第058回国会 逓信委員会 第23号
昭和四十三年五月二十二日(水曜日)
   午前十一時二十分開議
 出席委員
   委員長 古川 丈吉君
   理事 齋藤 憲三君 理事 志賀健次郎君
 理事 坪川 信三君 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 金丸 徳重君 理事 山花 秀雄君
   理事 小沢 貞孝君
      小渕 恵三君    加藤 六月君
      金丸  信君    上林山榮吉君
      根本龍太郎君    羽田武嗣郎君
      福永 健司君    島本 虎三君
      武部  文君    森本  靖君
      米田 東吾君    中野  明君
      古内 広雄君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 小林 武治君
 出席政府委員
        郵政政務次官  高橋清一郎君
        郵政大臣官房長 溝呂木 繁君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  浦川 親直君
        郵政省監察局長 西原林之助君
        郵政省貯金局長 鶴岡  寛君
        郵政省人事局長 山本  博君
        郵政省経事局長 上原 一郎君
 委員外の出席者
        日本電信電話公
        社総裁     米澤  滋君
        日本電信電話公
        社総務理事   大泉 周蔵君
        日本電信電話公
        社理事
        (施設局長)  北原 安定君
        日本電信電話公
        社理事
        (計画局長)  井上 俊雄君
        日本電信電話公
        社営業局長   武田 輝雄君
        日本電信電話公
        社運用局長   好本  巧君
        日本電信電話公
        社保全局長   橋本 真澄君
        専  門  員 水田  誠君
    ―――――――――――――
五月十六日
 委員中野明君辞任につき、その補欠として浅井
 美幸君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十二日
 委員石橋政嗣君、大柴滋夫君、中井徳次郎君及
 び浅井美幸君辞任につき、その補欠として島本
 虎三君、米田東吾君、武部文君及び中野明君が
 議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員島本虎三君、武部文君及び米田東吾君辞任
 につき、その補欠として石橋政嗣君、中井徳次
 郎君及び大柴滋夫君が議長の指名で委員に選任
 された。
    ―――――――――――――
五月十五日
 簡易郵便局の受託範囲拡大等に関する請願(渡
 海元三郎君紹介)(第五四七二号)
同月十六日
 簡易郵便局の受託範囲拡大等に関する請願外四
 件(赤澤正道君紹介)(第五九一六号)
 同外一件(大橋武夫君紹介)(第五九一七号)
同月十八日
 簡易郵便局法廃止に関する請願外一件(井手以
 誠君紹介)(第六〇七九号)
 同外一件(江田三郎君紹介)(第六〇八〇号)
 同外一件(大出俊君紹介)(第六〇八一号)
 同外一件(大柴滋夫君紹介)(第六〇八二号)
 同外一件(加藤清二君紹介)(第六〇八三号)
 同外一件(川崎寛治君紹介)(第六〇八四号)
 同外一件(佐藤觀次郎君紹介)(第六〇八五
 号)
 同外一件(島本虎三君紹介)(第六〇八六号)
 同外一件(田邊誠君紹介)(第六〇八七号)
 同(武部文君紹介)(第六〇八八号)
 同外一件(中井徳次君紹介)(第六〇八九号)
 同外一件(中澤茂一君紹介)(第六〇九〇号)
 同外一件(華山親義君紹介)(第六〇九一号)
 同外一件(平林剛君紹介)(第六〇九二号)
 同外一件(武藤山治君紹介)(第六〇九三号)
 同外一件(森本靖君紹介)(第六〇九四号)
 同外一件(八百板正君紹介)(第六〇九五号)
 同外一件(山内広君紹介)(第六〇九六号)
 同外三件(米田東吾紹紹介)(第六〇九七号)
 同(金丸徳重君紹介)(第六一五八号)
同月二十日
 簡易郵便局の受託範囲拡大等に関する請願外一
 件(地崎宇三郎君紹介)(第六二〇六号)
 簡易郵便局法廃止に関する請願(安宅常彦君紹
 介)(第六二三二号)
 同(阿部昭吾君紹介)(第六二三三号)
 同(阿部助哉君紹介)(第六二三四号)
 同(赤路友藏君紹介)(第六二三五号)
 同(淡谷悠藏君紹介)(第六二三六号)
 同(井岡大治君紹介)(第六二三七号)
 同(井手以誠君紹介)(第六二三八号)
 同(猪俣浩三君紹介)(第六二三九号)
 同(石川次夫君紹介)(第六二四〇号)
 同(石野久男君紹介)(第六二四一号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第六二四二号)
 同(板川正吾君紹介)(第六二四三号)
 同(稻村隆一君紹介)(第六二四四号)
 同(江田三郎君紹介)(第六二四五号)
 同(小川三男君紹介)(第六二四六号)
 同(大出俊君紹介)(第六二四七号)
 同(大柴滋夫君紹介)(第六二四八号)
 同(大原亨君紹介)(第六二四九号)
 同(岡田利春君紹介)(第六二五〇号)
 同(岡田春夫君紹介)(第六二五一号)
 同(岡本隆一君紹介)(第六二五二号)
 同(加藤勘十君紹介)(第六二五三号)
 同(加藤清二君紹介)(第六二五四号)
 同(加藤万吉君紹介)(第六二五五号)
 同(勝澤芳雄君紹介)(第六二五六号)
 同(勝間田清一君紹介)(第六二五七号)
 同(角屋堅次郎君紹介)(第六二五八号)
 同(金丸徳重君紹介)(第六二五九号)
 同(神近市子君紹介)(第六二六〇号)
 同(川崎寛治君紹介)(第六二六一号)
 同(川村継義君紹介)(第六二六二号)
 同(河上民雄君紹介)(第六二六三号)
 同(木原津與志君紹介)(第六二六四号)
 同(木原実君紹介)(第六二六五号)
 同(北山愛郎君紹介)(第六二六六号)
 同(久保三郎君紹介)(第六二六七号)
 同(久保田鶴松君紹介)(第六二六八号)
 同(栗林三郎君紹介)(第六二六九号)
 同(黒田寿男君紹介)(第六二七〇号)
 同(小松幹君紹介)(第六二七一号)
 同(兒玉末男君紹介)(第六二七二号)
 同外一件(河野密君紹介)(第六二七三号)
 同(佐々木更三君紹介)(第六二七四号)
 同(佐野憲治君紹介)(第六二七五号)
 同(佐野進君紹介)(第六二七六号)
 同(阪上安太郎君紹介)(第六二七七号)
 同(實川清之君紹介)(第六二七八号)
 同(島上善五郎君紹介)(第六二七九号)
 同(島本虎三君紹介)(第六二八〇号)
 同(下平正一君紹介)(第六二八一号)
 同(田中武夫君紹介)(第六二八二号)
 同(田邊誠君紹介)(第六二八三号)
 同(田原春次君紹介)(第六二八四号)
 同(多賀谷真稔君紹介)(第六二八五号)
 同(高田富之君紹介)(第六二八六号)
 同(只松祐治君紹介)(第六二八七号)
 同(戸叶里子君紹介)(第六二八八号)
 同(楯兼次郎君紹介)(第六二八九号)
 同(千葉佳男君紹介)(第六二九〇号)
 同(堂森芳夫君紹介)(第六二九一号)
 同(中嶋英夫君紹介)(第六二九二号)
同月二十一日
 郵便番号制度の周知に関する請願(中野明君紹
 介)(第六六三六号)
 簡易郵便局法廃止に関する請願(武部文君紹
 介)(第六六三七号)
 同外一件(原茂君紹介)(第六六三八号)
 簡易郵便局の受託範囲拡大等に関する請願(小
 山長規君紹介)(第七〇三五号)
同月二十二日
 兵庫県家島町の電話増設に関する請願(岡本富
 夫君紹介)(第七一二四号)
 簡易郵便局法廃止に関する請願外一件(山花秀
 雄君紹介)(第七一二五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 逓信行政に関する件
     ――――◇―――――
○古川委員長 これより会議を開きます。
 逓信行政に関する件について調査を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。上林山榮吉君
○上林山委員 これから私がたださんとする問題は、自民党のだれかがいつか必ず質問してくれるのではないかと思って待っていたのでありますけれども、だれも一向に腰を上げる気配がないので、やむを得ず、国会が終わらんとするこの時期を特に選んで質疑をすることにきめたわけでございます。
 問題の内容はあとで説明をいたしますが、この問題が起きて以来、次々に類似の暴力事件等が起きていることは、私は、健全なる郵政事業の育成の上からきわめて遺憾である、こういうように考えておるところでございます。
 その一つに、九州管内の折尾局で参議院議員の横川君が坂根という庶務会計課長に暴行を加え、傷害を与えたというきわめて遺憾な事件、次には、仙台管内の大船渡局で局員が、管理者に対して、業務命令を命じても、そんなことを言っていると大船渡の海は深いぞ、こういう脅迫をしながら、いわゆる局の運営が正常を欠いておるという現況、この問題さらには昨日、二十一日の朝日新聞、二十日の読売新聞に報ぜられている大阪管内、京都伏見郵便局で、傷害や暴力行為の疑いで全逓系局員九名が逮捕を受けているという事件、ここまで個条書きに項目を示しただけでも、まことに乱暴きわまるものではないかという気がいたします。
 こうなってくれば、私は健全な常識的な労組運動ではもうなくなってしまったのではないか、こんなことがさらに次々に引き続いて起こる結果は、国民に奉仕をせなければならない郵政事業に至大な悪影響を及ぼすものである、こういうふうに考えるのでありますが、総括的に私は以上を申し上げましたが、大臣はこうしたような次々に起こってくる事件に対してどうお考えになるか。これは健全なる、しかも良識のある労組運動のらち外ではないか、これでは、国民に対して奉仕しなければならない郵政事業というものが、知らず知らずの間に崩壊の方向に進んでしまうのではないかと私は心配をする一人であります。これに対するまず大臣の御見解をただしておきたいと思います。
○小林国務大臣 いまのお話のようなことも間々あるのでありまして、これらは事業運営上きわめて遺憾であるということは申すまでもありません。
 私は、職場の秩序維持ということにつきましては重大な関心を持ち、そのための努力をいたしておるのであります。ややもすれば労組運動を取り違えて、そうして小さな暴力的な行為が間々あるということはまぎれもない事実だということを私も考えております。しかし、これらに対しましては、常に反省を求めて、そうして秩序の厳正な維持、こういうことに極力つとめており、今後もそのつもりでおります。
○上林山委員 大臣は大局的な見地から、あるいはまた健全なる、公平な立場からそういう所信を被瀝されたものと私は考えるわけでありますが、もう少し――私は単にあげ足をとろうという意味でこの問題を提起しているのではなくて、ほんとうにそれぞれの立場にある人々が、それぞれの立場から健全なる郵政事業の発展というものを考えなければならぬのではないかという立場から当局に質問をしているのでありますから、その点を曲解することなく、ありのままを、そして言いにくいことも、勇気を持ってやはり発言をしてもらわなければ、大部分の国民はつんぼさじきに置かれていることが多いわけであります。そういう点をひとつ頭に入れて御答弁を願いたいのであります。
 まず、概括的に申し上げましたその一つの折尾郵便局の問題でありますが、この折尾郵便局の庶務課長の坂根実君に参議院議員の横川正市君が全治一週間か、あるいはその程度の打撲傷を与えた事実がある、こういわれておるが、この事実があったのかどうか。私は、こういう問題こそ綱紀粛正の最たるものでなければならぬ、こういうように考えておりますが、これは前の大臣のときだろうと思いますのでいまの大臣はよくは知らないと思いますが、その後私はあらかじめ質問の要旨を当局にお伝えしておきましたからおわかりだろうと思いますので、この事実について、大臣、もしくは大臣が答えられなければ事務当局に、この事実があったかどうか、これをお尋ねしておきます。
○小林国務大臣 続いていろいろ具体的の御質問があろうと思いますが、それらについては、ひとつ事務当局からお答えいたさせます。
  〔委員長退席、坪川委員長代理着席〕
○山本(博)政府委員 その当時のいろいろな調査をいたしました内容といたしましてわかっておりますことは、横川議員が坂根課長に対して暴力とまぎらわしい行為をされたということの報告を受けております。
 それで、その内容につきましては、検察庁が取り上げまして、横川議員から事情聴取もされておりますし、坂根課長からもいろいろ事情聴取をされております。その結果、起訴はされないということになりましたけれども、調査そのものの内容といたしましては、それに類する事実があったというような調査をしてございます。
○上林山委員 その調査の中に、いわゆる打撲傷、全治何日間を要するという診断書が医師から出ておりますが、それは間違いありませんか。
○山本(博)政府委員 おっしゃるとおり、診断書が出ております。
○上林山委員 私は、不起訴になった事件であるということでございますから、これ以上その問題について、どうして不起訴になったかということを郵政当局に質問する筋合いのものでもございませんので、その意味では質問を申し上げませんが、これは政府委員にはたいへん気の毒ですけれども、先ほど私が申し上げた趣旨で、曲解なくひとつ答えてもらいたいのは、貯金局長の鶴岡君は当時官房長であったと思いますが、そのときに坂根君が、告訴をするという準備をしていたのに対して、その告訴はやめたらどうだろうということを折尾局長に連絡をしたり、あるいは郵政局に連絡をしたり、あるいはその他の方法をもってそういう意思を連絡した事実はないのであるかどうか、これをお答え願いたいと思います。
○鶴岡政府委員 おっしゃるとおり、当時官房長でございました。しかし、私から折尾局長あるいは郵政局の関係者ないしその他の者へ連絡等をした事実は一切ございません。郵政局長に対して、事実はどういう事実があったかという質問は電話でいたしました。
○上林山委員 これも私は根掘り葉掘り聞きません。また、あなたのいまのお答えを一応信頼いたすことにいたします。私が聞いたところでは、私も関係者から聞いたのですけれども、必ずしもあなたの発言と一致しませんけれども、現段階においてはあなたのことばを一応信頼することにいたしたいと思います。
 そこで私がお尋ねいたしたいことは、昭和四十一年五月二十五日から三十一日まで、本省郵務局の森という次長が福岡、熊本、鹿児島、宮崎に出張しておりますが、その出張の件名は何でございますか。
○溝呂木政府委員 当時の出張発令簿によりますと、所管業務視察のためということになっております。
○上林山委員 所管業務視察のため、これはどんなにでも解釈のできる件名です。それは広い意味では所管事項になるかもしれませんが、これらの県に出張して、さらに加治木、鹿屋、垂水、鹿児島の各郵便局長、鹿児島局の次長、庶務課長を鹿児島に呼びつけたというか、呼んで、そしていろいろと話をしておる。
 この報告書は出ておりますか。いわゆる所管事務の調査であったというその出張報告書はどういうふうに書いてありますか。
○溝呂木政府委員 当時のあれによりますと、口頭復命ということになっておるようでございます。
○上林山委員 大臣、こういう本省の管理者の相当の地位にある者がこんなに長く出張した場合は、報告は文書によってとるようになっていないのかどうか。あなたの時代になってからどうなんですか。それ以前は、あるいはそういうことはとらぬでもいいことになっているのですか。郵政省というところはそんなにだらしのないところですか。
○溝呂木政府委員 現在でも用件をそれぞれの所属長に目頭復命ということでもって済ましております。
○上林山委員 それはまた別途に申し上げる機会がありましょうが、相当の地位にある管理者、しかも郵務局の次長、こういう者が長く――一日やそこらじゃない、長く出張した場合に、一から十まで詳しく書く必要はないけれども、その概略を上司に文書によって報告しないということは、私はずさんだと思います。少なくとも当該局長あるいは事務次官あたりくらいまでは報告すべき性質のものだと思う。私はまことに遺憾であると思います。
 さらに、四十一年の六月六日より十日まで、これは森君は命令を受けないで出張しておる。私が当時これを調べたときには命令を受けていない。こういうふうに出張命令を受けないで出張できるのですか。
○溝呂木政府委員 実は、前にそのお話を聞きまして、昨日、当時の出張発令簿を見ましたところ、六月六日の件についても、一応出張発令が出ております。それで、その目的は所管事項視察のためということで、前回の旅行目的と同じ目的で一応旅行発令簿には記載されておりました。
○上林山委員 六月六日から十日過ぎて、たしか何カ月か過ぎた間まではそういうものは書かれていなかったと私は聞いておるのです。これはあなたのところの相当の地位にある人から聞いた。だが、そういうことは全然なかった。あるいはあとからそういうこを何か修正したのじゃないかというふうに疑わざるを得ないのですが。その点はどうですか。
○溝呂木政府委員 実はきのうその書類を取り寄せて私の目で見たわけでございますが、その間、日にちがちゃんときちっと合っておりまして、あとから、入れたという形跡は見当たりませんでした。
○上林山委員 そのときは鹿児島、宮崎に出張しているのですね。鹿児島に出張しで、そして全逓の地方本部に森君は行きまして、労務連絡官をここに呼びつけて、そして社会党の森中参議院議員ですかあるいは全逓の高柳副委員長ですか、これらの人と同道しておった。地本で労務連絡官を呼びつけて、そこでいろいろと話があったということでありますが、それは事実ですか。
○山本(博)政府委員 私が知っております内容といたしましては、高柳副委員長と二人だけでございます。
○上林山委員 全逓の高柳副委員長と、しかも地方本部に、郵務局の次長が出張して労務連絡官をそこに呼びつけて、全逓の脱退者があまりないようにとか、あるいは脱退するのはどういう事情かとか、そんなことを聞いたといわれておる。これはどうです。また、地方本部に、しかも全逓の副委員長のような人と一緒に行って労務連絡官を呼びつけたりすることは、大体常識から見て適切でしょうか。大臣、この問題をどう思いますか。
○小林国務大臣 そういう事実は適切ではないと思います。
○上林山委員 この事実は当局も認めておられる発言があったと思う。
 それでは、ないといわれる当時の、たとえば官房長あるいは当時の熊本郵政局長その他の諸君から、それは違いますということがあればおっしゃってけっこうです。これがなければ、私は話をさらに進めますけれども、これはいかがです。
○溝呂木政府委員 いまここに来ております政府委員の中では、そのことについて否定するということはいましておりません。
○上林山委員 大臣、おかしいのですが、この坂根君が、告訴を取り消した代償かあるいは郵政幹部の御要請を聞いた代償か知りませんけれども、折尾の小さい局から、われわれ常識から見れば二段飛びしたくらいの博多郵便局の庶務会計課長に間もなく昇進したのですよ。これは人事管理の面からいっても、特別に優秀であったにいたしましても、そんな例はいままであまり聞いておりません。正常な時代において、しかも事件の相手方の一人です。彼は悪意は何もなかったのですから、彼を責むべきではありませんけれども、告訴をしなかったのか、それとも、あるいは郵政局や本省の気に入ったのかどんなのか知りませんが、博多といえば九州でも一番大きな郵便局ですね、そこの庶務会計課長に昇進を特別にしたというのは、どう考えても常識をはずれていると思う。そこに公表できないようないろいろな事情が伏在しておるからそういう処置を、なだめるためか何か知りませんが、とったのではありませんか。これを大臣、どうごらんになりますか。
○小林国務大臣 これはもう私の関係したことでもありませんし、世間と申しますか、皆さんの御想像にまかせる以外にないと思います。それぞれお考えがあろうと思います。
○西原政府委員 当時私、熊本郵政局長をしておりましたので、あるいはちょっと忘れたかもしれませんが、そのときの事情を申し上げますと、坂根君は折尾局の庶務会計課長、庶務と会計両方の課長を兼ねてといいますか、一つのポストでやっていたわけでございます。このときたしか、もう在任が二年以上こしまして、異動すべきときであったわけでございます。たまたま博多の――これは会計課長でございます。博多局は庶務課と会計課二つに分かれておりまして、相当の大局ではございますが、福岡中央郵便局が別にございまして、その他の局が博多局でございますが、そのほうの会計課長にかわったわけで、必ずしも栄転というわけではなく、普通の異動であるというふうに私ども考えている次第でございます。
○上林山委員 栄転することはいいことですから、坂根君に私は傷をつけようというさもしい気持ちで言っておりません。ただ、その当時のいろいろなことを聞いてみますと、あなた方のほうでそういう処置をとって問題を円満に解決しようという意図からそういうことになった、こういうふうに聞いております。しかし、それは押し問答になりましょうから、これ以上申し上げません。
 第二の問題でお聞きしたいのは、仙台管内の大船渡局の脅迫暴行事件、いわゆる業務命令を管理者の言うとおり聞いておらぬ、しかも、大船渡の海は深いぞというような脅迫的言辞を吐いておる。この問題は刑事事件としていま取り調べ中であるようでありますが、当局がこれを告発したのか、それとも警察当局が自発的にこれを刑事事件として捜査あるいは取り調べているのか、この事実を聞いておきたい。
○山本(博)政府委員 その事件が起こりましてからすぐに警察のほうが内偵を始めましたので、郵便局側ないし当事者が告訴、告発をしたという手続はいたしておりません。警察がすぐに内偵をいたしまして、現在警察で調べております。
 私のほうといたしましては、この事件に関係をいたしました職員九名、そのうち二名は解雇他の七名につきましては、それぞれ内容に応じた行政処分をいたしております。
○上林山委員 具体的事件がはっきりしている問題については、当然行政処置も並行してとるべきものであろうと思います。
 第三の問題大阪管内、京都伏見郵便局で傷害と暴力行為の疑いで全逓系局員九名の逮捕が行なわれた。これも告発でなく、検察ないし警察当局の自発的な取り調べであるか、逮捕であるか、この点を明らかにしてもらいたい。
○山本(博)政府委員 これも同様でございまして、当事者からの告訴、告発ということはございません。警察の独自の判断でございます。
○上林山委員 大臣に伺っておきますが、大臣、二十一日の朝日新聞並びに二十日の読売新聞をごらんになりましたか。先ほど私が提示した京都伏見郵便局の事件をごらんになりましたか。見たなら、見たということだけをおっしゃってください。
○小林国務大臣 読みました。
○上林山委員 これは新聞で、つまびらかでございませんが、全逓の労組員十数人が、金井という、これは同盟系の局員のようですが、約四十分間にわたりつるし上げた、そしてすねをけるなどして乱暴した、これが一つ。それから荒木という同盟系の人に対して、小谷という人をはじめ二十数人の人が取り囲んで、耳に約一週間のけがをさせた。これは朝日新聞の報ずるところです。読売新聞の報道を見ますと、これも約四十分間、金井という人を十数人の全逓の局員諸君が取り囲んで、土下座してあやまれとつるし上げ、体当たりしたり、ひざをつねったりした。明らかに、暴力行為です。
 こういうことが、しかも局内で行なわれということは、郵政事業の秩序、こういうものがこわれてしまうじゃないか。これは子供のような議論ですけれども、全逓に入ろうと同盟に入ろうと中立組合を健全に育成しようと、あるいは組合に入ろうと、入るまいと、それは本人の自由だ、本人の意思を尊重すべきものであって、外部からいろいろな勢力的な圧力によってこれを左右すべきものではない。ましてや、単なる説得じゃなくて、こういう警察ざたになり、刑事事件になるようなことが職場で行なわれているということが、私はきわめて遺憾だと思います。
 私は、そういうような意味合いで、小林郵政大臣は労務問題に対しては歴代の大臣よりも少し信頼するに足ると思っていますけれども、こういうものが横行しておるということはどこに原因があるか。あるいは全逓の諸君に行き過ぎが多いのか、あるいは郵政当局の管理体制というものが――先ほど言ったように、幹部のものが高柳副委員長と地方本部に労務連絡官を呼びつけてそれぞれいろいろな政策を講ずる、こういうことは私はきわめて遺憾だと思いますが、大臣、今後こうした問題に対して、あなたは干渉にわたらない範囲でどういう指導育成をしていかれる御所存であるか。
○小林国務大臣 これは十分御承知のように、労組問題等について、いわゆる不当労働行為は、どういう形においてもそういうことはすべきでありません。したがって、全郵政、全逓の紛争というものには、当然われわれとしては関与すべきでありません。
 しかし、いやしくも暴行等の問題は、局内の秩序を乱し、また郵政職員の品位を乱す行為であるから、やはりこれらは、その行為に対しては、私どもは行政取り締まり、懲戒等の対象になるもの、かように考えております。
 したがって、組合が組合運動としてどういうふうに、どっちへ入るか、あっちへ入るかというようなことについては、一切われわれとしては関与すべきでない。ただ、事、いやしくも通常の暴行あるいは脅迫等にわたるものは、われわれとしても、職場秩序維持の立場、また局員の品位を保持する、こういう立場からこれは十分に行政の対象として考えなければならぬ、こういうように思っております。
○上林山委員 局員としての品位、職場の秩序、国民への奉仕――この奉仕を忘れてはいけませんよ。往々にして奉仕を忘れがちな事件が次々に起こる。これは私はきわめて遺憾だと思うので、大臣は不当労働行為にならない範囲内において、いま言ったような御所信で私は善処をされたいと思います。
 この際、事務当局に伺っておきますが、四十一年度に全逓から脱退をした組合員が何名か、四十二年度に全逓から脱退した組合員が何名か、四十三年度――四十二年度、四十三年度は、大阪その他北海道、仙台、九州、だいぶ大量に脱退しておるようですが、こういう年次別の状況を知りたいので、統計があるはずだからお示し願いたい。
○山本(博)政府委員 年度別のこまかい正確な資料をただいま持ち合わせいたしませんのではっきりした数を申し上げられませんが、四十一年度は大体千七、八百と思います。それから四十二年度が千名ちょっとこえると思います。それから本年度になりましてから約五、六百名というのがおおよその数字だと思いますが、正確には後ほど調べてお知らせいたします。
○上林山委員 私は、まだ自分としては満足しておりません。もう一皮むいてほんとうは質疑してみたいのです。
 しかしながら、いま答弁のあったことを信頼して、禍を転じて福としていく御決意のように承るので、私はこの辺でピリオドを打ちます。また、私が具体的に話を進めていきますと、ほかの国会議員の方々の名前も出さなければなりませんので、この辺でピリオドを打ちたいと思います。
○坪川委員長代理 森本君。
○森本委員 私は、同僚横川正市参議院議員の名前が出ましたので、この名前が出なかったならば質問をいたしませんけれども、本人は今回改選期に入っておる議員であります。そうして、今回の選挙を行なう議員であります。そういうことがありますが、この折尾郵便局におきます横川参議院議員の問題については、すでに郵政省、さらに検察当局、そういうところにおいても解決のついておる問題である。にもかかわりませず、この問題がこういうところで取り上げられたということについては、私は同僚議員にかわって一言質問的な形式において言っておきたいと思います。
 この内容については、いろいろ言われておりますけれども、私が横川参議員議員自身に聞いたところによりますと、暴力行為はほとんどない、ただ、ちょっと、こうひじで小ぜり合いがあった程度であって、それも大したことはなかった、こういうふうに言っておるわけであります。
 こういう点については、私はやはり議員の名前を出すのならば、これは正確な調査が要ると思いますけれども、私の聞いたところによりますと、そういうふうなことであります。
 だから、そういう点について人事局長としては、打撲全治何週間という診断書が出ている、こういうふうに言っておりますが、一体、その診断書はどこの医者から出ておりますか。
○山本(博)政府委員 先ほど私が申し上げました内容は、私のほうが調査いたしました対象が、本人並びにその当時現場に居合わせた管理者、こういう一方的な側といえば一方的な、こちら側の管理者ということでございますので、横川議員のおっしゃっていることとあるいは違う内容になっておるかもしれませんが、私が申し上げたのは、本人並びにその現場に居合わせた管理者のこちらへの報告の内容にそういう事実がございましたという事実を申し上げたわけであります。
 それから診断書も、そういう診断書が出ておるという事実でございます。その判断は、最終的に検察庁がいたしたものと考えております。診断書の病名は、前胸部打撲傷で、五日間の安静加療を要するということでございます。これは、お医者さんの名前まで申し上げるのがいいのかどうか私ちょっとわかりませんが、北九州市の外科のお医者さんでございます。
○森本委員 それは逓信診療所の医者ですか。
○山本(博)政府委員 そうではございません。一般の開業しておられるお医者さんでございます。
○森本委員 こういう場合に、一体何のために逓信病院があって、何のために逓信診療所があるのか。こういうふうな点については、少なくとも職員を採用するときについては信診療所でやるわけだ。部外の病院が、この人は健康体である、こう言っても、逓信診療所のお医者さんがだめだ、こう言えば採用にならぬ仕組みになっておる。もしそういうことであるとするならば、結局打撲全治何週間というようなことについてのほんとうの診断書をとりたいとするならば、逓信診療所なり逓信病院に行って、その診断書をとってやるのが郵政省のたてまえだと私は思う。それは検察庁とか警察は知りませんよ。しかし、郵政省としてはそうすべきだと思う。
 そういう点だけを考えてみても、とにかくこの問題については、両者が水かけ論争になっておるという点があるわけであります。だから、これを一方的に論ぜられるということについては、現にこれは同じ国会議員としてもわれわれは考えなければならぬと思います。やはりこれは政党政派が違いましても、次に選挙を打とうという人の問題でありまするから私は特にこの問題を取り上げたわけでありますけれども、要するに、この問題については、はっきり言いまして水かけ論争になっておるわけであります。診断書は出ておることは出ておるけれども、部外のお医者さんから出ております。逓信病院なり逓信診療所から出ておりません。検察庁は不起訴になっておる。そういうことでありまするから、この問題については明らかに水かけ論争になっておる。さらに、横川参議院議員については、そういう事実はないということを本人がはっきり言っておる。こういう点を私はひとつ明らかにしておきたいと思います。
 それから、さらに森次長の出張の問題でありますけれども、これはおそらく大臣の命令によって出張したものと私は解釈をいたしておりますが、その点どうですか。
○溝呂木政府委員 私先ほど答弁いたしましたのは、出張発令簿に書いてある名目をお答えしたわけでございますが、当時どういう命を受けて、どういう特別の調査目的をもって行ったかということについては、はっきりしたものを私まだ聞いておりませんので、ここで明らかにすることはできませんが、いろいろ当時の模様を聞いてみますと、北九州方面にいろいろ労働問題が起こりまして、不当労働行為が行なわれたのではないかということに対して、郵政省のほうも一回それを調査してみようということがあったというふうに聞いておりますので、そういうことで、森次長がその調査ということでもって事実上は行ったのではないかというふうには考えておりますが、一応、先ほど申し上げましたように出張発令簿上の旅行目的を申し上げたわけでございます。
○森本委員 いま森君は本省の参事官でおるわけであります。当時、この問題についてはいろいろ御意見がありましたけれども、これははっきり言いまして、大臣特命によってこれは出張しておるわけです。この点については、前大臣に聞いてもらえばはっきりしておるわけです。この問題については、四十一年でありますから、もう二年くらい前になるわけであります。
 要するに、こういう問題については、政治的な問題の取り扱いがいろいろあると思います。そういう問題を、これは政党と政党がいろいろ話し合いをして解決がついた。しかしながら、さらにそういう問題が、おれは気に食わぬからといって、これがまた問題になってくるということになりますと、今後政党と政党との話し合いというものがこれはなかなかむずかしくなる。こういう点については、四十一年の問題ならば、四十一年に取り上げてやるなら筋が通ると思います。しかしながら、大臣も二代も三代もかわってからあとになってこういう問題をそのときの実情というものを知らずに取り上げるということについては、私ははなはだ遺憾に考えるわけであります。
 こういう点については、私は、森君が優秀な人物でありまするので、今後どういうふうな取り扱いを受けるかどうか知りませんけれども、森君本人がいかにも悪いというような形においてやられるということについては、今後官僚は一切――時の大臣の命令に服従したら、次の大臣になったら首になるということを考えなければならぬ。こんなことではあぶなくてこれは仕事はできぬ。当時の大臣は、当時の大臣としてそれだけのいろいろな理由があったから、出張命令を出して彼を九州にやっておるわけであります。そういう点を大臣も十分お考えにならないと、あなたの命令が今度は逆に徹底しませんぞ。いまあなたの言うとおりやったら、次になったらおれは首になるかもわからぬと考えておったんでは、大臣の命令を聞く者はだれもおらぬ。そのときの事情事情によってこれは変わってきておるわけです。こういう点については、大臣が命令をしてやるならば、その大臣の命令どおり忠実に行なうのが私は官僚の道であると思う。そうでなければ、これは下克上になりますよ。その点どうですか、大臣。
○小林国務大臣 私はこの問題は関知しておりませんし、したがって、いま私がかれこれ批判もいたしておりません。どういう事情で大臣がどういう命令をしたかということ、これも聞いておりません。ただ、それについていろいろ言われておったということは、私は部外者として聞いたことはありますが、その後、これに対して何ら私は意見を申したこともございません。
○森本委員 私の言いたいのは、いろいろそれに対して批判がありましても、上司の命令を受けて、上司の命令に従ってやって行動については、その本人については責任がない。当時のそういう政治的な判断においてそういう命令を大臣なら大臣が下したとか、あるいは政務次官なら政務次官が下したとか、その命令によって動いた、動いた責任はその官僚にはないということははっきりしておかなければならぬ。それなら、今後あなたがここで命令したことを三年後になって、あのときやったことはけしからぬじゃないかということになった場合に、あなたはもう大臣でない。そういうときになってその官僚は、おれはどこに行ったらいいかと思って困るということになったのじゃ、これは話にならぬ思う。やはり忠実に上司の命令によって動いた者については、これは何らとがめる必要はないと、私はこう考えるわけでありますが、その点はどうですか。
○小林国務大臣 それはもう当然なことじゃございませんか。大臣が特別な命令、指示をしていったというなら、その指示に従うのは官僚として当然なことであります。したがって、そのためにその後何某がとがめられたとか、そういう問題はありません。
○森本委員 それから、先ほどの京都の問題でありますけれども、これは私は、この内容が事実かどうかということについては調査をいたしておりませんのではっきりいたしませんが、ただ、ここで、いわゆる全逓それから全郵労というような形において争いが起きておるということはまことに残念である。これは郵政公報を見た場合にも、郵政省は公報でもってはっきり出しております。郵政省としては、こういう第一組合、第二組合についての介入あるいは差別、そういうものは一切してはならぬということを大臣命令で公報をもって出しておるわけであります。できるならば、こういう問題については、私はやはり部内限りにおいてこれはおさめてもらいたい。また、そういうふうに若干の暴力であっても、暴力が起きるということについては、私はこれは残念であるというふうに考えておるわけでありますけれども、この根源というものをやはり十分に考えていかなければならぬ。さらに若干の問題は起きましても、できるならばそれを郵政内部において円満に解決をつける、そうして郵政事業が発展をしていくという方向を私はぜひとってもらいたい、こういうふうに考えておるわけでありまするが、その点についての大臣の見解を聞いておきたいと思うわけであります。
○小林国務大臣 もういま組合問題等には官としては介入すべきでないということは当然なことでありますが、これは局内であくまでも話し合いとか対話とか、こういうものでいくべきで、私は、一般的にとがめらるべき暴行脅迫等のものは、やはりこれを看過することはできないと考えております。そういうことのないようにしたいと思います。
○森本委員 私も、局内におけるそういう問題が事実であるとするならば、これは絶対に否定しなければならぬと思います。ただ、この内容が、新聞で見るだけでは私もはっきりいたしませんので、この内容については私自身としても調査してみたいと思いますが、郵政省としても、一応郵政省としての調査ができ上がった調査資料についてはひとつお出しを願いたい、こういうふうに考えるわけであります。
 ただ、私の言わんとするところは、できるならば、こういう問題が起きないように、円満に労使の問題についても解決をつけていってもらいたい、こういうことを私は要望するわけであります。この一般質問は、私はこれで終わります。
 あらためて、大臣、総裁のほうから今回の十勝沖の地震の問題についての経過の報告がありましたならば、それに対しまして若干の質問を行ないたい、こう思います。
○坪川委員長代理 この際、十勝沖地震による郵政並びに電気通信関係の被害状況について、当局から説明を聴取することといたします。
○溝呂木政府委員 それでは、今回の十勝沖地震の郵政省関係の被害及び対策について、お手元に資料が配付してありますので、それに基づきまして簡単に御説明申し上げます。
 被害状況とその応急対策でありますが、郵便局舎等については、倒壊、焼失、流失等の大きな被害はありませんでした。小さな、壁が落ちたとかガラス窓が破れたとか、そういうものはありましたが、大きな被害はございませんでした。
 郵便物の集配につきましては、十六日当日、一号便の配達を休止したのが若干ありましたが、すでに平常に復しております。
 それから、郵便物の運送につきましては、国鉄線が不通のため鉄道郵便線路は一部途絶いたしましたが、迂回運送あるいは臨時専用自動車便を開設いたしまして、あるいは青函関係につきましては、機帆船やフェリボート等の搭載により輸送力の確保につとめてまいりました。また、小包に限っては船便によります海上輸送――東京から北海道を二十日から実施いたしました。
 一方、北海道・青森県・秋田県・岩手県の相互間と、これらの地域と全国各地相互間に発着する小包につきましては、遅延承知のものに限り引き受けることといたしました。ただ、北海道内の相互に発着するものについては、十八日からこれを解除いたしまして平常どおり行なっております。
 救援対策関係でございますが、最初に、救助用小包の無料扱い、これを北道海、青森県、岩手県、秋田県、宮城県の知事あるいは日赤支部長あてに差し出される被災者救助用小包の無料扱いを十九日から実施いたしました。
 二番目に、郵便はがき、郵便書簡等の無償交付でございますが、被災世帯に対しまして、それぞれ郵便はがき、郵便書簡の無償交付をすでに実施しております。
 それから貯金、保険の非常払いでございますが、被災地の郵便局では郵便貯金、郵便振替等の非常即時払い、すなわち、通帳や印章、証書等を亡失いたしました際にも一定の限度支払うという非常払い、あるいは簡易保険の保険金、貸付金の非常即時払い――普通ですと即時払いをいたしませんものも、一応今回のこういう事態に応じて即時払いをするという非常取り扱いを実施しております。
 それから四番目に、救援金送金のための郵便振替の料金免除でございますが、被災者救援のための寄付金を送金する際、中央共同募金会が受け入れ口座になっておるものにつきましては、その料金免除の取り扱いを十七日から実施しております。
 それから、医療救護活動関係でありますが、被災地の医療救護措置といたしまして、簡易保険郵便年金福祉事業団の秋田、盛岡診療所からそれぞれ救護班を編成いたしまして、十九日、八戸市へ派遣いたしました。
 最後に、非常通信の実施でございますが、関係の官庁及び民間の無線局は非常無線通信を運用いたしまして、緊急通信の確保につとめたということでございます。
○坪川委員長代理 米澤総裁。
○米澤説明員 電信電話関係の災害並びに復旧状況を御報告申し上げます。
 去る十六日午前九時四十九分の十勝沖地震により、青森県を中心として電気通信施設に被害が発生しました。
 このために、現場機関はもちろん、東北、北海道両通信局並びに本社に、直ちに非常災害対策本部を設置すると同時に、被害の実情調査のため、直ちに本社の担当者を現地に派遣するとともに、復旧対策並びに今後の施策を立てるため、橋本総務理事を現地に派遣いたしました。
 今回の地震による北海道管内の被害は軽微でありましたが、東北管内は相当の被害を受け、盛岡以遠の電話並びにテレビ回線が不通となりました。これは本州と北海道を結ぶ唯一のマイクロルートにおける青森側の甲地無線中継所で停電及び電源障害を起こしたこと、また盛岡−青森間の同軸ケーブルが道路の決壊等により十カ所近く切断したことによるものであります。
 このような非常災害時にこそ確保さるべき通信を約二時間にわたって途絶せしめたことはまことに遺憾に存じます。
 また、津軽海峡には旧形式の海底ケーブルが二条あり、これにより音声回線八回線を使用しておりますが、この回線の一部は同軸ケーブルを通じて東京−札幌間等の打ち合わせ回線として使用し、また他の一部は函館−青森間ローカル回線として使用しておりますが、今回の地震によりローカル回線は被害を受けませんでした。
 なお、甲地無線中継所には、電子管式のマイクロ方式に使用されるスリーエンジンが五台設置されておりますが、外部の停電事故が起こり、その上このエンジンが地震によりベットからずり落ちて傾斜したため、このような障害を発生したものであります。
 次に復旧状況について申し上げます。
 十六日午前十一時四十五分にテレビ映像四回線及び電話三百回線を、同日午後四時三十分にはおよそ六割にあたる北海道方面の電話回線及び青森方面のテレビ回線を、さらに十七日午前三時ごろにはほとんどの回線を復旧いたしました。青森、弘前方面の電話回線につきましては、秋田経由の裏日本マイクロ回線に切りかえ、十六日午前十一時十分には約八十回線を復申し、同日深夜に至って全回線を復旧いたしました。
 復旧作業につきましては、移動電源車、移動無線機並びにヘリコプターをも利用し、最大限の動員を行ない、全力をあげて早期復旧につとめました。
 公社におきましては、従来から災害時における通信確保のため、全国にわたって主要区間の有無線による二ルート化、並びに市外局の分散設置を進めてまいりましたが、今回の経験にかんがみ、さらに積極的にこれら計画を再検討し、新たな計画を樹立し、これらの施策を推進する所存であります。
 今回の災害地について申し上げますと、本州−北海道間に第二マイクロルートを今年十二月中旬完成の予定で建設中でありますが、その工期を約三カ月短縮いたしたいと思います。
 また、既設海底ケースルを利用し、六月下旬までに二十四回線、七月下旬までにさらに二十四回線を作成し、台風シーズンに備えたいと思います。
 さらに、札幌市外局につきましては、マイクロ端局装置、市外交換機の分散配置を年度内に完成いたします。
 これらの対策の実施により東北、北海道方面の通信確保に万全を期する所存であります。
 なお、被害の全体につきましては、お配りした資料のとおりでありまして、第一ページに東北管内、北海道管内両方が出ております。
 そして、東北管内、北海道管内に分けてございますが、市外電話回線につきましては、障害回線数が三千二百十回線、現在復旧率が九七%でございます。テレビ回線が五回線、これは完全復旧いたしました。電信回線が八百十七回線、これは完全復申しております。市内電話回線は四千四百九十九回線でありますが、復旧率が九八%。途絶局が十一局であります。これは全部直っております。
 なお、市外電話回線は十九日午後九時、一〇〇%回復いたしました。途絶局は十八日午後三時三十分に完全に解消いたしました。なお、罹災地には特設の公衆電話を設けまして、一般の方の利用に充てた次第でございます。
 なお、二ページ、三ページにはその回復の時点がありますが、これは省略いたしたいと思います。
 なお、職員の被害状況でございますが、人身関係で山津波により死亡したもの一件、家屋関係では三分の一程度損壊以上のもの二十九件であります。
 以上、簡単でありますが、御報告いたします。
○坪川委員長代理 質疑の申し出がありますので、これを許します。森本君。
○森本委員 いま言われました従業員の災害については、深甚なお見舞いを申し上げておきたいと思います。なお、これの事後措置については、万全の手配をお願いしたいと思います。
 それから、この郵政関係については、この報告を見ると大体迅速に一応でき上がっておる、こういうふうに見られますが、新聞で見ると、大臣が電電公社の総裁に何か戒告をしたということがあるわけでありますが、それはどこの関係において大臣はそういう戒告をされたのでありますか。
○小林国務大臣 どこの関係というとむずかしいですが、郵政大臣は電電公社の業務を監督しておる、こういうたてまえから、電電公社でああいう不測な故障を生じた、そのために非常な無用な不安を国民に与えたということは、政府としても非常に遺憾に思う、災害等に対して少し気持ちが安易に過ぎておるじゃないか、こういうことで、士気を鼓舞すると申しますか、しっかりやってもらいたい、こういうことで、私は、むずかしいことばで言えば戒飭した、こういうことが言えると思います。
○森本委員 大臣のおことばでけっこうでありますけれども、具体的にどの面でということが一つあると思います。それがどこを大臣が指摘せられたのか、それをお聞きしたい。
○小林国務大臣 これは、最初不通になった際には、故障が北海道で起きたか内地で起きたか、それさえわからない。内地で起きたことがわかったときにまず聞いたことは、アンテナが傾いた、その次には電源の故障だ、こういうふうなことは、私はきわめて遺憾だ、故障とか、それさえすぐにわからないなんということは非常に手抜かりであろう、こういうふうに私は思いまするし、しかも、海底線がありながら搬送施設を撤去しておったということのために役に立たなかったというようなことも、要するにマイクロ回線を過信していた結果じゃないか。こういうことで、これらについても私は手抜かりがあったというふうに考えます。
○森本委員 総裁にお聞きしますが、いま大臣が言われておるのは、北海道と内地を結ぶマイクロ回線のことですか。
○米澤説明員 大臣が言われましたのは、一つは、先ほど御報告をいたしましたけれども、津軽海峡に旧型の海底ケーブルが二条あるわけでございます。本来ならこの西回りのマイクロルートが完成したあとで搬送装置を撤去すべきであったのでありますが、それが事務的な連絡が悪くて早目に撤去した、そのことが一つ、それからもう一つは、電源について、同軸ケーブルが切れてしまったのであります。地下ケーブルは地震に非常に弱いのであります。こういう場合に、マイクロ回線として電源の設計上にまずい点があった、この両方を指摘されたわけでございます。
○森本委員 これは私もやはり大臣と同意見であって、非常に大切な問題であると思います。通信が特にマイクロ回線に過信するということについては考えものだと思うのです。
 今度の事故を見てみると、まずマイクロの電源がだめになったということでありますが、電源がだめになった場合、あとに予備電源というものがあるはずですが、その予備電源はどうなったのですか。
○米澤説明員 外部から来る電源はすぐ停電いたしました。予備電源といたしまして、スリーエンジンといいまして、エンジンが五つ別々にあるわけでございます。そのエンジンは大体五、六トンのものでありまして、台風等の場合にも、局舎が安全ならば中のエンジンはだいじょうぶなんで、従来台風等におきましてマイクロ回線に被害が生じたことはここ数年来一回もございませんでした。今度の地震の場合には、マグニチュードが約八に近い大きな地震でありましたので、これはベッドに乗っておったのですが、横のほうには平気だったのですが、縦のほうに対して弱い設計になっておりました。したがって、重い数トンの五台のエンジンが結局十センチから数十センチ横へずれて落っこってしまった。落っこったために――エンジンにはエグゾーストパイプといいまして、排気ガスが出るパイプがくっついているわけでございますが、そのパイプがずれてしまって、エンジンを動かしておくとエンジンが焼けたり爆発するのでエンジンをとめたということになったわけです。
○森本委員 そうすると、マイクロ回線については、むろん普通の電源は地震でだめになった。ところが、その場合に予備電源が動かなければならぬのに、その予備電源もマグニチュード七か八かしらぬけれども――実際は十勝沖で七か八で、ここらあたりは大体五か六でしょう。五か六ぐらいで予備電源がそういうふうになるということについては、やはり将来考えていかなければならぬと思います。
 同時に、私ふしぎに思うのは、そういう場合になぜ無線に即座に切りかえを行なわなかったのか。そういう場合にこそ無線を使うということがあり得るわけでありますが、この無線装置はないのですか。
○米澤説明員 お答えいたします。
 無線装置につきましては、短波並びに超短波の移動無線機というものをすでに全国に配備しておるわけでございます。ただ、従来その移動無線機というのは大体県庁所在地にある局に置いてあるわけでございますが、台風が来るとなると、台風の予報を受けて、それを台風の来そうなところに移動しておるわけであります。現在全国に八百ぐらいの移動無線機を用意しております。今回の場合にまずいことは、各中継所に移動無線機が置いてなくて、青森に置いてあったということが非常にまずかった。そういう点は、移動無線機の配備それ自身にも問題があったと思います。
○森本委員 そうすると、青森に置いてあっても、青森からさらにマイクロが通ずるところまでの移動無線の中継というものはできないのですか。
 それから、青森からマイクロの中継基地までどのくらいの距離ですか。
○橋本説明員 移動無線につきましては、四百メガサイクルのもので二十四回線しかとれません。あと、六十メガのものは百三回線しかとれません。したがいまして、周波数の関係からいいましても、マイクロは盛岡のほうまで飛ばなければなりませんので、それにじかにつなぐということは技術的に不可能でございます。
○森本委員 そうすると、移動無線を持っておってもしょうがないじゃないか。何のために移動無線を置いてあるのか。
○橋本説明員 移動無線の目的といたしましては、その都市相互間の連絡を保つということを目的としておりまして、今度の災害におきましては十一対向の無線区間を作成いたしまして、その都市間においては連絡を確保しております。
○森本委員 そうすると、この移動無線が県庁所在地に置いてあるとすれば、東京と北海道が途絶するはずはないじゃないか。
○橋本説明員 東京と現地につきましては、短波で電報においては通じております。電話はそれだけの長距離を飛ぶ移動無線機は現在のところございません。
○森本委員 その移動無線機で中継していけぬかね。
○橋本説明員 これは非常に多数配備をいたしまして、その間の電波の事情その他がよければ可能かと思います。
○森本委員 これは故障になったところはどこですか、具体的にマイクロが。その次の基地はどこですか。
○橋本説明員 マイクロの中継所につきましては……。
○森本委員 今回の事故のあったのはどこか。
○橋本説明員 事故のありましたところは、青森県の甲地の中継所だけであります。
○森本委員 そうすると、どことどこの間ですか、不通になったのは。
○橋本説明員 甲地の中継所は東京、仙台を通りまして北海道に通じます唯一の長距離回線でありますので、その甲地がやられましたために、北海道方面、及び現地から青森に分岐しておりますので青森に対します仙台回りの回線が途絶いたしました。なお、秋田回りでマイクロがございまして、青森に対してはそれで通話することができます。
○森本委員 そうすると、移動無線が青森にあっても、その移動無線の青森のものは――何も私は東京まで延ばせと言っておるのではない。近くの秋田なり盛岡なりあるいは函館に延ばせば、あとは回線をマイクロに通じて電話は通ずるだろうが。
○橋本説明員 電話回線といたしましては、話を、人が間に入りましてことづけすることは可能でございますけれども、信号その他が通りませんものですから、ダイヤルあるいは交換手の信号機によって通話するという平常の状況における電話通話は不可能であります。
○森本委員 その場合、しかし実際に交換手が中継でつなげてできるのだろう。
○橋本説明員 交換手がつなぎまして、交換手が普通の信号回線を使いませんで、声でどこと連絡してくださいという、われわれオーダーと言っておりますが、そういう方法によれば可能でございます。
○森本委員 それは交換手が交換機をもってそのままマイクロにのせるということになれば不通であるかもしれないけれども、盛岡なら盛岡なりでそれを受けて、それからさらに盛岡から今度これを普通のマイクロ回線にのせるために交換機を通じてやれば、技術的に通じるでしょう。
○橋本説明員 通じます。
○森本委員 だったら、そのマイクロ回線がなくなったときに、応急措置としてこの移動無線を使わなかったらこの移動無線を全国に八百置いてある意味が全然なくなるでしょうが。
○橋本説明員 私どもといたしましては、移動無線も早急に出動させましたが、残念ながら、現地に出動する時間その他相当かかりまして、それ以前にとりました対策といたしましては、幸いにして仙台から秋田を通ります四千メガサイクルができておりましたので、その回線をくふういたしまして電話回線を十一時十分に約八十回線開設いたしました。
○森本委員 それは何時間後ですか。
○橋本説明員 一時間二十分くらいでございます。
○森本委員 どうも、マイクロ回線を使い始めて、普通の短波無線それから移動無線――これは何ぼのKCでやっているのですか。この移動無線は周波数は幾らですか。
○橋本説明員 周波数は四百メガサイクルのものと六十メガサイクルのものと短波のものとございます。
○森本委員 これは、移動無線を使ってやれば東京と北海道と直通の話ができると私は思います、私の考えておる技術の範囲内においても。だから、こういう場合には即座に無線に切りかえて通話を可能にするということを平常からやはり電電公社は考えておくのがほんとうじゃないですか。
 総裁、あなたも技術者だからよくわかるだろう。これは、やはりマイクロ回線だけにたよっているからこういうときにこういうことが起きるわけであって、もしもマイクロ回線なり同軸ケーブルがいかぬことになった場合には即座に無線に切りかえるという措置を平生からやっぱり考えておかなければならぬのじゃないですか。これは前から私は言っておったことなんです。
○米澤説明員 ただいま御意見がございましたが、いままで同軸ケーブルそれからマイクロ回線と、いろいろ考えたのでございますが、同軸ケーブルというものは、地震に対しては、道路が決壊するからだめなのでありまして、結局、いまお話がありましたように、やはり短波無線あるいは超短波の縦に接続していくというような方法を具体的に考えなければならないということを今度の経験が教えているわけであります。われわれといたしましても、とりあえず現在ある設備をもってどうするかということをやると同時に、なお不足のものにつきましては、早急に非常無線の整備をはかりたいと思っております。
○森本委員 これで終わりますが、いま総裁も説明がありましたように、これは大臣も少しは知っておると思いますが、確かに、私は同軸とマイクロにたより過ぎておるという点があると思うのです。だから、非常の場合には無線にすぐ切りかえられるというふうな措置については、これは大臣、ただおこるだけではなしに、ひとつ財政的な措置、予算的な措置、そういうものもちゃんと裏づけをして、そういうふうにまごつかぬようにやれということを、ひとつ、あなたはおこると同時に、今度は頭を下げて、親切にやれ、こういうふうに、大臣、あなたのほうでも指導をしてやってもらいたいということを要望しておきたいと思いますので、最後に、大臣のお答えを聞いておきたいと思います。
○小林国務大臣 お話しのとおりいたしたいと思います。
○坪川委員長代理 次回は、明二十三日午前十時より理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十四分散会