第058回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
昭和四十三年三月六日(水曜日)
   午後一時二十分開議
 出席委員
   委員長 小澤佐重喜君
   理事 久野 忠治君 理事 四宮 久吉君
   理事 渡海元三郎君 理事 福田  一君
   理事 島上善五郎君 理事 西宮  弘君
   理事 岡沢 完治君
      大野  明君    加藤 六月君
      篠田 弘作君    永山 忠則君
      山下 榮二君    伏木 和雄君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 赤澤 正道君
 出席政府委員
        自治政務次官  細田 吉藏君
        自治省選挙局長 降矢 敬義君
 委員外の出席者
        議     員 篠田 弘作君
        衆議院法制局長 三浦 義男君
        自治省選挙局管
        理課長     植弘 親民君
    ―――――――――――――
三月六日
 委員鈴木善幸君、高橋英吉君及び松浦周太郎君
 辞任につき、その補欠として篠田弘作君、加藤
 六月君及び大野明君が議長の指名で委員に選任
 された。
同日
 委員大野明君、加藤六月君及び篠田弘作君辞任
 につき、その補欠として松浦周太郎君、高橋英
 吉君及び鈴木善幸君が議長の指名で委員に選任
 された。
    ―――――――――――――
三月一日
 政治資金規制に関する請願(和田耕作君紹介)
 (第二〇〇四号)
同月六日
 政治資金規制に関する請願(戸叶里子君紹介)
 (第二三三三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出第三三
 号)
 公職選挙法の一部を改正する法律案(篠田弘作
 君外四名提出、第五十五回国会衆法第二九号)
 公職選挙法改正に関する件
     ――――◇―――――
○小澤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案及び篠田弘作君外四名提出の公職選挙法の一部を改正する法律案、以上両案を議題とし、審査を進めます。
 まず、内閣提出の国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について、質疑の申し出がありますので、これを許します。西宮弘君。
○西宮委員 いま提案されておりますこの法律案について若干お尋ねをいたしますが、この基礎になっております法律、これの第三条に「国会議員の選挙等の執行経費の基準は、左の各号に掲げる経費の種目について定める。」とありますが、今回改正しようとするのはこのうちどれとどれだか、事務当局でけっこうですから……。
○降矢政府委員 三条に掲記してあります中で、この項目といたしまして、提案の説明にも申し上げましたように、超過勤務手当、それから人夫賃、管理者等の費用弁償、運賃、郵便料金、それから開票時間の延長ということでございまして、この中でそういう項目の入っているところがそれぞれ増になるわけであります。したがいまして、一つは、一番最初の投票所経費、その次は開票所経費、それから選挙会の経費、それから選挙公報の発行の経費であります。それから演説会の公営費でございます。それから立ち会い演説会の経費、それから事務費、不在者投票の特別経費、これだけの項目が改正になります。
○西宮委員 いまのその各項目の中で、たとえば一番初めの投票所の経費というのをとってみると、投票管理者の費用弁償であるとか、あるいは立会の費用弁償であるとか、超過勤務手当、嘱託手当、旅費、人夫賃、食料費、その他たくさんの項目があるわけでありますが、これらのものについて全部アップをするということになりますか。以下電灯費、通信費、運搬費、設備費及び修繕費というような経費になるわけでありますが、その前半について、たとえば投票所経費を引き上げるという場合には、その内容の費目について言うと、いま申し上げたような各項目について、みんなそれぞれアップするということになるわけですか。
○降矢政府委員 投票所経費でただいま御指摘がありました点を申し上げますと、実は超過勤務手当が当然含まれております。それから人夫賃、投票管理者、立ち会い人の費用弁償、それから燃料、こういうものでございます。
○西宮委員 そのおのおのについて、現在各自治体がやっております。あるいは各選管がやっております費用を十分償えるかどうかというところに問題があるわけですが、こういう点について、現在の状況を十分調査していまの経済情勢に合うように改定をされたのだと思うけれども、その点については確信が十分あるわけですか。
○降矢政府委員 御指摘のように、実際の経費を勘案いたしておるわけでございますが、この経費は、御案内のとおり経費についての基準の法律でございます。先般の総選挙の際におきましても、ある程度かかりました費用というものもわかりますし、特に従来から選管のほうからいろいろ指摘されております経費、たとえば超過勤務手当あるいは費用弁償、あるいは開票の時間が、現在は当日開票で午後八時から十二時まで四時間と見ておりますのが、実際はそれでは足りないということで今回二時間延長する等、御指摘のようなことを十分考慮してこの改正案を提案いたしたわけでございます。
○西宮委員 その中の人夫賃について、前回の国会で参議院で審議をされた際に、人夫賃の中で特に地域的な格差――そもそもの話が格差が非常に大き過ぎるということで、参議院ではだいぶやかましく問題になっておったようであります。その点は今回是正されましたか。
○降矢政府委員 参議院において御指摘のような御論議がございました。この前提案いたしましたのは、これまでのやつにある伸び率をかけたわけでございます。したがいまして、算定の考え方としては、従来の格差が一定の伸び率でそのまま伸びてきたというかっこうになっておりまして、したがいまして、今回の改正におきましてはこの点を改めまして、町村の場合はこれまでの四百十円を六百十円、それから市の場合は四百九十円を六百六十円、五大都市の区及び特別区におきましては六百四十円を九百円。しかしながら、その構成を見ますと、平均がこれでいきますと六百九十円でありますけれども、町村の部分が、従来に比しまして市と非常に接近しておるようなかっこうでこの経費を算定いたしたような次第であります。
○西宮委員 いまの説明だと、三番目の五大都市の場合ですね、これが九百円だと、やはり依然としてほかのものに比べて開きが大き過ぎるように思うのだけれども、それはどういう理由ですか。
○降矢政府委員 今回これを考えます基礎といたしまして、町村の臨時職員の給与をとりまして、それの二十五日と計算いたしますと一日六百二円になります。ここをまず基礎に置きまして、そして軽作業人夫の調査が労働省で行なわれておりまして、それの三十九年から四十一年までの平均の伸び率を見まして、そしてこれは剰余分を落とさなければいけませんので、臨時の経費でありますのでその臨時雇いの経費を算定するために、労働省の職種別賃金調査に基づきまして三十九年から四十一年までの率を算定いたしまして、これを基礎にして職種別賃金表における区部、市部及び郡部の伸び率というものをかけまして、町村は六百十円、五大都市の区及び大都市の区については九百円という数字を出したわけでございます。
○西宮委員 この前の改定はいつですか、何年ですか。
○降矢政府委員 三十八年の臨時特例法において改正いしました。
○西宮委員 それでは、三十八年に比べると今回は大体何割くらいアップしていますか。
○降矢政府委員 平均で五割少し伸びておるかっこうになっております。
○西宮委員 そのアップのぐあいは、たとえば物価あるいは労賃ですね、そういう一般の物価上昇率、賃金の上昇率、そういうものに比べて五割アップというのは妥当かどうか、それとの比較対象はしてありますか。
○降矢政府委員 その点は、個々の物価とかその他の要素を勘案されてきめられております。軽作業人夫の賃金の調査が労働省にございますので、その労働省の軽作業人夫の調査に基づいたものを比率として用いることによりまして、先ほど申し上げましたように四十二年の町村の臨時職員の給与の一日を出しまして、その伸び率をかけるという方法で、いま御指摘のような点を織り込んだつもりでおります。
○西宮委員 昭和三十八年から今日までというと大体五年たっているわけだけれども、その間、五年間放置しておくということはずいぶん迷惑なことだと思うのです。現在のように毎年毎年例外なしに物価あるいは賃金が上がっているのですから、その際、五年間も放置してあるということは非常な迷惑な話だと思うのだけれども、その点についてはどうなんですか。
○降矢政府委員 従来は、この基準法の改正は選挙のあるときを目途として行なわれております。したがいまして、今回も、ことしの参議院通常選挙を目途に改定を行なうことにいたしました。しかし、いま御指摘のようなお考え方が私たちは正しいと思っております。昨年そういう意味におきまして御提出申し上げましたけれども、結局審議未了というかっこうに相なったわけでございます。そこで、実際の経費の場合どうしたかというと、先般の総選挙の場合におきましても、調整費というものを別途計上いたしまして、当時約三億幾らかあったと思いますが、この調整費を別途計上いたしまして、いま御指摘のような経費の差額というものをそれによって別途計算して配付をする、こういうことによって先般の選挙を執行したわけでございます。
○西宮委員 もちろん、その選挙のあるときに上げればそれでけっこうなんだけれども、三十八年から今日までには昭和四十年の参議院の選挙あるいは四十一年の選挙、昨年は提案したけれどもお流れになったという話だけれども、昨年は一月に選挙があったわけですから、そういうことを考えると、この間にも大きな選挙が二回もあったと思うのです。それなのに、それと全然関係なしに、もとのままで据え置かれたということは非常な問題だと思うのです。
○降矢政府委員 総選挙の場合におきましては、それがいつ来るかというようなことは想定いたしかねす。したがいまして、従来は主として参議院の選挙の直前に執行経費を改定をして、そしてそれによって算出する。総選挙の場合においては、経費の不足分は調整費で補うというようなやり方でまいったのでございます。したがいまして、昨年の総選挙は一月の末でございまして、従来の法律で当然経費をやらざるを得なかったのでございますけれども、したがって、調整費は三億何がしというものを別途計上して、実際の執行に合うようなことをやってきたわけでございます。しかしながら、私自身は、御指摘のように、この法律がある以上は補欠選挙その他の選挙もあるわけでございますので、昨年の五十五特別国会に常時アップ・ツー・デートなものにするための改正案を提案いたしたわけでございます。したがいまして、御指摘のような考え方に沿うてわれわれも先般努力したわけでございますけれども、不幸にして流れたということでございます。
○西宮委員 衆議院の選挙は予測できないと思いますけれども、参議院の選挙は、少なくとも昭和四十年にはあったはずです。その場合にこの問題に全然タッチしなかったというのはおかしいと思うのですが、どうですか。
○降矢政府委員 その点は、まさに御指摘のとおりだと思います。
○西宮委員 それでは先のことをお尋ねしますが、これから先どうしますか。いまのような物価の情勢ならば、少なくとも毎年毎年改定する必要があると思う。ことに、総選挙その他はないかもしれないが、いまあなたも言われたような補欠選挙もあるのだから、そういう意味からすれば、その影響を受けるのは該当の県なり町村なりであると思うけれども、しかし、そこにとっては非常に大事な問題になるわけですね。そういう意味からすると毎年改定をする必要がある、こういうことになると思うのだが、その点はどうですか。
○降矢政府委員 そうあることが私も望ましいと思います。しかし、たとえば現行法のもとにおきましても、御案内のとおり参議院の補欠選挙というものが七つあったと思います。そういう場合におきましても、この法律を基準にして予備費を計上し、配付するわけでございますが、その際は、御指摘のようなことも考えて府県に配付しておるわけでございます。したがいまして、この経費をアップ・ツー・デートなものに常にしておくための改定ということは、たてまえとしては私も望ましいと考えております。しかし、現実に、この法律のもとにおいて行なわれる特に参議院の補欠選挙というものは相当多うございます。したがいまして、具体の運用におきましては、やはりある程度調整費というものによって、そのときそのときに合うような経費をこの法律を基礎として算定しながら、なお調整費というものによってどうしてもカバーして運用していくのが実際の問題としては避けられない、こう思っております。
○西宮委員 そういう物価の高騰などに見合う分を調整費でまかなっていくのだということですと、基準をきめる理由がないのではないですか。いま問題にしているのは要するに基準なんですから、その基準を改定しないといまの実情に合わないというので、今回基準の改定案が出ているわけですね。それを調整費で自由にやれるのだというのであれば、基準を改定するという必要が全くないじゃないですか。
○降矢政府委員 先生のお考えは、私たちも、たてまえとしては基本的に賛成なんでございます。ただ、実際の具体の法律のもとにおける具体の選挙、特に補欠選挙というものが相当ございますので、したがいまして、この法律の次に、ここ何年――一年先のことを見ましても、それが絶対にアップ・ツー・デートとは言えないので、したがいまして、この法律のもとにおける実際の運用としては、いま申し上げたようなことで、選挙ごとにある程度調整費というものを考慮して、これによって選挙をしてもらうという運営が避けられないということを申し上げているわけでございます。
○西宮委員 それで、その調整費の配分というのは、基準はどういうものなんですか。
○降矢政府委員 先般の衆議院の総選挙におきましては、一つは超過勤務でございます。これは、この法律以降における給与改定というものがございましたので、その分の調整費を考えました。それからもう一つは、雪の関係で特別な経費が非常にかかったわけでございまして、こういうものはこの経費の外で、通常の経費では考えられませんので、この分に約一億八千万使ったのでございます。あとは、多少新聞広告が予想以上にその県ではかかった、候補者が予定するよりもよけいにがかったとかいうようなものに配分をするというかっこうで配分いたしました。
○西宮委員 それでは私は非常におかしいと思うのですね。たとえば途中で物価の上昇あるいは賃金の上昇、そういうものがあったら当然にそれを改定すべきだ。しかし、過去五年間それは放置してあったわけですね。それで、基準をそのままにしておいて、たとえば超勤とか雪とか新聞広告とか、この点だけで調整費を回すのだというのでは、たとえば雪の降らないところは関係がないんだし、あるいは新聞広告も特別に使わなかったところは要らないんだし、超勤なんというのはある程度さじかげんでどうにでもなるかもれぬけれども、それでは基準がそのときの状態に妥当しないという点をカバーするのに、その調整費をもってするというのは理屈に合わないんじゃないですか。
○降矢政府委員 私は基本的に先生のお考えと違っておりません。つまり、アップ・ツーデートなものにこの法律をしておくということは当然でございます。しかしながら、かりにいま、法律が通ったあとで相当な補欠選挙というものがある場合には、どうしてもこの調整費というものによってカバーせざるを得ないし、またそれが実際の運用として適切ではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
○西宮委員 どうも私ども実際の実情を知らないから、あるいはやぼな質問をしているのかもしれませんけれども、私は、それが適切だということは言えないと思うのですね。さっきの説明だと、要するに超勤と雪と新聞広告だというんでしょう。だからそれに該当しないところは、特に雪なんというものは、該しないところは何の影響も受けないわけですよ。それを、物価が上がったり労賃が上がったということをカバーするために、超勤と雪と新聞広告でカバーしていくというのでは、これは実におかしいじゃないですか。
○降矢政府委員 一般のやつはそのほかにもあったわけでございますが、大きい項目を申し上げますとそういうことでございます。
○西宮委員 いまの説明では、私どもにはとうてい納得できないのだけれども、それでは、補欠などは予備費で補っていったというので財源的にはまかなえたとしても、たとえば昭和四十年の参議院の選挙などは、基準を改定しないで全体をまかなっていくというのには、どういうやり方をしたのですか。
○降矢政府委員 いま資料は取り寄せますが、四十年のときも調整費を出して調整したはずでございます。ただ、臨特が三十八年に成立いたしまして、そのときのやつを四十五年四月に基準法を改正いたしまして、その分を盛り込んだやつで参議院の経費を配ったのでございます。したがいまして、いまわれわれがここで考えていると同じような形式で、参議院選挙の直前に法律を改正いたしまして、それで配付したはずでございます。そのときにもやはり調整費というものを若干保留したはずでございます。
○西宮委員 いまのは、四十年の参議院選挙の直前に法律の改定をしたというわけですか。
○降矢政府委員 四十年にやっております。
○西宮委員 さっきの説明だと、三十八年以来今日までやっていないということだったのだが、どういうのです。
○降矢政府委員 先ほどのは人夫賃の金額についての御質問だと思いましたので、それは三十八年の臨特でやって、今日までやっておりませんでしたということを申し上げました。
○西宮委員 それでは、四十年には今回と同じように――今回はさっきお話があったように、投票場の経費、開票場の経費、選挙会経費、選挙公報発行費、演説会施設公営費、立会演説会費、新聞広告公営費、事務費、不在者投票費、これだけを改定するわけですね。それと同じような大改正をやったわけですか。
○植弘説明員 四十年の四月に改定いたしましたときは、三十八年の特例法による改正が大幅なものでございましたので、原則的には三十八年の改正で、四十年の四月の改正のときに基準法としての改正に横すべりさしておりますが、当時最も違いのございました超過勤務手当につきましては、四十年四月に、その当時の公務員給与実態等にかんがみましてアップいたしております。それから、大体四十年の四月のおもなものは超勤であります。
○西宮委員 四十年の四月にやったのは超勤の改定だけだというわけですね。それでは、私がいままで繰り返し問題にしてきたのは、物価のアップあるいは労賃のアップ、そういうことなんで、その労賃のアップの中の超勤だけはなるほど是正されたかもしれないけれども、全般的には何も改定されていないと思う。だから、そういう状態の中で四十年の参議院の選挙をやったとすれば、それを調整費でまかなう、こういうことでは、おそらく十分な処置ができるはずはないと思う。しかもその調整費でまかなうのは超勤と雪と新聞広告だ、こういうわけなんだから、参議院の選挙には雪は全然関係がない。したがって、残るのは超勤と新聞広告ということだけだと思うのです。それで、労賃の値上がりあるいは物価の値上がり、そういうものをどうしてカバーできるのですか。
○降矢政府委員 いま御指摘のようなことがございますので、われわれは先般の改正におきましても提案をいたしまして、ある程度アップ・ツー・デートなものにしておきたい、こういうことで提案をいたした次第でございます。したがいまして、今回も参議院の選挙を直前に控えておりますので、その改定すべきところを改定いたしまして、できるだけ実情に即する意味で法案を提出した次第でございます。
○西宮委員 私ども、特にその調整費というような金は、ほんとうにつまみで適当に配分をされるということになるのだろうと思うので、そういう点に何か釈然としないものがあるわけです。それではぜひそういう点を具体的に資料を出してもらって、この次までに私どももよく勉強しますから、資料を出してもらいたい。あるいはその途中で改定された、たとえば四十年の改定の内容、こういうことも資料として出してもらって、その上で検討をしたいと思いますので、その際にまた質問さしてもらいたいと思います。
 ただ、私は実は少し資料を得たいと思ったのですけれども、十分な資料を得られないので、私の地元、宮城県の仙台市でありますが、その仙台市の資料だけをとったわけです。ですから、決してこれをもって全般を推すというわけにはいかないと思います。思いますが、試みに仙台市の資料だけをとって見ますると、昨年の一月に行なわれた総選挙の際には、国庫から交付をされた金は八百四十三万四千円。それに対して実際に支出をした面は九百十五万五千八百十七円、こういうことになりまして、結局七十二万一千八百十七円、これだけが足を出していることになります。私は、現実にはこういう町村が相当にあるのではないかと思う。もちろん中央で見る単価、特に人件費などで地方自治体には凹凸がありますから、そういう意味で自治体によって若干づつ違っていくとは思うのだけれども、試みに私が取り寄せた仙台市だけの材料を見ると、いま言ったような違いがある。こういうことなんで、私はただ一つの例しか知りませんけれども、こういう実態が日本じゅうあちこちにあるのではないか、こういう懸念があるわけです。その点はどうですか。
○降矢政府委員 ただいま御指摘のようなことが全くないということは申し上げられないと思いますが、いまお説の中にありましたとおり、主として、仙台市の例でありますと、ちょうど七十二万円になっておりますが、人件費の差が超過勤務にあらわれてきておりますので、私たちは標準的な財政計画上のベースの単価を基礎にして超過勤務手当を積算せざるを得ませんので、その辺がどうしても、平均より多少高い都市においてはあるいはあらわれるかもしれません。したがいまして、御指摘のように、全然そういう都市がないんだということは申し上げられないと思いますが、これは主として給与の差のところにあらわれるんではなかろうか、こう思っております。
○西宮委員 その点、日本じゅうのと言ってもたいへんだと思うのだけれども、あるランクを設けて、それ以上の自治体でけっこうだと思いますけれども、自治省としてはそういう調べはできていますか。その実際の支出、つまり起過負担になっているかどうかというような点についての調べはできていますか。
○降矢政府委員 全部はできておりませんが、若干ございます。
○西宮委員 それでは、その若干でもけっこうだから、あるやつをこの次までに見さしてもらいたいと思いまするし、なお、この点は、日本じゅう三千余の市町村まで全部ということはなかなか容易ではないけれども、やはり自治省としては、そういう実態を把握するという点において、そういう実情を調査するというのは当然の仕事だと思うのです。だからこれは、いまあるやつは若干の程度だそうだからこれだけでやむを得ないと思うけれども、これからはぜひそういう点も絶えず調査をしておって、また必要に応じてわれわれに見せてもらう、こういうことにしてもらいたい。これは要望をしておきます。
 それから、やはり地方で困るのは事務費ですね。たくさんの項目の中の事務費について困っておるようです。特に入場券の作成、配付、これに非常に困っておる。一枚が五円で、その内容としては用紙代が二円、筆耕が一円、配付が二円、こういうことになっておって、したがって特に配付の面で二円で請け負ってもらう、こういうことでやられておるのが地方の実情だと思います。しかし、なかなかその二円では引き受け手がない。こういうことで非常に苦労しておるのが地方の実情だと思うのだけれども、その点どうですか。
○降矢政府委員 配付の経費につきましては、都市等につきまして一世帯当たり、区の場合は四円五十銭、一般の市は三円三十銭見ておるわけでございます。問題は、入場券につきましては御案内のとおり、たとえば大都市等においては配付していないところもあるのでございます。つまり強制的な制度になっておりません。しかしながら、実際はある程度配付をしているということで、人による配付の方途として、いま申し上げたような一世帯当たりの単価にすればそういう計算で出ておるのでございますが、たとえば三万から五万くらいの都市におきましては、配付の延べ人員としては、一万五千人程度人間としては出ておる計算をしております。したがいまして、ただ実際は、その配付の形態がそれぞれ市町村によって違いますので一あるいは御指摘のように非常に不足するという問題もあるかと存じております。
○西宮委員 私もちょっとうっかりしておりましたが、まだたくさんの同僚の質問がありまして、大臣の時間が制約されておるそうですから、私の質問をこれで終わります。それでは、さっきお願いしたようなやつをぜひ資料として出してもらって、この次にまたやらしていただきます。
○小澤委員長 次に、篠田弘作君外四名提出の公職選挙法の一部を改正する法律案について、質疑の申し出がありますので、これを許します。島上善五郎君。
○島上委員 私は、この法案に対して大体賛成の意見を個人的に持っておるものです。そしていろいろと議論の多い自民党の中で、よくもここまで努力してまとめて、議員提案であるとは申せ、出してまいりました篠田君に対してはほんとうに敬意を表したいくらいです。そこで二、三質問いたしまして、私どもも党においてできる限り早い機会に党議をきめてきたい。そういう意味で二、三の点を質問いたします。
 この提案理由の説明によりますと、「知事の長期在職に伴う重大な弊害があらわれていることも事実でありまして、私は一々ここにその具体的な事例をあげることを省略いたしますが、」といっております。これは一般的な弊害という意味でここにあげたと思いますが、地方自治の伸展を妨げる弊害があるということと、行政権力が選挙と密着することによって、選挙の自由、公正が害されるというような二点を弊害としてあげておるわけです。私はもっと弊害があるのではないかというような気がいたしますが、別にどこの県にどういう弊害があったとまで言ってもらわぬでもいいのですが、長期在職に伴う弊害として考えられる他の弊害、どういう点がありましょうか。
○篠田議員 長期在任をするということは結局独任制である知事の権力が非常に大きくなる。したがって知事の取り巻きができる。まず一つ派閥ができます。
 それから知事のふだんの仕事が許可、認可であっても、あるいは補助であっても、あるいはまた請負関係であっても、その他いろいろな面におきまして、多くの場合選挙に非常な関連を持つ。人事の問題でもそうです。そういようなことが高じまして、結局全部とは申しませんが、知事独裁的な空気が生まれ、また、その追随者ができ、いま申し上げた流閥ができ、それが全部選挙につながってくる。こういう実例がしばしば見られるわけです。一般の選挙におきましては事前運動は禁止されておりまして、選挙法によって取り締まりを受けるわけでありますが、知事の場合は日常の行動、生活すべてが選挙につながっておる、こういうことは、民主主義の政治のもとにおいては非常によくないことであるということが議論の中心であります。
○島上委員 その後段の、すべてが選挙につながるという点は、確かにそうだと思うのです。その前段のほうのお答えにありました、知事の行政のうちで許可、認可、補助金の交付といったような点につきましても、公正を失うおそれがあるということも私は確かにそうだと思います。
 私は、実は知事の選挙で多少地方へ参りまして、実際に見てきたことですが、いま後段でお話がありました選挙の公正が失われるという点については、痛切に感じておるのです。在職中の間接的な選挙運動ですね。あるいは直接的と言ってもよろしいかもしれません。これは知事の仕事のうちの一部かもしれませんけれども。功労者の表彰をやったり、いろいろな表彰をやる。それが選挙の前の年あたりになると急にふえて、物までついてくる。名前入りのふろしきを配ったり、のれんを配ったり、もちろんこれは県の費用ですね。もう違反すれすれの運動が行なわれておる。しかし、これは現職の知事であるがゆえに違反に問われないというような事例を幾つか見ております。そういう関係等もあって、現職知事は、よほどの失政でもない限りはたいてい当選しておる。確かにこれは選挙の公正を失なうもので、そういう点においても、いまお答えになられるように長期在職は弊害がある、よろしくない、私はこう思うわけです。
 それから、いまもお答えがありましたが、人事の停滞ですね。派閥と言えば派閥とも言えましょう。人事の停滞は行政面に非常に影響を及ぼす。何といいますか、一種のくされ縁のようなものができてしまう。適材適所に、人間をてきぱきと配置するということはできない。そういうようなことも、しばしば見たり聞いたりするところであります。
 そういう点は提案者と私全く同意見ですが、かつて憲法上疑義があるという反対論があったように聞いております。憲法上疑義があるという点については、もちろん提案者は検討された上で、そういうことがないという確信のもとに出されたと思いますが、いかがでしょうか。
○篠田議員 一番問題は、知事の四選を法律で禁止することが憲法上問題がないかということで、その点につきましては、昭和二十八年から約五カ年にわたりまして数十回、いろいろな憲法学者であるとか、あるいはまた衆議院の法制局その他を通じまして、憲法議論をずっとやってきました。それで憲法上の疑義はないという結論に達して、それでは法案を出そうじゃないかという段取りになりまして、今日までわれわれが聞いた憲法学者の中では、四選禁止を憲法違反であるとか憲法上の疑義があるとか言った人はほとんどありません。
○島上委員 憲法上の問題は、しかし、反対論者にはなおそれも反対の論拠の一つとして取り上げられておるように思われます。その他かなり強い反対論があるようです。たとえば知事会で反対する、参議院で反対する。参議院の反対は、知事がやめると参議院の地方区へ出られたらかなわぬと憶測する向きもありますが、私は、腹の中はともかく、良識の府がそういうことを表面上の理由として反対するわけはないと思うのですが、知事会や参議院、主として参議院のほうに強い反対論、またその他の反対論がかなりあるようです。その反対論の論拠のおもなものはどういうものかという点……。
○篠田議員 まず最初におっしゃった、知事の四禁選止をするということはどういう理由であるか、それは憲法違反ではないかということで、憲法第十四条、十五条、四十四条、九十三条の二項といったような、そういう個条をあげられまして、われわれのほうの懇談会といたしましても、いろいろそういう疑問のある点を特にあげて憲法学者あるいは法制局の意見を聞きました。
 そこで次に、反対の理由というのは、一番簡単な反対の理由は、知事の四選あるいは長期在任というものは、健全な民主主義のために弊害があるといっているけれども、それが弊害があるとしても、それは選挙を通じて判断すべきであって、法律で立候補の制限をするということは、これは憲法違反じゃないか、あるいは適当な方法でないじゃないかという反対がまず第一でありました。これにつきましては、先ほど申しました知事の長期在任ということが非常に行政の偏側化あるいは制度上の弊害、あるいはまた、その結果地方自治の伸展を妨げる結果になる、これは選挙民の判断を待つまでもなく、制度的な問題であるので、むしろ制度上の問題としてやったらいいじゃないかというのがその結論でございます。
 第二の反対は、同一人を何回選んでもそれは選挙民の自由である、法律で何回以上いけないといって禁止することは民主主義の根本原則に反するのではないか、こういう議論であります。だれを知事に選ぶか、もちろん選挙民の自由であるけれども、知事四選禁止の問題は単に被選挙権の制限にすぎないものであって、選挙権自体に何らの直接の制限を助えるものでない、選挙民の選挙権の行使を妨げるものと言うことはできないというような理由、これもすでに回答といいますか、われわれのほうの結論で出たわけであります。
 その次に、だれを知事に選ぶかということは住民が自主的に決定すべきことであって、四選を禁止するということは、地方自治の原則及び地方住民が直接選挙をするという権利の侵害ではないかという問題がありました。これに対しては、われわれ、いろいろ憲法学者その他の意見を聞きまして研究した結果は、知事四選禁止の問題は、被選挙資格の制限にすぎないのであって、府県住民が知事の選挙を自主的に決定する権利を何ら拘束するものでない。また、知事の公選制を否認するものでもない。地方自治の原則を侵害すると言うこともできない。こういう意味で、住民が直接選挙するということは間接選挙を否認するという意味であるから、これは憲法九十三条の二項にいう「住民が、直接これを選擧する。」ということは違反しない、こういう結論が出ております。
 その次に、反対論といたしまして、知事の四選禁止が必要であるとしても、それは憲法自体が規定しているか、憲法の明文をもって法律に委任する憲法四十三条二項、四十四条、四十七条、九十三条二項といったような、そういういずれかの場合であればともかく、単に法律でもって規定するということはまずいという意見でありました。ところがこれは、憲法上知事は「住民が、直接これを選擧する。」と規定しておるのであるが、その意味というのは、先ほど申し上げたように、間接選挙の方法をとったり直接選挙を否認したりするということではまずいけれども、しかしながら、地方自治の本旨に基づいて、地方公共団体の組織及び運営に関する事項は法律で定めるという憲法九十二条の規定から見て、地方自治の本旨に照らして、必要があれば知事の四選禁止を法律で定めることは差しつかえない。
 また、知事四選禁止は、憲法の明文をもって法律に委任する場合に限るべきであるというけれども、国会議員についてさえも、たとえば議員定数であるとか被選挙資格、その他選挙に関する事項は法律で定めておる。そういうのであるから、特別の制約がない限り、地方公共団体の長の選挙についても、その被選挙資格、すなわち知事の四選禁止を法律で定めることは差しつかえない。こういう結論になりました。
 その次には、長期間にわたる知事の在職がかりに弊害があるとしても、法律によって一般的画一的に四選禁止をするということはまずいんじゃないか、また憲法違反ではないか、こういうことでありましたが、それに対する答えは、知事の長期在職制度を認めるときには、必然的に行政執行権の独占的強大化を伴って種々の弊害を制度そのものに内包することになる。この弊害は制度上のものであるから、一般的制度的に法律でもって四選禁止の措置をするということは差しつかえない。憲法違反でもない。
 また、次には、何回以上当選した者は知事の選挙に立候補できないとするのは、立候補者を差別待遇する基本的人権を侵害するものではないかという反対論に対しまして、知事の四選禁止は期間的に、場所的に、方法的にもきわめて限定された制約であって、在職十二年を迎える者でも他の都道府県において立候補したり、一期をおいて立候補したりすることは制約するものではない。前述のとおり、地方自治の本旨及び選挙の公正確保の見地から制限を加えようとするものであって、合理的な理由である。したがって、憲法十四条の平等の原則に反するものではない。その制限は、公共の福祉の要請に基づくやむを得ない措置であり、これは憲法違反ではない。こういう結論となりました。
 次は、知事の四選禁止は、結局職業選択の自由を制限することになり、これは憲法違反ではないかという反対論でございます。知事の四選禁止は、選挙法上の他の立候補制限の場合と同じに、選挙の公正確保という見地から単に知事の立候補制限をしようとするものであって、直接職業選択の自由そのものを制限しようとするのではない。かりに右の措置で職業選択の自由をはばまれる場合があるとしても、前述の制限をすることが憲法でいう地方自治の本旨にも沿い、かつ公共の福祉の要請にこたえるゆえんであるということならば差しつかえない、憲法違反ではない。
 その次の理由は、地位利用の選挙運動の禁止をするのはともかくとして、何回以上当選して知事の職にあるからという理由で立候補を禁止するということは、これはやはり憲法違反の疑いがあるという反対論でございましたが、知事の地位利用の選挙運動は、現行公職選挙法においてもすでに禁止しておるところである。それはともかくとして、知事の四選を禁止することが地方自治の本旨に沿い、かつ選挙の公正確保の趣旨に沿い、公共の福祉の要請にもこたえるゆえんであるから、これは憲法違反ではない。
 また、知事の四選のみを禁止して、国会議員について何らの制限を加えないのは不公平であり、憲法違反ではないか、こういう反対がございます。しかし、独任制の機関である知事と議決機関の構成員である国会議員とは全く性質を異にするものであるから、これを同一に論ずることは正当な評価ということはできない。
 それからその次は、知事の四選を禁止するならば、内閣総理大臣についても同様の制限をすべきであって、これをしないのは平等の原則に反し、憲法違反ではないかという反対論でありましたが、わが国の憲法構造は議院内閣制のたてまえをとっており、憲法六条一項、六十六条、六十七条、六十八条で、内閣総理大臣は国会の指名に基づいて国会議員から選ばれることになっておりますから、知事と同一に論ずることはできない。したがって、知事のみについて四選禁止の措置を定めても平等の原則に反するものではない、また憲法違反ではない。
 それから知事のみを対象として、市町村長、特に六大市長について何らの制限を加えないのは不公平であり、憲法違反ではないか。これは、知事は六大市長その他の市町村長とは行政執行面においてその権限等も相違し、その影響力も非常に異なっておるので、現在の時点においては、制度的に特に弊害があると認められる知事について四選禁止の立法政策をとろうとするものである。こういう関係から、その他の六大市長を除外して知事だけをこの対象としたわけでございます。
 そういったように、これは公式な、憲法学者であるとかあるいは政治評論家であるとか、そういったような人々の意見をまとめたわけでありますが、自民党の中におきまして、地方行政部会あるいは公職選挙部会等においていろいろな疑念が出ました。これはまだ憲法違反の疑いがあると言う人も、少数ではありますが残っておるわけです。憲法違反の問題は非常に重大な問題でございますから、私たちも、衆議院法制局その他にも協力してもらいまして慎重に研究したつもりではございますけれども、国会審議の過程において、あるいはまた、憲法学者等を参考人として呼んでいただくというようなことができれば、それはまたさらにけっこうであるというふうに考えております。
○島上委員 あまり時間をかけてはいけませから、最後に一点、これは法制局長に伺いますが、選挙法との関係で非常にまぎらわしい点がある。
 御承知のように、選挙法で利益誘導を禁止しておりますが、それは、わしが当選したらこの村へ学校を持ってくるとか、橋をかけるとか、道路を直すとかいうようなことを言えば、利益誘導で違反になる。ところが、知事の場合には、長期計画で、わしはこういう長期計画を立てている、この次の年度にはここへ高校を建てる計画がある、この川をどうする計画があるということが、選挙の際には必ずと言ってよいほど言われておる。長期計画といっても、年次計画でもって議会で承認を得たものならば確実な長期計画であるかもしれないけれども、そうじゃない現職の知事である候補者が、自分の考えの中でこういう計画を持っているということを言う場合には、他の候補者が、当選したら橋をかける、学校をつくる、どこをどうするという利益誘導の場合と実質的に変わりない、こう思うのですが、そういう場合に新人候補が利益誘導にひっかかり、現職はそうでないということになると非常に不公平になる。法律上どういうことになりましょうか。
○三浦法制局長 ただいまの点は、議員の方々が選挙に立候補される場合と違いまして、いわゆる行政執行の長である人が立候補した場合の問題でございますので、いわゆる行政執行と選挙法との両方関連の問題が起こってきまして、その間において、はたしてそれがいわゆる行政上の本来の仕事のワク内の問題であるか、あるいは公職選挙法で規定している二百二十一条以下にあるいわゆる利害誘導にかかるかという問題の、なかなかむずかしい点だろうと思います。したがいまして、一般論としてちょっとこれをどうだと言うことはなかなかむずかしい問題でございまするので、いわゆるケース・バイ・ケースで、そのときの現職知事が立候補した場合においてのその行動というものを具体的な対象としまして、それがはたして選挙法に違反するかどうかを考えるよりしかたがない問題じゃないかと思っております。
○島上委員 もう一つ、これも似たようなケースなんですが、参考のために伺っておきますが、よく知事が在職中に表彰状を出しますね。そして、いなかへ行くと、知事さんからもらったといって額へ入れて飾っていますね。
 こういう例があったのです。選挙の前の年というか、半年くらい前になったら、それを普通の年にやっている何倍かたくさんやって、おまけに賞状のほかに今度は名入りのふろしきを添えてやる、手ぬぐいを添えてやる、カーテンを添えてやるというようなことを大々的にやって、私たちは、これは選挙違反だといって問題にしたことがありますけれども、これもすれすれだと思うのです。道義的にはもちろんこれはいけないことはわかっておりますが、法律的にどう解釈すべきかということをひとつ。
○三浦法制局長 これも、先ほど申しました問題と同じようにむずかしい問題でございまして、要するに、本人の意思が那辺にあるかということがその問題のポイントだろうと思います。しかしながら、その意思がはたして選挙法に違反してやっているというような推定を下し得る証拠があれば、これは明瞭に公職選挙法違反でありますけれども、そうでない本来の行政行為あるいは活動をやったのだというようなことを言われるようなことになりますと、その間の認定に非常に困難な問題がございますが、先ほども申しましたように、やはりケース・バイ・ケースで考えて、いまのように急に選挙の前にそういう特殊の行為が付加されて非常に多くなったという場合におきましては、それらの経過等をよく調べた上で、はたして違反であるかどうかということを認定するということになるのではないかと思いますので、結論として選挙違反だということが言えるかどうか、なかなかむずかしいのではないかと思います。
○島上委員 違反だという断定はむずかしいかもしれませんけれども、そういう疑いがあということは言えますね。
○三浦法制局長 問題があるということは……。
○島上委員 それではこの程度にしておきます。
 私どものほうも、なるべく早い機会に党議をまとめるようにしますから、せっかくここまで出されてこられたのだから、提案者の自民党さんも党議をまとめるようにひとつ御努力を願っておきます。
     ――――◇―――――
○小澤委員長 次に公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。岡沢完治君。
○岡沢委員 政府は、佐藤総理の行政簡素化に関連する一省一局削減に関連して、今度の国会に行政機構の簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案をお出しになって、自治省関係では選挙局を廃止しようという方向にあるようでございますけれども、これに関連してお伺いいたしたいと思います。
 最初に、現在の選挙局の現状について、その人員、機構、主たる仕事等をお答え願いたいと思います。
○降矢政府委員 私からお答を申し上げさせていただきます。
 現在、選挙局は選挙課及び管理課の二課でございまして、人員は局長以下三十三名になっております。
○岡沢委員 主たる仕事について御答弁いただきたいと思います。
○降矢政府委員 選挙課におきましては、公職選挙法及び最高裁判所の国民審査に関する法律の企画、立案を担当いたしております。それから管理課におきましては、具体の選挙の管理、執行、啓発、指導及び政治資金規正法の施行に関する事務を担当いたしております。
○岡沢委員 いま選挙局には二課あるとおっしゃいましたが、御答弁の中の仕事のうちで、政治団体、政治資金関係はどの課が担当しておられるか。
○降矢政府委員 政治資金規正法の施行に関する事務は、管理課において担当をいたしております。
○岡沢委員 公職選挙法第六条に、「選挙に関する啓発、周知等」という規定がございます。「自治大臣、中央選挙管理会、都道府県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会は、選挙が公明且つ適正に行なわれるように、常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治常識の向上に努めるとともに、特に選挙に際しては投票の方法、選挙違反その他選挙に関し必要と認める事項を選挙人に周知させなければならない。」という規定がございます。この関係の仕事はどの課がなさっておられるのですか。
○降矢政府委員 管理課において担当しています。
○岡沢委員 この公職選挙法第六条の「選挙に関する啓発、周知等」は、私は、公明にして適正な選挙を行なうためのきわめて大事な要素だと思うのでありますけれども、これについて具体的に、選挙局のほうでは年間を通じてどういう活動をなさっておられるか、あるいは特にこういうことをしたとか、特記事項と申しますか、特に強調いたしたいようなことがありましたら、お答え願いたいと思います。
○降矢政府委員 この活動は、われわれは常時啓発と呼んでおる活動でございまして、そのために、本年度の予算におきましては経費約四億七千万を計上いたしております。この四億七千万の資金は、自治省及び各都道府県及び市町村の選管、並びに財団法人である公明選挙連盟と、「明るく正しい選挙推進全国協議会」という財団法人がございまして、これは民間団体でありますが、この団体におきまして、この経費を用いていわゆる選挙の常時啓発というものをやっておるわけでございます。自治本省におきましては、たとえば例の名簿の登録期になりますと、いわゆるラジオ、主として今日ではテレビでありますが、テレビを通じた啓発活動、周知徹底を行なっておる。その他、たとえばスポットとか、あるいは主として映画等の作成を通じてやっておりますが、具体的には、実際の実践活動といたしましては、都道府県の選管及びそれと行をともにする府県単位の「明るく正しい選挙推進協議会」という民間団体がございますので、ここにおいて実際の仕事をやっております。その仕事の内容といたしましては、たとえば市町村単位のこういう常時啓発を推進してくれる指導者の研修、あるいは講習会等の経費あるいは活動、あるいは地方から政治に関心の深い、造詣の深い方を呼んで講演会を行なうというようなことでありますし、市町村の段階におきましては、いわゆる学習活動というものを中心に、常時啓発をやっておるのが大体の仕事でございます。
○岡沢委員 ただいまの第六条に関連いたしまして、これは私の考えでございますけれども、いま局長のお答えになりましたいわゆる公民教育といいますか、一般人教育ももちろん重要でございますけれども、将来選挙民になるべき青少年の学校教育における政治教育を強化させるということは、きわめて大事ではないかと思います。学校教育法にもそういう規定もあったと思います。結局、政治をよくするためには、選挙民である国民の政治水準を高めるということが、回りくどいようでございますけれども民主政治に不可欠ではないか、そういう意味から、学校教育について、この第六条と関連して選挙局は何かタッチしておられるのですか、それともそういうのは文部省にまかしておられるのか、その辺の事情をお聞かせ願いたいと思います。
○降矢政府委員 学校教育プロパーの問題は文部省にまかしております。ただし、いろいろ必要な資料は私のほうから提供しております。ただ、学校教育の分野とは違うとわれわれ考えておりますが、社会教育の面におきましては、第一線における公民館活動と提携いたしまして、この常時啓発活動を行なっておる次第でございます。
○岡沢委員 ときどき新聞等にも報ぜられますように、わが国における一つの新しい現象は、いわゆる若い層が選挙において棄権が多いということ、あるいは知識水準がより高い、いわゆるインテリといわれる人が投票に行かない、政治を軽べつしておるという点が私はやはり問題点だと思うのでございます。そういう意味から、選挙局長及び自治大臣にやはり文部省等と十分な御連絡をいただきいて、いわゆる選挙民の政治水準の向上等についてぜひ今後御留意されたいということを指摘いたしまして、次に進みます。
 今度の選挙局の廃止に関連して、各選挙管理委員会、中央選管あるいは都道府県の選管、地方の選管等がいろいろな動きをなされておるようでございますし、われわれ議員に対しても陳情等がございます。この動きの内容等について、選挙局としてはどういうふうに把握しておられるか。選管の動き、あわせまして一般選挙民、あるいは関連する民間団体等の動きも含めてお答えいただきたいと思います。
○降矢政府委員 私の承知しておるところを申し上げますと、都道府県及び市町村の選挙管理委員会は、選挙局の廃止には反対であるということでございます。また民間団体でも、私の承知しておるところでは、先ほど申し上げました「明るく正しい選挙推進協議会」というところにおきましては、二度の総会におきまして選挙局廃止に反対の意向を表明しておることを承知しております。
○岡沢委員 廃止はわかっておりますが、その廃止の主たる理由はどういう理由で反対しておられるか。特にこの問題については各選管の代表者から自治大臣にも陳情があったはずでありますが、大臣からお答えいただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 一省庁一局の削減ということは、御案内のとおりに、総理が外遊される直前に宿題として出されて、例のアメリカ訪問中にそれぞれ担当大臣が持ち帰って検討いたしました。私が自治大臣になりましたときには、大体総理の期待に応ずるとすると、どうしても自治省としては選挙局しか考えられないという結論が出ておったわけであります。御案内のとおりに自治省はたった四局でありまして、他の省とは違ういわば小世帯でございますし、しかも行政局、財政局、税務局いずれもやめるというわけにいかない。そこで、前大臣もいろいろ苦慮して、削減するとしたら選挙局という結論をお出しになっておるそうです。私の場合でありましても、どうしてもということならそうせざるを得なかったと思うのです、やはり事務の関係上ですね。しかし、選挙というのは、言うまでもなく民主政治の土台をつくるシステムですから、私としては最後まで抵抗したわけですけれども、どの省も例外はないのだということになりまして、やむなく折れざるを得なかった。その間、御指摘のとおりに全国の選管から電報も来るし、絶対に選挙局をやめてはいかぬという非常にきつい御要請がありました。もっともしごくなことでございますが、それに対するお答えとしては、局という名称はとるけれども、実体としては、何も選挙に関する事務その他をずっとレベルダウンするわけではありませんので、さらに一そう努力をいたしまして皆さんの御期待にこたえますという苦しいことを言って、選管の方々にはお願いをしたいきさつもあるわけでございます。総理の考え方は、いろいろ理由もあってのことでございますけれども、自治省としてはそういう立場に追い込まれたという姿になっておるわけでございますが、かといって、決して選挙局というものを粗末に考えるということではないということを御理解いただきたいと思います。
○岡沢委員 私の質問にお答えになっていただきたいと思います。大臣の御意見はあとで聞くつもりだったのです。私がお聞きしましたのは、各選管が大臣に陳情をされた、その反対理由は何か、どういうことを聞かれたかということであります。お答えいただきます。
○赤澤国務大臣 先ほど申しました意味は、全国の選管の皆さんの考え方はよくわかるわけですけれども、どうしても自治省でも一局を減らせと言われた場合は、事務上のいろいろな問題その他を考えまして、涙をのんで、文字どおり残念ながら自治省の選挙局をそういう立場に追いやらざるを得なかったということを申しておるわけでございます。
○岡沢委員 頭のいい自治大臣が私の聞いておることにお答えにならない。私の聞いておりますのは、各選管が反対をして陳情をしておるが、その反対の理由は何か。大臣は、選管の代表者とお会いになって、陳情も受けて、電報も受けたと言っていらっしゃいます。ただ反対などということは言っておりません。理由を言っております。その理由は何であるかということを、どのように御理解いただいておるのかということを言っているのです。
○赤澤国務大臣 それを十分承知しておりますから、私も選管の皆さんの御期待にこたえるという意味で努力をしたわけです。言うまでもなく、さっきも申しましたように選挙というものは民主主義の基盤をつくるものでございますので、選管の皆さんが、そういう大事な選挙局を廃止する、あるいは格下げするとは何事であるかということで御反対であったと記憶しております。
○岡沢委員 私はその理由を聞いているのですが、まだお答えにならない。御理解ないとは私は申し上げません、ベテランの大臣でございますから。選挙局長はどういうふうに理解されておりますか、反対の理由について。
○降矢政府委員 いま大臣の申されましたとおり、選挙は民主主義の基盤である、したがって、それを執行する責任の官庁における責任の部局というものを、現在どおり存置すべきだというのが陳情の趣旨だったと思います。
○岡沢委員 大臣にお尋ねいたしますが、先ほど大臣は、自分もこの廃止については抵抗したということばをお使いになりましたが、どういう理由で抵抗されたのか。
○赤澤国務大臣 それは、先ほど申したように、選管の皆さんからそういう要求を受けるまでもなく、私はそれほど選挙というものは大事に考えております。ことに、御案内のとおりに公選法改正の問題もありますし、あるいはこの国会中に片づけたいと思っておりますが、全国民が期待をしておられる規正法の問題もございますし、その他いろいろ重要な問題をかかえておるわけでございますので、私は、この自治省だけはぜひ一局減らせという中から除いてもらいたいということを、行管の長官、あるいは総理直接ではありませんが、要所要所に今度の自治省のことをいろいろ聞いてもらったわけでございます。そのことを言っておるわけでございます。
○岡沢委員 また先ほど大臣は、総理は廃止については理由のあってのことだということを言われましたが、その総理の廃止の理由、真意はどこにあるのか、大臣はいかに理解しておられますか。
○赤澤国務大臣 これは私の推測ですけれども、行政改革が懸案になって、しかも政府の諮問機関の結論が出てかなり久しい。しかるに、なかなかこれに手がつかぬということは、やはり総理としても非常に気にしておられた。行政改革を徹底的にやろうという一つの決意を示す意味が多分に含まれておったと私は考えておりますので、単に選挙局を格下げするかどうかといったことではなくて、やはりこの六月の末日までは各省庁ともそれぞれ行政改革案というものをまじめにつくって、そうして行政管理庁へ出すということに閣議できまっておりますけれども、われわれといたしましては、やはり地方公共団体も担当いたしておりますし、単に自治省の内部だけではないのでございます。そういった意味で、いろいろやっかいな問題があることは御案内のとおりでございまして、こういった問題を全部摘出して、そうして行政改革に真剣に取り組むべきだと考えておりますが、やはりそのきっかけをそういう形で総理が示されたものだと私は考えている次第でございます。
○岡沢委員 ただいま大臣は、自分の推測だ、この問題については総理と直接話し合ったことはないと言われました。私はきわめて問題の発言だと思います。御自分は廃止に反対である、また選挙の基盤として選挙局の果たす役割りについては十分理解しておる、閣僚の一員として一番総理に近い、しかも所管大臣の赤澤自治大臣がこの問題について総理に対して直接意見具申をなされない、意思表明をなされないことはきわめて残念だと思います。こういう問題について大臣が単なる推測だ、閣僚の一貝として連帯責任を負われる立場でありながら、推測で総理の意見を言われたことは納得できないと思います。それについて重ねて御意見があれば承っておきます。
○赤澤国務大臣 行政改革についての決意を示されたことは、総理の口から閣議でもじかに聞いているわけでございます。
 それで、ただいま申されました選挙局の件は、前大臣のときからの引き継ぎであったことは、先ほど申したとおりでございます。しかしながら、引き継ぎましても私の場合、やはり考え直してもらいたい――これは政府の組織の上から申しますと、直接に扱うところが行政管理庁であることは御承知のとおりであります。ですから、行政管理庁長官、また与党の百脳、そういった面には十分働きかけたわけでございまして、総理はやはり行政管理庁の長官と同じで、とにかく例外をあれこれつくるとくずれるという考え方から、ああいう構想を総理としてはきっぱり言われたわけですから、私は主として行管の長官と党の幹部とずいぶん交渉をしたわけでございます。
○岡沢委員 選挙局長にお尋ねいたしますけれども、先ほど選挙局は二課三十三名とおっしゃいましたが、また先ほど仕事の内容についてお聞かせいただきましたが、二課三十三名で仕事ができるのですか。あるいはほんとうにその仕事をやるためには人員がもう少し必要なのか、あるいは減少する余地があるのか、その辺について、所管の立場からもっと局長のすなおな御意見を承りたい。
○降矢政府委員 いま機構では、人員の減少する余地がないと私は考えております。
 人員増の問題につきましては、私が就任する以前からしばしば予算の段階では要求をした経過がございます。しかしながら、あまりふえることなしに今日にきたわけでございまして、先般も予算の段階では、ある程度人員増の問題もわれわれとしては出したわけでございますが、ただいま大臣の御説明がありましたような政府全体としての考え方のもとに、人員増は一切まかりならぬということに相なったわけでございます。
○岡沢委員 ただいまの局長の御答弁によりましても、三十三名の人員は、増加の希望こそあれ、減少の余地はないという答弁でありました。総理の言われる行政機構の簡素化にいたしましても、これを簡素化あるいは合理化いたしまして国民の税負担を軽くする、あるいは行政の能率化をはかるということで、単なる名前だけの局を廃止するというのが真意でないのは当然でございます。そういう点からいたしますと、ここでわざわざ自治省として、最も民主政治の基盤と結びつきます選挙局を廃止されるということは、形は別として、実態上実益はないと私は考えるのでございますけれども、自治大臣の御意見を承りたい。
○赤澤国務大臣 それは全く同感でございます。
○岡沢委員 自治省には、先ほど御答弁のありましたように四局がございます。行政局、選挙局、財政局、税務局とございますが、これは私の考えでございますけれども、税務局の場合、税というのは完全に法律に基づいて行なわれる、いわばしゃくし定木と言うとちょっと語弊がありますけれども、きわめて政治的な配慮その他の余地のない部門ではないかというふうに私は感じます。あえて一局削減の大原則に忠実であるならば、大臣として先ほど四局のいずれも廃止がむずかしいというおことばがございましたが、選挙局に比べますと、税務局の廃止のほうがより趣旨にも沿うし、影響が少ないというように考えますが、御所見を承りたい。
○赤澤国務大臣 税務局の仕事の内容は御承知で言っておられると思いますけれども、これこそ住民税、事業税その他住民に密接した税を取り扱っておりますので、税務局がなくなったから税が軽くなる、そういうわけのものではないので、この点には前大臣も非常に苦慮をいたしまして、私も決して選挙局というものを軽んずるものではないということを先ほど申し上げましたけれども、しかし、自治行政をやっていく上において行政と財政と税務、この三つはどうしてもどれをつぶすというわけにはいかないわけでございますので、ここのところはひとつ御了承をいただきたいと思います。
○岡沢委員 それでは選挙局をつぶしたらよいかといいますと、先ほどの大臣の意思は、つぶしたくないということで苦慮された意味はわかりますけれども、先ほどの局長の答弁にもありますように、結局人員は減らさない、どうしても減らす余地はないということでございますし、各選管の意見あるいは民間団体の意見をまつまでもなしに、選挙というのは代議制民主主義をとります現在の憲法上の、日本の制度の上で最も大きな基盤である。ことに、ここで申し上げるまでもなしに、憲法の前文に一番先に出てくるのは、「日本國民は、正常に選擧された國會における代表者を通じて行動し、」ということばでございますし、また、国会の国権の最高機関と憲法でうたわれておりますけれども、それを構成する国会議員はもちろん選挙で選ばれ、また、行政府の長であります内閣総理大臣も、国会議員の中から国会の議決によって指名せられる。そういうことを考えました場合、選挙が公明に適正に行なわれるかどうかは、ほんとうに民主主義の基盤であると申し上げてもいいかと思います。なるほど選挙局の人員は少のうございますけれども、憲法上選挙ということばが出てくるのは、前文をはじめといたしまして十五条、四十四条、四十七条等、憲法の正規の条文の中に出てくる。私は数字だけから申し上げるのではありませんが、それだけ選挙のウェートと申しますのは、ことに主権在民の代議制民主主義をとっております日本の国政において重要ではないか。大臣も御承知いただいているかと思いますが、元総理大臣の片山哲氏は、現在の三権分立のほかに、四権として選挙権というのを独立した機関で扱わして、公明選挙を実現するというような御意見も持っておられるくらいであります。ここで選挙局を廃止される――先ほど大臣の御答弁にもありましたように、政治資金規正法の問題あるいは公職選挙法の問題を所管する局を格下げして一部にするということについては、どう考えても、私は政治姿勢の問題、単に自民党のお立場だけではなしに、国民の選挙あいるは民主政治に対する期待を裏切るものではないかというように感ずるわけでありますし、また制度上もきわめて大事な問題ではないか。いわば選管の地位と申しますか、権威ということにも間接には結びつくと考えるものでございますが、これについての大臣の御所見を承りたい。
○赤澤国務大臣 選挙というものに対する認識については、岡沢さんと全く同感でございます。
○岡沢委員 公職選挙法の第五条の第三項に、「自治大臣は、参議院全国選出議員の選挙以外の選挙に関する事務について都道府県の選挙管理委員会を指揮監督する。」という規定がございます。選挙局長にお尋ねしたいのですが、これは具体的にはどういう手続で、実際にはどういう指揮監督をなさっておられますか。
○降矢政府委員 先ほど岡津委員の言われたように、選挙の管理、執行は、公職選挙法に基づいてそれぞれ選管が実施するわけでございます。したがいまして、自治大臣の指揮監督というのは、まず、この法律の正しい理解と正しい執行に必要なことを周知徹底することがこの始まりでございます。あとは、具体のケースに従いまして、それぞれ選管の実施上必要な指示をする、あるいは先ほど申し上げましたような公職選挙法六条関係の啓発の基本的な考え方等についても、こちらの考え方を示した上で、それに従ってやっていただくというようなことをやっておるのでございます。
○岡沢委員 自治大臣に重ねてお伺いいたします。
 先ほど私が数字をあげて、また局長からの答弁でも、数字については減らす余地がないという自治省の選挙局の内容の御説明がございました。冒頭申し上げました行政機構の簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案の提案理由は、「行政の簡素化及び能率化を図るため行政機関の内部局等の整理を行なう等の必要がある。」ということだと思うわけでありますが、実際には行政の簡素化及び能率化とこの選挙局の廃止とは関係がない、むしろ増員をしたいという選挙局長のお考えでございます。また、先ほども言いましたように、選挙局の重要性ということを考えますと、とても人員を減らすというようなことは考えられないと思うのでございますが、これについての所見を伺いたいと思います。
○赤澤国務大臣 この年度は人員を一%だけ減らすということに政府の方針としてきまっておるわけでありますが、これは私は何も選挙局を対象として考えておるわけではございません。しかし、全体として行政を簡素化しなければならぬということは、当然の国民の要請でございます。ですから、やはり自治当局といたしましても、何らかの形でこれにこたえなければならぬということは考えておる次第でございます。
○岡沢委員 あとの御質問者の方の関係がありますので、これで終わりますけれども……。
 一般論はわかりますけれども、自治省の選挙局の廃止に関する限り、その提案理由であります簡素化、能率化とは全く無縁であるということは明らかであります。単に総理の原則に従ってただ一局を減らす、実際の人員は減らない、しかも事務の重要性は大臣もお認めのとおりであります。私は、いま問題の、先ほど来述べました政治資金規正法、あるいは選挙に対する佐藤内閣の姿勢をも国民に批判されるおそれのあるこの選挙局の廃止は、全く実益が国民のほうから言ってもないわけですし、選挙の権威は害される。どう考えても筋が通らないと思うわけでございます。ぜひ私は、大臣から総理にも御進言いただいて、内閣の一般の行政機構の簡素化、合理化についてはもちろんわれわれも反対するものではございませんけれども、選挙局の廃止に関する限りは実益がなくて実害があるという制度でありますから、御一考願いたいということをお願いして、私の質問を終わります。
○小澤委員長 次に、伏木和雄君。
○伏木委員 私は、選挙の自由化について大臣の御所見を承りたいと思います。
 この民主主義の基本をなす選挙制度あるいは選挙運動というものは、われわれ非常に大事なものであると理解しております。したがって、あくまでも公正を期していかなくてはならない、こういうふうに理解しております。この選挙運動につきましては、先般来の選挙制度審議会の答申にもございましたように、選挙運動は自由化すべきであるという答申を行なっております。また、この選挙運動自由化につきましては、全国の選挙管理委員会あるいは取り締まり当局である警察、または検察庁、裁判所におきましても、従来の何もかも拘束されたような選挙運動は改めるべきであるというようにいわれております。御承知のように、選挙制度審議会におきまして出されたところの答申には、文書の自由化あるいは第三者主催の演説会の自由化、それと個別訪問の自由化、こういうような選挙運動の基本になるような問題点が答申されております。そこで、最近新聞紙上を見ましても、自治省におきましてこの自由化に向かっていろいろと検討されている、また、自治省と自民党の選挙制度調査会との話し合いによりましてだいぶ煮詰まってきた、このように理解しております。また、これは報道されております。そうした点につきまして、現在自治省がこの自由化を世論にこたえてどのような方向へ持っていこうとされているか、自治省の基本的なお考えを承りたいと思います。
○赤澤国務大臣 選挙制度審議会の大勢は、御案内のとおり、日本みたいにたくさんの制限のある選挙をやっている国はどこもない、そのために選挙というものが非常に陰惨な姿になってしまっている、もっと思い切って開放的な選挙をやらすべきであるということが圧倒的に多数でありますけれども、開放といってもやはり供応、買収などの起こるということは戒めなければなりませんし、また、無制限に何事も放任しますと選挙自体に金がかかり過ぎるということもある、ですから、いろいろな点で合理的な制限を考えて自由化をしなさいというのが、大体答申の基本になっております。やはり答申の趣旨に沿うということはもちろんでございまして、ただいまそういった点につきましては与党との間にいろいろな調整をしておる最中でございますので、自治省といたしましては、おっしゃるとおりにほんとうに自由化したいということでございますけれども、まだ成案を得るところまで至っておりませんので、いましばらく具体的の問題は御猶予を願いたいと思います。
○伏木委員 完全なものはでき上がらないにしましても、今回の通常国会にこの自由化の問題は公職選挙法一部改正として提案をされる予定になっているということは承っておりますが、当然もう骨子となるべき問題点について相当煮詰まっているのではないか。たとえば具体的にお伺いしますと、文書等の配付についてはどういうようにお考えになっているか、また、第三者主催の演説会についてはどういうお考えでいるか、そして戸別訪問については具体的にとういう方向に――制限があるということはいま大臣の御答弁でわかりましたけれども、その限度をどの程度にしていこうか、実際三十名とか五十名とかと、はっきりした線は煮詰まらないにしても、有権者が多いところでは百万、二百万とおります。そうした有権者を対象に、その人たちが自由な選挙を行なうためにこの戸別訪問という方法はどういう点までしぼっていこうとか、こういう点についての煮詰まった考えはないか、はっきりした数字ではないとしても、そういった点についてどういうお考えを持っているか、承っておきたいと思います。
○赤澤国務大臣 その点が煮詰まっておらぬわけでございまするので、自治省の考え方というものをただいま申し上げる段階ではないと申し上げたわけでございまして、しかし、かなり具体的なところまで答申にはちゃんと書かれてあるわけでございますので、これを合理的な形で解決したいということを申し上げる以外に道はないと思います。
○伏木委員 それでは、時間がございませんからこちらから具体的に申し上げますと、たとえば戸別訪問を例に引いてまいります。衆議院の選挙については、一人当たり三十名とか五十名とか、あるいは参議院の全国区の場合は、都道府県で政党単位に十名とか、または地方区の場合は衆議院の区制に応じて数をきめるとかいうようなことが自民党案としては出ているようでありますが、この点について自治省はどういうようにお考えになっておられますか。
○赤澤国務大臣 戸別訪問に関する答申は、「確認団体については、選挙期間中、時間、人数等一定の制限を設けて、政策の普及宣伝のための戸別訪問をすることができるものとすること。」と、簡単に指示されてあるわけでございます。選挙制度審議会の中の議論は、私はずっと出席をしておったわけでございまするけれども、やはり選挙運動のやり方が各党によってまちまちでございまして、戸別訪問を禁止しているとは言い条、他の名目に名をかって現にやっておるではないかという発言がずいぶん多い。これは審議会の記録をお調べになればわかりますけれども、そういうことならいっそのこと戸別訪問は野放しにしたらどうか、しかし、野放しにすればまた取り締まり上いろいろなむずかしい問題も出てくる、ですから、ここで答申にありまするとおりに、時間、人数に制限をつくりなさい、それは個人個人の戸別訪問というのでなくて、政策の普及宣伝のための戸別訪問をそれぞれ確認団体としての政党がやるのだ、こういうことで答申が書かれておるわけでございますので、そういった意味でいま与党と法案の調整をしておる最中でございます。
○伏木委員 この自由化の精神は、あくまでも公平な選挙を期すということ、それから憲法で保障されているところの言論活動、この自由ということが根底になくてはならぬと思います。したがって、こういった制限を設けることが、はたして現在自由化を唱える世論にこたえることになるかどうか、これは非常に問題であると思います。本来、自由化が叫ばれている意図はどういうところから出てきているか。今日、わが国の選挙が、非常に規制が多くて暗い選挙である。人によっては、こんなやかましい選挙ならやらぬほうがいい、選挙なんというものは口をきいてはならないものだとかいうような極論をする人すら出てきております。したがって、何か悪いことをするような意識にかられながら選挙運動をやっておる。これは大きな問題ではないかと思います。したがって、この制限を加えることは、選挙の自由化本来の姿勢から見て逆行するのではないか、何ら選挙運動の自由化本来の精神をくみ取っていないものではないか、このように理解するわけですが、大臣は人数制限等をやっていることが自由化の趣旨に十分こたえ得る、こう理解されているのかどうか、大臣の御所見を承っておきたい。
○赤澤国務大臣 あの審議会の席ではあなたの党も渋谷さんが出ておられまして、これは徹底的な自由化の御意見であります。しかし、あまり何もかにも自由ということは、開放された選挙にはなりますけれども、取り締まりの面から申しまして、まことに遺憾ながらまだ日本の選挙に対する理解と申しますか、水準から申しても少し行き過ぎじゃないかといったような考え方がかなり多かったのが、こういう答申になったものと考えております。私自身は、もっと自由化すべきであるという考え方に立っていろいろ意見を述べたわけでございますが、こういったことはやはり多少段階を踏んでいきませんと、世界に例のないきつい取り締まりの選挙から一ぺんにとにかく野放しになったということになりますと、不測の弊害も起こってまいりまするし、これは一つのワンステップであるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○伏木委員 私はそうは理解しておらないのです。ということは、大臣が一ぺんに自由にすると大きな弊害が残って取り締まるのに混乱するということですが、戸別訪問自体は、制限をつけなければこれは何ら取り締まりの対象にはならない。いま大臣が心配されている点は、従来あるところの買収等ではないかと思います。そのことについては、東京都の選挙管理委員長もこう言っておりますが、これは極端にいえば買収、供応以外は一切自由にすべきである、戸別訪問の選挙運動の自由化、これが実施されなかったのは買収、供応を心配してのことだ、選挙管理の実務に携わっているわれわれから見てそういう心配は一切不要だ、このように言われておりますが、実際買収等をおそれて本来あるべき姿勢を変えていくということは大きな間違いではないか。ということは、よく政府のほうも、たびたび政治資金の場合にはこのことを言っているわけです。ということは、一部の不正な献金があるからといって政治資金を規制すべきではない、これが政府の政治資金規正法に対する一貫した答弁であった。しかし、今度選挙法になりますと、一部の買収があるために本来あるべき選挙の自由化というものを押えてしまう、これは政府自体の自己相違ではないか。ごく少数の買収は破廉恥罪ですから、もっと公職選挙法の罰則規定を強化するようにしてこの取り締まりは徹底的に行なうとして、本来あるべき自由化は、勇断をもって積極的にわが国の民主主義確立のためにも、自治省みずからが先頭に立って、むしろ指導をして、啓蒙してこの自由化を推進すべきが当然のことではないか、私はこのように考えるわけですが、この点大臣のお考えを承ります。
○赤澤国務大臣 当時の議論は、あなたが渋谷さんに聞いてごらんになればわかりまするけれども、思い切った戸別訪問の自由化をすべきだという説もありました。しかし、単に買収、供応が摘発しにくいからということだけでなくて、やはりあまりたくさんの人が乱れて戸別訪問をすることになると有権者の人が迷惑するのじゃないか、そういうことから、時間だって夜おそく訪問することなどは少し考えたらどうかとか、だんだん議論しているうちに、これは人数についても無制限にどこを訪問してもいいのだということもいまの段階ではどうかとか、いろいろな議論があったわけでございまして、しかし、結果的にはこういう答申の線になって出ておるものであるということを御了承願います。
○伏木委員 いま私が伺った点は、戸別訪問の自由化を避ける一つの大きな理由は、買収等の取り締まりという点にあるというように理解したわけですが、その点については、先ほど政治資金規正法の例を申し上げましたように、一部の問題を取り上げて本来あるべき姿を変えるのはおかしい、こういう私の意見でございます。こうした点について大臣は、あくまでも買収等は問題ではないのだ、それよりも一ぺんに大ぜいの人が動くことが問題なんだ、夜おそくまで動くことが問題なんだ、いまこういう御意見であったようですが、買収等の心配を危惧されての制限でもない、こういうことははっきり言えるでしょうか。
○赤澤国務大臣 私は、その審議会の席でいろいろな議論があったということの二、三を御紹介申し上げただけでございまして、私の意見として言ったわけではないのでございます。私の記憶に間違いなければ、もっと極端な御意見すら出た。それは買収、供応などだって、こんなものはまだ選挙民の選挙に対する理解が足りないいまの時代には起こるかもしれないけれども、おっ放しにしておけばこういうことだって自然に消滅するよという議論さえあった、しかし、そういうことは、いまの日本の実情では残念ながらそこまでのおっ放しというわけにいきませんので、やはり若干の制限はすべきだという議論もございました。
 それから、戸別訪問員というようなものをつくりますと、やはりそれぞれ労力を奉仕して皆さんやられる場合もありましょうし、また戸別訪問を頼まれたとすると、そこへ費用もやはりかかるという点もあるかもしれない。そうすると、やはり金のかからない選挙ということを考えていく上においては、そういうことだってやはり問題点じゃないかというような議論もあります。いろいろあったわけでございまして、その結果こういう答申になった次第でございます。
○伏木委員 それは大臣のとんでもないお考え違いではないかと思います。ということは、選挙法自体が、選挙運動の費用には制限をつけられております。したがって、その使用範囲内でやることが当然のことであって、その費用をこえて、その法を曲げて選挙運動をやるということになればそういう議論は成り立つのじゃないかと思いますが、あくまでも選挙運動に関する費用は規制があるわけですから、その範囲内でやるのが当然なんです。その範囲内でできることであるならば当然自由にすべきだ。それを逸脱して選挙に大きな金をかけようとするから、そうした純真な選挙運動まで規制しなくてはならない、こういう結果になると思いますが、この点どうお考えでしょう。
○赤澤国務大臣 この答申の考え方は、御案内のとおりに個人がそれぞれ選挙運動をするという意味でなくて、確認団体としての政党が政策の普及宣伝をするために、常時の政治活動と同じことをやるという意味と私は考えております。議論がやはりそういう方面に最終は集約されたわけでございますので、これに要する費用というものは、やはりこれは政党が出すべきものであって、個人がたくさん戸別訪問する人を雇ってやるのじゃないというふうに私は理解をしておるわけです。
○伏木委員 大臣の答弁、どうも私にはわからないのですが常時政党が行なうべき活動ということは、これは何ら規制を加える必要がないわけです。何十万人政党活動をやろうと、これはかまわないわけです。これは常時やっておるわけです。これは政党によって異なるかもしれませんが、政党活動というのは三百六十五日行なわれている、私はこう考えます。したがって、常時ある姿を実際選挙のときも行なえるということになれば、根本的に人数の制限を加えることはおかしい。大臣の答弁からいくと、そういう結論になるわけですね。ですから、私があくまで言っておるのは、本来あるべき姿勢、他の規制をやるために戸別訪問を押えてはならない、選挙の自由を押えてはならない、この基本的な考えがなくては誤りになるのではないか、私はこう考えるわけです。
 なぜこういうことを申し上げるかと申しますと、実は三日に行なわれました山梨県の勝山の選挙の例ですが、この勝山村の選挙は三日の投票日ということでありましたけれども、告示から五日目にすでに六四・八%の不在投票をしてしまった、こういう事実があるわけです。これについては、もうすでに三十数名が取り調べを受けている、きのうの夕刊等でも逮捕された、こういう記事が出ておりましたが、このようにして一部の人が戸別訪問をやる。たまたまこういういなかのほうに行きますと、部落を押えている有力者、その人だけが戸別訪問をやるというような形になってまいりますと、これは当然その有力者の圧力のもとに、本来あるべき選挙の姿を曲げて公平な選挙ができなくなる。これは私見て驚いたのですが、すでに告示から五日目で六四・八%も投票が済んでしまった。しかも当日不在という理由です。一体選挙の日はこの人たちはどうなったのか。この村の人は、半数以上が蒸発してしまったのか。こういうばかげた、常識では判断できないことがその人数制限という上から出てくるのではないか。有力者だけが動いていくというように考えられるわけです。また買収等も、多くの人が自由に自分の支持する政党について発言ができるようになり、どこへでも行かれるようになっておれば、当然その中から押えられていく。いまのようにだれも行けないようにして、ごくわずかの人しか動けないようにしておくから、むしろ買収があるのです。ですから、今日のわが国の選挙制度の立ちおくれ、先進国に比べて非常に暗い選挙が起きているという最大の理由は、この戸別訪問の制限にあるのではないか。ここのところを思い切って改革していかなければ、選挙を明るいものにしていくことはできない。自由化の名目のもとに、ごくわずかの人を、制限を緩和したからといって決して従来の姿を取り除くことはできない、私はこう考えるわけですが、この点大臣のお考えを承りたいと思います。
○赤澤国務大臣 たびたび申し上げますとおりに、そういう意見、議論は私の党内にもあります。しかし、いろいろ審議会で議論を尽くした結果、出てきたものは、ただいま読み上げましたとおりに、選挙期間中、時間、人数等一定の制限を設けてやれ、こういうことでして、一つも制限をつけないということだとまた骨を抜いたということになりかねませんから、やはりこの制限は各党公平に、どの党は戸別訪問員が多くてどの党は少ない、そういうことはいたしません。ですから、公平にやるということを考えて、目下意見の調整をはかっておる最中でございます。
○伏木委員 そうしますと、いま大臣の御答弁によりますと、各党によって人数は変えない、こういうお話ですが、自民党案によりますと、衆議院の選挙の場合は候補者一人当たり何名というような意見が出ておりますが、この考えは否定されますね。候補者一人当たり二十名とか三十名とかいう自民党の考え方、これは大臣のお考えだと否定していかなければならない、こういうことになると思うのですが、この点はそう理解してよろしいですか。
○赤澤国務大臣 私、自治省を預かる者として、二十人、三十人、百人などと言ったことはまだ一回もございません。ただ党内でいろいろな議論があるわけでして、だから、新聞の方々もその時点において、自民党はこういう意見が出ておるという記事が出ますが、その時点ではやはりそれは真実、そういう議論は確かにあるわけなんです。しかし、まだ調整中でございまして、これにきめたというものは、実はまだその人数等もつくっておらぬわけでございますので、そういうふうに御理解願います。ただ、不公平なことは決していたしませんので、答申の線に沿うて公平にきめなければならぬ、実情に合うようにしなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
○伏木委員 時間もないようですが、大臣の答弁をずっと一貫して聞いておりますと、答申の線を非常にかたく堅持されておるというような気がするのです。ひとつ政治資金も、そういう姿勢で断固答申から一歩もそれないというようなお考えを強力に打ち出していただきたい。総裁にも大臣から、いまの答申をきっちりと守っていくのだという線でお願いしたいと思います。
 それからもう一つ、先ほどからのずっとの議論ですが、ばかに自民党の意見というものが出てまいりますし、自民党の意見に固執しておるようでありますが、選挙というものはあくまでも国民の側に立った立場でやっていただきたい。一つの政党とかいう、政党のための選挙制度をしくというものではなくて、現実にいま国民の考えはどうなっているか――全国選管等の意見もあります、警察、裁判所等の意見もあります、自治大臣ですから国家公安委員長を兼任されております。したがって、警察当局の意見も十分いれられて、いま国民が選挙制度について何を望んでいるか、どうあらねばならないか、こういったことを十分いれまして、ただ自民党一党の意見で選挙制度を縛ってしまうというようなことがないように、大臣として、政府として、十分その点は気をつけられて今後この法案作成に当たっていただきたい、このように私は御要望申し上げるわけですが、最後に大臣のお考えを聞かしておいていただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 この答申が出ましたのも、これも御承知のとおりに国会議員は特別委員でありまして、大部分はみなそれぞれ学識経験者と申しますか、その中には、いま御指摘になりました全国の選管の代表であるとか、あるいは元警察庁長官の前歴を持っている方だとか、あるいは、選挙に精通しておるそれぞれ経験の深い方々でもって構成されておるわけです。その御答申をいただいたわけですが、言うまでもなく国民の立場というものは十分尊重しまして、そうして成案を得なければならないと考えております。
○小澤委員長 次回は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十一分散会