第063回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号
昭和四十五年五月六日(水曜日)
   午後一時二十三分開議
 出席委員
   委員長代理理事 奥野 誠亮君
   理事 鍛冶 良作君 理事 久野 忠治君
   理事 堀  昌雄君 理事 伏木 和雄君
   理事 門司  亮君
      赤澤 正道君    小島 徹三君
      島村 一郎君    白浜 仁吉君
      松浦周太郎君    西宮  弘君
      山本 幸一君    二見 伸明君
      青柳 盛雄君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 秋田 大助君
 出席政府委員
        総理府統計局長 岡部 秀一君
        警察庁刑事局長 高松 敬治君
        自治省行政局選
        挙部長     皆川 迪夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法改正に関する件
     ――――◇―――――
○奥野委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は委員長が所用のため、委員長の指定により私が委員長の職務を行ないます。
 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。西宮弘君。
○西宮委員 私は公職選挙法の問題について若干お尋ねをいたしますが、まずこの間、いわば天下の耳目をさらった感があるわけでありますが、京都の選挙に関連いたしまして、済みましてからいろいろ社会的な批判もあるわけであります。あの問題についてどういうふうにお考えになっておられるか、自治大臣並びに取り締まり当局もきょうおいでを願っておるので、何か概括的な御感想でもあれば、まず最初に伺いたいと思います。
○秋田国務大臣 一番印象的なのは、政党の活動の自由に関連して、文書合戦が少し過度にわたったのではなかろうかという批判が起こっておりますので、この点につきましては選挙活動の自由という基本的な方針は基礎にありましても、この点について何らかの節度を守っていただくためには、何らかの公職選挙法上における規定の必要があるのではなかろうか、ここいらはよく検討してみなければいかぬということが感ぜられる次第でございます。
○西宮委員 警察庁、だれかおりませんか。――実はいま取り締まり当局にも所感をお伺いしたのでありますが、まだ見えてないそうでありますから、それでは続けます。
 私は、基本的にはあくまでも選挙が自由に、選挙民の自由な意思に基づいて自由濶達に行なわれる、こういうことが当然に保障されなければならぬ、それが大前提である、したがって言論にしても文書にしても、こういうことができるだけ制約なしに自由に伸び伸びと行なえる、こういうことが根本でなければならないと考えるわけであります。しかし、いま大臣も言われたように、いろいろ批判もあるわけでありますから、そのうちの二、三の問題についてお尋ねをしてみたいと思うのであります。
 まず第一は、非常に目についたのは、選挙告示前に大量の宣伝カーが投入されて、この宣伝カーによる宣伝合戦ということが非常ににぎやかであったわけであります。特に京都はいわゆる学生の町でありますが、時あたかも試験の時期である、そういう際に町が宣伝カーによって騒音に包まれてしまった。こういうことは、そういう勉強中の学生諸君等に対してかなりの迷惑を与えた、こういうことが指摘をされておるようでありますが、告示前におけるそのような宣伝カーによる選挙活動といいますか、政党の政党活動でありましょうけれども、正式には、公式には政党の政治活動、こういうことになるのだろうと思いますけれども、しかし、これは事実はあくまでも選挙に直結をした活動であることは間違いない、その点についてまず第一にいかがですか。
 いまお見えになったのは警察庁の方ですか。――それでは、冒頭に申し上げたのですけれども、今度の京都選挙についていろいろ世上批判があるわけです。そこで自治大臣並びに取り締まり当局はこれに対してどういう所見を持っておられるかということで、いま自治大臣の答弁だけ伺ったので、あとで概括してひとつお答え願います。
○秋田国務大臣 告示前の政党の政治活動につきまして騒音はなはだしく、京都市民、ことに学生諸君に迷惑をかけたのじゃなかろうか、こういう問題についての所見いかんというお尋ねでございます。私は十分その事実を承知いたしておりません、また聞いておりませんので、具体的事象を知らずしてお答え申し上げることはどうかと思いますが、一般論として、なかなかむずかしい問題を含んでおる。政党活動の自由ということは原則的に認めらるべきものであることは先ほども申し上げたとおりであります。しかし、事実上それが市民に非常な迷惑を及ぼしているという点につきましては、これを法で取り締まるということも一応考えられます。しかし基本的にはやはり政党の良識による自制に待つべきものであって、直ちに法の規制、取り締まりに及ぶべきであるということにつきましては検討も要するし、事実に関する十分な認識も要すると思います。一般論としては政党及び一般選挙に従事する人の良識による自制ということが一番肝心であろうと思います。
○西宮委員 警察庁の御答弁、そのあとでお願いしたいと思いますが、自治大臣は実態については全く知らない、こういうのではちょっとどうも私も質問する勇気がなくなってしまうのでありますが、原則論、抽象論はそのとおりでいいと思うのですよ。私も全く同感です。政党活動はあくまでも自由でなければならぬと思います。原則論としてはそのとおりでいいと思うのでありますが、問題はああいういわば度を過ぎたやり方、こういうものがそのまま放任されていいのかということになると、これはかなりの問題なんで、それはいま大臣の話だと、政党の自制だ、自粛だ、こういうことでありまして、原則論としてはまさにそのとおりだと思うのですよ。しかしあれほど世間の批判を浴びるということになれば、これをそのままでいいのかどうかということにはかなり問題があるので――もちろんいまにわかにこれを法律で禁止をするとか制限をするとか、こういうことはかなりむずかしい問題を含んでいるから、そういう答弁は必ずしももらえないと思います。しかしただ一つだけ、大臣はそういう実態は全く知らなかった、こういう御答弁なんで、これでは私も話のしようがないわけですけれども、大臣は全然御存じないのですか。
○秋田国務大臣 そういうことはうわさにはもちろん聞いておりました。聞いておりましたが、事実どの程度であるか判断をするに十分なほどのニュースを――判断をくだすに足るだけの状況には、私の体験上はなかった、こういうことでございます。
○西宮委員 そのことは新聞その他にもかなり詳細に報道されているし、あるいはまた大臣の所属をされる政党からも相当多量にそういう宣伝隊が繰り出されているわけですよ。それはもちろん大臣のほうだけではありませんよ。両方から出ているわけですけれども、かなり出ているわけです。だからそういうことを単にうわさの程度に聞いているという程度では、この問題を扱う大臣としては、いささか職務怠慢といいますか――それではその点は、事後になりますけれども、これからお調べになるおつもりがありますか。
○秋田国務大臣 これはある程度検討を要する問題であると考えております。
○西宮委員 それでは警察のほうの所感をひとつ……。
○高松政府委員 このたびの京都における選挙の選挙運動あるいは政治活動につきましては、一番大きな特徴は、事前事後を通じて、とにかく政党あるいは確認団体としての政治活動がきわめて活発であったということであろうと思います。文書にいたしましてもあるいは事前の宣伝カーの問題にいたしましても、そういう点では従来もちょっと例のないくらいたいへん激烈に行なわれておりました。特に文書につきましては、確認団体の文書が、選挙法の改正によりまして一部自由化された、そういうこともありまして、この点がたいへん活発に行なわれたというふうに思っております。
○西宮委員 それでは、いま文書云々というお話もございましたので、今度は文書についてお尋ねをしたいと思います。告示前に配られる文書はどういうものが許されるのか。たとえば、私はたくさん持っておるのでありますが、時間もありませんから、ここには多くをお示しいたしませんが、きわめて代表的なものを紹介をして、これに対する大臣の御意見を聞きたいと思うのです。
 たとえば、これは三月三日の「若い京都」という新聞でありますが、三月三日というのは申すまでもなく告示前であります。このときにこういう大きな顔写真で――これは議員の皆さんもごらんになってわかるのでありますが、こういう大きな顔写真まで入れて、これが候補者である、こういうことを明らかにいたしまして、これを各戸に配布をしておる。あるいはおそらく街頭でも配っているのだろうと思いますが、少なくとも各戸に配布したということだけは間違いないわけです。こういうことは一向差しつかえないのでありますか。
○皆川政府委員 いわゆる新聞その他雑誌等の報道の自由という規定がございまして、もちろん一定の条件がございますけれども、その範囲においては政治活動が自由である、また選挙運動にかなりまぎらわしいような行為であっても差しつかえない、こういう法律のたてまえになっております。
○西宮委員 よく読んでみると、たとえば一票よろしくお願いしますということは書いてない。それさえ書かなければ、政党としてやる場合はどんなものを配っても差しつかえない。こういう堂々たる顔写真を入れて、あるいは全部政策その他を入れておるわけですが、それはよろしくお願いしますということを書かなければ何を配ってもよろしい、こういうことが言えるわけですか。
○皆川政府委員 選挙運動のためにすることはいけない。
○西宮委員 これを選挙運動のためにやっているんだということは明らかで、たとえば六選反対であるとか、この人が出ればこういうことをやるんだということを書いて、これは堂々たる選挙のための文書じゃありませんか。それでも差しつかえないのですか。
○皆川政府委員 御承知のように選挙運動に関する規定は、そういった公の新聞とか雑誌あるいは組合の機関紙、そういうものまで含めまして、その報道、評論の自由を妨げない、こういうたてまえになっております。そのために現実には従来からかなり常識的に見ると選挙運動ではないかと思われるような行為も容認されてきておった、こういうことであろうかと思います。
○西宮委員 あまりにもその実情を無視していると思うのです。あるいはこれも同時にこの選挙前に配った新聞でありますけれども、これなどを見ても、これは柴田護は候補者であるということを明確に書いておる。したがってこれは選挙のためであることは明々白々ですよ。候補者であるということをこの新聞も、この新聞も同様に書いておる。それで当選したら何をやるかという公約までしておる。そういうものが単なる報道、つまり普通の民間の新聞のいわゆる選挙のニュースというようなたぐいと全く同様に取り扱われるということでいいのですか。もしそうなれば、もうよろしくお願いしますということだけ書かなければ、何をやってもいいんだ、こういうことならそれもまた一つの解釈だと思うのですけれども、そこを明確にしてください。
○皆川政府委員 具体的な内容につきましては直ちに何をやっても自由であるということは申し上げられないと思いますが、公職選挙法ではいわゆる一般商業新聞そのほか特定の政治目的を持つ団体の機関誌等についても同じような扱いにしておりますので、そのためにその発行の目的に応じて取り扱い方に若干の違いがあっても、直ちにそれが選挙運動であるということは断定しにくい状況になっておるわけでございます。
○西宮委員 それがまことに詭弁だと思うのですね。選挙運動ではないと判定できるのでしょうかね。要するにこの人は候補者であるということをいって、しかも私が当選すればこういうことをやるんだと言っている、そういう新聞が選挙とは無関係だ、こういうことが言えるのですか。
○皆川政府委員 無関係ということではなくて、御承知のように公職選挙法の百四十八条に、この法律に定めるところの選挙運動の制限に関する規定は、新聞紙または雑誌が選挙に関して報道、評論をすることについて自由を妨げない、ということで例外規定になっておるわけでございます。したがって、もともと関係のないものを排除しているのではない、関係があってもその自由を妨げない、こういうたてまえにいたしております。私ももちろん関係がないとは思いません。したがって、関係があるものであっても報道、評論の自由の立場から排除されるということになると思います。
○西宮委員 お願いしますということばだけはないと思うのですよ。しかしこれが単なる報道、評論ですか。こういうものが単なる報道、評論とは絶対に言えないと思うのですよ。報道、評論ならば、今回の選挙に何党からだれが出る、どっちが優勢だとかなんとか、普通の新聞は盛んに書きますね。ああいうものはもちろんいいと思う。その条文に該当する場合はおそらくそれをさしていると思うのです。こういうある特定の候補の当選を目ざして、それを目的にしてこういうものを出している、こういうものが報道、評論の範疇に入るのかどうか。もし自治省がそういう判断であるとするならば、私どもはまことに自治省の考え方を疑わざるを得ない。大臣、いかがですか、これは。
○秋田国務大臣 具体的な事象についてその場合どうこうということは、事務当局の見解に私大体間違いがないと考えております。しかし、一般問題として将来検討すべき多くの問題点を含んでおることは免れないと思いますけれども、具体的事実に即して政治活動の自由あるいはそれに関する報告、報道、それが実質の選挙運動になるのかどうかというところはなかなかむずかしい問題を含んでおるとは思っております。
○西宮委員 抽象論として論ずる場合にはかなりその限界がむずかしいと思うのです。どこで線を引いたらいいかという問題は非常にむずかしい問題だ。
 じゃ、この次のやつをお目にかけましょう。これは選挙が始まってからの新聞でありますけれども、こんなに候補者の写真をたくさん入れて、総合開発、中小企業、農林漁業、教育、あらゆる政策を羅列して、こういう者を選ぼう。これが単なる報道、評論か、どうですか選挙部長、これはやはり報道、評論のうちに入りますか。
○皆川政府委員 選挙運動の期間に入りますと、いわゆる普通の新聞、雑誌のほかに確認団体の機関紙についての特別の規定がございます。それについては必ずしも報道、評論に限定してない、ある意味において選挙運動にまたがっても差しつかえない、こういうことになっておりまして、したがって前段の問題とあとのお示しになった事例では違ってまいるであろうと思います。
○西宮委員 ある意味においてというと、どの範囲までが許されるわけですか。つまり直接投票を勧誘する、だれだれに入れましょうといったようなことは一向差しつかえないわけですか。
○皆川政府委員 この点については報道、評論のワク内でございますけれども、特定の確認団体一つにつきまして特にそれを許すという仕組みになっております。したがって現実にこの法律ができました当時から、その政治団体の報道、評論ということは一般商業新聞の報道、評論とその内容において違いがあるのも当然であろう、こういうことで、実際上はかなり広い解釈の取り扱いになっておるのでございます。
○西宮委員 さっきの説明は取り消したわけですか。つまりある種のものは選挙が告示になれば出しても差しつかえない、要するに何々候補を当選させましょう、そういう運動をすることは一向差しつかえないのですね。それも依然として報道、評論の範疇に入るわけですね。
○皆川政府委員 報道、評論の範疇でございますけれども、政治団体の報道、評論というものと商業新聞の報道、評論とおのずから違うのだろうと思います。政治団体の報道、評論ということは実際上選挙運動になるというようなものも包含される場合があろうかと思います。
○西宮委員 私は一般の新聞を言っているのじゃないのですからあまり広げないでください。
 要するにこういう政治団体の出すものは、いわゆる報道、評論の範囲を越えて、だれだれ候補に投票しましょう、こういうことを言っても、これが全く一般商業新聞でない場合には差しつかえないということですか。
○皆川政府委員 実は最初から申し上げればよかったのかもしれませんけれども、選挙運動が始まります前の段階においては、一般商業新聞と政治的な団体あるいは職域的な団体、そういうものの発行する機関紙等を全部引っくるめまして、選挙運動に関する一連の規定を設けているわけでございます。選挙運動に入りましたあとは、一つの確認団体について一機関紙だけについてまた特別の規定を設けておる、こういう仕組みになっております。したがいましてそれが報道、評論と考えられるならば、相当程度の常識上選挙運動にわたるというようなことが掲載されましても法律的な違反にはならないというように考えます。
○西宮委員 それは具体的に候補者の名前をあげて運動することも差しつかえないわけですね。
○皆川政府委員 運動すると言うと語弊がございますが、候補者の名前をあげて紹介し、報道するということは差しつかえないわけでございます。
○西宮委員 候補者の名前をあげて紹介しというのはどの範囲なんですか。つまりこういう候補者が出ておりますという紹介だけですか。――だから私の言うのは、紹介の範囲にとどまるかあるいは投票行為を勧誘する、こういうことも差しつかえないのかということです。
○皆川政府委員 紹介といいましても、その政治団体の目的に合致しておる、そういう政見を持っておられる方であるとか、経歴の方であるとか、通常の紹介以上にわたるということも当然あろうかと思います。
○西宮委員 たとえば特定の候補者をあげて宣伝をするというようなことは、政党活動では許されないことになっているわけですね。そういうのは全くの死文、空文なんだと考えてよろしいわけですね。
○皆川政府委員 一確認団体につき一つの機関紙、しかも知事選挙の場合には、確認団体は一候補者につき一つしかないわけでございます。そういうものについては、実際上かなり自由になっておるということだと思います。
○西宮委員 実際上かなり自由になっているということは、そういう特定の候補者の名前をあげて、しかも選挙民に対してその人に投票しましょうとか、投票してくれとかいってすすめる、そういうことを言うことも何ら抵触はしないわけですね。
○皆川政府委員 投票をしてくれと言うことが法律的に保障されておるということにはなっておりません。
○西宮委員 それでは投票しましょうという表現はどうですか。
○皆川政府委員 投票しましょうというのはどういうことでございましょうか。選挙当日に投票所に行きましょうということですか。
○西宮委員 そうではなしに、さっきから言っているように、特定の候補者の名前をあげてだれだれに投票しましょう。しかもそれをある組織の中の組織の構成員に配るというのならばまだ話は別だと思うのだけれども、多少違うと思うのだけれども、そうじゃなしに、京都の場合は全部各戸に配っているわけです。あるいはまた街頭でも配っているわけです。こういうことが、特定の候補者の名前をあげて投票をしてくださいというのはいけないといま部長はおっしゃったけれども、投票してくださいというのはいけない、しかしだれだれに投票しましょう、こう呼びかけることは差しつかえないのですか。
○皆川政府委員 それは同じことであります。投票してくださいということもだれだれに投票しましょうということも同じだと思います。
○西宮委員 同じであるということはこれはいけない、こう解すべきですね、答えてください。
○皆川政府委員 法律上それを容認していないということです。
○西宮委員 ところが、こっちのほうの刷りもの、これなどはしかも投票日の前日ですよ、四月十一日の発行でありますから。柴田護を勝たせましょう、こういうことでこれは各戸に配っている。しかも街頭でも配っているのですよ。それはどうなんですか。
○皆川政府委員 実態をよく存じませんけれども、もちろん街頭で無差別に配るということになると問題があるのじゃないかと思います。
○西宮委員 大臣にもう一ぺんお伺いいたしますが、大臣はその実態を全然知らない、多少うわさでは聞いているというようなお話ですが、いやしくも選挙を所管する大臣として私はそれじゃまことにたよりないと思うのですよ。しかもこのことを大臣は風のたよりに聞いたぐらいのさっきのお話だったけれども、あらゆるマスコミが取り上げて、あらゆる言論人が指摘をして問題にしている。それをその程度の御認識ではまことに私は心細いと思うのですが、こういう問題に対する大臣の基本的な態度をひとつ聞かしてください。
○秋田国務大臣 もちろんこういう問題につきましては注意を怠らずいろいろの情報を収集して処理をいたすべきものである。原則論と実質論との間にいろいろ問題点を生じましょうから、あらゆる角度から資料等も収集して検討をすべきものである、こう考えております。
○西宮委員 部長にもう一ぺんだけ伺ってこのビラの問題を終わりにしたいと思いますが、部長はいわゆる投票しましょう、こう言うことは投票してくださいと言うのと同じだ、まずその点を確認したわけです。したがってそういうものを街頭で配るというようなことについては問題がある、こう言われたが、それでは街頭で配らないで家庭に配る、全戸に配る、これは差しつかえありませんか。
○皆川政府委員 御承知のように頒布の方法については特殊な頒布の方法をしてはいけないということになっておるわけでございます。ただ確認団体の機関紙がその選挙の際に発足をしたという場合には従来どういう方法で配っておったかという方法がないためにいろいろ問題があるようでございます。法律的に、相当広範なものに配ったからといって、直ちにそれが通常の頒布方法ではないということになるとなかなか微妙な問題になろうかと思います。ただ街頭において無差別に配ったということは通常の頒布の方法という概念には入ってこないのではないかということでございます。
○西宮委員 簡単にお尋ねしますけれども、それではいけないのは街頭だけですか。相当広範囲に云々と言われるけれども、私の聞いた質問は、各戸に全戸に配ってもよろしいか、こういうことを言ったのですが、いけないのは街頭だけですか。
○皆川政府委員 全戸に配る仕組みになっておれば直ちに法律上違反であるかどうか断定できません。
○西宮委員 特定の何とか会というようなものがあって、それが会員に配るとかあるいは組合員に配るとか、こういうものは組織内の配付でしょうからこれは許されると思う。しかし全戸に配る、各戸に配る、こういうことは通常の配布方法と言えるのかどうか。したがってもう一ぺん聞くけれども、それでいいのだというならばこれから大いにやりますし、だからその点は明確にしてもらいたい。要するに各戸に配る、全戸に配るということは一向に差しつかえなくて、ただ問題は街頭だけだ、こういうことなのかどうか。
○皆川政府委員 全戸に配る場合は相当問題であろうと思います。ただここで直ちにそれが違法であるかどうか断言できませんけれども、一般的に言うと相当問題になるのではないかと思います。
○西宮委員 問題になるというのはどういうことですか。
○皆川政府委員 違法の疑いがかかってくるのではないだろうか。ただ現実の問題として全戸に配られたかどうかということは、認定はいろいろあろうと思いますが、そういう仮定に立てば、それは違法の疑いを強く持たれるのではないか、かように思います。
○西宮委員 もし違法の疑いを持たれるとすれば、この間の選挙に関してはこれから調査をされますか。
○皆川政府委員 私のほうでは、実は京都の選管を通じまして、どういう程度のビラあるいは機関紙等が配られておったかどうか実情を調べておりますが、それが全戸に配られて刑事的な問題になるかどうかという点については、調査をいたしておりません。また、将来もいたすつもりはございません。
○西宮委員 時間もだんだんなくなりますからその程度にいたしますが、それではその出先機関なりその他を通して十分に調査をしてもらって、そのことを明確にして後日報告をしてもらいたいと思います。
 次にお尋ねをしたいのは、これに要する経費ですね、これは実にばく大な金額だと思うのですよ。印刷から配布する場合の手数料からたいへんな金額だと思うのですね。私もちょっと目の子で計算してみましたけれども、目の子で計算しただけでも驚くべき金額になるわけです。これは要するに候補者の選挙費用とは別ですから、それは幾らになりましょうとも何ら問題にしない、こういうことでしょうか。
○皆川政府委員 そのとおりでございます。
○西宮委員 大臣にお尋ねをいたしますが、今度の京都の選挙の法定費用というのは四百九十万足らずですよ。それに対していま申し上げたように、これは何もどっちの派というわけじゃないけれども、たいへんな金額です。もちろん億単位のたいへんな金額になっているわけですね。いま選挙部長の答弁だと、それは幾らかかっても差しつかえないのだということなんだけれども、これは今後ともそういう方針で臨みますか。
○秋田国務大臣 これは法律上は自由である。単なる法理論からいえばそうだと思う。しかしこれは広い意味の政治政策論としてはお互いに考えなければいけない問題を含んでいるのではなかろうか、こう考えております。
○西宮委員 選挙が始まる前に自治団体が六選反対の決議をしているわけですね。これは法律的には差しつかえないのかどうか。
○皆川政府委員 議会の意思としてそういう意見を表明されることは差しつかえないと思います。
○西宮委員 その討論の過程において、特定の候補者の名前をあげて、最終的には六選反対の決議をする。こういうことは選挙妨害にはなりませんか。
○皆川政府委員 議会内の行為である限り選挙妨害にはならないと思います。
○西宮委員 あるいは公務員の地位利用という問題はありませんか。
○皆川政府委員 公務員の地位利用にも、これは選挙運動をするということでございますから、もちろんならないと思います。
○西宮委員 選挙運動をするから……。私の質問は、議会の議員はもちろん公務員ですね。公務員がみずからの地位を利用して、議会の中でそういう特定の候補の名前をあげてそれを非難をして、したがって六選は反対であるというようなことを決議するということは、公務員の地位利用のおそれはありませんか。
○皆川政府委員 議会内で、そういう考えをまとめて、意見を述べるということにとどまる限り、外部に対する運動でもございませんし、選挙運動にもならないと思います。法律上の制約はないと思います。
○西宮委員 これは、たまたま一人の候補者が自治省の先輩である、こういうことで弁護をされるのだろうと思うのだけれども、私は一般論として、これはかなり問題があるのじゃないかと思います。いま部長が言うように簡単な問題ではないと思う。あるいはいまの場合は、柴田さんに対する反対の側の候補者をさしているのだけれども、そうじゃない場合がもちろんあると思う。それを、全体をひっくるめて、議会の決議というのは、単に議会の中で意見を述べたというのではなしに、これは対住民に議会の決定を表示するというわけですよ。それでなければ、何の意味もないわけですからね。そういうことをするということが、あくまでも合法であるかどうかということには、かなり問題があるのだと私は思うのだけれども、いま部長の答弁のように、そんなにきわめて簡単にお答えになってよろしいのですか。
○皆川政府委員 私は、結論だけ申し上げたわけでございますが、従来から議会が、たとえば六選禁止というような問題が世上に議論されておる場合に、関係の団体としてそういう意見を、たとえば中央の国会のほうに意見書を提出するとか、いろいろあろうかと思いますが、そういう場合にも、その地方公共団体、特に市町村の場合は、知事の多選がいいかどうか、いろいろな判断があろうかと思います。そういう立場から、純粋にそういう意見を述べるということの段階にとどまる限り、選挙法上の問題にはならないのじゃないかと従来から考えておったわけでございます。
○西宮委員 私に与えられた時間が足りなくなりましたので、この程度にいたしますが、この間の京都の選挙の問題が、いずれの陣営を問わず、こういう意味で非常に多くの問題を提供したわけでありますが、ぜひひとつそういう点を十分検討されて、将来にわたってどうしたらいいのかを研究してもらいたいと思います。大臣も、さっきのようなうわさに聞いた程度でなしに、ひとつ本腰を入れてこの問題を検討してもらいたいということをお願いしておきたいと思います。
 申すまでもなく、大前提は、政党の活動はあくまでも自由であるべきである。したがって文書の配布その他のそういう行動は自由であるのが望ましいと思う。それが理想だと思う。しかし、それに藉口して、盲点を突いてああいうことになると、弊害が非常に出てくるということを、私どもは真剣に憂えざるを得ないわけです。
 いまの文書の問題に関連をいたしまして、実はこれは前の都会議員選挙の際に、公明党の配られたビラが、それぞれ区会で問題になりまして、事実に相違をするということで、あるいは調査委員会を設けたり、あるいは新聞等に謝罪広告を出したり、そういう問題が出ておるわけであります。新聞の記事によりますると、かなりあちこちの区に問題があるようでありますが、私は、その一例として、千代田の区会のことを申し上げたい。あるいは新宿の場合でもよろしいのでありますが、とにかく要するに、何でもかんでも公明党がやった、こういうことで、配ったビラの内容が事実に相違をする、こういうことで糾弾をされまして、たとえば新宿区会の場合ならば、広宣流布文書調査委員会というようなものを設けられて調査をしている。あるいは千代田区の場合も、名前は虚偽報告臨時処理委員会というようなものが設けられて調査をされまして、その結果、公明党の代表が議会の全員協議会で謝罪をする、それから「千代田区議会だより」というのに経過を掲載する、それから区内のローカル紙に訂正文を掲載する、そういうことで、その陳謝文の内容まで協議をしてきめたのが、ここに出ているわけであります。それは、たいへん遺憾であるということを釈明し、弁明をいたして、陳謝をしてケリをつけているわけですが、とかく選挙になりますと、いろいろそういう問題が起こりがちなので、選挙のときは、かなり神経過敏になっているから、こういうこともあり得るのかもしれませんが、少なくともここで指摘されたように、事実と全く相違する、こういうことをビラをつくって――これはビラの写しでありますが、全区に配布する、こういうやり方は、お互いに政党人として自粛しなければならぬ問題だと思うのでありますが、これに対して、大臣でも部長でもけっこうですが、御所感を聞かせていただきたいと思います。
○秋田国務大臣 それは政党といたしましても、また個人といたしましても、事実に反することを公表するということは、当然あってはならないことであって、慎み、自粛することはもちろんのことでございます。ただ、これを、そこまでの御質問はございませんけれども、取り締まり規定にするかどうかという点は、なかなかむずかしい、なじみにくい法律の取り扱い上の問題かとも思いますが、とにかくお互いに政治に携わる者として、公人として、公党として、事実に反することを公表するということは、もう基本的にあるまじきことであろうと考えて、その点、それぞれ自粛自戒をしなければならぬ、強く反省をしなければならぬ問題であろうというふうに考えます。
○西宮委員 私は、東京都会議員の問題を例にあげたのでありますが、この問題に関連いたしまして、わが党の山本幸一議員が関連質問をしたいということでありますからお許しを願いたいと思いますが、ちょっとその前に、時間が非常に短くなってしまったので残念でありますが、一言取り締まりの警察庁当局にお尋ねしたいと思うのであります。
 この前の昭和四十三年の参議院の選挙の際に、いわゆる詐偽投票をするというのが行なわれたわけであります。これは全国では六十九件、九十二名、警視庁だけで申しましても、四十件の五十三名、こういうことになっております。したがって、これについては、それぞれ相当重い処罰を受けている人がかなりあるわけであります。当時このことは、新聞等も遠慮したのかあまり報道いたしませんでしたけれども、しかし私の知り得た範囲によりますと、たとえば警視庁の場合でも、その大半が公明党と申しますか創価学会の関係の方だということを知ったわけであります。私は、これは非常に残念なことだと思うのでありますが、この点について、警察庁としてお考えのことがありましたならば、簡単にお聞かせをいただきたいと思います。
○高松政府委員 詐偽投票事案が、四十三年の参議院選挙のときに、全国に六十九件、九十二名という数が統計上出ております。ただ私のほうでは、党派別の統計をとっておりませんので、いまお話しのようなどの程度までが、そういう公明党、創価学会の関係者であったかというふうなことは、ちょっと把握しておりません。
○西宮委員 警察庁は政策的というか、そういう立場で、党派別に統計をとるというようなことを意識的に避けている、こういうことも私ども聞いております。しかし、これは局長はそういう御答弁でございまするけれども、私は、局長の指揮下の中で、明確に聞いておりますから、もし、必要がありましたら、私のほうから御説明してもよろしいので、事実はそういう事実であるようであります。
 なお、昨年行なわれましたわれわれの総選挙でありますが、その際も同じようなことがあったわけであります。しかし、これは目下捜査中でありますから、私は内容にわたってここでは議論をいたしませんが、昨年もまた、公明党もしくは学会の関係者の中から、そういう事案が出ておるということだけは、私は承知をいたしておるわけです。この点、局長でも課長でもどなたでもけっこうですが、そういう事実が、私の言ったことが間違いであるかないか、それだけでけっこうでございますから、お答えを願いたいと思います。
○高松政府委員 昨年十二月の総選挙における詐偽投票事案は、全国で二十八件、五十八名、それから警視庁管内で四件、八名、これが昨年十二月の選挙における詐偽投票事案の検挙数でございます。
○西宮委員 局長は何か、政治は中立だというような立場で、いまのような答弁でしかいただけないならば、それでもけっこうです。もしそれならば、私のほうで調べた事実を他の機会に提供いたしたいと思います。
 なお、実は私、昨年の全国で行なわれました選挙違反を、これは新聞記事をたよりにいたしまして、全国のローカル紙を調べたわけでございます。選挙違反全体について調べたのでありますが、非常に残念でもあり、かつ、私がいままで考えておったイメージを非常にこわされたのは、公明党関係の候補者に対して違反事件が相当あり、しかも、その中で、買収ということで、買収の容疑で調べられているという件数が相当数あるわけであります。これは私は、いやしくも、宗教政党において買収というようなことは全くあり得ないんだというふうに、私自身が考えておりましたので、これは非常に失望をしたわけでございます。しかし、これは私、単に新聞記事で調べただけでありますから、一応、新聞記事から拾った統計などは持っておりますが、新聞記事でありますから、間違いがあるといけませんから、そういうことはここでは申し上げませんが、そういう点で非常に残念だと思ったので、そういうことのないように、これからお互いに政党人として注意をしていかなければならぬ。ことに、私どもの宗教政党に抱いておったイメージがこわされたということに、私は少なからず失望を感じましたので、そういうことのないように、お互いに注意をしていかなければならぬと考えるわけでございます。
 それでは、山本委員にひとつお願いいたします。
○奥野委員長代理 先ほどの質問に関連する質問を許します。山本幸一君。
○山本(幸一)委員 何か時間の申し合わせがあるそうですから、一点だけお尋ねしたいんですが、秋田さん、現行の選挙法で政党活動の自由が大幅に認められております。この目ざす目的はどこにあるんですか、あなたの理解していらっしゃる点をちょっと承りたいと思います。
○秋田国務大臣 自由な選挙民の意思を公正に正確に訴え、その結果があらわれるように、こういう選挙が民主政治の基本として望ましい、こう考えて、政党活動その他選挙の自由化の基本方針が定められている、こう理解をいたしております。
○山本(幸一)委員 そうすると、結論的に申し上げれば、政党活動で各政党がビラを頒布いたしますね。それは、やはり頒布の目的は、その党の政策を選挙民に知らせる、そして選挙民に公正な判断を受ける、これじゃないでしょうかな。だから、主として政策活動を中心に大幅な自由を認めつつあるんだ、こういうふうに理解していいですか。
○秋田国務大臣 各人、各政党の自由なる意思を発表するということの意思は、もちろん政治でございますから、政策中心であるべきでありまして、確かに山本先生がおっしゃるとおりだろうと思っております。
○山本(幸一)委員 大臣のお説は私どもと意見が一致していますが、ところが、実際には、京都の知事選挙で見られるように、あるいはその前の衆議院選挙で見られるように――まあすでにお調べになっておると思います。お調べになっておると思うが、いろいろな影響を考えて御発表なさらぬのだと思うのですけれども、政策宣伝のビラの頒布でなしに、他を攻撃する、誹謗する、中傷する、それに集中しているようなビラが私の知る範囲では多かったんですが、そういうことはお調べですか。
○秋田国務大臣 事務的にはそういう資料を集めております。
○山本(幸一)委員 そういうことはよくないですね。それは違反になるとかならぬとか、取り締まりをするとかしないとかは別問題、取り締まりをしようとするときには、いろいろなケースがあって、必ずしも警察当局がみずからの手によってやり得ない場合もありましょうから、そういうことは別にして、少なくとも、この立法の精神が、いわば国民の自由な意思を十分反映させよう、そのために各政党は自己の政策を十分に宣伝して、この国民の判断を求めるというところにあるんなら、いま私がお尋ねした、他を誹謗したり、事実にないことを書き立てたり、あるいは他を攻撃したり中傷する――政策上の行為はけっこうですよ――そういうことはよくない、こう考えていいわけですね。
○秋田国務大臣 もちろん、好ましいことでもなし、法律もまた、そういうことは期待しているところじゃない、山本先生のおっしゃるとおりだろうと思っております。
○山本(幸一)委員 実は、私はいろいろな証拠を持っておりますが、一々それを紹介するのは省きますけれども、やはりこれから公正な選挙、しかも、自由で十分に行なえる選挙をやるためには、今後、さらにわれわれは検討しなければならぬ、また、大臣のほうもひとつ十分慎重な検討をしていただかなければならぬと思うのです。
 たとえば衆議院の選挙で、私のほうで、ある政党が、本人の承諾も得ずして、知事あるいは岐阜市長、大垣市長の写真をビラにでかでかととりまして、そうしていかにもその三者がその党の候補者を推薦しているかのごときビラを、しかも、街頭でこれを配布しているんです。これが問題になりまして、直ちに翌日、知事、両市長が共同記者会見をやって、私どもはそういうことを申し上げた事実はありませんということで、その政党に向かって、直ちにそれを取り消すようにという抗議をされていらっしゃる。これは記者会見でなすっている。こういうことが、一例をとると、随所に見られるわけですね。ということになれば、私は、現行選挙法で政党活動の自由が広げられたことについては、私も賛成です。この精神を私どもは失ってはならぬと思います。けれども、その精神に反するような、そういう他人の姓名を、あるいは有名人の名前を、あるいは写真をビラに刷り込んで、もちろんそれはその人がだれだれをどうしてくれという依頼の文書ではありません。ありませんけれども、だれが見ても客観的に見れば推薦しているかのごとく受けるような、そういう文句を書いてやる行為がいけない。そういうことは現行法の中でこれから改正していかなきゃならぬと思われるかどうか、それをお尋ねしたいと思います。
○秋田国務大臣 自治省といたしまして、非常に問題点であろう。いろいろ政治活動、ことに政党の政治活動については基本的にその自由を認めていく。しかしながら過度にわたりまして、それが悪用をされていくような、少し語弊があるかもしれぬが、そういう傾向がある場合には、これをいかに処置すべきであるか、このまま放置していい問題であろうか。放置していいとも言えず、先ほどもちょっと私触れましたが、これをいかにそれでは法制の中になじましていくかという点については非常にむずかしい点があろうかと思いますが、衆知をしぼって検討を要する大きな問題である、こう考えております。自由の範囲内におきまして何らかの節度を求めるということは、必要なんじゃないかということは事実に即して考えられる、検討を要する問題と心得ております。
○山本(幸一)委員 御答弁でよくわかりました。私は率直に申し上げて、いま大臣の言われたように政党活動の自由が大幅に認められたことを悪用して、そうして知名人とか有名人というものは、御承知のように、たとえばいま私が例を申し上げたようなビラを頒布されても、告訴なんかいたしませんよ。これは一つの常識ですよね。自分がたいへん傷つくことであるとか、あるいはたいへん自分に不名誉であるとかなら別ですけれども、いま申し上げたような事例なら告訴なんかいたしませんよ。そうすると、やった得ですね。その候補者に至っては、本人の承諾もなしにだれだれ君をよろしく頼む、岐阜市長名、というポスターも張って、大騒ぎして、あとからはがした事実もあるんですが、そういうことはいかに政党活動の自由が幅広く認められても、これは法の精神に反するわけですからね。取り締まりは別にして、反するわけですから、したがって今後法の精神に合致するような措置を法の改正の中で検討する必要があるんじゃないか。大臣としてはなかなかデリケートなことですから、いまのような御答弁になると思いますが、しかしあなたの御答弁の意に含まれておるものは、私も理解しておりますから、これはぜひひとつ早急に検討してもらって、本来の政党活動の自由の立場に立つ、いわば政策宣伝が十分できるような法の基礎をそこに置いてもらう、そういうようなことで十分検討していただきたい。私は参考のためにこのチラシをあなたに差し上げておきます。どうぞひとつ見ていただくといい。このほかにたくさんありますけれども、あまりそういうこまかいことは触れたくありません。以上申し上げたような一つの具体的な事実だけでもきわめて明確ですから、その点は十分今後改正についても、われわれとしても検討するが、自治省自身も積極的に検討していただきたい、こういうことを私は希望いたします。
 それから同時に、先ほど西宮さんがおっしゃったんですが、調べていらっしゃると私も思うが、衆議院選挙から知事選挙等々多くの選挙がございまして、現行法の適用を受けてやっておるわけですが、それによって政党活動にいかなる効果があったのか、いかなるマイナスがあったのか、いかなる善悪があったのか、そういうことをしさいに一ぺんこの委員会で報告していただきたい。私たちとしても今後検討する上に、そうすれば非常に参考になるんじゃないか、こう思いますから、次の機会にはぜひひとつ報告をお願いしたいと思います。
 以上をもちまして関連を終わります。
○秋田国務大臣 ただいま山本先生御希望のプラスマイナス面についての報告は、取りまとめまして自治省の見解をなるべく早く御報告いたしたいと思います。
○奥野委員長代理 二見伸明君。
○二見委員 最初に昨年の都議選で、これは先日新聞で大きく報道されましたのですでに御存じだと思いますけれども、他候補に入るべき票が五百票まぎれ込んでいたために、大きな問題になっております。これは、いままで選挙というものは神聖であったというような国民の感情から見ますれば、私、これほど不幸な事柄はなかったと思いますし、選挙民の選挙に対する不信感を結局助長するような結果になるのじゃないかということで、私はこの事件は非常に残念だと思います。自治省といたしましても都議選の開票のミスについては十分真相というものを究明されていると思いますけれども、どういう点に問題があったのか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○皆川政府委員 お話しの点は、私たちも選挙に対する信頼感という立場から、まことに遺憾な事件であったと思います。自治省としましてさっそくどういうところにその原因があったのか調査をいたしたわけでありますが、ごく概要を申し上げますと、この江東区の開票の仕組みは、開票係のところで投票を候補者別に大体五十票束にまとめて、その場合に疑問票があればこれは別に疑問票係に回す、疑いがない票については候補者ごとに五十票の束をつくっていく、それを点検係のほうに回します。これは点検第一係と第二係、二回点検をいたしまして、間違いはない、こういう判断をしますと、これを得票の集計係に回す、集計係ではさらに回ってきたものが間違いないかどうか確かめまして、そして最終的に間違いがないということになりますと、これを五百票ずつにまとめて立ち会い人のところに持っていく、こういう仕組みになっているわけであります。間違いは、この得票計算係で五百票にまとめる際に、全く単純なミスから起こったもののようでございます。せっかく五十票束を三回にわたって検査をして間違いなかったわけでありますが、最終的にまとめる際に思いがけないミスが起こった、こういうことでございます。
 そこで、そういうまとめる必要があるのかどうか、これは投票の開票の迅速とか、あるいは計算とかいう技術上からそういうことをいたしておるようでありますが、その点が一つ問題ではなかろうかと思います。それからもう一つは、立ち会い人のところで十分に見てもらえるような、見やすいような仕組みでなかったのじゃないかということも感ぜられるわけでありまして、その際には得票が非常に接近しておりましたために、最終の開票の締め切りを延ばしまして、時間をかけて十分に検査をしたのでありますけれども、なおそのようなミスが出たということについてはまことに遺憾に存ずるわけでございます。さらにしさいに検討しまして、よく事務処理者の意見も聞いて、二度とこのような間違いの起こらないような処理態勢をつくってまいるつもりでございます。
○二見委員 これについては、その当時落選と決定された深野さんという候補者から異議申し立てが出ているわけですね。それが区の段階でもチェックできず、それから都選管の段階でもチェックできず、結局裁判に持ち込んだ結果、これが明らかになった。その前に区の段階で、あるいは都の段階でなぜこれがチェックできなかったのか。これは単純なミスだ、確かに単純なミスかもしれませんけれども、しかも得票がわずかの差でしょう。これが五千とか一万とか離れているのならともかくとして、わずかの差でもってどちらが当選するか落ちるかという重要な段階において異議申し立てが行なわれた。それに対して区のほうも都のほうも何もやらなかった。私はそこら辺に、ミスの問題は別にして、異議申し立てに対する選挙管理委員会のほうの態度にも問題があるのじゃないだろうか。と同時に、異議申し立て制度というものが現在は非常になれ合いになっているのじゃないかという感じがするのですけれども、その点どうでしょう。
○皆川政府委員 この事件は都の選挙でございますので、区のほうには異議の申し立てがなくて、すぐに都の選挙管理委員会に異議の申し立てがあったわけでございます。私たちの常識からすれば、通常このような僅少差の場合には開票を点検するのが普通のやり方であろうと思います。私たちも、実は東京都のほうで開票の点検をしなかったことに意外に感じたわけでありますが、聞いてみますと、異議の申し立ての内容が、立ち会い人が立ち会いをやらなかったのだ、したがって全部の当選人の当選が無効なんだ、こういうのが第一次的な訴えになっております。第二次的に、自分の当選が正しくて最下位の当選者の当選が間違っておったのだ、こういう付加的な要求になっておった。したがって、都の選挙管理委員会としては、第一次的な訴えを重点にして、立ち会い人が立ち会っておったのかどうかというところに主眼を置いて審査をいたしたようでございます。しかし、もちろん私たちは、訴えの内容がそういうものでありましても、第二次的訴えはあるわけでございます。調べればよかったのではないか、かように思うわけでありますけれども、管理委員会の審査に対して自治省としては、求められないでいろいろな意見を申し上げるのもいかがかということで、差し控えておったわけであります。
○二見委員 都選管に異議申し立てをして、都選管のほうは、原則としては得票全部を再点検をして調査するのが原則である。私もそのとおりやらなければいけないと思いますけれども、都の場合、今回の場合にはそれがそのとおり、原則どおり行なわれなかったわけですね。原則どおり行なわれていれば、いまになって大騒ぎする必要はなかった。当選と決定された人にとっても心理的にショックな問題だろうと思う。そうすると、じゃ現行制度では、そういう異議申し立てが行なわれた場合にはこういうふうにやりなさいという明細な規定はあるわけですか。
○皆川政府委員 これはございません。ただ、異議の申し立ての内容に応じて審査をするわけでございます。申し立てのしかたも、ある意味においては立ち会いをしなかったというふうな抽象的な申し立てのしかたになっております。これが裁判の段階において多少変わったようであります。得票の点検を求めるということを強く主張されたようであります。そういう申し立ての中身にも関係があるわけでございまして、どんな申し立てであろうと全部票を点検するという原則になっているわけでもないわけであります。
○二見委員 確かに、選挙法を見ましても異議申し立てすることができるという規定はありますけれども、異議申し立てを受けた場合には選挙管理委員会としてはこういうふうにやりなさいということは書かれてないわけですね。だから、やりようによってはどうにでもやれるわけです、悪く解釈すればですね。その点はもう一度、自治省のほうとしても整備してみる必要があるのじゃないでしょうか。
○皆川政府委員 これは異議の申し立ての内容が千差万別でございますから、こういう申し立てに対してはこういうことをやれということを、一々法律なりあるいは規定で書くということは非常にむずかしいかと思います。従来も、現在のように異議の申し立ての内容に即して適切な調査をやるということで支障なかったわけでございます。今後は行政指導でそれを十分徹底させれば足りるのじゃないかと思います。
○二見委員 もう一点は、東京都の場合には二十三区は開票所は各区一カ所ですね。そうすると、東京都のように人口の多いところは、何十万という投票用紙を見なければならないわけです。それが一カ所で開票を行なうというところにも事務上の無理があるのじゃないだろうか。これが三千とか五千とかあるいは一万という小さな市町村であるなら一カ所でけっこうだけれども、東京都のように――東京都でも小さいところは別として、大きなところは、開票所を一カ所にしておくこと自体がやはりこういうミスを生むのじゃないだろうかと思うわけです。選挙法では、選挙管理委員会の指定した場所に限るということで、数の指定は特別ございませんけれども、やはりそういう点にも問題があるのじゃないだろうかと思うのですが、その点はどうでしょう。
○皆川政府委員 御指摘のような点があろうかと思います。従来から、非常に人口の多いところにおいては数開票所に分けるように指導もいたしておるわけでありますが、ただ若干それを妨げておりますのは、開票の段階において、たとえば有効無効の決定をする、あるいはだれの票であるかどうか認定をするという場合に、一カ所のほうが統一的な解釈、判断ができていいというようなことから、なるべくなら一カ所でやりたいという気持ちがあるようでございますが、それが通常の事務量を越えて、立ち会い人の点検が十分行なわれないということもあろうかと思いますので、十分にその辺も考慮して、適正な事務のやり方を指導していきたいと思っております。
○二見委員 大臣にお尋ねいたしますけれども、第六次選挙制度審議会の答申が間もなく出ます。今回は参議院の定数是正の問題が答申されるといわれておりますけれども、大臣は参議院の定数是正についての答申を受けた場合に、これをどういうふうにお取り扱いになるか。その点いかがでしょうか。
○秋田国務大臣 その答申の趣旨を尊重いたしまして、立法化を考える、こう考えております。
○二見委員 新聞報道によりますと、参議院の定数是正については、地方区について大阪と神奈川の増員をそれぞれ二名ずつ行なうという答申が出るというふうに伝えられております。まず、そのとおりの答申が出た場合、大臣は、いま尊重して立法措置を考えるというお話でございますけれども、たとえば神奈川と大阪の二名増というものは、次の国会に選挙法の改正として御提出になる意思があるのかどうか。選挙は来年でございますので、答申をそのとをり実行するためには、もう次の臨時国会、あるいは臨時国会を開かない場合には通常国会ということになりますけれども、一番早い国会にでも出して審議をしなければ、答申が幾ら出ても私は実現はできないんじゃないかと思うわけです。その点については、大臣、いかがでしょうか。
○秋田国務大臣 原則といたしまして、次の通常国会に出すように処置をすると考えております。
○二見委員 通常国会というお話でございますけれども、通常国会というのは暮れに召集になって、実質審議は二月に入ってからですね。二月に入ってから通常国会に提出して、はたして六月に行なわれる参議院の選挙に間に合うかどうか、一つ疑問があるわけです。いままでの例ですと、秋には大体臨時国会が開かれるわけでありますけれども、その臨時国会にはお出しになる意思はございませんか。
○秋田国務大臣 臨時国会がもしありましたと仮定いたしまして、その立法化がそれに間に合う時期にありますれば、もちろんそれに出すのが本筋である、原則としてと申上げましたのは、そういう意味でございます。
○二見委員 答申はどういう形になるか、私ははっきり正式にはわからないわけですけれども、神奈川と大阪というふうに出てきた場合、大臣としてはこの線だけで行きますか。それとも東京だとか、ほかのところまで、政治的判断を加えて定数是正をお考えになるのかどうか、その点はどうでしょうか。
○秋田国務大臣 あくまでも答申の趣旨を尊重して処置をする、こう申し上げておるわけでございますから、著しく範囲を拡大するようなことは当然その中には入っておりませんし、著しくでなくても、それ以外のことを申すということは、その趣旨に反するならばこれはいたさない、こういうことになろうと存じます。
○二見委員 第六次選挙制度審議会が幕を閉じますと、その次は第七次ということになるわけですが、これは五月二日の読売新聞でございますけれども、その中で、「「政党本位の選挙の実現を図り、選挙制度の抜本改善を図るためには、基本的な問題として衆院の選挙区制、選挙方法について検討を加えることがきわめて重要な課題である。衆院の定数是正も、選挙区制問題とあわせて解決すべきである」」したがって、これは第二委員会の報告書の内容ですけれども、読売新聞は、「これによって次の第七次審査会では、小選区制を含めた選挙区制問題が中心課題になることがほぼ確実となった。」と出ております。まだ第六次が終わらないのに第七次の話をするのはおかしな話かもしれませんけれども、やはり大臣としては、いま申し述べたような方向で第七次選挙制度審議会に諮問をするというような形になりますか。
○秋田国務大臣 ただいまお読み上げになった内容が審議会の決定になったとは伺っておりません。しかしそういう話があったということは事実でございましょうし、また衆議院のアンバランスの問題等確かに問題でございまするから、こういう問題は引き続き論議をしなければなりません。それにつきましては選挙制度審議会の審議を経るということは常識上当然考えられるところでございます。
○二見委員 読売新聞の見出しでは「衆院区制が中心」と、こう見出しが出ているわけです。四段のゴジックの見出しです。そうしますと、衆院区制改正ということになりますと、現在の中選挙区制がいいかどうかという問題に当然なるわけです。大臣としては小選挙区制を意図して衆院の区制というものについて答申を求めるという形になるのかどうか、その点はどうでしょうか。
○秋田国務大臣 それは新聞の推測記事でございまして、私どもとしてこういうふうな課題について審議会の組織を新たにお願いをいたしその答申を求めるというふうなことは、自治省として何も格別書類として決定いたしておるわけではございません。
○二見委員 警察庁にお尋ねしますけれども、やはり第二委員会の委員長報告の中に、選挙の腐敗防止について、買収、供応等悪質なる選挙違反をなくするための方策の必要性が強調された、こういう内容があります。その次に、選挙運動に詳細な制限を設け、取り締まりによって腐敗を防止しようとしてもいま以上の効果は期待できない、こういうような内容の委員長報告になるそうであります。現在の選挙法によりますと、あれをしてはいけない、これをしてはいけないという制限規定がたくさんあるわけです。現在の取り締まり当局の能力としては、それを全部完ぺきに把握できるのかどうか、それを取り締まることができるのかどうか、この能力の問題、いかがでしょう。
○高松政府委員 御承知のように、選挙はきわめて短い期間の間に非常に多数の候補者の多数の選挙運動が同時に行なわれるものであります。これに対して警察力の総力をあげて取り締まりに当たりましても、現在のように取り締まり法規が非常にたくさんありますと、これはかりに百の違反が行なわれておるといたしますと、その百全部を検挙するというようなことは、残念ながらなかなか至難であるというふうに考えられます。
○二見委員 選挙違反の内容にもピンからキリまであるわけです。実際に選挙を冒涜し政治不信を起こさせる大きな問題は買収だとか供応だとか、そういういわば悪質犯といわれているものが実質的には選挙を冒涜し政治をよごす大きな原因となるわけです。いまの局長の答弁によりますと、現在の制限規定はあまりにも多過ぎるので全部を押えることができない、ということになると、どちらかに重点というとおかしいですけれども、しぼる以外にないわけですね。悪質犯のほうに力を入れるか、あるいはわりと見て見やすい形式犯のほうに力を入れていくか、悪質犯のほうは、たとえば買収にしろ供応にしろ、これは因果関係がつかみにくい、捜査もしにくい。それだけに非常に巧妙なわけでありましょうけれども、私は取り締まりの方向としてはむしろそういう方向に力を入れていくのが筋道じゃないかと思うわけです。その点はいかがでしょうか。
○高松政府委員 従来から、警察の取り締まり方針としては、悪質犯あるいは実質犯に力を入れていく、それから軽微な形式犯については注意、警告ということで、事前に早くその違法状態をなくしてもらう、そして悪質な者を検挙していく、こういうことをたてまえにしてやっております。ただ現実の問題としては形式犯についての取り締まりに非常に手をとられ、警告一つやるにいたしましても、かなり根拠がなければ警告というものを行なえないわけですから、それに相当手をとられておるというのが実情であると思います。
○二見委員 大臣にお尋ねしますけれども、いま局長の御答弁を聞いてほぼ御理解いただいたと思いますけれども、これから選挙の腐敗防止ということにわれわれが目を向けていくとするならば、取り締まり当局の勢力をむしろ悪質犯に向けるように制度の上でもしていかなければならないと思うわけです。取り締まり当局としては悪質犯を重点にしようと思っても、実際にいろいろなこまかいところまで手をつけなければならないというふうに現在の法制上なっておれば、気持ちとしては悪質犯に向いても実態は伴わないのじゃないか。むしろこれからの方向としてはそういう形式犯は自由にしてしまったほうがいいんじゃないか。今回の委員長報告にも出るそうでありますけれども、いま以上の効果は期待できない、言論、文書を中心に選挙運動の自由化を進めるべきだという意見も述べられた、こういうことであります。むしろそういう形式犯は、あるいはもう取り締まりの対象からはずしてしまう。むしろ警察当局には買収、供応という悪質犯に対して十分に手を尽くしてもらう、そういう方向にこれからの選挙というものを考えていくべきではないか。一ぺんにはそういかないと思いますけれども、そういう方向でこれからは進めていくべきではないかと思いますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
○秋田国務大臣 形式犯はこれを問わないことにしよう、いやしくも形式犯と言われるものはこれを取り締まらないようにしてよろしいということは、理論上おかしいと思います。要するに従来の形式犯と言われているものは、むしろ犯罪を構成すると考えるべきでないというものを多く含んでいるのではなかろうかということならば、そういう意味に解しまして、十分先生の御趣旨を尊重いたしまして今後対処すべきではなかろうかということは大体論として言えるだろうと思うのでありますが、いやしくもこれが犯罪を構成すると認められて法律に書いてある以上は、これは厳正に処置さるべきものでありまして、特に形式犯だからおろそかにしていいということは言えないと思います。いわゆる従来の買収、供応というような悪質事犯につきましては今後ますます厳重に取り締まるようにして選挙の公正を期すべきであるということにつきましては当然のことであると存じております。
○二見委員 私の表現が悪かったので大臣のほうから訂正と正しい表現に直していただきましたので、たいへんありがたいと思いますけれども、私も、現在あまりにもきびしいがために取り締まり当局の手が不足になってしまう、そのためにほんとうならば罰せられなければならない、徹底的に取り締まらなければならない悪質な選挙犯罪というものがむしろないがしろにされてしまうという事実を大臣に申し上げて、むしろ取り締まり当局をそちらに向けるべきである、あまり取り締まり当局の手をわずらわさなくて済むようにいろいろな制限をはずしてしまえ、こういう趣旨で私は申し上げたわけでありますし、大臣もそういう方向は大体御賛成いただけたと思いますので、今後もそのほうに向かってどうか御努力をお願いしたいと思います。
 いまの選挙の罰則についてですが、こまかい話になりますけれども、年じゅう言われていることで連座制という問題がございます。連座制についてたとえば二百五十一条の二の一項四号ですね、これは連座制の例として「公職の候補者と同居している父母、配偶者、子又は兄弟姉妹で当該公職の候補者又は第一号若しくは前号に掲げる者と意思を通じて選挙運動をしたもの」、この規定によりますと、たとえば連座制の場合には、こういう親族の場合は同居しているということと意思を通じているという二つの要件がなければ連座にはならない、法律はこういうたてまえになっておるわけです。私は、ここで同居しているという条件と意思を通じておるという二つの条件がどうして必要なんだろう。いやしくも国会議員なら国会議員に立候補しようとする者の親族というものは、いかなる理由によっても潔癖でなければならぬ。もし親族から選挙違反を起こすようなことがあるならば、これは立候補した人自体の人格にもかかわるものじゃないかと思うわけです。ここにあえて「同居している」ということ「意思を通じて」いるというこの二つのことばをどうしても必要としなければならないというその理由が私わからないわけでありますが、この点はいかがでございましょうか。
○皆川政府委員 連座の範囲、要件等についてはいろいろなお考えがあろうかと思いますが、基本的には一種の無過失責任――完全な無過失かどうか存じませんけれども、他人の責任を負うということになりますので、いたずらにその範囲を広げるべきではあるまい。いろいろなものの考え方がございまして、結局この辺のところが適当であろうという判断で設けられたものであろうと思います。見ようによりましては、同居という要件はとってもいいじゃないかという御議論もあろうかと思いますが、これは一つの判断で立法されたということでございますので、それ以上私のほうから申し上げるべきではなかろうと存じます。
○二見委員 連座制の問題でやたらに範囲を拡大されたらそれは困ります。ある程度の制限を設けるのはあたりまえだと思いますが、少なくとも「父母、配偶者、子又は兄弟姉妹」というのは立候補者とは密接な関係にあるわけですね。これは連座して当然な対象と思います。それに「同居している」ということと「意思を通じて」いるというこの二つの字句を入れたということが、結局はこの法律をかご抜けにしているんじゃないだろうか、ざる法にしているんじゃないだろうか。この規定をどちらか一つでもいいからはずしてしまったならば、私はまだまだ非常に強力な効果があると思いますし、その面でも選挙腐敗というものが防止されてくるんじゃないか、こう思うわけですけれども、大臣、その点いかがでしょうか。
○秋田国務大臣 これはいまから解釈は立法上どうにでも自由でございましょうけれども、しかしやはり連座規定の重要性を考えまして二つの要件を課したと解釈すべきでございます。一方をはずした場合、これが相当いろいろ問題を起こす場合が予想されますので、ある程度シビアにとったということであろうかと存じております。
○二見委員 それから先ほど西宮先生からもお話しされておりました、あるいはダブるかもしれませんが、一点だけお尋ねいたしますけれども、例の知事の六選禁止の問題です。これは六選禁止というものを法律で定めた場合に、それは憲法上問題がないというような意見もあるようでありますけれども、六選禁止というものを立法化しようとした場合に、これは問題があるのかどうか。私はないという意見も聞いております、あるという意見も聞いておりますけれども、これはどうなのか。特定のケースじゃなくてまず一般論としてこの一点だけお伺いしておきたいと思うのです。その点いかがですか。
○皆川政府委員 いまのお話しの点については、政府としてまだ統一的な見解をまとめておりません。
○二見委員 では、別の問題に移ります。
 こまかい問題になりますけれども、まず選挙の啓発ということについて。これは不断にやっていかなければならない問題だと思いますけれども、どういうふうに進められていくのか。まず基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。
○皆川政府委員 選挙の啓発につきましては、世の中の動きに応じましてなるべく効果のあるものを選んでいきたいという基本的な考え方でおるわけでございます。したがって最近のようにマスコミ等の発達した段階におきましてはそういう手段を講ずること、あるいはただ上からやる、そういう方法だけでも効果がありませんので、まず個々の小さな単位の中においていわゆる話し合いの活動等を通じて検討していく、こういう両面から、なるべく選挙民のほんとうの自覚が得られるような方策を立てていくということにいたしておるのでございます。
○二見委員 これは昭和四十三年一月一日現在の資料でございますけれども、都道府県に選挙管理委員会の事務局が置いてないところが大部分のようであります。聞くところによると、都道府県で選挙管理委員会事務局というものを常設の機関として設置しているのは、東京都だけであると聞いておりますけれども、四十三年一月一日現在ですと、団体数としては二という形が出ております。現在は青森がやめて東京都だけだというお話でありますけれども、そういう選挙の啓発ということをこれからも不断にやっていかなければならないということ、そして選挙民の政治に対する意識、選挙に対する考え方というものを向上させなければならないという大きな目的から考えて、都道府県に選挙管理委員会の事務局がないということ、ほとんどの都道府県にはないということ、この点について自治省としては今後どういうふうに指導されていくのか、その点お願いします。
○皆川政府委員 選挙管理委員会の事務局の問題は、長い間の一つの懸案になっておるわけでございます。私たちも選挙の仕事を完全に執行するという意味からしますと、強力な事務局を持ちたいわけでございます。ただ御承知のように、いまの常時啓発等の仕事は年間を通じてあるわけでございますが、選挙の管理執行ということになりますと常時あるわけじゃないわけであります。また一たん始まりますと、相当の人数を要しませんと仕事ができない、こういう特殊な仕事でございますので、形式だけの事務局を独立させてもらうと、かえってその能力が落ちるという例があるわけでございます。したがって私たちといたしましては、ただ形式だけでなくて、実質的に事務職員スタッフが充実されるように、そういう角度で各団体にも御努力をいただいておる、かような状況でございます。
○二見委員 選挙担当の職員は、市の段階ですと事務局を置いてないところは専任の職員は一・二名です。要するに、選挙について常時携わっているのは一人きりです。永久選挙人名簿のことであるとか、いろいろな事務上のことがありますけれども、選挙の啓発等の事業をわずか一名か二名の者で企画し、立案し、そして推進をするということはとうてい不可能だと思います。それには当然専任じゃなくて兼任の職員もいると思いますけれども、兼任職員を入れたって数としては決して多いほうではありませんし、むしろ兼任の職員というものはそういう企画立案のほうは、自分の直接の所管の部署がありますから、そちらのほうに精力をとられてしまって思うようにいかないのではないかと思います。この点についても私は自治省にこれからも強力な指導をお願いしたいと思うわけです。一・二人という専任職員ではどうしようもないと思います。また事務局を設置しているところは専任職員は五人です。五・一人という統計が出ています。五人なら何とかある程度の啓発事業というものは私は行なえるのではないかと思いますけれども、一・二名や一・三名ではとうていできるわけはないと思います。その点についていかがですか。
○皆川政府委員 お話しのとおりでございまして、これでも従来に比べますと、徐々に専任職員をふやしてきておるということでございます。私たちもそれがまだ満足すべき状況ではないと考えております。地方団体の中のことでございますので、なるべく理解をいただいて、それには兼任という形式でかなり実際上の活動をしてもらっている方も多いようでございますけれども、やはりたてまえとしては専任という方々が最小限度必要だろうと思います。御趣旨の線に沿いましてなお努力をいたしたいと思います。
○二見委員 時間がありませんので先に進みますが、四十五年度予算で、選挙の常時啓発補助金というのが出ていますね。私、記憶がさだかではありませんが、三億六千万くらいだろうと思います。数字が違っていたら訂正を願いたいと思いますが、私の記憶では三億五、六千万円と記憶します。全国には市町村がおよそ二千五百あるはずです。それを平均いたしますと、一市町村には年間十四万円くらいの啓発補助金が出ているということになります。十四万円くらいの啓発補助金でもって、はたして満足な啓発事業が行なえるのかどうか、予算上からいっても、私はこれはちょっと問題だと思います。
 それから、聞くところによると、小さな町村にはこの補助金すら出ていないという話も聞いております。結局国としては、選挙の啓発ということに関して不熱心なのではないだろうか。これはじみな仕事でもありますし、現在いろいろ行き詰まってきておりますが、結局国としても、選挙の啓発ということについては不熱心ではないのだろうか、無関心ではないのだろうかという感じがするわけです。その点についてはいかがですか。
○皆川政府委員 選挙の常時啓発費につきましては、逐年その増額に努力してきたところでございます。四十五年度の予算で見ますと、地方団体の補助金がお話しのように三億六千万円、そのほかに直接地方で施行するものもございます。こういうことでございまして、一市町村当たりにしてみると、確かに十分な金額とは申し上げかねる状況であろうと思います。また零細補助金の整理ということから全部の市町村にこれを十四万円平均に分けるというわけにいきませんので、重点地区というものをきめまして年次的にやっていく、こういう方針で、いま全部の市町村に交付をしていないわけでございます。その交付のしかた等については、いろいろあろうかと思いますが、国の財政の事情もございます。私たちとしましては、決してこれに冷淡ということではなくて、地方団体にも財源を出してもらって効果のあるような方法に努力をしている、こういう状況でございます。
○二見委員 それから統計局見えていますか。――来年統一地方選挙が行なわれるわけでありますけれども、それに関連してお尋ねいたします。
 ことしの十月一日に国調が行なわれるわけでありますけれども、統計局としては、これをいつまでにまとめていただけますか。最終的にはいつまでにまとまりますか。
○岡部(秀)政府委員 いろいろな統計ございますが、おそらく御質問の点になるのは、四十六年の五月の末日までに官報に公示をする予定で仕事を進めております。
○二見委員 来年四月に統一選挙が行なわれるわけですけれども、これは国勢調査をもとにして議員の定数が変わるわけです。国勢調査では統一選挙の定数の是正には間に合いませんか。
○岡部(秀)政府委員 従来の状況は、これを五月末に一回に全国の市町村を全部公示をするというのではなくて、一月から数回に分けて公示をしておるという状況でございます。
○二見委員 自治省にお尋ねいたしますけれども、統一地方選挙の場合、市町村の議員の定数がございますね。これは人口でもってきちんときめられてくるわけですけれども、正確にいえば、国調データをもとにして議員の定数というものをきめるのが一番正確だと思うのです。その点については自治省としては、すでにもう統計局のほうには依頼をしておりますか、何とか間に合わせてくれと。その点いかがでしょうか。
○皆川政府委員 自治省としては、なかなかたいへんな仕事でございますので、自分たちだけの都合でいろいろ注文をつけるわけにはまいらないと思いますが、こういう事情を申し上げて、どういう段階で統計がまとまるものか、これをお聞きして、その上でさらに具体的にどうしたらいいかということを協議していきたいと思っております。
○二見委員 自治省としては何月までに――一月か二月か、何月までに市町村の人口がわかれば、統一選挙に間に合いますか。
○皆川政府委員 これについては各地方団体の実情があるだろうと思います。それぞれ非常に簡単なところと、むずかしいところがあろうと思いますので、地方団体の中でもいろいろ検討しておられるようでございますが、それらの御意見も伺った上で判断をしたいと思っております。
○二見委員 自治省としては最小限どの程度の――人数だけわかれば、それで済むわけですか。
○皆川政府委員 人口だけわかればいいわけでございます。
○二見委員 統計局にお尋ねしますけれども、人口だけわかれば自治省のほうはいいのだそうですけれども、それだけは何とか統一選挙に間に合わしていただけますかね。
○岡部(秀)政府委員 いつ統一選挙になるか、それもわかっておりませんけれども、私たちのほうの現在の仕事の状況から見ていきますと、全部を発表し切るのが五月末というところが手一ぱいという状況でございます。
○二見委員 そういたしますと、万が一国勢調査が間に合わなかった場合ですね。自治省としては、いままでの定数でいくわけですか、それとも何か去年あるいはことしの一定の時点をとらえて、それでいくのか、その点はどうでしょうか。
○皆川政府委員 まだそこまで突き進んだ検討をいたしておりませんけれども、現在のたてまえからすれば、従来の人口でいくということになるわけです。
○二見委員 時間がありませんので、最後にお尋ねいたします。
 一点は、選挙裁判の話でありますけれども、法務省からいただいた資料によると、選挙裁判は受理の日から終局期間まで非常に審理が長いわけです。一カ月以内、三カ月以内というのもありますけれども、三カ月以上も受理の日から終局の日までかかるのが、かなりあるわけです。これはいろいろな万やむを得ない事情があると思いますけれども、場合によっては裁判が終わるまでに任期が終えてしまったというケースもあると思います。これは本来は法務省の立場かもしれませんけれども、自治省としても選挙裁判が長くかかるというのは、決して好ましいものではないと思います。裁判所のほうにも人員が足りないとかいろいろあると思いますけれども、自治省としても、何らかこれらの対策を考えていいのではないだろうか、選挙裁判というものは、もっと早くやるべきではないだろうか。一つには違反して裁判の結果、当選が取り消しになった場合、三月以内であれば次点が繰り上がるわけです。三月たてば次点は繰り上がりませんね。今回の都議会選挙の場合は話は別ですけれども、一般には許されませんね。そう考えた場合に、選挙の裁判はもっと早くやっていいのではないか、それについては自治省としても十分検討してもいいのではないだろうか、こう思うわけです。現在もし検討していらっしゃるのだとすれば、その内容を明らかにしてもらいたいと思いますけれども、自治省としてどういうお考えを持っているのか、その点をまずお尋ねいたしたいと思います。
○皆川政府委員 選挙裁判の迅速化ということは、かねがね選挙制度審議会等におかれましても、議論をされております。ただ実際問題としますと、現在の日本の裁判の手続からいたしまして、非常にむずかしいようでございまして、なかなか名案がない。この前の第六次の審議会でも同じような議論が出ました。何かほかに裁判を促進するような裁判以外の、たとえば資格の問題というようなこととか、何か方法はないだろうかというような検討もされましたけれども、いままでのところ、まだ結論を得ていない状況でございます。
○二見委員 もう一点。やはりこれも第一次の選挙制度審議会で問題になった高級公務員の立候補の問題です。
 第一次選挙制度審議会のときに、「国又は公社、公団若しくは公庫の法律で定める職にあった者は、離職後最初に行なわれる参議院全国選出議員の選挙に立候補できない」こういう答申が出ておりまして、この答申につきましては、そのままの形どおりに現在行なわれていないわけですね。公務員の地位利用だとかいろいろな規定があって、規定を設けることによって、修正することによって現在行なわれているわけでありますけれども、私は、この高級公務員の立候補制限という問題は、やはり一考してしかるべき問題であろうと思います。第五次選挙制度審議会でも、高級公務員の立候補制限というものを考えるべきだというような意見がたしか出ているはずです。私は、高級公務員が政界に出てはいけないということは申し上げませんけれども、ただ高級公務員というような在職中の立場というものを考えた場合に、これは、退職後最初に行なわれる選挙、参議院の全国区には出ないという、このことは、私は明記してもいいのじゃないかと思います。ただ、これに対しては、憲法上問題があるという強力な反論がございます。そういう反論はあるけれども、高級公務員の立候補制限というものは、これからも自治省としては十分検討してもいいのじゃないか、その点についていかがでしょうか。
○皆川政府委員 御承知のように、高級公務員、これは憲法上の問題もございますが、通俗的に高級公務員といいますけれども、どの程度からこれをそう申し上げるのか、法律で範囲を書くということがなかなかむずかしい、こういうようなこともございまして、お話しのように、変形した形で弊害を除去するという面から、特別な地位利用の制限だとかあるいは連座だとかいうものを設けたわけでございます。したがって、いまの段階で、高級公務員の制限をもう一ぺん考え直すということは、なかなか見通しとしてむずかしいだろうと思います。そういうこともございまして、今回の選挙制度審議会では、むしろ比例代表制にしたらどうだろうかというような意見も出ておるわけでございます。こういうように選挙の仕組みが変わってくれば解消するわけでございます。もちろんこの問題が完全に片づいたとは思っておりませんけれども、なお時間のかかる問題ではなかろうかと思っております。
○二見委員 以上で終わります。
○奥野委員長代理 門司亮君。
○門司委員 ごく簡単に二、三だけお尋ねをいたします。
 最初に、警察にちょっとお伺いいたします。
 法律が変わってから政党活動が自由になって、そうして政党活動の範囲においてポスターがたくさん張れる、チラシがたくさんまかれるわけでありますが、これの取り締まりは一体どうなっていますか。私は、率直にその先まで私から言って答弁を求めますが、たとえば各府県には、広告物条例が大体あるはずですね。そして何らか広告しようとする場合には、許可を得なければならないという規定があるはずです。にもかかわらず、張ってしまったらどうにもならないということで、この間の京都の選挙というのは、はしごをかけて上のほうまで張らなければ間に合わないほど、電柱の上のほうに張られてある。そういう明らかな県条例、府条例違反行為、これに対して警察はどうして取り締まらないのですか。取り締まれないのか、取り締まらないのか、どっちですか。
○高松政府委員 広告物条例は、実は私の所管ではございませんので、詳しくは存じませんが、あの条例の中には、公職選挙法その他の法律の定めるところにより行なう選挙運動及び法令の規定により表示される、または決定されるものには適用されないという条項を設けておる条例が、各府県とも大体多かろうかと思います。したがって、選挙運動期間中のものについては、条例によっての取り締まりは困難であるというように考えております。
○門司委員 私はそんなことを聞いているのじゃない。選挙期間中のものは、いろいろな制限がある。何枚しか張ってはいけないということ、これはきまっておる。ただ、それ以前のもの、半年も前から――もう来年の地方選挙がぼつぼつ始まるかもしれません。それから参議院の選挙をやるかもしれません。条例があっても、むやみやたらにそこらじゅうに張ってしまってどうにもならない。こういうものに対して、警察は当然取り締まりができるはずです。それを一つもやらない。だから、それは取り締まらないのか、取り締まれないのかということです。取り締まらないというなら、警察の怠慢であって、取り締まれないというなら、これは法律を何とか変えなければならぬ。何ぼ政党活動は自由だといったところで、直ちに選挙の費用に関連してくる問題でございますからね。いまは一人の選挙費用は、大体一億を見なければ間に合わないだろう。法定費用は四百万から五百万です。ところが政党活動が半年も一年も前から行なわれて、ポスターをそこらじゅうに張り、ビラをまいている。そのため町の美観というものは全くない。せっかく府県で広告物に対する条例をこしらえて、町の美観を保持しようと言っているときに、警察に取り締まりができないという理屈はどこにも成り立たぬと思う。だから、さっき聞いたように、やらないのかやれないのか、どちらかはっきりしてもらわないと、われわれも選挙法を審議するのに困る。取り締まるのなら取り締まる、取り締まれないのなら、どういう法律をつくってもらいたいとか、一体どっちなんですか。
○高松政府委員 大体事前における問題になるわけでございますけれども、現在、御承知のように、非常にたくさんのものが町じゆうにはんらんする、こういう実態で、片方からいいまして、それについて証拠資料を集めて立件送致を全部についてやるということが事実上なかなか困難の場合が多いということが一つあると思います。
 それからもう一つは、広告物条例自身の実施についてのいろいろな手続が非常に不備な点がある、たいへん弱い取り締まり条例でございます。そういうものによって全部これを厳格に取り締まっていくということが実際上なかなか困難であるというふうに思います。
○門司委員 もうこういう点で押し問答をあまり続けてもしようがないので何ですが、ある県では、広告物条例に基づいて、県庁が許可したものを張らせる。だから、選挙のときと同じような検印がある程度押してあって、そしてそれなら、こういう場所に張ってもいいということで張らしている。また、ある県においては、警察署長限りで、そういう違反ポスターは警察側でどんどんはがしてしまえ、文句があるなら言ってこい――しかし条例に違反をしている限りにおいては文句を言えない。また、ある県でも、それと同じようなことをやったところが昨年の選挙であるわけです。ところが一方では、全く野放しのようなところがあるわけです。条例なんてあろうとなかろうと、そんなことは一向おかまいなしに――今日、警察は、たてまえは府県警察ですね。そして県の条例というのは、法律と全く同じ効果を持っているということは御承知のとおりです。だから、国で定めた法律だけが何も重要じゃなくて、条例は、全く憲法の示すとおりであって、その犯罪行為については、それは裁判の経過を経なければならぬことはあたりまえですけれども、罰金もあるいは懲役も科することができるわけです。そういう国の法律とひとしい権力というか効果を持っている条例が全く無視されているのが今日の選挙の実態だと私は思う。これについては、もう少し警察もき然とした態度をとるべきではないか。私は、ここまで言ってしまえば、少し言い過ぎかもしれませんが、ある県で聞いてみると、それは全く困ったものです、しかし事政党の、たとえば国会の報告だとか、あるいは市会、県会の報告だとかいうことで、やはり行政、政治の内容というものを国民に知らせる必要があるということは考えられる、したがって条例はあるけれども――期日がきて、その一日なら一日という日にちが過ぎれば、すぐはがしてしまえといっても無理であるかもしれないが、二日くらいおいたら、すぐはがしてもらうように努力しているというところもある。ともかく法の精神を生かして、そしてそれも実態に合わせていこうと努力しているところもあります。しかし事実は、これは違反であることには間違いがない。だから、取り締まろうと思えば取り締まることもできるし、やろうと思えばやれるはずである。こういう問題について、選挙の元締めである大臣は、どうお考えであるか、どうすればいいかということでありまして、これを野放しにしておけば、どうしようもなくなる町も出てくると思います。選挙の期間中どんなにポスターを制限しましても、事前に張ったポスターが残っているんですからね。事前運動をしない人は、きめられたポスターしか、選挙期間中も張らない。それを選挙前にかってに張ってしまってはがさない。何枚かちゃんと残っている。選挙に関しても、そういうハンディキャップが出てくる。ですから、こういうものに対して、政党活動の自由といっても、県の条例等の関係は、もう少し公平に取り締まりのできるような形にぜひしないと、だんだん選挙は悪くなると思う。そして町の美観などありゃせぬ。そこらじゅう、電柱には、さっき申し上げたように、京都などに行ってみると、はしごをかけて上に張らなければ、下のほうにみんな張ってあるから、張れないという状態。選挙のむだと都市の美観の点からいいましても、あるいは選挙の公正の形からいっても、あまりいい結果にはならぬと思う。これは大臣からちょっと御意見だけ聞いておきたいと思います。
○秋田国務大臣 取り締まり上の問題は、私の権限外でございますので、これにつきまして、権限的な発言は差し控えたいと思います。私の個人的見解でお許しを願いたいと思います。
 当然、条例等がありますれば、それに従いまして処置をさるべきもの、また、警察当局は、私の経験の範囲では、努力をされておると思います。私の県における昨年の衆議院選挙の際に、いろいろポスターが張られましたが、それぞれやはり事前運動にわたらざる範囲における会合の告知という趣旨に合わすべきものであり、その張る場所等につきましても、一定の条例によってある程度の規制がされた。現に、期間が過ぎても長く張っているようなものにつきましては、はがしなさいというお達しがありまして、中には、十分取りはずしのできなかった分も多少残っておったところもございますが、みんなそのお達しに従ったようなところがございます。しかしまた、それとは著しく状況を異にしたところも、全国的に見ればあったのではないかということは、想像にかたくないと思います。
 一般的に申して、その条例等の取り締まりには服すべきものであり、また、それによって処置さるべきものである。処置されたものもあって、全部が全部、野放しになっておるとは思っておりませんけれども、十分、この点については将来、注意もし、守るようにお互いに気をつけ、また、警察も、そういう努力をすべきものであると思います。しかし、これは私の個人的見解でございます。
○門司委員 もうそういうことを長く聞いているひまもないと思いますが、これはよほど考えて注意をしてやりませんと、選挙するほうも、露骨に言えば、なるほど、選挙管理委員会から、あるいは警察から、おたくのポスターがここに張ってあるからはがしてもらいたいという通告が、来ることはみんな来ている。しかし、それをはがしていいんだか悪いんだかわからないのです。自分だけはがしてしまえば、結局、ほかの候補者のやつは残っているということになると、これまた、それだけ選挙の上でマイナスになるということになって、選挙する者の心理からいえば、左右を見るということになって、お互いにそんなことをやっていれば、結局そのままでいってしまうということになる。これは、町の美観の程度やなんかの関係もありますが、これはこれとして、さっきから問題になっております詐偽投票について、私は非常に大きな疑問を一つ持っているので、明確にひとつ御答弁を願いたいと思います。
 詐偽投票というのは、これは事実上の詐偽投票ですが、これほど選挙犯罪の中で悪い犯罪はないのです。選挙は、御承知のように、国民の国政に参加する最大の権利なんですね。それに、人のものを盗んで取ろうという、普通の詐欺とは違うのですね。選挙犯罪の中で、一番悪いのは、私は詐偽投票だと思う。ところが、この詐偽投票からくる選挙の不正、これをきょうは少しただしておきたいと思うのですが、たとえばAという者が行って、Bという者の投票をしてしまう。ところが、そこでBという人が投票したようにしるしがつけてある。ところが、悪いというのは、あとで本人が行って、本人であることが確認されれば、それを拒否するわけにいかぬでしょう。そうすると、そこでは二票投票されている。これが詐偽投票の最大の罪悪だと私は思う。登録されている選挙人名簿よりも、全部が投票してごらんなさい、投票が多いということになる。これは明らかに選挙無効の訴訟が成り立つ。裁判所は、これを受けて、それは理屈はそうだろうけれども、当落に影響はないからということで――一票か二票の場合は裁判にならないかもしれない。しかし、これは裁判所の持っている行政上の行為であって、本体としては、明らかに無効であるという訴訟をされてもしかたがない。ことに、小さな選挙になって、一票か二票、あるいは〇・何票かというふうなことで争う場合には、かなり大きな問題になると私は思う。その本人にあらざる者に詐偽された投票が、だれに投票されているかということになってくる。こういう問題は一体どういうふうにお考えですか。これは、いまの選挙管理委員会の能力というようなことから考えれば、非常に妨ぎにくい一つの犯罪であり、また、検挙も非常にむずかしいのであります。私は、選挙犯罪の中で一番検挙のしにくいのは、この詐偽投票だろうと思います。なかなか取り締まるわけにいきません。おまわりさんが一々ついているわけではない。何かの理由があって、そこから糸口が出て、おかしいぞということで、結局検挙されているようであります、大体詐偽投票の経過を見てみますと。だから、黙っておればわからない。だれか来て投票をしておるということだけはわかる。それから先はわからぬ。選挙は、そういうことで、本人が来れば、さっき言ったように、拒否することは実際上できません。そうすると、その選挙自体というものがもうまるっきり不正な選挙であるということがはっきり言える。これに対して一体、どういうふうにお考えになりますか。それでいいというお考えなのか、悪いというお考えなのか。悪ければ、どういうふうにそういうものをなくしていこうというのか。これは本人のモラルだといえばそれはそれきりかもしれない。しかし、制度の上では、これは何とか考えませんと――しかも、選挙管理委員会の報告では、詐偽投票が何票あったということは絶対に報告していない。これは選挙管理委員会の落ち度だと私は思う。報告のしかたが悪いと思う。なぜ正直に報告しないかということになる。投票すべからざる者であって、投票した事実があると知っておきながら、それが一体、選挙管理委員会の報告書に載っていないというような理屈は、私はどこにもないと思う。こういう点を一体どういうふうにお考えですかね。
○皆川政府委員 詐偽投票をどうして防止するかということは、非常にむずかしい問題でございます。法律上は、本人であるかどうかを確認して投票させるということになっておりますけれども、現在の社会の状況からすれば、とても確認はできない。それで、従来は、来た者はただ投票用紙を渡しておったのでありますけれども、少しでもそれを防ごうということで、生年月日を聞いたりしておるわけでございますけれども、これとて十分な対策にはならないだろうと思います。さればといって、選挙人の身分を証明するような、たとえば写真でも張った有権者証明書みたいなものを持っておれば、これは非常に簡便だと思いますが、詐偽投票の実態がどの程度であるにしましても、そうべらぼうに多い数字だとも思いませんので、そのことのために全部の有権者に身分証明書を持たせるというのも、これはいかがであろうかというので、なかなか名案がないというような状況でございます。外国の場合は、たとえば詐偽投票がありますと、その者の投票の控えに、投票用紙に同じ番号を打ってありまして、あとでその投票を有効投票から差し引くというようなやり方をしているところもございますけれども、わが国の場合には、投票用紙には一切そういうマークはありません。したがって、お話しのように、投票された後はだれに投票されたか全くわからない、こういうことになりまして、法律上の問題としてもなかなかいやな問題を残しておるわけであります。私たちとしましては、なるべく投票の受付にあたって、本人であることを確認する。そうむやみに行なわれるものでもないと思いますので、なるべくそういう努力をして、また現に、そういうことによって発見をしている例もございますので、そういう努力をしながら、一方において、おっしゃいましたように、罰則等を盛り込むということによって解決するよりほかないのじゃないかというふうに思います。
○門司委員 この事実を知っておいてもらいたいと思うのですね。検挙された事実はきわめて少ないのであります。しかし、実際はかなりたくさんありますよ。私は、実例を言えといえば言ってもよろしいのです。だれそれのところでどういうことがあった、どこでどういうことがあったということはわかりますね。検挙は、非常にむずかしい検挙でありますから、これはほとんど、警察でこれを検挙したということがあれば、かなり私は努力が要るか、あるいは、はっきりしただれかの示唆によって、聞き込みその他によってやる手しかないわけではあろうと思いますけれども、事実たくさんこれは行なわれているのじゃないか。あらわれたのは四十何件とか五十件とかいっておりますけれども、この犯罪はほかの犯罪と違います。なぜそういうことを私は言うかといいますと、これは詐偽をされておっても、本人が行けば投票できるのですからね。そこであまり大きな問題にならないのですね。おれは投票したのだということで、関心のない人は、別に、自分の投票券がだれかが投票してしまってその人が投票できないということになればたいへんな騒ぎになるかもわかりませんけれども、そうじゃないのですからね。本人に投票させれば、本人はそれで行ってしまうということで、あとで帰ってきて茶飲み話ぐらいに、行ってみたらおれの名前が投票してあってけしからぬ、だれが投票したかわからぬけれども、おれがやかましいことを言って投票してきたよということを話はします。これから先の選挙というものについては、こういう事実が最近非常にあらわれてきたということ。かつてそういうことはあまりなかったのであります。しかしここにはいろいろな選挙の方法によりまして、たとえば入場券をやればその入場券が売買されるとか、人間の全然いないことがわかっておればだれかの入場券を持ってそして投票するというようなことで、入場券を渡すことによってそういう犯罪の一つの契機をつくる、というとおこられるかもしれませんが、一つのすきができてくるということもいえる。しかし入場券を渡さなければ――いまのようにたくさんの人が移動している場合には、おれの選挙権はどこにあるのだろう、どこがおれの投票所だろうと迷って、したがって棄権する人も非常に多いということが、やはり大都市の棄権率の非常に多いということの原因になっている一つであります。こういうことを両方あわせて考えてくると、一体詐偽行為のやりやすい入場券を出すのがよろしいのか、あるいは全然出さないほうがよろしいのかということには、いろいろ問題があろうかと私は思います。しかしその問題はその問題として、もう少し何とかいい知恵がないものかということで、実は私どもも国会にいる限りにおいては放任しておくわけにはいきません。法律をこしらえたたてまえからいけば、何とか考えなければならぬだろうということは考えておりますが、選挙管理委員会がもう少しチェックをする段階でできないかということですね。かつて、昔と言うと語弊がありますが、昔の選挙の場合には、大体そう人間の移動もありませんから、その地方における顔の広い人が受付にがんばっておればどこの何兵衛であるぐらいのことは大体わかるのであって、そうむやみに詐偽はできなかった。このごろの選挙の投票所に行ってみると、高校の女の人のアルバイトぐらいでやらしているものですから、隣のうちのおじさんだってわかっちゃいない。したがって、詐偽をやろうと思えば幾らでもやれる。男が女に化けていればこれはつかまえられるかもしれませんけれども、大体年かっこうが似ていてこうだと言われれば――せいぜい十人か二十人に生年月日を聞くか聞かないかの程度である。したがって、少なくとも生年月日を聞くとか住所を明確にするということが、繁雑ではあろうが何とかならないかということです。そうするには、やはり朝の一ときの非常に多い投票者に対して迷惑をかけないようなことも必要になろうかと思いますけれども、あまりにも選挙がずさん過ぎはしないか。さっきの東京都の話などはあり得べからざることなんですね。一体何のために開票立ち会い人がやっておったかということです。開票立ち会い人が五人も十人もずらっと並んでおって、大体五百票なんというものが大きな束になっておるということもおかしいと思う。大体五十なら五十で、それを点検するはずなんですね。全然点検しない開票所というのがどこにありますか。これも実は常識をはずれたずさんな選挙管理委員会の態度だと思うのです。常識じゃ考えられませんよ、どう考えたって。そういうものについてもう少し――さっきもお話がありましたように、選挙に対する政府の熱の入れ方というものが不足しているのじゃないかということですね。選挙管理委員会というものがあっても、それは選挙のときだけ事務管理をするというような、いわゆる立候補の届け出の手続だとかなんとかいうことだけをやるのであって、あとはほとんど形式的だというのは、政府の熱の入れ方がちょっと足りないのじゃないかと思うのですね。もう少し選挙は公正に厳正に行なわれるべきものだということになりますと、これは国の最大の基本ですからね、民主主義国家における最大の基本は何かというと、選挙の公正ですからね。それが一番おろそかになって、先ほどのお話のように何か補助金みたいなものを出したからということで、一つの県に十万や十五万をやったって何にもなりはしない。その辺を大臣、どうお考えですか。もう少し選挙というものに重点を置いて、これはいまの大臣を責めても始まらぬ話ですけれども、かつて選挙が大事だということで、自治省の中で選挙局という一つの局長にしておったが、これはこのごろは部長に格下げしてしまって、選挙というものがどうでもいいようなことを政府自身が考えるのが間違いだと思うのです。もう少し選挙を重要視するという考え方がなければ公正な選挙は行なえない、こういうふうに考えるのでありますから、したがってもう一つだけ大臣に聞いておきたいと思いますが、いまの自治法の中に、地方の自治体で設置をしなければならない部門の中に、選挙管理委員会と、いわゆる選挙に対するものを、いまのように県に行けば地方課の諸君が兼任でやっているとか、あるいは市に行けばやはり社会教育課の人が兼任でやっているというようなことではなくて、府県の必置部にするというような、権威を持たせる必要が私はあると思うのです。そういうことはできませんか。
○秋田国務大臣 随所でそういうことを御注意を受けるのでございます。民主政治の基本として、自由にして公正な選挙がその基本でありますから、しこうして、この選挙を取り扱う事務その他の選挙管理が最大の注意と、十分な、これに重点を置かれた組織で実行されるということが必要であり、また、事務その他の実施につきましても、これが民主政治の基本であるという自覚を持って当たっていただくように指導することは当然のことでございます。したがって、組織の点、事務処理の点につきましても今後十分注意をいたしたい。ことに地方及び自治省における選挙取り扱いの組織につきましても、政府といたしましてもさらに検討し直して見てまいりたいと思いますが、いたずらに規模を拡大するばかりが能でなく、要はこれに対する心がまえというものをひとつこの際新たに締め直すということが最大の必要であろうかと思います。その点につきましては、御趣旨全く同感でございますので、十分今後その指導を徹底いたしてまいりたいと考えます。
○門司委員 これはおことばを返すようですけれども、官僚の政治ですからね。官僚というものはえてして、いま申し上げましたように、局であったときは局長さんだということになって何かランクが一つ上のほうになって、部長になればその下にくっついて、事実上はいま行政局にくっついているのですからね、そういうことで、形式を非常に重要視する今日の官僚の社会においては、ただ単に精神だけで、これは大事だからこうやれといったって、実際はできるものではないと思うのです。ですから、規模の大きさとか小ささというようなことはいろいろあるしでょうけれども、私は、自治法を改正して、やはりその中に選挙に関する部分だけは必置部ということで必ず置いて、そうして啓蒙運動をせよということで、かなり予算を十分とって選挙の公正を期するということが必要だと思う。選挙のたびごとに犯罪がどうでこうでといったって、警察でも選挙犯罪というやつはどうにもなりゃしない。これだけ犯罪が多くては、この間警察の経験のある人に聞いてみますと、ここの公聴会でも原君かだれかそういうことを聞いておったと思いますけれども、ほんとうの何万分の一かしか検挙はできないということであって、そういうことをなくすためには、回りくどいようですけれども、選挙というものは大事であるということを国民全体の観念に植えつけていく、これは一つの制度の問題だと思うのです。だから、毎年毎年の行政の仕事がないからむだなように見えるけれども、ほんとうの民主政治を立て直していこうとすれば、少なくとも現在の段階では、必置部にするというようなことにしていただきたい。そうして選挙の管理に権威を持たせていくということが必要ではないかと私は考えておりますので、これは希望として申し上げておきます。
 これで終わります。
○奥野委員長代理 青柳盛雄君。
○青柳委員 四月二十九日の新聞の報道によりますと、二十八日の午後に政府と自民党の首脳部の方々七名がお集まりになって、公職選挙法のことについて討議をされ、その結果佐藤首相が、政党本位の選挙運動に行き過ぎがあるといわれるので公職選挙法のあり方を研究してほしい、というようなお話があって、昨年の六十一国会で政党の選挙活動を文書その他の面で緩和をしたのに、何か行き過ぎがあって手直ししなければいけないのだというような結論になられたような報道でございます。政府・自民党の首脳会議というものは、単なる自由民主党の政調会の会議ではなくて、やはり政府、与党の首脳の方々の意思決定のような会議であろうと思うのであります。新聞報道ではその席には佐藤首相のほかに自民党の田中幹事長もお出になって発言をしておられるようでありますが、七者会談といわれるのでありますから、政府としてかあるいは自民党の幹部としてか知りませんけれども、秋田自治相もお出になっておられたのかどうか、まず最初にそれをお聞きしたいと思います。
○秋田国務大臣 私は出ておりませんでした。
○青柳委員 そのお話し合いの詳しい内容は、新聞報道でございますからどの程度正確かは存じませんけれども、今度の京都府知事選挙の敗因について自民党の幹事長が分析した結果として、公選法改正で政党活動を大幅に許したことは、結果的には京都府知事選などに見られたように、猛烈な文書合戦になった。これでは政党に入ってない人は出馬できなくなるというようなお話があったということでございます。せっかく昨年の通常国会で、選挙の自由ということを拡張するというのは世論であり、選挙制度審議会の大多数の意見もできるだけ政党活動を選挙活動において生かしていくという趣旨で、いままで文書による政策宣伝が選挙が告示になりますと非常に大きな制限を受けまして、確認団体は一紙だけ文書によって選挙に関する報道ができるに限るというような形で自由にはビラやポスターをやれないような状況、告示前においては政党活動として自由にできることが、とたんにできなくなるというような不合理なことが緩和されておるわけです。これは、知事以外の地方選挙の場合には政党活動は告示後の選挙運動期間中も全く自由に発行できたわけでありまして、それに準ずる形で衆議院、参議院、知事の選挙についても政党の宣伝活動、特に文書活動が緩和されたわけです。これは統計を見ましても、四十二年の衆議院選挙の際に文書違反として摘発された者が千二百七十二名、買収などで検挙された者が一万七千八百三十七名でございますから、文書違反は約十四分の一ぐらいになっておる。ところが、四十四年、昨年末の衆議院選挙では、買収は一万五千百八十二件、これは件数ですが、それに対して文書違反のほうは七百七十六件、二十分の一ぐらいに減っておるわけです。買収のほうは依然減っておりませんけれども、文書違反の減り方は非常に大きいわけであります。これはおそらくこのような措置がとられ、改正がなされたために、従来ならば文書違反として摘発されるであろうところのものがなくなるという中での現象であろうと思うのであります。しかも起訴率は、四十二年の場合でも四十四年の場合でも大体三五%という、買収やその他のものに比べて低い起訴率です。大体文書違反というようなものがむやみといわゆる悪質犯、実質犯と同じように検挙されたり起訴されたりするということは、言論の自由に対する大きな抑圧になる可能性があるわけでありますから、この点、昨年の六十一国会でこのような改正が行なわれたということは非常にいいことであったと思うのであります。先ほど来御議論を聞いておりますと、だいぶ悪用されているような面がある、費用もたいへんだろうし、中傷、誹謗あるいは虚偽、そういうようなものが行なわれておる、確かに政策以外のいわゆる個人攻撃であってみたり、誇大広告であってみたり、はなはだしきは虚偽であってみたりするような、要するに本来の政党活動とは無縁な方向がそれの中に入ってくるということはわれわれは正しいとは思いませんけれども、そうだからといって、そういう弊害があるからこれをまたもう一ぺん後退をして、何か再検討し、そして政党活動をもとのように制限していこうというようなことは決して民主主義的な前進ではなくて、後退であろうと思うわけであります。
 自治大臣はこの会議にはお出になっていなかったという御答弁でございますから、詳しいことはお聞きになったかどうか存じませんけれども、新聞などの報道によりますと、佐藤首相がそういう指示を与えた、だから次の通常国会にはまた改正されるのじゃなかろうかというような観測が出ております。そこでこれは全く朝令暮改であるという批判だって当然出てくる。国会での論議も相当盛んになるだろうともいわれておるわけでありますが、これについて大臣はどういうお考えを持っていらっしゃいますか、お聞きしたいと思います。
○秋田国務大臣 いわゆる自民党及び政府間の七者会談での会合には私は出ておりませんし、また、別段その会合に基づく指示をごうも私は受けておりません。また、したがってその内容等も承っておらないのでございます。
 それから公職選挙に関する政党活動の自由化の基本方針は、私はけっこうなことだと思っておるのでございます。ただ、最近の選挙の実際の経験上行き過ぎが感ぜられるという過度の行き過ぎにつきましては、このまま放置していいのかどうかという点にいろいろ論議が起こっておりますので、これは検討を要する問題ではなかろうかと心得ておるのであります。しこうして、検討の結果どういう方向を考えておるかということは、これは検討の結果出てくるわけでございまするけれども、いやしくも検討をするという以上は、自由に対する何らかの制限になりゃせぬかという点を御心配になっておるのであろうと思うのでございます。この点に関しましては、完全なる自由という点を前提に置きますならば、これについて検討をし、その結果何らかの方途を講ずるということならば、これに対する制限ということが形式的にいえると思います。しかしながら、やはり現実の具体的な問題を処理するにあたりまして、著しい弊害が感ぜられますならば、自由の大体の方向という基本的な方針、態度はこれを尊重しながら、行き過ぎの点を是正するという点につきまして、何らかの措置は可能ではなかろうか。この点につきましてはいろいろ問題はございましょう。また、いろいろ御議論もございましょう。しかし、それらをよく検討の結果、行き過ぎがあって、かえって公正を欠くということがあっても、公職選挙法の趣旨に反しますので、公職選挙法の自由なる、公正な国民の意思の発表にマイナス面が起こるような行き過ぎについては、これを是正していくという観点から、何らかの措置は考えられてもしかるべきではなかろうかというような気持ちで検討をしてみたい、こう考えておるわけでございます。
○青柳委員 公正とか中正とかいうことばは非常に耳ざわりがよろしいわけでありまして、確かに公正であり、また公平でもなければならないというふうに考えるわけでありますが、そういう抽象的な概念からすぐ行き過ぎということばが出てくるわけでございます。何が行き過ぎなんだということになりますと、これは政党活動が本来あるべき形で行なわれないで、先ほども申し上げましたように、その記事の内容が何ら政策を宣伝し、選挙民の政治意識を高め、そして選択の自由を十分に充実させるというようなものでないようなやり力ですね。これは明らかに行き過ぎといえると思うのであります。行き過ぎというよりはむしろ自由の乱用だと思うのであります。しかしいまのような発達した資本主義国で、政治が議会制民主主義をたてまえにして、また議院内閣制がとられて、多数が政治の指導権を握るというたてまえをとっている以上、その政党が多数の支持を得ようとして運動をするということは不可欠な条件だと思うのです。それを保障しなかったら、議会制民主主義というものは全く形骸化してしまうことはもちろんでございまして、私どもは選挙運動期間中はもちろんでございますけれども、日常的に政党は自分の信ずる政策を樹立し、これを周知徹底し、支持を訴えるという、いわゆる言論あるいは出版、そういうものの自由が十分保障されていなければならない。特に選挙運動期間中はそうでなかったらいけない。なぜならば選挙運動期間というのは、国民の政治的な関心が非常に高まっているときでございまして、自分の主権者としての意思決定を正しく行なおうという意欲がすべての人たちに一般化してくる時期でございます。そのときが何か言論の自由が制約を受ける行き過ぎになりはしないか、金がかかっていけないのじゃないかというようなことを懸念して何らか調整をしなければいけない、あるいは極端にいうならば、制限をしなければいけないというようなことを考えられるとすると、それは行き過ぎの是正というのではなくて、事実上は言論の自由、政治活動の自由を抑圧する結果になると思うのであります。これでは主権者である国民に政党が奉仕するという立場からいっても逆行でございます。何か京都府知事選挙で自由民主党は非常に力こぶを入れられたのだけれども、敗れてしまった。そこで原因を究明してみたら、どうも昨年の六十一国会で公職選挙法を改正したのがまずかったのじゃないか、これはやはり昔どおりに制限をして、そうしてあまりビラなどはたくさん出させないようにする、あるいはポスターなども制限をする、さらには宣伝カーの使用なども、その告示前のやり方でもセーブしたほうがいいのじゃないか――先ほどもちょっとお話が出ましたが、学生の勉強のじゃまになるというような点、どうも選挙の際に政策を宣伝する、支持を訴えるという一つの方法としての宣伝カーの利用ということは、一面において喧騒にわたったりして、政治的に無関心の人たちにとってみると、何か公害のような、騒音防止条例にも違反するような、そういう物情騒然たる状況を出してきてまずいのじゃないか。しかし政治というものが動いていく場合、しかも国民主権が中心で動いていく場合には、これはやはり一定のそういう無関心である人あるいは静かになっていてもらいたいと思う人たちだけの人権を尊重して、そうして実にもの静かにやる、そうして投票日に静かに投票してもらいさえすればいいのだというようなことでは、政治意識を高め、真に主権者としての自覚を高める道には通じない。だから、多少喧騒であるというようなことも、これはお互いにがまんをしていかなければならないと思うわけです。また、そういう宣伝カーによる宣伝に非常に注意をして、そして、これで初めて各党あるいは各候補者の掲げている立場というものが、支持できるかどうかということを判断する材料を得られて、非常に都合のいいという、そういう意見も多いわけであります。だから、何か行き過ぎがあったという一部の意見が非常に大きく取り上げられて、行き過ぎ是正のほうに悪用されるというようなことは、私どもは民主主義に逆行するものだと思うわけであります。いま大臣が、行き過ぎについては、やはり考えなければいけないのじゃないかと言われたが、その抽象的な行き過ぎということばの意味が、どういうところに置かれているのか。もし具体的に説明ができるのでしたら、おっしゃっていただきたいと思います。
○秋田国務大臣 これは具体的にどうこうと説明がなかなか困難な問題であろうと思います。しかしながら行き過ぎ是正と申したからといって、それが選挙の自由な公正な執行の本旨を妨げるようなふうに、今度は逆にまたそれが悪用をされるようなものであってならないことは、当然のことでございまして、喧騒の問題とか、あるいはあしたに出して夕ベにも出し、昼間にも出す、いろいろ文書が町にはんらんをするということに対しましても、やはり普通の健全な常識としての反省というものが行なわれることは当然であろうと思うのであります。自由にして公正な選挙民の意思発表をそこなわない範囲において節度を守るというふうに考えておるのでありまして、あくまでも、自由なる選挙の遂行のその本旨にもとるような制限を加えるということは、あってはならない、こういうふうに私は考えております。
○青柳委員 また、その四月二十八日の会議では、田中幹事長が、公務員が選挙活動に関係したときに、一定の刑事罰があったのを行政罰に変えた、しかし現実には何の措置もとられておらないから問題がある――これは公務員がその地位を利用して特定の候補者に有利な行動をするということは、公正を欠くという観点での発言でもあろうと思いますけれども、公務員といいましても、ピンからキリまであるわけでありまして、総理大臣も公務員ならば、市町村の一般の職員も公務員である。公務員の方々の圧倒的多数は労働者でございますから、労働組合もでき上がっておるわけでありまして、そういう労働組合が、選挙に関しては一切何も意思表示ができない、どんな活動もできないということは、これは民主主義に反するわけでありますから、公務員であるがゆえに何らの政治活動もできないということではないと思うのであります。地位利用がいけないというだけのことでございますのに、何かしらん、公務員というものは、もう選挙については、全体の奉仕者なんだから、ノータッチでいなければいけないというような思想が根底にあるとすれば、これも大問題だと思うわけであります。この点について、何かまた逆コースといいますか、公務員の政治活動あるいは選挙活動について制約を設けるというようなお考えがあるのかどうか。それもお尋ねいたしたいと思います。
○秋田国務大臣 おそらくその点につきましては、公務員の地位を利用しての選挙運動はいけない、こういう観点から、その点について遺憾があったのじゃなかろうか、この点は今後十分注意しなければいけないのだ、こういうようなことではなかろうかと私は思うのでありまして、私自身としても、それ以外にわたりまして、何か公務員の選挙活動を禁止しようなどということは考えてはおりませんし、おそらくそのいわゆる七者会談といわれるものにおきましても、そんなことが論ぜられたとは私は考えておりません。
○青柳委員 政党の政治活動、したがってまた選挙活動というものをどうしていくべきであるか、これを制限するのではなくて、自由に行ない得るようにするということに関連して、何か政党のあり方、あるいは選挙制度、そういうものについて根本的な改正が行なわれないで、先ほど言ったような文書、言論活動の自由を認めることはまずいじゃないか。ところが選挙制度審議会のほうでは、政党のあり方などについても、第六次では、結論が出されそうもない、いろいろ意見も併記して答申する結果になるというようなことで、いわゆる政党のあり方というものが、何か選挙制度との関連において、まだ明確になっていないような印象を持つわけであります。しかし政党の活動がどうあるべきかというようなことについて、いまさら審議会の答申を受けなければはっきりしないというような考え方は、私はおかしいと思うのであります。政党のあるべき姿というものは、そういう専門家の意見などは聞かなくても非常に明確でありますし、それから一般の世論も、常識的にこれを知っているはずであります。何かそれを規制する、政党活動を規制するというような観点で――どのようにしたら規制できるかというような技術的なことになりますと、あるいは専門家の意見も聞かなければならぬということもあり得ると思いますけれども、少なくとも政治活動を非常に自由にする、ことに言論の活動を自由にするということは、何ら規制の対象にすべきものではないというふうに考えるわけです。第六次選挙判度審議会の結論が出ないで、第七次がまた委嘱されるというような状況でございましょうけれども、その場合、先ほどから御質問申し上げております大臣の、いわゆる行き過ぎ是正について何か諮問をされるような御意向でもおありになりますかどうか。
○秋田国務大臣 まだその点は第七次の選挙制度審議会についてこういうことを諮問しようというようなことは、先ほどお答え申し上げましたとおり、別段まだ考えてはおりません。
○青柳委員 私ども共産党としては、昨年の六十一国会で改正されたものは、これは議員立法の形をとっておるのでありますけれども、全体が一致して各党とも反対をされなかったことであり、非常に前進的なものであったと思うのです。先ほども触れましたように、それは世論にマッチしたものであり、また選挙制度審議会の多数意見でもあるし、いわゆる時勢といいますか、時代の趨勢に沿ったものだと考えるわけでありますから、この点は絶対にこれから後退をすることのないように――行き過ぎ是正という名前はちょっと聞こえはよろしいのですけれども、それに乗って再び過去のように自由に行なえない、窮屈なものになってしまう、そして地方議会の選挙などにおいては十分効果を発揮している政党活動の自由が、衆議院やあるいは参議院あるいは知事の選挙では、これと違って非常に窮屈なものになるというようなことにならないように、せっかくわれわれはいい方向を打ち出してきたわけでありますから、これが、再び逆行するということのないように、政府として努力をしていただきたいということを申し上げる次第でございます。
 それからもう一点だけ、多少話は古くなりますけれども、昨年の七月十三日に施行されました東京都議会の選挙の際に起こった一つのできごとでありますが、それは東京の練馬区のある投票所で投票時間が終わったあと投票しに来た人がありまして、そしてこれは当然のことですけれども、午後六時を過ぎておりますから、拒否された。その拒否が不当であるということで、その選挙管理に携わっていた管理委員あるいは立ち会い人、それから職員、そういう者に対して抗議といいますか、抗議といえば聞こえはよろしいんですけれども、非常に多数の者が集まりまして、そしてどうしても投票させろ、封印を破ってでもわずかにおくれたんだからもう一ぺん投票させろということで、数時間トラブルがあったようであります。これは人権にもかかわる問題でございまして、練馬区議会の中に特別の委員会が設けられて、調査をし、結論が出ているわけでございますけれども、こういう選挙が公正に行なわれ、しかも安全に行なわれるということでなければ、これはやはり議会制民主主義の基礎になる選挙が、多数の暴力によって侵害されるという結果になるわけで、決して民主主義にマッチするゆえんではないと思うのであります。しかもその際に、練馬警察署の署長以下十数名か二十数名かの人たちも現場におもむいたようでありますけれども、暴行脅迫をする人々に対しての規制がほとんどなされない。わずかに一名の人が逮捕されたにすぎないというような事態があったわけです。当時からそれは非常に一般の人たちに衝動を与えたわけでありますけれども、本国会では、まだほとんどそれが論じられていない。これはまことに遺憾なことだと思うのであります。なぜかと申しますと、いま日本共産党などに対して猛烈に反対をしている一部の暴力分子がございます。この連中は、共産党が議会制民主主義を守るのだ、日本は平和的な形でこの政治情勢を変えていくことができるのだという綱領を持っておりますのに対してナンセンス、暴力革命でなければいけないのだ、選挙などというものは全く茶番劇だ、こういうことまで言って、そういうのが「よど号」乗っ取り事件みたいなものにまであらわれてくるわけでありますけれども、おそらくこういう連中は、先ほど申しました練馬の投票所におけるようなことが放置されているならば、重要な選挙の場合、いわゆるゲリラ的に投票所を襲撃して、そして投票箱を奪うとか破壊するとか、全く選挙全体を無効にするようなやり方をしないとも限らないわけです。これはもう共産党としては、絶対にそのようなことがあっては民主主義は守れない、いたずらに警察の取り締まりが厳重でさえあればいいのだ、だから投票所とか開票所には、武装した警官が立ち会っておって、一歩も寄せつけないというようないかめしい状態をつくって、戒厳令みたいな状態にしておくほうがいいということには全然なりません。そういうことはかえって選挙の自由を妨害いたしまして、どうもあそこに制服、私服の警官がにらんでいる、うかつに投票に行って、色目で見られたら困るということで萎縮するようなことがあってはとんでもないことだと思いますけれども、要はいま申し上げたようなことが投票所においてあったということ、これを小さな問題として見のがすことは許せないと思うのであります。それがたまたま公明党、創価学会の人たちのやったことである。この人たちの体質に基づいたものであるかもしれませんけれども、それを私どもが、何か俗にいうどろ試合的に非難するというような、そんな狭い量見の立場でこれを問題にするつもりではありませんけれども、少なくとも七十歳を過ぎた選挙管理委員が床に倒されて、おまえは長生きしたのだからそろそろ死んでしまってもいいだろうというような脅迫的な暴言を受けるとか、あるいは選挙立ち会い人の御婦人の方が二名も板の間に土下座をしてあやまらなければならないというような暴行傷害が公然と数時間にわたって行なわれる。しかも起訴されたのは一名にしかすぎない、こういうことがあってよろしいのかどうか。これは東京の一区において行なわれたことであるために、あまり一般の新聞には大きく報道されておりませんが、御存じない方もあると思いますけれども、少なくとも先ほど申しましたように、特別委員会まで設けられて、結論も出され、公表もされたわけであります。これについて自治省は何らかの情報を得ておられますかどうですか。そしてこういうことをどうお考えになりますか。ひとつお聞きしたいと思います。
○皆川政府委員 お話しの点は、私どもも承知をいたしております。最近の特別委員会における結論についてはまだ伺っておりませんが、それが出ておりましたらば、承知いたしたいと思います。もちろんこのような事態が好ましくない、あっては困ることは当然でございます。この前の衆議院の総選挙にあたりましても、私たちもいろいろ気を使いまして、そういう事態が起こらないように万全の手配を講じたつもりでございます。何ぶんにも投票所の数が多うございますので、今後ともこういうことについては一そう注意をしてまいりたいと思っております。
○青柳委員 結論は、ここに私資料を持ってきておりませんけれども、全会一致でその事態に関係のある人々に対する非難、糾弾ということになっているわけです。その中には公明党の区議会議員が五、六名含まれております。そういう結論でございますから、ひとつ自治省としては積極的に練馬区議会なりあるいは東京都なりを通じて資料を取り寄せて、その中には非常に詳しく事実の経過が書かれております。もちろんその裏づけになる証言、調書、審議の議事録などもあるわけで、相当膨大なものがあるわけです。その中には、委員会で公明党の議員が委員長のところへ菓子折りを持っていって、お手やわらかにと言ったということまで出ておるわけです。だからひとつ今後単に一党一派の問題として糾弾するということでなしに、選挙の公正、安全を保障するという立場を自治省としては当然方針として持っていなければならないと思います。いたずらに警察を動員してどうこうというようなそういう意味でなしに、やはり選挙の啓蒙活動というようなことも含めて、こういうことについては互いに戒心しなければいけないという態度を示してもらうことを私は希望いたしまして、発言を終わります。
○奥野委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後四時二十二分散会