第063回国会 災害対策特別委員会 第13号
昭和四十五年十一月十一日(水曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 辻原 弘市君
   理事 天野 光晴君 理事 稻葉  修君
   理事 内海 英男君 理事 細田 吉藏君
   理事 斉藤 正男君 理事 小濱 新次君
   理事 合沢  栄君
      小沢 一郎君    田澤 吉郎君
      羽田野忠文君    別川悠紀夫君
      村田敬次郎君    吉田  実君
    早稻田柳右エ門君    金丸 徳重君
      川村 継義君    米田 東吾君
      新井 彬之君    古寺  宏君
      鈴切 康雄君    小宮 武喜君
      津川 武一君
 委員外の出席者
        総理府総務副長
        官       湊  徹郎君
        内閣総理大臣官
        房参事官    高橋 盛雄君
        防衛庁防衛局運
        用課長     福田 勝一君
        経済企画庁総合
        開発局長    岡部  保君
        経済企画庁総合
        開発局山村豪雪
        地帯振興課長  足利 知己君
        科学技術庁研究
        調整局総合研究
        課長      小久保 肇君
        科学技術庁国立
        防災科学技術セ
        ンター所長   寺田 一彦君
        大蔵政務次官  中川 一郎君
        大蔵省主計局主
        計官      藤井 直樹君
        文部省管理局教
        育施設部技術参
        事官      大串不二雄君
        厚生省医務局医
        事課長     竹内 嘉巳君
        厚生省社会局施
        設課長     吉村  仁君
        農林省農政局開
        発課長     福島 嘉弥君
        水産庁漁政部長 平松甲子雄君
        海上保安庁警備
        救難部長    貞広  豊君
        気象庁総務部長 紅村  武君
        気象庁予報部予
        報課主任予報官 大野 義輝君
        郵政大臣官房電
        気通信参事官  糸井 榮一君
        建設省道路局企
        画課長     井上  孝君
        自治省財政局地
        方債課長    石見 隆三君
        消防庁総務課長 宇土 條治君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月九日
 辞任         補欠選任
  鈴木  一君     小宮 武喜君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 雪害対策に関する件
 小委員長からの報告聴取
     ――――◇―――――
○辻原委員長 これより会議を開きます。
 災害対策に関する件について調査を進めます。
 本日は、まず、雪害対策に関する件について調査を進めます。
 この際、雪害対策小委員長から雪害対策に関する件につきまして、早急に必要と思われる諸措置について一応の結論を得たので当委員会に中間報告いたしたい旨の申し出がございますので、これを許します。雪害対策小委員長天野光晴君。
○天野(光)委員 雪害対策小委員会における経過及び一応の結果について御報告申し上げます。
 本小委員会は去る九月十一日設置以来、数回にわたり雪害対策に関する諸問題について鋭意協議懇談を重ねてまいりました。その結果、早急に必要と思われる諸措置についての取りまとめを行なうこととなり、去る十月二十八日、各党から起草小委員を選出し、その作業に当たったのであります。昨十日、小委員会におきまして起草小委員から報告が行なわれ、雪害対策小委員会の一応の結論を得た次第であります。
 以下項目順に御報告申し上げます。
 一、立法措置を要する事項
  (イ) 豪雪地帯対策特別措置法の改正について
   1 豪雪地帯の中で、積雪が特に著るしく長期間にわたって交通が途絶する等困窮をきわめている地域を「特別豪雪地帯」に指定し、特別な措置を講じ雪害対策を積極的に推進することとする。
   2 特別豪雪地帯の指定にあたっては、積雪による長期間にわたる交通途絶を基本にし、冬期寄宿舎の必要性、越冬用配給米の先渡の必要性、積雪級地及び無医地区等を配慮し、積雪により住民生活が著るしく困窮している市町村の区域とする。
     なお、合併により広域化した市町村については一部の区域を対象とする。
   3 特別豪雪地帯に対する特別な措置は次の通りとする。
    (1) 公共施設の除雪事業に要する費用の補助率の高率化及び採択基準の緩和を行なうこと。
    (2) 冬期巡回診療の実施、医師及び保健婦の確保並びにへき地診療所の整備、運営費の補助率の高率化を図ること。
    (3) 小学校、中学校及び高等学校の冬期寄宿舎の設置、運営費等に対する補助制度を設けること。
    (4) 国道及び県道並びに基幹的な市町村道について早急に除雪の促進を図る措置を講ずること。
    (5) 雪害の克服のため、緊急に必要な事業を地域の実状に即し総合的に行なう次のような特別対策事業を実施すること。
     A 除雪及び通行困難な市町村道及び農道等の集落間連絡路の改良、防雪及び凍雪害防止事業
     B 越冬生鮮食料品貯蔵施設その他諸施設の整備事業
     C 出稼対策
     D ヘリコプターによる病人及び郵便物等の輸送
     E その他
  (ロ) 災害救助関係法令の改正について
    異常豪雪時において、地域住民に適切かつ十分な救済措置が行われるよう災害救助関係法令の改正を検討すること。
 二、行政措置及び予算措置等を要する事項
  1 冬期道路交通の確保について
   (イ) 積雪寒冷地域における冬期道路交通の完全確保を促進するため、現在、策定中の「第五次積雪寒冷特別地域道路交通確保五箇年計画」において、大幅な事業規模の拡大と、これに伴なう十分な予算措置を講ずること。
   (ロ) 雪寒道路事業を推進するための基盤となる雪寒指定路線、特に市町村道の大幅延長を図るとともに、現在、市町村にとって最も負担となっている除雪機械の質及び量の拡大整備を促進するため、除雪機械購入に対する補助限度額の引上げ等の措置を講じ、併せて除雪作業の安全性と効率化を図るため、一般道路事業においても、雪寒地域における市町村道の改良、舗装を強力に促進すること。
   (ハ) 消雪、流雪施設と一体的効用を発揮する附帯施設(取水施設、送水管、導水管、排水路等)についても、これを国庫補助対象として採択すること。
   (ニ) 冬期間における民間遊休機械、労働力を活用して、除雪の能率を強化するため、公共除雪事業の請負施行を実施すること。
   (ホ) 豪雪地帯市街地の横断施設については、その特殊性にかんがみ、新たなる構造の開発を促進すること。
  2 住民の福祉、安全の確保について
   (イ) 災害救助法の運用の拡大について
     豪雪により村落が孤立し、多数の者が危険状態となるおそれがあり救助を必要とする場合等には災害救助法を弾力的に運用し、避難所及び応急仮設住宅の設置、雪おろし等必要な救助を行ない住民の保護を図ること。
   (ロ) 医療体制の強化について
    (1) 豪雪寒冷へき地に勤務する医師等の確保をはじめとする医療体制の振興を図ること。
    (2) 冬期間の医療活動の機動性を確保するため、へき地診療所用小型雪上車を増強配備すること。
   (ハ) 雪上車の増配備等について雪上車の大幅な増配等の措置を講ずること。
   (ニ) 豪雪時の自衛隊の災害出動について豪雪時の自衛隊の災害出動にあたっては、人命の救助及び物資の緊急輸送等状況に応じて臨機応変に出動できる措置を講ずること。
  3 地方交付税における積雪寒冷補正及び級地区分の改善について
   (イ) 普通交付税算定時に基準となる「積雪度補正」及び「寒冷度補正」を財政需要の実態に即応するよう改善すること。
   (ロ) 積雪度による級地区分を最近の気象状況に即応したものに改訂し、特に積雪の著るしい地域に対し特別の配慮を図ること。
  4 公立文教施設等の整備、拡充について
   (イ) 豪雪寒冷地における施設の耐雪、耐寒化を促進するため、鉄筋鉄骨化による構造比率及び建築基準単価、面積等を実態に即応するよう改善すること。
   (ロ) 小学校、中学校及び高等学校の冬期寄宿舎の設備、運営費等に対する補助制度を検討すること。
  5 諸税の適正化について
    豪雪寒冷地帯はその特殊性から税負担が過重となる場合が多いので所得税、法人税、事業税および固定資産税の軽減化措置を速やかに講ずること。
  6 農林業対策について
   (イ) 稲作及び養蚕の安定生産対策について
     豪雪地帯における農業災害を防除し、米の生産の安定化を図るため水稲共同育苗施設の設置事業に対する助成措置を講ずること。
     また、豪雪地帯における米作転換促進のためにも、桑苗共同生産施設の設置事業に対する国庫補助措置を検討すること。
   (ロ) 農業基盤整備事業について
     豪雪地帯における農業基盤整備事業については、事業量の拡大、事業内容の充実に努め、特に農道舗装事業等の予算の配分にあたっては地域的特殊性を勘案し事業予算を大幅に配分すること。
   (ハ) 酪農振興対策について
     冬期間における生乳輸送を確保するための出荷調整施設及び輸送施設の設置についての国庫補助措置を検討すること。
   (ニ) 造林事業及び治山事業の促進について
     豪雪地帯の特殊性にかんがみ雪起し、根踏、裾枝払い等保育事業に対する国庫補助制度の新設及び災害保障制度の整備、拡充を検討すること。またなだれ災害防止のため、防止林造成事業予算を増額し、補助率の引き上げを検討すること。
  7 総合的調査研究機関の設置及び雪害実験所の整備、拡充について
   (イ) 総合的調査研究機関の設置について
     雪寒地帯の積極的な開発及び雪害防除対策を推進するため、雪に関する自然科学及び社会科学を総合した調査研究機関を速やかに設置すること。
   (ロ) 雪害実験所の機能拡充について
     国立防災科学技術センター雪害実験研究所の機能を充実し、それぞれの地域の雪の特質に応じた研究を促進するため必要な地域に支所の開設を検討すること。
  8 その他
   (イ) 公共事業費の早期配分等について
     豪雪地帯の特殊事情にかんがみ、公共事業費の早期配分等により事業の効率的推進を図るよう措置すること。
   (ロ) 冬期消防体制の強化について
     冬期間における消防体制を強化するため、小型動力ポンプ及び防火水槽の補助枠を拡大し、豪雪地帯の実情に即するよう補助基準額を引き上げること。また雪上消防ポンプその他耐雪消防施設の研究開発と国庫補助措置を講ずること。
   (ハ) 電力供給及び通信の確保について
     雪害を防止するため、発変電所、電線路等、電力供給施設の整備強化に努めること。
     また、豪雪時における通信機能の確保を図るため電話線路の地下ケーブル化等による通信施設の整備強化と無電話集落の解消に努め、非常無線等の拡充を図ること。
以上であります。
 なお、ただいま御報告申し上げました諸点につきましては、小委員会の一応の結論であり、今後ともさらに委員各位の御教示を得、対策を検討いたしてまいる所存でございます。(拍手)
○辻原委員長 これにて小委員長からの報告は終わりました。
 ただいまの報告のうち立法措置を要する事項につきましては、引き続き雪害対策小委員会においてさらに検討、立案化を進めていただきたいと存じます。小委員各位にはまことに御苦労さまでございました。
    ―――――――――――――
○辻原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米田東吾君。
○米田委員 ただいま天野小委員長から御報告いただきました雪害対策の問題につきまして、私二、三、主として政府側からの御見解や御答弁をいただきたいと思いまして御質問をいたしたいと思います。
 特に天野小委員長から昭和三十七年にこの豪雪法が施行されましてからいろいろ問題になっておりました雪害対策の問題につきまして、きわめて積極的な立法措置やその他行政措置によって、今日なお不十分な各面を補う小委員会の中間報告をいただいたわけでありまして、この点につきましては、私は、小委員長の御努力に心から敬意を表したいと思います。今後さらにこれは当委員会並びに小委員会において継続検討されることであるという御報告でございますので、どうかひとつ一そうこれが実を結ぶようにお願いを申し上げたいと思う次第でございます。私ども一生懸命協力をいたしたいと思っておる次第でございます。
 そこで、この報告は大別いたしますと、まず一つは豪雪法の改正の部分、それから現行法律の中で運用や行政措置等によってなお補う部分、それからもう一つは災害救助法の改正を検討すべきであるというこの三つに分かれておるかと思います。
 そこで、私最初にお聞きをしたいのでありますが、豪雪法の関係でございます。各方面にわたりまして問題の指摘と、それから改正すべき要点が報告されたわけでありますが、一口に言って、特別豪雪地帯を設けるとか、あるいは行政指導と運用を弾力的に拡大してやるとか、いろいろありましても、要は財政の措置、財政の裏づけというものが当を得ませんと実効をあげることはできない、かかってそこに問題があるようにも思うわけであります。もともとこの豪雪法が制定されましたとき、すでにこの財政の問題というものは、これはもう少し配慮されまして、たとえば離島振興法なり、あるいは過疎法なりそういうようなものと相匹敵するような強力な財政の裏づけというものが同時に制定されておればよかったのじゃないかと思うのでありますが、ややその面が弱かったということが今日このような事態、特に雪害地域から強く要望されるような事態になってきたのではないか、こういうふうに思うのであります。そういう財政の面で、これは関係各省、とりわけ大蔵省から相当な配慮と、この豪雪地帯に対する新たな認識を持って対処していただきませんと、この問題は解決をしないのではないか、そのように思うわけでありまして、総体的に、財政の面につきまして総論でけっこうでございますが、大蔵省のほうからこの小委員長の報告に対しての見解をまずお聞かせいただければと思うわけでございますので、お願いいたします。
○藤井説明員 政務次官が所用がありましてお帰りになりましたので、私から御答弁いたします。
 積雪地帯に対する対策といたしましては、今回雪害対策小委員長の報告という形で現在御報告がございまして、私どもとしては十分今後検討していきたいと考えております。
 ただ、豪雪地帯に対する対策につきましては不十分ではないかということでございますけれども、現在におきましては、道路の関係で雪寒道路法というのがございます。それから僻地診療所というようなものにつきましては、通常の医療法の体系を越えた特別な措置をいたしておりまして、通常であれば三分の一の補助を二分の一にするというようなことをいたしております。さらにまた学校等の公共施設の除雪につきましても、地方交付税上の措置に加えましてさらに二分の一の補助をするというようなことで、豪雪地帯に対する対策としては相当手厚い行政策がとられている。そういうことでございますので、さらに特別地帯というものを設定していくという考え方につきましては、現在の豪雪地帯の法律がもともと積雪のはなはだしい地帯というものを取り上げていろいろやっていこうというところにねらいがあったといたしますれば、むしろ特別地域を設定するというよりはその地域の整理をはかっていくほうが先決ではないかというふうにも考えるわけでございます。実際、現在地域立法がいろいろございますけれども、たとえば過疎でございますと特別過疎地帯、台風常襲地帯というものはまた特別台風常襲地帯というふうに、さらに屋上屋を重ねていくということになるのでございまして、その点につきましてはたして特別地域を設定することが適当かどうかということについては非常に問題があるというふうに考えております。
 それから、個別のいろいろな行政上の措置につきましては、現在拝見いたしまして特に個別に御意見を申し上げるわけにはいきませんので、これから関係各省と十分協議をして検討を進めていきたいと考えております。
○米田委員 いま御答弁いただきましたが、前段の御答弁は、私質問しておらないわけであります。それはおそらく小委員長が報告されましたこの結論を得る過程で大蔵省等からも十分御意見が出まして、大蔵省のただいまの御答弁にありますような見解を了承しながらも、なおやはり法律の面、行政措置の面で不十分であるということから、実は小委員会はただいま小委員長が報告したような中間報告の答えを出されたものと確信をしておるわけであります。そういう観点で、御答弁はいただきましたけれども、それをまたあなたと私とやりますとこれは小委員会の蒸し返しになりましてちょっとどうかと思いますが、ひとつその点につきましてはわれわれの小委員長の報告に対して御協力をいただく、御理解をいただくという態度で今後ともお願いをしたいと思っておるわけであります。
 それで、総体的にはこれから各省にいろいろ意見を聞いていくということでございますからそれでけっこうであります。ただ私この際、ついででございますので大蔵省にお聞きしておきますが、豪雪法の第十四条に「基本計画に基づく事業の実施の促進上特に必要があるときは、当該事業に要する経費に係る国の負担割合又は補助率について、別に法律で定めるところにより、特例を設けることができる。」こうなっております。したがいまして、いま御答弁いただきました、たとえば雪寒道路法の補助率あるいはいま各種の補助率がございますけれども、たとえば道路法第五十六条に規定する関係あるいは義務教育諸学校施設費国庫負担法第三条第一項の関係あるいは児童福祉法の第五十条の関係、消防施設法の関係いろいろそれはあります。そういう現行の補助率ないしは法律によって相当手厚いとはおっしゃっておりますけれども、それでなおかつ不十分で、しかも山村豪雪地帯の後進性、格差というものはどんどん拡大するだけである。また、実際にこの地域住民の豪雪による被害というものは、事実上救済されないまま宿命的な観念すら植えつけて雪害に呻吟させておる、そういう現状は、一つも解決されておらない。こういうところからこの問題が実は出てきておるわけでありますから、このそれぞれの法律に基づく補助率を引き上げるということになりすすれば、私は当然法律改正というものがなされたければ、大蔵省が幾らやってやりたいと言ってもできないたてまえがこの十四条の精神ではないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、もしこの十四条の「負担割合又は補助率について、別に法律で定めるところにより、」というこの法律で定めることが必要がなくて、あなたのほうでやっていただけるというなら、私はあえて法律改正はあまり考えなくてもよろしいのじゃないかと思うのでありますけれども、この関係につきましてはいかがお考えでございましょうか。
○藤井説明員 お答え申し上げます。
 第十四条に、そういう国の負担割合、補助率についての特例を設けるということが書いてございますけれども、先ほど申し上げました積雪寒冷地帯の道路の問題につきましては、すでにこの法律よりも早くから特別の措置を別の法律をもって講じているわけでございます。
 それから学校等の公共施設の除雪の事業につきましては、この法律のあとを受けまして、たしか三十七年だったかと思いますけれども、特別の法律をもちまして、二分の一の補助をするという規定を設けております。
 それからその他この法律の精神に沿いまして、先ほど申し上げましたような医療関係につきましては、診療所の設置の補助等につきましてはまた別のと申しますか、かさ上げ的な補助率を設けて、その設置を促進するということをしているわけであります。
 そういうことで現在でもこの豪雪地帯対策特別措置法の十四条の規定というものは十分これを尊重してやっているというふうにお答えできるかと思います。
○米田委員 そうしますと、小委員長が報告されましたような各種の行政措置や法律改正を必要とする部分等につきましては、この十四条の趣旨に基づいてなお引き上げるということについては、その部分の法律改正はやはり必要である、こういうことで了承してよろしゅうございますか。
○藤井説明員 お答え申し上げます。
 現在すでに豪雪地帯につきましては、そういうようなこの法律の精神を受けまして、特別な措置を講じておりますので、さらにこれを引き上げていくかどうかということにつきましては、これから私どもとしてもいろいろ御意見を申し上げたいと思います。
○米田委員 私が聞きたかったのはその点なんでございまして、要は今後また小委員会が継続されますので、ひとつあなたのほうと私のほうといろいろ議論したり意見の交換ができるかと思いますので、その機会に譲ってもよろしゅうございます。
 ただ、私この機会に申し上げておきたいのは、どうかひとつ大蔵省のほうも――いま小委員長が中間報告としてまとめられたその問題の指摘というものは、あなたがおっしゃるこの特別優遇措置をとって補助率を引き上げたり、いろいろ大蔵省としても努力されている。その関係でなお不十分で、この災害対策特別委員会の小委員会としては、なおこれだけの上積みといいますか、なお改正を必要とするものがあるのだということで小委員長が取りまとめられたものと私は思いますので、そういう部分についてはひとつ謙虚に御理解をいただきまして、この機会にこの立法の措置あるいは財政の裏づけ等が一段と実情に合うように、ひとつ大蔵省からも積極的に御協力をいただくように私はお願いを申し上げておきたいと思います。
 それから、総理府の総務副長官がお見えでございますので、お聞きをいたしておきたいと思いますが、全体としてこの関係はあなたのほうで推進をしていただくということになろうかと思います。この小委員長報告に盛られております、大体大別して三つの関係につきまして、総理府として十分な推進の御努力をいただきませんと――実際は行政や財政の裏づけが必要、そうでないと中身のない名目倒れということになりかねないという心配があるわけであります。総務副長官から、この点につきまして御見解をお伺いいたしまして、願わくは各省を指導されまして、この小委員長報告の趣旨に沿った政府自体としての協力の体制ができますようにお骨折りをいただきたいと思って御質問するわけでありますが、ひとつ見解を聞かしていただきたいと思います。
○湊説明員 ただいまお話がございました豪雪関係の特別措置法のみならず、実は各種の地域立法全体について、全体として調整をせねばいかぬような問題が数々あると私ども承知をいたしております。特に本来ならば各種の地域立法、次から次といっては語弊がありますけれども、たくさん出たために、全体として効果が薄れてしまったというふうな実態も、率直な話ございますし、本来ならば、今回の特別措置というふうな形で小委員会でおまとめいただいたように事業そのものを、初めからその程度にしぼってやっていくのがむしろ本来の姿じゃなかろうかとさえ、これは半ば私見になりますが、私は感じておる一人でございます。各省にまたがる問題でもございますので、十分関係各省お集まりをいただきながら推進役をつとめてまいりたいというふうに思っております。
○米田委員 建設省の関係につきまして、一つだけ御見解を聞いておきたいのでございますが、小委員長報告の一の「立法措置を要する事項」の3の項に「特別豪雪地帯に対する特別な措置は次の通りとする。」という項目がございます。ここでいう「特別な措置」ということは、おそらく小委員長は立法または財政上の特別な措置ということでの御指摘だと思います。ここに建設省関係で(4)の項、それから(5)の項のA、B、C、のA、それから二枚目に行きまして、「行政措置及び予算措置等を要する事項」の少なくとも一の項の(イ)(ロ)(ハ)、この三つくらいにつきましては、これは相当建設省としても従来の雪寒道路法なりあるいは除雪に対する助成の関係等含めまして、たとえば補助率一つをとりましても、これをアップしてもらわなければならないという結論が出てくる報告だと思うのでありますが、これらの関係につきまして、この機会に御見解を聞かしていただきたいと思うのであります。特に「立法措置を要する事項」の3の(4)と、それから(5)項のAの関係、それから二つ目は「行政措置及び予算措置等を要する事項」の(イ)(ロ)(ハ)の関係、これをひとつ総体的でよろしゅうございますから、二つに分けて建設省のお考えをこの際お聞かせをいただきたい、こう思っております。
○井上説明員 お答え申し上げます。
 小委員会の中間報告の途中の段階でいろいろ私も御意見を申し上げてまいりました。結論として、ここに掲げてございます特別措置のうち、(4)にあります「国道及び県道並びに基幹的な市町村道について早急に除雪の促進を図る措置を講ずること。」これにつきましては、御承知のように国道及び県道につきましては、除雪のできるように改築が済んでおります路線については極力これを取り入れて除雪をやっております。ただし、ここにあります市町村道については、毎回申し上げておりますが、改築が進んでおらないということもございますが、積雪地帯の市町村が非常に数が多い。それに一々除雪事業費を補助するということは行政の効率上いかがかという問題がございますので、市町村道につきましては最も費用のかかります除雪機械の購入費につきまして三分の二の補助を実施いたしておりまして、現在すでに八百三十台に及ぶ機械の購入を助成をいたしております。実際の除雪作業費に対する補助は、いま申し上げましたような事情で、主として自治省の交付税のほうでめんどうを見ていくという方針でやっております。ただし、最近非常に地方部に至りますまで自動車が普及をいたしましたし、自動車がすでに国民の足として使われるという事情になってまいりましたので、市町村道の除雪についていろいろ検討をいたしましたが、先ほど申し上げましたような行政の効率化という問題から、近くここにありますような基幹的な市町村道につきましてはつとめて県道に昇格をさせまして――どうせ市町村道は県道から分かれます枝葉の路線でございますので、県道と一体的な除雪をしていただくという方針をとっております。ただいま県道の認定基準というのがございまして、これを緩和と申しますか、改正する作業中でございますので、来年度には大幅に、特に積雪地帯におきます市町村道の除雪のために県道昇格を進めてまいりたいという方針でございます。
 それから(5)のAにございます除雪及び通行困難な市町村道等の改築でございますが、これは現在のところ市町村道につきましては、ごく限られたものでございますが、改築費についてはすでに補助をする道が開かれておりますので、この方面でつとめてこういった特別豪雪地帯の市町村道の改良を取り上げてまいりたいと思っております。
 それから二枚目の行政措置のほうでございますが、1の(イ)の雪寒の五カ年計画につきましては、御承知のように先般の国会で道路整備緊急措置法の改正と同時に雪寒法も改正をいたしまして、雪寒の道路の五カ年計画を四十五年度から四十九年度まで延伸をいたしております。五カ年計画の規模につきましては、改築費も含めまして道路全体は十兆三千五百億ときまっておりますが、このうちで雪寒道路事業はどれほどのワクにするかということにつきまして、ただいま部内でいろいろ検討をいたしておりまして、近く財政当局とも御相談をする予定でございます。したがいまして、今年度からでございますが、今年度中に雪寒の五カ年計画の新しい第五次五カ年計画を拡大改定する予定でございます。
 それから次の(ロ)でございますが、市町村道に対する除雪につきましては、先ほど申し上げました事情で対処したいと思っておりますが、除雪機械の購入に対する補助限度額、これがいろいろ問題になっておりますが、建設省といたしましてはなるべくたくさんの市町村にたくさんの機械を助成いたしたいという方針で、実は一台四百五十万円というのを限度額にいたしております。ところが、特別の豪雪地帯におきましては最近特殊の高価な機械が開発されてまいりまして、一台七百万円、八百万円というようなものもできてまいりました。できれば来年度からこの限度額をそういった特殊な機械につきましては撤去をしまして、実際にかかる購入費について三分の二の補助対象にするということで、ただいま予算を要求中でございます。これから大蔵省といろいろと御折衝があるわけでございます。私どもは認めていただくように努力をするつもりでございます。
 それから(ハ)の消雪、流雪施設の附帯施設でございますが、これも最近消雪パイプ、いわゆる融雪施設が非常に普及をいたしてまいりまして、地下水等の条件の非常にいいところでは取水施設はそれほど金がかからなくて済んでおったわけでございますが、最近各地に普及すると同時に、地下水の条件の若干悪いようなところにもパイプを布設する。そうしますと、いわゆるポンプ、井戸に非常に金がかかるようになってまいりました。そういった特殊のところにつきましては、来年度から取水施設も補助対象にしたいということで、先ほどの機械同様、来年度からこれを実施しようとしてただいま大蔵省と折衝中でございます。これも最善の努力をしたいと思っております。
 以上であります。
○米田委員 ありがとうございましたが、一つだけ再質問申し上げます。
 一の立法措置の関係の3の(5)のA、ここで画期的なものが小委員長報告で打ち出されておるのですが、集落間連絡路、これは市町村道あるいは私の道とか、要するに生活道路といわれるものだと思います。これにつきましては、特にここの対象は特別な豪雪地帯を対象としての小委員長の報告だと思うのでありますけれども、こういう構想に対して、私はやはりこれからの行政、特に建設省等はこういう構想についてはやはり認めてもらわなければならぬ事態にきているんじゃないか。何か除雪といえば国道、県道、大きいところだけだという概念を捨てて、むしろ集落間連絡路あるいは生活圏道路、そういうところに、それは一般的なことを言っているんじゃなくて、たとえば特別豪雪地帯というような地域が設定されて、六十日もあるいは八十日も交通が途絶して孤立するというような特殊の地帯のことを私言っているのでありますが、そういうところについては角度を変えて集落間連絡路、生活圏道路というようなものについて、まず優先的に道をあけるというこの考え方は取り入れてもらわないといかぬと思うのでありますけれども、この点はいかがでございましょう。
○井上説明員 お答え申し上げます。
 先ほど私申し上げました基幹的な市町村道の県道編入、それから昨年末にいたしました主要な県道からの国道昇格、それから近くやろうと思っております県道のうちの主要地方道の昇格、こういった一連の道路網の再編成を現在建設省といたしましては進めておるわけでございます。その最後のものが、先ほど申し上げました市町村道から県道への昇格と思います。そういう道路網の再編成の背景といたしまして建設省が打ち出しておりますのが地方生活圏構想でございます。したがいまして、地方の生活圏が、最近の自動車の普及等によりまして生活圏のあり方が変わってきておりますので、そういった変わった生活圏のあり方、その基幹となる道路網という観点から道路網の再編成をいたしております。ただいま先生の御指摘のような、また小委員会報告にございますような集落間を結ぶ重要な市町村道というものは、基幹的な市町村道としてその相当部分が県道等に昇格の対象になろうというふうに思っております。
○米田委員 あと一つだけ、これは厚生省に災害救助法の関係につきましてひとつこの機会に見解をお伺いしておきたいのでございますが、災害救助法の関係につきましては今後改正の必要あるいは程度それから内容等について検討を加えるという御指摘でございまして、大綱は今後私どもも検討させていただく機会があると思いますからあとに譲りますが、その際どうしても必要だと思います限られた点についてお聞きをしておきたいのであります。
 現在、豪雪地帯の豪雪被害に対して災害救助法が適用されるということについての基準は何かということですね。私は多少わからぬわけでもありませんが、この基準はなお今後も固執されるのかどうか、これは厚生省からまずひとつ聞かしておいていただきたいと思います。今後法律改正等を必要とするかどうかという、私どものまた考えの基礎にもなりますので、お聞かせをいただきたいと思います。
○吉村説明員 お答えいたします。
 現在の災害救助法の適用する条件といたしましていろいろあるわけでございますが、その中で多数の者が生命または身体に危害を受けるおそれが生じたことというのがございます。これによりまして豪雪の場合に災害救助法の適用をするということに相なろうかと思います。現に、三十八年一月の豪雪に際しまして災害救助法を適用したのでございますが、このときもこの規定によりまして適用したわけでございます。これをさらに拡大する必要があるかどうかということについては少し今後検討を加えていかなければならぬ問題だと思いますが、現在、私どもとしては豪雪の場合この規定によりまして十分弾力的な運用ができるものだと考えております。
○米田委員 あの三十八年の豪雪は、新潟県のあの平場地帯に異常集中的な豪雪のときの適用だと思うのであります。それ以後特に、まあ豪雪地帯といわれる新潟県の例だけで恐縮でありますけれども、毎年雪は降っております。特に四十二年あるいは四十三年それから四十四年の異常残雪、非常に集中的に毎年降っておりますが、その後一回も豪雪での災害救助法の適用はございません。三十八年一月のあのとき一回きりであります。その後、では適用すべき条件といいますか要件といいますか、そういうものが雪害という面でなかったのかどうかという点は、いま申し上げましたように事実はあった。しかも市町村や県は相当そういう必要を痛感したけれども、あなたのほうの、要するに基準に合わないということで適用されることができなかった。したがって、あなたのほうが基準というものを持っておられまして、そしてその基準に当てはめて、これはどうだこうだということになりますと、今後も雪というものについて災害救助法が適用されるなんということはあり得ないだろうと私は思う。三十八年の異常豪雪なんというのは十年、二十年に一回くらいのものであります。豪雪地帯の人は宿命のようなあきらめで実は毎年雪害に悩んでおるわけです。これはやはりいまの政治の体制の中で何とか救済なり援助なりができないのかどうかというのが、小委員長のお考えだったと思うのです。したがって、基準というものを、いまあなたは答弁で答えられませんでしたけれども、もう少し検討を必要とするのじゃないかと私は思うのでありますが、たとえば積雪の度合い等についておおむね二メートル以上という一応の基準があるということを聞いております。この二メートルというのも、当然毎年豪雪が降る。たとえば地域を申し上げますと、長岡の二メートル、それから新潟市の二メートルでは受ける被害やそういうものは違いますから、一様に二メートルということで基準にするということについても私はどうかと思いますけれども、この二メートルそれ自体も私はやはり問題だろうと思う。風水害や、豪雪以外の一般の災害に対する国の援助措置、補助助成等の措置というものは、事雪という関係から見ますと、決して十分ではありませんけれども、それでも非常に政治的には集中した対策がとられておると私は思いますが、豪雪ということになりますとこれは全く扱われておらない、こういう感じがするわけであります。したがってこの二メートルというような関係、それから三十八年のときの適用の例を見ますと、生活保護世帯に対して除雪をしてやったということだけが一つ。それから列車がストップしてお客さんにたき出しをやったというようなこと。それから緊急避難をさせた、小学校の体育館に避難をさせたその方々にたき出しを出したということであります。そのたき出しも金額はきまっておりますから。そんな程度でありまして、いわゆる一般被害住民に対して災害救助法が何をやったかといえば何にもないのです。今度小委員会が取り上げられまして、特別豪雪地帯を設けてそして一般的な援助をやろう、同時に災害が起きたら災害救助法についても手直しをして、災害救助という面からも援助の措置がとれるようにしようというお考えで取り組んでおられることを私ども喜んでおるわけでありますけれども、この災害救助法の関係だけはもう少しあなたのほうで検討をいただかないと、豪雪法の改正ができましてある程度の対策が向上いたしましても、災害救助という緊急、生命財産を守るという関係になってまいりますと手が届かぬ、こういうことが出てくるのじゃないかと思いますが、この点現行法でやれるというお考えは変えるわけにいきませんか。今後私ども小委員会で検討しますけれども、私はここで十分変える要素があるということについてあなたに認識しておいてもらわないといかぬと思うのでありますが、いかがでございましょう。
○吉村説明員 災害救助法と申しますのは、やはり一定の災害を前提といたしまして、それによって被害が生ずる、そして救助を要する状態が生ずる、こういう場合に災害救助法を発動すべきものだというように私どもは考えております。ただ、豪雪の場合に災害救助法を適用するかどうかというのはやはりケース・バイ・ケースで、いま申しましたような救助を要する状態がどういう形で存在しておるかということをケース・バイ・ケースで判断をいたしまして適用すべき問題だと思っております。
 また、豪雪に際しましていろいろな面で住民の医療なりあるいは生活なりに支障が生じてくるというのはこれは当然でございまして、私どもそういう場合に住民の福祉をはかるということについてはこれはもう当然のことでございまして、私どもがその住民の被害に対しまして災害救助法のみで対処するということにつきましては、若干の限界があろうかと考えております。なおそういう意味合いにおきまして災害救助関係の法令を今後整備していくということにつきましては、小委員会の中間報告の意を体しまして検討をさせてもらいたい、こう思っておるわけでございます。
○米田委員 ぜひ小委員会の検討にあなたのほうからも御協力いただくように、これは被害地の私として特に切実にお願いを申し上げておきます。
 それで具体的にひとつ吉村さんにお願いしておきたいのですが、いまの二メートルの基準というものを変える必要があると思いますが、この点についてのあなたのほうの検討をお願いしておきたい。
 積雪量がおおむね二メートルある、そしてかつ平年の積雪量を相当上回る豪雪地域、こういう基準が一つあるようであります。それから積雪のため住居の出入り口が閉ざされているもの、これは生命、財産の危険があるということだと思います。また屋根上の積雪のために住居が崩壊する危険がある、こういうものについては一つの基準として取り入れられております。しかしこれも、いま私が申し上げた住居の出入り口が閉ざされている、あるいは屋根の上に雪があって家がつぶされそうだ、こういう場合も一般のものに対してはこれは関係なく、生活保護世帯、要するに市町村民税非課税世帯、それから老人世帯、母子世帯、病弱者世帯、こういう自力でできないというものだけに限っての対象の基準であります。この基準でいきますと、いまここでいう豪雪地帯的な特殊なところはほとんど過疎地帯でありますから、雪おろしをするようなおやじなんか全然家におりません。全くおれないのですね。そしてほんとうに動けないようなお年寄りか、あるいは若い女の方でも働ける者はこのごろ出ていっておりますから、ほんとうにここでいう病弱者世帯か老人世帯にかわるような生活の状態になっておりますから、これはひとつ現地を見てください。そういうところは雪が降りますと軒並み出入り口がふさがれて出ることができない、屋根の雪をおろすことができない、そういうふうに変わってきておるわけです。それは災害救助法でやるんじゃなくてほかの法律でとおっしゃるかもしれませんけれども、いまのところ手っとり早くこういう問題について緊急救済するという措置は災害救助法しかないと私は思う。ですから、こういう点について、あなたのほうでこの基準のとり方を変えることについての検討を二つ目にお願いしておきたいと思います。
 それからもう一つは、こういう方々に対する除雪の費用は一世帯当たり一万二千六百円で打ち切りであります。何回降りましてもその一冬の期間この一万二千六百円で打ち切りになっております。いま雪おろしなんか、豪雪地帯に行きますと人がおらないものでありますから希少価値で人を頼むのにたいへんで、結局晩酌をつけて二千円も三千円も払って来てもらう。しかも遠くから来てもらうわけでありますから、実際に雪おろしをしてもらう時間というのはわずかなものになってくる、こういうようなことで、この一万二千六百円打ち切りという関係につきましても、これは全然現状に合っておりません。これはいつきめた基準かわかりませんけれども、こういうことについても検討を要する問題ではないか、私はそういうふうに思いまして、それらにつきましては厚生省、災害救助法の主管でございますのでもっと真剣に雪害、豪雪地帯のことをお考えいただきまして、この小委員会がこれから作業する段階にあなたのほうも合わせて積極的に私どもに知恵をかしていただければ非常にありがたい、御協力をいただきたい、こう思っておるわけでありますが、最後にもう一回見解を聞かしてもらいまして、私質問を終わりたいと思います。
○吉村説明員 確かに現在の災害救助法が雪に対して特別な配慮をしておらないという点は、これは確かでございます。その点を含めまして今後検討をさしていただきたい、かように考えております。
○辻原委員長 津川武一君。
○津川委員 豪雪と関係するのですが、きょうは漁船の海難、それと関連いたしまして船の中にいる人の診療洋上診療について四、五点お尋ねしてみます。
 漁船の海難件数、海難による死者、行くえ不明者の数はここ数年決して減っているとはいえません。特にイカ、カツオ・マグロ、サケ・マス、タラなどの漁に事故が多く、昭和四十四年では海難件数の五〇%を占めています。管区別に見ますと一番北の第一管区が最も多く、全漁船海難の三〇%にも達しております。管区が十あるのでございます。第一管区のこの海難による死者、行くえ不明者は北海道の炭鉱災害による犠牲者を上回っており、北海道では最大の産業海難となっております。
    〔委員長退席、斉藤(正)委員長代理着席〕
 こういう状態に対しまして政府自身がどんな態度をとっておりますかと申しますと、たとえば「昭和四十四年の海難の考察」という八戸海上保安部と海上保安協会八戸支部、八戸水難救済会が出しているものにはこう書いてあります。「昭和四十四年中に発生した管内在籍船の海難は、依然として人為的過失に起因するものがほとんどであり、見張不十分、操船の不適、機関整備の不良、監督不行届等に起因している。」「乗組員一人一人に事故防止の思想、安全に関する意識が非常にとぼしいことがあげられる。たとえば操舵当直にあるものは当直中全乗組員の生命を自分自身が預っているとの責任を感じているものが少なく、ただ漫然と操船して乗揚げたり他船と衝突したりして多くの人命を失っている。」これが政府の見解でございます。
 もう一つ、昭和四十四年五月に出した海上保安庁の海難防止に対する原因としても、人的原因によるものが七七%に達している。見張り不十分によるものが四〇%、操船不適当が二八%というふうにあげておって、海に関係する仕事をする人に責任を転嫁して政府自身には何も行政上に問題がないような印象の結論を出しております。
 しかし最近の海難のケースとして最も注目されるものは、装備不十分な小型漁船の遠隔地における操業、漁獲物の積み過ぎが原因になったり、危険覚悟の操業であり、海難を絶滅するために、漁民をこのような危険に追いやっていると思われるもとを断たなくてはなりません。これは零細漁民なるがゆえの問題であり、根本解決のためには沿岸漁業の振興に国がもっと本格的に取り組み、漁民が安心して働けるようにすることが必要であります。
    〔斉藤(正)委員長代理退席、委員長着席〕
 こういう状態に対しまして、北海道新聞は、海難防止の第一の責任者は乗り組み員自身にある。しかし政府の警備救済予報体制はそれに劣らず重要性を持つ。一機一億五千万円か二億円のヘリコプター増強はためらいながら、一機十億円の新型戦闘機には予算をつける、このアンバランスには大きな矛盾を感ぜずにはおれない。これは共産党が言うのではなくして地元新聞が言うのであります。北海道の漁民と北海道の人だけでなく漁業に携わっておる全国の関係者の意見でもあると思うのであります。海難は行政上の貧困が生み出したとも言えると思うのであります。行政上やるべきことがたくさんあると思いますので、その対策を総理府と水産庁と保安庁にお伺いいたします。
○平松説明員 お答えいたします。
 確かに年間相当数の漁船が洋上で遭難をしておるという実態があるわけでございまして、その原因は、最近機械等が入りまして操船が便利になったということから、かえって操船の怠慢という事態もございますし、先生御指摘のように、遠方へ出ていってそのために異常の風浪にあうという危険もふえておるというようなことで、無線通信その他による気象の通報その他の予防措置が進んでおりますにもかかわらず海難の数字は横ばいというような状況にあるということでございます。私どもといたしましても、海難の減少ということに非常に力を尽くしておるわけでございまして、ことに気象の激変、変化によって起こります海難というものの防止につきましては、大型、中型、小型の無線局なり、あるいは有線、無線の通信なりということによりまして漁船に詳細に連絡をするということで、その方面の情報の伝達ということについては相当努力をいたしておるつもりでございます。
 また救難という点につきましても、私どものほうといたしましては、海上保安庁にもお願いをいたしまして、十分その危難を救うということをお願いをいたしておりますし、今後もまたその努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○貞広説明員 お答え申し上げます。
 確かに海難は起きてからではどうにもなりませんので、先生がおっしゃいますように、海難が起こらないようにすることが先決と考えて一生懸命やっております。具体的に少しこまかくなりますけれども御説明いたします。
 まず私どもがやっておりますることは、船主を含めまして漁船の乗り組み員が守っていただくようなことを講習会その他でよく知っていただくようにやっておることが一つでございます。こまかく申し上げますと恐縮でございますが、たとえば出漁されたら気象状況をよくおとりなさいよ、気象状況を知っておりなさいよ。荒天になった場合はこういうふうな準備をして荒天を乗り切りなさいよ。それから先ほど言われましたように、荷物を積み過ぎてはいけませんよ。急に寒くなって甲板が凍ってきますと、上が重くなって転覆しますので、そういったときにはよく氷をお取りなさいよ。それから火災を起こしなさんな。それから最近はSOSブイというもの、それの使い方を誤らないようにする、危険なときはすぐ発射して、助けてくれということを救助機関にすぐ知らせてくださいよ。それから、よく北海道で九十人近くが毎年、海難とはいえませんが、漁船から操業中に海中に転落する、これが一般的にいって海難でなくなられる方よりか多いくらいございます。落っこっても浮いておるように、しかも仕事をしていてもじゃまにならないような活動性のある浮力のある作業着を、これを三千円ぐらいでございますが、できるだけ買ってつけて仕事をしてくださいよというふうなことを講習会でお話しする。
 少しこまかくなり過ぎましたけれども、そのほか陸上の官署からあるいは巡視船艇が行きまして、実際船に乗り込んで、そういったことをほんとうにやっておりますかといって現場で指導したり、それからちょっと遠く出るような船については、巡視船が一定の線におりまして、その線を過ぎたときには船の名前、位置を知らせてもらって、巡視船が出漁しておる船をよくつかんでおる。これはカムチャッカの東のほうに出る底びき等でございますが、巡視船を常時哨戒させておりますので、巡視船にその動静をつかんでもらって、いつでもこわいときにはすぐ連絡をくださいよと言って、巡視船と操業船とが常時連絡をとれるように指導するとか、それからまた、流氷等がございます、これらに対して間違いを起こさないように、海上保安庁自身が巡視船だとか陸上の官署からとか飛行機とかで観測したことを逐一無線でもってお知らせする。そのほかに、防衛庁の飛行機だとか、それから気象官署から入ってくるような情報がありましたならば、直ちに海上保安庁の無線を通じてお知らせする。こういうことをいまのところやっておりまして、万が一不幸にして事故を起こしたときには直ちに救助できるような態勢を整えておるというのが現状でございます。
○津川委員 水産庁に、もう少し漁船が海難に強いように、漁業の基盤整備ですか、漁船の整備ですか、特に海難防止に必要な器具の助成指導が必要だと思うのですが、もう一度答えていただきます。
○平松説明員 漁船の構造につきまして、確かに、先生が御指摘になりましたように、船の構造というものを十分考えてやることによって防げる面もあろうかと思います。最近、漁船の構造につきましては、漁船の乗り組み員が不足しておるという事態にかんがみまして、省力化した形で操業ができるようにという意味においての漁船の省力化の研究をやっておりますが、その際に安全性というものを十分考慮をいたして設計をするということで、各業種について次々に研究会を開いて検討いたしておるという状況でございます。
○津川委員 次に気象の問題です。四十四年度「漁業の動向に関する年次報告」では、「北洋海域には、さけ・ます漁船、たら漁船等が多数出漁するが、北洋海域は低気圧の通過が多く、また、濃霧が加わるなど気象、海象の悪条件下におかれ海難の多発が予想される」と述べております。四十五年の「海上保安の現況」でも、「北方海域は発達した低気圧の通過が多く、特にさけ・ます漁期には、これに濃霧が加わるなど、気象・海象の悪条件下におかれるので、例年海難が多発している。」と申しております。保安庁はこう指摘しているのです。ところが気象庁、保安庁はこの海域であまり気象通報、予報をしてないのでございます。
 そこで、気象、海象の観測予報研究体制がどうなっているのか。特に北のほうの北海道の漁民は、北海道に気象観測のレーダーを要求しているのですが、これは私はつくる必要があると思うのですが、この二点について答えていただきます。
○紅村説明員 お答え申し上げます。
 まず、漁船の海難防止対策でございますが、あるいはこれは観測予報体制という問題からはいささか離れるかと思う次第でございますけれども、ただいま水産庁のほうからお話もございましたが、これは少し前のことになりますけれども、気象官署とそれから関係の漁業無線局との間をテレタイプあるいはテレックスで結びまして、所要の海上予警報がより迅速により的確に漁船までいくというような体制を整えておるわけでございます。北海道、東北関係では現在六カ所ございます。
 それから第二番目のレーダーの問題でございますが、私ども本年度予算におきまして釧路にレーダーを新設する予算を認めていただきまして、現在工事を実施中でございます。
 それからあと、観測予報体制の問題でございますが、もちろんただいま先生御指摘ございましたように、気象というものは海難に相当関係があるわけでございます。これは非常に広い範囲でございますけれども、やはり現在私ども一番困っておりますのは、海上の気象資料の不足ということでございます。この問題につきまして、かつてマリアナ海難というような問題もあったわけでございますが、気象庁といたしましても観測船を建造いたします。あるいは海上保安庁の巡視船にレーダーを搭載いたしまして、これは主として現在南方海域でございますけれども、南方海域の気象というものも当然関係あるわけでございまして、気象観測を実施いたしておるわけでございます。
 それから今後はどうするかという問題でございますけれども、いろいろな技術が開発されてまいりまして、また施設、機器等も非常に進歩してまいっております。気象観測体制というものもやはりそういう新しい体制でいくべきじゃないかということで、私ども現在一番大きな問題として考えておりますのは、これは世界的にも関係があるわけでございますけれども、やはり気象衛星によって気象観測をやっていくということ。それからもう一つは、ただいま申し上げましたように、海上の気象データというものは非常に不足いたしております。これは現在私ども最大の悩みでございますが、この悩みの解消をいたしますためにブイロボットというものをつくりましてこれを海洋上に置くというようなことも考えております。それからさらに特定の航路でございますけれども、商船上の高層気象観測といったような体制も整備してまいりたいというようなことも考えておるわけでございますが、こういったことによりまして海洋上の気象観測網を整備してまいりたいというふうに考えております。
 一方、また波浪という問題がございます。この波浪の問題につきましても現在まだ的確に予想するという段階までは至っておりません、現在研究中の段階でございますけれども、実況それから予想といった体制を推進いたしまして、こういったようなことを総合いたしまして海上予警報の精度向上ということをはかってまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○津川委員 そこで気象の観測でございますけれども、ヘリコプターのことは後に、別なときにまたお尋ねしますが、いまの人工衛星がぐるぐる回って一日に一回しか日本を通らないでしょう。そこで、いつでもやれるような静止衛星の打ち上げということを日本でできないとすれば国際的な協力も得て、これはやはり国際場面で主張してみなければならぬ大事なことじゃないかと思うのですが、どうでございますか。
○紅村説明員 お答え申し上げます。
 私、先ほどちょっとことばが足りませんでたいへん失礼をいたしましたが、確かに先生おっしゃいますように、気象衛星の場合、軌道衛星は現在すでにアメリカなりその他の国でも上げているわけでございます。現在、アメリカのものは一日一回気象庁でも受画しておるわけでございますが、確かに御指摘のように、一日一回ではたいへんデータが不足でございます。そこで、やはり静止衛星というものを当然考えなければならないわけでございます。先生御承知いただいておるかと存じますが、WMO、世界気象機関というものがございまして、ここで現在世界気象監視計画――WWW計画と申しておりますが、これを推進いたしております。この計画によりますと、軌道衛星のほかに四個の気象衛星で地球を全部カバーしよう、こういう計画になっておりまして、現在そのうち二個をアメリカが上げることになっております。それから一個はフランスが上げるということになっておりますが、残りの一個は太平洋上でございまして、これは日本に上げてくれという要望が非常に強いわけでございます。それで私どもといたしましても、目標は大体一九七五年ごろということで、WWW計画になっておるわけでございます。そういうことで現在いろいろ計画を考えておりまして、来年度は研究開発関係の予算を要求しておる段階でございます。
○津川委員 その四つ目の静止衛星はぜひ日本でやるように、われわれも皆さんと一緒に協力いたします。
 その次には海氷の問題でございます。「海上保安の現況」では、四十四年も前年と同様流氷の到来がおそく、予想しないときに出てきて、沿岸結氷の発達も例年に比べておそくなっている。しかし流氷は四月下旬まで沖合いに残ったり、宗谷海峡から日本海側に盛んに流出して船舶を脅かすなど特徴ある海氷状況を呈した。海氷勢力は全般に弱い年であったにもかかわらず、航行障害日数が非常に多くなって、根室で八十日、網走で四十一日と長きにわたり、海氷による海難も六隻と昭和四十三年より増加した。このうち四隻は通常流氷がないと思われがちな海域での海難であったわけであります。四十四年の海氷状況の異常さを示しているともいっているのですが、このことの予測ができていなかったわけであります。したがって気象庁、保安庁の海氷の観測研究、こういう予報、これと国際協力の関係、お願いしなければならぬこともたくさんあるのでございますが、実際こういう事態ができておりますので、もう一奮発しなければならないと思うのですが、こういう事態に対して対策をひとつ示していただきたいのであります。
○貞広説明員 お答え申し上げます。
 流氷観測につきましては、海上保安庁では実態を調べて取りまとめて文書で関係の向きに配付するということをやりますが、調べた実態は直ちに無線で関係者にお知らせするという方法をとっております。
 現在とられておりますことは、流氷の初期、凍り始めごろ、それから解け始める終結期、そして流氷がきそうなところの流氷の外縁に沿うて巡視船でアイスパトロールをいたしております。その結果を直ちに関係の向きに無線で知らせる。それから航空機でそういった海域、それからオホーツク海の半ばあたりまで航空機を飛ばして流氷の実態を押えるようにしております。それから沿岸には海上保安部、海上保安署、航路標識事務所というふうな海上保安官が駐在する場所がございますから、それから見える範囲は目視で常時この期間監視している。それから釧路にレーダー局がございますが、このレーダーでもいつもそれに気をつけておる。それから特に海上保安庁で砕氷能力があるのは巡視船「宗谷」ただ一隻でございますが、これは特に必要があるときにはオホーツク海の半ばまで突っ込んで状況を調べてくる。それからそのほか一般船舶、主として漁船等にお願いしてわかったらすぐ知らしてもらう。そういうものを取りまとめまして海上保安庁の通信所から、また北海道ではNHKの第一で、それから北海道の民放で二、三カ所、そういったところからそのつど定時にラジオで放送いたします。先ほどの海上保安庁の通信所から出す方法としては、先生御承知のように、安全通信という形で北の稚内、東の根室、南の釧路という大きな通信所から定められた時間に放送して、漁船に知っていただく、そして漁船で心得て対策をとっていただく、このようなことをいたしております。
 そのほか、こういう安全通信に乗せますのは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、気象官署とか北大の研究所とか、それから防衛庁の飛行機が飛んだときとか、あらゆる情報はここへ受け入れて安全通信で流しておるような次第でございます。
○津川委員 そこでことしの春の雪解け、氷解け、それから流氷の多くなったこと。この間、東海岸のほうに行ってみましたら、流氷がおそくなりそうだという、ころはわかっているというのです。ところが気象庁のほうは必ずしもそういう予報をしてくれない。そこで気象庁にこういう研究がもっと必要で、的確に事前にこれを漁民や北海道の道民に明示してくれなければならぬのですが、この流氷に対する研究体制がどうなっているか。
 それからもう一つは着氷でございます。船の中に氷がしみついてしまって転落する。これもまた非常に多くて、あちらの第一管区の死者、行くえ不明者の二割がこの着氷による海難になっておるのでございます。そこで着氷の防止体制、どんな気候で着氷するのか、これに対する防止方法がどうなのか、科学的検討がないのじゃないかというのが正直なところ漁民の意見でありました。したがって、これに対する国の体制もつくらなければならぬと思うのですが、いかがでございますか。
○貞広説明員 お答え申し上げます。
 先生のいまの御質問に対しては、基本的に着氷をなくするような構造がどうあるかということ、それはなかなかむずかしいことでございまして、私の聞き及んでおるところでは、関係の一、二社が研究して、こういうふうにすればこうだということを盛んにいっておることは承知しておりますけれども、海上保安庁の巡視船でこれを実験するというところまでは、聞いたところでは行っておらないようで、一部漁船で実際やっておりますが、着氷しないような船をつくるということは現段階ではきわめて困難のようでございます。それで、どのようにして氷がつくかということにつきましては、数年前海上保安庁の巡視船で実際の実験をいたしまして、そのデータはとってございますけれども、これをどのような構造にすればどうなるということは、アイデアとしてはあるのでございますけれども、なかなか困難のようでございます。したがいまして、現状においてどのようにあるべきかということについてお答えいたしたいと思います。
 長年の経験から、どういう状態になったら着氷になるかという条件は一応わかっております。そういうふうな着氷しやすい気象、海象になった場合には着氷しやすくなりますよということを、先ほど申し上げました安全通信、そのほか巡視船を漁業無線から呼び出してもらって出漁中の漁船に注意をしまして、御苦労ではあるが、夜休む時間であってもやはり二時間おきぐらいに、船が転覆したらたいへんだから小まめに起きて自分でハンマーでたたいて落とす、これを連続して続ける、そのように指導いたしております。いまちょっと記憶がはっきりいたしませんが、風が強くなって一定の温度になると非常につきやすいのでございます。そういう条件を知らして、そういうふうになったときにはハンマーでたたいて落としなさい、あるいはそういったときには風をうしろに受けて甲板に波が上がらないようにしなさいという指導しか、いまのところできておりません。
○津川委員 これは委員長と小委員長が雪の研究のことは出しておりますので、あわせて何かやっていただければうれしいなと思って、委員長と小委員長にもお願いするわけであります。
 その次にヘリコプターでございますが、あそこには非常に低気圧が来るし濃霧が来るし、それから流氷、いろいろな問題がある中で、ヘリコプターの仕事はかなり任務が大きいと思うのです。現在函館にヘリコプターが三機ありますが、すでに部分品をつくっているところはない、そういう旧式なもので、海難救助にも気象観測にも間に合わないという状態だということでございますが、こういう状態なんでございましょうか。もしこんなヘリコプターであったならすみやかに直さなければならぬと思うのですが、お願いいたします。
○貞広説明員 お答えいたします。
 海上保安庁のいまの航空機は全部で二十機でございまして、いま先生が申されました函館のヘリコプターはS55型で三機置いてございますが、この型は非常に古い型でございます。確かに言われるように、一たび一つの部品が悪くなりますとその部品はアメリカまで発注しなければいけないというようなことで、たいへんなしろものでございます。しかしいろいろ予算の制約もございまして、私どもではこれを言われるように能率よくすることといたしましては、もう取りかえるほかは手がないのでございます。
 ただいまの計画といたしましては、海難救助のために少なくも遠く洋上まで出ていける大型飛行機四機と、それから日本の北、南、中央に大型のヘリコプター、少なくも二百五十マイルまで単独で洋上に進出して遭難者をつり上げることもできて帰れる大型のヘリコプター、これは相当の値段でございますが、これを各三カ所、救難用には最小限それが要るんだというふうなことで、これをいかに事務的に具体化していくか、目下その方法について努力中でございます。
○津川委員 それから今度は海難救助でございますが、昭和三十二年に日ソ海難救助協定が発効して、海難に際しソ連も救助してくれますが、ソ連側がなかなかがめつくて、救助出動に使った費用についてソ連外務省から日本外務省に要求が来ます。外務省はこれを保安庁に移しているようです。保安庁はこれを船主に請求される。船主はソ連の国立銀行に金を振り込むことになっているのですが、遭難すると非常に費用が多くかかり、魚もとれないということになって、不払いのケースが出てきて、ソ連の軍艦が海難救助に来ると、おまえ金が払えるかどうかということを先に聞いて救助するそうであります。こういう不払いの金額がどのくらいになっておるのか。こういう金額は私は当然国が立てかえ払いしてあげるのが海難救助の本質じゃないかと思うのですが、この点どうなっておりますか。
○貞広説明員 ソ連との間には海難救助に関する協定がございまして、三十一年十二月から発効いたしております。そうしてその救助につきましては、それぞれの国内法でやるというたてまえになっておりまするが、いま先生が言われたようなことは、ソ連では人命の救助については無償でございますので、それ以外の場合に該当したものと思います。
○津川委員 そこでそれ以外の場合は、やはり不払いが起きると、これは出づらい。そういうことで、日本の「宗谷」で砕氷できない場合ソ連の砕氷船に頼む、それがなかなか思うようにいかない。そこでひとつもう少し大きな砕氷船をつくってみるという腹はどうでございます。海上自衛艦があれだけあるのですから、あれの一隻くらいさくとそのくらいできると思うのですが、この辺をひとつ……。
  〔「それは総理大臣の答えることだ。」と呼ぶ者あり〕
○貞広説明員 いま海上……
○津川委員 いいです。
 最後に洋上の診療でございます。北洋だけでなく、日本の漁船で太平洋とかあちらこちらへ出ていっている船が約二千隻、二万数千人の漁船員が洋上で生活していますが、ここで医者がいない。患者になったときたいへんだという事態が起きて、私たち日本の一番の無医村は洋上じゃないかと思っているわけですが、いままで洋上診療のために医師確保、これは厚生省も業界もやってきておると聞いておるのですが、ますます少なくなるだけだ。これに対する厚生省の対策をひとつ伺わしていただきたいと思います。
○竹内説明員 お答えさせていただきます。
 わが国の医師の総数それ自体が、現在の医療の需要に対しまして、総体的に非常に不足をいたしております。かつその上にもう一つ、御承知のことと思いまするが、その不足している医師自体が、またどちらかというと都市なりそういったところに偏在の傾向があるわけでございます。端的に申しまして、現在の状態で半ば強制的にと申しまするか、医師の配置というものを規制をするということは事実上不可能でございます。したがいまして、厚生省といたしましてもあるいは船員保険の関連にいたしましても、あるいは運輸省もそれぞれ知恵をしぼって、研究費を出すとか、あるいは奨励金を出すとか、いろいろな手だては尽くしておるわけでございます。ただ総体の問題として私ども考えましたときに、やはり基本的には医師の総数を十分に確保するということにまず第一前提があるのじゃなかろうか、そういう意味で、私どもかねて文部省に、全国に本年度四校認められまして、医科大学、医学部が五十校あるわけでございまして、その定員が四千三百八十名になっておりまするが、これをここ四、五年のうちには医学部の定員を六千名あまりまでは引き上げておきたい。そうすることによりまして、わが国の今後の医療需要の動向などをある程度予測をいたして、一応医師の総数における充足というのはかなえられるのではなかろうかということが第一点。
 それから第二点は、先ほど申しましたように都市偏在というものをどうやって防止するかということがあるわけです。といってきめ手となるものが明確に見出せません。したがいまして、私ども厚生省のほうといたしましては、僻地等医療振興会というようなものをひとつ考えて、そういうところで医師のいわば――僻地と申しましてもいわゆる僻地、離島というだけでなくて、先生がいまおっしゃいましたように洋上等におきましてはまさに僻地でございましょうし、そういった意味で広い分野に、広い目でいわゆる無医地区といいますか、そういった施策に対して医師を供給し得る体制、または医師がそういうところに進んで行けるような客観条件と申しまするか、環境をつくっていくということが、どうしても必要ではなかろうかということで、僻地等医療振興会というものを検討いたしておりますが、明年度予算でもこれについての所要の経費などを要求しながら、またただ単に金目というだけでなく、研究費というようなことだけでなく、いわばその家族の子弟の教育の問題であるとか、そういった面についての配慮もあるいは将来の功労金といったようなものも含めまして、こういう僻地等についての医師を確保するという方策を講じて、順次行政的にできる限りの手厚い措置というものは考えていきたい。
 それと同時に、もう一つは、ただ単にこういった医師ということよりも、別の意味で医療そのものを確保するということが一つどうしても必要なわけでございますので、一般的な僻地離島等に対しましても、道路交通網その他のいわば機動力を確保するということで、医師の確保というよりも医療の確保という面に焦点を置いてものごとを考えて進めてきたわけでございますけれども、洋上の問題にいたしましても、現在でも補給船であるとかあるいは巡視艇とか、そういうところに医師を乗り組ませるという形で、いわば所要に応じて医療を供給し得る仕組みというものを確保する組織といいますか、そういう体制をできるだけいまのところ維持していくのが精一ぱいの状態でもございまするけれども、少なくともそれを今後ともさらに発展をさしていきたいというのが厚生省の基本的な、この問題についての姿勢でございまするし、また今後の施策としても、いま申し上げたような点を配慮しつつ充実さしていきたい、かように考えております。
○津川委員 これで終わります。ところが医師を六千名ふやすことはけっこうですが、きまってから医者になるまで六年かかるのです。それから研修すると十年、その間どうするか。そこで補給船で医者が行っていることもいいのですが、この際でありますから、僻地で巡回医療の車があるみたいに、やはり一つの必要な管区には医療船をつくってみて、そこで国立の、あなたたちの言うことをわりあいに聞きそうな国立病院の先生方か、大学の医学部の先生方に回ってもらう手は考えてみませんかということです。現地の人の端的な意見は、漁船がかたまって行っているときには医者をヘリコプターに乗せていただいて、そこでずっとやる。それで無電で医者と病院と連絡していて――患者でない人がいたために、患者と直接話していない、そのために処置があやまって死んでいる者があるのです。そこでやはり直接医者というものをかなり要求しているのですが、こんなことを考えてみませんか、どうでございます。
○竹内説明員 お答えいたします。
 先ほども申しましたように、私ども単に医師を確保するということだけで考えてまいりますと、おっしゃるように相当の期間を要するわけでございます。したがいまして、広く一般的に機動力的なものを確保するということで、医療そのものの確保ということが当面の焦点であろうというふうに私どもも思っております。現在たしか水産庁のほうで助成措置を講じていただいておると思いまするが、医師を巡視船に乗船さして医療救護の体制をとるとかあるいはサケ・マスあるいは遠洋マグロでございますか、私ども聞いておりますのは、集団操業の遠洋マグロ漁業などにおきましては、関係業界が補給船に医師を乗船させて医療給付を行なう、これに対して水産庁のほうでも助成措置を講じていただいているというふうに伺っておるわけです。ただ先生おっしゃいますように、病院船と申しますか、医療船のようなものをとおっしゃいましても、非常に広範囲で、また結局は部分的な対策になってくるわけで、今度はそれを考えても、現在、どこで病人が起こるやら、どこでけがをするやらわからないわけでございますので、どうしても相当数の医師も要る。やはりある程度現在の航空機の発達等も考えてまいりますれば、そういう機動的な形で医療というものが確保し得る仕組み、それがやはり優先ではなかろうか。と申しましても、遠洋などになりますと、一がいに本土のメディカルベースだけに頼るというわけにもまいりませんので、そういう意味では、やはり集団操業などの場合には、相当多数の人が従業している限りにおきましては、確率的に見ましても相当の病人などは当然予想できるわけでございますから、先生のおっしゃったような方式というものを、何といいますか、現在やっておる医療救護措置を拡大した形の医療船とでも申しますか、そういったものができること自体望ましいとは思いますけれども、現実問題としてそれ自体の確保ということ、特に医師その他のパラメディカルスタッフを含めましてワンセットそろえ、かつそういった特殊な船舶というものを整備するということになってまいりますと、特に厚生省といたしましてはどうもその面につきましては全くしろうとでございますので、船舶関係その他につきましては運輸省のほうなりあるいはまた水産庁のほうなりのお考えもお聞かせいただきながら積極的に協力さしていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○津川委員 終わります。
○辻原委員長 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十二分散会