入れをするということになっておりますので、その際、具体的なケースとして一つ一つ当たって判断をいたしたいと思っております。
 それから、人事の問題につきまして利益をもって誘導するというのは、これは労働組合問題に限らず、人事そのものの権威というものを失墜させることになりますので、人をいざなうのに人事をもってするということは、私としては一切許すつもりはございません。
○島本委員 最後に私はこれを言ってやめます。
 それは、人管の中には、倉石発言が正しいと言ったり、憲法を否定したり、こういうような言動をしている人もあります。私はこういうのは望ましくないと思います。公務員である以上、憲法九十九条、これは順守しなければならないし、尊重しなければならないわけです。あわせて社会党をさえも誹謗しているのです。こういうようなことは許さるべき問題じゃありません。こういうようなことをした人管は御存じでしょうけれども、こういうようなことは厳重に処罰しなければならない問題です。これに対して政務次官、あなたどう考えますか。
○高橋(清)政府委員 きょういまの問題につきましてお問いがあるということを予見し、正直に申し上げまして、これまた事前に調査いたしたのであります。これは私じかではございませんけれども、本人について郵政省自体として調査いたしましたものであります。確かに倉石発言について話したようであるが、それは公務員は憲法や法律を守らなければならないという話が出たときに、その一例として倉石発言も、倉石さんがいわば特別職の公務員である大臣という立場での発言でやったので、特に問題とされたのではなかろうかというような意味で触れた模様でございます。特に倉石発言そのものにつきましてのとやかくの発言をする意図はなかったものであります。もちろん、いま後段にお述べになりました社会党云々というようなことは全然発言しておらぬということでございます。
○島本委員 私は残念ながら時間がないのですけれども、これで終わったのでありません。私はいま発言は十分の一ほどしかまだしてないのであります。この問題、はいままでの答弁の中では、解決し善処してまいりたい、こういうような意欲が見られないことはございません。しかしながら、まだまだ奥歯にもののはさまっているような、いわばその問題を回避したいというような気持ちが見えるわけです。その気持ちがある限りは、私はこの問題は事あるたびごとに追及しなければなりません。大臣がいない限りにおいては政務次官は大臣代行です。あなたもここで言った以上、やはり省を治めるためにも、そういうようなことのないように、いわば官僚に牛耳られないように、あなたがっしりそこで重きをなさなければならないと思います。私はこういうような点で特に要請しておきたいと思います。私は質問はまだまだありますけれども、答弁は全部不満であります。なお、あわせて申しますが、調査資料もお願いしてありますので、それを出してもらったあとでまたやらしてもらいたいと思います。
 残念ながらこれで終わることを皆さんに表明して、残念がりながら退席いたします。
○八田委員長 西風勲君。
○西風委員 次官、さっきの札幌郵政局の入管が、倉石発言その他政治的な問題について、一方に片寄った立場で発言していることは事実です。議事録その他もありますよ。あなたはさっき、だれかの書いた紙切れを読まれましたけれども、あなた、確信ありますか。なかったらどうします。何を言ったか、きちっとありますよ。それがちゃんとあるのですよ。あなたは、それが出てきたらどうします。あなたの言ったこととまるきり違いますよ。さっきのことは責任を持って言っているのですか。
○高橋(清)政府委員 これまた正直に申し上げますが、その日その日のいろいろ御発言になります内容について、私自身がつぶさに現地に行って本人と対談し、その意向をとらえ、タイミングが合うようにお答え申し上げるだけの時間的の余裕もございませんし、これはひとつ常識判断で御洞察を願わなければならぬと思うのであります。
○西風委員 だから、あなたがいま言われたことは、部下がつくった作文を読んだのであって、別にあなたが調べたわけでもなし、確信があって言われたわけでもないというふうに理解していいわけですね。
○高橋(清)政府委員 私は、郵政省職員のこうした場面におきまするいわゆる申達連絡事項等について、常にまことを持って対処しているということを看取しておりますので、大きな間違いはないと信じています。
○西風委員 そういうことを聞いてませんよ。札幌郵政局の人管が言ったことは、事実として議事録その他があるけれども、あなたの言ったことと違うけれども、そういう事実が出ると、これはあなたの重要な問題になるから、あなたは事実に基づいて言っているわけじゃないだろう、部下の書かれた作文を読んだのだろう、あなたは実際を知らないのでしょうということを言っているわけです。知っているか知らないか。
○高橋(清)政府委員 人事局長からのものであります。それを読み上げました。
○西風委員 あなたは知らぬわけですな。知らぬと、はっきりしておきますよ。知らずに言うのはやめてもらいたいと思うのですね。
 それから曾山さん、日本経済新聞に出ておりますが、新聞だから、あなたはまた、そんなことは新聞がかってに書いたというふうに言うでしょうけれども、くぎをさしておきますけれども、あなたは、全逓の組合員のみじゃないでしょうけれども「親方日の丸の郵政事業は収入に関係なく給料が支払われているので、どうしても職員のやる気はわいてこない。」ということを談話で言うていますね。これはどういうことですか。どういう意味ですか。
○曾山政府委員 お読みになりました記事の内容のとおり私は言ったわけじゃございません。ただ、私にあるとき電話がかかってまいりまして、札幌郵政局の局長が、いわゆる目標管理という新しい行き方をやっておるようだが、それに対してあなたの感想を聞かしてほしいという話がございました。それに対して、私の感じを申したわけでございます。その内容は、少々長うございますので、ここでは省略させていただきますが、いずれにいたしましても、御承知のように郵政事業は特別会計、独立採算制でございまして、収入が確保されなければ、それに従事をしております職員その他の給与もよくならないのだというようなこと、かいつまんで申し上げれば、さようなことを申しました。
○西風委員 私の言っているのは一字一句じゃなくて、こういう内容の意味のことを言われたのかということを聞いているわけです。
○曾山政府委員 先ほど申し上げましたように、非常に長い電話でありまして、向こうからもいろいろ長く聞きましたので、記者の感覚でさような集約をしたのではないかと思いますが、その中に比喩といたしまして、親方日の丸的な仕事をする者もおるということは確かに申しました。
○西風委員 親方日の丸はおくとしましても、収入に関係なく職員に給与が支払われているのでどうしても職員はやる気がわいてこない――表現はとにかくそれに似たようなことを言ったのでしょうから。あなたがこの新聞を見てから訂正を申し入れたということもまだ一回も聞いていませんしね。だからそういう点では、これはあなたが言った内容のことを表現しているととらざるを得ないわけですね。だからそういう点で、あなたのこういう認識で、現場で雪の日も雨の日も、都会だけではなしに、山の中を三里も五里も歩いて郵便物を配っている非常に御苦労な職員に対して、収入に関係なく給料が支払われているから、したがって職員はやる気がわいてこないのだ、こういうことは士気に悪い影響を与えるだけでなくて、幹部の責任回避ですよ。かりにそういう事象があるとすれば、下ももちろん反省をしなければならぬけれども、むしろ指導している上のほうが、郵政省本省のあなた方自身が、もっと反省してそういう内容について言わねばならないのに、こういうことを言うのはどうかと思うのです。その点どうですか。
○曾山政府委員 先ほど申しましたように、お読みになりました内容は、私が申しましたことを完全には伝えておらないような気がいたします。ただそういう意味のことを、つまり独立採算制の内容等も私の知識の範囲で説明いたしましたので、そのことは確かに申しました。しかし、私も郵政に従事する職員といたしまして、まず何と申しましても郵政の施設を改善し、かつ待遇その他をよくしていくためにはわれわれの収入をあげなければならぬということにつきましては、職員ともども人後に落ちない努力をいたしているつもりでございます。さような意味で申したわけでございまして、他意はございません。
○西風委員 いや、あなた、こういうこと言ったのは適当じゃないですよ。あなたは、長いこと言ったのを新聞記者がかってにやったと言うにしても、新聞というのは本来、われわれが言ったってみんな載せないことは初めからわかっている。新聞というのはそういうものですよ。限られた字数で限られた時間に発行するわけですからね。こういうような、職員全体に対する不信を招くような発言になってあらわれたことに対して、あなた反省の色ないですか。反省する気はないですか。
○曾山政府委員 それに書いてありますようなことが私の真意を伝えていないとすれば、私の表現が悪かったのだろうと思いますので、その点におきましては今後しっかりした発言をしたいと思います。
○西風委員 それでは具体的なことを聞きますけれども、二月二十七日、札幌郵政局人事部管理課の河崎清という課長補佐が余市郵便局の藤原会計主任、これは全逓の組合員ですが、藤原会計主任に対して、「組合員は役員に遠慮してものを言えないでは困る。自分の主義主張は、役員に遠慮しないでしゃべるべきだ。ストに入ったら参加しないで下さい。」「職場では面白くないことはないか。」「現在のような労使の状況になってやりづらくなったことはないか。」それから余市郵便局の同じく中村という保険課当務者に対して、三月四日、「事業の近代化に伴い、労使関係の近代化は必然、組合は保守的で進歩がない。」「本当の組合運動は組合員のためになる方向へ進めるべきだ。」「余市郵便局が昨春ストライキに入ったときのことをどう考えるか。」「全逓は革命意識のもとでの運動である。」というようなことを言っておりますけれども、これは郵政本省の労務の方針ですか。
○山本(博)政府委員 郵政本省といたしましては、全逓がストを打つということには賛成いたしておりません。したがいまして、各郵便局の管理者は、ストを打たれてもだいじょうぶなように、またストをできるだけ打たれないように、こういう努力をすること、これは省として現在一つの方針としてとっております。しかし一人一人の職員に、全逓を誹謗して脱退をさせるというようなことは全く考えておりません。
○西風委員 あなたにいつも言うのはまことに済まないような気もするのだけれども、何回でもこういう事件が起こって、われわれも好きでやっているわけじゃないわけです。この前も申し上げましたけれども、こういう問題よりももっと具体的な、社会労働委員会の本来あるべき任務についてやりたいわけです。にもかかわらず、こういう問題を何回も何回もやらねばならない。聞くと、やっていない。やっていないと言ったって、あなた続発しているじゃないですか。九州から近畿にいって、近畿から北海道に一挙にのぼって、今度は関東へくるかどうか知りませんけれども、そういうかっこうで計画的、意識的にやっているという事実の発生から見て、そういうように判断せざるを得ないような状況になっておるじゃないですか。もっと全逓と十分話し合って――たとえば札幌郵政局でやっている勇ましい意識革命ですか、黄色通達ですか何か知りませんけれども、ああいうことでも、郵政局長の名誉心、利己心からやられたのでは迷惑なわけです。もっと労働組合なり職員なりと十分話し合う中で、極端な場合は、そういうことは今日ではなかなか困難でしょうけれども、労働組合と局が一緒になってそういう運動をやるぐらいのところまで、局の誠意というものは組合に認められるくらいにならなければいかぬわけです。にもかかわらず、たび重なる社会労働委員会で問題にしなければならぬ事件が続発しているというような点について、もっと根本的に、こういう事件が起こらないようにしようという意思はありませんか。何か打つべき手を考えているというような点ありませんか。
○山本(博)政府委員 先ほども申し上げましたけれども、不当労働行為であるかどうかというのは、これは本来第三者機関が判断すべきことでございますけれども、これが不当労働行為なのかどうかということを私たちが判断するというのは、ケース、ケースで非常にむずかしゅうございます。本来、不当労働行為というのは、起こったあとでこれを救済をするということにいたしますと、これは非常に時間がかかるわけでございます。また、そういう判定をいたしますのにも、いろいろな手続が必要であります。したがいまして、むしろ労使間でこういう問題をどう受けとめていくかということにつきましては、こういうことが発生しないようにすることのほうがまず先決ではないか。起こったあとでどう救済するかということですと、これはもういわばあとの祭りということになりますので、できるだけ発生する可能性を除去しようではないかということで、これは昨年来全逓とも話し合いをいたしまして、全逓のほうが、これはどうも不当労働行為にわたると判断をした場合には、すぐに私たちのほうに連絡をもらうことにいたしております。連絡をもらいまして、私のほうは直ちにその調査をいたしまして、その調査の結果、これは不当労働行為というものになる危険が非常にあるという判断をいたしましたときには、そういうことの起こらないように現地に十分指導をする、そういうルールを組合との問に話をいたしまして、北海道の場合についても、幾つかの事例が私のほうへあがってきておりまして、私のほうが調べるということにいたしております。これが一つでございます。
 それから、先ほど御指摘がありました郵人管九〇号という通達文がございます。これは、現地にはいろいろな方法をとりまして十分指導をいたし、徹底をしたつもりでございますけれども、時間もたちましたし、またあわせて現在組合のほうから、北海道地区でこういう問題があるといういろいろな申し出もございますので、郵人管九〇号についてはさらに再指導をしたい、こういうふうに考えております。
○西風委員 だから、郵人管九〇号が出されて、私どもは、これに基づいて双方が話し合ってやっていけば、少なくとも模範的な労使関係がつくられるのではないかというように当初期待していたのですけれども、ところがこれができてから、さらに巧妙に、ますますじょうずなやり方で、組織切りくずし、不当労働行為、第二組合づくりというのが行なわれるという事件の頻発の状況から見て、そういうように判断せざるを得ないわけです。たとえば先ほど言いました河崎という人管の課長補佐の発言でも、全逓は革命意識のもとに運動している、こんなことは人管の課長が自分の主観だけで言うことばと違うわけですね。まことに残念だけれども、郵政本省がこういうふうな内容の教育をしているから、こういう課長は勇気を持って言っているつもりなんです。全逓が革命意識のもとでやっているというような、各現場の責任者にこういう発言が見られるということは、郵人管の精神なんて全然下に浸透していない。それどころか、郵人管を隠れみのにして逆に巧妙な不当労働行為が行なわれているというように判断せざるを得ないわけですね。そういう点についてどういうように考えられますか。
○山本(博)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、本省としては、法律に禁止されておる不当労働行為をするつもりはございません。全逓がどういう性格の組合であるかというのは、ある意味では各人がいろいろな形で判断をするかもしれません。しかし省といたしまして、そういう規定をして指導しておるということはございません。労使間については、できるだけ話し合いをしていろんな問題を改善していきたい、こういうように考えております。
○西風委員 たとえば、現在の北海道札幌の問題を正しい軌道の上に乗せていくためには、先ほど島本委員から発言のありましたたくさんの同志会みたいな組織が解散して、いまやっているようなことをやらないということが、札幌問題を好転さす一つのてこです。あなたはさっきその質問に対して、そういう権限もないし、そういうことをやる意思はありませんということですけれども、そういう同志会のようなものがつくられている目的は、郵政事業の研究ということが目的になっておるわけですね。郵政事業の研究なら、何も特定の人が少数集まってやる必要がないのです。余市なら余市の郵便局の者が全員やるべきだし、あるいは札幌なら札幌で郵便局の者が全員でやる。あるいは全員でやらぬ場合には、郵政の組織というものがあるのですから、その郵政の組織で労務問題と切り離して純粋にやるということが必要なんですね。あんな同志会というものが一斉にできておりますから、組織的、計画的につくられていると見ざるを得ないわけです。たまたま三つか四つの郵便局にそういうものが自然発生的にできたというならやむを得ないけれども、全国的にできておりますし、北海道は最近目立っておるわけです。それはあなたのほうで、現在全逓にある二つの組合のうち、一方の組合に干渉を加えるということはできぬでしょう。同志会というものは組合でも何でもないわけです。だから、そういう組織で業務の問題その他勉強するなら、郵政省の一定のルール、機構に従ってやったらよろしい。だから、そういうものは誤解を受けているからやめなさいということがどうして言えないのです。不当労働行為でも何でもない。上からの干渉でも何でもないじゃないですか。札幌における労使関係を正常に戻すために、郵政本省がやるべき本来の仕事じゃないですか。そういうことをやる意思はございませんか。
○山本(博)政府委員 いま御指摘になりましたいろいろな組織というのは、私は官が介入をしてできた組織というように受け取っておりません。これは同好の士が寄ってつくりましたグループでございまして、これを郵政省が一々、それは適当でない、それを解散しなければいけないという指導は、少し行き過ぎではないかと思います。
○西風委員 問題が起こっていないときは、あなたの態度でいいわけです。このことによって大きな問題が起こり、労使の慣行にとって正しくない状況に発展する現状が現に出ておるのです。しかも、さっきからたびたび言いますように、二つの組合のどちらか一方に干渉するというなら、明らかにこれは不当労働行為だ。そんなことを言っているのじゃなくて、組合と無関係にそういう同志会というものが別個にできて、それができたことによって一つ一つの郵便局に新たな紛争が起こり、その紛争によって郵政事業が妨害され、郵政事業の運行にとって正しくない状況が出るというような事態が出れば、そういう点についてそれこそ業務指導で、そういうものができることによって、郵政事業の研究ではなくて、かえって職場の労使慣行に正しくない影響を与えている向きがあるから、そういう点については十分注意する必要があるし、もっと郵政本省が上から下までつくっているそういう機構に基づいてやりなさい、そういう動きはやめなさい、一時中止しなさいと言うことくらいどうしてできないのですか。それくらいの勇気がないのですか。
○山本(博)政府委員 これはたてまえが、先ほども申し上げましたように、各人の自発的な意思に基づいてつくりましたグループと受け取っております。したがいまして、私たちの持っておる権限あるいは組織上のいろいろな命令権、こういうものとは、御指摘になりましたように、全く無関係でございます。したがって、これに私たちが力を加えてどうこうという性質のものではないというふうに考えております。
○西風委員 人事局長、あなたは力を加えてつくったものじゃないと言ったけれども、下部の事実を、時間がありませんから一つ一つ私言っておれませんけれども、こういう委員会ではたくさん時間をとるわけにもいきませんから、一回社会党なら社会党の部会で、皆さん十人なり十五人来てもらって、山のようにある資料を読んでもらったらいいですよ。事実あるのですよ。あなた方は違うといえば済むように思っておりますが、そういうふうな事実があるときに、一般的なたてまえだけでやるというのが人事局長の仕事とは思わぬわけですね。そしろそういうときには、労使慣行正常化のために多少の強い指導力を発揮するというのが当然じゃないですか。
 郵政政務次官、やはりこういうときにはあなたに出てもらわなければいかぬと思う。こういう問題については、人事局長一存ではできぬでしょう。郵政大臣に相談いたしまして、札幌に起こっている同志会その他の動きについては、これに干渉したって不当労働行為になりません、これをやめいと上から言うのは。そういう点で、札幌の労使関係を正常に戻すために、いま紛争の種になっている同志会その他については、これを解散せしめる、そういう紛争の種をなくする、そのために郵政大臣と一緒に相談して、そういうふうに下部に指導する意思ありませんか。
○高橋(清)政府委員 社労の常任委員会においての、いわゆる不当労働行為云々の件についてでありますが、特に最近の参議院の逓信委員会におきましてもそうです。どうも北海道の札幌が中心になっているような気がしてしようがございませんので、正直に申し上げまして、これだけ集中攻撃を受けるような何かあるんではなかろうかというような気もします。でありますから、お説もございますので、私は私なりにいろいろな情報を収集いたしまして御答弁申し上げるという姿でございますけれども、人事局長におきましては自信も持っておるようでもございますので、皆さま方の御質問に対してそれぞれ対応策も講じて、現地を調査して、そうでないという反発もしておるような姿も出ておるようでございますが、せっかくのあれでもございますし、一応実情をよく調査して、西風委員から強い御要請がございましたということを大臣に申し上げて、こんな非力な政務次官でございますので、何らの強い指導的な役割りを演ずることもできないわけでございますから、ただ大臣にお説をお伝えして、いまもしそういうようないい方法があるならばどうかというような検討する機会も得てみたい。これは人事局が中心でございましょうが、局長もここにおって聞いておられるんでありますから、私個人ばかりでなくて、今後も大いに勉強の課題にもなろうと思うのでございます。
○西風委員 人事局長もさらに積極的に言いたい意思をお持ちなんですが、立場上なかなか言えません。したがって、かわってあなたに言っていただきたいというので言っているわけです。同志会的な組織が紛争の種になっているわけです。ですからそういう点について、労使紛争の種にならないように、大臣と相談して一定の処理をしていただく、こう理解していいですか。
○高橋(清)政府委員 まずその必要があるかないかということから十分検討してみなきゃならぬと思います。お説のとおり、労使協調、これが基本精神でなければならぬということは言うをまたないのであります。先ほど申し上げましたように、あまりにも札幌、札幌とおっしゃるものですから、異常なものがどこかにあるのだとすれば、十分検討する余地があるということを率直に申し上げているのでございます。
○西風委員 いまもう一押ししてもらわぬとやっぱりこれはあかぬわけです。先ほどから、この前もお話し申し上げて非常に前向きの回答をいただいたんですけれども、同志会というようなものは、郵政本省なり札幌郵政局が、そういう行動が誤解を受けているようだから、皆さんのほうで言いにくければ、自主的な動きであっただろうけれどもたいへん誤解を受けているので、この機会に一時中止せいということぐらいは、政務次官せっかく委員会に来ていただいたんですから、それぐらいひとつ約束してくださいよ。私どもお願いしておるわけですから、深く静かにお願いしておるわけですから、そういう点でぜひお約束いただきたいと思うのです。
○高橋(清)政府委員 一生懸命勉強します。
○西風委員 人事局長、人事局長がどういうふうな民主主義的な考え方を持っておられるかということは私は知っているのです。あなたの言っておることとは逆のりっぱなお考えがあるということはわかっているのです。そういうことは私はあなたに言わせません。あなたの出世の妨げになってはいけませんから。ですけれども、あなたもそういう点について、同志会は紛争の種になっておるのですから、どんどんつくらす――あなたはつくらしてないというでしょう、自主的な動きだというでしょうけれども、しかし組合のほうはやっぱり官がつくらしておると思っているし、また事実状況証拠が無数にあるわけです。だからそういう点で、そういうふうな誤解のあるようなことについては、郵人管九〇号をもう少し精密にしたものをあらためて出してもらう必要がある。郵人管九〇号は必ずしも浸透しておりませんので、郵人管九〇号にさらに加えて、不当労働行為をもっとなくするために、労使慣行を正常化するために、新しい、これよりもりっぱな郵人管何号かを出される意思はありませんか。
○山本(博)政府委員 内容につきましては目下検討中でございますが、どういう方法でやるか、あるいは内容をどの程度まで、いまおっしゃったような形までこまかくするか、こういうことについて目下検討中でございますので、御趣旨にできるだけ沿うような形で処理をしたいと思います。
○西風委員 たとえば私、北海道の富良野という郵便局に行ったのです。局長さんは札幌郵政局の局長会議でおられませんでしたけれども、山内郵便課長代理、小林庶務主事あるいは郵便課長というような人全部に来てもらいまして、あなた方は全逓組織切りくずしのために、ストライキに反対しようという署名運動をやったでしょうというて問いただしましたところ、最初はやっていないと言っていましたけれども、結局二時間余りの間に、小林庶務主事と山内郵便課長代理二人が、組を組んで二十数軒回ったということを認めたわけです。二十数軒回りました。二十数軒組合切りくずしの目的で回っている。証拠に誓約書をとろうと思ったけれども、そこまでするとかえって本省その他の心証を悪くしてもいかぬと思いまして、やりませんでした。誓約書をとってもいいぐらいです。判こをとろうと思いましたけれども、全逓はあまりそういうことはしないということですので、判こはとりませんでしたけれども、絶対にいたしませんということで私に頭を下げたわけです。今後絶対にそういう種類のことはやりません、やったことは間違っておりましたということを認めているのですね。これは組を組んで回っているのです、ちゃんと相談して。まずそういう事実を知っていますか。
○山本(博)政府委員 大ざっぱな報告は受けておりますが、いまおっしゃったようなこまかいことについてまでは報告を受けておりません。
○西風委員 ところが局長、これはこまかいことと違うのです。これが一番大事な、具体的な不当労働行為なんです。これは不当労働行為ですよと言いましたら、郵政本省からいままで聞いていたことによれば、そういうことをすることは不当労働行為ではありませんと、最初がんばったのです。それで私は、これは組合的立場とか官側の立場とかいうことではなくて、不当労働行為なんだというふうに言いますと、最後に、そうですか。郵便課長さんなんか、最後までわからぬような顔をしていましたけれども。そういうことをやることが不当労働行為ということはよくわかっていないわけです。そういう点で、郵人管九〇号は内容的に非常にりっぱですけれども、これにさらに具体的な、いま申し上げたようなことに類するような点をつけ加えて出さなければ、なかなか下まで浸透せぬわけです。下の現場におる人がわからぬわけです。そういう点で現場の人にわかるような新しい郵人管通達、不当労働行為をなくするような、新しい労使慣行をつくるような、そういう通達についてぜひ検討していただきたいというふうに思うのですけれども、政務次官、どうですか。
○高橋(清)政府委員 十分御意見を検討いたしまして、善処をしたいということだけしか言われません。御了承いただきたいと思います。
○西風委員 善処してくれるわけですね、そういう点について。人事局長。
○山本(博)政府委員 補足をいたします。
 先ほど来、いろいろ郵人管九〇号につきましてお話がございましたが、実際に郵人管という通達が一枚地方に参りましただけでは、これは周知徹底しないと私も思います。したがいまして、郵政省としてはそれ以降も、こういうものが不当労働行為になるというような従来のいろいろなケースを集めまして、これを現業まで全部現在送っております。それからまた、各管理者を集めまして訓練をいたしております。その内容に、不当労働行為というものはこういうものであるということについて詳しく説明をして、それを教科書の中に織り込みまして、訓練の教材として使っております。
 いろいろ御意見がありまして、紙切れ一枚出すということに非常に御拘泥になっておるようでございますけれども、一回通達文を出すこともけっこうだと私は思いますが、同時にそれ以上に、毎年それぞれの職場の管理者にそういうことを教える、あるいは講習会その他でもそういう話をする、会議その他でもそれをするということを繰り返すことが必要なんじゃないか。そういうこともあわせて検討さしていただきたいと思います。
○西風委員 私、あなたの言われることに賛成ですよ。いま言おうと思ったのですけれども、郵人管九〇号の下部への浸透運動というようなものをもっと組織的にやることによって、全逓との間にできているみぞがやはり埋まっていくということにもなるわけですからね。郵人管九〇号を完全に下部まで浸透させる。もう一回、労担その他に対して正式な通達を出してもらう。もしそれに反するような行動をしたら、それこそ処分の対象になりますよというぐらいのことを書いて、下部に流してもらうということが必要なわけです。
 同時に、先ほど問題になりまして、あとで田邊委員その他から総括的な発言があると思いますけれども、労担の中で政治批判が最近目立っております。これは証拠はいっぱいありますけれども、きょうは、時間その他、それを示すゆとりがありませんから示しませんけれども、労担の政治批判が各地でたいへんふえております。特に社会党に対する誹謗、総評に対する誹謗、それから全逓に対する誹謗というのが目立っております。個人が家庭へ帰ってどういう信条を持とうと、これは自由であります。しかし、郵政省の労担として業務を行なう場において、一定の政治的信条を押しつけたり、あるいは現に存在している国会の党を目ざして批判するようなことが行なわれたんでは、これは問題にならぬと思うのです。そういう点について十分な指導をやると同時に、そういう発言があった場合は厳重な処分を行なうというようにいたしていただきたいと思うのです。
 時間がないようでありますから、そういう点で政務次官に十分な指導その他をお願いして、私の質問を終わらしていただきます。
○高橋(清)政府委員 西風委員の御注意のほど、御説の内容、ごもっともだと思います。十分今後も、かれこれ言われないような指導もとりたいと思っております。
○八田委員長 田邊誠君。
○田邊委員 先ほど来質問がありましたけれども、島本、西風両委員が言われましたように、この郵政省による不当労働行為とおぼしき事件を当委員会でもってたびたび取り上げることに対しては、私はたいへん残念な気がいたします。これは政務次官以下、お聞きになっておる郵政省の各局長も同じ気持ちであろうと私は思うのです。しかも、委員会で政務次官以下、誠意ある御答弁があったと私は思うのです。しかし、事実はその方向に進んでおらない。といたしますると、あなた方がこの委員会で答弁されていることは、いわば委員会における答弁だけに終わっているじゃないかという気が私はするのです。極端に言えば、委員会でまたそういう質問がある、その時間を何とか過ごせば、それであとは野となれ山となれ、こういうことであっては相ならないと思うのです。いま西風委員が質問をいたしました最後に、郵人管九〇号の問題が言われました。人事局長から答弁がありました。確かに通り一ぺんの通達だけで事終われりということは、私は間違いだと思うのです。しかし、人事局長、あなたが一昨年五月に出された郵人管九〇号は、各郵政局あるいはその他の地方局へ文書で行っているはずですけれども、その中身を具体的に文書で下部に対して通達をした郵政局に限ってみても、郵政局は幾つありますか。
○山本(博)政府委員 当時これをそのまま文書にしまして下部に流した郵政局は三局でございますが、その他の七局は、文書は用いませんでしたが、普通局長会議、特定局長会議、その他の講習会、そういうものを通じて、ことばの上で十分浸透させる手段を講じております。
○田邊委員 文書で流したのは三局。文書だけで済むものでないことは事実ですけれども、文書ですらも流したのは三局にすぎない。しかも札幌郵政局のごときは、今回の不当労働行為事件が随所に起こって、社会党の調査団が浅見郵政局長にお会いをして、一体郵人管九〇号による、不当介入なり不当労働行為はしてはならぬという本省の通達を知っているかと言ったら、よく存じておらない。下部に流したかと言ったら、流しておらない。流せと言ったら渋っておったけれども、最後にようやく、流しますということで、社会党の調査団に言われて、本年の三月二十五日に札幌郵政局ではこれを文書で下部に流しております。文書だけがすべてでないというあなたの言いぐさよりも、通り一ぺんの文書ですらも下部へ流しておらないんですよ。
 そこで、いまいろいろ指摘をされて、あらためてこの種の問題に対しては対処するという話がありました。具体的な不当労働行為に類するような事例もあげて下部に流すと言いました。私はそれもけっこうだと思います。しかし、ここまで言うと、ちょっと言い過ぎととられるかもしれませんが、これは不当労働行為ですという事例を出せば、その事例でなければ不当労働行為でないという認識に立つのですよ、下部は。それほどいま腐っているのです。実はそれほど、あなた方の正しい考え方が下部に伝わっておらない。こういうことをひとつ御認識をいただきたいと思うのです。あらためて、不当労働行為におぼしきことに対しては厳重に対処すると言われる郵政当局は、現場のすみずみまで本省の意向が伝わるような、そういう徹底した指導をこの際ひとつやってもらいたいと思いますけれども、いかがですか。
○山本(博)政府委員 繰り返し申し上げますが、こういう指導を十分下部に浸透するようにいたしたいと思います。
○田邊委員 いつまでにやりますか。
○山本(博)政府委員 まだ、いつまでという日にちまで検討いたしておりません。できるだけ早い機会にやりたいと思います。
○田邊委員 政務次官、この際約束しなさい。これだけ全国各地で、昨年から本年にかけて起こっておるんですから、この際ひとつ約束しなさい、いつまでにやるか。
○高橋(清)政府委員 郵政省の省内におきまする措置は近日中にやろうという相談をいたしました。それから引き続いてということでありまするので、せっかく御趣旨に沿うように全力を傾倒いたします。
○田邊委員 したがって政務次官、それは現場の下部の局のすみずみまでそれが徹底するような措置をとりますね。
○高橋(清)政府委員 お説のとおりであります。
○田邊委員 時間がございませんから端的にお答えいただきたいのですが、私も北海道へ行きましていろいろと現地を見せていただきました。
 一つだけ事例を申し上げます。石狩深川局の遠藤局長と金丸庶務会計課長が、昨年の十月二十日、新しく採用する職員に予定されている者の採用前の面接をいたしました。その際に、主として庶務会計課長が、「今の組合は管理者のいうことを聞かない。ネームプレートも着けないのがいる。君は組合と管理者のどちらが悪いと思うか」。本人は「組合が悪いと思います」。それに対して「そうだろう、君たちのような若い人がこちら側についてもらわないと組合を弱くすることができない。組合に入る入らないは自由だが、いまの若いものは、組合に入って何も解らず管理者に反抗する者がいる。君はそんな者の仲間になって交際しないで仕事をすることができるか」と言われた。本人が「それは組合に入るなということですか」。課長が「それは自由だが、よく考えて返事しなさい」。本人は一瞬返事に詰まった。「そこで返事につまるようでは採用できない」と言う。不採用になっては困ると思ったので、「そういう人とはつき合いはしないで仕事を一生懸命します」と答えた。その結果十月二十三日から出勤するようにと言われた。
 これは私は、その局長、課長に会いました。本人たちはこのときのことを全部認めてはおりません。しかし、少なくとも私と渡辺惣蔵議員が二人にお会いをした中で、こういうことだけ言いました。当局ではネームプレートをつけることになっている、全逓はこれに反対をしている、若い組合員でつけてないのがたくさんいる、君はどう思うか、こういうふうに問いただしているのであります。私はこの事実――これは局長、課長が言っている事実です。事実は、さっき私が言ったように、本人が話をしているように、これはもっと重大なものであります。しかし局長、課長が言っていることだけ私がいま正確にお話をすれば、その範囲のことを私どもに言いました。これは組合に対する一種の不当介入ではございませんか。
○山本(博)政府委員 いまお話しになった内容、実は二人だけの話でございますので、私のほうも調べましたが、片一方の言い分と片一方の二人だけの対話でございますので、どうしても水かけ論になります。そういう点の違いがございますので、完全に私のほうの調査と一致いたしません。
 ネームプレートの点につきましては、これは局の管理者として、一般の利用者その他との関係からいっても、名札をつけさせたいという希望が強いこと、これは事実でございます。したがいまして、入ろうとしておる職員に、名札をつけさせるいわば勧奨をしたということでございまして、組合自身に入るとか入らないとか、この組合がどうだとかということでございませんで、その程度のことを採用時に話をすることは差しつかえないのじゃないかと思います。
○田邊委員 こういうふうに言うべきではないでしょうか。当局ではネームプレートをつけることになっておる、君も採用したならばつけてもらいたい、これで必要にして十分なことではないですか。どうなんでしょう。
○山本(博)政府委員 一番理想的なものの言い方を期待いたしますなら、そういうものの言い方が一番よかったかと思いますが、管理者がその際発言したのは、不当労働行為というようなことを意識していたとは思いませんし、またそういうことではないと思います。
○田邊委員 問題はそのあとにあるのです。この本人に対する一連の問題があるのです。それとつなぎ合わせてみたときに、実は、不当労働行為となるようなことが頭になかったというのではなくて、いわば頭にあって本人に対してそういうことを言っておるのです。どうでしょう、政務次官。採用されようとするところのまだ二十前の青年が、全逓はこれに反対をしておる、君はどう思うかと言われたら、それは悪いと思います、そういう者とはつき合わないか、つき合いません、こう言わざるを得ないでしょう。確かにこの中で、組合に入る入らないは自由だと言っておるけれども、実際は自由でないようにしむけているのですよ。表現として組合に入る入らないということは自由だと言っておるけれども、いわばその前後の言い方からいえば、これは組合に入るな、全逓に入るなということを強要しておる功妙な言い方なんです。だから私がさっき言ったように、組合に入る入らないを言ってはいかぬぞ、不当労働行為になるぞということを文書で流せば、そのところだけは逃げているのです。しかし、その前後の状態からいいますならば、明らかに全逓に入るな、君らはそれにつき合うな、全逓は悪いことをやっているぞ、そういうことを本人に言わせるような誘導尋問をしておる、こういうふうにとらざるを得ないのです。理想とかなんとかということではありませんよ。それ以外のことを言ってはならぬじゃないですか。いま全逓は名札をつけることを反対しておる、大きな組合はつけていない、おまえ、これは悪いと思うか、悪いと思うというように言わざるを得ないでしょう。そういう者とつき合わないか、つき合わない、一生懸命仕事やります、こう言わざるを得ないでしょう。いわばそういう意識を与える、そのことが不当労働行為につながる。つながるんですよ。そうは思いませんか。
○山本(博)政府委員 管理者は管理者として、自分の仕事に対する責任感というものはそれぞれが持っております。したがって、自分が担当しております仕事ができるだけうまくいくことを、国民に対する責任としても管理者はこいねがっておるところでございます。したがいまして、従業員に対するときも、自分の担当しておる責任を全うするためによかれと思って発言するようなことがあると私は思います。それは決して組合がどうこうというようなことではなくて、それぞれの事業が国民のためによく運行されることをこいねがっていろいろ指導をする、あるいは発言をするということはございます。またそれなりに管理者にも、これは少し言い過ぎだと御指摘あるかもしれませんが、管理者は管理者なりの言論の自由あるいは表現の自由ということもある程度許されておると思います。したがいまして、一切がそれにつながるのだということで申されますと、それは管理者なりに表現あるいは言論、そういうもので言う場合もございますので、それは決して組合云々ではなくて、それぞれの持っておる責任において事業がうまく運行することをこいねがって発言をするというふうに受け取っていただきたいと思います。
○田邊委員 あなたはそんなことを言って済まそうとしますが、そうはいきませんよ。
 この十月に採用した男を二月の二十九日、二日おいた三月の三日、金丸庶務課長は再び業務命令と称して呼びつけておる。何で呼びつけたかと聞いたら、この青年はどうも最近パチンコをやり過ぎ映画を見過ぎる、そこで注意するという目的でもって呼び出した、こう言っておるのです。仕事に支障があったのか、仕事の面でこの青年はいわば業務を正常にしない、そういう状態が出てきたのか、そんなことはありません。――私に対してですよ。時間外のパチンコ、映画を君らしたり見てはいかぬ、これを二月の二十九日と三月三日に、なぜ業務命令と称して呼びつけて詰問しなければならないのですか。
○山本(博)政府委員 私が存じております事実では、業務命令ということで呼びつけておるのではございません。かねがね、郵便局には年間を通じましてずいぶん青少年の犯罪がございます。これはおもにパチンコあるいはその他いろいろな競馬、競輪、こういうことに金を使って犯罪を起こす事例が相当ございますので、現在は、青少年の日常の行動、特にそれがはなはだしい場合には犯罪というものを誘発する可能性もございますので、常々管理者に対しては、そういうかけごとに耽溺するような青少年については始終目をかけておくようにということを、全国的に指導いたしております。その他の郵便局でも、パチンコその他に非常にたくさんの金を使う職員には管理者から注意をさせておるということは一般的にございます。したがいまして、それを注意するときに業務命令だからということで呼びつけるというようなことは、私のほうの調査ではございません。ただ注意を与えるためであったということでございます。
○田邊委員 本人が朝出勤をして、その職場のいわゆる主事なり主任から、きょう仕事が終わったら課長のところに行け。ちょっと物の整理をしておったところが、業務命令だ直ちに行きなさい。庶務課長は、なぜおくれたか、こう言っておるのです。私が実は言いたいのは、私が庶務課長にお会いして話をしたときには、本人はパチンコ、映画をやり過ぎ、見過ぎるからそれに注意をするということで呼んだ、と私には答弁したのだけれども、実際はそうではないのですよ。これは明らかに第二組合に対して勧奨を行なったのです。本人の陳述によって明らかなんだ。ところが私どもの調査ではそう言えないから、本人はパチンコ、映画をやり過ぎ見過ぎるから、それを注意する目的で呼びつけたと、金丸庶務課長は私どもに言った。実はたいへんな問題だ、パチンコ、映画でもって時間外まで拘束されるようだったら。この課長は一体何をしていますか。時間外に酒を飲んで泥酔をして、第一組合の役員のところを尾行して、どこのところに入ったのかということを見届けておるのです。酒は自分でもって飲んでおって、部下の青年に対してパチンコ、映画をしたり見てはならぬということは言えた義理でもないし、また事実はパチンコ、映画の問題ではないのです。これは実際には、この青年は採用されてから官の意思に反して全逓に入った。第二組合をつくらなければならぬ。そこで、おまえは採用時のことを覚えておるだろう、これも暗示ですね。採用時のことを覚えておるだろう、その返事をしたことを忘れないだろう、いまはっきり言いなさい、私はわかっております――第二組合に入れとは言わないですよ。しかし、採用時に君の言ったことを覚えておるだろう、それを実行してないじゃないか、はっきり返答しなさいと言われれば、本人は、わかっておるのですというように答えざるを得なかった。そのあとおりてきたところが、その後第二組合の役員になったその職場の上司が、第二組合づくりの結集の場所に行ってくれ、こういうふうに言っておるのであります。しかも、金丸課長から組合のことを言われたろう、全逓に入っておると君の将来性がなくなる、昇格にも損をする、仕事の小さなミスでも官側では記録している、第二組合はその点心配ない、第二組合は四、五十人いる、将来のためおれたちについてこい、課長にもはっきり言ってきているではないか、こういうふうに言っているのですよ。これはまさに第二組合に対する勧奨であることは間違いない事実であります。本人はしばらく考えさせてくれと言って、約二時間にわたって全逓脱退を強要されて、脱退届けに判を押した、こういう事実がその前後にあるのです。金丸課長は、私どもに対してはそういうふうに言いのがれをしているが……。私はこれは人権問題だと思うのです。パチンコ、映画をしてはいかぬ、見てはいかぬといっても、仕事に支障あるまでのことをやっているわけじゃない。まじめにつとめておるのだ。何のために時間外まで尾行して、パチンコ、映画のことまで言わなければならぬかということになれば、これも問題ですけれども、事実はいま言ったようなことであります。どういうようにあなた方は調べていますか。
○山本(博)政府委員 先ほども申し上げましたように、これは二人だけで話をしていた内容でございますので、片一方が主張したことと、片一方が話をすることと、実は相当違っております。これは公開の場所で議論が行なわれたものと違いまして、二人だけでございますので、どうしても私たちの調査でも両者の間に食い違いがございます。これは端的に申し上げますと、多少両者の言い分というのは水かけ論になっております。したがいまして、私のほうの調査では、課長が言いましたのは、郵便局に入りましたときの気持ち、いわば初心忘るべからずというような意味で、自分が世話をして入れた職員だというので、時に触れて本人に、今後しっかりやれよということを注意したいということで、決していまおっしゃったような、不当労働行為をするというようなこと、そういうこととは全く関係がないのだという説明でございます。
○田邊委員 金丸課長が世話をして入れたなんという職員じゃありませんよ、あなた。金丸というのは札幌郵政局から来たんじゃないですか。そんなものじゃありませんよ。これはひとつもう一度事実を調べてください。もし必要ならば、われわれも立ち会いでもって対決させますから。どっちにとってみても、パチンコ、映画にとってみても、これは人権じゅうりんであるし、基本的人権の侵害である。そうでなく、ほんとうの事実の上に立ってみれば、明らかにこれは組合に対する不当労働行為であり、不当介入。どっちにしてもこれは間違いない事実なんです。これは、あなた方のほうでさらに十分調査をされると同時に、ここまで干渉する管理者なんというのは、私は断じて置いておきませんね。こんなことまで干渉するような管理者が現場におったのでは、若い人たちは安心して仕事ができませんよ。時間外のいろいろな自分のレクリエーションまでくちばしをいれられる……(「レクリエーションをオーバーしている」と呼ぶ者あり)オーバーしていない。あなた知っていますか。冗談じゃありませんよ。仕事はまじめにやっている。仕事に非違行為が起こったというならば別だけれども。それは私は念を押したのであります。そんなことはないという。でたらめきわまりない。調査をして正確なところを私にひとつ教えてください。
○山本(博)政府委員 ただいまのお話の中のパチンコ、映画その他の問題でございますが、これは省の方針といたしまして、各現業の管理者の青少年の指導、こういうことの中の一つとして取り上げております。確かに個人の私生活に立ち入った形でいろいろ尾行したりということは、これはさせておりません。しかし、局の中でいろいろすぐにこういう問題は風評が起こりますし、それから本人自身も、きのうはどれくらいやってどれくらいの金をすったとか、いろいろなことを同僚に話をしたり、あるいは上司に借金を申し込んだりというようないろいろな形が出てまいります。したがいまして、それが犯罪につながったときには、いつも管理者に対して責任を追及するということが行なわれます。管理者が一体何をぼやぼやしていたのかということで、管理者が追及されるということがしばしばでございます。職場の中で、そういう俸給を非常にたくさんすり減らしてしまうようなこと、そういうことについて全然無関心でいていいかという非難がございますので、これはかねがね、北海道の問題だけでなくて、指導させております。これは十分行き過ぎがないような意味でございますけれども、その点は御了承を得たいと思います。
 それから、先ほども申し上げましたように、調査は私のほうでもう一度、不十分だとおっしゃるなら、していいと思いますが、先ほど申し上げたように、何せこれは公開の場所で演説をしたとかどうしたとかいうのじゃなくて、だれも聞いてないところで二人で話をした内容でございますので、いわば客観的に録音でもとってあれば別ですが、どうしても言い方が両者の間に懸隔がございます。そういう点をあらかじめ御了承を得ておきたい。その上でなお私のほうからいまおっしゃった事実について調べてみたいと思います。
○田邊委員 繰り返しませんけれども、パチンコや映画その他とあなたは言うけれども、一般的にそういうことを言うのならいいですよ。二度も時間外にわたって呼びつけて言うなんということは非常識きわまりない。しかも意図が別にあるから私は言っているのです。パチンコ、映画を見過ぎるから注意しようと思って呼んだと言うけれども、そのことを言っているかといったら、本人には言ってないのですね。何を言っているんだかわかりませんよ。そうでしょう。そのことを本人に注意したんじゃありませんね。そのことを本人には言っていない。パチンコ、映画をし過ぎる、見過ぎるから注意しようという頭で呼んだというが、しかし本人にはそのことを注意していない。違うことを言っている。そこまでは実は私どもはごまかす気がなかったから、つい言わなかったのです、本人には言わなかった――まことに支離滅裂なんです。大体の意図はおわかりのとおりですから、もう一度調べてください。
 石狩深川局で二月二十三日午後四時から六時二十分まで主任以上業務打ち合わせ会というのをやっております。ここにリコピーがあります。写真をとったのもありますが、その議題の中に「業務管理より労務管理の指導を強化する。」という議題があります。これはあなたがそういう指導をしたわけですね。
○山本(博)政府委員 郵便局の中でどういう問題で研究会をやるかというのは、これは私のほうが全国的に指導いたしておる議題ではございません。それぞれの局情に応じていろいろな議題を取り上げているのが実態でございます。
○田邊委員 「業務管理より労務管理の指導を強化する。」というのは、省の方針かと聞いておるのです。
○山本(博)政府委員 そういう方針を示したことはございません。
○田邊委員 この局はそういうことをやっているけれども、これは正しいですか。
○山本(博)政府委員 先ほど申し上げましたように、どういう議題で研究するかということは、それぞれの局情に応じてその局の管理者がきめることだと思います。
○田邊委員 よく見なさい。それ以外に書いてない。「業務管理より労務管理の指導を強化する。」とあるでしょう。これは政務次官もよく見てください。いろいろなことばの中にあるのではない。「業務管理より労務管理の指導を強化する。」と一項目はっきり載っておるのですよ。だからそれは省の方針かと聞いておるのです。そうじゃないというんならどうしますか。そういう打ち合わせ会の議題を出して、業務管理より労務管理ばかり一生懸命やっている。あなた方のほうの方針でないとすれば、どうしますか。事実やっているのです。どうしますか。
○山本(博)政府委員 先ほど申し上げましたけれども、本省が全国的に各郵便局でどういう研究をするかということは統一させておりません。各郵便局それぞれの局情に応じて、そこの郵便局の局長が研究題目をきめることでございます。したがいまして、そういう題目をきめたということで、直ちにいいとか悪いとかいうことを本省が判断するというわけにはまいらないと思います。
○田邊委員 では、そういうことをかってにやらせてもいいのですな。あなた方のほうは認めますね。「業務管理より労務管理の指導を強化する。」こういう議題でもって幹部を集めてその打ち合わせ会をやる、これはいいことだと認めますな。それならそれでいいのですよ。
○山本(博)政府委員 そういう題目でどういうことを研究したかという具体的な内容、スローガンではなくて、具体的にどういうことをやったかということが判断の材料になると思います。
○田邊委員 スローガンじゃない。何を言っているか。冗談じゃないよ。(「あまり大きな声を出すな」と呼ぶ者あり)こういう思想を許しておるから、あなたがいかにここで口をすっぱくしてりっぱなことを言っても、実際には労務管理を強化し、そしてしかも、それが組合の分裂行動あるいは不当介入、これにつながるのです。しかも、そのよって来たる源は何かといえば、札幌郵政局で人事部長名で四十一年八月十六日に「労務管理体制の点検について」という文書を出しておる。その中にいろいろなことを書いておるけれども、もしいろいろな「悪慣行を発生せしめたような場合は、貴官の責任を問う。」と、ぐさっと短刀を突きつけておる。私がここででかい声を出す、出さないの問題じゃないのです。下部の管理者にとっては、この一言がどれほど重大なことであるか。もう業務管理などよりも労務管理だというので、その実は、下部でやっておることは、労務管理を強化し、全逓に対する不当労働行為をやり、全逓脱退を強要する形のほうが郵政局の方針に沿っているのだという、そういうところに問題があるのですよ。明らかにそれとこれとはつながっておる。だから堂々と議題に出して、労務管理の強化をうたっておるのです。私はそこに大きな問題があろうと思って質問をしたのです。この事実を調べて、あなたはスローガンでないと言うから、スローガンでなくて、一体どういうことをやったのか、その調査をして御報告いただきたいと思います。
○山本(博)政府委員 どういう内容をしたか十分調査をしてみたいと思います。ただ、労務管理ということばは非常に幅の広いことばでございまして、直ちにそれが不当労働行為というものと一それとは全く異質のものと私は思います。労務管理というのは非常に幅の広いことでございまして、組合対策ということだけではございません。いわば労働者をどういうふうに配置をするか、どういう権限を持たせるか、どういう義務を持たせるか、それを総合的にどういうふうに働かせれば
 一番大きな効果があるか、そういうことも含めて、私たちは労務管理というものを考えております。
○田邊委員 さっきいろいろなサークル活動に対する問題が出ましたけれども、その中でもってこういうサークル活動の一環としていろいろな。パンフレットやその他を出すと思うのですが、たとえばいろいろな意見の発表を局内でする場合に、いわゆる局側の掲示板がありますが、その局側の掲示板を利用させておりますね。
○山本(博)政府委員 そのとおりでございます。
○田邊委員 その具体的な根拠は、郵政省からいただいた文書によりますと、特にグループの性格などによって差別することなく、庁舎等の秩序維持等に支障がないと認められる場合に限り、場所を指定して個別に掲示を許可する。場所は原則として既存の掲示板を利用する。その既存の掲示板というのはいわば官側、局側の掲示板だ、そういう意味合いですね。そうなればこれは、その種の中にはいろいろなものが出ます。たとえば全逓を誹謗したり、あるいは逆を言えば官側を誹謗したり、これは表現の自由というものがありますから、そういったような批判文書をいろいろな立場でもって出される。これは秩序維持に支障がなければ全部掲示を許しますね。許すとなれば、たとえば組合としては局側の掲示板を利用できないけれども、こういったサークル活動の掲示であれば、たとえ組合組織の問題や労働運動に対する問題でも、局側の施設を利用できるということになれば、これからどんどん乱用しますよ。これは一方のほうでそれに対して対応手段でもっていろいろな会をつくって、その名前でもって申し込みをしたらどんどん許可をする、こういうことであればそういうことになると思うのですよ。そういう方針ですな。
○山本(博)政府委員 起こりました具体的事例で判断せざるを得ないと思いますが、一般的にはいまつくっております基準にのっとって公正、公平に取り扱うということでございます。
○田邊委員 今年の三月二十六日に、函館郵便局で誠会という――私の名前を使ってけしからぬのだけれども、誠会会長という名前で「函館局全逓組合員に訴えます」という文書があります。これを局側の掲示板に載せたということをしている。これは札幌郵政局でもって局のほうからいただいたのでございますが、いわゆる労働運動そのものに対する問題なのだ。全逓の組合員に対して組合の問題としていろいろ意見を述べ、訴えている。この種のいわば労働組合運動の一環に属することも局側の掲示板を利用させている。これも間違いないのですな。
○山本(博)政府委員 文書の内容につきまして、一々こまかい判断というのは局側ではいたしませんので、誠会という会が――これは、ほんとうのサークル活動の一つと申しますか、あるいは自主的ないろいろな目的を持った活動を目標にしている団体ということで、その会の会長が意見を述べるということで、これは他のいろいろな団体と差別扱いをしないで掲示板を貸したというふうに聞いております。
○田邊委員 そうしますと、今度、清一郎会なんというのができまして、これがこれと同じようなぐあいに反発の文書を出す、こういう形になったときは、それはお認めになりますね。掲示板に掲示を許しますね。
○山本(博)政府委員 それが局内の秩序を非常に乱すとか、あるいは政治的目的を持っておるとか、きめてあります現在の条件に違反しない限りは認めるということになります。
○田邊委員 この文書は、読み上げると時間がかかりますから、私は委員会に提出しますから、議事録として残してもらいたい。委員長いいですね。
○八田委員長 はい。
○田邊委員 この種類のものは認めるという確認をとっておけば、私はそれでいいのです。この種の問題は続発をするというおそれがあったならば、あなた方はこれに対処することが非常に困難になってくるのではないかということで御忠告申し上げたのです。したがって、やはり一つの限度をわきまえながら、これに対して対処しなければ困るのではないか、こういうふうに思いますので、ぜひそういった点で十分なお考えをいただき
 たいと思うのです。
 最後に、札幌郵政局では、局長がたいへんな文書を毎年つくっておるのでありまして、これを称して青達、黄達、桃色達や赤達もあるかもしれませんが、この中には、さっきの話にも出ましたとおり、従業員に対して意識革命を求めて、行動革命を巻き起こそうではないかということで結んでおります。このことば自身も問題ですけれども、こういったことのしりたたきというものが、一つには、郵政局長を支社長、郵便局長を支店長というようなことでもって、いわば何か誇らしげに下部に対して通達を出しておる。私は、この意味するものが何であるかということについては、突き詰めてここでもってお話しする時間がございませんが、郵政局長が得々としてこの種の自己満足的な表現を用い、通達を出しているということに対して、郵政省も――さっき郵務局長は、何かいろいろ電話でもって応答して、新聞記者に意見を言ったようなことを言っておりますけれども、ひとつ慎重にこれを検討してもらいたいと思うのです。私、重大な中身を含んでおると思うのです。検討する材料に値すると思いますが、検討されますか。政務次官どうですか。
○高橋(清)政府委員 お示しになりましたこの青達が、内部でいろいろ検討することによって、いわゆる秩序を乱し、本来の郵政業務の円滑な遂行に支障を来たすというようなものでございますならば、これは再検討し、この種のものの達しは出させないようにしたいと思います。私は、この内容を見ましても、お示しになったような趣意にはなっていないと信じて疑わない次第でございます。
○田邊委員 そういうことを言うから論議したくなるのだけれども、一応それはおいておきますけれども、ひとつ検討してください。あなたは、さっと読まれたかどうか知らないけれども、重大な中身を持っているのだから、ひとつ検討してください。
 こういう文書を出している札幌郵政局は、このことを取り扱った雑誌を購入いたしまして、これを三月二十二日に各現場の郵便局長に配付をしております。この中にその記事が載っております。私は局長がどういうお考え方かわかりませんけれども、こういう雑誌を国の費用を使って下部に流す必要があるのかどうか、ひとつ聞いておきたいのであります。
 あまりたくさん見せますと何ですが、政務次官、こういう雑誌であります。この雑誌の中にはいろいろな記事が書かれてございます。
○高橋(清)政府委員 はい、わかりました。
○田邊委員 たとえ、この青色通達が正しいという認識に立ち至りましても、こういう雑誌まで購入いたしまして、下部に対して、これでもかこれでもかと言わなければならぬ状態というものがありますか。いかがですか。
○高橋(清)政府委員 お説の中で、全部が全部妥当である、あるいは反発するという気分にもなれないような面もございますが、ただいまお示しになりました「サンケイ」そのものの中身の中で、そうしたものと同じ取り扱いをした内容盛りをすること自体どうかと思われるような点はありますが、ひとつ十分検討いたしまして、妥当でないという面につきましては、今後大いに善処をしたいと思います。
○田邊委員 いろいろな問題がありますけれども、さっきの質問に出ました札幌郵政局の中堅幹部の打ち合わせ会、これは十月十八日、十月二十日、二月二十二日、これも各局長名でありますけれども、郵便局長、貯金局長、保険局長――下部で私、具体的に聞いたところでは、これは業務の打ち合わせ会だということで出張の取り扱いをしております。ところが事実は、郵便も貯金も保険も、それらの人を集めて、具体的には労務管理上の問題として、実際には第二組合づくりということを指導しているということになっているのだろうと思います。したがって下部の認識と違うのであります。これもひとつ各局長調べてください。これは各郵便のものは郵便の打ち合わせ会、貯金のものは貯金の打ち合わせ会、庶務会計は庶務会計の打ち合わせ会というものでやっておるのであります。いわばそういう実態と違った状態というものがあるということを、われわれとしてはこの際皆さん方にお知らせすると同時に、これらのもののよって来たる原因というのは、あくまで郵政省の方針の中に、いわば労働組合に対する不当介入――これは私第一組合、第二組合とを問いません。いずれにしても、労働者が自主的に判断をして組織をつくることが必要であろうと思います。そういったことに管理する立場にある者が介入することは絶対に許すことはできない、こういう考え方に私立たざるを得ないと思うのでありまして、そうした点で一連の札幌郵政局傘下に起こった問題というのは、決して本日のわずか二時間くらいの質問でもって終わらすべき問題ではございません。この際、ひとつ皆さん方のほうに誠意ある態度があるとすれば、私どもの言い分の中にあなた方自身が見きわめてもらいたい問題が存在していると思いますので、十分検討をされ、事実を調査されて、これに対して具体的な誠意ある態度、対策を講じてもらいたい、こういうふうに思っておりますが、政務次官いかがでございますか。
○高橋(清)政府委員 大いに啓発を受けました面も数多くあるように思います。また、先ほどは局長のほうから、具体的に示された面について今後さっそく調査いたしましょうということを言うておりますので、調査する面につきましては、そこに違法、不当なものがございますならば、それなりにまた処断の場も出てくるかもしれません。
 ただ、一言だけ申し上げさせていただきたいことは、いろいろお話のありました中には、意見の相違とか、あるいはお互いにものの解釈によってはそうではないのではなかろうかというふうに私なりに感じとることができるような面もございますので、全体的な総合的な観点において、とにかく郵政事業の進展と国民への直接的なサービス面であるとかいうような点で、お互いに非常に重要な職責を果たしておるというような考え方に立ちまして、与えられた職責だけは遂行しようということで、そういう面についての通達と申しますか、意を用いなければならぬということは認識をいたしておる次第でございます。
○田邊委員 私はきょうは事実問題だけを申し上げたのです。これ以外に私どもが調査をし、また考えておる点は幾つもあるのです。ただ事実関係だけの上に立ってあなた方の所見を承ったわけでございまして、ややもすると、この郵政省の問題は言いっぱなし、聞きっぱなしという形になりがちですけれども、今度は私どもはそういうふうに対処したくありません。したがって、政務次官以下のきょうの御答弁を足がかりにしてさらに事態を見きわめていきたいと思っておりますので、あらためてまたひとつ委員会でもってその推移をお伺いする機会をぜひ設けさせてもらいたい、こういうふうに思っております。
 きょうはこの程度で終わります。
○田畑委員 私、関連でひとつ政務次官なりあるいは人事局長なりにお尋ねしておきたいと思うのですが、いままでの質疑応答を私も拝聴しておりましたが、感じたことは、郵政省関係には不当労働行為が相当頻発しておる、あるいは不当労働行為的な傾向が強く出ておるような印象を受けたわけでありますが、端的にお尋ねしたいのは、過去一年間不当労働行為として官側が組合員から提訴を受けたという件数は何件くらいあるのか、その内容はどういうことで提訴を受けているのか、これをひとつ数字で説明を願いたい、こう思うわけです。
○山本(博)政府委員 こまかい数字については後刻資料としてお届けしたいと思いますが、件数にいたしましてそうたくさんはございません。おそらく数件ではないかと思います。内容はそれぞれの郵便局の管理者が不当労働行為をしたということで、ことばの上で全逓を脱退したらどうだという勧奨をしたというようなものが主でございます。こまかい数字につきましては別途お届けいたしたいと思います。
○田畑委員 ひとつ当局のほうから、過去一年間に何件不当労働行為として提訴されたか、不当労働行為提訴の理由は何であったか、これを資料として出していただきたい。
 ただ、いま局長の答弁を承りますると、多くはない数件であろうということであります。数件ということならば、私が感ずる限りにおいては、たいした不当労働行為の件数ではない、こういうように判断をするわけです。公労委からこの一年間に不当労働行為と銘打たれて公労委の裁定が下ったのが何件あるか、これは御記憶でしょう。
○山本(博)政府委員 昨年はございません。一昨年の秋だったと思いますが、昭和三十九年の分でしたかと思いますが、件数の数え方にもよりますけれども、私たちのほうでは約七十事案が公労委から裁定がありまして、そのときには約三件だったと思います。三件が認められましてその他は却下になったということが一昨年の秋にございました。
○田畑委員 一昨年三件、これは不当労働行為として公労委の裁定があった、この一年間は裁定が一件もなかった、これは非常にけっこうな傾向だと考えますが、どうぞひとつ当局におかれても、いやしくも労働組合との関係において、不当労働行為に該当する、あるいはそのにおいがある、そういう疑惑を受けるようなことは、厳に今後とも自重してもらいたいと考えております。
 次に、私、労政局長にお尋ねしたいわけですが、昨年の七月でございましたか、労働省が労働組合の基本調査をなされて、その内容を新聞を通じ私たちは拝見したわけでありまするが、賃金労働者の組織率は何十%にのぼっておるか。さらにまたあの時点における調査によれば、民間の労働組合については、同盟の数と総評との数は大体似たり寄ったり、むしろ同盟の数が幾らか上回った、こういう発表を私は記憶しておりますが、あれはいつの時点で調査をされてああいうことになったのか、その内容についてこの際簡潔でけっこうでありますので、御説明をいただきたいと思います。
○松永政府委員 ただいまここに数字を持っておりませんので、記憶で申し上げますが、たしか昨年の七月だったと思いますが、労働組合基本調査を毎年行なっておりますが、その結果の数字についてのお話であったと思いますが、組織率がたしか三五%程度だったと思います。それから、ただいま御指摘のような民間の労働組合につきましては、総評系の民間労組と同盟系の民間の労組につきましては、御指摘のような比率が出ております。
○田畑委員 私は、いま労政局長から御答弁がありましたように、昨年七月の時点で労働省の調査によれば、過去一年間民間企業の労働組合にあっては同盟の数が事実上総評を上回った、こういうことが数字として出ておるわけでありますが、一体これはどういう理由で同盟関係の組織が民間においては総評を凌駕したのか、そのあたりの原因というものをお互いに探求することが必要じゃないか、こう思うのです。
 申すまでもなく、民間企業というものは、激しい国内競争もしかり、資本自由化という国際的な激しい自由化の中にさらされておるわけです。したがって、民間の企業にあっては、労使ともに生産性を向上させる、あるいは企業の体質改善を急ぐ、あるいは近代化を急がねばならぬ、そうすることによって企業の基盤を確立することが、労使並びに国民経済に対する成果の配分に通ずるわけで、そういうようなことが即また国民経済の発展にそれぞれの企業が寄与するということに通ずると私は思うのです。したがって、民間における労使関係のあり方というものは、やはり社会経済の発展に即応する組合の道を歩むことが、お互いの利益であると同時に国民経済全体に寄与するんだという認識の上に立って、労使の関係というものは、単に階級的な対立でなくして、対立も当然あり得るが、同時にまた共通の場所もあるんだという認識のもとにあるべきじゃないか、こういう観点に私は立っているわけです。したがって、どの道を歩むことがより労働者の利益をはかり得るかということが、労働組合運動における最近の傾向としてよく出ておるのだと私は見ているわけです。
 そういう立場で、さて三公社五現業をどう見るべきかということになってくるならば、三公社五現業というものは、先ほどもお話がありましたが、親方日の丸という見方や意識がもしあるとするならば、これはすみやかに精算してもらいたい。それはなぜなれば、三公社五現業というものはあくまでも国民の福祉のためにある企業体であって、そしてまた、その企業体を通じ国民に奉仕することこそ三公社五現業の使命であると私は考えておるわけです。ことに、労使関係の問題については、あるいは公社であろうと、国の経営する企業体であろうとも、当局者は当局者の立場に立って、管理者は管理者の立場に立って、使用者は使用者の立場に立って、おのれが職責を忠実に遂行することによって、初めて労使関係は健全なあり方というものが生まれてくると私は思うのです。もしそれ、一方が他方に無条件に屈服するなら、あるいは筋を通さずして悪い意味の妥協と譲歩を重ねるならば、そこには決して健全な労使関係というものは生まれてこない、こう私は考えているわけで、民間企業においてもそうであるが、官業においても、公社においても、健全な労使関係というものは、常に組合も、そうしてまた管理者も、おのおの分を守ることによって初めて生まれてくるものである、このように認識しておるわけでありますが、この点について、政務次官なり人事局長の考え方を承っておきたいと思うのです。
○高橋(清)政府委員 いわゆる労使関係のあり方等については、御説そのとおりでありまして、たいへん失礼な言い方でありまするけれども、非の打ちどころがございません。私ども三公社五現業に携わっております者については、非常にいい指針を与えたであろうと思うのであります。その精神をモットーといたしまして、与えられた職分の遂行に邁進したいと思うのであります。
○山本(博)政府委員 労使間の問題のあり方、解決のしかた、これはいまお話しがあったとおりでございます。私たちも、労使間のあり方として、共通の地盤があるところはお互いによく話し合っていく。しかし、それぞれ立場が違う、あるいは意見が違う、これは当然出てくる問題で、これも、解決のしかたとしましては、現在許されている憲法、法律、こういうものの中でできるだけ筋道を立てて解決していくべきだと思います。したがいまして、労働組合運動であるからすべてが認められる、すべてが許されるとは私は思っておりません。やはりその中に、いろいろの行き過ぎもあれば、間違いもございます。それはやはり正していく、また直していく。また管理者として、いろいろな点で努力が足りない点があれば、これも十分反省して直していく。相互にそういう問題を努力し合って解決していくというのがあるべき姿であると思います。
 また、労働組合自身のあり方というものは、こちらが関与すべきことではございませんで、どういう労働組合ができても、私のほうとしては、みんな同じように扱っていきたいというふうに考えております。
○田畑委員 私は、いまの政務次官並びに人事局長の答弁でけっこうだと考えますし、しかもまた、私は関連質問として立っておりますので、これ以上質問の発展をさせないつもりでおりまするが、官にあっても、公社関係にあっても、正しい労使関係確立のために、当局も、いやしくも筋を曲げるようなことがあっては許されない。先ほどもいろいろな角度から、不当労働行為あるいは不当労働行為的なにおいがするという警告なり注意がるるありましたが、こういう注意なり警告については、拳々服膺することを私は強く要求するとともに、同時にまた、官業であるから、あるいは親方日の丸であるからという意識に立って三公社五現業の労使関係というものがゆがめられるようなことがあっては、国民に対してその責任を全うしていない、こういうことに通ずると思いますので、そのあたりも十分配慮して、今後の郵政省における労使関係の健全なあり方を皆さま方も求めていってもらいたい、このように強く希望を申し上げて私の関連質問を終わります。
○八田委員長 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十七分散会
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