第065回国会 大蔵委員会 第36号
昭和四十六年五月二十日(木曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 毛利 松平君
   理事 宇野 宗佑君 理事 上村千一郎君
   理事 藤井 勝志君 理事 山下 元利君
   理事 広瀬 秀吉君 理事 松尾 正吉君
   理事 竹本 孫一君
      木野 晴夫君    木部 佳昭君
      木村武千代君    佐伯 宗義君
      坂元 親男君    高橋清一郎君
      登坂重次郎君    中島源太郎君
      福田 繁芳君    坊  秀男君
      松本 十郎君    森  美秀君
      吉田 重延君    吉田  実君
      阿部 助哉君    佐藤 観樹君
      楢崎弥之助君    藤田 高敏君
      堀  昌雄君    貝沼 次郎君
      坂井 弘一君    小林 政子君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  中川 一郎君
        大蔵省主計局次
        長       橋口  收君
        大蔵省理財局次
        長       小口 芳彦君
        大蔵省銀行局長 近藤 道生君
        国税庁長官   吉國 二郎君
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部長 秋富 公正君
        労働省労働基準
        局賃金部長   藤繩 正勝君
 委員外の出席者
        議     員 藤井 勝志君
        法務省民事局第
        三課長     枇杷田泰助君
        大蔵省主計局給
        与課長     谷口  昇君
        大蔵省銀行局中
        小金融課長   結城  茂君
        農林省農地局管
        理部長     堀川 春彦君
        労働省労政局労
        働法規課長   岸  良明君
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十日
 辞任         補欠選任
  奥田 敬和君     中山 利生君
  中嶋 英夫君     楢崎弥之助君
同日
 辞任         補欠選任
  中山 利生君     奥田 敬和君
  楢崎弥之助君     中嶋 英夫君
    ―――――――――――――
五月二十日
 貸金業者の自主規制の助長に関する法律案(藤
 井勝志君外四名提出、衆法第三四号)
 は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 貸金業者の自主規制の助長に関する法律案(藤
 井勝志君外四名提出、衆法第三四号)
 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組
 合等からの年金の額の改定に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出第六二号)
 昭和四十二年度以後における公共企業体職員等
 共済組合法に規定する共済組合が支給する年金
 の額の改定に関する法律等の一部を改正する法
 律案(内閣提出第九一号)
 国の会計に関する件
 金融に関する件
 国有財産に関する件
 請 願
   一 塩専売制度存続に関する請願(浅井美
     幸君紹介)(第一号)
   二 映画等の入場税減免に関する請願(津
     川武一君紹介)(第二号)
   三 同(受田新吉君紹介)(第二〇八号)
   四 同(佐々木更三君紹介)(第二〇九号)
   五 同(千葉七郎君紹介)(第二六七号)
   六 同(長谷川四郎君紹介)(第二六八号)
   七 同(三ツ林弥太郎君紹介)(第三二〇号)
   八 同(早稻田柳右エ門君紹介)(第三二一
     号)
   九 零細企業の税制改正に関する請願(加
     藤清二君紹介)(第三七五号)
  一〇 同(横山利秋君紹介)(第三七六号)
  一一 退職公務員の医療制度等に関する請願
     外一件(三ツ林弥太郎君紹介)(第三八
     八号)
  一二 所得税法の控除対象配偶者基準の引上
     げに関する請願(向山一人君紹介)(第
     四二四号)
  一三 零細企業の税制改正に関する請願(赤
     松勇君紹介)(第四二五号)
  一四 同(佐藤観樹君紹介)(第四二六号)
  一五 同(横山利秋君紹介)(第四二七号)
  一六 同(佐藤観樹君紹介)(第四九六号)
  一七 同(横山利秋君紹介)(第四九七号)
  一八 同(佐藤観樹君紹介)(第五六八号)
  一九 同(横山利秋君紹介)(第五六九号)
  二〇 同(佐藤観樹君紹介)(第六一〇号)
  二一 同(横山利秋君紹介)(第六一一号)
  二二 税関等に保管する引揚者の物資処理に
     関する請願(田畑金光君紹介)(第四七
     五号)
  二三 映画等の入場税減免に関する請願(濱
     野清吾君紹介)(第四九八号)
  二四 同(宇野宗佑君紹介)(第五六七号)
  二五 元朝鮮、台湾両銀行の在外預金返済に
     関する請願(堀昌雄君紹介)(第五八三
     号)
  二六 零細企業の税制改正に関する請願(佐
     藤観樹君紹介)(第六五七号)
  二七 同(横山利秋君紹介)(第六五八号)
  二八 同(佐藤観樹君紹介)(第七四六号)
  二九 所得税等の大幅減税に関する請願(田
     中武夫君紹介)(第六九二号)
  三〇 元朝鮮、台湾両銀行の在外預金返済に
     関する請願(佐藤観樹君紹介)(第七四
     七号)
  三一 同(中嶋英夫君紹介)(第七四八号)
  三二 同(平林剛君紹介)(第七四九号)
  三三 映画等の入場税減免に関する請願(松
     山千惠子君紹介)(第七五〇号)
  三四 税関等に保管する引揚者の物資処理に
     関する請願(原健三郎君紹介)(第八九
     〇号)
  三五 映画等の入場税減免に関する請願外一
     件(長谷川峻君紹介)(第一一八九号)
  三六 同(早川崇君紹介)(第一二四九号)
  三七 個人企業の税制改正に関する請願(門
     司亮君紹介)(第一三三五号)
  三八 同(天野公義君紹介)(第一三五七号)
  三九 同外一件(小峯柳多君紹介)(第一三五
     八号)
  四〇 同(櫻内義雄君紹介)(第一三五九号)
  四一 同(笹山茂太郎君紹介)(第一三六〇号)
  四二 同(田中榮一君紹介)(第一三六一号)
  四三 同(地崎宇三郎君紹介)(第一三六二号)
  四四 同(中尾栄一君紹介)(第一三六三号)
  四五 同(中村庸一郎君紹介)(第一三六四号)
  四六 同(長谷川四郎君紹介)(第一三六五号)
  四七 同(浜田幸一君紹介)(第一三六六号)
  四八 同(広瀬秀吉君紹介)(第一三六七号)
  四九 同(水野清君紹介)(第一三六八号)
  五〇 同(武藤嘉文君紹介)(第一三六九号)
  五一 同(伊能繁次郎君紹介)(第一四六一号)
  五二 同(植木庚子郎君紹介)(第一四六二号)
  五三 同外一件(金丸信君紹介)(第一四六三号)
  五四 同外五件(鴨田宗一君紹介)(第一四六四
     号)
  五五 同(木村武千代君紹介)(第一四六五号)
  五六 同(佐伯宗義君紹介)(第一四六六号)
  五七 同外一件(塩谷一夫君紹介)(第一四六七
     号)
  五八 同(菅波茂君紹介)(第一四六八号)
  五九 同(田中榮一君紹介)(第一四六九号)
  六〇 同(丹羽久章君紹介)(第一四七〇号)
  六一 同外一件(濱野清吾君紹介)(第一四七一
     号)
  六二 同(松澤雄藏君紹介)(第一四七二号)
  六三 同(粟山ひで君紹介)(第一四七三号)
  六四 同外一件(山口敏夫君紹介)(第一四七四
     号)
  六五 同(安倍晋太郎君紹介)(第一五〇三号)
  六六 同(宇都宮徳馬君紹介)(第一五〇四号)
  六七 同(大竹太郎君紹介)(第一五〇五号)
  六八 同(河村勝君紹介)(第一五〇六号)
  六九 同(菊池義郎君紹介)(第一五〇七号)
  七〇 同(坂村吉正君紹介)(第一五〇八号)
  七一 同外一件(始関伊平君紹介)(第一五〇九
     号)
  七二 同(田川誠一君紹介)(第一五一〇号)
  七三 同(堂森芳夫君紹介)(第一五一一号)
  七四 同(中山利生君紹介)(第一五一二号)
  七五 同(西岡武夫君紹介)(第一五一三号)
  七六 同(古井喜實君紹介)(第一五一四号)
  七七 同外一件(山村新治郎君紹介)(第一五
     一五号)
  七八 同(豊永光君紹介)(第一五一六号)
  七九 所得税法の一部(税務職員の質問検査
     権)改正に関する請願(青柳盛雄君紹
     介)(第一三三六号)
  八〇 同(青柳盛雄君紹介)(第一三五六号)
  八一 元朝鮮、台湾両銀行の在外預金返済に
     関する請願(江田三郎君紹介)(第一四
     五七号)
  八二 同(安井吉典君紹介)(第一四五八号)
  八三 同(山中吾郎君紹介)(第一四五九号)
  八四 日本専売公社防府製塩試験場存続に関
     する請願(大原亨君紹介)(第一四六〇
     号)
  八五 映画等の入場税減免に関する請願(藤
     枝泉介君紹介)(第一五〇二号)
  八六 個人企業の税制改正に関する請願(赤
     松勇君紹介)(第一五四七号)
  八七 同(鹿野彦吉君紹介)(第一五四八号)
  八八 同(北澤直吉君紹介)(第一五四九号)
  八九 同(福田篤泰君紹介)(第一五五〇号)
  九〇 同(葉梨信行君紹介)(第一五五一号)
  九一 同(内田常雄君紹介)(第一五七七号)
  九二 同(小此木彦三郎君紹介)(第一五七八
     号)
  九三 同(小山省二君紹介)(第一五七九号)
  九四 同(笹山茂太郎君紹介)(第一五八〇号)
  九五 同(中村弘海君紹介)(第一五八一号)
  九六 同(松野幸泰君紹介)(第一五八二号)
  九七 同(宮澤喜一君紹介)(第一五八三号)
  九八 同(春日一幸君紹介)(第一六六〇号)
  九九 同(亀山孝一君紹介)(第一六六一号)
 一〇〇 同(河野洋平君紹介)(第一六六二号)
 一〇一 同(高鳥修君紹介)(第一六六三号)
 一〇二 同(三原朝雄君紹介)(第一六六四号)
 一〇三 同(安田貴六君紹介)(第一六六五号)
 一〇四 同(海部俊樹君紹介)(第一七一〇号)
 一〇五 同(笠岡喬君紹介)(第一七一一号)
 一〇六 同(菊池義郎君紹介)(第一七一二号)
 一〇七 同(島村一郎君紹介)(第一七一三号)
 一〇八 同外四件(田村良平君紹介)(第一七一四
     号)
 一〇九 同(竹内黎一君紹介)(第一七一五号)
 一一〇 同(千葉三郎君紹介)(第一七一六号)
 一一一 同(村上信二郎君紹介)(第一七一七号)
 一一二 日本専売公社防府製塩試験場存続に関
     する請願(平林剛君紹介)(第一五五二
     号)
 一一三 同(平林剛君紹介)(第一五七五号)
 一一四  同(平林剛君紹介)(第一六六六号)
 一一五 中国に対する関税差別の撤廃等に関す
     る請願(広瀬秀吉君紹介)(第一五六七
     号)
 一一六 同(広瀬秀吉君紹介)(第一五七六号)
 一一七 同(黒田寿男君紹介)(第一七一八号)
 一一八 所得税法の一部(税務職員の質問検査
     権)改正に関する請願(合沢栄君紹介)
     (第一七八一号)
 一一九 中国に対する関税差別の撤廃等に関す
     る請願(黒田寿男君紹介)(第一七八二
     号)
 一二〇 個人企業の税制改正に関する請願(足
     立篤郎君紹介)(第一七八三号)
 一二一 同(合沢栄君紹介)(第一七八四号)
 一二二 同(赤澤正道君紹介)(第一七八五号)
 一二三 同(上村千一郎君紹介)(第一七八六号)
 一二四 同(江崎真澄君紹介)(第一七八七号)
 一二五 同(大久保武雄君紹介)(第一七八八号)
 一二六 同(佐伯宗義君紹介)(第一七八九号)
 一二七 同(門司亮君紹介)(第一七九〇号)
 一二八 同(天野公義君紹介)(第一八九四号)
 一二九 同(櫻内義雄君紹介)(第一八九五号)
 一三〇 同(菅波茂君紹介)(第一八九六号)
 一三一 同(永田亮一君紹介)(第一八九七号)
 一三二 同外一件(山田久就君紹介)(第一八九八
     号)
 一三三 税関等に保管する引揚者の物資処理に
     関する請願外二件(青木正久君紹介)
     (第一九〇一号)
 一三四 自動車新税創設反対に関する請願(堀
     昌雄君紹介)(第一九七八号)
 一三五 中国に対する関税差別の撤廃等に関す
     る請願(松平忠久君紹介)(第一九七九
     号)
 一三六 同(黒田寿男君紹介)(第一九八〇号)
 一三七 同(阪上安太郎君紹介)(第一九八一号)
 一三八 同(細谷治嘉君紹介)(第一九八二号)
 一三九 同(安井吉典君紹介)(第一九八三号)
 一四〇 同外一件(柳田秀一君紹介)(第一九八
     四号)
 一四一 同(山口鶴男君紹介)(第一九八五号)
 一四二 同(横山利秋君紹介)(第一九八六号)
 一四三 同(安宅常彦君紹介)(第二一八八号)
 一四四 同(阿部昭吾君紹介)(第二一八九号)
 一四五 同(阿部助哉君紹介)(第二一九〇号)
 一四六 同(阿部未喜男君紹介)(第二一九一号)
 一四七 同(赤松勇君紹介)(第二一九二号)
 一四八 同(井岡大治君紹介)(第二一九三号)
 一四九 同(井野正揮君紹介)(第二一九四号)
 一五〇 同(井上普方君紹介)(第二一九五号)
 一五一 同(石川次夫君紹介)(第二一九六号)
 一五二 同(石橋政嗣君紹介)(第二一九七号)
 一五三 同(上原康助君紹介)(第二一九八号)
 一五四 同(ト部政巳君紹介)(第二一九九号)
 一五五 同(江田三郎君紹介)(第二二〇〇号)
 一五六 同(大出俊君紹介)(第二二〇一号)
 一五七 同(大原亨君紹介)(第二二〇二号)
 一五八 同(岡田利春君紹介)(第二二〇三号)
 一五九 同(加藤清二君紹介)(第二二〇四号)
 一六〇 同(勝澤芳雄君紹介)(第二二〇五号)
 一六一 同(勝間田清一君紹介)(第二二〇六号)
 一六二 同(角屋堅次郎君紹介)(第二二〇七号)
 一六三 同(金丸徳重君紹介)(第二二〇八号)
 一六四 同(川崎寛治君紹介)(第二二〇九号)
 一六五 同(川俣健二郎君紹介)(第二二一〇号)
 一六六 同(川村継義君紹介)(第二二一一号)
 一六七 同(木島喜兵衞君紹介)(第二二一二号)
 一六八 同(木原実君紹介)(第二二一三号)
 一六九 同(北山愛郎君紹介)(第二二一四号)
 一七〇 同(久保三郎君紹介)(第二二一五号)
 一七一 同(黒田寿男君紹介)(第二二一六号)
 一七二 同(小林信一君紹介)(第二二一七号)
 一七三 同(小林進君紹介)(第二二一八号)
 一七四 同(後藤俊男君紹介)(第二二一九号)
 一七五 同(河野密君紹介)(第二二二〇号)
 一七六 同(佐々木更三君紹介)(第二二二一号)
 一七七 同(佐藤観樹君紹介)(第二二二二号)
 一七八 同(佐野憲治君紹介)(第二二二三号)
 一七九 同(斉藤正男君紹介)(第二二二四号)
 一八〇 同(阪上安太郎君紹介)(第二二二五号)
 一八一 同(島本虎三君紹介)(第二二二六号)
 一八二 同(下平正一君紹介)(第二二二七号)
 一八三 同(田中武夫君紹介)(第二二二八号)
 一八四 同(田中恒利君紹介)(第二二二九号)
 一八五 同(田邊誠君紹介)(第二二三〇号)
 一八六 同(高田富之君紹介)(第二二三一号)
 一八七 同(武部文君紹介)(第二二三二号)
 一八八 同(楯兼次郎君紹介)(第二二三三号)
 一八九 同(千葉七郎君紹介)(第二二三四号)
 一九〇 同(辻原弘市君紹介)(第二二三五号)
 一九一 同(戸叶里子君紹介)(第二二三六号)
 一九二 同(土井たか子君紹介)(第二二三七号)
 一九三 同(堂森芳夫君紹介)(第二二三八号)
 一九四 同(内藤良平君紹介)(第二二三九号)
 一九五 同(中井徳次郎君紹介)(第二二四〇号)
 一九六 同(中澤茂一君紹介)(第二二四一号)
 一九七 同(中嶋英夫君紹介)(第二二四二号)
 一九八 同(中谷鉄也君紹介)(第二二四三号)
 一九九 同(中村重光君紹介)(第二二四四号)
 二〇〇 同(楢崎弥之助君紹介)(第二二四五号)
 二〇一 同(成田知巳君紹介)(第二二四六号)
 二〇二 同(西宮弘君紹介)(第二二四七号)
 二〇三 同(芳賀貢君紹介)(第二二四八号)
 二〇四 同(長谷部七郎君紹介)(第二二四九号)
 二〇五 同(畑和君紹介)(第二二五〇号)
 二〇六 同(華山親義君紹介)(第二二五一号)
 二〇七 同(原茂君紹介)(第二二五二号)
 二〇八 同(日野吉夫君紹介)(第二二五三号)
 二〇九 同(平林剛君紹介)(第二二五四号)
 二一〇 同(広瀬秀吉君紹介)(第二二五五号)
 二一一 同(藤田高敏君紹介)(第二二五六号)
 二一二 同(古川喜一君紹介)(第二二五七号)
 二一三 同(細谷治嘉君紹介)(第二二五八号)
 二一四 同(堀昌雄君紹介)(第二二五九号)
 二一五 同(松浦利尚君紹介)(第二二六〇号)
 二一六 同(松沢俊昭君紹介)(第二二六一号)
 二一七 同(松平忠久君紹介)(第二二六二号)
 二一八 同(松本七郎君紹介)(第二二六三号)
 二一九 同(三木喜夫君紹介)(第二二六四号)
 二二〇 同(三宅正一君紹介)(第二二六五号)
 二二一 同(美濃政市君紹介)(第二二六六号)
 二二二 同(八百板正君紹介)(第二二六七号)
 二二三 同(八木昇君紹介)(第二二六八号)
 二二四 同(安井吉典君紹介)(第二二六九号)
 二二五 同(柳田秀一君紹介)(第二二七〇号)
 二二六 同(山口鶴男君紹介)(第二二七一号)
 二二七 同(山中吾郎君紹介)(第二二七二号)
 二二八 同(山本幸一君紹介)(第二二七三号)
 二二九 同(山本政弘君紹介)(第二二七四号)
 二三〇 同(山本弥之助君紹介)(第二二七五号)
 二三一 同(横路孝弘君紹介)(第二二七六号)
 二三二 同(横山利秋君紹介)(第二二七七号)
 二三三 同(米田東吾君紹介)(第二二七八号)
 二三四 個人企業の税制改正に関する請願(鯨
     岡兵輔君紹介)(第一九八七号)
 二三五 同外一件(小坂徳三郎君紹介)(第一九
     八八号)
 二三六 同外一件(藤井勝志君紹介)(第一九八九
     号)
 二三七 同外一件(堀田政孝君紹介)(第一九九〇
     号)
 二三八 同(亀山孝一君紹介)(第二二七九号)
 二三九 同(永山忠則君紹介)(第二二八〇号)
 二四〇 同(橋本龍太郎君紹介)(第二二八一号)
 二四一 同(松浦周太郎君紹介)(第二二八二号)
 二四二 映画等の入場税減免に関する請願(中
     島源太郎君紹介)(第二一七二号)
 二四三 個人企業の税制改正に関する請願(麻
     生良方君紹介)(第二五三八号)
 二四四 同(鹿野彦吉君紹介)(第二五三九号)
 二四五 同(久野忠治君紹介)(第二五四〇号)
 二四六 同外一件(山口シズエ君紹介)(第二五
     四一号)
 二四七 中国に対する関税差別の撤廃等に関す
     る請願(黒田寿男君紹介)(第二五四二
     号)
 二四八 同(佐藤観樹君紹介)(第二五四三号)
 二四九 同(中谷鉄也君紹介)(第二五四四号)
 二五〇 同(堀昌雄君紹介)(第二五四五号)
 二五一 同(松平忠久君紹介)(第二五四六号)
 二五二 同外一件(柳田秀一君紹介)(第二五四七
     号)
 二五三 同(横山利秋君紹介)(第二五四八号)
 二五四 同(佐藤観樹君紹介)(第二五八九号)
 二五五 同(高田富之君紹介)(第二五九〇号)
 二五六 同(中谷鉄也君紹介)(第二五九一号)
 二五七 同(中村重光君紹介)(第二五九二号)
 二五八 同(松平忠久君紹介)(第二五九三号)
 二五九 同外十二件(佐藤観樹君紹介)(第二六
     六三号)
 二六〇 同(中谷鉄也君紹介)(第二六六四号)
 二六一 同(松平忠久君紹介)(第二六六五号)
 二六二 同外百五十一件(佐藤観樹君紹介)(第
     二七二二号)
 二六三 同(河野密君紹介)(第二七二三号)
 二六四 個人企業の税制改正に関する請願外二
     件(金子一平君紹介)(第二五九四号)
 二六五 同(原健三郎君紹介)(第二五九五号)
 二六六 同(田中六助君紹介)(第二五九六号)
 二六七 同(中村寅太君紹介)(第二五九七号)
 二六八 同(長谷川峻君紹介)(第二五九八号)
 二六九 同外一件(小澤太郎君紹介)(第二六六六
     号)
 二七〇 同(永田亮一君紹介)(第二六六七号)
 二七一 同外一件(根本龍太郎君紹介)(第二七
     二四号)
 二七二 同(林義郎君紹介)(第二七二五号)
 二七三 同(村上信二郎君紹介)(第二七二六号)
 二七四 税関等に保管する引揚者の物資処理に
     関する請願外一件(田中六助君紹介)
     (第二六〇四号)
 二七五 中国に対する関税差別の撤廃等に関す
     る請願外十四件(佐藤観樹君紹介)(第
     二八三六号)
 二七六 同(楢崎弥之助君紹介)(第二九一九号)
 二七七 個人企業の税制改正に関する請願(根
     本龍太郎君紹介)(第二八三七号)
 二七八 同外一件(八田貞義君紹介)(第二八三
     八号)
 二七九 同(宇都宮徳馬君紹介)(第三一〇一号)
 二八〇 同(浦野幸男君紹介)(第三一〇二号)
 二八一 同(小坂徳三郎君紹介)(第三一〇三号)
 二八二 同(櫻内義雄君紹介)(第三一〇四号)
 二八三 同(正示啓次郎君紹介)(第三一〇五号)
 二八四 同(羽田孜君紹介)(第三一〇六号)
 二八五 同(山田久就君紹介)(第三一〇七号)
 二八六 同外二件(江崎真澄君紹介)(第三三八
     六号)
 二八七 同外二件(鈴木善幸君紹介)(第三三八
     七号)
 二八八 同(野田卯一君紹介)(第三三八八号)
 二八九 同(鹿野彦吉君紹介)(第三四九三号)
 二九〇 同(小金義照君紹介)(第三四九四号)
 二九一 同(中村弘海君紹介)(第三四九五号)
 二九二 同(古内広雄君紹介)(第三四九六号)
 二九三 同外一件(大村襄治君紹介)(第三五三
     七号)
 二九四 同外二件(田中榮一君紹介)(第三五三
     八号)
 二九五 同(中曽根康弘君紹介)(第三五三九号)
 二九六 同(本名武君紹介)(第三五八九号)
 二九七 同(斉藤滋与史君紹介)(第三七三九号)
 二九八 同外五件(福永健司君紹介)(第三八四
     三号)
 二九九 中国に対する関税差別の撤廃等に関す
     る請願(阿部助哉君紹介)(第三四九七
     号)
 三〇〇 税関における差別人事是正に関する請
     願(阿部助哉君紹介)(第三四九八号)
 三〇一 退職公務員の医療制度等に関する請願
     (進藤一馬君紹介)(第三五八八号)
 三〇二 個人企業の税制改正に関する請願(田
     中龍夫君紹介)(第三九〇一号)
 三〇三 同(藏内修治君紹介)(第三九五三号)
 三〇四 木製家具の物品税撤廃に関する請願
     (秋田大助君紹介)(第三九五四号)
 三〇五 同(加藤六月君紹介)(第三九五五号)
 三〇六 同外一件(神田博君紹介)(第三九五六
     号)
 三〇七 同(藏内修治君紹介)(第三九五七号)
 三〇八 同(小坂善太郎君紹介)(第三九五八号)
 三〇九 同外三件(地崎宇三郎君紹介)(第三九
     五九号)
 三一〇 同(西村直己君紹介)(第三九六〇号)
 三一一 同(藤井勝志君紹介)(第三九六一号)
 三一二 同(増田甲子七君紹介)(第三九六二号)
 三一三 同(村上勇君紹介)(第三九六三号)
 三一四 同(村山達雄君紹介)(第三九六四号)
 三一五 同外一件(山田久就君紹介)(第三九六
     五号)
 三一六 税関等に保管する引揚者の物資処理に
     関する請願外二件(田中龍夫君紹介)
     (第三九六六号)
 三一七 同(關谷勝利君紹介)(第四〇三〇号)
 三一八 映画等の入場税減免に関する請願外一
     件(古川丈吉君紹介)(第四〇二九号)
 三一九 税関等に保管する引揚者の物資処理に
     関する請願外一件(田畑金光君紹介)
     (第四二八六号)
 三二〇 国民金融公庫融資取扱窓口の拡大に関
     する請願(原茂君紹介)(第四六〇七号)
 三二一 同(中澤茂一君紹介)(第四六一七号)
 三二二 個人企業税制改正に関する請願外二件
     (伊東正義君紹介)(第四九二八号)
 三二三 国民金融公庫融資取扱窓口の拡大に関
     する請願(井出一太郎君紹介)(第四九
     二九号)
 三二四 同(羽田孜君紹介)(第四九三〇号)
 三二五 同(向山一人君紹介)(第四九三一号)
 三二六 税関等に保管する引揚者の物資処理に
     関する請願(佐々木秀世君紹介)(第四
     九三二号)
 三二七 同外一件(砂原格君紹介)(第四九三三
     号)
 三二八 同(田村良平君紹介)(第四九三四号)
 三二九 個人企業税制改正に関する請願(大久
     保武雄君紹介)(第四九七八号)
 三三〇 同(石井桂君紹介)(第五〇二四号)
 三三一 同(益谷秀次君紹介)(第五〇二五号)
 三三二 国民金融公庫融資取扱窓口の拡大に関
     する請願(増田甲子七君紹介)(第五〇
     二六号)
 三三三 同(小坂善太郎君紹介)(第五二〇六号)
 三三四 同(松平忠久君紹介)(第五二九三号)
 三三五 同(唐沢俊二郎君紹介)(第五三四八号)
 三三六 個人企業税制改正に関する請願(綿貫
     民輔君紹介)(第五三四九号)
 三三七 国民金融公庫融資取扱窓口の拡大に関
     する請願(林百郎君紹介)(第五四四一
     号)
 三三八 個人企業税制改正に関する請願(田中
     榮一君紹介)(第五五八五号)
 三三九 税関等に保管する引揚者の物資処理に
     関する請願(鹿野彦吉君外一名紹介)
     (第五八四五号)
 三四〇 個人企業税制改正に関する請願(小平
     久雄君紹介)(第五八四六号)
 三四一 映画等の入場税減免に関する請願(小
     平久雄君紹介)(第五八四七号)
 三四二 国家公務員共済組合法等改正に関する
     請願外一件(広瀬秀吉君紹介)(第六一
     五八号)
 三四三 国民金融公庫融資取扱窓口の拡大に関
     する請願(下平正一君紹介)(第六二七
     九号)
 三四四 国家公務員共済組合法等改正に関する
     請願(広瀬秀吉君紹介)(第六六八四号)
 三四五 入場税免税に関する請願(塚原俊郎君
     紹介)(第六八三〇号)
 三四六 国家公務員共済組合法等改正に関する
     請願外一件(広瀬秀吉君紹介)(第六八
     三一号)
 三四七 個人企業税制改正に関する請願(森下
     國雄君紹介)(第六八三二号)
 三四八 貴石、貴金属製品等第一種物品税の課
     税方式改正に関する請願(渡辺肇君紹
     介)(第六九三一号)
     ――――◇―――――
○毛利委員長 これより会議を開きます。
 この際、おはかりいたします。
 すなわち、本日付託になりました藤井勝志君外四名提出にかかる貸金業者の自主規制の助長に関する法律案を議題といたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○毛利委員長 貸金業者の自主規制の助長に関する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
○毛利委員長 提出者より提案理由の説明を求めます。藤井勝志君。
○藤井議員 ただいま議題となりました貸金業者の自主規制の助長に関する法律案について、その提案の理由及び内容を御説明いたします。
 貸金業につきましては、昭和二十四年に貸金業等の取締に関する法律が制定せられ、当時の金融梗塞に伴い乱立した暴利をむさぼる悪質な貸金業者を取り締まり、その公正な運営を保障するため、大蔵大臣への届け出制等が設けられたのであります。
 しかしながら、この届け出制は、昭和二十九年に出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律が制定されるとともに廃止され、単に貸金業の実態を把握するための届け出制ということに改められて今日に至ったのであります。
 したがって現行法のもとにおきましては、貸金業は純然たる自由営業とされているのでありますが、貸金業の現状を見ますと、現実に届け出をしている業者数は約八万名であり、このほかに届け出をしていないいわばやみの業者もばく大な数に達していると想像されているのでありまして、かような状態を放置しておくことは、悪質不正業者のばっこをますます助長するおそれがあり、ひいては貸金業の公正な運営にも少なからざる支障を及ぼすことが憂慮されるのであります。
 よって、貸金業の庶民金融に占める現実に顧み、この際貸金業に関する特別法を制定し、貸金業者の団体の設立についての根拠規定を設け、団体の自主的な活動を推進して貸金業者の自粛を促すとともに、団体に行政指導の補助的な役割りを果たさせることにより資金需要者の保護と貸金業の適正な運営をはかり、もって不正金融の防止に資するため、ここに本法案を提出いたした次第であります。
 次に、本法案の内容について御説明いたしますと、まず第一に、貸金業者は、都道府県の区域ごとに庶民金融業協会と称する民法第三十四条の規定による法人を設立することができることとし、また、庶民金融業協会は、全国を単位として、全国庶民金融業協会連合会と称する民法第二十四条の規定による法人を設立することができることといたしております。
 第二に、庶民金融業協会への入会または退会は、原則として自由でありますが、庶民金融業協会に入会している貸金業者でなければ庶民金融業者の名称を用いて貸金業を行なうことができないことといたしております。
 第三に、庶民金融業協会の会員は、貸金業を行なうについて、法令を順守するとともに、顧客に対しできるだけ低廉な金利によって資金を提供し、業務を適正に運営するようつとめなければならないこととしております。
 第四に、庶民金融業協会は、貸金業の適正な運営と不正金融の防止に資するため、必要な調査、指導、連絡、勧告その他の業務を行ない、また、全国庶民金融業協会連合会は、庶民金融業協会の運営に関する連絡調整を行なうものといたしております。
 第五に、都道府県知事は、庶民金融業協会に対して、必要な報告を求め、または必要な指導、助言及び勧告をすることができることといたしております。
 第六に、庶民金融業協会及び全国庶民金融業協会連合会でない者は、これと同一の名称を使用してはならない二とといたしております。
 最後に、民法第三十四条その他に規定する主務官庁は、庶民金融業協会については都道府県知事とし、全国庶民金融業協会連合会については大蔵大臣といたしております。
 以上が二の法律案の内容の概略でありますが、何とぞ慎重審議の上、御賛成あらんことを希望いたします。
○毛利委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
○毛利委員長 内閣提出、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、両案を議題といたします。
 両案につきましては、昨十九日提案理由の説明を聴取いたしております。
 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、これを許します。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 ただいま議題になった公務員共済組合法及び公企体共済組合法の二法案について、数点にわたって御質問いたしたいと思うわけであります。
 まず、今回恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置、こういうことで、今回もまた、四十四年本来ならば是正すべきもののいわゆる積み残しといわれる部分と、さらに、その後における物価上昇等を勘案して年金額の引き上げを行なう、こういうことになっておるわけでありますが、私どもは、ここ約十年近くにわたって国会のたびに、この問題が法案として本委員会にかかるたびに附帯決議をつけまして、恩給法にもあるいはまたそれぞれの共済組合法にもいわゆる調整規定が設けられ、これはもうすでに五、六年も前になることでありますが、その調整規定がいまだに制度化されない。規定だけはあるけれども制度として具体化しない。この問題について、一体主管当局あるいは大蔵当局はどのように二の問題を、これから調整規定の本旨に従った制度化というもの、制度の具体化というものを進めようとされておるか。まず、根本的な問題としてその問題をお聞きをいたしたいと思います。
○橋口政府委員 共済問題に御造詣の深い先生の御質問でございますので、私お教えいただくことが多いかと思いますが、お尋ねでございますのでお答えいたしたいと思います。
 近代的な福祉国家において、年金の実質的な価値を維持するということは当面の最大の課題であることは、御指摘のとおりであります。それぞれ法律に年金の価値を維持するためのいわゆる調整規定というものが設けられておりまして、問題は、それを具体的にどう運用するかということにあることも、これはまた御指摘のとおりでございます。
 昭和四十二年に社会保障制度審議会から申し入れを受けまして、政府に公的年金制度調整連絡会議というものを設けまして、総理府の審議室長が座長となって、今日までその具体化の方途について検討いたしてまいったわけでございます。その間、研究過程におきましていろいろな問題が生じたわけでございますが、これは昨年の御質問にもお答えを申し上げたことでありますが、やはり根本的には、日本における公的年金の沿革なりあるいは整備の度合いが相違がある、そういう基本的な相違というものを背景に置いて、その基盤の上に立ってどうするかということが、結局は問題解決の一つの処方せんになるのじゃないか、こういうことで、ある程度の検討の基盤が生じてまいりましたので、さらに公的年金制度調整連絡会議の中に、公的年金を種類別に分けまして、共済あるいは民間の年金グループ等に分けまして、それぞれのグループごとにさらに問題点を煮詰めるということで今日まで検討をいたしているわけでございます。
 ただ、御質問の中にもございましたように、現在の共済制度は恩給制度と密接な関係を持っておりますので、恩給につきましては、恩給の価値を維持するためのある程度のルールというものが一昨年からできております。したがいまして、恩給法のいわば反射的な効果といたしまして、共済につきましても、その価値を維持するために、従来の積み残しを含め、あるいは年金価値の懸隔を相殺するための措置をとっておるわけでございますが、さらに厚生年金につきましては、従来おおむね五年ごとの財政再計算の時期に給付の額についても改定をいたしておりましたのを、今回は二年に一回厚生年金の金額を改定をいたしたわけでございますが、それを受けまして、共済につきましても、いわゆる最低保障の額についての助成もいたしておるわけでございます。
 そういういろいろな事情がございますので、いわゆるスライド問題についての的確な改正というものはまだ持っておりませんけれども、具体的な措置の中身を御検討いただきますと、かなり前進をしているということに評価をいただけるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 四十二年から四十六年の今回の改正案までどういうパーセントで年金額の引き上げを行なってきたかということを、ひとつパーセントの数字で、何年は何%上がりました、それと消費者物価の上昇、年度で大体確定した数字を対比してお示しをいただきたい。
○谷口説明員 四十四年には、御案内のとおり恩給の改正に関連をいたしまして、今日提案さしていただいております同じく年金改定法を御審議をいただいたわけでございますが、その結果、四十年をベースにいたしまして四四・八%の増額という形になっております。そして、四十五年の改定の際には、これは四十五年十月からでございますけれども、それが五七・四七%もアップという形になっております。いずれも四十年をベースにした話でございます。これがべースの改定の問題でございます。
 それから、今回はそれを一月からは六〇・七三%アップ、そして十月からは七四・二三%アップ、いずれも四十年をもとにいたしましてこれだけの改正をさしていただいております。ただいまのは年金改定の分でございます。
○広瀬(秀)委員 この間の四十年を基準にして物価上昇率は三十何%だからこれは大体完全にカバーしていると、少なくとも数字の上では出るわけであります。しかしながら、四十年が基準になっていま言われたような数字が出ておるわけだけれども、四十年以前においてこの引き上げというものは、物価上昇あるいはその生活水準、賃金の上昇というようなものとはかなり乖離したものが四十年の基準であって、その低いところをとったということで、この改定率というものはいま言われるように四十年を基準にすればことしの十月現在では七四%にもなりますということだけでは、やはりこの年金受給者はどうしても、今日の物価あるいは生活水準というようなことを考えると、その年金の実質価値が年々下がっているという考えからちっとも解放されないわけであって、この年金受給者が今日切実な思いでわれわれに訴え続けているということであります。この辺のところで、総理府に設置されました公的年金連絡会議というようなもの、こういうものが非常に時間がかかっているわけです。私はこ三二年ほど毎回質問をしているわけですけれども、もう少なくとも四十五年度あたりでこの制度の結論が出て実施段階に移れるというような期待を持っておったわけでありますが、いまだにこれがいつ結論が出るやら、いまの橋口次長のお話でもわからない。こういう状況にあるわけでありまして、基本的にこの連絡会議の結論がやはり出てこないといま何とも言えないということなんだけれども、あの調整規定を具体的に満足さしていく、こういう制度化というものの方向にいくのか、それともそれと別な結論が出るのか。その辺のところの大蔵省としての見通し、また大蔵省としての考え方というものはいかがでございますか。
○橋口政府委員 年金額の物価上昇等に伴う調整の問題につきましての現時点における考え方といたしましては、いわゆる政策スライドの考え方をとっているわけでございます。先進諸国等におきましても、半自動スライドの措置をとっている国もございますし、完全自動スライドという規定はないように承知いたしておりますが、いずれにいたしましてもわが国におきましては、現在の年金成熟の段階に着目をいたしますと、当面は政策的な見地からのスライドを行なうということがやはり基本的な考え方になるのじゃないかという感じがいまいたしておるわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、従来は厚生年金等につきまして大体五年に一回金額の改定をいたしておるわけでございますが――今回は二年目でございますが、厚生年金についての最低金額の改正をいたしたような経緯もございますので、やはり一方に年金の価値を維持するという要請がございますので、公的年金制度調整連絡会議の論議は論議といたしまして――これは理論的、学問的な見地からの究明も加えておりますので、それはそれといたしまして、現実の処理といたしましてはただいま申し上げましたような形で現実の調整が行なわれきつつあるというのが現状でございます。
 ただ、先ほどお示しがございました恩給につきましては、一定のルールによって増額をいたしてまいってきておりますが、かつての恩給審議会の答申にもベースの問題については触れていないわけでございます。つまり、現在の恩給のべースが的確である、あるいは現在の恩給のベースが適当であるということはあえて指摘をいたしておりません。したがいまして、恩給制度につきましてはベースの問題というものは依然として残っているわけでございまして、これは財政事情等ともにらみ合わせながら、将来の検討課題ではないかというふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 おそらくこの公的年金調整連絡会議には橋口次長もお出になっているんだと思うのでもりますが、いまいろいろおっしゃったけれども、一体結論がいまだに出ない、新しいスライド制について結論に到達するための阻害要件となっている、あるいはまたこの点が何と申しましてもぐあいが悪いんだというものについて、一番大きいものは何なのでありますか。この点をひとつあなたの感触でけっこうですから、お答えをいただきたいと思います。
○橋口政府委員 基本的に申しますと各種の公的年金の制度につきまして、それぞれ成熟の度合いが違うということに根本の原因があるのじゃないかという感じがいたしております。諸外国等におきましては、被保険者の大体二割程度が実際に年金を受けておるわけでございますが、日本の場合にはまだ五%に満たない程度の年金受給者にすぎないわけでございます。そういう全体の背景といたしまして、年金の成熟がまだ十分でない。と同時に、各種の年金の中におきまして、たとえば恩給についてみますと、これは長い歴史を持っておるわけでございます。それだけに恩給独自の考え方で従来運用されておったような経緯もございます。御承知のように、民間の公的年金で比較的長い歴史を持っております厚生年金でも大体三十年程度の歴史でございます。国民年金につきましてははるかに浅い歴史しか持たないような状況でも、ございますし、また公務員の共済制度につきましてもかれこれ十数年の歴史しか持たない。その間私学共済とか農林共済とか、いろいろな共済のグループも生じてまいってきております。そういうふうに各種の公的年金の歴史が違い、基本的な背景が違い、したがって基礎的なべースが違う。そういう背景がございますので、発達のおくれております発足の新しい年金につきましては、まず水準の改定そのものを優先すべきだ。成熟度の高い年金につきましては、ある程度ベースというものが確保されて、その上にいかに年々上積みするかという問題意識を持っておるわけでございます。したがいまして、それぞれの年金の当事者の意識にはかなりの相違がございますので、そこで、先ほど申し上げましたように、各種の年金グループに分けまして、グループごとに検討して結論を出すということに、ある意味では方針を転換いたしたわけでございます。グループ別の会合もすでに二回程度行なっておるようでございますので、その辺の詳しい経緯は、必要ならば給与課長からお答えを申し上げさせたいと思いますけれども、いずれにしてもそういうことで検討を深めていく。ただ、一方においては、先ほど来申し上げておりますように、やはり年金の価値を維持しなければならぬという要請もございまして、厚生年金等につきましては、従来の再検討の期間を早めて、現実的には処理をいたしておる、こういうのが現状であろうかと思います。
○広瀬(秀)委員 年金問題も、これから七〇年代はまさに高福祉の時代なんだという国家の非常に大きな政策目標にもなってきている時代であります、そういう中でやはり老人福祉というものが当面非常に急を要する問題であるという認識が高よってきておる段階だと思うわけであります。そういう中で新しくそういう、老人福祉という立場においてこの問題はやはりゆるがせにできない問題であるという政策課題というものともにらみ合あわせて、この問題の早急な解決――各種年金間に成熟の度合いが違うというような大きな問題もあるし、あるいはまた、いまお答えにはならなかったけれども、やはりその財源の問題等をどう調整していくかという問題もあるだろうと思うのですが、そういう問題は、前段の問題は大蔵省としてこのスライド問題を考えるにあたってどう考えられておるのか。そして、この財源調達の問題ということについてどのように考えられるのか。私どもは、これはやはり国の福祉政策として、特に老人福祉というものが、まさにこれだけ経済大国になって、しかも、もっともっと経済力の弱い諸国よりもなおかつ老齢年金というようなものがきわめて低いし、しかも物価が上昇しておるというような段階では、当然これは国の責任において財源を調達すべきだという基本的な見解を持っておるわけだけれども、その問題等について、公的年金連絡調整会議等における議論はどうなのか。そしてまた大蔵省のその面についての基本的な考えはどうなのか。この点をひとつ明らかにしていただきたい。
○橋口政府委員 社会保障に関する七〇年代のビジョンについて御指摘があったわけでございますが、その点に関しましては先生と全く意見を同じくするものでございます。社会保障全体といたしまして強化、充実をはかってまいるという基本的な方針を持っておりますが、その中でも特に老人対策、あるいは老人対策の将来の中心となるべき年金制度の充実というものが、将来の社会保障制度の本命になるということについては全く御指摘のとおりというふうに考えております。ただ日本の場合におきましては、人口の中に占める老齢人口の比率というものが先進諸国と比べてまだ非常に低い状態でございます。それが一つは年金の未成熟に反映をいたしておるわけでございますけれども、しかしここ十年程度の先を見通して考えますと、やはり老齢人口というものは非常に大きな比重を占めてくる。したがいまして、社会保障の今後の本命は老人対策、老齢対策ということであろうかと思いますが、そのための方法といたしまして、わが日本におきましては、いわゆる無拠出制の老齢福祉年金あるいは老人医療につきましての公費負担というような考え方がかなり強く前面に出されてきております。ただ、長い将来を考えますと、こういう形の公費負担よりはやはり相互扶助組織を基盤とする、あるいは相互扶助の理念を基盤とする社会保険あるいは年金制度によって将来の老人対策を行なうというふうに、考え方が進歩発展をしてくるんではないかというふうに予想をいたしておるわけでございます。そういう点から申しまして、当面の老人対策、老齢対策の課題と、長い将来の先の課題に対する対処のしかたではやや違ってくるんじゃないか。したがいまして、当面の政策課題の意識といたしましては、やはり無拠出制の老齢福祉年金とかあるいは医療の公費負担というような形の政策のほうが先行するんじゃないか。それと並行いたしましてむろん年金につきましても措置をいたしてまいるわけでございますが、やはり社会保障に関する先進諸国を見ますと、老人対策の基本は年金になっております。相互扶助的な年金によって行なわれておりますので、将来の姿といたしましては、御指摘のように、そういう姿として老人対策なりあるいは社会保障の本命が制度化していくのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 ここでこれ以上次長とこの問題について論戦を戦わしている時間的余裕もないわけですけれども、物価がどんどん上昇し、またそれに従って現職職員の給与水準が最近は十七、八%というようなことで非常に上がっているというようなこと、しかもそういう中において全般的な生活の水準というものも上昇している。そういう中で、この年金受給者が相対的にどんどん実質価値を奪われて低い生活水準におとしいれられてきておる。そういう状況というものをより一そうひとつ深刻に考えて、この共済組合の年金制度ができた根本の趣旨にさかのぼって、原点に返って、老齢所得保障あるいは生活保障というようなものが完全に実現をする方向というものについて、国の果たすべき役割りというものをもっと充実強化させていく。こういう基本的な立場で、進化の方向であるかどうかわかりませんが、相互保険的というようなことにばかりウエートをかけないで、やはり国が、公共の仕事に携わって一生をささげ、老齢期を迎えた人たちに対して十分なめんどうを見るということは、これがやがて一つのきっかけになって、その他の厚生年金や国民年金等にも――現状では諸外国から見ましてまことに貧しい年金制度になっていると思いますが、そういうようなものもだんだんそれにつれて引き上がっていくという、まさに老人天国、またほんとうに老人福祉というものが完全なものになるためのやはり最大の問題点だということを、先ほど次長も言われたのだけれども、そういう立場で十分ひとつこの問題を前向きに考えていただきたいということを要望して、次の質問に移りたいと思うわけです。
 そこで、公共企業体の財源率等の問題について触れたいと思うのですが、収支計画策定審議会、これは五年ごとに答申を出して財源率の再計算をずっとやってきておるわけでありますが、この収支計画策定審議会というものが四十年に第一次の答申を出され、四十五年に第二次の答申を出された。いま私が言っているのは国鉄の場合ですが、これは国鉄総裁に対して責任を持ち、またこの答申を国鉄総裁として尊重するというような形で拘束を受ける、こういう関係に立つのでありますが、大蔵省は、国鉄における共済組合のこういう審議会の答申というようなものはどのように把握をされておるのでありますか。
○谷口説明員 大蔵省の給与局におきましては、国家公務員共済組合の制度の管理のほかに、公企体職員共済組合の問題についてもこれをいろいろ管掌しておる形になっておりますけれども、ただいま御質問の点につきましては、実は国鉄の問題あるいは電電の問題について、それぞれ当該共済組合から話を十分に聞いております。
○広瀬(秀)委員 そこで、なるほど電電公社、専売、それぞれに収支計画策定審議会があるわけでありますが、これは大蔵省もいま課長がお答えになったような形で承知をいたしておるはずであります。ところが、四十年の六月第一次の答申が出て、この答申で指摘されていることを、国鉄は国鉄なりにこの審議会の答申を尊重しなければならぬ、答申の線にむしろ拘束をされるというような気持ちで、大蔵省にもまた運輸省にも要求をしている。その答申の線が実現できるように要求をされたと思うのでありますが、その点いかがでございますか。
○谷口説明員 先生の御質問はおそらく追加費用の負担方法の問題を中心としてのお考えだと思いますけれども、この公共企業体職員等共済組合の追加費用の負担方法につきましては、新制度発足当初は旧法時代の永久債務方式による負担率を相当下回る率から出発をいたしまして、漸次引き上げてきたものでありますが、三公社がそれぞれ一律に設けました長期財源率の検討委員会、先ほど先生からお話がありました検討委員会の前回の答申では、今後当分の間整理資源率を毎年千分の五引き上げる必要があるとされており、また、整理資源計上額が前述の追加費用支払い額をかなり下回っている状況にあることもあって、毎年度千分の五ずつ引き上げてまいりました。今回の答申におきましても、今後当分の間整理資源率を毎年千分の五引き上げる必要があるとされております。国鉄、専売の組合につきましては、従来の方針を踏襲いたしまして、四十六年度におきましても千分の五増加して計上するという形で現在までまいっております。
○広瀬(秀)委員 運輸省は国鉄の監督官庁であり、国鉄総裁から第一次答申に基づいて運輸省としてもいろいろ問題が指摘されておったはずであります。追加費用の負担の問題で非常に重要な問題があるわけですが、千分の五年々積み立てていきなさいということはそのとおりになっているけれども、その中で重要な指摘があると思うわけであります。「年金改定による追加費用の負担のあり方」として、「年金改定のための追加費用については、ベース・アップの場合と同様に、生活水準向上による追加費用は、事業主及び組合員が負担し、物価変動によるそれは、国庫が負担するのが妥当である。」こういう指摘が、これは四十年の第一次答申ですよ、そういうことがいわれておったわけです。
 それから、いわゆる「恩給公務員の吸収」の問題、これは、「国鉄が負担してきた経緯を考慮すれば、この追加費用は、今後とも国鉄が負担するのもやむを得ない。」これはまあ「やむを得ない」ということでありますが、軍人期間の通算算入のいわゆる過去勤務債務については、これも「国庫負担によるのが妥当である。」いわゆる終戦処理的な、軍人、軍属期間の通算の問題、あるいはこのときにはまだ外国政府あるいは外国特殊法人等の引き揚げ者の通算の問題満鉄等の通算の問題についてまでは、いっておりませんけれども、このような点があるわけですね。これを運輸省は、大蔵省との折衝においてどういうように主張をされて、この答申をどういうように見ておられたかということをお伺いいたしたいと思います。
○秋富政府委員 ただいま先生の御指摘の問題でございますが、従来まで私たちといたしましては、国鉄の場合でございますが、国鉄の予算におきましてこれを処理していくように進めてまいりました。
○広瀬(秀)委員 四十五年八月六日に「国鉄共済組合収支計画策定審議会答申」というのが出ております。これはいわゆる第二次答申なわけですが、この中で、国鉄の場合に所要財源率は対俸給千分の百十七ということで、四十一年から四十五年まで千分の百十三で来たものが千分の四上がって百十七になる、こういう答申がなされました。そして、この財源率計算においては、「組合員期間二十年以上に達する者の割合が増加したこと及び死亡率が低下したことによる」、こういうふうにされておるのですが、先ほど申し上げた「過去勤務債務の処理」、これについては「前回の答申時に五千百五十五億円(昭和三十九年三月末現在)であったものが、その後、年金改定が数次にわたって行われたこと、べース・アップが年々行われたこと、さらには、満鉄等外国特殊法人関係の通算の拡大が行われたことなどを原因として、昭和四十三年度末現在において実に一兆一千五百六十九億円に達している。しかも、この増加傾向は、今後も続くものと予想される。当審議会は、これに対処する方法として、前回、修正賦課方式により過去勤務債務の利息相当額に達するまで、収支計画に基づいて補てん額を決定し、最終的には過去勤務債務額を凍結する必要を示唆したところであるが、今後においても、この方法を踏襲することが望ましい。」このようなことをいっておるわけであります。さらに「財源の負担についての意見」というところで、「共済組合に対する国鉄の負担は、事業主としての負担に限るのが妥当であり、国が負担すべき部分まで代行する必要はないと思われる。少なくとも現在国鉄が負担している次の部分については、国がすみやかに負担することが望ましい。」「国の社会保険助成の代行部分」、「厚生年金に対する国庫負担に相当する部分」というものを想定をしてそういうことをいっている。「国の戦後処理政策の代行部分」、「軍人及び満鉄等外国特殊法人等の期間に対応する共済組合の長期給付額に相当する部分」、こういうように指摘をいたしておるわけです。
 こういう過去勤務について一体大蔵省は――こういう審議会であり、これは直接的に大蔵省を拘束するものではないという御見解もあるいはあろうと思うけれども、これは筋として、やはりそれぞれの単位共済においてはこういうことをやらなければ、どんどん財源率計算において過去勤務債務が飛躍的に、五年間で倍以上にも増大をするという状況を踏まえますと、それが組合員の掛け金といわゆる事業主としての国鉄なり電電公社なりというもので負担をするということになれば、これはどんどん累増する。しかもその性格は本来国がやるべきいわゆる終戦処理的なものである。こういうようなものまで単位共済組合が代行するということはどうもおかしい。あるいはべースアップ分についてもそうである。こういうような指摘が行なわれているのですが、この点について大蔵省はもっと理解ある態度を示して、国庫としての国の負担分というものを、厚生年金においても一五%すでに出しておるわけでありますから、少なくとも最低そのくらいは――われわれは昨日の改正案の提案におきまして二〇%ということを言っておるのでありますが、少なくとも最低一五%くらいは、厚生年金にもそういうように出しているのでありますから、同じように国庫負担というのを一五%出すというようなことがあってしかるべきと思うのでありますか、その点いかがでございますか。
○橋口政府委員 この問題は、昨年の当委員会でも御質問をいただき、お答えをいたした問題でございますが、率直に申しましてたいへんにむずかしい問題でございまして、現在の年金制度に内在する基本的な問題と、さらにその負担関係をどうするかという二つの問題があると思います。
 先ほどもちょっと触れましたように、やはり年金の価値を維持するためには、物価、生活水準の向上に見合って年金額の増加をはかってまいらなければならないわけでございますが、結局それはだれが負担するかということになりますと、最終的には世代間の負担の分配の問題になってまいります。つまり老齢化した人間を若い世代が養う。したがって、養うためのその費用を若い世代が負担をいたします場合に、保険料という形で保険集団の中で負担をするのがいいのか、あるいは一般の国民の負担という形で平均の形で負担をするのがいいのか、これは社会保障、年金制度に関連しての基本的な問題でございます。現在御承知のように、厚生年金等につきましては、実際の積み立て所要額につきましては、いわゆる修正実額積み立て方式という方式を採用いたしておりまして、これは保険数理の見地で申しますと必ずしも理想的な制度、形態とは言いにくいと思いますが、やはり問題の保険数理といたしまして、五年に一回の再検討の際に、いまの保険数理が適当かどうかという検討をいたしておるわけでございます。そういう形で現実の処理をいたしておりますが、この問題は計算上の金額の問題と、現実には御指摘がありました追加費用がどの程度出るかという問題と二つございます。計算上、年金数理上の金額としては非常に大きな金額になると思いますが、現実にどの程度金が出ていくか。公務員の共済の場合には追加費用ということで年々一般会計から投入をいたしておりますが、これはまさに国民の税金を使っておるわけでございます。
 そこで次の問題として、こういう過去勤務債務の償却の原資をだれが負担するか。最終的にはいま申しましたように、保険集団なりあるいは一般国民なりが負担をするということでございますが、少なくとも御指摘がございました公企体に関する限りは、これはたいへん便宜なことばでございますけれども、いわゆる公企体公経済論というものがございまして、公企体は国の機能を代行しているのだ、そういう性格から見まして、社会保障に関する推進を主体としての国の補助のかわりに、過去の償却不足の分につきましても公企体の責任において処理をするということで今日まで参っておるわけでございます。この点につきましては、御指摘がございましたように、一体こういうものをだれが負担するか。したがって、公企体の職員につきましても、筋の論議といたしまして、ことに過去の勤務に対する償却につきましては国が、つまり一般国民の税金負担の形において処理をすべきだという議論、これは議論として十分筋の通ったものであろうかと思います。ただ先ほど来申し上げておりますように、わが国の年金制度の現実に着目いたしまして、またそれの財政負担の問題それから年金数理の計算の問題、現実の所要原資の問題等々を考えまして、少なくとも現時点におきましては、公企体がいわゆる公経済の資格においてこれを負担する。これは昨年も御質問がございまして、理論的に先生の御納得いただくようなお答えというものがしにくいわけでございますが、これはやはり年金制度というものがいろいろな経緯によって成立をし、いろいろな経緯をもって運用されておる、こういう実態から申しまして、今日の時点においてはある程度やむを得ないことではないかというふうに考えておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 たいへんつれない答弁なんですが、同じ公共企業体の中におきましても、いわゆる追加費用の累積額といいますか、こういうものが、これは前回も伺ったわけですけれども、極端な差が出ているわけですね。いま公企体公経済論というようなこともあるというのですけれども、そういう単純なことではなかなか割り切れない問題が、非常に経過的にも歴史的にも沿革的にもいろいろあるわけだし、また公共企業体間における経理の状況というようなものも非常にアンバランスがあるわけであります。
 たとえばいま問題にしている国鉄などの場合には、財政再建という深刻な問題があり、償却前赤字だけでも八百六十四億も四十六年度には出ようかという苦しい財政の中で、いわゆる公共企業は公経済だというような立場において、国が本来やるべき、言うならば終戦処理として当然考えられるべきものまでなぜ負担をしなければならないのかというような問題の解明には、その理論はならないだろうと思うのです。だからそういう部分について追加費用がどんどん必要とされてくるということならば、責任準備金がどうもだんだんおかしくなってくるというようなことになれば、やはり掛け金を上げる、事業体の負担をふやしていく。その上に追加費用として、理論的に考えても実際的に考えても当然国が責任を持って処理すべきものを、公共企業体なりまた組合員が負担をしなければならないということには、やはりどうしても無理があるだろうと思うのです。
 そういうことをどうほんとうにお考えなのか、お聞きしたいことと、あわせて、この長期経理だけに例をとりますが、現在専売では掛け金率が四六・五、負担金率が六三・五ということであります。国鉄は四九・五、負担金率が六七・五。負担金率においては約四%違っておりますし、掛け金率においても三%上をいっているわけですね。電電公社におきましては専売よりも掛け金率が低くて四六%、負担金率が六二%。国鉄の六七・五%と比較すれば五・五%も違いがある、こういう状態になっておるわけですね。しかもその上に追加費用千分の五の積み立てということで非常に大きな差がついている。こういうことではたしていいのか。国家公務員におきましても各省それぞれ別別の組合があるわけでありますが、国家公務員の場合に掛け金率、負担金率にこういうようなことの差があるかどうか。これほどの差というものがあるかどうか。この点もひとつお答えいただきたいと思います。
○橋口政府委員 御指摘になりました問題につきましては先ほどもお答えをいたしたわけでございますが、過去勤務債務の追加費用をだれが負担するのが一番適当か。これは、公企体に関しましては現在公企体がこれを負担いたしておるわけでございます。同じようなことは地方公務員につきましてもあるわけでございまして、本来ならば国民の税金によって国が負担して処理をすべき財源につきましても地方団体にこれを負担してもらい、最終的には保険料、掛け金という形で被保険者にかかっていく、こういうことでございます。したがいまして、この問題をどういうふうに処理するのがいいか。現在の制度が一番適当だといって胸を張ってお答えするような性質の問題ではございませんが、やはり従来の経緯もあり、また財政の現状なりあるいは公企体の性格、地方団体の性格等を考えますと、少なくとも当面の処理としては現在の方式によらざるを得ないのじゃないか。
 ただ、後段御指摘のございましたそれぞれの公企体によって掛け金の率に相違がある、公企体の掛け金率と公務員なりあるいは地方公務員の掛け金率とがどういう関係になっておるか、あるいは公務員の共済について掛け金率に相違があるかということでございますが、やはり公企体の共済と公務員の共済では必ずしも内容が同じでない面がございます。これも先生御承知のように、公務員共済につきましては基礎となる俸給は過去三年の平均をとることにいたしております。公企体におきましては退職時の俸給をとることにいたしております。こういうふうに年金制度の仕組みが相違をいたしておりますので、公企体の掛け金の率の多寡と公務員の掛け金の率の多寡とを比較をいたしまして、どっちが高いという実質論議は非常にむずかしい面を持っているのじゃないか。そういう点もあわせ考慮いたしますと、少なくとも過去勤務債務の償却方式に関しましては、これは検討すべき問題ではあるとは思いますが、繰り返し申し上げておりますように、やはり保険集団で負担をするのがいいか、他の一般国民まで含めて、しかも、世代間の負担の配分として処理するのがいいのか、その辺はやはり今後の検討課題ではないかと考えております。
○広瀬(秀)委員 最後のところで、保険集団として負担をするのがいいか、その他の方法がいいかということが問題のあるところだし、検討しなきゃならぬ問題だということなんですが、少なくとも公共企業体というものが、これは税金でまかなっておるところじゃないのですね。地方公共団体というものは、これはやはり地方税、足らないところは七割も国の交付金なり交付税なりというようなことで、やはり税金でまかなわれている人たちである、こういうことになるわけでありますが、それとやはり企業体という場合には違うと思うのです。企業体とは何のかかわりもない、国の行為として起こった、軍人にとられておった、その軍人期間を通算をしなければならぬという考え方、これはやはり国自身がその分は少なくとも持つべきである。外国政府職員の期間通算というようなことも、これは国の政策としてそういうものが起こってきておる、いわば終戦処理である。戦争という行為を国自身が責任をもってやったわけですから、それのあと始末もちゃんと国がやはり責任をもってつけるということであって、企業体には本来なじまない負担部分である。そういうものについては少なくとも国が持つんだというたてまえというものに移行することのほうが、あなたがおっしゃった保険集団の中でお互いに相互扶助的にやっていくというものをすっきりさせる道にも通ずるんだ。やはりその分だけはこれは国が責任として見るんだ。その額は少なくとも一五%ぐらい。厚生年金でもそういうふうにやっているのですから、これは国の負担分として、それとの見合いというようなことででも少なくとも一五%ぐらい当面やって、さらにはその他の事情も考えて二〇%ぐらいにする。二〇%、一五%にはかりにこだわらないといたしましても、そういう部分であって、国の責任を免れるような御発言というのは、私はあなたの考え方、述べられたことをずっと突き詰めていけば、これは筋としても成立しない議論ではないかと思うのですが、いかがですか。
○橋口政府委員 この問題についての論議を展開いたしますと、最終的には公企体とは何か、公企体の性格いかんという問題に帰着するのではないかという感じがするわけでございます。この問題は、御承知のように料金につきましても法律の規制があり、予算につきましても国会の御審査を受ける、こういう性格を持っておるものでございますから、先ほど来申し上げておりますように、国の機能を代行する機関としての公経済の資格を持つものだ。したがって、そういうものに便宜負担をしていただいているというのが現実的な処理の基本的な考え方であろうかと思います。したがいまして、御指摘がございましたように、議論の筋道、どちらがいいが ――いまの制度がよりいいんだということまでは決して申し上げておらないわけでございます。これは将来の検討課題として検討すべき問題であるというふうに先ほど来申し上げておるわけでございます。
 ただ、厚生年金につきましての国の負担、これはやはり厚生年金の受給者の低所得階層ということに着目をいたしまして、特に国が社会保障を推進する重点として補助をいたしておるわけでございます。したがいまして、公企体共済とかあるいは公務員共済につきましては――公務員共済につきましては厚生年金と比べて率の落ちる補助をいたしておるわけでございます。したがって、厚生年金保険の率なりあるいは補助の性格をそのまま公企体共済に導入するということにつきましては、これはかなり問題があるんじゃないだろうか。
 ただ、前段でおっしゃいましたような、本来公企体と関係のない時代に生じた債務について、しかも、今日の時点において時価換算したものを公企体の現在の保険集団が負担をするということの議論としての当否につきましては、私は先ほど来申し上げておりますように、いまの制度が一番いい制度だということを申し上げるつもりはございませんが、しかし、それではかわるべき方法としてもっといい方法、しかも財政事情なりあるいは公企体の性格、現状等から考えましてもっといい方法があるかどうかは今後検討をいたしてまいりたい。現在の制度に固執するつもりはございませんが、やはり制度を変えます場合には十分な用意が必要だという意味で、検討はしなければならぬということを申し上げたつもりであります。
○広瀬(秀)委員 現在の制度が絶対的にいいんだということは言いません、検討課題だということでありますが、中川政務次官、いま話を聞いておりまして、あなたは一体この問題について、たとえば先ほど私が申し上げたような、そうして収支計画策定審議会において答申をして、しかもこれが、四十年に答申をやったやつがいまだ行なわれていないではないかということも今度の第二次答申でもあって、こういう問題については、やはり終戦処理的な問題、あるいは物価上昇とべースアップというようなものに対するものはやはり国が見ていくべきではないか、財源補てんをしていくべきではないか。そういうことが今日まで国の金が入っていない。端的にいえば労使の負担だけで、国というものは公共企業体のあれには金を入れていない、こういうこと。それから、厚生年金の問題につきましても、非常に低所得の者に対する国の援助という思想が強いというわけでありまするけれども、公務員、公共企業体の職員の平均賃金も、あるいは民間の厚生年金適用労働者をかかえた企業、こういうところの従業員の給与というものも、相当差は詰まって、厚生年金適用だから低所得層が大部分だという発想はかなり修正されなければならない状況にある。いまここでその数字を示すわけにはまいりませんけれども、そういう状態になってきているというようなことを考えれば、この財源を国が補てんをしていく。しかも厚生年金並みぐらいに公共企業体にも入れてはどうか、こういう点についてのあなたの政治家としての判断をお聞きをいたしたいと思います。
○中川政府委員 この問題につきましては、昨年も広瀬委員から御指摘がありまして、検討を要する課題である、制度的なまた問題もありますし、十分検討したいとお答えをいたしておりますが、何ぶんにもたいへんな財源になるという現実問題もございます。年金額の引き上げあるいは社会保障のいろいろな方面への支出もありまして、現段階でこれを国が負担するというようなことになりますとたいへんなことでございますので、そういった現実も踏まえまして、今後さらに一そうひとつ前向きで検討していきたい。いつ結論を得るかわかりませんが、理論としては広瀬委員御指摘のとおりだという考えがいたします。
○広瀬(秀)委員 次の質問に移ります。
 労働法の改正、国際的慣行というようなものから、公共企業体なりあるいは国家公務員なりのいわゆる職員労働組合、こういうところの労働組合専従役員、こういうものが、公務員なり公企体職員の身分を持ったまま組合の役員専従にはなれないという制度になりまして、これが現在進行しており、しかもことしの十二月を迎えますれば全くいわゆる在籍専従というものは消えるわけであります。そういう状況を踏まえまして、なるほど共済組合法のたてまえからいって、公共企業体なり国家公務員、そういう身分のある者だけが共済組合の組合員になれる、こういうことになっているわけでありますが、しょせん日本の場合、労働組合の専従者といえども、労働組合そのものがいわゆる企業内組合だといわれていることから、この非在籍専従制度というものが生まれたからといって、そういうものに根本的な変革がきたわけではない、したがって、企業内において真に健全な労働関係を発展させながら、労働力の維持向上、労働者の生活の維持向上、労働条件の改善というようなことは、これはやはり労使双方にとって望ましい事態なんですね。だからそういう実態を踏まえれば、単に形式論的に、職員でなくなったのだから組合員にしないということは――少なくとも、非在籍専従という形であっても企業内組合である、そういう組合の役員である限りにおいては、やめるということならばこれはもう何をかいわんやでありますけれども、少なくともそういう期間については組合員としての継続を長期、短期にわたって認めていっていいのではないか、こういうように考えますが、この点についていかが考えられておるか、お伺いをいたしたいと思います。
○橋口政府委員 国家公務員共済組合の制度は、御承知のように国家公務員の生活の安定、福祉の向上、公務の能率的運営に資する目的をもって設けられたものでございます。したがいまして、先生がお話しになりました在籍専従の制度がなくなりましたあとの専従者についての処理の問題は、たいへんにむずかしい問題であろうかと思います。やはり国家公務員の資格を持つ者について、公務員としての生活の安定と公務能率の向上に役立たせるための制度でございます。したがって、公務員としての身分を持たない者についてまで共済の恩典を付与するということにつきましては、基本的に問題があって、たいへんに処理がむずかしいというふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 在籍専従制度と非在籍専従制度になって、実態としてたとえば全くよその者が入ってくるというようなことは考えられない。猶予期限をもって、昭和四十三年十二月十三日から二年間ですか、三年間の猶予をもって非在籍専従制度に変わるんだということになったわけでありますが、少なくとも昭和四十三年十二月十三日に、それまでずっと勤続をしておって在職の者であったという者に限定が一つあるわけですね。そうしてそれがやはりその同じ企業体の中の職員団体の、いわゆる身分を失った形においてそこの役員になるという実態はちっとも変わらないんですね、ずうっと継続してやっている場合。いままでは在籍専従、今度は身分を取るぞということをやられている。しかしその実態というものはちっとも変わらない。そういうものについて、これは共済組合の制度の適用から追い出す、完全に排除してしまうということはいささか酷ではないのかということを考えるわけでありますが、もう一ぺんひとつ――これは規定のしかたによれば、何か、四十三年十二月十三日まで勤続をしておった者、それがこの身分を何月何日で失って、引き続きこの労働組合の役員である者、というようなことで、そういうものを特例として認めますということを法文に書けば、これはその限りにおいて、少なくとも職員でなくなったけれども、実態をとらえて法律上も明らかにすることができるんだから、限定条件をきちんとつけながら、まるっきり外部の者が通算を求めるというようなことではないんだから、そういう形で特別な規定さえ設ければこれはやれないことではない。いわゆる公共企業体の職員ではない、しかしながら共済組合が雇った共済組合の職員というものは、これは法律で、十二条ですか、規定して、これは共済組合の組合員にしますということになっているわけです。それと同じように、一条起こすなり、特例法なりを設ければこのことは幾らでも可能なことなんですね、少なくとも法律上。法律上可能なことをなぜやれないかということでありまして、やれることなんですから、これはやったらどうかと思うのでありますが、いかがでございますか。
○橋口政府委員 共済制度と他の各種年金との間にいろいろな取り扱いの相違がございますし、共済制度のほうが長い歴史を持っておりますので、他の年金に比べて保護の程度が厚いという各種年金からの批判もあるわけでございます。したがいまして、これはあくまでも公務員という特殊な地位に着目しての措置でございまして、それなりの恩給からの歴史も持っておるわけでございますので、公務員としての地位を離れたものについてまでこの恩典を適用するということにつきましては、共済制度の基本的な哲学に触れる問題であろうかと思うわけでございます。御質問の中にございました、連合会職員が共済制度の適用を受けているじゃないかということでございますが、これは長期経理の事務を担当する連合会職員、共済職員というものは、いわば文字どおり国の事務を代行いたしておるわけでございまして、ちょうど恩給局の職員と同じような性格を持っておるのであります。したがって、刑法の適用につきましても公務員とみなされているのでございますが、これはやはりただ一つの例外としてまさに公務員に準ずるものだ、こういうことで共済制度の適用をいたしております。したがいまして、公務員の身分を完全に離脱した者についてまで共済制度を適用するということは問題が多過ぎるのではないかというふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 この問題はここで議論をしても、橋口さんと何ぼやり合ってもここで明確な答えを得られるものとも思えませんから、引き続きこの問題は将来にわたって論議をしていきたいと思います。きょうはこの程度にしておきます。
 そこで、労働省は来ておりますか。――先般、この国会で勤労者財産形成法が成立をしたはずでありますが、そこで、民間一般の場合には雇用促進事業団のやるような仕事を、公務員の場合には共済組合がやるのだという規定が入っておるわけであります。この問題について、いま労働金庫法では本来共済組合も労働金庫の会員団体になれるはずでありますが、しかし今日ではどこの共済組合もそういう取引関係に全くないという状況のようであります。そうなりますと、今日まで労働金庫、それから法律的にもオーソライズされている勤労者住宅生協、こういうようなものとの関連で労働者の住宅が建てられてきた。しかもその勤住協の扱っている住宅等につきましても六割近くは公務員が利用しておるというようなことなんでありますが、このせっかくの勤労者財産形成法における住宅の建設、分譲、こういうようなことが共済組合にいくことによって、公務員労働者を含めて労働者の金融機関である労働金庫、さらにそのための住宅供給の仕事をしておる勤住協というものが、国家公務員の場合には少なくとももう完全に縁が切れてしまう、遮断されてしまうというようなことになると思うのであります。この点について労働省としては、公務員労働者の場合に、この勤労者財産形成法に基づく住宅供給ということについてどのようにお考えになって、いま私が指摘したような問題点についてどのように措置をされようとしておるのか、この点を伺いたいと思います。
○藤繩政府委員 ただいま先生がおあげになった勤労者財産形成促進法との関連における問題は二つあると思います。
 一つは、公務員が労働金庫を利用して財産形成貯蓄をいたす場合に、民間の場合でございますと雇用促進事業団がそれぞれ財産形成貯蓄契約をいたしました金融機関から資金を集めます。しかしながら公務員の場合は、いま先生御指摘のように共済組合がその仕事をするということになっておりますので、労働金庫から資金を調達しなければならない。その場合に、労働金庫法のほうの制約で労働金庫の会員になっていなければならないのではないか、その点がどうか、こういう問題であろうと思います。この点につきましては御指摘のとおりでございますが、問題は単に労働金庫のみならず、ほかの会員組織の金融機関に共通の問題でございまして、衆議院でも問題になりまして、全般的に、人事局長から、そういった制約については今後十分検討したいということでございます。労働大臣もこれに沿って、できるだけ政府部内で調整したい、こうお答えいたしておりますので、今後関係各省との間で努力をいたしたい、私どもとしてはそう思っております。ただ問題は、共済組合のほうがどういう金融機関からどういう形で調達をするか、その方針をまずお立てになることが第一でございます。そのときにおきましては労働金庫をどう考えるかということかと思いますので、労働金庫を所管しております労働省としてはいま申し上げたような立場から大蔵その他各省にお願いしていく、このように考えます。
 第二の問題は、共済組合が自身で、持ち家建設、分譲をするということが法律のたてまえでございます。片方で一般の民間の会社と並んで日本勤労者住宅協会に委託をすることになっております。そこで、いま御指摘のように、勤住協では実際問題として公務員の住宅分譲をやっておるではないかということが、これもやはり衆議院で問題になりました。この点につきましても人事局長から、共済組合が本来建てるという原則でございますけれども、そういった公的な機関に委託してやるかどうかということも十分ひとつ検討したい、今後研究していきたい、かようになっておりますので、その辺の点につきましては、衆議院の御議論もあり、私どもも検討したいと思っておりますので、今後十分関係各省と研究を進めたい、かように思っております。
○広瀬(秀)委員 いま私の質問に対して、非常に整理をされて労働省から二つの問題点についてお答えをいただいたわけです。大蔵省は今回の共済組合法の改正の中身、何かこれはだいぶ前に、勤労者財産形成促進法が出る前から法案の準備をされておったからやむを得ないにしても、財産形成促進法を共済組合が担当するということになれば、これに伴う何らかの規定というものの整備が行なわれてしかるべきだという見解を持っておったわけですが、それが何ら出ていない。共済組合がやるということが勤労者財産形成促進法に出たというだけであって、いま労働省から指摘のあった二つの問題についての考え方、取り扱い方は具体的に前向きに検討したいというお考えが示されたわけだけれども、この点について一体、大蔵省としては国家公務員共済組合法を主管なさっておる、そうしてまた公企体の共済組合法も最終的には大蔵省が所管されておるわけですけれども、そういう立場において、この問題についての、いま労働省からお話のあった問題について大蔵省としてどうその対策を立てていかれるのですか。この点についてのお考えを明らかにしていただきたいと思います。
○橋口政府委員 問題は二つございますが、共済組合が労働金庫の会員になって労働金庫との間に貯蓄契約を結ぶという場合の問題が第一点だろうと思います。これは特定の金融機関との間に契約をいたすことになりますが、労働金庫に対して預金をいたします場合には、労働金庫の会員権を取得いたしまして、つまり労働金庫に出資をして初めて会員になり、会員として初めて預金をすることができることになりますので、つまり共済組合としてそういう特別なアクションをとって特に労働金庫に預託をする、そういう必要性を痛感するかどうか。預金をいたしましたその反射的な効果としまして、資金の借り入れが行なわれる。共済につきましては、資金の借り入れにつきましては法律上の制約がございますので、しかも大蔵大臣の承認を受けて、特に共済の目的達成に必要な場合に限定をして借金をする、そういう性格になっておりまして、本来共済は共済制度として借り入れをしないということを前提としております。したがいまして、この借り入れの規定は、本来の趣旨は一時的、経過的な借り入れ措置というふうに解釈してしかるべきものだと思いますので、特に共済が借金をする必要が非常に強くて、しかもそれを労働金庫に借金の原資を求める、そういう必要があるかどうかという問題でございます。現時点におきまして、財産形成の問題と関連をいたしまして特に共済があえて借金をし、またその借金の基盤として特に譲渡性、市場性のない有価証券を購入して労働金庫の出資権を取得するということの必要性は、それほど高くないのではないかというふうに考えております。
 それからあとの問題でございますが、これも今後の研究課題でございますので、民間の財産形成の状況等も見まして、将来よく検討していきたいというふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 労働金庫の会員たるべく出資をするというような、あるいは預金をするというような必要性を認めないという議論をなさったわけですが、労働金庫法では十一条の第三号で、国家公務員共済組合及び同連合会は労働金庫の会員たる資格を有する旨規定があるわけですね。これは認めますね。しかし地方公務員共済あるいは公共企業体共済にはそういう規定はない。これについてまでは言っていない、こういう状態にあるわけですが、しかしこの辺で、大体勤労者財産形成法というのはだれのためのものかという原点から考えて、当然に労働者のためなんだ、勤労者のためなんだ、こういうことでつくられたわけでありますから、しかも労働者の金融機関として労働金庫が存在し、労働者がこれを活用しておるわけだし、労働金庫から金を借りて住宅を建てるというようなことなんですが、今回はこの法律の制定によってより合理化し、より効率のいい住宅を比較的低廉な価格で供給しよう、そして労働者に持ち家を保障していこうという趣旨で財産形成法もできているわけです。そういう中で、今日まで労働者の住宅供給のために勤住協というものがかなり大きな役割りを果たしておる。しかも勤住協の供給する住宅の供給を受けている者は公務員が約六割近いといわれておるのです。それが今度、勤労者財産形成法は公務員にも及ぶんだ、公務員もその適用を受けるんだといいながら、共済組合が介在することによって、今日までのそういうよき慣行というものが一切遮断されてしまって、共済組合はやるといいながら、これではやらないことなのか。勤労者に対する住宅というものを考えないのか。それとも考えるとするならばいわゆる公務員だけの住宅、そういうものの団地をつくる、そこには公務員ばかり住む。こういうようなことがはたして、これからのマイホーム主義がかなり進行していく段階において、同じ公務員の人たちが同じ団地に住むということはいろいろな点で問題があるということは、労働省等におきましても必ずしも好ましいことではないし、むしろこれはそういう方向ではなしに、一般の労働者と一緒に、やはり公務員も市民の一人として住むというような形のほうが望ましいんだということをむしろ積極的にいわれている。
 そういうような点から考えれば、何らかの方法を講じて、たとえば一つの提案は、共済組合がやるんだというけれども、これも規定があるわけでありますが、共済組合の事業内容について「福祉事業」とか「その他」ということがありますが、「その他」の中に、たとえば勤労者財産形成法で公務員の場合にはその分の仕事を共済組合がやるんだということになっていますから、そのやっている仕事の内容を勤住協に委託をするというようなことも考えられるのではないか。そういう前向きの検討が当然なされてしかるべきではないのか。そうすれば非常にうまくいく問題も出る。根本的には、労働金庫法制定の際に国家公務員共済組合もその団体の、労働金庫の会員になれるんだという規定があるから、同じようなことで、公企体あるいは地方公務員の場合にも、そういうような修正をして労働金庫の会員に――国家公務員の場合には、そういう規定はあったけれども、労働省がその規定に基づいて入っておったんだが、どうも共済組合の勘定科目に労働金庫への出資金というものがないからというので、行管から注意を受けてやめてしまったという経緯があったのですけれども、労働金庫法といえども国の法律であります。その中できめられていることを、勘定科目もつけないで、そんなものは何も必要ないんだというようなことでやるのではなくて、今度のような場合はそういう関係というのも、勤労者財産形成法という新しい時代を迎えているのだから、そういうことで何らかの対策というものを、国家公務員の場合においても、いま私が申し上げたような提案を含めて考える余地は十分あるだろうと思うのですが、いかがでございますか。
○橋口政府委員 労働金庫法にそういう規定があることは承知いたしております。法的には労働金庫の会員となる資格を付与されておりますが、先ほども申しましたように、現実に会員になりますためにはやはり一定の行為が必要になるわけであります。会員になるための会員権の取得は、やはり会員権を取得いたしまして、それに基づいて預金をしたりあるいは労働金庫を利用するという具体的な必要性に基づいて生ずるわけでございまして、少なくとも現在までのところ、共済組合につきましてはそういう必要を痛感いたしていなかったという経緯がございます。ただお話がございましたように、勤労者財産形成の措置が将来公務員についてどういうふうに展開していくか、これは現時点においてまだ確たる見通しを立てにくい状況でございますので、将来、財産形成措置が公務員についても非常に大きな割合をもって適用され、さらに公務員の生活の安定のために、公務員のための住宅の建設、分譲についての方式についてもさらに研究が進みました場合には、先生の御指摘のございました、共済組合が直接この事業をやるのがいいか、あるいは委託でやるのがいいか、そういう問題も含めて十分検討の余地があるというふうに考えております。ただ、繰り返しになりますが、現時点において、公務員についての財産形成措置がどの程度の大きさで、また早さで展開するかということにつきまして、はっきりした見通しは持ちにくい現状でございますので、それらの問題については連合会、共済組合等を督励いたしまして、前向きで積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 いま橋口次長からそういう答弁があったのですが、大臣がちょうどお見えになりましたので、いまの問題について具体的に申し上げますと、勤住協、住宅生協等が建設する勤労者のための団地の一部について、共済組合が組合員のための住宅戸数ワクを確保する、その部分の建設事業は、これを共済組合が勤住協などを通じて行なったものとみなすという方法などは、きわめて具体性のある、とり得べき方法だと思うのであります。そしてその場合、当該部分にかかる建設資金を共済組合が労働金庫等金融機関から借り入れて供給するとか、あるいは一定の援助措置、利子補給などを含みながら、金融機関として直接勤住協などへの資金を貸し出させるなどの方法もあると思うのでありますが、そういう方向に向かって十分ひとつ誠意を持って――労働省のほうでもそういう方向を大蔵省にもぜひ要請したいということを労働大臣も答弁をされているわけなんです。いまの橋口次長の答弁もお聞きになったと思いますが、大蔵大臣として、そういうことを踏まえて前向きの検討をされるお気持ちがあるかどうか。労働省のほうからかなり具体的に、問題を煮詰めた形で持ってくるだろうと思うのですが、そういう方向で実現できるように前向きに検討する気持ちを持っておられるかどうか、大臣にひとつお伺い豪いたしておきたいと思います。
○福田国務大臣 これは労働省の具体案をよく見てみたいと思いますが、趣旨としては前向きで検討いたします。
○広瀬(秀)委員 先ほどから大臣もお見えになつているので、この辺でやめたいと思うのですが、一つだけ運輸省に聞いておきたいのです。
 二十三年七月にいわゆる陥没是正というのをやった。そして同じ措置が三十六年にもとられた。この際、これはことばが法律上厳格にそのとおりかどうかわかりませんが、請求裁定だ、職権裁定でなく、本人の請求をまって陥没是正をやるというたてまえをとったということで、今日なお、そういうことが行なわれたことを知り得ない古い年金受給者の人たちがいまになって気がついて、これは何とかしてもらえないだろうか、こういう希望が非常に強いようであります。この問題について事務的にこれはこれからでも処理できるのかどうか。あの措置をとったときに、私もいまちょっと記憶にないのですが、どのくらいの期間を越したらそれはもうやらないのだというような限定があったのか、いまでもその事務的な処理でカバーできるのか。この点を一つ聞いて質問を終わりたいと思います。
○秋富政府委員 ただいま先生の御指摘の問題でございますが、昭和三十六年に改定をいたしました際にも、従来の職権是正からいわゆる請求裁定になりましたときも十分その点を注意徹底いたしましたものですから、今後は、いまの問題につきましても十分本人の不利益にならないように、さらに私どものほうにおきまして十分周知徹底方をはかりたいと思っております。
 それから、いま先生の御指摘は、やめたあとの問題でございましょうか。
○広瀬(秀)委員 すでにもうやめた人で、年金受給者なんであります。そういう人たちが請求裁定だということで、本人が請求しなければその恩恵に浴せませんよということだった。ところが知らないで――その期間があったかどうか、私もつまびらかにしないのですが、期間を飛ばしたというようなことで、いま同じ立場にありながら、片方は請求して新たなる裁定を受けたために有利な条件にある。一方に裁定請求をしなかったためにこの法律の是正措置から取り残されておるという人たちが存在する。これについての救済措置を事務的に進められないか。こういうことであります。
○秋富政府委員 時効は五年でございますが、やめまして五年たちますと請求できなくなるわけでございます。私たちのほうといたしましては十分そういったことのないようにつとめたつもりでございますが、なおあらためてもう一度その点につきまして調査をいたしまして、よく周知徹底をはかりたい、こう思っております。
○広瀬(秀)委員 実態をよく調査をしていただいて――五年間という期限があるようですから、そうすればもう、三十六年の措置ですから四十一年で切れてしまうということで、非常にその間のアンバランスというものもある。これは事務的にはなかなか補正は困難であるということなんです。だからその辺のところをもう一回調査をしていただいて、何らか救済の措置がとれるような方法について考えていただきたい。こういうように思います。
○秋富政府委員 先生の御趣旨のように、もう一度よく調査いたしまして、救済できるものはできるだけそういう方向で検討いたしたいと思っております。
○広瀬(秀)委員 一応、質問は終わります。
○毛利委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。
○毛利委員長 これより討論に入るのでありますが、両案につきましては、討論の通告がありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○毛利委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
 次に、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○毛利委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ―――――――――――――
○毛利委員長 ただいま議決いたしました両法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表し、藤井勝志君外三名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。
 案文は、印刷してお手元に配付いたしておりますので、朗読は省略させていただきます。
 本附帯決議案の内容につきましては、従来とも論議が重ねられてきているところでありまして、案文の文言で尽きておると思いますので、特に御説明申し上げることもないと存じます。
 これらの諸点につきましては、共済組合制度のたてまえの上から、また他の諸制度との関連上、その実現方について、それぞれ困難な諸問題が存することも十分に承知をいたしておりますけれども、組合員等関係者が熱望いたしている問題でありますので、政府においては引き続き精力的に検討を加えられ、適切な措置を講ぜられますよう強く要望するものであります。
 以上が本附帯決議案の提案の趣旨であります。
 何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げまして、提案説明を終わります。
    ―――――――――――――
  昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
一 国家公務員共済組合法弟一条の二、公共企業体職員等共済組合法第一条の二制定の趣旨にかんがみ、国民の生活水準、国家公務員及び公共企業体職員の給与、物価等を考慮し、既裁定年金の実質価値保全のための具体的な対策を進めること。
二 国家公務員がその身分を失った場合、その者について、他の医療保険制度との関連を考慮しつつ、医療給付の激変をさけるための措置を検討すること。
三 外国政府職員等の雇傭員期間を職員期間として通算する措置については他に就職することなく内地帰還後一年以内に公務員、公企体職員等として就職した場合に限定する取扱いが行なわれているが、共済組合法の建前に十分配意し、合理的措置について検討すること。
    ―――――――――――――
○毛利委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 おはかりいたします。
 両案に対し、動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。福田大蔵大臣。
○福田国務大臣 ただいまの御決議に対しましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って十分検討いたしたいと存じます。
○毛利委員長 橋本運輸大臣。
○橋本国務大臣 ただいま附帯決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って十分検討いたしたいと存じます。
○毛利委員長 おはかりいたします。
 ただいま可決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○毛利委員長 次に、本日の請願日程全部を一括して議題といたします。
 本会期中、当委員会に付託された請願は三百四十八件でありまして、その取り扱いにつきましては、先刻の理事会等において協議いたしたのでありますが、この際、各請願について紹介議員よりの説明聴取等は省略し、直ちに採決に入りたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 おはかりいたします。
 本日の請願日程中、第一、第一一、第二九、第三〇一、第三二〇及び第三二一、第三二三ないし第三二五、第三三二ないし第三三五、第三三七、第三四二ないし第三四六及び第三四八の各請願につきましては、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決し、第一二及び第一二四の両請願は、いずれも議決を要しないものと決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○毛利委員長 なお、本会期中、参考送付されました陳情書は十二件でありまして、お手元に印刷して配付してありますので、御了承願います。
     ――――◇―――――
○毛利委員長 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。
 まず、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。
 すなわち、
 広瀬秀吉君外六名提出の国家公務員共済組合法
  等の一部を改正する法律案
 同じく公共企業体職員等共済組合法等の一部を
  改正する法律案
 藤井勝志君外四名提出の貸金業者の自主規制の
 助長に関する法律案
 国の会計に関する件
 税制に関する件
 関税に関する件
 金融に関する件
 証券取引に関する件
 外国為替に関する件
 国有財産に関する件
 専売事業に関する件
 印刷事業に関する件及び
 造幣事業に関する件の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 引き続きおはかりいたします。
 閉会中審査案件が付託になりました場合、本会期中設置いたしておりました三小委員会につきましては、閉会中もなお引き続き存置することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、小委員及び小委員長は従前どおりとし、その辞任及び補欠選任等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、閉会中審査におきまして、委員会及び小委員会において参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合は、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。
 閉会中審査案件が付託になりました場合、委員を各地に派遣し、その実情を調査するため、議長に対し委員派遣承認申請を行なうこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時十八分開議
○毛利委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 国の会計、金融及び国有財産に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。広瀬君。
○広瀬(秀)委員 国税庁長官、最初からお入りいただきましたから、国税庁長官に対する質問を最初にやって、終わりましたらお帰りいただいてけっこうであります。
 実は前の国会で、国税通則法の一部改正を行ないましたときに、私ども与野党一致して附帯決議をつけたわけであります。それは「本法の目的を達するため、国税審判官等がその職務の執行を厳正に行ない得るよう、その身分及び処遇等について十分に配慮すべきである。」「新制度への移行に伴う人事配置に当たっては、現在の協議団の職員が不利な取り扱いを受けないよう十分に配慮すべきである。」こういう点でありますが、きょう私が質問をいたしたいのは、実はこの後段のほうでございまして、特に今日、これは全国的にとまではいえないのでありますが、東京国税局管内において、新制度への移行に伴う人事配置、特に協議団の職員が何か不利な扱いを受けておるんじゃないかと思われるような事例があるということを私ども聞いておるわけであって、この点どういうようにお考えになっておられるのか、聞きたいわけであります。
 まず最初に、南京国税局管内において、その附帯決議の趣旨に従って協議団の職員等が不利な取り扱いを受けないように十分配慮して取り扱いをしているかどうか。この点、どういう取り扱いを実際にやったのか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○吉國(二)政府委員 協議団におりました職員が、国税不服審判所ができてから、そのために非常に不利をこうむっては困るという御趣旨でございまして、私どもは、協議団の職員はできるだけ、新しい審判所の職務にたえ得る者は審判所に置いて、審判官になり得る者は審判官、副審判官になり得る者は副審判官、さらに、その資格を得られる見込みのない者については審査官という形で残すという方針で進んでまいりましたが、御承知のように、協議団の当時は審査の案件のほかに、税務相談並びに苦情処理という機能が付随しておりました。したがいまして、新しい不服審判所ではこの二つの機能を果たすことはできませんので、新しく相談官というものを設けまして、これを分離して、従来税務相談並びに苦情処理を扱っておりました者はそちらのほうに移すというたてまえで人事をいたしました。その他、御承知のようにこの審判所の発足に際しての人事異動につきましては、本人の希望をとりまして、できるだけその希望に沿うように努力をいたしたわけでございます。
 全体といたしまして、当時おりました四百八十二人の協議団の所属職員のうち三百二十六名までは新しい審判所に移ってもらったわけでございます。残りの百五十二名が国税局の相談官あるいは税務署の課税部門に出向いたしました。当時、年齢的に辞職を要望しておりました者は四名でございますので、四名は辞職いたしましたが、百五十二名の者はそれぞれ同じ処遇で他の部門に移っております。したがいまして、これを機会に非常な損をしたとかいうことはないと思います。相談官になった者は、従来から相談にあずかっていた者を主としてあてております。職務としては同じ職務をやっておるということでございます。あと、税務署に出た者、国税局のそれぞれの課に出た者がございますけれども、いずれもその従来の職階その他に応じて職を得ておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 私どもの手元に寄せられた陳情によりますと、そのいわゆる相談官として、東京局管内で十八名が税務署の相談官として配置をされた。以来一年間に五人退職しているということでありますが、この協議団におられた方々は、大体協議官、調査官または税務署の課長以上の職をやっておられたという人が大部分のようでございますね。こういう人たちが、しかも年齢も五十歳代、六十歳代というようなかなり高い人たちである。まあ税務関係にとっては非常に貴重な存在であろうと思うんですね。そういうところで、いまお話によりますと、それぞれ本人の了承も得て、国税不服審判所のほうに、審判官なりあるいは副審判官というような形で移った人たちはそれぞれところを得ておると思うのですが、あるいはまた税務署本来の仕事に戻ったという方もあるようでありますが、この相談官の問題について、身分関係というか、その職務の内容というものがきわめてあいまいであって、非常にその点での微妙な問題が多いということであります。非常にそういう点では見えざる冷酷無情な取り扱いが行なわれておる、こういう陳情が私どもに寄せられておるわけであります。
 たとえば机、氏名標識、いす、書箱、受話器及び若干の法規類集を与えただけで、長年の知識、経験にふさわしい相談官らしい仕事が与えられていないという。これは公務員にとって、仕事らしい仕事が与えられないということは最大の苦痛であるはずであります。これはもう皆さんも長い公務員生活を送っているのですから、このことはおわかりになるだろうと思うのでありますが、派遣相談官の身分は国税局職員である、それ以外の一切は税務署長にまかせられているということを室長は言っておられるようであります。実際の運用が、「指定された税務署に常時駐在し、その署に対し申出のあった税務相談および苦情を処理する。」んだということが訓令第四条に書かれている。「税務署に派遣された税務相談室の職員は、服務および当該事務執行について税務署長の指揮監督を受けるものとする。」こういう内容になっているわけですが、納税者の人たちに当然行なうべきPRは何一つ、今度はこういう相談官というものを配置したというようなことでのPRはほとんど行なわれてない。新聞、報道機関等もそういうことで、また税関係の報道機関も中にはあるようでありますが、そういうものでも、意識的か無意識的か、相談官というものが配置されているんだ、この人たちを大いに活用してもらいたいという何らの宣伝も行なわれてないということのようであります。
 それから、派遣相談官の人たちは、そういうことでは困るということで、そのPRをもっとやってほんとうに納税者の相談に応じてあげたいということを申し出ても、そういうことでPRは何ら行なわれない。相談官制度運用のため、当然行なわれなければならない事務打ち合わせ会議というようなことを申し出ても、全く無視され続けてきた。相談官会議というようなやり方等について、せっかくの配置された人たちが、よりよき仕事をやるという意欲に燃えて、そういう提案をしても全く無視され続けてきた。それから「五の日」の税務相談、毎年恒例の「納税者の声を聞く旬間」そういう諸行事からもほとんど完全といっていいくらい疎外をされているという状況のようでございます。それから署の定例幹部会、そういう会合にも全く無視されたままである。訓令第四条の一項に定められた事務さえ、署の担当課係の事務に吸い取られる形で行なわれている、こういう状況。さらに税務相談には、その署の執行ぶりに対する苦情処理の分野があるけれども、納税者の人たちの気持ちを考え、個室に入りたい、あるいはせめてつい立てくらいを設けてもらいたい、こういう要望なども出しておるそうでありますけれども、それも無視されている。
 こういうようなもろもろの事象を考えますと、何かせっかく相談官を配置はしたけれども、宣伝もしていない。それから、お互い仕事をやろうということで相談官会議をやりたいということも全然取り合ってもらえない。相談をするのに、個室がなければせめてつい立てくらいというようなことも無視されているということのようであります。何かどうも相談官の人たちから見れば、いままでの協議団の仕事というものが新しい配置がえで新しい任務を帯びたけれども、それにふさわしい仕事が与えられず、署の内外を通じて何となく出ていけよがしの、率直にいってしまえば、もうおまえたちに期待するところは何にもないのだ、お早くどうぞ足をお洗いくださいと言わんばかりの処遇である、こういう訴えを私どもに寄せているわけなんですね。
 この辺のところを国税庁長官はどのように把握されているか。せっかくの相談官というものを、国会における附帯決議の趣旨もくんで、人事における差別取り扱いというものはやらないのだという、そういうものとの関連においてどのように現状をとらえられているか。相談官というようなポストが新しく配置をされ、そこにふさわしい人物が配置をされるということは、もっとよりよき、納税者の真の相談官の名に値するようなりっぱな活動をしてもらいたいということを私ども願っておるわけだけれども、そういう点についてどういうお考えであるか、この際お聞きをいたしておきたいと思うわけです。
○吉國(二)政府委員 ただいま申し上げましたように、協議団の機能のうち、審判所に吸収されませんでした機能のために、実際上制度を改正いたしまして、予算定員といたしましても相談所長十一名、これは各局に所長を置きまして、この所長はいわゆる税務署長と同格の指定官職にいたしております。それから税務相談官は全国で三十七名の定数を置いたわけでございます。その局によって異なりますけれども、相談官の人数の少ないところでは局に一括して相談官を置いておるところもございます。あるいは人数が少なくても、たとえば高松局のように県ごとに主要税務署に分散をさせるというやり方もいたしておりまして、これは局に運営はまかしておるわけでございます。
 なお相談官を置きましたことは、審判所の設置されました当時、同時にPRもいたしましたけれども、あるいは個別に再三PRするというような点は欠けていたかもしれぬと思います。各税務署では、相談官を置いたところでは相談官が置かれたということを明らかにいたしております。豆新聞等でもこれを報道いたすようにいたしておりますが、この豆新聞というものは税務署に来た人が持っていくように税務署に置いてあるものであります。そういう点からあるいはPR不足かもしれませんが、税務相談所長会議を本庁でいたしておりまして、いろいろ税務相談の改定等についての打ち合わせもいたしております。
 なお、この協議団から来た人たちが税務署に行った場合に、いまおっしゃったような非常に疎外感を持つという点は局でも心配をいたしまして、机などは課長級と同じ机を使うという方針でやっておるはずでございます。従来相談に応じておりましたのは、協議団の中で一緒にやっておりましたのが、一人一人別になったという点ではあるいは疎外感があるのかもしれませんが、東京のようなところでは局に一括して大ぜいおるよりは、各署に分散したほうがいいだろうという方針で分散をさせたようであります。したがいまして、それぞれの相談官の処遇等については、局員ではございますけれども、その署長の命を受けて相談をするということで署にまかせておるのだと思います。実情等については、実は私、相談所長会議等でもそういう点の苦情が出ていたのを聞いておりませんものでしたから、あるいは実情等にうといかもしれませんけれども、東京局等にもよく注意をいたしまして、相談官としての任務を果たせるように処置をしていきたいと思います。
○広瀬(秀)委員 相談官の人たちは、いまの置かれた状況というものが、かつて「格子なき牢獄」という映画がありましたけれども、あれと同じ立場だという苦情すら漏らしておるのです。これはやはり何をやるのか。所轄の税務署長の指揮監督下に置かれているのである。それに服することになっておるのである。だからその署長のほうから、「五の日」の相談日のときに、おそらく手が足りないはずなのだから、相談に来た場合にそういうものでもどんどん回すとか、あるいは新しく配置をしたのですから、この人たちには常時納税の相談なり指導なりという任務を明確にして、それをもっと大衆にも知らせてやらないと、ほんとうに格子なき牢獄に、もうおまえたちの役割りは終わったが、こういう形でめんどうを見ておるのだと言わんばかりの――これはあからさまにそれを言う人はないけれども、仕事を回さない。やはり「五の日」の相談でもその人たちには全然無関係のごとく、署は署でかってにやっておるというようなことなどがあって、非常にいづらい気持を持って、毎日実に不愉快な立場に置かれておるということなんです。ですからその辺のところをきちっと、役割り、任務というものをもっと明確にし、それを納税者にもPRしていくということ、そして署長の指導における態度というようなものもしっかり指導をして、その人たちが何か疎外感を絶えず感じながら、いたたまれないような気持ちに毎日さいなまれておるというような、そういう非情なことにならないように十分この点配慮をして、長官としても直接現場なども見られて指導されるようにお願いいたしたいと思いますが、いかがでありますか。
○吉國(二)政府委員 私も実情をよく調べたいと思います。また近々局長会議もございますので、御趣旨の点も申し上げて注意を喚起いたしたいと思います。
○広瀬(秀)委員 それでは次にいわゆる政労協、政府関係特殊法人労働組合協議会ですか、この賃金その他の問題をめぐり、いま紛争状態にあるわけでありますが、この問題について若干問題点を質問いたしたいと思うわけであります。
 最初に労働省にお伺いをいたしたいのですが、政労協加盟の組合というのは、労働法上は特別な制限を課されない一般の民間企業の労働組合と同じような立場でございますね、この点確認をいたしたいと思います。
○岸説明員 ただいま先生のおっしゃいましたとおり民間の一般の企業と全く同様であります。
○広瀬(秀)委員 したがいまして、賃金等につきましては、労働協約を自主的に労使双方の合意さえあれば当然締結する、そういうことのできる立場にあるわけですね。
○岸説明員 ただいまおっしゃいましたとおりに、労使の合意があれば当然これは民間と同様に協約が結ばれる、こういうことでございます。
○広瀬(秀)委員 労使の合意、もちろんこれは、労働協約に達するためには労使双方の完全な合意ということが必要なわけでありますが、この政労協の場合に、資本家側がいわゆる当事者能力というものを持って自主的な回答をし、妥結に至ったという例がありますか。
○岸説明員 ただいまお尋ねの件でございますが、これは労働法制上は、先生御指摘のとおりに、労働三法がそのままいわゆる政府特殊法人についても適用がある。したがいまして、おっしゃるとおりに、労働協約につきまして、両者の合意があればそういう協約が結べることは当然でございます。しかしながら、これはもう先生十分御承知のとおりに、労働法的にはそういうたてまえになっておりますけれども、事業法上の関係からいいまして、当該団体のいわゆる公共性、特殊性というところからいろいろな制約があるわけでございます。したがいまして、民間の企業の面と比べますと、そういう面から見ていろいろな制約があるということは御承知のとおりだと思います。
 そこで問題は、そういう協約がすでにあるかということでございますが、私の承知しておる限りにおきましては、これはいろいろな制約下でございますけれども、協約あるいはその他労使間一般に行なわれておりますような取りきめがあるということは、承知をいたしております。
○広瀬(秀)委員 使用者側において、いわゆる事業法上の制約がある、労働法上の制約は何もないはずだ、このことはいま確認されたわけですけれども、事業法上の制約ということがあって、自主的な立場において労働運動、またその労働運動を通じて労使の間に協定が結ばれるということは、あくまでも労使ともの自主性の上に立ったものであるということが原則ですね。そういう立場というもので、事業法上の制約によって労働協約というものが自主的に結べないということは、労働諸法規、労働三法の真精神に照らして望ましいことですかへ好ましいことですか、それとも望ましからざることですか。その点、どう判断されますか。
○岸説明員 ただいまの件でございますけれども、これは当然制度の上から申しますと、労使はやはり対等な立場に立って協約その他の締結ができる。しかしながら、これは御承知のとおりに民間の場合におきましても、やはり政府特殊法人とは別な観点からしましていろいろな制約がある場合はございます。やはり労働協約は、全く労使がそれぞれにその立場において合意の上で成立しているというものでございます。したがいまして、この政労協関係の特殊法人につきまして、事業法上そういう特殊な地位によって制約がある、この制約の中で、なおかつ労働法上のいわゆる両当事者の自由なお互いの合意によって労働協約が成立するということは、これは当然だと思います。
 したがいまして、先生がおっしゃいましたようなそういう制約があることが労働法上好ましいかということでございますけれども、これはやはり事業法上の面から見ての制約、それから片方に、労働法上から見ましてのいわゆる自主的な立場における両者の合意による労働協約の締結という問題がありますので、この調和の問題が非常に重要であるというように考えます。
○広瀬(秀)委員 あなたは労働法規課長ですよね。ですから、あなたにそういうような政治的な発言を私は期待していなかったのですが、政治家の発言のようなニュアンスを持った発言をされるのですけれども……。同じような、完全に同じとは言えないけれども、より一そう労働法上においても制約のある公共企業体労働関係法というようなものの中にある組合、そしてまた国鉄法なり電電公社法なり専売公社法というようなものにおいてかなりの制約を受けている公共企業体におきましても、ここで、大蔵委員会でも、労働大臣もお呼びし、大蔵大臣も加えてずいぶん論議をしてまいりました。そして、紛争を起こさないために、労使間はやはり平和の中に、相互の信頼関係、信義、誠実の原則に従って自主交渉が絶えず保障されて、その中から、平和のうちに協定が生まれて、問題が解決していく、これが一番望ましい姿なんです。そういう基本的な立場から、いわゆる当事者能力問題というのが、ここでずいぶん論議された。そして、当事者能力というのは、やはり予算の制約を完全に受けているというような問題点、あるいはそれが法規上の制約ともうらはらの関係に立っている、そういうような形だけれども、これはやはり自主交渉、そして使用者側がいわゆる当事者能力というものを持って交渉する余地を認めていこうではないかというようなことになって、いわゆる公労委段階に至らないで自主解決ができるものならば自主解決の方向をとろうじゃないか。その中では、基本的に使用者側においてもいわゆる当事者能力を持たなければならない。具体的にいうならば、賃金問題について有額回答を出すだけの余地というものはやはりあるではないかというような議論をいたしまして、今日ではそういう事態を迎えておる。
 ところが政労協の場合に、これは労働法上ではまるきり制約がない、労働三法が民間の産業と同じようにストレートに適用される労働団体であるということになりながら、一方的な事業法というものの制約、予算の制約というような形で、それだけが先行して、当事者能力がほとんど認められないような状態で、いわゆる自主交渉による解決が行なわれていないということは、先ほど申し上げたような公共企業体との関係においてより一そうその問題についてコントロールを国の立場でしなければならぬという立場は、政労協の場合と、公共企業体労働関係法の適用を受ける組合、団体における労使の関係においては、よほどの差があり得て当然であろう、私はこういうように思うのですね。ところが現実の問題では、公労協以外に、大蔵省の内示というものがない限りいわゆる交渉当事者能力というものが持ち得ないという制約下に置かれて、今日紛争がきわめて長期化をし、陰性化し、労使の信頼感は失われて、非常に陰湿な労使関係ができ上がっている。ということは、政労協――政府関係特殊法人でありますから、かなり公益性の高い重要な仕事をそれぞれしておる諸君であります。この人たちが、紛争が長期にわたり、しかも当事者能力がなくて、ほんとうにどこと交渉していいのか。大蔵省と直接やってもいいのかというと、ときどき陳情するばかりでなかなかできない。あくまで労働関係の諸法規に基づいて、労働三権を行使して使用者側と団体交渉をやる。しかし、それはすぐにもう当事者能力という壁にぶち当たって、大蔵省の内示がない限り交渉は一向に進まないというようなことで、長期にわたって角突き合わせた関係。そして絶えずお互いに気まずい思いで毎日仕事をしなければならない。祖の間にストも続発をする。これは公的な、国民的な立場に立っても非常にロスタイムが大きいし、行政に準じたような公共性の強い重要な仕事をやっておる人たちが効率的な仕事もできない。明るい気分で仕事もできないというようなことでは、能率向上という点からいっても、これはたいへんなロスじゃなかろうかと思うのですね。だからそういう点について、法規課長として労働行政の一翼をになっておるあなたが、もっとすなおな意見を出されるのがしかるべきだと私は思うのですが、いかがでございますか。
○岸説明員 ただいま先生からるる実情その他御説明いただきました。また、その観点に立ってお尋ねでございますが、私が先ほど申し上げましたのも、何もそういう政治的な観点から申し上げたわけじゃないのでございます。やはり労働法上、いわゆる当事者が一定のそういう事業法上の制約があるという場合、これは別の観点から法律上そういう制約が与えられておるわけです。したがって、その労働法におきましては、そういう前提のある使用者の中においても、そのワク内において自由な折衝あるいは労働協約の締結ということが考えられておるわけであります。もちろんこの労働法の精神から申しますと、なるべく労使が対等な形において自由な立場で交渉を進めていく、またいろいろな労働問題について解決をしていくということが望ましいわけであります。
 そこで、先生のお尋ねの件でございますけれども、私どもといたしましては、当然そういう制約のワク内におきましても、一定の事業法上の制約――制約ということばは適当ではありませんけれども、そういう特性から見て、そのワク内においてやはり自主的な円満な団体交渉その他を進めていくことが望ましい、かように私は考えております。
○広瀬(秀)委員 いわゆる国民的常識のことばになっている春闘ということですね。問題は具体的になりますけれども、政労協の諸君がやはり全国的な組織を結成して、大きい春闘の中で自分たちの待遇改善をはかろうというのは当然のことです。労働運動の基本の立場だと思うのです、そういう中で賃金問題の解決をはかっていきたいということは。ところが予算関係を通じて、補助金団体であるとか、あるいは多かれ少なかれ国の出資というものがあるという観点から、大蔵省の内示というものがない段階では、使用者側においていわゆる自主交渉の能力も当事者能力も持ち得ないというような状態に現在あるわけですね。そのことが紛争を長引かせ、陰湿化させ、非常に大きなロスを生じている、マイナスを生じている、こういうことなんですね。そこで、大蔵省の言い分は、何か人事院勧告、公務員準拠というような原則を立てて、公務員準拠ということになれば人事院勧告が出ない限りその内示を出せない。内示を出せない限りは紛争はいつまでも続く。こういうことで、先ほど何回も申し上げておるように、非常に不経済な、内部不経済というか、そういうものがこの大事な政労協関係に起こっているといことを、今度大蔵省に聞きますけれども、一体大蔵省はどういうように考えているか。あくまでこの人事院勧告待ちということ以外にとるべき道がないのかどうか。このことについて大蔵省の見解をお尋ねいたしたい。
○橋口政府委員 政府関係機関の労使関係、及びその中における給与問題の処理という問題でございますけれども、これはたいへんにむずかしい問題を包含いたしておりまして、先生よく御承知のように、労働法の適用なりあるいは労働三権の立場から申しますと、一点の疑念もなく労働関係諸法が適用になり、また労働三権が付与されておるわけでございます。したがいまして、労働法的な立場で申しますと、労使間は何らの制約なく、憲法のもとにおいて自由な交渉ができる。また団体協約の締結権を含む団体交渉権あるいは争議権まで付与されておるわけでございます。これはよく御承知のとおりでございます。
 ただ、労働省からのお答えにもございましたように、それぞれの政府関係機関の組織法に給与に関する規定がございまして、労使間の交渉の結果としてあらわれる給与の基準について、これを改定をいたします場合には主務大臣の承認を受けることが必要となってまいるわけでございます。いろいろ政府関係機関にも種別がございますので、予算そのものが国会の御決裁を受けるような二銀行八公庫みたいなものもございますけれども、いずれにいたしましてもこういう予算できめられた給与の基準をみだりに変更することは許されない、こういうたてまえになっておるわけでございます。これは労働省からの答弁にもありましたように、政府関係機関の公共性なり、あるいは政府からの出資なり補助なり交付金なり、そういう国民の税金によってその大半が運営されている。先ほど公企体との比較の話がございましたが、やはり公企体とはやや性格を異にする機関が数多くございます。公企体には公企体としての一定の論理がございまして、それはそれなりに筋の通った労使関係の設定なり、その中における給与問題の処理のルールがございます。これとても先生よく御承知のように、労使間の協定もあるいは仲裁裁定すらも政府を拘束しない、こういう形になっております。したがいまして、政府の補助金なり出資金等によって運営されております機関について、最終的に政府を拘束するような労使間の協定が行なわれるということは、ただいま御説明いたしました公企体の労使関係から見ましても、あるいは一般公務員との対比から見ましても、これはやはり社会的容認を得にくいことではないかというふうに考えております。
 そこで、政府関係機関の給与をいかなる基準によって定めるか、あるいは改定の場合のよるべき基準は何かということについて、事務的にも技術的にもずいぶん検討いたしてまいったのでございますが、これも先ほど御指摘がございましたように、今日の時点におきましてはやはり周到な準備に基づく調査によって公表される人事院勧告を基礎といたしまして、これとの対比を念頭に置きながら政府関係機関の給与をきめていくというのが、現時点において最も妥当な、与えられた諸条件のもとにおいて許される最善の道ではないかというふうに考えて、今日までそういう処理のしかたをしておるわけでございます。
 こういう席でございますから、労使関係の当事者はそれぞれ政府関係機関の理事者であって大蔵省はあずかり知らないというような、そういう白白しい答弁をいたすつもりはございませんけれども、そういう点から申しまして、いま内示ということばがございましたが、内示という用語の適否は別といたしまして、あらかじめ主務大臣の承認を受け、主務大臣が国庫大臣としての大蔵大臣と協議をする。そういう場合の基準についてあらかじめ各機関の理事者と御相談をしていることをいわゆる内示というふうに世間で呼んでおりますので、そういう行為も行政事務の円滑な処理を期する上からやはり必要じゃないか。ただ、政府関係機関の給与の基準を何によってきめるかという問題について、いろいろ検討はいたしております。同時に苦慮もいたしておるわけでございましてわれわれの検討の段階では、やはり人事院勧告に基づく公務員給与に即してこれを処理するというのが一番妥当な方法ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 いまの答弁の中に、公共企業体には公共企業体なりの一つのルールがある、こういうことでございます。しかしそういう場合であっても、公共企業体の仲裁裁定にすら政府は完全に拘束されるものではないという規定もあるではないか、こういうお話でありますが、そういう解釈はかつては通用した。しかし、仲裁裁定すら完全には実施しなかったではないかということをしばしば労働者の側から、あるいはまたわれわれ野党の側から追及を累積させてまいりまして、その結果、仲裁裁定はとにかく実現しますということで、最近では仲裁裁定は完全に、政府の気に入らないものであっても、どんなやりくりをしてでもやってきた。また人事院勧告の問題においても、完全実施ということはようやくこの段階で去年から実現しているわけですね。完全に人事院勧告を実現します、政府はこれについてとやこう言わない、そのまま勧告どおり実施しますということが、ようやく十何年ぶりでそういう事態になってきた。これが時代の進歩であり、労使問題の、公務員を含めた、公共企業体を含めた、最近における新しい政府のあり方であるという慣行が、長い戦いの中から確立をされてきた。労働運動というのは、やはり戦いのないところに労働法もなければ、労働法規の完全な実施というようなこともあり得ないのだ。これが世界を通ずる、万国を通ずる大原則なんですね。労働基準法なんというようなものも、これは労働組合の戦いなしには全く絵にかいたもちなんだということすら労働法学者から言われる問題なんです。
 そういうことを考えれば、政府の考えというものを常識的に早目に内示をして――ある程度幅があってもいいと思うのであります。この線とこの線くらいの間のところで大体各大臣の了承を受けたから、その間あたりでひとつやってもらいたいというようなことを早目に内示をする。少なくとも私はそういう意味では人事院勧告ということ――性格の差も若干あります。これは政労協の中にも、政府関係特殊法人の中にも、補助金で全部まかなわれているというものから、その出資だけだというものから、いろいろ段階はある。そのことも承知をしておるけれども、それらをおしなべても、公共企業体なり、公務員なりの人事院勧告というようなものにおける政府の態度というようなものがだんだん変わってきて、完全実施ということに最大の協力をし、完全実施が実現をしておるという段階、そういうような状態に今日進展をしてきておるわけでありますから、これは進歩であります。進歩してきているわけでありますから、そういう中で、春闘の中で――人事院勧告はどうしてもおくれて、八月段階ということに今日の段階では制度上そういうようになっていくわけですけれども、少なくとも人事院勧告と同列か、それ以上とは言わないけれども、少なくとも同列のオーソリティーを持つ公労協、公企体のいわゆる裁定というようなものが出た段階において、少なくともそれを一つの基準にして、それに準拠をするということならば、これは人事院勧告ともそれほど隔たりのあるものとは思われない。今日までのずっと長い歴史を見ても、常識的な公企体の仲裁裁定あるいは労使協定というようなものあるいは調停を両方のんだというような状態、そういうようなものと人事院勧告のベースというようなものが、そうべらぼうに離れるということは、これは今日までの経験に照らして、また常識に照らしてあり得ないことなんですね。だとするならば、何も八月段階まで待つ必要はないであろう。こういうようなことで、私はやはり春闘段階において、ことしもだいぶおくれてはいるけれども、近いうちにやはり何らかの局面打開というような形で、公労法上の仲裁裁定というようなものも公共企業体の労使間に出されるであろう。そういうようなものについてそういう段階を迎えたならば、それを準処基準にしてこの政労協にも内示をしていく。この線あたりでどうだという形で各大臣の了承を得て内示をしてやるというようなことをやれば、すっきり片がつく問題になるのではないか、こういうように思うわけです。
 どうも大蔵省、やけに労働問題になるとかたくなな態度をとるんです。特に大蔵省は予算をつくり、そうしてまた予算の実行に当たるわけですけれども、その中で効率、効率ということを言って、絶えず予算の効率的使用というようなことを言う。そういうものなんだけれども、労働問題が介在すると、とたんにそんなことは捨ててもというようなことで、あなた方の考えに執着、固執し過ぎる。そういう頑迷な態度がやはり抜け切っていないと思う。そういう点について、私はいまこそ、世の中どんどん進歩しているんですから、そうして人事院勧告も完全に実施された段階を迎えている、公共企業体労使間の仲裁裁定というものも完全に実施をするという政府力態度が明確になっておる今日の段階においては、もうそろそろその辺のところを考えて、長期間にわたって、半年も一年近くも紛争状態のまま経過をしていくなんというばかげたことをやらしている手はないだろう。そういうところに私は新しい発展の道を求めてやるならば、もっと明るい政府関係機関あるいは特殊法人、こういうようなものの、行政に準じた非常に重要な役割りを持っているそういうところの能率も非常にあがっていくのじゃないか。明るい職場が実現するのじゃないかと思うのですが、いかがでございますか。
○橋口政府委員 かたくなな考えだというおしかりをいただいたわけでございますが、この考え方のワク内においての最大限度の改善措置は今日までやってきたつもりでございます。これは先生もよく御承知のことと思いますが、いわゆる相談のできるベースをできるだけ早くこちらとしても作業をいたしましてお示しをする。それからたとえば初任給等についてもある程度の幅を設けるというようなことも試験的にやったこともございます。しかしながら、たとえば初任給について申しますと、ある程度の幅を設けましたのが、大体一年はその幅の意味が生きてきたと思いますが、一年たちますとその幅の意味というものがほとんど生かされてこない。つまり幅の全部上についてしまうというような問題もございます。また公企体に見合って給与をきめたらどうかという、これは一つの御提案として伺ったわけでありますが、また御提案の御趣旨なりお気持ちは非常によくわかるのであります。ただ公企体の給与等がいわゆる民賃対比において、きめられてきております最近のルール等から見ますと、一回春闘べースアップによって問題が処理されましても、さらに人事院勧告等によって新しい手当が創設されますと、それがまた公企体の給与にはね返ってくる。これは理屈の問題ではございませんで、実際の問題を申し上げているつもりでございますが、そういうこと等もございますので、多少とも給料に携わってみますと、ほんとうにむずかしいなという感じがいたしております。したがいまして、春闘相場によって政府関係機関の給与をきめたらどうかという御提案、これは十分承って、ひとつ検討してみたいと思います。ただ、先ほど来申し上げておりますように、政府関係機関の性格から見まして、やはり人事院勧告に基づく措置に見合ってやるのが一番社会的容認を受けやすいのじゃないか。依然としてかたくななことを申し上げているわけでございますが、よく検討はいたしてみたいと思いますが、そのワク内でできる限り技術的な改善に労を惜しむものではございません。
○広瀬(秀)委員 依然としてかたくななと自認をされたわけでありますけれども、人事院勧告というものとこの公共企業体労使関係の最終判決のようなものであります仲裁裁定、これがそうはなはだしく乖離するということもないし、今日までの経験に照らして労働運動は何よりも具体的だ、非常に実態的な、具体的な金額ですからね、これはほとんど差がない。しかも権威においても、両者いずれをアヤメ、カキツバタというところであろうと思うのです。したがってもやはりそこまで、人事院勧告を見なければということにあくまで固執されるとするならば、やはり労働者は労働者として、いついかなるところで問題を出してストライキに訴えるかというようなことは、あくまでこれは労働三法からいって労働者の自由な選択にまかされている。これが国民世論の反撃を受けるか受けないかは別にして、これは労働者の万国を通ずる固有の権利であるという立場からするならば、やはりそういうものなんですね。それを人為的に、何か公企体のほうが高く出ては困る、人事院勧告のほうがそれより少し低かったら、しまった。できるだけ国民から反撃を受けないようにという、そういう気持ちで安く押えようという気持ちが基本にあるとどうしてもむずかしくなる。必要以上にむずかしくしてしまうのです、あなた方の頭が。
 いま橋口次長は私の提案に対して、これは検討の余地もあるということを一部認められたわけなんだけれども、やはり人事院を信頼し、また公共企業体仲裁委員会、公労委というものを信頼する立場に立ち、それからまたあなた方が理事長あるいは理事として任命し、交渉に当たらせている使用者側の人たちを信頼するという立場に立っての指導がふだんからなされていないということにもなるわけであります。労働問題の解決にはやはり信義誠実が必要であり、また信頼関係が労使の問題を平和的に解決し、事態を改善していく基本なんですから、ひとつ次官として、政治家として、また大蔵副大臣として、私が提案した、少なくとも春闘段階で早く問題をきめてしまってはどうか。それは天地がひっくり返るような大混乱を来たすようなことにはならないという確信を私は持っている。決して無責任な発言をしているつもりはないのであります。一方的に労働者の立場だけで、どうなってもいいんだというのではない。そういう立場で言っているわけです。その点、次官からこの際御見解を示していただきたいと思うのです。
○中川政府委員 非常にむずかしい問題、と申しますのは、財政を預かる者としては国民の皆さんの納得のいくような形、バランスの問題もありますし、はっきりいってお金の問題もあるというようなところからいくと、できれば人事院の勧告に従っての賃金のあり方でやっていくほうが好ましいのではないか。広瀬委員のおっしゃるように、むちゃなことはないというお話でありまして、私もまた確かにないとは思いますけれども、何といいますか、経営者と働く皆さんとの間だけでやれるんだということになりますと、これはなかなかむずかしくなっていくのではないかと心配もされるのであります。しかし、だんだん自粛をされ、そういった方向でいけるようになってきておると思いますので、今後の推移を見てひとつ検討はしてみたいと思いますが、現段階で、引き受けた、やりましょうというところまでは、私としてもしかねるという感じがいたすわけでございます。
○広瀬(秀)委員 橋口さん、あなたの検討するということは、前向きに――これは委員会の用語なんだけれども、前向きに検討するというつもりですか。検討はしたがだめでしたということにウエートをかけた検討ですか。ほんとうに前向きに検討するという気持ちがあるのですか。あなたの耳打ちで大蔵次官の答弁がまるっきり変わってしまったわけでありますが、その点、ひとつ率直なところをお聞かせください。
○橋口政府委員 政府関係機関の給与の基準は何をよりどころにしてきめるかという問題でございますが、これは、よりどころにする材料といたしましてはそう幾つもないのでございますから、広瀬委員の御提案の春闘相場というのも、先ほど申し上げましたように一つの御提案であろうと思います。われわれは役人でございますので、どうしても安全な道を選ぶものでございますから、やはり人事院勧告という周到な調査に基づく基準によって処理をするほうがより適切な処置ができるんじゃないかというふうに現段階では強く考えておるわけでございます。ただ、先ほど来のお示しもございますので、政務次官からお答えがございましたように、よく検討はいたしてみたい。利害得失、影響、本来あるべき姿そういうビジョンも描いてみてよく検討いたしてみたい。
 これも先生よく御承知のことでございますが、政府関係機関は現在百以上ございまして、初めの数少ない存在であった時代に行なわれていた政府干渉の法制というものと、今日のように数もふえ、雇用される人間も非常にふえてきた、そういう実態とのある程度の乖離というものをどうやって調整していくかという、実は非常にむずかしい基本的な問題も介在しておるように思うわけでございます。これもしかるべくそういう問題を取り上げて検討する場があって、そこで御審議を願えれば、われわれとしては非常に事務的な負担も軽くなりますし、肩の荷がおりたような気持ちもいたすわけでございまして、別に好きこのんで人の給与をあげつらうというつもりはないわけでございます。御提案の趣旨もありますから、さらによく検討をいたしてみたいと思います。
○堀委員 関連して。ちょっと大蔵省に伺いますが、そういう関係機関の職員の給与の現在の水準というのは、公務員と全く同じ水準にあるのでしょうか。
○橋口政府委員 政府関係機関はいまから二十年くらい前に初めて日本に創設をされたのでございます。戦前は、御承知のように純然たる政府機関あるいは政府関係機関というようなものはなかったのでございます。戦後、そういう機関が設立をされまして、当初は公務員がその政府機関の職員になっておったわけでございます。そのときは、総合的に考えまして、一般公務員には恩給、共済というような、いろいろな保障的な措置もございますし、あるいは退職手当等につきましてもかなり充実した内容を持っておりました関係等もありまして、一般公務員に比べて大体一五%程度の高い水準ということを目安にして給与の基準が設定をされたわけでございます。自来、そういうルールを継承して今日に至っておりますので、一般的に申しますと公務員に比べて大体一割五分程度の高い水準にあるということがいえるかと思います。ただこれも、政府機関の中にも職員の数が非常に多い機関とそうでない機関とがございますし、年齢構成、男女構成等もございますので、先ほどもちょっと申しましたように、給与の作業をやってみますとほんとうにむずかしくて、実態を把握しにくいという感じを行政の実感として持っております。まあ一般的には一五%くらい高い水準であるというふうにわれわれは見ております。
○堀委員 公務員の賃金を横に見てやる場合には、もしそれが比率だけであるならば問題は少ないと思うのですけれども、いまのお話のように根っこの大きいところへもってきて小さいものをぶつけていくとすれば、相対的には、最初は一三%あったかもしれないですが、だんだんこれはなくなってしまうという問題になるんじゃないかという気がするのです。いまのあなた方の議論を聞いておると、どうしても公務員ベースにひとつリンクさせたいということらしいが、要するにリンクをさせるさせ方ですね、そこらは少し配慮が必要じゃないだろうかと思うのです。いまあなたがおっしゃったように、だんだん時間がたってくれば、内容、構成あるいは入ってくる者の初任給の状態、いろいろなものがだんだん変わってくるんじゃないかと思うのです。私も全部読んでいませんからわかりませんけれども、当初に考えられておった発想が、今日、ベースアップをやってくる経過の中では、あなたのおっしゃるように平均して一五%全部高くなっておるということにはなってないんじゃないかと思うのです。ですから、そこらはやはり現在の姿に適合するものを考えなければいけないんじゃないか、こう思うのですが、その点はどうでしょうか。
○橋口政府委員 いまのお話と関連をいたしますが、たくさんあります政府機関について、一律に給与改定するかどうかというような問題も、問題として取り上げておるわけでございますが、いろいろ複合いたしまして、ある程度、率に差等を設けるというような議論がございますが、給与の関係は、一つの集団になってまいりますと率に差等を設けることがたいへんむずかしいという感じがいたしております。公企体等につきましては、率と額というようなことによってある程度あんばいをいたしておりますが、政府関係機関につきましてまだそこまで検討なり勉強が進んでいないというのが実態でございます。また、給与は先ほどたいへんむずかしいということを申しましたが、公務員と見合ってやってはおりますが、たとえばボーナス等について見ますと、定員、実員の規制が一般公務員に比べてはるかにゆるやかになっております。これは率直に申しましてそういうことがあると思います。したがいまして、これもはっきり確証を持ってのことではありませんが、政府関係機関の職員のボーナスは、おそらく一般公務員よりは高い率のものが支給されているところが相当あるんじゃないか。そういう問題もございますので、公務員と比べて、いま御指摘がありましたように必ずいま一五%高い、同種あるいは同年齢の職員が必ず一五%高いかということに対して、そのとおりだと申し上げる材料はございませんが、しかし経緯から申しまして、いろんな傍証から見まして、ある程度高い。そのほか、現実に受ける給与の面においては、公務員よりはかなり厚い面があるというように一応私どもは考えております。
○広瀬(秀)委員 もうこれだけで終わりますが、先ほど私の質問に対して答えられた橋口次長の考え方の基本にあるものは、やはり大蔵省に、労働問題というものよりも財政の立場というものをきわめて優先させるという立場、こういうものがあると思うのです。七〇年代は内政の年だと政府も言う。そして経済成長一点ばりの時代から国民生活最優先の政治課題に取り組む年代である、こう言っておられる。二十一世紀に向けての政策判断における基準というものは、やはりそこに焦点を合わせて、発想の基点というものをそこに置くように、発想の転換をしていただかなければならぬと思うのです。そういうような立場から、この問題についても生活最優先の中で、やはり労働者は団結の力によって労働三権に守られながら生活改善をはかる以外に道がないわけで、それを財政上の必要また政府ベースの秩序というようなものをあくまで優先させていくのだという、先ほどから何回も繰り返しているような頑迷な態度というものはこの辺で一つの転換を迎えている、そういう時代に来ているのだということをひとつ十分踏まえて、この問題について前向きの検討をされるように私は強く要求をいたしておきます。
 以上で私の質問を終わります。
○毛利委員長 楢崎君。
○楢崎委員 私は、きょうは金融再編の問題にからんで、銀行の合併の問題についてお伺いをしたいと思います。御案内のとおり、私はこの問題ではしろうとでありますので、あるいは的がはずれた言い方をするかもしれません。しかし、案外的をついたところがあるかもしれません。その点は、十分しろうとであるという点を含んで御答弁をいただきたいと思います。
 そこで、最近銀行の合併が盛んに起こっておりますが、金融再編問題とからんでこれをどのように大蔵省は見ておられるか、まずその点をお伺い
 したいと思います。
○近藤政府委員 金融再編成に対しまする大蔵省の基本的な考え方といたしましては、スケールメリットを生かす、つまり規模の利益を生かすということによりまして金融機関の効率化ができるという場合におきましては、できるだけこれを援助する。ただ、その場合に、ぜひ一方において考慮しなければならない点といたしまして、まず合併自体が自主的な合併であるということ、それから、合併の結果、系列金融あるいは独占、寡占の弊害が生ずるということにつきましては、できるだけこれを避けなければならないという観点に立っておるわけでございますが、それ以外の場合でございましたら、できるだけこれを推進するということを基本的な姿勢といたしております。
○楢崎委員 銀行合併の際に、具体的にはどのような指導をされておるのですか。
○近藤政府委員 まず、自主的な合併の申し入れがございました場合には、その内容をよく聞きまして、ただいま申しましたような点がない場合、そしてまたスケールメリットを生かせるという場合、そういう場合には極力これを推進する。それからまた、中小金融機関同士の合併に際しましては、特にそれによりまして、一つは中で働く職員につきまして差別待遇が行なわれるとか、労働条件の切り下げが行なわれるとか、人員整理が行なわれるとか、そういうことがないようにという観点からのチェックをいたします。それからもう一つの観点は、それによって取引先に迷惑を与えることがないようにという、その二点からのチェックをいたします。そういう点をチェックいたしまして、なおかつその点に心配がないという場合には、当事者の自主的な申し出に対してできるだけの援助をするという態勢でまいっておるわけでございます。
○楢崎委員 私は議論をしようとはきょうは思っていないわけでありますが、 いまのお話のように、行政指導で具体的にやられていくと、効率化、大型化という名のもとに、結果としては中小零細企業に対する融資というものがだんだんチェックされていく。したがって、最近の中小企業、零細企業の倒産の増加と、そういう行政指導の結果出てくる金融のあり方が、結果的には関連があるような気がするんですよね。それについてはどう見られておりますか。
○近藤政府委員 その点につきましては御指摘の点を特に気をつけておるわけでございまして、中小金融機関の合併に際しまして、特に取引先の中小企業に迷惑を与えないということが大前提の一つになっております。そしていままでの中小金融機関同士の合併につきまして、大局といたしまして、そのために特に倒産がふえたとかあるいは取引先の中小企業が非常に迷惑をこうむったとか、そういった事例はいままでのところ皆無でございますし、今後ともそういう点についてはできるだけ注意深い配慮をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○楢崎委員 いまのようなお考えを体して、各地方財務局は指導をやっておるのですか。
○近藤政府委員 各財務局ともそのような方針で事態に対処をいたしておるわけでございます。
○楢崎委員 具体的な問題に移りたいのですが、九州正金相互と福岡相互、略して「正金」「福相」とこれから言いますが、この合併問題が起こっているのは御案内のとおりであります。現在どういう状態になっておりましょうか。
○近藤政府委員 財務局長からの報告によりますれば、両当事者、両経営者から合併の意思表示がございましたが、それに対しまして、正金側の内部で若干いろいろと問題があった。そこでそれに対しまして正金の経営者としましては、これが説得、事態の説明に全力をあげておるというふうに承っております。
○楢崎委員 この正金、福相の合併は本省にはいつごろ相談があったでしょう。
○近藤政府委員 四月一日にたしか両金融機関の経営者から財務局に話がございまして、直ちに本省にその旨の報告があったと記憶いたしております。
○楢崎委員 そうすると、内認可というのか、その種のものはいつ下されたのですか。
○近藤政府委員 内認可はまだ下しておりません。
○楢崎委員 そうすると、そういう相談を受けて具体的にはどのように動いておられるのですか。
○近藤政府委員 先ほど申し上げましたような諸点をチェックいたしまして、財務局において、これはもし両当事者から要請があればできるだけ協力をするという基本的な姿勢を固めまして協力をいたしておるわけでございますが、それ以外の点につきましては特に作業というものはいたしておりません。
○楢崎委員 いまのお話では、四月一日に財務局に両銀行から相談があった。四月二日、翌日に両銀行が地元の財務局長立ち会いのもとに合併の発表をやっておる。ということは、何のために相談を受けるのですかね。また、相談を受けたら何をやるのですか。ただ、合併したいと思いますと言ったら、そうですが、そんならすぐやりなさい、こうなるのですか。
○近藤政府委員 その間に、先ほど申し上げましたような、たとえば寡占の弊害を生ずるような合併ではないかどうか、取引先に迷惑を与えないものかどうか、あるいは特にその従業員の扱いにつきまして先ほど申し上げましたような点を十分満足させるものであるかどうか、それらの点につきましてのチェックをいたしまして、それらの点について問題がないということでございますれば、そこで両当事者の意思によって発表したということになると思います。
○楢崎委員 ただいま局長がおっしゃいましたようなことを一日でできるのですか。たとえば取引先に迷惑がかかるかどうか、そういう調査をやるについては、私の常識では取引先の考えも聞かんならぬ。どのくらい取引先があるか知らぬけれども、まあ一万近くあるかもしれない。相当時間がかかるような気がしますが。それからまた、従業員のいまの労働条件が低下しはすまいかとか、変わりはすまいか、そういう点を調査するについても、両方の従業員の組合があれば、組合の意見を聞くなり、私はいろいろ手間がかかろうと思うのですが、一日でそう判断できるものですか。
○近藤政府委員 合併につきましては、だいぶ前から首脳部同士の間ではいろいろと考えておるというのが通常でございます。そして、これが事前に漏れますとつぶれるというような事例も多いものでありますから、一たび表に出そうであるとか出るというような段階におきましては、非常にいろいろの作業を詰めてやるという状態が通常の状態でございます。
○楢崎委員 いまあなたがこうこういう点をよく調べた上でとおっしゃいましたが、具体的にはどういうことをされたのですか。具体的にはどういうことをしておるのでしょうか、その地元の局長は。
○近藤政府委員 地元の局長は平生からいろいろなケースを考えておったようでございまして、この場合にも当然、特にこの両金融機関合併の場合におきましては、両方のいろいろ特殊な事情があったようでございます。それらの事情をも考慮いたしまして、その辺の考慮は平生からの積み上げであったというふうに聞いております。
○楢崎委員 それでは、地元の局長としては、あらかじめこれは合併させたいものだという一つの目標を描きながら、そして局としてそのようないろいろな調査をあらかじめ前に独自でやっておったというわけですか。
○近藤政府委員 合併転換に関する法律を四十三年に本院でも御審議いただきまして通過をさせていただいたわけでございますが、その後各財務局におきましては、絶えず地元の金融機関につきまして、相互の間の合併による体質強化というようなことにつきましては事前にいろいろと研究、くふうをいたしておるわけでございます。ただ、先ほど来申し上げております、具体的に最終的なチェックということはもちろん認可の段階で行なわれるわけでございますが、大づかみの検討は平生からしょっちゅう行なっておるということでございます。
○楢崎委員 一例をあげますと、たとえば取引先が合併についてどのような考えを持っておるかというようなことも前もって当たっておったわけですか。
○近藤政府委員 金融機関の合併の場合におきましては、そのようなことは通常は行なっておりません。むしろ認可までの段階におきまして、合併がまず発表になりましたあとでいろいろと反響があるわけでございますけれども、取引先についての意見などはそのあとで出てまいります。財務局長の判断といたしましては、それがはたして中小企業金融を圧迫するものであるかどうか、その辺に重点を置いて研究をいたすということでございます。
○楢崎委員 そうすると、結局いままでの御答弁を伺うと、北九州の財務局長はその予見を持って、この両行は合併しなければならない、そういう予見を持って、そういう日でずっと見ておったということになりますね。
  〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕
○近藤政府委員 財務局長といたしましてはまだ何ら認可の意思表示はしておるわけではございません。両行の当事者が合併の意思を表明をいたしまして、それに対してできるだけ援助をいたしますということを申した段階でございます。
○楢崎委員 合併の発表を、相談を受けられたあくる日しておるのです。そして局長が立ち会っておるということは、大体、大いにおやりなさい、それで、いまあなたがおっしゃったようなことも、大体もう不都合な点はないのだというような認識のもとに立ち会ったということになるのではないですか。こういう重大な問題が、たった一日でそういう認識が持てるのですか。四月一日の午前何時か午後何時か知らないが、また二日の合併発表は何時に行なわれたか知らないが、一日から二日までには夜中もあるし、大体どのくらいの時間で、それだけの重要な問題について、いま局長がお答えになったようた条件を満たした考えが出てくるのでしょうかね。
○近藤政府委員 確かに御指摘のように、通常の場合よりもやや時間的な幅は狭かったように考えております。なぜそういうことになりましたかということは、一つはいわゆる不祥事件がございまして、それがぼつぼつ外に出るというおそれもございますので、信用秩序の維持という観点から――これがもう一つの財務局長としては最も気をつけなければならない点でございますが、そのような点で、もし合併構想なしに不祥事件が表に出るというような事態になった場合にいかなる事態を招くか、かなりその点に対する憂慮がありまして、そこで時間は早められたというふうに聞いております。
○楢崎委員 その不祥事件というのは、正金のほうの黒崎の事件等のことを意味しているのですか。
○近藤政府委員 そのとおりでございます。
○楢崎委員 それが世の中に出たのはいつごろですか、公になったのは。
○近藤政府委員 三月の八日に一部世の中に出たのが初めであると聞いております。
○楢崎委員 そうすると、四月二日以前に明らかにされたもの以外に、また黒崎事件で公になっていないやつがあるというわけですか。
○近藤政府委員 そのとおりでございます。
○楢崎委員 それは内容はまだ聞きませんが、未発表の分はある程度非常に重大な問題を含んでおるものですかね。
○近藤政府委員 金額的にはかなり影響のある問題でございます。
○楢崎委員 それはやがて明らかにされるものですか。
○近藤政府委員 現在はほぼ全貌が明らかにされ、しかも合併構想ということで信用不安は防ぎとめられたという形であろうと存じます。
○楢崎委員 いま新しく信用不安ということばを出されたわけであります。なるほどこの種の問題はたいへんデリケートである。しかし、デリケートであるから、何かあるぞあるぞといって中身を言わない場合と、どの程度かある程度明らかにして、ああこれくらいかという場合もあるわけですね。かえって、何かあるぞあるぞという不安のほうが大きいようにしろうと目には見えますが、その辺のお考えはどうですか。
○近藤政府委員 その点はすでにほぼ全貌が外に出て、しかも先ほど申し上げましたように、合併構想ということでその辺の不安はおさまっておるというふうに考えております。
○楢崎委員 不安はおさまっておるという話です。私もそう思います。
 そこで、いまのお話がすべてではないと思うが、何かそういう不正事件があったから合併しなければならないというような必然性がことばの端からうかがえますが、そのようなお考えですか。
○近藤政府委員 時期を早めるという点では一つのきっかけになったと思いますが、それ自体が合併についての基本的な原因であったというふうには考えておりません。合併自体は幾つかのいろいろの要素から、同じ市内に本店を有して、しかも店舗が数十にわたりまして競合をしておるといったような事実、そういうような事実から合併そのものは構想として出てまいりました。ただその構想が表面化する時期につきましては、ただいまの問題不祥事件、そういうものが一つの引き金と申しますかきっかけと申しますか、そういうことになったかもしれないと感じておるわけでございます。
○楢崎委員 四月二日に合併を発表したわけですが、時間は午後の五時半ということらしゅうございます。それで、その直前に緊急支店長会議を開いて、初めて社長が合併するぞということを言ったらしい。全然寝耳に水。そしてその結果は、一部の重役を含めて支店長会議も反対。もちろん従業員も反対。取引先、これは具体的な数字がありますが、三月末の融資件数は八千三百一件、この取引先のうち反対という署名をした人は七千九百三十三件であります。数字でいけばほとんど全部ですね。こういう状態のもとで合併が強行されるという行き方をどのように判断なさいますか。
○近藤政府委員 ただいまの数字は、経営者側から報告を受けております範囲では必ずしもそういう事実はないというふうな……。
○楢崎委員 はっきり言ってください。
○近藤政府委員 そういう事実を聞いておりません。
○楢崎委員 そういう言い方はだめですよ。はっきり数を言ってください。経営者はどんなふうに言っておるか。
○近藤政府委員 経営者からは、反対署名をとっておるという事実を聞いておりません。
○楢崎委員 それじゃ、これは実際に取引先と接しておる出先の職員の人がやっておると思うのですけれども、あなたはこの数字に何かけちをつけるのですか。いまの言い方は、聞きますとそういうふうに聞こえますが、そうじゃないですか。私がいま言った数字はそのまますなおに聞いていただけますか。
○近藤政府委員 経営者のほうからはそういう事実を、数字を聞いておりませんということを申し上げましただけで、そのような事実が、従業員の方のほうでそういう集計が行なわれたということは、ただいま初めて承ったわけでございます。
○楢崎委員 この合併等の場合に、地元の財務局長は、取引先は一体どう思っておるであろうか、そういうことも合併問題を考えるときに一つの重要な参考のかてにする必要があると私は思うが、そういうことは必要ないのですかね。
○近藤政府委員 十分その点は参考にする必要があろうかと存じます。
○楢崎委員 そうすると、財務局長は両首脳からいろいろものごとを聞いておるのでしょうか。経営者側はそんなことしておりませんから、取引先がどういうふうに思っておるかは局長に報告してないはずです。そうすると、局長はこういうことについて知らなかったということになるじゃありませんか。どうなんですかね。
○近藤政府委員 局長といたしましては十分に経営者の意向を聞きまして、それらから総合的、に勘案いたしまして、この合併についてただいままでに私が承っておりますところでは、事前の根回しが不十分であったということを経営者は非常に痛感をいたしておるようでございます。その点は先ほど来御指摘のとおりです。したがっていま、事後ではありますが全力をあげて説得、状況の説明、それらのことに努力をするということでやっておるという報告を聞いております。
○楢崎委員 私の常識では、四月一日に合併の相談を局長が受けたならば、いまの問題でも根回しは十分されておりますかというようなことを、局長は当然両首脳に聞いておろうと思うのです。これは常識だと思うのです。いやまだそれはやっておりません、こうなると思います。それでは困るじゃないか、もう少し根回しをしなさいというぐらいの指導をするのが、あなたのいままでの答弁からいくと当然出てくる態度じゃないか。それを四月一日に相談を受けて、四月二日、あくる日にはその合併の発表にのこのこ出ていって局長が立ち会っておる。これはどういうことですか。
○近藤政府委員 そのようなことを両金融機関の経営者に確かめたという事実はあるようでございます。そしてその際に、正金の社長から先ほども申し上げました不祥事件の話が出まして、こういう状態のもとではいずれ近いうちにそれが全面的に表向きになるということがあるかもしれない。そういう事態におちいっては非常に信用不安という点から問題があるので、両行の合併の意思の発表はできるだけ早いほうがいいという意見の開陳がありました。根回しが十分であるかどうかという点については一応確かめた由でございますが、それ以上にその信用不安という問題これも財務局長としては最もゆるがせにできない問題でございます。その点で、それならば非常に時間的な余裕は少ないけれども、直ちに発表に踏み切るのもやむを得まいという判断をしたというふうに聞いております。
○楢崎委員 そうすると、いまのお話でいくと二つ考えられますね。もし局長が、根回しは十分しておるかと聞いた。そうすると両首脳は、いや、やりました。それならばいいだろうという場合と、十分やっておりませんと答えたかもしれない。それはいまからでは間に合わないから、とにかく合併を発表した後に根回しをしなさい、こういう指導になったのか。どうなんでしょうか。局長がだまされたのか、あるいは情報を知りながらそれでも合併を発表しなさい、こうきたのか、どうなんでしょうか。
○近藤政府委員 その辺のやりとりの詳細はよくわかりませんが、私どもの報告を受けております範囲で申し上げますと、根回しは多少不十分かもしれないが、とりあえずその信用不安のほうが非常に心配である、したがってまずとにかく発表を早くさせてほしいというような申し出があったのでございます。そこで、先ほど申し上げましたように信用不安の回避ということに力点を置きまして財務局長が賛成したというふうに報告を受けております。
○楢崎委員 それはまたあとで触れたいと思います。
 そこで、いま申し上げたとおり、社長以外は重役も知らなかった。支店長会も知らなかった心従業員も知らなかった。もちろん取引先も知らない。しかも発表されたら全部反対だ。重役は一部が反対です。あとは全部反対。こういう中で根回し、いまから努力するということはあるとしても、こういう中で合併を進めるということは、これは転換合併法の附帯決議中に、これを行なうにあたっては労使間で自主的にものごとをいろいろ決定していくのだという附帯決議がありますが、こういうことにはなってないのですね。いまの正金と福相の合併のあり方は附帯決議の線からそれておりますね。
○近藤政府委員 附帯決議におきましては、三つの点について労使双方の間で十分自主的に話し合いをするということがうたわれておるわけでございます。第一点は人員整理、それから第二点が労働条件の引き下げ、第三点が差別待遇この三つのことが行なわれませんように、労使間において自主的に決定をせしめるということがうたわれておる。それからまた、合併転換に際して、中小金融機関にもっぱら依存した中小企業者が不利益をこうむる結果を招来しない。それだけのことにつきましてうたっておるわけでございますが、その点については財務局として経営者から話を聞きまして、この三つの条件には完全に合致するような方向で合併を行ないたいという申し出があったということを聞いております。
○楢崎委員 これは議論になりますからよしますけれども、あとでまた附帯決議は出したいと思います。
 そのことは一応別にしても、このように社長及び重役の一部だけが賛成をして、あとは全部反対というような形で合併が強行されることについてはどう思われますか、大蔵省として。
○近藤政府委員 大蔵省といたしましては、金融機関の合併はあくまでも自主的な決定に基づきまして持ち込まれたものについて検討をする、そして援助すべきものは援助をするというたてまえをとっております。ただいままでのところ、先ほど申し上げましたように両経営者が自主的に合併を決意し、事前の根回しは若干不足であったかもしらぬが、ただいま全力をあげてやるというふうに言ってまいっておりますので、その成り行きを見守るということでございます。
○楢崎委員 この根回しが最後までうまくいかなかったら一体どのような指導をされますか。
○近藤政府委員 この問題につきましては、一つ非常に大きな問題を含んでまいりますのは、初めに自主的に申し出してまいりました時点と、途中における時点とでは問題の性質がだいぶ違ってまいります。すべり出したあとにおきまして、いろいろ両当事者の意思に対して大蔵省として制肘を加えるというようなことは、最後の段階まで自主的な線をできるだけ尊重するということでまいりたいし、また途中でもしその変更がございますれば、先ほど来申し上げておりますような信用秩序にかなり大きな影響を及ぼすというおそれが出てくるわけでございますので、その点もあわせ考えてまいらなければならないというふうに考えております。
○楢崎委員 いまのお話は、この合併がもし御破算になれば信用秩序に何が出てくるのですか。
○近藤政府委員 たとえば預金の増加、減少のトレンド、そういう点につきまして、合併話が途中でかりに御破算になったというような事態がございますと、かなり深刻な影響があるであろうということが予想される、まあそのような点を含めて申し上げたわけでございます。
○楢崎委員 それはあなた、一つの予断を持っているのじゃないんですか。合併させたいというあなたたちのその気持ちはわかるが、進めたいという気持ちはわかるが、これが御破算になれば信用秩序に何かこう問題が出てくるというような、そういう見通しというのは、私予断ではなかろうかと思うのですが……。
○近藤政府委員 その点は予断ではございませんで、そういうおそれがあるかどうかをそういう場合には十分に検討をしなければならない。検討項目の一番大きな点であるということを申し上げておるわけでございます。
○楢崎委員 そうすると、検討した結果これはやはり信用秩序にぐあいが悪いということになると、たとえ根回しが失敗しても、やはり強行させるべくあなたたちは行政指導をするということになるのでしょうか、結論としては。
○近藤政府委員 その辺は、先ほど来申し上げておりますように、あくまでも最後まで自主性尊重ということでございますので、両経営者がそこをどう判断するか、それによって私どもの判断もまたおのずから変わってくる場合もあり得るし、その辺はあくまでも自主性尊重ということでまいりたいと存じます。
○楢崎委員 そこで、その北九州財務局の行政指導について、具体的な問題にちょっと入ってみたいと思うのですが、北九州財務局に国川という金融課長がおられる。この方が四月に行橋の信用金庫に行かれた際に、組合と――これはたぶん合併問題についての話し合いと思いますけれども、労働組合とお話し合いをされておるわけです。そこでその国川金融課長は、諸君は合併反対と言うが、中小零細業者と心中をするつもりなのかと、労働組合、つまり職員の皆さんに言ったそうです。このことは、その後九州正金の従業員組合の代表者が財務局に行ったときに、あなたはそう言ったそうだがそれは確かかと確かめたところが、そう確かに言った、銀行がつぶれるか中小企業がつぶれるかというようなときには、中小企業をつぶすほうをとると言われたそうです。気持ちはいろいろありましょうが、大体この種のことを、財務局の金融課長がこういうことばを吐く。これは国会でこんなことを言ったらたいへんですがね。あなた方は言われぬと思いますけれども、こういうことを言っている。これはどう思われますか、本省としては。
○近藤政府委員 その場所でどういう発言をいたしましたか、ちょっと私も直接聞いておりませんので判断しにくいわけでございますが、まあ中小零細企業と金融機関とのいずれをとるかというような発想、言い方をいたしましたゆえんのものは、金融機関のほうが非常に多くの中小零細企業と関係を持つ、それら全部の命運にかかわりのある金融機関について、その経営状況なり何なりというものが社会的に影響力が非常に大きい、言いかえれば責任が非常に重いという趣旨のことを表現したつもりかと思いますが、あるいは表現の点で非常にまずい点があったのかもしれません。その辺はちょっと、直接聞いておりませんので判断いたしかねます。
○楢崎委員 これはお調べになってもけっこうですがね。この人はそれだけ言っているのじゃないのです。まだ言っておるのです。いろいろ言っておりますが、時間の関係がありますから代表的なものの言い方をあげてみますと、たくさんあるのですよ。こういう質問をしているのですね、その職員のほう、組合のほうが、北九州では金融機関の不正事件が続発しておる、だから財務局の仕事はそのような不正事件が起こらないように指導、監督することが大事じゃないか。それはさておいておって、だから、不正事件が起こるから合併をさせるんだという、合併のほうばかりに非常に意欲を持たれておる。これはおかしいじゃないかという質問に対して、こう答えておるのですね。不正事件については私たちの不徳のいたすところであるが、これを合併ですりかえるつもりはない。ここはいいでしょう。その次です。合併転換法ができた以上、合併をやらないと代議士からしかられる。いろいろたいへんなことばかりを言っているのです、われわれ常識的に考えて。やりとりそのまま速記をして出しておるのです。こういうふうな考え方というのは、いままで私があなたに聞いた大蔵省の指導方針なり考え方と完全に違いますけれども、これはどうですか。
○近藤政府委員 国川課長の言動につきましては、私ども至急詳細を取り調べまして、後刻またその真偽のほどは御報告を申し上げたいと存じます。
○楢崎委員 同じく指導の問題でお伺いをしておきたいのですが、今度は局長のほうをあげてみたい。いまは金融課長でしたが、局長のほうの言動をあげてみたいのですがね。この後藤局長は、ちょっと話が別になりますが、四十三年、金融二法を審議した際には本省の何であったわけですかね。
○近藤政府委員 銀行局の検査部の管理課長でございます。
○楢崎委員 だから、この金融二法のときには実際の仕事をなさったお一人だという気がするのですがね。だからたいへんな意欲を持たれておるのはわかるのです。この四月六日に、正金の全重役を北九州の財務局に呼ばれたわけです。そしてこの局長と小林という理財部長は――いまから申し上げる点は、さっき局長が言われたこととわりあい似ておるのです。末光事件――これが例の黒崎事件ですね。末光事件の重要度の認識が不足しておる。もし合併が撤回されれば末光事件の全貌が明るみに出て取りつけ騒ぎが起こるし、免許の取り消しも考えられる。これは、七月から行なわれると聞いておるが、預金保険適用の第一号になる。この預金保険制度というのは四月一日からです。これの適用の第一号になる。これはまるで脅迫じゃありませんか。これはことばの内容からしてやはり圧力と感ぜざるを得ませんですね。そうして例の黒崎事件の問題について、これは三月末に償却をしておるわけですね。これもまたえらい早いのです。普通だったら時間をかけてもう少し努力するだろうと思います。この点についてこう言っておるのです。合併が円滑に進むという大義名分があったからきわめて短時日のうちに二億円の無税償却が承認されたのだ。このくだりはたいへん恩着せがましいですね。そうして結局、合併が白紙撤回されるとどんなことになるか。おれたちのメンツはない。こういうふうですよ、この財務局の調子は。今度は四月十四日に、同じく小林理財部長と国川金融課長は正金の宮永という企画室長を呼んでおります。そうしてまたいろいろと圧力をかけておるわけです。こういうことを言っておられるようです。北九州財務局管内の各相銀社長に正金との合併を持ちかけてみたが、断わられている。合併しようというのは福岡相互だけだ。信用しないのなら各社長を呼んできてあなたの前で言明さしてやる。それでだめといわれたら福相と合併するか。かりに他の相銀と合併しようとしても財務局は認めない。合併は吸収合併が方針である。対等合併なんて必要ないから認可しない。この合併がこわれたら監督官庁の立場は一体どうなる。社長もかわいそうだから助けてやれ。合併するようにみんなを説得しなさい。ざっとこんなふうですね。この中で一つ聞いておきますが、合併は吸収合併が方針であって、対等合併は必要ないから認可しないという方針ですか、大蔵省。
○近藤政府委員 形式的には吸収合併でも、本合併は合併比率一対一でございまして、従業員の取り扱いその他全く平等ということで、この合併も対等合併であるというふうに考えております。そして実質的な対等合併のほうが望ましいというふうに考えております。
○楢崎委員 そうすると、本省の方針とこのおことばの内容は違いますね。
○結城説明員 ただいまの小林部長の吸収合併でなければ認可しないというふうな趣旨のことにつきまして、現在の部長からのお話としましては、今度の正金相互銀行の場合に、ただいま局長から申し上げましたように、合併するに至りました非常に大きいきっかけは黒崎支店の大きな不祥事件が大きいきっかけになっておりまして、したがいまして、その金額がかなり大きいだけに、合併する相手方としましては、その欠損をかかえ込むようなかなり大きな銀行でなければ合併後の経営がなかなかうまくいかないのではなかろうか。こういうふうな観点から、小さな銀行相互間の合併よりも大きな銀行と一緒になって、そしてその欠損額を吸収してもらい、信用のマイナスをカバーして、そして取引者に迷惑を及ぼさないようにするほうが合併としては望ましい行き方ではないか、こういうふうな趣旨で吸収合併というふうなことを申し上げたというふうに聞いております。
○楢崎委員 いまの点はお調べになったのですか。
○結城説明員 部長のほうからそのように連絡を受けました。報告を受けました。
○楢崎委員 それは本省に対して調子よくそんなことを言っておるのですよ。現実に会って、室長に対してはこのようなことばで言っておるのですよ。だからそのような、いまおっしゃったような意味なら、どうしてそのように丁寧におっしゃらないのでしょうかね。これはこのとおり言っておるのですよ。これは証言してもいいですから。このような指導のしかたなりを私は問題にしておるのです。その意味の内容はこうだということを問題にしておるのじゃないですよ。すべてがこうなんですよ。いまのはたった一つ、あなたは部長からの報告を受けて釈明されましたけれども、すべてがこうなんです。だから、こういう点をこれでいいのかということを私は申し上げておるわけなんですよ。まだたくさんありますから、この種のことは。大臣おられぬが、政務次官は一体この北九州財務局のいろいろな方のこのような、両行合併に対しての態度をどう思われますかね。またこういう態度を現実に示されておる正金側については、どうあなたはこれを受け取りますか。
○中川政府委員 ことばのやりとりについて、真実はどこにあるかわかりませんが、いま御指摘のとおりであったとすれば、表現その他に行き過ぎがあるというふうに考えます。今後そういうことのないように厳重に指示をいたしたいと思います。ただし、自主的な合併ということで申し出が経営者からあった以上、これまた信用秩序その他を考えまして、あるいはまた転換合併の法がある以上、これの趣旨に従ってこれが円満にできるように、役人としても定められた方法あるいは表現を間違えないようにやっていくべきではないかと存じます。
○山下(元)委員長代理 関連質問を許します。広瀬委員。
○広瀬(秀)委員 いまの楢崎君の質問を聞いておりますと――現在の大蔵次官の澄田さんが、当時この金融二法、合併転換促進法がかかったときに銀行局長をやられておったわけです。それで私が、いま例が引かれておるように、この合併転換促進法が出たからといって、積極的に合併転換を促進するのだという立場で指導をするというようなことをやるのかという質問をしたわけなんですね。その際、当時の澄田銀行局長の答弁では、そういう立場をとりません、そういう将来の合併などもあり得るという立場に立って、言うならば受け皿を準備をしておくのだ、こういう立場であって、まあ言うならばニュートラルの立場でいくのであります。それは、先ほどから銀行局長が言われておるように、自主性を尊重するということに通じていると思うのでありますが、何か最近、第一・勧銀合併というようなもので、あたかもこの合併転換促進法が変質をして、大蔵省の方針も近藤さんの時代になって、ああいうような事例に見られるように、あの事例のようなものを今度はどんどん積極的に指導をしていく。合併転換をどんどん、特に合併をさせて、規模のメリットを強化していく、こういうような方向に転換したのであるかどうかということが――楢崎君の質問、具体的な例をあげて末端の財務局の人たちの指導のしかた、あるいは発言というようなものを聞くと、そういう方向に転換したのかということを疑わざるを得ないわけなんですが、そういうことなんですか。それとも澄田銀行局長時代にこの委員会で審議をした当時のかまえがいまでも正しい筋道なのか。そういう点についてはっきりした見解をこの際お聞きをいたしたいと思います。
○近藤政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、澄田銀行局長が御答弁申し上げました線と全く変わっておりません。ことに昨年七月の金融制度調査会の答申におきましても、金融機関の合併につきましてはあくまでも自主的なものを尊重するということを特にうたっております。私どものほうは、実際上の運用といたしましても、あくまでも自主的なものを尊重するというたてまえでまいるつもりであります。
○山下(元)委員長代理 関連質問を許します。阿部助哉君。
○阿部(助)委員 局長、一番最初楢崎さんが、合併を指導される態度ということでお伺いしたときには、自主的にこれをやるのだ、そして職員の身分に対して不利がないように、あるいはまた取引先に迷惑がないように、そうしてこの問題については調査を進めた、こうおっしゃるのですね。こう一番最初に前提を置いておるわけです。ところがあとで、そこへつとめておる労働組合の方々は全員反対であるとか、あるいはまた取引先の人たちは、八千三百一件の取引先の中で、七千九百三十三件の人たちが合併反対の署名をしておるということについては、皆さんのほうはただ経営者という、正金の社長ですか頭取ですか、そこからは意見を聞いておるかもわからぬけれども、これでは実際調査をしたということにはならないのじゃないですか。それでも調査をされた、こういうふうに皆さんはおっしゃるのですか。
○近藤政府委員 まず第一点の職員の問題につきましては、財務局長がその点特に念を入れて両経営者に確かめましたところが、全職員を新銀行に引き継ぎ、給与は高い水準のほうに調整するということを言っております。したがいまして、その点につきましては、今後実際にそれが行なわれるかどうかの監視は今後の問題になろうかと存じますが、とりあえずの方針といたしましては、四十三年の四月及び五月に衆議院の大蔵委員会及び参議院の大蔵委員会で付せられました附帯決議の趣旨にもとるものではないというふうに考えております。
 それから取引先、中小企業の問題一につきましては、現在正金相互銀行の貸し出し金利回りが平均に比べてかなり高いという事実もございまして、合併によるスケールメリットの発揮によりましてこれが低くなるということは、結果的には取引先に対するサービスになるというふうな判断を下したわけでございます。
○阿部(助)委員 だから、そういう一方的な、皆さんのことばでいえば、皆さんのほうは経営者のほうからだけ聞いておるわけでしょう。ほんとうに身分が変わらないで月給だけ上がるものなら労働者の人たちが反対するはずがないと思うのです。いろいろな業者の場合にも、取引をしておる人たちの場合にも、あるいは片一方では金利が少し高い、しかし融資をしてもらえるというので、より大きなメリットがあるかもわからない。そういうような問題を、ただ一方的に聞き、一方的な資料だけいただいて、それで調査をしました。しかも自主的に云々ということからいけば、とにかくこれだけの問題が起きた。問題が起きておるからいまお伺いをしておるので、こういう問題がおさまるまでは合併を促進するような無理な手は打たないでしょうね。
○近藤政府委員 ただいまの、取引先の方々が不安を持たれるかもしれないという点につきましても確かめたようでありますが、その場合には、合併前の取引方針を継承するということを両経営者から申し出ておるようでございます。もちろん、これがそのとおり行なわれるかどうかも、これまた今後の財務局の監視の一つの大きな対象にはなろうかと存じますが、そういうことを申し出ております。したがって、それらのことを聞いた上で、財務局としてはその自主的な合併の申し出を了承したということであろうかと存じます。
○阿部(助)委員 皆さんのほうは経営者から聞く。私たちのほうは当の調査された人たち、それもおおむね労働組合とかあるいは銀行と取引をしておる、反対の側に立っておる人たちの意見を聞いてきたかもわかりません。そこで私は一方的な意見になるかもわからぬけれども、しかし現実にこれだけの反対があるのです。そうすると、給与の面は少しよくなると皆さんがおっしゃっておるからそれを認めるとしても、労働条件がどうなるのかという問題も出てこようかと思うのです。そういう点で、実際に調査をした、こうおっしゃるけれども、この日取りから見ても、四月二日に初めて聞きましたなんということを福岡の局長はおっしゃっておるようだけれども、実際はもう四月一日に書類が大蔵省に出されておるというようなあたりでみんな食い違っておる。もう一ぺん皆さんのほうで両方を調査をし、そうしていまのような形の、ただ強引に進めるという感じを与えるのではなしに、一応いままでの経緯はそのままストップをして、十分に両方の意見を聞いて、ほんとうの調査をされる必要があると思うのです。そういう点で、いまの段階で無理押しをするということはどう見ても、いままでの論議をされた過程、また附帯決議の趣旨からいってみても、あるいはまた局長がここで一番冒頭に答弁なすった御趣旨からいってみても、無理があろうと思う。そういう点で、これはもう一ぺん調査をするまで現状でストップをさせるべきだ、こう思うのですが、いかがですか。
○近藤政府委員 再三申し上げておりますように、あくまでも自主的な動きというものを尊重してまいるというたてまえでございますので、ただいま経営者としては、先ほどの幾つかの方針、その方針に従って、それが十分徹底しておらない、周知方が不十分であるということをたいへん反省をいたしまして、その周知徹底にできるだけの努力をするから、その結果を見てほしいというのがいまの段階でございます。私どもといたしましては、いかなる意味でもこれに途中で介入をする、もちろん無理押しをするというような点も当然すべきではございません。またそれをストップしろと命ずることも、これまた一種の介入になりますので、それらの点は一切やりませんで、経営者がそう言っておりますその努力を見守ってまいりたいというのが私どもの態度でございます。
○阿部(助)委員 関連でありますからもうこれで終わりますけれども、最後に、局長のいまの御答弁はりっぱでありますけれども、しかし私たちが聞いておるところによれば、本省の局長はりっぱなことをおっしゃっても、現実に現地におるところの福岡の局の人たちは、これはどこまでいったら介入なのかその限界もなかなかいろいろあろうと思うけれども、少なくとも日本人の常識からいえば明らかに介入だ、こういうふうに受け取らざるを得ない言動を述べておられるわけです。そういう点で、もしこの言動が介入でないとおっしゃるならばこれはまた論議のあるところでありますけれども、私たちはこの書類を見る限り、いままでの報告を聞く限り、明らかに現地の福岡局はこの問題に介入をしておる、むしろ圧力を加えておるというふうにしか受け取れないわけです。そういう点で、われわれのほうもさらに調査を進めるけれども、皆さんのほうも、これだけの具体的な例をあげたら、その辺の調査を十分して、あなたのおっしゃるように介入をするのではなしに、ほんとうに自主的にやるならば自主的にやるような御指導をなさるのが当然だという意味で申し上げたわけであります。
 関連を終わります。
○楢崎委員 いま局長のお話の中に金利か高いという話がありました。確かに融資の利回りは他の相銀に比較して若干高うございます。しかし、この二、一三年の他の銀行との比較をしてみると、他の銀行は利回りが数字の動きから見てだんだん上昇傾向にありますね。しかし正金のほうは企業の努力によってだんだん、わずかではあるけれども減ってきて、全国平均にほとんど近づきつつあるではありませんか。これが一つ。だから、数字をあげてのあれになると反論できるところはたくさんあるわけですね。
 もうちょっとやりたいと思いますが……。それで、中小企業あるいは零細企業の人たちが合併によって迷惑を受けるのではないかという危惧は、一つは福相と正金の取引層の違いがあるわけですね。一件当たりの融資額の平均を見ても、福相のほうは五百七十四万円に対して正金は三百三万円。ということは、やっぱり正金のほうが福相より、より零細の企業に手当をしておる。この層の違いというもの、これが合併によって一体どうなるか。これは当然起こってくる心配です。だからその辺をやはり、私ども調査団で行ったときいろいろの人に会っておりますが、いろいろな意見を言って、不安を持ち、それでやっぱり合併してもらわらないほうがいいんだということを言っておるのですね。現に福相に借りに行って断わられて、正金で借りた人が何人かあるわけです。特にその人たちにも会ってみました。だから、現実の問題として非常に不安を感じている。そうすると、中小零細企業に対して不安を与えるということになると、これまた金融二法の採決の際の附帯決議との関連でこの合併が問題になってくる。こういうことなんです。
○結城説明員 まず第一点の、正金の貸し出し金利の問題で、よそが多少上がりぎみに対して正金が下がりぎみである、だんだん近づいてきておるという御指摘について、あまり件数を比較するのはいかがと思いますけれども、総体的に相互銀行の貸し出し金利というものはここのところずっと低下傾向になっております。最近の引き締め状況からここのところ若干上がってはおりますけれども、大勢的には引き続き低下の傾向をたどっております。その中で特に正金相互だけ申し上げますと、全体の水準に比べましてやはり、これは四十五年度上期の全国の平均に対する水準でございますけれども、約一%ぐらい貸し出し金利が平均的に高い、そういう姿になっております。高いという点からいいますと、九州地区の相互銀行の中では、十二行ございますけれども、そのうち高いほうから二番目に位するというふうな位置になっております。
 それから第二の、取引先の問題についての先生の御指摘でございますが、確かに正金相互銀行は資金量がわずか三百十五億、片っ方は千九百億というような資金量の違いもございますし、おのずから取引対象にも差異はあるろうかと思います。そういう点を特に懸念いたす点もございまして、合併の際の両社長間の取りきめとしましては、――これはこれで調印しましょうというところまでいっておる内容のものでございますけれども、正金相互と福相の合併前の取引については、そのまま新しい合併後の相互銀行が引き継ぎまして、その新しい相互銀行の取引方針は、旧合併前の福相なり正金相互、それぞれの合併前の取引方針を継承しますということを合併大綱の中に盛り込んで、取引者に対して懸念のないようにやっていきたいということを両社長間で十分確認し合っております。そういうことにおいて、合併が取引者に迷惑を及ぼすことのないように、この点については特に両社長間が確認し合い、またそういう点について注意していきたい、こういうことを述べております。
○楢崎委員 私が申し上げておるのは、若干高いことは言っておるのです。あなたもそこだけを強調してはいけませんよ。企業努力で順次利回りを下げつつあるではないか、ここに数字はあります、その点を私が強調しておるのです。だからあなたも答弁するときは、その点は確かにそうだ、その企業努力は認めますというような答弁をしなくちゃだめですよ。
 それから財務局の行政指導に関連しての介入の問題。ちょっと一つ例があるから念のため聞いておきますが、小倉信金と北九州中央信金ですか、これの合併覚書、昭和四十六年三月二十五日、この中にこういうことがあるのですね。役員定数は財務局と協議決定する、これはどういうことなんですか。私企業の人事に対して財務局と相談するというのはどういうことなんでしょうか。これはちょっと行き過ぎじゃないでしょうか。
○結城説明員 私も具体的に小倉信金と北九州信金の合併の覚書の中身をチェックしておりませんが、いま先生のおっしゃった点がございますとすれば、これははなはだ申しわけありませんが私の想像といいますか、一応考えられることとしまして、合併後の役員定数をきめる場合に、特に合併金庫の場合あるいは合併金融機関の場合に、役員定数をどうするか、両方を単純に足したようなもので役員定数をきめるか、それとも両方の単純な合計ではなくて、その中間的なところで役員定数をきめるか、あるいはさらには現在の役員定数でやるか、そういうふうな役員定数の問題につきましては、覚書の段階ではまだきまらないということが間々ございます。したがいまして、役員定数をきめるときに両方の議論が分かれてお互いの意見の相違が出てくる。そういうふうな場合に、財務局に協議して、財務局のあるいはアドバイスを受けてそこで決着をつけたいといいますか、妥当な定数をきめたい、こういうことがございまして、おそらく合併覚書に載っているいまのような条項につきましても、そういう趣旨のもとに入れられているのではないかというふうに考えられるわけでございます。
○楢崎委員 行政指導とはまさに行政的に指導するのであって、こういうことが覚書に書かれようと書かれまいと、必要なことはやるのでしょう。覚書の中に文章としてこういうことが入っておることについて、どうかと私は思うのです。
○結城説明員 合併の覚書はあくまでも両金庫間がきめるものでございまして、財務局できめるわけでもございませんものですから、両方の金庫の理事者が集まっていまのような表現で覚書の段階を済ませたといいますか、きめた。それを財務局として受理している、こういう形じゃないかと思います。
○楢崎委員 同僚の皆さんに迷惑をかけちゃいけませんから、時間の制限もありますので結論に入りたいと思うのですが、一番当初言われた金融秩序云々の問題、これは重大なんですよ。一番冒頭に、その種の不安は大体解消されたと局長はおっしゃったんだから、それで私は触れまいと思っておったのですが、そう言いながらその次に、この合併が御破算になれば金融秩序云々ということが出てくる。確かに五月のいろいろな出し入れの関係からある一つの問題点というものが想定されるのですよ。しかしこれは完全に解明される。時間があれば解明します。資料をたくさん持ってきておりますから。だからむしろいまのように合併問題がもたもたして、そして正金では業務推進会議も社長がわざと開かない、業績をあげるべき会議を開かない。そして従業員はこの問題でどうなるかという不安で、いろいろな合併反対の問題もあるから業務推進のほうになかなかよく回られない。むしろ合併でもたついておるから業務に影響している面があると思うのです。それで業績が若干低下しておる分については、むしろ合併問題に、もうこれは無理だという結論を出しさえすればまた御心配なくすぐもとに戻る。そしてその計画については支店長会議できちんとした数字もあげております。だからそういう点も私は地元の財務局としては検討してもらいたいと思うのです。ただ合併推進という目的だけを振りかざさないで――さっき言ったようにわざと社長が業績を低下させることによって合併への口実をつくるというような傾向が確かにあるのです。それから支払い準備金の問題にしても、同じような他の銀行との比較表がここにありますが、そう問題はないじゃないですか。
 そこで結論としては、さっきも阿部委員が言ったのですけれども、従業員組合はすでに社長退陣要求をしているわけです。そこまで発展してきておる。これは五月十四日に提出されておる。それからまた支店長会までが社長の退陣要求の署名を終わっている。ここまで発展してきておるのですね。それで非常に大きな社会問題となって地元では騒がれておるわけでありますから、このようなあらゆる事態を考えて、この合併問題については無理だ。さっき阿部委員も言いましたけれども、無理だ。むしろ早く撤回をしたほうがいいんだ、行政指導の面で。私も地元ですからよくわかるのです。そういう決着をつけるべきだ。そちらのほうが金融秩序に対しても地元ではいいんだ。社会党の調査団が四月の二十六日に参っていろいろな調査をしてまいりました結論もそうなんです。それで、阿部委員も言いましたような点も含めてもう一ぺん、根回しということばを使われましたけれども、根回しすべきところのいろいろな問題点を洗っていただいて、そうすれば私どもがいま言っていることが出てくるわけです、結論として。そういう方向で行政指導をするように北九州の財務局に御指導いただけますか。
○近藤政府委員 阿部委員に御答弁申し上げたとおりでございまして、合併問題につきましてはあくまでも自主性を尊重してまいるということで、ただいま両経営者はそれぞれ、特に正金におきましては根回しが不足であったということについて深刻に反省をして、極力努力をいたしておるという状況でございますので、それに対しまして私どもといたしまして、特にそれにストップをかけるというようなことはこれも行政的な介入の一種になることになりますので、事態を見守るということでまいりたいと存じております。
○楢崎委員 最後です。それでは少なくとも無理をしないということははっきりしておりますね。そうするといまのような考えで北九州財務局に御指導いただけますか。無理をしない、それでよく調査しろと。
○近藤政府委員 本問題につきましては、合併ということに対して特に無理をするということは一切避けて、もっぱら信用秩序の維持という観点からやるべきでことをやるという立場で財務局が指導をするということを、私どもといたしましても常に強調をいたしております。その点につきましては先ほど来いろいろ御指摘もございましたので、それらの点をも踏まえまして、よく支障のないように進めてまいりたいと存じております。
○楢崎委員 先ほど政務次官もお答えになったのだけれども、財務局の言動なり指導の行き過ぎ、こういう点については厳重にひとつ注意をしてもらいたい。それはよろしゅうございますね。
○近藤政府委員 先ほど来いろいろお示しいただきました点につきましては、直ちに調査をいたしまして、後刻御連絡申し上げたいと存じております。
○楢崎委員 それではこれで終わります。
○山下(元)委員長代理 関連質問を許します。小林政子君。
○小林(政)委員 私も、ただいま楢崎委員からるる具体的な事例をあげての御質問がございましたけれども、正金相互銀行と福岡相互銀行の合併の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 いままですでに述べられておりますとおり、この正金相互銀行の今度の合併の問題につきましては、一部の重役を除いてほとんど支店長以下この事実については全く知らされていなかった。しかも突然に合併ということが発表された。こういう具体的な事例がすでに述べられておると同時に、また銀行を利用されております顧客の方々の圧倒的多数もこれに対して反対の署名運動をされている。その署名数ももう相当数にのぼっているというふうにいまお話がございましたけれども、私はいまの質疑を聞いておりまして、具体的に述べられたこの九州財務局の責任ある立場にある人たちの発言というものは、局長自身は合併の問題については介入はしない、こういうことを言われておりますけれども、いままで述べられた具体的な事実について、これが事実であるとすれば、これは私は明らかに介入だ、こういうふうに考えますけれども、この点についてまず確認をいたしておきたいと思います。
○近藤政府委員 その点につきましては、財務局長からむしろしばしば私のほうには報告がございまして、一切、合併そのものについて介入をするというつもりはない。むしろ信用秩序の維持、そういう点からの施策は機を失せずにいろいろとやってまいらなければならないけれども、合併について進んで介入をするということは厳に慎んでいるということを、本件の当初から報告をいたしてきております。私どもといたしましては、その線に沿って財務局も動いておるというふうに信じております。
○小林(政)委員 私どももこの合併の問題について重視をいたしまして、現地に調査団を派遣をいたしたわけでございますけれども、私どもやはり、いま楢崎委員から具体的に述べられた内容については、地元の調査の中でもこれが明らかだという点を確認いたしております。しかも、合併については自主的に行なってもらうものであって、何らこれは介入すべきでないと何回も繰り返して述べられておりますけれども、じゃ先ほど来の中小企業と心中をしてよいつもりなのか、あるいはまた、これも楢崎委員いろいろと述べておられましたけれども、この合併ということについては対等平等の合併なんというものはないんだ、吸収というような、そういう発言だとか、あるいはまた、合併あるいは転換法等の附帯決議等をあげていろいろと話し合いを四月の十四日ですかにいたしましたときにも、この合併を首脳陣に決意をさせるためであればどういうことをやってもいいという意味にとれることも言われておるわけでございます。こういったような具体的な事実が明らかになっている以上、私は、合併についてやはりこの具体的な事実は介入であるというふうに解せざるを得ないわけです。あなた方は合併しなければ中小企業と心中してもいいんですかというようなことを、少なくとも責任のある財務局当局が言われるということは一体どういうことなんでしょうか。逆にお伺いをいたしたいと思います。
○近藤政府委員 そういう言明をしたという事実は聞いておりません。なお、先ほど来のお話しの際にも御答弁申し上げましたように、現地でどういうやりとりがございましたか、それはなお調査をいたしてみたいと考えております。
○小林(政)委員 この問題について現地の調査を行なうということでございますけれども、私はいままでのそういう事実はないと思うと、こういうふうに局長は否定をされておりますので、この事実については責任もって調査をして明らかにしてもらいたいというふうに考えます。
 それから、ただいま述べられているようなこの正金相互と福岡相互銀行の合併問題については、不当な介入は一切今後ももちろんやらないということをはっきり約束ができるわけですね。
○近藤政府委員 その点は先ほど来申し上げておりますように、合併ということにつきましてあくまでも自主性尊重という基本線は変えておりません。
○小林(政)委員 先ほど来から、合併の問題については根回しといいますか、内部の実情がどうなっているかという、この調査等に非常に不備があった、こういうことを認められておるわけでございますけれども、合併の問題については支店長をはじめ、重役も一部を除いてほとんどの人が何も知らされていない、こういったような中で、一方的に双方の銀行当局が合併について意思が統一したということだけで合併という問題が認められるものなのかどうなのか。もちろん先ほどから局長も、これには労働条件の問題とかあるいは職員について差別がないようにとか、いろいろ条件を述べられておりましたけれども、しかしその意思を決定する場合にこういったようなことで、意思表示ということが、ごく一部の人だけできめられた問題を正当な意思表示というふうに認められますか、どうですか。この点についてまず伺っておきたいと思います。
○近藤政府委員 金融機関の合併その他の場合に、自主性尊重と申します場合には、あくまでも正当な代表権を持つ者の申し立て、主張、それらのことを基本にして当局といたしましては考えてまいり、またそれ以外に実際上方法はないということでございます。
○小林(政)委員 その正当な代表権を持つ者という場合には社長だけですか。それとも重役の――どういうことをおっしゃるのか、その点について明らかにしておいてもらいたい。
○近藤政府委員 社長の申し立てに基づいて判断をいたしております。
○小林(政)委員 社長が一方的に合併を承認する、あるいは合意に達したということを意思表示をすれば、それでもう支店長はじめ全然知らされなくともそういうことが通るということになると、私はこれは今後も大きな問題を残すというふうに思いますけれども、そういうことでもってそれを正しいというふうにお認めになり、今後もそういう方針を貫いていかれる、こういうことでございますか。
○近藤政府委員 合併の場合におきましては、特に金融機関の合併の場合におきましては、事前に漏れることによりまして、せっかくそれが国民経済的に見ていい合併でありましてもつぶれてしまうというおそれがあるわけであります。そこで事前の根回しというものがたいへんむずかしいことになるわけでございます。本件の場合におきましては特にその根回しにつきまして、あとから見ればいろいろな点で問題が多かったということを社長が非常に反省をいたしておりまして、その点についてはこれから懸命の努力をするということを言っておる。もう一つは、今回の場合には先ほど来申し上げておりましたような不祥事件という要素が一つ加わっておりましたので、その線でますますむずかしかったということは想像にかたくないところでございます。
○小林(政)委員 この不祥事件の問題が何か合併を促進する一つの主要な理由になっておるように、先ほど来から私お聞きをしているとそういう感じを受けるわけですけれども、当委員会の中でも、金融機関の中での不祥事件の問題等については、常に閉鎖主義的な、外部に漏れるということを押えるのだ、こういったようなことから非常に秘密主義的なこういう態度がとられてきていたことが、富士銀行のようなああいう不祥事件まで発生するようになったのだということで、この委員会等におきましても、もっと開放的にこの態度を改めると同時に、預金を促進するというようなことのみに重点が置かれているところにこういう問題が起こってくるのだ。これは当大蔵委員会におきましても非常にやはり大きな問題点として指摘をされたわけでございます。この不祥事件というものが起こったというのは、これは何も正金相互銀行だけの問題じゃなくて、むしろ私は、最近政府が進めている金融機関の競争原理の導入、こういう政策が結局は過当競争を引き起こしてこういった問題を起こしているのであって、むしろ根本的な過当競争を激化さしていく、こういう政策の中にあることであって、たまたまこの不正の起こった問題等につきましては、いかにこれを今後起こさないように、正しく積極性を発揮して指導していくかということが重要だと思うのです。合併を促進する条件に不祥事件というような問題を主要な要因として考えるのではなくて、そういう事実があるならば、その問題について正しく解決をするという、そういう指導こそむしろ行なうべきであって、これは合併の理由にはならないと私は思いますけれども、いかがですか。
○結城説明員 正金相互と福岡相互銀行の合併の話は、もちろんただいまの不詳事件というのが事のきっかけにはなっておりますが、正金相互銀行といたしましては特に正金相互銀行の置かれているところのいろんな条件から考えまして、社長は以前から、適当な相手方があれば合併を考えたい、それがまた従業員の処遇の改善にもつながるし、あるいはまた取引先に対するより充実した金融サービスができる、こういう考え方を持っておったわけでございます。それがことしに入りまして、先ほどの三月になりまして黒崎支店の事件が起こりまして、調べが進むにつれましてその損害額がきわめて大きいということがはっきりいたしたわけであります。並行的に福岡相互銀行と、その間に合併という話がまとまりつつあったようでございますが、不祥事件という問題がクローブアップされましたときにおけるところの銀行の信用ということを考えますと、やはり合併という問題をこの際早くきめまして対外的に表ざたにする。そのほうが銀行にとってもあるいは預金者にとってもプラスになる。こういう判断を下しまして四月に合併を発表した。こういうことで、不祥事件が合併の最大の理由ではなくて、合併をするということについては、社長がかねてから正金相互の将来ということを考えまして考えておった。今度の不祥事件という問題がそれを積極的に進めた、こういうふうな形になっているわけでございます。
○小林(政)委員 そうしますと、それは社長が言ったことであって、当局としてはそれを理由にして合併を促進するというような態度は一切持っておられないわけですね。
○結城説明員 先ほど来局長から申し上げましたように、合併という問題はあくまでも当事者の自主的な意思に基づいて合併の合意がなされた場合に、当局はそれをもとにしてできるだけの協力をする、こういう態度をとっています。
○小林(政)委員 私は、いままで質疑を通しまして、あるいはまた現地の調査団の調査に基づきまして、この問題が財務局の介入もなく自主的に話が進んでいる、こういうことにはどう考えてもとれないわけでございます。この問題を正しく解決していくためには、先ほど来からも述べられておりますとおり、まず、財務当局が不当に介入しているのではないかという幾多の言動、この問題については責任をもって明らかにしてもらいたいということと同時に、信用の問題等も地元では社会問題にもなっているようでございます。このような中で合併を行なうこと自体が、先ほど局長が言われておりますような要件にもかなっていないと思います。そういう点で、指導監督機関としての銀行局がこの問題については正しく指導性を発揮されて、このような中での一方的な合併の強行については絶対にこれを避ける、こういう点について明確な言明をいただきたいと思います。
○近藤政府委員 一般論といたしまして、スケールメリットを発揮するための金融機関の合併が望ましいということは申すまでもないところでございますが、個々の合併につきましてあくまでも自主性を尊重するというたてまえは、今後とも貫いてまいりたいと考えております。
○小林(政)委員 きわめて時間がございませんので、最後に一点だけ要望いたしておきたいと思います。
 合併の問題等につきましては、今後もこのような事態が起こらないということが非常に重要だと思いますし、この合併問題については先ほど来から自主的に、自主的にと言われておりますけれども、その自主的解決が今回のような措置であっては重大問題だというふうに私は考えますので、この問題点は一つの問題ではなくて、今後の合併問題等についても重要なつながりを持つ、根を持つ問題でございますので、ひとつ正しく解決をしてもらいたい。そのためには、この合併問題を急いでやるというような不当な介入については今後一切避けていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○山下(元)委員長代理 阿部助哉君。
○阿部(助)委員 端的にお伺いしますから、なるたけ簡単明瞭に答えてください。
 東京都世田谷区南烏山一丁目十六番地、ここにいまボウリング場をつくっております。このボウリング場は、公図の写しによると国有地の上に一部建っておる、こう思うのでありますが、その辺大蔵当局の調査はどうなっておりますか。
○小口政府委員 お尋ねの土地でございますけれども、おっしゃるところに国有地はあるわけでございます。それで、その国有地の状況でございますけれども、幅が九尺、二・七三メートル、長さが四十メートルということで計算をいたしますと、当該ボウリング場は国有地にはかかっていないということになります。
○阿部(助)委員 その幅九尺というのは何によったのですか。
○小口政府委員 法務局の出張所の公図によりまして、そういうふうに考えております。
○阿部(助)委員 その法務局の公図の写しというのはいつとられましたか。
○小口政府委員 本年の二月十三日でございます。
○阿部(助)委員 そうすると、二月十三日に法務局の出張所から公図をとったところが、その公図の中に九尺というのが書いてある。だから幅九尺なんだ。九尺にすると、このボウリング場は国有地にかかっていない、こういう見解ですね、結論からいいますと。
○小口政府委員 そういうことでございます。ただ、経過的に申しまして、ボウリング場の建設の時期におきまして、ボウリング場の建設事務所とそれから建築用の足場がただいま申し上げました国有地にかかっておりまして、これは撤去をするということで撤去しております。
○阿部(助)委員 法務省の方おいでになっておりますか。
 法務省の方にお伺いしますが、法務局の公図に大体九尺なんというこんな字が書いてあるのは、ほかには見当たらぬわけです。ここだけがこれ書いてあるというのですが、法務省の公図には大体こんな九尺だとかなんとか、幅なんというのは書いてあるのですか、本来。
○枇杷田説明員 登記所に備えつけられております公図には、いわゆる間尺は書かれておらないのが原則でございます。ただ、東京法務局の調布出張所で保管しております公図の中には、道路とか畦畔とかについて間尺が記載されておるものがあるように聞いております。
○阿部(助)委員 少しおかしいのだな。大体書いてないのが普通でしょう。それでほかの図面――この写しはおそらく法務省のほうからでしょうが、世田谷の土木部の所管しておるのにも、あるいはまた世田谷の税務事務所で所管しておるものにも、そんなものは書いてないのですよ。あなたは、それはそこには書いてあるということを聞いてきたと言うが、いつ聞いてきたのですか。いいかげんなことを言っては困るのだ。
○枇杷田説明員 私は、いま問題になっております公図について申し上げておるわけではございませんで、原則的には各登記所にあります公図には間尺は入っておりませんが、東京法務局の調布出張所で持っております公図の中には間尺が記載されているものもあるということを聞いておるわけでございます。なお、現在烏山一丁目地区の公図は、非常に地図がいたんでおりますために修理中でございますので、私その実際の図面を調査をすることができなかったわけでございます。
○阿部(助)委員 だから、あなたが調布出張所の公図の中にはそういうものが書いてあるという話を聞いた、こうおっしゃるから、それはいつ聞いたかと、こういうのですよ。
○枇杷田説明員 それは、本日電話で確かめましたところ、そういうものもないわけではない。ただ、問題になっておりますところにつきましては、現在修理に出しておりますために調査することができなかった次第でございます。
○阿部(助)委員 大体、公図の修理というものは普通どれくらいかかるものなんです。そんないつまでもいつまでも住民が見れないようなことをやっておったのでは困るじゃないですか。大体、普通はどれくらいかかるものなんです。
○枇杷田説明員 それはいたみぐあいにもよるわけでございますが、地図を再製いたしますためには原状どおり間違いなく複製をしなければならないという要請がございますために、一筆一筆間違いなくトレースされているかどうかということを厳格に調べなければなりませんために、普通の図面を写しをとるというのとはだいぶ違いましてかなりの時間を要しておりますので、二、三カ月あるいは場合によってはもう少しかかる場合もあるように聞いております。
○阿部(助)委員 いや、私は午前中説明においでになったあなたのところの方に聞いたら、大体長くて一カ月だと言うのです。あなたはだんだん幅を広げて、二、三カ月からもっとかかることがあるみたいな話にだんだんぼやかすけれども、そんなに三カ月も四カ月もかかったら、土地を売ったり買ったりする人も困るだろうし、いろんな国民の不便もある。それは確かに正確を期さなければいかぬから何がしかの日数がかかるのはやむを得ないけれども、そんな半年もかかるというようなことは、これはちょっとおかしいじゃないですか、そんな注文のしかたをしておるのですか。これは大体よそへ出すわけでしょう。そんなルーズな注文を皆さんのところはするのですか。
○枇杷田説明員 仰せのとおり、なるべく早く修理をいたしまして、閲覧に供すべきであると私も考えております。ただ、相当の枚数を一括して再製させるということのために、一枚一枚の地図につきましてはそれほど長期間は要しませんけれども、量がまとまって多い場合には全体として長くかかるということもあるだろうと思います。私も今後のやり方につきましては、少しずつ区分いたしまして短期間で済むような方法も考えてまいりたいと思っております。
○阿部(助)委員 そんなことは当然のことですよ。しかも、皆さんのところの説明を聞いたところでは、大体一カ月程度でこれができるのが普通でございますと、こうおっしゃっておるのですよ。ところが、ここは問題になってから修理に出した。見せてくれない。今日まで半年もかかっておるのですよ。そんなことがあるのですか、一体。
○枇杷田説明員 地図の修理のしかたにもいろいろございまして、現在の調布の出張所の管内では土地の売買その他で公図を閲覧する機会が非常に多うございますために、紙に写すというのではなくて、いわゆるポリエステルフィルムの用紙にやるために、時間が普通のよりもかかるという状況でございます。なお、出張所のほうでは業者をせかせまして、早く納めさせるようにということの努力をいたしておるようでございますし、なお私どものほうからも、なるべく早く完了するように努力をいたしたいと思っております。
○阿部(助)委員 大体、半年近くも国民が必要のものを見れないというようなことは困るのです。しかもこれは、問題になっておるところを一般が行っても見せないわけですよ。しかも、きょうおいでになった人の話を聞いても、またいろいろな図面を見ても、大体そんなものは書いてないのが普通なんですよ。ここにも書いてないのですよ。あなた、これはごらんになればわかるのです。なぜ九尺という数字が出てきたのか、それがわからぬのですよ。九尺なんというものは大体書いてないのが、これはどこの公図でもそうなんです。それにかかわらず、これだけが幅九尺にした。九尺にすると――ほんとうをいうと六メートルあるんです、大体。九尺にすると半分になってしまうわけです。半分になると、この国有地につくったものが国有地でないということになっちゃうわけです。その辺で、この九尺という字がいつ入ったのか、ほんとうに入っているのかどうなのか、そこはわからない。いつこの九尺が入ったかわかりませんか。また、ほんとうに入っているかどうか、あなた確かめたわけじゃないですね。
○枇杷田説明員 問題になっております土地につきまして、どういうふうな記載がされているかということを私は確かめたわけではございません。ただ先ほど申し上げましたように、調布の出張所で保管されております地図に間尺が入っているものがあるということは、私電話で調査をしただけでございますけれども、入っているものにつきましては道路なども入っているようでございますが、それはメートルではなくて間尺で幅員が墨で記載されているものがあるということを聞いております。
○阿部(助)委員 そうすると、特にこういう問題がある場合は、修理中といえどもどなたか立ち会いの上で見せていただくということは可能でしょうな。
○枇杷田説明員 それは不可能というわけではございません。
○阿部(助)委員 大蔵省のほうにお伺いしますけれども、国有財産というものの管理そういうものは一体どんなふうにやっておるのですか。このところは昔の畦畔だった、こういう御説明をいただいておるのですけれども、この公有地というのは相当な面積ですよね。かりに十二メートルとすれば、これは相当な面積だ。しかも区のほうではいろいろとそこへ緑の地帯をつくろうとかいう計画もあるやに聞いておるのでありますけれども、相当の面積だ。そういうものが何かわけのわからぬ形で建物ができていくとか、既成事実がつくられていくということになってまいりますと、一体国有財産の管理というものはどうなっておるかという疑惑を持たざるを得ないわけです。そういう点で、どんなふうにお考えになっておるわけですか。
○小口政府委員 先生がおっしゃるとおりでございまして、大蔵省といたしましては、国有地の管理については厳密に的確にやらなければならないというふうに考えておるわけでございますけれども、本件のような畦畔につきましては、これは地租改正に由来するものでございまして、あぜ道とか、馬道とか、あるいは根切り堀とか、そういうふうなものがその当時生まれまして、これが全国にわたりまして非常にたくさんの数があるわけでございまして、その当時のいきさつから申しましても国有財産台帳に登載されておらないわけでございます。したがいまして、当然国としては管理して、そしてそれを把握してやるべきでございますけれども、そのように数が全国的に無数にあるということで、なかなか管理が行き届かないというのが現状でございます。
○阿部(助)委員 どうもずさんなんだな。この設計士ですかな、土地家屋調査士、この人が、この建物をつくるための敷地を、ここに国有地がこうありますと、こちらからはかっていきますと明らかにこの土地は六メートルの土地になるように、この人自体がやっておるわけですよ。この敷地の建物を建てる幅が四十七メートル、そうして国有地の端っこまでこっちからこうやってきてここまで入れると五十三メートルとなっておる。明らかに土地家屋調査士の富沢という人のつくった図面でも、国有地は六メートルなければいかぬのです。また、図面の縮尺からいってみても、ほかの地域と比べてみても、明らかにこれは六メートルなんですよ。にもかかわらず大蔵省のほうでは、九尺というのがその中に入っておるから九尺でございます、こう言い張っておるわけですよ。
 そうすると、まず一つの疑問は、九尺というものが普通の公図ではあり得ないことなんです。しかも、おそらくこの公図を写したであろうところの土木の所有しておる公図、これにはもちろん入ってない。そして、世田谷の税務事務所にあります公図の中にもこれは入ってない。ところが、一般の人には見せないというこの公図の原簿には九尺というのが入っておる、こう皆さんのところの人たちはおっしゃるわけです。そうすると、どうもその九尺というのがいつ入ったのか、ほんとうに入っておるのかどうか、それもまたわからぬのです。しかもそこにはもう着々と工事が進んで、そうしてボウリング場がそこへでき上がる。これはあとで農林省の方にお伺いしますけれども、しかもその場所は建ぺい率からいっても違反があり、あるいはまた農地転用ということで許可を受けておるけれども、本来の目的はボウリング堤でなしに、これもまた違反をしておるわけです。だからこの建物は数々の違反をおかしておる。一つ一つあげればたいへん時間がかかるから申し上げませんけれども、そうして建ぺい率が足らないと、まだ農地であるところの人たちから一応借りたということにして建ぺい率を合わせる。そうして建物を建てるところ自体はほかの目的で農地転用をしておる。そうしてボウリング場をつくっておるという形で、何か非常に権力的なうしろからの応援を得ておるのかどうか知りませんけれども、やることなすことが一つ一つ食い違ったものをやりながら、しかも国有地にまではみ出す建物をつくっておる。そうしておいて、この図面を見てもわかるように、明らかに六メートルある。それを今度皆さんのほうは九尺というのがあるから九尺ですとこう言っておる。何かそこに不可解なものを感ずるわけです。ほかのものがなければまだまだこれは認めることができるとしても。
 もう一ぺん申し上げますと、まず建物を建てるところの目的が違う。農地転用がこれは違法なんです。そしてそれでは建ぺい率が足らないから隣の農地を借りることにしてやった。これもまたほんとうは農地法違反なんだ。そうしておいて国有地のほうへはみ出した。そういうものを、一々違ったことをやってきておる。そうするとそこに疑惑が起きるのはこれは当然のことなんです。私は自民党の有力者の名前は申し上げないけれども、これは疑惑を持たざるを得ない。当然のことなんです。一体大蔵省はこれをどういう管理をし、どういう式でいままでこれを認めてきたのか、その辺が私はわからない。それをはっきりしてもらいたい。
○小口政府委員 九尺の問題について申し上げますけれども、この公図はここに写しがございますけれども、こちらから調布の出張所に参りまして公図を写してきたものでございまして、これには九尺という表示があるわけでございます。
  〔小口政府委員、図面を示す〕
 それで、先生がおっしゃいますように、こういう例は非常に少のうございまして、全国的にもこういうような数字の表示がないのが普通でございます。ただこの辺一帯につきましてはこういう例がほかにもございまして、こちらといたしましては、国有財産台帳に登載されていない財産でございまして、公図から推定いたしまして国有地の面積を出してあるわけでございますけれども、公図に九尺というような記載がございますので、やはりそれによらざるを得ないのではないかというふうな考え方でおるわけでございます。
○阿部(助)委員 私はどうもそこはこだわるのですが、本来そんなものはないのが普通であり、書く必要もないんだ、原図には。いつこれが入ったのか、ある意味ではこれは疑惑を持たざるを得ない。そうしてその問題になっておるときに、公図は修理にやりました。普通は一カ月でできるものが半年も国民には見せてくれない。一体これはどういうことなんですか。この建築を許可するしないは皆さんのほうの仕事ではないだろうけれども、一応とにかくこれだけ問題になり、地域の住民も騒いでおる。こういうときには何か皆さんのほうでも早急にこれを実測するなり、そういうものをやってつまびらかにする責任があるだろうと私は思う。そしてこれだけ問題になっておれば、これは皆さんの権限でないかもわからぬが、政府としては都にも言って、場合によれば建築をしばらくとめて、待ってもらうというようなこともあるいは講じなければならぬと思う。ところが既成事実でどんどんそれができていけば、あとはどうしようもないということになってくる。ほんとうにこれはかって気ままな無法がまかり通っておるのですよ。私は時間がないからあまりしませんけれども、先ほど農地局の方にお伺いをしてみても、明らかにつくるときの目的が違っておるわけです。そういう違反をやっておる。そして建ぺい率が足らないというと、今度はまた隣の農地を借りたという。しかも借りたのをまた取り消しておる。取り消した日にちが、取り消しという一つの事実であるにかかわらず、借りた人が東京都に出した取り消したという書類の日付と、貸したほうの人が取り消した日付とがまた食い違っておる。これはめちゃくちゃだ。一つの事実に対して、借りた人と貸した人との両方の日付がこれまた違っておる。とにかくすることなすことめちゃくちゃなんだな。何か権力をかさにきて、そうしてかって気ままなことをやっておるとしかこれは思えない。これだけ問題になっておるのにこんなものをほうっておくというのは、大蔵省の国有財産の台帳に載っておるとか載ってないとかいうことは別にして、載ってないものはみんなぶん投げてもよいのかということになる。そうすれば、これは当然善良な管理者として、公務員として、調査をし、そして場合によればその間の工事をとめるぐらいのことは必要だと思うのです。その辺どうですか。
○小口政府委員 国有財産台帳に載っておりませんので管理をずさんにしているということではございませんので、国有財産台帳に載っておりませんので、結局登記所の持っております公図を手がかりにして国有地の面積を計算して、そして管理、処分をしておるということなのでございますけれども、先生もおっしゃいますように、この点につきましてはほかにあまり例のないような九尺という表示があるわけでございまして、大蔵省といたしましては、その数字があります以上はその数字を無視もできないという気持ちでおるわけでございます。
 また実測の問題がございますけれども、これは実は近所の方で実測の立ち入りに反対をされておられる方がいままでございましたけれども、最近は同意をされておられるようでございますので、大蔵省のほうといたしましては今月末、同意を得られれば、二十五、六、七日ごろにでも実測をやってみたいというふうに思っておるわけでございます。ただ、実測をやりますにつきましても、お話しの九尺というその公図の問題がやはり前提となるわけでございまして、この点は法務局の問題でもあると思いますけれども、法務局ともよく打ち合わせをいたしましていろいろ調査を進めていきたいというふうに存じます。
○阿部(助)委員 法務局の方にお伺いをしますけれども、九尺というのがこれは普通ないというのだから、私その点どうもこだわるのですが、だれか書いたとしたらどういうことになるのですか。途中でごく最近にこれを書いたとしたらどういうことになりますか。
○枇杷田説明員 もし私人がかってに書いたとすれば、これは公文書によけいな手を入れたという違法なことになろうかと思います。私、現物を見ておりませんのではっきりいたしませんが、登記の事務といたしましてはこれは間尺を入れるということはございませんので、昭和二十五年に税務署から登記所のほうがその公図を引き継いでおりますので、もし書いてあるとすれば、それは登記所に移管する前に書かれてあったものではないかというふうに想像いたしておるわけでございます。その後に書いてあるといたしますれば、それは登記の手続としてやるということは考えられませんので、だれかが書いたということも想像できるかもしれませんが、それも筆跡だとか古さとかいうものも見ませんと、ちょっと何とも申し上げようがございません。
○阿部(助)委員 それでは最後に、やめようと思ったけれども、農地局の方おられますね。
 いま建物を建てておるところは農地だった。この農地をドライブイン・レストランということで申請したのですが、それで農地転用をしておるわけです。この日付がいつだったかな。ところがいまのところこれはボウリング場になりつつあるわけです。そうするとやはりこれは転用の手続を間違えておる、違反であるということになりませんか。
○堀川説明員 きょう質疑の御通告がありまして、さっそく東京都から報告をせしめましたところによりましてとりあえずお答えを申し上げたいと存じますが、先生も御承知のように、農地法の目的に沿いまして、農地の転用についての制限の制度が第四条並びに第五条にあるわけでございます。問題は、先生のおっしゃっておられるのは、第五条の農地を農地以外のものにするための権利の移転、つまりこの歩合は所有権でございますが、移点の際における許可の問題であると存じますが、それにつきましては昨四十五年の七月二十一日に転用の許可がなされております。その際、転用の申請の目的はドライブインということでございましたが、現在施設は完成していないようでございますけれども、先生もおっしゃいましたように、ボウリング場にする目的で建設中であるというふうに当局から報告を受けております。
○阿部(助)委員 一応これで終わりますけれども、大蔵省のほうもひとつ実測をするなり調査をしていただきたいし、もう一つは法務省のほうも、この問題になっておるところを、特に住民が騒ぎ出してから何か図面を修理に出すというようなことで、しかもそれが常識を越えた、普通のあり方を越えた何カ月もこれをやっておるなどということでなしに、これは関係者に見せてもらうように、関係者が見れるように何とか手配をしていただくことを要求しまして私の質問を終わります。
○山下(元)委員長代理 本日は、これにて散会いたします。
   午後六時三十九分散会