第059回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
昭和四十三年八月九日(金曜日)
    午前十時二十一分開議
 出席委員
   委員長 床次 徳二君
   理事 上村千一郎君 理事 臼井 莊一君
   理事 小渕 恵三君 理事 本名  武君
   理事 川崎  寛君 理事 美濃 政市君
   理事 永末 英一君
      上林山榮吉君    北澤 直吉君
      古屋  亨君    中谷 鉄也君
      西風  勲君    帆足  計君
      渡部 一郎君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 三木 武夫君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      田中 龍夫君
 委員外の出席者
        総理府特別地域
        連絡局長    山野 幸吉君
        外務省アメリカ
        局長      東郷 文彦君
        外務省欧亜局長 北原 秀雄君
    ―――――――――――――
八月六日
 北方領土の日本復帰促進に関する陳情書外二件
 (北海道阿寒郡鶴居村議会議長西野豊市外二
 名)(第九五号)
 沖繩の施政権返還に関する陳情書(沖繩那覇市
 久米町一の三一沖繩県青年団協議会長比嘉正
 儀)(第九六号)
 沖繩の日本復帰促進に関する陳情書外五件(中
 村市議会議長西村直弘外五名)(第九七号)
 沖繩県民の国政参加に関する陳情書(沖繩中頭
 郡北中城村議会議長宮城盛輝)(第九八号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 沖繩及び北方問題に関する件
     ――――◇―――――
○床次委員長 これより会議を開きます。
 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。
 外務大臣に対する質疑の申し出がありますので、これを許します。
 なお、御発言は、理事会の協議のとおり、おおむね二十分程度にお願いいたします。本名武君。
○本名委員 大臣、いま委員長がおっしゃったとおり、ごく限られた時間でありますので、ほんの数点だけお尋ねいたします。限られた時間でありますから、そのおつもりでひとつお答えいただきたい思います。
 第一にお尋ねいたしたいのは、沖繩の返還についてでありますが、これはもう国会の論議を通じ、あるいはあらゆる報道機関等によって刻々といろいろな情勢が伝わっております。特にこの時点で関心が持たれることは、この秋に諸般の重要な選挙が現地で行なわれます。申し上げるまでもなく、琉球政府の主席公選であるとか、あるいは立法院議員選挙、那覇市長の選挙等々がございます。その際、島民としては、やはりこの時点に立って正確な返還に対する認識が得られるかどうかということが、この選挙が誤りなく公正に行なわれるかどうかという一つの大きなポイントになろうと思います。したがって、それがためには、政府の態度というものは相当明確にしてやることこそが沖繩島民の輿望にこたえるゆえんでもあり、また、選挙が公正に行なわれたという結果を招来する一つの大きな筋道であろうと思うわけであります。その意味においてわれわれは深くこの選挙を重視すると同時に、返還そのものに対して、いわゆる早期に返還を実現したいという熱望は変わりないわけでありますが、たまたまわれわれが国民として惑うようないろいろな事態が起きていることは、はなはだ遺憾に思うわけであります。
 先般の本会議におきまして総理の所信表明並びに質疑に対する答弁もあったのでありますが、過般のアメリカにおけるスナイダー国務省日本部長の証言の一例を見ましても、ややもすると、いままで外務大臣が第一線に立ってアメリカと交渉し、またジョンソン・佐藤会談によって共同声明を発せられた。その内容が、あたかも誤りであるかのように一部に伝わっていることを、私自身も実は懸念いたしたのであります。事外交であり、特に今日における戦後処理の非常に複雑な変遷下にあって、なかなか明快な一足す一は二というような表現はできないかもしれません。そのこと自体は了解いたしますけれども、少なくともこういう重大な関心事に対して、第一線において御交渉なさった外務大臣のその当時の模様からして、一体スナイダー証言というものの真相はどうであるかということを明確にすると同時に、特に戦後処理、領土あるいは施政権等々の困難な問題の解決の上に、国民の判断に一つの指針をこの際与えて、スナイダー発言の新しい関心といいますか、あるいはまた極端にいえば誤解といいますか、そういうものをこの際、ひとつ外務大臣としてのお立場で明確にしておいていただきたいと思います。
○三木国務大臣 スナイダー発言をめぐっていろんな論議を呼んでおるようでありますが、一つの取り上げ方として、佐藤総理は両三年中に返還のめどをつける確信を得たと言うし、スナイダー日本部長はそういう約束ば何にもしてない。こう二つを並べて考えてみると、何か両方が違ったような受け取り方をしておるように思われる節があるかもしれませんが、それは共同声明の中にも、佐藤総理が、三年以内に返還のめどをつけてもらいたい、こういうことを強く要望したのに対して、アメリカ大統領は、日本国民の願望というものはよくわかった、そういうことを頭に入れて、そして日米両国において沖繩の返還の外交交渉を始めよう、こう言っておるのでありますから、間を全部はずして両方を並べて考えるといかにも違った受け取り方のようでありますが、その間を結んでおることばがあるわけであります。したがってこのことは、総理の言っておることも、当然にそういう確信を持ったということは決して無理な表現ではないし、スナイダー日本部長の言う、よろしい、そういうことにいたしましょうという直接の約束は、大統領はしなかったということも事実であります。しかし、その中に結んでおることばを忘れてはいけない。
 これはなぜかといいますと、やはり長期間にわたって異民族を支配するということに対しては、一つの限界を持っている。だからこそアメリカにおいても、今度の共同声明というものは、いままではいろいろ間接的な表現をしておりましたが、沖繩返還の方針のもとに何にも上のほうに条件をつけてない、沖繩の施政権を返還する方針のもとに日米の外交交渉を始めようということは、いままでにない表現であります。こういう表現を用いたゆえんのものは、アメリカ自身も沖繩の施政権返還問題を早期に解決することが必要である、この認識のもとにそういう表現を初めて使ったわけでありますから、私どもは、沖繩、小笠原問題に対して私が直接の交渉に当たった当人として、早急にこの問題を解決しようとする意図をアメリカは持っている、日本もまた、これはもうすでに限界に来ておるとわれわれは考えておるわけでありますから、したがって、沖繩の問題は、この共同声明の中に盛られておるような、できるだけ日米間の話し合いを通じて解決しようという沖繩問題解決に対する基本的な基調というものは今日においてもいささかも変わってない、こういうふうに考えております。
○本名委員 国際外交の微妙な点、並びに表現において非常に具体的なことばを使えないということば十分了解いたします。大臣のおっしゃることばとことばのつながりの中に一つの目標があるのだ、これもわからないわけではないのであります。しかしながら、やはり国民として考えると、そういうところに疑点が生ずる禍根があり、またそういうところからいろいろな論争が必要以上に展開されると思うので、この際、一応、御信頼申し上げる大臣であり、また自民党政府でありますから、一日も早くすみやかに明快な両国間の取りきめがなされることを心から期待いたします。
 それと同じように、外交、特に領土問題の交渉となると非常にやっかいなことでありますけれども、たまたま昨年大臣は、ソ連にいらっしゃって、コスイギン首相といろいろ話をなさった。その中で、われわれ国民として、お帰りになって報告されて非常に期待することがあった。それは、申すまでもなく、平和条約締結に至るまでの中間的な指置を講じたらどうかという話し合いをなされた。これは、国民の率直な考えとしては、領土復帰に結びつくんだという考えを、正直に申しまして、実は持ったわけであります。しかし、その後だんだん経緯が明らかになってまいりますと、必ずしもイコール領土復帰ではないぞということも、だんだんわかってまいりました。そこに、先ほどお話のあった外交の微妙さ、特に領土問題の解決の困難性もあろうと思いますが、ただ、少なくとも、昨年の暮れから、現地においては中川大使がそれぞれ交渉なされ、また、今日まで国会においても大臣並びに総理からそれぞれ中間的な、それこそ国内に対して中間的な中川大使の交渉経過は伺っておりますが、その後しばらく日もたっておりますが、何らか交渉の上で進展の過程が見られたかどうか、その点ひとつお尋ねしたい。
○三木国務大臣 昨年、コスイギン首相と私との会談、平和条約に至らなくても何か中間的な処置というものが検討できないかという発言がコスイギン首相からあったわけです。このことは、私としては、やはりこのコスイギンの提案というものは日本が大事にすべきだと思っております。それは、いままでは何にも話の余地はない、こう言っておったのですからね。余地はない、もう全然、そういう平和条約といったら領土問題にも関連するわけですから、そういうものは話の余地はない、こう言っておったのでありますが、コスイギン首相は、領土問題について話し合おうということは言っておりません。しかし、平和条約に至る何か中間的な処置というものは考えられないかという発言は、これはやはり日本としても、その発言というものは一つの意味を私は持つと思う。
 そこで、領土問題というものは、これはいろいろソ連の現在の態度からして早急に解決することは困難だと思いますけれども、日本は、固有の領土というものに対しては、戦争の結果、固有の領土を日本が割譲するということは考えていないわけでありますから、そういう意味で、しんぼう強く、これは外交折衝を通じて領土問題の解決をはかるべきである、こういうふうに考えております。
○本名委員 まあ大体経過としてはその程度であろうと想像はいたしておりましたが、私どもは、やはり今日の国際情勢下において、日ソ親善の実というものは、おそらく当事者両国の間の関係だけじゃなく、国際的にも非常に重大なことであり、また、重大であるだけに日本も、その重大な責任の一端といいますか、大半をになってもしかるべき問題であろうとさえ思うのでありますが、ただ、日ソ親善が経済や文化の交流の実をあげるのみならず、天然ガスや森林の開発だけではなくて、やはり民族的な欲求であるところの領土問題解決ということが、一つの大きな糸口になり、けじめになるということも、われわれは絶対忘れることはできないと思うのであります。
 ところが、そういう過程の中にあって、最近、ちょっとおもしろくないことが二、三起きているわけでありますが、それは、私は、きょうはここで漁業法を論じようとは思いませんが、北島丸事件に関して、釧路地裁裁判長は東大の寺沢教授から鑑定を求めました。その結果は、前提として国後、択捉は日本固有の領土でないということを言明いたしております。そこで、われわれは非常に意外に思ったのであります。
 こういう事件が起きたのに引き続いて、先般はまた、アメリカの軍のチャーター輸送機が強制着陸を択捉島に命ぜられて、択捉島に着陸をいたしました。そのことはアメリカ、ソ連の関係であるだけと言えないことは、われわれは、あの島に、わが国の固有の領土にりっぱな航空基地、軍事基地があるということがはっきりいたしました。
 その次は、もう一つは、かつてアメリカの戦闘機が南千島、われわれの固有の領土上空において撃墜されたことがある。その時、アメリカはソ連に対して、国後、択捉、歯舞、色丹を含む南千島は日本固有の領土であるから、撃墜することは不都合である、アメリカが当然占有すべきところであったその領土の上で、撃墜することは不都合であるとアメリカが言っていたにもかかわらず、今回のチャーター輸送機が強制着陸を命ぜられたときにアメリカは何と言ったかというと、あの島はソ連領であるという意味のことを言った。その後直ちにアメリカはそれを取り消して、また、日本に陳謝したということも聞いております。しかし、それはそれとして、そういう報道が一たんなされるということになると、どうもアメリカ自身もそういうような考えでいるんじゃないかとか、あるいは日本政府はそれを認めたんじゃないかとかいうような誤解が国民に伝わることは、非常にわれわれとしては遺憾なのであります。
 こういう問題が起きてまいりましたが、ただ、今度の参議院選挙を通じて、私は、北方領土の問題が沖繩領土の返還と同様に、非常に国民的な世論が高まってきたということは非常に喜ばしいことと思うのでありますが、しかし、一方においては依然として、先ほど御報告がありましたように、領土は解決済みであるというようなことが解消されないままで交渉が続けられているということは、一まつのやはりそこに不安がある。これではいけない。
 以上三点だけをあげましても、この際日本政府としては、明快にこのような問題について態度を明らかにすべきである。そうして国会を通じて国民の前に、そういう問題は、たとえば北島丸事件等については、裁判権の一つの審理過程において起きたことである、したがって、固有の領土であることには何ら変更はないんだということから始まって、択捉島における強制着陸に関して、日本政府としては全く不法な強制着陸命令であるというようなことであるとか、さらにまた、国民的な北方領土に対する世論というものは、政府がモスクワで中川大使を通じて交渉いたしております程度のことではなしに、もっと前向きに国民に対して、その真相並びに政府の将来における北方領土に対する考え方というものをこの際明確にすべきじゃないか。
 以上、最近起きた三つのことについて、ひとつ政府はどういうふうに、考えられるか。
○三木国務大臣 日本の態度は、択捉、国後、歯舞、色丹は日本の固有の領土である、この固有の領土は日本が敗戦によって奪われる理由はない、返してもらいたい、これがいかに時間がかかろうとも、あくまで北方領土の問題は、解決するために日本政府は努力をする、こういうことが基本的な態度であります。
 しかし、本名君も御承知にように、外交交渉の中で一番むずかしい問題は領土問題であります。これはいままでの歴史を見ても、領土問題というものは一番解決困難であって、このことが、いろいろな重大な問題を引き起こしておる原因にもなっておることは実事でありますから、われわれは、あくまでも平和的に、外交交渉を通じてこれを解決するという基本的な方針で北方領土の問題も取り組まなければなりません。したがって、この問題は、われわれとしても、今後とも日本の外交の交渉を通じて、われわれとして全力を傾けてまいる所存でありますが、早急にこの問題が解決できるとは、私は実際問題として思わない。やはりしんぼう強く、外交交渉を通じて問題の解決に努力をする、政府は、この従来の考え方を、どんなに困難であろうとも変える考えはない。あくまでも政府の考えに基づいて、日ソの外交交渉を通じて、目的を達成できるような努力をいたす覚悟でございます。
○本名委員 時間がなくなりましたので、それではもう一つだけ意見を申し上げながら御見解を承りたいと思います。
 領土問題はむずかしいということも、われわれもしろうとでありながら十分わかります。しかもそのむずかしい問題を平和的に解決しようという、これは外交交渉の手段としては一番いい方法だと思います。しかし、少なくとも国際当事者間の戦後処理の一番の課題が領土問題であるとすれば、戦後処理の領土論争に対する変遷というものもわれわれは忘れるわけにはいかない、頭に描かなければならない。特に平和的な交渉の中にあっても、今日の戦後処理に対する国際法上の通念に対して、私は、政府はもっと強く考えていいのではないかというふうに思われるわけであります。たとえば、北方領土に対しても、安政元年の日魯通好条約であるとか、明治八年の樺太千島交換条約であるとか、それらは私は戦後処理として、あるいは通常の当事国間における交渉として、そう平和を乱すような解決ではなかったと思う。要するに、両当事者国で調印をしたのであります。しかし、その後におけるヤルタ協定やカイロ宣言やポツダム宣言等、わが当事国が参加しないいろいろな宣言とか条約が生まれております。しかし、こういった宣言等について当事国が参加しないというところに非常な不公平があるばかりでなくして、新しい国際法上の通念が変わってきているのではないか。たとえば、ポツダム宣言においては、当然今日までの戦争においては、いわゆる戦後処理というものは領土権の解決であるとさえ考えられて処理されてきたのが国際法の通念ではないかと思われるのであります。私は、国際法はしろうとでありますけれども、通念的にはそう考えている。しかし、カイロ宣言にも明確になっておるように、戦勝国といえども、戦後処理については、領土不拡大方針でいくべきであるということをお互いに誓約している。ここに新しい国際法の通念の変化がある。したがって、平和的に解決すると言われるけれども、平和の上に、さらに新しい国際情勢の推移というもの、あるいは国際法の解釈というもの、あるいは国際法の新しい取りきめというものが新しくここに生まれているのではないか。具体的にはむずかしい領土問題ではある、また、平和的に解決すべき問題ではあるけれども、政府の姿勢というものは、一体この国際情勢下の新しい事態に対して、どういう考え方で、こういう信念ていくかということが――この時点においてアメリカにもソ連にもこの新しい態度があってもいいのではないかという意味で、平和的にむずかしい領土問題を解決なさる意欲には私ども賛成でありますけれども、どうかひとつ力強く交渉を続けて、この難問題を解決していただくようにお願いしたい。同時に、御意見があればこの際承っておきたいと思います。
○三木国務大臣 一つの世界の平和を維持していくためには一つの秩序が要る。その秩序の基本になるものは、いかに敗戦とはいえ、歴史的に長いその国の固有の領土を奪ってしまうということは、あとあとまでもこれは大きなしこりが残ることは事実でございます。したがって、戦争によって獲得した領土というものについては、これは奪われたものは取り返したいという考えも起こすでしょうし、したがって、一つの平和を維持するための秩序としては、その国の固有の領土というものは戦争の結果奪うことのないようにするということが、やはり平和的な関係を樹立するための一つの目安として必要だ、こういうふうに考えております。
 そういう基本的な考え方のもとに、これはいかに時間がかかろうとも、今後ともわれわれは熱意をもってこの問題の解決に当たりたいと思っております。
○本名委員 終わります。
○床次委員長 西風勲君。
○西風委員 沖繩の那覇の軍港からコバルト六〇が検出された、どろの中にコバルト六〇があることが明らかになったというので、いま沖繩の現地でたいへんな問題になっておるわけであります。
 この点につきまして、八日の衆議院科学技術振興対策特別委員会で、わが党の石川委員が、こういう重要な点については、日米合同調査あるいは日米琉三者の合同調査というようなことを通じて問題をすみやかに明らかにして、百万沖繩県民の不安を取り除く必要があるのではないかということを鍋島科学技術庁長官に質問しましたところ、鍋島長官は、日米合同調査をやることについてやぶさかではないけれども、米民政府が港内のどろを取ることさえ禁じている、さらに外務省がこういう問題について十分な態度をとるかどうかわからない、したがっていまここでそういう調査をすることについて明確な態度をとることができない、こういう答弁があるわけですけれども、私どもは、沖繩百万県民の不安を解消するためにも、本土政府として当然強い態度で日米合同調査というようなことを申し入れるべきであるし、外務省がそういう積極的な態度をとるのが当然であると思うわけですけれども、こういう点について三木外務大臣のお考えを聞きたいと思います。
○東郷説明員 今般検出されましたコバルト六〇につきましては、米側の発表によりましても非常に微量であって、これが人体に対するいかなる観点からも危険を生ずる程度のものではない、こういう発表もあったわけでございます。
 この合同調査という問題に関しましては、本土につきましてもいろいろの問題もございまして、まだ科学技術庁とも御相談の上検討中の問題でございまして、これをにわかにいま沖繩に関しましてわがほうから提案するということはまだ考えておりません。これがもし科学的に見て危険なものであるということであれば、これは本土、沖繩の問題ではございません、当然そういう措置をわれわとしても検討すべきだと考えております。
○西風委員 これは私、事務折衝のことを聞いているのではないので、沖繩にこういうことが起こるということは、現に佐世保、長崎にも原潜がひんぱんに入っているわけですから、当然日本の本土でもこれと関連した不安が起こってくるわけですね。現に起こっている。この間、佐世保を中心にして、そういう不安があったわけですね。だから、こういう点については外務大臣としてやはり強い決意で――これは、ある意味では、政治の問題と違いますから、人道上の問題ですから、そういう点で強い決意で日米共同調査ということを要求する決意があるかどうか、意思があるかどうかということをお聞きしたいのです。
○三木国務大臣 その問題、私もいろいろ報告を聞いて、このことがどういう影響を人体に及ぼすかということは重要な問題だと思います。したがって、日米共同という形が適当かどうかは別として、この問題については十分沖繩側とも話し合って、何かいろいろな不安がないような連絡はとってみたいと考えております。この問題、たいしたこともないのだというようなことでなしに、できるだけ沖繩の人々がこの問題に対して非常な不安を持つようなことのないような方法、どういう方法がありますか、これは十分に検討いたしたいと思っております。
○西風委員 この問題についてぜひ外務省が積極的な態度で沖繩県民の不安をなくするような措置をとられることをこの際強く要求しておきたい。
 そこで、次にスナイダー日本部長の発言の問題ですけれども、これは一々その端々をとらえて問題にする必要はないと思いますけれども、ある新聞に出たスナイダー日本部長の発言によりますと、相当はっきりしたことを証言内容として言っているわけです。これはこの際委員長に要求しておきたいと思うのですが、この議事録は公刊されているわけですから、資料として沖繩対策特別委員会の委員に配付することをこの際要求しておきたいと思うのです。かなりはっきりしたことを言っているわけです。
 そのスナイダー発言の中で特徴的になったのは、そのスナイダー日本部長が言っているというだけでなくて、ラスク発言あるいはその他の発言でも明らかになっておりますように、二つの点が明らかになっているわけです。沖繩の基地については、これを相当長期間にわたって保有するということがまず第一の点であります。それから第二の点は、したがって沖繩の返還問題を論議する場合には施政権の返還――そういうふうなことばかどうか正確ではありませんけれども、施政権の返還ということについては、施政権と基地というものを明確に分離して、基地を除いた施政権については返還交渉に応ずる用意はあるけれども、しかし基地については全然これを返す意思がないのだという二つの点が、スナイダー発言を通じてアメリカ政府高官その他のこれに対する補足の説明、あるいはいままでのアメリカ側の歴史的な経過というものから見て、この二つが明らかになったというふうに私どもは考えるのですけれども、外務大臣はどういうふうにお考えですか。
○三木国務大臣 私はこの沖繩返還問題に対して直接アメリカと折衝いたしている一人であります。しかし、沖繩の施政権返還が基地を除いた部分だけである、基地は返還するものではない、いわゆる分割的に沖繩問題を解決しようということは日本政府は賛成をいたしません、こういう考えには。向こうもそういうことをいままでそういう形で解決しようと言ったことはありません。したがって、この基地の問題というものは、施政権を返還して、そうしてその中で基地の問題は日本政府としてアメリカと日米間で相談をして、基地の問題を解決するという――基地だけを除いてほかの施政権だけを返すという方法には賛成できない。また、向こうもそういう考えを持っておるとは私は思わないのであります。そしてかなり長期にわたって基地というものは必要だという考え方、これは、社会党の諸君は安保条約は不必要という立場でありますから基地も要らぬという立場でありましょうが、われわれは日米安保条約というものは必要である。したがって、その必要であるという前提のもとにアメリカの必要な基地というものは提供しなければならぬ、こういう考えでありますから、相当長期の基地というものが沖繩に置かれるということは、われわれもこれに対しては違った考えではありません。また、その基地がどういう態様の基地であるかということには問題はあります。その基地がどういうタイプの基地であるかという問題はあるけれども、沖繩に基地の存在が必要であるという考え方はわれわれもさように考えております。
○床次委員長 先ほどの西風委員の資料要求につきましては、理事会において協議することといたしますから、御了承願います。
○西風委員 日米首脳会談における両三年の問題については、これは抽象的に議論してもしかたがないわけですから、問題は両三年という場合に、両三年間に起こるであろう国際情勢の変化、あるいはアメリカなり日本なりの政治状況の見通しというものに裏づけられなければ、両三年という問題を私どもは明確にすることはできないわけです。
 そこで、まず身近な問題からお聞きしますと、五月二十七日の沖繩問題に関する日米協議の中で、アメリカのジョンソン駐日大使が三つの問題を提起しております。一つは、ベトナム問題をめぐるパリ会談というものは相当長期化するであろう、簡単にはベトナム問題が解決をするということはむずかしいという情勢に対する見通しが第一であります。第二は、ベトナム清勢がどうなろうと極東情勢は依然としてきびしいというふうに評価すべきである、これが第二点として説明されております。第三の点としては、中でもこれからは朝鮮をめぐる問題というのがアジアにおいて新しい緊張要因になるのではないかということをジョンソン駐日大使が説明しているわけですけれども、これはどういう内容の説明があったのか、あるいはこのジョンソン発言に対して三木外務大臣はどういうふうにお考えなのか、どういう見通しを持たれるのかということをこの際明らかにしていただきたい。
○三木国務大臣 それはどういう新聞からお取りになったのですか。
○西風委員 これはあらゆる新聞に全部載っています。一つの新聞だけならあれですけれども、全部あらゆる新聞に平等、公平に載っていますから、大体間違いないと思うのです。
○三木国務大臣 そういうふうに話がこれだ、これだといって分析して話をしたように私は記憶していないのであります。しかしながらこういうことは、そのジョンソン大使のみならずだれが考えてみても、極東情勢がいま不安定な状態にあることは事実ですね。ベトナム戦争というものも戦いながら交渉する、こういう形をとっておるわけですから、パリの和平会談が始まっても戦争は続いておるわけですから、こういうことで、一体どういう形でベトナム戦争というものが収拾されるかという、収拾のしかたというものが極東情勢に非常に影響すると思っています。非常に影響する。いついかなる形でベトナム戦争が収拾されるかということは非常に影響する、そのことが極東全般に対しても無関係ではないということであります。また、朝鮮半島の事態も平静な事態とは言えない。いろいろと、大きな軍事行動ではないけれども小さな事件というものが起こっておる。こういうことを考えてみて極東の情勢は安定した状態にはない。しかし、その中で一番大きな極東情勢変化の要因たり得るものはベトナム戦争だと思っております。したがって沖繩問題解決の場合に、基地の態様などを考える場合に、こういう極東情勢なども頭に入れながら沖繩の基地の態様を考えていこうということは無理からぬことだと私は思っております。
○西風委員 私は三木外務大臣にこの際さらにお聞きしたいわけですけれども、これからアジアの問題を考えていく中で、中心的には大きく言って四つの要因というものを検討する必要がある。
 まず第一は、いま外務大臣が言われたようなベトナム停戦の対応、どういうふうな落ちつき方をするかということがまず第一ですね。
 第二は、アメリカが大統領選挙を経過する中で、世界政策全般についてはともかくといたしましても、アジア政策としてどういうふうな政策基調を貫いていくか、戦術転換があるのかどうかということですね。イギリスのように、イギリスは一九七一年ですかにアジアからイギリスの軍隊全部を引き揚げるという積極的な手が打たれたわけですけれども、私どもの見通しとしては、アメリカがおそらく一九七〇年代のおそくとも前半にはアジア全体から撤兵せざるを得ない状況が政治、経済的に生ずるであろう、もっと早くなる可能性はあってもおそくなる可能性はないというふうに考えるわけですけれども、そういう見通しはともかくとしまして、アメリカのアジア政策がどういうふうな変化を見せるかということが第二の要因だ。
 第三は、中国がこれからどのような国際情勢に対する対応のしかたをしていくのかという、中国の外交方針の見通しに関する問題ですね。これが第三の問題としてあると思う。
 第四は、こうした中で日本がどういう積極的な外交路線をとっていくのか、アジアの緊張をなくしていくために、たびたび議論しておりますように、沖繩の非常に大きな戦略的意義、特に中国あるいはアジア諸国に与える軍事的威圧という点から見て、日本が沖繩問題を含めてどのように積極的な立場をとるかという四つの問題、朝鮮の問題とか、こまかいさまざまな問題があると思いますけれども、この四つの点について三木外務大臣はどういうふうな見通しを持っておられるか。最近アメリカでも、アメリカの知的な部分を中心にしてこういう見通についてかなりの議論が行なわております。あるいは沖繩問題も含めて、アメリカの世論というものがかなり動いてきているわけですね。そういう点では日本は情勢におくれるのではなくて、情勢を先に読み取って、日本がむしろ積極的にアメリカの外交政策の転換を促す、アジア政策の修正を促すというような積極的な立場を、現在の佐藤内閣といえどもとるのが妥当ではないかというふうに考えるわけです。そういう点について三木外務大臣のお考えを聞きたい。
○三木国務大臣 これは非常にむずかしい御質問だと思います。中国は一体どういう外交政策をとるのか、アメリカのアジア政策とかベトナムは一体どうなるのか、こういうことは日本だけの主観的な意見で動かないわけでありますから、したがって、私がここで他国の国内の問題に触れて予測を申し上げることは適当でないと思いますが、われわれとして考えなければならぬことは、日本はできるだけ世界の緊張緩和に役立つような外交政策をとっていくべきである。日本が世界の緊張を激化させるような外交政策はとるべきでない。それは何かといえば、日本の外交政策を貫くものは、やはり世界の平和維持、平和の推進ということであります。したがって、緊張が激化することは平和にそむくことは明らかであります。したがって、その世界の平和を維持し、これを推進していくという意味からは、日本は、みずから世界の緊張を激化しようとするような外交政策はとるべきではない、こういうふうに日本としての立場は考えておるわけであります。
○西風委員 三木外務大臣がむずかしい立場におられるのかどうか知りませんけれども、もう少し――やはり政治の予測というものには狂いがあると思うのです。予測が一〇〇%当たるということはないと思う。しかし、今日のような激動する国際政局の中では、あるいはアジアの情勢の中では、日本の勇気のある政府の領袖が、情勢全体を前向きに発展させるような積極的な提言、あるいはあるべき姿も含めた見通しを語っていくということは必要ではないかと私は思う。特に三木外務大臣のような立場におられる政治家は、そういうことを大胆にやるべきではないかというふうに思うのです。しかし、これ以上お尋ねしても、時間その他の制約がありますから困難だと思いますのでもう触れませんけれども、そこでもう一回沖繩の問題に返るわけですけれども、アメリカのほうでは沖繩問題に対して一定の方針があると見るのが今日国際常識になっているわけです。そういうときに日本が沖繩問題に対していつまでも白紙の立場ということで、沖繩問題の両三年における解決がやれるかどうか。三木外務大臣は幸いなことに積極的な立場をおとりになっておるわけです。これは先ほどのジョンソン発言に関連して、日米協議委員会の中で三木外務大臣は二つのことを発言したと伝えられております。一つは、戦後二十三年という長期の間、沖繩問題がいまだに解決のめどがつかないということについては非常に不幸なできごとだから、すみやかにこれを解決するようにしたいということが第一。それから第二は、そういうふうな条件の中で沖繩の基地のあり方は本土並みにせよということが世論調査では圧倒的に多い、間接的な表現を通じておそらく三木外務大臣の所信を表明されたのだろうと思いますけれども、外務大臣はこういうお考えですか。
○三木国務大臣 第一回をやりましたけれども、今後引き続いて日米間で沖繩問題の協議を続けていくわけであります。したがって、協議のときに政府がいつまでも、日本は基地というものに対しては全然白紙でございますということでは交渉になりません。日本の考え方も、ある時期が来れば――ある時期というのは、私は極東情勢なんかもいま不安定な状態もありますから、そういうものに対して多少見通しの持てるような時期ということが必要だと思います。そういうこともにらみ合わせながら、日本はどういう考え方をこの基地に対して持つべきかという意見をまとめなければならぬ時期が来ると思います。いつまでも白紙というそんな外交交渉はございません。したがって、いまはこういう不確定な要素が非常に多いので、日本はこうだ、基地のあり方はこうだという日本政府の方針をきめて、その旗を立てて日米交渉をやるということは適当でないのではないかということで、白紙というようなことばを使っているわけであります。白紙というのが適当であるかどうか、しかし、まあそういうことばを使っているわけであります。したがって今後は、いま言ったような世論の動向ということも、これはやはり民主政治の現在において無視しての政治はならぬ。世論の動向あるいは極東情勢、あるいは軍事科学の変遷、こういうことをにらみ合わせて、政府はある時期が来れば、基地の態様というものはこうあるべきだと日本政府は考えているという考え方もある程度まとめて交渉する。いまの間は政府はこうだ、これで日米間で交渉するということはきめてはいない。そのことを白紙と言っているのであります。
○西風委員 いま、一番最初は外務次官の発言ですが、核抜きでは沖繩問題に関する日米交渉の窓はあかないという発言を出発点として、その前に下田駐米大使その他の発言もありましたし、最近では佐藤総理大臣が参議院選挙の最中に千葉談話というのを発表しまして、核抜きを前提としたのでは沖繩交渉は進まないということを言っているわけです。これは世間一般の常識からいいますと、核つき返還論というふうに見るのが妥当だろうと思うのです。それに対して三木外務大臣は、先ほど言ったような発言を日米協議委員会の中でやっている。あるいは総裁選挙が行なわれたら二、三位連合を組まれるだろうとうわさされている前尾さんが、核つき返還論というのは、これは沖繩の返還ではないのだということを言っております。私どももそうだと思います。核つき返還論というのは、日本が核基地の中に吸収されるのであって、沖繩が日本に返ってくるわけではないのですから、前尾さんの考えを支持したいと思うのですけれども、三木さんにここでこういうことをこれ以上聞くのは無理ということも知っているのです。このことについてあなたが態度をはっきりするということは、佐藤三選に対して一定の態度を示すということのスローガンとしてそれを用意されているわけですから、これ以上聞きませんけれども、しかし、それにしても、こういう沖繩の問題については、あなたが将来日本の政治の責任者たらんとするならば、自民党派閥均衡の中で身の処し方をきめるのではなくて、日本国民の政治的願望というものに身を処することによって活路を見出す――私とものような若い者があなたにたいへん失礼なことを申すわけですが、これは日本国民の立場に立ってお願いしておるわけですから、そういうつもりで聞いていただきたいのですが、そういう点で、やはりこの問題については比較的短い時間の間に政府部内の世論を統一して、強力に沖繩問題に対する交渉をはかっていく。アメリカの政局が流動しておるときであればこそ、アジアの情勢が流動しておるときであればこそ、日本が積極的な態度をとることによって沖繩返還問題は発展するというふうに考えるのですけれども、重ねてお考えを聞きたい。
○三木国務大臣 いろいろ外務次官、総理の発言を引用して、核つき返還を考えておるのだというふうに断定されますけれども、私は、そうでない、そういうことならば白紙ということばを使うべきではないのですから、そういうふうに日本が何か方針をきめて、核抜きだとか核つきだとかきめて、日米間でいまは交渉しないということを言ったのでしょう。もしそういうことを考えておるならば、白紙という表現を使うべきではない、そういうことを内心考えておるならば。私は、そうは信じていないのであります。
 そこで、いまこそアメリカの政局が流動的だから、これを交渉するのに一番いいではないか、基地のあり方について。私はそうは思わない。流動的というのは困るのでありまして、アメリカが重大な決定をするということは、具体的な沖繩問題の話し合いというものは、これはやはり新大統領だと私は思っております。アメリカの政治的慣習は、大統領の任期の終わりでは重大な決定はしないという一つの慣習があるようでありますから、流動的なときには問題の解決ということは時期として適当でない、新しい大統領で、ニューアドミニストレーションのもとにこの問題は解決すべきであって、流動的なときは適当でない、こういうふうに考えておるものでございます。
○西風委員 私は、流動的なときだからアメリカと交渉せいと言っているのじゃないのです。流動的だから、ましてや、先ほども申し上げましたように、アメリカの知的な部分というようなものが、アジアの情勢全般を再検討する、あるいは日本のかねてから懸案になっている沖繩問題について、アメリカがアジアで正しい立場をとるために沖繩問題をどうすればいいかというような、かなり積極的な討論が行なわれているときだから、われわれは、そういうアメリカの世論にさえ一定の影響力を持つような、あるいは日本の中がナショナルコンセンサスというようなものを引き出していくような、そういう積極的な立場をとる上でいい時期ではないか、こういうことを言っているわけですよ。どうですか。
○三木国務大臣 私は、ベトナム戦争がどういう収拾をとるかということもかなり重要にしておる論者であります。こういう不安定な戦争が行なわれておるときに、沖繩の返還ということになれば、非常に軍事的要請というものが前面に出てくることは当然であります。そういうことで、もう少しこのほかの問題で話をする問題がたくさんありますよ、沖繩の返還について。しかし、軍事的な面における話し合いは、もう少し極東情勢の落ちつきを見て話すことが適当ではないかと私は思っているわけです。パリ会談は始まったけれども、まだどうなるかわかりません。いつどういう形に終わるかわからぬという、そういう戦争が行なわれておるさなかに、沖繩問題をいまこの段階で解決しようということはなかなか――日本が世論指導したらどうかといっても、アメリカの学者で、日本の新聞紙に非常に大きく報道されますけれども、世論として、アメリカの全体の世論が、そういうアメリカの学者、評論家の言うように必ずしも動いているとも見られませんから、アメリカに対しての一つの――影響力を与えていいですよ、言われることに対して私は違うとは思わないのですけれども、おのずから時期があるのではないか。大統領の選挙が始まる。ベトナム戦争はまだなかなか片づかない。ここで日本が影響力といっても、そういうことで、やはりもう少し冷静な環境のもとで――これは非常な影響を与えますよ。沖繩の基地の問題、そういうことで、おのずから時期があるのではないか、そういうふうに考えるのでございます。
○西風委員 三木外務大臣が積極的な立場をとられることを、日本国民の立場からも、この際強く望んでおきたい。
 そこで最後に、時間がないようですから、あと一、二お尋ねしたいのですが、国政参加の問題ですね。国政参加については、アメリカが今度の立法院選挙あるいは市町村選挙で、被選挙権を本土出身者にも与えるというような立場をとったわけですから、このことを通して私どもが感じることは、日本政府が積極的な立場をとるならば、沖繩県民の国政参加は可能なのではないか。全般的な国政参加、量的な参加ではなくて、質的な参加、これは可能ではないかというように私どもは考えるわけであります。現に政府の代表として現地で非常な努力をしている岸きん、南連所長、この人が切々とした内容で、ある意味では政治的立場を離れて沖繩県で沖繩県民のために働く一人の役人として、いまこそ国政参加が必要である、一切の制限なしに国政に参加さすことが日本と沖繩の一体化にとって必要であるということを言っているわけですね。これはただ一人の役人が言っているだけではなくて、現地はもちろんのこと、日本の国内でも当然ではないかという意見が強いわけですから、きわめて短い時間の間に国政参加についてアメリカと積極的な交渉を始める、少なくとも立法院の選挙までには、国政参加の問題について沖繩県民百万がもろ手をあげて賛成することができるような立場をつくっていただきたいと思うのですけれども、その点に関する外務大臣の御意見を聞きたい。
○三木国務大臣 私、ASPACの会議から帰ってきて、牛場次官から、今度主席に立候補を予定されておる西銘君が外務省に見えて、切々と国政参加のことを訴えたということを聞きました。私はそれは当然のことだと思っておるのであります。やはり西銘君が、沖繩の現地の住民の人たちのいろいろの世論の動向などを考えてみると、この問題はぜひ解決をしたいという熱意に燃えて上京されたというその立場は、十分に私は理解できるのであります。したがって、この問題はいろいろ――施政権かアメリカにあるという現状からして、いま完全なというようなことはで――日本と同じようにというような意味かもしれませんが、それはやはり日本と同じようなわけには私はいかぬと思います、これはいろいろな制約があるわけでありますから。しかし、百万の沖繩住民の人たちが、国政参加のしかたというのに対してはいろいろ形があろうと思いますが、国政に参加して、そうして沖繩問題もこうやってやはり国会の論議を呼んでおるのですから、ここへ沖繩の代表者が来て、その論議に加わるということは私は当然のことだと思います。したがって、国政参加に対しては積極的に努力をしてみたいと思っております。西銘君が来て訴えたということに、私は全くもっともだという感じを持っておるものでございます。しかし、その国政参加のしかたについては、これは施政権がアメリカにあるという現状で、不可能なものを求めてはいけない。いろいろな制約、憲法、法律、その他いろいろ制約がありますから、できるだけそういうものを踏まえて、合理的にこの問題を解決するために積極的に努力をしたいという覚悟でございます。
○西風委員 もう時間がないようですからあれですけれども、ライシャワー発言とか、あるいは国際情勢に関する見方、国政参加の問題、あるいは一体化調査、これは非常な御努力にもかかわらずずいぶん評判が悪いので、たいへん気の毒だと思っておるのですけれども、こういう点についてきめのこまかい討論をしたいのですけれども、時間がありませんから、最後に三木外務大臣にお願いしたいのは、先ほど申し上げましたように、一つは内外情勢の見通しに対して、国会全体で、あるいは日本国民全体が積極的に情熱を感じて討論できるような、そういう見方を常に明らかにしていただきたい、これがナショナルコンセンサスというものを長期の意味においてつくっていくもとになるわけですから、そういう点について留意されたいということがまず第一であります。
 第二は、沖繩問題について政府は白紙というのではもうだめだということは三木外務大臣も言われましたし、佐藤さんもおそらく本心は別に白紙じゃないわけですから、そういう点では、政府が確信のある沖繩問題に対する考え方をきめて、沖繩県民や国民の前に明らかにしていただきたいというのが第二であります。
 第三は、国政参加については積極的な立場をとるようにお願いしたい。
 第四は、日本政府は、アメリカが高等弁務官資金その他を使って沖繩の選挙に相当な干渉をしているというようにいわれておるわけですから、まあどういう形で接触するかは別にしまして、そういうふうなアメリカの高等弁務官資金というようなものによって沖繩の政局が左右されるというようなことがないように、正々堂々と沖繩の選挙が戦われるように、政府として特段の努力をお願いしたいというふうに思います。
 以上で質問を終わります。
○三木国務大臣 選挙が正々堂々と行なわるべきは当然であります。私は、そういうようないろんな選挙を左右するようなことが陰で行なわれておるとは信じておりません。そういうことはあるべきではないし、ないということを信じておる者で、正々堂々と選挙は行なわるべきものでございいます。
○床次委員長 永末英一君。
○永末委員 三月二十五日にスナイダー日本部長がアメリカの下院で証言をいたしました。その三日後の三月二十八日に、私はワシントン国務省でスナイダー日本部長と時間をかけて沖繩の問題について討議をいたしました。その結果の印象は、佐藤・ジョンソン会談は沖繩の返還について、時期については何らアメリカ側はコミットしていない、こういう印象を受けました。その印象のもとでもう一度日米共同声明を読んでみますと、沖繩の返還に関する日本国民の要望については、アメリカ大統領は十分に理解しておる。これは声明文にございます。わが佐藤総理大臣は両三年内に返還のめどをつけてほしいがごときことを強調したということだけであって、その部分はアメリカ側は理解していない。この二つを並べあわせて考えますと、佐藤さんが会談後帰ってきてわが国内で言うたように、時期についてアメリカ側も何らかの取りつけをされたがごとき印象を与えましたが、そうではないのだ、時期についてはないのだ、これが共同声明が示している偽らざる実体だと私は思いますが、外務大臣の御見解を伺いたい。
○三木国務大臣 私よりも直接スナイダー部長とお会いになったのですから、非常にいろいろななまの感じをお持ちになっておると思いますが、それはアメリカも沖繩の問題を解決しようとしていると私は思うのですよ。これを二十何年もこうして異民族が支配するということは、これはやはり施政権を返して――アメリカは沖繩の基地というものは確保したいと考えているのです。しかし、施政権は返したいという気でアメリカはおるということを、私自身が外交交渉をしながら、この問題は日米間で円満に解決したいと思っておると私は信じておるのです。これをこのままでずるずる、ずるずるいこうとはアメリカは思っていない。そういうことが背景にあるわけです。佐藤さんの考えの中にもあるわけです。私も、実際にいろいろと考えて折衝を私自身がやってきてみて、アメリカはそう考えておるということを非常に感ずるわけであります。日本はこんなものをいつまでも沖繩に置くわけにはいかぬ。これは日本の側は言うまでもありませんが、アメリカ自身もそういう気になっておる。そういうものを背景にして佐藤・ジョンソン会談というのは行なわれたわけです。
 一つは、御承知のように、アメリカの大統領の選挙のときは、何か具体的なコミットメントというのはしないような慣習になっているのですね。だから何年何月に返還のめどをつけるということは、ジョンソン大統領としてもあの時期は言いにくい環境だったと思います。大統領選挙の前ですからね。まだリタイアすると言っていないけれども、当選するかどうかわからないですからね。そういうことで、佐藤総理は、日本の国民は早く返してもらいたい、少なくとも両三年以内にはやはり返還のめどをつけてもらわなければ困るということを、声明では短いけれども千万言を費やしたわけです。千万言というと少し中国式誇張があるけれども、まあるる説いたわけです。るる説いたことに対して、日本人の気持ちはよくわかる、だからそういうことを頭に入れて施政権返還の方針のもとに日米間で協議をしようではないかということは、佐藤総理が両三年の間に返還のめどがつくであろうという自分は確信を持ったという佐藤総理の発言は、私はあまり無理だと思わないのですよ。やはり当事者とすればそういう考え方を持つのは無理からぬことであると私は思っているのですよ。しかし、スナイダー部長がいつまでに返還のめどをつけるという約束はアメリカはしていないぞ、時期の約束はしてないぞということは、そのとおとりだと思う。コミュニケを見てもそういうところは出てこない。しかし、ジョンソン大統領と直接折衝した当人としては、ことばのやりとりがあるわけですから、そういう印象というか確信を持ったということは、ことさらにあるいは事実を曲げておるとは思わない。私自身としても、やはりこれは両三年ぐらいの間にはめどをつけなければいかぬと思っているのですよ。この問題がずるずると延ばされてくればいろいろと問題が起こってくることは明らかでありますから、そういう考え方は常識にも合致する。
 そういうことで、佐藤総理の発言、スナイダー部長の発言の中に非常な食い違いがあるとは私は思わないのですよ。全部、会議の雰囲気などを見ると、あまり食い違いがないのではないか。それを約束したと総理が言っているのなら、それは非常な食言でありますけれども、約束したとは言っていない。自分はそういう確信を持った、そういう強い印象を持ったというような表現で言っているのですから、そうあまり事実を曲げておるとは私は思わないのでございます。
○永末委員 確認をしておきたいのですが、両国政府のこの件に関する公式の認識は、時期についてはいまだ合意はない、これが一点。
 それから、佐藤総理大臣は両三年、あのときの両三年ですから、いまからいえば一両年でしょうね。三木外務大臣は、一両年の間に日本政府が努力すれば何とかなるという期待を持っておられる。この二つについてお答え願いたい。
○三木国務大臣 前はそのとおりです。あれは時期について約束はありません。しかし、日本の総理大臣も外務大臣もできるだけ両三年というのは三年だから、もう一年たったから二年じゃないか、そういう算術をするようなわけにもいきますまい。しかし、数年というのですから、数年というのは、そんなに長いのは数年と言わないのですから、数年の間にめどをつけるということは、これは私も必要だと思っている。そういうことが必要である、こういうことで同じ考えでございます。
○永末委員 数字のことは、わが国内においてははなはだ重要な政治問題になっておる。去年の段階で両三年というのは、要するに昭和四十五年の安保の改定というのが頭にありますから、両三年の両というほうに非常にウエートが置かれた意味で国民は受け取ったわけです。ところが、一年たったから、算術計算では一両年になるでしょう。いまここで三木さんが数年と言われると、問題をまた延ばすことになる。もう一度いまの数字的感覚、アメリカのほうではフューイヤーズということをわざわざ日本語で両三年と書かれたのは、それ相応の日本政府側の意図があったと思います。もう一度数字のことについてお答え願いたい。
○三木国務大臣 私はここで延ばそうと思わないのです。これは早く解決したほうがいい。早く解決すべき問題だ、日米間の懸案として。ほかには大きな懸案というものはないのですから。だから解決すべきだとは思っていますが、両三年というのは三年だ、あれから一年たったからもうあと二年、もう半年たったから一年半だ、こういうふうに算術で詰めていくようなわけにはいかぬでしょうけれども、両三年というものには対しては国民の常識がある。この常識を越えるようなことであっては国民の期待に沿わぬものであるということは、当然にそうだと考えております。
○永末委員 私が時期のことを申し上げますのは、沖繩返還に関する日米交渉の日本政府側の態度に問題があるからである。すなわちアメリカ側は、現在沖繩にありますアメリカの軍事基地を使用して彼らの考える極東戦略を遂行しつつある。したがって、一言で申せば現状維持が望ましいのです。しかし、わが日本側がその現状に対して施政権返還ということで変革を求めようとするならば、わがほうに具体的な返還後の沖繩の構想があるべきはずである。そこまでまいりますと、白紙だというのは、なかなか受け取れぬ。そこで時期と白紙というものを並べて考えると、先ほどの三木さんのお話の中では、ある時期には考えなくちゃならぬと言われたが、ある時期というのは相当早く御決心をいただかなければ、私は、日本政府が怠慢だと国民は批判すると思いますね。しかも共同声明が行なわれてから半年たって第一回の継続協議、すでに第一回の継続協議から三カ月たっておる。この次はいつごろやるのか、そのときには白紙に対して何らかの内容を付して交渉されようとするのか、伺いたい。
○三木国務大臣 私はこういうような感じを持つのです。いま沖繩の問題で一番むずかしいのは基地の問題です。ほかにもむずかしいものはたくさんあるけれども、これはむずかしい問題の一つであります。それでこの極東情勢というものは非常に不安定ですね、こういうときに、それなら沖繩問題を一気に解決しようということがそういうふうなことになれば、これがどういうふうな解決になるかということはいろいろ考えられるわけですね、不安定な戦争が行なわれておるときにやるのだから。もう少し極東情勢というものが、現にベトナム戦争についてパリの和平会談も始まっておるから、そういうことも少し見てみる。そういうベトナム問題というのは極東情勢に非常に大きな影響を与えますし、そういうことも――それはベトナムだけではないですよ。しかし、そういうことは極東全般に大きな影響を与えるから、その推移も見ようという態度というものは必要なのではないか。いまこういう戦争をしているときに、日米間で話が一致しなければならぬわけですからね。一致しなければならぬので、そういう点では基地の態様というものに対しても、日米間の合意を成立さすためには、もう少し極東情勢に見通しを持てる時期がいいのではないか、こういうふうに思うのであります。ただしかし、それはいつのことかわからぬ、ベトナムもどうなるかわからぬというふうに言われるかもしれませんが、しかし、現にベトナムに対する和平会談も始まっておる時期でもありますから、どういう形で収拾されるかということは極東情勢に大きな影響もありますから、そういうことも見てみたい、こういうことを政府が考えることは当然のことだと思います。それに籍口してずるずるとこの問題の解決を延ばすという意図はありません。これは早く解決すべきものであるということで考えておることは変わらぬですけれども、そういう情勢の推移も見てみたいという政府の立場は、私は当然のことだと思っています。
○永末委員 政府は政府なりに、沖繩の基地というものはどういうアメリカの極東戦略上の地位を占めているかは、私は判断をしておられるはずだと思う。私の判断するところでは、ベトナム戦争と沖繩基地の関連は、アメリカ全体のベトナム戦争に対する展開と比較をいたしますと、きわめてウエートは少ないと私は見ている。日本国からすれば、沖繩のベトナムに対する関係は非常に強い関係にあると見られるのは当然であります。しかし、アメリカ全体から見れば、沖繩の基地がベトナム戦争に対して持っておる比重は相対的には非常に少ない。たとえばアメリカは、月七十万トンのいろいろな補給をベトナム戦争のために行なわなくてはならない。そのベトナム戦争を行なうための受けるところは、すでにベトナムやタイにおいて、その受けこたえをしておる施設をつくっておる。その中の約一割が沖繩経由であります。しかも沖繩には三万五千のアメリカの将兵がおりますから、その補給を兼ねての問題である。現在B52が沖繩におります。しかし、このB52は、もともとプエブロ号事件があった直後に沖繩に来たのが始まりである。端的に申せば、沖繩の戦略上の価値というのは、ベトナムに向けておるのではなくて、その主力、基本的な意義はもっと北のほうに向けていると判断すべきではないか。この見解にもしあなたが同意されるならば、ベトナム戦争に籍口して白紙の状態を漫然と続けるということは許されない。日本国政府側としては、もっと沖繩の軍事基地の性格についてはっきりとした判断をして交渉すべき段階に立ち至っておる。そういう態度がないから、アメリカ側も、アメリカ側からわざわざ違うことを言うことはない。この辺の感覚をひとつ伺いたい。
○三木国務大臣 ベトナム戦争それ自体というのは、戦後における極東情勢全般に影響いたします。御指摘のような朝鮮にもこれは影響がありましょう。そういうことでベトナム戦争それ自体というもの、その収拾後における極東情勢というものは、もういずれの中国にも、朝鮮半島にもみな影響を持っている。そういう点でベトナム戦争というものは重視すべきである。それ自体が沖繩がどれだけのウエートを持った基地かということではなくて、ベトナム戦争が収拾された収拾のしかたによってどういう影響を極東全般に持つかということを重視するものである。朝鮮半島の問題も、これはきわめてわれわれとして重要な関心事であることは御指摘のとおりである。そういうことの全般をにらみ合わさなければならぬけれども、いまの場合、ベトナム戦争というものの収拾のしかたは全般に影響する問題であるから、これはやはり重視せなければならぬと申しておるので、戦争が終わったらもうそのことをということじゃなくて、それから与える極東への影響を重視しているということでございます。
○永末委員 五月二十七日に行なわれた会議では、あなたは何か早期返還の必要性だけを主張されて、相手方のほうが沖繩における基地の性格などをるると説明したごとき報道がございました。もう一ぺんやりまして同じように早期返還では、これは自主外交とは言えませんね。早期返還を要望するならば、日本政府が施設権返還後の沖繩について一体どういうことをやるのかという案を固めなければなるまいと私は思います。三木さんほどの人が、前にやったことと同じことを、抽象的な国民の要望だけを伝えたのでは、昨年の佐藤・ジョンソン会談以来一歩も進んでおらぬ、こういうことになると思います。その御準備はございますか。
○三木国務大臣 それは当然に準備をしなければならない。それはいろいろいま言ったような不確定な要素もありますから、その推移ともにらみ合わせながら日本の考え方をまとめていくことは当然でございます。
○永末委員 わがほうにも自民党総裁の選挙という一つの政治的大事件がございますね。したがって、その意向をまとめられるのは、それまでにまとめられるか、その後になるか、お答え願いたい。
○三木国務大臣 いかに総裁選挙があろうとも、自民党内閣でございますから、総裁選挙という時期を画していろいろ沖繩問題の解決が右左というふうに違うとは考えません。これはやはり政権を担当しておる自民党全体の責任でありますから、総裁選挙を境にして沖繩問題をどうということではない。できるだけそういうものにかかわりなく、やはり日本政府の考え方も、いわゆる全体の不確定な要素もありますから、その推移も見なければならぬけれども、これはやはり自民党全体が負うておる一つの大きな政治的責任でありますから、そういうものにかかわりなく当然に考えるべきだと思っています。
○永末委員 わがほうのことを申し上げましたが、三木さんも総理大臣、総裁になられる可能性がきわめて濃厚な人でありますから、自民党内閣として言われた発言は伺いましたが、相手方があります。相手方の大統領は必ずかわるのであります。そこで、大統領のかわった直後くらいにはまとめられますか、もう一ぺん伺いたいと思います。
○三木国務大臣 直後ということは、御承知のように大統領がかわるとたいへんですよね。一月、就任式があるわけですから。だから、おそらく、一つの時期を選ばなければなりませんが、やはり新しい大統領との間に沖繩問題、これはいろいろ話をする時期があろうと思います。それはいつかということは、向こうの新しく――ジョンソン大統領ということじゃないのですから、だれが出てくるにしても、やはり新しいアメリカの施政が始まるわけですから、そういう点でいつ、直後と時期を言うわけにはいかぬが、やはり新大統領との間に日本の総理大臣が話す時期があるに違いない、こう考えております。
○永末委員 くどいようでありますが、もう一度お答え願いたいのです。いまおっしゃったことは、新しい大統領がきまるならば、日本政府が沖繩返還に熱心であるとするならば、できるだけ早い機会に大統領との間にいまのような日本政府側の方針を定めて交渉したい、こういう御意思であると私は思いますが、お答えを願いたい。
○三木国務大臣 それはできるだけ日本の政府としても考え方をまとめて、そしてアメリカとの間に話を進めるということは、これは当然のことだと思っています。
○永末委員 国政参加について、日米継続協議の場で取り扱うがごとき報道もございました。しかし、具体的には七月に行なわれました日米協議委員会であなたが取り上げられたようです。日米協議委員会で扱われますか。外務大臣として、これはもっと上の次元の話にかかわる面が多いと思うのです。すなわち私どもは、国政参加というのは日米両国政府の何らかの合意、取りつけがない限り具体化しない、こう思いますので、その点については外務大臣として、これまで機関としては日米協議委員会を使われましたが、それにかかわらず努力をする、こういう御意思かどうか伺いたい。
○三木国務大臣 これはいま御指摘のように、重要な日米間の目的であるし、日米間で話がつかなければ、施政権を持っているのですからこれは実現しないので、協議委員会でもいろいろ相談することもあるかもしれませんが、外務大臣としてもやはりこの交渉には当たりたいと考えております。
○永末委員 十一月十日には、沖繩で主席公選をはじめ立法院選挙等、重要な選挙が行なわれる。沖繩県民にとっては非常に重要な政治的な決断を下さなければならない日であります。したがって、あなたのいまの御決心を承りましたが、十一月十日までに何らかのめどをつける御決意があるかどうか伺いたい。
○三木国務大臣 これは十一月十日というふうに主席公選の日もきまったようでありますから、こういう沖繩問題に対する重要な問題については、その主席公選の時期までに一つのプリンシプルはきめられることが、きめるとすれば適当だと思っています。相手のあることですからどういうことになるかということは私からは言えませんが、しかし、それまでにこういう問題は、ある原則というものはきめられることが沖繩の住民に対しても親切な態度である、こういうふうに考えております。
○永末委員 せっかく御努力してください。
 終わります。
○床次委員長 渡部一郎君。
○渡部委員 さっそくでありますが、ただいまの外務大臣の御発言の中から、ちょっと私の質問をさておきまして、もう少しお確めをしないと話がわからないことが多少ございますので、まず伺いたいと思います。
 一つは、総裁選挙を境とせられまして、依然として内閣は自由民主党であるから、沖繩問題のような問題について、そう方針が変わることはない、そういうお話でございました。総裁の候補者の三人の方々の沖繩問題に対する態度が同じだったら、私はそのままいまの御説明で十分だと思います。ところが、三人の方が全く同じであるかというと、多少ニュアンスの差があるのではなかろうか。それは大きく国政に反映してくるのではないか。これが、あえて私が御質問をもう少し続けなければならぬ理由だと思うのであります。
 たとえば、この際、返還の方式というものが、一つの大きな態様をなすものとして、核つきであるか、核抜きであるかという一つの問題がございます。
 最近の御発表によりますと、ある候補者は、核抜き返還がほんとうであるということを堂々と声明せられた模様でございまして、総裁公選の第一のスタートをもはやすでに切られたようであります。
 それに対しまして現在の総理のほうは、核つき返還であるとか核抜き返還であるとかの問題については、これは白紙であると再度の御言明があったやに私は伺っております。
 そうすると、もう一人の候補者の御意見というものは、いまだ明らかになっておらぬわけであります。
 そればかりでなく、日本の方針として、一体核抜き、核つきの問題に関しては、三木外務大臣はどうお考えであるか。これは交渉の段階であるからまだ白紙であると言われるのか、それからまた、言明するのがいまは適当でない時期だと言われるのか、あるいは断固核兵器を沖繩に置くべきであると主張せられるのか、あるいは核抜き返還でいくべきであると主張せられるのか、その辺が国民の最も知りたい一つのポイントではないか、そういうふうに私は思いますので、この問題も含めてひとつお答え願いたい。
○三木国務大臣 個人的に、この問題に対して、自民党の中にも、いろいろな意見を持っておられますよ。そういう意見があることは、政党として当然のことであります。しかし、政府の態度というものは、いま言ったような不確定な要素もたくさんあるから、まだこれを、基地のあり方に対して政府としての態度はきめてないというわけでありますから、それはいま永末君のお話の中にもあった、いつかはこれはきめなければ交渉にならぬじゃないか、そのとおりだと私はお答えもしたわけでありますが、いまは政府はきめてない。それを白紙と言っておるのでありますから。しかし、ある時期が来れば政府の考え方をまとめなければならぬ必要があることは事実ですが、いまは、そういうことで、きめてはいないということ以上に――渡部さんいろいろお尋ねでございましたけれども、外務大臣が外務委員会の席上で政府の考え方以上のことを申し上げるということは適当でないですから、そういうふうにお答えいたします。
○渡部委員 御丁重な御返事でございますが、重ねて……。
 そうしますと、外務大臣といたしましては、この席上では個人的な見解を述べるのは控えたい、御自分の信念は披瀝なさらない、私は佐藤総理の言うままに動く、こういう意味でございますか。
○三木国務大臣 佐藤総理の言うままというか、政府は、いまいろいろな不確定な要素があるから、基地のタイプというものについてはいまきめてない、こういうことでございます。だから、やる時期が来たらむろんきめなければならぬであろう、これが政府の態度でございますと、外務大臣として政府の態度を渡部さんにお答えすることが適当であることは申し上げるまでもございません。私もそうだと思っている。いまここで基地をこうだということを言うのには、もう少しいろんな情勢を見きわめてみる必要がある。アメリカとの交渉がありますから、交渉するのに対して、これは話をできるだけ解決しなければならぬ、言いっぱなしではいかぬですから。
 そういうふうに考えております。
○渡部委員 全体的な情勢を見なければ言いにくい問題と、それから国民的な願望を代表して言う場合とは、私は違うと思うのであります。というのは、核抜き返還、核つき返還の問題に関しては、国民の圧倒的大多数は、それこそ核兵器の沖繩に存在したままの返還というものに対してはいい感じを持っておらない。できることならば、強弱の意見の差はあるとしても、少なくとも日本に対して返還される場合には、本土並み以下の核兵器のない状況において返還をしてもらいたい、これが国民的願望じゃないか。私は、その国民的願望を生かして交渉していただけるかどうか、そこをもう一回伺いたいと思います。
○三木国務大臣 基地の態様について、いろいろこれをきめる場合の要素の中に世論の動向というものを非常に重要視してあることは、佐藤総理の答弁の中にもあるのです。したがって、日本の国民がどう考えておるかということは、やはり外交交渉のきわめて重要な基礎にせなければならぬと私は考えております。
○渡部委員 そうすると、私は、当然その外交交渉の重要な意見と判断の基準となるべき国民の世論に沿って政府は交渉していただきたい。また、それを披瀝されるのが当然だろうと思うのであります。そうすると、まるきりの白紙というような状況下にあって交渉するのとは、全く話が違ってくるんじゃないかと私は思います。これは強く外務大臣に、今後の問題として、交渉の際に、この国民的願望が生かされるように要望しておきたいと思います。
 それから、次の問題でございますが、両三年でございます。先ほどから何度か御答弁があったのでございますけれども、スナイダーさんの発言と、それからいままでの総理大臣の御答弁との間には、全然違うニュアンスがあるやに私たちは受け取っております。その点をもう一回御説明願いたいと存じます。
○三木国務大臣 これは私ども、一緒に行ってアメリカで交渉した者としては、違いがないのです。両方ともやはり、自分はそういり――佐藤総理がジョンソン大統領が約束したと言うのならいけませんよ、これは。そういうことを総理が言っておるならいけない。約束したとは言ってないですからね。そういう確信を持ったという、やはり自分の確信として語っておるし、スナイダー部長は、大統領の約束としてこの問題をとらえて、約束はしてない。佐藤総理は、ジョンソンが約束したと言っておるのではなくして、自分はそういう確信を持ったというのですから、両方がそういう確信を持ち、こちらは大統領が直接に約束してないということは、あまり食い違ってはいない。それを私は言っておるのは、その間を結んで、大統領は、日本国民の願望はよくわかるので、そういうことを頭に入れてひとつ外交交渉をしようじゃないかと言って、スナイダーの言う、約束はしない、明白な時期は約束しないということと、総理大臣の願望とを結びつけてあるのです。よくわかる、そういうことを頭に入れながらひとつ日米の交渉をやろうじゃないかというので、いかにも違うことを言っておるようですけれども、これをちゃんと結びつけて、それが日米の外交交渉になっておるのですから、全然そっぽを向いた話ではないですね。両方結びついておる。したがって、私には何も矛盾は感じないですね。
○渡部委員 そうしますと、官房長官が、このスナイダーさんの発言のあったあと、新聞報道によりますと、これは、日米両国間において返還のめどをつけるという問題に関してはトップレベルの、最高の了解事項である、そういう御発言をなさいました。トップレベルの了解事項というのは、はたしてどういうものなのか、そういうものが存在したのか、しないのか、それを当事者である三木さんにお願いします。
○三木国務大臣 そういうものは存在しません。共同コミュニケに言ってある以上に、何か佐藤総理とジョンソン大統領との間に秘密の約束などはございません。共同コミュニケに出ておることが、これがジョンソン大統領と佐藤総理との話し合いの結果得た結論でございます。
○渡部委員 そうすると、その両三年のめどがついているというようなことを含む了解事項はなかった。そうすると、総理の言うことは完全な願望だけである。こういう意味でございますね。
○三木国務大臣 完全な願望だけと言えないのは、大統領がよく日本人の願望はわかる、そういうことも頭に入れて交渉しようではないかと言うことは、全然ひとり相撲だとも言えぬところがありますね。そのことはよくわかる、そういうことを頭に入れて施政権返還の方針のもと、日米でやはり外交折衝をしようではないかということは――いま渡部さんは、そんなことは事実と全然相違しておることではないかというふうに非常に強く言われますけれども、あとから続けてあるのですから、続いておる文句を見ると、それは総理だけのひとり相撲だと、そういうふうには断定できない。やはりずっと続いて、そういうことも頭に入れて日米間でやろうではないかというのですから、やはりそういう願望を総理が持つことはこれは無理からぬことであるというふうに考えています。
○渡部委員 いまの御返答は全然わからないのですけれども、この話はここまでにしておきまして、先ほど御返事のあった中に、主席公選の時期までプリンシプルをきめておきたい、こういう話でございました。重大な御発言であったように思います。これというのは、返還の時期に関しての協定を、両者で原則的な交渉を達成するという打ち合わせがある、こういう意味でございますか。
○三木国務大臣 これはアメリカ側としても非常に難色が私はあると思うのです、主席公選の国政参加の問題。しかし、沖繩の人たちがやはり日本の国政に参加したいという願望は非常にわれわれとしてもよく理解できることですから、できるだけこの問題は努力をしてみたい、積極的に努力をしたい。そういう場合に、できれば主席が公選される日までに、こういう原則的なことは日米間で了解ができることは好ましいのではないかということで、努力の目標として申し上げたので、アメリカとの間の話ができておるわけではありませんから、今後やはりそういう目標でひとつ努力をしてみましょうというのが、私の発言の趣旨でございます。
○渡部委員 それでは、私はだいぶ前になりますが、予算委員会及び外務委員会等におきまして、沖繩の尖閣列島のことを問題にいたしました。これは台湾漁民がこの地域に根拠地をつくりまして、そうしてどうやら既得権ができつつある形勢である。これに対して十分御検討を願って、しかるべき外交的措置を講じられたいと申し上げました。その後最近の新聞報道によりますと、私の憂慮したように、事態はますます大根拠地ができ上がっておるようであります。ところが、私のほうには、外務大臣及び外務当局あるいは関係当局からは何の御説明もございせんし、いかなる手を打たれたかも私は存じておりません。これについて御返事を賜わりたい。
○東郷説明員 尖閣列島その他における領海侵犯の問題については、われわれも久しく非常に心配しまして、随時アメリカ大使館、米政府当局に対しまして善処方を申し入れてきておるわけでございます。現実にこれが、直接に警備の手を差し伸べるのがなかなか困難だというようなことで、今日まで満足な結果はまだ得られておりません。なお、最近になりましても、単に漁業のための領海侵犯のみならず、台湾尖閣列島に座礁しておる船を引き揚げるというような作業もやっておるというような話もございまして、まことに遺憾なる事態でございます。その話をわれわれも確認いたしまして、最近またあらためて米国側に対して、相当強いことばをもって善処方を申し入れております。今後の、おっしゃいますように、これがある種の既成事実になるなどということはまことにゆゆしきことでございまして、われわれもこの事態が一日も早く改善するように、今後とも引き続き米側の注意を喚起し、また、それで満足できない場合にはさらにどういう措置がとれるか、怠りなく研究を進めてまいります。
○渡部委員 それでは時間も残り少ないので、方角を変えまして、北方領土の話をさせていただきたいと思います。
 北方領土の問題に関しましては、この委員会の名前が「等」の字が落ちたように、小笠原問題が解決に向かいまして、沖繩問題も、いま確信に満ち満ちた総理、外務大臣の御努力がありますので、大きな方向に向かうだろうと確信しておるのでありますけれども、北方領土の問題に関しては現在政府におきましては何にもやってないのじゃないかというのが、国民の率直な不信感の声だと存じます。外交交渉あるいは正規外交交渉によらぬ漁民等の交渉におきましても、このような政府の対ソ姿勢というものが大きな課題になっているのじゃないかと私は思うわけであります。北方領土の問題は単に日ソ両国の関係の問題だけではございませんし、平和条約等の点を考えましても当然アメリカとの問題も含みますので、日米、日ソの両方の交渉が全うされなければ、この問題の解決にはならないと存じます。外交当局が一体この北方領土の返還問題について、アメリカあるいはソ連というような国々に対してどういうふうな手を最近打っておられるのか、まだ時期が来ないという名目のもとに何にもしておられないのか、あるいは漁業交渉だけは国民にまかしておいて、外務当局は、はるかなる雲の上からそれを冷たい目でじっとごらんになっているのか、その辺のところが現地の人々の、北海道の特に歯舞、色丹、国後、択捉等から引き揚げてこられたたくさんの同胞の不信感のいたすところである、こう思うわけであります。したがいまして、この北方領土全体の問題に対してどういう方角でいこうとせられているか、また、どういうことを最近はおやりになっているのか、そういった点をひとつ明らかにしていただきたいと存じます。
○三木国務大臣 何もしてはいないではないか、こう渡部さん言われますが、御承知のように、モスクワで中川大使とソ連当局との間に、コスイギン提案による中間的措置、これをめぐって日ソの交渉が行なわれておるのでございます。
 ただ御理解を願いたいことは、領土問題というものはなかなかむずかしい問題である。ことにソ連が、択捉、国後については解決済みであるという態度をとっております。そこに根本的に日本の政府の考え方と食い違っておりますから、非常にむずかしい外交交渉の一つであることは間違いがないと思いますが、これを日ソの外交ルートを通じて話し合いによって解決しようとしておりますから、われわれとしては多少時間がかかることもやむを得ない、しかし、今後ともこの交渉はモスクワで続いているのですから、したがって時間がかかろうとも日本の考え方に従ってわれわれはソ連を説得し、問題の解決を促進したいと考えております。
○渡部委員 モスクワにおける中川大使の交渉が継続しているという点については、私は初めて伺うのでありますけれども、現在それはどういう段階であるか、それを国民の前に報告をしていただけましょうか。
○三木国務大臣 いま中川大使のところの交渉は、領土問題のみならず全般の日ソ関係というものを改善し、長期に友好関係を樹立するために必要な諸問題というものを取り上げて、領土問題だけというのではなくして、全般の日ソ間の問題を取り上げて話し合いをしておるわけでございます。その話し合いの内容についてこうだ、ああだと言うことは、まだ申し上げる適当な時期ではないと私は思いますが、非常に広範な問題について日ソ間で話し合いが行なわれておることは事実でございます。
○渡部委員 それじゃ私、これで最後の質問にさしていただきますが、いまの御答弁にありましたように、この問題が外交問題の交渉場裏にある問題で、すべてを国民の前にあかできにくいということは確かかと思います。しかし、この場において国民の代表に明らかにするのでなければ、めくらのような状態の中に国民は知らないうちに外交が行なわれる形でありまして、この問題について、やはりある程度御説明が必要かと存じます。次回におきまして、この問題について話せる部分と、まるきり話せない部分とがあるかとは存じますけれども、それを含んで今度はある程度の方向とその進展状況についてお話を願いたい。少なくとも、この中間的措置以後における状況というものは全くわかっておりませんし、これは大きな問題ではないかと存じます。その点をひとつお願いしたいと存じますが、よろしゅうございましょうか。
○三木国務大臣 渡部さんが関心を持たれるのは領土問題であると思います。領土問題については、ソ連側は依然として解決済みであるという態度を持っておる。交渉を通じて持っておる。それは解決済みであるという態度でありますから、領土問題に対する話し合いは現在の段階で足踏みをしておる、進展はしていない、これが現状でございます。
○床次委員長 先ほどの理事会の協議により、この際、去る五月二十七日から八日間沖繩に派遣された、沖繩と本土との一体化施策に関する政府調査団の報告を求めます。山野特別地域連絡局長。
○山野説明員 去る五月二十七日から六月六日までの八日間、日米琉諮問委員会の要請によりまして、団長としての私ほか各省庁の参事官、課長クラス、総員十七名をもちまして本土・沖繩一体化の調査団が沖繩に派遣されました。その調査結果につきましては、その報告書をすでに国会に対して提出いたしておりますので御案内のことと存じますので、ごく簡単に内容を御報告いたしたいと思うわけでございます。
 調査団の調査の項目は、その調査報告にございますように十三項目でございまして、教育、社会福祉、保健衛生その他のこの報告書に載っておる項目でございます。
 私ども八日間にわたりまして現地の琉球政府、民政府その他関係諸団体の事情を聴取いたしまして報告書をまとめたわけてございますが、その報告書の内容は、沖繩の各行政の水準が本土との比較においてどうなっておるか、それから沖繩のいろいろ行財政上の問題点は何か、今後どういうぐあいに一体化を進めるべきであるか、そういうことを中心にしまして報告書がまとめてございます。お手元に御配付申し上げましたのは、主としてそのうち一体化の施策として考えられる事項を中心にまとめました。現状、問題点、その他は各分冊にしてございまして、十二分冊、約千ページの報告書になっております。
 今後この調査報告の取り扱いの問題でございますが、私どもは、日本政府の諮問委員会から招聘された調査団として、その調査報告書を諮問委員会に提案いたしましたので、今後どのように、どういう問題について具体的に一体化を進めていくかというのは、もっぱら諮問委員会が中心になって勧告され、その結果に基づいて三政府が一体化の施策を講じていくということになろうかと思うわけでございます。
 なお、調査期間がきわめて短かった等いろいろ問題がございまして、必ずしもその調査報告書が万全なものであるとは私どもはさらさら考えておりません。今後さらに三政府で十分検討いたしまして、りっぱなものに補完してまいたりたい、かように考えるのであります。
 なお、これに関連しまして、さきの特別委員会の質疑を通じまして私がお答え申し上げた点があるわけでございますが、この調査報告書にはいろいろ裁判制度とか、その他当面沖繩住民が問題としておる基本的な諸問題について何ら触れられてないという御批判をいただいております。この点につきましては、当委員会でも御説明申し上げましたように、総務長官、外務大臣、官房長官等の特命の事項としまして、特に私が調査をいたしまして、それぞれ報告を所要の向きに提出してございます。しかし、その内容につきましては、いろいろ機微にわたる問題等がございますし、また、日米間の話し合いの次第もございまして、一般に公表することを差し控えておることを御了承いただきたいと思う次第でございます。
 以上、簡単でございますが、御報告申し上げます。
     ――――◇―――――
○床次委員長 閉会中審査に関する件についておはかりいたします。
 本委員会といたしましては、閉会中もなお審査を行なうため、川崎寛治君外九名提出の沖繩県における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案、多賀谷真稔君外七名提出の沖繩に対する財政措置その他の援助に関する臨時措置法案、並びに、沖繩及び北方問題に関する件について、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 閉会中の委員派遣に関する件についておはかりいたします。
 閉会中審査案件が付託になり、現地調査の必要が生じた場合は、委員長において議長に対し委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、委員の派遣地、派遣期間、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
○床次委員長 今国会において、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付のとおり四件であります。この際、御報告いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時十五分散会