第061回国会 決算委員会 第24号
昭和四十四年七月八日(火曜日)
   午前十時四十七分開議
 出席委員
  委員長 中川 俊思君
   理事 大石 武一君 理事 鍛冶 良作君
   理事 白浜 仁吉君 理事 丹羽 久章君
   理事 水野  清君 理事 田中 武夫君
   理事 華山 親義君
      椎名悦三郎君    菅波  茂君
      水田三喜男君    赤路 友藏君
      石野 久男君    浅井 美幸君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      木内 四郎君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     馬場 一也君
        科学技術庁長官
        官房会計課長  斎藤 吉郎君
        科学技術庁研究
        調整局長    石川 晃夫君
        科学技術庁原子
        力局長     梅澤 邦臣君
 委員外の出席者
        会計検査院事務
        総局第一局参事
        官       高橋 保司君
        専  門  員 池田 孝道君
    ―――――――――――――
七月四日
 委員菅波茂君辞任につき、その補欠として小泉
 純也君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員小泉純也君辞任につき、その補欠として菅
 波茂君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十二年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十二年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十二年度政府関係機関決算書
 昭和四十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 〔総理府所管(科学技術庁)〕
     ――――◇―――――
○白浜委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が所用のため出席がおくれますので、委員長の指定により私が委員長の職務を行ないます。
 昭和四十二年度決算外二件を一括して議題といたします。
 総理府所管中科学技術庁について審査を行ないます。
 まず科学技術庁長官より概要説明を求めます。木内科学技術庁長官。
○木内国務大臣 科学技術庁の昭和四十二年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、歳出予算現額は二百三十一億一千四百八十五万一千円でありまして、これに対する支出済み歳出額は二百二十四億六千三百五十二万六千円、翌年度繰り越し額は六億七百四万五千円、不用額は四千四百二十八万円となっております。
 次に、支出済み歳出額のおもなる費途につきましてその大略を御説明申しまげます。
 第一に、原子力関係経費といたしまして百四十一億三千五百二十万三千円を支出いたしました。これは日本原力研究所における材料試験炉等の研究施設の整備、食品照射試験等の各種原子力関連研究及び原子炉の運転、日本原子力船開発事業団における原子力第一船の建造及び運航に必要な陸上付帯施設の整備、原子燃料公社におるウラン資源の採鉱、核燃料の開発研究、及び使用済核燃料再処理施設の設計、動力炉・核燃料開発事業団における高速増殖炉及び新型転換炉の開発、放射線医学総合研究所における放射線による人体の障害とその予防及び診断、治療等放射線の医学的利用に関する調染研究及び民間企業等が行ないます原子力関連試験研究に対する助成費など原子力平和利用の促進をはかるために支出したものであります。
 第二に、試験研究機関の経費といたしまして、四十一億六千三百三十一万九千円を支出いたしました。これは当庁付属の試験研究機関のうち、航空宇宙技術研究所における垂直及び短距離着陸機など航機空に関する試験研究及びロケットに関する試験研究並びにこれらに必要な研究施設の整備、金属材料技術研究所における連続製鋼技術の研究、材料試験等金属材料の品質向上に関する試験研究及びこれらに関連する研究施設の整備、国立防災科学技術センターにおける大型耐震実験装置の着工、洪水流出機構の研究等防災科学技術に関する試験研究、宇宙開発推進本部におけるロケット及び人工衛星に関する研究開発並びに種子島におけるロケット発射施設の整備、さらに無機材質研究所における無機材質の創製に関する研究及びこれに関連する研究設備のため必要な経費として支出したものであります。
 第三に、科学技術試験研究費補助金等といたしまして高温減圧下における二相反応に関する研究等多数部門の協力を要する総合的試験研究及び各種研究に共通する基礎的試験研究を実施いたすための委託費、コールドチェーンの調査として低温食料流通機構の事例的実験調査を実施いたしますための委託費及び発明奨励のための発明実施化試験費補助金等を交付いたしますため三億八千四百七十四万四千円を支出いたしました。
 第四に、重要総合研究等の推進をはかるための特別研究促進調整費国立試験研究機関の研究公務員等の資質向上をはかるため内外への留学研究を行ないますための経費、理化学研究所、日本科学技術情報センター及び新技術開発事業団の事業を行ないますため必要な資金に充てるための政府出資金のほか、科学技術庁一般行政費等として三十七億八千二十五万八千円を支出いたしました。
 以上簡単でありますが、昭和四十二年度の科学技術庁決算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほど、お願いいたします。
○白浜委員長代理 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めます。高橋会計検査院第一局参事官。
○高橋会計検査院説明員 昭和四十二年度科学技術庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○白浜委員長代理 これにて説明聴取を終わります。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。丹羽久章君。
○丹羽(久)委員 科学技術庁の木内長官にお尋ねいたしまいと思います。
 海洋開発の問題について少しお尋ねいたしたいと思いますが、近年科学技術の進歩が非常に目ざましいものがあることは御承知のとおりだと思います。特にわが国としましてもビッグスリーといわれる原子力開発、あるいは宇宙開発海洋開発についてはわれわれの日常生活に重要な変化をもたらしてきていることは御承知のとおりであります。たとえば世界の石油について見ましても、その存在可能な海域は全大陸だなの六〇%を占め世界の総産油量に占める海底石油の比率は、調査するところによりますと、一九六七年の一六%から一九七五年には約四〇%に増大するともいわれております。一方海底生物についてもその総量は十億トンから二十億トンだといわれております。わが国の海底石油開発油量は全国内生産原油の約八十八万キロリットルに対してその四分の一を産出しておるといわれております。水産業界の漁獲高は、昭和四十二年に七百八十五万トンで、世界的に高い地位を占めているが、鉱物資源あるいに水産資源についてもなお不足の状態であります。これを求めるためにも海洋開発の必要性があることは当然だと思います。
 しかしながら、海洋開発をはじめとしてこの三大開発を検討してみますと、現状においては必ずしも足並みのそろった方向への前進が見られていないというような感を深くするのであります。すなわち海洋開発について見ますと、わが国の各省庁の海洋開発関係予算は、昭和四十二年度は九億四千百万円、四十三年度は十六億七千百万円、四十四年度には三十一億五千四百万円、こういう数字がのぼっておるわけです。これが海洋開発の予算であります。さらに原子力関係の予算は、昭和四十二年度に百四十四億三千万円、四十三年度には二百六億六千万円、四十四年度には二百九十七億五千万円、こういうふうに計上せられております。さらに最近やかましくいわれております宇宙開発の予算においても、四十二年度には十二億二千万円、四十三年度には三十二億七千万円、四十四年度には五十七億一千万円、原子力並びに宇宙関係予算に比較していま申し上げました海洋開発はきわめて少額な予算になっておるのであります。
 申すまでもなく海洋は地球の七〇%を占めておることは長官御承知だと思うのです。宇宙とともに未開発の分野の多いところであります。わが国におけるところの沿岸から水深二百メートルまでのいわゆる大陸だなは、魚介類等の水産資源、石油、天然ガスあるいはマンガン等の鉱物物資の利用をはかる上で海洋開発の重要なことはもちろんでありますが、特にわが国のように四界が海に囲まれておる国でありながら国内資源の乏しい現状から考えてみましても、その必要性が非常に望まれておると私は思っております。
 本年の二月だったと思いますが、イギリスの南岸ブライトン市で開催された国際海洋会議において示されたイギリスをはじめ、アメリカ、フランス、西ドイツ等の政府機関あるいは民間団体の二百余件にのぼる出展件数から見ても、国際的に関心の非常に大きいことがうかがわれるのであります。
 特にアメリカではいまはなきケネディ大統領時代に、海洋資源、技術開発法を制定いたしまして、海洋長期計画を進めてまいったのであります。この予算をひもといてみますと、昭和四十二年に千五百七十六億円という金を計上いたしております。四十三年には千六百十二億円という金を計上いたしておりす。
    〔白浜委員長代理退席、委員長着席〕
 四十四年には一千八百五十八億円、二千億に近い予算を投じて海洋調査及び海図の作成、水産開発及び海産食品技術の研究あるいは沿岸地帯の開発等に努力しているという実情であるということを、一応私は調べたのであります。
 これはアメリカでありまするが、またフランスの国家予算を見ましても、昭和四十三年には六十九億円、四十四年には百二十五億円が計上されております。さらにこれに加えて、昭和四十二年に年間予算四十三億二千万円をもって国立海洋開発センターの建設を進めております。昭和四十九年、これが完成の暁には、フランスには約四百人の科学技術者が海洋開発に関する一切の問題をここで処理するという、世界一の規模を誇るといわれる施設をつくるといっております。
 そこで私は、わが国の海洋開発について二、三質疑を試みたいと思います。
 昭和三十六年に、総理府設置法の第十五条によって設置された海洋科学技術審議会は、本年の六月二十八日に政府に対しまして一、二、三、四、五の答申をいたしております。私が与えられた時間が非常にわずかでありますので、省略いたしますが、この一、二、三、四、五、よく御存じのはずであります。この五つのプロジェクトを十年間の展望に立って、当面五カ年計画で推進するために、関係各省庁、大学、民間企業を含めた総合的な推進体制の確立をはかる必要を答申しておるのですね。この海洋科学技術審議会の答申は、過去にも、内閣総理大臣の諮問に対しまして第一号答申、第二号答申がなされております。科学技術庁は現在まで、これらの答申を尊重してどのような施策を行なってこられたか。また、今回の答申についても、政府の重要施策として、完全実施の方向で予算的措置を講じつつこれが実施の考えで取り組んでいかれると思いますが、どのように取り組んでいかれるか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
 今回の答申については、従来からいわれてきた海洋開発に対する政府の基本方針の確立を要望されておるようであります。たとえば日本長期信用銀行等の調査報告においても、民間産業の先行に対して、政府の目標設定の必要性が述べられております。こういう点からも時期を得たものとして私は歓迎されるべきだと思いますが、要は、この答申の具体的な実施の段階において、科学技術庁が設置法の第三条にいうところの総合調整の機能を十分に発揮できるようにしないと、過去の宇宙開発事業のごとく一元化論を蒸し返す結果ともなって、学術の研究と開発利用の研究分野の不明確さや各省庁のなわ張り争いになってまいるような傾向がなきにしもあらずだと心配するものであります。以上のように思うのでありますが、どうかひとつよくお考えいただいて御返答いただきたいと思います。
 また、本年の六月三十日に、通産省で鉱山石炭局に海洋開発室というものを七月に設けられるとのことでありますが、この点についても総合行政として十分各省庁の連絡がはかられておるのか、重複的な海洋行政にならないように考えるべきがと思っておりますが、どうでありますか。
 こういうことを一つ一つお尋ねいたしたいと思っておりますが、時間がありません。また、今度は運輸省にもそういうようなものをつくるというようなことが、きのうだったか、新聞に出ておるようであります。そういうようになりますと、もう、ちらばら、かって気ままなことになってきて、総合的な締めくくりというものができないような心配を持ちますけれども、これについての今後の方針、そして答申に対する考え方、そして資源乏しき日本に海洋開発をどのように進めていこうと科学技術庁は考えておるか、こういうような点を総合的に、簡単にして要を得た御答弁、そして必ず実行するという基本線に立ってひとつ御答弁をしていただきたい、こう思います。
○木内国務大臣 今回この決算を御調査願いまして、それに関連いたしまして、この重点的な予算について非常に有意義な御意見を承りまして、ことに科学技術庁の海洋開発の予算などについて非常な激励を賜わりまして、感謝申し上げておるわけであります。
 まず第一に、いまお話がありましたこの予算の点でございます。もちろの原子力の平和利用の関係あるいは宇宙開発の関係も大きなナショナルプロジェクトとしていまやっておるのですが、今回はそれと並んで海洋開発、これもひとつナショナルプロジェクトとしてやっていきたい、こう思っておるのですが、いまお話しのように、原子力の平和利用あるいは宇宙開発の予算に比べてこれは少な過ぎるじゃないか、こういう御意見でございます。確かにこの絶対額は少ないのでございますが、昨年までは海洋開発という項目さえも予算のうちに出ておらなかったのでございますが、本年度はわずかながら予算に海洋開発という項目をあげたようなわけであります。それにさらに金額の面におきましも三十一億円余り、こういうものを計上いたしまして、昨年の予算に比べまして八九%増、こういうようなことになっておるのであります。予算の一つの項目で八九%、約倍額になるということは、これは非常に大きなことだと思うのであります。絶対額は少ないにいたしましても、前の年に比べて八九%も多くなり、約倍額にも近いような予算を計上するということは一つの大きなことであると思っておるのであります。さらにこれを飛躍的に増大したらいいじゃないかという御意見はもちろんごもっともなお話でありますけれども、予算はやはり組織ができたり人員が整ったりして、それに伴って予算を上げていくということでないととかくむだになりがちな点がある。国費多端のおりからでもありますので、国の予算は最も有効にこれを使用しなければならないという立場からいいますと、やはりいま申しましたように組織とか人員とかそういうものが漸次整う、それに伴ってだんだんふやしていくということでなければ効率的な予算の使用ができないと思います。そういう意味から申しまして、去年に比べて八九%もふえたということは大きな一つの前進じゃないか、かように思っております。もちろんいまお話のありましたように、他のプロジェクトに比べまして金額の少ない点などもありますが、それは別といたしましても、海洋開発の目的達成のためには今後大いに予算の増額をはかってまいりたい、かように思っておりますので、その点は御了承をお願いしたいと思います。
 それから、いまの答申の問題でございますが、海洋科学技術審議会ができまして、一号答申、二号答申というのがありました。一号答申というのは海洋開発の基本的な方針というのを述べております。その次の二号答申におきましても研究項目をあげておるというようなことでございまして、どちらかといえば網羅的でありまして、やや具体性に欠けたところがあったようでありますが、今回の第三号答申はいよいよこれを取りまとめまして、具体的に各種の方策をもって、いまもお話しのように五項目のナショナルプロジェクトをあげておるわけであります。
 そこで、過去におきましてはそういう網羅的な答申がありますと同時に、予算の編成に資するために、当面国としてすぐに着手すべきような項目というので、昨年の暮れなども建議がありまして、それに基づいて、私どもとしては、海中作業基地の建設、こういうようなものをやり、あるいはその前には、潜水調査船の建造、こういうようなものをやったりして今日までまいっておるのであります。今回審議会におきましては、十年間を展望して、その展望のもとに、五カ年間に国として推進すべきものを五項目あげておりますことは、いまお述べになったとおりであります。ことにこれに関連しまして、これを行なうにあたっては、計画化してやっていかなければならぬ、これらのプロジェクトは計画性がなければならぬ、さらにまた、総合的、組織的に推進体制を強化してやらなければならぬ、なかんずく、政府部内におけるところの総合調整機能の強化、これはさっきお話しのあったとおり、そういうことが大事であります。あるいは各担当部門の充実強化ということが大事だということ、また人材の養成と人材の確保、これが非常に大事なことであるというようなことを強調しておりますので、これらの線に沿って、われわれは、政府としては、強力に海洋開発を進めてまいりたい、かように思っておるのであります。
 御案内のとおり、海洋開発は宇宙開発などと違いまして非常に広範多岐にわたっております。そこで、これは各省庁の所管に属することが非常に多い。これは今日まで伝統的に各省庁において処理しておりまして、このためにすでに国策として各省庁においていろいろなことを処理しておるのであります。今回の答申を実行するにあたりましても、実施部門であるところの各省庁において、さっきお話しがありましたように、通産省は海洋開発室を設ける、われわれのほうでは、総合調整機能の強化という意味で、海洋開発室を設ける。あるいは運輸省などにおいても、運輸省所管の事業についていろいろな企画実施をするために、調査室とか、名前はどうなるか知りませんが、特別なことを考えておるかもしれません。これは各省庁において設けましたからといって、決してなわ張り争いというような趣旨ではありませんで、その所管のいまの実施部門の業務、実施部門の充実強化をはかってやっていけという答申の趣旨に沿っておるものだと私は思いまして、それがなわ張り争いにならぬようにわれわれのほうにおいて総合調整の機能を十分に発揮して、この開発が円滑に進んでいくようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○丹羽(久)委員 いま長官から決してなわ張り争いになるようなことはないという最後のお話でありますが、それを聞いて私は一応安心はしますけれども、ややもするとそういう傾向に流れやすいのです。たとえば、こういうこともお互いに問題が起きなければけっこうでありますが、運輸省は、七月の八日の新聞に発表せられておるのをそのままあなたにお話し申し上げますと、「海底基本図や観測塔」、「来年度着手を計画」、こういうことをいっておるわけです。これは海洋開発に対する役割りの一端をしょっていくということにも解釈できるわけです。そういう目的であろうと思うのです。そうすると、今度通産省が海水から飲用水の量産を七年で技術確立すると、同じようなことをいっている。はたして、いろいろと各省がそういうようなところに集中してきた場合において、やはりそれを技術庁のほうで調整していただかないと、なわ張り争いという表現のしかたはどうかと思うけれども、実質上に支障を来たす問題があるのじゃないか。それがために技術開発がおくれるようなことは相ならぬと思いますから、これは長官として十分考えていただいて、そのコントロールというか、調整をやっていただかなければならぬと思うのです。
 あなたのいまのお答えを聞きまして、一応私は安心するわけなんです。どうぞひとつ、資源の乏しい日本の国であるということを頭に置いていただいて、開発のために一そう全力をあげていただくことを私は心からお願いするものであります。
 そこで、予算の問題ですけれども、最初が少なかったのであるからという表現になるかならぬかは別として、四十二年には二百三十一億、四十三年には三百十八億四十四年には四百四十三億というのが、宇宙あるいは海洋、三つの総合的な開発のために技術庁がとられた予算だと思っております。その点から見ても、年々ふえておることは間違いないのです。しかし、先ほど申しましたように、アメリカ、フランスから見ますと、非常に少ないということになるわけです。資源の豊富な国でさえ、海底あるいは宇宙あるいは原子力の開発のために、たいへんな金をかけておるのです。特に海底には、アメリカ、フランス、イギリス等々は特別力を入れているということは御承知のとおりだと思う。日本の油から考えてみましても、これは特に進めてもらわなければならぬ。無限の資源があることは、大体わかっておるのです。これをどのように調査し、どのように開発していただくかということがあなた方の仕事であろうと思う。これを各省庁に指示せられる。そしてその調整をしていただのがあなたのほうの責任だと私は思っている。そういう意味から、今後も乏しい日本を救済していくためにぜひひとつお考えいただきたい。心からお願いするわけです。
 次に、原子力の第一船の進水と第二船の構想についてお尋ねいたしたいと思います。
 十二日の日に、日本最初の原子力船「むつ」、八千三百五十トンが石川島播磨重工業株式会社で、起工以来約七カ月で進水したということが報ぜられております。この船は、三菱原子力工業株式会社で軽水型舶用原子炉を設置して、昭和四十五年五月までに船体の艤装を終わって、四十七年の一月には完成を見るといわれております。ソ連のレーニン号、アメリカのサバンナ号、西ドイツのオットー・ハーン号に次いで世界第四番目の原子力商船となるそうであります。この第一船建造は、当初計画では、初めての経験でもあり、設計上の苦労もあり、特殊貨物と乗員訓練兼用船として、金額にすると約五十六億円、船体は二十九億円、原子炉二十七億円をもって、日本のほんとに独自の技術で完成されるものであります。十年後の昭和五十年代を構想してみますと、原子力商船の実用化が世界的にたいへん進展するよう思われるのでありますが、わが国も世界の原子力船界へ仲間入りの第一歩を踏み出したことになるわけであります。
 そこで、これからひとつお尋ねいたしたいと思いますが、第二の船はどういうようにお考えになっているか。国と民間のどちらでこの船をつくるというお考えを持っておられるか。また、第一船の場合と同じような進め方をせられようと考えていらっしゃるのか。この点、ひとつお考えがまとまっておったらお聞かせいただきたい。国民は非常に大きな関心を持っているときでありますから、ひとつお答えいただければけっこうだと思います。
○木内国務大臣 原子力船第一船がいまお話しのとおりこの六月進水いたしまして、これに艤装中でありますから、来年の五月にはこれが原子力船開発事業団に引き渡されまして、むつ港において原子炉を装備するようになるわけであります。しからば次の第二船はどうするかという御質問でありますが、この問題につきましては、原子力の平和利用の長期計画によりまして民間企業が中心になってやることを期待する、こういうことになっているわけであります。その先、原子力委員会におきましては原子力船懇談会というものを設けまして、これから検討していくということになっておるわけでありまして、民間企業に期待するが、船種、船型あるいは炉をどうするか、こういうようなことはまだ実はきまっておらないのでありまして、いま申しましたように原子力委員会の中における原子力船懇談会においてまだ検討中でございますので、いま申し上げる段階にはなっておりません。しかし、私はいまお話しいたしましたように、今後原子力船というものはだんだん普及してくるだろう。その際に、わが国としては造船の技術は今日は世界第一でありますが、問題は舶用炉にあると思うのでありまして、この舶用炉の研究は目下この原子力委員会のほうで進めておりますし、私どものほうでも原子力委員会の従来の指示に従いまして研究に力を尽くしておるわけでありますが、今後においてもこの研究に力を尽くしまして、りっぱな舶用炉をつくって、そろばんのとれるようなものにしたい、かように考えているわけであります。いま申しましたように、船のほうはいいが舶用炉のほうはまだそこまでいっておりません。日本人は器用でありますし、能力があるのですから、必ずりっぱなコンパクトな舶用炉をつくって世界的にこれが用いられていくようになる時期がくることを私は確信し、国民の能力を期待しているような次第であります。
○丹羽(久)委員 時間がありませんので、もう一点だけ尋ねたいと思います。
 少しこまかくなりますけれども、原子力船及び舶用炉の開発の予算は三十八年度から四十四年度まで六億一千八百万円余ということです。特に四十二年度の経費は、原子力平和利用研究委託費が千六百九十七万円、船舶の技術研究所の経費が八千四百九十三万円、その他の航海訓練として九十二万円で、合計いたしますと一億二百万円余になっております。こういう経費が計上せられておりますけれども、さらに意欲を出していただくためにも、四十五年度はどのくらいの経費がかかるかということを、もうすでにお考えになっておったら、今度はどのぐらい予算を計上して四十五年度として進めようというつもりでおるというふうに、ひとつお聞かせいただきたいと思うのですが、どうでしょう。
○梅澤政府委員 お答え申し上げます。
 いま先生おっしゃいましたとおり、約一億円ずつが毎年舶用炉の基礎研究費用として出ております。いま大臣が申し上げましたように、もう今週から懇談会を開きます。そこにおきまして、五十年代には原子炉の船が実用化されるのではないかということで、具体的な考え方を立てていただいて、それに基づきまして来年度の予算を組んでいただきたい。この懇談会が早く進むことを願っておりますが、その途中におきましてもそういう考え方でもっと強力に持っていきたいという考え方であります。ただ四十五年度予算にどの程度の金額を出すかということはいままだ検討中でございまして御返答はいたしかねますが、できるだけの努力をいたしていきたいと思っております。
○丹羽(久)委員 それでは、もうこれで私の質問は終わりますけれども、海洋開発は国民のひとしく希望するところでありますし、日本の国家のためにもどうしてもやっていただかなければならぬ問題でありまして、各省の力を十分に発揮せられるようにひとつあなたのほうで調整をしていただきたい。予算も四十五年はつとめてたくさんとっていただいて、十分いけるような方法をしていただきたい。
 それから、原子力船も第一船は大体でき上がってきたのですから、もう完成を待つばかりになりました。第二船もひとつお考えいただいて、民間であろうと国であろうと、あなたのお考えでけっこうだ。そしてまた審議会から答申が出来ればそれに基づいて考えていただいてもけっこうですから、ひとつ構想を描いていただいて、つとめて早くやってもらうようにお願いしたいと思います。
 以上をもって私の質問を終わります。
○木内国務大臣 御趣旨の点まことにごもっともでございまして、海洋開発の点につきましても各省庁と十分連絡をとりまして総合調整をし、また予算の点についても最善の努力をいたしたいと思いまするし、また原子力第二船につきましてもできるだけ研究を促進して、採算のとれるいい船がなるべく早く日本にできるように努力いたしたいと思っております。
○中川委員長 華山親義君。
○華山委員 もうたびたび問題になることでございますけれども、米原子力軍艦の寄港に伴う放射能監視体制のあり方についてお尋ねいたしたいと思います。
 いままでの例を見ますと、いずれも予備費から支出されているわけであります。昭和三十九年には一千六百十七万円、昭和四十二年度には八百七十一万八千円、昭和四十三年度は四千五百二十八万五千円、このように予備費から支出されておるわけであります。わきの者から見ますといかにもどろなわ的に見える。そういうふうな状態で推移してまいりまして、横須賀等につきましては、最近の問題でございますけれども、新聞等はその見出しを見ただけでも、ずさんな放射能の監視体制であるとか、役に立たない放射能記録装置であるとか、原潜出港後に沃素が出たとか、もろい放射能の検出装置であるとかいうことが出ているわけであります。専門的に見て、これらの新聞等の報道が正しいものであるかどうかは私わかりませんけれども、こういうどろなわ的なものでない、いかなる場合にもよそから非難を受けない、またそういう批判を受けた場合であっても、現在の科学程度ではこれ以上のことはもうできないんだというふうな確信がなければいけないと思うのでございますけれども、たまたまいまこの問題が表に出ておりませんけれども、いろいろ御研究なりまたその装備等について進めていらっしゃるかと思いますが、その様子をひとつ伺いたいと思います。
○木内国務大臣 いま御心配になっておる点、非常に大事な問題だと思っております。原子力に関係の放射能の危険の問題これに対して住民などに不安を与えるようなことがありますと、今後原子力産業――潜水艦、軍艦だけではありません、原子力産業の発達に非常な障害を来たす、こういうことを考えまして、私どもはそのために最善の努力をしておるつもりなんですが、たしか四十三年に、軍艦等の放射能の調査看視体制の大綱というものをきめまして、それに基づきまして必要な措置を取っておったのでありますが、場合によりますと予算の面で予備費を出しておるというようなことがあるかもしれませんけれども、私どもはこの点に非常に注意しまして、機械の面においても設備の面においてもまた人員の面においても、こまかい気を配っておるつもりでありまして、住民に不安を与えないように努力しておるつもりでありますが、なお今後におきまして科学の進歩に伴ってよりよい体制ができるということでありますならば、そういう設備も今後も考えてまいりたい、かように考えております。
○華山委員 今後こういうふうなことにつきまして一般の人々からいろいろな指摘を受ける。そして予備費を出す、こういうふうなことの繰り返しがないように万全の自信をもっておやりになれるつもりでございますか。この点技術者の方なり局長なりから伺いたいと思います。
○梅澤政府委員 お答え申し上げます。
 先般予備費を用いまして設備いたしましたときには、専門家に集まっていただきまして、あの当時の電子技術というものを利用しまして、これでいいという形でやりました。しかしこの方法は、世界各国ともまだこういうことをやっておる経験がございませんので、わが国の考え方でやったわけでございます。ところが、その後いろいろなレーダーその他がどんどん進歩してまいります。その関係から、あるレーダーの波長が入ってしまうというような問題が出ました。したがいまして、これで国民の不安感を多くしてはいけないという大臣の御命令で、また専門家に集まっていただきましてできるだけ直していこうということで、現在のところノイズを判定するテープレコーダーと申しますか、簡単に言えばそういうものでございます。それがレーダーで来るものであるかどうか、それから中の回路の整備をもう一度し直しまして、できるだけ他からのノイズが入らず、放射能が十分わかるという機械に改造するということで、先般から改造いたしております。現在のところでは、私たちもこれで十分うまくいくのではないかという確信はございます。しかし入ってまいりますそのノイズはだんだん変わってきておる事実が出ております。そういう関係をよく見きわめながら今後とも進めていきたい、そう思っております。
○華山委員 私、決して皮肉を言うわけではありませんけれども、核アレルギーということばを新用語辞典で見ましたところが、昭和四十二年総理大臣がアメリカにおいでになってジョンソン大統領とお会いになってお帰りになった直後の国会で、核アレルギーということばをおっしゃった。これが日本における核アレルギーの語源だということになっておるわけであります。私も大体そんなふうに考えておりましたが、この辞典にもそう書いてあるわけでありますけれども、しかしとにかく核アレルギーかどうか知りませんけれども、そういう日本人の感情があるのでございますから、やはり私はその点につきまして的確に、異常放射能というものが出たのかどうか、そういう点は正確に検査のできる確信を持っていただきたいと思います。その意味におきまして日本には特別なそういう感情のあることは事実でございますから、私は外国よりもさらに進んだ装備がなければいけないと思いますし、私はちょっとしろうとでわからないのでございますけれども、レーダーから出るものだというふうに言われますけれども、ある期間レーダーというものをとめるわけにはいかないのでございますか、そして検査をするというわけには。しろうとでございますからわかりませんが、そういうふうなことで、軍港等でございますから、特にアメリカ軍艦等も多いと思いますけれども、そういうふうなことをアメリカに要請するわけにはいかないものでしょうか。
○梅澤政府委員 その点につきまして先般アメリカの軍のほうに、潜水艦が入ったという場合にはできるだけレーダーを動かさないように要請いたしました。やむを得ず動かす場合には事前に通告をしていただきたいということで、その点はできるだけのところは向こうでも守ってこちらに通告等がありましたが、通告の時間がある程度おそかったり何かということがございました。向こうといたしましてはこちらの意向を相当入れてくれまして、できるだけレーダーを使わないようにということはしてくださいましたが、レーダーというのに出港するとき等にはどうしても使わなければならない、そういう関係で予告が来ましたが、われわれのほうの機械にキャッチされたという事実がございます。
○華山委員 いわゆる放射能自動記録装置モニタリングポストとかいわれておりますけれども、その配置の場所等につきまして、あとにおきまして横須賀、佐世保等について改善されたことがございますか。
○梅澤政府委員 配置の場所につきましてはいままでどおりでございます。ただそこにあります空中をはかりますモニタリングの自動装置でございますが、装置の中の改良をいたしております。それから三号の場所だと思いますが、そこのケーブルが先般あらしでもって下のケーブルが折れました。そのケーブルが鉄管の中に入っておりましたが、その鉄管が割れてケーブルにちょっと水が入りまして事故を起こしました。それは特殊のケーブルでございますので、七月までいまのケーブルを使っておりまして、七月中にそのケーブルを取りかえてやることで工事を急いでおります。
 あとは先ほど申し上げましたテープレコーダー式の装置をそこへつけて、ノイズを音声で解明するという装置をつけ加えております。
○華山委員 この性能を完備するというふうな意味から今年度予算では予算がございますか。
○梅澤政府委員 今度の改善に使います経費を初め検討いたしましたが、そういうところを直す予算というのは初めある程度あるのではないかということで、大蔵省とも相談いたしまして、今度はその改善の費用は一応今年度の予算でできる見込みでございます。
○華山委員 今年度どの程度の予算でございますか。
○梅澤政府委員 本年全部で潜水艦関係でございますが、五千七百七十七万八千円でございます。
○華山委員 私専門家でございませんので、突っ込んだ御質問もできかねますけれども、そういうふうなことで、外国に対して、日本人は核というものに特別の関心を持っておるということをよくいわれて、それが外交の基調にもなっているわけでありますし、国防の基調にもなっているわけでございますから、このことにつきましては、日本といたしましてはできるだけ放射能の調査体制というものを完備されますとともに、すべて公表いたしまして、そして一般国民等の疑惑あるいは非難等のないように、一段の御努力をお願いいたしたいと思う次第であります。
 次に伺いますが、最近濃縮ウランの国産化の問題について、理化学研究所でガス拡散法によるウラン濃縮の実験が成功したとも伝えられておりますし、五月には動力炉核燃料開発事業団が東京工大等と協力いたしまして違心分離法による実験に成功したというニュースもあったことでございますが、この点について私伺いたいのでございます。
 私もしろうとでございますから、よくわかりません。ただ、ガス拡散法によるウラン濃縮よりも、違心分離法によるウラン濃縮のほうがわが国には適当だという考え方があるようでございますけれども、これにつきましてどういうお考えを現在は持っていらっしゃいますか、伺います。
○木内国務大臣 非常に大事な問題でありまして、御心配願ってありがたいですが、すでに新聞等にも報じられておりますように、わが国におきましてもウラン濃縮の問題を取り上げて研究中でありまして、理化学研究所におきましてはガス拡散法の実験の一部に成功した。またさらに動燃事業団におきましては違心分離の方法に一部成功した。こういうことでございますが、この両方の方法ともなかなか金がかかったりしますので、そこで、今後この研究を続けてまいりまして、四十七年度にその様子を見まして、できれば一つの方法に統一して、そしてそれを強力に推進してまいりたい、かように考えておるのであります。
 なお、こまかなことは原子力局長から御説明を申し上げさせたいと思います。
○梅澤政府委員 方針といたしましては、ただいま大臣のおっしゃったとおりでございますが、実はその四十七年度に方向をきめるということでございますが、そうなりますと、現在発表されております成果というものは、たとえばガス拡散では膜の問題であります。それから違心分離のほうも小規模な短期の研究でございまして、したがいまして、どちらにするか四十七年まで検討を進めます場合に、材料の問題加工の問題あるいはガス拡散ではコンプレッサーの問題等、いろいろございます。したがいまして、いま懇談会を設けまして、そこで四十七年にどちらにするか、チェック・アンド・レビューと申しますか、それができるようになるまでの研究を大いに強力に進めるべきであるというので、いまそれまでに進める研究課題を詰めているところでございます。したがいまして、それを詰めまして、研究をできるだけ早くいたしまして、四十七年度には少なくともどちらにできるか、そういうことを判定していきたいという考え方で進んでいるわけでございます。
○華山委員 西ドイツあるいはベルギー等においては、聞くところによれば、この方法等につきましては機密という扱い、こういうことになっているということでございますけれども、それは事実なのかどうか。また日本で開発されたといたしました場合に、これが公開され、平和利用に使われるようになるのかどうか。やはり機密という幕に閉ざされるのかどうか。商業上の問題は別でございますけれども、方針としてどういうふうなお考えにいま立っておられるか、ひとつ伺いたい。
○木内国務大臣 いま御心配の濃縮ウランの製造方法の機密の問題ですけれども、これは各国ともに機密にしておるようなんです。しかしわが国におきましては、まだきわめて初歩の研究の段階ですけれども、これが成功して一応の成果を得た場合には、原子力基本法によりまして、その成果を公開するということになっておりますので、その法律の趣旨に従って取り扱っていかなければならぬと考えております。もちろん、商業上の機密の問題はいまお話しのように別の問題だと思っております。
○華山委員 アメリカの情勢といたしましては、ガス拡散法による方法、これはいまアメリカでやっているところでございますけれども、遠心分離法による方法、これはアメリカではあまり好まない、国際的に、また国内的にもこれをやらせたくない、こういう傾向といいますか、方針であると聞きますが、これはどういうことになっておりますか。
○梅澤政府委員 ガス拡散はアメリカでいま製造過程として使っております。これにつきましては、御存じのように電力を非常に使います。したがいまして、軍事用と申しますか、そういう採算をとらないという形でいけば、やりやすいといいますか、でき上がったのであの形をとったのだと思います。したがいまして、現在遠心分離法というものの方法のほうが電力を使わないし、そういう関係からいけば、電力の高い国等ではこの方法のほうがコストを安くできるのではないかということで、各国はこれに対して力を入れているわけでございますが、当然アメリカでもこの研究は研究として進めているようでございます。ただ、アメリカからの議論といたしますと、この遠心分離の情報がいろいろあちこちの国に流れると、向こうの言い方からいきますと、軍事的利用を助長する、そういう関係から、できるだけそういう方法というものは極秘にしておいたほうがいいという考え方はあるようでございます。
○華山委員 遠心分離法によるほうが日本には適当であるというふうな説もあるようでございますけれども、ガス拡散法による製造工程においては非常に高熱を発するので査察がしやすい、遠心分離法のほうは査察が困難だということから、核の拡大といいますか、そういう面から、アメリカで、自国内においてもまた各国に対しましても、遠心分離法によるウラン濃縮につきましてはこれをやめさせたいという方向にあるというふうに私どもは聞きますが、そういう面につきまして、アメリカから何らかのことで日本には申し入れ等がございませんか。
○梅澤政府委員 一昨年でございましたか、アメリカから、遠心分離の情報については、先ほど私が申し上げました軍事的利用の事態を招来するというふうな観点から、これも拡散でございますが、情報の拡散を防止することについての話し合いをしてはどうかという話が参りました。しかし、これにつきましては、私たちのほうは原子力基本法がございまして、その関係から、そういう関係の話し合いには、日本にはこういう法律があるからということを申し上げて、そのままになっております。こういう事実がございます。
○華山委員 長官として、また国務大臣として伺いますけれども、いまのようなことであって、いずれの方法をとるにかかわらず、これを公開して平和利用に使うということについての原則は堅持されるかどうか。また、アメリカ等のいろいろな要望、ことばをかえれば圧力といえるかもしれませんが、そういうことによりまして、遠心分離法というふうなことはやめる。四十七年にはそういうふうなことはとらない。こういう方針はおとりにならないで、日本の経済、そういう面につきまして最も有効な方向に方法をおとりになる、こういう考えでございますか。いまからちょっと伺っておきたいと思います。
○木内国務大臣 お答えいたします。
 いまの初めにおつしゃいました成果の公開という問題ですね。この問題は原子力基本法に明確に書いてあるのでありますから、私どもはあくまでこの方針に従ってやっていきたい、かように思っております。またアメリカとしては、いまの核拡散防止条約などの関係もありまして、核拡散防止の趣旨から、そういう秘密はあまり広くやりたくないというようなことを希望してくるのも、これもまた一つの考え方だと思うのですけれども、その扱い方については、いま局長からお答えを申し上げたとおりでありまして、私どもに原子力基本法というものがある以上は、これに違ったことをやるというのは許されることでもありません。あくまでその法律の精神に従ってやってまいりたい、かように考えております。
 それから将来のことは、さっきも申しましたように、これはなかなか金のかかることでございまするので、ガス拡散法それから遠心分離の方法、両方研究を進めまして、そして四十七年度において、できればどちらか一つに統一して、そして経済的にひとつやっていくようにいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○華山委員 それから原子力委員会が原子力開発利用長期計画において発表されたところによりますと、昭和五十年度には約六万キロワット、昭和六十年度においては三千万から四千万キロワットの原子力発電が行なわれて、使用電力の四分の一が原子力発電になるであろう、こういうふうにいわれておりますが、これに要するウラン燃料はどうなのかということにつきまし三産業計画会議の試算によりますと、昭和五十五年から七十五年の問に二・五%の濃縮ウランが毎年二千から四千トンも必要となりまして、千四百億円から二千七百億円の額にのぼる、こういうふうにいわれておりますけれども、この試算につきましては、やはりそうであろうというふうに技術庁の立場からお認めになりましょうか。
○梅澤政府委員 原子力委員会で考えております先ほどの六百万キロワット、それから三千から四千になるということは、大体の予測として、産業界におきましても、われわれのほうとしても、現在のところそれを確信しております。それに基づきまして、原料のウランがどうなるかというところのことにまいりますと、昭和五十年度にはイエローケーキといたしまして――私たちはイエローケーキで大体やっております。それが一万三千トン、それから昭和六十年度になりますとこれが九万トン程度――正確にいいますと、八万六千トンぐらいかと思いますが、約九万トン程度イエローケーキが必要になってくるのではないかという試算をいたしております。その資料ではそれを金高である程度いっておりますが、私たちはその当時のイエローケーキの値段等から、その金高が正確かどうかというのはちょっと問題であろうと思いますが、量としてはその程度の量になるのではないか、こう思っております。
○華山委員 いまお尋ねしている間に私ちょっと自信を失ったのでございますけれども、二・五%の濃縮ウランが毎年二千から四千トン必要だ、こういうふうになっておりますけれども、発電のためのものはイエローケーキとおっしゃいましたが、いわゆる濃縮ウランではないわけですか。
○梅澤政府委員 イエローケーキを買いましてわれわれ濃縮賃を払いまして、それを大体平均二・五%で計算しているわけでございます。これから入ります軽水炉はだんだんといろいろ変わってまいりますが、それにつきましてはある程度濃縮の度合いがみな違ってまいります。しかし予想として、それを二・五%の濃縮度にした場合でそれをいっているわけであります。
○華山委員 そこで伺いたいのでございますけれども、どうしても今後この核燃料の安定供給ということが大きな問題になると思いますが、現在日米間の原子力協定によりますと、濃縮ウラン百六十一トンを約三十年間にわたってアメリカから供給してもらうということになっておるわけでございますが、もしいうところの原子力協定による濃縮ウラン百六十一トンということと、 いまおっしゃいました数字、これは何か別個のものでございましょうか。
○梅澤政府委員 ただいま申し上げましたイエローケーキに計算するのは、いまの基準が入っております。いまの百六十一トンの中の百五十四トンが原子炉用、発電用でございます。これは発電炉の基数からまいりますと一九七二年までに着工するというのが約十三基ございます。この十三基分についての燃料を確保しなければいけないということで、この十三基分の燃料を確保するということでございます。したがいまして、その後にできます軽水炉の発電用については、そのつど燃料についての対策をとらなければならないということでございます。この七十二年以降の分についての計画は、原子力委員会等で相当予想を出しております。その予想に基づいて先ほどの計算をいたしたわけでございますけれども、七二年以後の炉についての獲得は現在のところしていない。したがいまして、これから先その炉の燃料については獲得しなければならぬということになるわけでございます。
○華山委員 獲得の方法はどうなりますか。
○梅澤政府委員 要するにウラン原鉱石になりますウラン原鉱石は御存じのように日本は現在のところ六千トン足らずでございます。したがいましてそれではどうにもならぬ。しかしやはり民営として考えた場合に、発電会社のほうで原鉱石の獲得にも相当力を入れてもらいたいというのが原子力委員会の方針でございます。したがいまして、カナダその他で九電力が共同開発している場合がある、それによる方法。もう一つは、探鉱の場合も向こうの会社と提携いたしまして共同探鉱をしている。それで探鉱して権利をとって、原鉱石の獲得をするという方法を現在ある程度進めております。しかし、この方法ではなかなか進みません。そこで数年前から動力炉事業団のほうで、もっと基礎的な淡外のウラン探査というものを進めて、どこにあるのか調べようということで、ことしは約一千万円程度利用しまして、各国の状況調査をしております。その状況によりまして、民間にそれを渡しまして、民間で探鉱開発をしてもらいたいという形もとっておりますが、今後ともこれではまだ努力が足りない。したがってできるだけ今後も民間がもっと十分動いてくれるような方法を考えなければならないということで、現在通産省と相談中のところでございます。
○華山委員 もう十年以上にもなりますけれども、岡山県、鳥取県でありますか、人形峠等の話もございますし、最近新聞等では人形峠の開発ということも見えておりますが、日本でこの資源というものは人形峠等を中心としてそれ以外にはほとんど見るべきものがないように私思うのでござ一いますけれども、どんなふうなのでございます。非常に秘密なものだとおっしゃるなら私はあえて聞きませんけれども、どんなふうでございますか。
○梅澤政府委員 現在のところいろいろ徴候といたしましては岐阜あるいは人形峠以外のところにもございます。しかし、それを品位と確定鉱量、そういう計算から申しますとまだまだいいところはさがしておりません。しかし、国内の問題として十分さがさなければいけないということで計画的に探鉱を進めておりますが、現在のところすごくいいものがどかっと出てくるというようなところまでの期待というのはなかなか持てない現状ではないか。ただし、品位が悪くても量的にどうかということでの努力とすればまだあるのではないかというような考え方を持っております。
○華山委員 これからの探鉱でございますけれども、現在採算ぎりぎりの点まで日本のものでやれるというふうにいたしますと、これからの問題もありますけれども、大体何%くらい日本のものでまかなえるか、まことにばく然とした質問でございますけれども、お考えがあれば……。
○梅澤政府委員 先ほど申し上げましたように、イエローケーキにいたしまして六千トン足らずがいまわかっているわけでございます。しかし、これは品位の悪いものを無理して使っての計算でございます。それがいままでの傾向からもう少しふえてくる、まだある程度ふえると思います。それにいたしましても日本の需要量の一%か二%程度、現在のところではそのくらいではないか。これは私の完全な試算でございますが、ほんのわずかしか日本の鉱石では補い切れない、そういうようなところだと思います。
○華山委員 これはたいへん大きな問題だと思いますし、日本のいろいろな産業界のほうで外国の探鉱ということを進めるという御方針だそうですが、このウランにつきましては軍あるいは戦争と密着する面もございますし、日本のウラン資源というものはそういう面から全くアメリカ等に押えられてしまう、輸入以外の方法がない。その点石油と違うと思うのですが、そういう心配というものは長官どうでしょう、ないものでしょうか。
○木内国務大臣 このウランの供給の問題は非常に重要な問題でありまして、御心配を願っているのもごもっともであります。私どももこれは日夜心を砕いておるわけなんでありますが、いま原子力局長から御説明申しましたようにわが国にはとにかくウラン鉱というものはきわめて貧弱、国の需要をまかなうにはとうてい足りません。そこで当然の対策としてわれわれはこれの長期安定的な供給を確保しなければならぬ、こういう結論になるだろうと思います。そのためにはどうしておるかといいますと、いまはさしあたり日米の原子力の協定によりまして三十年間に百六十一トンの供給を、現在計画しているものに対しての必要量を確保する、これはやむを得ない処置だろうと思うのです。しかし、それだけでは足りませんので、私どもは、ウランは貴重なものであるからこれは最も有効に利用を考えなければならぬということで、原子炉の開発、たとえば高速増殖炉あるいは新型転換炉、これは有効に使い得るものでありますし、わが国の国情に合っておる、天然ウランを使い得るのに合っておる、こういうものの開発にも力を入れておるわけでありますが、そんなものでは足りません。やはり海外ヘウランの供給を仰がなければならない。その方法をどうするかというと、いろいろありまするけれども、いま原子力局長から申しましたように、海外のウランの探鉱、それからまた採鉱、これを考えなければならない。それはいまのところわれわれは民間の企業に期待して、需要者たる発電会社その他がやることに期待しております。そしてこれを促進する長期の契約によってひとつ輸入を確保するようにしたい。また共同の開発をして開発輸入をはかるようにしたい。そのために動燃事業団にわすかではありますけれども開発の経費、探鉱の経費、概査の経費を計上いたしましておるようなわけであります。こういう方面に力を入れていかなければならぬと思いますし、さらに、いよいよ海外において開発輸入をするというような場合には技術がなければならぬ。そこで、いまお話しのように、人形峠のウラン鉱というものはきわめて貧弱ではありまするけれども、これの採鉱製錬ということは、やはり人材の養成という面からも必要じゃないか。その方面に力を入れていきます。いずれにしましても国内にないのですから、海外のものを探鉱し、権利を得、あるいは向こうと共同して開発する、こういうことによって確保せざるを得ない。しかし、これができるまでは、さっきも申しましたように、現在計画している発電所の所要量などにつきましては、さしあたりは日米原子力協定によって三十年間の供給を確保していくというようなわけですが、それだけではいまお話しのようにアメリカに首根っこを押えられるというようなことになりますから、今後は世界各地で探鉱をし、また開発し、あるいは共同開発をしてウラン鉱の確保をはかる。またそれと並行しまして国内におきましてウラン濃縮の技術を進めていく、こういうことによって対策を考えているような次第であります。
○華山委員 今後の重要問題でございまして、質問も具体的になりませんが、これで終わります。
○中川委員長 石野久男君。
○石野委員 大臣にお尋ねいたします。
 ただいまも華山委員から質問がありましたように、核燃料の確保というものは非常に大事なことだと思います。特に使用済み燃料の再処理をするという問題は非常に重要な課題だと思うのです。ところがいま再処理工場設置の問題が非常に行き悩んでいると思います。いままでは再処理工場をどこへつくるかというようなことで各所にその適地を求めるという答弁をしばしば聞いておるのですが、なかなかそれがはっきりもしていません。政府の考え方ではどうも東海村だけが予定される位置のように見受けられていました。ところが、最近射爆場返還の問題が容易に片づかないという事情がはっきりしてくるにあたりまして、再処理工場設置の問題が率直にいって敷地問題で行き詰まってきているのじゃないか、こう思うのです。大臣はかねがね原子力基本法による平和利用の三原則というものははっきり守るということを明言しておるわけでございます。再処理工場設置の問題については現地では非常に強い反対があるし、それから県会においてもいわゆる射爆場との並存は認めないということをはっきり言っているわけであります。こういう事情の中で、十月に少なくとも再処理工場の建設について、くわ入れくらいはしたいという考え方はかねがね聞いておるところですが、おそらくそれは東海村では不可能ではないか、私はこういうように思います。そういうようなことになりますと、燃料サイクル確立上使用済み燃料の再処理という問題についての政府の方針がいま明確に打ち出されなければ、四十七年度から再処理の具体的な実施ができないんじゃないか、事実問題として、原子力政策の上からいっても、そごを来たすのじゃないか、政府としては、原子力委員会もそうですが、あるいはまた事業団なども早急に敷地についてのはっきりした立場をとらないというと、かねがね政府が言っているように、使用済み燃料がだんだんたまってきて、これは困るのだ、それからまた燃料サイクル確立のためにおいても、これは非常にまずいことだ、だから早く再処理工場を設置せなきゃならぬのだといってきたこととも符節が合わなくなってくる。政府の再処理工場設置についての具体的な考え方がいまどういうふうになっているのかということを、原子力平和利用に関心を持っておる者としては真剣に考えるわけです。この際、政府が再処理工場設置について東海村がほとんど不可能だというような事情に、客観的にそうなってきているときに、依然としてやはりここだけに固執しているとすれば、おそらくこれは再処理工場設置という問題ができなくなって、いわゆる原子力政策に対しての政府の無能を示すようにも思われまするので、この際、長官の、再処理工場設置について、具体的に考えて、十月にどこでどういうふうにくわ入れするのかということについての明確なお考えをひとつ聞かしていただきたい。
○木内国務大臣 再処理工場を早くつくったらいいじゃないかという御心配、非常に感謝にたえないのでございます。私どもも核燃料サイクル確立の意味からいいましても、なるべく早く再処理工場の建設に着手し、その完成を見るようにいたしたい、かように思っておるわけでございます。ところで、この問題はすでに御案内のように、動燃事業団のほうにおきましてはいろいろなことを考えてみて、やはりこの際はひとつ東海村に設置をいたしたい、こういう考えを申し出ております。もちろん今後わが国の原子力発電というものは非常に急速に伸びてくるだろう、そうなってきますというと、使用済み燃料の再処理という問題は、あるいは東海村でひとつつくっただけでは足らなくなる。方々にこれをつくらなければならぬという事態が起きてくるかもしれぬ、しかしそれはそれとして、当面動燃事業団におきましては諸般の情勢から事情をいろいろ勘案しまして、東海村に建設いたしたい、こういうことを申し出ておるわけでございます。それにつきましては、いまお話しのように、地元におきましていろいろな御意見があるようでございます。また県議会などにおきましても、この点についていろいろ御意見があるようでありましたが、先般再処理工場の安全性の問題につきまして審査会を設けまして、そこによっていろいろ検討してもらった結果、これは安全性については心配は要らない、こういう報告が出まして、それが出ましたものですから、それに伴いまして茨城県議会における御意見もだいぶ私は変わってきたように思います。茨城県議会の決定を拝見いたしますというと、要約すれば、安全性の問題はわかった、わかったが、しかし茨城県議会としては射爆場と並存は承知できない、こういう決定になっておるようであります。そこでこの並存という意味は一体どういうことかというと、私の解釈ですけれども、再処理工場が動き出すときに射爆場が移っておらないでそこにあるということじゃ承知できない、こういう意味じゃないかと、私はさように解釈しております。茨城県としては、射爆場をよそへ移すという確たる約束がなければ――再処理工場が動くまでにそれは移ったらいいじゃないかということだけじゃ足らぬ、こういう趣旨だろうと私は解釈しておるのですけれども、あるいは多少違うかもしれませんが……。
 そこで、われわれとしては、何とかしてでもこの射爆場の問題を解決しなければ県議会の要望に沿えないと思いまするので、それを強く防衛庁長官のほうに機会あるごとに要求しています。閣議の場合には、私の隣に防衛庁長官もおられますので、閣議のごとに催促しているようなことであります。防衛庁長官もそれに対して非常に心を砕いて、いま米軍当局と折衝をしておられる際でありまして、それにつきまして、いろいろなことが新聞などにも報じられておりまして、新島移転、これも考えておるのだけれども、これは実際上困難だというようなことも新聞では伝えておるようでありますが、とにかくいずれにしても防衛庁長官が心を砕いて努力をしておる最中でありまするので、その成り行きをもう少し見ていきたい、かように考えておるような次第であります。
○石野委員 その意味は、やはり再処理工場の設置は別にそう急がなくてもいいという意味にとっていいわけですか。
○木内国務大臣 決してさようなことではない。再処理工場はいま十月とおっしゃいましたけれども、できればできるだけすみやかなほうがいいのでありますからして、なるべく早くこれに着手したいと思っておるのですけれども、せっかく防衛庁長官はもうしばらく待ってくれ、こういうことでありますので、それを見ている、こういうことにすぎません。
○石野委員 私はいまちょっと行き違いから資料を持っていないのですが、長官が先般茨城のほうへ、水戸へ行かれたときに、十月の間にとにかくくわ入れをしたい、こういうことを言われたそうです。なるべく早いほうがいいというようなことの記事が出ておりまして、実は行き違いで資料の新聞記事を持っていませんので、的確にそれをここで申し上げませんが、そういうふうに話したそうです。だから、長官の考えでは、射爆場返還の問題について防衛庁の努力があるから、それは、それ、そして再処理工場は急ぐのだから、とにかく十月までにはくわ入れをする、こういうふうに両方一つに考えないで、それぞれ持っていって、とにかく十月までには科学技術庁としてはくわ入れを東海村にする、こういう主張のように新考は報道しておりましたが、いまでもそういうようにお考えになっておられますか。
○木内国務大臣 それはどういう新聞が書いておられたか知りませんけれども、東京の朝日新聞の茨城版などによりましては、私はこの県議会の意思を尊重するということを明らかに言っておりますことを大きな見出しにまで書いておるわけでありまして、私はそのほうのことはどうあろうとも、こっちでやるというようなことは言った覚えはありません。
○石野委員 わかりました。
 県会の考え方は射爆場と並存を許さない、これは安全審査委員会が結論を出したあとに、県としてはあらためての決議をしておるわけです。それで、この並存を許さないということの意味は、大臣のとり方では、結局再処理工場というものをつくることはつくってもいいじゃないか、だから、それが操業開始のときに射爆場がなくなっていけばいいという意味である、こういうふうに解釈しておる、こういうふうにいまおっしゃられたように聞き取ったのですが、大体そういう考え方でございましょうか。
○木内国務大臣 私はきわめて常識的に考えて、併存を許さないというのは私の解釈が妥当であると思っております。
○石野委員 妥当というよりも何よりも、私が言ったように大臣は考えているのかということを聞いたのです。
○木内国務大臣 先ほど申しましたように私の解釈は、県議会においては安全性の問題はわかった、しかし射爆場と併存はいかぬ、こういうことは、私がいま申しましたような解釈で差しつかえないのじゃないかと私個人は考えております。
○石野委員 だから差しつかえないのじゃないかということの意味、私はが大臣の言い分を聞き取ったことは、とにかく再処理工場ができて、それが稼働するときに射爆場がなくなってしまうのであれば、いま射爆場があってもいまから仕事を始めていっていいのだ、こういうふうに大臣は考えていると私はとったわけですから、そうなんですかとこう聞いている。
○木内国務大臣 そのとおりです。
○石野委員 その場合に、工場が稼働されるという時期までに射爆場が撤去される、こういう保証を県当局はどういうふうなところで求めてきておるのですか。
○木内国務大臣 それはいろいろあると思うのですが、そこがこれからの問題と思うのです。県当局はそういうことを口先だけで言ったつて足らぬじゃないかと、いろいろなことがあったわけです。そこがこれから先のいろいろ話になってくる大事なところだと思う。しかし射爆場と併存はいかぬということを私の言ったように解釈すれば、それは二年も三年もかかるものを、これは移ってしまってからでなければ着手できない、こういうまでの趣旨ではないというのが私の解釈です。しかし、これはここでかりに私が約束したからといって、それは承知しないだろう。あるいは防衛長官がそう言ったからでも、あるいは承知しないかもしれません。しかしその確約とか確信を県議会が得られるという、その心証を与えるに必要な条件というものは、これから話し合ってみなければわからぬ問題私だけで想像することができる問題ではないと思う。
○石野委員 再処理工場には国家予算百七十三億これがつぎ込まれるわけですね。ですからかりにその工場ができたあともなお射場が残っている限りは、地元は操業は許しませんから、そうするとむだな投資になってしまう。おそらくそういうときに予算は組めないだろうと私は思うのです。良識的にいって政府としてもまたそんな予算の組み方はしないだろうと思うのです。大臣はそういうようなことの危険があっても、予測の上で予算の編成をし、税金をそこに使うということの決意をいま持っておるのですか。
○木内国務大臣 そういうことは私は決して考えておりません。そういうむだなことを意識的に計画することはいたしません。たとえば予算なら予算をそこで使うということになれば、これは閣議の決定でもありまするし、閣議でもつて予算を使わせると決定しておきながら、それと矛盾したようなことをやっていくということはこれは考えられない。それが稼働するまでには移るという確信を県議会が得られる、県議会がその心証を得るためにどういうことが必要だと言われるか、それは今後の話し合いの問題じゃないか、かように思います。
○石野委員 この再処理工場の問題について科学技術庁が従来やつてきている態度なり、あるいは動力炉・核燃料開発事業団のやってきたいままでのやり方からしますると、将来は再処理工場というものは全国に何カ所かできるだろう、私たちもそう思います。しかし、最初はとにかく東海村でなければならないのだという考え方に膠着しておるように思います。しかも当時燃料公社の今井理事長あるいは有沢原子力委員会委員長代理が、候補地を何カ所か求めるのだ、さがすのだということを、私には何べんも科学技術委員会で約束しているわけですよ。しかし実際にはいままではそれをやっていないようです。そして今日の段階でも射爆場の返還は、ここ三年や四年くらいではしそうにないということはもう常識になっておる。けれども執念のようにして、あすこにつくろうとしているわけです。安全審査委員会が出した報告を見ますと、いわゆる訓練機、ジェット機が再処理工場の上に落っこちてもだいじょうぶだ、こういうことらしいのですね。そんなばかなことはないと思うのだけれども、とにかく私は安全性の問題についてはしばしば重要性を説いているわけでございますが、炉の安全性あるいは放射能に対する警戒という問題は、こういう施設を持っている限りは、ただ炉だけではないと思う。電源が絶った場合も非常に大きな障害がくるわけです。ことに再処理工場と違って原子炉のごときは、もし電源が絶たれた場合になると、予備発電機が動かなくなった場合などには、たいへんなことになるというくらいはだれでもわかっておる。だから過度集中という問題は非常に重要なことだから避けなければいけない。事業団法が制定される場合にも、原子力について放射能災害から安全性を確保するためには、過度集中を避けなければならぬということで、私は中曽根君を筆頭とする自民党の委員とも話をし、あるいは科学技術庁の皆さんとも話をして、そして過度集中ということばはちょっときついから、適切な配置ということばに変えてくれないかという中曽根委員の意見などもあって、附帯決議の中にそういうことも入れた。そのことは具体的にはやはり東海村におけるところの施設の過度集中を避けるという内容を意味しておった。いまここで地元の方々が再処理工場の問題を射爆場との併存の問題で強く反対する、これは知事をはじめとして全県民の意見です。けれども、地元は再処理工場自体が悪いということはいっていない。やはり射爆場があってもなくても、あすこに再処理工場をつくるということは地域的に過度集中である、こういうことで反対が強いわけです。近代工業における公害の問題を取り扱う場合に、一番重要な問題は過密化だと思います。どんないわゆる許容量を設定しましても、ゼロでない限り数多く重ねれば必ず公害が出てくる。それはもう通産省がいままで認可しているいろいろな施設が、いろいろな公害を出してきている具体的な結果でよくわかると思う。原子力についての公害はまだ大きく出ておりません。だけれどもこの公害が出る場合は、他の公害の比ではないということです。もう出してはいけないのです。ほかの公害は出ても、たとえば亜硫酸の問題については、それを押えれば極小限でとめることはできると思いますけれども、放射能の公害が出ますと、これはたいへんなことになります。だから私たちはこれを非常に重要視しなければいけない、そういう立場から再処理工場の設置の問題についての反対があります。だから原子力委員会における安全性審査の結果が出ましたことについても、地域の住民はもうそれでだいじょうぶだという考え方になっていないし、常識的にいってジェット機が落っこちてもだいじょうぶだという結論など、だれもほんとうにしていないのです。それは何か目的的につくられたような審査だとしか思っていない。私はやはり原子力の問題については、基本法の三原則に基づくことが非常に大事だと思います。そして長官は原子力開発、特に燃料サイクル確立の上で再処理工場の設置を急がなければならぬということをしばしば言ってきている。私たちもそのことに対してはあえて反対をいたしません。けれども、それはあくまでも安全性を確立させるという上でなければいけないということを言っているわけです。
 そういう意味で、東海村にいまつくろうとする場合、隣接して射爆場があり、そして誤射、誤爆、いろいろな被害を生じておるから、地域住民は併存を絶対に許さない、こういう反対の意見が出ているわけでしょう。今日防衛庁の長官がいろいろと御努力なさっている、こういうふうなお話でございますけれども、先般本委員会において防衛庁長官は、やはり代替地なしではとても米軍との話し合いはできないんだ、こういうことになってまいりますと、外務大臣なりあるいは施設庁の施設局長が、米軍との折衝をしてみようなどというようなことを言ってみても、代替地なしにそんなことはできない。そうすると、代替地のない間は、おそらく水戸射爆場というものはあそこから立ちのくことができないというのが現実の政府の考えている内容だと思うのです。私たちはそんなことじゃなしに撤去しろという意見があるのですよ。
 それは別として、そうなってきますと、茨城県における併存を許さないという県民の考え方と、再処理工場を設置しようという事業団の考え方との間には、もうかみ合わないものがあるのですよ。そうなってくれば、再処理工場を急いでつくろうというこの考え方は、ここではとても満たされないことになる。私は、再処理工場の設置については、早急にやはり敷地をさがすということを先行させなくちやいけないんじゃないか。もしそれをやらないでいてこれをやろうとするならば、これはやはりいわゆる原子力三原則を無視してでも事業をやる人の声にこたえようとしておる考え方だといわなければならない。そういうことのために原子力委員会の安全審査の結論を出さしたと勘ぐっても、それは決して行き過ぎじゃないと思うのですよ。私は、再処理工場の設置についての敷地の選定について全然考えもしないで、東海村オンリーでやるというやり方は、権力的なやり方だと思うのです。こういうやり方はとても地域住民は受けとめることはできないし、賛成はしないと思います。だから、これはどんな結論を出しても、こんな政府の考え方や事業団の考え方であったら、まあまあという考え方を持っている者でもこれは反対の立場に立ってくる。
 私は、大臣がいまこの段階で、射爆場の問題については防衛庁がやっているんだからというようなことなら、それでいい。それにしても、それと切り離して、じゃ再処理工場の問題をどうするんだとかいう結論がなかったら、核燃料サイクル確立の政策というものは全く皆無だといわなければいけないし、そしてそのやり方は権力的に東海村にだけ押しつけようというやり方だけしかないというようにしか思えないのですが、そういうように考えてよろしゅうございますか。
○木内国務大臣 どうも私と石野委員とだいぶものの考え方が違うようです。これは人間の考え方の相違だからしかたがありませんが、私はそう悲観的にものは見ないのです。防衛庁長官が非常な努力をして、もうしばらく待ってくれ、それを――その問題は待てないような問題でもありませんし、この射爆場の移転の問題は、私は解決できないというようなことには考えておらないのです。希望的のこともあるかもしれませんが、それは考え方の相違であって、私はこれはしかたがないことだろうと思うのですよ。私は、射爆場との併存は困ると言っておるから、だから射爆場はひとつよそへ移すようにしてもらって、そうしてそこへ再処理工場を建設するようにしたいと考えておるのでありまして、全然できないにかかわらずここへ再処理工場をつくろう、そんなようなことは考えておらないのです。敷地も県議会の意見を尊重しておるということは言っております。水戸でもそれを言っております。朝日新聞も、さっき申しましたように、地方版においてそのことを見出しにまで書いているようなことでありまして、私はこれを尊重して、防衛庁の努力によってこの問題は解決できる、かように考えております。
○石野委員 大臣の考え方はよくわかりました。
 それで大臣は、再処理工場はいつまでにつくる予定でございますか。
○木内国務大臣 私どものほうでは一応十月までに着工したい、かように考えております。
○石野委員 十月に着工しますと、竣工はいつになりますか。
○梅澤政府委員 でき上がりは四十八年の一月の予定でございます。
○石野委員 四十八年の一月というのは、だいぶずれていくのではないですか、いままでの考え方からすれば。
○梅澤政府委員 着工が去年の四月ということからおくれておりますので、その建設の時期は同じでございます。ただ、おくれましたのが延びていって四十八年一月、この十月に着工いたしますと、四十八年一月になるということでございます。
○石野委員 じゃ、三年ばかりかかるということですね。
 大臣、十月に着工するということになると、三年以内に射爆場の返還をさせるという明確な保証がなければいけない、先ほどから併存はさせないということですから、そういうのが大臣の意見ですね。そうすると、その保証をどういうふうにとろうとしておるかということが一つ。それからもう一つは、予算を組み上げていく場合、これは大蔵大臣にも来てもらわなければいけないと思うのでございますけれども、やはり竣工した段階で射爆場がもしあるということになると、これは操業開始はできないというふうにわれわれは思うのです。そういうことは予算執行上非常に大事なことだと思う。決算では私は特にその点を重要視しなければいけないと思っております。つくった品物が使えない、そういうようなことでは予算を組み上げるということは許してはいけないと思う。そういう不確定要素に対して予算を組むというようなこと、ほかの条件は別として、こういうように対外交渉があったり何かするようなものに、予測できないようなものに対して予測を立てるということは、非常にむずかしいことです。松野さんが米軍との間に共同声明をつくって新島に移転をするということを約束した。それで県民の声ががらっと変わった。それから二年たってそれがだめだったということになって、もう一たん意識が変わってきたものを、今度はだめだった、とめてしまうわけです。そのときの県民の声というものは怒りもありますけれども、しかし、また逆にいえば、その間の運動の停滞なり全然違った方向で、いま大臣からいわせれば、併存がどうだとかこうだとかいうふうに非常になめらかなもののいい方になってきてしまっておる。だから私は政府のやり方というものは、いつもペテンにかけて、そうして閣議決定をやるとか何かで、あるいは共同声明なんかをする。共同声明というものは、閣議決定以上に私は重要なんだろうと思う、率直にいえば。そういうようなことは実際できないのですよ。国内的なことじゃない、国際的な、いわゆるステートメントを出しておるのです。それができないで、県民をだますというようなやり方、それでだれも責任はとらない。とらないどころじゃない、依然としてやはり射爆場は返還できないんだ、だが再処理工場はあそこにつくるんだ、こういうやり方は非常に権力的なやり方です。これは原子力の平和三原則の観点からも許されないことだと思うのですよ。そういう考え方を担当の大臣としては、これは意見の相違だということじゃ許されない。意見の相違じゃないのです。具体的な問題で、事実がそれを証明できないような内容があるのに、やはり政府の意図なり事業団の意図だけを強行しようというやり方は許せない。そういう点については大臣はどういうようにお考えになりますか。特に予算の執行の点についての御意見を聞かしてください。
○木内国務大臣 いまの保証といいますか、移るということに対して茨城県議会とかあるいは知事がこれならだいじょうぶだという心証を得ること、これはどういう形態になるかということは、私は個人の解釈を言うわけにはいかない。さっきから申し上げておるように、それは今後の話し合いによって見なければわからぬ。私がそれを一方的に解釈したからといって、私の心証だけで、県議会なり知事の心証という問題とは別問題です。私はこの問題は別にどうということは言いません。しかしこの万々がそれだけ心証を得られる確たるものがあるということになれば、それはまたおのずから別問題だ、こういうことを申し上げているわけです。
 それから予算の問題は、これは大蔵大臣からお答えをすると思うのですが、それをつくったが三年先になって使えないというようなものをつくることは、大蔵大臣は承知しないだろうと思います。そんなことはやらないだろうと思います。できないと思う。その間にはこれは必ず移る、こういう形になってくるだろうと思います。
○石野委員 ことし十月にくわ入れするということになりますと、それは予算の上からいきますと、どういうふうな金を使うわけですか。いま予算は組まれていないのですね。
○木内国務大臣 予算はこの前から問題になっておったのですが、この問題がちょうど宙ぶらりんになっておるものですから、これは不確定なものですから、予算は組みませんでした。しかし話がきまるということになれば、これは予備費の支出によっても着手することはできるし、また予備費はなくとも動燃事業団の経費によって私はやり得るものだと思う。方法はいろいろあると思うのです。
○石野委員 十月から施行するというものは、ただ十月ぽっきりで終わるものではなくて、それは百七十三億の一部分なんですね。だから百七十三億というものを具体的に予算化をするめどがないときにそういう金を使ったらむだ金になってしまいますよ。どうします。
○木内国務大臣 ですからさっきから申し上げているように、めどの立たないときには金は使わない。めどが立ったら使う。こういうことを申し上げているわけです。めどの立たない以上、むだ金を使うようなことはだれもいたしません。
○石野委員 きわめて重要なことです。まだ予算の中には全然頭も出していない、それでめどが立ったからといって、百七十億のいわゆる継続経費というものを使うというやり方は行政的に許すことはできないのじゃないですか。
○木内国務大臣 いまは継続事業という制度はないのですよ。その年の予算を、――私はいま予備費で出すと言いましたが、予備費で必ずしも出すというわけじゃありません。動燃事業団の経費もありますから、そのうちから出すということは少しも差しつかえない。将来それが認められなければ――国会において認められないということはないだろうと思います。もちろん国会に付議しますけれども……。
○石野委員 継続事業はないけれども、いわゆる明許費としてちゃんと全額を計上しなければいけない。ただ部分的な予算だけの施行をどうしてやるのです。継続費がないそんなものを部分的に任意に行政的な処置をして、それだけは残します、百七十億の事業計画は別にします、そして一部分だけやりますというようなことを、どうしてそんなことを行政的にやるのです。そんなかってなことを許せますか。
○木内国務大臣 ですから決してむだなような金は使いませんし、動燃事業団の経費でまかなうこともできますし、いろいろな方法があるけれども、それは大蔵大臣が 一さっきも大蔵大臣に御質問をなさるとおっしゃった。大蔵大臣の取り扱うべき問題でありまして、国家で必要なことをやる経費が、もし必要だということになれば、これを出すことを大蔵大臣はいろいろなくふうをするだろうと私は思います。
○石野委員 予算総則の中で大蔵大臣がやる権限はどこにあるのですか。どの程度のものなんですか。
○木内国務大臣 ですからその方法などについては大蔵大臣から御答弁するということを私は申し上げているのです、あなたもお聞きになるということをお話しになったから。
○石野委員 あなたがやろうとする意図と、やろうということを大蔵大臣がどう扱うかということは別だ。あなたのやろうとすることは百七十三億の予算の一部分をやろうとしているのですよ。ことしの予算の中には何にも頭部出ていない。予算には出ていないのですよ。大蔵大臣がどうしてそういうような任意な決定をできるのですか。国会はそれに対するそういう予算措置の問題を認めておりません。そんなかってなことができますか。決算委員会であなたそんなかってなことが言えるのですか。
○木内国務大臣 それは国家で必要な金は、もしそのときに予定されておらなかったものでも、予算外のもので要ることがあれば予備費で出すこともありますし、そういう方法は大蔵大臣の責任において処理すると私は思うのです。
○石野委員 長官は、再処理工場の問題についてやるべきことを全然やらないで、地域に押しつけていくというようなやり方をしようとする。非常に悪質なやり方だと私は思うのです。ことに予算の問題については、ことしは全然予算は出てないのですよ。十月からやるといったってどこにも出てないのですよ。それは予備費でと言う。しかし予備費は全体としての骨格ができて初めて使える金であって全体としての予算を認めている中で使える金で、継続事業はやらないと言っているでしょ継続的な傾向を持っているものに対して、何で国会が認めらいのにあなた方は手をつけようとするのですが。おかしいじゃないですか、国会が全然認めていないのでしょう。そういうようなものに対してあなた方は何で予備費なんかを出していくのですか。それは災害とかなんとかとは違う。緊急やむを得ざるものとは違うでしょう。これは事案の内容が違うのでしょう。前々からわかっていることであって、それをやらないでおる。それは敷地が決定しないからだということなんですよ。現に予算の中に全然ないのにどうしてそういう行政的な処置だけを先行させるのですか。
○木内国務大臣 予算で予想しておらなかったが、国家のために必要な経費が出てくるときに出すのが予備費であろうと思うのです。それは私は大蔵大臣が十分に処理できると思います。
○石野委員 大臣、予備費で支出するのは長期の計画を持っているものとは違うのですよ。臨時災害とかなんとかでどうしてもやむを得ない、緊急に国会にかけることもできないようなものである場合はしかたがないのですよ。だけれども再処理工場の問題は計画的にちゃんと予算まで組んでなにしているものでしょう。そういうようなことをあなた簡単にやるという手はないじゃないか。
○木内国務大臣 私はこの問題であなたと議論しても、別にここで決着は出ないと思うのです。私は国家で必要なものを出すことはいろいろな方法をもつて考えることができると思いますから、必ずできると思います。
○石野委員 大臣のいまの考え方は財政法を無視していると思うのですよ。私は災害とか何かのために使う予備費の支出なら、それは問題ないと思うのですよ。だけれどもこれは長期計画を要する問題でしょう。特に内閣のいわゆる政策路線の問題じゃありませんか。それの予算が全然組み込まれていないで、そしてとにかく地域住民に対しては反対を押し切ってまでもやるというような性格になりますと、これは全くファッショ的な予算の使い方になると思うのですよ。私はそういうことは許せない。ことに自主、民主、公開の原子力三原則にのっとっても、地域住民の中には非常な不安がある。それを無理に押しつけて、しかも金もないのに予備費から持ってきてやるというようなやり方は許せないのじゃないですか。おかしいのじゃないですか。
○木内国務大臣 私はこの問題は自主、民主、公開の三原則に反しているやり方とは思っておりません。原子力の平和利用の自主、民主、公開の三原則というのはそういう趣旨じゃないと私は思う。これまで再処理工場の問題、いろいろまとまらなかったのがまとまった。これが国家的に必要なことであるならば、これに対する経費の出し方がないということでは国家の問題は動くものではないと思うのです。だから方法については私は大蔵大臣ととくと相談をして処理することにいたしたいと思います。
○石野委員 問題の内容も違うし、自主、民主、公開の原則と違うというけれども、そうじゃない。この問題は本年度予算の中に計上されるべきものであるけれども、それができなかったのは、地域住民の反対などもあって敷地が確定しなかったから、あなた方は出さなかったのでしょう。だから予算に計上しなかったというのは、ただ金がなかったからじゃなくて、敷地が決定しないからという内容があるのですよ。だから、敷地決定について平和利用の三原則が問題があるわけなんです。だから無関係なことはありませんよ。そんな考え方を木内長官がやるとするならば、これは非常に原子力基本法の三原則を無視したやり方だといわなければいけないのです。地域での声というものを全然無視しているやり方です。この問題は、やはり予算の施行の問題ですから大蔵の問題だと思うのですよ。大蔵がどういうふうに処置するかという問題にもかかってこようと思いますけれども、しかし、これはただ予算の、金の使い方の問題だけじゃないのです。政治政策の問題があるわけです。だから政治政策の問題が明確にならなければ金だって出てこないはずです。だから、その金を使う前にそういう明確な地域住民や何かとの関係なども調整をしてやるということが先行しなければいけない。それを何でもかんでも十月だ。それで、最初のうちは射爆場が松野・プレストン会談で新島への移転ができるんだというようなことで、十月のくわ入れを考えていた。それが最近になったら、射爆場の返還はほとんど不可能である。もう絶対に不可能だ。こういう状態になってきた。それでもなお、外務大臣は代替地についても何とか交渉しましょうなんというような、地域住民に対しては希望的なような答弁のしかたをした。しかし、防衛庁の長官から聞けば、この代替地なしの返還交渉はとてもできるものじゃない、こういうことになってきた。だから、もうおそらく射爆場返還というものは見通しは立たないのですよ。そういう見通しが立たないということがあるにもかかわらず、十月に何でも強行するんだということになると、いま木内さんの言っていることはもう理屈抜きなんだ。東海よりほかにないんだということ、こういう御意見のようにしか受けとめられない。あなたがそういうお考えであるならば、それは地域住民は、またそのように受けとめて対策を考えるだけだから、これはしかたがないですけれども、どうもきょうの答弁は、それよりほかに私は聞き取ることはできません。大臣に意見がなければ私はこれでおきます。
○木内国務大臣 別に私はあなたとここで意見の相違についてやったってこれは決着はつかないと思いますが、私は別に何もかも無視してやるというようなあなたの言うような考え方は少しもしておらないのです。その点は私が先ほどから答弁していることを冷静に読んでいただけばおわかりになるだろうと思います。
○石野委員 もう一ぺん確認しますが、木内さん、結局県としては射爆場と再処理工場との併存は認めないという考え方を持っておる。それは大臣は十分承知をしてその上でこの問題にあたる、こういうことですね。
○木内国務大臣 そうです。
○石野委員 それともう一つの確認をしておきますが、それは予算の使用についてむだになるような金の使い方はしない、こういうことですね。
○木内国務大臣 先ほど来たびたび答弁しているようなことでございまして、むだになるようなことはしません。
     ――――◇―――――
○中川委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 昭和四十二年度決算外二件中、総理府所管中科学技術庁審査のため、動力炉・核燃料開発事業団より参考人として関係者の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 なお、参考人出頭の日時及び人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 次回は公報をもってお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時五十四分散会