第061回国会 科学技術振興対策特別委員会 第11号
昭和四十四年五月八日(木曜日)
    午前十一時十八分開議
 出席委員
   委員長 石田幸四郎君
  理事 小宮山重四郎君 理事 佐々木義武君
   理事 齋藤 憲三君 理事 田川 誠一君
   理事 福井  勇君 理事 石川 次夫君
   理事 三木 喜夫君
      天野 光晴君    大石 八治君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      木野 晴夫君    渡辺美智雄君
      井上 普方君    長谷川正三君
      山内  広君    吉田 之久君
      近江巳記夫君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      木内 四郎君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     馬場 一也君
        科学技術庁研究
        調整局長    石川 晃夫君
 委員外の出席者
        郵政省電波研究
        所長      上田 弘之君
        日本電信電話公
        社総務理事   黒川 広二君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 宇宙開発事業団法案(内閣提出第二八号)
     ――――◇―――――
○石田委員長 これより会議を開きます。
 宇宙開発事業団法案を議題として、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川次夫君。
○石川委員 宇宙開発事業団の問題につきましては、前々からずっと、宇宙開発委員会の発足当時から論議が尽くされておりますので、きわめて簡単に取りまとめという形でもって御質問をしたいと思うのであります。
 宇宙開発をなぜやるかということの説明が、私はまだまだ不十分じゃないかという感じがいまだにしておるわけであります。それは、御承知のように、宇宙開発をやることによって、それ自体で相当の技術の波及効果がある。あるいはまた、アメリカが世界に冠たる技術帝国主義のようなかっこうになり得たのも、宇宙開発技術の波及効果の最大の成果だということがいわれておるわけであります。ただ日本の場合、宇宙開発をやる場合にそういう波及効果があるかどうかということになりますと、実はその波及効果の個々の分を全部日本に引き取ればそれでいいのではないか、こういう見方もあるわけでありますけれども、しかしながら、この宇宙開発事業を促進するということを通じて、たとえば気象衛星というものが一たび実現をし成功するということになりますと、アメリカにおいては一年間に四十億ドルの作物の災害からの軽減ができる。日本の金にして一兆五千億円。アメリカと日本では全然国の広さが違うわけでありますから、その数字を直ちに日本に当てはめるわけにまいりませんけれども、気象衛星による災害防止というようなことの成果はあります。それから、後進国開発のためのいろいろな衛星というものが考えられる。あるいはまた気象、通信衛星というものを通じて海底ケーブルを通すよりはるかに安い費用でもってあがるというようなことは、具体的にも証明をされておるわけでありますから、われわれといたしましても、波及効果の問題については、これからまだまだ検討する余地はあろうかと思いますけれども、宇宙衛星それ自体はやはりどうしても日本自体の力でもって打ち上げていきたいという期待は、国民の一人として、また、党を代表してもそう思わざるを得ないわけであります。そういう意味で、われわれは、この宇宙開発事業団というものができることについては、本質的には賛成であるという立場で質問を申し上げるわけでありますけれども、この条文の中でいろいろ問題になる点がたくさんありますけれども、いまからこれを修正するといっても、そう簡単に修正はできない、こう思っております。ただ、将来にまたがって、この宇宙開発事業団法案それ自体は相当直していかなければならぬ点がたくさんあるのではなかろうかという点があるわけであります。
 たとえば第一条、これは前々から問題になっておりますように、動力炉・核燃料開発事業団法のほうでは、平和の目的に限るということが書いてある。ところが、この法案にはそれが抜けている。わざと抜かしたかどうかわからないけれども、これが抜けているということは、非常に大きな障害ではないのだろうかという気がしてならないわけであります。したがって、これはあとから修正案の提案をするわけでありますけれども、やはり平和利用にこれを限定するということは、第一条の目的に当然入れなければならぬ問題である、こう考えておるわけでありますが、その点、大臣の所見を伺いたいと思います。
○木内国務大臣 先般来たびたび御質問がありまして、お答えもいたしましたように、私どもといたしましては、この事業団の組織法たる性質にかんがみまして、事業団法自体には平和の目的ということばを入れなくても、すでに宇宙開発審議会の第一号答申にもその趣旨が明らかになっておりまするし、また、総理大臣がたびたび繰り返しております。ことに本案の本会議における質疑に対して明らかに答弁をいたしております。また、私自身もこの平和の目的に限ることを繰り返して申し上げておるというようなわけで、動燃事業団の場合とちょっと違いまして、動燃事業団の場合はすでに原子力基本法にあるのですが、にもかかわらず、この組織法の中にこれを入れたのですが、私はそれにやや疑問を持っているくらいのものでありまして、特に必要はないと思いまするけれども、国会におきまして、諸先生方の御意見によってこれを入れたほうがいいというような御意見が皆さんでまとまっておられるということでありまするならば、それは私どもとしてもまた考えなければならぬ、かように考えております。
○石川委員 動力炉の場合は原子力の基本法というものがあるけれども、それにもかかわらず、なおかつ、平和の目的に限るということが書いてあるわけです。でありますから、やはり原子力基本法というものに見合うところの宇宙開発基本法というものを持たない宇宙開発事業団法の第一条には、当然、平和の目的に限るということを入れることが至当ではないかということを私は考えておるわけであります。その点はぜひひとつこの国会の意思を尊重してもらいたい。
 それからこの中で――いろいろ逐条的に申し上げると切りがないのでありますけれども、第四条で、実はきのう連合審査会でもっていろいろ御意見が出たようでありますが、五億円という数字が出ておる。二十八億円の予算の中で五億円だけ出たのは少しおかしいではないかということでありましたけれども、順次これが、法律を改正する手数をなくしてふやすことができるのだ、五億円というのは一つのスタイルにすぎないのだ、こういうふうなことを一応われわれは了解はするわけでございますけれども、ただここで、基本的な問題にまたがることで、いま直ちに解決はできませんけれども、この資本金というのは実は少し少な過ぎる。五億円では少な過ぎる。資本金を少なくしていくということは借り入れ金にどうしても依存しなければならぬということになるわけです。借り入れ金に依存をするということになれば当然利子がかかる。これは、民間の企業とも同じことがこの場合にいえるわけでありまして、実は資本金は思い切ってここにふやしていくというような形をとっていったほうがよりベターではないかという問題が一つあるわけであります。これは、しかし、この宇宙開発事業団の問題に限ったことでございませんで、非常に本質的な問題でありますからあえて申し上げませんけれども、その点は、今後の課題としてひとつ考えていかなければならぬ問題ではないか。たとえば、日本銀行は資本金一億円だというようなばかげたことになっておるわけでありますけれども、これは資本金が少なくて、しかも、借り入れ金が多いという状態が民間の企業でも一番大きなガンになっている。企業の場合でも、そういう問題になっておるわけでありますけれども、国の経営においても、資本金を少なくすることが決してベターな状態ではないということで、今後ひとつ検討しなければならぬ問題じゃないかという意見だけを申し上げておきます。
 それから、この四条一項の一号、二号、三号とあるわけでございますけれども、一号はいま申し上げたようなことが問題です。二号は問題はないと思うのです。三号の問題で、「事業団の設立に際し政府以外の者が出資する金額」という中で、これは民間のノミナルなものではあるけれども、一応期待はしているという金額が大体一億円だというふうなことをちょっと漏れ聞いたわけでありますが、その点は大体それくらいなことを期待しておるわけですか。
○木内国務大臣 この点につきましても、実は昨日申し上げたのですが、この事業は、初めから利潤を生むというようなことは考えられないわけなんですね。そこで、当面は、国の資金によって、国の出資によってこれをまかなっていく。しかし、業界においてこの事業に対して、そろばんはとれないにしても協賛的な意味において出資をしてくれる人があるならば、これは喜んでひとつ受け入れよう、こういうことで経団連その他にも話しているわけでありまして、当面としては多くを期待することはできない、一億円も期待すればせいぜいのところじゃないか、かように考えておるわけであります。
○石川委員 いまの御説明一応了解するのですけれども、なまじっか一億円程度の寄付金といいますか、出資金というものを民間に仰ぐということを通じて、民間のそういう発言権を逆に増大させるという危険性がないかということを私は心配しているのです。むしろそれなら、一切政府でやるという形にしておいて、正当に協力を求めるものは協力を求めることはできるわけでございますから、なまじっか出資金を民間から仰がないほうがいいのではないか。それよりもむしろ、電電公社あるいはNHKというのは相当豊富な資金を持っておるわけでありますから、そういうところからどんどん協賛をさせる、出資をさせる。これは当然放送衛星あるいは通信衛星という形でそういう目的が具体化しておるわけでございますから、そういうところからはっきり出資をさせる、協力を求めるという形にしていったほうが、事業団の形としてはすっきりするのではなかろうか。なまじっかノミナルの金額の協力を仰ぐことを通じて、何か民間に当然協力を求めなければなりません、その場合に、そういう出資金がものをいったんだというふうな印象を与えることのほうがむしろマイナスが大きいのではないかという点で、私は民間からの出資協力というのは、この際求めないほうがベターだという感じがするわけです。その点、どうお考えになっておりますか。
○石川(晃)政府委員 ただいまの件についてお答えいたします。
 この場合の出資金はきわめて少額でございますし、また、民間から求めるわけでございますが、この場合の民間会社からの出資と申しますのは、一般の場合の民間会社からの出資と異なりまして、この事業団の事業計画、予算、それから資金計画、こういうものに関する書類の送付を受けるということと、それから、残余財産の分配を受けられる、この二つだけでございまして、この事業団の業務の運営に対して発言権は認められていないわけでございます。したがいまして、いま先生御心配のような、そのような点は別に心配する必要はないと思いますが、この例自体も、いままでの一般の例にならってつくったものでございます。
○石川委員 その程度であるならば、それほど将来禍根は残さないと思うのでありますけれども、ほんとうのノミナルという形で、積極的にあまり協力を求めるという形はむしろ将来禍根を残す。ほんとうのお祭りに対する寄付金という軽い気持ちの協賛という程度以上に出てはならぬ性質のものではなかろうか。やはりこれは国でやるのだという、こういうスタイルをちゃんと確立をしてもらいたい、こういうことをひとつ強く要望を申し上げておきます。
 それから、きょうは電電公社の方あるいは電波研究所の方もいらっしゃっておるようでありますけれども、実はきのうの連合審査会の中で、森本委員のほうからの質問に対しまして、電波研究所の技術者の部長さん、何とおっしゃったか記憶ありませんが、まだ研究が進んでおらなくて、打ち上げ用の衛星というものにまだほど遠い――ほど遠いという表現ではなかったかもしれませんが、まだそこまで行っておらぬというお話があったわけでありますけれども、これは電波研の中だけの答弁であって、電電公社、国際電電あるいはNHK、これが合体した中における研究の成果というものは相当進んでいるのではないかというふうにわれわれは聞いておるわけでございます。したがって、きょうは電電公社の方に来ていただいたわけでございますけれども、この衛星は、打ち上げにたえ得るようなところまで研究は進んでいる、いままで逓信委員会ではそういうふうな御説明を大体なさっておったと聞いておるわけでございまして、きのうの答弁とはだいぶ食い違いがあるという点がきのう議論の焦点になったわけであります。電電公社のほうの現在の進捗ぐあいは一体どの程度になっておりますか、その点をひとつ伺いたいと思うわけであります。
○黒川説明員 お答えいたします。
 電電公社は、郵政省をリーダーといたしまして国際電電、NHK協力いたしまして、郵政省の次官を本部長といたします宇宙開発本部というもので共同研究の体制をとっておるわけでございます。私どものいままで主としてやりました事項は、特に通信衛星というものはいろいろな方面から多元的に接続するという方式がぜひ必要でございますので、その点に関しまして、昨年度は郵政省の電波研究所と共同いたしまして実験をした次第でございます。
 それから、衛星それ自体の研究でございますが、国内通信に使いますものは、従来の国際通信に使われておるものと周波数が違いまして、おそらくもう少し周波数の高いものになるのではないか。それの基本的な部品の研究というようなことをぼつぼつ手がけておるというような状況でございまして、私どものほうは、これをもって現在直ちに衛星をつくれるというような状況はまだ研究を重ねなければ自信のあるものが生まれ得ないのではないかというように考えております。研究の進行途上である、こういう状況でございます。
○石川委員 ついでに、せっかく来ていただいておるわけでありますから、電波研究所の方の御説明を伺いたいと思います。
○上田説明員 お答え申し上げます。
 先生のいまお尋ねの件は、実験用の通信衛星に関する問題だと思いますけれども、これにつきましては、ただいま黒川総務理事から申し上げましたように、電波研究所におきましても、特に高い周波数につきましての研究というものを進めておるような状況でございまして、それ以外の問題につきましては、通信衛星一般に通ずるような問題でございますので、こういう方面につきましてはそれほどの大きな問題はないと考えておるようなわけでございます。現在におきましては、どういう計画、あるいはどういうふうにやるべきかというようなことにつきましては着々と進めておる次第でございます。
○石川委員 ついでに参考までに伺っておきたいのでありますけれども、放送衛星のほうはどの程度進捗しておるのですか。
○上田説明員 放送衛星につきましては、実はNHKの内部でどの程度に実際問題として進められているかという点につきまして明らかでない点がございますけれども、この問題は、将来の放送衛星というものをどういうぐあいにとらえまして、これを実用化するかという点もいろいろございますので、郵政省でそういう点につきましてはせっかく検討中であると思います。
○石川委員 そこで、問題は宇宙開発事業団に戻るわけでありますけれども、宇宙開発事業団では、衛星の研究はほとんど今後ともやられないのかどうなのか。いま電電公社あるいは国際電電、NHK、電波研究所、そういうところでいろいろなことを総合的にやっているとはいうものの、そういったものに対する調整とか企画とかいうものについて、宇宙開発事業団は今後どういうふうに関係していかれるか、その点をちょっと伺いたいと思います。
○石川(晃)政府委員 宇宙開発事業団におきましては開発を主体としておりますので、ただいまお話のありました電波研究所なりあるいは電電公社なりの研究そのものについては、直接タッチすることはないわけでございます。先ほどもお話がありましたような研究が進みまして、実際のプロトタイプまで製作できるという段階まで研究が進みました時点におきまして、これは開発というかっこうでこの事業団で引き取りたいと思っております。現在行なわれております先行的な研究につきましては、やはりそれぞれの部署におきまして研究を進めていただくほうが、それぞれの研究者を有効的に活用できるということも考えられますし、また、その研究に対する施設等も各研究所においては十分備えられておりますので、そのようなかっこうで今後とも進んでいきたいと思っております。
○石川委員 それで、私は非常にふに落ちないのは、この宇宙開発事業団というものができて、打ち上げを一生懸命やるという気配はくみ取れるわけなんです。ところが、そういう民間における開発にいろいろなアンバランスが出てくるという可能性もあるし、どれを急がなければならぬという序列もおのずから出てくると思う。そういう点について、宇宙開発事業団のほうは、ただ民間にまかせっぱなしだというふうなことになると、宇宙開発事業団というものは単なる打ち上げだけだという印象を強く与えざるを得ない。そういうふうな形の宇宙開発事業団というのは、われわれが期待しておる宇宙開発事業団とはちょっと縁遠いものになってしまうのではないかという懸念を持っておるわけです。それは全部、たとえば東大でもやっておる、それから、電波研でも電電公社でもNHKでもやっておるわけでありますが、それを全体的に――「総合的」というのが第一条に出ておりますけれども、全体的に大体いまの進捗ぐあいをつかむ、あるいはまた、特別にこのほうに力を入れなければならぬというような促進をはかる、そういうような機能を宇宙開発事業団が持てないということになると、単なる打ち上げだけだということにならざるを得ないのではないか、その点はどうお考えになっておりますか。
○石川(晃)政府委員 ただいまの件につきましては、全体の宇宙開発に関係ある研究につきましては、宇宙開発委員会においてその調整をしているわけでございます。したがいまして、その研究そのものにつきましては、研究の計画あるいは進行状況というものは、宇宙開発委員会において把握しておるわけでございまして、宇宙開発委員会におきまして、それに基づきまして開発計画をつくり、その開発計画を議決したものにつきまして内閣総理大臣が基本計画をつくりまして、それを宇宙開発事業団に命令いたしまして、宇宙開発事業団でその基本計画に基づいて実施するという仕組みになっておるわけでございます。
○石川委員 いま直ちにそういうことを言っても解決にならぬと思うのでありますけれども、宇宙開発事業団ができた以上は、やはり研究所というものを独自に持ち、打ち上げ部隊というものを独自に持つ、そういう形で日本全体の知識の衆知を集めていく、それから、その総合調整をはかっていく、あるいは研究所自体も自分で持っておるというような形にならないと、この宇宙開発事業団というものは、われわれが期待するようなものにはならないのではないか。これはほんとうに素朴な大衆もそう思うだろうと思うのです。何だか知らぬけれども、できたものを持ってきて打ち上げるだけだというようなことでは宇宙開発事業団が十分機能を発揮し得ないという懸念を持っておるわけであります。その点は、この第一条の中で私が言いたかったのでありますけれども、これは前にも質問しましたが、「総合的」ということであって、「一元的」ということばは使ってない。いまいろいろセクショナリズム、お役所のなわ張りというふうなものもあって、これは「総合的」ということばで逃げたのだろうと思うのです。一元的という形になることをわれわれとしては期待しておるわけです。将来はそういう方向にぜひ持っていってもらいたい。今度電波研究所が入って郵政省も協力をするという体制がとれたのは一歩前進でありますが、将来は測地、航行、気象、いろいろなものが入ってくるわけであります。そういう膨大なものをやはり一元的にこの宇宙開発事業団でもって調整をはかる、こういう方向にいかなければ、これができたほんとうの意義というものは発揮できないのではないか、この点について長官はどうお考えになっておられるか。
○木内国務大臣 いまお話しの点、まことにごもっともでありまして、そのために、私どもも今度は事業団という一つの箱をつくりまして、そして、それに順次他の部門も入ってくることができるようにという仕組みになっておるわけです。法律の規定をごらんになればおわかりのように、そういう規定になっておりまして、郵政省で担当しておる電波監理局がまずそこへ入ってきていただく。そのほかのものも順次入ってきていただくような仕組みになっておりまするし、各官庁間の申し合わせにおきましても、そういうふうに話し合いがついておるかうなわけでございます。
○石川委員 この宇宙開発事業団は非常な苦心の産物で、やっとの思いでこれがただ一つの事業団としてことしの予算で認められたという点の御苦労は多としますけれども、それだけに、非常な苦労の産物であるだけに、いろいろな制約を受けたと思うのです。そういう点で、事理想の形とは縁が遠いと思うのでありますけれども、将来の方向はぜひ研究所、あるいはそれにもろもろの民間でやっておる、あるいは国立研究所でやっておるようなものの総合調整がはかれるのだ、一元的に持っていくのだ、したがって、単なる打ち上げではないのだという機能の発揮ができるような方向にぜひひとつ努力をしてもらいたい。
 それから、東大あたりがいろいろ問題になっておりまして、ビッグサイエンスというのは同時にビッグビジネスでありますから、学者がこれを管理することについていろいろな不明朗なうわさも出てきたわけであります。そういう点もひっくるめて、ぜひこの事業団というものがぴしっとそれを統制していくというような形になることが、国民の期待しているところではないか。そういう点で、今後ともひとつぜひ努力をしてもらいたいということをお願いしたいと思うのであります。
 それから、役員の人選の問題でありますが、きのうもこれがちょっと議論になったように思うのでありますけれども、役員の人選は全然きまっておらない、こういう御答弁でしたね。どうでしょうか、その点は。
○木内国務大臣 きのうもお答えいたしましたように、いまの段階ではまだきまっておりませんけれども、本案の御決定を願いますれば、この数カ月の期間におきまして慎重にこれをきめてまいりたい、かように考えております。
○石川委員 きのうと同じような御答弁なんですけれども、何か期するところがあってこういう方向に持っていきたい――まあ発表しなくていいですよ。そういう何か見通しというものがなければ、ただ単に法律が成立してからあと考えますということだけでは、あまりに無為無策じゃないかと思うのです。そういう点の腹づもりがあるかどうか、これを一つ伺いたいと思います。
○木内国務大臣 私どもといたしましては、事業の経営の能力があり、しかも、各界の信望の厚い人ですね、しかも、この事業の管理をなし得るような人、そういう人を集めまして、有能なトップマネージメントの組織を確立いたしたい、かように考えて着々腹案を練っておるようなわけでございます。
○石川委員 そうすると、まだ腹案は固まっておらない、こういうことではあるけれども、大体めどをつけて、こういう人なら適任者であるという方向づけは大体できておる、こう理解していいわけですか。これは腹案がなくて、ただ単に法律ができてからというふうなやり方でありますと、せっかく事業団ができましても、この運営はやはり人がやるわけでありますから、相当しっかりした人のめどをつけて、相当無理をしてでもその人を必ず役員に持ってくる、こういう気魄をもって臨んでもらわなければならぬ。そのためには、いままで腹案もできておらぬというふうなことではきわめて心細い、こう私たちは思っておるわけです。
 それから、ついでに申し上げますけれども、宇宙開発委員会のほうでございます。これはみんな非常勤で、山縣さんはじめ非常に熱心にやってはおられるけれども、あんな状態ではほんとうに宇宙開発委員会の任にたえるとはわれわれは考えておらぬわけであります。したがって、これは専従者をちゃんとつける、そして、人間もふやす、こういう形にしなければ――もうあの方々はみんなりっぱな方々であるかもしらぬけれども、とにかく忙しい人ばかりです。一週間に一ぺんぐらい顔を合わせることができるかどうかというふうな状態で、はたしてこの宇宙開発という大きな目的を遂げるための体制になっておるかどうかということになると、私はきわめて不安でならない。きのう、私はちょっと委員会に出なかったためによく聞いておらぬわけでありますけれども、この宇宙開発委員会も、常任者も含めて人数を強化する。これがはっきりした見通しが立たないと、現在の体制では、たとえば山縣さんにしても、あっちこっちの委員会をたくさん持っておるわけです。どこでも放したがらない。どこでも必要な人だということになりますと、幾ら熱心にやったところで、たかが知れている、限界があります。そういう点で、この宇宙開発委員会のメンバーも強化をするという確固たる見通しといいますか、そういう不動の姿勢を持っておられるかどうか、それをひとつ伺いたい。
○木内国務大臣 いま、この宇宙開発委員会のことについての御意見、これもまことにごもっともであります。ことに昨年の宇宙開発委員会設置法案審議の際にもすでに御意見がありましたし、私どもも心を砕いておるわけであります。遺憾ながら、ことしの予算にこれが実現はできませんでしたが、今後におきましても、いまのお話のような趣旨によりまして最善の努力をしてまいりたい、かように存じております。
○石川委員 長官はやはり非常に手がたい答弁をされるのですけれども、必ずやる、やる決意だ。せっかく努力するという程度ではなくて、これはぜひやってもらわなければ、事業団ができたって、中核になる宇宙開発委員会それ自体がいまのような形では、とても推進できないと私は思うのです。ですから、ぜひこれは実現をさせる、こういう決意を持ってもらわなければならぬと思う。
 それと同時に、これはそれよりちょっとむずかしい問題かもしれませんけれども、一省一局削減というようなことで、日本のきわめて重要な中心をなしている、今後の課題になる資源局というものは削減をされたというふうなことになっているわけですね。しかし、これからの日本の行政の中で科学技術の進歩に即応できる政府の体制――これは民間に依存できないビッグプロジェクトがたくさん出てくるわけです。今度、いまの研究調整局は将来海洋開発をやらなければいかぬと思うのです。海洋開発をやり、宇宙開発もやる、こういうふうなことは不可能です。おそらく私は、石川調整局長はたいへん奮闘はされておるようでありますけれども、両方ひっくるめてやるんだといっても、これは自信がないだろうと思うのです。どうですか、石川調整局長。
○木内国務大臣 いまの局の問題、これもまことにごもっともな御意見でありまして、私どもも本年度の予算のときにも大いに努力をしたのですけれども、遺憾ながらこれを達成することができませんでした。そこで、いま調整局長以下非常に骨折ってもらっているわけです。御趣旨の点、まことにごもっともでありますので、これも今後開発委員会と同様に、その実現を期して努力をいたしたい、かように考えております。
○石川委員 手がたく、努力をするということなんでありますが、これは行政管理庁のほうが相当難色を示して、例外を認めるわけにいかぬというふうなことで、十ぱ一からげに一省一局削減ということにひっかかってきたと思うのであります。しかし、ほかの国の情勢をごらんになったらよくおわかりだと思うのでありますけれども、とにかくどこの国も科学技術の進歩に即応し、ビッグプロジェクトが円滑に遂行し得るような体制をつくることに非常な力を入れているわけです。そのために、調整局の中でもって海洋開発もやり、宇宙開発もやる、これは不可能ですね。もう世界の情勢、これは科学技術の進歩にとうていついていけない体制になっておると思うのです。そういう点は、いずれ総理大臣や、それから行政管理庁長官も呼んでわれわれも追及をしたいと思うのでありますが、十ぱ一からげの中にこの科学技術の必要性というものが埋没してしまって、もう宇宙局もできない。これから海洋開発というものがあれば、これも一つの局ぐらいでやらなければできないと思うのですよ。そのときに、十ぱ一からげの中に、一省一局削減という中に埋没しちゃうということのないような体制を、われわれももちろん協力をしますけれども、ぜひいまからつくってもらいたい。それでなければ、せっかく予算をとっても、その体制に順応し切れないで全部死に金になってしまうというようなことであったのでは、国民に対しても相済まないし、また、ほんとうに必要な科学技術の日本的な向上のために協力できる体制にならぬ、こういう心配をしておるわけです。その点の決意をひとつ聞かしてもらいたい。
○木内国務大臣 御意見の点、一々ごもっともでありまして、そのために私どもも、実は心を砕いておるようなわけでありますから、その実現に向かってもうできるだけの努力をしてまいりたい。皆さん方の格別の御支援もお願いしたいと思っております。
○石川委員 実はこの宇宙開発事業団法が出る前には、当然前提条件として佐藤総理とも確約をいたしましたわけでありますけれども、宇宙開発基本法か宇宙基本法か、そういったものが前提としてあって、平和目的に限るということが確約をされなければならぬということになっておったわけでありますが、わが党は、粗末ながら宇宙開発基本法案の要綱はつくりました。要綱はつくりましたけれども、法制局ではなかなかこれは法制化できないわけです。世界にも前例がないというふうなことで、いま要綱にとどまっておるわけでありますけれども、こういうものをもとにして将来必ず宇宙開発基本法、これは議会の問題ではありますけれども、そういうことを理解して当局も協力をする、こういうことを約束できるかどうか、念のために伺っておきます。
○木内国務大臣 基本法の制定の問題も、昨年のこの開発委員会の法案御審議の際の附帯決議にもありまするし、私どももなるべくすみやかにこれを制定していただきたい、かように思って、われわれのほうとしても着々研究はいたしておるのであります。各党間にいろいろお話し合いもあるようでございますので、そのお話し合いに対して私どもも積極的に御協力を申し上げ、そうして、なるべくすみやかにその成立を期するようにいたしたい、かように思っております。
○石川委員 公式の答弁は、いつもそういうことを申されるのでありますけれども、実は宇宙開発基本法あるいは宇宙基本法をつくるための資料を科学技術庁からいただいたことがあるわけです。その中を見ますと、これは、いまにわかにはつくりがたいのだというようなことを強調している文句があっちこっちに散見される。いまそれを取り上げてとやかく言う場所じゃございませんから、あらためてそれはまた問題にしたいと思うのでありますけれども、そういうことで、どうも宇宙開発基本法をつくることにあまり積極的ではないという印象をわれわれは受けざるを得ない。それでわれわれは、宇宙の定義から何から非常にに問題がありましても、曲がりなりにも一つの素案をつくるということにせざるを得ないようなことになったのは、科学技術庁自体ができないというものですから、われわれのほうでやらざるを得ないというかっこうで、非常に粗末な案を、これはほんとうの素案でありますけれども、一つのたたき台としてつくらざるを得なくなったということをひとつ御理解を願っておきたい。これは総理との確約でもありますから、将来この宇宙開発基本法は必ずつくる、この次の国会では必ずやるというところまで、われわれ国会、立法府のほうとしては当然考えざるを得ないので、そういう決意でおるわけでありますから、それに対応する体制をひとつぜひ科学技術庁の庁側としてもつくってもらいたい。これを一つ要望しておきます。その点について。
○木内国務大臣 ごもっともな点でありますので、私どものほうでできるだけ御協力申し上げたいと思います。ただ、私どものほうでいろいろ資料も御参考に差し上げたと思うのですが、やはり立法をやる場合には、いろいろ解決すべき困難な問題もあることは御案内のとおりでありますので、そういう点について、こういう点とこういう点はひとつ解決していかなければならぬという問題点を列記したものを差し上げたことについて、いまの御意見があったのだと思います。われわれといたしましては、今後積極的に御協力を申し上げて、なるべくすみやかに立法府のほうにおいて成案を得られるように、われわれのほうとしても御協力申し上げたい、かように思っております。
○石川委員 最後に、実は今度の本会議におきまして、宇宙開発基本法ができない代償といってはちょっとおかしいのでありますけれども、平和利用に限るということの決意を、本会議におけるところの決議案として出したいという希望をわれわれは持っているわけであります。その点につきまして、ここでひとつ、これはまだ文句が確定したものじゃないかもしれませんけれども、地球上の大気圏の主要部分を超える宇宙」ということ、これはまだ学説としてはほんとうにきまったものではないのでありますが、一応こういうことにして宇宙というものを定義づけるということを提案されておるわけでありますが、その宇宙の上限を一体どのぐらいにするか。下限といいますか、宇宙から見れば下限、地球からいえば上限、それをどの程度にするかということについて、実はこれはまだ学者の中にも定説はないし、われわれとしても確たる腹案というものは持っておらぬわけです。
 そこで、気象衛星というのは大体何キロぐらいで飛んでおりますか。
○石川(晃)政府委員 最近打ち上げられております気象衛星は、大体千キロほどの高さでございます。(石川委員「そんなに高いか。ちょっとおかしいよ。調べてごらん。そんなに高くない。千キロということはないよ」と呼ぶ)六六年ごろに上げられております気象衛星、これはニンバスでございますが、このあたりは近地点が千九十九キロ、遠地点が千百七十八キロということになっておりますので、大体千キロ前後ということになっております。それから、それ以前の気象衛星につきましては、たとえばバンガードの二号というものにつきましては、近地点が五百六十キロ、遠地点が三千三百二十キロというような数値になっております。
○石川委員 私は浅学非才で申しわけないのですけれども、何か実験用の気象衛星だろうとは思うのですが、四十キロから八十キロぐらいで飛んでおるという話を聞いたことがあるわけです。そういうようなものはないですか。ほかに、たとえば測地衛星、航行衛星、こういうものはどのくらいで飛びますか。
○石川(晃)政府委員 測地衛星につきましては、やはりこれも大体千キロぐらいでございまして、四十キロと申しますと四万メートルでございますので、たぶん気球ではなかろうかというふうに存ずる次第でございます。
○石川委員 私はたいへん認識が誤っておったのかもしれません。実はいろいろな学者の意見を聞きましたところが、この「地球上の大気圏の主要部分を超える宇宙」というのは大体百キロぐらいだ。ただ、それ以下でも衛星は飛ぶから、ロケットは飛ぶから、そこに非常に混乱があったわけです。私たちも何キロにきめるか、きめかねる点が一つあったわけです。飛行機が飛べる範囲というのは、百キロまではいかないでありましょうけれども、学者の定説では、地球上から大体百キロの地点から上が宇宙というふうに国際的な常識として判断をされておる。百キロ以内では衛星は飛ばないということであったのですが、その例外があるのではなかろうかという不安を一つ持っておったものですから、念のために伺っておるわけなんですけれども、百キロ以内で飛ぶ衛星というものはございませんか。
○石川(晃)政府委員 実際に上がっておる衛星はないと思いますが、これは、人工衛星の可能な継続的な飛行高度ということで考えられるものは、約百十キロというところが最低の高さというふうに考えられるわけでございます。
○石川委員 軌道に乗せた衛星というのは、百キロ以内では飛び得ないと思うのですよ。これは百キロ以上だと思うのです。それ以外に、それに類似するものはないかなと思って、念のために伺ったわけでありますけれども、そうしますと、学者諸君から聞いた意見の大体百キロというのが宇宙の下限であり、地球上からはかって百キロが上限だ、それから上が大体宇宙というふうに判断をして、その中における平和利用、こういうふうに私は理解をしておるわけでありますが、これはもちろん学界で定説が定義的にきまっておるわけではございません。ございませんけれども、大体そんな見当でよろしいのじゃなかろうか、こう思っておるのですが、その点について何か御意見がありますか。
○石川(晃)政府委員 ただいま先生のお話しの高さは、やはり国連の宇宙空間平和利用委員会におきます一つの意見としては出ておりますが、まだはっきりしたものとしては出ていないわけでございます。
○石川委員 私が日本の学者に聞いた範囲では大体百キロでいいのではないか。これは国連のいわゆる宇宙天体条約にも大体そういう常識の線できめられておる、暗黙の了解みたいなものがあるから、大体その辺でよろしいのじゃないかという話を聞いたものだから、大体百キロということで今後も考えていったらいい。これは検討の余地はあります。検討の余地はありますけれども、大体そんなところではないかということで、決議におけるそういうものは大体百キロというふうに考えていきたいというふうに思っているわけであります。
 それから、そこに打ち上げられる「物体及びその打上げ用ロケット」、これは原案ではそういうふうになっておるわけです。この物体というのは、決して衛星ということだけではないということを意味しているわけです。人間が乗った場合にはどうなんだという問題は出てきますが、これは日本の場合には、えらい遠い将来の問題になりますから、そこまで考える必要はないだろうというふうに考えて、この「物体」という文字を使ったわけでございまして、これは社会党だけではなくて、公明党、民社党、あるいはその他の方々もみんな同じ意見だろうと思うのでありますけれども、ICBMというものができれば当然百キロをこすということになるわけでありますけれども、これは、核兵器というものは当然日本は原子力基本法によって使うことができない、非核三原則というものも大体政府のほうでもきめておるというようなことで、これはそういう意味も含めておるということにひとつ御理解を願いたいのです。
 それから平和利用――平和という文字は、世界的には「非侵略」という使い方が一つある。それから「非軍事」という考え方もあるわけです。しかし、日本の場合には、憲法というたてまえもあって、この平和という文字はあくまでも「非軍事」というようなものに理解されるのが常識になっておるわけです。したがって、この決議がもし上程をされるとすれば、そういう意味の非軍事であるというようなことが前提として確認をされなければならぬ、こう思っておるわけでございます。その点について、どうお考えになっておりますか。
○木内国務大臣 いまの非軍事という御解釈、大体私はそのとおりだと思っております。
○石川委員 私は、ほかに条文の中に、あるいはその波及効果の問題、いろいろ質問したいことがたくさんあるわけでありますけれども、ほかの党の方も質問の準備をされておるようでありますから、一応この程度にして、私は打ち切りたいと思います。
○石田委員長 次に、三木喜夫君。
○三木(喜)委員 いま石川さんのほうから重要な問題について確認がなされました。私は、その確認された分につきましては、触れません。そうして、補足する意味においてお伺いしておきたいと思います。それが一つと、それからもう一つは、この事業団法が委員会を通る、こういう段階におきまして、午後でも、採決される前に理事会を開いて――われわれといたしましては、いままで例にない本会議決議案というものを上程したい、こういうように考えておるのです。これは石川さんも触れましたが、その本会議決議案を上程するにあたりまして、特に確認しておきたい問題についてお伺いいたしておきたいと思います。
 それで、第一の問題は、石川さんがこの法律案の条項を追う中で問題点を提起されました。特に法律のスタイル、それから法律案の内容をなす部面についての質問がありました。私がその中で一つお聞きしておきたいことは、いま同僚議員のほうからも指摘があり、御注意がありましたこの役員の問題ですが、第十四条、すなわち「役員の欠格条項」の中に、日本原子力船開発事業団法とこの法律案と比較してみたときに、原子力船開発事業団法のほうでは、現職の国会議員やあるいは大臣、これはもう役員の欠格条項に入っておるわけです。この法律案では欠格条項に入っていない。したがって、勘ぐって申し上げますならば、宇宙にミサイルを飛ばすことに非常に熱心な国会議員がおるといたします、あるいはまた、宇宙に軍事施設を持っていくのが今後戦争抑止になるところの大きな要素だというような非常に強い信念を持っておる政治家があるといたします。そういたしますと、それらの人は、この事業団法では役員に入ることができるということが一つは懸念されるわけであります。したがいまして、なぜこういうふうに欠格条項を違えたか。いま私が申し上げましたのは、そういう懸念があるということで、これは単なる推測なり杞憂になるかもしれませんけれども、しかし、両者の間でなぜこういうぐあいに違えられたかということに、まず形式的に疑問を持つものであります。内容的な面につきましては、まだ申し上げる段階でありませんから、形式的な面だけひとつお答えをいただいておきたいと思うのです。
○木内国務大臣 御疑問の点、まことにごもっともだと思うのですが、実は原子力船の当時と違いまして、四十年以来法制局でこれを統一いたしまして、議員とか大臣とかいうものは欠格条項の中に入れない、入れないでも当然除外されるべきものだということで入れないという書き方にこのごろ変わっておるものですから、そういう意味で、今度のものはこれを欠格条項にあげなかった、これだけのことでございまして、実質においてはこれは当然排除されるべきものだ、かように思っております。
○三木(喜)委員 そういうような法制局における法案の一つのスタイルとして、こういうことになっておるということになれば、それは了解いたしました。したがって、いま申し上げました大臣だとか国会議員が役員になれないということについては同じことである、こういうことで了解いたしました。
 その次にお伺いをしたいのは、平和の目的のところで二つありますが、その二つのうちで、いま大臣としては非軍事というようなぐあいに解釈をなさいました。平和目的というものの内容をなすものは、非侵略だけでなくて、非軍事だ、そういうように御答弁いただきましたから、それはそれでけっこうなんでございますけれども、そこで、いま申し上げました決議を出したいと四党意見が一致しております。したがいまして、私はその根底になるものは何であるかということについて申し上げたいと思うのですが、それはやはり宇宙条約、昭和四十二年十月十一日批准になっております宇宙条約、それは宇宙空間平和利用に関する国際協力、この二つに根拠を置かなければならぬと思います。したがって、決議案の提案の趣旨の中にこういうものを盛るべきだと私は思うのです。これは主として与野党の理事会あるいは委員会で決定すべきことで、政府にそういうような見解を求めることは場違いかとも思います。しかしながら、どういう御見解を持っておられるか。ここでひとつお伺いしておきたいと思います。
○石川(晃)政府委員 国際協力関係につきましては、いろいろ国際間の決議があるわけでございますが、すべてこの決議は宇宙条約というものをつくるために作成された決議でございますので、宇宙条約ということに全部集約されるのではなかろうかというふうに存じております。
○三木(喜)委員 したがいまして、宇宙条約の第四条「条約の当事国は、核兵器及び他の種類の大量破壊兵器を運ぶ物体を地球を回る軌道に乗せないこと、これらの兵器を天体に設置しないこと並びに他のいかなる方法によってもこれらの兵器を宇宙空間に配置しないことを約束する。」こういうことが四条に明記してあるわけです。したがいまして、今日決議案を出すところの提案の理由としては、私は当然これは、条約の文章に即してそういうことをうたっておく必要があろうと思うのですね。これについてお考えをお聞きしたいと思うのです。
○木内国務大臣 わが国におきまして、宇宙条約をすでに批准しておることは御案内のとおりでありまするので、私は特にそれはおうたいにならなくても、あるいはそれに言及されることもそれは適当かと思うのですけれども、実は今度お出しになるという決議案を拝見しますと、それは宇宙条約よりもさらにまた一歩前進しているように私は思うのです。宇宙条約等も考えてさらにこれを出す、こういうことで宇宙条約とちょっと範囲が一致しておらないように私ども思うのですが、そういう点も御考慮になって御決定になったほうがいいんじゃないか、かように思っております。
○三木(喜)委員 これは、主文は大体与野党で意見が一致しておりますので、これはまだ決定しておりませんから、一つの原案になろうと思いますけれども、しかしながら、「「地球上の大気圏の主要部分を超える宇宙」に打ち上げられる物体及びその打上げ用ロケットの開発及び利用は、平和の目的に限り、学術の進歩、国民生活の向上及び人類社会の福祉をはかり、あわせて産業技術の発展に寄与するとともに、進んで国際協力に資するためこれを行なうものとする。」ということは、この両条約の中にこの文言はみなあるわけなんです。しかしながら、私たちがあとで相談する一つの資料として御意見をいま聞いておきたかったわけなんですが、その中では、産業の発達とか、あるいは国民生活あるいは経済の発展、こういうことは提案の趣旨の中にうたっておりますけれども、日本がやはり宇宙条約に参加しておるという、そういう大前提のもとに国会の決議案とする場合には、やはり入れるほうが私はいいと思うのです。しかし、大臣はことさらに入れなくてもいいし、いや入れられても入っておるのだから別にさしつかえない、こういう御見解ですから、この点はあとでわれわれはひとつ相談をしていきたいと思うわけです。
 次に、きのう実は資料を要求いたしました。一九六八年以後、いま宇宙に打ち上げられておるところの人工衛星の追加分ですね。科学技術庁から出されておる「宇宙開発ハンドブック」に参考資料としてうしろに載っております、これ以外の分についてお伺いいたしたわけでありますが、その趣旨というのは、これで見ますと、要するに、現在宇宙に上がっていまだ消滅していない、あるいはまた撤収していない衛星が、この資料によりますと四百五十五あります。それから、いま科学技術庁の謝敷参事官に聞きますと、七百ぐらいいまはまだ宇宙に残っておるのであろう、こういうことであります。それから、私の聞いておるのでは一千近いと聞いておるわけなんですが、こういう実態をわれわれはとらえていく中で、日進月歩の宇宙開発の実態をとらえて、そうして、事業団というものを育成していく必要があろうと思うのです。それと同時に、特に申し上げておきたいことは、インテルサット条約との関連におきまして、日本がやっと自力で、昭和四十八年に静止通信衛星を赤道上に打ち上げることができるという能力を持ち、さらにまた地域衛星を打ち上げる能力を持ったときに、インテルサット条約の上で締め出しを食らっておるかもしれないというようなことを考えますと、現在打ち上がっている衛星の状況と、それから将来考えられるであろう国際条約の立場と、これを勘案しながら事業団をやらなかったら、それは当然事業団が抜けがらになってしまうということを思わざるを得ぬわけであります。したがって、先般から条約関係の人、あるいはまた今回のインテルサット条約改定の会議に参加した人、こういう人に来てもらって、そういうおそれはないかあるいは、そこで、日本は主張すべきことを主張するのかどうかということを強力に私たちは要請したわけであります。政府としても、この点について、はっきりした決意をもって臨まなければならないと思います。アメリカが繊維に対する輸入制限をやる、これは日本の産業に対して非常に不利を招くからして、日本の国会としてはいま決議をあげようとしておるわけです。しかしながら、こういうようなインテルサット条約によって、アメリカの資本力といいますか、出資金の度合いに応じて、大国の横暴で、地域衛星も打ち上げることができない、こういうことになれば、これはたいへんでありますから、この点について政府の決意を強くしてもらいたい。閣議においてもこの点は十分提案してもらいたい。そうでなかったら、事業団というものは金がかかるだけの話になってしまうという心配を持つわけです。その点についての決意を聞かしておいていただきたいと思います。
○木内国務大臣 この点につきましては、昨日の連合審査会におきまして郵政大臣からはっきりその決意を述べました。あくまでこれを主張して実現を期するという決意を述べておりまするので、その旨を私から重ねてお答えいたしておきたいと思います。
○三木(喜)委員 大臣、閣議にはかって、そうして、強力な国論の喚起につとめ、そうして、政治的な推進をやってもらいたい、こういうのです。もう決意のほどは、個々ばらばらには聞いておるわけですけれども、これは大きな国論としてやっておかなかったら歯どめになりません。それで、いままで御答弁いただいておるわけですが、特にまとめとしてお伺いをしておるわけです。
○木内国務大臣 その点は、郵政大臣とともに、その実現を期するように努力をいたしたい、かように思っております。
○三木(喜)委員 以上、私の質問したいことは終わったわけでありますけれども、ただ、石川さんが言われましたように、役員等におきまして、あとでまたもめて、いや、十月からこれが発足するのだと言いながら、事実上は、十一月、十二月になってもできない、こういうことでは困りますし、さらにまた、片手間でやられたら困るわけなのです。やはり本格的に取り組んでやっていただくところの人選の腹案を、いましっかり持っておっていただくことをつけ加えて、老婆心かもしれませんが、要望しておきまして、終わりたいと思います。
○石田委員長 次に、近江巳記夫君。
○近江委員 私も、先ほどからの石川議員、三木議員の質問と重複しております点は避けたいと思いますが、先ほど三木議員からも、インテルサットとそういう今後の地域衛星を打ち上げとの影響についての御質問がありました。きのうの連合審査会でもそういう問題があったかと思いますが、私もちょっと聞き漏らしておった点もあると思いますので、重なるか知りませんが、ちょっとお聞きしたいと思います。
 宇宙開発に関する技術協力について日米間の合意がほぼできてきたように思いますが、米国に協力を期待する事項というものが大体どういうものであるかということの突っ込んだ点、なお、この技術協力が得られなければ打ち上げは当初の計画どおりは行なえないのじゃないか、そういう点、心配があるわけですが、その辺のところをちょっとお聞きしたいと思います。
○木内国務大臣 この点につきましては、私どももできるだけ自主的に自分たちのほうだけでやりたいと思いますけれども、時間的な制約もありまするし、そうあまり自分たちのほうだけでということにこだわる必要はない、やはり向こうのいろいろな経験を積んだものを、導入できるものは導入して、さらにこれに開発を加えてやっていくようにしたい、こういうことで考えておるのですが、その際、アメリカからああいう、もし協力を希望するならやってもいいという申し出がありまして、いろいろな条件もあったのですが、私どもはその条件を別にうのみにするものじゃありませんで、こちらの立場を示しまして、そうして、回答したことも、これも御案内のとおりだと思います。その考え方に従って外交上の交渉をいたしておるわけです。そこで、ほぼまとまる段階に来ておるのですが、まだ最終のところまでいっておりませんので、外交交渉の途中でありますから、いま発表するわけにはまいりませんが、近くこれがまとまりますれば、これは当然発表して皆さん方にお示しいたしたい、かように考えております。
○近江委員 じゃ、まだ煮詰まっていない段階ですから、もうこれ以上お聞きしてもしかたがないと思いますが、先ほど三木議員もおっしゃっておりましたが、将来地域衛星等の打ち上げ等にそういう協定が影響をしないように、この点は、ひとつ政府が本気になって取り組んでいただきたい、これを要望しておきます。
 それから、この決議案の大体の骨子はこれでできておるわけでありますが、大臣もこれはお読みになったと思いますが、平和の目的も先ほど問題に出ました。要するに、この歯どめとしてわれわれもこの点を主張いたしまして、この決議案は、いままでかつてなかった、院議でそれを行なうという今回の形がとられたわけであります。しかし、あくまでも基本法をつくって、そこでやるのがこれは本筋なんですから、したがって、それまでの歯どめですから、あくまでもこの基本法の制定ということについては、終始一貫してこの点は主張しております。委員長の報告の中でもその点は強く要望していただくように話をしておりますが、この基本法の制定について特にああいった平和、民主、自主、公開、ああした原則ですね、それを盛り込んだ基本法の制定ということは、私たちも特にこれからも強力に推進しなければならない、このように考えております。この辺について、もう開発事業団法が通ったから、あとはしばらくゆっくりしてもいいだろうというようなことは、考えておられないと思いますけれども、さらに今後これに鋭意努力をしてやっていかれるおつもりがあるかどうか。その辺のところをひとつお聞きしたいと思います。
○木内国務大臣 私どももすでに基本法の必要なことは考えておりまするし、ことに昨年宇宙開発委員会設置法案御審議の際に、ああいう附帯決議もありますので、私どももその研究に力を尽くしておるのですが、先ほどもお話がありましたように、やはりこれは法律で制定するということになると、まず第一に、定義の問題自体から、これはまだ国際的にも一致しておらぬというようなことがあります。それはほんの一例ですけれども、そのほかにもいろいろ解決すべき問題があるものですから、そういう問題などを列記しまして、研究して、こういう問題があるということを、委員会において設置されました小委員会のほうにお知らせしているようなわけでございます。今後におきましては、御趣旨の点もありまするし、また、お話がありませんでも、この基本法案の制定はどうしてもできるだけ早くしなければなりませんので、役所のほうにおきましても積極的に御協力を申し上げて、そうして、立法府のほうにおいてすみやかに成案を得られるようにひとつ運んでいただくようにいたしたい、かように思っております。
○近江委員 わかりました。あと、委員会の常勤の問題とか、この委員会の質疑を通じて、私たちもいろいろな点を要望してきたわけです。そうしなければ、この事業団が発足しても、絶対そういう法律の中に盛られておる「効率的」とか、そういうようなことは期待できぬわけです。そういう点、いろいろと本委員会において質疑されたその辺のところを尊重して、すみやかにその実現といいますか、それをやっていかれるおつもりがあるかどうか。その辺を最後に聞かしてもらいたいと思います。
○木内国務大臣 まことにもっともなことでございまして、委員会において各委員の方々からお述べになりましたことを十分に頭に置きまして、そうして、この事業団がりっぱにでき、しかも、十分にその成果をあげてまいりますように努力をいたしたい、かように考えます。
○近江委員 終わります。
○石田委員長 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○石田委員長 じゃ、速記を始めてください。
 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
 暫時休憩をいたします。
   午後零時三十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後四時三十五分開議
○石田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 本案に対する質疑はすでに終了いたしております。
 ただいま委員長の手元に、石川次夫君外三名より、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案にかかる宇宙開発事業団法案に対する修正案が提出されております。
○石田委員長 まず提出者より趣旨の説明を求めます。石川次夫君。
○石川委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党を代表いたしまして、宇宙開発事業団法案に対する修正案の趣旨について、簡単に御説明申し上げます。
 御存じのとおり、宇宙開発事業団は、人工衛星及び人工衛星打ち上げ用ロケットの開発、打ち上げ及び追跡を総合的、計画的かつ効率的に行ない、宇宙の開発及び利用の促進に寄与することを目的として設立されるのであります。しかし事業団設立の目的について、平和の目的に限ることが明記されておりませんが、わが国における宇宙開発は、憲法の趣旨にのっとり、非核・非軍事を趣旨として平和の目的に限ることを明確にする必要があると認め、お手元に配付してあります修正案のとおり、第一条に「平和の目的に限り」を加えたのであります。
 以上が趣旨であります。
 何とぞ各位の御賛同をお願いいたします。
○石田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○石田委員長 これより本案及び修正案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに宇宙開発事業団法案について採決いたします。
 最初に、石川次夫君外三名提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○石田委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいまの修正部分を除いて、原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○石田委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたしました。
 おはかりいたします。
 ただいま修正議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○石田委員長 次回は来たる五月十四日水曜日午後一時より理事会、一時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十八分散会