第063回国会 文教委員会 第20号
昭和四十五年五月八日(金曜日)
    午前十一時三十分開議
 出席委員
   委員長 八木 徹雄君
   理事 久野 忠治君 理事 久保田円次君
   理事 河野 洋平君 理事 櫻内 義雄君
   理事 谷川 和穗君 理事 小林 信一君
   理事 正木 良明君 理事 伊藤卯四郎君
      有田 喜一君    小沢 一郎君
      川崎 秀二君    塩崎  潤君
      高見 三郎君    床次 徳二君
      野中 英二君    松永  光君
      森  喜朗君    吉田  実君
      渡部 恒三君    井上 普方君
      川村 継義君    木島喜兵衞君
      辻原 弘市君    中谷 鉄也君
      新井 彬之君    有島 重武君
      麻生 良方君    山原健二郎君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 坂田 道太君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局長    吉田 文剛君
        警察庁刑事局長 高松 敬治君
        文部政務次官  西岡 武夫君
        文部大臣官房長 安嶋  彌君
        文部省体育局長 木田  宏君
        文化庁次長   安達 健二君
 委員外の出席者
        通商産業省企業
        局商務第一課長 小山  実君
        参  考  人
        (太平洋野球連
        盟会長)    岡野  祐君
        参  考  人
        (プロフェシッョ
        ナルベースボー
        ルコミッショ
        ナー委員会委員
        長)      宮沢 俊義君
        文教委員会調査
        室長      田中  彰君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月八日
 辞任         補欠選任
  稻葉  修君     川崎 秀二君
  原   茂君     中谷 鉄也君
  山中 吾郎君     井上 普方君
同日
 辞任         補欠選任
  川崎 秀二君     稻葉  修君
    ―――――――――――――
五月七日
 女子教育職員の育児休暇制度法制化に関する請
 願外三件(麻生良方君紹介)(第七二一九号)
 同(大野潔君紹介)(第七二二〇号)
 同(大橋敏雄君紹介)(第七二二一号)
 同(山原健二郎君紹介)(第七二二三号)
 公立学校女子事務職員の産休補助職員確保に関
 する請願(神田博君紹介)(第七二二四号)
 同(小山省二君紹介)(第七二二五号)
 同(藤波孝生君紹介)(第七二二六号)
 同(八木徹雄君紹介)(第七二二七号)
 同(山中吾郎君紹介)(第七二二八号)
 公立高等学校事務長の職制及び職務の法制化に
 関する請願(小山省二君紹介)(第七二二九号)
 同(藤波孝生君紹介)(第七二三〇号)
 同(八木徹雄君紹介)(第七二三一号)
 同(山中吾郎君紹介)(第七二三二号)
 山村僻地の医療保健対策として医科大学等新設
 に関する請願外五件(秋田大助君紹介)(第七
 二三三号)
 同(北澤直吉君紹介)(第七二三四号)
 同外四件(河本敏夫君紹介)(第七二三五号)
 同(田中龍夫君紹介)(第七二三六号)
 同外二件(田村元君紹介)(第七二三七号)
 同(竹下登君紹介)(第七二三八号)
 同(中川一郎君紹介)(第七二三九号)
 同外六件(福井勇君紹介)(第七二四〇号)
 同(藤枝泉介君紹介)(第七二四一号)
 同(保利茂君紹介)(第七二四二号)
 同(益谷秀次君紹介)(第七二四三号)
 同(足立篤郎君紹介)(第七五七一号)
 同(小沢辰男君紹介)(第七五七二号)
 同(菅太郎君紹介)(第七五七三号)
 同(久保田円次君紹介)(第七五七四号)
 同(地崎宇三郎君紹介)(第七五七五号)
 同外三件(八田貞義君紹介)(第七五七六号)
 学校の砂場施設整備に関する請願外三十件(三
 原朝雄君紹介)(第七二四四号)
 同(山中吾郎君紹介)(第七二四五号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第七五七八号)
 各種学校新制度確立に関する請願(湊徹郎君紹
 介)(第七五七七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月七日
 女子教育職員の育児休暇制度法制化に関する陳
 情書(札幌市南三条西一二北海道教職員組合中
 央執行委員長大野直司)(第三六九号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 文教行政の基本施策に関する件(出版業界に関
 する問題及びプロ野球に関する問題)
 プロ野球の健全化に関する件
     ――――◇―――――
○八木委員長 これより会議を開きます。
 文教行政の基本施策に関する件について、調査を進めます。
 出版業界に関する問題について、質疑の通告がありますので、これを許します。麻生良方君。
○麻生委員 委員長のお許しをいただきまして、出版行政のあり方につきまして、若干御質問を申し上げたいと思います。
 質問に先立ちまして、きょう私がこの質問をする主たる理由をちょっと申し上げておきたいと思いますが、ちょうど本国会が始まりましたときに、予算委員会におきまして、いわゆる言論・出版妨害問題が大きく取り上げられました。私も予算委員の一人として、予算委員会におきましてこの問題を取り上げて政府の考え方をただし、なお参考人の招致の要求もいたしたのでありますけれども、残念ながらその結論としては、今日まで予算委員会で取り上げられた参考人招致ほか何件かの質問者の要求について、ついに国会において正式に取り上げられて審議をする場がなかった。質問者としてははなはだ遺憾に思っておるわけであります。したがいまして、きょうの文教委員会における私の質疑は、予算委員会における私の質問のある意味の延長であり、かつその締めくくりという意味で御質問を申し上げたいと思いますので、大臣におきましても、また関係者におきましても、そういう観点からお答えをお願いをしたい、こういうふうに思います。
 初めに大臣、ちょっと確認をしておきたい。私が予算委員会で質問を申し上げましたときのおもな要点は、現実問題として藤原弘達さんの著書である「創価学会を斬る」という本を取り上げまして質問をしたのでありますが、しかし、それとは別に、一般論として一体出版の自由とは何かということについて、総理及び法制局長官の見解を質問をいたしました。これに対しまして総理及び法制局長官は、出版の自由とは本が製品になるだけではなくて、その商品になった本が公正な配給ルートを通じて店頭にまで並べられ、そして国民が自由にそれを選択できる状態までを含むものであるという見解が明らかにされております。この総理及び法制局長官の見解について、文部大臣は同様の見解をお持ちかどうか、初めにちょっとお伺いしておきたいと思います。
○坂田国務大臣 私もそのように考えております。
○麻生委員 第二点は、しからば一体公正な配給ルートというのは、出版業におきましては、出版屋が本を出版し、それが取り次ぎ業を通じて小売り店まで届いていく、このルートをいうわけであります。もしこの配給ルートあるいは流通機構の過程の中で、正当ならざる理由によってこの書物が不当に取り次ぎ業から断わられた場合は、――私は、当時仮説としていろいろな設定をいたしまして、公取委員長に、万が一取り次ぎ業者が相共同してこの本の取り次ぎを不当に断わった場合、あるいはまた本来取り次ぐべき正当な価値のある書物を不当な理由によって断わった場合、これは明らかに憲法の規定する言論・出版の自由の項に違反するかどうか、それからもう一つは、独禁法違反になるおそれがないかどうかという質問をいたしております。これについて法制局長官は、当然広い意味における憲法の言論・出版の自由に抵触するおそれがあるという考えを明らかにしております。また公取委員長は、もしそういう事実があれば、それは明らかに独禁法違反の疑いもある、こういう答弁をしておりますが、この二つの答弁について、文部大臣とそれから公取事務局長の見解をお伺いをしたい。同じような見解をお持ちかどうか、お伺いしておきたいと思います。
○坂田国務大臣 言論・出版の自由を不当に妨害をしたという事実の有無は、これは問題かと思います。でございますけれども、おことばどおりのことであると、私はやはり言論・出版の自由に抵触するおそれがあるというふうにはいえるかと思います。
○吉田(文)政府委員 お答え申し上げます。公正取引委員会としましては、いわゆる公正でかつ自由な競争の維持、促進ということが独禁法のねらいでございまして、そういう見地に立ちまして、先ほど先生おっしゃられました取り次ぎ業者が正当な理由なく、不当な理由で共同して取り次ぎを断わるといった場合に、これがいわゆる公正な競争を阻害するという事実がございますれば、それは独禁法に違反する疑いがあるというふうに私も考えます。
○麻生委員 それからもう一つ。この取り次ぎ業は、いま日販、東販、そのほか数社あるわけでありますが、特にその中で日販、東販の占めるシェアはきわめて大きいものがあることは、公取もよく御存じのとおり。ところで一つの問題点は、この取り次ぎ業者が、自己の意思によって正当ならざる理由で書物の取り次ぎ――この取り次ぎには、二つのケースがあります。それは直接買い取り制度と委託制度でありますが、このいずれの道もふさいでしまった場合に、これはいまあなたが答弁した疑いが出てくる。それからもう一つのケースは、他の業者、つまり同じ業界における他の業者が取り次ぎ業に対して不当に圧力をかける。たとえて言えば、もしA社の出版する出版物を取り次ぎ業が取り扱う場合には、わが社の出版物の取り扱いは取り次ぎ業に対して考慮する、そうしてそういう要請をした出版屋が取り次ぎ業に対して相当の市場を提供しているというような場合、そういう強要もしくは要請と見られる行為をした他の出版社の行為、これはやはり独禁法に触れるおそれがあるかないか、この点をお伺いしておきます。
○吉田(文)政府委員 ただいまの御質問でございますが、Aという出版社がある取り次ぎ店に対して圧力を加え、その取り次ぎ店のシェアがかなりのシェアだった、それでもし自分の競争相手でありますB出版の本を扱うようならば、これは自分としては取引をしないといったようなケースでございますが、これにつきましては、正当な理由があるかどうか、それによって公正な競争が阻害されるかどうかという点は、これは独禁法上の問題でございますが、もしかりにそういう事実があるとすれば、これは不公正な取引方法に該当するおそれがあるというふうに考えます。
○麻生委員 私が予算委員会で質問したのは、いずれもそういう仮定の上に立って、そういう事実があった場合について質問をして、おおむねいま大臣及び公取の事務局長から答弁されたような見解が表明されておるわけであります。そこで私は予算委員会の最後に、「創価学会を斬る」の本を出しまして、これに関して、この書物の取り扱いについていま仮定としてお話をした疑いがある、それが事実であるという疑いがあるという質問をして参考人を呼ぶことを要求したのでありますが、しかし、残念ながら参考人を呼ばれなくて、ついにこの事実関係についての審議の機会がきょうまで与えられなかった。したがって、私はきょうは事実関係をもとにしてその先を質問をしてまいりますので、そういう観点からお答え願いたいと思います。
 まず第一は、藤原弘達さんの「創価学会を斬る」が日新報道社から出版をされまして、そして出版をされると同時に、日新報道社は当然のこととして、東販、日販及び栗田その他の取り次ぎ業に対してこの取り次ぎかたを要請しておるわけであります。その場合の一般的見解として、藤原弘達といえば、好ききらいは別として、名の通っている著者であることは間違いないし、日新報道がそれ以前に藤原弘達氏の著書を出版した場合には、取り次ぎ業界がこれを取り扱っているという事実関係がありまして、したがいまして、その第二弾として「創価学会を斬る」の場合も、当然取り次ぎ業としては取り扱うべきが妥当であるという見解に立って、私は質問をするわけであります。ところが、実際問題として、日販は、当初これについて検討したいという意向を表明した。東販も表明した。ところが、数日たってから、同時に両取り次ぎ業者から、遺憾ながらこの取り次ぎは直接取り次ぐことはできない、申し込みがあった場合だけ注文に応じましょう、こういうふうに変わってきた事実が明らかにされております。さらにそのような状態の中で――なお詳しくは私どもが議員集会を開いたときの日新報道の証言内容に明らかにされておるし、その速記録が全部ここにでき上がってきておりますが、私は、きょうはこれを参考として、必要があればこれをもとにしてお尋ねしますけれども、事実関係としてはそうなっておる。その中で、特にいまお手元にお配りをしました資材の中に、東販の仕入係長堀さんという人がおります。これは実在しておるし、私も確認をしております。この堀さんと日新報道の皆川編集長との間に、電話によって一問一答がされておる。これを日新報道社が商売上における記録としてとどめておいたテープが保存されておるわけであります。そのテープの内容から一部を抜粋したのが、いまお手元にお配りをした資料になっておるわけです。ちょっとこの資料をごらんいただきたいのですが、こういうことが取り次ぎ店から言われております。これは堀さんのことばそのままの録音テープのリプリントでありますが、読んでみますと、「その辺のところは勿論あります。ありますけれどもね、」その次に傍線として「私どもとして昨日もおいでになったときお話ししたように、書店さんの方から、学会さんの関係でしょう、お見えになった方からですね、とにかくこれを創価学会を斬るですね、お宅で売るということはこまるので返せというお話があってですね、東販に返すということがヒンパンに起っているんです、」これは何を意味しているかというと、つまりこれは書店から、売ってもらっては困るという学会さん関係の人が来て、返本されてくる、だから東販としてはなはだ困るのだ、取り扱っても意味をなさない、こういう意味の内容だと解されます。こういうことが言われておる。それからなお、ここにありますように、傍線の点だけ続み上げますと、「いまはもう潮さん、聖教さんがほとんど廻ってしまいまして、私どもはあとからまわっているということでして、」こういう文言が入っております。これは何をさすかというと、もうすでにこの「創価学会を斬る」が出版された段階において、潮さん、聖教新聞さんが各書店を回り歩いて、この「創価学会を斬る」という本が送られてきても扱わないように、売らないように、店頭に置かないようにということを先回りされてしまっておりますので、したがって東販があとから送っても意味をなさない、あるいは返されてしまう、こういう意味と解釈されるわけですね。それからその次に、取り次ぎ店のことばの中に「いや逆にね、先方さん」というのは、潮、聖教など学会関係でありますが、「先方さんの方からいわせればですね、お宅さんの方はそんな例は出て来ないだろうというのですが、先方さんの話しですと今後かたっぱしから出て来るという、結局東販さんは送っても(本を書店へ)商売にならないということなんです、」こういうことばがあります。これはその後日新報道の編集長の議員集会における証言によりますと、この内容はこういうことをさすのです。どうしても取り次ぎ業が扱わないので、日新報道は、やむを得ず直接本屋を回り歩いて本の委託をして歩いた。ところが、もうすでにそのときはここにある潮、聖教さんなどの学会関係が先回りしてしまっていて、実際にはむだであろうということを堀さんが言っておるわけですね。したがって、直接日新報道が注文をとって歩いても、それは事実上あなた方が回る以前に聖教や潮出版社が回って、売らないようにという要請が届いているのでむだだろう、こういう意味だ、こういうふうに証言をしております。そして最後に取り次ぎ店の堀さんは、「あの、学会さんの方からね、今後そういう店が増えるであろうという予告もうけている」――そういう店というのは、売らない店であります。自分らがもう回り歩いて売らないように頼んだのであるから、もうこの本は売らない店がますますふえていくであろうという予告、警告も受けている、だから取り扱うなということだ、こういうことになる。これは事実であります。この事実を客観的に、総合的に考えてみますと、要するに一つの事実が浮かび上がります。その事実は、この本が出た、その時点から潮、これは出版業であります。それから聖教新聞、これも新聞社としての出版業、この同業関係の二社が、日新報道の出版物を売らないように言って各書店を回り歩いていたのではないかという疑いが、この会話の中から持たれてくるわけでありますが、疑いを持たざるを得ないという判断について、大臣、あなたこの会話をごらんになって、あなた御自身がそういう疑いをお持ちになりませんか。
○坂田国務大臣 一応この文章を読みますと、いろいろの理解ができると思うのでございますが、ただ、これが単なる商取引の関係においてなのかどうなのかというようなことが、実はよくわからないわけでございます。それから私どもの関係から申しますと、また創価学会が何か組織的に、あるいは何かの意図を持ってそういうことをやられたかどうかというようなことはつまびらかではございませんので、はっきり申し上げられないわけであります。
○麻生委員 公取の事務局長、たとえば他の商品の場合、電気製品の場合、東芝さんが電機を売る各お店を回り歩いて、たとえば他の電機会社の商品を売ってくれるなといって回り歩くこと、それを組織的にやることは許されますか。
○吉田(文)政府委員 一般的に申し上げまして、ほかの商品の場合に、かりに先生おっしゃったように、東芝さんが回って歩いて、おれの競争会社の商品を売るなと言っただけで直ちに独禁法違反になるか、それは具体的ケースで調べてみなければわかりませんが、それについて正当な理由がない、それから競争阻害のおそれがあるということであれば、不公正な取引方法に該当するおそれがあるということでございます。
○麻生委員 事務局長、たとえば東芝さんが組織的に、一部の販売員というのではなくて、東芝さんの社の決定として、東京都下にある電機製品を売る各小売り店を全部回って、もし日立さんの製品を売るなら一切自分のところの取引はさせないといって組織的にやった場合、この場合はどうなんですか。
○吉田(文)政府委員 いまおっしゃったような場合で、しかもそれが取引の条件になるということがはっきりいたしますれば、それは不公正な取引方法の拘束条件づき取引に該当するおそれがあります。
○麻生委員 大臣、いまそれが組織的にやられたかどうかよくわからないと言われるが、営業権ということもあります。しかし、明らかに公取の事務局長が言うように、自由にして公正な競争、これが原則になっておるわけですね。この自由にして公正な競争が阻害されれば、それは当然独禁法違反の疑いが出てくるということはもうすでに答弁されておるのですけれども、そこで私はもう少し突っ込んで御質問をしますけれども、このこと自体、取り次ぎ業として本来こういうことがあったからといって、いまここにあげられておるような理由で、つまりその本を扱ったところでどうせ潮さんや聖教さんが回り歩いて本屋では売れないのであるから、返本されてしまうのであるから、藤原さんの本は取り扱えないといって断わる、それが正常な取り次ぎ業のあり方だと大臣はお思いですか。
○坂田国務大臣 その辺も事実関係がやはり問題になってくるわけなんで、たとえば私が本を書く、そしてこれを出版屋が東販やなんかにお願いをするという場合に、当然私としては売ってもらいたいわけなんだけれども、それを売ってもらえない。だけれども、これは出版の自由に違反するのじゃないかというふうには、直ちにはいえないのじゃないかというふうに思うわけでございます。でございますから、その辺が藤原さん自身としては、もうおれの本は売れるというふうに思っておられるかもしれないけれども、あるいは取り次ぎやその他のところで売れないと思うことも、これはあり得るというわけでございますね。でございますから、やはりそこのところは事実関係が非常にむずかしいとは思いますけれども、しかし、公正な取り扱いをしなければならぬということは、やはりあるべき姿であるというふうに私は思います。
○麻生委員 ここで、問題の焦点が大臣、一つ出てくるのです。営業権、つまり営業の自由ということと、憲法で保障する、先ほど大臣が総理及び法制局長官の答弁のとおりだと言われた言論・出版の自由というものとの兼ね合いというのが、非常に重要な問題になってまいります。しかし、憲法が優先するということは当然です。それは御承認されますか。
○坂田国務大臣 もちろん憲法は優先するわけでございますけれども、事はその言論・出版の自由ということに関しまして第一義的に憲法が求めておりますることは、やはり国家権力がこれを排除するということに重点が置かれておるということは、先生もお聞きになったとおりだと思うわけでございまして、私人関係の問題については、なかなかそこのところがむずかしいわけなのであります。しかしながら、憲法の精神に照らしてどうなのか、当不当ということは言える、好ましいか好ましくないかということは私は言えるし、あるいはそのおそれがあるとかないとかということを言えるのじゃないかというふうに思います。
○麻生委員 この種取り次ぎ業というのは、藤原さんの本を扱って、そのことによって損害を受ける可能性がある場合、これは営業権について相当の主張ができる。しかし、大臣御承知かと思いますが、取り次ぎ業というのは、本を取り次いで返ってくれば返本をする権利を持っております。だから、損害はないんですよ。これはここに取り次ぎ業としての重要なある意味の性格がある。それからもう一つ出版物が店頭に並べられるまでの自由をいうということになりますと、それには二つの方法がある。その一つは、取り次ぎ業を通しで出版物を委託ないしは買い取り。この買い取りか委託かということについての選択権は、あくまで取り次ぎ業にあることは当然だ。これは買い取っても損をすると思えば、買い取らないで委託という形になる。したがって返本できる、こういうことになる。ところが、この場合は委託を断わっているわけですね。委託しても意味がない、堀さんはこう言っている。つまり委託をしても、店頭から返されてくるのだから意味がないからだめだ、こう断わっているんですね。いいですか、ここが非常に重要なところなのです。そうすると、委託の道も閉ざされたということになる。そうすると、この出版屋としては、直接全国の書店に委託して歩く以外には方法がない。これは可能だと思いますか。そういうことはできないですね。現実問題として、一つの出版屋が全国の書店を回り歩いて一軒ずつ五冊ずつ本を持って委託して歩くなどということは、それこそ前近代的な販売方法、とても今日の社会の中では不可能ですね。だから、これも閉ざされる。結局委託も断わられ、直接買い上げも断わられるということになると、もう方法がない。それでは今度直接出版屋への注文方式というのがありますね。たとえば私が小売り店をやっていれば、広告で見たから、取り次ぎに頼んでもないから、したがって直接出版屋から本を取り寄せるというルートが一つあります。ところが、このルートがまた閉ざされたことが、この日新報道の編集長の証言によって、広告業者ほとんど共謀して広告掲載を断わった事実が明らかにされておる。この広告業者というのは、大新聞の広告も含めてであります。一たんは広告の掲載を引き受けてポスターまでつくらせながら、そのでき上がったポスターに難くせをつけて、ついにすべての社が広告掲載を断わった。したがって、この出版屋は、広告を通じて書店に対してこういう本が出ているということを知らしめるルートさえ断ち切られているということになる。そうなると、これは事実上憲法の保障する言論・出版の自由というものは完全に断ち切られる、阻害されるということになります。たとえばあなた御自身がお書きになった本、売れるか売れないかは、それはあなたの判断ではきまらない。しかし、あなたはそれを広告する権利がありますね。その広告が、すべての新聞社からあなたのお書きになった本の広告を断わられた場合、あなたはそれはしようがないとお思いになりますか。広告料を出すんですよ、あなた自身が。
○坂田国務大臣 広告料を出すのだったら、その新聞社がそれを引き受けてくれるのが当然と思うわけでございます。それはそうだと思います。しかし、私の書いたのが、私は売れると思って、たとえば一万部刷ることをお願いする。ところが、こんなに刷ったって、それはとても千も売れませんよ、こう言われたときに、私としていや売れるよということを言えるかどうかということで、まあそれならば二千部くらいにお願いしますというようなことになってしまう。そうすると、それを一万部売らなければならない、あるいは載せなかった、引き受けなかったからといって、直ちに憲法違反ということにはならないんじゃないかというふうに私は思います。
○麻生委員 そのあとのことはいいんですよ。私が聞いたのは、大臣御自身が本をお書きになって、大臣御自身が正当な広告料を払って広告会社に委託をする、何社かに。そうして初めは引き受けておいて、ポスターができた段階で全部各社が共同に断わってきたという場合、これもやむを得ないとお考えかどうかということを聞いている。あなたはやむを得ないとは考えられないですね。ということは、要するにきわめて非常識な手段を広告会社はとったということになる。つまりあなたの本が売れるか売れないかの判断は、これは主観的な問題。しかし、少なくともあなた自身の本が(「広告倫理規程違反だ」と呼ぶ者あり)そのとおりだよ。完全に違反になるわけですよ。これはいま申し上げたように、それと同じような意味で取り次ぎ業というものの公的性格があるわけです。これはいま藤原弘達の本だけをとっておりますが、こういう妨害は、他にもこういう不当な取り扱いを受けている本があるんですよ。そして、見てください、ちまたには裸体写真、ヌード写真の本が充満しているでしょう。そうすると、取り次ぎ業の公的性格というのが、普通の営業とは違うところは、憲法で保障している出版の自由というものの流通機構としての公的性格がある。単なる普通の商品の流通を取り扱っているんじゃないです。したがって、そこに当然委託という制度も設けられている。損はしないようになっている。返ってきたものは、返品すれば手数料だけは取れるという仕組みになっておるのですよ。そこに取り次ぎ業の公的性格があるんですよ。あなたの本が売れるか売れないかの判断は、折衝過程であるでしょう。取り次ぎ業のほうから、一万部は無理でしょう、二千部ならお引き受けしましょう、これは当然でしょう。しかし、それが全部シャットアウトされるとなった場合、あなた自身はそれもやむを得ないとお考えですか。
○坂田国務大臣 これはやはり人おのおのによって違うので、一万くらい売れるだろうと思って出版して、これは千くらいしか売れないと言われたら、やめてしまうという人もおるだろうし、やめない場合もあるだろうということだろうと思うんです。
○麻生委員 やめる場合もあるが、やめない場合もあるということを聞いているんじゃない。あなた御自身全部シャットアウトされる、委託も断わられる、つまり取り次ぎを断わられるという場合、あなたはそれをしょうがないと思って出版をやめられる、それはあなたの御意思です。やめてしまったら、それは終わりです。ところが、この場合はやめないから、こういう電話のやりとりが何回となく繰り返されておるわけですね。だから、やめる意思はないとすれば、当然取り次ぎ業は公的性格の上に立って、そこまで折衝しても出された本に対しては、委託なら委託の形で各全国書店に対して取り次ぎの有無を聞く義務が当然生まれてくる。これが公的性格です。私はそう判断する。これはどうですか。
○安達政府委員 出版物の取り次ぎ方法につきましては、先ほど先生の御指摘のように、買い切りの場合、それから委託販売の場合、それから注文扱いの場合、この三つの方法があるわけでございます。したがいまして、いまの場合におきましてどのような取り扱いにするかということは、それぞれの営業の問題として取り次ぎの判断、書店の判断等で行なわれるわけでございますので、そういう面におきまして、委託しないで注文扱いというようなことも可能でございまして、現に「創価学会を斬る」は、注文扱いで一番大きな取り次ぎ店では二十二万部取り扱っておるというようなこともございます。こういう点は、全般的に先生の御指摘のような問題もございますけれども、いま取り次ぎ自体が出版の自由を阻害しておるというようなことまでは、まだなかなか言い切れないんじゃないかというように思います。
○麻生委員 二十二万部売れたというのは、いまの時点ですよ。よけいな答弁しなさんな。私が言っているのは、十一月時点のことですよ。これはもう常識です。いまの時点においては、「創価学会を斬る」は百万部近くいっていますよ。だから、藤原さんは笑いがとまらないです。日新報道もそうですよ。いまの時点のことを言っているんじゃないんだ。これが出版された時点のことを私は言っている。いいですか、撤回しておいてください。そんなことを聞いていないのですよ。こっちが指定もしないのにあなたがのこのこ出てきて、よけいな答弁をしないでくださいよ。
○安達政府委員 私は、三つの方法があるということを申し上げたわけでございます。いまの二十二万部というのは、昨年の十二月からの話でございます。十一月時点では、その点はそういうことはありません。
○麻生委員 私が聞いているのは、出版された時点のことを聞いているんだから……。その後のことなどは、いま申し上げたように、二十二万部どころじゃない。もっと売れているのだ。いまはどこの取り次ぎ業でも堂々と取り扱っていますよ、もうかるから。大臣、私が言っているのは、出版された時点のことを言っているのです。その観点に立って質問しているわけです。いま大臣が言われましたように、一つは広告の問題、もう一つは取り次ぎ業が不当な理由で断わった場合、これは何といっても独禁法違反の疑いが出てくることだけは、まぬがれないと思います。
 そこで私は、もう少しこの事実関係を突っ込みたいと思うのですが、ここで東販の堀さんとの間にやりとりされた事実を裏づけする資料をいまお配りしてございます。それは「別紙アンケート調査報告」というのをごらんいただきたい。この調査は、東京都下にあります約千軒の本屋さんに対して、私のところから出したアンケートに対する回答でありますが、このアンケートを行ないましたのは、ここにあるように四月二十二日であります。差し出しは、私の政治研究所の名称を正式に使いまして、差し出し人としては私の名前を使って出したものであります。その千ほど出しました中で、古本屋さんがありますから、これを除外しますと、実数約八百と推定されますが、その八百の書籍小売り店の中から、五月四日現在で百九十三件返答が来ておるわけであります。このアンケートの内容は、この資料には書いてございませんが、こういうことでございます。「昨年十一月より十二月末までの間、藤原弘達著「創価学会を斬る」の取次店への注文及び店頭販売の過程の中で、次のような妨害の事実の有無についてお伺いします。」こういう文面であります。そして、「取次店へ注文した場合、取次店から、品切れ等の理由で、取次をことわられた事実があったかどうか。」これが一つ。それから第二は、「書物販売中、取次店から、返本をせまられた事実があったかどうか。」第三は、「書物販売について、創価学会員、もしくは、それに類する人から、販売中止を強要された事実があったかどうか。」この三点について質問をした調査票を送りつけました。それに対して返事が来ておりますが、その返事の内容がこの資料の中に記されておる。この中で、いま申し上げた五月四日現在で返事が来た数が百九十三件、それから記名をして返事をくれたものが百二十六店、それから匿名で返事をくれたものが六十七店あります。その報告内容は、問一について、つまり取り次ぎ業から断わられた、注文ですよ、注文をして断わられたという事実について、「あった」という返事が八十三件、約四三%という高率を示しております。
  〔委員長退席、河野(洋)委員長代理着席〕
これはいずれも注文をしたが、注文を取り次ぎ先に断わられた、こういう事実が出ております。それから、問二については、「あった」の返事のあったものは三件であります。この三件は、いずれも一回は送りつけられたけれども、すぐ返本をせよと言われて返したというのであります。この返本をせよと迫った取り次ぎ業は、日販であります。それから問三について、「あった」という返事があったもの、これが七十件、約三十六%。なお、この中で、強要ではないが要請を受けたもの、これが三〇%ですから、それを加えますと、つまり強要もしくは要請を受けたといって返事をくれたものが、六六%にのぼるという回答が出ております。ここの注にありますように、強要もしくは要請があったと答えたもののうち、しかもどういう人から要請を受けたという名前を列記して返事をくれたもの、またその回ってきた人の名刺を添えて、こういう人が来たといってきたもの、その名前は二つの出版社であります。それは潮出版社と聖教新聞社、あとは学会員、こういうふうになっておるわけですね。それがほとんどであります。それから、名前があがっておりますもの、こういう人が来たといって、この注の中に、特にこの問題についての御意見、御注文があったら書き添えてくれというところに書き添えてございます。潮出版社の営業部長、これは実在する方であります。聖教新聞社出版局海外書籍部主任加藤安久氏、これは明確に名前をあげてきております。それから聖教新聞出版部営業部長、これは肩書きだけあげてきております。それから聖教新聞社編集部次長、これも実在の人であります。それから聖教新聞社業務総局普及部、これは北原勝次、この人の名刺が送られてきております。こういう人が、この六六%にわたる書店を歩いている事実を明らかにされておる。しかも、この中の意見書によると、いろいろな種類があります。たとえば、藤原弘達さんの本がありますかと聞かれた、ありますと言うと、見せてくださいと言われた。それが十部、二十部とあると、まとめて買いましょうと言われたという返事が来ておるのもあります。もう一つは、二、三部あると言うと、それは本屋の片すみのほうに目立たないように置いてくださいと頼まれました、こういうことも出てきております。それから、もう一つ、非常に重要なことは、もしあなたの本屋でこの本を売るなら、以後聖教新聞及び潮出版社の出版物の取り扱いはあなたの本屋にはさせないようになるかもしれないから、そのつもりでいていただきたい、こういう要請をされた、強要をされたということも、この中に明らかにされております。
 これはすべてアンケートの調査でありまして、ここに全部その資料がございます。これは捏造されたものではなくて、全部、書店名も入っておるものもあります。匿名のものもございます。ということの事実関係から判断をいたしますと、潮出版社、聖教新聞社の営業部長といえば、これは出版社の責任者であります。この責任者が組織的に東京都下の六六%近くにわたる書店を回り歩いて、藤原さんの本が事実上売られないように強要もしくは要請をして歩いた。しかも、なおかつその背景には、執拗に、商売にならないほど何べんとなく書店をたずねてくるので、ついやむを得ず目立たないようにしなければならなかったということを書いて、名前まで列記して、いつでも国会の証言に立ちますと言ってきている人も中に含まれております。
 きて、こうなってまいりますと、先ほど大臣が言われたように、これは一部の人、特定の人がこの藤原さんの本を売らないようにしてくれと言ったということは、事実上においてくつがえされざるを得ない。しかも、潮出版社、聖教新聞社というのは、出版業であります。これは同業であります。この同業が、組織的に書店を回り歩いて他の出版屋の出版物を事実上売らないようにせしめた事実は、このアンケートの調査の結果でも明らかだと私は判断します。これでも大臣は、なお、それは明らかでない、個別的なことだとお考えになりますか。
○坂田国務大臣 きょう初めてこのアンケートを見せていただいたわけでございます。しかもこれは麻生さんの政治研究所で発表されておる。直ちにこれについてどうだこうだということは、私としては申し上げかねるわけでございます。
○麻生委員 それでは大臣、一時間くらい時間を上げますから、これを全部お読みになりますか。私を疑うというなら、ここに全部書店名が明記してございます。ごらんになりますか。私、きょうは休憩してもいいです。私のやったことが信用ならないとおっしゃるなら、これを全部ごらんをいただきたい。
○坂田国務大臣 私は、それを見るとか見ないとかではなくて、先生がお出しになったというところを問題にしておるわけでございまして、先生のお出しになった結果を疑っておるわけではございません。
○麻生委員 私が出したから問題だ、こう言われるのですね。では、私が出さなかったら、こんな結果の返答はこないかもしれない、こういうことですか。
○坂田国務大臣 それはアンケートの出し方の問題もございましょうし、あるいは出す人によって違うと私は思います。また、あるいはそれが一致するかもしれませんし、その辺はやってみないとわかりません。
○麻生委員 それじゃ大臣、やってみますか、正式に文教委員会として。
○坂田国務大臣 私としては、文教委員会でやられることについては、何とも申し上げようがないわけであります。
○麻生委員 まあけっこうです。それは政治的な、私の名前が出ておるから、多分に返答するほうもそういう意味合いをかねて内容があるというふうにも解される疑いがある、こういうことだろうと思います。それはやはりアンケートというものは、いろいろな角度がありますから、公明党の人がおやりになれば、これはまた別な調査結果が出てくるかもしれませんからね。それは私は強要しません。しかし、少なくともこれだけの人が返答を寄せて、しかもここにある店数、これは事実ですよ。記名されております。ここに返事をよこさない人、これはまだ調査の対象になってない。わかりませんね。つまり返事をくれてない。しかし、返事をくれた人は、事実です。「なかった」という返事も、この中には相当入っています。だから、その中のパーセンテージは、これはやはり私としては、一つの傾向としては承認せざるを得ない。つまり、なかったということは言えない。
 そこで私は、実は文教委員会の理事会では、そのことを確かめるために、いま私が申し上げた、潮出版社の営業部長、聖教新聞社の営業部長、それからここに名前のあがっている加藤安久、北原勝次等々を参考人でお呼びいただければ、これは明らかにされる、回ったか回らないか。こういうふうに名刺が来ておるのでありますから、これはもう否定できないでしょう。名刺が送ってきてあるのであります。これはどうですか。
○坂田国務大臣 まあ、麻生さんのところでそのように来ておるとすれば、その名刺が来ておることは事実だと思いますが……。
○麻生委員 私は、これ以上この問題では言いません。ただ私は、ここで大臣に考えていただきたいし、公取の事務局長にも、それから通産省からも来ておりますが、考えてもらいたいことは、この出版妨害に当たるかどうか。たとえば大臣が本を書いた、私の批評がしてある、その批評が私に好ましくないという場合に、私はあなたに対して、この本を出さないでくれと言う権利はありますよ。だから、私は、出版される過程までの中で、これはいろいろ問題があるでしょうけれども、その本が出版されないように、いろいろな手だてを尽くす権利は、これは私はあると思う。裁判においても、黙秘権がある。自己に不利益になる証言はしないで済む。これは私はあると思う。だから、その点については、私はいろいろな見解が成り立つと思う。しかし、一たび出版されたものは、やはり公正な流通機構の上に立って扱われることが保障されなければ、今後われわれはめったに本は書けない。また特に文筆をもって立つ人人は、たとえば自民党の攻撃をする――いまはありませんよ。しかし、その自民党を批判をした書物が、不当に取り次ぎ業からも締め出され、広告からも締め出されるという扱いを今後受ける可能性があるとすれば、これはやはり重大な問題だと考えないわけにはいかないのです。だから、私は、きょうこの問題だけを追及するというつもりはないのです。もうこれは世人の上で、ここにありますように、おおむね出版妨害の事実はあったと思うというのがほとんどですよ。しかし、これは、法廷で争うべき筋のものでないと私は思う。私がきょうこういうものをまで持ち出して質問をしておるのは、どうしても今後、かりに何人といえども法に触れる著書以外のものはやはり安心して出版できる、こういうルールが確立されなければ、われわれの周囲にはどんなに自由があっても、一番大事なところで言論・出版の統制という懸念が生まれてくる可能性があります。そういう観点から、私は今後二度と起こらないようにという意味でこの調査もしてみたわけです。
 そこで私は、公取にお伺いしたい。いまの出版物の流通機構のあり方、これは現在の時点においては、取り次ぎ業を通る以外に現実問題としてはないのです。私は、取り次ぎ業に対しても、この問題については無理からぬ点があると思うのです。たとえば潮出版社が東販に持っているシェアは、相当の額にのぼっております。だから、東販がこの藤原弘達の本を集め、何がしかの利益を得ても、一方において潮出版社からの利益が全部パアになるということなら、商売は成り立たない。だから、むしろ東販は被害者である。日販も被害者である。だから結局、かんべんしてくれ、こういう電話を出版屋にせざるを得ない。しかし、いかに東販、日販が被害者的な立場にあるとはいえ、出版した出版屋の立場に立てば、ここを遮断されたら、もはや本は書店に並ぶことができない、広告を遮断されたら、もはや宣伝することもできない、というこの現在の書籍の流通機構のあり方、これを当然妥当なことであると公取はいまでも考えておりますか。
○吉田(文)政府委員 御質問のありました流通機構のあり方、いまおっしゃったような内容のものが現在もあるとすれば、それは決して妥当なものではないというふうに考えております。ただ、それが具体的にどういう違反になるかということは、具体的事実に即して調べなければわかりませんけれども、私は少なくとも経済的面におきまして、独占禁止法のたてまえから見て、妥当なものではなかろうかというふうに考えております。
○麻生委員 事務局長、それはそれでいいんです。私がいま質問しましたことは、いまのままのこの本の流通機構のあり方だけにすべての出版物をゆだねておいていいかどうか。この流通機構、これは日販、東販が六割のシェアを持っていますね。だから、ここを断わられれば、事実上本は下部には流れない。同時に、本屋も直接注文したいけれども、取り次ぎ業に気がねして直接出版屋に注文することができないような状態になっておる。だから、直接注文するにしても、取り次ぎを通して注文しなければならないような仕組みになっている。こうなってくると、市場の六割を占有している東販、日販の意向次第によって出版物が出されたり、またシャットアウトされたりする危険性が、今後とも残されてくる。その一つの例が、たまたまこの「創価学会を斬る」であったということなんですが、私が聞いているのは、このままの流通機構の状態でいいかどうか。流通機構のあり方について、公取としても通産省としても――これは通産省のほうも答弁をしていただきたい。これをもう少し何らか近代的なものに改善をしていく意図があるかないかについて、特に公取と通産省の意見を私はお伺いしたい。
○吉田(文)政府委員 いま御質問のありました東販、日販が、現在六〇%以上、かなり大きなシェアを占めているわけであります。ですから、出版社としてはそこを通さなければ、ここに断わられればほとんど出版ができないような状態ということ自体を独禁法上どうかということでございますが、独占禁止法としましては、これが寡占になるかどうか検討してみないとわかりませんけれども、独占禁止法の目的は、自由でかつ公正な競争の維持、促進ということでございまして、独占という状態を他の事業者を支配したり排除したりということによってつくり出すということは、その行為でもってこれは私的独占はいけないということで押えられるわけでございますが、もうすでにでき上がったこういう体制に対して、独禁法が直ちにこういうあり方自体が違反であるというふうにきめつけることはできないと思うのです。ただ、こういう非常に力を持っております東阪、日販が、不公正な取引方法を用いて、その力を利用して――今回の場合は東販、日販が主体であるかどうか、これは疑問でございますけれども、かりにそういたしまして、だれかある特定の出版会社の出版を拒否するというような事態がございますれば、これは独禁法で規制できると思うわけです。流通機構のあり方については、これはいろいろ問題があると思いますけれども、公正取引委員会の立場というのはそういう立場でございます。
○麻生委員 事務局長、私はいま名前まであげているわけです。潮出版社、聖教新聞社、そしてあなたが初めに答弁したように、それが不当に各店頭を回り歩いて他社のものを売らないようにさせるということは、いずれにしても好ましくない。だから私は、公取委員会で一度潮出版社と聖教新聞社と、それから東販、日販の関係者をお招きをいただいて事情を聴取していただいた上で、こういうふうに事実回っている人がいるんですから、もしそれが事実だとすれば、今後そういうことはなるべく行なわないような配慮を私は公取委員会としては加えていただきたい。あなた御答弁できますか。善処していただきたい。
○吉田(文)政府委員 公正取引委員会は、かりに違反の事実があるといたしますと、現にそういう状態が行なわれておりますれば、これは違反被疑事件として立件をいたしまして調査をして、必要な措置をする、こういうことになるわけでございます。すでに終わった過去の行為については、違反被疑事件としての調査は、ちょっと困難であろうかと思います。
○麻生委員 私の言っているのは、事務局長、いま独禁法に照らしてやれと言っているのじゃないのです。私もそのことは知っております。しかし、こういう事実が過去にあったかどうか、国会でこれだけ質問されているのですから、事情を聴取をされて、もしあったという場合には、今後こういうことを行なわないように自重を求めていただきたいという要望を申し上げている。これは公取委員長と御相談をして善処していただきたい。もう一度御答弁願います。
○吉田(文)政府委員 それでは、委員長と相談いたしまして、御要望に沿うようにいたします。
○麻生委員 最後に通産省、先ほどの質問に答えてください。
○小山説明員 お答え申し上げます。現在の出版物の流通機構が現状のままでいいかどうかという御質問でございますが、出版物は、先ほどからいろいろ御議論がございますように、単なる商品ではございませんので、流通機構のあり方そのものについても、行政官庁がなまじ関与するということは、いろいろむずかしい点があるわけであります。ただ率直に申しまして、二つ問題が起こっております。一つは、最近出版物が非常に多くなってまいりました。それを販売する末端の小売り店というものは、規模が従来どおりで、洪水する出版物を十分並べ切れない。そういう意味で、物理的に消費者に十分円滑に行き渡る組織がまだ十分でき上がってないという点が一つございます。それからもう一つは、資本の自由化がだんだん進んでまいりまして、当然出版なりその卸機能に当たる取り次ぎ、小売りというものも、問題が出てきております。外資、特にアメリカでは、大体出版会社が直接消費者から予約注文をとって売っているというようなケースがいろいろございますが、そういう新しいやり方が、日本にもだんだん出てまいりました。現に、最近では経済雑誌の関係で、ある新聞社が外資と提携いたしまして、予約販売をやる。それからまた百科辞典等でも、日本で印刷をしまして訪問販売をする。従来の日本の出版社、取り次ぎ、小売りという経路にない、新しい動きがいろいろ出てまいっております。従来東販、日販と申しますか、取り次ぎが非常に大きな機能を発揮している。これは一方におきまして、出版社は非常に数が多く、また小さいのも多い。一発当たれば非常にいいし、当たらなければどうかなってしまうというのが、いろいろあったわけです。また一方に、非常に小さな小売り店がたくさんある。その中で、これも需給調整なり金融的な機能を果たしてきたという点があると思います。一方、小売り店の側も、書籍のチェーンストアと申しますか、大型書籍店が一つの企業で非常にたくさん店を持つという動きも出ております。こういうような形から、いろいろな動きが出てくるのではなかろうか。私どもといたしましては、出版物が消費者にできるだけ安価に、便利に渡るような流通機構ができていくことを、側面的にお手伝いをしていくということを考えております。こういう見地から今後とも力を入れてまいりたい、こういうふうに考えております。
  〔河野(洋)委員長代理退席、委員長着席〕
○麻生委員 通産省のほうも、流通機構にあらためて改善策を考えていきたい、こういう御意見でございますから、私はそれは賛意を表します。いまのような日販、東販が君臨をしている状態の中では、私のアンケートの意見の中にも、出版業からも、小売り店からも、いまの取り次ぎのあり方について相当の苦情が述べられておる意見が非常に多いのであります。だから、ぜひこれはひとつ改善策を講じていただきたい、こういうふうに思います。
 最後に、大臣、この資料の中のこの二つをごらんいただきたいんです、あとの二つを。この文教委員会としては、健全な出版文化のあり方ということを究極の目標にしていることは当然であります。ところで、この問題に関して日本出版物小売業組合全国連合会理事会の名前におきまして、この写しに出ておる声明書を発表しております。これは読むことはないと思います。ぜひごらんをいただきたいんです。それから次のページには、社団法人日本書籍出版協会の名前で、同じく声明書が出ております。この二つの声明書は、ともに出版業界における二つの有力な団体が出しておるものです。と同時に、この声明書の中にありますように、言論・出版妨害というものがやはり事実上あったという認識の上に立って、今後こういうことが起こらないように出版業界のあり方を自粛したい、こういう内容の声明になっておるわけですね。だから、この二つの有力な団体が、やはり出版妨害の事実はあったという認定の上に立たざるを得なくなってきている。また事実あった。ところで、ここで一つだけ落ちているのが、取次協会。この取次協会というのを認可しているのは文部省ですね、次長。
○安達政府委員 文部省が認可しております社団法人でございます。
○麻生委員 だから、これは文部大臣、取次協会のほうを認可しているのは文部省なんです。私は大臣にお願いをしたい。東販、日販等を主力とする取次協会に対して、大臣として、こういう二つの声明書が他の業界から出ているのであるから、取次協会としても今後このような事件が再び起こらないように、公正な書物の配給を行なってもらいたい旨を、私は大臣の責任において勧告する、とまでは言いません、機会があればこの協会の代表を呼んでいただいて、事実の調査はもうけっこうですから、自粛をしてもらいたい旨を伝達をしてほしい。これは私の要望でありますが、大臣の答弁を……。
○坂田国務大臣 とにかく言論の自由また出版の自由ということは、自由社会における非常に大事なことであります。文化の発展というものは、まさにこれによると言えるかと思うのでございます。したがいまして、出版が自由に、そしてまた公正に消費者に与えられるということでなければならないわけでございまして、出版取り次ぎ業及び取り次ぎ業者というものにつきまして――取り次ぎ業は私のほうの一つの所管になっております。小売り業のほうは通産省ということではございますけれども、したがいまして、私のほうにも一定の限界はあろうかと思います。しかしながら、いま申しましたような事柄は非常に大事なことでございますので、私といたしましては、日本出版取次協会あるいは日本書籍出版協会ともよく相談をして、できるだけ指導をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○麻生委員 それは私は、いつとは申し上げません、しかるべき機会に、大臣がお招きをして自粛を要望してもらいたい、重ねて要望いたします。
 私は、本来いま大臣に御要望申し上げたような決議をこの委員会でしていただきたかった。これははなはだ恐縮でありますが、この中に創価学会関係の名称が出てくることは、はなはだ遺憾であります。しかし、これは一つの事実として私は申し上げておる。やはり今後こういうことが起こらないようにということについては、創価学会の会長さんも過日言明されておるし、また公明党の委員長も言明されておる。したがって、私は今後こういうことが起こらないように、文教委員会としては、特に健全な文化行政のあり方を根拠として、いま大臣に御要望したような決議を採択していただきたかった。理事会に私の原案を提出いたしました。しかし、はなはだ残念なことでありますが、各党の合意が得られなかったので、私はその決議は撤回をいたしました。そしていま御質問をしたわけでありますが、そういう事情をなお大臣におきましてもまた公取においても御了承の上で、いま私が御要望申し上げたことだけはしかるべき機会に実行をしていただくように、また実行されたなら、非公式でけっこうでございますから、私のほうにも伝達をしていただきたい旨を要望いたしまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○八木委員長 午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時三十六分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時二十八分開議
○八木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 文教行政の基本施策に関する件、特にプロ野球に関する問題について、本日プロフェショナルベースボールコミッショナー委員会委員長宮沢俊義君、太平洋野球連盟会長岡野祐君、両君を参考人として、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
    ―――――――――――――
○八木委員長 この際、委員会を代表して参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人の方々には特別お忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとう存じます。本委員会は、プロ野球が国民的スポーツであり、特に青少年に大きな影響を与えていることにかんがみ、今回のプロ野球の不祥事をたいへん心痛いたしております。われわれは、ただ単に事件の経過を追及することだけではなく、将来これらの不祥事の絶滅を期し、愛され、信頼されるプロ野球になってもらいたいと思います。この見地に立って、委員各位より建設的な御意見が述べられることを期待しています。参考人各位は、委員の質疑に対して、率直に、前向きにお答えしていただきたいと存じます。
 プロ野球に関する問題について、質疑の通告がありますので、これを許します。森喜朗君。
○森(喜)委員 ただいま委員長からお話がありましたように、プロ野球の今度の問題は、単に野球界だけではなくて、スポーツ界のみならず、青少年に与える問題も非常に大きいと思います。わが党を含めまして、超党派的にスポーツ議員懇談会というのがございます。その中でも、どうもこの裏にはいろいろな背景があるのではないかということを、かなり昨年から看破しておったようでございます。三月十七日に公聴会を開かせていただきまして、いろいろ御意見も承りました。その中でも、何となく釈然としない問題もたくさんあったようでございます。そういうようなことも含めまして、若干の質問を試みたいのであります。
 ただ、もとより国会の権力というものがこの野球の中に介入していいものかということについてはいろいろ疑問があろうかと思いますけれども、あくまでも一ファンとして、一国民として、また若い青少年の夢というものをつぶさないためにも、こうした問題に前向きに対決をして、そして子供たちに大きな夢を与えていきたいというふうに考えております。きょうはちょうど刑事局長お見えでございますし、文教委員会において刑事問題というのは私自身もちょっと疑問に思いますけれども、せっかくお見えでございますので、いままでの事件の大体のあらまし、もちろんこの場でお話しできない点も多々あろうかと思いますけれども、大体の経過などを少しお話しいただければと思います。
○高松政府委員 現在やっております事件は、一つはオートレースにからむ問題でございます。オートレースにからむ事件は、昨年の六月から警視庁で内偵を始めまして、九月に第一次の検挙に着手いたしました。現在まで三十三名を検挙して二名を指名手配をいたしている状況にございます。この事件で特に四月の十四日にオートレースの選手である竜邦彦を逮捕いたしまして以来、事件は今度はプロ野球の関係者に及んでまいりました。現役選手あるいは元の選手三名を含めまして、現在それぞれ十二名ぐらいの人を、十名を逮捕し、二名を指名手配をしている、こういう状況でございます。
 なお、野球賭博につきましては、ことしの一月から現在まで兵庫、大阪、京都、奈良という府県におきまして、大小取りまぜて九件を検挙している状況でございます。以上概略でございます。
○森(喜)委員 ありがとうございました。私、この間連休のときにくにへ帰りまして、子供たちの野球の始球式をやったのであります。始球式でございますから、第一球を投げますと、バッターがから振りをするわけであります。そのときに、子供たちが八百長だとすぐ言ったわけです。始球式を始めてバッターがから振りをするという一つのセレモニー、これは私はいままで――文部大臣も甲子園でおやりになっておられると思います。それを子供たちからあれが八百長のもとなんだというような発言を聞いて、私はがく然といたしました。こういうような問題がスポーツ界の中に行なわれてきたということ。プロスポーツというものがはたして文部省の所管かどうかということに対しては一つの疑問もございますけれども、あくまでもやはりスポーツということでは体育局の所管社団法人ということでございます。いま刑事局長からお話もございましたし、いままでの一連のこうした動きについても大臣のお耳に十分入っておられると思いますので、このたびのこの問題につきまして、大臣の大体の御所見を一度お伺いしておきたいと思います。
○坂田国務大臣 今回の一連のプロ野球の不祥事につきましては、私も心を痛めておる一人でございます。と申しますのは、先生も御指摘になりましたように、このプロ野球というものは、いままで青少年に非常に親しまれてきておるわけでございます。言うならば、選手諸君というのはあこがれの的であったかとも思うのであります。そういうことから考えまして、今回の不祥事のようなことになりますると、青少年の心に深い傷あとを残すということになると思うのでございまして、私はこういうようなことが今後ないように、ぜひとも野球界においても自粛、自戒をされるということを望んでおるわけでございます。同時にまた私どもといたしまして、何かお手伝いができることがあるならば、ひとつりっぱな、健全なプロの精神によってりっぱな球技をやっていただきたいものだというふうに考えておるわけでございます。
○森(喜)委員 私もスポーツ議員連盟に出させていただきまして、同時に塩谷委員長のもとに健全化委員会の中に入らせていただきました。もちろんこの問題はすでに司直の手にゆだねられておりますので、私はこの問題についてはあまり深くお尋ねもしたくないのでありますけれども、ただ、きょうはコミッショナー、岡野さんもお見えでございますので、公聴会のとき以来何か私ども質問を申し上げていると、どうも逃げておられたような感じもいたします。特に永易という一人だけに責任を転嫁をしたというように、当時公聴会の御意見を伺っておりまして、私ども非常に感じました。ところが、これは去年の十月の新聞なんですが、このときに、西鉄球団社長国広さん公聴会の席にお見えでございましたが、そのときには確かに永易ら三人について調査をしたが、他の二人の選手は永易に誘われ、一時八百長に加わっただけで、すでに深く反省をしておるので処分の対象にしませんでしたということを、この国広さんははっきりおっしゃっておるわけです。それからずっとたったこの三月十七日の公聴会のときには、永易以外は絶対ないのだ、全部あくまでもシロなんだ、こういうことで終わったと思います。それからずっとオートレースの関係で問題が起きてまいりました。岡野さんは、パシフィックの会長さんとして調査をされました。ところが、これは朝日新聞か何かに出ておりましたが、わずか三日間で調べられた。しかも、西鉄の最も問題であった楠根さんとお会いをされなかった。これは談話でございますから、岡野さんお話しにならなかったといえばそれまでのことなんですが、楠根さんのようなえらい方には私ども会って調査をすることはできないのだということをおっしゃった。こういうような調査のしかたに私ども非常に疑問を持ったのです。岡野さんがこれまでお続けになった御努力というもの、そしてまたパシフィック会長としてのお立場もいろいろあったろうと思いますけれども、その辺の調査のやり方については、実はわれわれ不満を持っております。この辺について、これまでの調査をどのようにされたのか。単にシロだからシロだというので、そのままテープコーダにとって外へ発表されるというようなやり方では、われわれももちろんのことですが、ファンもおそらく納得はできないのではないかと思うのです。その辺のパシフィック会長としてのこれまでの調査のやり方、そしてまた結果的には、この間宮沢先生が、シロかクロかさっぱりわからない、何とも言えなかったとおっしゃった翌日に、すでにもう与田と益田が出場停止、あるいはそのほかの二人の方についても当分謹慎、翌日そういう発表があったわけであります。私どもに何か非常に隠されておるようなことがたくさんあるような気もいたしますが、ひとつ岡野さんから、その調査のやり方、あるいはコミッショナーとどういうような打ち合わせをされておったのか、ひとつファンの皆さんにわかるように御説明していただきたいと思います。
○岡野参考人 ただいまお話がございましたので、私申し上げます。前回に出たときも、私ははっきり申し上げたつもりです。決して逃げておりません。記事になりませんだけで、私が調査したとおりでございます。楠根さんになぜしなかったかというのは、野球の組織の上で、大体球団というのは、球団の社長がおる。オーナーが社長になっておるところもございますが、その名のとおり、オーナーは持ち主なんでございます。ですから、連盟の会長の指示、命令権の届くところというのは社長、それは国広になったわけです。しかし、これは楠根オーナーの名前も出ておりますので、それは近き将来東京へ来られたときに、コミッショナーへお寄りになって話を願いますと申し上げた。私が自分の権限で出ましたのは、前オーナーも――これは権限じゃなかったのですが、青木社長と前の社長には全部調査をしたつもりでございます。それが一つ。私、特に申しておきたいのは、私としましては、絶対にくさいものにふたしてはならない。しかし、証拠のないものは絶対処分してはいかぬ。これはいまでも私は思っております。したがって、あのときも申し上げましたが、警察権も取材権もない私たちには、おのずから限度がございます。引っぱり出すわけにもいかぬ。縁の下にもぐって聞き出すわけにもいきません。そういうことがあったかなかったかは、私も聞きまして、たとえば永易君の所在をつかまえるときに、アパートというアパートを全部手配しております。しかし、そこへいま申し上げたような権限のない者が夜中じゅう張り込んでいるということは、私としても命令できなかったわけです。ですから、届く範囲、私のできる範囲ではやったつもりでございます。それを一つ申し上げたいと思います。
 それから国広君が言いましたこと、あとはシロだとは言っておりません。それは私のいまの考え方で、永易君を処分したときに、証拠のあった永易はいたしました。あとは、やったかどうかはわからぬから、疑いを持っておりますが、これを灰色と言ってくれるなと申したのです。クロでないものはシロと思ってください。それじゃないと、大衆の方が期待して見てくださる野球、しかも世間とは申しませんが、いろいろなうわさが立ちますものを、全部灰色であるから出場できないということは、野球機構としてはたいへん困ります。ですから、シロのものは、そういうことを今後気をつけるという教育のほかに、試合は続行しなければいけません。野球機構の規定によって、公式戦に入れば一生懸命やってくれ。そのときには、もうそういうことは一応おまえたちはまだシロなんだから、あと実戦でもって大衆に、そういうまじめさだとか、そういう試合のエキサイトした状況をお見せして解明する以外にないのだからということは、私回って歩いて全部言いました。また開幕も、私、九州に行っておりましたが、御承知のような試合をして、非常に皆さんにほめていただいたわけだし、選手もホームランを打って、たとえば疑われた基でも、涙をわあんわあん流して帰ってくるとか、池永というピッチャーがあれだけ全力疾走をしているところを見て、私は実は満足しております。私、これはクロであると思ったから満足したのではないのです。そういうことを、大衆のために――証拠のないものはそれ以外にないじゃないかということで、私は満足したと申し上げたのです。
 ちょっとここで申し上げたいのですが、いろいろ世間で言われております団体競技の八百長というのは、たいへんむずかしいということをまず頭に置いていただきたい。もしやれるなら、監督か、全員を買収するわけです。これは、できないとは言いません、可能性から。だけれども、縦の線が、キャッチャーかなんかからやらなきゃいかぬというのは、これは私はその人によって違うと思います。たまをどこへ打つというようなことができる選手というのは、そんな器用な選手というのはおらぬと思います。その証拠には、いま警視庁のお調べか検察庁のお調べか知らぬが、出た永易、この発端人であるかのごとくいわれる永易選手で三回です。そのうち二回が失敗しております。これは本人が言っております。ですから、そういう点で、私はかばうわけではないのですけれども、もうちょっと……(「失敗したら八百長じゃないのか」と呼ぶ者あり)いや、そうじゃないです。失敗したら八百長じゃないと言っているのじゃないのです。それだけで、逆は必ずしも真でないということを……。
○森(喜)委員 私は、そこのことを聞いておりませんので……。わかりました。私は、野球にはきわめてもう詳しいほうでございます。私も、八百長ができるとか、そんなことを信じたくないのです。ですから、そのことで時間を――私も三十分しかいただいておりません。もっと建設的なことを私は申し上げたい。ですから、公聴会のときもそうでしたけれども、野球がどうだ、九人でやると、そんなことをここで御説明いただかなくてもけっこうでございます。ただ、とにかくクロ、シロとかおっしゃったのではなくて、ここにあるのは、他の二人の選手が永易に誘われ一時八百長に加わっただけでといって、ちゃんと国広さんが認められておられるというんです。それを今日までずっと、これは去年の十月ですよ、ほっておかれたということ、その辺に私どもは疑問を持っておるわけです。ですから、これはいま言っても、あなたとやりとりしても、いわゆる決着のつくものではございません。そういう意味で、この調査のあり方、司直の手に委ねられ、何かオートレースから引っぱって別件で出てきたような、こんなところが、皆さま方としては、担当者としては、私はやはり恥ずかしいではないかと思うのです。ですから、そういうようなことを私はむしろ岡野さんともう少し御質疑をしたかったのですが、野球の説明になりますと非常に長くなりますから、今度のこの問題につきましては、一応質問をやめます。やめますが、あと十五分しかございませんので、私は、むしろこれからのプロ野球のことについてコミッショナーにも二、三御質問を申し上げたいと思います。特にどの新聞を見ましても、また私どもも思うのですが、コミッショナーの権限という問題が、最近非常に大きく出てきていると思うのです。今度の調査にしましても、やはりコミッショナーの宮沢先生、たいへん恐縮ですが、腰の上げ方がおそかったような気もいたします。特に井原事務局長お見えでございますが、この前公聴会のときに、コミッショナーの権限について私質問しましたら、コミッショナーは絶対権限があるのだということをおっしゃっておられました。ところが、スポーツというのは、私は、ルールを守るもの、これがもう絶対だと思うのです。ルールを守らないものは、これはスポーツではあり得ない。そういうところから立ちまして、私は、コミッショナーの皆さんがルールを守ることにもっと前向きであってほしいというふうに思うのです。たとえば、この間ドラフト制度のことを私は御質問いたしました。一千万というドラフトの制限がございます。しかし、現実には、どの新聞にも契約金は、推定とただしはしてありますが、みな二千万とか三千万と書いてある。それからごく最近、これは五月二日ですが、いわゆる高額所得者のあれが出ておりますが、野球では王から藤原に至るまで十人、そのうちの四人は新人なんです。これは一千万じゃないという証拠なんです。このことは、私、申し上げませんでしたが、ドラフト制度は守られていないじゃないですかということを井原さんに申し上げたら、井原さんは、いや、本人にはその額しかいっていないけれども、親会社、たとえば巨人なら読売新聞――これはたとえばの話ですよ。その親会社のほうから、親だとか先生方とかおじさんとかにいくのだ、こういうことを井原さんが私におっしゃったように承っております。おそらくスポ懇の議員さんも、皆さんそれを承知しておられると思います。こういうことは、みずからもってルールを守っていないことだと私は思うのです。宮沢委員長、たいへん恐縮でございますが、このドラフト制度の契約金そのものでさえ守られていないこのコミッショナー、コミッショナーというのは、どういうふうな権限を持っておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○宮沢参考人 コミッショナーの権限というものの御質問ですが、それは非常に強いと申し上げていいと思うのですが、それはもちろん野球の機構の内部の協約の、つまりお互いの契約関係の上に成立しているものですから、強いといったって、国家権力などとは性質が違うものですから、その点は御了承願いたいと思います。そしてその意味では非常に強いものになっております。ただ、契約関係ですから、全くプライベートな関係ですから、当事者が十分に守るか守らないかというようなことで、強く効果があがるかあがらないかということはあります。
 それで、いまのお尋ねの契約金の問題ですけれども、これは制限があるので守られていると思っておりますけれども、それが非常に厳格に守ったか守らないかチェックできるかというと、これはもうできないと申し上げるよりしかたがないと思います。前からその問題はしばしば申し合わせましたけれども、これの調べる方法といいましても、権力をもっていろいろな資料を調査することはできませんから、各自がやっているということで言いますと、なかなか調べは困難ですけれども、私は、それはいたしかたがないじゃないかと思うのです。それで、そういう前提のもとにわれわれの機構ができているのですから、もしそれが権力をもって調べるのでなければいけないとなれば、これは何らかの関係で国家権力、そのほうで法律できめるとかなんとかいうことにならない限りは、われわれの間ではなかなか困難であるということは認めざるを得ないと思うのです。それで、いまの契約金の税の問題ですか、そういうようなことでも、どういう事情かわかりませんけれども、お尋ねのような疑義が起こるということはしごくもっともだと思います。それはいろいろなときにそういう疑義というのは世間によくありますから、その点でそれが十分正確である、ないということは、これは私はちょっと申し上げられないと思いますけれども、しかし、同じ契約関係で、みんなで契約を守って、そして大体お互いそれで済んでいるとすれば、そこのそういうプライベートな関係では、それでやむを得ないのじゃないかというふうに考えるのであります。
○森(喜)委員 そのやむを得ない、どうしようもないというところが、私はいまのプロ野球コミッショナーの存在のような気がするのです。確かにこの問題は、そういうことでなかなかむずかしい問題だと思いますけれども、もっと積極的に勧告をしたり注意をしたりということは、私はできるのじゃないかと思うのです。いまそのお金の問題ですから、確かにそれはたいへんなことかもしれない。これはたとえばルールを申し上げても、ルールなんて守られていないことがたくさんありますね。たとえば、これも公聴会のときに出ておりましたが、プロ野球のグラウンドが、たしかレフトが百メートル、センターが百二十メートルですか、そういう球場の規格までがきまっておりますけれども、いまの野球場でそれが守られているところはきわめて少ない。西宮、神宮に至っては、わざわざラッキーゾーンを狭めてまでしている。これはスポーツのルールを守るそのグラウンド自体が、もうルールが守られていないわけです。そのことも、コミッショナーが、これはいかぬ、直しなさいと言ったことは、私聞いたことがない。私も、ずいぶん新聞を見ています、スポーツ新聞も見ておりますけれども、そういうことを御注意されたことも全然ない。たしかいま契約金の問題はなかなかやれないとおっしゃったんだが、いまのような問題は、私はもっと取り組める問題だと思う。あるいはこういう選手がいろんなことを起こすのも、契約金が非常に私どもが考える以上に大きなものをおそらく取っておられる。そしてこれが二、三年もして使いものにならなくなると、全く社会にほうり出されてしまう。そうしますと、退職金制度もございませんし、もう全く彼らはどこへ行ってもしようがない。あらためてサラリーマンになっても、おそらく一カ月汗水たらして働いた金は、彼らにとっては一日めし食う金、一ぱい飲む金ぐらいにしかすぎない。私の友人でも、大学時代の仲間がプロ野球の選手でだめになったのがたくさんおりますが、みなそう言っております。そういう癖をつけた本人ももちろん悪いわけですけれども、そういう野球をやめたあとのことも、コミッショナーとしてもっと善導する方法があるのじゃないだろうか。たとえば社会人になりましても、全然社会人野球にはいれないわけでございますね。これは私記憶がはっきりしていませんが、たしか三十七年だったか六年だったか、日生の柳川をたしか中日が引き抜いた。しかもリーグ戦のシーズン中は抜かないというような、何か約束があったのを引き抜いた。引き抜いた結果、プロ野球と社会人野球との断絶が今日まで続いている。そうしますと、その場合はセ・リーグになりますが、鈴木会長なりあるいはコミッショナーはなぜそのときに、これはいけない、柳川を返しなさい、そしてシーズンが終わってからあらためてそのことをやったらどうだ、こういうきわめて簡単なことですら、コミッショナーは――これは当時は先生じゃございませんでしたかもしれませんが、局長さんはそのころからおられましたのですが、そういうことの御注意も全然ないのですね。ですから、私は、コミッショナーの権限というのは全くないんだというふうに断じたくなるわけです。そういうようなルールを守らなければいかぬことがたくさんある。いまあげたら、私これから三十分ぐらいあげられるだけの材料を持っておりますが、時間がございませんから、いまのそういうグラウンドのことやあるいはそういうようなこと、そしてもっと社会人野球と接触を保って、もう一ぺんお互いに和解をして、選手がプロ野球をやめたら、健全な社会人として、またせっかく持っておる腕、野球技術を職業の中で、社会の中で生かされるようなことを考えてあげる、そういうようなことも、ひとつおやりになったらどうか。これもぜひひとつ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 ついでで申しますが、もう一つ、やはりこれは文部省に最も関係がございます、アマ規定という問題がございます。やはり私の友人でも、せっかくプロ野球でいいピッチャーになった。そして自分の郷里へ帰って教えようと思ったら、グラウンドへ入ってくれるな、プロ野球の選手が後輩とピッチングをしたら、アマ規定に触れてこの学校はもう甲子園へ行けなくなる。しかし、現実に相撲を見ますと、日大の相撲であろうが拓大の相撲であろうが、みんな出羽海部屋や花籠部屋へ行って相撲を取っているわけです。あるいはプロボクシングでもそうなんです。みなプロボクサーとお手合わせをしているわけです。なぜ野球だけそれができないのか。これは佐伯さんの考え方もあろうと思いますけれども、そういうようなことをひとつ宮沢委員長もっと前向きに取り組んで、プロ野球というものを隔離させないで、もっと社会のみんなの中のスポーツの一つというふうな、そんな御構想といいますか、お考えはございませんでしょうか。ぜひともまたそれを取り組んでいただきたいと私お願いするのですが、御意見を伺いたいと思います。
○宮沢参考人 初めの、ルールを守らないというような問題ですけれども、それはやはりルールにもいろいろありまして、つまりたとえばそういうことについて全然関心を持っていないで、何にもしないじゃないかというようなお話がありますが、そうではないので、たとえばマウンドの高さがどうこうなんてことは、私の時代にもやったことがあります。しかし、一般のルールの、グラウンドの大きさとかなんとかいうのは規則にありますけれども、初めからあれは前からのいろいろな事情でそうやかましく言わないという、アメリカでもそうですが、それぞれの事情もありますからそういうことになっておりますので、あまり極端なはずれ方は困りますけれども、ある程度のあれは容認するというたてまえでやっている。
  〔委員長退席、久野委員長代理着席〕
決してルールは全然無視してもかまわぬというようなことはありません。
 それからいまの社会人野球との関係ですが、これはいまの引用された柳川事件についても、実情は多少違うというような話もありますが、まあ私よく直接に関与していませんが、ああいう状態で社会人野球とかとの関係になっていることはまことに残念で、あれは何とか回復したいと、数年来非常に努力を続けてきております。ただ、いままでのところ、何しろ相手のあることですから、残念ながら成功してはおりません。
 それからいまのアマチュアの問題もそのとおりで、これもちょっと私のほうだけでは残念ながら、いまのおっしゃった御意見と私同感ですけれども、成功するまでには至っておりません。しかし、そういうことはもちろん非常に注意してやっているつもりではあります。なかなか効を奏さないというところです。
○森(喜)委員 私の意見に非常に御賛成をいただきましたので、こういうことをスポーツ界全般の問題としてぜひとも宮沢先生に取り組んでいただきたいことをお願いをいたしたいと思います。
 同時に、十六、七歳の人たちがプロ野球の世界へ入って、たいへんなお金をもらう。社会的に、私は高校時代というものは勉強もしないと思うのです。勉強してないというとたいへん失礼ですけれども、やはり野球が主力であった。そして世の中へ出ても、なかなか社会常識がわからない。今度の問題でも、新聞なんか見ておりますと――これは相撲でも、日本の歌舞伎役者でも、たにまち的なものがおりますから、ファンからおごりおごられることは、もちろん当然のような気がする。それがいつの間にかやくざの関係であっても、これは知らなかったということになる。私はやはり世の中を見る目というものが、野球選手にはどうしても不足しているのじゃないかと思うのです。今後監督とかコーチに、もっと人間教育をさせるような場――私どももちろんまだ国会にも出ておりませんでしたが、たしか相撲でいろいろな問題がございましたときに、相撲の何ですか、弟子入りの学校をつくったように私は聞いておりますが、そんなようなことをもう少しされて、選手をもう少し社会的に勉強させる、常識をもっと詰め込ませる、こういうようなこともひとつお考えに入れられたらどうだろうか。あるいは野球チームの場合は、監督、コーチというものが絶対的な権威があると私は思う。コーチ、監督によって動かされているわけですから、監督、コーチにもう少しやはりそういうような方面を、たとえば免許みたいな、コミッショナーがこの人ならば監督やコーチにふさわしい、技術だけでなくて人格的にもふさわしいというような、そういうような免許といったらおかしいのですが、資格を認める諮問機関みたいなものをコミッショナーの中にお持ちになってみたらどうか。これを私感じたのですけれども、コミッショナー、いかがでございましょうか、お答えいただきたい。
○宮沢参考人 野球の選手が、若いのに収入も多くて、あまり教養というか、そういうものもないというようなことは、御指摘のとおりだと思います。ただ、それをどうするか、なかなかむずかしい問題でして、前からわれわれのほうでも研修制度というのをやったことがありまして、まあ数日講習みたいなことをやりました。
  〔久野委員長代理退席、委員長着席〕
そういうことは相当に成績があがり得ることと思うのですけれども、どうもああいうものはやり方によってみんなついおざなりになる心配がありまして、そして中央で研修する日をだんだん減らして、しまいに一日くらいやったんですが、それよりも、そのうちに各球団でやるほうがいいだろうということで、いま中央ではやっておりません。しかし、その方法がいいか悪いかはこれなかなか検討を要することで、一歩誤れば全くおざなりの道徳教育の講義みたいになりまして、一向にみんな熱心に聞いているわけでもなく、たいして役に立たないことになりかねませんから、その点は十分に考えて、今後の問題として、各球団で研修をやっておりますけれども、その点を実のあるものにするように考えるということは必要だと思いまして、私もそれは考えております。
○森(喜)委員 いろいろと懸案の問題がたくさんあろうかと思いますが、特に今度の問題もそうですが、やはりコミッショナーの調査機関といいますか、そうしたものが何か確立していないような気がします。特にコミッショナー全部ではたしか九名ほどですか、機関の中には、事務局の中にはそのくらいしかいらっしゃらない。それから、これはもちろん委員長、皆さんの御意見だと思いますが、コミッショナーが無報酬である。何かそんなようなことも伺っております。鈴木会長にお聞きしたら、私はセントラルリーグの会長をして給料五万円以上まだ上がったことはない、名誉でやっておるというような感覚。しかも、プロ野球の父みたいな方ですから、こういうことを無報酬でおやりになることは、非常にきれいなことだけれども、かえってそのことがいろんな意味で動きがとれないのではないか。この点コミッショナーの機構をもう少しひとつ岡野さん、鈴木さんと御相談いただいて、りっぱな機関として持っていっていただきたいと思うのです。同時に、そのコミッショナーの中にそういう調査機関を、こうしたいろいろな問題、選手の素行的なものの指導、調査機関を今後お持ちになるような、そういう御計画、御意向がございますでしょうか。もしあったら、お伺いしたいと思います。
○宮沢参考人 いまコミッショナーが無報酬でやっているというのはおかしいじゃないかといよお話でありましたが、無報酬というのが一文ももらわないという意味ならば、そうではない。私ども非常勤的に役をつとめておりますから、それにちゃんと毎月何かもらうということはしないというだけで、盆暮れに若干の手当はちょうだいしておりまして、普通の非常勤に顔を出す程度の仕事としては、それでけっこう。だから、有給みたいなものでありますから、その点どうぞ御心配なく。将来もっといろいろ活躍する時代に、将来のコミッショナーがもっと本式にたくさんお取りになることは必要かと思いますけれども、現在まではそういうわけで、決して無報酬、無報酬って、まるで犠牲的精神でただ働いているというふうにお考えになるほどのことはないということを申しておきます。
 それから将来いろいろな調査機関の問題ですけれども、それは先ほども申したとおり、もともと権力は持たない機関ですから、非常に人数をただふやしてみても、調査能力があがるかどうか。それは結局、全球団の協力ということが完全に行なわれれば、相当成績があがると思うのですけれども、その点が問題だと思います。将来の問題としては、なお今回のいろいろな経験にかんがみて、十分に考えたいと思っております。
○森(喜)委員 いろいろお尋ねしておきたいことがたくさんございますけれども、どうもあまり私が伺ったところでは意欲的でないような気がします、たいへん失礼ですけれども。もっと前向きに取り組んでいただきたい。とにかくこれだけ日本の若い人たちが――国技の相撲以上の国技になっている。どこへいったってキャッチボールをやっている。どこの社会へいってもやっている。日曜日は日曜リーグ、どこのお店へいったって、朝野球は五時ごろからやっている。これだけ国民が野球をやっているのですから、その野球の一番最高の長たる――宮沢さんはおれは長じゃないとおっしゃるかもしれませんが、野球の最も長におられる、上におられるのはあなただと思うのです。もう少し積極的にそうしたことに取り組んでいただきたい。また、鈴木会長お見えでございませんが、岡野さん、ぜひ鈴木会長に二人で協力されて、このコミッショナーというものを盛り上げていただきたいと思うのです。
 時間が参りましたので、最後に一つだけ。特に選手の場合、高校、大学の選手に非常に関係がございますし、特に高校選手の場合は、名前をあげてはどうかと思いますが、渋谷選手というのは山形の生まれで平安高校、江島というのは中日だが、和歌山の生まれで平安に行っておる。柴田なんか、山梨生まれで法政に行っておる。全部私立ですが、高等学校時代からもうすでに野球学校へ来ている。こういうことも、私は何といいますか、野球のために学校に行っているような一つの感覚も非常に強いわけです。ひとつそういうことも、文部省としても何か規制はできないと思いますが、こういうことについて体育局長どう思われますか、御意見を伺いたいと思うのですが……。
○木田政府委員 今回問題になっておりますプロ野球の今後のあり方のことにつきましても、また関連いたしましてその改善策等を考えてまいります場合に、当然いま御指摘がございましたような高校野球、大学の野球、社会人野球等いろいろと問題もあろうかと思います。私どもも十分検討いたしまして、改善の方向に向かって考えていきたいと思っております。
○森(喜)委員 最後になりますが、私どもまだまだお尋ねしたいことはたくさんございますが、とにかくプロ野球が日本に入りましてからたしか来年で百年になるのですか、芝浦協会というのができてから来年で五十年だ。五十周年にしても百周年にしても、私はやはり大きな長い伝統があったと思う。私ども子供のころは、川上や千葉や青田がトラックに乗って遠征したということにあこがれをいだいた。いま選手はたくさん金をもらって、りっぱな家を建てて、芸能界の人と手を組んで歩いているところを子供たちが見ておるということをお考えをいただきたい。そして、この間文部省の発表がありましたが、これは文部省の実態調査で、後進国並みの社会体育なんです。公共施設わずか七%、こういうふうに発表されております。ひとつプロ野球のこういう問題を契機にして、子供たちがもっと思い切って野球ができるような施設、広場、こういうことを大臣もお考えいただきたいし、同時に文部省がはたしてプロ野球を掌握する機関かどうかわかりませんが、現状では私どもはそう考えざるを得ない。むしろ文部省も真剣に取り組んでいただいて、決して行政が介入するというのではなくて、指導していくんだ、そういうことで、やはりコミッショナーも、もっともっと随時――こういう国会の場で初めてお顔を合わせるということではなくて、始終連絡をとっていただいて、青少年の夢を裏切らないような、そういう措置をお願いしたいと思います。特に大臣は、私が手伝えることがあったら何でもやりたい、こういうことですから、文部大臣から、最後の質問として私が申し上げた点、御高見を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○坂田国務大臣 災いがありまして福となすということは、これは大事なことだと思います。これを契機にプロ野球というものが健全なプロ野球として発展できるように、いろいろ検討をいたしてみたいというふうに思っております。いま御指摘がございましたように、いたずらに私たちが介入することがいいかどうかは別ものといたしまして、われわれは関心を持たざるを得ない、そう思います。またプロフェッショナル野球というものの与える影響というもの、なかんずく全国青少年に与える影響ということを考えます場合には、私といたしましてでき得る限りのことはやりたいというふうに思っている次第でございます。
○森(喜)委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○八木委員長 小林信一君。
○小林(信)委員 私は時間が少ないのでございますが、先ほど委員長のごあいさつにございましたように、この委員会はこの問題については特別な責任を感じてきょう皆さんにおいでになっていただき、今後こういうものは一日も早く問題が解消されて、そして国民の一般の期待するような野球というものが行なわれるように、建設的に、きょうのこのわずかな時間でございますが、これを有意義に使いたい、こういう趣旨で皆さんにお願いをするのですが、私の問題点は一つであります。それはここにおいでになる方たちそれぞれが、大臣は大臣、連盟は連盟、コミッショナーはコミッショナー、あるいは警察は警察という立場で、この問題にずいぶん悩んでおいでになってきたと思うのです、しかもすでに時間は経過しております。そうして世論というものは相当きびしく盛り上がっております。その間何がこういう問題をつくったかということは、一般的でなく、それぞれの担当する部署の中で確認をされておると思うのです。私は、それをどういうふうに御確認になっておるか、それをお聞きして、さらにこれだけ問題視されておる以上、これに対しておれの立場ではこの問題はこういうふうに改めなければいけない、あるいはこういう考えで善処しなければいけないというものがあると思うのです。私はそれを承って、そして私なりのあるいは御意見を申し上げて、また皆さんの御指導を願いたいと思うのです。
 まず第一番に刑事局長にお願いいたしますが、この事件の追及という問題は当然警察庁の責任ではございますが、野球のこういう犯罪を究明することは、なかなか困難である。はからずもオートレースの問題からその端緒を得て、しかもいまこの問題については徹底的に究明するという態度をとっておられるのですが、これを追及する中で、あなた方が確認をした、こういう問題が起きる原因はどこにあるかというところを、警察なりに私はこの際述べていただきたいと思うのです。
○高松政府委員 プロ野球におけるいわゆる八百長という問題につきましては、これはかねがね申し上げておりますとおり、それ自体犯罪を構成しない。そういう意味では、警察としては一応別個の問題にならざるを得ないと思うのです。ただ、この問題の一つの背景は、巷間非常にうわさされましたのは暴力団とのつながりという問題でございます。もしそういう事態があるとすれば、暴力団の犯罪あるいは暴力団のそういう犯罪がプロ野球なりあるいは一般社会に害悪を流している、そういうことがあれば、われわれとして大いにこれの取り締まりをやるべきだ、こういうことに考えて、一面には暴力団の資金源の封鎖という問題がございます。また、そういう面から警察としてはプロ野球が健全に育成されていく、そういうところに協力ができれば、こういう考えで現在いるわけでございます。
○小林(信)委員 重ねてお伺いいたしますが、まず暴力団という問題ですが、この問題も、私はきょうの段階でやはり一つの特徴があると思うのです。私の考えで申し上げれば、一ぺん解体をされたようなものが、さらに復活する状況にある。その人たちが、昔のような暴力団の維持でなくて、新しい経営とか維持とかいうような道をつくっておる。要するに資金源、こういうものを昔は会社とかあるいは有力者とかそういうふうなものにたかっておったのですが、いろいろな賭博的なものから資金を見つけようとする。たまたまそれがオートレースというふうなものからあるいは野球賭博というふうなものにまでだんだんとこれが拡大をされて、そういう中に、これは直接そういうことで関係を持ったかどうか知りませんけれども、選手諸君の生活というふうなものが、そういうふうなものに巻き込まれやすい状態にある、そういうものから、野球界にも腐敗した、退廃したものが生まれてくる、一般大衆の信頼を失うような退潮的なものが出てくるというような問題を、私は一人で考えているわけなんですが、警察のほうとしてはどういうふうにお考えになっておるか。それは、ひいては取り締まりという問題に私はかかってくると思うのです。警察のいまのあり方が、学生の問題等で忙しい。その間に暴力団等の勢力が漸次拡大され、新しい方途を講ぜられて、そのためにこの問題がこんなに成長するのを残念ながら見送らなければならなかったというふうなことがあるかもしれない。そういう問題まで総括をした中で、その原因とかいうものを考えていただく。それがやがて、これは私たちの責任ではございますが、こういう問題をなくす一つの方途にもなるわけであります。これは私の小さい見解からのぞいてみた問題なんですが、何かそういう点でお話がありましたら、お聞かせ願いたいと思うのです。
○高松政府委員 最近の暴力団の動向につきましては、しばしばいわれますように、一時非常に鳴りをひそめたものが、最近かなり活発に動き始めてきた徴候が見られることは、事実でございます。たとえば団体の数でいま三千五百くらいといっておりますが、団体の数はむしろ従来より減っております。しかし、構成のメンバーの数からいいますと、むしろ前よりふえて、十四万近い数になっております。かつて頂上作戦その他によって刑務所に服役いたしました者が、次第に出所し始めている。新しい勢力分野がいろいろでき上がりつつある。そういうふうなことで対立抗争事件も多くなっておりますし、いろいろな面においても活発に次第に頭をもたげてくるような傾向が見られます。いま御指摘になりましたように、新しい道に資金源を求めていろいろやって動いているというようなことも、事実でございます。私どもといたしましては、これに対して一つの先制的な攻撃をかける、あるいは非常に大きく勢いを盛り返さないうちにこれを何とかたたいていく。そのためには、資金源を封鎖する、あるいは一つの区域ごとの浄化をいろいろな方面の力を結集してこれに対処していくというふうなことをいろいろやっております。学生問題その他で手が及ばなかったんじゃないかという御指摘でございますけれども、そういうことはございません。ただ、たとえば野球賭博というもの一つを取り上げてみましても、非常にやり方が巧妙になってきている。私どもが数年前に地方で取り締まりをやっておりましたころに見られたような、野球場の中で金のやりとりをしているというふうなのは、この間大阪で一件つかまりましたけれども、そういうものはむしろ非常に少ない。非常に秘密的な組織の中で、ほんとうに電話一本でやりとりをしている。したがって、たいへんしっぽがつかみにくい。非常に秘密的なサークルでやっている。被害者自身からも、その被害の訴えというものがほとんどない。そういうようなことで、取り締まりの困難なことは事実でございますけれども、これについても鋭意取り締まりを進めてまいるつもりでございます。野球を種にした賭博がプロ野球関係者とつながりがあるかどうかということは、これはまた別の問題でございますけれども、私どもとしては、そういう方面の暴力団の勢いをそぐために、あるいは資金源というものにならないように、そういうものの取り締まりを今後とも強化してまいるつもりでございます。
 いろいろな問題についていま御指摘になりましたこと、私も非常に同感を覚えることが多いわけでございますけれども、私どもとしては、そういう態度で今後とも取り締まりを継続してまいりたい、かように考えております。
○小林(信)委員 次に、岡野さんにお伺いしたいのですが、いま申しましたように、岡野さんの立場でお考えになって、御自分たちの経営とか運営とかいう面、そういうことで、こういうところにわれわれの落ち度があったというようなものがおわかりになっていたら、お聞かせ願いたいし、またしたがってそれに対して今後こういう点はこういうように対処するのだというものがあったら、お伺いしたいと思うのです。簡単にお願いいたします。
○岡野参考人 簡単にお答えいたします。こういう事態を引き起こし、申しわけない事態になりました原因は、私らは私らなりに考えております。たとえば、選手の私的生活の監督というものが、確かに行き届かなかったのじゃないかということは考えております。これはもうすでに手を打ったところもございますが、今後たいへん重要なことである。つまり現場選手に血の通った教育をするということが、必要だと思います。その欠点はもうわかっておりますので、さっそくにもそれはさすつもりでございます。それから今後の方策で一番大事な方法として、現実にどうしたらいいかというものを私は考えております。これは幸いに定年制があるわけじゃございません。一年ごとの契約更改でございますので、いま証拠をあげてどうとかいうことは、さっきも触れましたけれども、たいへんむずかしいわけでございますが、毎年十月になりましたら契約更改がございまして、球界のためにならぬ者は、そのときに契約を解除すれば私は事足りると思います。問題は、各球団の幹部が本気で球界立て直しのために、一例をあげましたら、非常に有力な選手であっても、こういう疑いがある者は断固契約を解除するというようなことが大事だと思っております。いまの制度は、十月の中ごろになりましたら、全部一応契約解除になります。私は八百長ということばがどうか知りませんが、今度の問題でも、被害者は私は球団だと思います。それじゃ球団はなぜそういうなまぬるいことをするかということが、問題になるのであります。結局いま申し上げたように、証拠があがらぬで、うわさはあるしということが原因にあると私思いますので、そういううわさにあがった選手で、球団が平素見ていて、大体素行上とか、どうも金づかいが荒いとか、そういう問題は球団でわかるはずでございます。そういう者を契約するときに排除すれば、非常に効果がある、すっきりした対策ができる、私はこう思っております。ただ、その問題には人権問題がございますし、たとえば両リーグでかなり緊密な連絡をとりませんと、パ・リーグで切った者がセ・リーグで泳いでおるということでは、何にもならない。これは機構内で人権問題にならないような方法で考えるということは、できると思っております。
○小林(信)委員 まことに申し上げにくいのですがね、いままでの過程の中から非常に御苦心をなさっておられるのだから、そういう点を皆さんがお考えになるのは当然だと思うのですが、それではこの事態に対して国民は、球団は立ち直ることができぬじゃないかというような印象を受けると私は思うのですよ。連盟とか球団とか、そういうものがほんとうにプロに徹しろということが、最近盛んにいわれております。やはり勝負をする人たちですから、勝負に勝たなければいけない。勝負に勝つためにはどうしなければいけないか。要するにスポーツマンシップとか根性とか――そして自分たちは金を取って人に見てもらう。しかし、ショーとは違うものを国民は感じておりますよ。そういうもっと精神的なものを、この際あなた方先頭に立つ者が、しっかり持たなければいけないと私は思うのです。球団の経営等も、非常にきびしいものがあると私は聞いております。きびしいけれども、なぜやるのか。球団そのものよりも、経営者が、あるいは資本家が、他に何かしておる仕事を成立させるために、それは損をしてもやってよろしいというような、そんなものがある以上、私はいまのような小手先の改革意見では絶対だめだと思うのです。
 それから警察の問題と関連して申し上げれば、暴力団との接触というようなことをいま一般は非常に危険視しております。ところが、あなた方が地方に回って試合をするときがありますね。そういうときの施設、設営はだれがやります。私の聞くところでは、大体地方の暴力団が引き受ける。昔の相撲の地方巡業と同じような状態がとられておる。そういうところから、自然に接触というものが出るわけなんですよ。もし選手の粛正とか自粛とかいうことを考えるならば、まず先頭に立つ人たちがそういうところに留意しなければならぬじゃないか。そういうこまかい配慮というものをされなければいけない。何となく単にばく然とした人間形成というようなことだけでは、いけないと私は思うのです。
 時間がございませんので、なるべくならば御意見を承りたいのですが、そこで、プロに徹せよというような、そういうものはきっとお持ちになっておると思うのですが、時間がございませんから、もしありましたら、そのことにつきましても一言でも聞かしていただく中で、リーグの再編成ということが必要でないかどうか。いまあなたのお話の中に両リーグの提携という問題がありましたが、私はこれは非常に必要なことだと思います。リーグの再編成、一リーグにしたほうがいいじゃないかというふうな声も野球を見る側から出ておりますが、こういう点についてはどうですか。
○岡野参考人 再編成の問題が出ましたのですが、ほかの責任者もおりますので、いまここで私、軽々には言えません。ですけれども、いろいろ長短ございます。一リーグにしろといえば、一リーグにできる自信もございます。しかし、それはそうなるまでに、それぞれ各球団の事情がございますので、ここでは私の口からはちょっと言えませんですが、一リーグでやるということならやれると思います。それはやはり機関を通しての問題になって、おのおの各球団の利害がございますものですから、たいへんむずかしい問題だと思っております。
○小林(信)委員 それでは、宮沢さんにお伺いいたします。いろいろお聞きしたいのですが、時間がなくなっておりますので……。アメリカではこういうような八百長問題が非常に大きな問題になったときに、一九二一年といいますが、宮沢さんを前に置いてまことに失礼ですが、コミッショナーにらつ腕判事ランデスという人を選んだことがある。こういうことも外国の事例等にはあるんですが、りっぱな人格者宮沢さんがおいでになるだけでなくて、そういうコミッショナーというものが必要であるかどうか。これも世論の中から出てきていることばなんですね。そして十人や何ぼのそういう構成で全国的に広がる選手団の行動というものをコミッショナーが監督して、そしてこういういかがわしい問題を取り締まるというようなことは、なかなか困難じゃないか。そういう、数をふやすとか、あるいはコミッショナーの中にほんとに専門家を入れるとか、ただ野球に精通するということでなくて、やはり犯罪の問題に精通するそういう人を選ぶ必要があるじゃないか、こういうふうなことを言われておりますが、コミッショナーの見たこの問題の起きる原因、あるいはこれをいかにして将来なくなすかというその御意見と一緒に、いまの問題をお聞かせ願いたいと思います。
○宮沢参考人 アメリカの例は私も聞いておりますが、あれは結局、非常時局に対して全オーナーが協力一致して、そういうふうにランデスにまかせようという決意をしたその結果、相当成績があがったのだろうと思います。日本では、どうかといいますと、御指摘のとおり、私も一向らつ腕でない、反対のほうでまことに申しわけありませんが、そういうことが将来必要かどうかということは、ちょっといま私確たる意見はございません。非常ならつ腕家がはたして常時適当であるかどうかということは、いろいろ問題があろうかと思って、私個人の意見としては、将来の問題としては、そういう特殊のらつ腕というだけの理由で有能な人がいなければ秩序が維持できないような野球社会になってもらいたくないというのが本音ですが、これは少し甘過ぎる考えかもしれません。現在のところは、御意見のようなことを十分に考えていきたいと思います。
○小林(信)委員 最後に、文部大臣にお尋ねいたします。何といっても、これはとどのつまりは文部大臣に責任がくるわけなんですが、残念ながら、私どもいままで文部省、文部大臣とそして球団との関係というものを法的な関係でいろいろ調べて見ても、文部大臣にはそういうものをたどっての権限というものはない。要は文部大臣の人柄とかいわゆる教育力というような、権力を離れての力以外にないような気がいたします、やはりそれをも十分に発動した中でこの問題にこたえていかなければならぬと思うのです。若い青少年に影響するの大であること、先ほど委員長が言われたとおりですが、これは何も法律があるから、ないからの問題ではないと思うのです。大臣はこの問題のよって生まれる原因をどういうふうに把握し、そして今後どういうふうにこれに対処しようとするか、一言、皆さんと同じような立場で、しかもあなたはもう総括的な責任を持っておるんだ、したがって、コミッショナーの皆さんにも、あるいは連盟の皆さんにも遠慮会釈なく、こうしてもらいたいというのがあったら聞かしていただきたいと思います。さっきのような抽象的な御答弁でなく、もっと感動するようなものをお願いしたいと思います。
○坂田国務大臣 このよって来たるところはいろいろあろうかと思いますけれども、先ほど森さんもお話しになっておりましたように、若い人が名選手となって、そしてわれわれの常識を越えたようなお金が相当入って、使い方に困ってしまうということでございまして、やはりそこにも問題があるのじゃなかろうかというふうに思います。そしてまた、野球だけでなくて、こういうプロフェショナルな職業というものは、非常に短時間の生命しかないということがあって、その期間中は相当高額の所得をもらっているけれども、その後の生活の保障というものはないというようなことも、一面においてある。あるいは、そういうようなことで非常に生活をくずしてしまうおそれがあるのではないか。これは相当意志が強固で、あるいは道徳堅固な人でありましても、それに流されるということは、人間としてあり得ることだと私は思うのです。だから、やはりそういうようなことにも原因の一つはあるかというふうに思うわけでございます。先ほどから、それならば何かひとつ道徳教育でもということでございましょうけれども、しかし、これは何と申しましても、各球団が自粛自戒をされまして、これを契機としてオーナーあるいは監督あるいはコーチが、プロフェショナル野球というものがいかに社会的責任を負う球技であるかということに徹せられることをふだん努力していただくということで、これまたすぐでき上がることじゃない、国民の側からいうならば、長い目で見ていただかなければならぬ、こう思います。
 それからもう一つは、日本野球機構というものができておるわけでございますし、またコミッショナー委員会というものができておるわけでございます。ところが、この日本野球機構というものの役割り、あるいは責任、あるいは機能が、十分果たされておるかどうかということ。これはいまお二人の参考人からお話がございましたように、なかなかむずかしい課題ではございますけれども、しかし、こういうような一連の事件が起きました以上は、やはりそれなりの責任を果たしていただかなければならぬし、そしてまた機構の整備あるいはその効率的運営等も、前向きにお考えいただかなければならないというふうに思います。また、今日そのようにお考えになっておられるだろうというふうに思うのです。
 それから先ほど宮沢さん、権力的な力というものは私にはない、しかしながらそれなりの権限というものは私は持っておるのだ、こういうことをおっしゃっておりました。たとえば、この間も二人ですかを出場停止ということにされた。これは受けました選手にとりましては致命的なことだと思うのでございまして、こういうことがあり得るのだということは、相当に影響を及ぼしていくのじゃないか、各選手のこれからの行動を規制していく力を持ってくるというふうに思うわけでございます。もちろんそういう出場停止というような処分と申しますか、決定をなされたということにつきましては、コミッショナーとしては相当の根拠をもってやられたことだと思います。ただちょっとあちらから言ったから、こちらの新聞に出たから、そういうようなことだけで判断をされたのじゃない、相当の客観的な根拠に基づいてそういう処置をされたと思うのです。でございますから、そういうようなデータ等をちゃんと調査して、何人といえどもそれならばやむを得ないのだというような処置をされる、積み重ねをなさるということにおいて、おそらくコミッショナーが権威を持ってくる、あるいはまたそれに対して各球団が従う、選手も従うというようなルールが確立されていくのじゃなかろうかというふうに私は思います。
 そういう意味合いにおきまして、この不祥事を契機といたしまして、先ほど申しますように、災いを転じて福となすということをしていただきたい。コミッショナーの側におきましても、また日本野球機構におきましてもやっていただきたいと思いますし、私どもも、いままで文部省所管であるのかそうでないのかというようなことすら実ははっきりしていなかったというようなことでございますが、私は、今度の国会を通じて、この問題はやはり私の所管であるということをはっきり申し上げておるわけでございまして、またその責任の一端を痛感しておるわけでございます。したがいまして、私どもは何も法律とかあるいはいろいろなことではなくて、今後こういうようなことにつきまして、日本野球機構、あるいはまたコミッショナーの方々、あるいはオーナーの方々ともお会いをいたしまして、このようなことを二度と再び繰り返すことがないようにひとつ努力を積み重ねていきたいというふうに思うわけでございます。こういうように、国会におきまして、特にこの文教委員会におきまして、建訪的にこういう問題が取り上げられたことそれ自体が、私はプロフェショナル野球というものを新たに再建する第一歩ではなかろうかと考えておりまして、それだけに私たちに課せられた責任は大きいというふうに思うわけでございます。私も、できる得る限りこのようなことが二度と繰り返されないように、そしてほんとうに青少年のあこがれの的としてりっぱな球技が行なわれて、さすがはというようなことにひとつなってもらいたいというふうに思うわけでございます。
○小林(信)委員 委員長、私は十分ばかり大臣の意見を述べさせる時間をさいてしまったわけなんです。非常に感動はいたしまして、責任感の強さには非常に感じましたが、ひとつその十分は全体が使ったような計算でお願いしたいと思います。もう私の時間はほんとうはないんです。ただ、そういう大きな問題もさることながら、あなたの直接担当する高等学校教育――いまスカウトは高等学校に向けられていることは、あなたも御存じだと思うのです。そういうものの中から、高等学校教育の中にも大きな問題が出てきておる。そしてその中から、世間を知らずに出された者が、すぐに晴れの舞台にのぼらせられて、そしてそれが将来どうなるかわからぬような、週刊誌のことばをかりて言えば、女工哀史だといっている、あるいは売春婦だといっている。そんなひどいことばまで使われるような運命というものに流されるものを、いまの高等学校はそういう選手を出すことを非常に喜んでおるような状態でありますが、そういう点にも私は心しなければならない点があると思うのです。あるいは選手の生活にしましても、これは先ほど連盟とかコミッショナーとかそういう方たちから、厳粛にその選手の生活を規制するというふうなお話があったのですが、しかし、アメリカの選手は、シーズンオフにはちゃんと職業についておる。日本の選手にはそういうふうなことがない。これはやはり一つの社会風潮だと思うのです。賭博的なものに流される。これも一つの社会風潮なんです。そういうところまで考えれば、文部大臣の責任というものは非常に私は大きいと思うのですが、そういうものを含めて、この問題に対する国民の期待にこたえられるようにお願いしたいと思います。委員長に御善処を特にお願い申し上げまして、私は終わります。
○八木委員長 中谷鉄也君。
 中谷君に申し上げます。社会党の持ち時間は十分延長しまして、ちょうど四時までにいたします。井上君の分も含めて御協力を願います。
○中谷委員 私のほうは最初に、コミッショナー委員長と岡野会長に事態の深刻さを御認識いただくために、刑事局長の答弁を求めたいと思います。次のような点です。
 本件は、いわゆる暴力団の摘発、撲滅ということにかかわっているケースである。いま一つはプロ野球の健全化という問題、国民の期待にこたえねばならない。そういう状態の中における捜査であります。まず第一点は、捜査がオートレース八百長の段階であって、捜査はまだその緒についたばかりであると私は考える。それが第一点。第二点は、だから捜査はこれでもう終わりだなどというふうなものではなしに、今後継続して捜査がなされねばならない。さらに一そう捜査は強力になされねばならないという私は認識を持っている。第三点は、捜査の対象になった選手は、現役であれ、OBであれ、あるいはエースであれ、スターであれ、二軍の選手であろうが、捜査の必要のためには強制捜査もやむを得ない。ことにいわゆるシロだシロだといって報道関係者にはそれで通るというふうな状態は、捜査の混乱を生ませる。これは捜査の常道としては、当然強制逮捕もやむを得ない。したがって、その条件的な反射行為とその結果として、リーグが成り立たない、ゲームが成り立たないというふうなことがあっても、これはやむを得ないのだ。そういうふうな決意と方針のもとに捜査をお進めになっておられるかどうか、その点について明確に御答弁をいただきたい。
○高松政府委員 オートレースの不正についての事件の概況は、先ほど御説明申し上げました。ただ、この事件の一つの特徴は、これに野球関係者の何人かがいままでこれに関連して検挙されている。したがって、将来捜査がいろいろ進展してまいりますれば、オートレースの関係だけではなしに、野球賭博の問題あるいはそれにからむいろいろな問題というものが出てくる可能性は、私はあると思います。事件の捜査でございますからどういうふうに進むかは確言はできませんけれども、確かにそういう意味ではいま御指摘になりましたように緒についたばかり、これからどういうふうに展開するかというところであると思います。したがいまして、私どもといたしましては、これらの事件、それから最近関西地方を中心に幾つかの野球賭博事件を検挙いたしております。いろいろなものがその際に、また何らかの関連のあるものが出てまいるかもしれません。それらを総合いたしまして捜査を継続してまいる、かなり長期的な捜査になるであろうというふうに考えております。もちろん犯罪を犯した者がだれであれ、それが通謀のおそれがある、あるいは重要な犯罪を犯しているというふうなことになりますれば、強制捜査もやむを得ないところでございます。
○中谷委員 私は、岡野さんにお尋ねいたしたいというよりも、先ほど森委員の質問に対するお答えについての問題点を指摘をいたしたいと思います。
 先ほど同僚委員が引用いたしましたけれども、法廷では無罪でも野球では有罪であるという、このことばは名言として残っております。これは読み方としては、私は次のように考える。法廷で無罪になった者ではあったけれども、その後の調査と捜査の結果、野球では有罪になったのだ、そういうことだと思うのです。私は、先ほどの岡野会長の御答弁は、非常に気に入りません。私は納得できません。四回目の質問で私は今国会において本問題を取り上げるわけでありまするけれども、あなたの先ほどのお話では、証拠のないものはシロでしょうと言って大みえをお切りになった。まさにそのとおり、証拠のないものは処分されてはたいへんです。しかし、問題は証拠を収集する能力のない者が調査をしてシロだということは、誤判であります。間違いなんです。そんな調査をされたことの責任をお感じにならないパ・リーグ会長のあなたの責任を、私は追及したい。言うてみれば、あの当時は五百五十万の金が楠根オーナーから出ているという永易の供述があった。そうして永易自身が問題選手を指摘しておった。そうしてあなたは西鉄に行かれていろいろな選手を調べられた。そうして選手の言い分を一方的にお聞きになって、そうしてシロだと言ったからシロなんだ。調査能力のないのは認めますよ。強権がないのは認めますよ。しかし、まずあなたがこの委員会において冒頭発言しなければならないことは、調査能力が足りなくて申しわけありませんでした。あなたは証拠がないとして誤判をしたのです。シロのものをクロとするのも誤判であるけれども、クロのものをシロとするのも誤判でしょう。シロかクロかはまだ断定できないけれども、シロだとはいえないでしょう。それをシロなんだ。証拠のないものは私は断じて処分するつもりはないなんということを、大みえを切られる。あなた自身は、誤判の責任をどのような形でおとりになりますか。先ほどから文教委員の非常に格調の高い質問のあとでありますけれども、私はストレートにそういうことをお聞きしたい。岡野さんから、御自分のお気持ちを。
○岡野参考人 申し上げます。うわさとか評判というものは立っても、これがクロ、シロ、つまり罪になるかならないかときまるいま中間の段階でございます、だから、クロでないものはシロで、シロでないものはクロだということを私は申し上げておる。私が調査をして、これは断定する権利もあるのですが、その範囲内の権限では、クロと断定できない。証拠はないけれども、うわさがあるからクロといわれても、それは私はできませんということを申し上げているのです。
○中谷委員 論理的に違うと思うのです。クロでないものはイコール・シロではないわけですね。シロのものはクロではないわけなんです。したがって、あなたはだから断定ができなくてわかりませんでしたということなら、了承はできます。証拠がない者は処分ができないのは当然です。調査能力はないのだから、この点についての調査はできません。シロ、クロいずれとも断定できないのだということで、さらに調査を続行されるべきだったのです。そこで、この点についてあなたは先ほど楠根オーナーを調べられなかったと言われましたが、その後いつどこで楠根オーナーから事情を聴取になりましたか。
○岡野参考人 先ほど申し上げましたとおりでございます、楠根オーナーの調査云々は。楠根オーナーはそういう関係でございますから、東京に出られたときにすみやかにコミッショナーにお寄りくださいということを私は申し上げました。
○中谷委員 そうすると、あなた御自身は楠根オーナーからその後も事情を聴取されておらない。逆に言いますと、五百五十万の金銭の授受はなかった、このことが問題の混乱の発端であり、大もとだと私は思う。その人について、あなた自身がコミッショナー委員会に問題をあずけちゃって、あなた自身が御調査にならなかったことは、私きわめて遺憾だと思う。
 そこでお尋ねをいたしますが、あなたの協約の理解では、五百五十万の金銭の授受があるのに金銭の授受がないというふうに言って球界を混乱させた楠根オーナーの責任というのは、道義的な責任のあることは当然ですが、協約上何条に触れる行為だと思われますか。
○岡野参考人 まだこの問題はクロ、シロがはっきりしていない。経過的なんです、いま。わからぬのです、クロともシロとも。
○中谷委員 そうじゃないのです。そうすると、五百五十万を渡してないと言っておった人が、仮定の問題ですが、ではもう五千五百万にしましょう。五千五百万を渡してないと言っておった人が、五千五百万を渡してあった、そのことが球界の混乱の原因であった場合、しかもそれがオーナーであった場合には、法律問題ですね、協約上の責任は問われますか、問われませんか。
○岡野参考人 五百五十万という金が、仮定ですけれども、オーナーがどういう名目で出されたかということもわかりませんし、私のところの機構内の調査では、まだいまでもそれは言えないといわれる。調査しました。二回調査しております。
○中谷委員 宮沢先生に、私はきょう次のような点だけを要望しておきたいと思います。プロ野球の健全化、そうして非常に若い選手、社会的抵抗力と自主性のない選手、そういう選手の責任というのは、監督責任として私は球団社長にあり、オーナーにあると思います。その点について、岡野会長の先ほどのお話ははなはだあいまいであるし、またこれの問題を率直にお答えしにくいような雰囲気が流れたと私思うのです。選手は商品として扱われている。いけないことだと思うのです。オーナーが人間である以上に、選手も人間、オーナーだけの人権が尊重されていいわけはありません。はなはだ遺憾であります。そこで、プロスポーツ立法等を制定すべきだというふうな見解があり、この点についてわれわれは鋭意研究中でありますけれども、宮沢先生に二点だけひとつ要望いたしたいと思います。こういうことは早急にひとつ――野球憲法といわれている協約の問題ですから、軽々にはいかないでしょうけれども、この点についての改正を大急ぎでやることが、球界の健全化に効果があるのではないかという問題。三百六十一条であります。三百六十一条は「協約に参加する団体または団体に属する個人が所属する連盟会長を経由して」有害行為があった場合には「コミッショナーに対し告発することができる」という規定になっております。そこで、私がくさいものにふたをしてはいけないのだという前提から、ひとつ球団関係者はこのような場合、有害行為があった場合には、コミッショナー委員会に告発をしなければならない。「することができる」ではなしに「しなければならない」と私はすべきではなかろうかというのが一点であります。数カ月間この問題に取り組んだ私の感想を言えば、球団関係者は、率直に言って、問題の拡大をおそれてきた。そうしてくさいものにふたをするような雰囲気がある。その点を改めていただけるかどうかが第一点。
 第二点は、すでに御処分があったわけですけれども、いわゆる仮の処分というか、シロ、クロはっきりしないけれども灰色だというふうな状態については、やはり仮に出場停止等の処分をすることをおやりになる。それがやはり私はファンの信頼をつなぐ道だと思う。こういうふうな御処分のやり方を今後どしどしおやりになるべきではなかろうかという点が、第二点であります。
 そうして第三点といたしましては、やはりコミッショナー委員会御自身の調査能力の拡充、この点について、私は警察との協力体制その他十分な、協約上の問題ではございませんけれども、今後とも配慮を払われたいということ。
 第四点として、最後に、本問題を通じて私が一番不愉快であったことは、選手も球団の社長も、すべてシロだシロだと言って今日まで来た。法廷で有罪になりそうなものが、野球界では無罪なんです。まさにブラックソックス事件とは逆のことばが残っていると思う。岡野さんの、証拠がなければそれで無罪なんだというようなお話も、私は名言として残るだろうと思う、前提を変えておっしゃるなら。あなたのことばは名言として残りますよ。そこで、やはりそういうふうな状態の中で、何としてでもひとつ本問題について調査能力の拡充ということについて、警察との協力等についての努力を十分にいただきたい。これだけです。私の時間はもうありませんので、まだまだきょうは言いたいことは山ほどありますけれども、委員長の御見解を承りたい。
○宮沢参考人 最初に、さっきの岡野さんの答え、それについて私ちょっと補足的に説明していいですか。――それはどうも誤解があるようで、岡町さんは別にそこで結論を出したわけではないので、いろいろ調べたところが、いままで西鉄当局並びに岡野さんの調べたところでは、いままでクロという断定は困難であるという報告をわれわれにしたわけです。われわれはそれに基づいてさらに調査を進めたという段階ですから、その点は御了承いただきたい。
 それからさっきのお答えですが、一番初めの規約の「告発することができる」とあるのを「しなければならない」としたらどうだ。これはごもっともだと思います。その点は、私もさらにみんなに相談して、将来検討したいと思います。本来八百長をすすめられたようなときには、敗退行為をすすめられたというようなときには、すぐ言わなければいかぬということになっていたわけです。
 第二は何でしたか。
○中谷委員 私のほうからお尋ねいたします。第二は、仮の処分を続行されたらどうかという点。第三は、さらに調査機構の拡充について警察との協力体制、それから第四点は、シロだシロだということでずっとあらゆる人が通ってきているような雰囲気は、いけないと思うのです。だから、黙秘権との関係はありますけれども、そういううそを言った者は、一ぺん今後協約で制裁する規定を設けていただきたい。それです、私が言いたいのは。第四点、一点を追加いたしました。
○宮沢参考人 それで、第一点は、いま申しました。
 第二点は、仮の処分というものを今後やるかという、これは随時と言っては悪いけれども、必要が生すればもちろんやるつもりです。
 それから第三は何でしたか。中谷さん、何かあまりごちゃごちゃ言うものですから……。
○中谷委員 よろしいです。第三点は、警察との協力体制……。
○宮沢参考人 わかりました。その点は前から申し上げたとおり、あらゆる方法でそういう努力をしていくつもりです。それは、調査のいろいろな内容、そのほか一々申し上げられませんが、私として可能なあらゆる方法を用いて続けていくつもりです。
 それから最後の問題ですけれども、それはちょっと様相がはっきりしませんがクロだかシロだかわからないというようなことはやはりクロと断定できるかどうかということで、シロと積極的に言うのはまずいけれども、さっき岡野さんの言われたのは、クロと断定できる段階でないとすれば、そういうものはすべてシロと言うという意味だと思いまして、それならばそれでよろしいんではないか。すべてあらゆる問題がクロと断定する段階でなければ、そうでないということになる。それをシロとかりに言っても、それこそおかしいことじゃないんじゃないか。今回の場合は、いまの漫然たる感想を申し上げれば、ああいう事件があってはなはだ遺憾である――まだ終局的な判断は私どもいたしておりませんが、しかし、いままでの段階でも、非常に遺憾な点が多かったことは確かです。ことに球団関係者などのわれわれに対する協力という点において、若干欠けるところがあるなという感想は持っております。
○八木委員長 関連質問として、井上普方君に一問許します。井上君。
○井上委員 私は、一問だけということでございますので、ひとつお伺いいたしたいのであります。きょうの毎日新聞に「どこまで深い球界の霧」という記事が載っておることは、これは宮沢先生も関係者の方々も御存じ、お読みになっておられると思う。これを見ますと、国民に対して、あるいは青少年に対して影響するところが非常に多いのです。と言いますのは、何ですか、「花の五十七人」、これが八百長に関係しておるがごとき記事も出ておるし、かつまた八百長に関係のない球団は、わずか二球団しかないというような記事までも出ておる。それほどまでに現在のプロ野球球団というものは、あるいは大新聞の諸君あるいは国民のファンの皆さん方からも、おそらくこれはおかしいじゃないかというお気持ちが出てくるのは、私は当然だと思うのですが、しかもいままでのコミッショナー当局並びにプロ野球の関係者の方々の御発言というものは、これはくさいものにふたをするといわれてもしかたのない、いままでの御態度ではなかったか、このように感ぜられてならないのであります。宮沢先生は、先般二名を御処分になったあとの記者会見におきまして、その苦衷を記者諸君に御発表になっておられる。まきにそのとおりだろうと思うのでございますが、しかし、先ほど来宮沢先生並びに岡野さんの御発言を承っておりまして、あなた方がおつくりになった野球協約、これを見ましても――私は、この黒い霧が発生いたしまして以来、読んでみました。読んでみましたけれども、コミッショナーの権限というものは、非常に強いと私は考える。宮沢先生は、先ほどこの権限というものは非常に弱いのだというようなことでございますが、第七条並びに第八条、これを見ましたときに、コミッショナーの権限というものは強いものだと、私どもはいわざるを得ないと思うのです。ただ、それを発動しない。あるいはまた球団幹部に対して御遠慮なさっておる。これが私どもの感触であります。特に楠根オーナーのごときにつきましては、三百五十五条の敗退行為の条項にひっかかるのじゃないか。あるいは永易との間の金銭授受については、まだコミッショナー当局並びにパシフィックリーグ会長のところには実情はわかっていないそうでありますが、すでに新聞紙の伝うるところによれば、東京地検におきまして、参考人として出頭した際に、楠根オーナーはこの点をお認めになっておられるやに承るのであります。先ほど岡野さんは、この席上において、東京へ来たときにはコミッショナー事務局に楠根オーナーは来られて、そして説明をしてほしいということを申してあるとおっしゃいましたけれども、オーナー自身はそれをやっていない、コミッショナー事務局に届けていない、こういうことを考えますと、コミッショナーは、オーナーあるいは球団幹部に遠慮なさっておると見られる向きが、これは私ども感触として感じられてならないのであります。しかもその三百五十五条を見ますと、敗退行為をやった者との間において通謀する者は、これは球団関係者は全部オーナーとして処置しなければならないことになっておる。ここの点は、一体どういう御見解であるのか、宮沢先生にお伺いいたしたいのであります。
 さらに、私は、一問しかございませんので申し上げますが、ひとつその点をお許しをいただきたい。日本にそもそもなぜこういうように起こってくるか。私どもが見まして非常に不可解でありますのは、これは日本野球機構というものがある。これは定款として出ておる。しかしこの定款は、文部大臣の許可を得て発効することになっておる。このほかに、全国プロフェッショナル野球機構というものが、これまた名前のはなはだまぎらわしいものをつくって、そしてここにコミッショナーを置かれておるのであります。それで文部省の権限が一体どこまで及ぶのだということになりますと、これははなはだ不明確なんであります。社団法人日本野球機構、さらには全国プロフェッショナル野球機構との間の組織上の混迷さ、これが私はふしぎでならないのであります。さらに日本野球機構というものは、これは脱税の手段としてあるのですか、はっきり言えば。そうとられてもしかたのないような機構に相なっておるように思われてならないのであります。したがって、先ほど坂田文部大臣から言われましたが、坂田文部大臣は、人間として若い者がああいう金を持つので誘惑に負ける、こういう可能性があるが、しかしこれを直すにはどうすればいいのかということを考えるなら、一つにはやはり機構の整備ということが必要でしょう。それはあなたもおっしゃるとおり。したがって、このような非常にあいまいもことした――野球機構定款の中においてはいかにももっともらしいことを言っております。「国民生活の明朗化と文化的教養の向上をはかるとともに、野球を通じてスポーツの発展に寄与し、日本の繁栄と国際親善に貢献すること」などと、まことにけっこうなことを書いている。片方を見ましても非常にもっともらしいことを書いてある。これはこういうことが書いてあります。
○八木委員長 簡明に願います。
○井上委員 「野球における道徳的法律的保障を樹立し以て日本の野球を不朽の国技にし野球の権威及び技術に対する国民の信頼を確保すること」、こんな現状の野球のもとにおいて、国民の信頼を確保することは不可能であります。また、道徳的に野球を守らなければならないというようなことすらも書いてあります。そういうように非常に混迷しておるのです。したがって、大臣としては、この野球機構の整備をどうすればいいか、これを御検討になる必要があろうかと思う。同時に、コミッショナー並びに球団当局者は、このまことに不可解なる日本野球機構とプロフェッショナル野球機構との一体化をはかる。国民に、あるいはファンに、どういう姿でいくのだということを示す必要があると思うのですが、いかがでございますか、これが第二点です。
 第三点といたしましては……
○八木委員長 簡明に願います。
○井上委員 はい。先ほども問題が出ましたけれども、現在の日本の野球界と興行界との問題です。文部省に対しましては、井原事務局長のほうから体育局に対しまして資料が出ておるようであります。この春行なわれましたオープンゲームは暴力団とは全然関係ございませんということが、体育局のほうに出てきているはずです。しかし、三月二十八、九日、松本と諏訪においてやられましたオープン戦におきましては、主催者は一体どなたになっておりますか。前において事件のあった人が主催しておるのであります。こういうように、文部省に対しましても皆さん方がやられておる。岡野さん、頭をかしげるのでありましたら、資料を貸してあげます。あなた方はやらせておるのです。三月二十八日の大洋――東映戦、三月二十九日の大洋−東映戦、これはいずれも私どもには納得できない。皆さん方がおっしゃるのは、地方自治体であるとか公益法人のごときものにやらしたとおっしゃいますけれども――おっしゃっておられます、体育局に。しかし、そうじゃございません。こういうところにも日本の興行界自体において、昔においては古い体質があったことは私は認めます。しかし、これもおいおい改善せられつつあることも、これまた認めます。しかし、いま依然としてこういうことが残っておる現状を、あなた方はどのように直すか。あるいはまた、各球場における売店、あるいはものが売られる、こういう世話役をやられておる会社に名前をかりてあるいは暴力団関係の人が入っていないという保証をあなた方はできますか。これが第三点です。こういうようなことを直さなければ――これだけ国民の、しかも青少年に与える影響の大きい野球でございますから、ここらあたりから、まず球団幹部並びにコミッショナー当局が、これは協約によりますと指示することもできるのでありますから、指示して、姿勢を直していただきたい、このように考えるのですが、いかがでございますか。
 それから最後に、特に先ほど来申されております社会教育、学校教育までも悪い影響を与えておる。先ほど森さんがいろいろと例を出されました、ああいうようなことが、公然と現在では行なわれておるのではございませんか。いかにスポーツに名をかりて選手の移動が行なわれておるか、文部省はこの実情をどういうふうにチェックしていくか、これはやはり真剣に考えなければならぬ問題だと思うのです。これらの対策をひとつやっていただきたい。これが第五点です。
 さらには……。
○八木委員長 簡明に願います。五分をだいぶ超過しておりますから……。
○井上委員 いろいろ申し上げたいことがありますが、国民的な競技となり、しかも一千万人に及ぶ入場者のある現在、国民に対する影響、社会教育に及ぼす影響は、非常に多いのです。したがって、ふたをする、ふたをするというようなことではなくて、コミッショナーみずからまず先頭に立って、球団幹部、この人たちにひとつ姿勢を正していただいて、そうして社会教育に及ぼす影響をお考えいただきたいことを強く要求いたしまして、御答弁をいただきたい。私はこのように思う次第であります。
○宮沢参考人 先ほど毎日新聞の記事をお引きになりまして、いろいろ御注意がありました。私どもも読んでおります。ああいう新聞の記事は、もちろん十分に参考にいたしますが、ただ、それですぐそれを事実と断定してどうこうするということは、もちろんできません。
 それから、私の権限が弱いと私申したというふうにおっしゃいましたが、強いと申し上げたつもりなんで、法律的には非常に強いというので、私が今回のたとえば西鉄の二選手について暫定処分をいたしましたのも、その中にあります、具体的にああいうときはどうするという規定はございませんけれども、一般条項に基づいて非常に強い権限を発動してやったつもりです。今後もそういう方針です。
 それから楠根オーナーの行為が何か協約違反に該当するかどうかということは、もう少し楠根オーナーの事件の内容を調べないと、ちょっといま申し上げられないと思います。
 あとは岡野さんから……。
○岡野参考人 社団法人があいまいだとおっしゃいますが、内部で私らはわかっておりましても、確かに外へ出ましたら、社団法人日本野球機構というものと全国プロフェッショナル野球機構と二つ使い分けております、非常に繁雑でおわかりにくかったと思います。その協約は、後者のほうの全国プロフェッショナル野球機構の協約でございます。社団法人日本野球機構というのは、文部大臣から法人格を認められたものでございます。これは、この内容をどういう機構か申しましょうか。――よろしゅうございますか。そういうようにたいへん繁雑だということは、私らはわかっていても、おそらく外部の方にはたいへんむずかしいと思います。
 それから次は……(井上委員「一本化するかどうか」と呼ぶ)これは研究いたします、非常にややこしいですから。
 それから暴力団のオープン戦でございますけれども、これは私どものリーグではないのですけれども、一緒に申し上げますが、非常に努力はいたしております。さっきお話がありましたように、最近減っておりますが、昔、地方のいわゆる興行師というものが、暴力団につながっていたか、暴力団そのものだったかということがわからない、とにかく興行師を通じてやりましたために、そういうものがあったのじゃないかと思います。それで昨年ぐらいからは、これはもう私らのほうからも言いまして、鋭意そういうものを通さずに、ほとんど手打ちをやりましたり、あるいは熊本あたりでは商工会議所にしていただいたりというような形に変わってきて、努力はしております。
○坂田国務大臣 この不祥事のいろいろな原因につきまして、一つには、あるいは日本野球機構というもの、あるいはプロフェッショナル野球機構というものに原因があるというような考え方もあろうかと思いますけれども、そのことについては、いま連盟からもお話がございましたように、内部でも検討しようということでございます。私どものほうでも検討をいたしたい、かように考えておる次第でございます。また詳しいことがございましたならば、局長から御答弁を申し上げたいと思います。
○木田政府委員 第五点として御指摘のありました高等学校の選手のことでございますが、高等学校におきますスポーツ、体育活動につきましては、できるだけ、正課の活動といたしましても、またクラブ活動といたしましても、これを盛んにし、奨励していきたいと考えております。また、最近、高等学校でも、体育を主とした高等学校が相当数全国につくられてまいりました。こういうところには、その特色を目ざしてかなり広地域から生徒が集まってきておるという実情も聞いておるところでございますが、なお、そうは申しましても、体育あるいはスポーツと高校教育とを逆にしてしまうということはあるべからざることでございますので、十分指導してまいりたいと思います。
○八木委員長 新井彬之君。
○新井委員 先ほど来委員長からお話がありましたように、今回のこのプロ野球の問題は、多くの国民の方々が注目をなさっておられます。また、一面からいえば、プロ野球の選手の方々のまじめな方々も、この問題を、今後どのようになるのかということで注目をなさっていらっしゃるのではないかと思います。したがいまして、今後いろいろと問題が出てまいるとは思いますけれども、その基本的な姿勢について、私は二、三の点をお伺いをしておきたいと思います。
  〔委員長退席、谷川委員長代理着席〕
 先ほどからいろいろとお話が出ましたように、この野球というのは、私も少年時代にはよくやらしていただきまして、ほんとうにその当時の大下であるとか川上であるとか、そういう選手のファンであったわけでありますけれども、そのときの私の気持ちを考えますと、その中にそういう八百長がある、少なくともそこに不正があったり、あまりにもそのショーが高じて、勝つ者が負けてしまう、そういうようなことを期待するのではなくて、やはりそこには明朗な、公正な、いつも健全なるスポーツとして見ていくところに、青少年の心を楽しませ、また喜びを感じさせる、そしてまた自分もあこがれを持つ、こういうような気持ちであったわけでありますけれども、先ほどからお話がありますように、今回の問題については、どれほどか多くの人が失望を抱いているのじゃないか、このように思うわけであります。そこで、さっきから何が原因でこのようになったかということに対しての御返事があったわけでありますけれども、どうもその原因が非常に多岐にわたっている。したがいまして、その掌握というのはたった二十分の持ち時間では不可能でありますけれども、その基本的な姿勢として、先ほど岡野会長がお話しになりましたけれども、これは非常に声が小さかったので、私の聞き違いかもわかりませんけれども、一番の被害者はその球団であるというようなお話をされておりましたが、私は、今回のこの問題について一番の被害者というのは、野球愛好者じゃないか。いままで、まじめに、それこそお金を払って、そしてプレーを見に行った。そして、そこで勝ったか負けたかということについても非常に興味を持ってやっていた。ところが、それが実際は八百長であった。こういうようなことがあれば、やはり野球愛好者であり、いままでこの野球を支持してくださった方々のことを忘れていらっしゃるのではないか。私は、そのような愛好者が現在多くいるがゆえに、現在の日本のコミッショナーにおいても、また球団においても、非常な健全なる発展をしてきたのではないか、こういうように思うのでありますけれども、その点について、一体そのような愛好者に対して、だれが悪かったのか、だれの責任でそうなったのか、要するにこれはオーナーが悪かったのか、選手が悪かったのか、それとも連盟の会長が悪かったのか、コミッショナーの委員長が悪かったのか、その辺のところの基本的な考え方をどのようにお考えになっておられるか、連盟会長とコミッショナーの委員長にお答えを願いたいと思います。
○宮沢参考人 コミッショナーの任務は、協約に反する行為をしたような選手は厳重に処分する、規律を正すというのが職務でありまして、規律を正すということは、同時に善良な選手の名誉を守るということも含まれていると思います。そういう方針でやっております。ただいま、被害者は球団というようなお話がありましたが――それは、だれが会ったが、どうだというようなことで、それはもちろん被害者は、お話のとおり、ファンであるということで、もちろんわれわれもそう考えております。
 それからだれが責任者であるかという御質問に対しては、これはどうも私ども、ことに私、委員長ですから、その最高の、最終の責任者だということは申し上げなければなりません。
○岡野参考人 いまお話がありまして、先ほど私、御説明をしようと思って、途中で、質問じゃないからと、とまってしまったものですから、そういうことになったと思いますが、球団もまあ一年間で選手がかえられるという方法は、こういうものを早く絶やすにはわりあいにいい方法であり、それで、そういう選手が悪いことをしたら、球団はやはり被害者の一つである。それだから、球団はそれをのけようという気があるだろう、それには一年たつとやれるということを申し上げるつもりで、被害者の一員でもあるのですと申し上げた。
  〔谷川委員長代理退席、委員長着席〕
それは、いま先生言われたとおり、一般論の被害者というのは、全部観衆の方でございます。責任者は内部の者全部ですが……。さっき話が途中になりましたので、いま、そういう意味で、そういう内部では、中に悪い選手が出ますと、球団もその選手のために被害をこうむる一人でありますので、そういうものを、決してくさいものにはふたをしませんで、切りたいと思うのがあたりまえで、それが一年以内に来ましたら、いまの制度でもできやすい制度でありますということを申し上げようと思いました。
○新井委員 私がいま質問しましたことは、要するに、その責任者が、やはりそういう御迷惑をかけたところへほんとうにおわびをする気持ちと、もう一つは、今後その点に対して真剣に取り組んでいかなければならない、こういう決意がないところには、今後ともまたそういう問題というのは出てくるのではないか、このように思うわけです。
 先ほど、コミッショナーの権限というのはどういうことであるかということで質問もあったようでありますけれども、現在私が会っていろいろの方に聞いているのは、この問題について、たくさんの選手が罰則規定をといいますか、そういういろいろの処分を課せられるよりも、今後プロ野球がもっと健全化して、早く健全な野球を見たいという気持ちのほうが多いのではないかというようなことがあるわけであります。したがって、コミッショナーの仕事というのは、どういうことをやって、今回の問題について、では今後そういう問題に対してきっちりした指導とかそれができるのかどうかということをお伺いしておきたいと思います。
○宮沢参考人 責任をどうするかというお話で、私が先ほど申し上げたとおり、私が最終の責任者でありますから、その責任をどういう形で負うか。現在のところでは、とりあえず目前の問題を処理するというのが第一ですから、それに専心しております。それからあとどうするかということは、まだいま一々具体的には申しませんが、もちろん、それからあとの問題が起きるとは思います。
○新井委員 私の聞いておるのとはちょっとあれが違うのですけれども……。
 そこで、先ほどからお話がありまして、現在のコミッショナーとしては、権限がないし、今後こういうような問題があった場合においても、別に司直の手を借りなくても、独自でそういうことは解決していく、それだけの健全な運営というものをしてまいらなければならない。そこで、これは提案でございますけれども、コミッショナーに属する調査機関をつくる気持ちがないかどうか、こういうことでございます。今回のこの黒い霧に対する調査はもちろんでありますけれども、今後プロ野球の健全化のために、要するに建設、改革等をやる場合の調査、そういう機関を設けてあげないと、先ほど来コミッショナーの中のいろいろな法的な問題まで問題が出ておったようでありますけれども、そういうものを全般的に取り上げて、そして健全なやり方をしていく、そういう気持ちはないかということをお伺いいたします。
○宮沢参考人 同じような趣旨のことは、前にスポーツ議員連盟の川崎さんのほうからも申し入れをいただきました。それにつきましては、十分前向きの――前向きという文句は少しあいまいで、いささかあれですが、よく国会でも使われるようですが、そういう方針で十分検討していくつもりです。考慮していくつもりです。
○新井委員 これは五月七日のサンケイ新聞の「きょうの世論」という欄でございますけれども、この問題につきまして、千人の調査をやっております。今回特に多かった西鉄の関係に対しては、六割を上回る人たちが、公式戦を辞退して、謹慎を迫っている、こういうような内容でありますけれども、問一といたしまして、「西鉄球団は公式戦を辞退すべきか、どうか−。」、その一は「公式戦を辞退して謹慎する」六一・四%、二番目が、「辞退する必要はない」二四・九%、三番目、「わからない」一三・七%。それから問二の問題は、「公式戦を辞退したほうがよいという理由は−。」、一つは「プロ野球全体の信用をおとした責任をとるため」三七・三%。それから問三は、辞退する必要がないという方に対する理由でありますけれども、これは、「まじめにやっている他の選手が気の毒だ」二〇・三%、「疑惑選手だけが欠場すればよい問題」二九・二%、「今後真剣なプレーをみせることがファンに対するおわび」三九・二%、これが一番多くなっております。それから問四の問題として、「球界の“黒い霧”他球団にも波及してきたが−」、それに対する一は、「全球団が公式戦を中止して謹慎する」一一・九%、「疑惑選手を生んだ球団はすべて謹慎する」四七・〇%、「多くの疑惑選手を出した西鉄だけでよい」二八・七%、こういうような一つのアンケートが出ておりますけれども、こういうようなことからいきまして、コミッショナーといたしましてもやはりこういう国民の皆さん方の声を反映していかなければいけない、このように思うわけであります。そういうような多くの方から投書とかいろいろなことがあると思いますけれども、そういうことを、まあ非常にからにはまって、先ほど来お話が出ていますように、絶対シロである、そう言い通しておいて、あとで五百五十万円を渡したような問題でまた裏が出てくる、そういうことがなくて、ありのままの姿で言っていただきたいと思うのですけれども、そういう点についての決意をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○宮沢参考人 決意と申しましても、私のほうでくさいものにふたをするという意味は毛頭ないということは、私、前にも法務委員会に出まして明言したつもりであります。その後も、それは変わりありません。今後も変わりありません。ただ、微力で十分そういう御期待に沿えないということはあるかもしれませんけれども、その決意は変わりありません。いまのような世論調査ですか、それは私まだ存じませんが、むろんそういうものは十分に参考にして検討したいと思っております。
○新井委員 それでは、もう時間もありませんので、最後一、二問にしますけれども、先ほど文部大臣がいろいろと答弁をなさいまして、その気持ちはよくわかりますし、そのようにやっていただきたいと思うのですけれども、どうもやはり文部大臣として全体的な責任はとるけれども、コミッショナーにはコミッショナーの組織があるし、それからまた連盟には連盟の組織があるのだし、それには複雑ないろいろな問題がからまっている。したがって、今後文部大臣としていろいろ努力をなさるというけれども、やはりその場合に遠慮をしたり、肩書きがあるからその立場上で言うのだというようなことでなくて、やはりこれは青少年の育成に大きく関係する、教育問題に大きく関係するわけでありますから、やはり文部大臣としてその真心と情熱、そしてまた今後そういう問題についてはそれこそよく話し合いをし、意見としてもどんどんいろいろなところから聞いたことをお話していく、そういうような具体的な姿がなければ、この問題は解決がされないのではないか、このように思うわけでありますけれども、そういうところをひとつ聞かしていただきたいと思います。
○坂田国務大臣 その点につきましてはお説のとおりでございまして、今後十分連絡をとりつつ、このプロ野球の健全化のために努力をいたしたいと考えております。
○新井委員 終わります。
○八木委員長 麻生良方君。
○麻生委員 もういろいろな質問がありましたから、私はあまり質問することないのですけれども、私はちょっと初めに参考人の方に聞きたい。
 私は、あまり野球に興味ないのです。見たこともほとんどないのです。ただ、中学時代は野球の選手をしていたことがあります。それから一般的にスポーツという娯楽、それもあまり興味がないのです。だから、全くそういう立場で御質問いたします。だから、熱烈なファンじゃないということをあらかじめ御承知おき願って、しかし一般的な問題として私のような者がこの問題をどう考えているかということに関連しながら若干御質問したい、こういうふうに思います。
 大体プロ精神というけれども、プロ精神というものを宮沢さん、あなたはどういうふうに解釈されているか、それをちょっとお聞きしたいのです。
○宮沢参考人 たいへん抽象的な御質問で、何とお答えしていいかわかりませんが、要するに、あらゆる職業に従事する人が当然持つべき精神といったようなものでしょうね。ちょっとそれだけでは……。
○麻生委員 そうすると、要するにそのプロ野球というのは、結論的にいえば、野球を売ってもうける商売なんでございましょう。
○宮沢参考人 そういうことになりますですね。ちょうど芸術家が絵を描いてそれを商売にしているというように、野球をやって見せて商売にしている。まあ相撲とか、みな同じでしょうね。
○麻生委員 そうしますと、ここで一つ問題が出てくるのは、スポーツ精神とプロ野球の精神というのは、これは全く違うのです。スポーツというのは、本来売るものじゃない、やる人が楽しむべきものです。しかし、プロ野球というものは、やる者よりかも、それを見せること、見せることによって収入を得ること、つまり商売です。だからこれは全く違うのです。だから、私のきわめて個人的な見解を申し上げると、このプロ野球の問題を一般のスポーツ精神の立場から論ずるのは、はなはだ私には納得いかない。私がむしろ参考人の方々にこの際お願いしたいのは、野球ファンとしてじゃなくて、一人の市民としてお願いしたいのは、きわめてフェアな商売に徹してもらいたいということです。だから、私は追及するつもりはないのです。たとえば、これで野球の観衆の数はどうなりましたか。これで減ったですか、ふえたですか。
○宮沢参考人 その野球の数ですけれども、数はおそらくふえているでしょうね。
○麻生委員 この事件が起こってから……。
○宮沢参考人 よく調べてありませんから、それは正確には申し上げられないが、しかし、大体あまり減っていないような話です。そこで、いまの商売の話ですけれども、スポーツと商売と全然逢うという話ですね。それは一応スポーツであり、片方は商売であるという点で違いますけれども、しかし、野球というのはスポーツを商売にしているので、野球の試合自身はスポーツマンライクに行なわれるという前提で商売になっておる、私はそう了解しております。
○麻生委員 その了解は、一向差しつかえないのです。しかし、野球を売るということについての本質は、いわゆるスポーツとは全く異質なものである、こういうことは、はっきりさしておく必要がある。それから、いま宮沢さん、観衆は減らないと言うけれども、これだけの事件が起こって減らないというなら、こんないい商売はない。これは減っているのですよ。お客さんのほうはあいそをつかしているのですよ。ばかばかしくなってきているのです。だから、これはもう新聞社はたいへんな騒ぎで新聞に書いているから、世の中あげての大事件みたいなものだが、私のような立場に立ってみれば、たいして興味ないのです。これで野球が商売として成り立たなくなった、プロ野球なんというのはばかばかしくて見る気がなくなったといって、お客さんが減って球団が損してそれでつぶたれって、別に日本にとって損失であるわけでも何でもないのです。そんなことは一向にかまわない。ただ、しかし問題は、そのこと自体はそれでいいが、それに期待をかけていたお客さん、このお客さんに対しての責任問題というものは、商売をやる以上は考えてもらわなければならない。これはどうですか。企業というものはそういうものだ。東芝がかってにつぶれるのは、それは自由です。しかし、東芝がつぶれたことによって東芝のお客さんあるいは下請、そういうものに対してかけた迷惑は、社会的な責任としてとってもらわなければならぬ。だから、私は同じことだと思うのです。だから、いまこの委員会でこれだけやっているというのも、あなた万はたいへん迷惑に存じているかもしれないけれども、先ほど来の委員の質問は、しっかりもう一回りっぱな商売をしろ、フェアな商売をしろ、そしてお客さんの期待にこたえろという意味でいろいろと質問をされているんだと私は思うけれども、私もその意味では同じです。
 そこで、私はひとつ刑事局長にお尋ねしたいのだけれども、八百長というのは、野球界の場合刑になるのですか。
○高松政府委員 プロ野球の場合の八百長は、それ自身犯罪を構成しない。ただ、それがばくち、賭博というものの一環として行なわれるという場合に、賭博の共犯なりあるいは詐欺の共犯あるいは幇助になる場合があり得るということでございます。
○麻生委員 そこに一つ問題があるわけですよ、これは。競馬とか競輪とかオートレース、これは完全にギャンブルですわね。ギャンブルであるがゆえに、それぞれの法律によって完全に法的規制を受けておる。したがって、八百長をやれば、それは当然八百長をやったというだけで処罰される。これは当然です。なぜそれだけ法の規制を受けておるかというと、ギャンブル性もあるが、しかし同時に多くの観衆がやはりそれだけそこに期待を寄せ、集まり、見、そして金を投資しておるからである。これは企業の場合でも言える。すべての企業が自由にかってなことをやれないようになっている。たとえば独占禁止法がある。あるいは営業権の問題がある。いろんな法律の上に立って、それぞれの企業が自由にして公正な競争ができるように仕組まれておる。だから、そこにこれはギャンブル事業としての性格がありますね。ところが野球にはそれがない。私はこの間フジテレビのビジョン討論会に、ここにおいでにならないが、鈴木さんもおいでになった。私のところに限っては八百長はありませんと言う。そういうことをみな言うのです。またあなた方も、初めのうちはおっしゃっていた。これは全く間違いで、勝負を人に見せるということは、本質的にギャンブルがあると考えなければならないのです、それは人間の社会においては。ギャンブル性というのは、人間性の本性ですよ。極端にいえば、私のいるところ全部かけていますよ、率直に言って。たとえば碁をやる、かけていますよ。それは本性なんです。だから、私のところに限ってはギャンブルはないのだ、かけはないのだ、八百長はないのだという考え方自体が、きわめて間違っている。むしろあり得るのだから、それを防止するにはどうしたらいいかという考え方に、ここにおられる方々は初めから立ってもらわなければならぬ、勝負を見せる以上は。それがいやなら見せなければいい、勝負というものは。私は、これは法律でどう規制しようと、何をどうしようと、この人間の本性には変わりがないと思う。そこで問題は、今度の野球の場合、いろいろ口できれいなことを言っても何にもならない。きれいな企業として、勝負として見せる以上は、必ずそこにギャンブルがつきまとい、八百長がつきまとう可能性が絶えずある。それをどうチェックしていくかということが、今度の事件で、いまの野球界のありか方、球団の組織、球団の憲法ではできないということが証明されたと私は思う。これについて宮沢さんどうですか。まだできるとあなたおっしゃる……。
○宮沢参考人 御意見は十分拝聴しました。承っておきますが、いまの私どものたてまえでは、八百長はいけないというたてまえになっておるのですから、それがあれば、またあることを発見すれば、もちろん今後も罰します。
○麻生委員 そこで宮沢さん、この問題が事件になったのは国会ですよ。中谷君が取り上げていなければ、これはやみからやみに依然として葬られていっているのですよ。それでもなおかつあなた自身は、いまの状態で十分に取り締まっていけるとお考えになっていますか。国会はよけいなことをしてくれたと思っていますか。
○宮沢参考人 これはいまのお話のとおり、どうしても必ずあるとおっしゃれば、これはあるのかもしれませんが、われわれはそれはないというたてまえでやっている。そうしてこの間だって、われわれは初めはなかなかわかりませんから、だんだんいろいろわかってきて、そのわかる過程においては、国会の諸君のあれもあります。新聞のあれもあります。それからいろいろある。それでだんだんわかってくれば、もちろん処分する、こういうわけで、これは当然のところじゃないかと思いますがね。
○麻生委員 だんだんわかってくる過程が、当事者であるあなた方にわからないで、国会議員である、ある意味でいえば中谷君は全くアウトサイダーである、そういうところにわかっていて、一番当事者であるあなた方にわからないというのは、どういうことなんですか。一番知っておったのじゃないですか。
○宮沢参考人 そういうことはあるでしょうね。われわれが結局不明だったということでしょうね。
○麻生委員 目がなかった……。
○宮沢参考人 そうでしょう。
○麻生委員 そういうことでしょう。しかもあったという事実が狭められていっても、いまだに楠根オーナーなどは、それはないのだ、さっきの答弁を聞いても、そういうことはない、まだシロかクロかわからない……。
  〔宮沢参考人「楠根さんの話は知りません
    よ」と呼ぶ〕
○八木委員長 私語は慎んでください。
○麻生委員 そういうことがさっきからずいぶん出ておるわけですね。だから、それは目がなかったということは、結局外部から摘発されなければ表に出ないということになる。そうすれば、あなた御自身として、先ほど来質問が出ているように、何らかの形で球団の憲法を改正するとか、こういうふうにするとか、あるいはそれでは足らないならプロ野球立法をしてもらうとか、その法の規制に従ってわれわれは運営するとか、何か前向きの考え方が出そうなものじゃないですか。これは全く出ませんか。
○宮沢参考人 全く出ないとは決して申していませんね。もし立法なされば、それは皆さんの職務ですから、立法なされば、それによっていろいろいいこともあるかもしれません。それについて私は何も意見は申しません。立法の必要があるとは私は考えておりませんけれども、その点は皆さんの……。ただ今回、初めのうちわからなかった。これはあたりまえの話で、いつだって初めはわからない。いろいろなところからわかってくる。その過程において、たとえば中谷代議士の発言そのほかによって、結果非常に得るところがあったということはありますけれども、それはどうもしかたがないことで、当然の話で、それから新聞の記事その他によって教えられたということは、これはどうもしかたがないので、そういう知り方ではだめだとおっしゃれば、それはそういう御意見をそのままそうですかというだけです。
○麻生委員 しかし、全く常識じゃ考えられない、あなた方の世界というのはですよ。全くわれわれのような野球の直接ファンでない者の目から見ても、全く理解に苦しむ。私は先生は学者として御尊敬していますよ、よく存じておりますから。しかし、私は、少なくともこの何とか委員会の責任者としてあなたは落第ですね、これは率直に申し上げて。たいへん失礼なことでありますが。とすれば、私は御勇退を願いたいのです。それは始末できるとおっしゃるけれども、できないですよ、これだけの事件になれば。私はたいへん失礼なことを申し上げるけれども、それが先生のおためだと思う。そうしてもっと新しい角度から球団のあり方にメスを入れられる人――やはり人間というのは、その職にあって長い間やったら、いろいろ因縁があります。あなた御自身でもお知りになっていたことでも、知らないと言わなきゃならぬようなことがあったと思います。われわれだって、だれだってそうですよ。だから、あなたの責任を追及するのではなくて、この際新しい角度から白紙で球界のあり方を検討するために、私はやはりおやめになったほうがいいと思うのです。これはたいへん失礼なことを申し上げます。そしてなおその上に立って、あなたは一歩よそに出て、自由な立場において球団のあり方はこうあるべきだという御提言をされたほうが、私は非常に球界今後のあり方のためにはプラスになると考えます。
○宮沢参考人 アドバイスはたいへんにありがたく承りまして、その勇退する、しないは、それは内部の問題で、別にお指図を受ける問題ではありません。(麻生委員「もちろんありません」と呼ぶ)ですから、アドバイスはありがたく承りました。私としては、いま目前の問題を全力をあげて解決をしていきたいと思っております。
○麻生委員 もう一つ。私はいま、目前の問題でこれ以上一人か二人の八百長をやった者を出すとか、あるいは調べることなどどうでもいいんだ、もう個人的に言うならば。ここでまただれもやった、かれもやったということも、それは警察の仕事で、おまかせしておいたらいいし、あなた方も調査は必要でしょう。しかし、それが大事なのではなくて、もはや問題は、ここまで来た経過の中で球界自体がもう見るにたえないような企業になっておる。そうしてそれに対して、いままでついていたお得意も失望をしておる。これに対してどうこたえるかということがあなたの責任なんであって、目の前の事件をどういうふうにてんまつをつけるかということがあなたの責務ではないのです、いまは。もう一度御見解を承りたい。
○宮沢参考人 きょうはお尋ねに答えるつもりで参ったのですが、御意見、アドバイスはありがたく承っておきます。
○麻生委員 それから、これは文部大臣にお伺いします。大臣、あなたは先ほどずいぶん長々といろいろと御抱負をお述べになっておられて、全部私の責任ですみたいなことを言われておったが、私は決してそんなこと思わないのですよ。一つの企業の倒産や一つの企業の失態が全部大臣の責任になっていたら、大臣の首幾らあったって足りゃしませんよ。だから、そんなに何もあなたはオーバーにお考えになる必要はないのです。ただ、私は大臣に冷静に御検討いただきたいことは、これほど、つまりスポーツというものが売りものになり、もうそれが徹底している時代、何も野球ばかりではありません、あらゆるスポーツが売りものになろうとしている時代、これはいままでのようにスポーツが一部のスポーツ愛好家だけで行なわれている時代とは全く違うのです。これは競馬も同じです。初めは競馬もスポーツです。しかし、いまはそうではない。投資です。健全な馬が愉快に走るスポーツだといって喜んでいる人は、オールドファンだけだ。新しい競馬ファンは、五人集まって馬を買い、どうやってもうけるかという時代に来ている。また十万の観衆があすこに集まる。それはギャンブルとして集まっていく。ギャンブルがいいか悪いか、それは別の論議です。そういう時代に入っているときに、私はこれらが全部野放しで、かってにその当事者だけがやり得るような状態では、もうおさまりがつかなくなってきていると思う。だから私は、さっき中谷君がちょっと言いかけたけれども、プロスポーツ立法が必要な段階に来ていると判断しております。そのプロスポーツ立法をどういうふうにつくるかということについて、あなたがそろそろ検討すべき時期に来ているんじゃないかというふうに私は考える。そういう点を、あなた大臣として御任期中に検討をする御意思がないかどうか、お伺いしておきたいのです。
○坂田国務大臣 こういうものを法律の規制によってやることがほんとうの健全なるプロフェショナルな野球というものをやることにつながるかどうかということには、十分検討しないと、ここでさようでございますというものでは私はないと思います。第一、法律をつくりましても、守るような市民的あるいは球界全体の意識がなければ、私はそれこそいまあなたがおっしゃったとおりで、それこそ法律つくったって守られないというふうに思います。私はそう思います。でございますから、まず第一に球団自身がこのような社会的な問題になっておるということで自粛自戒をされて、そうしてオーナーもあるいは監督、コーチも、自分の球団の選手の育成について真剣にやられる。先ほどもお話がございますけれども、やはり私はスポーツを通じた職業ということで、単なる普通の企業というふうには割り初れないものでございます。あなたがおっしゃるような事柄というものは、人間社会でございますからございましょうけれども、われわれが自由社会におきまして、いろいろのギャンブルあるいは賭博あるいは暴力というものをどうやって排除していくかということは、単なる一片の法律だけで規制できるものではない。お互い自身が不断の努力というものを積み重ねて、初めてそういうものが行なわれないような世の中ができる。非常にむずかしいことでございます。私はそういうふうに考えるのでございまして、やはり法律をつくったほうがはたしていいのかどうなのか。それよりも、その前提として、法律ができた場合にそれが行なわれるような状況にまずもって球団が自覚、反省をされる、あるいはそれに対する機構の改革がやり得るとするならばやっていただく、コミッショナーの職分をもう少し徹底してやっていただく。そういうことをまずやって、なおかつできないという場合においては、やはり法律というものも必要であるというようなことにつながっていくんではなかろうかというふうにいまは思っておるのです。かといいまして、私が法律を全然考えておらないというわけではございません。私も政治家でございますから、いろいろ皆さま方の中においてスポーツ議員もございますし、何とかして健全なスポーツをやりたいというふうな形の議員立法もあり得るわけでございますから、そのことも含めまして私は考えておる、こういうことでございまして、私が何もかにも責任を背負っておるというわけではございません。しかし、私も責任を感じないわけにはいかないということは、はっきり申し上げておきたい。なぜならば、小学校、中学校、高等学校における健全な育成というものは私の職分でございますから、それには私は責任を持っておりますから、どうぞひとつ御協力を賜わりたいと思うのでございます。
○麻生委員 大臣、たいへんけっこうなんです。ただ、勝負というものを見せる以上は、やはり現実認職というものをはっきりしておかなければならない。これは、本来人間の本性として、ギャンブルとか八百長とかはありがちなものである、この認識をはっきりしておく必要がある。だから、それをチェックするものがどうしても必要なんだ。だから、公営ギャンブルでは、明確にそれをチェックする法律ができておるわけなんです。ところが、先ほど刑事局長の答弁によれば、野球界においては、八百長がされても、それ自体は犯罪にならない。ただ金銭の授受があったかどうかという判断きりできないから、警察としては手が入れられないのです。なかなか入れにくい問題です。しかし、問題は、八百長をしたら成り立たないのですね、スポーツは、この野球界は。それはなぜかというと、お客が逃げちまう。何だまた野球、八百長試合かといえば、だれも見に行く者はいなくなる。これはあたりまえの話です。だから、八百長というものは野球にあっては致命傷なんです。しかも、その八百長やギャンブルが行なわれがちなその必然性を持っている勝負を売っているわけなんです。だから、私は当然法の規制が必要だ。私は、大臣よりか以上に法律をつくることには賛成じゃないのです。法律で規制するということはきわめてむずかしい。売春規制にしたって、法律はできておるが、池袋に行けば、今晩いかがという紙を張った自動車が全部置いてある。これは社会の現実ですよ。しかし、野放しにするよりかも規制をしておくことのほうが必要だということでやはり法律はあるのですよ。それはなぜかといえば、それはややもすれば春を売るという行為が人間の必然的な傾向としてあるから、それを法律で規制しなければならないという精神で、完ぺきではないが、一応のチェックをしておる、こうなっておる。野球の場合でも同じだ。先ほど宮沢先生に私たいへん失礼なことを申し上げました。しかし、私は、先生の御人格をもってしても限界があると判断しております、この問題には。それから球団の憲法だけでは処置しがたい問題がある。なぜか。球団の憲法は球界だけの憲法である。しかし、この球界はいろいろな企業から成り立っておる。客観的に見れば、西鉄のあのオーナー何とかしなければならぬとお思いになっても、その上に成り立っておる球団、これだけの力では手が届かない面が当然出てくる。その場合に裏づけになる法律、これが今日必要な段階に来ている、こういうふうに思って私は先ほど来御説明しているのであって、この法律の裏打ちがあれば――何も法律を絶えず適用しろと言っているのではない。しかし、最悪の場合にはこの法のチェックによって規制ができる、調査ができる、また警察に移牒することもできるというものが背後になければ、なかなか自主的な規制だけでギャンブルやあるいは八百長を食いとめていくことはできないのではないか、私はこういう見解を申し上げたわけであります。これについてもう一度宮沢さんの御見解を承って、私の質問を終わりたい。大臣の御答弁は、それはそれでけっこうです。
○宮沢参考人 それは非常にむずかしい問題で、いま直ちに、主として立法技術の問題で、うまくいくかどうかということはちょっと見当つきませんが、その点は、そのほうの専門家であらせられる立法府の皆さんが十分に検討していただきたいと思います。
○麻生委員 どうもありがとうございました。どうも失礼申し上げました。
○八木委員長 山原健二郎君。
○山原委員 十分間ですから、きわめて簡単に質問をいたします。
 まず第一番に岡野さんにお伺いしたいのですが、プロ野球の選手というのは商品であるか、人間であるかという問題ですが、簡単にお伺いしておきたい。
○岡野参考人 申すまでもなく人間じゃないですか。商品と思ったことはありません。
○山原委員 しかし、商品的な取り扱いを受けておるところに問題があるのではないか。まず第一番に、ドラフト制における拒否権を認めるべきではないかという考えを私は持つわけです。その点について、あなたの見解を伺いたい。
○岡野参考人 ドラフト制というのがいま出ましたのですが、ドラフト制というのは、もう十年近く前からできております。これは初めは、さっきもお話ありましたように、若い選手たちが、高校を出た選手たちが、日本の経済に不適合な大きな金額をもらえることは、社会的に弊害もあるというので、オーナーが全部で一千万円というワクをつくりました。ところが、さっきお話あったように、やはり競争社会なものですから、どうもきちっといっていないのではないか、破られているのではないか。これは証拠はないのです。だけれども、そういううわさが立つなら、その一千万守れるようにしようじゃないかというのが、ああいう制度になりました。ですから、もちろん卒業した生徒が、野球に行こうが、会社へ行こうが、フットボールへ行こうが、それはかまわないのですが、野球に入る者は、こういう野球界の規則を守っていただこうというところからできたものだと思います。
○山原委員 拒否権を選手に持たさないということが、これは職業選択の自由を剥奪するということにもなりかねないので、この点について宮沢先生にひとつお伺いいたしたい。
 さらに、私はプロ野球の選手は商品として扱われておるのではないかということを申し上げましたが、たとえば退職金の問題、あるいは盛りを過ぎれば弊履のごとく捨てられていくというような問題、さらには選手会の問題ですね、選手会が年に一回か二回しか持たれていない、しかもこれは任意制の選手会であって、選手の悩みとか、要求とか、そういうものが出るような組織になっていない。こういう点から考えますと、選手そのものの民主的な権利というものは一体どこで守られているのかというところに、今回のような事件の起こる最大の源があるのではないかと思うのですが、この点について宮沢先生の見解を伺っておきたい。
○宮沢参考人 ドラフト制度の拒否権とおっしゃるのは、あれですか、本人が指名されて拒否するということですか。それを拒否権とおっしゃるのですか。――それは拒否権はもちろんあるわけで、だれもプロ野球に入る義務はないのですから。その点でどういうことを考えていらっしゃるのかちょっと私わからないのですが、プロ野球に入る、入らないは本人の自由ですから、完全にいやならいやで断わられていいということになると思います。
○山原委員 岡野さんにお伺いしたいのですが、拒否権を認めておりますか。
○岡野参考人 いまの宮沢先生の言われた点では、拒否権は認められております。ですから、たとえば野球機構に入ってどこへ行くかどうかということは内部の規定できめておりますが、ノンプロで野球やろうが、それから野球やめて何の選手になろうが、会社員になろうが、そういうものは一切自由だと思います。
○山原委員 時間がないので……。選手会の問題についてですが、選手会というものを、いわゆる野球憲法といわれるこの協約の中で明確に位置づける必要があるのではないかというふうに思うわけです。これが選手の権利というものを主張する場所にもなるわけで、その点について宮沢先生の見解を伺ってみたいですね。
○宮沢参考人 それは、選手のほうからもそういう要望があり、いま検討中です。
○山原委員 最後に、宮沢先生に伺っておきたいのですが、実際に機構として暴力団と完全に関係を断ち切ることができるのかということです。そういう決意を持っておられるのかということを伺ってみたい。
○宮沢参考人 私としては、もちろんそういう決意を持っております。ただ、機構としてといいますのは、野球があらゆる部門、さっきの地方のあれとか、そういうことを含めてそういうこととはぜひ縁を初りたい、そういうことがないようにしたいと思っておりますけれども、なかなか昔からの関係あるいは地方の関係などで直ちにということは……。それから、いろいろなそういううわさが出るということはあるいは免れがたいかもしれませんが、私としてはもちろんそれは絶対に、協約にもありますし、そういう方針でいることは変わりありません。
○山原委員 過去十年間に大体五十件の賭博行為による検挙数が出ている。しかも人員にして一千名。刑事局長に伺いたいのですが、このような暴力団とのつながり、八百長、賭博行為というのが、単にプロ野球球界だけでなくて、高等学校、大学にまで及んでいるということがいわれているわけです。これは中央公論の五月号をごらんになりましてもそのことが出ているわけでございますが、本日の朝日新聞を見ましても、奈良県における高等学校野球に対する賭博行為が出ている。現在こういう件数がふえているのか。最近の現象ですね、どれくらいの件数が起こっているのか、学校野球についての関係をお答えいただきたい。
○高松政府委員 四十年以降で大体五十件近い、四十数事例と申しておりますが、それぐらいの野球賭博を検挙いたしました。ただこれは、その中には高校野球あるいは大学野球を材料にしてやったというものはありますけれども、これはプロ野球の場合もそうですが、その野球の勝負自身を材料にして賭博をやる。極端なことを言えば、あした天気か雨かということでも賭博が成立するように、そういうふうなことを材料にして、勝つか負けるかということを材料にして賭博をやった事件の数です。これらが、たとえば高校野球について、大学野球について、あるいはプロ野球について、選手の八百長と結びついているということではございません。むしろ私どものいままで検挙した事例からいきますと、そういうものは実はほとんどなかった。しかし、プロ野球についてそういう八百長に結びついた賭博があるといううわさは一時非常に高かった、こういうのが実情でございます。
○山原委員 こういうような風潮の中で、一部大学の場合は大体感じると思いますけれども、体育系の学生あるいはそういう組織ですか、クラブ、こういうものと暴力団との関係がうわさをされ、また一部の雑誌等にはそのことも名前まであげて出ておるわけでありますが、大学の体育系クラブあるいは応援団と暴力団とのつながりの事例があるのかどうか、伺っておきたい。
○高松政府委員 ちょっと正確な資料がないのでございますけれども、賭博以外のことも含めまして、暴力団の検挙に関して、特に体育会、大学の学生がこれにかんでいたというふうなものは、ほとんどないように記憶いたしております。しかし、個々の暴行その他については若干いろいろ事例はあるように思いますけれども、暴力団とのつながり、あるいは暴力団によって動かされている、そういう事例は、私の記憶にはいまのところございません。
○山原委員 時間がありませんので、文部大臣に伺っておきたいのですが、最近出ておるいろいろな新聞、雑誌の中に、たとえばN大学の場合には、暴力団組織といわれておる松葉会あるいは東声会などとのつながりがあるというふうなことが公然と書かれておるものがあるわけですが、そういう事実をつかんでおられるかどうか、伺っておきたい。
○木田政府委員 聞いておりません。
○山原委員 こういう事態は、少なくとも火のないところには煙は立たないわけで、そういう問題があるとすればこれは重大な問題でありますし、これを防止するための最善の努力を払わなければならないわけで、これは文部大臣にお伺いしておきたいのですが、このような点について、学生のスポーツが健全に発展するための方策というものは、当然考えておかなければならない。これは単にプロ野球の問題がいま問題になっておりますけれども、これを契機にして当然考えなければならない問題でありますし、また最近文部省が通達を出しまして、児童・生徒の対外試合の緩和というものを出しておりますね。こういうことがいわゆる選手中心主義、スター中心主義というような形に学校教育全体を導こうとする態勢があるのではないかということを、私どもは非常に心配しているわけです。そういうことでありますとこれはたいへんな問題でありますし、ことに教育基本法第一条によりますと、心身ともに健全な国民を養成するという点にもとるわけですから、そういう点については、これは当然文部大臣の見解を伺っておきたいのです。特に、現在高等学校、大学がプロ野球の一つの選手養成機関にもなりかねない事態の中で、そういう状態が生まれてきておる。そして学内においては特定のサークル、クラブというものが非常に尊重をされるというような事態も起こってまいりまして、選手そのものが商品化していくという状態も生まれておるわけです。こういう点については当然文部省としての見解を持っておると思いますので、その点について伺いたい。それから同時に、現在広範な国民がスポーツというものに対して非常に要求しているわけですね。今年度の予算では六十億です。しかし、それは札幌オリンピックその他に大半が使われておりまして、実際に国民の要求にこたえるようなスポーツ施設というものが完備していないことは、全く御承知のとおりであります。これを完備するための文部省としての健全なスポーツ振興の決意というものが必要だと私は思いますので、その点について最後にあなたの見解を伺っておきたいのです。
○坂田国務大臣 スポーツというのは、非常に大事なことであります。特に学校教育の中におけるスポーツの役割りというものは非常に大きいということで、戦前に比べまして戦後は、どちらかといいますと知的教育の詰め込みに終始して、スポーツの汗を流すようなことがわりあいに少なくなってきておるというようなデータもございまして、私は、単に選手養成みたいな形の学校教育の体育のあり方でなくて、全児童、全生徒、全学生がともにスポーツをやるというような気風が出てくるということが好ましいというふうに思いますし、そういうような指導のしかたをいたしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
 それから松葉会とかなんとかいうような暴力団と大学の人たちが関係があるというようなことは、これはもうそういうことがないようにひとつ努力をいたしたいと思うわけでございまして、私は、大学の中においてゲバとゲバとがやる、いかなる理由によれ、相手がゲバでやるからおれたちは防衛のためにゲバをふるうというようなゲバもよろしくないというふうに思うわけでございまして、暴力団とのつながりということもいけませんが、同時にやはり最高学府でありまする大学の中において暴力というものが行なわれるということは、かたく排除していくという決意がなければ……(山原委員「私の聞いておるのは暴力団との関係ですから」と呼ぶ)暴力団の関係もありますけれども……(山原委員「問題を広げていただかないように」と呼ぶ)いや、だけれども、やはり大学のたたずまいといたしまして、暴力というものの考え方が、暴力のためには暴力が自己防衛のためにはよろしいなんという考え方を持つ者もあるわけでございますから、そういうような考え方は奨励すべきものではないし、やめるべきことであるというふうに私は思うわけでございます。
○山原委員 大学論争はやめておきますから、この辺で……。
    ―――――――――――――
○八木委員長 この際、河野洋平君より発言を求められておりますので、これを許します。河野洋平君。
○河野(洋)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表いたしまして、プロ野球の健全化に関する件について決議安を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   プロ野球の健全化に関する件(案)
 プロ野球が、国民各層に広い愛好者をもち、とくに青少年に大きな影響を与えていることを考えるとき、このたびのプロ野球界一連の不祥事は、まことに遺憾なできごとである。
 政府ならびにプロ野球の当事者は、速やかに次の諸方策を講じて、プロ野球の健全化を図り、その信頼を回復すべきである。
一、球団はじめプロ野球の各関係者は、コミッショナーの権威を確立し、プロ野球の秩序と規律を高めるとともに、球団運営の健全化に努めること。
一、日本野球機構は、今回の不祥事にかんがみ、その原因を究明し、将来にわたる健全化の諸方策を検討するための調査機関を設けて、所要の改革を進めること。
一、政府は、日本野球機構を通じてプロ野球の健全化に必要な指導を行なうこと。
 右決議する。
 以上であります。
 本決議案の趣旨につきましては、案文の中に尽きておると存じますので、省略させていただきます。何とぞ委員各位の御賛成をお願い申し上げます。
○八木委員長 ただいま河野洋平君より、プロ野球の健全化に関する件について本委員会において決議されたいとの動議が提出されましたので、本動議について議事を進めます。
 おはかりいたします。
 河野洋平君提出の動議のごとく決するに御異議はありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認めます。よって、河野洋平君提出の動議のごとく決議するに決しました。
 なお、本決議の参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認め、さように決しました。
    ―――――――――――――
○八木委員長 参考人各位には、御多用中のところ御出席をいただき、ありがとう存じました。願わくば本日の質疑を通じ、本委員会がプロ野球関係者に対する期待と心配を十分ごしんしゃくの上、ただいま行ないました決議の趣旨を体して、りっぱなプロ野球になっていただきたいと思います。長時間まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。(拍手)
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後五時二十分散会