第065回国会 地方行政委員会 第19号
昭和四十六年三月二十六日(金曜日)
    午前十時八分開議
 出席委員
   委員長 菅 太郎君
   理事 小澤 太郎君 理事 大西 正男君
   理事 塩川正十郎君 理事 砂田 重民君
   理事 古屋  亨君 理事 山口 鶴男君
   理事 小濱 新次君 理事 吉田 之久君
      亀山 孝一君    國場 幸昌君
      高鳥  修君    中村 弘海君
      永山 忠則君    村田敬次郎君
      野呂 恭一君    安田 貴六君
      豊  永光君    綿貫 民輔君
      山本弥之助君    桑名 義治君
      坂井 弘一君    和田 一郎君
      門司  亮君    林  百郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (国家公安委員
        会委員長)   荒木萬壽夫君
 出席政府委員
        警察庁長官   後藤田正晴君
        警察庁長官官房
        長       富田 朝彦君
        警察庁長官官房
        会計課長    丸山  昂君
        警察庁刑事局長 高松 敬治君
        警察庁刑事局保
        安部長     長谷川俊之君
        警察庁交通局長 片岡  誠君
 委員外の出席者
        国税庁直税部所
        得税課長    早田  肇君
        林野庁指導部長 海法 正昌君
        通商産業省重工
        業局次長    山形 栄治君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十六日
 辞任         補欠選任
  桑名 義治君     坂井 弘一君
  林  百郎君     東中 光雄君
同日
 辞任         補欠選任
  坂井 弘一君     桑名 義治君
  東中 光雄君     林  百郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第五二号)(参議院送付)
 道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第九三号)
     ――――◇―――――
○菅委員長 これより会議を開きます。
 参議院から送付されました銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田之久君。
○吉田(之)委員 私は民社党といたしまして、この法案に対しまして若干の質問をいたしたいと思います。
 まず初めにお聞きいたしたいことは、この銃砲刀剣と呼びならされておりますけれども、何か銃砲刀剣ということばは、いわゆる日本語としての対句のようなあるいは本来使いなれてきた一つの語呂をそのまま継承尊重しているような感じが、いまになってみると、そういうふうに感じられてならないわけであります。この銃砲の砲というのは事実上要らないのではないか。あえてせんさくいたしましても、捕鯨砲ぐらいが問題でありまして、これもさしていま取り締まろうとする趣旨からいえば問題のあるものではございません。また刀剣の剣ということばなんですけれども、いかにもつるぎ、あえていうならば、やりとかあるいはなぎなたとか、これは必ずしも刀ではないというふうなことにはなると思いますけれども、いまわれわれがとらえようとしている問題の趣旨からいえば、もはや銃砲刀剣などといういかめしい言い方を使わなくても、銃刀でいいのではないかという感じがするわけです。砲とは何ぞや、剣とは何ぞやという御質問を申し上げます。
○長谷川政府委員 砲とは口径が二十ミリ以上の銃砲といいますか、二十ミリ以上のものを一応砲、こういうふうに申しております。それから剣といいますのは、もろ刃の刀というと変ですけれども、もろ刃の刃物でございまして、刃渡りが十五センチ以上のものを剣、こういうふうにこの法律では申しておるわけでございます。
○吉田(之)委員 そういう説明はよくわかるのですけれども、今後ともずっと長きにわたってこの種の規制は、銃砲刀剣ということばを使わなければならないのか、どうしてもこうしないとぐあいが悪いということなんでしょうか。略称銃刀法と皆さん方みずからおっしゃっているわけであります。法律の用語というものは次第に近代化していってもいいのではないかという気がいたします。この辺はあまりどうこうという論議にもなりませんので、あえて私どもから見た感じや要望を申し上げておく次第であります。
 次に、今度の法律で一番の特色は模造拳銃の問題だろうと思います。この模造というのは本物に対する模造なんですけれども、模造というのは、どこからが模造なのかどこからが本物なのか、同時に、では模造品といわゆる玩具、おもちゃのたぐいとはどこで限界を引くのか、その辺の定義をはっきり御説明願いたい。
○長谷川政府委員 本物の拳銃は、まず金属性のたまを発射する機能があるということが一つの要件でございます。しかもその発射した弾丸が人畜殺傷の威力がある、こういうことでございます。模造拳銃と申しますのは、そういう発射機能はないが、形態が通常の注意力をもちましては外観上ほとんど本物と区別ができない、そういったものを模造拳銃、こういうふうに定義をいたしておるものでございます。それからおもちゃの拳銃というのは、そういう模造拳銃に至らないものでございまして、一見しまして本物の拳銃でないということがわかる、そういうものを玩具拳銃、こういうふうに申しておるのでございます。
○吉田(之)委員 拳銃などとは別に、たとえば装飾品ですね、真珠の場合模造真珠とか、あるいは指輪なんかでもいろいろ本物の宝石か模造かということで、われわれの生活観念としてはなじまれております。この場合は模造であろうがおもちゃであろうが、その辺は別に社会的にそう罪のあることだとは思わないのです。玩具、「おもちゃのたぐいはきわめて大衆的で娯楽的で、これは罪のないものでありまして、大いに推奨されていいと思うのです。しかし、模造の拳銃その他銃砲関係をながめますと、どうしてそういうものをつくらなければならないのかという疑いが出てまいります。何か意図あってのもの、いわゆる見た目には本物と変わらないように見せかけて、それがおもちゃであるかといえば、おもちゃ以上のものである、こういう模造というようなものが存在しなければならないという理由が、どうもわれわれわからないわけなんです。いまの御説明からいえば、見た目には本物と変わらない、容易に本物とにせものとの識別がつかないものを模造という、しかし玩具よりははるかに精巧なもの。どうしてそう
 いうものが社会的に要求されるのか、その辺の哲学的考察をお願いしたい。
○長谷川政府委員 的確にお答えできるかどうか自信がないのでございますが、この模造拳銃の出てきましたいきさつを見ますと、最初は昭和三十六、七年ごろだと思いますが、外国からそういったものが入ってきて、それからたいへん人気を呼びまして国内でも生産されるようになったというように思うのであります。やはり何といいますか、拳銃は日本の国内においては原則として持てないことになっておるわけでありますが、人間の本能の中にそういったものを持ちたいという気持ちもあるのではないか、そういう満たされない欲望を満たすため、こういうものが出てきたのではないか、かように私は思っておる次第でございます。
○吉田(之)委員 そういう持ち得ないものを持とうとする要求、それはわかります。しかし、その模造拳銃が一般に広がっていくことによって――反社会的な作用というものは別に政治の側からは当然指導されなければならないし、当初からそういうものは危険性がある、悪用されるおそれがある。大体にせものをつくるというようなことは、その精神自身が本来おかしいと思うのですね。そういうことをなぜもっと初めから規制しようというふうに考えられなかったか。かっこいい、青少年のそういう願望にこたえてやってもいいのではないかというふうな放任主義が、今日このような諸問題をつくり出してしまったのではないかというような感じがしてならないわけであります。
 そこで、いまおっしゃるとおり、確かに一見したところでは本物と変わらない。しかしその機能等から見れば明らかにこれは模造である。そこまでは了解できるといたしましても、その模造が若干の手直しを加えることによって発射機能を持つということになれば、これは本物に転化し得る可能性を持っておるわけです。これをしも模造といえるかどうか、その辺の概念はいかがですか。
○長谷川政府委員 若干の手直し、通常の人の若干の手直しで発射機能を有するようなものに改造できますようなものは、現行の銃刀法でいいます拳銃に該当するもの、こういうことで過去に取り締まった例もございますし、解釈はそういうことにしております。
○吉田(之)委員 だから、本来模造というものは好ましい概念から出発するものではない。ましてそれが非常に悪用されて危険な可能性を持つ、本物と何ら変わらない作用を内包しておるとすれば、それは明らかに、輸出品であろうが国内需要のものであろうが、直ちに禁止されなければならない。この辺のところは今度の法改正でもずいぶん前進したと思うのですけれども、今後もっともっと明確に処置されていかなければならないのではないかという感じがいたします。
 そこで、きのうからいろいろ御答弁を聞いておりましたが、この模造拳銃のわが国における総生産高は約十一億円前後でございますね。そうじゃございませんでしたか。そうして輸出が九千万円、約一億円弱というふうに聞きました。だとするならば、今度の法改正によって輸出品だけを認めて残りは全部禁止しよう、こういうふうに了解していいわけですか。
○長谷川政府委員 模造拳銃につきましては、お話しのとおり、輸出以外はすべて禁止をいたす、こういうことでございます。
○吉田(之)委員 そうすると、約十億に及ぶ国内のその製造業界からの生産というものは、この際無視しなければならないというふうに了解していいわけですね。
 それでは、国内でさえ使わなければ、輸出は幾らしてもいいんだ、国外に「おいてはどんな問題が起こってもいいのだという考え方になりますか。それとも、国際的にやはりそのものは好ましくないし、諸外国にも一応の話し合いを行なって、お互いに――これは国と国とかお互い相互作用するものだと思うのです。日本だけがやめると言ったって、やはり外国映画は入ってまいります、テレビでは映ってまいります。そういうものがまた日本の青少年の欲望をかき立てる作用というものは無視できないと思いますので、こういうめんどうな問題については、お互いにそういう模造品というものはなくしていこうではないかというふうな措置こそ国際的にとられるべきであって、外国へ売るものならばいいんだ、一億でも二億でも売ろうじゃないかというふうな考え方はいかがなものかと思いますが、長官、これはいかがお考えでございますか。
○後藤田政府委員 先ほど来の御意見を承っておりまして、おっしゃるように、本来模造というものは、本物と区別のつかぬようなもので本物と違う、こういうものでしょう。そこで、本物を禁止している以上は、それと区別のつかぬものを禁止しようということで今回は考えたわけでございますけれども、日本の場合には、拳銃そのものの所持を一般には認めておりません。ところが、諸外国の場合には、拳銃の所持そのものが、日本と違って非常に寛大な扱いになっております。本物が寛大であるならば、本物そっくりであるが本物と違うといったようなものもやはり寛大な扱いにしていいのではないか。こういったその国それぞれの銃器についての管理、取り扱い等が違っておる。諸外国は日本ほどきびしくないということでございますので、今回のような規制の際に、輸出そのものまでとめる必要はないだろう。
 しかし、さらにさかのぼって言えば、そもそも日本では拳銃を持たせぬものですから、先ほどの御説を承っておりまして、模造拳銃そのものの生産をやめるべきだ、私はさように思いますけれども、これは今日さようになっておりませんので、ただいまお答えしましたように、諸外国が寛大であるならば、模造拳銃の輸出まで、生産を認めている以上とめる必要もなかろう、こういうことで、輸出までの規制はしない、そういう取り扱いをしたわけでございます。
○吉田(之)委員 国情が違うわけですから、諸外国のことまであまりわれわれも神経を使う必要はないかもしれませんけれども、しかし、やはり同じ人間でございますから、日本で起こり得ることは諸外国でも起こり得るかもしれない。将来諸外国で模造拳銃が非常に悪に利用されまして、大体日本がこんなものを、つくってどんどん輸出してくるから悪いのだ、おまえたち自分の国でやめておきながら、というような非難を受けはしないかという若干の杞憂が残るわけでございます。その辺は今後諸外国の反応などをよく御留意いただきまして、変なそしりを受けないようにしなければならないのではないかという感じがいたします。
 さて、この模造拳銃の業者は――この間の三月四日の参議院の地方行政委員会における御発言を読ませていただきますと、長谷川政府委員は、その業者はほとんど零細な業者が多い、したがって輸出を禁止することになると業者に甚大な打撃を与えることになるのではないかというふうな御答弁をなさっております。きのう通産側の御意見を聞いておりましたら、幸いなことに九つの業者からできておる。まず他の生産品に転換の可能な業者であって、そう深刻な打撃はないであろうというふうに答弁されているようにわれわれは聞きました。この辺の分析の違い、ニュアンスの違いがあるように思われてならないのです。少しこの間の説明をお願いいたしたいと思います。
○長谷川政府委員 私が参議院で申し上げましたのは、ただいまお話のありましたとおりでございますけれども、おもちゃの業界というものは、そのおもちゃの業界の中で見ますと、先般通産御当局から説明のありましたように、モデルガンをつくっております業界は大きい業者であるというようでございますが、日本全体、他の産業と比べてみました場合、決して大企業ではない、やはり中小企業のほうのものではないか、しかもそのうちの相当部分が輸出されておる、こういうようなことで、もし直ちに輸出の禁止をした場合、相当な影響があるのではないかということを申し上げたわけでございます。あるいは説明が不十分であった点があったかと思いますが、そういう趣旨で申し上げたのでございます。
○吉田(之)委員 次に、駐留軍が遊んだついでに、借金のカタに拳銃を置いていくとか、あるいは故意に横流しをしたとかというふうなことを、ちらほらわれわれは今日まで聞いてまいりました。
 大体、その駐留軍が持っておる拳銃というものは全部官給品なのか、それとも私物の拳銃というものが許されているのか、その辺を伺いたいと思います。
○長谷川政府委員 駐留軍は原則として、日本の国内におきましては、官給のものを持つということになっておるようでございますが、米本国等においては私物の拳銃を持つこともできるわけでございますので、やはり日本に参ります場合も持ってくる者があるようでございます。そういうものはもちろん私的に、私人の資格で持つわけでございますから、日本の銃刀法の適用を受けることになっておるのでございます。
 そこで、拳銃というものは原則として日本では持てないわけでございますから、米軍のほうにおきましては、私物の拳銃については軍自体がこれを取り上げて、軍の責任において管理をする、こういうことになっておるのでございます。
○吉田(之)委員 そうすると、官給品は別として、プライベートに持っておる向こうの拳銃というものは、普通の規則からいえば、市内に出る場合には軍が保管しておるわけであって、それを所持して出るということはあり得ないことなんだということですね。
 それで大体事情はわかりましたけれども、最近向こうのいわゆる私物の拳銃が横流しされているという例は続いておりますか、どうですか。
○長谷川政府委員 残念ながら絶無ではありませんで 昭和四十四年そういう関係で検挙いたしましたのが十件、押収しましたものが十五丁ございます。それから昭和四十五年七件ございまして、押収しましたものが二十二丁ございます。そういう状況でございます。
○吉田(之)委員 そういう場合に、米軍に対する日本側の政府としての抗議とかあるいは今後のこういう事故防止に対する要請とかいうことは、そのつどどういう形でなされておりますか。
○長谷川政府委員 こういう横流しの拳銃のみならず、昨年、一昨年等におきましては、軍自体が持っております武器等も取られる事件がありまして、米軍司令部の責任者を私どものところへ呼びまして、三回にわたりまして、日本の国内における銃器のきびしい規制の状況というものを十分に部下に徹底し、そして今後こういう事件がないようにということを厳重に申し入れを重ねてまいっている状況でございます。
○吉田(之)委員 いかに国内の法律で銃砲刀剣の所持をきびしく取り締まりましても、肝心のところで穴があいておれば、これは全く意味をなしませんので、そういう点での政府間の交渉等もさらにひとつ緊密の度を加えていただかなければならないと思います。
 ところで、現在日本の国内においてライフル銃が持たれている数の中で、いわゆる生計を営むためにライフル銃を使用する人たち、あるいは農村において害鳥獣を防止するために使用される分、それからその他の、いわゆる遊猟行為と申しますか、こういう三つに分類して、そのライフル銃の所持されている数というものは、現在ほぼどの程度のものになりますか。
○長谷川政府委員 本年の二月にライフル銃の所持者につきまして調査いたしたのでございますが、そのときの状況を申し上げますると、いわゆる猟師さん、獣類捕獲を職業とする者は、私どもの調査では百十五名で、丁数にいたしますと百四十七丁であるということでございます。それから第二の、いわゆる自分の事業に対する被害を防止するためのものは千五百二十九名で千七百十丁でございます。その他が三万五百六十八名で三万五千九十七丁でございます。このその他の中には、約二千四百丁の競技、標的射撃のみというものが含まれておりますが、大部分は一般的な狩猟のための所持というふうに認められるわけでございます。
○吉田(之)委員 そうすると、ほとんど大部分、パーセンテージでいいまして九〇%以上が、いわゆる遊猟行為、趣味で持つ、スポーツで持つという人たちがライフル銃を所持しているというふうに認識すべきだと思います。この傾向は、この法律が改正されるまではどんどん伸びてきているわけですか。その伸び率などはいかがですか。
○長谷川政府委員 この猟師さんというもの等は、御承知のように、漸次減りつつある状況でありまするし、また、二番目の事業のためというのもそれほどふえておるというふうには思われません。したがいまして、このライフル銃の所持許可の状況を資料で差し上げてありますが、ライフル銃は漸次ふえているわけでありますが、ふえているのは、やはり第三の狩猟関係のものがふえておるものと考えて差しつかえがないと思います。
○吉田(之)委員 今度のこの法改正によって、その伸びというものは著しくとまるあるいは下降するものですか、見通しについて。
○長谷川政府委員 今度は十年以上でないと持てないということになるわけでございまするから、新規に持ち得る者はおのずから少なくなってくるわけでございます。そこで、先般私ども事務的に、一体どうなるであろうかということで推計をいたしてみました。それで、十年以上の資格のある者の中で、いままで持つことを希望した者等を基礎にいたしまして推計いたしますると、最大限、新規に持ちたいというものが三千丁ぐらいであろう。一方、いままで持っておった者でも、もう廃棄するとか譲渡するとかしてやめる者があるわけでございまして、それがやはり三千丁余あるというふうに思われますので、ふえないであろう、こういうふうに推計いたしております。
○吉田(之)委員 それから、きのうも質問が出ておりましたが、クマとかイノシシとかトドとかあるいは野生のシカ、こういう動物は減る傾向にあるのですか、まだふえてくるのでしょうか。
○長谷川政府委員 絶対的な数量というのは林野庁におかれましてもなかなかよくわからないようでございまするが、先般来お話を伺いますと、ここのところややふえぎみである、こういうことでございます。なお、具体的にはその年その年に捕獲をいたしました頭数等を見ますると、少しずつではございますが、漸次ふえている状況でございます。
○吉田(之)委員 このやっかいな動物がふえてくることとライフル銃の規制を強化することは――いわゆる生計を立てている職業としてのライフル銃所有者あるいは害鳥獣を防止するためのライフル銃の所有者は、この法律によって別にそれほど変化は起こらないと思いますが、その他のグループがライフル銃を持つ数がだんだん減ってくるということと、いわゆる害鳥獣がふえるということとは関連ありませんか。
○長谷川政府委員 このライフル銃の規制によりましてそういったものの増減に全然関係がないというのは行き過ぎでございますが、しかし、あまり関係はないのじゃないかと思うのでございます。これまでも、たとえばクマ等につきましては、新規にライフル銃を持ったような人がとるのではなくして、相当のベテランの人がとっておるわけでございまして、今後もそういうものにつきましては、当然経験が十年以上ある者が持てるわけでございまするし、またお話のように、猟師等は当然持てるわけでございまするので、そういうものにつきましてはいままでと変わりはなくやっていけると思います。それからまた、イノシシとかシカとかいうようなものにつきましては、数もかなり多いわけでございまするが、これは現在とっております状況等を伺いますると、すべてライフル銃でとっているわけではないのでございまして、散弾銃ででも相当とっておる状況でございます。そういうことで、ライフル銃が今回のような規制を受けたためにたいへん有害獣類がふえるということはないのではないか、総合勘案いたしますれば適当な目的を達することはできるのじゃないか、こういうふうに考えております。
  〔委員長退席、古屋委員長代理着席〕
○吉田(之)委員 継続して十年以上猟銃の所持の許可を受けている者はまあ問題はないといたしまして、いわゆる職業として、あるいは農作物の防衛上ライフル銃を所持しようとする者は、経験のあるなしにかかわらず、希望すればすぐ許可されるわけですね。それでないと、そこの絶対量が減ってくるということは、害鳥獣がふえるということに関係があると思うのです。この辺は、この法律によって何ら心配はないでしょうね。
○長谷川政府委員 お話のとおり、そういう御心配のもの、つまり自分の農場を守る等のものは別に十年という制限を課しておりませんので、いままでどおり持てまするから、心配はないと思います。
○吉田(之)委員 それから銃砲の分類の中で建設用というのがよく出てまいりますけれども、建設用に使う銃というのはどういうものですか。
○長谷川政府委員 最も多いのはびょう打ち銃でございまして、高速道路等の橋げた等にびょうを打ちますときにびょう打ち銃を使いますが、これが五万何がし、最も多いわけでございます。そのほかに建設用綱索発射銃というのがございまして、これは橋なんかをかけるときに使われますが、向こう側に鋼鉄の綱を渡すときに使う銃で、この二種類でございます。
○吉田(之)委員 びょう打ち銃というのは人に危害を加えるおそれはないですね。
○長谷川政府委員 これはやはり飛び出しますると、相当厚い板も打ち抜く威力がありまして、現にこれによって死んだりあるいは重大な傷害を受けた事例もございます。
○吉田(之)委員 そのびょう打ち銃が故意に人を殺害する意図で悪用されたという例はございますか。
○長谷川政府委員 故意に人を殺害のために使われたという例はいまのところ承知いたしておりませんが、過失によるものはございます。
○吉田(之)委員 次に、銃砲の一連番号を打刻することによって今後の取り締まりを強化するに便ならしめようということのようでございますが、今日至るところにコンピューターが使われております。たとえば自動車の運転免許が全部コンピューターにおさまっているはずであります。何か駐車違反をしても、それを全部コンピューターが記憶するということのようであります。したがって、銃がつくられたときにすぐに一連番号が打たれて、それがコンピューターに覚えさせられて、何という番号の銃はいまどの銃砲店が持っておる、だれに売られたあるいはいつ紛失したというふうなことが即座にわかるようにできるはずであると思いますが、現にそういう体制になっておりますかどうか。
○長谷川政府委員 仰せのように、警察におきましても、猟銃につきましてはコンピューターに登録させておりますが、これは所持許可を受けましたものにつきましてコンピューターに登録させているわけでございまして、メーカーがつくりました段階での分は登録いたしておらない状況でございます。私ども、直接いろいろ問題になるのはそういう所持許可をいたしましたものが問題でございますので、現在のところは、それで十分目的を達することができると考えて、そのようにやっておる状況でございます。
○吉田(之)委員 荒木国務大臣にお尋ねしたいわけでございますが、銃というものは、つくられた時期から使いようによっては非常に凶器になるわけであります。したがって、この際、それが売られていようが売られていまいが、製造された時点からナンバーを打っていくということのほうが今後取り締まりも非常に一目りょう然になりますし、また銃がそういう製造、販売の過程において盗まれても、その銃は何番であり、どこで見つかったからどの辺に運ばれているのではないか、どのグループが持っているのではないかというふうな追跡が非常に早まると思います。確かになると私は思います。そうむずかしいことではないと思いますから、この辺でせっかく一連ナンバーを打とうということでありますならば、そこまで徹底されたらいいのではないかというふうな気がするのでございますが、いかがでございますか。
○荒木国務大臣 傾聴すべき御意見と思いますが、確たる意見をお答えするにはちょっと自信がございませんので、警察庁長官からお答えします。
○後藤田政府委員 御説のような御意見も有力な御見識だと思います。ただ問題は、やはり国内で使われる銃がどういう銃であるかということが私どもにとっては最大の問題だと思います。そういう意味合いで、所持許可をした銃についてだけコンピューターに入れてコントロールする。
 なお、打刻の点につきましては、国内で生産をせられておるものはみんな一連番号もちゃんとついておるもののようでございますが、輸入等の銃もあるし、また番号のないものもあるようです。そういう意味合いで、輸入等の場合であれば、国内の番号と一緒になるおそれもあります。そういうことでございますので、そういう分明ならざるものについて打刻をして、それをコンピューターに入れていく、こういう処置を今回考えたわけでございます。
○吉田(之)委員 くどいようでございますが、それでは外国で製造して、外国で販売されて、外国のナンバーが打ってあるやつは、そのナンバーのままで日本のコンピューターにほうり込むのですか。そういうものがうまく一つの体系の中に入りますか。
○後藤田政府委員 当然それが日本の番号と同じことになっておるおそれがあるわけですね。そこで、そういう銃についてははっきりした国内での番号を打たしてコンピューターに入れる、ダブらないようにしたいと思います。
○吉田(之)委員 その外国の番号ともダブらないように新たに一連番号を打とうというくらいのことでありますならば、製造して出てくる日本の分もどんどん打てるはずだと思いますし、それほど困難なことではありませんし、それから私は、外国から来たものであろうが国内でつくられたものであろうが、およそ日本の国民の中で銃砲刀剣の所持の取り締まりを受けなければならない該当のそういう銃砲については、全部細大漏らさずコンピューターに入れてしまうということでないと、いざ捜査の段階でたいへん混乱が起こって、せっかくの機能が十分な役割りを果たさないような気がしてならないのです。まあ将来そのほうが、私の考え方のほうがいいということでございましたならば――不必要であれはけっこうでございますよ、皆さんが専門家ですから、われわれはしろうとなりにそう思いますので、ひとつその辺一段の御研究をなされたらありがたいと思います。
 それからきのうの質問の中で、いわゆる室内の装飾用に刀剣を飾っておく分には、これは携帯とみなさないということでございましたね。携帯とみなさないということは、この所持取締法には該当しないということでございますか。
○長谷川政府委員 昨日お答え申し上げましたのは、いわゆるモデル刀剣でございまして、これは今回の改正案におきましては所持全般を規制するのではなくして、その持ち歩き、理由のない携帯を禁止する、こういう改正案をお願いいたしておりますので、そのことを申し上げたのでございます。したがいまして、モデル刀剣は、所持自体は自由でございますが、理由のない持ち歩きはいけない、こういうことをねらいにいたしておるわけでございます。
○吉田(之)委員 ところが、そのモデル刀剣といえども、本物の刀剣とこれも限界はきわめて不明確であります。品物によれば拳銃以上に不明確だろうと私は思うのです。しかもそういう危険なものがただ室内に装飾として置いてあれば、その分では何ら規制の対象にはならないということであるならば、これを非常に悪用いたしますと、暴力団が各家庭に数十振りずつ刀剣を飾っておいたって、これは何ら規制の対象にはなし得ない。いざというときにこれを持って歩けば、これで携帯になるわけでございますね。この辺相手が暴力団だから調べる、相手が普通のだんなさまであるから調べないということは、区別は非常にむずかしいわけでございますけれども、飾ってさえあればそれは問題ないのだということから、また抜け道が出たりはしないかという心配がわれわれには残るわけであります。その辺はいかがでありますか。
○長谷川政府委員 確かに所持まで全部禁止をいたせば、そういう点につきましては徹底するわけでございますけれども、モデル刀剣というものはいろいろその用途もありますし、したがいまして、現在の法のつり合いを考えてみましても、殺傷力の点ではそれよりもっと強いいわゆる刃物等につきましても、いろいろ用途があるものですから、持ち歩き、いわゆる携帯を禁止しておる、そういう状況でございますので、現行のいろいろな刀に対する規制のつり合いも考えまして、携帯の禁止が最も妥当であるというふうに考えてお願いをいたしているわけでございます。しかしながら、刀剣全般につきましてやはりいろいろ検討すべき点があると思いますので、いろいろ研究さしていただきたいと思います。
○吉田(之)委員 最後に、長官にお聞きいたしますが、模造拳銃であろうが、あるいはほんとうのおもちゃの拳銃であろうが、最近問題になっておりますように、若干の手直しを加えれば十分凶器としてその機能を持つというおそろしい現状でございます。そこで、そういう悪用された例が一つでも二つでも出てきた場合には、その模造拳銃ないしはその玩具は国の責任において全部回収してしまう、あるいは現に製造中のものも全部押えてしまうというくらいの姿勢を持たなければ、これは何ら法を活用したことにもならないし、取り締まりを十分行なったことにもならないと思うのです。そういう厳たる態度で臨まれるのかどうかということでございます。
○後藤田政府委員 悪用せられた場合には、もちろんそれは犯罪の用に供されたものとしてすべて押収をいたします。ただ、その場合に、そういうものを製造しておるという業者につきましては、通産当局に私のほうから十分連絡をした上で、通産当局で厳重な行政上の指導をお願いするようにいたしたいと思います。
○吉田(之)委員 すべてを押収するということは、改造されたものではなしに、改造の可能性を持つ出回っておる何万、何十万という模造拳銃まで押収なさるのですね。
○後藤田政府委員 犯罪を構成しておるような銃が出回っておるならば、それは当然すべてこの法律によって処理をいたしたいと思います。
○吉田(之)委員 質問を終わります。
○古屋委員長代理 山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 最初に林野庁にお尋ねしたいと思うのですが、わが国に生息する動物で、ライフルを用いなければ狩猟ができないという動物は、どのような動物がおりますか、お伺いをします。
○海法説明員 お答え申し上げます。
 捕獲のためにライフルを必要といたします獣類の種類とその生息数というお話でございますが、クマ、ヒグマ及びイノシシ等は、手負いになりますと人に危害を与えるものでございますので、捕獲のためには命中精度の高いもの、それから威力のすぐれているというものが必要でございますので、このためにライフル銃がぜひ必要であるというふうに考えます。
 それから生息数は大体クマが一万頭、ヒグマが二千五百頭、イノシシが約十万頭、これは推定でございます。
○山口(鶴)委員 そうしますと、クマが一万、ヒグマが二千五百ですから、クマのたぐいが一万二千五百、それからイノシシがそのほかに約十万ですね。ライフルがいまどのくらいあるかを拝見しますと、三万四千三百四十三丁。イノシシの中には最近イノブタと称するものもおるようでありまして、どうもう性の少ないものもあるようですが、そうしますと、特にどうもうだというクマが一万二千五百に対してライフルは二倍以上あるということになりますね。どうですか、クマの数等から見て、これだけのライフルが要るとお考えでありますか。
○海法説明員 銃の数でございますけれども、これらは先ほど申し上げましたように、手負いになりますと人に危害を及ぼすということ、それから北海道あたりでございますと、非常に人里にも出てくる。そういうのを駆除しなければならぬという場合に、全体の数がどうだということよりは、そこでどのくらい必要であるかということになろうかと思いますので、直ちに必要かどうかということはちょっと判断しかねます。
○山口(鶴)委員 昨年奄美大島に行きましたら、奄美大島の人口が十五、六万、これに対してハブの数が約二十万というお話を拝聴してまいりました。そこに住んでおります人の倍もどうもうな獣類がおるとか、国内のライフルに数倍する有害などうもうなけものがおるということならば、これはその必要性も感ずるのですが、どうもわが国におきましても、これほど多数のライフルは必要ないんじゃないか。先ほど御答弁を聞きましたら、生計を営むために持っておりますライフルは百四十七丁と聞きましたけれども、大体この程度あれば十分でないかという感じがするわけであります。そういう意味で、今回ライフルの規制を強化されたことは非常に時宜に適したことではないか。むしろおそきに失したんじゃないかという感じがいたします。参議院が修正をいたしまして特に規制の強化をいたしましたことにつきましても、私どもとしては全面的に賛成であります。私はかつて国家公安委員長にも、わが国ではライフルというようなものは狩猟にはほとんど必要ないんじゃないか、ひとつ政府の内部でもいまこういう時期に御検討いただいたほうがいいんじゃないかということを申し上げたわけでありますが、大臣としての御所見があれば、承っておきたいと思います。
○荒木国務大臣 お説のとおりであると思います。そこで、狩猟、害獣駆除のためにやむを得ないもの、競技のためにやむを得ないもの以外は、原則として持たせないという趣旨で一貫することが適切であろうかと存じます。
○山口(鶴)委員 今回参議院が修正をいたしまして、この経過規定につきましても縛りを加えたわけでありますが、そうなりますと今後ライフルの国内における所持数はおおよそどの程度になるだろう、こういう見通しがあれば、ひとつ承っておきたいと思います。
○長谷川政府委員 お答え申し上げます。
 現在三万四千何がしの銃がございますが、参議院の修正どおりで、今後の増減を一応抜きにしていたしますと、五年後におきましては二万一千五百丁くらいになると思います。なお、参議院の附帯決議にありました小口径のものもやめる、こういうことになりますと、その数は正確ではありませんが、約七千丁くらいさらに落ちまして一万四千丁くらいになるのではないか、こういうふうに推計いたしております。
○山口(鶴)委員 今回国内におけるライフルの所持数はできるだけ縛っていくということで、警察当局も十分対処せられるように、これは強く要望いたしておきたいと思います。
 それから次に、通産省の方お見えだと思いますので、お伺いしたいと思うのですが、昨日砂田委員が質問をされまして、これに対しまして通産省当局及び後藤田長官からそれぞれ御答弁がございました。後藤田長官の御答弁を拝聴しておったわけでありますが、特に必要ある場合立ち入りをする。問題は、立ち入り検査をしてその保管状況等がきわめてずさんであるというものを発見いたしましても、その後の処置、これがやはり一番問題ではないだろうか、こういう御答弁をされたのであります。武器等製造法を拝見いたしますと、十五条におきまして許可の取り消しがございます。これは武器製造業者の場合だと思いますが、これを見ますと、保管等に違反があっても取り消しはできない。結局この法律の第五条第五号、そのイ、ロ、ハ、ニ、ホ、問題は要するに「罰金以上の刑に処せられ、その情状が武器製造事業者として不適当な者」とか「禁治産者」とか、こういう場合に取り消しができるんだ、こうなっております。販売事業の取り消しにつきましては、この二十条で先ほどの私が申し上げた条項を準用する、こうなっておりますが、これでは知事が安全と認めた場所並びにそれ以外の安全な場所、それ以外の全く安全ならざる場所に武器や火薬類あるいは銃弾等をばらばら置いておいても、そういうことを常にやっておっても取り消しができぬということは、私は非常におかしいんじゃないかと思うんですね。これについて通産省としては一体どうお考えなんですか。
○山形説明員 お答え申し上げます。
 現在武器等製造法に基づきます販売業者の許可の取り消しにつきましては、ただいま先生のお話のとおりでございまして、保管設備等が基準に合わないというだけの理由で、これが取り消しの要因ということに相なっておりません。こういう場合におきましては、現在のところは、知事のほうから設備の改善命令を出すたてまえで運用いたしております。しかしながら、今回ただいま御審議中の法律の改正案が通りますれば、この改正案の内容の中に、保管設備のあるべき姿等につきまして法律上その義務が明文化されておりまして、したがいまして、この改正案が通りました暁におきましては、この保管義務に違反したことが本法違反ということになりますので、現在の武器等製造法の取引免許の取り消し要因の中の法律に反した場合ということになりますので、現状よりは取り消し要因が厳格に運用されることになるのじゃないかと思います。ただし、現時点におきましては、設備の改善命令ということを出すことによって運用いたす以外にない、こう考えております。
○山口(鶴)委員 確かに憲法二十二条で営業の自由というものは認められておるわけですが、しかし、これには「公共の福祉に反しない限り、」においてという一つの縛りというか、ただし書きがついておるわけでございまして、私どもが公害あるいはその他の場合によく口にいたします憲法二十五条の生存権あるいは憲法二十八条の勤労者の団結権、こういうものは公共の福祉に反しない限りにおいてという条件はついていないわけですね。ずばり生存権、それから団結権というものは憲法で保障されている。しかし、営業の自由につきましては、公共の福祉云々というものがあるわけでありますから、私は、営業の自由が憲法で保障されているとはいうものの、現在武器による凶悪犯等が問題になっておりますときに、ある程度この法律で取り消し等についても明確にしていいんじゃないかという感じがいたすのであります。いまの通産省の御答弁はある程度わかりましたが、この点に関して警察庁長官として考えがあれば、ひとつ承っておきたいと思います。
○後藤田政府委員 営業許可の基準と取り消し事由、これは法律的には必ずしも一致してなくても、私、差しつかえないと思います。しかし、銃砲等の販売店の許可基準の一つである猟銃なんかの保管設備で、保管設備が法定の要件を備えていないとか、あるいは要件を備えるように改造しなさいといってもそれに応じないといった場合に、取り消しすらできないというのは、これは私はよくないと思います。やはりそういう場合には、取り消しまでできるという根拠を持って行政指導に当たらなければ実効があがらぬのではないのか、また現実にあがってない例が幾らでもあるわけでありますから、そういう点については私はもう少ししっかりした処置をすべきであろう。なるほど今回の法改正で、ただいまお答えがあったように、罰則が働くようになります。しかし、こういったものは、罰則で違反という事態にまで追い込んでその上で処置をするというのは、私は行政の本筋ではない、かように考えます。
○山口(鶴)委員 私もいまの後藤田長官の御答弁に賛成であります。やはりこれだけ世上で問題になっている状態というものを考えますならば、こういったライフルあるいは威力のある猟銃、これらの保管につきまして、基準から著しく逸脱をしている、何回設備改善命令を出しても応じないという場合には、やはり取り消しもできるんだという法的根拠を持って、十分なる行政指導をやっていただくということが私は必要だと思います。昨日の御答弁で、塚田銃砲店につきましても現在販売は自粛してもらっている、こういう状態だということは、現在の法律では私はやむを得ないことだと思うのでありますけれども、やはり一般国民から見れば奇異な感も免れぬと思うのです。ひとつこの点につきましては後藤田長官の意見というものも十分参考にしていただきまして、通産省当局でも、この武器等製造法につきましてしかるべく改正を今後お考えになることが至当ではないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○山形説明員 先ほどの答弁、若干不十分な点があったと思いますので、訂正を含めまして答弁いたしたいと思います。
 ただいまの後藤田長官のお考えと全く同意見でございまして、設備が基準に合わないというだけの理由で直ちに取り消しにするのは、私はちょっと行き過ぎではないかと考えるのですが、数回にわたりまして適切なる改善命令を出しながらもこれを聞かないような場合におきましては、当然それは取り消し原因になるような方向で今後検討いたしたい、こう思っておる次第であります。
○山口(鶴)委員 では、次にお尋ねしたいと思いますのは刀剣でありますが、過般新聞を拝見したのでありますが、警視庁の捜査員が暴力団に刀を売る、二振り取り締まり協力のお礼に売った、こう大きく報道をされました。組織暴力根絶を目ざして、警察庁が非常な努力をしていただいておりますことを、私どもはこれは当然のことであり、また大いに努力をいただきたいと考えておるわけでありますが、こういうときに全日本飯島連合準構成員、かつて日本国粋会とも関係しておったという人物に対して、警視庁の捜査員の方が十万円で二振りの刀を売った。それがたまたま警視庁が暴力根絶を目ざして繰り広げております作戦の一環として、家宅捜索をいたした過程において、その領収書が見つかったので初めてわかったというようなことは、私、非常に残念に思う次第であります。この新聞報道によりますと、二振りの刀のうち、一つは回収されたが、いま一つはまだ回収されていない。しかもその回収されない刀のほうは登録がなされていない。公安委員会への届け出はなくて、不法所持になっているということが報道をされております。現実このとおりでありますか。
 それからこのような事態に対しまして、警察としてはどうお考えであり、どう処置をいたされましたか。どなたでもけっこうでありますから、お答えいただきたいと思います。
○富田(朝)政府委員 ただいまお尋ねの二振りの刀剣につきましては、警視庁の報告によりますと、登録済みである、こういう報告を受けております。
 それから処分につきましては、三月十六日付で戒告処分に付しまして、同時に、捜査四課員としては、職務上の一環としてそういう行為をいたしたとはいいますものの、ふさわしくない行為であるということで、石神井警察署に配置がえをいたしております。
○山口(鶴)委員 特にこの銃砲刀剣類所持等取締法をきびしく改正しなければならぬということが世論でもあり、また警察庁当局としても、そういう趣旨から法律改正案も国会に提案をしている。そういう時期にこういう事案が起きたということは非常に、私、残念なことだと思います。処分が重いか軽いかというようなことにつきましてここで議論しても始まりませんので、そういうことについては申しませんが、こういった銃砲刀剣類所持等取締法の一部改正を国会で議論している時期に、こういう事案があったことは遺憾であるということを申し上げまして、今後とも警察におかれて十分な対処をいただくように強く要請をいたしておきたいと思います。
 ついでにお尋ねをいたしたいと思うのですが、最近新聞等拝見いたしますと、いろいろ警察の手落ちと申しますか、あるいは警察官の方々の非行と申しますか、そういうようなことがよく新聞に実は出るわけであります。私どもも警察に関係いたしております委員会の一員といたしまして、そういうことにつきましては残念に思いますと同時に、これからも警察当局として十分御考慮をいただきたいという気持ちがいたすわけであります。
 その中で一つお尋ねしたいと思うのですが、実は私の住んでおります群馬県に富岡というところがございます。この富岡警察署の留置場に、ある暴力団の被疑者が留置をされたのでありますけれども、その際、看守係がリンゴの皮をむくためにということでほうちょうの持ち込みを許した、それからコーラやサイダーを差し入れた。これはそれほど大きな声で申し上げる必要もないことだと思いますが、その次は酒類を持ち込もうとして注意をされた。最近洋酒の中には事前にカクテルになっておるものを売っているわけですね。バイオレットフィーズというやつを持ち込もうとして、いわば上役の方にとがめられてこれはやめたようでありますが、そういうこともある。それから看守が留置人の老に命ぜられてわざわざ麦飯をたいて与えたという事実があったとか、それから二十九日間の留置で四万五千円余の保管金を食事などに支出をしたとかいうようなこと、さらに小型ラジオを持ち込んでいたというようなことが出ております。こういう事実があったのですか。新聞の報道で私も拝見をしたわけでありますが、まず事実問題につきまして、どなたでもけっこうでありますからお答えをいただきたいと思います。
○高松政府委員 いまお尋ねの件につきまして、群馬県警察本部でも事情をいろいろ取り調べいたしまして、被疑者は実は暴力団員でございますが、肝臓障害で病気が非常にひどかった、それで留置場の食事はほとんどとれないというので、自分の金で飲食の購入を願い出、あるいはくだものなりなま野菜なりを食べたい、こういうことで看守に申し出ておったわけでございます。
 いまいろいろ新聞記事の内容について御質疑がございましたが、ほうちょうといいますか、くだものをむくのにほうちょうを使用した事実は確かにございます。しかし、これは留置人に使用さしたのではなくて、看守が留置場の中にほうちょうを持ち込んでくだものの皮をむいてやった、あるいはキャベツをきざんでやったというような事態であります。
 それから小型ラジオにつきましては、そういう事実はございません。
 それから保管金が大体四万ちょっと、金額は失念しましたが、大体そのくらいの金額は飲食に使用しておったというのが実情でございます。
 麦飯云々という問題は、これは留置人がというより、むしろ看守が自分の食事をたくのに電気がまを用いておったというふうな事実がございます。
 それから洋酒の問題につきましては、この名前ははっきりしないのですが、バイオレットフィーズか何かわかりませんけれども、中身がよくわからぬで、酒ではないと思って頼まれるままに注文してやったところが、それはアルコールを含むものであった。当直員がそれを発見しまして、これは差し入れをとめた、こういう事態であります。
 なお、新聞では看守係が暴力団員に非常におどかされてそういうことをやったというふうな記事になっておりますが、脅迫されているとか、おどかされてそういうことをやったという事実はございません。むしろ非常に不注意に、そういうほうちょうを持ち込んではいけないというふうなことになっておるにもかかわらず、ほうちょうを持ち込んでやったというようなことが、大体事案の本質でございます。
○山口(鶴)委員 ほうちょうを留置場内に持ち込んで、留置場の中でリンゴや何かをむいてやったというのですね。格子の外でむいてやるならまだ話はわかるような気がするのですが、留置場の中でそういうほうちょうを留置人に渡してむかしたのではないようでありますが、そういうことは少しどうかと思います。
 それからさらに、群馬県の県警本部の監察課のほうでこの留置場内に小型ラジオを持ち込んでいたことを認めたということを私ども聞いておるわけでありまして、その点もいまのお話と若干違うような気がいたします。ただ私は、そういったこまかな事実がどうだこうだということよりも、かつて刑務所の中で優雅な生活を看守をおどかしてやっておったというようなことが世上問題になりました。今回もおどかされたのかおどかされなかったのかというようなことは、水かけ論ですからいろいろありましょう。ただ問題は、警察の中の留置場において、とにかくアルコール類の持ち込みを、現実にはしなかったにしても、されようとした。その他いろいろございまして、何か留置場の中で優雅な生活をしておったというようなことが一般に喧伝されることは私はやはりよくないことだと思うのです。そういう意味で、この県警本部長も、留置人の扱いに手落ちがあった、留置人の扱いのルールをきめていなかった私の責任であるというようなことを申されておるようであります。この被疑者の留置人の扱いにつきましては、私は当然一つのルールというものがあるはずだと思うのです。そういうルールというものが十分下部まで徹底をしているかどうかということが問題だと思いますし、それからまた、特に暴力団被疑者の方がそういうような状態であったということは、暴力団取り締まりに対して警察、特に一線の方々がどういう姿勢で臨んでいるかということで問題ではないかと思います。そういう意味で、長官の御感想があれば承っておきたい。
○後藤田政府委員 私も群馬県の留置場の事故の報告を聞きましたときに高松局長に、そんなばかなことがあるか、そんなことがありようがないじゃないか、よく調べてみろ、こういうことを言った記憶がございます。ところが、調べてみますと、新聞の報道の内容どおりではありませんけれども、ただいま御質問になりましたように、留置人の取り扱いがきわめてよくないという事実が判明したわけでございます。こういう点について、私どもとしては最近いろいろ新聞で警察官の非行事案が報道されて、国民の警察に対する信頼を著しく失墜するということでまことに残念に思っております。こういう点につきましては、従来も努力をいたしておりますけれども、今後とも私どもとしてはあらゆる角度から警察官の規律の振粛については十分配慮してまいりたい、かように考えます。
○山口(鶴)委員 特に看守の方が交通事故を起こして、記憶喪失となっているので十分調査ができないということが、その調査の過程で問題になったようですね。ところが、その交通事故を起こした原因というのが、妙義山の近くに大桁山という山がございますが、そこで山岳訓練をやった。訓練後慰労会があって酒を飲んだ。これはけっこうでしょう。ただその場合、飲んだあと酔ったまま署に帰り、その途中バイクを運転していてこの事故を起こしたということのようでございます。そのために記憶喪失になって、留置人の扱いの手落ちの状況も十分調査できなかったということが報道されておるようでありますが、そういう点も私は非常に残念だと思うのです。この点はどうですか。
○高松政府委員 そういう看守が一人ございましたが、看守勤務は大体二人勤務でございます。毎日二人で勤務いたしておりまして、相勤者についての調査あるいはその当時の同房者についての調査、そういうものによって事実は大体明らかになっておる、かように思っております。
○山口(鶴)委員 今後十分長官のおことばのように注意をいただく必要があろうかと思います。
 この際お尋ねしておきたいと思いますが、最近警察官の力でいわば刑法犯を起こした事案というのはどのくらいございましたか。それから刑法犯に至らなくても、懲戒処分等を行なった事案があると思いますが、それがどの程度ございましたか。一応おわかりになれば、お答えをいただきたいと思います。
○富田(朝)政府委員 最近におきます警察官の非行事案の発生件数でございますが、これは勤務のたび重なる欠略というような、勤務規律違反というような場合にも懲戒をいたしておりますので、そうした件数を含めまして申し上げますと、これは歴年でございますが、昭和四十二年におきまして九百十六件、昭和四十三年が八百三十一件、昭和四十四年が七百七十八件、昭和四十五年が六百三十六件でございますが、四十五年中の六百三十六件のうちいわゆる刑法犯に当たりますものを拾い上げてみますと十五件でございます。その他交通事故に関連をいたしましたもの、勤務規律違反等が非常に多くの件数を占めておるところでございます。
○山口(鶴)委員 いただきました資料を拝見いたしますと、四十四年、刑法犯の件数十四件のうち強盗一件、窃盗二件、収賄三件、暴行八件、計十四件、昭和四十五年、窃盗四件、収賄一件、詐欺一件、暴行九件、計十五件という数字のようでございます。もちろん警察官になられる方もわれわれと同じ一般人間でございまして、当然人間としての弱点なりというものはだれも持っておることだろうと思います。しかし、やはり警察というものが国民に信頼されるためには、できる限りこういう事案をなくしていくということが必要であることは言うまでもないと存じます。国家公安委員長の今後の御決意を承っておきたいと思います。
○荒木国務大臣 お説のとおり、警察官といえども人の子ですから、ついあやまちを起こしたからといってむげに批判することもいかがかと思いますけれども、昔から宮仕えはつらいものと申しますが、人間的な通常の感情その他に災いされて、普通ならばまあまあということでも、厳粛に自分の心がまえをたしなめて事に処さなければならぬという意味において、警察官は警察法の趣旨に従って厳粛な行動が要求されるものと思います。そういう意味において、平素の訓育に十分力を入れて、いやしくも刑法犯罪などということはもちろんのこと、その他の非行事件にも厳として臨んであやまちなきを期するという心がまえを徹底せしめなければならぬと思います。
○山口(鶴)委員 あと二点ばかりお尋ねしたいと思います。
 一つは、私、予算委員会でも大臣にお尋ねをした問題でありますが、ガードマンが警察官の方々と非常にまぎらわしい服装をしている。しかもガードマンの犯罪というものがやはり相当ある。成田等におきましては、警察官の持っておられます警棒と全く同じものを持ち、しかも少年行動隊ですから、これは小中学校の生徒だと思いますが、そういう諸君に対し――警棒を肩から上に振りかぶって使う場合は武器としての使用ということに規制でなっておるわけでありますが、そういう形で警棒を使用したということも問題になりました。その前でありますが、那珂湊の事案も大きく世上で喧伝をされたわけであります。いろいろ調べてみますと、このガードマン会社を経営しております経営者の中にかつて暴力団に関係しておった者、現にまた暴力団の構成員である者あるいは刑法犯に問われたことのある人という方々が相当数おられる。こういうことではやはり問題ではないのだろうか。しかもわが国におきましては、このガードマン会社、警備保障会社に対しまして、何らの法的規制がない、こういうことでは問題ではないかということを指摘いたしましたが、これに対して大臣のほうから、これは当然検討すべき課題である、かような答弁をいただいたのであります。その後警察庁におきましても、アメリカ、カナダ、西ドイツ、イタリア、スウェーデン、オーストラリア、スイス、これらの国々のガードマンに対する規制の法律というものをお集めになりまして、そしてガードマン会社を規制する法律の試案づくりを急いでおるというふうに聞いております。その後検討を続けておられると思いますが、警備保障会社に対する法律をつくるとすれば、一体どのような形にすべきなのかということの試案がまとまりつつあるのではないかと存じますが、この点その後予算委員会でもわが党の安井委員等が指摘をされた経過もございますので、今日までの作業の段階につきまして、お答えいただける面をお答えいただきたいと思います。
○長谷川政府委員 お答え申し上げます。
 お話のありましたように、外国の法制を翻訳したもの等を参考にいたしまして、まだ庁内におきまして審議するまでの段階に至ってないのでございますが、私どもの所管のほうでやっておりますのは、一つは、営業を免許制にする必要があるのではないか、その場合の要件をどうするかという点。第二は、それと関連いたしますが、経営者の資格をどういうふうに規制をするかという点。それから会社自体の業務によって相手方に被害を与えた場合の補償をさせる必要がありますが、それをどういう形で法的義務とするかという点。それから次は、警備士、ガードマンの資格に当然一定の資格を課さなければなりませんが、その資格をどうするか。それから教育訓練について一定の義務を課する必要があるのではないか、この内容。服装、装備等につきましても一定の規制が必要ではないか。さらに業務上知り得ました事項に対する機密保持義務といったものも必要ではないかということで、それぞれの項目につきまして、外国の例を参考にしながら鋭意いま成案を得べく努力している状況でございます。
○山口(鶴)委員 ただいま、免許制度にしたい、経営者の資格要件を検討したい、補償義務を課したい、ガードマンの資格についてある程度規定をしたい、教育訓練、服装、機密保持の問題等についても検討しておられる。けっこうだと思います。
 そういたしますと、部内でいま検討中だということでありますから明確にお答えできるかどうかわかりませんが、やがて明年の通常国会あたりにはある程度成案を得て国会にも提案をしたいというぐらいのテンポで御検討でありますか、それよりももっとおくれるということでございますか、お答えいただければありがたいと思います。
○後藤田政府委員 いま長谷川部長からお答えしたように、内部でいろいろ検討をいたしております。ただ、それが立法に踏み切るという段階になればまたいろいろ御意見が各方面から出てくると思います。現に先般の参議院での審議でも、そんなものを立法化すること自身がおかしいということで、私えらく質問を受けたのでございます。そのようにいろいろな御意見が出ると思います。そこで、私どもとしては、立法の準備は進めておりますけれども、次の通常国会に出すことができるかどうかという点については、この際私の口からは明言することを御容赦願いたいと思います。でき得る限り私は立法の方向でやってまいりたい、かように考えます。
○山口(鶴)委員 いまあります警備保障会社が、特にマスコミ関係の企業で行なわれる紛争、争議等に介入をいたしまして、いわば労働法を破るのを商売にしておる会社というような状況がございますので、そういうものをまさに法的規制をすれば、労働法を破るための会社が法律的に根拠があるというようなことになってもおかしいわけで、問題はこういった規制をすべき要件とともに、現在あります法律を犯す、労働法を犯して不当労働行為を行なうというようなことであっては問題なんでありまして、要はこういった資格要件を検討すると同時に、現在あります警備保障会社が現行法を破るための仕事に従事しておる、わが警備保障会社は労働争議に効果大だというような宣伝をやっておるところに一面問題もあるわけでございまして、そういう点を現在においてもきちっとやっていただかなければならぬと思うのですね。いまの点はどうでしょうか。
○長谷川政府委員 仰せのとおりに、現行法に違反するようなことがあってはならないわけでございまして、私どもといたしましても、そういう点につきましては十分注意をいたしまして、いやしくも犯罪になるようなことがあれば厳格に取り締まっていく考えでございます。
○山口(鶴)委員 現在、現行法を破ることにつきましては、所管は警察だそうでありますから、行政指導をきちっとやっていただきまして、その前提の上に立って保障義務を課するとか、あるいは経営者の中に暴力団あるいは暴力団関係者がおるとかいうようなことではやはり問題でございまして、そういった意味での規制を検討するとか、あるいはガードマンの資格、その辺のいわば暴力団員の方を連れてきて、簡単に会社ができてガードマンが警備につくというようなことでは困るわけでありますから、資格要件を検討されるとか、あるいは秘密保持につきましても十分な規制、これは現行法でもできるわけでありましょうけれども、特にこの点について規制をするということは、当然検討されてしかるべきだと思います。検討中というお話でありますから、今後の検討を期待いたしておきたいと思います。
 最後にお尋ねしたいのは、現在行なわれております地方統一選挙、その中でたいへん遺憾な言辞が横行しているという報道を拝見いたしました。また、私の秘書が立ち会い演説会に出席をいたしまして、まさに新聞に報道されているような内容をある候補が立ち会い演説会でしゃべっているということも耳にいたしまして、私に報告をいたしました。結局、品川文化会館の第二会場の立ち会い演説会でしたが、新聞どおり読みますが、「赤尾候補はみのべ、はたの両候補を非難したあと、「浅沼が殺された。彼はそれに値することをした」と演説、さらに「みのべは殺してもいいと思っている。自分も死なねばならんだろう。みのべなんか交通事故で死ねばいいんだ」」こういうことを立ち会い演説会で言ったというのですね。当然これについては告訴なり告発があったようでありますけれども、その後、警察当局としてその点について御調査をなされましたか。告訴なり告発を受けてどのような調査をいたしましたか。また、こういった立ち会い演説会というのは、やはり政見を述べるべきだと思うのです。私どももお互いそういうことをやってきた者ばかりでありますけれども、そういう中で、「殺してもいいと思っている。自分も死なねばならんだろう」「交通事故で死ねばいい」というようなことを言うというのは、これは非常に不穏当だと思います。しかもそのようなことが報道されたあと、また本日の新聞を見ますと、同じ候補が、「わたしが先日の演説で“殺した方がいい”としゃべったといって告訴した。わたしは“交通事故ででも死んだ方がいい”といっただけだ」というようなことで、また似通った発言をしているということであります。一体警察の御調査では、どういう発言をこの方がなされたということでございますか。これに対して警察としてどのように現在御調査をなされておられますか。まずお伺いをいたしたいと思います。
○高松政府委員 三月二十二日の立ち会い演説会の場合の発言の問題でございますが、警視庁では翌三月二十三日、本人を警視庁に呼びまして厳重に警告をいたしております。その際に、もうそういう不穏当な言辞は弄さないということで、一応警告いたしております。さらに、翌三月二十四日に告発が出されましたので、目下その告発に基づいて調べているところでございます。
○山口(鶴)委員 二十二日の発言はどうだったわけなんですか。本人を呼んで警告したということですが、当然どういう内容をしゃべったかということについても聞いておると思うのですね。二十二日は一体どういうことをしゃべったということでございますか。
○高松政府委員 その点は、いま本人の申しておりますことと、それからほかの一般の人が聞いた事実、実際にどういうことを言ったのかという点について調べているわけでございます。
○山口(鶴)委員 特にわが党の場合は、浅沼元委員長がああいう状態の中で刺殺をされたという、私どもとしては非常に悲しい思いを持っているわけでございまして、こういう立ち会い演説会の中で、とにかく殺したほうがいいと思っているというような言論が堂々と行なわれるということは、私はこれは全く選挙のやり方がどうだこうだという以前の問題であると思うのですね。まさにこういう言辞を選挙の期間やるということ自体が問題でありますが、選挙でなくたってそういうことを言うべきでないことは明らかです。しかも公衆、大ぜいの方たちが見ている前で、堂々とそういう言辞をやるということはさらに問題だ、こう私どもは思います。
 警告をされたそうでありますが、現在告発もあったから調べているということでありますが、大ぜいの関係者もおることだろうと思いますので、これは調べれば事実はおのずから明らかになるだろうと思います。しかもその後引き続いて、これに関係して同じように、聴衆にひんしゅくを買うようなことをしゃべっておるということ自体も私はやはり問題だと思いますので、この点もひとつ今後の演説の状況につきましても、十分監視をいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○高松政府委員 私どもといたしましても、この点については十分に調査をいたします。ただ、先ほども御指摘がございましたように、前の話とあとの話とちょっと本人の話が食い違ったりしておりますし、正確にどういうことを言ったのかということを中心に調べを進めてまいりたい。
 それから今後の問題につきましても、立ち会い演説会における秩序維持ということはもちろん、これは選挙管理委員会と緊密な連携をとって、私どもとしてもできるだけの努力をしてまいることでございますし、違法行為についても、適切な処置をとり、厳正な取り締まりを加えていきたい、かように考えております。
○山口(鶴)委員 現在地方統一選挙が行なわれております。現在は都道府県知事の選挙、それから横浜並びに大阪の指定都市の選挙でありますが、間もなく全国の都道府県会議員の選挙も始まります。やがて市町村長、市町村会議員の選挙も始まるわけでありますが、こういった地方統一選挙にあたりまして、ただいま私の指摘いたしましたような遺憾な言辞を弄する事案があったということも問題でありますが、同時に地方統一選挙全体が文字どおり明るく正しい選挙が行なわれるということはより必要だろうと思います。警察当局といたしましても、あくまでも厳正中立の立場で、法に照らして厳正な処置をなさるべきだと思いますが、ただいまの問題も含めまして、地方統一選挙に臨みます国家公安委員長並びに警察庁長官のお考え方をひとつお聞きをいたしておきたいと思います。
○荒木国務大臣 文字どおり私どもは不偏不党、厳正公平に処置をしていくべきものと思います。よってもって正しく明るい選挙が行なわれますように努力をしていくべきものと心得ております。
○後藤田政府委員 警察といたしましては、選挙の公正担保という見地からただいま大臣がお答えいたしたとおりの御方針のもとにやってまいりたい、かように考えております。
○山口(鶴)委員 以上で終わりますが、銃砲刀剣類所持等取締法の一部改正の今後の実施にあたりまして、特にライフルというような危険な凶器として扱われる可能性のありますものが十分に管理をされ、先ほどの見通しですと、逐次この法律に基づいてあるいは参議院修正によってライフルの数も減少するだろうという見通しだそうでありますけれども、十分国民の期待にこたえるような運営をやっていただきますことと、それから現に行なわれております地方統一選挙におきましては、ただいま大臣並びに長官のお話のありましたような形で、あくまでも不偏不党、中立的な形でのきびしい取り締まりが行なわれますように、強く要請をいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○古屋委員長代理 林百郎君。
○林(百)委員 私は、ちょっと他の委員と観点を異にした立場でこの法案について質問をしてみたいと思うわけです。
 ということは、もちろん銃砲刀剣類等による凶悪犯罪を憎む点については他の委員と劣るところありませんし、このような事態を早急に防止しなければならない点では人後に落ちないのでありますが、さて、そのための措置が、本法律案のようにライフル銃等をはじめとする銃砲刀剣の所持並びに管理を厳重にするということが基本なのか。あるいは銃砲刀剣類等を不法に所持する団体組織、そういうものを根本的に取り締まることが基本ではないか。そのほうを甘やかしておいて、そして資料で見ますと、ライフル、散弾銃の所持者は五十八万五千二百四十六人という人たちがおるわけですが、この人たちの中には狩猟をする人あるいはスポーツの選手あるいは愛玩をする人たちもいますし、これは善良な市民が圧倒的に多いと思うのですね。この人たちにはやはりこの人たちで、ライフルなりあるいは散弾銃を持っておる財産的な権利があるわけなんですから、それが何かこういうものが不法に所持されて極悪犯罪が犯されるからといって、この人たち自身が何か準犯罪人のように取り扱われるということになりますと、これは基本的権利を侵すことになりますので、そういう立場で事を考えていかなければならないじゃないかというように思うわけなんです。
 たとえば本改正案の二十三条の二項を見ますと、盗み取られた場合に、直ちにその旨を警察官に届けなければならない、これに違反する者は一万円以下の罰金に処す、これではまるで盗まれた者のほうが準犯罪人に扱われるような立法になるわけですね。それから参議院の修正案につきましても、とにかくいままでライフル銃を持っていたという財産権があるわけですが、そういうものが不法に所持された者によって極悪犯罪が犯されるからといって、その権利を五年で打ち切ってしまうということは、これは財産権に対する一つの侵害にもなると思われますので、そういう立場からこの問題をひとつ質問をしてみたいと思うわけなんです。
 そこで、私のほうでいただきました資料で、本法案で一番取り締まりの対象になっておりますライフル銃による犯罪供用状況を見ますと、昭和四十四年には三件とあるわけですね。それから四十五年には四件とあって、ライフル銃による犯罪は四十四年から四十五年に一件ふえているだけですね。そのことをとらえて本法案のようなこういう厳重な取り締まり規定を設け、しかも盗まれた者が届け出をしない場合には一万円以下の罰金に処するというようなことまでするということが適当であるかどうかということですね、ここが非常に重要な問題だというように思うわけです。
 そこで、参議院における後藤田長官の答弁を見ますと、「今回の改正では、最近の犯罪に使われるものにライフルが出てきておる、ことに一部過激派の武装闘争の中身を見ますと、漸次武器がエスカレートして、ライフルが出てくる可能性がある、これがもしああいった過激派によって使われる場合には、容易ならざる事態になる。」こういうように述べているわけなんです。ところが、あなたの言うこの過激派、いわゆるトロツキストですか、これがライフルを持っているというのは、最近の真岡市で起こった強盗事件にもありますように、強盗あるいはその他の方法でむしろトロツキスト集団がそのような不法な所持をする、この集団が不法な所持をすることによって事件が起きているわけで、盗まれたから事件が起きているわけじゃないのですね。ですから、一般の善良な、こういうライフル銃だとかあるいは散弾銃を愛玩用あるいは狩猟用あるいはスポーツ用に持っている人たちは、こういうトロツキストによる被害者になっているわけですね。加害者を処罰することが必要なんです。そういう意味で、こういうライフル銃等があるいは拳銃等が不法に所持されて、それが犯罪に供せられる。そこの組織ですね、そういう団体、これをもっと厳重に処罰することがこの銃砲刀剣等による犯罪を取り締まる基本ではないか、こう考えまして、そういう観点から質問を続けていってみたいと思うのであります。
 そこで、相当数の銃砲刀剣等が不法に所持されている。この不法の所持そのものが非常に重要だと思うのです。その中の一つに密輸入があると思うのです。第一にその点を検討してみたいと思いますが、米軍関係からの横流し、これが一つの重要な事態になっておるのでありますが、これはどのくらいありますか。米軍関係からの銃砲等の横流し、それは数字にしてどのくらいあるでしょうか。
○長谷川政府委員 警察のほうで不法所持ということで事件にしまして押収しました銃砲刀剣の中で、米軍関係から出てきたと見られるものを申し上げます。
 拳銃関係について申しますと、昭和四十三年は総数で二百六丁を押収しましたが、そのうち十九丁が米軍関係であります。昭和四十四年は、総数で二百三十三、そのうち三十九丁は米軍関係。昭和四十五年は総数で二百四十五丁、そのうち二十丁が米軍関係でございます。猟銃等につきましては、総数で昭和四十三年は二千五百八十七丁押収しておりますが、そのうち米軍関係は、散弾銃四丁、それから昭和四十四年は米軍関係三丁、それから同じく四十五年には四丁という状況でございます。
○林(百)委員 そこで、相当の数が米軍から横流しされているといってもいいと思うのですが、その取り締まりについてはどういう措置を警察当局でとっているのでしょうか。長官、これはどういう方針でやるつもりですか。ここから相当流れてくる可能性があるわけですね。これをどういうふうに取り締まるおつもりですか。
○後藤田政府委員 米軍といえども、そういった場合に日本人の場合と全く同じ態度で私どもは取り締まりをやっております。
○林(百)委員 その次に、これは最近の新聞記事にあるわけですが、暴力団の山口組、これは三月十三日の産経の夕刊を見ますと「神戸に本拠を持ち、全国二府三十三県、四百五十八団体、約一万人の団員を系列下に置く日本最大の暴力団、山口組が沖繩の暴力団と組み、大量のピストルやマシンガンを密輸しようとした事件が摘発されたが、本土復帰を前にすでに沖繩の全土が山口組系の暴力団に“汚染”されていることが警察庁と琉球警察本部の十三日までの調べでわかった。」こう書いております。
  〔古屋委員長代理退席、委員長着席〕
大量のピストルやマシンガンがこういう暴力団を通じて沖繩から入手されようとしている。沖繩では銃が入手しやすいし、また麻薬なども入手しやすいし、また売春防止法も適用されていないということから、本土の暴力団がここから資金源を求めやすいなど、米軍の占領下で無法地帯になっている区域もありますので、非常にこのことについて沖繩県民を不安と恐怖におとしいれておるわけであります。この山口組の沖繩進出について「警察庁と琉球警察本部の十三日までの調べでわかった。」「大量のピストルやマシンガンを密輸しようとした事件」がわかった、こういわれておりますけれども、これはどういう事態ですか。ちょっと説明していただきたい。
○長谷川政府委員 かねてこういう点につきましては、日本内地の警察も、それから琉球のほうとも十分連絡をとっていろいろやっておるわけでございまするが、御指摘の点は、本年の三月の十日に、お話しのように、神戸にあります山口組系暴力団員二名が拳銃五丁、実包九十九包、それからマシン拳銃一丁を定期船によりまして神戸港に陸揚げをして密輸入するという情報がありまして、それを逮捕、押収したわけであります。
 なお、この事犯につきましては、兵庫県警におきまして引き続き目下捜査中でもありますし、それから琉球警察におきましても、現地におきまして捜査を進めておる状況でございます。
○林(百)委員 「大量のピストルやマシンガンを密輸しようとした」というこの「大量」というのは、いま言った数字ですか。この新聞には「大量のピストルやマシンガンを密輸」したといいますか、大量ということが書いてありますが、マシンガンなども入っているのじゃないですか。
○長谷川政府委員 現在まで判明をいたし、押収いたしておりまするのは、先ほど申し上げましたとおりでございます。
○林(百)委員 これは警察当局に聞いても直接の当事者ではないかもしれませんが、売春防止法が沖繩には適用されないということで、ここからも本土の暴力団が人身売買とか、いろいろで資金源を求めておるということもあるわけですね。この売春防止法が一九七二年一月一日から沖繩に適用されるということになっておるわけですけれども、これについては警察当局としては、まあ政策的な問題もからんでおりますけれども、公安委員長、これをどうするか。これは政策的な問題もあるわけですから、国務大臣のあなたにお聞きしますが、沖繩の売春につきまして、これを暫時どういうように取り締まっていくつもりですか。沖繩に売春防止法の適用がなくて、自由に売春が行なわれておるわけですね。これを一九七二年一月一日から施行したいと思っているというのですけれども、その経過的な措置を政府はどうしていくつもりですか。ここから本土の暴力団が非常に大きな資金源を得ておる。それにからんで、いま言ったような大量な武器の輸入までがからんできているということなんですが、どうでしょうか。
○荒木国務大臣 法律が施行せられませんことには、わがほうとしてどうもしようがないかと思います。
○林(百)委員 はなはだ簡単率直ですが、それまでは野放しにしておく。そうすると、本土の暴力団が、沖繩に売春防止法の適用がないということで、人身売買をしようとする、そういうことに対する取り締まりについては配慮されておるのですか。これは長官でけっこうです。大臣に聞いたって木で鼻をくくったような答弁ですから。
○後藤田政府委員 沖繩の中での売春防止法は、ただいま大臣がお答えしたとおり、それ以外方法が私もないと思います。問題は、御質問の中に、そういった沖繩の状況を利用して内地の暴力団が人身売買その他をやっておるではないか、こういうお話でございますが、それについては、もちろん私どもとしても厳重な取り締まりを、これは日本の国内法で、現在沖繩の法律の適用を受けてないわけですし、同法の適用を受けておる日本人ですから、それについては十分取り締まりをやってまいりたい、かように考えます。
○林(百)委員 次に通産省にお尋ねしますが、右翼で、有名な笹川良一氏を会長として、政界の大ものを応援しております――ここで具体的な名前を言うのは差し控えますが、伝えられているいわゆる反共の右翼団体である勝共連合というのがあるのですね。これが昭和四十四年に韓国から空気散弾銃二千五百丁を輸入しました。これに対して通産省は許可を与えたのですね。これは与えたでしょう。どういう事情で許可を与えたのですか。このいきさつを述べてください。
○山形説明員 お答えいたします。
 ただいま先生のお話しの勝共連合といいますか、そこに割り当てをしたのではございませんで、割り当ての対象は幸世物産という拳銃の輸入業者でございます。四十三年一月十六日に空気散弾銃二千五百丁の輸入許可をいたしておるわけでございます。輸入貿易管理令に基づきましてこの許可を行なっておるわけでございますが、二つ条件がございまして、一つは、武器等製造法によります販売許可をその輸入申請者が持っておるということが一つでございます。もう一つは、相手先と輸入総代理店契約を結んでおる、こういう条件で運用いたしておるわけでございます。四十三年当時、幸世物産は一応この条件に合致いたしましたので許可いたした次第でございますけれども、当時空気散弾銃は鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の施行規則に基づきまして猟具として禁止されていなかったわけでございますので、そういう他の法令との関連もございまして、四十三年にはこれを許可いたした次第でございます。四十五年六月一日からいま申し上げました鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行規則によりまして、その改正が行なわれまして、突気散弾銃は猟具としての禁止を行なうことになったわけでございます。その後申請が一回ございましたけれども、これを不許可にいたしておる次第でございます。
○林(百)委員 その後の申請は何丁だったのですか。
○山形説明員 その後一万五千丁の申請が出ておったわけでございますが、これはただいま申し上げましたような経緯でございまして、不許可にいたしております。
○林(百)委員 二千五百丁だとか一万五千丁というような、これは空気散弾銃ですけれども、こういうものが輸入されるのが普通の事態だと通産省はお考えになったのですか。一体その幸世物産と勝共連合との関係というのは、その後になっておわかりになりましたか。そのことが一つ。
 それから警察庁にお尋ねしますが、勝共連合の目的というのは一体何ですか。これはだれが見たって右翼ですね、笹川良一氏が会長なんだから。そういう右翼に二千五百丁もの空気散弾銃や一万五千丁の空気散弾銃の輸入を許しておいて、そしてライフル銃の保管のしかたをどうするとかこうするとか、こんなことを言ったって――これを私が泳がしておると言うのですよ。こういう右翼を野放しにしておいて、そういうものにどんどん輸入を許しておいて、そうして善良な、いままで散弾銃を持っていたとかライフル銃を持っていたとかいうような人の取り締まりを厳重にしようとするということは、これは本末転倒じゃないですか。勝共連合の目的、これは警察庁はお調べでしょうか。右翼ですから、どういう目的ですか、言ってください。
○山形説明員 空気散弾銃二千五百丁、非常に多い数字でございますけれども、空気散弾銃の使用目的は、大体射的用と狩猟用ということでございまして、先ほど申し上げましたように、当時鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の施行規則におきましてもこれを猟具として禁止していなかったような状態でございましたので、四十三年当時といたしましては、妥当な輸入物件であるという判断をしたわけでございます。
 それからもう一つの御質問の勝共連合との関係でございますが、その後の調査によりまして、幸世物産が勝共連合と資金的につながりがあるのではないかということにつきましては、われわれのほうとしても、大体そういう判断をとっておる次第でございます。
○後藤田政府委員 お伺いをしておると、けしからぬ団体を泳がしておる、そういうところを取り締まらないで、善良な人間の所持を禁止しても意味がないじゃないか……(林(百)委員「意味がないとは言いませんよ、本末転倒じゃないかと言っている」と呼ぶ)こういう御趣旨のように承ったわけですが、これは私はあなたの御意見に必ずしも賛成できない。個人の所持なり保管なりも十分規制しませんと、その所持なり保管なりがルーズなためによくない団体に流れていくということなんです。そこで、個人の所持なり管理なりも十分にやってもらうし、同時にまた、よくない団体については警察は全力をあげてこれを取り締まる、これは当然のことでございます。
 そこで、幸世物産と勝共連合というのはきわめて密接な関係がございます。ただいま通産省からお話があったように、二千五百丁の空気散弾銃が輸入をせられた。私はこの空気散弾銃というものが輸入せられた経緯は、通産省として、その当時の状況でやむを得なかったと思います。しかし、問題は、こういう銃砲刀剣類所持等取締法の対象になる銃砲というものは、狩猟の用具にするとか、運動といいますか、競技の用とか、それぞれ目的がきまっているわけですね。その目的に照らしてこの空気散弾銃がはたして適正なものかという点に私どもは疑問を抱いたわけでございます。そこで農林省とよくお話をいたしまして、農林省のほうでも、この空気散弾銃は半矢になるのですね、したがって猟具としては不適切ということで、規則を改正していただいて、第二回目以降は輸入を禁止するということで処置をしたわけでございます。
 私どもとしても、したがってこういうものをほうってあるわけではないわけなんです。十分に私どもとしてはそれは監視をして、そしてこの二千五百丁以外は自今入れない、こういう処置をした。ところが、今度はこの輸入業者のほうは、猟具でだめなら、それじゃ競技用でどうだ、こういうことを私のほうに言ってきた。しかし、今日空気散弾銃の競技というのは一体あるのか、どこにもないじゃないかということで、私どものほうとしては認めない、こういう態度で今日に至っておる。したがって、私どもとしては、この空気散弾銃を認める意思はございません。
 それからもう一つの御質問の、勝共連合はどんな団体かとおっしゃいますが、勝共連合というのは、要するに反共を団体の主義主張、綱領として活動しておる団体でございます。
○林(百)委員 反共を主義主張としておる団体で、韓国とはどういう関係があるのですか。どうして韓国からこんな空気散弾銃を入れるような、そしてそれが資金源になるような、そういう団体になっているのですか。これは通産省も認めている。どういう関係があるのですか。それは調べてないならないでやむを得ない。通産省では資金的な関係があるというようにわかってきたと言っているのですよ。
○長谷川政府委員 勝共連合は、その前は統一原理教会というふうに言っておりまして、これは韓国との関係は、韓国人の文鮮明という者が世界キリスト教神霊統一教会というものをつくりまして、そして宇宙を支配する根本原型は神である、その原理でいろいろ世の中をよくするのだというようなことを基本にしましていろいろやっているわけでありますが、その文鮮明の運動が統一原理教会、さらに勝共連合の基礎になっておるのでございます。そういうことで、韓国との関係は密接な関係があるわけでございます。
○林(百)委員 神によって世の中をよくするというのが、何で反共になるのですか。そんな抽象的な目的と、具体的に行なっている政治目的とは、全然違うじゃないですか。警察庁の調査はその程度ですか。その程度ならその程度で、そう聞いておきますよ。私は、そういう点が甘やかしているということだと思うのですよ。そんな抽象的な理念じゃない。現実に行なっていることを見てごらんなさい。はっきりと反共的な政治行動をしている。しかも目に余るものがある。そういうものが韓国からこういう空気散弾銃を一万五千丁も入れようというような計画を立てている。これは二度目は長官の言うように入れるのをやめにしたといいますけれども、前には二千五百丁も入っている。これが資金源になっている。これはもう明らかに政治的なつながりじゃないでしょうか。だから、私は長官にもよく言っておきますけれども、もちろん銃砲刀剣等による極悪犯罪を防止しなければならないという点については人後に落ちないけれども、しかし、こういう団体を野放しにするというのが、私たちから見れば、非常に手ぬるい。むしろ甘やかしているんだ。こういう状態にしておきながら、そして善良な所持者に対して、五十万の人があたかも虞犯性があるかのごとく取り締まるということになると――虞犯性かあるからとまでは言っていませんけれども、何かこの人たちが犯罪の温床でもあるかのごとく、しかも五年たてばいま持っている人たちの権利は全部喪失するんだということまで――参議院では修正したそうですけれども、そういうことまでいくということになれば、これはやはりライフル銃を持っている人でもそれから散弾銃を持っている人でも、日本の国民としての基本的な権利があり、財産権もあるわけなんですから、そういう基本的な権利を侵すことになりはしないか、こういう観点で私は質問しているわけです。
 たとえば、トロツキストを泳がしているという例でよく引くのですけれども、ここに毎日新聞と東京新聞の記事を述べますと、例の背叛社事件があるわけでしょう。まず毎日新聞の一九六九年八月七日付の夕刊を見ますと、「一九六八年十月六日、アナーキスト・グループ「背叛社」の本拠で火炎ビンの爆発事件が発生した。その主謀者和田俊一が実は警視庁公安部のスパイだったのである。和田と接触していた警視庁公安一課の間々田敬作警部補と深沢亮治巡査部長の二人が、警視庁公安一課長補佐の決裁をうけて一九六八年七月から九月までのあいだ、前後五回にわたり合計十一万円を和田に渡したという事実を公判廷ではっきり認めた。和田はこれを「軍資金」とよんでいた。間々田警部補は、そのほかにも十九万円にのぼる和田の医療保護手続を世話していたのである。和田はその「軍資金」で「火炎ビンに使う硫酸やビンを買った」がさらに間々田から、「共産党本部だけでなく自民党と」」――よく自民党の諸君も聞いておいてください。「「自民党と公明党の本部も襲撃したらどうかと指示された。治安立法がしやすい、という話だった」」これは毎日新聞。続いて東京新聞は「間々田警部補が情報を集めるため、和田と前後五回接触、十一万円を情報の謝礼として渡したのは事実。暴力的な結社や危険分子の情報をとるのは公安警察として当然のこと。これはアナーキストにとどまらず、極左暴力学生などに対しても同じである。今度のことは一般的公安警察の仕事の一端が明るみに出ただけのことだ」こういって、金までやっていろいろな手だてを講じているわけですよ。こういう点が、一方、十一万の金をもらったり十九万の金を警視庁からもらっているほうからいえば、甘やかせることになるわけですよ。
 今度の京浜安保共闘の問題を調べてみましても、これも捜査本部は未解決の爆破事件との関連を調べることにしている。「田代は四十四年九月愛知外相の訪米に反対し、米大使館に火炎ビンを投込むため、東京水産大胡鷹寮内に火炎ビンを準備した事実を認めた。しかし、同年秋岐阜県大垣市の鉱山から盗んだダイナマイト約百二十本のうち、未使用の約五十本の隠し場所や今度の銃砲強奪事件など同派の武器調達作戦についてはいっさい口をつぐんでいる。捜査本部は未解決の爆破事件との関連を調べることにしているが、同派が四十四年十一月米軍の厚木、立川基地に時限装置付きダイナマイトを仕掛けた事件や昨年五月立川、横田基地内で起した爆破事件などで基地の金網を鋭利なペンチで「L」字型に切って侵入しており、金切りペンチをこれほど自由自在に使えるグループは限定されるとの見方を強めている。これまで同派は基地爆破など三十五件の事件を引起し、四十九人が逮捕されているが、さきの両基地爆破事件を含めて十四件の事件で犯人が未逮捕。同本部はこの未解決事件との関連を捜査する。」こういうように前から事件の起きている団体なんですね。こういうものが未解決のまま放置されているわけでしょう。田代なんかも四十四年九月愛知外相の訪米に対して火炎びんを投げ込んだけれども、また今度新しく逮捕されているのではないですか。こういうところを私たちは甘やかしていると言っているわけなんですよ。京浜安保共闘のその後の捜査はどうなっているのですか。だから、こういう背叛社事件だとか京浜安保共闘のこういう事件を見ますと、あなた方は捜査のために金もやった、そしていろいろの便宜もはかってやったというけれども、それは口実であって、事実はそういう団体は警視庁のそういう首脳部と関係があるということで、大手を振っていろいろのことがやれる。こういう連中が真岡でもってたとえば京浜安保共闘なりが塚田銃砲店を襲っている。ここを取り締まることが大事じゃないですか。それでなければ塚田銃砲店のほうが悪いとか、あるいは盗まれて届けない、その届けない者が悪いから罰金を一万円科すとか、そういうことは国民は納得できないじゃないですか。どうでしょうか、あなたは妙な笑い方をしているけれども。
○後藤田政府委員 どのような団体でありましても、それが政治的な主義主張を掲げ、合法の範囲内でやっている分には、これは私どもとしてはどうにもなりません。問題は、そういった団体の中で主義主張も過激であるし、同時に暴力に訴えて自分の主義主張を達成しようとするもの、これが右であれ左であれ、すべて私どもの対象として取り締まりを加えている、そういうことでございます。
 そこで御質問の中に、京浜安保共闘であるとかいろいろなものに金をやったり泳がしているではないか、こういう御質問でございますが、それらの団体は、多くは地下に組織を持って活動をしておる非公然の団体でございます。したがって、これらの犯罪を予防し、起きた場合に検挙するというためには、何としても情報が必要でございます。したがって、その情報を入手する場合に、一定の実費支弁といいますか、そういう形で情報費を使わなければならぬという点は、これはやむを得ないことである、私はこういうふうに考えております。
 それからまた、京浜安保共闘を泳がしている例で田代云々が出ましたけれども、一たん逮捕してその事件の捜査をする、あと起訴をする、そして判決がある、これが出てくる。判決がなくとも、途中で一定の時期がくれば釈放になる。それが再び犯罪を犯す。これは私どもとしては決してそうしてくれというわけにはいきませんけれども、これは何とかしてもう少し拘置してもらいたいと思いますけれども、これは法のたてまえでやむを得ないだろう。それが再び犯罪を犯せば、私どもは検挙する。
 京浜安保共闘の問題でございますが、昨日警備局長からお答えしましたように、現在未逮捕の九名と未発見の九丁の猟銃と六百発ばかりの弾丸の発見、これに警察が全組織をあげて検挙、捜査に当たっておる、これが実情でございます。何もこういうものを取り締まっておらぬじゃないか、そうして塚田銃砲店云々とおっしゃいますけれども、今日、国民の大多数の人は、警察が全力をあげて、こういった暴力に訴えて凶悪犯を犯しているものを一生懸命やっているのだということは、私は了解をしていただいておるもの、こういうふうに考えます。
○林(百)委員 どうも私たちには、そのような、あなたのおっしゃるような理解がいたしがたい事例が間々あるものですから、それを聞いておるわけですが、さらにそういう事例をあげていって、こういう団体に対して適切な措置をとるという意味で私は質問しているわけです。
 三月二十一日付の朝日新聞によりますと、「暴力団の“義理かけ”に課税」という記事が掲載されております。暴力団幹部の出所祝い、葬儀、襲名披露等の収入について、いままで、世間一般の結婚祝い、香典と同じように考えて非課税にしていたのを、今後は課税することにしたということですけれども、暴力団の出所祝い、葬儀、襲名披露の義理かけは、これら暴力団の資金集めになっていたということは、これは警察庁知っていましたか。
○高松政府委員 ここ一、二年義理かけが非常にはなやかに活発になったということにつきましては、私どもは、その一つの目的は、自分の組の勢力を保持すること、もう一つの目的は、やはり資金集めではないかというふうに見ておったわけでございます。
○林(百)委員 国税庁にお尋ねしますが、いままでどうしてこういうものに対して課税をしなかったのですか。
○早田説明員 暴力団関係につきましては、その収入が、たとえばテラ銭とか恐喝の金とか、違法なものでございましても、これは税法上は所得を構成いたしますので、従前も課税しておるわけでございます。今回特に問題になっておりますのは、私どもとしましては、当然これは課税所得を構成するものと考えておるわけでございますが、一般の香典なりあるいは結婚祝いなり、そういうような、いわゆる個人からの贈与ないしは、法人の場合には一時所得になるわけでございますが、そういうような形で課税をすべきか、あるいはまた、むしろ義理かけ、襲名披露、こういうような名目でいろいろ会を催しまして、その裏で賭博行為を行なうというようなことがあります場合には、それは単に通常の贈与税なり法人からの場合には一時所得というような形態で課税すべきではなくして、むしろ、暴力団業と申しますとことばが悪うございますが、一種のそういう形態に着目した課税をすべきではないかというような点で、いろいろ私どものほうで検討をしておったわけでございます。したがいまして、従前におきましても、全く課税ができないということはございませんが、こういう事例が非常に頻発いたしますれば、単純な贈与税なり一時所得というような形態よりは、むしろ雑所得といたしまして、その収入をよく調べ、それに伴う経費も調べまして、税法に従った適正な課税を行なうように検討しておる、そのことが新聞に出たわけでございます。
○林(百)委員 いままでは、暴力団幹部の出所祝い、葬儀、襲名披露等の収入については、一般の結婚祝いなどと同じと見て、これをかけていなかったのでしょう。かけていなかったのですよ。今度は、あなたの言うように、これをかけるようにしたということで、税金の面からいっても非常に見のがしをしていたのではないですか。これは、だれが見たって、こういうような出所祝いだとか襲名祝いだとか、これが暴力団の資金源になるのですよ。それを一般の結婚祝いと同じように税金もかけないでいるということは、これは暴力団の資金源を国税庁は温存させることに協力することになるのではないでしょうか。いままでの措置と今後の措置をもう度はっきりとここで言っていただきたいと思う。どういう調査の方法をして、どういうように課税していくか。
○早田説明員 私ども、税務調査といたしまして、暴力団関係のそういう金と申しますのは、案外金を払った方が何にも言わない、あるいは脅迫が裏にあるというような場合にはむしろ泣き寝入りするというようなことで、必ずしも実情が個々の納税者についてわからない場合があるわけでございます。したがいまして、従前でございますと、贈与税云々の点でございますが、現在の贈与税の取り扱いは、一般に社会通念上妥当であると認められる金額までは課税いたさないという点がございます。で、かりに暴力団がそういうことをいたしまして、それがほんとうの意味のたとえば結婚祝いという場合には、これはいたし方ないし思いますが、そうでなくて、その裏にいろいろの行為があるという場合には、従前のような考え方よりは、むしろ雑所得として全体を見まして課税するほうが、適正な課税ができるというように判断しているわけでございます。
 調査は、必ずしも私どもだけでは十分できません。この点につきましては、従前から警察庁のほうともいろいろ情報を交換し、かりに警察庁のほうが一つの事実について摘発をされた、その場合にこういう祝儀があったという場合には、その祝儀の額あるいはそれに伴った費用等は私どものほうが連絡を受けるというようなことで、警察当局とも十分連絡をとり、警察当局の資料等も拝見して、適正な課税を行ないませんと、国税の一般の税務調査だけでは必ずしも十分な点がございません。したがって、警察とも十分連絡をとり、この点は従来のとおりでございますが、そういう点において暴力団の課税を適正に行なっていくという所存でございます。
○林(百)委員 長官、いま国税庁はそう言っていますが、警察のほうでは、どうやって、こういう襲名祝いだとか出所祝いだとか、そういう場合の祝儀だとかなんとかを調査するか。これは課税はしたいと言っているのですね。しかし、それについての調査権は、警察と協力しないとできないから、国税庁だけではと言っていますが、警察庁ではどうするつもりですか。
○高松政府委員 いろいろ義理かけでどれくらい金が集まるのかというのは、これを証拠的に固めるというのはなかなかむずかしいことでございます。従来はその点が、課税問題を常に見ながら思うようにできないのも、一つはそういう証拠的にはっきりできない場合が非常に多いということであります。先般たまたま問題になりましたのは、暴力団の事件で家宅捜索をやりましたところが、たいへんきれいな帳簿が出てまいりました。きちんと全貌がはっきりわかる、こういうものがありました。これは明らかに襲名披露の際の経費の明細がきちんと出てまいりました。それを税務当局に連絡をして、それでこれの課税をやろうというようなことにいたしたわけでございます。大体私どもがそういうふうな金額の面で固めてまいりますのは、いろいろな事件に際して、押収捜索その他の際の資料に基づくものが多いわけでございます。
○林(百)委員 警察庁へお尋ねしますが、最近阪神地方で護国団と称する右翼団体が暴力事件を起こしたのですが、このときは、どういう凶器を使って、どういう事態が起きたのですか。
 それはそれで聞きますが、公安委員長、この護国団に政治献金が行なわれておるわけです。広島銀行から八万円、福島相互銀行から二十万円、西日本相互銀行から十万円、大和銀行から十万円、淀川製鋼所から十万円、これは政治資金規正法で官報に届け出されておるわけですが、この護国団がどういうことをやったかということと、そういうものへ財界からこういう献金をするということが、これは佐藤内閣の国務大臣として好ましい事態であるかどうか、この点もあわせて。どういう事態が起きたかのほうは警察庁でけっこうです。国家公安委員長にそういうこまかいことまで聞きませんけれども、こういう財界から、何々銀行何々銀行がもう四つからも献金があり、淀川製鋼からもあるというようなことは、こういうことを一称して右翼団体を甘やかしているというようにいわれてもしかたないのじゃないかと思うのですけれども、その辺を明らにしていただきたいと思います。
○高松政府委員 関西護国団の事件につきましては手元に詳しい資料を持っておりませんですが、要するに、一つは関西護国団の阪神支部長である永田という男が自分の部下に射殺されたという事件、もう一つは、この事件のからみもございますが、もう一名民間人が連れ出されてやはり射殺されたという事件でございます。両方とも凶器は拳銃でございます。
○荒木国務大臣 護国団というものを、私は寡聞にしてよく存じませんが、政治資金規正法上結社の届け出があって合法的なものである限り、それに政治献金をして、政治資金規正法の届け出をちゃんとしている限りについては格別問題がないのじゃないかと思うのであります。
○林(百)委員 好ましい事態であるかどうか聞いているのです。そういう善良な市民を射殺するような右翼団体にこういう銀行が、いろいろな銀行が十万とかなんとかいうような献金をするという事態は、治安の確保の上から好ましいかどうか、佐藤内閣の国務大臣としてどうお考えになるかと聞いているのですよ。合法か非合法かを聞いているのじゃないのですよ。そういう政治的な姿勢を聞いているわけです。
○荒木国務大臣 それはあまり賢明な企てではないと思います。
○林(百)委員 あと二問で終わります。
 同じような問題で警察庁にお伺いしたいのですが、暴力団の葬儀、襲名披露等に、国会議員だとか地方議員だとか、議員が相当数花輪を贈ったりしている事態が間々見られるわけです。こういうようなことは治安の確保の上からいって、政治の責任を負う者が、もしそういうことがしてあるとすれば、それは好ましい事態と思いますか、どうですか。−それでは国家公安委員長にお尋ねします。
 私の質問をあなた初めから聞いていないから、私の考えというのはわからないので、こういう暴力団の葬儀、襲名披露、そういうところへ国会議員だとか地方議員が花輪を贈るとか、祝儀を贈るとか、そういうようなことがあるとすれば、治安の任に任ずる国家公安委員長としては好ましいと思うかどうかということをお聞きしている。そういうことをするとすれば、そういう者を甘やかすことにもなるので、どう思うかと聞いているのです。
○荒木国務大臣 これもまたあまり賢明じゃないと思います。
○林(百)委員 賢明でないことがしばしば行なわれておりますので、私はかねて警告を発しているわけなのです。
 結論を申しますけれども、以上私は暴力団、トロツキスト、右翼団体が、いろいろの私の事例からいえば、これは甘やかされているのじゃないかというように思うわけです。あるときには、これが捜査の名のもとに警視庁の首脳部と一部つながっている、あるいは献金によって保護育成されている、こういう点を指摘したわけです。こうした甘やかしを徹底的に改め、取り締まりをするだけでなくて、経済的、政治的にこれらの団体が活動を続けることができないような総合的な対策が必要だと思うわけですね。こうしたことを不十分にしたまま、かりにライフル等の規制をどれだけ強化しても、彼らは法の網をくぐって銃砲刀剣を不法に入手する、そして現在多数の銃砲刀剣の不法所持による犯罪が行なわれていることになるわけなのです。さらに、参議院による修正案のように、現在まで所持していた者が本法施行後五年後には所持できなくなるというのは、一方ではこういう団体を許しておきながら、そういう財産的な権利を五年で打ち切ってしまうというのは、善良な三十一万以上のライフルや散弾銃の愛好者に対する財産の正当な権限を侵すことにもなるし、むしろそういう人たちの責任であるかのごとき本末転倒の事態を国民に印象づけることにもなると思うのですね。そういう意味で、ライフルがあるいは猟銃等が犯罪に使われないような万全の対策を立てることが、こういうものを不法所持し、そういうものを窃取し、暴力でそういうものを強取し、あるいは密輸入し、あるいはそういうものを不法所持で極悪犯罪に提供するというような、そういう組織を厳重に取り締まることが重要ではないか……。
○菅委員長 林君、御質問ですか、討論ですか。討論はあとにしてください。
○林(百)委員 討論じゃないです。これは最後は質問になるわけです。
 これが根本的な対策だというように私たちは考えるわけですね。そういう意味で、この法案に対しては、私のほうは棄権の態度をとるつもりですけれども、これが根本ではないかと思いますけれども、最後にこの点を、委員長からのお話もありましたけれども、質問して、私の質問を終わります。
○後藤田政府委員 銃砲刀剣類につきましては、その所持については銃砲刀剣の危険性にかんがみまして、十分規制を加えてまいると同時に、それらを使うおそれのある団体、これらにつきましては、御説の中にあった総合的な対策で取り締まりをきびしくしてまいりたい、かように考えております。
○荒木国務大臣 銃砲刀剣類の製造も保管も所持もともに保安の対象として厳重に取り締まらなければならぬというのが銃砲刀剣類等の取締法の趣旨だと思いますから、それは厳重にいたします。
 同時に、五年間の期限を付したことを、私有財産保護の見地から御不満のようなおことばですけれども、林さんのおことばとしては少し伺いないように思いますが、これもやはり安全、公安の保持という見地から適切なる処置であると存じております。
○林(百)委員 終わります。
○菅委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○菅委員長 これより討論を行なうのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○菅委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○菅委員長 中村弘海君、山本弥之助君、小濱新次郎君及び吉田之久君から、四派共同をもって、ただいま議決いたしました法律案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。中村弘海君。
○中村(弘)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表いたしまして、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対しまして附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。
   銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行にあたり次の諸点に留意して銃砲火薬類による危害の防止について、その実効に遺憾なきを期すべきである。
 一 小口径ライフル銃は、それが有する危険性に比して猟具としての必要性に乏しいので、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に基づく猟具としての禁止措置を講ずること。
 二 最近における銃砲店襲撃事件の発生にかんがみ、猟銃等の製造事業者および販売事業者の店舗等の態様を含めて事業の許可の基準を厳格にし、これらの事業者に対する公安委員会の指導監督を強化するとともに、さらに猟銃等の所持者に対する保管についての指導を徹底することにより国民の不安を払拭するよう万全の対策を講ずること。
 三 猟銃用火薬類による危害の防止の徹底を図るため、狩猟用残火薬類の所持および猟銃用火薬類の譲受けに対する規制を強化するとともに、猟銃との分離保管を含めて猟銃用火薬類の貯蔵の技術上の基準に関する規制をさらに強化する措置を講ずること。
 四 猟銃用火薬類以外の火薬類についてもその貯蔵および消費に関する規制を強化する措置を講ずること。
 右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆さま方の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○菅委員長 本動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○菅委員長 起立総員。よって、中村弘海君外三名提出のごとく附帯決議を付することに決しました。
 国家公安委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。荒木国務大臣。
○荒木国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力してまいりたいと考えます。
    ―――――――――――――
○菅委員長 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○菅委員長 道路交通法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。荒木国務大臣。め、歩行者用道路に関する規定を設ける等歩行者の通行の安全を図るための規定を整備し、公共輸送機関の優先通行の確保等都市交通対策のための規定を整備し、その他交通方法に関する規定を合理化するとともに、交通方法に関する教則の作成及び運転者等に対する講習について規定する等運転者の資質の向上を図るための規定を整備する等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
○荒木国務大臣 ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 この法律案は、最近における道路交通の実情にかんがみ、交通事故を防止し、その他交通の安全と円滑をはかり、及び道路の交通に起因する障害の防止に資するため、歩行者の安全をはかり、都市交通対策を推進するための規定を整備し、その他交通方法に関する規定を合理化する等交通管理のための規定を整備するとともに、交通方法に関する教則の作成及び運転者等に対する講習について規定する等運転者管理のための規定を整備することをその内容としております。
 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
 第一は、交通管理のための規定の整備であります。
 その一は、歩行者の通行の安全の確保のための規定の整備でありますが、これは、車両の通行規制による歩行者用道路に関し、歩行者の通行方法の特例、やむを得ない理由があるため特に通行が認められる車両の特別の注意義務等について規定を設けること、道路標示によって車道と路側帯とを分離することができることとし、一定の路側帯を歩道と同様に取り扱うこと、歩行者の側方を通過する車両及び横断歩道に接近する車両等の運転車の注意義務を強化すること等がその内容であります。
 その二は、都市交通対策の推進のための規定の整備でありますが、これは、都市における交通の混雑に対処するため広域通行制限の根拠及びその手続について規定を整備すること、駐車時間の制限の実効を確保するためのパーキングメーターについて規定を設ける等駐車対策を強化すること、公共輸送機関の優先を確保するため路線バス等優先通行帯を設けることができることとすること等をその内容としております。
 その三は、その他の交通方法等に関する規定の整備でありますが、これは、多車線道路における通行区分、道路外に出る場合の方法、交差点における優先関係等の通行方法に関する規定を合理化し、急ブレーキの禁止、みだりに進路を変更することの禁止、混雑交差点への進入禁止等交通の安全と円滑等をはかるための規制を強化するとともに、道路標識及び道路標示の活用をはかるための規定を整備することをその内容としております。また、警察署長に短期間の駐車禁止等の交通の規制を委任することができることとすること、道路管理者との権限の調整をはかること等交通規制権限に関する規定を整備することとしております。
 その四は、交通方法等に関する規定の体系の整備であります。これは、交通方法に関する規定の理解を容易にするため、歩行者及び運転者の順守義務に関する規定と都道府県公安委員会の交通規制権限に関する規定とを分離して規定しようとするものであります。
 第二は、運転者管理のための規定の整備であります。
 その一は、運転者等に対する講習についての規定の整備でありますが、これは、運転免許証の更新を受けようとする者の講習を受けるようにつとめる義務及び指定自動車教習所の技能指導員等に対する講習について新たに規定を設けようとするものであります。
 その二は、正しい交通知識の徹底をはかるための規定の整備でありますが、これは、道路を通行する者に正しい交通方法を理解させるため国家公安委員会が交通の方法に関する教則を作成し、運転免許試験もこれに基づいて実施することとするものであります。
 その三は、運転免許に関する規定の整備でありますが、これは、外国免許を持っている者の国内免許試験の免除、大型免許の受験資格等について規定を整備することをその内容としております。
 その四は、事業所における安全運転管理の強化のための規定の整備でありますが、これは、安全運転管理者の処理すべき事項を明確にし、これらの事項を処理するため必要な権限について規定するとともに、安全運転管理者に対する講習について規定を設けようとするものであります。
 なお、この法律は、改正点が多く、改正内容の周知徹底等に相当の日数を要するものと考えられますので、公布の日から起算して六月をこえない範囲内で政令で定める日から施行することとしております。ただ、運転免許証の更新の際の講習、運転免許試験の内容の変更等に関する規定は、昭和四十七年四月一日から施行、することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに、御賛同を賜わらんことをお願いいたします。
○菅委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
 質疑は後日に譲ります。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時散会