第059回国会 内閣委員会 第4号
昭和四十三年八月二十三日(金曜日)
   午前十一時二十六分開議
 出席委員
  委員長 三池  信君
   理事 井原 岸高君 理事 浦野 幸男君
   理事 藤尾 正行君 理事 大出  俊君
   理事 木原  実君 理事 受田 新吉君
      荒舩清十郎君    淡谷 悠藏君
      稻村 隆一君    武部  文君
      浜田 光人君    安井 吉典君
      永末 英一君    伊藤惣助丸君
      鈴切 康雄君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 増田甲子七君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部長     海江田鶴造君
        防衛政務次官  三原 朝雄君
        防衛庁参事官  江藤 淳雄君
        防衛庁長官官房
        長       島田  豊君
        防衛庁防衛局長 宍戸 基男君
        防衛庁人事教育
        局長      麻生  茂君
        防衛庁経理局長 佐々木達夫君
        防衛庁装備局長 蒲谷 友芳君
        防衛施設庁長官 山上 信重君
        運輸省自動車局
        業務部長    渋谷 正敏君
        専  門  員 茨木 純一君
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本日の会議に付した案件
 国の防衛に関する件
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○三池委員長 これより会議を開きます。
 国の防衛に関する件について調査を進めます。
 この際、増田防衛庁長官より発言を求められております。これを許します。増田防衛庁長官。
○増田国務大臣 去る七月二日発生いたしました陸上自衛隊少年工科学校生徒の訓練事故において、前途ある純真なる少年生徒十三名のとうとい犠牲者を出しましたことは、まことに遺憾にたえませんことをここに表明いたします。この事故について、その概要を御説明申し上げます。
 少年工科学校三年在学の生徒の一部七十八名は、七月二日午後一時から、同校内において、当日の先任教官田村一尉の指揮のもとに教官高林二尉及び助教四名の指導により、雨中、野外の戦闘各個訓練を実施していたのでありますが、田村一尉は午後二時ころ、臨時に、同校内のため池、通称やすらぎの池を川と見立てて、夜間の渡河動作訓練を行なうことを決心し、午後二時三十分ころ渡河を開始したのであります。
 そのときの生徒の服装は、作業衣に弾帯をつけ半長靴をはきM1ライフル銃を背負った姿でいわゆる乙武装であり、隊形は池の西側寄りに南北に展張したロープを境に東側に三区隊の主力、西側に四区隊の主力がおり、北側の岸辺に蝟集しておりました。生徒は田村一尉を先頭に、やや蝟集した隊形のまま池の北側から一斉に水に入りました。そして先頭グループが池の中ほどに達したころからおぼれる者が出始め、生徒の相当数が中ほどに差しかかったとき、おぼれる者がふえ、泳ぎに困難を感じて北岸に引き返そうとする者、近くの西岸に泳ぎ着こうとする者、ロープ伝いに岸へたどり着こうとする者等が続出したのでございます。
 教官、助教は事態の重大さに驚き、直ちに岸にいた者に溺水者の救助の指示するとともに、みずからも池の中に入り救助活動に全力をあげました。訓練実施部隊を主とするこの初動救助活動により、事故発生後五、六分でおぼれかかった八名をはじめ、水没直前にあった生徒二名が救助され、水没直後の一名が発見されました。その後急を聞いてかけつけた副校長をはじめ学校幹部、教官、生徒等が逐次事故現場に到着し、海上自衛隊横須賀地方隊の水中処分隊員の応援も加え、総勢約五百名をもって救助活動を続行し、午後四時二十五分ころまでにさらに濁水者十二名を逐次発見、これらの者について直ちに医官、職員、生徒による人工呼吸、注射等の応急措置を行なった後、病院に後送してさらに手当を加えたのでありますが、そのかいなくついに生徒十三名が殉職いたしたのでございます。
 当時、私は福岡県において第一報を事務次官から聞き、急遽帰京し、詳細を知ったのでありますが、事の重大性から自衛隊の最高指揮監督者たる総理大臣に御報告とおわびを申し上げ、同時に報道機関を通じて御遺族と国民の皆さまにおわび申し上げる一方、直ちに庁内に事務次官を長とする訓練事故臨時調査委員会を設置して事故の原因の究明と将来の事故防止対策の検討を命じ、さらに御遺族への善後措置に遺漏のないよう指示いたしたのであります。
 事故の原因につきましては、私もみずからしばしば現場におもむき検討いたしたのでありますが、指導に当たった教官が学校の訓練基準にない不適当な訓練を実施したことが根本原因でありますが、なおかつ、訓練指導等に適切を欠いた諸点が認められたのであります。すなわち、当日訓練途中において訓練計画にない渡河訓練を決心し、これを実施したため、当然必要な事前の準備に周到さが欠けておりました。しかも現場における安全管理措置も不徹底であり、着装して泳いだ経験て全くない生徒に半長靴をはいたまま銃を持たせて泳がせるという訓練にもかかわらず救命胴衣、浮き輪、ボート等救命資器材及び救助要員の配置がほとんどなく、また、教官の現場指導も発進の統制、隊形の規正等において不適切かつ不徹底でありました。また学校当局の安全管理に関する認識が不十分であり、当該池についての危険等度の認識が甘かったため、この池における危険防止等の安全措置がとられていなかったのであります。
 なお、今回の訓練に類似した訓練が過去にこの池で実施されていたにもかかわらず、上級幹部がその実情を把握しておらず適切な措置がとられていなかったのであります。
 私は、常日ごろ人命尊重を旨とし、健康及び衛生に留意しつつ教育訓練に励むよう指示しておりましたが、今回の事故を機に、さらに安全保持の見地から科学的合理的にしてかつ具体的な方策の検討を命じたのであります。すなわち、将来の訓練事故を防止する対策としましては、人命尊重に徹し、計画外で、かつ危険を伴うような訓練は禁止することといたしました。なお、安全管理の徹底を期するため今月から私の特命による安全監察を実施するとともに部隊等にも安全監察を行なわせることにしております。部隊及び学校においては、安全管理に関する指示通達の徹底をはかるとともに、安全管理教育を強化してまいる所存でございます。水上訓練については、危険予防措置の徹底をはかり、救命資器材の総点検及び整備を行ない、駐とん地内の用水池、ため池等での遊泳を禁止し、人口呼吸法を含む水難救助教育を推進していきたいと考えております。
 関係責任者の処分につきましては、不本意ながら七月三十日、十四名に対してこれを行なったのでありますが、校長高木陸将補は減給二月五分の一、教官田村一尉は停職四十日、教官高林二尉は停職十日、その他減給三名、戒告一名、訓戒一名、注意六名となっております。
 善後措置につきましては、去る七月五日殉職生徒隊員の葬儀を少年工科学校において学校葬としてとり行ないましたが、私もこれに参列し、殉職生徒隊員の霊前にぬかずいて最善を尽くすことを誓い、その後全御遺族を弔問いたしました。殉職生徒隊員の純粋なる行動に対しては勲八等瑞宝章が授与せられ、さらに、二階級特別昇任が行なわれました。
 殉職者御遺族に対しては遺族補償一時金、葬祭補償、退職手当のほか賞じゆつ金が支給され、そのほか防衛弘済会弔慰金、隊友会見舞い金、団体生命保険金が給付されております。なお、各地の地方連絡部長をして今後における御遺族の御相談相手たらしめております。
 以上御説明申し上げた次第でありますが、私自身、親が子を愛する心情をもって全自衛隊員を指導監督し、今後かかる事故の絶滅を期し、もって国民の皆さまの御期待に沿いたいと存じます。
○三池委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。
○大出委員 いま長官から経過の説明並びに処置模様等について御報告を承りましたが、私ども、これは非常に重要な問題であるという認識をいたしておりまして、特に私の場合は、私の足元の武山少年工科学校もありますので、実はきょうは少し時間をかけて質疑に入りたいと思っておりましたが、長官の御出席の時間もだいぶズレができてまいりましたし、あと質問者がきょうは相当多数おりますので、あらためた機会にひとついまの問題は質問をさしていただきたい、こう思っております。
 なお、昭和四十一年の六月にこの件は、本委員会で佐藤総理の御出席をいただきまして、当時少年自衛隊員の五千名募集構想、婦人自衛隊員千五百名の募集構想というのがありまして、ちょうど松野防衛長官の時期でありましたが、相当長い時間をかけましてこの席で質疑を行なった経緯がございます。このときに、現行自衛隊法の施行規則の規定からいきますと、十八歳未満の隊員を募集する場合には、長官の特別な指示があればやれることになっておりますから、その意味で隊法改正でなくて現行の隊法でやるということになったわけでございます。それだけに、いま悲惨な事故が出ておりますが、一般隊員と違って年齢が若いわけでありますから、体力の問題もありますが、そういう心配からずいぶん総理にも質問をいたしまして、それぞれの見解を実はここで明らかにされているわけであります。そういったものとの関連がございます。したがって、いま御報告がありましたが、にわかにこれを了承するわけにまいりません。それらの点について、きょうのところは保留をさせていただきまして、あらためて明らかにしていただきたい。
 なおその際、あわせてここで注文申し上げておきたいのは、設立以来今日までずいぶんたくさんの隊員の事故、けがあるいは死亡、これは各陸海空いずれにもあるわけでございまして、そういう意味の事故の対策という点についてももう少し突っ込んだことが必要ではないか、ここ数年来そういう意見も出ているわけでありますから、あわせてひとつその際明らかにしていただこう、こう思っておりますので、それだけ申し上げて次回に譲りたいと思います。
○三池委員長 浜田光人君。
○浜田委員 本論に入る前に、長官がただいま報告釈明された中で、親心はよく知っているから、こういうように述べておられますが、その意味の、あの大きな事故を起こしまして、指示をいろいろ地方部隊にしている、このように自戒自粛といいますか、示達もしておられる。ところが今月の一日に九州の熊本から霞ケ浦に向けて自衛隊機が飛んでおって、小豆島で墜落事故、二佐、三佐、それから一尉、これが死亡しておることは御案内だと思います。ところが、その際小豆島で住民が、どうも飛行機が落ちたようだといって連絡したにもかかわらず、小豆島には捜索に来ないのです。そして、そういう住民の連絡については真剣にものを考えておらぬ証拠が、ほかのところをさがしておって、一週間後に奈良山中でまた犠牲者を出しておるのです、重傷……。そうして十日後に小豆島のそれがその犠牲者だ、こういうことになる。それを見つけた人も、その一日の日に連絡したのに全然取り合わなかったということを言っておる。これではほんとうに自衛隊が、長官が申されるように生命というものをどう考えておるのか。そのときに住民が通報してくれた、それを真剣に取り扱っておればすぐわかるであろうし、第二の犠牲者も出さずに済むし、さらに、あるいは連絡のしようもない重傷のその自衛隊員も救済できたかもわからぬ。あなたはそう言われるが、こういうことが起きておるんですよ。この点、どう思われますか。いまの武山の点は大出委員のほうから後日やられるでしょうが……。
○宍戸説明員 お尋ねの航空事故につきましては、陸上自衛隊全部隊をあげまして非常に心配をいたしました。そして多数の関係部隊を民間から通報を受けた地域に派遣をいたしまして、さっそく捜索をいたしました。各いろいろな方面からの情報は詳しく調べまして、特に四国方面からはいろいろな地元の方々の好意ある情報をいただきまして、そういう方面を調べたわけでございますけれども、いまお尋ねございました小豆島の件につきまして、お話しのようなことがありましたことにつきまして私耳にいたしておりません。その事実はさっそく調べてみたいと思いますけれども、一般的に申し上げまして、陸上自衛隊としましてはそういう地元の情報がございましたら最大漏らさず注意をいたしまして、直ちにそちらに重点を向けて捜索したというのが事実でございます。
○浜田委員 ただいま詳細に調査すると言われるから調査していただきますが、せっかく長官がそれだけ親心を持って隊員の生命、そういうことを非常に心配されても、地方の部隊では、いま調査してもらえばわかりますが、これは関西のほうの新聞には出ておりますが、その第一報を通報した人も非常に憤慨しておる。これも新聞に出ておる。それをいまごろまだ調査せなければならぬ、そういうように非常に真剣さが足らない。だから、あとから同僚の武部君が質問されるかもわからぬが、長官がせびろ組で自衛隊の最高責任者でおられ、いろいろ心配し、やられておっても、その現地部隊が、一線というかそういう部隊に長官の指令、示達、通報、これらが真剣に、まじめに受け取られてないのじゃないか、こういう気持ちがするのですよ。ですから、いまの機構からいってもまさか――あったらたいへんなことだし、将来よくこの点を気をつけてやっていただきたいと思います。
 そこで本論に入りますが、来月の十一、十二日に、アメリカの国防、国務両省の次官クラスとわが国の防衛庁の次官、外務次官、こういう次官会議が持たれて、いろいろ日本の基地問題、こういう点を協議するということが報道されております。通常、安保条約に基づいて地位協定の二条で、常にその基地等は検討するようになっておると思う。さらにまた合同委員会なり施設委員会で御討議もなさっておろうと思います。ところが今回のこういう両国の次官クラスでの協議ということは、おそらく七十年問題に向かっての取り組み方と思いますが、大体どういう内容あるいは姿勢といいますか、討議をされるのか、その点について知らせていただければ知らせていただきたい。
○増田国務大臣 これは浜田委員も御存じのとおり、日米安全保障協議委員会なるものがございますが、その下の専門委員会というものはつくらないということは前から私は国会において答弁しております。専門委員会ではございませんが、しかしもう一つ下の段階の協議ということはしばしば行なっておる、こういうことでございまして、一年に三回くらいは行なっております。本年は実は二回目でございますが、この九月に東京へ来て行なう。この一月、二月ごろはワシントンに行って行なったわけであります。そこで、その協議の、題目の中に基地の問題も入るであろうというふうに私は考えております。また、そのことはマスコミ等のほうにも一応われわれのほうといたしましては、こういうあんばいであるということで情報を提供しております。しかしながら、どんなふうに基地の問題が検討されるか、七十年問題云々ということを浜田さんがおっしゃいますけれども、そういう関係ではございませんのでありまして、おそらく基地問題が議題となる場合には、わりあい原則的なことについて話し合いをする、たとえば御指摘の協定二条にあるような不要不急のものはそれぞれ管理をかえたり、あるいは返してもらう、あるいは範囲を縮める、あるいは移転をする、あるいは新しく必要なものというのはこれはあまりないでしょうが、場合によっては、こちらも提供しなければならぬというような話もあるかもしれませんが、原則として、やはり基地問題が相当日本の世論の上からも取り上げられておりますから考えてもらいたい、こういうような話し合いをするだけだと私は考えております。結局具体問題は、御承知の地位協定に基づく日米合同委員会において一つ一つ取り上げておるわけでございまして、具体問題は取り上げる段階にならないのではないか。二日間あるだけでございますから、その二日間の会議は、多く極東の安全平和の問題が議題になる、その一つとして基地が原則的にいまのような話し合いになれば幸いである、すなわち不要不急なもの、絶えずその必要度についてアメリカ側は検討しなければならないということを条約、協定に書いてあるわけでございますから、そのことを指摘するにとどまるのではないかと私は考えております。
○浜田委員 そういたしますと、地位協定で施設委員会でやり、さらに合同委員会でやり、合意に達せられないものはおのおのその上に持っていって協議する、こうなっておりますね。そうすると、いま長官の説明によりますと、私は、この条約や協定からいくと、そういう個々のケースをずっとやって、そうして合意に達せない部分についていまのようなクラスの会議でどう政治的に扱っていくか、こういうようにやられるのかと思うと、そうでなくして、この次官クラスの会議では原則的なものを扱っていく、だから個々の基地の問題は扱うんじゃない、こういう答弁だろうと思うのです。そうすると、いまの地位協定、条約からいくと、ぼくはおかしいように思うのですが、その点どうですか。その煮詰まらない点を上に持ち上げてやるということ。それは外務省でもどちらでもいいですよ。
○山上説明員 ただいま防衛庁長官から御説明申し上げましたように、個々の問題につきましては日米合同委員会並びにその下部機関である施設委員会で討議いたしております。したがいまして、ただいまお話のありました日米協議委員会においては、こういった個々の問題ということに必ずしも限らず、基地全体のあり方、問題等についていろいろ相談するということが今後の個々の問題の処理に非常に有益であるというような観点から審議されるんじゃないか、私はこういうふうに考えております。
○浜田委員 そうすると、施設庁の長官が言われるのは、将来個々の問題の話し合いに波及するであろう問題について原則的な話し合いをするんだ、そういうような回りくどい議論でなくして、原則論でもいいから、具体的に、ではどういうことをやるんだ。来たる十一日、十二日のこの会議では、原則論だけれども、どういうことを話をするのか、それを知らしていただきたいのです。七〇年に向ってじゃない、こう言われるが、そういうクラスの会議で何もなしじゃいかぬと思います。
○増田国務大臣 外務省と私のほうと新聞にシリーズした、情報を提供した範囲は、基地のことも議題になるであろう、これだけのことであります。そういたしますというと、浜田さんの御指摘のような具体的のことは、どうしてもこれは二日間の下協議委員会――正式の協議委員会は御承知のとおり安保条約並びに交換公文に基づく協議委員会であります。その下打ち合わせのための協議委員会を開くわけでありまして、平素は協定に基づく日米合同委員会、これが正式の条約、協定に基づく施設関係、地位関係の委員会であります。その下部機構としての施設委員会、そういうところで御指摘のような具体問題は扱います。けれども。これだけ世論になっておりますから、基地問題を前向きに扱おうじゃないかということを私も駐日米軍司令官等には話をしております。しかし、せっかく向こうの次官級の方も来られるわけでありますし、こちらも外務次官、防衛事務次官等が出席するわけでありますから、同じように前向きの立場で基地問題を検討してまいりたい。具体問題となると、やはり合同委員会並びにその下の施設委員会で検討するわけでありますが、そういう姿勢をお互いにつくればよほど前進する、よいほうへ、国民の期待のかかっているほうへ前進する、そのよすがになる、こう考えておるわけでありまして、一つ一つ具体的に話をしろということは無理じゃないかということは浜田さんだって御存じだと思います。とにかく二日でございますから、あと、やはり施設委員会、合同委員会等はたびたび開いておるわけでございまして、そちらに移して論議をする。しかし、その前に、日米の相当の幹部級の者が集まったときに基地の問題を前向きで検討しようじゃないかという話し合いをしただけでも、九月の協議委員会の下協議は意義がある、こう考えております。
○浜田委員 確かに、個々の問題についてはどちらかが意思表示すれば協議するようになっているわけです。協議しなければならないようになっておる。だから、個々の問題について私はそういうことはやらぬであろうと思う。しかし、ことさらにこの九月十一、十二日にそういう次官会議を開いて取り組むとするならば、ただ精神的なものだけでなくして、何か原則的な日米間の基地の協議事項があるのじゃなかろうか、これは国民がだれでもそう思うのですよ。したがって、われわれ国会議員がそう思うのはあたりまえでありまして、だから、長官がそうじゃないのだ、ただ一つ、個々の問題についても、それらが将来いい影響を与えるだろうから漫然と話し合うのだ、こう言われるのだけれども、それはそれで、理解じゃないけれどもやめますが、そういうところから推しはかってみると、いま防衛庁、特に施設庁は来年度の基地対策ということに非常に真剣に取り組み、さらに予算の概算等もやって、新聞等によると、自民党の基地対策委員会等ではそれらも協議されたとかなんとかいうようなことも仄聞するわけですが、大体四十四年度に向かって百四十何カ所あるという日本の基地、弾火薬庫だけでも八カ所ある、その八カ所のうち三カ所は広島県に集中されておる。それが今日のような全国的な弾火薬庫、弾薬輸送反対という大きなのろしになっておる。そういうときに、この基地をどの程度縮小さそうとしておるのか、あるいは市街地からの移転、これで問題は本質的には解決しないのですけれども、そういう考え方をちらちら聞くのであります。さらに、来年度のこういう関係の裏づけ予算はどういうお考えを持っておられるのか。もう前から増田長官は、日本の安全を守るに必要だ、こう言われるけれども、具体的に不必要なところはたくさんあるのだ。個々の問題はやらぬと言われるが、実際当たってみると、実にくだらぬ基地がたくさんある。それであなたは、三千坪よりも一万坪、一万坪より十万坪がより安全だ、こう言われる。そんなことを言っておったのでは、日本政府には何があるのかということだ。そういう不自然なことを言われたりして……。だから、この基地がこの位置にほんとうになければならないものか、あるいはこれだけの面積が絶対必要なのか、そういう点はいままでもよく検討しておられるだろうと思う。そういう中で四十四年度のそういう展望を、裏づけの予算等についてひとつ報告願いたい。
○山上説明員 基地のあり方の問題につきましては、これは従来から政府といたしましては米軍提供基地につきまして、その利用状況とかあるいは周辺に与える影響とかといったようなものを当然いろいろ調査いたしておりまして、その必要性等についても検討いたしております。これに伴いまして不要な基地の返還とかあるいは自衛隊への使用転換、また都心部にありますところの施設等の場合、必要に応じては集約移転というようなことをやってまいったのでございますが、来年度を含む今後におきましても、これら基地のあり方につきましては、そういったような面とともに、安保条約の履行の面におきますところの基地の必要性ということも十分勘案した上で、慎重なる検討を今後とも続けてまいりたいと思っておるのでございます。
 さしむき、来年度の予算でどういうような基地のあり方についての、というお話でありますが、いま申しましたような考え方を前提にいたしまして、基地の一部移転等の予算、これは返還になります場合は、多くの場合無償で返還ということも考えられますが、返還に伴って若干の代替施設をつくるということもございましょう。また移転という場合におきましては代替施設を当然設置する必要がございますので、そういったような、従来政府が予定しておりましたようなものを含めまして、明年度そういった予算を考えておる次第でございます。明年度の基地対策予算につきましては、単にそういった基地の整理というような感覚ではなくして、周辺対策ということに重点を置きまして、基地周辺におきますところの障害の防止であるとか、あるいは周辺住民の民生の安定であるとか、そういったようなことに主力を置きまして、あわせて、同時にそういった必要な集約移転等につきましても予算を計上するつもりでおる次第でございます。
○浜田委員 施設庁の長官の答弁だと、まあ周辺整備をやっておけばいいんだ、こういうようなお話である。私が最初質問したのは、増田長官ですが、たとえば九大の事件でも、すぐ板付の飛行場をどこに移転しよう、こういうことを発表される。たとえば王子の病院が町の中にあるとすれば、これはいかぬから郊外のほうに移転しよう、こう発表される。マスコミでいろいろ騒がれなければ問題を取り上げない。基地問題というものは、それ以外にたくさん問題をはらんでいるんですよ。じみに、むしろ住民が非常にがまんしておる個所、それはたくさんある。そうなると、あなたらの感覚でいくと、何とかマスコミでワァッとやったところだけは移転とか、そう言われる。さっきから言うように、移転で問題は片づくものじゃないのです。実際くだらないところにたくさん――具体的なことを言いますと、この臨時国会の十日間に、増田長官、あなた忙しいから見られないかもしれないが、毎朝国会議員には公報が参りますね。あの公報を見てごらんなさい。毎朝四カ所か五カ所、自治体からいろいろこの基地問題についての陳情なり請願があの公報に載っております。それだけ、今日ではイデオロギーじゃないのです。基地の周辺の人は、基地公害ということをいわれるのですが、それこそいろいろな問題に悩んでおるんですよ。だから、ただ騒音を防止したりして学校を建てかえるとか、そういうことでなくして、それこそほんとうに、この基地をどうするかという基本的な取り組み方をしなければならぬと思うのです。それからそういうものをやって、こぼれた分の基地周辺の整備ということにもなろうかと思う。初めから、ただ騒音じゃ、基地周辺の整備をするということで七〇年問題というものはなかなかおさまりはしませんよ、長官。そういう意味で、ただ出たとこ勝負で、あれがワァッとなったから、あれはこっちへ移転しろとか、移転しようと思うと、そこへ持ってくると人は必ず反対する、そういう基本的な問題として基地問題にどう取り組まれますか。今度は増田長官に質問します。
○増田国務大臣 私も基地の関係を担当調べておりまするが、今度総理の御指示がございまして、全国的に基地の総点検をするように、ここにおる山上施設庁長官にも指示をいたしたわけでございます。でございますから、浜田委員のおっしゃるように、時事問題になったときに限って防衛庁はこれを取り扱っておる、そうでなければ扱わないということはないわけでございまして、今度は総点検をいたしております。ただしかし、基地というものが果たす役割りが日本の平和と安全に寄与しておる、お互いに見えないけれども、今日の平和もやはり日米安保体制のもとにおいて築かれておる平和であるということだけは、一般民衆各位にぜひ御理解を願いたいと思っております。したがいまして、浜田さんの御意見に反駁するわけじゃございませんけれども、私は基地が三千坪よりは一万坪がいい、一万坪よりは十万坪がいいなんということは言ったこともないのに、そういうことをおっしゃちゃ困るのでありまして、基地は多ければ多いほどいいなんということは考えておりません。いま日本全体の面積は一千億坪あるのでございまして、一千億坪あるうち、占領解除直後は五億坪が米軍の施設並びに区域でございました。それが私が長官になった当時は一億坪になっております。それから東富士が返還されまして二千七百万坪返りましたから、いまあるのは七千三百万坪でございまして、漸次減るほうのことをこそ考慮すれ、また努力をしております。できれば、北富士もぜひ使用転換をして、そしてお互いに日本語のわかる同士で現地住民各位のしあわせのことも考えたい、こういうふうに努力をいたしておるわけでございまして、不要不急のものがあれば減らしたいというのが私の考えでございまして、ふやしたいなんという考えは毛頭ありません。ただ、基地が日本の平和と安全に貢献している点はお認めを願う――浜田さんが認められなくても、全国民にお認めを願うようにいたしたい、こう考えておる次第でございます。
○浜田委員 全国民じゃない――安保論争はまた総理でも呼んでやります。
 かつて、昨年のこの委員会で、私が具体的な問題を提起したことがあるんですよ。呉の広の弾薬基地が三千八百坪の中継基地でいいじゃないかと言ってこの問題を提起した。そうしたときあなたは、それは三千八百坪よりか一万坪あるいはいまの十二万坪がより安全でしょうから、私は必ずしもそれでいいとは思いません、こういう答弁をしておられる。それを引例して私いま言ったんだから、しゃべっちゃおらぬと言うけれども、しゃべっておられる。これは会議録にあるからそういうことは議論しませんが……。あなたは。何回となく坪数がこれだけ減っておると、こう言う。それは努力もあったでしょう。しかし、実際は東富士だって十年このかたほとんどろくたま使いもせぬものをあれだけ長いことほって置いておって、ほんとうはけしからぬと思うのですが、そういう例が全国にたくさんあるんですよ。いま例に言った問題でもそうです。たとえば広島の三つの弾火薬庫は、向こうのリバティーが来る、あるいはアメリカ商船が来る、そして海岸から四、五十キロ沖のほうに停泊する。それからはしけで海岸に揚げる。これが中継基地としての広弾火薬庫だという。それを揚げて、さらに今度はトラックで四十キロも六十キロも離れた弾火薬庫に県道や国道を通って運ぶのですよ。それからもう一つの秋月の弾火薬庫でもそうです。わざわざ船で来てはしけで運ばなければならぬ。こういうことをしなくても、無人島かどこかに一つこれにかわるものをつくれば船は横づけできるでしょう。そういう島にはたいがい喫水があるのですよ、深さがある。その設備さえすれば、いま言った秋月や広やそれから八本松、これは地図はこの前お見せしたですからよく頭に描かれると思うのですが、その三角の地点というものは必要ないでしょう。ないばかりじゃなく、アメリカも非常に節約になる。こんなむだなことをせぬでもいいでしょう。しかも弾火薬というものは戦争兵器ですよ。これは時間的にも、費用的にも非常にロスです。これが二十カ年間も放置されているのですよ。なぜこういうことが日米合同委員会で――私は具体的にお話しすれば、アメリカだって不必要な金を使わずして済むはずなんだ。あなたら駐留軍の労働者がドルをかせいでおっても、財源がないといってこのベース改定にしても、あるいは特別給付金にしてもなかなか増額しない。ところが、むだな金は何ぼでも使っているじゃないですか。アメリカにも使わしているじゃないですか。この業者は直接契約でやっておると思うのですが、全国的に調べると、こういうようなことがたくさんある。こういう点について、長官はただ全国的な坪数が、特に演習場みたいに何千万坪のものがふわっと返ってくれば、全国的にはこれだけ基地の面積が少なくなったのです、こう言っておられるが、実際はみな市街地で困っている。そういうケースがたくさんあるのですよ。それを長官、どう把握しておられるのですか。
○山上説明員 基地の問題につきましては、先ほど申し上げましたとおり、それぞれの基地につきまして、われわれといたしましてもでき得る限りそういった点について利用の状況であるとか、あるいは周辺の関係であるとか、そういったようなことを調査いたしまして、先ほども申し上げましたように、不要な基地の返還であるとか、あるいは自衛隊の使用転換その他都心部の集約移転というものを取り上げてまいって、これにつきましては、今後とも従来以上にその点について精力的に努力をいたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。ただいまお話のございました広地区の弾薬庫の問題につきましては、秋月は秋月としての貯蔵の目的を持っておりまするし、川上はまた川上としての貯蔵の必要性ということを非常に強く米側も申しておりまするし、これらにつきましては、弾薬の貯蔵ということは重要なる仕事の一つとなっておると考えられるのでございます。ただ、これに関連する広弾薬庫の一部等に遊休な部分も認められまするので、これらの一部の返還につきましては、私どもといたしましても米側と折衝を続けておるのでございまして、これにつきましては、当庁といたしましても最大の努力をしてこれの実現を期するようにいたしたいと考えておるような次第でございます。
○浜田委員 私は、いま増田長官によく聞いておっていただかなければならぬのは、ほんとうに全国的に調べてみると、安保論争は別として、日本国民として常識的に考えても、こんなにむだなところがある。それがあなたの感覚で、それは一万坪よりか十万坪のほうが安全だ、こういう感覚ならそれは別ですよ。それなら弾火薬庫なんというものはとんでもない。そういう考え方だったり、そういう感覚だったら、国道や県道を輸送させたら大ごとだ。しかし、そのときは危険ではない、たいしたことはないから運ばすのだ、こう言われるのだから非常に矛盾だらけだ。だから、いま私が言ったように、そういうふうに全国的にたくさんあるから、実際具体的に調査すれば、アメリカだって取り組むような問題がたくさんあるのだ。自分自身の節約になるのだ、今日ドルがどうだこうだといっているときに。だから、何か日本政府は非常に消極的な――それは弾火薬庫なんというものは再度接収しようとしてもできないから、できるだけいまの権利を保持しよう、こう言っておるのだから、そう言われたのではだめですよ。特にそういうところこそ自治体がみんな要求しておるのです。社会党が要求するのじゃないのです。自治体がみんな要求しておる。それにこたえるような具体的なものを持たねばいかぬと思う。しかも私は、たとえば昨年の委員会で指摘した。いま施設庁の長官は、基地返還の問題に非常に真剣に取り組んでおるのだ、こう言われる。昨年の十一月二十九日に、アメリカはある程度の条件を満たせば返すと言ったんでしょう。それから今日、年月たって、長いところは十年もかかったと言われるかもしらぬけれども、ああいうふうに十何年間も使わずして、不必要な遊んでおる面積がたくさんあるところですから、私は煮詰めるのにそう問題はないと思う。だから、今日までこの広弾火薬庫の一部五万坪が返ってこない原因がどこにあるのか、ネックはどこらなのか。増田長官はこれから自分が出て交渉すると言われたが、これはどうなっておるのですか。
○増田国務大臣 ようやく浜田君のお話わかりました。広それから秋月、川上のときの話を全般的に、普遍的なこととしてどうもお話を拡張されておるようで、それでは困るわけだ。広と秋月と川上のときの話で、堤防等がしっかり築いてあるならば狭いほうがよろしいということも私は言ってあるんですよ。そうしてあなたの御要望に応じて現在広は何万坪か返っておるんですから……。(浜田委員「いま返っておらぬですよ。取り消さなくてもいい、会議録にとっておるから」と呼ぶ)返りつつあるわけです。というのは、とにかくしっかりした堤防をつくっておけば――火薬庫というものは堤防がないと、爆発すると隣にたいへんな悪影響がいくからというようなお話の過程でそういうお話があったのです。ベースというものは広ければ広いほどいいということは、私は言ったはずがないのですが、ようやくわかったのです。
 そこで、元来基地ということばは、ほんとうに厳重に言うと、基地ということばは条約上はないのです。旧安保条約にはありますが、新安保条約にはないのです。それから交換公文の中に、いわゆるファシリティーズ・アンド・エアリアス・アス・ベ−シス、つまり区域と施設という字を使ってある。それですから、区域と施設という字になるべくしていただきたい。そうして、それをベースとして、基地として、そこで戦闘作戦行動をとる場合は云々というときに基地という字を使ったのでありまして、個人の軍人の住宅や軍属の住宅まで基地ということにしてあるのです。これは政府側もあまりほめたことではないので、われわれも反省しなければいけませんが、講和条約が発効したときには二千八百何十件あったなどというときには、横浜あたりの基地、個人のうち、住宅なんかまで基地として勘定してあるんで、米軍が行動し得るような、そういう用をなすものを基地と言うんじゃないかと私は思っております。そういう意味の基地であるならば、日本には十二、三カ所しかないと私は考えております。あとは施設や区域であって、たとえば王子病院は基地だといっても、あそこで戦闘作戦行動などはできやしませんから、とにかく条約上には基地ということばはございません。第六条に基づく交換公文で、極東の平和と安全を保つために、日本の基地並びに施設を基地として使う場合、こう書いてあるのであって、あの基地という字は、私はよく読んでみますと、やはり米軍が軍行動をとり得るような用をなす営造物というようなことではないかと私は考えておるのでありまして、これは話が余談になりましたけれども、基地が広ければ広いほどよいというようなことを言ったことは私はかってないのであります。そこでわれわれは、いまのところ百四十一件を基地と言っておりますから、一応私ども言わしてもらっておりますが、ほんとうは、国民に対する感情上、病院の敷地や個人の――個人のと申しましても軍人の住宅のあるところ、そういうようなところまで基地としておる。少しも飛行機も動かないし、ヘリコプターさえ着くか着かぬかわからないというようなところさえ基地にしてありますが、交換公文の精神から見て、いまの基地は交換公文に基地という字があるだけなんです。でございますから、これは何とかして区域並びに施設ということばをお互いだんだん使って、国民感情を逆なでしないように、やはり国民感情というものは尊重してまいる、こういうことが必要であるというふうに感じます。
 そこで、広と川上と秋月のことでしたならば、広は一応弾薬を運ぶ船のつくところでございまして、臨時貯蔵庫でございますから、これは狭いほどいいと私は思っております。でありますから必要最小限度にして、あとは川上、秋月は必要なようでございますから、広のほうは民生のほうに解放したほうがよろしい、そういう方向で進んでおります。もう返っちゃったかと思ったのでありますが、いま返っていないということであります。浜田さんの国会における多年の御発言はごもっともでございます。これは呉の市長の御要望でもございますし、地元の国民の御要望でもございますし、そこは一応臨時に荷を揚げる臨時貯蔵庫でございますから、できるだけ狭いほうがよろしい、安全度をはかりさえすれば狭いほうがよろしい、こう考えております。
 それからなお、秋月や川上に行くときには市街地を運搬することになります。でありますから、市街地ではいけない、バイパスをつくれという御要望はごもっともでございます。そういう方面に具体化しつつあるわけでございまして、だんだん御要望の線に沿っておるのに、なおしかられておるということはちょっと困るのでありまして、よくやっておるなというふうにおっしゃっていただいて、なおしっかりやれよ、まだやり方が足りないぞということでありますればありがたいのでありますが、何もしていないじゃないかという御質問は困るのであります。
○浜田委員 増田長官、新しい解釈を出そうとされておりますが、基地と言われるなら、国内に八つしかないとか、こう言われると、広の基地、ここは基地ですか、基地じゃないのですか。あなたの解釈ではどうなんですか。すわっておってもいいから言ってください。
○増田国務大臣 これは、国民に対するPR上必要だと思いますから私は申し上げますけれども、要するに、新しい安保条約には、旧安保条約と違いまして、基地という字を使っておりません。そこで、安保条約第六条を受けて、交換公文で、重要なる装備の変更、配置の変更及び区域並びに施設を基地として極東に対して戦闘作戦行動をとる場合には事前協議が必要である、そのときに基地という字が初めて出てくるわけでありまして、弾薬庫等を基地と言えるかどうかというと、弾薬庫が極東の平和と安全を保つための発進基地になるかどうか。その辺は、ちょっとまだ不明瞭な点があって私は答えかねるのですけれども、ただ、個人の住宅までいまは基地にしてあるのです。 (浜田委員「もっと具体的に答えなさい」と呼ぶ)私のほうも具体的に答えます。まず、病院とか個人の軍人の住宅等のあるところ、あるいは家族の住宅等のあるところまで、いまはみんな基地基地と言っておりますが、そういうところは基地というふうにはこれから言わない習慣にしていきたいと私個人は思っております。
○浜田委員 かみ合わぬのですけれども、そういう新しいあなたの解釈などは予算委員会等でやはりまた論議の的になると思いますが、この広の弾火薬庫からベトナムへ送るといって、がばっとベトナム行きの弾火薬を送っているじゃないですか。これはもう半年くらい前に新聞にもでかでか出ているのです。ベトナム行きの弾火薬の箱はちゃんとリバティーなどが入って送っておるのです。それをあなたの解釈から言って、それは、補給物資だとか、補給地だとか、これは事前協議の対象にはならないとか、いままでも議論したところなんですが、それが基地であるとかないとかいっても、国民はそんなことを絶対信用しませんし、当然基地ですよ。これは直接の弾薬で、しかも沖繩行きの標示がついているのだからね。あそこから弾火薬が積み出される。それをあなたがそういうことを言ったって、それは長官だめですよ。だが、あえて言われるならば、そこは、その施設・区域とか施設内とか、こう言います。米軍の施設内といってもかまわないかもしれぬが、そういうことは論議じゃないのです。問題は、いま具体的に申し上げたように、かつて三千八百坪でいいと言われた。中継基地だというのだから、十二万坪という膨大な土地が要るはずはない。昨年六月に私はこの委員会で論議したら、昨年八月には、アメリカは三十五年時点ではそういうことを言ったのだが、いまは違うといって白紙に返しているということを聞いているのです。だからほんとうに中継基地で、ただ荷物を揚げて一時的に置くだけならば要らないのだ。だから早く返還させなさい。たとえ一部であっても、確かに住民要求があって、県知事や市長もいろいろあなたのところへ陳情に来ているし、総理のところにも行っているのです。なぜこれはもたつくのですか。たとえばさっき一番先に質問いたしましたように、こういう次官クラスの会議がやがて来年に向かっていろいろな基地問題を討議する、その討議をするときに、一部返還というようなかっこうでするのではなかろうか。そんな政争の具に使われたのではいけないでしょう。必要ないときはすぱっと切る。これは在日陸軍司令部は、座間のほうはオーケーしているという。それで、府中の在日米軍司令部は、おそらくハワイの太平洋司令部のほうのオーケーもとっているであろうと思う。とらなければ、日本の条件は、これだけのめば返すというようなことは言えないはずなんです。これだけ条件をのんだら返還すると言う。その条件をのんだら文句はないはずだ。どうして返ってこないのですか。そういう展望の上に立ってみると、そういうものは、むしろ日米軍間の、わずかなことだけれども、一つの扱いにしよう、国民側から見ればそう勘ぐりますよ。そういうことを憶測せざるを得ない。そういう意味だよ。大体これはいつ返ってくるのですか。
○山上説明員 広の弾薬庫の一部返還につきましては、先ほどもお答え申し上げましたとおり、この返還につきまして政府としては昨年来努力いたしておるところでございます。この件につきましては、おっしゃるように、中にあります一部施設の移転等というような問題もございまして、それらについて下打ち合わせ的な了解というものはある程度すでにできておりまするが、本論のほうのそれを踏まえた全体の返還という問題につきましては、米側におきましてもこの検討を非常に急いで最大限の努力をいたすという回答も得ておる次第でございまして、これは米軍の内部において各機関がございますので、そういった関係の機関等の意見も照会し、そうして最終的な回答を出されるというあんばいになっておるのでございまして、これの回答を向こう側も急いでおるということでございまするから、そう遠くないときに返還されるであろうと私どもは期待をいたしておる次第でございます。
○浜田委員 まあそう遠くないといっているが、増田大臣、「今月末にも返還か」 「呉米軍弾薬庫の一部米側善処約束」こういう記事が出たりしておるのですよ。それが本委員会でもっともっと確信があることが言えないのかどうか。たとえば、さっき私が質問いたしました四十四年に向かっての基地の対処のしかた、その裏づけの予算等も報告されたりして、こういうことなんかもちらっとあなたがどのくらいでどうしておるということはある場所で発表しておるのでしょうが、なぜ本委員会でそういうことを言えないのでしょう。だから、できるなら来年の返還したり移転したりする基地の構想だけでもいいから――構想があるはずだから、それの裏づけはこういうようにやっていくんです、こういうことを国会であなたが言うのはあたりまえで、私はこれを要求しますよ。
○山上説明員 来年度の予算につきましては、まだ当庁といたしまして最終的に決定いたしておるわけではございませんが、来年度の予算の要求ということを事務的に大蔵といたす、これを八月末ということをめどに要求するという事務的な段階にございます。それに合うようにどの程度を来年度要求するかというようなめどの話をいたしたのでございます。そういったようなめどの全体の構想といたしましては、基地対策費というものを概略申し上げますと、四十三年度の予算が約百七十億でございます。それに対しまして私どもが要求したいと思っておるのは、来年度においてほぼ二百五十億ということをいま考えております。しかしこれは先ほどから申しておりますように予定であります。
 そこで、そのうちどういうものがあるかと申しますと、基地の周辺に対する民生安定等の施策の費用、これが前年度約百二十四億くらい、これに対して明年度は百七十二、三億、それからただいまお話のございました施設の移転の集約等の予算は本年度約十億足らずでございます。それを明年度においてはほぼ三倍の三十億程度に見たいというふうな考えを持っております。こういう中身はどうであるかということにつきましては、いままでの既往の計画を含みまして、たとえば横浜の住宅のリロケーションであるとか移転であるとか、あるいは王子、板付等の移転に伴うものであるとか、それからさらには水戸の移転の調査工事あるいは広弾薬庫の一部移転に伴う移転工事、こういったようなものを含んでおるような次第であります。
○浜田委員 さっきの増田長官ですが、まず昨年の本委員会で、あなたは、これから自分が先頭に立ってこの返還問題はやっていく、アメリカとも交渉する、こういうようにここで明確に答弁なさっておるわけです。その誠意が実っていろいろ
 一部返還の問題も出てきたと思っておりますが、これが本質的解決でないことはしばしば言っておるところです。そこで、さっき申し上げたように、近い将来と言われるが、近い将来というのは今月一ぱいなのか。大体目安も立つだろうと思うのです。立てなければいかぬだろう。この点から、たとえば今日もう大きな問題になりつつあるのですが、やはりどっと騒がなければそういう問題が解決しないのかということは問題がある。さらに、来年度に向けての基地対策の一環としてこれらを道具に使うのではなかろうかという憶測も生まれてくる。そういう点で増田大臣は昨年もそういう明確な答弁をされたので、ひとつ明確にその点は答弁をいただきたいと思います。
○増田国務大臣 私は、広はもう返っちゃったくらいに思っておったのですが、というくらいに誠意があるのだということを御了解いただきたい。そこで、まだ返ってないということは、私としては浜田さんに対して御答弁申し上げているように不本意な気がしております。でありますから、これは向こうの議長ウイルキンソン参謀長等に連絡いたしまして――もっとも私自身は司令官に連絡してもいいのですけれども、まあ少しなんでありますから、せっかく進行中でございますから、向こうの議長に私からもお話ししまして、もう私自身は返ったと思っておるのだ。五万坪ですよ。返ったと思っておるのだけれども、まだ返ってないということはおかしいじゃないかという意味の話を簡明率直にいたすつもりでございます。でございますから、明年まで待って選挙対策云々ということは、あたなも少し老婆心が過ぎやせぬかと思います。
○浜田委員 選挙のことじゃないのです。さっき言った次官クラスでも基地問題をやり、さらに七
○年問題で自民党はそういうことを考えるかもわかりませんけれども、社会党はそういうことは考えておりはせぬのだから。そういうことの取引にわずかな基地返還でも使われるのではなかろうか、こういうように憶測するのはあたりまえですよ。国民は特にそう思う。この議論はここでやめます。
 次に、そういう弾火薬の輸送問題というものは、全国的にやはり一つの大きな問題になっている。かつて山上長官は、この広は集散基地にはいたしません、なりません。長官も、院内の大臣室では、わが党の関係の国会議員が行ったときにもそのように言われた。ところが九州でボイコットを食ったのを広島県の呉に持ってきた。それを今度は九州に送る。これは例外だ、こう言われる。ところがさらにその後にもやはり運んでおる。そして池子にもやはり送ってきているのです。十二日、十三日は池子にも貨車で入ってきておる。こういうことをやられて、住民はだれが弾火薬の集散基地じゃないと思いますか。あなたらが当時指摘されたのは、広から八本松あるいは船で秋月へ揚げる、十一カ年間も使用しなかったのを使うのは四十キロも離れた国道、県道を通ってそこまで運ぶだけだ、こう言われた。ところが、しばしばそういうことをやっておる点からみて、集散基地には間違いないと思うのですが、本委員会でその点を明確に明らかにしてもらいたい。
○山上説明員 広弾薬庫はお話のありましたように、原則として川上弾薬庫に対するいわば、先ほどからお答えいたしておるのでありますが、輸送基地と申しますか、そこをもとにして川上庫へ運ぶということが原則であることにはいまも前も変わりはないのでございまして、ただやはり先回山田あるいは池子に運んだというのは、山田弾薬庫に積み込むはずでありました弾薬を荷揚げに際して故障がございまして――故障と申しますのはいろいろトラブルがございまして積み込めなかった。そこで、これをやむを得ず秋月に持ってきた。それをいわば臨時的、一時的の措置として、たまたま広から山田へ送る。そして池子と、それぞれの目的地へ持っていくということでございまして、これはあくまでも例外的な措置でございまして、原則としては先ほど申し上げておるとおり、広は川上への弾薬の輸送のための一時的な荷揚げ場、こういうふうに了承しておる次第でございます。
○浜田委員 さっき池子の例も言ったが、あっちもこっちも送っておるじゃないか、だから集散基地だ、こう言うんだ。あなたは基地じゃないと言われるが、それはどうかと言うんです。
○山上説明員 ただいま両方ともお答えしたつもりでおるわけでございます。
○浜田委員 そういうように呉の弾薬庫からあっちこっちへ持っていく、そこにおろしてそれからあっちこっちへやるんだから、そこが集散基地と思われるでしょうが。基地ということばは使わないと長官言うたが、弾薬をそこへ持ってきておろしてあっちこっちへ運べばそこが弾薬を運ぶもとになる。基地と言わぬでももとになる。そう思われませんか。その点思うか思わぬか回答すればいいんだ。
○山上説明員 今回の措置はあくまで例外的措置であって、山田には山田で揚げるということが原則である、こういうことを申し上げたわけであります。
○浜田委員 そうすると、池子に運んだのはどういうわけですか。
○山上説明員 池子に揚げるのは原則としては広ではございません。
○浜田委員 原則として神奈川県の池子に来るのを当然こちらでやるでしょう。ところが、呉で揚げて池子へ運んだり山田へ運んだりすると、呉が基地だ、もとだというのは考えられぬですか、現実にそれをやっていれば。あなたが言うように、池子へ持ってくるなら池子の近くへ揚げればいいんだ。ところが、それを広へ揚げて、そこへ持ってきたりしている。九州でボイコットされたとき、なぜ防衛庁は危険物の取り扱いはちゃんと協議しなければならぬように覚え書きでなっているのに――「米軍の火薬類運搬上の処置」で、「昭和三十五年の十二月の日米合同委員会において次のように合意された」となっている。そこの中では、たとえば、関門の海底の国道を通るときにはあらかじめ日米合同委員会において相互に同意されなければならない。以上の手続というのはちゃんとそこの事務所なりそういうものへ連絡してやらなければならぬ。ただし小火器弾薬類は別だといっている。小火器は、ただし書きのあとに、含まれないとはっきり書いてある。したがって、そういうものを運搬させるときには日米合同委員会で協議して、よろしいというときでなければ運搬させてはいかぬようになっておる。しかも関門でそういう事態が起きたら、日米合同委員会なり特に窓口の施設庁は、そういうことをやって呉へ持ってきて再度貨車にしても国道二号線にしても運ぶということはたいへんだ、日本国としてはそういうことは許せぬ、だからそこにおいてやはりいろいろ問題を解決してそこから揚げる、こういうように話し合いをなぜしないのですか。それがいとも簡単に持ってきてそこからやる。例外だと言うが、例外もこの日米合同委員会であなたらがやって取りきめをしている点から見ても、施設庁のあり方というものはぼくは非常に間違っておると思っているんですよ。当然そういうところの輸送というものはやらせてはいかぬ。どうしてもやるときには、それから先は警察で見るんだとあなたらは言うのだろうが、少なくともぼくは窓口の防衛庁、施設庁はこういうことをやらせてはいかぬ。そういうことを認めるから、それは例外だと言うけれども、そういうことになって集散基地になるのでしょう。この十二日にも運んでおるでしょう、総務部長。これは新聞にも載っておる。あれだけ騒動をしたりして、池子へは無事に着いたということがまた翌日の新聞には載っておる。それでも集散基地じゃないですか。増田長官どう思います。
○増田国務大臣 私は、川上等から山田へ運ぶとかあるいは横須賀の近くの逗子の池子へ運ぶというようなことは、住民に対する危険の上からおもしろくないと思っております。そこで過去のことはなんでございまするが、将来の問題といたしまして、池子の弾薬庫には池子に最も近いところへ荷揚げをするように、また九州の山田の弾薬庫は九州の海岸等で最も近いところに荷揚げをするようにということを、私からも厳重に申し入れをするつもりでございます。
○浜田委員 厳重に申し入れしても実行させなければだめですよ、長官。これは昨年の八月ですか、やったときには、けしからぬ、池子なんかへ運搬するなんてこれはもう何としても許せぬ、こう言われた。今月の十二日にやはり、今度は貨車ですが、輸送しているんだ。そうすると県や市や住民が集散基地にしては困る、あれだけの人が陳情に来て、施設庁の長官は、絶対集散基地にはいたしません、軍もそう言っておりますからと大みえ切ったんだけれども、その後もやっぱり集散基地化しているじゃないですか。またこれは問題になりますよ。
 そこで警察に今度は聞きますが、昨年の暮れにアメリカ軍が弾薬を陸揚げさせて、八本松は別としても、大体何回くらい陸上輸送しておりますか。特に三十五年十二月には日米合同委員会の覚書き等によって――私らが調査したのでは、国道事務所等にも連絡をとらずしてやって問題を起こしておるのですが、一方的にやっておるのですね。こういう点で、この輸送証明を出されるときにどういう確認でやっているか。この合同委員会で合意したときには、警察も、もちろん運輸省もタッチしておるわけですが、どういう扱いをされたのですか。
○海江田説明員 あまりこまかい数字は手元に持ち合わせておりませんけれども、広島県の例でまいりますと、米軍の弾薬を輸送したのは、トラックでは四十二年中が六件でございまして、七千九百五十七トンの輸送を行なった。これが警察に届けられておるわけでございます。四十三年は、現在まで、トラックでは十七件約五千九百トンくらいが輸送されたというふうに広島県の警察で見ております。なお鉄道輸送につきましては、四十三年の一月から現在まで――現在までといいましても、ちょっと最近の数字はございませんけれども、五件約七百五十トンほどを輸送しておるというふうに広島県の警察から報告を受けております。
○浜田委員 さっきも指摘いたしましたが、日米合同委員会で合意されたF項で、「火薬類、毒ガスおよび可燃物は、特に日米合同委員会によって承認されなければ関門海底車道トンネルを通って運搬してはならない。ただし小火器弾薬は日本道路公団関門トンネル事務所と協議して運搬することができる。」 こうなっているのです。小火器弾薬、なんかというものは除いてあるのです。弾丸つきのものは除くとなっている。その点御協議なさってやっておられるかどうか。
○海江田説明員 私どもの承っているところでは、この点については米軍との協議はしてなかったようでございます。
○浜田委員 なぜそういうことを聞くかというと、本来私は、協定自体が屈辱的な協定だと思っているのです。こういうものを結ぶのが根本的に間違っておると思うのだけれども、一歩下がってしかたないとしても、あるものを、そのように結んでおるのに、どうしてそれを実施し、かつアメリカにも実施させないのか。そうしないから、かりにないと思うけれども、横須賀付近や広島付近には核弾頭らしきものが格納されているんじゃなかろうか、あるいは格納され得るんじゃなかろうか、こういううわさが出る。大体何が陸揚げされてどういうものが納まっておるのかというような
 ことはどこでどのようにチェックするのですか。
 これは大事な問題だから増田大臣にお答え願いたい。
○増田国務大臣 こちらはチェックする機関はないわけでありますが、米軍は必ず良識ある行動をとっておると考えております。
 それから、あなたの御発言じゃなく、うわさとしてあなたが引用されただけでありまするが、そういううわさも私は聞いておりませんし、また事実として、核弾頭なんかを貯蔵しておるということは絶対にございませんから、このことを明確にいたしておきます。
○浜田委員 それは、二日ほど前に私のところにある人が来て、やはりそういうことを言われる。地元でもやはりそういうことを仄聞する。それはうわさにしても、ただ向こうの良心を信用するしかないんだ、アメリカの言うことしかないんだ、原潜のときもしばしばそういうことを繰り返しておられるが、しかし、弾火薬庫についてはチェックするのに何か方法があるでしょう。それを聞いているのですよ。ただ事前協議に関する事項は向こうを信用するしかないんだ、これでは国民は信用しやせぬ。何とかチェックする方法がありはせぬか。また、それをすることが国民に対する義務ですよ。
○増田国務大臣 日米両方の政府が交換公文を締結いたしておるわけでありまして、その中において、重要なる装備の変更は事前協議をするということになっておりまして、その重要なる装備の変更とは主として核兵器であるということになっております。いやしくも核兵器を貯蔵したりあるいは装備しようとする場合に日本政府の同意がなかったならば交換公文の違反である、すなわち、重要なる国際条約の違反になります。そういうことは、国際法を守る文明国家間においては絶対にないと私は断定できます。
○浜田委員 大臣はそう言われるが、たとえば国内法規も守らせない。さっき読み上げたように、そういう取りきめすらもあなたらは守ろうとしておらない。こういうことで、あなたは国際上のことが云々できますか。この日米合同委員会の取りきめを忠実に守らせておらぬじゃないですか。
○増田国務大臣 この輸送のことは、原則として合同委員会の取りきめがあって事警察関係になっていると思いますが、しかし防衛施設庁も窓口でございますから、施設庁を監督する防衛庁長官としても、十分に良識ある態度をとってほしい。すなわち、九州の弾薬庫には九州のほうで陸揚げすべきであり、逗子の弾薬庫には逗子の近所で陸揚げすべきである。これは励行させます。川上から汽車で陸送したとかあるいはトラックで陸送したこともありますが、だからといって、飛躍をされて核弾頭が貯蔵してあるといううわさを聞いておるけれどもそれも真実ではないかというような御質問をされるのは、浜田さんとして、国権の最高機関として、そういうことはちょっと飛躍に過ぎはしないか。あなたは良識を持っていらっしゃる。そんなことはうそだとあなたは心の中でわかっていらっしゃるのにそういうことを御質問になるのはどうかと私は思うのです。
○浜田委員 さっき警察庁に聞いたら、日米合同委員会で取りきめされたことも実行しておらぬわけですね。実行しておらぬでしょう。いまF項で読み上げたように。合意した後でなければ運搬してはいかぬようになっておるんですよ。また小銃のたまとか狩猟に行くたまとか、そういうのはここで除外してあります。ところが、少なくとも弾体の中に火薬を入れているたまはちゃんとそうしなければならぬようになっておる。しかしこれすらもあなたらは実施しない。そうするとチェックできぬでしょう。さらに、今度は輸送証明を警察が出そうとするときに、火薬類取締法で積み荷の状態や性能を調査するということになっておるんですよ。ところが、それすらもあなたらはやられないのだ。性能はチェックできぬ。ただ届けてきたらすぐ出して輸送させておるのだろうと思う。そういうことをするから、いまのこの取りきめなんかもやってはいないのだ。だからこの性能調査なんかをして初めて日本政府にかわって警察が輸送証明を出すべきですよ。警察庁にかわって地方の公安委員会が出すようにしないと、日本政府ではどこでチェックするか、こういうことになるのだ。それは事前協議にずっとさかのぼらぬでも、まだこまかい点でやろうとすればできるんですよ、増田長官。国内法あるいはこういう合意事項覚え書きに基づいてそれをやられぬところに、まだまだ事前協議のところまでいかないんですよ。それを指摘しているんだ、私は。こまかいようだけれども、こういうところからやって国民の疑問にこたえるようにならなければならぬのだ。どうですか、警察庁。
○海江田説明員 米軍の弾薬類の輸送につきまして、事前にどの程度チェックできるかについてでございますが、法律的に申し上げますとこれを徹底的にやるということはできないわけでございますが、現実には一般の要望等もありまして、私どものほうでも現地の各警察本部に指示をいたしまして、よく米軍なりあるいは輸送業者、国鉄等と緊密な連絡をとって、弾薬の輸送等にあたっては、内容その他について安全性をできるだけの方法を講じて確認するようにというふうに指示をいたしておるわけであります。一例を広島県にとりますと、広島県では現在米軍弾薬の安全取り扱い規程というような規程をつくっておりまして、それに基づいてできるだけ内容等についても聞き、かつ、たとえば砲弾等でございますと、信管をはずせるようなものについてははずしてあるかどうかについてよく質問をして、できる範囲内における安全措置を講じてやっておる状況でございます。
○浜田委員 時間がないからとっとっと走りますが、いま警察は、国内法上その方法がない、こう言われるが、取締法の十九条二項に「都道府県公安委員会は、前項の届出があった場合において、災害の発生の防止又は公共の安全の維持のため必要があると認めるときは、運搬の日時、通路若しくは方法又は運搬される火薬類の性状若しくは積載方法について、」云々とある。火薬類の性状というのは、たとえば米軍が米軍の車で運ぶときはこれなんだ。ところが下請に出しておるんですよ、日本の業者に。すると、日本の業者は適用外だとはっきり書いてある。そうすると、適用外はこれでいくんだ。これでいくとすれば、この二項でどうしてその内容や性状がチェックできぬのか。チェックするのがあたりまえじゃないですか。チェックして後に証明書を出すべきですよ。できぬことはないはずなんだ。どうでしょう。
○海江田説明員 火薬類取締法第十九条二項で、おっしゃるとおりそういう規定があるわけでございますが、この運搬の届け出の規定につきましては、届け出の性格、それから火薬類の包装等の関係からいたしまして、現実にはこれを強制的にあけて中を確かめるということはやや疑義があるように私ども考えておるのでございます。
 それから、いま御指摘の火薬類の性状につきましては、現在までのわがほうの解釈では、火薬類取締法に基づきます運搬に関する総理府令がございまして、この総理府令の第十五条に運搬方法に関するこまかい手続をきめておるわけでございますが、そこの第二項に、特にいわゆる火薬類の性状についての運搬の基準がきめられておるわけでございます。この法律にあります性状は、総理府令の第二項の性状をいっておるように私どもは解釈しておるわけでございまして、それは非常に爆発の可能性の強い起爆薬については、その性状を水を含ませて爆発の危険性をやわらげるというような措置を講ずることをここでは性状といっているというふうに、現在までの私どもの解釈ではなっておるわけでございます。ただ、法律的にはやはり内容を強制的にチェックすることについては若干疑義があるようでございまして、それとは別個に、現実の運営におきましては、各県警察において、できるだけ関係者に質問その他あらゆる方法で確かめることによって、内容の安全性に遺憾なきを期しておる状況でございます。
○浜田委員 八月に出しておる、アメリカと業者の請負契約の全文がここにある。そこの中で、翻訳してみると、危険物とは−危険貨物の輸送は契約の中にあるが、黒色火薬に爆薬、さらに模擬弾、同種のもの及び契約担当官が決定するその他の爆発物をいうと、こうなっているのだ。そうすると、実際どういう爆発物を積んでおるかというのは、これによってやるしか方法がないんですよ。ないでしょうが。さらにいまあなたが読まれたような総総理府令でいくのならね。その前に、この三十五年の取りきめによっては、どこが運ぶかまだわからないのだから、実際は。これによって、私は、日本政府はアメリカがはたしてどういうものを日本の国内に持ち込むのだろうか、あるいは運ぶのだろうか、運んだときに危険はないだろうか、こういうことをやるべきだと思う。ところが、やっておられぬという。これではいかぬですよ、ほんとうに。だから、実際どちらから見ても、真剣にぼくは日本側がそういうものをチェックして、安全な方法をとらすという姿勢でないような気がするんですね。警察だけではこれはきまらぬ。これを合同委員会できめたのは関係各省みんな寄ってきまっているのだから、そういうことをこれからはどうしてもやらなければいかぬ。いままでのことは責めませがね。特に窓口である増田大臣、きちっとこれからはやってくださいよ、いいですか。そこで、時間がないのですが、この請負契約に基づいていろいろ日本の政府は、日本の業者が元請をやり、さらに下請をやらしたりしておる。どういう業者で、どういう方法でということを、時間がないのでこまかい点はいいですから、大要だけをちょっと、運輸省のほうに報告を願いたい。
○渋谷説明員 現在九州にありますところの大豊商事が一括元請をいたしまして、それを、広島県の広、八本松につきましては地元の区域業者が大体八社でございますが、浜下運送外七社にその実際の運送をやらしております。
○浜田委員 浜下運送外七社という、これはほんとうに車を集めなければならぬような会社ですが、いまのこの元請がさらにこういう下請へ出してやったりしておること、それが運送法上合法的にやられ、さらにいろいろな事故、諸問題が起こる懸念はないのか、そういう点について見解を……
○渋谷説明員 この場合の大豊商事の立場は、道路運送法に定めますところの取り扱い業者でございまして、その、取り扱い業者が実際の運送業者に取り次ぎをすることは違法ではございません。
○浜田委員 この下請の浜下外七社の実態を御承知ですか。
○渋谷説明員 現在浜下運送外七社は大体車両二十五両をもって一日大体一回ないし二回の運送をやっておると承知しております。
○浜田委員 時間がないですから、この問題は後日に譲ります。これは今日問題になっているが、私が調査した範囲では、日通の下請あるいは営業権等、これらと同じようなケースがあるのではないか。だけれども、時間がないから、これはまた後日に譲ります。
 最後に施設庁にお聞きしますが、あなたらがいままで報告なり御答弁なさった中で、四十四年度に向けての基地の移動、さらに七〇年に向けての縮小、こういうことは、長官が幾ら安保に基づいて基地を提供し日本の安全と平和を守るのだと言われても、いなめないと思うのです。またそういう方向にいかなければなりません。さらにベトナムの和平交渉の経過によっては、この基地労働者の縮小ということが当然考えられます。今日この基地労働者がドルによってどうやっておるかということを説かなくても、施設庁の長官以下みんなよく御承知です。そこで、そういう趨勢の中で、これからの基地労働者に対して、当然失業が伴いますが、どう対処されようとしておるのか、特に特別給付金等の問題について、大蔵当局とももうすでに予算折衝に入る段階だと思いますか、どういうように対処される考えなのか。
○山上説明員 基地の今後のあり方の関連に伴って、そこで働いている者がどういうふうになっていくであろうかということにつきましては、現在、明年度直ちに非常な整理が行なわれるということは必ずしも予測する必要がないように思うのでございます。基地の今後の動きあるいはあり方、てれは非常に大事でございますが、これを前提として大きく整理されるというようなことは、明年度においては必ずしも早急に起こらないのではなかろうかというふうに考えられます。しかしながら、現在こういう基地労務者の離職に伴ういろいろな措置につきましては、ただいまお話のありました特別給付金等につきましては、現在の世間の一般的な常識から見ますと、必ずしも妥当でないような感も抱いておりますので、明年度につきましては、これを大幅に引き上げるというような方向で善処してまいりたい、また従来米側においても整理ということが起きておりましたから、明年度におきましてもあの程度の整理ということはあり得ると思います。その他の原因をもって整理されるというようなこともあり得ると思いますので、そういうような場合につきましては、これは特別給付金だけではなく、労働省ともいろいろ協議して、事後の就職対策その他について最善を期してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。また基地内におきます職業訓練につきましても、今後さらに強化をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○浜田委員 最後ですから……。
 山上長官の御答弁で、前向きで対処していただけると思っております。ただ大蔵省がいろいろなんだかんだよく言います。私もかつて十何年間この基地労働というものを組合長として扱ってきました。しかし今日実際この基地労働者がいかにドル、外貨を獲得しておるかということは、よく御案内です。さらにああいう不安定な労働で、かつて二十四年だと思いますが、初めて日本の国内法が適用になった。それから厚生年金なんかも掛け捨てになっている。そういう金というものはずいぶんですよ。この労働者が一番多いときは二十九万おられたのですから、外貨の面からいい、そういう掛け捨ての点、さらに今日は、基地は全国の自治体の長、県、市町村がみな問題点を政府に指摘しておる、だから勢いどうしても移転、縮小というものが起きてきます。それに従って失業問題も生じる。すみやかにこういう失業対策、特別給付金の問題、退職金の問題について――こういう人たちはお金はないのですから、確かにもう年齢が高いのですから、再就職というものはきわめて困難です。そうすると、こういう人たちの対策というものはいま申し上げた方法しかないのですから、これらについては増田大臣も真剣にひとつ取り組んでもらいたい、施設庁長官もむろんでありますが、政府一体となって善処するように、前向きで、ひとつ大蔵省にも強い意思を持って交渉していただきたいということを強く要望して終わります。
○三池委員長 この際、三十分間休憩いたします。
    午後一時十七分休憩
     ────◇─────
    午後一時五十九分開議
○三池委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続けます。武部文君。
○武部委員 私は、あとの私の本論の質問に関係がありますので、最初に防衛庁長官にお伺いをしておきたいと思います。
 防衛庁設置法第三条あるいは第二十条、この精神は、防衛庁の基本であるシビリアンコントロールの精神をうたったものだというふうに思います。長官は、現実にいまの自衛隊にこのシビリアンコントロールというものが定着をしておるというふうにお考えなのかどうか、最初にそれをお伺いしておきたい。
○増田国務大臣 防衛庁は、その創設の当時から、シビリアンコントロールの実があがるように設置法も自衛隊法もできておるのでありまして、その趣旨を徹底させるように、私自身自衛隊に対してはっきりした態度で臨んでおります。また、国会におきましても、国民の皆さまにわかっていただくという意味におきまして、わかり切ったことでございまするが、国会議員の皆さまの御質問に対する御答弁中において、そのことを明確にいたしておる次第でございます。
○武部委員 長官は、この朝日新聞が編集した「自衛隊」という本をお読みになりましたか。ごらんになったことございますか。
○増田国務大臣 それを通読はいたしておりませんが、ときどきは読んでおります。
○武部委員 この企画は、去年五十七回にもわたって朝日新聞が連載をした記事を収録したものであります。この取材にあたって、朝日新聞は強力なスタッフを約四カ月間自衛隊の内部に派遣をして、具体的に見、聞き、足で歩いて記録をしたものがこの冊子だというふうに私は見ております。また、五十七回の連載は、相当国民に自衛隊というものの存在を明らかにしたものだというふうに考えるのであります。たくさんの内容がありまして非常に参考になり、これをもとにいろいろ私も質問をしたいと思いますが、きょうは時間の関係で一つだけこれに関連をして質問をするのであります。
 先ほどシビリアンコントロールのことについて私が質問をしたのでありますが、この中に「背広の参謀」という一項目があります。そこに、いわゆる制服組の自衛隊の幹部がこういうぶっそうな発言をしておる。「有事、まっさきに内局を掃討することになるでしょう」一朝事あらば自衛隊はまっ先に内局を掃討する、こういうぶっそうな発言があった。そのあとに、かりに内局がなかったらどうなるかといって、今度はせびろ組の皆さんのほうは、「たとえば制服が直接大蔵着と予算折衝する。大蔵省はサジを投げる。力の強いものが勝ちますからね。あとは国会で軍人が国民の代表とわたり合うだけだ。」二・二六事件と一緒だという答弁をしたことがこの記事にはっきり出ておるのであります。
 私はこれをただ単なる架空な記事だとは思わないのであります。なぜならば、つい先日「週刊朝日」に陸上自衛隊の各務原の隊員、これははっきり名前が載っておりますが、これが投書をしておる。その隊員の投書は、いま私が読み上げたことに触れておるのであります。そこで彼はどういうことを言っておるかというと、この隊員は「自衛隊」という本も新聞も読んでおる。そうして、朝日新聞に自衛隊が特集されたが、その中で、私がいま言った、一朝有事の際にはまず内局を征伐する、こういった記事が載ったという記憶があるだろう、こういった空気、感情の流れが問題だ、自分は最初から自衛隊に疑問を持ち込んで入隊したものではないけれども、むしろ抱負と自信を持って入隊したが、月日の経過と内容を知るに至って疑問が出てきた、そしてその疑問は、明らかにいま私が言うシビリアンコントロールというものが制服グループの団結力によってものの数にもなっていないということを、自衛隊の隊員が投書しておるのであります。長官はシビリアンコントロールという精神が自衛隊に定着をしておるとおっしゃるが、こういう内容をお聞きになってどういうふうにお考えになるか、これをひとつお伺いしたい。
○増田国務大臣 御指摘の朝日新聞の記事というものは私はまだ読んでおりませんが、いつも国会において明確にしておるのは、シビリアンコントロールという字もほんとはないわけでございまして、要するに文官である。自衛隊の仕事は、旧軍的なものとは相当性質が違うものでございまして、でございますから自衛隊でございますが、しかし、いわゆるという字を使わしていただきますが、いわゆる軍令、軍政の最高の指揮監督者は文官である内閣総理大臣である。その背景に国権の最高機関である国会が、行政作用としての――自衛隊はいま行政作用でございます。この行政作用としての自衛隊の最高の指揮監督者は総理大臣であられまして、その総理大臣の背景に国権の最高機関である国会が監督しておる。これがシビリアンコントロールの実態でございます。
 それから、行政作用はピラミッド型になっておりまして、第一のピラミッドは内閣総理大臣でありまして、それの指揮監督を受けまして隊務を統括しておるのが文官である防衛庁長官であります。それから、私のところから今度はせびろを着ておる組と制服を着ておる組と分かれるわけでありまして、自衛隊法上は両方とも自衛隊員であります。ただ、制服を着ておる組は陸海空並びに統合幕僚会議に分かれておるのでありまして、私が総理の指揮監督を受けて部隊を指揮監督いたします。ユニホーム、制服を指揮監督いたします。その際にどういうような指揮監督をすればよろしいかということは、内局の事務次官あるいは政務次官あるいは官房長、局長等はそれぞれ所轄事項がありまして、その所轄事項に従って私が部隊を指揮監督する場合に補佐をするわけであります。
 そこで、局長あるいは内局の課長等がユニホーム、制服の上に位するというふうに一時誤解がございましたが、それは誤解は解いていただきたい。これは私は制服組に対しても言っております。要するに、文官である内閣総理大臣とその指揮を受けた防衛庁長官が部隊を指揮監督するのである。それは昔のことばで言えば、軍令あるいは軍政両方面についてやるのである。いまのことばでは、いろいろことばが分かれておりますが、運用とかあるいは運用以外の隊務というふうに分かれておりますが、その両方面について幕僚長を通じて部隊を指揮監督いたします。私が直接師団長あるいは自衛艦隊の司令官等を指揮監督するわけではございませんのでありまして、海上につきましては海上幕僚長を通じて自衛艦隊なり護衛艦隊をこういうふうに動けということも指揮いたします。こういうふうに教育しろということも指揮監督いたします。また、こういうふうな給与でやれ、こういうふうな人事をやれというようなことも指揮監督するわけでございまして、内局に人事教育局長がありますけれども、人事行政の部面について、各幕僚長並びに議長を指揮監督する際の補佐役を人事教育局長は果たしておるわけでありまして、よくシビリアンコントロールというとユニホームの上に思われがちでございまするが、ユニホームの上であるのは防衛庁の長官と内閣総理大臣である。また、その上に行政作用を憲法第六十六条の規定に従って指揮監督しておるのが一まあ監督と言ったほうがいいのでしょうが、監督いたしておるのが国会でございます。自衛隊法の中にも監督の規定はたくさんございますが、憲法六十六条に、行政作用は内閣これを担当し、国会に対して責任を負う、こういう規定もございまするし、それをまたふえんしたものが、自衛隊法の第七十六条によって防衛出動をする場合、七十八条によって治安出動をする場合等は、いずれも国会の事前承認のもとに原則として行動をする、やむを得なければ事後の承認である。治安出動は事後の承認でございます。いずれも監督の態様を示したものでございまして、態様の根本は憲法第六十六条にあって、国権のあらゆる関係において最高機関は国会である、つまり、国会並びに行政作用の首長がいずれもこれはシビリアンでございますから、皆さまも私も全部せびろを着ているわけでございまして、そのせびろを着ている者が自衛隊を指揮監督しておる、このことを忘れたのでは新自衛隊ではない、自衛隊というものはそういうものであるからして、旧軍的のものと性質が違うのである、これを心得なくてはいけないということを私は明瞭にいたしております。その他いろいろなことを言う者が内局抹殺論だとか、いま初めて聞きましたが、これは非常に不穏なことばでありまして、こういうようなことばやこういう現象がもしありとすれば、不心得もはなはだしいわけでございまして、許せない、こう感じておる次第でございます。
○武部委員 いまのお答えは設置法二十条の具体的な説明だと思います。
 それから、私が先ほど読み上げたことについては、一応そういう具体的な事実が国民の前に明らかにされたわけですから、このことについて一応触れて長官の見解を承りたかった、こういうことであります。あとで具体的にその事実を私は申し上げたい。
 そこで、まず最初にお伺いをいたしたいのは、六月二十九日に佐藤総理が参議院選挙の応援に九州に行って、その際に板付の代替地の問題について発言をされた。この六月二十九日の佐藤総理の発言は、板付の代替地は九州及び中国、その中には福岡、呉という管区の名前をあげて言われておるのでありますが、その対象は福岡、呉施設局の範囲である、こういうふうに発言をされたわけであります。その後、つい先日、増田長官が九州へ行かれて具体的にこの問題について市長と話をされた報道もされておるのでありますが、板付の代替地は一体どうなっておるのか、その点をひとつ聞かしていただきたい。
○増田国務大臣 板付の事故が起きましたのは六月二日でございまして、六月十一日に、ここにおります施設庁長官が日米合同委員会の政府代表の代理でございますので、私から指示をいたしまして、合同委員会に臨むにあたっては、板付は結果的に人家連檐の密集地帯になったのであるから、最初は過密地帯ではなかったのでありますけれども、結果的にそうなったのであるから、付近の民衆に迷惑をかけるという公算が非常に多くなった、特に九州大学、これもあとでできたわけでございますが、電子計算機の設置建築物に落ちたということはまことに申しわけないことであるからというので、これは私自身が申しわけないと思っておる意味でありますが、申しわけないことであるから、日米合同委員会に臨むにあたっては、板付は代替地があるならば移転するという意思表示をとってきなさいということを長官に私は指示をいたしたわけでございます。これは山上長官でございますが、山上長官もだいぶ粘りまして、結局、日米合同委員会の正式会議の際にこちらから質問した形にはなっておりますが、積極的にアメリカ側が板付の代替地があるならば板付は移転いたしますという答えをいたしております。これは一つの進歩ではないかと私は考えております。
 そこで、そのあとのことはまだいろいろ言われておりますが、すべてこれは具体化した問題ではございません。すべて検討中でございます。ただ、一つの標準があるのでありまして、それは、ものさしは板付の代替地ということでございます。所と場所を言えといわれてもまだ具体化しておりませんし、何々地方であろうという発言をされた方もありますが、防衛庁といたしましては、不規則発言も私はしなかったわけではございませんし、ちょっと皆さまに誤解を起こしたかとも思いますが、要するに、ものさしは板付の代替地をさがす、それで、その代替地が日米両方でよろしいと思えば必ず移転するということでございます。そこが中心でございます。
○武部委員 不規則発言をしておるのは佐藤総理なんですよ。あなたはそうおっしゃるけれども、佐藤総理は、代替地の対象は福岡及び呉とはっきり言っておるのですよ。代替地の範囲は九州に限るかとの問いに対し、福岡と呉の防衛施設局の範囲になる、こういうことを言っておるのは佐藤総理なんですよ。だから私はお聞きしておるのだ。それがまず第一点。
 それから、地元の了解なしには板付の代替地にはしない、こういう点はこの間小幡次官が答弁されておるが、その点間違いないか。
○増田国務大臣 武部さんにお答えいたしますが、私どもの側において不規則発言がございまして、御迷惑をおかけいたしましたが、と申し上げておるわけでありまして、武部さんの側においては何もないわけであります。私どもの側においてというわけでありますから、大体御想像がおつきに……。私を含めてであります。ただ、移転ということがアメリカから見れば一つの進歩である。代替地があればということで移転を取りつけたわけでございます。それからその代替地を得る場合には、ものさしは板付の代替地ということでございます。それから代替地を取得できるようなその前提として、あらゆる方面のコンセンサスが前提になっておることはお説のとおりでございます。
○武部委員 そうしますと、この三日、四日前に、あなたと同じ閣僚である赤澤自治大臣が松江で記者会見をして次のように言っておりますが、これも不規則発言ですか。「美保基地は自衛隊の国防基地であって、米軍が使用している板付基地と同様に論議することは間違っている。」「板付基地の代替地にするなどは断じてあり得ない。」テレビではナンセンスだと言っておりましたが、これも不規則発言ですか。
○増田国務大臣 主として私のということで、増田甲子七の不規則発言が御迷惑をおかけいたしましたが、こういうことを言っておるわけで、美保関の美保飛行場のことにつきましては、代替地とは考えられないのじゃないか。板付の代替地でございますから、板付の代替地というと板付の用法というものがおそらくあると思います。米軍から見まして、その板付の代替地というものをそう遠いところには一あまり近いところとなるとこれでまた問題を起こしても困りますけれども、板付の代替地というものさしである、こういうことで考慮検討すべきである、したがいまして、赤澤さんの発言等も真相に近い発言であると私は考えます。
○武部委員 そうすると、美保基地は板付の代替地としては不適格だし、板付の代替地として考えられない、このように理解してよろしゅうございますね。
○増田国務大臣 大体そうだと思います。
○武部委員 そこで、ひとつお伺いするわけでありますが、輸送航空団のある美保基地問題について、去年の七月四日、私はここで長官のおられる前でいろいろ質問をいたしましたが、第三次防の中に、一体この輸送航空団が設置されておる美保基地は将来どういう展望を持っておられるのか、それを最初にお聞きしたい。
○宍戸説明員 三次防におきましては、美保基地は現状のままを通す予定でございます。
○武部委員 これもまた一つの引用でたいへん恐縮でございますが、赤澤自治大臣のことを言わなければなりません。彼は同じときに、美保基地というものは自衛隊の内部では輸送基地なので廃止してしまえという意見があると言っておりますが、これはけっこうなことなんで廃止していただけるかどうか、これは現に現職大臣がはっきり言っておるわけですから、ここでひとつはっきりしておいていただきたい。
○宍戸説明員 自衛隊内部でそういう意見があることをわれわれは聞いておりません。そして現実の計画としましても、廃止する計画は持っておりません。
○武部委員 防衛庁長官、よくお聞きください。これははっきりとお見せしますが、ここへ出ております。これは二十日の新聞記者会見ではっきり言っておる。自衛隊の内部に美保基地はもう廃止してしまえという意見がある、こういうことを現職の大臣が記者会見で言っておるのです。ですから、私は単なる発言だとは思いたくないのです。いま防衛局長はそういう意見は防衛庁内部ではないとおっしゃるが、少なくとも現職の大臣が地元へ帰って堂々とこういう発言をしておるわけですから、この点について若干これから触れてみたいと思います。
 C46の飛行機というものはどういう飛行機であるかということは、去年も皆さんの口からいろいろ説明がありました。沖繩でC46のエンジンが片っ方海中に落ちた。そういうことから、C46の輸送機の使用を全面的に禁止をして、これを再整備をした。そして廃棄をしたものもあるようであります。そしてYSにかわっておる。こういう中で、部品の少ない、二十数年前からあるC46をこのまま輸送機として、また輸送航空団として御使用になる考えですか。
○宍戸説明員 輸送機のC46の事故につきましては御指摘のとおりでございまして、沖繩におきましてエンジンが落下するという事故がございました。それで、あの事故を契機としまして、詳しく試験をいたしました。その試験の結果、予想よりも若干良好でございまして、まだもう少し使えるという試験の結果が出ました。もっとも使えると申しましても、もともと御承知のように古い飛行機でございますから、だんだん移換をしていく運命にはございます。これに代替しまして、お話しのYS11等を若干ずつ増強をいたす。さらに近く、もう開発にかかっておりますけれども、国内開発でCXといっておりますけれども、次期輸送機を開発中でございますが、将来は自衛隊内部の輸送はこの国内開発の輸送機に期待する、こういうふうな計画を持っておるわけでございます。
○武部委員 結局CXの次期輸送機の開発をやって、C46の交代を逐次行なうというふうに理解してよろしゅうございますね。そうですが。
○宍戸説明員 大筋はそういうことでございます。
○武部委員 この美保基地は、戦後米軍に渡って、それから自衛隊にかわってきたという歴史も十分御承知のはずであります。去年の防衛庁の説明によると、いまの角度三十度振るということについて構想がある。滑走路がいたんでおるから、これを直す。したがって、滑走路を三十度振った場合には、千八百二十四メートルある滑走路が若干短くなる。その場合に、民間の用地を取得して滑走路をいまのままの長さに保つというようなことなのか、それとも三十度振れば短くなるのだが、短くなったままでいまの滑走路というものを使用するのか、こういうことを説明を求めておったわけですが。当時の説明では三十度変えることを予想しておる、滑走路を延長する考え方はいまのところない、そういう説明でした。三十度振った場合に、いまの基地内でその滑走路が千五百とれるというふうにお考えですか。
○宍戸説明員 三十度近く滑走路を振る問題、それから滑走路自体が古くなりつつありますので、それをさらに改善する問題、あるいは滑走路を振った場合に、若干現在よりも民間の所有地を取得しなければならないといったような問題がありまして、従来から検討していることは事実でございますけれども、現在まだ結論を得ておりません。来年度の予算要求の時期でございますけれども、実は来年度もこれを実施する予定にはまだしておりませんで、いまいろいろ申し上げましたような調査、検討すべき要素がたくさんございますので、さらにいろいろな角度から検討、調査を進めたい、こういうのが目下のところの態度でございます。
○武部委員 四十四年度に、三十度振った場合の滑走路の直線上の土地を約五万三千坪取得するという概算要求を防衛庁としては考えていない、そういうふうに理解していいですか。−そうすると、四十四年度には滑走路を振るということについては考えておるが、それに伴ってその突端の民間の土地を全然買収しなくてもいい、また買収する意思はない、そのように理解していいですか。
○宍戸説明員 少なくとも四十四年度予算におきましてはいわば調査をする段階でございまして、三十度近く振るかどうか、振った場合に必要と思われます民間所有地を買収するかどうかということは、四十四年度では実行するつもりは現在のところございません。将来はまだきめておりません。
○武部委員 昨年七月四日の内閣委員会、当委員会で私はこの写真を長官に示して質問をいたしました。当時の議事録を読んでみますと、このパノラマは、美保基地司令が独断でいまの基地をかってに角度を変え、滑走路を二千五百メートルに延長し、ターミナルを変え、中海を埋め立てをしてつくったパノラマである、このことについて防衛庁は、御存じかということを聞きましたところ、知らない。この内容についていろいろ当時の海原官房長からもお話がありました。また、私の同僚の大出君が地元の者を案内して皆さんのところに行ったところが、それはけしからぬ、そういう独断は許されぬ、よく注意をする、こういう答弁があったことも、私は当委員会で申し上げました。基地司令が独断で航空祭にこのようなパノラマを格納庫に陳列した、このことについて注意をされるとおっしゃいましたが、注意されましたか。
○島田説明員 当時、昨年の七月四日でございますが、当委員会で御指摘いただきました直後に、空幕を通じまして現地の司令のほうには指令が
 いっております。
○武部委員 注意のしっぱなしですか。
○島田説明員 そのときの注意の内容につきましては、若干、一年くらい経過しておりますので、調査いたしました結果では必ずしも明白ではございませんけれども、ともかく一般の周辺の方々に誤解を与えるおそれのあるような展示品については十分その取り扱いには注意をするように、こういう内容のことが伝達をされておるというふうに聞いておるわけであります。
○武部委員 ことしの五月十二日、この基地は十周年を迎えまして盛大な祭典を行なっております。奇妙なことに、今回は地元の社会党と称する県会、市会議員等は、全然これには招待といいますか案内はない、ことしに限って。もちろん私にもございません。自民党の代議士は出席をしております。私は招かれざる客ですが、国民の一人として現地へ参りました。ここに写した写真がございますから、これをよく見ていただきたい。去年のものを若干変えてはおりますが、もっと精巧なものになっております。これは去年のもの、これはことしのもの、きわめて精巧なもの。これが同じように今回も格納庫に陳列をされておった。そのそばにどういうものが陳列をされておったか、私はここに問題があると思う。なぜ長官に私がシビリアンコントロールのことを言ったか、これからが問題です。この大きな格納庫の中に去年と同様のパノラマが展示をされ、その横に、これからお見せいたしますが、こういうパノラマが陳列されておった。これは写真にとってきた。少なくともいまの美保基地は長い年月たいへんな紛争の中に十数年を迎えて、地元の住民の反対の請願が市会あるいは町会、村会等で決議をされ、また、自治法に基づいて請願署名が有権者の半数以上を越えて、はっきりと法律上そのような行為がとられておる。ところが、今回展示をされたパノラマに、かりにということが書いてあるけれども、これは明らかに――長官も美保基地を御存じだと思う。この間あなたはあそこへ立ち寄っておられるから御存じのはずだが、このパノラマはかりに近代防空戦闘を山陰に当てはめたらという仮定のもとに、美保基地にジェット戦闘機が配置をされてこれが飛び上がっている。安来にナイキアジャックスが配置されている。大山山ろくには防空指令所がつくってある。そしてこの説明がふるっておる。こういう説明をしておるのであります。洋上から敵機がやってきた。そのときにスクランブルで緊急発進をするのは、小松の基地と築城から飛び立つ。したがって、美保の上空でこれを落とすことになる。残敵は、このナイキアジャックスが残敵を落とす、こういうことになっている。もし美保の基地がジェット基地ならば、これを洋上で捕捉して全滅することができる、こういう内容の説明であります。ちょっとこれをよう見てください。少なくともいまの高尾山にあるレーダーサイトで、レーダーサイトのバッジシステムというものを確立して、防空指令所の指令に基づいて安来付近のナイキアジックスというものが一斉に活動を開始する。これなくして山陰の防空は成り立たぬ、こういうことなんです。長官、よく聞いてくださいよ。その横には、山陰の発展は美保空港からというまた一つのパノラマが置いてある。これは全く矛盾もはなはだしい。一体、あの後進地域といわれる山陰、鳥取県や島根県に、ボーイング727型の飛行機で何人のお客さんがこの山陰にやってくるのか、考えてもわかったことであります。いま山陰には鳥取空港、美保空港、出雲空港、隠岐空港、四つの空港がある。お客さんがなくて困っている。そういう状態なのに、ボーイングのジェット旅客機をこの山陰の空港に離着陸できるようにしなければ山陰の発展はできぬ、こういうことを言いながら、そのそばにはそのものがちゃんと展示をしてある。一体こういうものを国民が見てどう考えるか、ここが問題であります。去年あれだけのことを皆さんは御答弁になった。海原さんのことばをかりて言えば、お互いに相戒めております――何が相戒めておりますか。そういうことをまたぞろことし大々的に自分の一存で展示をして、国民の前に明らかにしておる。長官、どう思われますか。
○増田国務大臣 去年政府委員から答弁したことはそのとおりでございまして、私も、このごろ武部さんの御指摘のとおり現地に行ってみました。美濃部司令にも会いまして、この展示が不適当であった点につきましては申しわけないということを私に申しておりました。以後注意するようにということを、必ずしも大きい声ではございませんけれども、明確に指示しております。すなわち、シビリアンコントロールの実は上がっておるのでありまして、上がっておるということを申し上げておきます。
 それから御指摘の線は、美濃部司令の線は必ずしも正確でないことは、ナイキアジャックスというものはハーキュリーズにとってかわるわけでございまして、そのアジャックスをどこかほかで使うということはありませんし、美保関に持っていくということも考えておりません。
 それから空港、いわゆる私どものほうでは飛行場と言っております。御承知のとおり、自衛隊は飛行場、それから民間航空のときには空港と言っておりますが、この展示会は、民間空港のときにごちゃまぜにして、いろいろおもしろおかしくやっているのじゃないかという感じでございます。でございますから、展示会等をする場合には正確を期するようにということがやはり私の指示の内容でございまして、以上をもって私の一応まとまった御答弁といたします。
○武部委員 いまの答弁を聞いておりますと、小さい声でどうだとか、おもしろおかしくとか――そんなのじゃないのですよ、長官。私は十八日にこの司令に会いました。地元の代表と一緒に会った。どういうことを言っておりますか。はっきり、あなたにひとつお聞きいただきたい。防衛庁から注意を確かに受けました、ここまでは合っておるのですよ。しかし、自分は自分の考え方がある一いいですか。自分は自分の考え方がある、これは間違っていない、見解の相違だ、これははっきり言うのですよ。これは私だけではない。国会議員が三人おった。全部十人で私は美濃部司令と会った。はっきり言うのですよ。あなた方の注意なんというものは問題にしていないのですよ、この人は。全然問題にしていない。先ほど私が申し上げたように、この基地は長い変遷を持っておる。これはもう正確に、何月何日どの議会が反対決議をして請願がどうだったという資料をみんな持っておる。これを言ってもいいです。こういう県議会、市議会、町村議会の決議、あるいは地方自治法に基づく請願、こうしたものについても彼は信用しない。もう一ぺんひとつ問い合わせてみたい、はたしてそれがほんとうに住民の声なのかどうか、自分としては疑問だというようなことを言うのです。そういうことを言うような基地司令があっていいか。私は越権行為もはなはだしいと思う。そういうことを言って、彼は、地元の賛成が八割で、あなた方のような反対は二割だということを言うのです。はっきり言った。一司令がそういうことを独断で判断をしていいかどうか、私はたいへん疑問に思う。
 同時に、この機会に皆さんに言っておきますが、彼は何を思ったか、近ごろ地元の自治会の会長会議に自分から出向いて行って、防衛庁は基地周辺の対策費をこれから大いに出すから、要望があったらどんどん出してくれ、こういうことを言ってきた。それを聞いた者は、ははあ、きげんとりに来たなというふうに感じた、こう言うのです。
 また、私どもが行った十八日の前日の十七日の夜は、盆踊り大会を基地でやっておる。これは別に盆踊りをやったからいい悪いと言いません。そこへ地元の住民がたくさん参加をした。彼は特に発言をして、あれもする、これもする、こういう非常に大きな約束をしておる。こういうことが一連の動きとして去年からずっと続いておるのです。
 このような基地司令のあり方を、一体長官はどうお考えになるか。私が冒頭シビリアンコントロールのことを言ったけれども、現実に司令はあなた方から注意を受けたって、そんなことは馬耳東風、何とも思ってない。自分のやったことは正しいんだ、自分が責任をとるという。一体国会で、あなたがさっきおっしゃったけれども、去年ここでこれだけ論議をして注意をするとおっしゃったが、あとは自分の責任だから自分が責任をとる。現地の一司令がその責任をとって、それでこの国会の論議は済むというのですか。そのようにお考えですか。
○島田説明員 先ほどお答え申し上げましたように、昨年御指摘のありました直後、現地の司令には注意をいたしておるのでございますが、本年また再び同じようなことを繰り返してやったということについては、実は私ども自体としても、その注意のやり方につきましてやや徹底を欠いておったのではなかろうかという反省をいたしておるわけでございます。おそらく司令の気持ちでは、これはあくまで具体的な構想あるいは具体的な計画というものに基づいてのものでございませんで、あくまで夢の空港を考え、あるいはいろいろな条件を仮定いたしまして、もしこういう、たとえば防空戦闘の一例というものを山陰に当てはめてみました場合にはこういうことになりますよということを、そういう現地の実情に当てはめてみて、そういう問題についてのPRをする、こういうふうな意図が非常に強かったというふうに思うわけでございまして、そういう意味では、基地司令もそのこと自体が必ずしも越権行為ではないというふうに考えておるのではないかというふうに考えるわけでございます。
 しかしながら、これはそういう意図はともかくといたしまして、一度注意せられましたことにつきましてそれを再び繰り返すというふうなこと、それによりましてさらに住民の方々に誤解を招くような結果になりましたことは、これはまことに遺憾でございまして、そういう点は、さらに今後この問題の重要性を認識させまして、さらに指導を加えていくということを、われわれとしては今後のやるべき処置として考えておるわけでございます。
○武部委員 前回も皆さんはこれを非常に常識的にとられておったようであります。確かに善意であるということが言われたわけでありますが、善意であるけれども、それが国民に多くの疑惑を与えるようなことがあれば、これは慎まなければならぬ、こういうことをおっしゃった。夢ならば夢で、そんなこと自分一人で見ておればいいのです。かってにそうしたパノラマをつくって――ことしは特にひどいのです。司令はわれわれに対して、そのパノラマは距離感をみんなによくわかるようにしたいと思って自分はつくったのだということを言った。それならば、その模型がなぜ地元そのままのものを出しておるか、これには答弁がなかったのであります。距離感ならばもっとほかの方法があるはずです。たとえば音速がどのくらいだとか、いまの小松から飛び立てば何分かかるとか、あるいは築城から飛び立てば何分かかるとか、こんなことは図形の上においてできることなんです。距離感をあらわすのになぜ現実のあの地形そのものをそのままつくっておるのか、ここに問題があるのです。彼はわれわれの意向に対して、地元の反対は二割、賛成は八割、したがって、美保というものは、将来ジェット戦闘機基地としてはこれが正しいあり方だということを心中明らかに考えておると私は思うのです。そのことが口に出るのです。現実に地元の議会あたりの議決というものは全く無視をしておる。これから一。へん調査をしてみるとか、そんなものはあまり信用できぬとか、こういう暴言を吐いておる。基地司令として私は適任じゃないと思う。去年あれだけの注意を受け、ことしもできるだけわれわれの目から避けようとしておる。もちろん、われわれを招待しなかったことは何とも思いません。私は国民として堂々と見に行って、たくさんの事実を見てきたわけですよ。そして何回か基地司令と話をしておっても、不信感はぬぐえません。あなた方がいかにこの国会で答弁をされようとも、この制服組の――彼は大東亜戦争のときの隊長ですよ。経歴も全部調べてある。こういう人が、現実に地元の県民があれだけ長い紛争を起こして、今日注目をしておるこの問題について、独断であなた方に全然相談もしないで、そういうものをかってにつくって、何万人もの人間に見せるということが許されていいのですか。どうですか、長官、この基地司令は不適格として処置される御意向はありませんか。
○増田国務大臣 このパノラマの縮図は両方とも私は見ておりまするが、現地で美濃部司令に会ったときに、本人はジェット戦闘機のスクランブルの基地にするなんということは夢にも考えていないのであります。でございますから、それを現地の武部さんに、八割、二割の割合で戦闘機の発進基地としてあの基地が使われることを支持しておるということを言ったなんとは感じません。それからまた、上命下従の関係は、美濃部という司令は、私が見たところでは、きわめて規律を重んじております。悪かったならば私はかえてもいいのですけれども、私の見たところ、上命下従という規律の関係を生命よりもとうとんでおるという感じでございます。ことにナイキアジャックスを置くなんということは、これは本人の勉強が足りないからでありまして、ナイキアジャックスはハーキュリーズにとってかわったときにはもう影も形もなくなるわけであります。アジャックスが使えなくなったものだからそこへ置くというものではないのでございまして、アジャックスはたまもなくなりますし、ランチャーはハーキュリーズのランチャーに転用されるわけであります。ランチャーは相当利用できるのでございます。でございますから、いまランチャーのあるところにハーキュリーズが置かれる。それから、国会においていつも私は明確にいたしておりまするが、新設さるべきナイキハーキュリーズは北海道と京阪神と中京、名古屋でございまして、美保関のあの近辺等は夢想だも考えていないわけであります。ただ、このようなことになればナイキアジャックスはこういうふうな効力があるのだということを防衛思想を高めるような意味合いで一般民衆に示したのであるけれども、それがアブストラクトだったならばよかったのじゃないかと思いますが、美保という飛行場をとって言ったということはやはり誤りであると思っております。その点は注意を加えたわけであります。
 それから、美保は御承知のとおり輸送航空団の基地でございまして、それ以上のものにしようとはわれわれは夢にも考えておりません。ただ、あそこの進入路、それから発進したところがちょうど停車場の上になりますから、停車場の上になったのでは一般民衆に被害を与えるおそれもあるわけでございますから、そこで線を振りまして、停車場を避けてもっと直角に持っていく。そうすれば被害のおそれも少なくなる。その調査は本年度やる。調査ができますれば、いまのランウエーぐらいなものを、たとえば千五百メートルあるとすれば千五百メートルぐらいの滑走路はつくらなければならぬと思っておりますが、それ以上のことは考えておらないのでございます。
○武部委員 それじゃ最後になります。
 去年から今回にかけて基地司令のとったやり方、去年の皆さんの答弁から、今回やられた十周年記念のこのパノラマ、特に私がさっき皆さんにお見せしたようなことを独断で基地司令がやったということについては、これは越権行為だというふうにはっきり断定されますか。それでよろしいですか。行き過ぎだというふうにお認めになりますね。
○増田国務大臣 これは私どもが命令を下してあって、その命令に抗拒すると重大なる懲戒の対象になりますけれども、国防思想とか防衛展覧会とかいうもので、ナイキアジャックスなんかを撃てばこうなるのだ――最初は戦闘機が要撃いたします。それからその次にはハーキュリーズがいくことになります。最後にはホークがいくことに一応しかけはなっております――ホークのことまで書いてありませんが、ただ、現地をたとえにとってやったということ、この図を見ると、これは美保関がずっと出ておりまして、鳥取県から島根県の境のところにホークのある場所がつくってございますが、こんなようなことに現地をなぞらえたということはおもしろくない。もっとアブストラクトにやればよろしい。越権というものは、われわれが命令を下したその命令に抗拒した場合が越権でございまして、こういうことはおもしろくないから将来注意したまえという程度でよろしいのではないか。私はまたその注意を明確にいたしております。
○武部委員 私が言っておるのは、あなた方の命令にどうだと言っているのじゃないのですよ。去年も言ったように、この基地の変遷をずっと考えていただかなければならぬと言っているのですよ。長官は、自衛隊は国民に入り込まなければいかぬということをしょっちゅう言っておるじゃないか。地元でああいう長い紛争があって、二回にわたって滑走路の延長問題は――防衛庁は昭和三十二年と三十六年にジェット機を持ってこようとしたのですが、地元の議会や反対運動が強くて断念されたのですよ。そういう長い歴史があって、そして議会の議決も生きておる。世論もそうなっておる。にもかかわらず、今回赴任をしてきた司令が、突如として去年あたりから執拗にそういうものを出してくる。ここに問題があるのであって、これを言っておるのですよ。そうしてそれを国民の皆さんの前に展示して見せるということに問題があるじゃないか、こう言ったところが、あなたのほうは、そういうことは確かに問題があるからよく注意をするとおっしゃった。この司令は注意は聞きおく程度なんです。自分には自分の考え方があって間違っておるとは思わぬ、したがって、注意をうけたけれども、自分としては責任は自分がとるのだ――国会の皆さんの発言に対して、一基地司令が責任をとればそれで済むのですか。私が言っておるのはそのことを言っておるのですよ。どうですか、この点。
○増田国務大臣 過去において私の注意を受けて、本人はまずかったことを認めております。これから将来そういうことをしなくなる。こういうことで私はよろしいのではないか、こう考えておる次第でございます。別段、懲戒処分の手続をしなければならぬとか、あるいは転任さすべき問題であるとかいうことは考えておらないのでございまして、将来は気をつけますということを本人も言っておりますから、防衛関係の展示会をやりましてももっとアブストラクトにやるべきであるという見地については、武部さんと私と同じ考えでございます。
○武部委員 行き過ぎがあったという点についてはお認めになりますね。
 それでは、私は、きょうは時間の関係がございますから、進行に協力して一応これでやめます。まだありますから、この次までとっておきます。
○三池委員長 淡谷悠藏君。
○淡谷委員 さっき浜田委員の質問に答えて増田防衛庁長官は、基地ということばを全般的に使うのが適当だと思うと言われましたね。一体、長官の頭の中にはどういう基地が思い浮かばれていますか。どんなのを基地としていて、どんなのを基地としていないのか、具体的にお聞かせ願いたい。私のこれからの質問に関係がありますから。
○増田国務大臣 私は、いま基地のことを研究している人のことをお話ししたわけでございまして、まだ固まったものはございませんが、ただ、旧安保には基地ということばが明瞭にございます。外国に基地を与える場合にはアメリカの同意がなければいかぬという条約そのものがございますが、今度の安保には条約そのものもない。しかしながら、第六条の施行に関する交換公文にはございますが、それも区域並びに施設全部を基地としてはいない。区域並びに施設ならば全部基地かというと、そうではないように交換公文の趣旨から読めるように思いますということを私は答えたわけでございまして、ただしかしながら、日本の国内の法律には基地周辺整備に関する法律というものがあるわけでございます。でございますから、実はまだ、関係の条約上の附帯交換公文の基地と基地周辺対策整備法の基地とのカテゴリーとが、どうも両方とも交錯しているような感じでございまして、私の頭もきちんと基地のことをしていないわけでございます。
○大出委員 ちょっと関連して。
 それは困るのですよ、長官。基地周辺整備法だの対策整備法だの、かってなことを言われたのでは困る、あなたのほうが提案してここで審議したのだから。防衛施設整備法というのがありまして、基地ということばは使っていません。そこをきちっとしてください、長官ですから。
○増田国務大臣 取り消します。
○淡谷委員 これはときどき間違うことですけれども、明敏な長官がまだ頭が固まっていないと言うのですから、しばらく現在使っておることばに従って基地ということばを用いてかまいませんね。
 それでは、現在日本における米軍の基地として使えるものはどれくらいの数になって、そのうち、自衛隊が共同使用あるいは一時使用の名前で使っておる基地はどれくらいございますか、数だけでけっこうですから言ってください。
○山上説明員 施設及び区域として米軍に提供いたしておりまするのは現在百四十一でございます。そのほかに、七つの施設が自衛隊等の施設でございまして、これを米軍に一時使用さして、合わせますと百四十八でございます。百四十一の中で自衛隊等が共同使用いたしておりますものにつきましては、後ほどお答えします。
○淡谷委員 あとで答えてください。よく後ほどというと答えませんから、そういうことがないようにお答え願います。
 それから増田長官、しばしば長官をわずらわすのですが、米軍の基地が返還された場合に、いつの間にか自衛隊が入っている例が最近また起こっているのですが、東富士がそうですが、これはしばしば国会の審議の過程でお聞きしておるのですが、厳密に手続はとられていましょうか、また手続は一体どうなっておるか、これはもう再々起こってくるケースですから、あとで取り消しなどのないようにしっかりした手続をお聞きしたい。
○山上説明員 米軍提供施設につきまして、自衛隊が共同使用いたしておるものにつきましては、二種類ございまして、地位協定の第二条四項(a)によりまして、合同委員会を通じて双方に合意された上に自衛隊が使用しておる施設がございます。これが第一でございまして、そのほかに、米軍の施設内の管理権に基づきまして、地位協定で申しますと、第三条の管理権に基づきまして米軍が自衛隊に使用の許可を与えておるというものがございます。前者が約二十三、後者が約十五ございます。
○淡谷委員 これを私いまお聞きしておりますのは、米軍が日本へ返還した場合、自衛隊がそのあとへ入って使う場合がありますね。そのときの手続上のきめと申しますか、やられてきたこと、また本来かくあるべき姿というものはどうなんです。これは国有地の場合、民有地の場合、並びに国有地の上に存在する国民の権利に対してどういう措置をとられますか。
○山上説明員 米軍から返還を受けました施設を自衛隊に使用せしめるという場合につきましては、一応日本政府が返還を受けまして、そして国有地でございますれば、これは大蔵省普通財産に戻るわけでありますから、これをもう一度自衛隊が防衛庁に行政財産としての移管を受ける、あるいはその移管を受ける前に大蔵省から一時使用の形で承認を得て使用する場合もございますという形式手続を踏みます。それから民有地でございます場合には、民有に戻るわけでございますから、その土地の所有者と民事契約によりまして、必要な場合にはこれを買収あるいは賃貸借いたすというような手続を踏んだ上で、自衛隊の使用に供するという手続をとっておる次第でございます。
○淡谷委員 端的に申し上げますが、北富士のように入り会い権があるという主張をして訴訟になっておるような場合、その他、かつて米軍が使う前にその土地に対して縁故を持っておった人たちがある場合、これは国有地であっても処理しなければならないと思います。これを一切おかまいなしに大蔵省と防衛庁とツーツーでやるわけではないでしょう。大体そういう権利者に対しては十分納得を得た上で使うというふうに私たち理解しておるのですが、いかがでございましょうか。
○山上説明員 国有地の上に存在する入り会いの問題につきましては、昔からいろいろ議論のあるところでございまして、政府としては、入り会いというものを入り会い権というところまでは認めるに至っていないと思います。しかしながら、入り会いの慣習というものが古来からございますところにつきましては、これを尊重するというのが政府の考え方でございまして、これに基づいて補償その他もいたしております。したがって、東富士等の使用転換にあたりましても、これら関係者をもって組織した団体等と十分に事前に相談いたしまして、その方々の御同意の上で使用転換をはかったというような経緯もございますし、今後さうな場合におきましては、入り会いの慣行のある方々の御意見等も十分にお伺いした上でやっていくというようなことをいたしたいと考えておる次第でございます。
○淡谷委員 ばかに入り会い権と入り会い慣習にこだわりますが、これはどういうことでこだわるか知りませんけれども、古来からの慣習というものは、やはり法に先立っていい問題でしょう。ですから、入り会い権とは言えないが、入り会い慣習だというのは、用語からいっても、むしろ入り会い権よりも強いような慣習になっておるということは、これはおわかりの上での発言でしような。何か聞いておりますと、入り会い権ではあまり拘束されるので入り会い慣習というように言っておるようですが、この慣習については昔からきまっておりまして、古い封建時代からの慣習というものは全く法に先んじて重んじられておるのは、農地に関する法の習慣になっておると私は思っておりますが、いかがですか。
○山上説明員 ただいまもお答え申し上げましたように、国有地の上に存在するところのそういった入り会い慣習につきましては、十分に尊重してまいりたい、かように考えております。
○淡谷委員 そこで、具体的に、東富士は今度返還されて自衛隊が使っておられるようですが、これはどういういきさつで、どういう手続で返還になりましたか、お答え願いたい。
○山上説明員 ちょっと御質問の趣旨がはっきりいたしませんが……。
○淡谷委員 ではもう一ぺん言います。東富士は今度返還にきまったんでしょう。そして自衛隊が使っていますね。これは手続上どんなことになっておったのか、地元との話し合いはどういうふうに進んだのか、そういうことです。
○山上説明員 東富士演習場につきましては、先生よく御承知のとおり、従来地元から東富士の演習場は使用転換すべきであるという意見が強く出されておるわけでございまして、政府といしましては、この地元の要望にも沿い、かつまた現地の実態にも沿うように使用転換ということでずっと進めてまいったのでございまするが、この使用転換ということをどうしてやったかと申しますと、昭和三十四年であったかと思いますが、閣議決定で使用転換ということについて方針を政府できめております。それから自後、地元の関係者とも御相談し、また日米間でも交渉いたしました。施設特別委員会並びに日米合同委員会でのいろいろな協議を経まして、本年の七月十八日でございましたか、日米合同委員会におきまして日米両政府間が合意いたしまして、三十一日に使用転換ということを実施したわけでございます。
 一方、これの地元との関係でございますが、これは、日本政府に返還になったものにつきましては、防衛庁の管理、管轄する演習場にするというたてまえで、さらにたてまえとして、国有地につきましては、先ほど申し上げましたように、大蔵普通財産から防衛庁の行政財産に転換を受けまして、それから民公有財産につきましては、八月一日に、その所有者の方々と自衛隊並びに駐留軍が一時使用をするということを目的とした賃貸借契約を締結いたしまして、手続をいたしました。日米間におきましては、これを日本政府の防衛庁が所管する演習場として、そして米側にはこれを必要に応じ一時的に使用させる区域、すなわち、二条四項(b)に基づく提供、こういう合意が成立しておる次第でございます。さような手続を経て使用転換を実施した、こういうことでございます。
○淡谷委員 東富士は、以前から自衛隊が一時使用もしくは共同使用をやっておったのですか。
○山上説明員 東富士につきましては、地位協定の三条に基づく米軍の管理権によって、自衛隊が米軍提供施設を使用させてもらっておったというのが過去の実態でございます。
○淡谷委員 そうしますと、かつては米軍が管理をしておって、米軍の管理のもとに自衛隊が使っておった。今度は防衛庁の管理のもとに米軍が使った、こういうケースですね。地位協定の第二条四項の(b)というのは、御承知のとおり、「合衆国軍隊が一定の期間を限って使用すべき施設及び区域に関しては、合同委員会は、当該施設及び区域に関する協定中に、適用があるこの協定の規定の範囲を明記しなければならない。」とありますね。これですか。これは、防衛庁が管理して米軍が使うという条項ではないのじゃないですか。「明記しなければならない。」という条文で、さっきの御説明と合わないようですがね。
○山上説明員 この演習場を使用転換した目的は、過去の実態によりましても、日本の自衛隊のほうが使用頻度が非常に多く、米側の使用頻度が非常に少ないという実態もございましたので、かような使用転換をはかったわけでございまして、したがって、この演習場は、使用転換以後、すなわち八月一日以降は自衛隊がほとんど全面的に使うという演習場でございます。それで、米軍はときどき来て使う、こういうわけでございます。
○淡谷委員 そのときどき来て使う根拠はどこにあるかと私は聞いているのです。それをあなたは二条四項の(b)だと言うが、読んでみると、ちょっと違うじゃないですか。
○山上説明員 これは、「一定の期間を限って使用すべき施設及び区域に関しては、」云々、こう書いてありまするので、これに基づきまして、そういった施設についてはこの地位協定を適用するということを双方で合意したわけでございます。
○淡谷委員 さっき、米軍と共同使用しているのは百四十一で、自衛隊が管理して米軍に使わせているのは七つと言いましたね。それは全部こんなケースですか。一体、防衛庁が管理しているものを米軍に使わせるという法的根拠はどこに基づいているのですか。いまの二条四項の(b)ではちょっとわからぬですよ。これはどう読んでも、防衛庁が管理してそれを米軍に使わせていいといったような条項ではないでしょう。俊敏なる長官、どうですか。この条項でそんなことが出てきますか。
○山上説明員 百四十一のほかの七つの施設につきましては、これはたとえば名寄の演習場であるとか、あるいは大分県にありまする日出生台の演習場であるとか、大きな演習場はこういったものでございますが、そういったものは自衛隊の演習場でございます。しかしながら、米軍もときどき使いたいというようなことでございまするので、そういうことについて、この(b)を前提にいたしまして、日米間で合意してこれを使用せしめている、こういうことでございます。
○淡谷委員 それでは、米軍から自衛隊の演習場を使わせてほしいという申し入れがあった場合に、防衛庁が単独でこれを承認もしくは拒絶する権限はないのでしょう。その点はいかがですか。
○山上説明員 これは正式な日米合同委員会の合意に基づいてやっておる次第でございます。
○淡谷委員 それでは伺いますが、七つはどこどこです。
○山上説明員 先ほど申し上げた名寄の演習場、日出生台の演習場のほかには、ただいま問題となっておりまする東富士の演習場、そのほかに長浜の小銃射撃場、それから長崎県の早岐の小銃射撃場、それから福岡県の桜谷小銃射撃場。
○淡谷委員 それで六つですね。
○山上説明員 小さいものですからちょっと申し落としました。キャンプ王子の――というとおわかりにくいかとも思いますが、その隣に自衛隊の武器補給処支処がございます。そこの通行のための共同使用でございます。
○淡谷委員 たいへんくどいようですが、その七つの土地についての日米合同委員会の合議が成立した年月日をお聞かせ願いたい。
○山上説明員 ちょっと手元に委員会成立の日取りがございませんので、閣議決定の日取りでごかんべん願いたいと思います。
○淡谷委員 これは重大なことですからね。少なくともあなた、防衛庁では単独にはできないと言ったでしょう。日米合同委員会の合意によってはじめてできると言いましたね。それならば、記録に日米合同委員会が合意をした日ぐらいを記載するのは当然じゃないですか。これは幾ら小さかろうが大きかろうが、日本の国土ですよ。それを米軍に使わせるわけですからね。何らかの根拠がないとこれは納得ができないです。
○山上説明員 後ほどお答えいたします。ただいま手元に資料がございません。閣議決定の日取りでございましたら明確な日取りがございますから、それでよろしければお答えいたします。
○淡谷委員 いや、閣議決定の日を聞いても何にもならぬ。
 そこで長官、ひとつお聞きしたいのですが、米軍の管理している場合の管理権というものはどの程度までこれは及ぶものですか。そしてまた、米軍が使っているときに、自衛隊がこれと共同使用もしくは一時使用をした場合に、米軍の管理している演習場の管理権は自衛隊に移りますか、移りませんか。
○増田国務大臣 詳細にはわかりかねますが、米軍に施設並びに区域を供与した場合には、軍が管理することになります。その管理の範囲がどのくらいに及ぶか、おそらく入り会いの慣行等を米軍がどのように尊重するかという問題だと思いまするが、これは米軍が管理しておる米軍の演習場、すなわち区域あるいは米軍の演習場の中の施設がございましょうけれども、入り会いの慣行は尊重すべきである、こういうふうに米軍には対しております。それから、わが自衛隊がときどき使用させてもらう北富士がよい例でございますが、米軍の管理のもとにわが自衛隊が演習場として使用させてもらうわけでございます。もっとも、その中にちょっと徹甲弾云々という向きのものがございますが、それは……。
○淡谷委員 そこまでいかなくてもいいです。それはあとで聞きますから……。そう早回りしてはいかぬ。頭がいいから先回りしていっては……。
 それではお聞きしますが、この前の参議院の答弁を聞きますと、一時使用でも管理権が自衛隊に移ると言っているのです。河藤さんという人ですがね。これは間違いでしょう。どうも読んでみるとそうとれるのですがね。ついこの間、北村暢さんの質問に答えていますが、これは長官と違った考えで答弁したらいかぬですよ。読みますか。
○増田国務大臣 私も民法上の法則や何かの常識から答えているのでありまして、河藤君は参事官でありますから、どういうふうな意味で答えたのか存じませんけれども、北富士の例で申しますならば、北富士の管理は、特別な場合を除きまして、一般的に米軍が管理しております。そのときに、日本の自衛隊が演習に使用させてもらう場合には、一時的でも日本の管理に移るというふうには考えられないのでありまして、管理権全体が米軍にある。しかし、一時的でも演習というような行動をとる場合のその行動というものは、自衛隊の行動であるというようなことを一つまり、行政作用としての行動であるというようなことを言ったのではないかと思いますが、なお読んでいただくと、私もお答えが楽でございますから、読んでいただいてけっこうです。
○淡谷委員 少し読みましょうね。二、三カ所に出ているのですが、こういうところです。「北富士演習場の中には、御承知のように、徹甲弾の射場がございます。そこは現在地位協定の二条の(a)によりまして、自衛隊が共同使用をする、一時使用をできるようなことになっております。その施設の状況管理というものも警備課の職員の使命になっております。」こういうのですがね。「状況管理」ということばを使っておりますが、この「状況管理」と管理権の関係はどうなるのですか。
○増田国務大臣 こまかいことはひとつ政府委員からお聞きを願いたいと思いますが、私の聞いている範囲では、徹甲弾の試射場の範囲の七万平方メートルくらいは自衛隊が管理をしておる。北富士全体は米軍の管理でございますが、その中を取り上げた徹甲弾試射場は自衛隊の管理である、こういうふうに聞いておる次第でございます。
○淡谷委員 ますますこれはおかしいのですがね。それじゃ共同使用の場合でも、一部は自衛隊の管理になり、一部は管理にならぬということもあるのですね。それじゃ完全に使用転換と同じじゃないですか、管理が移るならば。
○増田国務大臣 私の聞いている範囲では――数が間違いました。七万じゃございませんで、四万でございます。四万二千平方米ですかが日本の自衛隊の管理に――北富士全体としては米軍の管理でございますが、そのうち、徹甲弾の試射場だけは自衛隊の管理に現在もまたあるわけでございます。
○淡谷委員 これは北富士、北富士と長官はばかに気にしますけれども、たくさんある基地の中の一つの例として北富士を申し上げているのです。これは基地全体の問題です。それじゃ米軍の管理権のもとに自衛隊に一時使用させた場合に、いつの間にか使用転換が始まっているということもあり得るのですね。これは重大なことですよ。普通ならば、使用転換は日米合同委員会が同意しなければならない。それを、米軍が自分の管理権のもとで、いつの間にか自衛隊がその管理を引き受けて、事実上の使用転換をしているということになりますが、これでいいのですか、今後。
○増田国務大臣 私は常識でお答えしておるのですから、法律的には必ずしも正確を欠くかもしれませんが、東富士の例で申します。東富士の使用、転換の問題。使用転換の問題は、米軍の管理でございましたが、しかし、わが自衛隊は相当使わしてもらっております。使わしてもらっておる間においては、事実上――法制上ではございませんよ、事実上の管理のような実を行なうということは従来ともいたしておりました。でございますから、北富士の関係は、法制上の管理権は米軍にあるわけです自衛隊の演習の間においては事実上の管理というようなことをいたしておりますけれども、しかし、それは管理権とは言えないと思っております。ただ、徹甲弾試射場の四万平方メートルだけは別でございます。
○淡谷委員 これはやはり将来非常に大きな問題になりますからね、常識で言ってもらいたくないのです。やはり増田長官は閣僚の一人として、私は国会議員の一人として、はっきりした法的な根拠に立って問答したい。国土に関する問題です。米軍が管理している間に、いつの間にか管理権が移って、そして自衛隊が今度はそれを管理するということになってくれば、これは全く何らいまの法規等に対する責任がないじゃないですか。一体、長官の言う常識的な管理と、法律上の管理と、どういうふうに違っていると思っているのですか。私は、やはり管理という以上は、何か事故が起こった場合の賠償責任なり、あるいは民事訴訟でもあったら民事訴訟の責任なりを引き受けなければ、これは管理とは言えないと思うのです。あるいはさまざまな事件が起こった場合に、警察権の問題もあるでしょう。たいへん違いますよ。自衛隊が管理する場合と米軍が管理する場合と、法的に違うでしょう。そう思いませんか。これはやはり常識や何かでなくて、はっきりした法に基づいた御答弁を願いたい。これは全国の基地に起こる問題です。もしいま御答弁できなかったら、私は質問を保留しますから、あまり答弁が違わないようにしてやってもらいたい。
○増田国務大臣 条文上のことは政府委員がお答え申し上げますが、私が常識上と申しましても、法制の上の常識でございます。でございますから、単なる世の中の常識というわけではございませんので、米軍に管理権のあるところを日本の自衛隊が使用さしてもらっておるという場合には、その演習等の間において事実上の管理行動をりる。しかしながら、これは法制上の管理権とは言えないと思うが、事実上の管理的の、米軍の管理権下における管理上の行動をとるということは、自衛隊の演習を遂行するゆえんでございまして、そうでないというと、何もできないということになってしまうんじゃないかと私は考えます。でございますから、単なる常識と法律とを分けて、その常識というわけではございませんので、法制上の常識であります。条文のこまかい点は政府委員が根拠をお示しいたします。
○淡谷委員 これはしかし重大な御答弁ですよ。法制上の管理と常識上の管理と違うなんという考え方はとんでもない話ですよ。あくまでも常識は法令に基づいた正しい解釈でなければならぬ。常識の解釈が法令の解釈と違っておったらどうしますか。矛盾が出るのは当然でしょう。ひとつ伺いましょう。
○江藤説明員 米軍に提供しておる財産は米軍が管理権を持っておるわけでございます。その管理権の範囲内におきまして、自衛隊がこれを一時使用の承認を得て使っておるわけでございますが、その一時使用を受けておる段階におきましては、
 一時使用の期間中においては、委任管理を受けて自衛隊がその施設の管理をやっておる。ただ、先ほど御指摘のありました北富士の徹甲弾試射場につきましては、約四万二千平米ございますが、これは正式に日米間で自衛隊が徹甲弾の射場として使うという合意をいたしておりまして、二条四項(a)でございますが、正式に合同委員会で合意をいたしまして、それを自衛隊が管理し、使用するということになっております。同時にまた、国有財産法の関係におきましては、財務当局と打ち合わせまして、大蔵省から正式に、その財産につきましては自衛隊がこれを、国有財産の使用でございますが、一時使用してもよろしいという承認を得て、現在国有財産法上からいって自衛隊が管理をいたしておるという施設でございます。
○淡谷委員 長官、いまの御答弁、あなたの常識に合いますか。一体、日米合同委員会が徹甲弾の試射場というものを自衛隊の管理に移すというならば、これは使用転換じゃないですか、そこに限って管理権を移すという。また、それで二条四項の(a)というのは、「合衆国軍隊が施設及び区域を一時的に使用していないときは、日本国政府は、臨時にそのような施設及び区域をみずから使用し、又は日本国民に使用させることができる。ただし、この使用が合衆国軍隊による当該施設及び区域の正規の使用の目的にとって有害でないことが合同委員会を通じて両政府間に合意された場合に限る」となっておるのであって、依然として管理権は米軍にあるじゃないですか。ちっとも管理権は移っていないじゃないですか。管理権とは一体何だと思っているのです。その土地において起こったことの一切の責任を究極的に自分が処理するのが管理権でしょう。あそこの射撃場で起こったいろいろの事件は一体どこへ持っていけばいいのです。米軍に持っていくべきですか、自衛隊に持っていくべきですか。
○江藤説明員 先ほどの四万二千平米程度の徹甲弾の射場は、この二条四項(a)によりまして、現に米軍がその地区をあまり使用していないので、自衛隊がそこに射場をつくって使用したいということで、日米間で合同委員会の席上で正式の合意を得まして、使用しております。ただ、この北富士演習場は、全般としましては米軍に提供しておる区域でございますので、もし米軍がその射場の地域も含めて演習したいということになりましたならば、もちろん米側の管理権は優先するわけでございますので、その意味におきましては、自衛隊の管理権というのは、ある程度制約を受けておるということになるのでございます。
○淡谷委員 あなたの解釈はおかしいですよ。長官、お聞きください。たぶんあなたの常識でも許さないでしょう。北富士演習場は米軍が管理権を持っておって、その全体の一部分だけは自衛隊が管理権を持っておる、そうじゃないでしょう。二条四項(a)というのは、明らかに管理権の移動はしないですよ。これはさっき長官の答えたことが正しい。二条四項(a)による一時使用によって管理権が移るはずはない。これは一時使用ということでこれが移るということになったらとんでもない間違いですよ。どう思います。長官、お答え願いたい。
○増田国務大臣 徹甲弾射場の四万平米というものは、おそらく合同委員会によって使用転換がこちらになされているのではないかと思いますが、その点が参事官の話と食い違うのでしたら、なお勉強してお答えいたします。
 要するに、こちらに使用転換がされておる場合には、正規な管理権が四万平方メートルについてはあるわけであります。それから四万平方メートルを除いた七千万平方メートルくらいのものは、米軍の管理権でございまして、その七千万平方メートルの北富士演習場全体を使わしてもらうことはあります。全体を使わしてもらう場合には、その使う範囲において事実上の管理行動の補助行動みたいなものをとるということが法制上の常識上考えられなけば、演習なんかできるはずはないのです。つまり、営造物全体を一時でも使わしてもらっておるときには、営造物全体について一時管理権者のもとにおいて管理行動をとっておる。つまり法制上ではない、法律上ではないし、条約上ではないかもしれぬけれども、その条約の権利者の管理権の下請のような形において事実上の管理行動をとっておる、そうでなかったら演習なんてできっこないのですから。営造物を使うことも演習です。そういうことが法制常識として考えられる。こういうことはお互いにやはりそういうことをだんだん対話をしつつ進めたほうがいいんじゃないでしょうか。あまり私は条文のことを申しませんけれども、一時使用という場合には、御指摘の使用転換がなされていない場合には。やはり管理権は向こうにあると思います。二条四項の(a)についてもですね。しかしながら、使用転換がされておるならば、堂々たるこちらの管理権のもとにおけるこちの管理でありまして、四万平方メートルを除いた七万平方メートルの演習をさしてもらう、アメリカ軍から日本の自衛隊が一時やらしてもらうというのは、やはり二条四の(a)ではないか。その場合の管理権はあるかないかというと、私は法制上は管理権はないと思います。ただ、事実上は管理をしつつ使わなければ使えないから、そうでなかったら不法侵入者ですから、管理をしつつ使う。演習をしている間は事実上の管理行動をとっておるものである。しかし、それは米軍管理権のもとにおける管理行動を日本自衛隊がとっておる、こういうふうに観念すべきものである、こういうふうに考えます。
○淡谷委員 長官はいま、使用転換の日米合同委員会の合意ができているんじゃないかと言われましたが、使用転換の日米合同委員会はやっていないでしょう。江藤参事官、どうですか。
○江藤説明員 先ほどお答え申し上げました四万二千平米、徹甲弾射場につきましては、完全な使用転換をしておるわけではございません。ただ、二条四項の(a)によりまして、そこに自衛隊の徹甲弾の射場の施設をつくりまして、それを自衛隊が使用するという合意を得ておるということであります。
○淡谷委員 これは大事なことですから詰めておきますが、このとおり使用転換はなされていない。あくまでも二条四項の(a)による一時使用、共同使用、使用、この場合は管理権は移らないのですよ。移らないということははっきりいまも言ったとおりで、移っているというのは誤りでしょう。これをはっきりしていただきたい。法治国ですから、思うとか常識だとかいうことは許しません。これはやはり法に基づいて御答弁願いたい。法に基づかないでやったらたいへんなことになりますよ。これは一体どうなんですか。
○増田国務大臣 私は、条約その他協定の条文は知りませんけれども、法に基づいた常識として御答弁しておるのでありまして、条約、協定あるいに法律あるいは施行令、施行細則等も読むときには、淡谷さんもぜひ論理的に読んでいただきたい。このことをお願いしておきます。あまり文理的に読まないようにお願いしておきたいと思います。
○淡谷委員 せっかくそうおっしゃるのですから、どういうふうに読んだらいいのでしょう。論理的に読む場合、「合衆国軍隊が施設及び区域を一時的に使用していない」というのは、論理的にいえば、いま使用してないでしょう。それをいま自衛隊が何に使おうが、一時使用をさしてもらうんでしょう。あくまでも二条の四項は論理的に読めば読むほど、米軍の管理権のもとにおいて自衛隊が一時使用しておる、私はそう結論づけますが、長官、もし違っておりましたら、論理的にひとつ反駁していただきたい。
○増田国務大臣 私が強調したいのは、その管理行動を――演習さしてもらっておる間、使用さしてもらっておる間においては、使用転換がなされていない場合は、管理権者はもちろん米軍であります。しかしながら、使用さしてもらっている間においては、事実上その区域なり施設なりの管理をする行動、権能といいますか、そういうものがなければ演習も訓練もできないわけでございますから、演習なり訓練をしている間においては、管理をする権能――権利とは申しません。そういう働きをしておるのである。管理のお手伝いと申してもよろしいと思いますが、つまり、お手伝いとしての事実上の管理行動をしなかったならば使用はできないものである、こう考えるわけであります。
○淡谷委員 私は、きょうはその点に触れまいと思っていたのですが、どうも長官が触れさせよう触れさせようとしているから、勢い触れざるを得なくなりますが、たとえば警察権の問題です。米軍が使っている演習場などで、たとえばこの前のような行動があったとき――これはまだ長官に貸しがありますよ。米軍がいろいろな乱暴をしたときのあの実態をしさいに調査をして報告すると言った手形をあなたはまだ出していません。不渡り手形です。これもぜひ聞きたいが、あの場合は警察権は一体どこにあるかという問題です。今度また暴行事件が起こっております。これha自衛隊が今度はやっている。この管理権の解釈の中で、一体どっちに警察の権限があるのですか。これは広い意味では米軍に管理権がある。狭い意味では自衛隊に管理権がある。限定して、ひとつ警察権の問題を聞いてみましょう。刑特法によるものなのか、警職法によるものなのか、これはどっちなんですか。
○増田国務大臣 北富士のことについていろいろな騒ぎがあったことについての御質問だと思ってお答えいたします。
 その前の、古い手形を決済していないというお話でございますが、これは調べましてお答えいたします。
 それから、いまの問題でございますが、北富士の入り会い慣行の権能を持っている。権能とまでは言えないかもしれませんが、入り会いの慣習を持っている。その慣習なり慣行は尊重しなければならないと思っております。このことが第一でございます。そこで、いろいろな騒ぎがありまして、連れ出したというような問題がございまするけれども、これは管理者の代行人という立場で、営造物が荒らされることについて、やはりその用途に応じて使用しなくてはいけませんから、用途の目的に合致するごとく使用できるような営造物にすべきために、営造物管理者の下請けというか、お手伝いという立場において、自衛隊が自救行為をしたものである。そういうみずからを救う行為をしたものであって、警察権行為とは考えていないのでございます。
○淡谷委員 ちょっと待ってください。まだ御答弁になっていない。北富士の関係で、一体刑特法が適用されるのか、警職法が適用されるのか、これは管理権の問題に関係があるのです。一つの管理権に基づく法律適用ですから、米軍に管理権があり、あくまでも米軍の演習場であれば刑特法の関係になるし、自衛隊に管理権があるというならば警職法に関係がある。あの問題は、われわれは警察の事犯だと思っております。どっちの意味か知りませんけれども、その点においてどっちを適用するつもりですか。あなたは管理権のことをぼうっとしてやっておりますけれども、論理的にこれはきめていただきたい。
○増田国務大臣 あれはいわゆる基地でありますから、そこで厳密に言えば、刑特法を適用しようと思えば適用できないことはないのであります。ただ、あの行為、あの騒ぎをおさめたあの範囲のことは、管理者のお手伝いといったような立場において、自衛隊員が、じゃまをしていらっしゃる方を、入り会いの慣行のことは尊重しますからこの際出ていってください、どうかお願いしますということで、一人をおんぶして連れ出したというようなことはあるようでございますが、あとは手を貸して任意に歩いて出ていってもらった、こういうような範囲でございまして、住居管理者が、その住居の中に入ってきた人に出ていってもらいたいというようなことだけの話でございまして、警察官が来るまでもなく、住居の管理者のそのまたお手伝い等が、住居に侵入してきた者に、ぜひ住居の安寧を害さないでくださいといったような立場で出ていってもらったというような範囲のことである。たとえて言えばそうであると私は考えております。
○淡谷委員 これは整理してわかりましたが、もしも警察事犯が起こるならば、刑特法が適用になるということがはっきりしましたね。全体的にも部分的にも適用されるのは刑特法であるとすれば、基地管理権は米軍にある、そうはっきりきめていいでしょう。これはどうですか。さっきどっちの管理権かわからないというようなことを言っていましたが、論理的に詰めていくと、やはりそうなるんじゃないですか。使用転換が行なわれていない、いまの自衛隊が使っているところでも、究極的にはまだ米軍の管理権のもとにおける使用というふうに考えてよろしいでしょう。少し失敬ですが、どうも長官、あなたは人がいいようですよ。下のほうの言うことを聞いてぼんぼんそのとおり信じていますから、何か起こると、さっきの十三人の死の事件のように、指導にあたっての教育が、学校の訓練基準にない不適当な訓練などということになってしまうのです。少なくとも、防衛庁、自衛隊の中でも、そういう法規にないような不適当なことはやらないようにしたほうがいいと思う。参議院の北村さんの質問に対するあなたの答弁を聞いていますと、たいへんな間違いをおかしていますよ。あなたは現地へ行ってみたことはないでしょう。だから、おんぶして出たとか、少ししか引きずらないとか、千メートルはうそだとか言っていますが、今度の徹甲弾の射撃場というのは、一体どのくらいの広さですか。縦が幾らで横が幾らありますか。あなたにその認識はあるのですか。たぶん知らないだろうと思うのです。私は速記録を読んでいる間に、長官が英語だけじゃなくて、漢文にも非常にたんのうしていらっしゃることがわかった。それによりますと、北富士のあの場所は人家連檐――これはあなたのことばですよ。人家連櫓ということばを使っている。まさに学和漢洋に通ずる長官の学識には感心しましたが、人家が軒を連ねるという字を書いて人家連檐と読ましている。あそこは人家連檐の場所じゃないでしょう。かきねの外に犬ころを投げ出すように投げ出すところじゃないのです。広い土地をとって、あの装甲車の誘導路か何かをつくっておいて、出すためには千メートル、少なくとも八百メートルは必要なんですよ。着物が裂けていたじゃないですか。こういう実態について、あなたは一ぺん現地で認識を深めておいてください。これもやがて返還問題が起こるでしょう。いまのような一方的な強行手段でやられるならば、これはまさに自衛隊ファッショになりますよ。一体あの事件に対して正式に出そうと思うと、どういう手続が必要ですか。少なくともこれが何らかの妨害であり、何らかの警察事犯であるというならば、これに対して自衛隊が直接力を用いて引っぱり出すという権能がございますか。刑特法が適用されていて、米軍がああいうことをしたときは違法な措置だといってわれわれは戦っている。幾らじゃまになるからといって、何ら法規の裏づけがないのに、自衛隊が実力を用いてこれを排除するのは間違っていませんか。
○江藤説明員 先ほど御質問のありました現在の徹甲弾射場の面積でございますが、先般使用しましたものは、九十メートルから百メートル程度の地点からたまを撃っております。したがって、警備もその範囲内でおさめておりますので、その周囲はおおいを含めて約千メートル程度の面積であります。ただ、私のほうが二条四項(a)によりまして使用を認められている地区は、それ以外に別に五百メートルから千三百メートル――千三百メートルは最高でございますが、その千三百メートルの距離からたまを撃てるという砲座地域並びに射場の地区まで入ります進入路を含めまして約四万二千平方メートルになっております。先般の場合、実際の警備に当たりましたのは、この九十メートルから百メートル程度を撃てる地点から実際に弾着点のおおいのあるところを、その施設のある周囲の約千メートルを警備いたしたということでございます。
 それからこの地区は、御承知のように、七月の七日から実際に徹甲弾の試射の準備をいたすという予定で進めておりまして、これは調達実施本部の業務でありますが、その業務を実施するために国がその管理支援をするということになっておりまして、実際に現地におきまして約三十名程度の警備員が警備しておったわけでございますが、そこに地元の方々が侵入いたしまして、射場のまん前に架設物を設置し、そこへすわり込んだということになりましたので、これを直ちに排除しませんと、明日の七月七日から始まる試射の準備――七日の午前六時でございますが、さっそく試射の準備を始めるのにはきわめて時間がない。侵入しましたのは六日の夜の十一時三十分でありますが、十一時三十分から明日の午前六時までの間には非常に時間がないということでございますので、これをみずからの力で排除するということになったのでございます。
○淡谷委員 一体みずからの力で排除する権限があるんですか。それでは聞きますが、徹甲弾はどこの会社に発注したか、何年の発注で、予算は幾らで、納期はいつですか、お答え願いたい。
○佐々木説明員 徹甲弾の予算のことについて御説明を申し上げます。
 九十ミリの徹甲弾につきましては、四十一年度の国債をもちまして予算を取り、四十二年度に支出しておりまして、製作所は小松製作所でございます。全体の予算額は三千六百二十一万三千円でございます。それから七十六ミリにつきましては、四十二年度国債で、四十三年度予算の支出になっております。予算総額は五千七百七十七万三千円でございます。製作所はダイキン工業でございます。九十、ミリにつきましては、四十二年度の国債で、四十三年度支出ということで、予算総額は二億一千二百二十七万八千円ということになっておりまして、これも同じくダイキン工業ということになっております。
○淡谷委員 それは納期は一体いつなんですか。
○佐々木説明員 全体の納期は本年度末でございます。
○淡谷委員 試射を非常に急いだ理由は何ですか。これはやはりさっきも長官が言っておるとおり、あの地上には入り会い慣習もあります。その入り会い慣習を持っている者が全然同意もしないのに、しゃにむに試射をしなければならぬというのは一体どういう理由ですか。国債とは国庫債務負担行為でしょう。それなら前からわかっておるでしょう。そういう点は十分地元とも話し合いができるはずです。それをしゃにむに撃つのだ撃たせないのだといって、ああいう事態をかもし出しているじゃないですか。一体どこのたまを試射したのですか。ダイキンですか、小松ですか。
○蒲谷説明員 徹甲弾につきましては、過去におきまして米軍の供与またはFMSによって買いましたものを使っておりますけれども、三次防で国内生産をするという考えに変えまして、実は、四十一年度国債で組みましたものは四十二年度中に手に入れるということでございます。ところが、現地の事情で徹甲弾試射場ができませんために、一年間納期がおくれております。四十一年度のほうにつきましては現実の歳出を繰り越しております。四十二年度に納入されるもの、四十三年度に納入されるもの、それを含みまして今年度一ぱいに手に入れたい。しかもこういう新しいたまでございますから、試射をする前にはわれわれは現実の生産をさせません。今年度一ぱいに四十二年度分と四十三年度分を入手するという予定でまいりますと、どうしても半年前に試射をしませんと生産には移れないということでございまして、装備関係としましては、調達実施本部で試射をしてほしいということを試射担当の陸幕に申し入れました。陸幕のほうでこういう予定を組まれたわけでございます。現在、徹甲弾につきましてはほとんど在庫を持っておりません。現実に毎年相当量の演習をしておりまして、現在ほとんど在庫ゼロという状態で、われわれはその不足を補足したいと思っております。
○淡谷委員 私の聞いているのは、今度試射をしたたまはどこのたまかと聞いているのです。小松かダイキンかということです。問わないことはいいから、問うていることだけに答えてください。
○蒲谷説明員 ダイキンと小松の両方のたまでございます。
○淡谷委員 当日、ダイキンもしくは小松から現場に出張していましたか。
○蒲谷説明員 確定的には申せませんが、こういう試射の場合には、当然この精度なり今後の改造についての問題が起きますから、会社の担当者は当然おったと思います。
○淡谷委員 すわり込んでいたおばさんたちを引きずり回した――というと長官おこりますかね、引きずり出したのは一体だれなんですか。
○江藤説明員 この地区一帯は富士学校の教導団が警備を担当しております。当日におきましては、その警備の実際の責任者は教導団長である奥村勝という陸将補でございます。この方の指導のもとにそのような自救行為をいたしたのでございまして、具体的に中にすわり込んでおった人をだれが引き出したか、一士とか二士とかいう自衛官でございますが、その名前につきましては一々私は承知いたしておりません。
○淡谷委員 長官、富士学校というのは一体何を教える学校ですか。
○増田国務大臣 富士学校は昔のいわゆる教導団でございまして、幹部が曹士を要員として使いまして指揮能力を高める、こういうようなことが主たる任務の一つでございます。また、士から曹になるという場合にも曹としての指揮能力が必要でございまして、そのために教導団というものがそこにありまして、その教導団が試験台になる、こういう形で各般の演習をいたしております。戦車、砲、それから普通の機関銃、R30の試験をしたこともございます。それから自動車その他による総合的演習なりあるいは個別的の演習なりをいたしておるところでございます。
○淡谷委員 小松とかダイキンとかいう大きな産業家のたまの試験のために使ってもかまわない学校なんですか。
 それから、その当夜出てきたのは富士学校の人たちですが、あと梨ヶ原部隊などは出なかったのですか。一千名以上出ましたね。
○江藤説明員 その当日警備に当たりましたのは富士学校の教導団の者でございまして、約千二百名程度出ております。北富士の駐とん部隊の梨ケ原部隊のほうからは出ておりません。
○淡谷委員 すわり込んでおった人たちもせいぜい二、三十人の者らしいのですが、それに千二百名も出てきて、しかも夜中ですよ。警官でも人を逮捕するときは夜中は避けますよ。それを次の日の朝試験をするのが、聞くところによりますと、またおくれたそうでございますけれども、たかがたまの試験に、地元の入り会い慣習権のある人たち、しかもお年寄りたちを深夜に千二百人で引きずり出した。富士学校はそういう課程も教えているのですか。もしもそういう行動に出たことがほんとうであるならば、一体どういう訓練科目で、一体何をやらそうということでやっておるのですか。防衛庁長官はいろいろ答えていますけれども、答弁もおかしいのですよ。これからぼくはずんずんやっていきますけれども、どうなんですか。
    〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕
○江藤説明員 千二百名出ましたと申しますのは、実際にすわり込みが入ってから千二百名出たわけでございまして、それまでに警備しておりましたのは約三十名でございます。すわり込みの者が入りましたので、これを排除する必要があるということで、実際に出動しましたのは千二百名と申しますけれども、そのうちの千名は広く演習場の周辺を警備しておる者でございまして、実際にこの射場の周囲に参ったのはそのうちの二百名程度でございます。
○淡谷委員 まあ周囲におったかどこにおったか知りませんが、夜中に武装した学校の人たちが千二百名も取り囲んでああいう行動に出たということは、これはとんでもないことだと思うのです。この前も米軍が直接ああいう行動を起こしたから問題を起こしたのです。これはやはり警察警備じゃないですか。富士学校の子供たち――子供じゃない、おとなですが、そういうようなことをかってにやらせる権限は一体どこから出てくるのですか。広い解釈をしたら何でもできますよ。これを緊急避難と答弁している。緊急避難とは一体何ですか。これを読みましょうか。こんなことでああいうことができるはずはないじゃないですか。あまり珍しい解釈ですから、読みますけれども、刑法の「緊急避難」というのは、 「自己又ハ他人ノ生命、身体、自由若クハ財産ニ対スル現在ノ危難ヲ避クル為メ已ムコトヲ得サルニ出テタル行為ハ其行為ヨリ生シタル害其避ケントシタル害ノ程度ヲ超エサル場合ニ限リ之ヲ罰セス」こういうのが緊急避難なんですね。それで一体あの事件とどういう関連性を持つというのです。一体どっちが具体的な場合に合っているのですかな。ひとつ御説明を聞きましょう。
○江藤説明員 実際に七月七日に試射の準備をしまして、八日から実際に試射を始めるという状況になっておりました。その前夜の十一時三十分に、その射場の中にすわり込みに入ってきたということになったのでございます。私のほうとしましては、翌日の朝六時から試射を実際にやるための音量調査とか、あるいは実際に戦車をそこに二両ばかり入れなければなりませんが、そういう作業とか、その他いろんな作業をするために、朝の六時から実際にその業務が開始される、その面から見ますと、非帯に切迫した時点にすわり込みが入ってきた。そこで、われわれとしましては、実際に徹甲弾の試射の実行が不能になり、あるいは著しく困難になるということを避けるために、実際にそれを管理しておる立場からしまして、自分の実際に管理しておる施設を保全するために必要な行為としまして、そのような措置をいたしたということでございます。
○淡谷委員 一体、緊急避難をしなければならないような危険がどっちに迫っているわけですか。小松、ダイキンの何億円というたまをつくる試射をする。その試射が朝まで待てば――そんなに危急存亡のときに立ちますか。夜中にひとしきときに行って暴行を働くということは、とんでもない話ですよ。朝までどうして待てなかったのです。また、それを警察のほうに話をして、その妨害を排除するというような法的な措置がなぜとれなかったのです。あぶないのはすわっているほうですよ、撃たれた場合に。すわっているほうが緊急避難というのはわかりますけれども、たまを撃つほうが緊急避難というのは一体どうなんですか。私はこれを根本的に詰めたい。
 増田長官、きょうは約束の時間がありますから、この質問は保留します。あらためてこの問題ははっきり予告をしておいて質問したいと思います。きょうは突然の質問でございましたから、長官もなかなか常識的な答弁以外にはできなかったかもしれませんが、事は常識ではありません。非常に大きな問題を含んでおるのです。こんないいかげんなことをやったら、いま治安出動なんかも考慮しておるそうですけれども、何をやりだすかわかりませんよ。たかがたまの試験をするために、夜中に千二百人も集まって、三十人のすわり込みのおばあさん、おじいさんを引きずり出すという、自衛隊にこんなに直接強力な手段が許されるならば、私は、非常に今後の自衛隊というものの性格が国民から離れてしまう、この点をまず警告しまして、この質問は保留します。時間がございませんから、あらためてまたお手合わせをお願いいたします。
○浦野委員長代理 永末英一君。
○永末委員 今回ソ連軍が他の四カ国とともにチェコへ侵入いたしました。日本におりますアメリカ軍の警戒配備は変わりましたか、変わりませんか。お答えを願いたい。
○増田国務大臣 確たる情報はありませんけれども、変わっていないと思っております。
○永末委員 確たる情報は入りませんが、変わっていないという程度ですか。防衛庁長官は米軍の警戒の態様が変わるかどうかを、あなたはわが国の安全の責任者として知る必要がある、こう思って、それを探索しようとはされませんか。
○増田国務大臣 おとといの朝、私のほうの統幕議長から司令官に連絡をさせまして、君のほうに情報が入っているか。ところが新聞の情報以外はまだ知らないということで、自衛隊自身も情報の収集につとめましたが、遺憾ながら新聞の情報が一番早くございまして、外務省関係も情報がおくれておったようでございます。そこで、そういうような状況から勘案いたしますと、駐日米軍の警戒配置等が変わったというふうには考えていないのでございます。
○永末委員 わが自衛隊も何ら事前事後変化はございませんね。
○増田国務大臣 わがほうは、平素の勤務を大いに精を出してやる、こういう程度でございます。
○永末委員 それは承っておきます。
 さて、ソ連軍等は、チェコに武力占領いたしておる状況のようでございますが、チェコ自体はいまだ二つに分かれたような情勢はない。しかしチェコにとっては非常な危機だと思います。あなたは日本国の安全の責任者の最高指導部の一人としてわが国の安全ということに関連しつつ、今回のチェコの事件をどうごらんになるか伺いたい。
○増田国務大臣 私の観察、主として防衛を担当いたしておる国務大臣の観察、これはあるわけでございまして、すなわち日米安保体制のもとに自衛隊を国力、国情に応じて充実整備をしていくことは、いよいよ必要であるということを痛感いたしたわけでございます。
○永末委員 他国の軍隊が自国に入ってくる、その場合にその自国の持っておる軍隊が直ちに他国の軍隊に立ち向かわないという状況のように私も情報によって思うわけであります。すなわち、チェコの軍隊はいまだソ連軍に立ち向かっていない、こういう状況ではないかと思いますが、あなたはどう思いますか。
○増田国務大臣 そういうふうに思っております。
○永末委員 その軍隊は本来ならば自国の領土を侵略してきた者に対しては立ち向かうべき任務を与えられておったと思います。しかしそれは政治的な一つの指導下においてその命令が下るまでは動かない、こういう一つし団結を保った状態であると私は判断しますが、あなたはどう思いますか。
○増田国務大臣 プラハ放送その他を通じても、スボボタ大統領が命令があるまでは動くなというそういうコントロールはよく徹底しておる。上命がなければ下は従わない。上命があって初めて動く、こういう状態であることは事実のようでございます。
○永末委員 逆にチェコの軍隊がチェコ国民を相手に何らかの行動を起こしているということも実際ないと思いますが、あなたはどう思いますか。
○増田国務大臣 いまのところ情報関係で得ていることだけで私はお答えするわけでございますが、ないようでございます。
○永末委員 チェコにとりましてはまことに国の危機だと思います。しかしいまのところ時々刻々変化いたしましょうが、いまのところきわめて国民的団結を保持しつつこの危機に対処しておると思います。
 さて、そこでわが国の場合、先ほど東富士演習場の話が出ましたが、わが国の自衛隊法には防衛出動と治安出動という二本立ての出動態容が法律の文理上書かれてある。そこでそれに基づいて自衛隊は二つの出動に対しての用意をしておいでになる。その治安出動の面について、いろいろな議論がこれまでもございました。治安出動というのは防衛庁長官どういう場合に発動するのですか、お答えを願いたい。
○増田国務大臣 治安出動は、間接侵略もしくは緊急事態であって、一般の警察力をもってしては秩序の維持が困難なりと内閣総理大臣が認めたときに治安出動を命ずる、こういうふうに考えております。
○永末委員 間接侵略とその他の場合、これは態様がきわめて異なっておると思いますが、あなたはどう思われますか。
○増田国務大臣 態様はきわめて異なっておると思います。自衛隊法三条には、自衛隊の主たる任務として、直接侵略及び間接侵略に対処してわが国の平和と安全を守ることを主たる任務とする、それから「必要に応じ、」ということは、かねてというような意味と私は考えております。かねて治安の維持に当たるものすると、こういうふうに書いてございますが、七十六条と七十八条にこれをまた分けまして、主たる任務とかねての任務とを一緒にして、間接侵略と緊急事態とを一緒にしたのが七十八条の治安出動の規定でございまするし、直接侵略を対象としておるのが七十六条の防衛出動の規定である、こう考えております。
○永末委員 自衛隊というのは火器を持った、兵器を持った部隊に対して直接――直接侵略というんじゃありませんけれども、それにじかに対処し得る実力部隊だと私は思います。ところで、間接侵略という場合には、たぶんやはり相手方も火器を持っておる、こういうものが頭に描かれておるはずだと思います。ところでその他の場合、あなたは警察力の整わざる、不十分なものに対する支援、こういうものにも自衛隊を動かす、それも治安出動の中に入る、こういうお答えであり、従来政府はそう考えておると思いますが、その火器を持ったものとそれからいまのその他総理大臣が必要と認めた場合の治安出動とは、相手方が違うでしょう。お答え願いたい。
○増田国務大臣 治安出動の対象である間接侵略のうちでも、程度が激しくなって直接侵略に移行する場合もあると思います。それはもう間接侵略とはほんとうは言えないわけでございますが、要するに直接侵略に近いようなものからそうでないものまで多種多様である。千差万別ということをおっしゃった国会議員がおりまするが、私はまた森羅万象というようなことばも使いましたが、多種多様というのが七十八条の治安出動の場合である、こう考えております。そこで間接侵略の規定というものはいまありませんが、旧安保条約には大体ありまして、一国もしくは二国以上の外国の教唆、干渉に基づく大規模の内乱、騒擾であって、政府の明瞭なる要請のありたる場合には米軍は出動するものとす、まずこの規定を援用いたしまして、これは間接侵略と考えておるわけでございます。
○永末委員 私の申し上げたいポイントは、いまの森羅万象とか多種多様というところにあるのではなくて、自衛隊の相手方になるものは火器を保有しておるかしておらぬかということが一つの目安ではないかということを申し上げておるのですが、あなたはどうお考えになりますか。
○増田国務大臣 間接侵略の場合には、おそらく火器を正面から使用しておると思います。しかしながら間接侵略その他緊急事態であって、一般警察力をもってしては治安維持困難なりと認めたときというのは、そのときは私は必ずしも火器を持っておるとは考えないのでありまして、一般警察力をもってしては治安維持が困難であるというふうに内閣総理大臣が認め、それからあとで条件がございます、国会の二十日以内の承認という条件がございますが、そういう緊急事態には火器を用いてなくても自衛隊は治安出動があり得るということだけを申し上げておきます。
○永末委員 この自衛隊法というのは、第一次安保条約のときにまさしく日本国内の治安力はきわめて不足だ、こういうのでアメリカ軍がそれを半分くらいやるような、そういう条約面の文言でございました。それを受けておるのであります。しかしいまやわれわれが思うのに、これが自衛隊の性格というものをきわめてあいまいなものにしておる原因ではないか、その角度で質問しておりますから、その角度をひとつおのみ込みになってお答えを願いたい。
 そこで火器を持たざる騒擾、暴動に類するもの、どんなものですか。
○増田国務大臣 そこがいわゆる千差万別でありまして、なかなか具体的にこれというと、そいつはいけないというようなことになりまして、やはり客観情勢によって違うのである。しかしながら制約がございます。一般警察力をもってしては治安維持困難なりと内閣総理大臣が認めたるときという、そういう緊急事態に出動するわけでございます。それでございますから、米騒動のときだとか何だとかかんだとかいうことは、私は、具体的には申し上げにくいわけでございます。
○永末委員 日本には警察力というのがあるわけですね。警察力の中には火器を持っている警官も含まれております。自衛隊は主として火器を持っている部隊でしよう。人を殺戮し傷害する火器を持っておる。その部隊を治安出動で発動せしめる場合には、同様な被害を日本国民自体に与えるようなものが相手方におらないとおかしいじゃないですか。相手方にその能力がないのに、それ以上の破壊力あるいは殺傷力を持った部隊を発動させるということは非常に重大な場面であると私は思うのです。したがって、その相手方に火器がなくても発動させる、こういう御意向であるかどうかはっきりしていただきたい。
○増田国務大臣 永末さんにお尋ねするようなふうにお答えいたすのですけれども、火器がなければ七十八条は発動しないのであるという規制をしてしまうのもどうかと思います。やはり国民のために平和を保ち秩序を保つために出動するわけでございますから、火器の有無によって決定されるのであるという、法律の上にお互いの発言によって範疇に統制を加えたくない、こう考えております。
○永末委員 増田長官が昔大学で法律を勉強されたときは大日本帝国憲法の時代であったと思うのです。そのときに、あのときの大日本帝国の軍隊が国民に銃砲を向ける場合というのはどういう場合でしたか。御記憶があったらお答え願いたい。
○増田国務大臣 私はそういうことはほんとうは考えたことはないのです。ただ、明治十年というようなことはあります。これは一つの火器を使った内乱でございましたが、大震災その他戒厳令がしかれた場合には出兵しております。それからわれわれ習った行政法におきましては地方官官制がございまして、地方官官制によって地方長官、今日の知事でありますが、その規定も現行法にはございますが、知事の要請によって師団長が出兵をする。出兵の請求があった場合には――出兵の請求を必ずしも応諾しなくてもよろしいわけでございまするが、出兵をした場合に火器を使ったことが明治十年以後はなかったのじゃないかと考えております。
○永末委員 われわれが生をこの世に受けてからは戒厳令ですね。つまりあの当時の軍隊は、軍隊の当然事項として銃砲を持って国民の前に立ちはだかるとい姿勢は原則としてはなかった。それをくつがえす戒厳という特別の場合、つまり行なわれている法令を停止せしめる、そういう非常の場合にのみ初めて、国民の前に、国民自体の一部である軍隊が銃砲を持って出てくる、こういう想定をしておったと思うのです。あなたはそう思われませんか。
○増田国務大臣 多くは戒厳令がしかれると思いますが、地方官官制によって出兵請求をし、師団長が出兵をした場合には、戒厳令がしかれなくても師団長は出兵をして治安の維持に任ずるということが旧憲法時代にも存在しておった、こう考えております。ただし、米騒動なんかのときには戒厳令がしかれておりましたから、あれは戒厳令による出兵か地方長官の請求による出兵か、その辺はしかとは記憶していないのでございます。
○永末委員 私は別に古いことをここでやるつもりはさらさらないのです。現在の自衛隊法で、火器を所有する自衛隊が出動する態様を防衛出動と治安出動とに分けて、そうして治安出動の中に間接侵略、その他緊急事態と二つを包含しておるのです。第三の場合は大体において火器を持ったものではないはずだ。火器を持ってくれば大体間接侵略と判定できる状態ではないか。しかるにかかわらず、その第三の場合をもなお想定してこの法律が使われておるというのは、自衛隊そのものが国民と向かい合っているという状態をこの法律自体が想定しているわけですね。そうではありませんか。
○増田国務大臣 法律自体は想定していないと思います。というのは、七十八条には間接侵略というものがあって、間接侵略は多く永末さんのおっしゃるとおり火器を使う場合でございましょう。その他緊急事態であって一般警察力をもってしては治安の維持が困難なりと認めたるとき、すなわち一国もしくは二国以上の外国の教唆干渉に基づかざる火器を使う大規模なる内乱、暴動、騒擾等もあり得ると私は考えております。
○永末委員 もう一ぺん詰めますが、火器を持たないものの場合に、警察がおれの力ではとうていだめだというようなことが一体考えられるでしょうかね。その場合に自衛隊は火器を持って立ち向かう、こういうことが自衛隊の任務の当然事項として与えられるべきものだ、このように思われますか。
○増田国務大臣 何しろ七十八条には制約があるのでございまして、緊急事態であって、一般警察力をもってしては秩序維持困難なりと内閣総理大臣が認めたるとき、こういうわけでいろんな事象があると思いまするが、要するに火器を持たないような緊急事態であって、そうして間接侵略ではないというような場合に、国民を敵としてこの法律が規定されたものというふうに私は考えておりません。国民の生命、身体、財産の安全を守るために七十八条がある、こういうふうに考えておるわけであります。
○永末委員 自衛隊法の七十八条、それのもとの文もございますけれども、一体自衛隊の訓練の中で、直接侵略に対する訓練、防衛出動に関する訓練、それから治安出動といいましても、間接侵略に対する訓練その他の訓練というのは、訓練の態様が違うでしょう。現実にその訓練に関しては所要の時間を使って隊員を教育しておる。隊員はその訓練を受ける場合にどういう感じを持つでしょうね。おれたちは国民に対して向かうのだ、こういうつもりの訓練を受けているわけです。そういう気になるでしょうね。ならぬと思いますか。
○増田国務大臣 これは非常特別の場合でございますから、永末さんもよくおわかりのとおり国民を対象としておるというふうに――たとえは、警察官が違法なる者を逮捕する場合に、国民だから逮捕しにくいということはないと私は思います。現行犯で現に殺人をしておるというような者は、国民であり同胞でございますが、警察権の対象となって捕縛の対象になるあるいは正当防衛の緊急避難の対象になるということば全国民を守るゆえんでございまして、法治国家において違法なる者を警察が対象にしておる。外人が対象になるという場合は多くないと思います。警察官の対象になるのは多く日本人でございます。しかしながら日本国民のうちの違法なる者を対象としておる。法秩序を破った者を対象としておっても、警察官は国民の敵ではなくて、いわゆる護民官である、民衆の保護者であると思います。七十八条の間接侵略以外の場合で出動する場合はきわめてまれであるということは私はしばしば申しております。希有ではありまするが、全国民の平和と安全、生命、身体、財産をお守り申すために、こういう希有の場合、所定の条項を満たした場合に出動する。その場合に対象が日本の国籍を持っている人でありましても、やはり治安をはなはだしく乱して、ために国民の大多数を恐怖におとしいれて、これでは秩序が維持できないという緊急事態には、やはり備えて訓練をし、また出動を命ぜられる場合には出動するのが自衛隊の職責である。それでこそ国民も安心すると考えております。
○永末委員 私は最初申しましたように自衛隊に三つの任務を与えておる。その第三点については、あなたの腹がまえもなかなかしっかりしていない。たとえば、治安行動教範というそんなものはつくらせないとおっしゃる。しかし指揮官の心がまえはつくるとおっしゃる。それならば、その訓練を市ヶ谷の連隊がやっておると伝えられておる。その訓練に要する資材というものは、一体正規の国会に予算要求で、これこれは第三の場面に使う資材でございますということを公に予算説明を受けたことはあまりない。こういうような何か隠れたるあたりでぐるぐる動いておる。動いておることが、自衛隊に対する国民の違和感というものを与えておる。私は、やはり自衛隊の任務というものを明白にする、国民が一義的にわかるようにはっきりさせるためには、その第三の部面というものについては、第一段階としてはきわめて制限的にものを考え、第二の段階としては自衛隊の当然の任務の一つとしては省くのだ。緊急事態なら緊急事態の別のことを考えるのが必要ではないかと私は思うのです。そういう立場で伺いたいと思うのだけれども、市ヶ谷にあるいろいろな資材というものは、予算関係でいつ、どういう形で要求してつくったものですか、お答え願いたい。
○佐々木説明員 予算上、普通の装備の中に一部訓練用といたしまして、四十三年度の場合に約八千万円程度と記憶しております。八千万円程度、いろいろな機材関係が計上されております。
○永末委員 その八千万円でどういう機材を何個つくったか、言ってください。
○佐々木説明員 ただいま資料がございませんので、後日資料として提出したいと思います。
○永末委員 防衛庁長官よろしいですね。私は、その機材と個数とを見れば、一体何を対象にしておるかはっきりわかると思うので、はっきりと資料を出してください。したがって、この件に関する質問は留保しておきます。
 さて、基地のことを伺いたいんですが、基地は、先ほど渋谷さんの質問で、防衛庁長官の独特なる基地の定義は撤回されたようでございますから、一般的に施設庁長官の言った百四十八が基地だ、こういう意味で質問申し上げたいのです。
 この基地というのは、わが国が戦争に負けて、アメリカ軍が占領行為で、要するに乗り込んで占領してしまった、これがもとだと思いますが、現在ある百四十八の基地の中で、アメリカ軍がその当時占領しなかったところで、新たに基地になったものがありますか。
○山上説明員 ほとんどが占領当時からのものが大部分であろうと思います。そのほかに、たとえば十勝太の通信施設等はその後に提供しておる施設でございますのを私は記憶しておりますが、ちょっとただいまどれがどうであるかということの数字は、後ほどまたお答えいたします。
○永末委員 ぜひそれを。年代別に何が新しいかということだけは知りたいのです。用途別、それをひとつお知らせ願いたい。要求しておきます。
 先ほど増田長官は基地の総点検を命じたとこうおっしゃったのでありますが、なかなかめずらしいことを承ったんですが、総点検といいましても、基地の何の総点検を命じたのですか。それを明らかにしていただきたい。
○増田国務大臣 地位協定の二条にございますように。本来は米軍がしょっちゅう点検していなければならないと書いてございます。しかし、日本側でも知っておく必要があるというわけで、あらゆる方法を用い、不要不急のものはないか、不要不急のものがあれば民生に開放したほうがいいじゃないか、こういう見地から点検をさしております。見地は、不要不急のものがあるかどうかという見地でございます。
○永末委員 不要不急という場合に、安保条約によってわが国土内におるアメリカの基地は、日本国の安全と、極東の平和と安全という二つの目的を持っているわけです。そこで防衛庁長官は、不要不急というのは、どういう角度でそれを判定すべきだとお考えになりますか。
○増田国務大臣 詳細は施設庁長官がお答えいたしますが、要するに遊んでいるもの、というわけでございます。
○山上説明員 現在日本の国内にあります施設及び区域につきましては、ほとんどが占領時以後継続しているということは先ほど申し上げたとおりでございますが、しかしながらこれらの施設は、現在までのところ、米軍においてはそれぞれの用途に用いておるわけでございまして、わが国の平和と安全を守るために必要な施設であったわけでございます。ただこれらの施設の中には、現在におきまして、必ずしも外見的に見まして使っていないものあるいは部分があるのではないかというような御意見も、間々地方からもございます。そういったようなこともあり、また、これらの施設につきまして、周辺におきましていろいろ問題があるというような実態もございます。こういった周辺におけるところの実情、それからまた都心部等にあります施設につきましては、従来もこれをでき得る限りは都心部から外のほうに移転集約するというようなことをやってまいった状況もございます。それからまた、自衛隊等が現在使っており、あるいは使用をいたしておるものもございます。これらの使用転換の可否、こういったような全般的なことについて、従来も検討してまいった経緯はございますが、これを今後もひとつ十分精密に検討し続けてまいりたい。ただ、検討と申しましても、もちろんわが国の平和と安全を守る米軍の施設でございますから、そういった観点からも十分慎重に考えなければならないというふうに考えておる次第でございます。
○永末委員 防衛庁長官、いま施設庁長官の答えを聞かれたと思うのですが、不急不要だけではないわけですね。最初に基地が設定されたときから、ずっと時間の経過がある。そのためにいろいろな日本国民の、その周辺における生活の態様も変わってくるし、そういうことでいろいろな害を及ぼすものもある。ことに都市部においてはそれがはなはだしい。それも一つの問題ではないか。もう一つは、自衛隊の使用ということもひっかかって、使用転換が可能かどうか、そういういろいろなことを施設庁長官は受けておられる。したがって、防衛庁長官、不急不要だけじゃないですね。もう一ぺん、あなたのお考えを伺いたい。
○増田国務大臣 何か目安がなければ再点検できぬじゃないかということもございますので、その目安として主たるものは、不要不急になっておるようなものは返してほしい。いつもアメリカ政府が点検していなくてはならぬということが、地位協定に基づく義務でございます。日本政府側は点検しなくてもいいわけでございますが、日本政府側も点検をしたらよかろうということで点検しておる。そのときの目安が、ものさしが、不要不急ということでございます。もちろんいわゆる基地公害といったようなことがいわれておるのでありまして、付近民衆に著しく迷惑をかけておるというようなことがあれば、移転するというようなことも含めて検討、点検しておることは事実でございます。
○永末委員 いま施設庁長官のほうからは、日本の安全ばかりということばが何べんも出ました。私が申し上げたのは、アメリカは、もともと基地を彼らが占拠した一番大きな彼らにとってのメリットは、彼らのほうがアメリカの安全のために極東の戦略をどうするか、そのために日本で占領した基地の中から何を存続せしむべきかというので、大体百四十八になったと思うのです。そこで防衛庁長官に伺いたいのは、軍事基地の使用について、われわれが見た場合に、日本の安全と極東の安全とは切り離して考えられると思いますが、あなたはどう思いますか。
○増田国務大臣 昭和二十七年の四月二十八日、すなわち日米安保条約が発効したとき、平和条約が発効したとき以後は、私は、日米対等の関係で集団安全保障をしておるのでございまして、占拠というようなことばは一応使ってほしくないのであります。これは私のほうの主張として言っておきます。別段あなたのほうで使われることは自由でございますが、私どもは使ってほしくないという立場でございます。占拠ではない。すなわち第六条に基づいて、それから旧安保の前文に基づいて、施設並びに基地を提供しておるわけでございまして、事実上占領時代のものが続こうとも、法制上はまるきり変わってきておるという認識にわれわれはかたく立っておるものでございます。それから最初、占領が解除された直後、主権国家として独立した直後は二千八百カ所でございまして、坪数は五億坪でございましたが、いまは百四十八カ所という数え方もございますし、百四十一カ所という数え方もございます。正破に申せば百四十八カ所または百四十一カ所、こういうことになると思いますが、坪数においては七千万坪ちょっとでございます。それだけ激減しておるということを、永末さんわかっていらっしゃるけれども、ぜひ強く御認識願えれば幸いでございます。
 それからこれらのものは日本の平和を保つために存在しておることはもとよりでございますが、一面日本の平和に直接至大の関係のある極東の平和と安全のためにも米軍は使用し得るというところに基地の有用性がある、効力がある、こう考えておる次第でございます。われわれは強いられて基地を、そういうものに有用性を持たせておるわけではなくて、極東の安全が日本の平和と独立と安全のために必要である、こういう見地からもわれわれは提供しておるわけでございます。
○永末委員 三点ほどお答え願いましたが、前の二点はあなたの御意見。私が聞いておるのは最後のところであって、日本の安全という観点で考えた基地とアメリカ軍の考える極東の安全という観点で彼らが使用する、あるいは所有することを必要と思うそういう基地とは区別し得るはずだ。これは観念上ではありません、実際上区別し得るはずだと思うけれども、あなたはどう考えるかということを聞いている。そのことだけまずお答えを願いたい。
○増田国務大臣 日米双方とも日本を含む極東の平和と安全ということをいつも使っております。しかし新安保の第六条には、日本、並びに、及びという字で分けてはおりますが、事前協議にイエスというかノーというかは別問題といたしまして、われわれの提供しておる基地は、日本だけのためと極東だけのためというふうに法律観念上は区別し得るかもしれませんが、事実上は区別し得ない。極東というものはだから狭いものでございます。つまりフィリピン以北、大韓民国までというふうにしておるのは、日本の平和と安全に直接の関係があるそういう極東――ほかの立場における極東というものはもっと広いものでございましょうが、そういう狭く考えておるのもそういうわけでございまして、前の安保は日本を含む極東のというふうにあったように思います。今度は日本並びに極東というふうに書いてございますが、私は、密接不可分のものであって、法律観念上は区別し得ても事実上は区別し得ない、つまり安全保障上は区別すべからざるものである、こう考えております。
○永末委員 あなたがアメリカの占領を受けてお考えになれば密接不可分になる。しかし、わが国の防衛ということに焦点を置いて考えれば、私はアメリカの現在所有している軍事基地は洗い直すことができると思う。これは一つ一つ一ぺん時間をかけてやりましょう。
 そこで、先ほど、占拠というのはあなたはお使いにならぬ、こう言ったのでありますけれども、現在の安保条約でも施設並びに区域をアメリカに貸しているわけですね。その施設並びに区域というのは、あとで資料が出るようでございますが、占領の継続なんです。そこでアメリカは施設並びに区域の使用の用途というものについては何ら日本側に約束をしていないはずだと思うのです。建物を借りておる、面積を借りておる、こういう形だと思いますが、お答えを願いたい。
○山上説明員 大部分の施設につきましてはそのとおりでございます。
○永末委員 防衛庁長官、いまの施設庁長官の答えをお聞きになったと思うのです。したがって、アメリカ軍がこれを自由に使うことができる。王子の問題はまさしくその一番大きなあらわれだ。野戦病院はなかった、しかしおれたちは自由に使えるのだ、こういうことで彼らはかってにその基地の用途を変更して新しいものをつくる。彼らは権利だと思っている。しかしわれわれ日本側からすれば、なぜかってに使うか、こういう感じがする。その一番大きな問題は、彼らは占領の継続、占拠しているという観念が続いていると私は思う。そうじゃありませんか。お答え願いたい。
○増田国務大臣 占拠ということは、私はやはりどうしても国会の段階においては使ってほしくないのでありまして、われわれがあくまでも自由意思のもとにおいて、国会で多数の議決によって批准をされました、ことに第一回の日米安保のごときは四分の三の多数でございます。四分の三の多数をもって議決され、同意され、批准をされました日米安保の規定によって提供しておるものである。かりに同じものであっても、前は占領したものかもしれませんが、今度はわれわれのものをあらためて昭和二十七年四月二十八日に提供したわけでございます。ぜひわれわれのものを提供するということばに永末さんもしていただきたい。そうでないと、お互いがコンプレックスにおちいるといけませんから、ぜひお願いいたしたいと思います。
○永末委員 長官、例は悪いのですが、水虫の足で、ナイロスのくつ下が悪いからといって木綿のくつ下にはきかえても、水虫は水虫なんであります。二十七年四月二十八日からくつ下が変わったからといって、実態が変わらなければ同じです。国民感情としては実態を見ておるわけで、くつ下の色を見ているわけではありませんよ。そういうものですよ。だから現在基地問題というものが出てくるのです。その国民感情を防衛庁長官としてはっきり把握されなければ、法律解釈だけでやってはだめだ。先ほどあなたは、文理的解釈ではなくて論理的な解釈が必要なんだと言いましたけれども、いまのあなたの言っているのは、いわゆる文理的解釈でしょう。実態を見ていただきたいと思います。
 施設庁長官、大部分は面積を貸しておるのだ、こういう話ですね。それなら一部分でも目的を設定してアメリカ側との約束をしたものはございますか。
○山上説明員 ただいま残っております富士の演習場のようなものは、これは富士の演習場をこういう条件のもとに使うということが日米間で合意されております。そういった意味合いにおきましては、自由に使うというわけにはいかない、こういうたてまえになっております。
○永末委員 資料要求をしたいのですが、いまある軍事基地の中で、アメリカとの間に使用目的を相談をし、それを限定して貸与しておるものがあるならば、それをぜひひとつ資料としてお示しを願いたい、よろしゅうございますね。お答えを願いたい。
○山上説明員 後刻……。
○永末委員 防衛庁長官、われわれは、わが国における軍事基地の性格を、先ほど申し上げましたように占領の継続だと見ておる。したがって、新しい日米関係をわれわれは一九七〇年時に設定したいと考えておりますが、その場合に一番重要な問題は、もし軍事基地が必要だとアメリカ側が思うのなら、その使用目的を限定をして彼らは日本政府に相談をすべきだと私は考える。たとえば横須賀にいたしましても、横須賀で何平方メートルというものがわかるだけであって、その他のことはわからない。しかし、たとえば同じような昔の軍港、佐世保の場合、ある波止場、ある修理工場はすでに昔は彼らが使用しておりましたけれども、それは日本人のものになっておる。横須賀だって同様なことが行なわれるはずだ。面積を貨しておれば、あなたが、不要かあるいはまた不急かという判断をされましても、相手方は一番ふくらんだときのことを想定いたしますから、いまは使っておらぬけれども、それは不要ではない、こういう答弁がはね返ってくるのではないか。したがって日本政府として、この軍事基地を縮小させたいと思うならば、基地貸与のやり方として目的別に限定をした交渉をする御用意があるかどうか伺いたい。
○増田国務大臣 地位協定二条に基づく義務がアメリカは当然あるわけでございます。わがほうも合同委員会にメンバーを出しておりますし、また安全保障協議委員会にも私はメンバーになっておるわけでございます。そういうわけでございますから、いま施設庁長官その他に総点検は命じておりますけれども、社会問題になったところだけでなしに、一つ一つ点検をいたしまして、ただ面積が広いから狭くしろというだけでは困るのでありまして、横須賀なんかも私はずっと見ております、私の感じでは、横須賀というところは非常に全体として狭いところでありまして、あれを半分にしてしまったらどうかというようなことをすぐ、軍事目的から見ておる専門家に対して、海上自衛隊という見地から見ておるわれわれが言い得るかどうかはなかなかむずかしい問題でございますが、しかし一応点検をいたしたい、こう考えておるのであります。佐世保の一つの埠頭が返ってきたことは御承知のとおりでございまして、われわれは歓迎しておるものでございます。
○永末委員 私の伺っておるのは、私は、いまはほとんど大部分が目的を限定しない貸与協定になっておると思う。それを目的を限定した貸与協定にする意思が政府にあるかどうかを聞いておる。お答え願いたい。
○増田国務大臣 いまわれわれのほうにも帳簿を持っておりますから、帳簿と、現地のことをまた施設局長はよく知っておりますから、ブロックの局長に検討さしておりますが、すべて洗い直して、そうして一九七〇年には民社党さんのお考えのような新しい見地から最小限度の基地は与える、そうして新しく安保条約を改定するというようなことはあまり考えていませんが、しかし民生を阻害するような基地のあり方はよろしくない。また一面、いつも私はあらゆる国会の場において申し上げておりますが、基地自身は日本の平和と安全に貢献しておる。このことを理解しておる態度で臨むならば、アメリカ軍はよくわかっております。わかっておりますから、十年間もめた東富士の問題も目的を達成したようなわけでございます。北富士もおそらく東富士の状態を見て、お互いに日本語のわかる同士が話をすれば、入り会いの慣行等もなおよけい尊重されるということになれば、うまく解決ができるという方向へ前進されはしないかと思っております。その他の基地というものは、あとは五千万坪だけでございまして、そのうち一番大きなものは横田とか三沢とかいう飛行場でございます。あるいは厚木あるいは水戸の射爆場といったようなものでございますが、一億坪を五千万坪にすることができれば大成功でございます。いま七千万坪になったのですから、あともう二千万坪は、ぜひとも御協力を得て、反対のための反対でなしに、条件闘争でも何でもけっこうでございますから、そういう方向で点検していただくというと一これは淡谷さんに対するお答えみたいになりましたが、きょうは委員会でございますから、つまり対話の形で申し上げておるのですが、ただ四角四面で、今度新しくわれわれが、不要不急か、使用目的等を一応設定して、われわれの設定したものさしによってはかってみて、一九七〇年に安保条約を結ぶというようなことは、共同防衛をしてもらうアメリカに対して、私は、無礼とか不無礼ということではないのです、ある程度私は言うだけの勇気はありますから。けれども、新しくこちらだけで目的を設定して、こういうふうにやってしかるべきものである、米軍、おまえのほうはあかんじゃないかということは言いにくい状態でございます。
○永末委員 それはあなたアメリカのことをもっと十分に研究してほしいですね。アメリカのほうとしては、一体日本にこのまま、占領から第一次、第二次安保を続けた二十数年間、このままの姿で一体何年基地を持てるだろうか。それを危ぶむ人もたくさんいるわけだ。その場合の一つの対案として、いま申し上げましたように、彼らが必要と思うならば、目的を限定した軍事基地、これを日本政府が許してくれるならばその限りでも――日本政府が許すということは日本国民が支持をするならば、その限りでも持ちたいという考えを持っている人、そういう方法が一番日米間の友好のためによろしい、こういう考えの人があるのだ。ところが、あなたは、あなたの政府とともにいままでどおりでよろしい。それはもっと勉強してもらわなければ因る。いままでどおりでいいとあなた方は思うでしょう。よろしくないから問題が起こっているのじゃありませんか。どうやって打開するかということを一緒のベースに立って考えなければ対話は始まらぬ、こう思いますが、それは別として、総点検を命ぜられたというのは、いつまでに終了せよと言われたのですか。
○増田国務大臣 永末さん、えらくアメリカ軍に精通しておるようですけれども、そういう人があるならばどしどし私のところへ申し入れをしてもらいたいと思います。私も相当接触はしておりますし、職務上ある程度勉強はしておるつもりであります。また言いにくいことも言っております。そこで、あなたのほうは、目的が設定され、これだけならいいというなら、アメリカは喜んで聞くというのですから、そういう方があったらぜひ私のところへ来て話をするようにしていただきたい、こういうことを要望しておきます。
 それから、われわれは一九七〇年には新しく安保を改定するかどうかということはちょっといまは考えていないのでございます。これは自動延長がいいか固定延長がいいかということは別問題でございますが、安保条約を堅持するという立場でございます。
 それからいままでどおりならばいいじゃないか、いつまでも現状維持というのではないのでありまして、私はさしあたり水戸の射撃場なんかも、新島の問題が解決ついたならば三百五十万坪日本へ返ってくるわけでございます。太田の物資投下訓練場も七十万坪返ってくるわけでございます。そういうものを含めまして、王子病院等も適当なところに移転すると、これが五、六万坪返ってくるというようなわけで、非常に私どもは熱心である。現状維持ではないということを何べん言ったらいいのでしょうか。現状維持だというようにあなたはきめつけていらっしゃいますが、私どもが総点検とかいろいろ言うのは、基本は変えられないけれども、現状をある程度変えまして、民生に寄与するごとくして、そうして日米双方が国民から喜ばれて、自衛隊なりあるいはアメリカの陸海軍が――もっとも陸軍はおりません。これは岸・ハーターの約束でもう陸軍は補給部隊しかいないわけです。海軍は補給部隊並びに修理部隊しかいないわけであります。そういうふうにだんだん減っておる関係もございまして、二十一億平方メートルというものがいま約三億平方メートルに減ったわけでございます。その三億がまた二億平方メートルに減ったわけでございますから、どんどん減らしておるということだけは御承知願って、まだ減らし方が足りないからうんと勉強しろというなら私はまた考え直しますけれども、しかし何にもしていないじゃないかということできめつけられるのは困るわけであります。
○永末委員 私の質問に直接お答えにならぬで、よそのことを申されたが、あなたは現状維持。私が申し上げたのは、方針があなたと違うのです。だから何もあなたがじっとしておるなんて言っておらない。しかし違う方向へ動いてもらったって、それは事態の改善に役立たぬということをあなたにとくと腹に入れていただきたい。私が知っておることをあなたが知らぬことはないでしょう。それは御自分でさがされたらいいのであって、私が内閣をとりましたら、それは私がやりますよ。しかし、アメリカにそういう感じがあるということはこの機会に申し上げておきます。それは名前を教えろと言えば、別の機会にこれこれの者にひとつ意見を聞いてみなさいということは言いますけれども、あなたはわが国の大臣ですから、大臣の資格をもってちゃんとやればいい。私が伺っているのは、総点検を命ぜられたというのだから、大体いつまでに点検を終わらせるということを言ってるに違いない。それだけお答え願いたい。
○増田国務大臣 いつまでというわけにはいかないのであります。
○永末委員 だから方針がないと言うておるのだ。あなたが先ほど言っておるのは、現状を変更せしめつつある。その内容は面積の話ばかりでしょう。それはだめです。一つの対案として用途別にやるということは、いままでの安保条約の性格を一変することになるのだ。その決意なくして総点検を命じたということは、私は羊頭を掲げて狗肉を売るものだと思う。総点検でも何でもない。もしそうであったならば、もしその成果があがってきたならば、日米合同委員会にかけて日本政府側から出さなければならぬでしょう。ところが、あなたは先ほどそういうことをやるのはどうかというお話でありましたね。では、何のために点検するのですか、お答え願いたい。
○増田国務大臣 点検の期限を十月とか十一月とかいうことは言えないということなんです。しかし、なるべく早くということは言えます。これが第一のお答えです。
 それから不要不急ということが点検の結果わかったならば、私自身遠慮なく言います。また合同委員会において施設庁長官が発言するように私が指示をいたします。
○永末委員 時間が来ましたので終わりますが、外務省の方には質問する機会はございませんでしたが、長官、あなたの命のある間にやはり、安保の問題を前にしながら、日本のアメリカが所有しておる軍事基地については非常に大きな転換期に来ておるとわれわれは見ております。その転換期の意味合いは、アメリカの極東戦略の変化とともにその意味合いが変わっておる。それを、アメリカの出方を見ることなくわがほうで方針を立て、わがほうの方針をアメリカにぶつけて、この基地問題の解決の方向をはっきり示す。そうでなければ、いままでのようなやり方だけで七十年を迎えようということであるならば、国内に無用の混乱を引き起こすもとになる。せめて防衛庁長官としては、先ほどチェコの例を私あげましたけれども、国民全部にこの問題を引きおろして、そうして国民とともにこの問題を考える、この努力をしていただきたい。希望を申し上げて質問を終わります。
○浦野委員長代理 伊藤惣助丸君。
○伊藤(惣)委員 いままで基地問題がたくさん取り上げられてまいりましたが、私はもう一回基地問題について基本的な政府の姿勢を伺いたいと思います。
 基地問題を考えてみた場合に、大別して三つに考えられます。その一つは、安保体制が日本の安全と平和にはならない、むしろ極東の緊張を高めている、安保体制はないほうがよいという政治的、外交的見方がその一つであります。二番目には、安保肯定の方においても、たとえば戦略上非常に危険である、そう見られる個所、たとえば横須賀であるとか岩国の攻撃の発進基地であるとかといういわゆる戦略上の基地であります。さらに三番目には、付近住民が常に、通常申しますと基地公害といいますか、そういう点で非常に迷惑を受けているという三つの面から私たちは考えておりますが、いずれにしても付近住民が迷惑している。またいろんな問題があって危険を感じている。この点については安保を肯定する見方に立つ人たちも全員、言うならば国民総意の中においてこの基地公害については問題にし、また反対をしております。
 そこで伺いたいわけでありますけれども、先ほど来から聞いておりましたが、日米の両国政府間においてその基地を検討する。そしてまた基地の縮小、整理を前提として話し合う、こういうことも伺っております。そういう点の政府の基本的な態度をまず伺いたいと思います。
○増田国務大臣 伊藤さんにお答えいたします。
 まず前提として、日米安保体制は日本にとって危険であるという御見解には全然、百八十度違うということを申し上げます。日米安保条約をつくるときに、当時の占領軍は英国の軍隊もおりましたし、オーストラリアの軍隊もおりましたし、ニュージーランドの軍隊もおりましたし、インドの軍隊もおりましたが、われわれはそのうちの米軍だけに引き続いていてもらいまして、その一年前には朝鮮の三十八度線で三カ月真空状態があったわけでございます。米軍十五万がアメリカに撤退した三カ月間において、四月に撤兵したわけでございますが、六月二十五日に朝鮮三十八度線という大事変が起きまして、釜山まで来、釜山から帰る間において無事の非戦闘員が二百万殺されております。そういう試験台に日本をしたくない。その一年後に安保条約の草案をわれわれは推敲したわけでございますが、昭和二十六年九月八日調印するその時点においては駐留軍のうち米軍だけに駐留してもらおう、これが日本の国家の安全をはかるゆえんである。一億国民の生命、身体、財産を平和と安全のうちにお守り申す責任観念を果たすゆえんである、こう考えて安保条約は国民大多数のコンセンサスのもとにでき上がっております。昭和三十五年六月二十三日に改定されました安保も同じ精神で続いておるわけでございまして、日米安保体制がないとどうなるか。朝鮮三十八度線で私どもはもうまのあたり当時責任者として見ておりますし、また、一昨日のプラーグのような事件等も、日本はよかったんだという感じをおそらく大多数の日本国民は、意識すると意識せざるとにかかわらず、ほっとしていらっしゃるのではないか。日米安保体制の効果というものが平和の確保である。今日お互いにこうやって討論できるのも、質疑応答ができますのも日米安保体制のもと、自衛隊が存在して今日の平和が保てるからでございます。今日、自衛隊がなかったり、安保がなかったならば戦々恐々たることはプラーグの状態をまつまでもなく、朝鮮の、昭和二十五年の四月一日から六月二十五日までのことがございます。これはもう、伊藤さんもそのころはまだ若かったかもしれませんが、世の中を見ていらしたと思う。ですから、この第一のことだけは全然百八十度違う。公明党がそういうお考えを持っておるとは思わないわけであります。私も公明党には相当親友がございますけれども、そういうふうにきめてかかるのはいかがかと思います。
 それから基地は、何か岩国と横須賀が攻撃されるという話ですが、そういう話は聞いたことはございません。私は備えがあれば憂いがない、こういうふうに考えておりまして、備えがあれば憂いがあるという話は聞いたことがないと申し上げます。
 それから基地公害ということは、ほんとうば私はいやなことばでございますが、現に付近民衆に害を与えておるという意味で使われるならばそれは使われてもお差しつかえないでしょう。私もついでに使わしてもらってもけっこうですが、とにかく付近民衆に迷惑をかけないように基地のあり方を正していくと申しますか、そういう意味において総点検を総理大臣からも命令を受けましたし、基地問題閣僚協議会からも御注文を受けたりいたしましたから、防衛施設庁長官に指示をしておるわけでございます。伊藤さんの第三の点は同感でございます。
○伊藤(惣)委員 いまいろいろ各政党の見方、それから分類して戦略上から申し上げたわけですけれども、私はきょうはそういうばくとしたものではなくて、特に第三の点の付近住宅に直接公害を与えているもの、これについて具体的に伺っておきたい、こう思うわけです。
 それで、わが党の調べによりますと、少くても現在反対運動が起き、また問題化して付近住民が非常に苦慮しておる、困っておるというようなところが、百四十七カ所のうちに三十一カ所ございます。その基地について、いままで何回となく聞きましたが、基本的に四十三年度中にはどのようにするのか、また、ことしできなければ来年度の予算編成においてそれを組み込むのか、さらに、反対運動等があって当分見込みがないというふうな考えを持っているのか、さらに、いま申し上げます三十一カ所のこれらに対する解決の見通しをどのように考えているのか、その点についてお伺いしたいと思うわけです。
 東京都においては、グラント・ハイツ住宅地区、これは汚水処理問題で非常に付近住民が困っております。それから立川飛行場については基地拡張の反対運動があります。さらに横田飛行場においては騒音の問題があります。また赤坂プレスセンターには同じようにヘリポートの騒音の問題があります。またキャンプ王子は、いわゆる野戦病院としてマラリア伝染であるとかあるいは騒音の問題があります。さらに多摩弾薬庫については返還運動が起きております。これは東京であります。
 次に神奈川県でありますけれども、岸根兵舎地区、これは病院の問題でいろんな問題が起きております。それからキャンプ淵野辺、これは電波障害で起きております。さらに横須賀海軍施設は電波障害と原子力船の問題があります。次に横浜海浜住宅地区、これは移転の問題があります。次に長井住宅地区、これも移転の問題があります。十二番目として厚木飛行場、これは電波障害と騒音の問題があります。それから十三番目として横浜ノースドック、これは返還運動であります。それから池子弾薬庫、これも返還運動であります。十五番目は久里浜倉庫地区、これも返還運動であります。十六番目は米軍医療センター、これも病院の問題があります。十七番目は上瀬谷通信施設、電波障害があります。
 十八番目はキャンプ朝霞、これは病院の問題があります。十九番目は所沢補給廠、これは返還問題であります。二十番目、大和田通信所、電波障害の問題であります。いま申し上げました十八番目から二十番目、これが埼玉県の問題であります。
 次に、千葉県では柏通信所、これは電波障害の問題であります。
 茨城県では水戸射爆場、移転の問題です。
 群馬県、これは太田小泉飛行場、返還の問題です。
 次に青森県では三沢飛行場の騒音の問題があります。
 次に福岡県では、板付飛行場の返還問題があります。二十六番目として門司港及び倉庫地区の弾薬輸送の問題があります。さらに二十七番目として山田弾薬庫、弾薬輸送の問題があります。
 長崎県では、二十八番目として、佐世保海軍施設、放射能汚染、原潜等寄港の問題があります。二十九――三十一として秋月、川上、広弾薬庫、その弾薬輸送の問題があります。
 以上、ただいま申し上げた点について簡明にお伺いしたいと思います。
○山上説明員 ただいま三十一カ所というお話、私は実はこの「公明」という雑誌を読みましたら、おっしゃったのがそのまま出ておりましたので、それを拝借してお答え申し上げたいと思いますが、実はこれについて私どもは、先ほど申し上げましたとおり、基地の問題につきましては、従来から今日に至るまで、常にそういった公害の問題であるとかあるいは基地の周辺におけるところのいろいろな反対運動の問題、すべてにわたって検討しておる段階でございまして、いま必ずしも結論に達した段階ではございませんので、直ちにこういたす、ああいたすということを御返事できる状態では、ただいま必ずしもないのでございますが、大体のところを申し上げたいと存じます。
 このたくさんございます中で、まず共通的にございます電波障害の問題、これが十二カ所にわたってございます。申されました三十数カ所の中にも相当大部分が入っておるようでございますが、これにつきましては、施設委員会のもとに電波障害制限地帯に関する特別委員会というのを設置いたしまして、電波障害の制限、緩衝地帯、こういうものを設置すべきやいなや、これは米側の要求に基づくものでございますから、そういったようなものを十分検討いたしまして、その上で対策を講ずる。これは現在の施設内におきましてそういった要求をすることがはたしていいのかどうか、あるいはなくても済む、中の機械を改造してもらえば間に合うというようなこともあり得るではないか、あるいはまた周辺住民に非常な影響を与えるというようなことであれば、多少のことはがまんしていただくというような解決方法もあろう、そういったようなすべての問題について、今後じっくりこの委員会において検討してまいりたい、このように考えておりますので、一括してお答え申し上げます。
 それからあとグラント・ハイツの汚水処理の問題がございますが、これにつきましては、汚水処理の適正を、何といいますか、周辺に影響を与えないように応急対策をする、と同時に、根本的な対策につきましても、米側と話し合いを進めておる段階でございます。
 横田飛行場その他におきまするところの飛行場の騒音問題につきましては、御承知のように周辺住民、特に学校、病院、その他公共施設関係、これらを中心にいたしまして、でき得る限り広い範囲におきまして騒音の被害がないような施策、これを明年度の周辺対策の大きな眼目として周辺対策を十分にやってまいりたい。また、それだけでなく、騒音というものができるだけ起きないように、基地の側においても運営その他を適正にやっていっていただきたいというような処理をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
 それから、立川の拡張というものは、これは地元におきまして――これは安全地帯の買収の問題だと思いますが、これは地元とよく話し合いをした上で進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
 それから、プレスセンターのヘリポートの騒音というのは、これは騒音そのものが、何と申しますか、米軍の東京都内における連絡のためのセンターでございまして、騒音の被害のないような墓地方面からの進入、そういったような方法を米側にもとっていただくようにいたしております。
 それからキャンプ王子につきましては、移転の方針のもとに、明年度予算も計上しておる次第でございます。
 多摩弾薬庫の一部返還――これは一部返還であろうと存じますが、これにつきましては、米側から条件つきで一部返還に応ずるという回答がすでに参っております。
 それから岸根兵舎地区の病院の問題というのは、これは病院として現在必要であるというような米側の意向でもあり、今日こういう施設を直ちにほかに持っていくということも困難ではないかと考えておる次第ございます。
 横浜の海浜住宅の移転、これは横須賀あるいは厚木等の基地等を目標にいたしまして、できるだけこれの移転をはかり、そうしてこの地域の開発と調和するようにしてまいりたい、こういうふうに考えております。長井住宅の問題については、まだ検討が終わっておりませんので、今後十分検討してみたいと思います。
 横浜ノースドックの、これは一部返還であろうと思いますが、これにつきましては、今後検討の問題であろうと思っております。
 池子弾薬庫、これもまた返還でございますが、これは一部返還という線については地元のほうからもお話もございますし、前向きで検討してまいりたいと思っております。
 久里浜倉庫地区は、これは米海軍がきわめて重要なる補給基地として使っておるものでございまして、返還ということはむずかしいのではないかと思っております。
 その他の米陸軍医療センターの病院につきましては、これまた岸根と同断であろうと思いますが、いずれにいたしましても周辺に御迷惑のかからないような措置につきましては、これは日米間で十分に話を進めてまいりたいという考えでおります。朝霞の病院も同じでございます。
 水戸対地射爆撃場並びに太田小泉飛行場につきましては、ただいま大臣からお話もございましたように、新島への移転ということを考えておりまして、地元のコンセンサスを得られればできるだけすみやかに移転したいと考えておる次第でございます。
 三沢の飛行場の騒音につきましては、その他の飛行場の騒音と同断でございます。
 板付の飛行場につきましは、これまたすでに基地対策関係閣僚協議会でも移転という方向で一応検討せいということで、目下検討中でございます。
 門司港の弾薬輸送並びに山田弾薬庫につきましては、これは九州におきます重要なる弾薬基地でございますので、これを直ちにどうするということはできないと存じますし、弾薬輸送というものはそう著しい危険があるとも考えられないように思っておる次第でございます。
 佐世保の放射能汚染の問題等につきましては、科学技術庁等でいろいろ検討いたしておると承知いたしております。
 以上、大体お尋ねのありました点につきまして概略お答え申し上げましたが、なおこれらにつきましては、私どもといたしまして、過去から将来にわたって検討をいたし、また今後することもございますので、必ずしもただいま申し上げたことがすべての結論であるとも申しませんし、今後こういうような問題につきましては詳細なる資料をまた見た上で十分に検討してまいる、こういうふうに考えております。
○伊藤(惣)委員 あまり時間がありませんので次に進みたいと思うのですが、いずれにしても四十三年度中においてはいま申し上げました中のどれを処理し、さらに先ほど四十四年度中に基地対策として約二百五十億ですか見込んでおると申しておりましたが、その場合でも一応こことここというものをあげて予算を組んだと思うわけです。その面も明らかにしていただきたいと思うのです。
○山上説明員 ただいまそういった問題全般について検討しておる段階でございますので、詳細な点を申し上げるというわけにはまいらぬと思いますが、先ほど申し上げました王子、板付等の移転あるいは横浜の海浜あるいは本牧、山手ですか、これらの移転を含めましてそういうもの、それからその他水戸の移転問題――ただいま申し上げました移転ということにつきましては、それぞれ明年度において工事費もしくは調査費等を計上して今後前向きでやれるように考えております。
 なお、騒音対策その他周辺対策につきましては、先ほどもお答え申し上げましたが、相当大幅にこれを重点的にやってまいるという考えで予算を計上しておる次第でございます。――計上すると言うとちょっと早うございますが、計上したいというつもりで要求をいたしたいと思っております。
○伊藤(惣)委員 あいまいな答弁なんですけれども、先ほど四十四年度の予算を申し上げたわけですから、何を根拠にその金額を言われたのか、おそらくはこういう問題化しているところの周辺対策費として考えていると思うのです。できるならばどことどこなのか、現在わからなければ資料として提出願いたいのですが、いかがですか。
○山上説明員 いずれ予算等が決定いたしましたら資料として提出いたしたい、かように考えます。
○伊藤(惣)委員 長官に伺いたいのですが、あなた方は日米安保体制は非常によい、そして日本の平和と安全のために長期に堅持するという考え方でいるようでありますけれども、しかし問題は、いま申し上げたところの住民は、たとえそれが自民党を支持される方々であったとしても、この問題を何とかしてくれ、こういう声が出ているわけであります。これが大半であります。そうした国民に対してもう一歩具体的に、今年度はできないけれども来年度こうする、現在はこうなっているけれどもそれについてはこうするという政府の答弁がなければ、あるいは政府のそういう姿勢がなければ、付近住民は、逆に公害はまずい、さらに安保体制はむしろわれわれを犠牲にするものだということになる。そしてまたかつての総理でありまんけれども、安保条約があるんだから、義務なんだからがまんしろというようなことについては、これは国民をばかにするともいえるわけです。
    〔浦野委員長代理退席、井原委員長代理着席〕
そういう点についての前向きの姿勢を長官から伺いたいわけです。お伺いします。
○増田国務大臣 いま山上施設庁長官からお答えいたしましたとおり、三十一カ所について具体的のお答えをいたしたわけでございます。それぞれの点につきまして前向きの姿勢をもって臨んでおることは長官から御答弁申し上げたことでおわかりくださるのじゃないかと思っております。ただ受け入れ側におきましてまだ反対しておりまして、水戸射爆場等を解除いたしますと、群馬県も助かる、茨城県も助かるわけでございますが、新島方面におきましてはやはり被害者になるわけでありまして、また漁民等も漁業権に相当制約を受けるということがございまして、なかなか解決には時間がかかっておりますけれども、すべての問題について前向きであることは事実でございます。王子病院等も、今度予算を組もうとしておるのは、二カ年かかりまして新しい病院をつくりまして、これを提供して王子病院を含むあの区域等を返還してもらう、そのためでございます。
○伊藤(惣)委員 それじゃ、もう少し詰めてお伺いしますが、これらの基地問題については何年をめどに解決するのか、その点を伺いたいと思います。先ほど山上長官は周辺対策としては来年度中に考えるというわけです。ぼくが申し上げましたのはやはり周辺対策であります。ですからこれを全部来年度中にやるのかどうか。
○山上説明員 周辺対策といたしましては、障害の防止あるいは騒音の防止あるいは周辺道路の問題、その他の周辺におきますところの民生の安定の問題、あるいは飛行場周辺におきます集団移転、騒音の被害を感じて移転をしたいという者の移転に対する補償、その他労務対策等を含めましてわれわれ基地周辺対策と申しておるのでございますが、明年相当大幅な予算の増額をしていただきたいというふうに考えております。たとえそれでありましても、ただいま地元等から要望されておりますところの周辺対策は相当多額に及んでおるわけでございます。これを概数で申せば千億以上の数字になっておるわけでございまして、直ちに一カ年でやるということは困難かと思っておりまして、私のほうはこれを完結するのは五年くらいかかるのではなかろうかというふうなめどで考えております。しかしながらこれをもっと、もう少し期限を短くしたらどうだというようなお話もございますので、それらについてはさらに検討してまいりたい、かように考えております。
○伊藤(惣)委員 長官に伺いたいのですが、山上長官は五年をめどに、できるならばもう少し短くしたいというお話でありますが、長官の考えはいかがですか。周辺対策としてこれは緊急を要するものである、たとえ自民党の支持者であるといえども、そのままにしておけばこれはたいへんな反対運動が起きまして、ますますじり貧が激しくなるのではないかというふうに考えられますので、その点もお伺いしておきます。
○増田国務大臣 お説のごとく、日米安保体制に賛成している者も、基地がそばにあって直接公害を受けておる者は勢い反対せざるを得なくなるであろうというようなお説は一考に値すると思います。そこで、できるだけ早く迷惑を排除いたしたい、こう考えておりますが、防衛施設周辺の整備に関する法律と、この基地に関する各種の問題を解決するために千三百億ばかり要ることになっております。来年度の予算がどれだけいただけるかわかりませんが、まず三百億はいただけないのじゃないか。そういたしますと三百億といたしまして、われわれの要請が二百五十億ばかりでございますので、四年ばかりかかる。そこで山上君が四、五年と言ったのは着実なる見通しでございます。ただ防衛施設庁の防衛施設の周辺に関することも含んでおりますから、やはり米軍の施設区域に対する各種の迷惑を排除することが必要だと思いますから、そちらへ重点的に力を入れまして解決いたしたいと思っております。一面予算もできるだけ確保いたしたいと思っております。皆さまの御協力もぜひいただきたい次第でございます。でございますと、両三年くらいには解決つけないといけない問題である、防衛施設庁のほうは少しあと回しになってもやむを得ない、こういうような予算操作も必要ではないかと考えております。
○伊藤(惣)委員 次に、先ほどから総点検をやっていらっしゃるというふうに伺っております。総点検、非常にいいことだと思うわけですが、わが党が早くから主張したことでありますけれども、その総点検をするのにどういう具体的な方針または具体的な調査の項目で始めているのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○山上説明員 先ほどもお答え申し上げましたが、基地の提供施設につきましては、現在の施設がどういう程度に利用されておるかというような問題、あるいはそういうところでそれが全体的に利用されているかどうか、あるいは一部分にそういう問題があるかどうかというような点、それからこれらを自衛隊等が使用しておりますが、こういった使用を前提とした自衛隊に対する使用転換というようなことが可能かどうかというような問題、これらを総括して、あるいは自衛隊等でなくて民間というようなことが考えられるかどうか、そういうことも含めまして、なおかつこれらにつきましてはそういった面だけの検討ということではたしていいかどうか。施設区域、これは日本の平和と安全あるいは極東の平和ということもあり、そういった防衛的な見地からもそういったことが必要ではないか、考えなければならぬのではないか。また周辺対策――ちょっとものの順序が逆になりましたが、周辺におきますところのいろいろな影響を与えるという問題がございますので、そういった状況、これは必ずしも返還とかそういったようなこととは関連ないかもしれませんが、周辺対策という意味合いからも、そういった問題も含めて総体的に検討しておる、こういうことでございます。
○伊藤(惣)委員 前回の臨時国会において、わが党の山田議員がそのことも質問したわけです。もうすでに調査を始めているという話であったわけですが、ただいまのような調査項目で始めたわけですね。そしてその点検をやれということを指示したのは口頭なのかあるいは書類でやったのか。また、いつまでにその点検を終えろと指示したと思います。いつでもいいから調べてこいというような、そんなばかなことはないと思うわけですが、その点についても伺っておきたいと思います。
○山上説明員 いつまでという特段の期限はございませんが、この問題の性質上、なるべくすみやかに検討するというようなことで処理いたしておる次第でございます。
○伊藤(惣)委員 口頭ですか、それとも書類ですか。
○山上説明員 口頭でございます。
○伊藤(惣)委員 非常にたよりない話でありますけれども、私たちは真剣に総点検をすべきであると思う。考えてみますと二十三年、一回もやったことがないわけです。問題が起きればそのつど日米合同委員会等において検討をしてきたことは知っております。しかしながら二十三年間、すべてを同時に同じ調査項目で調査する、または点検するということはかつてなかったわけです。したがってわが党はその点を特に重視している。私は、調査するのにもっと項目が必要ではないかと思うわけです。もし必要ならばこれをちゃんとした書類で、しかもできるだけ早く、そして現在の大衆あるいはその付近の住民が困っていることを早く長官や総理大臣が知って、そしてまたそれを示して解決すべきである、このように思うわけです。総点検に対する調査項目については口頭ではなくて書類で、しかも具体的にいつということは言えないというようなことでなくて、たとえば本年じゅうであるとかあるいは来年早々であるとか、そういうめどをつけてやるべきだと思いますが、その点について伺いたいと思うわけです。このことは、東京都においてもうすでに米軍の基地については少なくとも十月ごろあるいは今年じゅうにはいろんな問題を取り上げてはっきりする、このように言っております。したがって、政府としても当然そのような考え方でいくべきではないかと思いますが、その点について長官から明快なる答弁を伺いたいと思います。
○増田国務大臣 行政のやり方で一々書きつけに書いておく必要はないと思います。私が指示した日は約一カ月半ばかり前でございますから、指示という事実はあったわけでございまするし、それから、こうやって国会ではっきり意思表示をしていることがやはり証拠となるわけでありますから、また山上施設庁長官も口頭で指示を受けましたと言っておりますから、あとあらためて書類にせよ、証文とっておけということは必要じゃない。行政のあり方としては口頭の場合が非常に多い。でないと行政というものは敏速にいきません。ただ、点検をしたあと書類に残しておくということは必要だと思います。それから、できるだけ早くやるということも必要でございまするが、期限は限りませんけれども、なるべくすみやかにという指示もいたしております。
○伊藤(惣)委員 このことは非常に重大なことでありますし、できますればこの基地問題を大きく取り上げまして、国会内に超党派で仮称基地問題対策委員会というようなものを設置をしたらいいのではないか、そう考えますが、長官の御見解を伺いたいと思います。
○増田国務大臣 私は基地だけのために特別委員会をつくることはあまり進んでおりません。ただ与党には非常に責任がございまするから、与党には基地問題対策特別委員会なるものがございまして皆さまの御要望もございまするし、一生懸命与党のほうにも研究を願って御期待に沿いたい、こう考えております。
○伊藤(惣)委員 まあ急の質問でありますから即断で即答はできかねるとは思います。しかし付近住民が直接迷惑を受けているという問題については、これは与野党では一致する問題であります。したがって、どうか基地問題対策委員会というようなものをつくって、政府だけではなくて与野党が入って真剣に討議してきめるべきが一番いいのではないかということを重ねて申し上げるわけです。今後の防衛庁長官のその問題に対する考えをもう一回伺って基地問題は終わりたいと思います。
○増田国務大臣 国会で特別委員会をつくるということは私はあまり賛成いたしかねるわけであります。ただしかしながら防衛関係でも内閣委員会のお仕事がたくさんあるのにたいへんおじゃまをいたしておるわけでございまして、防衛関係はぜひとも常任委員会をつくっていただきたいという考えは前から持っております。そのときに重要議題になるのがこのいわゆる基地問題ではないかと思っております。
○伊藤(惣)委員 防衛問題委員会をつくるということについては長官は積極的にそのことを考えているわけですね。
○増田国務大臣 防衛常任委員会をつくることについては積極的にむしろお願いしたい立場でございます。
○伊藤(惣)委員 次に伺います。
 これはさきの国会で日本の防空に関し松前・バーンズ協定のことが問題になりました。最近、防衛庁ではこの協定をさらに新しい形で締結するような方針を固めているというような話を聞いているわけですが、その点について伺いたいと思います。
○宍戸説明員 お話しの協定につきましては幕僚段階でいろいろ勉強はいたしております。が、お話しのように直ちに改定するというふうな結論は出ているわけではございません。いろいろな角度から勉強をしているというのが現在の段階でございます。
○伊藤(惣)委員 この松前・バーンズ協定は一九五九年の九月二日に当時の航空総隊司令官松前空将とバーンズ米第五空軍司令官との間に協定が締結されたわけです。その骨子について伺いたいのですが……。
○宍戸説明員 米軍との協定でございますので詳細申し上げることは御遠慮申し上げたいと思いますけれども、趣旨を申し上げますと、御承知のように三十年代までは米軍が領空侵犯の措置をやっておりました。三十二年ごろまでそういう措置をやっておりまして、わがほうの航空自衛隊ができまして整備するにつれましてわがほうの航空自衛隊でも領空侵犯の措置ができるようになりましたのを機会に、お示しの一九五九年、昭和三十四年この協定を米軍と総隊司令官との間で結んだというのでございまして、そのいきさつからもおわかりのように、領空侵犯に対する米軍と航空自衛隊との任務の遂行のための実施的な取りきめでございます。たとえば、両者においてこの措置について緊密な連絡をとらなければならないとか、そのために連絡室を置くとか、指揮系統はそれぞれ別であるとかというふうなのが協定の主たる内容になっております。
○伊藤(惣)委員 これが秘密の部類に属するならば、答弁は不可能だと思いますので、私のほうから大体の骨子を申し上げますが、その点でまた間違いがあれば、あなたに訂正してもらいたいと思います。
 その一つは、防空戦闘の指揮は日米それぞれが固有に保持する、これが第一点です。二番目には、緊急時にあっては一方的に処置した後、事後に通告する。三番目には、東京府中に日米共通の防空指揮所を置く。四番目、関係レーダーサイトに米軍の運用チーム、いわゆるADOTを置く。五番目、領空侵犯措置は日米それぞれ固有のものによって実施する。
 間違いありませんか。
○宍戸説明員 大筋と趣旨においては、大体そんな内容でございます。
○伊藤(惣)委員 そこで長官に伺いたいわけですが、ただいま話し合いをしているという答弁がございました。検討でも、私は近いのじゃないか、同じ意味ではないかと思うわけですが、長官に伺っておきますけれども、現在のままでどこまでもいくのか。さらにまた将来新しく結ぶ考えがあるのか。その点を長官に伺いたいと思います。
○増田国務大臣 日米安保体制ということばはいわゆる俗なことばで言えば共同防衛ということです。その共同防衛上の細目の協定でございますから、この協定は違法でもなければ不法でもございません。そこで、この協定によってスクランブルを日本側もやり、またアメリカ側もやるという当時の約束でございましたけれども、いまはもうスクランブルは日本側だけがやっております。でございますから、ある部分は必要であるし、ある部分は必要でないという部面もございますけれども、それが再検討をしておるという防衛局長のことばになってあらわれたものと思っております。しかし、この協定は別段いじる必要はないというふうに私は強い印象を持っております。
○伊藤(惣)委員 だんだん基地が縮小、整理されるわけですが、そうなりますと当然米軍も撤退をするわけです。したがって、この協定は、そうなりますとこのままではまずい。要するに新しく航空協定を結ばなければ当然運用上支障を来たす、こういう面も考えられるわけですが、それでもなおかっこのままでいくという考え方ですか。
○増田国務大臣 米軍がスクランブルをかけないような、つまり日本の航空自衛隊だけでスクランブルの能力はあるようになりましたけれども、この協定の活用される部面もまだございます。そこでスクランブルがなくなればアメリカの空軍は撤退するという前提がちょっと私には首肯できないわけでございまして、英国にもアメリカの戦闘機――戦闘機というものは御承知のとおり防衛のためのものでございますが、防衛のための戦闘機が三沢、横田におる。米空軍が二万おりますが、同じ二万がロンドンの近所におります。しかしながら三百機おるわけであります。日本には二百機だけでございます。米空軍のことでございます。そこでスクランブルはいたしませんけれども、安全保障のために駐留してもらうことは必要である、こう考えておるわけでございまして、そこで航空情報その他をやはり交換するというような協定の部面もございます。そういう部面はいままだ生きておりまするし、私はいじる必要がない、こういうわけでございます。
○宍戸説明員 恐縮ですけれども、ちょっと補足して。私は先ほど再改定をしておると申しておりません。幕僚が勉強しているということを申し上げただけでございます。念のために……。
○伊藤(惣)委員 これはさきの国会において非常に大きな問題になった点であります。なぜかならば、米軍と日本の自衛隊との間において、スクランブルのときに問題が起きた場合でも、何ら長官に報告なしに、先ほど間違いないと言った、特に処置したあと、私が申し上げました二番目の、緊急時にあっては一方的に処置した後に事後に通告する、こういう面から考えていきますと非常に問題が大きくなるわけであります。わが国はシビリアンコントロールでいく、しかしこれは秘密協定みたいになっておりまして、あるいはまたこの協定から申し上げますと、一方的に米軍と自衛隊との話し合いによって、あるいはそのときの判断によってかってに日本を侵略するものを撃ち落とすことができる。いわゆるシビリアンコントロールという面から見たならばこの松前・バーンズ協定は非常に問題であり、さらにシビリアンコントロールの行き方をこわしているのではないか、こういうふうにいわれているところであります。その点からいっても、このままでいくということは、さらに今後大きな問題になることも事実であります。その点について長官の見解を伺いたいと思います。
○増田国務大臣 スクランブルの規定は自衛隊法八十四条にございますが、アメリカと日本とでよく連絡をとりつつやるということでございまして、いまはスクランブルはいたしていないのでございます。
 それから、緊急の場合に適切なる措置をとった後事後報告をするということは、この前の国会において問題になったことは事実でございます。これは警戒体制がABCDという段階がございまして、その警戒体制を緊急の場合には高めていきます。その高めた場合には、事前に高めて事後に至急連絡をとる、こういうだけのことでございまして、いまアメリカ軍はスクランブルはいたしておりません。そこで結局安保条約の規定によって出動するという場合には第五条でございますが、これは緊密な連絡をやっぱり事前にとらなくちゃいかぬわけでございまして、この安保条約第五条によって防衛出動と同じような、向こうとしては戦闘行動でございますが、防衛のための戦闘行動をとる場合には、それぞれの憲法の条章の規定に従ってやりますけれども、十分なる連絡が必要でございまして、この安保条約の規定よりも一年か二年前にできたのが松前・バーンズ協定でございますが、旧安保にも新安保にも触れない、いわば細目的の手続を協定したのにすぎないわけでございます。
○伊藤(惣)委員 要するに私が心配する点は、こういうことはまずあり得ないことでありますけれども、現在のチェコ情勢から考えても、突然侵略者が日本の国に駐留する、あるいは外部からいろいろな侵略がある、こういった場合に、この協定をこのままにしておくならば、少なくとも米軍と自衛隊だけの考えで要するに適当な措置をとるということになるわけです。ということになりますと、日本政府も知らない、国民も知らない、どっちも知らないうちに戦争に巻き込まれていく、あるいは非常に緊張を高めてたいへんな問題になる、こういうことが考えられるわけなんです。ですから私が申し上げたいことは、シビリアンコントロールのワク外にあるこの協定を、シビリアンコントロールの中に組み込むことが大事ではないか。さらにまた自民党政府は、長期に米軍との関係についても堅持するというようなことをおっしゃっておりますけれども、そういう面からいっても、現在のままではまずい、要するに新しい協定またはシビリアンコントロールの中においてこれを考えていくべきではないか、こう思うわけですが、長官の見解を伺いたいと思います。
○増田国務大臣 自衛隊法ができたのは昭和二十九年でございます。それから昭和三十四年に松前・バーンズ協定ができておるのでありまして、自衛隊法ができてから五年目にできたのが協定でございます。そこで、自衛隊の航空部隊が動く場合は現在でも二十四時間勤務でございまして、いつも領空侵犯に対する措置というものを私は命令しております。すなわち八十四条によって、文官である防衛庁長官の命令によって動いておるわけでございまして、私の命令に違反して動いておるわけではない、すなわちシビリアンコントロールの実はあがっておるわけでございます。
○伊藤(惣)委員 この協定は、シビリアンコントロールの中にあるならば問題にはならない協定なわけです。そのワク外にあるというところに問題があり、さきの国会でもこの問題は内容までいかずに終わってしまったわけです。ですからごまかさないで長官のこの問題に対する見解をはっきりしておいていただきたいと思うわけです。
○増田国務大臣 たびたび申し上げますとおり、松前・バーンズ協定は旧安保条約のときにできたものでございますが、新安保を通じて見ましても、自衛隊法を通じて見ましても、その施行細目に対しての約束事みたいなものでございまして、特別に法や条約以上の権限を与えたものでは断じてないということを明確にいたしておきます。
○伊藤(惣)委員 防衛局長に伺いますが、先ほど全然検討していない、話し合っているけれども検討していないという話でありますが、もう一回確かめます。事実ですか。
○宍戸説明員 先ほども申し上げましたけれども、改定を考えているかという御質問の趣旨だと思いまして、それに対しまして、現在具体的に改定を企てておるわけではないという趣旨のお答えをしたわけでございます。幕僚はこの協定に限りません、絶えずいろいろな訓令、協定等を勉強いたしておりますが、この協定についても勉強はいたしているというのが現在の段階でございます。
○伊藤(惣)委員 では将来についても全然検討、そして改定する意図はない、こういうふうに伺って正しいのですか。
○宍戸説明員 将来のことをここで断言する段階ではまだないと思います。具体的にいまごく近い将来に改定の手続を進めるかということでありますと、いま直ちにそういうことを進めているわけではないということでございます。
○伊藤(惣)委員 もう一回伺いますが、現在は考えていなくても将来は考えて検討する、こういう考えはありますか。
○宍戸説明員 将来のことを確実に見通して断言するだけの自信はまだございません。
○伊藤(惣)委員 時間がありませんけれども、要するにそういう国民が知らないような協定は、特に秘密協定に類するような協定はないほうがいい。さらにまた今後あなた方の立場に立っても言えることは、これはもうシビリアンコントロールの中においてちゃんと把握すべきである。長官がシビリアンコントロールの中にあると言いますけれども、そうであれば問題が全然ない協定であります。一つはそういう制服同士の間においてできる協定であるがゆえに問題になっておるわけですから、私は将来改定すべきである、このように長官に申し上げたいのですが、長官の見解を伺っておきたいと思います。
○増田国務大臣 同じことをお答えすることになりますけれども、要するにスクランブルのことを約束してありまするし、それから警戒段階は必要に応じて緊急の場合には高めておく、それを事後において通知することがあるべしというようなことが協定の内容である。もう一つは、極東の防空関係の情報について知り合ったことはお互いに知らせ合う、こんなようなことを約束してありまするが、いずれも旧安保、新安保の施行細目でございまして、旧安保、新安保以上の権限義務を設定したものではございません。われわれが秘密といたしておるのは相手国との一種の約束でございまするから、相手国のほうから、外へ出してくれるなと頼まれておるから成文を出さないわけでございまして、成文は出しません。テキストは出しませんけれども、内容はいま申し上げておりますそれらのことを規定してあるだけでございます。また一たん緩急あるときはそれぞれの指揮系統によって動くということは、これは日米安保条約第五条を読んでみれば当然そうなっておるのでございまして、日本が直接武力行使を受けた場合には、それぞれ日米は憲法その他の手続に従って行動するということは、指揮系統が北大西洋安全保障条約等のごとくピラミッド型ではない、それぞれ独立してお互いに協力はし合うけれども、二本である。空についてそういう警戒体制を常時置いておりまするが、その空の警戒関係についても指揮系統は別々だというようなことを書いてある、これだけでございます。でございまするから、いま不要になった部分を除いてみますると、必要な部面も相当ありますから、手直しをする必要がございません。かりに手直しをしましても、相手方が機密にしておいてくれと言えばテキストは、条文そのものはお見せするわけにはいかないのでございまして、内容等は秘密にすることばありませんから、伊藤さんがお聞きになっても、どなたがお聞きになっても私はお答えいたします。とにかくそういう事柄でございまして、違法であることの、違憲であることのという大騒ぎをされる必要のないことでございます。勉強されればすぐわかることでございます。
○伊藤(惣)委員 まあ長官がそうおっしゃるならば、もう一回長官も勉強していただきたいと思うのです。そういうことであるならばちゃんと、大事なことなんですから、あなたのほうでつくるこういう安保条約集なりまたこういう交換公文が載る中にはっきりとそれは明示すべきだと思うのです。その点それがないということは非常に問題でもあります。時間がありませんので、その問題については、どこまでもそうおっしゃるならば、またあらためて長官に質問いたします。
 次に、FXの問題について伺っておきます。現在何回かの調査団が行っておるわけでありまするけれども、大方の見方は十一月中に機種を決定する、こう言われておるわけです。そしてまたその機種にはファントム、現在のF4Cの改良型、あるいはCL1010、さらにフランスのミラージュ、三つの機種にしぼられているようでありますけれども、いままでの防衛論争から見てまいりますと、当然爆撃機あるいは足の長いということは不適格であるということになるわけです。そうしますと、その三機種にしぼられた中で、いままで論争にあったワクの中で考えるならば、CL1010が予算規模からいっても、あるいはいままでの整備の上からいっても一番条件としては近いのではないか、こう考えられるわけです。FXについての長官の考え方を伺いたいと思います。
○増田国務大臣 FXを三つにしぼったのは、現在あるF104よりは迎撃能力が高いもの、こういう線でしぼりましたところ、九種あるうちで六種は落ちたわけでございます。すなわち、現在あるF104よりは同じであるか低いということでございまして、せっかく迎撃能力を高めるという立場で第三次防の項目にも書いてございますのにもかかわらず、第二次防ででき上がっておるF104と同等か低いというものは当然落ちるわけでございまして、そこであとに残ったのはミラージュとCL1010とF4ファントムでございます。このうちどれにするかこれにするかということにつきましては、技術的、事務的の立場において良心的にきめる。他の何ものにもわずらわされずにしっかり勉強してきなさい、これが私の指示でございます。それ以上でもそれ以下でもないのでございまして、きわめて正確なりっぱな選び方をいたしたい、こう考えております。九月五日ごろ調査団は帰ってまいりますが、あとどのときに報告が出るか、そのことの時点までは今日のところまだわからないわけでございますが、緒方調査団は団長以下、私は人をりっぱに選んだと考えております。良心に照らして正確なる調査をしてくる、こういうことを期待いたしておる次第でございます。
○伊藤(惣)委員 そこで伺いたいのですが、この候補機の決定はいつごろをめどとして長官は考えておられるか。
 さらに、ただいま申し上げましたが、いままでの防衛論争ではファントム4Cはその条件に合わないということがいえるわけです。したがって、それはワク外になる、こう思うわけですが、その点について伺いたいと思います。
○増田国務大臣 いま、このFXのことはあくまでもXでございまして、私はどれはこう思う、これはこう思うと言うことすら避けたい、こう考ええておる次第でございます。ただ、昭和四十四年に調達契約を取りつけますから、それを目途として機種を選びたい、こう考えております。
○伊藤(惣)委員 年内に決定されると思うのですが、その点について答弁願いたい。
 もう一点は、つなぎの練習機を導入したい、こういう制服の方の意見あるいは希望があるようですが、その点について見通しを伺いたいと思います。
○増田国務大臣 なるべく早くFXはきめたいと思っております。それ以上のことは言いかねるわけであります。
 それから超音高等練習機は、いませっかく――これはTXのことでございまして、TXはせっかく開発中でございます。でございますから、まだつなぎのためにTXの開発途上において超音速高等練習機を外国から買ってきて、そしてノックダウンでつくるかいなか、いずれがいいかということは慎重に考慮中でございまして、私はいまのところTXの開発を急ぐべきである、こういう考えでございます。
○伊藤(惣)委員 最後に。まあいままでの自衛隊の計画によれば、あるいは三次防の計画あるは四次防という面から見た場合、年内に機種を決定しなければ間に合わないということが一点。
 そしてまた練習機についも、これはいろいろな方法はありますけれども、購入すべきである、あるいは導入してほしいという意見があるわけですが、その点についていま伺ったのではちょっとあいまいでわかりませんので、もう一回伺って終わりたいと思います。
○増田国務大臣 FXはなるべく早くきめるべきであると思っております。
 それからTXはいませっかく開発中でございまして、なるべく早く成功されんことを祈る、そういう中で部下を督励しております。そのつなぎというようなことはまず考えないで、日本の技術や能力をもってしてTXが開発されないはずはないわけでございまして、TXの開発を急ぐべきである。これが本筋の考え方である、こう考えております。
○伊藤(惣)委員 じゃ、これで終わります。
○井原委員長代理 本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十分散会