第061回国会 災害対策特別委員会 第7号
昭和四十四年七月三日(木曜日)
    午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長 川村 継義君
   理事 内海 英男君 理事 上林山榮吉君
   理事 細田 吉藏君 理事 湊  徹郎君
   理事 金丸 徳重君 理事 斉藤 正男君
   理事 神田 大作君
      阿部 喜元君    稻葉  修君
      塩谷 一夫君    中馬 辰猪君
      福永 一臣君   三ツ林弥太郎君
      水野  清君  早稻田柳右エ門君
      川崎 寛治君    兒玉 末男君
      神門至馬夫君    芳賀  貢君
      福岡 義登君    平等 文成君
      村上 喜一君    稲富 稜人君
      小川新一郎君
 出席政府委員
        総理府総務副長
        官       鯨岡 兵輔君
        厚生省社会局長 今村  譲君
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部長 山口 真弘君
        気象庁長官   吉武 素二君
        建設省河川局長 坂野 重信君
        消防庁長官   松島 五郎君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    川上 幸郎君
        経済企画庁総合
        開発局参事官  小槫 康雄君
        大蔵大臣官房審
        議官      田代 一正君
        国税庁直税部所
        得税課長    植松 守雄君
        文部省管理局教
        育施設部長   菅野  誠君
        農林大臣官房参
        事官      荒勝  巖君
        農林省農林経済
        局保険業務課長 松永 正隆君
        農林省農地局参
        事官      井元 光一君
        食糧庁業務部長 中村健次郎君
        林野庁指導部長 松本 守雄君
        中小企業庁計画
        部金融課長   井川  博君
        運輸省自動車局
        保障課長    永光 洋一君
        気象庁予報部予
        報課主任予報官 大野 義輝君
        建設省計画局宅
        地部長     播磨 雅雄君
        建設省河川局砂
        防部長     木村 三郎君
        建設省道路局国
        道第一課長   高橋国一郎君
        建設省住宅局住
        宅総務課長   白川 英留君
        日本国有鉄道施
        設局長     北沢 秀勝君
    ―――――――――――――
七月三日
 委員山口敏夫君、佐々栄三郎君及び永井勝次郎
 君辞任につき、その補欠として中馬辰猪君、村
 山喜一君及び川崎寛治君が議長の指名で委員に
 選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 昭和四十四年六月及び七月の梅雨前線豪雨によ
 る災害対策
     ――――◇―――――
○川村委員長 これより会議を開きます。
 災害対策に関する件について調査を進めます。
 本日は、昭和四十四年六月及び七月の梅雨前線豪雨による災害対策について調査を進めます。
 この際、おはかりいたします。
 先ほどの理事会で協議いたしました結果、昭和四十四年六月及び七月の梅雨前線豪雨による被害状況調査のため、現地に委員を派遣することに決定いたしたのでありますが、理事会の決定どおり委員派遣承認の申請を行なうことに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 つきましては、派遣地、派遣の期間、期日、派遣委員の員数及びその人選並びに議長に対する承認申請手続等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、航空機利用の必要があります場合は、委員長においてその手続をいたしたいと存じますので、御了承願います。
    ―――――――――――――
○川村委員長 まず、梅雨前線豪雨による被害の状況及び対策の概要等について、政府当局から説明を聴取いたします。鯨岡総務副長官。
○鯨岡政府委員 首題の件につきましては、一昨日の午後一時から関係省庁が集まりまして情報の交換をいたしますとともに、この災害の名称を一応、いま委員長がお読み上げになりましたように、昭和四十四年六月及び七月の梅雨前線による豪雨災害といたした次第であります。
 同時に、後ほど申し上げたいと思いますが、建設政務次官を長とする調査団をきのう現地に派遣させまして、現在視察をいたしている最中でございます。
 詳細について御報告を申し上げるに先立ち、今回の豪雨によって、不幸にもおなくなりになりました方々に対して、つつしんで哀悼の意を表するとともに、羅災された多くの方々に対しては、政府といたしまして、できる限りのことをいたし、一日も早く立ち直っていただけるように努力いたす所存でございます。このことを申し上げておきたいと思います。
 まず、現在までに判明いたしました被害状況と、それに対する政府の対策について御説明を申し上げます。
 梅雨前線が、日本海側を北上する低気圧によってにわかに活発化いたしまして鹿児島県地方を中心に九州全域及び中国、四国地方等西日本各地に大雨を降らせまして、大きな被害をもたらしたのでございます。
 今回の災害の特徴は、何と申しましても記録的な降雨量によってシラス等の特殊土壌の崩壊が多発し、多くの死者を出したということでございます。
 政府といたしましては、七月一日、先ほど申し上げましたように関係各省庁の連絡会議を開催し、被災状況の情報を交換し、当面とるべき応急対策について協議するとともに、政府調査団を現地に派遣することを決定いたしたのであります。
 調査団は、渡辺建設政務次官を団長とし、鹿児島県、宮崎県、熊本県地方の被災状況を現地に調査しているところでございます。
 いままでに判明いたしました被害の概況について御説明申し上げたいと思います。
 六月二十四日からの被害を含めて御報告をいたしますと、まず、一般被害といたしましては、なくなられた方、行くえ不明合計七十一名、負傷者百三十三名、建物全半壊、流失三百二十九むね、床上、床下浸水四万七千七十六むね、罹災者の数は四万九百九十二名となっております。
 次に、施設関係等の被害といたしましては、県報告によりますると、金額にいたしまして、公共土木施設約百五十三億円、農地等約四十三億円、農作物等約三十七億円、中小企業関係約十一億円等、合計二百七十四億円と見積もられておるわけであります。
 しかしながら、これら被害状況については現に鋭意調査中でもございますので、今後なお増加するのではないかと憂慮されている次第でございます。
 次に、政府のこれに対してとっている措置を申し上げます。
 警備救難活動は、警察官、消防団が多数出動いたしまして、避難の指示、誘導、人命の救助及び行くえ不明者の捜索をはじめ、水防活動を実施いたしたのでございます。防衛庁では、自衛隊員を多数出動させて、道路啓開、堤防の応急復旧、遺体の収容等を実施いたしております。
 災害救助法の適用につきましては、鹿児島県ほか二県の三市四町に発動いたしまして、避難所の設置、たき出し、飲料水の供給、被服、寝具等の給与、医療、救出等を実施いたしております。その他防疫対策、文教対策、中小企業対策、交通、通信対策についても、現地の実情に応じて各種応急対策を講じているところであります。
 以上、政府のとっておりまする措置を簡単に御説明申し上げましたが、今回の災害の特徴を教訓といたしまして、その原因などを徹底的に究明いたし、今後の対策を講じてまいりたいと考えている次第でございます。
 視察団は、申し上げましたように政務次官を長とし、大蔵省、文部省、厚生省、農林省、それから林野庁が現地で参加いたしました。また、通産省の地方管理官が現地で参加いたしました。そのほか運輸省、建設省三名、経済企画庁、それから総理府、自治省、消防庁、合計いたしまして十七名で視察をいま続行している次第でございます。
○川村委員長 次に、建設省の説明を求めます。建設省坂野河川局長。
○坂野(重)政府委員 建設省関係を申し上げます。
 公共土木の被害は、六、七月合計いたしまして、直轄災害関係で、河川が百七十六カ所、二十三億円でございます。砂防が二カ所、八千七百万円、道路が六十一カ所、六億六千六百万円、補助災害が、個所数で一万一千二百四十五カ所、百二十億五千百万円と相なっております。なお、これ以外に都市施設が十一カ所で九百万円でございます。総計いたしまして一万一千四百九十五カ所、百五十一億二千万円の災害でございました。
 これに対しまして現在建設省がとっております対策でございます。災害の起きました直後、七月の一日に係官を宮崎県、鹿児島県等に三名巡遣いたしました。
 それから道路の交通の不能個所に対しましては、おおむね一般国道の指定区間につきましては三日中に交通を確保する見込みでございますが、八号線の富山大橋だけはまだ交通の復旧の見込みが立っておりません。緊急復旧を必要とする個所につきましては工法協議等によって応急工事を実施することにいたしておりまして、直轄河川につきましては、緊急復旧として菊池川一カ所、大淀川七カ所を予定いたしております。
 なお、先ほど御報告ございましたように、がけくずれによる被害個所が非常に多うございますので、早急に状況を調査いたしまして、急傾斜地崩壊対策事業に採択できるものにつきましては直ちに対策事業を実施できるように準備いたしております。
 なお、急傾斜地崩壊対策事業の急傾斜地に関する法律につきましては、去る七月一日公布に相なりましたが、八月一日施行目途ということで、施行の期日を早めるように目下努力いたしております。
 直轄災害につきましては早急に現地調査を行ないまして、予備費を要求することにいたしております。なお、補助災害及び都市施設につきましては、現地の準備完了を待って早急に査定を実施し、予備費を要求する予定にしております。
 なお、住宅金融公庫において、現地調査のため、係官を福岡支所並びに熊本支所からそれぞれ三十日及び一日に派遣いたしまして、指導に当たっております。
 以上でございます。
○川村委員長 次に、農林省の説明を求めます。農林省荒勝官房参事官。
○荒勝説明員 農林省関係の被害状況を御説明申し上げます。
 ただいまお手元に差し上げましたガリ版刷りの資料を中心にして御説明申し上げますが、六月二十四日から二十六日にかけての梅雨前線豪雨による被害が一つのグループ、それからさらに今回の七月に入りましてからの被害のグループ、二つのグループがございまして、その被害の概要につきましては、都府県並びに営林局からただいま集計された数字でございますが、その二十四日から二十六日までの被害は約三十都府県に及んでおりまして、内訳は、農作物等が、これは主として果樹、野菜が中心でございましたが、約十二億四千万円の被害が出ておりまして、農地等が約二千百カ所、約二億八千万円、農業用施設が約二千五百カ所、約十億八千万円、林野関係が国有林を含めまして約十四億一千万円、水産関係が約二千万円でございまして、被害額の合計が約四十億三千万円でございます。
 さらに今回の二十八日以降の大災害のほうは、現在まだ進行中で、十分報告が集まっておりませんが、二十一の府県に及びまして、被害の内訳は、農作物等が、これは水稲が中心でございまして、約二十四億八千万円、農地が約千七百カ所、約四億九千万円、農業用施設が約四千二百カ所で約十九億八千万円、林野関係が国有林を中心といたしまして約二十億一千万円、被害の合計は約六十九億六千万円に及んでおります。
 以上の梅雨前線豪雨の現在までの被害額の推定の合計は約百九億九千万円になっております。
 これにつきましては、直ちに農林省といたしましても内部で検討いたしますとともに、現地に林野並びに農地の担当官を派遣いたしまして、現地で調査及び指導をいたしております。
 今後、こういう被害を受けました農地、農業用施設あるいは林道施設等につきましては、暫定法、負担法によりまして直ちに万全の措置を講じたいと思っております。特に田植え期前後でありますので、かんがい用施設の被害のあるものにつきましては緊急の工事を施行したい、こういうふうに思っております。
 山地の崩壊によります人家等の被害がありましたので、民生安定上直ちに緊急治山工事を行ないまして、このあと始末をいたしたい。また、シラス土壌地帯が被害が大きく出ておりますので、このシラス対策上緊急的に何か今後整備をしたいと考えております。
 なお、水稲につきましては、一応ことしは少し干ばつぎみで田植えがおくれぎみだったのですが、第一回の六月二十四、五日ごろの雨で直ちに植えつけたところが、今回の再びの大豪雨で今度は流れてしまいましたので、それについての苗の対策を講じる必要がありますので、現在緊急に検討をしている、こういうことでございます。
○川村委員長 次に、厚生省の説明を求めます。今村社会局長。
○今村(譲)政府委員 厚生省関係の御説明を申し上げます。
 本日の午前八時現在でございますが、第一点は災害救助法の発動状況でございます。これは鹿児島県では、川内市六月三十日の午後二時、鹿児島市が午後八時、薩摩郡東郷町が三十日の午後十時発動であります。宮崎県は都城市が三十日の午後四時半、福岡県は、市はございませんが、町だけ三カ所、瀬高町、吉井町、浮羽町、いずれも七月一日の発動でございます。
 その三市四町における被害、発動地域におきます被害状況につきましては、死者十八名、負傷者三十二名、それから住家の被害につきましては、全壊が五十七戸、半壊が三十戸、床上浸水が六千六百五十三、床下浸水が九千三百六十、こういうことに相なっております。
 救助の実施状況につきましては、災害救助法発動と同時にそれぞれの対策をいたしましたが、鹿児島県におきましては、避難所が十八カ所、三千五百人収容、宮崎県が、都城でありますが、六カ所、千七百人収容、福岡県は七カ所、六百人収容ということでございます。それぞれたき出しとか、それぞれの手当てをいたしております。
 それから飲料水の供給につきましては、川内市、東郷町につきまして消防車五台ということで、五千六百人の給水を実施中でございます。それに関連しまして、被服等につきましては、毛布あるいは日用品そのほかのものをそれぞれ現地に急送して大体配給を終わっております。
 そのほか、鹿児島県におきましては小学生千七百人、中学生千二百人に対して学用品を本日中に全部配給を終わりたいということで準備しております。宮崎、福岡につきましては対象者を目下調査中で、早急にこれも今明日中に配給をいたしたい、こういう状況でございます。
 それから衛生関係につきましては、水の問題でありますが、災害救助法発動地域ではありませんが、福岡の田川市で浄水場ががけくずれによって一部パイプがこわれました。これは今朝復旧いたしましたが、それまで二トン車二台ということで給水を実施しておりました。それから簡易水道では、鹿児島県垂水市でありますが、部落の簡易水道が一部破損、使用不能で、給水いたしておりますが、明後日五日復旧予定ということでございます。
 それから防疫関係につきましては、水の引きました地域におきましては早急に消毒活動に入っております。現在のところにおきましては伝染病の発生は、報告ではございません。ただ検病調査といいまして、保健所を総動員いたしまして住民のいわゆる健康状態調査をして、もし何かありますならば早急に活動できるように、消毒器材、医薬品資材というものを各県の衛生部において準備中でございます。
 以上でございます。
○川村委員長 これにて説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○川村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上林山榮吉君。
○上林山委員 昭和四十四年六月及び七月の梅雨前線による豪雨災害について、ただいま政府側の御報告を聞いたわけでございますが、私は、質疑に先立ちまして、この豪雨災害によって、鹿児島県をはじめとする南九州あるいは西部日本の各地においてなくなられた方々に対し、つつしんで哀悼のまことをささげたいと思います。
 まず、政府が、この災害が起こるや直ちに災害救助法の適用をされたこと、また御報告にありましたとおり、昨日各省庁の関係官がそれぞれ現地に視察調査に行かれたこと、当然のことながら、私は適当な時期に緊急にその処置をとられたことに対して多とするものであります。ただ、願わくば、これが事務的調査に終わらず、そして単に役人的感覚で報告をするという、そういう義務的なものに終わらずに、ひとつ慎重なる調査をされて、これが予算執行その他に対する適切なる処置をなし得るような調査をしてもらうと同時に、また局に立たれる政府側のそれぞれの方々はひとつ理屈のみにとらわれないで、理屈は大事でございますが、それと同時に血の通った処置というものをぜひとも努力をしていただきたいということを強く要望いたしておきたいと思います。
 次に、そういう観点に立ってお伺いしておきたいことは、当面の一番大きな問題は、政府側がこの実態調査に基づいて激甚地災害の指定をいつやられる予定であるか。当然激甚地災害の指定をやられるであろうが、これは一日も早く激甚地の災害に指定されることが、被災地のそれぞれの人々に対して安心感を与えるものである、私はしかく考えますので、この基本的な政府の熱意ある態度を伺っておきたい、こう思います。
○鯨岡政府委員 第一点は、視察団が行ったことは適切な処置であったが、それはおざなりなものであっては相ならない、血の通ったものでなければいけないという御指摘、ありがたく承りまして、まさに仰せのとおりでございますので、渡辺団長外十七名、かなり徹底的にこの原因の究明に当たって、逐次報告がこちらに届いているような次第であります。日程等もございますけれども、もし必要ならば日程を延ばしてもできるだけのことを視察してきてくれるようにこちらからもお願いをいたしてありますし、そういう連絡も先方にいたしておるような次第でございますので、その点御了承いただきたいと思います。
 それから、局地激甚の指定を早くやらなければいけないであろうというお話でありますが、まさにそのとおりであります。特に、農林省のほうからあとでお聞き取りをいただきたいとも思いますが、時節柄でもございますのでこれがおくれては何にもなりません。視察団が帰りましたならばその報告に基づきまして、局地激甚の適用をする地点がありますれば詳細に検討の上、できるだけすみやかにこれが指定をいたしたい、こういうふうに考えている次第でございますので、御了承いただきたいと思います。
○上林山委員 今度の災害で急傾斜のがけくずれ、特に特殊土壌、いわゆるシラスあるいはボラ、コラ、こういう方面の酸性土壌、これによって非常に被害が起こっておる、しかもその被害は人命に非常なる影響を及ぼした、こういうことでございます。この南九州、特に鹿児島などのシラス対策のために議員立法で特殊土壌法ができておりますが、この災害の特殊性にかんがみて、その時限立法はあとわずか二年だと思いますが、この二年の間に急傾斜ないしはシラス対策による、いわゆる被害を未然に防止することができるであろうか。私は危惧の念を持っておるわけですが、政府側はあと二年間で、今度の災害を手本としてこういう災害が再び起こらないようにできるという見通しかどうか。これは企画庁から答弁願ってもいいと思いますが、あるいは総務副長官でもけっこうですが、どう考えておるか。できるかできないか。できないとするならばこれはまた時限立法をやって、時限立法を何年やれば大体において――これは神さまでないから万全を期することはできないけれども、大体においてこれを未然に防ぎ得るという見通しはあと五年延長すればいいのか、そういうようなことをもう少しひとつ根本的に考えてもらいたい。その場を糊塗する質疑応答では私は意味がないと思いますので、この問題を取り上げておきたいと思います。
○鯨岡政府委員 お答えいたします。
 あのシラスの問題につきましては先生十分御承知のことでありますが、申し上げましたように非常に記録的な雨であったことも原因で一ありますが、それにいたしましてもこういうシラスという特殊土壌で、ある一定限度以上の降雨によってその土壌が液状になって流れ出すというような特殊なところでございますので、五十八名という死者を出したような痛ましいことになったわけでありますが、私どもがいま当面問題といたしておりますのは、これが宅地造成の場合に特殊な地面であるということを計算に入れた万全の対策が施されておったかいなかという問題であります。これは県の住宅供給公社などが手がけているところもくずれておりますし、民間の宅地造成でやったところもくずれております。それぞれ責任は追及せらるべきものであると考えて、詳細の報告をいま待っている次第であります。
 お尋ねの、時限立法がもうあとわずかで切れるが、その間に今日のような時点から見てだいじょうぶであるかということにつきましては、私もこういう事態を見ますれば危惧の急を抱かざるを得ないわけでありますが、これらにつきましても、報告をもとにいたしまして関係省庁と密に連絡の上ひとつ考えてみたい。そしてこれをもし延ばす必要があるならばあらためてそれを議会側にお願いをするということにもなろうかと、こう考えている次第であります。
○上林山委員 シラス地帯の住宅造成地の問題についてはいま副長官がお述べになりましたが、建設省はそういう方面の宅地造成に対してはどういう注意、監督をしておるのかという点。
 それから、農林省のいわゆるシラスに対する防災対策は、今度の災害でも相当影響を受けたようでございますが、これらに対しても雨量その他の条件の変化というものを考えて今後改善すべき点をどう持っておるか、この二つの問題について両当局から説明を聞きたいと思います。
○播磨説明員 シラス地帯の宅地造成につきましては、このシラスと申しまする特殊土壌が非常に複雑なる性質を持っておりまして、建設省でも土質工学会に委託いたしまして実験を行ないましたり、いろいろ調査はいたしたのでございますが、まだこれが一番よいという決定的な答えは出ていない状況でございます。ただ、この研究の過程におきましてかなり顕著な特質がわかっておりまして、たとえば水をとにかく徹底的に排除すればかなり強いというふうな特質はわかっておりますので、表面の水をできるだけがけのほうへ落とさないように、すみやかに安全な方向へ排除するような工法をとること、それからもう一つは、こういった地帯で大規模な宅地造成を行ないます場合には、雨が降りますととにかく流れやすいものでございますから、一種の防災ダムのようなものを設けまして、多少の流出がございましてもそこで防止いたしまして、区域外には迷惑をかけないようにする、そういったような点に十分注意するように指導いたしておる段階でございます。今後さらに検討を進めまして工法の開発につとめてまいりたいと思っております。
○荒勝説明員 この特殊土壌対策といたしましては、特にシラス、ボラ、コラということにつきましては、先ほど御質問にありましたように、この辺の農地の保全については全体として鋭意現在実施中でありまして、特に第四次特殊土壌地帯対策事業といたしまして、全体計画として四十二年から四十六年にかけての進捗については現在計画的に一応進捗しておる次第でございます。
 なお、この災害については、被害をこうむりました農地及び農業用施設の復旧についてはもちろんのこと、復旧施設の機能維持のために今後さらに土どめ工事とかあるいは排水工事等を並行して実施するようにいたしたい、農地の対策としてはそういうふうに考えている次第でございます。
 なお、林野につきましても、この特殊土壌対策の一環といたしまして、われわれとしましても、こういう特殊土壌地帯では災害が発生することが非常に多いということで、従来から荒廃地の復旧ということ、並びに予防治山事業というものを重点的に推進してきている次第でございまして、第三次治山事業五カ年計画においてもこれが対策をさらに積極的に進めたいというふうに考えておった次第であります。また、特に今回被害を受けました地帯につきましては、人家、農地等に非常に影響がありまして、民生安定上重要でありましたので、今回の被害を受けました地区につきましては関係者と十分に連絡をとりまして、特に山村地区につきましては緊急治山事業を超重点的に実施いたしたい、こういうように考えている次第であります。
○上林山委員 ただいま建設、農林両当局からの説明を聞きますと、どうも特殊土壌、特にシラス対策に対しては確たる自信を持っていないようでございます。どちらかというとまだ御研究なり熱意なりが足らぬように見受けられてなりません。どうかこの点はひとつもっと積極的に御研究になって対策を講じてもらいたい。これを要望いたしておきます。
 次に、道路、河川、農地災害、中には中小企業の災害も相当あるわけでございますが、こういう方面のそれぞれの予算は予備費をもって十分まかなえるという見通しがあるのかどうか。これは精細な調査報告がまだ来ておらぬということもありましょうが、概算していま報告されているものをもっと上回るものと仮定して、予備費で十分間に合うとか、あるいは既定の経費で十分間に合う、対策ができるとか、こういうような見通しについてはどういうように考えておるのか、これを承っておきたい。
○鯨岡政府委員 お答えいたします。
 当然、御質問のように、現在予想されている災害の復旧にあたっては予備費をもってこれが対策を実行しなければならない。いまのところではそういうように考えているわけであります。お申し越しどおり調査の結果を待ちましてさらに詳細な検討をいたさなければなりませんけれども、いまの段階ではそのように政府といたしましては考えている次第でございます。
○上林山委員 申し合わせの時間もだんだん来るようでありますから多くを申し上げませんが、私は最後に、これは担当の大臣あるいは建設省と農林省も含めて、こういう重大な災害があり、しかも人命に多数の死傷を来たした、こういうときに、鯨岡副長官はりっぱな人だけれども、わきから見て責任体制というものがどうもはっきりしない。私は、大臣全部が出ないでも、せめて一人ぐらいは繰り合わせて当委員会に出るべきであると思う。私は野党ではありませんけれども、少なくともそれくらいの熱意を示すべきだと思う。そういう意味においてまことにその点は遺憾であるから、鯨岡副長官から、自分のところの大臣あるいはほかのところの大臣にも、これは政府として委員会で非常に不平を買ったという御連絡を願っておきたい。
 これをもちまして私の質疑を終わります。
○川村委員長 村山喜一君。
○村山(喜)委員 初めに、今度の六月及び七月の梅雨前線による豪雨によります死傷者の皆さん、また被害を受けられた皆さま方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 私もちょうどこの集中的な豪雨のときに鹿児島のほうへ帰っておりまして、大正五年以来の大雨だといわれている今度の記録的な災害の現場を見てきたのでございますが、特に私の鹿児島県では災害救助法の適用を受けたところが三市町村に及ぶわけでございます。特に川内市という町は二十四時間も濁流が床上を洗っておるという状況が続いておりまして、約七千戸の住宅が浸水を受けておる。この状態を見まして、気象庁の雨量の測定によりますると、川内川の上流のえびの高原におきましては八百ミリの大雨が降っている。それから川内の市街地地区におきましても、きのう電話で連絡をいたしたのでございますが、この二十八日から三十日の間にかけて約五百ミリの大雨が降っている。そこで、きょうはまだあとの質疑者の関係がありますから、私は二、三点にしぼって質問をいたしたいと思います。
 それは、鶴田ダムという治水関係のダムが川内川の上流につくられているわけでありますが、これの洪水調節ははたしてうまくいったのであろうか。六メートル七十二という水位まで記録をしているようでありますが、この計画洪水量というものから見たときに、この水位というもので見たら、まあ本川関係は一応治水の上から見て有効なダムの効果があらわれていると思うのでありますが、川内川の支川関係等については、こういうような大規模な豪雨の量を測定をして、それに対応する治水対策あるいは湛水排除の措置が十分になされていないのではないか、計画的にそういうようなものを予想していないのではないかという気がするのでありますが、その点はいかがでございましょうか。
○坂野(重)政府委員 お答えいたします。
 鶴田ダムにつきましては、先生御指摘のように洪水調節と電力、水力発電と兼ねております。主体は洪水調節でございまして、今回の災害に際しましては、鶴田ダムの洪水調節の役割りは結論的には非常にうまくいったというぐあいに考えておりまして、ちょうど洪水の下流に対するピークの付近におきまして鶴田ダムによる洪水調節がきいたために、あの地点において、下流の川内地点において最高の計画の水位に対しまして二十三センチばかり下がりのピークの水位を見たわけでございまして、三千五百というのが計画の流量になっておりまして、それに対しまして鶴田ダムの効果が出たために三千でおさまったわけでございます。もし鶴田ダムの洪水調節がなければあるいは既定の計画以上の水位が出たかもしれないということで、まことにりつ然たるものがあるわけでございます。そういう意味におきましては、本川の洪水の出水に対しては計画のルールに従いまして操作を行なっておりまして、むしろ所定の一定の計画以上の調節を、いわゆるオーバーカットと私ども称しておりますが、そういうこともやりまして、本川の洪水の低減には十分役立ったというぐあいに私どもは考えております。
 その他支流の問題あるいは内水の問題等につきましては、先生御指摘のように確かに本川の進捗等に比べますと若干おくれていることは事実でございまして、特に今度浸水を見ました春田川等は普通河川でございましたものが流れておったものでございます。そういう流域等におきましてかなりの内水の湛水を見たわけでございます。それにつきましてはたまたま調査中でございまして、対策を検討中でございまして、検討中の段階においてそういった内水の被害を見たということはまことに残念でございます。しかし私どもはこれを契機にして、早急にひとつそういった内水排除のポンプの施設というものを、できれば今年度中に着工するような方向で検討してまいりたいと思うわけでございます。なお、支川の問題につきましては、中小河川の改修等がございまして、できるだけ事業を進めておりますけれども、なお大いに促進に努力してまいりたいと思っておるのでございます。
○村山(喜)委員 建設省河川局長のお答え、そのとおりだと思うのですが、特に今回二十四時間もそういったような濁流が床上を洗うというような状態、そしてなお今日まだ水が引かないという状態、これは上流における雨量の問題と同時に、平たん地における記録的な大雨といいますか、それによって湛水状態になる、水の中に浸っているような状態が出ている中で、前に川内市の五代地区のほうに農林省の排水関係の施設が四台設置をされまして、今度非常に大きな効果を発揮したということを聞いているのであります。ところがいまお話がありました春田川等につきましては、これが一級河川として指定をされたものの、現在まだ調査の段階にある、こういう状況でございますので、いろいろ前から湛水排除の問題については農林省関係、あるいは建設省の公共事業関係、それから都市計画事業によります下水排水の問題等、住民から見た場合には、自分たちの財政負担によらないで、堤防ができたことに伴うそういうような問題が派生したのだから、国がやはり直接の責任を持って、直轄河川でございますから、処理をしてもらいたいという要請が前から強かったわけであります。ところがそれが十分な措置がとられない中でこういうふうな問題が出たのでありますから、いま話がありましたように、もっと前向きの形でこの問題については取り組んでいただいて、そういうような、水に浸りながら生活をするというような状態が続かないように御処理を願いたいと思いますが、その点についてもう一回、そういう決意のほどをお聞きいたしたいと思うわけです。
○坂野(重)政府委員 お答えいたします。
 御指摘のとおりに、従来河川工事の順序といたしましては、できるだけ本堤をともかく早くつくろう、そして外水をまず防ごうというのが重点といいますか、順序でございました。外水を防ぐと同時に、今度は内水の問題についてもやはり問題がだんだん生じてまいりますので、私どもの最近の方向としては、新治水事業五カ年計画におきましても中小河川の改修というものを重点的に考える、内水排除の問題も重点的に考えるということにしておりますので、その間において下水道との分担、あるいは農林省との調整もございますが、そういうものをケース・バイ・ケースで調整すべきものは早く調整いたしまして、できるだけひとつそういう方面の事業を推進するように格段の努力を払ってまいりたい、かように考えております。
○村山(喜)委員 時間の割り当てが少ないわけでございますから次の問題に入ります。
 それは、先ほど質問がございましたが、局地激甚災の指定の問題でございます。これは指定基準を調べてまいりますと、災害査定等による公共施設の被害総額がまとまるのには相当の日時が要るだろうと思いますが、その第三項の当該市町村の区域内にあります中小企業関係の災害額というものから見るならば、これは直ちにと言ってもいいぐらいに適用の対象として救済措置が講ぜられるのではないかと見るのであります。というのは、県の統計資料等から見まして、鉱工業並びに商業、第三次産業関係の生産所得関係はわかっているわけであります。そして今度の被害が、特に中小企業関係の商店街の品物等がもう完全にぬれてしまって、あるスーパーマーケットのごときはお菓子類がトラックで五台くらい水浸しになってどうにもならないというような状態が出ておるわけであります。家財道具はもちろんのこと、そういうような商品関係が完全にいかれてしまった、その被害総額約九億六千万円というのがこの地区だけで出ているわけでありますから、それから言うならば、所得の上で見た場合には当然一〇%を上回る金額であることは明らかであります。そういうような点で、すでに通産省のほうでも通商局のほうから現地に調査に行っているようでありますが、そのような状態を見るならば、私はこの第三項の点からだけでも激甚災の指定は間違いなく適用しなければならない被害状態だ、こういうふうに考えるわけです。先ほどは実情の報告等を見た上でというお話でございましたけれども、早急な措置が――ほかの条項についてはまたいろいろ綿密な調査が必要でありますからそこまでいきませんけれども、その点だけでも安心感を与えることができるのではないかと思うのですが、鯨岡副長官の説明を願いたいと思います。
○鯨岡政府委員 お答えいたします。
 局地激甚災害については、いまお話しのように公共土木施設、さらには農地、そして中小企業とあるわけですが、お話にもありましたように、前二者につきましてはかなり詳細な査定等もありますので、これまた一日も早くやらなければなりませんから前向きに大急ぎでやらなければならぬことは言うまでもないのですが、若干の日にちを要することはいたし方がないと思うわけでありますけれども、お話しのように中小企業の災害につきましては、前二者と比べてみれば比較にならないくらい早くわかるであろうと思うわけであります。いまお話しのように中小企業者が品物をたくさんぬらしたりこわしたりしたというようなことは、いまのところわれわれにも情報としてはひんぱんに入ってきているわけであります。詳細に検討いたしまして、できるだけ早く御趣旨に沿って中小企業の局地激甚指定はいたしたい、こう考えておるわけでありますが、詳細については通産省のほうからお答えいたします。
○井川説明員 ただいま副長官からお答え申し上げましたとおりでございます。ただわれわれのほうといたしましては、現地の福岡通産局の担当課長以下数名を、最も災害の大きかった川内市に派遣をいたしまして詳細の調査中でございます。現地では救急活動等が現在中心になっておりまして、詳細の調査にはまだちょっと日数を要するという状況でございますけれども、この点可及的すみやかに調査をやりたい。それから先ほど先生おっしゃいましたように、川内市の中小企業の被害額といたしましては、現地からは九億六千万ということで、特に商業関係が五億をこえるというふうな被害の状況を連絡してまいっております。そのほか各種の詳細な調査をいたしまして、激甚災の基準に該当しておりますれば直ちに関係各省と連絡の上、その手続をとりたいというふうに考えております。
○村山(喜)委員 このときのいわゆる中小企業所得というのは、これは売り上げ高ではなくて収益を意味するものだと思うのですが、生産所得でこの問題の基準は当てはめてやるのでありますか、それとも営業所得として、荒利益等が出てまいりますので、それを基礎としてやるのでありますか。その点からいった場合にどちらが正しいのかわかりませんが、現在の販売高、それからその生産所得、荒利益、こういうようなものの上から見たときに、地元のほうから出てまいりました九億六千万円というものがもし正当であるとするならば、それだけで一〇%の基準をオーバーしていると思うのでありますが、その点から見たらどういうことになるのか。もっと明確にその点の御答弁を願いたいわけです。
○井川説明員 中小企業所得の計算方法は付加価値の計算方法を用いまして、これは生産者、それから卸、小売り、その他のサービス業、それぞれの計算方法がございます。ただ、これももう少し詳細に調査をしないといけないのですが、現地のほうに問い合わせましたところ、昨年、四十三年度の川内市の中小企業所得が七十数億であるというふうな報告が参っております。今年度の所得推計をさっそくやるわけでございますけれども、常識的に考えましたところ、先生おっしゃるとおり、先ほどの被害額九億六千万というのが正確であれば、一〇%以上という基準に該当するのじゃないかと現在考えておるわけでございますが、まだ正確なところは調査の結果に待たざるを得ないと考えております。
○村山(喜)委員 できるだけすみやかな措置を講じていただきたいと思います。
 それと同時に、中小企業者に対する金融措置でございますが、中小企業金融公庫なりあるいは商工中金、さらに国民金融公庫というような政府の系統金融機関がございます。それの融資、災害資金等の問題については、特別ワクの設定とまではまいりませんでしょうが、やりくりをつけていただいて十分な措置をとっていただきたいと思うわけでありますが、それに対する用意がどのようにあるのか。
 それから、大蔵省の関係になってまいりますが、それだけでは一五%ないし二〇%程度しか資金需要を満たし得ないのが今日の状況でございますから、民間の金融機関等が貸し出す場合を相当考えておかなければならないかと思うのであります。そのときに、そういうように商品類はぬれてしまって、もう投げ売りをしなければならないという状態が今日の姿でありますから、担保物件はあまりない。その場合に預貸率で貸し付けを行なう金融機関を締めつけたり、あるいは拘束分の解除、これは事実上歩積み両建てをとっておる金融機関もまだ残っておるわけでございますが、そういうようなものの解除等について、あるいは手形期間の延長の問題について、それぞれ財務当局やあるいは日銀関係のほうを通じての行政指導を大蔵省ではやっているわけですが、そういうような民間の金融機関等による災害資金の融資については、そういうような一律的なやり方では救済はできないだろうと私は思うのでありますが、それに対する対策をどういうふうに考えていこうと思っていらっしゃるのですか、お答えをいただきたいと思います。
 それから、時間の関係がありますから引き続いてお尋ねをいたしますが、天災融資法による天災の指定という問題については、見通しとして農林省はどういうふうな見込みを考えておいでになるか。
 さらにまた、先ほどは負担法並びに暫定法によるところの対象としてやるんだという考え方を発表されたのでありますが、激甚災の指定として、基準から見た場合にどういうような見込みであるのか。これについても、六月から七月にかけての分でございますからその激甚対象になるように、全国的に集計ができ上がれば対象として救済措置が講ぜられるわけでございますから、それについての見通しを説明願っておきたいのであります。
○井川説明員 中小企業庁から第一点の政府系三機関の処置についてお答えを申し上げたいと思いますが、中小企業政府系三機関へ、災害の際には現地からの期待も非常に多うございます。現在三機関とも、支店におきましては支店長ないし担当の者が現地を視察に参っておるわけでございますが、今後できるだけ現地において金融相談が受けられるように、そういう処置を講ずべく指示をいたしているわけでございます。先生のお話で、そうした政府金融機関の貸し付けの場合のワクの問題の話があったわけでございますけれども、毎年こうした災害が起こるわけでございまして、政府系三機関の現在のワクの中で十分処置をし得る。したがいまして、当該支店として支店の割り当てワクを超過するというふうな場合には、これは本店のほうで弾力的な操作をするということになっておりまして、現地のそうした需要には十分対処し得るのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○田代説明員 ただいまの御質問の第二点の民間金融機関の問題について御説明いたします。
 民間金融機関の災害対策につきましては、かねて、昭和三十年十二月の銀行局長発財務局長あての「災害地に対する金融上の措置について」という通達がございまして、その通達の内容といたしましては、災害発生の場合は、現地の日本銀行支店長とも協議の上、民間金融機関相互間の協調をはかって、必要と認められる範囲内で各種の措置を講じなさいということで、特に災害関係の融資について、あるいはまた預貯金の払い戻し、中途解約について、あるいはまた手形交換について、という事項が並んでおるわけであります。今回もこの通達の趣旨に従いまして、現地南九州財務局、鹿児島財務部並びに日本銀行鹿児島支店という機関と、現地の民間金融機関とが協議をいたしまして、そこで幾つかの決定をいままでいたしております。
 一つは、罹災預金者の利便をはかるために、七月一日から七月十五日までは、たとえて申しますと、預金通帳とか印鑑を流失した罹災者につきましては、本人を確認の上、便宜的に支払いをするというようなこと。それからまた手形交換等につきましては、手形、小切手の不渡りについては、その原因が水害に基づくものと決定した場合には、交換所は差しあたり不渡り処分を猶予するとかいうことのほかに、最後に、災害関係の融資につきましては極力相談に応じ、融資手続等については実情に即して取り扱う。それからなお、既往貸し出しの期限の延長、切りかえ、継続等については、実情に応じて考慮するという措置を決定しているわけでございます。
 なお、一番最後の融資の問題に関連いたしまして、早くも、たとえて申しますと、鹿児島銀行におきましては総額十億円程度、一人当たりの限度として二百万円以内、金利は二銭五厘、保証づきの場合には二銭一厘以内、期間は五年以内分割返済ということをすでに決定いたしておりますし、また宮崎銀行、旭相互銀行におきましても、総ワクは設けておりませんが、おおむね同じような決定を現在いたしておるわけでございます。
 こういった特殊な決定を行なわれたということにつきましては、日本銀行におきましても、また大蔵省の出先の財務局も、十分承知の上でやっているわけでございますので、ただいま先生の御心配になったような問題はないんじゃなかろうか、こういうように考えるわけでございます。
○荒勝説明員 天災融資法の発動につきましては、ただいまお手元に差し上げました資料によりますと、一応都道府県報告でございますが、農作物等の被害は総額約三十七億円になっておる次第でございますが、農林省といたしましては、現在各県に設置しております農林省の統計調査事務所を通じまして、全力をあげまして被害状況を把握しております。この報告がないと、現在の段階ではまだ天災融資法を発動できるかどうかにつきましては多少困難ではなかろうか、こういうように思っております。なお、局地激甚の件につきましても同様でございまして、地元の農林漁業関係の施設の災害状況の査定が終わりませんと結論を出し得ないというのが現状でございます。
○村山(喜)委員 これで終わりますが、最後に鯨岡副長官に、私、質疑とともに要請を申し上げておきたいと思います。
○川村委員長 ちょっと速記をやめてください。
  〔速記中止〕
○川村委員長 速記を始めてください。
○村山(喜)委員 それでは、鯨岡副長官にはあとで適当な機会に要請を申し上げたいと思います。
 参事官がおいでですから一応話をしておきますが、今度の場合、現地からの報告によりますと、とにかく鉄砲水のように増水をしてきて、荷物を片づけるひまもなくて、着のみ着のままで避難をしている。それで、もう家の中にあるものはぬれないものはないというぐらいに、ふとんから畳から全部やられている地域なんです。それを考えますと、災害救助法の発動によりまして毛布はもらった、一応夏場ですからいいでしょう。しかしながら、衣類からそういうものを全部やられてしまったが、そういうような個人の災害等については、現在の災害救助法の立場から見るとほとんど救済の措置は講じられない、こういうような状況にあります。このときにやはり県なりあるいは当該市町村なりが何らかの――新潟県の豪雨の被害のときにはそれぞれ見舞い金等の措置を講じたようでありますが、こういうような措置を講じたときに、それを特別交付税等で措置をしてやるというような、そういう制度的なものを考えるべき段階にあるのではないかと私は思うのですが、中央防災会議あたりとしては、そういうような個人災害等に対する見舞い等の問題に対して、都道府県あるいは市町村が行なった措置等については何らかの方法を考えるべきだということで対処する方法はお持ちになっていないのかどうか、この点だけ聞いて私の質問を終わりたいと思います。
○川上説明員 お答えいたします。
 ただいまの件につきましては、関係各省に随時お集まり願いまして従来討議しておったところでございますが、先生がおっしゃいますとおり、はなはだ遺憾ではございますが、まだ十分な成果を得ておりません。しかしながら、本件につきましては各省とも非常に心配しておりますし、総理府におきましても長官、副長官とも非常に熱意を持っておりますので、今後なお努力をいたしたい、こう考えておる次第でございます。
○川村委員長 兒玉末男君。
○兒玉委員 質疑にあたるに際しまして、今回の異常集中豪雨の災害によってとうとい生命を奪われました方々並びに罹災者一同に心からお見舞い申し上げます。
 まず、最初にお伺いしたいことは、いままで各議員の方々からも御質問がありました点を避けまして質問したいと存じますが、特に今回のこの集中豪雨というのは、先ほど村山議員からも言われましたが、鹿児島地方気象台等においてはおそらく設置以来二度目の集中豪雨だということを指摘されております。特に災害対策基本法におきましては、その第三条において国の責務が明確にされ、さらに第四条、第五条は県並びに市町村の責務ということが明確に指摘をされて、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する使命を有することにかんがみ、それらの組織、機能のすべてをあげて、いわゆる防災に関し万全の措置を講じなければならない、こういうことが明らかにされているわけであります。さらに昨日の毎日新聞の「余録」の欄にも書いてございますが、南九州地帯は百万年前から相当の期間にわたり、いわゆる火山灰の噴出灰によって特殊な土壌地帯を形成していることは、もうすでにみんなが周知の事実であります。そういう特殊な地帯にあって、しかも今回のこの集中豪雨だけでなくして、先般のえびの地震、あるいは昭和十三年の台風で六百名近いとうとい人命を奪われているという貴重な記録があるわけでありますが、こういうことに関して、特に総理府としては関係建設省なり農林省なり、あるいは気象庁との関連においてどういうような対策を今日まで検討され、とってこられたのか。特に今回の集中的な豪雨災害にかんがみて、この点まずお伺いしたいと存じます。
○川上説明員 お答えいたします。
 最近におきます集中豪雨等によりまして、各地におきまして、山、がけくずれ等が頻発しておりますが、これらの対策につきましては、先生がおっしゃいますとおりでございまして、総理府といたしましても関係各省、特に建設省、農林省等を中心といたしまして、種々打ち合わせをしておる次第でございます。
 その措置でございますが、昨年度におきましては災害危険個所の総点検等の実施につきまして、総理府からも各府県に対しましてその実施及び措置を依頼いたしますとともに、各省庁におきましても種々な措置をお願いしている次第でございます。
 なおそれ以外におきましても、災害技術の研究、気象業務の充実、治山治水事業、地すべり対策事業、急傾斜地崩壊防止事業等の、各種の法律及び予算措置によりまして予防事業を現在推進しているところでございますが、今後なお急傾斜地災害防止法の施行及び宅地造成等規制法等の適切な運用等によりまして、災害予防対策の万全を期してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○兒玉委員 建設省並びに農林省にお伺いしたいのでありますが、今回の雨量の数字というものを見てまいりますと、特に先ほど問題になりました川内川の上流地域である宮崎県のえびの、あるいは大淀川の水系にあたる都城市並びに西諸県、北諸県盆地の主たる雨量の状況というものを見ますと、たとえば大淀川の水系で最も流域の広い三股町の柳岳の場合でも、この盆地間に集中的に五百二十六ミリを記録しております。また都城市内においては五百十九ミリ、さらに川内川の上流でありますえびの地区におきましては、驚くなかれ千四十ミリというものすごい降雨量を示しておるわけであります。もちろんこういう異常な降雨ということは過去の記録においても少ないのであろうかと存じますけれども、やはり過去の長い歴史の中から考えましても、特に特殊土壌地帯としてのこういう災害に対応するためには、特にたとえば林野のいわゆる保安林設定なり、また治水のためのいわゆる砂防計画、あるいはこのようなシラス等、毎年の降雨期によって相当の土砂というものが大淀川なりあるいは川内川の河川に流出しておることは統計上明らかにされておるのじゃないかと思うのですが、こういうふうな相関関係等についてどういうような措置が今日までとられてきたのか。また農地保全なり砂防なりあるいは河川改修等についても、やはりこのような予想されるところの異常な雨量等について気象庁と緊密な連携をとってそれらの設定がなされたと思うのですけれども、今回の川内川にも見られますように異常な事態を発生しておりますが、この災害を貴重な教訓として今後どう対処されていこうとするのか、この点についての御見解を承りたいと思います。
○坂野(重)政府委員 お答えいたします。
 特土地帯の問題につきましては、先生御指摘のように非常ないろいろな問題が起きております。技術的な問題におきましても、砂防事業等を実施する場合に非常に技術的にむずかしい問題がございますので、従来建設省におきましても九州地建等を中心にいたしまして、各大学の協力を得て、いかなる対策をすれば最も効果的であるかというようなものを研究いたしておりまして、それの結果によりますと、従来の砂防事業等を重点的に実施すればかなりの効果がある。したがいまして、砂防事業を十分行なったところには災害は非常に減っているというような実態的な結論が出ておるわけでございます。それらに従いまして、私どもとしてはできるだけこういった特殊土壌地帯におきましては、先ほどお話がございましたような特殊土壌地帯の特別立法に即しまして重点的に事業を実施しているわけでございまして、特に鹿児島、長崎等につきましては他の地区に比べまして事業の伸び率というものを大幅に考えておりまして、かなりの事業を実施しているわけでございます。しかしながら今回のごときがけくずれの現象というものがやはり非常に多発しておりますので、これらに対処するためには、ぜひとも私どもは特に急傾斜に対する何らかの措置を考えなければいけないということで、このたび急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律というものをようやく御審議、可決していただきまして、できるだけこれを早く施行するように持っていきたい、できれば八月一日から施行するようにいたしたい。と同時に並行いたしまして、急傾斜地の崩壊対策事業として採択できるものはできるだけ大幅にこの際採択して、着工するように持っていきたいというぐあいに考えておりますし、また砂防事業につきましては、先ほど申し上げましたようにできるだけ、今回の災害の実態にかんがみまして、緊急砂防等において実施するものは実施するように、また災害復旧等の対策で実施するものは実施するように、あるいは河川におきましても今回の出水経験にかんがみまして、やはり中小河川の改修あるいは内水の排除の問題等が非常に重要であるということをつくづく痛感したわけでございますので、そういう方向に特に力を入れて今後河川の事業等を執行してまいりたいというぐあいに考えております。
○松本説明員 お答えいたします。
 保安林の配備計画でございますが、現在その計画を進行中でございまして、昭和三十八年現在で四百八万ヘクタールございます保安林を、四十九年には六百六十万ヘクタールに拡大をして指定をしてまいる。その途中の現在におきまして、順調にその指定が進行中であります。
 さらに、シラス地帯の林地保全につきましては特に配慮を加えまして、最近特殊土壌地帯の対策といたしまして、治山事業全体の中においてこの地帯を特に重視いたしまして、最近はその事業費の伸び率その他特に重点的にこの地帯に実施してまいっております。
○兒玉委員 時間が制約されておりますので、できるだけしぼってお尋ねします。
 次に、農林省に再度お伺いしたいのでありますが、特に今回農地並びに農業用施設が相当災害を受けましたし、田植えがほとんど終わった直後で、水稲の苗等が相当流失もしくは埋没をして被害を受けておるわけでございますが、これに対応するためにはどうしても、いままでの大体災害復旧初年度三〇%という既定的な観念にとらわれずに、そのワクを少なくとも五〇%程度に拡大をして早期復旧をはかるべきだと考えておりますが、これに対しての御所見を承りたい。
 同時にまた、今回この南九州関係の地域におきまして、特に林道の崩壊が非常にひどいわけでございまして、今後の早期復旧を強く叫ばれておるわけですが、これにつきましてはどうしても早期復旧のための国庫補助金の配分について特別の措置が講ぜられるべきだと思うのでございますが、これに対応する農林省並びに林野庁関係の御所見を承りたいと思います。
○井元説明員 農地等農業用施設の初年度の配分を三〇%というワクに押えられないように、こういう場合には特に考慮できないかという御質問でございますが、過去においても必ずしもそのワクにとらわれない場合があったわけでございますので、今後財政当局ともこの地区について打ち合わせて検討したい考えでおります。
○松本説明員 林道の災害復旧につきましては、早急に現地査定を入れまして、急を要するところから逐次復旧をしてまいりたい、このように考えております。
○兒玉委員 建設省関係にお伺いしますけれども、特に今回は橋梁の流失あるいは堤防の決壊というのが非常に多いわけであります。このような公共土木施設の復旧については、原則は原形復旧でございますけれども、こういう異常の事態に対応するためには原形復旧だけにとどまらず、やはりこの際、先ほど来申し上げたこの特殊事情というもの、特殊土壌地帯における形態から考えましても、長期の展望に立つところの改良復旧ということが真剣に検討されてしかるべきじゃないかと私は思うのでございますが、いわゆる原形復旧に依存しないで改良復旧ということにこの際重点を入れていただきたい。これについての見解をお伺いします。
○坂野(重)政府委員 御指摘のとおり、できるだけ改良復旧という方向でやってまいりたいと思うわけでございます。従来からも相当程度改良復旧をやっておるわけでございます。できるだけ今回もそういう趣旨に沿って努力いたしたい、かように考えております。
○兒玉委員 次に、これは所管がどこになるか、私もよくわかりませんが、今回中学校の学生四名が下校の途中で、一瞬にしてがけくずれのためにとうとい生命を奪われたわけでございますが、あのような時点から判断しましても、学校の児童の下校等については、当然警察関係なり道路関係者等から危険地域についての十分な指示があってしかるべきではないかと思うのでございます。特に今回のこの貴重な犠牲の経験を生かして、適切な今後の指導がとられてしかるべきではないかと思うのですが、これに対してどういうふうな措置をとられようとしておるのか。
 それから厚生省関係でございますが、特に私の都城地域におきましては、し尿処理機構が全壊しまして、かつても、あまり名誉なことではございませんけれども、赤痢の集団発生した地域でもありますし、この防疫体制についても県並びに市町村としては相当の財政的負担が予想されるわけでございますが、防疫を兼ねましたこのような措置に対してどういうふうな今後の対策をとられようとするのか。この二点についてお伺いしたいと思います。
○菅野説明員 ただいまのお話しように、宮崎県の北諸県郡三股町の三股中学校の二年の女生徒の四名が、下校中に土砂くずれにあいまして死亡したのでございます。まことにお気の毒で、私といたしましても哀悼の意を表します。
 これに関しまして文部省といたしましては、かねがね登校、下校のときの注意はいたしておったのでございますが、何ぶんにも土砂くずれの異常な道路の決壊ということになってこのような結果になりましたことは、まことに残念なことだと考えておりますが、さらに教育的に登下校の注意なども徹底いたしまして、学校の職員などにもよく注意をいたして、このようなことのないようにつとめてまいりたいと思っております。しかし、登下校になりますと、道路自体は文部省所管でなくなりますので、関係方面とも連絡し、道路自体の安全を確保されることが先決だと考えております。
○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。
 都城のただいまお話しになりました、し尿処理施設の問題、実は環境衛生局からその情報は聞いておらなかったものですから――局には来ておるかもしれませんが、帰りまして実情を調べてまた御報告申し上げたいと思います。
 いわゆる衛生部、それから保健所総動員でいまやっておるということでございますので、その復旧に対する、あるいはその事後の防疫対策に対する災害関係の費用、もちろん予備費からでありますけれども、施設整備費あるいはその運営経費というふうな問題は、実情がわかり次第、県と相談いたしましてそれぞれ対策を立てるというふうにやりたいと思っております。
○兒玉委員 終わります。
○川村委員長 川崎寛治君。
○川崎(寛)委員 限られた時間でありますから端的にお答えをしていきたいと思います。
 特にシラス地帯における宅地造成の問題を中心に伺いたいと思いますが、今回の鹿児島市の死亡者というのはほとんどこの宅地造成のがけくずれのためになくなっておるわけでありますけれども、なぜがけくずれがあったのか、がけくずれの原因は何だと見るか、まず建設省にお尋ねしたいと思います。
○坂野(重)政府委員 お答えします。
 一般的に、特にシラス地帯というのは、先生も御承知のように、土壌的に非常にもろい性質を持っている、特に雨等が降った場合においては、粘着力がないというか、非常にくずれやすいという性質があるわけでございまして、そこへもってきて人工的な原因が加わってそういうのがくずれやすいような状態に置かれた場合はもちろんくずれるわけでございます。しかし自然的な状態であっても、傾斜が一般的には三十度以上、特に一般的には三十度以上、特殊土壌地帯におきましては一般的には傾斜がかなり急であるわけでございまして、この傾斜を管理するためにはそれ相応の、かなり膨大な施設なり保護工が必要であるということでありますので、一般的にはそういった自然がけに対する保護というものは、どうしても非常な金もかかるということでおろそかになりがちであったということがいえるんじゃないかと思います。そこでそれに対するいろいろな対策としては、人工がけの場合あるいは自然がけの場合、いろいろ対応策というものは変わってくるとは思いますが、やはりそういった非常にくずれやすい問題土質の上に異常的な集中豪雨が来たということが、やはり今回のがけくずれの現象的な、最も大きな特徴といえるんじゃないかと思います。
○川崎(寛)委員 予測以上の降雨量であったということはそのとおりだと思います。しかし、いまの一般的な御答弁では、先ほど上林山委員に対する御答弁の場合に、工学的にもまだ研究が進んでいないんだ、こういうことでありましたが、私はそれでは納得しないわけです。もっと具体的にお尋ねしたいと思うのです。
 それは、三年前の七月の災害対策特別委員会で、私はこの点お尋ねをしておるわけです。そのことは三年間ちっとも変わっていないということになるわけでありまして、この三年前の際に、当時の古賀局長が答弁をしておるわけでありますけれども、シラス地帯の排水の問題、この点を具体的に答弁しておられるわけです。だからいまのそういう抽象的な御答弁ではなくて、もっと具体的にこの際伺ってみたいと思うのです。
 三年前のそのときに、土木研究所、宮崎大学、熊本大学、九大、ここらでこのシラス地帯の排水については研究してもらっておる、こういうことでした。それから私その際に、シラスにおおわれておる鹿児島大学も入れるべきじゃないか、こう言ったら、鹿児島の大学も入れましょう、こういうことだった。なお、具体的な調査の結果がまだまとまっていないから、県側の調査あるいは実態調査というものをやった上でそれらの点については研究しましょう、こういうふうに答弁をしておられるわけです。だからそれがその後どういうふうに具体的に進められたのか、そうしてどういう結果が出ておるのか、そのことで宅地造成、特にシラス地帯の宅地造成について具体的にどう指導されてきたのか、その点をお尋ねしたいと思います。つまり、時間がありませんから端的にお尋ねをしてまいりますけれども、災害が起こったたびに研究します、検討します、同じことを繰り返されるわけですね。とにかく命を守るということは最大の問題でございますから、この点については検討中ということではもう済まされない、私はこういうふうに思います。それで特に三年前、私に御答弁になっておるわけですから、その後の成果というものをお尋ねしたいと思います。
○坂野(重)政府委員 お答えいたします。
 前河川局長がお答えしましたとおり、その後鹿児島大学農学部に調査委託をやりました。調査委託の研究の課題を申し上げますと三つございまして、各種工法の検討が第一点、地震と工法との関係をどうするか、表面処理の問題でございまして、これに対して四十二年度の一カ年間で調査研究がなされました。
 その結果を結論的に申し上げます。工法としては、従来の谷頭工、流路工、ダム工にするのが有効である。これは砂防的な見地でございます。ですからまあ従来の工法でおおむね対処できる。それから、地震地帯であるから土木構造物には耐震性を考慮して設計、施工する、ということになっております。第三点が、森林の伐採、開墾、道路築設、宅地造成などについては水の適切な処理について十分配慮する。排水、そういった水文的な水の処理というものが特に重要であるということの結論も出ておりまして、これに基づきまして宅地造成等のいろいろな指導が行なわれております。
 宅造の具体的な問題については宅地部のほうから、その後どういうぐあいにこれを受けて処理しておるかという御答弁をいたします。
○播磨説明員 宅地造成に関します問題につきましては、昭和四十一年に社団法人土質工学会というものに委託費を出しまして、ここで特殊地盤における盛り土及び切り土ののり面崩壊現象及び擁壁に関する研究をしてもらいたいということで、鹿児島大学の先生も加えまして調査をいたしてもらったわけでございます。特にコンクリートブロックの擁壁を現場につくりまして、注水実験まで行ないまして一応の検討をいたしてもらったのでございますが、その結果、中間的な答申といたしましては、関連区域の水処理をすることがまず第一であるということと、若干問題はあるのでございますが、がけ面につきましては一般土壌と異なりまして、必ずしも勾配がゆるいほうが安全だというわけにはいかない、むしろ七十度以上の角度にしたほうがいいんじゃないか、これは若干議論もございますが、そういうふうな答申が出ております。
 そこで私どもは、宅造の問題といたしましてはそういったことでございますので、表面水をできるだけ安全な方向へ誘導するような方法、いわゆる地下に浸透させないような方法をとらせるということを主眼といたしまして、その後の宅造につきましては指導いたしておるわけでございますが、規制法では従来できておる宅地のがけにつきましても勧告ないしは改善命令が出せることになっております。それにつきましてはいまのところ、どういう擁壁をつくるのが一番経済的であってしかも安全が保証できるかというところでございますから、その辺につきましてまだ学者の意見が完全に一致していないという段階でございますので、至急それを詰めたいというのが現在の姿でございます。
○川崎(寛)委員 そうしますと、現在建設次官を団長にいたしまして現地調査をやっておられますから、今回の災害についてはまだ具体的な実態というのは十分に把握をされていない、こういうふうに思いますけれども、いま局長なり宅地部長なりが御答弁になりましたそういう方向で考えます場合に、今回の特に鹿児島市の問題というのは、やっぱり排水が一番問題だと思うのです。がけくずれはほとんどすべて排水の問題になっておる、こういうふうに思います。その排水の点で、これは別にどこの責任ということではなくて、どうしたらいいかという立場でお尋ねしたいと思うわけでありますけれども、排水の先ほどいろいろ研究をされたそういう成果という面で、あるいはもう常にシスラ地帯の場合には排水だと、こういうふうにいわれていながら、なぜその問題が抜本的にやられないかという点ですね、それはどこに原因があると思いますか。つまり、予測以上の降雨量だったんだ、こういうことでは、これは科学が自然に負けておることになるわけでありますから、その点は、排水の問題がなぜできなかったのか、なぜ予防工事というのができなかったのか、その点いかがですか。
○播磨説明員 そのお答えになるかどうかちょっとわかりませんが、私ども、三十七年以降、規制区域内におきまして新しい宅造をやります場合には、鹿児島県の場合は十分に二十二ミリという水がはけるような排水施設をすることを基準といたしましてチェックいたしておるわけでございますが、問題はそれ以前から宅地になっておるところで起こりましたような場合です。これはやはり既成市街地全体のやり直しのようなかっこうになるわけでございまして、そこまでなかなか、現在の宅造規制法で強制できるかどうかという問題があるわけでございます。新規に許可申請が出てくる宅造工事に対しましてはもちろんその基準でやっておるわけですが、昔の宅造に対しまして、法律上は勧告ないしは改善命令を出せるのですけれども、昔から住んでおられる方に説得力のある命令が出せるかどうかという点に、若干事実問題といたしましてこういった実現できぬ事情があるわけでございます。
○川崎(寛)委員 それは所有権の問題等との関係があるわけでありますけれども、三年前私がお尋ねしたときに、当時の宅地部長が、宅地造成に関する規制については、土質その他で排水に基準を設けて許可をやっておるのだ、こういうことになっておりますね。しかしそこで、ただシラス地帯については特にシラス地帯としての基準を設けておりません、こういうことだったわけでありますけれども、こういう特殊土壌地帯の場合は、その基準の設け方というものはこれでいいのかどうか。つまり、その当時は基準を設けておりませんということで答弁をしておられるわけでありますけれども、その結果がやっぱりこういうふうに出てくるわけですね。だから、いまの所有権その他の問題等に強制力がないという点もありますけれども、基準としてはやっぱりひとつ問題じゃないか、こういうふうに思うのです。いかがですか。
○播磨説明員 先ほど私申しました十分間に二十二ミリの雨が降りまして、流出係数が一と申しますか、その水が全部流れ出るというふうになってもだいじょうぶなような排水施設をつくりなさいということを、鹿児島県は半分以上シラス地帯でございますので、鹿児島県の基準として県は持っておるわけでございます。したがいまして、新しい宅造につきましてはそれが許可基準になっておりますので、そういった意味で、工法その他に問題があれば別ですが、基準としては一応、今度も一時間六十二ミリということでございますので、まあいいのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。
○川崎(寛)委員 そういう基準があるかわからぬ。しかし、今度は城山のがけがくずれて、それが下のほうの民家を押しつぶしているわけですね。城山の上を宅地造成して一つのレジャーセンターをつくっているわけだけれども、そのがけがくずれているわけです。それも結局排水設備の容量を越えているわけですよ。そうしますと、それはもう人間の予測を越える問題だ、どうにもならぬ不可抗力の問題だ、こういうことでいいですか。もう一ぺん再検討されるかどうか、お尋ねをします。
○播磨説明員 ただいまのレジャーセンターの話は具体的に私まだ存じておりませんので、至急検討いたしましてしかるべく善処いたします。
○川崎(寛)委員 それから、学者の御意見を聞いてと、こういうことですね。ところが、こういう特殊な地帯であるわけですから、学者の意見だけで満足しておってはいけないんじゃないか、こう思うのです。先ほど土木研究所あるいは各大学とやった、それから鹿児島大学に依頼をしてやってもらった、こういうことですわね。これは私、県にも率直に言いたいと思っておりますけれども、県なり国なりがそういう研究を技術的にあるいは学理的といいますか、そういう検討をされるわけだが、しかしその段階では、実際に災害が出てみると、どうしてもその研究したものを越えていろいろ災害が出てきますね。だからどうですか、これは私具体的に提案というか、検討願いたいと思うのでありますけれども、具体的な経験者、やはりしょっちゅうそういうことに悩んでおる諸君がおるわけですね。だから、建設業界の代表の諸君とか、具体的に工事で苦労しておる、そして災害のたびにそれにタッチをしておる、そういう者の意見も入れなければ、もう学理的なことだけじゃ済まぬのだ、私はこう思うのです。だから、そういうことを時間をおいてやるんじゃなくて、やはりこういう機会に早急にやって、何べんもそういう具体的な実務者といいますか、経験者というか、そういう者も入れてやるということをやる必要があるんじゃないか。大学の学理的な点だけで安心をするということでは私は済まないと思う。その点いかがですか。どうも責任者がなかなかいないものだからたいへんあれですけれども、この点はひとつきちんとしてもらいたいと思います。
○播磨説明員 先ほどからお答えいたしておりますように、この土壌の問題につきましてはなお引き続いて検討すべきことが残っておるわけでございます。したがいまして、県とも相談しておったわけでございますが、ただいま先生のおっしゃいましたように、実際の経験者と申しますか、そういった方々をも交えまして、実態に沿った対策を結論として出すようにいたしたい、かように考えております。
○川崎(寛)委員 たいへんこまかいことをお尋ねしますけれども、ブルドーザーで山を削るわけですね。鹿児島市は十一万の人口がそういう危険地帯に住んでおるという宿命的なものがあるわけです。農業の面でもシラス地帯の畑作で、これはもう宿命的にいま追い込まれておる。それが鹿児島市に出てくる。鹿児島は過密地帯、その過密地帯の鹿児島市はシラスの丘の上に住まなければならぬ、こういうことで、危険を承知の上で住んでいるわけですね。これは宅地造成の業者等に対する規制ももっと具体的に検討願わなければいけないと思いますけれども、そういう場合に、丘をくずして渓谷を埋めていくわけですね。埋めていった谷はそのまま埋めてありますから、そうするとその渓谷は表面は埋めてあるけれども弱いのですよ。そこらが全部、さっと水を流すといざというときには水を含む。水を含むとその圧力というものがものすごいことになるわけなんです。くどくどシラスのことを言う必要はないわけですけれども、それが流してしまって大災害を起こしているという場合もありますね。だから排水工の問題もある。しかし宅造前の原形というものと、くずしたあとのそれの強度、そういうものを具体的に検査をしなければならない。はたしてその強度を検査しなければならないという規制があるのかどうか。どうですか。少しこまかいのですけれども、しかしそれで死ぬのですからね。
○播磨説明員 現在の技術基準で申しますと、一般に山を切りましたり埋めましたりいたしましたときのその土どめとかそういった工事が、それに対する十分な能力を持っておるかどうかということは、一応計算することにはなっておるわけでございますけれども、先ほどから申しておりますように、かなり特殊な土壌でございまして、水を含みました場合にはちょっとはかりかねる威力を発揮するものでございますので、そういった点必ずしも十分ではなかったかとも思っております。大体において、あまり山をくずしたりいたしまして自然にさからうような工法自身に問題があるわけでございますので、これらにつきましては工法の開発のほかに、やはり新しい市街化調整区域の制度でございますとか、あるいはがけくずれ危険区域の制度でございますとか、建築基準法の災害危険区域でございますとか、そういった制度もきめこまかく運用いたしまして、あまりむちゃなところに宅造が行なわれないようにするということもあわせ考えまして、万全を期してまいりたいと思っております。
○川崎(寛)委員 次に、先般公布されました急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律ですね、この点で非常に問題点だと思うのでありますけれども、五戸という単位がある。しかし実際にはこういうシラス地帯ですと、その五戸の危険地域と指定された地域の別のところに危険個所がある。これはどうなるのですか。
○坂野(重)政府委員 お答えいたします。
 急傾斜の危険区域として私どもがいま考えております一つの指定基準でございますが、先生の申されましたように、人家五戸以上、五戸以下であっても公共的な病院とか学校とかは含めるということでございます。その範囲は、直接崩壊するところだけではなくて、その隣接する区域であって、それが急傾斜地の崩壊を助長したりあるいは誘発するというような、それと関連の地域も含めて全体を急傾斜の崩壊危険区域というぐあいにまず指定いたしまして、その次の作業としては、それは直接傾斜があって、それが加害者的な立場で、それ自体が崩壊するおそれがあるという場合を限って危険区域として指定いたしまして、今度その崩壊によって被害を受ける地域で、もう少し広い地域があるわけです。直接その急傾斜地以外のところで、急傾斜地の崩壊があって、そのために下のほうの平地まで相当な距離に及ぶ災害を受ける危険のある地域というのは、急傾斜地の法律では建築基準法の場をかりまして、災害危険区域として指定するということに、二本立てになっておりますので、今度は、急傾斜地の法律を適用するにあたってはそういう面はカバーできると思います。
○川崎(寛)委員 それから、そういう特殊な地帯でありますので、この急傾斜地の法によっても具体的にはなかなか回ってこないわけですね。一年一年の実施個所というのはたいへん制限されてくるわけです。ところが災害は毎年やってきますし、さらに八月にはまた台風シーズンになるわけであります。そこでどうですか、こうしたシラス地帯のような特殊な地帯については、宅地造成者あるいは県、市、そうした地方自治体等においても十分に措置し得ない、範囲を越える問題があると思うのです。だから、この地域については、たとえばシラス地帯だと排水工というのが最大の問題でありますが、そういうものについては特別立法でこの問題を早急に措置をしていくということは検討できないものかどうか。
○坂野(重)政府委員 お答えいたします。
 急傾斜地の法案を審議していただくときも実はかなりそういう議論が出てまいりまして、基本法的なものをつくべきじゃないかという議論がありましたが、御承知のように宅造の関係では宅造等の規制法がございますし、また農林省の森林の関係では森林法もございますし、また砂防法、地すべり法、それに今度の急傾斜地の崩壊による災害の防止法というのはいわばそれの補完的な法律でございまして、それらを組み合わせていきまして、できるだけ指定を大幅に弾力的にいたしますことによって何とかカバーできるのじゃないか。それで、宅造規制法あるいは砂防法等でも、急傾斜地の法律によりますと重複して指定できることになっております。
 それから、御心配のそういった災害の起こる場所については災害危険区域というものを指定いたしまして、そこで建築の制限をしたり建築を禁止したりする、あるいはいろいろな危険なものに対しては勧告をしたりあるいは強制的な改善命令というものも出せることになっておりますので、その辺でもってひとつこの際カバーをしてまいりたい。そうして工法としては、先ほど先生おっしゃいましたようにいろいろ技術的にむずかしい問題がございますが、いま急傾斜の法案の成立した段階で技術基準を検討しておりますので、そういう段階におきましても今度の災害の経験を十分生かすようなことを考えてまいりたい、かように思っております。
○川崎(寛)委員 そうすると、この法律は十月施行の予定を繰り上げるとかいうことも伝えられておりますが、これは繰り上げになるわけですか。
○坂野(重)政府委員 予定は三カ月の余裕を見ておったわけでございますが、それを二カ月繰り上げて八月一日からできるだけひとつ施行できるようにいま努力しております。
○川崎(寛)委員 その際には先ほど御答弁のように、実務者等も入れて意見を聞いて、基準をきちんとしてもらいたい、こういうふうに思います。
 次に、今度の鹿児島市の場合に、市道とそのがけの上の宅造地、そのがけがくずれて自動車が埋まってしまって、そうして死者が出ておるわけですね。この場合に、これは運輸省ですか、自賠法の適用を受けるのかどうか、この点のことについて、ひとつ補償の問題を伺いたいと思います。
○永光説明員 いま自賠法の適用の御質問がございましたが、自賠法あるいはこれに基づく自賠責任保険制度と申しますものは、これは端的に申しますと、自動車の所有者もしくは運転者が不法行為責任といいますか、過失があって保険が払われる、こういう立て方になっておりまして、したがいまして、御設問のような状態のところで自動車を運行していたということについて、一応そういう地域を運行することについての危険性が存していたというような事情がありますれば、当該運転者にそこを運行する場合の過失というものを認めるということになりまして、保険が払われる、こういうことになりますので、何ぶんその事情をなお具体的に事実認定と申しますか、調査いたしませんと、その救済があり得るかどうかという点については申し上げかねる、こういう状態でございます。
○川崎(寛)委員 これは具体的な調査の上でひとつ再検討していただきたい、こういうふうに思います。
 次に、町内会長ががけくずれのところへ出ていって救助作業に携わっておった。そうしたら、その出ていった町内会長と町内の役員が、またがけくずれでその上にさらにかぶさってきて死んでおるわけですね。こういう犠牲者というものに対する補償の問題。これはどこですか、総理府ですか。
○川上説明員 お答えいたします。
 ただいまの件につきましては、その原因が何であるかによって主管省が変わってまいると存じます。まずこの場合におきまして、犠牲が発生しました原因が、地すべりが発生した行為自体に何らかの責任者がいます場合におきましては、その責任者の関連いたします省になると存じますし、またこれは天然の事故でございまして、必然的にやむを得なかったものであると思われます場合には個人災害による問題であると思いますので、これは場合場合によりまして担当の省が異なると存じます。
○川崎(寛)委員 その状況によるというわけですか。これはあと具体的にそれぞれ御相談もしなければならぬと思いますから、そのときにいたします。
 時間の関係があって最後急ぎますが、農林省に、台風その他集中豪雨などで土砂崩壊の予想される地区に対する土砂崩壊防止事業を検討してくれと、三年前のこの委員会でやったわけですね。そうしたらそのときには、シラス地帯についてはまだ検討中だ、こういうことだったわけです。それが一つ。それからもう一つは、単位が大きいわけですね。その単位を少し小さくして検討してくれということに対しては、土砂崩壊防止事業の小規模のものについては実態がどうであるか調査が進んでいないから、実態を十分調査した上で検討したい、こういうふうに農林省は答弁をしておるわけですが、これは具体的にその後どういうふうにされたのか、具体的にどう処置したかを伺いたいと思います。
○井元説明員 おっしゃるとおり、土砂崩壊防止事業というのは一カ所百万円以上の事業についてはできるわけなんです。ただその地区について、どういう地区がそれに当てはまるかという内容がわからないと――一般論としてはそういう事業は土砂崩壊事業でできることはありますけれども、先生の御指摘の地区はどういう地区かということを技術的に一応検討いたしまして、補助内容等によって異なるものですから、研究いたしたいと思うわけでございます。
○川崎(寛)委員 シラス地帯について土砂崩壊防止事業を行なうかどうかについては検討するんだ、こう言っているのですよ、そのときに。あとは大きさの問題ですが、つまり鹿児島県は当時一カ所も該当がなかったわけです。ところが農村地帯ではそういう災害がどんどん起きているわけですね。そこで、土砂崩壊防止事業というものはシラス地帯でもやれるのかどうか、その単位はどうするのだということで聞いて、検討しますということだったが、その後ほったらかしていたのは、ぼくも追跡調査をしなかったのが悪いといえば悪いけれども、しかし言いっぱなしだということになるとこれは私も姿勢を改めざるを得ません。言いっぱなしでこの委員会だけで済むというのだったら、私としてもこれはもう一ぺんひとつふんどしを締め直して御質問をしなければならぬ、こういうふうになります。
○井元説明員 シラス地帯でも土砂崩壊対策事業というのはできるわけでございます。ただ地区が小さいというような――いまの規定では一地区百万円という限定があるわけです。それから百万円という金額だけでも必ずしもできるとは限らないわけでございます。もしできましたら、先生が考えていらっしゃる地区を御連絡いただければ、何かできるような地区でしたら当然補助対象にいたしたいと思います。
○川崎(寛)委員 では具体的に御相談したいと思います。
 では最後に国税の減免について、いま県のほうからも具体的に要望があがっておりますが、そういうことについては直ちに御検討いただけるかどうか、伺いたいと思います。
○植松説明員 国税の減免につきましては税法が自動的に動くことになっていますから、当然損失は控除する。これもいろいろな規定がございまして、有利なものを選択できるという仕組みになっております。そこで、減免そのものは来年の確定申告のときの問題でございますからまだ先のことになるのでございますが、当面予定納税というのがございます。それが七月三十一日に期限が来るわけでございますが、その予定納税を延ばすという問題、さらにその予定納税は前年の実績に基づきまして、つまり四十三年分の所得をもとにかかることになっておりますから、これを減額するという問題が当面ございます。そこでいま手続的には、地域を指定いたしまして、その地域、つまり具体的にはたとえば鹿児島県の川内市であるとか、薩摩郡の東郷町であるとか、こういう地域は自動的に二カ月間期限が延びることになっております。その地域に該当しない方につきましても、個別の申請に基づきましてやはり二カ月間手続が延びるということになっております。その間にいまの申請を受理いたしまして、それで予定納税の減額をするということになるわけでございます。その他徴収猶予等につきましても税法に規定がございまして、遺憾のないようにすでに国税庁で現地の国税局長並びに税務署長あてに通達を出してあります。
○川崎(寛)委員 最後に、もう一ぺんもとのがけくずれのところに返りますけれども、こまかい問題です。ぼくは三年前にも指摘しているのですけれども、というのは、がけに樹木がある。普通、木は根が張っていいのだという。土地の人も従来は根を張っていいのだという考え方もあったわけです。しかしいまがけくずれを見ると、それは必ずしもそうじゃないとも思うのです。根の張り方によっては、つまり木の種類によってはむしろくずす場合があるわけですね。これは決して小さなことじゃなくて、これが原因で大きな崩壊になっていく場面もあるわけですから、この問題についても、それの与える影響というか、そういう点もひとつ検討の中に入れておいていただきたい、こういうふうに思います。いかがですか。
○播磨説明員 仰せのとおり十分検討いたします。
○川崎(寛)委員 終わります。
○川村委員長 稲富稜人君。
○稲富委員 副長官がいないから、これはひとつ川上参事官から伝えてもらいたいと思うのです。
 今回の豪雨災害に対して、政府は建設政務次官を中心とする調査団を現地に派遣された。先刻上林山委員から非常に称賛のことばがあったのであります。私もそれは非常にけっこうだったと思うのでありますが、私たちが最も遺憾に存じますことは、今回のこの調査団が行かれるにあたって、鹿児島、宮崎に行かれております。これは当然でございます。なぜ福岡を落とされたか。福岡の災害は御承知のとおり人的被害はありません。しかしながらその被害額というものは相当の額に達している。しかも被害をこうむった罹災者というものが、この災害のために大きな不安と悩みを持っておることはどこの住民も同じなんです。しかも通り道である福岡を通り越して、そして現地の調査をされないということは福岡の被害というものを軽視されているんじゃないか。政府はこれに対してどういう考えを持っていらっしゃるか。このことが基本的な問題になってすべての問題の質問等も進んでまいると思いますので、福岡の被害の実情に対する政府の御認識と、何がために調査を抜かされたか、それに対する考え方をまず承りたいと思うのでございます。
○川上説明員 お答えいたします。本来ならばこれは当然副長官なり総務長官なりから回答すべきでございますけれども、ちょっと緊急を要しますので私がかわりましてお答えさしていただきます。
 調査団を派遣することを決定しました時日におきましては、主としてその死者が鹿児島に集中しておりましたことが一つと、それからあと被害等におきましても、災害救助法の発動状況等におきましても、福岡におきましては被害が発生しますのが若干おくれておりました。しかしながら現在になってまいりますと、災害救助法も福岡等については発動されておるということでございますので、実はただいま――現在調査団は現地に行っておりまして、その着きましたのも、きのう飛行機がだいぶ難航しまして夕刻になっております。現在は鹿児島周辺、それから熊本、宮崎かいずれかに行っておると存じますが、場合によりましては福岡もなお寄るように、再度政府部内におきまして検討いたしまして、それでそのような手続をいたしたいと考えておりまして、現在その手続を進めておる最中でございます。
○稲富委員 ただいま調査に行かれるときには、すでに福岡の三町には災害救助法が適用されておった、そういうような状態というのは政府にわかっておったはずなんです。そういうときにあえてそこを通過されながらその調査をされないということは、罹災者としてはやはりどうも自分たちの被害の実態というものを十分認識されていないんじゃないかという問題になってくる。それに対しては、それでは鹿児島あるいは宮崎の調査を終わったあとにでもさらに福岡に立ち寄って、福岡の実態を調査されてくるという、いま検討中だということでございますが、そういうような方針でひとつやっていただきたいと思います。いかがでございますか。
○川上説明員 災害救助法の適用時期がおくれましたことと閣議の開催時期等が切迫しておりましたこと等で、先生がおっしゃいますような遺憾な事態が発生したわけでございますので、私どもとしましてはけさ直ちに、福岡に調査団が派遣されますように準備いたすつもりでございましたけれども、本委員会に出ておりまして、鯨岡先生も不幸にしておられませんで、総務長官も同様に各委員会に出ておられるということでございますので、福岡に行くことにつきましてその指令が現地へ参りますのがおくれておるのは非常に遺憾に存じますが、総理府といたしましてはあくまでも前向きに検討しておりますので、その点御了解を得たいと存じます。
○稲富委員 ここで総理府に特に申し上げておきたいと思いますことは、福岡の場合は人的被害というものは、死者がないのです。どうも災害というのは、死者等が発生すると災害が非常に大きいと思われるようになる。人的な災害がなかったというと、被害はあまり大きくないんじゃないか、こういうふうに一般に思われるので、こういう点から申し上げましても当然指定してもらわなければいけない、激甚地の指定等も。これは政府の見解によるのであろうと思いますので、そういう点も関連がありますので、私はこの点を特に政府に要望し、お尋ねしたわけであります。
 それで、今後これが対策に対しては、激甚地指定というのは結果的に非常に大きな問題になるわけでございますが、福岡県の場合、先刻、鹿児島からも要望がありましたように、激甚地指定等に対しましては急にまた御決定になるのだと思いますが、どういうようなお考えでございますか、承りたいと思います。
○川上説明員 お答えいたします。
 激甚指定の問題につきましては、公共施設、農地、農業用施設、それから中小企業施設の局地激甚、また一般的な災害の激甚指定、いろいろ多種多様でございまするが、これはあくまでも被害額を見ました上で決定されます。ただいま入りました情報によりますると、福岡の被害につきましては最近に発生しておりますので、情報が完全に集計されておらない状態でございます。しかしながら、その被害が大きくなりますれば、これは別に差別するつもりはございませんし、鹿児島、宮崎等ございますと思われますが、当然これと同様に、該当する町村につきましては適用いたしたい、こう考えております。
○稲富委員 このことにつきましては、ひとつ激甚地指定を急いでいただきたいということを要望いたしまして、今度は各省に対して御質問申し上げます。
 まず、建設省にお尋ねいたしたいと思います。最近の災害を見ますと、集中豪雨等による中小河川のはんらん等の災害が最近非常に目立っている。直轄河川でない中小河川のはんらんというものが目立って、毎年この問題に対しては災害対策でしばしば論議されるのでございますが、今度の場合もやはり直轄河川ならざる中小河川のはんらんによる被害というものが非常に出ていることは御承知のとおりでございます。これに対して、建設省といたしましては中小河川のこういうような対策というものに対していかなる考えを持っておられるか、承りたいと思うのでございます。
○坂野(重)政府委員 お答えします。
 御指摘のとおり、最近中小河川の災害が非常にふえております。そこで、私どもといたしましては第三次治水事業五カ年計画の策定にあたりましても、特に中小河川というものを重点に考えておりまして、本年度の予算の配分に際しましても、直轄河川に比べて中小河川というものを特に重点にいたしまして進めているわけでございます。
  〔委員長退席、斉藤(正)委員長代理着席〕
○稲富委員 今回、福岡県で最も大きな被害を与えております筑後川に巨瀬川という支流がございます。これは実は非常にうねりうねった川でございますので、直轄河川としての堤防の復旧をやってもらいたいということは、数年前から建設省にも陳情いたしたこともありますし、県に対しましてもわれわれはしばしば要望いたしておるのでございますが、遺憾ながらわれわれの要望というものは等閑に付せられまして、耳だにかしてもらえなかった。ところが今回ここから大きな被害が発生しておるわけでございますが、こういう問題に対しては最も遺憾に思う。これは実は私の住まいの裏を通っている川です。私はその実態を知っておるがためにしばしば要望しておったのですけれども、これがしばしばはんらんして大きな被害のもとになっておるわけであります。こういうような河川に対しては、やはり抜本的な対策というものをこの機会に考えるべきじゃないか、かように考えますが、これに対しては河川局長としてはどういうような考えを持っていらっしゃるか、この機会に承っておきたい。
○坂野(重)政府委員 巨瀬川につきましては、今回の災害でまことに不幸な状態を呈したわけでございまして、河川の規模が小さいためにかなりのはんらんを起こしたことは事実でございます。まことに残念でございます。私どもとしましては先ほど申し上げましたように、直轄河川に流入する中小河川につきましては、形式的には、むしろ直轄河川よりも中小河川のほうを重点的に予算を伸ばしている関係がございまして、計画の面でも直轄河川と中小河川との調整は十分はかってまいっている次第でございますが、地元の要望等がございましたら、そういうものを勘案して、直轄河川としてやったほうがいいか、中小河川のままでむしろ事業を進めたほうがいいか、いろいろな利点等ございますので、その辺を十分勘案いたしまして、直轄河川として取り上げるかどうかということも含めてこの際至急検討いたしたいと思っております。
○稲富委員 この巨瀬川は、局長も御存じのように、平たん部を非常にうねって回っている川で、しかもこれが最後には筑後川に流れている。しかもこれが堤防の補強等もなかなかできない、そういう点があります。一方は山である。これがもしも決壊するとこの平たん部に多大の被害を与える。そういう点から、私は常に目撃をいたしておるがゆえに、ひとつ何とか直轄河川としての補強をやらなければいけないじゃないか。こういうことをわれわれはしばしば政府に要望しておったのでございますけれども、いま局長のおっしゃるように、県と建設省との間にどういう話があるのか、一向進捗しない。早く何とかしなければいけないなと思っているやさきに今度のこの大災害を生じておるのでございますから、この機会にひとつ抜本的なこれに対する検討をしていただきたいということを強く私要望したいと思うのであります。
 さらに、今回巨瀬川が決壊いたしました。この地帯につきましては、先般来自衛隊等が参りまして緊急締め切り処置をやっておりますが、これは非常に不完全でございます。ところが今日は雨期を控えておりますし、また雨が出ますと直ちにこの締め切り場所というのは流されるような状態に置かれておりますので、この際緊急本工事をやらなければ、いまのような仮工事では非常に困るんじゃないかと思いますので、そういう処置を至急にとる必要があると思うのでございます。どうかひとつそういう点は県とも打ち合わせて、建設省の強力な指導のもとに応急な本工事に踏み切るような示唆をしていただきたい、こういうふうに考えるわけでございますが、これに対する御意見を承りたいと思うのでございます。
○坂野(重)政府委員 御指摘の方向ですぐ手を打つようにいたしたいと思います。
○稲富委員 それからこの機会にいま一つ河川局長にお尋ねしたいと思いますことは、いまのは筑後川のいわゆる巨瀬川の工事でございましたが、また、今度被害をこうむっております瀬高町は、これは矢部川の関係でございます。御承知のとおり矢部川のこの改修工事は昭和二十五年から十カ年計画でやられた。ところがいまだに遅々として進まないのです。これがやはり今回の矢部川筋の瀬高町の被害をもたらしている一つの原因でございます。元来矢部川は、御承知のように直轄河川ではないけれども相当大きな河川である。政府はいままで改修工事をやらせながら、しかもこれは昭和二十五年に十カ年計画でやったのが今日まだ遅々として進まないでおる。こういう緩慢な対策というものはおもしろくないじゃないか。こういうものは何とか早く、計画したら改修工事を終わるような方法は講じられないものであるか、この点をひとつこの際十分考えなければならないと思いますが、いかがでございますか。
○坂野(重)政府委員 御鞭撻、おしかりを受けておるわけでございます。御承知のように治水事業というものは最近相当伸びてはおりますけれども、第三次の治水五カ年計画にいたしましてもなかなか十分とはいえないような予算の規模でございます。しかしその範囲内におきましてもできるだけ事業を進めたいということで努力いたしておるわけでございます。それで、全国的に配分してまいりますと、非常にまだ危険な個所があちこちに残っておるわけでございまして、矢部川につきましてもその例に漏れないわけでございますけれども、今回の災害を契機といたしましてできるだけ特に災害を受けた河川あるいは災害を受けるおそれがある河川につきましては、重点的に事業を進めるように最大の努力をしてまいりたいと思いますので、今後ともひとつよろしくお願いいたします。
○稲富委員 大蔵省見えておりますか。――大蔵省が来ていないとするならば、主計局の関係ですが、これはいずれ機会がありましたら大蔵省に要望したいと思いますが、今後の問題として、いま申し上げますようなすでに改修工事に取りかかったようなこういう河川、あるいは災害のおそれがあるような中小河川、こういうものに対しまして十分な予算措置をやらなければ、これがために被害をこうむれば、予算措置をやったくらいのことでは済まない大きな被害を与えることになるわけでございますから、これはひとつ強力に建設省としても大蔵省に臨んでもらいたいということを申し上げると同時に、大蔵省は見えておりませんけれども、本委員会で強く要望したということを大蔵省に伝えていただきたいということをこの機会に要望したいと思います。ぜひひとつ、河川局長からでもいいから、そういうことがあったということを大蔵省に何かの機会に伝えてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○坂野(重)政府委員 よくわかりました。お話ししたいと思います。
○稲富委員 次に、農林省にお尋ねいたします。
 今回の災害を見ますと、構造改善事業を実施いたしました地区がまた崩壊をしているというような場所があるのでございます。当然これは構造改善事業の復旧をやらなくちゃいけないと思いますが、この構造改善事業は御承知のとおり補助によってやっておりますが、この復旧に対する補助というものをさらに考えていただけるかどうか、この点をひとつお尋ねしたいと思うのであります。
○井元説明員 一般災害のルールに乗れば、当然災害復旧事業でやれることと存じます。
○稲富委員 構造改善事業をやったばかり、また途上にあるのがこわれているというのがあるのです。こういうものはまた災害復旧でやるのか、構造改善事業の引き続きでやるのか、こういう問題も起こってくると思うのでありますが、こういう問題に対してはどういうような考え方を持っていけばいいかということです。
○井元説明員 その時点で効果を発揮していなければ、引き続いて構造改善事業でやることになっております。
○稲富委員 さらにお尋ねしたいと思いますことは、今回の水害等を見ますと、最近非常に構造改善事業が進んで、山の頂上まで構造改善事業をやったのがある、これがために集中豪雨等になりますと水が直ちにはんらんするというような、こういう実情も出てまいっている。今後、構造改善事業はけっこうだけれども、構造改善事業を実施するにあたっては、治水、こういうところも十分考えて農林省は指導をするというようなことを考える必要があるのじゃないか、こういう点がうかがわれるのでございます。構造改善事業がいいのだ、補助対象になるのだというと、何もかも構造改善事業をやってしまって、そうして山を開墾する、それがために水害をこうむる、こういう問題も起こってくるのでありますから、この際、構造改善事業はいいとしても、ただいま申しましたような治水面においても何とかひとつここに考えなければいけない点があるのじゃないかということを、今度の災害等でもつくづく考えるわけでございますが、これに対していかなる考え方を持っておられるのか承りたい。
○井元説明員 御指摘の点は確かに非常に大事なことでございまして、一般論としては先生御指摘のとおり、もっと広く考えて構造改善事業をやらなければいけないと思います。ただ、先生がお考えの地区について、私たちも非常に心配でございますので、別の機会に十分御指導願って、具体的にその地区について再災害のないように進めたいと存じております。
○稲富委員 それから、今回の災害によりまして、もう三日間ほどたんぼは水没しています。しかもちょうどいま田植えの途中であるところもあるし、田植えが終わったばかりでまだ根が出ていない、こういうところが水没しておるのでございます。
  〔斉藤(正)委員長代理退席、委員長着席〕
こういうところは当然苗が腐っているのでありますから、苗の対策というものが当然行なわれなければならぬと思います。地元でいろいろやっておるようでございますが、苗の対策等に対しましても、農林省として何とか急速な方法をとるような御指導、督励を願いたいと思うのでございますが、これに対する農林省としてのお考えを承りたいと思います。
○荒勝説明員 お答えいたします。
 今回の九州の災害が、北は福岡から南は鹿児島まで、全体として非常な豪雨でありました関係で、しかも九州地区全体として田植えが少しおくれぎみであったところへ先般の雨によりまして、田植えがおおむね完了しかけたところへ新しく今回の豪雨でありまして、しかも九州は従来からあまり予備苗を用意しない習慣の田植え方式でありましたので、今回の豪雨でそれが水没いたしますと、植えたばかりの苗があるいは窒息死といいますか、枯れるおそれが非常に多いのでございます。
 それで農林省といたしましても、直ちに熊本地方農政局を通じまして、また各県とも連絡いたしまして、地元で予備苗であればそれを直ちに補植するようにただいま指導いたしますとともに、それぞれの県内で苗が余っている地区があれば極力お互いに流用していただいて、直ちに補値するようにということもさらに次の手としてただいま指導しておる次第でございます。さらに、どうしても当該県内でも片づかず、あるいは九州管内でも片づかぬということになりますと、中、四国のほうにも多少苗がなきにしもあらずと思われますので、そういうものの輸送のことも考えざるを得ないのじゃないかということで、いま連絡いたしております。そうしたいろいろな手を打ちましてもなおかつどうしても苗が確保できないという場合におきましては、やむを得ない手段だと思いますが、新しく苗の再仕立てをせざるを得ないのではなかろうか。そういった点について、純粋な技術的な観点からいま指導いたしておりますが、同じ九州でも県ごとでまた非常に苗の種類も違うものですから、いたずらに全然使ったことのない苗を持ち込んでもまたいろいろ新しい違う議論が出てまいると思いますので、極力その辺を技術的に指導してまいりたい、こう思っております。
○稲富委員 それから、稲が水没した結果、やっぱり従来の経験から当然出てくるのは、病虫害が発生すると思うのであります。これは当然病虫害の防除対策というものをおのずから考えなくちゃいけないと思うのでありますが、こういうことに対しましても、補助とかあるいはそういうような特段の処置をやられるだけの考えがあるかどうか、この機会に承りたいと思います。
○荒勝説明員 今回の災害に伴いまして、当然、稲の再仕立てとともに防除もいたさないと、あとどういう異常な発生を見るかもわかりませんし、また施肥の改善、指導方法につきましても、今後慎重に技術指導はしてまいりたいと思いますが、現在の段階において、農薬とか肥料とかいう点につきましての政府としての補助という点につきましては、なお今後検討さしていただきたい、こう思う次第でございます。
○稲富委員 それから、今回の水害が床上浸水あるいは床下浸水等が非常にありますので、各個人の手持ちの米、それから麦が水に浸っているのがありますが、これは地方で非常に困っていると言っています。これに対して、全叛逆等で買い上げるとか、早く処理をするような、こういうふうな方法を講ずることが必要じゃないかと思うのでありますが、これに対しましても政府としての御指導、示唆等があれば、そういうことを推進するのに非常にけっこうだと思うのでありますが、いかがでございましょう。
○中村説明員 お答え申し上げます。
 ただいまのお尋ねの、農家が持っております保有米が水にぬれまして食えなくなった、こういう問題につきましては、その農家の保有米が切れました時期から、一部保有農家の配給に準じまして、一人一カ月十五キロのワクで一般の配給をいたして、飯米には支障がないようにするという処置をとることになっております。
 それから麦でございますが、これが政府へ売り渡す前に水害その他にあいまして、被害を受けていたむといったものが出ておるかと思いますが、こういうものにつきましては、そのいたみ方の状況にもよりますけれども、できるだけ再乾燥その他、仕分け、手入れをしていただきまして、検査に合格する状態のものは当然買い上げてまいりますし、なお、三等までに入らないで等外になるというものにつきましても、これは何とか主食に使えるという規格で特別に等外上という規格をつくっておりますが、こういったものにつきましても買い上げをしてやるということで、六月の三十日付でもって食糧事務所のほう、あるいは関係団体に通達を出してございます。価格も三十日の告示で、等外上麦の告示を出しておりますので、そういう手段によって政府に売り込んでいただければよろしい、このように思っております。
○稲富委員 それから、今回の災害をこうむりました瀬高町は蔬菜地帯でございますが、ビニールハウスが全減いたしておるのであります。野菜とともにビニールハウスが全減いたしているのでございますが、当然ビニールハウス対策としての方法を講じなくてはいけないと思います。これに対してどういうような救助対策をやるのであるか。こういうことに対する政府としての考え方があるならば、ひとつこの機会に承っておきたいと思います。
○荒勝説明員 ビニール関係のいわゆる野菜園芸の指導につきましては従来から、災害の場合には主としていわゆる各種の災害対策の金融対策で措置してまいっておりますので、その線に従って指導してまいりたいと思っております。
○稲富委員 それから、これは通産省でございますが、先刻村山委員から御質問があったのでございますが、今回商品が水浸りして非常に始末に困っているということを訴えております。元来、災害になりますると、農業に対してはいろいろな対策があるけれども、中小企業に対する救済対策あるいは金融関係というものが非常に弱いというのが従来の状態でございますが、こういうような水浸りになっているような商品、これがために非常に困っているというのが中小企業者、こういうことに対する特殊の融資対策その他の救済対策を考えるべきであると思うのでございます。これに対しては通産省はどういうような考え方を持っていらっしゃるか。これは先刻村山委員からもお尋ねがあったのでございますが、重ねて私からもお尋ね申し上げたいと思うのでございます。
○井川説明員 今回の災害、特に水害の関係で、商品関係で非常にやられているという報告はわれわれのほうにも参っているわけでございます。先ほど申し上げました政府系の中小金融機関三機関がいろいろ中小企業のお世話を申し上げるということでございますが、通例でございますと、市中金融機関が融資を困難とするということで、設備関係が中心になるわけでございますが、こうした災害の場合には、いま先生お話しのような、商品が水浸しになった、全然使いものにならないというふうなかっこうで、運転資金が相当要るということになっております。したがいまして、災害関係の貸し付けにおきましては、運転資金についても積極的に貸し付けをしていく。かつまた、運転資金の貸し付け限度であるとか、あるいはまた据え置き期間であるとか、貸し付けの期間、あるいはまた従来から貸し付けておりましたものの償還期限の延長といったような問題について弾力的に配慮するというふうなことになっておりまして、今回の災害につきましても、現地においてそれぞれの御事情を承った上、そういう立場から対処さしていくというふうに考えているわけでございます。
○稲富委員 時間がありませんから、もう一点だけ、これは厚生省関係でございます。
 御承知のとおり、水害がありまして、浸水家屋が多くなってきますと、当然起こってくるものは伝染病でございます。しかも、ちょうどいまは伝染病の発生期でございますので、これが防除対策というものはよほどこれは考えなければいけないと思うのでございます。これに対しては、もちろん厚生省としては関係市町村等とお打ち合わせの上万全を期せられると思うのでございますけれども、これは時期が時期でもあるし、ひとつ特段の対策を考えられる必要があると思うのでございますが、これに対していかなる処置をされようというお含みがあるか、この機会に承っておきたいと思うのであります。
○今村(譲)政府委員 お答え申し上げます。
 水害の場合に一番心配になりますのは、御指摘のように引いたあとの伝染病の問題でございます。これは例の発動と同時にすぐに県の衛生部のほうに十分連絡をしておりまして、必要な資材、人員、それの配置、点検ということで、それの現地への輸送ということも全部手配は済んでおります。水の引き次第すぐにでも発動する、こういう準備をいたしております。
○稲富委員 これをもって終わります。
○川村委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 最初に、鹿児島県のシラス地帯には人口がどのくらいの配分で住んでいるのか。私の調査によりますと、こういう危険なところに大体四分の一以上の人口が住んでいる。毎年毎年こういう集中豪雨が起きれば――毎年起きているわけですね。一昨年は呉で起きている。私が本院に来てから三年足らずですけれども、その間毎年集中豪雨があるわけです。来年もないという保証はないわけです。こういう鹿児島県とか宮崎県とかまたは第三風化層のようなところ、それから神戸六甲のようなところ、こういうところの予算配分というものは、これから総理府としては一体どうお考えになっていらっしゃるのか。これは関係はどこですか。建設省ですか。
○小樽説明員 シラス地帯その他の特殊土壌地帯の防災対策につきましては、特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法という法律によって実施されておるわけであります。これは昭和二十七年に制定されまして、初めは五年間の時限法でありましたのですが、その後三回にわたりまして延長されまして、ただいま第四次の実施計画をやっております。これは昭和四十二年度を第一年度としまして四十六年に終わるということで、総事業費二千二百億円ほどを計上いたしまして、現在その実施が進行中であります。この進捗率は四十四年度の終わりで約五〇%ということになっております。
○小川(新)委員 私が聞きたいことは、こういった自然災害がもう人災であるとまでいわれている。なぜかと申しますと、都市問題が激しくなって、結局そういうシラス地帯に、または危険な土壌地帯に都市の開発が行なわれてくる。どんどん人が住んでくる。こういう問題を、ただ単なる法律だけで、住んではいけないのだ、住んではいけないということでは解決ができない。そこで、これは議論が長くなりまして、時間がありませんからそこのところは触れませんけれども、こういった面に対して政府の対策というものを講じない限りは、毎回毎回こういった災害が起きることは目に見えて明らかですね。でありますから、その点に対する対策を私どもは強く要望しておきたいわけなんです。
 これは建設省にお尋ねいたしますが、急傾斜地崩壊防止法とかまた宅造工事の規制区域、住宅地造成規制区域に鹿児島県が指定されている状況をちょっと見たのですけれども、鹿児島において宅地造成工事規制区域を指定しているのは、これは知事の申し出によって大臣が指定するのですけれども、昭和三十七年六月十六日に鹿児島市、四十一年四月二十六日に谷山市、この二つしか指定になってない。大体いま私が申したように、鹿児島県全体の四〇%がこういった危険地帯に往んでいる。なぜこの二つしか指定されないのでしょうか。
○播磨説明員 鹿児島県における宅地造成工事規制区域の指定状況は、ただいまおっしゃいましたとおり鹿児島市及び谷山市の両市だけでございます。これは県の見解でございますが、人口が集中いたしまして宅地造成工事が行なわれるのは大体この区域がほとんどでございまして、他の地域にももちろん危険なところがございますけれども、宅地造成を行なうというような例がきわめてまれにしかないということに基づくものでございます。
○小川(新)委員 住宅地造成事業の規制区域に鹿児島県が指定されてないわけは何なんですか。
○播磨説明員 鹿児島県の住宅地造成事業法による規制区域の指定がおくれておったことは事実でございます。これにつきましては、鹿児島市につきまして指定しようかという話もあったのでございますが、御承知のとおり、新しい都市計画法によりますと、この法律は市街化区域につきましては都市計画法に移りますので、市街化区域の指定をもってこれにかえようということで取りやめにいたしたのでございます。
○小川(新)委員 それでは、私が聞きたいことは、今回都市計画法は御存じのとおり六月十四日でしたな、市街化区域と、市街化調整区域でもありますが、これはまだ非常にもめておりますね、各市町村でこの指定に対しては。全国にこういう住宅地造成事業法による危険区域の指定という網がかぶされておる。ところが鹿児島県のようなこういう災害が起こるところにいままでなぜかぶせなかったか。これは単に県との話し合いによっておくれてしまった。それは都市計画法ができるのはことしになってからでしょう。そんなことができない前にこういう事故が起きておるじゃありませんか。これはどういうわけですか。
○播磨説明員 先生十分御承知と思うのでございますけれども、住宅地造成事業法と宅地造成等規制法の関係でございますが、がけでございますとか傾斜地でございますとか、そういった危険なところにおきまして擁壁あるいは排水施設等につきましてチェックしていくというのが宅地造成等規制法でございます。住宅地造成事業法は観点をかえまして、良好なる環境の住宅地をつくろう、こういった趣旨のものでございますので、そういった意味で鹿児島のような場合にはまず宅地造成等規制法のほうの指定を急いだわけでございます。
○小川(新)委員 だけれども、ダブってかかっておるところがたくさん他の県にありますね。それは鹿児島県よりももっと危険度の浅いようなところでもダブって網がかぶされておる。だから、先ほど河川局長答えたように、急傾斜地崩壊防止法がかかっても、またいま言った宅造の規制法や住宅地の事業法の規制がかかっても差しつかえないと思うのですよ。
○播磨説明員 もちろん、おっしゃいますとおり重複して差しつかえないわけでございまして、大部分の都市においては重複しておるわけでございます。したがいまして、仰せの点につきましてはさらに検討を加えまして、必要があればいまからでもやれないわけでもないわけでございますので、十分検討、協議いたしたいと思います。
○小川(新)委員 そういうところが行政上私は非常に遺憾に思うのです。でありますから、今回鹿児島県においても長崎県においても、県の住宅供給公社が宅地造成したところが事故を起こしている。早い話が県営の住宅供給公社なるものは一体どういう性格のものなんですか。この性格が明らかになってくれば今回の問題だって国家賠償の対象にならなければならない。特に私が聞きたいことは、住宅供給公社のやった宅地が危険地域に指定されておったのかないのか、この点まずお伺いしたいと思うのです。
○播磨説明員 お答え申し上げます。
 今回、鹿児島県の住宅供給公社が工事中の団地で事故が起こりましたのは、おそらく原良団地だろうと思うのでございますが、これは土地造成工事の規制区域に含まれておるところでございます。
 それから国家賠償法の問題でございますけれども、これは、鹿児島県の供給公社が行なっております仕事が賠償法の二条にいいますところの営造物であるかどうかというところが問題だろうと思うのです。おそらく建て売り住宅あるいは宅地分譲が主体であろうと思いますので、そういった意味ではむしろ民事上の取引を目的とする行為でございまして、そういったことではむしろ民事上の損害賠償責任のほうの問題になろう、こういうふうに考えております。
○小川(新)委員 これは私どうしても聞いておきたいのですけれども、長崎県の住宅供給公社が宅地造成した滑石の住宅団地に事故が起きたわけですが、このなくなった峯さんといううちは、調べてみますと、今度の急傾斜地崩壊防止法では傾斜が三十度以上、高さが五メートル以上、それから人家が五戸以上、こう規制されておる。ところがここは四十五度以上の角度で、高さが道路から二十五メートル、そういうようなところは当然これはくずれると予想されて警告されておった。警告されておったし、またパトロールも、パトロールしておったときに、一体ここを危険地域として県や住宅供給公社はチェックしていたのか、こういう点はどうなんですか。
○播磨説明員 長崎県の住宅供給公社が行なっておりました滑石の団地の問題でございますが、これは、がけの上には団地内にもと散在いたしておりました墓地を集めまして墓地の集団をつくったわけでございます、移転したわけでございます。そういったことで、上も下も同じ供給公社が仕事を行なっておったわけでございまして、傾斜はたしか一対一・五というかなりきつい傾斜でありまして、付近であぶないのじゃないかという話があったことはそのとおりでございます。県の公社のほうでは絶対だいじょうぶだということで仕事を続けておったわけでございますが、その点につきましては、あるいは設計上あるいは工事の監督上問題がありはしないかということで、現在警察で調べておるという話でありまして、確かに何かの問題があった可能性はあるわけでございますが、そういったことでございますので、この席で断定的なことはちょっと申しかねる状態でございます。
○小川(新)委員 そうしますと、これは警察で過失致死罪か何かでいま取り調べ中なんですか。
○播磨説明員 私が県から聞いておりますのは、過失致死罪の疑いで調べておるということでございます。
○小川(新)委員 そうすると、これは鯨岡さんにお尋ねしたいのですけれども、いま論議の争点は長崎県の住宅供給公社、こういう県の住宅供給公社が造成した――これは県がつくったのだから安心してみなが住んでいたわけです。大団地です。長崎県随一の大団地。そこでもって事故が起きたわけです。人が何人かなくなったわけです。そういった国及び公共団体の公共物または工作物の設置、保存に瑕疵があったようなときで、他人に損害が生じたときの供給公社、その監督者たる建設大臣または県知事の責任というものは一体どうあるべきか、これをお尋ねしたい。
○鯨岡政府委員 先ほど失礼しまして、途中で他の委員会に行っておりましてまことに申しわけございませんでした。
 前に御答弁申し上げたときにも、私どものほうからこの問題に触れまして、いま渡辺建設政務次官が向こうに行っておりますが、帰ってきてから報告を受ける中できわめて重要に私どもが考えている問題はいま先生御指摘の問題でございました。もしそこに粗漏があるというようなことであれば、そのことによってとうとい人命が失われたのですから、もしとか言っているときではないかもしれません。とにかく徹底的に究明をいたしまして、言うまでもなく責任の所在は明らかにしなければならぬ、こう考えております。
○小川(新)委員 粗漏があるとかないとかいうよりも、現実にくずれてしまったのですよ。粗漏があったからこそなったのだ。これはもう人がなくなった。死んだ人は、おまえどうしてくれるのだといっても生き返らない。これは完全に国家的に、国及び知事が公共団体の責任を負ってあげなければいけない。またこういったなくなられた方に対しては、では国や知事はどういう賠償等のことを考えていらっしゃいますか。
○鯨岡政府委員 当然責任の所在を明らかにして、それが明らかになる段階においては考えなければならない問題であります。いまどういうふうにということを具体的に金額でどうと、それをお答えする段階ではございませんけれども、必ず明らかに納得のいくような答えを出さなければいけない、こう思っております。
○小川(新)委員 これは監督官庁は建設省ですね。また県です。これは責任があるとかないとかの問題の前に、繰り返すようだが、事故が起きた、それで県はこれに対してとりあえず、なくなられた方々、また個々に被害を受けられた方々にはどんなお見舞い金とか、そしてまた国が何らかの形でその意思表示をなさいましたか。
○鯨岡政府委員 これは先ほどお話しのように、当然、県の責任においてだいじょうぶでございますということでつくったところがだいじょうぶでなかったのですから、それは県のほうでとりあえずはお見舞いのようなことをしていると思うのですが、それがいまだ私どものほうに報告が入っておりませんが、建設省のほう、どうですか。
○播磨説明員 長崎県の知事は記者会見におきまして、県で十分なるお見舞いをする、こういうことを言明したと聞いております。
○小川(新)委員 これは急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律が今度実施されますが、先ほどのお話でいくと八月ころになる。なりますと、崩壊防止工事がなされた急傾斜地が崩壊すると、当然これは国家賠償法の対象になると私は考えております。でありますから、住宅供給公社によった宅地造成による急傾斜地の崩壊の場合は、一体こういった国家賠償の対象になるのか、また民法第七百十七条によって救済されるものなのか、この点鯨岡さん、お考えいかがですか。
○鯨岡政府委員 これまた今度の具体的な問題については現地の調査を待ってわれわれが判断し、その段階でお答えをすることだと思いますが、一般的には建設省のほうからお話を賜わりたいと思います。
○播磨説明員 結局、国家賠償法の適用によるか、あるいは民法の適用によるかという御質問だろうと思いますが、これは結局、問題は営造物をつくっておったのかどうかということの問題だと思います。したがいまして、先ほどちょっと間違って申しましたけれども、建て売りであるとかあるいは宅地分譲というふうな場合は、おおむね営造物でないものでございますから、そういったときには民法の適用になる。現実に何をつくっていたかということによりまして適用が変わってくると思います。
○小川(新)委員 私いつも腹が立っちゃうことは、こういう結果が出ているんですよ。警察だって過失致死罪の疑いで調べている。こういう問題が何回も何回も行なわれてくるということは、私は非常に遺憾に思うんですよ。なくなっちゃったんですから。特にいま私が言っていることは、峯さんのおたくでは、これは河川局長よく知っていると思うけれども、四十五度から五十度の傾斜で建っている。これはだれが見たって危険じゃないですか。だから私たちが建設委員会で、急傾斜地崩壊防止の法律では三十度というものをきめているんだ。これは明らかに、こういうところへ造成したということに対する責任はのがれられないですよ。だけれども、いま調査中であり、なおかつ結果が出てみなければわからぬ問題なんですが、これは民間もありますし、いろいろな問題がありますが、この前の六甲のときにゴルフ場が事故を起こしたですね。あのときは一体どういう結果が出たのですか。六甲のときに宅地造成のがけくずれで二十何人なくなりましたね。
○播磨説明員 神戸市ケ原のゴルフ場が昭和四十二年の七月九日にくずれました問題でございますが、これは民事上の問題は一応示談で、死者一人当たり五百万円見当で話がついておりますけれども、何ぶんにもゴルフ場の経営自身が非常に苦しくなっておった状況のもとで起こった災害なものでございますから、土地を売らないと金が払えないというふうな状況で、現在までまだ履行されていない、民事上の問題につきましてはそういうふうに聞いております。
○小川(新)委員 これもいいかげんで終わっちゃっているのですが、はっきりしていないですね。
 今度は鹿児島県。いまのは長崎県です。鹿児島県の場合、新聞だけで私はよくわからないのですが、田上自動車学校のあとくずれで九人が死んでいます。それから九州土地KKの宅造地くずれで一人死亡、鹿児島開発事業団の中部団地、これは鹿児島開発事業団ですからどういう性格のものかちょっとわかりませんが、土地流失。それから鹿児島県の住宅供給公社、これも県です。これはくずれて、死んではおりませんが、これらの中で、最初の田上自動車学校のあとで、人がなくなっていますね。こういうふうな宅造というものが、こういった不動産業者、宅地業者のいいかげんな手抜き工事であったのか、またこういうことが危険地帯であるということがチェックされていたのか、この点はあとで私詳しく聞きたいのですが、この点チェックされておったのかという点が一つです。
 第二点は、それらの民間のところで、明らかにこれが天災でなくて人災である、まあ人間の手抜き、そういった問題で人災であるということがはっきりした場合には当然補償問題が起きてくる。建設省としてはこういう点どういう考えを持っていらっしゃいますか。
○播磨説明員 ただいまお話のございました田上団地の問題でございますが、これは約二十メートルないし三十メートルのがけの上に、規制法が施行になります前から着工いたしておりました自動車練習場があったわけです。そのがけの下に五メートルないし六メートルの県道がございまして、その県道の向かい側のかなり平たんなところに馬場団地と称する約三百戸程度の民間宅造が行なわれていたというものでございます。それで宅造そのものとこの自動車学校のがけがくずれたということとは、県道で隔たっておるところなものですから、直接関係はないのでございますけれども、一応自動車学校のがけといえども規制法の勧告ないしは改善命令の対象には法律上なり得るわけでございます。そこで県のほうで約四年ほど前に、あぶないのじゃなかろうかということで行政指導をいたしまして、一部三段積みの石垣をつくらせまして工事をさせたという話を聞いておりますけれども、今回はそれにもかかわらず異常な雨でくずれてしまった、こういうふうに報告を受けております。
○小川(新)委員 もう時間がございませんので詳しく聞いておられませんが、それはまた帰ってきてからよくお聞きしたいと思います。
 それらか総務副長官に、シラス土壌、こういった土地を徹底的に研究するような国立の機関というものを設けるお考えはございませんか。先ほどは大学等に依頼して研究させているとか、またはいろいろな分野に応じて研究させているとかという御答弁をいただいたんですけれども、そういうシラス土壌とか第三風化層の花こう岩のさらさらしたようなところは、これは鯨岡さんよく御存じのとおり都市化問題で、昭和六十年代には太平洋沿岸ベルト地帯に八千万も住むというような、こういうふうな問題になってきたときに非常に大きな問題で、そういう危険なところの対策に国家的な専門的研究所を設ける意思がないのかどうか、それが一点。
 第二点は気象の問題ですが、こういった集中豪雨等の基礎的気象研究という予算が非常に少ない。大体学者あたりは五億くらい金を要求しているにもかかわらず、昭和四十二年度には八千万円しかついてません。集中豪雨で毎年何十億、何百億、また多くの人も死んでいることを思えば、こういうところの予算というものはもっともっと大幅に上げてもいいのじゃないか、こういう二点についてお尋ねします。
○鯨岡政府委員 経済の構造変化によって農村人口が減って都市人口が急激にふえてくるという予想が十分に立っている段階では、いまお話しのように都市に急激に宅地造成をして家をどんどんつくらなければならぬという必要があるわけでございます。したがいまして、土地柄のいいところは別ですが、シラス土壌というものが広範に占めておるというようなところではやむを得ず、そこをあぶなくないように一応やって、そしてそこに家をつくらなければならぬというようなことになりましょう。そこで、考えられるくらいな雨でしたらば十分それで何とかなるのでしょうが、ちょっと記録的な雨というようなことになりますと、いままでやっていた対策ではだめになってしまって、今日のような悲惨な事件が起こるわけであります。
 そこで、シラス土壌のようなところについてはどういうふうにしたらいいのかという基本的な学問的な研究をする気はないかということでございますが、気がないはずはないのでございまして、これはもう当然やらなければならぬことだ、徹底的に究明をし、報告を聞いて、そういう研究をしなければならぬ、こう考える次第であります。
 わが国はまことに不幸なことで、気象というものに非常に荒い変化があるわけであります。したがいまして、気象に対して徹底的に研究をし、これが対策、予防をどういうふうにしたならばいいかということについてお金を使っていくことは当然なければならぬことで、いまの予算で十分だとは、先生と同じように決して考えておらないわけであります。このことにつきましても特段の心配をして、ひとつ努力をいたしていきたい、こう考えておる次第であります。
○小川(新)委員 まことに総務副長官のお話は学者的な答弁で、私ちょっと遺憾なんです。私、もっと行政的に要求しているわけなんです。国家的研究機関をつくるのかつくらないのか。それから予算が八千万円では少ないのだけれども、今後どういうふうに、どれくらいやるのか、こういう点でもお尋ねしたのですが、確かにお答えいただいたことはこれはあたりまえなんで、またその点もひとつよろしくもっと御配慮願いたい。
 それから、先ほども各委員からお話がございましたように、シラス地帯ではもう擁壁だけではだめですね。排水溝と排水渠をつくらなければならぬ。その排水渠をつくるのだけれども、鹿児島県のような財政力の弱い地方では国費による二分の一の補助では十分できませんよ。この点は何か法改正をして、もっと三分の二くらい国が持つとか、そういう鹿児島県または宮崎県のような後進県――こういうことばを使ってはよろしくないけれども、そういう財政力の貧困な府県に対する考え方、これはどうでしょうか。
○鯨岡政府委員 いますぐ補助率を上げたほうがいいということを私の権限で申し上げる立場にございませんことは御了察のとおりであります。ただ行政指導で、そういうような地面のところへ家をつくらせないということをまずやって、先ほど申し上げたように家をどんどん建てなければならぬ、地所はない、そういうところへつくらなければならぬという、どうしてもしかたがない状態のときには、これは言うまでもなくその県の財政でできなければ補助率を上げてでも、安全のようにしてつくらせなければならぬだろう。これは常識だと言われるかもしれませんけれども、われわれはそういう考えで前向きにひとつやっていきたい、こう思っております。
○小川(新)委員 最後に、これで終わりますが、これからあした視察に行くわけでございます。なくなられた方々のこれからの生活の問題、それから被害をこうむられた農村の方々、それから中小企業の方々、こういう方々に対して、私どもは非常に深甚な、敬虔な気持ちでいま御同情申し上げております。こういった方々に対する施策というものをこれから検討していかなければならぬのですが、いつもこういう災害のたびに繰り返されることが、きまりきった法律の中での論議しかできない。わずか三年足らずの未熟な、委員会に参加した浅い経験の中でこれを痛切に感じております。こういう点もひとつ大幅に、個人災害のことも考えてあげなければならぬし、いろいろ保健衛生という点も抜本的に考えなければならぬ。こういう点を考えながら視察に行ってまいります。これからまた再度鯨岡総務副長官にも御答弁いただかなければならぬので、ひとつよろしく御勉強しておいていただきたい。
 その点が一つと、これは気象庁にお尋ねしたいのですが、こういった集中豪雨というものは、ある一定の時間の集中的な雨の予測はできますけれども、何地点に何ミリくらいの雨が降るというところまでは、現在の気象学、または気象レーダーとか、そういう気象観測体制においてはキャッチできないのかどうか。たとえばえびのにおいては一千ミリの雨が降った。集中豪雨においては何地点にどれくらい雨が降るのだということまで知りたいのですが、そういうことは可能なのか不可能なのか。
○大野説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のことで、集中豪雨はいつどこにどのくらい、その範囲、これは現在のところ非常にむずかしい状態でございまして、九州地区の北部、南部、あるいは中部、この程度のことは概略いえるわけでございます。しかし、福岡県のどこの町の付近、こういうものは現在レーダーを併用いたしましても非常にむずかしい問題でございまして、私ども鋭意その方面については研究している状態でございます。
 それから集中豪雨のメカニズムと申しますか、その状態は私どもも大体承知しておりますし、日常の予報にもそれを応用しておりますけれども、さらにきめのこまかい状態は気象研究所が中心になりまして、ことしも数日後でございますが、飛行機その他を飛ばすなどいたしまして、目下研究に努力している状態でございます。
○小川(新)委員 以上をもって終わらしていただきます。
○川村委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。
   午後一時四十七分散会