第061回国会 地方行政委員会 第43号
昭和四十四年六月二十五日(水曜日)
    午前十時十八分開議
 出席委員
   委員長 鹿野 彦吉君
   理事 大石 八治君 理事 古屋  亨君
   理事 細田 吉藏君 理事 保岡 武久君
   理事 山口 鶴男君 理事 山本弥之助君
   理事 折小野良一君
      青木 正久君    伊能繁次郎君
      亀山 孝一君    吉川 久衛君
      斎藤 寿夫君    水野  清君
      山口シヅエ君    山村新治郎君
      井岡 大治君    小川 三男君
      太田 一夫君    野口 忠夫君
      細谷 治嘉君    依田 圭五君
      門司  亮君    小濱 新次君
      林  百郎君
 出席政府委員
        自治政務次官  砂田 重民君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (千葉県議会議
        員)      小川 国彦君
        参  考  人
        (千葉県副知
        事)      川上 紀一君
        参  考  人
        (丸朝園芸農業
        協同組合組合
        長)      手島 正爾君
        参  考  人
        (成田市長)  藤倉 武男君
    ―――――――――――――
六月二十五日
 委員岡崎英城君及び河上民雄君辞任につき、そ
 の補欠として伊能繁次郎君及び小川三男君が議
 長の指名で委員に選任された。
同日
 委員伊能繁次郎君及び小川三男君辞任につき、
 その補欠として岡崎英城君及び河上民雄君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
六月二十四日
 地方公営企業法の一部改正等に関する請願(島
 本虎三君紹介)(第九〇四五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の
 特別措置に関する法律案(内閣提出第五七号)
     ――――◇―――――
○鹿野委員長 これより会議を開きます。
 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案を議題といたします。
 本日は、本法律案について参考人から意見を聴取することといたします。参考人は、千葉県県会議員小川国彦君、千葉県副知事川上紀一君、丸朝園芸農業協同組合組合長手島正両君、成田市長藤倉武男君、以上四名の方々でございます。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。本日は御多用中のところ当委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。本法律案につきましてそれぞれの立場から、何とぞ忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。
 なお、議事の順序でございますが、初めに御意見をそれぞれ約十分程度に取りまとめてお述べをいただき、次に委員諸君からの質疑に対してお答えをお願いいたしたいと存じます。
 それから、御意見の開陳の順序は、小川参考人、川上参考人、手島参考人、藤倉参考人の順序でお願いをいたします。
 それではまず小川参考人にお願いいたします。小川参考人。
○小川参考人 ただいま御紹介をいただきました千葉県議会議員の小川国彦でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、この空港周辺整備特別措置法案に対しまして、千葉県議会議員の立場、また空港の地元であります成田市選出の議員の立場から意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 最初に、私どもはこの空港周辺整備特別措置法案の前提でございます三里塚新国際空港の問題につきましては、基本的に反対の立場をとっております。したがいまして、本法案にも同様の立場から反対の意見を持するものでございます。
 三里塚空港につきましては、すでに三年前の六月閣議決定をなされましたけれども、閣議決定自身が住民の意向を聞かない形での閣議決定であり、またその直後に成田市、芝山町の地元関係市町村はそれぞれ反対の決議をいたしております。その後、政府や県の圧力によりまして反対決議が白紙還元をされたわけでございますが、依然としてその状態にとどまっておりまして、賛成の決議はなされておりません。
 また、私ども三里塚空港の性格を考えてみましても、第一番には農民の土地取り上げの問題があり、現実に、六百町歩の民有地の中では、依然として四分の一、百四十五町歩を占めております反対の方々の根強い、農民の土地取り上げに対する反対がございます。
 第二番目には、諸先生方御承知のように、国会におきましても軍事空港の性格というものが明らかになってきております。
 三番目には、究港周辺の騒音公害によって生活権の被壊を受ける多数の住民の反対がございます。こうした農民の土地取り上げ、軍事基地化、あるいはまた騒音公害と、こういう基本的な問題に対する解決というものが現状において何一つなされておりません。
 こういう状態の中で私どもは、本法案が提案されたといたしましても、それは地域住民にとっての基本的な問題を解決しないまま、隔靴掻痒のような形で、一部県当局なり地元市町村長なりによって、この法案に対するたくさんの陳情がなされているようでございますけれども、この法案提出の経過というもの、あるいは法案が議会に上程されるまでの経過等を見ましても、地域の住民との話し合いによって、下から盛り上がったところの法案ではなく、県当局が、あるいは市町村が、単なる予算獲得のためにつくられた法案ではないか、こういうふうに考えるわけでございます。
 さらに、私ども具体的な内容に入りまして、この空港関連事業予算と関係市町村の財政の状況等を検討いたしてみました。昭和四十二年度の千葉県の統計年鑑によりますと、この空港周辺整備特別措置法の適用を受けます成田市、大栄町、多古町、芝山町、下総町、富里村、これらの関係町村の歳入を合計いたしますと、四十年度の歳入は十三億円、税収が三億五千万円、普通建設費が五億三千万円になっております。これが空港周辺整備特別措置法の該当になります関係市町村でございます。これに対しまして、毎年二〇%程度の歳入増を見たといたしましても十五億六千万の歳入、税収で四億二千万程度と推定されるわけであります。ところが、空港関連事業が、もしかりこの法案によって現実にこれらの空港周辺の町村に実施されることになりますと、新たに二十数億円の予算の削減措置がなされたといたしましても、地元の関係一市五カ町村の負担は、概算約九億円になります。そういたしますと、現在これらの市町村の税収が、合わせまして三億五千万円ですから、税収の三倍に匹敵する建設事業を行なわなければならないことになります。また、これら関係市町村の歳入合計十五億としてみましても、三割の人件費を除きますと、いわゆる七割の九億円というものをすべて空港関連事業で行なうということになりますと、各市町村の財政は、人件費を除きますと、空港関連事業費そのもので予算が終わってしまいまして、その他の一切の事業がストップする、行政不能、行政麻痺の状態におちいるのではないか、こういうふうに考えられるわけであります。
 そうした空港関連事業を行なってまいりますと、当然地方自治体としてしなければならない消防施設あるいは保育所あるいは公民館の建設等、これらの一般行政にしわ寄せさせられていくことは明らかでございます。また、このほか、小中学校の総事業費が、空港公団の発表によりますと、小学校で十七億円、中学校で十億円、この問題につきましても、全くこの建設計画というものが立っておりません。私ども、この空港周辺整備特別措置法案がかりに通ったといたしましても、そのことの負担の削減よりは、むしろ今後の学校とかあるいは道路とかその他全般の問題におきまして重大な致命的な地方財政の打撃を受ける、関係市町村の打撃を受ける、こういうふうに考えるわけであります。そうした面において、私どもはこの空港周辺整備特別措置法というものは、空港問題に対する基本的な解決には全くならない、こういうふうな立場から、この法案については反対の立場を持つものであります。むしろ私どもは、この空港建設によって土地を取り上げられる農民の問題、あるいはまた周辺八十ホン以上、あるいは県条例によりますと、六十ホン以上になる該当地域には十数万の人間が住んでおります。こうした騒音対策の問題については、国においても、県においても、何ら対策がなされていないわけであります。こうした基本的な問題を解決し得ないままに、こういう整備法によって現状を糊塗しながら、空港を進めようということに対して反対の考え方を持つわけであります。
 以上の観点から、この空港周辺整備法について、私どもは、住民の立場に立たない整備法である、こういう立場から反対の意見を申し上げた次第でございます。(拍手)
○鹿野委員長 次に、川上参考人にお願いいたします。
○川上参考人 御紹介いただきました千葉県の副知事川上紀一でございます。
 冒頭、本法律案の一日も早い御制定をお願いをいたすものでございます。
 新東京国際空港が昭和四十一年七月四日の閣議で本県成田市三里塚地区を中心といたしまする地域に決定されましてから、県は全力をあげまして、関係住民の説得に当たってまいりました。また、国が閣議決定によりまして約束されました住民説得のかぎでありますところの代替地につきましては、空港公団が農地法上農地の取得はできないという制約がありましたので、公団の依頼を受けまして、民有地三百ヘクタールを買収いたしました。さらにこの民有地のほかに、住民の要望をいれまして、県有財産であります畜産関係施設、これは畜産試験場、さらに種鶏種豚場等でございますが、これを撤去いたしまして、その用地約五十ヘクタール、さらに県有林等五十ヘクタール、合わせまして百ヘクタールを代替地として提供することにいたしました。したがいまして、民有地、県有地合わせまして四百ヘクタールの代替地の用意をいたした次第でございます。
 その結果、昭和四十三年四月六日に、土地の権利者八百一名のうち、約九割に当たりまする七百二十名の了解が得られ、土地価格等についての調印がかわされ、空港問題が一歩前進したのであります。代替地は御料牧場を残しまして全部造成を終了し、いつでも関係住民が移転できるよう準備いたしております。
 このため、空港公団は四十四年の五月三十一日現在、買収を要する民有地六百七十ヘクタールのうち、約七一%に当たる四百七十八ヘクタールの買収を終了されたと聞いております。これに敷地内国県有地約三百九十五ヘクタールを合わせますると、全体面積の千六十ヘクタールの約八二%の用地が確保できたことになりますので、空港本体の着工は日ならずして行なわれるものと思量されるのでございます。
 新東京国際空港周辺の整備につきましては、四十一年七月四日、閣議で新空港の位置及び規模について決定をなされました際、地元対策としてあわせて閣議決定がされております。この閣議決定の内容はいまさら申し上げるまでもないと思いますけれども、土地等の補償について、それから代替地の確保について、騒音対策、さらには職業転換等地元住民対策と、さらに道路、鉄道、用排水、新都市計画等でありまして、これらの施策の実施を推進いたしますために、関係行政機関と相互緊密な連絡をはかるために、国は四十二年の七月二十一日に新東京国際空港建設実施本部を設けられました。同本部において数次にわたり新空港関連事業について検討をされました結果、四十二年の十二月二十一日に関係閣僚協議会におきまして新東京国際空港関連事業計画については了解されました。次いで実施本部は四十三年二月七日と同年八月一日に新空港関連事業費の決定を見るに至りました。決定された事業費の総額は、地元負担を伴わないものとして千三百十七億、地元負担を伴うものといたしまして六百五十二億でありまして、新空港の建設と運営には新空港関係の周辺整備が必要であり、新空港周辺整備のために空港関連事業を施行するにあたっては、現行法のもとでは地方団体等の経費が多額にのぼることから、昭和四十三年十月十一日の閣僚協議会で、地元団体等に対しまして特別の財政援助措置を講ずるために、政府が特別立法を次期通常国会、すなわち今回の通常国会でございますが、これに提案するという了解をなされたのでございます。
 このような経過を経て今次の国会にこの特別法案が上程されたと聞いておるのでございますが、この法律の補助率特例の対象は、新空港の設置に伴う周辺地域の整備のために明らかに必要であると認められる基幹的な事業、さらに大型空港の周辺地域であるという地域的な特殊性から当然必要であると認められる事業のうち、国庫補助制度があるものの中から、他の財政援助法等における援助措置との均衡を考慮しつつ決定されたものと聞き及んでおりますので、県は、現下の情勢におきましてこの法案をやむを得ないものとして受け入れ、そして御協力を申し上げたい、こう考えておるわけでございます。しかしながら、関係市町村の財政状況等にかんがみますと、県といたしましては、本法案によって県分として軽減されまする額は市町村や受益者負担の軽減に役立てる考えでおります。国においても、このような財政状況を勘案くだされまして、この法案で示されておりますところの財政上、さらに金融上の措置を十分御配慮くださいまして、この補助率によって満たされないところの、特に市町村関係の財政に対しまするところの御配慮を切にお願いいたすものでございます。
 県といたしましては、新空港の建設が国家的な大事業であり、これに全面的に協力いたすつとめがあるという見地に立ちましてこの事業を推進してまいりましたし、今後もこの立場において御協力申し上げてまいりたいと思っております。本法案の制定方につきまして格別な御高配を賜わりますようにお願い申し上げまして、意見の開陳を終わらせていただきます。(拍手)
○鹿野委員長 次に、手島参考人にお願いいたします。
○手島参考人 ただいま御紹介にあずかりました千葉県芝山町に本部を置く丸朝園芸農業協同組合の組合長手島でございます。
 誤解を招くおそれがありますので、最初に申し上げておきますが、私は社会党員でもなければ、共産党員でもなく、むしろ保守的の立場の無所属であり、また私の生活の根拠である芝山町のほとんどの農家、また芝山町に接する成田市旧遠山地区の一部、富里村の一部、松尾町の一部の農家一千百七戸で組織している丸朝園芸農業協同組合の組合員の中には、自民党員あり、社会党員あり、共産党員あり、創価学会に入っておる人もあり、そしてその人たちから選ばれた幹部役員も、あるいは四十支部の支部役員も、それらの人たちが入りまじっております。その理事会あるいは支部長会において、一人の欠席者もなく全員賛成で、組合員の総意を受けて飛行場の建設絶対反対を決議しているものであります。しかも、組合の名において私たちは竹やりや角棒を持って警察官と相対したことも一度もないことを知っていただきたいと思います。
 さて、この法案に対して、それ以前のもの、成田空港設置が反対である限り、反対であります。政府は地元住民の意を無視して成田空港案を発表し、わずか半カ月足らずでそれを決定、いまそれを強行しようとしておるのです。かつて日本が軍国時代であったときのごとく一方的にそれをきめ、私たちの農民としての生命、自由及び幸福を根こそぎ奪おうとしております。かつて、私たち丸朝園芸農協の組合員のほとんど全員及びその関係農民を含む二千数百名の人が署名捺印して、飛行場建設反対の請願書を千葉県知事に提出したところ、知事は、どうしても飛行場が必要です、お気の毒ですが御協力願いたいの一片のことばだけで、今日に至るまで一言のことばも文書もない事実を知っていただきたいと思います。
 私たちの住居、農地はもちろんのこと、生産した野菜が、それぞれの七つの集出荷所が、あるいは組合の事務所が、成田空港の完成がもしあったときは事務もとれない状態であり、農地で働くこともできない状態である場所も多くあることは必至であります。その私たちの組合に、県は、空港公団は、あるいは政府関係者は、人間はもちろんのこと、一片の手紙すらいままでくれておらない事実であります。また、はっきり申し上げたい一つの例は、私個人の農地また住家は、四千メートル滑走路の先端より二千メートル以内の人間の住めない騒音を受ける状態の真下にあります。その私に対しても、今日まで飛行場建設関係の手紙一本、または人間一人一度も来ておらない事実であります。しかも国際空港建設に一歩一歩前進している政府の姿は、軍国時代のあり方以上のものがあることを皆さま方は知っておられるでしょうか。
 なぜ空港反対か、こまかく申し上げてみたいと思います。
 私たちの組合は、現在自他ともに認められた日本一の野菜の組合として、野菜の産地として成長いたしました。北は北海道から南は大阪に至る消費地に対し新鮮で優秀な野菜を供給しております。特に東京全域、川崎、横浜、横須賀、大宮、熊谷等の近郊都市はもちろんのこと、名古屋、京都、大阪、仙台等の大消費地において私たちがつくった野菜が一日として切れる日はないはずです。一例をあげれば、大阪流通情報協会の発表によれば、昭和四十三年度すなわち昨年度、大阪中央市場における全国よりのセレベスの全入荷量の四二・四%は私たち丸朝のものであり、また地域によっては九〇%をこえる事実を知っていただきたいと思います。
 特に知っておいていただきたいのは、私たち丸朝から出す野菜が商品としてその優秀さを認識され、全国の産地のどこのものよりも、ほとんどの消費地において二割高、三割高、はなはだしいものは五割高、七割高の最高値で奪い合いで取引されておることは、青果業界周知の事実であります。関東に、日本に、このような組合が、産地がはたして幾つあるでしょうか。販売する野菜がほとんどゼロであった地帯を、丸朝組合の範囲内で生産される米麦の総売上高よりもはるかに多い野菜の生産地にまで育て上げ、そして大きくあすを約束されている産地となったのは、同志組合員のたゆまざる生産努力と固い団結、そして幹部諸兄の涙ぐましいまでの犠牲があっての結果であります。
 かく申し上げている私も、地位も名誉も金も求めず、半生を身も心もそして富も、そしてある意味では家族も犠牲にしてまいりました。日曜日も祭日もお正月もお盆も返上して年中無休、年間の睡眠時間も平均六時間はこえていないはずであります。本組合で生産されるものの一部をあげれば、セレベスなどは東京都内の年間消費量の約六〇%を出荷し、あるいはスイカのごときは約七%で、その他四十二品目の野菜が生産販売されております。
 このようにしてようやく築き上げた組合が、いま踏みにじられようとしているのであります。国にも県にも町にもお世話にならず、むしろときには大きな圧迫を受けながらも理想の郷土建設を目ざしてきた私たちは、現実も夢も理想も、かってに政府がきめた成田空港のために踏みにじられようとしております。もし成田空港が実現したとしたならば、丸朝組合員約一千百戸の中には、騒音被害のまっただ中に置かれ、立ちのきをせねばならぬものがどんなに多くあることでしょう。また、被害のために血のにじむ努力でせっかく修得した高度の園芸生産技術も発揮できなくなる者もあるでしょう。どこからも一銭の補助も応援も受けず、女や子供たちまでも勤労奉仕で土地をならし、土を練り、壁を塗ってつくり上げた組合本部も、滑走路の先端二千メートルで、共同選果も事務もほとんどできなくなるでしょう。
 いま国は農家の後継者の問題で大騒ぎをしておると聞いておりますが、他はいざ知らず、私たち組合員のむすこたちはほとんどが高校卒であり、中には大学まで出て喜んで農業についております。これは申すまでもなく丸朝組合という組織のもとに、背景を持つ農業経営に生きがいを見出しているからです。
 かつて、千葉県知事は県議会において、騒音地域に対する補償はどうなっているかの質問に対し、年収百万円の農家を基準に新しい近郊農業の型六種類程度をモデルに指導していき、空港都市などの大量消費に応じたいと答えているように聞いています。現在七ケタ農業ではなく八ケタ農業にいどんでいる農家がかなり多く存在している私たちの地帯、しかも全国において指導的立場のわが郷土に対し、知事としてあまりにも認識不足であると申し上げたい。
 また、一千万人口の東京都内だけでは私たちが生産する野菜を消化し切れないので、遠く関西や東北に年じゅう出荷をしているばかりでなく、信用のあるわが丸朝の品は、実にその価格は市場で最高であり、さらに大洋漁業、日本水産等の大会社と契約して加工食品としての野菜を大量に納めておるわが郷土では、空港都市がたとえできたとしても、丸朝組合地帯で生産された野菜以外に食べれば死刑に処すというような法律でもつくったらいざ知らず、知事の私ちた騒音被害地区に対する誠意の程度を疑います。
 ローマは一日にしてならずのことばどおり、十八カ年間の努力で築き上げた丸朝組合を持つ理想の農村、子々孫々の安住の郷土を求めて辛酸をなめてきた数多くの同志、そして私自身も、昭和三十九年までまる十四カ年、俸給、旅費、交際費すら一銭も受けずに、私自身の立木を売り、土地を売り、そして一日も休みなく、夜もろくろく寝ずして築いた理想の郷土、これを政府は、私たちの声を全然一言も聞かずに捨てよというのです。政治家は農民を犠牲にする政治が最も容易だと考えておられるのならば、徳川時代に逆行したといわざるを得ません。それでよいのでしょうか。
 成田空港ができてだれが得をし、だれが損をするかを考えてください。最も損をするのはわが郷土芝山の農民であり、丸朝園芸農協の組合員であります。成田空港が実現の場合、五年後十年後のわが郷土がどんなに悲惨な被害を受けるかを想像するとき、そのおそろしさがひしひしと胸に迫ります。
 以上、るる申し上げましたが、私は単に反対せんがために反対を叫んでいるのではありません。関東近県は申すに及ばず、遠くは鹿児島、北海道から視察にこられ、全国の野菜産地に対して指導的役割りを果たすまでに築き上げた丸朝が、園芸農産物の一大産地として伸び行くわが郷土が、踏みにじられるのが残念でなりません。
 さて、最後に丸朝組合の現在の姿をちょっと申させていただきます。
 組合のことしの生産計画が約千三百町歩、野菜であります。それで昨年の実績は約七億でありますが、ことしは目標の十四億のベースに乗っております。現在までの姿を簡単に申し上げますと、バレイショが、ことし販売したものは昨年対比きょう現在で、三五四・五%、昨年一カ年で売り上げたもののまだ半数しか販売していないにもかかわらず、現在の時点で考えてみて一七八・九%の伸びであります。すでに販売を完了したグリンピースのごときは昨年の二二五・三%になっています。またスイカは現在の時点において昨年対比二七六・五%、カボチャのごときは七一二・三%に現在の時点において伸びております。
 以上のような理由でこの法案に反対を申し上げるものであります。(拍手)
○鹿野委員長 最後に藤倉参考人にお願いいたします。
○藤倉参考人 ただいま御紹介をいただきました成田市長の藤倉でございます。多少副知事さんが申し上げたことと重複いたすところがあるかも存じませんが、あらかじめ御了承いただきたいと存じます。
 私の町は、大かたの皆さま方がすでに御承知のことであろうと存じまするが、いわゆる成田のお不動さまという名で親しまれておりまして、そういったような面で発展してまいったいわゆる霊場観光都市であるわけでございます。たまたま昭和四十一年の七月四日、閣議におきまして新東京国際空港の建設地に決定したことによりまして、町は文字どおり替否両論の二つに分かれたのでございます。当日たまたま開催中の当市の定例市議会も反対決議成立というきわめて最悪の事態を招来いたしたという事実があるわけでございます。
 しかしながら、考えてみますると、この新空港の建設がわが国の政治、経済、文化に大きな影響を与える国益の消長に関しまする重大な問題でありまするので、市長といたしましては、地元民の犠牲の上に空港が建設されるのでなければ、これに協力していくという所存で当初からあったわけでございます。幸いに国といたしましても、過去におきまする公共事業に例のない地元対策としての五項目を閣議で決定をいたしまして、その決意のほどを披瀝したのでございます。すなわち、地元住民対策といたしましては、関係住民の最も関心の深い用地買収の価格、または物件の移転補償あるいはまた営業補償などについては、千葉県知事の意向を十分尊重して決定をするということでございます。また営農希望者に対しまする代替地のあっせん、三里塚の土地とともに幾多の変遷を見てまいりましたいわゆる御料牧場の措置、学校あるいは病院、一般住家に対しまする騒音対策、騒音区域内の耕地に対しまするかんがい施設の設置、あるいはまた離職者に対しまする就職の対策というような問題、続きましては道路対策といたしましては五十一号線、なお東関東自動車道の新設、改良及び周辺開発道の整備というような問題、鉄道につきましては新設、整備というようなことでございまするし、なおまた用排水対策といたしましては、各種用水の水源問題、下水対策あるいは河川改修、なおまた急増いたしまする人口に対処するための新都市計画等でありまするが、しかしながら当時は、まだまだばくとして、これらは具体性にきわめて乏しい、したがいまして、市民といたしましては浮き足立っておりまして、この浮き足立った住民の説得にはいささかもの足りないという感じを持ったのでございます。
 そこで国、県に対しまして、早急に閣議決定の地元対策にきわめて愛情のある具体策をつくり上げまして住民を安心させるように強く要望してまいったのでございます。成田市議会も、国策である空港建設の重要性を次第に認識してまいりまして、空港の位置決定以来約一カ月を経過いたしまして、八月二日に反対決議を白紙に還元いたしまして、空港建設への協力体制が次第に整うと同時に、市民も、空港に対しまする理解を深めてまいりました。空港用地内住民によりまするいわゆる成田空港対策部落協議会が八月二十五日に、また十月に入りましてから成田国際空港桜台対策協議会、なおまた成田国際空港条件闘争連盟が相次いで誕生いたしまして、空港建設への協力態度を表明してまいったのでございます。しかしながら、一方反対派の方々も、協力団体の組織が拡充するにつれましてますます団結を固め、支援団体の応援のもとにいよいよ先鋭化してまいりました。ときたまたまわが成田市の象徴であります成田山新勝寺の新本堂建設を記念いたしまして行なわれましたいわゆる世紀の大開帳の準備に追われておる昨年二月二十六日、突如として、三派系全学連の支援を得まして、空港建設阻止集会というような名のもとに、過激な反対運動が再三にわたりまして繰り返されたのでございます。いまだに一部反対派の方々とは意思の疎通をはかれない現状であるわけでございます。しかしながら、私は決して望みを捨てたわけではございません。私は、この空港建設によりまして市民の一人でも不利益をこうむることのないよう処置してまいりたいという信念は、空港の位置決定時もいまも少しも変っておりません。反対派の営農希望者には代替地を提供するよう県に強く要請をいたしまして、この代替地に対しましても確保していただいているわけでございます。
 一方、閣議決定によりまする政府の地元対策は逐次具体化してまいりまして、昨年の四月六日には条件派との用地交渉が妥結をいたしまして、各派代表と国との間で覚え書きの調印が終了し、それぞれ新天地への開拓に励んでおります。
 一例をあげますると、用地内の農民の利用する千葉市内でのショッピングセンターの開設、あるいはまた警備会社の設立等でございます。また、代替地の造成も急ピッチで行なわれまして、移転まぎわの御料牧場を除きまして県有地約八十六ヘクタール、民有地約三百ヘクタールの造成を完了しております。栃木県高根沢町へ移転の御料牧場も、総面積二百五十二ヘクタールの造成を終わり、この八月ころには移転するわけでございます。国道五十一号線の改修につきましては、測量を完了し、東関東自動車道も地元説明会を終了して一部買収が始まっております。地域開発道についても設計及び事業費の算出を見ております。用水の水源対策についても、利根川水系の利用についてもその決定を見、下水道計画については印旛沼流域下水道事業として四十三年度より工事に入っております。また新都市計画についても、目下千葉県が事業主体となり、その予定用地の約八〇%の買収を終了して具体的な設計に入っております。
 このように空港関連事業も逐次進展しつつあるわけでございますが、一般住民の立場に立って考えまするに、特に騒音対策、地元対策の事業費に対する地元負担額の軽減措置は必要欠くべからざるもので、焦眉の急であろうかと考えるわけでございます。
 そこで、第一点の騒音問題でありますが、これは実際に航空機の離着陸時点でないとわからないと存じますが、その対策として次の四点を強く要望いたしたいと考えております。
 すなわち、閣議で決定されました騒音対策委員会を早急に結成されたい。市といたしましては、一応専門家による講演会を開催しておりまするが、この委員会でさらに高度の意見を聴問し、万全なる騒音対策を樹立して、住民の不安を除去するよう努力してまいりたい、かように考えております。
 次に、閣僚協議会で了解された騒音区域、いわゆる二キロ、六百メートルという問題でございますが、これを空港開設時までに、希望者の意思を尊重しながら敷地内と同一条件で買い上げられたい。これはいわゆる税金問題を含めての問題でございます。
 次に、学校の防音施設については、閣議決定に沿って学校教育に支障を来たさないように国において万全の措置を講ぜられたいということでございます。
 空港から発生しまする騒音対策として、空港公団が計画をいたしておりまするいわゆる空港周囲の防音林設置を計画どおり実施されたいということでございます。
 なお、第二点の特例法につきましては、申し上げるまでもなく関係市町村及び地元住民が激しい反対運動の中から空港受け入れに踏み切ったのは、国が新空港設置に伴う各種の障害を補償するという立場から、地域開発に資する公共施設を国の施策として整備することと、これに伴う財政上の特別措置を講ずることを約束したことによっておるわけでございます。
 どうか、さような次第でございまするので、ただいま御審議されておりまする本法律制定の一日も早からんことをお願いを申す次第でございます。
 以上申し上げましたのが私の参考人としての供述でございます。以上でございます。(拍手)
○鹿野委員長 以上で参考人の方々からの御意見の開陳は終わりました。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
 なお、質疑の際は参考人の御氏名をまずお示し願います。小川三男君。
○小川(三)委員 きゃうはどうも御苦労さまでした。川上副知事にお伺いいたしますが、あなたのほうの四十四年三月一日に出された千葉県新長期計画書によりますと、この中で「ことに我国の表玄関としての新東京国際空港の建設が決定される等、当初の予測さえしなかった大きな問題も出てまいりました。」とこういうことをいわれておりますけれども、新東京国際空港は千葉県として全く予測しなかったことであるのかどうか、その点を伺います。
○川上参考人 お答えいたします。
 新長期計画は、四十年度を基準年次にいたしまして、六十年度を目標にした長期計画でございますが、その前に昭和三十七年にでき上がりました長期計画書というものがあるのでございます。これは昭和三十五年を基準年次にいたしまして昭和六十年度を射程距離に置いた計画でございます。したがいまして、三十七年度につくりました長期計画におきましては、千葉県に対しまして新東京国際空港という問題はまだ話題にものぼっておりませんでした。そういう状態でございますので、諸般の事情から、これは空港だけではございませんけれども、今度新しい長期計画をつくり上げるにあたりまして、当時はなかったけれども、新たに起こりました国際空港という一つの要素を加味して新しい計画を立てざるを得ない、こういうことでございます。
○小川(三)委員 川上さんになお伺います。
 いま丸朝農協の手島さんがここで開陳されたのをあなたはお聞きになっておられるはずです。あなたのほうの地元対策というのは、一体道路や水や住居だけが地元対策なのか。地元に住む人間に対する対策として具体的にどんな対策を持っていられるのか。政府が決定した条件の中にも、地元に対する位置決定の条件は、近くに飛行場や航空路のないこと、気象条件がよいこと、工事施行及び維持補修が容易であること、都心の連絡に近いということ、これ以外の条件はないのですよ。これが政府の決定した基本態度なんです。ここには地域に住む住民に対する対策というものは何もないじゃないですか。それをあなたのほうはそのまま受けて、これを現地で適用しているんですよ。
 さらにここに、あなたのほうで出した「芝山町の未来図」というのがあるでしょう。あなたのほうは富里に最初飛行場が内定した段階では、パリ、ロンドン、ニューヨーク、富里、世界の富里になるんだということを宣伝しているんですよ。ところが、富里全域がなくなってしまってどうして富里飛行場で地元の賛成が得られるか。これも、そうです。「芝山町の未来図」、この中に地元の住民に対する対策というものがありますか。いま丸朝の農協の手島さんが言われたように、千葉県知事に向かって一千名以上の全組合員の署名をとって陳情している。それに対しても何らの回答も与えてないでしょう。そういうようなことで地元に対する住民の対策というものは全くやっておられない。あなたのほうでは公団に土地を提供して協力するんだ。それから、このあなたのほうで出している要望書を政府は全部のんだのですか。具体的に言えば地元の住民に対する対策の具体性があなたのほうで千葉県としてあるのか。それから千葉県が出したこの要望書は全面的に政府が受け入れたのか。その点二点。
○川上参考人 お答えいたします。
 私ども県におきましては、新しい国際空港が千葉県の成田に決定いたしまするにあたりまして最も配意いたしました点は、これは国家的な仕事であるからこれに御協力は申し上げる、しかしながら、そのために害をこうむる、そのために泣く住民があってはいけない。県民があってはいけない。この二つの基本的な姿勢をもってこの問題に対処いたしたのでございます。したがいまして、位置の決定を政府が四十一年七月四日になさいました際に、これはおそらく日本の政府始まって以来のことであろうかと存ずるのでございますが、「新東京国際空港の位置決定に伴う地元対策について」、こういう閣議決定を特にお願いいたしたのでございます。この前文の中にも、千葉県知事の意向を十分尊重して地元対策をする、こういう御決定をいただいたのでございます。その中おきまして、特に道路ばかりでなしに、商業あるいは農業、こういった面での配慮を今後国に十分考えていただきたい。県ももちろんその立場においていたしますけれども、県の及ばざるところもございますので、国に十分御配意を願いたい、こういうことを申し上げ、当日の決定の中にも、特に農業の収入の増大をはかりまするために、騒音対策区域内の農耕地について必要なものについては畑地かんがいをやる、こういうことも決定をいただいておるわけでございます。さらに商業関係のこともお約束をいただいておるのでございますが、それらに基づきまして特に農業の生産性を向上する。あの地帯は、落花生あるいはカンショ、スイカ等々の面での有名な場所ではございますけれども、さらにこの農業生産を近代化いたしまして、そして新しい時世にマッチする作目の導入をはかるために、特に水利の不便なところでございますので、これに対してかんがい施設を十分にする、そういう意味合いで、今度の周辺対策事業の決定に際しましても、この畑地かんがいの点は特に県からも強くお願いをいたしまして、今回その線で御決定をいただいておるわけでございます。
 商業の点につきましても、新しい飛行場がまいりまして、そこに一つの都市づくりも行なわれてまいりまするので、これに対して、国に対してもいろいろお願いをいたしておりますけれども、県といたしましても、新しい団地等に対する空港の敷地提供者がそこで店輔をつくって商業を営んでもらえるような施設とか、あるいはいろいろな諸種の金融制度を活用いたしまして、これらの方々が新しい、いままでとはまた違った積極的な商業を営めるような措置を考えていきたい、こういう施策を国にもお願いし、県もその覚悟でおります。
 それから、県が要望したものがすべて容認されたか、こういう御質問であったと理解させていただくのでございますけれども、冒頭の意見発表の際に申し上げましたように、今回おきめいただきました事柄というものは、基幹的なこと、あるいはほかの、いままでの法の諸体系との関連におきましていろいろな制約もございます。そういった意味合いで県が要望したものは、率直に申しまして全部取り入れられたかと申し上げますと、それに対しまする答えは、必ずしも全部取り上げられたとは申し上げられません。しかしながら、いろいろ数次にわたりまして私どもも会合に参画をいたしまして、県の立場において、地元の市町村のことも考え、国のことも考え、県の立場においてここらでひとつこの法案の問題については結末をつけざるを得ない、こういう考えで対処したわけでございます。
 さらに、先ほど申し上げましたように、財政上の問題につきましては、これは補助率以外にも、財政上あるいは金融上の措置を考慮するという趣旨の法案もございます。さらに、いわゆる周辺開発事業で政府に対しましてお願いいたしました以外の事柄におきましても、これは県も、今後、やはりこの地帯の変化に対応する施策というものは、知事の責任においてもこれをやってまいらなければならない事柄でございます。そういった意味合いにおきまして、一方におきましては、足らざるところは、今後財政全般の問題におきまして国御当局の御援助を賜わり、また県といたしましても、なすべきことは県の責任においてやってまいりたい、こういう所存でございます。
○小川(三)委員 川上さん、いま出ている地域関連事業の中に限定されてある成田、下総、大栄、多古、芝山、富里、この一市五カ町村に限定した理由はどこにありますか。関連事業ですよ。空港の関連といえば、きのうも委員会でやりましたけれども、少なくとも半径二万四千メートルの範囲内を空港自体が、公団自体が、政府自体が、これを関連の範囲内と見ているわけですよ。ところが、この市町村にだけ限定して、あなたのほうで要望書を出している理由はどこにありますか。
○川上参考人 直接関連をいたしまする空港の関連事業といたしましては、仰せのとおりの地域に限定をいたしまして、法案の作成をお願いいたしておるわけでございます。ただ、広義の意味におきましての関連ということになりますと、北総の相当の範囲に広がってまいります。そのために、県といたしましては、昨年の四月に北総開発局という部局を発足いたさせまして、これに技術者、練達な事務者、こういうものを配置いたしまして、空港から波及するところのいろいろの問題を県の立場において――もちろん、これにはいろいろまた政府のお世話もいただくのでございますけれども、そういった意味合いにおきまして、北総開発局というものを発足させて、この新しい事態に対処する体制を整え、目下その線で諸種の施策を実行しつつございます。
○小川(三)委員 川上さんもう一つ伺いますが、成田北部ニュータウンの計画は、あなたのほうでいつ計画され、いつ発表されましたか。
○川上参考人 厳密な意味で何月何日という記憶を現在持っておりませんけれども、空港が成田にきまりましてから、あそこの空港の従業員等々の推定を国の航空御当局から提示をいただきまして、その後にいたしましたので、あの計画を立てましたのは二年ないし一年半ぐらい前かと存じます。はっきりしたことは、何月何日という記憶をちょっといま持っておりませんので、その点は、御必要でございましたならば後刻書面でお答え申し上げたいと存じます。
○小川(三)委員 では成田の藤倉市長さんに伺いますが、あなたの市で、あなたがさっき公述されたように、成田の市議会は一たん反対を議決しましたね。そうしてあなたは、やむを得ないからこれを受け入れざるを得ない、そうして反対派に対しても極力説得をする、努力をするということを言われておりますね。それはあなたは指導者としてりっぱな態度だと思います。けれども、あなたの説得でいまの反対の勢力を説得し得るという自信がありますか。その点を伺います。
○藤倉参考人 お答え申し上げます。
 なるほど、最初、成田の市議会では、七月四日ですか、反対の議決がなされました。それに対しましては、当時質問もございまして、市長はどういう態度をとるのだという質問が数市議から出ましたが、事があまりにも大きい問題であるし、私はいま直ちに自分の気持ちを表明するわけにはいかぬ、ひとつ十分検討してからきめなくちゃならぬのだ、したがって、市議会がいかに反対決議が成立しても、直ちに私は同調するわけにはいかないのだということをはっきり申し上げました。その後約一カ月たちまして、八月のたしか二日と申し上げたと思いますが、ようやくそれまでにだんだんと空港というものの性格も理解をされまして、白紙還元ということになったわけでございます。その間に、私は別に工作をしたわけでも何でもございませんが、この空港という問題がいかに重要でいかに有意義なものであるかということが自然と議員の一人一人にもわかってきたわけでございまして、以上のような次第になったわけでございます。
 なおまた、その後たいへんいろいろな問題がございまして、反対派の方々にも、その後続いてたいへん御心配をかけ、御迷惑をかけておるということを私も十分承知はいたしております。したがいまして、いろいろ申し出がございまして、会いたいとか相談したいとか、交渉したいとかいう場合におきましては、できるだけ私は会うようにいたしております。ただ、当時は、非常にいろいろの問題で、大衆であり、あるいはまた非常に、何といいますか、力ずくというような問題も多分にございましたので、身の危険を感ずるというような場合におきましては、面会につきましても、一時はそれを、拒絶ということではございませんが、遠慮したいということを申し上げたこともございます。なおまた、すでにもう三年にもなりまするが、その間続いて私は口頭、あるいは人を使いに出し、あるいは文書で、できるだけひとつ話し合おうというような連絡は絶えずいたしておるわけでございまするし、なおまた、さようなことにつきましては、一ぺんよりもニへん、ニへんよりも三べん、しかも一日も早くそういったようなことを実現して、お互いにしあわせな将来の生活設計をしていきたいということにつきましては万全の努力はいたしておりまするし、なおまた私は、先ほど申し上げましたように、この空港ができたことによりまして、地元の方々が一人でも不幸なものがあってはならないのだということは、私は初めから申し上げておるとおりでございまするし、なおまた、かつての県の公聴会におきましても、さようなことを私ははっきりと申し上げてあるわけでございますので、私は全力を尽くしまして、最後まで話し合いでいきたい。自信があるかどうかということでございまするが、自信あるべく努力をいたしたい、かように考えております。
○小川(三)委員 藤倉市長、あなたは地元の住民の犠牲は、これをしいてはならないと言われていますが、川上さんに先ほど聞いたときに、成田北部ニュータウンの計画は一年半ないし二年というと昭和四十二年ごろに決定されたものと私は考える。そこで藤倉さん、あなたに伺いますが、あなたは成田ニュータウンの地域のまん中に成田市八ツ又台九百二番地、山林二千六百四十坪、繩伸びを見れば約三千坪をこえるといわれている土地を成田山新勝寺からあなたは契約なさっていますね。地元の住民には犠牲をしいないと言いながら、あなたはすでに成田北部ニュータウンの中に三千坪の土地を手に入れているでしょう。こういうことが一市の市長として指導者の立場に立つ者のやっていいことかどうか。
○藤倉参考人 たいへんいい質問かと思いますので、この際はっきりとお答えを申し上げたいと存じます。
 なるほどニュータウンの中に私三カ所地所を持っております。山二カ所、これはすでに調印をいたしまして、もうニュータウンに売約済みということになっております。なおまた、この三千坪、これは確かに持っておりました。これはかつて成田に大本堂建立ということがございまして、ほかに私なお地所がありますので、そこが大本堂建立の模型を建てるのに一番最適地であるので、いや応なしにひとつ使わしてくれということで、過去五年にわたりまして無料で私、新勝寺にお貸しをしておりました。その交換条件というわけではございませんが、私のはりっぱな宅地でございまするし、なおまた、この三千坪というのは原野でございます。それと交換条件というわけではございませんが、ちょっとはっきりした記憶は忘れましたが、五年ですか七、八年前になりますか、お借りをするということで一応貸借契約は結んでございました。ところが、たまたまニュータウンの用地内に入るということになったわけでございます。そこで、そのほかにも新勝寺の地所がございまして、たまたま一町五反ばかりの場所が、新勝寺で学院を建てるのだということで、一億五千万ばかりですでに設計図もできて、こしらえようというやさきのときにこのニュータウンという問題が起こったわけでございまして、それはニュータウンの問題の前の問題でございます。ところが、それにもかかわる、私のほうにもかかわるということに実はなったわけでございまして、新勝寺からお話がございまして、どうも困った問題だ、すっかり設計図もできているので何とかこれをはずしてもらえないだろうかというお話でございましたが、それはどうもすでにもう県でも計画がちゃんと立っておりますし、これをはずすということはきわめて無理だ、そう私は思います。じゃ、あなたのほうのはどうするのだ。私のほうのもかかったからこれはどうもやむを得ない。そこで、お互いに両方出すほかないだろう、私のほうも出すから、あなたのほうも出してくれ、ということで、私が新勝寺を説得して、私のと新勝寺のと同時に去年の十二月、ちょっと日は忘れましたが、売約ということで私は新勝寺に返しました。それで新勝寺が契約をして売ったということになるわけでございまして、言うなれば地主と小作という問題になるわけでございますが、私もこの新勝寺が売ったことに対しましては、金銭は一銭もちょうだいはいたしておりません。
 以上でございます。
○小川(三)委員 私が聞いているのは、成田市はいわば空港反対の人たちとの酷烈な対立の中にあるわけです。そのときに旧成田町が騒音の真下になることは明らかなんです。その騒音の下になることを早くも知ることと、ニュータウンをつくることを知って、先回りをして土地を手に入れておく、こういうようなことで指導者としての資格があるのかどうか、それを言うのです。
 それから、あなたは、これは数日前の問題でしょう。あなたの貸し家――建て売りをするためのあなたの貸し家住宅を建てて、そうして公共用の名目で――一般の市民は、特別会計の名において、全部市民負担で水道を引いているでしょう。あなたの貸し家に対しては、市の資金で全部引かして、市会で追及されて、あなたは年度を越えてこの間払っているのですよ。そういうことをやっておったのでは、とうてい地元の問題の解決などできない。身ぎれにすべきだという点を申し上げておきたい。それはあなたのお答えはいただかなくていいです。
 それからもう一つは、川上さんに伺いますが、いまのような状態の中で、土地収用法の適用を言われた場合に、あなたのほうは土地収用の適用に踏み切りますか。
○藤倉参考人 お答えは要らないというお話でございましたが、一言申し上げさしていただきたいと思います。
 なるほど私のところで分譲住宅はただいま建っておりません。十戸ばかり貸し家が建っております。決して売るわけではございません。なおまた、水道がございませんので。先ごろこれに対しまして水道管を入れました。約百六、七十メートルでございますか、これは御承知だろうと存じますが、いわゆる何と申しますか、親管と申しますか、それは県道までで、中まで行っておらないところが百五、六十メートルございます。ただ、その両わきに多少家がございまして、ほんとうの水道は行っていない。したがって、市といたしましては、ここに対しまして給水管を引かなくちゃいけないということに実はなっているわけでございます。しかし、まあ私がその先のほうに貸し家を建っておりますので、これを市の金でやったのではおかしいから、これは自分で引きまして、金は多少延引しておりましたが、金は払ってございますので、どうかひとつその点お含みをいただきたい、こう思います。ただ、多少おそくなりましたのは、係が材料を市川か船橋のほうで買ったらしいのです。その前に私は請求いたしたのですが、材料の請求がないので、幾らかかったかわからぬということで、多少おくれたということは事実であります。したがって未収で、その後入金はいたしておりますので、どうぞ御安心いただきたいと思います。
○川上参考人 いまの段階で強制収用をするか、こういう御質問と拝聴いたしましたのでございますが、まだ空港公団は事業認定の申請を建設大臣になすっておられないと承っております。したがいまして、土地収用委員会というのは県のほうでございますが、そのほうにもまだそういう話もございませんので、県は土地収用ということを、収用委員会の所管の立場におきましても、現在の段階では考えてはおりません。そういうことでございます。
○鹿野委員長 次に、伊能繁次郎君。
○伊能委員 二、三皆さんにお尋ねをいたしたいと思います。
 前に四人の方々からそれぞれのお立場において今回の空港建設についての御意見を拝聴したわけですが、それぞれのお立場における御苦心、また御主張に対しては私ども敬意を表し、非常な御苦労に対して感謝をいたしております。
 手島さんにお伺いいたしたいと存じますが、手島さんの御苦労、私ども地元の者としても心から敬意を表しております。さいぜん来のだんだんのお話しでございますが、知事がその後一度も会わぬとか、あるいは県から何の連絡もないとかいうことでございます。今日まであなたが千数百人の丸朝園芸農業協同組合の組合長として今日の隆盛を来たされたということに対しては、たいへん敬意を表するわけでございますが、今後政府としては、すでに新国際空港の決定を見、法律も通ったわけでございます。その結果として、今回皆さんにおいでをいただいた特別措置法案が審議をされておるということでございますので、今後の丸朝園芸組合を一そう伸展せしむるために、いろいろと、すでに決定された現状において、県並びに政府、あるいは私ども国会に向かって御希望なり何なりがあれば、ぜひ拝聴をしたい、かように存ずるのでございますが、その点についての御意見を伺いたい。
○手島参考人 お答えいたします。
 うちの組合は法人で、役員の決議によって、あるいは意見を聞いてすべてのことを決定するわけでございます。そういうことで、御質問に対しては現在はお答えできません。
○伊能委員 たいへん残念なお話でございますが、すでに政府としては畑地かんがいその他の問題についても非常な配慮をしておる。しかも、さいぜん私が申し上げたように、政府の決定だけでなく、国会において皆さんの代表が新空港の建設は決定をしておるわけです。したがって、その前提のもとにおいて、地域の皆さん、ことにあなたは千数百人の代表であられるので、丸朝園芸組合というものの今日の発展をさせたと同時に、今後も発展させていきたい、これは責任者として当然であろうかと存じます。そういう立場においては、政府がすでに決定をしてしまったということで、いろいろ話し合いという問題が当然起こるわけです。そういう前提で、将来御希望があれば、こうしてほしいというようなものがあれば、私どもこの国会の席上においてぜひ伺いたいと思うのでございますが、いかがでございましょう。
○手島参考人 お答えいたします。
 丸朝園芸農協は、現在飛行場がつくられたと仮定した場合、発祥の地である、弧々の声を上げた最初から、ゼロの地帯から団結して野菜に取り組んで前進した地帯、芝山町の岩山、朝倉、これは四千メートル滑走路のまず真下になります。しかも二千メートル以内、飛行場の用地から接続してそこに住家がありあるいは農地がある。おそらくそこでは農業経営はできないのじゃなかろうかと思います。また、それより離れた地帯でも、高度の技術を必要とする野菜園芸にまず取組んでいけるかどうか、私は疑問を持っています。ということは、私は自費で日本全国のいろいろな飛行場をつぶさに視察し、真下に立って、何度もここはどうだ、この辺はどうだ、たとえば岩山なり朝倉の地域はどの辺に当たるということで、何度も訪れて見ております。そこで、その人たちがどうなるかという問題は、丸朝園芸が伸びるというよりも、そこに住めない人たちをどうするかということを私は真剣に考えております。
 以上であります。
○伊能委員 たいへん残念なお話で、私が伺いたいことは、いまのお話によりますと、全国の飛行場並びにそれに関連した周辺の地域等の農地も御見物になられた。私も一部存じております。外国の例も存じておりますが、その周辺地域では現に農業をされておられるだろうと思うのです。したがって、そういう非常に不幸なというか、あるいは不備な、困難な環境のもとにおいても、やはり農業を営んでおられ、園芸を営んでおられるだろうと思う。そういう際に、そういう不備な環境のもとにおいてどうしたらいいかということは、私は責任者として必ずお考えがある、実はかように推量を申し上げ、しかもわれわれは、そういう立場において皆さんの御希望をできるだけかなえて、そうして、単に丸朝園芸組合だけでなく、周辺の地域の農民の方々、あるいは地域の住民の方々が、さいぜん副知事あるいは市長さんからお話しのあったように、できるだけよりよい方向に持っていくことが本来の趣旨ではなかろうか、かように考えてお尋ねを申し上げたわけでございますが、御回答得られないでまことに残念でございます。
 次に、小川さんにちょっとお伺いいたしたいと思いますが、小川さんはさいぜん、冒頭の陳述の中で、軍事空港という断定をせられましたが、私ども、今回の新東京国際空港は、国際空港であって軍事空港ではない、かように考えておりますが、軍事空港と断定された根拠についてお伺いをいたしたい。
○小川参考人 私から申し上げるまでもなく、衆議院の運輸委員会の議事録の中では、現運輸大臣がはっきり、一朝有事の際は軍事空港として利用される、こういうことが議事録に載っておりますのを拝見いたしまして、そういうふうに申し上げたわけでございます。
○伊能委員 私どもも、その事情はよく承知をいたしております。運輸大臣並びに関係の人がお答えしたのは、世界の国際空港と同じように、テクニカルランディングあるいはエマージェンシーランディング、かような場合には、いずれの国際空港であろうとも、どういう種類の飛行機であろうとも、そういう種類のときには着陸をするということが、人命尊重の上から正しいことである、したがって、そういう際には着陸をいたします、こういう公式の見解でございまして、この点は世界いずれの国際空港においても同様でございますが、このことが直ちに軍事空港であるということは、はなはだ誤解を招くので、あなた自身の御見解を伺いたいと思います。
○小川参考人 私自身の見解よりも、政府の見解のほうが正しいと思います。それは、日米安保条約の地位協定の第五条第一項によりまして、一朝有事の際には、民間空港といえども軍用空港として利用するということが明確にうたってございますので、私どもは、安保条約の地位協定に基づいて、当然米軍によって軍用に使用される、こういうふうに理解をしております。
○伊能委員 御理解が誤っておるようでございますから、これ以上は私はお尋ねをいたしません。しかし、ただいまのお話は、条約上また現実の国際空港の運用において、さような事実がないことを、私はこの機会に申し上げておきたいと思います。
 次に、手島さんから御意見が伺えなくて、たいへん残念でございましたが、川上さん並びに成田の市長さんから、さいぜん同僚の小川委員からいろいろお尋ねのありました際に、今後の問題として――さらに閣議決定その他の政府の施策以外に、特に今後成田空港建設に対して、こういうことを政府として施策のうちに盛り込んでほしいというような点がございますれば、私どもそれを伺って、十分今後の国政並びに県の仕事の上へ反映させたい、かように考えますので、御希望があればぜひお伺いいたしたいと思います。
○川上参考人 ありがたい仰せでございます。県はこの周辺事業以外にもたくさんやりたいことがございます。特に今後、画期的に変わっていく地域でございますので、やりたいことがたくさんございますが、いまここでこれこれこれと逐一おあげするよりも、たくさんございますので、ひとつまたいろいろお願いをいたしたいと思います。よろしくお願いをいたします。
○藤倉参考人 たいへん御心配をちょうだいしまして、まことにありがたく、厚くお礼を申し上げたいと存じます。
 ただいま副知事さんから申し上げましたように、私どものほうにおきましても、あれこれいろいろお願いをしたいという筋合いのことがたくさんあるわけでございますが、何といたしましても、ただいま審議をちょうだいいたしておりますこの特別措置法がまず通らなければ、どうするわけにもまいりませんので、まず、本日御審議をちょうだいいたしておりますこの特別措置法の問題が一日も早く通過できますように、なお一そうの御尽力をお願い申し上げまして、その後におきまして、また続いていろいろとお願いを申し上げたいと思いますので、どうか何分よろしくお願い申し上げたい、かように思います。
○鹿野委員長 次は、山村新治郎君。
○山村委員 まず、小川参考人にお伺いしますが、成田の市議会が反対決議をした、そして政府と県の圧力によって白紙に返したと言いますが、どういうような圧力があっのですか。
○小川参考人 率直に申し上げまして、空港が決定されました直後には、地元の市議会は十五対四で反対の議決をいたしたわけでございます。ところが、それから一カ月有余の間に、住民の意見を聞くとか、あるいは市民の集会を開くとか、そういう具体的な形で住民の意見を聞くという形のものは何ら持たれずに、市議会の中で突然警官隊の出動によって――多数の市民が反対の意思を主張するために市議会に参ったわけでございますが、警官隊の擁護の中で白紙還元が強行された、これは明らかに機動隊の出動といい、政府並びに県当局の指示によって、そういうもとで強行採決がされた、こういうふうに考えております。
○山村委員 しかし、市議会のその決議は、白紙になったと言いますけれども、それを強行採決されたときの採決の票はどういうふうな票であったのですか。
○小川参考人 それは白紙還元をされたときの採決でございますか。
○山村委員 いいえ、その機動隊が入ったときの採決のその票の結果です。
○小川参考人 ちょっと正碓には記憶しておりませんが、当初の議決が逆になったわけでございます。
○山村委員 それを、ただ機動隊を入れたから、県と政府の圧力だと言うのですが、市議会の議員さんが自発的に自分の意思でその票を投ずるわけですから、それが圧力によって白紙還元されたというのは、ちょっとおかしいと思いますが、それはどういうぐあいにお考えですか。
○小川参考人 成田の市議会の議員は、四万五千人の市民の信託によって選ばれた議員でございまして、一ぺん反対の決議をした人が、わずか一カ月足らずの間にそのように態度を豹変するということは考えられないわけでございまして、そういう点では相当な圧力があった、こういうふうに考えております。
○山村委員 私は、それは違うと思うのです。というのは、その一カ月の間に空港というのはこういうものだという実態を示されて、それなら前の考えは間違っていた、誤りを正すにはばかるところなしで、これはけっこうでございます、そういう意味でやったのを、圧力、圧力というようなことは私は間違いだ、そういうぐあいに思います。
 それともう一つお伺いしたいのですが、富里空港、そして今度の成田空港ということになりましたけれども、あの当時、社会党からパンフレットを発行しましたね。覚えございますか。
○小川参考人 どういうパンフレットか、私はよく存じません。
○山村委員 社会党の党として発行した一部三十円のパンフレットです。
○小川参考人 具体的にお示しいただきたいと思います。
○山村委員 具体的にお示しいただきたいといっても、社会党の党として発行したのは二冊しかありません。その二冊のパンフレットを覚えておいでにならないのですか。地元の県会議員でしょう。
○小川参考人 富里空港の場合に出されている党のパンフレットかと存じますが、具体的にお示しをいただきたいと思います。
○山村委員 それは私、詭弁だと思うのです。はっきり申しまして、これは全部といっても、おそらく覚えているのは小川三男先生だけしかないでしょうが、淡谷悠藏さんが空港反対の委員長で出したパンフレットです。富里にも一冊出しました。そして成田にも出しました。覚えておいでですか。
○小川参考人 空港問題につきましては、富里空港以来今日まで非常に長い経過がございます。党としてはたくさんのパンフレットなりビラなり、いろいろな文書を出しておりますので、具体的にどういう文書であったかということをお示しいただかないと、はたして党の文書であるかどうか、はっきりここでお答えできないわけでございます。
○山村委員 これははっきり申しまして、ここでいま小川さんが言ったのはうそだと私は断言できます。なぜかと申しますと、これは淡谷悠藏さんが委員長で、三十円で売ったパンフレットというのは一冊しかないわけです。(「二冊だと言ったじゃないか」と呼ぶ者あり)それはその前の富里。だめ、よく調べてください。その前の富里のときに一冊出しました。(発言する者あり)そのあとで――何、ばか者とは何だ。(「ばか者とは何だ」と呼び、その他発言する者あり)ばか者とは何だ。そっちで言ったじゃないか。
○鹿野委員長 各委員に申し上げます……。
○山村委員 そっちでばか者と言ったから言ったの。(「だれが言った」と呼び、その他発言する者多し)そっちが言ったじゃないか、それは言った。何言っているんだ、あの人が言ったんだから……。
○鹿野委員長 各委員に申し上げます。お互いに静粛に願います。
  〔「だれも言っていないじゃないか」と呼び、その他発言する者多し〕
○山村委員 いや、言ったよ、いま。間違いなく言った。
○鹿野委員長 静粛に願います。
  〔「言ってないよ、あんた」と呼ぶ者あり〕
○鹿野委員長 不規則な発言は禁止いたします。
○山村委員 では、次に質問します。おそらく……。
○野口委員 何か議員を侮辱するようなことをいったようなことを言いますが、私は、この周辺の方々皆さん知っていますが、わからないというものをわからないと言っているのはしかたがありません。
○山村委員 あ、わかった。あなたはちょっと東北弁だった。それはおれが間違い。(発言する者あり)いや、ばか者と聞こえたんだ、こっちは。ほんとうに。(「そんなことはない」と呼び、その他発言する者あり)それは聞こえた。間違いない。聞こえたんだ。
  〔「あまり興奮しなさんな」と呼び、その他発言する者多し〕
○鹿野委員長 各委員に申し上げます。不規則発言をやめにしてください。お互いにひとつ静粛にやってください。
  〔山口(鶴)委員「あとで理事を含めて理事会で問題にしますからね」と呼ぶ〕
○山村委員 小川参考人にお伺いします。
 先ほどのパンフレットですけれども、このパンフレットの場合に、なぜ私がこれを出しましたかといいますと、実は手島参考人もおいでですが、先ほど手島参考人のお話を伺いますと、騒音がこわくて空港反対というような方向になった。その騒音のこわさというものをあまりにひどく宣伝し過ぎたのじゃないか、そういうような意味が含まれているので、そこで私はそのパンフレットのことをお聞きしたわけです。しかし、これはあとで、もしできますれば委員長から、究港公団なり運輸省に言って、どういうふうなパンフレットが出たかということを、ひとつこれを委員に配付していただければありがたいと思います。
 それともう一つ、小川参考人にお伺いいたしますが、小川参考人がさっき言った、消防施設、保育所、公民館、道路、これらの十分な建設ができなくなってしまう、それがためにこの特別措置法は反対であるということですが、それならば、これ以上の高補助ならばこの特別措置法に関して賛成するかどうか、これをひとつお聞きしたいと思います。
○小川参考人 先ほど申し上げましたように、空港関係の一市四町村、その五カ市町村の歳入は総額十五億円でございます。この中で空港の関連整備法を実施することになりますと、毎年概算約九億円の財政支出になります。したがって十五億円のうち三割の人件費を除きますと約九億四千万円でございます。空港関係の負担金が九億二千万円で、ほぼ同額になるわけです。したがって人件費を除きますと、空港関係事業だけで精一ぱいになってしまいまして、その他一切の市町村の公共事業がストップする、こういう私どもは判断をいたしております。
 それから、さらに根本的な問題として申し上げたい点は、この空港が決定されました直後に、政府並びに県の現地に対する地元対策の説明書といたしましては、農地のない敷地の中に土地を持つ農民に対しては、一町歩に対して一・五町歩の土地を与えよう、代替地は一対一・五の割合で配慮をする、こういうようなことが出されたわけでございます。ところが、現在行なわれております代替地の問題を見ましても、二町以上の農家に対して七反歩、一町以上の農家に対して五反歩、一町末満の農家に対しては三反歩しか代替地が与えられない、こういう状態でございます。したがって、現在農業を営んでいろ境地の農民にとっては、そうした代替地の問題一つ取り上げても、現状の対策で基本的なものが立っていない。それから騒音の問題についてもしかりでございます。そういう基本的な問題が解決されないで、いたずらに県や市町村長だけが、頭だけで道路を直せばいい、あるいは河川を直せばいい、こういうことを考えましても、騒音の問題で住めなくなる、そういう人たちに対して、足元でめんどうを見ようというような形の整備法を出しても、地元には何ら具体的な解決策にはならない、こういうふうに考えております。
○山村委員 済みません、一言。ただここで、高補助で地元の負担がないという場合になったら、この特別立法に関しては賛成しますか、それだけです。
○小川参考人 かりに一〇〇%の補助がなされたといたしましても、基本的な問題が解決されてないわけでございますから、この法案は無用の長物というふうに私どもは考えます。
○鹿野委員長 水野清君。
○水野委員 山村委員の質問に関連して参考人に伺いたいと思います。
 最初に副知事さんと成田市長さんにあわせて伺いたいのでございます。これは私が先般の当委員会で自治省に対して質問したことでありまして、大体の回答を得ておりますけれども、現実に市政と県政を担当していらっしゃる御両所に簡単に伺いたい。
 その問題は成田市の財政に関してでございますが、御承知のように成田市のこの空港に関連する事業費というのは、自治省の調べですと八十八億六千七百万という数字になっております。これは総事業費であります。そのうちに成田市の負担額は五十一億七千百万、特例法による負担の軽減が五億三千七百万になる。差し引き成田市としては四十六億三千四百万の事業をやらなくてはいけない。これをいまの計画ですと約八年間でおやりになるわけです。年間にならしてみますと相当な金額になる、これをどういうふうに処理をしていかれるか。具体的な話で、たとえば特別法以外、地方交付税とか、あるいは起債とか、そういったことで、時間がないようでございますから、簡単にお話しをいただきたい。
○川上参考人 自治省の御説明になられたであろう数字を、私どももそのように推計をいたしております。確かに今後の成田市財政にとりましては大きな負担がございます。そういう情勢にございますが、この法案をお通しいただきまして、この法案の中にも高率助成の問題以外に、四条に「財政上及び金融上の援助」という項も特にうたわれておりますので、ひとつ具体的な市の財政の状況を勘案していただきまして、この条項を十分に生かしていただいて、今後の成田市の財政がそごを来たさないように、県といたしましてもひとつ政府にお願いをしてまいりたい、こう考えております。
○水野委員 先ほど副知事が小川委員の質問に答えられた。私、これはちょっと違っているんじゃないかと思って申し上げるのですが、関連市町村が下総、大栄、多古、芝山、富里、成田にだけ関連しているんだ、それ以外は、いわゆる北総開発の分野で影響があるとおっしゃったけれども、この中で広域下水道という公共事業についてはそうじゃない。この間の自治省の答弁も違っていると私は思うのです。これは酒々井、佐倉、その他千葉市に至るまで補助率のアップがあるわけです。その辺の答弁が違っているんじゃないかと私は思うので、ちょっと申し上げます。
○川上参考人 そのとおりでございます。お答えが十分でなかった点をおわびいたします。流域下水道につきましては千葉市まで関連をいたしますので、その点、訂正さしていただきます。
○水野委員 市町村を設定したんじゃなくて事業を設定していかれたんだと私は思います。
 もう一つ、簡単でございますが、先ほど来、山村委員の質問その他にございまして、小川参考人からお話しがありましたけれども、私は、この市議会の反対決議と白紙還元について、比較的周辺で生活をしておりまして、私の知っている範囲のことを申し上げて御参考にしたいと思うのです。
 これはむしろ私は、参考事情として申し上げたいのでありますが、市議会が反対決議をしたとき、私は国会議員じゃございませんで、地元の一住民であったわけです。しかし、私の政治上の同志その他から、市議会が――これは保守系の市会議員でございますが、反対をしたいと思うがどうかという意見がありました。私は、皆さんの御意見のとおりで、自分のお考えによっていいんじゃないか、けっこうじゃないか。その当時の、反対した保守系の議員の考え方は、将来はおそらく反対せざるを得ないだろうし、反対するほうがいいんだろう。しかし県や国のこういう公共事業がいろいろくる。その際に、どうしても半ばかけ引きがあるようだけれども、反対をしておいたほうが、国としてはいろんなめんどうをたくさん見てくれるだろうという、かなりずるいと言われればずるいかもしれないけれども、自己防護的な立場で反対をしたと私は思うのです。その後白紙還元をするときにも私に相談がありまして、私は、私の意見を述べる立場ではないけれども、それもけっこうであろうということで、そのときの個々の人たちの意見は、たとえば県からあるいは国からの圧力によって変更したのだというふうには私は聞いておりません。むしろあるならば、いろいろな政党の立場からこれを曲げて――やはり住民は住民感情として利害得失をそれぞれ考えているわけであります。それを政党の立場からいろいろ歪曲したり、あるいは別の観点からそれに光を当てていくという立場から、かなり誤解を生んでいるんじゃないかと私は思うので、これは私が自分の考え方を申し上げるだけでございますけれども、御参考までに委員の諸先生方にも聞いていただきたいと思いまして、一言申し上げさせてもらいました。どうもありがとうございました。
○鹿野委員長 次は、太田一夫君。
○太田委員 それでは、最初に川上副知事さん、それから藤倉成田市長さん、それからあと小川さんと手島さん、四人に、手続上の問題として先ほど全部おっしゃったことでありますが、小川さんと手島さんとは、下から盛り上がったものでなく押し付けられた飛行場、そういう気持ちの御発言が非常に強くて、それが不満の一番の火元だ、こういう感じをわれわれは受けたのでありますが、そういうことに対して、川上副知事さんとそれから藤倉市長さん、どうお考えになりますか。川上副知事さんは、住民の説得に全力をあげたと最初におっしゃった。どのような方法をおとりになったのか。全力をあげたつもりだが、結果、それは失敗したのであるのかどうか。
 それから、藤倉市長さんにお答えを願いたいのは、新空港は最初は両論に分かれて、議会もそれぞれ反対と賛成ということがあり、反対決議をしたが、新空港は国益に非常に大きな貢献をするものであるというので、市の犠牲がなければ協力をするということに変えたんだ。この市の犠牲がなければというところに、市民とか住民とかいう気持ちが非常に薄いような気が私はする。利害関係ある住民の立場というのは十分ごしんしゃく相なっておるのかどうか。あるとするならば、どういうことをおやりになったのか。川上、藤倉両氏からお答えいただきたいと思います。
○川上参考人 冒頭申し上げましたように、県の基本的な態度といたしましては、これはどうしてもつくらなければならない国家的な大事業である。それが千葉県の成田地域以外に候補地がないのであるならば、これは県としても御協力を申し上げます。ただ、その場合に、そのために泣く住民があってはいけない、こういう基本的な姿勢でこの問題に取り組んでおるわけでございます。したがいまして、成田にこの空港が決定されまして以来、時々刻々に現地の情勢、すなわち、反対あるいは賛成の分野というものは変わっておりまするけれども、それぞれの段階におきまして最善と思われる方法によりまして、県はこの問題と取り組んでおります。
 当初、全面的に、ほとんど全部の方々がこれにきまりました際には、晴天のへきれきと申しますか、必ずしも賛成はいただけなかった。そういう時代に、県は現地に乗り込みまして、この仕事の性格、それから今後政府が考えておる施策、県の考えておる施策、こういうことを文字どおりひざ突き合わせまして現地において交渉をし、そのために現在は賛成に回っておりまするけれども、当時はまだ反対に回っておられた方々から県庁職員が頭をなぐられる、新聞記者の方々もいろいろとカメラ等をこわされる、こういう事態もあったわけでございます。それから、その後におきまして私も現地の成田市に参りまして、現在賛成派に回っておられる方々を説得して条件派になっていただいたという経緯もございます。したがいまして、現在それぞれの状況に応じまして、私どもはできる限りの努力は傾注してまいったつもりでおりますが、ただ、いろいろ御批判のございましたような見方もあるいはあろうかと思いますけれども、失敗をしたとは考えておりません。これからさらに反対の方々とも、手を尽くしまして、この国家的な事業に御賛同をいただけまするように、県のあらゆる力を傾注してまいりたい、こういうふうな所存でございます。
○藤倉参考人 ただいまの御質問にお答えを申し上げます。
 この空港問題について市の犠牲ということであって、市民並びに住民という意味合いが比較的薄いがどうかというような御質問のようでございまするが、私は、市の犠牲がなければということは、すなわち市民、住民の犠牲がないということにつながろうか、かように考えまするし、なお、先ほども申し上げましたように、一人の市民の犠牲者があってもいけないのだということを二回ばかり私は申し上げたと存じます。そんなようなことで、決して市民、住民を軽い意味で解釈しているということではございませんので、ひとつお含みをいただきたい、さように考えます。
○太田委員 手島さんにこの際お尋ねをいたしたいのですが、先ほどの一片の手紙もくれないし、一人の人も来てくれないというのは、農協の組合長としてのあなただけのことであったのか、それとも広く芝山地区の組合員各位のところには来た事実はほとんどないのだ、こういうことでございますか。どちらでございますか。
○手島参考人 お答えいたします。
 千葉県知事に飛行場設置反対の陳情書を出した代表として私の名前が出してあるわけです。ほかの組合員にはその場合返事がなかった。私にもその場所で、ただお気の毒ですということの一片のことばで、あとは何もありません。また、公団あるいはそのほかの方面からも、組合の代表者としての私には全然ありませんです。
○太田委員 次に、財政問題についてお尋ねをいたしますが、このたびのこの特例法ができたといたしましても、県において二十億、市町村において七億の負担軽減となるのみでございます。したがってこれは、関係者合わせますと三百六十億ほどの持ち出しでございますから、これは限定された関連事業で三百六十億の持ち出し。これは私は、県にとっても、市町村にとっても、各種団体にとっても、たいへんだと実は思っております。
 そこで、副知事さんにお尋ねします。まず第一、具体的な問題は、国道五十一号線というのは資材輸送のために改良工事をしなければならぬというのでありますが、これに対して県に六億の持ち出しを国を求めておる。これなどあなたのほうが先ほど、いまの二十億の県の特例補助がくるならばそれは市町村のほうに回しますという非常に気前のいいことをおっしゃったが、五十一号線もなお六億の負担をされるように、学校等、いろいろとその他の県の負担というものは大きなものでございますが、それでなおかつあなたのほうは、財政的には困らないのだ、この周辺の市町村の各種公共施設等を整備するゆとりはあるのだ。現在交付税の対象になっておるということを私は前提としてお尋ねするのですが、交付税の対象になっておる千葉県が、二十億の特例補助は要らない、これは市町村に回します、それほど国に対してあなたのほうが特段の協力をしなければならない、これは一体どういうところから出ているのですか。それほど財政的にゆとりがあるのか、副知事さんにお尋ねをいたします。
○川上参考人 具体的な問題として五十一号線の御指摘がございましたが、これは国道でございまして、資材輸送道路に仰せのとおり使われることになります。ただ、この五十一号の計画は、この空港が成田にきまりまする前からすでに計画を持って始められておりましたゆえに、今回この空港周辺事業の中に取り入れないで県は了承いたしておるわけでございます。
 それから、県もこの周辺事業をいたしまするにあたりましていろいろ負担がございます。決して軽い負担ではございません。重い負担でごいます。しかし、あらゆる詰めを行ないまして諸般の事情から、現在の情勢で、このいま御審議をいただいておりますような法律で今回空港の周辺の整備をやっていくという場合に、これは県も苦しゅうございますけれども、市町村もさらに苦しゅうございます。県と国は兄弟であり親子の関係にございますので、県が軽減されました、主としていま考えておりますのは土地改良の十七億と、それから下水道関係の助成でございます高率助成によりますところの県の負担の減でございますが、これらのことはすべて市町村あるいは地元の方々の負担軽減のために差し上げたい。それは苦しゅうございます。苦しゅうございますが、同じ県内のことでございますので、いま申し上げましたような考えで対処してまいりたい、こう考えております。
○太田委員 成田の市長さんにお尋ねしますが、新しい学校をつくりますのに二十億の持ち出しがあります、ニュータウン。そういたしますと、あなたのほうも、市の犠牲がなければ協力をするとおっしゃったが、金の問題では相当大きな犠牲を今度は伴うわけです。それは新しいものができるのだからいいだろうということになるならば、これは一切反対の根拠はなくなるわけでありますが、とにもかくにも、飛行場というのは、あなたのほうがぜひお願いしますといっておつくりになるものじゃない。これは先ほど自民党の委員の方から、もう法律が通ってしまっておるのだから、あとは条件だとおっしゃったけれども、あなたのほうは、そういう通されてしまった飛行場によって財政負担を強制されておるわけです。それは市の犠牲ではありませんか。それをも全部国に一切出してくれ、おれのほうはそういう関連事業によってそういう余分な財政支出をすることは困るということは言えないのでございましょうか、その辺のところをちょっと……。
○藤倉参考人 その問題につきましてはたいへん荷が重いのです。正直申し上げましてたいへん苦労しておる問題でございます。したがいまして、この特例法の補助率アップを、国あるいは県の財政上、金融上の御援助、たとえば特別交付税の増額であるとか、あるいは起債ワクの増加であるとか、あるいはまた、県補助金の増額というような問題につきまして、御指導によりましてきわめて弾力的な財政運営をはかってまいりたい。そこでこれに対しまする当面の財政問題にひとつ死力を尽くしてまいりたい、かように思うわけでございまして、ただいま成田といたしましても非常に窮迫しておる状態でございまするが、何としてもただいまは生みの悩みと申しますか、将来の繁栄を夢みておるというと語弊があるかも存じませんが、さような気持ちをもちまして、何とかして、この危機をのがれてまいりたい、この危機を乗り越えてまいりたい、かように思いまするので、国、県その他すべての関係の方々に非常に御理解をちょうだいして何とかしてまいりたい、かように思いますので、何ぶんよろしくお願い申し上げたいと思います。
○太田委員 それでは、時間がありませんから、最後に川上参考人に一言お尋ねいたしまして終りますが、先ほど川上さんは、市町村に対する補助をさらに一そう頼むというように、現在の特例法でも不足なような御発言もあったことであり、私は、特例法というのは、いささか中央の負担を地方に肩がわりしたものでありますからけしからぬことだと思うのでありますが、しかし、先ほどおっしゃったように、国と県とは親子の関係――そういう発言を私は初めて聞きましたが、親子というのはどういうものでございますか。地方自治法ではいささか解決できない御発言がありましたが、地方自治法のたてまえは別の機会にお尋ねをいたします。しかし、騒音対策のことにつきましてかつて千葉県当局は、住民にとって騒音が非常に困るという問題につきまして、たとえばSSTの騒音でも通常のジェット機並みに下げることが可能であるから、心配は要らぬよというような説得をなさったということを聞いておりますが、そういうことがあったのでしょうか。SSTといえば超音速ジェット機で、そんななまやさしいものでないことは常識であるのに、そういう心配はないとおっしゃった、こういうことが伝えられております。真偽のほどをお尋ねして私の質問を終わります。
○川上参考人 お答えいたします。
 私、先ほど国と県が親子の関係あるいは兄弟の関係と申したのではなかったと思いますが、そうであったといたしますれば訂正をさしていただきます。県と市町村が親子の関係、それから兄弟の関係にある、こういう趣旨で申し上げたのでございますけれども、あるいは私の発言が国と県ということでございましたら、これは訂正さしていただきます。県と市町村、こういうことでございます。そういう気持ちでやってまいる、こういうことでございます。
 それから、やがてできるであろうアメリカで考えておりますSSTの騒音が現在のジェット機と同じ程度の騒音であるということを県は言ったかという御質問でございます。私どもこのほうの知識はあまりございませんので、国の方々からいろいろお聞きしましたところ、現在アメリカの、あれは日本でいう航空局のようなものでございますか、ここからボーイング社にこういうSSTをつくってくれという発注をしておる、その条件に現在のDC8、現在のジェット機でございますが、これと同じ程度の騒音で済むような飛行機をつくるようにと、こういう発注をしておるというふうな意味の答弁は県会でいたしております。
○鹿野委員長 次は門司亮君。
○門司委員 きわめて簡単でございますので……。率直に言いますと、きょうの委員会、何だかあまり具体的な案に委員の方の質問が突き進んだような――決して小言を言うわけではございませんが、考えておること自身と何かしらぬ気持ち的にそぐわないことがありますが、それはそれといたしまして、ごく簡単に一つだけ聞いておきたいと思います。主としてこれは理事者側のほうの御意見を伺っておきますが、千葉県の副知事さんでも成田の市長さんでもよろしゅうございますが、一つだけ聞いておきたいと思います。
 この法律の性格についてでありますが、この法律の性格をどうお考えになっているかということであります。これだけ申し上げても御理解が願えないかと思いますが、この法律の性格は、私は航空公害ということばを使ったほうが適当だと思いますが、航空公害に対する代償と考えてよろしいかどうかということであります。
○川上参考人 この法案につきましては、これは法律でございますので、趣旨等につきましては私から申し上げることではなかろうかとも存じますけれども、私に対しまする御質問でございますので、私はこう考えておるというあれをいたします。
 それは、冒頭申し上げましたように、国家的な大事業であるし、日本ではどうしてもこの飛行場というものをつくらなければならぬ、これが千葉県の成田以外にはない、そういうときでありますので、われわれとしましては成田のこの地帯が空港がきたことによって被害を受け、また住民がそのために泣くというようなことがないようにいたしたい、こういうために、政府に対してもお願いをいたしてまいってきております。そういう姿勢でおりますので、御了解を賜わりたいと存じます。
○門司委員 私は、さっきのせっかくの副知事さんのお話ですけれども、これは当局に聞くことがあるいはいいかもしれない。しかし、受け取られるほうが問題なんですからね、これは。政府が立案をして、こういうことにしたらよかろうという考え方で、受け取るほうがこれじゃ困るとか、これをどう受け取っておるかということがこの法案のかぎであります。地元のほうがよけいなことをしてくれるなというような、具体的に言えば考え方を無理に政府が押しつける必要もない。また、内容が非常に貧弱であって、航空公害から受ける住民の損害あるいは市町村の損害等に対して、これを償うにあまりにも少額であるとするならば、これは上げなければならぬことは私どもの一つの責任であります。これは当局の理事者に聞いたって、そんなことはなかなか言いやしません。理事者は自分でこしらえたものが一番いいと考えておりますからね。だから私は、現地の皆さんに特にこの点をお聞きしないと、われわれのこの法案に対する腹をきめる場合の参考にはならないのでありまして、その辺を実は聞いておるのでありますから、これをもう一ぺん、そういう公害に対する住民への補償だ、いわゆる代償だ。空港が一方的に国のどうしてもやらなければならぬ仕事でできるのだ。しかし、それには住民にこういう大きな被害がある。したがって、この被害はこういう形で償うのだというようなことが率直に考えられる一つの考え方としてあるわけであります。それを地元の理事者の皆さん方がどう受け取っておいでになるかということです。
○川上参考人 これは、私どもこの法案は、一日も早く国会で通していただきまして、この発動をしていただきますことを首を長くして待っております。これは別表に一つ一つ掲げてありますように、他の現行法令等の関連等も勘案いたしまして、補助率のかさ上げ、相当思い切ったかさ上げをしていただいておりますが、それだけでは今後十分でない点もございます。先ほど来申し上げましたように、十分でございませんので、第四条に「財政上及び金融上の援助」ということもございますし、さらに自治省の通常の地方自治団体に対しますところの財政の措置ということもございますので、これら三者を活用させていただきまして、われわれ県並びに市町村の財政に大きな負担のかからないようにお願いをいたしたい、こう考えております。われわれはこの法案をぜひ一日も早くしていただくことをお願いをいたしております。
○門司委員 私のお聞きをすることと全然離れておりまして、いまの副知事さんのお話しになったようなことは、私のほうが案を見たときに実は存じ上げておるわけでありまして、案の内容等についてはよく存じ上げておるのであります。ただ私は、地元の受け取り方――日本の法律の中にはこの種の法律がたくさんございます。たとえば基地周辺の民生安定法というような法律は何も基準はないのですね。ただ基地があることのために、周囲の住民が精神的に物質的に社会的にいろいろ被害を受けておる。その被害に対する一つの代償としてああいう法律ができているわけでありますね。これは国の施策によって行なわれるから、したがって、そこからくる被害については、これがどれだけ被害がある、これがどれだけ被害がある、これをこうしてくれというのじゃないでしょうね、あれは。基地周辺の民生安定に関する法律というのをちゃんとこしらえてある。したがって、この種の法律を審議いたします場合には、少なくとも地元の諸君がこれをどう受け取っておるかということ、具体的にもう少しそれじゃ突っ込んでお話しいたしますが、先ほどからのお話しのように、地元の負担は非常に大きいということになりますと、財政上はある意味においては迷惑だということが考えられる。国全体の考え方の基礎の上に立って空港が必要だということはだれにもわかっておる。もう羽田の空港がああいう状態になっておりますので、新しい空港が必要だということはだれでも考えておる。しかし、それを施行するにあたって、住民の気持ちがどう受け取っておるかということである。これを公害の代償として受け取っておいでになるのか、あるいはこれを当然国の、いまお話しのような形でお受け取りになっておるとすれば、あなた方の気持ちとしては、補助金をよけいにかさ上げしてもらえる、あるいはその他の四条による財政措置も考えておるような、きわめて恩恵的なものであるというようなお考えだとすると、これは今日の日本の地方自治体の寄って立っておりまする性格と非常に異なったものの考え方になってくる。国の施策によって住民は非常に迷惑をする。しかし、そのことは甘んじて受けて、その上でなければ恩恵的の理念というものはわいてこないのであります。私は、その点は非常に大事なことでありまして、したがってどう受け取っておいでになっておるかということを聞いても、いまのような御答弁では、どうにも私の気持ちとあなたのほうの考え方が違っているのじゃ、十分間で質問を終われという委員長の命令でございますので、これに従わぬわけにはまいらぬかと思いますので、これ以上私は申し上げません。
 それならついでにもう一つ聞いておきますが、これは成田の市長さんのほうがよくおわかりになろうかと思います。この空港ができることによっていろいろな援助の対象になっておりまする道路であり、学校であり、先ほどニュータウンの話もございましたが、いろいろな都市計画上の問題が出てくると私は思う。それが現在あなた方がお持ちになっている成田市なりあるいはその他の関係町村の都市計画と、この空港ができたことによってどういう大きな地図の塗りかえをしなければならないかというようなこと等について、詳しく聞けば非常に長くなろうかと思いますが、何か参考になることがあれば、ひとつ聞かしておいていただきたいと思うのでございます。
 それは誤解があると、また答弁の中に食い違いがあると困りますので、もう少し突っ込んで内容をお話し申し上げておきますが、空港ができるということによって道路の計画、下水の計画、小学校の位置の変更等がいろいろあろうかと思います。これが従来の都市計画と、この空港ができるということによって新たにそれを変更しなければならないという事態が必ず起こっておると私は考えておる。また、起こっていなければならないと考えておる。その辺に対する理事者としてのお考えがもし聞かしていただけるなら、この機会に、この法案の審議の一つの資料として私ども参考にいたしたいと思いますので、お聞かせ願えれば非常に幸いだと思います。
○藤倉参考人 ただいまの御質問に対しましてお答えを申し上げます。
 私のほうも新しい町でありますので、なかなか思うように都市計画と申しまするか、なかなか実は進まなかったのでございます。ただ、たいへん時期的に私のほうも混み合う場所でございますので、まず考えましたことは道路ということを考えたわけでございまして、道路につきましては、今度の空港が参りまして、多少変更をせなければならないというような状態にございます。なおまた、学校等につきましては、統合中学等もやりましたが、これはいいあんばいに、今度の空港の前でございましたが、今度の計画と比較的マッチしておりまするし、なおまた、ほかの学校等につきましては、空港がくるということを前提にしていろいろと計画をいたしておりますので、そうたいした変化はなかろうというふうに考えております。ただいまのところではいまの程度でございます。
○門司委員 もう一つだけ。これも非常にむずかしい問題であろうかとも思いますけれども、ごく参考だけに聞いておきたいと思いますが、ことにこれは衝に当たったどなたがいいかよくわかりませんが、手島さんの気持ちを聞くこともこの際必要かと思いますが、さしあたりの問題としてひとつ副知事さんに、衝に当たられた人として参考に気持ちだけ聞かしていただければいいのでありますが、実はこの法案をいままで審議をいたしておりまする過程の中で出てきた問題に、非常に重要な問題が一つございます。この空港はかりに完成したといたしましても、世界の今日の航空が非常に発達いたしておりまする時期において、あと十年しか使えないということが当局から言われております。そういたしますと、私どもはこれを審議する場合に、十年を一応のめどとしてこれをこしらえなければならない。しかし、日本の将来を考えてまいりますと、十年後にはこれより以上の空港がどうしても必要になってくる。その場合に、国としては当然お考えになっていると思いますが、私どもの考えの中にありますのは、新たな土地を求めるか、あるいはこの空港を拡張するかという二つ以外に私は方法はないと思う。その一つとしては、この空港の拡張が考えられることが当面の問題として私どもには一つピンとくるわけであります。十年たてば使いものにならないような空港に金をかけて、こういう騒々しい公聴会までやらなければならぬようなことをしてこしらえてみたところが、十年たったらまたこの空港はだめになっておったというようなことじゃ、これは国の政治を行なう者としてはきわめて不見識な話であります。したがって、少し突っ込んで聞き過ぎるようでありますが、この空港の拡張の余地があるかどうかということであります。
○川上参考人 千ヘクタールの土地を獲得いたしまするためにも現在全力をふるっておるような状態でございますので、これの十年後のことはまだちょっとめどは立たない状態でございます。また、現地の人たちに対しましても、これは拡張しないということで現在まで交渉を続けてまいっておる実情にございますので、そのことを申し上げまして御答弁にかえさせていただきたいと思います。
○門司委員 どうもありがとうございました。
○鹿野委員長 小濱新次君。
○小濱委員 いろいろと伺いまして、きょうはこういう席でありますので、長い御質問ができませんので、私も簡単に何点かお伺いしたいと思います。
 いままでの審議の過程で、私どもが非常に疑問を持たざるを得ないようなそういうおだやかでないことばが出ておりました。そのことについて私は川上副知事さんと、それから小川県会議員さんにお尋ねしたいと思いますが、かつて県庁においていろいろと警官の実力排除という問題もあって、けが人が出たり、その他相当のけが人をいままでも出してまいりました。日本人同士がそういう血を流し合うというような非常にいまわしい姿を現出しているということについて、私どもは心を痛めておったわけでございますが、最近のお話によりますと、この委員会での発言の中で、現状でいくならば国会周辺においても血の雨が降るであろう、こういう発言がありました。
 それから、もう一つは、私どもが現地を視察に行こうという話を理事会で出しましたところが、とんでもありません、非常にあぶない、めちゃめちゃにされますよ。こういうことで、われわれは、されてもいいじゃないかという意見の人もあったのですが、この問題については現在保留になっている。この法案審議にあたって、まずそういう問題の現地の模様、様子を身近な副知事さんからと、それから、またきょうは、地元の代表で来られた小川さんのお二人から、その様子についてお聞かせいただければ幸いだと思います。
○川上参考人 現地には、まだ敷地に直接関係があって反対をなすっておられる方が百名前後おられると了解をしております。さらに直接敷地には関係はございませんが、騒音等の被害を受けるために絶対反対である、こういう方は多数おられます。そういう状態でございますので、私どもも、これに対しましては、慎重な態度をとっておりますけれども、いま仰せられましたように、血の雨が降るというようなことは、私どもは考えておりません。
○小川参考人 この空港問題が起こりましてから、この六月二十三日で四年目になりますが、この間の地元の敷地内の農民の方々、周辺の住民の艱難辛苦というものは容易なものではございません。きょうも傍聴席に地元の反対の農民の代表が五名、婦人が一名参っておりますが、昨日も地元では何百人いう人が集まりまして、きょうのこの法案の審議に対して、それぞれの希望意見を手島さんなり、私どもに伝えられて参っておるようなわけでございます。この委員会で申し上げられぬ点もたくさんございますが、この三年間にも、機動隊の出動、地元の農民の反対のための阻止で流された血と汗は容易なものではございませんし、そのために無事の農民が機動隊によって逮捕、留置された。芝山をはじめ三里塚の青年の逮捕者はすでに三十名近くに達しております。こういう問題さえなければこういう事態は起こらなかったのではないか。また、これから、ことし四キロ滑走路の工事を強行されるということを伺っておりますが、いままで以上の容易でない事態が現地に発生するのではないか、こういうふうに私どもは考えております。
○小濱委員 非常に大事な発言がございましたので、私は藤倉成田市長さんからも、様子についてはおわかりになっている範囲でお聞かせいただきたいと思います。
○藤倉参考人 ただいま副知事さんが申し上げたように、また小川県議が申されたように、初めのころにはたいへん激しい闘争でございました。なるほど血の雨が降ったという事例もたくさんあるわけでございますが、その後、現地におきましても、空港という問題につきまして、いろいろとわかってまいり、あるいはまた御了解をいただいてまいりました。ただいまのところにおきましては、さほど血の雨が降るというような状態ではなかろうというふうに私自身は見ておるわけでございます。以上、簡単に申し上げます。
○小濱委員 小川県議からは、いままでより以上の事態が発生するとも考えられる、こういうお答えもあったわけであります。
 そこで、この事件の始まりは、四十二年の初めでなかったかと思うのですが、以来もう二カ年以上経過しているわけです。いろいろと本日の御答弁の中で川上副知事さんからは、一人でも泣く県民があってはならない、努力は傾注してきた、また、失敗したとは思ってはいない、こういう発言もございました。成田の市長さんからも、一人でも被害をこうむることのないように考えて努力してきたということでありますし、また、お話しの中にはきわめて愛情ある対策を進めてきたということもございました。こうした思いやり深い、真情のこもった交渉ごとが行なわれていくならば、とうの昔にこういう問題は解決されていなくてはならない、こういうふうに思うわけですが、いまこういう危険な状態にあるということは、これはたいへんな問題として私どもも考えざるを得ない、こういうふうに考えるわけでございます。したがって、ひとつこの問題の今後の対策について、これは副知事さんと市長さんから、お考えをお持ちになっているならばお聞かせをいただきたいと思います。
○川上参考人 まずお願いしておりますこの法案を早急にお通しをいただく、これをお願いいたします。
 それからあとのことは、非常に現実の問題になってまいりまして、デリケートでございます。ただ、私どもも国、公団一体になりまして、そしてこの事態に対処してまいりたいと思っておりますので、個々具体的な方策につきましては、私どもの果たすべき役割りにつきまして、県を御信頼いただきたい、こう考えております。
○藤倉参考人 今後の方針でございますが、市といたしましては、まだ反対の方々がある程度あるわけでございますが、これらの方々も、もう置いてきぼりにするというわけにもまいりませんので、私は、初めから賛成であれ、条件賛成であれ、あるいはまた反対であれ、少しも区別はしておりません。おいおい反対の方の頭数も減りまして、ただいま副知事さんから申し上げましたように、約百名と申しますか、そのくらいの数でございますが、それらの方々につきましても、私のほうといたしましては、代替地がほしいというような方々、がたいへん多いように見受けられますので、県のほうに極力お願いをいたしまして、これらの方々が、いずれも代替地を入手できるように県のほうには強く要望いたしまして、その方々が入れるような準備は実はできているわけでございますし、なお、その反対の方々に対しましても、代替地の問題でひとつ話し合いたいというようなお手紙等も差し上げまして、できるだけ個々にお目にかかりまして、ひとつ十分意見を聞きたいという方法をとっておりますが、なかなか思うようにゆっくりとお話もできない、したがって、ただいま強硬に反対をしている方々には、まだまだほんとうの話し合いはできないという実情にあるわけでございますが、何としても十分話し合っていきたい、かような方針をとってまいりたい、かように考えております。
○小濱委員 副知事さんのいまの御答弁の中で、その解決策はこの法案を早急に通していただくことなんだ、あとは県をひとつ信頼していただきたい、こういうことなんだということですが、しかし、その問題を、やはり反対同盟の代表の方々にどうやってその意思を伝えるか。いろいろと先ほども話が出ましたけれども、それぞれの代表の意見を十分聞いていないということが一つのこういう紛争になった問題だ、あるいはまた空港は国のためにぜひ必要なものだ、御協力をお願いいたしたい、こういう一片のあいさつのみで、それ以来何ら話もないという、そういうことが不満になっておる、こういうことですが、こういう人たちにどうやって県を信頼させるか、ここに問題があろうかと思います。そういう話し合いが、血の通った心の触れ合いというか、そういう話し合いができなければこの紛争問題は解決できないように、いまの様子では、いまいろいろと聞きました話の中からもわれわれは危険を感ずるわけであります。ひとつ心あたたかい話し合いの場を大いにつくり、納得をさしてやっていただきたいと思うわけですが、副知事さんいかがでございましょうか、お答えいただきたい。
○川上参考人 お説のとおりと思います。現状まだひざ突き合わせて話し合うという段階までには至っておりません。しかし、この状態は、県も誠意を持ちまして、これが話し合いのできる段階までにぜひ持っていかなければならない、こういうように考えております。先ほど手島参考人からいろいろのお話もございました。私も手島さんとは、十年前農林関係の仕事をしておりました当時から、手島さんの御苦労、それから県内におきましてお果たしになっておられる、あるいは日本の農業の中において果たしておられる役割り、こういったものは常々敬服を申し上げておる一人でございます。いずれの日か近い日に、手島さんとも十分話し合いをしていく日の一日も早いことを望んでおるわけでございます。また、これはぜひそういうふうに持ってまいりたい、こう考えております。
 ただ、現況どういう手段で特に芝山の方々とお話をしていくかということは、これは私どもも全知全能をしぼって考えてまいらなければならない問題でございます。そうした意味合いにおきまして、私ども非力ではございますが、全力を尽くしてそういった方途を考えてまいりたいと思っておりますので、ひとつ国会の皆さま方におかれましても御叱正を賜わりたい、こう考えておるわけでございます。決していま反対をしておられる方々も、これでよろしいというような考えも持っておりませんし、これらの方々と十分話し合いができる日の一日も早からんことを願い、また、そのように全力を尽くさしていただきたい、こう考えております。
○小濱委員 最後に、もう一つだけお尋ねしたいのですが、反対の理由としてはいろいろございましょう。私ども率直に考えまして、伝統とか権利の問題とか補償の問題だとか、それはいろいろございましょう。はっきりこうだとは申し上げませんけれども、先ほどの手島組合長さんの話の中で、最も被害の大きいのはわが丸朝園芸農協の組合員である、飛行場の真下になってしまうのだ、こういうお話がございました。しかし、現実にはいまどんどんとすでにその進捗を見ているわけでありますからどうにもなりませんが、こうした問題は、やはり十分意を尽くしての組合員との話し合いが――公団から一切依頼を受けておる県の立場から、やはりこの問題については十分話し合いを進めていただき、そして納得のいくような内容で一日も早い解決をわれわれは望んでおるわけです。そういうことができませんと、ただ法案を早く通せ、そして県を信頼しろと言っても、それがやはり一つの圧力になっていくのではないか、われわれはこういうふうにも考えるわけです。どうかひとつ、十分なる、心あたたまる話し合いが解決の唯一の道である、それ以外信頼感を持つ道はない、こういうふうに考えておるわけでございますが、この園芸農協に対しても、きょうは代表で組合長さんが来ておられますので、副知事さんからの決意、そういうものを聞かしていただければ幸甚かと思います。
○川上参考人 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、丸朝組合は千葉県におきましても、また全国におきましても、これは非常な功績のある組合でございます。ここまで持っておいでになられた手島さんの御苦労というものは私ども非常に高く評価をし、敬服申し上げております。そういう方でございまするし、また、りっぱな方でございますので、私ども一日も早くお話しを申し上げて、そしてこの問題の進展に御協力を賜わりたい、こういう気持ちでおります。
○鹿野委員長 次は細谷治嘉君。
○細谷委員 時間の関係もありますからまとめて要望と若干の質問をしておきたいと思います。
 私も生まれが九十九里でありまして、実は千葉県の血を引いているわけでありますが、千葉県人というのはこんなに荒っぽい血を持っているのかというような感じを、この問題についてしみじみと持っております。
 そこで、お尋ねしたいのでありますが、川上副知事さん、あなたは先ほどの質問に対して、このほかにやりたいことは山ほどある、こういうことをお答えいたしましたね。この関連事業以外に、いわゆる空港に関連する仕事というのは山ほどあるんだ、言ってみますと仕事の範囲、量というのがしぼられたのだ、こういう意味の発言をなされました。私どもいまこの法案を審議いたしておるわけでありますが、これに関連する仕事というものについて、これに出てないものをやはり出していただきませんと、全体の森の景色をながめないで木の一本一本あるいに部分を議論してもどうにもなりませんから、全景の中から判断できるような資料をぜひひとつこの委員会に出していただきたい、これが一つであります。
 第二番目は、千葉県からこういう事業については国の助成をしてほしい、こういう要望と、今度の法案に盛られておる政府の結論といいますか案との間には、かなりの開きがある。言ってみますと、不承不承千葉県は政府の言い分に屈した、こういう形になっておると記憶いたします。千葉県としては当初――いろいろな経過を経てこういう法案になったわけでありますけれども、当初この内容についてどういう財政措置が必要であるかというこういう点もひとつ明確な資料として出していただきたい、こう思うのです。私の記憶が誤りでなければ、この問題について千葉県知事と政府との間ではかなりのやり取りがあった。言ってみますと、スタートにおいて千葉県知事は、この飛行場をつくることについてどの程度政府は考えてくれるか、こういう条件闘争から出発した、こういうふうに私ども理解しておるのですが、その辺をひとつ資料で明らかにしていただきたい、こう思います。
 第三点は、先ほどの御質問に対するお答えの中で、県のこの法律に基づく負担軽減というものについてはおおよそ二十億程度あると想像されるわけでありますが、これは市町村のほうにその軽減分は回してやるのだ、こういうおことばがございました。具体的にはどういうふうにして市町村に回してやられるのか、これもひとつ詳しく教えていただきたいと思います。
 それから成田の市長さんにお聞きしたいのでありますが、私も子供のときから新勝寺不動山には正五九といいまして、一年三べんずつお参りしておったわけでありますが、たいへんいい環境だ、こう私は子供のときから、いまも思っております。ところで、飛行場ができることによって事情は一変する、こういうことになるわけでありますが、その辺の問題は本質的な問題でありますからきょうは申し上げませんが、先ほど来のお話を承りますと、自治省自体も認めている、県も認めておるわけでありますけれども、成田市の現在の財政事情、こういうものからいって、軽減された段階においても事実上財政負担というのは不可能ではないか。たとえば昨日の委員会に自治省から出されました成田市の投資的経費としてつぎ込むことが可能な金額というのは、この事業計画の八年間を通じておおよそ四十億円、これは毎年毎年一般財源が一五%程度伸びる、こういう仮定で四十億円、こういう資料が出ております。ところが、少なく見積もりましても、直接にこの計画でいきますと、成田市の負担というのは十六億円であります。私も市長をやっておりましたけれども、政府の計算どおりの表でできたことはないので、相当のいわゆる超過負担というのは事業には必ず起こってまいります。ですから十六億円プラスアルファ、こういうことになるわけですね。四十億ということになりますと、一般財源の二割五分をつぎ込むというのであります。二割五分というのは何かといいますと、従来の実績だというのであります。実績というのは二割五分というのはないので、全国平均は大体二割か二割二分ぐらいです。それを二割五分として計算したものがそういうことでありますから、かりに十六億円といたしましても、一般財源の半分ぐらい、税金と地方交付税の半分ぐらいをつぎ込んでしまう、こういうことになってまいりますと、これはどう見ても成田市の財政事情では耐え得ない、こういうふうに言って差しつかえのないのじゃないかと私は思うのです。市長さんとしては事業をやりたいのでありますから、いまそんなことは言えないけれども、たいへんなところに成田市の財政事情は追い込まれるのではないか、これは確実だと私は思っております。これは成田市ばかりじゃありませんで、関係市町村もありますが、関係市町村はもっとひどいでしょう。これは財政力指数なんというのは成田の半分ぐらいしかないわけですから、もっとひどいですね。でありますから、ひとつこの辺について、市長さんとして、いや、だいじょうぶだ、こういうふうにお思いになっておるかどうか、その辺を簡単にお答え願うと同時に、確信ある財政運営の資料をひとつ委員会に提出していただきたい、こう思います。
 以上です。
○川上参考人 この法案にあげられておる事業以外にまだやりたいことがやまやまあるが、その全景を示せということでございます。たとえば、この地帯にかんがい等を起こすことになっておりますので、そこでもっと高度な園芸農業を営むための施策等を、県の段階において、国の御援助も得ましてやっていきたいというようなことを考えております。これはほんの一例でございますが……。その他ほかにもたくさんございます。今度のこの法案が、大体飛行場ができまするために、たとえば騒音によって苦しむところの学校の措置とか、あるいは河川の水がどっと流れてまいりまするためにそういった河川をどうするとか、あるいは汚水をどうするとか、こういう基幹的な仕事について規定がなされておりますので、通常のベースにおきましていろいろとまた国に御相談申し上げなければならない仕事が多々あるということを申し上げたわけでございます。そういった全景の資料を当委員会に提出せよ、それから第二番目の問題にも関係することでございますが、県が要望した補助率の問題あるいは事業量の問題等と、今度きまったこの案との差があるじゃないか、それを県からひとつ資料として出せ、こういうお話でございます。こういう国との折衝の過程におきまして、いろいろそれぞれの立場において相違があって、そして何回かの会議の結果一つの合意点に達したのでございますが、それらの過程につきまして私どもも合意をいたしておりますので、ここで当初どうであった、その過程にあってどうであったということは、私個人といたしましては申し上げたくないのでございますけれども、私、この当委員会、また国のこういった議会の運び方についての体験もございませんし、どういうふうにいたしたらよいのかわかりませんが、そういうものを出せということでございますれば、それはそのようにいたします。したがいまして、それらにつきましての御指示をお願いいたしたいと存じます。
 それからあと、県の負担で市町村負担軽減に回す項目を具体的にということでございますが、土地改良事業で、これは県営事業になります。したがいまして、この県営事業の中の地元住民の負担が十七億何ぼかございますが、これらの負担を、補助率アップによりましてそれだけ全体に国からの負担が多くなりますので、住民の負担を軽減をいたしたいと思っております。
 それから、さらに流域下水道、これは県営の下水道になります。流域下水道は普通は市町村営になりますけれども、これは県営の下水道でございます。これが五%のアップになりますが、これも県の負担軽減に回さないで、市町村の負担軽減に回したい、こう考えております。
○藤倉参考人 先ほどの御質問にお答え申し上げます。
 成田市は、空港問題で地元負担が非常に多いので、他の事業ができないのではなかろうかということでございまするが、確かにたいへんその出費が多くなりますので、お説のとおり四苦八苦でございます。ただ、今後におきまする――ただいまもおいおいそうでございますが、人口の増加であるとか、あるいはこれに伴います地方税及び地方交付税の伸びが期待できる、かように存じておりまするし、なおまたこれに加えまして、本日の特例法以外に、地方債であるとか、あるいは交付税等の手厚い財政措置をひとつお願い申し上げたい、こう考えておるわけでございます。
 以上、お答えになるかどうですか、お答えを申し上げたい、かように存じます。
○細谷委員 いまの副知事さんのお答えで、土地改良とか流域下水道――流域下水道というのは一割くらいですね、県の負担軽域分の。そうすると、二億くらいでしょう、軽減分は。ですから、二十億というのを市町村なり住民の負担軽減に回すという具体的な計画も、ひとつ資料として出していただきたい。
 それから、先ほど副知事さん、委員会がほしいということならばということでありますが、あなたのほうは、政府と交渉して合意に達したんですから、経過はいろいろあるけれどもということですが、それは私ども審議するには、地元の立場、特に地方行政委員会というのは、地方公共団体なり住民、こういう立場に立ってものを見るわけでありますから、ぜひひとつ委員長において、千葉県が当初に考えておいた国の負担、こういうものを資料として出していただきたい。
 それからもう一つ、先ほど落としたわけですけれども、首都圏についての補助率のかさ上げ等がひっかかってくるかもしれません。ひっかかってこないかもしれません。この辺の関係を具体的に、今度の法案との関係もひとつ千葉県のほうから資料として出していただきたい。これも重ねてお願いしておきます。
○鹿野委員長 千葉県当局に、細谷委員の資料提出の要求について、ひとつできる限りの資料を出していただくようにお願いいたします。
 この際、関連いたしまして大石八治君より質疑の申し出があります。これを許します。
 ただし、二分間にしていただくようにお願いします。
○大石(八)委員 小川参考人にちょっと伺いますが、先ほど四十年で一般財政収入十三億、税金三億、これはまあ一五%くらいの伸びになってどうというお話がありましたが、そのときに、関連事業負担というので大体九億円というお話がありましたが、その九億円というのは、五十一年までの平均で、この市町村全額が、どこらの時点で一年九億円になるのか、その九億というのはどこから出たんでしょう。その九億ではとてもたまらないということのようでしたが、私どもの資料では、どこが九億――どの時点でいわゆる市町村の純負担になるのか。それだけでございます。
○小川参考人 ただいまのお話の点でございますが、たとえば具体的に成田市の場合等を取り上げてみましても、約四十三億七千四百万成田市の負担になるわけですが、毎年の支出額といたしまして、これを十カ年に割りますと四億六千万でございます。これに残る四カ町村のやつをやはり十カ年に割りましていたしますと、約九億、こういうことになるわけでございます。地元負担を、全体を十カ年で割るとこういうことになります。
○大石(八)委員 これは起債も入っているのですか。
○小川参考人 一切含めまして……。
○大石(八)委員 起債も入っているわけですね。
○小川参考人 いわゆる空港関連事業の地元負担額を……。
○大石(八)委員 起債年次は何年かやるわけだけれども、それを詰めて、この五十一年までに割ってみるということですね。
○小川参考人 十カ年で割りますと、九億ということになるわけでございます。
○鹿野委員長 次は山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 きわめて簡単にお尋ねをいたしたいと思います。
 まず、副知事さんにお尋ねしたいと思うのですが、先ほど自民党の伊能委員からお話がありましたが、決して伊能委員が言われておるような状況ではないのでありまして、当地方行政委員会で、羽田国際空港が軍用目的にどの程度使われているかということを議論をいたしました。それによりますと、昭和四十二年、国際線の離着陸の回数が四万三千五百十四回、これに対してアメリカのMACのチャーター機が四千四百五十二回離着陸をいたしております。昭和四十三年は三千八百四十二回。したがいまして、昭和四十二年は毎月平均三百五十回ないし三百六十回、四十三年におきましては月三百十回ないし三百二十回、定期的に離着陸をしているわけです。国際線の離着陸総数の一割一分ないし一割二分、これだけMACのチャーター機が現に離着陸をいたしておるのであります。しかもこのほか米軍機が昭和四十二年におきましては六十二回、昭和四十三年におきましては六十六回離着陸をいたしております。こういう状況は、安保条約並びにこれに伴う地位協定第五条によって日本政府としては拒否できない。したがって、羽田と同じような状況は、成田の国際空港ができた場合も当然起こり得るであろうということをはっきり政府当局は言っておるのであります。そういう政府当局の言明に対して、千葉県の副知事さんといたしましては、そういうように、現に軍事目的に成田も使われるという状況を踏まえた上で、一体どのような御感想をお持ちでありますか。あくまでも千葉県民に対して、これは平和目的に限るんだということをおっしゃることは不可能だと思うのですね。副知事さんのひとつ御感想と、千葉県民に対してどのような形でその事情を御説明になるか、お考え方をお聞かせをいただきたいというのが第一であります。
 それから次に、これまた副知事さんにお尋ねしたいと思うのですが、県はこの空港の代替地を買収をなされたり、さらには八千万円にのぼる税金の免税措置につきましても県ではめんどうを見るというような、非常に御熱心なことをやっておられるようであります。言うまでもなく、地方自治法によりまして、都道府県、市町村が行なうべき固有事務、それからまた都道府県に委任されました団体委任事務、それから都道府県知事に委任されました機関委任事務、こういうものによって都道府県はお仕事をされるということは、これは副知事さんよく御案内のとおりだと思うのであります。ところが、地方自治法にこれらの法的根拠があるかと思って私調べましたが、固有事務にはもちろんありません、航空に関する事務は。団体委任事務の中に、第三種空港については、これは団体委任事務ということがございますが、機関委任事務には一切空港に関するものはございません。成田空港は、言うまでもなくこれは一種の空港だと思いますが、こういうものに対しては、都道府県知事は、何の権限もなければ何の義務もないのであります。こういうものに県をあげて取り組んでおられるということは、少なくとも私は、地方自治法のたてまえからいっていかがか、こう思うのです。千葉県としてこの成田空港に異常な熱意を持って取り組んでおられる法的根拠は一体どこにあるのか、お答えをいただきたいと思う次第であります。
 第三にお尋ねをいたしますが、私の郷土は群馬であります。群馬は関東の水がめといわれまして、ダムの建設がたいへん起きるのであります。現に群馬県におきましては八ツ場ダムあるいは本庄ダム、山口ダム、跡倉ダムというような各地のダム計画がございます。この理由はすべて治山治水が第一義的な目的であるといわれております。ところが、今度の計画を見ますと、成田空港地区に降りましたところの雨あるいは汚水、こういったものの排水をどうするかと拝見をいたしましたら、根本名川という川にすべて落としまして利根川にこれを落とす、こういう計画のようであります。見ますと、木戸川なり高谷川なり栗山川というような川が太平洋岸に注いでおるようであります。なぜ太平洋岸に落とさないのか――これは私は当然だと思うのですね。現に群馬県においては、農民の土地を取り上げて、そうしてダムをつくる、これは洪水調節だということで強行しようとしている。一方、成田におきましては、同じような意味で土地を取り上げまして、そこから出ます水についてはわざわざ利根川に落とす。洪水調節の観点からいって私は全く逆じゃないかと思うのですね。こういうことに対して、同じ関東にあります府県、こういうものの立場を考えました場合に、なぜこのような、常識からいっても全くナンセンスな利根川に落とす、洪水調節の観点からいったら全く逆なこのような計画をなされたのか、これに対する御反省はないのか。
 以上三点お尋ねをいたします。
○川上参考人 第一点でございますが、国際空港が千葉県にくる、こういうふうに了解をしております。
 それから第二点の、これは固有事務でもない、委任事務でもない、権限もない、また義務もない、それをなぜ知事がやるか、こういうことでございますが、これだけの大きな問題が千葉に参りまして、そして県民がいろいろ惑うておる、こういう場合には、知事といたしましては、これに全力的に取り組んでいくのが知事の責任である、こういうように考えております。
 それから、あとの雨水、汚水の問題でございます。雨水は根本名川を通しまして利根川に流しますが、これは御案内と思いますけれども、汚水のほうは流域下水道で東京湾に流すことになっております。なぜ太平洋に流さないかということでございますが、これは当初その二つの案につきまして問題が提起されたのでございます。これは閣議決定の際にも太平洋側に流す案と、それから利根川に流す案と二つある、これを慎重に検討をしていずれかにきめる、こういうことが地元対策の閣議決定にも書かれておりますが、その後建設当局において検討されました結果、太平洋岸でなくて利根川に流す、そして従前の根本名川の改修もこの際一挙にこれを了する、こういうことに決定をいたしましたので、その線に沿うて進めておるような状態でございます。
○山口(鶴)委員 第一のお答えですが、碓かに、新東京国際空港を成田につくるということですね。しかし現実はそうだということなんですよ。まあお答えしにくい面があってああいうお答えをしたのじゃないかと思いますから、この点についてはあえて再びお答えを求めません。
 二番目の問題ですけれども、先ほど私聞いておりましたが、丸朝園芸農業協同組合長の手島さんが切々として現地の状況をお訴えになりました。こういった全国的にも有数な野菜の主産地を育成し強化していくということが、本来、都道府県の固有事務ではないのですか。そういった基本的な事務についてはあまり御熱意を示すことなく、何ら地方自治法の固有事務、団体委任事務、機関委任事務にもない、そういうものばかり熱を入れているということについては、これは地方自治の本旨という面からいってもいかがということを申し上げたつもりです。先ほどのようなお答えであるならば、なぜ丸朝園芸農業協同組合の皆さんの二千名にのぼる署名の御意見、あるいは全国的にも生産地形成として非常に努力されておる方々の御意見というものを尊重しないのか、それこそが都道府県の任務ではないのかということを私は申し上げたいのであります。そういう意味でのお答えをいただきたいと思います。
 それから、三番目の問題でありますが、少なくとも利根川の治水の問題については、関東一円の県がそれぞれの立場で苦労しておるわけです。したがって、利根川の洪水調節のために群馬、栃木等はたくさんのダムをつくっているわけです。そういう太平洋岸に落とせるものを――技術的にも落とせると思うのですが、あえてこれを利根川に落とすということは、そういった治水の観点から間違いじゃないか。そこで、さらに私はお伺いをしたいのですが、これを利根川に落とすという主張をされたのは建設省ですか、県ですか、一体どういう点に問題があって、太平洋岸に落とすことをやめて利根川に落とさざるを得なかったのですか、その辺の事情をひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。
○川上参考人 固有事務である丸朝農協等の育成、それからこれに対する対策というものを十分にやっていくことこそこれは県の任務じゃないかということでございますが、これは空港が参っておりまするために、現在丸朝協同組合長さんも先ほど来おっしゃり、私も申し上げておるような関係にありますわけでありますけれども、丸朝協同組合と県との関係というものは昔から深い関係にございます。したがいまして、空港問題がありますためにこういうことになっておるのでございますけれども、私ども県の本来の仕事として今後も丸朝協同組合の発展というものに全力を尽くさしていただきたい、こう考えております。
 それから、この雨水を利根川に流すことは一体どこできめたんだ、こういうことでございますが、これは建設省と県と一緒に検討いたしました結果、このようにすることがよろしいということで決定をした次第でございます。
○鹿野委員長 参考人の方々には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
 次回は明二十六日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十八分散会。