第065回国会 議院運営委員会 第10号
昭和四十六年二月二十六日(金曜日)
    午後零時三分開議
 出席委員
   委員長 渡海元三郎君
   理事 田澤 吉郎君 理事 亀岡 高夫君
   理事 海部 俊樹君 理事 三原 朝雄君
   理事 佐藤 孝行君 理事 勝澤 芳雄君
   理事 中嶋 英夫君 理事 広沢 直樹君
   理事 塚本 三郎君
      加藤 六月君    中山 正暉君
      羽田  孜君    浜田 幸一君
      藤波 孝生君    森  喜朗君
      井野 正揮君    楢崎弥之助君
      山口 鶴男君    和田 春生君
      松本 善明君
 出席国務大臣
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
 委員外の出席者
        議     長 船田  中君
        副  議  長 荒舩清十郎君
        事 務 総 長 知野 虎雄君
        参  考  人
        (新東京国際空
        港公団総裁)  今井 榮文君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十六日
 辞任         補欠選任
  斉藤 正男君     楢崎弥之助君
同日
 辞任         補欠選任
  楢崎弥之助君     斉藤 正男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 逓信委員会の委員派遣承認申請に関する件
 災害対策特別委員会の委員派遣承認申請に関す
 る件
 本会議における議案の趣旨説明聴取の件
 本日の本会議の議事等に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 新東京国際空港公団成田分室において木原議員
 が暴行を受けた事件について
     ――――◇―――――
○渡海委員長 これより会議を開きます。
 まず、委員派遣承認申請の件についてでありますが、逓信委員長及び災害対策特別委員長から、委員派遣承認申請書が提出されてまいりました。
 派遣の目的等について、事務総長の説明を求めます。
○知野事務総長 逓信委員長からの申請は、派遣の目的は、郵便法の一部を改正する法律案審査のためでございまして、派遣委員の氏名は、内海英男君、加藤常太郎君、金子岩三君、佐藤守良君、水野清君、武部文君、古川喜一君、中野明君、池田禎治君、土橋一吉君の十名、派遣の期間は三月二日から二日間、派遣地名は大阪府でございます。右により、委員を派遣したいから、衆議院規則第五十五条により承認を求めるというものでございます。
 次に、災害対策特別委員長からの委員派遣申請は、派遣の目的は、豪雪地帯における雪害対策の実情調査のためでございまして、派遣委員の氏名は、天野光晴君、内海英男君、内藤良平君、中井徳次郎君、貝沼次郎君、小宮武喜君の六名で、派遣の期間は三月六日から三日間、派遣地名は新潟県と富山県でございまして、右により、委員を派遣したいから、衆議院規則第五十五条により承認を求めるというものでございます。
○渡海委員長 それでは、両件は、事務総長から説明のありましたとおり、これを承認すべきものと議長に答申するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
○渡海委員長 次に、趣旨説明を聴取する議案の件についてでありますが、内閣提出にかかる公衆電気通信法の一部を改正する法律案は、本日の本会議において趣旨の説明を聴取し、これに対する質疑を行なうこととするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、本案の趣旨説明は、井出郵政大臣が行ない、右の趣旨説明に対し、日本社会党の武部文君及び公明党の新井彬之君から、質疑の通告があります。
 質疑時間は、おのおの十五分以内とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 質疑者の、要求大臣は、お手元の印刷物のとおりであります。
    ―――――――――――――
○渡海委員長 なお、日本共産党からの質疑につきましては、御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。
    ―――――――――――――
○渡海委員長 次に、本日の本会議の議事の順序について、事務総長の説明を求めます。
○知野事務総長 ただいま御決定のありましたように、まず、井出郵政大臣の公衆電気通信法の一部を改正する法律案に対する趣旨の説明がございまして、日本社会党と公明党の質疑がございます。
 以上でございます。
○渡海委員長 それでは、本日の本会議は、午後一時五十分予鈴、午後二時から開会することといたします。
    ―――――――――――――
○渡海委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、来たる三月一日月曜日午後二時から開会することといたします。
 また、次回の委員会は、同日午前十一時理事会、正午から委員会を開会いたします。
    ―――――――――――――
○渡海委員長 この際、新東京国際空港公団成田分室において木原議員が暴行を受けられた事件について、本日、参考人として新東京国際空港公団総裁今井榮文君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
○渡海委員長 それでは、まず、橋本運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。橋本運輸大臣。
○橋本国務大臣 最初に、ただいま議題になりました木原議員さんに対する暴行につきましては、まことに遺憾の意を表します。
 つきましては、これに関連して当日の状況を、公団総裁から報告が参っておりますので、申し上げたいと存じます。
 御承知のように、成田空港は、四十六年度内に供用開始をするためにぜひとも必要でありますので、空港公団では二月一日代執行を千葉県知事にお願いをいたしました。千葉県では代執行を二月二十二日から三月十四日までの三週間にわたって実施することにいたしている次第であります。
 ところが、当日執行中、十五時二十分ごろ、加瀬参議院議員、小川、上野千葉県県会議員の方々が公団正門内に入りまして間もなく、少しおくれまして木原衆議院議員、三ッ松千葉県県会議員の方々が門内に入られようといたしました際、後方に主として黒いヘルメットをかぶった学生の集団がおりまして、警備員が反対派の侵入と誤認して非常ベルを鳴らしましたために、はせつけました公団職員及び警備員が木原、三ッ松両氏を押し返しましたが、その際に、木原議員を警備員がうしろから抱きかかえて押し返し、三ッ松県会議員は鼻のところに傷を受けられました。
 なお、その際、混乱もいたしておりましたので、木原先生等の顔を見知らないために、一般の人と誤って押し出すような措置をいたしたということであります。
 しかしながら、従来代執行にあたりましては、人身事故等のないように、公団に対しましては十分注意をいたしてまいったところでありますが、このような事態が発生いたしましたことはまことに遺憾千万であり、二十五日には重ねて公団総裁を呼びまして、再びこのような事態を起こすことのないように十分に注意するよう、特に国会議員の方々に対して、所用のことがあります場合にはそそうのないように、強くこれらのことを注意いたした次第であります。
 国会議員さんに御迷惑をかけたことは心からおわび申し上げます。
    ―――――――――――――
○渡海委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。勝澤芳雄君。
○勝澤委員 空港公団の総裁にお尋ねをいたしますが、この代執行に対しまして、公団はガードマンをお雇いになっているようでありますが、何のために雇い、そしてそれについては一体どういう教育をしているのかという点について、まず御説明を賜わりたいと思います。
○今井参考人 代執行につきましては、代執行権者は千葉県知事でございまして、空港公団はその業務の委託を受けて、実施班を編成いたしまして、県の執行官と御一緒にそれぞれの地点の代執行を行なうという業務をやっているわけでございまして、私どもは、委託を受けた業務をできるだけ自分らの手で行ないたいという意味におきまして、当時学生等もたくさん入っておりまして、投石その他の危険もございますので、ガードマンに業務遂行が円滑にできるように周辺の警備をしてもらうという意味で仕事をお願いいたしているわけでございます。そういうふうなことで、先ほど大臣からもお話がございましたけれども、木原先先に対して全く私が平素予期もしていなかったような事態を起こしましたことについては、心からおわびを申し上げたいと思います。
○勝澤委員 見さかいもなく暴力をふるっている、こう言われているわけでありますが、ガードマンに対しては統一的にどういう指導をなされているのですか。
○今井参考人 ガードマンは単に一般の人と同じように、いわゆる営業的に業務をやっている警備会社の警備員でございますので、もちろん私どもといたしましては、平素からトラブルを起こさないように、できるだけ公団の分室の警備であるとか、あるいはまた現場に出ましても、公団職員を投石その他から守ることに徹するようにということで指導いたしておりまして、決して積極的に威力をふるうというようなことについては、私どもとしては厳に戒めている次第でございます。
○勝澤委員 積極的に暴力をふるわないようにというお話でございますけれども、この木原さんなり、国会、県会議員の人たちが面会に行った経過を聞いてみますと、何も取り次ぎもせずに、いきなり囲んで暴力をふるったといわれているわけです。公団というのは、面会に行くとガードマンを使ってなぐるける、こういう教育をしているのですか。面会に行ったときの取り扱いですが、公団の用地ですから、公団の職員がいるわけです。面会に行った人は何も言わずに面会をさせよと言っているのではないのですから、面会の取り次ぎをすべきではないですか。そういう点は一体どういうふうにしているのですか。
○今井参考人 おっしゃるとおりでございまして、平素通常の業務の場合に、先生方がお見えになるときには、常に丁重に役員室その他にお通し申し上げていろいろお話をお伺いし、また事情の御説明を申し上げているわけでございまして、当日も実は加瀬先先と県会議員の小川国彦さんはお二人とも先に入られたのでございますが、これは私自身の推測でございますけれども、加瀬先生は千葉県全県選出の参議院議員であられ、よく公団分室にお見えになられて、職員もよくお顔を知っているという間柄でございます。それからまた、小川先生は成田市選出の県会議員でございまして、したがって分室にも始終出入りをしておられますので、皆よく名前を知っているので、そういうふうな点では丁重にお通ししたのではないかと思います。たまたま木原先用については、必ずしも顔なじみがなかったのではないか、その点、私ははなはだ遺憾に思うのであります。それから、県会議員の三ッ松さんにつきましては、私ども名前をこの事件で伺ったというふうなことで、存じ上げなかったわけでございまして、当時の状況からしますと、ちょうど公団分室の正面玄関から道路が非常によく見えるのでありまして、その道路を学生の集団が上がってくるという状況にありましたので、警備員の一人があわててベルを押したということで、中におった者が飛び出してきたということによって混乱の中でトラブルが起こったというふうに考えます。まことに申しわけないことだったと思います。
○勝澤委員 私は顔を知っているからとか、知らないとかいうことで区別すること自体おかしいと思う。面会の申し込みをしたら、受け付ける人は、こういう人が面会に来たということで上司に報告をしてその指示を仰ぐのが当然である。その指示を仰がずに、がむしゃらになぐるけるという暴行をすること自体、ましてや公団の用地で、公団の職員も入っているわけであります。これは明らかに社会党の国会議員や県会議員に対する意図的な暴行事件じゃありませんか。私はそのことを言っている。顔を知っている、知らないという問題ではない。顔を知っているとか知らないとかいう問題よりも、公団が、社会党の県会議員や国会議員が行ったらなぐれと、総裁、命令しているのですか。暴力をふるえと言っているのですか。これは、先ほども運輸大臣言われましたが、一種の興奮状態の中で起こった現象だ、もみ合っておって起こったなら、それは興奮状態でしょう。もみ合っているのではないのですから、堂々ととにかく面会を申し込んで、事態が円満なことにならないだろうか、ガードマンの行動があまりにも行き過ぎているのではないだろうか、こういう話に行っているわけですから。それを取り次がずに、いきなりやるというのだから、顔を知っているとか、知らないとかいうことは問題ではないのです。公団の職員やガードマンに対する監督が不行き届きではありませんか。この点を明確にしていただきたいと思います。
○今井参考人 私が、加瀬先生方は知っておられた、あるいは木原先生についてはなじみの人が少なかったというふうに申し上げたのは、顔を知っているからどう、知らないからどうということではなくて、国会議員の先生方であるという点についてガードマンが認識していなかったということではないかと思うという意味です。
○勝澤委員 認識していないということでなくて、国会議員であるということは明確に申し上げているわけでありますから、あるいは県会議員であるということは明確に申し上げているわけですから、その取り扱いがなっていないと言うのです。いまこれだけ代執行の問題で混乱を起こしているのですけれども、あなたは一体どこにいらっしゃるのですか。
○今井参考人 私は本社におります。
○勝澤委員 これだけ重要な問題が起こっているのに、現地に行って臨機応変に相談に乗るという態勢があって当然じゃありませんか。本社にいて、現地から電話を受けて、ああせよ、こうせよなんて、自分がものを見て判断する場合と、話を聞いて判断する場合と大きな違いがあるじゃないですか。
 運輸大臣にお尋ねいたしますが、私は成田の代執行という問題はたいへんな問題だと思う。いろいろな問題が起きております。しかし、やはり責任者が現地を見る、私はこういうことが一番必要だと思う。監督すべき総裁がいないから、総裁の下の職員がガードマンと一緒になって、何でもいいから来たらぶったたけ、これがまさにこの事件だと思うのです。そしてまた、県会議員や国会議員に対するだけではなくて、がんぜない子供に対してまでこういう扱いをしている、こういう事態は私はゆゆしき問題だと思うのです。公団総裁が本社におって、向こうから報告が来るのを聞いていますなんという事態では私はないと思う。もっと深刻に真剣に、そして人命を尊重する立場からやはり問題を考えなければならぬと思うのですよ。いかがですか。
○橋本国務大臣 ごもっともな御意見でありますが、ただ、総裁といたしましては、中央と連絡すべき重要な任務もありますし、現地には信頼し得る責任者を派遣いたしておりますので、必要に応じてはもちろん総裁も行っているようでありますが、監督上においては十分なる措置をしておったのではないか。ただ、先ほど申しましたように、非常ベルが誤って鳴らされたという一種の興奮状態の中でこのようなことが起きたことは、まことに遺憾であると存じます。
○勝澤委員 その状況の中で起こった現象につきましては、またあとで井野委員から関連して質問さしていただくことにいたしまして、私はいまのやり方を見ていますと、代執行はとにかく、死人が出ようが、あるいはどういう事件が起ころうが、何が何でもやれ、これは私はたいへん重大な問題だと思うのですよ。人間を尊重するという佐藤内閣が何が何でもやってしまえ、こういうことでなくて、私は、やはり人命に損傷を与えるようなおそれがあることははっきりしているわけですから、これは代執行についてこの際やはり十分注意をして、中止をするなり延期をするなりする措置をとるべきだと思うのですが、いかがですか、運輸大臣。
○橋本国務大臣 御承知のように、この代執行に入ります前まで、もう三年半にわたって公団当局及び千葉県当局が熱心にこの問題の解決に努力してまいったのであります。したがって、反対でありました一部の方々も理解をされまして、条件はありましたけれども、これを了承された方もあります。
 ただ、現在残っております代執行の対象になっている方々は、なかなか理解を得られない。しかし、理解を得られないからといって、これであきらめたわけではありませんで、したがって、この代執行の期間につきましても、猶予措置といいますか、三週間という期間を友納知事は置いたわけであります。決して何が何でも、人を殺してもという考えは毛頭ありません。私からも友納知事及び公団総裁に対しましては、人命に損傷のないように万全を期して弾力的にやってもらいたい、かようにお願いをいたしてまいっているわけでありまして、ただ今日これを中止するということは、いわゆる整備計画の大きな支障ともなりますし、かつ御承知のように、昨年におきましては、国内航空――国際航空も同様でございますが、非常にこんでまいりまして、十数便にわたって減便をせざるを得ない。これはことし、また来年、ますます激しくなってまいると思いますので、何といっても、一つだけでも、国際線の一部を早く移したい、それが全体の人命尊重にもつながるのであります。御承知のように、東京の羽田飛行場では、短くて三十分、長いときは一時間も上空を旋回しなければならぬ、こういう状況は一日も早く解消しませんと、全体の事故にもつながるのではないか、そういうことから減便もいたしているというような状況で、何とかして四十六年度中には供用開始にいきたい、しかし、さればといって無理やりに人命がどうのこうのという考えはもちろん毛頭持っておりません。その点は積極的に起きないように慎重に考慮してほしいというような指示をいたしているわけであります。
○勝澤委員 慎重に考慮してほしいと言いながら、現実にはけが人が出ておるではありませんか。現実には死傷者が出るかもしれないといわれておるではありませんか。ましてや、先ほどの公団総裁の説明を聞いてみましても、公団総裁としての十分な管理監督も何もせずに、暴力団まがいのガードマンを使って、公団職員と一緒になって、見さかいなく国会議員や県会議員、特にわが党に対しまして、計画的、意図的な暴行事件が起きておるじゃありませんか。これは重大な問題ですよ。いかがですか、大臣。
○橋本国務大臣 これは先ほど公団総裁からも御説明申し上げましたように、警備員に対しましては、さようなことのないように、私からも、警備員の仕事の範囲があるのであるから警備の目的に沿って人を使うようにということで、慎重を期してまいったのでありますけれども、御承知のような状態のために、興奮状態でかようなことが起きたということは、まことに遺憾千万であると考えております。
○渡海委員長 井野正揮君。
○井野委員 総裁にお尋ねしたいと思うのですが、総裁は、この書面を見ますと、運輸大臣に実情を報告されまして、ただいま御提出をいただいたわけですが、これは衆議院が理解できるに足る十分なる資料として事実関係を十分御調査なさって御提出になったと思っておられますか。
○今井参考人 現地からあらゆる情報を取り寄せまして、私どもとしては、十分確信をもって作成し、提出をいたしたものでございます。
○井野委員 新聞報道によるまでもなく、また新聞の報道を見ましても、木原議員をはがい締めにしている周囲には他の人がおりません。新聞写真をとるとき、ほかの映像は入らないわけでありまして、明確に木原議員であり、単独の職員がはがい締めにしたという行為は、だれが見ても今日推定できるわけであります。したがいまして、私のお尋ねしたいのは、十分われわれは実情を説明するに足る調査をなさったというのであれば、このはがい締めにした職員――しかも、木原議員は「日本社会党衆議院議員」というたすきをかけておられたわけであります。本人がここにおられますが、間違いない事実です。そのガードマンは、採用なさるときに文字も読めないような人間であったのかどうか。そして数十メートル引きずり回しておるわけであります。これも群衆の中ではできない行為であり、一定の広さのある容積の中で行なわれた行為であります。しかも、そのすぐそばには警察の詰め所があり、県の土木部長がそこから顔を出して見ておられたことを木原議員は確認をしておられます。なぐられながら、引きずり回されながら、周囲の状況がすべて確認できる状況の中にあって、はがい締めにしたこのガードマンの氏名がわからないという理由はないと思いますが、この際、明らかにしていただきたいと思います。
○今井参考人 私どもの調査によりますと、はがい締めにいたしました職員――全く私どもとしては不本意でございますが、木原先生に暴行を加えたという暴行者につきましては、現在千葉県警の捜査一課、二課で取り調べをいたしておるという状況でございますが、私自身も、本人の顔も名前も存じ上げておりません。
 お話によりますと、当時、門を締めたそのときに、先生の周囲にはだれもおらなかったというお話でございましたけれども、実は私テレビを拝見いたしたのでございますけれども、あの当時、その門の周辺には相当の人たちがおられたように拝見いたしておるわけでございます。門を締めた責任者は、成田空港警備の当時の班長である宮野という警備員でございます。
 さらにまた、先ほど大臣からちょっとお話がございましたけれども、学生集団が来るということで、あわを食ってベルを鳴らしたガードマンの名前は、やはり成田空港警備の遠藤義明という男でございます。御存じと思いますけれども、これらの人たちの所属する成田空港警備というのは、敷地内の住民の方々で、すでに代替地に移られた農民の人たちがつくっております警備会社でございます。(勝澤委員「はがい締めにしたガードマンの名前を聞いておるんだよ」と呼ぶ)はがい締めにしたガードマンの名前は、私まだ存じておりません。取り調べております。
○井野委員 県警に逮捕されたのか取り調べを受けたのか、どういうことかわかりませんけれども、当時、部署についておった職員は公団ではおわかりになっておると思いますし、これらの責任者の名前は――しかも今日これだけ国内で、また国政上の重要な問題になっておるときに、県警に聞いたらだれだかわかるんじゃないですか。黙秘権でも使っておるという報告でもあるんですか。
○今井参考人 そういう報告は受けておりません。
○井野委員 それではふまじめじゃありませんか。顔も知りませんので犯した行為でございます、まことに申しわけありませんと言っていますが、顔を知らなかったか知っておったのか、やった人間を確かめないでどうしてわかるんですか。
○今井参考人 ことばが足りなくてまことに申しわけありませんけれども、当時その周辺におった職員なり、あるいはまた分室の責任者である私どもの職員からいろいろ事情を聞いた上でお答え申し上げたわけでございます。
○井野委員 そうすると総裁、あなたは伝え聞きでこの報告を出されたんですか。あなたは、責任者として国会に出される、あるいは運輸大臣に出される報告については、その最高の責任者なんです。したがって、あなたは、どういう事情であったかということは、それぞれの部署の責任者から誤りない事実を確認して報告さるべきだと思う。ところが、これは適当な報告書だということになりますが、それでいいんですか。
○今井参考人 これは、それぞれの職務に従いまして、総務担当理事から、現場の公団の総指揮者である石原理事あるいはまたそれに付帯する補助者等からいろいろ資料を取り寄せまして、私どものほうの総務部のほうで作成をいたして私のところに持ってまいったということでありまして、私自身が直接そういうものをつくるということではなかったわけでございます。
○井野委員 そうすると総裁、これはきわめて単純なことのお尋ねで恐縮でございますが、あなたは、職務的に職制から積み上げてきた書類であるから総裁として形式的に決裁をして出したものであって、その内容の真実性については承知していない、こう理解していいんですか。
○今井参考人 おことばを返すようでまことに申しわけありませんけれども、普通いろいろな文書を決裁する場合には、当然組織によって上がってきたものについて、その真否その他を十分確かめた上で決裁をいたしておるわけでございまして、その際、これは間違いないか、このとおりでございますということを信じて私どもとしては処理せざるを得ないというのが実情であります。
○井野委員 これは真夜中のできごとでもありませんし、しかも後方に黒い集団があったとおっしゃられるけれども、私はまだ現場へ行ったことがないからわかりませんが、門の外に道路があって、その道路の向こう側に群衆がおったといいますから、距離にして三十メートル、門に入った後に門を締めたことは、この報告書にも確認をされておりますから、群衆との間は隔絶されていることがこの報告によっても明らかであります。そうして門から玄関まで三十メートルで、この間には人はおらぬわけであります。したがって、木原議員はたすきをかけたままはがい締めにあって、数十メートルぐるぐる引きずり回されたわけであります。そうして足腰も立たないまでなぐられたわけであります。これは写真を見ても、はがれておりますから中にバッジがついていることも見えるわけであります。おそらく木原さんは失心しておりませんから、おれは木原だということを言っているはずであります。このような事情をなぜあなたは確認することができないのですか。あなたは、責任者としてこの文書を出すからには、ほんとうに木原さんということがなぜわからなかったか、帽子はかぶっていたのかいなかったのか、たすきはかけておったのか、竹やりを持っておったのか、それともなぐりかかったのか、常識的に当然書かなければならない問題だと思うのです。しかも相手が衆議院議員木原実だということは、この報告書を出されるときには、あなたは承知して出されたわけであります。それであなたは公団総裁の任にたえ、権威ある国会に出す報告としてその職務を執行しているとお考えになりますか。
○今井参考人 報告書といたしましては、私が御提出申し上げたことは確信をもって御報告申し上げたのでございまして、当時の混乱した状況下において、私どもの職員並びにガードマン等につきましても若干エキサイトしておった面があったろうと思うのでございまして、現地の人たちの話を総合いたしますと、当時、木原先生は、公団正門を入られた際には、ジャンパーの上にバッジをつけておられたかどうかという点は、はっきり認識いたしておりません。ただ、赤いたすきをかけておられたことだけは確認しております。
○井野委員 赤いたすきは、選挙のときのような広いたすきであります。文字は近眼鏡や老眼鏡をかけなくても見えるように表示してあります。国会議員という字は、義務教育を終わった者なら読めます。そうして木原さんの声は小さい声ではありません。私より大きいのです。聞こえるはずであります。しかも、相当の長い時間引きずり回しておったんですよ。この状況は報告されておりますかされておりませんか。木原さん自身が県の土木部長の顔を確認し、警察詰め所の部長の顔も確認をし、戸をあけて見て、また戸を締めたという状況も知っておられるわけであります。
 かつ、木原先生についてはこうでありますが、同行しました県会議員は、いまはもう休まなければならないほど顔をなぐられております。この人は外被を着ておりませんから、上着に県会議員のバッジをつけております。これを知らないような職員はおらないと思います。いずれも社会党の衆議院議員であり、参議院議員であり、また県会議員であるということは十分御承知いただいていると思うのであります。先ほど説明を聞いておりますと、加瀬先生の場合は、たびたびおいでになって御協力の話があったので理解をしたのでことなく通したんだろう、木原先生は顔を知らぬからだろうというあの説明は、あなた、本気でそんなことをおっしゃっておるんですか。
 私どもがここでこうして聞いておりますのは、国の秩序の上で、しかも、国政と、国民の輿望をになって重責を負っている国会議員の職務遂行の上にきわめて重要な問題だと考えて私はお尋ねをしておるんです。かつて日比谷公会堂で、池田総理の前で私どもの委員長は刺殺されました。そういうようなことがあってはたいへんだと考えてお尋ねをしておるわけであります。今日、成田空港を完成するのかどうかについても、ここでいろいろ不規則発言はございますけれども、何とか事態をおさめたいという気持ちは国民の多くの願いだと私は思うんです。木原先生は、私の承知している限りでは、私どもの運輸部会でもいろいろ御要請に来られて、国対においてもこの問題の収拾についていろいろ意見を述べ、また、みずから進んで行かれたことは私どもよく知っております。その木原先生が、あなたの職員によって、あなたの職員の宮野君ですか――宮野君だろうと思います。この現場責任者で、ベルを鳴らし、木原だ、あいつをやれ、こういうことを指揮したのが宮野君だろうというふうに私は理解いたします。そうしてこの暴力集団の指導者が遠藤さんだということであるとすれば、はがい締めにしたのは、もう三人でもおわかりになるはずだと思いますが、どうしてわからないのですか。
○今井参考人 これは、私も写真ではっきりそういう記事を見ておりますので、おそらく調べればすぐわかることではないかと思います。なお、警察のほうが先ほど申し上げましたように捜査をいたしておるという段階であります。私自身、先ほど先生のおっしゃるように、木原先生も長い間地元の関係で御指導いただいておるために、先生に対してこのような事態が起こったことはほんとうに心からおわび申し上げる次第でございます。
○井野委員 これはまたたいへんなことを聞くんですね。調べればすぐわかるのだとあなたはいまおっしゃった。わからないと報告をしておるじゃありませんか。委員長、私は真実を報告しようとしない不誠意な報告に基づいてこれ以上お尋ねしてもしかたがないと思います。しかしながら、先ほども申し上げましたように、国の秩序保持の上において、立法府の国会議員がこういう暴行を国の職員に準ずる職員に、しかも国の施設に準ずる場所において、しかも白昼堂々と警察官の前でこういう行為を受けているのに警察官は何の制止もしない。しかも、ここに出された報告書は虚偽の報告書だと認定せざるを得ない。したがって、質問はこれで打ち切りますけれども、しかるべき場所において徹底的に究明しなければ国の秩序保持ができないということを痛感するものであります。
 以上で私の質問を終わります。
○今井参考人 私のことばが足りなかった点、あるいはまた報告でその名前について触れてなかった点についておわびをいたしますが、私のほうで調べたところでは、先生をはがい締めにした警備員は宮野という警備員でございます。
○渡海委員長 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 いまの問題に関連をしまして、あとで調査の足らざる点の御報告がまた追加されることになるだろうと思いますけれども、その際に、以下申し上げることも一緒にこの調査の中に入れていただきたい。
 総裁、きのうの午後の段階の警官の出動は、総裁が要請されたんですか。
○今井参考人 私どもは要請いたしておりません。これは県警本部長が警備隊の出動について声明を出しておられますが、警察独自の判断で行なったというふうに言っておられます。
○楢崎委員 以下申し上げることは、運輸大臣並びに総裁に結果的には責任がかかってくる問題であろうと思いますから御調査をいただきたいのですが、昨日の午後、推定時間は四時前後でありますが、警察によって新型催涙ガスが使われた形跡があります。これは二十三日の予算第三分科会におきまして、厚生省担当の時間でありますが、現在警察が持っているCN、これはクロルアセトフェノンといい、それからさらにCS、これはオルトクロロベンジリデンマロノニトリルといいますが、そのときの質問で、CSを警察が持っていることが判明いたしました。われわれの計算によれば、CSのほうが毒性が強い。CNのほうは、かつてベトナム戦争で米軍によって使われ、いわゆる穴の中にそれを使ったために、その効果を確かめるために穴に入っていきました七人のオーストラリア兵中一名が死亡し、六名は負傷して入院しておる。この七名は、おのおの毒ガスマスクをつけて入ったのであります。しかも、その一名が死亡しております。つまり、このCNという催涙ガスは、状況いかんによっては死亡に至らしめる性能を持っているガスであります。
 それで、第三分科会において、いまの成田の状況から見れば、穴が掘ってあって、人が入っている、その状況下でCNが使われれば死人が出る可能性があります。物理的な圧力を加えなくても、そのガスによって死人が出る可能性があるわけであります。したがって、このガスは一切使わないという約束をしたわけであります。ところが、昨日の四時前後、新型の催涙ガスが使われた疑いがある。それは約十名が負傷し、うら二名が呼吸困難におちいって医療所で酸素吸入を受けております。なお、あと三、四名の人が、例によってまぶたに赤い水ぶくれができた。これは国会で何回もやりましたが、水ぶくれが最初できるわけであります。そうしてそのあとがケロイド状になるわけです。そのときの状況は、新聞記者の話によれば、ポリエチレンの袋に液を入れておいて、それが使われている可能性がある。しかも、それは大衆の前から警官が遮断をして取り囲んだ状況のもとで行なわれた可能性がある。しかも、その後警察は記者会見をやって、あそこに来ているいわゆる動員者側のほうから刺激的な何かが使われていると警察のほうから言っております。私の推定するところでは、この新型の催涙液を実験したと思われるわけです。そして、あとで問題が起こったらいけませんから、そのあとにおいて警察はわざわざ記者会見をして、動員者側から何か刺激的な液体を使った可能性がある、使わないようにしてもらいたいということをマイクでも呼びかけたそうであります。これはどういう状況であったか、あわせてひとつ御報告をいただきたい。でないと、たいへんなことが起きれば結果的には運輸大臣あるいは総裁の責任になってきます。それを知っておりながら黙認しておれば、たとえ総裁のほうから警察に要請がない場合でも、結果的には責任を負わなければならぬということになりますから、これは調査の結果をひとつ御報告いただきたい。
 以上であります。
○今井参考人 楢崎先生のおっしゃったような事実はないと私は信じますけれども、その点警察当局のほうによく伺ってみたいと思います。
○渡海委員長 広沢直樹君。
○広沢委員 この問題については、いままでの質疑を聞いておりましても、あるいは新聞報道を見ましても、偶発的に起こったというより、この問題に取り組んでいく基本的姿勢に問題があるのではないか、この点を二、三ただしておきたいと思うわけです。特に空港建設については、いま始まったばかりでありまして、今後二度とこういう問題を起こしてはならない、こういう観点から二、三聞いておきたいと思います。
 まず、運輸大臣にお伺いをいたしますけれども、土地収用法の事業認可を行なった時点において、こういう問題が起こってくるということを予想されたかどうか、あるいは反対が強かったということは事前によくわかっておったわけでありますから、それに対して、どういう具体的な処置を指示なさったのか。ただ認可だけをして、あとはそちらまかせでいい、こういうことではいけないと思う。その点について、大臣から御答弁願いたいと思います。
○橋本国務大臣 事業認定をいたしました際におきましても、一部の反対者がもちろん残るであろうし、また強く反対されることも予想はされておりましたが、しかし短兵急に事を運ぶのではなく、できるだけこれは話し合いで処理ができるように並行してやっていきたい。これは、事業認定は、法律上は建設大臣でありますけれども、建設大臣としましても、もちろん運輸省の仕事をやってもらうのですから、私のほうとしては、そういうようなことについて、なかなか反対の強いことは考えてはおりましたが、しかし短兵急に、あした、あさって、ばたばたやるというような考え方ではなく、できるだけ一方において話し合いを進めてもらいたい。したがって、補償等につきましても最善の道を尽くしましょう、今後においても、それらにつきましては努力をいたしましょう、こういうことで県知事や空港公団総裁にもいろいろとそういう指示をしてまいったのであります。しかし、反対者の方々が、この土地はどうしても離れないんだということで、説得がなかなかむずかしいという状態で今日に至っておるわけであります。
○広沢委員 今後もこういうことが起こらないとは限らない。相当反対も強いわけです。知事においては、昨今、一時これは中止して話し合いを進めるべきじゃないかという新聞報道もなされております。直接会って聞いたわけではありませんけれども、そういう意向のようであります。したがって、人身事故を起こしてはならない。これはもう当然のことでありまして、平和的解決に対して具体的にどういう指示をなさったか、その点についてもう一度お答え願いたい。
○橋本国務大臣 代執行を進めるにあたっては、先ほど申し上げましたように、人身の事故が起きないように、またその間においても話し合いの道を見つけるように、そうして必要があれば相談をしてもらいたいということはお願いをいたし、また代執行をやる前に、知事さんと私の間に、総裁も含めまして、十分それらの問題を含めて相談をいたしたわけであります。したがって、これは、もちろん代執行は知事さんにお願いするわけでありますからして、その後のしかたは、何といっても反対者の気持ちその他はやはり現地の知事さんのほうが一番詳しいのでありますから、したがって知事さんに一任をしてやってまいりましたが、その間におきましても、総裁を通じてできるだけ話し合いの余地をさがしながら解決してほしい、代執行をスムーズにやってもらいたい、こういうような話をいたしでまいったのであります。
 これは、この問題に直接関係はありませんが、ただいま現地からの連絡によりますと、千葉県知事におきましては、本日十三時といいますから午後一時でありますが、ただいまの時点で、本日の代執行はやめにしたという連絡が入りました。もちろん知事さんとしては、三週間の代執行の期間におきましても、できるだけ関係者と何とか話し合いの機会をつかもうという努力はされると存じております。
○広沢委員 今度は基本的なことについて公団の総裁にお伺いしますが、そういうことを想定されたのでガードマンを雇われたのではないかと想像するわけですね。その場合、先ほど勝澤理事のほうから、ガードマンの教育についてお話がありました。すでに機動隊も入って反対派に対するいろいろな排除をやっておるようでありますけれども、この事件は、御存じのように、ガードマンのそういう不手ぎわで起こっておるということを、あなたおっしゃっておられたわけですけれども、当然そういうふうな反対があるし、代執行を進めていこうとするならば、何らかそういう一つの衝突とか接触があるのではないか、こういうことを考えたのでガードマンを雇われたと思うのですけれども、そのガードマンに対する教育あるいは指導、指示というものをもっと具体的に真剣にやるべきじゃないか、機動隊にすれば、それぞれの訓練を受けているわけです。したがって、そういう事故ということも過去には聞いたことがありますけれども、具体的にはこの事件では聞いておりません。しかし、訓練を受けていないガードマンを相当多数雇用して、急遽これにそういう対決の先端に立たせるにあたっては、公団の総裁、最高責任者として、人身事故を起こしちゃならぬ、具体的な平和的話し合いを進めて解決していかなければならぬという姿勢を貫いておるならば、十分なる指導、指示があってしかるべきだ。この責任について、あなたはどういう具体的な指示をなさったのか、そしてどういう訓練をなさったのか、そのことについての具体的な報告を受けておるのか。あるいは今後まだ相当強い反対もあるわけでありまして、それに対して、どういうふうに対処されようとしているのか、この点についてお伺いをしたい。
○今井参考人 おっしゃるとおりでございまして、先ほど大臣から申されましたように、私自身、木原先生の事件が起こりました直後、直らに呼ばれまして、いかなる事態になろうとも、公団職員は絶対に実力行使に類するようなことをやってはならぬというきつい御指示をいただいたのでございます。私は、直ちにこれを現地の責任者に伝達いたしまして、具体的には、警備員は、投石その他を防ぐためにたてを持つ程度はやむを得ないかもわかりませんが、絶対に警棒に類するものは自今持たしてはならぬということを強く言い渡したのでございます。
 それから、なお先般の事件にかんがみまして、今後絶対にこういうふうな事態は起こさないように、それからまた、代執行につきましては、大臣からもお話がございましたように、まず人身事故を起こさない。人命が一番大切であるという基本理念に徹して、できるだけ時間をかけてやるという線で現在この指導をいたしております。
○広沢委員 今後こういう人身的な事故が起こるというような緊迫した情勢になった場合、代執行を中止される考えがあるかどうか、そして話し合いを十分進めていく考えがあるかどうか、最後に一点お伺いしておきたいと思います。
○橋本国務大臣 原則としましては、先ほど申しましたように、成田空港の第一期工事は、なるべく四十六年度中には供用開始に至らないと、全体の航空事故にもつながるような管理状態でありますので、したがって、少なくとも第一期工事は何とか四十六年度中には供用開始をしたい、こう考えております。ただいまやっております代執行も、その意味において将来ともに代執行をやらない、こういうわけにはまいるまいと思います。
 ただ、もちろんこういう人心といいましょうか、興奮状態にありますものを、そのまま続けていくことは好ましくないと存じますが、ただいまま、はっきりした報告ではありませんけれども、何か千葉県知事が十二時過ぎに新聞に発表をして、きょう一時に、きょうのやつをやめたと同時に、明日も明後日も代執行は中止するというような意味のことを発表されたという――これははっきりした情報ではありませんけれども、そのような連絡がありましたが、その間、おそらく知事及び公団当局にしましても、できるだけ話し合いの機会をつかもうという努力はせられると私は思います。そういうようなことによって、もし話し合いができれば、これにこしたことはないと存じますので、積極的に総裁にも、何とか話し合いの機会をつかむようにという話はいたしております。
○渡海委員長 中嶋英夫君。
○中嶋(英)委員 いまガードマンのお話が出ましたが、まだいろいろ委員の方の御発言があるのでで、多くの方の御意見の中で問題が明らかにされるだろうと思いますが、いままでの話を聞いて、特にガードマンの問題について非常に重大なことがあると思うのです。
 そこで今井総裁に伺っておきますが、これは人おのおの、いつも心は明るくなごやかでいたいものです。しかし、ある環境、ある条件の中で、特にどす黒い心境や、あるいは悲惨な心境になるものです。私は、この写真を見ておって、木原さんを振り回したガードマンの心の中はどす黒いものであったと思います。私はまた、このガードマンの心情もあわれむ気持ちです。なぜならば、成田空港警備株式会社というものをつくり、そのガードマンの採用について、現地では賛成派、反対派があって、長年にわたって同じ地域社会に住み、同じ職業に従事しておつで、考えが違うから二つの派に分かれた、このこと自身が非常に不幸で悲劇的なことです。その一方の賛成派の者を採用しておるということです。この考え方が、まず大きな間違いです。私は、今度の事故は不測の事故とは思わぬ。ここにもう問題が根ざしておる。あなたは、職員には注意をすると言いますけれども、最近においてはいろいろな形で、たとえば、エレベーターガールはある会社というように別会社で採用する。清掃もそうです、警備もそうです。いわゆる企業の合理化、また採算上からそういう形でいくのです。これは一つの職員と思って考えなければならぬ。その会社を設立して、そこに賛成派の、同じ地域に住んでおって、たまたま今度の問題で意見が違って相克を起こしている人々を採用するということは、極端に言うならば、その反発を利用しようといろ意図があったとしか思えない。しかも、こういう警備会社というものについても、最近の流行ですが、私はいろいろな問題があると思うので慎重でなければならぬと思う。むしろ、なるたけ逆手にとるようなものをあなたは認めておった。したがって、これは不測の事故ではない。今後も起こり得る、こう考えざるを得ないと思う。この一点について、あなたは反省がありますか。
○今井参考人 成田空港警備につきまして、私どもが何か反対派に対する条件派というふうなものを何らかの意図で利用するというようなことは毛頭ございませんので、その点だけははっきり申し上げます。
 実は、私どもは空港警備の問題だけではなしに、空港位置決定当時の閣議の決定事項の中でも、空港においてやり得る仕事は、できるだけ地元に開放するという事項が書かれておりまして、単に成田空港警備のみではなく、食堂関係であるとか、あるいはまた公団の清掃関係であるとか、あるいはまたガソリンスタンドの関係であるとか、当時農業をやっておられて新しい代替地へ移られた方々が、それぞれたくさんの会社をつくっておられるわけでございます。
 成田空港警備も、私どもはそういう意図のもとで使っておるのではなくて、たくさんの人たちが同時にできる仕事、しかも空港ができ上がった後に空港の保安関係の仕事を担当していただくという意味で、私どもはでぎるだけ成田空港警備の方にもお願いいたしておるわけでございますけれども、現在、成田で雇っておる警備会社というのは、成田空港警備以外にも二、三社あるわけでございますが、空港ができ上がりましたならば、実はこれらの人たちによって空港の保安関係のお仕事をお願いするつもりでやっておるわけでございまして、この会社ができましてから、すでにもう数年になりますけれども、私どもの仕事をやっていただくことによって、できるだけ会社の経営にもプラスにしようということで努力をいたしておるわけでございます。
 そういう意味では、先生のおっしゃるように、かえってむしろマイナス面が出てくるわけでございます。かといって、それではせっかく仕事をしたいというのを、おまえのところは雇わないというふうに私どもが申すわけにもまいりません。その点、十分運用につきましては御趣旨を体してやりたいと思いますけれども、私どもとしては、そのような純粋な気持ちでその会社に対しておるわけでございます。
○中嶋(英)委員 私は、反省があるかないかと聞いたのです。就職の機会を与えることはいいでしょう。ただ、これも見ようによると、就職の機会を与えますよ、こういうめんどうを見ますよ。ことばをかえれば、甘言を弄して、甘い条件を出して了解してもらったということにもなる。しかし、これは言いません。就職の機会は自由ですし、選択の自由はありますから、採用するのも、それはけっこうでしょう。ただ、配慮をするとすれば、同じ地域で賛成、反対と分かれて対立抗争があった人々にたてや警棒を持たして、この場合このときに、現地において使うことがいいか悪いかの配慮があったのかなかったのか、今後も、これがいいとなれば、あなたまた、この人々をやらせるのですよ。そのときに双方の気持らが暗いじゃないですか。そのことに気がつかないのかと言っておるのですよ。そのことだけですよ、聞きたいのは。
○今井参考人 その点につきましては、成田空港警備の幹部とも十分話し合いまして、今後成田空港警備の方々の配置につきましては、十分考慮いたしたいと思います。
○渡海委員長 塚本三郎君。
○塚本委員 私は、話のやりとりを聞いておりまして、総裁の御答弁は、きわめて事態の認識を欠いておるのではないかと、たいへん残念に思っております。やはり国会議員がこういう事態になったということですから、そういうことをしたのはだれかということは、最初から明確にして、事態をあるがままに報告をなさって、そしてその善後策について所信を述べられるということが必要ではなかったかと思うのでございます。それを、何か逃げたような御答弁をなさるものですから、私ども聞いておって、たいへん残念だと思います。
 それから運輸大臣にお尋ねいたしますが、この問題は、ひとり政府の行政執行と地主の土地に対する執着からの対立だけではなくなっております。実は学生がここに入り、あるいは守るために子供まで前面に出てきていると新聞は報道いたしております。一方、政府のほうは、ガードマンまで雇って強行実施させようというようなかまえでございます。したがいまして、このまま放置をいたしますると、多くの委員が発言をせられたように、さらに事態は深刻になってくると予想せられております。
 一方におきまして、政府の立場から私ども検討いたしますると、空港建設を放置いたしますると、これまた航空事故による深刻な事態が日を追うて迫ってくるようなことも予測せられております。したがって、この両方の緊迫した情勢を私どもが察知いたしまするときに、世間の声としては、一体政治家は何をしておるんだ、あるいは政党は何をしておるんだ、当事者たちだけにまかせていいものであろうかというふうな声が、すでにわれわれ政治家の耳に入ってきております。したがって、行政は当然政府の権限ではございましょうけれども、幸い国民の代表として、各層が国会議員としてここに出てきておりますので、政府は、あらためて今日の計画を一時中止をするなり何らかの形をとって、そうしてわれわれ国会議員が現地をあるがままに調査をして、そうして何らか具体的に国会に対して解決のために相談を持ちかけられる御意思はないかどうか。政府の責任だからといって強行することなく、事態を一時中止をして、そうして国会にこの問題解決のために相談を大臣として持ちかけられる御意思はないか、これだけお伺いしておきたいと思います。
○橋本国務大臣 たいへん好意ある御意見でありますが、ただ政府といたしましては、決して強行してけが人が出てもいいというような考え方で代執行をやってもらっておるわけではありませんで、今後ももちろん慎重に処理をしてまいりたいと思います。同時にまた、できるだけ話し合いの機会――ただ残念ながら、今日まで幾たびか、何十回か試みても話し合いの機会がつかめない、かような状態でまことに残念でありますが、今後も話し合いの機会はつかんでまいりたい。
 ただ、この際、代執行を中止してというお話でございますが、先ほど申しましたように、そのような期間がありません。その意味において、いま直ちに中止するということもどうかと考えますが、とにかく弾力的な考え方でこれを措置していくようにということは、公団総裁にも話をしているわけであります。
○塚本委員 かえってこのまま継続するほうが時間がかかるのではないか。やはりもっと忌憚なく話し合って、そうしてわれわれももう少し関心を深めて、解決の方法はないかということを検討していく必要があるという責任を、この事件を通じて痛感いたしました。したがって、この計画をそのまま実施するよりも、いろいろな方法があるのではないかということで――ともかく、空港建設は必要であることは各党ともに認めておると思うのです。したがいまして、もう一歩、ここで撤回せよとかどうこうよりも、一時中止をして、各党がもう少し円満に――必要性は理解しておるのですから、やはり忌憚なく国会に相談をなさって、政府の責任の事項ではありましょうけれども、このまま押すよりも、一歩下がって検討なさって、円満に進めるという方法はきっとあると私は思うのです。したがって、そういうふうに柔軟な態度で御相談いただくほうが、結果としては早く実現できるのではないだろうかというふうに判断をいたしまするので、もう一度その点、考え方を柔軟にとっていただいたらどうでしょうか。
○橋本国務大臣 空港の計、画を変更することはもちろんこれは不可能でありますが、ただ第二期工事の進め方については、私も、総裁にもまた知事にも、弾力的に考えていってはどうだろうか、一応第一期工事ができますれば、一本の長い滑走路ができますので、とりあえず国際線を一部入れることができますから、したがってこのほうができれば、第二期工事のほうはやめるわけではありませんけれども、たとえそれが延びましても、まあまあ何とかがまんができる、こういうことで処理をいたしておりますが、ただ、いま御意見がありましたけれども、じんぜんとして話し合いの機会を待っておったのでは、先ほど申しましたように、空港の状況がとうていこれを許さない状態でありますので、代執行のような行政事務は、形式上からいえば、もちろんこれは政府のやるべきことでありますけれども、おっしゃるように皆さんの間できちっとおきめ願えれば、これも一つの方法かと思いますけれども、見通しがつかずして、ただ代執行をじんぜんとやめるということになりますと、これも問題があると思います。しかし、今後代執行を進める上においても、皆さんからいい知恵があれば私は喜んで、お話によっては皆さんの御意見を十分に取り入れることができると思いますけれども、ただ漫然と代執行をここでやめるというわけにもまいるまい、かように考えております。
○塚本委員 もちろんそうだと思うのです。だから、その点大臣も、与党の自民党というりっぱな政党がおありになるのですから、それから超党派的に、国家的必要性があるのだから具体的に何とかすべきではないかという呼びかけをしていただきましてやっていただくということが、事態を解決する一つの重要な方法ではなかろうか。今国会におきましては、政党間におきまして一致して事態を解決できるような問題等も一、二あったようでございます。したがって、やはりそちらから具体的に、早急に話し合いを求めるようなことをなさることを私は期待いたしております。
○渡海委員長 浜田幸一君。
○浜田委員 私は運輸大臣にお伺いをいたします。
 木原先生の事件が起こった時点で、実は警察官がたいへんけがをしておるということを聞いておりますが、大体何名ぐらいけがをされておられるのか。その数字と、同時に、それらの警察官の現在置かれておる立場、そのことについて、運輸大臣としてはどのような処理をされようとしておるのか、まず第一にお伺いいたします。
○塚本委員 ちょっと、私のさっき言った最後のことについて大臣から答えられて、それから……。
○渡海委員長 ただいまの塚本委員の発言とあわせてお答え願います。
○橋本国務大臣 御好意はありがたいと思いますが、先ほど申し上げました方針をやってまいりたい、かように考えます。ただし、皆さんから、こういうことはどうだということがありますれば、それはそれとして別個に考えていきたい。
 それから、ただいまの浜田さんの、事件の内容については私よりは総裁のほうが詳しいと思いますから……。
○浜田委員 いま質問の不備がありましたが、現場の警察官とガードマンと、それから職員、それらの人間がどの程度けがをしておるのか。その数と現在の保護状況、そういうものについてお伺いをしたい。
○今井参考人 けが人でございますが、二十二日には、警官一名が負傷いたしております。二十三日には、警官二名、公団職員二名、ガードマン二名、計六名でございます。二十四日には、公団職員一名、ガードマン五名でございます。二十五日こは……。
○渡海委員長 今井総裁、いま浜田君の質問の木原議員の事件の起きた時点、それで答弁願います。
○今井参考人 二十四日は、公団職員一名、ガードマン五名でございます。
○浜田委員 私の質問は、木原先生の事件のあった日にということであります。これは当然関連して起こってきた問題でありますので、その点については、委員長において御配慮を賜わってお許しを願いたいと思います。
 そこで、私は関連してお伺いしますが、この人たちは農民の手によってけがをさせられたのですか、それとも他の何者の手によってけがをさせられたのか、お伺いします。
○今井参考人 支援に来た学生の投石等が主であると思います。
○浜田委員 大体その学生の数はどのくらいだったのでしょうか。
○今井参考人 日によって違いますが、九百名から千五百名内外でございます。
○浜田委員 その学生諸君の目的について、公団総裁ははっきり御理解をされておりますか。たとえば、国が決定した代執行に対して、どのような態度で二十二日から今日に至るまで行動されたのか。その目的が何であるかを正しく理解しておったら、ひとつ御説明をいただきたいと思う。
○今井参考人 私どもは直接聞いておるわけではございませんけれども、駅その他で配布しておりますビラ等によりますと、三里塚を自分たちの闘争の拠点にするというふうな趣旨のビラもまいております。
○渡海委員長 浜田君に御注意申し上げますが、本委員会は、国会議員の身分の問題に限定いたしましてやっておりますので、その質問をお願いいたします。
○浜田委員 議事進行上委員長に御忠告申し上げますが、先ほど井野委員の発言の中で、国の代執行のあり方について、すでに委員長の注意された以上の発言をなさっております。そうであるとすれば、これは当然議院運営委員長としての職責を全うすることにならないと私は思います。その注意は、私は議院運営委員として絶対に受けるわけにまいりません。このことについては、私は委員長に対して強く抗議を申し上げておきます。
 私は、続いて質問をさせていただきます。問題は核心にだけ触れておりますので、しばらくの間お許しをいただきます。
 その数をいま教えていただいたわけでありますが、その人たちは、聞くところによると、竹やりを持っていたり農薬を散布したり、たまたま栖崎先生の発言の中にも警察官がそういう行為があったということを言っておりますが、実際にその人たちは、国の代執行を中止させる前提としてそういう武器を用意して千葉県に押しかけてまいったのですか、その点はっきり御答弁願いたい。
○今井参考人 農薬を持っておられるかどうか私は聞いておりませんが、竹やりに類するものは持っておるようでございます。というのは、昨日も、竹やり、角材等については、五百点内外の品物を警察が押収いたしております。
○浜田委員 それでは、それらの人たちは、国の決定した代執行に対して、集団暴力をもって阻止しようとする集団であることには間違いありませんか。この点についてお伺いします。
○今井参考人 そういう点について私からお答えするのはどうかと思うのでありますけれども、いずれにしても、そういう武器によっていろいろ妨害し、あるいはまた投石をいたしておるという事実はございます。
○浜田委員 私は総裁にお伺いしますが、もしその人たちが、国の代執行、すなわち、公団総裁のやろうとしておることを妨害する意思はないとしたら、あなたは何のためにガードマンをお雇いになったのですか。その理由についてお伺いをいたします。
○今井参考人 妨害いたしておらないということを申し上げたのではありませんで、竹やりその他による襲撃的行動あるいはまた投石というふうなことは、これは私どもの作業にとっては妨害になっておるわけでございます。
○浜田委員 それでは、これから先はきらんと御答弁いただきたいと思いますが、実は本論に入るわけでありますけれども、木原先生が被害を受けた日は二十四日と聞いております。その日には、木原先生は、正式に公団総裁の手元に面接をしたい、あるいは公団責任者に面接をしたいということを社会党名をもって要求をされたのですか。
○今井参考人 私は現場に居合わせなかったのでつまびらかにいたしませんが、社会党名をもって面会をされたかどうか、その点はっきりいたしておりません。
○浜田委員 私はこの問題についてはこれ以上触れませんが、当然、国会の権威を守るためにも、私は木原先生に暴行を加えたそれらの者については厳罰に処すべきだと思います。しかし、それらの人たちに一言の弁護がされないことを私は遺憾に思います。
 二十二日以来、日本国家を騒然とさせた空港問題が起こっておる。その血なまぐさい現状の中で、警察官もガードマンも、暴徒による暴力行為によってけが人が出ておる時点で発生した事件を、たとえ私自身が国会議員でありましょうとも、私は一方的にだけこれを認めるわけにまいりません。このことについては、われわれ千葉県三百二十万人の中で、いままでの間に――一日の闘争ではないのです、われわれは何百日も日本国家の行政に対し、政治の基本に対し協力しよう、友納知事以下すべての者が努力してまいりました。私は、この問題は徹底的に委員長名をもって究明をしていただくことに賛意を表します。同時に、暴行を受けられた木原さんほか県会議員の方にまことに申しわけない。私は自由民主党の一員としてこの席から謝罪をいたします。
 しかし、国家がきめた代執行の大前提をこの中で議論をし、そのこと自体が誤りであるという議論には一委員として納得するわけにまいりません。そういうものを含め、私は国会において、国家の存在価値と国家のこれらの問題に対する態度をもっともっと明確にしながら、この問題を決定をせられたい。このことをお願い申し上げまして、終わります。
○渡海委員長 山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 具体的なことを一、二点お伺いしたいと思いますが、実は私、今国会の予算委員会でガードマンのことを問題にいたしました。そういう点からちょっとお尋ねしたいと思うのですが、ガードマンの方々が持っておられます警棒は、警察官が持っておられます警棒と全く同じだと聞いておるのですが、その長さ、重さ、材質等どうでございますか。たてについてもどのような状態でありますか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○今井参考人 かつて、私も一警備会社の警棒は拝見をいたしたことはございますが、警官の持っておるものよりはやや小型であって、大きさは十センチか十五センチ短いと思いますが、それから少し長くなるようなのは見たことはございます。しかし、成田での警備会社は三社ないし四社が入っておりまして、それぞれがどういうふうな警棒に類するものを持っておるか、実は実物を私は見ておりません。しかし、いずれにしても、警棒に類するもの、これは警察官が持っておるものとは違うと思いますが、持っておるということは伺っております。
○山口(鶴)委員 あとで、現に持っております警棒がどういうものであるか、具体的にひとつ御報告をいただきたいと思います。
 総裁、御案内だと思いますけれども、警察官が警棒を使います場合、警棒、けん銃等使用規定という規定がありまして、使用のしかたに制限があるわけであります。肩の上以上に持ち上げて使うという場合は、武器の使用ということになるわけですね。したがいまして、少なくとも警備会社については法的な規制がありませんけれども、人に危害を加えるということになれば傷害罪が適用になるわけですけれども、しかし、警察官の警棒使用についても制約がある以上、警察官と同様な警棒を持たせて、そして武器の使用に類する行為が堂々行なわれるということについては、私は公団総裁として十分注意をいただきたい。そのことをお答えをいただきたい。
 それからさらに、県会議員の方が相当被害を受けたようでありますが、外国では、ガードマンに対しましては、損害を起こした場合の補償を法律的にきめております。日本にはそういうものがございません。聞くところによりますと、成田空港警備会社というのが公団からこの警備を受けまして、あと二、三の下請があるそうであります。宮野さんという方は一体どこの警備会社の身分でございますか。また現在、法的にその補償制度がない日本の状況におきまして、被害を受けた方々の補償というものについては、一体公団はどうお考えでありますか、その点をお答えをいただきたいと思います。
○今井参考人 警棒につきましては全くおっしゃるとおりでございまして、警備会社自体は厳重に警察庁のほうで監督をしておられるように承っておりますけれども、成田につきましては、私先ほど申し上げましたように、自今絶対に警棒に類するものは持ってはならないということで、現在は携行はいたしておらないはずでございます。
 それから、先ほどの、実際に木原先生をはがい締めにした警備員の所属は、あるいはもし名前が間違っておりましたら後ほど訂正させていただきますけれども、成田空港警備の警備員でございます。
○山口(鶴)委員 そうしますと、木原先生並びに県会議員の方が相当けがをしておるようですが、その責任は成田空港警備会社、これが一切の責任を負うということでございますか。
○今井参考人 これは直接的には警備会社の警備員が、そういう暴行をやったということについて責任を負うべきでございますが、やはり私は、この警備会社を雇って作業を進めておりました私どもの成田の出先機関というものが責任を負うべきだ、かように考えております。
○渡海委員長 松本善明君。
○松本(善)委員 いろいろ御質疑がございましたので、簡単に二点ばかりお聞きしたいと思いますが、一つは、こういう事態になってきまして、やはり根本問題にさかのぼらなければならないと思います。
 運輸大臣に伺いたいのは、この空港建設計画そのもの、あるいはこの計画の遂行について、この時点で再検討をされる御意思がないかどうか。ただ弾力的にやっていくというだけではなくて、計画そのもの、あるいはその遂行計画というものを検討しなければならないのではないか。その点についての運輸大臣の御意見を伺いたいと思います。
○橋本国務大臣 先ほど申し上げましたように、現在の国内及び国際関係から見まして、いわゆる成田空港の第一期工事の完成は急ぐのであるから、いま第一期工事の完成を、時間的にこれを制約したり何かしたりすることは困難と思われます。
 第二期工事につきましても、当然これは多少の延びはありましても、完成しなければ間に合わない状態でありますので、計画そのものについては変更する考えは持っておりません。ただ、代執行のやり方につきましては、先ほどから申しておりますように、人身事故の起きないよう弾力的な措置を講じてまいりたい、かように考えております。
○松本(善)委員 それからガードマンの問題でありますが、これもこの時点だけの問題ではなくて、一般私人が武器――人を傷つけるようなものを持って行動する、それがある人たちだけ認められるということはとうてい許されないと思う。この問題は、閣僚として一般的にガードマンについて規制ないし禁止をするということにすべきだと思いますが、この点についての御意見を伺いたいと思います。
○橋本国務大臣 原則論については、国務大臣ではありますけれども所管が違いますし、いろいろの規定がありませんからして、これは国家公安委員長なり関係者にお聞き願いたいと思いまするが、ただ私の所管する場合、すなわち成田空港におきましても、将来このような必要があった場合に、警棒等の使用規定に関してはやはり厳格にこれは規定しておく必要があろう。ただいま総裁からは、一切今後は警棒を使ってはならないということで所持を禁じたようでありますけれども、ただ私は、これは個人的見解ですけれども、成田空港公団のことに限りませんが、ああいうようなだだっ広い、何というかそういうところで、少数の人でそこの家屋を守るなり、あるいはその他、人を守るなりする場合、たとえば夜間というような場合、そういうときにはほんとうに要らないのだろうかということが多少心配になりますけれども、今回のようなことが起きましたので、とりあえず総裁としては、とにかく今後一切持ってはいけない、こういう指令を出したというのでありますから、私もそれを了承しておるわけであります。
○勝澤委員 私は最後に、この問題はたいへん重要な問題であります。いま質疑応答の中で感ずることは、総裁の説明なりあるいは運輸大臣に対する報告はまことに調査が不十分で、何ら誠意のあるものではございません。しかも責任はどこにあるのか。第一次責任は会社にあるけれども、二次的には公団にある、しかもそれは出先だ、こういうものの考え方をいたしておるわけでありまして、国会議員に対する暴行傷害が公団の用地内で公団職員を含めて行なわれておるにかかわらず、まことに不誠意きわまる報告だと私は思います。したがって、この問題については、先ほど浜田委員も、木原事件については十分徹底的に委員会で審議をすべきだ、賛成だ、こういうことを言われておるようで、私もこれは当然だと思います。
 そこで、やはり議院運営委員会の理事会で、この問題につきましては現地に調査に行くなり、あるいはもっと突き詰めた調査をいたしまして、公団の責任というものを明確にしてもらうように要望いたしておきます。
○広沢委員 いまの要求に関連いたしまして、先ほどの議運の理事会においても提案いたしましたが、要するに、現地の人々並びに家族を含めて少年まで入ってやっておる、あるいは最近においては、それを見ていた一般の人々までそれに参加をしてやっておる、こういう非常に重大な事件になってきております。また一般の論調の中にも政治家の責任であるという論調も昨今の新聞では載っておるようであります。したがいまして、この問題全般にわたって特別調査団を派遣することを委員長において取り計らわれるようにお願いしたいと思います。特に各委員会にまたがるわけでありますので、議運においてその調整をとっていただきたい、このように要求いたします。
○渡海委員長 それでは、本会議の関係もありますので、本日はこの程度とし、ただいまの勝澤君並びに広沢君の提案も含めて、今後の取り扱いについてはあらためて理事会で協議することといたします。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三十四分散会